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東海道新幹線新横浜-小田原間の下り線で1月29日、架線が切れて停電し3時間以上運転がストップした事故で、JR東海は1日、現場を停電直前に通過した東京発名古屋行き「こだま659号」(16両編成)のパンタグラフを1月27日に交換した際に、ボルトを付け忘れた作業ミスが原因だったと発表した。上部の部品が外れ、支えるアーム部分が浮き上がって架線を切断したという。同社のずさんな検査補修体制が浮き彫りになった。
パンタグラフは、トロリー線から受電する擦り板部分の「舟体」(幅1.9メートル、重さ約12キロ)と、舟体を固定するアーム部分の「上枠」(長さ1メートル、重さ約12キロ)で構成。同社が「こだま659号」を調べた結果、12号車のパンタグラフは絶縁部のガイシを除き、すべて吹き飛んでいた。舟体は4本のボルトで上枠に固定するが、見つかった部品には固定した痕跡がなかった。
同社によると、この車両は1月27日の検査で舟体に摩耗が見つかり、東京の大井車両基地で12号車と6号車の舟体を交換した。作業は2人で実施し、1人が最終確認をしたが、ボルトの付け忘れには気付かなかった。同社は、舟体が外れて上枠が浮き上がり、線路脇の電柱から架線をつるアームに激突し、トロリー線をつって水平に保つ補助吊架(ちょうか)線を切断したと断定した。
また、この車両は事故発生前にも29日午前6時20分東京発新大阪行き、同10時7分新大阪発東京行きの「ひかり」として営業運転していたという。
作業員は「取り付けたと思った」と説明しているが、交換部品を大量に所持していたため、使用した部品の数が分からない状態だった。このため同社は、部品の数量管理を厳正化し、作業記録を改良してチェック体制を強化する。【斎藤正利】
毎日新聞 2010年2月1日 20時12分(最終更新 2月1日 21時41分)