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一時投下スレ

1名無しさん:2008/04/12(土) 00:42:34
規制に巻き込まれたり、
一度落としてみて他の人の意見を聞きたい場合に、お使い下さい。

2名無しさん:2008/05/24(土) 17:59:37
――――夜見島瀬礼州


ベッタリと墨を塗りたくったような夜の海の上を、岩場を迂回しながらフェリーへと向う1艘のボ−ト。
その上で藤田 茂は、慎重に舵を操りながら陰鬱なため息をついた。
夜見島育ちの藤田にとってこのあたりは庭のようなものだ。夜間とはいえゆっくりと進めば
問題なく目的のフェリーにたどり着けるだろう。

藤田が憂鬱な気分に苛まれているのには他にいくつか理由がある。
一つ目は携帯無線がノイズを発したきり沈黙を続けていること。
二つ目は夜見島金鉱で正体不明のもやのようなものに襲われかけたこと。
そして三つ目は――

「無断で島に上陸……銃弾の持ち出し……やっぱり始末書じゃすまねぇよなぁ……
 いい歳こいて何やってんだろうな俺って奴は……やんなっちゃうなぁ……」

警察内部において、藤田への風当たりは決して穏やかなものではない。
今年、一度逮捕した窃盗犯を取り逃がし、降格処分を受けて以降ずっと冷や飯を喰い続けている。
藤田の目の前にある事件を放っては置けない性分は、若い警官の一部からは支持されているが、
多数派の、特に上の人間から見ると目障りでしかないらしい。
上司の「頼むからいらんことはしてくれるなよ」という言葉がそれを如実に表している。
そして何よりこの性格のせいで家庭を失ってしまった。女房と離婚し、
娘からはやっていることはただの自己満足だと手紙で罵倒され、今もその溝は埋まらないままだ。
にもかかわらず、懲りずにまた事件に勝手に首を突っ込んでしまった。

10年前の集団失踪事件以来、夜見島に住民はいない。その無人のはずの島で
「女の姿を見かけた」という噂が流れた時、署の人間は誰も興味を示さなかった。
だが藤田は違った。好奇心があったのも事実だが、ひどく胸騒ぎがしたのだ。
警官としての勘が何かが起きていると告げていた。もちろんそんな曖昧な理由で
警察が動かないのは藤田が良く知っている。彼は悩んだ結果、単身夜見島に上陸する道を

3名無しさん:2008/05/24(土) 18:00:12
選んだ。
こうして藤田 茂は16年ぶりに夜見島に戻ってきたのだ。

フェリーのライトが見えてきた。後4,5分もすれば到着するだろう。
フェリーは完全に座礁してしまっているのか動く気配が全くない。それどころか人の気配すらない。
これだけの事故ならば救助を求める乗客や乗員が周りにいてもよさそうなものなのに。
何がおきたのかは分からないがこの船は間違いなく事件に巻き込まれたのだ。

(なにかあるなコイツは……)

乗り込めそうな場所を探してボートの進路をフェリーの側面に向ける。
と、突然エンジンが不快なうなり声を上げたかと思うと停止してしまった。

「おいおい、勘弁してくれよこんな時に!」

急いでエンジンをかけなおしてみるがウンともスンともいわない。

「まいったな、後少しだってのに」

再度ため息をつく。8月とはいえ泳いでわたるのはきつい。
どうしたものかと思案しながらフェリーのほうを見る。が、




そこにあったはずのフェリーが消えていた。




フェリーだけではない、周囲を見回しても、どこにも岸が見えない。

『そこ』には何もなかった。

墨の様な水面の上に、真っ暗で虚無的な空間がただひたすらに、際限もなく広がるばかり。

4名無しさん:2008/05/24(土) 18:01:14
いくら目を凝らしても闇の向こうには船も岸も見当たらない。
暗黒の海の上を藤田はただ一人漂っていた。

背中に氷柱を差し込まれたような錯覚。状況が全く飲み込めない。
だが混乱する藤田をよそに更に事態は推移する。
遠くらかすかに響くサイレンの音。それをかき消して背後から轟音が迫ってくる。
振り向いた藤田が見たものは、間近に迫る巨大な赤い津波だった。

5◇3BLPPrRDMQ:2008/06/23(月) 21:13:46
投下速度が早すぎたのか、投稿しすぎたのか規制をかけられてしまったので、真理のキャラクター情報だけこちらに載せます。
他にも途中で♯が抜けてしまっていたり見苦しい投稿になってしまい申し訳ありません。

6◇3BLPPrRDMQ:2008/06/23(月) 21:14:20
【キャラクター基本情報】

真理(GBA版によると小林真理)
出典:『かまいたちの夜』
年齢/性別:18〜19歳(大学1年生)/女性
外見:長い黒髪、容姿端麗、スタイル抜群。作中で原田○世、松た○子、石原○華に似ているといった表現がでてくる。
環境:90年代日本の女子大生。叔父が「シュプール」というペンションを営んでいる。
性格:しっかりものので頭が良い。少々気の強い一面もある。
   しかし、殺人が起きるとボーイフレンドである透に頼ったり、弱音を吐いたりといった女性らしい部分も見せる。
能力:雪国育ちのため、スキーの腕は確か。護身術のたしなみもある。
口調:一人称「わたし」 二人称「あなた」
   ハキハキとした女性らしい言い振る舞い。目上の人には「〜さん」、年の近い同性などは「〜ちゃん」と呼ぶ。
交友:かまいたちの夜の登場人物とは顔見知りで、小林夫妻は叔父叔母と姪という関係である。
   主人公の透とは友達以上恋人未満である。
   ただ、BADED後なので全員惨殺されたと真理は思っている。
備考:
かまいたちの夜では様々なルートがあり、ルートごとに登場人物の設定が変わってくるが、今回はメインシナリオであるミステリー編の設定です。
ミステリー編では透と真理の大学生カップルが真理の叔父の経営するペンション「シュプール」で奇妙なバラバラ殺人事件と遭遇することになる話。
その後の選択肢により、第2、第3と殺人が行われていき、最終的に宿泊客のほぼ全員が謎の人物に殺害される展開もあります。
BADED「彼女にストックで…」は真理が主人公である透を犯人だと思い込み、透を殺害するといった内容になっています。

7◇3BLPPrRDMQ:2008/06/23(月) 21:17:08
タイトルも未入力ですいません。
「白と赤」
でお願いします。

8 ◆HGBR/JBbpQ:2008/10/14(火) 21:19:06
 以下、書き込み規制で書けなくなった残りです。

*--------------------------*
※赤い液体(アグラオフォテス)
 サイレントヒル、サイレントヒル3に登場するキーアイテム。
 魔力、魔物に対して退魔の効果を発揮する。
 この世ならざるモノに対してのみのため、屍人、サイレントヒルのクリーチャー等には効くと思われるが、バイオのゾンビ等には効かないと思われる。
 具体的にどの相手にどのくらい効くかは不明。
 サイレントヒルの中では、人間にとりついた魔物を完全に無力化したり、ラスボスである"神"の誕生を、不完全な状態にする等の効果があった。

*--------------------------*
【キャラクター基本情報】

 エディー・ドンブラウスキー 
出典:サイレントヒル2
年齢/性別:23歳/男性
外見:トラッカー帽を被った、金髪の太った青年。
環境:1994年時点、ガソリンスタンドでアルバイトをしていたが、職場でも肥満などをネタにからかわれていた様子。
性格:普段はおっとりとして物腰も柔らかいが、臆病で強気に出られると卑屈になる。
 肥満などの劣等感を抱え込んでいる為もあり、逆上すると暴走するタイプ。
能力:ごく一般的か、それより些か劣る青年男性。
口調:一人称は俺。やや間延びした感じ。
交友:ゲーム内ではジェイムス、ローラ等と出会うが、他は特になし。
備考:サイレントヒル2、最初のジェイムスとの出会いの後より。
 サイレントヒルに来る直前、エディは以前から彼をバカにしていた隣人とその飼い犬に向け銃弾を発射し、傷つけ、或いは殺害している。
 その後混乱から逃走し、気がつくとサイレントヒルに迷い込んでいた。
 登場時ではひとまず落ち着きを取り戻しており、街の異変には気がついていない。
 尚、ゲーム内では後半にて、主人公ジェイムスと戦う中ボスとなるが、リボルバーを撃ちまくりかなりの耐久度を持つエディは強敵である。
 とはいえこれは、特殊な条件が重なった結果と見なし、本ロワではそのまま当てはめる必要はないと思われる。

9 ◆HGBR/JBbpQ:2008/10/14(火) 21:20:06

 マイケル・カウフマン
出典:サイレントヒル
年齢/性別:壮年男性
外見:黒髪の白人男性。
環境:1982年時点、サイレントヒル、アルケミラ病院の院長であり、教団と裏で癒着している。
性格:尊大で姑息、利己的。用心深く、常に自己保身を念頭に置いている。
能力:80年代初頭において平均的な医師としての知識と技術。
口調:丁寧だが些か尊大さが感じられる。
交友:ゲーム内、ダリア・ギレズビーと密約の元の協力関係。アレッサ・ギレズビーを密かに治療。
 看護婦、リサ・ガーランドを強制的にその治療に当たらせるが、事件の異常さに耐えられなくなり反発し始めたリサと揉め、殺害してしまう。
 他、数人の街の住人と交流。
備考:ゲーム開始直後、リサ殺害及び異変開始時点であり、サイレントヒルが異界化したときでもある。
 主人公ハリーとは出会っていない。
 彼は教団 (ダリア・ギレズビー) と結びついており、ホワイトクロジェアと言う特殊な麻薬の原料を供給して貰い、それらを精製し密売することで不当な利益を得ている。
 またその麻薬密売ルートを守るため、アレッサの持つ魔力により捜査官等を殺して貰うなどの形でも教団から恩恵を得ているが、彼らの教義には関心がない。
 また、教団の力が自分に害を与えることになった場合の用心として、独自に調べた魔力を打ち消す効果のある赤い液体『アグラオフォテス』を用意し常備している。
 開始時点では小分けにした小瓶入りの物を4本持ち、一本をシザーマンに対して使用。委員長室の金庫にはストックがある。

10 ◆HGBR/JBbpQ:2008/10/14(火) 21:20:53

 エドワード(シザーマン) 
出典:クロックタワー2
年齢/性別:10歳程度/男性
外見:金髪碧眼で、透き通った白い肌と美貌を持つ10歳程度の少年。
 シザーマンと化したときは、せむしの醜い矮人であり、黒い服を着て巨大な鋏を両手に持っている。
環境:エドワードは仮の名で、巨大な鋏で少女達を切り裂いた「シザーマン事件」の生き残りとして、施設で生活をしていた。
 事件以前の記憶が無く、出自その他は不明とされているが、実際はシザーマンの仮の姿である。
性格:機をうかがい、人に紛れて潜む。エドワードの姿の時は、大人しく聡明な少年を演じている。
 シザーマンのときは人としてのコミニュケーションをしないので、内心どう考えているかなど不明だが、知能が低くなっているわけではない様子。
能力:半不死。ほとんどの物理衝撃による身体的損傷を魔力にて無効化する。(倒れたり押されたりはする)
 シザーマンとして、巨大な鋏を持ち人体を両断出来るほどの力を持つが、動きは速くない。
口調:エドワードの時は、大人しく理性的。一人称は「僕」など。
交友:クロックタワー2の主人公ジェニファー、ヘレンを初めとした主要登場人物と面識がある。
備考:クロックタワー2エンディング後、異次元の裂け目から追放された後に、この地で覚醒した。
 シザーマンの正体は、15世紀から続くイギリスの辺境貴族の家系、バロウズ家に伝わる邪神信仰により生まれた"偉大なる父の使徒"と呼ばれ、死と恐怖をもたらす邪神の使いであるらしい。
 自らの世界とは異なる場にいるため、ゲーム本編より能力的には劣っている可能性がある。
 又、マイケル・カウフマンにより浴びせられた「赤い液体」の効果により、魔力を多く失っている。

11 ◆HGBR/JBbpQ:2008/10/14(火) 21:21:23
*--------------------------*

 以上です。

12 ◆wXYVD2NDBY:2010/04/22(木) 15:55:30
ここに投下しても大丈夫ですよね?
本スレ過去ログ倉庫の中だし

13 ◆wXYVD2NDBY:2010/04/23(金) 13:18:50
新堂誠@学校であった怖い話、前原圭一@ひぐらしの鳴く頃に解
予約します

14 ◆wXYVD2NDBY:2010/04/23(金) 17:41:00
「・・・ここは・・・どこなんだ?」

俺、前原圭一は困惑していた。
『ここではない別の良く似た世界』で自分が犯した仲間殺しの罪に気づき
そして自分と同じように疑心暗鬼に陥っていた友人、竜宮レナを正気に戻した。
レナは警察に連れて行かれるだろうがきっと大丈夫だろう。
そんな事を話し合いながら校舎を出たはず・・・。

惨劇は回避され、運命に抗える事を証明し、その先の未来を掴んだはずだったはずなのに・・・。

「どう見てもここは雛見沢じゃない・・・それに・・・」

雛見沢の道はコンクリートで舗装されてはいないほどの田舎だ、だからこんな都会じみた場所なんかない
隣町の興宮ならあるかもしれないがどうも雰囲気が違う
大体、もし興宮でこんな霧が出るなら朝のニュースでやるだろうし
とりあえず状況確認をしなくてはならない

「なぁレナはどう思う?」

返事は無い、不審に思い振り返るが誰もいない。
それどころかついさっき出てきたはずの扉にはシャッターが閉まっている
そしてやはり、そこにあったのは自分の見知った校舎ではない

「・・・レナ!?何処にいるんだ!?返事をしてくれ!!」

必死に叫ぶが届かない、必死に周囲を探索するが何処にも彼女は見当たらない・・・
それどころか人っ子一人いない、異様な雰囲気に飲まれそうになりながらも探し続ける。
その時見覚えのあるバットを見つけた

15 ◆wXYVD2NDBY:2010/04/23(金) 17:44:50
「これは・・・悟史のバットか・・・でもなんでこんな場所に?」

そのバットは友人である沙都子が屋上に行く時に貸してくれたものであるが
何故か壁に突き刺さっている、出てきたところが校舎の入り口だとすると
確かこのくらいの場所に落ちた気がするけど・・・・
どうしてこれがこんな所にあるのかはわからない、
が、部活メンバーの思いが詰まったバットを見て
少し勇気が出てくるような気がした

冷静になれ、クールになれ前原圭一・・・・今の状況をよく考えるんだ
もしかしたら、別の場所に瞬間移動したんじゃなく
また何かの理由で『ここではない別の良く似た世界』に来てしまったのかもしれない
他の皆もここに来てるかもしれない

だとしたら、ここがどんな世界だとしても俺は・・・
その時、後ろから凄みのきいた声で誰かが声をかけてきた

「よぉそこのお前、お前は人間か?それともあいつらと同じ化物か?」

振り返るとそこにいたのは逆立った茶髪にはだけたYシャツ手にはバットを持っている
いかにも不良っぽい人が立っていた
多分高校生ぐらいか、年上っぽいし。
それはともかく化物?もしかして俺やレナと同じように幻覚が見えてるのかもしれない
手に持ったバットに力を込めて慎重に話す事にした。

「え〜っと俺、前原圭一っていいます、化物っていったいなんの事ですか?」

「どうやら人間みたいだな、お前、気付いてるか?この街はなんだか怪しくねぇか?
 この街には化物や霊がウジャウジャ居る。それが、俺にはわかるんだ。」

16 ◆wXYVD2NDBY:2010/04/23(金) 17:50:03
間違いない、この人はやっぱりオヤシロ様が見えてる・・・
俺はいつでも迎え撃てるように身構えた

「・・・・お前、信じねぇのか?俺の話が作り話だと思って馬鹿にしてんのか?」

そう言うと不機嫌な顔でこちらを睨みつけてきた、
でも少しすると俺の後ろを見て何かに気付いたようだった
何故か少し嬉しそうな顔をして俺の後ろを指差し始めた

「まぁいい、アレを見ればお前も信じるだろ?」

俺が振り向くと、霧の向こうから人影が近づいてきていた
漫画やゲームの中でしか見たことがないような潰れた顔にナース服を着た鬼の群れ
まさしく”化物”がいた

17 ◆wXYVD2NDBY:2010/04/23(金) 17:55:55
俺は正直歓喜していた、いや、狂喜していたのほうが近いか。
俺が『殺人クラブ』に入ったのは殺し甲斐のある奴を殺してストレスを発散させるためさ、
歯ごたえのねぇウサギ狩りをするためじゃない、
まぁそれも吝かじゃねぇが、この場所には遠く及ばないぜ。

口裂け女や人面犬みてぇな都市伝説の1つ、サイレントヒル。
いつでも霧が立ち込めていてそこには魔女や化物が集まっているらしい
噂通りさっき筋肉剥き出しの犬が襲ってきやがった

最初はびびっちまったがありゃ幽霊ってよりもただの動く死体だ、
幽霊みたいに殴れねぇ訳じゃなさそうだ、そこで俺は戦ってみる事にした
怪我はしなかったが、あそこまで苦戦したのは初めてだったぜ
なにせ何度殴りつけても抵抗してきやがるからな
そしてさっき拾ったこのチラシ、この街に居る者を殺せ?だと?

何でここにいるのかとか、何時ここに来たのかとかはどうだっていい。
いいぜ、乗ってやるよこの化物共を皆殺しにすりゃいいんだな?
面白くなってきたぜこれからは人間狩りなんて遊びはもう止めだ、ここから先は

――――――化け物狩りだ!!

そう思って初めに居た柵で囲まれた建物から出たらやたらでかい声で叫んでやがる奴が居た、
こんな場所で叫ぶだなんて随分肝っ玉のでけぇ野郎だぜ、
俺は見かねて声を掛けることにしたが、まだ化物が潜んでるかも知れねぇってのに
あんな行動を起こすなんざまともじゃねぇ、もしかしたらあいつも化物かも知れねぇが
まぁその時はぶっ殺してやるだけさ、もし人間だったら・・・忠告くらいはしてやるか。

18 ◆wXYVD2NDBY:2010/04/23(金) 18:13:45



化物じゃなかったのはいいが・・・・叫んでくれたおかげで大勢出てきやがった
面白いじゃねぇか、よく見ればさっきの犬も2、3匹混じってるな

「わかっただろ?ここはそういう場所なんだよ」

「・・・・・・・・・」

返事はねぇ、話聞いてんのか?それとも恐怖で口も利けねぇのか?
まぁ、無理もねぇ。見たところ一般人だしな。

「圭一っていったな。俺はこいつらの相手をしてるからよ、
 お前はさっさと逃げろよ。戦わねぇ奴が一緒にいても、足手まといだからな」

こう言えば一目散に逃げ出すと思ったんだがな、一向に逃げる気配がねぇ
それどころかこいつのこの目はさっきみたいな人を疑う目をしていない
覚悟を決めた、そんな眼をしてやがる数瞬間を置いてから圭一は話し始めた

「・・・・すまなかった、俺アンタの事信じてやれなかった・・・
 まずそのことを謝らせてくれ・・・・そしてせっかくだけど俺は逃げない!
 レナが魅音が梨花ちゃんが沙都子が!!この霧の中で助けを待ってるかも知れねぇ!
 それに俺は、悪魔共が喜ぶ脚本が今後どれだけやって来ようとも
 みんなでぶち壊してやるって心に決めたんだ!こんな程度で退く訳にゃいかねぇんだよ!!」

あまりにもの鬼気迫る表情だったんでびっくりしちまったぜ、
そうか、お前は信じるのか、普通なら幻覚を見たとかで済ませるような
目の前の現状を。どうやら、こいつの話は信じて良さそうだな。

「そうかい、へへっ、警戒した眼を見て勘違いをしちまうところだったぜ。
 そういえば自己紹介がまだだったか、俺の名前は、新堂誠。
 せっかくこうして知り合ったんだしよ、一緒に共闘ってのも悪くねぇかもな」

「ああ!よろしく頼むぜ、新堂さん!雛見沢分校ゲーム部の実力を見せてやる!!」

しかし、部活か・・・・あいつらもここに来てるとしたらこいつの仲間はかなりやべぇかもな。
こいつの仲間とあいつら、『殺人クラブ』が両方ここに集まってればの話だがな。
まぁ、まずは目の前の薄気味悪りぃ化物をぶっ潰す所から始めるか。

「圭一、こいつらは一人も逃すな。一人残らず、逝ってもらおうぜ!」

「もちろんだ!!もう二度と惨劇を起こさないためにも、こいつらを倒す!!」

こうして俺たちは化物共の所へと走り出した、この街に居る化け物を倒しきる事が
どれ程難しい事かも知らずにな・・・

19 ◆wXYVD2NDBY:2010/04/23(金) 18:15:54
【新堂誠@学校であった怖い話シリーズ】
 [状態]:健康、殺人クラブ部員
 [装備]:木製バット
 [道具]:生徒手帳、ポケットの中身は不明
 [思考・状況]
 基本行動方針:殺人クラブメンバーとして、街にいる化物を皆殺しにする。
 1:まずは目の前の奴らから片付けるか・・・・・。
 2:圭一と情報交換
 3:ひとまずこの状況を楽しむ
 4:他に殺人クラブのメンバーがいれば、合流して一緒に殺しまくる(化物を)。



 ※アパシー版恵美ちゃんの殺人クラブ観察日記で早いもの勝ちルールを宣言された後から参戦


【前原圭一@ひぐらしの鳴く頃に解】
 [状態]:健康、赤い炎のような強い意思、L1
 [装備]:悟史のバット@ひぐらしの鳴く頃に
 [道具]:特になし
 [思考・状況]
 基本行動方針:部活メンバーを探しだして安全を確保する。
 1:こいつらを放っておいたらレナ達にも危険が及ぶかもしれない!
 2:新堂と情報交換。
 3:部活メンバーと連繋して事態を解決する


 ※原作罪滅ぼし編直後より参加。
 ※バブルヘッドナースの群れと交戦中、どの程度の規模なのかは他の書き手さんにまかせます
  新堂の言っている犬とはケルベロス@バイオハザードです。

20 ◆wXYVD2NDBY:2010/04/23(金) 18:19:51
――――――――――――――――――――――
以上です


代行書き込み、代理投下をしてもらうにはどうしたらいいんだろうか?
まず人を呼ぶところからか・・・

21名無しさん:2010/04/24(土) 23:32:21
投下乙!
圭一がすごいらしいなあ
謝るところがすげえ熱い。
参戦時期がいいように影響してるぜ。
新堂は元ネタ知らないけれど結構いい性格してるぜw

スレ落ちちまってるからなあ
それこそこのまましたらばで代理運行もありかも

22 ◆wXYVD2NDBY:2010/04/25(日) 22:08:24
うおおおおおおおおおおおおお!!
まさかこんなに早く感想が聞けるだなんて!感激だ!!
一人でトップとかまとめWikiとかキャラ解説とか
弄りまくった甲斐がありました・・・

とりあえずはあと2〜3話くらいの構想がありますんで
後々製作しときますw
GWあたりになるかもだけれど・・・。

23 ◆wXYVD2NDBY:2010/04/25(日) 23:03:03
おっと重要なことを忘れてたw
タイトルは圭一の二つ名の1つから
『新しい風』
とさせていただきます。
それとキャラ解説は後で貼り付けますねw

24 ◆wXYVD2NDBY:2010/04/26(月) 18:14:19
ケルベロス

出典:『バイオハザードシリーズ』
形態:2体〜3体
外見:筋肉をむき出しにした白目のドーベルマン
武器:牙や爪
能力:非情に早く持久力もあるが、耐久力などは低い。そのほかの特殊能力は無し。
攻撃力:★★☆☆☆
生命力:★★★☆☆
敏捷性:★★★★☆
行動パターン:、執念深く追跡してくるが、反撃されある程度ダメージを受けると立ち去る事が多い。
備考:軍用のドーベルマンにT-ウィルスを投与し、誕生した生物兵器。自然発生したものはケロベロスではないもよう。
   コードナンバーは「MA-39」。非常に凶暴な性質で、犬の習性が残っているため群れをなして行動することが多い。
   安価かつ性能的に優れていることから、アンブレラ社でも研究を続けていた。

25 ◆wXYVD2NDBY:2010/04/26(月) 18:53:56
名前:新堂 誠(しんどう まこと)
出典:『学校であった怖い話』
年齢/性別:17歳(1995年当時)/男性
外見:175cm・69kg 、茶色っぽく逆立った髪。強面。制服姿。
環境:
鳴神学園3年D組、鳴神学園にて秘かに実在を囁かれる集団、殺人クラブの部員。
性格:
頼れる兄貴タイプでちょっと不良っぽく、やや喧嘩っ早い
わりと凄みがきいているが、義理人情に厚く、後輩への面倒見も良い。
殺人クラブの中では比較的常識人かつ行動派。
能力:スポーツマンであり、『学校であった恋い話』ではボクシングをしていたため、
   体力、走力、腕力などの基本スペックは高いと思われる
口調: 一人称は「俺」、他人は苗字呼び捨てなど。
交友: 殺人クラブメンバー 、他は不明
備考:

スポーツマンらしく主に部活動に関する怖い話を、正統派の語り口から語る。
また、話の展開は主にスタンダードな都市伝説に近いものだが、
イジメやしごきと絡めて話を展開させる傾向も強い。
その一方で、意外と純愛的な話が目立つのも特徴である。
『学校であった怖い話』では語り部の不興を買うと話が思いも寄らない方向へと転がりだす
(最悪ゲームオーバー)が彼の危険性はほとんど無く、『恵美ちゃんの殺人クラブ観察日記』(以下『観察日記』)では「ウサギ狩りなんて暇つぶしにもならねぇよ」
という発言がありおそらく戦闘狂の類なのではないかと思われる
また、「飴玉ばあさん」をはじめとして、何かと老婆に関する怪談に関わる機会が多いため、なにか因縁があるのかもしれない。
本ロワでは『観察日記』の最初の選択肢で『早い者勝ち』を選択時の服装髪型である。

ちなみに殺人クラブは、自分にストレスを感じさせた人間をストレス解消のために殺す、
日野を筆頭に鳴神学園の学生で構成された、快楽殺人者集団である。

26 ◆wXYVD2NDBY:2010/04/26(月) 20:05:25
名前:前原 圭一(まえはら けいいち)
出典:『ひぐらしの鳴く頃に』
年齢/性別:中学生(1983年当時)/男性
外見:、茶色の髪と紫の目を持ち、髪型は1980年代前半、
   若者の間でポピュラーだったロングショートのボブタイプであり、
   目はやや長くのびた三白眼である。
環境:受験ストレスにより身についた、モデルガンで児童を襲撃するという悪習をしばしば繰り返し。
   それがエスカレートしていく中、少女の目に当たる傷害事件となり両親と共に自首。
   多額の示談金を払い、昭和58年5月に雛見沢に引っ越してきた。
性格:明るい性格、その反面遠慮やデリカシーに欠け、
   知らなかった事とはいえ仲間の家庭内の事情に踏み入った事も多々ある
   精神的にもろい所や、優柔不断な所を見せる時もあるが、
   一旦スイッチが入ると土壇場で力を発揮し強い信念を貫き通す。
   人を信頼することに重きを置き、不可能と見えても諦めない性質を持つ
能力:頭の回転は早く成績優秀。話術に関して「相手が人で耳がついている限り(略)思いのままに操ってやるぜ」
   というほどの自信を持ち、仲間内でも『口先の魔術師』の異名を授けられるほどである、
   (しかし、ここぞと言うときには吃驚とするくらいの動揺・口下手・説明不足で相手によく誤解を与える)。
   料理がド下手で家を焼きかけた事がある。
口調: 一人称は「俺」、他人は苗字、名前呼び捨てなど。小さい女の子に対して「〜ちゃん」と呼ぶ事もある。
   口癖は「クールになれ」、「冷静になれ」
交友:雛見沢分校の部活メンバーやクラスメイト
備考:
本ロワでは罪滅ぼし編以降からの参戦であるため、鬼隠し編の記憶を完全に思い出した状態になっている。
(もしかすると今後罪滅ぼし編以外の記憶も思い出す可能性がある)
言葉に詰まるとよく分からない事を並べて煙に巻く、人の頭をよく撫でるなどの癖がある。
『口先の魔術師』、『赤い炎』、『新しい風』、『萌えの伝道師』
などなどの二つ名が多々あり。

雛見沢症候群を患っている。
雛見沢症候群とは精神的な負担が大きくなると症状が表れる病気で
レベル1初期〜5末期(表記はL1−〜L5+)まであるL1−〜L3−までは特に問題は無く
L3+から些細なことをオーバーに、かつ悪い方向に考えるようになる。
L4から極度の疑心暗鬼と人間不信状態に陥り
L5+では、典型的な例では腋窩や頸部のリンパ管の掻痒感により管が破れるまで自分で掻き毟って死ぬ。
治療法については治療薬があるがL5から戻せるのはL3−まででありとされている。
稀に説得などでも回復するようだ。
感染経路はキャリアまたは発症者からの感染は粘膜感染が主

27 ◆VplLOnt7Hg:2010/04/27(火) 23:18:12
二回連続でひぐらしキャラは流石に避けたかったけど
キャラ把握がヒジョーーにややこしい事になっているため・・・・

古手梨花、風海純也予約します。

後できればシビルは取らないでほしいかなw

28 ◆wXYVD2NDBY:2010/04/29(木) 14:58:18
それでは投下を始めます
題名は伝染り神(うつりがみ)です

29 ◆wXYVD2NDBY:2010/04/29(木) 15:00:31
私は今まで何度もこの世界を繰り返した

今までの世界ではいつでも惨劇が繰り返され。

私はもう諦めてしまおうかと思い始めていたところだった


・・・・・・今回の世界もみんな死んでしまった、けれど
決して変わらぬ運命との戦い方、抗う心が運命を変えるのだと、
彼がそう教えてくれた。・・・・・・そして本当の敵も解った。
後は次にこの記憶を引き継げれば
この世界は無駄じゃない・・・・・・・!!

「くっくっく、あっははははははははは!!本当に今夜は月の綺麗な夜だこと。
 ね、あなたもそう思わない?」

倒すべき宿敵が笑う、実際には数百回と立ち向かってきた私の怨敵が哂う。

「…………そして、…私を殺すのね」

後一歩、後一歩足りなかったがために『また』起きた悲劇。

30 ◆wXYVD2NDBY:2010/04/29(木) 15:01:11
「えぇ。殺すわ。女王感染者の死体が作戦の鍵なの。
 あなたはここから遠く離れた東京の地での醜い政治的権力争いの具になるのよ。
 そして、鬼ヶ淵村の伝説のピリオドとなる」

きっと私は鷹野の心酔する鬼ヶ淵村の本当の綿流しになぞらえて殺されるだろう。
ハンカチで眠らされ腹を割かれて殺されるのだろう。

それじゃあダメだこの事を絶対に忘れないために今眠らされる訳にはいかない・・・!!

「・・・・・・あなたが私の腹を裂くのを、私は魂に刻み付ける。・・・・・・それを私は
 絶対に忘れない。あなたに再び会った時、あなたが敵であることを思い出す
 ために」

交渉の結果眠らされなかったのはいいが私は後手に手錠か何かで縛られ、
更に両足も縛られ、しかもその縛られた両方までも結んで縛られたので
まるで海老のような格好になってしまった。

それでも私に後悔はない、
今まで、これだけ精一杯人生を戦った事は無かった。
そして、これだけ多くの事を学んだ事は無かった。
だから不思議と満足だった・・・・・・
けれど鷹野という黒幕の正体を掴んだのはこの世界だけの束の間
どんな手を使ってでもギリギリまで生きて記憶を残さなくては意味が無い。
忘れたら、私の周りで眠っているみんなの死と努力を無駄にする事になるのだから・・・

31 ◆wXYVD2NDBY:2010/04/29(木) 15:15:47
その時不意にワゴン車が何かにぶつかり、その弾みで壁に打ち付けられてしまった。
激しい痛みが体中を駆け巡るが、その代わり手枷や足枷が外れた。
苦痛を意に介している暇も無いこれなら逃げて時間を稼ぐ事ができるかもしれない!!
私は立ち上がり何度も、何度も壁に体当たりしてやっとの事で扉を開け、


そして―――――――私は唖然とした。


鷹野は古手神社へ向かうと思っていた、しかしここは全く違う場所・・・・・・・。
いや場所だけじゃない、今までの経験上分かる、空間も時間も次元すらも違う・・・・・・。
・・・・・・生き物が関わってはいけない世界を感じる・・・・・・・。
羽入に近いが、しかしもっとおぞましいモノ・・・・・・そんな存在が支配しているような・・・・・・。
・・・・・・・・よい方向に考えれば、もう鷹野から逃げる必要は無くなったという事でもある。
だが・・・・・・
「羽入!!どこなの、羽入!!・・・・・・・・ダメだわ、やっぱりいない。
 私だけがこの異質な空間に連れてこられたという事なのかしら?
 それとも・・・・・・どちらにせよ、ここから出なければせっかく辿り着けそうな
 世界にも辿り着けないということね・・・・・・・・」

それならばまずは装備の調達だ、いくらなんでも丸腰でこんな所には居られない。
私は運転席に回り込みその惨状を確認した。
やはり運転手は死んでいた、幸いな事に圧死ではなかったので車内から
簡単に引きずり出す事ができた。
しかし本当に驚かされたのは車体のヘコミ方である。
奇妙な事に車の真ん中が運転席を真っ二つにするほど窪んでいる。
まるで何か巨大な鉄柱にでも衝突したかのような有様だ。

32 ◆wXYVD2NDBY:2010/04/29(木) 15:17:01
「まぁ、あまり気にする事では無いのだけれど・・・・・・」
私は出来るだけ素早く装備を剥ぎ取り、今更ながら誰も見ていないかどうか確認した。
すると、背後に人影が見えた。そいつはこちらに気付いたのか、
どんどんと近づいてくる。
その人は――――


「赤・・・・・・・・・坂・・・・・・・・・・・?」








「えぇ!?人見さんが行方不明になった!?」

ぼくは慌てて兄さん、霧崎水明に詰め寄った。

「あぁ、休暇中ウェストバージニア州に住む知人を訊ねると言って出て行ったきり
 戻ってこないらしい。」
いつになく真剣な表情で、兄さんは言った。
あの年中バイクを乗り回している人見さんが事故にあうところも
また、あれだけ聡明な人物が道に迷うところも想像はできなかった。
ぼくは何か他に手がかりはないのか説明を求めた。
すると、兄さんはつぶやくように言った

「・・・・・もしかすると、〔サイレントヒル〕が関係しているかも知れん」
「サイレントヒル?なんだい、それ?」

どうやら、また兄さんのオカルト話が始まるようだ。
ぼくはこれまで、現代科学では解明できない様々な怪事件を見てきたし、
今回の人見さん失踪事件にも何らかの関わりがあっても
驚く事ではない。ぼくは兄さんの詳しい長話を聞くにした

33 ◆wXYVD2NDBY:2010/04/29(木) 15:17:59
「サイレントヒルは別名霧の街といわれアメリカの一部で語り継がれる都市伝説だ。
 そこでは常に霧が立ちこめており、そこに迷い込むと、〔奇怪な怪物〕に襲われる、
 だとか、〔魔女〕の生け贄にされる、だとか言われている。
 その他にも罪のある人々が誘い込まれ、怪物達に裁判に掛けられる、
 赤錆びた別の世界へ連れて行かれるなどのバリエーションがみられる。
 キャッスルロックやアーカム同様のフィクション上の架空の街とされているが、
 どこが出展元かも、この話の終わりもわからない、掻い摘んで言うとそんなところだ。 」

・・・・?
おかしい、1つの都市伝説で朝まで語りつくせるあの兄さんが、
掻い摘んで言うと・・・・? 兄さんの眼の下には1日2日では
できないような大きなクマができている。よく見れば、随分と衰弱しているようだった。
何だかんだいっても、やはり数少ない心の許せる友人の人見さんの事が心配で、
サイレントヒルについて徹夜で、徹底的に調べていたに違いない。

「行ってみたらどうだ、と、冗談で言ってみただけだったんだがな。
 どうやら本気で調べに行って、本当に辿り着いちまったらしい、
 そこでだ・・・」

「そこで、ぼくに人見さんを探しに行けっていう訳だね」

大体の察しがついたので、兄さんに尋ねる。

「・・・・・そうだ、あの人見が何も残さずに消えるとは考え辛い。
 せめて何か手がかりだけでも見つけてくれればありがたいんだが」
なるほど、確かに一度転ばせたら8倍返しされそうな人だった。
人見さんはちょっとキツイところもあるけど、大切な仕事仲間だ。
貴重な休暇を全て潰してでも探しに行く価値がある。


「わかった、それじゃすぐにアメリカ行きのチケットを用意するよ、
 できれば、今日中にね」
すると兄さんは安堵の溜息を吐いて、椅子に深く腰掛けた
「そうか行ってくれるか、本当は俺が行くべきなんだが、どうにも仕事が溜まっていてな
 かたずけたら俺もすぐ行く」
そりゃあそんなクマができるほど調べ物に没頭していたら仕事も溜まるだろう。
ぼくが部屋を出て行こうとすると兄さんが引きとめて、年代物のカメラと御札を渡してきた。
「こいつを持っていけ、もしサイレントヒルに入った時何かの役に立つかもしれん
 このカメラはファインダー越しに霊的なものや残留思念が見え、
 その見えた霊を写すと封じ込める事ができるものだ。」

34 ◆wXYVD2NDBY:2010/04/29(木) 15:30:35
先日、骨董品屋で入手したものらしい。そのカメラがもっと前にあったらと思うが、
過ぎてしまったものは仕方ないか。御札の方はといえば、一般的な作りのものらしかった。
何時になく心配性な兄を見て、ぼくは苦笑しながらドアノブを回し
「大丈夫、心配しなくても2,3日したら戻ってくるよ」
そう元気付けたのだが。





どうもそんなに簡単にはいかなかったらしい。
最後の訪問先である人見さんの友人宅に行って事情を聞いた後、
ニューヨークの医学学会に行く途中、深い霧の中に入ってしまった。
これはもしや?そう思い引き返そうとしてもなんと道がないのだ。
正確には音も振動も無く、とても渡れそうに無い規模の地割れが起きた。
そうとしか説明のしようの無い状況だった。
何度かためしたのだが携帯も通じそうに無い、まさに陸の孤島だ。
なるほど、こんなところに閉じ込められたら一ヶ月も戻って来ない訳だ。

これは推測の域を出ないがこの現象こそが〔サイレントヒル〕なのではないだろうか
これだけの規模の怪現象が起これば魔女や怪物の姿を思い描くに違いない
そう推理していると目の前の地割れの音と振動が遅れて背後から襲ってきた。
その音の中心にいたのは、随分と小さな人影を二つ見つけた。
ともかく情報を集める事が先決だ、霧の向こうの人物に話を聞く事にした。


「きみ、一人かい?」
この街は驚く事ばかりだ、二つあったはずの人影が近づくにつれひとつになっていった。
消えた方の人影は12〜3歳位に見えたのだが・・・
しかもそこにいた少女は男の遺体から武器を奪っていたようだ。
ここは慎重に事情聴取しなければなるまい。

35 ◆wXYVD2NDBY:2010/04/29(木) 15:38:00
「ぼくは警視庁警察史編纂室所属の風海警部補といいます」
ぼくは警察手帳を取り出し少女に見せた。
「みぃは古手 梨花、というのですよ、にぱー」

状況に見合わない朗らかな挨拶だ、この少女は何か怪しい。
何か裏があるような、まるで、人の死を見慣れているかのような。そんな雰囲気を感じた。
ぼくはそもそも何故この男性は武器を所持していたのか聞く事にした
「梨花ちゃん、なんで、この人は武器を持っていたのかな?」
できるだけ優しい口調で言ったつもりなのだが、
何故か哀しげに俯かれてしまった。

「この人は、ぼくを殺そうとした悪い悪い人なのです・・・・・」
「!?もっと、詳しく教えてくれないかな?なにか言ってた?
 殺害目的は・・・」

何かの誘拐事件に関連があるのではと思い、立て続けに質問したのだが
梨花ちゃんは一瞬困った顔をして、やはり場違いな笑顔でこう答えた。

「・・・・・・・風海もこれを持ってもっと落ち着ける場所に行くのですよ、
 ここにいたら怖いお兄さんと勘違いされてしまうのです」
「え?あ、ああ・・・・・・」

梨花ちゃんから防弾ジャケットと防刃ジャケットを受け取る
確かにこんな血生臭い所に少女と大人がいたら要らぬ勘違いを招いてしまう。
隣にあるワゴン車を見るに先ほどの騒音は交通事故によるもののようだ、
この男性の遺体も事故によるものだろう。

ただ、男性からはこれほどの臭いがするほどの血を流してはいなさそうなのだが・・・・・
なんにせよ、ここから離れ、ぼくは彼女から話を聞く必要がありそうだ

ぼく達は事件現場のワゴンから深い霧の中へ歩き始めた

36 ◆wXYVD2NDBY:2010/04/29(木) 15:40:13
【町外れ/一日目夕刻】

【古手 梨花@ひぐらしのなく頃に】
 [状態]:健康 、L3-、鷹野への殺意
 [装備]:山狗のナイフ
 [道具]:懐中電灯、山狗隊員のバック(中身は不明です)
 [思考・状況]
 基本行動方針:サイレントヒルから脱出し、記憶を『次の世界』へ引き継ぐ。
 1:風海と同行し安全な場所に移動。
 2:風海と情報交換。


 ※皆殺し編直後より参戦。
【風海 純也@学校であった怖い話】
 [状態]:健康
 [装備]:拳銃@現実世界
 [道具]:射影機@零シリーズ、御札@現実、防弾ジャケット@ひぐらしのなく頃に、
     防刃ジャケット@ひぐらしのなく頃に、バック(小)(中に何が入っているかはわかりません)
 [思考・状況]
 基本行動方針:サイレントヒルの謎を解き明かし、人見さんと脱出する
 1:落ち着いて話のできる場所を探す
 2:古手梨花と情報交換
 3:人見さんを探す



 ※人影は羽入ではないようです

 ※ワゴン車は何か大きな物に当たったようです、元からそこにいた
  大型クリーチャー(レッドピラミッドシイング、闇人乙式など)
  が吹き飛ばされているかもしれません。

 ※圭一達(皆殺し編ラストから登場)の死体はワゴン車の中に、放置されています
  放っておくとゾンビ化するかもしれません
 
 ※運転手の死体はワゴンの外に放置されています

37 ◆wXYVD2NDBY:2010/04/29(木) 15:47:55
――――――――――――
以上です〜♪
さて、これで『VSボス化部活メンバー』
シナリオへの布石は投じ終ったw

ん〜次は2008年メンバーと1990年代メンバー
どっちで行くかな。

38 ◆wXYVD2NDBY:2010/04/29(木) 15:51:42
それではまた代理投稿お願いできますでしょうか?

39 ◆wXYVD2NDBY:2010/04/29(木) 21:34:16
本日二作目!!
岩下明美とエドワード(シザーマン)
行きます!!

40 ◆wXYVD2NDBY:2010/04/29(木) 22:10:22
題名は『魔王と邪神』でw

41 ◆wXYVD2NDBY:2010/04/29(木) 22:11:29
病院内に風が吹く、流れる様に揺れる黒髪、それに夕日の光りが反射して
まるで女神のような美しい顔立ちに華を添える

彼女の名は岩下明美、外は夕日で橙色に染め上げられた霧で充満している。
先程まで殺人クラブのメンバーと共に早い者勝ちの『狩り』に参加しに行こうとしていたはず、
なのに何故ここにいるのか?

その疑問は彼女の首を見ればわかる。

彼女の首にはルーベライズと呼ばれる宝石を首飾りにした
所謂幸せのネックレスを下げている。
このルーベライズという宝石実はパワーストーンとしては最高級品
手に握り願うだけで持ち主の希望を叶えるのだ
多大な不幸を対価として・・・
彼女が願った事はこうである
『もっと理由のある狩りをしたい、理由も無いのに殺すだなんて、
 ただのケダモノのすることだから』
もっとも、別にルーベライズに対して願ったわけではない。
たまたま首から外そうとした時願ってしまったのだ

まばゆい光りと共に突然周囲の風景が変わったため最初は驚いたが
理由はすぐにわかり、そして現状に対して不満を述べる

「こんな薄汚れた病院に何があるっていうのかしら?」

願った事が願った事だけにいきなり襲われるという事も覚悟したが
特にどうという事も無かった。
幸いな事に彼女が最初にいたのはオペ準備室だった。
小型の刃物を使うのが得意なためにメスなど数種の刃物を頂戴した
その最中にオペ室からうめき声がするのに気がついた。
気になって入ってみると・・・

42 ◆wXYVD2NDBY:2010/04/29(木) 22:12:14
白衣を着たゾンビが5体、ストレッチャーの上の死体を貪っていた。
医者が一転患者になってしまったかのようなその光景は、一般人なら
確実に腰が抜けてしまうだろう。
しかし彼女は笑い出す。
狂気から来るものでもなく
恐怖から来るものでもなく
ただただ楽しそうに

「うふふ・・・・霊でもないし、呪いでもない。なのに死体が動くだなんて・・・・
 うふふふふふふふ・・・・・・素晴らしい世界に放り出されたものだわ・・・」

その言葉を聞いてグールの群れは動き出す、まるで首にかかった宝石に
元の姿に戻してほしそうに・・・・
あぁ・・・・
あああぁ・・・・
ああああぁぁぁ・・・・・

うめき声を上げながら近づいてくる医師達。

43 ◆wXYVD2NDBY:2010/04/29(木) 22:13:55
「あらいやだ・・・・」

僅かに顔を顰めて彼らを殺す
グシャッ!!一体目のこめかみにメスをつき立て一気に差し込む
その次も、その次も、その次も・・・・・
舞踏のように鮮やかになされたその行為は、ある種の流麗さすら感じさせる。
そして最後の一体の首を割くとグラリ、首は後ろに倒れ込む。
喉から口内が見えているのに、それでも尚動き続ける死体。
驚いた様子で微笑を漏らす、その直後、彼女は突き放すように
後ろにトン、と首を押した。
ポキャン!という退屈な音を立てて、死体は倒れ込んだ。

「うふふ・・・なるほど『襲ってきたから仕方なく』という理由をくれたのね、
 そして襲われるという事が不幸な事・・・・・」

しかしそれは岩下にとって不幸でもなんでもない
彼女にとって本当に残念なのは

「次はきちんと呪いや魔術で動いてる死体と遊びたいわ・・・・」

ルーベライズは怪しく光る、そして持つ者に不幸を与え、希望を叶える。
廊下に出るとそこには素晴らしい光景が広がっていた

「・・・・・・うふふふふふ・・・・運命は素晴らしいわね・・・・・」

そこにはこの街の誰もが今だ経験した事の無いほど溢れかえった
無残な顔のナース達がいた・・・・・
何人かは銃を向け、また何人かは鉄パイプを握り締める。
ゴリッという音と触感、こめかみに銃が突きつけられる。
そして・・・・・・!

44 ◆wXYVD2NDBY:2010/04/29(木) 22:19:04






・・・・・・・・・話は冒頭に戻る
今、彼女はエレベーターを降り中庭から吹く風に艶やかな黒髪をたなびかせている
制服は血に染まり手にはもはや手になじむほどまで使い込まれたメスと
哀れな被害者から奪った拳銃が握られていた。
手に持っている学生鞄のチャックには戦利品や、使った凶器などが収められたのだろう、
血がべっとりと付着している。

女神のような美しさ
悪魔のような漆黒の心

それが岩下明美という女性だった。
他の人に持たせて更に宝石を美しく輝かせてみようかとも思ったが、
ここに人はいそうも無い、彼女はまた願う。
『理性のある人に会わせて頂戴』と


さて何度も言う様であるがこれは希望を叶える代わりに、不幸を与える
そういう代物である。
しかし前二つの願いは彼女にとって不幸でもなんでもないことであった
これはどういうことか?それは『理性のある人に会う』
この願いに不幸が集中したからだと言わざるをえない

45 ◆wXYVD2NDBY:2010/04/29(木) 22:20:22
願いはすぐさま叶えられたが
彼女には3つの不幸が降りかかった
一つ目の不幸は、相手が理性ある人間ではなく、
        理性ある人型の化け物だったという事

二つ目、彼には理性がある、理性があるからこそ、
    目の前の女は自分が隠れ蓑とするには不足である。
    そう判断された事。

三つ目、魔力を落としてしまった今の状態なら、力ずくでも手に入れたい・・・・
    そんな魔力の源が首から下がっていた事である





シャキン、



シャキンシャキン、



ジャキン!ジャキン!ジャキン!ジャキン!ジャキン!ジャキン!ジャキン!ジャキ
ン!ジャキン!ジャキン!ジャキン!ジャキン!ジャキン!ジャキン!ジャキン!ジ
ャキン!ジャキン!ジャキン!ジャキン!ジャキン!ジャキン!ジャキン!ジャキン!



               ジャキン!!

46 ◆wXYVD2NDBY:2010/04/29(木) 22:21:49



次元の裂け目に落とされた邪神の使い。
宝石の魔力で戦場に舞い降りた悪魔。
双方とも無駄なく構え、場は緊張し、空気が張り詰める
2人の舞踏会の幕を開けようと、世界はうねり、形を変え、紅く染まり・・・・・・





――――――――そして、サイレンは歌いだす。

47 ◆wXYVD2NDBY:2010/04/29(木) 22:24:47




【アルケミラ病院院長室/一日目夕刻】

【岩下明美@学校であった怖い話シリーズ】
 [状態]:健康、殺人クラブ部員
 [装備]:拳銃、メス
 [道具]:生徒手帳、学生鞄 (複数の医療器具、拳銃などが入っています)
     『ルーベライズ』のパワーストーン@学校であった怖い話SFC?
 [思考・状況]
 基本行動方針:パワーストーンを輝かせるための生け贄を探す
 1:目の前の少年を殺す
 2:負けそうになったら適当に逃げる
 3:幸の薄そうな人を探してパワーストーンの輝きをより上質なものにする



【『ルーベライズ』のパワーストーン@学校であった怖い話SFC?】
握り込んで願えば何でも願いが叶うというパワーストーンの最高級品。
所謂幸せを呼ぶペンダントなのだがその代償として多大な犠牲を要求する。
回数制限の無い猿の手のようなもの、というのが近いかもしれない。
願いを叶えるたびに魔力が増幅しそれにより輝きが増す。
本ロワでは強力すぎるため不幸:願い=7:3位の方がいいかもしれない。





【エドワード@クロックタワー2】
 [状態]:健康。魔力が減っている。
 [装備]:特になし。
 [道具]:特になし。
 [思考・状況] 皆殺し。赤い液体の始末。
 基本行動方針: 人の中に紛れて機会をうかがう。
 1:目の前の女を殺し、魔力を取り戻す。
 2:ここを出て、集団に潜む。
 3:か弱い少年として振る舞う。

※魔力不足で変身できません。
※サイレンが鳴りました,建物は赤黒い錆に包まれて構造が変わり、開かないドアや
アンプルや栄養剤などの一部飲料アイテムを除いた水が赤い水@SIRENになりました。

48 ◆wXYVD2NDBY:2010/04/29(木) 22:32:49
―――――――――――――――
以上です
一番最初の投稿が漢漢(おとこおとこ)してたんで
真逆のことをしてみようとして
岩下さんのテーマを聞き続けた結果がこれだよwwwww


とりあえずサイレンを鳴らしておきました
これで書き手とか読み手とか増えてくれると嬉しいんだけど・・・・

49 ◆wXYVD2NDBY:2010/04/29(木) 22:36:04
とりあえず新規参入者と代理投下してくれる人を
他の皆がちんたら情報交換とかやってる間に
ひっでぇ事になった病院2階を片づけながら待つか・・・

50名無しさん:2010/04/30(金) 10:27:36
JKにしては体力高すぎだろJKwww
休息をとる場面と疲労(中)ぐらいは必要だな

51 ◆wXYVD2NDBY:2010/04/30(金) 17:27:43
訂正

【アルケミラ病院一階廊下/一日目夕刻】

【岩下明美@学校であった怖い話シリーズ】
 [状態]:健康、殺人クラブ部員 、疲労(中)
 [装備]:拳銃、メス
 [道具]:生徒手帳、学生鞄 (複数の医療器具、拳銃などが入っています)
     『ルーベライズ』のパワーストーン@学校であった怖い話SFC?
 [思考・状況]
 基本行動方針:パワーストーンを輝かせるための生け贄を探す
 1:目の前の少年を殺す、負けそうになったら適当に逃げる 。
 2:何処かで服を着替えたいわ・・・・
 3:幸の薄そうな人を探してパワーストーンの輝きをより上質なものにする

※参戦時期は新堂と同じ、早い者勝ちを宣告された後です
※2階はかなり酷い状態になっています、誰かが見たらショックを受けるかもしれません

【『ルーベライズ』のパワーストーン@学校であった怖い話SFC?】
握り込んで願えば何でも願いが叶うというパワーストーンの最高級品。
所謂幸せを呼ぶペンダントなのだがその代償として多大な犠牲を要求する。
回数制限の無い猿の手のようなもの、というのが近いかもしれない。
願いを叶えるたびに魔力が増幅しそれにより輝きが増す。

学怖本編では『天才になりたい』と願えば急速に脳が発達し死に至り。
      『大金持ちになりたい』と願えば両親の死により保険金が入りました。
本ロワでは強力すぎるため不幸:願い=7:3位の方がいいかもしれません。

52 ◆VplLOnt7Hg:2010/05/02(日) 11:40:38
いつも書かせてもらってる人ですw
携帯から失礼します


北条悟子予約します

53 ◆NH7Vafx8Pc:2010/05/02(日) 12:46:46
参加させてもらいます、よろしく。

ハンク@バイオハザード アンブレラ・クロニクルズ
シェリー・バーキン@バイオハザード2

予約します

54 ◆BoVaEdQZq.:2010/05/03(月) 13:25:29

北条沙都子はいつだって病に運命を狂わされてきた。

本人に自覚はなかったが、彼女の病は両親を殺し、兄を奪い、数多の世界で友人を失わせたのだ。


そして、それは死して尚健在であったようだ・・・・
ほぅら、足音がやって来る、
ズルリズルリと身体を引き摺り
疫病の女王がやって来る・・・・・

かつて女王ヒルと呼ばれたそれは、北条沙都子死体の再生を始めた、古手梨花が去っていった直後の話である

55 ◆BoVaEdQZq.:2010/05/03(月) 13:28:44

「う・・・・・・・」
(ここは・・・・何処ですの?確か私は・・・・・私は・・・・?)
「私は何をしていたんでしょう?」

頭痛がする、身体を起こし状態確認。
名前、北条沙都子
出身、雛見沢
特技、トラップ作成
体組織、再生中

(どうにも記憶が不鮮明ですわね、何か大切な事をしていたはずですけれど・・・・)

「うぅ・・・・・」



ザ・・・笑ってザザザ・・・・ザザ・・くれ、・・沙都子



思考にノイズ発生、前原圭一の記憶

「そうですわ、圭一さんに会えば何かわかるかも・・・・ん〜でもとりあえず・・・・」

56 ◆BoVaEdQZq.:2010/05/03(月) 13:32:11

空腹感あり食料の補給が必要

「とりあえず食べ物を探さなきゃいけませんわね」





彼女は気づかない、既に「彼女の世界」の圭一は死んでいることに。

彼女は気づかない、額の傷を補っているモノが何かという事を。

そして今自分が求めている食料とはなんなのかを・・・・

57 ◆BoVaEdQZq.:2010/05/03(月) 13:42:07
【ワゴン車付近/二日目早朝】
【北条沙都子@ひぐらしのなく頃に】
[状態]:T-ウィルス感染、女王ヒル化進行、記憶喪失、雛見沢病完全消失
[装備]:特に無し?
[道具]:特に無し
[思考・状況]
基本行動方針:知り合いに会って記憶を取り戻す

1:お腹ペコペコですわ・・・
2:圭一さん達なら何か知っているかも・・・
3:????

※一度死んだため雛見沢病の寄生虫は消えました

※女王ヒル@バイオハザード0が1日かけて脳を再生しました、
再生速度が早いのは遺体の損傷の少なさ、サイレントヒルの魔力、
 溶けて消えた雛見沢病の寄生虫等が関連しているようです


※ヒルの触手で攻撃できるかもしれません

58 ◆BoVaEdQZq.:2010/05/03(月) 13:47:45
−−−−−−−
以上です

バイオ0は昔やった事があるからって女王ヒルの設定を見逃すとは・・・・・

見逃さなければ二日目早朝だなんてワケわからん時期にならなかったものを・・・・・

不覚の極み・・・・・!

59名無しさん:2010/05/03(月) 15:17:35
とりあえずトリップは予約時と投下時で統一したほうがいいと思いますよ。

60 ◆BoVaEdQZq.:2010/05/03(月) 15:42:23
なんという凡ミス・・・・・これは失礼しました。
それとタイトルは「Plague Queen」です。
あんまりに短いんであとから編集するかもしれません

61名無しさん:2010/05/03(月) 20:37:38
こっちのスレがまだ生きてるからこっちに代理投下させてもらうよ

ttp://gimpo.2ch.net/test/read.cgi/event/1201873545/l50

62 ◆wXYVD2NDBY:2010/05/03(月) 20:54:23
3話分も代理投下するのは大変でしょうが
お願い申し上げます・・・・

さぁ〜て次は誰の話を書くかねぇ〜っと

63名無しさん:2010/05/03(月) 22:13:09
あくまでもロワが回せる人数
多すぎず少なすぎずでお願いします
二周目が書きやすいように場所は適度に分散するように…

64 ◆wXYVD2NDBY:2010/05/03(月) 22:58:28
場所か・・・・そういえば場所に関してはほとんど考えなしだったorz

ん〜人数は大体初期位置では2〜3人くらい固まった方がいいと思ってるけども
最初の時点でおっ死ぬ奴もいたほうがいいのか?

総数の事なら45〜7が安定だと思う
30じゃ普通のマーダーに加えて天然のマーダーといえる
クリーチャーがいるってのに少なすぎる

しかしかといって50じゃ書き手不足的な意味で多すぎる

よって45なんだけれども・・・・不味いですかね?

65名無しさん:2010/05/03(月) 23:03:45
これは他の人の意見も聞きたいが個人的には…

・人数は45人ぐらいかな?
・最初の時点でおっ死ぬ奴もいたほうがいい

66名無しさん:2010/05/03(月) 23:04:39
それと把握の問題もあるから参戦作品が多すぎるのも…
今でさえ多いかなとも思うし…

67 ◆wXYVD2NDBY:2010/05/03(月) 23:19:38
確かに、現状ですらやったことのあるSIREN、サイレントヒル
と動画とWIKIを駆使して調べ上げたひぐらし、学怖、トワイライト
くらいしかわからんからねw

流行り神は調べたけど・・・・クソッ!クソッ!あの世界観表現するには文章力が足りない・・・!!

68 ◆NH7Vafx8Pc:2010/05/04(火) 03:40:12
すいません。

一旦予約を破棄します。
そして、

ハンク@バイオハザード アンブレラ・クロニクルズ

単体で再予約。

69 ◆NH7Vafx8Pc:2010/05/04(火) 03:41:13
投下します

70the 4th Survivor ◆NH7Vafx8Pc:2010/05/04(火) 03:42:09

ねっとりとした肌に絡み付く様な、まっ白い霧を引き裂いて、
銃声が木霊し、マズルフラッシュが輝く。

“男”が手にしている銃器―マシン・ピストル『ステアー TMP』―の銃口より、
毎分900発の発射速度で撃ち出される銃弾は狙いを誤らず、
“男”に襲いかからんとした奇怪な怪物―顔の無いナース姿のマネキンの様な怪物―を貫き、
怪物は血を思わせる赤い液体を体から吐きだしながら、前のめりに崩れ落ちる。

仰向けに倒れながらも、昆虫の様にその四肢をせわしなく動かす怪物の頭部に、
“男”は軍用ブーツの踵を振り下ろす。

顔の無い頭を踏みつぶされてようやく、ナース姿の怪物はその動きを止めた。
同様に頭部を踏みつぶされたナース姿の死体(?)がさらに二つ、少し離れた所に転がっており、
さらに一つ、首をへし折られ、目も鼻も口も無い顔が180度反対側を向いた死体も転がっていた。

怪物どもが武器とする、鉄パイプや松葉杖を引き摺る音がしなくなったのを確認し、
“男”は未だ銃口より紫煙たなびくステアー TMPより、
残弾が尽きた空のマガジンを抜きとり、予備のマガジンに交換する。

マシン・ピストルの残りのマガジン数は、今装填したのを含めて残り二つ。
後の武装は9mmハンドガンが一丁とコンバットナイフ、そして自分の体術だけだ。
予備の弾丸、装備が乏しいのは、“男”の『本来の任務』が奇襲作戦だった為だが、
この意味不明の状況を生き抜くには、あまりに装備が心もとない事に、“男”は軽く溜息を付いた。

“男”は些か特異な恰好をしていた。
黒いケブラーヘルメットに、黒いガスマスク。
黒いタクティカルベストに、濃灰色の戦闘服。
足はやはり黒色の軍用ブーツに、両手には黒い手袋を嵌めており、
肌は一切露出させていない。

ガスマスクの赤いバイザー部分が、
白い霧の中、妖しい光を放っていた。

71the 4th Survivor ◆NH7Vafx8Pc:2010/05/04(火) 03:43:21

“男”は、爪先で足元の怪物の死体を小突きながら考える。

(コイツラは何だ…?)

T-ウィルス感染により自然発生するゾンビやケルベロス、大蜘蛛の類とも、
“タイラント”や“ハンター”といったアンブレラ社謹製のB.O.W.とも明らかに違う。
そもそも、“生物”と呼んでいいかすら怪しい。

(血が出る以上は生き物で…と考えていいものか…)
(取り敢えず…殺す事は出来るらしい)

銃器のみならず、体術でも殺せる事は、
先程、襲ってきた怪物どもの内の一体の、首をへし折って殺した事から明らかだ。

(T-ウィルスによる新種のクリーチャーか何かか?脅威の度合いならば、ゾンビと然程変わらんが…)

しばし怪物の死体を眺めていた“男”だったが、
ふと、顔を見上げて辺りに視線を巡らす。
男の耳に、聞きなれたある種の“音”が入って来たからだ。

(これは…銃声か?距離は…少し遠いか)

銃声、おそらくは拳銃弾によるものが数発分、霧の向こうから連続して聞こえて来る。
どうやら、この奇妙な霧の街には、自分以外にも人間がいるらしい。

(さて…どうする。接触するべきか、せざるべきか…)

“男”は、銃声のした方向にいるであろう誰かに、
接触するリスクとリターンを勘定する。

“男”は今自分いる「ココ」が何処だかを把握していない。
何せ、下水道で「化け物」と戦闘している最中、殴り飛ばされて気を失い、
目が覚めたかと思えば見知らぬ霧の街のど真ん中だったのだから。

ラクーンシティー上空で待機している筈のヘリ“ナイトホーク”とも一切連絡が取れない。
壊れている様子の無い無線機は、意味の解らないノイズを拾うばかりだ。

所々にある標識などから、かろうじてアメリカの何処かだと言う事は解るが、
余りにも深い霧に包まれたこの街は、明らかに尋常ではない。

今の“男”に課された任務は、腰のポーチに入っている「サンプル」を無事に送り届ける事。
一刻も早く現状を把握し、“ナイトホーク”あるいは“アンブレラ”と連絡を取らねばならない。
その為にも、現状理解の為の情報収集は不可欠だろう。

72the 4th Survivor ◆NH7Vafx8Pc:2010/05/04(火) 03:44:35

任務の性格上、あまり人目には付きたくは無いが、やむをえまい。

決断すると、“男”は素早く行動を開始する。
所々物陰に身をひそめ、周囲を警戒しながら、銃声の方向へと走り出す。
弾薬も乏しい現状では、出来うる限り、戦闘は回避したいからだ。


“男”の黒い姿は瞬く間に霧の中に消えて行った。


この“男”の名前は“ハンク”。
本名では無い。この男の本名を知る者は、彼の同僚でも極々僅かだ。

しかしその綽名は、彼の同僚ならば誰でも知っている。
人呼んで“死神”。
如何なる過酷な任務でも、どれだけ同僚を失おうとも、
必ず彼だけは生き残り、任務を全うする。

今回の彼の任務は、アンブレラ特殊工作部隊アルファチームの一員として、
ラクーンシティー地下アンブレラ研究所から「G-ウィルスのサンプル」の奪取すること。

G-ウィルスの開発者、ウィリアム・バーキン博士を殺害、見事サンプルの奪取に成功するも、
G-ウィルスを自身に射ち込み、怪物と化したバーキン博士の手により部隊は壊滅、
生き残ったのは、またもハンク唯一人であった。


ハンクは霧の中を一人駆ける。
己に課せられた任務を果たす為に。

しかし彼は知らない。
この“サイレントヒル”が、彼が今まで生き残って来た如何なる戦場をも凌駕する地獄である事を。

果たして“死神”は生きて任務を果たす事が出来るだろうか。
今は誰一人知らない。



【住宅街/一日目夕刻】

【ハンク@バイオハザード アンブレラ・クロニクルズ】
 [状態]:健康
 [装備]:ステアー TMP(残弾30/30)、H&K VP70(残弾18/18)、コンバットナイフ
 [道具]: ステアー TMPの予備弾倉×2、無線機、G-ウィルスのサンプル
 [思考・状況]
 基本行動方針:サイレントヒルより脱出し、サンプルを持ち帰る。
1: 銃声の方向へ向かう。
2:情報を集め、現状を把握する。
3:現状では出来るだけ戦闘は回避する。
4:出来るなら、“ナイトホーク”と連絡を取る。
※ヘザーの撃った拳銃の銃声を聞きました。

73the 4th Survivor ◆NH7Vafx8Pc:2010/05/04(火) 03:45:56

【キャラクター基本情報】
ハンク
出典「バイオハザード アンブレラ・クロニクルズ」
年齢/性別:不明(30代?)/男性
外見: 身長・体重、共に不明(ただし見た限りあまり大柄ではない)
   黒中心の戦闘服にガスマスクと戦闘用ヘルメットを着用、一切肌は見えない。
   素顔は茶髪で短髪であり、30代を思わせる容貌に、薄い口髭が生えている。
環境:アンブレラ社の下部機関、U.S.S.( Umbrella Security Service)特殊部隊に所属    
性格:無口かつ冷酷な性格
能力:射撃、格闘ともに非常に高い能力を持つ。
口調:一人称は「私」、口調は冒頓で、温かみを感じさせない。時にシニカルな雰囲気を出す。
交友:アンブレラ社所属の人間とは面識がある程度ある。
備考:非常に高い戦闘能力、生存能力を持っており、仲間が全滅するような過酷な任務へ赴いても、
自分だけは必ず生還することから、「死神」という異名を持つ。
   また、「ハンク(Hunk)」の名は本名ではなくコードネームであり、本名は不明であり、
プライベートは一切が謎である。
   なお、高いCQCスキルを持ち、驚異的な威力のローキックと、
   「処刑」と称される、相手の首を180度回し、即死させる技を得意とする。
   なお、ハシを左手で器用に使い、湯豆腐を食べる。


【アイテム情報】

ステアー TMP@バイオハザード アンブレラ・クロニクルズ
オーストリア・シュタイヤー社のマシン・ピストル。
9mmパラベラム弾を使用する。発射速度は900発/分。
セミ、フル切り替え可能。

H&K VP70@バイオハザード アンブレラ・クロニクルズ
ドイツのH&K社の自動拳銃。9mmパラベラム弾を使用する。
3点バースト撃ちが可能だが、反動の問題で専用の外付けストックの使用が望ましい。

コンバットナイフ@バイオハザード アンブレラ・クロニクルズ
「ランドール・Model-12」をモデルとしたコンバットナイフ

G-ウィルスのサンプル@バイオハザード アンブレラ・クロニクルズ
アンブレラ社に所属する、ウィリアム・バーキン博士がT-ウィルス被験者の体内から発見した、
T-ウィルス抗体。色は紫。このウィルスを投与された生物は、G-生物と総称される生物になる。
これを回収し、持ちかえるのがハンクの任務である。


以上で投下終了です。

74名無しさん:2010/05/04(火) 09:05:43
湯豆腐吹いたwww

しかしヘザーか・・・まだどうなるかわからんな・・・

75 ◆NH7Vafx8Pc:2010/05/05(水) 02:07:32
ブラッド・ヴィッカーズ@バイオハザード アンブレラ・クロニクルズ
カルロス・オリヴェイラ@バイオハザード アンブレラ・クロニクルズ
竜宮レナ@ひぐらしのなく頃に
園崎魅音@ひぐらしのなく頃に

予約

76 ◆BoVaEdQZq.:2010/05/05(水) 22:34:45
それではそれでは
お言葉に甘えまして
鷹野三四、クローディア・ウルフ、八尾比沙子。
主催(意図的ではなくラスボスにはならない可能性がある)の試案
投下します。

77 ◆BoVaEdQZq.:2010/05/05(水) 22:40:06
ある世界には神になることを決意した魔女がいた。
彼女は数多の世界でオヤシロ様となった

神を産み落とした魔女がいた。
神に触れ消え失せたがその意思により蘇った

神に対する贖罪を果たそうとした魔女がいた。
実を失い、次元の狭間に落ちてしまったがこの地にたどり着く事ができた


魔女達は別々の世界で自身の信じる邪神のために身を捧げ打ち倒され、敗北を経験した。

しかしもし、もう一度チャンスがあったのなら。
魔女達は諦めない、たとえかつてのように関係の無い人間を巻き添えにしても・・・・・・

78 ◆BoVaEdQZq.:2010/05/05(水) 22:48:53
鷹野三四…CODE:BERUNCASTELU

「あら?誰か出てきたわね・・・・・」

木陰からワゴン車の様子を伺っている者がいた。
彼女の名前は鷹野三四、とある世界では雛見沢村を壊滅させた秘密組織、『東京』の幹部であった。

「でもおかしいわね・・・・・・あの子は・・・・・・・・」

何事かを考えながら長髪の少女と青年らしき影が立ち去っていくのを見送り、一人呟く。

「まぁいいわ、それよりも撥ね飛ばされたアレを見に行かなきゃ・・・・・・」


彼女の狙いも「どこ」から来たのかも未だ解らない。ただ1つ解ることは、彼女が興味を示したモノは、やはり人間ではなかったということだけだ・・・・・・

79 ◆BoVaEdQZq.:2010/05/05(水) 22:56:38
クローディア・ウルフ…再誕

サイレントヒル遊園地、今は打ち捨てられた場所。

この遊園地には秘密がある。寂れたアトラクションをいくつも抜けた先にあるメリーゴーランドの向こうには、
薄明かりの教会がある。

その昔、聖女派であるダリア・ギレスピー率いる教団がいた場所、
今そこに居るのはその意思を継ぐ者

クローディア・ウルフ

彼女は確かにヘザーの代わりに教団の崇拝する神の復活の生け贄となったはずだった。

何故生き返ったのか
どうして此処にいるのか
彼女は考察し、1つの考えに至る・・・・



「そう、私こそが聖女に相応しかったのよ・・・・」
彼女は祭壇から出口へと向かう、神の作った世界を見に行くために・・・・

80 ◆BoVaEdQZq.:2010/05/05(水) 23:04:48
八尾比沙子…子守唄

アンブレラによって忌まわしい実験がいくつも行われた場所、研究所

この場所、B・O・W培養槽は最も触れてはならぬアンブレラ社の禁忌の場所である
そこにいたのはボロボロの修道服を着た白髪の女性だった。

「此処にはあそこには無かった不思議な力が満ちているわ・・・」
女は焦点の合わない目で嬉しそうにしている。
何かの操作盤をマニュアルを見ながら慣れない動きで操作する姿は、端から見るとマッドサイエンティストのそれである。

「これを使えば・・・・私の目的はもう一度達成できるのね・・・・」

空の培養槽から霧が吹き出し口を開けた。
そして大事に抱えていた異形の首を中に入れ扉を閉める・・・


そして彼女は歌いだす、子供をあやす母のように

81 ◆BoVaEdQZq.:2010/05/05(水) 23:08:24

魔女の行いは1つの町を再び悪夢に変えた。

誰が加害者で誰が被害者なのかはまだわからない

いや、あるいは魔女達の中には被害者などいないのかもしれない。
またその逆もありうるが・・・・


何にせよ彼女達は動き始めた。
他人を気にせず、何かを求めて・・・・・・

神の名の元に・・・・・・

82 ◆BoVaEdQZq.:2010/05/05(水) 23:11:27
【鷹野三四@ひぐらしのなく頃に】
[状態]健康、雛見沢病?
[装備]???
[道具]手提げバッグ(中身不明)
[思考・状況]
基本行動方針:不明
1、車にはねられたモノの所に行く
2、???
※賽殺し編からの参加なら悪意はなく雛見沢病にもかかっていません
※それ以外なら神になるために動くかもしれません
※はねられたモノは何らかの協力者かもしれません

【クローディア・ウルフ@サイレントヒル3】
[状態]健康
[装備]無し
[道具]無し
[思考・状況]
基本行動方針:不明
1、とりあえず外に出る
2、???

※儀式は成功したと思っているようです
※まだ体内に神がいるかも知れません

83 ◆BoVaEdQZq.:2010/05/05(水) 23:20:40
【八尾比沙子@SIREN】
[状態]墮辰子死亡によるショック、半不死身
[装備]無し
[道具]培養槽操作マニュアル、???の首
[思考・状況]
基本行動方針:不明
1、此処で培養槽を見張る2、???

※何かの首を培養槽の中に入れました、
儀式失敗のショックで錯乱しているため
培養槽に入れたのは墮辰子の首ではない
かもしれません

※培養槽の操作の仕方を覚えました

84 ◆BoVaEdQZq.:2010/05/05(水) 23:29:29
以上です

見直してみるとだんだん酷さがランクアップしていってるなwww
武器とか精神とか
主催で無かった場合の言い訳の苦しさとかw

いる場所の記載忘れてたんでここに
上から
ワゴン車周辺
遊園地のメリーゴーランド研究所内部

ですね

85 ◆NH7Vafx8Pc:2010/05/06(木) 00:24:30
ありじゃないかと思います

86名無しさん:2010/05/06(木) 17:08:22
出来れば地点も記入して欲しいのですが…
場所だけ書かれても後で混乱のもとになりますし

87 ◆wXYVD2NDBY:2010/05/06(木) 18:24:07
もうそろそろ本気で地図でも描いてみるか・・・

街はサイヒルのどの作品に近い構造なんでしょうね?
私に一任してくださるというのなら
1から描き上げますけどねw

ちなみにワゴン車の事なら人見さんのいる地点の
丁度反対方面の崖の近くです
研究所の事なら・・・・
コードベロニカ仕様で考えていたのですがくっ!!しまった!!
南極じゃぁ!!
まぁ地下に埋まってる事にすれば何とか・・・

88 ◆wXYVD2NDBY:2010/05/06(木) 19:01:29
タイトルを書かない悪癖は矯正しなければ!!
と思う今日この頃・・・

タイトルは『邪神達の胎動』

代理投下乙ですw

89 ◆wXYVD2NDBY:2010/05/06(木) 19:21:13
>>85 有難う御座いますw

それではこういう感じの進行で行かせてもらいます
さてと
ルールに『主催者らしき人物の基本行動は死ぬ時まで不明にしておく』
の一文はいりますかね?

90 ◆BoVaEdQZq.:2010/05/07(金) 12:28:40
くっ!誰もいないのか!?ならば・・・ッ!!

ハリー・メイソン@サイレントヒル
神代美耶子@SIREN

ゾンビ@バイオハザード

予約します

・・・・・ってこれただの『SIRENの主人公がハリーだったら』じゃね?

91 ◆qh.kxdFkfM:2010/05/08(土) 19:12:28
俺ガイル。

シェリー・バーキン@バイオハザード2

予約するよ。

ハリーがSIRENの主人公だったら……屍人なんて黄金の右足でイチコロかもしれん。

92 ◆qh.kxdFkfM:2010/05/08(土) 19:17:42
それじゃ、投下しやす。

93惑う子羊 ◆qh.kxdFkfM:2010/05/08(土) 19:18:49
 少女はたしかにそこにいた。
 母に命じられ、父を待ちながら、きちんとそこにいたのだ。
 そう、“異変”が起こるまでは。



 『惑う子羊』


 
 
 シェリー・バーキンは警察署にいたはずだった。しかし、ここはどう考えても警察署内ではない。
調度類や様式、空気がさっきまでのそれと違う。硝煙や腐敗の異臭がしなくなったのは、幸運ととらえるべきなのだろうか。
呻きながら近づく、腐った人間を思い出し、少女は身をすくめる。どんな原因でああなったのかは知らないが、あれが同じ人間とは思えない。
 ともかく、ここが彼女の記憶する場所でないのはたしかだ。  

 ――――では、ここはどこだ。

 そんな疑問に少女は小首を傾げ、ペンダントを揺らす。その身に不釣り合いな程大きなそれには、家族との写真が納まっていた。
巨大製薬会社・アンブレラに勤めている両親と、その一人娘が写ったその一枚をシェリーはしばし眺める。そして、一度大きく頷いてから、足を動かす。
ここでじっとしていてもしかたがない。ここが警察署でないのなら、またそこへ行けばいいんだ。
 彼女はあてもなく歩き、しばらくして、ここが地面の上ではなく、船の上だと気付いた。わずかに感じる揺れ、妙に湿っぽい空気、
「リトル・バロネス号」と書かれたプレート……。海特有のにおいがないので、おそらくどこかの河か湖に浮かんでいるのであろう。

 シェリーは船の外周、簡素な手すりがあるだけの場所に出た。外は霧が濃く、ほとんど何も見えない。
岸までどれくらいあるか定かではないのだ。これでは泳いで移動するのは無理だろう。
 つまり、この巨大な船を動かすか、ボートでも見つけて漕ぐしかない。
しかしそんなことをして大丈夫だろうか。少女は腕を組んで考え込む。

 かりに船を動かせたとしよう、ボートがあったとしよう。
それがいい方向に状況を変えられるだろうか。かえって悪い結果にならないだろうか。
おとなしく父と母を待つべきでは? 大人の人に頼るべきでは?

(……わっかんない)
 12歳の少女は肩をすくめる。判断するには、情報が少なすぎる。
そもそも、ここがラクーンシティであることさえ疑わしい。
こんな巨大な船が浮かべる場所なんてあの町にはないはずだ。

 と、そこで。
 シェリーは霧の中に少女を見た。自分と同じくらいの年代の、青いワンピースを着た金髪の彼女は、じっとこちらに視線を飛ばしている。
「だれ……?」
 知らない女の子だ。あの子も自分と同じ状況なのだろうか。
いや、そんなことより、なぜあんな所にいるのだろう。
あそこは水の上だ。人が立てる場所じゃないはず。
 瞳に悲哀を湛え、その少女はゆっくりと口を開く。

《……たすけて》

 手すりから身を乗り出して問うたシェリーに返ってきたのは、質問の回答ではなく、救助の請願。
その直後、青い少女を覆うように、無数の手が水面から溢れ出す。
腕の大群は限界がないかのように縦横無尽に伸び、制服姿の少女に迫る。


 求めるように
     
       奪うように


「きゃッ……!」
 無意識に悲鳴を上げ、シェリーは欄干を転げ落ちる。
運のいいことに、落ちた場所は船の内側だった。
小さな体はまだ床の上にある。それを引き摺りこもうとでもするように、蒼白な魔手が肉迫していく。
 彼女はすぐに立ち上がり、走り出す。腕の一本がすんでの所で細い足を掴み損ねる。
 シェリーは時折振り返りながら、人の気配がまるでない回廊を駆けていく。

 決して戦おうとはしない。ただ脅威から逃げる、危険から離れる。
 

 何の力も持たない少女にとって、それが唯一の抵抗だった。


【リトル・バロネス号/一日目夕刻】


【シェリー・バーキン@バイオハザード2】
 [状態]:健康
 [装備]:ペンダント
 [道具]:
 [思考・状況]
 基本行動方針:両親との再会
1:あの手から逃げる。
2:陸地を目指す。
3:警察署へ向かう。
4:パパとママに会いたい。
※ここがラクーンシティではないことに気付きました。

94惑う子羊 ◆qh.kxdFkfM:2010/05/08(土) 19:20:04
  
【キャラクター基本情報】
シェリー・バーキン
出典「バイオハザード2」
年齢/性別:12歳/女性
外見:身長・体重、共に不明(年相応と思われる)
   制服を着ているが、所属は発表されていない。
   短い金髪であり、カチューシャを付けている。
環境:アンブレラ勤務の科学者を両親に持つ。  
性格:人見知りが激しいが、打ち解ければ強い信頼を寄せる。
備考:ウィリアム・バーキンとアネット・バーキンの娘で、12歳の薄幸の少女。血液型はO型。大きなペンダントを身に着けている。
アネットの指示で、いち早くR.P.D.(警察署)へ逃げ込んでいた。
 ゾンビが徘徊する中を1人で行動できる気丈な精神を持つが、一度懐いた相手には甘える一面も見せる。専用アイテムは家族の写真。
歩行速度は他人より遅いが、体力は同じ。ただし、武器を一切持っていないため、敵を撃退することは不可能。
また、身体が小さいためにゾンビの胃酸攻撃は受けてしまうが、掴まれることは無い。
 作中では、父親の怪物化を知る描写は無い。

95 ◆qh.kxdFkfM:2010/05/08(土) 19:22:02
 投下終了。勝手がいまいちわからない感があるので、
何かあったら遠慮なくどうぞ。

96名無しさん:2010/05/08(土) 21:49:54
特に内容に問題ありません
強いて言うなら代理投下するのに改行で投下しにくいです

ところでこれで何人目だっけ?

97 ◆qh.kxdFkfM:2010/05/08(土) 21:56:55
問題なくてよかった。

改行で投下しにくい?
横に伸ばすと読みにくいだろうから適度に区切ってるけど、
それが原因かな。

人数はこれで32人目。予約を含めれば38人になるはず。

98 ◆NH7Vafx8Pc:2010/05/08(土) 22:37:22
投下乙です。
シェリーも来たようですね。
しかし、ここには守ってくれるクレアはいません(来るかもしれないけど)。
果たして一人で生き残れるものか…今後が気になります

99名無しさん:2010/05/09(日) 00:00:01
レオンも来るかもしれないからな
4終了後のレオンなら
めちゃ頼りになるから心強いし

何気に
ウェスカーが来たら助けるかも
コードベロニカの特典のウェスカー・レポートで
「シェリーは我々が預かってる」
て言ってたから
もっとも5で設定がめちゃくちゃになってるから
どうなるか分からんが

100 ◆BoVaEdQZq.:2010/05/09(日) 09:37:34
なんか見ないうちに無茶苦茶人増えてるじゃないですかヤッターwww

>>99まぁしかし同作品のキャラを出しすぎるのもよくないんですけどね・・・・

正直かまいたちの夜とか鳴神学園とかの把握が厄介なもん書いてた人に戻ってきてほしい

101名無しさん:2010/05/09(日) 12:39:45
最悪、その二つだけ削る?
でも人の作品を勝手になかったことにするのは…
これは他の人の意見も聞きたいけど

102 ◆BoVaEdQZq.:2010/05/09(日) 15:20:27
消せない理由は罪悪感を伴うってのも確かにそうだけど
何より配役が地味にいい事と
二話消えると修復が大変ってのが
ネックだな・・・・・

103名無しさん:2010/05/09(日) 16:34:00
口煩いようだけどよく考えたらアレなんで
意見はホラゲロワについてに書き込んでください

104 ◆qh.kxdFkfM:2010/05/09(日) 18:10:13
>>98
サンクス。
そちらさんがオミットされたので、使わせてもらったよ。

同作品ばかり出すのもあれだけど、
これ以上新作品出すと把握の難易度が……。
適度に散らすしかないかもしれん。

作品削るなら、当人の許可を取った方がいい。
もっとも、コンタクト取れるかどうかわからないけど。
そういう意味でも、彼らには戻ってきてほしいな。

作品の削減そのものに、こっちは反対ないです。
判断は他の書き手に任せます。

105親バカ日誌 ◆BoVaEdQZq.:2010/05/11(火) 19:52:50
美耶子とハリー
投下しますね〜♪

106親バカ日誌 ◆BoVaEdQZq.:2010/05/11(火) 20:03:46

サイレントヒルのとある路地裏、地図上にはない曲がりくねった道の果てに、男が一人立っていた。

彼の名はハリー・メイソンこの町に休暇を取りに来たおかげでろくな目にあっていない。
交通事故を起こし、娘がいなくなり、娘らしき人影を追い入った路地裏では奇妙なバケモノに襲われ・・・・・
ともかく散々だった
だが手掛かりを探しにもう一度路地裏へ行ったのは正解だったようだ。

「これは・・・・・・シェリルのスケッチブックか?
学校・・・・・・にいるということなのか?」

さっき訪れた時には無かったはずの
ちぎれて散らばったスケッチブックがあったのだ!
きっとシェリルが助けを求めて書いたメッセージに違いない。

以前執筆した猟奇殺人事件に関する本の内容と娘の姿が重なり、焦燥感にかられる。

107親バカ日誌 ◆BoVaEdQZq.:2010/05/11(火) 20:16:15

ハリーは置いてあった鉄パイプを取り、急いで路地裏を後にした

否、後にしようとした。
歩いても歩いても出口にたどり着けない。
明らかに来た時より通路が長くなっている、先程とは似て非なる場所のようだ。
異次元にでも紛れ込んでしまったような錯覚を起こす。

「クソッ!こんなところで手間取ってる暇はないんだ!」

ハリーは走る、娘のために沸き上がる恐怖を抑えて。
しばらくすると出口が見えた、
だが入った時に転がっていたつぶれた肉の塊と化していた犬があった場所には


代わりに黒い服に黒髪の少女とついさっきまで惨たらしい死骸だったはずなのに驚くほど外傷が消えた犬が死んでいた。

「大丈夫かい?」

泣き続ける少女に話しかけるが一向に泣き止まない、少女は見たところ東洋人のようだ、娘より年上だろうか?

観光客ならこの街の事は知らないだろうが
もしかすると娘の事を何か知っているかもしれない。
英語が伝わるかどうか多少不安だが
それでも尋ねずにはいられなかった

「ところで女の子を見なかったか?
先月7歳の誕生日を迎えたばかりで、短い黒髪の
・・・・・娘なんだ」

するとどうやら
英語が通じなかったのか少女の機嫌を損ねたようで
こちらを睨みながらポカポカと殴ってきた。

108親バカ日誌 ◆BoVaEdQZq.:2010/05/11(火) 20:28:24
たまらず立ち去ろうとしたが服にしがみついて離れない。
心細いのだろう、配慮が足りなかったと反省する。

「オーケー、わかったよ。一緒に行こう」

少女の顔は晴れないが泣き止んではくれたようだ、
路地を出てシェリルを探すため歩きだす。
しかし・・・・・
「もうそろそろ服を離しておくれ、ここには恐ろしいバケモノがいるから、これじゃあ戦えないよ」

「・・・・・・じゃあもっとゆっくり歩け、見えないだろ」
どうにも引っ掛かる言い方だが、どうやら目が見えないようだった、ということはあの犬は盲導犬か・・・・・・
「それはすまなかったね、娘を探すために
できれば急ぎたいんだけど
これぐらいの早さでいいかい?」

「・・・・・・やっぱり・・・・・ケルブじゃないとだめ」

どうにも気難しい子だ、シェリルが素直過ぎるだけかもしれんが・・・・・
とりあえずはこの少女と行動を共にすることにした。
たとえハンデになるとしても、この子を置いていったら
シェリルに顔向けできない気がして・・・・・

109親バカ日誌 ◆BoVaEdQZq.:2010/05/11(火) 21:17:22
【繁華街北側路地裏付近】
【ハリー・メイソン@サイレントヒル】
[状態]健康、強い焦り
[装備]鉄パイプ
[道具]ハンドガン:15
    弾:34
    栄養剤:3携帯用救急セット:1
    ポケットラジオ、ライト、調理用ナイフ

[思考・状況]
基本行動方針:シェリルを探しだす
1:学校に急がなければ!
2:移動しながら少女と話をする
※サイレントヒルにシェリルがいると思っています


【神代美耶子@SIREN】
[状態]健康、悲しみ
[装備]特に無し
[道具]無し

[思考・状況]
基本行動方針:街から脱出する
1:とりあえずハリーと行動する
2:それにしてもこの景色は・・・・・?

※幻視によってハリーの視界を借りています。
※ここは羽生陀村ではないと感ずき始めています

110 ◆BoVaEdQZq.:2010/05/11(火) 21:24:04
ー――――――――
以上です

しばらくは書くよりもまずキャラ情報収拾だな・・・・

そしてゾンビてめぇは待機だ!
ゾンビ「ゾンビ〜」

111名無しさん:2010/05/12(水) 20:42:23
ケビン・ライマン、ブラッド・ヴィッカーズ、太田ともえ予約します

112 ◆hszd6gw7v6:2010/05/12(水) 20:43:20
トリ付けるの忘れたー!
ケビン・ライマン、ブラッド・ヴィッカーズ、太田ともえ予約します

113 ◆VplLOnt7Hg:2010/05/12(水) 21:00:11
ヴィッカーズ大人気だなwww

114 ◆hszd6gw7v6:2010/05/12(水) 21:16:16
◆NH7Vafx8Pc氏が予約してたのか。
見落としてた。予約自体取り消します。
申し訳ない。

115 ◆NH7Vafx8Pc:2010/05/12(水) 21:20:24
すいません。
此方の投下が遅れたせいで、いらぬ気使いをさせてしまいました。
今日明日中に投下したいと思います

116 ◆qh.kxdFkfM:2010/05/15(土) 20:16:03
須田恭也@SIREN、三沢岳明@SIREN2、ゾンビ予約します。

ゾンビさん、出番ですよ。
ゾンビ「ゾンビ〜」

117霧笛 ◆qh.kxdFkfM:2010/05/15(土) 20:21:08
霧笛



 警察署の扉を開いた須田恭也が見たものは、警官でも異形でもなかった。
 彼の目の前には広い空間があるだけで、誰もいない。
 中央に、デスクをはじめとする事務用具が置いてあるだけで、ほかには何もないのだ。


「何だ……」
 
 恭也はほっと胸をなでおろし、入ってきたドアに鍵をかけた。
 さっきの怪物が侵入するのを防ぐためだ。
 しっかり閉まっていることを確認し、彼はちらかった机を調べる。


「何だこれ」

 まず出てきたのは、インクリボンだった。しかし、ワープロどころかPCが大半を占める年代を生きる高校生に、これが何かわかるはずもない。
それは拝借されることもなく、机上のガラクタの仲間入りを果たすことになった。

 次に出てきたのは、マッチ箱を大きくしたようなもの。中を開くと、小指大の円筒が入っていた。
 どうやらこれは拳銃の弾丸らしい。オカルト好きで好奇心旺盛な、ごく普通の少年はそれをポケットに押し込んだ。
彼は銃を一切持っていないが、それでも必要だと判断したのだろう。

 最後に机から飛び出したのは、散弾銃だった。いや、それにしては大きすぎる。これはおそらく、擲弾銃(グレネードランチャー)だ。
 恭也はその大口径をしげしげと見つめて、小さく笑った。これがあれば何とかなるかもしれない――そんな安心からのものだろう。
 しかし先程のような弾薬はもう見つからなかった。赤いケースの銃弾では、これには小さすぎる。専用のものがあるはずなのだが……。



 『なーがいくーん! いっしょにあそびましょー!』



 どこかから聞こえてくる大声。恭也はわずかに顔を顰める。どうやらここは安全のようだ。
だが、そのせいで身近な危険を察知していないらしい。だからこそあんな真似ができるのだろう。
警察署から一歩出れば、あんな怪物と対面するというのに。


 
 疲れているので幻視は使いたくない。安全なここなら手探りでも充分だろう。
 たしかこっちからだ。

(うっ……)
 音源を探るため、扉のひとつを開けると、異臭が鼻を刺した。
何と形容していいかわからないが、ともかく不快なものだ。


 室内には、腐った人間がたくさん転がっていた。膿や血がおびただしい程に溢れ、むせかえるような腐臭が立ちこめている。

 
 どう見ても、死んでいる。


 その空間の中、部屋の奥に、一人の男が立っていた。


 スキンヘッドに迷彩服姿の東洋人。

118霧笛 ◆qh.kxdFkfM:2010/05/15(土) 20:23:33
 
 
(――自衛隊)
 恭也はすぐにそう察した。そうだ、たとえ警察がだめでも、彼らがいるではないか。
 助かった。
 そう思い、彼はその男へ駆けよる。


 しかし、異変に気付いた。

 自衛官の足元に転がる数人の警官。

 そのほとんどが、頭蓋を砕かれ、脳漿を散らしている。

「――っ!? むっぐ、うっ」

 その惨状に、恭也は嘔吐した。床に広がった液体の上に、胃液が降りかかる。

「民間人か」

 蹲る少年に向けられる小銃。その銃床には、体液がべっとりついていた。
先程の絶叫と同じ声だが、それに気付くゆとりは今の恭也にない。

「まっ――」


 乾いた音を立てて、銃口から光が走る。



≪ギヤッ≫


 
 恭也の背後、いつの間にか立ち上がっていた警官が反り返る。
弾丸は正確に眉間を貫き、壁に突き刺さった。

「何でこんな……」
「そいつ――こいつらはもう、人間じゃない」
 
 男の冷淡な言葉を肯定するかのように、周囲で呻き声が巻き起こる。凄惨なまでに崩壊した“ヒト”が、続々と起き上がっていく。


≪ウウウウウ≫≪アアアアアアア≫
≪ウウウウウ≫≪アアアアアアア≫


 まるで――――いや、まさに――――


 阿鼻叫喚の地獄。

119霧笛 ◆qh.kxdFkfM:2010/05/15(土) 20:24:22

 
「う、うわぁぁぁあ!」

 あの村の変な儀式は怖かった。
 お巡りさんに追いかけられ、撃たれたのも怖かった。


 でも、
 これは、
 それ以上に――。


「口動かす暇があったら、手を動かせ」
 自衛官は足元に転がる警官のホルスターから拳銃を抜き取り、慣れた手つきでセイフティを解除。恭也の手にそれを握らせた。
「緊急事態だ。君にも協力してもらう。……もともとそのつもりだったんだろう?」
 少年の傍らにあるグレネードランチャーに厳しい視線がいく。恭也は手中のそれと目の前の青年を交互に見てから、
「無理ですよ……!」
「やれ」
 迷彩服がはためき、小銃が腐敗した脳髄を抉る。ぐちゃぐちゃにふやけたそれは、奇妙な程簡単に四散した。

「でなければ、こいつらの仲間入りだ」

 弾薬がもったいないのであろう、自衛官は銃を鈍器のように扱い、ゾンビの群れを圧倒していく。
 その様子を少年はどこか遠くの景色を眺めるように見ている。そして、手元の拳銃に目を落とす。 



 須田恭也はただの高校生だ。人殺しを肯定するような人間ではない。
 
 だが、だからといって、命をむざむざ差し出すような人間でもない。


「…………人間じゃ、ないんですね…………?」
 ほんの十数秒だったが、恭也にとっては、何時間にも感じた逡巡だった。
 
 襲ってきた警官を轢いた時とは違う。今度は明確な殺害の意志が必要だ。

 

「そうだ」


 男の断言に促されるように、少年は銃を構える。
 

 
 足りないのは決意、そして――――




 ―――――――覚悟だ!

120霧笛 ◆qh.kxdFkfM:2010/05/15(土) 20:26:23

【警察署/一日目/夕刻】


【須田恭也@SIREN】
[状態]強い疲労
[装備]H&K VP70(18/18)
[道具]懐中電灯、グレネードランチャー(1/1)、ハンドガンの弾(30/30)
[思考・状況]
基本行動指針:危険、戦闘回避。武器になる物を持てば大胆な行動もする。
1.この状況を何とかする。




(……ふん)
 三沢岳明は少年の挙動を尻目に、ヒトもどきを駆逐していく。

 ――永井頼人より、あの子どもの方がよっぽど肝が据わっているではないか。

 どこへ行ったか知れない部下のことを思いだしながら、三沢は生ける屍の処理を続ける。

 
 ここは、異常だ。
 夜見島も異常だったが、ここのそれとは質が違う気がする。
“世界”が違う、とでも言えばいいのだろうか。どうも妙なのだ。

 
 ――まあいい。考えるのは後だ。


 三等陸佐は呻く一体を発砲で黙らせ、少年のそばへ近づく。


 ――今は民間人の保護が、最優先事項だ。


 現実になった幻覚を前にしても、彼の使命感は揺るがない。




To be continued...




【三沢岳明@SIREN2】
[状態]健康(ただし慢性的な幻覚症状あり)
[装備]照準眼鏡装着・64式小銃(18/20)、防弾チョッキ2型
[道具]ライト、精神高揚剤、弾倉(3/3)
[思考・状況]
基本行動指針:現状の把握。その後、然るべき対処。
1.民間人を保護しつつ安全を確保。
2.永井頼人の捜索。

121 ◆qh.kxdFkfM:2010/05/15(土) 20:30:03
投下終了です。
署内の仕掛けを健在にするべきなんでしょうかね。
でもそうすると色々面倒なんですな。

122 ◆WYGPiuknm2:2010/05/15(土) 21:20:59
投下乙です
風間望@学校であった怖い話 を予約します

123 ◆BoVaEdQZq.:2010/05/16(日) 00:47:08
スンバラリアktkrwww

じゃあ後数時間以内に
新堂誠@学校であった怖い話
前原圭一@ひぐらしのなく頃に
雛咲深紅@零〜zero〜
を投下するぜ!

124 ◆BoVaEdQZq.:2010/05/16(日) 01:59:06
おっとクリーチャーを忘れてたw
↑に加え
バブルヘッドナース@サイレントヒル2、3
ケルベロス@バイオハザードシリーズ

です

125 ◆NH7Vafx8Pc:2010/05/16(日) 04:40:01
ブラッド・ヴィッカーズ@バイオハザード アンブレラ・クロニクルズ
カルロス・オリヴェイラ@バイオハザード アンブレラ・クロニクルズ
竜宮レナ@ひぐらしのなく頃に
園崎魅音@ひぐらしのなく頃に

投下します

126追跡者 ◆NH7Vafx8Pc:2010/05/16(日) 04:41:11


「わぁ〜っ〜・・・・凄い霧ぃ〜」
「レナ…手ぇ離さないでよ。これではぐれたら、本当にどうなるか解んないからね」
「えへへ…魅ぃちゃん怖がり〜」
「違うって!しっかし、それにしてもほんとに酷い霧だね!まるで前が見えやしない」

ねっとりとした、ミルク色の恐ろしく深い霧を掻きわけて、
手をつないだ二人の少女が人気の無い道を歩いている。

一方の少女は、かわいらしい顔をした、セミロングボブの美少女で、
白色を基調としたワンピースを着て、白色に黒いラインの入った帽子をかぶっている。

もう一方の少女は、ポニーテルーの、どちらかと言えば凛々しい印象の美少女で、
黄色いシャツにジーパン、とラフな格好をしていた。

前者の少女の名は竜宮レナ、後者の少女は園崎魅音。
共に××県、雛見沢村に住む中学生だ。

彼女たちは、本来、最近明らかに調子がおかしい同級生、
前原圭一のお見舞いに行く為に、雛見沢の舗装もされてない田舎道を、
二人、前原邸へと向けて歩いていた訳だが…

「本当に、何にも見えないねぇ…天気予報では何も言って無かったのに…」
「はうぅ…これじゃ圭一君の家に行けないよォ…」

突如、恐ろしく濃く、陰気な霧が彼女達を包み、方角すら解らなくなってしまったのである。
かろうじて足元に見える道をたどりながら前へ前へと進むも、一向に何も見えてこない。
霧に呑まれてから、かれこれ十分は歩きとおしているのだが、一向にこれといった建物すら見えないのは、
いくら過疎化が著しい雛見沢でも、どうにも様子がおかしい。

「う〜ん…迂闊に道を外れると何処に出るか解んないしなぁ〜…うっかり山にでも迷い込んだら事だし…」
「ねぇねぇ、魅音ちゃん…」
「ん?どうしたのさレナ」
「何か…聞こえない?」
「えっ?」

レナに言われて、耳を澄ます魅音。
そうすれば、たしかに道の先から、何か豆を炒る様な乾いた音と、
誰かの声と、何か獣の様な呻き声が聞こえて来たのだ。

「本当だ…誰かいるみただねぇ。よし、レナ!善は急げだ、行くよ〜!」
「わわ!?魅ぃちゃん速いよ〜!」

ようやく人の気配を感じた為か、魅音はレナの手を引きながら、
音の方向へ…即ち霧の道の向こう側へと走り出す。

その先に、何が待つかも知らずに。

127追跡者 ◆NH7Vafx8Pc:2010/05/16(日) 04:42:04



暫くの間、音のした方向へとひた走っていたレナと魅音だったが、
その途中で、奇妙な事に気が付いた。それは…

「魅ぃちゃん…」
「解ってるよレナ。一体全体、おじさん達、何処にいるんだろうねぇ…」

突如、途中から道路が舗装された綺麗な物に代わっている。
道路の脇には花壇の様な物も見えて、そこにはいくらか花も咲いている。
ただ、管理は杜撰なものらしく、花の生え方は雑多で、雑草も抜かれていない。
少し行った所には、花壇の土に大きなスコップが突き立ってさえいる。

「レナ…おじさんから離れないでよ…」
「解ってるよ魅ぃちゃん…なんだか…様子が変だよ…」

魅音が、レナの手をぎゅっと握りしめた。
当初、二人は興宮市にまで来てしまったのかと思っていた。
しかし、興宮にしてはどうにも様子がおかしい。
街の家々には明かりが一切見えず、街灯も点いていない。
何より、人の気配が全くと言っていいほどしないのだ。
感性の鋭敏なレナには、まるでここが「人間の世界」ではない、どこか「別の世界」にすら感じられる。

肩を寄り添わせながら、ゆっくりと、慎重に道を進む二人であったが、
ふと、二人の進行方向の霧の向こうに、朧な人影が一つ現れた。

「誰っ?」
レナが思わず厳しい口調で人影に呼び掛ける。
すると人影は、足を少し引き摺りながら、

「ううっ…ううっ…」

と呻き声をあげている。
そんな人影が、霧の向こうから姿を明らかになる。

「助けて…助けて…」

それは、少し情けない風貌の、黄色いジャケットに、迷彩のズボンを履いた、
やや身長が高めの…

「えっ、怪我人!?」
「おじさん、大丈夫ですか!?」

右肩を真っ赤に血で染めた男だった。
それ以外にも、全身に少なく無い傷を負っている。
その情けない風貌の顔は、痛みと恐怖で蒼褪め、さらに情けない顔になっていた。

128追跡者 ◆NH7Vafx8Pc:2010/05/16(日) 04:42:35

「助けて…助けて…」

男は、レナと魅音の姿を確認するや、
少しばかり安堵の笑みを浮かべながら、二人の方へ手を伸ばす。

二人は、少し顔を見合わせたが、直ぐにこの怪我人を介抱すべく、男に近づこうとする。

正にその瞬間、レナ・魅音の二人と、怪我人―ブラッド・ヴィッカーズ―の間に突如、
空より黒く大きな何かが割って入って来たのである。

それは、2メートルを超える、いや下手をすれば3メートルにも達する大男であった。
黒いロングコートに身を包み、黒いズボンを履き、黒いブーツを履いた、
剥き出しの歯茎と、潰れた右目、濁った左目に、人間とは思えぬごつごつした茶色の皮膚をし、
体の随所に紫の触手を巡らした大男の怪物であった。

『Dieee....“INVITED”....Guoooooooo!』

怪物は低い声でそう言うと、悲鳴を上げながら逃げようとするブラッドへと追いすがる。
直ぐに追いつかれたブラッドは、大男の左手で胸倉を掴まれ、引き摺り上げられる。

余りの突然の、現実離れした出来事に、
レナも魅音も、ただ茫然と、その光景を見ている事しかできない。

「助けて…助けて…助けてっ!」

悲痛な叫びを上げながら、何とか逃れんと体をよじるブラッド。
しかしその抵抗も空しく、大男の右の掌が、ブラッドの顔に翳されて、

掌から飛び出した紫の触手が、ブラッドの頭部を突き貫いた。

がすっ、と鈍い音がして、恐ろしく鋭い触手の先端が、ブラッドの後頭部から飛び出る。
もはや命の無いブラッドの体が、びくびくと痙攣した。

レナの隣で、ぺたんと、魅音は尻もちをついた。
しかしレナはそれに気づく様子も無く、視線は、大男に釘付けであった。
魅音も、尻もちを突きながらも、視線は大男に向いたままだ。

129追跡者 ◆NH7Vafx8Pc:2010/05/16(日) 04:43:28

大男は、レナ達の方へ振り向きながら、ブラッドの死体を投げ捨てる。
ゴミの様に投げ捨てられたブラッドの死体の右手より、
拳銃がこぼれ落ちて転がり、魅音の爪先に当たって留る。

大男の濁った左目から、二人に向かって向けた大いなる殺意の塊を感じ取った時、
ようやく、レナは自失状態から回復した。

「魅ぃちゃん!逃げよう、逃げよう!早く逃げようっ!」
魅音の左手を必死に引っ張りながら、レナは叫ぶ。
しかし…

「は…は…はは…ごめん、レナ…」
顔をひきつらせながら力なく笑う魅音は立ち上がらない、否、立ち上がれない。

「お、おじさん…腰が抜けちゃったみたい…」

『DIEEEEEEEE!“INVITED”!GUOOOOOOOOOOO!』

雄たけびを上げる大男の姿と、魅音との間をせわしなく何度か視線を往復させるレナだが、
ふと、何かに気が付き、表情を鋭く引き締めると、

「魅ぃちゃん、逃げて!」
「レ、レナっ!?」

何を思ったか、レナは大男の方へと走り出す。
これには、二人の方へと歩き始めていた大男も、意外だったのか、
ややタイミングを外して繰り出した右手のスイングは、
レナが身をよじることで回避されてしまう。

うまい具合に大男の脇を走り抜けたレナは、その後方の花壇に突き刺さったスコップを引き抜いて、

「えぇぇぇぇいっ!」

横殴りに、大男の脇腹に叩きつけたのだ!

ガスッ!

鈍い音がする。先端が研ぎ澄まされたスコップは、見事、大男の脇腹に突き立っていた。

130追跡者 ◆NH7Vafx8Pc:2010/05/16(日) 04:43:59

スコップは大いに凶器になりうる。
第一次世界大戦の塹壕内での接近戦で最も多くの人間を殺したのはスコップだと言われている。
先端を研ぎ澄ましたスコップは人間の首すら切断する時があると言う。
ロシアの特殊部隊“スペツナズ”ではCQC(近接格闘)用の武術であるコンバットサンボの一部に、
「スコップ術」を取り入れている事実も、スコップの狂気としての優秀性に箔を付けるだろう。

ましてやレナは、その細腕に似合わず、片手で斧や鉈を振り回す怪力の持ち主である。
その力で振るわれるスコップは、正に、恐るべき凶器であった。
しかし…

「…えっ!」

特に痛みを感じた様子も無く、
大男はその右手を振りかぶると、レナの胸元をつかみ、

「きゃ、きゃああああっ!」

無造作に投げ飛ばす。
とっさに頭をかばった為に重傷は免れたが、
背中を強く打ち、一瞬、レナは呼吸が出来なくなる。

「・・・・ッ!」

悶絶しつつも、必死に立ち上がらんとするレナへと、
スコップを引き抜いた大男は、とどめを刺さんと足を進める。
そんな大男の背後で、銃声が鳴り、銃弾が背中に突き立つ!

大男が振り向けば、

「こっち向けぇ、バケモノ!レナから離れろ!」

立ち上がり、拳銃を構えた魅音の姿があった。



(レナが…レナが…殺されちゃう…)

抜けてしまった腰で、何とか立ち上がらろうとするも、立ち上がれないまま、
レナが投げ飛ばされるのを見た魅音だが、恐怖に声も出なかった。

しかし、一方で、仲間であり、友人である竜宮レナの生命の危機に、
何とかしなければ、という強い思いが駆け巡る、その時、

カツン

乾いた金属音。
気が付けば、爪先で、軽く足元のブラッドの拳銃、
ベレッタM92を蹴飛ばしていたのだ。

拳銃の存在にようやく気が付いた魅音は、這うようにしてそれをひん掴む。
冷たい鉄の感触を感じた瞬間、彼女を体を縛っていた恐怖が薄らぐ。
園崎家の次期頭首として、幼少より訓練をさせられた銃器の技法…
確かな殺人の手段が手の内にあるという事実が、彼女の心の追い風になる。

131追跡者 ◆NH7Vafx8Pc:2010/05/16(日) 04:44:42

今までまるで立ち上がれなかったのが嘘のように、
すくっと、魅音は立ち上がると、両手でベレッタを構え、
大男の背に向けて一発!

タァーン!

男の背中の一部が爆ぜ、赤い血が飛ぶ。

(赤い血が出る…血が出るなら、殺せる!)

「こっち向けぇ、バケモノ!レナから離れろ!」

魅音が気を吐き、振り向いた大男に向けてベレッタを続けざまに撃ちこむ。

二発目!

再び大男の背中に銃弾が突き立ち、大男が振り向く。
大男の意識は、完全に此方に向いたようだ。

さらに三発目!

今度は男の胸に突き立つ。
しかし、男は其れを意に介した様子も無く、魅音の方へとゆっくり近づいてくる!

四発目、五発目!

二連射。しかし大男は止まらない。

(きいてないっ!?)

拳銃弾を五発も食らっても平然としてる大男に、
魅音は再び焦り出す。
防弾チョッキを着ていても、銃撃時の衝撃までは消せず、
多かれ少なかれダメージは負う筈なのに、その様子すら無い。

132追跡者 ◆NH7Vafx8Pc:2010/05/16(日) 04:45:17

「ば、化け物ぉっ!」

六発目、七発目、八発目!

今度は三連射。しかし大男は止まらない!

「あ・・・・ああっ!」

魅音の顔が蒼褪める。
慌てて、引き金を引くが。

カシン…
「ッ!?うそっ、弾切れ!?」

ベレッタの装弾数は15発のはず…まだ8発しか撃ってないのに弾切れ。
どうやら、殺された男、ブラッドが、すでに7発使っていたらしい。

為す術の無くなった魅音に、大男は近づいてくる。

「魅ぃちゃん逃げてっ!」

ようやく立ち上がったレナが叫ぶも、魅音は動かない。
余りの状況に、心が折れてしまったらしい。

すぐ手を伸ばせば、大男が魅音を捕まえられる位置に来ても、
魅音は、

「はは…ははは…」

乾いた笑いを洩らすのみ。

大男が右手を振りかぶる。掌からは、先の鋭利な触手が飛び出し、蠢いている。
魅音は思わず目を瞑る。
そこに、

『こっちを向きな、バケモノ!』

思わぬ、第三者の声。そして、

タタタンッ!

銃声。
魅音が目を開ければ、大男は既に此方を見ていない。
大男の視線の先には、霧の向こう側に出現した朧な緑色の人影が…

133追跡者 ◆NH7Vafx8Pc:2010/05/16(日) 04:46:20

タタタンッ!タタタンッ!

マズルフラッシュが輝き、銃弾が3点バースト撃ちで吐きだされる。
ベレッタよりも遥かに力強い銃声が響く。恐らくはライフル弾。

タタタタタタタンッ!

介入者へと向けて早足で接近していた大男に、
今度はフルオート射撃が叩き込まれる。
威力の高い5.56mm NATO弾のフルオート射撃は、流石に、
僅かながらも大男の体を怯ませる。
その隙を、介入者は見逃さなかった。

ポンッ!

という音と共に、介入者の武器、
コルトM4A1カービンの銃身下部にアタッチメントされた、
M203A1グレネードランチャーより発射された、グレネード弾は、
狙いを誤らず大男の顔に吸い込まれ、

ドォォォォンッ!

爆発ッ!
流石にグレード弾の威力は大男にも効果があったのか

『Guooooooooooooooooooooo!』

立膝を突き、両の手で顔を押さえて呻く。

「今だっ、こっちに来るんだ!」

霧の向こうの介入者が大きく手を振っている。

「魅ぃちゃん、早く、早く!」

レナは、どうやら人影に付いていくつもりらしい。
人影を追いかける体勢になりながらも、振り向いて魅音へと呼びかける。

魅音も意を決して、呻く大男の隣を素早く通り抜けながら、
人影を追って走る、走る、走る!

「早く、早く…来るんだ、あいつが起きないうちに!」

声から察するに、人影の正体は男性らしい。
力強く、そして若々しい声だ。

男に従って走るレナと魅音。
暫く霧を駆け抜けていると、急に大きな黒い影が見える。

「ここだっ、一先ず、ここに逃げ込め!」

それは、大型のショッピングモールであった。

134追跡者 ◆NH7Vafx8Pc:2010/05/16(日) 04:46:52



ショッピングモール一階のある飲食店。
そこのカウンターの裏に、三人はいた。

「とりあえず…ここなら、しばらくは見つからないだろ。たぶんマケるはずだ」

男が、息の上がったレナと魅音に笑いながら語りかける。
同じ距離を全力で走ったのに、男の方は少し汗をかいているだけだった。

男は、日本人では無かった。

黒い髪、黒い目をしていたが、その顔立ちは、
恐らく南米系のものだと思われる、彫りの深い、男臭い顔立ちだった。

緑と白の戦闘服に、タクティカルベスト、そして軍用のブーツといったイデタチで、
戦闘服の背中には、独特の傘の様なエンブレムが染め抜かれている。

「はぁ…はぁ…助けてくれて…ありがとう」
「本当に…ところで、貴方は誰ですか?」

レナの質問に、男はニヤッと笑いながら答えた。

「U.B.C.S.( アンブレラ・バイオハザード対策部隊)、カルロス・オリヴェイラ伍長…」
「君達を助けにきたのさ!」

135追跡者 ◆NH7Vafx8Pc:2010/05/16(日) 04:47:29

【E-2 ショッピングセンター1階 飲食店カウンター裏/ 一日目夕刻】

【竜宮レナ@ひぐらしのなく頃に】
 [状態]: 軽度の打撲、軽度の混乱、L3−
 [装備]:なし
 [道具]: なし
 [思考・状況]
 基本行動方針: 状況を把握する。
1:カルロスの話を聞く
2:あの化け物…一体…?
【備考】
※鬼隠し編からの参戦

【園崎魅音@ひぐらしのなく頃に】
 [状態]: 健康、軽度の混乱、L2
 [装備]:ベレッタM92(残弾0/15)
 [道具]: なし
 [思考・状況]
 基本行動方針:状況を把握する
1:カルロスの話を聞く
2:もう、アレには二度と会いたくないねぇ…
【備考】
※鬼隠し編からの参戦

【カルロス・オリヴェイラ@バイオハザード アンブレラ・クロニクルズ】
 [状態]:健康
 [装備]:コルトM4A1(残弾30/30)、M203A1擲弾発射器(残弾0/1)
 [道具]: SIG P226(残弾15/15)、M4A1の予備マガジン×3、コンバットナイフ
 [思考・状況]
 基本行動方針:U.B.C.S.隊員として、市民の救助を行う
1:レナ、魅音の保護をする。
2:はぐれた他のU.B.C.S.隊員と合流する。
3:生存者を連れて、集合場所からヘリで脱出する。
【備考】
※サイレントヒルをラクーンシティーだと勘違いしています。


レナ達三人が去って暫くたった後、顔を押さえ、呻いていた怪物は、呻きを止め、立ち上がった。

驚くべき事に、グレネード弾を直撃した筈の顔面にはもうすでに、
傷らしい傷は見当たらないではないか!
魅音に撃たれた9mm弾の傷などは、最早影も形も見えない。
恐るべき再生力の持ち主だ。

怪物は低い声で呟く。

『Dieee....“INVITED”....Guoooooooo!』

本来、この怪物は、ラクーンシティーに残された、
『ある特定の人物達』を抹殺するために送り込まれた筈の存在であった。

しかし、誰かがその使命を上書きしたのか、
あるいは、このサイレントヒルの魔の瘴気に侵された結果か、
今の怪物の脳髄を満たす使命は、かつての物とは全く異なる物に変貌していた。

すなわち…“INVITED”、「呼ばれし者」達の抹殺こそ、この怪物の今の使命。

立ち上がった怪物は、周囲を優れた感覚で探りながら、『彼ら』を探す。

この怪物には一つの仇名がある。
それは「追跡者」。狙った獲物は、その命が尽きるまで、どこまでもどこまでも追い続ける。

怪物の脳裏に浮かぶのはある三人の人物の映像。
竜宮レナ、園崎魅音、カルロス・オリヴェイラ。

怪物の魔手から逃れた故に、彼女達は、怪物「追跡者」の抹殺対象の最優先個体として認識されてしまう。
「追跡者」は、完全に破壊されるまで、彼女達を追い続けるだろう。

はたしてレナ達は、この恐るべき「追跡者」から逃れられるだろうか?

136追跡者 ◆NH7Vafx8Pc:2010/05/16(日) 04:48:15

【E-2 路上/ 一日目夕刻】

【クリーチャー】
【タイラント NEMESIS-T型「追跡者」(第一形態)】
[状態]:頭部、胸部に軽度のダメージ(回復中)
[装備]:耐弾耐爆コート(損傷率5%)
[道具]:無し
[思考・状況]
基本行動方針:「呼ばれし者」の皆殺し
1:レナ、魅音、カルロスを優先的に追跡、殺害する
2:それ以外の「呼ばれし者」と遭遇した場合、その場で殺害する。
3:上記3人と、それ以外の「呼ばれし者」を同時に発見した場合、
  レナ、魅音、カルロスの殺害を優先。
4:3人を全員殺害完了し次第、新たなターゲットの探索に戻る。
【備考】
※耐弾耐爆コートが完全損傷した段階で、本個体が完全破壊されて無い場合、
 第二形態へと移行する。


【ブラッド・ヴィッカーズ@バイオハザード アンブレラ・クロニクルズ 死亡】

※ブラッドの死体はこのまま放置していた場合、ゾンビ化します。
 ゾンビ化した場合、その耐久力は通常のゾンビの2倍以上あります。


【クリーチャー基本情報】

タイラント NEMESIS-T型「追跡者」(第一形態)
出典:『バイオハザード アンブレラ・クロニクルズ』
形態:基本的に単体行動
外見:一見、黒いロングコートに黒いズボン大男であるが、
禿頭の顔は歯茎が剥き出しであり、右目は大きな手術痕で潰れている。
   また肉体は所々筋肉組織が剥き出しとなり、触手が体中を取り巻いている
武器:基本的には怪力と触手。また、ロケットランチャーとガトリングガンを使用可能。
能力:恐るべき怪力と、人間の頭を軽々貫通する鋭利な触手を持つ。
   また、非常に高い耐久力、回復力を持ち、拳銃弾数発程度では有効なダメージは殆ど与えられない。
   重火器により昏倒に追い込む事は可能だが、完全に殺しきるまではかなりの弾丸を要する。
   また、コートはリミッターの役割を果たしており、これが破損した状態で急激な再生を行うと、
   次の形態へと変化する。最大、第三形態まである。
攻撃力:★★★★★
生命力:★★★★★
敏捷性:★★★★☆
行動パターン: 特定の目標、ならびにその関係者を殺害するまで、どこまでも
       執念深く追跡する。一定ダメージを与えると一時的に昏倒させる事が出来るが、
       短時間で復活し、完全に殺しきるには、かなりの火力・弾丸を要する。
備考:量産型タイラントに寄生生物「ネメシス」を宿らせている。
このネメシスが本体の退化した脳の代わりに脊髄付近に新しい脳を形成し、
馬を操る騎手のような関係になることで知能を向上させたB.O.W.が「追跡者」である。
   ネメシスの寄生により知能が格段に上昇することで、より複雑な任務を自己の判断で継続的に遂行、
複雑な銃火器使用、などが可能となった。
   身体能力はタイラント以上であり、グレネードランチャーなどの弾速の遅い武器なら、簡単に回避できる。中でも、特に自己再生能力は並外れたものであり、大きな損傷を受けても短時間で回復し、
目標追跡を続行する。これは、ネメシスの分泌液の影響が大きく、
これには身体の損傷回復を大幅に促す効果がある。
しかし、無理な超回復や急激な再生は肉体の異形化を起こす要因となる。
   なお、リミッター用コートには、耐爆耐弾効果もある。


【アイテム情報】

コルトM4A1カービン@現実
米国の特殊部隊統合軍SOCOMが、コルト社に開発依頼したM16A2のカービンモデル。
5.56mmNATO弾を使用。連射速度は850発/分。装弾数は30発。

M203A1擲弾発射器@現実
M4A1の銃身下部に取り付け可能なグレネードランチャー。
40mmx46グレネード弾使用。装弾数は1発。

137 ◆NH7Vafx8Pc:2010/05/16(日) 04:50:04
投下終了です。

遅れて申し訳ありません。
あと、キャラ情報は後日投下します。

138 ◆qh.kxdFkfM:2010/05/16(日) 05:01:55
待ってたぜ。まあこれだけの量なら時間がかかってもしかたないさ。

ブラッド、お前はやはりそういう運命か。
ところでちゃんとスペシャルキーは持っているのだろうな、ブラッドよ。

ではこっちは一足先に、キャラ情報とアイテム情報置いておきますよ。

【キャラクター基本情報】

三沢 岳明
出典「SIREN2」
年齢/性別:38歳/男性
外見:大柄でスキンヘッドの日本人、野戦迷彩服を着用。
環境:現代(2005年)の人間。1967年11月9日生まれ。訓練中ヘリトラブルで夜見島に不時着した陸上自衛官で、永井頼人の上官。
   アジア冬季競技大会バイアスロンで男子第一位の成績を残し、レンジャーの資格も持つ筋金入りの自衛官。
   狙撃が得意で、因んでおくと、怪異に巻き込まれた自衛官のなかで唯一、照準眼鏡を装着した64式小銃と旧型の防弾チョッキ2型を装備している。
   2年前、羽生蛇村の災害救助作業中に四方田春海を救出した際、異界の念に触れて以来、幻覚や悪夢に悩まされることになる。
   この為、精神高揚剤と思われる薬を服用している。。
性格:偏屈
能力:幻視。自分を中心に周囲の生物の視界をで自分の視界の如く見られる。
   遠ければ遠いほど視界と音声は雑に。近ければ近いほど鮮明になる。
口調:一人称「俺」、二人称「君」

【アイテム情報】


H&K VP70
装弾数18発。ハンドガンパーツと組み合わせると、「カスタムハンドガン(H&K VP70バースト)」になる。
ストックホルスターが付いたことで3連射が可能になるが、1発当たりの威力は変わらない。

グレネードランチャー
M79 グレネードランチャー。3種類の擲弾があり、クリーチャーの弱点によってそれぞれを使い分けることが可能。
弾道が放物線を描いて落ちるため、他の射撃武器より射程が短く、反動や隙も大きい。
なお、このM79はストックを短く切り詰め、ピストルグリップタイプにカスタマイズされている。

グレネード弾
発射された弾が5つに拡散した後、それぞれ爆発するという性質。
そのため他の弾薬よりも射程が更に短いが、攻撃面積が広いため複数の敵に当たりやすく、弾が同時に多数当たりやすい大型の敵にも有効。

139 ◆VplLOnt7Hg:2010/05/16(日) 13:13:43
もうそろそろ地図もできたしSSを一から見て位置情報を
書き直す事が必要かも。
ブラッドはもうねwww
後主催者側SS、かなり先になるだろうけど
今度こそ完結まで行きたいという願いを込めてUFOEDなどの
オマケSS置き場を設置しましたw

あとメニューに必要なのは死亡者名鑑とかか?

140 ◆BoVaEdQZq.:2010/05/16(日) 16:00:52
それじゃ
新堂誠@学校であった恐い話
前原圭一@ひぐらしのなく頃に
雛咲深紅@零〜zero〜

投下します

141 ◆BoVaEdQZq.:2010/05/16(日) 16:09:34

ケルベロスは、
コスト、安定性、何よりもその機動性において成功を修めたB.O.Wである。

「クソッ!こいつら訓練でもされてんのかよ!?」

だが人間のゾンビよりも高い狂暴性により制御が難しく、
同族以外全てを攻撃する。
その反面、犬独特の統率力は凄まじい。

パァン!パァン!獣達の咆哮に銃声が混じる。
「チッ・・・・チョロチョロとウゼェ奴等だぜ!!」

サイレントヒルの産み出した怪物、バブルヘッドナース。
かつてアンブレラが夢見た
『手を加えずに生み出せて且つ正確に道具を扱う活性死者』
動きは緩慢だが武器のリーチ分、余りあるポテンシャルを持つ。

142戦士の心 ◆BoVaEdQZq.:2010/05/16(日) 16:24:19


現在圭一、新堂一行はケルベロスによる円運動からの一撃離脱、
それに加えバブルヘッドナースからの遠距離射撃に苦しめられていた

「さすがだぜ、まさか連携攻撃してくるとはなぁ」
圭一は思わぬチームワークに素直に称賛を送った。

「感心してる場合か?俺達はこのままじゃ手詰まりだ、もう逃げられやしない」
それに対し新堂は少し焦っているようだった

銃撃は当たりはしないものの確実にかするようになってきた、
その上鉄パイプを持っているナースはどんどんと距離を詰めてきている。

(クソッ!新堂さんの言う通りだ何か手は無いのかよ?
この機械みたいに計算され尽くした動きを止める方法は・・・・)

143戦士の心 ◆BoVaEdQZq.:2010/05/16(日) 16:31:38
と、ここで圭一ははたと気づいた。
(待てよ?『機械みたいに計算された動き?』)

相変わらずゾンビ犬とナースの攻撃は止まない、
しかし先程から致命傷と呼べるような攻撃を一度も受けないのは何故なのか?
意思が無いはずなのに何故これほどの連携ができるのか?
規則的な運動、無意識の連携・・・・それなら

「俺に策があるんだ、聞いてくれないか?」

微笑を浮かべ、既にいくつかの歯形のついた
バットで攻撃を受け流す新堂に問う。

「・・・・言ってみろ」


圭一は策を話し始める、しかしその策は
ついさっき決意したことを覆すような策であった。

「新堂さんここで一旦逃げよう!」

「ア゙ァ?それが出来たら苦労はしねぇって・・・・」

「いいか新堂さん、厄介だったのはこいつらの陣形なんだ!俺達を取り囲むようにじわじわと追い詰めてきやがる!」

144戦士の心 ◆BoVaEdQZq.:2010/05/16(日) 16:42:55
狂犬が牙を剥き、追い付いた悪夢が武具を振り回す。
勇者は牙を避け、悪魔が凶器を防ぐ。

化け物達の連携にも目を見張るものがあったが、
人間2人も伊達に殺し殺され慣れていない。

圭一は続ける。

「でもここで俺たちが逃げ出すことで簡単に崩れるんだよ!この犬だけが真っ直ぐに、ストライクゾーンめがけて走ってくるだろうからな」

新堂はパイプを持ったナースから距離をとりつつ言葉の意味を考える。

「なるほどな、考えたじゃねぇか・・・・」

「「行くぜ!!」」





―――圭一が導きだした答えは『速度』である。
連携に必要なものは『テンポ』と『タイミング』、そして『仲間との信頼』!!
それ等が丁度良く噛み合った時こそ連携しているといえるのだ。

しかし彼等に信頼は無い
単にあまりにも違う『速度』から攻撃にズレが生じ、
連携に見えるだけである。

勝負を決めるのはそんなものじゃあない、勝負を決めるのは―――――

145戦士の心 ◆BoVaEdQZq.:2010/05/16(日) 17:04:17
ケルベロスは円運動をしていたために鉄パイプを持ったナースに衝突し、
ワンテンポ遅れてこちらを追いかけてきた、
ナースはその場に留まった、否、付いていくには遅すぎるため留まるより他に無かった、
援護射撃はもう無い。
ケルベロスとの距離が縮まる





2メートル






1メートル







そして・・・・・!!


「今だ新堂さん!!」

2人は左右同時に飛び退いた、
その構えはバットを振りかぶった打者のそれである



「叫びたきゃ叫べ!最期くらい派手になぁ!!」
「いくぜぇ!沙都子譲りの!必殺のぉ!!」

「「ホーームランだぁああああ!!」」



放たれた強打はきっちりと打球を捕えた。
飛びかかる最中に空中で減速などできるはずもなく
キャイン!という鳴き声と
骨が鼻先から尻尾の先端まで砕けたかのような音と共に
犬は動かなくなった。

146戦士の心 ◆BoVaEdQZq.:2010/05/16(日) 17:28:37


「ハッ!犬ごときが人間様にたてつくからこうなるんだ、そうだろ?」

大喜びの新堂

「あんたさっきまで無茶苦茶焦ってたじゃないかよ!」

ツッコミをいれる圭一

「かっ・・・・かっこいい・・・・・」

後ろでそれを見守るポニーテールの少女・・・・











「誰だあんた?」


「えっ!?あのっ・・・・スミマセン・・・・・銃声が聞こえたもので・・・・・」

パァン!
現状を思い出させるかのように襲いくる弾丸。

「オイ圭一、まさかこいつも連れてあの中に飛び込んむ、なんて言うんじゃねぇだろうな?」

「わかってる、とにかく安全な所に逃げ込もう」

147戦士の心 ◆BoVaEdQZq.:2010/05/16(日) 17:32:28
【C-繁華街:夕刻】
【新堂誠@学校であった恐い話】
[状態]銃撃による軽症、殺人クラブ部員
[装備]ボロボロの木製バット
[道具]学生証、その他

[思考・状況]
基本行動方針:殺人クラブメンバーとして化物を殺す
1:誰だこいつ?
2:もういい加減休みてぇ
3:圭一と情報交換
4:ひとまずこの状況を楽しむ
5:他に殺人クラブメンバーがいれば、合流して一緒に殺しまくる(化け物を)


【前原圭一@ひぐらしのなく頃に】
[状態]銃撃による軽症、赤い炎のような強い意思、L1
[装備]悟史のバット
[道具]特に無し

[思考・状況]
基本行動方針:部活メンバーを探しだし安全を確保する
1:この女の人は誰なんだろう?
2:新堂と情報交換
3:他に部活メンバーがいれば連携して事態を解決する

※今だにバブルヘッドナースの群れは健在です


【雛咲深紅@零〜zero〜】
[状態]T-ウィルス感染、右腕に軽い裂傷
[装備]アリッサのスタンガン@バイオハザードアウトブレイク(使用可能回数7/8)
[道具]携帯ライト、ヨーコのリュックサック@バイオハザードアウトブレイク

[思考・状況]
基本行動方針:ヨーコの意思を引き継ぐ
1:この人達はいい人達なんだろうか・・・・?
2:ヨーコについていく
3:ヨーコさんの仲間は皆死んでしまったの?それとも・・・・

※「今だ新堂さん!」から見ていたようです

148 ◆BoVaEdQZq.:2010/05/16(日) 17:39:39
――――――――
ホアチャーー!!
修正前だったーー!!
【Dー6繁華街】

新堂のプロフィールに
※バットか折れそうです、補強しなければ何回か使ったら折れるかもしれません
を追加、投下終了です

149名無しさん:2010/05/16(日) 20:10:06
現在、2chのスレの方に代理投下中
出来るだけここの作品を多くの人に見て欲しい為の行動ですが…

あの、改行でそのまま投下出来ない個所多すぎw
せめてもう少し考えて欲しいです…

150 ◆BoVaEdQZq.:2010/05/16(日) 20:30:45
改行っていうとあの何行も空けるやつがだめなんですかね?

151名無しさん:2010/05/16(日) 23:08:07
演出や描写で空けるのはアリだと思うけど1レスに入る行が決まってるから何度にも分けて投下するか詰めるかしか方法が…
ここと同じじゃないので切らないと…でも代理が勝手に作品を切るのは出来れば避けたいです

152 ◆BoVaEdQZq.:2010/05/17(月) 00:03:47
うーん・・・・
まぁ行間空けるのはwikiに乗っけるときでいいしね

注意しておきますw

153 ◆qh.kxdFkfM:2010/05/17(月) 04:58:27
ああ、前にいってたのはそういう意味だったのか。なるほど、合点がいった。
ギュウギュウにも書けるけど、そうなると読みにくいし目が疲れるんだよな・・・。
一応簡潔に描写しているつもりだけど、どうしても量が多くなるし・・・困ったな。

こっちは切ることに対して何の不満もないから、好きに切っていいです。
いつも代理投下してもらって悪いね。感謝しているよ。

154 ◆VplLOnt7Hg:2010/05/17(月) 18:04:00
魅音達のいるショッピングモールって
サイヒル1の設定、サイヒル3の設定どちらで書きました?

155 ◆NH7Vafx8Pc:2010/05/17(月) 18:36:15
一応、サイヒル3のつもりでした

156 ◆VplLOnt7Hg:2010/05/17(月) 18:43:21
なるほど解りました、
まぁサイヒル1じゃわけわかんなくなるからねw
地図の編集作業を始めますw

157 ◆WYGPiuknm2:2010/05/20(木) 22:48:44
風間望 投下開始します

158少年は見た! ◆WYGPiuknm2:2010/05/20(木) 22:53:53


視界は、常に白く、濃い霧に覆われていた。
何処を歩いても、それが晴れる事は無い。
いや、むしろ足を進める程、それはさらに濃くなっている様にさえ感じられる。

「困ったねぇ……。」

少年――風間望が、呟いた。
どんな場所を歩いても、霧は身体中に纏わり付いてくる。
それは彼にとって、堪らなく不愉快な事だった。

「全くどうなってるのか………」

自分はいつも通り、仲間――殺人クラブのメンバー――と共に「ゲーム」を楽しんでいた筈。
なのに、何故自分はこの様な霧の世界を彷徨っているのだろうか。
……手に握られたチラシに目を移す。
歩いている途中で、偶然見つけた物だ。
チラシには、赤く、下手糞な字で「殺せ」や「生き残る」だの、随分と物騒な事が書かれている。

「………殺し合い……」

殺人。
快楽殺人者集団「殺人クラブ」のメンバーである風間にとっては、身近な言葉である。
自分の為に人を殺めた事は、数え切れない程存在していた。

「……………………………」

―――公の場で人を殺める事が出来る。
もしそれを所謂“快楽殺人鬼”が知ったら、どんな反応をするのか。
恐らく、殺人鬼は唇を歪ませながら、意気揚々と獲物を探しに行くだろう。
「殺人クラブ」のメンバーである風間も、快楽殺人鬼の一種と言える。
では、彼も上記のように、殺人を楽しめると笑っているのだろうか……?

「…ハァ………………冗談じゃないよ。ホント…………」

―――いや、違う。
なんと、彼は殺し合いに否定的だったのである。
しかも、舌なめずりをするどころか、「チッ」と、舌うちを打っているではないか。

159少年は見た! ◆WYGPiuknm2:2010/05/20(木) 22:57:36

「こういう事には新堂君辺りを呼んでほしいんだけどねぇ……」

殺し合いに乗らないのには当然理由がある。
風間はあくまで命を奪う事に快楽を覚える訳であって、
決して命のやり取りをする事が好きな訳ではないのである。
そもそも、風間は自分の力にあまり過信していない。
………窮地に陥ると、泣いて謝ってしまう自信だって彼にはあった。
そんな自分が殺し合いで一人になろうとする事は難しい…いや、不可能だろう。
それに、あくまで殺し合い云々はチラシに書いてある話だ。 
信憑性はあまり無い。 鵜呑みには出来なかった。
故に彼は、殺し合いをするよりも、ここからの脱出を優先した方が良いと考えたのである。

「それにしても…………」

見たところ、ここは遊園地らしい。
その証拠に、彼の近くには寂れたメリーゴーランドが存在している。

(とりあえずはここから出る事が最優先だな…………)

まず、この街の、何処に、何があるのかを知っておく必要がある。
……ここに留まっている理由は何処にも無かった。
周りを警戒しつつ、風間は深い霧の中に足を踏み入れようと―――――


「――――――――――!!」


―――――踏み入れようとした、その時だった。


何者かの、気配を感じた。


生物特有の、強い気配を。

160少年は見た! ◆WYGPiuknm2:2010/05/20(木) 23:00:06
近くのメリーゴーランドの影に身を隠す。
自分がここに居る事がばれないように、迅速かつ、慎重に。

(………誰だ………?)

風間はメリーゴーランドの台車から、ゆっくりと頭を覗かせる。
人影の正体を確かめる為である。
恐らく、あの影の正体は自分と同じくここに連れてこられた者だろう。
脱出を優先している者だったら自らの脱出の為に利用する。
逆に、殺し合いに乗っていそうな者だった場合には、気づかれないように、ゆっくりとやり過ごす。
……その場で殺すという選択肢もあるのだが、あえて風間はそれを選択しなかった。
まだ実力の分からない者を襲う行為はあまりにも危険。
それこそ愚の骨頂だ―――そう、考えた。

影が段々とはっきりしていき、やがて、風間の目にその姿をはっきりと映し出した。


彼は、その姿を見て――――――絶句した。


風間が見たのは、一般人でも、狂人でもない。


――――兎だ。


人影の正体はピンク色の兎の着ぐるみだったのである。
一体だけではない。 二体、三体……いや、もっと居るだろう。
それらが、重い足取りで道を歩いていたのだ。
まるでそれは、ゾンビの行進の様。
………しかし、風間が恐怖したのは着ぐるみの「姿」でも、「数」でもない。

その手に握られている「武器」だ。

ライフル、チェーンソー、斧……ファンシーなウサギの着ぐるみとはあまりにもミスマッチなそれを、
ほぼ全員が、当たり前の様に所持していたのである。

(何なんだアイツら………!)

不気味すぎる。
さながらその姿は、「御伽の国の妖精」と、「狂った凶悪殺人犯」が融合したかのようだ。

161少年は見た! ◆WYGPiuknm2:2010/05/20(木) 23:04:22

ピンクの体毛。

大きな眼。

薄笑いを浮かべた表情。

青いオーバーオール。

それら全てが奴らの狂気を増幅させていた。
いやむしろ、奴らそのものが狂気。
狂気が形と意志を持ったら、あんな感じになってしまうのだろう。

(そういえば………)

メリーゴーランドの影に頭を引っ込める。
そして、手に握ったチラシを広げ、それに目を向けた。
……そこには、はっきりとこう書かれていた。


―――――――――――――――――――――――

3. 鬼 の 追 加
  一定時間毎に鬼を追加します。

――――――――――――――――――――――


「鬼」。
初めてチラシを見た時から、ずっと引っかかっていた言葉だ。
最初は何の意味だか解からないので、記憶の片隅に放置していたが………。

………もしや、あれが「鬼」なのか? 
だとしたら―――。

(まずい………………!)

……運動もしていないのに、頭から汗がじわりと流れた。
肌を触ると、鳥肌が立っているのが解かる。
それは、直前に見た光景に只ならぬ恐怖を抱いている証拠だった。

162少年は見た! ◆WYGPiuknm2:2010/05/20(木) 23:05:45

(逃げないと………………)

あれが「鬼」だとするのなら、見つけ次第、奴らは集団で襲いかかってくるだろう。
あんな大人数、一人で対処できるわけがない。
襲われたら、間違いなく殺される。

……ウサギの群れに存在を悟られないように、メリーゴーランドから身を離す。


―――逃げよう。 今は逃げるんだ。
―――奴らの居ない、安全な場所まで。


恐怖に打ち震えながらも、風間は自ら進んで霧に飲み込まれていった。


足を進める毎に、彼の姿は段々とぼんやりとしていき――――――。


――――――やがて、完全に消え去った。





彼は気づいていない。

目線の先に、ぼんやりとした光が灯っていた事を。

その光の元は、教会の明かりである事を。

そこには彼と同様に、ここ――サイレント・ヒル――に呼ばれた者が居る事を。


彼は知らない。


彼の行く先にある物は、出口ではなく、さらなる恐怖であるという事を。

163少年は見た! ◆WYGPiuknm2:2010/05/20(木) 23:08:00


【風間望@学校であった怖い話】
 [状態]:健康 強い恐怖
 [装備]:制服 
 [道具]:ルールの書かれたチラシ
 [思考・状況]
 基本行動方針:脱出方法を模索する。
0:あのウサギ(ロビー)から逃げる。
1:他の人間を脱出に利用する。
2:邪魔者は殺す。
3:チラシに書いてある事が真実か確かめたい。


風間望
出典:「学校であった怖い話」
年齢/性別:17歳/男性
外見:茶髪のワカメヘアー。 美形らしい。
環境:私立鳴神学園高等学校3年H組。  「殺人クラブ」のメンバー。
性格:非常に胡散臭く、ナルシストでもある。 窮地に陥ると急激にひ弱になる。
能力:一般人とほぼ同じ程度。 だが、殺人を躊躇しない面がある。
口調:一人称は「僕」、二人称は「君」。 
交友:殺人クラブのメンバー。
参考:このロワに登場する学怖勢の外見は全員アパシー版なので、
   彼の外見もアパシー版にしておきます。

ロビー
出典:「サイレントヒル アーケード」
形態:複数体存在
外見:青いオーバーオールを着たピンク色のウサギの着ぐるみ。
武器:斧、チェーンソー、ライフルのどれか一つを持っている。
能力:これといって特殊な能力は持っていない。
攻撃力:★★★☆☆
生命力:★★★☆☆
敏捷性:★★☆☆☆
行動パターン:敵を見つけると金切り声を上げながら襲いかかってくる。
又、斧を持っているタイプは遠距離から斧を投げつけてくる事がある。
備考:初出はサイレントヒル3。
    トルーカ湖畔にある遊園地「レイクサイド・アミューズメント・パーク」のマスコットキャラクターとして登場した。
    ちなみに、「3」では口元や手に血液が付着していたが、「アーケード」では血液は付着していない。

164 ◆WYGPiuknm2:2010/05/20(木) 23:09:24
投下終了です
風間をヘタレにしすぎたような気がする

165名無しさん:2010/05/21(金) 00:24:56
ク・・・クローディアは・・・・ほんとは優しいおばさんなんだけどね・・・・

でも下手したらロビー君の仲間入りだなw

166 ◆BoVaEdQZq.:2010/05/22(土) 20:33:36
ググウ・・・誰も書き込まなくなっとる・・・・・

ならばぁぁあああ!!

長谷川ユカリ@トワイライトシンドローム
霧崎水明@流行り神
シビル・ベネット@サイレントヒル

予約するぜぇぇえ!!

167 ◆NH7Vafx8Pc:2010/05/22(土) 20:40:28
私もいるぜー

園崎詩音@ひぐらしのなく頃に

予約

168名無しさん:2010/05/22(土) 21:16:48
落ち着けーー!!
ひぐらしキャラは7人も居るんだぞーー!!

169名無しさん:2010/05/22(土) 21:27:34
>>166
シビル姉さんキター!
個人的に大好きなキャラだから嬉しい。
頑張っておくれよ。

170名無しさん:2010/05/22(土) 22:41:36
一作品につき6人が限度じゃなかったっけ?

171名無しさん:2010/05/22(土) 22:51:32
主催者枠もうければ一応参加者6人になるな

172 ◆WYGPiuknm2:2010/05/23(日) 00:37:22
「少年は見た!」の風間の現在地を書き忘れていました
【A-4/遊園地・メリーゴーランド周辺/1日目・夕刻】
を状態表の前に追加しておきます

173 ◆WYGPiuknm2:2010/05/23(日) 00:40:09
ついでに
牧野慶@SIRENを予約します

174 ◆wXYVD2NDBY:2010/05/23(日) 00:44:20
おうけいおうけいわかったよ〜
とりあえず今日明日中にwikiの大掃除をしておくから
風間の項も修正しておきますw

さて・・・・バックアップも取ったし、
『白と赤』、『人間、ふたり―――或いは、何故能力者は得てして惨禍に巻き込まれるか』
の二つを消去させていただきます。
一応代打を入れるために『人間、ふたり・・・・』
の方はタイトル無しとして保管しておきます

175 ◆qh.kxdFkfM:2010/05/23(日) 03:53:25
二人ともお疲れ様&ガンバ。

一作品の参加者枠制限だけど、書き手が誰も言及してなかったから、ノータッチだったな。
ここいらでちゃんと決めておきましょうか。


「参加者の人数は一作品につき、原則的に6人までとする」


ということでどうでしょうかね。
現存の予約については、遡及するわけにはいかんし、例外扱いということで、そのままでいいんじゃないかな。
しかしあの状況からここまで賑やかになるなんて、うれしい悲鳴とでも言うんかね。喜ばしいことだ。

176 ◆wXYVD2NDBY:2010/05/23(日) 04:28:29
あの状況から盛り返せたのはひとえに愛の力さ!!

まぁ現存の予約も主催者候補枠を設ける事で鷹野さんと八尾さんが抜けて
6人って事にできるし
ああそういえば主催者候補枠の議論もしてなかったねぇ
まぁ議論はホラゲバトロワについてでw

177名無しさん:2010/05/26(水) 12:36:19
風間…スンバラリア星人じゃないのか…

178名無しさん:2010/05/26(水) 13:55:00
>>177
たぶんスンバラリア設定だったらチートになりやすいのと、学怖キャラは殺クラで統一する
ってことにしているんじゃないかな。
ライターじゃないからよくわからないけど。

179 ◆BoVaEdQZq.:2010/05/26(水) 16:32:20
>>177
ル ー ル を 読 め !
と言いたいところだがあの人に関してはもう宇宙人が公式設定に近いからな・・・・


会場がサイレントヒルなわけだし
どう考えても本編シリアスにしといて
UFOエンドではっちゃけるための設定温存だろ?

お楽しみは最後までとっとくもんだぜw

180 ◆HGBR/JBbpQ:2010/05/26(水) 20:57:26
 久しぶりでテンションアゲて書き込んでいたら、とーぜん顔してさるさる規制。
 巻き込まれ規制やらさるさるやらでとにかくすぐに書けなくなるから、そりゃアシも離れるっつーの。

 一応書き込んでいた、『RISING 4 DEAD』の続き、こちらに貼っておきます。

181RISING 4 DEAD ◆HGBR/JBbpQ:2010/05/26(水) 20:59:04
「おい、本気か!? 俺も相当クレイジーだと自覚しているが、アンタほどのイカレ野郎は初めて見たぜ!?
 何を考えて、この激戦区に、しかも丸腰でのこのこやってきたんだ!?
 それとも何か? あんたのそのカメラは、実は殺人ビームでも放つ超兵器か何かってのか!?」
 剣幕に押され、半歩下がる。
「まさか、こんな事になっているとまでは思ってなかったんだ」
 その言い訳に、フランシスが更に呆れた顔をする。
「あんた、一体どんな安全地帯に潜んでいたってンだ!?
 世界中がこんな有様だってぇ話なのに、「まさかこんなことには」だって!?」
 世界中。
 このハッピーな男の言葉を解釈すれば、つまりは「世界中でゾンビが現れた」という事になる。
 となると、早朝にこの情報を仕入れ、知り合いに色々確認をし、ヘリを手配して乗り込み飛ばしていた間に、世界各地から続報が次々に流れ出した、という事になる。
 スクープどころじゃない。フランクだけ、見事な置いてけぼり、だ。
 ハイ、こちらFOXニュース! 一大事だ、イラクのイスラムテロリストによる細菌兵器攻撃で、世界中にゾンビが現れたぜ! アメリカ市民よ、銃を取れ! 俺たちのジョージに続くんだ!
 ウィラメッテに来るよりも、何処ぞのオフィスにふんぞり返って、共同通信の続報を待っていた方が、まだマシだったというワケだ!
 絶望的、とはまさにこのこと。
 勿論、フランシスの情報が誤報や思いこみの可能性もあり得る。
 あり得るが、いまはそれすら確認できない。
 その思いが顔に現れたのだろう。
 先程まで興奮していたフランシスが、今度は一転、同情するというか、哀れむというか、そんな表情をして、

182RISING 4 DEAD ◆HGBR/JBbpQ:2010/05/26(水) 20:59:38
「…マジで知らなかったみたいだな。
 呆れると言うより憐れだぜ。
 ウェルカムトゥ・ヘル。このイカレた世界へようこそ、だな」
 そう言って、腰のベルトにさしたハンドガンを、フランクに手渡そうとする。
「ったく、しょうがねぇ。
 丸腰で居て貰っても役に立たねぇし、一丁渡しておくぜ」
 ひんやりとした、重い、鉄の塊。
 何度か射撃訓練をしたことはあるが、正直扱い慣れた代物ではないそれが、どうにも手に馴染まない。
 馴染まないが…あの「スモーカー」の死体を見てしまったからには、コレがどうしようもなく必要になる予感はする。
 
 そのとき。
 軽く、銃声が響いた。
 近くではない。しかしそれほど遠くもない。
 中か? いや、外だ。
 フランクはフランシスと連れだって、音がしたとおぼしき方へと足を向ける。
 向けるが、霧に視界は閉ざされて、正確な位置には見当もつかない。
「くそ、一体何なんだこの霧は。いきなり現れやがって…」
 フランシスの悪態も言い終わらぬうちに、立て続けに銃声がし、その後は爆音。
 近くで、派手な戦闘が行われているのは間違いない。

 暫くして、音が止む。
 その後は、はなから何も無かったかのような静寂が、白い霧の中を彷徨っていた。

183RISING 4 DEAD ◆HGBR/JBbpQ:2010/05/26(水) 21:00:36
「流石に、あれだけデカイ音がすりゃあ、感染者どもがわらわらと集まってくる…ハズなんだがなあ」
 フランシスが、些か微妙な顔をして、誰にともなくそう呟く。
「この霧が出てから、スモーカー一匹しか見てねえし、気配もしねえ。
 一体どうなってやがんだ…」
 フランクには分からないが、おそらくはこの状況に早くも適応している入れ墨マッチョに言わせると、この霧が出てからの状況は、"妙"らしい。
 霧、霧、霧…。
 やはり、霧だ。
「ハッ!」
 再び、先程までのハイな声に戻り、
「考えてても仕方がねえ! 誰が勝ったにしろ、このモールに向かって何者がやってくる可能性は高いぜ!
 まずは、下に降りて、コープスパーティーと行くか」
 フランクの答えも待たず、ずかずかと歩き出す。
 さてどうしたものかと思いつつ、フランクはその後ろ姿を一枚、カメラに収めた。
 この先に待ち受けているのが何なのかも分からぬまま。


【E-2 ショッピングセンター屋上へリポート/ 一日目夕刻】

184RISING 4 DEAD ◆HGBR/JBbpQ:2010/05/26(水) 21:01:35
【フランク・ウェスト@デッドライジング】
 [状態]:健康、少し脚を捻る
 [装備]:ベレッタ(15/15)
 [道具]:高性能デジタルカメラ、筆記用具
 [思考・状況]
 基本行動方針:この町、或いは全世界で起きていることを取材する。
 1:とりあえずフランシスと行動する。
 2:他の人間にも取材をしたい。
 3:しかし本当に世界中で?

※ここがウィラメッテだと思っています。

【フランシス@LEFT 4 DEAD】
 [状態]:健康、ハイ
 [装備]:軍用ショットガン()(2/4)、ベレッタ(15/15)、
 [道具]:ショットガンの予備弾(20)、ベレッタの予備弾倉(5)、フラッシュライト、救急キット(1)、パイプ爆弾
 [思考・状況]
 基本行動方針:とにかく感染者を殺しまくって生き残る。生存者は助ける。
 1:さて、下に降りよう。
 2:フランクはものを識らなさすぎて困ったもんだが、仕方がない、連れて行こう。
 3:しかし、この霧は妙だな。

※もともとは、世界中がゾンビであふれかえっている、破滅した(おそらくニューヨークか何処かの)大都市に居た。
 そこから移転したことに気がついていない。

185RISING 4 DEAD ◆HGBR/JBbpQ:2010/05/26(水) 21:04:11
【アイテム情報】
※パイプ爆弾@@LEFT 4 DEAD
 パイプ型の小型爆弾。
 スイッチを入れて遠くへ投げると、アラームが鳴り感染者を惹き付けてから、数秒後に爆発して、周囲の感染者を殺し尽くす。
 アラーム、騒音に感染者が惹き付けられる、のは、ゲーム内の設定なので、他のクリーチャーの反応はそれぞれと思われる。

【キャラクター基本情報】
フランク・ウェスト 
出典:デッドライジング
年齢/性別:20代か30代?/男性
外見:短く刈り揃えた黒髪に、黒いジャケット姿の、いかつい風貌の男。
環境:フリージャーナリスト兼カメラマン。
性格:意志が強く行動的で勇敢。
 つまり、ハリウッドの巻き込まれ型アクション映画の主人公そのもの。
 ぶっちゃけ、キャスティングはブルース・ウィリスでもイメージとしてはOK。
能力:一般人だが、潜在能力は高い。
(ゲーム後半では、素手でゾンビを蹴散らす程に。
 その多彩な肉弾技の数々は、検索すると山ほど出てくるが、ロワ内で何処まで反映させるかは、微妙。
 なお射撃能力はあまり高くない)
口調:俺、あんた、等。
交友:ゲーム内では多くの生存者を救助するが、ロワ登場時にはヘリパイロットのエドのみ。
備考:基本的に、ここで書かれていることでほぼ全てとの解釈でok。

186RISING 4 DEAD ◆HGBR/JBbpQ:2010/05/26(水) 21:06:03
フランシス(ファミリーネーム設定不明) 
出典:@LEFT 4 DEAD
年齢/性別:20〜30代/男性
外見:黒の皮ベストに黒のジーンズ。目つきは鋭く、髪は黒く短く刈り上げて髭面、両腕に入れ墨。見るからにギャング然とした風貌。
環境:ゾンビだらけの世界からやってきた荒くれ者。
性格:横柄で尊大だが、同行者は決して見捨てない。
能力:銃器の扱いとサバイバル能力に長ける一般人。
口調:ややぞんざいで乱暴、だと思う。
交友:ゲーム内では、ルイス、ビル、ゾーイらと4人のチームを組んで行動。
備考:横柄な態度、デカい声、そして見るからに屈強な肉体。
 フランシスはこのゾンビの大発生を前にしても、まるでいつもの喧嘩の規模が大きくなっただけだ、といわんばかりの振る舞いを見せる。
 ウィルスの感染が広まり出すと、人々は食料をかき集め安全な避難場所を捜し求めた。
 だがフランシスは違った。
 彼は銃を掴んで、鼻歌交じりに暴れ始めたのだ。
 警察官も法律もない、無秩序の世界。
 ゾンビさえいなければ、フランシスはすぐこの世界に馴染んでしまっていただろう。

 以上、マニュアルより。
 この情報で全てであり、ゲーム内で明かされるものは特にないので、これで十分。
 なお、ゲームの性質上、基本的に脱出するその瞬間を除くたいていの場合、同行者を見捨てないし、敵を発見したら即座に仲間に警告し攻撃する。
 ロワ登場時、他のゲーム内の仲間と会った後かどうかは不明。

187RISING 4 DEAD ◆HGBR/JBbpQ:2010/05/26(水) 21:10:52

【クリーチャー基本情報】
スモーカー
出典:レフト4デッド
形態:主に1体。他の感染者等とはあまり群れない。
外見:腐敗した状態のゾンビ
武器:長い舌。
能力:長い舌を伸ばして首などを締め上げて殺す。一度締め上げたら、一人の力で外すのは至難。
攻撃力:★★☆☆☆
生命力:★★☆☆☆
敏捷性:★★☆☆☆
行動パターン:屋上などの生存者より高い位置を隠れて移動し、遠くから舌で狙撃してくる。近距離ではツメで攻撃。
備考:ゲーム内で「特殊感染者」と呼ばれるゾンビ。
 遠距離攻撃が厄介だが、基本すぐ仲間に助けて貰えるので、強敵ではない。
 ただしゲーム上では、締め上げられると脱出不可能なので、ロワで一人の時に襲われると強敵かも知れない。
 出現前には、コフコフと煙にむせる声がする。

188RISING 4 DEAD ◆HGBR/JBbpQ:2010/05/26(水) 21:14:33
 以上、「背景を調べる必要がほとんど無いアメリカンマッチョ二人」 でした。
 ライジングでは、フランク自身は完全な巻き込まれ主人公なので謎はないし、レフト4は、単に高速で迫り来るゾンビを撃ちまくるだけのサバイバルホラーガンアクションですからねぇ。

189名無しさん:2010/05/26(水) 21:45:09
フランクさん!
成長すれば全裸ステゴロでゾンビを粉砕し、
ロックマンのコスプレでゾンビをなぎ倒し、
タツカプにまで参戦を果たしたフランクさんじゃないか!

個人的にデッドラ参戦は普通に嬉しいです。
ところで、「デッドラ」のサイコパス勢って出すとしたら参加者?クリーチャー?

190 ◆BoVaEdQZq.:2010/05/29(土) 00:56:14
ウ〜ム・・・・
人の作品に口出しするのはポリシーに反するんだが

ショッピングモールは不味いんじゃないか?
次の書き手によるけどタイラントも含めると付近に7人も固まることになる
デッドライジング的に考えて必須なのはわかるが

例えば・・・・元を辿れば無茶苦茶分かりにくい作りにしちゃった俺が悪いけど
B−4の灯台とかが無難だと思う
あそこならUF・・・・
ヘリコプター的なものが三機くらい停まれるデカさだし

191 ◆WYGPiuknm2:2010/05/29(土) 01:44:09
一日遅れた・・・
牧野慶を投下します

192 ◆WYGPiuknm2:2010/05/29(土) 01:44:59

■  ◆  ■

B-1の何処か。



名も無き亡骸が、そこで横たわっていた。



本来ならそこで役目を終える筈だった殻。
ここで朽ち果てるのを待つだけの存在。



もう、動かない。




…………ピクリ。




―――動かない「筈」だった。

193 ◆WYGPiuknm2:2010/05/29(土) 01:47:47
◆  ■  ◆

「……………みんな……………」

牧師――牧野慶が、霧に覆われた道を弱々しい足どりで進んでいた。

「………何処にいっちゃったんだ……………」

……みんな、居なくなってしまった。
見慣れた村人も、住宅も、森林も、何もかも。
自分は、言われた通りに儀式を行なっただけなのに。



―――どうして? どうしてこんな事に?



消えた羽生蛇村の代わりに現れたのは、西洋風のおかしな町並み。
見知らぬ町並み、見知らぬ建造物。
何もかもがかつて居た場所とは違う、異形の世界。



―――まさか、こんな事になってしまったのは自分のせいなのか?



牧野は、自分の義理の父―――牧野怜治の姿を思い浮かべる。
怜治もまた、牧野同様、羽生蛇村の求道師だった。
儀式を失敗させてしまった彼の行く末を、牧野はよく知っている。



―――もしも自分が儀式を失敗に終わらせたら……。



体中から血がサァーッと引いていくのを感じる。
住民から後ろ指を指されながら生きていく人生。
そんな惨めな目には遭いたくない。

194 ◆WYGPiuknm2:2010/05/29(土) 01:48:29



―――でも、どうすれば…………。



「八尾さん…………………」

彼は自分の理解者である、八尾比沙子の名を呼んだ。
村人の重圧から自分を救ってくれる唯一の存在。 それが、彼女である。
……勇気も、力も無い彼には、彼女に救いを求める事しか出来なかった。
それが惨めな事である事は彼も薄々理解している。
だが、それでも、彼は彼女に頼るしかなかったのだ。



―――こんな時、八尾さんなら………………。



八尾さんなら、なんと言ってくれるのだろうか。
きっとあの優しい顔のまま、励ましてくれるに違いない。
そして言ってくれる。 「またやり直せばいい」と。


…………やり直す?

「そうだ…………!」



―――そうだ、それがあるじゃないか!



失敗したのならもう一度やり直せばいい。
美耶子様は逃げただけであって、死んだ訳ではない。
探し出して、もう一度儀式を行なうのだ。
そうすれば、儀式は成功し、この変異も終わるに違いない。

「よし…………!」

この事は、牧野の恐怖心を和らげるには十分な物だった。
彼は再び儀式を行なう為に、前よりも軽い足どりで道を進み始めようとした。



だが、その瞬間。

195 ◆WYGPiuknm2:2010/05/29(土) 01:49:48


ザザ―――――ザザッ――――



「なっ………………!」

彼の視界が、まるで「壊れたテレビ」の様に変化したのだ。
映っている景色も、ついさっきまで見ていた所ではなくなっている。

「これは……………………!」

牧野は自らの身に起きたこの現象に戸惑いを隠せないでいた。
何故なら、今自分の目の前に広がっているこの光景は、
「つい先程彼が見た場所」にそっくりだったのだから。



ザザ――ザッ―――ザザ―――――



意志とは関係無く、視界は前へ、前へと進んで行く。
まるで、誰かの視界を支配して自分で見ている様だ。



ザッ――ザッ―――――ザザザザッ――



しばらくして、霧の中から人影らしき物がぼんやりと現れた。
牧野と良く似た体格をしたそれは、頭を抱えているようにも見える。

視界の移動する速さが急激に落ちていった。
前方の影に気づかれないように、慎重に進んでいる。
近づくにつれ影はその全貌を露にしていく。
それは、その影の正体は――――――――――。




「私…………………………?」





――――――自分だった。

196 ◆WYGPiuknm2:2010/05/29(土) 01:52:17
目の前の人影は、―――牧野慶その人だったのだ。
あの修道服は、あの体格は、紛れも無い自分自身。
良く似ているのではない。  あれこそが自分だったのである。

「…………………………!!」

自らの姿を見た瞬間、彼の視界は元の世界に戻された。
変化した時と同様に、一瞬で。

「あれは…………………!」

……理解出来なかった。
どうして目の前に自分の姿があったのか。
そもそもあれは何なのか。
考えれば、考えるほど、意味が解からなくなっていく……。


――――――…………待て。


あの光景はまるで自分が今まで来た道を辿っているようだった。
あれが、仮に他人の視線だとするのなら?


―――まさか。


……そんな筈が無い。 いや、そんな事があってたまるか。
「誰かが自分を付けている」なんて。


―――有り得ない。


ゆっくりと、恐る恐る振り返る。


―――有り得ない筈だ。


視線の先にいたのは………………。

197 ◆WYGPiuknm2:2010/05/29(土) 01:52:55











「………………………見たなぁ…………?」

198 ◆WYGPiuknm2:2010/05/29(土) 01:53:38
その、「まさか」だった。



真っ黒な服装……。




人間にしては青白すぎる体色……。




眼球から流れ出る血液……。




その姿は、まるで……まるで……まるで…
まるで…まるで…まるで…まるで…まるで…
まるで、まるで、まるで、まるで、まるで、まるで、
まるでまるでまるでまるでまるでまるでまるでまるで――――――



「化け物…………………………!」

199 ◆WYGPiuknm2:2010/05/29(土) 01:54:42
牧野はすぐさま前方に視線を戻し、全力で前へと走り出した。
後ろも振り向かずに、全力で、走る、走る。


―――殺される!!



―――あいつ、自分を襲ってくるに決まってる!!



―――嫌だ! こんな所で死にたくない!!



―――私は帰るんだ! 元の世界に! 八尾さんのいた場所へ!




―――だから……お願いだ! 誰か………誰か……!






「助けてくれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」






【B-1/犬小屋周辺の道/一日目夕刻】

【牧野慶@SIREN】
[状態]健康 怯え ヘタレ 疲労(中)
[装備]修道服
[道具]
[思考・状況]
基本指針:もう一度儀式を行ない、変異を終わらせる。
0:助けてぇぇぇ!!
※ここが羽生蛇村でない事に気づいているようです。
※儀式を行なえば変異は終わると思っています。

200 ◆WYGPiuknm2:2010/05/29(土) 01:55:35

■  ◆  ■

「あらら、行っちゃったよ」

逃げていく影を見つめながら、化け物――闇人が呟いた。

「………まぁ、いいや」

隙を突いて襲ってやろうと思ったが、相手が気づいてしまった。
自分では完璧に気配を消せたと思っていたのに、予想外。
追いかけようもとしたが、少し考えてから、やめた。
自分の今の脚力では、走り去った男に追いつく事は不可能だろう。
それに、この「殻」に憑依してからものの数分程度しか経っていないのである。
まだ器用に走る事は出来ない。
まずは自分を殻に馴染ませなければ。
彼は、傘を揺らしながら牧野の走って行った方向へ歩き出した。

「舞〜え舞〜え 巫〜っと ……ヘヘッ」




陽気に歌を歌いながら、ゆっくりと。 ゆっくりと。

201 ◆WYGPiuknm2:2010/05/29(土) 01:56:36
投下終了です
闇人の状態表っていりますか?

202 ◆WYGPiuknm2:2010/05/29(土) 02:03:58
タイトル書き忘れてた
「見ぃつけた」です

203名無しさん:2010/05/29(土) 09:42:51
一応スペックはいるんじゃないでしょうか。
ほかの人も参考にするはずですし。
しかし闇人か…。また厄介なのが増えたなwww

204名無しさん:2010/05/29(土) 10:43:10
やみんちゅ、キター
てことは、参加者は死んでも闇人化するかもしれんわけか

牧野はヘタレすぎてイライラさせてくれることを期待していたり

205 ◆BoVaEdQZq.:2010/05/29(土) 16:27:21
>>204
闇人は前にも出てるでよ

それでは
シビル・ベネット@サイレントヒル
霧崎水明@流行り神
長谷川ユカリ@トワイライトシンドローム

投下します

206探し人 ◆BoVaEdQZq.:2010/05/29(土) 16:30:57


ブロンドの短い髪。化粧っ気のない顔。男っぽく引き締まった表情。警察官シビル・ベネットは行ってしまった2人の来訪者に溜め息をつく
「何故こんなことに・・・・」

二度と近寄らないと決めたのに・・・・またあの町に戻る羽目になってしまった。

誰か居たら愚痴の1つでも聞いてもらいたいくらい、
あぁもちろんあの二人以外に―――ー


あの悪魔を倒してから早数年
私は今もブラマで警察官を続けている。

近年は特に異常も無く、いつも通りの忙しい毎日を送っていたんだけど。
今日は違った。
前に経験した隣町の怪異のようにブラマには深い霧が立ち込めていた。

207探し人 ◆BoVaEdQZq.:2010/05/29(土) 16:32:24
幸いにも、イヌやトリの化け物はいないし、人も消えてない。
でも何か違和感がある。
胸騒ぎがする。
それにまさかとは思ったが案の定あの街の警察署からは応答が無い。

霧に包まれた街――――サイレントヒル

きっと、いや確実にあの街が関わっているに違いない。

またいつかのように
哀れな観光客や町の市民達が何も知らずにあの街に入らないよう、
街の境目にバリケードを作りに行くことにした

今でもここまでは正しかったと思う。
だってそうでしょ?
困っている市民を守るのが警察官の役目だもの。

問題だったのは一通の手紙を持った少女と
サイレントヒルから来たにも関わらず
サイレントヒルに行こうとする奇妙な男を
止められなかったこと・・・・

208探し人 ◆BoVaEdQZq.:2010/05/29(土) 16:35:55


「すいません、サイレントヒルはどこですか?」

たどたどしい英語で長谷川ユカリはバリケードを作っている婦人警官に訊ねる
彼女の友人、ミカやチサトがいなくなってから一年の時が流れ、
何故だかはわからないけど消えてしまったはずのチサトから手紙が来た。

あの日ミカがいつものように持ち込んできた噂話、
サイレントヒルで待っているという内容だった


お金を貯めて、場所を調べて、
ここまでどれだけの労力を費やしたか・・・・

ブラマの隣町だっていうから多分ここだろうけど、
もしいなかったら戻ってきた時叱りつけてやる。

「サイレントヒルはこの先だけど・・・・・危険な街よ、
通行を許可する事はできないわね」

そういわれてもここまで来たら引き下がるわけには行かない。
共に何度も危機を乗り越えた仲間だから。
・・・・・その危機は大半の場合ミカが持ってくるのだが。

「友達が待っているかもしれないんです、なんとかなりませんか?」

手紙を見せてみる。
警官にはやはり通用しなかった。

「ダメなものはダメよ、早く家に帰りなさい。大丈夫、霧が晴れたら捜索してあげるから――――」

209探し人 ◆BoVaEdQZq.:2010/05/29(土) 16:38:08


ガシャン!!


バリケードの崩れる音と共に一台の車が現れた
ヨレヨレのYシャツに、ボサボサの髪。
タバコをふかしながらゆっくりと揺れるように車から出てきた東洋人の男は
大層疲れた表情で、やはりあの街の名前を口にした。

「バリケードを壊してしまってすまない。
ちょっと訊ねたいんだが、サイレントヒルって噂話を知ってるか?」

またサイレントヒル・・・・
警官は困惑と呆れの混ざった表情で突然の乱入者・・・・あるいは不審者に問い返す。

「ふざけた男ね、この道路を使用したらサイレントヒルを通るはずでしょ?」

「なんだと・・・・?」

男は一瞬目を見開き考え込み始めた。
元々疲れきった顔は更に険しくなり、おかしな物でも見るように警官を見ている

その様子はまるでパラレルワールドに迷い込んだ人のようであった。

210探し人 ◆BoVaEdQZq.:2010/05/29(土) 16:42:39


「おじさん、サイレントヒルに行きたいの?」

こっそりと警官の横を通り抜け男に話かける。
警官はしまったという顔をしているがそんなの関係ない。

「・・・・・サイレントヒルに行く方法、もしかしたら判るかもしれない」

「・・・・本当か?」

「前に一度似たような場所に行ったこと、あるから・・・・だから私も連れてってください!」

あるべき場所に街が無いなら、きっと街の裏側に行く方法で行けるはず
得体の知れない男だが二人を連れ戻すためなら付いていくしかない。

「無謀だわ、待ちなさい!」

「大切な人を探さなくちゃいけないんです!おじさん!早く!」

車のドアが閉まり、警官は霧の中に置き去りにされた。
しばらくして男が口を開いた。

「・・・・・アンタも誰かを探しに来たんだな、俺も似たようなもんだ・・・・」

どうやらおじさんも大切な人をあの街に奪われてしまったらしい。


「で、サイレントヒルに行くにはどうすればいい?」

211探し人 ◆BoVaEdQZq.:2010/05/29(土) 16:48:06


「サイレントヒルがあるはずの場所を往復すればいいんです、多分3回くらい・・・・」

私が答えるとちょっと嬉しそうな声でおじさんは言った。

「なるほど、一部地域で流行していた『トイレの花子さん』の派生系、
『犬と少女』や『公園の神隠し』、『合わせ鏡の悪魔』等
ループに関わる都市伝説は数多く存在する。
また連続して何かを繰り返すという行為は
輪廻転生に深い関わりがあるとする説もある。
特に『公園の神隠し』は今回のケースのように
別の世界へ紛れ込む話だったな。
そして、それらの都市伝説における別の世界とはなんなのか、未だ解明されていない。
異界説、平行世界説、タイムトラベル説、等々多くの説が存在するが
サイレントヒルへ連れていかれるというのも面白い解釈だ、
試してみる価値はあるな。そういえば
似た場所に行ったことがあると言ったな。
俺の名は霧崎水明。
もしよかったら聞かせてくれ。アンタが体験した都市伝説を」

バックミラーに写る彼の瞳は
さっきまでと違って心なしかキラキラと輝いている

今更ながら自分の愚行を後悔し始めた。
(・・・・ヤバい臭いがプンプンする
大丈夫なの?このおっさん・・・・)

212探し人 ◆BoVaEdQZq.:2010/05/29(土) 17:03:51


【長谷川ユカリ@トワイライトシンドローム】
[状態]健康?
[装備]無し
[道具]ショルダーバッグ(パスポート、オカルト雑誌@トワイライトシンドローム、
チサトからの手紙?、食料等、他不明)

[思考・状況]
基本行動方針:チサトとミカを連れて雛城へ帰る
1:サイレントヒルに着くまでおっさんと話をする
2:着いたらすぐにでもミカとチサトを探し出す

※チサトからの手紙は本物かどうかわかりません


【霧崎水明@流行り神】
[状態]精神疲労(中)、睡眠不足
[装備]無し
[道具]謎の土偶、紙に書かれたメトラトンの印章、
自動車修理の工具、食料等、他不明

[思考・状況]
基本行動方針:純也と人見を探し出し
サイレントヒルを解明する
1:この小娘はただ者じゃない気がする・・・・
話を聞いてみたい
2:そもそもサイレントヒルは実在するのか?
3:もし実在して、そこに人見や純也がいるなら共に
『都市伝説:サイレントヒル』を解明する

※ユカリやシビルが異世界の人間なのではないか
と感ずきました

※何故サイレントヒルに入れなかったのかはわかりません


【謎の土偶@SIREN?】
霧崎水明のコレクションのひとつ、
盾を持った土偶、宇理炎によく似ているが
魔力があるかどうかはわからない。

【メトラトンの印章@サイレントヒルシリーズ】
サイレントヒルにおける退魔の印とされているが
これだけではなんの効力もないらしい
サマエルの印章と呼ばれる印でこれを形作ると邪神を滅ぼす事ができるらしい

213探し人 ◆BoVaEdQZq.:2010/05/29(土) 17:09:32






まったく・・・・どうして、こう
あの街には行方不明者とそれを探しに行く人が多いのかしら・・・・
シビルは肩をすくめて思った。

悪夢の街に挑む彼女のバッグの中には
サイレントヒルから帰った後
こんなこともあろうかと揃えておいた
これまた悪夢の様な武器が、まだかまだかと出番を待っている。






【シビル・ベネット@サイレントヒル】
[状態]健康
[装備]10連装変則式マグナム@サイレントヒル210/10
[道具]旅行者用バック(、食料など他不明)、警察手帳、サイレントヒルの観光パンフレット(地図付き)

[思考・状況]
基本行動方針:サイレントヒルにいる要救助者及び行方不明者の捜索
1:さて、まずはあの二人ね
2:前回の原因である病院に行ってみる

※サイレントヒル本編で病院のある場所には
現在研究所があります

【十連装変則式マグナム@サイレントヒル2】
マリア編の主人公マリアが使っていた銃
弾丸が10発入る事以外は普通のマグナム銃と変わらない


【サイレントヒルの観光パンフレット@サイレントヒルシリーズ】
地図等が載っている
サイレントヒル各所に置いてある地図とほぼ同様の物であるが
増えた建物については載ってない

なお以下の紹介文がついている
湖をのぞむ静かなリゾートタウン、サイレントヒル。皆様のこの町への来訪を歓迎します。騒がしく忙しい日々は忘れて、ゆっくりと休暇をお楽しみください。

落ち着きある素朴な町並み。
自然あふれる山々の景観。
そして早朝、昼間、夕暮れと時間の変化と共に、幾つもの美しさを見せる湖。

サイレントヒルは、きっと皆様に深い感動と、安らぎを与えることでしょう。
この町での滞在が楽しく充実したものになることを、最高に思い出深いものになることを願っております。
編集者:ロジャー・ウィドマーク

214探し人 ◆BoVaEdQZq.:2010/05/29(土) 17:16:50
―――――――――
投下はもう・・・・投下はもう・・・・
投下はもうオシマイだぁぁああッ!!
メメタァ!!


まだ枠が残ってたらヒヒヒとハリーと
黒ツンデレと牧師の話書こうと思ってたけど
無いものはないな。

215名無しさん:2010/05/29(土) 18:35:04
投下乙

兄さん、活き活きとしすぎだよ
トワイライトの最後の嫁が来たかー
そういえば、シビルって正統ルートでは死んでいるだっけか
ルートが元に戻らないといいが

これで、零・トワイライト・流行り神・学怖は同一世界ってことになるのかな

>>205
いや、零式と乙式は違うじゃん
なんつーか印象的に
やみんちゅといえば零式を最初に思い浮かべる的な

216 ◆BoVaEdQZq.:2010/05/29(土) 20:06:30
いや、水明さんは一度サイレントヒル付近を通っているから次元移動した感じだと思いつつ書きました

おそらくですが3パターンの場所から人が集まってるんじゃないかと


まとめると
サイレントヒルが実在してる世界(トワイライト、サイレントヒルシリーズ等)

サイレントヒルが都市伝説として広まっている世界(学怖、流行り神、零も?)

サイレントヒルは存在しないし都市伝説も広まってない世界(バイオ、ひぐらし、クロックタワー等)


紛らわしい設定はwikiに載せるときに追記しときますねw

217 ◆BoVaEdQZq.:2010/05/29(土) 20:17:37
>>215
水明先生の解説シーンは気付いたらいつの間にか書いてあった

そして確かに甲乙は全く別の敵に見えるなw

218 ◆NH7Vafx8Pc:2010/05/30(日) 18:29:36

園崎詩音@ひぐらしのなく頃に

投下します

219ディア・ハンター ◆NH7Vafx8Pc:2010/05/30(日) 18:30:00


―――人間が、一番怖い




『B-2地区』

アメリカ北東部の街、サイレントヒルの北部、市街図上ではそう呼称されるエリアには、
一見、何の変哲もないアメリカ北東部の典型的な田舎町の風景が広がっている。
広い車道に、歩道の並木、立ち並ぶ控えめな装飾の、歴史のありそうな民家群…
本当に何の変哲もない。

しかし、ここはサイレントヒルだ。呪われ街だ。
目を凝らせ、耳を澄ませろ、臭い嗅ぎつけろ…
そうすれば見えて来る筈だ、聞こえて来る筈だ、臭って来る筈だ…
この街の異常が、呪いが、怪奇が、確かに感じられ筈だ。

見ろ、そして感じろ、街全体を覆う、この白く濁った霧を。
聞け、そして感じろ、この街の生者の生活の喪失を、生ける死者の徘徊を、魑魅魍魎の跳梁跋扈を。
嗅げ、そして感じろ、この街に満ちた陰性の臭いを、腐臭を、そして血臭いを…

見るがいい…車も人通りも絶えたアスファルトの上を徘徊する、生きる死者の群れ達を…

220ディア・ハンター ◆NH7Vafx8Pc:2010/05/30(日) 18:30:43
『ゾンビ』
そう呼称される、死にながら、腐りながらも未だ動く事と喰らう事を止めぬ亡者達。
T-ウイルス、神を畏れぬ愚か者どもが造り出した恐るべき悪疫の犠牲者達は、
『死の勝利』、『死の舞踏』、はたまた中世のペスト渦の忌わしき伝説にある様な、
死者が墓場から復活する生き地獄の様相を呈していた。

この街、サイレントヒルには、あらゆる死の気配が満ちている。
その、端的な現れが、この死者の群れと言えよう。

しかし、こんな死に満ちた街にも、人間と言うモノは居るモノである。
その証拠に、白い霧を引き裂いて、銃弾が徘徊する、あるゾンビの頭部を貫いた。

7人ほどで固まって徘徊していたゾンビ群の内、先頭を歩く一体であったが、
T-ウイルス起源のゾンビが活動を続ける上で必要不可欠な頭部を、
強力なライフル弾で撃ちぬかれ、脳漿をまき散らしながら地面に倒れ伏した。

『同行』してた個体が破壊された為か、あるいは銃声を聞いた為か、
知性を感じさせない白濁した瞳で周囲を見渡す。
T-ウイルスの影響で著しく知能の低下したゾンビ達は、
狙撃された事に対し、伏せる、遮蔽物に隠れる、などと言った行動を取る事は無い。
故に、

221ディア・ハンター ◆NH7Vafx8Pc:2010/05/30(日) 18:31:42

タァーン、タァーン、タァーン…

次々と、続けさまに霧を裂いて飛んで来る銃弾の餌食になった。
ゾンビの群れに撃ちこまれた銃弾は合計7発。いずれもライフル弾。
濃霧の為か、あるいは狙撃手の技量の為か、全弾命中した訳ではなく、
2発は完全に外れ、2発は頭部を外れた為に致命傷にならなかった。

生き残ったゾンビ達は、一足先に自由になった嘗ての同類の死骸に喰らい付き、
終ぞ、自分達を見つめる狙撃手の目線に気がつく事は無かった。



死者達が、見えざる狙撃者から攻撃を受けていた場所から、
おおよそ50メートルほど離れた民家の三階。
そこの窓から、細い金属の棒が突き出している。
周囲に臭う硝煙の臭いから、それが容易にライフルの銃口であるのが知れる。

部屋の中には、ライフルを構えた一人の少女が居た。
長い髪をポニーテールにした、凛々しい顔立ちの少女である。
このサイレントヒルに呼ばれた少女、園崎魅音と、瓜二つの容貌であったが、
果たして、彼女は園崎魅音と血を分けた、たった一人の双子の『妹』、
園崎詩音に他ならない。

222ディア・ハンター ◆NH7Vafx8Pc:2010/05/30(日) 18:32:40

詩音は、自身で狙撃したゾンビ達の様子をライフルスコープ越しにしばらく観察していたが、
スコープから目を離すと、ライフルの機関部右側に空いた給弾口より、
.30-30Winchester弾を押しこみ装弾する。

――ウィンチェスターライフルModel.1894

西部劇でお馴染みの傑作レバーアクションライフル、
『ウィンチェスターライフルModel.1873』を、
銃器産業の天才的技術者、ジョン=ブラウニング(ブローニングとも)が改良した、
レバーアクションライフルの決定版とでも言うべき名銃である。
『.30-30Winchester弾』といったライフル弾を使用し、
時勢故に軍用ライフルの座こそ後続のボルトアクションに明け渡したものの、
外見の独特の美しさもあって、狩猟用ライフルとしては現在も世界中で愛用されているモデルだ。

詩音の手の中にある物も恐らくは猟銃として使われていた物であり、
彼女のが今いる部屋には、この銃で仕留めたのか、幾つもの動物の剥製が誇らしげに飾ってある。
ウィンチェスターライフルの方も、仕留めた獲物と一緒に写った、
この部屋の本来の主と思しき人物の写真と一緒に飾ってあった物だ。

最後の弾丸を押しこみ、レバーをカシャンと起こすと、
初弾が薬室に装填され、撃鉄が起こる。
後は引き金を引くだけで、初弾が発射される状態である。

223ディア・ハンター ◆NH7Vafx8Pc:2010/05/30(日) 18:33:56

ライフルを一旦、足元に立てる。
ライフルの隣には、ソードオフ(散弾銃の銃身と銃床を切り詰める違法改造)された、
レミントン M870ショットガンが壁に立て掛けられている。
アメリカでは軍用・警察用から狩猟用・護身用まで幅広く使われている一般的な散弾銃であり、
日本へも主に狩猟用散弾銃として輸入されている代物だ。
ウィンチェスターライフルと一緒に飾られていた物を、
詩音が、部屋にあった日曜大工用具の鋸でソードオフしたのである。

傍らの机に置かれていた頑丈な厚手のトレンチコートを羽織り、
『.30-30Winchester弾』の装填された弾帯ベルトを二つ、襷掛けにし、
さらに、12ゲージショットシェルを装填された弾帯ベルトを腰にコートの上から取り付ける。

トレンチコートの下にあった、中に予備の弾丸とハンティングナイフ、
携帯ラジオと栄養ドリンクが押し込まれたショルダーバッグを肩から掛けようとして、
一旦手を止め、バッグの中からある物を取りだす。

それは、二枚の古ぼけた羊皮紙であった。
一枚目には、血の様に赤い文字で、以下の様な文面が書かれていた。

224ディア・ハンター ◆NH7Vafx8Pc:2010/05/30(日) 18:34:26

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 ル ー ル

1. 殺 せ
  この街から生きて帰りたいのなら、皆殺して最後の一人になること。

2. サ イ レ ン で 世 界 は 裏 返 る
  生き残りたいならサイレンを聞き逃さないこと。何が起きるかはお楽しみ。

3. 鬼 の 追 加
  一定時間毎に鬼を追加します。

4. ご 褒 美 
  最後の一人にはご褒美が用意してあります。頑張って殺してください。 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

そして二枚目には、自身の名を含んだ、
都合45人分の名前が、濁った白のインクで書かれている。
そこには、自身の血を分けた双子の『妹』の名を含む、
雛見沢村の『親しい住人達』の名前もあった。

『ジェイムス・サンダーランド』、『ヨーコ・スズキ』、『ブラッド・ヴィッカーズ』の名前の上には、
血の様な赤い線が引かれている。
この線は、詩音が引いた物ではない。
『ジェイムス・サンダーランド』、『ヨーコ・スズキ』の物は、詩音がこの羊皮紙を見つけた時には、
すでに赤い線は引かれていたが、『ブラッド・ヴィッカーズ』のそれは、
彼女が見ている正にその前で、血がにじむ様にひとりでに引かれた物であった。

この不可思議な名簿と、
一枚目に書かれた『この街から生きて帰りたいのなら、皆殺して最後の一人になること』、
そして『最後の一人にはご褒美が用意してあります。頑張って殺してください』という、
三つの要素が意味する事は…

225ディア・ハンター ◆NH7Vafx8Pc:2010/05/30(日) 18:34:58

羊皮紙をバッグの中に押し込むと、
バッグを肩から掛け、スリングを取り付けたレミントンをバッグと反対側の肩に掛ける。
ヘッドライトを頭に取り付け、ライフルを両手で抱えながら、彼女は言った。

「待っててね悟史君…すぐに会えるから」

殺すべき人々の中には、血を分けたたった一人の双子のかたわれもいるが、
どうせ『一度殺す』のも『二度殺す』のも同じだ。
愛しい北条悟史の為の犠牲になってもらうとしよう。

「クケケケ」
「ぐぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃ……」

奇声を上げる詩音の表情は、もはや人のそれではない。
鬼だ…一匹の鬼女が此処に居る。

―――サア、狩リノ時間ダ

部屋の扉を開けると、階段を下りて、
彼女は霧の街へと繰り出す。


全ては愛しいあの人の為に。
彼女は狩りに旅立った。

226ディア・ハンター ◆NH7Vafx8Pc:2010/05/30(日) 18:35:42

【B-2 市街地 / 一日目 夜】

【園崎詩音@ひぐらしのなく頃に】
[状態]: 健康、L5
[装備]:ウィンチェスターM1894スコープ付き(残弾7/7)、レミントン M870ソードオフVer(残弾6/6)、
ショルダーバッグ、ヘッドライト、トレンチコート、弾帯×3
[道具]:羊皮紙の名簿、ハンティングナイフ、30-30Winchester弾(50/50)、
12ゲージショットシェル(50/50)、携帯ラジオ、栄養ドリンク
[思考・状況]
基本行動方針:名簿の人間を皆殺しにし、北条悟史を生き返らせる
1:獲物を探す
【備考】
※目明し編ラストより参戦

【アイテム情報】

ウィンチェスターM1894@現実
西部劇で著名なレバーアクションライフルの名銃シリーズの1894年版モデル。
装弾数は7発、『.30-30Winchester弾』を使用する。スコープ付き。

レミントン M870@現実
レミントン社の代表的なポンプアクション式散弾銃。
様々なバージョンが存在するが、これは6発装填の狩猟用タイプ。
ソードオフ済みであり、バレルとストックが短い。

栄養ドリンク@サイレントヒルシリーズ
サイレントヒルシリーズお馴染みの回復アイテム。
体力をわずかに回復する。

227ディア・ハンター ◆NH7Vafx8Pc:2010/05/30(日) 18:38:44
投下終了。

ウィンチェスターライフルは、何気にうみねこにも出てるんだよね。
バイオ3にも一応出てるけど、あっちはショットガンVerなので少し形が違う。
ショットガンの方のM1887はターミネーター2にも出てたりする。

228名無しさん:2010/05/30(日) 20:42:40
これで参加者全員そろったな、これから面白くなりそうだ!!
思ったけど羊皮紙の名簿はほかのキャラも手配されることになる?
それとも詩音だけ?

229 ◆BoVaEdQZq.:2010/05/30(日) 21:10:57
成り行きじゃね?

サイレンが鳴った時に町中の掲示物が書き変わる
っていうような演出を考えてた俺がいる。



とゆうかもうそろそろ鳴らします?

230 ◆HGBR/JBbpQ:2010/05/31(月) 02:50:07
 
 イエーイ。
 ちまちま本スレに貼っていたら、最後、 >>226 だけさるさる規制で貼れなかったー。
 誰か貼っといて!

 ちなみに僕はひぐらし分かりません。
 キャラ詳細書いて!

231 ◆BoVaEdQZq.:2010/05/31(月) 09:49:17
HEY!YO!学怖のキャラ把握は意外と簡単だぜ?
一人一人の個性が全参戦作品中跳び抜けて高いし
動画(ロワ内での設定は殺人クラブに
統一されているのでアパシーミッドナイトコレクション
の恵美ちゃんの殺人クラブ観察日記が好ましい)
を見ればだいたいわかる

しかも学怖は一人一人の細かい口調やキャラ性をみたい場合
1シナリオ1人でしゃべってくれるから本編を見れば楽勝
(SIRENでいうと牧野シナリオ2回クリアする間中ずっとしゃべってる感じ)


何を隠そう俺も学怖はここで初めて知った

232 ◆WYGPiuknm2:2010/06/02(水) 20:31:59
遅れてしましたが、キャラ情報を投下しておきます

牧野慶
出典:「SIREN」
年齢/性別:27歳/男性
外見:真ん中分けの黒髪。 修道服を着ている。
環境:羽生蛇村の求道師。
性格:気弱な性格。 武器を持って戦う事すら出来ない。 要するにヘタレ。
能力:幻視を使用する事が出来る。
口調:一人称は「私」、他人には苗字や名前に「〜さん」や「〜ちゃん」を付ける。
交友:宮田司郎は彼の双子の弟である。
   自分の理解者(だと思っている)八尾比沙子に依存している。
備考:本名は吉村孝昭(よしむら たかあき)。
   儀式が失敗した直前からの参加なので、不死の呪いを受けていません。

闇人零式
出典:「SIREN2」
形態:1〜複数体存在。
外見:黒いローブを身に纏った顔面蒼白の怪人。 
武器:基本的に無し。 だが、重火器を持っている個体が存在する。
能力:高い知能を持っている。 ある程度だが、人間の言語を話す事が可能。
攻撃力:★★☆☆☆ ※個体差あり
生命力:★★★★★
敏捷性:★★☆☆☆ ※固体差あり
行動パターン:人間を見つけると襲いかかってくる。
備考:人間の死体に闇霊が乗り移った物。
    死亡しても別の闇霊が乗り移る事で復活する。
    一定時間経過すると女性の固体は「闇人乙式」に、男性の固体は「闇人甲式」に変異する。
    また、屍人とは敵対関係にある。

…自分の作品が本スレに投下されないのはキャラ解説が無いからなのかな?

233 ◆wXYVD2NDBY:2010/06/02(水) 21:47:54
そんな事言ったら俺の作品なんてははっwww

しかし代理投下の人の最後に書いてある一言感想無くなったな
地味に楽しみにしてたんだけどどうしたんだろうね?

234名無しさん:2010/06/04(金) 21:51:37
代理投下した人が別人じゃないの

235 ◆qh.kxdFkfM:2010/06/12(土) 20:14:46
宮田司郎@SIREN 予約します。
補完的なものです

236見つからない ◆qh.kxdFkfM:2010/06/12(土) 20:17:41
 ――医学とは、事実の蓄積である。
 
 それは医学だけでなく、すべての学問に言えることだ。
 何をどうすれば、どうなるのか。そうした因果関係を収集し、整理する。
そうしてできた体系が、今日までの学術を形成しているのだ。

 ゆえに、学者はまず、事実を受け入れねばならない。
 それは、医者も例外ではない。

 宮田司郎は曲がりなりにも医者である。
思想や動機、目的が人命救助とはかけ離れていても、
医学の知識を修めた人物に変わりない。

 彼は、この状況をまず、事実として認識することにした。

 自分がいた場所が激変しても、見知らぬ土地に飛ばされたとしても、
取り乱さず、その事実を事実として受け止めている。
 
(これが儀式、か……?)
 その上で、彼は考える。自身の住む羽生蛇村、そこに古くから伝わる秘祭が今日行われるはずだ。
明確な時刻を確認することはできないが、少なくとも、もう始まっているだろう。
だが、儀式といってもそこまで大それたものではない。生贄を伴うが、所詮ただの行事だ。
幸福を祈りはするが、超常現象を発生させるものではない。

 では、この現象はいったい……?
 白衣の男は周囲に視線を走らせる。見たことのない景色、深く立ちこめた霧……まったく原因がわからない。 
判断材料が少なすぎる。儀式の効果か、それとも別の何かか。あるいは幻覚か……。
恋人の殺害が、予想以上に精神を疲労させているのかもしれない。

 宮田は近代化の進んだ街並みを眺めながら、歩きはじめる。妙に霧が濃いので、その速度はかなり遅い。
 
 まず、儀式に関連性があるかどうか調べよう。これには確かめる方法がきちんとある。
 牧野慶、八尾比沙子。求導師と、その補佐役である者なら、儀式でないかどうかわかるはずだ。
何せ、眞魚教の儀式は彼らが主動で行うのだ。知らない方がおかしい。

 ここはおそらく、自分のいた村ではないだろう。
こんな外観をしていなかったのはもちろんのこと、空気や雰囲気が、どうにも違う。
そうした情報のほかにも、判断する材料はある。自身が殺害した、恩田美奈の亡骸がどこにもないのだ。

『突然彼女の遺体が消えた』より、『突然自分が移動した』の方が、まだ信憑性はあるだろう。
まさか死体がひとりでにいなくなったわけではあるまい。 

 霧深き道を医師は歩く。目的地があるわけではないが、その場でじっとしていてもしかたがあるまい。
ならば、人のいそうな施設を探した方がマシだろう。あの臆病な求導師様のことだ、どこかに閉じこもっているかもしれない。
それか、求導師の補佐役である、あの女性に縋っているか……。どちらにしろ、積極的に動くことはないはずだ。

237見つからない ◆qh.kxdFkfM:2010/06/12(土) 20:19:04

 霧の中から、特徴的な建物が現れた。宮田はそれをじっと見てから、わずかに落胆の息を漏らす。
「教会だが……これは違う」
 一瞬自身の知るそれかと思ったが、意匠に差異がある。これは別の宗教による教会だ。
羽生蛇村で信仰されている眞魚教とは違う。
「やはり儀式のせいではないのか……?」
 儀式が原因だとすると、疑問が残る。他宗教の教会がありながら、不入谷の教会がないのは不自然なのだ。
宗教とは往々にして他のそれとなじまない。あのキリスト教でさえ、解釈の違いから内部分裂を引き起こしたくらいだ。
 そんなリスクを負ってまで、こんなものを設置する理由はないだろう。

「では、いったい……」
『自分がいつの間にか移動した』という事実に対し、明確な答えがでない。
 因果関係を構築できない――それは識者にとって、不快かつ不安であった。

「“声”も聞こえない、か」
 日頃自分を悩ませる幻聴がないのはありがたいが、五里霧中の状況では、あまり嬉しくはない。
 宮田は憂鬱そうに首を振り、教会の扉に手をかけた。
「調べるしかないな」
 

 ――学問にしろ医学にしろ、その本質は探究だ。

 医師が病原を調べるため、患者を解剖するように、彼もまた、この“異変”の解明に動く。

 
 たとえそれが、人智の及ばぬものであったとしても。



【C-2/教会前/一日目夕刻】



【宮田司郎@SIREN】
 [状態]:健康
 [装備]:特になし
 [道具]:懐中電灯
 [思考・状況]
 基本行動方針:状況を把握する。



 ※原作OP直前、恋人・恩田美奈を殺して埋めた直後より参加。

238 ◆qh.kxdFkfM:2010/06/12(土) 20:21:17

名前:宮田司郎
出典:『SIREN』
年齢/性別:27歳/男性
外見:黒髪黒目、ブルーのYシャツの上から白衣を羽織っている。
環境:
羽生蛇村で医院を営んでいる、というのは表の顔で、実際は代々宮田家は村の暗部を
求道師(村の宗教の中心で、儀式の進行役)らに代わって一手に担う存在であり、
儀式の障害となる者を秘密裏に処理している。
実は養子で、本名は吉村克昭(よしむら かつあき)。
求道師の牧野慶こと吉村孝昭(よしむら たかあき)の双子の弟である。
性格:
義理の母親に歪んだ愛情を注がれながら育てられたため、汚れ仕事をこなし続けていたため、
また求導師として村からの期待を一心に受けている兄に対し、強いコンプレックスを抱いているため、
かなり鬱屈、屈折した性格。
目的のためには手段を選ばず、屍人の謎を解明するためとはいえ、化物となった恋人とその妹を生きながら解剖するほど。
判断力、適応力は高く、常に冷静である。
能力:
裏の仕事柄、殺人に対する忌避感が麻痺している模様。
また、幼少時から自分に呼びかける「声」を聞いていたため、霊的な事象に耐性、適応性がある可能性あり。
ゲーム本編では銃を使うシーンもあり。ただし、特に扱いに慣れているわけではないようだ。
口調:
一人称は「俺」、他人は苗字や名前にさん付けなどだが、
基本的には人の名前をあまり呼ばず、「お前」「あなた」などと呼ぶ場合も多い。
平坦で感情のこもらない喋り方。
交友:
恋人の恩田美奈以外との関わりは浅かった模様。羨望・憎悪対象の牧野慶は別格。
備考:
原作OP前、恋人・美奈にコンプレックスに触れられ、激昂して衝動的に絞殺してしまった。
人通りのない森の中に彼女を埋めようとしていた時、異変に巻き込まれる。

239 ◆qh.kxdFkfM:2010/06/12(土) 20:22:01
投下終了です。

240 ◆BoVaEdQZq.:2010/06/12(土) 23:08:52
おおwありがたい
議論中でも作品投下しないと
読み手の皆さんに悪いですからね。

ほいじゃー私も邪神達の胎動のリメイクを予約します

241 ◆WYGPiuknm2:2010/06/12(土) 23:20:04
このタイミングなら…言える!
日野貞夫@学校であった怖い話 を予約します

242 ◆BoVaEdQZq.:2010/06/15(火) 17:11:16
はいはぁい
邪神達の胎動リメイク投下しますよ〜

243邪神達の胎動リメイク ◆BoVaEdQZq.:2010/06/15(火) 17:18:32

ある世界には恩人のため、
神になることを決意した魔女がいた。
彼女は数多の世界でオヤシロ様となった


全てを滅ぼし全てを救うため、
神を産み落とした魔女がいた。
神に触れ消え失せたがその意思により蘇った



神に対する贖罪を果たすため、
我が子を皆殺しにした魔女がいた。
実を失い、次元の狭間に落ちてしまったが、
おかげでこの地にたどり着く事ができた


魔女達は別々の世界で自身の信じる邪神のために身を捧げ、打ち倒され、
敗北を経験した。

しかしもし、もう一度チャンスがあったのなら。
魔女達はきっと諦めない、
たとえかつてのように無関係の人間を巻き添えにしても・・・・・・

244邪神達の胎動リメイク ◆BoVaEdQZq.:2010/06/15(火) 17:20:32

鷹野三四…CODE:BERNKASTEL

「あら?誰か出てきたわね・・・・・」

木陰からワゴン車の様子を伺っている者がいた。
彼女の名前は鷹野三四、とある世界では雛見沢村を壊滅させた秘密組織、『東京』の幹部であった。

「あの後ろ姿はもしかして梨佳ちゃんかしら?懐かしいわぁ。
でもおかしいわね、あの子は確かに・・・・・・・・」

何事かを考えながら長髪の少女と青年らしき影が立ち去っていくのを見送り、一人呟く。

「まぁいいわ。アレも放ち終わったし、撥ね飛ばされた悟史くんを起こしに行かなきゃ」


彼女の狙いも「どこ」から「いつ」来たのかも未だ解らない。ただ1つ解ることは、彼女が興味を示したモノは、やはり人間ではなかったということと
彼女はやはり悪魔のような女だったということだけだ・・・・・・

245邪神達の胎動リメイク ◆BoVaEdQZq.:2010/06/15(火) 17:22:41


クローディア・ウルフ…再誕

サイレントヒルの遊園地、レイクサイドアミューズメントパーク。
今は経営も打ち切られ、すでに捨てられた場所。

この遊園地には秘密がある。寂れたアトラクションをいくつも抜けた先にあるメリーゴーランドの向こうには、
薄明かりの教会がある。

その昔、聖女派であるダリア・ギレスピー率いる教団がいた場所、
今そこに居るのはその意思を継ぐ者

クローディア・ウルフ

彼女は確かにヘザーの代わりに教団の崇拝する神の復活の生け贄
となったはずだった。

何故生き返ったのか。
どうして此処にいるのか当人ですら解らない。
彼女は考察し、1つの考えに至る・・・・



「そう、きっと私こそが聖女に相応しかったのよ・・・・・・!」
彼女は祭壇から出口へと向かう、神の作った世界を見に行くために・・・・

246邪神達の胎動リメイク ◆BoVaEdQZq.:2010/06/15(火) 17:26:33
八尾比沙子…子守唄

裏で数々の生物兵器を生み出してきた製薬会社
アンブレラによって忌まわしい実験が行われた場所、
研究所

その中でも厳重に守られたこの場所、
B・O・W培養槽は最も触れてはならぬアンブレラ社の禁忌の場所である
そこにいたのはボロボロの修道服を着た白髪の女性だった。

「此処にはあそこには無かった不思議な力が満ちている・・・」
女は焦点の合わない目で嬉しそうにしている。
何かの操作盤をマニュアルを見ながら嬉々とした様子で操作する白髪の女、端から見るとマッドサイエンティストのそれである。

「これを使えば・・・・私の目的はもう一度達成できるのね・・・・」

空の培養槽から霧が吹き出し口を開けた。
そして異形の首を大事に抱え、その容器の中に入れ扉を閉めた・・・
「もう誰にも邪魔はさせないわ、
今度こそ儀式を成功させてみせる・・・・!」

そして彼女は讃歌を歌う、子供をあやす母のように。

247邪神達の胎動リメイク ◆BoVaEdQZq.:2010/06/15(火) 17:34:55


魔女の行いは1つの町を再び悪夢に変えた。

誰が加害者で誰が被害者なのかはまだわからない

いや、あるいは魔女達の中には被害者などいないのかもしれない。
またその逆もありうるが・・・・


何にせよ彼女達は動き始めてしまった。
他人を意に介さず、何かを求めて・・・・・・

それぞれの神の名の元に・・・・・・


【ワゴン車周辺/一日目夕刻】

【鷹野三四@ひぐらしのなく頃に】
[状態]健康、雛見沢病?
[装備]???
[道具]手提げバッグ(中身不明)
[思考・状況]
基本行動方針:不明
1、車に撥ね飛ばされたモノの所に行く
2、???

※撥ね飛ばされたモノは何らかの協力者かもしれません

【遊園地メリーゴーランド周辺/一日目???】

【クローディア・ウルフ@サイレントヒル3】
[状態]健康、歓喜
[装備]ナイフ
[道具]無し
[思考・状況]
基本行動方針:不明
1、とりあえず外に出る
2、???

※儀式は成功したと思っているようです
※まだ体内に神がいるかも知れません

【研究所内部培養槽前/一日目???】
【八尾比沙子@SIREN】
[状態]墮辰子死亡によるショック、半不死身
[装備]無し
[道具]培養槽操作マニュアル、???の首
[思考・状況]
基本行動方針:不明
1、此処で培養槽を見張る2、もう二度と須田恭也には会いたくない
3、???

※何かの首を培養槽の中に入れました、
儀式失敗のショックで錯乱しているため
培養槽に入れたのは墮辰子の首@SIRENではない
かもしれません

※培養槽の操作の仕方を覚えました


【ナイフ@現実・他作品共通】

様々な用途に使用できる便利な短剣。
しかし化け物を相手取るには不安な装備である。
やり込みプレイなどではよく使用される。

【堕辰子の首@SIREN】(設定)
SIRENのラスボスである堕辰子の首、
須田恭也によって切り落とされその後
八尾比沙子がそれを持ったまま次元の狭間に落ちた
堕辰子復活のための儀式に必要
また傷つけるだけで町を異界に変えた。

248邪神達の胎動リメイク ◆BoVaEdQZq.:2010/06/15(火) 17:39:07
以上で投下終了です

好評であればオリジナルと差し替えます
そうでもなかったらボツネタとして
オマケSSの方にブチ込んどきますw

249 ◆WYGPiuknm2:2010/06/17(木) 01:29:05
日野貞夫 投下開始します

250 ◆WYGPiuknm2:2010/06/17(木) 01:32:19

C-3地区にひっそりと佇むバー。
そこに、日野貞夫は居た。

彼は、カウンターに置かれた小さなラジオから聞こえる音に耳を傾けている。
ラジオの中央部には、薄い赤色の光を放っている小さな鉱石がはめ込まれていた。



――はめ込まれた石の名は「霊石」。
――その正体は、死した者達の思念の塊。



――ラジオの名は「霊石ラジオ」。
――霊石に封じ込められた思念を開放する。




ラジオから流れるのは、耳障りなノイズのみ。
だが、日野がそれの電源を落とす気配はない。 まるで何かを待っているかのようだ。

………しばらくして、ラジオは唐突に言葉を発し始めた。


――嘆くように。

――呻くように。

――叫ぶように。

251笑う死神 ◆WYGPiuknm2:2010/06/17(木) 01:33:40



…モウ…………逃ゲラレナイ………




…………「サイレントヒル」……………




………………新タナ「ルール」………




………殺セ………殺セ…………





………裏切レ……奪エ…………




……滅セヨ……全テ…………




…………帰レルノハ………一人………

252笑う死神 ◆WYGPiuknm2:2010/06/17(木) 01:37:52
………ラジオからは、何も聞こえなくなった。
日野は無言のままラジオの電源を落とす。
そして、ラジオのすぐ傍に置いておいた羊皮紙を手に取った。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 ル ー ル


1. 殺 せ
  この街から生きて帰りたいのなら、皆殺して最後の一人になること。



―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

羊皮紙に書かれている事は、ラジオの音声とほぼ同じ、「殺し合い」に関する物だ。
そこに書かれたルールを確認し終わった直後に、日野は確信した。 



この地に存在する者を殺せば脱出できる、と。



ラジオを学生鞄にしまい、出口に向かって歩き始めた。
武器として使用するであろうアイスピックも既に調達し終えている。
ここにはもう、用はない。

……外に出る理由は当然、「狩り」を行なう為。
なにしろ人を殺し尽せば簡単に脱出できるのだ。
それはつまり、人殺しが許されているという事を意味している。


殺し合い……あぁ、なんて素晴らしいのだろうか!



「…………ヒヒ……」



神に祈らなければならない…。

――この「楽園」に連れてきてくれた事に!




「…………ヒャーハッハッハッハッハッハッハッハッハッ!」

253笑う死神 ◆WYGPiuknm2:2010/06/17(木) 01:42:51
【C-3/バー内部/一日目夕方】



【日野貞夫@学校であった怖い話】
 [状態]:健康
 [装備]:学生服
 [道具]:学生鞄(中身は不明)、アイスピック数本@現実、霊石ラジオ@零〜赤い蝶〜
     薄赤茶色に光る鉱石@オリジナル
 [思考・状況]
 基本方針:殺人クラブ部長として、殺人を思う存分楽しむ。
 1:皆殺し

254笑う死神 ◆WYGPiuknm2:2010/06/17(木) 01:47:43

【薄赤茶色に光る鉱石@オリジナル】
霊石の一種。 薄赤茶色の光を放っている。
霊石ラジオを使う事で霊の声を聞く事が可能。
声の主が誰なのかは不明。

投下終了です。

255 ◆BoVaEdQZq.:2010/06/22(火) 16:52:19
もうそろそろサイレンSSとか書きたいけど禁止エリアはどうしよう?

256 ◆qh.kxdFkfM:2010/06/22(火) 17:20:34
いらないんじゃない?
あれはあくまで参加者同士の接触(戦闘)を促すものだったはず。
ここの場合、下手に施設や道路を封鎖すると、表現や展開が狭まるだけだし、
戦闘に困ることもないし。

257 ◆BoVaEdQZq.:2010/06/22(火) 18:26:41
それもそうかw
んじゃとりあえずサイレンSSを
・・・・来週までには!


トリックオアトリートの司会とチラシの裏が書き変わるのとで迷ってるんだがどうだろう?

258 ◆BoVaEdQZq.:2010/06/30(水) 11:05:21
サイレンは出揃ってからの方がいいかな?
あとバイオ勢がほとんどわからないんで参考動画お願いします

ともかく
ヘザー・モリス、阿部倉司、ハンク
予約します

259 ◆BoVaEdQZq.:2010/06/30(水) 12:19:51
うーん、でも放送前に死者が出たら随時書き直しすればいいかw

やっぱりサイレンSS投下します

260サイレン一周目 ◆BoVaEdQZq.:2010/06/30(水) 12:22:32


どこかでサイレンがなっている・・・・・


地の底から響いてくるかのような不吉な音が鳴り響き
世界の変転を呼ばれし者達に伝えにやって来る

先程までの薄気味悪いながらも小綺麗に整っていた街の景色は
赤黒くギトギトとした嫌悪感漂う風景と化し、
霧の代わりに闇が迫ってきている。

しばらくすると、街中の機械も大音量で騒ぎだした。
最初は耳障りなノイズ、
次に途切れ途切れの歓声があがり、
最後にワイドショー顔負けの陽気な声が聞こえてきた。


● ◇ ● ◇ ● ◇

261サイレン一周目 ◆BoVaEdQZq.:2010/06/30(水) 12:25:53
紳士淑女の皆様お待たせしました“トリック・オア・トリート”の時間です!
クイズに見事正解して賞品を手にいれるか
それとも間違えて罰を受けるのか?
それは解答者の知力次第
今日の幸福で不幸な挑戦者は

ジェイムズ・サンダーランド
ヨーコ・スズキ
ブラッド・ウィッカーズ
です!

彼らはこの地で死に、回答権を得たのです。


心の準備はよろしいですか?
では早速ですが第1問

病院
子供も大人も大喜び、
楽しい楽しい遊園地などがこの町にあります
なんとそれらの施設には便利な『地図』が置いてあるのです!
さて他には何処に置いてあるのでしょう?

1・公園
2・犬小屋のある家
3・リトルバロネス号

262サイレン一周目 ◆BoVaEdQZq.:2010/06/30(水) 12:27:35

休まず続けて第2問
この町で陰惨な殺人事件が起きました
裂ける皮膚
砕ける骨
飛び散る血
そして流される涙
かわいそうなことです・・・・・
罪深きものに復讐を!
死の制裁を!
普通ならそうでしょう、しかしながら
そのようなルールは現在この街には存在しません。
さて、生きてこの街から出るには
どうしたらよいでしょう?

1・最後の一人になるまで殺し合う
2・仲間同士協力し、外に出ようと涙ぐましい努力をする
3・大人しく死を選ぶ

生き残るための道は1つしかありません、1つだけ、他には全くなし。
問題は以上で終わりです
さあ 答えはわかりましたか?

それでは皆さんまたいつかさようならー!

263名無しさん:2010/06/30(水) 12:31:31


● ◇ ● ◇ ● ◇


陽気な声が放送を締めくくると
魑魅魍魎の歓声が徐々にノイズに侵食され始め
最後には聞こえなくなった
後に残ったのは呼ばれし者達の放送に対する動揺と化け物達の潜む静かな闇だけ・・・・・

264サイレン一周目 ◆BoVaEdQZq.:2010/06/30(水) 12:36:00
投下終了です

あくまでも現時点での死者名を挙げただけですので
これから死者が増える、もしくは減るようなら
wikiにて改変願います

さらに言うとこのサイレンも試し書きのようなものなので
何か問題があるようなら通知してくださいねw

265 ◆hr2E79FCuo:2010/07/03(土) 19:05:17
霧絵@零〜zero〜予約しますね

266怪物と縄の巫女さまの童話。 ◆hr2E79FCuo:2010/07/04(日) 20:09:01

霧絵@零〜ZERO〜投下します。

267怪物と縄の巫女さまの童話。 ◆hr2E79FCuo:2010/07/04(日) 20:17:01
霧絵はここ、氷室邸の暗い井戸の底で目覚め異変に気付いた。
もう随分と永いこと離れていた自分の肉体があるのだ。
何故?どうして?「自分は確かにあの人と共に黄泉の門を封じたはずなのに。」そう思い振り向いた。

「…!」

自分が元いた場所には門の瘴気が箱に詰まったかのような不気味な怪物がぶるぶると首を震わせていた。
それだけではない。

周囲を取り囲むように何かの儀式に使うような赤い印が描かれているではないか。
この異常な光景には、幽霊怨霊の類を数多く見ている霧絵も言葉を失うしかなかった。

「これは…いったいどういう事なの…?」

ふと、化け物の足元を見ると数枚の紙が散らばっていた。
おそるおそる近寄り読んでみると。
名前の書いてあるもの、見たことのない場所の地図、そして何かの絵本の三種類であることがわかった。
絵本を読んでみると、これもまたどこか狂っているように思えた。
それは自分の生涯にとてもよく似た物語だったのだ。

268怪物と縄の巫女さまの童話。 ◆hr2E79FCuo:2010/07/04(日) 20:23:10

◆ ◇

むかしむかし、ある所に大きな門がありました。
その門の向こうからとてもこわく、とても悪い怪物がおりてきて。
人をつかまえては、自分達の仲間にしてしまうのです。

まわりの村に住んでいる人は怪物がこわくて、だれも外には出られません。

それを聞いた主さまはとても困りました。
こまってこまって、うーん。うーん。と
うなり声をあげるけど
どうしたらいいかなんてわかりません。

そこへ神さまに仕える巫女さまがやってきました。
とてもやさしく、とても良い人です。
主さまは巫女さまに門を閉じてくれるようにたのみました。

巫女さまは主さまの願いを聞いて、門へとむかいます。
やさしい巫女さまは自分のからだを縄にかえて扉を抑えつけてみようと思いました。

269怪物と縄の巫女さまの童話。 ◆hr2E79FCuo:2010/07/04(日) 20:30:48

だけども門は巫女さま一人ぶんの力では閉まりません。

それでも巫女さまは門を抑えつけるのをやめませんでした。


主さまも村人もやさしい巫女さまを助けるために、次々と新しい巫女さまをつれてきました。

巫女さまたちはなんども、なんども、門のところへ行きました。

しかし、最後の巫女さまは好きな人がいたので嫌がりました。

でもそうしているうちに村人たちは悪い怪物になってしまいます
主さまも村人もこれまでに縄になった巫女さまたちも怪物になってしまいました。

やさしいやさしい巫女さまにとってそれはとてもかなしいことです。
仕方なくからだを縄にかえ、扉を完全に閉じ、村人たちを元に戻しました。

270怪物と縄の巫女さまの童話 ◆hr2E79FCuo:2010/07/04(日) 20:33:35


ある時、いなくなったはずの怪物たちよりもさらに大きな怪物がやってきました。
その怪物はとおい所から、別の道を通ってやってきたのです。
大きな怪物はいいました。

『おれにはけんもやりもやくたたずだった。
 ゆみやもてっぽうもはねかえしたんだ』
なのにどうしたことだと、怪物は泣き出しました。

『たったのひとことでおれはしんでしまった、もうあいつにはあいたくない。』
『だから、もんをまもるからかわりにおれをかくまってくれ。』

巫女さまは大喜びでいいました。

『わかりました、それじゃあもしあなたが嘘を吐いたときのために、あなたを殺したじゅもんを教えてくれたらかわってあげましょう。』

大きな怪物は口に出さないよう、じゅもんを地面に書きましたーーーー

◆ ◇

271怪物と縄の巫女さまの童話 ◆hr2E79FCuo:2010/07/04(日) 20:37:01



そこから先は破られている。
否、たった今破りとったのだ。
この童話はきっと今の話、ここに書いてある呪文を言ったら、この化け物は死に、門は開き、禍刻が起こるに違い無い。
ならば縄の巫女としてこの呪文を守り通さなければならないだろう。

それに……。

「あの方は何処に…。」

そう、まずは自分と共にあの場に留まってくれたはずの彼を探さねばいけない。

化け物のおかげで外れた裂き縄を護身のために持ち、外へと駆け出した。

272怪物と縄の巫女さまの童話。 ◆hr2E79FCuo:2010/07/04(日) 20:39:45



【C-3/氷室邸井戸内部/一日目夜】



【霧絵@零〜zero〜】
 [状態]:健康
 [装備]:浴衣、裂き縄@零〜zero〜
 [道具]:童話の切れ端@オリジナル
 [思考・状況]
 基本方針:雛崎真冬を探す。
 1:まずはここから出る。

※雛崎真冬が来ているかはわかりません。

『アイテム解説』

【裂き縄@零〜zero〜】

縄の巫女とよばれる選ばれた人間を特殊な機具を使い五体を引き裂く事で強大な霊力を蓄えた縄。
本来これによってしか黄泉の門@零〜zero〜を閉じることはできない。

【童話の切れ端@オリジナル】

童話の続きが書いてある、怪物が
『トゥ・フィ・エゴ・エリス』
という呪文を教えたあとの話が載っている。


『設定解説』

【黄泉の門@零〜zero〜】
氷室邸内部の井戸の奥にある瘴気の溢れだす門。
この門を完全に封印する事は縄の巫女の使命である。


投下終了です。

273 ◆TPKO6O3QOM:2010/07/05(月) 00:39:27
投下乙です。
私もジル・バレンタイン、太田ともえ、ケビン・ライマン、投下いたします。

274夕闇通り探索隊  ◆TPKO6O3QOM:2010/07/05(月) 00:40:31

(一)

 太田ともえは胸元で握りしめていた拳をそっと開いた。
 辺りを覆う霧は生き物のように蠢き、一向に晴れる様子はない。路面を草履が叩く音が、やたらと大きく響く。
 汗ばんだ掌をかき抱くようにして、彼女は小さくため息を零した。整った面には不安と疲労――そして困惑が色濃く浮かんでいる。

「ここ、何処なのよ……」

 霧で視界は殆ど拓けていないが、それでもここが夜見島ではないことは判別できる。
 目の前の通りは綺麗に舗装され、車が悠々と擦れ違えるほどに広い。更に、霧の中から姿を現す店舗や家々も、汚らしい木造やコンクリートの外壁ではなく、洗練された洒落っけを漂わせている。
 夜見島には絶対に存在しない風景だ。想像を巡らせることしか出来なかった“都会”とは、こんな風景なのかもしれない。
 ずっと憧れていた光景だ。しかし、ともえの胸中に感慨は微塵も浮かんで来はしなかった。ただ、自分が“余所者”だという疎外感だけが胸を締め付ける。
 ともえは深呼吸を繰り返しながら、記憶を辿った。
 加奈江――化け物女は埠頭が崩れたことで海に沈んだ。
 その際に、三上家の幼子が巻き込まれてしまったことは哀れに思うも、そもそも化け物女を島に引きこんだのは父親の三上隆平だ。子に責はないとはいえ、身から出たさびとも言える。

 自分たちは島と大切な人たちを穢れから守っただけ。他所者から生きる場所を守っただけ。

 そうやって罪悪感から目を逸らし、ともえは頬にかかる髪を気だるげに払った。
 全ては終わったことだ。それよりも、今の状況を知ることの方が大切だ。あのあと、何が起こったのか。

(……津波。津波が来た)

 そうだ。加奈江が海に沈んですぐ、島を赤い津波が襲ったのだ。父や他の漁師たち共々波に呑み込まれて――。
 そこで彼女の記憶は途切れている。
 波に巻き込まれ、本土に運よく漂着したのか。その推測は自然に思えるも、己の鼻が否定する。
 この土地には潮の香がない。漂着したのであれば、この街もまた海に面しているはずだ。気がついたとき、既にともえはこの通りにいたのだ。潮の香が届かないほどの距離を、意識のないまま移動するとも考えにくい。
 しかし、そうなると自身に起こった出来事が更に分からなくなってしまう。
 誰かに運ばれたのだろうか。しかし、助けるつもりならば救護者を路上に放置はしないだろう。
 かといって乱暴された形跡もなく、金目当てというわけでもなさそうだ。
 ともえは大きく嘆息した。そもそも、自分の着物は汚れるどころか、濡れてすらいないのだ。
 あの化け物女のまやかしか。しかし、それを知る術は無い。

「結局、何にも分からないってことを確認しただけじゃないの」

 座り込みたくなる衝動を堪えながら、ともえは空を見上げた。

275夕闇通り探索隊  ◆TPKO6O3QOM:2010/07/05(月) 00:42:00
 
 おそらく今は夕刻なのだろう。弱々しい陽光を受け、霧は仄かに朱色に染まっている。夕闇の影が、すぐそこまで迫っていた。津波に襲われたのは深夜だ。少なくとも半日以上経過していることになる。
 父や、他の島民もここに来ているのだろうか。心細さに、自然と足が重くなる。
 しかし――もしも、この事態が化け物女による物だとするならば、一族の末裔として始末をつけなくてはならない。それが、仮令己一人であったとしても。
 
 と、そのとき、ともえの耳が異音を拾った。地の上を引きずるような、鈍く、たどたどしい音。足音だと、少しして気付いた。何かがこちらに近づいてくる。
 そして――音は一つだけではなかった。

「なんなのよ、あんた達……!?」

 革のような膜に包まれた異形の者たちが、緩慢な動作でともえの方へ集まって来ていた。


(二)

「サイレントヒルって街、聞いたことある?」
「いんや、聞いたことねえな」
「……私も。合衆国にある街全部を知ってるわけじゃないけれど」

 思考に沈む同僚を見て、ケビン・ライマンはやれやれと肩を竦めた。
 無精髭の目立つ柔和な顔には疲労の影が落ちているものの、彼の瞳は未だにユーモアを湛えていた。
 壁に貼られたポスターの前に立つ同僚は、まだぶつぶつと何か自問自答を繰り返している。
 濃い褐色の髪を短めに整えた美女――ジル・バレンタイン。ラクーン市警が擁する特殊作戦部隊“S.T.A.R.S.”アルファ・チーム所属の才女。アメリカ陸軍特殊部隊デルタフォースの訓練を終了した、爆発物処理の専門家――。
 彼女のプロフィールを思い出せる限り並べ立て、呆れ混じりの賞賛の息を漏らす。チューブトップ姿の彼女が警官に見えるかどうかは別として、あまりにも出来過ぎた同僚だ。
 いや――元・同僚かと胸中で訂正する。彼らの所属したラクーン市警は壊滅した。そして、幾許もしない内にラクーンシティそのものが消える。
 それに――。

(連中の言葉を信じなかった俺たちにゃ、同僚を名乗る資格はねえわな)

 三か月前、彼女ら“S.T.A.R.S.”は街で起こる連続猟奇殺人の調査のために、総勢十二名がアークレイ山地に入った。
 そして、二日後。生きて帰って来たのはジルを含めて、たったの五名だけだった。部隊を率いる、ウェスカーとマリーニの両隊長は殉職した。
 ラクーン市警のボス、アイアンズ署長は彼女らを罵った。しかし、ケビンを含めた同僚たちは彼女らを全面的に擁護することが出来なかった。
 彼女らは、仲間が“ゾンビ”や“腐った犬”や“巨大な蛇”などに喰われたと主張したのだ。誰もが狂ったのだと思っただろう。事故によって大量の仲間を失い、心の抑制を失ってしまったのだと。
 誰がこの世に、B級映画お馴染みの住人達が実在すると信じられるだろうか。

 しかし実の所、彼女らは全くもって正しかった。ああした怪物たちは、本当に居たのだ。あのとき信じていれば、あの崩壊は免れただろうか。それとも、“S.T.A.R.S.”に向けられた奇異の視線が、ただ単に警察全体に変わるだけか。
 苦々しさを自嘲に変えて、ケビンはもう一度大げさに溜息をついた。その様子に、ジルがこちらに顔を向けた。首を振って誤魔化し、背を預けていた椅子から身を起こす。

276夕闇通り探索隊  ◆TPKO6O3QOM:2010/07/05(月) 00:43:33

 彼らが居る所は小さなカフェだ。壊れたブラインド越しに入ってくる外光は弱々しく、視界の大半は薄闇に包まれている。
 カウンターには店員の姿は見えず、ぶら下がった蛍光灯が隙間風にきぃきぃと空しい音を立てていた。主を失った店内は、外気とは異質の冷気が漂っているようだ。
 しかし、それはこの店に限ったことではない。外でも人っ子一人見当たらなかったのだ。まるで街全体が何かに脅えて息を潜めているようにも感じられる。
 奥にある古びたピンボール台が埃を被って、寂しげに佇んでいた。

「おそらく、サイレントヒルってのはサンフラシスコあたりにある街なんだろ。俺たちはいつの間にか大陸横断しちまったってわけさ。霧といやあ、あそこだからな」
「それってすっごい偏見だと思うけど……でも、そうね。あなたの方が正しいと思う。ここがアメリカ西海岸だとしても、今の段階では大して問題じゃない」
「だろ? あそこじゃ、おちおち寝ても居られなかったからな」
「……まったくね」

 ジルが疲れたように、曖昧な笑みを浮かべる。
 ケビンとて、ここがサンフランシスコだと本気で思っているわけではない。大陸中西部のラクーンシティから大陸の西端にいきなり移動するなどあり得ないことだ。
 ただし、一先ず拾った命を喜ぶのが先決だと判断した。それに、既に移動してしまったのだから、そのこと自体はどうしようもない。
 他の生き残りや同僚、着任予定だった新人などの安否が気がかりでないわけではないが、それも今考えたところで仕方のないことである。

 怪物が犇めく地獄と化したラクーンシティから出られただけでも儲けものなのだ。あそこでは、のんびりと談笑するような余裕すらなかった。
 それと比べれば随分と事態は好転したと言える。
 加えて、ケビンはジム・チャップマンと共にラクーンシティで死ぬはずであった。
 T-ウィルスの特効薬を手に入れることが出来ず、ラクーンシティから脱出するわけにはいかなくなったのだ。他の生き残りを送りだし、怪物相手に一暴れしようとした直後、ケビンは霧の街に立っていた。
 まったく、最後まで恰好がつかないものだ。死ぬにしろ、生きるにしろ、それすら自分の自由になるものではないらしい。
 それに実の所、命を拾ったわけではないのだ。T-ウィルスに侵されていることは変わっていない。いささか、死ぬのが遅くなっただけだ。いつ何時、自分が腐った亡者たちの仲間入りになるか、分かったものではない。
 そのことはジルに伝えてある。いよいよとなったら、離脱して始末をつけると。
 もっとも、意外と特効薬が何処かに落ちているんじゃないかとも思っているのだが。

 こつこつとブーツが床を叩く。ジルがカウンターから出てきたのだ。彼女はケビンを見て、肩を軽く竦めた。

「それでも、状況を詳しく調べるに越したことは無いわ。せめて、ここがサンフランシスコかどうかぐらいはね」

 ジルはカウンターの上にあった紙切れを取り上げて振って見せた。この街の地図であるらしい。

「なら、行き先は市役所か、警察だな」

 ケビンの言葉に頷き、ジルが地図に目を落とした。目を紙面に滑らせ、やがて困惑したように顔を上げた。

277夕闇通り探索隊  ◆TPKO6O3QOM:2010/07/05(月) 00:44:37

「……市役所、ないみたいよ」
「無いわきゃないだろう。行政、麻痺するぞ」
「いや、そりゃあるでしょうけど。でも、地図に載ってないのよ。この書かれている範囲にはないみたいね。当てもなく探すよりは、位置が分かる警察署に向かうべきだと思うけど、どう?」
「異論はねえよ……ったく、役に立たねえ地図だな」
「元々、地図なんて気休めみたいなもんでしょ。その地図が本当に役に立つかどうかなんて、実際に行ってみなきゃ分からないんだし」
「表示すらないってのはそれ以前の問題だと思うが」

 ケビンが半眼で呻いたとき、外で女の悲鳴が聞こえた。ケビンは跳ねあがるように立ち上がり、ホルスターから愛銃を抜く。素早く安全装置を外し、スライドを引いて初弾を薬室に送り込む。
 ジルもまた顔を強張らせ、銃を引き抜いていた。

「……ここも平穏なわけじゃなさそうね」

 言いながら飛び出した彼女に続く。人気のない通りは、夕闇と霧に包まれて、どこか夢物語のような雰囲気を漂わせていた。首を巡らせて、悲鳴の方向を探す。
 それはすぐに知れた。カフェから南の通りに、後ずさるようにして逃げる女性の姿が見えたのだ。ぎゃあとかひぃとか、身も蓋もない悲鳴を上げている。もっとも、絹を裂くような悲鳴など、滅多にあるものではないが。
 駆け寄る内に、彼女が何から逃げているのかが分かった。霧の中から湧きでたように、異形の者たちが現れたのだ。
 それらはラバーのような膜に上半身を包まれた人間のような姿をしていた。しかし、明らかにヒトではない。それが何体も群を成し、水中でもがいている様な歩調で女性に迫っている。
 その異形から、ケビンは眼を背けてしまいたい衝動に駆られた。
 ラクーンシティに居た化け物たちもおぞましい姿をしていたが、それらの姿かたちはまだ生物の延長線上にあった。
 しかし、今眼に映るそれらは違う。筆舌に尽くしがたいまでに淫猥且つ陰湿で――まるで、淀みきった汚泥の底を無理やり見せつけられたような、吐き気に近い不快感が喉元までせり上がってくるのだ。
 と、女性が尻もちをついた。立ち上がろうとするが、焦りで上手くいかないようで、ただ足や手をばたつかせるだけに止まっている。

「ケビン、援護して!」
「任せろ!」

 ジルの背中に応え、ケビンは右肩を上げた、慣れた体勢で銃を構える。照星越しに世界を覗き、女性に一番近い怪物の頭部に照準を合わせる。迷わず引金を引き、銃声が通りに響いた。
 血煙りに沈んだ怪物の姿を一瞬だけ目に捉え、発砲の衝撃を上手く逃がしながら次の標的に銃口を向ける。
 銃声が重なり、轟きが通りを走り抜けていった。ジルの拳銃が立て続けに咆哮を上げ、弾き出された空薬莢は路面で軽やかに躍る。
 その残響が霧の中に消えゆく中、五体の怪物は全て、その生命活動を止めていた。赤黒い体液が路面にゆっくりと広がっていく。
 ケビンは安堵の溜め息を吐き――しかし、警戒を続けたまま、歩みを進めた。
 ジルは既に女性に駆け寄り、片膝をついて声を掛けている。
 襲われていたのは東洋人のようで、薄紅色の、どこかの民族衣装――ゲイシャが着ているような――を身にまとっている。歳は若い。としか言いようがない。十代にも見えるし、それよりずっと上にも思える。
 また、この街の住人には見えない。観光客か何かだろうと見当を付けた。

「大丈夫ですか? あなた……ええと、英語分かります? この場合って中国語? それとも、ニッポン? ああ、もう。なんて言えばいいのよ」

 ジルも観光客と思ったのか、困ったように天を仰ぐ。と、女性が青褪めた表情で、震えながら答えるのが聞こえた。

278夕闇通り探索隊  ◆TPKO6O3QOM:2010/07/05(月) 00:45:22

「へ、平気。平気だけど……大丈夫……ただ、あれ――」

 しかし、彼女が喋ったのは英語ではない。それなのに、女性の言っていることが理解できる。訝しく思うが、意思疎通ができることに越したことは無い。
 女性はジルの手を借りて立ち上がった。ジルも内心驚いているだろうが、それを顔には出さずに女性を落ち着かせている。女性はというと、目の前に転がる死骸から逃げるように顔を伏せていた。
 とりあえず、ケビンはなるべく陽気な調子で、

「ま、無事で何よりだ、姉ちゃん。一応確認だが、あんた、ここの住人かい?」

 と、声を掛けた。女性はケビンの存在には気づいていなかったようで、弾かれたようにこちらに顔を向ける。しばし首を傾げ――意味が分からなかったわけではないだろうが、否定の仕草をした。

「い、いえ、違う……――いいえ、違います」

 茫洋とした口調が、途中でしっかりとしたものに変わる。女性は眼が醒めたように顔を引き締め、一度大きく深呼吸をすると、ケビンとジルに向き直った。

「失礼しました。危うい所を助けて頂き、感謝いたします。私は、夜見島の太田ともえと申す者です。失礼次いでではございますが、ここが何処か、教えては頂けないでしょうか?」

 トモエというらしい女性は改まった口調で述べた。未だ不安に引き攣っているはいるものの、毅然とこちらを見つめている。まるで、その答えで全てが解決すると信じているような視線だ。縋っていると言い換えた方が正しいかもしれない。
 ケビンは一度、ジルと顔を合わせた。だが、こちらが言えることは決まっているのだ。多少気の毒に思いつつも、正直に述べる。

「悪ぃな。俺達にも分かんねえんだ」
「それをこれから調べに行く所だったのよ。ここの警察署にね」

 トモエの眼に失望の色が宿るのを見てとり、ケビンは大仰に肩を竦めた。

「俺はケビン・ライマン。こっちはジル・バレンタイン。どっちもラクーンシティの警官だ――ほらな? それと、そんな畏まらないでくれよ。慣れてねえから、こっちが――」

 何処からか聞こえて来た声らしきものに、ケビンは苦笑を打ち消した。法執行官証票を懐に仕舞い、右手の拳銃に左手を添える。掠れているが、人の声だ。それも、悲鳴か何か。酷く切羽詰まったものが含まれている。
 想像はしていたが、化け物はあれだけではないようだ。声は通りの西の方から聞こえてきていた。
 一度別行動をとるべきか、ジルの方を見やる。彼女は厳しい眼差しで、首を横に振った。

「あのときの経験から言わせてもらうと、何も分からない状況で分散するのは得策じゃないわね。ついでに言うと、ここ、ラクーンシティよりも不味い気がする」
「なーるほど。女の勘は信じなきゃな」

 ケビンは軽口で返してから、ジルからトモエに眼を移す。

279夕闇通り探索隊  ◆TPKO6O3QOM:2010/07/05(月) 00:46:01

「トモエ。職務上、一般市民を放っておくわけには行かねえんだが、わざわざトラブルへ連れこむのも気が引ける。俺たちと来るのも、ここで別れるのも、あんたの自由だ。さっさと決断してくれ」

「……一緒に行くわよ。こんなのがまた出てきても、一人じゃ困るもの」

 未だに痙攣している死体をおぞましげにちらと見て、ともえはすぐに顔を背けた。妥当な判断ではあるだろう。
 また、口調は砕けたものに変わったが、同時に鼻っ面の強さも表れてきたようだ。彼女の雰囲気は、顔見知りのアリッサ・アッシュクロフトと似た所がある。つまり――じゃじゃ馬だ。
 ケビンは僅かに苦笑を刻んだ。

「オーケイ。俺が先行する。ジルは殿を頼む。間にトモエだ」

「了解。トモエ、その服じゃ動き難いかもしれないけど、出来るだけ急いで」

 ジルの返答を背中に聞きながら、ケビンは西へと走り出した。

「まったく……退屈出来そうにねえなクソッタレ!」

 その呻きは、薄闇に染まりつつある霧の中に吸い込まれていった。もうじき――夜がくる。



【C-2カフェのすぐ南の通り/1日目夕刻】

【ケビン・ライマン@バイオハザードアウトブレイク】
 [状態]:身体的疲労(中) 、T-ウィルス感染中
 [装備]:ケビン専用45オート(装弾数5/7)@バイオハザードシリーズ
 [道具]:法執行官証票 
 [思考・状況]
 基本行動方針:救難者は助けながら、脱出。T-ウィルスに感染したままなら、最後ぐらい恰好つける。
 1:声のした西へ向かう
 2:警察署で街の情報を集める
 *T-ウィルス感染者です。時間経過、もしくは死亡後にゾンビ化する可能性があります。

【ジル・バレンタイン@バイオハザード アンブレラ・クロニクルズ】
 [状態]:健康
 [装備]:M92Fカスタム“サムライエッジ2”(装弾数12/15)@バイオハザードシリーズ
 [道具]:キーピック、M92(装弾数15/15)、ナイフ
 [思考・状況]
 基本行動方針:救難者は助けながら、脱出。
 1:声のした西へ向かう
 2:警察署で街の情報を集める
*ケビンがT-ウィルスに感染していることを知っています。

【太田ともえ@SIREN2】
 [状態]:身体的・精神的疲労(中)
 [装備]:髪飾り@SIRENシリーズ
 [道具]:なし 
 [思考・状況]
 基本行動方針:夜見島に帰る。
 1:ケビンたちに同行し、状況を調べる
 2:事態が穢れによるものであるならば、総領の娘としての使命を全うする
 *闇人の存在に対して、何かしら察知することができるかもしれません。

280夕闇通り探索隊  ◆TPKO6O3QOM:2010/07/05(月) 00:47:08



【キャラクター基本情報】
ケビン・ライマン
出典「バイオハザード アウトブレイク」
年齢/性別:31歳/男性
外見:やや垂れ目がちの柔和な顔立ちで、無精ひげが目立つ。ラクーン市警の制服を身に付けている。
環境:ラクーン市警に所属しているが、勤務態度はよくない。
性格:楽天的で大雑把な性格。割と好戦的。
能力:射撃は署内でも随一であり、戦闘技術は相当高いレベル。
口調:一人称は「俺」。砕けた口調。クソッタレ等、汚い言葉で毒づくことも。
交友:ラクーン市警関係者。J'sBAR馴染みの客。レオン・S・ケネディのことも、着任予定の新人ということで名前ぐらいは知っていると思われる。
備考: 楽天的な性格が災いし、S.T.A.R.S.採用試験に二度落ちている。ウィルス感染速度は速い。
特殊技能「キック」:敵を怯ませて、距離を取れる。
特殊技能「狙い撃ち」:長時間構えることで、必ずクリティカルが出る。


ジル・バレンタイン
出典「バイオハザード アンブレラ・クロニクルズ」
年齢/性別:23歳/女性
外見:褐色の髪の美人。水色のチューブトップに、短めのスカートを穿いている。
環境:ラクーン市警特殊作戦部隊“S.T.A.R.S.”のアルファチーム所属。後方支援を主とするリア・セキュリティ担当。   
性格:知的で真面目な性格。精神力も強い。
能力:戦闘技術は高いレベルで纏まっているが、体力や膂力等がすば抜けて高いわけではない。爆発物の専門家であり、化学知識も豊富。簡単な鍵ならば、キーピックによって開けられる。
口調:一人称は「私」。落ち着いた口調。
交友:ラクーン市警の人間。
備考: デルタフォースの訓練課程を修了しており、ピアノの腕も高い。
七月に起こった洋館事件で多くの仲間を失うも、クリス、バリー、レベッカと共に生還。仲間がヨーロッパに旅立つ一方で、自身はラクーンシティで調査を行っていた。

281夕闇通り探索隊  ◆TPKO6O3QOM:2010/07/05(月) 00:47:56

太田ともえ
出典「SIREN2」
年齢/性別:24歳/女性
外見:薄紅色の和服を着た、小柄な女性。髪には、父親に貰った髪飾りを刺している。
環境:1976年の人間。夜見島の網元であり、長きに渡り島の封印を守り続ける太田家の一人娘。   
性格:封印を守る一族としての矜持は高いが、周囲を気遣う優しい性格。ただし、余所者に対する忌避感は強い。多少ファザコン気味。
能力:身体能力は同年代の一般女性と同等程度。本編での描写は無いが、幻視は出来ると思われる。また、古の者に類するもののことを察知することが出来る。
口調:一人称は「私」。口調は歳相応。怒り狂うと乱暴な口調になる。
交友:夜見島住民全般。
備考:スタッフ曰く、本来は周囲を気遣う優しい娘。アーカイブスの日記からも、戦いに巻き込むまいと女中たちに暇を出すなど、細やかな心配りをしていることが分かる。
一族としての使命を理解していることから、夜見島の伝承や、闇霊・屍霊への対処法(滅爻樹等)も知っていると思われる。
夜見島を愛し、その伝統と使命を誇りに思っているものの、年頃の娘らしく都会に憧れを抱いている。
(参考) 太田家伝書
夜見島の封印を守りし一族を太田と称す。
太田の家の者は、次にあげる命を守り続けるが大事と肝に銘じよ。
一、古の地を犯すべからず
一、光を恐るる者は古のものの使いなり、誑かされるべからず
一、海に潜みし穢れに用心し、妊み女を決して海にいれるべからず
一、赤子生まれしときには、滅爻樹に名を書き連ねよ
一、人死にの際には、葬儀において滅爻樹を用いること忘れるべからず


【アイテム情報】

ケビン専用45オート@バイオハザードシリーズ
見た目はコルト・ガバメント。
.45ACP弾を使用し、ハンドガンの3倍の威力を持つ。装弾数は7発。
ハンドガンの弾の使用不可。

M92Fカスタム“サムライエッジ2”@バイオハザードシリーズ
べレッタM92Fをベースに、S.T.A.R.S.専用にカスタムアップされた部隊正式採用自動拳銃。
ハンドガンの弾使用可。サブマシンガンの強装弾とも共有できる。
装弾数15発。

髪飾り@SIRENシリーズ
太田常雄が買い与えた、高価な髪飾り。ともえはとても大切にしている。

282夕闇通り探索隊  ◆TPKO6O3QOM:2010/07/05(月) 00:48:45

【クリーチャー基本設定】

ライイングフィギュア@サイレントヒル2
出典:『サイレントヒル』シリーズ
形態:多数
外見:上半身をラバーに包まれたような人間。汚水のような色をしている。
武器:体にある裂け目からガスを噴出して攻撃。
能力:倒れると、異常に素早い動作で這いまわる。また、その状態で車の下に潜んでいたりする。
攻撃力★★☆☆☆
生命力★☆☆☆☆
敏捷性★☆☆☆☆ (転倒時:★★★★☆)
行動パターン:苦しみ悶えるような動作で近づき、ガスを噴霧してくる。

283名無しさん:2010/07/05(月) 00:49:26
以上です。

284 ◆TPKO6O3QOM:2010/07/05(月) 19:54:13
あー……ジルの道具に地図が抜けてました

285 ◆qh.kxdFkfM:2010/07/05(月) 20:21:13
ドンマイ。wikiのは追記しておいたから、
それ含めて問題ないか一応チェックしておいてくださいな。

286名無しさん:2010/07/05(月) 20:33:43
大丈夫だと思います。
更新、お疲れさまでした

287 ◆BoVaEdQZq.:2010/07/06(火) 12:01:27
ヘザー・モリス@サイレントヒル3
阿部倉司@SIREN2
ハンク@バイオハザードアンブレラクロニクルズ

投下します

288困惑 ◆BoVaEdQZq.:2010/07/06(火) 12:02:30

ヘザーと阿部は路地を出た後近くのモーテルに来ていた。
ここのモーテルには前に一度来たことがあるが、
以前ここに来た時とは置いてあるものが違う場合がある。

「それにもしかしたら誰かいるかもしれないし」

というヘザーの提案により訪れたのだが大正解とは言わずとも
正解に限りなく近い収穫であったと言えるだろう。

窓辺の机にスタンガンとバッテリー
陽動用の目覚まし時計
懐中電灯2つ
そして何よりの収穫はラジオと地図の二つ。

懐中電灯の片方と何故か中央の机の上に
むやみやたらに広げられ過ぎて半ばテーブルカバーと成り果てている数多くの地図は
もしも自分たちより装備に乏しい他の人間が来た時
困らぬようそのままにして
持っていく荷物を中央机の上に置き、収穫の確認がてら情報交換しようと言う事となった。

289困惑 ◆BoVaEdQZq.:2010/07/06(火) 12:04:29

「じゃあその教団って奴らがこんな訳わかんねぇ事やったってのかよ?」

「えぇ、あなたの巻き込まれた方のヤツかもしれないけど」

軽い自己紹介を済ませ、ヘザーはこれまでの経緯を話した、
一瞬、もしかしたら頭のオカシイ狂人だと
思われるかもしれないと思ったが、
すぐに思い直した。
既にあんなモノを見た後なのだから
そんなの気にする事無いだろう。

話してみるとやはり阿部に驚く様子は無かった。
というか話した後に聞いた死体に取り憑き何度倒しても生き返る連中だの、
正面からの攻撃が全く効かない怪物だのの方が
ヘザーにとっては驚天動地であった。

「死んだフリをする敵となら戦ったことあるんだけど」

「お前の方こそ大変だったんだな、
んで、居そうな場所はわかってんのかよ?」

「大体はね、私この地図の上の方には行ってないのよ
だから・・・・そうね最初の目的地は・・・・」

そういってヘザーが地図を立てると阿部は裏に名簿のようなものがあることに気づいた。

290困惑 ◆BoVaEdQZq.:2010/07/06(火) 12:06:12
「裏になんか書いてあるぞ、んだよこれ?
『呼ばれし者』って・・・・
お!俺の名前、おめぇの名前も!
もしかしてこれってここに来てる奴等の名簿かよ?」
「へぇ、これ本当にいい拾い物だったようね」

ヘザーは首を回り込ませ裏面を見た、
ダグラスも巻き込まれてたら助けに行ってやろう、
そんな軽い気持ちで。

「でもおめぇの親父さんとかその・・・・クローディアとかいう女って
死んだんじゃねぇのかよ?」

ヘザーは目を見開き名簿を凝視している。
そこには確かに今は亡き父、ハリー・メイソン
自分達の運命を狂わせた張本人クローディア
そしてあの災害と呼ぶべき事態を一緒に切り抜けた友人、
ダグラスの名前も見受けられた。

幽霊を見た、父親が殺された、
幼い娘が誘拐された、災害で家を無くした、
そんな絶望と驚愕の入り交じった表情を
世界中から全て集めたようにヘザーの顔は青ざめていた

「そんな・・・・そんなはずない・・・・」

「お、おい大丈夫かよ?とりあえず外の空気でも吸うか?」

「・・・・・・・えぇ、ありがと、でもこのままでいいわ」

阿部の労りの言葉に我に返り
気持ちを落ち着かせる。
青ざめていた表情も心なしか紅色に戻った

291困惑 ◆BoVaEdQZq.:2010/07/06(火) 12:12:53
が、戻ったのも束の間、
今度は逆に燃えるような憤怒の形相になる。
父の死を愚弄した罪は重い。
もしもこの名簿が本当で父が生きているならこの上ない喜びだ、
しかしそんなことはありえないのだから。

もしも怪物の1人として生き返っているのだとしたら・・・・・


「OK、もう大丈夫、心配ない。
こんなところで立ち止まってる場合じゃないわ、
行くわよアベ、このイカれた世界を作った『神』を殺しに」

「お、おう・・・・」

阿部は思った、このガキだけは怒らしちゃ駄目だと。


【B-5モーテル/1日目夕刻】

【ヘザー・モリス@サイレントヒル3】
 [状態]:憤怒、この場所へ呼んだ者への殺意
 [装備]:スタンガン(電池残量5/5)
 [道具]:L字型ライト  スタンガンバッテリー×2、SIGP226(装弾数7/15予備弾30)、携帯ラジオ、地図

 [思考・状況]
 基本行動方針:主催者を探しだし何が相手だろうと必ず殺す
 1:先ずは遊園地、その後は教会ね。
 2:他に人がいるなら助ける
 3:名簿の真偽を確かめたい

※名簿に関して半信半疑です
※阿部と情報交換しました、
闇人@SIREN2、夜見島についての情報を得ました

【阿部倉司@SIREN2】
 [状態]:健康
 [装備]: バール
 [道具]:懐中電灯、パイプレンチ、目覚まし時計
 [思考・状況]
 基本行動方針:戦闘はなるべく回避。
 1:ヘザーについていく
 2:まともな武器がほしい
 3:どうなってんだこの名簿?

※ヘザーと情報交換しました、以前サイレントヒルに起こったことを知りました

292困惑 ◆BoVaEdQZq.:2010/07/06(火) 12:21:09




一方その頃ヘザー達がいた路地裏では1人の男が死体を調べていた。

「弾丸は頭に一発のみ、射撃の腕は中々だな」

だが、と男は続ける

「このやり方はあまりにも猟奇的過ぎる、危険人物と見て間違いないだろう」

一発でへッドショットが出来るほどの腕前があり
なおかつ足跡から見るに二人いたはずなのだから戦闘は速やかに終了しただろうに、
そのわりには殴打の痕跡が多すぎる。

「さてどうするか、情報を優先するか、危険人物との接触を回避するか」



【住宅街/一日目夕刻】

【ハンク@バイオハザード アンブレラ・クロニクルズ】
 [状態]:健康
 [装備]:ステアー TMP(残弾30/30)、H&K VP70(残弾18/18)、コンバットナイフ
 [道具]: ステアー TMPの予備弾倉×2、無線機、G-ウィルスのサンプル
 [思考・状況]
 基本行動方針:サイレントヒルより脱出し、サンプルを持ち帰る。
1: 2、3どちらを優先するか・・・・それが問題だ。
2:情報を集め、現状を把握する。
3:現状では出来るだけ戦闘は回避する。
4:出来るなら、“ナイトホーク”と連絡を取る。
※ヘザーを危険人物と認識しました。

293困惑 ◆BoVaEdQZq.:2010/07/06(火) 12:46:54
これにて終了

294 ◆BoVaEdQZq.:2010/07/06(火) 12:47:35
そしてすぐさま予約するぜ!

荒井昭二@学校であった怖い話
福沢玲子@学校であった怖い話

そして前々から言ってた例のあの話のリメイクも同時進行するよ〜ん

雛咲真冬@零〜zero〜
日野貞夫@学校であった怖い話
宮田司郎@SIREN
予約します

295 ◆wXYVD2NDBY:2010/07/06(火) 17:08:30
人間、ふたり―――或いは、何故能力者は得てして惨禍に巻き込まれるか:リテイク

と称しまして改変させていただきます
なお御本人様からの要望があれば即座に削除させていただきます。

296 ◆wXYVD2NDBY:2010/07/06(火) 17:11:02
雛咲真冬は疲れ果てていた。
もう何時間歩き回っただろうか。それとも何十分か。何分か。
靄がかかったように時間感覚が覚束ない。まるでこの霧に包まれた街そのもののように。
―――侵食されているようだ。侵食? 何に?
無性に不安がこみあげる。
一向に見えぬ目的地の屋敷。曖昧にぼやけた前後の記憶。
人の影すら窺えぬ街。
自分は一体何時、ここに来てしまったというのか。



「高峰先生達は大丈夫だろうか・・・・」




思わず漏れた呟きさえ、霧の中に溶けてゆく。
必死に吸った息が咽喉の奥でひゅうと絡まる。
大声でわめきたくなるような孤独感に衝き動かされるように、真冬はまた 眼を見開いて辺りを窺う。
とうにというのに、 相変わらず何の反応も見せなかった。






有名な作家であり恩人である高峰準星先生を追い、勇気を振り絞り氷室邸に向かっていたはずだった。
今日こそかつての恩を返す時、必ずや先生達を氷室邸から救い出してみせる意気込んでの道行だった。
氷室邸の扉の前に立ち、何の気なしに引き開け一歩踏み出したところで、記憶は途切れている。
気がつけば、鞄を持ったまま濃霧の中立ち尽くしていた。
あたかも扉の先がここに繋がってでもいたかのように。





はじめはまたかと思った。
霊や残留思念を読み取る自らの力の都合上、おかしな事態には慣れっこだった。
きっと今回のこれもその類だろうと、あまり深く考えずに断じた。
以前あった事件の時のように、とりあえずこの射影機さえあれば何とかなるだろう。
普段の使い道といえばお守り代わりに持っておくくらいだが、こういう非常時こそ役に立つ。
氷室邸に来たはずの先生たちも、一緒に巻き込まれているかもしれない。
探して合流して、さっさと帰ろう。
そんな安易な考えの下、歩き出した。





視界の悪い大通りを気をつけながら進む。
だが何も起こらない。
何も見つからない。
無意識の内に足が速まった。
誰もいない。
音も聞こえない。
呼吸が乱れ、息があがった。





走り回り出口を探した。
声を張り上げて辺りに呼びかけた。
近くの民家の扉に飛びつき、叩いてみた。
いずれも何の役にも立たなかった。
はじめて訪れた誰の目にも明らかなほど、この見慣れぬ異国の街は死に絶えていた。
遺棄された街。ゴーストタウン。
死んでいるから異常なのか、異常に巻き込まれたから死んだのか。
分かりはしないが、最早真冬には為す術もなかった。







行く当てもなく歩を進める。
どの辺りから来て、どこに行こうとしているのか、今どこにいるのか。
もうそれさえ判然としなくなっていたが、どうでもよくなっていた。
半分枯れかかったような街路樹の傍を抜けて、適当に角を曲がる。
期待せずに眺めたその先の光景に、しかし真冬は既視感を覚えた。小走りに近寄ってみる。
こんな寂れきった街には逆に不似合いな、人の多い街にこそたくさんあるような代物。
道の片隅に唐突にぽつんとある階段。地下へと続いている―――。

297 ◆wXYVD2NDBY:2010/07/06(火) 17:12:11




「……地下鉄?」





その時、静寂に慣れた耳が、微かに響いた音を捉えた。
思い当たった瞬間、雛咲真冬は弾かれたように階段へ走っていた。
照明が行き届いていない薄暗いそこを、数段飛ばしの勢いで駆け下りる。
誰かいるかもしれない。
たったそれだけの確証もない考えが頭を支配し、のろまな両足を叱咤する。
最後はほとんど転がり落ちるような按配でホームに降り立ったとたん、
真冬は濡れた床を踏んで前のめりに倒れた。
とっさに手が間に合わず、無様にも顔から着地してしまう。
広がっていた粘性のある何かが頬や私服にべったりと染みを作り、痛みと気持ち悪さに呻く。






―――なぜこんなところに飲み物が零してあるのだろう?いやもしやこの臭いは・・・





心の中で怪訝に思いながら、両手を突っ張って身体を起こす。
手にもへばりついたそれは、半ば乾いていて酷くべたつく。
辺りが生臭い。鼻がばかになりそうだ。
どうしてこんなに薄暗いのか。
のろのろと頭を上げ、前方に目を凝らす。
意外なほどそれは近くにあり、こちらを見つめていた。
床に倒れた金髪の男性。その半開きの瞳が隆恭をじっと見ている。
半分だけの顔にある、ひとつだけの瞳が、じっと。
もう片方は、向こうに引きずられていった後がある、
もしくは引きずられてきたのかもしれないが。
ふたつに分かたれている、人間。
床にぶちまけられた、べたつく赤黒い何か。
意味することは明らかで、故に理解するのを理性が拒む。
半分。
血塗れ。
倒れて。
死体。
死人。
死んで。
半分に。
自殺?
他殺?
惨殺、
殺されて、
殺されて、
血があふれ、
半分に、
誰かに、





―――殺された、死体。




そう認識した時、死体の背後に霊ではないが異質で、
それでいて何処か厳格な雰囲気を持った大男が立っていることに気付いた
そいつは巨怪な鉈を持ち三角形の異形な帽子をかぶり
暗闇からだんだんとこちらに迫って来た。


逃げ出した。
訳も分からず、逃げ出した。
それが他の駅にいた少女、ミカの動作をそのままなぞっているとは知る由もなく。
声も出ず、ぬるつき滑る足だけでは足らず手も使って、半ば這うようにして階段を上がる。
振り向けない。
振り向いたらあの半分ずつの死体の霊と、男性を真っ二つにした何かが迫ってきているかもしれないのだから。
どうしてこんなことになった。
氷室邸に来ようと思ったから?
類稀な霊感の持ち主だから?
何がいけなかった。どうすれば良かった。
霊ならともかく実体をもった化け物など対処しようがない、
背後から聞こえるかもしれない追跡者の足音は、幸いにも聞こえなかった。

298 ◆wXYVD2NDBY:2010/07/06(火) 17:13:52


出口が見える。
ようやく見えた。
最後の力を振り絞って、あれほど嫌悪した霧の中に飛び出した真冬は、
勢いを殺す間もなく何かにぶつかって尻餅をついた。





「おいおい、大丈夫か?」





かけられる声。見上げる。
自分より、やや年下だろうか。眼鏡をかけた男。
白い半袖シャツに、校章のついたズボンを穿いている
知り合いではなかった。
だがはじめて、まともに話が通じそうな人間に出会えた。
助かるかもしれない。
こんなおかしな場所から、脱出できるかもしれない。
激しい狂乱を来した脳内が急速に落ち着いていくのを感じる。
立ち上がりつつ後ろを指差して、こう訴えた。





「この駅の中に死体がある、得体の知れない奴もいるようだから早く離れた方がいい」
「何だって? 本当か? あそこに?」





ぞっとした。
芽生えかけた希望や安心といった感情が、瞬時に凍りついて呑まれていくのが分かる。
霊感がおかしくなったのだと信じたかった。
眼を擦る。何度も、何度も。目の周りが赤く汚れるが気にもならなかった。
振り払ったはずだ、振り払ったはずなのに・・・・・
何故、今、この人に。
(この人の隣に、さっきの男の霊が見える? )





「殺されてるのか? 何があった? 俺は物音がしたんで慌てて来てみたんだが……」
(―――嘘だ。)
「とりあえず落ち着け。移動しよう。そこでゆっくり話聞くから」
(・・・・・・こいつが私を殺した)
「俺もお前と同じ、巻き込まれたクチだ。一緒にこんなところ脱出しよう」

(張本人だ!! )






霊からの忠告に従い、真冬は男を突き飛ばして走り出した。
後ろから制止の声がかけられるが、必死に耳を塞ぎ駆け続ける。

足が縺れる。
大声で助けを呼びたかった。
けれども、声を上げればあいつに居場所を知られてしまう。
どうして、こんなことに。

彼が、別の世界のとある同好会が関わってはいけないとした都市伝説のひとつ、
「殺人クラブ」に触れてしまったという、そのことさえも。







【駅付近の路上/一日目夕刻】
【雛咲真冬@零〜zero〜】
 [状態]:健康、身体の前面が血塗れ、
 [装備]:射影機
 [道具]:ポーチ(中身は不明)、メモ帳
 [思考・状況]
 基本行動方針:。
 1:眼鏡の男子学生(日野)から一刻も早く遠ざかる。
 2:高嶺先生は何処に・・・・
 3:まともな人間に会いたい。

原作OP直後から参戦

299 ◆wXYVD2NDBY:2010/07/06(火) 17:18:17
「逃げられたようだな。いいのか?」

背後から冷めた声をかけられ、日野貞夫を眼鏡を押し上げながら振り返る。
そこに先ほどまでの相手を案じる心配げな表情は欠片もなく、冷えきった狂的な笑みだけが貼りついていた。

「いいんですよ。獲物は逃げるものを追いかけてこそ、狩りとして成立する。そう思いませんか、宮田先生」
「知らないな。人間狩りに興味はない」
「またまたご冗談を」

無表情で切って捨てた白衣の男―――宮田司郎を見て、日野は咽喉の奥で笑う。


「貴方には素質があると思いますよ。我々、殺人クラブに迎えられる素質がね」
「そんな悪趣味な火遊びはほどほどにしないと、痛い目を見るぞ。俺が言えた義理でもないがな」

吐き捨てるような、中身のない忠告。
利害の一致でのみ結ばれる、形ばかりの協力関係。

「だいたい、俺はまだ完全に信じたわけじゃない。お前の言う、その『ルール』とやらをな」
「そうでしょうとも。だから今からお見せしますよ、証拠をね」

歩き出した。隆恭の出てきた地下鉄の出入り口に向かい、足取りも軽く降りていく。
血の足跡を逆向きに辿るようにして、無残な死体の傍へと降り立った。
日常ではまず出会うことない凄惨な光景だが、日野も宮田も一顧だにしない。

「死人に口なし、ね」

そう楽しげに呟くと、日野は携えた鞄から古びた機械を取り出した。
箱のような機体に、スピーカーらしきものがふたつ。見慣れぬ形ではあるが、それは―――


「ラジオ?」
「ご名答です。さて、それではよく聞いていて下さい」


おどけたように言った日野の指が、スイッチを入れる。
さらさら、ざりざりとひとしきりノイズを発したそれは、
不意に電波でも拾ったが如く、唐突に言葉を発した。



メアリー……死んだ……ころ、し……
逃げられない…
逃げられない……
サイレントヒルは…罪を問う場……
……新たなルール
殺せ……殺せ……
…殺し尽くせば、解放される……



電源が落とされた。
しばしの沈黙の後、宮田は胡乱な眼差しを向ける。

「何だ、今のは」
「さあ。霊石ラジオとかいうものらしいですがね」

拾ったんです、と肩をすくめてラジオをしまう。

「しかし聞こえたでしょう。殺し尽くせば、解放されるそうですよ」
「馬鹿馬鹿しい。ラジオが喋ったから信じろと?」

さも驚いたように、目を見開いてみせる。

「他に何か、必要ですか?」

300 ◆wXYVD2NDBY:2010/07/06(火) 17:21:03
つり上がる口端。歪んだ笑み。
片手で覆ってはいるが、隠しようもない。
学生生活を送る傍ら、自分たちが定めた偏った法で罪なき人間を狩る集団、殺人クラブ。
その部長を務め、狂人たちを纏めあげる狂人が、そこにいた。

「自分が殺したいだけか」
「そうともいいますかね」

冷嘲する宮田に、日野は両手を広げてまた肩をすくめた。

「でも貴方は俺に付いて来るんでしょう? 
一人を好むタイプのようにみえる貴方が、さっさとこの場を去っていないのが何よりの証拠だ。
たとえ信憑性がなくとも、少しでも可能性があれば実行する。それが貴方だ。違いますか?」
「……」
「他に情報もない。だからこそ俺に声をかけた。
ならばそうして得た情報に基づいて行動するのが得策だ。……でしょう?」

同じ匂いのする者を、言葉を弄してこちら側に引き込む。
いつもやっていたことで、造作もない。

「後ろから襲われるとは、考えないのか」
「ご自由に。そうなれば標的が一人増えるだけです」

まあ、と日野は嘯く。

「今はまだ殺しませんよ。先生との遊びは、お互いが最後の一人になった時でも遅くはないですしね」

俺の邪魔さえしなければ、と結ぶ。
お楽しみは最後に。
殺人クラブのメンバーに共通する、至極普通の概念だ。

宮田は感情の欠落した瞳で日野を睨めつけた。

「……悪魔め」
「光栄の極み」 

霧深き街に似合いの殺人鬼と傍観者は、ついにその手を取り合ったのだった。

【駅構内/一日目夕刻】

【日野貞夫@学校であった怖い話】
 [状態]:健康、殺人クラブ部長
 [装備]:特になし
 [道具]:学生鞄(中身は不明)、霊石ラジオ@零〜紅い蝶〜
 [思考・状況]
 基本行動方針:殺人クラブ部長として、街にいる者を皆殺しにする。
 1:手始めに……あの、神田に似た男を追うか。
 2:宮田はまだ殺さない。
 3:他に殺人クラブのメンバーがいれば、合流して一緒に殺しまくる。

 ※原作新堂6話目より発生する「殺人クラブ」ルート、七不思議の集会直前より参加。


  【駅構内/一日目夕刻】
【宮田司郎@SIREN】
 [状態]:健康
 [装備]:特になし
 [道具]:懐中電灯
 [思考・状況]
 基本行動方針:状況を把握する。
 1:日野と同行する。日野のすることは今は基本的に傍観。

 ※原作OP直前、恋人・恩田美奈を殺して埋めた直後より参加。

 ※駅構内のジェイムスの死体の近辺に、ジェイムスの霊がいます。
  またジェイムズの死体はレッドピラミッドシイング@サイレントヒル2
    が持ってきたようです

301 ◆wXYVD2NDBY:2010/07/06(火) 17:22:34
以上で投下終了です。

302名無しさん:2010/07/06(火) 18:43:15
投下乙です。
これはジェームスが日野に殺されたという事になるんですか?

303 ◆WYGPiuknm2:2010/07/06(火) 23:20:12
投下乙です、と言いたい所ですが指摘したい所二つほど
「人間、ふたり」のリテイクに関してなんですけどね これはちょっと無理があるでしょ

・時刻が夕刻なのに日野と宮田が何故駅に居るのか
・何故三角頭がジェイムズの死体を持ち歩くのか
・日野の持ち物がリテイク前と変わってない

色々とおかしいんですよね、この話
無理やり話をリサイクルする必要はないと思うのですが…

304 ◆WYGPiuknm2:2010/07/06(火) 23:22:53
指摘点、二つじゃなくて一つですね 失礼

305名無しさん:2010/07/07(水) 06:38:42
話の続きは書き始めた執筆者さんしか書いてはダメなんでしょうか?
自分、メリーゴーランド付近にいるクローディアさんとマザーカさんのお話を書いてみたいんですが

306 ◆BoVaEdQZq.:2010/07/07(水) 17:24:57
>>303

うーむ確かに、無理矢理リサイクルするのはどうなのか
とは、思ったんですけど。
あの話色々おいしかったりするんですよね〜
人気も高いみたいだし


三角頭は何でかジェイムスの死体運んでるんですよ・・・・
OPで

夕方は・・・・ま、夜になるまで2時間くらいあるし、ね?

一応後で修正しておきます、
他にも反対の声が上がるようならその時は


なぁに俺も書き手だからね、
自分の書き方で日野、真冬SSを予約しますよw

307 ◆BoVaEdQZq.:2010/07/07(水) 17:58:53
>>305

おぅ新規の人ですかw
いやはや賑やかになってきて何より!!
ときにクロックタワーと零は書けるかい?
最低人数は居るんだけど流石に二人は・・・・・
と、そんなことはどうでもいいねw


リレー小説というのは他の人が
書いたSSの続きを書いていく事で
終わりまでもっていく小説の書き方です


予約が無い限り、他の人の話の続きは書けますよw

308 ◆dQYI2hux3o:2010/07/07(水) 18:31:57
>>307
ご回答、ありがとうございます!
クロックタワーも零シリーズも把握してますので、チャンスがあれば喜んで書かせて頂きます
そんなわけでトリップ付きで、改めてクローディア@サイヒル3と風間望@学怖のお話を予約させて頂きます

ところで、クロックタワーのゴーストヘッドをご存知の方っているんでしょうか
ガン逃げとガン攻めを併せ持った優というキャラは、結構面白そうだと思うんですが…
流石にマニアック過ぎて無理かな

309 ◆TPKO6O3QOM:2010/07/07(水) 22:50:00
審議中のようですが、ハリー、美耶子、闇人を投下します。

310IT  ◆TPKO6O3QOM:2010/07/07(水) 22:53:35

 薄暗い路地裏の入り口に、獣の死骸があった。漂う霧に溶け込んでしまいそうな純白の毛皮を朱に染めて、力なく横たわっている。
 その死骸を、其れは見下ろしていた。其れは、黒い布に覆い包んだ身体をくねらせながら、思案するように佇んでいる。
 其れは悩む様に頭を数回振った後、思い切ったようにその死骸に潜り込んだ。黒衣の長虫が消えた代わりに、死んでいた獣がゆっくりと立ち上がる。
 白い獣の殻を纏った其れは首を傾げた。いつもの殻よりも視界が著しく低い。立ち並ぶ倉庫が、おそろしく大きく見えている。
 その理由はすぐに分かった。この殻は手と足で地面を掴んでいるのだ。
 当然の如く、其れは二本足で立とうとした。しかし、どうしたわけか、今までの殻と違って、体勢を維持できずにひっくり返ってしまうのだ。
 きょとんとして、其れは周囲をきょろきょろと見渡した。何が何だか分からない。
 ふと見てみると、手は足と同じ形をしていた。仮令二本足で立てたとしても、道具など使えようがない形だ。
 一先ず立ち上がり、身体をふるふると揺すって汚れを振るい落とす。
 一度、己の全身を観察してみると、それまでと比べて他にも色々と異なる部分があった。
 そもそも、今までの殻の臀部に、余分な骨と腱の塊など付いていただろうか。何故そんなものがあるのか。邪魔ではないのか。
 しかし、取ろうにも手は使えない。仕方なく口で引きちぎろうとするが今一歩届かない。その場でくるくると回るだけで、徒労に終わった。
 とりあえず、其れは路地の壁に向かって後ろ足を上げた。何故そうしたのかは分からない。しかし、そうせねばならない気がしたのだ。
 結局何も起こらなかったが、妙な達成感がある。其れは満足し、感想を零した。

 ――はう、あうわふ…………?

 感情を言葉にした筈であったが、口腔より漏れたのは奇妙に掠れた音であった。

 ――わうわう、わん、わん、がふ、ばうわう………………くぅんぅふうぅん、くぅーん……。

 幾度か繰り返すが、うまく行かない。諦めて、其れは足で耳の後ろを掻いた。
 掻きながら、この殻は変わっているのだと、其れは判断を下した。不自由だが、それでも悪いことばかりではない。
 殻の表層を包む毛皮は、いつもの殻よりも呪わしい光を遮ってくれる。傘を持ったり、布を見繕ったりする必要もないぐらいだ。
 さらに、目視と幻視の他に、もう一つの視界を手に入れることができた。
 それは発達した臭覚が生みだす世界だ。其れには、昇り立つ陽炎のような痕がそこかしこに“見え”ている。特に鮮やかなのは、すぐ傍から霧の中へと続いている二つの筋道だ。まだ中身を失っていない殻が残したものであろう。
 使い様によっては、幻視よりも状況を把握するのに役立ちそうである。
 しかし、かといってこの殻を使い続けることには抵抗があった。地上奪還という大義のためには、この殻は幾分心許なく感じられる。
 新しい、いつものような殻が必要だ。そして――殻はこの霧の先にある。
 混じり合う体臭の片方に強く惹きつけられることを訝しく思うも、其れは臭いの道標を追って走り始めた。路面を掻く、ささやかな爪音が路地に響いていく。
 臭いの主は、すぐに見つかった。大柄な男の殻と――黒い服を着た少女の殻。
 そのとき、戸惑いが身体を駆け抜けた。臭いと少女の姿が結びついたとき、突然眼が離せなくなったのだ。

311IT  ◆TPKO6O3QOM:2010/07/07(水) 22:54:17

 そもそも、其れらは殻に興味などない。殻など、目的のための一時的な止まり木に過ぎないからだ。だから、容姿や臭いなどに注目したことはない。
 常ならば、そうであるはずだ。しかし、今、其れの視界は少女しか捉える事が出来ない。
 音に気付いたか、男が振り返る。と、それと同時に少女が首を傾げた。

「……ケルブ?」

 少女の呼び声に、其れの内で狂おしいまでの渇望が湧きあがった。それは痛みすら伴う衝動の奔流であった。
 其れは吼えた。大きく、深く、轟くように、訴えかけるように咆えた。
 この少女がとてもとても大切なものであることを、其れは知っていた。其れは常に、少女の傍にいなくてはならない。少女は常に、其れが導いてやらねばならない。
 少女と其れは、一緒に居なくてはならない。
 しかし、今少女は男の傍に居る――。あれは、其れのものだ。断じて男のものではない。

 だから、奪り還さなくてはならない。

 ――少女の殻が欲しい。

 ――あの白亜のような手に、頭を撫でられたい。

 少女の殻があそこに在るのは相応しくない。

 ――どうしても欲しい。

 ――白磁のような足に身体を擦りつけたい。

 間違いを正し、あの殻と共に地上を取り戻すのだ。

 ――男の殻はいらない。

 ――あの傍らで、ずっと共に過ごしていたい。

 なぜそこまで執着するのか、其れは疑問にも思わなかった。何しろ、少女は己の半身であり、存在意義なのだから。それが当然のことなのだから。

 なればこそ、少女は――死ななくてはならない。死なねば、完全な殻にはならぬ。

 其れは路面を蹴り上げ、大きく跳躍した。顎を大きく開き、少女の喉笛へと飛び込む――。
 しかし、其れの牙が少女の肉を引き裂くことは無かった。
 横殴りの衝撃が、其れを弾き飛ばしたのだ。何処かがぐちゃりと音を立てて潰れ、甲高い悲鳴が喉から迸る。其れは受け身も取れずに路上へと転がった。路面に飛沫を散らし、四肢が力なく放り出される。
 男が手に持った硬い棒きれで、其れを殴りつけたのだ。その一撃は、殻の顔を砕いていた。致命的ではないが、軽くもない傷だ。
 其れの耳だけが動き、少女の怒号を拾う。聞きながら、其れは殻の壊れた部分が元に戻っていくのを待った。

「――おまえ、ケルブを、なんで!?」
「分からなかっただろうが、あれは君に襲いかかったんだ!」

 もう少しで届いたのに、男に邪魔をされた。
 なぜ男は邪魔をするのだろう。なぜ男は邪魔をしたのだろう。
 間違いを直すだけなのに。不自然を自然へ戻すだけだというのに。

「!?……なんてこった。頭だぞ。力いっぱい頭をやったんだぞ!?」

 傷の修復が済んで立ち上がった其れを見て、男が叫んだ。ぽたぽたと、路面に黒い雫が落ちていく。雫は、其れの顔に紅と黒の不気味な隈取りを描いていた。
 少女もまた眼を見開き、唇を震わせた。

312IT  ◆TPKO6O3QOM:2010/07/07(水) 22:54:50

「おまえはケルブじゃない。おまえは……誰だ!?」

 愛らしい唇から紡がれたのは、拒絶と憤怒の言葉だった。
 其れは、奥底から膨れ上がる衝動に喉を唸らせた。
 芒野に吹く風のような、か細く乾いた声音で、其れは啼いた。
 それは哄笑だった。口端を裂けんばかりに吊り上げ、其れは発作に苦しむ様に嗤った。
 まるで鬼が謡うような旋律に、男が顔を引き攣らせて拳銃を構えた。からからと音を立て、捨てられた棒が路上に転がる。
 銃声は三発響き、内一発が其れの胸部を貫いた。其れは笑みのようなものを顔に刻んだまま、路上に崩れ落ちた。

「……今の内だ。今の内に、ここから逃げるんだ!」

 男の声に少女が同意し、足音が遠ざかっていく。そのたどたどしい二つの音が聞こえなくなる前に、其れは身を起こした。身体を震わせてから、路面に鼻を近づける。
 ふんふんと臭いを嗅ぎ、其れは臀部に付いた部位をおっ立てて左右に振った。これは、斯様にして使うものらしい。
 其れは一声咆えて、霧の中でくっきりと浮かび上がる臭いの陽炎の追跡を開始した。




【B-1レヴィン通り/一日目・夕刻】
【ハリー・メイソン@サイレントヒル】
[状態]健康、強い焦り、美耶子の手を引っ張っている
[装備]ハンドガン(装弾数12/15)
[道具]弾:34、栄養剤:3、携帯用救急セット:1、ポケットラジオ、ライト、調理用ナイフ
[思考・状況]
基本行動方針:シェリルを探しだす
0:あいつから逃げないと
1:学校に急がなければ!
2:移動しながら少女と話をする
※サイレントヒルにシェリルがいると思っています
※それまでに話した内容は後続の方にお任せします。

【神代美耶子@SIREN】
[状態]健康、怒り、ハリーに手を引かれている
[装備]特に無し
[道具]無し
[思考・状況]
基本行動方針:街から脱出する
1:とりあえずハリーと行動する
2:それにしてもこの景色は・・・・・?
※幻視によってハリーの視界を借りています。
※ここは羽生陀村ではないと勘付き始めています


※B-1のレヴィン通りに鉄パイプが落ちています。

313名無しさん:2010/07/07(水) 22:57:43
以上です。

本編では描かれていませんが、闇霊は人間以外にも憑依出来るんじゃないか?
という考えの元で書きました。
「ねえよ」「ふざけんな」「カウンセラーに相談しろ」「おれってパイナップル握りつぶしたことあるんだけど信じるか?」等、
問題アリという意見が多ければ破棄いたします。

314 ◆qh.kxdFkfM:2010/07/07(水) 23:57:02
投下お疲れ様です。
作品についてですが、何ら問題ないと思います。
これからも楽しみにしています。

>>306
人気があるかどうかは知りませんが、
現存の作品を強引なリサイクルで無下にするのは本末転倒では?
ここまでプロセスを度外視されては、さすがに容認しかねます。

315名無しさん:2010/07/08(木) 00:37:29
ケルブ…(´;ω;`)
原作でもバトロワでも報われない子だなあ
投下お疲れ様です!

316名無しさん:2010/07/08(木) 00:40:37
サイレントヒル2はちょっとうろ覚えなんですが、
三角頭がジェイムズの死体を運ぶシーンってありましたっけ?
ライイングフィギュアとバブルヘッドナースを運んでるシーンなら覚えてるんですが…

317 ◆BoVaEdQZq.:2010/07/08(木) 01:37:53
「人間二人・・・」リメイクについて

OK〜了解です、
更に言うなら
書いてる途中で違和感が半端なかったし
アレは無かった事に


そんじゃあ改めて雛咲真冬でSS書きますねw


>>316
ああそれと、三角頭がジェイムスの死体を運んでいったのはこのロワのOP

だと思ってたんだけど、
どうも勘違いでした
面目無い。

318名無しさん:2010/07/08(木) 08:40:05
荒井組予約されてるんだし、まずどっちかにした方がいいのではないかなあ

319 ◆BoVaEdQZq.:2010/07/08(木) 15:32:58
HAHAHA!!
雛咲一人程度ならッ!
今日一日でッ!!
書ききってやるぜぇッ!!

荒井福沢組の話は思ったより長くなったんで
前後編分けたいんですが構いませんかね?

320名無しさん:2010/07/08(木) 20:49:29
規制中なのでここに書き込みますorz

なんたってヘザーはバツイチで二児を育てるヤンママだからな(嘘)
怒らせたら魔法少女に変身して、宇宙人と共に街を壊滅させるくらいは朝飯前だもんな>本スレ460

321暗中模索/臨戦態勢/カンニング ◆BoVaEdQZq.:2010/07/08(木) 23:37:11
>>320

なにその会話!本スレ盛り上がってんの?www
チクショー!混ざりてぇけど何故か規制されてて見れねぇwww

悔しいから雛咲真冬@零〜zero〜
ライイングフィギュア@サイレントヒル2
投下してやるぅーー!!
キィイイイ!!

322暗中模索/臨戦態勢/カンニング ◆BoVaEdQZq.:2010/07/08(木) 23:45:04

いつの頃からだったろう、僕達兄妹に不思議な物が見えるようになったのは・・・・


僕、雛咲真冬は数日前氷室邸で消息を絶った高峰先生を追うために家を出た。

妹の深紅は「何か嫌な予感がする」
と僕を引き留めたが、それは僕だって同じだ。

だがこのまま高峰先生達を放って置く事は出来ない、
自分意外に心を開けないでいる妹も心配だったが、
それでも僕は電車に乗り込む事を選んだ。
綺麗なネオンを眺めながら都会の景色もこれで暫くは見納めか、
気休めにそんな事を思いながら。



−−−−−−−−−

323暗中模索/臨戦態勢/カンニング ◆BoVaEdQZq.:2010/07/08(木) 23:58:08
−−−−−−−−−


・・・・・。
いつの間にか眠っていたらしい。
乗り過ごしていないか確認しなければ!慌てて車内を見渡す。

しかし、今乗っているのは眠りに落ちる前の
綺麗な車内ではなかった。
そこかしこにビンや新聞紙が落ちている、
それに遠くから空襲警報のような音が聞こえる。
一体何が?
放置された雑誌に目を遣ると英語でこう書かれていた。


自殺や事故死によって死んだ霊魂は、自分の死を認識できず、
その場にとどまり自縛霊になる事がある。
自縛霊は人としての意識や記憶を失い何度も何度も−−−

そこまで読んで本を閉じた。
こういうゴシップ記事は霊を引き寄せる。
ただでさえ得体の知れない場所で
軽はずみに読むものではない。
経験上それは確かだ。

ただ何か違和感がある、別に英語が読めない訳じゃないが、
この感覚は読めるのとは違う気がする。

確かめるため手を退け、雑誌の表紙を見る。
口から血を流したウサギのイラストにもそうだが
何より特集内容に戦慄した。


サイレントヒル特集!!
1、サイレントヒルでは殺人が大流行!
皆殺して最後の一人になりましょう! 最後の一人にはご褒美が・・・・

2、観光のポイントはなんといってもサイレン!聞き逃さないこと!

3、子供達は鬼ごっこが大好き!
鬼の種類をご紹介!一緒に遊びましょう?

324暗中模索/臨戦態勢/カンニング ◆BoVaEdQZq.:2010/07/09(金) 00:08:17


殺人が大流行?サイレントヒル?
この電車は何線で、何処に向かっているのか。

何一つ解らない・・・・
少なくとも駅に着くまでに
電車内の事だけでも解っておくべきかもしれない。

タイトルを見ただけでは内容の掴めない
『鬼特集』という記事を読みながら隣の車両に移る。

その車両は真っ暗闇だった、電灯の消えた車内は
明かりのある車内とのコントラストで、そこだけが別の空間に見える。

その漆黒の中に足を一歩踏み出すと
向こうから奇怪な呻き声と湿った足音が聞こえた。


母の形見である射影機を使い迎え撃とうと構えるが、
トンネルの明かりでそれが一瞬見え、無駄だとわかった。


霊の憑依した人形等ならともかく、実体のある相手に射影機は効かない。
後退りながら足元に落ちていた鈍器のような吊り革を持ち、
冷静に考えを巡らせる。


一瞬見えたあの影は
今見ているページに描いてある
(一見落書きのようにも見える)
挿し絵と同じように見えた。

本によるとアレの名前は



「ライイングフィギュアというのか・・・・・」

325暗中模索/臨戦態勢/カンニング ◆BoVaEdQZq.:2010/07/09(金) 00:19:17

【?ー?電車内/夜】
【雛咲真冬@零〜zero〜】
[状態]未知の世界への戸惑い、驚き、冷や汗
[装備]長い吊り革@サイレントヒル3
[道具]メモ帳、射影機@零〜zero〜、
    クリーチャー詳細付き雑誌@オリジナル
    ショルダーバッグ(中身不明)

[思考・状況]
基本行動方針:高峰先生を助けに氷室邸に行く
1:目の前の敵をなんとかする。
2:駅に降りて雑誌を熟読する。
3:氷室邸に行く。

※何処の駅に向かっているのかはわかりません



【クリーチャー詳細付き雑誌@オリジナル】

クリーチャーの容姿(サイレントヒル1or3のアレッサ作程度の画力)、
攻撃方法、
そして超大まかな撃退方法(ヒント程度)が書いてある
ようは対クリーチャー用攻略本である

他の2つ(サイレン、ルール説明)に関しては
ほとんど書いてません。

元はサイレントヒル3の駅の階段に落ちてた雑誌です

【長い吊り革@サイレントヒル3】
サイレントヒル3電車の中によく落ちている
実際には拾うことが出来ない武器(として使えそうな物体)。
見た目は鉄パイプより長く、重量感もあるため
使いたいと思った人は多いはず。

326 ◆BoVaEdQZq.:2010/07/09(金) 00:28:00
投下完了!


しかしサイヒル3やり始めた辺りからいつも思ってたけど
ホラーゲームキャラの格ゲーとかあったら面白そう、
スレと全く関係ないけどさw

クローディアとか動かしたい

327名無しさん:2010/07/10(土) 00:36:17
投下お疲れ様です!吊り革ってどんな形してたっけ?って確認しちゃったよw
電車内はショットガンでヒャッハーしてたから、吊り革(っていうかアレは革なのかな)の発想は無かった
カーブしてるから扱い難しそうだな
お兄ちゃん頑張れ!

フリーの同人格ゲーだけど、ジルがゾンビ呼びつつロケランぶっ放してるのは見たことあるw
他のは見たこと無いけど、あったら面白そうだよね

328 ◆hr2E79FCuo:2010/07/10(土) 12:55:18
新藤誠、雛咲深紅、前原圭一予約します。

329名無しさん:2010/07/10(土) 17:48:12
期待してます!

330Close Encounters of the Third Kind  ◆dQYI2hux3o:2010/07/10(土) 18:08:48
クローディア=ウルフ@サイヒル3と風間望@学怖のお話を投下しますね

331Close Encounters of the Third Kind  ◆dQYI2hux3o:2010/07/10(土) 18:09:58
この世界に放り出されて一日目の夜。
風間望は、赤茶の錆びが浮いた遊園地の門の前で力なく腰を下ろし、その整った風貌に脂汗を浮かべながら、二度と遊園地には行くまいと固く決意していた。

一つ目の原因は、ピンクのウサギの大群――否、それでは説明が不十分だ。
正しくは、その愛らしい姿にはミスマッチにも程がある、物騒な得物を装備した、ピンクのウサギの大群――であった。
それらは何者かから命令を受けているのか、それとも生まれ持った本能によるものか、のそりのそりと列を成して、遊園地を我が物顔で闊歩していた。
恐らく、これから園内や街へ繰り出し、その得物を思う存分振るうのだろう。そうなれば、丸腰の風間などはひとたまりもない。
なぜこの風間望様が、こんなぬいぐるみの集団相手に、殺人クラブに招かれた哀れなゲストのように震えなければならないのか。
大体フェアではないではないか、こちらは丸腰なのに、向こうは集団で武器を装備などとは。これでは、さっさと殺されろと言われているようなものではないか。
風間は心の中で、そんな理不尽な状況に対して愚痴にも近い罵倒をひたすら繰り返した。
それが普段の、殺人クラブで狩りに勤しむ自分自身にそっくりあてはまる点などは、露ほども気にしていない。

風間はメリーゴーランドの陰に身を潜めてウサギの集団を見送った後、とりあえず、この狂った遊園地から脱出しようと決め、ウサギに見つからない角度を保ちつつ、少しずつ場所を移動した。
ウサギが反対側を見るタイミングを計りながら、柱やらアトラクションやらの陰に隠れながら、道なりに進んでいた、その瞬間だった。

じゃりっ。

「うおっ!?」

風間の息が止まった。慎重に後ろへ送り出した片足が硬い金属の塊を踏みつけ、バランスが崩れてしまったからである。
風間の身体は地面に倒れ、強かに尻を打ちつけてしまった。なけなしの精神力で呻き声を堪える。
必死に腰を浮かしながら立ち上がろうとした時、今しがた踏みつけた物体が目に入った。
回転系の乗り物の主柱に巻きつけられた、錆びた鎖だった。それは蝶番が壊れて外れかかったドアに繋がっており、どうやら誰かがドアを壊すために使ったものと分かった。

どこのバカだ!?こんなものを放置したお陰で、危うく悲鳴を上げるところだった!
心の中でドアを壊した誰かに対して悪態をついた、その矢先だった。
ぶぉん。風間の耳元をバットのフルスイングのような音が掠め、すぐ近くの地面に大きな鉄の塊が深々と突き刺さった。
斧だった。遅れて、耳たぶがかっと熱くなる。触れて確認するまでもなく、斧が耳を掠ったのだと解った。
斧が飛んで来た方向を振り返ると、そこには、最も恐れていた光景が広がっていた。
先程まで、群れをなして遊園地を徘徊していたウサギの大群が、真っ直ぐこちらを見つめながら、のっしのっしと前進していたのである。
それはまさに、逃げ遅れたシマウマの子供を狙うハイエナの群れであった。

体中からさっと血の気が引いていく。震える膝に鞭打って、風間は死に物狂いでその場から駆け出した。
学校の授業ではまったく出さなかった全力で、施設内を駆け抜ける。
刃物を持つ個体が、こちら目掛けて続々とそれを投げ始める。降り注ぐ刃物の一群は、風間を目指して寸分の狂いもなく降り注いだ。

「だっ誰かああああ!誰か助けてくれえええええっ!!」

風間の通った空間を狙いすましたように、次々と斧やら鉈やら釜やらが切り裂いていく。それらの一部は風間の制服を切り裂き、遅れて熱湯をかけられたような熱さが全身を襲った。
もはやパニック状態だ。嗚咽混じりの悲鳴を上げながら、でたらめにアトラクションの隙間を走り回る。もはや自分がどこへ向かっているのかも解らない。
いくつか建物を見かけて侵入を試みたが、それらの扉は鍵がかかっているものばかりであった。
まったくどいつもこいつも使えない!風間は心の中で悪態を吐いた。
そうしているうちに、気が付くと風間は元いたメリーゴーランドの付近まで戻って来てしまっていた。

幸いにもウサギの群れは風間より若干足が遅いらしく、風間を見失ったのかここからやや離れた所をうろついており、投射する武器がなくなったようで、刃物の類はもう飛んでこない。
一本くらい拾っておけばよかったか――などと考える余裕もでき、いくぶん落ち着いた風間は、ひとまず遊園地からの脱出を諦め、メリーゴーランドの中に飛び込み、鉄の柱に背中を貫かれた馬の群れの影に身を潜めた。

そこで風間は、二度と遊園地には行くまいと決意を固めるに至った、二つ目の原因と遭遇してしまったのである。

332Close Encounters of the Third Kind  ◆dQYI2hux3o:2010/07/10(土) 18:12:13


「これが神の世界…?」

突然後方から低い女の声が聞こえ、風間の心臓はパーンと景気のいい音を立てて破裂しそうなほど強く脈打った。
すんでのところで声を喉の奥に押し込み、反射的に振り返る。

そこには、質素なダークグレーのジャケットに同色のロングスカートを身に纏った、白人の女が立っていた。
年齢は風間よりも年上だろうか。肩まで伸びたプラチナブロンドと、眉の薄い陰気な顔立ちも相俟って、一瞬老婆のような印象を受けた。
よく見ると、実際は三十代そこそこのようである。

それにしても、いきなり“神の世界”ときたか。
あーまたヤバイのが増えたよ――風間は心の中で溜め息を吐いた。
そしてふと、風間の脳裏に一つの疑問が浮かび上がり、

「え?日本語?」

と思わずそれを口にしてしまった。
この女、顔立ちはどう見ても白人なのだが、なぜ日本語を喋っているのだろう。
この遊園地は、看板から何から何まで英語で占められているから、英語圏にあるのは間違いないのだが――

不気味なその女は、風間の姿を認めると、眉毛の薄い眉間をいぶかしむように顰めたが、何も言わず再び遊園地に顔を向けてしまった。

「あー、もしもし、お嬢さん?」

風間の呼びかけにも、女はほとんど反応せず、遊園地を見渡すように周りを行ったり来たりしている。

「この鳴神学園きってのイケメンを無視するとは良い度胸だな。人の話はちゃんと聞けって先生に教わらなかったのかっ!?スンバラリア星人呼ぶぞ!?エクスキューズミー!?くぁwせdrftgyふじこlp;@:」

――などと大声で騒げるはずもなく、それらの台詞は口から飛び出す前にデクレッシェンドがかかり、ウサギに気づかれない程度のボリュームで女に向けられた。
やがて周囲を観察するのに満足したのか、あるいは小声で騒ぎ立てながら周囲でアピールする風間が煩わしくなったのか、女はようやく風間の方を見た。

「ここには貴方の他に、誰かいるの?」

血色の悪い唇は明らかに――風間には英語もドイツ語も違いはよく判らないものの――英語を喋っているように見えるが、不思議と彼女が何を言っているのか理解できた。
この不可思議な現象が、この世界の仕組みの一つなのか、あるいは自身が幻聴を聞いているに過ぎないのかは定かでないが、ともかく風間は、彼女とコミュニケーションを取ってみようと思い至った。
あのウサギの大群を見た後では、もうとにかく、人の姿をしている者と会話できるだけでも有り難い。
それに、不気味な容姿とはいえど、彼女が女性であるという点も、フェミニストという側面を持つ風間の警戒心を緩める助けとなった。

「い、いや、僕はウサギしか見てないから、他に誰がいるのかは分からないよ」
「…ウサギ?」
「そう、でっかいウサギの着ぐるみだよ。それがウジャウジャいるんだ。鉄パイプとか、ショットガンとか、チェーンソーなんかを持ってね。…信じられないだろうけど」
「…そう」

どうも風間の証言は、彼女にはさして響かなかったようだ。当然と言えば当然だ。
まあこういうつまらない反応をするヤツは、実際に見たら大抵は腰を抜かして殺られてしまうのが関の山だ。そう考えることで、風間は溜飲を下げた。
とりあえず情報収集をしようと思い立ち、風間は善良な一般人を装いながら尋ねた。

「ところで、君はここで何してるんだい?女性一人じゃ危ないよ?」
「あなたには関わりのないことよ。それにここは私の古巣…どこが安全かは心得ているわ」

風間の脳裏に一筋の光が差した。
この女、何者かは知らないが、この遊園地について――というより、この世界について知識があるようだ。
人を寄せ付けない雰囲気からして、同行するのは無理としても、この街で役立つ情報を引き出せられれば、がぜんこちらが有利になるだろう。
味方に付けておいて損はない。瞬時にそう判断した風間は、再び歩き出そうとする女を引き止めた。
そして自慢の整った風貌をできる限り爽やかな表情で飾り、女に尋ねる。

「ここに詳しいのかい?なら、外に出るルートを教えてもらえないかな。物騒なウサギだらけで危ないったらないんだ」
「…良いわ。教えてあげましょう。ただし」
「ただし?」
「少しの間、眠っていてもらう」

風間がその言葉の意味を問おうとした、その矢先だった。
女が風間に向けて手を挙げた瞬間――風間の意識が突然、漆黒の闇に飲み込まれた。

333Close Encounters of the Third Kind  ◆dQYI2hux3o:2010/07/10(土) 18:14:41



「…はっ!?」

しばらくして、風間の意識が明るい世界に引き戻された。
ぼんやりした意識のまま身体を起こして周囲を見回すと、風間はそれまでいたメリーゴーランドではなく、映画でしか見たことのないような、荘厳な聖堂の長椅子に横たわっていた。
左右の壁には神話をモチーフにした絵画がいくつかかけられており、整然と並べられた長椅子の正面には、祭壇のようなものがある。

なんだかよく解らないが、とても気持ちの良い夢を見ていた気がする。
あまりよくは覚えていないのだが、人間を超越した素晴らしい何かに変身したような、そんな夢だ。
自分の手を目の前に翳してみたが、どこもおかしくない、普段通りの、理想的な手相をした手のひらだ。
念のため顔も触ってみたが、すべすべした手触りの良い肌触りで、でこぼこしていたり、触手が生えていたり…なんてこともない。

風間がほっと安堵の息を吐いたところへ、聖堂の扉が開き、先程の女が姿を現した。
思わず風間は身構えた。一応、妙なことをされた形跡はないのだが、眠らせておいて何もしないなんてことは有り得ない。

「ぼっ、僕に何をした!?まさか、お婿さんに行けなくなるようなことじゃないだろうな!?」
「心配は要らないわ。ほんのしばらくの間、実験台になってもらっただけ」
「じ、実験台!?」

慌てて体中を触って確かめてみたが、やはりどこも変わった様子はなかった。一体何をされた!?

「それにしても、あなたの生まれ変わった姿はとても独特ね…趣味は悪いけど、興味深い」
「人の話を聞けよっ!」
「大丈夫。少なくとも、あなたにとって害ではないわ。…さて、遊園地から出たいんだったわね」

声を荒げる風間を尻目に、女は反論する隙も与えずに脱出するための手順を説明し始めた。
すっかり女のペースに嵌められてしまい、風間としては大いに不満ではあったが、この遊園地の姿を借りた地獄を脱出するためには致し方ない――そう風間は判断し、渋々女の説明に耳を傾ける。
わざわざ回り道をしたりアトラクションの中を通り抜けたり、遊園地にしてはやたらと複雑な道筋に内心辟易としたが、これも脱出のため。風間は必死に道筋を頭に叩き込んだ。
ことのついでに、遊園地の外にある施設についてもあらかた聞き出し、脱出したとたんに迷子になる、などという情けない展開も回避できることとなった。

教会の出口まで案内されると(何せ、教会内部は異質な部屋がでたらめに乱立し、おかしな構造をしている)、風間はとりあえず女に振り返った。

「色々とどうも。また会えるかどうかは分からないけど、まあお達者でね」

二度と会いたくないけど――とは言わなかった。余計な怒りは買わないに限る。
結局のところ、何の実験をされたかはうやむやになってしまったが、この際もうどうでも良かった。
とりあえず体に異常は無いようだし、何をされたか知るよりも、一刻も早くこの遊園地から、そしてこの女から逃げたかった。

扉を開けようとしたその時、女が「待って」と風間を呼び止めた。
まだ何かあるのだろうかとうんざりしながら、風間は振り返る。

「もしもこの先、赤い固体――いえ、液体かもしれない。それを見つけたら、直ちに破棄しなさい」
「赤い…固体?それが何だって言うんだい?」
「あなたは知らなくても良いことよ。…良いわね?」

風間の肩がびくりと震えた。銀色に光るナイフを首に押し当てられたような気がしたからだ。もちろん、実際には睨まれているだけだ。
どうにも、この女のやたらと色素の薄い目は苦手だ。
外国人の目の色に慣れていないからとか、そんな次元ではない。氷のように冷たく、まるで人間味を感じないことが不気味でしょうがないのだ。
その青白い皮膚の下には、無色透明の血液が流れているような予感さえしてしまう。

用件が済むと、女は黙したままの風間を残し、踵を返して教会の中へ戻って行った。
何から何まで、不気味で掴み所のない女である。この人物こそが、風間望が二度と遊園地には行くまいと決意を固める原因の二つ目であった。
そして最後の原因は、女から教えてもらった脱出ルートに待ち構えていた。

壁に刺さったまま忘れ去られたウサギの武器を回収しながら記憶を頼りに園内を進んで行き、やがて風間は問題の場所に到着した。
すっかり暗くなってしまったためいまいち全体像が掴めないものの、なかなか手の込んだ造りの立派な洋館に見える。
玄関の扉を開けて大広間に入った途端、待ち構えていたかのようにどこからか男性のご機嫌な挨拶が聞こえてきた。

『ボーリィの幽霊屋敷へようこそ!』

そして、遊園地をたっぷり堪能した彼の結末は、冒頭に集約されるわけである。

334Close Encounters of the Third Kind  ◆dQYI2hux3o:2010/07/10(土) 18:16:10



これは神から与えられた“試練”であると、クローディア=ウルフは聖堂の片隅で考えていた。

結局のところ、神降臨の儀式は失敗に終わったらしい。
この世界は前と変わっておらず、神の齎す楽園とは程遠い。この身を捧げて神の降臨に尽力したのに、本当に残念だ。自分の至らなさが情けない。
けれど、私は何故か生きている。それはどうしてか?クローディアはすぐ答えに辿り着いた。
――そう、神がもう一度チャンスを与えて下さったに違いない。

長椅子に腰掛け、静かに目を閉じるクローディアの脳裏に、遠い記憶が蘇った。
今でも記憶に焼きついているのは、神の母にして神の娘、聖アレッサと同じ名を持つ、一人の少女の姿。
愛しい姉、アレッサ――否、今となってはそれも過去形だ。クローディアが慕った彼女はもう、どこにもいない。

――憎しみで生まれた神に、楽園なんて築けるわけないじゃない!

血の繋がりは無かったとはいえ、実の姉妹のように仲の良かった私達が再会したあの時。
幼い頃から心を通わせていた私を、彼女が拒絶した瞬間、幸せだった――いや、幸せだと思っていた美しい思い出は、完全に死んでしまった。

クローディアは逃げるようにして、その過去の人となったアレッサの記憶に蓋をする。
そして長椅子から立ち上がると、真っ直ぐ祭壇まで進んだ。
祭壇の向こうは色鮮やかなステンドグラスで彩られ、夕焼けを髣髴とさせるオレンジ色の光が漏れている。――この聖堂は、地下にあるにもかかわらず。

クローディアは、労わるように下腹部に手を添える。
普段と何も変わりはないが、クローディアはそこにもう一つの“鼓動”を感じていた。
アレッサとの思い出は死んだが、私の唯一の救いである神は、死んではいなかった。そうとも、偉大なる神が人間に殺されることなど有り得ない。神は、ここにおわすのだ!
だが、痛みも何も感じない今の状態から察すると、神のお力はまだ完全には程遠いようだ。
恐らくアレッサが飲み込んだあの赤い物体の影響により、初期状態までリセットされてしまったのだろう。

神は今度こそ、この世に完全な姿で降臨するため、今度は私をお選びになった。
私がすべきことはただ一つ。神に選ばれた聖女として、その御心を実行せねばならない。すなわち、再び神を完全な形でこの世にお迎えし、世界を救済する。
今度こそ、神の楽園――痛みも苦しみも無い世界を創り出すのだ…!
クローディアは、ステンドグラスに描かれた神を見上げ、跪いて祈りを捧げる。薄っすらと光を放つそれは、クローディアを見守るように、静かに佇んでいた。

さて、これから何をすべきか。何ができるか。
あのやたらと騒がしい東洋人の少年で試してみて分かったことだが、どうやらクローディアの力は、今の段階では制限がかかっている可能性が出てきた。
以前はミショナリーやレナードを完全に“生まれ変わらせる”ことができたのに、先程あの少年に試してみた結果、頭が緑色のオウムガイのような形に変化したのみで、大きな変化が現れなかったのである。
あの予想だにしない奇妙な形状は、クローディアの力が萎えているのか、あるいはあの少年自身の深層心理が影響を及ぼしたのか――とにかく、もうしばらく実験を繰り返して様子を見る必要がありそうだ。

そして、神を成長させるには、負の感情が必要だ。怒り、悲しみ、憎しみ、あらゆる苦しみを蓄えねばならない。
それらはやはり、教会で過ごしているだけでは得られないだろう。つまり外に出て、何か憎悪や苦痛の対象を探さねばならないのだ。
この世界においては、人の姿をしているもの、異形の姿をしているもの、そのどれもが等しく怪物である。外ではそんな様々な怪物が入り乱れ、殺し合いをしている。
人間とは罪深い生き物。――私を含めて、だ。この街に集まった者の中には、必ずや神の養分となるに相応しい、このクローディアにとって忌まわしき存在がいるだろう。
気持ちを新たにしたクローディアは、神に向けて加護を祈り、教会を後にした。

――敬愛する我が神よ。あなたの統治する楽園が、一日でも早く到来しますように。

335Close Encounters of the Third Kind  ◆dQYI2hux3o:2010/07/10(土) 18:16:46
【A-4遊園地入場門付近/1日目夜】

【風間望@学校であった怖い話】
[状態]:数箇所を負傷、かなり疲労
[装備]:制服、鉈、薪割り斧
[道具]:ルールの書かれたチラシ
[思考・状況]
基本行動方針:とにかく(マトモな)人のいそうな所へ行く
1:邪魔者は排除する
2:チラシに書いてある事が真実か確かめたい
3:“赤い物体”については、とりあえず記憶に留めておく程度
4:遊園地には二度と行きたくない

【A-4遊園地メリーゴーランド付近/1日目夜】

【クローディア=ウルフ@サイレントヒル3】
[状態]健康
[装備]ナイフ
[道具]無し
[思考・状況]
基本行動方針:神を降臨させる
1、神を成長させるため、憎悪の対象を探す
2、邪魔者は排除する
3、赤い物体(アグラオフォティス)は見つけ次第始末する
4、参加者と協調するかは状況次第
※神はいったんリセットされ、初期段階になりました
※アグラオフォティスを所持すると、吐き気に似た不快感を覚えます
※力の制限は未知数(被検体が悪い)。物語の経過にしたがって変動するかもしれません

【神の降臨について】
神は怒りや憎しみなど、負の感情を養分にして成長する。
原作では、神を宿したヘザー(アレッサの転生体)がハリーの残したアグラオフォティスを飲み込んだために、神が胎児の状態で排出されてしまったため、完全体がどのように誕生するかは不明。
ヘザーが吐き出した神の胎児はクローディアが飲み込み、ほぼ骨と皮のみの、下半身が未発達な神が産まれた。(その顔はクローディアの神のイメージが投影され、アレッサに似ている)
ちなみに、神を飲み込んだクローディアは瞬く間に全身が赤く侵食され、服のみを残して消滅した。

336Close Encounters of the Third Kind  ◆dQYI2hux3o:2010/07/10(土) 18:19:44
投下完了です。
スンバラリアとかホントは優しいおばさんとか、
使いたいネタを使えるだけ詰め込んだら、こんなに長くなってしまいました…反省

とりあえずホラーが主軸なので、ヌルい展開もアレかと思ってクローディアさんの設定を煮詰めてみましたが、
問題があるようでしたら突っ込みお願いします

337 ◆BoVaEdQZq.:2010/07/10(土) 18:47:02
投下乙ですw

次回辺りサイレンによる腹痛で
「酷い体調だがこの力の中に『希望』だけは感じるッ!」
というどっかの素早い神父みたいな事を言いそうな気がしてならないwww

風間はロワ内本編ではスンバラリア星人ではない事は明記しておくべきかと
一応ねw

338雲上海下(うんじょうかいか) ◆BoVaEdQZq.:2010/07/10(土) 19:02:20
荒井昭二@学校であった怖い話
福沢玲子@学校であった怖い話

予約しといてちっとも投下しないのもアレなんで
前半だけ上げます。

まぁ前半部福沢さんしか居ないんですけどねw

339名無しさん:2010/07/10(土) 19:03:01
投下乙です。
風間wwwww
ある意味、元の姿を取り戻したわけだけど。並行世界?の。

340雲上海下(うんじょうかいか) ◆BoVaEdQZq.:2010/07/10(土) 19:07:45

アパートの一室
部屋の隅で小鹿のようにカタカタ震えながら
命乞いをする心の準備をしている少女がいた。
酷く怯えていて声もなく涙を流しながら身を縮めている。


彼女の名は福沢玲子、鳴神学園一年G組に属している極々普通の女子高生である。

しかし、
彼女より前にこの地に召喚された
新藤誠や日野貞夫がそれを聞いたら、
きっと大笑いするだろう。

『普通の』?アイツが?


自らの祖父すら『死』を見るための観察対象にし、
七不思議の集会を使った狩りでは主に
グロテスクな怖い話を好む性質。

更に言うと彼女が殺人を犯す時にもっとも重点を置くのは死の表情、死の瞬間。
新藤のような試合に見立てた命の取り合いや
風間のような他人を見下す愉悦を味わうため
といったような
普通に試合をすればいい。
偉くなれば得られる。
というような代えの効くものでも無く、

岩下のように憎いから、愛しいから殺すといった
特定の相手を選ぶという事もない。



−−−面白いから殺す。



そういった最も快楽殺人者的な思考回路を持ち、
部長である日野を除けば『殺人クラブ』の趣旨に最も合致する人間。

そんな奴が普通なら、きっとこのクラブ活動は全国に広まってるだろうぜ?


そういって笑うだろう

341雲上海下(うんじょうかいか) ◆BoVaEdQZq.:2010/07/10(土) 19:16:52
だが、ここにいるのは正真正銘『普通の』高校生活を営む福沢玲子である
水泳部の部室で呪いのロッカーに引きずり込まれ
自分の体が水になっていくのを感じ・・・・・
そうして気がついたらここにいたのだ。

それだけならまだここまで追い込まれることは無かったろう、
彼女は本来楽天家で、明るいのが取り柄の少女なのだから。
話は15分前に遡る


「私・・・・もしかして死んじゃったの?」

薄暗いアパートのロビーで1人呟く。
彼女の周囲には女子水泳部室にあった鏡やバッグ、水着などの私物が
あたかも此方に投げつけられた後かのように置いてあった

「ここ何処なんだろ?坂上くんは居ないのね、良かった・・・・」

福沢はほっとしたように
流石に自分のせいで人が死んじゃったら
寝覚めが悪いもんね
そう心の中で付け加える。

「それにしても何でこんなに濡れてるかなぁ、
中までグショグショじゃない・・・・
なんか気持ち悪ぅい」

スカートを持ち上げパタパタと乾かすも、どう考えても気休めである。


ふと、窓の外を見る。
赤々とした夕霧がすごく綺麗で、
まるで雲の中にいるようだった。
このアパートのボロい内装にさえ目を瞑れば良さそうな所、
もしかして死んで正解だったのかも、
もう勉強の事も、将来の事も考えなくていいんだもん、
まぁ今までも考えたことなんて無いけど、キャハハハ。
ん〜っと伸びをして、欠伸を1つ
荷物を纏めて部屋を見よっと
そんな呑気な事を考えていた。

342雲上海下(うんじょうかいか) ◆BoVaEdQZq.:2010/07/10(土) 19:25:43

「私・・・・もしかして死んじゃったの?」

薄暗いアパートのロビーで1人呟く。
彼女の周囲には女子水泳部室にあった鏡やバッグ、水着などの私物が
あたかも此方に投げつけられた後かのような形で散らばっていた。

「ここ、何処なんだろ?坂上くんは・・・・
居ないのね、良かった・・・・」

福沢はほっとしたように
流石に自分のせいで人が死んじゃったら寝覚めが悪いもんね
そう心の中で付け加える。

「それにしても何でこんなに濡れてるかなぁ
うわ、中までグショグショじゃん。
なんか気持ち悪ぅい」

スカートを持ち上げパタパタと乾かすも、どう考えても気休めである。


ふと、窓の外を見る。
赤々とした夕霧がすごく綺麗で、
まるで雲の中にいるようだった。
このアパートのボロい内装にさえ目を瞑れば良さそうな所、
もしかして死んで正解だったのかも、
もう勉強の事も、将来の事も考えなくていいんだもん、
今までも考えたことなんて無かったけどキャハハハ。
ん〜っと伸びをして、欠伸を1つ
荷物を纏めて部屋を見よっと
そんな呑気な事を考えていた。






本当に、本当に幸せな事この上ない思考だ。
これまでこの地で3人もの人間が死に、
死して尚、誰かに何かを残したというのに、
まだ生きている人間達は
ほとんど誰もがこの地の事を真剣に考えているというのに・・・・


だが現実は非情である。
夢は覚めるのだ。
目覚まし時計のベルさえなれば、
魑魅魍魎の跋扈する丑三つ時だろうと
存在しない筈の25時だろうと
無理矢理布団を引き剥がされ
ベッドから引きずり出される羽目になるのだから。


各部屋をまわった後の上りは面倒だからぁ
まず三階からね♪

あと一分と三十秒。



二階に着いた、思ったより荷物重〜いちょっと一休みしよ。

あと五十二秒。



やっと着ーいた、さてと、いい部屋があるといいなぁ。
ドアを開け通路を見渡す。

あと−−−−−

343雲上海下(うんじょうかいか) ◆BoVaEdQZq.:2010/07/10(土) 19:39:21

街中に獣の唸り声と地鳴りの中間のような音が響き渡り
電灯が瞬く間に消えてしまった。
真っ暗闇の廊下で
ブー垂れながらライトを取り出す。

その瞬間福沢は息を飲んだ。
ボロい程度にとどまっていたはずの急激に赤錆た壁、
先程まで無かったはずの右側の金網、
そのどれもが信じがたい事実。

「何よ・・・・・・何なのよこれ・・・・」

あまりの状況の変化に思わず腰が抜けそうになりながらも、
何とか立っている状態だったが、それも長くはもたなかった。

何故なら通路の向こうから首を絞められた鳥のような奇妙な鳴き声が聞こえるのだ。

ぺしゃん、ぺしゃん・・・・・

足音のようなのも聞こえてきた、恐る恐るそちらの方を照らすと・・・・


その縦に大きく裂けた口から生ゴミの煤けたような臭いを吐き出しながら
ぬらぬらとした表皮を持ったこの世の物とは思えぬ
奇怪な生き物が三体も向かって来ていた。

今度こそ完全にへたり込んでしまった。
アレ等を駆逐できるような武器は生憎持ち合わせていない。

「こ・・・・来ないで!来ないでよ!!」

言いながらバッグの中の物を無我夢中で投げつける。
必死に動かない下半身を動かして後退するが後ろは金網。
すぐに後が無くなってしまった。
無力感が全身を覆い、頬を涙が伝う。
過呼吸で息が苦しくなる。

最後に投げたスプレーは弧を描いて怪物の口の中に入り、腐っていった。

福沢は思った。

そっかぁ、そうだよ!これは夢なんだよ!きっと!
だって、物が腐る唾液なんてかけられたら死ぬほど痛いもん!
そんなの・・・・そんなのやだよ・・・・

目の前の怪物が毒液を溜めた、恐怖で目を閉じることさえ出来ず、ただ死を待つだけだった。

が、神に願いが通じたのか怪物は目の前で数歩よろけて



爆発した。

344雲上海下(うんじょうかいか)前編 ◆BoVaEdQZq.:2010/07/10(土) 19:50:40


さっきのスプレーの中に残っていたガスが膨張し、毒液の熱に耐えられなくなったが故の爆発だった。

他の2体も爆発の衝撃で倒れている。

ひっ、と短い悲鳴をあげ、茫然としながら立ち上がる。

ここは天国なんかじゃなかった、
きっとあの後坂上くんも死んじゃったんだ・・・・
だからこんな地獄に送られたんだ・・・・・

だがしかし、飛んできた肉片の生暖かさは、
これが夢でも、無論あの世でも無い事を物語っていた。



もう・・・・・部屋に入ろう、もしかしたら部屋の中くらいは安全かもしれない。
自分の我が儘に付き合って人が死んでしまったかもしれないという罪悪感と
水と化け物の血でじっとりと濡れた衣服の不快感が纏わり付き
彼女の思考力を奪っていった。


『301号室』の扉を開きその中へと入り込む。
ドアに鍵を掛けて安全確認したら、ゆっくりしよう。
キィイイイ・・・・・パタン、カチャリ。

ドアが閉まった瞬間。
爆発に巻き込まれた筈の死体は
カタカタと不気味な音を鳴らしながら、醜悪なその身を
ゴキブリのように素早く引きずり
半開きのドアを通って階段を降りていく。


その様子を金網の外側から、『断罪』の体現者が見ていた−−−





【C-5アパート『301号室』/夜】
【福沢玲子@学校であった怖い話】
[状態]精神疲労(大)、恐怖による震え、罪悪感
[装備]無し
[道具]無し

[思考・状況]
基本行動方針:部屋に立て籠る
1:部屋に何もいないか確認
2:誰か助けて・・・・


【坂上修一について】
彼は学校であった怖い話本編の主人公であり新聞部に所属している。
日野貞夫をはじめとした殺人クラブの面々、
語り部として集まった者達なら面識がある。

345雲上海下(うんじょうかいか)前編 ◆BoVaEdQZq.:2010/07/10(土) 20:24:17
福沢玲子
出典「学校であった怖い話」
年齢/性別:16歳/女性
外見:茶髪のショートパーマで小柄な体。
二重瞼の美少女。鳴神学園の制服を着ている。
環境:1985年の人間。
性格: 楽天家で明るい性格。
グロい話を実体験しても後に笑って話せる辺り図太いが、
体験している最中はかなり怖がっている。

能力:身体能力は同年代の高校生と同等程度。
爪は長く、対人程度なら武器として使える。
ようは一般人。
口調:一人称は「私」。ギャル口調で喋る。笑い方は「キャハハ」。
交友:クラスの女子生徒数人。学校であった怖い話メンバーとは今日会ったばかり
備考:
学校であった怖い話仮面の少女ルートの
福沢玲子5話目『呪いのロッカー』で福沢がロッカーに引き込まれた際に
主人公坂上修一が様子を見るを選択した場合から参戦。

346雲上海下(うんじょうかいか) ◆BoVaEdQZq.:2010/07/10(土) 20:33:54
遅くなりました、投下終了ですw

この話だけ見ると恨みでもあるんじゃねぇの?
と思われるかもわからんけど
福沢さんとかいいキャラですよね。
ヘザーとかハリーは同じ様な体験してるし・・・・

特に罪悪感とか・・・・なっ、無いからなッ・・・・!

おっと誰か来たようだ、引きずる音が聞こえるから棚でも届いたかな?

347名無しさん:2010/07/10(土) 20:43:50
投下乙です!
福沢さん可愛いよ福沢さん
きっと誰かに助けられたら、今の恐怖体験をケラケラ笑いながら喋るだろうなw

>>337
つまり異常事態には、
圭一「冷静になれ、クールになれ前原圭一…」
クローディア
「落ち着くのよ…『素数』を数えて落ち着きなさい…
『素数』は1と自分の数でしか割ることのできない孤独な数字…
 私に勇気を与えてくれる」
こうですか分かりません!><

そうですね、マザーカさんの資料は

【A-4遊園地入場門付近/1日目夜】

【風間望@学校であった怖い話】
[状態]:数箇所を負傷、かなり疲労
[装備]:制服、鉈、薪割り斧
[道具]:ルールの書かれたチラシ
[思考・状況]
基本行動方針:とにかく(マトモな)人のいそうな所へ行く
1:邪魔者は排除する
2:チラシに書いてある事が真実か確かめたい
3:“赤い物体”については、とりあえず記憶に留めておく程度
4:遊園地には二度と行きたくない
※彼は殺人クラブ編から参加しており、決して宇宙人ではありません

こんな感じに修正しましょうか

348 ◆BoVaEdQZq.:2010/07/10(土) 20:44:01
しまった・・・・
終始『前編』を入れるの忘れてた・・・
wikiに載せるとき変えときます
後編は後もうしばらくかかりそうです・・・・

349 ◆BoVaEdQZq.:2010/07/10(土) 21:36:50
>>347
特に『呪いのロッカー』の回の福沢さん蝶可愛いwww
個人的に荒井と福沢さんは殺人クラブ以外の設定の方が映えると思うぜ!


「全ては運命なのよ!」
一回りして普通だなw


そうしとかないと後々新規の人とかが
要らん勘違いして議論になったら困るからね・・・
無いとは思うけど一応やっておくに越したことはないでしょう

350 ◆BoVaEdQZq.:2010/07/11(日) 10:24:24
>>327
あの吊革はどうみても鈍器www革(笑)

その格ゲーなら見たことあるぜ、ケルベロスを避けて相手に当てるとかやってなかったっけ?

351名無しさん:2010/07/12(月) 12:43:16
読み手が気にする事でもないかもしれないんだけど、
今の◆BoVaEdQZq.氏の予約って期限が切れてる事になるの?

352 ◆BoVaEdQZq.:2010/07/12(月) 13:40:55
なるね、そういう訳で
荒井昭二@学校であった怖い話
福沢玲子@学校であった怖い話
後編を予約するぜ〜


前に5日ルール廃止しようぜって言ってた人がいたけどスルーされてた気がする

353名無しさん:2010/07/12(月) 22:21:50
5日の投下猶予って、書き手さん的にはどうなのかな
事前準備無しで5日で短編一本って仕上がるもの?
土日に書いてるって方もいらっしゃいますよね

354 ◆wXYVD2NDBY:2010/07/12(月) 22:28:15
俺とかは(文章力の無さを置いておけば)昼休みとか家帰ってからの時間とか
使って1日で仕上げちゃうけど
他の人はそうも行かないしねぇ・・・・
実際無かったら書く人も増えるんじゃないかなとも思う

355名無しさん:2010/07/12(月) 22:29:08
他所で書き手してるけど仕上がりますよ。
むしろ長い方。
そもそも予約時点で0からって人のが稀じゃないかな。
期日までに完成しなけりゃ「ごめんなさい」して予約破棄。
場合によっては仕上げておいて、誰も書かないようだったら再予約。

土日だけって人も、「どうしても書きたいプロットがある」と主張すれば、よっぽどで無い限りそこのパートは待ちますし。

356 ◆dQYI2hux3o:2010/07/14(水) 15:58:21
ではこの辺で、長谷川ユカリ@トワシンと、霧崎水明@流行神とシビル=ベネット@サイヒル
のお話を予約させて頂きます
ミカとチサトも頑張ってるから、そろそろゆかりんもサイヒル入りしてもらわないとね!
流行り神のイメージを上手く表現できる…と…いいなあ

357 ◆qh.kxdFkfM:2010/07/14(水) 22:06:46
こちらは投下します。

358DOG ◆qh.kxdFkfM:2010/07/14(水) 22:07:45
男と少女に追いつくのは容易い。しかし、それで問題が解決しないのは、犬にももうわかっている。
ヒトであろうと、ヒトでなかろうと、生あるものは痛みによって学ぶ。
犬は無策の襲撃を断念し、ただ追跡を続ける。重要なのは、あの少女と共存することだ。
無闇に異端を襲うことではない。


二人はとある民家に入った。犬も侵入するべきかどうか悩んだが、さすがに見つかるだろう、と見切りをつけ、
その家屋の外壁に耳を押し当てるだけに留めた。聴覚の精度も向上しているらしく、中の様子が手に取るようにわかる。
いつもの殻と比べ、この殻は存外使い勝手がよい。

『そこにいるのは誰だ』
『ひっ……!』
あの男の誰何に、別の男が怯えを示す。どうやら先客がいたようだ。
『おまえ、求導師の……』
『……その声、美耶子様……ですか?』
少女と先客は面識があるらしい。犬もその人声には覚えがある。
たしか、いつもおどおどしていて、みっともない――そんな人物だった。
『知り合いなのか?』
『一応な』
もっとも、そこまで深い関係でもなければ、いい関係でもない。
儀式の運営をする男と、その儀式から逃げ出した少女。
犬が男の立場だったら、殺しまではしないだろうが、一発張るくらいはしただろう。

359DOG ◆qh.kxdFkfM:2010/07/14(水) 22:08:21

『………………………見ぃつけた』
その声を犬の耳が拾うのと、ガラスが割れるのはほぼ同時だった。
漂ってきたわずかな死臭と、独特の臭気から、犬は自分の同族だと察する。
位置はここと反対の外壁のあたりだ。あの求導師もまた追われていた――そういうことだろう。
『君達は逃げろ!』
『でも……!』
『早く!』
男に急かされたせいか、そこから二種類の足音が発せられ、次第に遠のいていく。
扉の開く音が聞こえ、犬の視界の隅でふたつの黒い服が踊る。
目的の少女と、腑抜けの求導師。つまり、自分を屠った男と、同類はまだ民家の中ということになる。

犬は耳の後ろを足でぽりぽり掻きながら、黙考する。
普通ならさっさと目標に疾駆し、腰抜けを黙らせ、殻をいただくところだ。
しかし、その後に屋内の男が殻や自分を破壊する可能性がある。
生命力の強さには自信があるが、さすがに体を木っ端微塵にされては、再生のしようがない。
同族があの男を殺し、同化してくれるのが理想だが、おそらく無理だろう。
現に、本調子ではないとはいえ、自分が手傷をまったくつけられなかったのだから。

老朽化した壁を突き破り、目の前で黒い何かが跳ねた。
光を怖れ、闇へと逃れるための黒装束。
「た、助け…………」
血を垂れ流し、同類は懇願するが、遅れて庭に出た男がしたのは処刑だった。
目にも止まらぬ蹴りが人面に突き刺さり、頭部を粉砕する。
同族の握っていた傘が、ぽたりと芝生に落ちた。

「これで……。いや、まだか」
息荒く呟く男が犬に気づいたらしく、銃をそちらに構えた。
犬は一瞬どうするか考えたが、とりあえず相手に噛みつくために跳びかかる。
「このっ……!」
拳銃とは便利に見えて、実はそうでもない。
敵を見つけ、構え、狙い、撃つ――――そのプロセスがなければ射撃は成立しないのだ。
すなわち、通常の的である人間より小さく、素早い対象に対しては、いくらかの遅延時間が発生する。
野性か経験か。どちらにしろ、犬の選択はそこまで間違いではなかった。
常人の体術など高が知れている。武器のない一般人に対して、犬はある程度のアドバンテージがあるのだ。

そう、一般人なら。

男は潔くハンドガンを捨て、右脚を勢いよく振るう。
それは脳漿を撒き散らしながら犬の顔面を正確に捉えた。
犬の視界と思考は一瞬にして暗転し、自分がどこにいるのか、自分が何なのかさえ分からなくなってしまう。
犬と足、双方の運動エネルギーが衝突し、その破壊力は想像を絶する。
頭部の変形した犬はそのまま近くの犬小屋へと吹っ飛んだ。
本来、犬を受け入れるそこにそれ程の耐久力はなく、犬の頭と同様に破壊されてしまう。

360DOG ◆qh.kxdFkfM:2010/07/14(水) 22:08:58

「ん? ……これは」
木片と砂埃舞う中、何とか機能を失わずに済んだ視覚で犬は男を見つける。
その手は骨のような何かを拾っていた。犬は赤黒い視界の中で、男が自身を凝視しているのに気付き、対策を考えるが、
結局、無言で横臥を続けることにした。直に回復するとはいえ、ここまで戦力差が圧倒的では、戦う意味がない。
その死んだふりをどう受け取ったのか、男は犬から視線を外し、どこかへと走っていった。

犬は男の位置が嗅覚と聴覚の範囲外になったのを契機に立ち上がる。
まだ全快には程遠い。再生速度が遅すぎるのだ。
仮に治癒が完了したとしても、ここまで戦力の格差があっては、襲撃しても無駄だろう。
「ギギギ…………」
犬は復活しようと躍起になっている黒装束に近寄る。

問題は単純だ。力が足りない――ただそれだけのこと。
ならば、力を得ればいい。最も原始的な方法で。
犬は慎重に、だが確実に同族に肉迫し、その喉笛に牙を突きたてた。
「グゲゲ…………!」
悲鳴が上がったが、出血がすぐに気管を征服し、やがてぼこぼこと音を立てるのみとなる。
捕食は生物の基盤である。相手の血肉を自身のそれと同化させ、自己の一部とする。
能力の獲得や飢餓の解消――理由や結果はどうであれ、今日までの生物は、多かれ少なかれそうして生存している。

ならば、犬の行動は当然とも言える。
殻を食し、中身の精神を吸収する。
その行為は自身の能力の向上、すなわち単純な強化を意味するからだ。

同族のすべてをその胃に収めた頃には、犬はもう完全に回復していた。
いや、それどころかその身を包む闇が増し、傍目からでも成長が窺える。
犬もそれを肌で感じており、溢れる力を遠吠えによって表現してみせた。

その上で、犬は悩む。
男の始末と少女の殻。
どちらを優先するか。


血に染まった傘に、犬はまったく興味がなかった。

361DOG ◆qh.kxdFkfM:2010/07/14(水) 22:09:31

【A-2/給水施設付近/一日目・夕刻】

【ハリー・メイソン@サイレントヒル】
[状態]健康、強い焦り
[装備]ハンドガン(装弾数10/15)
[道具]弾:34、栄養剤:3、携帯用救急セット:1、ポケットラジオ、ライト、調理用ナイフ、犬の鍵
[思考・状況]
基本行動方針:シェリルを探しだす
1:学校に急がなければ!
※サイレントヒルにシェリルがいると思っています



「おい、本当にこっちでいいのか」
「さ、さあ……」
「『さあ』って、おまえ……」
「申し訳ありません……」
牧野は儀式の供物に頭を下げつつも、どこか釈然としないものを感じていた。
霧で視界は悪い上に、地図もなければ指針もない。そんな状態で『学校に行きたい』と言われても、土台無理な話だ。
だからといって、儀式のやり直しを提案しても突っぱねられるだけだろう。

どうすればいい……?

牧野は顔を伏せたまま、周囲に目を配る。
すると、見知ったものが一瞬、視界を過った。
求導師は内心で驚愕し、じっとりと冷や汗をかく。

「もういい。顔を上げろ。“見えない”だろ」

生まれつき盲目である少女は牧野の異変どころか、その原因にも気付いていないようだ。
彼はそれに安堵して額を拭い、それから彼女の手を取った。

「とりあえず目星が付きました。行きましょう」

362DOG ◆qh.kxdFkfM:2010/07/14(水) 22:10:26

この変異を“神の花嫁”も正確に認識できていないようだ。
ここがどこで、なぜこうなったのかわかっていれば、わざわざ村人――それも儀式の関係者――に頼ったりはしないだろう。
それくらいこの少女の村人に対する不信感は根強い。
もっとも、自分だって殺されるのがわかっているなら、その相手に対して好意的にはなれないだろうから、彼女を責めるつもりはない。
ただ、役割を演じてほしいだけだ。自分と同様に。

先程見かけたのはある男の後ろ姿だ。
彼はよく知っている人物で、一応頼りになる。
向こうがこちらを邪険に扱わなければ、の話だが。
できれば八尾さんがよかったが、この際彼でもいい。
知り合いがほとんどいないこの状況で、ある意味最も親しい存在に出会えたのだ。
ここは素直に神のお導きと受け取ろう。


宮田司郎。

我が半身の元へ。


【B-2/CS屋前/一日目・夕刻】

【牧野慶@SIREN】
[状態]健康 ヘタレ 疲労(中) 、美耶子の手を引っ張っている
[装備]修道服
[道具]
[思考・状況]
基本指針:もう一度儀式を行ない、変異を終わらせる。
※ここが羽生蛇村でない事に気づいているようです。
※儀式を行なえば変異は終わると思っています。


【神代美耶子@SIREN】
[状態]健康、牧野に手を引かれている
[装備]特に無し
[道具]無し
[思考・状況]
基本行動方針:街から脱出する
1:とりあえずしかたがないので牧野と行動する
※幻視によって牧野の視界を借りています。
※ここは羽生陀村ではないと勘付き始めています



医師を追う求導師が花嫁を連れ、向かう先は神の御許。

けれどその神、皆が知る神に非ず。

363 ◆qh.kxdFkfM:2010/07/14(水) 22:11:21
投下終了です。

364 ◆qh.kxdFkfM:2010/07/14(水) 23:04:42
本作における捕食による効果は、原作において存在しないものです。
しかし、SIRENにおいて捕食による能力付加は存在しているため、
本件はそれほど逸脱したものではなく、あくまで普遍的想像の範疇であるとこちらは判断しています。
今回の効果は再生能力の向上のみとし、それ以外の効果はありません。

書き手の方でどうしても承服しかねる方がいた場合、
こちらは便宜をはかることも辞さない考えです。

365名無しさん:2010/07/15(木) 00:13:29
投下乙です
サイレンに関しては専門分野ではないので、議論は他の方に任せておくとして…
ハリーパパの元祖黄金の右足パネエw

366 ◆BoVaEdQZq.:2010/07/15(木) 07:43:58
>>364
ん〜問題ないと思いますよ。
サイレントヒル的には同族同士の共食いネタはありましたし

ただハリーが逞しすぎますねw
実は彼、内心ビビりだったりするから(小説版参照)
正義漢ではあるんだけどスプリッドワーム戦前までは
同時に犬と鳥に襲いかかられ正気を失いかけたほどです
(その後娘への愛で正気を取り戻した)
キャラ解説に後で追記しておきますw

367 ◆BoVaEdQZq.:2010/07/15(木) 08:13:14
後追記事項としてはシビルの口癖として
「えぇ」、「そうね」など相手からの質問に一言で答える事が挙げられる

あとハリーは敵キャラをどこかファンシーな呼び方をする癖がある事もね
ゴブリン=モゴモゴ
パペットナース=看護婦さん

368名無しさん:2010/07/15(木) 08:53:04
小説版の設定は気にしなくていいんじゃないかな?

369名無しさん:2010/07/15(木) 09:02:29
やみんちゅは静岡じゃのうてSIRENですよー

闇人の捕食は、元が一つの物ですし、それに着物の下は凄いことになっている(人の身体ではなくなっている?)らしいので
問題ないと思います

しかし、ハリーつええええ!

370名無しさん:2010/07/15(木) 13:00:24
>>368
それはどうかな?
ゲームの性質上ほとんど台詞がないわけだから
わざわざ性格や普段の口調、思想、さらには本編の裏で
シビルやカウフマンが何をしていたかなんかが
事細かに記してある貴重な資料だからね

サイレントヒルの小説はかなり原作に忠実だしw

371名無しさん:2010/07/15(木) 13:21:00
小説を持ってない人はそれを知りようがないのがネックだねえ
プレイ動画と違って、小説はネットに流れてないから…
どの設定資料を取り入れるかは、書き手さんにお任せするって形が一番平和だと思う
で、修正でそうな部分は柔軟に対応していくとか

372名無しさん:2010/07/15(木) 14:20:42
>>370
だからゲームで描かれた部分から膨らませるんだろ
小説を参考にするのと、それを公式としてゲームと同列に扱うのは全く違うぞ

静岡の小説がどうかは知らないが、正式に本編とアナウンスされていない限り、扱いは二次創作とあまり変わらんよ

ジルが泥棒の娘設定されても困るだろうが

373 ◆BoVaEdQZq.:2010/07/15(木) 17:24:57
>>372

言われてみれば確かにそうかも、
ホラー『ゲーム』を題材としてるわけだから
無理に小説を推すことは趣旨に反する
(公式設定として出されてない限り)

擁護してくれた>>370には悪いけどそうゆう訳で改変は却下で

374 ◆WYGPiuknm2:2010/07/16(金) 20:43:04
シェリー・バーキン 屍人 を予約します

375 ◆BoVaEdQZq.:2010/07/17(土) 23:24:02
まさかクリーチャー枠に関しての議論が始まるなど思ってもみなかったため
大変見苦しい点がいくつかございますがとりあえず

荒井昭二@学校であった怖い話
福沢玲子@学校であった怖い話
投下するよ〜ん

376雲上海下(うんじょうかいか)後編 ◆BoVaEdQZq.:2010/07/17(土) 23:36:24

部屋の中を確認する、何もいないしオマケに銃まで見つけた。
これでなんとか弾丸10発分位は身を守れる。
しかし、今の気分はまるで今から入水自殺でもするかのように
どんよりとした感じだ。

福沢はスタンドライトの明かりを点け
部屋の隅でうずくまって静かに泣いた。
さっきまでの気楽な気分にはとてもなれない、もうここから動きたくない・・・・

そう思った矢先、部屋のラジオから突然放送が聞こえてきた。その内容はただただ恐ろしくて、冷えた身体をさらに震え上がらせた。

−−−−−−


外に出なかったのが幸いして服は乾いた、涙も一緒に涸れ果てたけれど。

「・・・・・人殺しなんて、出来るわけ無いよ・・・・・」

さっきの放送、恐らくそういう意味だろう。わざわざ『この町では人殺ししても大丈夫です』だなんて前置きする辺りがいやらしい。あれじゃ三択じゃなくて一択じゃない。

死人が出たことは特に気にならなかった。そんな事もあるでしょ?さっきだってその中の一人になりそうだったしぃ。

そう思っていると部屋の戸を叩く音が聞こえた。
ガタタッ!思わず飛び退く、心臓が飛び出るかと思った。

377雲上海下(うんじょうかいか)後編 ◆BoVaEdQZq.:2010/07/17(土) 23:43:04
もしかしたら相手は人語を喋る化け物かもしれない。用心深く押し黙ると扉の向こうから声が聞こえた。

「誰かいるんですか?僕は人間です、
できたら開けてもらえませんか?」

この陰気なボソボソ声、丁寧なデスマス口調には聞き覚えがある、
期待を込めながら覗き穴を見る。これは・・・・この人は!

「あ、ありゃいひぇんひゃいっ・・・・!!」

気が動転して声が上手く出なかった、まさかこんな所で、他の人間に会えるだなんて・・・・
ついさっき会ったばかりだけど、また知り合いに会えるだなんて、思って無かった・・・・

ドアを開けて目の前の人物に飛び付いた、そこにいたのは屋上から飛び降りて死んだはずの荒井昭二その人であった。

「うわっ!福沢さん・・・・ですか、どうしたんです?そんな血塗れで」

福沢はここに来た経緯を話した、荒井が屋上からよく判らない何かに突き落とされ空中で霧散した後、
新藤さんも消え、次に自分の番になり、そこで話した呪いのロッカーの中に引き込まれてここに来た事を、
そしてそのせいで坂上も死んでしまったかもしれない事を・・・・・

荒井は最初から最後まで不機嫌そうな、もしくは
何か考え込むような表情をしていたが、
ハッとしたように目を逸らす。

「ごほっ、私、あなたの話はよく解らないんですが、とりあえず部屋に入って座りましょう、その、
どうも女性に抱きつかれたのは初めてでして・・・・」

378雲上海下(うんじょうかいか)後編 ◆BoVaEdQZq.:2010/07/17(土) 23:51:18


「あっ!やだもう、ごめんなさい・・・・」
微妙な空気になりながらも部屋に入り床に座る、荒井は
「おいおい、荒井くん、君ってやつは本当に気の効かない奴だなぁ。
涙目の女性が上目遣いで抱きついて来たら
抱き締め返す位できないのかね?
おっと、君ごとき一般庶民には無理な注文だったかな?
はっはっはははは・・・・」
とたわごとを言う風間の姿が思い浮かび、おかげで半ば八つ当たりのような怒りで冷静さを取り戻す事ができた。先程とはうって変わって締まった表情で現状を推察する。

「さて、パラレルワールドって分かりますか?もしもの世界というやつですよ。例えば、あの集会で貴女が一番手だったら。坂上くんは話を聞くのを止めていたかもしれない。
例えば、風間さんが僕の後に話していれば。あんな忌々しい揉め事にはならずに済んだかもしれない」

「揉め事?揉め事なんてありましたっけ?」

顎に人差し指を当て、思い出す素振りをする福沢だったが。あの中の誰かが誰かと喧嘩するシーンなど記憶に無い。

「そこです、僕が解らなかったのは、福沢さんの話のほとんどが僕の記憶には無い事なんですよ。最初は福沢さんの形をした他の何か、呪い人形とかの類かと思ったほどです」

「荒井先輩ったらひどーい、私がそんな気持ち悪い人形な訳ないよ。キャハハハん?どうしたの先輩?」

福沢には心なしかショックを受けたように荒井の元々の前傾姿勢が更に曲がっているかのように見えた。
顔は何故か以前より不機嫌になったようであった。

「・・・・・・ま、でも話を聞いてるうちに気持ち悪い、人形説は流れたんですけどね・・・・・
記憶のすり替えも考えました、が、この場所に僕らを呼び寄せた存在が、わざわざそんな事をやる意味が判らない。つまり・・・・・」

「荒井先輩は荒井先輩だけど私の知ってる荒井先輩じゃないって事?」

いまいちよくわからないような表情で訊ねる

「ややこしいですがそうなりますね、後は、『何故僕たちはここに呼ばれたのか』ですが・・・・まぁそれはこのアパートを探索しながらにしましょう」

福沢がギョッとしたような顔で荒井を見る。あからさまに嫌そうな顔の真相は、正直さっきの廊下を通るのは気が引けたからだ。

379雲上海下(うんじょうかいか)後編 ◆BoVaEdQZq.:2010/07/17(土) 23:56:23


「あーそうそう、さっきの話、もう1つ聞きたかったんですがね」

どんどんドアへ向かう荒井について行く、キィィイイという音と共にドアが開けられ、その外、廊下を見る。

「あなたの話だと死体は三つ、ですよね?
でも僕が二階から上がって来た時には――――



ここに死体はありませんでしたよ」

−−−−−−


ほどなくして、荒井と福沢は2階の探索を開始する事にした。現在地図や、その他道具の入ったバッグは
荒井が持たされている。
「さっきもったいつけて脅かしてくれた御返しよ!」
だそうだ

左回りに辿っていくとトイレに繋がる奇妙な玄関を見つけた

「あれ?トイレの中に何かありますね、
取ってみましょう」

「やだ、ずいぶん気持ち悪いこと考え付くね。
ちょっと待っててください」

そういって福沢はキッチンからトングを取ってきて
詰まっているものをとった。
その後、それで見つけたメモを頼りに金庫を開け装備を充実させた、先に荒井が廊下に顔を出し銃でゾンビやナースを駆逐、先へ進む。

西側アパートの2階廊下、福沢はどうしても気になっていたことを聞いてみたくなった。

「ねぇ荒井先輩、荒井先輩は私とよく似た世界に居たんだよね。一体何やらかしてここに来たの?誰かと喧嘩したとか言ってたけど」

テキパキとドアの鍵が掛かってるかをチェックしながら質問に答える。

「えぇ相手は風間さんでした。かなり切迫した状況でしてね。どちらかがどちらかを殺しても、おかしく無いほどでしたよ。
というより、僕は殺されました・・・・」

「あー・・・やっぱり荒井先輩も死んでたんだ、キャハハ」

最初に比べるとかなり明るい表情になったな、内心そう思いながら突っ込みをいれる。

「・・・・笑い事じゃないですよ、で、ここに呼ばれた理由ですがね。『罪』じゃないか、と思いますよ、僕はね」

「罪・・・・ですか?」

380雲上海下(うんじょうかいか)後編 ◆BoVaEdQZq.:2010/07/18(日) 00:00:07


2人は会話をしながらある部屋に入った。そこは他の部屋よりも暗く、じめじめとしていた。
それもその筈、部屋の半分は発光している赤い水で満たされている。
室内プール?と疑問に思ったがそもそもこの場所自体可笑しな場所なので深く考えるのは止めた。
それよりも部屋の隅に置いてある槍を持った銅像にビックリした、調べてみたが動き出さなかったので、荒井は話を続ける。

「えぇ、実はさっきの喧嘩、相討ちでしてね。
まぁようは、僕も殺してるかもしれないんですよ、
風間さんをね、きっとそうゆう人達が集められたんでしょう
断罪のために・・・・」

福沢は、罪悪感は今も感じているが
前にあった悪い事はもう考えない主義だ。
空気を明るくするために冗談を言った。


「じゃあ〜、もう一個質問!」

「ん?何です?」

この時気を緩ませたのが、最大の失態だった。

「そっちの世界の私も、可愛かった?」

扉が閉まると同時に後ろの銅像が動き出したのを感じられなかったのは、あまりにも致命的だった・・・・

「・・・・まったく、あなたって人ッ・・・は・・・・・!!」

「先輩っ!!」

荒井の腹からは槍が突き出している。
拳銃を福沢に投げ、憎々しげに後ろを睨むが、それだけではどうしようもなかった。

放り投げられそこらのゴミのように転がっていく。
断罪の槍を持った三角頭はもう一方へ向かって行く。
福沢は投げられた拳銃を受け取り、狙いを定めた。
当たってはいるのだが、まるで効いている気がしない。
武器を持っているのに治療を施しに行くどころか
仇すら取れない自分が情けなくて、
無性に悔しくなった。


その時、急にその巨体が静止した。首元当たりから金属を万力で締め付けたような音が聞こえる。
振り向こうとはしているものの、身動きが取れないようだった。

そこにいたのは

381雲上海下(うんじょうかいか)後編 ◆BoVaEdQZq.:2010/07/18(日) 00:07:25

「・・・・・酷いじゃないですか。
動けない振りして、いきなり、後ろから、襲って来るだなんて・・・・」

荒井だった。
表情は変わらずともその目は怒りを露にし、爛々と輝いている。
腹の傷を意にも介さず、とてつもない力で三角頭の首を絞め、状況は良くなって来ているように思えた。



だが、


パキン・・・・・!

「なっ・・・・!?」


荒井の手首から陶器にヒビが入るような音が響いた。
この間合いでは手を離した瞬間殺られる。
かといって絞め続けても腕が壊れ、やはり殺られる。もう打つ手は・・・・

「ヒヒ・・・・・ヒヒヒ、ヒヒヒヒヒ!!」

「せ、先輩?」

バキリ!!
皮膚から骨、いや、木片が飛び出す。
福沢はその瞬間、今まで一緒にいた相手がどういう存在なのかを理解した、そして何故、最初に呪い人形説を疑ったのかも。
しかし、不思議と恐怖はなかった。

「・・・・・福沢さん、人間は素晴らしい生き物です、よっぽど、そう、風間さんみたいに霊や、個人の主義主張をバカにするような輩以外は」

「な、何でそんな話・・・・」

言葉を遮り矢継ぎ早に次の質問をする。

「最後に一つ!・・・・・そっちの僕は、間違いなく人間でしたか?」

渇れたと思った涙を溜めて当然のように彼女は言った
「何言ってるの先輩!あなたは人間じゃないですか!」

それが彼との最後の会話だった。
彼は振り向いた三角頭に横殴りにされ手摺に衝突、何度も何度も槍を刺される。
何度も何度も・・・・魂を崩すように。


福沢は気が付くと弾かれたように走り出していた、即座に銃に弾を込め尚も手を止めぬ巨体の元へと向かう。
その独特な仮面の隙間に銃を差し込み訳のわからない叫びをあげながら、無我夢中で引き金を引く。

12回目の刺突でようやく断罪者は銃弾に耐えかねたのか帰って行った。
赤い水が段々と退いていき、道を形作る。
階段は光を発し、海底から水面を見ているかのような幻想的な風景を作り出している。

福沢は倒れ込んだ荒井の元へすぐさま駆け寄ったが、もはや腹部がボロボロで素人目にも死んでいる事が解るような酷い惨状だった・・・・
絶望に打ちひしがれそうになるがしかし、彼の顔を見た後、涙を拭き、さっさと先程の巨人を追う事にした。



−−−荒井は、笑い顔だった。



【荒井昭二@学校であった怖い話:死亡】

382雲上海下(うんじょうかいか)後編 ◆BoVaEdQZq.:2010/07/18(日) 00:24:22







【荒井昭二@学校であった怖い話:死亡?】

本当に?焼却炉に放り込まれ、それでも少しの間生きていた彼はこれしきの事で死ねるのだろうか?
答えは否。
彼の受難はまだ終わらない

【西側アパート非常階段/夜】

【福沢玲子@学校であった怖い話】
[状態]深い悲しみ、固い決意
[装備]ハンドガン(0/10発)
[道具]ハンドガンの弾:19、女子水泳部のバッグ(中身不明)

[思考・状況]
基本行動方針:荒井の敵を撃ち出来るだけ多くの人と脱出する
1:荒井先輩・・・・・
2:三角頭を追う
3:人を見つけたら脱出に協力する、危ない人だったら逃げる

※荒井からパラレルワールド説を聞きました
※荒井は死んだと思っています


【荒井昭二@学校であった怖い話】
[状態]気絶、腹部に重症、片腕の手首損傷、人間と言われた事による幸福感
[装備]カッター
[道具]学生証他

[思考・状況]
基本行動方針:自分の主義に反しない人のみ助け、できればここから脱出したい
1:・・・・・


※福沢と情報交換しました
※ここを『罪』を犯したもののみが集まるパラレルワールドだと思っています。

383雲上海下(うんじょうかいか)後編 ◆BoVaEdQZq.:2010/07/18(日) 00:26:13







【荒井昭二@学校であった怖い話:死亡?】

本当に?焼却炉に放り込まれ、それでも少しの間生きていた彼はこれしきの事で死ねるのだろうか?
答えは否。
彼の受難はまだ終わらない

【西側アパート非常階段/夜】

【福沢玲子@学校であった怖い話】
[状態]深い悲しみ、固い決意
[装備]ハンドガン(0/10発)
[道具]ハンドガンの弾:19、女子水泳部のバッグ(中身不明)

[思考・状況]
基本行動方針:荒井の敵を撃ち出来るだけ多くの人と脱出する
1:荒井先輩・・・・・
2:三角頭を追う
3:人を見つけたら脱出に協力する、危ない人だったら逃げる

※荒井からパラレルワールド説を聞きました
※荒井は死んだと思っています


【荒井昭二@学校であった怖い話】
[状態]気絶、腹部に重症、片腕の手首損傷、人間と言われた事による幸福感、人形
[装備]カッター
[道具]学生証等々他

[思考・状況]
基本行動方針:自分の主義に反しない人のみ助け、できればここから脱出したい
1:・・・・・


※福沢と情報交換しました
※ここを『罪』を犯したもののみが集まるパラレルワールドだと思っています。

384雲上海下(うんじょうかいか)後編 ◆BoVaEdQZq.:2010/07/18(日) 00:37:22
投下終了です
言いたい事はよーく解ります、まだ決まって無いクリーチャーと参加者の扱いの違いにまた嫌なものをと思ったでしょう?

状態表を書くべきキャラ以外がクリーチャー
でなければ、荒井は化け物でしょうね


赤い水とかはアレだったら部分だけ削ればいいですからお気になさらず。

385名無しさん:2010/07/18(日) 02:42:26
荒井ィィィィ!!
たとえ荒井がクリーチャー枠に入ったとしても、
この荒井は攻撃できそうもない…
そして福沢さんのひゃなえひゃん語に不覚にも吹いた

個人的には、参加者と協調できるか否かが分かれ道だと思ってる

386名無しさん:2010/07/18(日) 05:54:48
投下乙です。

ルートは風間と喧嘩して、殺されて主人公が死体処理やらされるルートでいいんですよね?
そして、指摘というか疑問です。
風間が死んで生き返ったという部分ですが、部屋に満たされていた赤い水(SIREN無印のものだとして)を摂取しての
半屍人化(序盤のSDK状態みたいな)ってことですか?
それとも自身の生命力?
人形って表記がありますから、校長が息子蘇らせようとしていた人形ルート?
でも焼却炉ってありますし。
まずはどのルート出典かをはっきりさせて貰えると。

387名無しさん:2010/07/18(日) 06:17:00
風間じゃないや。荒井だ。

元々荒井が人形であるってことならば参加者で構わないと思いますよ。
八尾さんも参加者扱いなんだし。仮にグレゴリーホラーショーが出てたとして、あれのキャラがクリーチャーになるのかって話ですし。

サトコがクリーチャーなんじゃねえかって話は、原点の状態から完全に変質し、
何より自分の意思がなくなってる(女王ヒルが彼女の思考を模倣している?)からなんだと思いますし。

388休息 ◆hr2E79FCuo:2010/07/18(日) 12:10:22
新藤誠@学校であった怖い話
前原圭一@ひぐらしのなく頃に
雛崎深紅@零〜zero〜
投下します。

389休息 ◆hr2E79FCuo:2010/07/18(日) 12:25:21

外ではサイレンが鳴っている。
建物達の外観は、見ただけで異変が起きている事がわかる変貌を遂げていた。
そんな中に、人の気配のする建物が1つ。

「現実的で残酷な話と、楽しい自己紹介。圭一、お前どっちがいい?」

新藤は席に付くなりこう切り出した。
現在彼等はバブルヘッドナースの群れから逃れ、近くのカフェで一休みしているのだった。
アレ等に見つかる訳にはいかなかったため、適当に椅子を持って厨房に移動した次第である。

(この状況での情報収集は必要不可欠よ、彼らから話を聞きましょうミク)

霊体であるヨーコ・スズキが口を出す。
傍目から見ると異様だが雛咲深紅にとっては普通な事だ。

「あ…あの…新藤さん…達の事、教えてもらえないでしょうか、その…。」

「あぁ?俺はお前には聞いてねぇぞ。俺はまだ、お前を信用した訳じゃねぇからな。」

「……。」

妙な気配もするしな。
新藤誠は心の中でそう付け加える。
霊感があったり見えたりする訳ではないが、それなりに存在を感じることのできる新藤は深紅に対して少なからず不信感を持っていた。

「やめようぜ新藤さん、雛咲さん怖がってるじゃないですか。」

圭一が止めに入る。
何故か一人が周囲から攻め立てられる光景を、前にも見た気がしていても立ってもいられなかったのだ。

年下に気遣われるのも情けない話なのだが、新藤の見ただけで人を殺せる様な睨みに対して引っ込み思案な深紅がここまで話せたのはかなり頑張っている方だ。

「で、結局どっちにするんだ?」

「…雛咲さんもこう言ってるし、自己紹介からにしませんか。」

「へっ、そうかよ…。」

390休息 ◆hr2E79FCuo:2010/07/18(日) 12:29:40


多少ぎすぎすしながらも自己紹介は始まった。

圭一は過去の経験から話したくない事は話さず、主にいつもの部活の事を面白おかしく話した。
口先の魔術師を自称するだけはあり、先程までとは打って変わった明るいムードを作り出すことに成功した。

しかし新藤の胸中は深紅や圭一とは異なる盛り上がりを見せていた。

「へぇ、トラップマスター…ね。強いのか?その北条って奴はよ。」

意外にも新藤が最も興味を持ったのは沙都子についてだった。
新藤にとって他の4人は自身の所属する『殺人クラブ』のメンバーとほとんど変わらないように感じた。
密かに漁夫の利を狙う奴なら福沢や荒井がいる。
恐ろしくポテンシャルを秘めた女なら岩下がそうだろう。
リーダーシップで日野に勝てる奴なぞ思い浮かばない。

しかしトラップ使いなんてものは聞いた事も見た事も無い、全くの未知数。
小学生とはいえ大人でも引っ掛かるトラップを使う相手。
一度戦ってみたい。

新藤はそう感じた。


「ああ、強いぜ沙都子は。きっと軍隊だって相手できるんじゃないかって位にな。」
「あはは、そうか。なら俺も一度会ってみたいもんだな。」
『殺ってみたいもんだな』
とは、流石に言わなかった。
さっきも圭一が居なければ確実に死んでいた所だ。
まさかこの状況ですすんで孤立を選ぶ奴などいまい。

一方、圭一は『ロリコンか?』
と思ったがそれは口には出さず、胸の奥にしまうことにした。

次は深紅の番だった。
彼女は氷室邸での事は口には出さなかった。
さすがに会ったばかりの人を信用することは出来なかったのだ。

その代わりこの地に来て会った人、その目的を引き継いだ事を話した。

「で、その薬品ってのは何に効くんだよ?」

「えっと、それは…え?………そんな!!」

深紅はヨーコにT-ウィルスの概要を聞かされ、この薬は人間が化け物にならないために必要な物だと分かり驚愕する。
そして完成しなければ自分がゾンビと化す事も…。
端から見れば突然うろたえ始めたように見えるだろう。
圭一が声を掛けても
「大丈夫、大丈夫ですから。」
の一点張りである。
そんな中放送が始まった。
チラシで大体の事を知らされている新藤と違い、二人は大いに驚く。

391休息 ◆hr2E79FCuo:2010/07/18(日) 12:37:31
「なっ…なんだよこれ…!今の放送、最後の問題ってもしかして…。」

「…ヨーコさん。私、どうしたら…。」

「はっ、俺が言う前に、なんだかよく分からねぇ奴に言われちまったな。」

新藤はチラシを出し二人の中央に置く。

「これがこの町のルールなんだそうだ。ま、よく読んどく事だな。」

二人はチラシに目を落とし放送の信憑性を確かめる。
「なんでこんな、クソっ!」

「……そんなっ!」
新藤は険しい表情でポケットから何かを取り出し、ヒラヒラと空中に泳がせる。それは地図だった。

「さっき見つけたこの地図にも同じ事が書いてあった。だがそんなことは正直どうでもいい。」

「どうでもいい?それはどういう…。」

「問題は、今の放送で確実に殺り始める奴らがここに来てるってことさ。裏を見てみろ。」

呆気にとられながらも置かれた地図の裏を見ると名簿のようなものが見てとれた。

『呼ばれし者』という名目で連なる名前の中には圭一や深紅の見覚えのある人物もいた。
新藤は休まず続ける。

「さて、そういう訳で足手纏いはできるだけ減らしたいからな。お前、覚悟がないならここに残れ。」

それは深紅に対して途方もなく辛辣な一言だった。

「待ってくれ新藤さん!何もそこまで言うこと無いだろ!?三人で一緒に…。」

「うるせぇ、緊急事態なんだよ。こいつ等と闘うってことは、命を懸けなきゃいけねぇって事なのさ。」

もちろん新藤に部員同士で争うつもりなど毛頭無い(もちろん相手から向かってきたら別だが)、つまるところ深紅を試しているのだ。
圭一がどう新藤を説得したものかと考えていると、その横で立ち上がり声をあげた者がいた。
その顔はかつて兄を救おうと苦心した時のような、覚悟を決めた顔だった。

392休息 ◆hr2E79FCuo:2010/07/18(日) 12:46:49
「お願いします、この薬は…ここに書いてある全ての人に必要な物かもしれないんです。協力してください!」

その鬼気迫る表情に、新藤も少し見直したような素振りを見せる。

「へぇ…。思ったより根性あるじゃねぇか、……悪かったな、置いてく云々は冗談だ。薬については考えといてやるよ。」

こいつらが危険なのは冗談じゃないがなと念を押し、話を進める。

「さて、闇雲に動き回ってもしょうがねぇからよ、トランプでもやりながら気楽に行き先を決めようぜ。」

ポケットからさっきどさくさに紛れてカフェのカウンターから取ったトランプを取り出す。
しかし地図といいトランプといいさっきから手癖の悪い事この上ない。拾えるものは何でも拾う主義だとでもいうのだろうか?
トランプを見た深紅は小さい悲鳴をあげる。

「それ……!何だか、嫌な感じが…。」

その様子を見てニヤリとする。
ちょうど次の七不思議の集会ルールで狩る時のために用意してたネタがカード絡みだった事を思い出したからだ。
丁寧にシャッフルをしながら語り出す。

「このトランプは曰く付きなのさ。これのジョーカーは男の顔だけどよ…ま、やりながら話してやるよ。学校であった怖い話を……。」

393休息 ◆hr2E79FCuo:2010/07/18(日) 12:51:00
【C-6カフェ:夕刻】
【新堂誠@学校であった恐い話】
[状態]銃撃による軽症、殺人クラブ部員
[装備]ボロボロの木製バット
[道具]学生証、ギャンブル・トランプ(男)、地図、その他

[思考・状況]
基本行動方針:殺人クラブメンバーとして化物を殺す
1:目的地を決めて少し休む
2:それにしても名簿の人数増えてねぇか?
3:ひとまずこの状況を楽しむ
4:他に殺人クラブメンバーがいれば合流して一緒に殺しまくる(化け物を)


【前原圭一@ひぐらしのなく頃に】
[状態]銃撃による軽症、赤い炎のような強い意思、L1
[装備]悟史のバット
[道具]特に無し

[思考・状況]
基本行動方針:部活メンバーを探しだし安全を確保する
1:目的地を決める
2:新藤さんとこの5人の間に何が……
3:やっぱりみんなここに来てたのか!
4:部活メンバーがいれば連携して事態を解決する




【雛咲深紅@零〜zero〜】
[状態]T-ウィルス感染、右腕に軽い裂傷
[装備]アリッサのスタンガン@バイオハザードアウトブレイク(使用可能回数7/8)
[道具]携帯ライト、ヨーコのリュックサック@バイオハザードアウトブレイク

[思考・状況]
基本行動方針:ヨーコの意思を引き継ぐ
1:あのトランプはいったい…
2:ヨーコから意見を聞き目的地を決める
3:ヨーコさんの仲間は皆死んでしまったの?それとも…


【ギャンブル・トランプ@学校であった怖い話】

外見は普通のトランプだが、カード背面のイラスト部分が半分人間半分骸骨の絵柄になっている。
男女対になっており、分岐によって効果が変わるがこれは『骨董品屋』で買った使っても『特に実力の変わらなかった』時のトランプとしてください。
その際のトランプの効果は女の方は『幸運を呼び込む』
男の方は『単体では普通のトランプだが、女の方と一緒に持つとこれまでトランプで得た幸運をそれ相応の不幸をもって支払わなければならない』
というものです。

394休息 ◆hr2E79FCuo:2010/07/18(日) 13:07:10
投下終了です。
もしかして俺が土日にしか投下できないせいで迷惑かけちゃってます?
だとしたらすいません。

395名無しさん:2010/07/18(日) 14:01:42
気になさらなくていいですよ
書けるときに書くのは皆同じですから

そして、投下乙です
深紅が健気だなあ



ロワ全体への疑問なんですが、もうサイレン鳴るんですか?
放送代わりでなく、突発的な現象としてサイレンが鳴るんなら、
もう既に収録されてしまっているのだとモロ放送っぽくて違和感があるというか。

396 ◆BoVaEdQZq.:2010/07/18(日) 17:07:58
>>395

サイレンを鳴らす時期についてはサイレントヒル、SIRENにおいて夜と怪異の始まりを告げる合図として使用されているため
原作に則った形で比較的早めに放送を鳴らしました。

内容ですがあくまでも一回目は放送代わりにした方が色々と都合がいいのです。
他のロワと違って何故ここに来たのかも知らされないし地図も名簿もない
挙げ句殺し合い?なんじゃそれ?みたいな人も少なくないので一度分からせる必要が生じてくる。

2回目からは名簿は自動で線引かれるしどうやら禁止エリア反対派の方もいるみたいだし主催者がいるわけでもなし

何処かの施設でひっそりとこんなことが起こってますよ程度で十分なんですよね
つまり二回目以降は特に放送はいらないという訳です


それを踏まえて改変したり、予約したりするならどうぞどうぞw
質が良い方がいいからね

397 ◆TPKO6O3QOM:2010/07/18(日) 17:52:15
無理に「殺し合い」って分からせる必要はないんじゃないですかねえ。
ここの特異点って、それこそホラーだと思うんですわ。
何も分からない。見知らぬ(一部除く)街に居て、化け物がはびこってる。訳分からんけど、とりあえず逃げよう。ってな感じでしょう?
殺し合いに積極的に乗る人がいなくても、クリーチャーがマーダーの役目をしてくれますし。
他所と違って、生身で滅茶苦茶強い人はいませんから。銃弾に限りがあるし、鈍器での無双だって続かないでしょう。

また、各々が持つ情報に格差があるってのも特徴かなって。
知っている人はルールに則って行動しますし、知らない人は知らないなりに行動して行く。
例えとして古いですが、山田風太郎の甲賀忍法帖の序盤みたいで面白いなあって感想だったんですよねえ。
どんな実力者でも、殺し合いってルールを知らなければあっさり殺されるってな緊張感が生まれそうだなあと。

うーん。私はここをあまり“バトロワ”として見ていないのかも……。
んなこと考えてるのは、私ぐらいか。
それに部外者が口出ししていい事柄でもないですし、混ぜ返すようなことして申し訳ないです。

398 ◆BoVaEdQZq.:2010/07/18(日) 19:01:26
確かにただのロワではつまらんね、書いてみたら良いのでは?
荒井のやつは地図を見たとでもしておけばいいでしょう。

399 ◆0mgNZ1iSC.:2010/07/18(日) 19:08:11
もし変わるならこっちも少しなおしておきますよ。

400 ◆hr2E79FCuo:2010/07/18(日) 19:15:29
打ち間違えました◆hr2E79FCuoです。

401 ◆TPKO6O3QOM:2010/07/18(日) 19:30:01
私の案だと、裏世界化の描写で終始になりますな。

それに、早めにサイレン鳴らす意味はないんですよねえ。

402 ◆BoVaEdQZq.:2010/07/18(日) 19:40:58
出来れば夜の最初にしてほしいですけども・・・・・福沢さん夕方から始まってサイレンなって終わるので

403 ◆TPKO6O3QOM:2010/07/18(日) 19:48:38
ですから、こんな早くサイレン鳴らすの?
って疑問が出てきたんです。

いえ、少し前に住人の方々に聞いたら6時間ごとだと言われたもので。

404 ◆BoVaEdQZq.:2010/07/18(日) 20:07:05
ああ、そういう事なら問題はないはずよ〜
6時間間隔で鳴りはするけど始まりがどこかまでは言及してないからね

405名無しさん:2010/07/18(日) 20:19:48
それもここの特色が出ていいと思うよ。書いてみたら
ただロワでなくてもこの状況なら役立たずは切り捨てたり捨てられたり、仲たがいしたり反発したりするから特に意識しなくてもいいと思う
状況が煮詰まればどう転んでもおかしくないしリレー企画ですからロワに拘らない人と拘る人が同じ舞台で書くのは先がどうなるか楽しみだ

406名無しさん:2010/07/18(日) 20:25:11
投下乙です!
ミクちゃんが順調にスタンド使いになりつつあるなw

裏世界になる時間って決まってなかったんですかね?
夜の時間体でもまだ表世界っぽい話がいくつかあるので、
正直いつから裏世界描写しようか困ってる書き手がここに一人

407 ◆WYGPiuknm2:2010/07/18(日) 20:31:15
焦ってサイレンを鳴らす必要はないと思うんだけどなぁ

あと、荒井はどのルートから来たんですかね?

408 ◆BoVaEdQZq.:2010/07/18(日) 21:23:03
おっとすんません荒井は
風間VS荒井で焼却炉に入れられたルートの風間を引き込んだ後
主人公坂上に手を取られて羽虫を体内から出して死亡後
から参戦です

409 ◆BoVaEdQZq.:2010/07/18(日) 21:36:50
夕方からいきなり夜になるという演出は結構参加者の度肝を抜かすと思うんだ

410 ◆hr2E79FCuo:2010/07/18(日) 22:07:53
サイレンが鳴るタイミングが変わっちゃうと今回投下した話、書き直さなきゃいけないんですよね…。
土日にしか書く時間を割けない身としてはできればそれは避けたい事態なのですが。
これって自分勝手ですかね、やっぱり。

411 ◆TPKO6O3QOM:2010/07/18(日) 22:54:41
そのルートだと、荒井の人形表記は一体……?

412 ◆9CUtNS6CZQ:2010/07/18(日) 23:12:38
>>411
設定資料集では違うんですか?

413 ◆BoVaEdQZq.:2010/07/18(日) 23:17:13
ちっくしょーID間違えた!

アレは生け贄はお前!の人形荒井と似た形態(中身は空洞、虫が入っている等々)だったもんでつい人形かと・・・・・

414 ◆TPKO6O3QOM:2010/07/18(日) 23:19:56
設定資料集は知りませんが、荒井が人形のルートと、風間と喧嘩するルートって別だったと思うんですが

415名無しさん:2010/07/18(日) 23:23:07
そういうことですか
うーん……この荒井の中身は羽虫ってことでいいんですかね?

416 ◆BoVaEdQZq.:2010/07/18(日) 23:41:34
そういう事になりますね、それもパッと見綿と見間違えるくらい大量に・・・・

それと未だ動いているのは赤い水ではなく人形だからです

417名無しさん:2010/07/19(月) 02:03:23
>>410
いざとなればWikiに収録したものを修正してもいいと思いますし、
こういった場合は流石に、いついつまでに修正出来なきゃだめ、って事もないでしょう。
(強いて言うならリレーで繋がれるまででしょうが、他の書き手さんも待ってくれるでしょうし)
もちろん、出来れば修正したくないからサイレンもこのままで、
という要望を出すのも書き手さんの当然の権利でしょうし、自分勝手という事はないかと思いますよ!


それから、遅れましたが投下乙です!
意外にヨーコがよくしゃべってるw
逆にミクはウィルスについては秘密にしたか。
ゾンビ化したら一気に全滅しかねないなw

418名無しさん:2010/07/19(月) 07:43:45
サイレン鳴ったの夜じゃない?
夕刻に時系列がなってる話があるけど

419 ◆BoVaEdQZq.:2010/07/19(月) 10:34:25
サイレンがなったのが夕方、放送が夜ね。
放送の方にもしばらくするとって書いてあるじゃない?

420名無しさん:2010/07/19(月) 10:46:02
細かい事かもしれないんですが、議論はもう1つのスレでやった方が良いんじゃないでしょうか?

421名無しさん:2010/07/19(月) 11:16:11
魔王にサイレン鳴りましたってあるんだけど

夕方に鳴ったのであれば、夜作品に全くその辺の描写が欠けてるし

422 ◆dQYI2hux3o:2010/07/19(月) 15:50:22
サイレンの時間が決まったところで、
長谷川ユカリ@トワシン、霧崎水明@流行り神、シビル=ベネット@サイヒル の話を投下させて頂きます
なお、この3人のサイヒル入りは大人の事情により、裏世界化と放送が完了した後の時間帯ということで…w

423愛と罪が集う街(前編)  ◆dQYI2hux3o:2010/07/19(月) 15:51:26

「なるほどな…武蔵野か…」

サイレントヒルへ向かう道すがら(正確には、サイレントヒルと思われる付近を往復しているのだが)、長谷川ユカリがこれまで岸井ミカや逸島チサトと体験した心霊体験を、好奇心に目を煌かせながら聞いていた霧崎水明は、煙草を燻らせながら呟いた。

「武蔵野のフォークロアは昔から興味があったが、特にヒメガミサクラや防空壕での体験談は興味深い。文明の進歩によって廃れた風習や旧日本軍に関する都市伝説は数多いが、それらに関わった人間達の残留思念が現代社会まで色濃く残り、現代人の前に実体を持って姿を現すケースは非常に稀だ…一度、その岸井ミカの持っている写真やテープをじっくり検証したいな」
「あんまり期待しない方が良いと思うけど」

ユカリとしては、岸井ミカと言う少女がオカルトに熱を上げるのは、この霧崎という男のような知的好奇心からというのもあるだろうが、大部分はスリルで、残りは金銭目的の色が強いように思う。
実際、ミカは何かしら心霊現象をフィルムやテープに収めると、それらを大喜びでオカルト雑誌やアラマタのような物好きに投稿しては、次の活動資金を得ている。
裕福な家庭に育ったくせに金銭にはシビアなミカが、彼に対して求める報酬額は、はたして如何ほどなのやら。

「ていうかおじさん、あたしの話、信じてくれるんだね。学者ってもっとカタブツかと思ってた」
「学者をあまり舐めない方が良いぞ。学問の基本は好奇心、疑問を徹底的に突き詰めることだ。あんたの体験談は一見して荒唐無稽だが、目立ちたがりが喋るホラ話とは決定的に違う部分がある。偽証にありがちな曖昧な箇所・疑わしい箇所がほとんどない。実際あんたは、俺の突っ込んだ質問に対して矛盾のない答えを返してきた。偽証ならこうはいかない。徹底的に突っつけば嘘に嘘を重ね、いずれ綻びが見えてくるもんさ」
「でもさ、嘘を吐いてないとしても、見間違いだとか、幻覚を見たんだとか考えないわけ?」

霧崎は煙草を咥えた唇を、にやりと口角をつり上げた。

「俺にとって重要なのは、あんたの話す都市伝説の中に“何が隠されているか”さ。都市伝説とは、それが生まれた時代の裏側を映し出す鏡のようなものでね。分かりやすい例では、明治時代に“電線に処女の生き血を塗っている”や、“電線からコレラが感染る”等の都市伝説が生まれたが、それらは最先端技術に対する無理解から来ているといわれている。数千数万のフォークロアの中から、時代を象徴する何かが見えた瞬間――それが民俗学の真骨頂だ」
「ふうん…」

霧崎の話の長さに、ユカリは思わず欠伸を噛み殺した。
この男、興味がない話はほぼ5文字以内で足りることしか言わないのだが、いったん興味を持って喋りだしたら止まらない。
特にユカリが体験した怪談に対する反応たるや凄まじく、ユカリの話が終わった後は自身の考察を洪水のように際限なく語りだす。
彼はこの1時間ほぼ喋り通しで、その内容は一体レポート用紙何枚分になるのか分からない。
サイレントヒルに到着するまでに、ちょっとした本が一冊書けてしまうのではないかと思えるほどであった。
聞くところによると、どこかの大学で教鞭をとっているらしいが、まあなんというか、天職であろう。1時間近く好きなだけ喋り倒せるのだから。

霧崎が「で、他には?」と次の都市伝説をせがむ。
ユカリが昔の記憶を思い起こそうとして何となく空を見た、その時だった。

424愛と罪が集う街(前編)  ◆dQYI2hux3o:2010/07/19(月) 15:52:28

「あれ?あれってさっきの…」
「…バリケードを張ってた警官だな」

霧の向こうから、先程道路でバリケードを築いていた、ブロンドの警官がバイクに乗って現れたのだ。
おかしい。確かにユカリと霧崎は、彼女の制止を振り切って道路を真っ直ぐ突っ走っていたはずだ。
地図によれば、この道路はほぼ一直線であり、先回りできるような脇道は存在しない。
にもかかわらず、真正面からあの警官と遭遇した。これはどういうことか。

「…ループしてるな」
「え?」

聞き返すユカリに、霧崎は煙草を燻らせたまま何も答えず、車のスピードを緩めていく。
警官はこちらを確認すると、行く手を遮るようにバイクを横にして停め、霧崎に停車するようジェスチャーで促す。
やはり、制止を聞かずに発進してしまった件を罪に問われるのだろうか。しかし、ここで諦めればチサトやミカたちはどうなってしまうのか。
ユカリの心を懸念と焦りが侵食していくが、霧崎は仕方なくと言った風に溜め息と共に白煙を吐き出し、警官のバイクに接触する数メートル手前で停車した。

警官がバイクから降りてこちらへ走り寄り、運転席の窓をコンコン叩く。
霧崎は素直に窓を開け、警官は身を屈めて窓際に腕を置き、こちらと目線を合わせた。

「なぜ戻って来たの?」

警官はサングラスを外し、透き通るような青い瞳でじっと霧崎とユカリを見つめた。
間近で見ると、端正な顔立ちの美人だ――ユカリは少し感心しつつも、緊張の面持ちで霧崎と警官のやり取りを見守る。

「"戻って来た”ということは、サイレントヒルは実在するんだな?」
「この道路はサイレントヒルに繋がっていると、さっき言ったはずだけど」

警官の疑惑が入り混じった返答に、霧崎は何か確信を得たかのようなしたり顔になった。

425愛と罪が集う街(前編)  ◆dQYI2hux3o:2010/07/19(月) 15:53:54
「やはりな…えーっと、あんたは――」
「シビル。シビル=ベネット巡査。シビルで良いわ」
「分かった、シビル。俺は霧崎水明、日本の民俗学者だ。さっきは手荒な真似をしてすまなかったな。だが、こっちは急を要するんだ。どうしてもサイレントヒルに行きたい。身内の命がかかってるんでね」

フォークロア話以外では、終始気だるげな口調でユカリと話していた霧崎が、酷く真面目な目つきでシビルに語りかける。
シビルというその警官は、何かを見定めるように霧崎の鋭い眼光をじっと見据えたが、ついに根負けしたのか、大きな碧眼をすっと伏せて溜め息を吐いたかと思うと、再び目を開いてこちらを見つめ返した。

「あそこはとても危険なところよ。だから、私も同行する」
「えっ?」

何かを覚悟したかのように、シビルは有無を言わさぬ強い口調で言った。
ユカリは、今まで頑なに通行を阻んでいた彼女の突然の軟化に驚きを隠せなかったが、これで誰にも咎められずにサイレントヒルに行くことができるならと思い直し、それ以上は何も言わなかった。
だが、その前に何か引っかかる言葉がなかったか。“あそこはとても危険”と、そう言ってはいなかっただろうか。
何が危険なのだろう。チサトがあそこで待っていることと、何か関係があるのだろうか――ユカリの胸に、例えようのない胸騒ぎがじわじわと広がっていく。

同行を申し出たシビルに霧崎も異論はないらしく、このままユカリを乗せてサイレントヒルのある場所を往復し、後ろからシビルがバイクで追うという形で話が纏まった。
シビルがバイクに乗ったのを確認すると、霧崎はハンドルを切って再びサイレントヒルへ向かう。

「ねえ、おじさんってサイレントヒルのこと、何か知ってる?」

すぐ真後ろを付いてくるシビルのバイクをバックミラーで確認した後、ユカリは胸騒ぎに耐えられず、霧崎に話しかけた。
胸騒ぎを忘れさせてくれる、論文が一本書けそうな長話が始まることを期待して。

「俺が聞いたサイレントヒルの噂は、曰く『常に霧が立ちこめており、そこに迷い込むと、奇怪な怪物に襲われる』とか、『迷い込んだ者は魔女の生け贄にされる』とか、そんな話だ。しかし、その奇妙な怪物に襲われたという人間も、魔女の生贄にされたという人間も見つからない。噂の出所を追及すれば、結局は“F.O.A.F”――Friend of a Friend、友達の友達――という結果に行き着く」

ユカリの期待に反して、霧崎の答えは、それまでフォークロアについて喜々として喋り倒していた姿からは想像もつかないほど中身が薄かった。ほとんど、噂の触りだけである。

「…それだけ?今まで言ってた、時代のウラがナンタラってのは?」
「それを、これから調査するのさ。この街はなかなか面白い。大抵の都市伝説にあるような時代背景や、バックボーンといったものが何もない。普通は噂が発生した時期を調べれば、出所が大体把握できるはずなんだが、サイレントヒルの発生時期は特に決まったものはなく、まずサイレントヒルという街ありきで噂が自然発生し、肉付けされている。つまり、サイレントヒルという街自体が噂の発信源である、と俺は見ている」

よくは解らないが、サイレントヒルという街は、思っていた以上に異質な街らしい。

426愛と罪が集う街(前編)  ◆dQYI2hux3o:2010/07/19(月) 15:54:37

ユカリはショルダーバッグから一冊のオカルト雑誌を取り出す。
失踪したチサトから手紙が届き、サイレントヒルの存在を知った際、ミカが失踪する直前に口にしていたのも、サイレントヒルというゴーストタウンだったことを思い出し、わざわざミカが持っていたのと同じ雑誌を出版社から取り寄せたのだ。

あの時――二人と喧嘩別れした時、恋人との不仲による精神的疲労に加え、試験の追い込みという修羅場の真っ只中にあり、半ばテンパっていた。
そこへ空気を読まずに外国のゴーストタウンについて喜々として語るミカに我慢できなくなり、思わずきついことを言ってしまった。
そしてミカが帰った後、些細なことでチサトとも口論になり、結局、喧嘩別れしたまま二人は失踪してしまった。

――あんなこと、言うんじゃなかった。
強い後悔の念を噛み締めながら、ユカリはオカルト雑誌をめくり、目的地であるサイレントヒルについて書かれたページ(アラマタが執筆したものだ)をぼんやりと眺める。
そこには、先ほど霧崎が語ったサイレントヒルにまつわる都市伝説と、その考察が書かれている。

重い気持ちで文面を流し読みしていると、車を運転している霧崎が、合間にちらちら横目で見てくることに気づいた。
その妙に熱を帯びた視線は、サイレントヒルの記事に注がれている。

「…何、その目」
「面白そうだな。読んでくれ」
「は?…今?ここで?」
「嫌ならいい。自分で読もう」
「ちょっ、待って!分かったから!」

霧崎の片手がハンドルから離れて雑誌に伸びて来たため、焦って承諾してしまった。
手をハンドルに戻した霧崎の口角がにっと上がる。それはまさに、イタズラを成功させた悪ガキのそれであった。
――こ、このオヤジ…
からかわれたことに気づいたユカリは全力で霧崎を睨みつけ、心の中で悪態を吐いてから、完全な棒読みではあるが、サイレントヒルの記事を朗読し始めた。
しかし不本意ながらも、この霧崎のちょっとした悪戯心のお陰で、それまで胸を締め付けていた不安や胸騒ぎが、ほんの僅かに和らいだのは確かである。
得体の知れない変人ではあるものの、霧崎水明という男は、そう悪い人間ではない。ユカリは何となくそう感じていた。

霧崎はアラマタの記事が気に入ったらしく、朗読が終わるや否やその内容についてしこたま喋り倒した。
その長々としたBGMが終了した頃には、彼の煙草の吸殻は蓋が閉められなくなるほど灰皿から溢れ返り、車内にはすっかり煙草の臭いが染み付いていた。
気が付けば辺りは薄暗くなり、車のライトが照らすのは、乳白色の霧のカーテンのみ。
方向感覚がすっかり曖昧になり、ちゃんと道路の上を走っているのか、いや、前に進んでいるのかすら怪しく感じてくる。
バックミラー越しに、シビルの乗るバイクのライトが霧の中からぼんやり浮かんでいるのが見えるが、果たしてそれは、本当にシビルのバイクのライトなのだろうか?

隣で煙草をふかしながらハンドルを握る霧崎に、不安を訴えようとした矢先――
霧のカーテンから突然、黒髪の小さな少女が現れた。
こちらに気づいた少女は黒目がちの目を一際大きく見開き、咄嗟に両手を顔の前に掲げる。

「危ないっ!!」

ユカリが叫ぶのと、霧崎が舌打ちをしながらハンドルを切るのはほぼ同時だった。
ジェットコースターに乗せられたように大きく視界がぶれ、タイヤがコンクリートを擦る音と共に激しく頭を揺さぶられる。
手元からショルダーバッグが飛び出し、満杯状態の灰皿から煙草の吸殻が勢いよく車内に舞い散った。
ほんの数秒のことだったかもしれないが、ユカリの目には全てがコマ送りとなって鮮明に頭に焼きついていた。
そして次の瞬間、雷が落ちるような轟音が鳴り響き、脳天に一際大きな衝撃が襲い掛かった。
視界を稲妻が迸り、自分の身に起こったことを何一つ認識することもなく、ユカリの意識はブレーカーが落ちるかのごとく一瞬のうちに、深く暗闇の中に落ちていった。

427愛と罪が集う街(後編)  ◆dQYI2hux3o:2010/07/19(月) 15:56:49
◆◆◆

何が起こったのか、ゆっくり整理してみよう。
あの時あたしは、キリサキとユカリが乗った車を、後ろからバイクで追っていた。
霧は深かったが、車のライトは濃霧の中でもはっきりと視認できたため、後ろをついて行くことはさほど難しいことではなかった。
しかし、先行していたキリサキの車が突如急ハンドルを切り、道路を大きく回転しながら横滑りして行ったのだ。
あまりに突然の出来事に、驚いてこちらまで手元が狂いかけたものの、何とか転倒は免れた。
そしてほんの一瞬遅れて、霧の中を眩い光と共に雷鳴が轟き――そして、辺りはそれまでの白い霧の世界から、見覚えのあるおぞましい景色に変わっていたのである。

漆黒の闇の中を、シビルのライトの明かりが照らし出す。
ライトに照らされて円形に浮かび上がる景色は、まさに直視に耐えない代物であった。
以前ならコンクリートやレンガで作られていた塀は、血の色にも似た赤錆に侵食された金網と化し、建築物のそこかしこが、赤い血肉で構成された気色の悪いオブジェで彩られている。
この街、今でもはっきりと覚えている。血と錆に支配されたこの禍々しい景色、間違いなくここは――あのサイレントヒルだ。
前回は霧に包まれた、ここに比べれば格段に穏やかな景色の中でスタートしたが、今度のスタートは最低最悪の形となってしまった。

シビルは全身を襲う絶望感をなんとか押さえつけ、今はキリサキとユカリの安全を確保すべしと、警官である自分を奮い立たせた。
この街に跋扈する怪物は光と音に敏感だが、ここは止むを得ない。

「キリサキー!ユカリー!無事なのー!?」

シビルはひとまずバイクを適当な壁の傍に停め、危険を承知でライトをあちこちに向けながら、闇に向けて何度も声を張り上げた。
すると、しばらくして小さく「こっちだ」とキリサキの声が聞こえ、シビルは自分でも驚くくらい安堵した。
キリサキの声を頼りに、シビルは震える足を叱咤しながら闇の中を慎重に慎重に歩いて行った。

シビルがバイクを停めた数十メートル先に、キリサキの車があった。
車は真正面から太い鉄の柱に受け止められ、酷い有様となっている。
その太い鉄の柱には、外部の者を歓迎するための看板が取り付けられており、すっかり赤く錆び付いたそれには、『サイレントヒルへようこそ』という死刑宣告が綴られていた。
垂れ下がる赤錆が血のようにも見え――いや、本当に血なのかもしれない――、ただの看板なのにグロテスクであった。
ああ、また来てしまった。もう二度と、ここには来たくなかったのに――シビルは深く溜め息をついた。

不幸中の幸いか、運転席と助手席ははかろうじて人ひとりぶんのスペースを保っていた。
その潰れかけた運転席の中から、頭部から出血したキリサキがよろよろと抜け出してきた。

「大丈夫?」
「まあ、なんとかな…」

428愛と罪が集う街(後編)  ◆dQYI2hux3o:2010/07/19(月) 15:57:47

キリサキは車体の感触を手で確かめながら後部座席のドアを開け、シビルのライトの明かりを頼りに、荷物の中から自前の懐中電灯と救急キットを取り出す。
シビルは車の反対側に回り、助手席でぐったりしているユカリの様子を確認した。
ユカリは頭部から出血しており、鮮血がアジア人特有の真っ直ぐな長い黒髪を濡らし、青褪めた肌を赤く染めている。
首筋に指を当ててみると、若干弱弱しいが確かに脈が感じられた。
鼻腔からも出血が認められるが、その他は特に怪我はなさそうだ。

シビルはユカリの応急処置を引き受け、キリサキが持っていた応急セットで手早く傷の手当てを施していく。
幸い彼女の傷は見た目ほど酷くはなく、頭皮が数箇所裂けている程度であった。
ユカリの頭に包帯を巻き、顔にこびり付いた汚れを丁寧に拭ってやる。
掠り傷など他の箇所の手当てもあらかた終えた頃には、キリサキは自身の手当てを済ませており、この状況下においても紫煙をくゆらせているのか、暗闇から煙草の香りが漂ってきた。

キリサキは頭部に包帯を巻いており、多少の出血が窺えるが、意識ははっきりしているようである。
そしてこの悪夢のような景色にもかかわらず、今までの飄々とした態度を崩さずにいた。

「長谷川は?」
「命に別状はないみたい。じきに目が覚めるわ」
「そうか」
「…ちょっとは動揺したら?」
「そりゃあ多少はな。だがむしろ今は興奮してるよ。俺がわざわざアメリカまで来たのは、まさにここに来るためなんだからな。…それにしても、予想していたより随分とゴアな眺めだな」

そういえば、この男はシビルの元へ戻ってきた際(この現象もサイレントヒルのせいかもしれないが)、この街に身内の命がかかっていると言っていた。
ユカリもバリケードで初めて出会った時、この街で友達が待っていると懇願していた。
――魔女や邪神が消えてもなお、相変わらずこの街は誰かを引き込み続けているらしい。

「とにかく外は危ないわ。…中も安全とは言えないけど、ひとまず安全な場所まで行きましょう」
「案内よろしく頼むぜ、センパイ」

失神したままのユカリをキリサキが背負い、暗闇を跋扈する“何か”を避けながら、二人は一番近くの骨董屋に避難した。
幸い中に危険なモノはおらず、ユカリをアンティークのソファに横たえてから、シビルは瀟洒なアンティークチェアに、キリサキは年代物のチェストに腰掛けて、事故を起こす直前に起こった出来事を語った。
彼曰く、突然霧の中から小さな少女が現れ、慌てて急ハンドルを切ったのだという。

その少女の特徴を聞いた時、シビルは心臓が縮むような感覚を味わった。
――黒髪を後ろに束ね、紺色の制服を身に付けた、白人の少女。
ただでさえ事故の衝撃で頭がくらくらするのに、その少女の姿が頭に蘇った途端、失神寸前まで視界が揺らめいた。
なぜだ?あのハリー=メイソンの娘が、ダリア=ギレスピーという狂った母親によって人生を狂わされた不幸な娘が、なぜ今になって!?
彼女はハリーの奮闘によって赤ん坊に生まれ変わり、彼の娘として新たな人生をスタートしたはずだ。
それなのに――サイレントヒルに一体、何が起こっているというのだ!?

429愛と罪が集う街(後編)  ◆dQYI2hux3o:2010/07/19(月) 15:59:05

恐るべき事態に打ちのめされ、シビルは言葉を発することができなくなっていた。

「大丈夫か?顔が真っ青だぞ」

キリサキが気遣う言葉をかけてくれるが、それに返す言葉が見つからなかった。

「…何か知ってるな?詳しく話してくれ」

ただごとではない空気を感じ取ったキリサキが、鋭い目つきで詳細を求める。
シビルはいったんユカリの様子を確かめてから、あの少女の身に起こった悲劇、そして彼女の身に降りかかった不幸の源である、サイレントヒルを支配する“神”についてを語った。
学者に対し、この荒唐無稽な話を信じてもらえるかという懸念は頭の隅にあったが、それでも、話さずにはいられなかった。
誰かに話さなければ、頭の中がどうにかなりそうだった。
過去の忌まわしい記憶が完全に甦ったシビルにとって、一言も口を挟まず、黙って悪夢の話を聞いてくれるキリサキの存在が、この上なく頼もしく、ありがたかった。


「なるほど、やはり実際に起こった事件があったというわけか…」

全てを聞き終えたキリサキは、深く息を吸って煙草の煙を杯に溜め込むと、一息にそれを吐き出した。
ライトの明かりに浮かび上がる煙草の紫がかった煙が、黒い景色の中に消えていく。それを眺めながら、シビルは彼の次の言葉を待った。

「土着信仰がキリスト教の影響を受けながらも、異界の存在を召喚するほどの力を持つというのはなかなか面白い展開だ。そういえば、この付近の土地はかつて先住民の聖域だったという話もあったな…」
「こっちにしてみれば、面白いどころの話じゃないんだけど」
「ハハハ、悪い悪い。…さて、こうして俺達が再びサイレントヒルに迷い込んだということは、そのアレッサ=ギレスピーがいなくなっても、街が持つ異質な力はまだ失われていないということになる。これは調べ甲斐がありそうだな」

キリサキの三白眼が、子供のようにキラキラと好奇心で輝いている。
シビルからしてみれば、この男の脳内も異世界のように感じられた。
そもそも第一印象からして胡散臭いとは思っていたが、こうして話してみると胡散臭いどころのレベルではない。
邪神を召喚しようとする魔女の話を淡々と受け入れ、こうして怪異に巻き込まれても動揺するどころか、むしろ喜々として首を突っ込もうとするとは、相当な変人である。
『胡散臭い民俗学者』から、『シビルの物差しでは到底計りきれない、凄まじく変わり者の民俗学者』へ――シビルの脳内では、彼のデータはそんな風に更新された。

「それにしても、なぜ今になってアレッサが…?あの時全て解決したはずなのに」
「今のところは何とも言えないな。ま、少なくともここでじっとしてても解らんのは確かだ」

430愛と罪が集う街(後編)  ◆dQYI2hux3o:2010/07/19(月) 16:00:03

話が終わると、キリサキはほぼ半分の長さになった煙草の灰を指で叩き落とし、短くなったそれを再び口元へ戻した。

「出血してるんだから、煙草は止めなさい」
「悪いな。コレがないと落ち着かないんでね」

キリサキはにやりと悪びれない笑みを見せた。
シビルは呆れる反面、彼のその何事にも動じない飄々とした態度によって、わずかな安心感にも似た余裕が心に生まれたのを感じていた。

しかし、その余裕はすぐに消えることとなる。
にわかに空気が和らいだその時、壁に奇妙なチラシが張られているのにキリサキが気が付いたのだ。
キリサキはチラシを破り取ると、それを懐中電灯で照らしながら興味深そうに裏表を確認したのち、実に意外なことを尋ねてきた。

「…シビル、あんたパラレルワールドって言葉を知ってるかい?」
「え?…聞いたことはあるけど、それが何か?」
「パラレルワールドを題材にした創作は数多く存在する。日本では、数年前に近未来の日本を舞台にした小説が映画化されて大ヒットしてな、そのショッキングな内容が社会現象になったもんだ」
「へえ、どんな話?」
「中学生が政府によって修学旅行と称して孤島に集められ、殺し合いをさせられるんだ。生き残ったたった一名の生徒は、政府から手厚い保護を受け、将来が約束される」
「モメそうな内容ね」
「ああ、大モメだったぞ。丁度その頃、青少年の凶悪犯罪が世間の注目を集めてたから、公開にあたっては年齢制限がかけられてな。肝心なターゲット層の中学生が見られなかったというオチが付いた」
「そう…で、それがサイレントヒルと何の関係が?」

本題になかなか入らないキリサキに苛立ち、詰問に近い口調となる。
そんなシビルの前に、キリサキは先程まで読んでいたチラシをかざして見せた。

差し出されたチラシを受け取り、裏表両方に目を通したシビルは、その内容に思わず目を見開いた。
そこには、先程キリサキが話した映画のように、この街での殺し合いを推奨し、最後に生き残った一人に望み通りの褒美を出す旨が書かれていた。
これだけなら、誰かが戯れに作った悪趣味なジョークチラシで済むが、問題はその裏面に載せられた名簿だった。
シビルを驚かせた原因は、その名簿に記された50の名前の中にあった。
それは、かつて共に修羅場を乗り越えたハリー=メイソンの名と、地獄に落ちたはずのマイケル=カウフマンの名、そして――たった今サイレントヒルに辿り着いたばかりの、シビル達の名であった。

名簿には東洋人の名も数多く連ねられており、恐らくこの中にキリサキが探している人物の名もあったのだろう。
キリサキの三白眼は刃物のように鋭く光り、白煙を吐き出した唇が、低く挑戦的な声音で言葉を紡いだ。

「このご大層なイベントの主催者に、是非とも会ってみたいものだな」

431愛と罪が集う街(後編)  ◆dQYI2hux3o:2010/07/19(月) 16:05:34
【E-1骨董屋店内/1日目夜】

【長谷川ユカリ@トワイライトシンドローム】
[状態]頭部と両腕を負傷、全身に軽い打撲(いずれも処置済み)。現在失神中(あと数分で覚醒)
[装備]なし
[道具]ショルダーバッグ(パスポート、チサトからの手紙?、オカルト雑誌@トワイライトシンドローム、食料等、他不明)
[思考・状況]
基本行動方針:チサトとミカを連れて雛城へ帰る
1:起きたらチサトとミカを探す

【霧崎水明@流行り神】
[状態]精神疲労(中)、睡眠不足。頭部を負傷、全身に軽い打撲(いずれも処置済み)。現在軽い興奮状態
[装備]無し
[道具]謎の土偶、紙に書かれたメトラトンの印章、自動車修理の工具、食料等、他不明
[思考・状況]
基本行動方針:純也と人見を探し出し、サイレントヒルの謎を解明する
1:サイレントヒルは実在したようだ
2:長谷川とシビルは異世界の人間だが、今は黙っておく
2:人見と純也を見つけたら、共に『都市伝説:サイレントヒル』を解明する
3:とりあえず長谷川が目覚めるまで待つ
4:そろそろ煙草を補充したい
※ユカリの話により、チサトとミカにも興味を持ったようです
※シビルと情報交換し、サイレントヒルの詳しい知識を得ました

【シビル=ベネット@サイレントヒル】
[状態]健康
[装備]10連装変則式マグナム@サイレントヒル210/10
[道具]旅行者用バック(武器、食料など他不明)、警察手帳、サイレントヒルの観光パンフレット(地図付き)
[思考・状況]
基本行動方針:サイレントヒルにいる要救助者及び行方不明者の捜索
1:事件は解決したはずではなかったの…?
2:とりあえずユカリが目覚めるまで待つ
3:前回の原因である病院に行ってみる
4:怪物に襲われた場合、二人の安全を最優先とする
※バイクはE-1の路上に停めました。鍵は付いていないので、道具とスキルがないと動かせません

432 ◆dQYI2hux3o:2010/07/19(月) 16:11:12
投下完了です
書きたいネタを詰め込みまくってえらい長さになってしまったので、前後に分けさせて頂きました
とりあえず裏世界内の外の描写は無印サイヒルを参考にしましたが、こんな感じで良いでしょうか

それと、wikiのユカリちゃんのキャラ紹介がまだ未記入のままなので
私が考えてみたのですが、いかがでしょう?
特に参加時の時間軸なんかはこれで良いのかなー…

名前:長谷川ユカリ
出典:『トワイライトシンドローム』
年齢/性別:18歳/女
外見:168cmの長身。黒髪のロングストレートで、大人びた印象の女子高生。
環境:雛城高校3年生。元バスケ部で現在は帰宅部。牡羊座のA型。
両親は離婚し、母親と二人暮しだが、仲はあまり芳しくないようだ。
年上の恋人がおり、性格の不一致から現在は距離を置いている。
性格:普段はクールな現実主義者として振る舞っている。
しかしその内面は非常に繊細で感受性が高く、それ故に時として感情的になってしまう不安定さを持つ。
周囲に甘えることを苦手とし、悩みを全て自分一人で抱え込んでしまう傾向がある。
強がってはいるものの、実は極度の怖がり。
能力:特殊な能力は持たないが、元バスケ部のため運動神経はそこそこ高いと思われる。
口調:一人称は「あたし」で、人の呼称は大抵呼び捨てor「あんた」。
基本的にこざっぱりした口調で話す。(例:「〜だよ」等)
ただしミカに対しては本人の言動もあり、やや手厳しい発言が多くなる。
また、気に食わない相手(主に傲慢な者や卑怯者)に対しては高圧的になり、TVドラマ版ショムニの坪井千夏的な口調になる。
交友:逸島チサトとは9年来の友人であり、ユカリにとって良き理解者でもある。
岸井ミカには何かにつけてオカルトスポットに引っ張り出され、高確率で散々な目に遭っているが、何だかんだで自分を慕ってくれる彼女を憎からず思っている。
その冷めた言動によって教師と衝突することがあり、下級生の女子からは一目置かれている(ミカ談)。
しかしその性格ゆえに、交友の幅はチサトと同じくらい狭いと思われる。
備考: ミカとチサトが失踪した後、チサトからと思われる手紙を受け取ってから渡航費を貯めるために1年費やしており、二人の失踪から約1年後の参加となる。

433名無しさん:2010/07/19(月) 18:50:21
投下乙!
ユカリの体験を考察する水明がとても「らしさ」が出ていて素敵です。
体力は一般人並みの水明がとても頼りがいある存在に思えてくるw

434 ◆WYGPiuknm2:2010/07/21(水) 00:44:49
屍人が要らなくなった

一旦破棄します

435名無しさん:2010/07/21(水) 21:47:38
投下乙でした。
サイレントヒルという嘘を、本物(?)の都市伝説らしく溶け込ませてしまう台詞回しが素敵です。
流行り神世界にバトロワが出版されているんですなあ。
彼らはメタ的視点から関わってきそうですねえ。

436 ◆dQYI2hux3o:2010/07/22(木) 00:32:34
いえ、流行り神ではバトロワが出版されてるかは分かりません。私が勝手に混ぜただけですw
パロロワという舞台の起源と、召喚されるキャラたちが集う世界(パラレルワールド)
を示唆する…ような感じのネタを書いてみたかったのです
とりあえず面倒なことにならないように、タイトルは言及せずにおきましたが

ぜひ水明さんには主催者の正体を暴いて頂きたく!w



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