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ポケモンのエロ小説[

1 :三月兎 ◆BOOST1aovo :2008/02/22(金) 12:25:49 ID:d6FlDfug0
一応これまでの流れを汲んで[ということに……

◇注意事項◇
 ・内容はポケモン×ポケモンのみです。人間が登場するのは構いませんが、エロに絡むのは禁止です。

 ・人間×ポケ及びポケ×人間の作品はWikiの方で取り扱っています。(板のトップにWikiへのリンクがあります)
  ※人間×人間は対象外ですので他板へ行ってください。

 ・個人の趣味が分かれる表現(強姦・同性愛・道具・緊縛・失禁・SMなど)が含まれる場合は、
  小説の冒頭もしくはそういった描写が含まれるシーンのはじめに注意書きを入れてください。

 ・過度の流血表現、暴行表現などのグロテスクな描写が含まれている場合も同様に願います。

 ・固定ハンドルネームを持つ方、特に執筆者はトリップをつけることをオススメします。
  ※トリップは名前の後に#(半角)と好きな文字列を入力することで付ける事が可能な偽者防止の暗号のようなものです。

 ・荒らしは完全無視でお願いします。反応するとかえって事態を悪化させてしまいます。


  その他、ネチケットを守って正しくご利用下さい。

2 :三月兎 ◆BOOST1aovo :2008/02/22(金) 12:28:57 ID:d6FlDfug0
ルールを修正して建て直しました。
これでよろしいでしょうか。


3 :夜神くん ◆cPzlv2xMCs :2008/02/22(金) 17:26:02 ID:muGrZ5tM0
いいと思いますよ。
それと自分勝手ですが執筆をまた再開します。

4 :カゲフミ ◆U2shadow16 :2008/02/23(土) 19:45:39 ID:XkFnseSM0
新しく建て直されたようなのでこちらにも投稿しておきます。



―14―

「ラーク、もう十分よ……。よかったわ」
 少し名残惜しい気もしたが、ラークは顔を離した。彼女の愛液は予想以上に多く、股ぐらの毛はじっとりと湿っている。
ラークの鼻先から口元にかけても濡れた後が残っていた。もっともその中には彼自身の涎も含まれていたのかもしれないが。
「じゃあ今度は私の番ね」
 レインはのそりと起き上がると、ラークの傍らまでゆっくりと近づいていく。
瞬間、くるりと視界が反転した。上下に揺れるベッドの振動がおさまるにつれてだんだんと状況の理解に至る。
隙を突いてレインがラークを押し倒していたのだ。さっきとは体制が逆転し、ラークがレインを見上げるような形になる。
「誘っておきながらやられてばかりじゃつまらないから、ね」
 艶っぽく微笑むレイン。自分よりやや小柄で触った感じも華奢だったあの体のどこにこんな力があるのだろうか。
まだラークがポケモンの体に慣れていなかったというのもあるだろうが、まるで手の甲を返すようにあっさりと倒されてしまった。
外見が小柄だといってもポケモンに秘められた力というものは侮れない。
「これでしっかり感じられれば、感覚も本物だということが分かるな」
「ええ、じゃあ早速……」
 レインはラークの股ぐらに視線を移す。そこには紛うことなき雄の象徴が存在感を誇示している。
先ほどのレインへの愛撫によりラークのそれはそそり立っていた。その迫力にレインはゴクリと唾を飲み込む。
「雄なら乳首よりもこっちの方が感じるでしょう?」
 そっと口を近づけ、舌の先を当てる。ぴくんと肉棒が揺れ、同時にラークの体もわずかに震えた。
どうやら性的な刺激はしっかりと伝わっているらしい。もっと強い刺激ならばいったいどうなるのだろうか。
生々しい雄を前に最初は控えめな出だしだったが、ラークの明らかな反応がレインの好奇心を掻きたてていた。

5 :カゲフミ ◆U2shadow16 :2008/02/23(土) 19:47:23 ID:XkFnseSM0
「あ……うあっ」
 完全に咥えこんだレインの舌が、ラークの雄に絡みついた。ゆっくりと撫でるように根元から先端まで舌が滑っていく。
肉棒を通して伝わってくる刺激、そして快感。はあはあと荒い息が口元からこぼれ落ちていく。
ペニスからくる刺激を体が求めている。体の奥でふつふつ熱いものが疼いているのが分かる。
これは自慰をしているときの感覚、いやそれ以上のものだ。自分の手ではない他者にしてもらうという興奮。
ある程度仮定として考えてはいたが、今ははっきりと確信できた。この性的な感覚は、本物だと。
「……?」
 突然、刺激が消えた。ちょうど気持ちよくなってきたところで中断され、ラークは思わず顔を上げる。
「ふふ、もっとしてほしかった?」
「え……いや、それは」
 正直なところもっと舐め続けていてほしかった。快感は確かにあったが満足と呼べるほどではない。
だがここで欲望に任せて頷いてしまうと、いたずらっぽく笑うレインに敗北を認めてしまうようで悔しい。
「このまま続けてたらラークは達しちゃうでしょ?」
「おそらくな。ついさっき感じた感覚は……間違いない」
「もし……出すなら、さ」
 レインはごろりと仰向けになって誘うような視線を送ってくる。後ろ脚の間には、染み出した愛液でほんのりと光る割れ目が。
彼女はそれ以上何も言わなかったが、求めていることが何なのか理解するのはそれほど難しいことではなかった。
==============================
こちらのスレの出だしとしてもやっぱりあれなシーンです。

6 :ミネルヴァ:2008/02/23(土) 19:55:56 ID:HWylpspo0
皆さんはじめまして。ミネルヴァです。非常に言いにくいんですが、感想だけ書き込むっていいんでしょうか…?

7 :三月兎 ◆BOOST1aovo :2008/02/23(土) 21:17:01 ID:rmOPrsv+0
>>6
それはもちろん大歓迎&大感謝ですよ。
板の繁栄にも繋がりますし。
こちらこそ、これからよろしくお願いしますね。

8 :パウス ◆a1GalaxyZk :2008/02/23(土) 21:53:43 ID:pBsaR7d+0
>>4-5
細かな部分まで描写されていてかなり良いですね。
レインも意外と積極的という……。またまた気になる展開です。

>>6
初めまして、ミネルヴァさん。
感想というものは意外と力があって、筆者の励ましになったり、やる気の源になったりしますし。
勿論大歓迎です。


9 :ミネルヴァ:2008/02/23(土) 22:19:04 ID:HWylpspo0
〈三月兎様・パウス様    ありがとうございます。これからよろしくお願いします。           〈カゲフミ様〉攻め側のレインがとてもかわいいです!この後二人はどうなるのでしょう?続きに期待します!

10 :七夜:2008/02/23(土) 22:31:58 ID:LQvUODrk0
ついにVIII出来ましたね!こっちの方にもこんにちはです

11 :ぴか:2008/02/24(日) 11:37:09 ID:WgwTckXM0
お久しぶりです!
遂にの遂にですね!!
感想しかかけませんけど
皆さんの小説に期待してます!!


12 :パウス ◆a1GalaxyZk :2008/02/25(月) 21:36:43 ID:nC+M/tNI0
えぇっと……投稿するのに何故か躊躇いがあるな…。
とりあえず新スレになってから初めての投稿です。



逃亡者 〜story7〜 ―嬌笑―

昨日を変わらない暖かさを感じる。見えてないまでも、太陽の暖かな光が洞窟の奥まで入り込んで俺の体を照らしていることが分かった。時は既に朝だ。
まだ寝ぼけている目を開け、掛け布団の様に使っている幾重にも重なった草を退ける。その瞬間に眩しい朝の日差しが目を直撃して一瞬怯んでしまうほど良い天気だった。

寝ぼけていた目と頭がすっきりしてきたところで、周りの異変に気が付いた。
―――ネフェリンが居ない。
いつもならすぐ横に寝ているはずだった。幼き頃昼寝をしようとするといちいち添い寝をしようとしてきたことも覚えている。何故か今日は居ない。
外に出てみてもネフェリンは居なかった。朝食を採りに行った形跡も無い。そもそもネフェリンが横で寝ていた形跡すら見当たらないのだ。
自分が寝ていた寝床の横に前足を乗せてみる。そこにネフェリンの温もりは無かった。
「おいっ!ネフェリン!何処行った!?」
叫んでみても自分の声が騒がしく反響するだけで何の音も無い。――否、誰かの声が聞こえた。
「やっと起きたの?随分と遅い事ね。」
聞き覚えの無い声に振り向くと、入り口の所に一匹のペルシアンが立っていた。その白い毛に日光反射してよく見えないが間違いない。
「誰だ貴様は!?」
自然と警戒心が沸き出始める。この怒鳴り声にくつくつと笑うペルシアンが異常に不気味に感じた。
彼女がゆっくりと歩み寄って来る姿にも多大な恐怖を感じてか、急にどっと汗が噴き出した。
何処の馬の骨かも分からない輩が近づいてくる時には、普通警戒心が強まるものだが今回は別だった。警戒心よりも恐怖心の方が圧倒的に勝っているのは何故だろう。

13 :パウス ◆a1GalaxyZk :2008/02/25(月) 21:37:41 ID:nC+M/tNI0
「くっ……」
恐怖の色で染められつつある体を何とか動かし、禍々しいペルシアンに突撃していった。
どうだ、この速さについて来れまい、と勝手に思い込んだのがいけなかったのか。
ペルシアンはひらりと跳んで避け、降下しざまに俺を押さえつけた。
「ぐわ………!」
衝撃が凄まじいがそれ程痛みはない。それよりも自分の突撃をいとも容易く交わされたことの方が痛い。
俺の戦闘における絶対的な自信もペルシアンにとってはガラスの様に脆かったようだ。

「別にあんたに危害を加えるつもりはないわよ。ただちょぉっと付き合ってくれればいいだけ。」
ペルシアンは耳元で囁いた。
「何故貴様に付き合わなきゃいけないんだ!さっさと放せ!」
何とか抗ってみるが何の意味も成さなかった。ペルシアンの押さえつける足は途轍もなく硬い。
ペルシアンは余裕を見せ付けるように意地悪な笑みを浮かべた。
「あらぁ?あのキュウコンの居場所、知りたくないの?」
思わず目を丸くした。何故こいつがネフェリンの事を知っているのだろう。
その謎は直ぐに解けた。
「……貴様か、貴様がネフェリンを拉致したんだな!?何処だ!答えろ!」
じろりと睨むも、圧倒的に有利な立場にいるペルシアンは余計に嘲笑う。
「だから言ったでしょ?ちょぉっと付き合ってくれれば教えてあげるって。」
ペルシアンは俺を片方の前足で掴み、また洞窟の中へと放り込む。
放り込まれて受身も取れずに転がった所は丁度さっきまで寝ていた寝床だった。慌てて体制を立て直したところにペルシアンは飛び掛ってきた。

14 :パウス ◆a1GalaxyZk :2008/02/25(月) 21:39:27 ID:nC+M/tNI0
またさっきの様に俺が押さえつけられる形となる。少し違うのは俺とペルシアンが向かい合っているというところだった。
ペルシアンは俺の体を嘗め回すように見回し、次第に視線が一点に集中する。その一点に集中した部分を後足で軽く踏んだ。
「ひぃう…」
全身によく分からない衝撃が駆け回り、情けないほど弱々しい声を上げてしまった。何だこの声は、こんなの俺の声ではない。
ペルシアンが踏んでいる部分とは雄特有のモノが存在する部分だった。これを弄るということはもうこの後何されるかは予想が付く。

「あんた声可愛いわよねぇ。……でも」
その口調がねぇ、と訳の分からないことをぼやきながらペルシアンは足を離し、俺の足元で座り込んだ。
今が好機と思い素早く体を起こしたが、ペルシアンは一つとして焦った様子も無くこう言った。
「下手に動くんじゃないわよ。あのキュウコンの居場所を知りたくなければ別だけどね。」
こんなの、選択肢は二つに見えて一つしかない。当たり前だ、ネフェリンは必ず助け出す。だがそのためにはこの修羅場を乗り越えなくてはならない。
他者の弱みに付け込む卑劣な奴だが、どうにも対応のしようが無かった。

もう抵抗はしないという事を現すようにまた仰向けになると、認めたくは無いがペルシアンは嬌笑と呼べる笑みを浮かべた。
「そうそう、いい子ねぇ。」
ペルシアンは前足でモノを握っている。この瞬間から既に主導権も奴に握られており、もう逃げたくても逃げられないという事を悟った。
この変態野朗がっ、と内心毒づく。が、表に出したら機嫌を損ねるかもしれないと、当分口には出せなかった。
恐らくここまでの修羅場は初めてで頭が混乱しているのか、野郎ではなく女郎だったか等とどうでもいいことが頭に思い浮かんで離れなかった。

――――――――
同時に書き始めて、最初に書き上げたのが逃亡者の方だったので。
とにかく、これからよろしくお願いします。

15 :ミネルヴァ:2008/02/26(火) 22:52:36 ID:gpUDJAqE0
パウス様>待ち望んでいた逃亡者の続きですね。このあとが気になります!

16 :カゲフミ ◆U2shadow16 :2008/02/28(木) 21:50:56 ID:+SNW0HsU0
>>8 パウスさん>
もうすっかり本能のままというか、最初の焦りはどこへやらといった感じですね。
私としても雌が積極的な方が書いてて楽しいというか何というか。
レスありがとうございました。

>>9 ミネルヴァさん>
やはりレインは攻め側というポジションになるでしょうね、この場合。
レスありがとうございました。

17 :カゲフミ ◆U2shadow16 :2008/02/29(金) 22:19:55 ID:p9sfEbdU0
―15―

 艶めかしい輝きを放つ彼女の秘部。ラークにおいでおいでと手招きをしているかのようだった。
目の前にある甘い誘惑に吸い寄せられるかのように、おぼつかない足取りでラークはレインの上に跨る。
彼女の欲求が何なのか。もう分からない振りをしたりはしない。ラークも本能のままにレインを求めていたのだから。
「……来て、ラーク」
「分かった。ゆっくり……行くからな」
 少しだけ息を整えた後、ラークは腰を沈めていく。肉棒の先端が彼女の割れ目に触れた。
互いの体を鈍い刺激が駆け抜ける。ラークもレインも一瞬表情を引きつらせたが、すぐに気を取り直し無言で頷き合う。
まだ大丈夫、もっと奥まで。言葉に出さずともお互いにそれを渇望している。
「……ぐっ!」
「ああっ!」
 ラークの肉棒がレインの割れ目をこじ開けた。まだ半分も入っていなかったが、舌で舐めるとのは比べ物にならない強い刺激に思わず声を上げてしまう。
お互いへの愛撫により滑りが良く、彼女の秘部はあっさりとラークの雄を飲み込んでくれた。
しかし、入りやすいからと行ってそこからの刺激が緩いというわけでは全くなかった。
レインの肉壁はラークの肉棒を容赦なくギチギチと締め付けくる。後ろ脚が震えそうになるのを堪えながら、ラークは今の姿勢を何とか保っていた。
「だ、大丈夫、か……レイン?」
「え、ええ。あなたの方こそ……大丈夫?」
 明らかに余裕がなさそうなのはラークの方だったが、ここでレインの方を気遣うのは相手を思いやってか。あるいは雄としての意地か。
半分以上は後者だったのかもしれない。だからこそ、レインの呼びかけに苦しい表情を滲ませながらも縦に首を振ったのだ。
「よし、じゃあもっと奥に……うあっ!」
 気持ちではまだまだ行けるつもりだった。だがどうやら体のほうはそうではなかったらしい。
限界を迎えたラークの後ろ脚は立っていることもままならず、力が抜けがっくりと膝をついてしまう。
崩れ落ちた勢いで半分ほど入った状態の肉棒は、ずるりと一気にレインの中まで入り込む。
もちろんこんな事態は予想だにしなかったこと。これからくる刺激に耐えよう、という意気込みをする前への不意打ちだ。

18 :カゲフミ ◆U2shadow16 :2008/02/29(金) 22:20:34 ID:p9sfEbdU0
「うああぁっ!」
「ひゃぁああっ!」
 大きな悲鳴の二重奏。ラークの肉棒はレインの深い部分を貫き、レインの割れ目も雄の先端から根元まできっちりと撫で上げ、そして締め上げる。
肉棒がぴくんと一瞬震えたかと思うと、その直後ラークはレインの中に精を放っていた。留まるところを知らないそれは接合部からも染み出す。
それと同時にレインの下半身も呼応するかのように、秘部から透明な液体を噴き出す。愛液は精液と混じり、濁った色合いを作り出した。
「う……あ……」
 射精後の強烈な快感とともに、支えを失ったラークの体はレインの上にばたりと倒れこんだ。
その反動で彼の肉棒は割れ目から外へすべり出る。もちろんその感触は伝わってきたが、今はそれに反応している余裕などなかったのだ。
ラークもレインも肩で息をせずにはいられない。お互いの胸が大きく上下しているのが伝わってくる。
しばらくの間、快感に身を震わせる二匹の喘ぎ声だけが部屋に響き渡っていた。

 心臓の鼓動はまだ幾分駆け足だったが、何度も深呼吸するうちに大分落ち着きを取り戻してきた。
足が震えて立ち上がることもままならない状態からは、どうにか抜け出すことができたらしい。
「ら、ラーク……いきなりなんだから」
「すまない……足が言うことを聞かなくなって……」
 ラークはゆっくりと体を起こし、レインの隣に仰向けになるようにして寝転がった。天井を見上げると、再び大きく息をつく。
ある程度体を動かせるようになったが、まだ快感の余韻が抜けきらない。下半身に漂うふわふわとした感覚に、自然と表情も緩んでくる。

19 :カゲフミ ◆U2shadow16 :2008/02/29(金) 22:21:50 ID:p9sfEbdU0
「あなたの体は本物、だったわね」
「ああ、すごく……良かったよ。ありがとう、レイン」
 振り向き、レインと目が合う。彼女もどこかうっとりとした表情をしていた。
そんな互いの顔を見つめあって微笑むラークとレイン。
「お礼を言うのは私の方、付き合ってくれてありがとね」
「いや……私にも試してみたいという好奇心はあったからな。ここはお互い様だな」
 はっきりと分かったことは、あの薬は外見から内面まで完璧にポケモンに変身できる薬だということ。
技を試すという目的は果たせず、その代りにとんでもないことを試してみる羽目になってしまったが、レインとここまで近づくことができたのだ。
そこはあの立てつけの悪いドアに感謝しなくてはいけないのかもしれない。
「ラーク……大好きだよ」
 いきなり何を言いだすのかと少し驚いたラークだが、同じポケモンの姿である今しか交わすことのできない言葉なのだ。
照れ隠しでない、ちゃんと面と向かって気持ちを伝え合っておくのも悪くない。
「私も君のことが好きだよ、レイン」
 それを聞いたレインはにっこりと微笑むと、ラークに身を寄せてくる。ラークも彼女の肩をそっと抱き寄せた。
こうやって身を寄せ合っていると何とも言えない温かさがある。それは体温か、それとも誰かがすぐ傍にいるという心の温もりなのか。
心地よい暖かさに身を委ねるうちに、やがて二匹は深い眠りへと落ちていった。
=========================
wikiの方にも書きましたが、一応次が最終話の予定です。

20 :ミネルヴァ:2008/03/01(土) 19:40:25 ID:OYOUUg2k0
次が最終話ですか…楽しみに待ってます!

21 :パウス ◆a1GalaxyZk :2008/03/03(月) 15:26:24 ID:HplDpcUY0
>>17-19
ついに本番を迎えた訳ですね。
ふ、不意打ちって……悪タイプの技より強りょk(殴
次回が最終回ですか、終わりを迎えてしまうことを悲しみつつ待っています。

22 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/03(月) 21:12:10 ID:Xq9FRsBo0
はかにないのかー!?

  (`・ω・)oO(もっともっと)

23 :カゲフミ ◆U2shadow16 :2008/03/04(火) 20:42:45 ID:1mWOtTDE0
>>20 ミネルヴァさん>
ええ、最終回なんですよ(何
レスありがとうございました。

>>21 パウスさん>
本番なので私としても気合いが入った場面であります。
この不意打ちは……いわゆる急所に当たった、というやつですかね。
レスありがとうございました。

24 :カゲフミ ◆U2shadow16 :2008/03/04(火) 20:44:07 ID:1mWOtTDE0
―16―

 外から鳥ポケモンの鳴き声が聞こえてくる。もう朝だという事実が、いやでも耳を通して伝わってきた。
本当に毎日毎日ご苦労なことだ。朝の時間を知るのに時計は必要ない。
ラークは小さくため息をついて目を開く。いつもと変わらない部屋の天井が見えた。
しかし、妙に寒い。今日はいきなり気温が下がったのだろうか。いや、それにしてもこんな寒さは今まで感じたことがない。
自分の大きなくしゃみと共にラークは目を覚まし、同時に自分が裸のまま眠っていたことに気が付いた。
どうして服を着ないまま寝たりしたんだろう。寝ぼけていたのか。だが寝ぼけていたにしても服を着なければ寒さで目が覚めてしまうはず。
ふいに柔らかい毛の感触がした。見ると、レインがこちらに身を寄せるようにして眠っている。
そして、彼女の体とベッドから漂ってくる独特の匂いがラークの記憶の糸を徐々に手繰り寄せてきた。
「…………」
 そうか。ポケモンになる薬を飲んで、自分は昨日レインと――――。
手を額に当て、俯くラーク。昨日の行動を思い出すと恥ずかしさで全身を掻き毟りたい衝動に駆られる。
いくらポケモンになっていたからとは言っても、パートナーと一緒に寝てしまうだなんて。
興奮した勢いでとんでもないことをしてしまったのではないか。ラークの胸の奥からじわじわと罪悪感と背徳感が湧き上がってくる。

 どうやらレインが目を覚ましたようだ。むっくりと起き上がり、ラークの方を見つめる。
表情は涼しげないつもの彼女だったが、昨日の出来事を覚えていないはずはない。心の中ではあの行為をどう受け止めているのだろうか。
「れ、レイン、その。昨日のことなんだが……」
 彼女を見ていてももうおかしな感情は抱かなかった。そこはちゃんと人間に戻れたらしい。
しかし、それとは別に彼女との間に気まずさのようなものを感じてしまう。何か言わねばならない。だが、言葉が出てこなかった。
これから先、いったいどんな顔をしてレインと向き合えばいいのだろうか。
うろたえるラークにレインはそっと近づくと、ぺろりと頬を舐める。そして小さな笑みを見せた。

25 :カゲフミ ◆U2shadow16 :2008/03/04(火) 20:46:31 ID:1mWOtTDE0
まるで、気にしなくていいよ、とでも言うかのように。もう彼女の言葉は分からなかったが、ラークはそう受け取れたのだ。
「レイン……」
 こうして彼女がいつも通り、普通に接してくれることが何よりもありがたい。
ポケモンになっていたときには忘れていたが、やはりラークはレインと親友のような関係でいたかったのだ。
「……ありがとう」
 ラークは彼女の頭を優しく撫でる。温かさのこもった手触り。
ポケモンになっていたときとはもちろん感覚は違っていたが、人間に戻ってもやはり彼女に傍にいてほしい。
レインは金色の瞳でじっとラークの顔を見つめていたが、やがて彼に答えるかのように小さな鳴き声を上げた。
その声にどんな意味合いが含まれていたのかは量りかねたが、どこか嬉しそうな彼女の様子から前向きな言葉として受け取っても間違いはなさそうだ。

 レインが今までと同じ態度でいてくれたことに、ほっと胸をなで下ろすラーク。そこに入り込んで来たのは、ベッドのシーツ、そしてレイン自身からも伝わってくる匂い。
そういえば、あの後そのまま眠ってしまったのか。元に戻った自分の体にはそういった痕跡は残っていなかったが、彼女はあの後のままなのだ。
「風呂、入ろうか」
 こくんと頷くとレインはひらりとベッドの上から飛び降りる。もともと風呂で洗ってもらうのが好きらしく、そのまま風呂場へと向かっていった。
ラークも立ち上がり、レインに続こうとするがふと立ち止まり振り返る。そうだ、ベッドのシーツも洗わなければ。
この残った匂いは昨日この上で抱き合っていた自分とレインをありありと想像させてしまう。
昨日の記憶を匂いとともに洗い流すことはできないだろうけれど。今は心の奥にそっとしまっておきたい。
そんな想いに耽っていると、風呂場からレインの催促の声が。おっといけない、彼女を待たせたままだった。
「レイン、今行くよ!」
 慌てて彼女に返事をするとベッドからシーツを引きはがして脇に抱え、ラークは風呂場へと向かったのだ。

   END
=================
これにて禁忌の扉は終了です。
詳しい設定や裏話などはwikiのあとがきにて。

26 :山本 ◆rkAWlQPFjI :2008/03/04(火) 22:59:49 ID:dbuqWeMM0
>>24-25
 カゲフミさん。執筆お疲れさまです。やはり物語性を重視しておられますね。いつも参考になります。
 結局あの秘薬はどうなるんでしょうかね。気になるのでwikiに逝ってきます(笑)

27 :パウス ◆a1GalaxyZk :2008/03/04(火) 23:13:46 ID:/5gV2xUQ0
>>24-25
完結お疲れ様です。
16話の中に内容性がつまった素晴らしい小説でした!


 〜story33〜 ―携わりし三匹―

目が覚めると、いつもと変わらぬ風景。
広くて開放感だけでも持たせようとしているのだろうが、そんなの何の意味も成さない。野生の頃は自由で気楽だったのに、と内心ため息をついた。
一番最初に目に入ったのは『裏庭』の天井。外のように、青々とした空が広がっている訳でもない。
最近やけに外が恋しくなってきたのは多分、”あいつ”と会いたくなってきたからだろう。”あいつ”が逃げてからもう三年になる。
僕がここで心を許したのはマリンと”あいつ”を含めた数匹。数えられるほどしかいない。
総勢数十匹、いや、もしかしたら数百匹いるかもしれないポケモン達の中の数匹というのはあまりにも少なく、つまり殆ど警戒心は保ったまま生活していることになる。

特にこの「裏庭」の連中には警戒心を隠せない。
相変わらず血の気の多そうな奴が勝手気ままに生活していて「中庭」より雰囲気が悪いからだ。
「おぅ、起きたか、アクア。」
不意に後ろから声を掛けてきたのは一匹のボーマンダ―――ネルピスだった。
ネルピスは飛行も出来て戦闘能力も高いということで重宝されている。更に四年前の融合イーブイの特訓に携わっていたといことからも彼の能力の高さが窺える。
「………お早うございます。」
ぶっきらぼうにそう言うと、ネルピスは苦笑する。
「お早うってなぁ……もう昼だぞ?よくそんなに寝れるな。お前。」
ここにいること自体が楽しくないというのに、早起きなんかする必要がなかった。
あんたみたいに気楽に生きてないんだよ、と言ったらどうなるかと思ったが、やはり怖いので内心毒づくだけに留めておく。

28 :パウス ◆a1GalaxyZk :2008/03/04(火) 23:14:08 ID:/5gV2xUQ0
「『裏庭』に所属するようになってからそう時間が経ってないからまだ慣れないんだよな。アクア。」
雄の割には高い口調に振り返ると、突然頭が長い尻尾によって軽く叩かれた。その尻尾を辿りながら視線を向けると、一匹のライチュウの下へと辿り着く。
ライチュウ――エバトイルはふんっ、と鼻を鳴らした。
「まぁ、この俺はすぐにこんな環境は慣れたけどな。大体ここにいる奴もあんまり大したことねぇし。ま、俺には才能があったからこそ―――」
「うるせぇな。そんなに自分を過大評価したいかこのナルシストめ。」
エバトイルの話を聞いてイラッときたらしい。ネルピスは自らの言葉でエバトイルの話をぶった切った。エバトイルは見る間に不快を露にし、顔を顰める。
「はっ、自分たちの強さに自惚れて超古代ポケモンを覚醒させて自爆した元『マグマ団』には言われたくないね。」
エバトイルは皮肉含みの笑みで考えられる最大級の毒を放った。
エバトイルもまた、ネルピスと同じように四年前の特訓に携わっている。
……今考えると、あれは特訓というより限りなく虐待に近かった。しかも融合させた理由が好奇心だったらしい。これほど哀れで不幸な道を歩む者などこの世にはそうそういないだろう。

僕の中で、どうしても腑に落ちないことがあった。
融合させるにも限度があり、その固体になにかを融合させようとするとどうしても作りの近い進化形か退化系に絞られるらしい。今回のあのイーブイだって七匹と融合したとはいえ、全てその進化系だ。
僕が心を許した存在である”あいつ”もイーブイだった。しかも融合させられた七匹よりも先に『銀河団』に所属していたはず。なのに何故”あいつ”は融合素材に選ばれなかったのだろうか…。
『銀河団』――今では『A・G団』となったこの組織は、”あいつ”に何らかの思入れがあったのだろうか。
違う、そんな訳が無い。こんな僕達ポケモンを利用することばかり考えている奴らに限って。


29 :パウス ◆a1GalaxyZk :2008/03/04(火) 23:14:28 ID:/5gV2xUQ0
「……大して侵略も出来ずに散った元『ロケット団』には言われたくねぇんだよ。」
ネルピスもまた、考えうる最大の毒を放ったようだった。ミミズが這ってるんじゃないかと錯覚してしまうほどエバトイルの額に血管が浮き出始める。
「ざっけんじゃねぇぇ!」
「やるか糞がぁ!!」
我を失って二匹はほぼ同時に怒声を放ち、「裏庭」全体に響き渡る。
ネルピスはその大きな翼を広げ、エバトイルは頬の電気袋にバチバチと電気を溜め、突撃していった。
エバトイルは凄まじい電撃を電気袋から放出し、一直線にネルピスを捉える。ネルピスがそれを翼で受け止め、一払いすると電撃は火花となって散っていった。
簡単に払われてしまったのがまた癇に障ったのか、エバトイルは今度は体で突進する。
ネルピスはそれを頭で受け止めるが、勢いに乗っていたエバトイルを受け止められるはずも無く弾き飛ばされる。
素早く体制を立て直したネルピスの表情はさっきよりも怒りに満ち溢れていて、並のポケモンならこの圧倒的迫力で潰されてしまうだろう。身体が大きいのもあるかもしれない。
二匹の周りには野次馬達が集まり始めた。
流石『裏庭』だけあって流れ弾に当たるようなドジを踏む者はいないようだ。
二匹のお互いの怒声で最早何を言っているのか分からなくなってきた時。

「はいは〜い、そろそろ終わり終わり。野次馬も散った散った。」
いつの間にか僕の背後に立っていたニャルマーが前足を振り、野次馬を退ける。野次馬も渋々散っていった。
エバトイルとネルピスはニャルマーの声でようやく動きを止める。
「いつも喧嘩ばっかしでお疲れだね。」
ニャルマーはばねの様にくるくると巻いてある尻尾を、順番にエバトイルとネルピスの頭の上にポンッと乗せ、クスリと小さく笑う。
このニャルマーもまた、四年前の特訓に携わった者の一匹。その中でもエバトイルとネルピスの喧嘩を止められるのは独特の世界を持ったこのニャルマー――クライスぐらいだ。


30 :パウス ◆a1GalaxyZk :2008/03/04(火) 23:15:59 ID:/5gV2xUQ0
まだ呼吸も整わないままネルピスはじろりとクライスを睨んだ。
「お前には関係ないだろ。」
だがクライスはまた笑う。
「何言ってるんだよ。君たちが大暴れしたらここが崩壊しかねないじゃないか。」
「そんなこと知るか。こんくらいで崩壊するもんだったら最初っから建てなきゃいいんだよ。」
ネルピスに負けない形相でクライスを睨みつけたのはエバトイルだ。
二匹の怒りの矛先が何故かクライスへと向いてしまった。あんなに睨みつけられたら、僕なら絶対に潰れる。しかも二匹共だったら絶命する勢いだ。

―――だが

「ふふ・・・やめてよ。そんなにそそる形相で睨まないでよぉ・・。」
クライスは潰れるどころか興奮していた。思わず目を逸らしたくなるほどのマゾが彼なのだ。
ネルピスとエバトイルは怒りも忘れて完全に引いていた。完全に散りきっていなかった野次馬も一匹残らず引いている。
どうやら皆クライスワールドに引き込まれてしまったらしい。
場が嘘のように静まり返った時、クライスの表情がようやく真剣になった。
「そういえばさ、『中庭』に集合が掛かってるよ。」
「何?」
今度は完全に皆が聞き入った。
「何か重要な話でもあるんじゃない?」
団員全員に言うような重要な話は『裏庭』の連中は皆『中庭』へと移動する。(『中庭』はポケモンの数が多いため一気に移動させられないからだ。)
勿論、ポケモンと人間は別れているが・・・。

『中庭』集合・・・・胸が弾み、表情は自然と明るくなる。
またマリンと会えると思うと嬉しくて仕様が無かった。
「クライスって・・・あいつもも元『マグマ団』だっけか。シンオウ出身で唯一の・・・」
喜びに浸る中、ふとそんな声が聞こえた。


エバトイルは元『ロケット団』、ネルピスとクライスは元『マグマ団』。
何故このような者がここにいるのか。
答えは簡単。『A・G団』とは、『銀河団』が『ロケット団』と『マグマ団』の残党と手を組んで結成された組織だからだ。

――――――――――
長っ!!
一気に紹介してしまうような内容になりました。

31 :カゲフミ ◆U2shadow16 :2008/03/06(木) 21:33:58 ID:Pa0Kv5T20
>>26 山本さん
エロよりもストーリーを重視したいという気持ちがあるからでしょうね。
話の流れの中にエロも入れなければならないので、今回は後半のみエロという結果になりましたが。
薬についてはwikiで語る予定はなかったのでここで。
おそらくラークがあの薬をもう一度作ったりはしないんじゃないなかなあと思います。
今の人間の体で思うに、レインとの一夜は恥ずべきことだと考えているわけですから。
興味本位で作ったものですし、おそらくラークの気が変わりでもしない限りお蔵入りかと。
とまあ私の見解はこんな所です。
レスありがとうございました。

>>27
前作よりは短い話でしたが、内容があると言ってもらえればありがたいです。
レスありがとうございました。

32 :ミネルヴァ:2008/03/07(金) 22:10:18 ID:ajYr+VWM0
>カゲフミ様       完結お疲れさまでした。続編を読みたいです。          >パウス様        待ちに待った33話ですね。続きに期待します。

33 :マグマグ:2008/03/07(金) 23:57:00 ID:LU6fiFWk0
パウスさんとてもおもしろいです
  続きに期待します

34 :Gimnima ◆N42CHo8qoU :2008/03/08(土) 00:55:32 ID:KjmaFIKo0
>>33
sage。



35 :nobody ◆HPnobodyjI :2008/03/08(土) 01:24:57 ID:Bb2c7f4U0
>>34
sageの必要性あるか?

36 :マグマグ:2008/03/08(土) 16:08:04 ID:Axh92oAs0
>>34すいません・・
次からは、時間があれば小説を投稿していくつもりです。

37 :Gimnima ◆N42CHo8qoU :2008/03/08(土) 17:25:48 ID:KjmaFIKo0
>>35
まあ無いっちゃ無いけど…
sage推奨、ということで。



38 :カゲフミ ◆U2shadow16 :2008/03/11(火) 17:10:47 ID:q0zjZ1Eg0
>>32 ミネルヴァさん
今のところ続編の予定はないんですよね。
あの話は私の中で完結してしまったというか。
レスありがとうございました。

39 :313系 ◆knbxk5J2CQ :2008/03/12(水) 01:57:41 ID:Dez/so9w0
半年前に投下させていただいたフィオン(リーフィア)とレイス(グレイシア)の
小説の続きがやっとこさ書けた(遅っ)ので投下させていただきます。
なお今回は初めてエロに挑戦してみたのでこちらへの投下となりますが、
エロの表現というものに苦戦し、他の小説氏の表現をパクッた部分が多々存在します。
問題があるようでしたら削除していただいて結構です。ご了承願います。


40 :313系 ◆knbxk5J2CQ :2008/03/12(水) 01:58:44 ID:Dez/so9w0
フィオンとレイスがお互いの気持ちを理解した日から二週間。レイスはフィオンの住処に一緒に住んでいる。彼らは木の根本にあいた大きな穴に草を敷いて住処にしていた。今日も森は雲ひとつない良い天気。日の眩い光によってフィオンとレイスは目を覚ます。
「おはよう、レイス」
「おはよう、フィオン」
挨拶を交わした後、二匹は住処を出る。住処を出るとすぐそばには川が流れている。川といっても簡単に飛び越えられる小さいものだが、水は澄んでいてとても綺麗だ。二匹はその水で顔を洗うと住処に戻り、朝食にしようとしたのだが…
「レイス、このモモン…食べる気ある…?」
「それ…いつの…?」
住処の奥には、フィオンお手製の草を編んで作ったかごがあり、そこに木の実を保存している。そのかごからひとつ、モモンの実を取ったフィオンだが、手にしているモモンの実はところどころ茶色くなっていて見るからに痛んでいた。
「最近とりに行ってなかったからね…今から行く?」
「今から行く?って…、行かなきゃ食べるものないでしょ?」
「そういえばそうだね…じゃ、行こっか」
二匹はかごを首にかけ出かける準備をする。

41 :313系 ◆knbxk5J2CQ :2008/03/12(水) 02:01:46 ID:Dez/so9w0
住処を出ると川に沿って上流の方へと歩いていく。
「晴れてよかったわね。雨の中木の実取りに行きたくないもん」
「そうだね。まさかあんなに痛んでるとは思わなかったよ」
二匹がしゃべりながらしばらく歩いていると目的の場所についた。
そこはいろいろな種類の木の実が無数に生っている天然の果樹園のような場所。
フィオンたちはいつもここで食事をしたり、持ち帰って保存したりしている。
「フィオン、あの水色の実とって」
レイスが水色の木の実を指差しながらフィオンに言うと、
「分かった、あのチーゴの実だね」
とレイスに確認し、葉っぱカッターを放つ。それは見事に木の実の根元に命中し、
硬いチーゴの実は地面にボトッと音を立てて落ちた。レイスはその実にかじりつくと、
おいしそうに食べる。チーゴの実は苦味が強いが、レイスにとっては好みのようだ。
フィオンもモモンの実を見つけ、葉っぱカッターで落とす。モモンの実は柔らかいので
口でうまいことキャッチして食べる。フィオンは甘い実が好物のようだ。二匹はしばらくの間、
保存用の木の実をかごに入れながら食事を続けた。

42 :313系 ◆knbxk5J2CQ :2008/03/12(水) 02:04:48 ID:Dez/so9w0
ふと、レイスが足元を見ると、ピンク色でハート型のような形をした見たことのない木の実が落ちていた。
レイスはこの実がどんな木の実なのか、フィオンに聞こうと辺りを見渡すがフィオンがいない。
「モモンの実を探しに行ったのかしら…」
レイスは試しにその実を一口かじってみる。シャリッという音とともに甘酸っぱい味が口に広がる。
「あ、おいしい…」
この実もレイスの好みだったらしく、あっという間に食べてしまった。
もうひとつ食べようと辺りを見渡すが、どこにも落ちていない。

上を見上げても他の木の実しか生っておらず、同じ木の実はなかった。
「フィオンの分とっといてあげればよかった…」
レイスが溜息をついているとフィオンが戻ってきた。
「ごめんごめん、モモンの実を探しに行ってたら時間かかっちゃった」
フィオンが申し訳なさそうに言うと、レイスは首を横に振りながら、
「私は大丈夫よ。ねぇ、フィオン。ピンク色でハート型をした木の実ってなんていう名前なの?」
その質問にフィオンは首をかしげる。
「ピンク色でハート型…?そんな木の実見たことないよ」
どうやらフィオンも知らないようだ。
「そっか…、さっきここに落ちてて、食べたら甘酸っぱくてすっごいおいしかったんだよ。
でも他に落ちてないし、木にも生ってないから…。なんで一個しか落ちてないんだろう?」
「うーん…、もしかしたら、誰かが落としたのかも知れないよ。ここを知ってるのは僕達だけじゃないから」
フィオンの言うとおりここは多くのポケモンが木の実を取りにくる場所。誰かが別の場所で取ってきたものが
落ちていたとしても不思議ではない。
「そうかもしれないね。また落としていってくれないかなぁ」
レイスは笑いながら言う。
「アハハ、だったら今度探しに行こうよ。そんなに遠くじゃないと思うから」
「そうね、今日は木の実も取れたし、住処に帰りましょうか」
二匹は笑いながら住処へと戻っていった。

43 :313系 ◆knbxk5J2CQ :2008/03/12(水) 02:09:02 ID:Dez/so9w0
住処に着くと、二匹は木の実の入ったかごを下ろし、一休みする。
木の実がたくさん入ったかごをずっと首に下げていると首が痛くなってしまうのだ。
「ふぅ、疲れたー。レイスは大丈夫?」
フィオンがレイスを見ると、レイスはなぜか返事をせず、しかもそわそわして落ち着きがなく、
ときどきもぞもぞと体を動かしている。
「レイス、大丈夫?」
気になったフィオンはもう一度レイスに呼びかける。
「ふぇ?あ、ああ…私は大丈夫よ…」
大丈夫と答えたレイスの顔は赤く、呼吸も荒かった。
「レイス、具合悪いんじゃない?熱でもあるんじゃ…」
フィオンはレイスに近づこうとするが、レイスは大丈夫だからと
言ってそれを拒む。だが息が荒く、顔の赤いポケモンを見れば誰だって心配になるだろう。
もちろんフィオンも例外ではない。
「大丈夫じゃないでしょ?ほら、おでこかして」
フィオンはレイスの体温を測るために自分のおでこをレイスのおでこに当てる。
その瞬間、フィオンの体が誰かに押し倒され仰向けにされた。フィオンは急なことに思わず目を閉じる。
その直後、フィオンの口に何かが触れる。驚いたフィオンが目を開くと、目の前にはレイスの顔があった。
「んうっ!?」
動揺するフィオンだが、レイスはフィオンの口腔内に舌を入れ、フィオンの舌や口の中を舐める。
いわゆるディープキスといわれるものだが、もちろんフィオンに経験などなく、ただただ動揺するばかりだ。
しばらくしてレイスは口を離す。その目はとろんとしている。
「フィオン…熱いよ…フィオンも一緒に熱くなって…」
その声はいつもの声とは違い、雄を興奮させる雌の色気を含んでいた。
フィオンはいつもと違うレイスに動揺していたが、
フィオンも雄であることに変わりはなく、未知の興奮にもまた動揺していた。
「ちょ、ちょっと待ってよレイス。さ、さっきからちょっと変だよ?」
フィオンはおどおどしながらレイスに言うが、当のレイスには聞こえていないようだ。

44 :313系 ◆knbxk5J2CQ :2008/03/12(水) 02:12:35 ID:Dez/so9w0
レイスは体を起こすとフィオンの下半身の方へと移動する。
フィオンもつられて下半身を見ると、
そこにはいつもより大きく膨張した雄の象徴であるフィオンのモノがあった。
フィオンは自分の体の変化に戸惑う。
「フィオンも興奮してくれてるんだ…、じゃあ…」
レイスはそう言うとフィオンのモノに舌を這わせた。それと同時にフィオンにすさまじい快感が突き抜ける。
「うあっ、れ、レイス…そんなとこ…舐めたら…き、汚い…よ」
フィオンは押し寄せる快感の中で言葉を搾り出す。
「汚くなんてないわ…、もっと気持ちよくさせてあげる…」
レイスはフィオンのモノを咥えこみ、舌を絡めながら顔を上下に動かし扱く。
チュプ…レロ…ジュプ、ジュプ…
「ひぁ…あ…あぁ…」
フィオンはあまりの気持ちよさに喘ぐことしかできない。
レイスは先端を舐めたり裏筋を舐めたりしてフィオンを追い詰めていく。
チロチロ…レロ…ジュプ…ペロペロ…
すると、フィオンにおしっこがしたいような感覚が沸き起こってくる。
「レイスっ…お、おしっこ…出ちゃうっ。口を…離し…てっ」
フィオンは喘ぎながらも限界が近いことをレイスに伝える。
レイスは返事こそしなかったが、待ってましたというように扱くスピードを上げる。
本能に抵抗するフィオンの理性をレイスの舌が徐々に崩壊させていく。
とどめにレイスはフィオンのモノを吸った。
チュッ、チュチュッチュチュチュチュ…
この激しいバキューム攻撃でフィオンは限界を超えた。
「ひぁぁああああ!」
フィオンのモノから白濁色の液体が放出される。
レイスはこくこくと喉を鳴らしながらそれを飲んでいく。放出が止まるとレイスはモノから口を離す。
フィオンはハアハアと息を荒げている。
「どうだった?」
レイスが口の周りについた白濁色の液体を手でぬぐいながらフィオンに話しかける。
「う、うん……初めての感覚だったけど…なんていうか…その…気持ち…よかった…」
フィオンは顔を真っ赤にしながら答える。
「よかった…、じゃあ今度は私も気持ちよくして…?」
「えっ…?」

45 :313系 ◆knbxk5J2CQ :2008/03/12(水) 02:18:10 ID:Dez/so9w0
レイスは仰向けに寝転がるとゆっくり足を開いた。そこには雌の象徴である
ピンクの割れ目が顔を覗かせていた。フィオンは目を背けようとするが、そこはやはり一匹の雄。
吸い寄せられるようにレイスに近寄っていく。
「…ど、どうすればいいの?」
フィオンは恥ずかしさのためかレイスと目を合わせないようにしながら言う。
「フィオンがしたいようにしてくれればいいよ」
レイスは特に恥じらいもなく答える。その場に立ち尽くして躊躇するフィオンだったが、
まるで糸が切れたように頭を下げるとその割れ目に舌を当てる。
ペチャ…
「ひゃんっ」
突然の刺激に思わず声を出してしまうレイス。予想以上の刺激だったようだ。
最初は舌で触れる程度だったフィオンだが、雄の本能か息を荒げ、
夢中で割れ目に沿って舌を這わせていく。
ペロペロ…ペチャ…
割れ目からは少しずつ愛液があふれ始め、
フィオンはそれもピチャピチャと音を立てながら舐め取っていく。
「ふぃ、フィオン…とっても…いいわ…もっと…」
レイスは喘ぎながら更なる快感を求める。フィオンはその言葉を聞くと
舌を割れ目の奥へと進めていく。両前足はレイスの胸を探り当て、揉んだり、乳首を弄んだりする。
「ひゃっ…ひぃぁぁ…」(フィオンが…まさか…こんなに…うまいなんて…)
フィオンが胸まで攻めてくるとは思っていなかったレイスは、その快感の波に溺れていく。
「あ…ああ…フィオン…イク…イッちゃうぅ!」
レイスは限界が近づいていた。フィオンにはイクの意味は分からなかったが、
さっきの自分と照らし合わせて限界が近いことを悟る。
フィオンは割れ目に口を当て、思いっきり吸った。
ジュルルルル…
「きゃああああああああ!」
レイスは悲鳴のような声を上げながら体を仰け反らせ、潮を吹いてぐったりしてしまった。
突然噴出した潮に驚くフィオンだが、口に入った潮の味が嫌な味ではなかったらしく、
そのまま飲んでいく。
「どうだった?」
フィオンは顔にかかった潮を手で拭いながらわざとレイスと同じ質問をする。
「…よかったわ…。フィオンが…ここまで…上手だとは思わなかった…」
レイスはまだ疲れているようで肩で息をしながら答える。
「なんか、夢中になっちゃってて…、初めてのことなのに、どこをどうしたらいいかとか、
その…どうすれば気持ちいいかとか…分かったんだよね…」
フィオンは自分がしていたことを振り返り、恥ずかしくなったのか顔を赤くする。
「雄の本能ってやつかしらね」
レイスは笑いながら言う。

46 :313系 ◆knbxk5J2CQ :2008/03/12(水) 02:21:24 ID:Dez/so9w0
「そうだn…っ!?」
フィオンの言葉は続かなかった。レイスに押し倒されていたからだ。
「じゃあ今度はどんなことをするのか…、本能で分かるかしら?」
レイスは自分の割れ目をフィオンのモノにあてがいながら言う。
「…そこに入れるってこと?」
「ご名答」
レイスはフィオンにキスするとゆっくりと腰を沈める。
ズププププ…
「んあっ、あああ」
「きゃん、はあぁん」
先端が入っただけで二匹は声を上げる。腰を落としていくと途中で何かに当たる。
レイスはそれを気にすることなく更に腰を落とし、
フィオンのモノが根本まで入るが結合部から血が垂れた。
「レイス、血、血!血が出てるよ!」
フィオンはそれを見るや否やあわてて叫ぶ。
「痛みはないからだいじょうぶ。心配しないで」
そういうと腰を上下に動かし始める。
ズプ…ジュプ…ジュプ…ジュプ…
住処の中にいやらしい音が響き渡る。
「んあっあっ」
「ひゃんっはあっはああ」
レイスはピストン運動のスピードを上げていく。
ズプ、ジュプ、ジュプ、ジュプ
そのスピードに比例して二匹の喘ぎ声も大きくなっていく。
「フィオン…はあ…気持ち…いい?」
レイスは息を荒げながら聞く。
「うんっあ…でも…もっと…速い方がっ…」
フィオンはそう言うと、自分の上に向かい合っているレイスの体を抱きしめ左へと移動させる。
フィオンがレイスの上に向かい合うようになり上下の立場が逆転する。世界が反転し、
レイスはしばらく状況が理解できなかったが、突然大きくなった快感に自分が
受けの立場にあるのだという現実にたどり着く。フィオンはさっきのレイスとは違い、
かなり速いペースで腰を振る。
ズプ、ジュプ、ジュプ、ジュプ、ジュプ、ジュプ、ジュプ、ジュプ、ジュプ…
もう完全に雄の本能で動いているようだ。押し寄せてくる快感の波にレイスは完全に溺れていた。
「ふぃ、フィオンっ!も、もう!…はあ、らめ!い、イッちゃううう!」
あまりの快感にしゃべるのもやっとのようだ。
「僕も…もう…出るっ!」
フィオンも押し寄せる快感に耐えながら叫ぶ。そしてレイスの一番奥を思いっきり突いた。
ズンッ!
「きゃああああああ!」
「うあっ…あああ…!」
二匹はその刺激で絶頂を迎える。二匹は強く抱き合い、レイスは体をビクビクと仰け反らせ、
フィオンはレイスの中に白濁色の液体を放出する。抱き合いながらフィオンはレイスにキスを求める。
レイスもそれに答え、互いに深いキスを交わす。口を離すと二匹の間に透明な橋がかかった。
フィオンの放出が終わり、フィオンはレイスの横に移動する。フィオンのモノが抜け、
割れ目からは白濁色の液体が漏れ出す。息が荒かった二匹だが、落ち着いてくると疲労感と睡魔に襲われる。
二匹はもう一度触れるだけのキスを交わすと、目を閉じ寝息をたて始める。その顔はとても幸せそうな笑顔だった。

47 :黒の熊洋@警邏活動中 ★:2008/03/12(水) 18:25:30 ID:???0
>>39-46
 待ってましたフィオン君とレイスちゃん。程よい濡れ具合ですね。(笑)
 レイスちゃんが食べた危ない木の実の正体が気になるところです。
 ところで、ノーマルスレに誤記入されているようですが良かったら消しておきましょうか?


48 :313系 ◆knbxk5J2CQ :2008/03/12(水) 20:29:33 ID:Qib2nYe+0
感想ありがとうございます。ただでさえ素人なのに
初のエロだったのでうまく書けているかどうか;
削除の件>すいません、よろしくおねがいします。

49 :黒の熊洋@警邏活動中 ★:2008/03/12(水) 21:27:06 ID:???0
>>48
無事削除完了しました。

>>素人なのに
気後れすることはありません。僕も含めてここにいるみんなはほぼ素人ですから。
自信を持っていきましょう。

50 :313系 ◆knbxk5J2CQ :2008/03/12(水) 22:13:28 ID:Tu3XGrlU0
削除ありがとうございました。
続きも頭のなかでは出来上がっているんですが
文章にするのに時間がかかるので
…気長にお待ちください。
次回は非エロ予定です。

51 :三月兎 ◆BOOST1aovo :2008/03/13(木) 02:09:55 ID:/gePmIeU0
>>48
初とは思えませんよ。わたしが初めて書いたときなんか全然ダメでしたから……
これからの活躍にも期待できそうです。


さて、わたしも長編を投下しますか。
全体的にエロシーンが少ないのが難点ですが。
というかこれから投稿する分はかなりレス消費する割にエロシーンがナッシングという内容ですが……

52 :三月兎 ◆BOOST1aovo :2008/03/13(木) 02:13:20 ID:/gePmIeU0
BOOST(リメイク版)
----------------------------
prologue  ―生誕―
----------------------------
 鬱蒼と生い繁る木々の合間にその施設はあった。

 昼なお暗いその場所に密かに存在する黒い世界を人々は知らない。

 外観は小さな研究所のそれだが、その本質は広大な地下施設にある。そこでは所謂“裏の世界”の研究者、科学者達が日夜研究に勤しんでいた。彼等はある秘密結社によってそこへ集められた者達であり“最強のポケモンの創造”を目的としていた。
 過去、その組織は世界征服を目論んでいた。“国家”という概念の存在しないこの世界では、全世界の統一は野心溢れる者達にとって至高の夢だ。
 ある者は独力で、またあるものは組織 包 (ぐる)みで世界をその手中に収めようとした。だが、その多くがそれを良しとしない者達の蜂起によって壊滅、もしくは衰退の一途を辿った。その組織も最初はそんな小さなものの一つに過ぎなかった。
 創設者のサカキはそのカリスマ性で心悪しき者達を魅了し、配下を続々と増やしてその力を強大な物にしていった。他組織の吸収合併によってそれは加速し、瞬く間にカントー地方にその名を轟かせる史上空前の大組織となる。
 大きくなりすぎたその組織に手を出せるものはもはや存在しない――そこまで言われた組織はしかし、たった一人の少年の前に壊滅することとなる。

 その後、秘密結社“ロケット団”の名は数年の内に世間に忘れ去られた。

 そう。忘れ去られるということは、事実上の消滅。雲隠れ。

 その残り火は、誰にも知られることなく、密かに。この密林で燻り続けていたのだ。

53 :三月兎 ◆BOOST1aovo :2008/03/13(木) 02:17:17 ID:/gePmIeU0
「四十八匹中二匹が生存! 心拍、脳波共に安定。各器官、正常に分化しています」
「おお……ついに……!」
 薄暗いこの部屋には巨大な試験管とでも呼ぶべき硝子の筒が乱立している。その一つ一つに、十数本の管に繋がれてイーブイが浮かんでいる。その光景は明らかに異常だ。
 硝子管の中にポケモンが浮かんでいるだけでも異質であるというのに。
 双頭のもの。細胞分裂が進まず発生過程で停止しているもの。前足が欠けているもの。その殆どは無惨にも原形を留めていない。
「ついに、“倍化”適応因子を発見したぞ!」
「イーブイ……現在わかっているだけで七方向への進化の分岐。その遺伝子は不安定で、あらゆる環境変化に対応することができる。新しい能力への適応にこれ以上の素材はない……
私達の読みは正しかったようですね」
 その地獄の中、嬉々として手を合わせ抱き合う者たち。皆一様に何かをやり遂げたあとの満足感に浸っている。狂気とはまさにこのことだろう。
「――適性のあるイーブイのシリアルナンバーは?」
「H-08、及びH-09。共に、両親はS-21のシャワーズと、N-40サンダース。双子です」
「全く同じ遺伝子を持つ二匹というわけか。イーブイの中に低比率で適性因子をもつものがいるということだな。もしこいつらが失敗作ならそのシャワーズとサンダースをもう一度交配させればよいだけの話……」
「失敗などあり得ませんよ。博士のデータでは正常発生しさえすれば解決すべき課題はもう見当たらないということだったのでしょう?」
「そうだといいがな。何が起こるかは最後までわからんよ」

 ふいに2匹の身体に繋がれた管が外れ、その身体が下部へと沈みこんでゆく。

「――とりあえずは……彼らの誕生を祝福しようか」

 燻っていた小さな炎――それは再び、世界を飲み込む業火となりつつあった。

54 :三月兎 ◆BOOST1aovo :2008/03/13(木) 02:20:32 ID:/gePmIeU0
=======================================================
◆BOOST◆ The First Volume 〜小さな恋と亡失の過去〜
=======================================================
***chapter.01 ―夕陽の丘―

 燃えるような茜色の空、夕陽を浴びて輝く101番道路。
 初秋の黄昏時、陽光は眩しく、しかし穏やかに降り注いでいる。

 その中を歩くのは、黒髪黒瞳の青年、そして彼に連れられたニューラと私――エネコロロのディアリス。
 既に人気はなく、辺りを包むのは秋の虫ポケモン達の声だけだ。

 ジョウト地方の旅を終えた私たちはヒワダタウン南の港を出発し、水の都アルトマーレを経てサイユウ島へ、
 そこから高速船で一気にカイナシティまで渡り、徒歩でここまで来た。

 そして今、あと少しでミシロタウンに到着しようかという所。
 舗装された道からやや離れた場所に、小高い丘が見えてきた。

 五年前と何も変わっていないわね……
 あれ? 丘の頂上に何か――

「誰かいるわ」
「ほんまや。ポケモンか?」
 ディアリスの言葉にジョウト西部特有の訛りで返したのは同い歳の雄のニューラ、ラーカだ。

 丘上の者は向かって左、西空を物憂げに見上げていた。
 体色は嘘みたいに綺麗なすみれ色で、尾は半ばから二又に割れている。

55 :三月兎 ◆BOOST1aovo :2008/03/13(木) 02:21:05 ID:/gePmIeU0
「……エーフィねぇ」
「お。 見たところ&ruby(おんな){牝}やな……歳は俺らと同じか少し下ぐらいか……」

 彼女の身体つきは同種の他個体と比べてもかなり華奢で、それを支える四肢もすらりと細長い。とはいえ貧弱には見えず――彼女の佇む姿は寧ろ一種の力強ささえ感じさせる。
 時折吹く涼風が彼女の美しい毛並みを撫でてゆく。毛先は斜陽を受けて煌き、その美貌をより幻想的なものにしている。
 非の打ち所のない、完璧なまでの造形美がそこにあった。
 一方で、まだあどけなさの残る顔立ちからは、未完である、という印象も受ける。
 いや、だからこその美しさなのかもしれない。その姿は典雅であり、同時に言いようもなく可憐だった。

「おい、なに立ち止まってんだ」
 主の声にディアリスは我に返る。
 丘上の光景に目を奪われ思わず立ち止まっていたのだ。ラーカも同じようだった。

 ディアリスたちは先を行く主人に駆け足で追いついた。
「あのエーフィがそんなに気になるのか?」
「だって……ねぇ」
「あんなカワイイ&ruby(こ){娘}、滅多におるもんやないで。ご主人にはわからんやろうけど」
「俺は人間なんだから仕方ないだろう」
 と、その黒瞳を丘上へと向ける。
「可愛い子、か……つまりなんだ、お前はあんな牝が好みなのか?」
「いや、俺はそんなつもりで&ruby(ゆ){言}うたんやなくて……」
「そうか。しかし残念だが、捕獲はできないぞ。ホウエン地方に野生のイーブイはいないから、九割方トレーナー付きだろうしな」
「だ、だからそんなつもりやないって……」

56 :三月兎 ◆BOOST1aovo :2008/03/13(木) 02:22:12 ID:/gePmIeU0
 不意に、強い風が草原を駆け抜けた。

 風に煽られたエーフィの飾り毛が彼女の細い面に掛かる。
 彼女はそれを払いのけるように目を閉じて首を振った。
 その時、エーフィが一瞬こちらに視線を向けた。
「っ……」
 ラーカの身体が硬直し、後向きに倒れそうになった。ディアリスがとっさに支えなければ本当に倒れていたかもしれない。
 彼はまだぼーっとしていて、エーフィのほうを見つめている。
 ――無理もないわね。あの薄青色の視線に射抜かれたらわたしだって…………彼女には性を問わず相手を魅了する何かがある。

 少なくともディアリスにはそう感じられた。

 ……ん? 薄青色? エーフィの目って濃紫色じゃなかったっけ?
 気のせいかな。

「どうした?」
 ご主人様が怪訝な表情でラーカを見遣る。

「な、何でもないって……お、着いたで。町や町。これがミシロタウンか。なんかワカバタウンによう似とんな。さあ、早よ行こ」
 ラーカは誤魔化すようにそう言うと、一足先にミシロタウンへと入って行った。

 ……一目惚れか。これで駄目だったら6連敗ね。

57 :三月兎 ◆BOOST1aovo :2008/03/13(木) 02:23:34 ID:/gePmIeU0
      ◇

 ……なに勘違いしてんだか。
 下りていって文句をつけてやろうかとも思ったが、ただの通りすがりにいちいち説明する必要もない。
 それに、自分が他人にどう見えるのかぐらい理解しているつもりだ。
 綺麗だとか可愛いとか。そんな歯の浮くような言葉、僕は求めていない。昔から。
 
 ただ強くありたいと願っていた幼少期。失った過去の闇の中、その想いだけは今でも強く輝いている。
 しかしその輝きも反射光に過ぎなかったのだろう。過去の闇を夜空とするならば、想いは銀色の月。
 僕を照らす光は、僕がより強く、より正確に、当てられた光と同じ光を反射することを望んでいた。
 ――――してみると、僕は月ではなく鏡だったのかもしれない。

 まぁ、どちらにしても。
 強くなりたい――その想いが僕自身の中から湧き出たものではないということは、今の僕がこんな場所にいる理由から明らかである。

「見ーつけた」
 と、背後からの声が僕――キスナローゼの思索を阻害する。
 首を巡らせると、優美な微笑みを称えたサーナイトが佇んでいた。

 優美? いやいや、気のせいだ。幻想だ。目の錯覚に違いない。
「クレシア……」
「やっぱりここにいたのね」
 クレシアはキスナローゼの隣に歩み寄った。

58 :三月兎 ◆BOOST1aovo :2008/03/13(木) 02:24:48 ID:/gePmIeU0
「さて、ここで問題。今は何の時間でしょう?」
 彼女は満面の笑みで、答えのわかりきった質問を投げかけてきた。
 面倒な戦闘訓練の時間だったのではないかと思わせる要素も少なくはない可能性も低くはないと言えるかもしれない気がしないでもないが……
「うーん、これは難問。ああ、難しすぎて僕の頭じゃわかんないよっ」
「キスナ。いい加減にしなさい。 これで何度目だと思ってるの?」
「十回ぐらい……?」
「百二十二回目。貴方がここに来て一年しか経っていないのよ? 半分ほどサボってるじゃない」
 よくそんな数字になるまでカウントできるね――なんて憎まれ口は飲み込んで、今日ぐらいは素直に謝ることにした。
「……僕が悪かったよ。以後気をつけます」
 キスナローゼの返答がそんなにも意外だったのだろうか、クレシアは一瞬硬直した。
「…………本当?」
「約束したことはきちんと守るよ」
 ちなみに、旅立ちは明後日の朝。明日は旅の準備が忙しいので訓練はなし。
 つまり。
「――って今日が最後の特訓、旅立ち前の最終調整じゃない!」
「そうだね」
「……あなたってひとは…………」
「いつも見ているこの夕陽も見納めだと思ってさ……」
 なんて、柄にもないことを呟いてみる。
 さすがに怒る気もなくなったのか、彼女はため息をついて呆れ顔でその場に座り込み、頭の後で手を組んで仰向けに寝転がった。

59 :三月兎 ◆BOOST1aovo :2008/03/13(木) 02:26:39 ID:/gePmIeU0
 そしてしばらくの沈黙。

 夕映えの凪に浮かぶ舟のような雲。朱すぎるほどに朱い太陽。
 ――どうして今まで気がつかなかったのだろう。
 今宵はこんなにも、夕陽がきれいだ。さっきは冗談のつもりだったけど、本当に見納めに相応しいぐらい。

「たまにはこういうのもいいかもね……」
 呟きは足元から。
 彼女もまたこの夕陽に魅了されてしまったのだろうか。
「うん。訓練なんか忘れて、ふたりでこうして夕陽を眺めて――」
「ふたりって何よ。わたしはそんなつもりは……」
「ん? だって周りに誰もいないんだからふたりはふたりでしょ。 何か問題ある?」
「べ、べつに何でもないわ!」
 クレシアはそのまま顔を背けてしまう。

 と。
「オホー! スゲェ上玉だ!」
 静寂を打ち壊したのは額に斬り傷のあるグラエナだった。
 いつの間にやらキスナローゼたちは丘を登ってきたグラエナとポチエナの群れに囲まれていたらしい。

「なっ……」
キスナローゼとクレシアは慌てて立ち上がった。

「ン? 片方は見たことのねぇ種族だな? おい、誰か知ってるか?」
 並みの一・五倍ほどの巨躯を誇る先ほどのグラエナが取り巻きの者たちに訊ねた。
 恐らくはキスナローゼのことを言っているのだろう。
「はい。エーフィって種族だと思われます。人間がこの辺りに連れてきたものとみて間違いありません。エスパータイプですから、俺たちには格好の獲物ですぜ」
 一匹のポチエナが答える。
「ホォ。人間……ってことは、トレーナー持ちか。ま、どっちでもいいや。上玉に変わりはねぇ。
今夜の相手はこいつに決まりだな。ついでにそっちのサーナイトもいただいちまおうか」
「ちょ、ボス。俺にもエーフィを分けてくださいよぉ」
「……しゃあねぇなあ。オレは部下想いだからな。皆でマワすとすっか」
 ボスの言葉に歓声を上げる取り巻きたち。獲らぬジグザグマの皮算用もいいとこだ。
「さぁて、お嬢さん方。抵抗するならちょっと痛ぇのは覚悟してもらうぜぇ! 嫌なら大人しくオレたちの巣について来るんだな」
 リーダー格のグラエナがキスナローゼを睨みつけた。

 野生の群れごときにびびったりはしないけどね。

60 :三月兎 ◆BOOST1aovo :2008/03/13(木) 02:29:05 ID:/gePmIeU0
    ◇

 本日二回目。勘違いも甚だしい。
 キスナローゼ達を取り囲む莫迦十数頭は勝ち誇ったような笑みを浮かべながらじりじりと輪を縮めてくる。何かを期待するような輝きを瞳に宿して。
「うふふふふふ。きみたちさぁ、野性なのに視力低いんだね。そんなのでどうやって厳しい自然の中を生きていくのさ?」
「ハァ?」
「きみたちの目が節穴だって言ってるわけ」
「ンだとォ? 生意気なネェチャンだなオイ。こんな状況ででけェ口叩けるたァいい根性してやがるじゃねェか。だがオレァそういう女も好――」
 瞬間、ボスの身体がはじけるようにして遥か後方へと吹き飛んだ。どうやら時間稼ぎは成功したようだ。横を見れば、七色の光を眼に宿したクレシアが右の掌を翳していた。それはミラクル・アイによる光なのだが――
 ――怒っているように見えるのは気のせいだろうか。

「わたしがこの仔のついでですって? 冗談もほどほどにしておきなさい」
 ……やっぱり怒っているみたい。
「この仔はオトコのコなんだから」
 ポチエナとグラエナの群れが後退した。それはボスを一瞬にして地に沈めたクレシアへの畏怖か、はたまたキスナローゼの容姿に騙されたことへの驚きか。
「覚悟はよろしくて?」
 数本の光の筋が高く掲げられたクレシアの右手を這い上がる。七色の光の蛇は彼女の掌の上で束となって鎌首を擡げた。
「よ、よろしくありませんっ!」
「そう。じゃあすぐに覚悟を決めなさい」
 クレシアは掌を天にかざしたままサイケ光線を撃ち放った。
 打ち上げられた光の筋は花火の如く上空で散開し、イトマルの仔を散らすように逃げ去ろうとするグラエナ軍団へと襲い掛かった。

61 :三月兎 ◆BOOST1aovo :2008/03/13(木) 02:33:17 ID:/gePmIeU0
      ◇

「クレシア……あそこまでやらなくてもよかったんじゃない?」
「ああいうのはね。徹底的にやらないと更生しないのよ。野生だからって何でもしていいわけじゃないわ」
「はいはい。野生だからってフルボッコにしていいわけじゃないの」
 ご主人さまは半ば呆れ顔で言いながら紅茶を運んでくる。夕食後のひととき、キスナローゼたちはテレビを観ながらのティータイムを過ごしていた。
 夕方の一戦は結局、迎えに来たご主人様がクレシアを止める形で決着がついた。もしご主人さまが来るのがあと少し遅かったら、あの群れの悉くが打ち倒されていたに違いない。一つの群れがミシロタウン周辺から消えることになっていた。
「はい、キスナ」
 ご主人様は紅茶の入った深めの皿を目のキスナローゼの前に置いた。杏の甘酸っぱい香りがふわりと広がる。
「アプリコット……だっけ」
「へぇ、覚えたんだ」
「覚えてもキスナに味は分からないでしょ。キスナはいつも砂糖をバカみたいに入れるんだから。それに加えて猫舌だし」
 何かにつけて皮肉るのを怠らないきみの性格も何とかならないのかな。
「人間とは味覚が違うんだよ」
「わたしはポケモンだけど」
「だからきみがヘンなの!」
「貴方が子供なだけよ」
「なにっ……ぼ、僕のどこが子供だってんだ! 言ってみろっ!」
「そこ」
 クレシアは目を閉じたまま紅茶を一口飲み、ふう、とため息をついた。
 そういう所作が鼻につくんだ。子供の言うことなど取り合わないとでも言わんばかりのその態度が。

 立腹したキスナローゼが一歩詰め寄ろうとしたその時だった。

62 :三月兎 ◆BOOST1aovo :2008/03/13(木) 02:35:21 ID:/gePmIeU0
「ほら、喧嘩しないの」
 ソファに座っていたご主人がキスナローゼをさっと抱き上げて膝の上に乗せた。
 そうして優しく頭を撫でてくれて――
 ――――って冗談じゃない! これじゃまるっきり子供じゃないか!
 みろ、クレシアだって鼻で笑って…………
 ――ないや。
「わたしにもそうして膝の上に乗せてもらった頃があったわね……」
 彼女は普段見せないような寂しげな表情でそう呟いた。クレシアにもそんな時代があったらしい。
「キスナを拾う前かな。あなたまだキルリアだったもんね」
「ご主人さま。それを言うなら僕だって進化したよ? もうイーブイじゃないんだから……重くないの?」
「ポケモントレーナーの旅はほとんど徒歩なのよ。足は鍛えてるからキスナを乗せるぐらい全然平気よ。二十キロちょっとでしょ?」
「エーフィにしては細いわね。そんなのでこれから先大丈夫なのかしら」
「仕方ないだろ…………太ってるよりはいいじゃないか」
 ところで、鍛えているなどと言うわりにはご主人様の腿はずいぶん柔らかい。こちらも不安だ。筋肉痛になったりしなければいいんだけど。
『では次のニュース……』
 テレビには夜のニュース番組が映し出されている。
『最近、ホウエン地方で多発しているポケモン襲撃事件ですが、また新たな事件が発生しました。またしても前回との共通点はなく、偶発的な連続事件であるとの見方が強まり……』
「怖いわね。私達も気をつけなきゃ……キスナやクレシアは可愛いから狙われちゃうかもー」
「親バカはやめてよ」
 と、テレビ画面が切り替わって黒い背景に椅子に座った人間の下半身がぼやけて映った。テロップには“被害を受けた女性(22)”とあり、流れてきた声は機械音のような声だ。
ご主人様によるとこれは変声機みたいなもので音声を変えているらしい。
『私のシャル……シャワーズがね。突然現れた変なブラッキーに襲われたんです。何が変って、ブラッキーって普通赤い目をしているじゃないですか。そのブラッキーの目はぼうっと
光るオレンジ色だったんです。身体の色は普通のブラッキーと同じだったから色違いではなかったと思います。見間違えたという可能性もありますけど……』
 オレンジ色の目? 随分変わったブラッキーだ。
 キスナローゼもひとのことを言えた義理ではないが。

63 :三月兎 ◆BOOST1aovo :2008/03/13(木) 02:36:41 ID:/gePmIeU0
「本当だったら珍しいわね。私にもそんなポケモンがいたらなぁ」
「貴女の膝の上のそれは何?」
「ん? あ、そういえばキスナも変わった目の色してたんだ。忘れてた」
 キスナローゼの飾り毛を弄びながらさらりと答えるご主人さま。結構重要なことだと思うんだけどな。人間が同種のポケモンの外見を見分けるのってすごく難しいらしいし。そういう特徴って忘れちゃダメでしょ。
「エーフィもイーブイもこの辺では全然見かけないんだもん。蒼いのが普通になっちゃってたわ」

 自分の蒼い目の由来は知らない。生まれつき蒼かったのか後天的なものなのか。まぁ目の色が違うからって何か特殊な能力があるわけでもないし、ご主人さまの言うように比べる対象がないのだからそう珍しがられることもない。さほど気にすることではないだろう。
 強いて言えば、旅先で両親や兄弟姉妹を見つけやすいということだろうか。色違いでもなく目だけが蒼いポケモンがいたら、キスナローゼと血のつながりがある可能性が高い。

『……シャワーズが言ってたんですけどね。そのブラッキーが私たちの前に現れたとき、ポケモンの言葉で呟いたそうです。“違うとわかっているのにこんなことをしても意味がない”とか…………よくわからないけど、ポケモンの言葉ってことは野生だったんでしょうか』
 テレビではまださっきのニュースが続いている。こんどは画面がまた切り替わってスタジオが映された。キャスターらしき人物が重々しく口を開く。
『今回の襲撃者はブラッキーだということで。やはり何か目的があっての行動なのか……そもそも一連の襲撃事件には何らかの関連性があるのか。謎は深まるばかりです』
「“今回の”ってさ……前は違ったの?」

64 :三月兎 ◆BOOST1aovo :2008/03/13(木) 02:39:43 ID:/gePmIeU0
「うーん……確か、まだ一度も同じポケモンは目撃されていないみたいよ? この前はゲンガーだったかな。ホウエンには生息していない種族ってところは同じだけど」
「つまりカントーやジョウトから来た人間がポケモンに命じて何かをやらせている可能性はあるわけね」
「でも結局何も盗らないし止めも刺さないまま逃げちゃうんでしょ? 人間ってよくわからないなぁ」
「もう、まだ人間が何かやってると決まったわけじゃないでしょ。それにね、私たち人間にはあなた達ポケモンのことのほうがわからないことだらけなんだから」
 ポケモンのこと。
 人間にはよくわからないこと。

 潜在する力? 自衛以上の戦闘能力?

 人間にはわからない?
 ……だから人間はポケモンを研究するのだ。もっとも――大抵の研究者は実利を重視し研究というものの本質を忘れてしまった莫迦ばかりだがね。そこへくると我々
裏の世界の者というのはまさに純粋なる研究者なのだ。研究の目的は唯一つ。知的好奇心を満たすこと。……私が追い求めるのもそんな知的好奇心を満たす物の一つ。
ポケモンの戦闘能力。そう、君は私の……

 どこか暗いところで、深い深い闇の底で、いつだったかそんな話を聞いた気がした。

---------------------------------------------------------------------
これで第一章は終わりです。
……しかしレス消費激しすぎですね。今度からはもう少し細かく分けて投稿します。

65 :三月兎 ◆BOOST1aovo :2008/03/13(木) 02:40:24 ID:/gePmIeU0
そういえば、最初のほうWikiプラグイン抜くの忘れてたorz

66 :パウス ◆cFhbfcNzdA :2008/03/13(木) 19:00:06 ID:JpQQYhao0
>>52-64
登場人物(?)達の心理状況の表し方が素晴らしく上手いです。
このくらい書ける様になるにはもう少し努力が必要かな・・・・

67 :パウス ◆cFhbfcNzdA :2008/03/15(土) 23:40:14 ID:jiKVOmro0
〜Story34〜  ―小柄な好敵手 トルマリン―

「しっかし、何でお前ここに居るんだよ。」
ミランは腕を組み、ご主人に視線を向ける。ご主人は返答を躊躇って俯いた。
躊躇った理由はよく分かる。何故なら―――
「・・・・・道に・・・迷った・・・・。」
ご主人がまだ躊躇いがちに呟くと、ミランはむせるほど勢い良く吹き出した。
「はっははははは!!迷った!?マジで!?だっせぇぇーー!!」
ここが屋内なら転げまわっていただろうと思わせるほど激しく笑うミランを前にして、ご主人は背中のリュックの中に手をまわす。
―――そして

凄まじい音と共にミランの無防備な頭に叩きつけられたのは白い画用紙で作ったお手製のハリセンだ。
「痛ってぇぇぇええ!!?」
予想外の攻撃にミランは頭を抱えて痛がった。このご主人の必殺技がどれほど強烈だったかはミランを見ればよく分かる。
「てめぇ・・・どっからそんなもんを。」
「・・・・こんなこともあろうかとリュックに忍ばせておいた。人の素を嘲笑いやがって・・・・」
「だってよぉ、迷っただなんてダサくねぇか?」
ご主人は天高くハリセンを持った方の腕を上げた。
「わーーーーー!分かった分かったごめん!謝るから許せぇ!!」


68 :パウス ◆cFhbfcNzdA :2008/03/15(土) 23:40:35 ID:jiKVOmro0
「・・・で、お前は何をしてたんだ?」
「あぁ、この辺の野生のポケモンを捕まえようとしてたんだけど・・・」
まだ不機嫌そうに言うご主人だが、ミランはもうすでに気にしていない様子だった。
まぁ、それもいつものことだ。ご主人は冷静だがミランの前だと何かと熱くなりやすくなる。
何故なのか分からないが、恐らくご主人なりに気を柔らかくしているのだろうと思う。
ご主人はそんなことは微塵にも思っていないかもしれないが、本当のことは分からないのでとりあえずプラスに考えてみる。
「トルマリンが逃げたポケモンを深追いしてどっか行っちまって探してたんだよ。」
トルマリンというのはミランといつも一緒にいるポケモンで、俺達との仲も深い。
ただ少し自分勝手なところがあり、それがミランを無視して深追いした理由だろう。
「ちょっと待ってろ。すぐに連れてくるから・・・。」
そう言ってミランは草むらの中に消えていった。

ミランが居なくなって一気に静かになった空気の中、現在表に出ているリチアがご主人を見上げた。
「なぁ・・・・あいつ誰だ?」
ご主人はリチアを見下ろした後、今更リチアに説明してなかった事を思い出した様に顔を上げた。
「あいつは俺の幼馴染で、ミランって言うんだ。」
「ふぅ〜ん・・・」
リチアは納得した様に見えてまだ信用しきれていない様子だった。無理も無い、つい最近まで人間に利用されてきたのだから。
ご主人さえも信用しているのかどうか怪しいものだ。
「大丈夫大丈夫。ミランは良い奴だからさ、そんなに警戒しなくても良いって。」
ミランの信用を裏付けようとジェオードがリチアに微笑む。
リチアは「あぁ」と頷いたものの、まだどこかで警戒しているだろう。だがそれは仕方の無いことだと諦めた。


69 :パウス ◆cFhbfcNzdA :2008/03/15(土) 23:41:01 ID:jiKVOmro0
それから数分経ってようやくミランが戻ってきた。―――一匹のヨーギラスを連れて。
「よう。久しぶりだな。」
このヨーギラスこそさっきミランが言っていたトルマリン。ミランの膝くらいまでしかない小柄な体型の癖に俺やジェオードと同い年だ。
だがそれはヨーギラスという種族上、仕方の無いことだった。
「それじゃあ、久しぶりに・・・」
「やるか?」
ご主人とミランが向き合って頷き合う。そしてこっちに目を向けた。
この二人が“やる”ことと言ったら・・・やはりポケモンバトルだろう。
好戦的と自覚している俺とジェオードにとっては嬉しいことだ。
「誰がやるか?」
「はーい!私私!!」
ジェオードが超速で前足を上げてアピールするので、俺はそれを押しのけてアピールした。
「いやっ、ここは俺だろ!!」
「ちょっと!あんた何・・って羽根が当たって痛いんだけどぉ!?」
無理矢理押しのけている時に、高速で羽ばたかしている羽がジェオードの背中に叩きつけられていた。―――勿論わざとだ。
「・・・・なぁ、たまには俺にも選ばせろよ。」
そんな俺とジェオードの争いに呆れながら、トルマリンは冷静に言い放つ。
そういえばいつもトルマリンと戦う時には俺とジェオードの争いが必然的に起こってい気がする。
トルマリンに選択権など与えていなかった。


70 :パウス ◆cFhbfcNzdA :2008/03/15(土) 23:42:17 ID:jiKVOmro0
仕方が無いのでお互い、アピールタイムを終了させるとトルマリンが視線を動かし始めた。
俺、ジェオード・・・・そしてメノウに視線が言ったところで口を開く。
「よし、じゃあメノウで。」
さっきからずっと上の空だったメノウはビクッと反応した。全く話を聞いていなかったらしい。
そういえばさっきから一回も発言していない。
ミランとトルマリンを見て、ようやく今の話題が解ったようだ。
「いや・・・・僕はいいや。何か気分じゃないし・・・。」
そう言って苦笑すると、また空を仰いだ。
メノウが断るのは意外だったがとりあえず今はどうでもいい。
不本意そうだったがトルマリンは食い下がらなかった。また視線を動かし始める。
そして今度はリチアを捉え、暫く見た後首をかしげた。
「あんた誰?」
内心どきっとした。誰と聞かれても本当の事を言う訳にもいかない。
「・・・・こいつは新しい仲間だよ。旅立ってすぐに出会ったんだ。」
余計なことは一切喋らずにご主人は“仲間”で片付けた。間違ってはいないのだが少し特別な仲間だ、ということはミランもトルマリンも知る由も無い。
案外今の説明で納得したらしく、トルマリンは「成程」と頷いた。
「じゃあ、実力の程をしるためにも・・・今日はあんたとバトルだ。」
びしっと指差されたリチアはにやりと笑った。
「いいだろう、オレも少し運動したかったんだ。」
こうなってしまっては口を挟めない。リチアとトルマリンの戦いに決定してしまった。
だがリチアの戦いはまだ見たことが無かったため、これはこれでわくわくする。

俺達はお互いに距離をとり、リチアとトルマリンはそれぞれ前に立った。
二匹が対峙し、構えたのを確認すると、審判役のご主人(何故かいつも審判役を押し付けられる)が腕を勢い良く上げた。
「それじゃあ・・・・戦闘開始!!」

―――――――――――――――

パソが使えるときに急いで書いてたので少し雑かな・・・っと思います。

71 :舞無 ◆ooST1Ox9tc :2008/03/16(日) 01:52:16 ID:+jO+TfvI0
初期板の頃からROM専でしたが、色々ネタが浮かんだので初投稿してみます。

誤字脱字はよくある事なんだ。うんそこは目をつぶってもらえるとうれしいんだ。


72 :舞無 ◆ooST1Ox9tc :2008/03/16(日) 01:52:49 ID:+jO+TfvI0
ACT 00  人とポケモンと

その日は仕事が遅くなるため私は同僚と帰りに近くの屋台に行き、夕食を取る事にした。
タマムシシティの夜は非常に賑やかである。ロケットゲームコーナーとタマムシ巨大デパートがオープンしてからは夜も人通りが絶えない。
そして、犯罪も多い…。犯罪に関してはジュンサーに任せるしかないが、もう一つ人が多くなってから増えた事がある。
「先輩、あそこの屋台に行きましょう、俺の友人がここの屋台はうまいって教えてくれたんスよ!」
私は後輩に腕を引かれゲームコーナーの近くに屋台を構えていた店へと向かった。その店はラーメンという赤いノレンを掲げ
椅子に座るとトリガラを煮込んだスープの入った鍋から、私の空になった胃に食欲を呼び込む香りを出していた。
「おっちゃん、ラーメン二つよろしく!」
後輩の注文を受けたおじさんは、「あいよ」と言うなりラーメンを作り始める。その間に私達は書類の確認をする等の事務的な会話をする。
数分程話が続いた所で、ラーメンが出来上がり、私の前に器が置かれる。
「お嬢さん若いね〜、どこにつとめてんの?」
「シルフカンパニーのタマムシ支部に勤めてるんスよ俺ら」
後輩が横槍を入れてさえぎる。私は軽く後輩の横腹をひじでつつく、その様子を見ていたおじさんは軽く笑うと私達と世間話をし始める。
私が丁度ラーメンの麺を食べ終えたぐらいだろうか…ふと、屋台の後ろを覗くと一匹の野生のポケモンが倒れたごみ箱を静かにあさっていた。
そう、このタマムシで増えたもう一つの事は野生のポケモンの事である。私達人間の食べ残しを狙い、最近では野生のポケモンがこの街に多く生息してしまったのである。
私が見たところ、ゴミあさりをしていたポケモンはあまり見かけないポケモンだった。しかし、私はポケモントレーナーではないし、家には私の大事なポケモンが親と居る。
私は静かに後輩にゴミ漁りをしているポケモンの事を尋ねた。
「ああ、珍しいっスね〜あれイーブイっていうかなりレアなポケモンっすよ…モンスターボール持ってくればよかったな〜」
後輩が大声で悔しがると、屋台の店主はゴミ箱の方を向きゴミ漁りをしているポケモンの方へと向かっていった。
「ゴラァ!!このごく潰し共!とっとと失せやがれ!」
店主の大声を聞いたポケモンは潤んだ瞳を一瞬だけ私の方へ輝かせそのまま漆黒の闇へと消えてしまった…。


73 :舞無 ◆ooST1Ox9tc :2008/03/16(日) 01:53:22 ID:+jO+TfvI0
「ハァ…ハァ…ハァ…」
闇の中を疾走する一匹のポケモンがいた。そのポケモンはつい先ほどまで、赤いノレンを掲げていた屋台の近くのゴミ箱で今日の糧を探していた。
そのポケモンはしばらく走り続けると、一匹のポチエナの近くで足を止めその場にへたりこむ。
「ごめん…人間に見つかっちゃった…」
「そうか…まあ仕方ないさ…少ししか残ってないが、俺のを食べろよ」
ポチエナから渡されたのは、人間の食べ残し。これがこのタマムシシティで生きる野生のポケモンの食事…。
「ありがとう…その…私ドジでごめんね…」
「だから俺と言えよ…最近は山の方から強い連中がこっちに来たって聞いたんだ…俺らみたいな弱いポケモンは捕まったらそのままお陀仏だぜ?
だからこそ、少しでも強く見せるため俺と言わなきゃいけないんだ!」
「僕、じゃダメ?」
頭を少し傾けて尋ねるイーブイ、ポチエナは半分呆れながら「僕も駄目だ」と答える。
「それよりも早く食っちまえよ…飯のにおいってのは他の連中を呼び寄せるんだ」
ポチエナに言われたとおりに、渡されたジャンクフードを頬張るイーブイ、腹はたいして満たされなかったが、少しでも食事にありつけるだけましである。
食事が終った事を確認したポチエナは、イーブイを連れその場から足早に去る。先ほども挙げた通り最近ここらは物騒なのだ。
食事によって飯の匂いが残った場所に留まっては命がいくつあっても足りない…。弱肉強食という世界は辛いものである…。
「イーブイ大丈夫か?食ってすぐ走ると横っ腹が痛くなるからな…」
「大丈夫だよ、空腹の方が勝ってるから…」
「俺もだ…アハハハ」
二人で笑いながら路地を走る。もう少し走ると小さな十字路に出る。その十字路を右に曲がれば自分達がいつも寝床にしている場所があった。
その寝床はビルの中にあるのだが、欠陥工事をされたらしく、壁に穴があいている。その穴から中に入れば寝床へと到達である。
だが、その十字路へと向かう前に一つの難所があった。人間の通る道である。
比較的小さな通路なのだが人間の往来が多く、下手をすれば踏まれる危険性がある。もし踏まれれば人間達の言う病院という所に行かなければ助からないだろう。
それ故にポチエナ達はその通路を通る時に最大限の注意を払っている。辛うじて街灯があるものの、夜の闇の中ではポチエナ達のような小さなポケモンを発見しにくいのである。
「よし…ついたぞ…ここを越えればもうすぐだ!」
「いつもながらここを通るのは緊張するね…」

74 :舞無 ◆ooST1Ox9tc :2008/03/16(日) 01:53:51 ID:+jO+TfvI0
ポチエナは小さく頷くと顔を少しだし、周囲を見渡しすぐに顔を引っ込める。
「珍しく人が通ってないぞ…なんか通行止めとかいう赤く光る看板があるだけだ!」
通路へと出ると、ポチエナの言うとおり赤く光る看板がたしかにあった。その看板は通路の先にも置いてあり。看板の近くにはオレンジと黒のまじったフェンスが大量に設置されていた。
「やったね!今日は僕…俺達ついてるね!!」
ポチエナ達はそのまま一直線に通路を横切ると、人間の通れそうにない建物と建物の隙間へと入っていく。
この先には特に危ない場所はなく隙間に出来た十字路だけである。十字路の西は草の良い香りが漂う人間の女の集まる建物の近くへと出る。
十字路の南はポチエナ達が来た道、東は目的地だが行き止まりでもある。北は人間達の通路へとつながる。
その十字路へと差し掛かった時、突然ポチエナが足を止め辺りのにおいをかぎ始める。
「やばい…俺達の寝床の近くに誰かいる…いままで嗅いだ事のないにおいを持ってる奴が…」
においの主を確かめるためにポチエナはイーブイに後ろの安全を確認させながら、東の通路をそっと覗く…。
そこには自分の進化した姿でらるグラエナと黒く鋭い角と白い毛を持った見慣れないポケモンが会話をしていた。
「おい…お前ら誰だ!?」
突然左側から声がし、振り向くポチエナ。そしてそのままポチエナは言葉を失ってしまう。
目の前にいたのは体毛が金色をしたグラエナであったからだ。そのグラエナの後ろにはデルビルが数匹控えている。
「俺達は…ここの近くに住んでるポケモンさ…あんたたちに危害を加えるつもりはないよ…」
「ふぅん…別に俺はお前達が俺達に危害を与えられる器だとは思っていない…」
ポチエナとグラエナが会話をしていると、イーブイがポチエナの尻尾を軽くひっぱり、後ろにも数匹知らないポケモンが来てると小さく告げる。
その情報を受け取ったポチエナは小さく身震いをする。もし…もしもこの場で襲われたらほぼ逃げ道がないに等しい状況である。
「それじゃあ…俺達はこれで…」
「まあ待て…少し聞きたい事がある…最近俺達は肉を食っていない…いい所がないか知らないか?」
グラエナの質問に少し考え込むポチエナ、数秒程考えた所でポチエナはハッとした表情をする。
「えーと…お肉ならゲームコーナーの近くに焼肉屋があるからそこで食べれるんじゃないかな?」
ポチエナの隣に現れたイーブイがグラエナに丁寧に説明をし始める。その説明を遮るようにポチエナがイーブイの手を引っ張り十字路の北へと全速力で向かう。

75 :舞無 ◆ooST1Ox9tc :2008/03/16(日) 01:54:09 ID:+jO+TfvI0
「ど…どうして走るの?」
「馬鹿!肉を食いたいってのは俺達を食いたいって事だよ!早く走らないと殺されるぞ!!!」
ポチエナの言うとおりだった。後ろからは数匹のデルビルが唸り声をあげて追いかけてきた。さらにその後ろからは金色でない方のグラエナと角を持った白いポケモンが後を追っている。
「人間のいる場所にいけば奴らは追ってこない!!全速力でいくぞ!!」
ポチエナの後を追うように走るイーブイ…しかし、その二人とデルビル達との距離は徐々に狭まっていった。
北の路地の欠点は人間達の通る道へ出る以外の道はない、もし横道があればそれを二人は利用して彼らを撒こうと考えるが、生憎一本道である。
ポチエナは今日という日を呪いながらひたすら走り続ける。それにイーブイも続き走り続ける。
「見えた!!人間達の通路だ!急げイーぶっ!!?」
突然上からの強烈な圧迫で倒れるポチエナ。そのポチエナの上には角を持った白いポケモンが爪を立て乗っかっている。
「逃げろイーブイ!!俺の事はかまうな!!!」
ポチエナの声を聞いたイーブイは、何かを言おうと口を開くが、ポチエナの「馬鹿!!」という言葉に遮られ、通路へ向かって走り出す。
「逃がすか!!」
ポチエナの背中に乗っかっていたポケモンは今度はイーブイめがけて飛びあがるが、咄嗟の所でポチエナに足に噛みつかれ地面へと落ちる。
「イーブイ…がんばれよ…」
後から追い付いたデルビル達に体を噛みつかれながら、ポチエナは光の方へと駆けていくイーブイを霞む瞳で見送る…。
ポチエナの援助によって人間達の通路へと出たイーブイはすぐにあたりを見回す。そして目に飛び込んできたトラックの荷台へとすぐに駆けこむ。
イーブイが乗り込むと同時に、トラックのドアが閉まる音がし、トラックのエンジンがかかり走り出す。
荷台からそっと顔を出すと、遠くの方であたりを見回す白いポケモンとグラエナの姿を見ることができた…。
そして真赤に染まったポチエナを咥えた金色のグラエナ…。
ポチエナの姿を見たその瞳からはポロポロと水の粒がこぼれ出す。それと同時にポチエナと一緒にいた記憶が走馬灯のように駆け巡る。

76 :舞無 ◆ooST1Ox9tc :2008/03/16(日) 01:54:39 ID:+jO+TfvI0
イーブイはとある人間の家で孵化し育てられたポケモンであった。物心がついた頃にその家は火災にあい、イーブイは飼い主と離れ離れになった。
あたりを彷徨い、空腹で倒れた時に助けてくれたのはポチエナであった。
この街の今の現状、この街で生きていく方法、自分の身を守る方法…。なにもかも彼に教えてもらった。
そしてイーブイはなにもかも失った。大好きだったポチエナ。人生の先輩として沢山の知識を教えてくれたポチエナ。
イーブイにとってポチエナは全てだった。彼が居ればこの街で望む事は何一つなかった。
頭を垂れ、ポチエナと過ごしたタマムシシティの思いでに浸るイーブイ、そのイーブイの心の中を現したかのように、雷鳴と共に雨が降り注ぐ。
「ポチエナさん…ぼ……俺は…貴方に助けてもらったこの命で貴方の分も生き続けます…」
離れゆくタマムシの地に向かって叫ぶイーブイ…その叫び声は雨によって脆くもかき消されていった。

あの時リアルが向こうから会いに来たんだ…。ぼくらの存在はこんなちっぽけでこんなに脆くて…。井の中の蛙でいた自分達を笑いにきたんだ…。
この世界で生きる大勢の生命の中の塵のような一つだと…。
無意識の内に僕達は、私達は歩きだしたんだ…。リアル(現実)へ向かって…。
歩きだした僕達、私達の代わりは誰もいないんだ…。この手で…この足で終わらせる事しかできない…。
僕達、私達は止まる事のできないからくり人形…。そして…僕達、私達は………静かに消えていくのだろうか…。
いつか気づくだろう…ぼくらは…私たちは…止まる事のできないからくり人形だと…。己のために他人を巻き込む存在だと…。

いまの俺には理解できない…。     無印     人生とは名も無き物語である。『カントー四天王キクコ』

77 :舞無 ◆ooST1Ox9tc :2008/03/16(日) 01:58:41 ID:+jO+TfvI0
ぼやき

『』になんか見覚えある名前がでていますが。
本物はこんな事まず言いません。適当に書いてます。

ちなみにこの話の題名は最後に書いてある無印です。
こった名前よりいっそなにも無くていいじゃないかという気持ちで…

最後の方の奴はこの物語のテーマとでも思ってくだしあ。

78 :◆l6n6KwrMic :2008/03/16(日) 22:45:04 ID:/QcJD57M0
皆さん始めまして、亮です。
これからお世話になります。
よろしくお願いします

79 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/17(月) 23:40:33 ID:8J9vmBD20
グラエナの色違いというのは、やはり金毛だったのか。
金色か茶色か悩んでた。

80 :舞無 ◆ooST1Ox9tc :2008/03/18(火) 02:37:09 ID:T/lBTbtA0
グラエナは背中は焦げ茶っぽい色してますが顔や胸あたりは金色に近い色してますね。
ポチエナはほとんど金色してますがw
色が変わると結構気持ち悪くなる奴いて大いに困るorz

81 :舞無 ◆ooST1Ox9tc :2008/03/18(火) 02:38:18 ID:T/lBTbtA0
ACT 01  三人と一匹の旅立ち

トラックがたどり着いた場所はマサラタウンという場所だった。トラックのドアが開き、人間の男が荷台に上がりこみ荷物を抱えて荷台を降りていく。
その後に続くようにイーブイも荷台を降り、タマムシとは違った。のどかで草木のよい香りのする空気を体に感じる。
家の数も少なく、地面は舗装されてない土のまま。野生のポケモン達も人間と仲良く戯れている。一言で言えば平和だった。
「レッドさん宛てに荷物でーす!」
トラックを運転していた不精髭の男は一軒の二階建ての家のドアを叩きながら叫んでいた。その内にドアが開き中からエプロンをした女性が現れる。
「ありがとうございます。ハンコはここでいいですか?」
「はい、ありがとうございます!!」
男は軽く会釈をすると。トラックに乗り込みマサラタウンから去っていく。
「レッドーー!!注文した荷物が届いたわよ!!それと隣のオーキド博士がレッドに頼みごとだってさーー!!!」
エプロンをした女性は大声をあげながらドアを閉める。それと同時にドアごしに階段を急いで降りる音が聞こえてくる。
一体どんな人が出てくるのだろうか、イーブイは胸をわくわくさせながら家の壁から覗き込む。
数分がたったであろうか、中からは黄色いリュックと赤い帽子をした青年がドアを開け家の外へ出るなり大きな伸びをする。
「あーー!!いい天気だぜー!昨日は雨降ってたから今日はどうなる事かと思ったぜ」
青年はドアを閉めると、そのまま白く大きな建物へと向かって歩いて行く。それと同時にレッドが出てきた家の隣の家から白衣を身にまとった白髪交じりの頭をした老人が現れレッドの家へと入っていく。
それをレッドの家の壁から覗きこんでいたイーブイはレッドが建物に入ってからどうなったか知りたいという好奇心が湧き出す。
なぜか知らないが、彼からはなにか不思議なオーラのような物が感じ取れた。人を威圧するようなオーラではなく、温かい物が感じられる。そういったオーラだった。
白い建物に向かおうとした時、レッドから建物から外へ出て、そのまま自分の家の隣に入っていく…がすぐに出る。
そのまま今度は草むらへと向かっていく。その時、イーブイはなにか不吉な予感を感じ取り、レッドに気づかれないように距離を取り後を追う。
案の定野生の野生の勘というものは当るものである。レッドの目の前に飛び出したのは数匹のコラッタだった。
「うおっビックリしたな…なんだよコラッタか…ポケモントレーナーに勝負を挑むのはいい度胸だな」
レッドはすぐさま腰の辺りに手をやる…やるが、すぐに考えこみ気付いたように叫び声をあげる。
「俺ポケモンもらってねぇぞおおおおおおお!!!!」
踵を返したように出戻りするレッドだが、すでに野生のコラッタに囲まれてしまっていた。
「畜生…人間とポケモンのリアルファイトはジュンサーにばれたら罰金だしな…どうすりゃいいんだよぉ…こんなのグリーンにばれたら恥ずかしいぜ…」
頭を抱えてぶつぶつと念仏のように独り言を喋るレッド。その様子を側の茂みで見ていたイーブイはコラッタ達の前に躍り出る。
最悪傷ついたとしても人間と居れば大丈夫だとポチエナから教わっていた。それに、なによりもイーブイは強くなりたいと切に願っていた。
それは弱い者は強い者に潰されるという現状を目の当たりにしたため、ポチエナの分も強くなってやる…と、そう心に刻んでいる。

82 :舞無 ◆ooST1Ox9tc :2008/03/18(火) 02:38:56 ID:T/lBTbtA0
「な…なんだお前、助けてくれるのか!?」
イーブイは静かに頷くと、コラッタの一匹に体当たりをする。イーブイの体当たりを受けたコラッタは軽く宙を舞い地面へと激突する。
しかし、すぐにコラッタは立ち上がり唾を近くに吐き捨てる。
「なんのようだお前!?俺達に喧嘩をふっかけるとはいい度胸だな…1対5で敵うと思ってるのか?」
コラッタ達はレッドの包囲を解くとイーブイを囲み始める。それを見たイーブイは近くの一匹に砂をかけ目潰しをすると、レッドの後ろに回り込む。
「わっわっ!!なんだお前!俺を盾にする気か!法律でポケモンとリアルファイトはできないんだよ!!」
レッドが再度大声をあげて喚き散らす中、イーブイはレッドの足の間から砂をかけられ視界が狭まっているコラッタに体当たりをする。
最初に体当たりを与えたコラッタ同様に宙を舞うコラッタ。今度は急所にあたったらしく、コラッタは地面に蹲ったまま立ち上がらない。
だが、それでも自分の圧倒的不利はたいして変わらなかった。それ所か、別のコラッタの体当たりを受け傷を受けてしまった。
「なかなかやるようだな…この辺りにいるポケモンじゃないしな…本気をだすとするか」
リーダー格の一匹がそう言うと突然霞の如く消えさる。次に視界に捕らえたのは自分の腹部に強烈な痛みを感じた時だった。
『電光石火』高速で移動し体当たりをするという技である。電光石火により吹っ飛ばされたイーブイに別のコラッタの体当たりの追撃が入り地面に叩きつけられる。
「きったぇぞお前ら!一匹に四匹がかりは卑怯じゃねぇか!」
レッドがどんなに叫ぼうがコラッタは攻撃の手は休めなかった。次々とイーブイめがけて体当たりを繰り返す。
対するイーブイはよろよろになりながらも体当たりを回避していく。が、またもリーダー格の電光石火を食らい今度はレッドめがけて吹っ飛ばされる。
ドサン!!
レッドの足元に落下したイーブイはぼろぼろだったが、それでもまた立ち上がりコラッタ達を睨みつけていた。
「これで決めてやるぜ…」
リーダー各のコラッタが再度電光石火を決めようとした時だった。一匹のゼニガメがそのコラッタに体当たりを決め吹き飛ばされる。
そのコラッタを追撃するようにフシギダネが体当たりを決め、その後ろからヒトカゲが飛び出しコラッタをひっかく。
そのままコラッタは動かなくなり、そばにいたコラッタ達は足早に逃げ出す。
「まったく危ない所じゃった…このように草むらでは野生のポケモンが飛びだすのじゃ…お前もポケモンを持っておれば戦えるのじゃが」
「そんな事よりオーキド博士!大変なんだ!!このポケモンが俺を助けてくれて…それで…とにかく大変なんだよ!!」
「むっ…こいつはイーブイではないか…こんな所で目にかかるとはな…とりあえずワシについてこい、イーブイの傷の手当をしよう」
そのままレッドは博士の言われた通りについていき、先ほどの白い大きな建物へと向かっていく。
(この建物の中にはなにがあるのかなぁ…)
レッドの腕に抱かれながら、イーブイはそんな事を思っていた。そして白い建物の扉が開くと、そこは自分が見た事もないような機械で沢山だった。
建物の中をきょろきょろと見回すと、イーブイはオーキド博士に手渡され傷薬で手当を受ける。
大昔の記憶…かつて自分が人間に飼われていた頃、怪我をした時に人間がこのように手当をしてくれた事を懐かしんでいた。

83 :舞無 ◆ooST1Ox9tc :2008/03/18(火) 02:39:38 ID:T/lBTbtA0
「ジーさん待ちくたびれたぞ!俺とレッドに用事ってなんだよ…折角スマブラXやってたのによ…」
「なんだ…グリーンは知らないのか…俺達ついにポケモントレーナーになれるんだぜ」
「まじかよ!やっとこの日が来たんだなぁレッド!!」 「おうともよ!」
突然二人で盛り上がり始めるレッドと黒い服をきたグリーンと呼ばれた金髪の青年。帽子をしたレッドより顔を把握しやすく、イーブイはタマムシで見たどの青年よりも
かっこいいなと思っていた。そのレッドも帽子を取る。やはり顔立ちはグリーンと同じく美形であった。
「こらこら…お前達そんなにハシャグでない…気持ちは解らんでもないが…とりあえず、お前達にはワシのもっている三匹のポケモンを一匹やろうと思っておる…」
そう言うと、オーキド博士の足元にいたポケモン達の紹介を始める。この緑のが
「知ってるぜフシギダネだろ…そこの亀はゼニガメ、そこのトカゲはヒトカゲだ」
グリーンが指を指しながら答えると亀とトカゲと言われたゼニガメとヒトカゲは「酷い言い方するなぁ」と少し頬を膨らませる。
「よし、レッドから先に選べよ!って言っても俺はもう決めてるけどな」
「お前の事だからフシギダネだろ…まあ俺もヒトカゲだな!」
「「なんせ俺達の名前はレッド グリーン だからな!!!」」
あはははははと大声で笑う二人、その二人を横眼でこいつら馬鹿だと呆れる三匹のポケモン達。その時研究所のドアが開き白い帽子をかぶった少女がご立腹という
表情を浮かべながらオーキド博士に向かってくる。
「おっブルーじゃないか…どうしたんじゃ一体?」
「酷いですよ博士!レッドとグリーンが呼ばれて、どうして私は呼ばれないんですか!?」
ブルーと呼ばれた少女は青い服とピンクのスカートをまとい白い帽子をかけていた。顔の方は怒りで膨れてはいるが、かなりかわいい顔をしていた。
「ま…まぁそう怒り狂うな…お前の事を忘れてしまっただけじゃ…」
「じゃあポケモンください!!」
「やってもいいんじゃが…いま手元に残ってるのはゼニガメしか…」
博士がそう言ったとたんにレッドとグリーンを睨みつけるブルー、当の二人はすでにもらったポケモンとスキンシップを取っておりブルーの取りつく島すらない状況だった。
「じゃあ私はゼニガメでいいです…」
呆れ声交じりでゼニガメを受け取ると、ブルーはオーキド博士の机の上で一部始終を眺めているイーブイを見つける。
「わっ博士、あのイーブイどうしたんですか?すっごいかわいいですね!!」
「そのイーブイは俺を助けてくれたんだぜ!」
「ああそうなの…可哀想に助ける人を間違えたのね…」
「それおり、なんでお前はこいつの名前知ってるんだ?俺はジーさんに教えてもらって初めて知ったけど」

84 :舞無 ◆ooST1Ox9tc :2008/03/18(火) 02:40:11 ID:T/lBTbtA0
グリーンが尋ねると、ブルーは小さく「前の家で飼ってたの」とつぶやく。
「そういやお前引っ越して来たんだもんなタマムシから」
7年前にね、と呟くとブルーはイーブイの頭をくしゃくしゃと撫でる。
同じタマムシにいた者として、イーブイは少しばかりこのブルーという少女に好感を抱いたと同時に懐かしさを感じたのであった。
三人がポケモンを受け取ると、今度は赤い手帳のような物を博士から受け取る三人。博士曰く見つけたポケモンのデータが自動的に書き込まれるポケモン図鑑という物らしい。
ポケモン図鑑を受け取った三人は、それをイーブイに向けてデータを習得すると、博士から赤いボールのような物を受け取り研究所を飛び出していく。
「ふぅ…若者の旅立ちとはいいものだな…」
三人を見送った博士は机に向い、書類のようなものを書き始める。それを机の上から覗きこむイーブイ。
「なんじゃ、妙に人懐こいイーブイじゃな…捕まえていいのだが、イーブイはすでにいるしのぅ…そうじゃ!!お前もワシの研究に協力してはくれんかね?」
突然の提案に驚くイーブイ、ポケモンの自分に協力を申し込むこの老人の頭を伺いつつ、この老人の研究に興味が湧き頷くイーブイ。
「おお、それはありがたいな、この発信機はな、お前の見たポケモンのデータが記録されるというなんともハイテクな機械でな!……」
オーキドが言うにはハイテクなのだが、問題点がありその問題とは、この発信機事態をポケモン図鑑につなげないとデータが図鑑に記録されないのである。
と言われたのだが、当の本人はデータを記録する気等毛頭無い、ただ研究に興味があるだけである。
それを踏まえた上でイーブイの左足に腕輪のような装置を取り付けるオーキド。
「この発信機があれば、だれかにモンスターボールをなげらても捕まるような事はない、安心して旅をするがよい!」
イーブイを抱き上げたオーキドは研究所の外にイーブイを連れていき、イーブイを地面に置く。
辺りを見回すと、レッドがタウンマップを片手に博士が最初にでてきた家から出てくる。
「あのレッドっていう人の後を追えば良いのかな…あの人を追えば俺は強くなれるだろうか…」

  無印    マサラにイをつけるとイマサラタウンだぜ?  『ポケモントレーナー レッド』

85 :舞無 ◆ooST1Ox9tc :2008/03/18(火) 02:43:15 ID:T/lBTbtA0
ぼやき

ポケモン赤、緑版 ファイアレッド等とつなげてみた。
もちろんゲーム通りに進むなんてこたぁーない。
しかもライバルが不利なポケモン選んでるし
ちなみにブルーの服装はファイアレッドの女主人公の服装です。

86 :三月兎 ◆BOOST1aovo :2008/03/18(火) 11:04:16 ID:FOPlUGXY0
>折角スマブラXやってたのによ…
紅茶を吹いたのはわたしだけではないはずw

>>85
初代をやっていた頃を懐かしく思い出しました。
ゲームのキャラが壊れない程度の絶妙のアレンジが素晴らしいです。
ファイアレッドの女主人公の服装を知らないわたしは負け組orz

87 :三月兎 ◆BOOST1aovo :2008/03/18(火) 11:19:05 ID:FOPlUGXY0
--------------------------------------
BOOST Vol.1 〜小さな恋と亡失の過去〜
--------------------------------------
第二章 ―曇り空―  前半

 見上げた空は重く。
 今にも、落ちてきそうな――
「キスナ、何やってるの? 早く早く」
 ご主人様の声にふと我に返り、慌てて彼女の後を追う。一抹の不安は拭い去れなかったものの、
旅立ちの朝が曇りだったからといっていちいち延期するわけにもいかないだろう。それに、天気を
予測する能力をもつ種族エーフィの予感としてはこれから晴れるに違いないし、何も問題はないは
ずだ。

 研究所に入ると、老けたマクノシタ――もとい、中年の太った人間の男性が何やら赤い本のよう
な機械を持って待っていた。横には、ご主人様と同い年ぐらいの黒髪の男性が、ニューラとエネコ
ロロを従えて立っている。どうやら彼らが、キスナローゼ達の旅の同行者らしい。
 しかしこの組み合わせ、昨日どこかで見たような――――
「あっ! 昨日のコやんか!」
「なになにラーカ、どうしたのぉ?」
 西ジョウト地方の訛りが入ったニューラは、キスナローゼ達が入るなりこちらを指差して騒ぎ立
てた。何ともせわしない感じのする少年だ。
「あらぁ、本当」
 対して、向き直ったエネコロロは変に間延びした口調で、のんびりとした印象を受ける。
「じ――やない、キミ、昨日丘の上におったコやろ?」
 身軽な動作で近づいてきて、興味津々といった様子でキスナローゼを見つめる彼の瞳はまるで子
供のようだ。キスナローゼが答えないでいると、彼は笑顔を浮かべて言った。

88 :三月兎 ◆BOOST1aovo :2008/03/18(火) 11:19:29 ID:FOPlUGXY0
「俺はラーカ。で、あっちがディアリスっちゅー奴や。君の名前も教えてくれるか?」
「……キスナローゼ」
 少し躊躇った後、答えた。ご主人様がつけてくれたこの名前が嫌いというわけではないが、どう
にも美々しい響きがあるので勘違いされやすい。
「キスナローゼちゃんか。名前もえらい綺麗やなぁ! 昨日見たときもびっくりしたけどな。いや
ー、君みたいな可愛いコと旅できるんやったら幸せやわ」
 ほらみろ。
「あの、勘違いされる前に言っておくけどさ」
「ラーカ、それどーゆぅ意味? わたしは可愛くないってこと?」
「いやいやいや、誰もそんなん言うとらんで? おおう、後ろの君も綺麗やん? 名前は?」
 これまで一言も喋らないもんだから、クレシアの存在を忘れかけていた。影薄いね。
「クレシアよ」
 クレシアは淡々と答えたがどうやらご機嫌斜めらしい。キスナローゼのついでみたいな扱いを受
けるのが気に入らないのだろうけれど、牝同士ならまだしもキスナローゼは牡なんだから対抗心を
燃やす必要はないと思う。
「ええと、それで――」
「ついに俺の時代や! これが噂の両手に花っちゅーやつか!?」
「ちょっとぉ、わたしはカウントされてないわけ?」
「だから、そうじゃなくて僕……」
「俺は硬派なんや。じぶんみたいな軽い牝は対象外やで」
「硬派ってさぁ、自分で言うことじゃないでしょぉ?」
「あのさ……」
「それにしても羨ましいわぁ。ねぇ、キミいくつ?」
「……あ、えっと、十七だけど」

89 :三月兎 ◆BOOST1aovo :2008/03/18(火) 11:20:01 ID:FOPlUGXY0
 ディアリス――この仔の瞳に見つめられると酷く緊張する。魔性の瞳というか何というか。エネ
コロロのもつ特性というやつか。
「あらぁ? わたしと一つしか変わらないんだ? もっと下かと思ってたわぁ」
 ていうか僕に喋らせてくれないかな? 結構大事なことなんだけど。
「うふふっ、かわいい」

 ――唐突だった。
 なんと、ディアリスは前肢で首に抱きついてきたのだ。そうしてほっぺにキスをされて、何故か
匂いまで嗅がれた。
「ちょ、き、きみ、何考えて――」
「勘違いしないで。そういう趣味はないから。ただ可愛いものに弱いだけなの。あなたもオンナの
コならわかるでしょぉ?」
「や、違うって……」
「離れなさい」
 刹那、背後からの声と共に彼女の身体が青白い光に包まれてキスナローゼから引きはがされた。
「えっ……?」
 クレシアがやや乱暴にサイコキネシスを解くと、ディアリスはどさりと床に落ちた。
「この仔は男の仔なの。気安く触るんじゃないわよ」
 クレシアの声には珍しく剥き出しの感情が込められていた。それもキスナローゼがこれまで見た
ことないぐらい怒っている。
「や、何もそこまで言わなくても――」
「う、嘘ぉ!?」
「なんやてぇーーーッ!!?」
 ディアリスとラーカは、クレシアの剣幕よりもまずその事実に驚愕したらしい。
「ご、ごめんなさい! わたし、てっきり……」
「んなアホな……俺の時代が…………」
 仕切りに頭を下げるディアリス。意味不明な言葉を漏らしつつ頭を抱えて落胆するラーカ。未だ
不機嫌なクレシア。

90 :三月兎 ◆BOOST1aovo :2008/03/18(火) 11:20:26 ID:FOPlUGXY0
 非常に居心地が悪い。
 ――とりあえずこの場を収めないと。
「こ、今回のことは許してあげるよ。よ、よく間違われるんだよね、僕」
 心から謝罪している女の仔相手に、さすがに怒る気にはなれなかった。
「ほんとにごめんなさい……」
 謝りつつも、ディアリスはまだ訝しげに上目遣いでこちらの顔を窺っている。
「や、疑われてもホントに女の仔じゃないから」
「そうでなくとも、初対面の相手にそういうことするかしら?」
 クレシアはあからさまな非難の眼差しをディアリスに向けた。
「ちょ、もういいでしょクレシア。謝ってるし。ていうか、僕が許すって言ってるんだから」
「貴方がそういう態度だから彼女が調子に乗るんじゃない」
「そうねぇ……わたしもちょっと考え無しだったかなぁ。でも、男の仔でもかわいいものはかわい
いんだし……ねっ、キスナちゃん」
 馴れ馴れしく省略形でちゃん付けまでして言うと、ディアリスはキスナローゼにウィンクした。
「キスナ、でいいよ。寧ろそうしてくれない?」
「そっか、男の仔だもんね。あぁん、でもやっぱりかわいいっ! 食べちゃいたいくらい」
「た、食べ――?」
「いぃ?」
「貴女、何考えてるの?」
 またしても冷ややかな声が割って入る。ディアリスもディアリスだがクレシアもクレシアだ。ど
うやらこの二人は絶対的に相性が悪いらしい。
「ダメ?」
「当たり前でしょう」
「ふぅん……あなた、この仔の何なのぉ?」
「何って……」
 クレシアは相応しい言葉を探すように宙に視線を泳がせた。

91 :三月兎 ◆BOOST1aovo :2008/03/18(火) 11:22:54 ID:FOPlUGXY0
 そういえば何なんだろ。僕とクレシアの関係って。同じトレーナーのもとにいるんだし、仲間と
でもいうのかな。でもちょっと違う気もする。一緒に暮らしてきた一年間。彼女はずっと僕の目標
だった。憧れの存在とでもいうのだろうか。だから――――
「保護者、かしらね」
 や、違うでしょ。
「保護者? それってトレーナーの女の人じゃない?」
「そうだよ、きみに保護された覚えなんかないってば」
 そりゃたまには護ってもらうこともあったけどさ。
「ほら、キスナもこう言ってるわよぉ」
「だからってきみに食べられてはやらないけどね」
「えぇ、つまんなぁい」
「おいディアリス、遊びはもうその辺でやめとけって……」
 気まずい雰囲気に耐え兼ねたのか、クレシアが何かを言う前にラーカがディアリスを制した。
「遊びじゃないわよぉ。だって」
 しかし彼女のKY発言はとどまるところを知らない。ディアリスはキスナローゼの瞳を真っ直ぐ
に見据え、とんでもないことを口に出した。
「好みのタイプなんだもん」
「……は?」
 これには虚をつかれた。まさか、初対面の女の仔にそんなことを言われるなんて。
 返答に詰まっていると、クレシアがキスナローゼをディアリスから遠ざけるように前に出て代わ
りに答えた。
「あら、キスナが貴女みたいな安っぽい女に傾くと思って?」
 って、どうしてきみが答えるんだよ? しかも安っぽい女だなんて――あからさまな挑発だ。ク
レシアらしくもない。
「傾くかも? てゆーか傾けちゃうよぉ」
 その挑発を全く意に介さないこのマイペースぶり。
 あの、当事者不在で勝手なコトばかり言われても困るんですけど。

 これからこんな調子で旅路を行くのかと思うと、溜め息を漏らさずにはいられなかった。

      ◇

92 :三月兎 ◆BOOST1aovo :2008/03/18(火) 11:23:26 ID:FOPlUGXY0
      ◇

 コトキタウンへはエリアやキスナと何度か買い物に出かけたことがある。
 百一番道路は通り慣れた道なので、まだ旅に出たという実感は湧かない。ただいつもより数が多
いだけの話だ。
「ねぇ、キスナってどれぐらいデキるの?」
 キスナの教育に悪すぎる女とか、変な訛りのニューラとか。
「うーん……わからないな。ほとんどクレシアとしかやったことないから」
「えーっ! やっぱりそういう関係だったんだ!」
 またわけのわからないことを……
「えっ、何が? バトルの話じゃないの?」
「バトル? ……なんだ、そぉゆぅコト。もぉ、びっくりさせないでよ。やっぱり男のコなのね。
普通女のコがこう言ったときはね、あっちの」
「黙りなさい」
 初対面の男のコに言うことでは断じてない。まして、いたいけな少年に向かって。
「女性の基準を貴女に合わせないでくれるかしら。どこがどう普通だというの」
 ディアリスはキスナとの会話を中断されて、さも不満そうに口を閉ざした。
 中身は子供か。まったく、教育の必要な仔がまた一人増えるなんて……
「ジブンも苦労すんなぁ」
 右隣を歩いていたラーカがポン、とクレシアの肩を叩いた。
 ――いつの間にわたしの隣に。
「貴方……」
 クレシアが呟く間に、ラーカの姿が消えた。
「どないしたん?」
 声は左側から。
「えっ?」
 首を左に向けても彼の姿はない。

93 :三月兎 ◆BOOST1aovo :2008/03/18(火) 11:23:47 ID:FOPlUGXY0
「こっちこっち」
 正面。ラーカはクレシアの目の前に現れた。
「まさか……テレポートも使わずに?」
「ハハッ、なかなかのもんやろ? ダブルバトルの時はよろしゅうな」
 ラーカは笑顔でウィンクして見せた。
「さすがジョウトを回っていただけのことはあるわね」
「まぁ俺は素早さ以外に取り柄っちゅうもんがないけどな――――お」

 突然横合いから一匹のマッスグマが飛び出してきて、クレシア達の行く道を塞いだ。
「ご主人様、二人です」
 人語だ。トレーナー持ちらしい。
 一瞬後、マッスグマの飛び出してきた草むらから男性トレーナーが現れた。
「よぉ、俺はこの辺りじゃ有名なエリートトレーナーのユーキってんだ。あんたら見たところ新人
だな。俺がポケモンバトルのイロハを教えてやろうか?」
 かなり高慢な態度だ。でもユーキなんて名は聞いたことがないし、エリアはともかくジョウトリ
ーグを制覇したシーグルさんに向かって新人とは失礼極まりない。どうやら人を見る目もないらし
い。
「エリア、やってみるか?」
 が、シーグルさんは気にした様子もなく、エリアに彼との勝負を薦めてきた。
「そうね……一応旅に出てからは初めてだし」
 実はクレシアたちは何度かトウカあたりまで行ったことはある。そのときに、行き交うトレーナ
ーと当然勝負もした。
「よし。賭け金は千円でいいか? 相場はそんなもんだぜ」
 エリアが進み出るとユーキは金額を提示してきた。こういうストリートファイトでは金を賭けた
り賭けなかったり、その時々によって様々だ。

94 :三月兎 ◆BOOST1aovo :2008/03/18(火) 11:25:07 ID:FOPlUGXY0
「ええ。いいわよ」
 エリアが承諾し、契約は成立。

 わたしとキスナ――どちらを戦わせるのかしらね?

     ◇

「キスナ。お願い」
 ――僕?
 相手はなんだか自信ありげだし、信頼のおけるクレシアに任せると思ったんだけどな。
 でもせっかくの指名だ。ご主人さまの期待に応えないと。

 キスナローゼは主人の前に出て相手のマッスグマと向き合った。

 交錯する視線。
 相手はだいたいキスナローゼと同い年くらいの若い牡か。実力の程は窺い知れない。
「キスナ。落ち着いて、相手の動きをよく見て」
「はい、ご主人さま」
「キスナっ! かっこいいトコ見せてねぇ!」
 黄色い声はディアリスのものだ。
 ……ひとが集中しようとしてるときに。

 対外試合はキスナローゼにとって二回目。これまでの戦績は一戦一勝。コトキタウンに買いもの
に出かけた帰りにミシロタウンから来た新人トレーナーと戦った一回のみだ。とはいえそのときは
相手が弱かったから勝てただけで、クレシアとの訓練では見事に全敗している。正直あまり自信は
ない。

95 :三月兎 ◆BOOST1aovo :2008/03/18(火) 11:25:40 ID:FOPlUGXY0
「行け、レート! 一気に決めちまえっ」
 トレーナーの命令とともにレートという名らしいマッスグマが突進してきた。

 相手をよくみて……
 接触の間際、キスナローゼは斜め上に低く跳躍した。後肢をかすめるように駆け抜けていったマ
ッスグマに、空中で振り返りざまスピードスターを放った。
 マッスグマが急停止してこちらに向き直ろうとしたところへ。無数の星型状の光弾が降り注ぐ。
スピードスターは威力こそ低いものの避けることが極めて困難な技だ。光弾は悉く命中しマッスグ
マを後退させた。
 隙は逃せない。ESPを額に収束させつつ、着地と同時に前に出る。
「――なっ!?」
 驚きの色を見せるマッスグマの瞳。キスナローゼはその懐に飛び込み下から突き上げるように体
当たりした。命中の瞬間に青い光が弾け、マッスグマはまるでボールみたいに軽く、高く飛ばされ
た。
 そこへ収束させたESPを解き放つ。淡い青色を纏った混色の光線が空中で回避行動の取れない
マッスグマの身体を的確に貫き、光線が引き起こした小爆発にマッスグマは錐揉みながら吹き飛ん
で近くにあった細い木に激突、勢いを緩めることなく木の幹を粉砕して貫通し草むらに突っ込んで
いった。遅れて、木の枝や葉がその上にバラバラと崩れ落ちる。
「レ……レートっ!」

 今日は調子がいいみたいだ。なんだか自分のチカラが何倍にも膨れ上がったかのような。
 そんな実力でオレと戦おうってのが間違ってんだよ。
 こんなことは初めて――や、前にもあったような気がする。
 おかしい。オレどうしちまったんだ?
 きっと過去のことなんだろうけど。
 自分が自分でないみたいだ。
 曖昧な記憶しか残っていなくて、それも大事なところは全部抜け落ちてる。僕はいったい――?


96 :三月兎 ◆BOOST1aovo :2008/03/18(火) 11:26:06 ID:FOPlUGXY0
「キスナ! あなたも手伝って!」
 ご主人さまの声にふと我に返った。

 ノイズのようなざわめきは収まったようだ。
 ――ノイズ? 今、僕は何を考えていたんだ?
 思い出せない。たった今のことなのに。何か嫌な感じだ。靄のなかに閉じ込められたみたいで――
「ジブン……大丈夫か? ぼーっとしとるけど……」
「え……あ、ぅあ……な、何だっけ?」
 ラーカに声を掛けられて顔を上げると、みんなで折れた木の幹を持ち上げているところだった。
「あの木ぃ退けなヤバイっちゅう話や。ジブンのサイケ光線でやな、相手のマッスグマがどエライ
ことになっとる」
「そ、そうだった! 早く助けなきゃ……」
 キスナローゼは急いで皆のもとへ駆け寄ったが、残った枝葉はクレシアがサイコキネシスで全て
吹き飛ばした。
「レート……大丈夫かっ――」
 トレーナーはマッスグマの具合を確かめると、彼を素早くボールに収めた。状態はあまり良くな
いみたいだ。
「この仔がまさかここまでとは…………私も初心者でわからなかったの。ごめんなさい」
「……いや、オレのせいだ。ここまで実力差があったのにそれを見抜けないなんて」
 と、トレーナーはご主人様に千円札を差し出した。
「お前の勝ちだからな。……しかし、本当に新人なのか?」
 ご主人様は初めての賞金を受け取ると嬉しそうに口元を緩めた。
「ええ。つい二時間ほど前に図鑑を貰ったばかりよ」
 そしてトレーナーをさらに落胆させる言葉。事実だから仕方がないのだけれど。
「……そうなのか。俺はこれでも二十三連勝中だったんだがな。まあいいや。この先頑張れよ。お
前ならリーグ制覇できるかも知れないぜ」
 言いながら、彼はボールを投げた。
 出てきたオオスバメに乗り「制覇したら最初に戦った相手としてこのユーキの名を挙げといてく
れよ!」などと都合よさげなことを言い残してミシロタウン方面へと飛び去った。

97 :三月兎 ◆BOOST1aovo :2008/03/18(火) 11:28:39 ID:FOPlUGXY0
 僕にはそこまでの力なんてないと思うし、シーグルさんも出場するのだからご主人さまはチャン
ピオンへの挑戦権すら得られないかもしれない。ご主人さまにはクレシアもいるから有り得ない話
ではないかもしれないが。

 まぁ僕にとってこれは自分探しの旅のようなものだ。バトルの頂点を極める道は一つの“自分”
候補に入れておくとしよう。

----
プロローグ&第一章が長すぎたので第二章は半分に切ったんですが……
それでも長いですね;
今回は見やすいように一行を短くしたってこともあるかもしれませんが。
でも携帯で閲覧している方にとっては余計読みにくくなってるかもしれません……
どっちがいいと思います?

98 :パウス ◆cFhbfcNzdA :2008/03/18(火) 15:50:47 ID:yNVdzjBE0
>>87-97
ここら辺も一度見たところですがやはり凄いです。

携帯でも見やすくしようとすると、やはり一話一話を短くするしか・・・
僕も最近気を付けてはいるんですがなかなか短く出来ないですよね。

99 :ruy:2008/03/18(火) 18:29:25 ID:sl4N3YgA0
久しぶりに来たぞー。
相変わらずすげえな、三月兎さん。文章力ありすぎだよね。
ところで、見た限りはほぼ一ヶ月も前なので
「新」スレはあぼーん状態で良くて?(作った人には失礼だが)


100 :Gimnima ◆N42CHo8qoU :2008/03/18(火) 21:19:39 ID:KooY7ZMg0
>>97
携帯電話で見ると、
むしろ今回の方が見にくいです。
(変なところで改行されてたり。)
一話一話の長さはあまり関係ないと
思われます。



101 :舞無 ◆ooST1Ox9tc :2008/03/19(水) 03:01:06 ID:zPKdaH0Y0
いつ見ても三月兎氏の文章力には憧れますね。
クレシアかわゆす(・ω・*)



102 :Lilect ◆P9Lilect5M :2008/03/19(水) 06:38:08 ID:3qM9mx5w0
疲れた…よ…
過去スレログを必死に修復中だ…よ…
うえーい

103 :カゲフミ ◆tLVuNBhIJA :2008/03/19(水) 17:06:54 ID:sNh+PEQA0
※ポケモンがポケモンを食べる捕食の描写、流血表現があります。

 無垢な牙

―1―

 鬱蒼と茂る森の中。苔と落ち葉で覆われた地面を駆け抜ける二つの足音。
一つは僕の走る音。そしてもう一つは、目の前の必死で逃げているコラッタのもの。
木々と茂みの間の細かい隙間を這うように、コラッタは全速力で駆け抜けていく。
森に慣れないポケモンならば、あっという間に見失ってしまうだろう。だがこの周辺がどんな地形なのかは僕も良く知っている。
たしかにコラッタにはかなりの速度はあったが、もともと僕とは歩幅が違うのだ。
それに、どんなに複雑なルートをたどろうとも体の匂いまで消せるはずがない。
コラッタとの距離はだんだんと縮まっていく。
頃合いを見計らって僕は後ろ足で地面を蹴り大きく跳躍すると、そのまま着地と同時に前足で彼の背中を押さえつけた。
「ぐ……」
 前足と地面との間に挟まれ、苦しそうな声を上げるコラッタ。そんな彼を僕は冷めた瞳で見下ろしていた。
最初のうちは手足をばたばたとさせてもがいていたが、どんなに足掻いても逃れられないと悟ったのだろう。振り向ける限界まで首を動かし、僕の方に視線を送ってくる。
ここで目を合わせてしまえば心が揺らいでしまう。今コラッタがどんな気持ちなのかは痛いほど分かっているつもりだ。
コラッタの目ではなく体全体を見るように焦点を合わせようと努力してみる。
それでも恐怖と懇願の入り混じった彼の瞳の光は僕をしっかりと捉えて離してくれない。
「お、お願い……た、助けて」
 胸の奥から絞り出したようなかすれた声。それは生き物が本能的に持ち合わせる生への執着。
もう何度、こういった言葉を耳にしてきたことだろう。分かるさ、誰だって死にたくない。君も、そして僕も。
仕方のないことなんだと説明したところできっと納得してくれるはずがない。
ならばこれ以上余計な言葉が耳に入ってしまう前に、終わらせる。
僕は鋭い牙が生えそろう口を開き、ゆっくりとコラッタに近づけていく。
彼の表情が恐怖で激しく歪む。僕は目を閉じる。何も、見まいと。
「あ、あ……た、助け――――」
「……ごめんね」
 一言呟いた後、僕は一気にコラッタの首筋に牙を突き立てた。皮膚を牙が突き破る。
刹那、血の匂いと味が鼻と舌の二つの感覚器官を通して僕の中に伝わってきた。
コラッタは首から大量の血を流し、引くひくと痙攣を起こしていたがやがてぐったりと動かなくなった。
「はあっ……はあっ……」
 牙を離すと僕は荒い息をあげる。心臓の鼓動は早いが、最初の頃に比べれば大分落ち着いてやれたと思う。
大きく見開かれたコラッタの目にはもう何も映っていない。底のない真っ黒な瞳が僕をじっと見上げていた。
息絶えた彼を見ていると、命を奪い去ったという罪悪感がゆっくりと心の奥から浮かび上がってくる。
しかし、生物としての本能はそんな僕の罪悪感など簡単に押しのけてしまう。
ふと気がつくと、僕は目の前の肉に対してゴクリと喉を鳴らしていた。空腹を満たしたいという欲望は、もう抑えきれなかった。
僕は前足でしっかりと押さえると、少し前までコラッタだった肉塊をガツガツと夢中で貪った。
どんなに回数を重ねても嫌悪巻を拭いきれなかった血の匂いや味も、この時だけは気にならなかった。
本当に束の間ではあったけれど、何かを食べているときの僕は幸せだったのかもしれない。

104 :カゲフミ ◆tLVuNBhIJA :2008/03/19(水) 17:09:12 ID:sNh+PEQA0
―2―

 僕の牙はコラッタぐらいの小さなポケモンの骨ならば簡単に砕けるように出来ているらしい。
余すところ無く食べ終えた後に残ったもの。それは地面に広がっている、そして僕の体に付着している、血。
赤く染まった落ち葉や苔は時間と共に浄化されていく。けれど、体に着いた血はあまり長い間放っておくとこびりついて取れなくなってしまう。
食後の興奮が消えて、残った血の臭いで気分が悪くなる前に洗い流しておかなくては。僕はこの近くを流れている小川に向かった。

 いくつかの木立と茂みを抜けると川が見えてきた。森のどこかにある湧き水がこの小川となって流れているらしい。
川といっても僕が体を濡らさずにまたげてしまうくらいの小さなものだけど、口元や体をすすぐのには問題ない。
鼻先と前足を水に浸す。心地よい清涼感。何度か水を口に含んで吐き出す。血の味はもう感じなくなった。
もともと黒い前足はどのくらい汚れているのか分らなかったけど、前足の爪が元通り白くなっていたからもう大丈夫だろう。
僕がいた場所から流れていく水がほんのりと赤くなったが、すぐにかき消され元の澄んだ色に戻った。
ポケモンの血もこんなふうに薄く透き通っていればどんなにいいだろう。
匂いと色が残らなければ、少しは僕の罪悪感も薄れてくれるかもしれないのに。
 そんなことを考えていると、ふいに視界の端に黒い姿が映った。誰だろう。僕はその影の方を向く。
もし僕が草食の野生ポケモンだったら、こんなのんびりした反応はしていられない。彼らにとってこの森では一瞬の隙が命取りになるからだ。
僕の目に入ってきた姿。それは黒と灰色の毛並みに赤い瞳を持つポケモン、グラエナだ。
そして僕と同じ種族であり、群れの仲間だった。最も、僕は仲間だなんて思われてないのかもしれないけど。
仲間のグラエナは一瞬ちらりとこちらを見たが、すぐに視線を戻し流れる水に口をつけて喉を潤す。
そういえばさっきは口をすすいだだけで水は飲んでなかったな。なんとなく喉が乾いてたし、僕も水を飲んでおこう。
僕も彼にならって口を水に浸し、ごくごくと喉に流し込む。湧き水だけあって味はなかなかのものだ。
「……血の匂いがするな」
 僕はぎくりとして水を飲むのを止めた。洗い流しはしたけれど自分の匂いはなかなか分からないもの。
そしてなにより僕らグラエナは鼻が利く。彼はさっきの残り香を鋭敏な嗅覚で感じ取ったのだろう。
戸惑う僕をよそに、仲間のグラエナはにやにやした笑みを浮かべながら近づいてくる。
「獲物は何だった? 旨かったか?」
 血なまぐささに目をつぶればコラッタの肉も悪くない味だと思う。
というか、僕はいつも食べることに必死であまり味わっている余裕なんてなかったのだけれど。
それに僕のせいで命を落としてしまったコラッタのことを考えると、とてもじゃないけど旨かったなんて言えない。
「……何だよ。相変わらずってわけか。そんなに餌の命が大事か?」
 黙ったままの僕に、彼の視線はからかいを含んだものから蔑むようなものに変わる。
大事か大事じゃないかなんて、もう君には分かってることだろう。何を今更。言い返すのも馬鹿らしく思えて、僕はふっと笑う。
「そんな甘さを抱いたままお前がどこまで生き延びられるのか、楽しみにしてるぜ」
 自嘲を含んではいたけれど僕の笑いが気に入らなかったらしい。吐き捨てるようにそう言うと、彼は茂みの中へと消えていった。
まあ、彼らから見れば僕はとんでもない甘さ、そして弱さを持ったグラエナなんだろう。僕自身それは自覚している。
何度かこんな自分を変えてみようと試みたことはある。出来る限り多くのポケモンを追いかけてみたりした。
だけど、だめだった。追いつめたポケモンを前にするとどうしても躊躇ってしまう。足が、声が、震えそうになる。
僕がとんでもない残忍な行いをしているようで、命を奪うたびに自分が自分で無くなっていくようで、怖くてたまらない。
仲間からなんと言われようと僕は他のポケモンを殺すのが厭だ。これは生まれ持った性質なんだから、どうしようもないじゃないか。

105 :カゲフミ ◆tLVuNBhIJA :2008/03/19(水) 17:12:16 ID:sNh+PEQA0
トリップは違いますがカゲフミです。実家のパソコンなので。
書き込んでから気づいたのですが、この小説は非エロでした。
次回からはノーマル小説の方に投稿します。失礼しました。

106 :鼠侍 ◆BqcizB9QjM :2008/03/19(水) 17:27:52 ID:uynx74Hs0
始めまして
鼠侍ですw
今度から書かせていただきますのでよろしくお願いしますww。

107 :◆HAKOcCnj4U :2008/03/19(水) 20:23:21 ID:iLu8PtO60
えろしーんはまだ先ですけど、とりあえずこっちに投下させていただきますね。

_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/

 暗い天井を仰いで、彼は再び溜息を吐いた。

 室内の中は静まり返っている。大きな窓の外には薄っすらと月が輝いているが、それは部屋の隅々を見渡すに十分な明るさとは言えない。
自分が寝ているのと似たようなベッドが幾つか、部屋の入り口へ向けて並んでいて、その先には引き戸の扉があって――
夜目が利く彼の目を持ってしても、見えるのはそれだけだ。他は全て暗い影の中に沈んでしまっている。
 ポケモンセンターの、病棟の一室だった。


= 夜の秘密 =


「いよーう!」
 黒犬の大きな声が病室内にこだまする。隣に立っていた人間が、その時と場所をかえりみない振舞いを窘めるが、
既にこんなやり取りは数え切れないほど繰り返されてきたということを彼は知っている。
病室のベッドを埋めているのが彼だけであることは幸いだった。
「元気かねぶらっきーくーん」
「お前の顔見たら食欲が減退した。さあ帰れ」
 無意味に明るい笑顔を見せてくるヘルガーの顔面に、思いっきり蹴りを入れてやりたいとブラッキーは心の底から思った。
えー冷たいなー連れないなーと実に楽しそうな様子を見て、深く深く溜息を吐く。
 トレーナーはそんな二匹の様子を見て苦笑していたが、遠くにブラッキーの担当医を見かけたようで、慌てて廊下へと駆けて行った。
『病院内で走ってはいけない』という常識をつい忘れているあたり、このヘルガーの非常識っぷりはトレーナーに似たのだろう。
「で、今日はバトルは休みなのか。こんな昼間から見舞いに来るなんて」
「そりゃーおっまえ、我らがエースブラッキー様が骨折で入院してる状態でバトルなんてできるわけねーだろー。心配で心配で」
 無意味に明るい笑顔を見せてくるヘルガーの顔面に、埋り込むほど蹴りを入れてやりたいと深く深く思った。
実際にパーティの中でエースを張っているのはヘルガーだという事実が、余計に眉間のシワを深くさせる。
「いやまあ、今日は普通にお休みだ。お前も入院して丁度一週間になるし、どんな様子かって、な」
 まるで子供をあやすように、ヘルガーが前足でブラッキーの頭を軽く撫でる。
その不機嫌さを見透かしているようだ。この場合、その憮然とした表情から明らかなのかもしれないが。
「そんで。……どんな調子よ」
 少し真剣な面持ちに戻ったヘルガーに聞かれ、ブラッキーは自分の両前足を見上げた。
これでもかと言わんばかりにギプスが巻かれ、天井から吊られてしまっている。
重くて仕方が無いのだが、折れてしまっているのだから文句の言い様が無い。
もしこれで変な風にくっついてしまえば泣くに泣けない。
 過信だった、とブラッキーは思う。自分の耐久力を過信して、相手の攻撃を受け続けて、
そして最後の予想外の一撃に、見事に吹っ飛ばされてしまった。今思い出すだけでも、悔しさから顎に力が篭ってしまった。
「痛みはもう無いけど。でもきちんとくっつくにはもう少し時間が必要だってさ。足、下ろしてもらえれば大分楽なんだろうけど……まだ駄目って言われる」
「ふむ。んじゃ復帰はもう少し先かあ」
 ブラッキーのギプスを見つめながら、ヘルガーが小さく唸った。ベッドの上に前足を組んで、その上に顎を乗せている。
しばし何かを考えているようだったが、恐らくこの先暫くのバトルについてだろう。
少なくともブラッキーはそう思ったし、そうであって欲しいとも思った。
自分の抜けた穴は少なからず大きくあってほしいと、心のどこかで思ってしまうのだ。

108 :パウス ◆cFhbfcNzdA :2008/03/19(水) 22:13:37 ID:cMSZnsVY0
>>103-104
いえいえ、例えスレ違いでも大歓迎です(?)
相変わらず文章力が高い・・・・

>>106
始めまして。こちらこそよろしくお願いします。

>>107
物語はここからどう展開していくんですかね。楽しみです。



〜story35〜 ―脅威―

場は一瞬にして静まり返った。
微かに吹き通る風が落ち葉を踊らせ、まだ落ちていない葉を揺らし、私の体毛も揺らす。
風が吹く音さえも耳に入ってくるほどの静かさで場の緊張感が倍増し、思わずごくりと唾を飲んだ。
ご主人は腕を組んでしっかりと仁王立ちしたまま動かず、ガーネットはご主人の肩に止まっている。
ガーネットの羽音は結構響くため、今羽を動かしてはならないということはちゃんと分かっているようだ。

先に動き出したのはトルマリンだった。
丁度近くに突き出ていた岩を思いっきり殴って砕き、更に転がっていた幾つもの大きな石を、両腕を広げて浮かび上がらせる。
それらを一箇所にまとめ、トルマリンが跳躍しながらそれらをリチアの方向に殴り飛ばすと、無数の岩石となって彼女を捉えた。
これは岩雪崩れ″と呼ばれる技で、トルマリンが得意とする技の一つ。放たれた岩雪崩れ″は真っ直ぐに斜め上からリチアを襲う

だが四年間もの地獄を見たリチアに、こんな技など埃を舞い上げる程度だった。
岩雪崩れ″がリチアに届く前に彼女は下を潜り抜け、トルマリンの後ろへと一瞬にして辿り着く。
そこから容赦無い体当たり″がトルマリンの背中に直撃した。
「ぐぅっっ!!」
悲痛の含み声が口から漏れ、トルマリンは打っ飛ばされていく。その先に立っていた大木に腹から直撃して地面に倒れ込んだ。
だが彼も相当鍛えられたポケモン。流石にこれだけではやられなかった。トルマリンはすぐに立ち上がりリチアを睨む。
勝負は気迫で負けたら終わりだ。これはトルマリンが言っていたことだが。
「成程、やはりこの程度では倒れないか・・・・」


109 :パウス ◆cFhbfcNzdA :2008/03/19(水) 22:14:47 ID:cMSZnsVY0
トルマリンの鋭い視線に目を合わせ、リチアは余裕のある笑みで返した。

トルマリンはすうっと息を吸い込み、めいっぱい口を開けると、口の前にやや黄色の掛かった白い光が収束し始めた。
収束し終わるのに対して時間が掛からず、その光の玉は光の線となってリチアに放たれる。
さらにその線は放たれたと同時に太さを増していき、リチアに近づいた頃にはかなりのものとなっていた。
一方、リチアもいつの間にか口を開け、黒く光る玉を作っていた。トルマリンの破壊光線″が目前に迫っているにも係わらず、極めて冷静に、そして凄い速度で収束されていく。
彼女の顔程の大きさになるまで収束され、放たれた。
放たれた黒光球は八方向に拡散する漆黒の波動に変化し、トルマリンが放った破壊光線″をかき消した。
破壊光線″をかき消してなお勢いの変わらない波動は周囲全ての物を吹き飛ばす。勿論トルマリンも。

吹き飛ばされて地面に叩きつけられたトルマリンは負けまいと必死に立ち上がったが、どうやら限界のようでその場に力なく座り込み、開いた口が塞がらないまま目を丸くしていた。
「・・・・マジかよ・・?」
あっけに取られるのも良く解る。こっちから見ても凄まじい光景だった。
本来破壊光線″は途轍もなく強力な技で、その名の通り全ての物を破壊する。その威力は撃った本体でさえ反動で暫く動くのもままならなく程のものだ。
一方リチアが放った悪の波動″はといえば、それ程特徴の無い技。そこそこ威力はあるが破壊光線″には遠く及ばないはずだった。
―――だが今のは・・・

ぜいぜいと息絶え絶えのトルマリンに対し、リチアは平然としていた。
何て凄い者達なのだろう。コーラルとカーネリアはジェードを圧倒的に下し、クォーツは先日のエネコロロを一瞬で倒し、リチアはトルマリンを圧倒した。

脱走し、仲間となってくれたからこそ頼もしいのであって、もし邪心が芽生えて悪に貢献していたらと思うと、何だか怖く感じる程だった。

―――――――――――――――
バトルシーンを書くのは楽しいですねぇ。
エロシーンはもう少し待ってください。

110 :三月兎 ◆BOOST1aovo :2008/03/19(水) 23:12:17 ID:2j9s6kZk0
レスありがとうございます。

>>98
いえ、そうではなくて一行の文字数のことを訊ねたかったんですよ。
Gimnimaさんの仰るように変なところで改行されてないかとか。
わかりにくいしつもんですみません。

>>99
ありがとうございます。
でもわたしより文章力の高い方はたくさんいますけどね……

>“新”スレ
スレ立てを行った山本氏から削除依頼が出ていたと思いますが。
そのうち削除されるのではないでしょうか?

>>100
あ、やっぱりそうですか?
PCだと横に長くなりすぎるので一行の文字数を半分くらいにしたんですよ。
携帯だとWikiが見にくいので、板では携帯で閲覧している方のことを優先的に考えますね。
次からは元に戻します。

>>101
そういっていただけると嬉しいです。
作者的にも少しツンデレ気味な子が好きなんですよ。

>>107
顔面に蹴りを入れたいブラッキー君の気持ちがよくわかりますねw
心情の表現がすごくお上手ですね。
この後の展開に期待しています。

>>108
戦闘の前の緊張感からバトルの臨場感まで、心象風景を交えた描写がとてつもなく素晴らしいです。
Galaxyはわたしの中では大好きな作品なんですよ。執筆頑張ってくださいね。

111 :舞無 ◆ooST1Ox9tc :2008/03/20(木) 02:58:00 ID:1VOX8Ibs0
>>103

弱肉強食ですね〜残酷だけどそれが自然の摂理
哀しいけど良い物を見た気分です。

>>107
ヘルガー(´・ω・) やさしいけどどこか抜けてるww

112 :舞無 ◆ooST1Ox9tc :2008/03/20(木) 02:59:35 ID:1VOX8Ibs0
ACT 02  1番道路を進む

1番道路、つい数十分前にコラッタの集団に襲われた場所
今度は人間が傍にはいないためいささか不安になるイーブイだが、茂みの先からはレッドがヒトカゲと共に歩いている。
その二人を目印に進んでいくイーブイ、理由としては彼らが野生のポケモンを倒して進んでいるためその後ろはいささか安全であるというのだ。
「しっかし邪魔な奴らだな〜お前らはもう一匹ずついるからいいんだよ」
ヒトカゲと共に歩きながら飛びかかって来たコラッタとポッポにそう言い放つレッド。それでも彼らはレッドの前に姿を現す。そこが草むらであるかぎり。
そして、それはイーブイにも通用することである、突然目の前にポッポが現れ一瞬たじろぐイーブイだが、Lv差があるため安心をする。
相手のポッポも相手が人間でないのを見ると安心し、軽く話をふってきた。
「ここらじゃ見ない顔だが、どこのほうから来たん?」
「えーっとタマムシシティっていう所かな…トラックの荷台に乗ってここに来たの」
タマムシと言われ、羽をくちばしにあて考え込むポッポ。どうやらマサラ近辺に住むこのポッポには分からないようだった。
「ふーん…俺っちはマサラとトキワしか知らないからな…そのタマムシって所はどんなとこだい?」
ポッポの何気ない一言に一瞬動揺するイーブイだが、すぐに「マサラと違って賑やかだよ」と答える。
「へぇ…俺っちは騒がしい所は苦手だねぇ…っと、もしトキワに行くなら気をつけたほうがいいぜ」
ポッポの突然の忠告に首を傾げるイーブイ。ポッポ曰く最近この辺にイーブイ以外の見慣れないポケモンがいて
そのポケモンは電気の技を使ってくるため、ポッポ達のような飛行属性を持つポケモン達には恐れられているとの事だった。
「んじゃ、気をつけていけよ〜」
ポッポの忠告に感謝の意をこめて手をふるイーブイ。ポッポと話し込んでしまったため目標としてたレッドの姿は見えなくなってしまった。
ハァ…
小さな溜息を一つついて歩き出すイーブイ、先ほどはレッドを助けるために戦闘を行ったが本来はあまり戦闘は好きではない。
しかし、それでは自分が強くならないというジレンマを感じつつ歩きだす。
しばらく歩くと、草むらが突然途切れショップ書いてある服を着た男の人がブルーに傷薬を渡している所が見えた。
「フレンドリィショップにはモンスターボールや毒消しも売っているので気軽に訪れてくださいね」
傷薬を受け取ったブルーは丁寧にお辞儀をするとゼニガメと一緒に次の草むらへと向かう。
その後を追うようにイーブイもブルーの通った草むらに入る。案の定彼女が通った後には体当たりでノックアウトされたコラッタやポッポが気絶していた。
「わた…俺もあれだけ強かったらな…」
ゼニガメやヒトカゲ達の強さに憧れながらブルーの後を気づかれないようについていくイーブイだが、今度はコラッタが現れ早々に体当たりをおみまいされる。

113 :舞無 ◆ooST1Ox9tc :2008/03/20(木) 03:00:13 ID:1VOX8Ibs0
「つっ…いきなり攻撃してくるなんて…」
「わ…悪い間違えた…そ、その…見かけない奴だから…噂の奴だと思って…」
体当たりをしてきたコラッタはすぐに非を認め謝ってきた。コラッタの情報では、その見かけないポケモンは黄色い体毛を持っているとの事だった。
(一体全体なにをどう間違えるとこの茶色の毛が黄色に見えるんだ)
心の中で突っ込みを入れながらコラッタの話を聞くイーブイだが、会ったばかりのコラッタはそうとうてんぱっていて気持ちが分からないでもなかった。
その後も進んでいくと、別のコラッタやポッポが現れるが先ほどのように出会い頭に攻撃される事はなかった。
どのポケモンも話題は正体不明の黄色いポケモンの事だった。特に飛行属性を持っているポッポの脅えようはとても酷い有様である。
「その…そんなに強いんですか?その黄色いポケモンって」
「いやぁ…あった事ないから分からないんだが、被害者が3匹程出てるんだ、ポッポとコラッタ2匹が奴にやられてるんだ」
しみじみと語るポッポとコラッタだが、会話の最中に別のポッポが現れ、黄色いポケモンを捕まえたと歓喜の叫びをあげながら跳ねまわっていた。
それを聞いたポッポとコラッタは顔を合わせるなり頷いて飛び跳ねているポッポから場所を聞きそこに向かう。
イーブイもその捕まった黄色いポケモンを一目見るためにコラッタとポッポの後をついていく。

たどりついた場所は遠くにうっすらと町が見える1番道路の草むらの終わりらへんの場所であった。
既にそこには大勢のコラッタやポッポが集まっておりなにやら深刻な話をしていた。
「なぁいったいどうしたんだ?」
イーブイが後をついていったコラッタが集まっていた内の一匹のコラッタに話かける。
「それがな…赤い帽子かぶった人間に数匹で襲いかかったコラッタ達がな、噂のポケモンを捕まえたんだがな、負けた腹いせにそのポケモンを
交替で輪姦していて、されてるポケモンがあまりにも可哀想でしかたなくてどうにかやめさせられないか話し合ってるんだ」
やはり弱肉強食の世界である。つい数十分前に戦ったコラッタ達は1番道路に住んでいるポケモン達のLvよりもかなり高く
大勢で挑んでも体当たりで一撃で気絶しかねない程の強さを持っている。
現にリーダー格のコラッタと戦ったイーブイも電光石火という技で体力をかなり削られ瀕死になりかけた。
「だ…だれか助けて…」
突然集まりの中心から霞のような叫び声が届く…。
「おい!もうやめてやれよ…いくらなんでも可哀想じゃないか!」
正義感を持つコラッタかポッポが居たのだろう、中心の方で勇敢な声がしたが鈍い叫びのような声がし、突然イーブイの目の前にいた
コラッタやポッポ達が左右に弾き飛ばされる。どうやら体当たりで吹き飛ばされたようだ。
「まったく…なにを勘違いしてやがんだ…俺達はこうしてこの1番道路の秩序を乱したこいつを粛清してやってるってのに…」
中心から聞き覚えのある声がし、周りに集まっていたポケモン達が次々と去っていく。
「ふん…解ればいいんだ…」
自分の前方に集まっていたコラッタとポッポ達が去ると、そこにはタマムシで一度だけ会ったことがあるピカチュウというポケモンが数匹のコラッタに囲まれ
精液でべとべとになっていた。既に力尽きているのか抵抗するそぶりは見せず、リーダー格のコラッタに体を突かれている最中であった。

114 :舞無 ◆ooST1Ox9tc :2008/03/20(木) 03:00:53 ID:1VOX8Ibs0
「酷い…」
あまりの惨劇を見たイーブイは自分の体に何かが湧きあがるような物を感じた。ピカチュウを犯しているコラッタ達が金色のグラエナとその仲間のように見えて…
気づけばイーブイは、ピカチュウを犯していたリーダー格のコラッタに体当たりを食らわしていた。
「ぐっ…またお前か…2度も邪魔しやがって…もう容赦はしないぜ…」
体制を立て直したコラッタはすぐに電光石火で体当たりをしてくる。それをすんでの所でかわすと、その様子を見ていた手下のコラッタの一匹に体当たりを食らわす。
性行為に体力を使ったのか、体当たりを受けたコラッタは軽く吹っ飛び気絶する。
「そっちが容赦しないならこっちも容赦しない…」
できる限り自分を強く見せようとするイーブイ、相手が複数いる時は自分が強いというのをハッタリでもいいからアピールし、数を減らす事を考えろとポチエナから教わっていた。
その教えを最大限に発揮し、手下のコラッタの数匹はその場から逃げ去る。
「ちっ…使えない雑魚共だ…まあいいさ…お前程度な奴なら俺一匹でどうにかなる」
そういうなりコラッタは再度電光石火を使う。それをイーブイはかわそうとするが、逃げ出さなかった手下のコラッタに体当たりをうけバランスを崩す。
そこに電光石火の一撃が入り、イーブイの体は宙を舞う。そのイーブイに追い打ちのように先ほど体当たりをしてきたコラッタが再度体当たりをしてくる。
その攻撃を空中でとっさに態勢を立て直したイーブイは体当たりで迎え撃った。
ドン!!!
鈍器によって殴られたような音が響き手下のコラッタは鼻血をだしながら空を舞った。
「なかなかやるじゃねぇか…だが、これで終わりだなぁ!!」
迂闊だった。目先の事だけにとらわれこいつの存在を忘れてしまっていた。リーダー格のコラッタはイーブイとの距離を目と鼻の先という程に詰めており
攻撃をかわす余裕すらなかった。そして、コラッタは口を大きく開き、イーブイの脇腹に噛みついた。
「ぐっ…!!」
脇腹からは血がしたたり落ち、コラッタの鋭い前歯で皮膚が食い破られた事を告げていた。
コラッタが歯を抜くと抑えになっていた物が抜け出血を始める。食い破られた部分を手で押さえると手はすぐに真赤に染まる。
「痛いか?痛いだろうなぁ…なんせ皮膚食い破られてるしな…早く止血しないと死ぬかもしれねぇぞ?」
「ハァ…ハァ…止血はお前を倒した後にすればいい…」
「なかなか骨があるやつだ…次は反対の脇腹に噛みついてやるぜ!!!」

115 :舞無 ◆ooST1Ox9tc :2008/03/20(木) 03:01:07 ID:1VOX8Ibs0
その言葉のすぐ後に、コラッタは口を大きく開けイーブイに突っ込む。対するイーブイも体当たりで攻撃し両者はぶつかり合った。
ガキッッ!!
今度はまるで何かが折れたような音が響き、かけた前歯が一本イーブイの頭部に突き刺さっていた。
「がっ…てめぇ…俺の歯を折るために頭から突っ込みやがるとは…」
歯が折れたコラッタは痙攣しており、その場からしばらく動けそうになかった。
一方のイーブイは突き刺さった歯が抜け、脇腹と同様に出血を始める。数秒の内に頬を血が伝い、イーブイの足元に赤い斑点を作り出す。
「はっ…やるじゃねぇか…見ての通り…俺はもう当分動けやしねぇ…お前の勝ちだ…そいつは好きにしな…」
無言でコラッタの言葉を聞いたイーブイは乳白色にまみれ気を失ったピカチュウを背負いふらふらとした足取りで草むらの終わりを目指す。
草むらを出ると、突然目が霞み始める。思った以上に噛みつくの傷が深かった事をイーブイはここで初めて知った。
己の状態異常を現すなら瀕死なのかな、と心の中で思いながら目の前に見える町目がけて精一杯歩くイーブイ。
ふら付きながらも町へ入り、人間の立てた看板の前にたどりつくイーブイ。
「ここはトキワシティ…」
看板を読んだ所で意識が遠のき倒れる。

「たく…オーキド博士への届け物で時間くっちまったなぁヒトカゲ…」
ポケモン図鑑を弄くりながら1番道路を出るレッド。町に来てフレンドリィショップに来たのはいいものの店員にお使いを頼まれ
マサラタウンへと戻っていたため、再度トキワシティへと歩いている途中であった。
トキワシティに入るとヒトカゲが何かを見つけあわててレッドの服をひっぱる。
ヒトカゲに引っ張られ来た場所はトキワシティの看板…。その下には血溜まりの中に身を埋めるイーブイと毛ががびがびになったボロボロのピカチュウがいた…。

 無印    ヒトカゲ選んでタケシとカスミで苦しむ。それが初代クオリティ!  『ポケモントレーナー レッド』


116 :舞無 ◆ooST1Ox9tc :2008/03/20(木) 03:06:16 ID:1VOX8Ibs0
ぼやき

この話の軽い設定ですが。4足歩行のポケモンも二足歩行したりしてます。
ちなみにポケモンは人間の言葉を理解できても人間と会話できません。

117 :鼠侍 ◆BqcizB9QjM :2008/03/20(木) 17:39:43 ID:TChhiNk60
早速書かせていただきました。
まだエロシーンはないですが後から出てきますのでよろしくお願いします。



この世界のどこかに神に魅入られた場所が在るという。

そこが何処にあるかは誰も知りはしない。

在るのかどうかも分からない。

しかし誰もが心の奥底で信じあこがれている。

そんな世界。




《 AGITATO 》


Act.1 僕と君

来週はとうとう僕たち、イーブイにとっての運命の日、今年成人するイーブイたちに“進化”の資格が与えられる。
神の掌と呼ばれるイーブイ族の聖地、そこで儀式は行なわれる。そこにある起源の石から放たれる光は僕たちを進化させてくれるものだ、なぜ進化するのかは分かっていない。
僕たちはその儀式(お祭り)の準備をしていた

「アル〜ちょっと来てー」

向こうからトーンの高い綺麗な声が聞こえてきた、振り返ってみると道具を運ぼうとしている僕と同じイーブイが見えた。

「何?イヴ?」

何って見ればわかる体に不相応な重そうな木材を運ぼうとしていた、アルが全力で持ち上げられるか上げられないか位の大きさだった。

「見ればわかるでしょ〜手伝って欲しいの」

よく女の子がこんな思い物を持上げようとしたのだろう?普通ならば自分の力量くらい把握しているはずだ。
もしかして僕のこと頼ってくれてるのかな?
そんな事をおもいながらアルは体全部のあるかどうかも怪しい筋肉をフル稼働させて木材を持ち上げた。

「よいしょっと・・・!」

重い木材を指定の場所に運び終えたアルは近くにあった手ごろな木に腰掛けた、すると小さな足音が聞こえてきた。



118 :鼠侍 ◆BqcizB9QjM :2008/03/20(木) 17:40:18 ID:TChhiNk60
「手伝ってくれてありがとね♪はいこれ、オレンジュースだよ」

「あ・・・ありがと」

差し出されたコップを受け取り口へ運んだ、口の中にオレンの味が広がった、すると手にわずかに痛みが走った、ふと見ると手が赤くなっていた。

「イヴ?今さ、ばんそうこう持ってない?」

「え?持ってないけど・・・って・・・ちょっと!血出てるじゃない!」

イヴは焦ったようにしてあたふたしていた

「多分何かで切っちゃったんだよ、たいした事無いから大丈夫だと思うよ」

イヴは辺りを見渡し何かを決めたらしくアルの手を取った

「ちょ!?な、何を!!?」

イヴはアルの傷を舐めていた、嫌な顔一つせずただ必死で

「ちょっと動かないでよ!今止血してあげるから・・・」

イヴは頭についているリボンをほどきアルの手に巻きつけ始めた
アルはなんだか恥かしくて声が出てこなかった

「はい!これで大丈夫だよ!」

手を見ると見事にリボンが巻かれていて血もしっかり止まっていた

「あ・・・ありがと・・・ゴ、ゴメン・・・僕のために・・・リボン使っちゃって・・・」

手に巻かれているリボンを見つめながらイヴの優しさを感じていた。

「いいよそんなの、その代わり・・・今度なんか奢ってね♪」

微笑みながら彼女は顔を寄せてきた。
僕は顔が赤くなるのを感じた、あまりに今の笑顔が可愛かったから・・・。

「う、うん・・・」

それから2時間後。

「よーし今日はこの位だ!みんな帰っていいぞ!」

周りのイーブイたちはちらほらと帰る姿が目立った、そして先輩はまだ作業を続けていた

「アル〜帰ろ〜」

後ろからイヴの声が聞こえた、振り返るとイヴが立っていた、いつもと変わらぬ優しい笑顔を見せながら。

「そうだね、帰ろう」

辺りはだんだん夕闇が押してきて街灯も付き始めていた、夕日で出来た長い影を見ながら二人は帰路に着いた

「ねぇアル、よりたい所あるんだけど・・・一緒に来てくれないかな?」

茜色の光で照らされたイヴの顔はどこか色っぽく大人の女の魅力を感じた。
どうせ家に帰っても何もしないし今はイヴと一緒に居たほうが自分のためになると思うし。

・・・なんでそう思ったのか?・・・恋・・・なのかな・・・?

Act.1僕と君  ―  End


119 :パウス ◆cFhbfcNzdA :2008/03/20(木) 19:53:06 ID:uK35/BGU0
>>110
いや、それはちょっと褒めすg(殴蹴
ありがとうございます。そう言っていただけると自信が湧いてきます。

>>112-115
文章力が素晴らしいです。これからの展開に期待大。

>>117-118
そう、それこそ恋なn(黙
なるほど、儀式という面白い進化方法ですね。


※この話には強姦が含まれています。

逃亡者 〜story8〜 ―望まぬ熱―

成すがままにされている俺はただ喘いでいるだけだ。
「く・・・ぅう・・」
ペルシアンは顔の前で雄の象徴(言いにくいのでモノとでも言っておこう)を握り、そのまま上下に動かしていた。
興奮しているペルシアンの息が直にかかり、それがまた敏感に反応させる。
こいつは絶対やり慣れている。これまでも何度か襲ったのか、あるいは襲われたのか。
いや、後者は無い。さっきの動き・・・あれほどの力量の持ち主が押さえ込まれる何て事は無いだろう。

やがて快楽が増してきたモノからは透明な汁がジワリと滲み出るように放出され始めた。
それのせいか、ペルシアンが前足を動かすたびにピチャピチャと水音が洞窟内に反響する。
「あらあら・・・・・さっきまで嫌々だったのに随分気持ち良さそうじゃない。」
この嫌味ったらしい言葉ではっと我に返った。確かにさっきまで快に酔っていた。
相当恍惚とした表情をしていたのだろうか、ペルシアンにそのことをズバリ言い当てられたのだ。
恥ずかしさと悔しさで顔が更に赤くなり、泪まで滲んできた。
「そんなに気持ち良くなりたいんだったら・・・・・もっと気持ち良くしてあげるわ!」
「うあ゛っ・・・!?」
急に増幅した快楽に視線を下に向けると、ペルシアンはモノをしっかりと固定し、先端辺りを何度も何度も舐め回していた。
敏感なところを舌が這う、少々のくすぐったさと、それを圧倒的に上回る気持ち良さに喘ぐ声を抑えられずにはいられない。



120 :パウス ◆cFhbfcNzdA :2008/03/20(木) 19:53:23 ID:uK35/BGU0
そして遂にはペルシアンに咥えられてしまった。
彼女の舌が絡みつき、唾液が潤滑油となり、強く吸いながら顔ごと口を上下に動かす。
「やめっ・・・・あ・・ぅ・・・・・・・・んぁ・・・」
暫くそうやってモノを弄り回した後、俺の体を這うようにして顔が近づいてきた。
実はもう絶頂に達する寸前だったというのに、そのタイミングで口を離したのは偶然か・・・?
いや違う。奴は完全に見切っていた。やはりこいつはこういうことに慣れている。
ペルシアンの顔がずいっと近づいてきた。
「もっと気持ち良くさせることも出来るのよぉ・・。あっというまにイっちゃうかもねぇ。」
また這うように移動する彼女の興奮した息が顔にかかり、次に額にかかり、最後に耳にかかった。
俺の上で四つん這いになって何をするつもりなのだろうか、そう思った瞬間だった。

「なっ・・・・!!」
ペルシアンの尻尾が瞬時にモノに巻きつき、そして上下に動かし始めたことによってまたあの快楽が戻ってくる。
更には両前足を俺の胸の上に乗せ、擦るようにして動かし始めた。
下半身、上半身とくるこの快は1足す1が3にも4にもなるように、さっきよりも極めて大きい快となった。
そして更に―――
「っ!?や・・・めろぉぉ・・!!」
ペルシアンは俺の耳にまで舌を這わせ始めた。
ここはモノまでとはいかないがかなり敏感な場所で、ここを刺激されると弱い。
下半身に上半身に耳からまで伝わってくる快は7にも8にも9にも――もしかすれば10にもなっているかもしれない。


121 :パウス ◆cFhbfcNzdA :2008/03/20(木) 19:53:44 ID:uK35/BGU0
「や・・・め・・・・・・うぅ、あぁあああぁぁああぁあああーーーーーっ!!」
びくっと体を仰け反らせ、何倍もなった快のせいであっという間に絶頂にまでたどり着く。
勢い良くモノから放たれた白い精はペルシアンの尻尾にも飛び散った。その様子を見下ろしていたペルシアンはクスっと笑う。
「たくさん出たわね・・。どお?気持ち良かった?」
「くぅ・・・」
気持ち良くないと言えば嘘になる、が、こいつの思う壺になるのも相当癪なので何も言わずに目を逸らした。
大体、快楽が絶頂にまで達した時に精を放つのだから、気持ち良かった?などと聞くのも可笑しい気がする。と、これまたどうでも良い。
ペルシアンは妖しげに微笑みながら俺の頭に前足を乗せ、撫でた。
「可愛い子ね・・・。ふふっ、そんなに気持ち良かったなら・・・・もう一回やってあげようか?」
思わずぴくっと体が反応した。期待でではない、その逆でだ。
あんなにいっきにやられ、かなりの倦怠感が込み上げて来ている今の状態で、またやられたら壊れてしまいそうだからだ。
焦る俺見て、ペルシアンは馬鹿にしたように笑った。
「冗談よ。もう充分楽しめたしね。」
この一言で、少しだけ残っていた体中の精気が根こそぎ吸われてしまったような気がした。


122 :◆HAKOcCnj4U :2008/03/20(木) 21:53:14 ID:4YRlTCX+0
えろしーんはもうちょっと先ですけど、とりあえずこっちに投下させていただきますね。

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「それで、調子は?」
 暫く経ってから再びヘルガーに聞かれ、ブラッキーは思わず生返事をした。
「それで……って、それだけだ。他に何かあるか?」
「そりゃーおっまえ」
 心外だ、とでも言いそうなヘルガーの表情に、ブラッキーはますます首を傾げる。
「オトコノコとして生まれた以上、嫌でも付き纏う責務を果たしておりますか、って聞いているんだ」
「…………」
 無意味に明るい笑顔を見せてくるヘルガーの顔面に、
整形が必要なほど蹴りを入れてやりたいとブラッキーは海溝よりも深く深く思った。
残念なことに、両前足を吊られているおかげで勢いを付けられそうにない。真に残念であるが。
「つーかそういえばトイレとかどうしてんの」
「これから毎晩お前の不幸を願うことにする。今なら神だって本気で信じれそうだ」
 ヘルガーがくつくつと喉の奥で笑った。絶対に分かって言っている。
 そんなもの、尿瓶に決まっていた。初日こそ恥ずかしさで顔から火炎放射が撃てるかと思ったが、
今ではもう慣れた。すいませんトイレしたいです、ああ分かりましたちょっとだけ我慢してくださいね、はいどうぞー。
入院前の生活では考えられないことだったが、今ではブラッキーの日常ルーチンの一部となっていた。
「……まさか、お前」
「ん?」
 ふと思いついて、ブラッキーが尋ねる。
「さっき言った『復帰』ってのは」
 おおそうそう、とヘルガーが前足を合わせ、嬉々とした表情になる。先ほどの真剣さが嘘のようだ。
ずずいと顔を寄せてくるが、暑苦しいことこの上ない。
「いやそれがさ、この前マスターにそういうトコに連れてってもらったわけ。
それがンもーマジ良いのよ。可愛い仔ばっかりだしみんな超上手いし」
「…………」
 バールのようなものを操れたら良いのに、とブラッキーは心から願う。
ギプスを巻かれて吊られている前足が今は心底恨めしい。
 真横でニヤニヤ笑っているヘルガーの顔をきつく一発睨みつけたところで、廊下から近づく足音が二匹の耳を叩いた。
「お待たせ。ごめんね」
 扉が開き、トレーナーが病室に戻ってきた。夜伽の話を中断して、ヘルガーがトレーナーの元へ向かう。
従順な黒犬が、まさか病室でこんな下品な話をしていたとは思うまい。
ブラッキーは心の中でまた一つ溜息を吐いた。
「マスター、お医者さんとのお話は終わったのかー?」
 尻尾を振るヘルガーに小さなおやつを与えつつ、そのトレーナーは頷いた。
病室の一番奥、ブラッキーのベッドへと歩み寄る。早歩きだ。ということは、やはり廊下で怒られでもしたのだろう。

123 :◆HAKOcCnj4U :2008/03/20(木) 21:54:25 ID:4YRlTCX+0
「ブラッキー、元気そうだね。良かったよ」
 大分良くなってるらしいね、と頭を撫でられると、ブラッキーは黙って小さく頷いた。
いつも一緒に居たのにいきなり引き離されれば、誰だって主は恋しくなる。
無表情を装っているものの、小さく揺れている尻尾がその証拠だ。
ヘルガーにはバレているようで、意地悪な笑みが見て取れるが、それはこの際無視することにした。
「おやつ、あげたいんだけど……駄目なんだよね」
 そう苦笑して、残念そうに頭を掻く。ブラッキーはそんな姿を見上げながら、
おやつは良いからもう少しだけ頭を撫でて欲しいと素直に言えず、大丈夫と小声で言うしかなかった。
しかしトレーナーは小さく笑って――心を透かし読んだわけではないだろうが――ブラッキーの喉元を軽くくすぐってくれる。
「みんな、戻ってくるの待ってるよ。早く良くなって、また一緒に訓練してバトルしようね」
 ブラッキーはまた小さく頷いた。
 そうしてこの一週間の、取り留めも無い話が始まった。
どこで買ったお菓子はみんなに好評だったとか、普段聞いていればすぐに飽きてしまいそうな話ばかりだ。
だがしかし、丸一日中病室内に閉じ込められているブラッキーにとって、
主のそんな話は真っ白い天井を見ているよりは遥かに面白い。
 トレーナーが日常の話をして、ブラッキーが嬉しそうに相槌を打って、
ヘルガーが茶化して、そしてブラッキーがうるさい黙れと言う。
そんなやり取りをして過ごす時間は、天井や外の代わり映えしない風景を見て過ごす時間よりもずっと早く過ぎてしまった。
「それで……ああ、いけない。もう面会時間終わっちゃうね」
 トレーナーが壁の時計を見て、残念そうにそう言った。時計の針は夕方の四時を示しており、面会時間の終わりを告げている。
 たまには時計もサボれば良いのに、とブラッキーは思った。
「またすぐに来るよ。ブラッキーが居ないんじゃバトルにならないから、最近少し回数減らしたんだ」
「おう、早く帰って来いよー。看護士さんに相談しとけ……っと、じゃあなっ」
 軽く首を傾げながら、トレーナーはヘルガーをボールに戻した。
ヘルガーの言わんとしていることは狙い通りにブラッキーだけに伝わって、
そして彼にそのボールを破壊したくなる衝動を沸き起こさせる。
トレーナーの方は、相変わらず不思議そうな表情のままだ。
 だが、ヘルガーを入れたボールを軽く叩き、ホルダーにしまいながら、
「……何だかんだ言ってるけどね、一番君のこと心配してるの、ヘルガーなんだよ」
「え?」
 面白そうにトレーナーが言って、またブラッキーは生返事をするしかない。
「今日お見舞いに行くって言ったとき、いの一番に同伴を名乗り出たんだ」
「……そ、そっか。でもそれ」
 ブラッキーは言葉に詰まって顔を背けた。
それは心配しているというより、入院している自分に対する自慢をしたいだけなのだ。
そう訴えたかったが、何だか卑屈になっているようで躊躇われたのだ。
 例えヘルガーでも、このつまらない入院生活に刺激を与えてくれたのは事実だ。
軽口の言い合いも、実は物凄く楽しんでいたから。
「それじゃブラッキー、早く良くなってね」
 少しだけ自己嫌悪に陥りそうだったが、トレーナーがもう一度頭を撫でてくれたので、別に良いやと思うことができて――
それで面会時間も終わり、主の姿を見送って、そしてまた代わり映えのしない入院生活に引き戻されることになった。

124 :◆HAKOcCnj4U :2008/03/20(木) 21:55:20 ID:4YRlTCX+0
感想などありがとうございました。

>>110
ねこぱんちねこきっくは可愛くて好きです。

>>111
どこか、どころじゃなくて底抜けでした。

では、また。

125 :メイ ◆wi89dZWRr. :2008/03/22(土) 13:58:24 ID:Q+VXqKcs0
こんにちは、メイです。
板に顔を出すのはかなり久しぶりなので、変に緊張してしまいます^^;
A false imageがようやく形になってきましたので、板にも投稿しておきます。

-------
第一章

1/はじまりと、ざわめき
僕は初めから何もかも覚えていたわけではなかった。

それは、ザワザワと風にたなびいている、草の音から始まった。
暗闇の中でその音が聞こえ、それからパチン、と何かが弾けた様な音がして、僕の周りは強い光に包まれた。

最初に見えたのは、どこまでも続いているような広い草原。
淡い緑の草むらを撫でるようにかすかに吹く微風に混じって、時折僕を押しのけるように強い風が吹いていた。
体毛が風をはらみ、そよそよと揺れている。視界を遮ったそれは、緑の草むらと対照的な、鮮やかな黄色。
顔にかかった体毛を、首を振って払いのけようとするが、勢い余ってそれは鼻をくすぐる。
くしゅん、と一つ、僕はくしゃみをした。
前足で体毛を払うと、そのまま目線が上へ向いた。
そこに広がっていたのは、草原と一体になって続く、抜けるような澄んだ青空。
風に煽られた筋のような雲の行き先は、遠く遠く、遙か彼方まで線を引いたように連なっている。

僕はその時、本当の意味で空っぽの頭と体を持っていたように思う。
自分は誰なんだろう、ここは何処なんだろう、そんなことも考えなかったくらいに。
文字通り、ただそこに立っていた、それだけのことだった。

ふと顔を下に向けると、そこには見慣れた黄色い足があった。
これがどうして、自分の意志で動くのだから、どうやら自分の前足らしい。
少しだけ、動かしてみる。

刹那、体が動く感覚。

それだけのことだったけど、僕は体中に血が通い始める音を、確かに聞いた。


これが、僕のはじまりだった。
自分がこの世界に誕生する瞬間を覚えている人はいないだろうけど、僕は自らが世界に存在するその瞬間を、覚えているのだ。
決して色褪せることのない、はじまりの記憶。
それを覚えていられることは、とても幸せなことだと思うのだけど…。

126 :メイ ◆wi89dZWRr. :2008/03/22(土) 13:59:30 ID:Q+VXqKcs0
僕よりも背の高い草が延々と続いていたから、かき分けて進むのに必死だった。
額にはうっすらと汗をかいていたが、ただただ前に進むことに集中していた僕は、そんなことは気にもとめなかった。

―――――このまま進めば、大丈夫。きっとどこかにたどり着ける。
この広大な大地のど真ん中でそんな絶対的な確信ができるはずがないのだが、そのときは不思議と満ち足りた思いで足を進めていた気がする。
今となっては、あの右も左も分からぬうちからよく迷いもせずに進めたな、と自分に感心するくらいだ。


と、一筋の風が、僕の頬を撫でる。汗をかいていたせいか、少し冷たく感じた。
今まで草ばかりで覆い尽くされていた視界に、ぽつり、ぽつりと青空が混じる。
草のトンネルも、出口が近いのかも知れない。そう思いながら、僕は歩を進めた。

すると途端に視界が開け、舗装されていないからなのか、やけに砂埃が舞う大通りに出た。
強かった風が、砂粒をのせてまともに僕の顔を叩くので、僕はほとんど反射的に目をつぶらざるを得なかった。

「危ないっ!!!」
何かが僕の体を蹴飛ばし、僕は宙に浮いた。
そのまま為すすべもなく、どさりと音を立てて地面に転がる。
「誰なのですか!ただでさえ今日は砂埃で視界が悪いというのに、いきなり飛び出してくるなぞ…!ひっ、姫様!?そちらへ行ってはなりませぬ!姫様!」
腹や首、あちこちに鈍い痛みが残っていたが、かろうじて声のした方向に頭をもたげる。
「大丈夫?どこかけがしたりしてない?」
そうして僕の元へ駆け寄って下さったのが、姫様だった。
僕は姫様の言うことに答えなかった。
その時の僕には、かけられた言葉に答えようとする意志がなかったのだ。
地面の上に転がったまま、僕はただじっと姫様を見つめていた。

「ねえ?どうしたの、あなた、何かお話してみて?」
僕が姫様のお言葉にもじっと黙っていると、後ろからマリルリらしき人が小走りに駆け寄ってきた。
「姫様!このような何者かも分からぬ者に、そう簡単に近づいてはなりませぬ!
はやりの病でもうつされたら、どうするおつもりですか!」
一息にそういうと、マリルリは僕から遠ざけるように姫様を後ろにやり、キッと僕をにらみつけた。
「あなた、何者なのです!姫様に何か危害を加えようとしていたのではないでしょうね!?」
なんとか起きあがれるようだったので、僕はとりあえず、体を起こした。
体をふるわせて砂ぼこりを払うと、マリルリは一層怪訝そうな顔をして、そのまま姫様を後ろにやり、更に僕から逃げるようにして後ずさる。


127 :メイ ◆wi89dZWRr. :2008/03/22(土) 13:59:59 ID:Q+VXqKcs0
と、先ほどから後ろに止まっていた馬車の戸が、一人の兵士によって開けられた。
すとん、とジャンプするように馬車を降りたその方こそ―――リラナス国王陛下、その人だった。
「何をしておるのじゃ。はよう出発せぬのか。遅くとも昼過ぎまでには帰らぬと……おやおぬし。こんな所でどうしたのじゃ。」
陛下は僕の方へ近寄ってこられたが、僕は相変わらず虚ろな目で陛下を見ていた。
「何じゃおぬし、口も利けぬのか。それとも耳が聞こえぬのか。おーい」
「へ……陛下!そのような者と、気安くお話しされてはなりませぬ!何処の馬の骨とも分からぬ者など……何を企んでいるか、分かったものではありません!」
マリルリの突然の金切り声に、陛下は慣れた様子でいくらか間をおいて、話し出した。
「……ジフよ、お前の日ごろからのシルヴィアの侍女としての働きぶりは、わしがよーく存じておる。故に、そのようなことを言うのも分かるが……
こいつの目をよく見てみい!悪いことなど決して企まぬ、清らかな澄んだ目じゃ!」
「そうよお父様、私もそう思います!この子、とってもいい子だと思うわ!」
「おお、シルヴィア、お前もそう思うか。さすがわしが育てた子のことだけはあるの。」
うんうんと、感慨深そうに首をふる陛下。
「それにしてもこやつ、みなしごにしては随分と綺麗な身なりをしておるのお。体毛も全然汚れておらぬし、『夜の申し子』と呼ぶにはちとおかしい。しかし一体どこから……沸いて出てきたわけでもあるまいし……おぬし、一体どこから来たのじゃ?」
僕は陛下の言うことに答えなかった。
答えられなかったと言う方が正しいかも知れない。
頭では陛下の言葉の意味を分かっているものの、それにいざ返答しようとするとなんと言ったらいいか見当がつかないのだ。
そんな風に僕がまごまごしていると、陛下は大きなため息を一つつかれた。
「困ったのお……まさかこのなんにもない草原のど真ん中で、おぬしのような子を独りで置いて行くわけにも行かぬし……おお、そうか。」
 陛下は名案を思いついた、と言わんばかりに目を輝かせ、マリルリの方をくるりと向かれた。
 「ジフよ、我が城の一階……調理場のあの辺りの倉庫が一つ、確か空いておったと思うが……」
 「はい、陛下。確かに空いておりますが。」
 「それじゃそれじゃ!そこにこやつを、保護してやろうぞ!」
陛下がそう言われた途端、ジフという名前のマリルリはぎょっとしたような顔になった。
 「へ……陛下!何を言ってらっしゃるのですか!このような口も利けぬ『夜の申し子』か分からぬ者など、放っておけばいいものを……!」
 「保護するだけなら別に良いであろう。おぬし、この馬車に歩いてついてこられるか?さあ、皆の者、参るぞ!」
 そうおっしゃると、陛下と姫様は馬車へと戻られた。
 続いてジフが、僕を睨み付けながら、お二人の後を追うようにして馬車へと乗り込んだ。
 馬使いが馬に鞭を入れ、馬車は出発しようとしていた。
 僕がどうしたらいいのか分からずに戸惑っていると、馬車の窓が開き、陛下が顔を出された。
 「おーい。早う歩きなされ。行ってしまうぞ。」
 陛下のそのお言葉に従うように、僕はとりあえず馬車を追っていくことにした。

128 :メイ ◆wi89dZWRr. :2008/03/22(土) 14:01:18 ID:Q+VXqKcs0
◆◆◆

 僕が城に連れてこられた当時、リラナス国では流行病が続いていて、そのせいで親を亡くした子供達が道に彷徨う……ということが増えていた。
そうした子供達は、親の病気がうつって死んでしまうか、教会もしくは孤児院に引き取られるか、山賊に拾われるか……そんな選択肢しかなかったのだそうだ。
しかし、そのような子供達を奴隷のように使う商売集団が現れてからは、路頭に迷う子供はめっきりと減った。
かわりに、盗みや荒らしの被害が増えたり、娼館に年端もいかない若い子供が入ってきたりと治安が悪くなるようなことも起こっていたが、
全ては昼の喧騒に紛れて表面上はその変化が分かりにくかった。


―――――――全ては夜になると、動き始めたのだ。
だから、そのような子供達は「夜の申し子」と呼ばれた。

城に来てからもろくに名乗らず、誰と顔を合わせても愛想を振りまく訳ではなかった僕は、どうやらその「夜の申し子」だと思われているらしかった。
「夜の申し子」にまともな部屋が宛われるわけなどなく、僕が入れられたのは石造りの倉庫の余りのような、冷たく薄暗い場所だった。
床に毛布を敷いて寝るような生活だったけど、山賊の一味になったり、孤児院に入れられるよりはマシだった、と言えると思う。
食事は厨房のおばさんが一日三回、決まった時間に持ってきてくれた。
そのおばさん以外とは誰とも顔を合わずにいた僕は、毎日マトマの実のスープとパンを食べるか、ぼーっとするか、寝るかの単純な生活を繰り返していた。


129 :パウス ◆cFhbfcNzdA :2008/03/22(土) 20:18:03 ID:5SAVHjIQ0
>>125-128
メイさん、板ではお久しぶりです。
A false image!待ってました!
相変わらず風景や心境の描写が凄いです。


130 :パウス ◆cFhbfcNzdA :2008/03/22(土) 20:31:25 ID:5SAVHjIQ0
受験期に小説の話が浮かんで来ていたので投稿が高ペースとなってしまっていますね。
もし雑になっていたりしたらすみません。



〜story36〜 ―最上魔術者 ジャンクル―

私は『裏庭』の連中は嫌いだ。多分、大が付くくらい。
私は人間に捕まえられて無理矢理悪に加担させられているが―――いや、加担してないかな。
こんな弱い私を使う人間なんていないのだから・・・。
ただ私はここで暮らしているだけ・・・・。でも、ここだって居心地が良い訳ではない。
湧き上がる罪悪感と、根源的な恐怖感が私の中で燻っている。
もうそろそろ日が傾く頃。でも私はあの夕日を見ることも出来ない。

続々と『裏庭』の連中がここ、『中庭』に姿を現し始めた。
さっきまでざわざわとしていたこの場が一瞬にして凍りつく。
中には恐怖を露にしている者もいる。―――多分、無理矢理加担させられている者達だろう。
中には尊敬の眼差しで見据えている者もいる―――多分、納得の上で加担している者達だろう。
私は恐怖が8、尊敬が2くらいだ。何故なら連中の中には彼がいるから・・・。


131 :パウス ◆cFhbfcNzdA :2008/03/22(土) 20:31:43 ID:5SAVHjIQ0
いよいよ『裏庭』の列も最後尾に近づいてきた。
大きなボーマンダのネルピスが入ってきたその次、ぐんと体のラインが下がる。
小さな体に、申し訳なさそうな顔をしている彼こそアクアだった。
すでに中に入った連中は好き勝手に散らばって好き勝手やっている。寝ている者や走り回る者など様々だ。
アクアは端の方に歩いていき、そこで壁に寄りかかりながら腰を下ろした。遠くで見ている私には気付いていない様子。
どうせなら驚かしてやろうと、周りに生えている木に隠れながら少しずつ、少しずつアクアに近づいていった。
いよいよアクアの左隣の木まで辿り着いた。そこから少し顔を覗かせて彼の姿を確認し、いよいよ飛び出そうとしたその瞬間。
「・・くっ・・・あっははははははははははは!マリン、もう既に気付いてるよ!?」
びっくりしてまた顔を覗かせると、アクアは笑いながらこっちを見ていた。
必死に隠れてた私がそんなに可笑しかったのか、その笑いは長く、長く、長すぎるほど続く。
「もう!バカッ!!」
そっちは面白いだろうがこっちはがっかりだ。折角アクアの驚いた顔が見れると思ったのに。
私は怒りをぶつけるようにアクアの肩を叩き続けた。


132 :パウス ◆cFhbfcNzdA :2008/03/22(土) 20:31:58 ID:5SAVHjIQ0
ようやくアクアの笑いが収まった頃、もう『裏庭』の連中は移動し終えたはずにも係わらずまた入口が開き始めた。
入口の開く音は結構響くためか、皆視線がそっちへ一斉に移動する。
この入るのも気まずい空気の中、扉をゆらりとくぐって来たのはサーナイトだった。
その超が付くほどの美男子的な容姿でにこりと笑い、誰にともなく手を振るサーナイトに、皆一斉に黄色い声を浴びせる。
アクアは目を輝かせ、嬉しそうな顔をしてサーナイトを見ていた。
「・・・ジャンクルさん!」
そう弾んだ声で強く呟くと、一目散にサーナイトの元へと駆けて行ってしまった。
私も何となくその後を追うが、正直少し怖い。
というのも、サーナイト―――ジャンクルは『裏庭』より上の階級に位置する、頭領直属のポケモンだからだ。


133 :◆HAKOcCnj4U :2008/03/23(日) 01:22:33 ID:N8pQ3Cew0
えろしーんはすぐ先ですけど、とりあえずこっちに投下させていただきますね。

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 そして彼は今、暗い病室で溜息を吐いている。
 ブラッキーにとって夜は長い。元々夜行性である上に、日中はすることも無くベッドの上で寝転がっているだけである。
今日は面会があったからマシな方だが、それでも眠気など微塵も感じられず、
ただぼんやり暗い天井と明るい月を交互に眺めるしか無かった。
 昼間のヘルガーとの会話を思い返し、また深く溜息を吐く。
 図星だと認めないわけにはいかない。普段なら、我慢できなくなくなれば自分で処理ができたのだが、今はこの状態である。
両前足が使えなければ、最終手段で自分の口で……というのもできなくはない。
しかし前足を吊られている状態では体を折り曲げるのが非常に辛く、それどころではないのだ。
体勢的にはどちらかというと筋トレに近い。……きっと常勤には雌ポケモンが多いのだと思う。
ポケモンセンターの雇用形態を憂うのは生まれてこの方初めてだが、恨めしいことこの上ない。
 溜まっている、というのはブラッキー自ら感じていることだ。
ここ数日、下腹部の妙な感覚が絶えず、廊下から流れてくる雌の匂いだけで変な気を起こしてしまいそうになる。
こうなってくると怖いのは自分の夢だ。
淫夢でも見て発射してしまえば、最早自分で処理しきれない惨状となるだろう。そうして次の朝に痴態を晒すことになる。
そんな不安が眠りを妨げ、彼の夜をより一層長いものにしていた。
 彼は今日もナースコールの紐を口に咥えている。
 骨折したポケモン用に、口で紐を引くと反応するタイプのものだ。
コールが掛かれば、その時間にセンターで勤務している看護士のポケモンと連絡を取れる。
実はここ数日、毎晩のようにコールを掛けては無言で返し、
慌てて駆けつけてきた看護士に対して狸寝入りを決め込む、ということを彼は繰り返していた。
 傍から見ればイタズラ以外の何者でも無い。実際に毎晩駆けつけてくる看護士も、
ベッドを囲むカーテンの中を覗きはするが、異常が無いことを確認するとすぐに立ち去ってしまう。
「……はあ」
 ブラッキーは深く溜息を吐く。幸せはどれだけ逃げただろう。
 別にイタズラをして気を紛らわそうとしているわけではない。気づいて欲しいのだ。
真っ当で健康な雄なら、そういう生理的な欲求がある――排泄と同じように――ということに。
そんな、当たり前に思っていた事実がここでは常識として通用しない。
尿瓶とは訳が違う。性別という名の壁は果てしなく高く、そして分厚かった。
 軽く首を動かして紐を引くと、天井に備え付けられたランプが赤く点滅し、ベッド脇のマイクにスイッチが入る。
『はい、どうしましたか?』
 その流れるような声に、しかしブラッキーは何も答えない。
多分ラッキーかな、とそんなことを考えるばかりで、もう一度異常を尋ねる声にも沈黙を返した。
 プツっとマイクのスイッチが切れる音が聞こえる。またいつも通りの猿芝居が始まるのだ。
 暫く待っていると、引き戸の扉がゆっくり開くのが聞こえた。
恐らく点滅するランプを目印にしているのだろう、とブラッキーは思っている。
廊下の明かりが逆光となって、ラッキーらしき影がカーテンのスクリーンに映った。
 それを確認してからブラッキーは目を閉じる。天井のランプは未だ点滅したままで、瞼の裏に赤い影を残していた。
「…………」
 カーテンを開ける音が聞こえた。きっとラッキーは不思議そうな顔をして、首を傾けているのだろう。
 数十秒ほどだろうか。ゆっくり浅い呼吸を繰り返していると、やはりいつもと同じように耳元でカーテンを閉める音がした。
そのままベッドから遠ざかる足音が聞こえて、そして遠くで扉を閉める音が響く。
 残ったのは、変わり映えしない視界だけ。
「……はあ」
 ブラッキーは深く溜息を吐く。時刻を確認すれば、もう午前の三時を回っていた。

134 :◆HAKOcCnj4U :2008/03/24(月) 01:22:50 ID:FnnuKYKo0
続きです。

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 あと何回、こんな夜を過ごせば良いんだろう。そう憂いながら、そろそろ眠ろうかと目を閉じたときだった。
「……?」
 病室の扉を開く、微かな音が再びブラッキーの耳に届いた。見回りにしては時間が早いと思う。
何より不審なのは、扉をすぐに閉めていることだ。普通の看護士なら、そんな面倒なことはしない。
 忍ぶような足音が、まっすぐブラッキーのベッドへと向かってくる。
一瞬迷ったが、先ほどと同じように狸寝入りを決め込むことにした。どちらにしろまともに動けないのだ。面倒なことは回避するのが得策だ。
 ……暫くすると足音が消えて、静寂が落ちた。
確かに扉を開ける音と足音は聞こえたのに、それが嘘のように物音一つさえ聞こえない。
様々な憶測がブラッキーの頭の中を飛び交った。患者でも迷い込んできたか、あるいは――幽霊? などとと思ったときだった。
「ねえ」
 驚くほど間近から声が聞こえて、思わず飛び上がりそうになる。
カーテンを開けた音がしなかったということは、上か下か、どちらかから潜り込んだのだろう。足音がした、ということは後者が濃厚だ。
「ここ最近、毎晩ナースコールでイタズラしてるのって、キミかな?」
 はいその通りですと言うわけにもいかない。ブラッキーは何も答えずに寝たフリを続けている。
 その何者かは立ち去ろうともせずに、小さく溜息を吐いた。
「起きてるんでしょ? バレバレだから、目開けなさい」
「…………」
 そこまで言われて、ブラッキーはやっと目を開いた。
自然と眉間にシワを寄せて眠たげな表情を作ってしまうのは、自分のプライドの最後の抵抗なのだと思う。
 ブラッキーの目の前にいたのは、頭に看護帽をかぶったブースターだった。
幼げな顔立ちで、ともすれば彼と同い年くらいに見える。
 可愛い、とブラッキーは思ってしまった。
 マズイと思ったときには既に遅かった。
すぐに顔を背けるが、どうしても彼女の匂いを意識してしまって、その存在を頭の中から排除しきれない。
 ブースターは不思議そうな表情でその様子を見下ろして、それから彼のギプスに目を留めた。
「……ああ、これじゃ駄目だね」
 何の遠慮もなくベッドの上によじ登って、吊られているギプスを軽く叩く。
とんでもない看護士だ、とブラッキーは思ったが、ブースターは全く気にした風もなく、更に続けた。
「これじゃ男の子は辛いでしょ。結構こういうところに疎いんだよね、みんな」
 『男の子』という部分にアクセントを置いたその言い方に、自分の顔が赤くなっていくのをブラッキーは感じていた。
気づいてくれることを願っていたけど、まさか本当に気づかれるとは思ってもいなかった。

135 :◆HAKOcCnj4U :2008/03/24(月) 01:24:13 ID:FnnuKYKo0
 焦って困惑の表情を浮かべている内に、その変化に感づいたようにブースターが微笑んでみせる。
「……別に変なことじゃないよ? キミくらいの男の子なら、普通のことなんだから」
「ち、ちがっ……」
 そう言って、遠慮なく、本当に何の遠慮もなく、ブースターがブラッキーの股間へと目を移す。
炎タイプって視線にも熱を持ってたっけ、とブラッキーは考えずにはいられなかった。
軽く体を捩るものの、その視線から隠すには至らない。
「あれ、もしかして何回もナースコール引いてたのって……」
 そのブースターの笑みに、イタズラっぽい色が混じり始めた。
その視線がブラッキーの股間を捉えているのは明らかで、そういう意識が一層彼の理性を狂わせてしまう。
耳の先まで赤くなるのを感じながら、ブラッキーは自身を反応させてしまっていた。
慌ててそれを隠そうとするものの、前足は不自由で、辛うじて後脚を閉じることしかできない。
「ふふ、別に隠すことないじゃない」
「――な、なっ……!?」
 驚くべきことに、そのブースターは前足を内股に這わせ始めた。
ベッドの上、ブラッキーの脇に座り、彼の後脚をゆっくり開くようにして。
必死にその力に逆らおうとするが、後脚だけの力で敵うはずがない。
あっさりと開脚させられて、すっかり欲情しきったペニスを外気に晒す羽目になってしまった。
「なにすんっ……!」
「しー……っ」
 何するんだ、と抗議の声を上げようとしたが、ブースターの窘めるような小声に言葉を詰まらせてしまった。
「……声、出しちゃ駄目だよ? 私だって、こんなとこ誰にも見られたくないもの」
 イタズラっぽくブースターが笑う。その柔らかく温かい体に圧し掛かられながら、どんな罠だ、とブラッキーは思った。
濃い雌の香りが一瞬で脳髄を貫いて、肢体を絡ませてくるのブースターの感触以外、何も感じられなくなってしまう。
 呼吸が荒くなっているのを、認めないわけにはいかなかった。
「ふふ、可愛い顔してるね。……このままお預けなんて、嫌でしょ?」
 顔同士が衝突しそうな距離でそう聞かれ、首を横に振れる奴がこの世に一体どれだけいるだろう。
続きです。

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長すぎるって怒られたので分割しました。

136 :カゲフミ ◆tLVuNBhIJA :2008/03/24(月) 10:43:54 ID:yE9cmOgU0
>>108 パウスさん
スレ違いの文章にレスありがとうございます。
次からは気をつけますね。

>>111 舞無さん
自然の世界は厳しいものがありますよね。
残酷ですが、どこか切なさを含んだ文章を書いていけたらなと思ってます。
レスありがとうございました。

137 :ピカピカ:2008/03/24(月) 12:25:32 ID:Ibxv4sKw0
皆さんお久しぶりです。ここ最近忙しくてまったく参加できませんでしたがまた皆さんと一緒にやれるのが嬉しいです。
これからもよろしくです。
そういえば、ここに小説を書かせていただくことになるわけですが、何の前触れもなく前の小説を書いてもいいんですか?

138 :メイ ◆wi89dZWRr. :2008/03/24(月) 13:49:55 ID:OBdLz8ag0
>132
コメントありがとうございました^^
まだまだリメイク前の状態になるのには、時間がかかりそうです。

サーナイト、ジャンクルきたー!!
何が起こるんでしょうか!続きが気になります。


>133-135
ちょw
ナースブースターw
意外な展開にwktkです。

>137
お久しぶりです、ピカピカ様。
新しい小説師さんなら、いつでも大歓迎ですよー^^
頑張って下さいね。


139 :メイ ◆wi89dZWRr. :2008/03/24(月) 13:55:19 ID:OBdLz8ag0
>>136 カゲフミ様
無垢な牙、読ませていただきましたが……。
なんだかポケモンも、動物の一員なんだと再認識させられる始まりでした。

弱肉強食の恐ろしさを、体感できました。
続き、楽しみにしています!


140 :パウス ◆cFhbfcNzdA :2008/03/24(月) 22:36:29 ID:SGpHlDAQ0
>>133-135
いや、ブースターが積極的すぎwwwwwww
僕の中ではブースターは雄という勝手なイメージ(だから僕の作品のブースターは雄が多い)があったんですが
それを一気に塗り替えるほどつぼだったりww

>>137
お久しぶりです。ピカピカさん。
僕は「前板の続きです」などと入れてくだされば良いと思うんですが・・。
これは僕個人の意見なんで。

>>138
コメントありがとうございます。
いやいやいや、今の状態でも充分過ぎるほどです。

作品の中で早く書きたい、というシーンが山ほどあるのですが、ジャンクル登場はその一つでした。

141 :ピカピカ:2008/03/25(火) 15:30:00 ID:5JQ3NtyQ0
バウスさんの意見を使わしてもらいます。
前板の続きです・・・。

<第5話 限界>
月見山に走ってやっとついたカリはその時点で体力に限界が来ている状態だった。
しかしカリは今そんな事を気にしている場合ではなかった。早くしないとカリの大切な人、ミナの命が危ないのだから。
「ここが月見山か・・・確かに言われたとおり険しい山だな・・・でも・・・!!」殆ど足場の無い山を登っていくカリ。だがその時
「うっ!!痛ッ!!」ふさがりかけていた傷口が開いてしまったカリ。体中に激痛がはしる。
「こんな所で・・・落ちたら死んでしまう!!」そう思いながらもカリの体はいうことを聞かない。
「誰か・・・助けてくれ・・ッ!!」叶うはずも無い願いを信じながらカリはどんどん落ちていく。その時岩を掴んでいたカリの手が離れてしまった。
「うわぁぁぁぁッ!!」
(こんな所で・・・ミナのことも助けられずに死ぬのか・・?ミナは俺の事を支えてくれていたのに・・・俺はミナに何もする事ができないのか・・・?・・・ごめん、ミナ・・俺、先に行くよ・・・)
またその時落ちていくカリに何かが当たった。
「痛ッ!!」ぶつかった物から声が聞こえた。
「何だぁ?空から何か落ちてきやがった・・・んっ・・?こいつは・・・」ぶつかった物の正体は一匹のディグダだった。

(・・・・?ここは・・?俺生きてるのか?)目を覚ましたカリはふと横を見るとディグダがいた。
「あ〜〜ッ!!あんたは・・!!ッ!!」また体に激痛が走る。
「起きたか・・・無理すんな。何せ20メートルくらいの高さから落ちてきたんだからな」
「何でここに・・?モーグおじさん・・・」彼を助けたモーグとはカリのおじさん。放浪の旅をしている独身のおじさんだ。


142 :ピカピカ:2008/03/25(火) 15:52:04 ID:5JQ3NtyQ0
「いやぁ・・・ふらふらしてたらこの町まで来たもんだからさ・・・久しぶりに顔でも見に行こうかと思ってたらよ・・・お前が降ってきたもんだから驚いたぜ・・」
「あっ・・!!そうだ俺、ある草をとりにここまで来たんだ!!急がないと・・!!」でも体がいうことを聞かない。傷はそれほどまでに深いものらしい。
「草?そいつぁまたどうして・・?」タバコをふかしながら聞いてくるモーグ。
「そ、それは・・その・・病気を治すために・・・」
「誰の・・・?お前の友達か?」
「いや・・その・・・俺の・・大切な人・・」
「・・・・そうか・・ミナちゃんだろ?」
「・・・!!何でそれを・・!?あっ・・・」
「やっぱりか・・・昔からお前は分かりやすいからな・・・」
「そ、そんな事言ってる場合じゃないんだ!!急いであの草を探さないと・・ミナが・・ミナが・・!!」少し泣き目になっているカリを見てモーグは静かに話しかけてきた。
「それはどんな病気だ・・?」
「・・・満月病・・だけど・・」そう言うとモーグは持っていたバッグから一つの草を取り出した。見た事のある草だった。
「そ・・それってもしかして・・」その草は間違いなくあの資料に載っていた草だった。
「この草はかなり高く売れるから土産にしようと思っていたが・・・お前にくれてやる」
「本当か・・!?モーグおじさん!?」
「だが一つ条件がある・・・」そう言うモーグにカリは
「じょ、条件?それは・・・?」
「その条件はな・・・」カリは息を呑む。
「お前が一生あの子を愛し、大切にすることだ」
(・・・!!)その条件を聞いたカリは少し驚くが、答えはすぐにでた。
「あぁ、もちろんだ・・一生あいつを守るって約束したからな」その時モーグは草を投げてカリに渡した。
「・・・行け・・急ぐんだろう?俺はもう少ししてから行くからな・・」
「うん・・・ありがとう。モーグおじさん・・」カリは深い傷の痛みに耐えながら走って病院に向かった。
「若いっていうのは・・・いいものだな・・」タバコを地面に落として火を足で消すモーグ。


143 :ピカピカ:2008/03/25(火) 16:16:37 ID:5JQ3NtyQ0
急いで病院に向かうカリ。傷口からは多量の血が出ている。
(だんだん意識が遠のいてきた・・・だけど・・急がなくちゃ・・待ってろ・・ミナ・・・!!)
町の人はカリの事を心配しながら見ていて、声をかけて傷の治療を言うがカリは一向に否定する。
命がけで走っているカリに町の人たちはただ見ているしかできなかった。
病院に着いたカリは真っ先に集中治療室にいるミナの所へ走る。傷からは血が止め処なくあふれ、片足は引きずっている。
「せ・・・先・・生・・!!草・・草・・!!」まともにしゃべる事もできなくなったカリはそこで倒れてしまう。


どれくらい時間が経ったのだろう・・・
俺は今何処にいるんだろう・・・・・・
ミナは・・ミナはどうなったんだ!?

目を覚ましたカリは病院のベッドに横たわっていた。
「起きたんだね・・カリ君・・」先生が病室に入ってきた。
「先生・・・ミナは・・・?ミナはどうしたんですか?」
「起きれるかな?来たまえ」重いからだを起こして先生の後について行くカリ。
「入りなさい・・・ミナ君はこの中にいるよ」部屋は集中治療室だった。
部屋に入ったカリはベッドで寝ているミナを見つけた。
「・・・ミナ?」近づいてミナの頬をなでるカリ。ミナは生きている・・・間に合ったんだ・・
「んっ・・?カ・・リ?」ゆっくり目を開けたミナ。
「あっ・・・カリ・・あの・・その・・」ミナはまだカリは記憶を失くしたままだと思っている。
「・・・ミナ」カリが呼ぶ声に反応するミナ。
「カリ・・・?カリなの・・?」
「そうだよ・・思い出したんだ・・全部ね・・」
「カリ・・!!良かった・・!!ごめんね・・私のせいで色々迷惑をかけちゃって・・」
「言っただろ?ちゃんとお前を守るってな・・・」その言葉に思わず涙を流すミナ。
「覚えていてくれたんだ・・あの約束・・」
「忘れないよ・・あの日があったから・・・今の俺があるんだから・・あの日がなければ今の俺はないよ」
「・・・カリ・・」
「・・何?」
「私ね・・・ずっとね・・カリのことがね・・」
「待って・・・その先は俺が言うよ・・・」
「えっ・・・?」
「俺はお前が好きだ・・世界中の誰よりも・・お前が好きだ・・!!」
「・・カリ!!私も・・ずっと好きだった・・!!」
二人はそこで優しく抱き合った。誰にも邪魔されずに・・ずっと・・・

144 :◆HAKOcCnj4U :2008/03/25(火) 20:32:24 ID:6eJVfvZc0
続きです。

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 小さくベッドが軋む。ブースターがブラッキーの体を抱き寄せるとともに鳴ったその音は、彼の喘ぎを代弁したのかもしれない。
「本当は声も聞きたいけど……仕方ないもんね」
 そのままブースターは無邪気に笑いながら口先を寄せ、彼の頬に舌で線を描いた。
「……でも、目は開けて欲しいな」
 言われるまま、躊躇いつつもブラッキーは堅く閉じていた瞼を開く。
息も掛かるような距離に、どんぐりのように丸い瞳が二つ。その中に自分の表情まで伺うことまでできてしまった。
口周りが無駄に緊張してしまっている表情が滑稽で、ひたすらに情けない。
「キミはもう準備万端って感じだけど、ちょっとだけ私に準備させて、ね?」
 その直球な物言いに、思わず言葉に詰まってしまう。事実であるからして何も言い返せない。
 鼻先同士をくっつけてから、ブースターは更に腰を押し付けてきた。
きし、と更にベッドが軋む音が聞こえて、それと同時にブラッキーは雌の柔らかさを嫌というほど堪能させられることになった。
 体が燃えるように、熱い。
「ん……、く」
 閉じた口から小さく漏れた声は、体同士が擦れ合う音に掻き消されてしまいそうだった。
 ブースターが、その体の中で最も柔らかく繊細な部分を、今自分の体の中で一番緊張している部分に擦り付けてくる。
その滑らかな花びらに挟み込まれ、それだけで心臓まで蕩けてしまいそうなのに、
その感触はゆっくり先端に向かって這い上がってくるのだ。
「ゆっくりするから、我慢……してね?」
 呼吸まで震えてしまっているブラッキーに、ブースターが再び囁いた。
 余裕を搾り出すようにして何とか頷くものの、体全体が緊張してしまって息を吐くことすらままならない。
食むようにして先端を撫でられると、遂に体が小さく跳ねてしまった。
 こんな拷問は受けたことが無い、とブラッキーは思う。
いっそ自分から腰を動かして全てを終わらせてしまいたい衝動に駆られるが、それは雄としての最後のプライドが許さない。
 ブースターは気遣うように、そこで何度か呼吸を置いてから、ゆっくり腰を下ろすようにして根元の方へと戻っていく。
同時にその柔らかい感触も熱を残しながら這っていった。
「よっぽど我慢してたんだね。……炎タイプみたい」
 このやろ、と思ったブラッキーの瞳に、相変わらず愉しそうに笑うブースターの表情が映った。そもそも野郎ではなかった。
その愛くるしい表情を再確認してしまうと、口を閉じたまま視線を枕元へ逸らすことしかできない。
逸らすのだが、そんなものは気休め以外の何物でもなく、相変わらず彼女の性器は敏感な雄に密着し、
快感の奔流を送り込んでくる。
「……ん、な」
 その快感に気を取られている隙を突くように、ブースターが鼻先を寄せて――
気がついたときには、ブースターの小さな口がこちらの口に柔らかく正面衝突していた。
丁寧にブラッキーの頬に前足まで添えて、その感触から逃げられないように。
「んぐ、ぅ……」
 思わずくぐもった声を上げてしまうが、それも彼女の口の中に吸い込まれるように消えてしまう。
更にその柔らかい感触の中から熱いぬめりが割り込んでくると、最早抗議の声さえ上げることを許されない。
 炎タイプ独特の熱い舌を深く差し込まれ、同時に性器をじっとりと嬲られている自身の状況に、
まるで犯されているようだ、とブラッキーは思った。その恥辱に頬が熱くなるが、
ギプスを巻かれて吊られている前足は、手錠か何かで拘束されているのに何ら変わりはない。
目の前の無邪気そうなブースターがとても恨めしく感じてしまうが、胸元から、お腹から、そして性器同士から伝わる熱に、
自身の理性が少しずつ溶かされているのもどこかで感じている。そもそも状況が異常過ぎるのだ。
暗い病室の中で、聞こえてくるのは衣擦れの音とベッドが軋む音と、
目の前の看護士が美味しそうに自分の口の中を弄んでいる水音だけだなんて。
声も上げられず、逃げることも許されず、ただ可愛い雌に慰められるしかないだなんて――

145 :◆HAKOcCnj4U :2008/03/25(火) 20:33:37 ID:6eJVfvZc0
 再びブースターが腰を押し付けたとき、まるで押し出されるようにして小さな雫が先端から溢れ出るのをブラッキーは認めた。
彼女の下腹部から粘るような熱い感覚が少しずつ広がっていくのも同時に感じる。
……これが終わった後どうやって汚れた体やシーツを処理すれば良いんだろう。
伏せって頭を抱えたくなってしまうが、この体の熱は後戻りを許してくれそうにもない。
「ん、んぁ……っ」
 頭の中で思考が渦巻いている内、ブースターの舌は更に深く入り込んで……
更にブラッキーの口を割り、彼の舌を吸い出すようにして自身の口の中へと捕らえてしまった。
途端に舌先が灼熱の中に放り込まれたような感覚に包まれる。
反射的に体を捩らせようとするものの、腰はブースターの後脚にしっかり挟み込まれ、もがくことさえ叶わなかった。
 元々猫舌で――食物連鎖ってこういうことなのかな、などとブラッキーは頭のどこかで思った。
溢れ出した温かいものが自分の内股を伝っていく感覚が、何かを諦めさせる。
「んく……、んふぁ、ぁっ」
 その子羊のような獲物を、ブースターは熱い熱い口の中に捕らえたまま、
くすぐるように舌を合わせ、唾液を搾るように吸い上げ、存分に愛おしむように舐めしゃぶってくる。
擦り付けられるような熱のおかげで舌はすっかり蕩けてしまったようで、もう殆ど感覚が無い。
下半身の、強張りに絡みつくような感覚も更に深くなって、今自分は二箇所を同時に食われているんだろうな、とブラッキーは思った。
「ん、ふぅ……。えへへ」
 そのままブースターがゆっくり口を離すと、ブラッキーの舌は口の外に引き出されたまま、彼女とを繋ぐ糸を紡ぐことになってしまう。
外気に晒されたその細い糸は、彼女が小さく笑うとともに、窓の外の月の光を映してすぐに切れた。
深く呼吸をすると、病室内の空気が信じられないほど冷たく感じられる。一体どれほどの熱を叩き込まれたのか――
ゆっくり吐いた息は、微かな白い湯気となる。
 少しだけ呼吸を落ち着けてから、確かめるように自由になった舌で自分の鼻先を舐めてみようと試みる。
と、ちゃんと鼻先に当たる感覚があったので少し安心した。本当に溶かされてしまったわけではないらしい。
 だが、ブースターはその様子を見て声を殺すように笑っている。
「……溶けちゃうとでも、思った?」
 ブラッキーは、自分の顔が更に紅潮するのを感じずにはいられなかった。
「ごめんごめん。でも、あんまり可愛かったから、つい、ね」
 複雑な表情で顔を逸らすブラッキーに、ブースターが全くフォローになってない言葉を掛ける。むしろ追撃だ。
そのまま軽く腰が離れると、今まで密着していた性器同士も離れ……互いの粘液の香りが沸き立つように立ち込める。
 そのまま半ば強引に顔を正面に向けようとするブースターに、ブラッキーは頑なに抵抗する。
だが、拗ねないの、という囁きとともに耳元に息を吹きかけられると、一撃で悶絶したように体から力が抜けてしまった。
 こういう技がバトルにあったら一体どうすれば良いんだろう、と蕩けそうな頭の中で思いながら、
ブースターがゆっくりと腰の位置を整えているのをぼんやりと見ていることしかできなかった。

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>>138
頭に看護帽乗っけるだけで印象が大分変わるような気がします。
どの仔にも大抵似合うんじゃないかなー、なんて。

>>140
個人的にはイーブイズはみんな♂♀どっちもありかなと思ってます。
でもブースターが雄ってイメージには頷けます。炎ですしね。
今回はあのもふもふを捨て難かったので女の子として起用しました。
気に入っていただけたのなら嬉しいです。

146 :三月兎 ◆BOOST1aovo :2008/03/25(火) 22:28:01 ID:K0MSl6160
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◆BOOST◆ The First Volume 〜小さな恋と亡失の過去〜
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chapter.02 ―曇り空― 後半

 曇り空の上。湿った風が頬に心地よい。
 俺は晴れた空よりも曇った空のほうが好きだ。蒼天の下にいると自分の姿がくっきりと照らされて、まるで世界から拒絶され隔離されているような気分になる。
 曇天は素敵だ。身体が空へと溶け入るようで。
 俺はこの湿った風になりたいといつも思う。

 ホウエン地方、シダケタウン西の上空を飛ぶ一機のヘリ。キレンスはその乗降口から顔を出して地上を見下ろしている。団の任務は逃げ出したイーブイを捜すこと。キレンスは持ち前の視力と戦闘能力を買われてこの任務に参加しているのだ。

 ふと、眼下の森に赤い影がちらつく。
「イーブイの進化系……ブースターを発見しました」
「本当か?」
 後ろから身を乗り出したのは、リングマのような体格の人間の男性――コードネーム“タイガー”と名乗る団幹部の一人だ。
「間違いないっす! ブースターっす」
 タイガーの部下、ラットが反対側の乗降口から双眼鏡で再確認し、謎めいた訛りで叫んだ。
 謎めいていると言えばこの男、顔も謎めいている。何が謎かって、人間のくせに顔がコラッタのようなのだ。とは言うもののやはり人間の顔だが、出っ歯や目つきはコラッタそのものだ。
「よし、人気のないなるべく近い所に硬化しろ」
 タイガーがパイロットに命令し、ヘリは方向を変えて高度を下げ始めた。
「見たところトレーナーはいなかったっす。可能性はあると思うっすよ」
「ホウエン地方で野性のブースターだと? それは珍しい。期待できそうだな」
 タイガーはそう言ったが、恐らくその期待は裏切られることになるだろう。あいつはアルメリアじゃない。
 こんな高いところから見ただけでははっきりとした姿も匂いもわからないので断言はできないが、俺にはなんとなく感じられる。
「奴が“当たり”なら……任せたぞ、エイト」
 エイトというのは俺のコードネームのような――いや、コードネームというのも少し違うか。そんなに格好いいものじゃない。
「……はい、タイガー様」
 忠義深げに答えてやると、タイガーは満足げにキレンスの頭を撫でた。

147 :三月兎 ◆BOOST1aovo :2008/03/25(火) 22:28:55 ID:K0MSl6160
「今のお前なら大丈夫だ。組織を抜け出した腑抜けに遅れは取らんさ」
「でも逃げ出す前はエイト君よりかなり強かったんすよね?」
「バカ者。奴が抜けてからエイトがどれだけ腕を上げたと思っている」
「と言われてもそのイーブイが逃げ出したのはボクが入団する前っすからね。わかんな――でっ」
 言い切る前にタイガーの拳がラットの脳天に振り下ろされた。
「下っ端の分際でわからんことに口出しするな。まったく、俺様からエイトへのありがたい労いの言葉に水を差しおって……」
 ありがたくはないがな。
「間もなく着陸します」

 ヘリは森の中の少しひらけた場所にゆっくりと降り立った。
「よーしラット、エイトと俺のネスビルをつけるからお前見てこい」
「マジっすか!」
「当たり前だ。歩き回るのは下っ端とポケモンの仕事だろう」
「ラット様、仕方ありません。行きましょう」
「さ、様!? 天下のエイト君がボクを敬称で――」
「うるさい。さっさと行け」
 ラットはドカッと尻を蹴られ、ヘリの外へと放り出された。
「出てこい、ネスビル」
 次いで、タイガーが投げたボールからゲンガーが登場する。
「よォ、久しぶりィ!」
 ラットと組んだのは初めてだが、タイガーやネスビルとは何度も共に任務をこなしたことがある。俺には決まったトレーナーがついておらず、レイキ総統や幹部クラスの団員と行動することが多い。
「ターゲットはここから東に約八百メートル。確認が取れたら捕獲だ。今回は野性だから、くれぐれも人間には見つからんようにな」

148 :三月兎 ◆BOOST1aovo :2008/03/25(火) 22:29:20 ID:K0MSl6160
 ――アルメリア。
 やっと自由になれたのに。
 しかし組織が捨て置くはずもない。俺やお前の“開発”には何億という金が掛かったらしいからな。
 今はどこでどうしているのだろう。願わくばこのままうまく逃げ切ってほしい。こんなところにいるのは俺一人で十分だ。
 それにしても――――

 ――――とんだ星の元に生まれてしまったものだ。俺も、お前も。

     ◇

「しかし何なんだそのエーフィ……キスナローゼ、だっけか? あんな体当たりとかサイケ光線初めて見たぞ」
「私も予想外だったわ。この仔があんなにすごいなんて……」
 焚火を取り囲む面々も増え、今回はジョウト地方の旅とは違って賑やかだ。ホウエン地方へは初めて訪れたということもあって新鮮でもある。澄んだ星空などはジョウトの都会じゃ見られなかった。
「あれがマグレじゃなかったら…………はっきり言って、俺のポケモンを全員戦わせたとしても勝てない」
「まさか。シーグルはジョウトリーグチャンピオンなんでしょ?」
 俺ら全員で負ける……? んなアホな。
「そやご主人、いくらなんでもそら言い過ぎやで。俺一匹でもいい勝負ちゃうん? 俺やったらあんな攻撃避けてやな…………そや、その前に俺悪タイプやからエスパーは効かんで」
「そういう問題か。能力の高さだけじゃないぞ。あの流れるようなコンビネーションと反応速度。攻撃のタイミング。防御力の低さも省みず懐に飛び込むハート。相当の修羅場をくぐっているに違いない」

149 :三月兎 ◆BOOST1aovo :2008/03/25(火) 22:29:38 ID:K0MSl6160
「僕が、修羅場を……?」
「訓練をすっぽかすのが日課だったのにね」
「クレシアっ。それは言わないお約束…………」
「とまぁ、いつもこんな感じだったけど。訓練ではクレシアにも全然勝てなかったのよ」
 訓練をすっぽかすとは何ちゅうやっちゃ。トレーナーにも問題あるんちゃう? しかしそれであの強さとは……
「きっとクレシアさんには遠慮してたのよ。キスナは優しいもんねぇ?」
 ディアリスは意味ありげに隣に目をやった。
「きみは僕の何を知ってるんだよ」
 キスナローゼはご主人やエリアさんに聞かれないためだろうか、俺らの言葉で毒づいた。外面はいいらしい。
「ぜんぶ」
「嘘つけ」
「あ、忘れてた。やっぱり一緒に寝ないとキスナの全てはわか」
 ゴツン、と何か重いものがディアリスの頭を殴打して、最後まで言葉を紡がせなかった。
「ディアリス、大丈夫か!?」
「痛たたたっ……だ、大丈夫」
 後頭部を押さえて蹲る彼女の横には中身の詰まっていそうな木の実が転がっていた。
 どうやら上の木の枝から落ちてきたようだ。
「貴女も運が悪いのね。日頃の行いに気をつけなさい」
 涼しい顔でその様子を観察するクレシアもこっちの言葉だ。
「でもいきなり落ちてくるなんてねぇ……ところでクレシア、さっきディアリスちゃんはキスナと何の話をしてたの?」
 と、エリアさんが先ほどの危ない会話のないように興味を持ったらしい。果たしてどう説明したものか。
 正直に言うのはやめといた方がええような気がするけどな。
「さあ……わたし、ちゃんと聞いてなかったから」
 クレシアが逃げるとエリアさんは今度はキスナローゼに擦り寄った。
「キスナ、教えてよー」

150 :三月兎 ◆BOOST1aovo :2008/03/25(火) 22:30:06 ID:K0MSl6160
「だ、だめだよ。ディアリスはきっとご主人さまたちに聞かれたくなかったから僕たちの言葉で言ったんだと思うよ?」
「そっか…………なら仕方ないわね」
 キスナローゼはとりあえず誤魔化してエリアさんを納得させた。
「クレシアは何て声かけたの?」
 が、彼女はすぐに別の話を持ち出す。
 こら気ィつけとかな……この人エライしつこいっちゅうか、好奇心強すぎやで。
「人語で言うなら……『これは大変。大丈夫?』って感じね」
 嘘をつきな大嘘を。
「へぇ……あんなに短い鳴き声の中にそんなに?」
「なんとなく伝わるものよ。人間みたいに苦労して言葉を覚えなくてもね」
「なんか不思議ー」
「それなら博士に聞いたぞ。実はポケモンってのは――――」

 ご主人の蘊蓄が始まるとエリアさんはそれに聴き入り、キスナローゼとディアリスは離れたところで何やら話しはじめた。
 ラーカはそれよりもクレシアの嘘が気になったので問い質してみることにする。
「なぁ、実ぃ落としたんじぶんやろ……?」
「聞いてはいけないような単語が耳に入って手が滑ったのよ」
「ハハ、やっぱり……なんかじぶん面白いな」
「貴方と一緒にしないで。笑いを取ろうなんて気はないんだから」
「いやいや、そっちこそ誤解やで。ジョウトの奴がみんなお笑いやってるわけやないしな。人間もポケモンも……」
「それは失礼」
 ……どうもこのテの性格は苦手だ。クールというか、悪く言えばノリが悪いというか。
 まぁそーゆーコはアレやな。こっちからどんどん話しかけたったらええねん。

151 :三月兎 ◆BOOST1aovo :2008/03/25(火) 22:30:27 ID:K0MSl6160
「ね、試しに今夜――」
 と、向こうからまたしても文字通り危ない発言が飛び出す。その時、ラーカはクレシアがクイッと指を曲げるのを見た。
「危ないっ!」
 キスナローゼも感づいたのか、抱きつくようにしてディアリスを押し倒した。
 ドガッ、と重々しい音を立てて落下した木の実が地面を凹ませる。
 その様にディアリスは顔を少し引き攣らせたが、自分の置かれた状況に気がつくと嬉しそうに頬を紅潮させた。
「キスナ……?」
 仰向けに倒れたディアリスをキスナローゼが抱きかかえる格好となっているのだ。キスナローゼもすぐに離れればいいものを、すぐに動こうとはしなかった。
 あれはまずい。キスナローゼだって男の子だ。まあ到底男には思えない容姿だが――――ディアリスの身体にあんなに密着していたら変な気を起こしてしまうかもしれない。
 エネコロロの身体は異性の情欲を掻き立てるような不思議な肌触りをしている。戦闘中に触れただけでもその身体の虜になってしまうこともあるという。ましてキスナローゼを好いているらしいディアリスは彼を誘惑しまくっているのだ。

 このまま放っといたらヤバイんちゃうか……?

「ほらほら、ディアリスも一応女のコなんだから。くっつかないの」
 と、いつの間にやら彼女たちに近づいていたクレシアがキスナローゼをディアリスから引きはがすようにして抱き上げた。
「僕は何を……?」
「わたしを助けてくれただけだよ? もう少しあのままでいてくれたらもっと助かったんだけど……」
「どういう意味だよ」
「あなたがわたしの体の虜になって」
「相思相愛の仲に発展……なわけあるか!」
 おお、なんだかんだ言うてなかなか息が合っとるやないか。キスナローゼもつっこみの才能あるんちゃうか。ディアリスのほうはボケやなくて真剣かも知らんけど――――
 ――それより、ええ加減クレシアの冷たい視線に気づきや。

152 :三月兎 ◆BOOST1aovo :2008/03/25(火) 22:31:10 ID:K0MSl6160
「クレシアさんに抱かれたキスナも可愛い。なんか年の離れた姉弟みたい」
「なっ……そ、そうだクレシア! いつまでこうしてるんだよ! 早く降ろしてよ!」
「年の離れたは余計よ。わたしはキスナと二つしか違わないわ」
 クレシアは不機嫌そうに言うとキスナローゼをそっと地面に降ろした。

 ……ディアリスのやつ。あとでクギ刺しといたらなあかんな……

     ◇

 コトキタウンまで二日。
 二日目は何故かディアリスの危ない誘いも減ってクレシアも機嫌を取り直し、気まずい雰囲気が流れることもなくなった。
 ここまでは順調な旅路だと言える。
 まぁこんなところでつまずいているようではこれから先が危ういのだが。
「ストップ」
 と、街に入ろうとしたご主人さまに女性警察官が近づいてきた。
「この街では連れ歩けるポケモンは体高二メートル以下、体重百キロ以下の一匹だけです。他はモンスターボールに入れて下さい。……あ、他の街でもそういうところ多いですから気をつけてくださいね」
 確かに、狭い街の中を大きなポケモンがぞろぞろと歩くわけにもいかない。街というのはそもそも人間が暮らすための場所だ。通れない通路や入口だってもちろんある。ポケモンに対して開放的なミシロタウンはむしろ異質と言える。
 見れば、シーグルさんはいつの間にかラーカをボールに戻していた。残されたディアリスは何かを期待するような眼差しでご主人さまを見つめている。

153 :三月兎 ◆BOOST1aovo :2008/03/25(火) 22:32:13 ID:K0MSl6160
「……忘れてた。この前買い物に来たときも同じ事言われたわね。クレシア、悪いけどちょっとの間ボールに入ってて」
 ご主人さまが腰に装着したホルダーから赤と白が半分ずつ合わさった小さなボールを取り出した。と、ボールはご主人さまの掌に乗せられた瞬間にどういうわけか人間のこぶし大まで大きくなった。
 中央のボタンを押すと真ん中から赤色光が飛び出してクレシアの全身を包み込み、彼女の身体は吸い込まれるようにしてボールの中へと消えた。
 あの中がどうなってるのかは知らない。なんでも、ポケモンのからだをこうせいするさいぼうをぶんしれべるまでかいたいしていっていのほうそくにもとづいてでーたかしふぁいるけーしきをへんかんしてあっしゅくしているらしい。
 キスナローゼには何がなんだかサッパリだが、とりあえず人間の技術はすごいということだろう。
「やったぁ! これで二人きりっ」
 と、これまで大人しくしていたディアリスが急に抱きついてきた。
「わわっ……」
 やはりラーカやクレシアの手前、あまり過激なことはできなかったのだろう。もしかしたら一日目の夜にでもラーカに何か言われたのかもしれない。
「ちょ、やめろってば! ご主人さま達も見てるんだからっ!」
「キスナって見られるのはイヤなタイプ? わたしはあまり気にしないんだけどなー」
「タイプも何もあるか! そもそも気にしないとか気にするとかそれ以前の問題だよ。普通出会って間もない男の子にそういうことする?」
「もう二日経ってるじゃない」
「そういうの、まだ二日って言わない?」
 この仔の思考回路は一体どうなっているんだ。まったくもって理解できない。そもそも何が目的でキスナローゼに妖しい誘いを掛けてくるのやら。
「……言っとくけど、きみの誘惑なんかには乗らないからね」
「いいよべつに。わたしが勝手に誘惑してるだけだし、答えてくれなくても。見返りなんかなくたってわたしはあなたに愛を捧げ続けるんだから。そして叶わぬ恋は破れ、わたしははかなく散ってゆくの……それでもいいの? ねえ?」
「や、思いっきり見返りを求める目でそんなこと言われてもさ。だいたいきみが散ろうと消えようと僕には関係ないだろ」
「ふぅん……キスナにとってわたしってそんなものなんだ」
 だから恋人同士みたいな台詞を吐くなってのに。

154 :三月兎 ◆BOOST1aovo :2008/03/25(火) 22:33:28 ID:K0MSl6160
「普通のひとはみんなそうでしょ? 自分と何のつながりもないポケモンがいなくなったからって何も思わないよ。きみの場合はちょっとした僕の知り合い程度だから少しくらいは悲しむかもしれないけど」
「知り合い? 友達以上恋人寸前って感じだと思ってたけど」
「他人以上知り合い未満の間違いでしょ」
 それにしてもディアリスと話しているとひどく疲れる。ずっとこんな仔と一緒にいてあれだけ元気なラーカはある意味すごいと思う。
「キスナ、さっきから何の話してるのよ。人間の言葉で言ってくれないとわかんないじゃない」
「ご主人様には関係のない話だから」
「何言ってるのよ。関係あるじゃない。……エリアさん。キスナをわたしにくだモゴ……むー!」
 キスナローゼは慌ててディアリスの口を塞いだ。
 いきなり何を言い出すんだ。勘違いされたらどうするんだよ。
「な、なんでもないから! さ、買い物済ますんでしょ? 早く行こ、ご主人さま」
「……まあいいわ。ポケモンにはポケモンで何か事情があるんでしょう。でもクレシアと二匹のときはそんなことなかったのにね」
 ご主人さまはまだ少し怪訝そうな表情をしていたものの、とりあえずは自分を納得させてフレンドリーショップへ向けて歩き出した。

 いつか重大な勘違いをされそうで怖いんですけど。僕の隣を嬉しそうに歩くエネコロロさん?
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これにて第二章は終了です。
前回コメントくださった方ありがとうございました。

155 :パウス ◆cFhbfcNzdA :2008/03/26(水) 15:46:26 ID:qE+AO61w0
〜story37〜 ―力のバランス―

ジャンクルはよく『中庭』にも『裏庭』にも顔を出し、一緒に話をしたりバトルしたりしてるからか、他者からの人気が高い。
恐らくあの超絶的な容姿もそれを手伝っているのだろう。
思わず同性でも見とれてしまう程だ。―――勿論発情したりすることは絶対に無いが。
「ジャンクルさん、久しぶりです。」
ジャンクルは視線を僕の方へと滑らせると、にっこりと笑った。
「やあ、久しぶりだねアクア。もう『裏庭』の雰囲気にも慣れた?」
本当に『A・G団』の大幹部なのかと思ってしまう程のこの愛想の良さと優しさも人気の秘密だ。
「いや・・・それがまだ・・」
雰囲気には慣れていない。
僕だって無理矢理ここに叩き込まれた訳だ。『裏庭』にいるからって加担しようなんて一度も留めてはいない。
雰囲気に慣れられない理由はそこにある。
「早く慣れた方が良いよ。そうじゃないと精神的にまいっちゃうからね。」
ジャンクルはそう言うと僕の頭にポンっと手を乗せ、滑るように向こうに行ってしまった。
慣れた方が良い、彼の言った言葉には“慣れた方が楽”という意味も含まれている気がした。
確かにこのままではいずれまいってしまうかもしれない。慣れてしまった方が精神的に楽だ。
だがここでの慣れは加担を意味している。そんな気がしてならない。


156 :パウス ◆cFhbfcNzdA :2008/03/26(水) 15:47:09 ID:qE+AO61w0
僕がジャンクルさんに近づいている理由は、ただ慕っているだけではない。だが僕はその理由を彼に話せずにいる。彼の目の前だと緊張が解けないのだ。
また今回も駄目だったとため息をつきながら振り返ると、自然とマリンと目があった。
さっき見つけてしまったことをまだ根に持っているようで、完全に膨れっ面だ。
その様子があまりにも可愛く見えて頬が上がるのを抑えきれない。
「・・何笑ってるのよ。」
ぶうたれた彼女の声には何故か可愛いと思わせる追加効果があった。
自分のやろうとしていたことが失敗したから膨れるなんて完全に子供だ。
いつもは大人の雰囲気を醸し出しているマリンのそのギャップが可愛かったりする。
―――可愛い可愛いとばかり思ってて何だか気持ち悪くないか?

にやけてばかりで何も答えなかったせいで、マリンの機嫌は更に急斜面になってしまった。
「罰として、今日も私の相手してもらおうかしら。」
にやけっ面が間抜け面となった気がした。この前やったばかりだというのに。
「え・・、でもそれはこの前も・・」
「うるさいっ!罰よ罰!!」
完全にマリンの機嫌を損ねてしまった僕は、思わぬ“仕返し”を受けることとなった。

ほぼ無理矢理引き込まれた個室には恐ろしいことに敷布団が敷かれており、明かりも一つのランプしかなくて薄暗かった。
マリンがいまからやろうとしていることを実行するには、実に良い環境となっている。
後ろでマリンが更ににやりと笑ってるのは目に見えた。――っていうか「よっしゃ!」とかいう声も聞こえるし……。


157 :パウス ◆cFhbfcNzdA :2008/03/26(水) 15:47:48 ID:qE+AO61w0
「ほらほら、仰向けになってよ。」
仕方なく布団に転がり、これまた仕方なく仰向けになると―――
マリンの顔が既に顔と顔がぶつかりそうな位置にあり、暫くして唇に自分のものではない温もりが重なっていることに気が付いた。
マリンは暫くお互いの温もりを堪能した後、瞬時に自らの舌を僕の口内へと侵入させる。
外からでは分からないだろうが、今僕の口内ではマリンの舌が別の生き物のように動き回っているのだ。
今回、これは――少々横暴な気もするが――罰だ。故にマリンがリード出来るということで気合いが入っているらしい。
よく疲れないな、そう思ってしまうほど長い時間舌を動かし続けたマリンはようやく熱くなりすぎた唇を冷却させてくれた。

うっとりとしたその目を、今度は僕の股間へと移動させるのはいつものパターンだった。
その目をそこに向けたまま顔を僕の耳にゆっくりと近づかせ、マリンはふふっと小さく笑う。
「さっきも言ったけど・・・、これは罰なんだからね。覚悟しといてよ・・。」
マリンはそう言うとそのまま息を耳に吹きかけ、彼女の小さな舌でべろりと舐め上げられた。
「ひゃぁ!?」
まさかの耳攻撃のせいでより一層興奮してしまう。
耳からの快の名残が消えないうちに、マリンは素早く僕の足元の方へと移動していた。

全般的な戦闘能力では、マリンより僕の方が圧倒的に上だと確信している。だがこういう状況になってしまうと彼女には一生敵わない気がした。
まぁ、これはこれでバランスが取れてるからいいか、と何だか彼女に攻められることに慣れてしまった僕がいた。


158 :舞無 ◆ooST1Ox9tc :2008/03/27(木) 02:35:46 ID:zx/SbsrU0
ACT 03  ポケモンマスター

意識が戻った時、私が…俺が居たのはポケモンセンターの中だった。腹部に包帯をあてられ妙なカプセルの中で横になっていた。
カプセルの中から外を覗くと、数匹のラッキーが忙しそうにモンスターボールを四角いカプセルの中に入れていた。
ボールが入るとカプセルの蓋が閉じ数分程カプセルが光り輝いていた。光が消えると、ラッキーがボールを取り出しジョーイに手渡す。
そのボールを麦藁帽子をかぶったTシャツ姿の虫取り網を持った少年に手渡す。
「ありがとうジョーイさん!ポケモンが怪我したらまたよろしくね」
少年は笑顔でジョーイに手を振るとカプセルから見える視界外へと行ってしまう。ぼんやりと辺りを見ていると俺の入っていたカプセルの蓋が開き
ラッキーが俺の体を抱き上げる。傷は完全に完治しているものの、失った血液までは回復しないため未だに頭がハッキリとしない。
「レッドさん、この子の治療が終わりました!」
ラッキーの手からジョーイの手へと渡されると、今度はレッドの手へと渡される。そう言えば彼は俺を捕まえていないのか
ふとそう思うと今度はピカチュウがレッドに手渡される。先ほどは分からなかったが、尻尾の先がかすかにV字に割れていた。
犯されるだけある。この子は女の子なんだ。ポチエナから教わったっけ。
過去の記憶を手繰り寄せていると、今度はレッドが俺達を近くのソファーに下ろす。
「まったく焦ったぜ…看板の下でお前が血まみれで転がってた時には…大事にならなくて済んだけどな…
それに、いつのまにか一匹増えてるしさ…なにがあったかは知らないが、あんまり無茶するもんじゃねぇぞ」
溜息をついたレッドは、イーブイの隣で静かに寝息をたてるピカチュウの体をそっと撫でる。
さらにその隣にはヒトカゲが握り飯を片手に座っている。イーブイがヒトカゲをじっと見つめていると
「ん…食べる?」
そう言えば今日は何も食べていない…、突然の空腹感に襲われたイーブイは、ヒトカゲの好意に甘え食べかけの握り飯を受け取る。
「お腹空いてたんだね〜そう言えば私達もよく博士が研究に夢中になっててご飯くれるの忘れてたっけな」
過去を思い出しクスクスと微笑むヒトカゲ、そのヒトカゲにつられるようにイーブイも微笑む。
「そういえば君はどこから来たの?ここらじゃ見ないポケモンだけど…」
「俺はタマムシからトラックの荷台に乗ってきたんだ…」
「ふーん…女の子なのに自分の事俺っていう子なんて珍しいね」
「うん…タマムシで俺の面倒を見てくれたポケモンがね、弱いポケモンが野生を生き抜くには多少なりにも自分を強く見せるために雌でも俺って言ったほうがいいって教わった」
「へー…でもちょっともったいないかな…かわいいのに俺なんて…」
ヒトカゲの言葉に少し赤くなるイーブイ、すぐにヒトカゲから貰った握り飯にかぶりつき、ばれないように装う。
しばらくそんな感じに話に花を咲かせていると、ポケモン図鑑を弄っていたレッドが立ち上がる。
「ヒトカゲ、俺ちょっとショップに行ってくるからこいつらを見ててくれよ」
レッドの言葉にヒトカゲは頷く、それを見たレッドは笑みを浮かべポケモンセンターから出ていく

159 :舞無 ◆ooST1Ox9tc :2008/03/27(木) 02:36:15 ID:zx/SbsrU0
「ふー…次はトキワの森越えかな…そしたらニビジムでバトルをしてポケモンマスターへの第一歩だ」
「ポケモンマスター?」
初めて聞く言葉に興味が湧き尋ねるイーブイ、その質問をまってましたというようにヒトカゲは目を輝かせ答える。
「ポケモンマスターはね、私達のようなトレーナーを御主人にもつポケモンの憧れなんだ!自分達がカントー地方の王者になったっていう称号だね!
これは凄い事なんだけどね、同時に非常に険しい道のりでもあるの…多くのトレーナーや8人のジムリーダーを倒さないと
ポケモンマスターになるための者がいくポケモンリーグっていう所に参加できないし、何よりも道中が厳しいからね」
目をらんらんと輝かせるヒトカゲの説明を全てを聞き終えたイーブイは、ポケモンマスターという称号に憧れを抱いた。
自分がポケモンマスターになればポチエナを殺した金色のグラエナも倒せると思ったからだ。
「ねぇ…それって俺のような野生のポケモンもなれるものなの?」
「えと…それは無理だと思う…ポケモンマスターはね、私達のようにトレーナーがいるポケモンだけが出場を許される競技だから…」
ヒトカゲの言葉に少々がっかりするイーブイだが、ポケモンリーグの話を引き続きしていると一匹のポケモンが近寄って来た。
「なんだ、お前ポケモンリーグに参加したいのか?」
近寄って来たポケモンはスプーンを弄くりながら、地面から少し浮きながらソファーに座っているイーブイ達に話かけてきた。
「でも、野生は参加できないし…」
「ふむ…まあそれは仕方ないが…鍛え方次第ではお前もポケモンマスターに近いぐらいの強さにはなれるだろうよ…
日々日頃、常に鍛練を重ねこのカントー地方を一周した野生のポケモンの友人がいてな…再開した時はあまりの強さに手も足もでなかったわい」
「へー…フーディンさんみたいなポケモンをそんなに簡単にやっつけちゃう野生のポケモンがいるなんてすごいな〜」
ヒトカゲの言葉にうんうんと頷きながら、その時の事を語り始めるフーディン。そのポケモンはガブリアスといい最初の頃はひ弱でいつ死ぬか分からない野生の
厳しさと隣り合わせに生きていたという。そんな時にフーディンと出会ったガブリアスは彼強さを求めた言う。
フーディンはガブリアスにこのカントー地方を一周する事を提案し彼は見事にそれをやり遂げ
再開した際に彼はフーディンに三つの羽を見せてくれたという。氷の羽と雷の羽と炎の羽…彼が実際に持ち主と戦いその実力を認められた証だと言ったそうな。
「わかったか?強くなりたいのならお前もこのカントー地方を一周するがよい…あてもなくふらふらと彷徨うよりはずっとましであろう」
フーディンの言葉に頷くイーブイ、これかれの目標が出来て喜んでいるとヒトカゲが一つの提案をする。
「なんなら私達と一緒に地方を回りましょうよ、私達もバッチ集めでカントー地方を回らないとだし」
ヒトカゲの言葉を聞いていたフーディンは少しばかり微笑むと、イーブイに「それがいいじゃろう」と進言をする。
その言葉の後にフーディンはトレーナーと思しき女性に呼ばれその人の元へと急ぐ。
「ナツメはポケモン使いが荒いのぅ…まあ事情が事情だしのぅ…」
フーディンはそのまま派手な服を着た女性のモンスターボールに入る。ナツメと呼ばれた女性は迷彩服とサングラスをかけた外国人と二言三言会話をし
ポケモンセンターを後にする。それと同時にレッドがモンスターボールを大量に抱え戻ってきた。
「よーし…準備はできた…イーブイを捕まえたいけど博士に捕まえるなって言われてるしなぁ…少し残念だが俺達は先にいくとするか…いくぞヒトカゲ」
「それじゃあニビシティでね」
レッドの後をついて行きながら笑顔でイーブイに手を振るヒトカゲ。そのヒトカゲにイーブイも笑顔で手を振り無言で答える。

160 :舞無 ◆ooST1Ox9tc :2008/03/27(木) 02:36:36 ID:zx/SbsrU0
「ニビシティか…ヒトカゲが言うにはトキワの森を抜けるとニビシティにつくって聞いたけど…」
トキワの森がどこにあるか考えると、先ほどのフーディンの話が蘇る。氷の羽と雷の羽と炎の羽…一体ガブリアスはなにと戦いその羽を貰ったのか
これからの旅に少し胸を躍らせるイーブイだが、その旅は命の危機とも隣り合わせだという事をわきまえていた。
顔を数発叩いて気合いを入れると、横で静かに寝息を立てていたピカチュウがゆっくりと起き上がる。
タマムシで見かけたピカチュウと違い、このピカチュウは体が細く、電気袋もまだ薄くピンク色をしていた。
まだ進化して日が浅いのだろう。そんな事を思っていると、イーブイの顔を見たピカチュウは突然手を取り歓喜の声をあげる。
「あなたが助けてくれたのですね!!あの…あの…ありがとうございます!!!あたし…あたし…その…迷子になって迷い込んだ草むらで
突然出てきたポッポやコラッタに吃驚して放電しちゃって…その…とにかくありがとうございますありがとうございます!!!」
ぶんぶんと手を振られながら少し戸惑うイーブイ。そのイーブイを見つめるピカチュウの瞳はキラキラと輝いており憧れの眼差しを向ける。
「あの…助けてもらってこんな事聞くの恥ずかしいんですが…お名前はなんと?」
「ああそうか…このへんじゃ珍しいんだ…俺はイーブイっていうの」
名前を聞いたピカチュウはさらに目を輝かせ、少しずつイーブイとの距離を縮めてくる。
「お強い方なのですね…あの、これからはどちらに行かれるのですか?」
「んと…とりあえずニビシティに向かおうと思うんだけど…道分かる?」
「ええと…ここはトキワのポケモンセンターですよね…ええと、私はあっちから来てあっちの草むらにはいって襲われて…
だからトキワの森は………はい!あたし案内できます!!」
再度を手をぶんぶんと振るピカチュウ、よ〜く瞳を見るとうっすらとだが、瞳にハートのようなものが浮かんでるように見えた。
どうやら自分の事を雄と思い込んでいるらしい…。俺と言ってるからそれは仕方のない事だと思いピカチュウに案内を頼むことにした。
どうせトキワの森を抜けたら彼女ともう会う事はないだろうと先を見通しての選択である。
もしついてくると言われても雌と分かれば来ないだろうという策を配置して。
ポケモンセンターを出ると、ピカチュウはイーブイの手を取りトキワの森へ向かう道を進み始める。
その途中でグリーンとブルーが道端で横になっているおじいさんを一緒にどかしていた。
「たく…昼間から飲んでるなよジーさんよー…あぶないったらないぜ…」
「そうですよー…下手したら車に轢かれちゃいますよ…」
文句を言いながらお爺さんを道の脇へと運ぶと、彼等はそのままトキワに通じる道を駆け足で進んでいく。
「まったく…近頃の若いものは〜…年寄りの言う事も聞かないで先に進みよる…いいかポケモンを取るにわなぁ〜」
トキワの森へ向かおうとしていた時の事だった。先ほどグリーンとブルーが脇にどかしたお爺さんが立ち上がり突然ピカチュウ目がけてモンスターボールを投げる。
「きゃあああああ!!」
モンスターボールに閉じ込められたピカチュウはどうにか脱出しようとボールを揺らすがなかなか出ることができない。
「まずい…これじゃあピカチュウがあのおじいさんに捕まっちゃう…」
意を決したイーブイは、モンスターボールに体当たりをし、ボールを破壊する。
「おひょ!?失敗してしもうた…ボールを買いにいかんとなぁ〜」
酔っぱらっていたおじいさんはボールがイーブイに破壊されたとは分からず、千鳥足で自宅へと戻っていく。それを見届けたイーブイはピカチュウの方を向く
「大丈夫?」
「は…はい…あの…二度も助けていただいてありがとうございます!!」
頬を染められ近寄ってくるイーブイに、同性ながらも心になにか少し暖かい物を感じるイーブイ…それからしばらくは道端に横になっているような人間はおらず
草むらで虫ポケモンを戦わせている少年ぐらいしか人間には会わなかった。
野生のポケモンも、トキワの森に近づいているのか虫ポケモンが多く、のんびりと草むらを散歩している程度であった。
「この建物を通るとトキワの森に入りますよ、あと…中には人間がいるのであまり目立たない方がいいと思います」
ピカチュウの言うとおりだった。中には数人の人間が椅子に座りサンドイッチを頬張っていた。
その人間達に気づかれないように壁際をそっと歩きトキワの森へと入る。

 無印   赤版の時にキャタピーを育てるのは苦労したな  『ポケモントレーナー グリーン』


161 :舞無 ◆ooST1Ox9tc :2008/03/27(木) 02:40:01 ID:zx/SbsrU0
ぼやき

この話では普通そこに居るはずのないポケモンまで出てきます
あまりにも原作忠実に書くと金銀以降のポケモンが日の目を中々見れないw

162 :舞無 ◆ooST1Ox9tc :2008/03/27(木) 02:55:10 ID:zx/SbsrU0
>>144

ブースターかわゆす (・ω・*)
こういう積極的な子って色々おいしいですねw

>>146

ディアリスいいキャラしてるなぁww
この後に色々と修羅場が起きそうな予感がしますね

163 :カゲフミ ◆tLVuNBhIJA :2008/03/27(木) 10:05:50 ID:q6HuXnWE0
>>139 メイさん
図鑑の説明とか見ると、獲物を追いかけるとか書いてあるのでこういった世界もあるんじゃないかなあ、と。
私の文章で、野生の世界を感じていただければな、と。
レスありがとうございました。

164 :◆HAKOcCnj4U :2008/03/27(木) 19:58:13 ID:aWtFy9WM0
続きです。

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「じゃあ、本当に溶かしてあげるね?」
 雄槍の穂先を花弁の隙間に押し当てながら、そう無邪気に笑う姿は本当に小悪魔のものとしか思えない。
今からでも遅くないから、一旦イーブイに退化してブラッキーに進化しなおせ、と言ってやりたかった。
「……う、ん」
 しかしその口から出てきたのは、情けない一言の返事のみ。仕方が無いのだとブラッキーは思う。
自身の一番敏感なところが、妖しく蠢く肉のベッドに寝かされているのだ。
これは正しく親……というか息子を人質に取られているに等しいのだから。
 返事を確認してから、ブースターはゆっくりと腰を降ろし始めた。
ずぷり、と強張りの先端が花びらごと内側へ埋り込み、その花びらを左右に押し広げるようにして奥へと突き進んで行く。
「ん、んっ……、ぁあ、あっ」
 熱い感覚が先端から広がっていくとともに、ブラッキーは微かに搾り出すような声を上げてしまった。
きつい圧迫感を感じるのに、絡みつくような粘液のおかげで穂先は驚くほどスムーズに滑り込んでいく。
そのまま根元まできっちり情熱に包み込まれ、完全な一体感を得るのに長い時間は掛からなかった。
「……うん、ぜんぶ……はいっちゃったね」
 言わずとも感覚で分かるというのに、ブースターは恍惚の表情を浮かべながら言ってくれる。
ブラッキーは最早決壊を堪えることに必死で、それに頷く余裕さえなかった。
「可愛いなあ……。大丈夫? そんなに我慢しなくても、いいんだよ?」
 ブースターが心配そうにブラッキーの虚ろな赤い瞳を覗き込んだ。
 正直なところ、全くもって大丈夫ではなかった。が、とりあえず深い呼吸を何度も繰り返し、
何とか荒い息を整えることで返事の代わりとしておいた。ブースターは嬉しそうに微笑むと、
更に密着感を得ようと前足で抱きついてくる。その微かな動きでさえ致命傷に成りかねないというのに。
「っあ、……あ、つい……」
 ブースターの中に納まった逸物は、深く折り畳まれた襞にぎっちりと抱え込まれている。
彼女が呼吸するたびに上下する横隔膜の動きが、膣内の圧力に変化を与え、腰を動かさずとも焦らすような快感を送り続けてくるのだ。
「キミのも、いいよ……、っ」
 ブースターが一旦腰を押し付けて、ゆっくりと引き始める。
「……っか、……っ!」
 熱く濡れそぼった口の中で無数の舌に舐められるような感覚に、一瞬意識が遠くなってしまった。
声が出なかったのは幸いだ。しかし股間のみならず下半身全体が異常なほどに強張ってしまい、
後脚は攣りそうなほどに突っ張ってしまっている。尻尾などはまるで醜い鍵爪のように曲がりくねってしまっていた。
「は、あ……っ、はぁっ……」
 思い出したように荒く息を吐いて、肺に空気を取り入れる。
先ほど声がまともに出なかったのは、呼吸を忘れていたからだと今更ながら気がついた。
 そのままブースターがお尻を突き出すような体勢になると、互いを繋ぎ留めるのはブラッキーの先端だけになってしまう。
竿の部分が外気に晒されたおかげで、余計に先端を包む彼女の熱さが際立ち――
「もいっかい、いくよぅ……?」
 そしてまた、その熱い蜜壺の中へと取り込まれていく。
コイキングのように口をぱくぱくさせるブラッキーを間近に見下ろしながら、ブースターは淫らに腰を振り始めた。
雄槍を根元まで深く咥えるたびに無数の襞が押し寄せ、愛でるようにブラッキーのそれを撫で上げていく。
声を抑えるということがこれほど辛いとは知らなかった。
雄の体で一番敏感なところを余すところなく蹂躙され、決壊を堪えるだけで精一杯なのに、更に声まで押し殺さなければならないなんて。

165 :◆HAKOcCnj4U :2008/03/27(木) 20:00:16 ID:aWtFy9WM0
 そのまま何度も何度も肉棒を擦り上げられ、もう無理だと集中の糸が途切れかけたとき。
――――。
 小さく響く水音に混じり、廊下から響く足音がブラッキーの耳を叩き、完全に失われかけていた理性を取り戻させる。
 誰だ、と思うと同時に浮かんだ一つの単語。
「……み、見回…り、が……」
 間違いないと思った。時計を確認する余裕も無いが、大体いつもこの時間になると看護士が一部屋一部屋を見回ってくる。
担当は毎日違うようで、適当にドアを開けて病室内を確認するだけの看護士もいれば、ご丁寧にカーテンの中まで覗いてくるのまで居た。
「お、いっ……!」
 はっきり言ったはずなのに、しかしブースターはその腰の動きを止めようとしない。
良く見ればその表情も相変わらず小悪魔のように笑ったままで、焦りの欠片さえ見受けられないのだ。
足音は真っ直ぐこの部屋に近づいてくる。このまま動き続けたら、間違いなくこの行為が公になるだろう。
 一体どうするつもりだ、と言おうとしたところで、
「んっ……」
 ブースターが強く腰を押し付け、今まで以上に深い結合感と密着感を与えてきた。
思わず見上げると、その口からは小さな舌がイタズラっぽく覗いている。
そのままぐしゅっと押し潰すような一撃を蜜壺が見舞うと、限界まで張り詰めた肉棒は熱く淫らな襞の中に握られたまま、遂に決壊してしまった。
「んっ、ぁ……!」
 そのブラッキーの絶頂と同時、病室のドアがゆっくり開き、更にブースターがブラッキーの顔を胸元に強く抱き込む。
ふわりと柔らかい飾り毛の感触と、甘い甘い雌の匂いが頭の隅々まで染み渡り、
全身が蕩けてしまいそうな恍惚感に襲われながら、溜まりに溜まった欲望をブースターの中に放っていった。
「……っ、……っ!」
 鼻先を無理矢理押し付けられるように抱き込まれているので、喘ぎ声は漏らさずに済んだ。だが、その代わりに呼吸がままならない。
口が開けないので鼻から息を吸うのだが、彼女の毛皮に密着しながらの鼻呼吸は確実に思考能力を破壊していく。
頭の中が真っ白に塗り潰される感覚を味わいながら、彼女が脈打つ肉棒から精液をゆっくり搾っていく感覚に晒されるしかなかった。
 病室の入り口から、ゆっくりと足音が近づいてくる。耳に響く鼓動の音は焦る自分の心臓の音か、
それとも結合部からの音なのか、それすら判断できない頭の中で――ああ、これはもう駄目だなと思った。
 目の前で、少しだけ火照った顔で、相変わらず無邪気に笑っているブースターの顔をぼんやり見つめて……
もう一回だけこのやろ、と思ってから、意識を闇の中に沈ませていく。
どこか遠くで何かが割れたような音がした気がしたが、それが一体何なのか、なぜ足音は駆けるように遠ざかっていくのか、
そのときにはもう何もかも溶けきってしまっていて、考えることさえできなかった。

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>>162
ありがとうございます。私が書くと大抵ネジが飛んでたりするんですが、今回は普通にえっちな仔を目指してみました。

では。

166 :ピカピカ:2008/03/28(金) 19:57:43 ID:ZuBWgwV20
終わりの話です・・・。

<最終話 永遠>
ずっと抱き合っていた二人だが、やがてその密着させていた体を離した。そしてカリがミナを心配して話した。
「なあ、ミナ?病気は治るのか?治った後、後遺症とかでないのか?体とか痛くないか?俺にできる事があったら・・・」
「大丈夫だよ、カリ。後遺症とかもないみたいだし、体も痛くないよ」
ミナが笑顔で答えてくれた事でほっと胸を撫で下ろしたカリ。
「そうか・・・それなら良かった・・・」
「相変わらずだね、カリは・・・」
「んっ?何が?」
「その心配性・・・いつもそうやって皆の事とかも心配してる」
「そ、そう・・かな?別にいいだろう?」
「うん、全然!そこがカリのいい所だもんね!そういうところを私は好きになったんだもん」
そう言われて顔が赤くなってしまったカリ。恥ずかしそうにミナに言う。
「な、何を言ってんだお前は!?・・・いや、あの・・・俺はお前の全てが・・・」
「えっ?何々?何て言ったの?」
「な、何でもねぇよ!!大体な!そういう事言えるくらいの元気があるんならな・・・」
その時カリの口がミナの口で塞がれた。
「・・・・!!」
言葉も出せずに顔ばっかり赤くなっていくカリだったが、やがてそのキスの味に慣れていき、進んでキスをするようになっていた。
「ふぅ・・・はぁ・・はぁ・・」
息が荒くなっていくと同時にカリはミナの口に舌を入れてさらにキスをする。
それにつられてミナもカリと舌を絡ませる。
ピチャピチャといやらしい音がしていたが、カリとミナはキスをやめる。
「はぁ・・はぁ・・・」
二人ともまだ息が荒い状態が続いていた。やがてミナが息を整えてカリに告げる。
「ねぇ・・・カリ?あのね・・・お願いがあるんだけど・・聞いてくれる?」
「・・・?何?俺にできる事であればやってあげるよ?」
「本当?じゃあね・・その・・えっと・・H・・して・・」
それを言ったミナとそれを聞いたカリは同時に赤くなる。しかしカリの反応は意外なものだった。
ピシッ!!
ちょっと痛そうな音がした。その音はデコピンだった。
「痛〜〜い!!何するの?せっかく勇気だして言ったのに!!」
「バカか?お前は・・・そんな事よりまず退院してからにしろ!!今この状態でやったらお前危ないだろうが・・」
「・・・」
「・・・・その・・まずは退院してからな・・・やってやる・・・その・・Hとやら」
「・・!!本当!?」
「俺は嘘はつかねぇよ・・男に二言はない」
「じゃあ、早く退院しなきゃ・・・」
「しっかり傷なおしてからな・・・俺だってケガしてんだから」
「うん!!約束だよ?」
「ああ、約束だ・・」

167 :ピカピカ:2008/03/28(金) 20:28:08 ID:ZuBWgwV20
数日後・・
退院した二人は家に向かっていた(もちろんそれぞれの家に)無言で歩いている二人だったが、やがてミナがカリに話す。
「ねぇ、カリ?約束覚えてる?」
「んっ?何が?」
カリはちょっととぼけて話している。
「もう!!前の約束忘れちゃったの?私とえ・・」
「わ〜〜!!言うな言うな!!覚えてるから!!覚えてるから人の前でそんな事言うな!!」
「ふふふ・・そんなにあかくなっちゃって・・・意外とやらしいんだね、カリも・・」
「悪いか!?俺だって健全な男子だ!!」
自分で言うかと心の中でツッコミを入れるミナ。
「じゃあ、今日カリの家行くね?」
「えっ・・?俺の家?」
「そう、親いないでしょ?」
言われてみればと思ったカリ。実は両親はどっちも働いていて、いつも帰りが遅いのだった。それに今回は出張だったなと思いだすカリ。
「まあ、別にいいけどさ・・・」
「本当?じゃあ行くね!!今から!!」
「はぁ〜〜〜〜!?」
とっさの発言に驚きを隠せないカリ。
「いいじゃない?そんなに驚くことでもないでしょう?」
「うっ・・・そうなのか?だ、大体親はどうすんだ!?」
「オッケーだってさ!!」
「・・・・・はぁ」
ため息をついて仕方ないとあきらめたカリだったが、その時ミナがカリの手を握った。
「・・!!ミナ・・?」
「・・やってみたかったの・・カリと手をつなぐの・・恋人同士みたいでしょ?」
それを聞いてカリも手を握り返す。
「みたいじゃなくてさ・・・もう恋人同士だろ?」
「今のは二度目のプロポーズ?」
「ああ、そうだよ」
手を握り合ったままカリの家に着いた二人。
「よし・・・本当にいいんだな?ミナ・・?」
「うん・・・いいよ・・」
そして二人は家に入っていった。

168 :ピカピカ:2008/03/28(金) 21:25:36 ID:ZuBWgwV20
家に入ったはいいものの、何かぎこちなくなる二人。
「・・・・・・」
二人とも無言だったが、今度は珍しくカリが先に話しかける。
「あ、じゃあ俺の部屋行くか?」
「えっ・・・あ、うん・・」
そういう会話のやり取りをして部屋に向かい部屋に入った二人。
「カリの匂いがする・・ここ・・すごく・・」
「そりゃそうだろ・・俺の部屋なんだから・・」
「うん・・そうだね。そうだよね・・」
ちょっと落ち込んでいるミナの気持ちに気づいたカリは静かにミナをベッドに寝かせる。
「か・・カリ・・」
「ミナ・・して・・いいんだよな?」
「うん・・カリだったら何でもしていいよ・・・」
ちょっと泣き目になっているミナを見たカリは耳元に口を近づけてこう言った。
「大丈夫・・・優しくするから・・」
「うん・・分かった・・カリに任せるよ・・」
カリは静かにうなづいた後、ミナの耳を優しく舐める。
「ひゃ・・・そこ・・舐めないで・・」
そう言うミナをよそに、カリは耳を甘噛みする。
「ちょ、ちょっとそんな・・や・・」
「かわいいな、ミナの声・・・」
「・・!!何を言って・・」
そのときカリの手がミナの胸の方に行き、その小さな胸を優しく揉み始める。
「・・!!あ・・うぅ・・や・・だ・・」
「気持ちいいの?ミナ?それとも気持ち悪い?」
悪戯っぽく聞いてくるカリにミナは何も言えなかった。
「黙ってちゃ分かんないなぁ・・じゃあこれならどうかな?」
そう言ってカリはミナの胸に顔を寄せて舌を出して胸の突起物を舐め始めた。
「あぁ!!うぅ・・そんな・・・ダメだって・・」
「じゃあ、やめる?」
「・・うぅ、意地悪・・分かってるくせに・・」
「はは・・じゃあ、続けるよ?」
「・・・うん」
そう言ってまたカリは行為を再開する。手でもう片方の胸の突起物を触ってもう片方は突起物を舐め続ける。
「はぅぅ・・・あぅ・・や・・・気持ち・・・いい・・」
「じゃあ次行くよ・・」
「・・・?次?・・・あっ!!」
突起物を触っていた手がするすると下の方に行きミナの秘所の周りを擦る。
「う・・カリ・・くすぐったいよぉ・・・」
「えっ?くすぐったい?えーと・・・じゃあ・・こうかな?」
ぬぷ・・・
カリの指がミナの秘所に入る。
「・・・!!ひ・・いや・・そこはだめだよぉ!!」
「えっと、こうすると気持ちよくなるみたいだからするよ・・・?」
くちゅくちゅ・・くちゃ・・
「やぁ・・い・・た・・い・・でも・・・気持ち・・いいよ・・」
「そう・・よかった・・続けるよ?」
だんだん指の動きを早くしていく度に、いやらしい音が部屋に響く。
くちゃぐちゃ・・ぐちゅぐちゅ・・・
「カリ・・・もう・・ダメ・・何か・・出ちゃうよぉ・・」
「いいよ、ミナ・・・出しても・・」
「あああああぁぁぁぁぁッ!!」
プシャァッ!!
ミナの秘所から凄い勢いで潮が吹いた。その手についた液をきれいに舐めるカリ。
「おいしいよ・・ミナの・・」
「・・・恥ずかしいよ・・」
「そんなことないよ・・・ミナの本当においしいよ・・だから・・ここも舐めてあげる」
「えっ!?ちょっと・・・ひゃ・・」
くちゅ・・ぴちゅ・・ぴちゃぴちゃ・・
「ふぁぁぁッ!!ダメ・・だよ・・汚いよ・・そんな所・・・」
「そんな事ないって、凄く綺麗だよ・・ミナのここ・・」
舐め終わったカリは少しくたびれていた。やはり初めての事だから疲れるのだろう。そう思ったミナはカリのアレに顔を寄せた。



169 :ピカピカ:2008/03/28(金) 22:00:56 ID:ZuBWgwV20
「えっ・・・ミナ?どうしたの?いきなり・・・」
「私ばっかり気持ちよくなっても悪いから・・・カリにも気持ちよくなってもらいたいの」
「そ、そんな事しなくていいから・・・つーか何するんだ?」
「ふふふ・・こうするの!!」
そう言ってミナはカリのアレを咥える。
ぴちゃぴちゃ・・くちゅくちゅ・・・ちゅちゅ・・
「わわわわ・・!!ミナ・・やめろって・・汚い・・か・・ら」
「はひ・・ひもひよふはひほ?(カリ・・気持ちよくないの?)」
「咥えたまま・・喋るな・・・くぅっ!!でも凄くいいよ・・」
「はわ・・ふれひい(うれしい)・・・」
くぷっぬぷっくちゅくちゅ・・
いやらしい音がさっきと同じように響き渡る。
「ミナ・・そろそろ・・出る・・から・・口・を・・離せ・・」
しかしミナは口を離さずに続けている。
「・・ミナ・・!!本当に・・出るって・・!!うわ・・やば・・い」
ビュルルッ!!ビュビュッ!!
「うわあ・・・出しちまった・・・ミナ・・お前・・」
ミナはカリが出した物を全部飲み干した。
「うっ・・ふぅ・・カリのも・・おいしかったぁ・・・」
「ったく・・・お前ってやつは・・」
カリは軽くミナのおでこをコツンとたたく。
「えへへ・・・じゃあ次ね・・」
「あぁ、うん・・・分かった・・やるけどいいのか?」
「うん・・じゃあここに・・入れて・・」
ミナは自分で秘所を手で開いて見せる。
「あぁ・・・なんか緊張するな・・・でも、行くよ?」
「うん・・・きて・・カリ」
ぬぷっ・・・
「んんんんんっ!!」
「はああぁぁぁッ!!」
二人とも声を上げる。そしてカリは動き出す。ミナの中でブツンと言う音が流れ、つなぎめからは少量の血が流れる。
ぐちゅぐちゅっパンパン!!
「ああぁぁぁっっ痛い・・よ!!でも・・カリ・・んっ・いい・よぉ!!」
「うん・・!!ミナの中も凄く締まってて・・気持ちいいよ・・!!」
「あぐ・・うれしい・・カリが・・私の中に・・入って・・きて・・る・・」
「ご・・ごめん・・ミナ・・俺・・もう・・ダメ・みたいだ・・・」
「分かった・・中に・・出して・・」
「ふぇ?でも、そんな事したら・・ミナが・・」
「大丈夫だから・・・私は・・だから中に・・出して・・」
「・・・分かったよ・・それじゃあ・・中に・・出すよ?」
「うん・・いっぱい・・出して・・」
「うぅ・・・出るッ!!!」
ドクンッ!!ビュルッ!!ビュルルルッ!!
「ふぁぁぁぁぁっ!!」
二人ともその場で抱き合いながら果てた・・・。
「はあ・・はあ・・大丈夫か・・?ミナ・・」
「うん・・まだここにカリの暖かいの残ってる・・」
ミナはお腹より少し下の部分をさする。
「これで結ばれたね、私たち・・」
「ああ、やっとな・・」
二人は手を握り合ってお互いの顔を見ながら眠りについた。

数日後・・・
学校にいる生徒の話・・・
「なぁ・・聞いたか?」
「んっ?何を?」
「何をって・・今年のベストカップルだよ」
「いや・・つーかそんなのあったの?」
「今年は二組もいるらしいんだ。しかも同じ組で」
「へぇ〜〜。で、そいつらは?」
「たしかザグってやつと、ロールだったかな?」
「もう一組は?」
「えーとたしか・・カリとミナだったかな?」
「マジかよ?あいつらが?」
「おっ・・!!噂をすれば・・」
そこには玄関側から手をつないで出てきたカリとミナの姿があった。
                           end
終わりです。ここまで読んでくださった方々ありがとうございました。

170 :ルペン一世 ◆i/ei.o2TGU :2008/03/29(土) 02:19:18 ID:TG8dSXtQ0
それでは書かせて頂きます
タイトルは「桜の舞散る日に」

第一話 エロ要素は無いです

私は、一ヶ月前にイーブイからリーフィアに進化したばかりだ
なのに・・・私は恋をしている
その人はこの森の中で一番強く、皆には
黄色い悪魔 雷の暴君
と呼ばれる、サンダースだった。
その人は、私が小さい頃に遊んでいた事が有るらしい
母のブースターは「あなたが小さい頃、あの悪魔と遊んで居たのを知った時は吃驚したわ、よく殺されなかったわね!二度とあんな人に近寄るんじゃないわよ!」と言っている
でも・・・私はあの人に恋をしてしまっているのに・・・そんな事言われたって・・・
そんな考え事をしていた次の日、その日は友達のチコリーちゃんとシャワーズちゃんと一緒に森に木の実を取りに行く事になっていた
「おっはよー!チコリー!」
「あっ・・・おはよ、シャワーズ・・・朝早くから元気だね」
チコリーの目の下はクマが出来ていた、無理もない、出発時間が朝の五時だった。
「ったくもー!チコリーは夜更かししすぎなんだよー!」
書ききれないので違うレスに移します                

171 :ルペン一世 ◆i/ei.o2TGU :2008/03/29(土) 02:39:05 ID:TG8dSXtQ0
その言葉に反応したチコリーは言い返す
「そんな事ないもん!昨日は・・・早く寝たって言うか・・・その・・・ええい!違うよ!こんな時間に集まる方が変だよ!」
二人は険悪なムードになり口喧嘩はより一層ヒートアップしていった・・・
「だぁかぁらぁ!こんな時間に集まる方がおかしいの!」
「そんなことない!っていうか、草タイプは普通早起きなはずでしょ?ねぇ!リーフィア!」
二人はリーフィアに鋭い眼差しで睨んだ、しかし
「ぐぅぅぅスピーぐぅぅぅすぴー」
「た・・・立ったまま寝てる・・・」
そんなリーフィアを見た二人は笑いだした
「あははははは!喧嘩してたのが馬鹿みたい!しかも熟睡してる!」
そんなのを気にせず寝続けるリーフィア
「ふふふ、水鉄砲かけちゃえば?」
そんな提案を聞いたシャワーズは笑いながら「いいね!それ!よぉし・・・水鉄砲!」ブシャャャャャ!シャワーズの出した水鉄砲はリーフィアの顔面に直撃した
「うわわわわ!?」慌てて起きるリーフィア
「な・・・何!?」
「居眠りしてるあんたが悪い!」
「あはははは・・・・」
「さぁて!遅くなったけど!森に入りましょうか!」
「そうだね!」・・・第二話に続く・・・    

172 :ルペン一世 ◆i/ei.o2TGU :2008/03/29(土) 02:42:59 ID:TG8dSXtQ0
下手な癖に長い・・・
こういうのは人物紹介や、世界設定を書き込んどいた方がいいのかな?
まぁいいや、今日は激しく眠いので寝ます
感想や、ご指摘、駄目な所があったら言ってください!
それを元に上達して行きたいと思います。

173 :ルペン一世 ◆i/ei.o2TGU :2008/03/29(土) 02:48:14 ID:TG8dSXtQ0
言い忘れてました
リーフィアが恋をした理由は後ほど書きます
連レスすみません

174 :菜梨 ◆3tWJrcEWss :2008/03/29(土) 03:07:24 ID:iQyjpBWM0
 監禁の話

「さあ…いくか…」
人並み外れた一軒家、その家からバックを持ったゴーリキーが出てくる
辺りをきょろきょろと見回すとゴーリキーは大きく伸びをする。
現在の時刻は夜の7時半、仕事帰りの者や学校帰りの者で街はにぎわっている。
ゴーリキーの住んでいる場所は商店街から遠く賑わいとは無縁のひっそりとした場所にあった。
それ故変わり者と最初の頃は近隣の住民に見られていたが、彼の地域への献身から彼の評価は高い位置にある。
住宅街に足を踏み入れると、時間の影響か人通りは少なく公園へ続く道は人の気配すら感じられない
そのまま住宅街を通り公園へと向かうゴーリキー、昼間は親子連れで賑わっている公園はすでに黒い闇に包まれている。
公園は住宅街の真ん中付近に位置しているが、公園からゴーリキーの家までは徒歩5分近くである。
公園に足を踏み入れたゴーリキーは、バックからライトを取り出すと公園の中央にある噴水の近くのベンチに腰掛ける。
しばらくライトを動かしていると遠くから会社帰りとみられるコータスがやってくる。
「今晩はコータスさん、今日は少し冷えますね」
「おおこれはゴーリキー君、毎日毎日公園の夜の見回り御苦労さんじゃ…たしかに冷えるのぅ君も風邪等ひかんようにな」
ゴーリキーに軽く手を振り公園の出口へと向かうコータス、普通ならば街灯の多い住宅街の道を通るのだが
ゴーリキーが公園の見回りを長いこと続けているため、近道のために公園の道を通る人も最近増えている。
「あらゴーリキちゃん!今日も見回り御苦労さま!」
買い物袋を提げたカモネギが通行をする、その後からは部活帰りであろうか、テニスラケットを持ったパチリスが通る
「今晩はゴーリキーさん、いつも見回り御苦労さまです」
「いやいや、今日は冷えるから早く家に帰るといいよ」
「はい!それじゃあゴーリキさん」
笑顔で手を振り去っていくパチリス、彼女が通った頃には時刻は既に8時半近くになり辺りは一層深く闇に包まれる
普段なら8時半をすぎると帰宅するゴーリキーだが、今日は違った。
そう…彼は待っていたのだ、彼女を…
「ごめんなさいゴーリキーさん…私が無理を言ってしまったばっかりに」
時刻は9時を過ぎたころ、一匹の雌のブラッキーがやってくる。
「なあに、地域の人の言葉は聞き逃せないからね」
この日、ゴーリキーは前日に帰りが学校の予定で遅くなってしまうため、出来る事なら自分が来るまで警備してもらえないか?と
ブラッキーに予めお願いをされていた。ゴーリキーは快く引き受け彼女が来るまで待っていた。
「それじゃあ、家まで送ろうか」
「ありがとうございますゴーリキーさん」
バッグにライトをしまい、ブラッキーと一緒に公園の出口まで歩くゴーリキー
公園の出口近くに差し掛かると突然ゴーリキーが足を止める。
「ゴーリキーさん…どうかしました?」
不安になりゴーリキーに訪ねるブラッキー、その途端頭に重い物がぶつかった様な衝撃で倒れるブラッキー
「この日を…待ってたんだよ…俺は…ただで見回りなんかするわけないだろ…くひひひ」
気絶したブラッキーを持ってきたバッグに押し込むゴーリキー、この日のためにバッグはかなり大きな物を用意した。
バッグに詰め込み終えると、ゴーリキーはライトとバッグを持ち何時もの様に自宅へ向かって歩き出す。
公園を抜け住宅街の通路に入ると、人陰が完全に無くなり明かりのついた家からは笑い声が聞こえてくる。
「さあ…俺も帰ろう…ブラッキーちゃんと…くひひひ」


175 :菜梨 ◆3tWJrcEWss :2008/03/29(土) 03:08:17 ID:iQyjpBWM0
強姦表現有

自宅にたどり着いたゴーリキーは、いつか来るであろうこの日のために作った地下室へとブラッキーを連れ降りてゆく
地下室にはコンクリートで作られた床と壁、ベッド以外なにもない。
「さあ…ブラッキーちゃん…僕に君の体をよく見せておくれ…」
地下室の明かりをつけベッドの上にブラッキーをゆっくりと乗せる
気を失ったブラッキーは、ゴーリキーが肌を触るたびにぴくりと反応を繰り返す
「ああ…かわいいよ…ブラッキーちゃん」
ベッドの上で横になっているブラッキーを抱き起こすゴーリキー
徐にブラッキーの胸の膨らみを触り始める。
「うっ…」
ゴーリキーの手に反応し声をあげるブラッキー、しかしまだ目を覚ます気配がない
「ちょっと強く叩きすぎちゃったかな…くひひひ」
胸を触りながら、ブラッキーの頬を舐めるゴーリキー
「さて…今度はブラッキーちゃんのかわいいお胸をいただこうかな」
ブラッキーの体を自分の顔辺りに持ち上げるゴーリキー、顔の位置にブラッキーの小さな膨らみが来ると、その膨らみにしゃぶり付く
ヂュパ!…ヂュ…ヂュク…
膨らみを舌でなぞりながら吸い続けると、小さな突起に舌がぶつかる
「ふひひ…ブラッキーちゃんの乳首だ」
小さな突起を舌で弄るたびにブラッキーの口からは喘ぎ声に似た声が漏れる
その声を聞くたびに突起を嬲る舌の動きが激しくなる。
「じゃあ…ちょっと噛んじゃおうかな」
乳首から舌を離し、歯で乳首を甘噛みするゴーリキー
「うっ…な…なに!?」
ゴーリキーの甘噛みで目を覚ましたブラッキーは何事かと辺りを見回し、自分の胸に吸いつくゴーリキーを視界にとらえる
「な…なにしてるんですかゴーリキーさん!!?や、やめてください!」
突然の事に驚きゴーリキーの頭を叩くブラッキー、しかしそんな事をものともせず彼はゆっくりと立ち上がる。
「こ…ここはどこなんですか?」
「ここはね…ブラッキーちゃんの部屋だよ…この日のために作ったんだ」
「やだ…お家に帰してください!!」
ブラッキーの声に首を左右にふるゴーリキー、その瞳は常に震えるブラッキーを捕らえ続けている。
「僕はね…ブラッキーちゃんと一つになりたいんだ…言ってる意味わかるよね」
ゆっくりと近寄るゴーリキーに、ブラッキーは逃げ出そうとベッドから降りようとするが、ゴーリキーに押し倒され失敗する。
「さて…ブラッキーちゃんのあそこに指を入れてみようかな」
「いやぁ!!お願い…やめてくださいゴーリキーさん」
「だぁめ!」
ヂュ…
先ほどまで胸を刺激していたせいか、ブラッキーの膣はほどよく濡れていた
指を奥に入れるほどブラッキーの体は反応し、喘ぎ声をあげる。

176 :菜梨 ◆3tWJrcEWss :2008/03/29(土) 03:08:44 ID:iQyjpBWM0
「ほら…どんどん入っていくよ…気持ちいい?」
「いぁ…もうやめて…お願い…」
さらに指を侵入させると壁みたいなものにぶつかり、ブラッキーの体が一瞬だが反りかえる
「行き止まりだねぇ…すこし動かしてあげる」
厭らしそうな笑みを浮かべたゴーリキーは、今度は指を上下に動かしたり回転させ始める。
「あぅ…んん…ぁ…」
次第に目がとろんと仕出し口から涎を垂らし始めるブラッキー、そのブラッキーの唾液を舐め取るようにゴーリキーはブラッキーの唇を奪う
「んふ!…ん…」
ゴーリキーの口付けで我に返ったのか、すぐに顔をそむけゴーリキーの唇から逃げるブラッキー
逃げようと再度体を動かそうとするが、ゴーリキーの腕の力は半端ではなく掴まれている体はぴくりとも動かない
「さぁて…いい感じに濡れたかな…じゃあ一つになろうか」
膣から指を取り出すゴーリキー、指についた愛液を口にいれ味わうとブラッキーを押し倒す。
押し倒されたブラッキーは必死に体を動かし逃げようとするが彼女の膣にゴーリキーの逸物は徐々に迫る。
「さあ、行くよ!!」
ブラッキーの膣にゴーリキーの逸物の先端が侵入する。
「いゃああああ!!い…いたい、痛い!!抜いてぇ!!」
必死に泣き叫ぶがブラッキーだが、ゴーリキーは無理やり逸物をブラッキーの膣へと挿入する
ぐっ…ぐっ…
ブラッキーの未熟の膣はゴーリキーの巨大な逸物を全て入れる事ができず途中で止まる。
「凄い締め付けだ…やっぱりブラッキーちゃんみたいな若い子は格別だねぇ」
ゆっくりとピストン運動を始めるゴーリキー
手加減をしらぬ激しさのせいか、ブラッキーの口からは喘ぎ声ではなく嗚咽のような声が飛び出る。
「あぐぅ!…うぐ…あぁぁ…」
その後もしばらく激しいピストンを受け続けると、突然ブラッキーを持ち上げ態勢を変えるゴーリキー
ブラッキーを抱きかかえる態勢に移すと、自分の逸物にブラッキーの体を沈めていく
ジュプ…
先ほどの激しいピストンで体力を奪われたブラッキーは、抵抗する意思すら見せずまるで玩具のようにゴーリキーに突かれ始める。
「おね…がい…も…ゆる…て…」
息も絶え絶えに答える彼女の頬は涙でぐしょぐしょになり口はだらしなく開いている。
そんな彼女の姿に興奮したのか、ゴーリキーはさらに激しく腰を動かす…その時だった…。
メリッ!!
「あぁああああああああ!!!」
まるで絹を裂いたような悲鳴がブラッキーの口から飛び出る、すでに目は白眼を向き体はぴくぴくと痙攣している。
あまりの激しさに彼女の膣が耐えられなくなったのだ。
悲鳴が収まったのを確認するとゴーリキーは再度腰を振り始める。先ほどの音が聞こえてからは彼の逸物は一番奥へまで入るにようになった。
そのため彼の逸物はブラッキーの膣の中に半分近く埋まる様になる。
「はぁ…はぁ…えぐっ…えぐっ…」
泣きじゃくる彼女を無視し奥まで激しく腰を振るゴーリキー
奥まで逸物が当たるたびに彼女の口からは嗚咽が聞こえ、激しく逸物を締め付ける。
「すごいなブラッキーちゃん…君のは名器だよ…くひひひ」
激しく突かれる度に視界が泳ぐブラッキー、ゴーリキーの激しい性交に性的快感をろくに感じず、痛みだけが襲い続ける。
その痛みの影響でブラッキーの頭の中は真っ白に染まる…。
グッチュ!!ズッチュ!!グッチュ!!ゴチュッ!!
「あぐぅ〜…うぐ〜…」
完全に限界に達したのであろう、ブラッキーの口からは呻き声のような言葉のみが発せられ続ける。
しかし、ゴーリキーの腰は休まるどころか、時間を重ねるたびに激しくなっていく
密室の中で響きわたる生殖行為の音が彼の興奮をかきたて腰を激しく振らせる。
「うっ…そろそろいきそうだ…ブラッキーちゃんの中にたっぷりと…」
そう呟いた途端、彼は大きく腰を振りブラッキーの体を強く突き、彼女の中に精をぶちまける。
逸物を抜かずにブラッキー腹部をさわると、ゴーリキーの逸物と精液で膨らんでいた。
ゆっくりと逸物を引き抜くと、コポコポと音をたてブラッキーの膣から白くどろっとした液体がベッドのシーツに垂れる。
「さあて一服でもするかな」
ブラッキーをベッドの上にほおり投げ、地下室の階段を上っていくゴーリキー
残されたブラッキーは虚ろになった瞳から涙を流しながらベッドの上で静かに呼吸をしていた…。

177 :菜梨 ◆3tWJrcEWss :2008/03/29(土) 03:10:59 ID:iQyjpBWM0
やっと仕事かたづいたー

ながらくなにも書いてなかったのでリハビリがてらに書きました。
建築系の仕事はつらいとです。 某建築士のせいで

とりあえず最初に注意事項書くのわすれてごめんちゃい

178 :ルペン一世 ◆i/ei.o2TGU :2008/03/29(土) 03:15:26 ID:TG8dSXtQ0
連レス本当すまん
これが多分最後
世界設定

リーフィア達が住んでいる所は
エメラルドリーフ と言う草原や湿地、森や林などがある、草タイプ向けですね
そしてサンダースが居る所は
オパールキャニオン
荒れ地や、電磁波が発生している、岩場みたいな物
地面や電気系にぴったり

他にも

ルビーボルテックス

ええ、そうです、炎タイプ向けです。
マグマとかあります
でも、ここにある温泉はかなり気持ち良いらしいです

最後が
サファイヤ(サファイアかな?)アクア
水タイプ向けですねー
ほぼ水しかないです 
          
  位置関係は↓  
          
          
 オパール|アクア 
−−−−−+−−−−−
エメラルド|ルビー  
です、位置ずれしてるかも
           
次は人物紹介
いまいち設定とか決めてないので今出てるポケモンだけ書きます。
リーフィア どこにでも居る普通の♀ポケモン
シャワーズ 五月蠅い、テンション高い♀
チコリー マイナス思考の♀怒ると止まらない
サンダース めちゃくちゃ強い・・・らしい、♂
・・・ですかね、じゃあこれを元に進めますよろしくお願いします

179 :ルペン一世 ◆i/ei.o2TGU :2008/03/29(土) 04:54:07 ID:TG8dSXtQ0
第二話 これもエロ無し 三話からですね

森に入り、歩き続ける事10分シャワーズが喋り始めた
「よぉし!此処等辺で別れよう!私は東、ちこりーは南、リーフィアは北!」
それに心配そうにチコリーが言った。
「そんなぁ・・・危ないよぅリーフィアちゃんだって、間違えたらオパールキャニオンに迷い込んぢゃうかも・・・」
「大丈夫!此処等は縄張りもないし!無法地帯って奴?」
「私は良いけどね!」
リーフィアは心の奥では別れて行きたかった、先ほどチコリーが言った通り北に進めばサンダースに会えるかも知れないからだ。
「で・・・でも・・・」「ええい!じれったいなぁ!じゃああたしも一緒に行く!それでいいでしょ!」
チコリーはそれなら良いと言った。
「よし!じゃあ解散!日が沈む前に集合!」
三人は手を振り、木の実を取りに向かった、しかしリーフィアは二人が見えなくなると全速力でダッシュした。
「はぁっはぁっ・・・此処がオパールキャニオン・・・」
リーフィアが走り出してから30分、ようやくついたみたいだ。
「サンダースは・・・」
リーフィアが声をはっすると何が現れた、ザシュッ
「ひ・・・ひやぁぁぁ!だ・・誰!?」


180 :ルペン一世:2008/03/29(土) 05:14:20 ID:TG8dSXtQ0
「俺か?俺はサンダース!このオパールキャニオンの支配者という感じか」
リーフィアはあの、憧れのサンダースに会えただけであがってしまった。
「そ・・それで・・・わてゃしに何か用ですか?」
サンダースは一瞬キョトンとし、高笑いをした。
「此処はな?俺の縄張りなんだ、さっき言ったろ?俺は此処の支配者みたいなものだと、この山の1/5は俺の縄張りだ!次来たら・・殺す!」
「ひっひぇぇぇぇぇ!」
リーフィアは驚き、一目散に逃げた。
「こ・・怖かった・・・でもそれが格好良かったな・・・」
そんな事を言っていると集合地点についた、そこには二人が居た。
「よっ!リーフィアちゃん!集まった?」
そしてその一言でリーフィアは大事な事を思い出した。
「ああっ!木の実集めるの忘れてた!」
つい口に出してしまう、そして当然・・・
「ええっ!忘れてたぁ!?ちょっとぉ!じゃあ今まで何してたのよ!」
リーフィアは言い訳を考えるしかなかった。
「あの・・えっと・・そう!間違ってネパールキャニオンに行ってたの!」
「それを言うならオパールキャニオンでしょうが・・・」
呆れ顔のシャワーズ
まだ続きますよ

181 :ルペン一世 ◆i/ei.o2TGU :2008/03/29(土) 05:29:04 ID:TG8dSXtQ0
「早く水に入らなきゃ溶けちゃうからもう帰るわ」シャワーズがそう言った。
「あっうん、ゴメンね。」
「いいよ、私のちょっと分けてあげるから」
リーフィアはそんな事をして貰えるはずが無かった。
「いいよ!いらない!またね!」
そういってリーフィアは走り去っていった。
「どうしたんだろ、リーフィア、いいや、早く帰ろう、溶ける」
ここで口を開かなかったチコリーが話し出した
「シャワーズはサファイヤアクアだもんね。」
・・・
「あ・・・うん、じゃ・・又ね。」
それぞれが家に帰っていった。
その夜
リーフィアは・・・
「ああ・・・あのサンダースと話しちゃった。」
それを思い出すと、股間が疼く
「ああ・・・興奮しちゃった・・・」
顔を赤らめる
「でも、自慰の仕方なんか分からないしなぁ・・・」
そして・・・
「よし!決めた!明日秘密で又あそこに行ってみよ!そうと決まれば今日は寝よう!」
こうして夜は終わっていく・・・
第三話に続く・・・


182 :◆HAKOcCnj4U :2008/03/29(土) 15:21:19 ID:1JoRUPNM0
続きです。

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「お大事になさってくださいね」
 ありがとうございました、とトレーナーが頭を下げる。それにつられるようにブラッキーも小さく頭を下げた。
 待ちに待った――とはトレーナーの言であるが――退院の日である。天気も快晴で、
ブラッキーを連れ歩くトレーナーの足取りも軽い。普段なら家まで歩いて三十分ほど掛かるのに、
この調子なら二十分で着いてしまいそうだった。嬉しそうに大股で歩くトレーナーに着いていけず、
ブラッキーは時折小走りに追いかけなければならない。
 入院生活で体も鈍っているようだが、どうもそれだけではないようだ。
「……あれ、どうしたの?」
 ふと気がついたようにトレーナーが振り返る。少し遅れて着いて歩くブラッキーの表情は曇り気味で、
退院という祝うべき日にはそぐわない。
「もしかして、まだどこか調子悪い?」
 目の前に腰を降ろし、視線の高さを近づけながらトレーナーが聞いた。
ブラッキーは少しだけ狼狽したような表情を見せてから、遠慮がちに前足を差し出す。
「ああ、なるほど」
 トレーナーは小さく笑ってからその前足を握って、ブラッキーの体を抱っこしてやった。
「相変わらずだなあ」
 再びトレーナーは足取り軽く歩き出す。胸元に抱いたままではさすがに重いので、肩に背負うように抱え直した。
その言葉に、揶揄する響きは全く感じられないのがありがたい。
 ブラッキーは自分の顔が主人の視界から外れたのを確認してから、安心したように溜息を吐く。
「…………」
 トレーナーの腕に抱かれながら、ブラッキーはぼんやりとあの夜のことを思い起こしていた。
 結局あの後気絶してしまったようで、朝起きたときには彼女の姿は影も形も見当たらなかった。
それどころかご丁寧にも体を拭いてくれて、更にシーツの処理までしてくれたらしい。
あの夜の痕跡は何も残っておらず、おかげで誰にも気づかれなかったようだ。
 あまりにも現実感が無かったので、あれこそ淫夢だったのだろうかとも思った。
が、あの思い起こすことができるほどのリアルな感覚が、ただの夢であるはずがない。
 ブラッキーはあの後もナースコールの紐を毎晩引き続けた。
もしかしたらもう一度会えるのではないだろうかと思っていたのだが、やってくるのは見慣れたラッキーばかりで、
たまに違う看護士がやってきたと思ったらルージュラだったりした。
ご丁寧に顔まで覗きこんでいきやがって、思わず呼吸まで止めてしまいそうだったが、
マウストゥマウスという一撃必殺の地雷であるということに気づいて咄嗟に止めたのも良い思い出だ。
 もしかしたらあのブースターは普段は日中に働いていて、あの夜だけたまたま夜勤だったのだろうか、とも思った。
しかし、ギプスが外れてからセンター内をうろついてみたものの、結局姿を見かけることは一度も無く、退院の日を迎えてしまったのだ。
「……ふう」
 あの無邪気そうな笑顔を思い出して、深く溜息を吐く。幸せが逃げているのではないだろう。
 忘れるしかないか――などと思っている内に、トレーナーの家が見えてきた。

「いよーう!」
 黒犬の大きな声が玄関内にこだまする。隣に立っていたトレーナーが、苦笑しながら肩に背負っていたブラッキーを下ろした。
「元気かねぶらっきーくーん」
「お前の顔見たら食欲が減退した。センターに帰りたくなる」
 無意味に明るい笑顔を見せてくるヘルガーの顔面に、思いっきり蹴りを入れてやりたいとブラッキーは心の底から思った。
えー冷たいなー連れないなーと実に楽しそうな様子を見て、深く深く溜息を吐く。
 トレーナーはそんな二匹の様子を見て苦笑していたが、お昼ご飯作ってくるねと台所に向かって行った。
その後姿を見送ってから、ブラッキーとヘルガーもポケモン用の大部屋へと移る。
 少しごちゃごちゃした内装で、各々の寝床が宛がわれた部屋だ。
ぐるりと首を巡らせて、頭の中に思い描いていた光景と見比べてみる。

183 :◆HAKOcCnj4U :2008/03/29(土) 15:21:34 ID:1JoRUPNM0
「んー……。懐かしいなー」
 久しぶりに入った『自室』の中で、ブラッキーは大きく伸びをした。
毎日同じ光景とはいっても、病室の天井とこうも印象が違うのはなぜだろう、と思う。
「二週間くらいだっけ。そりゃ懐かしくもなるか」
 ヘルガーがくつくつと笑いながらゆったり床に寝そべった。
昼食までここでのんびりくつろぐつもりなのか、小さくあくびが漏れている。
 今はブラッキーとヘルガーしか部屋の中には居ない。
自分の寝床の確認をするブラッキーの背に、やる気の無さそうな声でヘルガーが尋ねた。
「んで」
「うん?」
「調子はどうよ」
「…………」
 毛布を敷く前足を止めて、ブラッキーがヘルガーの方を向いた。
「……脚の調子ならバッチリだな。性欲とかのことを聞いてるのなら、それは余計なお世話だ。その煩悩ごと蹴り飛ばすぞ」
 それを聞いて、喉の奥で笑うような、実に悪タイプらしい笑みをヘルガーが見せる。それが気に入らず、ブラッキーは更に顔を顰めた。
「……何だよ。また訳の分からん自慢でもするつもりか? 言っておくが俺は」
「いやいや。別にそういうつもりじゃないが」
 ブラッキーの声を遮るようにして、ヘルガーが続ける。

「……あのブースター、どうだった?」

 そのヘルガーの言葉が一体何を意味するのか、ブラッキーはすぐに理解できなかった。
一瞬で頭の中が真っ白になったような感覚に陥る。
「ふふふふふ、可愛かっただろー。アレは間違いなくイチ押し。キュウコンもめちゃくちゃ綺麗だったけど」
 が、目の前の黒犬の性格の悪そうな笑みを見て、一気に頬に血が上っていくのが分かった。
脳内のキャンバスに、あの夜の情事が鮮明に映し出される。
「……な、なんで、お前」
「あとはえーっと、グラエナもちょっとアヤシイ感じで独特だったな。マッスグマとかも意外におねーさんで」
 実に頭の悪そうな顔でヘルガーがベラベラ喋り続ける。一体その頭の中で何を考えているのか、口を挟む余地さえ見当たらない。
「アブソルの冷たそうな笑顔もかなり……って、あー。でもどっちかっつーとアレだろ。お前はおねーさんよりは幼」
「死ね。そして地獄に堕ちろ」
 一気に頭が冷えた。
 前足を口元に添えて、きゃーあいかわらずこわーいそんなこといわないでよーとクネクネ動く姿が非常に気持ち悪い。
生理的に虫唾が走るのだが、冷えた頭を働かせ、なるべくゆっくり言葉を選んで口を開いた。
「……何で、あのこと、お前が知ってるんだよ」
 下から睨むような目線になってしまうのはどうしようもない。
ヘルガーは待ってましたとばかりに背を反らし、実に偉そうに語る。
「ふふん。それはだな、この世界一超優しいナイスガイなヘルガー様が、
オカズも無く前足も不自由な状態で入院生活を強いられているぶらっきーくんにちょっとしたお楽しみを与えてやろうと」
 そこでヘルガーが一旦言葉を切った。目を瞑り天井を仰ぎ、自分の演説に心地良い恍惚感でも得ているようだ。
「――仲良くなったコにお願いして、センターで悶々してるぶらっきーくんを気持ち良くさせてくれるように手配してもらった、というわけだ」
 ヘルガーが細く長い息を吐く。仰いでいた顔を軽く俯かせ、決まった、とでも思っているのかもしれないが、
ブラッキーは口を引き攣らさざるを得ない。
「……仲良くって、どこで」
「ンなもん決まってるだろうが。この前見舞いに行ったとき言っただろ。マスターに『そういうトコ』に連れてってもらったって。
良いかぁ、俺はお前がどんだけ性欲の捌け口に困っているか粛々と語ってやってだな」
 頭の中で何かの緒が容赦なくぶち切れた。口の端が更に攣り上がる。耳の根元まで裂けてしまいそうだった。

184 :◆HAKOcCnj4U :2008/03/29(土) 15:21:45 ID:1JoRUPNM0
「……なるほど」
 色々納得がいった気がした。看護士のくせに妙に堂々として手馴れていると思ったら――とんでもない。プロだったというわけか。
あの夜最後に聞こえた何かが割れる音は、廊下で待機していた仲間が見回りを引き付けるために花瓶でも落とした……と、そんなところだろう。
「というわけで感謝しやがれ。俺様のカビゴンより大きい優しさに惚れろ。
何なら今日の昼飯を少し分けてくれても――って、あれ? 何か顔怖くないですか? あれ?」
 今更気づいたようにヘルガーが立ち上がって後ずさった。が、どうにもこの表情は隠し切れそうに無い。
中々ホラーな顔をしているのだと思う。正面のヘルガーの表情にも焦りが見えていた。
「……どうした、ヘルガー? 昼飯までもうちょっと時間はあるぞ?」
「いやいや。あの、ブラッキー? 何か、その、とっても暴力的な気配を感じるのは気のせいかな?」
「ああ、ちょっと」ブラッキーは後脚をぶらぶらさせる。ぐっぐっと前足で床を踏んで、治りたての脚の調子を確認しつつ、
「……誰かを蹴りたくてたまらない気分でな。昼飯前の丁度良い運動にもなるだろうし」
「いやいやいやいや。こう、何だ。我々はその辺の野生のポケモン達とは一線を画していてだな、
トレーナーの元で働く理性溢れるポケモンとして欲求を抑えて行動するのが一般的に求められるというか。
うん、えーと。……おーいグラちゃーん、ニューラ、ちょっと助けてくれないか」
「グラエナはいつもこの時間昼寝してるだろ。庭で。ニューラもいつも通りマスターのお手伝いだ」
 今度はヘルガーが口を引き攣らせる番だった。
「も、盲点……! 中々鋭いじゃないかワトソン君!」
「うるせえアホームズ。地獄の底まで叩き落とす」
 ブラッキーがニコっと壮絶な笑顔を見せながら、ヘルガーの方へ一歩近づく。
「ほらほらそんなナチュラルに悪の波動出さない。な? いやほら、お前があんまりにも辛そうだったからさ、ここは俺が一肌脱いで助けてやろうと」
「地獄の底まで 叩 き 落 と す」
「そ、そんな。……あー。ブラッキー、待て。落ち着け。今度マスターに一緒に店に連れてってくれるようにお願いするから。
駄目か。いやいや落ち着こう理性を保とうここはゆっくり深呼きゅ――うおおおおおお影分身!」
「黒い眼差しいいい!!」

 ぎゃああああああああああああああああああああというヘルガーの断末魔を聞いて、トレーナーは台所で苦笑した。
ニューラから木の実を受け取って、まな板の上に置く。
 痛い痛い痛いちょっと待て顔の形変わるうるせえ黙れ俺が美容整形してやるひぎゃああああオラさっさと店の名前教えやがれと
大部屋から声が響いているが、いつものことなのでトレーナーもニューラも気にせずに作業を続ける。
包丁がまな板を叩く音と冷蔵庫の中を漁る音が、日常の喧騒の中に混じっていった。

 今日も平和な一日である。


 了

_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/

おしまいです。お付き合いありがとうございました。

185 :ルペン一世 ◆i/ei.o2TGU :2008/03/29(土) 16:01:27 ID:TG8dSXtQ0
第三話 エロ入りまーす

「ふぁ〜あ、眠い・・・」
朝早く起きたリーフィア、窓の外を見るとさんさんと輝く朝日が登っていた。
「うぅぅ・・・昨日はほとんど寝れなかったよ・・・」
昨日は、サンダースの事や今日の事を考え、なかなか眠れなかった。
「まぁ、いいや・・それより早く森に・・・」
干し草で出来たベッドからおりて、支度をしようとした時だった。
「リーフィアー!早く朝ご飯食べなさい!いつまで寝てるの!いい加減にしなさい」
母の怒りの叫びは恐らく、隣の家まで届いただろう、その証拠に隣の家の窓に慌ててベッドから起きあがる姿が見えた。
「うるさいなぁ!今行くよ!」
リーフィアは毛並みを整え、居間のイスに座った。
「ったくもう、早く食べな!片付かないじゃない!」
朝ご飯のパンを口いっぱい頬張り、急いで席をたった。「どこ行くの!?」
「もひにいっへ、ひのふぃほほっへふふ(森に行って、木の実をとってくる)」
「何言ってるかわかんないわよ!まぁいいわ、日が沈む前に帰ってきなさいよ!」
「ふぁーい」
リーフィアは急いで森に走った、いつもならポッポやペラップの歌を楽しむのだが、今の彼女にそんな余裕は無かった。

186 :ルペン一世 ◆i/ei.o2TGU :2008/03/29(土) 16:40:51 ID:TG8dSXtQ0
「サンダースさん、居るかなぁ?」
そうして考え事をしている間にあっと言う間にオパールキャニオンについてしまった。
「うぅーん、昨日とは全然違う所に出ちゃった・・・ん?この匂いは?」
その匂いは東から風に乗って香った。
「これは・・・昨日のサンダースさんの匂い、行ってみよう!」
リーフィアは昨日言ったサンダースの言葉など覚えていなかった、それが後であんな事につながるとは・・・
スンスン「此処だ、匂いが一番強い。」
そこはただ、草や石で作られた、簡素な巣のような所だった。
「ふぅん・・・サンダースさんの良い匂い・・・」
その匂いを嗅ぐと、リーフィアの性欲はかきたてられる、すると昨日のように、股間が疼いた。
「んんっ!はぁ・・・又かぁ・・・」
しかし、昨日と違い、今日の性欲は、抑えきれる物ではなかった。
「此処に・・・サンダースさんが寝てるのか・・・ああ、もう駄目だぁ・・・」
リーフィアの手は自然と自分の秘部に向かっていた。
「自慰なんか、やり方知らないけど・・・やってみよう、うーんとまずはとりあえずさすってみよう」
しゅっしゅっ
「ふっ・・んん!あっ!気持ちいいけど何か足りない・・・」

187 :y ◆T4JJJVqDKw :2008/03/29(土) 16:57:28 ID:TG8dSXtQ0
そしてリーフィアは擦っているうちになにかを見つけた。
「ふぁっ!な・・何?このぼこってしてる奴?」
リーフィアはそれをつついてみた。
「軽く・・・えいっ!」
リーフィアがそれをつついた瞬間、リーフィアの身体に衝撃が走った。
「ふわぁぁっ!何これぇ!気持ち良いぃっ!」
そしてリーフィアの秘部から多量の愛液が流れ出す
「ふあぁぁ!な・・・何これ!なんか透明な液がっ・・・いっぱい出てきたぁ」
リーフィアは何か良からぬ事が起きると思い、手を離そうとした。
「これは・・なんか危ない気がする!手を離さなきゃぁっ・・・手が離れない!?あっ!手の動きが・・・止まらない・・・!」
次第にリーフィアの目はとろんとしてきた。
「も・・もう駄目ぇ・・イッちゃうよぉ」
リーフィアがイク所だった、しかしそのとき
「おい!お前何をしてる!」
リーフィアは驚き後ろを振り向いた。
「あっ!お前は昨日の!此処で何して・・・」
サンダースの言葉は途中で途切れた、しかしサンダースは周りの草にかかった透明の液や甘酸っぱい臭いで全てを理解した。
「お前・・・此処で自慰をしていただろう!」
そう言われた途端、リーフィアの顔は真っ赤に染まった。 

188 :ルペン一世 ◆i/ei.o2TGU :2008/03/29(土) 17:22:27 ID:TG8dSXtQ0
リーフィアはただ、はい・・としか言えなかった。
「俺は昨日、言ったはずだ、「縄張りに来たら殺す」と」
リーフィアはそのときテンパっていたので、もちろん覚えてなどいない。
しかし、自分の自慰行為を憧れのサンダースに見られた、その事だけを悔やんでいた。
「うっ・・ううう・・・」
「お・・おい!泣くなよ!本当に殺したりなんかしないから!」
「本当・・・ですか?」
サンダースは照れながら
「ああ・・後自慰なんかこんな所ですんなよな、汚れるし汚いぞ」と言った。
リーフィアは「そんな事ないですよ!」と言い返した。
「な・・何をそんなムキになってんだよ・・・でも!!」
リーフィアは突然大声を出され、驚いた。
「で・・でも?」
「ああ、俺の縄張りに入った事に対して、「罰」を一つ与える!」
「罰」と言う言葉はリーフィアにとって、とても恐ろしく聞こえた。
「そ・・その罰って?」
サンダースは赤くなった顔を更に赤くさせ、言った。
「俺の・・・恋ポケになれ!」
「ええっ!な・なんで!?」
「そりゃあ・・あれだよ可愛いからだよ・・・」
「誰がですか!?」
「お前しか・・居ないだろ」
「ええー!あたしですか!?」
4話に続く 

189 :ルペン一世 ◆i/ei.o2TGU :2008/03/29(土) 19:58:02 ID:TG8dSXtQ0
第四話

いきなりの展開に驚くリーフィア
「な・・何で!?さっきまで私はそこで自慰までしてたし、それに縄張りにだって勝手に入っちゃったし・・・」
そんな風に喋り続けるリーフィアにサンダースが話し出した。
「そうさ、俺は縄張りを破ったからお前に恋ポケになれ、と言っている、それに自慰はポケモンなら誰でもするしな・・・現に俺だってしてるし・・・」
リーフィアには最後の方の言葉が聞き取れなかった。
「えっ!?最後の方、何て言っていたんですか?」
そう聞き返してくるリーフィアだが、流石にもう一度言うのは恥ずかしかったらしく
「なっなんでもない!まず、恋人ならまず、此処に毎日来い!」
その返答には流石にサンダースが好きなリーフィアでも驚いた。
「ま・・・毎日ですか!そんな!」
「いいだろ?まぁ強制はしない、来なかったら自慰していた事もばらすがな!」
「ええっ!い・・嫌です!そんなの!」
ニヤリと笑うサンダース
「ならば明日からきちんと、夕方、此処に来るように、じゃあな!」
そういうとサンダースはどこかに走り去ってしまった。
「い・・行っちゃった、明日からか・・・」
リーフィアの頭の中には嬉しいような、恥ずかしいような

190 :ルペン一世 ◆i/ei.o2TGU :2008/03/29(土) 20:17:37 ID:TG8dSXtQ0
そんな気持ちだった。
次の日の朝
その日はリーフィアの目は冴えに冴えまくっていた。
「今日からサンダースさんの所に・・・緊張するなぁ。」
するといつものように・・・
「早くご飯食べなさーい!」
いつも通りの轟音(笑)が響く
「はーい!今行くよぉ♪」
その答える声さえもが嬉しそうだった。
「?やけに素直ねぇ・・」
そしていつも通り食卓へ
「美味しいなぁ、これってラッキーさんの?」
母親は答える
「ああ、ラッキーさんの卵よ、体力回復栄養満点!あの人にはいつも悪いわねぇ」
リーフィアは話の1/3だけを耳に入れ、ほかはカットした。
「ああ、そうだ、リーフィア!」
「なぁに?お母さん」
「明日からお母さんもお父さんも出張だから」
「へぇそうなんだ。いいよ私も誰かの家に泊めて貰うから、何日位?」
「うーんと、一ヶ月位かな」「ああそう、分かった」
母と父は春になると、いつも長期に渡り出張をする、今年はまだ短い方だ。
「それならいいんだけど・・・じゃあよろしくね。」
そういうと母は荷物を背負い、行ってしまった。
にしてもタイミングよすぎるなぁ、そう思うリーフィアだった。 五話に続く

191 :ルペン一世 ◆i/ei.o2TGU :2008/03/29(土) 22:56:29 ID:4avlEc1c0
三月中には
全部書き終えたいと思います。
無理かなぁ、
長ったらしいし、つまらないけど
一応最後までお付き合いよろしくお願いします
後、連レスばっかしてすいません

192 :ルペン一世 ◆i/ei.o2TGU :2008/03/29(土) 22:58:21 ID:4avlEc1c0
最後に書き忘れです。
コメント等頂けると幸いです

193 :ルペン一世 ◆i/ei.o2TGU :2008/03/30(日) 00:03:55 ID:vCgdnBX20
第五話

「おう、約束通り来たか」
サンダースはニッコリ笑いながら言った。
「あのさ・・・これから何をするの?」
リーフィアはやや不安そうに訪ねた。
「うん?まずは二人の事を話し合うのさ、まだ二人は知り合って間もないしね。」
・・・そんなことは無い、私は昔、サンダースと遊んでいた事がある、まぁその時はイーブイだったから・・・仕方無いのだけど・・・
「じゃあまず・・・」
二人の話は長々と続いた・・・
「おっと、もう日が沈んじゃうな・・・又明日な!」
そしてリーフィアは家に帰ろうとした、しかし・・・
「あっ!今日私の家に誰も居ないんだった!今からチコリーの家に行っても迷惑だし・・・」
慌てるリーフィア
「ふーん・・・じゃあ・・・俺んち泊まれば?なんちって、ははは・・・」
リーフィアはその言葉を聞き逃さなかった。
「あっ!それが良いと思う!わざわざ家から此処に来る手間も省けるし!」
これにはサンダースも
「お・・おい!待て!お前最初となんか性格違うぞ!」
「いいじゃない♪彼氏なんだし!」
「む・・むぅぅ・・じゃあ良いよ!好きにしろ!」
「やったー!それじゃあたしの場所はここね!」
「やれやれだぜ・・・」

194 :ルペン一世 ◆i/ei.o2TGU :2008/03/30(日) 00:19:38 ID:vCgdnBX20
そんな出来事から10日がたった。
二人は特に変わった事も無く、普通の恋人のように過ごしていた。
そんな日の夜・・・
「ああ、今日も疲れたし、寝ようか」
「あ・・うん」
外ではすでにホーホーが鳴いていた。
「う〜なんだか寝付けないや、気分転換に外に散歩でも・・・」
リーフィアは気分転換に外を歩いていた。
「・・・ァッ・・・ハァッ」
リーフィアは謎の声に気づいた。
「なんだろう?この声?」
リーフィアは音のする方向に向かった。
「あれは・・サンダース?何をして・・・」
リーフィアは少しのぞき込んで見た、それは一瞬で理解できた。
「あれは・・・自慰!?」
サンダースは自分のモノを上下に擦っていた。
「ううっ・・・リィ・・フィアァ!」
そう言った途端、彼のモノは白濁色の液体を発射した。
「あたしの名前・・・もしや私を思いながら?」
「ふぅ・・そろそろ戻らないと・・・」
「えっ!?まずい!早く帰らなきゃ!」
リーフィアは急いで走った。
・・・「ただ今ぁ・・・よし寝てるな・・・」
そしてサンダースも眠りについた。
「まさか・・サンダースがあんな事してるなんて・・・」
 

195 :ルペン一世 ◆i/ei.o2TGU :2008/03/30(日) 00:37:58 ID:vCgdnBX20
「ふあ〜ぁお早う!リーフィア!」
ドキィッ!リーフィアは動揺を隠しきれなかった。
「お・・おはよう!サンダース!」
「どうしたの?なんか調子悪いの?」
更にドキィッ!まさかリーフィアは「昨夜のあなたの自慰のせいです」など言えるわけがなかった。
「そ・・そうかなぁ?そんなこと無いよ!」
「そうか?まぁいいや、今日は二人で木の実取りに行くよ!」
「あっうん!」
四時間後
「ああー!疲れたぁ!でもいっぱい集まったね!」
「ああ!そうだな!取れたのは・・イアの実とモモンの実とクラボの実とマトマの実か」
「じゃあ今日は、マトマとモモンの甘辛スープだね!あたし得意だから作るよ!」
「ああ、よろしく」
リーフィアは昨日の事など既に忘れていた。
・・・
「出来たよー!」
テーブルの上には、綺麗な柄の皿に盛られたおいしそうなマトマスープとほかほかのパンが二切れずつ
「うわっ!凄ぇ旨そう!いただきまーす!」
周りには目もくれず一心不乱に食べるサンダース、雷の暴君が、情けない
「ふふ、こう見てたら私より子供みたいなのに・・」
その時、あのサンダースの自慰の事を思い出してしまった。
すると・・・あの時は反応しなかった、股間が疼く

196 :ルペン一世 ◆i/ei.o2TGU :2008/03/30(日) 01:28:56 ID:vCgdnBX20
「ううっ・・・昨日は・・驚いてたから反応しなかったのに・・・」
その異変に気付いたサンダース
「?どうした?顔色悪いぞ?」
「なんでもないって!早く食べちゃお!」
「お・・おお、わかったよ」
「はぁー旨かった!あらら、もうこんな時間だ、寝るかなー」
「えっ?あっうん!そうしよ!お休み!」
そうして二人は床についた、しかし・・・
「サンダースの事思ってたら・・・眠れないよぉ」
「リーフィアの事考えてると・・・眠れない・・・」
「仕方無い、今日も行くか」
サンダースはベッドから起き上がり、又、以前行っていた所へ・・・
その姿が見えなくなったのを確認し、反対の方向へ向かうリーフィア
「ハァッハァンンッアッ・・・リィフィ・・・アアアッ!」
「ウ・・アアッ・・ダメッ・・サンダース・・大好・・き・・・アアッ・・!イクッ!」
「ふぅ」「ふぅ」
「そろそろ帰らなきゃ」「そろそろ帰るか」
「よかったまだ帰ってきてなかった」
リーフィアは急いでベッドに寝ころんだ。
「よかったぐっすり寝てる」
サンダースは急いでベッドに寝ころんだ。
「お早う、リーフィア」
「あっ・・お早う、サンダース」


197 :ルペン一世 ◆i/ei.o2TGU :2008/03/30(日) 01:59:30 ID:vCgdnBX20
二人は流石に恥ずかしいみたいだった。
と言っても表面的に出しているのはリーフィアだけだった。
無理も無い、目の前に居る相手を想像しながら自慰をしたのだから
しかしサンダースは相変わらずだった。
「お・・お早う、サンダース」
「ああ、お早う、リーフィア」
照れながらも朝の挨拶はきっちりとする、しかし心の奥は二人とも、顔から火が出るほど恥ずかしい思いだ。
「今日は・・・二人で温泉に行こうか!」
「えっ!温泉?」
「ああ、久しぶりに入りたいなぁと思って」
きっと理由は違うのだろう、リーフィアは気付かなかったが、二人は自慰をした後、身体をよく洗っていなかった、いや洗えなかった、と言う感じだ。
「さぁ、行こうか」
「ああ、うん」
歩く事1時間
「着いたねー!」
「うん、私は温泉なんて初めて来たから、説明してね」
「う〜ん、説明?えっと、温かいお湯に入って、リラックスするって事だけだよ」
「あっうん、わかった」
「あっちの一番奥のポケ気の無い所にはいろうか・・・」
ポケ気の無い所、という言葉はなにか緊張感を持ってしまった。
「えっ、うん、分かったよ・・・じゃあ、行こうか・・・」
 迷惑でしょうが六話に続く       

198 :ルペン一世 ◆ONKatPTeqw :2008/03/30(日) 02:03:37 ID:vCgdnBX20
評判が悪いようでしたら、辞めます

199 :ルペン一世 ◆i/ei.o2TGU :2008/03/30(日) 02:08:11 ID:vCgdnBX20
すいません
ミスです
196の二人の挨拶の前に 次の日の朝 と入ってると思って下さい
197の二人の挨拶は無かった事に

200 :狸吉 ◆2yFRLFKg8k :2008/03/30(日) 03:15:32 ID:RvAlGOXs0
>>ルペン一世さん
ポケモンエロの王道ブイズ小説でがんばっていますね。
リーフィアがとてもかわいらしく書けていますよ。
個人的にはチコリーちゃんが好みなので出番増やしてほしいなぁ。

ここであえて苦言を一つ。
第一話の冒頭ではリーフィアちゃんの一人称で書かれているのに、
2レス目の途中でいつのまにか三人称になっていますね。
視点を変えるのはかまわないのですがどこから変わったのかが今ひとつ分りづらいです。
僕なら1レス目の
「でも・・・私はあの人に恋をしてしまっているのに・・・そんな事言われたって・・・」
の後に一行あいだを空けて、
「リーフィアが≠サんな考え事をしていた次の日・・・」
とつなげてそれ以前の文章がリーフィアちゃんの心理描写だったことをハッキリさせますがどうでしょうか。

ではクライマックスに向けてがんばってくださいね。

201 :ルペン一世 ◆i/ei.o2TGU :2008/03/30(日) 03:43:21 ID:vCgdnBX20
確かにそうですね
これからは三人称で行きます。
こういうアドバイスはとてもこれからの為になりますね、狸吉さん、ありがとうございます 

202 :ルペン一世 ◆i/ei.o2TGU :2008/03/30(日) 03:45:30 ID:vCgdnBX20
心理描写ですか、さすがに上手い人は言う事が違いますね。
私も早く上手くなりたいです。

203 :マグマグ♯magu/file:2008/03/30(日) 13:17:45 ID:OolYe3ws0
はぁ、久々に此処に来れた。
みなさんすごいですね、私も頑張らないと。

204 :マグマグ◇magu/file:2008/03/30(日) 13:20:19 ID:OolYe3ws0
私は結構短めに書きます。

205 :パウス ◆cFhbfcNzdA :2008/03/30(日) 14:25:10 ID:ohZRex9c0
>>203-204
マグマグさんトリップが・・・?♯は半角ですよ。
余計なおせっかいとか言わn(殴蹴


〜story38〜 ―快電気―

もう完全にアクアは私に身を任せている。抵抗してこないのがその証拠だ。
もしかしたらマゾッ気が彼にはあるのかも、そう思ったがそれでも多少のサディストである私とは良い相性だ。

こうやって体を重ねるごとに見るアクアのモノは、通常の二、三倍ほどもの大きさに膨張していて、それがまた私を興奮させる。
だって私の行為で気持ち良くなってるってことでしょ?
「凄いね、この前やったばっかりなのに……ね?」
意地の悪い笑みを浮かべたが、どうせ見えてないだろうと声まで意地悪くした。
「だって………今日はいつにも増して凄いんだもん。発端もいきなりだしさ。」
その顔、その私の前だけで見せてくれる弱々しい顔が駄目なのだ。
何故なら―――もっともっと攻めたくなっちゃうじゃないの!!
「んくっ……!」
アクアのモノを大きく舐め上げ、唇を押し付けながら舌の先でモノをくすぐる。
アクアは気持ち良さのあまり甘い声を漏らし、時折ぴくりと体を撥ねさせるがそれでもやめる気は無い。
寧ろやってほしいだろうし、私も止めたくは無い。
私はついにモノに齧り付き、音が聞こえるほどまでに強く吸う。
「・・・・・あぁぁああぅ!!」
アクアの声はまるで子供のように情けなくなっていた。
体が動くことを抑えきれていない感じだが、一切抵抗する様子は無い。
しようと思えば後足で私を押さえたり、蹴ったりすることも可能な位置に私はいるというのに…。

あぁ、駄目駄目……そんなに弱々しくなっちゃあ。
私の意地悪な人格がまた復活し、選択肢を二つ出した。
このまま一気に頂点まで達させるか、それともまだまだ焦らすか。こういう場合、いつもなら焦らしていたがいつもそれではつまらない。
じゃあ一気に―――そう考える前に体が先に動き始めていた。


206 :パウス ◆cFhbfcNzdA :2008/03/30(日) 14:26:48 ID:ohZRex9c0
※ごめんなさい、注意書きを忘れていました。この話にはポケモンの技を使った特殊なプレイが含まれています。



「……うわぁあっっ!?えっ、何これ!?いきなり……うひゃあ!!」
アクアがずっと口から漏らしていた弱い喘ぎ声が一瞬にして叫び声のように大きな声と化した。
何これ、と驚くのも無理は無い。何故なら私は今までにやったことのないことをやっているのだ。
私はモノから口を離して、自然と笑みを浮かべていた。アクアにはこの笑顔がどう映っているのか分からない。
「うふふふ……、今ねぇ、頬の電気袋から口を通して弱い電気をあなたに流してね…」
ここで一旦切り、目の前にあるアクアのモノを指して続けた。
「ここに直接刺激を与えたの……。どう?結構気持ち良いでしょ?」
「気持ち良いけど……ちょっとやりすぎじゃないかい?」
結構なんてもんじゃない、そうアクアの顔は訴えているが意図的に無視した。そもそも私を怒らせたのが運の尽きだ。
私はまたモノに齧り付く。その口を顔ごと上下に動かすと共に、さっき言った弱電気を流していた。
勿論全く痛みも、感電した感じもない程に弱い電気だが、彼に快感を与えるには充分過ぎた。
快感を味わうたびに叫ぶ声は、既に私が時々ふざけて電気をぶつけた時の驚いた声よりも大きくなっている。
どのくらい気持ちが良いのか私も味わってみたくなったが、電気タイプである私には通用しないだろうと少しがっかりだ。

今までよく耐えてきたアクアはついに絶頂に達したようだ。
「あぅ………」
もう声を出し切ってしまったのか、力ない声で絶頂を迎えたアクアはモノから恒例の白い液体を放つ。
思いっ切り顔にかかったそれを私は拭き取り、この前は舐めたので今度は体に塗ることにした。
「……とんでもないこと考えついたもんだね。まぁ、気持ち良かったけどさぁ…」
ゆっくりと起き上がりながらアクアは苦笑する。
流石は『裏庭』所属と言ったところだろうか、それ程疲れてはいないようだった。むしろ電気を流し続けた私のほうが疲れているくらいだ。
ならば更に先まで行っても大丈夫だろう、とまた私自身の意地悪な人格が囁いた。


207 :ルペン一世 ◆i/ei.o2TGU :2008/03/30(日) 19:57:40 ID:vCgdnBX20
第六話

「此処が温泉だよ、リーフィア、熱いのは大丈夫?」
リーフィアは草タイプだったので、熱いのは少々苦手だった。
「えーと、お湯の温度はいくらぐらいなの?」
サンダースは前足をゆっくりお湯に浸しながら、お湯の熱さを確かめた。
「んー・・・40度・・かな」
それ位の温度なら平気らしいリーフィアはサンダースとは少し離れた所に入った。
「何でそんなに遠くにいるんだよ・・・こっちくればいいのに・・・」
サンダースは少し膨れた顔をしていた。
しかし、そんな事を言われてもリーフィアはどうしても行く気にはならなかった、どうしても・・・昨日の事を思い出してしまうから・・・
「いや・・いいよ、私は此処で」
サンダースはやはり少し膨れていた。
「じゃあ・・俺がそっち行くよ」
「ええっ!やめてよ!」
「良いだろ、ここの温泉のお湯は濁ってるし、同棲してるんだから・・別に恥じることは無いだろ」
恥じることなら・・いくらでもあった、しかしリーフィアには断る勇気が無かった。
スーー・・・「・・二人っきりで温泉も・・たまにはいいな・・・」
リーフィアは[二人っきり]と言う単語になにかしらの、驚き、いや興奮を覚えた 次レスに引き継ぐよ 

208 :マグマグ ◆p8ixqss2bY :2008/03/30(日) 21:45:53 ID:OolYe3ws0
>>パウスさんありがとうございます。
以後気をつけます。

209 :ルペン一世 ◆i/ei.o2TGU :2008/03/30(日) 22:57:32 ID:vCgdnBX20
あろ?
書き込まさってない?
なんで?もっかい書くしかない?
あれ?
すいません、もっかい書き込みます

210 :ルペン一世 ◆i/ei.o2TGU :2008/03/30(日) 23:35:17 ID:vCgdnBX20
二人の間に一瞬の沈黙が流れた。
それを破ったのはサンダースだった。
「俺・・なんて言うか・・リーフィアを見てると・・ドキドキするんだ、なんて言うか・・昔に一度会った事があるみたいな・・・」
そうだろう、なんせ以前に遊んでいたのだから、まぁ昔はまだイーブイだったので仕方無いが
「う・・うん、そう・・・」
するとサンダースはお湯の中から立ち上がり、顔を真っ赤にして喋りだした。
「で・・でさぁ、あの、俺、リーフィアと・・その・・なんて言うか・・あの・・ああっ!もう駄目だっ!」
するといきなりサンダースはリーフィアに抱きついた。
「リーフィア!」
そうするとリーフィアは顔を赤くしてサンダースを突き飛ばした。
「や・・やめてっ!」
するとサンダースは我を取り戻し、自分のした事の重大さを理解した。
「ご・・ゴメン!リーフィア!大丈夫!?」
そして・・・
「だ・・大丈夫!気にしないで!私、先に帰ってるね!のぼせちゃった!」
そういうと、リーフィアはとっとと走り去ってしまった。
その姿を見たサンダースは・・・
「俺、なんて事しちまったんだ・・・クソックソックソォォ!」
そしてサンダースは涙を流し始めた。   

211 :ルペン一世 ◆i/ei.o2TGU :2008/03/30(日) 23:55:31 ID:vCgdnBX20
「ううっ・・・ちきしょう・・・あんな事して・・リーフィアに嫌われちまった・・・なんであんな事・・しちまったんだよ・・」
その頃リーフィアは・・・
「サンダースがいきなりあんな事するなんて・・・でも、私なんで押し飛ばしたりしたんだろ・・・サンダースの事、好きなのに・・・」
その日の夜・・いつもはけたたましく鳴くホーホーやヨルノズクさえも、今夜はやけに静かだった・・・
「ただ今・・・リーフィアは・・・寝てるのか、無理もないか・・・あんな事されたんだもんな・・・」
サンダースは自分のした事を恥じた。
「今日は・・・もう寝よう・・・」
そう言うとサンダースは寝床についた。
そしてリーフィアを見て
「ゴメンな・・リーフィア・・」
そう言い残し、静かに寝息を立てた。
リーフィアがサンダースの家に泊まってからもう15日がたった。
二人に残された時間は・・後2週間しか無かった。
しかし、二人の心は・・すれ違い始めていた・・・
七話に続く

212 :ルペン一世 ◆i/ei.o2TGU :2008/03/31(月) 00:56:19 ID:LVRleQGc0
さぁ、次行きます
七話

ポッポゥルー
ポッポの声が鳴り響く、朝の合図だ。
その日の朝日は輝いていた、しかし二人の心はくすんでいっていた。
「ふぁ・・あ、ふぅ」
「むにゅぅ、ふっ・・うぅん」
二人はほぼ同時に起きた、いつも通り朝の挨拶をしようとしたサンダースだったが、昨日の事が響き、なんとなくはなしずらかった。
そうしていると…
「おはよう、サンダース」
先に声をかけたのはリーフィアだった。
「あ…おはよう、リーフィア」
「あの、サンダース、昨日の…」
その言葉をサンダースが遮った。
「今日は!自由行動にしよう、友達に会いに行ってもいいし、何してもいいよ、それじゃ…」
そういうとサンダースは何処かへ走り去ってしまった。
「あ・・サンダース!待って!・・やっぱり・・昨日の事・・怒ってるのかな・・」
リーフィアは昨日サンダースを突き飛ばした事を忘れられずにいた。
「自由行動か・・たまにはチコリー達の所に行ってみようかな・・・」
そう言ってリーフィアは巣からチコリーの元へ向かった。
サンダースは、というと・・・
「・・・リーフィアは居ないか・・・」
サンダースは巣に戻っていた。
        

213 :空条 ◆i/ei.o2TGU :2008/03/31(月) 03:46:57 ID:LVRleQGc0
あの…諸事情により、名前を空条に変えさせて頂きます、すいません
「やっぱり居ないか・・・今日はなにもやる気が出ないし、ずっと寝てよう・・・」
そう言うとサンダースはすぐに寝息を立てた。
そのころリーフィアは…
「すいません・・チコリーちゃんは居ますか?」
チコリーの家の前に居た。
「た・・助けてぇ〜」
中から傷だらけになったチコリーが出てきた。
「ど・・どうしたの!?チコリー!」
チコリーは虚ろな目で答えた。
「な・・中に入れば・・分かる・・よ・・気を・・つけて・・」ガクッ
「チコリー?チコリィィィィ!!」
リーフィアは突然の出来事に驚いた。
すると・・
「ううっ・・リーフィア・・・」
チコリーが目を覚ましたのだった。
「大丈夫!?チコリー」
「疲れて眠っちゃっただけなんだから静かにしてよ!もー!」
ドゴッッッッッ!!一発の鈍い音が鳴り響いた。
「一生そこで寝てろ!心配して損した・・・」
しかし、そんな事はさておき、中の様子が心配だった。
リーフィアは中を覗き込んだそこに居たのは・・・
「シャワーズ!?」
それは親友のシャワーズだった、しかしいつものシャワーズとは違った。


214 :空条 ◆i/ei.o2TGU :2008/03/31(月) 04:07:49 ID:LVRleQGc0
「あらぁ?リーヒアひゃんらないの〜ひしゃしぶり〜えへへへへ」あきらかに呂律が回っていなかった。
「ほらぁ!りーひあひゃんものまにゃい?」
そういって手に持っている物を突き出した、それは・・
「お酒!?これお酒じゃないのよ!何飲んでるのよ!駄目じゃない!」
そう言ってリーフィアはシャワーズの持っているお酒を取り上げた。
「ああっ!?あたしのおしゃけ!返してよぉ、じゃないと・・」
完全にシャワーズの目は座っていた。
「ウウウ・・・リーフィア・・」
何か不気味な声が聞こえた、その声の正体は・・・
「さっきはよくもぉ・・・」
チコリーだった、チコリーの話を聞くと、チコリーの家の両親が旅行に行って、寂しくなったのでシャワーズを呼んだらしい、そしてシャワーズが夜に寝ぼけて水と酒を間違えて、飲んでしまったらしい、それからずっとあの調子なんだとか・・
「シャワーズって・・あんな酒癖悪かったんだ・・」
「いいからひゃやくかえひなひゃいよぉ!そう・・かえひゃないちゅもいね・・・」
明らかにシャワーズの目の色が変わった。
「れいとーびーむ!」
カキィン!リーフィアの目の前の床が凍った
「あら・・はじゅしちゃった・・次こそは・・」

215 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 04:12:27 ID:LVRleQGc0
うーん七話の続き書かなきゃいけないんですが
眠いです・・・
なので明日続き書きます。
誰も期待してないと思いますが・・・

216 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 09:55:40 ID:D0aE/Hw20
少なくも期待している人間がここにいますよ
面白いと思いますのであまり自虐的にならずに
頑張って下さい

217 :ぴか ◆I0gS.Wghlw :2008/03/31(月) 13:11:27 ID:o/6w0m5c0
>>215 いやいや、期待してますよ!!!
    でも、眠かったり体調悪かったら書かないほうがいいですよ?

218 :空条 ◆i/ei.o2TGU :2008/03/31(月) 15:03:18 ID:eos1tNKQ0
そう言って頂けると幸いです。
書き込むのは今日の夜になると思います。
それでは………

219 :鼠侍#chibi_to_dash:2008/04/01(火) 01:57:12 ID:dEC+1BqY0
間が開いてしまってどうもすみません(−−;
よかったら読んでください


Act.2 寄り道


夕日が背中を照りつける中2匹のイーブイは長い影を見つめ
他愛のない話をしながら商店街を歩いていた。
「―――そうなんだぁ・・・あ、ごめんね、こんなところつ
き合わせちゃって・・・。」
イヴは思い出したようにして肩を小さくした、いつもならも
う少しお転婆でいられるはずだがなぜか不思議と今日は落ち
着いていた。
「別にいいよ、僕も好きで付き合ってんだからさ。」
アルは小さく笑って尻尾を振って見せた
「ところでさ・・・付き合ってるといえばさ、さっき聞かれ
たんだけど・・・・・・私たちってさ・・・付き合ってるの
かな・・・?」
突然アルの頭の中に幼少のころからのイヴの姿がまるで走馬
灯のように駆け巡った。
だんだん暖かくなってきた4月のはじめ、僕は勉学を学ぶた
めに学院(学校のような所だが強制ではない)の門を通った
そのとき真っ先に僕に突っ込んできたのが彼女である、出会
いとしてはどうだろうと考えてしまうが運命だったのかもし
れない、そのとき僕が吹っ飛んで鼻血を出していなければ話
すこともなかっただろう。
「ちょっと?ねぇ?・・・・・・まさかたったまま寝てると
か言わないでよ?」
「あ・・・ごめん、君と会ったときの事思い出しててさ・・
・」


220 :鼠侍♯chibi_to_dash:2008/04/01(火) 01:58:34 ID:dEC+1BqY0
しばらく思い出すようなモーションをイヴは取っていたが周
りから見れば商店街の真ん中で止まって考えるのは迷惑の他
なんでもない。
「・・・あっ!アルが鼻血出したやつだ!」
あまりに面白そうに話すイヴに腹が立ちそうになったがそん
な気は起きなかった、もともと気が小さいからかもしれない
が・・・。
「原因はだれだっけ?」
イヴは目をそむけ、もう一度向き直りニコッと笑っていた
「・・・えへへ・・・誰だっけ?」

その後そんな会話がしばらく続いた、話の終わりが見えない
と悟った2匹はレストランに入りドリンクバーを2つ頼んだ
・・・もちろんアルのおごりで

「まったく・・・衝撃的な出会いだったわよね〜」
「はぁ」と一息つきアルが付け足す
「衝撃的なのは君だってば・・・」
イヴはもう何度立ったかわからないくらいドリンクを飲み続
けている、終いにはいろいろとジュースを混ぜてみようと思
ったのか怪しい色のドリンクを持って来てまず先に自分では
なく僕に飲ませてくる
「・・・お腹壊しても知らないよ?」
イヴは自分のお腹をポンとたたいてアルの顔に指をつきつけ

「私のお腹を甘く見ないことね!男女混合大食い大会3年連
続優勝は伊達じゃないわよ!」
そのときアルは思った
・・・神様・・・なんでこんな要らん才能をイヴに与えたん
だ・・・?


221 :鼠侍 ◆QuF8hHat9c :2008/04/01(火) 02:00:57 ID:dEC+1BqY0
「まぁそれはそうとしてさ、結局私たち付き合ってるの?」
できるだけ戻さないように努力したけれどもう無理か・・・

「イヴはどっちがいいの?」
・ ・・聞くんじゃなかった!これでもし答えが「NO」のほ
うだった場合傷つくのは自分じゃないか・・・

「私は・・・付き合ってると思ってたんだけどな・・・」

Act.2 寄り道




すみません!
トリップが剥げてしまいました、大変かってながらトリップを変えさせてもらいます
ほんとにすみません


222 :舞無 ◆ooST1Ox9tc :2008/04/01(火) 03:20:44 ID:iKqO6kB20
 強姦表現有

ACT 04  トキワの森の虫達

トキワの森へ入ると虫のさざめきと日の光のろくにあたらない薄暗さとじめじめした湿気に包まれていた。
まさにここは虫達の住処、木の上ではイトマルが巣を作り、あちこちの木ではキャタピーが葉を一心不乱に食している最中である。
「ここがトキワの森か…」
そう呟くとピカチュウが一言「はい」と言い、イーブイの腕を引っ張る。どうやら連れて行きたい場所があるらしい
「こっちに来てください私の家があるんです」
ピカチュウにつれられるまま進むとある予感が頭をよぎる。もしこのまま家に行きピカチュウが「あたしの婚約者です」なんと言った日には御先が真っ暗である。
対処を考えている中ふと前は見ると、ピカチュウがイーブイの顔を見ながら走っている。ピカチュウは輝かしいほどの笑顔をしていたが
そのピカチュウが向かう先の木からは不気味な二つの光が輝いていた。
……イトマル!?
気がついた時にはイトマルはピカチュウ目がけて糸を吐きだしていた。こっちを見ながら走っているピカチュウは勿論気づいていない。
イーブイはとっさにピカチュウ目がけて軽く体当たりをし、ピカチュウを糸から守る。
イトマルの吐いた糸が地面にたどりつくのを白黒した瞳で見つめたピカチュウは、胸に手をあて今にも泣きそうな顔をしていた。
「あ…ありがどうございまず…ありがどう…」
イーブイの手を握る頃にはぼろぼろと涙をこぼし、泣きながら感謝をし始める。その姿を見てイーブイはピカチュウが思っていた程幼いのだと確信する。
「とりあえず…俺が先を行くからピカチュウは道だけ教えてくれ…とりあえず君を家に送り届けるよ」
「はい…」
泣きべそをかくピカチュウの手を引きながら草むらの生い茂った所を歩く。すでに自分の背丈を越え伸びる草むらの中を歩けば
先ほどのように木の上のイトマルの糸から草が守ってくれると考えたからだ。
どうやら思惑は当っていたらしく。沢山の虫ポケモンやそれ以外のポケモンがこの草むらを通っている。
そんな中突然頭上をスピアーの大軍が通過する。その光景をあぜんと見つめていると、突然ピカチュウが悲鳴をあげ塞ぎこむ。
「ど…どうしたの?」
「ご、ごめんなさい…スピアーはトキワの森の中で一番強いんです…針に刺されて毒に侵されて巣に運ばれて食べられるだろうって
おかあさんに教わってて…」
スピアーの群れが頭上を通る中、スピアーに見つからないように彼等の通行を見ていると、ピカチュウの言うとおり毒に犯されたのであろう
ポケモンが数匹程スピアーに抱えられ連れていかれたのが見えた。
スピアーが通り過ぎるとピカチュウは脅えながら立ち上がり、もうすぐ家につくと家のある方向を指さす。
ピカチュウに言われる通りに進み草むらを出るとそこにはあいた口が塞がらない光景が広がっていた。
スピアーの襲撃にあったのだろうか、草木で作られた小さな家は無残にも破壊され原型をとどめていない。
周りにはたくさんのビードルが家に使われていた草を食べ進化へのエネルギーを蓄えている最中であった。
「おと…うさん…おかあさ…ん?」
そう…ここにはピカチュウの家があったのだ…その場にうずくまり泣きじゃくるピカチュウ…。
かける言葉が見つからず、イーブイはピカチュウの隣で呆然と立ち尽くしていた。
「ピカチュウ…」
自然と名前が口から漏れる…。イーブイに声に反応したピカチュウは涙で赤くなった顔をあげイーブイを見る。
「……ごめんなさい…あたし…」
「あやまらないで…俺も大事な人を無くしてるんだ…君の気持ちは…痛い程わかるよ…」
そっとポチエナの姿を思い出す。しぜんに涙の粒がこぼれおちる。

223 :舞無 ◆ooST1Ox9tc :2008/04/01(火) 03:22:50 ID:iKqO6kB20
「あは…あはは…貰い泣きしちゃった…行こうピカチュウ…ここには草むらがない、スピアーに見つかったら危ない」
イーブイの言葉に素直に従うピカチュウだが、表情は暗く先ほどから俯いたままだった。そんなピカチュウを気遣うように
ピカチュウの顔を覗き込んだりする。しばらくそうして歩くと、草むらの背丈が小さくなる。
トキワの森を抜けるにはこの背丈の草の所を歩いて行けばよいとの事だった。
あたりを警戒しながら進んでいくイーブイ、当然ながらスピアーの群れに襲われればピカチュウの両親と同じ末路を辿る。
それだけは避けなければならない…。ピカチュウを気遣いながら進み続けると虫取り少年と戦うブルーの姿が草むらごしに確認できた。
「いけぇオニスズメ!!つつくでキャタピーを攻撃よ!」
戦局は完全にブルーが優勢、虫取り少年はあっというまに負け「キャタピーじゃダメかー」と賞金を払いながらぼやく。
オニスズメの圧倒的な強さに少し見とれながらも先を急ぐイーブイ達、途中ビードルやキャタピーに襲われたが
体当たりで追い払い続ける。無理に戦闘しビードルの毒針で毒を浴びれば…考えたくもない…。
頭をぶるぶると振るイーブイ、途中でキャタピーに1度ばかり体当たりを受けたがさほどダメージを受けなかった。
その内に警戒もだいぶ怠るようになってきたそんな最中の事だった。俯いているピカチュウに声をかけピカチュウはゆっくりと頭をあげる。
その途端に「あっ…あぁ…」突然瞳を見開き青ざめた表情で何かを伝えようとするピカチュウ。
その様子をただ事ではないと感じたイーブイはすぐに後ろを振り返る……既に手遅れだった。
振り向いた瞬間に体に糸が絡みつき、糸を吐いた主…イトマルの巣目がけてまるでスパゲッティをすするかのように引き寄せられるイーブイ。
糸をちぎろうとするが糸に手をつけると、逆に糸が両手に絡みつき両手を封じられてしまう。
「うっ…このままじゃあ…」
イトマルの巣は木の上にはなかったが、茂みの中にあったらしく茂みの中に徐々に引き寄せられていく。
草むらから完全に引きずり出されると、糸を吐いた張本人のイトマルが糸を引きよせている最中だった。
そのままなすがままに引きずられついに体はイトマルの巣に引き寄せられる。蜘蛛の巣に張り付いた虫の気持ちってこんなんなんだろうか…と
思いながら、近寄ってくるイトマルに恐怖を感じるイーブイ、体は震え瞳からはポロポロと涙がこぼれおちる。
「久々に上玉の獲物がかかったようだな…お前…名前はなんだ…見かけない姿が…」
突然話かけられ戸惑うイーブイだが、自分の糧になる相手への最大限の敬意だとイトマルがいい、ここで果てる己の運命を嘆きながら答える。
「俺は…イーブイ…」
「なんだ雄か…雄は先に大事な場所から食うと面白いんだよな…」
涎を垂らしながら自分の秘部目がけてゆっくりと歩き出すイトマル。あいにく自分は雌だと言いたかったが。言った所で状況は変わらず
なすがままに死を受け入れる決心をする。その時一瞬だけ脳裏にピカチュウが浮かぶが親を失ったばかりの彼女が自分を助けられるほど
精神が強いとは思えず。逆に自分がいなくなった後にピカチュウはどうするのだろうかと心配をし始める。
「なんだ…お前雌だったのか…へっ…好都合だな…ここのところ雌にはありついてないんだ…しばらくは楽しませてもらうとするかな」
突然秘部に違和感を感じるイーブイ、蜘蛛の糸に頭が張り付き自分の下半身を見ることができないが秘部を襲う感覚から
イトマルが自分の愛液を啜っているのがうかがえた。
クチュ…ピチュ…ピチャ…チュ…
「あぅ…うぅ…ん…」
愛液を啜る卑猥な音がするたびに襲う感覚に自然に喘ぎ声が漏れるイーブイ。その反応を楽しむかのようにイトマルは愛液を啜り続ける。

224 :舞無 ◆ooST1Ox9tc :2008/04/01(火) 03:23:35 ID:iKqO6kB20
「なんだ…この濡れようは初めてじゃないのか…まあいい…たっぷりと注いでからゆっくりと食ってやるからな」
イトマルが耳元で囁き、いよいよ覚悟をする。この後にくるのは秘部に雄の物が入る…つまり性交
グチュ…グググ…
「あぐぅ…ぐぅぅ…」
処女ではないが、性行為は1度しか経験しておらず。自分の膣に侵入してくるイトマルのモノの太さに膣の擦れから起こる痛みに悶絶するイーブイ。
最高の屈辱のまま死を迎える悔しさにイトマルへの憎悪が膨れ上がるが、イトマルはそんなこと露もしらずにピストンを始める。
ズッ…ズッ…グッ…チュ…チュ…
「ん…んぅ…あっ…うぅ…」
「気持ちいいか?もっとスピードあげてやるからな感謝しろ」
イトマルのモノが激しく出入りを繰り返すと、少しづつではあるがイーブイの膣が彼のモノを締め付け始める。
その快感に浸りながらイトマルは悲鳴に似た喘ぎ声をあげるイーブイの瞳から流れ出た涙を口に含む。
一方のイーブイは快楽に襲われ思考がだいぶ麻痺してきていた。心のどこかではこのまま死んでもいいと思い始めていた。
そんな自分に恐怖を感じるが、襲い来る快楽は彼女の精神の大部分を蝕んでいた。
「はぁ…あぅ…ぐぅ…んん…や…やめ…あぁ!!」
イーブイの喘ぎ声にさらに興奮したイトマルはさらに速度を上げイーブイを突く。
「ダメ…ふぐぅ…もう…こわ…やぁぁ!…こわれちゃ…はぐぅ!!」
喘ぎを聞くたびにイトマルの彼女を突くスピードは上がっていく。彼自身の興奮も再骨頂にたし今まで一番早い速度で逸物が出入りする。
「はぁ…はぁ…なかなかいい体してるじゃねぇか…出す時はちゃんと言ってやるから安心しろ」
イーブイの体に覆いかぶさるように激しくピストンを繰り返すイトマル。体が突かれる旅にあまりの激しさに視界がぶれる。
それ以上に10回目の誕生日も迎えていない子供の体には大人のセックスには耐えることができない。
激しい性行為にイーブイの口はだらしなく開き、すでに口から発せられる言葉は喘ぎ声ではなく獣の呻き声になり始めた。
「そろそろ限界か…子供の膣ってのもたまにはいいもんだな…ぐっ!!…」
最後に勢いをつけ思いきり彼女の体を貫き射精をするイトマル。射精の快感に言葉もなくイーブイの体をしめつける。
「あが……あ…あぁ…う……」
意識がなくなり光が消えた瞳を閉じるイーブイ。そのイーブイの膣からイトマルのモノが抜かれる。
その途端にイーブイの膣からは白い液体がイーブイの体を伝い地面へと落ちていく。
「さぁ…運動の後は食事といこうか…このやわらかそうな腹からいくとするか」
牙をたて頭をあげするどく振り下ろすイトマル。イーブイの腹部を牙が貫くと腹部の毛が少しずつ紅に染まる。
「なかなかの味だ…今日はついてるな…」
吸血を始めしばらくすると、今度は未発達の胸をまさぐり始めるイトマル。
小さなピンク色の乳首を発見すると、そこにそっと牙を突きさし、血を啜る。
口を離すと今度は反対の胸にも同じ事をし、吸血行為を楽しみ始める。
「膣の方も吸ってやりたいが、俺の精液が入ってるからな…まあこれだけ感じられたんだこのまま逝くのは本望って所だろう?」
……返事等はない、それを承知の上でイトマルはイーブイに話しかける。自分の掌で死を待つだけの少女を嬲る事に快感を感じ優越感に浸っている。
「さあ…お次は喉に牙を突きたててあげようか…痛みはないさ…一瞬で終わる…そうしたらこの世ともばいばいだ」
再度牙をたてイーブイの喉に狙いを定めるイトマル。勢いをつけ振りおろそうとした時頭部に酷い痛みが襲い地面へと落下する。
薄れゆく意識の中で見たのは木の棒をもったピカチュウの姿だった。ピカチュウは木の棒をイトマルのそばにほおり投げると
イトマルの巣の中で膣から精液、体から血をながしながら気を失っているイーブイを巣から外そうと悪戦苦闘していた。
そのピカチュウを殺そうと立ち上がろうとするイトマルだが、体に力がはいらない…木の棒を見ると棒には血糊がべったりとついている。
「イーブイさん!!しっかりしてぇ!!お願い!!お願いします!!誰か…誰か助けてください!!誰か…助けてぇぇえええええええええ!!!!!!」
ピカチュウの悲鳴は太陽の光を遮断するトキワの森を突きぬけあたりへと響いた。

225 :舞無 ◆ooST1Ox9tc :2008/04/01(火) 03:23:57 ID:iKqO6kB20
「ブルー…ちょっと待って…今、なにかが聞こえた…」
声を聞いたのは、いままさにトキワの森をでようとするブルーの相棒のゼニガメだった。
ゼニガメはブルーのスカートを引っ張り、叫び声のした方へと無理やり彼女をひっぱっていく
「もー!!なんのなよ一体…やっとこの虫だらけの森から出れると思ったのにぃ〜」
ゼニガメに引っ張られるがままに進むと、そこには血まみれのイーブイを背負ったピカチュウが泣きながら走っていた。
「……ゼニガメ…」
ブルーが静かに呟くとゼニガメはブルーの顔を見て頷く。
二人はすぐにピカチュウの元にかけよりゼニガメがピカチュウとなにかを話し始める。
ポケモン同士の会話、どんな風に話しているのだろうかと思いながら二匹を見ているとピカチュウは背負っていたイーブイを下ろす。
「この子を連れて行けばいいのねゼニガメ?」
ブルーの言葉に頷くゼニガメだが、やけに頬が赤い…何事かと思いイーブイを見てみるとその原因が判明しブルーも頬を染める。
「強姦…されたのね…ポケモンの世界にもあるんだ…雄と雌がいるから…そうだよね…って何考えてるんだ私!!」
イーブイを抱き上げたブルーはゼニガメとピカチュウと共に全速力でトキワの森をかけていく。
途中で虫取り少年が勝負を挑んできたが、回し蹴りを決めリアルファイトで勝敗を決める。
少年のトラウマより、ポケモンの命のほうが大事だからだ。蹴り飛ばされた少年を横眼で走りながら見つめるピカチュウ。
だが、止まる事はなかった。自分を助けてくれたイーブイ…そのイーブイが死んでしまったら…。
考えるだけで涙がまた溢れ出す。ニビシティについたころにはピカチュウは完全に泣き叫びながら走っていた。
ポケモンセンターに入ると、そこにはレッドとグリーンが雑談をしながらソファーに腰をかけていた。
「ジョーイさん!!お願い急患なんです!!早くしないとこの子が…この子が死んじゃう!!」
ブルーから手渡されたイーブイは半分虫の息に近いほど衰弱していた。血液を流しすぎ重度の貧血に陥っていのだ。
「ラッキー、急いで!!早く治療用カプセルの準備と輸血の準備よ!!」
突然あわただしくなるポケモンセンターの中、周りで寛いでいた人達も何事だとブルーの周りに集まり始める…。

  無印    ちなみにイーブイの最初のお相手は俺 『ポチエナ』

226 :くうじょう:2008/04/01(火) 03:34:39 ID:+5aPqeY+0
すいません、昨日の内に書き上げると言ったのですが
やけに眠くだるいので熱をはかったら
熱があり、そのまま寝てしまいました。
すいません、それに続きを書き込むのは三日後程になると思います。
今、たまたま起きたので、この文を打っています
それづはさよなら

227 :ruy:2008/04/01(火) 11:05:04 ID:IVG7jo2o0
久しぶりにくるが、俺も小説を思いついた。ここで早速書く。
(注意、駄作のおそれとうpが非常に遅いおそれと途中でスランプになるおそれあり)

228 :ruy:2008/04/01(火) 11:36:01 ID:IVG7jo2o0
プロローグ


「大変です!シンオウ・カントー・ジョウト・ホウエン全域に
 正体不明の怪電波が流れています!
 人体に害はありませんが、ポケモンたちには危険です!
 一刻も早く、モンスターボールにポケモンたちを入れてください!」

ヒカリ「うっそ!戻って、みんな!」
タケシ「何だって?みんな、ボールに入るんだ!」
サトシ「みんな!戻ってくれ!・・・・・あ、今日は
    ピカチュウも入ってろ!!」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ここまでがプロローグ。
一応、この物語はアニメ世界が舞台となってますが、
人間三人はもう出てきません。ここからは、
モンスターボールの中の物語となります。



229 :空条 ◆i/ei.o2TGU :2008/04/01(火) 12:24:39 ID:cfOrRTyI0
なんか・・熱さがりました。
一時的な知恵熱(だっけ?まぁ病名はいいや…)で熱があったらしいです。
という訳でただ今です。

230 :空条 ◆i/ei.o2TGU :2008/04/01(火) 12:59:47 ID:cfOrRTyI0
続き
シャワーズは次の攻撃の構えをしていた。
「いくわよぉ!」
カキィィン!次は天井が凍った、酒のせいで焦点があっていないようだ。
そのとき、チコリーが喋りだした。
「ベ・・ベッドの下の木の実に使って・・グゥゥゥゥゥゥ」
「(又寝やがったよ…)ベッドの下の木の実・・あっ!あれか!」
「なぁにごちゃごちゃ喋ってるのよぉ!次行くわよぉ!」
更にシャワーズは冷凍ビームを繰り出した。
その発射時のスキをリーフィアは見逃さなかった。
「(今だ!)体当たりぃぃ!」
リーフィアの体当たりはシャワーズの腹部に当たった。
「げふぅ!」
「今だ!ベッドの下の・・・あった!チーゴの実!」
リーフィアはチーゴの実をシャワーズの口に投げ入れた。
「うわぁぁ!まずい!ぺっぺっぺっ!」
チーゴの実はシャワーズの苦手な木の実で口にふくんだ瞬間、酔いが覚めた。
「ふぅ…あたし酔っぱらってたみたい…もう帰るわ」
シャワーズは出口に向かって走り出した。
「待って!そこには!」
「むぎゅ!」
「チコリーが居るのに・・・」
チコリーの頭なシャワーズに踏まれ、顔は土に埋まった。
「wt#^|¥<〜〜%!!!」
「あははは…ゴメンね!チコリー!それじゃ

231 :◆X0li4ODh3w :2008/04/01(火) 13:05:59 ID:cfOrRTyI0
またね!」
「待って!二人に…聞いて欲しい事があるの…」
第一部出会い編 完
第二部恋愛編 に続く

こんなちょっとで一レス使ってすいません
ちょっと書きたい短編があるので一応ここで第一部終了と言う事で・・・
二部は来週辺りから書きます。

232 :ruy:2008/04/01(火) 15:51:30 ID:IVG7jo2o0
まず、この物語の世界観を紹介。

・とりあえず、モンスターボールの中の物語なので、
出てくるのはすべてアニメに出てきたポケモンのみ。

・モンスターボールは、トレーナーごとに決められた
区域に、家としてたっていて、そのトレーナーのポケモンとなら、
自由にあって話せるようになっている。

・トレーナーがほかのトレーナーと知り合った場合、
その知り合ったトレーナーのポケモンとも自由に話せるようになる。

・野生のポケモンは、その区域には入れない。


ここからはこの話上でのポケモンの設定。

・ポケモンたちが話す言葉は、人間たちにはわからない。

・ポケモンの男性器は、ふつうは体の中に隠れていて、
用を足すときや性行為の時だけ露出する。

・ポケモンの女性器は、ふつうは見えないほど穴がしっかり閉じていて、
用を足すときや性行為に時だけ露出する。

・上のようになっているので、基本的に服は着ない。


こんな感じの設定です。分かりにくかったらごめんなさい・・・・・





233 :ruy ◆n5riLto5jo :2008/04/01(火) 16:34:15 ID:IVG7jo2o0
第一話  〜懐かしい町〜

「くっ!?そうか・・・・・戻ってきたのか・・・・・何年ぶりかな・・・・・」
ここはピカチュウの部屋。ポケモンがボールに戻るときは、いつも
自分の家に戻るようになっている。
「昔と何も変わってないな・・・・・」
ピカチュウはそうつぶやくと、外へ歩き出した。

「おいっ・・・こらナエトル!ボール独り占めすんな!」
「とれるもんならとってみろヒコザル!それーっ!!」
ナエトルが思いっきり投げたボールは道路の向こう側。
そしてその前をピカチュウが今にも通りすぎようとしている。
二人「危ない!」 しかし時すでに遅く・・・・・
         ガツン!
「あったたた・・・・・てめーら!何するんだよ!」
「うわー!ごめんなさーい!!」「逃がすかっ!待てー!!!」
ピカチュウにとって、平和な日常がすぎていった。

一方ここはヒカリの区域。ミミロルとポッチャマとブイゼルが話している。
「ええ!?ピカチュウが来てるの?」
「うん。ナエトルやヒコザルと遊んでたよ。」
「うっそ!うっそ!うっそ!一大事だー! ・・・ちょっと部屋にこもるから・・・・・」
「あらら、ミミロルいっちゃったよ。全くピカチュウのこととなると・・・・・」
「ホントホント。一途なのはいいけどね・・・・・」
どうやらピカチュウがいることがわかってミミロルは飛び出していってしまったらしい。
そして、家に帰ってすることといえば・・・・・

「んっ・・・・・はあっ・・・・・ピカチュウ・・・・・んああっ!!」
ミミロルの家では、ミミロルが必死に性器を指でかき回していた。
そして、やがてミミロルは絶頂ヘと達す。
「どうして・・・・・こんなに・・・・好きなのに・・・・・」
気持ちを受け取ってくれないむなしさからミミロルはいつまでも性器を愛撫し続ける・・・・・


まあこんなもんで。文才なくてごめんなさい・・・・・
そういえば、一ついうの忘れてました。
・モンスターボール世界は、人間世界より若干時間が長い。

二話を書くのはいつになるんだか・・・・・




234 :夜神くん ◆cPzlv2xMCs :2008/04/01(火) 18:10:47 ID:1v9p7LPE0
書きます。

7話タイトル未定

「うっうーん」
目が覚めるとすぐにこげくさいにおいがする、
そしてレンはまだねている、
どうにかしようもきょうは時間がない。
なぜかって?それは姉さんが帰ってくる日だから。
「ってやっべ、いかないと」
寝ているレンを気にせずに玄関へ突っ走る、
メルシーが声をかけるが気にしない、訂正、きにできない。
「早くしないと・・・こんどはなにをとられるんだ?」
姉さんは帰ってきて俺がいないとおれのたからものを取るのだ、
このまえは全クリ直前のゲームを取られた。
「ついた!」
どうやら誰もいない、間に合ったようだ。
「ただいまー、あら、かなり息切れしてるね、取られまいと走ってきた?」
「うん、ま、これでとられないね」
おれは笑顔を見せる、だが修羅場はまだ終わってない。
「さ、おみあげよ」
ドン!
スピアーの標本がおかれる、おれはきらいだが姉はこういうのにこる。
「うっ、またそんなの」
「いいじゃんすてきじゃん」
いったい脳内はどうなっているのかしらべたいと、たまに思う。
ま、にぎやかなのはいいけど
ちなみに標本は1ヶ月ぐらい家に置かれる。
「ただいまー」
母さんも帰ってくる。
「あら、お姉ちゃんかえってきたのね」
「うん」
やっぱりいつも平和が一番だな。
平和な時は続く、
だがそのなかでメルシーの言った 警告 をわすれ始めていた。

7話END

235 :◆X0li4ODh3w :2008/04/01(火) 21:44:50 ID:L8EgSWto0
道具・同性愛あり
タイトル
決まってないです、後々決めます


236 :◆X0li4ODh3w :2008/04/01(火) 22:03:09 ID:L8EgSWto0
「うっぐあっ・・・駄目だ、勃たないよ」
俺の名前はザン、雄のザングースだ。
「また駄目かぁ・・・フェラが駄目なら・・・」
こいつの名前はザグ、俺と同じ、雄のザングースだ、こいつはいつも俺と一緒にいてくれる…もちろん夜の方も。
元々こいつが俺の為にいろいろしてくれるには…理由があった。
俺は昔から陰茎が勃たない病気だった、そのせいで数々の雌にふられた、そんな時…
「俺がその病気、治してやるよ」
それがザグだった、ザグとの付き合いは確か…7歳位からだ、皆から仲間外れにされていたザグを誘って以来、いつのまにか親友になっていた。
「ねぇ、ザン?今日は凄い物持ってきたんだ♪ちょっと待ってて…」
そういうとザグはカバンから変な棒を取り出した。
「じゃーん!これ!」
それは何か若干危ない気がしたのでザグに問いただした。
「お…おい、それ大丈夫なのか?」
「うん!人間の所から盗んできたの!確か、膣やお尻にいれるらしいよ!ザンは膣が無いから…」
そういうとザグは俺の後ろに回った。
「お尻だして?」
俺はなにが何だかわからなかったので、とりあえずザグの言うとおりにした。
「こ…こうでいいのか?」


237 :◆X0li4ODh3w :2008/04/01(火) 22:21:45 ID:L8EgSWto0
「うん、じゃあ行くよ」
ブス、差し込んだ音は聞こえたが、何も起こらなかった。
「なんだ・・・何も起きないじゃないかよ!」
ザグは眉間にしわを寄せた。
「んー?あれ?この出っ張ったのなんだろ?」
ザグはその出っ張りを押した。
「?あっ!ちょっ!あっ…あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!や゛めで!うあ゛ああっ!」
そうするとその棒は震えだした。
「わぁっ!動いた!どう!?気持ち良い?ザン」
しかし、俺の目は虚ろになって答える気力もなかった。
「あ゛…も゛や…」
しかしザンの陰茎はたってはいない。
「うーん、じゃあ一緒に…」
そう言うとザグはいきなり俺の口を口で塞いだ、そして俺の口に…舌を入れてきた。「ふーんにゃにかちゃりないなぁ」
そう言って次は俺の陰茎に手をあててきた。
「ぷはぁっ!こうやって揉んでれば勃ってくるかもよ?じゃあもう一回…」
そして又口づけをしてきた。
「んんんんんん!」
陰茎は揉まれ、口には舌を入れられ、菊門には動く棒…俺の精神はもう耐えられなくなっていた。
「う…あごぉ…」
いつのまにか俺は気絶していた。
「…ううう、はっ!」
俺は気付くとザグの膝で寝ていた。
 

238 :空条 ◆i/ei.o2TGU :2008/04/01(火) 22:34:08 ID:L8EgSWto0
「気持ちよかった?ザン?」
「あ…ああ、でも駄目だったみたいだな…」
「ふふふ、気にすること無いよ!じゃあ次に盗んできた物を…」「まっ待て!俺の身体が持たない!」
「ふ〜ん、じゃあ又明日だね。」
「又明日もやるのかよ…」
俺は…もしかしたら…ザグに弄ばれてるのかもしれない…
でも…こいつになら…いいかもな…
「?なぁに?ザン、もしかして、本格的に僕に惚れた?」
「ん…んな訳ないだろ!でもちょっとは…」
「ん?最後の言葉もっかい言ってよ!」
「な・・何も言ってねぇよ!」
「本当ザンは…可愛いな」「な…なんだよ!気持ち悪…」
その言いかけた途中、ザグは俺の唇に又、軽く口づけをした。
「ふふふ、じゃあ又明日ね!」
ザグはそういうと自分の巣に戻っていった。
本当に…困った奴だな…



感想頂けるとかなり嬉しいです。
文字化けすいませんね 

239 :空条 ◆i/ei.o2TGU :2008/04/01(火) 22:36:48 ID:L8EgSWto0
タイトルきめました。

「俺の親友は…」

です。

240 :◆X0li4ODh3w :2008/04/02(水) 06:18:02 ID:q/kRdnJA0
一応言います。
ザグはホモではありません!

241 :パウス ◆cFhbfcNzdA :2008/04/02(水) 11:08:12 ID:8i0tIAlk0
一応、気になったから聞きますけど、
>>235-237 >>240の方と、空条さんは同一人物ですよね?

勃たない病気を治すためにホモでもないのにそこまでするザグ君は優しいというか・・・・何か凄いですね。



242 :空条 ◆i/ei.o2TGU :2008/04/02(水) 14:48:17 ID:lP4f4vzQ0
優しい親友の思いやり
と思ってください。
なんといえばいいのか、親友への恩返し
と言うか何というか。

243 :空条 ◆i/ei.o2TGU :2008/04/02(水) 21:52:36 ID:SLoOjY1A0
タイトル「決まってないです、後で決めます」
「先生、まだですかぁ?締め切り過ぎちゃいますよ?」
「今急いでやってるんだよ!」
俺のなまえはドル、雄のドーブルだ、仕事は漫画を書くことだ。
「明日の夕方までですよ!?早く!」
そしてこのうっとおしい奴の名前がピチ、雌のピカチュウ、俺の編集者だ。
「そんな事言ったって!必死にアイデアを浮かべながら書き上げてるんだよ!」
「そんな事言っても締め切りは待ってくれませんよ!いつもギリギリなのに!」
その後も二人の口喧嘩は止まらなかった、そして二時間後…
「よし!終わったぞ!休憩だ!」
それに目を点にしながら慌てた様子でピチが言う
「ええっ!嘘!確認させて頂きます…出来てる…」
「たまには早く出来ることもあるさ、さぁ疲れたし、休憩だ。」
その横でピチがもじもじしていた。
「?どうした?ピチ」
「えっ!な…何でもないです!久しぶりに早く出来たから驚いただけです!」
「なんだよ…心配させて…」
そうして二人の間には数分の沈黙が続いた。
「あ…あの先生!聞いてもらいたい事があるんです!」
「ん?なんだ?金関係はしらねぇぞ」
「そんなはず無いでしょ!給料は十分貰ってます!」


244 :空条 ◆i/ei.o2TGU :2008/04/02(水) 22:26:24 ID:SLoOjY1A0
「じゃあ何だよ」
ピチは顔を赤らめながら細々とした声で言った。
「先生が…好きです…」
しかし、その声はドーブルには届かなかった。
「んあー?何?もっかい言って」
するとピカは少し怒り気味に言う
「先生が好きです!先生は私の事どう思いますか!?」
その迫力に押されたブルはつい本音を言ってしまう
「す…好きだけど…ああっ!」
「えっ!本当ですか!私嬉しいです!」
「ちっ違う!間違えたんだ!」
「えっ!?先生は…そう思ってたんですか…」
そう言い、ピカは涙を流し始める。
「め…迷惑ですよね…すいません」
流石に可愛そうだと思ったドルは…「ああっ!ち…違うんだ!ゴメン!そういう意味じゃないんだ!」
ピカは泣くのをやめ、ドルを見る。
「そういう意味じゃないって…なんですか?」
そして、ドルも顔を赤らめていった。
「いつも…仕事一緒にやってる奴に恋してるなんてばれたら…恥ずかしかったから…」
ピチは笑いながらいった
「じゃあ先生は私のこと…!」
「ああ…好きだよ」
「嬉しいです…」
そして二人は口づけをした、その口づけは何分も続いた、そして二人が口を話した時、二人を繋ぐ透明の糸が出来た。


245 :空条 ◆i/ei.o2TGU :2008/04/02(水) 22:28:56 ID:SLoOjY1A0
ミスでーす
ドーブル と ブル
の文字を
俺と呼んでください

そして、俺も顔を赤らめていった

の用に

246 :◆X0li4ODh3w :2008/04/02(水) 23:05:00 ID:SLoOjY1A0
「それじゃあ先生…寝室…行きましょうか…」
その言葉にはすぐに俺の突っ込みが入った。
「ま…待て待て待て待て!まだ早いよ!もっと二人の事知ったり、」「ずっと仕事してたから先生の事は色々知ってます。」
「覚悟を決めてから…」「私、ずっと前から覚悟決めてます!」
「ううう…」
俺はそれ以上彼女に言葉を返せなかった。
「だって先生…こっちは準備いいみたいですよ?」
「えっ!?」
俺の下半身をみると、そこにははちきれんばかりに大きくなった俺のモノがあった。
「先生も…私としたいでしょ?」
俺には恥ずかしくて、そんな事言えるわけが無かった。
「う…その…」
「んもう!もういいです!」
そういうとピカは俺のモノをなめ始めた。
「う…うひゃっ!や…やめ…」
それでもピカは何も言わずにまだ俺のモノをなめ回す。「あっ!駄目…う…ああああああ!」
彼のモノは白濁色の液体を発射した、ピチの口の中に…
「ふぅ…先生随分貯めてたんですね、それに抜いたばかりなのにもう勃ってきた。」
は…恥ずかしい何か言い訳を言わなければ…「さ…最近忙しかったんだよ…」
違う!そんな事をいいたいんじゃない!
「そうですか…じゃあもう一度…」

247 :◆X0li4ODh3w :2008/04/02(水) 23:18:02 ID:SLoOjY1A0
「や…辞めろ!分かった!行くから!今は辞めろ!」
「本当ですね!行きましょう!」
こうして夜は過ぎていった−−−−
「どうですか?この読み切りは?編集長」
「うーん、まぁ良いんじゃない?それにしても、自分を漫画の主人公にするなんてね!このアイデアは面白いわ!載せてあげる、読み切りでね。」
「そうですか!?ありがとうございます!」
と言うのが俺の漫画の内容だった、この漫画を見た編集長もいいって言ってくれてるし…
「にしてもぉ!なんであたしがヒロインな訳?」
「すいません!名前が浮かばなくて…」
「まぁいいわ、昔うちの雑誌で大人気だった貴方が復活するんですもの!」
なんとなく、その言葉を編集長にいわれると恥ずかしかった。
「はぁ…」
「じゃあ復活祝いに…この漫画と同じ事でもしよっか?」
「ええっ!冗談辞め…」
するといきなり編集長は俺の股間に手を突っ込んだ。
「ほぉら…人に感謝する時言うのは?」
「あ…ありがとうございます…」
「そう…そういえばこの小説のタイトルは?」
「え…まだ決まってません、後ほど決めます。」
「決まってない!?それじゃあタイトル決まるまでおあずけ!早く決めて明日持ってきなさい!」
   

248 :空条 ◆i/ei.o2TGU :2008/04/02(水) 23:24:01 ID:SLoOjY1A0
「は…はい!分かりました!」
そうして、僕はその部屋を去って、自分の家に早足ぎみづ向かった。
「早く明日にならないかなぁ…」
つい自分の口から出た言葉を恥じる
「あっ!な…なんでもない!なんでもない!」
そんな事を言ってる間に家はもうすぐだ…
タイトル…何にしようかなぁ…

終わり!

感想頂けると嬉しいです!
俺の親友は…の感想もほしいです!

振り返ってみてみると、編集長、積極的っすね(笑)
文才ないと感じる今日このごろ

249 :黒の熊洋@警邏活動中 ★:2008/04/03(木) 01:27:37 ID:???0
>>243ー248
大爆笑!
こういう読者の視覚を惑わすトリック話は好きです。
タイトルがそのまんまオチになっているなんていいセンスしているじゃないですか。
あれ? でも、漫画のネームを見せていたはずなのに「この小説のタイトルは?」って聞いちゃってますね。(細かい事を言ってすみません)
慌てずに一度メモ帳に書いて、よく読みなおした後で板にコピー&ペーストする事をお勧めしますよ。
次も頑張ってくださいね。

ところで、
依頼の通りポケモン小説Vの空条さんの小説「キジン」を削除したのですが、
あとがきと思われる文章を一つ、削除を依頼されたレスの中に書いていなかったため残してあります。
これは残しておいてもかまわないのでしょうか?

250 :空条 ◆i/ei.o2TGU :2008/04/03(木) 01:38:27 ID:y6BNIJNY0
249
あっ、ありがとうございます、褒めていただいて嬉しいです。
コメントも消してください。
後、小説書いてたんで間違えました。
PSPはコピーとか出来無いんすよー
後、俺下書きしないでインスピレーションの働くままに書いているので、そういうミスが多いです。
すいません
つまり、ぶっつけ本番で自分でもこの後の展開が読めなくて…
やはり無謀ですねぇ。 

251 :空条 ◆i/ei.o2TGU :2008/04/03(木) 01:45:37 ID:y6BNIJNY0
本当に細かい所までみて頂きまして、ほんっっとに嬉しいです!
これからも何かとお世話になると思いますので、その時は…
よろしくお願いしますね?失敗作も多いですし、
ではもう寝ます、さよなら〜

252 :黒の熊洋@警邏活動中 ★:2008/04/03(木) 01:56:27 ID:???0
>>250-251
コメントの削除完了しました。
僕は「キジン」の設定もわりと気に入っていたので、
いつか気が向いたら今回削除したコメントにあったように長編でリメイクして欲しいです。

253 :パウス ◆EvJGalaxy2 :2008/04/03(木) 10:54:18 ID:gPChdK+o0
>>243-248
積極的な雌は僕のつぼです。
寝室に行った後のことが書かれていないのは、読者の想像にお任せってことですか?
執筆お疲れさまでした。


〜story39〜 ―室内熱帯―

僕のモノは役目を終えたかのように萎んでいった。
その様子を見ながら苦笑する―――残念ながらお前の役目はまだ終わってないんだよ。
自分のモノを見下ろしながら思っていると、視界の中にマリンの顔が現れた。
マリンはモノに口を近づけ、小さな舌で大きくそれを舐め上げる。
「うっ……!」
「分かってるでしょ?まだ私とやることがあるって………」
全く、出会ったばかりの時は消極的で静かなポケモンだったのにいつからこんなに積極的になったのか。
小さくなったモノをもう一度復活させようと何度も何度も舐めるその姿は、あのころからは想像もつかない。
まぁ………僕には他の者に見せられない姿を見せてくれているということなのだろう。

暫くしてまた視線を落とすと、すっかり復活しきったモノが目に入った。
最後の仕上げにマリンは一度咥えてから離すと、スッと立ち上がる。
そして上から思いっきり体重をかけ、僕を押し倒した直後にマリンは丁度モノと彼女の秘部が一直線上になるように跨った。
「じゃあ、私も気持ち良くさせてね?」
マリンはうふふと低く、不気味な声で笑うと腰を下ろして一気に自らの秘部にモノを沈めていった。
「うんぁ……あっ!」
通常ならそれ程の大きさではない秘部が、僕のモノの上にぐいぐいと無理矢理押し当てられる。
モノはマリンの秘部を押し広げて入り、中はかなりきつかった。
それなのにまだ無理矢理中へと引き込まれるため、僕に襲い来る快の波は並の大きさではない。
無論、沈める側であるマリンにもその快楽が押し寄せているに違いなかった。
「あっ………う…ん…………とても……良いよ、アクアぁ……」
無理矢理押し込んでいる感じなのにこれでも気持ち良いんだな、と少し雌の立場について思った。
マリンの視線は泳ぎ、息遣いは更に荒くなり、顔は真っ赤に染まっている。


254 :パウス ◆EvJGalaxy2 :2008/04/03(木) 10:55:07 ID:gPChdK+o0

そして完全にマリンの秘部に沈められてしまった、もう外からは見えないモノを見下ろしながら一つの不安に駆られていた。
もしマリンがこの状態でも僕のモノにさっきの電気を流せるのだとしたら―――とんでもないことになる。
その思いが素直に顔に出たようで、マリンは僕に顔を近づけてにやりと笑う。
「流せるよ?電気。……流してあげようか?」
とんでもない。またあんな事をやられて身体が耐えられるっていう保障はどこにあるというのだ。
思いっきり首を横に振ると、今度は優しくマリンは笑って見せた。
「冗談よ。あれ、私も疲れるんだもん。」
ということは疲れなければやるつもりだったのだろうか。分からないがとりあえず安心してよさそうだ。
「じゃあ………動くよ?」
「う、うん……」
マリンは僕の唇に自分の唇を重ね、すぐに離したあと僕の胸の辺りに手を置いて腰を浮かした。
吸着して締め上げながら動く彼女の秘部の中は、何度経験しても気持ちの良いものだ。
「う……あ、はぁ…………っ!」
――こんな甘ったるい声を漏らしてしまうくらいに。
マリンは僕に快感を与えようと動くと同時に、自らも快感を得ていた。
「あん………んぁん……………ぁあん……!」
お互いの身体と身体がぶつかり合う、弾けるような音は、僕とマリンが繋がっていることを改めて認識させる。
マリンの口から漏れる艶のある甘い喘ぎ声もまた僕に快感を与え、恐らく僕から漏れる声もマリンに優越感と快感を与えていることだろう。
そしてやはりモノを締め上げながら上下に動く彼女の膣が、一番大きな快感の波を作る原因だ。


255 :パウス ◆EvJGalaxy2 :2008/04/03(木) 10:55:38 ID:gPChdK+o0
もう何度も経験したことのある、絶頂に達する予兆がついに感じられ始めた。
「マリ………ン……もう…………出そう……」
今日もマリンの中に出して良いのか分からないので、一応声に出して彼女に伝える。
するとマリンは更に上下運動を加速させ、にこりと笑った。
「大……丈夫…、そのまま出して………ね?」
だがやはり中に出そうとすると、本当に良いのかどうかと無意識のうちに身体が出すのを我慢してしまうのがオチだ。
マリンはそのことを知ってるのか、不意に僕の上半身を抱き上げ、腰を動かしながら強引に唇を押し付けた。―――勿論、僕の唇に。
そうして神経が一瞬、口の方に行ったせいでついに我慢が切れてしまった。
「ふぐ……っ!!んんんぁぁあぁんんんーーーっっ!!!」
マリンに口を塞がれているからあまり声は出なかったが、それとは裏腹にどうやらモノからは大量に放出してしまったようだった。
マリンはその後も暫く唇を押し付けた後、逃がさないようにと僕の頭の後ろに絡みつかせていた腕をようやく解いた。
一回唇を離し、そしてもう一度瞬間的にちゅっと唇を重ねた後でモノを秘部から抜く。
「はいっ、これで罰は終了ね。」
あぁ、そういえばこれは罰だったんだと今思い出した。
正直言えば、今まで身体を重ねてきた時とあまり変わらない気がするのだが。だがマリンがやたら張り切っていたからいつもより凄かった気もする。

まだ興奮の余韻が冷めないころ、マリンと並び合って横になっている時だった。
しっかりと閉じていた入口のドアを誰かがノックしたのだ。
「アクアー?入るよーー?」
今の状況で入られたらまずいことになる。
この個室はあくまで部屋なので、一歩でも入れば中は丸見え。それにまだあの行為の後片付けも出来ていなくて、この淫らなにおいや飛び散ったいろいろな液体もそのままだ。
「いやっ、ちょっとま―――」
焦って止めようとしたがそれも叶わず、入口のドアが開いてしまう。
顔を覗かせたのはジャンクルだった。
「もうそろそろ頭領が来るかも………よ………………っ!!」
ジャンクルは部屋の中を見回し、目を丸くして息を呑んだ。
僕は何とかこの気まずい空気をなくそうとしたが、あまりにも恥ずかしくて声も出ない。
「えーっと………あははっ、なんか邪魔だったみたいだ……ね?」
ジャンクルは明らかに無理矢理作った苦い笑みを浮かべ、即座に顔を引っ込めてドアを閉めた。

―――ジャンクルが出て行ってもなお直らないこの空気。この羞恥心。
視線を横に滑らせると、マリンは頬の電気袋を示す赤い丸の模様の区別がつかない程に顔を真っ赤に染め、俯いたままなかなか顔を上げなかった。


256 :D51 12:2008/04/03(木) 12:18:43 ID:6dIW4RbM0
どうも555です名前変えましたデゴイチの12番目に作られたやつです
28×1氏の月下翡翠や333氏のピカチュー×イーブイ等の感動的な小説
のエンディング曲はスマイルなんかが合うのではないでしょうか
こらえきれずに今流した君の涙が光ってそれでも変わらずに気ままな風は胸を
揺さぶるよ・・・風をきってまた歩き出そう

257 :空条 ◆i/ei.o2TGU :2008/04/03(木) 15:52:25 ID:GQnJh8lg0
月下翡翠は(名前忘れたけど)あれのほうがよくないすか)

いーつか、かなーらず、会いーにいくよ、真っ白な雪が

って奴、まぁどんな曲でも合いますよね。
ORANGE RANGEのキズナとか花とか

258 :九十九:2008/04/03(木) 22:30:27 ID:9T8m5TyE0
はじめまして、九十九(つづら)と申します。三月兎様をはじめとしたいろいろな物書き様を尊敬しながらこのスレッドをずっと見てきたのですが、
自分も少しだけ小説を書いてみたいのですが、いいのでしょうか?そういう許可などがわからなくてすみません

259 :ぴか ◆I0gS.Wghlw :2008/04/03(木) 22:37:09 ID:vFrZKECE0
全くOKです!!

260 :九十九:2008/04/03(木) 22:41:51 ID:9T8m5TyE0
<ぴか様ありがとうございます。ストーリーや世界観などがしょぼい長編(しかもエロ少な目)になるかもしれませんが、なにとぞよろしく願いします。

261 :空条 ◆i/ei.o2TGU :2008/04/04(金) 00:03:41 ID:no23xjfo0
よろしくお願いしますね。
九十九さん
僕も下手なりに書いています!
気が向いたらよんで厳しい感想くださいね
九十九ってつづらって読むんですね。
パワ○ロ9の九十九(つくも)かと思いました、スイマセン

262 :ゴスゲン ◆HAUNTj4UBg :2008/04/04(金) 01:36:46 ID:sJjsHbrM0
「再開発」(仮題)

今の日本とそう変わらない近郊の住宅街に、ある青年の男が暮らしていた。この街で一人暮らしをしてもう七年になるだろうか。
大学に行ってからそのまま就職し、彼女と呼べるような存在もなく独身のまま生活を続けている。
いや、「独身」だと少し語弊があるかもしれない。ライチュウ、そしてワカシャモという、彼の大切な仲間も一緒なのだから。
今日は待ちに待った日曜日。最寄の駅から電車で約二十分かかるところにある駅中のショッピングセンターから、この三人が大きなバッグをぶら下げて帰ってくるところだ。
辺りはもう夕焼け。ほとんどの会社が休みなのにもかかわらず、電車の中はラッシュアワーと変わらないほど混雑していたので、窮屈に思えたところからようやく解放された。

「はあ、今日もいっぱい買い物したなー、ライチュウ」

片手に大きな荷物を持ちながら、見慣れた道を歩いていく青年。ライチュウも、自分の持っている袋を早く開けたいと焦る気持ちを抑えつつ、ライライ、と微笑みながら返事をする。
その様子を見つつ、格闘タイプだからと見栄をはっているのか自分から手伝おうとしたものの、体型に似合わぬほどのショッピングバッグを、やはり重そうに持っているワカシャモの姿もあった。
無理をしないで、と青年が言っても、ライチュウが近寄っても、まだまだ頑張りたいらしく、笑いながらやんわり断っていた。
家までは、最寄の駅から歩いて三十分ほどかかる。都市部で駅前のマンションの一室を借りる、などという贅沢なことはできるはずもないが、
逆に青年も、そしてライチュウやワカシャモも、このひと時を楽しみながら、ゆっくり家路につくことができるのだ。

青年たちが住宅街に入って人通りの少ない道に差し掛かると、一つの小さな公園が見えてきた。
都市部の再開発が進み、古びたこの公園もアパート転用のためもうすぐ取り壊しになることが既に決まっている。
いつもは何食わぬ顔で過ぎているところも、いざなくなってしまうとなると、三人にとって感慨深いものがあった。

263 :ゴスゲン ◆HAUNTj4UBg :2008/04/04(金) 01:40:41 ID:sJjsHbrM0
ワカシャモは、実ははじめからこの青年と一緒に住んでいたのではなく、もとは捨てポケだったのだ。
青年が街に引っ越してきてから一年ほどしたとき、大学からの帰りでピカチュウ――無論、今のライチュウ――と楽しくお話していたときのこと。
公園を通りかかったとき、ピカチュウの耳に、小さいながらも、チャモ、チャモという、アチャモ独特の鳴き声が入ってきた。
ピカピカ、と足を少し叩いて注意を向けだしたので、青年も注目した。

「どうしたんだ、ピカチュウ」

すると、あっちだ、と言わんばかりに突然公園の中を走り出し、それを男も必死に追いかけはじめるが、
程なくして植木の近くにおいてあった小さなダンボールを見ると、事態を大体飲み込めてしまい、すぐにペースは遅くなった。
ピカチュウ、これに気づいたんだな、と彼は心のうちで感謝する。
ピカチュウが小さなダンボールとアチャモを見つけ、ピッカァ〜、と男を呼び寄せてくる。
どれどれ、とゆっくり近づいてきた彼は黒のマーカーで書かれたメッセージを読んでいく。

「メス、です。事情で飼えなくなってしまったので、心優しい人、どうか拾って育ててください……?
まったく、飼えなくなってしまうんなら最初から飼うなっての」

その公園では、付近に住む子どもたちが、アチャモに全く気づかないのか気づかないふりをしているのか分からないが、ワイワイがやがやと遊んでいた。
そんな中、ピカチュウと数分相談した結果、仕方が無い、と育て親も分からないポケモンを引き取ることにした。
もったいない気はしたが恥も外聞も考えないような男ではなかったので、いったんアチャモだけを連れて帰り、後日ダンボールを処分しておいた。
ダンボールの中には、おそらくアチャモが入れられていたであろうモンスターボールも入っていた。
一応保管はしておくが、もともと青年はどうしてもという事情が無い限りポケモンをボールに入れるような人ではないため、
ピカチュウ入りのボールと一緒にポケットの中にずっと入っている、ということも多くなった。

そんなわけで、その後六年間、ピカチュウとアチャモは、いやライチュウとワカシャモは、ずっと一緒だったわけだ。
彼女は捨てられる前のことはあまり覚えて無いらしく、ライチュウも特に注意を向けることはなかったこともあり、二人の仲はどんどんよくなっていった。
ライチュウがオスであることもあり、最近の二人の関係は複雑になっているようにも見えたが、青年は別に気にすることはなかった。

一方、ライチュウは実家から連れてきた、ピチューのときからの彼の友達である。
もともとは、とある森に住んでいたのだが、この男に懐いてしまい、彼が自分で面倒を見ることを条件に、仕方なく親も一緒に住むことを許可したのだった。

264 :ゴスゲン ◆HAUNTj4UBg :2008/04/04(金) 01:43:04 ID:sJjsHbrM0
とても悲しそうな目をしながら、ワカシャモが男に声をかけた。すると、彼もつい悲しくなってしまう。

「無くなるのは俺だって寂しいよ。だって、俺やライチュウと始めて出会った場所だもんな。
出来れば俺だって止めたいけど、こんな身分じゃあ、仕方が無い。時代の流れもあるしな」

ワカシャモはその言葉を聞きつつ、公園のほうを向きながら、ただ重い荷物を抱えたまま少しの間棒立ちしていた。

公園を過ぎてまもなく、青年たちは自宅であるアパートの一室に戻ってきた。
ライチュウは足早にちゃぶ台へと移動し、ポロックやポフィンの入った袋を開ける。
いつもワカシャモと分けあって食べるのだが、時々取り合いになって喧嘩が生じることもある。
そのこともあって今回は少し多めに買ってきており、ライチュウはとても楽しみにしていたのだ。

「ライチュウ、今日はちゃんと仲良く食べるんだぞ」

喜びつつ、右手をあげてライラーイ、と元気よく返事をするライチュウ。
重い荷物を持っていたワカシャモも、青年に渡してからというもの、少しも疲れた様子を見せずにライチュウに向かってくる。
疲れたろ、とねぎらいの言葉を受けることもなく。
ワカシャモもやはり嬉しそうに、ライチュウからお気に入りのポロックを受け取るも、
彼女の好みとかぶっているようで取り分をわざと少なくするようにライチュウが仕組んでいた。
自分の量が少ないのに気づいたワカシャモは、そんな彼に向かって少し文句をたれた。
その後、ライチュウも毒づいて、やはり青年がため息をついてしまうほどの争奪戦が繰り広げられたのは、言うまでも無い。

「もうちょっと大人になれよ……」

せっかくの心配りが無駄な努力に終わってしまうも、喧嘩をする二人にそっと言葉をかける青年であった。

265 :ゴスゲン ◆HAUNTj4UBg :2008/04/04(金) 01:46:59 ID:sJjsHbrM0
はい、何の予告もなく投下してみました。エロはこの後です。
例によって続きもある程度出来上がっているのですが、完成しだいまた貼り付けてみようと思います。
とりあえず出だしだけどうぞ、という感じで。ちなみに(ご覧になればわかると思いますが)ライチュウ×ワカシャモです。

短編作るのは久々なのでちゃんと世界観作れているかどうか分かりませんが、とりあえずこの辺で。

266 :九十九:2008/04/04(金) 08:28:31 ID:tGgU5p9c0
>空条さん
ありがとうございます。空条さんの小説は厳しいどころかすばらしいと僕は思います、むしろ僕の書く小説を駄目他ところは駄目、つまらん所はつまらんと指摘してください。
よろしくお願いします

267 :空条 ◆i/ei.o2TGU :2008/04/04(金) 08:41:35 ID:IVv03RvY0
僕も始めたばっかりですし、人の作品に評価などつけれませんよ
ただ一つ言うとすれば、メール欄にsageを入れてない事ですかね
此処では付けたほうが良いらしいです。
なんか説教みたいになりましたね、スイマセン

268 :九十九:2008/04/04(金) 09:01:02 ID:tGgU5p9c0
>空条さん
いえいえ、説教どころかとてもいいアドバイスありがとうございました。
メール欄なんですが、自分のパソコンは壊れていてメールが絶対できないんです。ほかにも母によっていろいろな制限がされているので・・・申し訳ありません。

269 :パウス ◆EvJGalaxy2 :2008/04/04(金) 11:23:37 ID:zPe/gJGo0
>九十九さん
始めまして。大歓迎しますよ。
メール欄にsageといれるのはメールをするしないは関係ないと思います。多分ですけど。(僕もあまりパソに詳しくないので・・)
だって僕もメール出来ませんから。
(間違ってたらすみませんね)

270 :九十九:2008/04/04(金) 11:46:28 ID:tGgU5p9c0
>パウスさん
ありがとうございます。参考になりました、正しいと思いますが、前に言ったようにかなり制限されたパソコンを使っているので、そういったことが一切できないのです。本当に申し訳ありません。

271 :ゴスゲン ◆HAUNTj4UBg :2008/04/04(金) 18:20:28 ID:sJjsHbrM0
>>262-264の続き)

晩飯も既に終わり、辺りはすでに夜更け真っただ中。
男が会社の書類を整理している最中、ふと、ワカシャモがライチュウに話しかける。

「ねえ、あの公園、もうすぐ無くなるんでしょ?」
「そうだな……」

すると、なぜかもじもじした様子で、彼女は自分の思いを伝えようとするが、近くには青年もいて、とても恥ずかしくていえそうになかった。黄色い顔が、オレンジに染まっていくのがよく分かる。

「どうしたんだよ」
「……あの、無くなる前に、ぜひ言っておきたいことがあるの。私にとっては、あそこじゃないと言えない」
「今ここで言えばいいじゃないか」
「駄目なの。私とあなた、そして○○○(男の名前)にとっても思い出の場所である、あの公園じゃないと」

ワカシャモはそういってから、少し戸惑ったものの、決心したのか部屋を飛び出し、玄関のドアを開けて外に抜け出した。ライチュウも慌てて追いかけだす。
当然青年も気づき、書類整理を中断して彼らの後を追うことにした。
男が追いかけてきたのに気づいたのか、ワカシャモは急に進行方向を変え、嫌そうに彼のところに向かっていった。
音が響きやすいアパートの廊下の中、周囲の迷惑を考えずに、そして様子が次々と変わってあたふたしているライチュウをスルーして、
立ち止まった男に立ちふさがっていった。自分の体を精一杯使いながら、シャモシャモ、と言って男の体を押す。
ライチュウは、唖然としながらその様子を見つめていた。

272 :ゴスゲン ◆HAUNTj4UBg :2008/04/04(金) 18:23:29 ID:sJjsHbrM0
「……来てほしくない、のか?」

青年が声をかけると、ワカシャモは首を縦に振りつつも、なお通せんぼをつづけている。

「そうか。でも、俺が寝る前までには、ちゃんと戻るんだぞ」

ワカシャモはその言葉を聞いて、少し複雑そうな顔をしながらも再び廊下の中を走り出した。ライチュウは、また彼女のあとを追いかけ始めていった。
夕方ごろのお菓子の取り合いもあり、男はやれやれ、と頭をかきながら、部屋に戻っていった。
とはいっても、ワカシャモが向かった先は、彼にも大体予想はついていたのだが。

ワカシャモはライチュウを連れ出し、近所の公園に向かい、自分が捨てられていた場所に向かった。
空は綺麗に晴れ上がっており、美しい下弦の月とまばらな街灯が、辺りをほんのりと照らしていた。
時間帯を考えると当然のことだが、遊んでいる子どもの姿も、それを見守る大人の姿もなかった。
ポケモンだって、ポッポやオニスズメ、ヤミカラスあたりが数羽いる程度であった。

「この大きな木の下で、お前が捨てられてたんだっけ」
「……あのとき、あなたが私に気づかなければ、もしかしたら死に絶えていたかもしれないわね」
「考えすぎだってば」

昔の風景を思い浮かべ、とたんに懐かしくなる。
ときどき青年も一緒になって思い出にふけることもあるが、今回その青年がいない。ポケモンのオスとメスだけであった。
しばらくの間じっと二人で思いにふけっていたが、用件を思い出したワカシャモは、再び顔を染めて、ライチュウにそっと話しかける。

「それでね、今だから言えることなんだけど……あなたのこと、好き、なのかもしれない」
「……僕のことが、好き、だって?」

突然ワカシャモから告白を受け、ライチュウも真っ赤に染まってしまう。

273 :ゴスゲン ◆HAUNTj4UBg :2008/04/04(金) 18:25:21 ID:sJjsHbrM0
「どうして、こんな僕が?」
「私も、あなたとはずっと友達だと思ってた。もちろん、○○○だってできるだけ一緒にいてくれたし、いつも楽しく暮らして来れたわ」
「なら、これからもずっとそうしようよ……と言いたいところなんだけど……」

今度はライチュウの方が言葉に詰まってしまい、顔がさらに赤くなってしまい、困った顔を見せた。彼の表情が急に変わって、ワカシャモは、不思議そうに彼の顔を見つめる。

「どうしたの?」
「お前からそう言われちゃあなぁ……さっきは、ポロックやポフィンを分けるときに意地悪しちゃって、ごめん」

 心の中で反発し合っているのか、思わず変な謝罪の言葉が飛び出してしまった。このときライチュウは本心を伝えられず、しまった、と思ったが、ワカシャモは特に気にはせず、話を進めることができた。

「いいのよ、いつものことでしょ」
「そりゃ、そうなんだが……お前との友情は、僕の心の中で、いつしか変わっていったのかもしれないな。それで、あの行動をついついやっちゃうのかも……正直に言おう。僕も、お前のことが好きだ」
「ライチュウ……」

六年間という長い生活を経て、二人の関係はついに相思相愛、恋にまで密かに発展していたようだ。
そしてこの日、赤い糸が目に見える形で結ばれていったのだ。お互いに頬が赤く染まっていることを確認しあうかのように、じっと眺めあっていた。
すると、ライチュウがワカシャモの頬にそっと近づき、口をチュッと当ててから、再び彼女の顔を見る。
彼にとって、初めての心からの贈り物という気持ちでのキスだった。彼女も思わず恥ずかしくなって手で顔を覆ってしまっていたが、内では結ばれた喜びをかみしめていた。
一応の儀式を終えた彼が、しばらく途切れていた話を続けた。

「それじゃあ、家に帰ろう。○○○も心配してるだろうし」
「……駄目。それだけじゃ、駄目。私からも、お礼がしたいの」

274 :ゴスゲン ◆HAUNTj4UBg :2008/04/04(金) 18:28:42 ID:sJjsHbrM0
ワカシャモの突然の拒絶に、お、おい、とライチュウが声をかけ終わらないうちに、彼女が無抵抗だった彼の体を押し倒した。
グシャリ、と辺りに生えていた雑草とのかすれた音に耳を貸さず、小さなくちばしをできるだけ活用させて彼の口を塞ぎにかかった。
彼女のくちばしから舌をそっと彼のものに当て、相手の反応をうかがう。
彼女はもう限界だった。本当なら告白で終わらせたかったのだが、相手からも告白で返された上に、キスをされたのでは、若気の至りということもあり、もう心の制御は利かなかったのである。
このワカシャモの突然の行動に、ライチュウも驚かないはずはない。かと言って愛する相手に電気を流すわけにもいかず、少しだけ手足をじたばたさせて抵抗しようとするが、
彼より軽いはずの彼女はそれを許さなかった。約10キロの体重差をものともしない辺り、さすがは格闘タイプだというべきだろう。
そして、舌を当てられた瞬間、彼は抵抗するのを完全に止めたのだった。むしろ、絡み付こうと積極的になっている。彼女はそれに応え、舌を一生懸命当ててくる。
いつしか、ピチャ、ピチャ、と濃密な音だけが二人の間で響き渡っていた。
こうしてしばらくの間、お互いの唾液をじっくり味わいながら、長い、長いキスが続いた。ともに初めてのディープキスに戸惑いながら、濃い味を楽しむことができた。
ぷはっ、と名残惜しそうにワカシャモがライチュウの口から離れると、わずかに銀色の架け橋ができるも、すぐに途切れてしまう。
ライチュウは既に息があがっていた。彼のモノも、徐々にムクムクッと起ち出してきた。

「はあ……はあ……ヤる気かよ……」
「ええ……初めてヤるならここ、って決めてたの」
「でも、青姦だろ、これじゃ……周りに建物いっぱいあるし、大丈夫なのか……」
「野生のポケモンになったつもりでヤれば、問題ないわよ」

ワカシャモの答えになってない言葉に、思わず丸められてしまうライチュウ。今は目の前の彼女のことで頭がいっぱいで、彼の理性がそんなに働かなかった。
ワカシャモも、もう周りのことはあまり考えられなかった。そして、立ち上がった彼女はライチュウの体から離れ、目を少しずつ動かしていく。

「それに……ほら、体は正直じゃない。早くしたいなー、って」
「!! ち、違うんだ、これは……」

275 :ゴスゲン ◆HAUNTj4UBg :2008/04/04(金) 18:31:12 ID:sJjsHbrM0
さて、盛 り 上 が っ て ま い り ま し た 。
「ライチュウ×ワカシャモ」のはずなのにこれじゃあ逆じゃないか、と思うかもしれませんが、しっかりライチュウが逆転して見せますのでご心配なく(笑)。
とりあえず、ワカシャモのターンにwktkしないでお待ちください。

今日はこの辺で。

276 :黒の熊洋@警邏活動中 ★:2008/04/04(金) 20:23:08 ID:???0
>>270
九十九さん
こんにちは。
空条さんやパウスさんの言っている「メール欄」というのは、
掲示板に書き込む時に本文を書く欄の上、名前を記入する場所の隣にある「E-mail(省略可):」とある記入スペースの事です。
本来は電子メールのアドレスを入力する場所ですが、ここに半角小文字で「sage」と記入して書き込むと掲示板内のスレッドの順番が変わる事を防ぐ事が出来ます。
(現在このスレッドは掲示板の一番上にあるのでsageをしなくても問題ないのですが、下のスレッドにそのまま書き込むと順番が変わって迷惑になる場合もありますのでご注意ください)
パソコンのメール機能とは関係ありませんので、名前と本文が書けるのならばメール欄に書く事も出来ると思うのですが。

277 :九十九:2008/04/04(金) 20:39:45 ID:tGgU5p9c0
>>276
なるほど、とても勉強になりました(無知な愚か者ですいません)そのあたりが制限されているか一度試して見ます。

278 :九十九:2008/04/04(金) 21:00:33 ID:tGgU5p9c0
一応書きましたので乗せます。駄文ですすみません。

エレメント!

~序章~


昔々・・・いまから200年ほど前、この世界を滅ぼそうとした一匹のポケモンがおりました。
名をアスラといい、ミュウツーという種族でした。

なぜ世界を滅ぼそうとしたのか、わかるはずがありませんでした・・・
勇敢な者達はアスラの野望を食い止めんと、アスラの巣食う巨大な塔へ勇んで赴きました。

しかし、アスラの強大な念力の前に多くのポケモンたちが命を奪われていきました・・・
もうこの世界はなすすべもなく滅びてしまうのか・・・ポケモン達が絶望に打ちひしがれたとき、それを良しとしない4匹のポケモンがアスラを討伐しに行きました。

アスラの塔へ行く途中、4匹はさまざまな困難にぶつかりました・・・
しかし彼らは幾多もの困難を打ち破り突き進みました・・・
それは彼らがどんなものにも立ち向かう"勇気"と、
どんなものも等しく"愛"する心と、
幾多の困難を打破する"知恵"と、
どんな絶望的な状況でも絶対に諦めない"希望"を、それぞれが持っていたからです。

四つの光を持った4匹のポケモンはアスラと対峙し、激闘の末ついにアスラを打ち破ったのでした。
そして4匹は自らの肉体と精神を四つの石に封じ込め、世界が転生するさまをずっと見守り続けるのでした。

279 :九十九:2008/04/04(金) 21:03:46 ID:tGgU5p9c0
~第一章一幕~

「これが後に語られる世界転生の序章だ。」
昼下がりの午後、ぽかぽかとした陽気が眠気を誘うようなこの時間に、
教壇に登っていたピジョットは教室の中をぐるぐると回りながら教科書の中の物語の一つを音読し、教室にいるポケモンたちに問いかけた。
「先生はこの話が大好きで何度もみんなに読み聞かせているが、先生が何を言いたいのか分かるかな?」
その問いかけにほぼ全員のポケモンたちが答える、
「みんながこの物語の人物のようになって欲しいから。」
全員が同じ答えをいったことを確認し、ピジョットは嬉しそうに頷いた。
「その通り、今いろいろな事件が発生している中、みんなにはそういった事には絶対に関わらず、健やかな未来をこの学び舎から育んでいって欲しいんだ。みんな、いいね?」
「はーい」
「わかりましたー」
といった元気な返事がほぼ全員から返ってくる、
「さて・・・と」
ほぼ全員の返事を聞いて満足そうな顔をしたピジョットはがらりと顔つきを変え教室の隅を一瞥する。
そこにはまったく話を聞かず返事をすることもなく、すぅすぅと穏やかな寝息を立てて惰眠を貪る4匹のポケモンがいた。
ピジョットはこめかみをひくひくさせながらどかどかと4匹が固まっている教室の隅へと移動し――――――
「そこの・・・」
手に持っていた教科書を丸め、
「4匹・・・」
大きく振りかぶると、
「話を聞いとったかーーーーー!!!!!!」
爆睡している4匹のポケモンめがけて勢いよく振り下ろした。
「いたっ!」
「ぴぎゃっ!」
「うひゃぁっ!」
「いっ!!」
スパンという小気味のいい音とともに眠っていた4匹のポケモンがそれぞれ異なる悲鳴を上げ起き上がり、派手に椅子から転倒した。
「「「「痛ったぁー」」」」
4匹が今度は同じことを呟き、眠そうな目をこすりながら目の前にいるピジョットを見てのんきにこういった、
「「「「おはようございますキンウ先生、今日はとってもいい天気ですね。」」」」
またスパンという音が響き、キンウと呼ばれたピジョットが4匹の頭を教科書ではたき倒した。
「もう午後だ!!」
怒りで4匹を一括し、倒れている4匹に背を向けて教壇に戻ると起き上がり座る4匹に対して、
「ライチ!レモン!ミント!シロップ!授業中に寝るなと何度言ったら分かるんだ!!」
と怒鳴った。その数秒後、授業の終わりを告げるベルが教室中に鳴り響いた、
「むっ!?もうこんな時間か、よし!今日はこれで終了!全員早く帰宅しなさい。・・・ただし!お前達は職員室だ!!」
「「「「ええぇーーーっ!!!???」」」」
4匹が同時に呟く、周りのポケモン達は「またあの4匹か」「ご愁傷様ー♪」「授業中に寝てるから・・・」「自業自得だね」「ばーか」などさまざまにいいながら帰り支度をし、教室を出て行く、

280 :九十九:2008/04/04(金) 21:14:09 ID:tGgU5p9c0
誰もいなくなった放課後の教室で、4匹は誰が悪いかについて無意味な口論を続けていた、
「絶対ライチが悪いって!!いきなり眠いとか言い出しやがって!!オイラびっくりしたよ!!」
ライチと呼ばれたポケモンはびくりと身を縮こませる。
体がオレンジのような色に包まれ尻尾の先に炎が宿っている、ヒトカゲというポケモンだ。ライチは震えながら自分のせいと言い張るポケモンにしどろもどろに反論する、
「ななななななな!!なんでぼっぼっ僕のせいになななるんだよぅ!!
しっ、シロップが眠いなら眠っちゃえばって言ったから僕は眠ったんだよぅ!!僕のせいにするなんてヒドイよ!!」
シロップと呼ばれたポケモンはぴくりと反応する。
体が水色のような色に包まれ大きな甲羅を背中につけている、ゼニガメというポケモンだ。シロップはライチの言葉に反論した、
「なっ!?あんなの冗談に決まってるだろ!?何で本気にするんだよ!!やっぱりライチが悪いんじゃないか!!なぁミント!!そうだよな? 」
ミントと呼ばれたポケモンは呆れながらシロップを見つめる。
体が黄緑のような色に包まれ背中に大きな種を背負った、フシギダネというポケモンだ。数秒間シロップを見続けた後ミントは口を開いた、
「シロップ、世の中に入っていい冗談と悪い冗談があるんですよ?
だいたい、ライチよりシロップのほうが先に寝始めたじゃないですか。」
そういった瞬間にライチの顔が明るくなり、シロップにいった、
「ほ、ほら!やっぱり僕のせいじゃないんだ!シロップのせいじゃないか!!」
勝ち誇ったようにライチが告げると、付け足すようにミントが
「それでもライチも眠っていたんですからどっちもどっちですよ。」
と告げた、それを聞いたライチはまたびくりと身体を震わせ、ミントにいった。
「うぅぅ、でっ、でもミントも眠ってたんだから僕達とあんまり変わらないじゃないかぁ・・・」
ライチにそういわれるとミントはぎくりとして、理屈をつけて反論した。
「あ、あれは・・・その・・・光合成の一環です!だからただ眠ってるだけのライチやシロップとは違うんですっ!!」
などというとシロップがはんっと鼻で笑ってこういった。
「なーに屁理屈こねてるんだよ、素直にぽかぽか陽気で気持ちよくなって眠っちゃったっていえよな。
そんなんだから理屈っぽいってみんなに言われるんだぜミントは。」
「屁理屈じゃありません!!だいたい、屁に理屈があるっていうんですか!!」
「そういうのを屁理屈って言うんだよ!!」
「あわわああわあわわあわ、み、ミントもシロップも喧嘩しないでよぉ!!」
「「ライチは黙ってて(くれ!!)(下さい!!)」」
「ひぃぃ、ごごごごごめんなさいぃぃぃ・・・」
「百歩譲って私が居眠りしたとしても、私はシロップみたいに下らない理由で眠っていたわけじゃありません!!」
「居眠りに理由も理屈も必要ないっての!!
そもそもミントが馬鹿でかいいびきをかいて寝てたからキンウ先生に見つかったんじゃないか!!」
「女の子に向かって失礼です!!私はシロップやライチじゃありませんから、いびきなんてかきません!!」
「なななな何で僕を引き合いに出すんだよ!!いびきかいてるのはシロップじゃないか!!」
「あっ、てめっこのヤロー!!さりげなく罵倒するなよ!!」
「いたたたたたた、尻尾を引っ張らないでよォ・・・」
「言葉で負けたら暴力ですか?シロップは本当に野蛮ですね。」
「何だとこのやかまし女!!」
「何ですか!!この暴力男!!」

281 :九十九:2008/04/04(金) 21:18:01 ID:tGgU5p9c0
三匹は押し問答を繰り返し争っている、
そこで忘れ去られたポケモンがゆっくりとした口調で言葉を紡ぎだす。
「みーんなっ、ちょっと落ち着きなよっ♪」
「「「何っ!!?レモン!!?」」」
レモンと呼ばれたポケモンは鬼気迫る三匹のポケモンをじいっと見つめた。
体が黄色のような色に包まれ頬に赤い丸がついている、ピカチュウというポケモンだ。レモンはさっきと同じようにゆっくりと言葉を吐き出した。
「そんなくだらないことで争うくらいならさ、
僕が全部悪いってキンウ先生にいっておくよ、そうすればみんな早く家に帰れるよねっ♪」
「「「えっ!?」」」
唐突に聞こえたレモンの案にその場にいた全員が黙ってしまう・・・
レモンは自分の身よりも真っ先に仲間のことを思ってそういったのだ、それを考えるとライチたちは喧嘩することが馬鹿馬鹿しくなってきた。
「それじゃあみんなは先に帰っててよ、事情は僕が説明しておくからさっ♪」
レモンは明るい声でそう告げると教室から出ようとドアに手をかけた。
「「「待って!!!」」」
教室から出ようとするレモンを全員が制止させる。
「・・・どうしたの?早く帰りなよっ、変なポケモンに襲われるよ?」
レモンがそう告げるとそれぞれが口を開いてそれぞれの思いを口にした。
「やっぱり・・・僕達も謝りに行くよ・・・」
「オイラ達全員が悪いんだから・・・レモン一人でいかせるのはかわいそうだよ・・・」
「私達が馬鹿でした・・・だから、全員で謝りに行きましょう。」
それぞれの申しわけなさそうな顔をレモンはじいっと見つめると、明るく快活に一言だけ。
「うんっ♪」
というと、にっこりと笑った。



こんな感じです。エロは後々のほうに出ます。気長ーに待っていただけるとうれしいです。
多分読む人絶対いないと思うけど。万一に読んでくれた人へは、・・・駄文ですみません。
精進します。

282 :ゴスゲン ◆HAUNTj4UBg :2008/04/05(土) 18:24:56 ID:2M6al2DA0
>>271-274の続き)

既に大きくなっていた彼のモノに目を止め、そこを彼女ははっきりと指す。思わぬ現実に彼は逃げ出したくなるが、時既に遅し。
今更反抗しようと、起ってしまったものが急に萎えるわけがなかった。そんな彼を知らん振りするかのように、ワカシャモは続ける。

「うーん、今でもいいんだけど……楽しみは先にとっておかないとね」
「楽しみ、っておい、まさか最後まで……うわぁっ」

彼女がゆっくり彼のモノに顔を近づけ、それをやさしく左手で掴むと、やさしく舌で舐めはじめた。
どこからそんなことを覚えてきたのか分からないが、初めての舌での愛撫に、モノから来る刺激も大きなものだった。
ライチュウは、声を上げずにはいられなかった。
彼は何度か自慰を経験したことがある。年頃の男の子であり仕方ないことだったが、オカズに使った相手はよっぽどがワカシャモだったろう。
その彼女が、今自分の目の前で、大事なモノをしゃぶってくれている。
その感覚は、普段自分でするのとはまったく違ったものであるに違いない。体が、そして肉竿が、ビクンビクンと震えていた。
くちばしでくわえたらさすがに痛いので、舌で亀頭を丹念に舐めるだけにとどめていたワカシャモは、我慢できなくなったのか、右手の爪を器用に使い、自分の秘所を弄くりはじめた。
彼女もまた寂しくなったときには、ときどきライチュウのことを想像して、絶頂に達してしまうこともあったぐらいだが、今はもう、彼女の頭の中の話ではなくなった。
いずれ彼女が受け入れるモノを、今はこうして愛撫している。彼女の想像よりもモノは少しばかり大きかったが、躊躇することなく事を進めていく。
そして自分も、受け入れ態勢を整えるのに手を動かしていたのである。
だんだんとワカシャモの息が荒くなっていき、花びらも湿り気を増していく。絶えずダメージを与えられていたライチュウの肉棒も、どんどん硬くなっていった。

283 :ゴスゲン ◆HAUNTj4UBg :2008/04/05(土) 18:27:43 ID:2M6al2DA0
「はあ……ワカシャモ……なんか分かんないけれど、すごく気持ちいいよ……」

すると、彼女は「そう?」と言いたげな表情を見せながら、じっくり彼の棒の味を確かめる。
普通に考えたら美味しいはずはないのだが、それでも愛しいライチュウを気持ちよくさせるため、ひたすら続けていった。
先端からは既に我慢汁も出ており、彼の絶頂が近いことをはっきり示していた。彼女は、自分のアソコもこっそり弄り続け、愛液が少しずつ出始める。
彼には聞こえなかったようだが、くちゃっ、と淫らな音もかすかに響いてくる。ときどき体がピクッと動きそうになるも、彼女の精神力でなんとか抑えきっていた。
二人とも、頬はすっかり赤みを帯び、喘ぎ声が交わされ、少しずつエクスタシーに向かっていきつつあった。
ワカシャモが先走りを舐めるようになってから時間が経ち、寸前になってライチュウが大きく声を出す。彼女は初めて知る液体の味をしっかり確かめていた。

「で、出る……出そうだ……止めてくれ……ぐっ……」

ライチュウが止めるのも聞かず、ワカシャモはずっと肉竿を舐めまわしたままだった。このまま、自分の口の中に出しちゃっても構わない。
声には出ずとも、表情がすべてを物語っていたような気がした。
そして、彼の肉棒が急に大きくなり、顔を急にしかめたかと思うと、亀頭から白い液体が、ピュクピュクッとあふれ出してきた。
勢いよく飛び出てきたその白濁液は口の中だけではなく、かわいらしいワカシャモの顔をも汚していった。
こんなに気持ちよくしてもらったのは今回が初めてだったライチュウは、堪えきれずにかなりの量を放出してしまったため、突然の大群の襲来にワカシャモもむせてしまった。

「ケホッ、ケホッ……」
「だ、大丈夫か、ワカシャモ……」

284 :ゴスゲン ◆HAUNTj4UBg :2008/04/05(土) 18:30:46 ID:2M6al2DA0
達したばかりのライチュウは、気持ちよさの代償である倦怠感に襲われていた。
息も未だあがっており、はあ、はあ、と疲れているかのような音が出てくる。肉棒も、次第にしぼんでいった。
ワカシャモはといえば、むせた後も白濁液を味わい、彼からもらった愛を楽しんでいた。口の中に雄の厭らしい臭いが広がっていく。
肉棒から左手を放し、顔についていたのをすくってくちばしの中に運ぶ。右手の爪は、アソコを弄っていたときに愛液でかなり濡れており、淫らな匂いを放出していた。

「……これが、ライチュウの、なのね」

感慨深く彼女が声を出す。それを聞いて、つい恥ずかしくなってしまったライチュウ。自分でもほとんど舐めたことのないものの味を言われ、ますます紅潮していくのだった。
そして、ふとワカシャモが力なく立ち上がると、彼女の股間が濡れているのに彼が気づかないはずはなく、思わず声をかける。

「お、おい、お前……僕がイくところを見て……」
「……いえ、これは私が弄ってたの。あなたに、気持ちよく挿れてもらってほしいから」
「へえ……」

話をしながら気をそらしているうちに、ワカシャモの死角から、そっとライチュウの尻尾が彼女の体のほうへと伸びてくる。
そして、彼は悪いと思いながらも、雷印の先端が右足に当たった瞬間。

「ひやぁっ!」

不意に静電気を流されたワカシャモは、今度はライチュウに覆いかぶさるように倒れてしまった。後ろへ仰向けになると思っていたライチュウにとっては少し予想外で、よけることができなかった。
グヘェッと言うところから、彼にも少しダメージはあったが、構うことなく体位を逆転させ、グシャグシャッと草の音を鳴らしながら、今度はライチュウが上になっていく。
もじもじとしながらも、二人は赤くなった顔を見つめ合っていた。
肉棒からは、あふれ出した精液がぽた、ぽた、とワカシャモの体毛や雑草に滴り落ちていた。程なくして、ライチュウが切り出す。

「お言葉に甘えたいところだけど……さっき言ったよね、『楽しみは最後までとっておかなきゃ』って」
「ライチュウ……?」
「それに、さっきのお返しを十分しておかないと、な」

285 :ゴスゲン ◆HAUNTj4UBg :2008/04/05(土) 18:33:55 ID:2M6al2DA0
すると、彼は彼女の股間まで体ごと後ずさりし、左手で足を押さえつつ、右手で彼女の股間を大胆に弄ってきた。
ダイレクトに刺激を受けたワカシャモは、これを受けて震えずにはいられず、こちらも大胆に喘ぎ声を上げてしまう。
もう既に、周りは気にならなかった。普段は人通りの少ない閑静な住宅街にある公園とはいえ、少し大きな声を出せば人やポケモンが寄りかねない。
しかしそんなことは、二人にとっては、もうどうでもよかった。今はただ、彼氏彼女で熱いひと時を過ごすのに精一杯だったのだから。

「いやああぁぁっ! ライチュウのぉ、意地悪ぅ!」
「先に意地悪してきたのはどっちだったかなぁ?」
「……そんなこと、聞かないでぇ!」
「どんどん聞いてやるよ、ほらほら〜」

ライチュウがワカシャモの恍惚とした顔を見るにつけ、股間を弄るのと同時に言葉責めを続ける。そんなことに恥を隠せないところもまた可愛いな、と彼は思った。
やがて右手が秘所を探り当て、集中的にそこを責めるようになった。自分の一番敏感なところを、一番愛しいライチュウが責め続けている。
それだけで、ワカシャモは一気に絶頂へ達してしまいそうになり、どんどん体をピクピクと震えさせる。
ライチュウも、ここに早く挿れたいという気持ちがはやってしまうのか、萎んでいたモノが急に大きさを取り戻し、臨戦態勢に突入していた。

「ああっ、だめぇ、そこは!」
「だめだって? 止めるわけにはいかないね。せっかくだからお前もイっちゃえよ」

そして、ついには指をアソコに入れてみるライチュウ。内部はすっかり愛液で満たされていたため、すんなりと入っていった。
女の子の中を探るのは始めてであったが、入れた瞬間キュッと締まるものを感じ、自分のシンボルがそこに入るところを想像して、さらにそこの硬さを増幅させていった。
彼女の爪以外で初めて異物を受け入れたアソコは、ぐにゃぐにゃとうねって、異物を掴んで離さない。
ライチュウの指は細いので、そこにかかる力はたかが知れる程度のものであったが、はるかに太い彼のモノが入ったらどうなるだろうか。
さらに快感を感じながら、ワカシャモはほんの少し期待と恐怖を抱いたのであった。

286 :ゴスゲン ◆HAUNTj4UBg :2008/04/05(土) 18:36:44 ID:2M6al2DA0
もう絶頂まであとわずか。喘ぎ声も、息も、とても激しくなっていったときに、突然ライチュウは指を内部から抜く。
そこには愛液がべっとりついていた。塞ぐものがなくなったアソコからも、わずかに液が溢れ出していた。彼は、それを口まで運び、ペロッと舌で舐めてみた。

「こんなところで、止めないでよ……はあ……はあ……」

ワカシャモの願いも聞かず、ただ彼女の内なるものの味に舌鼓を打つライチュウ。分かってやっているのか、顔が少しにやけている。
すっかり濡れてしまった彼女の股間をちらちらと見てしまい、中に挿れたいという衝動に駆られていった。しかし、今は完全に「お返し」できたわけではない。
わずかな理性を働かせ必死に我慢し、蜜のほうに意識を集中させる。そして、丹念に自分の指を舐め終えた後。

「……さてと、ワカシャモの方はこんな味をしてると分かったことだし、そろそろとどめといきますか」

彼女の顔が真っ赤になっていくのも気にせず、彼は再び秘所を弄りだす。身体面と精神面でかなりの打撃を食らった彼女が達するのに、時間はかからなかった。
ワカシャモは、周りのことを気にせず、爪を立て、少し押さえつけられた体を震わせながら、最も大きな声をあげていった。

「ひゃああああんっっっ!」

その瞬間、彼女のアソコが急激に締まりだしたのに思わず驚いてしまったライチュウは、反射神経が働いたのか、挟まれないうちにそこから指を抜いていった。
そして、アソコからは愛液がさらに溢れ出してくる。先ほどとは比べ物にならないほどの量だ。
絶頂後の体に身を任せ、四肢を大の字にした彼女の姿を見ると、今すぐ襲ってくださいといわんばかりである。
一方、再び彼女を味わっていたライチュウの姿もあった。やはり、恋人の味は何度も知りたくなるものなのだろう。そんなこんなで少しほくそ笑んだ彼が、彼女につぶやきかけた。

「これで、おあいこだな。お互い、気持ちよくなれたし、出すものも分かり合えたじゃないか」
「バカ……」

287 :ゴスゲン ◆HAUNTj4UBg :2008/04/05(土) 18:40:30 ID:2M6al2DA0
寸止めさせてからイかせるあたり、ライチュウは絶対に狙ってましたね(笑)。
少々鬼畜なところが出てしまいました。
本番とオチは既に完成していますが、それはまた明日、ということで。

>>281
ピカチュウ、なんていい奴なんだ。私の短編のライチュウとは大違いw

288 :九十九:2008/04/05(土) 19:38:53 ID:RPlGw1UE0
>ゴスゲン様
ありがとうございます。ゴスゲン様の短編のライチュウもいいキャラだと思いますよ。
ちなみにレモンちゃんは♀です(わかりづらくてすいません。)

289 :九十九:2008/04/05(土) 22:34:08 ID:RPlGw1UE0
続きを書きましたので乗せます。



~第一章二幕~
日もだいぶ傾き始め、美しい黄昏が見え始めた時間にライチたちは職員室のドアを叩いた。
「失礼します・・・」
がらりとドアを開けると一番手前の椅子にキンウ先生が座っていた、ライチがびくびくしながらキンウ先生に話しかけた。
「あっああああっああっあのっあのあのっ・・・きっ、キンウ先生・・・その・・・あぅぅぅぅ・・・えっ・・・うっ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
キンウ先生は何も喋らずただ黙々と何かを書き連ねている。
ライチは泣きそうになりながらこみ上げてくる嗚咽を堪えて一言一言を搾り出すように喉から謝罪の言葉吐き出した。
「うっ・・・ひっく・・・キンウ先生ぃぃ、いっ、居眠りしてっ、ごっごっごめんなざい゛ぃぃぃ・・・」
苦しげに言葉を紡いだ後、その場の空気に耐えられずにライチが泣き出した。ライチが謝った後に続けてミントが、
「本当に申し訳ありません。謝罪します・・・」
と反省の言葉を紡ぎ次にシロップが、
「先生!!本当にすいません!!」
と矢継ぎ早に謝罪し最後にレモンが、
「先生ぇ、ごめんなさい。」
と、ゆっくりといって深々と頭を下げた。数十秒の沈黙の後、キンウ先生が言葉を紡ぎだした。
「・・・うん、お前達の気持ちは確かに伝わったよ。
よし!もうすぐ暗くなるからもう帰りなさい。先生が校門のところまでついていってやるから、もう泣くんじゃないライチ。」
それだけ言うとキンウ先生は立ち上がりライチの頭を優しく撫でた。
ふわりとした羽のやわらかい感触に、ライチは泣くのをやめキンウ先生を見つめてにっこりと笑いかけ、
「・・・はいっ・・・ぐすっ」
と返事をした。その後、4匹はキンウ先生に釣られるように職員室を後にし、長い廊下を歩いていた。
歩いている途中でミントが興味本位からキンウ先生に問いかけた。
「キンウ先生、先生はどうしてあの物語をほとんどの授業中に音読するんですか?
ただ単に好きというだけでは無い気がするんですけど・・・」
ミントの問いかけにキンウ先生は少し驚いたような顔をして、嬉しそうに答えた。
「ミントは鋭いな。あの物語のポケモンたちはね・・・この村の・・・ライラの村の出身という事実があるんだ。
ただ単に好きということではなく、この村から派生した物語だからこそ、
みんなに聞かせてこの村のことや物語のことを覚えていて欲しいと先生は思っているんだよ。」
世界を救ったポケモンがこの村の出身という事実に驚いたミント達であったが、
キンウ先生がなぜ世界転生の物語をみんなに聞かせるのかという点についてはとても納得したように頷くと、
「先生は・・・この物語が先の獅子末代まで続くことが望みなんですね?」
と、もう一度問いかけてみた。その問いにキンウ先生はゆっくりと言葉を紡ぎだす。
「そうだな。少しでも覚えてくれるとこの世界がなぜ救われたのかということを思い出してくれるだろう?
別に崇拝して欲しいわけじゃない、ただ少しだけでも感謝の気持ちを持って欲しいと思っているだけなんだ。
最近はそういう気持ちを忘れたポケモンも多いだろう?」
キンウ先生と話しているうちに4匹は校門の前にやってきた。
「さあ、また明日もあるから、早めに帰って眠りなさい。」
キンウ先生が優しい言葉をかけてきびすを返していく。外はすっかり日が落ちていて。綺麗な星がきらきらと瞬いている。
「さっ、帰ろうぜ!!オイラ達の家にさっ!!」
シロップが先頭に立ち、4匹は自分達が住む大きな樹の家に向かって歩き出す・・・

290 :九十九:2008/04/05(土) 22:39:33 ID:RPlGw1UE0
キンウ先生は職員室に戻った後、また机に向かい何かを書き連ね始めた。
「キンウ先生、何を書いているのですか?」
キンウが書く手をいったん止めて顔を上げると一匹のポケモンが立っていた。
龍を連想させる長い体に、きらきらと輝く透き通った水晶球を首につけおでこに角の生えたハクリューというポケモンだ。
「ああ、シリュウ先生。いやなに、あの4匹のために今日の授業の内容を総まとめしたものを作っているんですよ。
このままでは学力が他のポケモンたちに著しく離されてしまいますからね。」
キンウ先生が笑いながらそう答えると、シリュウ先生と呼ばれたハクリューは小首をかしげながらキンウ先生に向かってこう言った。
「うーん・・・あまり甘やかしているとあの子達はキンウ先生に依存してしまう気がすると思うんですけど。」
シリュウ先生がそういうと、キンウ先生は一瞬だけ考えるような顔をするとシリュウ先生の顔を見て、困ったような顔をして言葉を紡ぎだした。
「たしかにそうかもしれません。しかし先生、彼らは幼いころに両親と他界し、その後は子供達だけで生活しているのですよ?
このまま保護者から教育を受けずに育ってしまったら社会に適合できるかどうか分かりません。そういうときこそ教職員である我々が親身になって接するべきだと私は思います。」
キンウ先生が熱っぽく語るのを見てシリュウ先生はなにやら困ったような顔をしてもう一度言葉を紡ぎだした。
「それはそうだと思うのですが・・・流石にそこまでやると他の生徒達に難癖をつけられますよ?
あの4匹だけひいきされてるとか何とか。・・・それに、キンウ先生は本当にあの4匹ができない子だとお思いなのですか?」
唐突に問われた言葉にキンウ先生は書き物を一時中断し、シリュウ先生のほうを向いてゆっくりと疑問の言葉を投げかけた。
「シリュウ先生はあの子達ができる子だと思っているのですか?」
「ええ、勉学はもちろん、ゆとりの輪を育むこともできると思いますが・・・キンウ先生はそう思わないのですか?」
できる。そう答えられてキンウ先生はシリュウ先生の言葉を考えてみた・・・
本当にそうなのだろうか・・・学校に来てもあまり楽しそうではないのに・・・本当にそうなのだろうか・・・と。
「キンウ先生が考えるのはもっともです。」
キンウ先生の心を読み取ったかのようにシリュウ先生が言葉をゆっくりと吐き出す。
「しかし、彼らが学校が嫌いなら学校になど来ていないでしょう?授業内容はほとんど聞かずとも遅刻や欠席などは一度もありません。
・・・用は彼らのやる気しだいなんですよ。」
やる気・・・それがあの4匹にあるのだろうか・・・キンウ先生は自分が思ったことをそのまま口にした。
「やる気が彼らにあるのでしょうか?」
「それを奮い起こすのも教職員である我々の仕事でしょう?」
的確に答えられて、キンウ先生は一瞬考え・・・確かにそうだと思った。
「・・・そうですね。シリュウ先生の言うとおりでした。彼らをやる気にさせるのは担任である私の仕事ですからね!!」
キンウ先生の言葉にシリュウ先生も頷き、そして呟くようにいった。
「・・・でも・・・私には彼らが何かをしそうな気がするんですよ・・・」
突然呟いたシリュウ先生の言葉にキンウ先生は一瞬だけ思案顔をして、どういうことかとシリュウ先生に問いかけた。
シリュウ先生は問いかけに歯切れが悪く答えた。
「うーん・・・その・・・これは私の勘なんですけど・・・彼らはこの村から近いうちに出て行って・・・
その・・・とてつもないことをやるような気がするんです・・・あくまで私の勘ですけど。」
キンウ先生はははと笑うとシリュウ先生にこう言った。
「先生。あの子達はこの村から出て行くわけないじゃないですか。めんどくさいとか何とか言ってずっとこの村に住み続けますよ。」
「・・・そうですね。私の考えすぎでしたね。ははははは・・・」
と、シリュウ先生も笑った。キンウ先生はまた椅子を机に向け書き物を再開した。
・・・シリュウ先生の言葉を心のどこかおくに引っ掛けながら・・・

291 :九十九:2008/04/05(土) 22:46:25 ID:RPlGw1UE0
ええと・・・一章第二幕はこんな感じです。>>278-281の続き物ですが、いまだエロはありません。ごめんなさい。
二-三章ぐらいから入るかもしれません。気長にお待ちください。
駄文ですみません。

292 :ゴスゲン ◆HAUNTj4UBg :2008/04/06(日) 10:48:56 ID:o/7yN6Fg0
>>282-286の続き)

両者は共に、互いの内なる味を確かめることができた。残りは、それらを結合させ、自分たちの永遠の愛へとつなげていくことだけだ。
ここまで来てしまったライチュウとワカシャモに、もう後戻りをすることはほとんど不可能だった。きっかけさえ作れば、歯車は自動的に回りだし、終点まで連れて行ってくれる。
それを最初に回したのは、ワカシャモの方である。

「……でも、私、一番大事なことを済ませないと、気がすまないの」
「ああ、わかってる。しかし、だ。本当に僕のが欲しいのか? お前の初めてを、僕がもらってもいいのか?」

なかなか息が入らず、なおも、はあはあ、と口から音を出すワカシャモは、静かに首を縦に振った。それを見て、彼は少し立ち上がって再び彼女に覆いかぶさり、自分の肉棒を右手で掴みながら、そっとアソコに当てていく。
精液まみれの亀頭部が橙色の毛皮をかき分け割れ目にぶつかったところで、ああっ、と彼女はわずかに声を出してしまう。
ライチュウがワカシャモの顔をじっと見た。そして、ワカシャモもライチュウの目を凝視した。二人の視線が合い、目をぱちぱちさせ、ほぼ同時に首を振った。
彼の尻尾が彼女の背後に纏わりつくと共に、じっくりと、じっくりと彼のモノが彼女の中へと下ろされていった。
初めて彼のモノを受け入れる恐怖感からか、じっと目を閉じるワカシャモ。ぐちゅっ、と棒の先端がわずかに入り込むだけでも、ああん、と小さな声が漏れてしまう。
先ほどよりもはるかに太い異物を受け入れんとするアソコの襞は、それでもしっかりはさみつけて中に引き込もうとする。絶頂を迎えたばかりとはいえ、まだやる気全開だ。
その動きに、まだ童貞だったライチュウが耐えられるはずはなかった。格闘タイプであると同時に炎タイプでもあるワカシャモの中はすごく暖かく、極限の快楽をもたらすのにふさわしい。
彼にとって、彼女の中は天国に近いところだった。

「ご、ごめん……僕、もう……」
「ああっ、ライチュウ……」

293 :ゴスゲン ◆HAUNTj4UBg :2008/04/06(日) 10:51:06 ID:o/7yN6Fg0
そして、彼女の体を気遣って無理やり遅く挿入していたけれども、三割がた入ったところで襞のうねるような動きと刺激に根負けし、手を肉竿から離した後、野性の本能で一気に奥まで、ズブゥゥッと突いてしまった。
生まれて初めてオスに奥を捜索されたメスは、大きな声を上げずにはいられなかった。

「きゃあああああああぁぁぁぁぁぁっっ!」
「わ、ワカシャモ!」
「私の体がぁぁっっ、アソコがぁっ! ヒリヒリするのぉぉっ!」

ライチュウのモノがあっという間に全部入ってしまった。アソコから、先ほどたまっていた愛液が一気に溢れていった。
幸い結合部から血が出ることはなかったが、それでも処女を奪われたのだ。初めて受ける感覚と慣れない痛みに、悲鳴とも聞ける音を出すしかなかった。
目からも少し涙がこぼれており、痛みがひしひしと伝わってくるようだ。
体重差のこともあり少しでも楽にしようと、ライチュウは自分もろとも横になり、互いに地面にくっつきあった。
ワカシャモは自分の痛みをはぐらかすかのように、そして背中までしっかり抱きかかえるように手を動かし、ライチュウはそれに応えるようにして彼女の顔に口を近づけた。
彼女がくちばしをだらしなく開けると、再び彼の舌がそっと口内に侵入してくる。こうして、上の穴も下の穴も、両方ふさがっていった。
舌を絡ませあい、唾液を飲み込む。そうしている間にも、秘所はどんどんライチュウの肉棒を攻撃して、早く動けと言わんばかりに誘ってくる。
童貞の彼は、彼女の体からの命令をすぐに聞き入れてしまった。口からいったん離れると、すまない、の一言だけを出し、再びくちばしを塞いで、腰を動かし始めてしまった。
二人が繋がっているところから、ぐちゅっぐちゅっ、と淫らな音が聞こえ始める。

「んん〜〜! ん〜!」

自分の痛みが退かないうちに、最も大事なところから快感を受けてしまい彼女は喘ごうとするが、口を塞がれてしまっているために息をほとんど彼に受け止められてしまう。
まともに喋ることも出来ない。割れ目を伝って逞しいモノが抜き差しされている音だけが耳に入ってくる。花びらはどんどん湿り、彼をさらに強く抱きしめてしまう。

294 :ゴスゲン ◆HAUNTj4UBg :2008/04/06(日) 10:54:12 ID:o/7yN6Fg0
ライチュウは、自分の大事なモノを抜き差しするときに体と草がかすれて最初は少し痛く感じていたが、だんだん気にならなくなってきた。
体中の感覚が、肉竿に集中していったのだ。気持ち良い。とても気持ち良い。他の言葉が思いつかないくらいに、途中駅の無い線路に沿って走ったまま、今の彼は彼女とのセックスに夢中になっていた。
ワカシャモが強く抱きしめてくるためにあまり動かすことはできないが、さらなる快感を求めるべく、彼はピストン運動を続けていった。
ぴちゃぴちゃ、と上から、ぐちゅぐちゅっ、と下から、厭らしい音が静かに響き渡っていく。
周りから見れば、その辺にいる野良ニャースや野良ポチエナが交尾しているのとまったく変わらない様子だった。違うのは体位とポケモンの種類だけ。
これが人と一緒に暮らしているなんて、何も知らない人にとってはとても考えられないことだった。
本格的な性交が始まってからしばらくして、ようやくライチュウが口を離した。先ほどよりも太いブリッジが形成され、よだれがだらしなくたれていった。
息もすでに絶え絶えの中、彼はじろーっとワカシャモの顔を見る。体全体が赤くなっているような気がした。
もちろん、自分もそうなっているのかもしれないが、とにかく尻尾を使いながら、不器用に腰を動かしつつ話しかけてみる。

「どうだ……? もう、痛くないか……?」
「ええ……ライチュウのそれ、とても熱くてきつくて……あはぁん! むしろ狂っちゃいそう……」
「お前のアソコも、なかなか暖かくて、絶品だよ……今すぐにでも出ちゃいそうだ……」

相変わらず、ぐにゃりぐにゃりと、ワカシャモの襞はライチュウを責めたててくる。
同時に愛液もどんどん溢れ出し、彼に心地よい空間を提供していたのだった。それに呼応するかのように棒はどんどん太くなり、動かしにくくなってくる。しかし、むしろスピードは速くなっているかのようだった。
そして彼女のほうからも、腰を動かすようになっていった。彼女も、もっと肉棒から得られる刺激が欲しかったのだ。
二人とも、そろそろ山の頂上に達しようとしていた。大きくなっていく両者の喘ぎ声と共に、彼女の締まりは極限にまでよくなり、最高の快楽を彼は得ることができた。
アソコから流れ出す愛液と溢れ出てくる音が、さらに情事を厭らしく見せた。

「だ、駄目だ……これ以上やったら、ホントに中に出ちまう……」
「いいの! 私とあなたの子ども、欲しいの……作りましょ! お願い!」

295 :ゴスゲン ◆HAUNTj4UBg :2008/04/06(日) 11:17:15 ID:o/7yN6Fg0
ワカシャモの言葉を聞いて、ついに背中に絡めていた尻尾を動かし、彼女が抱きしめてくるのと同じくらいに、ギュッと締め付けてくる。
そのタイミングと合わせてくるかのように、力をこめて懇親の一撃を彼女の最奥に食らわせた。ライチュウの竿が無理やり挿入されたときよりもはるかに淫らで大きな音が、辺りに響き渡っていった。
その瞬間、言葉に言い表せないほど大きな声を出して、二人はほぼ同時に達していったのだった。

「ライチュウゥゥゥゥッッッッッ!」
「ワカシャモォォォーーーーッ!」

彼女の体がピクンッと跳ね、突然硬直し、つま先を大きく立てていった。目をつぶっては、両手で彼の体を掴んで離さなかった。そして、食卓にメインディッシュを運ぶがごとく、彼の肉棒をこれでもかと襞と愛液で料理し、こちらも離すもんかと譲らないようだった。
一方、メインディッシュを味わう立場のライチュウは、秘部からの厚いもてなしを受け、とうとう自分のたまってきたものを彼女の中に放出させていった。
尻尾がビクビク震え、これ以上無い心地よい感覚と自分の恋心を、ワカシャモにぶつけていったのだ。多量の白濁液が亀頭部から出てきて、アソコをすぐに満たしていった。
女の子の中で初めて果てた彼にとっては気持ちよすぎて、射精は止まらず、とうとう愛液とともに、少しずつ溢れていくようになった。

息が荒かった二人も、絶頂を迎えて少しすると呼吸に余裕が出るようになり、お互いに調子を整えていった。

「とても熱いわ、ライチュウ……あなたのモノも、想いも……」
「お前もな……『お礼』、きっちり受け取らせてもらったよ……ほら……」

ライチュウとワカシャモの片腕には少し擦り傷ができていたが、やはり気にならなかった。
それよりも、股間に目を向けさせていった。すっかり萎びた自分のモノを抜き取ると、精液と愛液で混ざり合ったものが、ドバッと溢れてくる。
それを見て、両者とも恥ずかしくなってしまった。こんなにも出しちゃったのかと。自分たちがやってきたことの激しさが、どんどん伝わっていった。
木の枝上でピジョンのカップルが交尾の真っ最中だったところを、力なくごろんと寝転んだワカシャモが見つけると、なお行為の恥ずかしさが増していき、再び頬を赤らめていく。
彼らに視姦されていようがいまいが、ちょっと人目につくところでヤってしまったという事実だけは、変わらないものだった。
そして、そのうち二人は、美しい夜空を見上げていた……。

296 :ゴスゲン ◆HAUNTj4UBg :2008/04/06(日) 11:19:01 ID:o/7yN6Fg0
二人の股間は互いの液でまみれていたが、何せ公園の地面でやっていたことなので、土砂や草も少しまとわりついていた。体全体が汚れていた、というわけだ。
それでもつかの間の帰り道、二人は仲良く手をつないで、すっかり帰るのが遅くなってしまったところに戻っていく。
もっと公園の名残を惜しんでもよかったが、今の時間では遅すぎる、と二人は思った。相変わらず、夜道は静かだった。

「ライチュウ……これからも、よろしくね……」
「ああ……早く、子どもできると、いいな」
「うふふふふふ……」

ライチュウとワカシャモは小声で話しながらも、新婚後の生活に思いを馳せるのだった。どこかさびしそうだった下弦の月も、このときは二人を祝福しているかのように見えた……。

改めて公園での思い出にふける時間を過ごすまもなくアパートに到着し、青年のいる部屋の玄関をノックする。すると、ドアが開いて、心配そうな顔をしていた男が出てくる。

「随分遅くなっちゃったな。しかも体がいっぱい汚れて……」

青年はふと、申し訳なさそうな顔をした二人の股間に目が移った。これで全てを察知してしまったようだ。

「ははーん、もうそんなお年頃だったわけか……先を越されちゃったよ、ハハハハハ……」

友達と呼べる程度しか女性と知り合ってない彼にとって、ほんの身近なところで新たなカップルが誕生したことは苦笑ものであった。
すると、彼につられてライチュウも、そしてワカシャモも次第に笑い声をあげてきた。

「もう、お前らったら……とりあえず、俺と一緒に風呂に入って、体を綺麗にしてこよう、な?」

二人はすぐに首を縦に振った。この後、ライチュウとワカシャモが喧嘩することなく、男も含めた三人で仲良く流し合いっこしてたんだとか。
そして、ポロックやポフィンの取り合いも、不思議となくなってしまったらしい。
どちらかが死ぬまで続くであろうライチュウとワカシャモの良い関係は、今ここに「友情」から「愛情」へと名を変えて、再スタートを切ったのであった。

 終わり

297 :ゴスゲン ◆HAUNTj4UBg :2008/04/06(日) 11:22:31 ID:o/7yN6Fg0
とりあえず終了。あとがきらしきものはwikiをご覧になってください。

>>291
親がいないって……学費はどうしてるんでしょうねぇ?(笑)
シリュウの意味深発言から、物語は今後どのような展開を見せていくのでしょうか。
続きにただただwktkするばかりです。

298 :九十九:2008/04/06(日) 12:02:59 ID:2C+8+EDk0
>>297
四匹の親が残したお金をカネゴンの用に食いつぶしてるんですよw
ゴスゲン様お疲れ様でした。ゴスゲン様の新作に期待します!!

299 :ruy ◆n5riLto5jo :2008/04/06(日) 15:23:53 ID:bJnZUx4w0
打目だ、文才さんの作品見ると書く意欲がわいてこない・・・・・
本当に俺のやつとレベルが違う・・・・・

300 :九十九:2008/04/06(日) 20:07:21 ID:2C+8+EDk0
>>289-290の続きです。



~第一章三幕~
その夜、ライチは不思議な夢を見た。
黄昏時の学校の長い長い廊下の一番奥にある倉庫用の部屋・・・
そこから不思議な声が聞こえる・・・
我等の声を聞きし者達よ・・・我等を永久の眠りから覚ます者達よ・・・
どうかどうか・・・我等の願いを聞き届けてくれまいか・・・
ライチは何故者"達"といっているのかとても気になった・・・しかしそんなことを気にする暇もなく、ライチは吸い込まれるように部屋の扉を開け・・・
そこで目が覚めた・・・







目を開けると見慣れた天井が視界いっぱいに広がる・・・目を擦って欠伸をして小さく伸びをした後、ライチは先ほど自分が見た夢について思案した・・・
「・・・何だったんだろう・・・変な夢だなぁ・・・」
自分のベッドから跳ねるように飛び起き、顔を洗うため洗面所に向かう。洗面所に着くとすでにレモンが起きていて眠そうな顔に冷水をかけていた。
・・・レモンが足音に気付きライチのほうを向くといつもと変わらない笑顔でゆっくりと
「お早う・・・ライチ・・・」
と挨拶した。つられてライチも
「あ・・・お早うレモン・・・」
と、生返事を返してしまう。レモンは顔を洗い終わったあと朝食の準備をするため台所に向かっていった。台所に向かう前にライチに
「ミントとシロップを起こしてきてくれないかなっ」
と、ライチに告げた。ライチは頷くと、先ほど自分が寝ていた寝室に戻っていった。寝室に戻り先に起きそうなミントを揺り起こす。
「ミント・・・起きて・・・朝だよぅ・・・」
穏やかな寝息を立てて幸せそうな顔をして眠っていたミントはライチに揺り起こされると少しだけ不機嫌そうに「うぅ・・・ん」と唸ると少しだけ目を開けのそのそと身を起こし、ライチの姿を肉眼で確認すると
「お早うございます。ライチ・・・」
と、淡白に朝の挨拶をした。ライチはその後ミントの隣でやかましいいびきをかいて眠っているシロップを揺り起こそうとした。
「シロップ・・・起きて。もう朝だよっ・・・遅刻するよ?」
ライチはシロップの体をゆさゆさと揺らして軽く頭を叩く・・・シロップはもぞもぞとベッドの中でもがくと・・・派手にベッドから転倒した。
「いってぇ・・・あー・・・お早う・・・ミント、ライチ。・・・今日の朝ご飯何?」
床に思いっきりぶつかった頭をぽりぽりとかきながら間の抜けた質問をしたためミントとライチは思わず吹き出してしまった。
「ぷっ・・・」
「くすくすくす・・・」
二人がケタケタと笑っているのをシロップはぽかんと見つめて
「何?オイラなんか変な事いった?」
などと聞いてしまった。シロップの問いかけに笑いながらミントが答える。
「ふふっ。いえ、シロップらしいなぁって。ね?ライチ」
「うんっ。そうだねっ。あはははっ・・・」
「・・・・・・・・????何だぁ?」
シロップはその場に居るものの空気や気持ちを若干だが和らげたり穏やかにすることができる。
この間ライチと口喧嘩をしたときもいきなりシロップがやってきて
「ただいまー!なぁなぁ聞いてくれよ二匹共!!さっき道端でお金拾っちゃった!これでオイラもブルジョワの仲間入りだぜ?」
と、突然言い出したのだ。あまりにぶっ飛んだ言葉と突拍子もない出来事に二匹は腹を抱えて大笑いしたことがあった。
そのためにシロップは知らず知らずのうちにムードメーカのような存在になっていた。居るだけでその場を和ませる力をシロップは持っているのだ。
・・・本人はそのことにまったく気付いていないのだが。





三匹が変な空気を作りながら話していると、突然ガンガンという音とともにエプロンをつけお玉とフライパンを持ったレモンが寝室にひょこっと現れた。
「みんな、起きたなら喋ってないでベッドを整えてよ。もうご飯できてるよ?」
それだけ告げるとさっときびすを返し、再び台所に消えていく。あわてて三匹は自分が眠っていたベッドを整えると我先にと台所へ走っていった。

301 :九十九:2008/04/06(日) 20:15:05 ID:2C+8+EDk0
全員が台所の椅子に座るころにはレモンがすでに食事を並べ終わってエプロンを外しているところだった。
「あははは、ご飯のことになるとみんな早いね。お早う、シロップ、ミント」
快活に笑いながらレモンが全員分のフォークとナイフを並べていく、大きなお皿の上には綺麗に焼かれ、半分に切られたトースト、
レタスの上に盛られたポテトサラダにはレモンが自分で作ったクラボの実とモモンの実を混ぜ合わせたドレッシングがかかっている。その隣にからりと揚げられ綺麗な狐色をしたオニオンフライ。
スープ皿にはマトマの実をふんだんに使ったスープがつけられ、左端の小さなお皿にはナナの実とオレンの実をチーズに混ぜたフルーツチーズが置いてある。朝ご飯にしては少々豪華すぎるチョイスである。
「「「「いただきまーす!」」」」
4匹が同時に音頭を取り朝ご飯にありつく。食べながらミントがレモンに言った
「レモン、いつもありがとうございます。朝夕とご飯作ってもらって・・・」
ミントの感謝の言葉にレモンはあははと笑いながら
「いーよいーよ、僕が好きでやってることだし。誰かがご飯作らなきゃならないのは事実なんだしねー。」
などと軽く流してしまう。ミントはそんなレモンを見て、申し訳なくも思い、同時にありがたくも思いスープを啜った。
口の中いっぱいに広がる刺激は、眠かった頭を起こすのに十分だった。スープを啜りながらミントがぼそりと呟いた、
「私もご飯・・・作ってみようかな・・・」
その呟きにライチはトーストを喉に詰まらせごほごほと咳き込み、シロップは危うくスープ皿を取り落としそうになった。
・・・二匹の反応を見てミントはむすっとした。
「何ですか?その反応は・・・」
ミントがそういうとライチはむせこみながら
「やめといたほうがいいと思うよ・・・」
といいシロップも
「オイラもそう思う・・・」
といったためますますミントがむすっとした。
唯一何の反応も示さずにたっぷりとバターを縫ったトーストにのんきに齧り付いていたレモンが口を開いて
「僕も今はやめておいたほうがいいと思うよ?」
と、コメントした。レモンの言葉にミントは
「今はってどういうことですか?」
と問いかけた。トーストを皿においてポテトサラダを食べながらレモンは
「好きな人ができると料理が上手くなるんだ。だから好きな人ができたときに作って。好きな人と一緒に料理の出来具合や成長を楽しむといいよ」
と答えた。好きな人という言葉に反応してミントがさらにレモンに問いかけた。
「じゃあレモンは好きな人がいるんですか?」
その問いにレモンはのんきに
「んー?いないよ?」
と答えた。ミントは訝しげに
「じゃあ何で料理を作るんですか?」
といった。レモンは笑いながら
「あはははは、さっきいったでしょ?好きで作ってるんだし誰かが作らなきゃ。それに料理作るのは楽しいしねっ」
といってデザートのフルーツチーズを頬張った。
回答になっていないような感じもしたがこれ以上話しても意味がないと感じ、ミントはそれ以上詮索するのをやめ、
「お金は後どのくらい持ちますか?」
と、経済的な話に切り替えた。食べ終わった後の食器を流し台に持っていって洗いながらレモンが

302 :九十九:2008/04/06(日) 20:16:46 ID:2C+8+EDk0
「もう半分もないよー、僕達学業課程を修了したら働かなくちゃ」
と食器を洗いながら答えた。もう半分もない。その言葉を聞くとミントは深刻な顔をした。
「私達の両親が残してくれたお金を集めて低予算で何とかやりくりしてましたけど。学費も馬鹿にはなりませんから・・・もっと食費を削らないと・・・」
時折うーんと呟くミントを見つめて食事を済ませて皿をレモンに渡していたライチが
「あ・・・あんまり深く考えると頭痛くなるよ?」
と心配そうにミントに話しかけた。ミントは本気で心配してくれたライチに微笑みかけると
「そうですね、あまりお金の話はしないようにしようってみんなで約束しましたんですよね。すみません。」
表面ではそう言っているものの、ミントの顔はやはり優れなかった。もう半分もない。この言葉が相当きたらしい。話題を変えようとライチはいろいろな話をひねり出して・・・自分が見た夢の話をみんなに話した。
「そっ、それよりさ、僕今朝不思議な夢を見たんだよ。」
夢、という言葉に全員がぴくりと反応する。シロップはライチをまじまじと見つめミントは流し台に持っていこうとした皿をテーブルに再び置きレモンは洗い物を中断してライチのほうを向く。
「どんな夢だったの?」
「分かりやすく教えてくれよ」
「私も気になります・・・」
それぞれが口々にいう。その反応を待ってましたとばかりにライチが口を開いて語り出す。
「僕さ、夢の中で夕方ごろの学校の廊下に立ってたんだ。・・・夢にまで学校にいるなんて変だよね、あはは・・・。
それでその長い廊下の一番奥の倉庫扱いされてる部屋からさ、不思議な声が聞こえるんだよ・・・えっと・・・何ていってたんだっけ・・・あれ?」
ライチが話し途中で必死に記憶の糸を手繰り寄せていると横からレモンが口を開いた。
「我等の声を聞きし者達よ・・・我等を永久の眠りから覚ます者達よ・・・
どうかどうか・・・我等の願いを聞き届けてくれまいか・・・でしょ?」
「そうそう・・・・・・・・えっ?」
ライチはレモンの言葉に心底驚いた。なぜならレモンも同じ夢を見ていたのだと理解できたからだ・・・

303 :九十九:2008/04/06(日) 20:21:17 ID:2C+8+EDk0
ええと・・・ここでいったん第三幕は終了です。ご飯の事書いてるとおなかが減ってきます(笑)
エロシーンは・・・まだまだ先です気長に(略。
読んでる人いないと思いますけど・・・駄文ですみません。

304 :BmB:2008/04/06(日) 22:21:48 ID:Sb5Gia/s0
はじめまして 九十九さん続きたのしみにしてます。

305 :九十九:2008/04/06(日) 22:31:04 ID:2C+8+EDk0
>>BmBさん
ありがとうございます。あまり面白くないかもしれませんが、続きはまた書きますので。

306 :D51 12:2008/04/07(月) 11:20:55 ID:tzNt7U/E0
257>>
それも良いですね(オレも名前思い出せない)
エンディング曲は小さきものもいいんじゃないでしょうか
ルールルールルールルルールルールルルールールルールールールールルールルルー・・・
声がー聞こえるー進むべき道ー指差しているーさらさら流る風の中にひーとリー
私ー歌っていーまーすー    
ジラーチ映画のエンディング兼ハルカの子守唄です

307 :EF65  535:2008/04/07(月) 11:31:50 ID:tzNt7U/E0
D51 12ですこれからちまちま名前変えますEF65 535はまだ走れるのに
引退するそうです なぜだろう あと句点めんどくさいのでスペースにします
みなさん気が付いていますかオレは鉄道が大好きです あとポケモンも
ちまちま名前変えるのが迷惑でしたらやめます
それと二重レスすいません

308 :山本 ◆rkAWlQPFjI :2008/04/07(月) 16:05:33 ID:Xsla1iEk0
>>307
えと……(^^;
もう少し、落ち着こうね(苦笑)
何だかネット慣れしてないみたいだけど、句点面倒くさいって……;

 KとLのキーの下だよ。ひらがなで“ね”って書いてあるあのキー。
そこ押せば句読点(、)が出てくる。その右隣が句点(。)ね。


309 :パウス ◆EvJGalaxy2 :2008/04/07(月) 19:08:05 ID:LlWCQmc60
>>307
、よりスペースの方が読みにくいですよ。
ちまちま名前を変えるのが迷惑とは言いませんが、帰るたびに「自分は○○だ」って書くのも面倒じゃないですか?

310 :パウス ◆EvJGalaxy2 :2008/04/07(月) 19:08:21 ID:LlWCQmc60
>>307
、よりスペースの方が読みにくいですよ。
ちまちま名前を変えるのが迷惑とは言いませんが、変えるたびに「自分は○○だ」って書くのも面倒じゃないですか?

311 :パウス ◆EvJGalaxy2 :2008/04/07(月) 19:09:17 ID:LlWCQmc60
>>309-310
ミスったっっ!!!
すみません・・・・・

312 :九十九:2008/04/07(月) 19:45:25 ID:CRSlH3vc0
>>311
誤字脱字のミスぐらいならいいんじゃいでしょうか?

313 :313系 ◆knbxk5J2CQ :2008/04/07(月) 23:48:23 ID:LQ1Hu9i20
>EF65 535様
はじめまして、313系です。
鉄道好きのあなたなら僕の名前の意味も分かりますよねw?
残念ながら僕は機関車に詳しくないですが;。
ここは小説とその感想を投稿する板なので
鉄道の話は控えておいた方がいいと思います。
>句点とスペース
確かにスペースは見にくいかと…。
句点が面倒というのは携帯だからでしょうか?
携帯だと0キーを連打する必要がありますからね。
僕の携帯には*キーを押すと、と。が出る機能があります。
あなたの携帯にもそういう機能があるのでは?
一度探してみるといいですよ。
なければ連打です。慣れればそう面倒でもないですよ。
携帯じゃなかったらすみません。
あと、長々失礼しました。

314 :狸吉 ◆2yFRLFKg8k :2008/04/08(火) 01:24:00 ID:wL9xU0ak0
>>306-307
名前を変えてもあなた本人だと判るようにトリップを付ける事をお勧めします。
詳しい人に頼めばあなたの好きな形式番号入りのトリップを探してもらえるかもしれませんよ。

>>313さん
ジャストナンバーおめでとうございますwww
HNはJR東海の313系でしょうか?
や、僕はヨシノ付近在住なもので気になって。

315 :313系 ◆knbxk5J2CQ :2008/04/08(火) 06:59:31 ID:4yN0h/X+0
あっ、ほんとだ。ジャストナンバーだww。
その通りJR東海313系ですよ。
…僕はポケモンの中だとどこ住みなのかな……?
分からないので『うながっぱ』で検索してみて下さいwww。

316 :パウス ◆EvJGalaxy2 :2008/04/08(火) 14:45:27 ID:Da/xuh6w0
鉄道に関しては、僕は全くの無知なのでご了承を。
皆さん詳しいんですねwww

〜story40〜 ―ソノオタウン―

204番道路を抜け、私達は花に囲まれた華の町―――ソノオタウンへと到着した。
すぐ傍に「ソノオの花畑」と呼ばれる、地面を覆いつくすほどの無数の花が咲いている場所もあり、心休まる場所として有名である。
いつもは冷たいとしか思わない夜風も、花々の良い香りを運ぶいい仕事をしていた。

204番道路で散々迷い、ソノオタウンに着いたのはもう空に星の光を見つけられるようになってからだった。
もうこれ以上先に進むには暗すぎるので今夜はここで一泊することになった。
トルマリンはリチアに惨敗し、怪我こそ大したことないものの自信は完全に粉砕したらしく、顔を俯かせたまま上げようとしない。
ご主人は手っ取り早く宿の部屋を取り終えた。こういう作業はかなり早いのがご主人の長所だ。
部屋の鍵を貰って部屋のある二階へと移動し、そこでご主人とミランは分かれた。
「多分俺は朝早く行くからよ。もう寝るわ。おやすみ。」
そう言って早々と扉を閉めてしまった。ミランのせっかちなところは昔っから変わっていない。
私達の部屋はそれなりに広い部屋で、ところどころに花が飾ってあるのはソノオの特徴を活かしたのだろう。


317 :パウス ◆EvJGalaxy2 :2008/04/08(火) 14:46:59 ID:Da/xuh6w0
「ふうーーーっ、やっと外の空気が吸えたわぁ。」
ミランもトルマリンも居なくなった今、リチアの――正確にはアメシストの――身体からカーネリアが飛び出し、続いてクォーツ、コーラルと続く。
「すいません………」
苦笑しながら最後に出てきたのはアメシスト。何故に謝るのか、とカーネリアが首を傾げると、コーラルがそっと耳打ちした。
「……あっ、ごめん!そういう意味じゃないのよアメシスト!」
カーネリアは焦って頭を下げる。
恐らくさっきカーネリアの言った「やっと外の空気が吸えた」が失言だったのだろう。
アメシストの身体の中は窮屈だと示唆したようにアメシストは聞こえたらしい。
だが元々優しいアメシストはにっこりと笑い、「気にしないでください」とカーネリアを許した。

にこやかな空気が流れる中、朝からずっと暗い顔をしていたメノウがご主人のズボンの裾を引っ張った。
「ご主人……、ちょっと散歩してくるよ。」
そう言ってそそくさと外へ出て行ってしまった。
明らかに何かが変だ。話しかけると普通なのだが、漂わせている雰囲気が何か違う。
散歩に行くのはいつものことだが、あんなにそそくさと行ってしまうメノウは初めてだ。

皆でいろいろと楽しく過ごしていると、いつの間にかメノウが散歩に行ってから時計の長針が180度動いていた。
いつもなら5〜10分ほどの散歩なのに、今日は30分だなんてやはりおかしい。
何故だろう………………分からない。

「メノウ、遅いね……」
そう呟きながら私はガーネットに視線を合わせ、首をかしげる。
するとガーネットも首をかしげた。やはり彼もメノウの様子がおかしいことに気付いているようだ。
ちょっと様子を見てこようかな、と立ち上がろうとした時。
「ちょっと身体貸して。」
カーネリアがリチアの身体をつんつんと突っついた。
何も知らない者が聞くと勘違いしてしまいそうな危ない言葉がいきなり吐き出されたので、リチアは少し戸惑い気味に答える。
「あ、あぁ。」
リチアが相槌を打つと、カーネリアはリチアの中に消え、リチアはカーネリアに変化する。
リチアは半透明な魂の状態となり、外に飛び出した。
「ちょっとメノウの様子を見てくるわ。」
そう言い残し、カーネリアも外へ駆け出て行ってしまった。


318 :◆9C83ocean6 :2008/04/08(火) 21:06:16 ID:wHWefwyQ0
新スレになって初めての投稿です。こちらでもよろしくお願いします。


彼の子供が欲しい。そう言っても彼は何もしてくれない。
彼が積極的になってくれる方法はないかな…
そうだ!”媚薬”を使おう!



白く輝く太陽、空には雲一つなく濃い蒼が広がっている。
雲のように白い体毛、そして雨雲のように黒い顔。こめかみには角というよりは鎌と言ったほうが正しいだろう物が生えているポケモンがその下を駆けてゆく。
彼女の種族はアブソル、わざわいポケモンと称されている。ただし彼女を含むアブソル達が災いを引き起こすのではない。
彼女の走る先には小高い丘があり、その丘の上には小さな影がポツンとあった。
彼女の額に光る汗は、一歩前進するたびに地を濡らす。相当な距離を走ってきたのだろう、彼女の息はかなり上がっている。
さっきまで彼女の目に小さく映っていた丘は次第に大きくなり、もう麓まで来ていた。
「はぁ、はぁ…ごめん、待った?」
丘を登りきったアブソルを待っていたのは六に分かれた尻尾、赤い体毛に包まれたポケモン。その姿は狐に似ている。
「遅い」
彼はアブソルの問いかけに冷たい言葉を返す。
「大体、君が呼び出したんだろ。そういうときは・・・」
「はい、これ」
アブソルは首にかけていた小さな包みを彼の前に差し出し、それ以上の言葉を遮った。
「それ、何?」
彼はアブソルの顔を見るが彼女は笑っているだけであった。なんか気持ち悪いなぁと思いつつ彼は差し出された包みを開ける。
包みを開けた瞬間、スパイシーな香りが辺りに漂った。
「あなたの好きな辛いクッキー焼いてきたのよ。」
包みの中には火のように赤く、所々黒い粒がのっているクッキーが小さく山積になっていた。 
「ぁ…うん、ありがとう」
ロコンの口からは先ほどの冷たい言葉ではなく感情のこもった言葉が出てくる。
クッキーを一枚手に取り、口に入れるーーザクッザクッと心地良い音と食感、そして舌を刺激する辛さを楽しむ。
「ねぇロコン、あのこと考えてくれた?」
「あのことって何?」
分かっていることなのにとぼける、ロコンのいつもの癖だ。
「だから…その…子作りのことよ」
二匹は付き合い始めて約5ヶ月。
アブソルとしてはロコンの子供を産みたいと思っているのだが、彼にはそんな気持ちがないのかこの話をするといつも話を逸らす。
「このクッキー美味しいね。マトマのみでも入ってるの?」
やっぱり話を逸らされてしまった。 
「そうよ…」
いつものアブソルなら諦めてしまっていたが今日は違う。最後のクッキーを一口で食べるロコンを見てニヤリと笑った。
そんなアブソルの笑みに気付かずロコンは立ち上がる。
「じゃあ、どこか行こうか」
「ええ」
二匹は元気良く丘を下り、森の中へ消えていった。


時が経つのは早いもので、さっきまで真上にあった太陽は東に沈みかけていた。
森全体はオレンジ色に染まり、空からはヤミカラスとドンガラスの奇妙な鳴き声が降ってくる。
「そろそろ帰ろっか」
「そうだな。きのみもこんなに集まったことだし」
二匹は今まで時を忘れてきのみ狩りを楽しんでいた。おかげで今夜の夕飯は豪華になりそうだ。
「じゃ、おれこっちだから」
「あ、ロコン待って」
不意に呼ばれたロコンは何事かとアブソルに振り向く。
「私、疲れちゃった。今日あなたの家に泊まっていい?」
「我慢しろよ。ここから走ればすぐだろ」
「あなたは30分がすぐって言えるの?」
「…しょうがない、今日だけだぞ」
「うん、ありがと」
ロコンは”今日だけ”と言っていたが実は何回もアブソルを泊めているのだ。勿論、そのとき二匹の間には何もなかった。
アブソルはロコンのこういった所が可愛いと思うのであった。



319 :◆9C83ocean6 :2008/04/08(火) 21:10:49 ID:wHWefwyQ0
ロコンの住処である洞穴に入ってアブソルはつくづく思うことがあった。
(相変わらず綺麗にしてるなぁ)
男にしておくには勿体無いくらいロコンは家事をこなす。部屋の整理整頓ぐらい朝飯前だった。
「そこで寝てていいぞ。夕食作ってきてやるから」
ロコンは藁のベッドのほうを指差し、ランプに火をつけ夕飯の支度に取り掛かる。
アブソルはロコンの言葉に甘えることにし、藁の上にうずくまる。


暫くしてロコンは木の実の盛り合わせを持ってアブソルのもとに戻ってきた。
「アブソル、夕飯できたぞ」
声をかけても反応しない。熟睡してしまっているようだ。
続いてアブソルの身体を揺する。しかし彼女の瞼は開こうとはしなかった。
なおも身体を揺すっていると異変に気付いた。アブソルのではない、自分の異変に。
それほど動いていないのに運動後のように息が荒い。そして体が芯から熱い。
そして段々と身体の力が抜けてくる。
やがてロコンは自身を支えることができなくなり、アブソルを覆いかぶさるように倒れてしまった。
体の上に違和感を感じたのか、さっきまで開こうとしなかったアブソルの瞼が動き出した。
「ご、ごめn…」
「あらロコン、やっとその気になったの?」
ロコンと目が合うや否や彼に抱きつく。いつもは何も思わないのだが今日は違った。
(もっとアブソルが欲しい)
そうして理性が崩れ始める。
アブソルがキスを求めてくる。ロコンは必死に抵抗したが、
「もう、ロコンがしないならこっちからいくよ」
彼女の唇が近づく。彼は必死にもがいたがそれは無駄な努力に終わり、唇同士が触れ合う。
理性がごっそりと無くなった。しかしまだ少しある理性に従い、アブソルと口を離そうとするが
「んん!ん…ん」
アブソルの舌が入り込み、ロコンの力が抜ける。残った理性は消滅してしまったようだ。
口を離すと二匹の唾液が落ち、藁を湿らす。
アブソルは力の入らないロコンを仰向けにし雄特有のモノを露にさせた。足を閉じようとするがアブソルの前脚がそれを許さない。
「ロコン、体変じゃない?」
アブソルの顔が笑っている。妖艶とした眼差しがロコンを捕らえる。
「お昼に食べたクッキーに媚薬…性欲を催させる薬を入れておいたの。まぁ、朝からこんな風になると困るから薬の効果を遅らせるマトマのみを練り込んどいたんだけどね」
「はぁ、はぁ…なんでそんなものを…?」
「ロコンが積極的じゃないからよ。こうすれば少しは積極的になるかと思ったけど、ダメね。それじゃぁ・・・」
言い終わるとアブソルはまだ硬くなっていないロコンのモノを一舐めする。
「くあっ!・・・」
それだけでロコンのモノは頭を持ち上げる。
「私がリードしてあげる」
主導権を持つアブソルの前でロコンはただ快感を受け入れることしかできなかった。
暖かいアブソルの口に包まれた彼のモノは先走り汁を出しながらその時を待っている。
「くっ、あぐ…」
我慢の限界だった。射精感がロコンを襲う。
もう出てしまう、そう思ったとき彼を襲う射精感が引いた。アブソルが口を離したのだ。
「フフ、どう?気持ちいい?」
「もう…やめ…ろ」
抵抗できるのは口のみ。
「今そういう立場じゃないでしょ。それともこのまま止める?止められるはずないわよねぇ」
アブソルの言うとおりだった。早くこのもどかしい感覚をどうにかして欲しかった。
そんなロコンの心を知ってか彼女は再び彼のモノを咥える。
さっき引いていった射精感が津波のように襲ってくる。
「ぐっ、もう…出る!」
ドクンドクンとロコンのモノは脈打ち、アブソルの口内に精を放った。
アブソルはそれを味わいながら少しずつ飲み込んでいった。
「ふぅ、美味しかったわ。それじゃ…」
アブソルがロコンを覆う。彼女のふさふさの毛がロコンの体にあたり、ロコンはブルッと震える。
「一つになりましょ」

320 :◆9C83ocean6 :2008/04/08(火) 21:15:03 ID:wHWefwyQ0
アブソルが腰を沈めてくる。アブソルのワレメにロコンのモノが収まろうとした時、アブソルの体がロコンから離れる。
ロコンが後ろ足でアブソルを蹴ったのだ。力は強くないが、アブソルを引き離すには十分の力だった。
「はぁ、はぁ、君はこれでいいのか?…こんな方法で生まれてきた子供は喜ぶと思うか?」
弱弱しい声でロコンは言う。
「だって…貴方は私がしたいって言ってもいつも話を逸らすし…」
「それは…」
「媚薬を飲ませれば変わると思った。でも、何も変わらなかった」
「いや、だから…」
「言い訳なんか聞きたくない!ロコンは所詮そういう雄よ!」
その言葉はロコンの心の深く突き刺さった。力の入らない体が更に重くなった。
アブソルは立ち上がると洞窟の出口に向かい始めた。
「さよなら…」
その声は震えていた。 
ロコンの方には振り向かず、アブソルは外に駆け出した。 
彼女の毛皮を濡らしたのは夜露だけではなかった。それは彼女の瞳からとめどなく出てくるものであった。
ランプの明かりで満たされた部屋に残されたロコンはアブソルの言葉を思い出す。
”いつも話を逸らす””所詮そういう雄よ”
いずれも反論ができない。自分はただアブソルを傷つけたくないがために性行為を避けてきた。
しかし逆にアブソルの心を傷つけてしまった。
ロコンはあることを決心した。


太陽が森を照らし始めたころアブソルは目を覚ました。空は蒼く快晴なのに彼女の心は曇っていた。
”こんな方法で生まれてきた子供が喜ぶと思うか”
そんなロコンの言葉がアブソルに重くのしかかる。確かにそうだ。媚薬を盛ってまで子作りをしようとしたのは間違いだったかもしれない。
(ロコンにひどいこと言っちゃった…私たちもうだめかな…)
最愛のポケモンとこんな形で別れることは耐え難いものであった。
(今からロコンに謝りにいこう…許してもらえるか分からないけど)
アブソルは立ち上がり、走り出した。顔にはまだ泣き跡が残っていたが今はそんなものどうでもよかった。


ロコンの住処には何度も行ったことはあるがさすがに30分以上も走ると息が上がり、汗が体中から滲み出てしまう。
アブソルは今、ロコンの住処である洞穴の目の前まで来ている。
空気を胸いっぱいに吸って呼吸を整え、洞穴に向かってロコンを呼ぶ。
しかし彼からの返事は聞こえなかった。耳を澄ませば彼の寝息が聞こえた。
寝ているロコンを驚かそう、そう思ったアブソルは足音を忍ばせて洞穴へと入っていった。
ソロリソロリと進んでいくと、昨夜ロコンと喧嘩した部屋から寝息が聞こえてくる。
(昨日はごめん…昨日はごめん…昨日はごめん…よし!)
アブソルは自分が言おうとしていることを心の中で何度も暗唱すると部屋に入る準備をする。
(1…2の…3!)
「ロコ…ン…」
アブソルは目に映る光景が信じられず言葉を失った。
九つに分かれた尾、金色に輝く身体、そこにはロコンとは違うポケモンが気持ちよさそうに寝息を立てていた。
驚きのあまりその場に座り込んでしまう。すると気配を感じたのかそのポケモンは目を覚ました。
「あ…アブソル、おはよう」
今このポケモンは自分の名を言った。自分はこのポケモンとは面識がないのにどういうことだ。
そんなことを考えているとその見知らぬポケモンは微笑を浮かべこう言った。
「俺だよ、ロコン。キュウコンに進化したんだ」
にわかには信じがたい話だった。
唖然としているアブソルの顔へ不意にキュウコンの顔が近づき、そしてーーー互いの唇が触れ合った。
「昨日はごめん…俺、アブソルに傷ついて欲しくなかったんだ。だから…その…性行為を避けていたんだ」
キョトンとするアブソルへさらにキュウコンは続ける。
「でも今は違う。アブソルの望むことをしようと思う。キュウコンに進化したのは俺は変わったぞってアブソルに示したかったんだ」
「……ありがとうロコン。私も媚薬なんかに頼って…ごめんなさい」
昨日のとは違う涙が出てくる。よかった。ロコンはまだ私を好きでいてくれる。
「今はキュウコンなんだけど」
キュウコンが笑う。
「ふふ、ごめんなさい」
つられてアブソルも笑う。
進化してしまったがあのロコンのままだ。アブソルの胸は幸せで一杯だった。
「じゃあ、朝からだけどする?それとも夜になってから?」
「キュウコンの気が変わらないうちにお願い」
「…わかった」
二匹の唇は再び重なり合った。今度はさっきよりも深く…

321 :◆9C83ocean6 :2008/04/08(火) 21:17:18 ID:wHWefwyQ0
キュウコンは藁のベッドにアブソルを仰向けに押し倒した。
「昨日はやられっぱなしだったけど今日は違うよ」
アブソルの白い体毛に隠れている胸の突起を見つけるとキュウコンはそれを弄り始める。
最初は優しく、そして徐々に激しく。
「あぅ…く…」
目を瞑りキュウコンの愛撫を受け入れるアブソル。 
胸の突起に何か生温かいものが触れたかと思うとアブソルの体中に快感が走る。
「ひゃあっ…!」
キュウコンの舌が胸の突起を丁寧に舐め上げていく。 
「ん!キュウ…コン…下も…お願い…」
下半身に感じる妙な感覚に耐え切れなくなったアブソルはキュウコンに弄って欲しいと頼む。
キュウコンはコクリと頷くと、右手をアブソルのワレメへともっていく。
軽く触れただけなのに多量の愛液が指に絡まる。そのまま指を彼女の中へと入れていく。
「ふぁああ…」
キュウコンはそのまま指を出し入れする。最初は彼女を気遣いゆっくりと出し入れをする。
「あ、はぁ・・・ん、ああっ」
そして徐々にペースを上げていく。それにあわせて彼女が出す愛液の量も増えてくる。
「やぁっ…あ、ああっ!あっ!だ、だめっ!あああっ!」
アブソルの激しい喘ぎ声。ワレメはヒクヒクと痙攣し彼女の絶頂が近いことを知らせていた。
キュウコンはクチュクチュと音が出るほど激しく指で中をかき回す。
「はっ、あっ、だ、だめっ!やぁっ…あ、ああっ!」
アブソルが一際大きく震えたかと思うと一気に大量の愛液がワレメから湧き出る。
「はぁ、はぁ、はぁ…」
激しい行為の後でアブソルの息は上がっていた。
「大丈夫か?」
「はぁ…大丈夫よ。それより…」
「ああ、分かってる」
キュウコンはすでに大きくなった自分のモノをアブソルのワレメにあてる。
「痛かったら我慢するなよ」
「うん…」
腰に力をいれアブソルの中にモノを沈めていく。
「あっ…痛…」
下半身の痛みにアブソルの表情が歪む。
キュウコンのモノはまだ半分くらいしか入っていない。 
「抜くか?」
「大…丈夫…全部入れて…」
アブソルの泣きそうな声を聞くとキュウコンは無言で頷き、腰に更なる力を込めた
「くっ…アブソル、繋がったよ」
「はうっ…動いて…」
「ああ、わかった」
キュウコンの腰が前後に動き出す。アブソルのことを思い、ゆっくり動いていたのだが、
「やぁっ…あ、ああっ!は、激しいよ!キュウコン!」
互いの敏感な部分が擦れあう度に生ずる快感でいつの間にかアブソルを激しく突いていた。
スピードを抑えようとしても体中に走る快感のせいでできない。
「ア、アブソル、で…でる!」
「あ、ああっ…あ、あうっ!きて…なかに!」
先に達したのはアブソルの方だった。遅れてキュウコンが絶頂を迎える。
二匹の結合部からは入りきらなかった白濁液が愛液と混ざりはみでていた。
「キュウコン、ごめんね。媚薬なんか飲ませて…」
「いや、こっちこそ。君の心を傷つけてしまって…これからも一緒にいてくれるかい?」
「うん。これからもよろしく」
  
 
 
3ヵ月後…
キュウコンとアブソルは何かを見つめている。それは卵であった。
「生まれてくるのはロコンかな?」
そう言うのは父親のキュウコン。
「あら、アブソルに決まってるわ」
自信満々に母親のアブソルは言う。  
しかし二匹はどちらが生まれてきてもがっかりはしない。
例え違うポケモンが生まれてきてもその子は二匹の愛の証。
きっとこの家庭は幸せになるだろう。
そんな時、卵に亀裂が入った。 


end 

322 :九十九:2008/04/08(火) 22:01:40 ID:JxgISeEw0
>>318-321
うおっ!何といういい小説!!海様ありがとうございます。

323 :BmB:2008/04/08(火) 22:30:21 ID:64+BCBog0
パウスさん はじめまして  story1からよませていただきました。 つづきたのしみにしてます。       海さん はじめまして これからもたのしみにしてます。

324 :パウス ◆EvJGalaxy2 :2008/04/08(火) 22:39:46 ID:Da/xuh6w0
>>318-321
っはぁ、よかったぁ・・・・仲直りして。
一度分かれてしまった後には、一層深い愛が出来たという訳ですね。
それにしてもアブソルは積極的でよk(ry
とても良い小説でした!!

>>323
BmBさん、sageってsageって。メール欄にsageと入力ですよ。
続きを楽しみにしてくださるとは、ありがとうございます。
story1の文章力の酷さをご覧になったのですね。恥ずかしいような嬉しいような・・・・・・
嘘です!嬉しいです!とっても!!


325 :七夜:2008/04/09(水) 18:17:52 ID:KIXlGxJg0
どうもお久しぶりです。
いきなりで勝手ですが、ぶっきらぼうだけど優しいバクフーン♂が主人公の小説を…誰か…っ!!

326 :九十九:2008/04/09(水) 18:51:20 ID:grWG3lEY0
>>七夜様
バクフーンは無理かもしれませんが今時分が書いている小説にマグマラシは出てきます。
それじゃあ・・・駄目ですよね・・・やっぱり。

327 :九十九:2008/04/09(水) 19:16:09 ID:grWG3lEY0
一応続きを書いたので載せておきます。



~一章第四幕~
「僕も同じような夢を見たんだっ」
洗い物を再開して、4匹分の皿を洗い終えたあと、それを綺麗に拭いて食器棚に戻した後。レモンが口を開いてそういった。
「オイラもそんなよーな夢なら見たぜ。全然わかんない夢だったけど」
シロップが学校に行く準備をしながらぼそりと呟く。
「私もみんなと同じような夢を見ましたよ。」
レモンの片づけを手伝いながらミントも他の二人と同じようなことを口走る。ライチはしばらく黙っていたが、不思議そうな顔をして全員に話しかける。
「変だね?みんながみんな同じ夢を見るなんて。・・・これじゃあ夢じゃなくてテレパシーみたいだよね・・・」
ライチの言葉をしばらく考えていた三匹だがふと壁に掛けられた木製の柱時計に目をやると・・・かなり時間が迫っていることに気がついた。
「まずい!!のんきに話してる場合じゃないよ!!早く支度しなくちゃ!!」
レモンが叫ぶと全員が慌てて支度をし、しっかりと戸締りもせずに自分達の家から飛び出してわき見もせずに学校まで走って言った。






4匹が学校に着くころには授業が始まるまさに5分前ぐらいで、転がり込むように教室に入り、自分の席に着くころにはチャイムが鳴り終わっていた。
「めずらしいな。お前達がこんなギリギリに来るとはな・・・寝坊でもしたか?」
キンウ先生が笑いながらそういって、教室にいるポケモン達からも小さな笑い声が漏れる。
「「「「遅れそうになってすいません」」」」
4匹が同時に返事をする。キンウ先生は一瞬きょとんとしてから
「・・・んー、まぁいい。授業を始めるぞ。」
キンウ先生が黒板に長々と文字の羅列を書いていく、ライチ達はそんなことを気にも留めずに今朝全員が見た"夢"のようなものについてひそひそと話をしていた。
「結局あの夢って何なんだ?」
シロップが話を切り出す。レモンは一瞬思案顔をすると言葉を返した。
「んー・・・それ以前に、あれって本当に夢だったのかなっ?」
レモンはさらにこう続けた。
「なんだか夢って感じじゃなかった気がするんだ。まるで本当にあの場にいるみたいな感覚だったような気がするんだ。何ていうのかな・・・精神体だけがそこにあるって感じかな?うーん、自分でもよくわかんないやっ」
レモンはこめかみの辺りをぽりぽりとかくとえへへっと笑った。
「(精神体・・・)」
レモンの言葉をライチは自分なりに考えてみた。レモンはよく分からないといっているが大体表現はあっていた。あれを夢とたとえるには少々不可思議な点がいくつも見つかる。
なぜ全員が同じ夢を見たのか。なぜ村の学校なのか。謎の声の主がいっていた願いとは何なのか・・・そしてあの夢のような空間の中で感じた風の音。しっかりと踏みつけている学校の廊下の床の感触。
どれもまるでいま自分がここにいるかのように感じたあの感じは夢という一言で片付けるにはあまりにも滑稽でお間抜けだ。ライチがいろいろと考えをめぐらせているとミントが蔓でライチを小突いた。
「ライチ、キンウ先生がこっちを見ていますよ、ノートを開いて教科書を読むフリでもしておかないと当てられますよ?」
「えっ?・・・!!あっ・・・」
ミントに小突かれてライチはキンウ先生のほうを見ると、あきらかにこちらを見ていた。というかライチだけをじっと見ているようだ。慌てて鞄の中から教科書とノートを引っ張り出すと、適当にページを開いて机の上に置いておいた。
「・・・ちゃんと授業中はノートを開くように。わかったかライチ?」
キンウ先生が名指しでライチの名前を呼ぶ。ライチは顔を真っ赤にしてうずくまり、周りのポケモンたちからはくすくすという笑い声が聞こえた。
「うぅぅ・・・」
ライチは恥ずかしくてその時間中ずっと俯いたまま黙りこくっていた。

328 :九十九:2008/04/09(水) 19:18:23 ID:grWG3lEY0
結局のところ・・・あの夢みたいな空間はオイラ達に何を伝えようとしたんだろうな・・・自分で言ってて理解できなくなってきた。あー頭痛い・・・」
お昼休みの時間に全員は夢のようなあの出来事について自分達の考えたことを吐露していた。シロップは自分がいった言葉が難しすぎて頭を抱える。
「伝える・・・というよりは助けを求めていたっていったほうが正しいかもしれないねっ」
レモンがシロップの疑問に付け加えるように口を開く。レモンのいった言葉を思案してミントが三匹に聞こえる声でいう。
「助けを求めていたのなら・・・どうして私達に助けを求めたんでしょうねぇ・・・」
ミントが考えるように頭を抱えて「うーん」と唸っている横で、ライチが自分の考えを口に出す。
「僕達に助けを求めているってことは・・・僕達にしか助けることができないってことなのかな?うぅぅ・・・よくわかんないや」
ライチも頭を抱えて唸りだす。全員の考えがあいまいすぎて八方塞状態のとき、レモンが口を開いた。
「とりあえず・・・夕方になれば分かるんじゃないかな?夢かどうか・・・だからあまりこのことは考えないでおこうよ。頭痛くなるしねっ♪」
レモンの言葉に三匹が頷き、自分の席に戻って夕方になるのを待つことにした。しばらくすると授業開始のチャイムが鳴り響き、キンウ先生が教室に入ってきた。
「よし、みんなそろってるな?午後はぽかぽかするからうとうとして眠らないようにしろよ、そこの4匹・・・」
教団に上がり、すでにうとうとし始めたライチ達を起こすように喋った。名指しで呼ばれて4匹はびくりとして姿勢を正して前を向いた。
「よしっ。授業を始める・・・教科書を開いて」
キンウ先生の言葉とともに教室にいるポケモン達が一斉に教科書を開く・・・ライチ達も教科書を開き、視界いっぱいに飛び込んでくる文字の羅列を目に焼き付ける。キンウ先生は喋りながら午前中と同じように黒板につらつらと文字を書いていく。







「・・・というわけで。コイキングのようなポケモンの中にも稀に突然変異を起こして本来なら覚えないような技を覚えるということだ。・・・おや、もうこんな時間か」
キンウ先生が教室の壁に掛けられた時計にちらりと目をやる。その仕草と同時に終了を告げるチャイムが鳴り響いた。
「おっと、終わってしまったな。よし!今日はここまで。みんな早めに帰るように!」
キンウ先生がそういうと、全員が自分の鞄に教科書を詰め込んでいそいそと教室を出て行った。ライチ達は鞄を持って外を見た、昨日と変わらない美しい黄昏が輝いている。
「・・・もう夕方かぁ・・・」
レモンは感慨深げに言葉を吐くと窓の外できらきらと輝く黄昏を見つめた。
「結局何にもなかったなぁ・・・やっぱり夢だったんだよ。」
少し残念そうにシロップが呟く。そんなシロップを見てミントはこういった。
「何にもないほうがいいと思いますよ。本当に何かあったら嫌ですから。」
ライチはそんな2匹を見て小さく
「二匹とも本当に仲がいいなぁ・・・」
と、呟いた。4匹が動かないのを見ていたキンウ先生が警告のように告げる。
「おーい、早く帰らないと教室に閉じ込められるぞ。」
それを聞いた4匹は椅子から立ち上がるとゆっくりとした動作で教室から出て行った・・・それを遠巻きに見送る形となったキンウ先生がぼそりと呟く。
「あの子達・・・どうしたんだ?今日は居眠りもせずにずっと外を見てたけど。」

329 :九十九:2008/04/09(水) 19:19:08 ID:grWG3lEY0
「いやー、考えるだけ無駄だったねっ♪早く帰ってあそぼっか♪」
レモンが明るい声で言葉を紡ぐとシロップが笑いながら言葉を返す。
「そうだなー。今日はいろいろ考えすぎて疲れちゃったからその分体を動かしたい気分だよ。」
それを利いたミントが呆れ調で言葉を紡ぐ。
「何いってるんですか。シロップは頭がこんがらがるって言って殆ど会話に参加してなかったじゃないですか。」
ミントにずばりと指摘されるとシロップはぺろりと舌を出して
「ははははは・・・バレた?」
などと笑って返した。ミントはそんなシロップを見て呆れながらも
「でも・・・シロップのそういう所・・・私は大好きですよ?」
とほんのりと顔を赤らめていった。ミントらしかぬ言葉にシロップはどぎまぎしながら
「えっ?・・・そっ・・・そっか・・・あー・・・ありがとな・・・」
とギクシャクした言葉を返した。そんな初々しい二人を見てレモンはいつものニコニコ顔を少しだけニヤニヤ顔に変えて
「やるじゃん♪ミントっ♪」
とミントを小突いた。ミントは顔を真っ赤にしてぷくっとむくれると
「かっ・・・からかわないで下さいよっ!・・・もぅ・・・」
などといってそっぽを向く。その中でいまいち空気が読み取れないライチは三匹に聞こえるように大きな声で
「シロップが運動不足ならさ、今から走って帰ろうよ。たれが一番早く着くか競争しない?」
と、何とも空気を読んでない発言をした。シロップがライチの言葉に反応すると
「えっ?・・・あぁ!!そうだな!!競争しようぜ!!」
といって。ぎくしゃくとミントの傍から離れた。それを見たレモンは深いため息をつき
「あぁ・・・ライチもシロップと同じくらいDQNだったんだ・・・忘れてた・・・」
などと失礼な発言をした。ライチはそのことにまったく気付いておらずレモンとミントに
「走るよ?もたもたしてると置いてくよー」
とのんきに告げた。レモンはもう一度深くため息をつくと、ライチたちに聞こえないような小さい声で
「・・・まぁ、ライチのそういう所・・・嫌いじゃ・・・ないけどね」
と呟いた。レモンが横に加わったことを確認すると大きく息を吸い込むと
「いくよー!!よーい・・・」
全員が走り出そうと構える。ライチがドン!といおうとしたその時、頭の中に声が響き渡った。


我等の声を聞きし者達よ・・・
「・・・!!」
ライチが黙ったまま立っていると流石に不可思議に思い、シロップたちがそれぞれ声をかける。
「ライチ?どうしたんだよ?」
「お腹でも痛いの?」
「何とかいってください」
ライチは仲間達の声をまったく聞いていなかった。夢に聞こえたあの声、あの言葉が鮮烈に頭の中に響き渡る。


我等の声を聞きし者達よ・・・我等を永久の眠りから覚ます者達よ・・・
大いなる光を持つものたちよ・・・久遠の彼方へ飛び立つ希望たちよ・・・
どうかどうか・・・我等の願いを聞き届けてくれまいか・・・
我等の声に耳を傾けてくれないか・・・


夢の中では聞き取れなかった部分が頭の中に直接叩き込まれる。気がつくとライチは正面玄関から左右に広がる長い長い廊下に引き返し、左の奥にある倉庫用の部屋へと一歩ずつ歩き出した・・・
「ライチっ!?どうしたんだよ!!戻ってこいって!!」
「どこへ行くんですか!!ライチ!!」
「待って!!止まってライチ!!」
シロップたちが止めようと必死に声をかける。もちろんライチは止まることなくどんどん先へ進んでゆく。ライチの様子が普通ではないと思ったレモンは。
「追いかけよう!!何か嫌な予感がするんだ!!」
シロップとミントは頷くと、ライチを追いかけていった。
ライチが倉庫用の部屋に辿り着き・・・その場から微動だにせず立っているのを見て、レモンたちが駆け寄って声をかける。
「ライチ!!どうしちゃったのさっ!!」
「寝てるのかよ!?だったら起きろって!!おーーーーーい!!」
「ライチ!!聞こえないんですか!?」
それぞれが耳元で呼びかけるがライチは聞こえたような気配もなく何かを呟いた。
「大いなる勇気・・・全能なる愛・・・溢れる知識・・・そして・・・輝く・・・希望・・・僕は・・・勇気・・・大いなる・・・"勇気"・・・」
熱に浮かされたようにぶつぶつと呟きながら、ライチは部屋の扉を開け、吸い込まれるように中へと消えていった・・・
「「「ライチっ!!!!!!」」」
シロップ達が後を追うように次々と扉へ飛び込んでゆく。そしてレモンが最後に入り込むのと同時に扉が勢いよく閉まると、ガチャリという錠がかかる音とともに何事もなかったかのように廊下は再び静けさを取り戻した・・・

330 :九十九:2008/04/09(水) 19:23:02 ID:grWG3lEY0
ええっと・・・こんな感じで第四幕は終了です。あまりにもぶっ飛んだ内容になってきましたが、
それは私の文章力がショボイということで一つ多めに見てください。
続きを期待してくれた人・・・ありがとうございました。

331 :◆9C83ocean6 :2008/04/09(水) 20:33:54 ID:vLH6ahC+0
九十九様>
感想ありがとうございます。
貴方の小説、続きに期待してます。これからもがんばってください。
 
BmB様>
はじめまして。文章力のない小説でしたが読んで頂きありがとうございました。

パウス様>
こんなアブソルいいなぁと思いながら書きました。
感想ありがとうございます。









332 :九十九:2008/04/09(水) 20:54:57 ID:grWG3lEY0
>>海様
ありがとうごさいます。私の駄文のような小説を呼んでいただいて感謝感激雨あられです。


333 :BmB:2008/04/09(水) 21:40:26 ID:l/CjePIg0
九十九さん 扉のむこうになにがあるかきになります。  つづきたのしみにしてます。

334 :九十九:2008/04/09(水) 22:09:01 ID:grWG3lEY0
>>BmBさん
何があるかちょっと想像してみてください。
意外とすごいことになるかもしれません。

335 :蒼空:2008/04/09(水) 23:15:38 ID:+QUftbVQ0
はじめまして。 小説を読んでて自分でも書きたくなり、ネタが思いついたため投稿してみました。
エロはまだ先になると思いますが気長に待ってくれると嬉しいです。

タイトル 二つの月の物語

01 観察

人間なんて汚い……。

自分の都合通りに成らなければ何の躊躇いも無く捨てる。

進化する前はあんなに可愛がってくれたのに……。


僕は一軒の家をじっと見ていた。
別に『僕』と言ったけど雄じゃない。これでもちゃんと雌だ。
雄に間違われた事は良く有るけど……。

僕の種族はエーフィ。エスパーでも上位の能力は持ってる方……だと思う。
エーフィに進化してからは間違われるのは少なくはなった。
まあ……エーフィは雌のイメージの方が強いかららしいけど……。
でも、僕のイメージでは自分の事を『僕』って言うエーフィは想像できない。
僕は他のエーフィは見た事無いから良く知らなし自分が『僕』って言ってるけど……。
僕的には『私』って言うのが似合いそうだと思う。
そんな事はどうでも良いや。他のエーフィがどうだろうと僕は僕だし。

何で僕が家を見てるかというと……。
生まれたときから人間に育てられたから狩の方法を僕は知らない。
だから、僕は人間に捨てられてからは空き巣をして生活していた。
そして……今回はこの家が標的って訳。

今日食料を手に入れなきゃ明日も飯が無い。当然の事だ。
流石に腹が減った……。何としても成功させなければ。

「良し! じゃあオレは学校にいって来るから留守番は頼んだぞ」
「うん。いってらっしゃい御主人様」

ターゲットは外出! 手持ちに五匹のポケモンを持ったから……今はあのブラッキーだけかな?
まさか七匹以上のポケモンがいたら手持ちを五匹で外出なんてしないだろうし。
今が侵入のチャンス! ミッションスタート。



02 侵入

僕は人間が出かけたのを確認すると窓の開いた二階から家に侵入する。
まったく。ブラッキーが居るからって不用心すぎるね。
食料を目指し、一階の台所まで忍び足で降りて行く。
ブラッキーは……リビングでテレビを見てる。
本当に不用心だよ……。留守番として役にたってないし……。
このまま食料を盗んでさっさと逃げようかな。
僕はブラッキーに気付かれないように慎重に進んだ。
そして目も前には台所が見えて来た!
今回は楽勝なミッションだね!
そして僕は台所に一歩足を踏み込んだ。

ジリリリリリリィィィ!!!!!

大きな警報音が家中に響き渡る。
なんで台所になんて警報機が有るの? 普通は玄関でしょ!
流石にブラッキーも台所に飛んで来る。

「お前! そこで何をしている!」
「食料泥棒だけど見て解んない?」

僕は当然の答えを言ってみる。
ブラッキーが怒鳴ってくる。まあ当たり前か……。
残念ながら台所への道は一本しかなくブラッキーが塞いでる。
僕は辺りを見渡すけれど逃げられそうな場所は固く閉ざされた窓だけかな。
窓を突き破って逃げるのもやだな……。痛そうだし……。
僕は野生だから怪我はしたくないし。

「まさか御主人様が付けといた摘み食い用のトラップに引っかかるのがいるなんて……」
「で……僕をどうするつもり」

僕はタイプ的に勝てないと思い抵抗しない。
否……抵抗しても僕に勝ち目は無いかな……。
だって僕にはエーフィとしては向いてなかったから……。

336 :パウス ◆EvJGalaxy2 :2008/04/10(木) 18:25:03 ID:CniktE0Y0
>>335
何回かに分けて投稿した方がいいと思いますよ。
でもこの後の展開に期待!


逃亡者 〜story9〜 ―信頼と願い―

遥か遠くから意識が戻ってきたのは、私が気絶してから一日経った昼ごろだった。
暗い、でも気が楽だった洞窟の天井ではなく、最初に目に入ってきたのは木の天井。
あぁそうか、私はグランスに連れ戻されたんだ。昨日の夜の出来事が悪夢のように脳裏に浮かび、いっそのこと本当に悪夢で終わらしたかった。
ガレナは大丈夫だろうか、と、自分もとんでもないことになっているのにそっちの方を先に考えてしまった。
今グランスは居るだろうか。居ないならばすぐにでも逃げ出して―――
そんな淡い希望は、体を起こしてすぐに打ち破られることになる。

「やっと起きたか。そんなに強く殴ったつもりはないんだがな。」
次々と木の実を口の中に放り込むグランスが、私の弱さを知っているくせに手加減したなどと嫌味を吹いた。
出来ることならその体に火をつけて散々暴れまわらせた挙句、川の中にでも蹴り飛ばしてやりたい。
だが落ち葉にも付かない程の私の弱い炎では到底叶うはずも無かった。昨日は自分の無力さを痛感し、今日は自分の無力さを呪う。
目の前に朝食である木の実が置いてあったが、グランスが採ってきたものなど口に入れたくない。
どうせならガレナに焼いてもらってから……、もうこんな妄想をしてしまうほどガレナが恋しい。
体は昔から私より小さかったが、根性やなかなか表に出さなかった優しさは誰よりも大きかった。
私が何か危ない時には、何だかんだ言っていつもガレナが助けてれていた。
だから今回もきっと、私を助けてくれる。この窮地から救ってくれる。
それが今私の中に、唯一つある希望だ。
他の森のポケモン達はグランスの本性、目的を知らない。だから守護者である彼に逆らうはずも無い。




337 :パウス ◆EvJGalaxy2 :2008/04/10(木) 18:25:37 ID:CniktE0Y0
十数個あったであろう木の実をぺろりとたいらげ、口周りを腕で拭きながらグランスは笑った。
「このことは誰にも言わない方がいいぞ。命が惜しいならな。もっとも、誰もお前の言う事なんか信じないだろうけどな。」
確かに、このことを誰かに言ったところで何を証拠に信じろというのだろう。
グランスは他のポケモン達には、森とそこに住む者達を守っていると完全に信じ込ませているのだ。
それが本当は芝居だったということは私しか知らない。
自分の事を守ってくれる者とただ何もしない者、どちらを信じるかなど考えるまでもないことだった。

一度絶望すると、他のこともマイナス的に考えてしまう。
ガレナを好きにする、と私が気絶する寸前に言っていたペルシアンのことを思い出した。
もしかしたらガレナも絶体絶命の窮地に陥れられているかもしれない。
私の唯一の希望が、どす黒い絶望の色へと徐々に染められていく気がして、胸騒ぎが抑えられなかった。
「お前の罰はまた後で実行する。すぐにやってしまっては楽しみがなくなるからな。今のうちに覚悟しておけ。」
どうやらグランスは秘密を知って逃げ出した私に、何か罰を与えるつもりらしい。

どうして私はこんな目に遭っているのだろうか。
ただ普通に暮らしていて、仲の良い友と喧嘩して、人間に捕まって、捨てられて……
もう嫌だ、私は何も悪いことなんかした覚えが無いのに。
もう疲れてきた。いっそのこと自分の手で命を絶とうか、と一瞬頭を過ぎった私は莫迦だ。ガレナだって苦しんでいるのに私だけ逃げようだなんて。
今、私に出来ることは彼を信じること。

私は絶望なんかに支配されない。
ガレナを信じながら、心の中で強く、強く願った。
―――ガレナ…………お願い、無事でいて……。


338 :BmB:2008/04/10(木) 18:43:26 ID:hjiQkiv60
パウスさん このあと罰からのがれれるのでしょうか、つづきたのしみにしてます。

339 :九十九:2008/04/10(木) 18:47:01 ID:Lga+mpSQ0
>>376-377
わお!!パウスさんの続きですね。楽しみにしてました。

がんばってください。

340 :九十九:2008/04/10(木) 19:56:11 ID:Lga+mpSQ0
>>336-337
ごめんなさい!!間違えました。

341 :ジャンク:2008/04/10(木) 20:17:38 ID:TLY7leQ+0
パウスさんおうえんしてまーす

342 :ジャンク:2008/04/10(木) 20:19:40 ID:TLY7leQ+0
すみません間違いました

343 :ジャンク:2008/04/10(木) 20:25:01 ID:TLY7leQ+0
どうすれば、パウスさんみたいにうまくかけますか

344 :名無し:2008/04/10(木) 20:30:19 ID:TLY7leQ+0
パウスさん頑張って

345 :蒼空:2008/04/10(木) 22:48:23 ID:BcvCb/F60
前回からも続き。

パウスさんコメントありがとうございます!
誰かが期待してくれてると思うと勇気付けられます。

03 名前

そう何故なら僕はエーフィに進化する予定なんて無かった。
僕の性格は意地っ張り。この時点でエーフィに進化させる人間なんていないだろう。
さらに僕は特攻以外の固体値はかなり高い。それは自分でも理解してる。
その代わり僕は特攻の固体値は無いに等しい……。
よって僕はエーフィに向いていない。
そもそも前の人間は僕をブラッキーにするつもりだった。
そのため僕の名前は『ルナ』。
太陽ポケモンにルナなんて皮肉以外の何物でもない。

「まあ良いや……。俺はムーン。悪いけど大人しく捕まってもらう」
「自己紹介ありがとう……。解った。大人しくするよ……」

僕は素直に捕まる事にした。
どうせ抵抗したってどうにもならないし……。

「え? 暴れないの?」
「暴れて欲しかったの?」
「そう言う訳じゃ無いけど……」

ムーンと名乗ったブラッキーは困惑してる。
僕が抵抗すると思ったらしい。互いに無傷せ済めばそれにこした事は無い
そして縄で僕を縛る。

ムーンに変な気は無いみたいだけど縄が胸に食い込んで……。
ちょっと……ほんのちょっと気持ち良いかも……。
って! 僕は何考えてるんだ! 後ちょっとで危ない橋を渡る所だった。

「ところで君……名前は? 何時までも『君』ってもはちょと……」
「僕の名前……」

こいつ僕の名前なんて聞いてきて僕に興味でも有るの?
……でも僕の事ちゃんと雌だって解ってんのかな?

「そう。君の名前」
「僕はルナ。意味は君と同じ月だよ……」

誤魔化しても良かったけど隠しても得なんて無かったから素直に名乗った。

「ふ〜ん。ルナか……良い名前だね」

こいつ本当に僕に興味有るの?
名前を聞いて褒めるのはナンパのお決まりだけど……。

346 ::2008/04/11(金) 02:21:02 ID:l+9gnTH20
初めまして僕は発と申します。
このスレを1から見させてもらってますがみなさんとてもいい小説を書いていますね。
PSPから見ていますがみなさんの作品をとても楽しみにしています。 今は九十九氏の作品を楽しみにしています。
初めてですからこんな敬語っぽく書いています。
これからよろしくお願いします。

347 :BmB:2008/04/11(金) 06:13:06 ID:+qV7lZsc0
発さん はじめまして 同じくPSPからみているひとがいるとわ。

348 :九十九:2008/04/11(金) 17:22:52 ID:XSaOvvA+0
続きを書いたので載せますね。



~一章第五幕~
薄暗い洞窟のような空洞の中で、レモンたちは目を覚ました。
「うっ・・・うぅ・・・あ、あれ?ここは・・・学校じゃあ・・・無い・・・?」
レモンはずきずきと痛む頭を抑えて立ち上がる。飛び込んだときにシロップの甲羅に頭からぶつかったようで酷く頭痛がする。
あたりをきょろきょろ見渡すと傍に他の三匹が倒れているのを見つけ、優しく揺り起こした。
「起きてよ。シロップ、ライチ、ミント」
レモンがゆさゆさと三匹の体を揺さぶる。すると倒れていた三匹がぴくりと動き、ゆっくりと目を開けていく・・・
「うっ!・・・うぅ・・・レモン?・・・どこだ・・・此処」
「・・・うぅーん。あれ?レモン。此処はいったいどこですか?」
シロップとミントが先に起きて周りを確認する。あきらかに知らないところで目が覚めていささか戸惑っているようだった。
「どこだか僕にも分からないんだ。ライチを追いかけて・・・部屋に入ったはずなんだけど・・・」
ライチ、というとミントとシロップが顔を見合わせ、思い出したように慌ててレモンに質問する。
「そうだ!!ライチ!!あいつはどこにいるんだ?」
「急に人が変わったようになってしまったんですが・・・」
二人の質問にレモンはいつもと同じようにゆっくりとした口調で言葉を紡ぎだす。
「ライチなら二匹の傍で倒れてるよ。でも・・・さっきのライチ・・・やっぱり変だよね」
二匹は同時に横を見る。そこには確かにライチが気を失って倒れていた。それを見て二人は安堵の息を漏らす。
「・・・んっ・・・うぅん・・・」
ライチを見ているとライチがもぞもぞと動いてゆっくりと目を開ける。
「・・・ここ・・・は・・・?」
まだ完全に意識が戻っていないのか・・・ぼけっとして辺りを見回しシロップたちの姿を視界に捉える。
「シロップ・・・ミント・・・それに・・・レモンも・・・」
自分達の名前を呼んだことに正気を取り戻したのだと確認したシロップ達は。ライチに抱きついてもみくちゃにした。
「この莫迦野郎!!心配かけさせやがって・・・オイラほんとに心配したんだぞ!!」
「ライチ!!・・・よかったです・・・本当に・・・よかった・・・」
「もうっ・・・ライチの馬鹿ぁ・・・遠くに行かないでよ・・・みんなに心配かけて・・・」
「うひゃあ!!いたたたた・・・あんっ・・・尻尾をつかまないでったらぁ・・・」
三匹にいろいろいわれてライチはすっかり意識を取り戻す。同時に・・・自分がどれだけ友達に愛されているかを知った。
「ごめんね・・・なんか心配かけちゃったみたいで・・・」
ライチが申し訳なさそうに言葉を紡ぐ。すると三匹は首をゆっくりと横に振るとこう言った。
「確かに心配はしたけど・・・無事ならそれでいいよ。」
「いつものライチに戻ってくれて・・・本当によかったです」
「ライチがいないと僕達火が消えたみたいになっちゃうからねっ♪」
それぞれの思いを口々語るのをライチは聞き、頷いたあとに改めて辺りを見回した。
「此処はどこなんだろう・・・僕達は学校にいたはずなんだよね」
ライチの言葉に三匹が頷く。ライチは立ち上がり体についた砂を払うと
「とりあえず出口を探してみようよ・・・ここはなんだか嫌な感じがする・・・あまり長くいないほうがいいよ」
三匹はもう一度頷くと立ち上がり、奥へ向かって歩き出した・・・

349 :九十九:2008/04/11(金) 17:26:11 ID:XSaOvvA+0




「長いなぁ・・・いったい誰なんだ?この洞窟を作った奴は」
しばらく歩いているとシロップが声を上げてそういった。シロップの言葉にミントが返す。
「ポケモンが作ったのではなくて自然にできた洞窟ではないんですか?このぐらいの広さの天然洞窟なら溶岩が流れた後にできたりしますから」
ミントの仮説にシロップが小首を傾げて疑問を口にする。
「溶岩ん!?でもさぁ、この辺に火山なんてあったかなぁ・・・」
シロップの素朴な疑問にミントもふと自分のいったことに疑問を持ち始めた・・・
「あ、そういえばそうですね。この辺りには低い山しかありませんからね、だとしたらいったいこの洞窟はどうやってできたんでしょうね?」
4匹の中では頭の回転や思考力が一番高いミントが首を傾げて?を浮かべているため4匹は益々頭がこんがらがった。
「あまり考えると頭が爆発するよっ♪どうやってできたのかなんてどうでもよくないかなっ♪あはは・・・」
考えるのがめんどくさくなったレモンがけらけら笑いながら話を打ち切るように別の話を紡ぎだした。
「それよりこの洞窟に出口って本当にあるのかなっ?」
レモンが笑いながらいっているが実際は笑っている場合ではない。
しかしレモンは笑って話している。ライチたちの顔色を伺いながら・・・まるで不安をなくすかのように明るく振舞っていた・・・そんなレモンを見てミントは表情を曇らせ心配そうな顔でレモンを見ていた。


レモンは自分のことより他人のことを真っ先に考えるタイプの女の子だった。自分がしたいことや欲しいものなどはまったく言わずに、みんながして欲しいことややりたくないことなどを総出で引き受けていた。
願望などがあってもあまり口にも出さず。ただみんなの言葉に耳を傾けてみんなの意見の中からみんながレモンにして欲しいことを愚痴一つこぼさずにそつなくこなしてきた。
全員分の食事を作ったり、部屋掃除をしたり、作物などの栽培や採取、雑草の除去やベッドシーツの洗濯などを辛いとか苦しいとかなどの言葉一ついわずに笑顔でやっている。そういうところにシロップやライチは気づいていなかったがミントだけは気づいていた。
ミントは不安だった。このまま自分の言いたいことややりたいことを口に出さず心の中に溜め込んでいていつか爆発するのではないか、自分で自分を追い詰めて押しつぶされてしまうのではないかと。


「・・・何あれ?あそこがなんか光ってるよ?」
ライチの言葉で我に返ったミントが前を向くと、右に曲がる道の壁が淡く光っていた。不思議に思っていた四匹だが近づいてみてみることにして、ライチが先頭に、シロップがしんがりになり先へと進んだ。
道を曲がった先でライチたちが見たものは・・・巨大な水晶に閉じ込められた4匹のポケモンだった。七色の光を放つ4つの水晶の中には生きているのか死んでいるのか分からない謎のポケモン達がたたずんでいた
・・・三匹は見たこともない鳥ポケモンだった。一匹は炎のように燃える羽を持ち、一匹は氷華のようにきらきらと輝く美しい羽を持ち、一匹は光る雷のような眩いほどの羽をそれぞれ持ち、まるでお互いの存在を確認するかのように向かい合って立っている。
その真ん中に見たこともないような草タイプのポケモンが眠っていた。三匹の鳥ポケモンよりも小さく薄い羽のようなものを背中に生やし、触覚のようなものが二本頭から生えていた。
「・・・何だよ・・・このポケモン達・・・なんで石の中に入ってるんだ?」
シロップが目を見開いて後ずさりする。ミントが恐ろしいものを見るような瞳で水晶体を見上げる。
「このポケモン達はいったい・・・皆ポケモンなんですよね・・・見たこともない種類です・・・」
一言一言をまるで呪文のように呟いてミントが視線をおろした。レモンは考えるような仕草を見せ、数秒の後に口を開き言葉を紡ぎだす
「もしかして・・・ライチを媒介にして僕達を呼び出したのは・・・このポケモン達・・・?」
レモンがさも当たり前の言葉のように言うと、ライチがぶるっと震えてびくびくしながら言葉を吐き出す。
「やっ・・・やめてよレモン・・・どう考えてもこのポケモン達は死んでるよ・・・死んでるポケモンが僕達に話しかけるなんて・・・」
おかしいよ。そう言葉を吐き出そうと思った瞬間にまた頭の中に声が響く。今度はライチだけでなく、全員に。

350 :九十九:2008/04/11(金) 17:26:52 ID:XSaOvvA+0
・・・・見つけた・・・・
・・・我等の意思を継ぐ者達・・・
4つの希望を持ちし・・・"勇者"達・・・!!!

「「「「!!!???」」」」
そんな言葉が頭の中に流れ込んだ後、突然目の前の水晶体にヒビが入る。
「なっ!?」
「えっ?」
「何が!?」
「・・・っ!!」
その瞬間死んだように動かなかった4匹のポケモンの瞳がくわっと見開かれ、大きく動き出し、水晶体の中から抜け出したと思うと、
赤い鳥ポケモンはライチに、
青い鳥ポケモンはシロップに、
緑の不思議なポケモンはミントに、
そして黄色い鳥ポケモンはレモンにそれぞれ向くと、
・・・勇者達よ・・・我等が願い・・・聞き届けてくれ!!!
と言うとそれぞれの瞳に映ったポケモンの身体に吸い込まれていった・・・
「「「「うわーーーーーーっ!!!!」」」」
身体の中に入り込んだと同時に、ライチ達の意識は深遠の闇へと消えていった・・・

351 :九十九:2008/04/11(金) 17:30:22 ID:XSaOvvA+0
うーん。第五幕はこんな感じなんですけど・・・どうでしょうか?
私のへたくそな分で四匹のポケモンの正体がわかったらすごいですよw
>>発様
ありがとうございます。こんな駄文でも読んでいただいてうれしいです。

352 :ジャンク:2008/04/11(金) 18:38:36 ID:YN5My8ck0
初めまして、 ジャンクと申します。皆さんの小説を読んで、自分も書いてみたくって書き始めます。 それで、パウスさんに、頼みがあります。 パウスさんが書いている無人島の作品に、似てるので、了解をいただきたいのですがよろしいですか

353 :パウス ◆EvJGalaxy2 :2008/04/11(金) 21:04:12 ID:2NMYUC5E0
>>339
楽しみにしてくださっていたとは・・・・・感激です!

>>341-343
応援ありがとうございます!

僕は他人にアドバイス出来るほどの立場ではないので・・・・
僕より上手に書ける方はほかにもたくさんいらっしゃいますよ。

>>334
ありがとうございます!その言葉でどれだけ感動したことか・・・・

>>351
意外な展開になってきましたねぇ。
例え正体は解らなくてもいいのではないでしょうか。その分、そのポケモン達の正体が気になりますしね。

>>352
勿論よろしいですよ。
ここにはたくさんの小説書きさんがいらっしゃるので、多少似てしまうのは仕方の無いことなのですから。
執筆頑張ってください。楽しみにしています。


354 :九十九:2008/04/11(金) 21:49:29 ID:XSaOvvA+0
>>パウスさん
えっ!ちょっ!パウスさんが私の小説見てくれてる!?ありがとうございますっ!!
あー、緊張してきた・・・続き書くのに抵抗が・・・

355 :ジャンク:2008/04/12(土) 00:26:31 ID:/YkLb5mg0
ありがとうございました。今は、眠いので、朝になったら書きます。

356 ::2008/04/12(土) 01:59:07 ID:U7sJnnZ60
学校行っている間に新しいのが・・
今年受験で月曜テストなのにこんな真夜中に書き込みしてもいいのか俺・・・
今日はPCから書き込み
昼はPSPが帰ってこない限りほぼむりかな・・・OTL

九十九氏へ
そんなことはありませんよ
いちよう僕もモンハンの小説(非エロ)書いてるけどなかなかうまくいきませんよ(現在0章目書き終わり)
駄文なのはお互い様ですし・・・

357 :BmB:2008/04/12(土) 05:44:06 ID:71Q+M9e60
九十九さん ぽくも正体わからないほうがきになるのでいいとおもいます。

358 :九十九:2008/04/12(土) 08:11:32 ID:Oe8uEE320
>>356
ありがとうございます。いつかは発さんの小説も見てみたいです。
>>357
いやー、そんなに気になられると帰って正体わかった時の怠惰感とかがww

359 :ジャンク:2008/04/12(土) 12:26:38 ID:/YkLb5mg0
事情がありまして、小説を書くのは夜なってしまいます。
自分の勝手な事情で。すいません 。

360 :エニケス ◆HRQ/TK9HPM :2008/04/12(土) 22:07:54 ID:xyN2Sho+0
はじめまして。
こちらに書き込むのは初めてです。
wikiで活動(?)しているのですが、こっちはこっちで新しい小説を書こうかと・・・
いきなり知らない物語が途中から始まったら白けます・・・よね?

361 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/04/12(土) 22:49:13 ID:bYTIJ9360
書きたい事を書いてると話が長くなってしまいそう……

04 初恋

ナンパなら僕も雄と雌両方に何回かされた事は有る。
気持ち雌からの方が回数が多いけど……。

「俺、ルナみたいに気の強い雄の友達が欲しかったんだよな!」
「……お、雄……」

一瞬期待した僕が馬鹿だった。いや……僕は期待してたの?
ナンパされてこんなに期待した事なんて無かったのに……。
僕はこいつを……ムーンを好きになった……のかな?

「一つ言っておく。僕はこれでも雌なんだけど」
「……え゛。ルナって雌!?」

本気で驚いてる……。こいつ本気で驚いてる。
なんでだろう……。何時もは性別を間違われても何も言わないのにな……。
多分……ううん。……絶対……。僕はムーンが好きになったんだ……。
これを初恋って言うのかな……。

「御免! 俺……凄く失礼な事……言っちゃった……よな?」
「別に気にしないで……。六割は僕を雄って言うから……」

イーブイの頃は九割だったから六割でも減ったほうだ。
と言っても残りの四割だって雄のエーフィを認めたくないからだけど……。
これじゃブラッキーに進化してたら全員に雄って言われたかな……。
雌のブラッキーこそ全然聞かないし。
僕もスタイルさえ良ければ雄に間違われる事無かっただろうに……。
解ってますよ! どうせ僕は貧乳ですよ! でも決して胸が無いわけじゃ無い。
良く見れば解るはずだと思うんだけどな……。

「ところでムーン。僕はこのままどうなるの?」
「……さあ? 取り合えず……御主人様が帰ってくるまでこのままかな」
「……そう。答えてくれてありがとう……」

それにしてもどうしよう。まだ昼前だし。
多分人間が帰ってくるのは部活に入ってるとして五時過ぎくらいかな……。
それまで縄で縛られたまんまってのもな……。
でも……胸に食い込んだ縄が……気持ち良いかも……。
はぁ〜。僕って変態かな……。もう危ない橋は渡ってたか……。

「暴れないんなら縄……解くけど?」
「別に……好きにすれば良いよ」

ムーンが縄を解いてくれるって!? でも、僕は……。
はぁ〜。素直に解いて下さいって言えば良いのに……。
僕は変なところで意地っ張りなんだよな……。

362 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/04/12(土) 22:50:18 ID:bYTIJ9360
05 信頼

僕の言葉にムーンは悩んでるようだ。
多分僕が素直に解いてって言うと思ったのかな……。
僕だって自分の意地っ張りな性格は嫌だと思ってるよ……。
でも……素直になれない。素直になるのが怖い……。
誰かに心を開いて裏切られるが……怖い。
もう、裏切られたくない……。

「じゃあ……好きにさせてもらうよ」

ムーンがそう言うと僕に近づき縄を解く。
何で……。何でこんなにすぐに信用出来るの?
僕には解らない。誰も信じられない僕には……。

「僕は、解いてくれなんて……言ってない……」
「だから……俺の好きにしたんだけど?」

僕は素直にお礼を言いたかったけど……言えなかった。
ムーンなら信用しても良いのかな……。

「なあルナ。一つ質問しても良い」
「何? 答えてあげても良いけど……。答えられればね……」

僕に質問? 一体何だろう?

「そろそろ……お昼だからさ。ルナは何が好き?」
「食べ物なら何でも良い……。三日は何も食べてないし……」
「三日も何も食べてないの!?」
「……そうだけど」

実際、僕に好き嫌いは無い。
まあ……本音を言えば辛いものが好きな方でで渋いものは嫌いな方だけど……。
好んで食べない物を嫌いと言うのなら渋いものは嫌いだ。
ただ、食べれるときに食べないと次に何時食べられるか解らないからね。

「じゃあ……何か適当に木の実を持ってくるよ!」
「うん。任せる」

どうか渋いものを持ってきませんように……。

363 :◆X0li4ODh3w :2008/04/13(日) 00:22:25 ID:w8aANTyg0
>360 いきなり書き込んでも良いらしいですよ、来る者拒まず去る者追わずって感じらしいですし 

364 :ジャンク:2008/04/13(日) 00:22:31 ID:IREetAi60
先程、用事が、済みました。昨日、書くハズだったのに書けなくて、御免なさい、今日の朝になったら、書けたら必ず書きます。

365 :◆l53eGZU1tg :2008/04/13(日) 00:59:42 ID:aRM7qha60
トリップをつけてみました。
うまくつけられているかな?
平日は多分これないと思いますOTL

九十九氏へ
ブログを作っているのでそこに今作っている小説を載せてみたいと思うので、
よかったら見てみてください。
よかったらほかの人でも見てみてください。

http://futa0812.blog118.fc2.com/

366 :BmB:2008/04/13(日) 03:35:22 ID:vw4pBguE0
蒼空さん はじめまして つづきたのしみにしてます。  がんばってください。

367 :九十九:2008/04/13(日) 08:22:25 ID:KiisY9N20
>>365
発さん語丁寧にありがとうございます。時間があったらよってみますね。

368 :九十九:2008/04/13(日) 08:25:48 ID:KiisY9N20
続きを書いたので載せますね。



~一章第六幕~
風の音がひゅうひゅうと聞こえて、ライチは闇の中に消えた意識を少しずつ頭の中に戻していった。
「・・・っ・・・うぅん・・・あ、あれ?確か僕達は・・・気を失って・・・」
目を覚ましてきょろきょろと辺りを見回す。目の前にあった水晶体は粉々に砕け散り、その傍らにはレモンたちが倒れていた。
「・・・気を失って・・・それで・・・」
「(目が覚めたか・・・勇気を司る者よ・・・)」
いきなり頭の中に声が響き渡り、ライチはびっくりしてその場に倒れこんだ・・・砂埃が肺の中に入り・・・大きく咽こんでから辺りをきょろきょろと見回して声がどこから聞こえたのかを確認しようとする。
「うわぁ!声が・・・声が聞こえたっ!!誰?誰かいるの?」
ライチはどこかに隠れているのかと思い隠れられそうな場所なども見つめてみたが誰かがいるような気配はまったく見受けられなかった。
「(私を探そうとしているのか?だとしたらいくら探しても私の姿は見ることはできないぞ。私は精神体・・・つまり今お前の精神の中にいるのだからな・・・)」
「セイシン?分けわかんないこと言っていないで出てきなよぅ!僕怒るよ!?」
ライチは謎の声が言った言葉に耳を傾けることもせずにあたりを見回し続けている。声の主は呆れるような口調でライチに再度語りかける。
「(わたしの言ったことの半分も理解できていないのか?まったく・・・なぜこんな幼稚な子供が勇気を司る心を持っているのだ・・・)」
少し小ばかにしたような口調でさげすむように言うとライチはむっとなって天井に向かって怒鳴った。
「僕は子供じゃない!!これでも十七歳だ!!大体僕にはライチって名前があるんだい!!」
言わなくてもいいことをぺらぺらと喋った後にぜいぜいと肩で息をする。声は少しだけくっくっと笑った後に、先ほどとは違う柔らかい口調でライチに話しかけた。
「(ようやく私の声に耳を傾けてくれたな。ライチ・レイシ君・・・)」
「!!・・・なんでぼくの本名知っているんですか?あなたは・・・」
いきなりフルネームで自分を呼ばれてライチは少なからず動揺した。声は自分のいった言葉にさらに付け加えるように言葉を重ねた。
「(どうやら私の言葉を聞く気になったようだね。先程言ったようにわたしは精神体・・・私は君の精神の中に入っているんだよ?ライチ。君の中の情報も私に入ってくるのだよ・・・疑うかな?)」
自分が十七年間生きた証が得体の知れない声の主に筒抜けになっていることがライチをさらに動揺させた。ライチは舌っ足らずな口調で矢継ぎ早に心の中を暴露した。
「えええええええぇぇぇぇぇぇ!!?何だよぅ!?それ覗きと同じじゃないか!!出て行って!!僕の心の中から出て行ってよぅ・・・」
ライチが目に涙を浮かべそうになったとき、声は残念そうにライチに向かって
「(ライチ・・・私は精神体なのだよ。君が死なない限り・・・私達の使命が達成されない限り・・・私が君の心から出ることできない・・・)」
「そんなの知らない!!!!!使命とか僕には関係ない!!!!!今すぐ僕の心から・・・でていってよ!!!!!!・・・うっ・・・うぅぅ・・・っく・・・ひっく・・・」
ライチの目から大粒の涙がぽろぽろと零れ落ちる・・・そして声を上げて泣き始めた。

369 :九十九:2008/04/13(日) 08:29:32 ID:KiisY9N20







「うわぁぁぁぁぁぁん!!!!!うっううぅぅぅぅぅっ!!!!!うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
ライチの大きな泣き声が洞窟内に響き渡り、その音にびっくりしたレモン達が目を覚まして何事かと辺りを見回した。
「ライチ!?また泣いてんのかよ!!よーしよしよし、怖くない怖くない・・・」
「ふっ・・・ふぇぇぇっ・・・シロップぅ・・・」
シロップがライチを抱き寄せて背中を優しく撫でる。ライチはまだ泣いていたが少なくとも大声で泣くようなことはしなかった。
「ライチどうしたの?怖いことでもあったの?」
「私達がついていますから・・・泣かないで下さい・・・」
レモンとミントが心配そうに声をかける。シロップの胸の中でぐずぐずと泣きながらライチは申し訳ない程度に頷いた。そしてシロップから離れるとゆっくりと語りだした
「あのね・・・ぐすっ・・・あのね・・・」
それからライチの語りだしたことをシロップたちは真剣に聞き入っていた。水晶体のポケモンがライチの身体の中に入っていること、それが自分の中から出すことが不可能なこと
・・・全て話し終わった後ライチはすっかり泣き止んでいた。
「なるほど・・・その謎の声が頭から離れなくってパニックになって泣き出しちゃったってわけか・・・」
シロップは最後まで聞くともう一度ライチを抱きしめて耳元で優しく囁いた。
「ごめんな・・・お前がパニックになってることも知らないでずうっと気絶してたなんて・・・オイラは最低だよ・・・せめてライチを抱きしめて慰めてあげることしかオイラにはできないけど
・・・それでも・・・ライチの気持ちが落ち着くまでずっとこうしていてあげるから・・・もう泣かないでくれよ・・・なっ」
柔らかい腕の感触に顔をほんのりと赤らめてライチは無言で頷いた。
「そっか・・・よかった。それで・・・その謎の声の主とやらはいないのか?」
ライチの心の中に話しかけるようにシロップが言葉を紡ぐ。
「(私を呼んだかな?シロップ・メイプルード君)」
声が全員の頭の中に語りかけてくる・・・ライチはびくりとしたがシロップは平然と声に質問した。
「貴方はいったい何者なんだ?オイラの本名を知っているってことはライチ以外の心も覗けるってことだな?・・・なんでライチの・・・いや・・・おいら達の心の中に入ってきたんだ?
他の奴は語りかけてこないけど、どういうことなんだ?貴方達の使命ってのはいったい何なんだ?」
ぺらぺらと若干早口に言葉を吐き出す。シロップもいささか緊張しながら言葉を紡いでいるようだった。
「(・・・一つずつ質問に答えよう。私の名前は・・・ファイヤー・・・勇気を司る世界転生の物語のポケモンと言ったなら分かるかな?」
「!!何だと!?」
シロップ達が驚愕する。ライチの心の中に入っていたのは。この世界を転生させた勇者のうちの一匹、ファイヤーだったのだ。ファイヤーはシロップ達の顔を見て理解したと思い話を進めた。
「(理解してくれたようだね。次に・・・私しか語りかけてないのは、この子の・・・ライチの心が一番早く覚醒するからなのだよ)」
「覚醒?それってどういうこと?」
レモンが首を傾げて質問する。ファイヤーはゆっくりと言葉を吐き出す
「(私の力が憑依すると言うことだよ。私達の力はあまりにも強大すぎて一気に開放することができないのだよ。それで私達と心を通わせ、思いが共有するとき、
私達は始めて肉体と言う器を媒介にして自分の宿り主と意思の疎通ができる。ライチは私との思いが少しだけ重なったから会話をするぐらいの力が宿っていると言うことだよ・・・分かったかい?)」
ファイヤーが丁寧に説明し終わるとレモンはにっこりと笑うと
「よく分かったよ♪ありがとうファイヤー♪」
「(どういたしまして。理解が早くて助かるよ)」
ファイヤーも丁寧に謝辞をする。するとそれまで黙っていたミントがシロップが先程問いかけた質問をもう一度問いかける。

370 :九十九:2008/04/13(日) 08:32:15 ID:KiisY9N20
「なるほど・・・でもどうして自分の力を開放する必要があるんですか?アスラは滅んだのでしょう?貴方達の言っていた使命と言うのは何なんですか?」
それを聞くとファイヤーは真剣な声になって一言一言を刻み込むようにライチ達に告げた。
「(そう・・・問題はそこだ。これから言うことをよく聞いていて欲しい・・・まず私達のしたことがどのように伝えられているのか分からないが・・・アスラは死んではいない。)」
「「「「ええええっ!!???」」」」
ライチ達はさらに驚愕した・・・自分達はもう死んだと思っていたアスラがまだ生きていたと言う事実に。それが倒したといわれる勇者本人の口から語られた事実に。
「(私たち4匹よりも若干だがアスラの方が力が上回っていたのだ。私達では倒すことができないと判断したので私達の力を全て使ってアスラの肉体と精神を封印したのだよ
・・・それからどう伝わったのかが分からなかったが・・・どうやら背ひれ尾ひれがついて話が拡大したようだな・・・)」
ライチ達はまだ驚いていた・・・そんな凶悪なポケモンがまだこの世に存在しているとは微塵も思っていなかったからだ。
「でっでも封印したのなら誰かが封印をとかない限り絶対に目が覚めることはないんじゃあ・・・」
ライチがわずかな希望を見出そうと問いかける。しかしファイヤーはその希望を微塵にも粉々にする言葉を言った。
「(残念だが・・・私達の力では一時的に封印することしかできなかったのだ・・・時間にして約200年・・・しかしその封印がもう切れ始めていたのに気付いたのだよ・・・
私達は焦った・・・このままではまたあのときのような大惨事が繰り返されることになると。しかし私達は自分達の力を自分達で封印していたもしもの時のために。私達の心を継いでくれるものが現れることを信じて・・・ここまで言えば分かるだろう・・・)」
ライチ達は黙ってファイヤーの言葉を聞いていたが喋り終わったあとにファイヤーにライチが語りかけた。
「・・・つまり・・・僕達の心の中に入ったのも、僕に語りかけてきたのも・・・全てはアスラを倒して欲しいと言うことなんですね?」
一言一言を搾り出すように語るライチの顔はとても重苦しく、この世の終わりでも感じたような顔だった。
「(その通りだ)」
ファイヤーが答えた・・・ライチはしばらく黙っていたが・・・やがてゆっくりと言葉を吐き出し
「・・・・嫌・・・・です・・・」
ファイヤーの頼みを完全に拒絶した。

371 :九十九:2008/04/13(日) 08:35:02 ID:KiisY9N20
えっと・・・第六幕はこれにて終了です。もうそろそろ一章のクライマックスですね。
拒絶したライチが次にどんなことをするのか・・・書いてる私にもわかりませんwww
読んでくださった皆様ありがとうございます。

372 :あぼーん:あぼーん
あぼーん

373 :あぼーん:あぼーん
あぼーん

374 :エニケス ◆HRQ/TK9HPM :2008/04/13(日) 15:20:41 ID:WjpniV0+0
>>361-362
意地っ張りは渋い物嫌いですね。
ゲームの設定を生かしている所が素晴らしいと思います。

>>363
ええッ!?ε=“(・ ・ノ)ノ゛
新しい小説を一話だけ書いてしまいました。

>>368-371
こう言う物語は大好きです。
慰めてもらっているライチが可愛いですね。

>>372-373
句読点(でしたっけ?)が多いと思いますよ。
シアいい奴!!

375 :ジャンク:2008/04/13(日) 15:35:18 ID:IREetAi60
エニケスさん
アドバイスありがとうございました。句読点を減らせばいいんですよね
小説はどうでした。

376 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/04/13(日) 16:08:46 ID:2NmKKi660
ルナの設定だけはやけに細かく決めてるんですよね。モデルはいないですけど……

06 実力

木の実を取りに行って三十分経った……。
流石に遅すぎるよ。何か有ったのかな?
心配だ。僕も台所に向かおう……。

「ムーン……遅いよ。何やって……」

あれは……グラエナ? 此方に牙を剥き出しにしていて友好的には見えないから侵入者?
良く見れば唯一の脱出口だった窓が割れてるし。確実に侵入者だね。

「ルナ! こいつは俺が引き止めるから逃げろ!」
「お前がこの俺様を止める? 面白いやって見ろよ。
 こいつを始末したらお前も次はお前だからな」

育ちの悪そうなグラエナだな……。
きっとろくな性格じゃなさそうだ……。
しょうがない面倒だけど戦ってみよう……。

「僕……素直に言う事聞くのって……嫌いなんだよね……」
「じゃあ……まずお前から死ねぇぇ!!!」

奴はこのまま突っ込んでくる。
本当にろくな性格じゃなかったよ……。
ならば僕は……。

「遅い……」

別に僕はエーフィとしてはダメでも戦闘のセンスは有る。
トレーナーの用語で言えば努力値は攻撃と素早さの二極で残りは体力振り分けられ、固体値は特攻は0だけど他は三十一らしい。
これでも人間に育てられて来たんだ。こんな単細胞の野生ポケモンに負けるほど僕は弱くない。
あっさりと避けて顔面にアイアンテールを全力で放つ。
全力って言ってもエーフィの全力なんてたかが知れてるけど……。

グラエナが悲鳴を上げたけど気にしなくても良いや。これはルールのあるバトルじゃない野生のポケモン同士の場合は互いの生死を賭けたものだ。
かなり痛そうな音がしたしね。エーフィの尻尾は細いから鞭打ちになるし見た目以上に効いたかな。
これが思ったよりも効くんだよね。相手もエーフィが接近戦をするなんて思わないだろうし。
どうせ侵入者だし重症にしてもしていいかな。……いや流石にそれは不味いか。まあ侵入者は僕も同じだからね。


377 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/04/13(日) 16:10:15 ID:2NmKKi660

攻撃の反動でそもまま僕は宙返りをしてムーンの前に着地。
我ながら美しい着地だ。惚れ惚れする。
コンテストでも評価されるに違いない。
バトルに向いてないならコンテストも良いかな?

「てめぇぇぇ!!!! ブッ殺してやるぅ!!」

人が将来の事を考えてたのに空気の読めない奴……。
勝負は冷静になれないほうが負けるのに……。
また考えなしに突っ込んでくる……。それともエーフィに接近すれば勝てるとでも思ってるの?
今度は後ろにムーンがいるから避けやれないや……。

「ルナ! 俺の事は良い! 避けろ!」
「へぇ〜。心配してくれるんだ。嬉しいよ……ムーン」

ぼ、僕……何て恥ずかしい事言ってるんだよ!
これも皆あいつのせいだ! あいつがムーンと直線に並ばなきゃ良かったんだ!

「二匹まとめて地獄に落ちろぉぉ!!」
「馬鹿。動きが単純すぎるね」

僕は突っ込んで来るグラエナの腹に潜り込み軟らかい腹部に居合い切りを決める。
散々馬鹿にしてきたため、一瞬殺そうと思ったが思い止まる。僕はわざと急所を外した。

「ぐわぁぁ!!」

ドタッと音を立てグラエナが倒れる。
所詮は野生のポケモン。僕の敵じゃないね。

「もしかして……殺したの? 凄い悲鳴だったけど……」
「まあ……それも出来たと思うけど……急所は外したから平気でしょ……多分」

ムーンはグラエナを心配そうに見る。
さっき殺されかけたのにお人よしだよ……。

「こいつを外に出して早く昼にしよう。無駄に体力使ってお腹減ったよ。
 三日も何も食べないで運動なんてするもんじゃないね。倒れそう……」
「そうだね。俺は木の実を用意するからこれ外に出しといてよ」

ムーンが転がっているグラエナを前足で突くがグラエナはピクリとも動かない。
結局僕が外に出すのね……。まあこれで飯が食べれるなら良いや……。

378 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/04/13(日) 16:11:38 ID:2NmKKi660
07 傷跡

飯も食べ終わってこれから何しよう。
ムーンは何かするかな?

「ムーン。何か面白い事……」

後ろを振り向くとムーンが背中から血を流し、倒れていた。
爪で切り裂かれたような傷後。多分さっきのグラエナの戦闘で受けたものだろう。
正直ムーンが弱そうには見えないからグラエナに奇襲でもされたのかな?
出血が酷く、顔色が悪い。放って置けば確実に死に至ると思う。

「なんで黙ってたの!!」
「ルナに心配掛けたくなかった……」
「……馬鹿……」

僕に心配掛けたくなかった?
急に倒れや方がよっぽど心配するよ。
僕はそのままムーンを抱きしめた。
死んじゃ嫌だよ……ムーン……。

「ムーン。傷薬は無いの?」
「自慢じゃないが……うちの御主人様は消耗品って嫌いだから……。
 多分……傷薬も無いと思う……」

ダメじゃん! せめて傷薬は置いとけよ!
と、そんな事より傷を何とかしなくちゃ……。

「ムーンって月の光は使えないの?」
「俺はそんなにレベルは高くないんだ……」

僕は朝の日差しを使えるのにな。
これなら暴れれば逃げられたよ……。

「……そう。どうしよう……」
「台所にオボンの実って言う木の実があるから取って来てくれないか?
 あれは傷に良く効くん……」
「ムーン!!」

気絶しただけみたい……。
でも……早くしないと不味そう……。
トレーナーが使うような木の実くらいなら僕でも解るから早く取ってこなきゃ……。

379 :あぼーん:あぼーん
あぼーん

380 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/13(日) 19:23:16 ID:WjpniV0+0
>379
句読点の数と言うよりも、余計な所につけて、肝心な所につけていない気が・・・

381 :エニケス ◆HRQ/TK9HPM :2008/04/13(日) 19:34:15 ID:WjpniV0+0
>>379
改行や句読点などを上手く使えば読みやすくなります。
エロに入りそうな予感・・・
>>380
この人は無視してください。
IDを見れば何となく分かるはず。

382 :あぼーん:あぼーん
あぼーん

383 :柘榴石@スランプ中w:2008/04/13(日) 21:13:30 ID:qW4GLm0+0
>>379

個人的に気になった点を……。

>気よ付けてください。
気を付けてください。

>そお言うとシアは
そう言うとシアは

>聞き取れにくかった。
聞き取りにくかった。

>「じゃなんで私お避けてたの」
「じゃなんで私をさけてたの」

まず、日本語を勉強したほうがいいかも知れないですね。
あと、〜は言った。 っていう表現が無駄に多いと思いますよ。
その表現が悪いとは言いませんが、普通の小説を読んでみてください。
その表現は、そこまで多用されていますか?
多少あったとしても、そこまで無いですよね。つまり、読みにくいって事です。

句読点は、作者さんの完全な主観ですが……。
例を挙げると…。

>「う・うんいるよ」
「う、うん。いるよ」
みたいな。
>すると、僕は何がおこたかは分からなかったが シアがいきなりキスをして来た。僕は泣きそうだったのに驚き止まった口を離して彼女も「私も言えなくて苦しかったよケンのことが好きだって言えなくて」
すると僕は、何がおこったかは分からなかったが、シアがいきなりキスをして来た。僕は泣きそうだったのに驚き、止まった口を離して彼女も「私も、言えなくて苦しかったよ。ケンのことが好きだって言えなくて」

こんな感じで区切るとマシになるかと。と言っても私自体、直感で付けてるんですがね。
さらに改行時、つまり文の末に。を付ける。これは基本ですね。
基本的に付けない方がいいものは詩くらいなものです。つまり見づらいとういことです。

最後は人のこと言えないんですけど……。
脱字が多いですよ…。
これは見直しの問題ですね。
そして、私を一生悩ませる問題orz
ここはお互いがんばりませう。

384 :九十九:2008/04/13(日) 21:20:22 ID:KiisY9N20
続きを書きましたので載せますね。



~一章第七幕~
ライチは硬く目を瞑り、自分は関係ないということを態度で示している
「(嫌・・・何故だ・・・ライチ・・・君には)」
「嫌な者は嫌なんですっ!!!」
ファイヤーの言葉をさえぎってライチはいやいやと首を横に振る。レモン達が悲しそうな瞳でライチを見つめる。ライチは呟くような小さい声で喋った。
「伝説の存在である勇者でも倒せなかったポケモンを、一介のポケモンである僕達がどうやって立ち向かうって言うんだよ!?無理だ、できっこない。そもそも僕達には関係ないよ!!
何で僕達に取り付いたんだよ!?取り付かれる方はいい迷惑じゃないか!!たとえ死ぬまで取り付いていても、僕には関係ない!!やりたければ他のポケモンにでも取り付いてください!!紛争地帯にでも行けばそんなポケモンが山ほど――――――――」
言葉が終わらないうちに頬に痛みを感じてライチは我に返る。前を見るとレモンが険しい形相でライチを見つめていた。次の瞬間レモンが大きく右手振りかぶると――――――――
思い切りライチの頬をひっぱたいた。バシンと言う音とともにライチの顔が横を向く。驚いているとレモンがいつもの口調でライチに話しかけてきた。
「ライチ・・・僕は今のライチは嫌いだよ・・・自分が大事なのは分かるよ、たった一つしかない命だからね。だけど・・・だからって・・・他人の命を差し出すような言葉は最悪だよ。
僕はそんな考え死んでしまえと思ってる・・・今のライチは自分のことしか考えてない自己中心的で傲慢な最低野郎だよ」
ライチはレモンの顔を凝視することができなかった。
・・・レモンが・・・泣いていたからだ。ぽろぽろと大粒の涙をこぼしながらレモンはさらに言葉を続ける。
「世界を救うなんて大それた真似は確かにできないよ。僕も無理だと思う。だけど・・・自分の我が儘で他の命を紙屑みたいに言うのは・・・できないことをやらせるよりもひどいよ・・・僕の知ってるライチは・・・そんなこと言わないよ!!!!!」
レモンが叫んでその場に泣き崩れる。シロップとミントが駆け寄ってきて泣き止ませようとする。その際ライチを見据えて
「ライチ・・・お前の気持ちは分かるぜ・・・でもな・・・俺達だって同じ事言われてるんだぜ?なのにお前は・・・」
「ライチ・・・命を・・・なんだと思っているんですか?」
二人が口々に言う。ライチは虚無感に支配されてその場に立っていた。
「皆には・・・分からないんだよ取り付いたポケモンと話してもいない皆には」
「(・・・・)」
沈黙が洞窟内を支配する・・・レモンのすすり泣きだけが洞窟内に響いていた。
しばらく黙っていると、不意に天井から大きな音が聞こえてきた。がりがりと岩盤を削るような音に4匹が同時に上を見上げた瞬間、天井の岩の一部が砕かれて、上から巨大なポケモンが降ってきた。
「ぶはぁっ!!!やっと見つけだしたぜぃ!!勇者の波動をよぉ!!!」
ライチたちが驚いて土煙の向こうに見てる巨大なポケモンを見つめた、灰色の身体に覆われた巨体に鼻先にドリルがついている。まるで巨大に岩が目の前に立っているようだった。
「んんんん!?感じるのは一匹だけじゃねぇか??四匹だったとアスラ様に聞いてきたんだけどなぁ?・・・んんんん?まぁいい、どの道全員殺しちまえば・・・勇者の力もおしまいだぜ!!」
「(サイドンだと!?まさか・・・アスラの手のものか!?)」
ファイヤーが目の前の巨大なポケモンの名を口にする。その名を聞いたとたんにライチは授業中に聞いていたポケモンの講義の話を思い出した。

385 :九十九:2008/04/13(日) 21:22:49 ID:KiisY9N20
「・・・と言うわけで・・・巨大な身体と大きなドリルを持ったこのサイドンというポケモンは、あまりこの辺では見ないだろう。
南の高山などに住み着いているのが一番多いケースだ。鼻先のドリルは高層ビルも一撃でジャンクの塊に変えてしまうから。巨大な岩盤などを削って運ぶ仕事が多く・・・」
と言った話をキンウ先生がしていたのを、ライチはおぼろげにだが聞いていた。
「ビルを一撃でジャンクにするポケモンなんて・・・勝てるわけ・・・ないよ・・・」
ライチはあまりの恐怖にその場にへたり込んでしまった・・・レモン達も恐怖を感じて、その場から逃げようとするが、恐怖でその場から一歩も動けないライチを目の当たりにして逃げると言う行動をやめた。
「んんんん??そこのヒトカゲから勇者の力を感じるぜぇい!!まずはてめぇからだっ!!」
サイドンは大きく咆哮すると、ライチに照準をあわせ、ドリルを回転させ始める。
「ひいぃぃぃ・・・うっ・・・ううぅぅっ・・・うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
ライチは情けない声を上げるとその場から立ち上がり、大きな岩の陰に隠れようとした。
「んんんん!?逃がすかぁっ!!!」
サイドンが逃げ惑うライチに向かって突進する。その瞬間足元から伸びた草が絡みついてサイドンは大きく転倒した。地面がぐらぐらと揺れ、派手に砂埃が舞った。
「んんんん!!てっめぇ!!先に死にてーのかぁ!?」
サイドンが起き上がると、"くさむすび"を使って自分を転倒させたミントに向かっていく、ミントは震えていたが、毅然と立ち向かうと
「私は・・・ま・・・まだ死にたくありません!!」
と言って横っ飛びに飛んでサイドンの攻撃をかわす。
「んんんん!!避けんじゃねぇよ!!!」
サイドンがミントを再び視界に捕らえる。もはや岩陰に隠れたライチは完全に無視している。
「よそ見するなよ!!オイラもいるぜ!!」
シロップが間髪をいれずに地面に"れいとうビーム"を叩き込む。床の広い面積が凍り付いてサイドンはまた転倒した。
「ぐおぉぉっ!!!ちょろちょろとっ!!」
サイドンが起き上がろうとする瞬間にレモンが空中に飛び上がる。
「まだまだっ!!これはおまけだよっ!!!」
そのまま身体を回転させながらサイドンの額に思い切り"アイアンテール"を打ち込んだ。
「・・・どうだっ」
「・・・・ぐふっ・・・ぐふふふふっ」
サイドンは自分の額の辺りで制止していたレモンを掴むと、掴んだ手を大きく振りかぶり地面に打ち付けた。
「がはっ・・・・あ゛ぁぁぁっ・・・・がっ」
レモンは大きくのけぞりバウンドした後、地面に落ちて口から血を吐き出して動かなくなった。
「「レモン!!!!」」
シロップとミントがレモンのほうに駆け寄ろうとする。
「んんんん!?ぬるいわぁ!!!」
サイドンが地面に向かって"はかいこうせん"を掃射する。すさまじい熱エネルギーは周りの岩盤を引っぺがしシロップとミントに襲い掛かった。
「うわぁぁぁぁぁっ!!!!!!!」
「きゃあああああああああ!!!!!」
シロップとミントは頭に岩石が直撃し、頭から血を流してその場に倒れこんだ。サイドンがげらげらと笑いシロップたちを見据える。
「んんんん!?ぬるい、ぬるすぎる!!貴様らの攻撃など蚊ほども利かぬわ!!」
シロップ達は何も答えることができなかった。毒を吐くことも、反論することも。意識はある、しかし本能的な恐怖が立つことを、戦うことを拒んでいるのだ。
「・・・ちくしょお・・・ちく・・・・しょう・・・」
シロップは自分の無力さを呪い、大粒の涙を流す。サイドンはシロップ達を一瞥しきびすをかえすと岩陰に隠れてがたがたと震えているライチを摘み上げた。
「んんんん??お前から勇者の波動が見えるんだよ。お前を先に殺して後の奴らをゆっくりと料理してやるよ」
「ひっ・・・・うっ・・・うぅっ・・・」

386 :九十九:2008/04/13(日) 21:25:22 ID:KiisY9N20
「(ライチ!!何をしている!?戦うんだ!!)」
ファイヤーが叱咤激励するが、ライチはそんな言葉など耳に入ってはいなかった。恐怖に震え、戦うことを恐れ、死ぬことを拒絶する。生への執着で頭の中がぐちゃぐちゃになっていた。
「んんんん??お前は本当に勇者か?仲間がやられても何もせずにただ震えているだけとはな・・・こいつは傑作だ、この張りぼてめ!!!」
サイドンはライチを掴んでいる手を大きく振りかぶりレモンの傍にある尖った岩盤に叩きつけようと腕を振り下ろした。
「うわああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっっ!!!!!!!!!!!」
尖った岩盤が迫る。これに今の速度で激突すれば自分は串刺しになり確実に絶命するだろう・・・
「(・・・・僕・・・・死んじゃうんだ・・・・死にたくない・・・・死にたくないよぉ・・・・)」
激しい轟音と地響きがして。土煙が舞い上がる。サイドンが手を離して手ごたえを確認する。
「んんんん!?やったか?」
「ライチっ!!!!!!!」
「まさ・・・・か・・・死んだ・・・んですか・・・!?」
シロップが叫び、ミントが驚愕する。しかし生死を確認することもできず、もうもうと立ち込める土煙の先をずっと見つめていた。








土煙の中、ライチは恐る恐る目を開けた。
死んで・・・いない・・・
自分の身体は打ち付けられたときの擦り傷や打撲で酷く痛んでいたが、致命的な怪我などは一切していない。しかし自分の身体を見ると多量の血が体中にこびりついているのが分かった。
「うわぁっ!!!さ・・・刺されたの!?」
ライチは血に塗れた自分の腹部を触ってみる・・・少し痛むが特別目立った外傷などは見られなかった。
「これ・・・僕の血じゃあ・・・無い・・・じゃあ・・・いったい誰の」
よく見ると地面にも大量に流れ出していて血の水溜りを作っていた。ライチは恐る恐る顔をあげて前を見て―――――――――――
信じられないものを見た。自分が刺さってしまいそうだった尖った岩盤に見覚えのある黄色い身体が・・・深々と岩盤に刺さってた。未だ血は止め処なく流れ、滴り落ちてさらに水溜りの範囲を広げる。
レモンがライチを庇って・・・衝撃のクッション代わりとなってライチを助けていたのだ。
「レモン!!!レモン・・・どうして!?何でっ!!!」
ライチは自分が何を言いたいのか分からなかった。ただただ錯乱して目の前にいる虫の息の友人を潤んだ瞳で見つめているだけだった。

387 :九十九:2008/04/13(日) 21:28:04 ID:KiisY9N20
「・・・ライチ・・・無事・・・なん・・・だね・・・よかった・・・」
レモンは口からごぼこぼと血を吐き出しながらにっこりと微笑んだ。ライチは瞳から溢れる涙を拭くこともせずにレモンに駆け寄っていく。
「レモン!!・・・死んじゃ嫌だよ・・・レモン・・・」
ライチは泣きながら意識の消えかけている友人の名をひたすら呼び続ける。レモンはそんなライチの姿を見ると・・・もう一度にっこりと微笑むと苦しげに語り始めた。
「・・・ライチ・・・今の君の気持ちが・・・いつもの君だよ・・・他人の命でも・・・そんな風に思える君の心が・・・きっとファイヤーの心と同調・・・したんだ・・・ごほっ・・・」
レモンは喋るたびに血を吐き出す。しかしそんなことを気にもせずにレモンは言葉を紡ぎだす・・・
「ライチ・・・君には・・・世界を救う"勇気"にはなれないかもしれない・・・君は・・・臆病で泣き虫だから・・・
だけど・・・勇者じゃなくても・・・君はとても強い心を持っているじゃない・・・皆を思いやってくれる・・・人の心を愛しむことができるじゃない・・・ねえ・・・ライチ・・・僕のお願い・・・一つだけ聞いてくれるかな・・・?」
お願い・・・こんな言葉をレモンが使ったのは初めてだった・・・ずっと己の欲望を押さえ込んできたレモンが始めて自分の願いを聞いて欲しいといったのだ。
「・・・何?お願いって・・・何なのレモン!?僕にできることなら何でもするよ!!・・・だから・・・死んじゃ嫌だよぉ・・・」
ライチは涙を流してレモンの願いを聞き届けようとする。それを聞くと柔らかな微笑を浮かべて、自分のお願いを口にした。
「・・・魔王を倒す勇気を出さなくてもいい・・・世界を救う勇気を出さなくてもいいから・・・君とファイヤーの力で・・・僕のために・・・勇気を出して・・・戦って・・・くれるかな・・・?
僕の・・・さいしょ・・・で・・・さい・・・ごの・・・お・・・ねがい・・だよ・・・ライチ・・・」
そういった後にレモンは静かに瞳を閉じて・・・何も喋らなくなった。ライチはレモンの肌に触れてみた。暖かかったからだからぬくもりが・・・命の光が・・・消えていった・・・。
「レモ・・・レモォォォォォォォォォォン!!!!!!!!!!!!!」
ライチがレモンに抱きついて泣いた。自分を庇ったせいで大好きな友達が目の前から永遠に消えてしまった・・・ライチは泣き続けた。
流した涙がレモンの頬に落ちた瞬間、不意に洞窟全体が柔らかな虹色の光に包まれた・・・その輝きはまさしく命そのもののようだった・・・

388 :九十九:2008/04/13(日) 21:40:18 ID:KiisY9N20
ええー、何やらすさまじいことになりましたが・・・第七幕はこれにて終了です。
私のだめだめ小説に期待してくれていた皆さん。期待を裏切らないようにガンガリます(何?


三月兎さんの短編小説のキャラクター&世界観を使ってもいいと言うお許しがご本人からいただきました。マジでうれしいです。うれしすぎて死ぬかも。
自分は携帯電話も持ってないしパソコンのメールを使うこと(制限されてて)もできないのですが、愛さえあればきっと三月兎さんと合作できるはず(何じゃそら
変な話して済みませぬ。次に何が起こるのか私にもわかりません。ライチの活躍をあんまり期待しないでくださいねw

389 :BmB:2008/04/13(日) 21:44:41 ID:OjsNrTC60
九十九さん このあとレモンがどうなるかたのしみにしてます。

390 :◆l53eGZU1tg :2008/04/13(日) 22:29:56 ID:aRM7qha60
いやはや、とても気になるところですね。
自分の書いている小説もがんばらないといけない感じがしてきましたよ。
これから多分土曜までこれないと思いますんでそこんところはお願いします(なにが!!)


391 :ジャンク:2008/04/13(日) 23:33:22 ID:IREetAi60
柘榴石さん
アドバイスありがとうございました 初めてなもんで、
いつ緒に頑張りましょう

392 :パウス ◆EvJGalaxy2 :2008/04/14(月) 17:43:51 ID:mwTmUcoQ0
>>384-387
サイドンの話し方が面白いですね。
……えーっ、そんなことよりも、ライチはどうなるんでしょうかね。
あまり活躍を期待しないで、と言われても期待してしまうwww


〜story41〜 ―森林の声―

パール達の居る部屋を出て、階段で一階へと駆け下りた。
私がいきなり駆け下りてきたせいか、受付の人は顔を驚かせてこっちを見ている。だがそんなのはどうでも良い。
すでにメノウの姿は受付前には無かった。もうすでに外に出ているようなので外に出ようとしたが、困ったことにここの出口は自動ドアではなく、手動なのだ。
四足歩行の私にはこれを開けるのに骨が折れる。まずは扉に寄りかかりながら、震える後足で何とか立ち上がった。
そして前足をドアノブに引っ掛け、右前足に力を入れてドアノブを回す。あとは体重を乗せて開けるだけ―――だが何故か開かなかった。
「えっ………?もしかして引くの!?」
押すのだったら簡単だ。立ち上がるのに苦労するが、ドアノブさえ回せば後は体重をかけるだけなのだから。
だが引くとなると、ドアノブを前足にしっかりと引っ掛けた上で後ろに下がらなければならない。
二足歩行どころか、二本の足で立ち上がることさえも不慣れな私には相当技術が必要となる。

結局駄目だった私は、受付の人間に頼んで開けてもらった。
「ありがとうございます。」
簡潔にお礼を言い、すぐさま外へと駆け出す。そういえばメノウはどうやってあの出口を開けたのだろう。私が降りてくるまでの短い時間で……。

もうそんなのはどうでも良い事だ。きっちりとしたメノウのこと、最初から誰かに開けてもらったのだろう。
それよりも、メノウはどこだろうか。見渡す限りでは姿は見当たらない。
この町は森のように並んだ木々に囲まれているので、もしかしたら木に隠れているのかもしれない。そう思ってすぐ近くの並んだ木々の間に突っ込んだ。
視界一面が緑に変わり、この中からメノウを探し出すのは難しいだろうと思った、その時。
「…………………っ」
私は思わずぴくっと耳を動かした。誰かの話し声が耳に入り、その場所を本能的に探り出す。
小声で話しているが、何となく場所は今私の居るところから近いという事は分かった。だがその声は誰のものなのか、人間なのかポケモンなのかも分からない。


393 :パウス ◆EvJGalaxy2 :2008/04/14(月) 17:44:17 ID:mwTmUcoQ0
気になって声の聞こえた方に向かって歩いていくと、背の高い草の間から、ちらりと大きな赤いものが見えた。
私は木の後ろに隠れ、そこから覗き込むとそれは一匹のブースターだった。
―――メノウだ。顔は見えないが、あれはメノウだと第六感が言っている。
私はやっと見つけ出したメノウに、後ろから思いっきり抱きついた。
「うぐっっ!?」
メノウらしからぬ変な声を口から漏らし、抱きつかれた勢いで前に倒れ込んだ。
その倒れた勢いで、私の全体重が思いっきり彼の体にのしかかることになる。
「ちょっ、お、重いよ!!」
「失礼ね、私はそんなに重くないって。ただ勢いがあったから重く感じただけよ!」
少し頭にきた私はメノウにのしかかった前後の足を解かず、逆にもっと強く抱きついた。―――相手が痛いと感じるほどの力で。
「いぃぃぃたたたた!!分かった、分かったって!」
彼のナイスリアクションのせいで、まだ弄ってやりたいというサディスト的な一面を抑えるのに苦労した。

「あははっ、ごめんごめん。つい………ね。」
笑いながらようやくメノウを離すと、彼は私をじっとみてニコリと笑う。
まだ告白の答えも聞いてないというのに、これはちょっとじゃれ過ぎだろうか。メノウはその表情の裏でどう思っているのかと考えると、何だか無性に怖くなる。
もし私の事を悪く思っていたらどうしよう……。
だがメノウのこの笑顔を見ていると、その恐怖感は薄れていく気がした。今日は機嫌が良いのだろうか、随分と笑顔が深い。


394 :パウス ◆EvJGalaxy2 :2008/04/14(月) 17:46:58 ID:mwTmUcoQ0
「そういえばさ、さっき誰と話してたの?」
さっき話していた声は誰のものか分からなかったが、声が聞こえた方向から考えるとメノウだったということも考えられる。
「えっ?………いや、誰とも話してないけど……」
では、もっと先に居る他の誰かだったのだろうか。それならば今は別にどうだって良い。
「そうなの?……まぁ別にどうだって良いわ。」
私は出来るだけ妖艶に笑うよう努力ながら笑い、メノウは何故笑っているのか分からないという風に首を傾げた。
「せっかく私とメノウだけしか居ないんだしさ、今日も………やっちゃう?」
メノウはますます首を傾げ、その顔が「何を?」と聞いている。私はその答えを行動で示した。
「えっ!?ちょ、ちょっと!何してんの!?」
私が後ろに前足を付いて座り込み、後足をその間にある秘部を見せ付けるように開いて座ると、メノウは声を帆に上いで目を丸くした。
私は慌てて体勢を起こしてメノウの口を塞ぎ、声を殺しつつ叫ぶように言う。
「しーーっ!……声大きいよ。誰かに聞こえたらどうすんの。」

体勢を起こして秘部が隠れたからかメノウは徐々に落ち着きを取り戻し始め、完全に落ち着いてから前足を離した。
その時、さっき木々の間に突っ込んだ時のように何かが声を発しているのが耳に入った気がした。あまり聞こえなかったからあくまでも“気がした”だが。
さっきまでは例え誰かが居てもどうでも良かった。だが今の状況では居てもらっては困ったことになる。
「ねぇ、今、声が聞こえなかった?」
メノウに聞くと、メノウは少し硬直して周りを見回してから首を横に振った。
気のせいだったのか、ならいい。私はまた座り込んで足を開いた。
メノウはもともと赤い顔を更に赤く染め、躊躇いがちにじーっとそこを見る。
どうするのかと思いきや、メノウはそこから目を逸らし―――意外なことに前足で私の後足を閉じたのだった。


395 :BmB:2008/04/14(月) 18:46:33 ID:dqpbaPPE0
パウスさん メノウがこのさきやらづにいるのかつづき期待してます。

396 :九十九:2008/04/14(月) 18:57:16 ID:I3nO+AB+0
うおぃ・・・私がいない間に大量の感想が・・・うれしー!!
>>389
うーん、ほんとにどうなるんでしょうねww
>>390
是非是非気にしてください(何がやねん
>>392
サイドンの話し方は・・・んー、ナ○コの某RPGゲームの穴子さんみたいなもんです(わからん

397 :九十九:2008/04/14(月) 20:46:02 ID:I3nO+AB+0
続きを書いたので載せますね。




~一章第八幕~
白い・・・とても白い・・・白が広がる空間の中にライチはぽつんと一人で立っ

ていた。じいっと目を凝らすと白い空間の先にゆらゆらと揺らめく綺麗な紅蓮の

炎が視界に移った。
「・・・・・・・」
ライチは紅蓮の炎に向かって一歩、また一歩と歩みを進めていく。自分が歩いて

いるのかがまったく分からなかったが、自分が登っているわけでも落ちているわ

けでもないのでとりあえずは地面があるのだと考えてゆっくりとした速さで一歩

一歩を踏みしめていく。
「・・・・・・・」
紅蓮の炎がどんどん近づいていく。ライチにはその炎がどのようなものかすでに

分かっていた。しばらく歩き続けてライチは紅蓮の炎と対峙した。ライチがしば

らく見つめていると、ぐにゃりと炎が歪んで美しい羽を持った大きな鳥ポケモン

・・・ファイヤーに変わっていた。
「・・・・・・・」
ライチが黙ってファイヤーを見つめていた・・・その瞳には・・・決意の燈が灯

っていた・・・
「ライチ・・・君は友達があのような目にあっても・・・自分は無関係だと思う

のか・・・」
ファイヤーがライチに問いかける。ライチは首をゆっくりと縦に振ると
「そうだよ・・・僕には無関係だ・・・だって・・・友達は僕じゃない・・・」
ライチの言葉を黙って聞いていたファイヤーは静かに・・・透き通るような声で

ライチの言葉を確めた。
「・・・それが君の考え出した結論かい?・・・ライチ・・・」
ファイヤーの言葉にライチはゆっくりと・・・今度は横に首を振ってよく聞こえ

る声でゆっくりと語りだした・・・
「・・・さっきまでの僕なら・・・そう思っていた・・・自分が助かるなら・・

・他のポケモンなんてどうでもいい・・・だけど・・・自分のせいで他のポケモ

ンが傷ついて・・・自分のせいで他のポケモンが目の前で死んでいくのは・・・

自分が死ぬより耐えられない・・・その思いが強ければ強いほど・・・痛いほど

・・・心を縛り付けていることが分かったから・・・」
ライチの静かな言葉は白い空間によく響いた・・・ファイヤーは黙ってライチの"

答"を聞いていた。
ライチが自分の胸に手を当てて言葉を吐き出した。
「ファイヤー・・・僕は貴方のように魔王に立ち向かう勇気なんてありません・

・・だって・・・僕は本当に弱虫で・・・臆病だから・・・でも、レモンが目の

前で冷たくなっていくのをただ見ている事しかできない自分が腹立たしくて情け

なくて・・・僕はもっと・・・もっと強くなりたい・・・一番強くなるとか・・

・弱者を痛めつけるとかそんなんじゃあない・・・せめて・・・粉々になってし

まった僕達の日常をもう一度元通りに・・・せめて・・・自分に立ちふさがる困

難に立ち向かえるだけの・・・強さが・・・勇気が欲しいです・・・だから・・

・力を貸してくれませんか?」
ライチの言葉がファイヤーの心に伝わる。ライチの思いがファイヤーと重なる。
自分はもっと強くなりたい・・・もっともっと・・・目の前のポケモンを守れる

くらいに・・・

398 :九十九:2008/04/14(月) 20:48:37 ID:I3nO+AB+0
「・・・ライチ・・・やはり君はとても強い勇気の力を持っているんだね・・・」
ファイヤーがにっこりと微笑む。ライチは首を横に振ってその言葉を否定した。
「勇気なんてありません・・・もし勇気があったら・・・レモンは死なずにすんだんだ・・・」
ライチが目に涙をためて苦しげに呟く。ファイヤーははっきりと
「それは違う」
と言い切った。ライチはきょとんとしてファイヤーを見つめる。今度はファイヤーが訥々と語りだした。
「私が言った勇気は。強敵に立ち向かう勇気ではないのだよ。勝てもしない相手に立ち向かうのは勇気ではない
・・・それは単なる無謀だ。私が持つ勇気とは・・・己に立ち向かい、己と向き合うことができる心の強さのことを言ったのだよ。
そしてライチ・・・君は一度は拒絶して恐れた自分の心と対等に向き合い・・・そして全てを受け入れる覚悟を決めた・・・君は十分勇気ある者だよ・・・」
ファイヤーの言葉にライチは胸の奥が熱くなるものを感じた。身体がぴりぴりとして身体の芯が熱くなっていく。ファイヤーがすうっと燃え上がるように赤く輝く光を差し出した。
「ライチ・・・君の心に少しでも迷いが生じれば・・・私の炎は君の身体を容赦なく焼き尽くすだろう・・・それでも私の力を求めるかい?」
「求める!!」
ライチが力強く肯定する。ファイヤーはこくりと頷くと
「わかった。ならば手を・・・」
ライチも頷き、互いの手が触れ合う。ライチの身体にゆっくりと赤い光が入っていき、ライチは胸の奥から煮えたぎる火山のような力を感じた。
気を抜けば一気に自分の身体が燃え尽きて墨になってしまいそうなほど自分の中にすさまじいエネルギーが入っていくのを感じた。完全にライチの中に入った後、不意に周りの空間が揺らめき、消滅していく。
「(ライチ・・・忘れないでくれ・・・今の君の心を・・・)」
ファイヤーが心の中で語りかける。崩れかけた空間の中でライチはその言葉をしみじみと聞いていた。

399 :九十九:2008/04/14(月) 20:49:50 ID:I3nO+AB+0
シロップとミントは何が起こったかまったくわからなかった。ライチたちがいた所から虹色の光が立ち上りあたりを包んだ・・・ここまでは覚えていた。
しかし光が消えた後に周りの状況を見てとても信じられないものを見ていた。
熱線を浴びた地面が・・・
崩れていた天井の一部が・・・
傷だらけになって息絶え絶えだった自分達の身体が・・・
まるで時間を逆戻りしたかのように・・・綺麗さっぱり消えていた。
地面はえぐれているところなど一つもなくしっかりとそこに存在している。ぐずれていた天井は影も形もなくぴったりと塞がっている。
ぼろぼろだった自分立ちの身体には血が流れるどころか汚れ一つついていなかった。
「・・・何だ・・・?オイラ達・・・夢でも見てるのかよ・・・」
ようやくはれた土煙の先をシロップが見つめていた。そこには先程まで死に掛けていたライチがレモンを庇うようにサイドンの前に立ち塞がっていた。レモンは外傷一つなく気絶していた。
「ミント!!シロップ!!レモンをつれてどこかに隠れていて!!今の僕は・・・僕でも制御ができない!!!」
ライチがサイドンを睨み付けながらシロップとミントに指示を出す。言っている意味がよく分からなかったが、とりあえず今のライチはとても危険ということだけは理解できた。
「わ・・・わかった!!」
シロップは立ち上がると気絶しているレモンを抱き上げて適当な岩場に隠れた。隠れてからシロップはレモンの生死を確認する。頬がほんのりと赤く、呼吸もしているし心臓の音もする。
「?・・・どういうことだ??さっきオイラは・・・レモンがライチを庇っているのを見たのに・・・」
岩陰に隠れてライチの様子を見ながらミントが呟く。
「わかりません・・・けど・・・ライチが何かをしたのは確かみたいですね・・・」
ミントとシロップはさっきまで怯えていたライチの姿と今の姿を互いに比べ、何があったのだろうと考えていた・・・





「んんんん!?なんだ??何をしやがった!!」
サイドンが辺りをきょろきょろと見回して驚愕する。ライチはサイドンをまっすぐに見据えると、凛とした口調でサイドンに向かって喋った。
「お前の頭じゃ考えられないことだよ!僕の大切な仲間に攻撃したこと・・・絶対に許さない!!」
ライチがそう言い放ちサイドンと対峙する。サイドンは少しの間ぽかんとしていたが・・・やがてげらげらと笑い出した。
「んんんんん!!!ぐはーっはーっはっはっはっ・・・笑わせるな!!さっきまでがたがたと震えていた張りぼてに何ができる?んん??」
サイドンがひとしきり吐き捨てた後またげらげらと笑い出す・・・ライチはそんなサイドンの行動を見て小さく呟いた。
「・・・今なら・・・きっと倒せる・・・」
ライチは相手が完全に油断していることを読み取り、よける暇もなく倒すように心がける。
「(そうだ・・・今あいつが警戒したら・・・こちらの攻撃が完全に読まれてしまったら・・・もう勝機はないんだ!!・・・一発・・・一発であの鋼の塊を粉砕しなくちゃ・・・)」
ライチは心の中で強くイメージする・・・大きな山を焼き尽くす・・・灼熱の火球を、神経を集中させ、右手一つにエネルギーが集まるように・・・
その瞬間、ライチの右手からめらめらと炎が立ち上る。ゆっくりと・・・しかし確実に炎の力が強くなっていくのをライチは感じていた・・・
「(イメージ・・・イメージだ・・・この炎は・・・あいつの身体を焼き尽くす・・・なるべく早く・・・なるべく早くあいつに届くんだ・・・)」
ライチの強いイメージが浮かび上がる。ライチの頭の中に浮かんだのは・・・

400 :九十九:2008/04/14(月) 20:51:27 ID:I3nO+AB+0














――――――――――――弾丸――――――――――――










「・・・・いっけぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ライチが勢いよく右手を突き出す。ライチのイメージは形となりうねりを上げて目の前の敵に向かっていく。高速で発射された弾丸のような炎はサイドンがその存在に気付いたときにはもう眼前まで迫り、
直撃、炎上。
火山の噴火のように炎が吹き上がり半径十メートルぐらいの範囲にいるものを焼き払った。岩石は炭となる暇もなく蒸発して消滅する。中心地にいたサイドンは爆炎に包まれて悲鳴を上げる暇もなく炭となった。
「なっ・・・なんだありゃ・・・!!!???」
「まるで・・・火山・・・・」
すさまじい熱風の余波を受けながらシロップとミントは目を丸くしてライチの放った火球の火柱を見つめていた。
「・・・・・・・・・・・・嘘・・・・・・・・・」
ライチは自分の出した炎のイメージに自分が腰を抜かしていた。
「・・・こ・・・怖い・・・」
ライチは自分が授かった勇者の力に恐怖しがくがくと震えていた・・・

401 :九十九:2008/04/14(月) 20:55:36 ID:I3nO+AB+0
えー、こんな感じで第八幕は終了です。最初のほうがちょっとおかしいのはパソコンのせいですいません。
ライチの活躍を期待した皆さん。期待にこたえられたでしょうか?
次で一章の終幕・・・つまり・・・まぁネタバレしないほうがいいですねw
こんな駄文を読んでくれた人・・・感謝します・・・

402 :BmB:2008/04/14(月) 21:49:33 ID:dqpbaPPE0
九十九さん ライチかっこええ、とてもすばらしいとおもいます。

403 :◆l53eGZU1tg :2008/04/14(月) 22:10:40 ID:s5DxRSMM0
正直かっけぇ・・・
え、何でいるかって?
時間があったからだよ!
ちなみに、今僕が書いている小説は、予告もなくどんどん更新されますので、
一度見た章でももう一度見てみてください。
ちなみに、テストが終わったからすっきりしています。

404 :あぼーん:あぼーん
あぼーん

405 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/14(月) 23:50:48 ID:6PBmSUAw0
夏のカケラ-遠い日の思い出
by三日月氏
表現がそのまま。完全にパクりだな。誤字脱字酷すぎだし、日本語おかしいし。
本人に許可取ったなら別だが、ここまで劣化するとほんとにジャンクだな。

406 :あぼーん:あぼーん
あぼーん

407 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/15(火) 06:53:37 ID:4ECsO9hI0
>>406
こんなパクりの上に本物より下手な作品誰が読むと思う?

408 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/04/15(火) 22:36:51 ID:t7K8M7zk0
ルナの意地っ張りの設定が生かせているかどうか……

08 帰宅

僕は急いで台所に行き、オボンの実を探した。
他の木の実とゴッチャになってた為、思ったより時間がかかったな。
ちゃんと整理・整頓はしておけよ……。
三個ぐらい持っていけば平気……かな?
ムーンが心配だ。早くリビングへ戻ろう。

リビングではムーンがソファーで寝ている……と言うか僕が寝かせた。

「ムーン。起きてムーン」

ダメだ……起きない。どうしよう……。
ここで脳内が瞬時に三つの解答を導き出す。

一 時間が勿体無い。無理やりにも起こしてオボンの実を食べてもらう。
二 安全な方法でいく。ムーンが起きるのを素直に待つ。
三 こんなチャンスは滅多に無い。僕が口移しで食べさせる。

こんなところかな?
って! 三はどう考えても却下でしょ! 僕は何を考えてるんだ!
と言う事で答えは一か二だね。
二は急いでるから却下。じゃあ一かな?

良し。じゃあどうやって起こそう。
力ずくは怪我人には不味いだろうな……。

素直に台所からカゴの実でも持ってこよう……。
結局、脳内の三択意味ないし……。
僕はこの木の実は嫌いな方だな。渋いし。
またあの中から木の実を探すのか……。

僕はまた台所に行き、カゴの実を探す。
今回は上の方にありすんなり見つかって良かった。

僕はリビングに戻り、カゴの実をムーンに食べさせようとした。

「ムーン。ただいま!」

どうやらトレーナーが帰ってきたみたい。
この人間は帰宅部か!? それとも午前中授業だったのか!?
タイミング悪すぎ!! どうする僕!?
ムーンを放っておいて逃げるのもな……。でも捕まるのも嫌だし……。

「返事くらいしろよ! ってお前誰!!」

考えてるうちに来ちゃったよ!
行き成り指差してきて失礼な奴!!
って違う! 今必要なのはつっこみじゃない! いい訳だよ!!
良し! ムーンの友達ですって誤魔化そう! これが一番安全策だろう!
言うぞ!! 誤魔化すぞ!!

「……えっと。……食料泥棒」
「自分で言うか普通?」

……言ってしまった。考えと違う事を。
なんで僕はこんな時まで意地っ張りかな……。

409 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/04/15(火) 22:38:15 ID:t7K8M7zk0
09 戦闘

見詰め合う瞳と瞳。気まずい雰囲気がしてる。でも目を逸らしたら負けかと思った。
そりゃ……目の前に知らないポケモンがいて『食料泥棒です』って言われたらどんな顔をすれば良いんだろう……。

「じゃあムーンを倒したのもお前か」
「それは僕じゃない! なんで僕がムーンを……」

しまった! ここでムーンの名前を出すべきじゃなかった!
明らかに僕がムーンを知ってたら不自然でしょ!
いや、この部屋に入るときにムーンの名前は言ってたか……。
でも、どんどん話がややこしくなっていく……。どうしよう……。

「あ……。お帰り御主人様」
「ムーン。その傷どうしたんだよ!」
「これ? 野生のグラエナに襲われた」

ムーンが目を覚まし事情を説明している。
人間が話をしている内に逃げよう。
このまま此処に居ると話がややこしくなる。

「で……ルナ……あのエーフィが助けてくれた」
「ふ〜ん。強いんだあのエーフィ」
「かなりね。少なくても俺より強いよ」

どうしてそこで僕の話をする!
これじゃ逃げられないでしょ!!
人間、僕を観察するな!!

「良し! 野生のポケモンならゲットするか! それにようやく見つけたエーフィだしな!」
「僕を……捕まえる気?」

正直バトルは嫌い。弱いからじゃなくて面倒だからかな。
でも捕まったらムーンと一緒か。それも悪くないな。

「相手はエーフィだから接近戦に持ち込めば……勝てる!」
「いや……接近戦はやめた方が……」

人間がモンスターボールを投げてきた。相手はリーフィアだ。
雌だね。当然僕よりも女らしい。まさかムーンの彼女……なんて事は無いよね……。

人間がリーフィアに命令する。
リーフィアの電光石火をギリギリの所で避け居合い切り。
流石に僕も人のポケモンを重症にしたくは無い。だが一撃で戦闘不能で勝負を決める。

「なんで接近戦でエーフィに勝てないの! しかも一撃!?」

結局僕は残りのポケモンも一撃で決めた。全てイーブイの進化系だがエーフィがいなかったね。
だから僕を捕まえようとしたのか。流石にムーンはバトルには出さなかったね。
でも弱い……弱すぎる。僕を満足させる奴はいない。だからバトルは嫌いなんだ。

410 :BmB:2008/04/15(火) 22:45:56 ID:Vi8tLGTE0
蒼空さん ルナつよすぎですね。 意地っ張りなとこがかわいいです。

411 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/04/15(火) 23:02:23 ID:t7K8M7zk0
ゲーム中では特攻が下がるため進化させる人がいないでしょうから。
あえて意地っ張りなエーフィがいたら良いなと思ったんですよね。

気に入ってもらえば作者としては嬉しいです。

412 :◆l53eGZU1tg :2008/04/16(水) 16:53:18 ID:6SUocE1k0
蒼空氏の作品やジャンク氏の作品もなかなかいいですね。
早速なんですが、今僕が書いている小説(モンハン)で主人公の名前がまだ決まってないので、
皆さんに名前を決めてもらいたいのです。
条件としては、なるべく日本人の名前っぽくしないで欲しいのと、
よければフルネームにしてくれたらありがたいです。
金曜深夜に締め切りたいと思います。
最後に「場違いだ」とはいわないでください。
それでは皆さんよろしくお願いします。

413 :黒の熊洋@警邏活動中 ★:2008/04/16(水) 19:48:56 ID:???0
>>412
>>「場違いだ」とはいわないでください。
 無茶言わんでください。どう見てもスレ違いです本当に(ry
 感想以外はなるべく雑談ロビーを活用してくださいな。

 ☆

 突き放すだけというのもつまらないですので考えましょう。
 ロビーで聞かれたのなら僕のネーミングストックの中から提供しても良かったんですけど、こっちで聞かれた以上ポケモンネタに絡めるしかありませんね。
「アジ・メタロード」なんてどうです?(←待て)

414 :九十九:2008/04/16(水) 21:09:54 ID:KbKRVaO20
わお。賑わってますね。
続きを書いたので載せますね(駄文だけど





~一章終幕~
誰もが寝静まっている静寂の夜・・・誰もいない学校の広いグランドから巨大な火柱が立ち上り爆音とともに静寂を打ち破った。
「・・・こ・・・これは一体・・・」
キンウ先生を含んだ大勢のポケモン達がごうごうと衰えることなく燃え続ける炎を見つめ続けていた・・・
「何かの前触れでしょうか・・・」
シリュウ先生がキンウ先生の隣でうわごとのように呟く。すさまじい炎と熱風がごうごうといまだに燃え続け・・・不意に消え去った。
半径10メートルぐらいのぽっかりとした大穴が開いている・・・そこから小さく話す声が聞こえる。それに続けて這い上がってくるような音が聞こえた。
「キンウせんせー・・・」
「怖いよぉ・・・」
「先生・・・何が来るんですか!?」
生徒達は怯えた様子でキンウ先生を見つめている。生徒の親達は半ば錯乱していた。
「大丈夫・・・落ち着いてください・・・生徒達は命にかけても守り抜いて見せます」
凛とした口調でシリュウ先生が言葉を紡ぐ。キンウ先生も深く頷き這い上がってくる何かに対して身構える。声と音はどんどん近くなり、会話の内容が途切れ途切れに聞こえてくる。
「・・・すぐ・・・口・・・星が・・・るよ・・・」
「早く・・・・ましょう・・・皆に・・・えないと・・・」
「オイラ達・・・ここから・・・出て・・・何処へ・・・」
「後から・・・・えようよっ♪・・・っと・・・考えが・・・よっ♪」
途切れ途切れで聞こえてきたのは・・・聞き覚えのある声の数々。シリュウ先生は身構えるのを止めるとおおあなにちかづけこうとしたその瞬間
「脱出ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!」
ひときわ大きな声が満点の星空に響き渡ったかと思うと、見覚えのある4匹のポケモン達が大穴から這い出した。
「ここは・・・グランド・・・かな?」
「ようやく空気がすえたぜっ!!オイラ疲れたぁー」
「あの部屋がこんなところに繋がっていたなんて・・・いいえ・・・ファイヤーが呼び出したんでしたっけ・・・」
「あれぇ?何で皆がグランドに集まっているの??」
現れた4匹は体中がすすで汚れていて指の先には土や泥がこびりついている。そんな汚い出で立ちをしている4匹を見つめてシリュウ先生とキンウ先生はぽかんとしていたが、やがて姿を確認し
「「ライチ!!レモン!!シロップ!!ミント!!何があったんだ(ですか)!!??詳しく話しなさい!!」」
と怒鳴った。ライチ達はびくっとして、しばらく黙っていたがやがてレモンが口を開いて語り始めた。
この世界の危機について・・・
自分達が課せられた使命について・・・
そして・・・そのためにこの村から出て行くことについて・・・
キンウ先生を含めてその場にいたポケモンたちは真面目にライチ達の話を聞いていた。
ライチ達は村に居たころから村のポケモン達全てに関わっていたため、皆が自分達の話を信じてくれるだろうと言う信頼があった。また、村のポケモン達はライチ達が嘘を言っているとは考えなかった。・・・それもまた、ライチたちを信用していたからである。
全てを話し終えた後、キンウ先生がゆっくりと口を開いた・・・
「・・・いまだに信じられないが・・・お前達は嘘はついたことがない・・・では・・・どうあってもこの村を出て行くというのか・・・」
キンウ先生の言葉に4匹が力強く頷く。そしてライチが喋りだした。
「確かに僕達がいきなり外の世界に出て行っても所詮は世間を知らない子供達の集まりです。さまざまな困難にぶつかると思います・・・それでも・・・僕達はいきます・・・この村のように・・・皆が笑って暮らせるために・・・僕達は・・・僕達は行きます・・・」
ライチの言葉にキンウ先生はしばらく黙っていた・・・しかしライチたちを真っ直ぐに見つめると
「わかった・・・もはや何も言わない・・・明日の早朝・・・全員でお前達を見送ろう・・・今日はここで過ごす最後の夜だ・・・自分達の家に帰りなさい・・・」
と言うと背を向けて飛び立っていった。それに続けて他のポケモンたちも自分達の家に帰り始める・・・残されたライチ達はしばらくその場で突っ立っていたが不意にレモンが口を開いた。
「ここですごす最後の夜・・・か」
レモンの言葉は吹き抜ける風とともに千切れて夜空に舞った。ミントが言葉を紡ぎだす。
「明日のために準備をしなくちゃいけませんね・・・身体も洗わないと・・・」
ミントの言葉に全員が同意すると、汚れ切った身体を引きずるように自分達の家へと帰っていった・・・

415 :九十九:2008/04/16(水) 21:12:52 ID:KbKRVaO20











家路に辿り着き、身体を綺麗に洗い流して、旅の支度を終えるころには眠気が襲ってきた。ライチは大きく欠伸をすると、今日一日のことをずっと考えていた。
「・・・どうしたの?ライチ・・・眠れない?」
レモンがベッドからもぞもぞと這い出してライチの隣に座る。すでにシロップとミントは眠っていて、穏やかな寝息が二匹から聞こえる。ライチは首を横に振るとレモンに語りかけた。
「不思議だね・・・僕達朝はここで起きて・・・レモンの作ったご飯を食べて・・・学校で不思議なところに飛んで・・・それで・・・」
それ以上は言葉が続かなかった。今日一日でいろいろなことがありすぎたのだ。ファイヤーが自分の心の中に入ったこと・・・アスラの手先が現れたこと・・・レモンが・・・死んでしまったこと・・・。
気がつくと身体が震えていた。なぜだかは分からなかった。しかし・・・とめようと思っても震えは止まらなかった。レモンはぶるぶると震えるライチを見つめて心配そうに話しかける・・・
「ライチ・・・恐いの?」
レモンの言葉にライチはビクリと反応してしまう。ライチが恐れていたのは・・・仲間の命が・・・消えること・・・
「・・・レモンが死んでしまったとき・・・僕は何もできなかった・・・ファイヤーが助けてくれなかったら・・・レモンは・・・レモンは・・・・・・・・僕は・・・恐いんだ・・・
自分の力が・・・こんな不安定で強大な力で・・・僕は本当にレモン達と一緒に戦って行けるのかって・・・僕の力が災いして・・・また・・・仲間を・・・死っ・・・」
それ以上は言葉が続かなかった・・・
気がつくとレモンが顔をほんのりと赤らめてライチに近づいて・・・
・・・・唇を重ねていた・・・・
柔らかい唇の感触がライチに鮮烈に伝わってくる・・・ライチは何をされたのか一瞬分からなかったが、気がつくと顔を真っ赤にしてレモンのとろんとした瞳を見つめていた。
「・・・・ぷぁ・・・」
レモンが唇を離す・・・キスしたときに舌と舌が接触したらしく二匹の間に銀色の糸を引いた・・・
「・・・元気が出るおまじないっ♪」
ライチはレモンの言葉が聞こえていなかった・・・まだ顔を真っ赤にして・・・虚ろな瞳でじいっとレモンを凝視していた。
「・・・元気でた?」
レモンがライチの頬を軽く叩きながら聞いた。ライチははっとすると無言でこくりと頷いた。レモンは手をぱちんと叩いて喜んだ。
「よかった!・・・・・ねぇ、ライチ・・・・・助けてくれて・・・・本当にありがとう・・・おやすみなさい・・・・」
レモンは静かな声でライチにお礼を言った後、自分のベッドに戻ると背を向けて眠りに着いた。
「・・・・・・・・・・」
ライチはまだぼおっとしていたが、やがてのそのそとベッドに潜り込むと眠りに着いた。
・・・・さっきのキスの感触を頭の中に残して・・・・

416 :九十九:2008/04/16(水) 21:13:51 ID:KbKRVaO20










朝の早い時間にレモンが起きて隣にいるライチを揺り起こした。
「ライチ・・・起きて・・・朝だよ・・・」
レモンの言葉にライチはもぞもぞと身体を動かしてベッドから半身を起こしてレモンのほうを向き、ニコリと笑って朝の挨拶をした。
「お早う・・・レモン・・・今日・・・いよいよだね・・・」
ライチが眠そうな目を擦ってから小さく伸びをした後、真剣な顔つきになりレモンに呟くように喋りかける。
「・・・うん・・・僕達・・・この村から出て行って遥か久遠の彼方に行くんだね・・・」
少々詩っぽい言葉だったがレモンのいっていることは大体あっていた。
そう・・・自分達はこの村から出て行き・・・いろいろな世界を回り・・・そして魔王と呼ばれたポケモンアスラを倒すと言う使命がある・・・
「多分・・・もうこの村に戻ってくることはないんじゃないかな・・・」
ライチが静かに言葉を吐き出す。レモンもそれは考えていた。一度自分達で出て行くと決めたことだ、目的を果たせないままいけしゃあしゃあと村に戻るのは死ぬよりも恥ずかしいことだろう。
「・・・ライチ・・・名残惜しい?」
「まさか・・・でも・・・ちょっとだけ心残りがあるかな・・・」
「心・・・残り・・・?」
レモンの瞳が不思議な光を宿してライチの顔をじいっと見つめた。ライチはレモンの顔を見てその言葉の真意を話し出した。
「・・・僕達・・・先生に迷惑ばっかりかけちゃってて・・・恩返しみたいなこと・・・できなかったなっ・・・て」
ライチの顔に深い影が落ちた。どうやら本当に申し訳ない気持ちでいっぱいのようだ。レモンはライチの頭をくしゃくしゃと撫でた。
「ライチ・・・僕達が世界を救って先生達に恩返ししよう。きっと喜んでくれると思うよ・・・ねっ♪」
レモンの笑顔にほだされて、ライチの顔が緩やかに笑顔に変わる。ゆっくりと、そして力強く頷くライチにつられてレモンもにぱっと笑って返した。
「ミントとシロップを起こそうよ。そろそろ出発のときだよ・・・」
「うんっ♪」
二匹は顔をあわせて笑いあった後、抱き合って幸せそうな顔をして眠っていた二匹を揺り起こした。











村の入り口にはキンウ先生とシリュウ先生、学校の生徒達、村の農夫達が集まっていた・・・
「ああ・・・皆さん・・・ライチ達が来ましたよ」
シリュウ先生の言葉で全員がライチ達の方を向く。ライチ達が近づくとシリュウ先生が小さな麻の皮袋を渡して口を開いた。
「この中には村の皆さんが集めてくれた硬貨が入っています。道中の役に立てなさい。・・・貴方達にはほとほと手を焼かされていましたが・・・いないと寂しくなりますね。
ですがこれは貴方達が決めたことです。自分達の目で世界を見て、自分達の足で世界を感じなさい。・・・貴方達に勇者の加護があらんことを」
シリュウ先生が尻尾でライチたちの頭の前で十字を切った後に軽く頭を叩く。これは旅の安寧と無事を祈るこの村の一種の儀式のようなものだ。ライチは静かに頭を下げて村の入り口の門まで歩く。
全員が見ている中でライチ達は永遠の別れを告げるように
「・・・さよ」
さよなら。と、言おうとしたがキンウ先生が口に手を当ててきて言葉を遮る。
「さよなら・・・と言うのは永遠の別れのときに言うものだ。出発するときはいってきます。帰ってきたときにはただいま・・・だ」
「えっ?」
ライチ達は怪訝顔をした。シリュウ先生がキンウ先生のほうを一度見つめてから口を開き、ゆっくりとした口調で話し出した。
「帰ってくるんでしょう?・・・私達はずっと待ち続けていますよ。貴方達がただいまと言うときを・・・」
ライチは泣いていた。レモンも泣いていたしシロップとミントも涙を流していた。こんなに暖かい気持ちが・・・この村には溢れている。
ああ・・・ここが自分達のいつか帰るべき場所なのだ・・・・
「「「「いってきます!!!」」」」

417 :九十九:2008/04/16(水) 21:15:00 ID:KbKRVaO20









遠い遠い昔・・・魔王アスラがおりました・・・アスラの身体と心は現世に黄泉がえり・・・世界を滅ぼそうともくろみました・・・世界は滅亡の一途をたどりました。
しかし忘れてはなりません・・・世界に闇がはびこる限り・・・その分光も輝き続けということを・・・小さな小さな名も知らぬ村から小さく小さく瞬いた
・・・希望と言う名の淡い四つの光は・・・大地を踏みしめ・・・海を渡り・・・やがて大きな心の輝きとなって・・・闇を打ち払うでしょう・・・



これは・・・そんな心の命を持ち続けた・・・優しいポケモン達の・・・物語・・・



一章・終幕

418 :九十九:2008/04/16(水) 21:20:53 ID:KbKRVaO20


・・・以上!エレメント!一章は終了です!!ああ、長かった・・・。
レモンがものすごく押せ押せタイプでした。・・・いっ、いかん!!このままではエロいことをするときもレモンが主導権を握って(自粛


さてさて、ここからライチ達はたくさんのポケモン達との出会いや別れ、ポケモン達の生や死を目の当たりにして大きく成長するでしょう。
こんな駄文を読んでくださった心の広い皆々様、どうかこれからもライチたちと心の冒険を楽しんでいってください。

419 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/04/16(水) 21:53:17 ID:F2TBJ9IQ0
短編のつもりがどんどん長く……

10 告白

人間はエスパー技を使わないエーフィに負けたことが相当ショックみたい。
……と言っても僕は特殊技は覚えて無いけどね。攻撃の方が特攻より高いし……。
ちなみに僕の覚えてる技は居合い切り、アイアンテール、噛み付く、朝の日差し。
地面に膝を付きムーンが励ましても反応が無い。ムーンの言葉にも反応しないなんて失礼な奴。

「僕に接近戦なんて……無謀だね。本当の馬鹿だよ。相手がエーフィだからって接近戦で勝てるなんて限らないよ」

僕は人間に言葉による追い討ちを掛けこの場を去ろうと振り向いた。
元々は食べ物が目的だし。目的は果たした。

「ルナ! 待ってくれ!」

ムーン? 僕を引き止めてくれるの?
それともこの展開は『俺が相手だ!』とか?

「……俺が相手だ」
「はぁ〜。……本気で言ってる?」

僕は何故か自然に溜息が出てしまった。
ムーンは良い意味でも悪い意味でも期待を裏切らない性格だね。
戦闘態勢を無理にとるムーンの姿は見ていてとても痛々しかった。
こんな姿のムーンを見て戦える訳が無い。仮に戦っても勝負は見えてるし。

「少なくても今の君じゃ僕には勝てないよ。それでもやるの?」
「でも……勝たなきゃルナと一緒にいれないだろ?」

え? 告白……ですか?

「べ、別に深い意味は……無い……けど……。いや、無いって言ったら嘘になるけど……」

僕の唖然とした顔を見てムーンは顔を真っ赤にする。
もしかして僕達って両思いってやつですか? しかも出会った当日に?

「ムーンってお前ホモだったのか!? 道理で他の面子にも……。雌は四匹もいるのに……」
「違うよ! こう見えてもルナは雌だよ!」
「……え? そうなんですか? オレはてっきり雄だと思いました」

はい。ここにも僕を雄だと思った人物が一名増えました。
しかも、あまりにも驚いて自分のポケモンに敬語になってるし。
でもムーン『こう見えても』は余計だよ。

420 :◆9C83ocean6 :2008/04/16(水) 22:40:53 ID:xvi9KBo60
九十九様 
第一章完成おめでとうございます。そしてご苦労様です。
この後ライチ達がどのように成長していくか楽しみにしてます。
これからもがんばってください。 
 
蒼空様
特殊技を使わないエーフィ、珍しいですね。
この後の展開を楽しみにしてます。
これからもがんばってください。

421 :BmB:2008/04/16(水) 23:09:25 ID:+l2sVX+g0
九十九さん おつかれさまです。 これからもつづきたのしみにしてます。      蒼空さん 告白どうなるでしょうか。 たのしみにしてます。

422 :黒の熊洋@警邏活動中 ★:2008/04/16(水) 23:59:24 ID:???0
>>BmBさん
毎度本掲示板をお楽しみいただきありがとうございます。
ですがそろそろメール欄に「sage」と書く事を覚えてください。
(E-mail:のところに半角小文字でsageと書く事で、書き込みでスレッドの順番が変わる事を防ぐ事が出来ます)

423 :エニケス ◆HRQ/TK9HPM :2008/04/17(木) 00:16:23 ID:PGGzUfUE0
クラウンと踊り子  ー狂い咲きー



お母さんが夕食を作っている姿を見ながら、お父さんと兄ちゃんと一緒に笑いながらお喋りをする。
皆の笑い声で包まれた食卓は、何か温かく、安心できる場所だった。
お母さんが大きい鍋をテーブルの真ん中に置いて、蓋を開けると湯気がふわっと昇っていって、美味しそうな香りが漂ってくる。
今日のご飯はシチューだ。
お父さんが僕の分のシチューを皿に盛ってくれて、僕の前に置いてくれる。
兄ちゃんと「どっちが多いか」って喧嘩して、それをお母さんは笑いながら見てて。

家族の中は、僕の安心できる唯一の場所だった。
自然と笑顔になって、家の中は笑い声で満ちていた。


僕の家族は全員サンダース。 だけど、僕だけがイーブイ。
何故だか分からないが、僕の家は代々サンダースが受け継いできた。
だから僕もサンダースに進化する。
家族全員がそう願っているし、僕自身もサンダースに進化したいと思っている。
来月の誕生日に雷の石をプレゼントされ、進化する。
皆、僕がサンダースに進化することを願っているのならば、喜んで進化する。

進化したら、皆喜んでくれるだろう。
そしたら、今以上に幸せになれるかな?  皆僕のことを愛してくれるかな?

誕生日前夜は寝れなかった。
明日の事、明日以降の事を考えると、わくわくして眠れない。
何時もとは違う誕生日。僕にとっては大切な誕生日。
カーテンを開け放して月を眺めながら、幸せになる未来について考えていた。
次第に瞼が重くなってきて、何時の間にか眠っていた。


424 :エニケス ◆HRQ/TK9HPM :2008/04/17(木) 00:18:24 ID:PGGzUfUE0
カーテンが開いている窓から朝日が差し込む。
直接顔に当たって、目が眩んだ。
寝起きの痒い目を腕で擦った時、体の異常に気がついた。

腕が黒い。
今までの茶色い毛ではなく、腕は黒い毛で覆われていた。
腕だけではない。 手、お腹、足、尻尾・・・全身が黒くなっている。
腕と腿には、輪の様な黄色い模様があった。
それに、耳と尻尾の形が今までとは違う。

頭の中が真っ白になる。
ベッドから飛び降りて、机の上の手鏡を取った。
震える手で鏡を自分の顔に向けると・・・

ブラッキーが僕を見つめていた。

「うああああぁぁぁぁぁッ!!!」
鏡を壁に投げつける。
大きな音を立てて割れ、破片が床に散らばった。
頭を抱えてその場に蹲る。

この時代は、イーブイがブラッキーに進化するメカニズムが詳しく知られていなかった。
ブラッキーに進化した者は、口をそろえて「いつの間にか進化していた」と言う。
まさか僕がブラッキーに進化するとは思っていなかった。

一度進化したポケモンは、二度と元の姿に戻れない事は、この頃の僕でも知っている。
複数の種類に進化できるポケモンが、進化した後に他の種類に進化しようなんて無理な話。

頬を殴った。 頭を振った。 夢だと疑った。
何をしても、目の前にはカーテンが開いた明るい部屋に鏡の破片が散乱している。この光景は変わらなかった。
そして自分の姿も変わらない。
力が抜けて、その場に座り込んだ。

絶望だ。
ずっと家族みんなに、サンダースに進化するように言われてきた。
僕も皆と約束したはずなのに・・・。


「どうしたのッ!?」
ドアの向こうからお母さんの声が聞こえる。
きっと鏡が割れる音を聞いて、心配して来てくれたのだろう。
僕は、とっさにドアを両手で押し付けた。この姿を見られてはいけない。 
「なんでもないッ!! なんでもないから!!!」
お母さんを納得させるのに少し時間がかかった。

ドアの向こうにお母さんが居なくなったのを確認すると、ドアの近くにある本棚をずらして、ドアの前に置いた。
本棚だけではなく、おもちゃ箱や椅子などを置いて、ドアが開かなくなるようにした。
窓の鍵を閉めてカーテンを閉ざす。

ベッドの上で布団を被って震えていた。

皆、怒るに違いない。
怒らなくても、悲しむかな・・・。

サンダースになってからの事は、皆と山ほど語り合った。
皆と約束して・・・。 皆と指切りをして・・・。
思い出すほど悲しくなる。

425 :エニケス ◆HRQ/TK9HPM :2008/04/17(木) 00:20:30 ID:PGGzUfUE0
部屋に閉じこもればばれることは無い。 そんな事考えていなかった。
いつかはばれる。 見つかってしまう。

案の定、今日中に見つかってしまった。
お父さんとお母さんが震えているブラッキーを見た時、今までの温かい目をしてくれなかった。
何を考えていたのか分からない。
怒りかな・・・。 失望かな・・・。
何れにせよ、今までの幸せな生活は送れないとわかっていた。

その日の夜、僕は家から追い出された。
追い出されるとは思ってもいなかったが、受けとめるのに時間はかからなかった。

夜の街をさ迷い歩く。
行く所も無く、帰る所も無く。
家に居させてもらおうかな・・・と思ったが、考え止まった。

ブラッキーに進化した僕を簡単に捨てたのは、サンダースになれなかった僕を邪魔に思ったから。
サンダースにならなくちゃ、あの家には住ませてもらえない。
今までの家族の笑顔、温かさは全て偽りだったんだ。

ブラッキーは要らないんだね。

寝る場所も無く、月が照らす道をただ歩いていた。

力尽きて、その場に座り込む。
助けてくれる人は誰も居ない、完全なる孤独。

暗い・・・寒い・・・怖い・・・

涙が溢れてきた。
何に対して泣いているのか分からない。
家族の裏切りに対する怒りか、悲しみか。
声を上げて泣いていた。

「君・・・どうしたの?」
腕に埋めた顔を上げると・・・

シルクハットを被ったミミロップが僕の前に立っていた。


狂い咲き 終

426 :あぼーん:あぼーん
あぼーん

427 :◆l53eGZU1tg :2008/04/17(木) 00:40:32 ID:QZRZwD3g0
>>413
やっぱりそうですよね・・・
やっぱり別のところにします。

428 :◆l53eGZU1tg :2008/04/17(木) 01:26:23 ID:QZRZwD3g0
名前募集を下の感想スレに移動しました。
連スレごめん

429 :BmB:2008/04/17(木) 06:22:04 ID:V8tC/KmI0
黒の熊洋さん すみません了解しました。以前パウスさんにもおしえてもらったのですが、いまいちわからなかったので、黒の熊洋さんとパウスさんありがとうございます。  

430 :江戸:2008/04/17(木) 18:12:13 ID:joIHyAGI0
すいません。感想だけ書き込みします

431 :九十九:2008/04/17(木) 20:33:48 ID:wcAIFHyw0
続きです。知らない人は一章からどーぞ。



~二章序幕~
その大陸だけは不気味な空間に覆われていた。
雨が降るわけでもなく、かといって太陽がさんさんと輝いているわけでもない。
湿っているわけでもなく、乾燥しているわけでもない空気。風が吹くこともなく、音が聞こえるわけでもない小さな大陸。
まるで時間停止と言う言葉をそのまま拡大させたような大陸の中心地にその塔は聳え立っていた。
「・・・偵察に向かわせたサイドンの意識が消えた・・・どうやら死んだようだ」
同情も哀れみも聞こえない無機質な言葉が広い空間に静かに響く。
「はっ!どうせ偵察用の駒に過ぎない。いくらでも変えは聞くさ。むしろ、あの間抜けが身体を張って勇者の力をみることができたんだ。・・・上場たぜ?」
くくくっと嘲るような笑い声が聞こえる。どうやら複数いるようだ。
「でも・・・少しだけだけど・・・哀れなあのポケモンに同情しないわけでもないです・・・」
同情を秘めたような声が響く。・・・無論その声には何の感情も入ってはいなかった。
「くくっ・・・皮肉るなよ。同情なんて微塵もしてないくせに」
「貴方を笑わせようとしただけです。・・・面白かったですか?」
「12点だな」
「そうですか」
辛口の評価をもらってもその声はなんとも思っていなかった。二匹がだらだらと不毛な会話をしていると、横から違う声が割って入った。
「ヨット、ファイ。下らん与太話をするな。アスラ様は封印から目覚めて我等を創り出してお疲れになっているのだ。さっさと我等の仕事をするぞ」
ヨットと呼ばれたポケモンがごろりと横になる。静かなその空間に少量の光が差し込み、そのポケモンが露になった。
美しい白い毛並みにひんやりとした空気を思わせる美しい水晶のような瞳をその目に宿している。マッスグマだった。
「知らんよ、そんなこと。」
ヨットは静かにそう言い放つと、自分の尻尾の毛づくろいを始めた。それを見たポケモンが怒気を強めて口を開いた。
「暢気だな。お前の首が飛ぶかも知れぬぞ?」
最大限に挑発するように言ってやったがヨットは毛づくろいを止めようとせず、そちらをちらりとも見ずに口を開いた。
「自分の体調を崩してまで創り出した俺達の首を簡単に刎ねれるならビックリだ。是非やってみて欲しいものだな」
クックッと笑って毛づくろいを終わらせてゆったりとした。・・・そして気だるげに呟く。
「第一体調を崩すぐらいなら俺達を創り出さなきゃいい。なっ、ファイ」
ファイと呼ばれたポケモンが軽く頷く。明かりが顔を照らし出す。
小さな身体に茶色の毛がよく映える。顔には大きな三日月のマークが刻み込まれている。ヒメグマだった。
「ほらな。ファイだってこう言っているんだ。お前がどーこーいえることじゃないんだよ。そんなにいうならお前がやれよ、イプシロン」
ヨットは物憂げな瞳でイプシロンと言ったポケモンを見つめる。体が美しい黄色に覆われている。尻尾は九つに分かれて波打っている。キュウコンだった。
「馬鹿を言え。私は私でやることがあるのだ。だからお前達にやっておけと言ってるのに・・・」
「覚醒した手の勇者なんて出来立てのうどんみたいなもんだろ?伸びきったところを千切っちまえばいいんだよ」
分けの分からないたとえだったため首をかしげたイプシロンがどう言う意味だと問いかけようとすると、横からファイが口を開いた。
「そうですね。・・・イプシロン、伸びきったうどんは私が千切ってきます」
イプシロンの返事を待たずにひらりと身を翻すと、ファイは扉をくぐって外に出ようとしたときに、ヨットが欠伸をしながら心配の言葉をかけた。
「死ぬなよー。ファイが死んだら俺寂しくって泣いちゃうから・・・くくっ」
読みたくないセリフを棒読みするように言葉を吐いてから聞こえるように笑う
「・・・せいぜい用心します」
特になんとも思わずにファイはその空間から消えていった。

432 :九十九:2008/04/17(木) 20:34:41 ID:wcAIFHyw0



















「ご主人様・・・荷物をお持ちします」
「別にいいって・・・オイラが持つ番なんだから」
シロップがバツの悪そうな顔をして自分のことをご主人様と言ったポケモンを見つめた。栗色の瞳に映える幼い顔つき、子供のような声質とは思えない美しい体つき。
要するにとても可愛い・・・リーフィアがシロップの横に連なって歩いている。
後ろからははやし立てる声と蔑みを含んだ声と哀れみの声がかかる。
「持たせてあげたらどうですか?シナモンは"ご主人様"の力になりたいみたいですしっ!」
「シロップが皆のためのお金をほとんど使って買っちゃったんだもんねっ♪そりゃ大事にしたくもなるさっ♪」
「・・・・・・・・・・・・シロップ・・・・・・・・・・」
シナモンと呼ばれたリーフィアは後ろから来る声に恥ずかしそうに口をもごもごさせた。その仕草がまた愛らしさ抜群であり、大抵の雄なら顔がふにゃふにゃになっていただろう。
しかしシロップは深い疲労と憂鬱が身体の中を支配していた・・・
ライチ・・・そんな顔でオイラを見ないでくれ・・・
レモン・・・後で殴ってやる・・・
ミント・・・お前なんで怒ってんの・・・??
いろいろな感情が頭の中を支配する。そのことばかりを考えているとまた深いため息が出て、何ゆえにこのような状況になったのかと数時間前の自分の行動を摸索し始める・・・
それは数時間前・・・鬱陶しい雨がじめじめとふっていた昼の時間だった・・・

433 :九十九:2008/04/17(木) 20:38:18 ID:wcAIFHyw0
えぇと・・・序幕からこんなんでいいのか!?
今回の主役はシロップです。さぁ、シロップはどのようにして心の力を手に入れるのか。
・・・大げさですね、すいません。続きを楽しみにしてくれた皆様、期待にこたえられたでしょうか?
読んで下さってありがとうございます。

434 :江戸:2008/04/17(木) 21:47:41 ID:joIHyAGI0
九十九さんへ       続き楽しみにしています!

435 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/04/17(木) 22:00:28 ID:D6+yr1Fs0
こんなのありかよ急展開!? ……って感じになってたりなってなかったり……

11 主人

ムーンの当然の告白に僕はどう答えれば良いんだろう……
そもそも食料泥棒で侵入した僕がここのポケモンになって良いんだろうか?
何度考えても僕の答えは一つしか出ない。

「……解った。僕はあんたのポケモンになってあげる。
 でも僕はあんたをトレーナーと認める訳じゃない。
 ムーンと一緒にいるために……」

って僕も勢いで何という事を言おうとしたんだ!
こんなのは僕のキャラじゃないよ!
その性か人間もムーンも唖然としてるよ。

「えっと……御二人様はそういう関係ですか?」
「い、いや。今日会ったばかりだよ。別にそんな関係じゃ……」

また敬語になってるぞ……人間。

「べ、べ別に深い意味がある訳じゃないんだから! 勘違いしないでよ!
 僕はムーンの事なんか何とも思ってないんだから!」

顔を真っ赤にしてこんな事言ったって説得力は皆無だよ僕……。
こんな時こそ意地を張らないで素直にならなきゃいけないのに……。
この一言でムーンとの関係が悪くなったら……。

「いわゆるツンデレという奴ですか……。ツンデレのエーフィって初めて見た……」
「ルナのそんなとこも可愛いと思う」

……良かった。どうやら悪い印象は与えなかったみたい。

「じゃあ、よろしく頼むぞ。え〜とルナ」
「世話になるよ。……人間」
「人間ってオレにちゃんとした名前が……」

はぁ〜。イチイチうるさいトレーナーだ。

「僕はあんたをトレーナーと認める訳じゃない!
 呼び方なんて『人間』で十分だ!」
「ごめんなさい……。人間で良いです……」

睨みながら言ったから人間も恐怖により素直になったね。
これは長生きするタイプかな?

「ルナ……あんまり苛めないでやって……」
「ムーンがそこまでい言うなら考えとく」

こうして僕はこの人間を二人目のトレーナーとして選んだ。
これで僕はムーンと一緒にいられる。
僕が初めて愛した雄のポケモンと……。

436 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/04/17(木) 22:00:55 ID:D6+yr1Fs0
12 月光

人間が帰って来てから数時間が経った。
人間から他のポケモンの紹介があり僕も少しは此処に溶け込めた……と思う……。
当然バトルで僕が圧勝したため、まだ友好的ではないけど……。

今、僕は屋根の上で月を眺めていた。
今宵は満月でとても美しい。
僕が生まれた日も満月だったらしい。

「限りなく近く……果てしなく遠い。
 手を伸ばせば届きそうで……絶対に届かない。
 僕はその月になるはずだった……。
 でも僕が手にしたのは太陽。僕は太陽になった。
 僕は月になりたくて……月になれなかった。
 限りなく近く……果てしなく遠い……月」

何言ってるんだろ僕は……。
僕自身ずっとブラッキーになると思ってた。
ブラッキーになる事しか考えてなかった。
満月になるたび僕は過去を思い出す。
あんなに優しかった過去の主人は僕がエーフィに進化したら急に冷たくなった。

「……ルナ? こんな所にいたんだ」
「ム、ムーン!?」

ムーンが話しかけてきた事に僕は驚いた。
ムーンが来た事に全然気が付かなかった……。
それだけ僕は月に魅せられていたんだろう。

「家の中にいないから探したよ。まさか屋根にいるなんて思わなかったよ。皆寝ちゃったけどルナは寝ないの?」
「でもそんな事を言っておきながら僕を見つけてるじゃない」

ムーンが僕に近づいて来て隣に座る。
自分から近づいてきたのに緊張して顔を赤くしてるし……。

「ルナは月……好きなの?」
「好き……だね。いや……憧れかな。
 僕は月になるはずで……月になれれなかったから……」

さっき独り言でも言った言葉……。
僕は月に憧れている。自分が手に出来なかった月に……。

「俺は……正直嫌いかな……。
 この寂しい光を見てると……全て失うんじゃないかって……不安になる。
 そんな事無いはずなのに何時かそうなるんじゃないかって……。
 可笑しいよね。自分が手にした力に不安になるって……」

確かに月は太陽と比べれば寂しい光だろうな……。
何か良い言葉が浮かばない……。何も言えない……。
僕は何も言わずにただムーンに口付けを交わしていた。

437 :パウス ◆EvJGalaxy2 :2008/04/17(木) 22:09:04 ID:XR+SLO4Y0
>>431-432
おっ、第二章ですか。
数時間前に何かあったんでしょうかね。
これからも期待していますよ。

>>435-436
ルナとムーンは一緒になったのですね。
しかも最後の文………う〜ん、次が非常に気になる終わり方です。

438 :パウス ◆EvJGalaxy2 :2008/04/17(木) 22:31:07 ID:XR+SLO4Y0
〜story42〜 ―ジェードの陰謀―

「おっ、来ちまったぜあのサンダース。どうすんだ?あいつは」
パイロープは体を前に乗り出し、目を大きく見開いた。
あの――名前を忘れてしまった――ブースターとサンダースは、今俺達がいる位置から結構遠くに位置しており、背の高い草の間から覗いているが人間の俺にはよく見えない。
その上、その草が風で揺れるものだから全く見えない時もある。
「……おい、何やら物凄く痛がってるぞ………。」
ルベライトはこっちを振り返るが、何度も言うように俺にはあいつらの姿が良く見えない。
サンダースは思いっきりブースターに抱きついたまま離さず、しかも痛みを感じるほどの力を入れているらしい。
成程、それでブースターは悲鳴を上げている訳か。

いくら耳が良かろうと、あいつらの潜めた声を聞き取るのは至難の業だ。その時とる行動で判断するしかなかった。
パイロープ、ルベライト、スイクンの三匹で見張っていれば何とか状況は判断出来るだろう。
ここはこいつらに任せ、近くに転がっていた手頃の石に腰をかけた時、パイロープは「おおっ!」と驚きながらも嬉しそうに声を弾ませた。
その目は限界まで開かれ、血管が眼球を這っている。

『せっかく私とメノウだけしか居ないんだしさ、今日も………やっちゃう?』

いきなりこんな危険なワードは耳に飛び込み、思わずあいつらを覗いてしまう。
ゆらゆらと揺れる草の間をじっと見つめ、サンダースの黄色い姿が見えた時に目に飛び込んできたのは―――
サンダースが後足を全開にして座り込んでいる姿だった。
「な、何考えてんだあの女!こんな周りから丸見えのところで―――」
「そのやかましい口をさっさと閉じろ!!そして見るな!!汚れる!!」
パイロープが興奮のあまり声を張り上げ、サンダースの姿を凝視しているところにスイクンが飛びかかった。
容赦なしに悪態を耳に詰め込まれたパイロープは、スイクンの力に成すすべも無く首を九十度曲げられて口を塞がれる。
ルベライトはちゃんと目を逸らしていた。俺は人間だからどうとも思わないが相当“くる”らしい。


439 :パウス ◆EvJGalaxy2 :2008/04/17(木) 22:31:26 ID:XR+SLO4Y0
『ねぇ、今、声が聞こえなかった?』

肝が一瞬にして凍りついた。スイクンに首を固定されているパイロープを睨みつけ、今この場でで馬鹿野朗と思いっきり叫んでしまいたかった。
正直に言うとスイクンの声も五月蝿かったのだが、今言ったら殺されそうなので口を噤んでおく。

感付いたのにこっちに来ないとなると、あいつが何とか白を切ってくれたようだ。内心で深くため息をつき、もう一度パイロープを睨みつける。
もう一度あいつらを覗きこむと、薄っすらとだがブースターがサンダースのあられもない全開させた後足を閉じていたのが見えた。

『ごめん……、ちょっと今日は………』

そう言うとブースターはサンダースを立ち上がらせ、俺達の位置とは逆方面へと走っていく。
サンダース一度こっちを向いて首をかしげ、不本意そうにブースターの後を追っていった。

張り詰めた緊張感が一瞬にして解け、全身の力が吸われたように体の力が抜けていく。
目の前に居る馬鹿野朗のせいで見つかるところだったが、とりあえずは難を逃れただろう。
空を見上げると、綺麗な星が無数に散らばっているのが葉の間から見えた。もう大半が欠けてしまっている月が金色の光を反射し、真上から降り注ぐ。
もう夜は随分と深けていた。


440 :パウス ◆EvJGalaxy2 :2008/04/17(木) 22:31:56 ID:XR+SLO4Y0
「偉いなあいつ……。よくあの誘惑に勝ったものだ。」
ルベライトは両腕の鎌が体に当たらないように腕を組み、うんうんと頷く。ようやくスイクンから開放されたパイロープは、思い出したようにニヤニヤと笑った。
「俺なら絶対に飛び込むね、あの足の間に。」
究極の阿呆発言を聞いた俺とルベライトとスイクンは、ほぼ同時にため息をついた。一体いつからこんな阿呆になったのだろう。
「貴様のその底の無い欲は一体どこから湧き出ているのだ?呆れた奴だ……」
「だってよぉ、俺の周り男ばっかじゃん。」
――――暫くの沈黙。
ルベライトは腕を組んだまま目を剥き、俺は思わず失笑してしまう。パイロープ自身は、自分のとんでもない失言に気付いていないようだ。

「ほぉう……、貴様の眼は飾りか?それとも節穴か?どちらにしても貴様に眼は必要ないようだな……」
かなり憤った様子がひしひしと伝わってくるのに、見事にフラットにコントロールされた声がパイロープの後ろから降りかかった。
パイロープのへらへらとした顔は一瞬にして凍りつき、自分の失言に気が付いたように口を塞ぐ。
そのまま後ろにゆっくりと顔を向けると、そこにはポケモンの技である怖い顔″よりも怖く、睨みつける″よりも迫力満点のスイクンの顔があった。

頭の中にこの後の展開を予想するのには、全く苦労しなかった。―――まずい。このままではパイロープの絶命は絶対だ。
なんとかスイクンの怒りを納めようと、俺は間に入って無理矢理話題を逸らした。
「それじゃあよ、もうここには用はないだろ。……行くぞ。」
これは話題を逸らすというより、気持ちを入れ替えられる言葉だった。
元々真面目なルベライトは別として、怒りに顔を引きつらせていたスイクンの表情が変わり、パイロープでさえも顔つきが真剣になる。
「そうか。…………だったら乗れ。」
スイクンは俺の体の下に首をもぐりこませ、そのまま首を上に向けて俺の体を押し上げた。
ふわりと乗せられたそこは、以外にもスイクンの背中。あまり人間を信頼していなかったあのスイクンが、まさか俺を背中に乗せるなんて。
「貴様が動いている理由が分かったからには、協力せねばならぬだろう。徒歩で行くよりは断然こっちの方が早い。」
スイクンは首を曲げてこっちを見ると、今まで見せたことのないような柔らかい笑みを見せてくれた。


441 :パウス ◆EvJGalaxy2 :2008/04/17(木) 22:33:21 ID:XR+SLO4Y0
今度はルベライトとパイロープの方を向くと、あごで自分の背中を指した。
「さぁ、乗れ。」
俺たちまで乗せてってくれるのか、と半分驚きながら、ルベライトは跳躍して背中に座り込む。
次にパイロープが乗ろうとした時、スイクンの顔がまた引きつった。
「……貴様は乗るな。私の背中が汚れる。」
スイクンはまだ根に持っているらしく、頑なにパイロープを乗せるのを拒む。
このせいで、元々長く続かないパイロープの緊張が解けてしまった。
「な、何だよ!俺があんたを雌と思ってなかったのは謝るけど、何もそこまで―――」
「もういい、お前はここに入ってろ。」
ここでパイロープがスイクンに絡むと厄介なことになるのは目に見えている。
スイクンが生身のまま乗せようとしないならば、モンスターボールの中に入っておいてもらおう。
俺は久々にボールを取り出し、それから発した赤い光をパイロープに当てた。パイロープの体全体が光を同じ色になり、吸い込まれるようにボールの中に入っていく。

「それでは………行くぞ。」
スイクンの想像を絶するスピードは、振り落とされないようにするのが精一杯だった。

――――――――――――――――

う〜ん………。何だか文章がぐだぐだなような気がしないでもないんですが…
読みにくかったり、解りにくかったらすみません。

442 :BmB:2008/04/17(木) 23:08:50 ID:V8tC/KmI0
パウスさん 解りやすいとおもいます。 このあとどうなるかたのしみです。

443 :◆l53eGZU1tg :2008/04/18(金) 00:09:05 ID:1godz1bE0
いろいろ考えましたが、やっぱり僕もポケモンの小説を書こうと思います。
でも、国語2で、6ヶ月前に精神年齢が18になったばかりだから、エロを取り入れるのは至難の業だと思うので、
下の(たまに上)ポケモン小説に書き込みたいと思います。
出来上がり次第乗せようと思いますので、いつになるかはわかりません。
駄文だと思いますが、もしも期待する人がいたら、張り切って書こうと思います。
ブログのほうのモンハンの小説も書く気はバリバリあるので多分大丈夫です。
それでは、親が着たらやばいので・・・

444 :九十九:2008/04/18(金) 17:19:05 ID:llawwC6o0
>>443
期待していますよ、発さん。
少なくとも私のつまらん小説よりは楽しくなると断言できますね。

445 :ジャンク:2008/04/18(金) 17:49:46 ID:3lpeF4cg0
あの、今やっている
小説なのですが
自分が書いているのはとても三日月様のに
物凄く似ているので止めさせていただきます
違う小説を書きたいと思ってます
いろいろすいませんでした
もしもよかったら、新しい小説を読んで
小説のアドバイスをください。

446 :九十九:2008/04/18(金) 21:28:34 ID:llawwC6o0
続きですー。わかんない人は一章から読んでくださいね。
尚、小説中に三月兎様の短編小説"SOSIA"に関する単語が出てきますが本人に了承をもらっております、はい。(コラボレート?





~二章第一幕~
「うわっ!!雨だぁー!!」
ライチが顔をしかめて暗くなり始めた空を見上げる。自分の尻尾の炎を見つめて大きなため息をついた。
「このぐらいの雨なら明日にはやみます。ここからさらに進んだ先に牛舎小屋のようなものがうっすらとですが見えました。そこまで行ったらきっと雨宿りぐらいできるでしょう。」
ミントが目を細めて遠くを見つめる。雨で視界がせばまっていてよくは見えなかったが、確かに建造物が立っている影が見えた。
「あそこまで走ろう!!通り雨でも雷がなってたら危ないよ!!」
レモンが切羽詰った声で全員の足を急がせる。ライチは自分の尻尾を優しく持って炎に雨が当たらないようにした。




ライチ達が村を出て行ってから数日が過ぎた。ライチ達は歩く途中で自分達がどこに向かっているのかを確認していた。
「情報を集めるのならここから北東に位置するランナベールという町が一番大きい街です。手っ取り早く魔王の情報を集めるのにはここを目指したほうがいいですね。」
歩きながらミントが手に持った地図の北東に位置する大きな町に鉛筆で大きな丸をつけてチェックをする。
「じゃあ、いったんそこで宿の確保をしてからアスラに対する情報をそれぞれがばらばらになって調べるって言うのはどうだ?」
横から地図を覗き込んでいたシロップが一つの案を提示する。ミントは一度だけ頷くとその案に少しだけ自分の考えを付け加えた。
「シロップの案はいいものですが、私たちはまだライチと違ってまともに戦える状態ではありません。
ですから、二匹ずつで固まって情報を集めたほうが範囲が広くなりますし、敵に襲われる危険性も激減します。万一に襲われたとしてもすぐに合流できますしね」
はぐれる危険性もあるんじゃないのか?と訊こうとしたが止めておいた。いちいち口を挟むといざその町についたときの情報収集に支障が出るからだ。
「・・・・・わかった、ミントの案に賛成するよ。」
シロップはミントの顔色を伺って賛成の意思を見せた。ミントはしばらくシロップを見つめて何かを言いたそうにしていたが、やがて深く頷くと
「ありがとう。でもシロップが出した案なんですから、私に了承を得るのは間違っていませんか?」
ミントが申し訳なさそうにシロップの顔色を伺う、シロップは大げさに手をぶんぶん振って見せて
「いや、全然気にしてないから。第一ミントの案のほうがもっともらしいし、筋も通ってるよ。」
シロップがそういうとミントが顔を明るくしてニコリと笑った。その笑顔につられてシロップも笑った。
・・・・・その時、雨が降り出した。元々天気が曇り空で空気もなんとなく重かったので雨が来るとはライチ達は十分予想していた。しかし振る量がとても多いことは流石に予想はできなかった。

447 :九十九:2008/04/18(金) 21:29:29 ID:llawwC6o0





ライチたちの息が切れ始めた時に、その牛舎小屋のような建物に辿り着いた。遠くすら見るとぼろっちいあばら家のようなみすぼらしい小屋でも、近くで見ると土台がしっかりした旅先の宿屋に見えるから雨の夜の瞳の世界というのは実に不思議だ。
ライチ達があわただしく扉を開けると、その宿の主人はきょとんとしたような瞳でライチたちを見つめると、すぐに柔和な笑みを浮かべて
「お泊りですか?」
と、聞いてくれた。ライチ達は自分達が雨に打たれて、疲れた身体を休めたい。一晩だけ部屋をお借りしてもよろしいでしょうか?と、聞くと主人は微笑を崩さずに
「いらっしゃいませ。お泊りならイセ硬貨を六枚分いただきますがよろしいですか?」
とよく通った声で宿賃を請求した。ライチが袋からランナベール金貨を三枚取り出して卓上に置くと、嬉々としてそれを受け取った主人はにこやかに部屋へ案内した。
ライチ達が案内された部屋は質素なつくりだったが隅々まで清掃されていてこの宿屋の主人がどれだけ熱心に掃除をしているか分かった。特に雨漏りもなく、狭いというわけでもない。文句など何もない上等な部屋だったのだが一つだけ問題があった。
・・・ベッドが二つしかないのだ・・・
「・・・あちゃあ・・・」
シロップが目をあちこちに泳がせて頭をぽりぽりと掻く。ライチは濡れた身体を乾かすために部屋の住み設置してある小さな暖炉に薪をくべて火をつけると、
~薪を使った方はここにノルン銀貨を一枚お入れください~と書かれてある小さな箱の中に古ぼけたノルン銀貨を一枚放り込んで満足そうな顔をした。どうやら汚れた銀貨を処分できてすっきりしたようだ。
「とりあえず荷物を置いて食事を取ろうよ。この分だと夕食なんて出ないよ」
レモンが大きな麻の袋からスモークチーズと干し肉を人数分取り出すと全員に配った。
「・・・この分だと二日後にはランナベールに着きそうですね」
干し肉を口の中に放り込んで味わいながら、ミントはとりあえずの目的地であるランナベールの到着時間を適当に予想した。ライチはレモンからもらったチーズを暖炉の中に放り込んで焼かれていくのを見ながら口を開いた。
「それは明日雨がやんだらのときだよね。もし明日も雨が降ってたらかなり移動時間が削られるよ」
ライチがすっかり焼けたチーズを一口で口の中に放り込んだ。平気な顔をして食べているあたりを見ていると、炎タイプとは実に便利だとレモンが思っていた。
「地面がぬかるんでるからねっ。移動に足をとられるかもしれないよっ」
ライチの言った事にレモンが付け足すと残りの干し肉を一気に口の中に入れてよく噛んだ後飲み込んだ。ミントがちまちまとチーズを齧りながら外を見る。
さっきからごうごうと降り続く雨は衰えるどころか益々激しさを増して草原一帯に降り注いだ。この調子で降り続くと明日晴れても移動に足をとられるな。と思っていた。
じめじめとした雨はライチ達が就寝してからも降り続け・・・結局朝まで降り続いていた。
・・・ちなみにベッドの割り当ては男と女で完全に分けられた。







448 :九十九:2008/04/18(金) 21:30:57 ID:llawwC6o0
朝になっても雨がまったく止まないのを見つめてげっそりしたミントは朝食をとってからどうするかをライチに問いかけた。なぜならライチが雨の中を走るのが一番危険だからだ。ライチは一瞬だけ考えたが、意を決したようにこう告げた。
「僕なら大丈夫だから今から早足で目的地に向かおう。やばくなったら麻袋でも何でもかぶって走ればいいよ」
などといってくれたのでミントは大いに助かった。そしてこんなに前向きになったのもあまり泣かなくなったのもきっとレモンとファイヤーのおかげなのだろうと思いのんきに口の中を漱いでいるレモンに目を向けた。
「んがががががが・・・・っんん?どーしたのミント?僕を見てて楽しいー?」
えへっと笑うとレモンは再び口を漱ぎ始めた。ミントは急にレモンを見るのが阿呆らしくなりふいっと顔をそらして窓の外を見て・・・妙な違和感に気付いた。
「???・・・何でしょうあれ・・・辻馬車が・・・止まってます」
ミントの見ているところから全員が顔を覗かせる。確かに辻馬車が止まっていた。行商人でも泊まりにきたのだろうと思っていたレモンは目を輝かせると
「行商人だったら何か売ってもらおうよ!!節約したほうがいいし、ここ買っておけば野営のときの料理のバリエーションも増やせるよ!!」
料理のバリエーションが増えるかもしれないという言葉は旅をする者にとってはとても魅力的な甘言に匹敵する言葉だった。
旅をするに至ってもっとも大事なのは節約することなので食事も貧相なものになりがちである。
レモンがどたどたと一階の宿屋の受付に降りるときょろきょろと辺りを見回し辻馬車の持ち主と思しきポケモンを探して・・・ソファに座ってくつろいでいるゴーリキーに目を向けて大きな声で問いかけた。
「すいませーん!貴方は行商人ですかぁ??」
レモンの声にくつろいでいたゴーリキーはゆっくりと顔をレモンのほうに向けて、行商人がよく使う笑顔で答えた。
「ああ、そうだよ。貴方は何か欲しいのかな?」
「それは商品を見てから決めますよ」
レモンがはっきりというとゴーリキーは賢明な判断だといわんばかりににっこりと笑うと
「わかった。辻馬車をちょっとだけ移動させるから待っていてくれないかな?」
「はい。わかりました」
短い返事でレモンがゴーリキーが外に出るのを見ていると、それと入れ替わりに二階からライチ達がやってくるのを見た。
「レモン、いきなり飛び出さないでよ・・・それで?行商人だった・・・みたいだね」
ライチが行商人かそうでないかを聞こうとしたがレモンの満面の顔を見てよく分かったようだ。くすっと笑うとレモンの傍まで寄ってきた。
「何が売られてるんだ?」
シロップがまだ眠そうな目を擦りながらレモンに訊くと、レモンは首をゆっくりと横に振ると
「まだ何が売られているのかは分からない。でも・・・もし大きな町から来た行商人だったら食料品が売られてる可能性は高いよっ♪」
レモンがくふふっと笑い声を押し殺す。これから出てくる行商の品に期待を抱いているのだろう。
・・・しかし、レモンたちは行商品の中でとんでもないものを目にする羽目になった・・・

449 :九十九:2008/04/18(金) 21:39:02 ID:llawwC6o0
二章の一幕はこんな感じですね。短い、そしてつまんない・・・OTZ
ダブルベッド!!・・・と聞いて興奮した人は興奮を冷ますような結果にしてすいません・・・OTZ
こんなだ分の続きを期待してくれたパウスさん、海さん、江戸さん。
ありがとうございます!!・・・OTZ

450 :BmB:2008/04/18(金) 23:24:55 ID:gzGA1N5s0
九十九さん いやいやおもしろいとおもいます。 二章もがっばってください、たのしみにしてます。

451 :江戸:2008/04/18(金) 23:58:03 ID:Rd+nx/rA0
九十九さんへ   同じような事を書きますが、ぜひ二章目もがんばってください!

452 :◆l53eGZU1tg :2008/04/19(土) 00:54:44 ID:jKh84lDE0
九十九氏へ
まったくだいじょうぶですよ。
やっぱり同じ事ですが二章もがんばってください。

453 :三月兎 ◆BOOST1aovo :2008/04/19(土) 15:36:00 ID:qls5atQ+0
>九十九氏
ライチたちの村はランナベールの南西ですか。
地理的には海岸沿いを進むことになりますね。
言うの忘れてましたが、ランナベールは「南を海に面した港町」ですから南から入らないように(笑

454 :ジャンク:2008/04/19(土) 18:59:43 ID:9Gz0h1Hg0
新小説を打ちます。
下手かも知れないが見てください。
注意、えろとグロがはいってます苦手な人は見ないでください。
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光と闇の運命
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1裏切り
「うわ!!はなせばわか、うあぁぁぁ」
「裏切るほうが悪い」
男は胸から血が流れていたが跡形もなくなくなり消えてなくなった。
「何で俺がやらなくちゃならないんだ」
すると、後ろの草むらが揺れた
「だれだ!!」
出て来たのは、パ―トナ―のアブソルだった。
「どならなくてもいいじゃない。クラウリィヤン」
「その名前で呼ぶな組織で呼ばれている名前で呼べ」
「もう、プライドは高いのね、ケン」
「何で別れてさせられたんだろう」
「分かる訳ないだろそのせいで大変だったよ右目が使えないし」
「やっぱり私がいないと大変でしょ」
俺の目は昔ここに連れて来られる前についた物である
「はやくリ―ダ―のゼフィロに言いに行きましょ」
「わかったよ。アブソル」
僕たちは組織に向かった





455 :九十九:2008/04/19(土) 19:10:56 ID:aZZ5ep1M0
>三月兎さん
一応SOSIAの設定見てたので南西の方角にしました。
海岸沿いでなんかあるかも!?

456 :ジャンク:2008/04/19(土) 19:13:23 ID:9Gz0h1Hg0
すみません。
残りは明日書きます。
あと、間違いを書いていました。
>跡形もなくなくなり消えてなくなった
ですが、そのあと体が跡形もなくなくなり消えてなくなった
の打ちまちがいでした。

457 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/19(土) 21:50:38 ID:DYjroMho0
>>454

>跡形もなくなり消えてなくなった
たぶん重複表現ですね。

跡形もなくなる。消えてなくなる。
どちらも似通った表現です。
むしろ……。
 男の胸から流れた血は砂時計のように滴り、身体は辺りを吹き抜ける風と共に跡形もなく消え失せた。
みたいな感じで似た表現を避け、さらに比喩を使うといいかも知れないです。
全体的に描写が少ない気もします。
あと、句読点にも違和感を感じますね。
さらに台詞に間を持たせたいなら三点リーダーがお勧めです。
……←こういう感じの奴。

一回、小説を読んでみるといいかもです。

お勧めなのは星新一さんのものでしょうか……。
あの方のSSは描写の割合というか、絶妙です。尚且つ一日で一冊を読みきれるくらいの長さですから、立ち読み程度でも雰囲気くらいは掴めると思いますよ?

最後にメル欄はsageじゃなくて、sageじゃないと、意味無いですよ?
つまり、全角じゃなくて、半角で“さげ”と打ち込まないと、意味無いです。

458 :江戸:2008/04/19(土) 21:54:18 ID:3MplcBRc0
自分も小説を書いてもいいのでしょうか?(長編ですが)

459 :エニケス ◆HRQ/TK9HPM :2008/04/19(土) 22:47:22 ID:ekuW5ack0
期待している人がいるか分からない第2話。


クラウンと踊り子  ー光り集めー


シルクハットを被り、マントを纏った幼い男の子が道を歩いていたら、貴方はどう思いますか?
きっと驚く、もしくは笑うでしょう。
だって可笑しいじゃないですか。 サーカス団じゃあるまいし。
普通そんな格好で外をうろつく人なんて、いる訳無いですよね。

460 :エニケス ◆HRQ/TK9HPM :2008/04/19(土) 22:48:57 ID:ekuW5ack0

リディアシスの高級住宅街。 昼間は人通りが少ない。
レンガで出来た綺麗な道。洒落た街灯。そこに大きい豪邸の門が並ぶ。
何か迫力が感じるこの場所を歩くのに、ほんの少し慣れてきた。

僕がこの住宅街を歩いているのは、最近知り合った女の人にフルーツを分けてもらったため。
シルクハットを入れ物代わりにして、甘く熟したモモンの実を沢山入れてくれた。
ここに来て一週間が経つ。
最初は慣れない町でも、一週間経てば慣れてくる物だし、友達とかも出来る。
これは僕の特技かな?

人通りの少ない路地を曲がる。ここを通れば、かなり近道になる。
風が鬱陶しいのでマントは外した。

人通りの少ない・・・と言うよりも、人っ子一人居やしない。
シンと静まり返ったこの場所、こう言う所を一人で歩くのは正直苦手。
自然と早足になる。

「誰かッ!! 誰か助けてくださいッ!!!」
突然の大声に驚き、モモンの実を2、3個落としてしまった。
何?今の・・・。 悲鳴?
声が聞こえてきたのは目の前の曲り角から。
シルクハットとマントは道の端に置き、走って悲鳴の聞こえた方向へと走った。

曲がった瞬間目に付いたのは、倒れている雌のリーフィアと、彼女に迫るゴーリキー。
二匹のワンリキーがリーフィアを押さえつけていた。。

穏やかじゃないね・・・。
リーフィアはもがくけれども、力が強そうなワンリキーには歯が立たないだろう。
ゴーリキーも乱暴そうだし・・・仕方ないな・・・。

461 :エニケス ◆HRQ/TK9HPM :2008/04/19(土) 22:50:18 ID:ekuW5ack0
「あの〜・・・ すいませ〜ん!」
彼らに一歩一歩近づく。 多分この声はこの場に合わないだろう。
「あぁッ!?」
三匹同時に僕を睨みつける。
その隙にリーフィアは逃げ出そうとした様だが、がっちりと押さえ込まれているので逃げられなかったみたいだ。
「餓鬼が何の用だぁ!?」
怒鳴り散らすワンリキーを見ても、別に怖いとも思わないのは僕の職業上仕方ない。もっと怖いのを経験している。
まあ、こんな幼いブラッキーが相手じゃ仕方ない・・・か。

「彼女・・・放してあげてくれませんかね?」
そう言った瞬間、彼らは大声で笑い出した。
「馬鹿じゃねぇの?お前。 馬鹿餓鬼は引っ込んでな。」
ゴーリキーはさっきまで僕がいた位置に向って放している。
僕は素早くゴーリキーの背後に回りこみ、懐から鉄砲を取り出して銃口をゴーリキーの後頭部に向けた。
多分、彼らでは僕の動きについて来られなかっただろう。

「馬鹿餓鬼でごめんなさい・・・。 所でもう一度言いますけど、放してあげてくれませんか?」
銃口を後頭部にグリグリと押し付ける。

「チッ・・・」
ゴーリキーは舌打ちをした後、部下であろうワンリキー達を連れて去って行った。
ゴーリキー達が見えなくなった後、去って行った方向に向って引き金を引く。
銃口からは、万国旗や花弁などが飛び出し、ヒラヒラと地面に落ちていった。

「大丈夫ですか?」
唖然と僕を見ているリーフィアに向けて手を差し出す。
しかし、彼女は僕の手を払い除けて、僕を睨みつけた後、走って去って行ってしまった。

「何だよ・・・まったく・・・」

462 :あぼーん:あぼーん
あぼーん

463 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/04/19(土) 23:47:11 ID:vr0mpteo0
遂にエロシーン。長かったですね……。エロシーンって難しい……

13 接吻

口付けをされたムーンが目を見開き、顔を真っ赤にして驚いている。
自分らしからぬ行動に僕自身も驚いてるけど。
唇同士が重なっただけ軽いキス。それでも今日会ったばかりの僕等には十分。
月は僕自身の心さえも変えてしまうのか?
それとも月の力を持ったムーンに嫉妬したから?

「ルルルル、ルナ!? なななな何をイイイイイイキナリ!?」
「夜に愛し合う二匹が二人きり……。これって最高のシチュエーションじゃない?」

こうなればヤケだ! もうどうにでもなれ!
この時僕はどんな顔をしていたんだろう……。
顔を真っ赤にしていた? いや、多分冷静な表情だったろう。
自分自身に焦りを感じない。それどころか嬉しいと感じる……。
僕はこのままムーンを仰向けに押し倒した。
力は僕の方が上のためムーンは呆気無く倒れる。

「ムーンも案外弱いんだね。それとも昼の怪我……まだ痛む?」
「痛まない……と言ったら嘘になるかな……。でも大丈夫だと思う」

僕はムーンの言葉を聞いて顔を近づけもう一度キスをする。
今度は唇が触れ合うだけのキスなんかで終わらせない。
ムーンの口をこじ開け舌を侵入させる。
ムーンもスイッチが入ったのか僕に舌を入れかえしてくる。
互いの唾液を交換し合った。傍から見たら雄同士に見えるんだろうな……。

どのくらいそうしていただろう……。
数秒にも感じたし……数分にも感じられた。

「……暴れないんだムーン」
「暴れて欲しかったの?」

ムーンがニヤニヤしながら言い返してくる。
それ僕が昼間に言った言葉……。一語一句間違ってないよ……。

「じゃあムーンを僕の物にしようかな……」
「ルナに俺の全てを捧げる……」

僕はムーンも意思を確認し微笑んだ。
この笑顔……僕の今までの人生で一番雌らしかっただろうな……。

464 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/04/19(土) 23:47:43 ID:vr0mpteo0
14 一線

僕は前足をムーンの胸から股の間までゆっくりとなぞっていく。
ムーンはビクッと体を震わせ足を閉じる。

「……ルナ……そこは……」
「そこは何?」

僕は妖艶な笑みを浮かべムーンの耳元で囁く。
この間に前足はムーンの股をこじ開け刺激を与える。

「うわぁ!!」

ムーンが顔を赤くして声をあげる。
僕はムーンの悲鳴にも似た声を堪能しモノを踏みつけるように弄り回す。
踏みつけられたムーンのモノは段々大きく、硬さを増し天に向かって反り立つ。

「ムーンは踏み付けられて感じるなんて相当のMだね」
「そ、そんな事……言われても……」

ムーンが僕に言われた事が図星を突かれたからか声を出さないようにする。
我慢する顔を見ているとこっちはさらに苛めたくなるよ。
ムーンが相当のMならば僕はそれ以上のSだらうな……。
そう……もっと滅茶苦茶に……もっと淫乱に……もっと壊したくなる。
ムーンを僕だけの物に……僕だけの人形に……僕だけの玩具に。
もう僕無しでは生きられないような体に……。ムーンの全てを僕に……。

踏みつけられているモノの先端から先走りが流れてくる。
ムーンの表情も段々余裕が無くなってくる。
僕は更に弄り、ムーンの射精を促がす。

「ダメ! お、俺……もう……で、出るよ……出ちゃうよ……出るぅうう!!」

予想通りの言葉に僕はモノの先端をムーンの顔に向ける。
ムーンが涙目になりながら自らのモノから白濁の液体が飛び散る。
モノが僕によって押さえ付けられていたため、僕にかかる事は無く寧ろムーンが自身の顔を汚すハメになった。

「結構出たんじゃない? どう自分の精子の味は?
 ……勿論これで終わりだと思ってないよね? 僕はまだ満足してないよ」

僕はムーンの小さくなったモノを再度刺激し大きくさせる。
大きくなったムーンのモノが再び天に向く。
僕は大きくなったムーンのモノの先端に自分の秘所を当てる。
いわゆる騎乗位ってやつだ。

「ムーン。今更だけど本当に僕なんかで良いんだよね?
 正直、僕より綺麗な雌なんて世の中いくらでも居ると思うけど……」
「……それは違うよ。俺はルナで良いんじゃない……ルナじゃなきゃダメなんだ……。
 そうじゃなきゃこんな事になる前に抵抗してる……」

この時既に、僕のSのスイッチは切れて、不安の方が大きかった……。
はっきり言うと僕は処女だ。雄にばっか間違われてきたのだから当然と言えば当然だけど……。
初めてで不安にならない方が変なはず……多分。

465 :ジャンク:2008/04/20(日) 12:25:16 ID:Kj5+msJc0
名無しさんアドバイスありがとうございました。
続きを書きます。

組織に向かう途中アブソルは俺の異変に気づいた
「何泣いてるのよ」
俺はいつの間にか泣いていた。
そして喋ってしまった

「……それは、僕は人を殺したくないのに命令されるのが嫌なんだよ」
俺は、やばと思った。それは組織の裏切りに
値するものであったから
アブソルは、少し笑って
「誰にも言わないよ。好きなあなたと離れたくないもの」
俺は少し驚いた何で人間の俺を好きになったのが

「冗談じゃないんだから、もしポケモンだったら本当に好きなんだから」
「おどかすなよ。一瞬、動揺したじゃないか」
「動揺したの?可愛い」
「う、うるさい」
と話すうちに組織に着いた

ゼフィロの部屋に向かった
ゼフィロに
「任務の報告です裏切りの68番を消しました」
「よくやった今、光の世界のことで話合いが終わったところだ。
2番に話を聞け」
「わかりました」
そして、俺は部屋を出て行った。
部屋の外にはアブソルが居た

「報告してきた?」
「報告してきたよ。だけどジェドに俺たちがいない間に話し合いが
合ったみたいだから聞けだってよ」
「そうなんだ。じゃ、早く行こう」
「そうだね。行こう」

だけどそれが組織を抜ける引き金になるとは僕も彼女も思ってもいなかった。

466 :九十九:2008/04/20(日) 16:31:04 ID:dezkATSw0
続きです。わかんない人は一章からどうぞ。




~二章第二幕~
湿度の高い部屋の中でレモンが思案顔にくれて目の前に並べられた品物を値踏みするような瞳で見続けている。
「・・・レモン・・・30分以上立ってるんだけど・・・ちょっと・・・」
「ライチ・・・・黙れ・・・・」
ドスの聞いた声でレモンがライチを黙らせる。ミントはビクリと一瞬震え、シロップは背中に寒気のようなものを感じた。
「う・・・・ごめん・・・なさい・・・・」
ライチの顔は今にも泣きそうだった。いくら変わったとはいえ心の芯までが変わるわけではない。ライチは結局泣き虫なのだ。
レモンの目は血走っていた。これから先に使うものを的確に判断しいかに値切りをかけるかを考えているような、まるで節約して物件購入でも考えていそうな・・・そんな顔だった。
「っ・・・・・・・・・・・・・・・」
「どうしたんだい?もう買わないのかな?」
ゴーリキーが相変わらず行商スマイルでレモンに問いかける。30分間も待たされているのに相変わらず微笑を崩していない。その辺はさすが行商人だとシロップは関心の眼差しでゴーリキーを見つめていた。
そしてその前でうんうん唸っているレモンにチラッと目をやり大きなため息を吐く。
「・・・どうしてあぁなるのかなぁ・・・」
さっきまでは楽しそうに食材を選んではさわやかに値切っていたのに・・・道具のこととなると突然人が変わったように押し黙って思案するとは、レモンはよっぽど貨幣を使いたくないのだろうというのがひしひしとライチ達に伝わった。
「・・・・っつ・・・・すみません・・・辻馬車に載せてある荷物を全部持ってきてもらえませんか?」
レモンが急に顔を上げたかと思うと品物を全て出せとゴーリキーに注文した。特に問題など無いだろうと思っていたが、ゴーリキーはなぜか困ったような顔をしてレモンに問いかけた。
「全部かい?・・・馬車に残っている品物はあと一つしかないんだよ。それで・・・その品物は・・・」
歯切れが悪く答えてゴーリキーはこめかみの辺りをぽりぽりと掻く。レモンははっきりと答えた。
「一つでもいいです、それを出してきてもらえませんか?お客に全ての品を見せるのが商人だと思いますけど」
レモンの瞳が真っ直ぐにゴーリキーを捕らえる。ゴーリキーは降参だといわんばかりに肩を竦めると。
「わかった・・・待っていてくれ」
そう言うと扉を開けて辻馬車においてある商品を鳥に雨の降り続ける外へと消えていった・・・
「レモン・・・ちょっと怖いですよ・・・」
ミントの言葉に振り向くとミントがびくっと震えた。よほど怖かったのだろうかその身体は小刻みに震えている。
「・・・あー・・・そのー・・・、ごめんね・・・・ちょっと頭の中が貨幣のことでいっぱいになってて・・・えぇと、・・・悪気は無いんだ!!」
レモンが両手を合わせて謝罪する。ミントとライチはいつものレモンに戻ってくれた用でほっと安堵した。
「それで・・・いいものはあったの・・・?」
ライチがレモンに問いかける。今のところレモンが購入したのは麻袋に入った水と木の実を数種類、そして長期保存食として干し肉を値切れるだけ値切って買ったのだった。
レモンは少しだけ真剣な顔になると首を横に振って口を開く。
「・・・移動に使えそうな傘とかはあったんだけど、行商人だからね・・・他よりも値段が若干高いんだ。・・・さっき値切りに値切っちゃったからもう値切ることはできないし・・・あまり実用性も無いから買うものはもう無いかな」
レモンがさらりとそんなことを言ったのでシロップたちはがっくりと肩を落とした。ずっと溜まっていた疲労が身体に一気に来たような感覚に襲われる。
「無いなら無いって言ってくれよ・・・。待たされたオイラ達は何なんだよ」
シロップの顔にはどんよりした疲労の色が目に見えるように浮かんでいた。レモンはそんなシロップに少しだけ謝罪しながら言葉を紡ぐ。
「ごめんごめん・・・でもあれぐらい待っているとあの商人さんが絶対に何か他のものを持ってくると思ったんだ。行商人は大小に関わらず嘘や隠し事をしているしね・・・」
レモンの確信を持った言葉にいまいち関心がもてないシロップは「へぇ、そう」などといって適当に相槌を打つのがせいぜいだった。
「やあ、待たせてしまったようだね」
唐突に入り口のドアが開けられゴーリキーが中に入ってくる。どんな商品なんだろうとレモンが目を向けると、
・・・首に拘束するための首輪をつけられたリーフィアがとことこと入ってきた。

467 :九十九:2008/04/20(日) 16:33:22 ID:dezkATSw0
レモン達は一瞬ぽかんとしたが、すぐに気持ちが戻ってきていったい何なのかと尋ねた。するとゴーリキーは相変わらずの行商スマイルのままこう言った。
「これが最後の商品だよ。奴隷ポケモンさ、・・・硬貨にしてランナベール金貨200枚分だよ」
レモンはびっくりしていたが、すぐに表情が曇ってきた。どうやらどうでもいいものだと判断したらしい。首を傾げてそのリーフィアを見つめる。
リーフィアは虚ろな瞳でレモンたちを見ていた、おそらく助けて欲しいのだろう。しかしレモン達は今から行く町のために余計な硬貨は使ってはいられないのでそんな哀愁の漂う瞳はさらりと流していた。
・・・だがシロップだけはリーフィアを真剣に見つめていた。
「・・・名前・・・教えてくれない?」
唐突なシロップの問いかけにリーフィアはおろかレモン達もがびっくりした。シロップを見つめてどうしたのだろうかと思っていた。
「・・・シナモン・・・・シナモン・シュガーです・・・」
抑揚の聞いた透き通るような声でシナモンという名のリーフィアが口を開いた。シロップはさらに質問する。
「・・・どうしてシナモンは奴隷なんかになってるの?」
シロップの言葉にシナモンはビクリと反応する、どうやら話したくないぐらい嫌な事があったのだろう。
「(・・・あんなに怯えてる・・・どうして同じポケモンなのにこんなことできるのかな・・・)」
シロップには差別や偏見が理解できなかった。結局そんなことをしても同じポケモンなのだ。
奴隷にしようが使用人にしようが同じなのだ。違うものになどなりはしない。なのにポケモン達は蔑み、妬み、突き放す。まるで汚らわしいものでも見たかのように・・・






468 :九十九:2008/04/20(日) 16:36:56 ID:dezkATSw0
「・・・・どうしたんだい?この子を買うかい?」
ゴーリキーの言葉ではっとしたシロップはレモンたちを見た。激しく首を横に振っている。あきらかに買いたくは無いのだろう。
シロップもそれは思った。どこの馬の骨とも分からないポケモンに200枚も金貨を使うことは無い。そう思っていてもシロップには割り切ることができなかった。
「・・・あの・・・・おいら達が買わなかったら・・・シナモン・・・どうなるんですか?」
シロップの正直な問いかけにゴーリキーも正直に問いかける。
「うーん、私はこのままランナベールにいくからね。そこで富豪のポケモンとかにでも買い取ってもらうよ。私もあんまり人身売買は好きではないけれど、これも商売だからね・・・」
「買います・・・オイラ・・・シナモンを買います・・・」
ライチ達が驚いていた。シロップ自信も自分の言葉にびっくりした。シナモンが呆けたようにシロップを見つめていた。ゴーリキーが本当に買うのかと念を押した。
シロップは深く頷くとレモンから強引に金貨袋を引ったくり中からランナベールの記念硬貨を100枚取り出してゴーリキーに渡した。
ゴーリキーがそれを受け取ったあと、首輪の鍵をシロップに渡して宿屋から出て行った。
・・・ポニータの嘶きが聞こえ、大きな音を立てて辻馬車が遠ざかっていく。
残されたシロップ達はシナモンをじっと見ていた。
「・・・あ、あの・・・ありがとうございます」
シナモンが小さな声でお礼の言葉を漏らした。シロップは笑って頷いていたがライチ達は笑ってはいられなかった。
「・・・どういうことか説明してくれませんか?シロップ・・・」
ミントが引きつった笑いを浮かべて思い切りシロップの足を踏んづけた。
「あぎゃあっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
シロップが顔をしかめてミントの顔色を伺った。
・・・ものすごく怒っているようだ。
「・・・怒ってる?」
シロップが分かりきったことを訊いた。レモンやライチはそこまで怒ってはいないようで、何でシロップがシナモンを手元に置いたのかを思案していた。
「当たり前です!!!大事なたびのお金を根こそぎ使い切って!!こんな・・・こんな・・・女の子を買うなんて!!!」
シロップはいまいちミントの怒っている点が分からなかった。お金を使い切ったことに怒っているのか、それともポケモンを買うという人道から外れた行為に怒っているのか。妙に顔が赤いのも気になった・・・・。
「・・・わ・・・悪かった。オイラも軽率だなって思っていたんだけど・・・シナモンを見てると・・・なんか放って置けなくって・・・」
シロップの分かりにくくてややこしい言い訳にシナモンは顔を赤くして俯き、ミントは益々顔を真っ赤にして、レモンは瞬時に顔をにやけさせ、ライチは虚無のような瞳でシロップを見つめていた。
「・・・そっか。シロップにもとうとう春が着たのか・・・だったら金貨200枚なんて安いものだねっ♪」
「「「「ええっ???」」」」
レモンを見つめて4匹は同時に言葉を吐いた。
「シロップ・・・そんな不純な目的だったの?」
「・・・春・・・ご主人様の・・・」
「・・・不潔!」
それぞれの口からそれぞれの思いが飛んでくる。シロップは益々あわてて、すぐにレモンに食って掛かる。

469 :九十九:2008/04/20(日) 16:37:35 ID:dezkATSw0
「ちっ・・・違う違う!!レモン!!何でたらめ言ってんだよ!!」
「隠さなくってもいいってっ♪シロップもそういうこと考えてる時期があるもんねっ♪」
「違うっつーの!!!」
「まぁ、落ち着いてってば、もうそろそろ出発しないと宿屋のご主人さんに迷惑がかかるから。支度しよっと♪」
軽くはぐらかしたあとにレモンは軽やかな足取りで荷物を持って宿屋の主人に礼を告げていた。
「・・・・シロップ・・・とりあえずここから出て・・・それから考えようよ」
ライチの瞳にシロップの顔が映る。・・・凄い疲労がにじみ出ていた。
「違うんだってば!!!」
ミントがむっつりと押し黙ったままシロップを見つめていた。
「・・・シロップの春が来たなら私は別に何も言いません。本来の目的を忘れないで下さいね・・・・」
「ミント・・・お前何怒ってんの??」
「怒ってません!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
シロップに怒鳴ったあとにどすどすと宿屋の外に出る。それにつられてライチとレモンも外に出る。取り残されたシロップとシナモンは気まずい雰囲気のなかで突っ立っていた。
「行きましょう、ご主人様。皆さんに遅れてしまいます。」
屈託の無い笑顔でにこりと笑ってシナモンが宿屋の外に出る。
「・・・笑顔・・・ようやく見せてくれたんだな・・・」
シロップが胸中で嬉しくなった。あのときに見た虚ろな瞳をもう見ることがなくなるといいな。と、思っていた矢先にライチ達から声がかかる。
「シロップ!!!早くして!!尻尾の炎が消えちゃうよ!!!」
「早くしてくれませんか"ご主人様"っ!!!!」
「ご主人様ー♪、いつまでも僕達を待たせないで下さいな♪」
慌てた声と、怒気のこもった声と、からかうような声。
「だから違うんだってばーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!」
シロップの大声が辺り一帯に響き渡った。














「・・・ご主人様?どうされました?」
シナモンの声で我に返ってあたりを見渡す。北に延びる海岸線を歩いていることすらも忘れて、数時間前の自分を呪い続けていた。
「いや・・・何でもないんだ・・・あのさ・・・シナモン・・・」
シロップはすぐにかぶりを振って頭の中から余計なことを消し去るとシナモンに向き直った。
「何でしょうか?ご主人様?」
シロップの顔色を伺うようにシナモンが顔を近づけてきた。少しだけたじろいだあとにシロップははっきりとこう言った。
「オイラのこと・・・"ご主人様"っ言うの止めてくれない?・・・オイラは君を束縛するために助けたんじゃない・・・君を自由にするために助けたんだよ・・・」
シロップの行ったことを聞いていたシナモンは首を横に振って口を開いた。
「いいえ、ご主人様はご主人様です。私を買ってくださいましたから、ご主人様といわなければなんと言えばいいのですか?」
シロップは嫌そうな顔をした。シナモンの口調から分かるように自分を物のように扱うことが完全に心のどこかで定着してしまっているのだろう。

・・・やめてくれ・・・オイラはそんな言葉が聞きたいために君を助けたんじゃない・・・君に自由を知って・・・皆と同じように平等に笑って欲しいだけなんだ・・・なのに何で分かってくれないんだ・・・

「・・・普通に名前で呼んでくれればいいって・・・」
シロップが語気を強めてそういったがシナモンは益々首を横に振った。
「それだけはできません。私はご主人様の"物"です。そんな失礼なことできません。」
シナモンの言葉がどんどんシロップを苛立たせる。シロップは平常心を持ってシナモンに諭す様に言葉を紡いだ。
「君は物なんじゃない。そんな扱いは誰にもさせない・・・絶対に・・・」
「・・・ですけど・・・」
「お願いだ・・・これ以上オイラをイライラさせないでくれ・・・」
シロップが頭を抱えてシナモンを見つめた。一部始終の会話を聞いていたレモン達がはやし立てた。
「あはっ♪カッコいいこと言うねーご主人様♪ミントもうかうかしてられないよっ♪」
「僕もあんなふうなこといえたら言いなー。いいなーシロップ慕ってくれるポケモンがいるなんて」
「大方"ご主人様"って言われててんぐになってるんじゃないんですか?」
シロップは堪えようとしたが、ミントの言葉で完全に理性を失った。
「いい加減にしろっ!!!!!!!!!!!!」
シロップの怒気がこもった言葉にレモン達はびくりとしてシロップを見つめて・・・驚いていた・・・。



・・・シロップが・・・涙を流していたのだ・・・


470 :九十九:2008/04/20(日) 16:42:20 ID:dezkATSw0
えーと・・・二幕終了です。シロップキレましたw
なんか長くなった上によくわからん展開ですね。駄文だぁ・・・orz
続きに期待してくれた皆々様・・・期待にこたえることができましたか?

471 :◆l53eGZU1tg :2008/04/20(日) 17:39:44 ID:V14OEBCo0
かなり意外な展開になり待ったなぁ
九十九氏へ
これからもがんばってください

472 :江戸:2008/04/20(日) 18:18:33 ID:/ar0FVU20
期待どうりでした
続きたのしみにしています

473 :BmB:2008/04/20(日) 19:57:14 ID:CbsRPpNs0
九十九さん 以外なてんかいですね。 これからもがんばってください。

474 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/04/20(日) 21:02:09 ID:Wwmq2QdU0
続きです。

15 結合

ムーンが僕の異変に気が付いたのか心配そうに顔を覗いてくる。
こうやって誰かを気遣える彼に僕は心惹かれたのかもしれない。

「その……やっぱり、此処でやめる?」
「……僕は……此処で……」

ムーンの言うとおり此処でやめる事も出来るかもしれない。
僕は……誰かに必要とされたい……誰かを必要としたい……。
だから此処で終われない……終わらせたくない。僕はムーンと一つになりたい。
初めて僕と言う存在を能力ではなくパートナーとして必要としてくれた彼と。

「……やめない。もう大丈夫。ムーンは優しいんだね」

もう僕は迷わない。今は不安よりも期待の方が大きい。
僕は覚悟を決め、ゆっくりと腰を落としていく。

「……ルナ……」
「……っう……」

正直……痛い……苦しい……でもそれを超え……嬉しい。
僕は今、愛する者と一つになろうとしている。
少しづつ……しかし確実に。

ムーンのモノが僕に半分くらい入ったところで何かにぶつかる。
到底、奥まで入ったとは思えない……。
僕自身の純潔の証。今それを破ろうとしている。
そして、僕は一気に腰を落とす。

「あぁぁ!!」
「……ぃい……」

鋭い痛みが全身に走る。でもそれはムーンと一つになった証でもある。
『痛い』と叫びそうになったが必死に堪えた。この事でムーンに心配を掛けたくなかった。
しかし身体は正直で秘所から少量の血液が溢れていた。

「ルナ……血が出てるけど平気なの?」
「平気……だよ……」

475 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/04/20(日) 21:02:43 ID:Wwmq2QdU0
正直、顔を苦痛で歪ませながら言っても説得力ないよね。
意地っ張りな僕は口で言った以上は此処で弱音を吐き痛みが惹くのを待つわけにはいかない。
僕は無理して腰を上下に動かす。
ムーンのモノが僕を突くたびに痛みは快楽へと変わっていく。

僕とムーンの肉と肉がぶつかり合い卑猥な水音を立てる。
今更だけど僕達こんな事を外でしてるんだよね……。
でもそんな事はどうでも良い。今はただムーンを感じていたい。
僕は更にスピードを上げ一気にラストスパートをかける。
激しい快楽で段々意識が薄れていく……。
身体は既に自分自身の意志で動いていない。
これが本能ってやつか……。

「ルナ……離れて……また出るぅう!!」
「……このまま、出しちゃいなよ。僕は困んないよ……。
 だってムーンの子供なら拒む理由は無いよ……」

僕はこのまま運動を続ける。
ムーンの顔に余裕が無くなっていく。
悔しいけどそれは僕も同じ事。
二匹とも口から涎を垂らしだらしない顔をしている。

「好きだ!! ルナァァァァァ!!」
「僕も愛してるよぉぉ!!」

ムーンが絶叫を上げ先に果て僕の中に大量の精子を注ぎ込む。
僕も柄に無く絶叫を上げる。
子宮の中に注ぎ込まれる精子は僕を熱く焦がす。
その精子はどんな炎タイプの技よりも熱く感じた。

僕はムーンのモノ抜く。僕の中から愛液と精子の混じった液体が垂れる。
騎乗位だったため垂れた液体がムーンを汚す。
僕はムーンの胸の中に倒れ込む。
僕達は抱き合いながら深い眠りに落ちていった。


476 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/04/20(日) 21:03:09 ID:Wwmq2QdU0
16 恋人

朝、僕は目を覚ます。
何時もと同じ朝。でも昨日までとは違う。
もう僕は一匹じゃない。隣には愛する雄がいる。
今、その愛する者は寝息を立ててぐっすりと眠っている。

前の人間に捨てられたのはムーンに会う為だった。
そう考えればブラッキーになれなかったことは不幸ではなく幸せだったのかな?
もしそうならばこの大地を照らす太陽にも感謝しなきゃ。
僕をエーフィにしてくれた太陽に。

「幸せは太陽の恵みのように全ての者に平等である」

この言葉をどこで聞いのたかは覚えてない……。
僕はこの言葉が嫌いだった。
何故なら僕は太陽になったから不幸になったと思っていた……。
でも今ならこの言葉の意味も解るような気がする。

愛する者が近くにいる。
愛する者が僕を必要としてくれる。
愛する者と一緒にいる事ができる。
誰かに必要とされる事がこんなにも嬉しいなんて。

当たり前のようで大切な事……。
そんな事すら僕は忘れていた。……違う、知らなかった。
……いや、能力だけで育てられてきた僕に愛は必要なかった。
だから誰にも愛されず……誰も愛さずに育ってきた。
彼はそんな僕に当たり前事を教えてくれた。
戦う事しか許されなかった僕に愛という当たり前の事を……。

彼に会わなければ僕は戦う意味さえも知らずにいただろう。
彼に会えたから僕は変わることができた。

「……愛してるよムーン……」

僕はムーンの頬にキスをした。

終了

477 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/04/20(日) 21:06:09 ID:Wwmq2QdU0
これにて 『二つの月の物語』 を完結させて頂きます。
お付き合いありがとうございました。
作者として一人でも楽しんでいただけたなら嬉しいかぎりです。


478 :ピカソ:2008/04/20(日) 21:24:08 ID:3X6RjhcQ0
元空条です、よろしく
感想
二つの月の物語、すごい面白かったです!
感想とか言うの下手なんで、ここで終わらしてもらいますね、ぼろが出て来るので

479 :パウス ◆EvJGalaxy2 :2008/04/20(日) 22:32:40 ID:nwPsGxe60
>>466-469
シロップキレましたねwww
果たしてこの涙は何を意味するんでしょうか?次にも期待しています。

>>474-476
愛する者が出来たのですね。良かったぁ……
ある意味捨てた人間に感謝をしなけれb(ry
とりあえず執筆お疲れ様でした。

480 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/04/20(日) 23:39:30 ID:Wwmq2QdU0
パウスさん コメントありがとうございます。
初めてだったため、組み合わせは王道のブラッキー×エーフィで。
ブラッキーが守備型のため総受けになってもらいました。

次はディアルガとパルキアを話に組み込んだ長編を考えてみたり……
WIKIの方でも出番ないみたいですしこの二匹。エロで使わないにしろ出してみたいなこの二匹……。
そのときは再度お付き合い願います。

481 :BmB:2008/04/21(月) 06:35:49 ID:3fA4IOlg0
蒼空さん おつかれさまです。 とてもよかったです。              次もたのしみにしてます。

482 :九十九:2008/04/21(月) 21:25:55 ID:LEzi50Pk0
続きです。皆さん感想ありがとうございます。




~二章第三幕~
「お前らなんでそんなことしかいえないんだよ!!どうしてそんなことをいうんだよ!!おいらはそんな風に言われてへらへら笑ってられるほどできたポケモンじゃないんだぞ!!!!
おいらがシナモンを助けたのは・・・そんな風に言われたいためじゃない!!!シナモンに自由を知って、自由に生きてもらって、もう一度笑って欲しかったから助けたんだよっ!!!!!
なのになんだよお前ら・・・げらげら笑ってはやし立てやがって!!!!お前らの心にはそんな風に人の心を踏みにじる気持ちしか入ってないのかよ!!!!サイドンと戦ったときに見せてくれた他人を思う心は全部嘘の心だったのかよ!!!!!!!!莫迦ヤロー!!!!!!!」
シロップはもう何も言いたくは無かった。俯いて黙りこくって、耳を塞ぎたかった。だけどできなかった。自分の気持ちが堰を切ったようにあふれ出す。頬に伝わる熱い液体の感触が鮮烈に伝わる。
ああ、情けない。自分は今泣いているんだ。からかわれただけで逆上して食いかかるなんて最低だ。
シロップがぼろぼろと涙を流してレモンたちの顔を見る。
ライチはおろおろしていた。自分の非礼がどれだけシロップを傷つけたのかわかっているようだった。レモンは俯いてしまった。自分がふざけていた姿がどれほど失礼か考えているような顔が俯きがちな瞳から見て取れた。
シナモンは驚いていた。自分のことをそんな風に考えてくれるポケモンがいたのに驚いて、自分の言葉の愚かさを思い直した。
ミントはシロップに歩み寄り、蔓をしゅるしゅると伸ばして優しくシロップを包むと掠れる様な声を耳元で囁いた。
「・・・ごめんなさい・・・私・・・私・・・シロップのこと全然分からなくて・・・莫迦な事を言ってしまって・・・ごめんなさい・・・本当に・・・ごめん・・・なさい・・・」
途中途中に鼻を啜る音が聞こえた。どうやら泣いていたようだ。
シロップは自分の涙を拭っていきり立った感情を落ち着かせると、気遣うようにミントの耳に囁いた。
「もういいんだ・・・オイラも言いすぎた・・・だからもういいんだ・・・」
シロップが優しくミントの頭を撫でる。ミントはずっと抱きついたまま動かなかった。その沈黙を打ち破るように申し訳ない程度にライチが口を開いた。
「ごめんシロップ・・・僕・・・言いすぎたよ・・・」
ライチに続けてレモンが謝る。
「僕も馬鹿だったよ・・・ごめん・・・・」
最後にシナモンがもごもごしながら上目遣いに謝る。
「・・・申し訳・・・ありません・・・シロップ・・・・さん・・・」
口から搾り出すような弱弱しい声。それでもシロップには聞こえた。シナモンが自分の名前を呼んでくれたことに。
シロップはにっこりと笑ってシナモンの方を向いた。
「ありがとう皆・・・・。・・・初めて名前で呼んでくれたね、シナモン。その畏まった言葉も直してくれよ。オイラ達・・・友達だろ?」
明るく屈託の無い笑顔とともに向けられたシロップの真心にシナモンも柔らかい笑みを浮かべた。
「は・・・はいっ!!」
シナモンの言葉を聞いてようやく落ち着いたシロップは皆に向き直って元気な声で叫んだ。
「よっしゃ!!じゃあさっさとランナベールを目指そうぜ!!日が暮れる前に着かないと待ちについたとたんにグーグー寝る羽目になっちゃうぜ?」
シロップの言葉に皆が笑った。その笑顔には他人を分け隔てる壁など存在しなかった。
そしてライチ達はまた歩みを進めて、ランナベールを目指して北に歩み続けた。シロップの心には、愛の心が輝き始めていた。













483 :九十九:2008/04/21(月) 21:27:38 ID:LEzi50Pk0
「・・・・・あれ?・・・・・ランナベールは??」
ライチがあたりをきょろきょろと見渡す。当たりは海が広がる海岸線が続いているだけで町どころか林一つ見えはしなかった。
「・・・おかしいですね?地図の通りに北東に進んだのに・・・」
ミントが怪訝顔をして持っていた地図を穴が開くほど見つめる。するとシナモンが横から声をかけてきた。
「ミントさん、ちょっとその地図貸して貰ってもいいですか?」
「え?ええ、構いませんけど・・・」
ミントが歩いている途中に打ち解けてシナモンと友達になったため、何の躊躇いも無くシナモンに地図を貸した。
シナモンは地図をずっと見続けていたが、小さく唸るとミントにこう呟いた。
「ミントさん・・・この地図間違ってます・・・ミントさん達の村がこの位置なら、ランナベールという町はこの村から北西・・・つまり左上斜めに進んだところにあるんです。この地図は大陸の位置が逆さまなんです・・・というかこの地図のこの面は裏側なのでは?」
シナモンにいわれるまで誰一人として気付かなかった逆さまという言葉に全員が脱帽する。何となく変な地図とは思っていたがまさか裏面をずっと見ていたとは微塵にも思っていなかったのだろう。
「・・・じゃあ・・・この地図の表面で言うところの・・・私たちはどの辺にいるんですか???」
シナモンがゆっくりと指をさす。そこは完全に間逆の海岸線だった。レモンが顔をしかめて、シロップが堪えきれずに笑い出した。
「あっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっ!!!!」
ライチは訝しげな顔をしたが心のそこから笑っているシロップを見続けて、ライチもくすくすと笑い出す。それにつられて他の三匹も笑い出した。
夜の海岸に響く、楽しそうな笑い声。この姿を絵にしたのなら誰が見ても心が和んだだろう。
その笑い声が――――唐突に途切れた。
レモンがあたりを警戒して耳をぴくぴくと動かした。ライチは目を凝らして辺りを見回した。異常なまでの威圧感が、海岸一帯を支配した。
殺気―――――とまではいかない。しかしそれに近いものをシナモンは感じ取った。そう、例えるなら・・・


床に散らばった塵をさっさと塵箱に捨ててしまおう――――


そういった表現が実に正しい。そして今のライチ達はまさにそれである。
不意に海岸からゆらりと立ち上る影が近づいてくる。
「・・・・見つけました。出来立てのうどんは美味しいかもしれません。ですが冷めて伸びきったうどんはとても食べられたものではありません。
うどん屋さんなら冷めて伸びきったうどんは捨ててしまうでしょう。貴方達の存在は・・・まさしく冷めて伸びきった・・・うどん・・・です・・・」
言うが早いかその影は一番近くにいたシロップに高速で詰め寄ると――――腕を横薙ぎに一閃し、シロップの腕を筋肉の繊維に沿って思い切り引き裂いた。
「!!!!!!!っ・・・うわあああああああああっ!!!」
シロップが無様に宙を舞い砂浜に叩きつけられた。ライチ達は突然の出来事に構える間も無くその影を目で追い、そして我に返ったようにシロップに駆け寄った。
『シロップ!!!』
全員がシロップの傍まで来て開放しようとした刹那、先程の影が目の前にドシャリと飛び込んできた。そのまま力任せに両腕を旋風させる。ライチ達はシロップから離れた砂浜に頭から叩きつけられた。
『うあああああっ!!!!!!!!!!』
シナモンが真っ先に起き上がり身体を動かそうとした。しかしその瞬間足に激痛が走る。足のアキレス腱が切れていたようでまともに立つ事ができなかった。
よく見るとライチは腹部を思い切り損傷していた。げほげほと血を吐いていたから臓器を幾つか損傷しているのかもしれない。
レモンは肩が脱臼している様だった。ぜいぜいと苦しげな息を漏らして身体に走る痛みに耐えているようだ。一番損傷が軽いミントでさえもが頭から多量の血を流して意識を失っている。
一撃で・・・たったの一撃で戦局が絶望的になってしまった。シナモンは月明かりに照らされる小柄な影をうっすらと見つめていた。小柄な身体から発せられる無機質な言葉は、まるで標本か剥製と会話をしているかのようだった。
「動くことはできませんよ・・・私は急所を狙いましたから・・・」
その陰の全形が露わになる・・・ヒメグマだった・・・

484 :九十九:2008/04/21(月) 21:30:20 ID:LEzi50Pk0
「私の名前を一応言っておきましょう・・・・私はファイ。アスラに創られた人工ポケモン・・・といっておけば分かるでしょう」
シロップはその言葉を聞いて驚きを隠せなかった。アスラにはまだ僕がいたのか・・・ということと、もう一つは・・・
「創られた・・・命?」
シロップの言葉にファイはくるりと振り向くと冷徹な瞳で見下ろして、シロップの傷口を思い切り踏みつけ、ぐりぐりと踏み躙った。
「うっ・・・・ああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!」
シロップの悲鳴が夜の海岸にこだました。ファイは五月蝿い蝿を叩くような苛立たしい目を向け、鳩尾を思い切り蹴り付けて吐き捨てるように言い放った。
「ええ、創られた命です。何か問題でもあるのですか200年前も同じようなことを言われましたね・・・そんなに人工物が珍しいですか?
・・・貴方のようなポケモンを見ると苛々します。そうやって私たちを蔑んで見下して差別して煙たがって憎悪の眼差しで見つめて・・・さぞ楽しいでしょうね・・・」
そのままうつ伏せているシロップの顔を思い切り蹴り付けて後ろの岩まで激突させる。小柄とは思えないパワーだった。
「うがあっ!!!」
シロップのくぐもった悲鳴を聞いてファイはさらに続ける。
「貴方達勇者が現世に存在するのならアスラのような巨悪もまた存在します。そして私たちはアスラの力によって生み出された生命体。役目を終えれば消え去り。そしてまた生み出されるでしょう。・・・前世の記憶を持ったまま」
シロップに近づくと思い切り胸倉を掴み上げて砂浜に叩きつける。シナモンたちは助けに行きたかったが先程の一撃を食らったせいで動くに動けない。仮に動けてもすぐさま返り討ちにあるのが明らかだ。
頼みの綱のライチは意識が朦朧としてその場で自分の腹部を抑えるので精一杯だった。
ファイがシロップに向かって言葉を吐き出し続ける。
「200年たっても差別心と言うのは消えないのですね・・・貴方の顔を見てすぐに分かりましたよ。驚きと侮蔑の入り混じった表情・・・反吐が出ます。
・・・正直絶望しました。貴方達のような伸びきったうどんの時代はもうおしまいです。こんな差別が続く世界なんて焦土として、私たちの住む世界に作り変えるのが――――――」
そこまで言ってファイはふと気付いた。目の前にいるゼニガメから・・・哀れみの目が向けられていることに・・・
「・・・なんですかその目は・・・・不愉快ですね・・・」
「・・・お前・・・可哀想な奴だな・・・」
「!!!!・・・何っ!?」
ファイは唇をかんでシロップを見つめる。
「何でそんな風に思うんだよ・・・どうして今も昔も変わってないって言いきれるんだよ・・・世界は絶対に変わるんだ。時計の針のように遅々とした変化だけど・・・変わるんだよ・・・なのになんでお前はその変化に目を向けられないんだよ!!!!」
「どこが変化したんだ!!!!!」
溜まらずにファイは叫んだ、自分の頭を抱えて何か嫌なことを思い出すように震えだす。
「お前の反応を見てもう分かったんだ!!!驚きと侮蔑、軽蔑と蔑みの視線をどんな奴からも向けられる!!私は何もしていないのに、異端者と知られただけで差別される!!!!そんな腐った世界のどこが変化したっていうんだっ!!!!!!」
「オイラは驚いただけだ!!!!差別なんてしていないし異端者とも思ってない!!!!!お前は勝手に思い込んでいるだけだ!!!!!
自分が正しいと思っていたら堂々としていればいい、一度や二度軽蔑されたぐらいでへこたれるなよ!!!!いつか自分が世界に溶け込めて皆と平等に笑い合えるって思えないのかよ!!!!!」
「そんなものは夢物語だ!!!!」
ファイが斬って捨てるように言い放つ。
「お前がどれだけそう思っても世界の見かたは変わらない!所詮差別や偏見なんてこの世から消え去らない!!!世界なんて変化しないんだよ!!!」
シロップは顔を上げてファイを見据える、そして一歩も引かずに言い放った。
「だったら・・・変えてやる・・・オイラが・・・変えてやる・・・アスラを倒して・・・お前達を助けて・・・お前らに教えてやる・・・等しく愛し合う世界を・・・お前の石頭に叩き込んでやる!!!」
シロップがそう言った瞬間、頭の中に柔らかい声が流れ込む・・・
「(貴方は・・・本当にそう思っているのですか?)」
その声を聞いた途端に、シロップの精神はどこか別の次元に飛ばされたような感覚に陥った・・・

485 :九十九:2008/04/21(月) 21:33:07 ID:LEzi50Pk0
はははは・・・もう笑うしかない。三幕終了ですorz
クサイ・・・クサイぞシロップww(書いてるのは私ですけど
続きに期待してくれた方・・・期待どうりでしょうか??
・・・駄文だぁ・・・orz

486 :あぼーん:あぼーん
あぼーん

487 :あぼーん:あぼーん
あぼーん

488 :◆l53eGZU1tg :2008/04/21(月) 23:33:53 ID:+CaKQQWg0
一日これなかった・・・
でも、明日PSPが帰ってくるから多分毎日これると思う。
九十九氏へ
大丈夫です。
期待どうりですから
0話は上げたんですが、1話の初めで壁に・・・
とりあえずこれからもがんばってください。

489 :あぼーん:あぼーん
あぼーん

490 :あぼーん:あぼーん
あぼーん

491 :江戸:2008/04/22(火) 00:15:24 ID:B+ATbyww0
言いわすれましたが。
皆さま方の小説を少し参考させてもらいました。
ありがとうございました。

492 :BmB:2008/04/22(火) 06:14:38 ID:RcJmKG8Q0
江戸さん 2匹がどうなるか、つづきたのしみにしてます。                                                 

493 :九十九:2008/04/22(火) 18:17:06 ID:RoLb8jbg0
>>489-490
わお!!このままどうなるんでしょう。
江戸さん、続き楽しみにしています。

494 :あぼーん:あぼーん
あぼーん

495 :ジャンク:2008/04/22(火) 19:44:00 ID:pTUxX/MI0
後がとても気になりますね!
楽しみにしています。

496 :あぼーん:あぼーん
あぼーん

497 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/04/22(火) 22:36:35 ID:ke6IROdY0
新シリーズ 『時の後継者』 スタート。
主人公にする気はないのに時空の神々を始めから出してみる。
きっと再登場するはず……。

00 神々の戦い

何の無い島で二匹のポケモンがにらみ合っていた。

「お前の見守るだけのやり方はぬるいんだよ!」
一匹のポケモンが叫ぶ――そのポケモンはは桃色の体に紫のライン両肩に付いた真珠が特徴のポケモン。その名はパルキア。
世界を統べるための存在として生まれたポケモン。

「力による世界の支配はその者達のタメにならないと言っている!」

もう一匹のポケモンも負け時と叫び返した。
そのポケモンは藍色の体をしていて蒼のライン胸に付いた金剛石が特徴のポケモン――ディアルガだ。

「やはりボク達は戦う運命の元に生まれた存在……」
「そうだ。オレ達のどちらかがこの世界を支配する。
 そんな事はあのお方に生み出された時から解っていたはずだ」

二匹ともこうなる事は最初から解っていた。
この時二匹は悲しい眼をしていたのかもしていた。
二匹が生まれてきたその時から運命は決まっていた。
そう既に決まっていた。互いに違う考えで生みだれた存在。
互いを受け入れる事が出来ないように創りだされた。ある神によって……。

「どちらかが倒れるまで戦いは終わらない……という事か……。
 運命はどうしてこうも残酷なんだ……」

その一言こそがディアルガの本心だったのかもしれない。
ディアルガは自分と言う存在について気付いてた。
戦いで勝利する事こそが自分達の存在理由。
神によってどちらが優れた存在かを決めるゲーム。
戦う事でした世界を変えられない存在。

498 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/04/22(火) 22:37:17 ID:ke6IROdY0
「お前はまだ戦う覚悟が無いのか。フッ……優しすぎるんだよ……
 だがその中途半端な優しさは残酷なだけだ。
 オレ達には世界を治めるために生み出された。
 当然……全ての者を救うことは出来ないだろう。
 特にお前のやり方は強者と弱者を分けるだけだ。
 だからオレはオレ自身が世界の強者となる!」

限りなく同じでまるっきり違う世界への考え。
互いは違う信念を持ち、違う世界を望んでいた。その先の答えが同じでも……。

「ここで朽ち果てろ!」

パルキアはもう話すことは無いらしくディアルガにに攻撃を仕掛ける。
その攻撃は単純なもので自らの質量を使った体当たり。
しかしその体格から繰り出される一撃は思ったよりも大きくディアルガに強い衝撃を与える。
ディアルガもすぐ体制を立て直し仕返しと言わんばかりに体当たりをする。

パルキアは数メートル吹き飛び今度は波導弾を撃ってくる。
避けきれないと思うとディアルガは自分の周りの時間を狂わしはじめる。
そう『波導弾なんて最初から存在しない』と強く念じる。
その念は形となり『波導弾は最初から存在しなかった』事になる。

「防いだか……。成らばこれでどうだ!」

パルキアの両肩の真珠が眩く光だし、空間が切り裂かれる。
自分の周りの空間が刃となりディアルガに飛んでいく。
亜空切断――空間の刃は高確率で相手の急所を切り裂く。
パルキアの最強にして最後の切り札。

ディアルガは再び時間を狂わすも亜空切断の前には無力だった。
亜空切断の一撃はディアルガの体をズタズタに切り裂いた。

「……ボクはここで倒されるのか?
それも悪くない……。全てあいつに任せれば良いんだ……」

ディアルガは消えすこうとする意識の中ぼんやりと自分の未来を考えて呟いていた。


499 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/04/22(火) 22:38:32 ID:ke6IROdY0
「嫌と言いながら随分ネバルじゃないか……」

しかしディアルガは立ち上がっていた。
この二匹にはには自分の信じた世界を創る義務がある。
ここでパルキアを肯定すればディアルガに存在する理由は無くなる。

「ボクにも君と同じく信念がある……。
 たとえやり方がぬるいと言われようとも!!」

ディアルガは残りの持てる力の限りを尽くし叫んだ。
胸の金剛石が眩く輝きだし、時間が狂いだす。
狂いだした時間は過去と干渉し相手の存在すらも消し去る恐ろしい技となる。
時の咆哮――それは強大な力故に撃った本人すらも動けなくなってしまう危険な技。
しかし、その威力は亜空切断とは比べ物にならない。

「馬鹿な! どこにそんな力が……」

時の咆哮が来るのを予測していなかったパルキアは狂った時間に飲み込まれ姿を消した。
パルキアも神によって生み出されたポケモン。死にはしないだろう。
しかし永遠かもしれない長い間……空間の狭間を彷徨う事にはなるだろう。

「勝った……のか?」

これでこの戦いに決着が付いた。
長い間の戦いに幕が下ろされた
しかしディアルガには実感が沸かないでいた。

「ボクがこの世界を変える……いや世界を変えた……」

これからディアルガの求める世界が動き始める。
ディアルガはただぼんやりと空を眺めていた。

500 :あぼーん:あぼーん
あぼーん

501 :あぼーん:あぼーん
あぼーん

502 :狸吉 ◆2yFRLFKg8k :2008/04/23(水) 01:22:05 ID:T8hpb2UM0
>>蒼空さん
ディアパルに限らず伝説系のネタはここの小説では彼らのレア度を反映するかの様に割りと珍しめなので期待しています。
さて主役は誰になるのでしょうか。

>>江戸さん
イオン母さんがアークに陵辱され欲望のままに穢されていく様をもっと綿密に描写しt(r(←殴)
ところでその時アークは「あの時の仕返しだ」と言っていますが彼はイオン母さんに過去にナニをされたのでしょうk(r(←殴)

503 :あぼーん:あぼーん
あぼーん

504 :パウス ◆EvJGalaxy2 :2008/04/23(水) 17:39:45 ID:au6QtgmU0
>>497-499
『亜空切断』と書くんですね。
最初にこの技の名前を見た時、『悪右折弾』かと思っていた僕はとんでもない阿呆ですwwwww
狸吉さんの言う通り、伝説ネタは少ないのです。
だからという訳ではないですけど、期待していますよ。

>>503
成程、そういう考えもあるのですね。続きに期待しています。


逃亡者 〜story10〜 ―森の住民達―

まだ若干の疲労は残っているが、そんなことは行っていられない。
ネフェリンとグランスとかいうリングマの関係はあのペルシアンから聞いた。
グランスが行なっている陳腐で稚拙な行為も、ネフェリンが奴に拾われたことも、今ネフェリンが捕まっている理由も場所も全て。
ネフェリンが捕まっているのはグランスの住んでいる木の中。親切なことに、ペルシアンはその順路まで教えてくれたのだ。

ここを出て森の中を真っ直ぐ行くと、すぐに背の低い草しか生えてない、広場のようなところに着くわ。
そこに着いたら右折して、ずっと行くと崖に当たるはず。ここの辺は崖に囲まれた低い土地だからね。
そして反時計回りに崖に沿ってずっと行って、回りの崖よりも数倍高い崖の下に辿り着いたら、そこから一本の太い木が見えると思う。それがグランスの住処、あなたの目的地。

ペルシアンの言った事を頭の中で忘れないよう何度も繰り返す。鮮明に思い出し過ぎて口調もそのままだが。
何故奴はこんな情報を俺に教えたのだろう。あいつはグランスの仲間ではないのか?

だってぇ、こうした方が楽しいじゃない?

不審に思って聞いてみても、ペルシアンは媚びたような声でこう返すだけだった。
何がしたいんだあいつは。そもそも何者なんだ?
いろんな疑問が浮かび上がってくるが、そんなことはどうでもいい。ただその中で今、意味のある疑問は「この順路は本当に正しいのか」だ。
もし嘘だったら相当な時間稼ぎにもなる。その間にネフェリンを連れて逃げることも不可能ではない。
そうなってしまっては最悪だ。―――だがこれ以外に頼るべき情報は無い。
あまり広い森ではないらしいから、いざとなったら一日中探し回るのも手だ。







505 :パウス ◆EvJGalaxy2 :2008/04/23(水) 17:40:10 ID:au6QtgmU0
さっきから走っていておかしいのは、ここに住んでいるポケモン達の姿が全く見当たらないということだ。
何故だ?ここはあまり住民が住まない場所なのか?考えてみても、新たな疑問が次々と生まれるだけ。
そんな中、ようやくペルシアンの言っていた広場に辿り着いた。
次はここを右折、真っ直ぐ行くと崖に当たるはず。踵を90度動かし、真っ直ぐ森の中へ突っ込んだ。
木々が凄いスピードで横を通り過ぎていく光景を横目で見ながら、無意識のうちに住民が本当に居ないのか確認しながら走っていた。
別に知ったことではないのだが、妙な胸騒ぎがするの何故だろう。

結局誰も見つからないまま、ペルシアンの言っていた崖に当たってしまった。次はこの崖を反時計回りに沿って走る。
ネフェリンの顔を思い出しながら、グランスの種族であるリングマの輪郭を想像していた。
どんな奴かは分からないが、ペルシアンの話を聞く限りではまともな奴ではなさそうだった。自分のことしか考えない、下劣な野郎だという勝手な想像が頭から離れない。
ネフェリンを大変な目に遭わせていないだろうか。彼女に変なことしていないだろうか。
もしネフェリンを傷つけるようなことをしているとしたなら―――貴様の命はそこまでだ。

ネフェリンの洞窟から出発して15分弱。またもやペルシアンの言う通りだった。
いきなりぐんっ、と背を伸ばした崖。下から見上げると、まるで点を支える柱のようだった。一体どのようにしてこんな崖が出来たのだろうか。
もしかして本当の順路なのか?希望のにおいを匂わせ、崖は堂々とその存在を見せ付ける。
ここから周りを見回して……。必死に頭にペルシアンの情報を浮かばせ続けながら後ろを振り返ると、信じられない光景が目に飛び込んできた。


506 :パウス ◆EvJGalaxy2 :2008/04/23(水) 17:41:13 ID:au6QtgmU0
「なっ…………!?」
行く道を塞ぐように5匹6匹7匹―――そこには10匹ほどのポケモン達が並び立っていた。
彼らの後ろには一本太い木がその姿を現している。周りとは違った雰囲気のその木は間違いなくグランスの住処だろう。
「グランスさんから頼まれてね、見かけないマグマラシがこっちに向かって来ているのを見たら、力ずくでも止めてくれって。」
恐らくこいつらはこの崖に囲まれた森のポケモン達。その中のフォレトスが言ったことはあまりにも衝撃的だった。
―――俺に戦えというのか?こいつらと?
グランスの影響力はここまで大きいものらしい。こいつらはグランスに騙されているだけであって何も悪くは無いのだ。
自分を信じてくれているが故に何も知らない者を巻き込むなど、とてもじゃないが守護者とは言えない。
だがそんなことを知る由も無い彼らの眼は純粋そのものだった。
俺の敵は今やグランスのみだ。ペルシアンは邪魔する気はないようだし、何よりネフェリンを連れ去った実行犯は奴なのだ。

だが、どうやら俺に選択肢はないようだった。彼らの漂わせている殺気が、穏便にことを運ぶことは出来ないということを物語っている。
「悪いが、あんたを通す訳にはいかないんだよ!!」
フォレトスの掛け声と共に一斉にポケモン達が唸り、真剣な視線があらゆる方向から俺を射抜く。
完全に俺を敵だと認識した目だった。やはり、戦わなければいけないようだ。

ならば戦おう。俺だって進まない訳にはいかない。ネフェリンを助けるためには―――――
――――ここで止まってる訳にはいかない!!


――――――――――――――――

この辺で中ボスのBGMが流れそうですww

507 :発#モンスターハンター:2008/04/23(水) 21:29:22 ID:I31smSRY0
今日はPSPからです。
久しぶりにPSPができてかなりうれしい状態です。(書くの大変だけど・・・)
お知らせ
僕の小説の更新速度は鈍速です。
もし、楽しみにしている人がいたら、かなり気長に待ってね。
酉、あってるかな?

508 ::2008/04/23(水) 21:31:46 ID:I31smSRY0
PSPじゃうまくできない!
次から変えますね。

509 :江戸:2008/04/23(水) 21:37:08 ID:jhMGqU9+0
狸吉さんへ
503は訳がわからない回答だったので、ここでもう一度書きます。
アークのいった「仕返しだ」という言葉は後にわかります。
エロの細かい部分を書かなかったのは違う所で出すからです、そちらに期待していてください。長文失礼しました。

510 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/04/23(水) 23:05:00 ID:OqwweAN+0
続き……と言うよりは始まり

01 出会い

朝の日差しが照りつけて一匹のポケモンが目を覚ました。

「ふわぁ〜。また変な夢を見たよ……。ディアルガとパルキアが戦う夢……。
 一万年以上も前の神話の夢なんて何で見るんだろう?」

そのポケモンは首を捻り考えるが答えは出ない。
そして、巣の近くの小川に顔でも洗いに行こうと立ち上がった。
小川の水面にはの赤い体毛に黒い縞模様、頭には黄色い鬣の子犬の様なポケモン――ガーディの姿が映った。
まだ幼さを残す顔付きだが立派な体格の雄である。年齢は十七歳前後といったところだ。
ガーディは水面を見ながら鬣を整えた。

しばらくするとこの辺りでは見かけないポケモンが水を飲みに来た。
水を飲んでいるポケモンは朱色の体に六本の尻尾、頭の巻き毛が可愛らしい狐のようなポケモン――ロコンだった。
そのポケモンは美しい毛並みに気品のある態度、細い体付きをしていて雄でも雌でも虜にしてしまう魔性の魅力を持っていた。
そのせいでガーディにはそのロコンの性別が解らなかったが年齢はガーディよりも一、二歳若い感じだった。

「……あ。始めまして。僕グレンって言います。最近この近くに住み始めたんです。よろしくお願いします……」

グレンと名乗ったガーディがロコンに恐る恐る話しかける。
体格の割には臆病な性格の用でロコンに話しかけた声は凄く小さかった。
ロコンは一瞬グレンを方を見たがすぐに水飲みを再開する。

「あの……。名前……なんて言うんですか?」

ロコンはようやく自分に話掛けているのだと気付いた様にグレンを見る。

「……ウズキ……」

ウズキと名乗ったロコンは一言だけ言ってまた水飲みを続ける。
グレンは気まずそうに話掛けるも相手にされることは無かった。

511 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/04/23(水) 23:05:40 ID:OqwweAN+0
「ボクに何の用でもあるの? さっきから話しかけて来て……。他人とかかわると面倒な事が多くなるから嫌なんだよ。
 ボクは面倒が嫌いなんだ。話しかけないでくれる?」

ウズキがグレンを睨みつける。その迫力にグレンは何も言えなくなってしまった。
しばらく二匹の沈黙を続けていると一匹の雌のポケモンがグレンに抱きつく。
そのポケモンは茶色い体毛に首の周りと尻尾の先が白い毛で覆われたポケモン――イーブイだ。
恐らく年齢はウズキと大して変わらないだろう。
グレンは突然抱きつかれてパニックに陥る。

「君……誰?」
「すいません。追われているんです。助けて……」

グレンが慌てていると一匹のレントラーが走って来た。
鬣が長いのを見ると雄である事が解る。年齢は二十前後だろう。

「もう逃がさねえぞ。覚悟しなお譲ちゃん。お前達も大人しくそいつを渡しな」
「……達?」

どうやらこのレントラーこそがイーブイを追いかけていたようだ。
ウズキが辺りをキョロキョロと見渡して質問する。

この周辺にいるのはグレン、イーブイ、レントラー、ウズキの四匹である。
当然『お前達』と言うレントラーの言葉の中にイーブイと自分自身は含まないだろう。
消去法を使うと当然『お前達』とはグレンとウズキの事になる。
ウズキは誰が見ても解るくらい嫌そうな顔をした。

「ボクは面倒が嫌いだから……。三匹で勝手にやってれば……。
 そのイーブイとは何の関係無いしね」
「そんな言い方は無いんじゃない! 目に前で困ってる人が居るんだよ!」

ウズキの言葉にグレンが怒り出す。
その言葉に対しウズキは無言で睨み返す。

512 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/04/23(水) 23:06:24 ID:OqwweAN+0
「何ゴチャゴチャ言ってやがる! てめえ等まとめてぶっ飛ばしてやる」

レントラーが遂に怒り出し放電する。
無差別による雷は容赦無く三匹のポケモンを襲う。
イーブイは木に隠れ放電から身を守りグレンは身を屈め避ける。

「面倒な事に巻き込まれたな……。しょうがない……」

ウズキは文句を言いながらも身を屈め戦闘態勢をとる。

「なんだ俺とやり合おうってか。舐めた事してくれるじゃねえか!  ……ってこれは!?」

話が終わる前にウズキは怪しい光を出す。
レントラーはその事に気付き目を咄嗟に隠す。
ウズキはそれを狙っていた用でそのまま電光石火でグレンを背中に乗せ、イーブイを口に咥え一目散に逃げてゆく。
レントラーがウズキがいた方に向けた時には既に誰もいなかった。

「……ちくしょう……逃げられたか。今日はついてねぇな〜。姉さんになんて言い訳しよう……。いや、まだ明日がある」

レントラーは悔しそうに小川を後にした。



ウズキはレントラーを撒いたのを確認しグレンとイーブイを降ろす。

「あ、ありがとうございます。私、フィニティっていいます。
 名前は無限を意味するインフィニティから取ってるんですよ」
「僕はグレン、こっちのロコンはウズキさん。でも何で追われてたの?」

フィニティと名乗ったイーブイとグレンが話を始める。
ウズキは面倒くさそうに離れた木陰で座り込んでるいる。

フィニティが事情を説明しようとするとウズキが立ち上がり話し出す。

「……どうせ、その首にかけられたディアルガの胸を模したダイヤのネックレスでしょ?」
「このネックレスに気付いてたんですか?」

フィニティは首からネックレスを外し二匹に見せた。
ウズキは「当たり前だよ」相槌を打ち話を続ける。
グレンは何とか話に付いていこうとする。

「それにあのレントラーはこの辺じゃ有名な窃盗組だ。
 名前はライガ。もう一匹はサイって名前のアブソル。
 正直、グレンあんたが勝てる相手じゃ無かったって事。
 勝負をするにも相手を選ばないと長生きできないよ。
 ボクの話は終わり。後は二匹で楽しくやってれば」
「そこまで解ってたんだ……僕全然知らなかったよ……」

グレンはウズキの言葉を感激しながら聞いていた。
ウズキは話し終わるとまた座り込んでしまう。
グレンとフィニティは他愛も無い会話をして盛り上がっていた。
その笑い声は離れていてもウズキの耳に入っていた。

「……紅蓮の子犬と無限の進化……。これは単なる偶然? ……いや、違うだろうな……。
 多分あの二匹は……。そうだとしたら二匹は神の……」

ウズキは楽しそうに話合っている二匹を無表情で見ていた。

513 :あぼーん:あぼーん
あぼーん

514 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/04/23(水) 23:13:19 ID:OqwweAN+0
タイトルとウズキの最後の一言でグレンとフィニティについて答えを言ったような気が……

皆様コメントありがとうぞざいます。励みになります。

亜空切断については独断で漢字変換したため正解の保障は無いです……

フィニティの登場がパウス氏の無人島に似てしまいました。すいません……。
変えようと努力をしてもこれしか思いつきませんでした……。

期待に答えられるよう頑張っていきたいと思います。

515 :あぼーん:あぼーん
あぼーん

516 :狸吉 ◆2yFRLFKg8k :2008/04/24(木) 01:24:18 ID:s48+ZUaQ0
>>蒼空さん
あの…突っ込んでいいですか?
気を悪くされたら申し訳ないのですが。
フィニティちゃんの名前の事なんですけど。
インフィニティというのはイン=無い&フィニティ=限りで無限という意味ですので、フィニティだけだと無限とは逆の「終わり」とか「終焉」とか言う意味になってしまいます。
それはそれでかっこいいとも思いますが、もしどうしても「無限」にこだわりたくて、しかも5文字以内で女の子に似合う名前で付けたかったら良い候補を知っているのですが…どうします?

517 :江戸:2008/04/24(木) 13:46:45 ID:kONb7TeI0
すいません 書き漏らしがありました。
第二章の夜の話です。
今日中に書き込もうと思ってます

518 :ジャンク:2008/04/24(木) 17:42:14 ID:riCJlpbY0
江戸さん、楽しみにしています。
僕の小説は、明日かあさってになるかもしれません。
もうしばらくお待ちください。

519 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/04/24(木) 22:29:35 ID:rUi8sOZA0
狸吉さん突っ込みどうも……
そうなんですか……終焉ですか……。こちらのミスです。無知ですみませんでした。
取り合えず投稿した以上フィニティの名前に責任を持ってそのまま行こうと思います。
この名前ストーリーでも上手くネタにしようと思います。

520 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/04/24(木) 22:34:46 ID:rUi8sOZA0
02 警告

グレンとフィニティが話し続けていると辺りは暗くなっていた。

「所でウズキさん、ここってどこ?」

グレンとフィニティはウズキにこの場につれてこられた為現在地が解らなかった。
肝心のウズキは「さぁ?」と言って首を捻った。

「解らないの? こんな所でどうするの!?」
「今日は野宿だね。フィニティもそれで良い?」
「はい。私はそれでも構いません。助けていただかなけばどうなってたかも解りませんし……」
「そんな、野宿って……」

フィニティは納得するがグレンは納得がいかないようだ。

「でも帰れないじゃそうするしかないと思うけど」
「それはそうだけど……」
「じゃあ、そうしよう。そうするしかないし」

グレンは渋々納得し、三匹はとりあえず雨の防げそうな木の下で野宿する事にした。
木は探すと案外近くに見つかった。しかも障害物も多く他者からは見つかりにくく野宿には最適だった。

「フィニティが可愛いからって夜……襲うなよグレン」
「そ、そんな事しないよ!!」
「そうですよ! グレンさんがそんな事するわけ無いじゃないですか!!」

ウズキがグレンをからかう。そのことでグレンのみならずフィニティも顔を紅くする。
ウズキは二匹の反応を見て楽しそうに笑う。

「そ、それだったらウズキさんだってそうじゃないか」
「ボクはフィニティを襲う理由がないからね」
「……それだったら僕も同じだよ」

521 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/04/24(木) 22:35:24 ID:rUi8sOZA0
ウズキの言葉にグレンが珍しく怒りウズキをにらむ。
フィニティはグレンを必死に宥めようとする。

「グレンも雄だからね。それにボクは同姓を襲う趣味は無いんでね」

ウズキの言葉にグレンとフィニティが唖然としウズキを見る。
二匹とも自分を『ボク』と言っていたウズキを雄だと思っていたらしい。

「あれ? 気付いて無かった? それにロコンは雌の方が生まれやすいし。
 寧ろボクが雌の方が自然だと思うけど? まあ目の前に珍しい雌のイーブイがいるけどね」
「なんか納得いかない……。それにウズキさんさっきから良く喋るね……」
「……君達を友って認めただけだよ……」

ウズキのその言葉に二匹は妙に嬉しそうにする。その事を言ったウズキは二匹の反応に顔を紅くする。

「じゃあ、もう晩い。二匹とも今日は寝たほうが良い」
「あの〜。ウズキさんはどうするのですか?」

フィニティの質問にグレンも「そうだよ」と同意する。
ウズキは呆れた様に前足を額に当て首を振る。

「ここは必ずしも安全な場所とは限らない。ボクは寝ずに見張ってるから二匹は寝ててって言ってるんだ。
 ボクの優しさを解って欲しいんだけどね」

二匹とも素直にウズキの好意を受け取り眠りについた。



二匹が眠りについてから数時間が経った。
しかし辺りは暗いまま。本当にウズキは寝ずに番をしていた。
すると突然グレンが目を覚ました。

「どうした? 起きるにはまだ早いと思うけど?」
「なんか目が覚めちゃってね……」

グレンが起き上がりウズキの隣に座る。

「ウズキさんは寝ないで平気なの?」
「体の鍛え方が君とは違うからね。フィニティを襲うなよ?」
「だから襲わないよ!」

522 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/04/24(木) 22:35:56 ID:rUi8sOZA0
ウズキはグレンをからかう。
寝る前と同様に顔を真っ赤にする。
大声を上げた割にはフィニティは目を覚ます事無くぐっすりと眠っている。

「ねぇグレン。変な質問かもしれないけど、君はこの世界の神ディアルガをどう思う?」
「どうって言われても……。 正直、僕は何とも思ってないよ。別に僕には直接は関係無いし……
 一万年前のいたって神話があるだけじゃない。僕はこの世界にいないんじゃないっかて思う」

グレンの答えにウズキは暫く考え口を開いた。

「なるほどね。なら、フィニティと一緒にいないほうが良い。当然ボクとも。
 このまま一緒にいれば君達は運命から逃れられなくなる」

ウズキは真剣な表情のままグレンを真っ直ぐに見つめる。
グレンもまたウズキから目を逸らさなかった。

「それどう言う意味?」
「聞いてどうする? 知らないほうが良い事もある……。これ以上ボク等に関わるな。これは警告だ。
 ここで分かれれば君は今までの生活に戻れる。それ以上は言えない」

グレンもウズキの真剣な眼差しに負け「解ったよ」と軽く返事した。

「じゃあ、まだ夜は長い。グレン寝たほう良い」
「うん。おやすみウズキさん」

グレンはウズキから離れ再び眠りにつく。

「警告は……無駄に終わるんだろうな……」

ウズキは眠るグレンを見て溜息をついた。

523 :あぼーん:あぼーん
あぼーん

524 :パウス ◆EvJGalaxy2 :2008/04/24(木) 22:43:15 ID:TxvLkQio0
>>514
いやいや、僕の「逃亡者」のあの登場の仕方、かなりベタですから被るのは仕方ないことでしょう。
気にしないで、これからも執筆頑張ってください。


ブッ…だめだ、何度思い出しても自分の阿呆さに笑ってしまう。『悪右折弾』って………wwwwww
でも悪が皆右折するんだったら意外と使えるかも……

……何言ってるんだか………阿呆ですみません。

525 :あぼーん:あぼーん
あぼーん

526 :あぼーん:あぼーん
あぼーん

527 :あぼーん:あぼーん
あぼーん

528 :BmB:2008/04/25(金) 05:33:26 ID:nEpockaM0
江戸さん 2章おつかれさまです。 続きたのしみにしてます。                        

529 :九十九:2008/04/25(金) 18:45:34 ID:tx9u3tN60
続きです。わかんない人は一章からどうぞ。



~二章終幕~
シロップは靄がかかった空間をひたすら歩いていた。先には青い光が弱弱しく点滅している。シロップはそれを虚ろな瞳で見つめて一歩、また一歩と歩を進めていく。
「・・・・・・」
シロップが歩くにつれてどんどん光が近づいてくる。シロップにはそれが何なのかうっすらとだが理解していた。
シロップが濃い靄の中を進んでいくと、青い光が突然輝きだし、靄のようなものを全て吹き飛ばした。
「・・・オイラ・・・あんたの存在・・・何となくだけど分かってたぜ・・・」
何も無い白い空間の中でシロップがポツリと呟く。その刹那、シロップの目の前に巨大な氷柱が伸びだして、大きな音を立てて砕け散った。
その氷柱の中から美しい鳥ポケモンが姿を現した。
「・・・・・・」
シロップがしばらく無言でいると、その鳥ポケモンは優しい口調で言葉を紡いだ。
「私の名は・・・・フリーザー・・・愛の心を司る勇者・・・・」
「オイラの名前は・・・言わなくても分かるんだよな・・・」
シロップがそう言うとフリーザーは軽く頷いて本題を切り出した・・・
「シロップ・・・先程の問いをもう一度言いましょう。・・・貴方は本当に、この世界から差別や偏見が消えると思っているのですか?」
シロップはフリーザーの言葉を考えた。
確かにこの世には差別や偏見がいくらでもはびこっている。等しく愛し合う心を全員が持つなど腐るような時間が必要なのだ。
・・・しかし、実現できるとシロップは信じていた。
「・・・・思ってる・・・差別や偏見は・・・・きっとこの世から消える・・・」
シロップはゆっくりと、しかしはっきりと力強くそう答えた。フリーザーは柔らかい物腰の声でシロップの言葉を試すように口を開いた。
「なるほど、それが貴方の答えなのですね。・・・しかし貴方が思うほどこの世界は上手く廻ってはいないのです。私もかつてはそう思ってました・・・しかしその考えが間違っているのかもしれないと思いはじめました・・・」
シロップは心底驚いた。愛を司る勇者が自分の言葉に絶対の心が無いと考えていることに。フリーザーはさらに言葉を続けた。

530 :九十九:2008/04/25(金) 18:46:58 ID:tx9u3tN60
「そして200年たった今でも尚差別や偏見は続いています。私は考えたのです。差別や偏見を完全になくすには全員が同じ気持ちを持つのではなく、全員が同じ種族になればいいのだと・・・」
「違う!!!!!」
シロップは大声を上げて否定した、フリーザーは澄んだ瞳でシロップを見つめた。
「なぜ違うと思いますか?同じ種族になれば、同じものを傷つけることの無意味さを知って、差別や偏見なども消え去るとは思わないのですか?」
シロップはフリーザーの言葉に激しく首を横に振った。そしてしばらく言葉を選んだ後に口を開いた。
「そうじゃない・・・そうじゃないんです。同じ種族になっても差別や偏見なんて消えない。・・・差別や偏見は種族の違いから出るものじゃない・・・・心の食い違いから生まれる悲しいものなんです。
だからそれを直すのは同じ心の力が必要なんです!!おいらはそれを絶対に実現して見せたい。だから・・・オイラに力を貸してくれませんか?」
シロップの言葉を聞いていたフリーザーはシロップをじいっと見つめると優しく微笑んで口を開いた。
「シロップ・・・貴方の心の中に光る"愛"の心。・・・確かに見せてもらいました。」
シロップは怪訝顔でフリーザーを見つめたが、自分の気持ちが試されているのだと気付き、こくりと頷いた。
「確かにこの世界には多すぎるほどの差別や偏見が埋まっています。実際にそれが消えることは無いのかもしれません。しかし私は信じています。
私達ポケモンの心は・・・差別や偏見の思念を打ち消して穏やかな世界を運んでくれることを。・・・シロップ・・・私は貴方の真っ直ぐな心がポケモンとポケモンの間に隔たる壁を消してくれる希望の礎になってくれると信じています」
シロップはもう一度頷き、口を開く
「オイラは諦めない。絶対に皆が平等になれる世界になる。そんな世界にしたいんだ。・・・だから・・・力を・・・貸してください」
フリーザーはやわらかい微笑を浮かべて青く輝く光を差し出す。
「シロップ、私の司る力は意思の力。貴方の意思に少しでも揺らぎが生じれば、私の氷は貴方を永遠の終焉へと誘うでしょう・・・それでも・・・私の力を求めますか?」
「求める!!!」
シロップの力強い返事にフリーザーはこくりと頷くと光を差し出し、
「ならば手を」
と、告げた。シロップは頷き手を差し出す。互いの手が重なり、フリーザーがシロップの中に入っていく。
すさまじい冷気が身体の中に渦巻いている。気を抜いた瞬間に絶対零度の世界に意識が飛びそうだった。それほどの力が今シロップの身体の中を縦横無尽に駆け巡っている。
白い世界が砂糖菓子のように崩れていく・・・完全に崩れるとき、頭の中に声が響いた。
「(シロップに幸あれ・・・私はいつまでも見守っています。・・・今の貴方の意志を・・・愛の心を・・・どうかどうか忘れないで・・・)」
空間が完全に崩れ去り。シロップは闇の中に放り出された。
・・・決意の意思を心に灯して・・・







531 :九十九:2008/04/25(金) 18:47:46 ID:tx9u3tN60
ファイがシロップの異変に気付いたのは数秒後のことであった。
シロップの身体からほの暗い・・・しかし力強い何かの力が体中から溢れ出ていることに・・・
「・・・何だ?・・・何か不思議な力が・・・」
ファイがシロップを見つめる。シロップは静かに深呼吸して、身体の中にイメージを湧かせる。
それは癒しの雨、光となって降り注ぎ身体を、心を癒す光。敵にも見方にも降り注ぐ命の輝き・・・
「(イメージを働かせて・・・痛いの痛いの飛んでけっ!!)」
シロップが自分の力を指先に集めて空に掲げる。その瞬間光は空中に上がって霧散し、その直後にやわらかい透き通った雨が降り注いだ。
雨に当たったライチ達は、身体に変化があることに気がついた。
・・・傷が、物凄い速度で回復している・・・ライチの腹部は傷かどんどん塞がっていく。シナモンはきれたアキレス腱が高速で再生していく。ミントは頭の出血が止まり目を覚ました。レモンは肩の脱臼が元に戻り動くことができるようになっていた。
「馬鹿な・・・全員完治したなんて・・・」
ファイはシロップを見ていた。いきなり力を使った反動か、地面にひざをつきぜいぜいと喘いでいる。
「・・・誰だって痛いのは嫌だろ・・・お前も・・・オイラも・・・」
シロップは優しい瞳でファイを見つめていた。ファイはギリギリと唇を噛んで吐き捨てるように言葉を紡いだ。
「笑わせないで下さい。貴方の自己満足なんて聞きたくありません。幸い動けないようですし、今すぐに息の根を―――――――」
言いかけてファイは薄ら寒いものを感じた。向こうを見るとライチの腕がめらめらと燃えている。
「よせって、あんなのに当たったらお前炭になっちゃうぞ・・・ライチはイメージの力が強い・・・から・・・・」
言い終わるが早いか、シロップは倒れてしまった。
ファイはライチの方を見つめた。シロップに手を出したら炭にする。と言わんばかりの炎を腕から立ち上らせている。
「・・・・分が悪いようですね・・・引かせてもらいます・・・しかし、おろかな"愛"の勇者よ・・・この世に私達の居場所なんてないことを・・・覚えておくといいでしょう・・・」
シロップに問いかけるように呟くと、身体を影に溶け込ませて、完全にファイは姿を消した。
「シロップ!!」
敵の気配が完全に消えたことを確認したミントがシロップに詰め寄る。シロップは返事をせず、かわりに穏やかな寝息が聞こえていた。
「・・・よかった・・・本当に・・・」
ミントは安堵の息をついてシロップを見つめた。
シロップは柔らかい顔をして幸せそうに眠っている。ライチ達がその顔を見つめてくすくすと笑っていた。
「幸せそうな顔しちゃってまぁ・・・襲われるとか考えないのかなっ♪」
レモンがけらけら笑いながらシロップの頬をぷにぷにとつつく。
「シロップの力は僕と違って放出型だったから・・・エネルギーを全部燃焼しちゃったんだね・・・お疲れ様・・・よくがんばったよ・・・シロップ」
ライチがシロップの頭を撫でる。シロップの顔が擽ったそうに動いた。
「シロップさん起きませんね。私背中に乗せて歩きましょう。もうすぐ朝日が昇ります。ランナベールはすぐそこですから早く行きましょう。」
シナモンがシロップの身体をひょいと自分の背中に乗せて歩き出す。ライチたちもそれに続いて歩き始める。うっすらと上る朝日の先には、ランナベールの街が神々しく輝いていた・・・




二章・終幕

532 :九十九:2008/04/25(金) 18:50:02 ID:tx9u3tN60
うぅん、二章終了です。少し短い気もしましたが。まあいいか(をい
第三章は三月兎さんとのコラボになるので遅くなります。
最後に・・・こんな駄文に期待してくれた皆様。ありがとうございます。

533 :BmB:2008/04/25(金) 23:10:02 ID:nEpockaM0
九十九さん おつかれさまです。 続き期待してます。

534 :江戸:2008/04/25(金) 23:13:30 ID:WNrUlao60
九十九さんへ
コラボ楽しみにしています。



535 :江戸:2008/04/25(金) 23:22:14 ID:WNrUlao60
「心の闇」第三章は少しおくれて、書き込みます。
誠に申し訳ございません

536 ::2008/04/26(土) 10:06:44 ID:jg1stYLg0
狩猟生活が戻ってきてから、リアルにあんまりきてないなぁ・・・
それはともかく、九十九氏へ
二章完結おめでとうございます。
ところで思ったんだけど、テイルズ・オブ・シンフォニアを思い出したのは僕だけか?
現在小説壁に当たり停止中
ストーリーはできているんだけどなぁー

537 :九十九:2008/04/26(土) 10:15:38 ID:dZxlyC3+0
>>発さん
テイルズはいのまた氏が描いたものしかやってないからよくわからないけど。
そんなにストーリーが似てますか?

538 :ジャンク:2008/04/26(土) 17:31:36 ID:NEX899Ik0
遅くなりましたが書きます。
分からない人は1から見てください
===============================
===============================
登場人物とポケモンを紹介してなかったので紹介します

ケン

16歳、闇の民(?)
勇敢だが少し怖がり二重人格を持っている
右目が見えない過去に何かあったみたいだがそれは小説で
バトルはかなりの実力者だジェドと大体互角らしい

アブソル

17歳、ケンのパートナー
とても仲間思いだけど時々無謀なことをする元気な子
一番気に入った技名前をつける変わった癖がある
ケンのことがお気に入りらしい

ゼフィロ

年齢不明、闇の民
何かをしようとしてる
小説の中で分かります

ジェド

19歳、闇の民
冷酷で残忍な男
いつもケンをおどかしている
バトルはかなりの実力者だ
ここから小説です。

2 光の世界へ
僕たちはジェドの部屋の前に着いた。
「アブソルはここで待ってて」
「え〜、なんでよ」
アブソルは少し残念な顔をして聞いてきた。
「え〜、なんでて、僕が聞いてきて教えてあげる方が早いと思ったから」
「なんだそうだっだ。なら早く聞いてきて」
アブソルはそこに座り込んだ
(またくもう俺がこう言わないと言う事聞かないんだから)
俺は思いながら部屋に入った。


「ジェド話し合いなんだけど……ぎゃあああああ!!!!」
俺は後ろに倒れこんだ。
それは、目の前にジュペッタの顔があったから
「ははははは、面白いなお前の驚く顔」
とジェドは笑うとジュペッタは、黒い煙になって消えた


「ジェドまた闇を実体化しておどかしたな、俺が怖がりなのを知っていて」
ジェドはニヤニヤしながら
「まあいいじゃないか、死にはしないから」
この野郎相変わらずムカつく

ジェドは闇を実体化させて攻撃することができ、
俺は鎖をを使って攻撃することが出来る

「で、話し合いでどうなったの?」
「それはこうなったんだ」
俺はその言葉に驚いた。


いったんここできります。
続きは明日なるかもしれません。

539 :ジャンク:2008/04/26(土) 17:35:03 ID:NEX899Ik0
アドバイスをもらえると嬉しいです。

540 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/04/26(土) 22:25:24 ID:+feRTABg0
続き

03 ペンダント

ウズキが番をしているとグレンが目を覚ます。
フィニティはまだ目を覚まさない。

「ウズキさんおはよう」
「おはようグレン」

二匹は朝の挨拶を交わす。
しばらくするとフィニティも目が覚める。

「グレンさん、ウズキさんおはようございます」
「おやようフィニティさん」
「おはよう。良かったねフィニティ襲われなくて」

ウズキの言葉にグレンが睨む。フィニティは苦笑いをする。
ウズキは「冗談だよ」と軽く謝り話を始める。

「とりあえず朝にはなった。二匹ともこれからどうする?
 昨日も言ったとおりボクは帰り道は解らないよ。ライガを撒くのでやっとだったから」

二匹が今後を考えていると誰かの声が聞こえてくる。
三匹はとっさに木陰に隠れた。

「この辺だと思うんだよな。あのイーブイのペンダントを奪わなきゃ姉さんに顔向けできねえしなぁ。本当についてねぇよ」

その声の主は昨日フィニティを追っていたライガのものだった。
ライガはグレン達が隠れてる木陰を見て不敵な笑みを浮かべる。

「やっと見つけた。お前らそこにいるのは解ってる。大人しくペンダントを渡しな」

ライガは木陰の方に大声を張り上げる。

「どうしよう見つかったの?」
「完全にね……。ライガはレントラーだからね。目が金色に光ってるから自慢の透視能力でしょ」
「これだけは……渡せないんです」

541 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/04/26(土) 22:25:55 ID:+feRTABg0
三匹は木陰に隠れたまま会話を続ける。

「がんばれグレン!」
「え! 僕!? そう言うウズキさんは!?」
「ボクはまだフィニティと話があるから。せめて時間を稼いで」

グレンが嫌そうにウズキに訴えかけるも全て無視される。

「……さっさと行け。でなければボクがグレンを……」
「はい。行きます……」

ウズキはグレンを睨み脅迫じみた声でつげる。
グレンはその形相に負け渋々とライガに向かっていく。

「さてフィニティ。まあ昨日の夜グレンにも言った事ではあるんだけど……。
 いや、結論から言おう。そのペンダントをボクに渡せ……。
 君がそれを持っていれば逃れられない運命が君を飲み込む」
「このペンダントについて何か知ってるんですか?」
「……君はそのペンダントについて何も知らないの?」

質問を質問で返されフィニティは黙り込んでしまう。

「その沈黙からして何も知らないんだ……。そのペンダントはディアルガとその血をひく者の力を増幅する物だ。
 君が何処でそれを手に入れたかは知らないけど持っていれば君は神の戦いに巻き込まれる事になる」
「神が復活するんですか!? 信じられない!」

フィニティが驚いた顔でウズキを見る。ウズキは冗談を言ってるようにはとても見えなかった。

「そう遠くない未来にそうなるね。神の封印は確実に弱まってるから。
 ましてそのペンダントで力を増幅すればもっと早い段階でも可能になるはず。
 そうなればライガじゃなくてもペンダントを狙うものは確実に現れる。
 神の戦いに巻き込まれたくなければそのペンダントをボクに渡せ」
「あなたは何者ですか!? なぜこんな事を知ってるんですか!?」

フィニティの質問にウズキはしばらく考え口を開く。

542 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/04/26(土) 22:26:34 ID:+feRTABg0
「……ボクは……ディアルガの血をひく者だ。信じて欲しい」
「仮にそうだとしてこのペンダントをどうするつもりですか?」

ウズキはフィニティから目を逸らさないで答えを言う。

「神を再び封印する。正確には神を……ディアルガを一度復活させたのちパルキアを封印してもらい再び眠りについてもらう。
 おそらく……ディアルガの復活よりもパルキアの復活の方が難しいと思うから……。
 なにしろパルキアは封印された場所は解らない。なら、先に復活するのはディアルガだろう。
 仮にパルキアが先に復活したとしてもディアルガは過去パルキアに勝利し眠りについている。
 どちらにしろ協力してもらう事は十分可能だと思う」

ウズキの答えを聞いてフィニティは考える。
もしウズキにペンダントを渡しウズキの言ってる事が嘘だとしたら……。
嘘でないにしろ世界が滅ぶ可能性だってある。

「……私はあなたを信用できません。これは私の一族が守ってきた物。
 神の戦いに巻き込めるんならそれも本望です。私もディアルガ様の血をひく者ですから」
「……なるほど。知っててそのペンダントを持ってたんだ。ならボクは何も言わない。
 話はこれで終わり。グレンを助けに行こう。彼も長くは持たないでしょ」

ウズキの言葉にフィニティは「はい」と笑顔で返事をして二匹は木陰から飛び出した。

543 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/04/26(土) 22:30:15 ID:+feRTABg0
3話で早くも秘密を暴露してみる。ウズキは謎の多いキャラを目指しています。
ウズキばかり目立っているような気はしますが多分グレンとフィニティが主人公とヒロイン。
次回はグレンが……

544 ::2008/04/27(日) 10:04:58 ID:tWw6ajRw0
九十九氏へ
ちょっと同じこと言っていたので思ってしまいました。
べつにストーリーが一緒なわけではありません。
ものすごく楽しみにしているので、三章もがんばって書いてください。

545 :江戸:2008/04/27(日) 14:13:40 ID:7MLfNhW20
お久しぶりです
心の闇の続きはもうすこしお待ちください

546 :ジャンク:2008/04/27(日) 20:17:31 ID:qkbONdu+0
続きです

「ギラティナの封印を解き蘇えらせるのか!!」
「そのとうりだよ蘇えらせて光の世界を消すのだよ」
「じゃ、じゃあ……光の民はどうなるんだよ!!」
もう俺は、パニックっていた。

ジェドは笑って
「何いってんの光の民もろとも消すんだよ」
俺は愕然とした。
光の民をみんな消すなんて
「おーい、……だいじょうぶか」
俺はジェドの言葉で我に戻った。
「……ああ、だ、だいじょうぶだ」
「本当にしっかりしてくれよ」
「……ごめん」
「まあいい説明はこんなところだ」
「俺……もう戻るよ……おやすみ」
「もう行くのか、まいい……おやすみ」
俺は逃げるように部屋を出た。


「あ、ケン話し合いどうだ……あ、どこ行くの」
俺は無意識に走り出していた。
自分の部屋に閉じこもってしまった
「……ケン……入るよ」
アブソルは入ってきた
「……ケン……話し合い何かあったの?」
アブソルは心配そうに聞いてきた。
「な、なんでもないよ」
俺は相談すればいいもの誤魔化してしまった。
「ならいいんだけど……一人で背負い込まないでよ」
アブソルは頬にキスをした。
「アアアア、アブソル!!いいいいいきなりなり何してるの」
俺は驚いた
「おまじない元気がなさそうだから……私は絶対ケンの味方だからね」

そお言うとアブソル自分のベットにいき眠ってしまった。
おれはベットの上に仰向けになって考え始めた
明日ゼフィロにやめるよう言ってみようそおすれば……やめられるか・もし・・れな・・い
考えているうちに夢の中にいってしまった。

547 :ジャンク:2008/04/27(日) 20:20:46 ID:qkbONdu+0
今日はここまで、です。
続きは明日書きます。
感想かアドバイスをもらえると嬉しいです

548 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/04/27(日) 20:33:03 ID:+Iv29F9Y0
続き

04 覚醒

グレンはライガの攻撃を避けるのが精一杯でいた。
しかし時間稼ぎが目的のためそれでも十分役にはたっていた。

「まだ話は終わらないの? 僕だけじゃ無理だよ……」
「ハハハ。チビ勢いが良かったのは最初だけか?」

ライガ余裕で寧ろグレンで遊んでいた。
攻撃をわざと外しグレンの恐怖に歪んだ顔を見て楽しんでいる。

「ん? 後の二匹も出てきたか? ならこのチビの使い方は……」

ウズキとフィニティが出てきたのを確認しライガはグレンに近づき前足でグレンを押さえ付ける。

「……う」
「苦しいかチビ? まあ楽にしてやっても良いんだがお前には利用する価値があるんでな。
 大人しくしてないと殺しちゃうぞ〜」

グレンを押さえ付けたライガは楽しそうにする。明らかに他者を痛めつけ喜んでいる。
その様子にウズキとフィニティは出てきたが動けないでいた。

「お利口さんだね〜。なら、さっさとペンダントを渡しな。
 渡さないとこのチビがどうなるか解るよな? まあ少しだけ時間をやろう……」

ライガはグレンを押さえ付けてる前足に力を込める。
グレンは苦しそうに顔を苦痛で歪めた。

「ウズキさんどうしますか?」
「迂闊には動けない。ボク等が動くよりライガがグレンを殺すほうが速い……」

ウズキとフィニティはライガに聞こえないように話し合う。
しかしグレンを助け、ペンダントを渡さない良い方法が思い浮かばないでいた。

「残念時間切れだ。こいつには死んでもらってそれからペンダントを頂こう。
 あばよチビ。怨むんならペンダントを渡さなかったお譲ちゃんを怨みな」

549 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/04/27(日) 20:33:48 ID:+Iv29F9Y0
ライガはどんどん前足に力を込めていく。
恐らく二匹が近づけば一気に力を込めグレンは死ぬだろう。
二匹にはこの光景をただ見ていることしか出来なかった。

グレンは恐怖で顔が青ざめている。
脚をバタつかせる必死の抵抗もライガの力の前では無力だった。

殺される。それはグレンも含め三匹とも解っていた。
しかしペンダントを渡してしまえば世界の混乱は免れない。
ウズキとフィニティが目を瞑ったその時、突然ライガの悲鳴が聞こえてきた。

二匹は何があったのか確認するため目を開けた。
そこには信じられない光景が写っていた。
そう、さっきまで無力だったグレンがライガを吹き飛ばしていた。
さっきのグレンと違うところは目が真紅になり瞳が漆黒になっていた。

「……あのディアルガのような目は? まさかグレンが覚醒した?」

ウズキはグレンの異変の正体に気付いてるようで驚いている。

「何だ!? 一体どうなってるんだ!?」
「この力は何? これは僕の力?」

吹き飛ばされたライガだけでなくグレン自身もその力に驚いている。
ライガは接近戦は危険と判断しグレンに向かって放電する。

グレンは今の力に過信していたのか避けようとしなかった。
しかし、ライガの放った電撃がグレンに当たる事は無かった。
電撃はグレンの前で消滅する。まるで始めから存在しなかったように……。

「っち! 何だこいつ!? 今日は勘弁してやる! この借りは絶対返してやるからな!」

危険な空気を感じたライガは負け台詞を言って逃げていった。
ライガがさった後グレンは糸の切れた操り人形の様に倒れた。

550 :あぼーん:あぼーん
あぼーん

551 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/04/27(日) 20:34:31 ID:+Iv29F9Y0


倒れたグレンをフィニティが看病していた。
ウズキは何やら深刻な顔をして何かを考えている。

「……そのウズキさん。グレンさんは大丈夫なのでしょうか?」
「それに関しては大丈夫。疲れて眠っただけだから。でもグレンが覚醒するなんて……」
「良かった……。でも覚醒って一体何ですか?」
「グレンが起きたら説明する」

その言葉を聞いてフィニティは再びグレンの看病を続ける。

「運命の輪が動き始めた。それにグレンもフィニティも巻き込まれた。ごめん……」
「それはウズキさんもそうでしょう? 謝る事はありませんよ。ですがグレンさんもディアルガ様の子孫だったなんて……」
「ボクは気付いてたけどね。だから君達には冷たく接した。巻き込みたくなかったから。でも君達はボクに話しかけてきた」

ウズキは二匹の能力について解っていた。だからこそあえて冷たくした。
フィニティもウズキの優しさは解っているつもりだった。
フィニティにはウズキがまだ何かを隠しているような気がしたがあえて質問しなかった。
それは時が来ればウズキが教えてくれるだろうと信じていたから。

552 :パウス ◆EvJGalaxy2 :2008/04/27(日) 21:42:47 ID:d+PbO1tY0
………うわっ!暫く来てなかった間でこんなに進んでたとは…。
えと……全てに感想を述べられないことにお詫びを……

>>546
新しいストーリーですね。
これからの展開に期待していますよ。光の民、闇の民とはなんなのでしょうか。

>>蒼空さん
グレン覚醒!!
ライガが純粋に(?)グレンを痛めつけるのを楽しんでいるっていう感じが、台詞でよく表されていたと思います。


〜story43〜 ―捜索―

何度も頭を振りながら、マリンとの行為の跡を見られてしまったことを何とか忘れようとしていた。
誰にも見られないように注意を払いながら部屋を出て、人工的に作られた川で体を洗う。
マリンはといえば、まだ顔を真っ赤にして部屋から出てこなかった。
下手に声を掛けても動いてくれそうにないので、仕方なくマリンを部屋に残して行った。

すでに『中庭』にいるポケモン達は入口近くに集まっていた。
皆入口をじっと見つめ、『A・G団』頭領の登場を今か今かと待っている。いや、中には来ないで、といった顔をしている者もいた。
僕だってそうだ。来ないで欲しい。召集は間違いであって欲しい。ポケモン達全員を集めて話をするなんて、一つも良い予感がしない。

そんな願いも悲しく、入口の扉が動き始めてしまう。
ガタンッという鋭い音に、ギギギッという鈍い音。聞きなれた音なのに、硬い物を爪で引っかくような嫌な音のように感じた。
ゆっくりと『中庭』に足を踏み入れたのは勿論頭領だった。黒い短髪はなびきもせず、漆黒の瞳は見るものを見下す。
更にその後ろに二匹のポケモンが――――ジャンクルと同じく、頭領直属のポケモン達だ。
「んっ?おいジャンクル、そんなとこに居たのかよ。」
とジャンクルにタメ口で話すこのポケモンの名前はアンハイド。
真っ白な体毛の中に赤いギザギザ模様があり、鋭い爪と鋭い目を持つザングースだった。
「結構探したよぉ?せめて何か声かけてから行ってよねぇ。」
この語尾が伸び、言葉にゆらりとした印象を与える彼女はレミオル。
耳の片方が大きな赤色をしていて、体は黒が中心。こちらも鋭い爪が特徴の種族、ニューラだ。
「あっははは、ごめんごめん。」
この二匹を前に、余裕の笑みを見せられるのはジャンクルくらいだろう。
他の皆は顔を凍りつかせ、恐れるような眼で見つめている。あのネルピスやエバトイルまでもが…。
無論僕だってそうだ。正直この二匹の放つオーラは恐怖の根源以外の何でもない。


553 :パウス ◆EvJGalaxy2 :2008/04/27(日) 21:43:07 ID:d+PbO1tY0
「もういいか?……よく聞け同志達!」
頭領が発する言葉で、一瞬にして皆の視線が集まった。少し演技過剰な気もするがとりあえずどうでも良い。
何が同志だ。無理矢理ここに僕達をぶち込んでおいて………
「つい数日前まで数名の団員とポケモン達がホウエン地方へ行っていた。
三年前にホウエンで俺達から逃げ出したあるポケモンの捜索をするためだった……」
ホウエン地方とは、シンオウ地方の隣に位置する地方のこと。
逃げ出した?三年前…………ホウエン地方で―――――――

『僕さぁ、ここから早く逃げようと思うんだ』
『今度何の目的か知らないんだけど、銀河団の何人かがホウエンに行くらしいよ。僕もそこに付いていって、それから……』

多少ノイズがかかるが、頭の中に三年前の映像が記憶の海から浮かび上がってきた。三年前、ホウエンで脱走した者は、僕の記憶が正しければ一匹しかいない。
それは僕の良く知っているポケモン、お互いに信頼し合っていた親友――――

「ここ何ヶ月か、そのポケモンの捜索の舞台をホウエン地方にしていた。……だがいくら探しても見つからない。」
頭領は額に手を当て、残念そうにため息をつく。
「奴はもしかしたらなんらかの方法でホウエンから抜け出したのかもしれない。そこでだ…」
頭領は一旦そこで言葉を切った。
その一瞬の無言が皆の視線を集め、全員の驚きを誘うには充分に効果を発揮した。

「明日から奴の………メノウの捜索の場をシンオウに切り替える!!」


554 :ジャンク:2008/04/29(火) 13:28:29 ID:Hr+SjoA20
パウスさん感想ありがとうございました。
光の民とは光の世界に住んでいるポケモンと人を言います。
闇の民はその逆です。違うといえば、闇の民のほとんどのポケモンはゴーストや悪とかです。
小説の続きです。

窓に朝日が入った。
(闇の世界なのであまり明るくはならない)
「う、うーん、朝か」
俺は目を覚ました。
隣のベットに目をやると、アブソルはまだ眠っていた。
「アブソルて寝ている顔も案外かわいいな」
少しだけ見とれてしまった
「何やってんだ……俺……アブソルに見とれて」
俺はゼフィロに合いにいく準備をした。
「もしも……なったら困るからこれを書いていこう」
そう思ってあるものを書いて、テーブルに置いて部屋を出た。


ゼフィロの部屋に着いて部屋に入った。
「朝から早いなケン……何のようだ」
ゼフィロは少し眠そうな顔をしていた。
「本当にギラティナ蘇えらすのか!!」
ゼフィロは少し笑って
「ああ、ギラティナ蘇えらすのだ」
「光の世界を消し、光の民も消し何がしたい!!」
俺はほとんど怒りに満ちてた。


「知れたこと、闇の世界を広げろためだ……光の民など邪魔なのだよ……お前だってそうお思っているだろう」
「思うわけないだろう!!」
「なら言うが、お前の右目が失ったのは誰のせいだ?……光の民のせいだろう」
「違う、光の民のせいではない」
「そこまで言うのだっだら、お前は裏切りとする」
俺は笑った。
「ははははは、いいだろう……もう俺はもうこの組織に居るつもりもないしよ」
「あばよ」
俺はそういうと何もないところに手をかざした。
すると、闇が集まり人がとうれる位の闇の入口が出来た。
俺は闇の入口の中に入った
煙のように入口は消えてなくなった。


ゼフィロは机にあった無線をとり
「全員に告ぐ……3番のケンが裏切った見つけ次第消せ!! ……あと光の世界の入口をすべて封鎖しろ。……きっと城下町に居るはずだ」


555 :ジャンク:2008/04/29(火) 13:31:58 ID:Hr+SjoA20
そのころ俺は闇の入口からでて、城下町の裏路地に居た。
「……早く、光の世界にある闇の玉を壊せばギラティナが蘇えらないはず」
そのことだけを考えていた。
すると、前から話し声が聞こえてきた。
「居たか」
「いや居ない」
それは組織の連中だっだ
「チッ、まずい……いったん戻ろう」
戻ろうとすると逆の方からも来た。
「個、このままで見つかる」
少しあせっていた。
いきなりコートをひぱられて後ろに倒れた。
俺はつかまったと思い暴れた
「は、はなうんぐぐ」
俺は口を押さえられた
「しー、ケン静かに」
それはアブソルだっだ
しばらくすると口から手を離した。

アブソルは首にぶら下げていたポーチから紙を出した
「何よこれ「御免、そして、さよなら」て」
アブソルはかなり怒っていた
「だって、君まで君まで危険な目に合わせたくなかったんだよ」
「そんなことをいわないで、私はケンとずっと居たいんだから」
「組織を裏切ることになるんだよ?それでもいいの!!」
アブソルは顔を赤くして、
「いいの……ケンといつまでも一緒になれるなら」
「あ、ありがとうそこまで言ってくれたのはアブソルぐらいだよ」
俺はうれしくて泣いてしまった。
「さあ泣かないで光の扉を開きそうな場所を考えましょ」
「うん、そうだね」
俺は、何とか気持ちを落ち着けた

俺とアブソルが考えていると、アブソルがある所を思いついた。
「薄光の丘はどう」
「薄光の丘か、二日に一回だけ光の扉が開くからな、」
「それが今日よ」
「そっかじゃあ、行こう」
俺とアブソルは組織の連中に見つからないように向かった。

続きは明日になるかも知れません。

556 :ジャンク:2008/04/29(火) 13:42:36 ID:Hr+SjoA20
今回は急いで書いたので、
ちょとおかしな部分もあったかもしれません。
次は、ちゃんと書きます。

557 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/04/29(火) 22:14:33 ID:eY1Jqs4Y0
続き。ネタが浮かぶ内は更新が早い……。
ライガの性格が前までと違う? 姉の前ではこういうキャラなんです……多分。

05 プレゼント

ライガは悔しそうに座り込んでいた。その目線は空を眺めていた。
グレンに負けたことよりペンダントが手に入らなかった事の方が悔しいらしい。

「はぁ〜。今日は姉さんの誕生日なのに……。あのペンダントは惜しかったな……。
 今から別の物を探すってのもな。プレゼントどうすっかな……」

ライガは溜息をついて今からプレゼントを手に入れる手段を考える。
が、フィニティの持っていたペンダント以上の物が見つかるはずも無いと諦めていた。
すると一匹の雌のアブソルがライガに近づく。年齢は若干アブソルの方が高く見える。

「お前らしくないな。溜息なんてついてどうした?」
「姉さん? いや、何でもないよ……」

このアブソルこそがウズキの言っていた窃盗組のもう一匹サイだった。
サイはライガの隣に座る。

「お前は考えてる事がすぐ顔に出るな……。プレゼントは要らないって言ったろう」
「うっ! そんなに俺って解り易いかな?」
「ふふ。何年お前の姉をしてると思ってるんだ? 血は繋がってなくてもお前は私の弟だ」
「はは。姉さんには敵わないな」

二匹は楽しそうに笑いあった。傍から見ればこの二匹が悪党には見えないだろう。
いや二匹とも好きで窃盗をしているわけでは無かった。親に捨てられた二匹はこうすることでしか生きていけなかったのだ。
そう意味ではこの二匹も恐れられてはいても弱者なのかもしれない。他者から奪う事でしか生きられないのだから……。

「でもプレゼントは俺からの気持ちの問題だから……」
「そうか。じゃあ私が寝るまでに頼むぞ。頑張れよライガ」

サイは立ち上がりライガから離れていく。
ライガはサイがいなくなったのを確認しまた溜息をついてしまう。

558 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/04/29(火) 22:15:14 ID:eY1Jqs4Y0
「はぁ〜。姉さんにはあんな事言っちゃたけど……どうしよう……。
 何か形の残る物が良いんだよな……。いっそ自分で作るか?
 それもなぁ。俺の頭じゃ良い考えなんて浮かばないよ……」

サイは溜息はつくライガを物陰に隠れて見ていた。
ライガも完全に油断していたのかサイの存在には気付いていなかった。

「考えなくても平気だよ……。私は最初から考えていたんだからな……」

サイはライガを見て何かを企む嫌らしい笑みを浮かべていた。



結局ライガはプレゼントが見つからず夜になってしまった。
もうすぐ姉さんが寝る時間。手ぶらで行くのは悔しいが報告に行く。
そういう意味ではサイの思惑通りになった。

「何か良い物は見つかったのか?」
「う! それが……その……見つからなくて……」

サイの鋭い質問にライガが落ち込む。完全に図星をつかれていた。
サイは落ち込んでいるライガに近づく。

「気にするなと言ったろう……。私が貰うものは決めてあったからな……」
「姉さん? どういう意味?」
「こういう意味だ」

サイはライガを押し倒し唇を奪う。それだけでは終わらず舌をライガに侵入させる。
ライガはサイの突然の行動に目を見開き、驚きを隠せないでいた。

「ね、姉さん!? 俺達姉弟だよ!? その……こんなの可笑しいよ……」
「昼に血は繋がってないと言ったろう。私はお前が……好きだ……。
 お前が欲しい……。ライガは私の事が嫌いか? こんな姉は嫌か?」

559 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/04/29(火) 22:15:56 ID:eY1Jqs4Y0
姉の突然の告白。確かに血は繋がってはいない。ライガは一匹で泣いてる所をサイに拾われただけの存在。ライガは必死に己の答えを探していた。
確かに姉は好きだ。しかしそれは姉弟の話である。姉は今姉弟の話を抜きに異性として好きと言ってきた。
でも姉弟の壁を壊してしまえば今までのような関係も壊れてしまうんじゃないか。ライガにはそんな不安もあった。

「私にはお前しかいないんだ……。ライガ……頼む」

サイは涙目になりライガを見つめる。ライガはまだ結論を出せないでいた。
確かにサイは綺麗で魅力的だ。姉が今まで異性に迫られてるのは何度も見ていた。
でもそのたびに姉は断わっていた。「好きな雄がいるから」と言って。
その好きな雄がまさか自分だなんて思ってもいなかった。

「これが姉さんへの恩返しになるのならば……」
「私はお前の体が欲しいわけじゃない……。嫌なら無理とは言わない……」

サイは後ろを向いてしまう。ライガにはその背中がいつもより小さく感じた。
よく見れば地面に水滴が落ち水溜りを作っている。姉は泣いている……。
この姿を見てライガは決心がついた。自分は姉が異性として好きだと。

「……姉さん。俺も姉さんの事が……好きだ……。愛してる……サ、サイ」
「……ライガ……。別に無理して呼び捨てじゃなくて姉さんでも構わない」

ライガはいつもと変わらない姉に安心した。
そして今度はライガからサイにキスをし舌を入れる。

「じゃあ、もう一度言わせて欲しい。愛してる姉さん……」
「私は幸せも者だ……。こんな素敵なプレゼントが貰えるんだからな……」

二匹は見つめ合い互いの愛を確認しあう。
もう二匹に姉弟と壁を壊す不安は無かった。

560 :BmB:2008/04/29(火) 22:49:24 ID:UkFDqz3w0
蒼空さん ライガがまさかやるとは、予想してなかったです。 続きたのしみにしてます。

561 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/05/01(木) 21:47:23 ID:2T3583sI0
続き。ライガのエロは以外だったでしょうか。
ムーン×ルナがエロまで長かったの今回は速めに入れたいなと思いこの2匹を使いました。
グレンとフィニティは両者の性格が大人しめのため入れずらそうと考えた苦肉の策です。

06 交わり

ライガは前足をサイの腹から秘所へなぞっていく。
サイは顔を赤らめるが声には出さない。それは姉であるサイの意地だった。

「……聞きたいな。姉さんの喘ぎ声……」
「ふ……だったら……もっと私を気持ちよくさせるんだな……」

ライガはサイの耳元で囁く。
サイは口ではそう言っても体は快楽を得ていた。
ライガは何度もサイの秘所を焦らすようになぞる。
段々とサイも我慢できなくなって声を出し始めた。

「あぁ! やればできるじゃないか……」
「姉さんの声が聞きたいからね」

ライガがサイの秘所をなぞるたびサイが声をあげる。
姉のこんな声を聞けるのは自分一人だけと考えるとライガは更に興奮した。

「……私ばかりじゃ不公平だろう。お前にもしてやろう」
「そ、そんな……お、俺のを……姉さんが!?」

ライガ姉の言葉に一瞬動きが止まった。
サイはその隙を見のがさず前足をライガの股間へと伸ばす。
サイの声を聞いて興奮して大きくなったモノがサイに触られる事で更に大きくなる。

「あぁっ!」
「お。まだ大きくなるのか……。こいつは楽しみだ……」

サイは妖艶な笑みを浮かべ前足でライガのモノを扱き出す。
触れられただけで感じたモノは扱かれる事でさらに大きく、固くなる。
ライガは快楽を我慢できず体を震わせていた。

「そ、そんなにされたら……」
「何だ……もう出すのか? そうか……なら」

562 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/05/01(木) 21:47:58 ID:2T3583sI0
ライガの言葉を聞いてサイは扱くのをやめ、顔をモノの前を持っていく。
姉の行動にライガは疑問を持ちながらも姉を見ていた。
するとサイはライガのモノを咥え始めた。

「ねねね、姉さん!? そ、そんな事したら汚いよ!」

サイはライガに視線で「そんな事はない」とでも言うように見つめ返す。
ライガ先ほどと比べ物にならない快楽で口から涎を垂らしている。
サイの舌がライガのモノを這うたびにライガはビクビクと体を震わす。
扱かれて限界に近づいてため咥えられたらひとたまりもない。

「姉さん、俺!! も、もう!!!」

ライガはサイの口の中に熱い精液を流し込んだ。
サイは嫌がる素振りなど微塵も見せず寧ろ嬉しそうにライガの精液を飲みほす。

「……姉さん……ごめん……俺のなんか飲ませちゃって……」
「なんだそんな事か……。中々良い味だったぞライガ」

サイが笑うとライガは顔を真っ赤にする。

「まだいけるだろう。今度は私も気持ち良くさせてくれ……」

サイはライガに腰を突き出す。ライガはサイの腰に前足を置き立ち上がる。
ライガのモノとサイの秘所が一直線に並ぶ。
二匹は無言で頷き合いライガはゆっくりとサイに挿入していく。

「んあぁぁ!! ライガァァ!!」

サイは迫る快楽に耐え切れず悲鳴のような声を上げる。
ライガは目を瞑り快楽をグッと堪える。
ライガのモノが半分くらい入った所で何か壁のようなものにぶつかる。

「……姉さん……まさか……」
「……そのまさかだ……。お前のタメに取って置いたんぞ……」
「姉さん……良いんだね……」
「ああ。ライガ来い……」

ライガはサイと最終確認を取り、少しづつ奥に進む。
サイは苦痛で顔を歪める。ライガはサイの顔を見て挿入を止める。

563 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/05/01(木) 21:48:48 ID:2T3583sI0
「ダメだ! 止めるな! 私は大丈夫だ……」
「でも! ……いや、解ったよ……」

サイは涙目になってライガに懇願した。
ライガは姉の言葉を信じ一気に挿入する。

「ああぁぁあ!!!!」

サイの純潔を突き破りライガのモノは最奥に到達する。
サイはその事を確認するとライガに微笑んだ。

「姉さん……全部入ったよ……」
「……そうだな。動いても良いぞ……」

ライガは姉の言葉を聞き前後に腰を動かし始める。
ライガは自らのモノを包み込む熱い肉壁に意識を失いそうになる。
それはサイも同じでライガが動くたび甘美の声を上げた。
ライガの腰が動くたび愛液が地面へと落ち水溜りを作っていく。
二匹とも絶頂の時は近い。

「……姉さん! 俺……また!!」
「いいぞ!! このまま……中に……。抜くなよ……」

ライガはサイの言葉に頷き、一気に加速しラストスパートをかける。

「ああああぁあ!!! ライガのが……ライガのがぁぁぁ!!!」
「ねぇえええさぁぁぁぁああんんんん!!!!」

サイは急の加速に耐えられずそのまま絶頂を迎えた。
サイが絶頂を迎えた事により秘所がライガのモノを更に締め付ける。
ライガも締め付けに耐えられず二度目の絶頂を迎えた。
ライガの精液はサイの中へ注ぎ込まれた。
ライガはモノを抜きそのまま倒れこむ。
サイの秘所から愛液、精液そして純潔の証の混ざった液体が溢れ出す。
サイもライガの隣に倒れこんだ。

「……ハァハァ。最高のプレゼントだったぞライガ」
「姉さん……誕生日おめでとう」

二匹は抱き合いキスをして眠りに落ちていった。

564 :◆zzt9RnTpGo :2008/05/02(金) 20:25:40 ID:79iiCon60
お父さんにパスワード付けられたせいで小説が書けない!
パスワードはわかっているんだけど、親にばれたらパスが変えられると思うからうかつに書けない!
もし、期待している人がいたらすみません!
アイデアはうかんでいるんだけどなー・・・

565 :ジャンク:2008/05/02(金) 20:28:24 ID:rsmIwk+A0
遅くなりました。
第一章の終わりまで書きました。
グロが入ています。

「もう少しだよケン」
俺たちは、薄光の丘の近くまで来ていた。
「もう少しだな……あ、」
俺とアブソルは驚いた。
「「端が崩れている」」
端は跡形もなく崩れていた
俺は後ろにとてつもない殺気を感じて後ろを見た
すると、そこにジェドが居た
「ケンお前よくも裏切ったな!!」
「裏切った?……ふざけるな光の民をギラティナを使って消し去るなんて、俺は見てられない」
「ならここで朽ち果てるがいい」
「朽ち果てるのはお前の方だジェド」
「お前なんかに俺を倒せるわけがない……お前はここで消えるのだ」
すると、今まで黙って聞いていたアブソルが
「なら、わたしも戦う」
俺は焦った。
「アブソル何言ってんの!!」
「だって、私もケンの手伝いたいの」
「アブソル、君はだめだ」
「な、なんでよ」
アブソルは、必死に聞いた。
「アブソル、それは君を失いたくないからだよ」
アブソルはその言葉に押されたのか、こっくりと首を前に振り後ろに下がった
「おい、いつまで待たせるんだ」
ジェドはかなりイラだっていた。
「もう終わった。覚悟しろ」


俺はある言葉をいい始めた。
「俺に仕えし武器よいでよアルキメットチェーン」
すると手の上に白と黒の入り混じった鎖が出てきた
「消えてなくなれ」
ジェドの手に闇が集まり丸い球体が出来た
デスボールを作り次々と投げてきた
俺は次々鎖で切っていった
その内にあるこに気がついた。
こうしているうちにギラティナの復活させようとしているんだ
こんなところで足止めされるわけにはいかない
俺は急いで逃げようとチェーンスモックを使った
「にげるのか」
ジェドは、追いかけたが俺とアブソルはすばやく煙の中に入った。
「チッ、にがすか」
ジェドは闇の入口に入った。

566 :ジャンク:2008/05/02(金) 20:34:57 ID:rsmIwk+A0
「ア、アブソル……もう光の扉が開きそうな所無いよ。ど、どうする」
俺は、かなり焦っていた
「ケン落ち着いて……一か八か交わりの谷に行きましょう」
「ま、交わりの谷……だ、だってあそこわ……」
「もうそれしかないの」
アブソルは真面目な顔をしていってきた。」
「わかったよ」
「もう逃がさない……ここで二人とも消してやる」
前を見るとジェドが居た。
まさかと思たがそのまさかだっだ。
ジェドがさっきの何倍の闇を地面にたたきつけた
その瞬間闇は刃のように鋭くなって俺とアブソル向かって飛んできた。
「きゃあああああ」
「うわあああああ」
俺とアブソルは後ろに飛ばされた。


「いたたたた、あれなんともない……技を外したな」
アブソルは平然と立った。
「ケンのやろうかばたな」
「え!!」
アブソルが目をやると傷だらけで背中を大きく切られて倒れていた
「ケン!!……な、何でこんなに傷だらけなの」
ジェドは笑いながら答えた
「お前を守るために体力を半分使う絶対ガードを使ったからだろう……こいつ馬鹿だな」
「ケンは……馬鹿じゃない」
「馬鹿だろう…どうせお前もここで死ぬんだからよう」
ジェドはまた闇を集め始めた
「そ…うは…さ…せ…る…か…」
ケンは手に持っていた鎖をジェドに向かって投げジェドを縛って動けなくした。
「くそう、どこにまだそんな力があったんだ」
俺は弱った声で言った
「アブ…ソル…今のうちに…いけ」
「嫌、ケンも連れて行く」
「…ば…か…よせ」
アブソルは俺を背負った
「ジェド、あなたは絶対許さない」
そして走った。
俺の傷からは滝のように血が流れてアブソルの白い毛をピンク色に染めていった。

567 :ジャンク:2008/05/02(金) 20:37:43 ID:rsmIwk+A0
「もう少しだからから、がんばって」
「アブソル……今まで君と居られたじ…かん…とても…たのしか…ったよ」
「な、何いってんのこれからも一緒だよ」
アブソルは後ろを見るとケンの体が半分消えていた
「ちょ、ちょと消えちゃだめ」
アブソルはすでに泣きそうになっていた
「もし・・も・・うまれ・・かわ・・たら・・またあ・・・いたい」
そお言うと消えてコートだけ残った。
「……うそでしょ……なんでみんなを助けるのがいけないの」
悲しさのあまりその場に座り込んだ
しばらくしてジェドがきた
「やっと死んだか」
アブソルはジェドを睨んだ
「あんたのせいよ……ケンが死んだのは」
「安心しろお前も会えるさ」
闇を集めてアブソルに投げた
アブソルはそのとき涙を地面にこぼした。
その瞬間地面が光り、アブソルは光に包まれ、ジェドの攻撃は当たらなかった。


「なぜ、光の扉が開いた」
その光はアブソルを包み消えた
ジェドは無線を取り出し報告した
「ゼフィロ、アブソルを逃がしてしまった」
「ケンは消したか」
「ケンは消した」
「それならもいい戻れ」
「わかった」
ジェドは組織に戻った。

アブソルは光の中に居た
「ここはどこだろう……あ、ケンのコートが」
アブソルはコートを放してしまった。
コートはどこかに飛んでいってしまいアブソルは出口みたいな所に吸いこまえた。


「ここはどこなんだろう……確か俺は死んだからあの世かな」
俺は暗い場所に立っていた。
「……ああ、もっと生きて居たらアブソルの事を守ていたかったな」
俺はその場に転がった
「その望みかなえてやろうか?」
どこからともなく声が聞こえた。
「誰だ!!」
俺は起きやがり辺りを見回した
「探したて無駄だ、私は念力で話しているのだから」
「そんなことはいい、俺を蘇らしてくれるのか」
「正しく言えば、お前のもうひとつの人格だがな……それでもいいか」
「それでもいいアブソルや光の民を守れるのだっだら」
「ならいいお前を蘇らせる」
俺はその瞬間ものすごい睡魔に襲われた
その中、俺は聞いた
「お前はな…に…も…の…だ…」
「光の塔に来い」
聞いた瞬間意識がなくなった。

568 :ジャンク:2008/05/02(金) 20:45:02 ID:rsmIwk+A0
第一章を書き終わたが、
とても正直疲れました。
もしよかったら感想をください
発さんも大変そうですね。

569 :パウス ◆EvJGalaxy2 :2008/05/02(金) 22:08:01 ID:9jsfeT5M0
>>564
これは………ドンマイとしか言いようがないような……
でも、これからゆっくりと進めていけばいいんですよ。焦らないでくださいね。

>>565-567
ところどころ「っ」が抜けているところが目立ちますね。
ストーリーはかなり期待させるものがあるので、誤字脱字には気をつけてくださいよ。

ケンがぁ……っ!まさか消されてしまうとは。これからどうなるんでしょうかね。
念力で話しかけてきた者は、一体何者なんでしょうか。



最近、忙しくて執筆が進みませんねぇ。
期待している方、もしいらっしゃったらごめんなさい……。

570 :ジャンク:2008/05/02(金) 22:51:16 ID:rsmIwk+A0
わかりました。
もうすこし見直して誤字脱字を減らしていきます。
感想ありがとうございました。


571 :九十九:2008/05/03(土) 13:57:34 ID:LVYACSq20
続きです。わからない人は一章からどうぞ。
尚、三月兎さんの短編小説"SOSIA"の世界が入りますが本人に許可はとってありますのであしからず。




~三章序幕~
薄暗い大陸の中心地に聳え立つ塔の中核にファイは戻ってきていた。
「おかえり、ファイ。・・・その顔じゃあ勇者様様は倒すことができなかったみたいだな・・・」
くくくっと忍び笑いを漏らしたヨットをきっと睨み付けて、ファイは口を開いた。
「私は負けたわけではありません。あんな奴に・・・負けたわけじゃ・・・」
言葉を紡ぎだすたびに顔が屈辱に歪む。よほど気に障ることでも言われたのだろうと判断し、そこに漬け込むようにヨットが語りかけた。
「そういうのは負け犬の遠吠えって言うんだぜ?変なこと言われたからって起こるなよ。」
ヨットの言葉に益々臍を曲げたファイはぷうっと剥れるとそっぽを向いた。
「戦略的撤退と言ってください。あんなことさえ無ければ私は勝っていました」
めったに見られない怒ったファイを堪能したヨットはケタケタ笑いながら立ち上がった。
「聞こえが言い言葉で言うならそうかもな。さてと、そんじゃあ戦略的撤退しちゃったファイちゃまの代わりに今度は俺が行きますかね・・・」
のろのろとした動作で空間から出ようとするヨットにファイが忠告した。
「あまり相手をなめないことです。・・・危険ですよ?」
この言葉はファイの親切心から出た言葉だったが、ヨットは特によく聞きもせず大げさに手を振って了解の合図をとると、のろのろとした動作から一転した俊敏な動きで異質な空間から抜け出した。
「・・・ランナベールか・・・あそこには私達でも手に負えないポケモン達がいるというのに・・・」
誰もいない空間でファイは一人で呟いた。





ランナベールはとても綺麗な街だった。町の北側に面した大きな門で検問に引っかかったが、ただの旅人だと認めてくれたようですぐに通してくれた。
町に入ると大きな道路がまっすぐに伸びていて、その先に巨大なビルが来るものを威圧するかのごとく聳え立っていた。ライチ達はまず向かって右、海岸に沿って西の住宅街を通り南の港市場へ行くことにした。
低く白い町並みは先程までの高層建築とは違ってとても静かだ。時間はまだ早い。海沿いの住宅街を照らす朝焼けに、ライチ達は感嘆の声を上げた。
「わあ・・・とっても綺麗な街だねっ♪」
レモンがおのぼりさんのようにきょろきょろと町を見渡す。シナモンが笑いながらレモンの横に立ってどこまでも白に染められた町並みを見つめた。
三十分暗いそうして歩くと右手に小高い丘が、その上にはこれまでとは違うホテルのような洋館があった。
その屋敷を右に見ながら閑静な住宅街を通り抜けると、急にひらけた場所に出た。
大きな市場のような場所だ。先には港も見える。
「へぇ・・・港まであるんですか・・・これが港・・・凄いですね・・・」
ミントもレモンと同じような動作できょろきょろと市場を見渡す。見る物全てが新鮮で、今までの狭い価値観が一気に吹き飛んでしまいそうな感覚だった。
「噂程度にしか気いたこと無かったけど・・・本当に発展した町なんだね・・・僕達の村とはとても比べ物にならないなぁ・・・」
ライチが素直に感じたことを素朴な疑問のようにポツリと口に出す。
「ヴァンジェスティ社の本社がこの町に設立していますから。これだけ町を発展させることができたのもヴァンジェスティ社の力でしょうね」
シナモンが軽い説明をするがシロップは意味が分からずライチに聞いた。
「ヴァンジェスティ社って何だ??」
シロップの顔を見たライチが面白半分呆れ半分で口を開いた。
「ここに入ったときに最初に見た建物・・・あれがヴァンジェスティ本社だよ。漁業とか貿易産業で大きくなってさ、土地を買い取って町を築き上げた大企業。この町の貿易業は僕達の村にも伸びてるんだよ」
ライチが詳しく説明するとシロップは納得して街を見ていた。
「ほえー、オイラ達の村にもこの町の貿易商品がきてるんだ・・・すげえなぁ・・・」

572 :九十九:2008/05/03(土) 13:59:47 ID:LVYACSq20
ミントが街を見ていたシロップの横顔をちらりと見てシロップに話しかける。
「ヴァンジェスティ社の貿易商品の一つとして私達が持っているノートや教科書などの資材も全てここから来ているんですよ」
シロップは益々感嘆の声を上げて町を見つめる。よほど自分達の村と違うことにカルチャーショックを受けたのだろう。
「あまりいい噂ばかりではないですよシロップさん。この町には法や秩序というものがありませんから、強姦に会うこともあるし窃盗もされることもあります。
一応保安隊が動いてくれるのですが大半が現行犯逮捕の形をとっているためあまり期待はできません。それに私達が騒ぎを起こしたら私達がヴァンジェスティ本社に連行されて〆られてしまいますよ」
ミントとレモンが強姦と言う言葉に反応してブルりを身を震わせる。そんなことをされたら大変だと言うことを自覚していなかったらしく、しきりに周囲をきょろきょろと見渡す。
「あはは・・・大丈夫ですよ。朝からそんなことをする人なんていませんし、そう言ったたちの悪いポケモンに物理的に接触しなければ大丈夫です」
シナモンが大げさに手を振って二匹を安心させようと横を向いて―――
前を向いていたポケモン達に思い切りぶつかってしまった。
「痛ぇっ!!・・・んだてめぇはぁ!!??」
「きゃあっ!!」
シナモンが思い切り尻餅をついて上を見る。鼻と耳にピアスをつけたリザードがこちらを睨んでいちゃもんをつけていた。その後ろでは首の毛を黒く染めて金色のメッシュを入れたルカリオと端整な顔つきのブラッキーがしかめっ面をしてそのリザードを見つめていた。
「すみません!!余所見をしていて・・・」
シナモンがぺこぺこと大げさに頭を下げる。相手が下手に出ているのを逆手にとってリザードはニヤニヤ笑いながら言葉を吐いた。
「すみませんじゃねぇよ。人にぶつかっておいてただで済むと思ってるだろ。姦っちまうぞおい」
リザードの言葉にビクリとシナモンが反応した。奴隷のような扱いを受け続けていたのでその手の言葉にも異常に反応してしまうのだろう。その身体はカタカタ小刻みに震えている、嫌なことを抉り出されたように顔に涙の片鱗が浮かぶ。
その瞬間、シロップはシナモンの前に躍り出ていた。
「やめろ!!」
シロップが思い切りリザードに言葉を叩きつける。リザードは一気に顔を不機嫌な顔に変えてシロップにがんをつけ始めた。
「んだ手前ぇ・・・俺は今お楽しみ中なんだよ。餓鬼は帰ってママのおっぱいでも吸ってな」
リザードがケタケタと笑う。シロップはそんな下品な挑発に乗ることもせずに罵詈雑言で言い返した。
「何がお楽しみだこの変態野郎!!!シナモンがあんだけ謝ってるんだぞ、その心を踏み躙りやがって!!!お前の方が餓鬼だっつーの!!木の実ジュースで顔洗って出直せこの●漏野郎!!!」
非常に下品な言葉だったが相手を怒らせるには十分だった。シロップの予想通りリザードはこめかみに青筋を立てて怒鳴った。
「だっだれが早●だ!!!このクソガキ!!殺してやる!!」
「上等だ!!あとで後悔すんなこの早●野郎!!」
リザードの腕が鋼のように硬くなる。"メタルクロー"を使うつもりなのだろう。後ろでブラッキーが「・・・ったく。子供同士の喧嘩は疲れるな」
と呟いてルカリオに合図を送ったが彼はそれには答えず、シロップの周りに立ち上る異常なエネルギーの唸りをいち早く感じ取って呟いた。
「・・・あいつ・・・」
シロップは頭の中でイメージを働かせる。敵を久遠の眠りに誘う巨大な冷気・・・高速で飛んでいく強烈な氷塊。シロップの頭にイメージが湧き出し右腕に形となって集まっていく・・・
「くらえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!!!!!!!」
シロップが腕を突き出すのと、後ろにいたルカリオが波動でリザードを吹き飛ばすのはほぼ同時に起きた出来事だった。強烈な冷風はリザードのいた場所を跳び越していって路上に降下して。
着弾、氷結。巨大な氷の柱が天に向かってバキバキと伸びていった。

573 :九十九:2008/05/03(土) 14:00:27 ID:LVYACSq20
「!!?嘘だろ!?見切られたのか!!?」
シロップが驚愕に目を見開く。リザードは尻餅をついたまま巨大な氷柱を見つめていた。ゆうにビルと同じ高さ位の、それはそれは巨大な氷の塊だった。
「なっ!!!!なっなっなっ・・・何だァ!!!???」
セキイは口をパクパクとさせてルカリオとブラッキーを見つめた。ブラッキーは驚きの表情で巨大な氷柱を見つめていた。
「ゼニガメにしては凄いな・・・兄ちゃん並みか?」
ブラッキーは氷柱を見つめて静かに驚いていた。すると横からルカリオが声をかけた。
「ローレル!あのゼニガメまだ何かやらかすつもりらしいぜ!!」
ローレルと呼ばれたブラッキーは美しい琥珀色の瞳にシロップを映した。シロップは右腕を押さえてぜいぜいと喘いでいる。よく見ると右腕が凍り始めていた。
ルカリオは警戒の色を露にして構えを取り、シロップへと視線を向けた。
「ヘッ、まだやろうってんなら話は別だぜ?こんなモン見せられちゃァ手加減できねェからな」
先程までとは明らかに雰囲気が違う。相手は戦闘態勢だ。
彼の見据える先でシロップは凍りついた右腕をゆっくりと天に掲げた。
「はぁ・・・はぁ・・・っぐうぅぅぅっ・・・・うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
シロップが叫んだ瞬間右腕から巨大な冷気のエネルギーが開放された。天高く伸びたエネルギーの塊は空中で弾け、超大規模な吹雪となってランナベールに降り注いだ。
『うわぁぁぁぁぁっ!!!』
それまで野次で集まっていたポケモン達が逃げ惑う。強力な吹雪は視界を完全に遮り、さらに拳大の雹も混ざり始めて流星群のように町に降り注いだ。強力な力は止まることを知らずに十分間暴走し続け・・・視界が晴れた時には辺り一帯の地形が雪景色に変わっていた。
「はぁ・・・・はぁ・・・・」
シロップは虚ろな瞳で周囲を見つめる。住宅街に大きな被害は無かったが、港に止まっていた船の何隻かが大破してしまったようだった・・・
「・・・・」
シロップの意識はそこでぷっつりと途絶えて気絶してしまった。
「シロップさん!!」
シナモンが駆け寄って容態を見る。顔色が優れずにぐったりとしていたため、シナモンは静かにシロップを持ち上げて自分の背中におぶせた。
「シナモン!!どうなのシロップは!?」
ライチの慌てた顔を見て、シナモンはゆっくりと口を開いた。
「大丈夫です。衰弱はしていますけど外傷は特にありません。きちんとした施設でゆっくりと休めば元気になると思います・・・だけどこの騒ぎは・・・」
レモンがあっと声を上げる。周囲が落ち着いていたところで辺りを見回す。そこには新たに出現した数匹のポケモン達が他のポケモンに何が起こったのかを聞いているところだった。
「ってオイ!!何で私兵隊がいンだよ!!やべぇってローレル!!!」
リザードが白い息を吐いてローレルを揺さぶる。ローレルはぼうっとして立っていたが、なにやら統制の取れた数匹の部隊を確認すると静かに頷いた。
「ああ。この子達のことは気になるけど・・・・兄ちゃんがいたらやばいしな。適当に散って、またいつもの場所で」
と、ローレル達三匹は瞬く間に人ごみの中へと消えた。
その直後、部隊の先頭にいたエーフィの少女が走ってきた。
「ローレル・・・・?」
消えた三匹の知り合いだろうか。彼女は誰かを探すようにきょろきょろと辺りを見回している。
「・・・気のせい、かな」



先程のリザードが"私兵隊"と言っていた。私兵隊といえば国でいうところの軍隊だ。
―――この少女が?
年の頃はライチ達より少し上くらいでまだ成人には達していないだろう。瞳は宝石のような琥珀色で、美しい毛並みと細い体躯は軍人のイメージとはかけ離れている。それどころか、ライチ達の目が釘付けになるほどの美しい容姿だ。
「・・・・綺麗・・・・」
レモンが自然に呟いた。ライチ達は時間が止まったようにそのエーフィに見惚れていた。
―――と。
「ホンマにアンタら・・・・・か?まぁええわ、話は後で聞かせてもらうで。確保!」
一匹のバクフーンの女性がライチ達の方へ近づいてきて何かを言うなり、手を上げていきなり物騒なことを叫んだ。
私兵隊の女性達がライチ達を拘束するのに十秒もかからなかった。

574 :九十九:2008/05/03(土) 14:01:50 ID:LVYACSq20


その間も、エーフィの少女は表情にどこか暗い影を落として立ったままだった。
「隊長・・・・・・どうかなさいましたか?」
と、彼女に後から声をかけたのは若い男性のライボルトだ。隊長、と呼ぶ辺りこのエ

ーフィの部下か何かだろうか。しかしライチの目にはどう見てもライボルトが隊長で

エーフィが部下にしか―――というより、まずこの少女が軍人で、それも隊長クラス

の地位にいるなんてのが未だに信じられない。
「あっ・・・・あぁ、大丈夫。何でもないよ・・・・・・」
エーフィは誤魔化すように前を向いたが、後ろから来たアブソルが彼女を小突いた。
「シオン、しっかりしろ。歩哨中のアクシデントとはいえ任務は任務だ。気を引き締

めろ」
少女の――エーフィの名はシオン、というらしい。
「ええ・・・・・・すみません、シャロンさん」
シャロンと呼ばれたアブソルは白い体毛に覆われ、黒い肌がとてもよく映えている。

美人の部類には入るだろうが―――こちらの女性はいかにも堅そうで、シオンと呼ば

れたエーフィとは対照的な印象を持っていた。まるで戦乙女のような力強さを感じさ

せる。
―――などと美しい女性達を見ている場合などでは無かった。ライチ達は後ろ手を縛

られて拘束されたままなのだ。シロップは衰弱しているため縛られることは無かった

が、一番先に疑われて締め上げられるかもしれない。
ライチの力を使えば拘束を解除して逃走する事も可能だが、そんなことをしたらスパ

イ扱いで処刑されるかもしれなかったので大人しくしていた。
「で、ヒルルカ。この異常気象というか謎の現象の原因は何なのだ。まさか自然現象

ではないだろう」
シャロンが先程ライチ達を拘束したバクフーンの女性――ヒルルカに顔を向けた。
ヒルルカは首を傾げてばつが悪そうに言葉を紡いだ。
「うーん・・・一応犯人っぽい奴拘束してんけどなぁ・・・なんちゅーか――――」
「じゃあさっさとわたしの前に連れてこい」
シャロンの言葉にヒルルカは益々顔を渋らせたが、仕方なく拘束した五匹のポケモン

達をシャロンの前に連れてこさせた・・・
「な・・・・んだと?」
「この子らやねん。吹雪起こしたってのは・・・」
シャロンは驚愕に目を見開いた。シオンもびっくりしている。
・・・何故なら目の前に連れてこられたポケモン達が。年端も行かない子供―――ヒ

トカゲとゼニガメとフシギダネとピカチュウとリーフィアだったからだ・・・




















575 :九十九:2008/05/03(土) 14:06:04 ID:LVYACSq20
最後のほうでパソコンがおかしくなってしまいましたorz
とりあえず序幕はこれにて終了です。
こんなあほくさいことに付き合ってくださった三月兎さん。
そしてこんな誤字脱字だらけの駄文を読んでいる方々・・・
本当にありがとうございます!!!!!!!!!

576 :ジャンク:2008/05/03(土) 14:54:59 ID:Wo8cJW4+0
九十九さんなかなか面白いですよ
続きを期待しています。

第二章光の玉

1再び

「う、うーん」
僕が目を覚ましたとき大きな木の前に倒れていた
「あれ僕生き返ったのかな」
その時の何かが変わったことに気づいた。
「口調が変わってる……っとゆうか性格が逆になってる」
それよりもっと驚いたことがあった
「み、み、見える右目がしっかりと」
僕は何度も右目を手で押さえたりして確かめている内にあることにも気づいた
「手の色がオレンジだ」
僕は後ろを見るとクリーム色の尻尾が見えた
「あれこれってブースターになってる!!」
僕は驚きしばらくうごけなかった
何とか動けるようになるまで気持ちを落ち着けた。

「これからどうしよう」
考えていると、
大きな木にやみの穴が開きそこからヤミラミたちが出てきた。
「なんでこんな時に出てくるんだよ」
俺は一目散に逃げたがまだ慣れていないためすぐに転んでしまった。
「もうだめだ」ぼくは顔を伏せた。
そのとき、何かが光ったような気がした。
顔を上げたらヤミラミたちは跡形もなく消えていた。
「大丈夫か?」
いきなり声をかけられて僕は驚いて辺りを見回した
すると上から誰か降りてきた
「俺だよ。今、声を掛けたの」
それはレントラーだった
「俺が木の上でお前が追われているのを見つけて助けたわけ」
「あ、ありがとう」
僕はお礼を言った
「まずここは危ないから安全な場所までつれてってやる」
僕は森の出口まで連れて行ってもらった

「なんでお前、この森に入ったんだ」
「そ、それは間違って入ってしまったんだよ」
僕は誤魔化した。なぜならあのことを言って闇の民だと分かったら何をされるか分からないから
「じゃあ、なぜ襲われたんだ」
「知らない、いきなり襲われたんだ」
「お前の家はどこだそこまで送ってやる」
僕は驚いたここまで親切にしてくれるなんて
「帰る場所なんてもうないよ」
「そっか、なら俺の住んでいる村に住めそうな家があるからそこに住めば」
「え、いいですよ。そんな」
「困ったら助け合うのが当たり前だろ」
「なら住ませてもらいます……ほかに行くあてもないし」
僕はそこに住まわしてもらうことになった
その村に、向かってるときに僕はレントラーの名前やなぜあそこにいたのかを聞いた

「俺の名前はレン、お前は?」
「僕はケンって言うんだ……なんであそこに居たの」
「俺はあそこで昔、約束をしたやつと待ち合わせしてるんだ」
レンの目から涙が流れているように見えた。
「ついたぜ」
いつの間にか、町についていた。

577 :ジャンク:2008/05/03(土) 14:59:55 ID:Wo8cJW4+0
僕が俺になっているところがありましたすいません。

578 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/05/03(土) 15:32:06 ID:LrPTymKo0
続き。今回もいないしグレンの出番が少ない……。多分主人公のはずなのに……。

07 金と朱の狐

グレンは夢を見ていた……。
二匹のロコン……誰かも解らない……。
でも知ってるような気がする……。



一匹のロコンが思いつめた顔をして崖の前に立っていた。
そのロコンの体毛は美しい金色だった。年齢は十六歳前後である。
しかし、美しい体毛とは裏腹に全身は殴られたような痣が沢山あった。
ロコンの目からは涙が溢れていた。

「ひっく。何で……皆……私を苛めるの?」

理由は解っていた……。自分は皆と違う……。
誰かに会うたびに苛められた……。それは金の体毛だから……。
それだけだった……。それだけで十分だった……。

「私は誰にも必要とされさい……。親だって私を苛める……。
 生きてる理由なんてない……。私が死んでも誰も悲しまないから……」

ロコンは一歩前に踏み出し崖から飛び降りようとする。
すると一匹の朱色の毛のロコンがのしかかってきた。
朱色のロコンはウズキと瓜二つでとても他人には見えなかった。

「お嬢さん、少し気が早いんじゃない?」
「離して! 私は楽になりたいの! 私なんて死んだほう良いに決まってます!」
「まぁまぁ……そんな寂しい事言わないでボクとどっか遊びに行かない?
 この近くでも中々良い所あるんだよね。ねぇ行こうよ」

のしかかったロコンの目的はどうやらナンパのようだった。
金毛のロコンは振りほどこうと激しく暴れまわる。

579 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/05/03(土) 15:32:36 ID:LrPTymKo0
「私はお嬢さんじゃない! これでも雄なんです! だからどこかにいってください!」
「そんなの知ってるよ……。逆にボクは雌なんだよね。ずっと君を見てた……」

金毛のロコン雌のロコンの言葉に困惑して暴れるのをやめる。
雌のロコンは暴れなくなったのを確認し金毛のロコンから離れた。

「ボクはウヅキ。君は……クウコだよね? クゥって呼んでも良いかな?」
「……はい、クウコです……。別に好きなように呼んでください……。
 金毛でもオカマでも構いませんから……」

ウヅキと名乗ったロコンはクゥの素っ気無い返答に苦笑いを浮かべた。

「ところでさっきの答え……聞いてないんだけど?」
「私と一緒にいるとあなたも苛められますよ……。それでも良いんですか?」
「寧ろ望むところだ。君といられるなら安い代価でしょ」

クゥはクスクスと笑った。それはクゥが他人に見せた初めての笑顔だった。
ウヅキはクゥの笑顔を見て安心しているようだった。

「やっと笑ってくれたね。……笑ったの初めてでしょ?」
「え? 私……笑ったんですか?」

クゥは自分が笑った事にさえ気付いていなかった。
ウヅキもクゥの笑顔を見て微笑む。

「そうだ! これクゥにプレゼント。受け取ってよ」

ウヅキはそう言って一つの木の実を取り出す。
その木の実はオボンの実だった。

580 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/05/03(土) 15:32:58 ID:LrPTymKo0
「これは? 私は見たこと無いんですけど……」
「それはオボンの実っていって傷に傷を治す効果があるから食べるといいよ」

ウヅキはオボンの実について簡単に説明しクゥに手渡す。
クゥはオボンの実を受け取り観察し、見たことの無い木の実に困惑する。

「オボンの実ってあの高価な木の実ですか!? そんな物私は受け取れません!」
「まぁ確かにこの辺じゃ珍しいけど……高価ってほどでは……無いと思うけど?
 それにクゥの為に手に入れてきたから受け取ってもらわないとボクが困る」

クゥはウヅキの言葉を聞き素直にオボンのみを受け取り食べ始めた。
ウヅキはクゥの顔を見つめていた。
クゥはウヅキに見られている事を恥ずかしがりながら食べる。

「あの、私何か変な食べ方でもしましたか?」
「いやそんな事はないよ。乙女の食事は絵になるなって思っただけ」
「だから私は雄です。乙女ではないですよ」

クゥはウヅキの言葉に頬を膨らませ怒る。
ウヅキは笑いながらクゥに謝っていた。

581 :BmB:2008/05/03(土) 19:39:51 ID:WKf39lSU0
九十九さん コラボきましたね。続きたのしみにしてます。             ジャンクさん ケンがこのさきどうするかきになります。 続き待ってます。            蒼空さん 夢がどうやって話につながるのか、楽しみにしてます。

582 :ジャンク:2008/05/03(土) 21:16:52 ID:Wo8cJW4+0
BmBさん感想ありがとうございます。
今日はここまで書けたので打ちます。

「あら、レンその子どうしたの」
話しかけてきたのはフローゼルだった。
「自然の森に居たんだよ」
フローゼルはかなり驚いた顔をした。
「自然の森の中にいたの!!……かなり危ないのに命知らずねあなた」
「いく場所がないみたいだからここに住むよう進めたんだ」
「それじゃ、自己紹介をしなくちゃね……私はローゼルって言うのよろしく」
「僕はケンって申します」
「あれ、何でそんなに意識しちゃってるの」
レンが少し笑って聞いてきた。
「うるさい早くどこの家なのか教えて」
僕はレンを押して急がせた
「あの家だよ」
レンが指指したのは村の入口から入って三件目だった。
「あ、俺たちの家は迎えだから分からないことが合ったら気軽に聞いて」
「俺たちって、一緒に住んでんの!!」
「「うん、住んでいるの」」
僕は少し驚いた
「ほかに聞きたいことある」
「もうないです。さよなら」
僕は逃げるように家に入った


「なんかとっても疲れた」
僕はそのままその場に座り込んだがすぐに立ち家の中を見て回った。
「居間、キッチン、バスルームに、寝室……って何でダブルベットなんだよ一人じゃもったいない気がする」
僕はそのままベットに転がった
「アブソル大丈夫かな」
考えてるうちに眠ってしまった。


しばらくして体が熱くて目を覚ました
「あつ〜い、前まではこんな事なかったのに、ブースターになたからかな?」
僕は、冷たい水を何杯か飲んだが暑いのは止まなかった。
「あー、もう我慢できない」
僕は、外に飛び出した
「外は涼しくて気持ちいな……このまま散歩しちゃおう」
僕は村はずれまで歩き始めた。

583 :◆zzt9RnTpGo :2008/05/04(日) 00:19:31 ID:+KFazRew0
九十九氏へ
三章期待してます。
これからもがんばってください。
パウス氏へ
これからもゆっっっくりがんばります。

584 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/05/04(日) 23:42:55 ID:WmHbNVgE0
続き。夢の繋がりはしばらく出ない予定です。でもいつかは繋げます。
作者自身がグレンが主人公ということに疑問を持ってきた……。
ルナと性格の似てるウズキの方が動かしやすいんですよね。

08 神の力

グレンが覚醒し眠りについてから既に三日が経ってしまった。
フィニティはグレン事を看病し続けていた。

「あれから三日……。グレンさんは本当に大丈夫なのでしょうか?」
「神の力を使ったんだ……。疲労は相当きただろうね……。今のボク等は見守る事しかできない……」
「あの力は私達も使えるのですか?」
「条件はあるけど可能だ……」

ウズキはフィニティの言葉に首を縦に振る。
フィニティは答えを聞いて不安になったのか下を向いた。

「お前達また会ったな! チビは寝てるか……。なら、こないだの借りはきっちり返してやるぜ」
「フ。弟が世話になったそうだな。私もお礼がしたい」

ふいに二匹のポケモンがフィニティとウズキに話しかけてきた。
友好的とは言い難い言葉にフィニティはパニックに陥る。
ウズキは表情をまったく変えず、寧ろ見下していた。

「今度は二匹がかりでボク等の相手をするの? 大人気ないねぇ」
「ほざけ! ガキだからって容赦しないぜ!」
「私達に喧嘩を売ったこと……後悔させてやろう!」

ウズキはだるそうに体を起こし戦闘態勢をとった。
ライガとサイもつられて戦闘態勢をとる。

585 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/05/04(日) 23:43:38 ID:WmHbNVgE0
「フィニティは足手纏いだからグレンと一緒に隠れてて……」

フィニティはウズキの言葉を素直に聞きグレンを動かし安全な場所に隠れる。
ウズキはフィニティが隠れたのを確認し電光石火でライガに近づく。
二匹の能力はロコンを遥かに上回る。まず一匹を戦闘不能にする作戦のようだ。
ウズキはライガに密着し大文字を放つ。
ライガの体に灼熱の大の文字が全身を焦がす。

「手応えが薄い……。やっぱり密着しても無理か……」
「……当然だな。ライガがそんな簡単に倒れる訳無いだろう」

サイの余裕の笑みに答えるかのようにライガが立ち上がる。
ライガは大したダメージをおっていない……。しかしウズキの顔に焦りの色はなかった。
ライガは全身に電気を纏いウズキに突っ込んでいく。
ウズキは地面を蹴りジャンプしてライガの攻撃を避けた。

「姉さん任せた!」
「フフ。こちらの読み通りか……」

サイはウズキがジャンプするの読んでいてかまいたちを放っていた。
ウズキは避けきれず全身を切り付けられ地面に落下する。

「……なるほど……。チームワークはバッチリか……。
 ならボクも本気でいかせてもらおうか……」

ウズキはそう言って目を瞑る。
ライガはチャンスとばかりにウズキに接近した。

「様子が可笑しい……。離れろライガ!」

サイの忠告は遅くライガは激しい衝撃を受け吹っ飛んだ。
再び目を開けたウズキの目は紅く黒い瞳をしていた。

586 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/05/04(日) 23:44:19 ID:WmHbNVgE0
「能力が使えるのはグレンだけじゃないんだよね……。
 ボクも神の力……使えるんだよ」
「神の力? 馬鹿なそんなものあるはずが無い……。
 この世に神なんて……いるはずが……」

サイはウズキの言葉に驚きを隠しきれない。
ライガは吹き飛ばされた衝撃で気を失っている。

「まぁ驚くのは無理は無いよね……。圧倒させてもらうよ!」

ウズキがサイに接近する。
電光石火を使ったわけでもないのに一瞬で間合いを詰める。
サイが気付いたときにはウズキは目の前にいた。
ウズキはそのまま尻尾でサイを薙ぎ払う。
サイは数メートル離れた木に叩きつけられる。

「……なんて力だ……」
「大人しく逃げた方が良いんじゃい?」

ウズキが近くで倒れていたライガを前足で無造作に踏みつける。

「ライガを置いて逃げれば助かるでしょ?」
「貴様! ライガを離せ!」

サイはウズキを睨みつけ叫ぶ。
ウズキは困ったように首を振る。
そして前足に力を込めていく。

「どっちの立場が上か……解ってる?」
「……私の弱みを握って……何が望みだ……」
「もうボク等を襲わないでくれればそれで良いんだよ」
「解った……従おう……」

サイは素直に戦闘態勢を解いた。
ウズキはそれを確認しライガをサイの方に放り投げる。
サイはライガを受け止め優しく地面に降ろした。
ウズキは戦闘態勢を解かずにサイの様子をじっと見ていた。

587 :パウス ◆EvJGalaxy2 :2008/05/05(月) 20:33:57 ID:n5GI01Ac0
少しずつ過疎ってきましたねぇ。
皆さん忙しいのでしょうか。それとも執筆が進まないんでしょうかね。

>>584-586
ライガとサイは、この戦いの前にヤっていたと思うと、何だか変な気分に……
ウズキも使えたんですか。これはまさかの展開。


〜story44〜 ―華花―

外の空気も、風も、花の香りも何も感じないまま眠気が抜けていく。
当たり前だ。俺は今は魂だけの状態、言うなれば意識だけそこに存在しているようなものなのだから。
いつまでこんな状態が続くんだろう。自分の身体を失って他の身体に無理矢理突っ込まれて……。アメシストにも迷惑を掛けてしまっている。自分の内に見ず知らずの魂が七つも蠢いているのだから。
だからあまりアメシストの身体の中に皆居たがらない。彼女の心の中はまだ暗いままだ。
だがアメシストの中に居ないと入れ替わることも出来ないので、そこは彼女に我慢してもらうしかないのだ。
パール達と旅をすることに不安の色は感じなくなったようだが、それでもほんの少し明るくなっただけ。
訳の分からない運命を甘受してしまうことに不安を覚えているようだ。

重い瞼のシャッターを開くと、得体の知れない物体が目の前に置かれていた。
額の金色の輪と、頭の方に生えた長い耳、これを見てようやくそれが何か理解出来た。目を瞑っているリチアの顔は、傍から見ると黒い塊に等しい。
閉じた目の線と、やわらかく閉じた口の位置を確かめながら顔全体を見回すと、やっぱりこいつは雌なんだなぁ、と今更ながら納得した。
口の減らない鬱陶しい奴だが、こうして見ると以外と可愛いことに凄まじく驚いた。
「…………おい……さっきから何オレの顔をじっと見つめてるんだ………」
「うおぉぉぉおぃっっ!!」
目は閉じたままなのに、いきなり口のほうから動いたのにもっと驚いた。―――普通逆だろ。

目元の線は赤く変わり、ゆっくりとリチアはその赤い眼を開いた。
その瞳に俺の姿をはっきり映し、瞳の中の俺の身体はその赤色に溶け込んでしまっている。
「……まさか貴様、…………変なことしようとしたわけじゃないよな?」
こいつの悪態にはつくづくため息が出そうだ。
「ち、違ぇよ!いきなり何言ってんだてめぇは!!」
ここは冷静に違うと言えばいいものを、逆に焦ってしまうところがリチアには面白いらしい。
「ふふふふふふふふっ……………お前、本当に面白いな。」
嘲るように――というか実際嘲っているのだが――リチアは声を押し殺して笑う。
この野郎、俺より年下のくせに―――と自分がリチアを批判する要素がこれしかないというのがかなり悔しい。しかも、年下と言ってもたかが一つだけだ。
一瞬でも可愛いと思ってしまった俺が馬鹿だった。


588 :パウス ◆EvJGalaxy2 :2008/05/05(月) 20:34:21 ID:n5GI01Ac0
暫く俺が動揺するのを堪能した後に、リチアはようやくその嘲り笑いに歯止めを掛けて立ち上がった。
その後を追うように俺も立ち上がると、皆狭い部屋の中にごちゃごちゃと広がって熟睡しており、
自分が魂ではなかったらとても動けない状態だ。
その中に一つだけ何か足りない気がしないでもない。いや、する。
ジェオードの白い毛、コーラルの淡い水色の身体、それとカーネリアの黄色い毛―――オレンジ色がない。
メノウだ、と脳裏にメノウの姿が浮かんでは消える。昨日の夜はカーネリアの横で眠っていたはずだった。

もう外に出たのかと思い、首から上だけ壁を突き抜けさせる。魂だと何でもすり抜けられるから楽だ。
実は床からは、目に見えないほどだが浮いているらしく、床をすり抜けたりはしない。だが頭を突っ込めばすり抜けてしまう。

少し外を見回すと、オレンジ色の身体がすぐそこに座っているのが見えた。
そいつは向こうを向いて俯いたまま、ごそごそと何か前足を動かしている。あれがメノウなのだろうか?
俺は体勢を低くし、足に徐々に力を込めていく。そしてその力を一気に解放し、壁をすり抜けて外に飛び出していった。
「おい、待てクォーツ!」
後ろからリチアも追いかけてきた。
二階から落ちていったにも係わらず、着地しても何も痛くない。それどころか振動さえも感じなかった。


589 :パウス ◆EvJGalaxy2 :2008/05/05(月) 20:35:38 ID:n5GI01Ac0
まだ朝早くということもあって、この町はまだ眠ったままだった。
これなら誰かに見られる心配もない。安心してメノウに声を掛けられる。
「メノウ、何やってんだこんなところで?」
やはりメノウだったそのブースターは、驚きながら首をぐりんと回した。グキッ、という痛々しい音がこっちまで届き、メノウは軽く悲鳴を上げる。
最早痛快と言うべきほどのその鈍い音が、どれほど痛かったかを物語っていた。
「あいっっったたたたた!!………なんだ、驚かさないでよ。」
無理矢理回した首を押さえながら、メノウはほっと息をつく。
その姿があまりにも可笑しくて、俺とリチアは同時に失笑した。
メノウは恐る恐る痛みが抜けたかどうか確かめるため、首を軽く押すが、そこが見事に圧痛点だったらしく、メノウはまた悲鳴を上げる。
若干涙目になっているその姿が女々しいったらありゃしない。

ようやくメノウが落ち着きを取り戻したころ、俺達の部屋が何か騒がしいことに気が付いた。
「おいっ!メノウはどこだ!!」
「クォーツとリチアも居ないわ!!」
「まさか奴らに………?畜生っ!」
―――なにやらとんでもない勘違いをされているみたいだ。

「……おい、戻らないとやばいんじゃないか?」
リチアもその声が聞こえたらしく、頬に冷や汗を這わせ、その量が時間と共に増していく。
「あぁ………。だけどよぉ………戻りづれぇよ、この状況…………」
「何言ってんの!早く戻らないと大混乱になるよ!」
もともと俺達が『A・G団』に狙われているとあって、パール達が神経質になっているのは当然の事実だ。
このままだと勘違いされ続け、戻るに戻れなくなってしまう。
メノウはそのことが良く分かっているようで、一番先に宿の入口に向かって駆け始めた。
俺たちはこのまま入口から入るわけにもいかないので、パール達の部屋に直接突っ込むしかなかい。

ふと、またメノウに眼を向けると、入口の扉を開けるのに随分と苦労していた。
その身体がやたら華奢に見えたのは何故だろう。あまりメノウの戦っている姿を見たことがないせいだろうか。
「おい、何ぼーっと突っ立ってるんだ!早く戻るぞ!」
「お、おう。」
また振り返ると、メノウは既に扉を開けて中に入っている。
半ばリチアに急かされながら、俺は急いで二階まで跳躍した。

―――――――――――――

文章をまとめる力がない事に気付いた僕。
まさかこのシーンで一話使ってしまうとは思いませんでした……

590 :ピカソ ◆i/ei.o2TGU :2008/05/06(火) 20:42:35 ID:CFpnkpqc0
タッ…タッ…
誰かが走る音がする。
口には値札の付いた食物を加えた1匹のポケモン…ブラッキーだった
「待ってろ…エーフィ…」
ドカッ!なにかと激しくぶつかり、仰向けに倒れるブラッキー、その先に居たのはザングース、彼の目はブラッキーを睨みつけていた。
「よ…避けてくれ!この先に…姉が…」
そのザングースはそのブラッキーの声を聞くと詳しく事情を聞いてきた。
「姉が…栄養失調で…倒れt…ちょ!待て!」
ブラッキーが言い終わる前にザングースはブラッキーを置いて先に走っていった…
「…ってのが俺達と紅白が出会ったキッカケなわけよー」
遠い目をしながら話す一匹のブラッキー、その目の前に座って居たのはグレイシアとリーフィア
「ほぇ〜凄いなぁ〜」
目を輝かせながら喋るリーフィア
「…あっそ」
先ほどとは反対にどうでも良さそうな目をしているグレイシア
そこに怒号が飛ぶ
「こらっ!黒!テーブルに乗るな!」
そこには可愛いエプロン姿のザングースが
「わりわり!(紅白は怒りっぽいんだ、お前等も気をつけろよ)」
「(は…はい)」
「んー?新人君に何吹き込んでるのかな?黒は」
額には血管が浮き出ていた
「に…逃げろっ!」
次レス

591 :ピカソ ◆i/ei.o2TGU :2008/05/06(火) 21:04:52 ID:CFpnkpqc0
「五月蠅い!!!!!」
バカ騒ぎする四人を叱ってたのは三匹のポケモン、ブースターとサンダースとシャワーズだ
「…すいません」
四人揃って頭を垂らす
それから三人が四人に説教をした、それから二時間後…
「なんだかんだあったけど、メシだ!黒、紫起こしてきて」
席を立つブラッキーは奥の寝室へ向かっていった。
「よし、じゃあ今日は新入りが二人入ったので、自己紹介から始めよう」
ザングースがそういうとグレイシアとリーフィアがまず立ち上がる
「えっと…リーフィアです!名前は…今日、緑という名前をつけてもらったので、緑と呼んでください!」
「グレイシア…水色と呼んで…以上」
二人が座ると、三匹が立ち上がった。
「うちはブースターの赤や、なかようしてな」
「俺様はサンダース!黄色と呼んでくれ!ふっ…」
「私はシャワーズ、青と呼んでね」
三匹が座るとザングースが立ち上がり自己紹介をはじめる
「ここの主人のザングースだ!紅白って呼んでくれ!掃除洗濯なんでもござれだ!よろしくな!ちなみにイケメン!」
「最後言わなくてもいいやないか!」やけにハイテンションな紅白が自己紹介を終えると、赤が突っ込みを入れた、まるで漫才だ。
次レス

592 :sJ\ ◆X0li4ODh3w :2008/05/06(火) 21:29:28 ID:CFpnkpqc0
がらがら
奥の部屋から先ほどのブラッキーとずるずると寝ぼけ眼のまま引きずられながら出てきたエーフィが
「はよ自己紹介しーな」
赤がおなかの無視を鳴かせながらブラッキーを睨みつける
「何故俺が…まぁいいや…クスン、ブラッキーです、黒って呼んでください」
横で鼾をかきながら寝ているエーフィ
それにブラッキーは口に飴を放り込む
「むにゃ…エーフィ…紫って呼んで…グー」
「さて、自己紹介終わったし、めしだ!」
大皿に盛られた料理を皆で奪い合う、戦いが始まった。
カッ!ヒュッ!もぐもぐ…
「負けへんで!」「素早さと言えば俺!」「私は後で食べた方が良さそうですね」「皆いつもこんなに早いの!?食べれないぃ!」「…早い」「作ったの俺だぞおまいら!」「ぐぅぅぅ…」「エーフィ、お兄ちゃんがお前の分も!」
一時間後、皆はお腹いっぱいご飯を食べた、ある者はゲームを始め、ある者は読書を始めた、そんな時…
「ただ今ー」
一匹のイーブイが入ってきた。
そのとき、家中のポケモンが凍り付く、只、二匹を除いて…
「あ…お…お帰り」
「ご飯食べるーどこ?」
皆が目を逸らす
「全部食べちゃいましたよ、特に赤さんと青さんは凄かったですねー」

593 :ピカソ ◆i/ei.o2TGU :2008/05/06(火) 21:41:04 ID:CFpnkpqc0
「ば…バカ!なに言うとんねん!」
「緑さん…貴方を恨みますよ…」
「え?何で?」
ぞわっ…緑は全身の毛が逆立つのに気がついた、しかし、その時に背後にはイーブイは居なかった。
そして急いで前を見直すと、コテンパンにやられた青と赤が居た
「人の分は…残しておこうね?」
「はい…」「すいません…」
二匹は死にそうな声で謝罪をしていた。
そして水色と緑は只震えているしかできなかった。
「ったく…あっ?君達が新入りの緑と青色だね?紅白から聞いてるよ、僕はイーブイ、灰色って言うんだ」
灰色さんは珍しい、イーブイの色違いだった。
「よし、これで皆揃ったわけだけども、もう夜だから、詳しいことはまた明日だな。」
「部屋はどこで寝ればいいのですか?」
「緑は一番奥だ、水色と一緒だ、内は基本的に男女ペアの部屋だけど、変な気起こすなよ」
そういった後、皆は足早に部屋に入っていった
緑達も部屋に向かっていった。
1部 終

594 :ピカソ ◆i/ei.o2TGU :2008/05/06(火) 21:46:19 ID:CFpnkpqc0
ん、終わりましたね
一応これは四部構成なので
にしても会話中心になってしまった…

後、エロ無くてすいませんね
一応メモでは三部辺りで入れる予定です
それまでは…すいません
それでは又明日!

595 :ピカソ ◆i/ei.o2TGU :2008/05/06(火) 22:07:14 ID:CFpnkpqc0
あ、すいません、書き忘れです。
設定
皆が住んでる所は、紅白の家です。
皆、昔に事情があり、紅白に拾われました。
それは又後で…
ついでに、家の構造、部屋割り、年、性別です

家は三階建て
一階は皆のくつろぎの場や風呂や居間です。部屋数は三
二階は個人個人の部屋です。部屋数は9部屋
三階は寝室、部屋数は四部屋

部屋割り
1、赤(♂)と青(♀)と黄色(♂)
2、黒(♂)と紫(♀)
3、緑(♂)水色(♀)
4、紅白(♂)灰色(♀)
です
男子が!若干女子より多いです!

紅白が8歳
赤と黄色と青と灰色が7歳半
黒と紫と緑と水色が7歳
8歳から大人
人間で言うと16歳です、8歳は

596 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/05/06(火) 23:03:57 ID:xl4QjEeU0
続き。取り合えずウズキさんには一時離脱してもらってグレンとフィニティにスポットを……。

09 禁忌

ウズキはサイがライガを降ろし看病を始めたのを見て戦闘態勢を解いた。
目の色もいつも通りに戻っている。
フィニティもその事を確認し木の影から出てきた。
グレンも目を覚ましたようだが状況が分かっていないのかキョロキョロと辺りを見渡す。

「正直……サイ、君は窃盗組みに向いてないよ。優しすぎる……」
「私達だって好きでこんな事をしてる訳じゃない! お前に何が分かる!」
「何も分からないね。ボクは君達の事情なんて知らない」

サイはウズキ向かって叫んだ。その瞳からは涙が溢れていた。
ウズキはサイの言葉を聞かず話を続ける。

「確かに大体の事情は予想はできるよ……。でもやって良い事と悪い事はあるだろう?」
「親に捨てられた私たちが生きていくには……こうするしかなかったんだ……」
「……理由は……アブソルだからですか? アブソルが災いをもたらすって信じる者はまだ多いですから……」

ウヅキはサイを説得しようとする。
サイはフィニティも質問に無言で首を縦に振った。

「だから私の名前は災(サイ)って付けられた……。親に愛されるような名前じゃない事くらい……分かってた
 神がいるのなら救ってほしかった……」
「神は万能じゃないよ……。パルキアはディアルガに敗北し封印された……。
 ディアルガはなぜ封印されたと思う?」

ウズキの質問にサイだけでなくフィニティも考える。
確かにそうだ。ディアルガはなぜ封印されたのだろう……。
戦いの勝利者なら封印される理由はないはずだった。
いくら考えても答えは出ない。

597 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/05/06(火) 23:04:34 ID:xl4QjEeU0
「その……答えは何なんですか?」

フィニティの言葉にウズキはしばらく沈黙していたが口を開く。

「ディアルガは禁忌を犯した。
 だから創造主の命令によって封印された……
 神だって過ちを犯すんだ……。完璧な者なんていないよ……」
「神が……過ちを……。そうかなら私達が過ちを犯すのは当然……か。
 世話になったな……。脚を洗う決心がついた……。ありがとう。
 今度会えたならば笑って話せれば良いな。これでお別れだ」

サイはライガを背中に乗せ走り去っていった。
その背中は前よりも一段と逞しく見えた。

「……禁忌ですか。神がそのような愚行を?」

フィニティは二匹が去ったのを確認し話の続きをする
ウズキはフィニティの質問に対し呆れた顔をした。

「愚行? 違うディアルガは生物としては正常だよ。
 ただ恋をして子を育んだ。それだけだよ。
 つまりボク達はその創造主に言わせれば異分子ってわけ。
 神の力を不用意に使う危険なポケモンだと」
「え〜と僕等は存在すら許されないポケモンってこと?」

グレンの質問にウズキは首を縦に振る。
その事を聞いたグレンとフィニティは顔が真青になった。

「でもボク等は生きている……。その事を誰にも否定させない。
 否定される理由は無いはずだ……」
「では私達の相手は神……ということになるのですか?
 ディアルガ様やパルキア様と戦うのですか?」
「……ディアルガはともかくパルキアは十分にありえる……」

598 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/05/06(火) 23:05:30 ID:xl4QjEeU0
ウズキの言葉にグレンは考えていた。
なぜ彼女はここまでディアルガを信じようとするのだう……。
彼女はディアルガについてもっと重要な事を知っているのではないか……。

「ねえ、なんでウズキさんはディアルガと戦う事を想定としないの?
 確かに僕等はディアルガの血をひいてるよ……。でもそれだけが理由なんて思えないんだけど?」
「……ボクが怪しい。ボクが黒幕って言いたい回りくどい言い方だねグレン。
 ボクが信用できないならそれでも良い。ボクは一匹でも神と決着をつける……」

グレンとフィニティの睨み合いにフィニティはどうして良いか分からず慌てふためく。

「短い付き合いだったけど楽しかったよ。次に会ったらフィニティ……君のペンダントをボクが頂く。
 ……そうだ、最後に覚醒についてだけ教えておいてあげる。約束だからね。
 覚醒は本人の能力を数倍に跳ね上げ時を操る能力が使用できる。しかし使った場合は体力を著しく消耗する諸刃の剣。
 使うんなら慎重にね。もっとも自分の意思で君達が発動できるかどうかだけどね……。さよなら……」

ウズキはグレンとフィニティに背中を向けは走り去っていく。
もう辺りは暗くなっていてウズキの姿はすぐに見えなくなる。
グレンはその背中を睨み続けていた。


599 :交差点:2008/05/07(水) 22:12:48 ID:Z4PHztsw0
皆さんやはり神

600 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/05/08(木) 23:02:53 ID:wmgT+pVs0
続き。長編はエロを入れるタイミングって中々作りづらいですね……。
待っていた人がいたかは解りませんがグレン×フィニティ。主人公×ヒロイン。
長編では同じキャラの組み合わせのエロを何回か使うのはありなんでしょうかね?

10 孤独

フィニティは走り去っていくウズキを止められなかった事を後悔していた。
確かに彼女は不自然なまでにディアルガについて知っていた。
その意見にはグレンに賛成できる。でも言いすぎだ。

「グレンさん。少し言いすぎじゃありませんか……」
「ウズキさんは僕等に言えない事があるから……信頼してないから去ったんでしょ!」

フィニティはグレンの言葉に考える。
そうかもしれない。信頼していたなら全て教えてくれたはず……。
しかし彼女は何も言わずに去った。それは信頼されていなかった証ではないか。

「彼女は僕等を利用しようとだけだったんだよ! そうやって皆僕を……。
 僕は道具なんかじゃない! 道具なんかじゃ……」

グレンは頭を抱え込みうずくまる。
その目からは涙が溢れていた。

「僕は生きている! 僕は道具じゃない!」

フィニティは泣き続けるグレンをそっと抱きしめる。
辛い事を思い出しているのだろう……。
過去に何があったかは聞かない。ここで聞く必要はない。
今、彼に必要なのは優しさだ。

グレンはフィニティの行動に目を丸くした。
そしてその目から涙は消える。

601 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/05/08(木) 23:03:29 ID:wmgT+pVs0
「私達は道具じゃありません……。だから神に勝たなければなりません……。
 私達の存在理由を神に見せなければなりません……。
 そのためにはウズキさんの力は必要なんです……。
 だからグレンさんも私と一緒にきてくれますか?」
「……フィニティさん?」

フィニティはグレンを抱きしめたまま話を続ける。
グレンはフィニティの話を静かに聞いていた。

「私の一族はディアルガ様の血をひいてることを誇りにしてきました。
 そのため周りの目は冷ややかなものでした。あいつ等は神を名乗り神を愚弄したって……。
 そして一族全員……殺されたんです……。私に残ったのはこのペンダントだけでした……。
 ディアルガ様の血をひくことを誇りにし……その性で全てを失いました……。
 私もあなたと同じなんです……。ずっと一匹で……一匹にも見られず……。
 だからグレンさんとウズキさんに会えたとき嬉しかったんです。
 仲間に出会えたんだって……。でもそれは私の一方的な片思いだったんです。
 そうでしょ? ウズキさんは私たちを置いて……行ってしまったんですから……」

今度はフィニティが泣き出してしまう。
グレンは先ほどのフィニティのように優しく抱きかかえた。
彼女も自分と同じなんだ……。ずっと一匹で生きてきたんだ……。誰かを必要としていたんだ……。
慰めの言葉を言おうと口は開いたとたん何かに口を塞がれた。
それはフィニティの唇だった……。ただ唇が触れただけ……
グレンはその事を……フィニティの行動を理解できなかった。

「……グレンさん。私はずるい雌かもしれません……。
 今だけでも私を愛してくれませか? 今誰かの愛が欲しいんです……
 そうじゃないと私……不安に押し潰されそうで……怖いんです。
 本当は名前……無限って意味じゃないんです。逆に終焉を意味してるんです……。
 誰にも必要とされないまま死んだらどうしようってずっと考えてて……。
 だからあなたが私をどう思っていようと構いません。
 ……私を抱いてください……」

グレンはフィニティの言葉の意味を理解しようとする。

602 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/05/08(木) 23:03:53 ID:wmgT+pVs0
抱きしめる――かかえて包み込む。これではないだろう。これなら今もやっている。
ならばフィニティの言う抱くとは……性行為の事だろうか……。
いや、こんな純粋な少女がそんなこと言うはずが……。

しかしグレンの期待はフィニティの言葉が完全に打ち砕く。

「その……意味が解らないって顔してるので直球で言います……。
 わ、私と性行為をしてください!」

フィニティは顔を真っ赤にし恥ずかしそうにする。
グレンは口を開けたまま硬直した。
そして思考をフル回転させる。

ここまましても良いのか? それは向こうが了承している。問題ない。
親になんか言われないのか? フィニティの一族は殺されている。僕の親も事故で亡くなってる。問題ない。
僕はフィニティが好きか? 顔も性格も良い。正直、好みの少女だ。問題ない。
他にも脳がいくつかの質問を提示するが答えは全て――問題ない。

グレンも顔を紅くしてフィニティに答える。

「その、僕で……僕なんかで……良いのなら喜んで」

それで彼女の心が救われるのなら僕は彼女を受け入れよう……。

フィニティは笑顔でもう一度キスをした。

603 :◆zzt9RnTpGo :2008/05/10(土) 00:13:34 ID:LPvxOQmY0
ちょっとwikiを見てきて思ったけど333氏や28×1氏はどこに行ったのか?
もし見ているならコメをください!

604 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/05/10(土) 23:24:26 ID:ZEYO8AL20
続き。Wikiに自分のページを作ってみました。
今までの小説をまとめて読みたいという物好きの方がいらしたらどうぞ覗いてやってください。

11 愛

グレンとフィニティはキスをしている。唇が触れ合うだけのキスではない。
互いに舌を絡ませあい唾液を交換する。いわば愛し合う者にとっての儀式のようなもの……。

「フィニティさん……本当に良いんだよね……」
「はい。それとフィニティって呼んでください。だから私もグレンって呼んで良いですか?」
「もちろんだよフィニティ」
「ありがとう……グレン」

二匹は再度キスをする。
グレンはフィニティを仰向けに寝かせる。
そのことで普段は隠れて見えないフィニティの秘所が隠されることなく覗かせる。
グレンは始めてみる雌の秘所に釘付けになった。

「……恥ずかしいのであんまり見ないでください……」
「でも誘ったのはフィニティだよ……」

グレンはフィニティの股間に顔を埋め舌で舐めてみる。

「グレン!? そんな所……舐めたら……汚いですよ……」
「フィニティのここが汚いわけないよ……。だってこんなに綺麗なんだよ……」

グレンは再度、舌で秘所を舐める。
フィニティは舐められるたび快楽の声を上げ愛液が滴り始めた。
静かな夜に水を舐める音と少女の喘ぎ声が響き渡る。

「グレン! そんなにされたら私……変になってしまいそう!」
「じゃあ僕がもっと変にしても良い? 答えは……聞かないけど……」

グレンはそう言うと秘所の突起物を甘噛みする。

「グレン! そ、そんな!? ダメ! もうダメェェェ!!!!」

フィニティは悲鳴にも似た声を上げ愛液をグレンの顔に引っ掛けイってしまった。
グレンは嫌がることなくフィニティに笑顔を見せる。

605 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/05/10(土) 23:25:59 ID:ZEYO8AL20
「ハァハァ。グレン……今度……私にやらせてください……」
「うん……。お願いする……」

グレンはフィニティの前に大きく太くなったモノを出した。
フィニティは前足でグレンのモノを持ち先端を一舐めする。

「うぅ良いよ……フィニティ……」
「良かった……感じてくれて……私……初めてなんです……こういうの……」

モノを前足で持ち顔を赤らめる美少女……。
グレンはフィニティを見ただけで更にモノが大きくなる。

「ヒャッ! もっと大きく!?」

フィニティは更に大きくなったモノを再度舐めだす。
今度は一度だけではない。何度も何度も舌を這わしていく。

「フィニティ! 離れて! 僕……のが!」

グレンが叫ぶと同時にモノから白い白濁の精液がフィニティの顔面を汚す。

「ご、ごめんフィニティ……。僕の……かけちゃって……」
「グレンこれでおあいこですよ……。続き……してもらえますか?」

フィニティは仰向けになりグレンを誘う。
グレンもその誘いに答えフィニティに被さる。

「行くよ……フィニティ……」
「グレン……来て……」

グレンは頷きゆっくりとフィニティにモノを入れていく。
初めてと言ったフィニティの言葉も割には愛液のおかげで途中までスムーズに入っていった。
何かにぶつかりグレンのモノは止まる。

「……今更言う事ではないとは思うけど……僕はフィニティが……好きだよ……
 でも……フィニティは僕の事……どう思ってるの? 好きでもないなら……ここでやめたほうが……」
「私も……好きですよ……グレンが……。でなければ……頼みませんよ……」

606 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/05/10(土) 23:26:34 ID:ZEYO8AL20
グレンはフィニティの確認を取り壁を突き破ろうとする。

「あうぅ……」

フィニティは目を閉じ必死に痛みに耐える。
一瞬激痛が走りグレンのモノは全てフィニティの中に納まった。

「凄い……グレンのが……入ってるですよね……」
「……うん。フィニティの中に僕のが全部……」

二匹は互いのモノが入ったのを驚いていた。

「フィニティ……動くよ……」
「あなたを感じさせて……」

グレンはゆっくりと動き始める。
初めて味わう快楽に二匹とも長く持ちそうに無い。

「ごめん……フィニティ! もう僕!!」
「お願い! グレンのを私の中に!」

フィニティはグレンが離れないように前足を背中に回し抱きついた。

「フィニティィィィ!!!」
「グレェェェン!!!」

二匹は同時に果て、互いの名を絶叫した。
一度出したにも関わらずグレンは濃い精液をフィニティに流し込んでいく。
結合部からは中に入りきらなかった精液が溢れてきた。
グレンは残りの力を振り絞りフィニティからモノを抜きそのまま眠りについた。
フィニティもグレンと抱き合ったまま眠りにつく。
足りなかった愛を互いで埋めあうように二匹は幸せな顔をしてその日を終えた。

607 :ジャンク:2008/05/11(日) 14:21:05 ID:uYLCwux+0
久しぶりです。
かなり遅くなりましたが打ちます。

「もうそろそろ戻ろうかな」
僕は考えながら歩いていると、
トン、トン、
「ん、なんか呼んだ」
背中をたたかれて振り返ると
ムウマが立っていた。
「こんばんは」
「うぎゃああああ、おお、おばけ」
僕は一目散に逃げた。

「うあああああ」
ゴン、ガン
「いった〜」
僕は無我夢中で走っていたので木にぶつかりカーゴの実が頭にあたった。
痛さのあまりに転げまわっているとき、近くの茂みが動いた
「大きな声を出しすぎたせいで野生のポケモンが気付いて来たかもしれない……技の出し方も知らないのにどうしよう」
僕は痛みに何とか耐えて起き上がって後ろに下がろうとした。
そのとき茂みからゆっくりと姿を現した
「なんだ、さっきの悲鳴はブースターだったんだ」
「えっ!!」
僕は目を疑った
目の前にポーチを首にぶら下げたアブソルが出てきたから
「アブソル無事だったんだね」
「あんた、だれ、気安く名前を呼ばないで」
アブソルはとても冷たかった


「何いってるのアブソル僕のこと覚えていないの」
「だからあんたなんて知らない……それよりあんたが今、着てるコート私のだから返して」
「これはもともと僕のだよ」
「拾ったから僕のものて、ふざけないでそれはケンのコートよ」
「だから僕がケンだってば」
「ふざけるな……ケンは私の上で死んだのよ」
アブソルは怒っていったが目には涙がたまってた
「もう、どうしたら信じてくれるの」
「なら証拠を見せて」
「証拠って言っても何もないよ」
「じゃあ、ケンにしか答えられないこと聞くからそれでいい」
「う、うん 、いいよ」
僕は少しだけ不安だった。

608 :ジャンク:2008/05/11(日) 14:22:49 ID:uYLCwux+0
(僕にしか答えられないなら大丈夫だと思うけど……だけどやっぱり少し不安だな」
聞かれたことは、
本名、歳、生年月日、性格や、何が使えるか、何を嫌うか、アブソルと出会った場所などだった。
答えているうちに、アブソルの表情は変わっていった。
「じゃあ、これが最後……ケンの初恋の人は誰でしょう」
「えっ!!」
これには答えられにくかった。
「誰なの」
アブソルはじりじりとせまって来た
「それは……アブソ……」
言いかけたときにアブソルに抱きつかれた


僕は、一瞬のことで理解できなかった。
「な、何するのアブソル」
アブソルの顔を見ると泣いていた
「やっぱりケンだ、死んだケンがここに…居ることがとってのうれしい」
(僕はアブソルを悲しませていたんだ)
「ごめん悲しい思いさせて」
僕もアブソルのことを抱きしめた。
それからどのくらい経っただろうか、しばらくしてアブソルは落ち着いたのか抱きしめるのをやめた。
「なんでケンがポケモンになってるの」
「なぜなったのかそれは知らない……なんか声は聞こえだけ」
「そうなんだ……私は、ポケモンになったケンは前より好きだな」
僕の顔は赤くなった。
「そ、そんなことはいいから僕が住み始めた村があるからそこに行こう」
「照れてるのケンらしいね」
「そんなんじゃないよ寒くなってきたから」
アブソルはクスクスと笑った
「そうねじゃあ、道案内よろしくね」
「まかせておいて」
僕とアブソルは村に向かって歩き出した。

609 :パウス ◆EvJGalaxy2 :2008/05/11(日) 22:40:53 ID:1AKTrf4o0
>>604-606
フィニティ可愛いですわぁ。
グレンとフィニティの愛はここから始まるわけですね。これからも頑張ってください。

>>607-608
こまかいようですが……読点をしっかりつけた方が良いですよ。
読み手にとっても、そっちの方が見やすいですし……
「そんなんじゃないよ寒くなってきたから」→「そんなんじゃないよ、寒くなってきたから」とかですかね。

……ごめんなさい、偉そうで。

610 :ジャンク:2008/05/12(月) 16:22:24 ID:LQlu3E/Q0
いえいえとても参考になりました。
ありがとうございます。

611 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/05/12(月) 22:12:22 ID:c2tzdDQA0
続き。クゥとウヅキ再臨。

12 前夜

金と朱の二匹のロコン……。
前にも夢で見たこの二匹。
会った事はない。でも確かに知っている。
遠い記憶のどこかで僕は知っている……彼等を……



二匹のロコンが以前の崖で話し合っている。
一匹は金のロコンもう一匹は朱色のロコン。
クゥとウヅキだった。以前と違うところは数年後なのか二匹は成長していた。

「明日が成人の儀か……もう出会って四年になるんだよねボク等」
「はい。私達の群れは未成年の婚約は認められていませんから……。
 明日に成人の儀が終われば私達は結婚できるんですよね……」
「ロコンでいるのも今日までか……。クゥ、明日の夜は眠らせないよ……」

明日クゥ達の群れでは成人の儀が行われる。
成人の儀とは二十になったロコン達に炎の石を渡しキュウコンになり群れの一員として認める儀式。
未成年の婚約、性行為は認められていないため成人の儀を行うまで二匹の進展は微々たるものだった。
しかしそれも今日で終わる。明日からそんな束縛もなくなり二匹は恋人から夫婦になれる。

「はぁ〜。でもロコンの頃のクゥとできなかったのは群れの規制を怨むよ……」
「ウヅキさん……言ってる事がセクハラですよ……」
「今更気を使う仲じゃないでしょ。ボク等は将来を誓い合ったんだから」
「それとこれとは話が別ですよ! もうウヅキさんの馬鹿……」

ウヅキの婚約者発言にクゥは顔を真っ赤にした。
ウヅキはそんなクゥを見て大笑いする。

「あはは。クゥって本当に可愛い奴だな!」
「そんなに笑う事ないじゃないですか! 雄に可愛いって褒めてるんですか!?」
「……十分褒め言葉ですよお姫様」
「お姫様じゃないですよ! 私はこれでも雄なんですから!」

クゥが頬を膨らませウヅキがわざとらしく頭を下げた。
これではどちらが雄でどちらが雌か解らなくなりそうである。

612 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/05/12(月) 22:12:51 ID:c2tzdDQA0
「明日になれば君を抱いても問題ないんだよね。キュウコンに進化したクゥはどれだけ綺麗になるかな?」
「だからウズキさん……セクハラ発言です」
「気にしない気にしない。自慰を見せ合った仲じゃない。クゥが我慢できないって……。
 あの時はクゥも欲求不満になるなんて雄だよなぁ〜って思ったけどね」
「あ、あの話はしない約束じゃないですか! ……こう見えても私だって雄ですから……。
 欲求不満くらいにはなりますよ……」

クゥが最初は怒鳴るがどんどん威勢がなくなっていく。
ウヅキはそんなクゥを見て耳元で囁く。

「今日もする? ロコン最後夜になるわけだし……。それとも明日のために精力は残しておく?」
「明日のために取っておきましょうよ……。私……そんなに体力も精力もないですから……」
「……残念……。明日なら良いんだよね。今そう言ったし……」

クゥの言葉にウヅキは俯くがすぐに顔を上げ笑顔になる。

「そう言えば子供の名前はどうする? あ、でも雄か雌かで変わるもんね」
「ず、随分と気が早いんですね……。私……名前の候補ならありますよ。
 雄でも雌でも大丈夫そうな名前なんですけど……」
「クゥだって名前決めてるなんて十分気が早いと思うけど……」

クゥはウヅキの質問に恥ずかしそうに答えた。
ウヅキはクゥが名前を考えてるとは思っていなかったのか驚き半分、呆れ半分といった顔をしていた。

「……で、どんな名前? 教えてよクゥちゃん」
「ウヅキさん随分楽しそうですね……。それに……ちゃん付けまでして……。
 馬鹿にしてるんですか? そんなウヅキさんには教えません!」

クゥはまた頬を膨らませウヅキはいつものようにクゥに頭を下げ続けた。

613 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/05/14(水) 21:23:12 ID:EIVm5xgE0
続き。新キャラ登場。連続書き込みですみません……。

13 神の意思

森の中を三匹のポケモンが走っている。
そのポケモンは雌のキュウコン、雄のヘルガーとサンドパンだった。
年齢はキュウコンが二十前後、ヘルガーとサンドパンが更に五歳上といった感じだ。
リーダー格のキュウコンがサンドパンに質問する。

「ミナヅキ……この方角に盗賊団が逃げたのですね?」
「オレ……失礼……自分の掴んだ情報に間違いが無ければそのはずですアマツ様」

ミナヅキと呼ばれたサンドパンが返答する。
続いてアマツと呼ばれたキュウコンがヘルガーに話しかけた。

「ムオン……敵は多いでしょうけど……戦闘ではあなたが要です。頼みますよ」
「……御意……」

ムオンと呼ばれたヘルがーはアマツの前で立ち止まり頭を下げる。
ムオンが立ち止まったためアマツとミナヅキも立ち止まった。
その忠実さにアマツは苦笑いしミナヅキは呆れる。

「しかし……なぜアマツ様が自ら先頭に? 自分達だけ十分でしたのに……」
「私もディアルガの神子と呼ばれる存在……安全な場所で結果だけを待つわけにはまいりません」
「ですが……アマツ様に何かあっては時の教団は瓦解してしまいます。お気をつけて」
「解っています。ですからムオンとミナヅキに一緒に来てもらってのですから」

ミナヅキもアマツに質問し返答されると頭を下げた。
アマツは二匹に頭を上げるよう命じ再び走り出す。

「これ以上悪を野放しにしておく事はできません。ここで決着をつけますよ!
 ですが殺害は認めません! 必ず生かしておいてください」

争いはなぜなくならないの?
互いが血を流す事に意味なんてあるのですか?
力が支配し弱いもの一方的に押さえ込む。
確かに争いはなくなり平和になるでしょう。
しかしそれは誰かに与えられた見せかけの平和でしかない……。
そんな事をしても誰も幸せにはできないでしょう。
全ての者が手を取り合い平和の道を模索しなければ……。
時の神ディアルガ様の意思を私が継いでみせる!

614 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/05/14(水) 21:23:43 ID:EIVm5xgE0
アマツの号令にムオンとミナヅキは「……承知……」「了解しました」と返事をし後を追う。
しかしミナヅキは納得のいかない顔をしていた。

何が殺害を認めないだ……甘いんだよ小娘。
相手を一方的に蹂躙し力を見せる。
その行為を全ての悪に見せ付ける。
そうすれば相手は迂闊に行動できない。
時の教団に逆らうものはいなくなり……強者がこの島を統治する。
それはオレが望む……空間の神パルキアが望んだ世界。
それを実行できる力をこの組織は持っている。
だからオレはこの組織に入団し子の地位を手に入れた。
なのになぜ力を使わない! ぬるい……ぬるすぎる。
オレがこの組織を変えてやる……絶対に。



三匹が走り続けると大きな木の周りを囲むグラエナの集団が見えてきた。
集団の中心には一七歳前後のガーディとイーブイの二匹のポケモンが確認できた。
襲われるのは時間の問題だろう。子供二匹で勝てる相手で無い事は解っている。
子供で勝てれば時の教団が動く必要なんてない。

「いましたね……。ムオンは背後からミナヅキは地中から強襲してください。
 私は正面から二匹のポケモンを救出します。救出後は各個に敵を捕縛していきます。
 親衛隊の……あなた達二匹の力……頼りにしています。各員戦闘準備開始!」

ムオンとミナヅキはアマツの指示に従い行動を開始する。
アマツは単身で敵の集団へ飛び込んでいく。二匹のポケモンを救うためそして盗賊団を捕縛するために。
それはムオンとミナヅキを信頼しているからこそできる無茶な作戦だった。

615 :パウス ◆EvJGalaxy2 :2008/05/16(金) 23:12:24 ID:uFOldBBs0
>>611-614
クゥとウズキは、もうこういう関係になっていたんですね。
っていうか自慰を見せ合ったって……www

パルキアが悪役のような気がしてきました。実際はどうなのかわかりませんけど……



616 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/05/16(金) 23:38:00 ID:wUaFAhiI0
続き。パウスさんコメントどうもありがとうございます。
ウヅキは頻繁の下ネタをさせます。エロ小説スレだから下ネタくらいは平気……ですよね?
主人公達がディアルガの血を引いてるのでパルキアはまぁ……そういうような立ち位置に。

14 成敗

グレンとフィニティが目を覚ますと周りにはグラエナの集団がいた。
全員怖い顔でこちらを睨んでおり自分達の状況が穏やかでなおこと知る。
グレンとフィニティが抱きあって震えていると大柄のグラエナが前に出てくる。
グラエナは二匹を値踏みするようにジロジロと見ていた。

「ククク。イーブイの方は中々の上物だな……。ガーディの方は殺せ」

グラエナの言葉に他の部下達が返事をした。
二匹が襲われるのは時間の問題だった。
群のグラエナが襲いかかろうとした瞬間に周りから悲鳴が聞こえていた。

「ッチ。どうした何があった!」

不測の事態にグラエナたちはパニックになりリーダーの指示など耳に届いていない。
グラエナは自らグレンとフィニティに近づこうとするが炎が目の前を走り立ち止まった。

「罪を犯す不届き者よ! この私アマツが神に代わりあなた達を成敗します!」
「まさか時の教団トップのアマツ様自ら出陣ですか? 暇なんですね〜」

火を吐いたそのポケモンは二十前後の美しいキュウコンだった。
グラエナはそのキュウコン見て悪態をついた。

「……だがな小娘一匹増えたくらいで変わらないんだよ!」
「私は一匹でここに来た訳ではないですよ」

アマツが言った途端に混乱はさらに広がった。
後方からはムオンが地中からはミナヅキが姿を現す。

「……討伐……」

ムオンはグラエナの群に火炎放射を放つ。
直撃する者はいないにしろ混乱が続き逃げ出す者まで出ている。

617 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/05/16(金) 23:38:47 ID:wUaFAhiI0
「……おいおい。森で火炎放射なんか使うなよ……。アマツ様もムオンになんか言って……」

ミナヅキはムオンの行動をアマツから止めてもらおうとするが言葉は途中で消えた。
アマツの目の前も何かで焼き払われた後があったからだ。

「……何で炎ポケモンはこう使う場所を選らばないんだ? 森の木に火が引火したらどうすんだよ……」

ミナヅキは頭を抱え呆れる。
グレンとフィニティはあっという間に壊滅していくグラエナの群を茫然と見ていた。

「くそ! 撤退だ! 撤退するぞ!」

リーダーのグラエナが叫ぶと他のグラエナも逃げていく。

「ムオン、ミナヅキ追いかけますよ!」
「ご心配なくアマツ様」

アマツがグラエナを追いかけようとするとミナヅキは余裕の笑みをした。
アマツはその笑みを見て困惑する。

「なんだこれは! グワワアアアア!!!」

逃げたはずのグラエナ達から次々と悲鳴が聞こえてくる。
グラエナの方を向いてみると全員が落とし穴にはまっていた。

「ムオンとアマツ様が撹乱している間に掘っておきました」
「流石はミナヅキ。素晴らしい手際の良さですね」
「お褒めに与り光栄です」

ミナヅキは膝を付き頭を下げた。

「……捕縛……」

ムオンはグラエナの群の捕縛を開始していく。
ミナヅキはグラエナの数を数える。

618 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/05/16(金) 23:39:18 ID:wUaFAhiI0
「リーダーの捕縛には成功。団員は三匹ほど逃げたみたいですね。探し出しますか?」
「リーダーの捕縛で十分です。帰還しますよ」

アマツはムオン、ミナヅキと共にグラエナを連れ帰えろうとする。

「あ、ありがとうございました……」

グレンは去ろうとするアマツにお礼を言う。
アマツは振り返りグレンを見る。

「弱い者を助け悪を成敗するのが私達の使命。お礼を言う必要はないですよ」

アマツは再び振り帰りムオンとミナヅキに指示を出す。
ミナヅキはチラチラとグレンとフィニティを見ていた。

「アマツ様……調べたい事があるのですが……先に帰還してもらっても良いですか?」
「解りましたミナヅキ。ムオン行きますよ」

アマツはムオンと共に歩き出した。
ミナヅキはアマツとムオンが見えなくなったのを確認し振り返る。

「君達ウヅキって名前のオレと同い年くらいの雌のキュウコンを知らないか?」
「……いえ、キュウコンに知り合いはいませんので……。
 あ、でも! ウズキさんっていう私と同い年の雌のロコンなら知ってますよ!」

ミナヅキの質問にフィニティが答える。
グレンはウヅキの名前を聞いてから夢の事を思い出していた。

ウヅキ……まさか夢のロコンの事かな?
でもあれは何年前の事かも解らないし……。
今は黙っておこう。

「ウズキか……。ありがとうディアルガの子孫達……」

ミナヅキの言葉にフィニティとグレンは顔を真っ青にする。
ミナヅキは振り返りアマツが歩いていった方に走り去っていった。

619 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/05/18(日) 22:37:27 ID:AK7zChjM0
続き。何か自分ばっか投稿してすみません……。連続しすぎですね……。
夢の繋がりを早く(?)も暴露。隠し事の向かない作者です。
15 ウズキとウヅキ

グレンとフィニティは走り去るミナヅキの背中を見ていることしか出来なかった。

「ねえグレン。ミナヅキさんってどう思います?」
「なんとなくだけどウズキさんに似てる気がした……」
「彼もディアルガの血をひく者だと思いますか?」
「……そこまでは僕には解らないよ……」

二匹をディアルガの子孫だと見破ったミナヅキは何者か。
いくら考えても答えは出なかった。
彼もウズキと同様に何かを知っているのは確かだろう。

「正体が解らないのはウズキさんもミナヅキさんも同じですね……」
「でもこれからどうするの? 二匹について調べてみる?」
「そうですね。取り合えずこの近くに住んでいたウズキさんからでしょうね」

二匹が今後の方針を決め立ち上がったら背後から声をかけられる。
それは二匹とも聞き覚えのある声だった。

「二匹でボクについてコソコソ調べるつもり? 何も解りはしないよ……
 ボクは他者と関係をつくらずに一匹で生きてきた……。
 つまりボクの事を知ってるのは君達とライガとサイの四匹だけって訳だ」

二匹が振り返るとウズキが立っていた。
しかしウズキの目は獲物を狙う狩人の目だった。
以前共に行動していたときの優しい目では無い……。

620 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/05/18(日) 22:38:07 ID:AK7zChjM0
「では、ミナヅキさんとは誰ですか!?」
「ミナヅキ……まさか! いや、そんな事は……」

ウズキはミナヅキの名を聞いて明らかに動揺していた。

「知ってるんですね……彼を……ミナヅキさんを」
「答える必要は無い……。君のペンダントをボクが頂く。
 別れるときそう言ったからね……」

グレンは考えていた。
もし仮にウズキさんが夢のウヅキと同一人物だとしたら……。

「ウズキさん……色違いのロコンのクウコって知ってる?  知ってるはずだよね……」
「……どこでその名を知った……」

グレンは間違いかも知れないがあえて強気に言ってみる。
ウズキはミナヅキの名前を聞いたときより動揺している。
間違いない……ウズキさんはウヅキだ。
年齢が違うのは彼女が使える神の能力だろう。

「僕達も答える必要はないんだから……」
「クゥは生きているのか!? 答えろグレン!」

ウズキはグレンを睨む。
グレンはまさかこうも簡単に話すなんて思っていなかったので沈黙した。

「黙ってるつもりか……それとも知らないのか? なるほどグレン……君は思った以上に神の血をひいてるみたいだな……。
 迂闊に喋ったボクが愚かだったよ……。ディアルガの血をひく先祖の過去の記憶を引っ張り出したんだろ?
 ここで消えてもらおうか……君がボクの正体を知るのは時間の問題だろうからね……」

ウズキはそう言うと足元から火が噴出し全身を包み込む。
いくら炎タイプで、もらい火持ちでも無傷で済むような炎ではない。

621 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/05/18(日) 22:38:35 ID:AK7zChjM0
「ウヅキさん!」

フィニティが叫んだかと思うと火の中からウズキが現れる。
しかしそこにいたウズキはロコンでは無い二十五歳前後のキュウコンだった。

「どう、綺麗だろう? 君達を消し去ってやろう!」

ウズキの目はキュウコンの赤い目から紅い目と変化を遂げる。
二匹に進化し覚醒したウズキに勝つ方法など無いだろう。

「僕がもう一度覚醒できれば……」
「無理だろうね……。ボクが簡単に覚醒できるのは君達よりも神の血が濃いからだ……。
 できたとしてもボクに勝てると思う? 覚醒しても互角以下だよ」

ウズキは明らかにグレンを見て嘲笑っている。
ウズキがグレンに近づき前足を振り落としグレンを地面に叩きつけ踏みつける。

「ライガにもこうやって踏みつけられたんだよね……。楽しいグレン?」

グレンは口をパクパクさせ必死にウズキに懇願の目を向ける。
なぜこんな事をするの? 僕達友達でしょ?
グレンの目はそう訴えかける。

ウズキの表情が一瞬だけ変わる。
その一瞬の顔は凶暴な顔ではなく友を思う優しい顔だった。

622 :BmB:2008/05/18(日) 23:47:31 ID:1iopLWzw0
PSPつぶれたので別のやつでの初書き込み。 蒼空さん おしろい展開ですね。続き待ってます。

623 :ジャンク:2008/05/19(月) 21:50:26 ID:bh6wg/dc0
蒼空さんすごい展開になっていますね。続きを楽しみにしています。
遅くなりましたが、打ちます。

「ここをもう少し行けばすぐだよ」
「ねえ、ケン」
「ん?なに」
アブソルが真剣な顔で話しかけてきた。
「ケンはどうしてそこまでするの」
「案内するって、行ったから」
「違うその事じゃなくて、何で光の世界を守りたいのかってことよ」
「それは、こんなきれいな世界を消すなんて、僕は嫌だから」
アブソルは、にっこり笑った。
「そうだよね。ケンは、何でもほっとけない正確だもんね」
「それは関係ないだろ」
「関係あります」
「もういいよ。関係あるで」
僕はきりがないと思ってすぐにやめた。

「まだ着かないの」
「はぁ〜まだ着かないよ」
僕は、ため息が出てしまった。
「もう、つかれたよ」
アブソルはその場に座ってしまった
「座ってないで行くよ」
「え〜それなら、私を運んで」
「分かったよ」
(どうせ、こうしないと動かないだろう)
僕はアブソルを背中に乗せて歩き出した。

「あの時みたいだね」
アブソルは、クスクスと笑った
「もうやめてよ。思い出したくもないから」
「ごめんね、嫌な話をして」
それきり会話がなくなった
それから、しばらく歩いているうちに村に着いた。

「アブソル、着いたよ」
返事がなく、どうしたんだろうと思い見ると眠っていた
「仕方がないな」
僕はそのまま家に向かいアブソルをベットに降ろした
「まったく、安心して眠るなよな」
僕はアブソルと一緒に眠るのは気まずかったので、毛布を持ってソファで眠った。
あの謎の声のことを考えながら

624 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/05/19(月) 23:08:18 ID:BrHO4geA0
BmBさん、ジャンクさんコメントありがとうございます。
意外な展開になったでしょうか? いなくなっても再登場すれば目だってしまうウズキさんです。  
ウズキの謎は徐々に明かしていきますので気長に待ってくださると嬉しいです。


625 :パウス ◆EvJGalaxy2 :2008/05/20(火) 21:07:45 ID:oFB4HctI0
>>616-621
充分、意外な展開だと思いますよ?ウズキ強い……
やはり夢のウズキはウズキだったんですね(?) 続きに期待しています。



逃亡者 〜story11〜 ―救世主 小さな勇者―

グランスと私だけのこの空間。重くて、苦しいこの状況。更にガレナが無事かどうかも確かめられないこの歯痒さ。
一刻も早くここから抜け出したい。グランスが向こうを向いている今、絶好のチャンスだったが、私にはその勇気も無かった。
あぁ、なんて自分は情けないんだろう。

振り向いたグランスの目は、私を寝床の上から動かさないように注意しているのだろうか。
例え彼がそう思っていなくても、私をここに縛り付けるには充分過ぎた。
一日中続いている緊張感が、私の神経を蝕んでいく。

「さて、もう日も傾く頃だ。」
グランスは、丸太の机の上に置いてあった小さい何かを手に取り、ゆっくりと私の方へと近づいてきた。
その顔はどこか楽しそうな顔で、自分に屈服している私を見下すのが楽しくて仕方ないらしい。
何をされるのだろうと、あらゆる場面を想像したが、グランスのニヤついた笑みですぐに分かってしまった。
「…………………きゃあ!!」
だがすでに遅かった。グランスは私を仰向けに転がし、上から身体を押さえつける。
そしてさっき手に取っていたものを、反対の手の指で摘まんで見せた。
「これがなんだか解るか?」
それは小さな白い錠剤のようなもので、自然界で出来るような代物ではないことは一目瞭然。
私が想像したのは睡眠薬かなにかで、もしかしたら私が寝ている間に何かしようとしているのかもしれない、とある意味最悪なパターンが思い浮かんだ。
「何よ……それ………」
今、私はどういう表情をしているのかが解らない。怒りで引きつっているか、或いは恐怖で涙目になっているか。
そんなことも解らないほど心に余裕が無い。


626 :パウス ◆EvJGalaxy2 :2008/05/20(火) 21:08:13 ID:oFB4HctI0
グランスはまたにやりと口の両端を吊り、瞬時にその錠剤を私の口の中に突っ込んだ。
急に口の中に手を突っ込まれた私は軽い嘔吐感を覚え、嘔吐こそしなかったものの、暫く堰が止まらなかった。
「げほっ!げほぉっ!………………………な、何を……」
「避妊薬だ。お前も知っているだろう?俺が人間とつるんでいたことを……。
そいつから貰ったんだ。あいつの興味本位だったんだがな。」
グランスの腕は、がっちりと私を押さえつけて放そうとしない。必死に抵抗を試みるも、そんなものは意味を成さなかった。
「この薬は少々強く作りすぎたようでなぁ。大体四日ほど効果が持続するらしい。
なに、別に怖くなんか無い。ただ四日間、俺の捌け口となってくれればいいんだ。
別にこんなものは使わなくても良かったんだが、子供が出来てしまっては後々面倒だからな…」
「ちょっと、止めてよ!冗談じゃないわ!!」
火を吹いても、余計な体力を使うだけ。私にはグランスに傷一つさえつけられないのだ。
自分の非力さを痛感し、心が折れてしまいそうだった。

「……っ、………外が…騒がしいな。誰か喧嘩でもしてるのか?」
グランスの声で私も気が付いた。
微々たるものだが、外からは活気に溢れた怒声が飛び交い、家の僅かな隙間から耳へと入り込んでくる。
何をしているのかは解らない。だが、あれほど仲の良い森の住民達が、こんな大勢で喧嘩するなど考え辛いが……。
「まぁいい、そのうち治まるだろう。」
グランスは何も気にせずに、にやりと笑いながら私をまた見下ろした。
彼の目には、私は自分の欲を晴らす道具にしか映っていないだろう。
グランスは徐々に身を屈め、顔を私の身体に近づけていく。これから私は犯されるのだ。
いざ、その事実に直面すると、抵抗せずには―――悲鳴をあげずにはいられなかった。
「やっ、止めて!いやっ、いやぁぁあぁぁあぁあぁぁああぁあぁ!!!」
これでグランスの動きが止まるはずも無く、絶望の中、半ば諦めた―――その時!

ゴォン、という、入口を塞いでいた木の板が打ち飛ばされる鈍重な音が、私の悲鳴の合間を縫って聞こえた。
グランスと私の注目をそっちに逸らすには充分な音で、何があったとグランスが入口を見ると、その眼は皿のように丸くなっていく。
次に私がそっちを見た時、私は思わず泪がこぼれてしまいそうになった。

光をバックに佇むそのシルエットは、私が最も良く知るシルエット。
「ネフェリンを…………返してもらうぞ!」


やっぱり来てくれた―――――――――――――私の小さな勇者様。


627 :パウス ◆EvJGalaxy2 :2008/05/20(火) 21:16:37 ID:oFB4HctI0
>>626
うぉぉぉぉおぉぉぉぉ!!!
「咳」が「堰」になってる!!
ごめんなさい、頭の中で訂正をお願いします……orz

628 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/05/20(火) 22:31:56 ID:RQYOO3xw0
続き。フィニティ遂に覚醒。
パウスさんコメントありがとうございます。十分意外な展開でしたか。
一応過去の方はウ『ズ』キではなくウ『ヅ』キにしてるんですよね……。

16 覚醒進化

フィニティはウズキの行動を見ていることしか出来なかった。
目の前で友達同士が無意味に戦っている……。
それを止める事のできない自分に嫌気がする。

「ウズキさんなぜこんな事をするんですか!?」
「なぜ? 君達が知りすぎたからだ……。ただ言う事を聞いていれば良かったんだよ……」

ウズキはフィニティにも暴言を吐く。
言う事を聞いていれば良い……。道具になってれば良い……そう言ってるようにも聞こえた。

「私達は道具じゃありません! ウズキさん私はあなたを倒します!」

フィニティはそう叫ぶと目が紅くなり光に包まれる。
その光はどんどん大きくなっていく。
光が消えたとき、そこにいたのはシャワーズだった。

「フィニティも覚醒したか……。面白い相手になってやる。君の神の力をボクに見せてよ……」

ウズキはグレンを放り投げフィニティを睨む。
紅い目の二匹が睨み合う。
フィニティはウズキにハイドロポンプを放つ。
炎タイプウズキには最大のダメージとなる一撃。

「そんなもの……。消えて無くなれ……」

ハイドロポンプはウズキの言葉に反応するように消えてしまった。
よく見ると時間の歪みがウズキの前に出来ていた。
嘗てディアルガも使用し、グレンも使った基本の能力。

「ならこれで!」

今度はフィニティはサンダースに変化した。
高速の動きで放つ電撃は消える事無くウズキの左前足に直撃する。
電撃が直撃した後、時間の歪みが生じた。

629 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/05/20(火) 22:32:37 ID:RQYOO3xw0
「ッチ。やるじゃないか……。まさか時間の歪みを作る前に攻撃を当てるなんて……。でもね……」

ウズキは傷ついた自分の右前足を見ても無反応だった。
ウズキは右前足で左前足の傷を撫でると傷は何も無かったように綺麗になる。

「時間を操ればこんな事も出来るんだよ……便利だと思わない?」
「そんな……攻撃がきかない!?」
「こんなんじゃ神を倒せないよ……。神を倒すんでしょ?
 そうしなきゃ……君達は生き残れないよ……。
 まだ本気じゃないんでしょ? 見せてよフィニティ……君の本気を……」

そうだ私は神を倒して自分自身の存在理由を決める!
そのためにこんな所でやられるわけにはいかない!

「私は……神を超えてみせる!!」

フィニティが叫ぶとエーフィに変化を遂げる。
そして首のペンダントが眩く輝き始めた。

「これが私の最大の一撃!!」

フィニティのサイコキネシスがウズキに襲い掛かる。
ウズキは全面に歪みを作るも衝撃は消える事無く全身を襲って吹き飛ぶ。
全身傷だらけでそれでも立ち上がってきた。

「ふはは。やるじゃないか……これで良い……」

ウズキは笑い出すと再び全身に炎を纏った。
炎を振り払いでてきたのはロコンの姿のいつものウズキだった。
全身の傷は最初から何も無かったように存在しなかった。

「……もう十分だ。じゃあ頑張って」
「……どういうことですウズキさん?」

ウズキの行動がフィニティには理解できなかった。
ウズキは笑いながら話始めた。

630 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/05/20(火) 22:33:01 ID:RQYOO3xw0
「君達は神の力を使えた……。神と十分戦えるよ。君達を試すような真似をして悪かったね。
 後……進化したフィニティも可愛かったよ。ボクがいない間にグレンと何かあったんでしょ?
 グレンて呼び捨てで呼んじゃって……憎いね〜」

フィニティはウズキの言葉を無視し睨みつける。
その表情を見たウズキも真剣な顔になった。

「ウズキさんは秘密を知りたがるのに自分の事は何も言わないんですね……」
「冗談は通じないか……。ボクの事知りたいの?」
「ええ。知りたいです」
「グレンもフィニティと同じ意見? 起きてるだろ解ってる」
「……気付いてたんだ……」

グレンはウズキに言われた通り起き上がり首を縦に振った。
フィニティはウズキに交戦の意思はもう無いと判断しイーブイに戻る。
疲れの性か足がふら付いたがグレンが支えたため倒れることはなかった。

「……なるほど。もう君達は運命から逃れる事はできない……。
 確かに知る権利はあるだろう。……と言いたいけどボクは秘密主義なんでんね。
 グレンがボクの事を知り始めてるし改めて言う事じゃないでしょ!」

グレンとフィニティはウズキの言葉に目を丸くした。

「な、何で話してくれないんですか!?」
「そうだよ! 話すような素振りしておいて!」
「ははは。それがボクってポケモンだ! グレンその事は夢でも解ってるだろ?
 ボクは誰かをからかうのが趣味の一つなんだよ。君達のさっきの表情……最高だったよ」

ウズキはグレンとフィニティに文句を言われるがまったく気にしない。

「まぁ……その方がウズキさんらしいか……」
「そうですね……。でもこれは真面目に答えてください。
 ウズキさんは私達と一緒にきてくれるんですか?
 一緒に戦ってくれるんですか?」

ウズキはフィニティの質問に笑顔で「勿論」と答えた。

631 :パウス ◆EvJGalaxy2 :2008/05/21(水) 20:42:32 ID:h8eT//uA0
>>628-630
あっ……本当にごめんなさい。確かに「ズ」ではなく「ヅ」でした……
吊ってきます…

これでウズキも、正式に(?)仲間となる訳ですね。
なんか皆神の力が使えて、とんでもないグループと化しt(殴
これからも頑張ってください。


632 :九十九:2008/05/21(水) 21:25:08 ID:MaUASZ/s0
>>628-630
何っ!?ウズキは敵じゃなかったのか!?くっ・・・蒼空さんの小説のストーリーのでかさにまんまと嵌められたぜ・・・
それはそれとして続きがんばってくださーい。

633 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/05/22(木) 23:34:17 ID:4tJN1IMM0
続き。読者に先の読めない展開になってましたか。作者としては勝った気分ですね。
ウズキさんは敵じゃないんですよ。何も明かさない、何を考えてるか解らない……。
そういうキャラをしばらく続けるのでウズキの行動にはぜひ注目を

17 力

グレンとフィニティは再びウズキと行動を共にする事にする。
ウズキは素性を明かしはしないものの今は信じるしかなかった。

「ところでウズキさんって実際は何歳なの? ロコンでは十六位だしキュウコンでは二十五位だったからさ……」
「雌に年を聞くのはタブーだと思うんだけどグレン君。ねぇフィニティ?」
「私は年齢よりも体重の方が禁句だと思いますけど……」
「……くそぉ。これだから若い奴は……。まぁ君達よりは遥かに年上だよ」

ウズキはフィニティの反応に悔しそうにする。
この言葉だけでも相当な年齢であることは予想がついた。

「じゃあ、何で名前ウヅキからウズキに変えたんですか?」
「今では『ヅ』より『ズ』の方が一般的でしょ? ちなみに今の方は渦姫(ウズキ)って書いてね。まあ後から考えたけど……」
「そんな事で変えるんですか……」

グレンの質問にウズキが珍しく答える。
フィニティはその答えを聞いて呆れていた。

「じゃあ今度はボクから質問しようかな? さっきの質問だけど昨日の夜に何があった?
 ボクが別れる前はグレンさん、フィニティさんって呼び合ってたのが呼び捨てだもん。これは気になるよ〜」

ウズキがニヤニヤしながら質問してくる。
大方の答えは予測しているのだろうがあえて本人の口から聞こうとするのがウズキらしかった。

「えっと……それは……ノーコメントで!」

グレンは顔を真っ赤にして答える。
フィニティも同じく顔を真っ赤にして首を縦に振り続けた。

「やったか……。二匹とも隅に置けないねぇ〜。ボクがいなくなったらするなんて。
 もしかしてボクは始めから邪魔者だった? そうだったら謝るよ」

ウズキの言葉に二匹は更に顔を赤くして黙り込んだ。
ウズキはその反応を見て大笑いする。

634 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/05/22(木) 23:34:49 ID:4tJN1IMM0
「良いよねぇ何も制約が無いのは……。ボクなんか成人の儀を終えてから……キュウコンになってからだもんなぁ……。
 ロコンの頃のクゥともやりたかったなぁ……。キュウコンでは綺麗だったけどロコンの頃は可愛くてねぇ……」
「ウズキさん。どう考えてもセクハラ発言ですよ……」
「フィニティもクゥみたいな事言うねえ。昔はよくそうやって言われたよ……」

フィニティの何気ない一言にウズキは目線を空に向け思い出に浸る。
その横顔は楽しげでもあり……また悲しげでもあった。

「今、クウコさんは何してるの?」
「生きているのか……死んだのかも解らない……。
 ある事件で離れ離れになってそれから会ってないんだ……」

グレンはウズキの答えに口を閉じてしまう。
フィニティはウズキも答えを聞いて何かを思い出している様子だった。

「だからこそ……ボクは戦うんだ……。もう何も奪われないように……」
「ウズキさんは強いんですね……。戦う理由を……信念を持っているんですもの……」
「ボクは弱いよ……確かに力はあるかもしれない……。でも何も守れなかった……
 愛した雄も娘も……何も守れなかった。何も救えなかったんだボクは……」

ウズキは二匹に背中を見せた。
それはウズキが他者に弱さを見せたくなかったからかもしれない。

「……だからかな。ボクが君達に協力するって言ったのは……。
 もう誰にも大切なモノを失ってほしくないんだ……」
「ウズキさん……。今はその言葉だけで十分です。あなたが何者でも構わない……。だって私達の大切な友達ですから……」
「シリアスな過去話はここでおしまい! 二匹とも今日はもう寝たほうがいいよ! 特にフィニティは覚醒したんだから疲れてるでしょ?」

ウズキがこちらに笑顔で振り返る。
グレンとフィニティは「おやすみなさい」とウズキの挨拶をして眠りについた。

神と戦う事が運命ならボク等はその運命に挑む。
それが世界を変える事になろうとも……。

ウズキの笑顔はどこか寂しげで悲しい瞳をしていた。

635 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/05/24(土) 23:32:53 ID:TBhsvijo0
続き。現在Wikiで人気投票開催中。是非投票してみてください。
あなたの一票が物語を変える……かもしれない。

18 成人の儀

最近よく見る二匹のロコンの夢……。
ウズキさん……いや、ウヅキさんの記憶。
彼女は一体何者なのだろう?



成人の儀の当日、クゥは不安な顔をし、ウヅキは期待に満ち溢れた顔をしていた。

「ウヅキさんは不安じゃないんですか?」
「ん? 何が?」
「とぼけないでくださいよ! もうすぐ始まる成人の儀の事ですよ!」
「ん〜別に。特にする事ないじゃん。炎の石を渡してもらってキュウコンに進化する……何が不安?」

ウヅキの反応にクゥは更に不安になった。

ウヅキさんはなぜここまで気楽でいられるのだろう……。
自分の姿が変わってしまう事に不安にならないのだろうか……。

「う〜ん。言い方が悪かったかな? 成人の儀が終わればボク等は自由になれるんだよ!
 確かに悪い言い方をすれば守られる事はなくなり全ては自己責任になるけど……。
 ボクは進化してこの世界がどう変わるのかを見てみたい……君と共に……」
「もぉウヅキさんったら……。恥ずかしい事も平然と言えるんですね」

ウヅキの言葉にクゥは顔を真っ赤にし俯いてしまう。
ウヅキはクゥの顔を見て微笑んでいた。

「じゃあ、ボク等も広場に行こうか!」
「そうですね……」

ウヅキは軽い足取りでクゥは重たい足取りで広場に向かっていった。

636 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/05/24(土) 23:33:37 ID:TBhsvijo0
広場につくと十数匹のロコンにその親だと思われるキュウコン達が集まっていた。

「ふ〜ん。結構いるみたいだね……暇人の親が。まぁボク等に親は関係ないしね」
「私はそうですけどウヅキさんも親……来ないんですか?」
「親? ボクに親はいないし」

四年間つき合って来たがウヅキが自分の事について話すのは殆どなかった。
クゥはその事実を知って困惑している。

「……え。親……亡くなったんですか?」
「う〜ん。まぁ厳密には違うけど……そんなとこかな。嫌いでも……憎んでいてもいるだけ良いんじゃない?」

クゥはウヅキという人物が解らなくなっていた。

なぜ彼女は親を失ってこんなにも明るく振舞えるだろうか?
それとも、ただ強がっているだけなのだろうか?
私は親に虐待を受けたのに親がいる事に安心してるの?
私は今……確実にウズキさんに同情していた……。
私は親をどう思っているのだろう……。

クゥが考えている間に四十過ぎの雄のキュウコンが前に出る。
その事で親達は離れていき、クゥとウヅキを含むロコン達は一列に並びだす。

「さぁ皆の者。今宵はこの者達の成人の儀を執り行なう!」

そのキュウコンの一喝で辺りは更に静まり返る。
その一喝で時間が止まったような錯角さえ感じた

「我等は大人になりゆく子供達に炎の石を託そう!」

637 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/05/24(土) 23:34:08 ID:TBhsvijo0
長の言葉に昨年儀式を終えたばかりの若い雌が炎の石の詰まった籠を咥えて来る。
そして、その石を一つずつロコン達の前に置いていく。
石を前にしたロコン達の反応は様々なものだった。
期待に胸を躍らせる者……不安な表情を浮かべる者……実感がわかないのか無表情な者。
クゥがウヅキの方をチラッと見ると彼女は以外にも無表情だった。
先ほどの笑っていた表情はない……ただ炎の石を見つめている。

「さぁ子供達よ大人への第一歩を踏み出すが良い!」

長の言葉にクゥは慌てて前を向きなおす。
その言葉を聞いたロコン達は次々に炎の石に触れ眩い光に包まれていく。
ウヅキも炎の石にそっと前足を置いくと当然例外なく光に包まれる。
クゥもウヅキが前足を置いたのを確認し石に触れた。
ロコン達から光が消えたとき既にロコンは存在しない。
全てのロコンはキュウコンへと進化した。

「では今夜は皆で成人した者を祝福しよう!」

長の一言で場は一気に盛り上がり親達は進化した我が子の元へ駆けつける。
そんな明るい場の中でウヅキとクゥは誰にも祝福される事はなかった

638 :パウス ◆EvJGalaxy2 :2008/05/25(日) 16:03:56 ID:tR3cCajc0
>蒼空さん
ウズキの年齢がやたら気になるのは何故でしょう?
十数匹のロコンたちを進化させる、数十個の炎の石は一体どこかr(ry


成人になったということは、ウヅキとクゥは………ヤバイ、変な妄想が…


〜story45〜 ―命令―

スイクンのおかげで、『A・G団』の基地まであと僅かというところまで、たった一晩で来ることが出来た。
スイクンに振り落とされないようにするには結構な力が必要で、今の休憩時間は俺のためにある。
パイロープ、ルベライトはまたバトルの特訓だ。どうやら、あの融合イーブイに完膚なきまでに叩きのめされたことで火がついたようだ。
勿論その相手をしているのはスイクンな訳だが、こいつが思った以上にスパルタでいつも倒れるまでやっているのだ。

ルベライトの両鎌が輝き、それを振ると、大きな風の刃が目に見えるほどまでに圧縮され、スイクンまで一直線に突撃していく。
スイクンがそれを片前足でなぎ払ったところを、いつの間にか死角に回り込んでいたパイロープがから拳を突き出した。
身体に突き刺さるんじゃないかというくらい勢いのあるパンチだったが、スイクンの鋼の肉体にはめり込みもしない。
スイクンが全身に力を込め、思いっきり吠えると、何処からとも無く大規模な爆風が襲ってきた。
遠くにいたルベライトはそれを何とか堪えたが、今まさにスイクンの身体に触れていたパイロープの体は吹き飛ばされ、地面に叩きつけられてしまった。
「痛ってぇぇ!!もっと加減しろって、スイクン!」
「甘えるな!それに、今のは本の4割程度の力だ。」
スイクンの喝に、パイロープは立ち上がったそばから尻餅をついた。
「い、今ので4割って……お前どんだけ力あんだよ!やっぱお前を女と認めることが出来ねぇ!」
―――自然界では男も女も力の差はないと思うが……
驚いてるのか怖がっているのか、まるで子供のように呆然と見上げるパイロープを上から見下ろしながら、スイクンはにやりと笑う。
「我が本気の一撃、喰らってみるか?」
その一言だけで、パイロープの顔色は深い海のように真っ青になった。


639 :パウス ◆EvJGalaxy2 :2008/05/25(日) 16:04:17 ID:tR3cCajc0
スイクンのスパルタ特訓にようやく休憩が取られたころ。パイロープ達は死にそうなまでに行き絶え絶えとなっていた。
一方のスイクンは疲れの色一つ見せない。
「……大丈夫なのか?あいつに任せても………」
明らかにさっきとは違う、いつもより真剣な声は俺に向けられたものだ。
「あぁ、どうせ時間稼ぎだ。俺たちが基地に戻るまでの間、ただばれなきゃいい。それにもうこんなにあいつらから離れたんだ。例え、今ばれたとしても問題ないだろ?」
「それはそうだが………私は嫌な予感がするのだ。」
スイクンな真剣な顔のまま、ぐったりと倒れているパイロープ達の方を向いて座り込んだ。
「あいつらはどう思う?」
俺がパイロープの方を指差すと、スイクンは視線を逸らさないまま小さく笑う。
「まだまだだな。私の傷一つ附けられないようじゃあ、この先どうなることやら………」
相変わらず厳しいスイクンだが、「だが、まだ伸びる余地はあるな。」と珍しくほめ言葉ともとれる言葉を吐いたのに、俺は無性に嬉しくなった。

『ジッ……おい……ザザッ…ジェード………聞こえるか?』
すぐ脇に置いていた無線が突然雑音を漏らし、その後に誰かの声を通信し始めた。
『お前……今どこにいるんだ。』
この声はシェルだった。少し不機嫌気味の様子に、やべっと顔を顰める。
すぐに無線を手に取り、口を寄せて応答した。
「あぁ、すまんすまん。今そっちに向かってるところだ。もうすぐ着く……はず。」
シェルは暫くなにも言わない間をつくり、それから深くため息をついた。
『お前が何故……ザザッ…俺と同じ幹部なのかが解らんな。連れてくポケモン達も役立たずばかりで……』
この言葉には腹が立たずにはいられなかった。
俺が幹部にふさわしくないのはいいとして―――パイロープ達が役立たずだと!?
「ふざ―――」
「なんだとてめぇ!!もう一度いってみろやぁぁぁ!!」
我慢できない怒りに任せて怒鳴ろうとした俺を押し退け、パイロープが代わりに無線に怒鳴りつける。
無論ルベライトも納得のいかないような表情だったが、それよりも今パイロープがしている行動に驚いているようだった。


640 :パウス ◆EvJGalaxy2 :2008/05/25(日) 16:05:43 ID:tR3cCajc0
「てめぇみてぇに踏ん反り返った奴なんかより、ジェードの数倍も―――」
「やめろ!………すまん、今のは聞かなかったことにしてくれ。」
慌てて無線を取り返し、煮えたぎる憤りを抑えながら気にしてないように振る舞った。
自分を抑えられたのは、パイロープが何を言おうとしていたが解ってしまったからだ。
ありがとうな。そう内心で深く感謝しながら、シェルに続きを請う。
『………随分にぎやかなこ…ザザッ…だな。まぁ…ザッ…いい。
 ……お前には戻ってきてもらう前に……ザザッやってもらいたい仕事がある。』
急にノイズが増した通信は、シェルを更に不機嫌にした声の代わりなのかもしれない。

奴が本気で怒れば、俺達なんか一瞬で消せてしまう。
ネルピスやらエバトイルやらを使って俺達を殺し、スイクンはなんとしてでも捕らえようとするだろう。
それだけは絶対に避けなければならない。
「……なんだ?」
益々不機嫌になったシェルを怒らせないためにも、ここは黙ってこれから言われるであろうことを遂行するしかなかった。
『例の融合体のことなんだが……ザザッ…ザッ……どうも戻って来る気配がなくてな。この前は負けたらしいが…………またお前がなんとか…ザッ…て捕らえて来い。』
その命令は、実行したくないものだった。
今は奴らのもとに戻ったらどうなってしまうことやら。奴らが俺を恨む材料はこの前のクロガネゲートでの一戦の他にもあるのだ。それも超大なものが―――。

「分かった………すぐに奴らのもとに向かう。」
そう静かに言い放って通信を切り、力が抜けたようにその手を下げた。
何が起こったかと回りに集まるパイロープ達に、シェルからの命令の内容を教える。
「今から……あの融合体のところへと…………戻る。」
全員が驚き、息を呑む。そして、その視線が一点に集中した。
その先にあるさっきまで俺が座っていた岩の上に、一個のモンスターボールが転がっていた。

――――――――――――――――
何だか改行が少なくてぐちゃぐちゃしてますね。
ごめんなさい、読みにくいでしょう…

641 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/05/25(日) 20:22:03 ID:/a11/EPA0
続き。更新スピードを上げてクゥの出番を増やし人気を上げようかななんてそんな事ははないです。
パウスさん雌の年齢を気にしてはいけないんです。炎の石に関しては今回の話で明らかに。
次回は遂にクゥ×ウヅキのエロを予定。エロ久しぶりですね……

19 神という存在

ウヅキとクゥは宴を隅の方から眺めていた。
始めから『自分達は関係なかったのだ』とで言うように……。

「こういう場面では寂しいもんだね……」
「そうですね……」
「慣れてはいたつもりだったけど……虚しいな」

ウヅキの言葉にクゥも黙ってしまった。

「もう行こうか……。ここにいても気が滅入るだけだし……」
「そう……ですね……」

二匹は広場に背を向け歩き出す。
クゥが何かを探すように後ろをチラチラと見ている。

「本当は両親に来てほしかったんでしょ?」
「え? そんな事は……無いと思います……」
「素直じゃないね……君もボクも……」

ウヅキは振り返りクゥを見た。
クゥの表情は暗かった。まるで『待ち合わせをしたのに来てくれなかった』そんな表情だった。
クゥはウヅキの行動に首を傾げる。

「そうだ、まだ言ってなかったよね。キュウコンに進化したクゥも綺麗だよ。銀の体毛が良く似合ってる」
「ウヅキさん……。あなたも大人びて美しくなったと思いますよ」

二匹が互いに褒め合い笑い合う。
この瞬間こそが二匹の求めていたものなのかもしれない。

「じゃあ今夜はボク等が出会った思いでも場所で……たっぷり愛し合おうかクゥ」
「もうウヅキさんったら……。でも私もあなたが欲しい……。今日は私を一匹にしないでください」

クゥはウヅキに抱きついた。
ウヅキは一瞬戸惑ったがクゥを抱き返す。

642 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/05/25(日) 20:22:35 ID:/a11/EPA0
「……愛してるよクゥ」
「……ウヅキさん私もです」

二匹は広場を後して思い出の地へと向かって行く。
勿論二匹が広場を後にした事に気づく者はいなかった。



崖の上に着いた二匹は並び合い星を眺めていた。
この崖は自殺の名所としても有名だが炎の石が採れる貴重な場所でもある。
そのためキュウコン達の群だけでなくウインディの群もまたこの周辺に縄張りが存在する。
後は物好きなイーブイも見かけることがあり、以外と活気のある場所。
……と言っても年がら年中、炎の石を取りにくる者はいないので今はウヅキとクゥの二匹だけである。

星と炎の石の輝きの幻想的な丘。この景色ゆえに輝きの丘とも呼ばれていた。
呼ばれてはいるが自殺の名所である方が有名なため、用のない者は物好きでない限りこの場に近寄らない。
それがウヅキとクゥは二匹だけでいられる一番の理由だった。

誰にも祝福されない二匹を祝福するように炎の石は月の光で眩く輝いている。
美しい風景に金と銀の美しいキュウコン達……これだけでも十分絵になっているだろう。

「夜はこんなにも暗く不安にさせるのにウヅキさんと一緒と思うと安心できますね」
「そう言ってもらえるとボクも嬉しいよ。似てるんだよね……ボク等は」
「ええ。こんなにも違うのにこれだけ一緒の事もあって……。出会えたことを神に感謝ですよね」
「神に感謝か……。ボクは神は嫌いだ。高い所で見下ろされてる感じが特に……」

ウヅキの神に対する反応はこの時代のこの島では珍しいものだった。
時の神ディアルガによって創られた世界。神を否定するのは世界を否定することになる。
神の戦いの起こったと伝わるこの島ではそういう考えが普通だった。

「神が嫌い……なんですか?」
「好きか嫌いかの二択なら嫌いだね……。神はボク等に何をしてくれた?」

643 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/05/25(日) 20:23:04 ID:/a11/EPA0
ウヅキの言葉にクゥは黙ってしまった。
答えは出るはずもない。ディアルガは世界を見守っているだけの存在。
始めから神は何もしていないのだから……。

「世界の民を守る事が神の行いだとすればディアルガは何もしていない……。
 これじゃあ、勝利するのはパルキアの方が良かったのかもしれないよ」
「パルキア……この世界を力で支配しようとした好戦的な神……ですよね?」
「そう……。でもパルキアの考えだって別に悪い訳じゃなかった。
 ただディアルガに敗北したから……それだけで悪者扱いだよ?
 この世界に正義なんてないよ……。それは神でも同じ事……。
 何が正しくて何が間違っているかなんて誰が決める事?」

ウヅキの話はクゥを混乱させるには十分だった。
難しい話の性でクゥの思考は停止寸前になっている。

「……ごめん。変な話をしちゃったね。難しい話は終わりにして今日は楽しもうかクゥ!」
「は、はい! そうですね!」

クゥはようやく思考が戻りウヅキの言葉に慌てて反応する。
ウヅキはクスクスと笑いながらクゥを仰向けに押し倒した。

644 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/05/27(火) 23:19:45 ID:yS2MlCXw0
続き。お待たせしました。クゥ×ウヅキ、エロシーン突入!

20 開放されし束縛

ウヅキは倒れたクゥにキスをする。
当然、唇が触れ合うだけでは終わらない。
始めはクゥも驚いたが次第にウヅキの舌を受け入れ始めた。

「四年という歳月は長くもあり短くもあった……」
「……もう私達を縛るものは存在しないんですよね」

ウヅキは首を縦に振り前足をクゥの股間へと持っていく。
クゥはウヅキの前足が自らのモノに触れると体をビクリと振るわせた。

「ウ、ウヅキさん!? そんないきなり……」
「どう? 自分でするより気持ちいい?」

顔を赤くするクゥに対しウヅキは意地悪な質問をする。
クゥは顔を隠しながらも恥ずかしそうに首を立てに振った。

「うん。良い子だ……。もっと気持ち良くしてあげるからね……」

ウヅキはクゥのモノを握り扱き出す。
時にはゆっくりと時には激しくクゥのモノを弄る。

「あぁぁん! ウヅキさん気持ちイイよおぉぉ!!」

性器を弄られ激しく喘ぐクゥの姿に先ほどまで美しさは感じられない。
今はただ喘ぎ声をあげるただの雄だった。

「クゥも良い声を出すね〜。ボクも興奮しちゃうよ。大サービスだよ」

ウヅキはニヤリと笑いクゥのモノをぺろりと舐める。
クゥは声にもならないような喘ぎ声をあげた。
ウヅキは今度は根元を横から咥え先端の方へと舌をゆっくりと這わしていく。

645 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/05/27(火) 23:20:26 ID:yS2MlCXw0
「ひゃぁん! す、凄いよぉ……」

クゥは未知の快楽にただ身を委ねウヅキのされるがままになる。
しかし本人はそんな事を考える余裕なんてない。
ウヅキは更に舐め続けクゥに快楽を与え続ける。

「ウヅキさん……わ、私もう……」

クゥの言葉にウヅキは上目使いで「出しちゃいなよ」という視線を送る。
ただし目を瞑っていたクゥにそのアイコンタクトが届くことはないが結果的にウヅキの望む結果となった。
ウヅキは出る寸前にモノを一気に咥えクゥの精液を口内に流し込んだ。

「ぷは! クゥの精液……思った通りの濃い味だったよ。おすそ分けだよ」

ウヅキはクゥの精液が口に入ったままキスをしクゥの精液をクゥ自身の口に流し込む。
クゥは自らの精液を飲み込み奇妙な味に困惑の顔をした。

「不思議な味……ですよね?」
「なんで、そこでボクに質問するの? まあいいや……ボクも気持ちよくさせてよ」

ウヅキは腰をクゥの前に差し出す。
クゥはウヅキの性器を見て自らのモノが再び膨張するのを感じる。
クゥは我慢しきれず膨張したモノを一気にウヅキの中へとねじ込んだ。
ウヅキの純潔は呆気なくクゥの侵入をゆるした。

「え! ちょ、ちょっとクゥ! いきなりなんて! あぁん!」

ウヅキはまさかいきなり入れられるなんて思っていなかったのか、いつもでは考えられないような高い声をあげた。
クゥはそんなウヅキを構う事無く腰を振り始めた。

「ま、待ってよクゥ! ボクまだ……あぁぁん! お願い……待ってよぉぉ!!」

ウヅキはクゥに懇願の瞳を向けるがクゥは聞こうとしないのか聞こえていないのか解らないがウヅキの願いは届かない。
クゥはウヅキを無視し己の欲望のまま腰を振り続けた。まるで獣のように……。

646 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/05/27(火) 23:20:58 ID:yS2MlCXw0
「ウヅキさん……出しますね」

不気味なほどに冷静なクゥの声。ウヅキは首を縦に振り続けた。
クゥはニヤリと笑い腰を振るスピードを一気に上げる。

「あぁぁぁん!! クゥウウウウ!!!!」

加速に耐え切れなかったウズキが絶頂を迎える。
ウヅキの秘所がクゥのモノを締め付けたと思うとクゥも二度目の射精を行う。
二度目にも関わらず衰える事ない激しい量の精液はウヅキの中に入りきらず結合部から溢れてくる。
クゥがモノを抜くとウヅキの秘所から精液、愛液そして純潔の証の混じったピンクの液体が流れてきた。
ウヅキはハァハァと息を切らしクゥの方を見ていた。クゥのモノはまだ衰えることはなく大きく反り立ったままだった。

「クゥ激しすぎるよぉ。初めてだったんだから優しくしてよ……」
「ご、ごめんなさい。私……その、我慢できなくて……」

ウヅキは先ほどの疲れはどこに行ったのやらクゥを押し倒し騎乗位で再度挿入した。
クゥは再度来る気楽の渦に飲み込まれる。

「今度はボクが一方的にクゥを苛めてあ、げ、る……」
「え! そんな……わ、私まだ!」
「問答無用! 雄らしくないぞクゥ!!」
「今まで散々乙女扱いしてきたのはウヅキさんですよ……ひゃっ!!」

今度はウヅキが腰を動かし一方的にクゥを攻めだした。
クゥはウヅキにされるがまま三度目の射精を行った。
この晩二匹の行為は朝まで続いたのだった。

647 :BmB:2008/05/28(水) 19:14:13 ID:kuOTHeLE0
蒼空さん 過去にこんな話があったとわ。 がんばってください

648 :江戸:2008/05/29(木) 23:18:01 ID:XvA6MTdo0
お久しぶりです
蒼空さん最近すごいですね、がんばってください

649 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/05/29(木) 23:45:27 ID:roHug7F+0
続き。BmBさん、江戸さんこんにちは。最近は寧ろ掲示板をほぼ占領状態に……。
この辺までは執筆当初から考えてた辺りなので比較的文章にしやすいんですよね。
それぞれの思い、動き出す野望、物語は新たな展開へと進み始める……はずです。

21 神の封印場所

アマツとムオンはディアルガの封印場所を探していた。
ディアルガの復活――それが時の教団の真の目的だった。

「ムオン……新しい情報は何も手に入りませんか?」
「……肯定……」
「一万年にここで時と空間の神は争った……。何か情報が得られると思ったのですが……」

アマツが辺りを探していると草むらが不自然に揺れた。
ムオンは草むらを睨みつけ火炎放射を放つ。
手加減したため燃えたのは揺れた草むらだけだった。

「きゃっ! なんだよいきなり!」

雌のグラエナが慌てて火を点けられた草むらから出てきる。
年齢は二五歳前後でムオン、ミナヅキと同じ位だった。

「グラエナ? まさかあなたこの間の盗賊の一匹ですか?」
「盗賊? 違うよ! ワタシはエイガ。ただこの辺に伝わる神話を調べてるだけだよ。
 なのに……いきなり火炎放射をするなんてどういうつもりだよ!」
「……無礼……」

アマツに対して馴れ馴れしく話すエイガをムオンは睨みつけた。
エイガはそんなムオンを見て驚くどころか嘲笑っていた。

「所詮は飼い犬か……。ワタシがそのキュウコンに敬語を使う理由があるの?
 ワタシは時の教団の信仰者じゃない。神について調べてるは同じだけどね〜」
「……貴様……」

エイガの一言がムオンを完全に怒らせた。
ムオンが飛び掛ろうとするとアマツはムオンに一喝した。

「ムオン! 相手は民間人です。あなたらしくないですよ!」
「……失礼……」

エイガはそんなムオンを見て笑っていた。

650 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/05/29(木) 23:45:54 ID:roHug7F+0
「私はアマツ。部下が失礼な事をしたことをお詫びします」
「……教団の団長様が庶民のワタシにご丁寧にどうも」
「ところでディアルガについて何か知ってる事はありませんか? どんな些細な事でも良いんです……。
 先ほど神について調べてるとおっしゃっていたので……」
「ディアルガねぇ……」

エイガは何か考え始めた。

こいつらにどこまでの情報なら教えても良いだろう?
まったく教えないのはあまりにも不自然だ……。
誰にも知られてないで役にたたない様な情報でなければ……。

「ワタシが知ってるのは九千年位前にもう一度姿を現して誰かに封印されたって位かな?」
「九千年……パルキアを封印して千年が経ってからですか……」
「九千年前にディアルガは封印されるような何かをした……出なければ不自然でしょ?
 戦いの勝利者が封印されるなんて……。だからワタシもディアルガを調べてるんだよ」
「情報ありがとうございました。ムオン行きますよ……」
「……了解……」

アマツはエイガに一礼をしこの場を後にした。
エイガは二匹がいなくなったのを確認し何やらブツブツと呪文のような言葉を言い始めた。
言葉を言い終わっても何かが起こることはなかった。
エイガはガックリと肩を落とし落ち込む。

「あ〜あ。ここもはずれかぁ……。まったくこれだけ探して見つからないなんて……。
 どこに神の力を封印したんだあいつは……。先に封印を解けばワタシ達の勝ち……。
 そうすればこの世界はワタシ達の物になる。なんとしても先に見つけなきゃ……。
 不完全な神の創った世界なんて壊れてしまえば良い。時の教団も本格的に動き出したしやり難くなったなぁ」

エイガは大きく溜息をついた。

「まぁ……時の教団はミナヅキが内部からうまくやってくれる事を信じて……。ワタシは自分の役割を果たさないとなぁ。
 でもこんなに大変だったなんて……。面倒な事を引き受けちゃったな……。
 ミナヅキにはもう少し時間をくれるように言ってみるか……」

エイガもブツブツと文句を言いながらこの場を後にした。

651 :ジャンク:2008/05/31(土) 13:20:49 ID:1OiyrLec0
風邪をひいっていたので打てなかったのですが直ったので打ちます。
蒼空さんすごい展開になっていますね。
なぜ、ディアルガ封印されたのかが気になります。

4、不思議な夢

ん、夢、なのかな?誰かの話し声が聞こえる。
「何で、ボ〜としていた!!」
「お父さんを起こそうとしたの」
「あの状態で、生きていられると思ったのか」
しゃべっていたのはタツベイとイーブイだった。
「何の話をしているんだろう」
僕は、そのまま話を聞いていた。

「生きていると思ったから起こそうと思ったの」
「いい加減、目を覚ませ……サラがさらわれ、目の前で父親を殺されておかしくなったのか?」
「おかしくならないやつの方がおかしいよ!!」
「俺だって、おかしくなりそうだよ」
僕は、その話を聞いている時、ある言葉に驚いた。
「まったく、俺があの時、助けなかったら死んでいたぞ、ケン」
「うるさい、余計なお世話だ」
ケンってことは僕の……
その瞬間、僕は目を覚ました。

(なんだったんだ……今の夢は)
考えながら毛布を片付けって居たらアブソルが居ないことに気付いた。
「またどこかに行ったのかな?」
僕は、水を飲みにキッチンに向かった。
「あ、おはよう。起きたんだ」
いきなり後ろから話しかけられたので驚いた。
「な、何してるの……ってその食べ物どうしたの?」
アブソルを見ると、魚や木の実などを持っていた。
「向かえのローゼルさんにもらったの……それよりシャワーに、入った方がいいと思うよ」
「えっ!?」
自分の体を見ると、すごい汗をかいていた。

「まさか、気付かなかったの?」
アブソルはクスクスと笑った。
「そうみたい……今、入ってくるけどアブソルはどうする?」
「私は、さっき入ったからいいの、ケンが、入っているうちに朝ごはん作るからゆっくり入って」
「わかったよ」
僕はアブソルの言われたとおりにバスルームに向かった。
(ブースターになってからはじめって入るな……やっぱり少し洗いにくいな)
何とか、体を洗ってあがった。

「とっても気持ちよかった」
僕が、シャワーから上がったときには、アブソルがテーブルに料理を盛り付けっていた。
「ちょうどよかった。今、出来たところだよ」
見るとさっき、持っていた材料だけで、作ったとは思えないくらい豪華な料理だった。
「あれだけで作ったのが信じられない」
「すごいでしょ、がんばって作ったから」
「これにも驚いたけど、料理が作れるって言うことがとっても驚きだよ」
「ケンの作るところを見て練習したんだよ……って作れないと思っていたならあげない」
「ごめんねだから……」
「うそだよ、一緒に、食べよ……一人で、食べられる量じゃないし」
「もう、おどかしって、僕もその内そんな風にしちゃうよ」
僕とアブソルは食事を楽しんだ。

652 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/05/31(土) 23:24:54 ID:oE5bcdXk0
続き。ジャンクさん、その理由がウズキが09話で言ってた言葉なんですよ。
え? そんな古い話は覚えてない? そんな時はWikiへGO〜って宣伝してみる。

22 偽りの仲間

ミナヅキはアマツとムオンが遠征したため一匹で行動していた。
床には紙が一面に広げり何かのデータの整理しているようである。

「こことここもはずれだった……ならこの辺じゃないな……。
 なら次に反応が強いのはここら辺になるか……」

ミナヅキは地図に次々に×印を付けていく。
時の教団の活動範囲の大半に印が付いていった。

「……くそ。オレの活動範囲ではそろそろ限界か……。
 ならば後はエイガに頼むしかないか……」

ミナヅキは深く溜息をついた。
そして背後から何者かに話しかけられる。

「ミナヅキ……あまりワタシを頼りにするなよ。
 元々ワタシの方が捜索地域が広いんだからな。
 これ以上増やしたらお前に協力しないぞ」

その声の主はエイガだった。
彼女は確かに遠征したはずのアマツとムオンに会っていた。
アマツとムオンはまだ帰ってきていない。
いや、どんなに急いでも帰ってこれる時間はない。
ミナヅキの前に姿を現すのは通常ではありえない事だった。
そう、通常の手段では……。

653 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/05/31(土) 23:25:28 ID:oE5bcdXk0
「お……速かったな! で、捜索の方はどうだった?」
「そりゃあ、ワタシの能力を使ってまで急いで帰ってきたからねぇ。
 それから、あんたの上司とその下僕に鉢合わせだよ……。来るなら来るって言ってよ。
 そうすれば素直に別の場所から捜索したのに。
 教えなくても良い情報をあいつらに教えたんだから!」
「何!? 馬鹿な! 確かにアマツはこの辺を中心に捜索すると言って出て行ったんだぞ!」

ミナヅキは地図でエイガが捜索していた方とは別の方向を指差す。
その方角は真逆で寄り道などで済む問題ではなかった。

「なるほど……あんたも信用されてないわけか……。
 そろそろ教団をやめてこっちの仕事に専念すれば?」
「……まだそうと決まった訳じゃない。それにあいつ等はまだ利用価値がある。
 それまではオレもあいつらと友達ごっこでも続けてやるさ……」

エイガはミナヅキに蔑みの目で見た。
しかしミナヅキはまったく動じない。

「あ、そうだ! 調査の結果だけどここら辺のエリアを全て調べたけど全部はずれ。
 次からはこの辺を調査しようと思うんだけど……どうかな?」
「ああ、悪くない。だがこちらの方が高い反応が出てたんじゃないのか?」

ミナヅキの指摘にエイガは「待ってました!」と言いたげに胸を張り説明を始める。
エイガの態度にミナヅキは一瞬呆れたがすぐに真面目な顔に戻った。

654 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/05/31(土) 23:25:58 ID:oE5bcdXk0
「ああ、それの事ね……今までの結果からその数値のエリアは全て仕組まれた偽物……。
 ならこっちの小さい反応の方が本物かもしれないってこと」
「だからこちらを優先して捜索すると? なるほど……面白い」

ミナヅキはニヤリと不敵な笑みを浮かべた。
その顔にアマツへの忠誠は既にない。

「そろそろ捜索ポイントも減ってきたし当たりを引くのも近いと思うよ!
 ただあいつの動きが気になるな……。あいつの行動は予測しにくいから……」
「ウズキの事か? 確かに子孫達との合流も進んでいるみたいだしな……。
 力は弱いにしろディアルガの能力を使うからな……やっかいな相手である事に変わりはないか……」
「不完全な神の不完全な力か……ワタシ達に比べれば微々たる物だろ?
 ミナヅキは何を恐れている?」

エイガは弱者を見下す強者のような発言をした。
それこそがエイガの本心なのかもしれない。

「お前はいいかもしれないがオレの力はまだ完全じゃない……。
 だからなるべく数を減らしたいんだよ……屑共の数をな」
「屑か……。生まれてくるべきでないあいつ等を殺したとしても心は痛まない?」
「……心? そんな物、生まれたときから捨てていた。主のためのは邪魔でしかなかったからな。
 それに心ほど脆く単純な物は存在しない……」

心と聞いてミナヅキは蔑みの目をしていた。

「おお、怖い……。じゃあワタシは次のポイントに向かうからね」
「ああ、任せた。良い結果を期待する……」

エイガはまるで始めから存在してなかったようにミナヅキの目の前から消えていった。

655 :カゲフミ ◆U2shadow16 :2008/06/01(日) 15:57:50 ID:ARDcMS360
 毛繕い

―1―

 いい天気だ。雲一つない青空というわけではないが所々に白い雲があるだけだ。
見ているだけでなんだか清々しくなってくるような空。
緑豊かな草原に大の字で寝転がって俺は空を見上げていた。
隣には俺のパートナーであるバクフーンのグレムもいる。草の上に体を投げ出し、俺と同じ格好で空を眺めていた。
 最近はトレーナー仲間からの誘いなどもなく、かといって自主的なトレーニングをするわけでもなく、家にこもりがちだった。
ずっと室内にいては俺もグレムも体がなまってしまう。今日は天気も良かったし、運動不足解消もかねてグレムと一緒に近くの草原までやってきたというわけだ。
「気持ちいいね」
「そうだな……空ってこんなに青かったんだ」
 太陽の光も全く浴びないほど家に引きこもっていたわけではないが、こうしてじっくりと空を見るのは久しぶりだ。
目前に広がる空は雄大で、吸い込まれてしまいそう。自分の存在がとてもちっぽけなものにすら感じてくる。
家の中にいたままではこんな感覚は抱かなかっただろう。たまにはこうして自然とじっくりと触れあうのも大切だよな。
ぼんやりと空を眺めながらそんなことを考えているうちにふわりと眠気の波が訪れ、俺は大きく欠伸をしていた。
「眠いの?」
「ああ……少しな」
 草原の風と暖かな陽気。そして寝心地のいい草のベッドがそろえばなかなか強力な睡眠誘発材になる。
せっかく来たんだし緑の匂いを感じながら一眠りというのも悪くないかもしれない。
「それじゃあ俺は一眠りするから、グレムは野生ポケモンが来ないか見張っててくれ」
「えぇーリデンだけずるいよ。僕もちょっと眠くなってきてるのに」
 両腕を枕にしてさっさと寝る体制に入った俺に、リデンは不服の声を洩らす。
もっとも俺の口調が軽かったこともあって、彼も本気で怒っているわけではないようだ。
トレーナーとポケモンとの長い付き合いで、グレムもかなり俺の冗談に耐性がついてきている。
昔はグレムに意図を汲み取ってもらえず、また俺の方も冗談の加減具合が分からずによく彼を怒らせてしまうことがあった。

656 :カゲフミ ◆U2shadow16 :2008/06/01(日) 15:58:17 ID:ARDcMS360
「はは、分かってるよ。この辺は野生ポケモンもほとんどいないし少し眠るくらいなら大丈夫だろう」
「そうだよね。それじゃあおやすみ、リデン」
 俺に負けないくらいの大きな欠伸をした後、グレムは目を閉じる。
こういった状況で眠くなるというのは人間もポケモンも変わりがないようだ。
「くれぐれも寝ぼけて炎は出すなよ。野生のポケモンよりも火事が一番怖いからな」
「大丈夫だょ……」
 もうろれつが回っていない。何と言う寝つきの良さ。俺の忠告はちゃんと耳に入っていただろうか。
まあ今まで炎の暴発なんて事態もなかったし、大丈夫だろう、きっと。
さあて、俺も一眠りするとしようか。腕を枕にして再び寝る体勢になった。
目を閉じると周囲の音がより一層際立って聞こえてくるような気がする。
さわさわと草花を揺らす風の音、そしてグレムの静かな寝息も聞こえてくる。
 グレムがバクフーンに進化してからは結構場所を取るようになったため、家の中ではボールに戻すことが多くなっていた。
同じ近くにいるという事実でも、ボールに入れたままと外に出しているのとでは全然違ってくる。やっぱり、たまにはボールから出してやらないとな。
誰かが自分の近くにいるって感じられるのは、やっぱりいいもんだ。それが人間だろうとポケモンであろうと。
風と寝息というおかしな二重奏。それらを子守唄にしながら、俺は眠りについたのだった。

657 :ジャンク:2008/06/01(日) 16:48:12 ID:qeGKi6RQ0
続きです


「さて、ご飯も食べたし、お礼を言いに行かなくちゃ」
「ねえ、ケン、頼みがあるんだけど」
「頼みって何?」
アブソルが少し顔を赤くした。
「今頃言うのもなんだけど、私の名前を決めってほしいの」
「名前を僕が、決めてって」
確か、にこれからもアブソルって呼んでいても困るしな。
「分かったから、少し、時間をくれないか?」
「おねがいね」
「お願いねって言われてもすぐには……」
考えているうちに夢に、出てきた名前を思い出した。
「サラなんてどう」
「サラ?」
アブソルは、少しだけ悩んだ顔をしていたがすぐに笑顔に戻った。
「いいよ。その名前で」
「ふ〜よかった……それより、お礼を行ってくるよ」
「私も行くから、待って」
(待っていればいいのに何でついって来るんだろう)
「なんかおもったでしょ」
「い、いや何も」
僕とサラはレンの家に向かった。

「レン、居るか」
「何、どうした」
「食べ物なんだけど、ありがとう」
「あれか、いや、いいよ、いいよ、もう食べたの?」
レンは笑いながら言った。
「もう食べちゃたよ」
話しているうちに、ローゼルが来た。
「あ、ケンとえ〜と」
「サラって、言う名前です。ローゼルさん」
「じゃ、サラちゃん行きましょう」
「行くって何処へ」
僕とレンは首をかしげた。
「さあ、レンもケンも行くよ」
僕たちは無理やり連れって行かれた。

658 :ジャンク:2008/06/01(日) 16:49:03 ID:qeGKi6RQ0
「さあ、着いた」
「ここって、お店?」
「なんで、俺たちも行かなくちゃ行けないんだよ」
「「お願いお金は二人が出して」」
サラとローゼルは涙目になって頼んできた。
「「分かったから、その目は、やめって」」
「やったね、ローゼルさん」
「そうね、サラちゃん早く、行きましょう」
サラとローゼルは中に入っていった。
「俺、あの目にだけには逆らえない」
「僕もだよう」
「何してるの二人とも行こうよ」
僕とレンも店に入った。

「この家具いいんじゃない」
「確かにきれいだけど大きすぎない」
「だいじょうぶよ」
「ねえ、ちょと、もういいんじゃない」
サラが、僕を見ると買い物のでいっぱいになっていた。
「確かにもういらないわねお会計しに行こう」
「そうだけど手伝ってよ」
どうにかレジまで来た。
「お会計は……5万ポケです」
「とほほほ」
組織にいたので、いちよたくさんお金は持っていた。
「いっぱいお買い物できましたね」
「そうね、これだけ買えば当分行かなくってもいいわね」
「俺たちは最悪な気分だよ。まったく」
その後、レンたちと別れた。

659 :進化:2008/06/02(月) 05:31:22 ID:3dlE0ERI0
初めまして。

660 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/06/02(月) 22:29:43 ID:L+zTrYXw0
続き。これからの展開はしばらくエロを出せそうに無い……。そうだ先に出してしまおう!
ってのが今回の展開の理由。少しの無理はウズキさんがカバーするって事で……。

23 朝の惨劇

朝になりグレンは目を覚ました。
ウズキはすでに起きていて向こうを向いていた。
グレンはウズキの姿見て昨日の夢が蘇る。
ウズキの過去のあんな夢を見てしまったグレンはウズキに挨拶さえする事ができなかった。
ウズキはグレンに気が付き振り向いた。
当然グレンの心情など気にする事無く挨拶を交わす。
しかし、ウズキの視線が不自然でやや下の方を向いていた。

「おはようグレン。昨日はエッチな夢でも見た? 朝から起ってるよ」
「え? 起ってるって何が?」

グレンの反応にウズキがニヤニヤとした。
グレンはウズキが笑う理由が解らなかった。

「これだよ。これ!」

ウズキは近づきグレンの起っているモノに触れた。
グレンは触られてようやく気付いたのかウズキから離れ慌てて前足でモノを隠した。
しかし、大きくなったモノを隠しきれず、モノの頭は丸見えだった。
フィニティもまるでタイミングを計ったように起きてきる。

「おはようございます。ウズキさん、グレン……」
「フィニティ!? こっちを見ちゃ……」

グレンが止める前よりフィニティがグレンを見た。
フィニティがグレンを見た瞬間固まった。
一度交わった相手とはいえ朝起きていきなりこんなモノを見たら流石にショッキングだろう。

「す、すみません! わ、私別にグレンのモノなんて見てないですよ!」
「その初々しい反応……乙女だねぇ〜」
「ウズキさんが親父っぽいだけだよ!」

661 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/06/02(月) 22:30:15 ID:L+zTrYXw0
すでにグレンとフィニティはパニックになっていた。
ウズキは二匹の反応を楽しそうに見ている。

「親父って……こんな美少女に向かってなんて発言を!」
「そんな事普通は自分で言わないよ! それに実年齢は知らないけどキュウコンの年齢の時点で少女は無理があるよ!」
「でも今のボクはロコンだから少女でも問題ないね〜」
「あの〜グレン……取り合えずしっかり隠しましょうよ……」

ウズキと口論している内にモノを隠すのをやめていたグレンが顔を真っ赤にする。
ウズキが動く楽しそうに笑いながらフィニティに近づく。

「でも、このまま小さくなるのを待つのもなぁ……。時間かかりそうだし……。頑張れフィニティ!」
「あ、あの……私が何を頑張るんですか?」
「大きくなったモノを小さくするにはやる事は一つでしょ? グレンとやればいいんだよ!」

フィニティがウズキの言葉の意味を理解するのに数秒の時間を要した。
意味を理解したフィニティの顔がどんどん赤くなっていく。

「そ、そんな! 朝からですか!? わ、私にはそんな事できませんよ!!」
「じゃあ夜ならやったの? フィニティがしないんなら……ボクがしようかな?
 ここ数年してないから欲求不満で……。久しぶりにしたいんだよね……」

ウズキはフィニティがやらないのを予測していたようでグレンに近づいた。

「ちょ、ちょっと待ってよウズキさん! ぼ、僕の意思は! 僕の自由は!!」
「ボクとクゥの夢を見てそうなってるんだよ。夢の少女がしてくれるんだからもっと喜んでよ。
 もっともキュウコンの方のが好みなら進化してあげるけど?」

ウズキがグレンの耳元で囁く。
グレンはウズキの猥談で興奮し、モノがいつまでたっても小さくならない。


662 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/06/02(月) 22:30:49 ID:L+zTrYXw0
「ロコンの方でお願いします。って! そうじゃなくて! ウズキさんは旦那さんがいるんでしょ!?」
「別にいいじゃない。今はボクと楽しもうよ〜」

更にウズキはグレンに色仕掛けをする。
フィニティはグレンとウズキを見て不機嫌そうにしていた。

「ウズキさん! グレンから離れてください! 彼は私のなんですから!」

フィニティが珍しく怒鳴った。
グレンは勿論ウズキも目を丸くした。
ウズキが珍しく真面目な顔をして提案してきた。

「悪い……確かに少し調子に乗りすぎた。フィニティここはボクと二匹でグレンの相手をしよう」
「そうです。調子乗りすぎですよ。解りました二匹で……。って! 真面目な顔して何言ってるんですか!?」
「良し! 共に力を合わせ頑張ろうフィニティ!」

ウズキとフィニティが話し合いを始めた。
フィニティもウズキの巧みの話術で洗脳されつつある。
当の本人のグレンを差し置いて話しは変な方向へと進んで行く。
既にグレンの意思と自由は完全に無視されていたのだった。

663 :カゲフミ ◆U2shadow16 :2008/06/03(火) 20:09:20 ID:kn1OeuvY0
―2―

「リデン、リデンってば」
 肩を揺さぶられて俺は目を覚ました。グレムが俺の顔を覗き込んでいる。
なるほど、寝つきのいいやつは寝起きもいいというわけか。彼のぱっちりと開いた瞳に眠気は微塵も感じられない。
俺としてはまだしばらく眠っていたかったが、空の太陽も大分傾き始めていた。心なしか肌身に吹き付ける風が冷たくなったような気もする。
これ以上寝ていたら炎タイプのグレムはともかく俺が風邪をひいてしまうかもしれない。引き上げるには妥当な時間だろう。
「ああ……そろそろ帰るか」
 大きく伸びをして立ち上がる。軽く肩やら首やらをほぐすことで、ようやく目が覚めてきた。
さて、と。いい気分転換にもなったし、今日は来て良かった。それじゃあグレム、帰るとするか。
歩き出そうとした俺の服の裾をグレムが引っ張る。おいおい、伸びるからやめてくれ。どうしたんだ。
「ね、家まで競争しない?」
 そう言えば昔はよくここに遊びに来た帰りに、家まで競争したっけかな。
俺はほぼ忘れかけていたが、グレムの方はしっかりと覚えていたらしい。
寝起きだからあまりそんな気分じゃなかったけど、まあいい。バクフーンになってから競争するのは初めてだから、お手並み拝見といこうか。
「競争か……。いいだろう、受けて立とう」
「やった。それじゃ、行くよ……」
 深呼吸した後俺は前屈みに、グレムは四つん這いになって走る体勢になる。
スタートの掛け声はお前に任せよう。いつでもこい。
「よーい、どん!」
 合図と共に、俺とグレムは緑の大地を思い切り蹴って駈け出していた。

664 :カゲフミ ◆U2shadow16 :2008/06/03(火) 20:09:46 ID:kn1OeuvY0
 肩で息をしながら、俺はどうにか家の前まで辿りつく。
足が痛い。胸が苦しい。全身が軋むような感覚さえする。最近の運動不足の体にこの走りは応えたようだ。
やっぱりこまめに外に出て体を動かしていないと、このざまか。明日は間違いなく筋肉痛だろう。
「へへ、僕の勝ちだね」
「あ、ああ。ちくしょう、負けたよ……完敗だ」
 これまで何度も競争したことがあったけど、負けたのは初めてだ。
彼がまだヒノアラシだったころは歩幅が違いすぎて勝負にならなかった。
マグマラシになると体力も敏捷性もついてきてなかなかいい勝負になっていたが、まだ俺のスピードには及ばなかった。
今日負けたのはグレムが進化して能力が上がってたからだ。俺の走りが衰えたわけじゃない。というかそう思いたかった。
「でももう少しで追いつかれるとこだったよ、危なかった」
 良く言うぜ。その割にはずいぶんと余裕の表情で、息が上がっている様子も全くない。
本当はもっとスピードを出せたんだろうけど、手加減していたんだろう。
俺を気遣ってのことなのかどうかは分からないが、本気じゃなかったのはお見通しだ。
まあ、いい。あの走りは彼の成長ぶりを表したものとして前向きに考えておこう。
俺の足元で頼りなげに歩いていたグレムが、今や俺を走りで追い越すほど立派になったんだ。
成長した息子を見守る父親の気持ちが、なんとなくだが分かったような気がした。
「それじゃ、家に入るぞ。グレム、お前も来いよ」
「え……いいの?」
 彼がバクフーンに進化してからは、家に入る時はボールに戻していた。
進化したての頃は不服そうにしていたグレムだが、今ではそれを当り前のこととして受け入れているようだ。
だからこそ、家に入ることを促す俺の言葉に驚いたのだろう。
「ああ。運動していい汗かいたことだし、久々に一風呂浴びようぜ」
「うん……やった!」
 俺が家のドアを開けた途端、軽い足取りで嬉しそうに駆け込もうとするグレム。
「あ、ちょっと待て」
「え?」
 俺は靴を履いているからいいが、グレムは生身の体で大地を走った直後なのだ。
このまま家に上げると、後々床の掃除が面倒なことになる。
俺はポケットからハンカチを出すと、グレムの体についた泥を軽く拭ってやる。
どうせこれから風呂に入ることだし、大きな土の粒を落とせば問題ないだろう。
「これでよし、と」
「家に上がるの久しぶりだから、忘れてた。ありがと……」
「気にすんなって」
 そう言ってグレムの頭を軽く撫でると、俺は靴を脱いで家に上がった。

665 :パウス ◆EvJGalaxy2 :2008/06/04(水) 23:29:02 ID:Uap01D/s0
>>659
初めまして。小説を投稿するも良しですし、感想だけでも大歓迎ですよ。

>>660-662
ウズキの年齢が気になってしょうがないwww
これは羨ましいシチュエーs(殴

>>663-664
このほのぼのとした雰囲気……いいですねぇ。
この新作も期待大です。


〜story46〜 ―稽古―

ソノオタウンを出て今日で三日目。ソノオタウンから東へ出ると205番があり、そこはそれ程複雑ではないので一日で抜けることが出来た。
205番道路を抜けると森があり、そこはハクタイの森と呼ばれている。
これが中々複雑な森で、ここで迷ってしまう人も少なくはない。勿論、私たちは言うまでもなく―――

「畜生!どこだここはっ!!」
「ご主人……あの岩、さっきも見たよ………」
ガーネットは溜まるストレスを発散させるようにブンブンと縦横無尽に飛び回り、メノウはご主人の上着を前足で引っ張る。
「パールさん……」
「ご主人、ちょっと疲れたよ……」
アメシストと私は体力が底をつき始め、とくに戦闘能力に乏しいアメシストの息は荒い。
メノウも同じく疲れており、息が上がってないのはガーネットだけだった。
「情けねぇ……。アメシストは良いとしても、なんでお前らまで息上がってんだよ。」
ガーネットは、まだ自分が疲れていないことを見せ付けるようにメノウの上を飛び回り、続いて私の頭の上擦れ擦れを飛ぶ。
「うっさいわね!あんたは飛べるから疲れないだけじゃないのよ!」
「そういう技術があるからこそ、俺はお前より勝率が高いんだなぁ。」
「この前私に二連敗した分際で調子こいてんじゃねぇわよ!ていうか羽音が五月蝿いのよ!蝿かあんたは!」
「うるせぇ!この前は風向きがずっと向かい風だったんだよ!!」
「何その言い訳!せめてもっとマシな言い訳なかったわけ!?」
別に意識はしてないのだが、私とガーネットのこういうやりとりは、まるで漫才のように見えるらしい。いつもご主人達の笑いの的となっている。


666 :パウス ◆EvJGalaxy2 :2008/06/04(水) 23:29:26 ID:Uap01D/s0
そういえばガーネットはいつもやかましいが、比較的大人しいメノウと喧嘩したことは、まだ一度もないかもしれない。
というか、最近何故か近寄りがたいオーラが出ているような気がするのは私だけだろうか。
無邪気に旅の出立を喜んでいたと思えば急に暗くなり、いつも何か考え事をしていた。それなのに今日は嘘のように元気になっている。
共に暮らし始めておよそ三年ほどだが、今まででこんなメノウは初めてだった。

「せっかく周りには誰も居ないことだし、喧嘩するほど気力があるならバトルの特訓でもしようぜ?」
アメシストの背中から顔を突き出したのはクォーツ。今度はちゃんと周囲を確かめてから出てきたらしい。
ご主人はかばんから一枚の地図を取り出し、手ごろな岩の上に広げて置いた。
1. 「そうだな……この森を抜けたら町があるんだが…」
ご主人は地図の左側、『ハクタイの森』と書かれているところを指差し、そのまま指を右に滑らせて『ハクタイシティ』と書かれた場所を指す。
「ここには二つ目のジムがあるらしい。そこに挑戦するつもりなら、今ここで稽古をつけてもらった方が良いかもな。」
クォーツが魂で出てきたことを皮切りに、カーネリア、リチア、コーラルは次々と外の草を踏んだ。
稽古をつけてもらう、というのは彼女達に指導してもらう、ということだろう。

残念なことに、魂の状態では全てすり抜けてしまって相手をしてもらえないので、私とガーネット、それにオニキスで実戦形式の特訓することとなった。
その中で気になったことや直すべき点などをコーラル達に指摘してもらうという訳だ。
何故メノウが加わらないのかというと、コーラル達五匹は一匹のみ身体を使うことが出来るので、とりあえずメノウはカーネリアと戦うことになったのだ。
「うふふふふふふっ、たっぷり扱いてあげるからね。」
カーネリアは嬉しそうに、不気味に笑い、メノウは額に冷や汗を滲ませながら離れた場所まで移動していった。

「よっしゃあ、まずは俺とジェオードだな。」
「あんたには無様に三連敗してもらおうかしらね。」
距離をとって対立する私とガーネット。もしかしたら、本当に視線と視線の合わさるところで火花が散るんじゃないか、と思ってしまうほどお互いに睨みを効かせていた。
その中でメノウとカーネリアの居るあたりが妙に静かになったことを、私もご主人も誰も気が付かなかった。

667 :パウス ◆EvJGalaxy2 :2008/06/04(水) 23:31:01 ID:Uap01D/s0
>>665-666
連レスすみません!
なんだか最近時間に追われているせいか、誤字脱字が多いですね……
ホントごめんなさい。

668 ::2008/06/05(木) 21:35:51 ID:R0Nsl4lE0
ここでは初なんですが…(むしろ此処が初であるべきでしたね)
皆様、今後宜しくお願い致します(_ _)

で、とある短編の方を。こちらにまず…っと。


669 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/06/05(木) 22:02:59 ID:FZ+3TRpA0
続き。パウスさんウズキの年齢はタブーなのです。まぁそのうちに明らかにしたいです。
グレンを無理矢理襲ってるような気がするけど『一応』本人の承諾は取ってるので強姦ではない……のかな……。

24 挟撃の美少女

ウズキとフィニティの意気込みにグレンは少し恐怖していた。
ウズキとフィニティはクルリと反転しグレンの方を向く。

「だから僕の意思と自由は……」
「美少女が二匹も相手してあげるのに何が不満なんだ?」
「もしかしてこの前の私が好きって言葉は嘘だったんですか?」

グレンに迫る二匹の少女。グレンに『嫌』と言わせる気は既にない。
いつもは大人しいフィニティもグレンを取られまいと強気に行動する。

「抵抗しないよね……グレン?」
「お、お願いします……」

流石にグレンの曖昧な答えに頭にきたのかウズキは目を紅くさせる。
ウズキを見たグレンに冷や汗が出る。
ウズキは覚醒している。ここで抵抗すればどうなるか解らない……。
グレンは素直に言う事を聞くことにした。
答えを聞いたウズキは覚醒を解く。

「素直でよろしい。では仰向けになるがいい」
「最初からそうすれば良かったんですよグレン」

グレンが仰向けになり逞しくなったモノを二匹の前に曝け出す。
ウズキとフィニティは顔をモノ前に近づける。
グレンは見られてるという恥ずかしさからに顔を隠してしまう。

「ボクが左側を舐めるからフィニティは右側をよろしく」
「はい。わかりました」

670 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/06/05(木) 22:03:25 ID:FZ+3TRpA0
二匹の舌が同時に舐め始める。
美少女が二匹同時に自分のモノを舐めている。
そう考えるとそれだけでも興奮してくるだろう。
しかし今のグレンにそんな余裕などない。

「グレン……どっちが気持ちいい?」
「私の方が気持ちですよね?」
「そ、そんな……僕には選べないよぉお……」

ウズキはゆっくりと舐めていきフィニティは負けじと速く舐める。
左右から違う快楽が押し寄せグレンは限界の近づいていく。

「ご、ごめん……僕もう……」
「え〜。もうイッちゃうの?」
「そうですよ……最初はあんなに抵抗してたのに」

二匹はグレンの発言を聞いて舐めるのをやめる。
打ち合わせをした訳でもないのにこの仲の良さにグレンは改めて雌の団結力を知ることになった。

「え? 良いとこだったのに……」
「グレン……たっぷり焦らしてあげますからね」
「そう……壊れる寸前までね」

二匹はグレンの射精感がひいたのを確認し再度モノを舐め始める。
グレンのモノを舐める二匹の舌はまるで生き物のように這わせていく。
時にはゆっくり、時には速くリズミカルに舐める。
二匹は出そうになったら舐めるのをやめ何回も焦らす。
グレンの瞳は虚ろになり限界が近そうだった。

671 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/06/05(木) 22:03:47 ID:FZ+3TRpA0
「グレンの表情から余裕がなくなってきたしそろそろ出させてあげようか?」
「そうですね……良いんじゃないでしょうか」
「やっと……出させて……くれるの?」

二匹はグレンの言葉に頷き同時に先端を舐める。
何回も焦らされ敏感になったモノは一度舐めるだけで大量の精液を放つ。
その精液は二匹の顔から体に降り注ぎ前面を白く染め上げた。

「凄い……焦らしたとはこんなに出るとは思わなかったよ……」
「前とは比べ物にならない量です……」

ウズキとフィニティは降り注いだ精液の量に驚きを隠せない。
グレンは一度射精しただけでグッタリとしていた。

「グレン……起きたばっかで寝るには速いんじゃない?」
「そうですよ。自分だけ楽しまないで私達にもしてくださいよ」
「ふぇ? まだやるの?」

二匹が満面の笑みを浮かべる。
グレンにはその笑顔が悪魔のような笑みに見えた。

「当たり前じゃないですか」
「ボクとフィニティに出して……後は皆で同時にもイキたいよね?
 最低でも後三回はがんばってもらうからねグレン」
「さ、三回も!? 僕……そんなに持たないよ……」

グレンがどんなに叫ぼうと二匹の行為は止まらない……。
グレンは既にウズキとフィニティのおもちゃになっていた。

672 ::2008/06/05(木) 22:05:10 ID:R0Nsl4lE0
短編1. 〜報われない恋〜



 
 …ねぇ。いつから間違ってしまったんだろう、私達。
 …なぁ。いつから間違ってしまったんだろう、俺達。

 運命は、時に残酷過ぎて。自分達に抗えない事は、
人生においてたくさんある事は、分かっている『つもり』だった。
 父さん…何故、あの人を?俺達の事に気付いて無かったはず、ないじゃないか。
…どうしてだよ。どうして大人は!!…自分の事しか……考える事が出来ないんだ??

 お母さん…お母さんが一人で寂しいって事。私、良く分かってた。
あの人…ライチュウさんはとてもカッコ良い人だし、何より…凄く優しいもんね。
…気持ちは、分かるんだよ?でも、私とピカチュウの事は……どうでも良いの?
二人が結婚しちゃったら…私達、『姉弟』になっちゃうんだよ??
…イヤだよ、そんなの。
納得出来ない。子供だからって、私達の愛だっていつかは結ばれるモノなんだって…一番後押ししてくれたのは、お母さんじゃない?
…無責任にも、程があるよ。今更、「友達に戻ればいいじゃない?w」なんて。…やめてよ。
……他人事みたいに、さ。

親は。近い関係にあるだけで。赤の『他人』なんだね…結局は。
 人は、結局自分の事しか考えない。だから私達も……そう。私達の事しか、考えないから。
例え…それが。『報われない恋』だったとしても―――― 




673 ::2008/06/05(木) 23:35:10 ID:R0Nsl4lE0



「ピカチュウ!おはよう!!
今日も良い天気だねー」
「…俺は雨の方が好きだなー。ついでに雷が落ちてくりゃ、言う事なしっ!」
「私は困るよ?それw
電気タイプのピカチュウは気持ち良いかもしれないけどさ?私は普通のミミロル
なんだからっ。…黒焦げになっちゃうよ…」「…ミミロップおばさんからの遺伝
で受け継いだ技とは言え、『普通』のミミロルが冷凍ビームを放てるとは思えな
いんですけど?」
「それとこれとは、話が別っ!…電磁波ぐらいなら、悪くもないけど……さ」
「悪くないどころかw
ウチのダブルベットで、いつも気持ち良さげに、電磁波を感じちゃってるはどこ
のどなたでしたっけ?w」

ーードカッ。

「い、いってぇーー!!」
「朝っぱらからバカな事言ってるからでしょ?
…でさ。
今日は、サッカー部。休みの日なんだっけ?」
「ん…?あぁ。
俺としては、高校入って間もない時期で、早く実力の程を認められたいのもある
からな。本当は、一日も休みたくはないんだけど。顧問の先生が、急な出張で数
日間、学校を留守にするから…三日は部活、残念だけど出来ないかなぁ。
はぁぁ………」
「たかが三日で、そんな落ち込まなくてもw
…その三日で、愛を育めるならさ。それもまた、良しじゃない?」
「…自分こそ。朝っぱらから、何言ってはるんすかw
ま、俺はいつでも戦闘体制は整ってるけどな♪」
「お互い、今が盛りの歳だもんね〜w
じゃあ授業終わったら、ピカチュウの家に、速攻で行くから待っててね♪」
「ん。一緒に帰りたい所だけど…こっちが四限で、ミミのクラスは今日は五限だ
からな…
面倒だったら、またいつもの様に、そのままウチ来ちゃえよ。親父は遅くまで今
日も帰って来ないと思うし、さ」
「じゃあ、お言葉に甘えちゃおうかな♪
…じゃ、また後でね」
「ん。楽しみにしてるよ」


私達は、同い年で、幼なじみな関係…だったんだけど。中学一年からの『体』
を通した付き合いから始まり、正式に付き合って、今日で丁度約三年目になる。
小学五年ぐらいから、私達は他の子よりマセてたみたいで……
既に、色々『いじくり』合ってはいたんだけど、ね。
…まぁ、それは置いといて。
 私がミミロル。んで、彼がピカチュウ。ピカチュウは、私の事を『ミミ』と呼
んでくれる。…頭は悪い癖に、中々良いネーミングセンスをしていると思うんだ

私達の仲は、親も公認で、ピカチュウのお父さんがライチュウ。
…お母さんは、私達が幼い時に、他の男の人と蒸発してしまったとか何とかで。…お金持ちで
カッコ良い人なのになぁ。何が不満だったんだろ、その女の人は?
…大人は良く、分からないなぁ。
で、私のお母さん。ミミロップっていう名前で、スタイルは抜群。
昔は、ポケモンコンテストのあらゆる賞を総ナメにしていた…と、本人は得意気に自慢して
くるけど。
正直、何度も聞かされすぎて耳にタコが出来そうではあるかな…。
 お父さんは数年前に病気で死んじゃったんだけど…この時は、ピカチュウのお父さんも凄く悲しんでたっけ。
私のお母さん、お父さん、ピカチュウのお父さんの三人は、中学時代からの親友だったみたいだったから…
で、私のお母さんの話に戻ると。綺麗なだけしゃなくて、とても優しいお母さんで(たまに怒ると怖いけど…)、
私の世界で二番目に大好きな人、なんだ♪

…一番?
一番は、もちろん愛しのピカチュウ。
今はクラスは違うけど、同じ高校の一年生で、彼はサッカー部に入っていて…
ただ、部活に夢中過ぎて最近は登校と昼休みだけが、一緒にいられる唯一の時間で、それがお互いの最大の楽しみではあったけど…
やっぱりそれだけじゃ、物足りなくて。
…だから、今日は久しぶりにゆっくり会えるチャンスな一日なんで……
帰りが待ち遠しいなぁ、もぅ。
アイツだって…朝はあんまり興奮しないで、珍しく自重してたみたいだけど……
今頃、授業中に色んな妄想して、ムズムズしてるんだろうなぁ。…可愛い奴っ。

――早く、会いたいなぁ…


674 ::2008/06/05(木) 23:56:25 ID:R0Nsl4lE0

 ―放課後―



 俺は、散らかってる部屋の片付けを、家に帰って黙々としていた。
…CDがあっちこっちに散らばっていて、一つしまうのにも、一苦労だ。
ちなみに…お気に入りのアルバムは。人気トップアーティストグループ、「ブース
タン」が作詞作曲を手掛けた、『Limit The Break.』。
こいつは、俺の親父もお気に入りの一品で、しかも限定初回版!!…手に入れるのに、凄い苦労したんだよなぁ。
まず、お金は親父に借金して、で……ってそんな事を語ってる場合じゃない、かw
…早く、片づけないと…

――ピンポーン。

…げっ……来ちゃった、か?


「ピカチュウ〜?入るよー。」
「も、もうちょい待って!
後、五分あれば…」
――ガチャ。
「…
こんな事だろうと思った。
昔からそうだけど…普段から整理してないから、こういう事になるんだよ?」
「…おっしゃる通りデス。
……で、何やる?
テレビゲーム?ただ最近部活ばっかやってて新作は買ってないんだよなぁ。
あ、それとも、新曲のアルバムを聞いてちょっとハイになってから…」

!?
「……ミミ」
「ゲームもアルバムもいいよ。…せっかくの2人きりなんだから……
ヤル事は、一つでしょ?…違う??

ゲームとか言いつつ、『急所』がむき出しになってる、ピカチュウさん?♪」
「…う……いつの間に。
やっぱ体は正直で…いけない、なw」
「もしかして…溜まってるのぉ?
ベットはいつものごとく、キレイに整ってるから……そっちに移らない?」
「……うん」

ピカチュウのモノは、今や天井に向かって、熱く、硬くそそり立っていて、
間近で見るようになってから、早くも約五年が経つが、今ではだいぶ立派になってきていて…
日々の成長を感じると共に、私の秘壺が徐々に濡れてゆくのを…この時、感じた――
「ピカチュウの……また大きくなった?」
「は、恥ずかしいだろっ。
いいよっ!そんなマジマジ見つめくても……
!?」

ミミが…唐突に俺のを口に含んだ。どさくさに紛れて、俺もミミの下に、手をそっと伸ばしてみると…
予想以上にそこは濡れていて…驚きと共に、さらに俺の興奮は増したんだ。
「帰ってから、まだシャワーも浴びてないし…汚いかもよ?」
「男の子は、そんな事気にしなくて良いの♪
…むしろ、私の方が浴びたいくらいだよ。今日はそのまま来ちゃったからさ」
「ミミは汚く無いよ。シャワーなんて…浴びてなくてもっ!」
「ひゃっ!? …あ、イキナリ…そんなトコ、舐めたら……」



――――(ここで著者が(昨日)眠くて力尽きたため、この先の展開が…忘却の彼方に…
…(w )
てか、エロ本番の描写が未だに慣れないというか、抵抗?みたいな物があって…
本編も、エロ本番直前で止まっていますし、ね。

…次の執筆で、(短編の方は)決めちゃいたいですよー(--;)
(てな訳で、一時休憩を(_ _) )


675 :江戸:2008/06/07(土) 00:37:33 ID:YzPmJOW+0
前に書いた話「心の闇」がおかしくなったので、新しく書こうと思います。





676 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/07(土) 10:20:36 ID:N9HaNRpk0
サイズオーバーの予感?

677 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/07(土) 13:46:41 ID:x3QEOQfI0
サイズオーバー??

678 :江戸 ◆qrDvNo6Uus :2008/06/07(土) 21:50:11 ID:YzPmJOW+0
>>675おかしく書いた事をお詫びします。

679 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/06/07(土) 23:04:49 ID:CvoKNp8w0
続き。難しいよ。3Pってとても難しいよ……。グレンは結局三発以上だしてますね。

25 三位一体

ウズキとフィニティはどちらが先にグレンのモノを入れるかで揉めている。

「フィニティは一度やってるんだからボクからで良いじゃないか」
「グレンは私の彼氏なんですから私の方が先ですよ」
「……解ったよ……フィニティからすればいいよ」

ウズキは口論してもしょうがないと思いフィニティに先を譲った。
フィニティはグタッリとするグレンにまたがり自分の秘所にグレンのモノを挿入していく。
一度交わっているためすんなりと奥まで入っていった。

「……フィ、フィニティ!?」
「すんなり入りましたね」

グレンはグッタリトしていても体はまだ快楽を求めていた。
その証拠にグレンは自らフィニティを突いていく。
ウズキはそんな光景に我慢できず自らの秘所を前足で弄っていた。
だが交わる快楽とは比べ物にならず更に欲求不満へと陥る。

「ひゃん! 気持ち良いですグレン……」
「フィニティの中……とっても気持ちいいよ……出すよ?」
「あぁん! ボクも速くグレンのが欲しいよぉ……。グレンの太いのが欲しいよぉ……」

グレンは更に加速しフィニティの中に精液を流し込んだ。
フィニティもそのまま絶頂を向かえた。
グレンからモノを抜きフィニティは横になった。

「今度はボクの番だよ……」

ウズキも同様にグレンにまたがり挿入していく。
グレンはフィニティとは違った快感にまたモノを大きくする。
フィニティはその光景を少し不満そうに見ていた。

680 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/06/07(土) 23:05:16 ID:CvoKNp8w0
「あん! 久しぶりのモノは気持ち良いよぉ……」
「ウズキさん……」

ウズキはフィニティと違い自ら動き出した。
それによりグレンには先ほどとは別の快楽にすぐに絶頂を向かえてしまう。
ウズキはあまりの速さに目を丸くした。

「え? もう出しちゃったの? ボクはまだ満足してないよ……」
「だって……ウズキさん激しいんだもん……」
「まだ……続けるからね……」

ウズキは余韻に浸るグレンを無視し再び動き出す。
グレンも今度は自分からも動いていた。

「あぁん! 良いよぉグレン……。もっと激しく動いて……」
「こ、こうかな?」
「そ、そう……グレンはスジが良いね……」

グレンはうずきに言われたとおりに動いてみた。
ウズキは与えられる快楽に身を任せうっとりとしている。

「ウズキさん……僕……また……」
「良いよ……ボクにもう一度熱くて濃い精液を出して……」

グレンは再びウズキの中に精液を流し込んだ。
今度はウズキも絶頂を向かえることができた。

「……ウズキさんの中には二回出すなんて随分楽しんでますねグレン」
「フィ、フィニティ!? こ、これは……その……」
「フィニティったら怒っちゃって可愛いんだから〜」

フィニティは自分には一回だったのにウズキに二回出した事が相当不満のようだった。
グレンは相当焦って言い訳を考えるが良い言葉が思いつかない。
この状況を作った当の本人であるウズキはグレンをまったくフォローしなかった。

681 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/06/07(土) 23:05:43 ID:CvoKNp8w0
「じゃあ最後は皆で一緒にイキたいよね〜。同じような事言ったけど……」
「ですができるんですか?」
「そんなの簡単じゃない!」

フィニティの疑問にウズキは答えを言う前に行動で示した。
それはフィニティを仰向けに押し倒し抱きつく形となる。
ウズキが位置を調整し互いの秘所を密着させた。

「これでグレンがボク等の合わせめに入れれば大丈夫でしょ?」
「はい。そうですね」
「じゃあフィニティ、ウズキさん……いくよ」

グレンは二匹の合わせめにモノを入れていく。
入れられるのとは違う快楽にウズキとフィニティは困惑する。

「ひゃん! グレン……」
「あぁん! 良いね……良いよグレン……」
「くぅうう」

三匹の喘ぎ声が辺りに響く。
グレンは最高速を出し一気に絶頂へと向かわせる。

「グレン……私もう……ダメ!」
「ボクも我慢できないよぉ!!」
「皆で一緒にぃいい!!!」

三匹は同時に絶頂を向かえることに成功した。
グレンの精液は二匹の腹を白く染める。
三匹とも激しい快楽の余韻に酔いしれていた。

682 :ピカソ ◆i/ei.o2TGU :2008/06/08(日) 21:14:25 ID:mhpIFDNc0
>>231の続きを書いてみようかな…
それともキジンのリメイクを書こうかな
という訳で
両方書きます
期待して待っててください!
見事にがっかりさせますからw

683 :江戸 ◆qrDvNo6Uus :2008/06/08(日) 22:46:18 ID:/LPLu8JY0
やっと完成しました。エロはあまりありませんがどうぞ
「小さな光」(一部に出血表現あり)

ここは暗い洞窟・・そこにはある一匹のブラッキーが住んでいた。
「またか・・」そのブラッキーは洞窟の入口にあった紙を見て言った・・
紙に書かれていたのは、殺しの依頼だった・・・

彼はイーブイの時、トレーナーに飼われていた、周りの人からも色々と可愛がられもした
しかしある日、ブラッキーに進化した時から周りの人の反応は激変した。
そして「もう、ご主人に迷惑はかけたくない・・」そうして、彼はそのトレーナーの家から出て行った・・。

今、彼の目の前には依頼の目的人物がいる「やめて・・お願い・・」そう言う一匹の雌のラルトス・・
「ごめんな・・」彼は言った後、いあいぎりでラルトスを殺した・・・。
彼の周りには血がある・・「もう・・こんな事はごめんだ・・」実際この仕事は好きではない・・しかし彼にはこれしかなかった。
悪タイプであるからだ。

そうしていると何故か周りが明るくなり、目の前が見えなくなった・・

一応、短編のつもりです。










684 :江戸 ◆qrDvNo6Uus :2008/06/08(日) 22:48:00 ID:/LPLu8JY0
またおかしくなってる・・すいません

685 ::2008/06/08(日) 23:05:29 ID:yHoB2wtY0
>>蒼空氏
フィニティ……イイですねー♪
ウズキさん…ちょっと『暴走』しちゃってますねww

今までも、プラス今後に期待です(*´ー`)b

686 ::2008/06/08(日) 23:23:29 ID:yHoB2wtY0
てな訳で…自分の短編の後半部分を。
(締まりは、若干悪いかも…知れないです(何 )

687 ::2008/06/08(日) 23:28:13 ID:yHoB2wtY0
 
 手より、舌の方がミミはより感じるーー
だから…いや、今はもう好んで、自らこの行為を積極的に行っているのかもしれ
ない。
初めは…これでも口で為る事には、抵抗があったんだけども。
ミミがやって、男の俺がやらない訳にはいかない……そんな強がりから、この行為には段々と慣
れてきて。

…今では虜の様にーー
 
 ミミだから…なのかもしれない。
愛が深い分、不快感を感じないのかも。
…ミミは、元から好き好んで、抵抗なくやってるみたいだけど。
ま……そういう所がまた、可愛いらしいんだけども、ね。


688 ::2008/06/08(日) 23:32:39 ID:yHoB2wtY0
「――ピカチュウは、やっぱり、上手いね」
「いや、ミミには、負けるよw


ん……そろそろ…ヤバいかもっ」
「……どうせ出すなら、気持ちイイ方で出したいでしょ?

下の口に…入れれば??」
「…「入れて?」って言わなきゃ……入れてあげないよ?w」
「…いじわるっ。


…ねぇ……入れて??」
「…ヨロシイ。
んじゃ、いつもの通り、腰にマクラ当てるよ?


んっ…
今日は、中々締め付けが…良い具合かも……

てか…生は……ヤバ、い、ねw
入れただけで…もう、イキそう、だよ」
「…早いのは足だけにしてよ?
もぅ〜。
まだ、出しちゃダメだよ?…ギリギリまで、我慢して…。
…ワタシも気持ち良く……させてね?」
「…
じゃ、動くよミミ」


ーーパンッ…パンッ…

ーーギシッ…ギシッ…


 小気味良いリズムと、時々混じる俺の呻き、ミミの喘ぎが…この静かな空間を
支配して。
それはまるで、奏でられた一つの音楽の様…で。
…時の流れを忘れさせる程に…
自分達を、夢中にさせる。
この行為に溺れる者は、愚かな存在なのかもしれない。
でも、俺達の先祖は元は野生が主だったし。
そう考えると、一時野生化したと思えば、何ら問題は無いかと思えてくるから不思議だ。

――とにかく。愛する者同士に、この行為は絶対必要なんだ。
…お互いが、より愛し合ってるなら、より濃く……
そして、より深く………


689 ::2008/06/08(日) 23:42:21 ID:yHoB2wtY0
「ピカチュウ…
イ、イイよぉ………

もっと…
もっと……突いてぇ」
「んっ…はっ
…分かっ、てる……

ミミ…愛、してる」
「わ、わたしもぉっ!
…ピカ、チュウ!!
あっ…い……イッちゃうよぉっ!!!」
「ミミっ!!!
…俺、もう……
中に…いっぱい出すから……

くっ…
で、でる!!…でるよぉっ!!!
ミミぃぃぃ!!!!」


――ドピュッ…ドクッ……ビュルッ……


「あっ…ミミ……スゲェ気持ちいい、よ…」
「…
今日は、『安全な日』…だから。
ゆっくり…余韻に浸って」
「…ミミ」
「…ピカチュウ」

 俺は直ぐには抜かず、言葉に甘え、繋がったまま…精を解放した疲労感と満足感に浸りながら、
今度はまた上の口同士で…再び愛を確かめ合っていた。

…時間が過ぎるのも…忘れて。

690 ::2008/06/08(日) 23:53:53 ID:yHoB2wtY0

むしろ。
そう、むしろ。
この時、時間が止まってしまえば。
…そう思ったのは、俺だけじゃ…ないはずだよ、な?

……ミミ。
 俺らは、いつかは結ばれる運命に在るはずだったんだよな??
そしていずれは、俺にもミミにも似た、『ミミロル』が生まれてきて。
親や友人にも祝福されて、さ。幸せな…家庭?ってヤツが……そう遠くないトコロに存在した筈なんだ。
…この瞬間までは、絶対。


ミミとこの時、繋がっていたままでいられれば良かった。
ミミを。この日……帰すんじゃ無かった。


――真実や現実は、時に残酷で。
この時、俺達がもう少し大人だった――ならば。
現実に目を背けずに、何とか他人を欺き続けながらも、繋がり続ける方法があったのかもしれない―――
いや……『しれなかった』が正しい、か。


 だって俺達は。

 もう、今は。


深い…深い海の底で。
 
 二人仲良く。
 
 永遠に……眠り続けて…いるのだから――――


 
 〜Fin.〜

691 :カゲフミ ◆U2shadow16 :2008/06/09(月) 00:17:33 ID:hEH/uv9o0
―3―



 俺の後をついてくるグレムの足音は心なしか大人しい。壁や物に当たらないよう慎重に歩いているのだろう。
身長は俺と大して変わらないが、横幅がある。決して広いとは言えないこの家の中は何かと不便だ。
マグマラシから進化して間もない時は、以前の感覚で家の中を歩いたため机にぶつかり、上にあった皿一枚とコップ一つを犠牲にしたことがある。
まあ、食べた後の食器をすぐ片付けない俺にも原因はあるのだが。それ以来グレムは家に入る時は過剰なまでに慎重になったのだ。
確かグレムがボールに入るのを渋らなくなったのも、そのことがあってからだな。自分でも分かったのだろう、今の体では家の中に居づらいことが。
「風呂にお湯張るから、ちょっと待っててくれ」
「うん」
 炎タイプ故かグレムは湯船に浸かるのが苦手らしい。
二人一緒だとぎりぎり入れる程度の広さの風呂だが、俺が湯船に浸かったまま洗い場にいるグレムをシャワーで流してやることで彼を洗うことはできるのだ。
「……待って」
 風呂場のドアを開けようとしたとき、後ろから声がかかった。
どうしたんだ、と振り返った俺の元までグレムは駆け寄り、物言いたげな視線を投げかけてくる。
「あのさ、風呂に入るんだったら……その前にさ」
 手を胸に当てて少し照れながら小さな声で言う、まるで雌のような仕草。
ここまで来ればグレムが何を言いたいかは分かる。その先は言わせない、言わないでほしい。
そう言えば最近は全然構ってやれてなかったよな。ここは……引き受けておこうか。
「……分かった」
「やった!」
 嬉しさのあまり思わずジャンプしそうになったグレム。
ここが家の中だということを寸でのところで思い出し、踏みとどまったようだ。よかった。
「じゃ、ちょっと準備するから俺の部屋で待っててくれ」
「うん。待ってるからね、リデン!」
 家の中を移動するときの慎重さは忘れていなかったが、それでも浮足立っているのが分かる。
俺の部屋のドアを開けて閉める音がした後、グレムの足音も聞こえなくなった。
掃除してなかったから散らかってたかもしれないけど、グレムだし気にすることもないか。

692 :カゲフミ ◆U2shadow16 :2008/06/09(月) 00:20:20 ID:hEH/uv9o0
 さあて、あいつをあんまり待たせるのもかわいそうだし、さっさと準備しないと。
俺は洗面所に向かうと、念入りに手を洗う。手首から指の間、爪の間まで丁寧に。
冷たい水の感覚は熱を冷まし、平静さをもたらしてくれる。ふと、こんなことでいいのだろうかという疑問が浮かんできた。
このままじゃグレムのためにも、たぶん俺のためにもならないんじゃないかと。
「……今更、遅いか」
 もう部屋でグレムは待ってる。俺がドアを開けて入ってくるのを心待ちにしているのだろう。
期待に胸を膨らませているあいつの姿がありありと浮かんでくる。一度受け入れてしておきながら取り下げるなんてしたくなかった。
湧き上がる疑問を振り払うかのように頭を振ると、蛇口を閉めタオルで手を拭く。
今度はそのタオルを水で濡らして、ぎゅっときつく絞る。水が滴らない程度に絞れたら、これで準備完了だ。
それじゃ、行くとしますか。俺は絞ったタオルを片手に自分の部屋に向かう。
この時点で妙な緊張感を感じているのは俺に度胸がないからなのか、それともこれから起こすであろう事象に対する後ろめたさか。
たぶん両方が入っているんだろうなと思いながら部屋の前まで来ると、中にいるグレムに聞こえないように小さく深呼吸して、ドアを開けた。
=============================
>>665 パウスさん
こういうほのぼのは私も大好きです。
正直エロ書いてるよりもこっちを書いてる方が楽しかったり(蹴
ま、今回はエロも入る予定ですけどね。
レスありがとうございました。

693 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/06/09(月) 21:30:09 ID:ZjUY2qpg0
続き。懐かしきこの二匹の再登場。
溌さん。飢えた雌は怖いんです。

26 目撃者はお知り合い

行為を終えた三匹はグッタリと横になっていた。
ウズキは意識があるがグレンとフィニティは気を失っている。
そこに一匹のポケモンが通りかかった。
いや、通りかかっただけならまだ良かっただろう。
そのポケモンは三匹に近づいてきた。

「よぉ! お前等久しぶり……」

そのポケモンはライガだった。
三匹の現在の姿を見れば何があったかは容易に想像がつく。
ライガを絶句させるには十分な光景だった。

「す、すまない! べ、別に邪魔する気は無かったんだ!!」

ライガは三匹に背を向け走り去ろうするが何かに押さえ込まれた。

「どうしたライガ? 見てはいけないような物でもあったのか?」
「姉さん!? 十分あったからこうして……」

押さえ込んだのはサイだ。
サイも三匹の姿を見て顔を背けた。

「す、すまん! べ、別に邪魔をする気は無かった……」

サイもライガとほぼ同様の言葉を言い、去ろうとする。
そこが二匹が姉弟だと改めて実感できた。
しかし、二匹とも誰かに掴まれ前には進めない。

694 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/06/09(月) 21:31:08 ID:ZjUY2qpg0
「ちょっと逃げるのは酷いんじゃない? この辺に体を洗えそうな場所ってない?」

掴んだのはキュウコンに進化したウズキだった。
ライガとサイは掴まれた事で抵抗するが無意味に終わる。

「……お前誰? て言うかロコンはどこ行った?」
「まぁこの辺に小川があるが……ライガと同じ質問だが誰?」

二匹は進化したウズキが誰がか解らないようだ。
当然といえば当然だろう。ウズキは進化すれば年齢は十六から二十五になる。
始めて見て同一人物を解るほうが可笑しいだろう。

「ん? ボクだよボク。前会ったロコンだよ。ってそう言えばボク達って自己紹介してないんだよね?」
「ああ……聞いた覚えはまったくない。聞く理由がなかったからな」
「私なんか一度しか会ってないからな」

ウズキが二匹を放す。
二匹とも掴まれていた事でグレンの精液がついた事に不快に思ったが顔に出さないようにした。
ロコンに負けた自分達にキュウコンに勝つ手段があるはずもない……。
怒らせて何かあれば無傷で済むことはないと判断したからだった。

「え〜と。あのガーディがグレン。で、そっちのイーブイがフィニティ。ボクがウズキ。解った?」
「ああ。しかし小川に案内するのは良いんだが……その格好で行くのか?」
「へ? キュウコンの姿で何か問題でも?」

ウズキはサイの質問の趣旨を理解していなかった。
サイは前足を突き出し大声で宣言した。

695 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/06/09(月) 21:31:40 ID:ZjUY2qpg0
「キュウコンの姿に問題があるんじゃない! 全身精液まみれになった姿で出歩くのかって言ってるんだ!
 私はそんな奴に後ろからついて来てほしくないんだよ!」
「……姉さん声が大きい。大声を出したくなるのは解るけどさ……」

ライガの指摘にサイは顔を赤くした。

「だから……取り合えず何かで拭くなり歩けるような格好にしてくれ」
「何かで拭けって言われてもねぇ……」

ウズキは辺りを見渡す。
こんな森のど真ん中で体を拭けそうな物なんてあるはずもない。
ウズキはサイを見てニヤリと笑った。

「ねぇサイ? 白い毛だったらついても目立たないよね?」
「ま、まさか……。それはやめろ! いや、やめてください!
 私が悪かった! その格好のままで良いから!」

サイはウズキが何をしようとしているのかを理解し顔を真っ青にする。
しかしサイの言葉を聞き入れずウズキはサイに近づいていく。
サイは後ろに下がって行くが木にぶつかった。
もう逃げ道はない……。

「じゃあ体を拭こうかな……」

ウヅキはサイに飛びつく。
ライガもウズキを引き離そうとしたが敵うはずもなく逆にタオルにされた。
サイとライガの悲鳴が森に大きく響き渡った。

696 :ジャンク:2008/06/10(火) 18:02:11 ID:ayw418gQ0
う、少し恐ろしいですな

697 :テスカ:2008/06/10(火) 20:02:16 ID:luqzYNYM0
突然タオルにされたらドン引きして、ちかよれなくなるかも… 



698 :江戸 ◆qrDvNo6Uus :2008/06/10(火) 20:35:11 ID:WLlRtKE20
>>693〜695
サイとライガ、久しぶりですね

699 :ジャンク:2008/06/10(火) 21:49:16 ID:ayw418gQ0
学校の行事などで忙しかったんですが書けたので打ちます。

「いっぱい買い物したね」
「まったく、いっぱいすぎてお金が無くなったかと思ったよ」
僕と、サラは、家にひとまず戻った。
「お買い物しているうちに、お昼だ!!今作るから待ってて」
サラは、そのままキッチンに、行ってしまった。
僕は、ソファーに座った
(この薬を使うか、使わないかどうすれば)
僕は、睡眠薬を使うか使わないか迷っていた。
「ケン、出来たよ」
「うわっ、い、いきなり言わないでよ」
「何、驚いてるの?」
「な、なんでもない!!み、水持ってくるよ」
僕は、誤魔化しながら水を取りに行き、その薬をサラのコップ入れた。
「変な、ケン、じゃあ、食べよ」
僕とサラは、昼食を食べ始めた。

「何、さっきから見てるの?」
「いや何も」
僕は、意識しないうちにサラのことを見ていた。
「何か、隠していない」
「ぶっ、な、何も隠していないよ」
僕は、口の物を出してしまいそうになった
「怪しいわn」
その瞬間、サラは、水を飲んで眠っってしまった。
「ごめんね、こうしなきゃ君がついて来ちゃうから」
僕は、家を出ようと扉に手を掛けたとき意識を失った。

「な、何、これ!!」
僕は、腕と足を縛られていた。
「あっ、もう、目が覚めたんだ。まだ、三十分も経っていないのに」
「何で、僕を縛るの!!早く解け」
僕は、少し、怒って言った。縛られるのが何より嫌ったから
「あれ、今そんな風に私に命令しないほうがいいですよ。私も少し怒っているんだから」
確かにしゃべり方がおかしいし鋭い釜を近づけてきている。
「わわわ、やめって、ここ怖いから」
「じゃあ、何で、睡眠薬なんて入れたの?あと私、簡単にケンの命なんて奪えるから変な真似しない方がいいよ」
僕は、血の気が引いたここまで怒ったサンは見たことがなかったから
「そ、それは……言えないって何で眠くならないの!!」
「カゴの実を口に含んでたからよ、それより言えないってことは、それなりの覚悟があるよね」
「あっ、そうかって怖いって」
サラは鎌を引き今までに無い笑顔で笑っていった。
それが僕にとって一番の恐怖だった。

700 :ピカソ ◆X0li4ODh3w :2008/06/11(水) 21:05:00 ID:rCD3YI2U0
此処は名前も無い、静かな村
この物語はそんな村のザングースとハブネークのお話…
ぽつぽつぽつ…
「雨か…」
その日は、空の調子が悪く、雨が降ったりやんだりしていた。
この村では雨の日によく雷が落ちる。
それ故、雨は、この村にとって恐れられる物だった。
「雨降ってきたよ〜帰ろうぜ〜」
長いからだを雨に濡らし、身体を震わせるハブネーク
「そうだな、帰るか」
…………
少し大きい家、その家に四人のポケモンはすんでいる、いわゆる、シェアハウス
「ただいま…」
びしょ濡れの身体で中に入ろうとするザングース
しかし、奥から出てきた一匹のポケモン、グレイシアに止められる
「ちょっと!そんな身体で入らないで!濡れちゃうでしょ!」
「まず中に入れてくれ〜…寒い…」
呆れ顔のグレイシアの後ろから静かに出てきたのは一匹のアブソル
「あの…タオル…持ってきた…」
「まじか!貸してくれ〜!!」
ハブネークはアブソルから勢い良くタオルを奪い取った。
それに驚いたアブソルは尻餅をついてしまった。
「ちょっと!馬鹿蛇!アブソルちゃん怖がってるじゃん!」
凄い剣幕でハブネークに近寄るグレイシア

次のレスに続く

701 :ピカチャー:2008/06/11(水) 21:14:17 ID:ZpxSPmdU0
ええと。。。ポケモンのエロバナシハ思い付かないのですが聞くのは好きなので
暇なときエロ話送ってねー できれば人間のねーー (sex)
[email protected]
ちなみに私アメリカにすんでいます^^

702 :カゲフミ ◆U2shadow16 :2008/06/11(水) 21:31:06 ID:6b49l/mI0
―4―

 俺は部屋に入り、ドアを閉めた。グレムはベッドの上に腰かけて、俺を待ち望んでいたようだ。
嬉しそうにキラキラと輝いている彼の瞳が眩しい、眩し過ぎる。そんなに楽しみだったのか。まあ、気持ちは分からないでもないが。
「待たせたな」
「ううん、そんなことないよ」
 口ではそう言いつつも、グレムの目は早く早くと俺の行動を催促しているのが丸分かりだ。
目は口ほどに物を言うとはよくいったもの。ちょっと待ってくれ、俺にも心の準備というものがあってだな。
部屋の中を見回し、落ちていた本を本棚に片付けたり、ベッドの上の布団を軽く整えたりして間を持たせてみる。
「散らかってて悪いな」
 最近は友達も呼んでない。誰にも見られないから別にいいや、でこの有様だ。
さすがに足の踏み場もないほど散らかってはいない。本や漫画など、床に落ちているものが若干目につく程度。
「気にしてないよ。それに散らかってても、この部屋にいるとなんだか落ち着くんだ。リデンがすぐ近くにいるような気がしてさ」
 ポケモンは基本的に人間よりも嗅覚が優れている。グレムが落ち着くのも、トレーナーである俺の匂いがこの部屋にあるからなのだろうか。
だが、なんとなく上の空と言った感じの物言いだった。言葉だけが先行してしまい、それに気持ちが追い付いていないような。
彼の本心ならばなかなか嬉しいが、どこまでが本音なのやら。やっぱり、今は心が躍ってそれどころじゃないんだな。
こうやって焦らされても、口で催促してこないのはグレムのいいところだ。よし、それじゃ俺も腹を決めるか。
「……そろそろ、始めよう。グレム、横になってくれ」
「うん!」
 待ってましたと言わんばかりに、早速グレムはごろりと仰向けに寝転がる。無防備な格好だ。
目の前で大胆なポーズを取られても、生憎俺の胸はときめかない。そこは今のところ大丈夫だ。
最後にもう一度だけ小さく息を吸い込むと、俺はベッドの横の床に座った。

703 :カゲフミ ◆U2shadow16 :2008/06/11(水) 21:31:33 ID:6b49l/mI0
 そして、グレムの腹にそっと触れる。頭を撫でてやることはよくあるが、腹を触られるのはあまり慣れていないらしい。
グレムの体が少しだけ反応したが、俺はお構いなしに両手でさわさわと彼の腹を撫でまわしていく。
走った直後のせいか所々乱れている部分はあるものの、クリーム色の毛並みは柔らかくていい手触りだ。
俺の掌から指の間にかけて、グレムに侵食されていくような気がする。もうこの触り心地からは、抜けだせない。
「ふふ、くすぐったいよ」
「まあ我慢してくれよ。俺には準備体操が必要だからさ」
 腹から脇へと手を移したとき、さすがに耐えられなくなったのかグレムが声を洩らした。人間と同じで、彼も脇は敏感らしい。
脇は腹よりもさらに柔らかい手触りだ。両手をグレムの両脇に伸ばし、揉みほぐすように手を動かす。
笑いを堪えているのか、彼の体が小刻みに揺れている。くすぐったいのは分かってるさ。でももう少し、もう少しだけ。
 俺は両手を脇から離すと、今度は自分の顔をグレムの腹にうずめてみる。
あれだけの運動神経があるんだからさぞかし筋肉も発達してるんだろうと思ってたけど、案外そうでもない。
毛に埋もれた腹は程よい柔らかさと、弾力を兼ね備えている。枕にするならうってつけだ。
それに炎タイプだからなのか、ぽかぽかと暖かい。この心地よさ、運動した後の疲労も手伝って確実に眠気を誘ってくる。
ちょっと汗臭いような気もしたけど、大して気にならない。いつかこんな枕が発明されないだろうか。ああ、ずっとこうしていたい……。
「リデン?」
「ああ……もう大丈夫だ」
 俺は頭を起こす。そろそろ、現実に戻らないと。毎度のことながらかなり待たせてしまったが、俺の準備体操も終わった。
グレムはいつでも来いといった状態だが、俺の場合はゆっくりと踏み込んでいくアプローチが欠かせない。
毛並みを十分に堪能したことにより、なんとなく気分も高揚している。いけそうだ。
俺はグレムの股ぐらに手を伸ばすと、柔らかい体毛の中に埋もれていた突起にそっと、触れた。

704 :ピカソ ◆X0li4ODh3w :2008/06/11(水) 21:33:30 ID:rCD3YI2U0
「寒いんだから早く身体拭けば良いのによ…」
それからグレイシアの説教が小一時間続いた。
そして飯時
先程の説教の事など忘れたように皆仲良く話していた。
「たまには一緒に寝ようかアブソル〜」
イヤらしい笑顔を浮かべながらアブソルに話しかけるハブネーク
「さすがに男と女を同じ部屋に置いとくわけにはいかないな」
ザングースが呆れた顔でハブネークに話しかける。
そして皆が食事を終えて、部屋に戻っていった。
「おやすみ〜」
「ザングース〜俺の部屋で遊ぼーぜー」
「いや、今日は良い」
「アブちゃん一緒に寝ようか〜」
「あ、はい」
バタン
四つの部屋の戸が閉まった。



次回からエロパート!w
エロはいるまで長くてすいません…

705 :ピカソ ◆X0li4ODh3w :2008/06/11(水) 23:04:19 ID:rCD3YI2U0
BL注意!

「ふぅ…今日はちょい疲れたな…」
ぼーっとしながら布団の上に乗り、天井を見つめるザングース
「……そろそろやろうかな」
ごそごそと動き出す、そして部屋を暗くし、静かに自慰を始めた。
「ん…ぅんぁっ…ふっ…くぁっ…」
それから何分かして、ザングースのモノが今にも射精をしそうなときだった。
「おーっす!来てくんないからこっちから来たぞ!…って、あっ…」
部屋にはいってきて、ちょうど部屋の真ん中辺りでザングースのしている事に気がついた。
「あ…そういう事…なんか…すまん!」
ハブネークが慌てて部屋を飛び出そうとした時だった。
「待て!!!」
一瞬ハブネークが凍り付く
「みたんだから……責任取れよ…」
「な…なにを!馬鹿!そんなこと……」
ハブネークが言いかける途中にザングースはハブネークを押し倒した。
「頼む……」
「……わかった」
そう言うとハブネークはゆっくりと下半身に移動した。
長い舌をザングースのモノに絡ませる。
少し刺激を与えると、ザングースのモノは射精した。
「ふぁっ……!あ…ごめん、顔に…」
「平気だよ」
そう言いながらハブネークは身体にかかった精液をなめる。

706 :ピカソ ◆X0li4ODh3w :2008/06/11(水) 23:14:17 ID:rCD3YI2U0
「じゃあ次は…俺の嘗めてくれよ」
そういうとハブネークはザングースの顔の前にモノを突き出す。
「うん…」
そう言ってザングースは優しくモノを口に含んだ。
そして舌でモノを刺激しながら、至る所を嘗め回す。
「やべっ…出るっ…もう…うわああぁっ!」
ハブネークのモノからは大量の精液が流れ出す。
よほど溜めていたのか、射精は15秒程続き、ザングースの顔と口を真っ白にした。
「苦い…けど美味しいよ、ハブネーク…」
「ハズいからそういう事言うなよ…でもおれも気持ち良かった。」
「…寝ようか…」
「ああ」
「二人一緒で…な」
二人は軽い口づけをした、よほど今の行為が疲れたのだろう二人寄り添いながら深い眠りについた。

時を同じくして、アブソルの部屋ではー…‥

707 :ピカソ ◆X0li4ODh3w :2008/06/11(水) 23:17:00 ID:rCD3YI2U0
エロ描写、少ないし、下手でごめんね
書いてると恥ずかしくなって、自然に短く纏める癖があるんだ。
なのに上手く纏めれてないんだ。 泣

708 :ピカソ ◆X0li4ODh3w :2008/06/11(水) 23:20:24 ID:rCD3YI2U0
ミス!>>700の最初!
ザングースとハブネークの物語
って所
四匹のポケモンの物語
に脳内変換してください
すいません
というより連レスしすぎたんで自重して
明日続き書きます。

709 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/06/12(木) 23:34:52 ID:fm/dpyiM0
続き。ジャンクさん、テスカさん。まぁウズキの行動は予測不能なのです……きっと。
江戸さん。この二匹は動かしてて楽しかったので再登場はさせようと思ってたんですよ。

27 禁断の地

サイを先頭にライガとウズキが続いて歩く。
フィニティはライガの背中にグレンはウズキの背中に乗せている。
始めは同姓同士を背中に乗せれば良いとサイは提案した。
ウズキについていた精液がグレンのだと予想できたのかライガはグレンを背中に乗せるのを拒否した。
当然だろう。今サイとライガの体にもウズキに擦り付けられたグレンの精液が体中についている。
サイもその事を覚ったのかライガが雌を乗せると言った事に一瞬嫌な顔をしたがすぐに納得した。

「はぁ〜。……にしてこれは酷いよな……。俺の自慢の漆黒の毛が……精液でガビガビに……」
「文句を言うな……と言いたいが愚痴りたくもなるな……」

サイとライガは口を開くたび愚痴と溜息しか出ない。

「どうした君達! 元気がないぞ! 元気を出せ!」

ウズキの発言にサイとライガは睨む。
二匹とも「誰の性だよ」と目で訴えるもウズキはまったく気にとめない。

「もうすぐ小川につく。早く体を洗いたい……。私の毛が……」
「案外誰にも見つからなかったね?」
「この辺は時の教団でも幹部しか侵入を許されてない地域だ。だから正直見つかったら犯罪になる訳だ。
 ……もっともそれ故に見つかりにくい」

ウズキの疑問にサイが簡単に答えた。
流石は姉弟、文句はライガと同様である。
グレンとフィニティが聞いていたなら顔を真っ青にしていただろう。

「……なるほど。灯台下暗しってやつだ」
「そう言うことだ。しかし長居は無用だけどな」
「当然だね」

710 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/06/12(木) 23:35:20 ID:fm/dpyiM0
ウズキとサイがあれこれ話しいるうちに小川につく。
その景色は小川の周りに花が生えていて庭のような印象を受ける場所だった。
小川につくとサイとライガはすぐに体を洗い始める。
ウズキは一瞬何かに気付いたような顔をしたがそのまま体を洗い始めた。

「そうだこいつらも洗わないとな……」
「ふ〜ん。ライガって結構気が利くんだね。惚れちゃいそう」
「お、俺には両思いの彼女がいるから!」

グレンとフィニティを川につけたライガを見てウズキがからかう。
年上の雌にからかわれたライガは顔を赤くする。
その時サイがライガを睨んでいたのは言うまでもない。
グレンとフィニティも水の冷たい感覚で目を覚ました。

「あれ? ここは?」
「あ! お久しぶりですサイさん、ライガさん」

グレンは状況が解らずキョロキョロとする。
フィニティはサイとライガを見つけ挨拶をした。

「早く体を洗っちまいな。ここに長く居座ると不都合だからな……」

グレンとフィニティは「はい」と返事をして体を洗い始める。
五匹が体を洗っているといつの間にか雌のグラエナが何かを調べていた。
こそこそしている感じから時の教団の幹部には見えない。
そのこそこそしているグラエナはエイガだった。

「ん? あのグラエナ……。まさか気付いたのか……ここの秘密に……」

エイガを見たウズキは川から飛び出し襲い掛かった。
普段のウズキからは考えずらい行動に一同は何が起こったのか解らないでいる。
ウズキはエイガを押し倒し踏みつけ動けなくした。

711 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/06/12(木) 23:35:57 ID:fm/dpyiM0
「久しぶりだなウズキ? それとも始めましてかな?
 この姿で君と会うのは始めてだもんな。でも随分手荒い挨拶だねこれは」
「そんな事はどうでもいい! 貴様……封印を説く気か!?」
「その焦りよう……ここにパルキアの封印があるって言ったようなもんだね……。
 お前は本当に感情的になりやすい……。欠点だよ」

ウズキは「しまった!」とでも言いたげな顔をするが声にはならなかった。

「どうやら正解のようだね? やっぱりあの辺は君のフェイクだったか……。
 ん? 誰か他にも来るみたいだね? お互い見つかったら厄介なんじゃない?」

ウズキが大声を上げたため近くにいたポケモンがこちらに向かう足音が聞こえた。
足音的に四足のポケモンが二匹、二足のポケモンが一匹だろう。
ウズキは足音に気を取られてエイガを離してしまう。
ウズキから開放されたエイガは一瞬の内に姿を消した。
それに気づいたウズキが辺りを探すがエイガの姿は見つからない。

「あなた達ここで何をしているんですか?」
「……排除……」
「ウズキ!? こんな所に!?」

三匹のポケモンはアマツ、ムオン、ミナヅキだった。
やはりウズキとミナヅキは知り合いらしい。
しかしウズキはまだミナヅキに気付いていない。
寧ろアマツの存在に動揺しているように見えた。

712 ::2008/06/13(金) 18:56:38 ID:g6rRwYU+0
…二度目のトライアル(`・ω・´)

短編2編目を、此処に――

713 ::2008/06/13(金) 19:11:25 ID:g6rRwYU+0
2 〜止められない、止められない〜



「はぁっ…はぁっ…
―――チャマ…
凄く、イイよ…」

 真夜中、僕がこの行為に走るのは…既に毎日の日課になっている。

―――ヤメラレナイ、トメラレナイ。

 自室は一人部屋。でも壁は薄いから、声を出したくても殺さなければいけない…
――このスリル、この快感。
二つが…僕を、数10分間の間、闇の中で支配する。
 最近覚えた、この『行為』の「きっかけ」は。
隣部屋に居る…僕の姉、「ポッチャマ」の所為。
 姉…といっても同い年で。
血も、繋がってはいない。
ただ僕が、勝手にそう呼び出しただけ…
 

714 ::2008/06/13(金) 19:24:09 ID:g6rRwYU+0
 そう。僕がこの家に引き取られて…もう半年が経とうとしている――

 半年前まで、僕はこの家の隣に住んでいて…
今は「姉」のポッチャマも、本当は昔から、ヒコザルの僕とは幼馴染的な関係であって。
僕にとっては、異性でも同姓でも、唯一の親友でもあった。
 それが――半年前のある日。
旅行に出かけた、僕の両親と兄のゴウカザルを乗せた飛行機が、墜落事故に遭い…
僕は何の実感も無く、一瞬にして…大切な家族を全て失ってしまった。
 頼れる親戚はいなく…中学一年に上がったばかりの自分には、
当然、自活する術など持っているはずは無く。
……それなりの施設か何かに、預けられるのだろうと。
当時、自分の置かれた立場に愕然としながらも、覚悟は…していたつもりだった。


715 ::2008/06/13(金) 19:39:04 ID:g6rRwYU+0
 そんな僕に…救いの手を差し伸べてくれたのが。
そう――『ポッチャマ』とその家族だった…。
 元々、家が隣同士という事も相まって、この家族とはとても仲が良かったとはいえ。
身寄りの無い、育ち盛りの一男子を、そうそう引き取ってくれる程…現実は、甘くはないだろうなぁ――
そんな風に思っていた、少し捻くれていた僕。でも、僕の予想は大きく外れ…
現実は。とても暖かなモノとなって…そこに存在した。

当時の僕は。
感動の余り、泣きに泣いて…それこそ一生分の涙を、その時使い果たしてしまったのではないかと思う程に、泣き尽くした。
…もちろん、引き取りの話を切り出してくれたのは、ポッチャマ。

ポッチャマは、当時から今まで――いや。
これからも、僕の最大の『恩人』であり…
そして。


僕の…………『最愛の人』でもあった。





716 :ピカソ ◆X0li4ODh3w :2008/06/14(土) 21:47:59 ID:2EYtIAsM0
>>706の続きだったりする
もふ〜ん

「キャハハハハ!アハハh…けほっごほっ…あは、はぁ」
「そこまで面白いかな〜?こ○ちゃん」
部屋では本を読みながら大笑いをするグレイシア
その横には苦笑いをしたアブソル
「ああ、笑い疲れたね〜」
「私は笑ってないよ」
と笑いながら話す。
そこから少しの間、二人には沈黙が
「あ、アブソルちゃん、良いことしたげよっか?」
「ん?何何?」
頷いて静かにアブソルの後ろに周り、そのまま…
「!ちょっ…!グレイシアちゃん!やめ…」
「んふぅ、良い胸してるねアブソルちゃん♪」
そう良いながら優しく、だが強く、胸を揉んでいく
「んっ…あっ…」
アブソルの声も甘い声に変わっていく
そしてグレイシアはヒートアップしていき、胸の突起をなめ始める。
「気持ち良い…?」
「う…いや…あの…」
「はっきり言おうね?気持ち良い?」
そう問われても、顔を赤くして、何もアブソルは答えなかった。
「ふぅん……それじゃ……」そう言って胸から顔を話す
「え…?」
「気持ち良いって言わなきゃ、もうやってあげないんだから♪」
ニヤリと薄笑いを浮かべながら、アブソルに言い放つグレイシア
続く、もふ〜ん

717 :ピカソ ◆X0li4ODh3w :2008/06/14(土) 22:07:09 ID:2EYtIAsM0
やばい!♀×♀って書くの忘れてた!ごめんなさい!
もふ〜ん…

うるうると瞳に涙を浮かべながら、恥ずかしそうにしながら、アブソルは口を開く
「す…すごく…き…気持ち…良い…です、だから……やめないでください…」
その言葉を聞いたグレイシアの顔は勝ち誇った顔になる
「よ〜し、よろしい!それじゃ、もっとやってあげるよ♪」
その後、アブソルの股を開き、秘部を覗き込む
先ほどの行為でアブソルの秘部は秘部から溢れ出た愛液でびしょびしょに濡れていた。
「アブソルちゃん、初めて?だとしたら濡れすぎだな〜♪感度良すぎだね〜」
「そんな……ひゃあぁ!」
アブソルが自分の秘部に当たるなにか暖かいものをみると、それはグレイシアの舌だった。
「なめちゃ駄目!…んぁっ!」
顔を赤らめ、恥ずかしがりながらも、グレイシアがなめるたびに、アブソルの秘部は濡れていく
「辞めてって言っても、こんなに感じてたら説得力無いね♪」
「やぁっ…だめぇ…あっ!……いやぁぁぁ!」
アブソルの声と共に、アブソルの秘部からは大量の潮が
「ごめん…顔、びしょ濡れに…」
「気にしない!にしても凄い出たねぇ♪」
「恥ずかしいから辞めてよぉ…」
続く、もふ〜ん

718 :カゲフミ ◆U2shadow16 :2008/06/15(日) 00:15:18 ID:xnATYJLU0
―5―

 グレムも最終進化形態になって、立派に成長してきた。
内面的にはまだまだ子供っぽさを宿しているが、身体の方は一般的とされているバクフーンの大きさとほぼ変わらない。体の面では大人と言ってもいいくらいだろう。
ポケモンの生体のことは詳しく知らないが、進化による成長は体の性的な面もしっかりと発達させるらしい。
 ある日突然何の前置きもなく、自慰ってどうやるのと聞かれたときはひっくり返りそうになった。俺が何かを食べたり飲んだりしてる最中でなくて本当に良かったと思う。
誰から聞いたんだと訊ねてみても、教えてもらった本人から口止めされているようで答えてくれなかった。
俺と同じタイミングでポケモンをもらった友人は結構いる。彼らのポケモンも最終進化形態になって間もないくらいだ。
友人と会うときはもちろんポケモン同士での交流もある。おそらくその時に誰かから吹き込まれたんだろう。
一体何の話題に花を咲かせているんだと呆れたが、考えてみれば数年前の俺たちも対して変わりがなかったように思える。
性に関して興味を持ち始めた時期。性的な話題で友人たちとわけもなく盛り上がった時期。あの頃の俺も傍から見ればこんな感じだったのかもしれない。
 しかしこのグレムの質問にはどう答えればいいのか分からなかった。
適当に誤魔化そうと思えば出来たかも知れないが、大事なことだから間違った知識を吹き込むのも抵抗がある。
かといってやり方を事細かに説明するなんて、恥ずかしくて俺には出来なかった。
逃げ場を失った俺は、ポケモンでもちゃんと出るのだろうかという好奇心の後押しもあって、冗談半分でグレンにそれを実践してしまったのだ。
自分が恥ずかしい思いをせずに、自慰というものが何なのかをグレムに教えるのには一番手っとり早い方法だったのかもしれない。だが、そのとき以来癖になってしまったらしく、今回のようにグレムは時々俺に体を預けにくるのだ。
 正直俺はこの状況をあまり快く思っていない。ポケモンとは言え、こういったことはちゃんと自分自身で処理するべきではないだろうか。
この事態を引き起こしたのは俺の軽はずみな行動が原因だってことは分かってる。分かっているから余計に、グレムに頼まれると断り切れずに引き受けてしまうのだ。
自分でなく他者に触れてもらう快感を覚えさせてしまったのは俺だ。頭ごなしに駄目だと言い切ることなんて出来やしない。

719 :カゲフミ ◆U2shadow16 :2008/06/15(日) 00:15:53 ID:xnATYJLU0
それに、まだあどけなさの残る瞳でじっと見つめられると、何というか。断ろうとする心はいつの間にかぐらついて、首を縦に振ってしまっているのだ。
幾度もグレムと密着するうちに、俺もだんだんと侵食されてきているのかもしれない。
俺としては男同士、しかもポケモンとこんなことをする性癖はないつもりなんだが。
果たして今後もそういられるのかどうか、分からない。
……おっと、今は最中だったな。まだまだ思うことはあるけど、考えるのは後回しにしようか。

 俺の指先が突起に当たった瞬間、ぴくりと反応するグレム。
体の反射はそこまで大きくなかったが、脇に触れた時よりも敏感に感じているのが分かる。
表情から余裕の色が消えた。俺を見る視線もどことなく虚ろで、焦点が合わない。
それでも、グレムの瞳の奥ではさらなる刺激を渇望している情欲の炎が燃えたぎっていた。
ふふ、いいだろう。今の勢いがあればできる。たっぷりと感じさせてやろうじゃないか。
掌の中に納まってしまうくらい小ぶりなそれを軽く握ると、俺は手の中で転がすかのようにぐにぐにと弄んでいった。
「ふぁ……っ!」
 触れただけ、というレベルじゃない。手の皮膚と肉棒が擦れ合っているから刺激が強いのも当然だ。
雄だというのに、妙に艶のある声を上げるグレム。目を閉じて声だけ聞いたら、雌だと間違えてしまうかもしれない。可愛いやつだ。
毛の中に埋もれるほど小ぶりだったグレムのものだが、度重なる刺激によりむくむくと膨張し始めた。肉棒から来る震動が掌を通して伝わってくるほどだ。
それでも俺は手の動きを止めない。五本の指を存分に使って、執拗に撫でまわす。親指から小指までの一本一本を、万遍無く絡めていく。
一呼吸置いて手を離した頃には、もう体毛では到底覆い隠せないほどに、グレムの雄はそそり立っていた。
先端には先走りの滴がつやつやと光っている。いい具合に興奮してきたみたいだし、そろそろ本格的な刺激に切り替えるとしよう。

720 :パウス ◆EvJGalaxy2 :2008/06/15(日) 21:30:29 ID:7I3y5VvE0
>>713-715
ヤメラレナイ、トメラレナイ カルb(殴
この言葉に吹いたww
これは期待出来る展開になりそうですね。

>>716-717
『もふ〜ん』が頭の中に残ってはなれなかったりするw
この状況は……………………想像するだけで顔が熱くなってきます。

>>718-719
グレムがとても可愛いです。
相変わらず文章力が高くて……羨ましい限りですよ。

えっと……間違っていたらごめんなさい。
リデンって人間ですよね?この板の一番最初に
『人間が登場するのは構いませんが、エロに絡むのは禁止です』
って書いてあるんですが、その辺は大丈夫なんでしょうか?
………いえ、まだこの後の展開が分からないので、僕は何とも言えないんですが、一応言っておいたほうがいいかなぁ、と思いまして。


〜story47〜 ―波乱への入口―

メノウの特訓の担当となった私は、やはり実戦が一番だろうと、実戦形式の特訓を提案した。
メノウは一瞬顔をしかめた後、渋々それに乗ってくれた。彼が顔をしかめた理由としては、何日か前にも同じような特訓をした時、私が彼を弄り倒しすぎたからだろう。

私とメノウは数メートルの距離をとって対峙し、メノウは体勢を低く保ったまま目を鋭くした。だが目を鋭くしたと言っても、元々が迫力の無い容姿をしているのであまり効果は無い。
全く、その顔じゃあ可愛いだけで、迫力がないじゃないの。
「んじゃ、いくよーーっ?」
今までメノウの動きを見てきた限り、正直私のほうが実力は上だと思った。筋は良いのだが決め手に欠ける。
メノウは相手の動きをある程度予測し、タイミングを計ってカウンターを相手に叩き込む戦闘が主なのだが―――

「………うわぁ!!」
私が右に動くと見せかけて左に跳ぶという、基本的なフェイントを入れただけで、メノウは反応出来なくなってしまうのだ。
いつも相手が猪突猛進してくるとは勿論限らないので、ここはメノウになおして欲しいところである。
「だからぁ、前も言ったでしょ?いつも相手が正面から突っ込んでくる訳じゃないんだからさ。カウンターを狙うのは良い戦術だけど、自分からも攻めてかないと…」
軽く弾き飛ばしただけなのでメノウはすぐに立ち上がり、「分かった」とにこやかに微笑む。
改めて戦闘体勢に入ると、じりじりと足を前にすり動かして言った。距離を少しでも詰め、一気に攻撃を仕掛けるつもりだろう。―――が、
「隙だらけよ?」
私は、本気でやるわけにはいかないので、軽傷で済む程度の規模の電気を身体から放った。
淡い黄色の光に包まれた細い白閃が、メノウに向かって不規則にくねりながら突進していく。
予想外の攻撃をされてしまったメノウは、慌てて右斜め上に跳んだ。そこを私は逃さない。
私は勢いよく地面を蹴り、空中で身動きの取れなくなってしまったメノウの上まで跳躍する。
メノウは何かの気配に上を見上げ、驚く間もなく私に身体を押さえつけられて、私もろとも地面に落下した。
勿論落下した時はメノウの身体が下にあるわけで、地面に叩きつけられてダメージを負うのはメノウだけ。


721 :パウス ◆EvJGalaxy2 :2008/06/15(日) 21:31:37 ID:7I3y5VvE0
「大丈夫?メノウ」
メノウが跳んだ高さがそれ程でもなかったので、叩きつけられても大したダメージはないはず。
「……っ………ぅうん………」
だがメノウは顔を歪め、時折苦しそうに咳き込んだ。四肢を押さえ込んでいるこの手を離してくれ、とでも言わんばかりの表情で見上げてくる。
そんな顔されちゃあ、ますます退くわけにはいかなくなるのよねぇ。
「最近戦ってなかったから、身体鈍っちゃった?前にも同じようなことした時はあまり痛がってなかったよねぇ?」
「……うん…………大丈夫……」
と言うメノウの表情は相変わらず変わらないままだ。どう見ても大丈夫ではない。
だがここで甘やかしてはいけないと、私はメノウを休めるなどとは考えもしていなかった。
休めるつもりなら、とっくに私はメノウの上から退いている。
―――その考えが、私たちをさらなる波乱へと導くことになった。

私がメノウの上から退かないのは、メノウがこの不利な状況をどうやって覆すのかが知りたかったからだ。
だがメノウはまだ痛がっていて、抵抗するどころか大して動きもしなかった。一体、いつからこんなに弱々しくなったのだろう。
「ほらっ、しっかりしなよ!」
私がメノウの胸を軽く叩いた――――その時。
「えっ………………!?」
私は思わず前足を引っ込めた。理由は、本来雄のメノウにあるはずの無い感触が、彼の胸の辺りでにあったからだ。
気のせいかと思ってもう一度、今度は触れるようにそっと胸に前足を当てても、やはりその感触は変わらない。少し足を滑らせれば、その感触は足の裏にくっついてくる。
―――まさか、そんなはずは………

「……ちょっとごめんね。」
こんな誰もが信じられない状況に私は、恥ずかしげもなくメノウの股間へと足を運ぶ。
そっと触れてみると、今度は雄にはあるはずの感触が無かった。
これで私は確信する。こいつは雌のブースター、メノウじゃない!!

私は瞬時に彼の――否、彼女の上から退き、またいつでも攻撃できるように構えた。
「あんた………誰?」
一方の雌のブースターは、さっきまで痛がっていたのが嘘のように、ぴょんと跳ねるように起き上がり、困った顔で立ちつくす。
「あっちゃー…………ばれちゃったかぁ…」
余裕を見せ付けるように頭を掻くブースターの前で、私は戦闘態勢をくずさなかった。
結局、さっきの不利な状況は、こんなかたちで抜け出されてしまった。

722 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/06/15(日) 23:18:55 ID:kNBPSuyM0
続き。数話前の馬鹿なノリを吹き飛ばす衝撃……かな?

28 復活の神

ウズキ達は壁を背にしアマツ達に包囲されていた。
もう既にウズキ達五匹に逃げ道はなかった。

「良く見るとあなた達……この前グラエナに襲われていたガーディとイーブイですね。
 後の者は知りませんが……。ミナヅキ、あなたはあのキュウコンは知っているのですね?」
「ええ。知っています。まぁ昔のライバル……ですかね」

アマツとミナヅキは会話していて隙だらけだがムオンは常にこちらに警戒し戦闘態勢を取っている。
アマツの顔を見たウズキは驚きを隠せないでいる。
だがエイガを見たときとは表情が違う。それはまるで嘗ての友人と偶然再開したよう顔だった。

「……まさかアマツ? 生きていた? それとも似てるだけ? いや、でもアマツはあの時……」
「あなた私を知っているのですか!?」
「アマツ様は有名な御方。あのキュウコンが知っていても何の不思議はありません。ここは侵入者を速やかに排除すべきです」

ミナヅキの言葉にアマツは納得し戦闘態勢を取った。
ウズキにはまだ迷いが生じている。
ライガとサイもつられて戦闘態勢を取った。
グレンとフィニティは現在の状況を理解しきっていない。
ウズキはミナヅキと目が合い睨みつけた。
今やっとミナヅキの存在に気付いたようだ。
ミナヅキは「やっと気付いたか……」と言いたげな表情をしていた。

「パール……貴様がなぜここにいる! それになぜプルートと手を組んでいる! 答えろ!!」
「パール? なるほどウズキではなくダイヤとしてオレに話があるか。だが答える義務はない」

ウズキの言葉にミナヅキは不適な笑みを浮かべる。
ウズキとミナヅキの会話はこの二匹にしか通じていない。
それ故にこの場の全員が二匹に注目していた。

「ならば力ずくで聞き出すまでだ!」
「面白い……随分と好戦的になったじゃないかダイヤ!!」

ウズキは覚醒しミナヅキに襲い掛かる。
怒りに身を任せた攻撃はミナヅキを捉えることはなかった。
ウズキの攻撃を避けるミナヅキの速さは尋常ではない。
ミナヅキは大きくジャンプしウズキと距離を開ける。

723 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/06/15(日) 23:19:30 ID:kNBPSuyM0
「……お前相変わらずワンパターンだよな。でも今戦って勝ち目はなさそうだな……。
 さて、じゃあ今度はオレが質問しようか……。別に無理に答えなくても良いぞ。
 ウズキ……なぜこの世界はこうも歪んだ? 神のせいか……それともここに住むポケモンのせいか?」
「何を今更……。ボクが間違ってたと言いたいのか?」
「違うな……。オレの答えはここに住むポケモンの方だと思うな……。
 ここには沢山の種類のポケモンがいる……。
 でも全てのポケモンが自分達以外の種族を認め合っていない……。
 それが歪みの正体だとは思わないか?」

ミナヅキの言葉にここにいる全てのポケモンが考えた。
そんな中フィニティは強く叫ぶ。

「そんな事はありません! 私達は分かり合えます!!」
「それはどうかな……。お嬢ちゃんだって経験してるだろ? 全ての者は自分と違う者が怖いんだよ……。
 『神の血』をひく君の一族はどうなった? そう、全滅だ……。
 それは他の連中が君達の一族に恐怖したからさ……。つまり『普通』じゃない君達が怖かったのさ……。
 ガーディの少年だって似たような群で育ってきただろう? 全て『純血』で構成された群だったろう?
 理由は簡単さ……。他の種族を受け入れられなかったからそうなった……。怖かったんだよ……。
 そっちのアブソルとレントラーも混血のようだな……。
 つまりオレ達は初めから拒絶し合って生きてるんだよ!
 世界は初めから歪んでいた……。もうこんな世界必要ないと思わないか?」
「なるほど……それが今のお前の答えか……。でも今を必死に生きている者もいる。
 分かり合おうと努力した者もいる! それをお前が否定する権利はない!!」

ミナヅキの言葉にウズキが怒鳴った。
ウズキの瞳はまだ紅い色をしている。
そんな会話の中エイガが再び姿を現した。
その口にはフィニティのペンダントと同等の大きさの真珠の玉が咥えられていた。
エイガはミナヅキの姿を確認すると真珠を投げ叫んだ。

「遊びは十分だミナヅキ。封印の真珠を受け取れ。時間稼ぎご苦労さん」

投げられた真珠はミナヅキの手の中に納まる。
ミナヅキは真珠の玉を見て不敵な笑みを浮かべた。

「それは! やはりそれが狙いかパール!」
「当然だな……出なければ時の教団なんて組織に入っていない!」

724 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/06/15(日) 23:20:17 ID:kNBPSuyM0
ミナヅキは叫ぶと何の躊躇もなく真珠の玉を砕いた。
すると光に包まれる。

「さあ見ていろ! 神の復活の瞬間をな!」

ミナヅキを包んだ光は四メートルを超える巨大な光となった。
光が消え中からは桃色の体に紫のライン両肩に真珠が付いたポケモンが姿を現した。
パルキアだった。ミナヅキこそが一万年前に封印されたパルキアだったのだ。

「ミナヅキが空間の神パルキア!?」
「もうお前等に用は無い……消えろ神の力を使う忌まわしき存在よ!!」

アマツは部下の真の姿に驚いていた。
パールの肩が激しく光り空間が歪んだ。歪んだ空間は刃となりアマツに迫る。
アマツは現実を受け入れられないで茫然としていた。

「アマツ!!」

アマツの目の前にウズキが割ってはいる。
時間を歪ませ盾をはっても一万年前のディアルガの時と同様に意味は無い……。
ウズキはアマツの盾となり全身を切り刻まれた。
亜空切断を受けたウズキはその場でうずくまる。

「っち。ダイヤが庇ったか……。だからお前は甘いんだよ!」
「なんで私を庇ったんですか? 私とあなたに何の関係もないのに……」
「目の前で自分の娘を見捨てる親なんていないよ……アマツ……会いたかった……。
 こんなに……大きくなって……ボクは嬉しいよ……。やっと……あ……えた……」
ウズキはそっと前足でアマツの頬を撫でた。
しかし、そのままウズキ前足はそっと地面に落ちる。
アマツはウズキの言葉の意味を理解しようとした。

この方は私が母親?
――解らない。私には二百年前より以前の記憶がない……。
でも確かにこの方の温もりを私は知っている……。記憶を失うずっと昔から……。

アマツはウズキを茫然と眺めていた。

725 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/06/17(火) 22:22:02 ID:BwT97pYs0
続き。ウズキとエイガ……まぁ予想通りではないでしょうか?

29 並ぶ三神

ウズキはパールの攻撃を受け相当のダメージを負っていた。
しかし、パールの亜空切断を直撃したのだからこれでも軽いダメージだろう。

「少しやり過ぎだなパール」
「一万年ぶりの原身の力を上手く制御できなくてな……。
 だがダイヤを完全に封印すれば今度はオレの勝ちだ……。問題は無いだろうプルート」

エイガはパールの一撃に呆れている。
パールは完全なる復活に喜び手加減をしていなかった。

「力で……捻じ伏せる……このやり方は……間違っている……パール……」
「まだ立てたか……流石と言うべきかダイヤ……。
 力? ……違うな……。神の力を使う者は初めから存在すべきじゃない。
 だから消す必要がある。お前も含めてな……」

ウズキは無理して全身傷だらけの体を動かし立ち上がった。
むしろ立てるのが不思議なくらい重症だ。

「フィニティ……ペンダント……ボクがもらうよ……」
「ウズキさん? その体で戦うんですか?」

フィニティの言葉にウズキは頷いた。
ウズキが何かを呟くとフィニティの首にかかっていたペンダントは消えウズキの前に現れる。
それはまるでペンダントが初めからウズキを待っていたように……。
目の前に現れたペンダントをウズキはそっと触れた。
ペンダントは音もなく崩れ去り、ミナヅキの時と同じくウズキの全身を光が包んだ。
光は五メートルを超え光が消えた時、藍色の体をしていて蒼のライン胸に金剛石がついたポケモンが姿を現す。
そこには神話に伝わる時の神ディアルガが立っていた。
キュウコンの姿より傷は少ないが0ではない。

「ウズキさん……なの?」
「ウズキさんがディアルガ様……」
「私はどこかで……ディアルガ様を……見た事がある気がする……

726 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/06/17(火) 22:22:44 ID:BwT97pYs0
グレンとフィニティの驚きの言葉……。
今まで一緒にいた彼女こそがディアルガだった。
その驚きは隠せない。
アマツもまた過去の記憶を思い出そうとする。

過去確かにどこかでディアルガを見た事はあった。
でもそれがどこでどのように出会ったかは思い出せない。

「ダイヤも本来の姿を取り戻す準備は既にできてた訳だ……。
 私が九千年前と同様に禁忌を犯したダイヤ……お前を封印してやろう」

エイガも全身が光に包まれる。
光が消えたとき姿を現したポケモンは銀の体に胸には真紅と漆黒の横縞の模様、禍々しい翼のはえた六本足のポケモンだった。
冥王ギラティナ……それが目の前のポケモンの名前である。

「ワタシの名はプルート。世界の裏側にある死の世界を司る冥王……ギラティナだ。
 禁忌を犯し時の神とその子孫達には創造主より死の罰が科せられる。安らかに眠れ……永遠に」

プルートはグレン達を睨んだ。
今ここに時の神、空間の神、冥王の三匹の神々が一同に会した。
これから起きることは世界の破壊かそれとも世界の存続か……。
戦いに勝利し者が新たなる世界を創ることができる。
しかしプルートはパールに協力をしていた。
そう考えればダイヤはパールとプルートの二匹を相手にすることになる。
傷ついたダイヤに二匹を相手に勝利することは不可能に近かった。

「それは理想だよプルート。創造主に生み出されたボク等にも意思はある。
 いつまでも創造主の言いなりはボクはごめんだね。
 プルート……お前は創造主命令を理由にまたボクから大切な者と居場所を奪う気か?
 ボクを封印し、クゥとアマツを奪ったあの時のように……。
 それが創造主の意思ならばボクは絶対に従わない。
 ボクは一匹のキュウコンとして居場所を奪ったお前達が嫌いなんだよ……。
 君達はいつまで創造主の言いなりになってるつもりだ。処女と童貞君?
 そうやっていつまで道具になっている? 死ぬまでか?」

727 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/06/17(火) 22:23:22 ID:BwT97pYs0
ダイヤは二匹の神を挑発する。
挑発の仕方は姿こそ違えどまさしくウズキ本人であった。

「しょ、処女!? お前が禁忌を犯しただけだろ! このスケベダイヤがぁああ!!」
「お、おいプルート! どうしたんだよいきなり……」

プルートがキレた。触れてはいけない何かに触れたらしい。
パールは一瞬驚いたかが、すぐにキレたプルートを必死になだめ始めた。
今のプルートに神の威厳はまったくない。
プルートをなだめるパールの姿もとてもシュールだった……。

「ワタシが気にしてる事をぉぉおおお!!!」
「気にしてたのか!?」

パールがどんなになだめてもプルートの怒りは収まらない。
どうやら雌として相当、気にしていたらしかった。

「みんなボクの周りに集まって今のうちに逃げるよ! アマツとそっちのヘルガー……ムオンも!
 勝てない戦と負け戦は違うからね。反論は受け付けない! 死にたくなければボクに従え!!」
「……了解……」

グレン達は素直に頷きダイヤの周りに集まる。
ムオンはダイヤの言葉に一瞬考えたようだった。
しかし現在の状況を理解すればダイヤとパールのどちらが味方かは明らかである。
ムオンは動こうとしないアマツを担ぎダイヤに近づいた。

「じゃあ、ボク等はこれで失礼するよ。また会おう諸君!
 出来れば会いたくないけどね!」

ダイヤはそう言うと時間を逆行させこの場から消えた。
いわゆるタイムスリップという奴である。

「逃げるのかぁダイヤァアア!! いつの時代に逃げたか絶対突き止めてやる!!」
「あの〜プルートさん? キャラが変わってますよ……」

パールは最後まで必死にプルートをなだめていた。
プルートの怒りは数時間、収まることは無かった……。

728 :ピカソ ◆X0li4ODh3w :2008/06/17(火) 22:31:28 ID:jMM8xqsg0
>>20 実はネットの口癖
略してネトクセにしようとしてます。
………
あっ、もふ〜ん

729 ::2008/06/18(水) 01:29:44 ID:C8gy+xjU0
>パウス氏
カ○ビー、良く分かりましたね(蹴。 河童海老○、美味しいですよね〜。


では、続きを。


 
まぁ、『最愛の人』だなんて。
ガキが何ほざいてるんだとか、周りに思われるのは目に見えているから…
この想いは、僕の胸だけに留めておくことに決めてる。
…両想いなら。それはそれで。これ程嬉しい事もないんだけど、ね。


約二週間前の『あの』出来事は、彼女の単なる出来心だったと思うから…
でもね。
それでも僕は。とても、嬉しかったし。とても…気持ちが良かったんだ―――

730 :カゲフミ ◆U2shadow16 :2008/06/20(金) 21:27:44 ID:S8CbtNcg0
―6―

 俺は人差し指と親指で輪っかを作ると、グレムの肉棒に通す。
指の内側とグレムのモノがぴったり密着するサイズより少しきつめになるよう力を込め、根元から先端へ向けてゆっくりと動かしていった。
「ひあぁっ……!」
 喘ぎとともにグレムの体が反りかえる。声と動きからしても今までにない反応の激しさだ。
当然か。俺がそうなるように制御してるんだから。掌での弄りは雄を元気にさせるためのいわば準備運動。本番はこれからだ。
さっきは五本の指全部を使っていたとはいえ、無造作に動かすだけでは緩い刺激にしかならない。触れる面積は多いが一つ一つの力が弱いのだ。
これを二本の指に絞り、輪にして通してやることにより全体に着実な刺激を送ることができる。
丁度肉棒をやや締め付けるくらいの大きさに調節し、後はじわじわと動かしてやればグレムの反応から見ても分かるように効果は抜群なのだ。
 確かにこんな細かい調整は器用な人間の手じゃないとできないか。
ポケモンでも人型に近い奴ならできるかもしれないが、少なくともバクフーンには無理だろう。
だからこそグレムは俺に頼んでいるんだろうな。自分でやるよりも遙かに気持ちがいいから。
やれやれ、何度もこうやって弄るうちに俺のテクニックもだんだんと上達しているような気がしてならない。
雌ならともかく、雄相手に上手くなったって役に立つ日が来そうにもない。いや、来ないことを願おう。
「うぁっ……はあっ……」
 何度も襲いかかる刺激の波に、グレムの下半身はぴくぴくと震えていた。
先っぽからさらに溢れ出した先走りの汁が、俺の指の動きをますます円滑にさせていく。
滑りが良くなったことにより、手を動かすスピードも自然と早くなってくる。根元から先端へ、先端から根元へ。
徐々にペースを上げながら、はち切れんばかりに膨張した雄を扱いていく。

731 :カゲフミ ◆U2shadow16 :2008/06/20(金) 21:28:30 ID:S8CbtNcg0
「り、リデン……ぼ、僕もう……!」
 快感の渦に呑まれそうになりながら、何とか絞り出したかのようなグレムの声。
そろそろか。出そうになったら正直に言うように、と忠告はしている。ちょっとした工夫でベッドの上を濡らさずにすむのだ。
俺はそびえ立つ肉棒をグレムの頭の方向へ少しだけ傾けると、今まで以上に指に力を込めて根元をぎゅっと締めつけた。
そして、そのまま一気に先端へと向かって撫で上げる。ずるり、と湿った音を立てて俺の指の輪はグレムの雄の先端まで滑り込んだ。
指に力を入れた分、彼に伝わる衝撃は大きなものになっているはず。もう、耐えられまい。
「ふああぁぁっ!」
 激しい悲鳴の直後、肉棒がぶるっと震えたかと思うと白い液体が勢いよく噴射される。
飛び出した液は一瞬だけ宙を舞い、グレムの腹の上に着陸した。おそらく俺にやってもらえるまで一度も自分でしてないのだろう。かなりの量だ。
だが、一滴たりともベッドには付着していない。精液をベッドの上に落とさないように肉棒の角度を上手く調節してやったのだ。我ながらナイスコントロール。
こんな芸当ができるようになったのも、グレムとの過去の経験があってこそだろう。自慢にはならないが。
「はあぁっ……」
 下半身だけでなく体全身でまるで痙攣でもしているかのように、ひくひくと快感の余韻に浸るグレム。
口元からは荒い息が零れ、瞳にはうっすらと涙まで浮かんでいる。まったく。気持ち良さそうにしやがって。
しかし正直な所、濡れた目で快楽の笑みを浮かべているグレムを可愛いと思う俺がいるのだ。
うっとりと恍惚の表情をしたグレムは本当に心の底から幸せを感じているようで。ぎゅっと抱きしめたくなる。
果てた直後の彼にこんな感情を抱いてしまう俺も、結構やばいのかもしれないな。

732 :カゲフミ ◆U2shadow16 :2008/06/20(金) 21:32:02 ID:S8CbtNcg0
>>720 パウスさん
表現については微妙で迷ったんですが、人間の性描写はなくあくまでポケモンの描写のみなのでこちらに投稿しました。
今回はちょっと変った形の絡みなので……。
レスありがとうございました。

733 :九十九:2008/06/21(土) 06:44:16 ID:w4wNYOHU0
久しぶりの続きです。わからない人は一章からどうぞ。



~三章第一幕~
シロップ・メイプルードは悪夢を見ていた。ひゅうひゅうと冷風が吹きつけるセピア色の空間に身動きができずに仰向けに寝転んでいた。じたばたともがけばもがくほどその空間の中で動くことができなくなり悔しくて顔を顰める。
よく見ると周りに巨大な氷柱が四本伸びていた。その中に入っている物体を肉眼で捕らえて――驚愕に目を見開く。
ライチが、レモンが、ミントが、シナモンが、氷柱の中に入っていたのだ。
自分がカチコチにしてしまったのかもしれない。シロップは慌てて助けようとするが身動きができずにその場でもそもそと動くことしかできなかった。
無力。あまりにも無力。シロップは必死に手足を動かして助けようとする。今すぐに動けば助けられるのに動けない。どれだけ頭を働かせても、どれだけ指先を動かしても、絶対に助けることができない。
知恵の輪を解けない子供のように、シロップは苛立ち、泣きじゃくった。自分の愚鈍さを呪い、自分の無力に絶望していた。ライチ達の肉体が入った氷柱がずぶずぶと沈み始める、シロップは叫ぼうとした。
ライチ、レモン、ミント、シナモン、起きて・・・起きてくれ!!早く逃げ出してくれ!!!
どれだけ声を出そうとも、まったく声を出したという実感が湧かない。まるで喉が何所かに行ってしまった様な感覚だった。
そんなことを考えている間にもどんどん氷柱は沈んでいく、シロップの顔は絶望と恐怖に歪んだ。すると後ろから不意に声が響く。どこかで聞いたその声は、重く、沈んだ声でシロップに語りかけた・・・
「言ったはずですよ・・・貴方の意思に少しでも揺らぎが生じれば、私の氷は貴方を永遠の終焉へと誘う・・・と」
シロップは自分の身体を凝視した。自分の身体がどんどん凍り始めていた。
シロップは恐怖と、絶望と、失望に心を支配されていき・・・
「―――――――っうわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!」
シロップは自分の悲鳴で目が覚めた・・・








「二日間も眠っていたんだよっ」
レモンが林檎を器用に剥きながらシロップに事のあらましを説明した。
あのあと気絶したシロップはランナベールの私兵隊が使っている団の治療室に運び込まれて療養していたと言う。
私兵隊の隊長の一人が「衰弱していますし、尋問はこの子が目覚めてからでいいですよね」と言ってくれ、シロップが目覚めるまで治療室に監禁するという条件でシロップの傍にいさせてくれたと言う。
「食事は私兵隊の兵隊さんが持ってきてくれたから困らなかったけど・・・何分監禁されてたからね・・・全然情報とか集まらなかったんだ・・・ごめんよ」
すっかり剥ききった林檎を綺麗に等分してレモンはぺこりと頭を下げる。シロップはまだぼんやりする頭をぶるぶると振ってレモンに話しかけた。
「いや・・・オイラのせいで情報収集ができなかったなんて・・・オイラこそごめんな・・・でも心配してくれてありがとう。うれしいよ」
レモンがにっこりと笑って扉の向こうに消えていく。おそらくライチとミントとシナモンを呼びに行ったのだろう・・・
「・・・この林檎・・・食っていいのかな」
目の前に皮を剥かれて綺麗に等分された林檎が皿の上に置かれている。かなり熟れているらしく、芳醇な香りが部屋いっぱいに広がっていた。シロップのお腹が素直な音を出す。丸二日間眠っていたということは、何にも腹に詰め込んでいないのだ。
「・・・ごめんレモン・・・いただきまーす」

734 :九十九:2008/06/21(土) 06:46:37 ID:w4wNYOHU0
シロップは食事の音頭を申し訳ない程度にとり、林檎を一つ摘んで思い切り齧りついた刹那―――レモン達がドアを開けて中に入ってきた。
「んぐっ!!ごほっ!ごほっ!れ・・・レモン!?シナモンにライチ・・・ミントまで」
シロップは大きく咽こみ、慌てて齧りかけの林檎を皿に置いた。ライチ達が喜色満面の笑みを浮かべてシロップに詰め寄った。
「シロップ!!目が覚めたんだね!!よかったぁ・・・」
「シロップさん!!身体は大丈夫ですか!?痛いところはありませんか!?」
「シロップ!!あまり心配させないで下さい!!ほんとにお馬鹿なんですから!!」
「シロップ!!僕の林檎勝手に食べないでよ!!」
4匹の口からいろいろな言葉が矢継ぎ早に吐き出される。シロップはきょとんとしてからくっくっと声を押し殺して笑い始めた。
「シロップ?どうしたのさ?」
ライチが不思議な顔をしてシロップを見つめる、シロップはしばらく笑っていたがやがてやわらかい微笑を浮かべて、
「いや・・・皆が心配してくれるなんて、オイラは幸せ者だよ・・・心配かけてほんとにごめんな・・・」
シロップがそう言ってまた食べかけの林檎に手を伸ばして―――レモンにぴしゃりと手を叩かれた。
「痛い」
「僕のだよ」
シロップからひったくるように林檎の皿を手にとって思い切り齧り付く。シロップは渋い顔をしてレモンを見つめた。
「オイラ一応病人なんだけど・・・」
シロップが病人と言う言葉をいやに強調してレモンが食べている林檎を見つめた。
「んぐっ・・・しゃくっ・・・人の林檎・・・むぐっ・・・横取りするくらい体力あるなら・・・はぐっ・・・ご飯食べる必要ないでしょ・・・」
綺麗に切り揃えられた林檎を残すことなく食いつくし、げふっと大きなげっぷをしたレモンが恨めしそうに見ているシロップににっこりと笑って「食べちゃったー♪」と言って皿をくるくる回した。
「レモンさん酷いですよ・・・シロップさん・・・後で食事をもらってきますね」
シナモンがやんわりとレモンから空っぽの皿を取り上げてシロップに渡した。シロップは心底嬉しそうな顔をして、
「助かるよ。オイラお腹減りすぎてもう何にもできないんだ・・・」
お腹をさすってからからと笑っていたが、心の中でシロップは安堵のため息を漏らしていた。全員の反応が特に変わったものが無くてほっとしていたようだ。
先程見た悪夢はもしかして予知夢だったのかもしれないという考えが真っ先に浮かんでいたのだが、全員が特に目立った外傷もなく何も変わらないのなら、自分が見た夢を気にする必要は無い―――とは言い切れなかった。
「(あの時・・・オイラは怒りの感情に任せて力を使った・・・そのせいで自分の力を制御できなかったんだったら・・・諸刃の剣じゃないか・・・やっぱりオイラやライチが勇者の力を完全に御することはできないのかな・・・)」
シロップがよく回らない頭でうんうんと思案していると、不意にドアが開いて一匹のポケモンが入ってきた。
「あ・・・目が覚めたんだね」
そのポケモンをライチ達は最後に見ていた。煌くような毛並みと美しい容姿で、柔らかく艶のある、優しい感じの音質を持った声で話すエーフィだ。
「あっ・・・あの時のとっても綺麗なエーフィさん・・・」
レモンがぺこりと頭を下げた。その仕草を見てエーフィは柔和な笑みを浮かべると美しい声で言葉を紡ぎだした。
「ありがと。きみ、身体の調子はどう?まだどこか痛いところとかある?」
シロップは静かに首を横に振っていいえと答える。エーフィはそれを確認するといつの間にか扉の横にいたアブソルに話しかけた。
「シャロンさん、もう大丈夫そうです」
シャロンと呼ばれたアブソルは少しだけ頷くとライチ達の前に歩み寄り―――
「目が覚めたばかりで悪いが、上からの命令だ。お前たちにいくつ訊きたい事がある。軽い尋問をさせてもらうぞ」
―――空恐ろしい事を平気で口にした。





735 :九十九:2008/06/21(土) 06:47:50 ID:w4wNYOHU0
無機質な壁に囲まれた部屋の中に、数匹のポケモン達が並んでいるそれらの視線は全て、椅子に座っているライチ達に向けられている・・・
軍の取り調べを受けるなんて、考えもしなかったことだ。
「・・・・うぅぅぅぅぅぅぅ・・・・」
ライチがその場の空気に耐えられずに情けない泣き声をあげる。レモンは静かに自分達を見つめているポケモンたちを見据えている。
シロップは虚ろな瞳でシミ一つない部屋の壁を捉えていた。ミントは俯いたまま動かず、シナモンはきょろきょろと辺りを見回していた。
――――――不意に、先頭に立っていたマニューラが口を開く。
「・・・・で、ほんまに自分らなんか?シオンの九番隊でもあれだけの氷の使い手はおらへんし・・・そんな風には見えへんけどなぁ」
少しは止めの口調で喋ってから、そのマニューラはライチ達をじいっと見つめる、その不思議な行動に気圧されて、ライチは完全に怯えてしまった。
「ひっ!ひええっ、あっ・・・あのっ・・・あのあのあのあのあああのああのあのあの・・・みみみ見ないで下さいぃぃぃぃぃ・・・」
ろれつが回らない口調で喋り終えた後、ライチは顔を真っ赤にして両手で隠してしまった。マニューラはライチの様子をしばらく見ていたが、訝しげな顔をしてシャロンに話しかけた。
「・・・ん?何や?」
「お前だお前。アザトの訛りってやつは柄が悪く聞こえるんだ」
シャロンはマニューラの頭を軽く小突く。
すると、傍らにいたエーフィがライチ達に向き直って淡々とした口調で話しかけた。
「とりあえず落ち着いて。調べるって言っても拷問とかそんな物騒なことはしないからさ。ランナベールだって皆が皆悪いひとばかりってわけじゃないよ」
「・・・はい・・・あの・・・・すみませんでした」
エーフィの言葉を聞き取り、ライチは顔を覆っていた腕を退けて、マニューラに謝罪した。マニューラは気にしなくていいといわんばかりに優しく微笑んで見せた。ライチはそれにつられてにこりと笑った。
「よかった。それじゃあ、まず名前と年齢から教えてくれるかな?」
そういわれて、ライチから順番に話し出した・・・
「ら・・・ライチ・レイシ・・・17歳です・・・」
「レモン・・・・レモン・ネイド・・・17歳です」
「シロップ・メイプルード・・・17歳です」
「ミント・ポプリン・・・17歳です」
「シナモン・シュガー・・・18歳です」
ライチ達が答えると、エーフィは少しだけ驚くような表情をちらりと覗かせた。
「僕とそう変わらないんだ・・・未進化だから子供だと思ってたよ」
そう言った後、エーフィ達の態度がほんの少しだけだが変わった。よく言えば礼儀正しく、悪く言えば厳しく。同じ年齢層のポケモン達によくとる態度の一つである。
「僕達も一応名乗っといたほうがいいかな。その方が話しやすくなるしね。あまり険悪なムードになると大変だしね・・・」
エーフィの言葉にシャロンとマニューラが頷く。
「そうだな。・・・わたしはシャロン=ミクロキスティス。ヴァンジェスティ社の軍の小隊長だ」
「同じく、小隊長のアスペル=ハーラントや」
シャロンとアスペルと名乗ったマニューラが軽く自己紹介をした後、エーフィはライチ達に笑顔を向けた。
「僕はシオン=ラヴェリア。この二人と同じ小隊長だよ。それから勘違いしてるかもしれないけど、僕」
シオンと名乗ったエーフィはそこでこちらに心の準備をさせるかのように言葉を切った後、信じられないことを口にした。
「女の子じゃあないよ」
・・・まさしく信じられないだろう。
女の子じゃあない。それはつまり子供じゃなくて大人の女性・・・普通に考えるのならば"女の子"の否定は"男の子"である。しかし、ライチ達は信じられないと言った顔でシオンを見つめていた。

736 :九十九:2008/06/21(土) 06:51:44 ID:w4wNYOHU0
「・・・男の人・・・なんですか?」
レモンが言葉を選ぶように聞き返した。それは道理であろう。目の前の美少女はどう見ても雄には見えない。一人称が"僕"であるにもかかわらず気付かなかったのは女性のような体つきをしていたからなのだろう。
「男だよ、僕」
シオンの返答を聞いてライチ達は混乱していたが、一人だけ――――レモンだけが背中に薄ら寒いものを感じていた。
自分で男であると言っているのだから、シオンは男なのだろう。そう考えると、あの優しい笑顔や美しい声などは・・・全て作り物かもしれない・・・レモンはそんなことを考えていた。
最初にシオンに出会った時・・・レモンはその姿に酔い痴れるのと同時に、シオンに近寄りがたい雰囲気が漂っているのを感じていた。例えるのなら抜き身の刀のような近づいただけで切れる・・・あの雰囲気・・・
考えてみれば彼も私兵隊の一人なのだ。いくら容姿が美しかろうとアイドルではない、一兵士なのだ。あの美しい姿は表の顔で・・・きっと戦いになったのなら無常に敵を殲滅する兵士の姿に変わるのだろう――――と。
ライチ達は何も答えを返すことが出来ず、レモンは静かにシオンを見つめ、妙な沈黙が流れる。
「バカ、混乱させてどうする」
静寂を破ったのはシャロンの声だった。シャロンはシオンの頭を軽く叩いて呆れるようにそう言った。
「や、別にそんなつもりじゃ無かったんですけど」
「お前が男だろうが女だろうがどっちでもいいんだ。さっさと訊く事を訊け」
シャロンのぶっきらぼうな言葉に「結構大事なことだと思うけどな」と、小声で呟き、シオンはライチ達に向き直った。
「えーと・・・じゃあ次だけど。きみ達は何処から来たの?」
シオンの質問にレモンが答えた。
「はい・・・ライチとシロップとミントと僕はライラの村から来たんです」
「ライラの村、ね・・・南西の辺境にある集落でしょ?結構遠くから来たんだね。シナモンさんは?」
ライチがすぐさま「奴隷だったのを僕達が買いました」と言おうとして、慌てて口を噤んだ。シナモンの心の溝をこれ以上掘り下げるわけには行かないからである。しばらく沈黙していると、シナモンが唐突に口を開いた。
「私は・・・樹木の街ファンジァリアから来たんです・・・」
シナモンが自分の出身地を明かしたあと俯いてしまった。
「え?ファンジャリアっていうとあの・・・ホント?」
シオンが少し驚いたように聞き返す。その声にはやや疑いの色も混じっていた。
「嘘はつかないほうが身のためだぞ。お前らが何もしていなかったとしても立場が危うくなるからな」
「シャロンさん、そういう言い方するとまた話しにくく・・・」
「いえ・・・大丈夫です。私が喋らなかったら尋問が進みませんし・・・」
ライチ達は意味が分からないと言った顔をしてシナモンを見つめた。シナモンはいつもどおりの顔色で特に隠す様子も無く口を紡いだ。
「私の澄んでいたファンジャリアの町は・・・謎の出火で完全に無くなってしまったんです・・・」
『えっ!?』
ライチ達が驚きに目を見開く。シナモンがなぜ奴隷として扱われていたのか・・・どうして奴隷になったのか・・・何となくだが読めたような気がした・・・
「シナモン・・・」
シロップが申し訳なさそうな顔をして遠慮がちに頭を下げる。シナモンは静かに首を横に振って、
「大丈夫です」
と、一言だけ告げた。シャロンは訝しげだったが、シオンは納得したように頷いた。
「全員亡くなったって聞いたけど、演技しているようにも見えないしね・・・・きみはファンジャリアの生き残りってことで信じておくよ」

737 :九十九:2008/06/21(土) 06:57:01 ID:w4wNYOHU0
シオンはそう言ってシナモンに笑いかけた。その笑顔を見つめてレモンは先程の考えを頭の隅に追いやった・・・きっと敵には容赦しないけど・・・仲間には優しいんだろうと結論付けた。
そう考えてシオンを見れば見るほど軍人と言う言葉が頭から離れていく。まるで小説に出てくるお姫様―――ではなくて王子様のようだ。
「じゃあ本題に入らせてもらうよ。まず、あの局地的な寒気はシロップさん、君が起こしたの?」
尋問と言うよりも本心からの疑問と言った感じでシオンは言葉を紡いだ。
「そうです。あれはオイラがやりました」
別段隠すこともせずに、シロップは口を開いた。
「それでその仲間の君達が一緒にシャロンさんの隊に捕まったわけだね。それで、ここからは込み入った話になるけど。何の目的であんなことをしたの?答えようによってはきみ達への対応を修正しなくちゃいけないかもしれないけど」
シオンの言葉にほんの少しだけ威圧感のようなものが感じられた。別段語気を強めているわけではなく物腰は柔らかなままだったが、言葉に妙な気迫が感じ取れた。シロップはそれに少し気圧されながらも、自分の思うことを口にする・・・
「あれは自分がしたくてしたわけじゃあないんです。その・・・自分の力が暴走してしまって・・・」
シロップの歯切れの悪い言葉と"暴走"と言う言葉に、シオンの表情は―――疑問ではなく、純粋な驚き。一瞬ではあったが、シオンはなぜだか唇を噛んで俯いた。
「まさか、君――」
「暴走?何だそれは。倍化器を装備しているわけでも無いのに、自分の力に振り回されるなどと言うことがあるのか?」
シオンが言いかけたところでシャロンが口を挟んだため、シオンは口を噤んでしまう。
「そんなものは神話の世界の話だろ。力と言うのは自分で自分を高めない限り手に入らない」
「まぁ、そらその通りやけどな」
アスペルが口を開き、西国独特の訛りで話し始めた。
「俺らポケモンは皆無意識のうちに力をセーブしとるんや。自分の力で自分の身体を壊してしまわんようにな。例えばシロップみたいな進化前のポケモンの肉体でも、物理的な構造上ではカビゴンを持ち上げられることになってんねん」
アスペルの言っていることがミントには何となく理解が出来た。・・・要するに火事場に働く莫迦の力である。その例えもなかなか着眼点が言い。これならシロップにも理解できるだろう。
アスペルは自分の考えていることを皆に分かりやすく説明できている、かなり博識の部類に入るだろう。自分が理解していても、その説明が分り難かったら駄目である。
軍人と言うよりは先生と言った感じだな、とミントは思っていた。アスペルは更に説明を続ける・・・
「エレメンタルプレーンの力でも同じことが言えんねん。だから理論上はゼニガメでもあれくらいは出来る」
ライチ達は驚きの表情でアスペルを見つめていた。エレメンタルプレーンなどという意味不明な言葉が出てきたが、説明が分りやすいとおおよその理解は出来る。おそらくは自分達が使っている"技"の元素的な力のことなのだろう。
「下層自然要素領域??・・・ああ、そういえば6,7年ほど前リュートで習った」
「アスペル先輩、理屈はあっていてもそれじゃ説明がつきませんよ」
シオンとシャロンが納得がいかないとばかりにアスペルを見つめていたが、まだ続きがあるよと言わんばかりにアスペルの指がシオン達を止めた。
「確かにな。自分の限界を超えた力をマテリアルプレーンに召喚したら身体の方が持たへん。ここにシロップがピンピンしとるのはおかしいわな・・・」
アスペルは説明した後に小首をかしげた。本当に不思議そうだった。
信じてもらえるものかと思っていたが、ただシロップの引き起こした現象がありえない事をではないと証明されただけで、結局は疑いの目を向けられてしまった。ライチ達に宿る勇者の力と言うものは未知の領域なのだろう。
「実はあの力・・・オイラ本来が持っている力じゃないんです。・・・皆さんは・・・魔王アスラの伝説って知ってますか?・・・」
シロップが突如口を開き、伝記じみた話をしだしたので、シオンたちは訝しげな顔をしてシロップを見つめた。
「世界を滅ぼそうとした魔王アスラが、勇気と、愛と、知恵と、希望の心を持った4匹の勇者に滅ぼされたって話だったかな。子供の頃お母さんから聞いたよ」
それでもシオンがまともに受け答えをしてくれたので、シロップは少しだけ間を置いてから、はっきりとこう言った。
「その魔王が・・・実は生きているって言ったら・・・信じますか?」
その言葉を聞いた瞬間、シオンは波一つ立たない湖面のように静かな瞳を二、三度瞬かせた。アスペルもぽかんとしてシロップを見ている。シャロンは二、三度首を傾げ、シロップの言葉をよく吟味しようとしていた・・・。





738 :九十九:2008/06/21(土) 06:58:16 ID:w4wNYOHU0
「ふーん・・・つまりその世界転生伝説の起源はライラの村にあって、あれは神話じゃなくて実話だった。そして魔王が実は生きているってことを伝説の勇者の精神体から気いて、その野望を阻止するために旅に出てここへ辿り着いたと」
レモンがあのあと自分達がここまで来る経緯を説明して、シオンがその話を繰り返して確認をとる。
「なるほど、それならあの"暴走"と言うのも説明がつくね」
シオンは半ば信じてないようではあったが、肯定的な対応を見せた。兵隊にしては人が良すぎる気もするが、今は話を信じてもらうのが一番いいので、シオンの肯定的な対応は大いに助かった。
「待てシオン。そんな話を信じるのか?」
文句をつけたのはシャロンだ。・・・まぁ大抵の人はそんな反応をするだろう。それが普通なのだ。
「ここで嘘をついても何のメリットもありません。それに、僕達を騙すつもりならもっとまともな話を作ると思います。それに、彼らだってもう子供と呼べるような年齢ではありませんし」
「精神体だか魔王だか知らんが神話が本当だったなどと・・・あまりにもファンタジックだ。わたしには信じられない」
「確かにそうですね、僕だって完全に信じたわけではありませんよ。ただ、彼らがその意識を持って動いていることは確かでしょう。勘違いに過ぎなかったとしても」
「何やそれ??何でわかんねん?」
シャロンだけでなく、アスペルもシオンの言動を不審に思い始めたようだ。これでシオンが二人と同じ意見だったのなら・・・大変なことになっていただろう。半信半疑であったとしてもライチ達の話を信じてくれる人で本当に良かったと思う。
「僕、精神感応が得意なんですよ。相手にはっきりとした言語を送る事も出来るって知ってますよね?」
「ああ・・・確かにあれは凄いな。わたしはあんなことが出来る奴をお前以外に知らない。だがそれとどういう関係がある」
「相手の心の中がちょっとだけ、本当に何となくだけど見えるんですよ。彼らは至って真剣です。それに―――」
シオンはライチ達に視線を向けると、こんな事を口にした。
「――シナモンさんを除く四人からは精神波が一つではなく、違う種類のものが二つ感じられるんです。あながち精神体がとり憑いたというのも嘘ではなさそうですよ」
シオンの言葉で、理解した。シオンは何となくだがライチ達の心に宿る精神を感じ取っていたのだろう・・・
「それはあくまでお前の見解だろう?上層部に報告するのにそれで信じてもらえると思うか?報告にはまずボスコーンの野郎を通すんだからな」
「団長はシオン嫌っとるからなぁ」
「承知していますよ。だから、客観的にする必要があると思うんです」
「どうするんだ?」
「今回の件は力の秘密を解明する事では無くて事実確認ですから、彼らの力を目の前で見せてもらうのが一番早いんじゃないですか」
そう言って、シオンはライチ達を見据えた。
「演習場での模擬戦闘。そこそこ戦い慣れしてるみたいだし、大丈夫だよね?」
シオンの言葉にライチ達は自分の耳を疑った。つまり、勇者の力を実戦により近いもので見せてみろ、と言うことだろう。
しかしライチ達は戦い慣れなどしていない。今まで戦ってきた相手は撃破にせよ撤退にせよ一撃で勝負を決めているからだ。その中で戦闘技術を磨けと言うのが無理な話である。
しかし自分達の身柄を解放するには、これに挑み、打ち勝たねばならない。あまりに唐突に事が進んでいるのでライチ達が動揺していると、アスペルが話を進めてしまった・・・
「なるほど。このシロップっちゅー奴と誰かが戦えばええわけやな」
「いえ、戦うのはシロップさんではありませんよ」
「なんでやねん。"暴走"したんはこいつやろ?」
アスペルがシロップをさす。確かにシロップは少なからず私兵隊のいざこざと一番関わっている。しかしシオンはシロップと戦うのではないと言った。
「彼らの話が本当なら四匹が四匹とも伝説のポケモンの魂を持っているはずです。それなら誰でもかまわないんじゃないですか。それに、実は一人だけ・・・第二の精神波が凄く不安定で、今にも殻を破って飛び出して来そうな・・・そんな危険な匂いのするひとがいるんです」
シオンが琥珀色の瞳に一匹のポケモンの姿を捉えた。その瞳に映ったものは――――
「レモンさん、僕とお手合わせ願えますか?」
――――レモンだった。

739 :九十九:2008/06/21(土) 06:59:44 ID:w4wNYOHU0
「・・・ぼ・・・く・・・?」
レモンはいまだに信じられないといった顔でシオンを見つめた。シオンの顔は真剣そのもので、冗談を言っている風には見えない。
――――何故僕なのか・・・まともに戦闘もせず、ただライチやシロップの背中に隠れていた自分に・・・勇者の力が出始めている・・・?悪い夢かと思えたが、頬に伝わる汗の感触が「これは紛れも無い現実だ!!!」と大合唱していた。
やれるのだろうか・・・自分に・・・ここは大人しく無理ですと言って下がったほうが――――そう思いかけて気がついた。
こんなことで怖気づいていては、自分は魔王はおろか、魔王の部下すら倒せないと言うことになる。自分は世界を救いたいのではなかったのか、ライラの村を立つときに先生達や村の皆が見せてくれた最高の笑顔・・・返ってくると約束したあの時の事が鮮烈にフラッシュバックする。
・・・立ち止まってなど・・・いられない・・・!!!ここで逃げたら・・・自分は一生自分を責め続けることになる・・・
「・・・やります・・・シオンさん・・・貴方に・・・必ず勝ちます!!」
「ふふ。その意気なら心配はなさそうだね」
言葉を発したレモンの瞳には・・・絶対に諦めない希望の灯火が宿っていた・・・






「・・・ぼ・・・く・・・?」
レモンはいまだに信じられないといった顔でシオンを見つめた。シオンの顔は真剣そのもので、冗談を言っている風には見えない。
――――何故僕なのか・・・まともに戦闘もせず、ただライチやシロップの背中に隠れていた自分に・・・勇者の力が出始めている・・・?悪い夢かと思えたが、頬に伝わる汗の感触が「これは紛れも無い現実だ!!!」と大合唱していた。
やれるのだろうか・・・自分に・・・ここは大人しく無理ですと言って下がったほうが――――そう思いかけて気がついた。
こんなことで怖気づいていては、自分は魔王はおろか、魔王の部下すら倒せないと言うことになる。自分は世界を救いたいのではなかったのか、ライラの村を立つときに先生達や村の皆が見せてくれた最高の笑顔・・・返ってくると約束したあの時の事が鮮烈にフラッシュバックする。
・・・立ち止まってなど・・・いられない・・・!!!ここで逃げたら・・・自分は一生自分を責め続けることになる・・・
「・・・やります・・・シオンさん・・・貴方に・・・必ず勝ちます!!」
「ふふ。その意気なら心配はなさそうだね」
言葉を発したレモンの瞳には・・・絶対に諦めない希望の灯火が宿っていた・・・
















740 :九十九:2008/06/21(土) 07:03:28 ID:w4wNYOHU0
なんだか長くなりましたが久しぶりの執筆で頭がハイになっていたのかもしれませんwww
とりあえず次の主役はレモンです。私の小説を期待してくれた皆さん・・・長くなって申し訳ない。期待には応えることができたでしょうか?
ここまで付き合っていただいた三月兎さん・・・今後ともよろしく。

741 :九十九:2008/06/21(土) 07:07:29 ID:w4wNYOHU0
すいません。何かまた最後のほうパソコンがおかしくなりました。
このポンコツめwww

742 :ジャンク:2008/06/21(土) 10:18:26 ID:A3aIkSio0
いろいろ大変そうですね。

743 :スカイズ ◆gIq0xA48Xk :2008/06/21(土) 12:12:13 ID:VlYlpo2I0
皆さんはじめまして。
スカイズと申します
私も今度小説を投稿しようと思いますのでよろしくお願いします

744 :三月兎 ◆Kisna3E1Vs :2008/06/21(土) 19:48:36 ID:+KRfdEm+0
>九十九様
いえいえ、こちらこそ。
合作はわたしも書いていて楽しいです。

>>743
新人が増えるのはいいことですね。
これから頑張ってください^^

……わたしも頑張らなきゃ、ですね。最近板に投稿していない気が。
ていうか絶対忘れ去られてますよね。
近々、長編小説「BOOST」の続きをUPする予定ですけど。

745 :パウス ◆EvJGalaxy2 :2008/06/21(土) 20:18:09 ID:r8UP25Xg0
>>733-739
合作っていいですね。皆小説で繋がってる、みたいな感じで。
うぉっ!何て発言をしているんだ僕は!?

と、とにかく、続きも期待しています。
>>743
こちらこそ初めまして。
あなたの小説、楽しみにしています。

>>744
いやいやいや、忘れてないですよ。そんなわけないじゃないですか。
僕も、時々現れては数日来ないっていう感じですし……ね


746 :&fervor:2008/06/21(土) 22:09:35 ID:sss+jOq60
>>九十九さん
やっぱりすばらしいですね…合作って言うのがまた…
続きがまたまた楽しみです。

>>スカイズさん
同じ新人として楽しみにしてます。
……自分のほうが多分(絶対?)レベル低いですがorz

>>三月兎さん
忘れ去るなんてとても出来ないです…。
「BOOST」大好きなんで続き期待して待ってます!
喫茶店ではいろいろとお世話に(?)m(_ _)m

747 :九十九:2008/06/21(土) 23:33:48 ID:w4wNYOHU0
皆さんコメントどうも。
>>スカイズ様
初めまして、新しい小説書きさんが増えるとここに来るのがとっても楽しくなりますね。どんなお話になるのか期待しています。
>>三月兎様
私も合作はとても楽しいです。ほかの小説のキャラクター達の本編では見られない仕草やいろんな性格がわかりますから。これからも神がかかった文章をよろしくお願いしますねwww
>>パウス様
ありがとうございます。見てくれているだけでうれしいです。ライチ達の成長を心行くまで堪能してください。パウス様の小説も楽しいので続き期待しています。
>>&fervor様
ありがとうございます。しかし…素晴らしい作品というのは三月兎様やパウス様…カゲフミ様や翔様の書いた小説のように…何かこう…●●●が▲▲▲で×××な小説のことを言うのだと思いますよwww

748 :三月兎 ◆Kisna3E1Vs :2008/06/22(日) 03:20:00 ID:QWK2U3++0
何とこの前の話は>>154( ゚д゚)
と言ってもサボってたわけではなく、Wikiオンリーの短編とか書いてたんで……
Vol.1/第三章/前編を投稿します。
次からは一節ごとに投稿することにしましょう。
レスも長くなるし、間隔もひらいてしまいますし。

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BOOST vol.1 〜小さな恋と喪った過去〜

chapter.03 ―交差―

 あのブースター以降、それらしき影は全く見当たらない。
「エイト、ラット! ちゃんと探しているんだろうな?」
「見てるっすよ……そもそもボクらの担当地域広すぎません? ホウエン地方南半分だなんて……」
「だからこそエイトがいるのだぞ。それに考えてもみろ。組織が一年かけて発見すらできなかった脱走者だ。俺様が捕獲すれば報奨は思いのまま……」
 全く、人間ってやつは。こんな空飛ぶ乗り物や俺のようなポケモンは作れても所詮そんなことしか考えられないのか。
(そういう先輩は少しも手伝わないっすね)
 本人に聞こえないような小声で呟くラット。人間としてはタイガーよりマシな部類に入るだろうが、結局やっていることは同じだから同じ穴の 狢 (ジグザグマ)というやつだろう。
「……タイガー様。脱走から一年経った今、アル――ナインがまだ研究所周辺にいるとも思えませんが。南から探す方がよろしいかと」
 そして生まれながらにして彼らに与し、組織の実質No.1のポケモンであるキレンスも同じ穴とは言わないまでも隣の穴ぐらいの 狢 (ジグザグマ)だ。
 ……俺はブラッキーだからジグザグマではないが。
「そうだな。ムロタウン辺りから回るか……」
「でも先輩、いくらなんでも海なんか渡りますかね?」
「人間のトレーナーがついていたら船でもラプラスでも自由自在だろう。それにシャワーズに進化していれば海など軽く渡ってしまうだろうが」
「脱走した仔がまたわざわざ人間に従うんすか? それにシャワーズは両生よりも陸生に近いっす。ムロ島まで泳いで渡るのは不可能に近いかと――」
 ゴツ、と固い音が機内に響く。
「痛いっす! 殴らないでくださいよ先輩!」
「馬鹿者が。貴様ごとき下っ端の基準で物事を判断するな。シャワーズの件は差し置いても、人間に従わないなどと誰が決めた? 事実、十六年間も組織にいた奴だぞ。なぁエイト」
「ナインの性格上、誰かに従うことはもうないかと……逃げ出した理由が“自由”を求めることですから」
「――と、いうわけだラット君。お前も少しはエイトを見習え」
「………………酷いっす」
「よし! ミシロタウン方面ヘ向かうぞ!」

749 :三月兎 ◆Kisna3E1Vs :2008/06/22(日) 03:22:00 ID:QWK2U3++0
 ミシロタウン。
 そこはポケモントレーナーを目指す人間が最初に訪れる街だという。
 アルメリアには縁が薄そうだが――まぁ、いいか。俺は訊かれたことにしか答えない。こんな仕事、好きでやってるわけじゃないんだから。

          ◇

 百一番道路と違い、コトキタウンとトウカシティを結ぶ百三番道路はトレーナーが多く行き交う活気のある通りだ。
当然、 勝負 (バトル)の機会もそれだけ多くなる。
「っと! 危ない危ない」
 戦いの火花を散らしているのはラーカと牡のジュプトルだ。
 木から木へと跳び回りつつ繰り出されるジュプトルの連続攻撃。ラーカはそれを全て皮一枚で躱している。
「はぁ、はぁっ……ちょこまか逃げ回りやがって! ふぅ……」
 ジュプトルは一旦離れた所に着地し、息も絶え絶えに悪態をついた。
「――なんや、もう疲れたんか?」
 対するラーカは腰に手を当てて余裕の笑みを浮かべている。これに激昂したジュプトルは「うるせえっ」とわざわざ肯定の意を示してから、 斬葉刀 (リーフブレード)を放った。
両腕から伸びる鋭利な 刃 (は)ならぬ葉を何枚も繋いだ形状の 斬葉刀 (リーフブレード)は節目ごとに折れ曲がり、 蛇 (アーボ)のような動きでラーカを襲う。二本のブレードはそれぞれ別の生き物のように、異なる軌道で左右両側からラーカの首へと吸い込まれた。
 それに対してラーカは笑顔で突っ立ったまま――キスナローゼにはそのようにしか見えなかったのだが。
 何をどうやったのかわからないが、次の瞬間には二本のかぎ爪でそれぞれのブレードを絡め取っていた。
「切れ味良さそうやな……」
 ラーカが巻き付いた葉を眺めて呑気な言葉を漏らす。
 ――かと思えば、ジュプトルのブレードが突然ばらばらと散らばった。
「……でも俺の爪のほうが上やったみたい」
 ハハハ、と屈託のない笑顔で肩を竦める様は 戦闘 (バトル)中のポケモンにはまるで見えない。
 そんな笑顔を見たら、至って真剣なジュプトルは気が気でないだろう。我を失って直線的に突撃したのも当然だと言える。
 ザン、と太い茎を切断するような音。ラーカの爪が高く掲げられ、脇腹の辺りを深く削がれたジュプトルは彼の背後に倒れ伏した。
 それが戦闘終了の告知となった。ジュプトルはすぐさま赤色光に包まれてトレーナーの手の中へ吸い込まれた。

750 :三月兎 ◆Kisna3E1Vs :2008/06/22(日) 03:22:27 ID:QWK2U3++0
 相手はシーグルさんに賞金を渡すと、軽く挨拶をしてトウカシティ方向へと駆けて行った。
「よくやったな、ラーカ」
「あれぐらいやったら朝飯前や。ウォーミングアップにはなったけどな」
「……だがな、あまり遊ぶんじゃないぞ。 獅子 (エンテイ)は 兎 (ミミロル)を倒すのにも全力を尽くすと言うだろう」
「えぇ、でも一瞬で終わってもうたら面白ないやん」
「そういう問題か。足元を掬われたらどうするんだ」
「……はーい、以後気ぃつけます」
 と、ラーカは頭を掻いた。
 あの動きでまだ本気じゃないなんて。キスナローゼには視認すらできなかったというのに。
「どやキスナローゼ、 お前 (じぶん)やったら俺に勝てそうか?」
 気づけばラーカが目の前にいた。やはり尋常じゃないスピードだ。
「ぜ、ぜんぜん……僕なんかじゃ無理だよ」
「そんなこと 言 (ゆ)ってぇ、ホンマは俺と手合わせしたくてしゃーないんやろ?」
「まさか。僕、戦いはそんなに好きじゃないし」
「まじ?」
 ラーカはキスナローゼの言葉に虚を突かれたらしく、目を丸くさせた。数瞬の後、
「なーんや……あんだけやっとったからてっきり戦闘狂かと思ってたわ」
 と肩をすくめ、興味を失ったかのようにして歩き出した。体捌きも速ければ気が変わるのも早い。
「待ってよ! 僕が戦闘狂だなんて……」
 僕が戦闘狂に見えるのなら眼科に行ったほうがいい。訓練でさえ嫌だったのに実戦が好きなはずがないじゃないか。
「なんだぁ、じゃあわたしの強さを見ても何も思わなかったりするの?」
 追いつくとラーカではなくディアリスが話しかけてきた。さっきの会話を聞いていたのか。
「べつにそんなことないと思うけど。 牝 (おんな)の仔でも、強いひとには憧れるなぁ」
「えっ……」


751 :三月兎 ◆Kisna3E1Vs :2008/06/22(日) 03:23:38 ID:QWK2U3++0
「や、そんな嬉しそうな顔されても困るんだよね。憧れるって言っても恋愛対象としてじゃないから。ていうかどうしてきみはなんでもかんでもそっちに結びつけるの?」
「愛して、憎んで、生きて、死ぬ。それが人生の全てだ……って聞いたことない?」
「ないけど、僕にもわかることが一つ。その言葉、きっときみが考えてるような単純なものじゃないでしょ」
 ――と、クレシアがちらとキスナローゼたちを見やった。というよりは、今まで二人の会話を観察していたのだろう。
「そうね。少なくとも……身体は大人、頭脳は子供のディアリスに理解できるような意味ではないでしょう」
 だからってそういう参加の仕方しないでくれる?
「クレシアさんだってさぁ、子供心は失っちゃだめだよぉ? わたしと一つしか違わないのに」
「……何度も言うけど。世の中の 牝 (おんな)の基準を貴女に合わせないで」
 みろ、僕が収めなきゃいけなくなったじゃないか。
「まぁまぁ二人とも。喧嘩しないでよ。それよりさっきの言葉の意味、クレシアは知ってるの?」
 キスナローゼはできる限りの笑顔を二人に向けた。とりあえず白熱する前に落ち着いてほしい。
「わたしにもまだ解らないけど。経験が伴わないと本質は掴めないと思うわ」
「何だ、クレシアさんにもわから」
「せやな、 言 (ゆ)ーても俺らまだ十八年やそこらしか生きてないし」
 ラーカがディアリスの発言を遮り、クレシアとディアリスの諍いとも言えない諍いは収束した。二人に聞こえないようにラーカの耳元でナイスフォロー、と囁くと、ウィンクを返してくれた。

 初めの頃は鬱陶しかったけど、今ではこんな会話も楽しくていいかな、なんて感じてしまうのはきっと慣れてしまったからだろう。
 ――まだ旅は始まったばかり。これから先も、これまで気づかなかったような楽しさを発見していけるだろうか。そうしたら、さっきの言葉の意味だってわかるかもしれない。

752 :三月兎 ◆Kisna3E1Vs :2008/06/22(日) 03:25:19 ID:QWK2U3++0
       ◇

「 不可視領域 (ステルスフィールド)展開」
 機内中央に置かれた装置が作動し、靄状の光を内包した球形の宝石がその不思議な輝きを強める。
 光の靄が宝石の中で渦巻きはじめると同時に、微弱な振動が機内に伝わり始めた。
 これでこのヘリは外からは視えなくなる。この宝石――心の雫には、水の都アルトマーレの 護神 (まもりがみ)と名高いラティ族の力が封じ込められている。
もっとも、これはオリジナルの心の雫を元にジョウト支部の研究所で開発された試作品だそうだが。 本物 (オリジナル)は街一つをまるごと水没させてしまうような力を秘めているらしい。
「ただ今の地点、ミシロタウン上空約八千メートルです」
「よし。高度を千メートルまで下げろ。そこから百一番道路に沿って北上だ」
「了解しました」
 ミシロタウンから北上、ということはコトキタウンの方向だ。この辺りは自然が多く、野生のポケモンも棲み易いので可能性はある。
 それに、テープに映っていたのはコトキタウン付近だったという話だ。テープは一年前のものだから今もそこにいるとは言いがたいが。

 雲を抜けて低く。眼下に拡がる森林、少しひらけた草原。囲まれるようにして存在する小さな村。ヘリの降下に従って、それらは徐々に形を成してゆく。
「ただ今千メートル地点です」
「よし。ラット、エイト。動くモノはコラッタ一匹見逃すな! 捜索を開始する!」
「探すのはイーブイっすよね? コラッタは見逃してもい」
 ラットの突っ込みを最後まで聞かずにタイガーが拳を振り下ろした。ゴツ、という固い音にラットが頭を抱えて蹲った。
「了解しました」
 キレンスは素直にそれだけ答えた。タイガーの頭がよろしくないのはポケモンの俺でも分かる。間違いを訂正されるのが気に食わないらしいこの男は、きっといつまで経っても頭の悪いままだろう。
まあ、俺の知ったことではない。俺には余計なことを考えてる暇なんかない。

753 :三月兎 ◆Kisna3E1Vs :2008/06/22(日) 03:28:35 ID:QWK2U3++0
 ――――嘘だ。時間だけは無駄にたっぷりとある。こうして目を凝らして101番道路を行く人々、ポケモンの中にイーブイを探している間も、頭は別のことを考えられる。
俺はただ考えるのを避けてるだけなんだ。この任務の意義。組織の目的。俺にとっては何の意味もない。俺の中で確かなのはたった一つの想いだけ。
俺はルピナへの想いとそれ以外の全ての感情を天秤にかけて、迷わずルピナを選んだ。だから考えることに意味などない。とっくの昔に捨てたんだ。俺だって子供じゃない。
どちらかしか選べないのは分かってた。人生には思い通りの選択肢なんて現れてはくれない。与えられた選択肢の中で最良だと思った道へ進むしかない。
俺の選んだ道が罠だらけの悪路だったとしても、光が差しているだけもう一方の 幽 (くら)い道よりはずっといい。
 アルメリア。光を求めて飛び出したお前は、どこかで光を見つけたのだろうか。俺は今、その光を――――だめだ。考えてはいけない。俺に選択権はないのだから。
「ラット! いつまでそうしているつもりだ? さっさと動けこの役立たずが!」
「は、はいっ!」
 タイガーの怒声にラットは頭をさすりながら立ち上がり、慌ててキレンスと反対側の昇降口に移動した。今まで蹲っていたってことは、相当な力で殴られたのだろうか。
赤い文字で"R"と書かれたあの帽子、デザイン性も終わっているが防御力も低いらしい。史上最悪の帽子だな、うん。
 ――結局、俺が考えてるのって無駄なことばかりだよな。

      ◇

「そこの二人! 俺達と一戦どうだ?」
 翌日。百三番道路も半ばまで差し掛かった辺りで、二人組の男がご主人さま達に声を掛けてきた。
「ダブルか?」
 シーグルさんがすかさず訊き返す。
「おうよ」
「それを訊くって 事 (こた)ぁ勝負するってことでいいんだな?」
 ダブルというのはダブルバトル、二対二のポケモンバトルの事だろう。バトルは基本は一対一なのだが、ここホウエンで発祥したこの方式は言わばチーム戦。当然チームワークが要求される。
「そっちのネエちゃんもいいな?」
「ええ、受けて立つわ」


754 :三月兎 ◆Kisna3E1Vs :2008/06/22(日) 03:29:32 ID:QWK2U3++0
 そう、このルールはより実戦に近い。実戦では多対一なんてこともザラにある。ましてただの 遊興 (バトル)だ。これぐらい簡単にこなさなくちゃ――
 ――――って、誰に聞いたんだったかな。ご主人さまじゃない。自分で言うのも何だがご主人さまは僕に甘くて、僕に対しては厳しいことの一つも言ったことがない。
そもそも多対一って何。ルールのない命の取り合い? 野生生活を営む者たちだってそんなことはしない。群れにもよるだろうけど、争いは最小限にして無駄なエネルギーの消費を抑えるに越したことはないから、自分に不利な状況になればまず逃げることを選ぶだろう。
当然仔や家族を守るためならば話は別だが、僕の年齢で過去に 妻仔 (さいし)があったとは考えにくい。ご主人さまに会った頃はまだ進化もしていない イーブイ (こども)だったのだ。
 ときどき泡のように浮かんでは弾ける記憶の 断片 (カケラ)。その中にはいつも――――
「じゃあ今度はクレシアに戦ってもらおうかしら……」
 ふと、ご主人さまの声が耳に入る。考えごとをして意識が別のところへ飛んでしまうのは僕の悪い癖だ。
 戦うのは僕じゃなくてクレシアか。先に前に出て待っているのは――
「えー、キスナじゃないの?」
 ――ディアリス。
「ちょっ、ご主人さま! 僕にやらせて!」
 慌てて進言した。クレシアとディアリスが肩を並べて戦うなんて考えられない。これまでの彼女達のやり取りを見ていたら、これ以上ないんじゃないかって思うくらい相性が悪い。色んな意味で危なすぎる。
「うーん……クレシア、いい?」
「駄目よ。キスナは初日に戦わせたでしょ。それに、わたしの 実力 (レベル)をシーグルさんたちにも把握してもらったほうがいいんじゃないかしら」
 まずい。やっぱりこのひとやる気満々だ。
「せやな、俺も一ぺん見てみたいし」
「俺としてはキスナローゼの戦闘を再確認したかったんだが……まぁ、早いうちに皆の能力を把握しておいたほうがいいしな」
 ラーカ、さっきのナイスフォローはどこへ。シーグルさん、ジョウトリーグを制覇したあなたの発言って全部重く聞こえちゃうのわかってる?
「……そうね。クレシア、頼んだわよ」
 おーーーーーーーい……

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755 :三月兎 ◆Kisna3E1Vs :2008/06/22(日) 03:33:14 ID:QWK2U3++0
一応これエロ小説だけど、長編だからなかなかそういうシーンが出てこないという……すみません。

ポケモンに関しては、
女→牝
男→牡
子→仔
としてポケモン同士で呼ぶときは発音そのまま、漢字だけ変えるという変わった表記をしてるんですが。
()の中身は振り仮名だと思ってください。
掲示板では振り仮名が使えないので、たまにヘンなところもありますが……

756 :スカイズ ◆gIq0xA48Xk :2008/06/22(日) 13:57:11 ID:BVgLvMjg0
早速投稿させていただきます…


ストーカー



「美しい…」
俺が視線を向けた先は一匹の雌のミロカロスだった。
――惚れた…
そう、俺の人生が180度変わった瞬間だった。
自己紹介が遅れたが、俺はリザード。近所の区役所で働いている普通の男だった。
そう、あの時まで…。
それから数日が経過した。
彼女のことが頭から離れない……。
そして俺はある決断した。


757 :スカイズ ◆gIq0xA48Xk :2008/06/22(日) 13:57:56 ID:BVgLvMjg0
ヒタ……ヒタ……
そう……ストーカーだ。
俺は自分を押さえることができなくなっていた。
インターネットで検索し道具からテクニックまで全てを学んだ。
そのおかげか彼女は後ろに誰かがいるのかに気付かない。
そしてそんな日が何日か続き俺はあることを考えた。


758 :スカイズ ◆gIq0xA48Xk :2008/06/22(日) 13:59:17 ID:BVgLvMjg0
――プライベートが知りたい…。
俺は早速盗聴器を準備した。
彼女の家はマンションで普段からポケモンがあまり通らない場所にあるので誰かに見られるような心配がなかったが、
どう部屋に侵入すればいいかというのが問題だ。
幸い、そのマンションに幼なじみのジュプトルがいた。
だから彼に鍵を借りて、形状を細工すればいい……と思った。


759 :スカイズ ◆gIq0xA48Xk :2008/06/22(日) 14:00:36 ID:BVgLvMjg0
早速彼の部屋に行った。
「よお、ジュプトル」
「あっ、リザードか!どうした急に」
「久々に休暇がとれてさ。入っていいか?」
「ああ、入んな」
それから俺はジュプトルが見ていないうちに彼の鍵を引ったくり、
「あっ。そろそろ帰らないといけないから俺。今日はありがとな」
「おう、また機会があったら会おうな」
「おう、じゃあな」
早速、店で彼と同じ鍵を作ってもらい、
「悪ぃ。おまえの鍵間違って持って帰ってたわ」
「やっぱりな。さっきまで必死で探してたんだぞ」
「悪ぃ悪ぃ。今から返しにいくから」
返しにいった後、俺は数日間家から出ることはなかった…。
「やっと……できた……」
あれから一週間。やっとのことで彼女の部屋おろかあのマンション全てに通じる鍵を作った。
「ふぅ…インターネットってやっぱり便利だな。こんな作り方まで載っているなんて」
それから俺は彼女がいない時間帯を調べた。
「朝の9時から夜の10時までがいない…か。よし……」
なんとかして彼女の部屋に盗聴器を設置することができた。
「よし、あとは彼女が帰ってくるのを待つだけか……。うししし……待っててね……ミ・ロ・カ・ロ・スちゃ〜ん……」
俺はもう気が狂っていた。
「ん?もう10時か。帰ってきた頃かな…?」
そして盗聴器からの音声を聞くことにした。
『ふわぁ…。今日も一日疲れたわ…。シャワーでも浴びて寝ようかしら』
ドキドキ!
早速シャワーかよ!俺の興奮が高まった。のと同時に俺の肉棒も固くなり始めた。
『ふんふんふんふん…。ふーっ。気持ち良いわね…。お尻も洗おうかしら……』
ドキドキ!ドキドキ!
「や、やべえ…音声だけでもすげぇ興奮してるよ俺」
俺の肉棒がさらに固くなった。
『明日もいいことがありますように』
彼女が寝るみたいだ
「うひひ…おやすみミロカロスちゃん…」
それから俺も寝ようと思い準備をする。
すると……

760 :スカイズ ◆gIq0xA48Xk :2008/06/22(日) 14:01:33 ID:BVgLvMjg0
『ああん!あっ…はぁん!ひゃあ……あん!』
なんと彼女の喘ぎ声が聞こえてきたのだ
『もう…でるぅぅぅ』
微かに聞こえる潮吹きの音……
彼女の自慰…。俺はもう我慢できなかった。が、もう俺の手は無意識に肉棒にピストン運動していた。
シュッシュッシュッシュッ
「うっ…。もう出るぅ!」
ビュクッビュクビュク
久しぶりだったので結構な量だった。
「はぁはぁ…」
俺は考えた。
――彼女を犯してやりたい
すると俺はいつの間にか彼女の家のドアの前まで立っていた。
そしてインターホンを押す。
ピンポーン
………
すると彼女が出てきた。
「何ですか?こんな夜遅くに…」
「あああ、あのですね。ぼぼぼ僕、ああああなたのことが、すすす好きなんでして、でででですね…」
何言っているんだ俺は。
すると彼女は、
「冷やかしなら帰ってください。私眠いんです…」
彼女がドアを閉めようとした時、
「う、うりゃあああ!!!」
俺は彼女を突き飛ばし、ベッドがある部屋まで走った。
「や、やめて下さい!さ、さもないと…」
彼女はハイドロポンプを放った
ぎりぎりのところで俺はかわし、彼女は言う
「け、警察を……」
彼女が電話の受話器を取った
やばい…これはやばい…
とっさに俺はかえんほうしゃで電話を破壊した
そして俺は彼女に飛び掛かり首元に自分の爪を押し付けた


761 :スカイズ ◆gIq0xA48Xk :2008/06/22(日) 14:02:17 ID:BVgLvMjg0
「キャア!た、助けて……助けて……何でもしますから……」
彼女は泣いていた。怖くて怖くて仕方がないのだろう。
「ななな何でもする…?ほほほ本当ですか。ななななら、僕と……やややヤりませんか???」
なんで俺はこんな時まで吃るんだろう…
すると彼女の様子が変わった
「……そうですか。フフフ…そんなことお安いご用ですよ」
???
なんだこの流れは。
俺はだんだんと恐ろしくなってきた
「あら、あなたは童貞ですか?」
「は……はい」
すると彼女は満悦の笑みを浮かべて
「フフフ…なかなか食いようがありそうね…」
すると彼女は俺をベッドにたたきつけて俺を見る
「あなた……キスは初めて……?」
俺は頷いた
「フフフ…じゃあ私が初めてなのね…」
彼女は言い終わらないうちに俺の唇に自分の唇をつけてきた
すると舌を俺の口の中に入れて舌同士がくっついた
彼女が俺の舌をなめ回した
!!!
まさかこんな流れになるとは思わなかった
何十分経っただろうか。彼女はやっとキスを止めると俺にこう聞いてきた
「私はね…昔売られた女なの…。両親の金稼ぎとしてね…。私は子供の時から犯され続けてきた。
だから私に声をかけてくるのは自分の性欲を持て余すポケモンばっかりだった…
だけどあなたは違った。私を一匹の雌として見てくれた…。
あなたがストーカーしてたのはわかっていたわ…。昔から沢山されてきていたからあなたのような不器用なのはバレバレだったわよ」
彼女がクスッと笑う
「俺を…試していたんですか……?」
「ええ…。あなたが初めてよ。こんなに真剣にさせてくれるのは。
あと盗聴器。設置が下手くそよ。帰ってすぐにあるってわかったんだから」
「そ、そんな……」
「まあ、初めてだったんでしょう。しかたないわ…。
ちなみにさっきの喘ぎ声はサービスよ」
彼女がまた笑う
「……いいんですか?俺のようなストーカーするようなやつで」
「…そうね。暗い奴は好きじゃないけど、あなたの気持ちが本気ってのがわかったわ。
私はあなたのようなストレートなのが好きなの。さっきの告白がなかったら拒否してたわね
それじゃあ、おしゃべりはここまでで続きを始めましょうか」


762 :スカイズ ◆gIq0xA48Xk :2008/06/22(日) 14:03:36 ID:BVgLvMjg0
すると彼女は俺の肉棒を見ると、
「あら、かわいい。こんな綺麗な性器を見るのは久しぶりね」
そして彼女は俺の肉棒を舐め始めた。
「あっ……そこは……」
「うふふ…まだ奇麗わね……。もう少し攻めてみようかしら……」
そう言うと彼女はそれを丸ごと口の中に収めた。
「ちょ…ちょっと……」
彼女はさっきよりも更に俺のアレを刺激する。
筋にそって舐めているので尿意を感じる事もあった。
が、それよりも違う感覚が俺を襲った。
「お、俺……ミロカロスさんの……口の……中に……」
彼女はニコッと微笑み頷いた。
そして更に彼女の舌を動かす速度が増す。
「だ、駄目だぁぁぁ!!!」
ドピュッドピュッ
早速自分で出したばかりなのに出てしまった…。
やはり彼女はそれだけ慣れているのか…?
「ふぅ……あなたの小人ちゃん。美味しかったわよ
純粋っていいわね…」
彼女は少し悲しそうだ。
「それにしても私なんかでいいの?体売って仕事する女よ。それに……」
「俺は…俺はあなたを一目見た時から好きでした。それに今でもその気持ちは変わりません。
仕事なんて関係ない。俺は…俺はあなたを好きになったんだから…」
俺はもう吃らなかった。
「……名前は何て?」
「リザードです」
すると彼女は俺に抱き着いて泣いてきた。
「リザードさん。私…私こんな気持ち初めて……だから……だから嬉しくて……」
「俺も…嬉しいです。だから俺と……」
それは一瞬だった
彼女は俺の肉棒を自分の割れ目に突き刺した。
「フフフ…言わなくても分かってるわ…。でも最初はこんな形で始めるのもいいわよ……」
彼女はそう言うと腰を振り始めた。
そもそも彼女の体は柔らかいので振られてもそれほど刺激的ではないのだが、
俺にはそれくらいの微妙な動きが調度いいらしく、再び自分のアレが固くなっていく。


763 :スカイズ ◆gIq0xA48Xk :2008/06/22(日) 14:04:17 ID:BVgLvMjg0
「あら…あなた敏感なのね……。尚更あなたの童貞を奪う甲斐があるわ……」
更に彼女の動きが激しくなる。
俺は気持ち良くて声も出ないでいるが、彼女は俺の表情を見るだけでだいたい俺のことが分かるみたいだ。
「あっ……私出そうだわ……」
「おっ…俺も……あああ!!!」
彼女と俺は同時に出してしまった。
彼女の中に入りきらなかった愛液と俺の精液はベッドにべっとりとついてしまった。
「はぁ…はぁ…ベッドが汚れちゃたわね…」
「す、すみません!俺のせいで…」
「いいわ。別に気にしていないから。でも私たちのアソコが汚れちゃったわね
さあ、あなたのアレを抜いてちょうだい。今から奇麗にしてあげるから…」
と言うと彼女は再び俺の肉棒を舐め始めた。
前よりも刺激的ではなく、ゆっくり…隅々まで…。
それが終わると彼女は、
「さあ、あなたのを奇麗にしたから次はリザードさんの番よ」
俺は少し怯えた。
「あら、これも初めて?大丈夫よ。私が優しく…丁寧に教えてあげるから…。
とりあえずこの割れ目を舐めてくれるだけでいいから……」
俺はもう彼女の言うがままになっていた。
俺は最初、アーボが舐めてくるような感覚でやっていたが、
「もう!もっと大胆に…」
彼女は少しムスッとして俺の顔に秘部をさらに近付けてきた。
「飴を舐めるような感覚よ。さっき私がやったような感じで…」
ペチャ…ペチャ…
彼女の割れ目、その周りについている愛液、そして俺の精液……。
俺は彼女の汚れをできるだけ奇麗にしてやろうと思いながら舐めていた
すると彼女は、
「ああん!あっ…はぁん!ひゃあ……あん!」
俺が盗聴器で聞いた喘ぎ声と同じだった
それから俺の視界が一瞬曇った。
「ご、ごめんなさい…。顔にかかっちゃったみたいで……」
「だ、大丈夫です……。お、俺は…………」


764 :スカイズ ◆gIq0xA48Xk :2008/06/22(日) 14:05:33 ID:BVgLvMjg0
………


どうやら俺はあのまま彼女の家で一晩を過ごしたようだ。
――ミロカロスさんは……?
俺は彼女を探していた。
が、
「あら?起きました?朝食つくってみましたけど、どうかしら?」
「あっ、ありがとうございます……」
俺は起きたばかりで食欲があまりなかったが、彼女がせっかく作ってくれたようなので食べてみることにした。
みそ汁とご飯、卵焼きという定番のメニューだったが、
「う…上手い!」
「そう…口に合ってくれてよかったわ……」
食事を終えるとふと時計を見てみた。
――9時半
「み、ミロカロスさん。仕事の方は?」
「仕事?ふふっさすが素人でもストーカーしてただけあるわね。あの仕事はもう辞めたわ」
「えっ?」
「だって…リザードさんのような男性がいるのにあんな仕事してちゃ駄目でしょ……」
彼女は俺の顔の方に近付けてそっとキスをした。
「さあて、今日は久しぶりの休みだわ。やらなきゃいけない事が沢山あるけど……」
彼女は一旦止まったがすぐにこう言った
「リザードさんのことを知るのが一番やらなきゃいけないことね!」
それから俺たちは結婚した。
俺と彼女、それに子供のヒトカゲとヒンバスだ。
「いってきます!」
「いってらっしゃい。あ・な・た!」
俺は未だにこう思う。あの時…あの時ストーカーをやってよかった、と。
皆はやっちゃ駄目だからな!

765 :スカイズ ◆gIq0xA48Xk :2008/06/22(日) 14:08:47 ID:BVgLvMjg0
話しの流れが無理矢理だったり上手く行き過ぎるのはご了承くださいm(__)m
あと最初の方が変なところで書き込みしたせいで文章が少なくなりすぎました。

いろいろとボロが出ていますが、これからもよろしくお願いします。

766 :アンチー:2008/06/22(日) 15:31:42 ID:QuyQtPAA0
それは荒れ果てた夜のことだった。一人のガーディが、暗い顔をして歩いていた。 「どうしたの?ガーディ。暗い顔しているね。」
ふと顔をあげた。そこには幼なじみの、アブソルがいた。
「はぁ…。もう終わりだよ。両親が死んだよ……。」
ガーディの両親は、交通事故で亡くなったのだ。4時間前………。「家族で買い物なんて久しぶりだねー!」
「そうねー。」
プァーン!!!!!
「……。」
一台のダンプカーが、ガーディの両親をつらぬいた。
「え………。」
「うそでしょ……こんなことって………。」
「嘘っていってよ!!!!」
「え!ガーディの両親死んじゃったの!!!」
ガーディはうつむいている。
「分かった!今日からガーディの家に一緒に住んであげる!これでさびしくないでしょ!」
ガーディはうつむいたままだった。相当傷は深いようだ。
「さぁいこう!」
「うるさいよ!!」
「え……。」
「ガーディがわたしにそんなこと言うなんて……。わたしも両親を失ったんだよ!」
「!」
「だから……だから寂しいんだよ!」
そうだったアブソルは両親を殺されているんだった。それなのに……それなのに…!
「アブソルごめん!やっぱり一緒に住んで。」
「そういうと思った。」
二人は一緒にガーディの家にいった。
「もうさびしくないね。」
「そうだね。」
ガーディはふと時計を見た。もう夜の11時だ。二人は眠りについた。

767 :アンチー:2008/06/22(日) 17:16:58 ID:/sUtGt8g0
チュンチュン。朝になった。
「ガーディおはよう。」
「おはよう」
ガーディはまじまじとアブソルの顔を見つめる。
「あっ顔が赤くなった!ガーディ好きなひとできたな!教えてよ!幼なじみでしょ?」
「きみが……」
「え?」
「きみがすきだ」

768 :ピカソ ◆X0li4ODh3w :2008/06/22(日) 19:35:46 ID:xTX0Nt6s0
今、凄い鬱です
その理由は……
>>717の続き書き終わる
投稿ボタン押そうとする
カーソルが何故かそれて
掲示板に戻るを押してしまう
もちろん内容は消え去る
あぼーん
×3
です。
というわけで2〜3日泣きます。
もうちょい落ち着け、俺…

感想↓
>>756->>765
スカイズさん、初めまして
凄く上手かったです!
自分とは比べ者になりませんよ
次回作も期待してまってます。

769 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/06/22(日) 20:21:05 ID:jPYz233c0
続き。さて神を出したは良いがこれからどうするか……。

30 質問タイム ウズキさんに聞いてみよう

ダイヤ……ウズキは周囲を警戒していた。
流石にディアルガの姿では目立つからが理由かどうかは解らないが今はロコンになっている。

「さて……急いでたから年代を指定する余裕がなかったけど……いつの時代かな。
 でも流石にこの人数の時間転移は疲れるな……。しばらくはこの姿かな……」

ウズキが気絶している者達を見て溜息をつく。

その場の勢いとはいえこの場にいる全員に自分の正体をばらした。
皆はボクの事をどう思うんだろう……。
ボクにも個人的に神と戦う理由がある。それが憎しみだとしても……。
罪を犯した愚かな神と罵り突き放すか……共に神と戦う同士として向かいいれてくれるか……。
どちらにしても今までの関係は壊れる事になるだろうな……。

ウズキが空を眺め考え事をしてるとフィニティが意識を取り戻した。

「ダイヤ様……起きてたんですか?」
「ダイヤか……君はボクを友としてではなく神と見るか……」

フィニティはウズキを見て挨拶をする。
ウズキはフィニティの言葉を聞き本人に聞こえないように悪態をつく。
本人に悪気はないがウズキは嫌そうな顔をした。

「……緊急事態だったとはいえペンダント……壊してごめん」
「そんな! ダイヤ様の復活に必要でしたのなら喜んで差し出しました」

フィニティの大声を出したからか他の者も順に目を覚ました。

「あ……ウズキさん、フィニティおはよう」

グレンの今までと変わらない反応に安心した顔をする。

770 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/06/22(日) 20:21:33 ID:jPYz233c0
「ふわぁ〜。よく寝た」
「ライガ……随分と呑気なものだな……」
「皆さんもご無事でしたか」
「……起床……」

皆、随分と眠そうな顔をしてウズキの方を見る。

「まぁ皆の言いたいことは大体は解るから答えていこう。
 まずボクは君達が見たとおり時の神ディアルガだ。今はロコンだけど……。
 あ! 年齢は答えないからね! と言うか気にしないで! 気にしたら時の神の神罰が下るよ!
 次にあの時何をしたかだけど過去への時間転移……タイムスリップって奴だね。
 先に言っておくと年代は解らないよ。ちなみに帰るのはしばらく無理!
 莫大なエネルギーを消費したからボク自身に休養が必要なんだよ。
 後……君達がボクを味方として見るなら味方だから安心してね!
 まぁボクに喧嘩を売ってメリットはないと思うけどね〜。
 神を味方につけとけば便利だと思うよ〜。
 以上! 後は個人で質問を!! 質問タイム!!」

ウズキの質問タイムに皆が挙手する。
ウズキは一番最初に目が合ったライガを指名した。

「俺達って無関係だと思うんですけど!」
「確かにそうだが言い方があるだろう……」
「君達は神の戦いに巻き込まれました! はい次!
 あ! 別に自分達で元の時代に帰れるならお好きにどうぞ〜。
 絶対に無理だと思うけどね〜」

ウズキの答えにライガとサイは「タオルにされて巻き込まれたのかよ……」「神は無慈悲だ……」と愚痴を言った。
ウズキは次にグレンをライガと同様の理由で指名した。

771 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/06/22(日) 20:22:23 ID:jPYz233c0
「呼び方は今までどおりウズキさんで良いの? それともダイヤ様の方が良いのかな?」
「勿論OKだよグレン君! と言うかフィニティに限らず皆さんダイヤ様はやめてね……。だからってウズキ様もなしだよ」
「ダ……ウズキさんがそう言うのなら解りました」
「ありがとうウズキさん」

フィニティもグレンと同様だったのか残ってるのはアマツとムオンの二匹。
ムオンは会話になりそうにないのでアマツを指名する。

「過去の世界でも注意事項はなんでしょうか?」
「真面目な質問だね。取り合えずあまりこの時代のポケモンとあまり接触しない事。
 勿論未来の事は言わない。歴史を変えるよう事は絶対ダメ。こんなとこかな。
 ムオンもこれで十分でしょ? 質問内容は同じでしょ?」
「……承諾……」

ムオンは珍しく「なぜ解った!?」とでも言いたげな顔をしたが一瞬でいつもの無表情に戻った。

「なぜ解ったかって? ボクは時の神……他者の記憶という時間くらいなら力を使わないでも解る。
 ほんの一秒前だって記憶だからね。実際考えが解ると言っても良いんだよね」
「ウズキさんが妙に鋭いと思ったらそういう事だったんだ!」
「でも前に私のかまいたちに当たったよな。考えが解るなら避けれたんじゃ……」
「……近くじゃないと解らないんです……。偉そうなこと言ってすみません……」

グレンは感心するがサイは痛いとこをつく。
ウズキはサイに頭を下げ事情を説明する。
サイは慌てて前言を撤回したのだった。

772 :使徒:2008/06/22(日) 20:38:32 ID:fqTNmlTY0
書いてみたいと思ったので近いうち書こうと思います
でも小説が小さい頃から苦手
なのでよろしくおねがいします


773 :ダイ:2008/06/23(月) 16:54:15 ID:COrDhnXM0
小説を書こうと思います。
下手だと思いますが、よろしくお願いします。

774 :使徒:2008/06/23(月) 19:41:07 ID:KAvZIMLE0
いきなり考えたので駄目だと思います

この世には二つの存在がある光と闇
光は喜び優しさ希望がある
闇には怒り悲しみ絶望しかない
そこに生きるのがポケモンである

775 :使徒:2008/06/23(月) 20:37:34 ID:KAvZIMLE0
そしてその闇から逃げている子
イーブイだ
彼女は小さい村にすんでいて

776 :山本 ◆rkAWlQPFjI :2008/06/24(火) 18:48:22 ID:nHblUt3I0
>使徒さん
 一話分を携帯のメモ帳かパソコンのワードに書いてから投稿することをオススメします。
 あなたの小説を途中で途切れさしてしまう場合もあるので、他の方も投稿しにくくなると思うので。

777 :使徒:2008/06/24(火) 21:53:24 ID:eblW5Qck0
すいませんが初めからやります
この世には二つの存在がある光と闇
光は喜び優しさ希望がある
闇には怒り悲しみ絶望しかない
そこに生きるのがポケモンである
そしてその闇から逃げている子
イーブイだ
彼女は小さい村にすんでいて
あるきっかけでこのような
事が起きている
それは五日前の事だった
その日は友達のリオルと
イーブイの姉エーフィ
三人と村はずれの川に
キャンプに出かけた
「楽しみだね、リオル」
「そうだね」
「おねえちゃん早くいこ」
「うん」
エーフィは暗い声で言った
しかしエーフィは薄々
きずいていたとても悲惨な
悲劇が起きる事が

つづく

778 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/06/25(水) 23:23:52 ID:5oY3wZuw0
続き。飛んだのは過去ですから!

31 過去の自分

ウズキを中心に今後の事を話していると誰かの足音が聞こえてきた。
ムオンはいち早くその事に気付き皆に声をかける。

「……足音……」

一同はあまり音を立てないように草むらの中に隠れた。

「今日は父様と母様の結婚記念日だから何か探すの!」

声が聞こえるがこちらは姿を隠しているため種族は確認できない。
ライガは目を金色に輝かせ声の主の方を見る。

「……どうやら五歳くらいのロコンの女の子みたいだ……」
「こういう時には透視能力って便利なのですね……」

ライガの能力にアマツが感心する。
これはいくら神の能力を得ようとも手に入れることのできない力。
今回はライガの能力に一同は激しく感謝した。

「非常にやばい。ロコンがこっちの草むらに来るんだが……どうする?」
「ねぇウズキさんって時間を止める事はできないの?」

グレンの一言に「それがあった!」と言わんばかりに一同の視線がウズキに集まる。
ウズキは申し訳なさそうに顔を隠した。

「そこまで強大な力はディアルガの姿じゃないと使えないんだ……。
 そして今は時間転移で力を使いすぎたからさ……。ボク……キュウコンにもなれないんだよね……」

一同の期待の星、時の神ダイヤ様はそこまで万能ではなかった。
ムオンを抜かした一同の顔が見る見るうちに青ざめていく。

「あ! あっちに木の実が沢山生った木があるの!」

779 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/06/25(水) 23:24:16 ID:5oY3wZuw0
ロコンの女の子は方向転換し木の方に向かった。
一同は音を立てないようにゆっくり動き出す。
するとグレンの肩に誰かの前足が置かれた。

「お前達こんなところで隠れて何をしている? まさかボク等の娘に手を出そうって言うんじゃ……。
 もしそうだとしたら痛い目を見てもらうけどね……」
「そんな大声出したら隠れてる意味がなくなっちゃいますよ……」

グレンは前足を置いたポケモンの方を向く。
金と銀のキュウコンがたたずんでいる。
どちらも二五歳程度で金のキュウコンを見たグレンは絶句した。
いや一同も金のキュウコンを見れば絶句するだろう。

そのポケモンはウズキ……いやウヅキだった。
そして銀のキュウコンは勿論クゥである。

「いやボク等は決して怪しいものじゃないんですよ! ……信じてくれますよね?」

ウズキがウヅキの目の前に割ってはいる。
ウズキの考えはこうだった。

相手が過去のボクならばボクの考えを読む事ができる。
そうすればボク等の大体の状況は解るはず……。

「敵意はないみたいだね……。解ったよ。アマツを見失う前に行こうかクゥ」
「あなた若い頃のウヅキさんにそっくりですね……じゃあ私達はこれで失礼します」

クゥは頭を下げてから行くがウヅキはさっさと行ってしまう。
ウズキは自分なのだが不快な気分になった。

780 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/06/25(水) 23:24:33 ID:5oY3wZuw0
「ウズキって以外に失礼な奴なんだな……。初対面であの態度はないだろう」
「姉さん……それは禁句だって……」

サイのさり気ない一言にウズキは傷ついた。
だが自分でも感じた思いだけに声に出して否定する事はできない。

「そ、そんなウズキさんはただ初対面の方には冷たいだけですよ!」

フィニティのフォローにウズキも少しは元気を取り戻す。
そしてウズキも言い返した。

「初対面ならライガとサイだってボク等に攻撃してきたよね?」
「だってあのころの俺達、窃盗組だった訳だし!」
「私達は言わば敵同士だった分けだからな」

ウズキの文句もライガとサイにはまるで通用しなかった。

「この前の事……タオル代わりにした事……怒ってる?」
「当たり前だ! 私の毛が白いからってあれは酷いだろ!
 神だからってして良い事と悪い事があるだろう!」
「あの時はその場の勢いでつい……」

サイがウズキを睨みつけた。
その迫力は元窃盗組だけに子供なら泣き出しそうであった。

781 :三月兎 ◆Kisna3E1Vs :2008/06/28(土) 19:36:31 ID:f5mUgvTc0
>スカイズさん
文章力はあると思います。これからのご活躍に期待してます。

>使途さん
まずは句読点をつけることですね。
ストーリーの内容自体は面白そうなので文章に気を配ればよくなると思いますよ。

>アンチーさん
あまり急がずにストーリーを練るのがいいと思いますよ。
少しストーリーの展開が早いかもしれません。

>蒼空さん
以前から思っていたんですが、あなたのネーミングセンスが羨ましいです。
わたし、名前考えるの苦手なんですよね。あと感想書くのも……orz
長編は根気が要りますが、執筆頑張ってくださいね。

782 :三月兎 ◆Kisna3E1Vs :2008/06/28(土) 19:41:47 ID:f5mUgvTc0
BOOST Vol.1 chapter.3の続きです
-----------------------------------
 杞憂。その言葉が当て嵌まるのかどうかさえ怪しい。
 ふたりのコンビネーションは華麗の一言に尽きた。ディアリスが敵の真ん中へ飛び込み、舞を踊るかのような華麗なステップで撹乱する。
彼女の作った隙を、クレシアのサイコウェーブが的確に捉える。相手のハスブレロとコノハナはディアリスの動きについてゆくことができず、攻撃は空を切るばかりだ。短い波状となった空間の歪みは、次々と彼らに命中しては弾け、爆発音と共に破壊エネルギーを発生させる。
しかし彼らも馬鹿ではないし、トレーナーもついている。この状況を脱するべくクレシアを先に狙うことを考えたのはまあ至極当然のことだろう。思惑は果たせなかったのであるが。
「わたしだって避けるだけが能じゃないわよ!」
 二匹が背を向けた瞬間、ディアリスの強烈なアイアンテールがハスブレロを二十メートル近くもぶっ飛ばした。ハスブレロの身体はクレシアの肩すれすれを突き抜け、彼女の髪がその風圧に靡く。
背後から自分の頭上を越えて飛んでいった仲間を見ても動じずに、クレシアへの突撃を止めなかったコノハナはなかなか肝が据わっている。葉っぱカッターで牽制しつつ跳躍してクレシアの左サイドへ回り込んで騙し討ち――――その作戦が日の目を見ることはなかった。
クレシアが淡い赤橙色の光を放つ掌を一振りして無数の葉を瞬時に焼き払うと、コノハナの動きを読んでいたかのように左へ一歩踏み込み、飛び込んだコノハナの胸に掌を押し当ててめざめるパワーを解放した。
クレシアの腕力はさほど強くはないのでコノハナが派手に飛ぶようなことはなかったが、代わりにゴオォッという轟音と共にクレシアの背丈に等しいほどの高さの火柱が渦巻いた。
 ディアリスがアイアンテールを放ってから、この間約二秒。ハスブレロとコノハナはほぼ同時に地面に落下、そのまま倒れ伏した。一転して辺りを包み込むのは、嵐が過ぎ去った後のような静寂。
ディアリスがこちらに向けてウインクしたので、キスナローゼは不覚にも微笑みを返してしまった。
 ――でも、彼女の戦う姿はとてもカッコ良かった。もちろんクレシアもだけれど、何故かディアリスの方に目が行っていたというか、彼女の戦いぶりの方が、キスナローゼの心に印象深く残っていた。

783 :三月兎 ◆Kisna3E1Vs :2008/06/28(土) 19:45:28 ID:f5mUgvTc0
「発見! 今度はエーフィっすよ!」
 ラットが嬉しそうに叫ぶ。初めてキレンスより先に見つけたからだろうか。
 場所はトウカシティとコトキタウンを繋ぐ103番道路、ややコトキタウン寄り。
「本当か? 貸せ」
 タイガーがラットから双眼鏡を引ったくって覗きこんだ。
「ふむ、確かにエーフィだが……人間に連れられているではないか。可能性は薄そうだな。まぁラットが発見したヤツだから仕方ないが……」
 こちら側は死角になってエーフィの姿が見えないので、キレンスはラットのいた側に移動して首を出した。
「そりゃないっすよ〜。何日も双眼鏡を覗くだけの作業を繰り返していたボクの身にもなって下さいよ」
 ラットの声が間近で耳に入るが、そんなものはほとんど聞こえていなかった。
 あの蒼い瞳は。まさか本当に――――
 馬鹿な。あり得ない。虹彩の色こそアルメリアと同じだが、眼つきがまるで違う。
「ん? 目が蒼いな。もしかしてこれは……」
 アイツの、アルメリアの視線は、それだけで相手を畏怖させ、慄然とさせる。戦闘訓練でアイツと相対したとき、その眼差しに戦慄を覚えたのは一度や二度ではない。
「念のために確認を取るか。ナインをよく知るエイトなら、間近で見れば識別できるだろうが……今度は人間がいるから、俺様が直々にネスビルを向かわせるとしよう」
「それ、直々って言わないっす」
「しかし……あれが本物ならなかなか面白いな。二匹の倍化ポケモンがブラッキーとエーフィとは」
 ラットの頭頂部に拳を振り下ろしながら、タイガーは唇の端を吊り上げた。
「とはいえヤツが大人しく組織に従うはずはないな。まぁ、ボスには考えがあるに違いないし、俺様の心配することではないが……」
 蹲ったラットは、しかし頭を抑えながらすぐに立ち上がった。
「でも、そのナインってイーブイは誰とも馴れ合わなかったんすよね? イーブイがエーフィに進化するのは、誰かからの愛情を強く感じた時っす。ブラッキーもそうっすけど」
 ラットがキレンスに視線を送った。キレンスがいかにしてブラッキーに進化したのかが気になるのだろうか。それにしても、ふざけた顔貌をしている割に博識な人間だ。
タイガーはラットを常時"下っ端"と侮っているが、知性に関して言えばラットの方が勝っているだろう。
「だから彼がエーフィやブラッキーに進化するなんて考えにくいっすよ」
 なるほど、ラットの推測は的を射ている。言っちゃ悪いけど、あのアルメリアに愛情を注ぐ物好きなんかいるはずがない。殺す犯す嬲る全部大好物、戦闘狂で性格は最悪。
進化の条件がラットの言ったとおりならば、考えにくいというより九割九分九厘あり得ない。
「ふむ、そうか……ってラット、無駄に嬉々として『エーフィっす!』などと叫んだのは貴様だろうが。この役立たずが。もっとマシなのを発見しろ」
「そ、そんなこと言われても。イーブイ及びその進化系を発見したら音速で報告しろって命令したのは先輩じゃないっすか」
「ま、可能性はゼロではないからな。予定通り、今晩ネスビルを向かわせるとしよう。それまで観察は続けておけよ。ボールに入れられたらそこでシロが確定するがな」
 人間の作ったポケモンを拘束するための機械"モンスターボール"が機能しない、というのが倍化ポケモンの特徴、そして唯一の弱点らしい。
 キレンスはもう一度昇降口から地上を見下ろした。エーフィは傍らのエネコロロとじゃれ合っていた。
 どうやってもあのエーフィとアルメリアは重ならないのに、何故だか嫌な予感がした。

784 :&fervor:2008/06/28(土) 20:50:09 ID:c8sFMXPo0
>>三月兎さん
続きキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!!
…とか言ってるとこれから先何十回も言わなきゃいけないのでやめときます(汗

以下チラ裏ですが…
今日は選手権もあって、盛り上がってますね。
皆様の小説、勉強になります。
残りの皆様の小説も楽しみです。…投票、どうしよう…。

785 :パウス ◆EvJGalaxy2 :2008/06/29(日) 14:46:14 ID:3TqnTKHc0
暫く体調不良でダウンしていました。

>使徒さん
三月兎さんの言うとおり、まずは句読点を付けてみることです。
暫く書いているうちに、だんだんと分かってくると思いますよ。
とにかく書いて書いて書いてみることです。
文章としてはひきつけるものがあると思います。頑張ってください!

>蒼空さん
きちんと先の展開まで考えて書いていますよね。
……………見習いt(殴。
これからも頑張ってください。

>三月兎さん
相変わらず文章力が羨ましいです。
リメイク前にも読んでいた作品ですが、また目を奪われてしまう…
これからも執筆頑張ってください。

786 :パウス ◆EvJGalaxy2 :2008/06/29(日) 14:51:28 ID:3TqnTKHc0
投稿するのも久しぶりです。

逃亡者 〜story12〜 ―絶対不利―

絶体絶命のピンチの中、ガレナは来てくれた。どうしていつもナイスタイミングなのだろう。
過去に私が不良に絡まれた時も、連れて行かれそうなところで助けに来てくれた。
私がドジを踏んで坂から転げ落ちて気絶しても、気が付くとガレナが安全なところまで運んでいてくれたこともあった。
―――まるで正義の味方みたいに。

「貴様……ネフェリンから離れろ!!」
ガレナは床を強く蹴り、まだ状況が上手く理解出来ないグランスに向かって思いっきり体当たり″を繰り出した。
見事に腹に命中されたグランスは、全く抵抗できずに吹き飛ばされて壁に強く身体を打ち付ける。
「ガレナ………」
私は感動の涙を流そうとしたが、その前に目に入った衝撃の光景に、瞼まで出かかっていた涙が一瞬にして引いてしまった。
「呆けるな、さっさと逃げろ!こんな攻撃で倒せるほど柔な奴じゃないだろう!」
そう怒鳴るガレナの身体は傷だらけで、見ているだけで痛々しい。
まだ新しいのか、真っ赤な血が雫となって垂れていく傷口も少なくはなかった。
血が出てないとはいえ、他の傷口も決して浅くは無い。私だったら絶対に倒れてしまうほどの傷の量だ。
誰が一体こんなことを……

「聞こえなかったのか!?さっさと逃げ…………がっ!!」
せめて私だけでも逃がそうとガレナは私を怒鳴りつけるが、言い終わる前に状況が理解出来たグランスの反撃の体当たり″が直撃し、外に吹き飛ばされた。
「ガレナ!!」
急いで駆け寄ろうとすると、グランスはより一層冷たい目で私を睨みつける。
「よく見ていろ…。貴様を助けに来たばかりに、自らの命の火を終えるあいつをな。」
冷静を保ってはいるが、グランスは完全に頭にきていることは間違いない。
グランスはまたガレナのほうに目を向けると、立ち上がらせる間も与えずに飛び掛っていった。
それに反応したガレナは、グランスが来る前に即座に立ち上がって後ろに跳ぶ。紙一重でグランスの攻撃をかわした。


787 :パウス ◆EvJGalaxy2 :2008/06/29(日) 14:51:53 ID:3TqnTKHc0
相手が例え満身創痍だろうとなんだろうとおかまいなしに、グランスは腕を振り回し続けた。
しかしそれは全て空を切り、ガレナは後ろに跳んで紙一重でかわしていく。
だが、一向にガレナの反撃は無い。何故だろうか。
「どうした、避けてばかりでは勝てないぞ!?」
相手が反撃してこないことを良い事に、グランスは余裕に笑ってみせる。
その笑みは勝利を確信したような笑みで、いくら傷だらけとはいえ、自分の攻撃を殆どかわされているのにこの余裕はなんだろうと思ったとき、全てが解けた。
「ほら、炎タイプらしい攻撃の一つでも当てれば、俺を倒せるかもしれないぞ?」
ガレナは反撃しないのではない、出来ないのだ。
グランスとガレナの体格差を考えた場合、最初のような不意をついた体当たり″でないと、物理攻撃の効果も微々たるものだろう。
ガレナはスピードはあるものの、力はそれほどあるほうではない。
それならば得意の炎で攻撃するしかないだろうが、それも出来ないのだ。
何故ならここは森の中。今、彼等が戦っている舞台は広場のように広がっているものの、周りにはそびえ立つ大木に、足元には雑草や花などが無数に生え広がっている。
こんなところで本気になって火でも吹けば、草木に引火して大火事になることは目に見えていた。
炎に耐性がある私やガレナは別として、森のポケモン達はまず逃げ切れないだろう。グランスも倒せるとはいえ、その代償はあまりにも大きすぎる。


788 :パウス ◆EvJGalaxy2 :2008/06/29(日) 14:52:19 ID:3TqnTKHc0
グランスの鋭い爪が霜剣のように冷たく光り、ガレナの頭に影を落とす。ガレナは瞬時に足に力を込め、大幅に後ろに飛び退いた。
グランスの腕はまたも空を切り、舌打ちをしながら腕を引いた。
「ちょこまかと鬱陶しい野郎だ。せっかくその傷の痛みから解放してやろうとしたものを。」
グランスの攻撃をかわすたびに、時が経つたびに雑草はガレナの血で赤く染まっていく。一体、どれだけの苦痛がガレナを襲っているのだろう。
ガレナは自分の傷口を一瞥し、一層グランスを強く睨んだ。
「……俺がここに来るまでに襲ってきたペルシアンやこの森のポケモン達……あれも全て貴様の命じたことか!」
「ペルシアン」という言葉に、グランスは苦虫を噛み潰したような表情を浮かべた。
強く舌打ちをしながら、「あの役立たずめ」と更に不快を露にする。
「あのペルシアンは自分から好んでやったことだ。俺が命じたのはこの森のポケモン達だけ。
『力尽くでも追い返せ』とな。」
「やはりそうか……。あいつらは悪行を働くような顔じゃなかった。中には、明らかに嫌々俺に襲い掛かってきた奴もいたんだぞ!」
さっきまでの様子が一変、グランスは薄ら笑いで答えた。
「そんなこと、俺の知ったことではない。あんな猿芝居を真に受けて、俺を崇めたのはあいつらなんだからな。
馬鹿な奴らだ。自分の身が自分で守れないほど弱いからって、こんな何処の何者かも知れない俺を、こうもあっさりと守護者扱いだ。」
この森にはポケモンが多数いるにも係わらずガレナがここまで辿りつけたのは、グランスの言うとおり「自分の身が自分で守れないほど弱い」からだ。
グランスはそこに漬け込んだのだろう。少しとはいえ、こんな奴に恋心が芽生えてしまった自分はどれだけ馬鹿だったんだ。

こうして話している間も、ガレナの血は一向に治まらない。
ついには力が抜けたように、ガレナは膝を折った。
「勝負あったな小僧……。」
グランスは勝ち切ったように笑い、止めを刺そうとその巨体を走らせた。
「心配するな。貴様が守ろうとしたネフェリンも、ここの住民同様、俺の奴隷として一生こき使ってやるよ!!」
グランスは地面を強く蹴り、爪を前に突き出しながら、一直線にガレナへと飛び掛った。
最早ガレナにこれを避ける気力も体力もない。
「ガレナぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」
私は叫ぶことしか出来ない。自分の無力さを痛感しながら、もう駄目だと思った―――その瞬間

「ぐぁっっ!?」
グランスの身体が真横に吹っ飛んだ。彼の痛苦の声と何かがぶつかったような音に顔を上げると、そこには必死に立ち上がろうとするガレナと――――森の住民、フォレトスが立っていた。
「グランスさん………あなたがさっき言っていたことは…………本当なんですか…?」

789 :cotton ◆OEz9S/PbFY :2008/06/30(月) 16:32:11 ID:OwGggYlQ0
こっちにも投下してみたりする。エロ書けないくせにw

引き裂かれた2つの運命。
―…何でだ…。
神に見捨てられたフタリ。
―約束しただろ…!
散り散りになったフタリには、それぞれ力が与えられた。
―ずっと…助け合っていこうって…!
相反する、二つの力が。

―嫌だ…。忘れたくない…!
―辛い過去なんて、消えてしまえばいい。
ヒトリは、今までの思い出を信じたくて。
もうヒトリは、その思い出を消し去りたくて。

―何でだよ…!?
―今まで、世話になったな。

そのフタリの記憶は、時間の中に溶けた。

跡形もなく。

―…?
そこに残された自分は、過去を失ったただの脱け殻で。
―…独り…?
そこに残された自分は、行き場を失った迷子のようで。

昨日までのフタリは、もう此処にはいなかった。

止まった記憶 一,

「…お世話になりました」
「毎度あり〜☆」
依頼主のナゾノクサはお辞儀をして、出ていった。部屋には俺と、報酬の三百パ
ルと、柔らかい午後の日射しだけが残った。
この仕事:救う者(セイバー)を始めてからはずっとこの風景を見てきた。
貫禄のある一対の漆黒のソファー、傷一つないテーブル、街を映す曇りのない窓
ガラス。
その窓ガラスには、一匹のエーフィ…自分の姿が映っていた。それは、街の風景
に溶け込むことはなかった。
コーヒーの残り香が、部屋中を包んでいた。ソファーに座り、フゥ、と溜め息を
ついてみる。独りの空間にそれはゆっくりと溶けた。
今日これからの予定は一応無い。仕事から解放されたこの時が一番落ち着く時で
ある。
ただのヒト捜しとはいえ、午前中ずっと走り回っていたのだから疲れは無いわけ
がない。まあ、報酬を貰えればその疲れもだいぶ吹っ飛ぶわけだが。
小さい仕事ばかりだったが、最近は午後がフリーってことはあまり無かったから
な…。ちょっと一眠り…。

790 :cotton ◆OEz9S/PbFY :2008/06/30(月) 16:33:22 ID:OwGggYlQ0
他の店とは違った雰囲気のある、小さくて可愛らしい建物。所々錆びた看板には
『Saver』と書かれている。
「…失礼します」
ノックしたドアは、高級感が溢れていた。
へぇ…。何もない所だと思っていたけど、結構綺麗な部屋なんだ。此処のヒトが
綺麗好きなのか、あるいはお手伝いさんでも雇っているのだろうか。
「…?留守かな…?」
「誰だ〜…?」
「…!?」
部屋の中から聞こえた声。ソファーから覗く彼:エーフィがその正体だった。
「…そこのリーフィア、依頼?」
「は、はい。一応…」
「…そうか。フアァァ〜…」
眠そうな眼を擦り、食器棚へ向かった。
「…名前は?」
「ルピィ。ルピィ・ヴァーシャです。あの…すみません。起こしてしまったよう
で…」
「…ったく、久々にゆっくりできると思っていたのに…。…あ、座ってていいか
ら」

「それじゃあ改めて。俺はソレイユ・ユニバース。呼ぶときはソレイユでいい。
宜しく」
机を挟んで、話し合いは始まった。
「…で、依頼って?」
コーヒーを一口飲み、彼は問いかけた。
「えっと…、簡単に言うと、"闇夢(コシュマ)"を退治して欲しいってことなんだ
けど…」
「…闇夢の退治ぃ?」
彼は冷ややかに笑う。
「依頼金、高くつくぞ?用意できるか?一〇九五万パル」
「…一〇九五万…って!?いくらなんでも高過ぎじゃないですか!!」
「今の言い方だと"組織自体を潰せ"っつーことだろ?アバウト過ぎ。あの組織潰
すには百年かかるっつーの。ウチはどれだけかかるかで金額決めてるんでね」
確かに、闇夢は世間に恐れられている組織。無理な依頼だとは分かってたけど…

791 :cotton ◆OEz9S/PbFY :2008/06/30(月) 16:34:01 ID:OwGggYlQ0
「一日三百パル、その百年分。文句ある?もっとも、もっと具体的な内容なら考
え直すけど」
話すしかないみたいだ。
「…町が壊されたんです」
「ん?」
「私の…住んでた町が…」
思い出すのも嫌になる。昨日のこと…。

静かな夜に、悪魔達は舞い降りた。
彼らは"闇夢"。黒の街、ノアールの軍。
手当たり次第に町を傷つけ、皆を傷つけ…。静かな筈の夜に高笑いが響いて…。
自分の家も、呆気なく崩れた。為す術もなくて、行くところもなくて…。

「…で、なんとか逃げてきた、ってこと?」
「はい…」
一通り話を聞き終えると、彼は棚の方へ向かった。引き出しから何枚かの紙を取
り出し、机に置いた。
「…じゃあ取り敢えず、お前が満足するまで従うことにする。…こんな契約、今
まで無いんだけどな…」
「依頼…受けてくれるんですか!?」
「ああ。ただし、条件がある」
「条件?」
不敵な笑みを浮かべた。瞬間、彼は机を乗り越え、こちらに飛びかかってくる。
「ッ!?キャッ!!」
のし掛かった状態で、彼はこちらに笑いかける。さっきまでの彼とは思えない程
の恐ろしさが、こちらの行動を制限する。
「ウチで働く、これが条件だ…ッ!」
覆い被さり、耳を甘噛みする。身体を貫くような感覚が襲う。
「ひゃああッ…!ハァッ…、アッ…」
「どうする…?契約す…」
「い…いきなり何するんですかッ!!」
「がッ!?」
思わず、右手を出してしまった。部屋に鈍い音が響いた。



792 :cotton ◆OEz9S/PbFY :2008/06/30(月) 16:34:48 ID:OwGggYlQ0
「えーと…。大丈夫ですか…?」
気がつくと、倒れていたのは床の上。どうやら、気を失ってたらしい。
…ちょっと調子に乗り過ぎた。頬の殴られた痕が痛い…。
「あ、ああ…。なんとか、な…。それにしてもグーは…」
「で、でもいきなりあんなことするなんて、酷すぎます…」
ソファーから2、3メートル程離れたところまで飛ばされたようだった。何とい
うか…
「馬鹿力…」
としか表現できなかった。
「ば、馬鹿力ッ…!?女の子に使う言葉じゃないですッ!…そうだとしても、あの
程度の力で弱音吐くなんて…」
彼女の顔が、赤くなっていくのが分かった。
「あの程度って…こんだけブッ飛ばして…しかも痛てぇし…」
「じ、自業自得ですッ…!」
まあ、ふざけ過ぎたのは俺の責任なんだけど、さ…。
「…で、どうすんの?契約すんの?」
「し、しませんよッ!またあんなことされるのは御免ですからッ!!」
怒ったまま、彼女は部屋を出ようとする。だが、
「ふ〜ん…。でも、帰るとこあんの?」
「あ…」
ふと、彼女の足が止まった。
そう、この少女には帰る家がなかった。そのことを思い出し、彼女は思わず声を
漏らした。
微かに啜り泣く音が聞こえてきた。彼女の顔を覗きこんだ。
…目を涙で濡らす彼女の顔がそこにあった。
「…ならさ、」
俺にできたのは、彼女を安心させることだけ。とにかく、彼女を落ち着かせるし
かなかった。泣かせたのは俺の責任だし。
「…ウチに居ていいから、な…?だから泣くな―」

793 :cotton ◆OEz9S/PbFY :2008/06/30(月) 16:35:25 ID:OwGggYlQ0
コーヒーは、そこに匂いを流すのを忘れていたかのように。

「ソレイユ…ッ!」

時間は、時の流れを止めたかのように。

「んあッ…!?」

彼女の顔が、ずっと俺の隣にあって。

抱きしめる彼女の鼓動はダイレクトに伝わって。
その時間は、何故だか長く感じられた。


日差しは街の眩しすぎる光に変わった。漆黒に映える満月は、その光の中で薄れ
てしまっていた。明かりを消したこの部屋の壁には、フタリの影が長く伸びた。
相当疲れていたのか、夕食を食べるなり彼はソファーで眠ってしまった。静かに
寝息をたてて。

昼間の感触は未だ残っていた。自分でも、何故あんな思い切ったことをしたんだ
ろう、と疑問に思う。その二つの影は、まだ繋がっているように見えた。

カーテンを閉め、二つの影を消した。ゆっくりと、ソファーの方へ向かった。
「…おやすみなさい。」


長ッwww

794 :cotton ◆OEz9S/PbFY :2008/06/30(月) 16:40:04 ID:OwGggYlQ0
…って、改行がカオスなことに…orzメールコピペ失敗www
…次から気をつけます。

795 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/30(月) 20:05:03 ID:0VBRxFhA0
九十九氏

wikiに執筆中の小説を載せないんですか?

796 :三月兎 ◆Kisna3E1Vs :2008/06/30(月) 20:27:09 ID:LJDIRBkM0
>cotton様
>エロが書けない
書きはじめてみると意外と何とかなったり……
エロシーンに初挑戦すると文章力がガタ落ちするかもしれませんが(経験済、というか現在進行形)
あなたの文章力の高さなら多少落ちても全然大丈夫でしょう。
エーフィとリーフィアとは、新しい組み合わせ……続きに期待してます。

>パウス様
戦闘シーンのリアルな描写に引き込まれます。
わたしが戦闘シーンを書くと、毎度エフェクトを派手にしすぎてしまうんですよね(笑

797 :三月兎 ◆Kisna3E1Vs :2008/06/30(月) 20:34:41 ID:LJDIRBkM0
前回感想をくださった&fervor様、パウス様、ありがとうございました。

プラグインごと打ち込んでいるため板に投稿する際にそれを消去しなければならないので先にWikiに投稿しているんですが……
振り仮名付きの部分をどうするかで毎度迷ってしまいます……

BOOST―vol.1―chapter.03

 煌々と揺らめく焔。わたしはこの火という波動が好きだ。103番道路――舗装とは言い難い、道行く旅人達によって踏み固められてできた道から少し脇に逸れると、そこには林が広がっている。
そしてまたその中には、旅人がそれぞれの一夜を明かすうちにできたのだろう、狭くはあるが月光の届く開けた場所がいくつかある。
「キスナ、わたしのこと見直した? すごかったでしょ?」
 物寂しげで、儚ささえ感じさせる夜にはまるでそぐわない、変に間延びした声が耳に飛び込んでくる。
「バトルはね」
 これで この女さえいなければ、さぞ趣のある時間を過ごせたろうに。
「何よそれ……わたしをまだ女の仔として見てくれないのね」
 焚火から少し離れたところで、キスナとディアリスは仲良さ気に談話している。
「……まぁ…………ちょっと憧れみたいなものは感じるけど……」
「ほんと!? わたしのこと好きになった?」
「異性としてじゃなく、一匹のポケモンとしてはね。僕もあんなふうに戦えたらいいなぁ、なんて」
 四、五日も経つとさすがに打ち解けてきたのか、最初はディアリスに引き気味だったキスナも会話を楽しんでいるように見える。あの空気に合わせられるキスナは大したものだ。
「エリア、お前あの二匹どうやって育てたんだ?」
 彼らとは逆の方向、テントのある方に目をやると、エリアとシーグルさん、それにラーカが紅茶の入ったカップを片手に語らい合っている。
「最初の頃は実戦でなくほとんど単独の訓練だったわね。たまに周辺のトレーナーと勝負するくらいで……キスナを拾ってからは自分たちで実戦形式の訓練もできるようになったけど」
「旅立つまでにあそこまで育てる奴は普通いないぞ。今の手持ちでエリアと勝負したら負けるかもしれないな」
「だっかっらっ! 負けへんて。ご主人、俺らを過少評価しすぎやで」
「そうね。ディアリスちゃんもラーカちゃんも動きがまるで違うもの」
 ラーカは人懐っこいというか、人間と話すのが好きなようで、いつもエリアやシーグルさんの会話に入っている。シーグルさんはそんなラーカを軽く無視して続けた。
「今日のバトルでクレシアが使ってたアレ、目覚めるパワーだろ? キスナローゼの力にもびっくりしたけどな。サーナイトの方も逸材だ」
 わたしが逸材?
 ――まさか。わたしの強さはキスナみたいな天性のものじゃない。

798 :三月兎 ◆Kisna3E1Vs :2008/06/30(月) 20:37:59 ID:LJDIRBkM0
「たしかにキスナはサボり魔のくせに強いし、潜在能力は高いと思うけど……クレシアは八年前から真面目に訓練を重ねてたしね。普通ぐらいじゃない?」
 そう。エリアの言う通り、わたしの戦闘力は日々のたゆまぬ訓練と努力の継続で手に入れた 背骨 (バックボーン)の太い堅実なものだ。キスナとは違う。
「いや、目覚めるパワーってのは百パーセント天性のもんだ。"波動要素(エレメンタル)"って呼ばれる――そうだな、"第三のタイプ"とでも言えばわかりやすいか」
「第三?」
「ポケモンには種族ごとに一つ、もしくは二つタイプを持ってるだろ? あれとは別のもう一つのタイプだ」
「じゃあサーナイトは実はエスパーだけじゃなくて炎も?」
「そうじゃない。 波動要素は個体ごとに固有なんだ。サーナイトじゃなくて、クレシアの波動要素が炎ってわけだな」
 わたし達ポケモンはひとりひとり違った波動要素とかいうものを持ってる――あの力にそんな秘密があったなんて、自分でも知らなかった。
ともあれ、わたしの波動要素は炎ということらしい。なるほど、わたしが炎を気に入るわけだ。
「へー……全然知らなかったわ……でも、天性ってのはどういうことなの? みんな持ってるんでしょ?」
「そやご主人、俺にもあるっちゅうことやろ?」
「もちろんラーカも持ってる。だが、大事なのは波動要素の強さも個体によって違うってことだ。お前の波動要素はバトルで使えるほど強くない」
「でも俺かて鍛えたら強くなるかも知らんやん」
「残念だけどそれは無理。波動要素の発現は訓練でできるようになるだろうが、その絶対量は生まれつき決まってるんだ。ただ、戦闘力と波動の強さは独立してるからな。
とんでもなく弱いポケモンが強力な波動要素を持ってることもある。戦闘力の高さと強い波動要素が両存するクレシアは逸材ってわけだ」
 しかしクレシアとて、生まれつき炎の力を使えたわけではない。キスナが来て、実戦訓練を重ねるようになってからだ。天性と決めつけるのも違う気がする。
「ほー……クレシア、じぶん、すごいねんな」
 ふと、すぐ横から声がした。
「えっ? あ、ええ……どうも」
 いつの間にかラーカがクレシアの側まで移動していたのだ。

799 :三月兎 ◆Kisna3E1Vs :2008/06/30(月) 20:40:15 ID:LJDIRBkM0
「ひとりでそんなとこおらんとこっち来ーや」
 ラーカは笑みを浮かべながらそう言うと、こちらが答える間もなくクレシアの手を引いた。
「ちょっと、わたしはべつに――」
 素早いだけが能かと思っていたら、意外と力もある。クレシアは抵抗できず、引っ張られるままに立ち上がった。
「――皆と騒ぐのが好きじゃないだけなんだからっ」
「まぁそー言わんと。せっかく一緒に旅してんねんからさ。こーゆう時間って大事やと思うで?」
 言われて返答につまっていると、エリアやシーグルさん、キスナ、ディアリスまでクレシアを見ていた。
「…………そうね」
 先に述べたことは本当だが、皆の視線に晒されては頷くしかなかった。
 ――刹那。
「誰!?」
 茂みの向こうに気配を感じて、クレシアは咄嗟に掌を翳し超感覚知覚(ESP)を集中させた。
「どないしたんや?」
「……今、何かがそこに…………」
 いたはずなのだが、クレシアが察知したその瞬間、何ごともなかったかのように気配は消えてしまった。
「……誰も気づかなかったの?」
 揃えて首を横に振る三匹。他のポケモンや人間の感情を受信することのできるラルトス族の能力のお陰らしい。角は一本に減ってしまったので、キルリアのときほど強くは感じられなくなったが。
「クレシアの気のせいなんじゃない?」
「違うわ。一瞬だけど大きな気配だったもの。それにキスナ、貴方を見てたわよ」
「僕を?」
「えぇ!? それってもしかして噂のストーカーってやつ? キスナはわたしのものなのにっ」
「誰がいつから誰のものになったって?」
「ふたりとも、巫山戯てる場合じゃないでしょ。貴方、誰かに狙われてるかもしれないのよ」
「考えすぎじゃないかな? 僕そんな心当たりないし。憎悪とか怒りとか、そんな負の感情でも感じたの?」
「いいえ。愉しそうではあったけどね。でも、邪悪な種類のものよ」

800 :三月兎 ◆Kisna3E1Vs :2008/06/30(月) 20:43:27 ID:LJDIRBkM0
「やっぱストーカーじゃんっ! むかつく! キスナに近づく女はわたしが全部アイアンテールでぶっ飛ばして――」
 この女、真面目にひとの話を聞くこともできないのか。おまけに戦闘狂だし。一体どんな教育を受けたんだか。
「ディアリス、その辺にしとけって。クレシアは真剣に言うとるねんぞ」
 クレシアが口を開く前に、ラーカがディアリスを諭した。少し怒った口調だった。ラーカは常識人だから、教育のせいではないのか。
「……わかったわよ。ちょっと黙ってる」
 さしものディアリスも付き合いの長いラーカに叱責されるのは応えたのだろう、それっきり口を噤んでしまった。
「何の話?」
 そこへエリアとシーグルさんが近づいてきた。クレシアたちの只事でない雰囲気を察知してか、いつになく真剣な表情だ。
「さっきその茂みの向こうに何かがいたのよ。こっちをずっと伺ってて、わたしが気づくとすぐに消えたんだけど……」
 人語に切り替えて説明を始める。
「キスナのほうをずっと見てて……なんか嫌な感じだったわ」
「気にしすぎじゃない? あんた敏感だから」
「野生のポケモンがじっと人間や人間に連れられてるポケモンを観察しているなんてのはよくあることだ。そんなに心配することはないだろう」
 エリアの楽天的な回答はさて置いて、シーグルさんの言には頷ける。こう言うのも何だがキスナの容貌が間抜けな牡達のねちっこい視線を集めてしまうのも事実だ。
考えてみれば、旅立ちの前日の夕方、キスナとクレシアを狙って野生の群れが襲ってきたのもそれが理由だった。
「そうね……ちょっと考えすぎたかな。怖がらせちゃったわね、キスナ」
「ぼ、僕は怖がってなんかない!」
「むきになる辺り怪しいじゃない。夜中にトイレに行けなくなってもわたしは知らないわよ」
「クレシアっ!」
 っと、ちょっと巫山戯過ぎたかしら。キスナは顔を真っ赤にしてクレシアに飛び掛かってきた。
キスナは女のコに間違われるのも嫌いだが、子供扱いされるのも同じくらい嫌がっている。とはいえ中身は子供なのだから致し方ない。クレシアは左手一本でキスナの突貫を受け流した。
「わわっ――!」
 菫色の細い体躯はクレシアの後にいたエリアの方へ。エリアは胸の前でキスナを受け止めた。
「っと……もう、クレシア。キスナ虐めちゃダメじゃない」
 ……何故そうなるの? と突っ込む間もなく、エリアはキスナを降ろすとシーグルさんと共に焚き火の方へ移動した。まったく、エリアはキスナに甘すぎる。

801 :三月兎 ◆Kisna3E1Vs :2008/06/30(月) 20:48:59 ID:LJDIRBkM0
「だいじょーぶ?」
 さっきまで落ち込んでいたくせに、ディアリスは普段通りの口調でキスナに声をかけた。無駄に立ち直りが早いのは、意識的に切り替えているのなら大したものだが、
少し前の出来事を忘れてしまっているだけだとしたら、脳の機能に欠陥があるとしか思えない。クレシアの推測では九割方後者である。
「べつに、何とも」
「そぉじゃなくて、夜中に怖くてトイレに行けないんだったらわたしが一緒に寝たげるよ?」
 一割プラス。覚えておくべきことは忘れ、忘れるべきことを無意味に覚えている。記憶に関する脳の選択に致命的な欠陥があることが確定した。
キスナは怒り以前に頬を朱に染めて辟易している。クレシアのほうは怒りに近い呆れ一色だ。
「莫迦じゃないの。そんなことが許されると思ってるの? そもそも貴女が一緒に寝ることとそれと何の関係があるわけ?」
「あるよぉ。キスナがわたしのトコで寝てたら」
 バキッともベチッともつかない音がして、ディアリスが飛んだ。その直前に甲高い風切り音が響いたような気もする。ディアリスは飛ばされる勢いそのままに、ド派手に茂みの中に突っ込んだ。
「え……」
 キスナもクレシアも唖然としてその光景を見つめていた。裏拳の要領で神速のみね打ちを放ったのが、他の誰でもない、ラーカだったからだ。最初はさっきみたいに怒ったのかと思ったが、どうも違うらしい。
その証拠に、ラーカはキスナと同じような表情で顔を赤くしている。
「ああ、ホンマにもう……アイツまだそんなこと考えとったんか……」
「何? どしたの?」
 キスナの問いに、ラーカは一つ咳払いをして答えた。
「じぶんがアイツに気ぃあるかどうかは知らんけど…………アイツだけはやめとけ」
 何かを知っているような口ぶりだ。過去に何があったのやら。ともあれ、クレシアが神速で同意しておいたのは言うまでもない。
-----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

これにてchapter.03は終了です。
次回、chapter.04はキレンスたちは登場せず、トウカシティへ到達したキスナローゼ一行オンリーの話になる予定。

802 :九十九:2008/06/30(月) 22:11:06 ID:wYt+yrEc0
>>名無し様
ううう・・・とうとう突っ込まれました・・・
私の小説なんかwikiに載せられるほどの作品ではありません・・・誰が好き好んで誤字脱字だらけの作品を見ましょうか??
駄文しか書けない私はここで修行して精進するのみでございます・・・こんな駄文に付き合ってくださる三月兎様に感謝!!

803 :&fervor:2008/06/30(月) 22:33:17 ID:x+U/vswI0
>>三月兎さん
やっぱり素晴らしいですね…いやはや。
次回も楽しみです。次回はすぐに見られるかどうか分かりませんがorz

>>九十九さん
十分載せられる様な…?というか載せてほしいです。期待して待ってます!

804 :九十九:2008/06/30(月) 22:52:20 ID:wYt+yrEc0
>>&fervor様
そんな事いわれたら・・・載せない訳にはいかなくなっちゃったじゃないですかwww
んんんーー、とりあえず新しいパソコン買うまで待ってください。

805 :&fervor:2008/06/30(月) 23:27:54 ID:x+U/vswI0
>>九十九さん
載せてくれるんですか?いつまでも待ってます!

806 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/06/30(月) 23:41:33 ID:dIKLD2iA0
続き。ムオンさんは喋れたんですよ。
三月兎さん。確かに名前は難しいですよね。自分はゲーム中では種族名から取ってるのが基本なんで小説じゃ使えない……。
パウスさん。先を考えてるというよりも考えてる先に使って後から無理がない程度に設定考えてます。3Pの時なんかシーン書いてから繋ぐのに苦労したり……。

32 アマツ

ウヅキと遭遇した以外に目立った事はないまま過去での一日目を終えようとしていた。
寝床の確保だけはウズキの案内ですんなりと終わっている。

「明日には食料の確保、周辺の案内で一日かかると思うからもう寝よう……」

ウズキの言葉に一同は納得し眠り始める。
ウズキは少し離れた場所で空を眺めていた。

「……会話……」

珍しくムオンからウズキに話しかけてきた。
ウズキは面倒そうに振り返る。

「君がまともに話すならボクは構わないよ……。今はアマツも寝てるし普通に喋ってもらうよムオン」
「……流石は記憶を読める神ってとこか。アマツの事で話がある」

ムオンが初めて普通に話す。
ウズキは真面目な顔をして話を始める。

「お……アマツって呼び捨てにしたよ。彼女……二百年前より以前の記憶ないね。
 ボクの能力を使ってもアマツの二百年前以前の記憶を見れないんだもん。
 旦那としては妻の記憶がないのは寂しいでしょ? 今のムオンは旦那ではなく部下だもんね」
「ああ、そうだ。気付いてたのは当然か……。アマツの記憶を戻せないか?」

ウズキはムオンの言葉に少し考え口を開く。

「不可能と言えば嘘になるけど無理だね。彼女に以前の記憶を思い出させるではなく……神の能力で植えつけるなら可能だ。
 でもそれは彼女自身の本当の記憶じゃない……。だから無理だ」
「……そうか。記憶をなくしたアマツと一緒にいるが何も思い出す兆しがずっとなくてな……。
 時の神ディアルガならできると思ったんだが……」
「神もそこまで万能じゃない……。お互い彼女を知ってるのに彼女はボク等を解らない……。寂しいね……」

ウズキとムオンは同時に溜息をついた。

807 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/06/30(月) 23:41:48 ID:dIKLD2iA0
「事故に会い俺を庇って彼女は記憶をなくした……。だから俺は彼女の支えになってやりたいんだ」
「この時代は君達がいた時代でもある。何か思い出すきっかけもきっとあるよ。
 アマツの事……君が頼りだからね……。ボクは五年しか彼女と一緒にいなかったから……」
「娘を思いやる母親か……。アマツは良い母親を持ったな……」

ムオンの一言にウズキの顔が妙にニヤついている。
ムオンは何か嫌な予感を本能で感じ取っていた。

「ど、どうした? 何か嬉しいことでもあったか?」
「ボクは君の母親でもあるんだよね。娘の旦那だから君はボクの義理の息子なんだよ〜。
 だからボクをお母さんって呼んでも良いんだよムオンく〜ん」
「今のロコンの姿でそれを言われると凄い無理を感じる……。いや、キュウコンの姿でも同い年か……。
 だが、ありがとう……話をして少しすっきりした。何かあったらまた頼むよ……母さん」

ウズキの息子発言に案外冷静に対応、反応をする。
ウズキは予想外の反応につまらなそうな顔をしていたがすぐに真面目な顔に戻る。

「君もアマツもボクの大切な子供だからね。何かあれば相談に乗るよ。
 アマツの記憶の手がかり……見つかると良いね」
「そうだな。もしかしてだからこの時代に飛んだのか?」

ムオンの質問にウズキは素っ気無く「偶然だよ……」と呟いく。
ムオンも「そうか……」と返事をし寝床へ戻っていった。

「そうこの時代に飛んだのは偶然のはず……。それともボクは未練があるのか……。
 クゥとアマツを……守れなかったこの時代に……。ボク自身を変えた時代に……
 でもボクは何もしてはいけない……。なのに……また悲劇を繰り返すためにこの時代に……。
 これから起こるあの事件を見るために……。ボクは……なぜこの時代に飛んでしまったんだろう……」

ウズキの瞳から涙が落ちる。
神でも救えない者はいる。一万年前にパールが言った言葉。
ウズキは今になってその言葉の意味を理解するのであった。

808 :ピカソ ◆X0li4ODh3w :2008/07/01(火) 20:31:01 ID:WuI/1Srk0
>>700 >>704-708 >>717の22"き(ツーヅーキ)

「さすがに…疲れたね、おや…すみ…」
バタンとベットに倒れていびきをかくグレイシア
やりきった感が満載のグレイシアの顔を見るアブソル
「私も…寝よ」
アブソルも眠りにつく
「シャワー…明日かな…」
翌朝
もふもふもふ〜ん
もふもふもふ〜ん
目覚ましが響く
この目覚ましは最新のなんたらかんたらをなんたらし
即時に起きる事が出来る
超高性能目覚まし
「朝か…グレイシアちゃん起きて…」「朝か…起きろ、ハブネーク」
軽くグレイシアを揺するアブソル 激しくハブネークを顔をビンタするザングース
「ん…ああ、お早う、アブソルちゃん、昨日はお疲れさま」「いってぇ!何をする!ったく…あっ昨日は…お疲れ様…」
一度切りますよ

809 :cotton@ネタ切れw ◆OEz9S/PbFY :2008/07/02(水) 16:40:08 ID:yDDXcVCE0
>>三月兎さん
なんとかなりそうも無い気がwww
エロなんて書くの慣れてませんし、同じ表現の繰り返しですしorz
慣れるよう頑張りたいです。コメありがとうございます。

止まった記憶 二,

―誰…?
目の前には、ただぼやけた世界。明るくて、何故か暗くもあった。
誰?とは聞いてみたものの、そこには姿すら無くて…。聞こえるものは何も無くて…。それでも、そこには誰かいるような気がして。
光の中へ、ゆっくり手を伸ばしてみる―

「ん…?」
窓からは、既に早朝の暖かな光が射し込んでいた。その光はテーブルに反射して、僅かに挙げた自分の手を照らしていた。微かに開けた目にも、その光は優しく届いた。ぼやぼやとした夢は、何故か今もまだ鮮明に残っていた。
ソファーの柔らかさは、自分を包んでいるようだった。夢の中でも、夢から覚めた今この時も。
「ソレイユ…?」
陽に照らされたその部屋には彼の姿はなかった。もう仕事に向かったのだろうか。独りの部屋では何もすることはなかった。誰もいない部屋には、ただ静かな空気が流れた。

その空気から解放されたくて、外へ出る。ひんやりとした風が、通りを吹き抜けた。まだ朝は早く、この街:ルージュを道行く者は見られなかった。前の建物の赤煉瓦は、重々しくそこに佇んでいた。それと対比して、空の青は澄み渡っていた。
「…お?ルピィ。目ェ覚めたのか?」
「あ、ソレイユ」
赤の中を歩いてくる彼。額の宝石はその赤に劣らぬ鋭い輝きを放っている。
「何処…行ってたんです?」
彼の肩には、ビニールの袋が担がれていた。ほんのり、いい香りが漂っていた。
「ああ、ちょっと『グロウブレッド・ベーカリー』まで買い物。いや〜、あそこのパンは最高なんでね〜♪」
上機嫌で紙袋を開ける。一つ取り出すと、こちらに手渡した。
「食べてみ?」
「あ、ありがとう…」
彼に奨められ、一口食べてみる。

810 :cottonw ◆OEz9S/PbFY :2008/07/02(水) 16:42:37 ID:yDDXcVCE0
―…ん…!
そのパンは、クッションのように柔らかくて。一口かじっただけで、甘い匂いが口の中に広がって。
彼が好きになる理由もなんとなく分かった。
「さて、ボチボチ行きますかッ…と」
「え…!?ま、まだ食べ終わってないですよッ?」
彼も一つ口にくわえ、歩き始めた。
「このまま向かうぞ?時間勿体無いから」
「あ、味わって食べさせてくれたっていいじゃないですかッ!」
朝の霧はフタリを、通り全体を包みこんでいた。

ルージュに比べ、緩やかな丘の上にある町。
いつも、この道を通っていた筈なのに。
いつも、爽やかな風を感じていた筈なのに。
「この道で合ってる?」
「はい。もうすぐ着きます」
いつも、この空の下に変わらずあった筈なのに。
禍々しい黒煙は、白い雲まで黒く染めようと伸びていた。
その町は―

美しく並んでいた家々は、無惨に崩れて。
町を彩っていた花はその色を失って。
地に広がっていた草は灰と化して。
たった一晩で、ここまで変わってしまった。その様子を見ていると、段々怒りが込み上げてきた。
笑い声もお喋りの声も聞こえず、風が虚しく灰を拐って。
…つい一昨日までは、此処は活気に溢れていたとは、到底思えなかった。

811 :cottonw ◆OEz9S/PbFY :2008/07/02(水) 16:43:23 ID:yDDXcVCE0
「…で、案内しましたけど。何するつもりですか?」
「へぇ…。思ってたよりでけぇな…。此処の長は?」
「長…?コンフィさんのことですか?彼なら…」

美しかった白い壁、赤い屋根。そんな物も、瓦礫と化した。一際立派だった家も、例外ではなかった。
その瓦礫の中に、彼は立っていた。
彼:キノガッサが此処の町長、コンフィ・スカルド。
「おはようございます。」
「ん?ああ、おはよう、ルピィ。大丈夫だったか?」
「ええ、なんとか。…大変なことになってますね…」
「ああ、全くだ。…ん?」
ソレイユに気付き、彼はしばらく彼を見る。見覚えがないのを確認し、質問した。
「そちらのエーフィは?」
「初めまして。ルージュの街で"セイバー"をしているソレイユ・ユニバースです」
「宜しく。…ところで、今日は何故此処へ?」
「この町を…、」

町を見回して、自信たっぷりに言った一言。

「…この町を取り戻しに、です」

812 :cotton@消し忘れ→w ◆OEz9S/PbFY :2008/07/02(水) 16:44:33 ID:yDDXcVCE0
「と、取り戻すぅ!?」
当然、ソレイユを除くフタリは飛び上がらんばかりに驚いた。
「な、何を言ってるんですか!?」
「何か可笑しかった?」
彼はむしろ、こちらの反応に驚いているようでもあった。
「此処に住む者全てを集めてください。"奇跡"ってどんなものか、見せて差し上げますから」
「意図が全く見えないが…。まあいいか、集めることにするよ」
「コンフィさんまで…!」
「ここまで言うんだから、何か策があるんだろう?やってみるだけの価値はあると思うんだ」

…その後も彼らの"打ち合わせ"は続いた。もう自分には理解できなかった。
彼が言う"奇跡"。確かに、信じたいことではある。彼の態度を見ていると、尚更。
でも、町が崩れてゆくのをこの目に焼き付けてしまったからか、どうしても疑問が残る。

「ねえ、ソレイユ?あんなこと言って…大丈夫?」
少なくとも私は、この町が元通りになるとは思えなかった。
「このまま失敗したら、世界一カッコ悪りぃだろうな。どうしようか?」
「どうしようかって…。皆をがっかりさせるのだけはやめてくださいね…?」
「分かってるって、全力は尽くすからさ。失敗したら、…癒してくれよな?」
「なっ…、こんな時に冗談はやめてくださいッ!!」
「痛だぁッ!!」
こんな状況で何故そんな気楽に構えていられるのだろうか…。
「だから…グーはやめ…」
横たわる彼を見て、ただため息が出るばかりだった。

813 :cotton ◆OEz9S/PbFY :2008/07/02(水) 16:45:25 ID:yDDXcVCE0
―約束の時間。
中央の広場には、悲しみに沈む皆の姿。
―今見ているのは、本当に同じ彼…?
彼に、全員の注目が集まる。
彼の目は一点を見つめていて、真剣そのもので。
誰の声も、…風すら、音無く流れて。
期待…というよりは、その様子をただ見届けているだけ、という感じだ。ヴェールのこんな静けさは、今までに見たことがない。

唱う彼の声だけが、耳に入る。語りかけるように、優しく。
額の赤が輝き、右腕を光が包む。

―…覚えているかい?
―…忘れてはいないかい?
―…時は思い出だけを拭い去って。
―…今も歯車は止まったまま。
―…時の流れに歯を乗せて、動かしてみないか?
―…もう一度。

「記憶肯定(アフェア・メモリー)」


光は絨毯のように地を走り、緑で覆う。
光は空気を温め、立体を構成してゆく。
光は空まで伸び、忌々しい黒煙を消してゆく。
光はヴェールの町を包み、皆を包み、

色とりどりの笑顔を作った。

振り向き、一礼をする。安心したようで、一つ深呼吸をした。
「町が…本当に…!?」
「すげぇ…奇跡としか思えねえ…!」
「あんた、最高だ!!」
歓声が空に響き渡った。

814 :cotton ◆OEz9S/PbFY :2008/07/02(水) 16:46:28 ID:yDDXcVCE0
―夜までお祭り騒ぎは続いた。
この町が忘れた筈の活気と笑顔と笑い声。今確かに、この場所にある。それらを取り戻した当の本人は、その雰囲気に飲み込まれているようだった。
テーブルを彩る料理は、どれも良い匂いを運ぶ。
テーブルを飾る花は、どれも夜空に映える。
「…ん?」
誰かが肩を叩く。振り返ると、"英雄"の姿があった。
「ソレイユ…?」
「ちょっと、話がしたい。いいか?」

…その騒ぎの輪から外れ、木の下で彼と語り合う。彼自身疲れていたようでもあったし、自分も、どうしても知りたかったから。彼の、力について。
「記憶の…肯定?」
「そ。町がまだあった時の記憶を"思い出させた"んだ。空気だとか、地面だとかが持つ記憶をね」

アフェア、肯定の力。
無いものを在ると仮定し、実体化する能力。

記憶の肯定。
今回のように空間に使用する場合は、以前その場所にあった物質を呼び寄せ、再構成する能力をもつ。

「ま、今使ったのはこんなとこ。&ruby(サイコパワー){超能力}の応用みたいなもん」
「そんな力…持ってたんだ」

「記憶が無い俺にこんな能力があるって、変だよな?」

星空を見上げ、悲しそうに嘆く。目には、光の粒が映る。
「記憶が…無い?」
「ま、その話はまた今度…。帰らねぇと、もう遅せぇし…」
「帰るって…何処に?」
「決まってる…ルージュにだ…」
「今からですか!?」
立ち上がり、覚束ない足取りで、丘の下の光目指して歩き始めた。やはり、かなりの体力を消費しているようだ。
「待ってください!その体で無事に帰れるとは思えません!私の家がありますから!今日は此処に泊まった方が良いですよッ!」
「うるせ…、この位…ヒトリでも…」
声は途切れ、サッ、と草が鳴る音。
「ソレイユッ!!」
彼の元へ駆け寄る。息荒く、草の上で倒れていた。

815 :cotton@長げえってwww ◆OEz9S/PbFY :2008/07/02(水) 16:48:37 ID:yDDXcVCE0
―やっぱり、力を使い過ぎたのが問題だったんだろう。小さい町だけど、それを丸ごと取り返すのには、膨大な力が必要なんだろう。
ベッドで寝息をたてて眠る彼は、いつもより小さく見えた。呼吸に合わせて、小さな体も僅かに上下している。
自分はただ見守っているしかなかった。流石に死ぬってことは無いだろうけど、それでも心配だったから。動かない彼を此処まで運ぶ時でも、鼓動はちゃんと伝わっていたし。こんな時ばっかりは自分の"馬鹿力"に感謝した方がいいみたいだ。

『全力は尽くすからさ。失敗したら、…癒してくれよな?』

冗談なんかじゃなかったのかも…。本当に不安で、緊張していたのかな…。
―何が…"失敗したら"ですか…。
確か契約期限は、"私が満足するまで"。だったら、まだ彼処にいてもいいよね?
―凄く、かっこよかったじゃないですか…。
彼の手助けをしてみたい。彼の力、もっと知りたい。
―感謝しているんですから…ッ。

今はもう、彼の呼吸も落ち着いていた。唇で、その頬にそっと触れる。
まるで、日向のように暖かかった。

>>814のルビがwww
gdgdでサーセンorz

816 :カゲフミ ◆U2shadow16 :2008/07/02(水) 21:30:45 ID:aVqO7kxU0
―7―

「ぬるくないか?」
「うん、丁度いい」
 湯船に浸かったまま立ち上がり、俺はグレムの背中にシャワーを掛けてやっている。
俺からすればこの温度は少々熱いくらいなんだが、これも水が苦手な炎ポケモン故か。グレムはかなり熱めのシャワーを好むのだ。
紺色の毛並みを水圧で波立てながら、首の付け根から尻尾の先までしっかりと湯に馴染ませていく。
 事を終えた後、俺はタオルでグレムの体を軽くふいてやった。いくら風呂に入るからとはいえ、そのままの状態で歩かれると色々な意味で危ない。
使用済みのタオルを軽く手洗いして洗い物籠に放り込んでから、俺達は風呂場へ向かったというわけだ。
俺が先に入って湯船の中に浸かり、そのあとグレムに洗い場に入ってもらう。お互いの体格を考えると、風呂場の中ですれ違うのはかなり厳しい。
 水を吸ったグレムの毛はつるつるとしていて滑りが良い。乾いた毛とはまた違った手触りの良さがあった。
背中はもう十分に洗い流せたから大丈夫だろう。次は前側だ。洗うべき場所はお腹と脇と、そして例の部分。
俺はシャワーを壁に固定し、水流がグレムのお腹に当たるように調節する。
「今日はお腹も俺が洗ってやろうか?」
 場所が場所なだけに、普段は自分で洗うように言っている。
ちょっとした思い付きだったが、俺の提案にグレムがどんな反応を示すか気になったのだ。
「い、いいよ……自分でやるからさ!」
 顔を少しだけ赤くして、慌てて首を横に振るグレム。腹の方に伸ばしかけた手を俺は引っ込める。
そうだよな。大事な部分は自分で洗いたいか。それだけの羞恥心はあるってことだな。よしよし。
「はは、冗談だよ」
「……やられた」
 がっくりと項垂れるグレム。昔と違ってなかなか引っかからなくなってきたけど、今回は上手くいったみたいだ。
まあ冗談というのは表向きで、本当はグレムがどこまで俺に気を許しているのか試したつもりだ。
いくらパートナーだからと言って、知られたくない部分、触れてほしくない部分は当然あるだろう。

817 :カゲフミ ◆U2shadow16 :2008/07/02(水) 21:31:09 ID:aVqO7kxU0
もちろん隠し事が多すぎるのは良くない。とはいえ、あまりにもオープンなのも俺はどうかと思っている。
自慰を俺に求めてくるぐらいだから、もしかしたらと思い言ってみたが。どうやら俺に対する恥ずかしさはちゃんと持ち合わせていたということか。
グレムが無防備になるのは、あのときだけ。そういうことでいいんだよな。
もし彼が拒否をせず、少し照れた表情で嬉しそうに頷いていたら、俺も後には引けなくなっていただろう。
それを考えると結構危険な切り出しだったのかもしれない。
「それじゃ、洗い終わったら言ってくれ。俺はしばらく湯に浸かってるから」
「うん」
 シャワーをグレムに任せると、俺は腰を下ろしじっくりと湯船に浸かる。ようやく一息つけた。
やっぱり運動した後の一風呂は格別だ。久々の全力疾走はかなり応えたけど、体を動かすのは良いものだな。
湯の温もりがじんわりと全身へと染み入ってくる。何とも言えない心地よさを感じながら、俺はふと洗い場の方を見た。
「……っ」
 どうやらグレムは自分自身の毛と格闘中のようだ。水分を吸った毛は皮膚に張りつこうと絡んでくる。
彼の短い指では毛を梳いて洗うのもなかなか難しいものがある。でもまあ、グレムが自分で洗うって言ったんだし、洗い終わるまでのんびり待っていよう。
先にグレムが出てくれないと俺は出られないし。本当に、こいつも随分と大きくなったもんだな。
 こうやって風呂の狭さを感じるたびに、グレムの成長ぶりをしみじみと感じてしまう俺がいる。
シャワーのお湯が出る勢いを本気で怖がっていたヒノアラシの頃。足を滑らせて頭から湯船に突っ込んでしまい、慌てて俺が救助したマグマラシの頃。この風呂場にはグレムとの思い出が詰まっている。
俺は結婚もしていないし子供もいないが、子供の成長を感じる親の感覚ってこんなものじゃないかなと思う。
どんなに大きく成長しようとも、グレムは俺にとって大切な子供のようなものであり、そして大切なパートナーなのだ。

818 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/07/05(土) 20:55:19 ID:tuTLkf4+0
続き。この二匹も忘れてませんよ。

33 心

ダイヤがタイムスリップして数時間後プルートはやっと落ち着きを取り戻していた。
パールは既に疲れきっている。

「ふぅ〜。良しパール、ダイヤの捜索は明日にして……」
「良し! 今日は休むんだな!」

プルートが話し終わる前にパールが喜びの笑みを浮かべる。
話に割り込まれたことでプルートはパールを睨んだ。

「そうだな……。今夜はワタシとパールで夜を楽しむというのはどうだ?」
「別に楽しむことなんか何もないだろ……」

プルートが色気のある声でパールに言い寄るが本人は相当鈍感らしい。
プルートの誘いの意味を全く理解していなかった。

「……パール、わざとやってる? なんで雌に言い寄られてパールはそんな平気な顔でいられる!?」
「オレ達、神はそんな不順な行いをする必要はないだろう……。
 それにダイヤと同じく禁忌を犯す気かお前は?」

プルートの質問にパールは真面目に返答した。

「この石頭! 童貞って言われて悔しくないのか!?」
「別に悔しくなんかないぞ。気にするお前の方が可笑しいだろ……」

パールの発言は確かに正しいだろう。
しかしそれは創造主の言いなりという意味でである……。
正直プルートもダイヤと同じで創造主に疑問を抱いていた。
創造主が想定としないような事……『パールとの連携を組む』ということをした。
今のパールが世界を変えてもそれはプルートの望む世界にはならないだろう。
ならば選択肢は『パールを変える』か『ダイヤに味方する』の二択しかない。
後者は散々ダイヤに馬鹿にされたため取りたくはない……。
よって答えは前者しか残らなかった。

819 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/07/05(土) 20:55:40 ID:tuTLkf4+0
「パールは創造主のやり方に疑問はないのか? 争い合う事で平和が得られると思うか?」
「創造主に間違いは無い! お前どうしたんだ? オレ達は創造主に仕えるために生み出された。
 創造主に何の疑問を持つ必要がある!」

パールの忠誠の言葉にプルートは嘲笑っている。

「疑問を持たないお前は優秀な『道具』だな。ワタシ達にも意思はある。
 お前は自分の考えも持たずに創造主の言いなりとして世界を変える気か?」
「意思ならあるさ……。そうでなければ世界を変えようとしない!」

パールがプルートに怒鳴る。
プルートも怯まず怒鳴り返した。

「それはお前が初めから創造主に与えられていた指名だろう!? ワタシはお前の考えを聞いている!
 今のお前は創造主の言いなりになっているだけの人形にすぎない! 考えを持たないお前は生物ですらない!
 正直に言えばワタシはダイヤの行いは間違っているとは思わない。
 誰かを愛し誰かを必要とするのは生物として間違ってる訳がないからな!
 ダイヤは変わったよ。それはあいつが自分の意思を持ったからだ!
 だがお前は生まれた時から何も変わっていない! お前はずっと人形のままでいる気か!
 お前は一万年以上の間、何を感じ、何を見てきた!」
「それが創造主の望みならばオレは道具でも人形でも構わない」

パールの発言にプルートは失望していた。

「お前を愛してると感じたワタシが馬鹿だったよ……。
 ワタシは創造主の道具のままの人生を送る気は無い。
 お前が創造主の道具なら手を組むのはここまでだ……。
 好きだったよパール……」

プルートはパールに別れを告げ消えていった。

820 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/07/05(土) 20:55:56 ID:tuTLkf4+0
「……オレは間違っているのか? そんなはずはない……。
 オレは創造主に従い創造主に尽くす……。疑問なんてない。ないはずだ……。
 だがなぜプルートがいなくなって寂しいと思う……。
 あいつはオレにとっての何だ?
 心も空間の一つだ……。でもオレは心という空間が解らない……。
 心って何なんだ……。オレは可笑しいのか?」

パールが自問自答を繰り返す。
それはパールが始めて創造主に疑問を持った瞬間だった。

821 :カゲフミ ◆U2shadow16 :2008/07/06(日) 00:54:08 ID:B9ZHhBUo0
―8―

 予想はしていたのだが、グレムが体を洗い終わるのに時間がかかり、少しのぼせてしまった。
涼しい外の空気が火照った体に心地よい。俺は体をバスタオルで拭いて素早くシャツとパンツに着替えると、足ふきマットの上で待たせたままのグレムにタオルを持っていく。
俺が使っているのよりも一回り大きなやつだ。軽く水を切ってから風呂から出たとはいえ、全身の体毛はまだまだしっかりと水気を含んでいる。普通サイズのバスタオルでは足りないのだ。
案の定、グレムの足もとの足ふきマットはびしょびしょだ。水も滴るいい雄……とは言えないか。水気が多すぎる。
先にグレムに風呂から出てもらわないと俺が出られないから、これは仕方のないことなんだが。後でマットも洗濯しないとな。
「目、閉じてろよ」
「うん」
 最初に拭くのは顔からだ。いつまでも目や鼻や口元を水が滴っているのは気持ちが悪いだろうから。
まずは頭、そして喉元を軽く拭ってやる。これで大体の水気は掃えたはずだ。もう水は垂れてこないだろう。
次は背中。タオルでグレムの背中を包みこむようにしながら、首元から順に背中、尻尾へと手とタオルを移していく。
ある程度力を込めなければ毛の奥の水気までしっかりと拭き取れないため、さっきと比べるとちょっと荒っぽい。
だけどグレムが痛がってる様子もないし、力加減はこれくらいでいいんだろう。
一回では拭き取れない部分は何度もタオルで拭ったため、一通り拭き終わった頃にはグレムの背中の毛はあちこちに撥ねてしまっていた。言うならば大きなサンドパンってところか。
「前側は自分でやるよな?」
「もちろん」
 だよな。それでいい。俺はバスタオルをグレムに渡すと洗面所の戸棚からブラシとドライヤーを取り出す。
残った水気を乾かしながらブラシで丁寧に整えてやる。そうすればまた元のつやのある毛並みに戻るだろう。
さて、グレムは今度はタオルと格闘中だ。しばらく時間がかかるだろうし、湯ざめしないうちに服を着てこよう。
バスタオルを取って所々に残った水気を拭き取りながら、俺は自分の部屋に向かった。

822 :カゲフミ ◆U2shadow16 :2008/07/06(日) 00:54:53 ID:B9ZHhBUo0
「リデン、終わったよ」
 グレムの声とともに、ドライヤーのスイッチを切る。俺も今ちょうど自分の髪を乾かし終えたところだ。
差し出されたバスタオルを受け取った。タオル全体に適度な湿り気がある。なかなか上手に拭けたみたいだな。
「よし。じゃ、乾かすか」
 ドライヤーをグレムの方に持っていくと温風のスイッチを入れる。炎タイプ故か、暖かい風が好きなようだ。
顔の毛は自然乾燥に任せる。乾いたら軽くブラシを当てるくらいでいい。
背中に風を送りながら、乾いたと思われる部分にゆっくりとブラシを掛けていく。
無造作に撥ねていた背中の毛も徐々に落ち着いてきた。俺は乾いた場所にそっと手を当てて滑らせてみる。
なめらかな手触り。それに表面につやもある。トレーナーである俺が言うのもなんだが、いい毛並みだ、グレム。
「あのさ、リデン」
「ん、どうした?」
 こちらを振り返ったグレムに、俺はドライヤーを止める。近くでかけているとうるさくて声が聞きとりにくい。
それに、なんとなくではあるが彼が大事なことを言おうとしている。そんな気がしたからだ。
「今日はすごく気持ち良かったよ」
「……!」
 いきなりだな。予想だにしないグレムの発言は、俺の冗談よりも間違いなく破壊力があるはず。
風呂の余熱も冷めてきて半ば冷静になりかけていただけに、思い返すとなんだか恥ずかしくなってくる。
当のグレムは普段の表情そのもので、照れたりもじもじしている様子は微塵も感じられない。
「ありがと、リデン」
 屈託のない笑顔だった。ただただひたむきな感謝の念が込められた笑顔。俺はそう感じた。
きっとグレムは恥ずかしさよりも俺に対するありがとうの気持ちを優先させたんだろう。
そんな彼の姿を見ていると、あれこれ考えていた自分が馬鹿らしく思えてくる。
グレムにそこまで喜んでもらえるなら、これはこれでいいのかもしれない。
少なくとも俺にとって、彼の笑顔にはそう思わせるだけの力があったのだ。
危ないところまで踏み込んでしまったのではないかと危惧していたが、グレムも日常と最中とのメリハリはつけられているみたいだし、大丈夫か。大丈夫だよな。
「どういたしまして、グレム」
 頭をそっと撫でながら、俺も笑顔で答えた。今は余計なことは考えない。
グレムのまっすぐな感謝の気持ちを、俺も正面からしっかりと受け止めてやらないとな。
 まあ、あれだけ効果抜群の毛繕いをしたわけだし、俺とグレムの信頼関係はばっちりってわけだ。
手持ちのポケモンとああいった深い信頼を置けていると前向きに考えれば、グレムとの関係もそこまで悪くない、かもな。

 END

823 :山本 ◆rkAWlQPFjI :2008/07/06(日) 16:44:34 ID:Vfowhf3o0
>カゲフミ氏へ
 うん。いつも疑問に思うんだけど何でこんなにきれいにまとまるんだろうかね。いや、尊敬の意味で。
 でも最後は地の文ではなくて台詞で終わらせた方がすっきりする終わり方だと思いますよ。あくまで私の考えですけど……。

 なにはともあれ執筆&投稿お疲れさまです(^^

824 :三月兎 ◆Kisna3E1Vs :2008/07/07(月) 21:12:32 ID:AscHb+SE0
皆さん執筆頑張ってください!
カゲフミさん、完結お疲れ様です。

前回わたしの小説にコメントくださった方、ありがとうございました。
--------------------------------------------------------------------------------
BOOST vol.1〜小さな恋と喪った過去〜
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=新キャラ紹介=
・ジェラルド
 “第二のレッド”。25歳。

・青バンダナ&赤バンダナ&マリルリ&コータス
 目立ちたがり屋の盗賊。

--------------------------------------------------------------------------------
chapter.04 ― 桃花市擾乱 (トウカシティじょうらん)―

 トウカシティはこの辺りでは大きな街だ。もう少し足を伸ばせばカナズミシティまで行けるのだが、二つの街の間には鬱蒼と繁るトウカの森が横たわっている。
薄暗い繁茂と多数の野生の虫ポケモンを果敢に突破してカナズミシティまでお買い物に行きましょう、なんて物好きはいないだろう。どちらにせよ、ここまでは見知った道程だったし、新鮮味を感じることはなかった。
違うことと言えば、これまで近づいたことのなかった建物の前に今、立っていることぐらいだろうか。
「わ……こうして近くで見ると 大 (おっ)きい……」
 直径四十メートルのドームといった風貌のその建物は、街の北端に位置している。
 トウカシティポケモンジム。
 ポケモンジムとは、主にある一種のタイプのポケモンを鍛え、戦略を研究する道場を指す。ポケモンリーグの認可を受けたジムは各地方に八ヶ所ずつ存在し、ポケモンリーグを目指すトレーナー達はジムリーダーを倒して、その証として受け取るバッヂを八つ全て集める必要がある。
そうして初めてポケモンリーグへの出場権を得ることができるのだ。
「行きましょ」
 エリアが先導する形で入口へと歩を進める。街に入ったのでクレシアはボールの中ヘ戻り、シーグル達はポケモンセンターに隣接した簡易宿泊施設の予約をとりに行っているので、エリアと二人(一人と一匹?)で先にジムの方へ来たのだ。
 両開きのドアに、エリアが緊張した面持ちで近づく。ジムへの挑戦はこれが初だ。この扉の先に、何が待っているのか――
 ――期待と不安に胸を膨らませたエリアが手を掛けた、その瞬間だった。
 ドン、という短い爆発音と共に、その扉が大きく揺れた。
「ひゃっ……何!?」

825 :三月兎 ◆Kisna3E1Vs :2008/07/07(月) 21:14:17 ID:AscHb+SE0
 ハナから躓いてどうする――と、突っ込みを入れている場合ではない。
 爆発音がしたのは上の方だった。見上げると、キスナローゼ達のいる側からみてちょうど三時の方向、ドームの天井の端辺りに大きな穴が空いて、もくもくと煙が吹き出している。
 その穴から人間の男女が飛び出した。男は赤いバンダナを、女のほうは青いバンダナを巻いている。二人のすぐ後に出てきたのは一匹のポケモンだ。そのマリルリは巨大な袋を背負っていて、サンタクロースを彷彿とさせる。
 二人+一匹は身軽にドームの天井を駆け上がると、何やら屈み込んでゴソゴソし始めた。下からは見えないので何をやっているのかはわからない。
「きゃっ!」
 不意に扉が開き、銀色の髪を逆立て、といっても短くはなく、深緑地に変わった黒色紋様の施されたバンダナを巻いてその髪を束ねるように止めている――ちょっと一言では形容しにくいヘアスタイルの若い男が飛び出してきた。
「わ、悪い! あんた挑戦者か? 今それどころじゃないんだ!」
 言うなり、謎ヘアの男はドームの天井を見上げた。
「ちッ――」
 キスナローゼもそれにつられて見上げると、さっきの二人と一匹にコータスを加えた二人組&二匹組が気球に乗って浮かび上がっていた。ドームの天井にあんなものを用意していたのか。
「迂闊だったわね、ジムリーダーさん!」
 青バンダナが拡声器を片手に叫んだ。
「メンバァーのポケモンはオレたちが貰ったゼェ! キャハハハハ!」
 それをひったくるようにして奪ったマリルリが甲高い声で続けたが、最後の笑い声なんかは耳をつんざくような奇声だった。

826 :三月兎 ◆Kisna3E1Vs :2008/07/07(月) 21:16:18 ID:AscHb+SE0
 あのう、きみたち何やってるの?
 町中に声を響かせて。そうでなくとも、マリルリを象ったらしいあの気球は相当悪目立ちしている。だいたい、何が楽しいのかキャハハハキャハハハハハ煩くてかなわないマリルリは自分の姿を模した気球なんかによく平気で乗っていられるものだ。
キスナローゼなら顔から火が噴き出して大火傷してしまうだろう。あいつら的にはあれが格好いいのか。謎のセンスだ。
 それにしても、熱気球なんて見るのは初めてだ。その最初がアレと言うのも何だが、物の話には聞いたことがある。たしか火を燃やして暖めた空気の上昇で浮かぶのだとか。
あのマリルリ気球の中の火種らしきものといえば、籠の中心、やや高めにセットされた台の上にいるコータスの炎。鈍重なコータスが空を飛ぶとは驚いた。人間の知恵ってやつか。
 キスナローゼがほんの少しの感心と多大なる軽蔑を込めた眼差しで、エリアが呆然と、どうやらトウカのジムリーダーらしい謎ヘアの男が悔しそうに歯噛みしながら見上げる中、マリルリ型熱気球はぐんぐん高度を上げて飛び去ってしまった。
「あの……」
 エリアが話しかけようと近寄ったが、謎ヘアは急に駆け出した。
「ちょっと待ってよ!」
 エリアが反射的に後を追い、そうなるとキスナローゼも続いて走り出すしかなかった。もう何がなにやら。
「あのっ!」
「何だ? オレは今取り込み中なんだ、見れば分かるだろ! 挑戦は後にしてくれ!」
「いえっ、その、状況が飲み込めてないんですけど! 何があったんですか?」
「ああ? オレもワケわからねえんだよ! 赤いバンダナを巻いたあの男が挑戦してきてだな! 対戦の受付やら何やらやってる間に、気づいたらもう一人がオレとジムメンバーのポケモンを全部盗みやがったんだ!」
「え? ぜ、全部ですか?」
「クソ、オレとしたことが――ってあんた、なんで俺についてきてんだ?」
 話ぐらいもっとゆっくりしたらどうだと思うのだが、そういう状況でもないらしい。全力疾走のままエリアと謎ヘアの会話は続く。

827 :三月兎 ◆Kisna3E1Vs :2008/07/07(月) 21:17:31 ID:AscHb+SE0
「好奇心旺盛なヤツだな! オレも他人の事は言えねぇけどな!」
「気になったまま放っておいたら体に悪いですし!」
「そうだな! でもそういうヤツってでかい組織と戦りあうハメになるらしいぞ! あの伝説のトレーナー、レッドもロケット団と全面戦争、オレもマグマ団・アクア団と全面戦争!」
 たしかに、余計なことに首を突っ込みまくる傾向がエリアにはある。というか、今この状況がまさにそれだ。
「ええっ! あなた、もしかしてあのジェラルドさん?」
「おお! "あの"ってのは何か知らねえけどな!」
「七年前に悪事の専門組織マグマ団・アクア団を壊滅させて、その後ホウエンリーグを三連覇したって話は有名ですよ! 第二のレッドとか呼ばれてて!」
「そういえば挑戦者から同じようなこと聞いたような気がするぜ!」
 最初の話題は何処へやら。一体何匹盗まれたのかはわからないが、ジムのポケモン全部が盗まれるって結構重大なことじゃないのか。
 ジェラルドという名らしい謎ヘアは、何やらエリアと妙に気が合うらしい。方向性は完全に間違っているが、会話は噛み合っている。
「ご主人さま、どこに向かってるの?」
 一応常識人を自負する僕が修正しておく必要があるだろう。
「え……何処だったかしら? ジェラルドさん?」
「ポケモンセンターだ! 預けてあるポケモン使って、盗人野郎に浚われたヤツらを取り返さねえと!」
「――だってさ、キスナ!」
 ポケモンセンターは街の中心よりやや東寄りだから、南へ向かう道路を走っていることになる。
 そうするうちに、左手にポケモンセンターの看板が見えてきた。ラーカを引き連れたシーグルさんが曲がり角を曲がってきたのはそのときだった。向こうも小走りだったのは、さっきの騒ぎを聞きつけてのことだろう。
「お、キスナローゼとエリアはん……それと、誰や?」
 シーグルたちはこちらを確認すると立ち止まり、ラーカは謎ヘアを見て首を捻った。
 このままだとエリアがシーグルに事の顛末を説明して、面倒なことにキスナローゼたちまで盗人捜しに付き合わされるという流れになりそうである。
 ったく、ジェラルドだかジェラシーだか知らないが、とんだ奇禍に巻き込んでくれる。僕のご主人さまにも責任はあるんだろうけどさ……

828 :三月兎 ◆Kisna3E1Vs :2008/07/07(月) 21:18:20 ID:AscHb+SE0
っと、「続く」入れるの忘れてました。
今回の投稿分はこれまでです。

829 :スカイズ ◆gIq0xA48Xk :2008/07/08(火) 18:22:42 ID:2VUd/5rA0
三月兎さんお疲れ様です。
続きがとても楽しみです♪
このスレとwikiの方も拝見させてもらってますが、まだまだ自分が未熟者だと痛感しますね。

そんな自分ですがよろしくお願いします。m(__)m

830 :カゲフミ ◆U2shadow16 :2008/07/08(火) 21:24:54 ID:v/OXyuXg0
>>823 山本さん
ああ、言われてみれば確かにその終わり方の方がしっくりくるような気がしますね。
何となく今回も完結することに焦って、推敲しきれなかったのかも。
レスありがとうございました。

831 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/07/08(火) 22:29:14 ID:WsX9QsdI0
続き。連続でラブシーン。あれ? 前回はラブシーン?

34 二回目のファーストキス

ムオンが寝床へ向かう途中にアマツが立っていた。
ムオンはさっきの話が聞かれたのでないかと顔には出さないが焦っている。

「その盗み聞きする気はなかったのですが……。ムオン……先ほどの話は本当ですか?」
「……肯定……」

ムオンのかには「やっぱり……」と言いたいような顔になった。
それでも、アマツの質問にムオンはいつもの様に一言で返した。
ムオンも反応にアマツは怒鳴る。
それはアマツが聞きたかった答えとかけ離れたものだったから……。

「私は真面目に聞いているんです! あなたは私の過去を知っているのでしょう!?」
「……ああ。知っている」
「なぜ今まで黙ってたんですか!? 私はずっと……ずっと!
 ……手がかりも見つからないで不安だったんです……。
 神の力を使ったから神に教団のトップに担ぎ上げられてずっと一匹だと思ってましたから……。
 誰も私を一匹のポケモンと見てくれていないと思ってましたから……」

アマツは怒鳴りながらも瞳からは涙が溢れていた。
ムオンはそっとアマツの隣に進み呟いく。

「記憶のないお前に俺の愛を強制したくなかった……。
 お前が新しい人生を歩むと言うのなら俺はそれを祝福しよう。
 それが俺じゃない誰かを愛し……俺の元から離れる結果となっても……」
「それはあなたの勝手な思い込みでしょ!? 私は解らなかったですけどあなたと一緒にいて懐かしいと感じていました。
 ……でも今、確信しました。私はムオン……あなたが好きです!
 いえ違います……ずっとあなたが好きだったんです!
 記憶をなくしても心のどこかでずっとあなたを求めていたんです!
 あなたを探し続けていたんです……ディアルガ様以上に……」

ムオンの無表情は微笑みの顔に変わる。

832 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/07/08(火) 22:29:52 ID:WsX9QsdI0
アマツの告白……それは昔にもあった事。
でもアマツ本人にその記憶は無い……。それでも、もう一度俺を選んでくれた。
もう迷う必要はない……。俺はアマツと歩んでいこう。
たとえ神だろうと俺たちの愛を否定させはしない。

「俺もずっとお前を愛していた……アマツ。もう離さない……お前は俺のものだ」
「言葉なんていくらでも言う事ができます……。態度で……行動でそれを証明してください……」

アマツは顔を赤くしてムオンに話す。
彼女の言っていることはそれは……。

「ああ。お前が俺を望むと言うのなら……。俺もお前が欲しい……」
「嬉しい……。ありがとうムオン……」

ムオンはアマツにキスをした。
当然ムオンは自らの舌をアマツの口の中に侵入させる。
記憶をなくしたアマツにとっては嘗て愛したムオンでもファーストキスのようなもの……。
それでもアマツは精一杯ムオンを受け入れた。
その行為は数分間にもおよび静かな夜に卑猥な水音を立てる。
互いは口を離し唾液はまるで銀の橋のように二匹の間に架かり儚く消えていった。

「アマツの二回目のファーストキスも俺がもらったよ……」
「もぉムオンったら……。記憶をなくしてからは私……初めてだから優しくしてくださいね?」

アマツの言葉にムオンが意地悪な笑みを浮かべ質問した。

「それは時の教団のトップから親衛隊隊長への命令ですか?」
「べ、別にそう言う訳じゃありません……。たださっきも言ったとおり不安なんです……初めてだから……」
「アマツの初めては俺がもらったんだけどな……。でも優しくするさ……。
 アマツが傷つき苦しむ姿は俺も見たくないからな……」

ムオンは最高の笑顔をアマツに送る。
それ今のアマツには初めてで……でもムオンにとっては二回目の笑顔だった。

833 :パウス ◆EvJGalaxy2 :2008/07/11(金) 18:15:35 ID:HH6xLL3+0
>>821-822
グレムが可愛くてしょうがない。もちろん、キャラクターとしてですよ
執筆お疲れ様でした。あなたの小説を読んでいると、自分も意欲が湧いてきます!

>>824-827
これは一波乱ありそうな予感が……
「あのう、きみたち何やってるの?」などといったツッコミが的確で、読んでいて楽しいですね。

>>831-832
二回目のファーストキス………なんだか深い……
というか、「二回目」という言葉自体がなんだか深い内容ですね。
続きも期待しています。

834 :パウス ◆EvJGalaxy2 :2008/07/11(金) 18:17:00 ID:HH6xLL3+0
〜story48〜 ―唯一の情報保持者―

『うらぁ!死ね!』
『えっ……痛ぁ!?ちょっとあんた!今本気でやったでしょ!』
『あっ、すまん。何かつい………ノリで。』
『傷付けといて何がノリよ!!』

「向こうは賑やかだねぇ。どう?こっちもあんな風に賑やかに―――」
冗談のつもりで言いかけたのに、カーネリアは憎悪を露にして僕の目の前まで、まるで瞬間移動の如くの速度で移動する。
身体を電気で刺激し、全身の毛を逆立て、僕の身体に突きつけてきた。
たかが体毛といっても侮ることは出来ない。その一本一本が鋭利な針のようになっており、少しでも触れれば容易に皮膚を貫くだろう。
「今はそんな状況じゃないってことぐらい、解るよねぇ。メノウはどこ?私は気が短いから、怪我する前に吐いたほうがいいわよ?」
こうやって話している間も、どんどんカーネリアの身体は近づいてくる。スピードでは彼女の方が速いだろうし、そもそも僕は戦いは苦手だ。

―――でも、誰かをからかうのは大好きなんだよね。

「……さぁ?………どこだろう。」
この言葉がカーネリアにとっての刀となり、カーネリアの堪忍袋の緒を断ち切ったようだ。
みるみるうちに顔を怒の赤に染め、身体はわなわなと震えている。出会ってまだ数日しか経っていない仲間が連れ去られただけにしては、反応が面白過ぎる。
仕方ないよねぇ。君、メノウ君のことが大好きだもんねぇ…。
「言わないとぶっ殺すわよ!!」
全く、予想以上の反応をしてくれる。これが堪らなく面白い。
「君に僕が殺せるかなぁ?」
「冗談だとでも思ってるわけ?そんな淡い希望は捨てることね。……これが最後のチャンスよ。メノウは………どこなの?」
僕がこんな余裕なのが相当癇に障るのか、カーネリアの口調は冷静だが顔がまるで能面のように引きつっていた。
顔もさっきより血が昇り、顔の紅潮具合と身体の振るえ具合を見ると、そろそろ我慢の限界だということは明らかだった。


835 :パウス ◆EvJGalaxy2 :2008/07/11(金) 18:17:21 ID:HH6xLL3+0
何故僕がこんなに余裕なのかと言うと、僕にはカーネリアには絶対に破れない、絶対的な盾が二つもあるからだ。
まず一つ目は―――
「僕を殺したら、君達はどうやってメノウ君を見つけるつもりなのかな?少なくとも、この近くでメノウ君の行方を知ってるのは僕だけだと思うけど……」
この大きな盾を前に、カーネリアは何も反応出来ずに黙りこくっているだけだった。
カーネリアは、メノウ君を見つけるためだったらどんな手でも使おうとするだろう。さっきなかなか吐かなかった僕を殺そうとしたのがその証拠だ。
だから、少なくともカーネリアは敵と認識している僕に聞こうとする事だって充分に考えられる。

二つ目の盾―――これは敢えて口には出さないが、僕はメノウと全く同じ顔と声をしている。
身体は雌には変わりないが、見た目はメノウと殆ど変わらない。
メノウを愛するカーネリアにとって、これは第一番目の盾よりも強固な盾だろう。

暫く何も話さず、動きもしなかったカーネリアは、全身の体毛を逆立てることを止めた。
そして一歩後ろに引くと、顔を上げずに俯いたまま口を開いた。
「その顔……その声……………ありえない……」
そう微かに呟くと、カーネリアは勢いよく顔を上げ、汚いものでも見るかのような目で僕の事を見てくる。
「その顔も、声も……それはメノウのもの。あんたなんかに使われて欲しくない!!」
「だからなんなのさ?君の感情なんか僕には関係ない。それとも僕を半殺しにでもするかい?君にメノウ君の顔が傷つけられるかな?」
カーネリアの反応をまた楽しもうと、自分でも言われたら殺したくなるような皮肉を放ったが、以外にもカーネリアに大きな反応は無い。
暫くして、ようやく反応を見せたが、それは僕の期待したものではなかった。
「……ふっ………ふふふふふふ…」
「……どうしたの?ついに頭がおかしくな――――――」
カーネリアが怪しく笑ったかと思った瞬間―――背中に衝撃が走った。
まるで硬い何かがぶつかって来たような衝撃に、不意打ちともあって僕の身体はカーネリアの頭上を超えるほど強く飛ばされる。
カーネリアの後ろ数センチのところを僕の身体が転がった。


836 :パウス ◆EvJGalaxy2 :2008/07/11(金) 18:18:02 ID:HH6xLL3+0
カーネリアとの実戦特訓で打ち付けられたところがまだ圧痛点となって残っていて、さらにそこにぶつかったのだから痛みは半端ではない。
激痛で動けない身体を寝かせながら顔を上げると、僕に体当たり″を繰り出したのはジェオードだと分かった。
突然のことに呆気にとられていると、今度は上空から耳障りな音が降り注いできた。
その音に僕が気付くと同時に、何者かがロープのようなものを持って僕の周りを一回、二回、三回……と何度も何度も回り、気が付けば僕の身体はロープに締め付けられていた。
ロープをもっていた何者か―――ガーネットはしっかりロープが僕の身体に絡みついたことを確認すると、一直線に僕の頭の先に飛んでいく。
そこには彼らのご主人、パールがシリアスな表情で立ちすくんでいた。

「あんたは優越感に浸ってて気付かなかったでしょうけど、実はパールは聞いてたのよ。……ずっとね。」
パールは流石にメノウとカーネリアから目を離すわけには行かないと、ずっとこっちも見ていたらしい。
それに気付かなかったことは、僕の最大の失態だ。
「さぁて、これからゆっくり、あんたから情報を搾り取っていこうかしらね……」
仲間達と一緒にいるカーネリアからは想像もつかないほど、僕を見下す彼女の目には狂気が秘められていた。

捕まってしまったわけだけど、まぁいいか。
どうせ彼女達は、唯一メノウ君の情報を持っている僕を殺したりはしないだろうし………ね。

837 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/07/12(土) 23:08:30 ID:qkpQL8qU0
続き。34話のタイトルは自分も気に入ってます。中々良いタイトルになったと思います。

35 記憶の欠片

ムオンはアマツは押し倒した。
一見暴力的に見えなくもない行為だがムオンはアマツを気づかい優しく押し倒している。
ムオンはそのままアマツの胸の突起物を舐め始めた。

「あぁん! ムオン!」
「相変わらずアマツは可愛いな……」

アマツはムオンに舐められ過敏に反応する。
どうやらアマツは胸に弱いらしい。
ムオンもその事を知っているのか今度は軽く歯を立てた。

「あぁああん!! いいよぉお!」

ムオンが歯を立てた事でアマツが激しく身を捩った。
それでも激しく動くアマツを逃がさないムオンは流石は教団の親衛隊というところである。
ムオンが胸を弄るたびアマツは激しく動き淫らな声を上げた。
その声がムオンを興奮させ弄る行為がどんどん激しくなっていく。

「いやぁん! 激しいよぉおムオォォン!!」
「アマツがこんな淫らな姿を見せられたら誰だって興奮するさ……。
 それにこんなに乳首も固くして……。真面目な顔してエッチな奴だな……」

ムオンの言葉にアマツは顔を真っ赤にした。
その表情を見て我慢できる雄などいないだろう。
ムオンは感じるアマツに止めとばかりに胸を赤子のように吸い始める。

「だめぇえ!! そんなことしたら私……あぁああん!! イッチャウよぉおお!!」

アマツはムオンの愛撫に簡単にイッてしまう。
ムオンはアマツがイッたのを確認し胸から顔を離した。

「アマツは本当に胸に弱いな……。昔から変わらないな……」
「ち、違います! ムオンが激しいだけですよぉ!!
 昔の方が弱かったですから!!」
「……アマツ? 今なんて……」

838 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/07/12(土) 23:09:09 ID:qkpQL8qU0
ムオンはその言葉を聞いて唖然とした。
そうアマツは昔の方が胸の弱かった……。
アマツは今回の行為で過去を取り戻そうとしている……。

「いや、今は良いか……。そうだな……今度は俺のこれを舐めてもらっても良いか?」

ムオンはそう言って大きく太くなった雄の証をアマツの前に出した。
アマツは懐かしいものを見るような目をしている。

「ムオンのこれを……見たことあります……。そう確かこうやって……」

アマツは自分の過去から記憶の引き出しを開こうとしていた。
記憶のないアマツには始めての行為なのにムオンの弱いところが解っている。
アマツはないはずの自分の記憶を頼りにムオンのモノを舐め始めた。
時にはゆっくり、時には早く、前足ではムオンの二つの玉を弄る。

「っく! なんで俺の弱いところばかり!? 出る!!」
「なぜか解るんです……。あなたの弱いところが……感じやすい場所が……」

アマツはムオンの敏感なところばかり攻めていった。
そのためムオンは呆気なく射精してしまう。
ムオンの精液がアマツの前面を白く汚した。

「沢山でましたね……。ムオンは自慰はしないのですか?」
「そ、それは……言いたくない……。いや雄として聞かないでほしい……」

アマツはムオンの言葉を聞いてニヤついている。
その笑みは母親のウズキにそっくりだった。

「では時の教団団長として今の質問に答えてください……親衛隊隊長ムオン殿……。
 ついでに何を考えてしてるかも答えてくださいね?」
「それは職権乱用じゃないのか!? しかも、してる事前提の質問じゃないか!?」
「私の命令が聞けないのですか? 答えない場合は命令違反としあなたを処罰しなくてはなりません」

839 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/07/12(土) 23:09:29 ID:qkpQL8qU0
アマツは笑顔のままムオンに質問する。
ムオンにはその笑みが神の使いではなく悪魔の笑みに見えた。
アマツの無言の圧力にムオンは屈してしまう。

「……一昨日に……その、アマツの事を考えながら……二回抜いた……」
「流石は忠誠心の高い事で有名な隊長ですね……。本当に答えてもらえるなんて思ってませんでしたよ」
「……こいつ……。そんな意地の悪い団長にはお仕置きが必要だな……」

ムオンは再びアマツを押し倒し、自らのモノをアマツの秘所にあてがった。
アマツも冗談をやめムオンのモノを凝視する。
アマツの表情はどこか不安げだった。

「……不安か?」
「正直……不安です……。でも平気ですから……」
「そうか……。いくぞアマツ……」
「きて……ムオン……」

ムオンはゆっくりとアマツに挿入していく。
既に純潔は過去のムオンに捧げてるため侵入を拒むものは存在しない……。
ムオンのモノはすぐにアマツの秘所の最奥に到達した。

「あんなに大きいのが私の中に……」
「まぁ一度受け入れてるけどな……」
「……今の私には初めてですから」
「そう……だったな……。動くぞ」

ムオンはアマツの答えを聞く前に腰を振る始める。
アマツが処女でないためムオンは初めからフルスピードで動く。
激しい前後運動に二匹は早くも絶頂寸前だった。

「あぁあん! ムオン……ムオォオン!!」
「いくぞ! アマツ!!」
「きてぇえ! ムオンの精子……私の中に沢山……だしてくださいぃい!!」

二匹が叫んだと同時に絶頂を向かえる。
ムオンの精液がアマツの中に注ぎ込まれ腹を膨らませた。
ムオンがモノを抜くと中の精液が秘所から垂れてくる。

「ハァハァ……良かったよアマツ……」
「ムオンと交わってると昔を思い出せそうな気がするんです……。まだ付き合ってくれますね親衛隊隊長ムオン殿?」
「では、団長が満足するまでお付き合いしますよ……。団長の命令は親衛隊にとって絶対ですから」

アマツはムオンに抱きついた。
二匹の夜はまだ終わらない……。

840 :雷狐♯zyasyaq:2008/07/13(日) 02:38:55 ID:Yf+wuh0o0
真夜静まり返った町から一匹のポケモンが町を跡にしようとしていた

「どうせ・・・僕なんか・・・」
声の主はニドリーノ、見るからにして内気な性格であり
戦闘は苦手なため戦力にならず
そのため、飼い主のトレーナーに捨てられてしまったようだ
彼はタマゴから孵ったときからトレーナーに育てられていたので
野生≠ニいう世界を知らない
「これからどうしよっかな・・・・」
そうつぶやきながら行き行く当てもないのにただひたすら歩いている
町が小さく見えるようになったあたりで目の前の景色は森にかわっている
森を進んでいくと一対の影が姿を現す
「ここは我らヘルガーたちの縄張りだ!そこに貴様は立ち入った、それを破った罰をうけよ」
リーダーらしき者がその言葉を言い終えた瞬間に四方八方からデルビルたちが襲い掛かってきた
「う、うわ!!」
声を上げるがニドリーノはいとも簡単にデルビルたちに取り押さえられた
「我らの縄張りに入ろうとするものがどんなやつかと思えばただの雑魚じゃないか」
「こいつどうしましょうか?リーダー」
「弱者になど興味はない、構わん離してやれ」
ニドリーノを押さえていたデルビルたちの足が離れる
「・・・・・・・」
呆然と立ちつくニドリーノに
「ささっと失せやがれこの糞や野郎!」
と鶴の一声
「うわわ、ご、ごめんなさ・・・」
言葉を言い終わらないうちに一目散に逃げだしていった
「なんなんだよあいつら・・・・・・それにしても怖かった・・・」
一瞬にして取り押さえられたのでニドリーノの体には怪我一つなかった
またさ迷いをはじめようとしている彼に声がかかる
「ニドリーノ見っけ 絶対GETしてやるぜ!」
一人のトレーナーだ
そしてモンスターボールからポケモンを繰り出す
「いけ!エレブー雷パンチだ!」
雷をまとった拳が彼の懐に入る
ニドリーノの体は中に浮いたが受身をしっかりとった
「もう人間の元で暮らすのはいやだ!」
ニドリーノはエレブーの元に一直せんに走っていく
「エレブーうけとめろ」
ガシッ
ニドリーノの突進はエレブーにものの見事に受け止められた
「っな・・・・」
「エレブー10万ボルトだ!」
バリバッリバリ
「うわあああああああ」
「続けて雷パンチ!」
「かは・・・・」
また彼の体が中を舞う
ドサ
今度は受身はとれずその場に倒れこんだ
「よし、いまだいけモンスターボール!」
バシ
ボールがニドリーノに当たろうとしたときその音が鳴り響く
「弱者をいたぶるとはつまらぬことをするなお前は」
・・・・・その言葉を耳にした直後
目が薄れていく・・・・・





・・・・・・どれくらいの時間がたったであるかわからないが彼は目を開け立ち上がる
がしかしまた体がいたみ地面にうずくまる
「手助けが必要か?」
「・・・・・」
「どうした?喋れないほど傷がいたむのか?」
「・・・・おまえは・・・だれだ・・・」
「助けてもらっておいてその口の利き方はは無礼だな まぁよい私はエーフィだ」
うずくめていた顔をあげる
そこには見覚えのない景色が広がる
「ここは・・・?」
「みてわからないのか?私の巣だ」
ハッっとなにか思い出したかのように
「そ、そうだあのトレーナーどうなったの?僕捕まえられそうになってたでしょ」
「私が追い払った。 すこしは楽しませてくれるかと思ったが見込み違いだったようだ」
「・・・・・ありがとう」
「礼にはおよばん、それよりその戦闘力でこの森に入ってくるとはお前もなかなか勇気があるじゃないか」

841 :& ◆ePe9WrGK2o :2008/07/13(日) 02:42:12 ID:Yf+wuh0o0
ミスった・・・・
一生romっておきます・・・・

842 :三月兎 ◆Kisna3E1Vs :2008/07/13(日) 18:18:58 ID:S8kMHme20
chapter.04の続きです。前回コメントくださった方ありがとうございました。

    ◇

「――それで」
 街は騒然とした雰囲気で、ジムの前で警察官に被害状況を訊ねられているジムリーダーの周りには人だかりが出来ている。
「一体何匹のポケモンが盗まれたんですか?」
「ああ……オレのポケモンが六匹、ジムメンバーのポケモンが三、四匹ずつ二十人分ぐらい? だいたい七十匹ぐらいだな」
 ジェラルドの返答に、警察官は少し訝しげだ。
「……いったいどうやってそんなに」
「その場にいたメンバーはマリルリに殴られて気絶したらしい。その間にボールごと全部取られたそうだ。オレは奥で挑戦を受ける準備をしていて、戻ったら奴らが天井に大穴を空けて飛び出したところだった。訓練中のジムメンバーのポケモンも何匹かいたはずなんだが……」
「あまりにも手際が良く……私のヤルキモノも、瞬く間にやられてしまいました」
 傍らにいたジムメンバーの女性はそういうと肩をすぼめた。
 まぁ、ポケモンバトル用に育てられたヤツっちゅーのはそんなもんやろ――とラーカは思う。
 旅をしていると、いつ野生のポケモンに襲われるか分かったものじゃない。もともと人間に育てられたラーカは、シーグルに引き取られてから思い知った。最初の頃、ポケモントレーナーとの勝負では活躍したものの、その他はディアリスの足を引っ張りまくりだった。
外の世界の厳しさ、ポケモンの世間というものをまるで知らなかったのだ。挙句、ディアリスの言葉に引っかかって――いや、アレはちゃうちゃう。あいつが異常なんや。
「で、どうするんだ」
「どうするも何も、これから盗人捜しでしょ」
 シーグルの質問に、エリアはさも当然といった様子で答えた。ちなみに、ラーカたちは今や人だかりの一員と化している。
「だから、なんで俺達が。こういうのは警察の専門だろ?」
「せっかくお知り合いになれたわけだし」
「誰と、誰が」
「私たちとジェラルドさんに決まってるじゃん? それに、ポケモン取り戻さないとジム戦もできないじゃない」
「知り合いなんてほどのもんでもないだろ。それより先に他のジムを回った方がいいんじゃないか」

843 :三月兎 ◆Kisna3E1Vs :2008/07/13(日) 18:20:09 ID:S8kMHme20
 エリアはこの事件の行く末が気になって仕方がないらしい。しかし、こんなことで足を止めていては、来春のホウエンリーグに間に合わなくなってしまう。初心者とはいえ、エリアもそれくらいのことは理解しているはずなのだが。
「せやで、エリアはん。案外時間ないからな? 旅先のどこで足止め食うかわからんし」
「とゆーわけで僕もシーグルさんに賛成」
 キスナローゼも自分の主人に従う気はないようだ。それも問題ではあるが。
「何言ってるの、七十匹ものポケモンが盗まれたのよ? その子達がどうなるかって考えたら、一刻も早く助けてあげないと……捜索隊は数が多いに越したことはないでしょ」
「……ああ。もし解決が遅れたら、どこかに売られるか……まともなことにはならないだろうな」
「そう言われると、ちょっと心配になるね……」
 確かに、盗まれたポケモン達の行く末を思うとこのまま放っておくのも少し気がひける。ジムリーダーやジムメンバーたちは当然警察に協力するだろう。さりとて、ラーカたちは当事者でも関係者でもないのだ。
七十匹というと大事件の部類に入るのだろうけれども、一介のポケモントレーナーが介入する必要があるのかどうか。
「仕方ないな。ここに居合わせたことだし。案外早くに解決するかもしれないしな。それに、俺だって人助けはしたいと思ってる」
 ラーカの疑問を余所に、シーグルが答えた。こうなってしまっては、ラーカは自らの主人に従うしかない。まぁ、もともと身体を動かすのは好きな方だ。盗賊の捜索が嫌というわけではないし、ホウエンリーグのことさえなければエリアと同じ意見を述べていただろう。
「オッケー。それじゃジェラルドさんに伝えてくるわ」
 嬉々として答え、エリアは警察官の質問が終わってメンバーと話し込んでいるジェラルドのところへ走っていった。
 ラーカが見上げると、シーグルは肩をすくめて見せた。今回は付き合ってやるか、と――たぶんそんな気持ちだったのだろう。
 ま、一回や二回こんなことがあったぐらいでリーグに間に合わんっちゅうことはないやろ。

    ◇

844 :三月兎 ◆Kisna3E1Vs :2008/07/13(日) 18:24:21 ID:S8kMHme20
 トウカの森と呼ばれる一帯は、ホウエン地方の南西部を横断するように広がる大森林の一角に過ぎない。カナズミとトウカを接続するため、西側の一部を切り拓いて舗装したところがそれにあたる。
 警察が本格的な捜査本部を設置するのには時間がかかる。そもそも警察の第一の目的は犯人の逮捕であって、攫われたポケモンの救出義務はない。
よって、ジェラルドとトウカジムメンバー、これにエリアとシーグルを加えたトレーナーとそのポケモン達が先行して捜索を開始することになった。もっとも、ほとんどのジムメンバーはポケモンを全て奪われているのでさほど役に立ちそうもない。
エリア達の協力は大きな助けになったようだ。
 話し合いの結果、盗賊の気球はなにぶん原動力がコータスの噴火だからそう遠くまでは飛べないはずだとの結論に至り、盗賊が飛び去った北の方角――トウカとシダケの間に広がる大森林を手分けして捜すことになった。
確認されている限りでは、相手は人間が二人とポケモンが二匹。そのうちマリルリは手馴れていて、純粋な戦闘能力はどうだか知れないが、喧嘩や殺し合いに強いことは確かだ。
だから、手分けといっても一人になるのはまずいということで、二人一組で行動することにした。
 そうして何の因果か、キスナローゼはディアリスと組むことになってしまったのだった。
「見つからないわねぇ」
「真剣に捜してる? 犯人の特徴は僕のご主人さまから聞いたでしょ」
「もぉ、ちゃんと捜してるって……マリルリがでっかい袋抱えてて、その袋が赤と青のバンダナの人間にコータスで気球を噴射――あれ?」
「ぐちゃぐちゃになってるし。正しくは、赤いバンダナをつけた男の人と、青いバンダナの女の人と、何の特徴もないコータスと、でっかい袋を抱えた子供みたいな声のマリルリ。そのマリルリを象った気球をコータスの背中の噴火で飛ばしてるの。
それで、その気球はそんなに長く飛べないから犯人達はこの森の中に降りてるはずなんだ」
「噴火ってさぁ、岩とか出てこない? 気球に穴開いちゃってぇ」
「知らないよそんなこと……気球飛ばすのにふつう岩とか出さないでしょ」
 そっけなく答えて、キスナローゼはもう一度周囲に視線を巡らせた。ディアリスの無駄話は底が見えない。付き合っていたらいつまで続くかわかったものじゃない。キスナローゼもお喋りは好きな方だけれど、もう少し時と場所を考えて欲しいものだ。
「せっかく二人きりになったんだしぃ、もうちょっと楽しもうとか思わないわけぇ?」
「全然」

845 :三月兎 ◆Kisna3E1Vs :2008/07/13(日) 18:25:56 ID:S8kMHme20
「がぅーん。ショック。昨日の夜はあれだけ激しかったのにね?」
「……え?」
 何だ。昨日の夜って。僕、昨日何かヘンなことでも――
「夢の中だけどっ」
 は? 夢?
 一瞬本気で考えたキスナローゼが莫迦だったようだ。
 いや、莫迦は僕じゃないよね。絶対。
「何だよ気持ち悪い! きみ、夢の中で僕に何をしたわけ!?」
「いろいろなコト……あぁ、思い出しただけでも胸が……」
「僕を無理矢理きみの妄想世界に引き込むな! この身体は僕のものだ。きみの妄想世界の住人の僕も当然僕の――」
「しっ」
 突然、ディアリスがキスナローゼの口を塞いで、体勢を低くした。さっきまで意味のわからない妄想を好き勝手に語っていたくせに――などと反感を覚えている場合ではなかった。
「あの人達じゃない?」
 声を低めてそう言ったディアリスの視線の先……少し展けた十メートル四方ぐらいの空間に、例の奴らがいた。
「ッつーかよォ……テメーがスタミナ無さすぎッから毎回落ちンだよこのボケ! オレの顔、破ンじゃねェーよッ!」
 マリルリが甲高い声でぶつくさ言いながら巨大な袋をブンブン振り回しつつ、コータスの甲羅をガンガンと足蹴にしている。あの袋の中に七十個近くのモンスターボールが入っているのだとしたら、もの凄い腕力だ。
「ご、ごめんよアル……」
「バッキャロー、オレじゃなくて気球に謝れッつーんだよ」
「アル。バカなこと言ってないで黙って待ってなさい」
 傍らの切り株に腰掛けた青バンダナの女性がマリルリを嗜めた。どうやらあのマリルリはアルという名らしい。
気球に乗っているときは気づかなかったのだが、声が子供っぽいだけではなく、奴は本当に子供だった。相当手馴れているというから断定はできないが、少なくとも見た目は十二、三歳程度だ。

846 :三月兎 ◆Kisna3E1Vs :2008/07/13(日) 18:27:45 ID:S8kMHme20
「しっかしまだ来ねえの? 一匹一万円で買い取るなんて言ってやがったが。じつは嘘だったとかそんなオチじゃなけりゃいいけど」
 コータスの隣に立っている赤バンダナの男が口を開いた。話の内容から察するに、ここで闇商人か何かと待ち合わせしているのか。
「どうする、ディアリス?」
 囁き声でディアリスに訊ねた。
「取引か何かの相手が来たら売られちゃうんでしょ? やるしかないじゃない」
「やるって……僕たち二人だけで?」
「とりあえず取引される前に何とかしなきゃダメでしょぉ。キスナ、わたしが飛び出したら何か派手なのを空にぶっ放して」
 言うが早いか、ディアリスは奴らの前に躍り出た。
「え、ちょっ……」
 空にぶっ放すって……何を? そうか、みんなに知らせるためか。
「ォ? 何だオマエ?」
「変なのが一匹彷徨い出てきたわね。こんな森に野生のエネコロロがいるなんて……ついでにこの子も捕まえとこうかしら?」
 キスナローゼは急いで額の宝玉にESPを集中させ、サイケ光線を放射した。
 木の葉や枝を撃ち砕いて、玉虫色の輝く光線が天空へと突き抜ける。急いだせいかESPの収束は十分ではなかったが、合図にはなるだろう。
「あら。もう一匹オマケが……エーフィなんて、これまた珍しいわね。今日はとんでもなくツイてるのかしら……アル」
「キャハハッ!」
 青バンダナが名を呼ぶのとほぼ同時ぐらいのタイミングで、アルは何が楽しいのか甲高い声で笑いながら斜め前に跳躍した。
 木の幹に跳ね返ったアルがキスナローゼの右横から飛んできて――
 ――右頬の辺りに重い衝撃を受け、目の前が一瞬真っ暗になった。
 何? 何をされた? ていうかボールじゃあるまいし、木の幹に跳ね返るなんて。
「キスナっ!」
 気がつくと目の前に地面があった。どうやらぶん殴られて左に飛ばされたらしい。キスナローゼの姿を確認するや否や前口上すらもなくいきなり殴るなんて、とんでもない奴だ。
 頭がふらふらして、すぐには立てそうもない。なんて馬鹿力。手痛い先制攻撃を食らってしまった。

847 :三月兎 ◆Kisna3E1Vs :2008/07/13(日) 18:29:42 ID:S8kMHme20
「大丈夫!? ねぇ!」
 ディアリスがすぐに駆け寄って来ようとしたが、途中で急停止して一メートルほど後方に身を引いた。
「だあああああぁぁぁぁぁりゃぁぁぁッ!」
 五メートルほどの高さから拳を振り下ろしながら、キスナローゼとディアリスの間にアルが割り込んできたからだ。
 ドグワシャン、と何かが爆発したようなとんでもない打撃音がして、アルの着地点を中心に、地面が蜘蛛の巣状にひび割れて陥没した。
「キャハハ。バッカじゃねェーのテメー? そんなことしてるヒマァーあッたらオレに攻撃して来いっつーの!」
「あなたねぇ……いきなりキスナを殴るなんて、調子こいてるとぶっ飛ばすわよぉ? わたしは相手が子供でも手加減しないんだからね」
「子供ッつーなこのアマァ! オレは二十四だッつーの! ゼッテェーテメーよりァ上だ!」
 キスナローゼは驚愕の表情のまま、更に驚かなければならなくなった。ディアリスの乱暴な言葉遣いもその要因ではあったのだが、何をおいてもアルの年齢だ。
 こいつ、子供じゃなかったのか。しかもキスナローゼより七つも年上。まあ、考えてみれば年端もいかない子供がここまでの戦闘能力を有しているはずはない。
でも、外見も性格も完全無欠の子供なのに。
「なら、尚更手加減は必要ないわね」
 ディアリスが滑るように移動し、アルとの距離を詰めた。緩やかな動きではあったものの、アルは反応できずに易々とディアリスの接近を許してしまった。
「おおッ!?」
 アルが下がれば前に出て、横に動けば弧を描くような足裁きで回り込む。アルがどう動こうとも、両者の距離が変化しない。本人曰く、ディアリスは身体能力はそれほど高くはないらしい。
しかし、あの不思議な体捌きがそれを感じさせない。ディアリスは一瞬前足を浮かせたり、身体を横に回転させたりしてフェイントを出しつつ隙を伺っている。
 アルはディアリスの踊るような動きに辟易しつつも、一度身体を大きく捻った。
「でぁりゃァーッ!」
 反動をつけて、意味不明な気合の声と共に独楽のように一回転。尻尾の先の丸い部分がぼうっと光って青い軌跡を描きつつ、水飛沫を撒き散らした。ほとんど密着するような間合いにいたディアリスを捉えるか、もしくは距離を取らせるか。

848 :三月兎 ◆Kisna3E1Vs :2008/07/13(日) 18:32:25 ID:S8kMHme20
 アクアテールのもたらした結果は、結局そのどちらでもなかった。
 バシィッと小気味のいい打撃音がして、一回転して戻ってきたアルの頬をディアリスの右前肢が打ち据え、回転の勢いを止めつつアルの身体を右側に傾がせた。
ディアリスは逆立ちでもするかのような形で低くジャンプして、アルのアクアテールをスレスレで躱し、カウンター気味に空中からビンタを繰り出したのだ。間髪を入れず、裏拳の要領で右頬にもう一発。
これでアルが身体一つ分ぐらい飛んだところへ先回りするように着地、左頬に追加の一撃。空中からの打ち下ろし気味のビンタに、アルは地面に倒れ――なかった。バシィッ。倒れる寸前、下から突き上げるような右前肢の裏拳が右頬を捉えた。
そして軽く跳躍、空中にに飛ばされたアルの左頬へと振り下ろしたビンタは今までで一番いい音がして、アルを地面に叩きつけた。マリルリの身体は弾力性が強いのか、計五発のビンタを食らったアルはバウンドして地面に突っ伏す格好となった。
 ――何という往復ビンタ。こんなに綺麗に決まった往復ビンタは見たことがない。
「よく飛ぶわねぇ、マリルリって」
 着地したディアリスは涼しげにそんな感想を漏らし、キスナローゼの方へ駆け寄ってきた。
「キスナ……立てる?」
 まだ頭の奥に重くて鈍い痛みが残っているものの、何とか立てる程度には回復しつつある。
「うん、何とか……」
「きゃっ――!」
 唐突だった。ディアリスがものすごい質量の何かに弾き飛ばされたのだ。その正体は円盤のように猛回転しながら飛んできた岩の塊――コータスの高速スピンだと認識したのと同時か、その前か。
キスナローゼの腰の辺りに何か固いものが当たった。バチッ、と音がしてキスナローゼの身体に弾かれたそれは、黒と白が半分ずつのボールで、黒い部分には黄色い文字でアルファベットの“H”が書かれている――ハイパーボールだ。
「弾かれた……? トレーナーのポケモンなのか?」
 最初にいた切り株の近くを動かずにボールを投げた赤バンダナが首を捻った。ボールには個体識別機能があって、一度ボールに入れられたポケモンはそのボールが壊れるまで他のボールに入ることはできないのだと、以前ご主人さまに教えられた。
「まあいい、ボコって戦闘不能にしときゃ大人しくなるだろ。……アルトゥール、いつまで寝てんだ」
「キャハ。痛ェ。ヤヴァイぜあのアマァ!」
 赤バンダナの言葉を受けて、突っ伏していたアルが嬉々として立ち上がった。
 きみ、そんな趣味があるんだ。
「――ってオイ! お返ししてやろォと思ったのにアイツ死ンでンじゃねェーだろォな? ヒャルマモ!」

849 :三月兎 ◆Kisna3E1Vs :2008/07/13(日) 18:34:35 ID:S8kMHme20
 ひゃるまも?
 状況が状況でなければ吹き出していたかもしれない。
 ――変な名前。
「だ、大丈夫だよ、きっと……」
 キスナローゼの間近から野太い声がした。さっきディアリスを高速スピンで弾き飛ばしたコータス、ヒャルマモのものだ。
「そうそう。自分の心配しなよ」
 キスナローゼは何も奴らの言動に心の中でただツッコミを入れていただけではない。
 収束させておいたESPを紡ぎ、サイコキネシスを発動させた。無数の視えざる糸がヒャルマモに絡みつき、その巨体を宙へと浮かび上がらせる。
「わっ、わっ……アルっ!」
「何やってンだよノロマ!」
 アル――赤バンダナの言から、本名はアルトゥールというらしいそいつがキスナローゼを止めるべく、こちらへ駆けてきた。本名なんてどうでもいいけど。
 ヒャルマモへのサイコキネシスを続行すればアルトゥールの攻撃を受け、アルトゥールの攻撃を躱せばサイコキネシスは外れる。さりとて、キスナローゼは二つに一つを取れと言われて一つを簡単に捨てられるような性格でもない。
 そうだ、ちょっと考えれば簡単に二兎を得る方法があるではないか。
「きみ、もうちょっと頭使いなよ!」
 そのままヒャルマモを投げた。
 駆けてきたアルトゥールの上へ。
「ぼ、ボケッ! オレの上に落ちて来んじゃねェェーーーッ――ぐげごッ」
 ドシィイン、と重量感たっぷりの轟音と共に地面が揺れて、キスナローゼの身体が軽く浮いた。
 下敷きになったアルトゥールがどうなったのかは知らないが、ヒャルマモにはさほどのダメージはないか。とはいえ追撃より先にやることがある。
吹っ飛ばされたディアリスはどうなったのか、具合を見てやらないと――
 後ろを振り返って、その必要はないとわかった。
「じぶんら、俺の仲間に何してくれとんねん?」
「まったく、二人で無茶するなんて……キスナ、大丈夫?」
「俺の後輩とジムの仲間は返してもらうぜ」
「見つけたぜ、盗人野郎」
 ディアリスの側に屈み込んで彼女の様子を確認しているラーカとクレシア、それからジムリーダーのジェラルドとそのパートナーのバシャーモ、ベルンハルトが歩み出てきたからだ。
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To be continued...

今回の投稿はここまでです。

850 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/07/15(火) 23:04:53 ID:TiQmDveo0
続き。サイとライガは突っ込みポジションで安泰? 最初と比べると丸くなったな……。

36 渦姫と卯月と空狐

日が昇り始め一同は目を覚まし始める。

「よぉ! おはよう諸君!」
「ウズキさんは相変わらずテンション高いね……」
「……おはようございますウズキさん」

ウズキがグレンとフィニティに挨拶する。
続いて起きてきたサイとライガは挨拶ではなく質問をしてきた。

「本当にお前はいつ寝てるんだ? 寧ろ寝てるのか?」
「一番遅く寝て、一番早く起きるもんな……。俺は真似したくないな……」
「まぁ体は丈夫にできてるから。それにボク達一緒にいるのって最近の事じゃん!」

ウズキの答えにサイとライガも「そりゃそうだ……」と一言皮肉った。
離れて寝ていたと思われるアマツ、ムオンのペアもこちらに向かってくる。

「皆さんおはようございます。朝はお早いんですね」
「……倦怠……」
「あはは……。ムオンもお疲れ様……」

アマツは元気そうだがムオンは目の下に隈ができ凄いだるそうにしている。
ウズキは昨夜の二匹の行為の最中も起きていたため苦笑いした。
他のメンバーはムオンが親衛隊隊長とし責務を果たし徹夜したのだろうと誤解している。

「流石は親衛隊様だな……。主を守るため徹夜でもしたか?」
「……肯定……」

ライガの質問にムオンは嘘をついて答えた。
だが今までのムオンを忠誠心見てまさか一晩中アマツと性行為をしていたと思う者はいないだろう。
むしろ本当の事を言ったほうが冗談に思われる可能性が高い。

851 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/07/15(火) 23:05:16 ID:TiQmDveo0
「まぁ全員起きた事だし……まずは食料の確保からだね! 皆ボクについて来て!」

ウズキは皆の意見を聞く前に歩き出した。
他の者のウズキに続いて歩き始める。
十分位歩くと木の実のなった木がの生えた森に着いた。
木の実の種類は豊富で様々な者が満足できる量である。

「さて……皆の好みもあるだろうから各自食事を済ましてから合流で良いよね?
 後は必要に応じて取りためておけば平気でしょ。じゃあ解散!」

全員「問題ない」というような回答をし解散する。
ウズキを抜かし二匹のグループで分かれていく。
グループ内容は当然カップル同士である。
結果的にウズキは一匹で行動することになった。

「はぁ〜。何か……ボクだけ恋人がいないみたいで凄く……寂しい……。
 クゥ……生きてると良いんだけどな……」
「ウヅキさん私がどうかしたんですか?」

ウズキが背後から誰かに話かけられる。
その声の主はこの時代のクゥだった。

「……すみません。昨日のロコンちゃんでしたか……。
 容姿だけでなく声もそっくりなんですね。
 良ければ名前……教えてくれませんか?」
「……ウズキ……。字ではこう書いて渦姫……」

クゥの質問にウズキは地面に文字を書いて説明した。
口頭ではウズキもウヅキも変わらないためである。

852 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/07/15(火) 23:05:47 ID:TiQmDveo0
「名前までそっくりなんですね。そういえばまだ私の名前言ってませんでしたね。
 私はクウコ。クゥって呼んでください」
「ん? クゥ誰と話してるの?」

クゥが自己紹介したら今度はウヅキがやってくる。
ウヅキはウズキを見て少し嫌そうな顔をした。

「ああ昨日の……ウズキちゃんだっけ。ボクはウヅキよろしくね」
「こちらこそよろしくお願いします……ウヅキさん」

傍から見れば普通の挨拶だろうが互いに解っている。
自分同士で挨拶をしているというと事を……。
本来ありえないはずの状況が今現実で起きている。

「君はこの時代のボクじゃない……。だからボクの……ウヅキのクゥに手を出すなよ……」
「解ってる。歴史に介入する気はないから安心して……」

ウヅキはクゥに聞こえないようにウズキに小さな声で忠告した。

「……と言いたいけどロコンとキュウコンのボクでクゥとヤルってのも悪くないよね?」
「……ですよね。一度はしてみたいですよね? しばらく待てばキュウコン同士でも可能ですよウヅキさまぁ〜」

流石は同一人物。考える事はほぼ同じである。
クゥは呟き合う二匹を不思議そうに見ていた。

853 :パウス ◆EvJGalaxy2 :2008/07/17(木) 23:06:15 ID:jT0P0FSE0
久しぶりの投稿。時間が無いので皆様の感想はかけませんでした。ごめんなさいorz
最近、一話一話でどの辺できれば良いのか悩みます。


〜story49〜 ―メタモる―

「とりあえず、いつ入れ替わったのか、教えてもらおうか。」
カーネリアに乱雑に引きずられ、縛られた状態でブースターが木の下に座らせられたところに、クォーツが口を開いた。
「えっと………一…二……」
縛り付けられて、追い詰められた状態でもなお余裕を見せ付けるブースターは、空を仰ぎながら何やら数字を数え始める。
「………三日前の夜だね。まさかこんなに早く気付かれるとは思ってもなかったけど。」
三日前と聞き、私の中で何かがほっと息をついた。
もしかしたら、私達が旅立つ前から入れ替わってたのではないかと密かに危惧していた。だが良く考えると、そんなことがあるわけが無い。
もっと良く考えると、一つだけ、だが重大な疑問点が生まれた。

何故メノウがさらわれるのかが分からない。
メノウに特別な力があるとは思えないし、特別に強いわけでもなかったはず。
強いて言えば、この辺でイーブイの進化系は珍しいからとかいう理由もあるが、ならこの入れ替わったブースターはなんなんだ。


854 :パウス ◆EvJGalaxy2 :2008/07/17(木) 23:06:32 ID:jT0P0FSE0
「三日前?……メノウが散歩に出て行ったのを追いかけていった時は、まだメノウだったはずだけど……?」
三日前の夜といえば、カーネリアの言うとおりメノウが散歩に行ったところをカーネリアが追いかけていった日。
メノウが外に出てからカーネリアが外に出るまでには30分もの時間があったが、それでもまだメノウとこの雌のブースターは入れ替わっていなかったとカーネリアは言う。
「それは僕がまだ雄だったからでしょ?僕の身体が雌じゃなくて雄だったら、きっと今もまだばれてなかったもんねぇ。」
「雄だっただぁ?何法螺吹いてんだてめぇ、自分の立場ってもんが解ってねぇのか?」
カーネリアに並んでクォーツは口を開き、今にも飛び掛りそうな体勢でブースターを脅す。
だが、魂の状態のクォーツがいくら脅そうと、なんら効果はなかった。
「本当だよ。僕は確かにあの時は雄だった。別に法螺じゃないさ。」
相変わらず余裕なブースターは、クォーツを一瞥して馬鹿にしたようにクスリと笑う。
カーネリアよりも熱くなりやすい赤の暴君が、今完全にスイッチを入れられてしまった。
「雄だった奴が急に雌に変わるなんて、そんなことがあるわきゃねぇだろうが!!カーネリア、ちょい身体貸せ!こいつぶっ殺す!!」

カーネリアとクォーツが馬鹿争いしている光景を前に、ブースターは更に心に余裕を持ち始めた。
そして大きく笑ってクォーツとカーネリアの動きを止めると、ニヤニヤと笑いながら口を開けた。
「そうかぁ、とっくに気付いてるもんかと思ってたんだけど。そうじゃなかったみたいだね。」
「あん!?てめぇ、何言って…………………っ!!」
クォーツが振り返ったのをスイッチに、ブースターの身体が光り出した。
すぐに消えたその光の中で、ブースターの赤い身体と首周りや額などの白い毛は、なんと薄紫に変わっていくではないか。


855 :パウス ◆EvJGalaxy2 :2008/07/17(木) 23:06:52 ID:jT0P0FSE0
光が消えると、ブースターの身体は完全に薄紫に変化し終わっていた。目や、口までもが全て薄紫で、この瞬間に皆がこいつが何者かを悟っていた。
ブースターの形が崩れていき、やがて半流動体の薄紫の塊と化していく。
そのせいで紐は解け、ブースターだったそれは容易に紐から抜け出した。
「これが僕の正体さ。」
よく見るとその身体の一部分に、ペンで点を付けただけのような目と、一本の横線のような口があり、最早完全にブースターではなくなった。

彼?彼女?そんなのどっちかは分からない。何故ならこいつには性別というものがないからだ。
細胞の一つ一つを自由に組み替え、どんな姿にでも、どんな顔にでも、声でもにおいでも何でも変えることが出来てしまうポケモン―――私たちはそのポケモン達をメタモンと呼ぶ。
「メタモン…だと?」
「そう。これでさっきの話もつじつまが合うでしょ?あの顔も、声も偽者さ。」
ブースター―――否、メタモンは声をメノウと同じ声にして笑ってみせた。
こいつがメタモンだったというならば、誰もこいつとメノウが入れ替わっていたことに気付かなかったというのも頷ける。
恐らく、本当に全くメノウと同じ体だったのなら、言われるまで永遠に気付かなかっただろう。
要するに似ているのではない。同じ顔と声だったのだから。

となると、一つの疑問が生まれる。
何故メタモンはわざわざ雌の身体なんかに変身したのだろうか。
皆そのことに気付いているはずなのだが、あまりに衝撃なこと続きで頭が付いていっておらず、ただただ唖然とするばかりだった。


856 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/18(金) 18:19:10 ID:d1kSkIDU0
ここはポケ村。いつも平和だったここにある悲劇が襲うことになる。
「オラア――――――!!!」
「キャ―――――!!」
凶暴な性格のヘルガーのレツ(♂)その子分、デルビルのガン、ゴウ、
グン(♂)3匹が襲って来た。
この村一番の美女、リーフィアのリン(♀)がレツにむかってこう言った。
「もうやめて下さい!!やめるかわりに、私がやれる事ならなんでも
しますから、お願いします!」
リンは頭をさげてお願いした。するとレツが何を思いついたのか、
「いいだろう。だが、本当になんでもするんだな?」
ギラリとリンをにらみつけた。
「!!はっ・・・はい!」
リンは嬉しそうに答えた。
「よーし。じゃあ早速お願いを聞いてもらう。」
にやりとレツは不気味に笑った。
「なっ、なんでしょうか!?」
リンは慌てて答えた。
「俺の奴隷になってもらう。」
「えっ・・・!?」
「お前に出来ることならなんでもするんだろ?」
「じゃあ・・・仕方ないですねぇ・・・」
「・・・お前名前は?」
「リッリンです!」
「リン・・・。俺はレツだ。リン!こっちこい!」
「はっはい!」
レツは、人気のない森にリンと、ガン、ゴウ、グンを連れて行った。
「じゃあ、リン。俺とキスしろ。」
「っええっっ!?」
「お前は奴隷だろ?」
また、リンをギラリとにらみつける。
「あ・・・は・・はい・・・」
リンは遠慮しながらも答えた。
「ん」
「え・・・?」
「だから!キスするんだったら顔近づけるだろ!?」
レツは怒鳴りながら言う。
「あ・・・ああ・・・」
リンは驚きながらも言った。
「だから、ん!」
レツはリンに顔をぐいっと近づけた。
「ひゃあっ!」
「・・・?」
「・・・・・・・」
リンは一瞬、恥ずかしくなった。
「早くやれよ」
「あ・・・はい」
「・・・・・」
「あっ・・・ふ・・・う・・・はあっ・・・レツさっ・・っはあっ・・・・・・」
二人は舌を絡ませ合い、長いキスをするのであった―。
「はあっはあっはあっ・・・」
「よ・・よーしよくやったな!次は俺とエッチしろ!」
「えっええええええええっっっ!?!?!?」
「お前はあの村で一番かわいかったからな・・・・・いやか?」
「いっ・・いいえ・・・」
「あ、お前らあっちいってろ」
レツはガン、ゴウ、グンに言った。
「じゃあ、はい」
レツは、仰向けにねっころがって、後ろ足を
がばっとひろげた。
「きゃあっ!!」
「・・・?エッチってふつーオスのち○こをメスが舐めたり、
オスのち○こをメスのま○こに入れたりするんだろ?」
「そうですけど、だからって・・・「いーから!早く俺のち○こ
舐めろ!」
レツはリンの頭を押さえつけて、レツのち○こをリンの口に
無理やり入れた。
「ほ・・・ほっほっ・・・・んっ・・・」









857 :三月兎 ◆Kisna3E1Vs :2008/07/19(土) 01:03:16 ID:7q6LaTqo0
chapter.04の続きです。


 やや遅れて到着したシーグルはディアリスの様子を確認すると、彼女をすぐにモンスターボールに戻した。ボールに入れたからといって傷が治ったりはしないが、とりあえず体力の消耗だけは防ぐことができる。
「なんでここが……そうか、そのエーフィがあの時……!」
 赤バンダナが叫んだが、今さら気づいても後の祭りだ。エリアやシーグル、数名のジムメンバーも駆け付け、盗賊の包囲網が出来上がりつつある。
 犯行からわずか二時間足らず。警察の出る幕もなく、あまりにも早い解決へと事態は収束しつつある。
 盗賊どもに残された道は、盗んだポケモンを全て置いてこの場から消えることぐらいか。
 しかし、そう考えない莫迦も中にはいるようで。
「ずぉぉおおおおおおうぅああぁぁぇぃうおぉっ……!」
 一度聞くとしばらく耳から離れない甲高い声で、奇声ぎみ――いや、絶対に、百パーセント奇声で構成された無駄な気合いの声と共に、ヒャルマモがガタガタ振動しながら徐々に浮き上がってくる。
もちろんヒャルマモの飛行能力でもなければキスナローゼの念力でもない。
「な、何なの、あのマリルリ……!」
「マリルリの中にはカイリキーを超える膂力を発揮するものもいるらしいとは聞いていたが……この目で見るのは初めてだ」
「特性“力持ち”ってヤツさ。チャーレムやアサナンのヨガパワーもそうだけど、見た目からは想像も出来ないほどの力を発揮してきやがるから気をつけねえとな」
 程度の違いこそあれエリアとシーグルが驚愕しているのに対し、ジェラルドは謎ヘアのくせに、謎ヘアをいじりながら、したり顔で解説を加えている。
アルトゥールはついに完全に立ち上がってヒャルマモを両手で掲げ、「わ、ちょっ、アル――」「ォォオオオォ!」と狂声を発して今にも“あれ”をぶん投げてきそうな勢いなんだから、それを止める方法とか、もうちょいマシなことを発案してくれりゃいいのに。
「これだからアマァ邪魔ッけで欝陶しいンだよ! このイカレ牝猫又がッ! 痛ェし重ェし苦しィイし、さすがのオレもカチンときたッつーかなんつーか? と・に・か・くッ! ブッ殺ォォオーーーすッ!!!」

858 :三月兎 ◆Kisna3E1Vs :2008/07/19(土) 01:05:36 ID:7q6LaTqo0
「はぁ? 牝猫又……?」
 向こうはカチンときたらしいが、こっちはプチンときた。
「誰が牝だって? もう一ぺん言ってみなよ? 今すぐ訂正して僕に謝罪してこの場から立ち去って二度と僕の前に姿を見せないっていうんなら…………やっぱ、許さない」
「許さねェーのァこっちだッつーの!」
 叫ぶが早いか、アルトゥールは自分の仲間を思い切り投げつけてきた。莫迦とは違い、キスナローゼは頭にきていても判断力は失っていない。額にESPのエネルギーを集束させつつ、左へと横っ跳びした。
「莫迦……!」
 クレシアの叱責が聞こえたような気がして。
 嘘?
 ヒャルマモがいつの間にか甲羅に篭って高速回転している。キスナローゼが跳んだ方へと軌道を変えるだけでなく、自らの意思で速度を増して――「キャハハッ」やつの笑い声。
命中は着地のタイミングとほぼ同時か。ダメだ。躱せない。おどけたような調子のヒャルマモだって、ディアリスに傷を負わせたやり口からしても悪党には変わりないし、やるときはやる男のようだ。
投げつけてきた時点でただの岩としか認識していなかったキスナローゼが迂闊すぎたと言うしかない。サイケ光線の集束も間に合わない。今撃ったところで、あの分厚い甲羅に弾かれるのが関の山だろう。
キスナローゼは打たれ強くもないし、このまま直撃を受けたらただではすまないどころか、悪ければ死ぬかもしれない。
 牝猫又扱いされた挙句、腕力バカと甲羅バカに無様に敗北する。キスナローゼの予定運命は決定されてしまった。
 ――もっとも、その刻が訪れる事は永久になかった。
 ガゴンッ。「うぎゃっ」「キャハッ! マジかよ!」ズゴゴガガシャン。「ヒャルマモ……!」
 それこそ無力な子供のように身体を丸めて身を固くしていたキスナローゼの耳に飛び込んできたのは、壮絶な破壊音と連中の驚愕の声だった。
 恐る恐る顔を上げると、手首や足首から炎を噴出させた背の高いポケモンの後ろ姿があった。たった今振り下ろされたらしい彼の蹴り足は僅かに白煙を上げている。

859 :三月兎 ◆Kisna3E1Vs :2008/07/19(土) 01:07:13 ID:7q6LaTqo0
「ブラジリアン・ブレイズキック」
 自らの放った技名を宣言するなどというダサすぎることこの上ない発言をしたバシャーモは、しかしどこか渋味があって格好よく見えた。次の一言さえなければ、の話だが。
「大丈夫か、お嬢さ……いや、さっきの言い方からして、坊やなのか?」
「ぼっ、僕は! 女でも子供でもない! 訂正しろこのオッサン!」
「おお、悪いな。綺麗な顔してるから俺もてっきり女だと思ってたんだ。だが、俺はまだ二十五だからオッサンじゃないぞ」
 まるで悪いとも思っていないような口ぶりでさらりと謝って見せ、キスナローゼが言い返した悪口もまったく意に介していないところが、また頭にくる。
「綺麗だから女だとか勝手に決めるな! だいたい実年齢がいくつだろうと見た目がオッサンならオッサンなんだこのオッサン!」
「ふむ、まあ男でも綺麗なやつはいるし、女でも醜いやつはいるからな。しかし、やはり実年齢は重要だぞ。童顔でも中年ならオッサンだろう。それより、だ」
 律義にもキスナローゼの言葉に一つ一つ冷静に答え、ベルンハルトはアルトゥールに向き直った。
「お前はまだ俺に用事がありそうだな」
 その悠然とした態度にキスナローゼはさらに突っ掛かろうとしたが、クレシアがキスナローゼを抱きすくめるようにして制止し下がらせたので適わなかった。
「マジ凄ェなテメー! 鬼強ェ!」
 土と草を盛大に削り取り、地面に半ば埋まって動かなくなっているヒャルマモには目もくれず、アルトゥールはベルンハルトの力に感心するというより心躍らせている。
 ていうか、何あれ。お嬢さん呼ばわりされて腹を立てていたせいで気づかなかったが、あの質量と回転の勢いでもって飛んでくる甲羅を、ベルンハルトは蹴り一発で迎撃したというのか。
「テメー、名前なんつーの? オレはアルトゥールってんだ」
「……ベルンハルト」
 泰然自若とした雰囲気のベルンハルトも完全にアルトゥールのペースに飲まれたのか、訊かれたとおりに名前を答えてしまった。
 それにしても、なんで名前なんか。キスナローゼには「キャハ」の一言で、問答無用で殴りかかってきたくせに。

860 :三月兎 ◆Kisna3E1Vs :2008/07/19(土) 01:10:24 ID:7q6LaTqo0
「ベルンハルトかァ。おしッ、それじゃァ戦(や)るとすっか! 正々堂々と勝負ッ!」
「いいだろう。俺は炎、お前は水だから少々相性は悪いが、大した問題でもない」
 や、大した問題でしょ。
 ――とキスナローゼは思うのだが、構えて対峙した二匹はやる気満々だし、ベルンハルトの主人であるジェラルドもニヤニヤしながらそれを見ているだけで、止めることも助言もしない。
「いくぜッ! ヌゥェャアアア」
 アルトゥールが丸まって、例の奇声を上げながら飛び出す直前だった。
「戻りなさい、莫迦!」やつの身体が暗赤色光に包まれて、「アアアウオオォォ――…………ォ?」と奇声は尻窄みになりつつ、アルトゥールは青バンダナの手の中に吸い込まれた。
「くそっ、覚えとけよ!」
 同時にヒャルマモをボールに戻した赤バンダナが悪党お決まりの捨て台詞を残し、青バンダナとともに驚くべき俊敏さで森の中へと姿を消した。
 ヒャルマモが倒され、目的を忘れた莫迦一名がベルンハルトにタイマン勝負を申し込み、ベルンハルトがそれを受けて。例えアルトゥールが勝ったとしても、それで奴らの状況が好転するわけでもなかった。
連中が何もかも捨てて逃走したのはある意味賢明な判断だと言えるだろう。
「む? 勝負とやらは……」
 拍子抜けして立ち尽くすベルンハルトの脇を、ジェラルド以下ジムメンバー達が駆け抜けてゆく。皆自分のポケモンを確認しようと、盗賊どもが置いていった袋に殺到した。
「……そうだ、後輩達を助けに来たんだったな」
 や、何を今さら。もしかしてアルトゥールとの一騎打ちのことしか考えていなかったのか。
「二人の勝負見られへんかって残念やなあ。あいつ、逃げよってからに……」
 ラーカも玩具を取られた子供のようにうなだれている。どうしてきみまで。キスナローゼは軽い頭痛を感じた。
 まったく、アルトゥールといいベルンハルトといいラーカといい、なんで世の中にはこう戦闘馬鹿が多いのだろう。しかも悪いことに、それはポケモンに限ったことではない。
二匹の勝負を前にニヤけていた謎ヘアは問答無用で同類だし、残念ながらエリアやシーグルも同じ穴の狢だ。人間組に関しては、ポケモントレーナーになるくらいだからそれぐらいがちょうどいいのかもしれないけど。
 いずれにしても、この場にいるメンツでまともなのはキスナローゼとクレシアぐらいだろう。
「いつまでこうしてるの? 離してよ」

861 :三月兎 ◆Kisna3E1Vs :2008/07/19(土) 01:13:52 ID:7q6LaTqo0
 ちなみに今の今までクレシアはキスナローゼを抱きかかえたままだった。まるで弱々しい一輪の花を包み込んで外敵から護るような、そんな抱き方で。
「もう……本気で心配……したんだから。ベルンハルトさんが助けてくれなかったらどうなってたか……ごめんなさい、咄嗟のことで、何もできなくて」
 クレシアはキスナローゼをすぐには離さなかった。二足歩行型のポケモンがしゃがみ込んで四足歩行型のポケモンを後ろから抱きすくめているという何だかヘンな体勢のまま、妙に優しい声で謝った。
「……あれは僕の判断ミスだよ。べつにきみが謝る必要は」
「ってキスナ、ケガしてるじゃないの……!」
 ないんじゃないかな、と続けようとしたところで、クレシアが急にキスナローゼの正面に回り込んできた。
「どうしたの? ここ、腫れてる」
 クレシアは心配そうな表情でキスナローゼの頬に手を当てた。
「え、ああ……あのマリルリに殴られちゃって。出合い頭にいきなりでさ」
「そんな……大丈夫なの?」
「や、何もそんな悲壮な顔しなくても。大したケガじゃないし。僕なんかよりディアリスの方が……」
 ちょっと殴られたぐらいで大袈裟な、というのが正直な気持ちではある。ポケモンバトルの世界に身を置いているんだから、こんなことぐらいで心配されても困る。だいたい、今までだって――
「誰も悲壮な顔なんかしてない」
 ちょっと声音が冷たくなって、クレシアは立ち上がった。ディアリスの名を出したのがいけなかったのか。
 今までだって――――キスナローゼが怪我をしたことなんてあっただろうか。これまでのバトルはほとんど無傷の勝利だったし、旅に出る前は大きなケガを一度したくらいだ。
そういえばあのときも、クレシアは普段からは考えられないくらい優しく接してくれて――いやしかし、あの時のことは思い出したくない。
キスナローゼにとっては、クレシアと自分の記憶から抹消したい思い出ランキング文句なしで断トツ一位にランクインするほど恥ずかしい思い出だ。
「ほら、ベルンハルトさんにお礼を言って、謝りなさい。助けてもらったくせに滅茶苦茶言って……」
 いつもの口調だった。冷たいと感じたのは、直前の温かさとの対比によるところだったのかもしれない。
「む? 俺に用か」
 ベルンハルトの反応はやたらと早かった。もしかしてクレシアとキスナローゼの会話にずっと耳を傾けていたのか。悪趣味な。
「お礼って、一瞬感謝はしたけどね。その後の発言でチャラどころか、完全にマイナスだよ」
「ふむ」
 ベルンハルトが頷いた瞬間、パンッ「痛っ」と頭を叩かれ、今度は上から押さえられて無理矢理頭を下げさせられた。
「ごめんなさい、このコ、ホントに子供で……ったく、いつまで失礼なこと言ってるの!」
「だって……」
「だってじゃない! もう一回きちんと――」
「俺は構わんぞ。蹴りたくて蹴っただけだからな。ボールが転がってきたら蹴り返したくなるだろう。それと同じだ」
「ベルンハルト、帰るぞ」
 と、謎ヘアのジェラルドがベルンハルトの肩に手を置いた。
「皆のポケモンの確認は終わった。どさくさに紛れて一匹ぐらい持ってったりしてねえだろうなとか思ってたが、あいつら本当に全部置いてったらしい。……ん? 話の途中なのか?」
「いや、もう済んだ」
 ベルンハルトは人語で主人に答えたあと、「まあ、仲良くな、お二人さん」と目を細め、ジェラルドに続いて踵を返した。
------------------------------------------------------------------------------------------------
今回の投稿分は終了です。

862 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/19(土) 17:01:32 ID:Ok5/lr/w0
この前は長くなって申し訳ないです。。。まあ、続き書きま〜す!

なぜ、リンが嫌がったかと言うと、れつのち○ことその周りがとてつ
もなく臭く、汚かったからだ。
「うっ・・・あっ・・お・お前・・はこ・・こーゆーの・・・・初めてか?」
「?あ・・はひ・・・・」
リンは初めてのわりにはうまかった。
「っっ!!で・・・出るぞ・・・」
「!?えっ・・・ちょっ・・まっ・・・・」
ブシャアアアアッッッ!!!
「ハア・・ハアハアハア・・・・」
リンの顔には汁がたっぷりとかかってしまっている。
「・・・・・・・」
リンはただただ、ボーゼンと座り込んでいた―。
「・・・ゴメンな?お前の許可を得ず放射して・・・」
レツはこの時生まれて初めて謝った。
「・・・・・いえっ!!大丈夫です!」
「よーし、いい根性だ!褒美にこの俺がかかった汁をとってやるからな!」
「本当ですか!?」
「ああ。だから、リンは目をつぶっとけ。」
「あ、はいっ!」
リンはぎゅっと目をつぶった。
「・・・?」
何か、リンのほおに温かいものがふれた。
「ひゃっ!!」
見ると、レツの顔が目の前にあった。
「なんだよ。とるんだったら俺はふつー舐めるんだよ!だから今度はちゃんと目ぇ
つぶっとけ!」
「はひ・・・」
またリンは、目をぎゅっとつぶった。
ペロペロペロ・・・・・
途中、舌がだんだん、下に来ていることに、リンはまだ気がついていなかった。

あれ?{舌がだんだん、下に来ていることに・・・・・}って、ダジャレでし
たね・・・。あ、そんなつもりじゃなかったんですけど・・・。すみません。


863 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/07/20(日) 23:21:15 ID:TjhdyhD20
続き。この二匹が目立つのってかなり久しぶり……。

37 紅蓮と無限の過ごし方

グレンとフィニティは二匹で木の実集めをしている。
最近は二匹だけになれる機会がなかったため良い機会であった。

「あ、グレン! あっちのモモンの実を取りに行きましょう!」
「待ってよフィニティ。木の実は沢山あるから急がなくても……」
「木の実集めを早く終わらせてグレンとの時間をつくりたいと思って……。
 最近二匹だけの時間がなかったじゃないですか……」

フィニティが顔を赤くしてグレンを上目づかいで見る。
グレンはその表情を見て顔を赤くした。

「うん……。仲間が増えたのは賑やかで楽しんだけどね……」
「こうしていると神との戦いなんて嘘みたいですね……」

フィニティはモモンの実を取り座り込んだ。
グレンもフィニティの隣に座った。

「そうだね。ウズキさんに出会って、フィニティがライガさんに追いかけられてて……」
「ウズキさんが私達をライガさんから逃がしてくれたんですよね……。
 最近のはずなのに随分昔に感じますよ」

グレンとフィニティは昔話に花を咲かせる。
その思い出は二匹が出会ってからのことが中心だった。
互いに辛い思い出があるためその事はあえて聞こうとしない。

「でもウズキさんがディアルガだったのは驚いたよね?
 自分では神の子孫て言ってたのに、本当はディアルガだったのは反則だよ……」
「でも流石に『ボクはディアルガです』っていきなり言われても困りますし……。
 ウズキさんらしい……のではないですか?」

フィニティの質問にグレンは首を縦に振る。
確かにウズキらしい発言だっただろう。

864 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/07/20(日) 23:21:45 ID:TjhdyhD20
「今までやたらとディアルガに詳しかった訳がハッキリしたしね。
 ウズキさんがディアルガと戦わないで協力してくれるって言った言葉……今なら説得力あるよ」
「あの時に喧嘩して一回ウズキさんと別れたんですよね……。一歩間違えれば神を敵に増やしたんですよね……」

そう考えるとウズキが細かい事を気にしないおおらかな精神の持ち主でホッとする。
結果で言えばディアルガは味方についてくれた。
しかし相手は空間と冥王の二匹の神が相手になる。
正直ウズキ……ダイヤが一匹で戦うには分が悪い。
だからあの時グレン達に戦闘を仕掛け覚醒を促したのだろう。
何を考えてるか解らないポケモンだがその行動は意味のある事ばかりだった。
二匹は改めてウズキという人物の器の大きさを確認する事になる。

「じゃあこの前のアレも何か理由があったと思う?
 まぁ良かったとは思うけど……もう一度したいって聞かれると……。
 あの時はフィニティも妙に積極的だったし……」
「あ、あれは! グレンがウズキさんに言い寄られて鼻の下を伸ばしてたからですよ!
 彼氏が他の雌と性行為をしそうなのを黙って見てる訳にはいきませんよ!」

グレンの愚痴にフィニティは顔を真っ赤にして怒る。
むしろ怒ると言うより照れ隠しと言った方が正しいだろう。
フィニティはプイっとそっぽを向いてしまった。

「ご、ごめんフィニティ。別に怒らせるつもりはなかったんだ……」
「そうですね……キスをしてくれたら許してあげます」

フィニティが可愛らしくグレンに言う。
グレンの思考はしばらくフリーズする。

「キ、キス!? 今ここで!?」
「何か問題でも?」

フィニティは目を閉じグレンがキスをするのを待つ。
普段は大人しいのに妙なところで積極的になるフィニティ。
グレンは周りの目を気にし、誰も見てないのを確認しそっとキスをした。
唇が触れ合うだけの軽いキスでもフィニティは満足したようだ。
そして今度はフィニティがグレンの頬にキスをする。
グレンとフィニティは愛し合う二匹の時間を有意義に過ごした。

865 :スカイズ ◆gIq0xA48Xk :2008/07/23(水) 23:40:24 ID:gF/hwiz60
皆さんご苦労様です
スカイズです
作品ができたので投下します


866 :スカイズ ◆gIq0xA48Xk :2008/07/23(水) 23:42:31 ID:gF/hwiz60
流れ星


タッタッタッタッタッタッタッタ………
「おい!あと少しだ!もう少しの辛抱だからな!」
「ごめん…なさい……私…もう…駄目…」
「何を言うんだ!あと少しじゃないか!」
「私……フローゼル……の…ような……ポケモンに……会えて……嬉しかった…」
「キュウコン!俺が絶対…」
「フロー…ゼル…今まで……ありが………と……う………」
「おい!キュウコン!!キュウコーーーーーン!!!!!」



一年前、俺の最愛の妻、キュウコンが亡くなった。
交通事故だった。
突然の死を俺は受け入れようとはしなかった。いや、したくなかった。
何故…?何故俺がこんな目に遭わないと……?
それからの俺は人生は最悪だった。
仕事を辞め、ただ…酒に溺れていた…。
嫌な現実から少しでも離れる為に…。
「フローゼルさんよぉ。金がねぇなら出てってくださいよ〜」
「なんだと!それが客に向かって言う態度かぁぁぁ???」
…ああ。またやっちまった……。
何度目だろうな…この居酒屋で喧嘩するのは…。


「もう俺の店に来るんじゃねぇ!」
バタン!
「はぁ…ったく……」
俺は行き先もない道をただただ歩いていた。
しばらくすると目の前に原っぱがあった。
もう夜遅くなっていたので、他のポケモンたちはいなかった。
「あそこで一休みでもするか…」
その場で俺はごろんと寝転んだ。
「……」
俺はキュウコと過ごした日のことを思い出していた。


「あの…これ忘れ物じゃないですか…?」
「あっ!これは私のスカーフ!どうもありがとうございます!」
偶然キュウコンと出会った日…。

「お…俺と飯食いにいきませんか?」
「ええ…いいですよ」
初めてキュウコンと食事に誘った日…。

「次はあのアトラクションに乗ろうか?」
「私…怖いわ……」
「俺がいるから安心しなって!」
キュウコンと行った遊園地の日…。

「うわわああぁぁぁん!!!」
「ったくキュウコンな涙脆いんだから……」
キュウコンと一緒に映画を見た日…。

「俺と……俺と結婚してください!」
「………はい!」
俺が玉砕覚悟でキュウコンに告白したあの日。


あの日々は俺にとって最高の時だった。
俺の傍にキュウコンが居てくれる…。
それだけでも満足だった。


だが、それは過去の話。
今はもう、キュウコンはいない…。

急に俺の目頭が熱くなった。
「どうして…どうして俺を先に置いていっちゃうんだよぉぉぉ!!!」
俺は叫んだ。
喉が枯れるくらい思いっきり叫んだ。
その時だった。
空でなにかが光り、そのまま落ちて行くのが見えた。
「…流れ星」
ブイゼルの頃に一度だけ見たことがあったが、その時よりも少し大きかったように思う。
「そういえば流れ星に願い事言えば叶うって話聞いたことあったな…」
俺は小さい声で呟いた。
「キュウコンに…会いたい…」


867 :スカイズ ◆gIq0xA48Xk :2008/07/23(水) 23:43:22 ID:gF/hwiz60
……しかし何も起こらない。
「……ぷはは!何考えてるんだ俺!流れ星に願いとか餓鬼じゃあるまいし。しかもキュウコンはもう死んじゃったんだぜ?会えるはずねぇよ!」
俺は自分を馬鹿にし、笑いながら涙を零していた…。

そんなときだった!
『あなたの願い……叶えます……』
!?
頭の中に誰かの声がしているのが分かった。
「俺…酒の飲み過ぎかな…?」
俺は頭を振り払った。だが、その声は続いた。
『キュウコンに会いたい……その願い……叶えます……』
すると辺りが一斉に光り始め、俺は目をつぶってしまった。
しばらくして目を開いて見ると、一年前を最期に、もう決して見るはずがないキュウコンの姿がそこにあった。
「キュウ……コン……?」
俺は恐る恐る近付いて行った。
「フローゼル。また会えて嬉しいわ!」
しっかりとした目付き…。綺麗な毛並み…。
俺の最愛の妻…キュウコン。
その彼女が目の前にいる。
「うわあああぁぁん!」
俺はあまりの嬉しさに耐え切れず、そのままキュウコンに抱き着いていった。
「フローゼル…ごめんなさい。私が早く死んじゃった為に…」
「いいんだよ…。こうしてまた会えたんだから……」
「フローゼル…」
俺達二匹は抱き合ったまましばらく動かなかった。
「ねぇフローゼル…」
「なんだいキュウコン…」
彼女は少し頬を赤く染めた。
「キス……しましょう」
俺はゆっくり頷いた。
こんなこと、久しぶりだな…。
そんなことを考えている間もなく、俺と彼女の唇は重なり合った。
しかし、何かが違った。
ただ唇を合わせているだけではない。舌もだ。
俺はそっと彼女の匂いを嗅いでみた。
一年前の…あの時と同じ匂いだ…。
それからどれくらい時間が過ぎたんだろう…。
俺と彼女は長い時間、大人のキス……そう、ディープキスをしていた。
唇を離すと俺達二匹の口と口の間には綺麗に光り輝く掛橋が出来上がっていた。
「私達……こんなキスをしずに離れてしまったのね…」
彼女はとても残念そうな顔をしていた。
「いいさ……突然の……ことだったんだし……」
俺はそっと彼女を撫でた。
「フローゼル……?私の願い……聞いてくれる……?」
「……ああ…いいよ」
「私と……一つになりましょ!」
「えっ……?」
俺は考える間もなく、彼女に仰向けに倒されていた。

868 :スカイズ ◆gIq0xA48Xk :2008/07/23(水) 23:44:11 ID:gF/hwiz60
「キュウ…コン……これは……」
「私たち……まだだったわね……やっと……今日で一つになれるわ……」
そして彼女は、前足で俺の肉棒を撫で始めた。
少しずつそれが硬くなっているのがわかった。
「あっ……そこは……」
「ふふふ…確かフローゼルは童貞だったわね……?」
「あっ……ああ……」
つい感じながら答える俺。
前に自慰をしたことがあったが、手淫の方が断然に気持ち良かった。
「ん……あはぁ……ぁぁ……」
「フローゼル…かわいいわ……。もう少し刺激を与えましょうか…」
「えっ……しげ……?」
俺が言い終わらない内に、彼女の顔は俺の股の中にあるのが分かった。
炎タイプだから普通よりも少し熱く感じてしまうが、水タイプの俺には逆に気持ちよく思えた。
ピチャ……クチャ……ピチョ……
そして彼女のフェラチオ。
それのおかげでさらに俺の肉棒を硬くしていく。
さっきよりも感じてしまい声に出せなかった。が、
「お、俺……射精しそう……」
「ええ、私の口内に出して……」
「で、でも……」
「私は夫婦なのよ!愛する者の体を嫌ってどうするの?!」
彼女はむっとしてしまった。
「わ、悪かった……。ついキュウコンのことを……」
「フローゼル……。私は大丈夫だから心配しないで……」
再び始まるフェラチオ。
「あっ…あああああ!!!」
俺の物凄い叫び声と共に、濃い精液が彼女の口の中へ。そして食道…胃の中へ入っていく。
「はぁっ……はぁっ……」
「もう息が切れちゃたのかしら?次は私の番なのに……」
「ちょっと休憩を……」
遅かった。
既に俺の前には彼女の秘部があった。
「さあ……さっき私がやったようにやって……」
「……」
俺はもう本能で動いていた。
そのまま指を三本ごと彼女の秘部に挿入する。
「あっ…ああ……ん……」
黙々とピストン運動をする俺…。
彼女がとても感じているが、逆にそれが俺の快感を覚えさせる。
クチュッ…クチャッ…
先程よりテンポの早い手淫。
その分、彼女が限界に達するのも早かった。
「ひゃあああっ!!!」
ピッ!ピュッ!ピシュッ!ピシュッ!
勢いよく彼女の愛液が流れる。
「はぁっ…はぁっ…はぁっ…」
「キュウコン……」
「つ…続けて……」
「分かった……」
俺は手から顔へと切り替えた。
「いくぞ……」
「……ええ…」
そして俺は彼女の秘部を舐め始める。
子供の頃よく食べたアイスキャンディーのように。
「あっ……あ……ん」
「……」
黙々と続ける俺。
手よりも舌の方が気持ちいのだろうか。彼女はさっき出したばかりなのに、また出してしまった。
「フロー……ゼル」
「だ、大丈夫か……?」
彼女は息を切らしながら言う。
「私は…平気よ……それより……」


869 :スカイズ ◆gIq0xA48Xk :2008/07/23(水) 23:44:42 ID:gF/hwiz60
すると俺は下敷きにされていた。
「もっと…もっとお願い……」
「…わかった」
そして俺の肉棒が彼女の秘部い収められていく。
「う、動いても…いいかしら…」
「ああ…」
先ほどの潮吹きでかなり疲れているはずなのに、彼女の腰を振る速度が増していく。
それに比例して俺の肉棒が再び硬くなっていくのが分かる。
だんだんと俺の理性が消えていく。
俺の喘ぎ声と彼女の喘ぎ声が交差していく。
「キュ…キュウコン……俺…出そう……」
「い…いいわ……出して……」
「……わかった」
さらに腰の運動が速まった。
「キュ…キュウコーーーン!!!」
「フ…フローゼルゥゥゥ!!!」
俺と彼女が絶頂に達した瞬間だった。
呼吸が整うのにしばらくの時間を要した。
それから落ち着いて辺りを見まわしてみると、俺と彼女の行動がいかに激しかったかが分かった。
精液…愛液…それらが下草にべっとりと付いている。


870 :スカイズ ◆gIq0xA48Xk :2008/07/23(水) 23:45:21 ID:gF/hwiz60
「もう……私行かなきゃいけない……」
突然、彼女は寂しそうにそう言った。
「そ、そんな!また会えたばかりなのに……」
「フローゼル……。あなたはもう一匹じゃないのよ……?」
「えっ……?」
「ふふっ……さっき一つになれたばかりでもう忘れちゃったの?」
「キュウコン……!」
「あなたと私は一緒になったの……。前のようにひとりぼっちじゃないの……」
「ひとりぼっち……じゃない……?」
「そうよ。あなたの心の中にはいつだって私がいるんだから……」
すると彼女の体が徐々に光り始めていた。
「キュウコン……!」
「私……あなたのようなポケモンに出会えて……本当によかった……。あなたと過ごしたあの日々は決して忘れない……」
「俺もだよ……キュウコン……」
そう言うと彼女はニコッと微笑んだ。
さっきの光りがだんだんと大きくなっていく。
「私はここでいなくなっちゃうけど……フローゼルは生きて……。もっともっと強く生きて……!」
「ああ!約束するよキュウコン!」
「ありがとう……フローゼル……私の……最愛の夫よ……」
彼女はそう言うと辺りが再び一斉に光り、また目をつぶってしまった。


そして目を開いた時には彼女の姿は何処にもなかった。
「キュウコン!!キュウコーーーーーン!!!!!」


あれから俺の人生は変わった。
と言っても前のような生活ではない。
再び職を探し、現在ではサラリーマンをしている。
もちろん酒もやめた。

あれから一年の月日が経った……。

「お疲れさんフローゼル。どうだ?今夜俺達と麻雀やるか?」
「ああ、いいわ俺は。また今度な」
俺はそう言い直ぐさま会社を飛び出し、ある場所へと向かった。
そう……ある場所とは……。
「あれから一年が経つんだな……。キュウコン……どうだ……?この空が見えるか……?」
俺はあの原っぱにいた。
そこで寝転がり満天の星空を仰いでいた…。
「……さて、そろそろ行くか!」
誰にでも突然の別れというものがある。もちろん悲しむのは仕方がない。
だけど、そこでどう向き合えばよいかが一番大切である。
俺は彼女からそれを教わった。
もう二度とくじけない……現実逃避もしない……。
何故なら俺は…俺はキュウコンとずっと一緒なのだから!

871 :スカイズ ◆gIq0xA48Xk :2008/07/23(水) 23:47:14 ID:gF/hwiz60
前回よりも矛盾したところがかなりあると思います
しかもエロの描写がかなり少ないと思います
台詞が続かせるのが無理ありましたね;^_^



これからも私、スカイズをよろしくお願いしますm(__)m

872 :パウス ◆EvJGalaxy2 :2008/07/24(木) 21:14:34 ID:VgQStltE0
逃亡者 〜story13〜 ―不屈の闘志―

「貴様……」
予想だにしなかった、眼中にさえ入っていなかった者の攻撃を受け、グランスは唖然とする。
だが、殆ど痛がっている様子がないのが堪らなく悔しい気がした。
「答えてください!あなたがさっきまで言っていたことは本当なんですか!?」
何処に口があるのかは分からないが、全身を覆っている鋼の殻の下の辺りを上下させ、フォレトスはグランスに噛み付くように言った。
森の住民達はいつの間にか、ガレナとグランスの周りを覆い囲んでおり、皆傷ついてはいるが致命傷ではない。
このフォレトスの住民全員の代表としてグランスと睨み合っている。
「最早言い逃れは出来んぞグランス……。」
そう言うと、ガレナは足を震わせながら立ち上がろうとする。が、やはり流した血の量は相当なもので、またガクンと膝を折り曲げた。

ガレナがすぐそばで動けないでいる。こんなまたとないチャンスだというのに、グランスは逆に追い詰められていた。
普段なら押されるはずもないフォレトスの迫力に、グランスは遂に自分の悪行を認めるときが来てしまう。
「……あぁ、全部本当だ。侵入者を追い出す演技をしたというのも、そこのマグマラシを追い返すために、お前らを利用したというのもな!」
グランスは言い終えるとほぼ同時に、目の前で睨みを効かせているフォレトスを強引に殴り飛ばした。
全身が鋼の殻に包まれているから大したダメージは負わなかったものの、それを殴ってもなんら反動も受けていないグランスも凄い。
一方、ガレナはまだ立ち上がれないでいる。


873 :パウス ◆EvJGalaxy2 :2008/07/24(木) 21:15:48 ID:VgQStltE0
「今度こそ終わりだっ!!」
動けないガレナは絶好の的。止めを刺そうと、グランスが再び爪を光らせた。
―――だが、またもやその冷たい光はガレナには届かない。
さっきまで固唾を呑んで見ていた住民達が、一斉にグランスへと突進して来たのだ。
「ぐあっ!………貴様らぁ!!」
やはり大したダメージを負っていないグランスは、まず始めに一番近くにいたジグザグマを殴り飛ばすと、まるで猪の如く邪魔な者へ突進していく。
無論、戦闘の能力に乏しい住民達は避けることも出来ず、一気に数匹が吹き飛ばされた。
邪魔者を蹴散らし、再びガレナの方を向くが、さっきのフォレトスの真正面からの突撃で再び打ち飛ばされる。
「さっきはすまなかった。俺達が不甲斐ないせいで………」
フォレトスはガレナの方を向き、頭を下げる。
その瞳には少しの曇りもなく、邪心がないのいいことにグランスに利用されてきたのだと解った。
ガレナもそのことに気付いた―――いや、すでに気付いていたようで、苦痛に顔を歪ませながらも小さく笑った。
「俺達の弱さを、戦ったあんたなら解ってるだろ?俺達じゃ、あの悪魔を倒せない。
こんなこと、言える立場じゃない、自分勝手だっていうことも充分承知の上であんたに頼む!お願いだ!グランスを………倒してくれ!!」

自分達が弱いから、自分じゃ倒せないから、かつて倒そうとした者に言える台詞ではなかった。
フォレトスの言うとおり一見自分勝手な頼みだったが、それがガレナに力を与える。
何かを守らなければならない時、そしてその対象が多いほど、彼に加わる力は大きく、強靭になっていった。
そして遂に――――

「穿き違えるなグランス!貴様の相手は…この俺だ!!」
ガレナは力強く立ち上がった。
もう血は流れていない。彼の身体から溢れているのは、葉を焼き切ってしまいそうなほどの気迫と迫力、そして闘志。
勝利を確信し、群がる住民を次々となぎ倒していたグランスにとって、ガレナの復活は最も予想外なことだろう。
ガレナの小さな背中が、今日は何倍にも大きくなって見える。

「素直に寝ていればいいものを!最早楽には死ねんぞ小僧!!」
「貴様の野望をここで絶つ!守るべきもの……俺はそれを守り通してみせる!!」
この森で最強の実力を持つ二匹が、遂に正面衝突する。
何十匹もの運命を左右する決戦が今、私の目の前で繰り広げられようとしていた。

―――――――――――――――――

短いですねぇ、相変わらず。
結構書いたつもりでも、板に投稿するとこんなにも短いんですね(苦笑

874 :ヤミ:2008/07/25(金) 14:50:46 ID:S3taI+OA0
イイ話



875 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/07/26(土) 23:38:50 ID:esr47SO60
続き。デート編二組目はこの方達。

38 雷牙と災の過ごし方

サイはかまいたちで木の実を落としライガが木の実を拾っていく。
まさに無駄のない効率的な作業で木の実集めを進めていた。

「よし。次はあの木の方へ行くぞ」
「了解。姉さんも仕事が速いね」
「当然だ。私達はこうやって生きてきたんだぞ?」
「まぁ、そうだけどね……。いや、なんか気合が入ってると思ってさ」

サイは話しながら次の木の向かう。
ライガも慌ててサイを追いかけた。

「この木は……オレンか」
「傷薬の代わりになるし持っておいた方が良いだろうね」
「そうだな。オボンなら文句がなかったが……仕方ないか」

サイはかまいたちを放ち次々と木の実を落としていく。
ライガは落ちてくる木の実を残らず拾っていった。

「さて。木の実集めもこんなもんで良いだろうな」
「むしろ取りすぎな気がするくらいだけど……」

木の実を背負うライガをサイは見つめた。
確かに二匹の分ならば多いだろうが現在は七匹で行動している。
むしろこれで足りるかも怪しい量であった。

「いや、これでも少ないだろうな……」
「そう言えば今は七匹だったね……」
「しかし私達が全員分の食料を確保するわけじゃないからな。
 これぐらいで良いさ。ライガ木の実を半分渡せ。持ってやる」

サイの気づかいにライガは少し考える。
サイは弟の反応に不思議そうな顔をした。

876 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/07/26(土) 23:39:40 ID:esr47SO60
「どうしたライガ? 速く渡せ」
「いや、ここは雄として俺が持つよ。少しは弟してじゃなく雄として振舞おうかな〜なんてさ……」
「……そうか。なら褒美でキス位してやろう。姉としてではなく雌としてな。それともそれ以上が望みか?」
「い、いやキスで十分だよ!」

ライガはサイの一言で顔を真っ赤にする。
サイはそんなライガを見て微笑んだ。

「ふふ。可愛いやつだ」
「姉さんの前だけではね」
「そうだな。足を洗ったが、一応は昔恐れられた窃盗組の悪者だったからな」
「神が俺等の罪を許してくれったってか?」

ライガの冗談にサイは真面目な顔をする。
足を洗うきっかけは確かにウズキだった。
そのウズキは時の神ディアルガ……ダイヤである。

「そう考えるとウズキとも不思議な縁だな……」
「タオルにされた事もあったけどね……」
「あれは神のすることじゃないな」

サイの文句にライガは首を縦に振る。
サイは元は神の救いを求めていた信仰者であった。
だがあのタオル事件の後では時の神を信仰する事ができないでいる。

「……神の普通のポケモンと変わらないって事か……」
「そう考えると親近感わくけどな」

そうディアルガ……ダイヤもまた一匹のポケモンを愛した。
それは結果的には禁忌だったのかもしれないが生き物らしい行動である。
神も自分達と変わらない。だからこそ協力してくれるのだろう。

877 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/07/26(土) 23:40:00 ID:esr47SO60
「ライガはウズキの事どう思っている?」
「ウズキねぇ……」

ライガは改めてウズキというポケモンを考えてみる。

初めに会った時はフィニティを追いかけてる時だったよな……。
あの時はただ逃げる手助けをしただけだったな……。
次はグレンのぼこられた時か……。あの時は何もなかったし……。
次は姉さんと一緒の時で俺は瞬殺されたんだよな……。
ウズキに飛び掛って気を失ったはず……。
そんであのタオル事件だよな……。
タオルにされたのは不快だったが正直、美女に抱きつかれるのは悪い気分じゃない……。

ライガが考えてるとサイが妙に冷たい視線を送ってきた。
ライガにはサイにそんな表情を送られる理由が解らない。

「そうか……タイルにされて抱きつかれた時そんなに嬉しかったか……」
「……へ? お、俺そんな事一言も言ってなよ!!」
「鼻の下が少し伸びたぞ……。まさか私が気づかないとでも思ったか?」

ライガはとっさに前足で鼻の下を隠した。
サイの視線がもの凄く痛い……。

「お前は私のものだという事を改めて教える必要があるな……」
「そんな!? 俺は今も昔も姉さんのものだって! 信じてくれよ〜」

サイはライガを睨んでいる。
ライガはひたすらサイに謝り続けた。

878 :パウス ◆EvJGalaxy2 :2008/07/30(水) 12:51:39 ID:AqzSzquE0
>>866-871
僕とは初めまして……でしたっけ?

現実的な場面と、非現実的な場面があって、とても感動する話だと思います。
感動系が好きな僕に思うに、とても良い話でした。

これからも仲良くやっていきましょう。こちらこそよろしくお願いします

>>875-877
サイさんがぁ………
アブソルにこういう性格と口調って妙に合うということを改めて認識しましたww
ライガのこの後が気になります。勝手に妄想しt(ry

879 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/07/31(木) 23:43:24 ID:fcntM4Ts0
続き。デート三弾はまぁこの方達で。パウスさん、コメントありがとうございます。サイとエイガのキャラが被ってきた?

39 無音と天津の過ごし方

アマツはお気に入りの木の実を探している。
ムオンは黙ってアマツについて行く。

「ムオン……あれなんてどうでしょう?」
「え……ああ、良いんじゃないか」

ムオンはアマツと二匹きりのため普通にコメントをする。
しかしその答えは上の空だった。
その反応にアマツは冷たい視線を送る。

「昨日つき合わせすぎたのもあるでしょうけど……。
 もう少しムオンの意見を聞きたいのですが」
「すまない……。正直、頭がボォ〜っとしててまともに考えられなくて……」
「……親衛隊隊長ともあろうムオン様が随分と弱気な発言をしますね?
 今この場で私が襲われたらどうする気ですか?」

アマツが皮肉を言ってムオンを睨む。
ムオンはそれでも表情を変えなかった。
と言うよりは変える元気がないと言った方が正しい。

「そんな事言われても俺の体は神の娘より丈夫にできてないんだ……。
 確かにお前と交わって神の力の一部は使えるが……。
 俺だって精力までは一般人と大差ないんだ……」
「私に言い訳とは随分偉くなりましたね……ムオン隊長」

アマツがムオンに微笑む。
しかしその微笑みに優しさは感じられない。
ムオンは慌てて話の内容を変えようと試みる。

880 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/07/31(木) 23:44:25 ID:fcntM4Ts0
「アマツ……記憶の方はどうだ? 昨日の事で何か思い出せたか?」
「……そうですね……。ムオンの弱点は思い出せましたよ。性的な意味でですけど……」
「恥ずかしい事を平然と言ってくれるのは親譲りだな……。俺には絶対無理だ……」

アマツの発言にムオンは呆れ首をガックリと下げる。
アマツはムオンの発言を気にしていない。

「そうですか? ムオンの昨日の『団長が満足するまでお付き合いしますよ』って言葉も似たようなものでしょう?
 ムオンが倒れるまでやろうと思ったのに結局夜が明けてしまいましたからね……」
「そ、そこまでやるつもりだったのかお前は!? なんか生きてるのが不思議な気がしてきた……。
 今までで一番激しい夜だったしな……。性格変わったよなお前……」
「性格変わったと言われても私には記憶がありませんから。
 だから一晩中付き合ってもらったんですよ?
 ムオンのモノが私の中で暴れて……。あぁん……思い出すだけで感じちゃいそう……」

アマツが自分を抱きしめクネクネと体を動かす。その行動にムオンが更に呆れる。
アマツもやはりウズキの娘だけあってセクハラ発言が多いようであった。
それを言うのはムオンの前だけではあるが……。

「では冗談はここまでにして……木の実集めの続きをしましょうか?」
「冗談だったのか!? すまん冗談とそうでない区別ができない雄で……」
「逆にムオンは昔から変わりませんね? だから私は冗談を言ってるのに……」

ムオンの反応にアマツはクスクスと笑う。
またも本人に自覚はないだろうがまた『昔』と発言した。
ムオンはそんなアマツをじっと見ている。

881 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/07/31(木) 23:44:58 ID:fcntM4Ts0
「どうしましたムオン? 私の顔に何かついてますか?」
「いや……記憶の欠片は身近なとこに落ちてるもんだと思ってさ……。
 この二百年間もっとアマツに接してれば良かったなって思ったところだ」
「そうですよね。自慰のおかずに私を想像するくらいならまともに接してれば良かったんですよ」

アマツの言葉にムオンが顔を真っ赤にする。
アマツは楽しそうに笑う。

「こ、ここでそれを言うか!? 誰かが聞いてたらどうするんだ!」
「ならばキャラを作ってるあなたの大声の方が問題では?
 ですが、いつも一言のあなたが叫んで分かるのは私と母様だけでしょうけど」
「う……。確かに……。やはり口ではアマツの方が一枚上手か……。
 口で年下に勝てない俺も俺だが……」

アマツはクスクスと笑う。
ムオンはアマツの言葉に不機嫌になる。
アマツは一言ムオンに謝り木の実集めを再開した。

882 :ガルトル ◆MJlqID.F96 :2008/08/02(土) 16:44:02 ID:/JhnvHK60
皆さん、初めまして! ガルトルと申します。
Wikiで小説読んでコメントしてた者ですが、
皆さんの小説に触発されて自分も小説を書きたくなりました。
どうぞ宜しくお願いします!

小説を投稿したかったのですが、まだ途中なので
次の書き込みの時に投稿したいと思います^^;
それでは、乱文失礼しました。

883 :ガルトル ◆MJlqID.F96 :2008/08/02(土) 22:41:12 ID:Q/1DIZrs0
だいたい完成したので投稿します。

戻れない姿・1


「ルキル様、ありがとうございました」

目の前にいるゴルダックがそう言うと石室から出て行った。
ゴルダックの姿が見えなくなり、大きな溜息をつく。
私は海の神と呼ばれるポケモン――ルギアのルキル。
私の役目は、迷えるポケモン達を正しい道へと導く事。
不安や悩みを抱えたポケモン達の話を聞き、どうすれば良いか指示を出す。
神として当然の役目だと思ってやってきたが……ある事に気が付いた。
私は一般のポケモン達のように楽しく会話をした事がない。
一度でいいから、自分の立場を忘れてしまうような会話を楽しみたい。
だが、神と崇められている私には叶わない願いということはわかっていた……。

私の謁見の時間は終わらない。まだまだ次があるのだ。

「ルキル様!」

この石室の見張りをしているブイゼルが慌てた様子で入ってきた。
彼では処理ができない問題でも発生したのだろうか?

「何事だ?」

「ここから少し離れた広場に、傷だらけのルギアが倒れているとの報告が…!」

「何だと…!?」

それを聞いて私は自分の耳を疑った。ルギアは私一人のはずなのだ。
私の他に存在するルギアなど、いるはずがない。
かと言って、見張りのブイゼルが嘘をつくとは思えない。

「わかった、私も確認する。ブイゼル、案内を頼む」

「は、はい! こちらです!」

884 :ガルトル ◆MJlqID.F96 :2008/08/02(土) 22:45:45 ID:Q/1DIZrs0
ブイゼルの後を着いて行き、広場に着いた。
水ポケモン達が何かを囲んで集まっているのが目に付く。

「おい、ルキル様だぞ……!」

そんな声が聞こえ、ポケモン達は中心への道を開ける。
水ポケモン達の中心にいたポケモン――その姿はまさに、ルギアそのものだった。
見た目の違いを挙げるなら、背中の突起と腹が紫色をしている事ぐらいか。
私が近付くと、そのルギアは首を重々しく上げようとした。

「うっ…ぐぅ……」

「無理をしなくていい」

私の一言で上げかけた首を再び降ろす。
彼の額に手を当てて一時的に眠らせ、そのルギアを私の住処へと運んでいった。

運んだルギアを寝室で寝かせる。
同じルギアだからだろうか、見れば見るほど自分を見ているかのような感覚がある。
このルギアが目を覚ますまで待とうと思い、私はその部屋を去る。

――しばらくして、私は寝室に寝かせたルギアの様子を確かめに行った。
ルギアは上半身だけを起こしていた。

「気が付いたようだな」

「貴方が俺を助けてくれたんですか?」

「そうだ。お前を見つけた時は、傷だらけで倒れていた。
 私はルキルという者だ。一般のポケモン達はルギアと呼んでいる」

「アルスです。助けてくれて、ありがとうございます……」

「礼には及ばない。ところで、私と同じルギアのようだが……何者だ?」

一番の疑問だった。
本来は1匹しか存在しないポケモンが、ここに2匹いるというのは不思議だ。

「詳しい事はわからないので言えません。
 気を失って、目が覚めた時にはルギアの姿になっていて……。
 今は雌のルギアの姿ですけど、俺は元々雄のバシャーモだったんです。」

「……信じ難い話だな」

アルスが一通り話し終えると、私は自然にそう呟いた。
雄のバシャーモが雌のルギアになるだと? そんな話、聞いた事がない。
だがアルスが嘘を言っている様子はなく、ここは話を信じるしかないだろう。

885 :パール& ◆1/cIYJnaes :2008/08/04(月) 08:31:31 ID:C47Ppb7o0
初めまして〜。
パールでございます。
小説書きたいと思っております〜。
次から書きます〜。
読み切りにはならないと思います。
タイトルは「シャワーズ×グレイシア」です。
シャワーズが♂、グレイシアが♀です。
宜しくお願い致します。

886 :フォルド:2008/08/05(火) 02:06:27 ID:L3SPSRAo0
こんにちわ〜(夜ですけど)はじめましてフォルドです。近いうち小説を書かせていただきます。  ぼくはリーフィアとキルリアが好きです!それではこれからよろしくおねがいします!

887 :ガルトル ◆MJlqID.F96 :2008/08/05(火) 15:50:57 ID:iSw1ND4k0
「アルス…と言ったな、これからどうするのだ?」

「この辺りから少し離れた所で静かに暮らしていこうと思ってます。
 住んでいた街に戻るわけにも行きませんから……。ただ、迷惑ならすぐにでも出て行きます」

この少ない時間で、もうそんなに考えていたのか。
半ば関心しつつ、彼に一つ提案をした。

「そうか……なら、私と一緒に暮らすと良い」

「えぇっ!? そ、それは…迷惑が掛かると……」

私はアルスをじっと見る。
睨みつけてるわけではないが、何やらビクついている。

「私は構わないのだがな?」

「えっと……じゃあ、あの…お願いします」

「決まったな、部屋はここを使ってくれ」

私はそう言って、アルスの部屋となった場所から出て行く。
先程の提案は気遣ってではなく、私の本心からの願いだった事に気付く。
自分でもよくわからないが、アルスと一緒にいたいと自然に思うようになっていた。
誰かと一緒にいたいと思う気持ち……私には初めての感覚だった。

888 :ガルトル ◆MJlqID.F96 :2008/08/05(火) 15:52:01 ID:iSw1ND4k0
「どうだ、部屋の方は? だが、私が寝る為だけに作った場所だからな……。
 すまないが、あれで我慢してくれ。嫌なら別な場所で寝室を借りると良いだろう」

寝室から出てきたアルスに話しかける。
寝室と言っても、中央にベットが置いてあるだけの寂しい部屋。
寝る場所と謁見の部屋さえあれば良いと思っていた。その為の結果だ。
普通のポケモンなら、一体どんな風にしているのか興味があるのだが……。

「寝る場所を与えてもらっただけでも嬉しいです。
 でも、いいんですか? 俺が貴方の寝床を取っちゃって……」

「気にするな、この部屋でも眠る事ができる」

寝室を設けたのはいいが、時々読書の途中で謁見の部屋で眠ってしまう事があった。
そんな過去もある為、謁見の部屋にある椅子でも眠れる自信が何故かあった。

「そうだ、これから外に出てもいいですか?」

「すまないが、今は駄目だ」

「えっ?」

「お前の姿を見たポケモン達が動揺している。
 お前も知っているだろう、ルギアは1匹しか存在しないはずだと……。
 今の状態で外に出てしまえば、ポケモン達は混乱してしまうからな……」

アルスには悪いが、ポケモン達が落ち着くまで外出を禁止するしかない。
窮屈で狭い思いをする事になるだろうが。

「そうですか……」

「すまないな。お前を閉じ込めるような事態になってしまって……」

「それは俺にも責任があります。俺がここに来なければ……」

889 :ガルトル ◆MJlqID.F96 :2008/08/05(火) 15:54:13 ID:iSw1ND4k0
この石室に気まずい空気が漂う。話す事がない……。
私はふと、ある事を考えついた。

「アルス、お前に言っておく事があるのだ」

「言っておく事?」

「まぁ、私とお前の決まり事のようなものだ。
 私に対して敬語は一切無し。名前も呼び捨てにする事だ」

「えぇ!? あ、あの……それを決める意味ってあるんですか?」

「同じルギア同士であるのに、片方が敬語というのは違和感があるのだ。
 だから……『友達』と言ったか? そういう関係の方が私としては荷が軽くなる」

私は会話の相手がほしい…ただそれだけが願いなのだ。
他のポケモン達のように、笑い合えるような自然な会話を楽しみたいのだ。
だから半ば強制的に敬語を使わないよう、アルスに指示をした。

「貴方とは会ったばかりですから、その…呼び捨てとかは……」

「言ったはずだ。私を呼び捨てにし、敬語は一切無しだと……」

「わ、わかったよ!! だから、そんな目で睨まないで!!」

「できたではないか」

私は心が躍るような気分だったが、あくまでも私は神。
感情をいちいち剥き出しにしては神としての品位が疑われる。
そう思ったが、やはり心のどこかで喜んでいる私がいたのだった。

890 :& ◆CkyAtl8fpM :2008/08/05(火) 17:06:08 ID:K+8OZfpM0
なんかなまえかわって

891 :パール:2008/08/05(火) 17:46:58 ID:K+8OZfpM0
ID忘れた…。

シャワーズ×グレイシア 1

ここは何処なのでしょうか…?
私は両手足をきつく縛られている状態です。
縄だったら噛み切れるのですが…。
ちょっとこれは鎖っぽいのでやめておきます。
「くぅ…ぅぅん…っ。」
はっ!ヤバいヤバい。甘い声を出してしまいました。
それにしてもここは暗闇です。私は今何処に要るのか判りません。
あっと、紹介がまだでしたっけ。私はグレイシア。イーブイ族の中の氷タイプです。

パチっ…。電気が付けられたみたいです。
目をゆっくりと開けてみると…えっ!私裸じゃないですか!
しかも甘い声を出していたのは秘部に縄が食い込んでいたから?
扉から入って来たのは…シャワーズ君!?
「ひっ!み、見ないでぇっ!」
私はつい反抗してしまいました。
どうしよう…、私はこんな姿を見られたくないのに…。
「ああ、大丈夫?ごめんね、それ僕がやったの。君が欲しくてさ。つい。」
「あっ…ちょっと…ひぃぃっ!」
少し動いただけなのにこすれてヒリヒリします。くぅっ…早く終わらせて…。
「ごめん。今外すから。」
シャワーズ君は黙々と縄を外します。
どうしてでしょう?もう少しやっても良いのに…。ああっ!ダメダメ…。
シュン…ドザ!
縄が解けたとたん、私は落ちた…というよりシャワーズ君に抱きかかえられました。
「う…くぁ…シャワーズ君…手…。」
シャワーズ君の手が…少し恥ずかしいとこに当たってました。
「あっ…ごめんね。」
私はおろされました。
「ねえ、何のつもりなの?」
私はあくまでも挑発させない様に問いかけました。
「決まってるじゃん、君の混乱してるとこが見たいから。」
「ぅっ…この変態バカ!」
私は思いっきりシャワーズ君の横つらを叩きました。
シャワーズ君は不思議そうな目で私を見つめます。
それから私を近くにあったベットに倒しました。
どうやらここは部屋のようです。
「ふうん…グレイシアって良い度胸なんだね。」
「…くっ…。」
私はもう半分諦めています。氷タイプが水タイプに攻撃してもあまり効果がないのですから、

「準備は良い?」
「言い訳無いじゃないですか。おふざけは終わりです。」
私は起き上がろうとしましたが、すぐにまた押し倒されてしまいました。
「君のファーストキスと処女は頂くよ。あ、後出来たら子供も作ろうかな。」
「はっ?なにいってるんですか?っていうか…むぐっ…!?」
ちょっ…いきなりキスはやめてください!
はぁ…何だか頭がおかしな方向に…。

シャワーズ君は私の口に舌をいれて来ました。変な感触ですぅ…気持ち悪い…。
「「ぷはぁっ…。」」
私とシャワーズ君が口を離すと、涎で出て来た端が…。
「はあ、何するんですか!もうやめてください!うひゃぅ!」
シャワーズ君は今度は胸をもんできました。
指が乳首をくりくりやってくるのでもう絶頂を迎えそうです…うぐぅ…。
「どう…?気持ちいいでしょう?」
「う…はあ、はあ、うっくぁぁん!やめ…やめてぇぇ!な、んでもす、から!」
「ふーん、何でもするんだ。」
「うっ…くっはあ…そのかわり死ねとか処女破るとかそう言う系は駄目です。」
シャワーズ君は急に止めました。楽になって来た…。
「お前は明日から性奴隷だ。俺のな。後、俺を好きになる事。じゃなかったら今度は処女破るぞ。
「ひっ…わ、判りました!」

こうして私はシャワーズ君の性奴隷になりました。
ふえ〜ん…ファーストキスは好きな人とだったのに…。
ああ、でもシャワーズ君の事も悪くはないかも。



892 :フォルド:2008/08/05(火) 20:55:46 ID:L3SPSRAo0
ID違うかもしれませんが本物です。
前のはPSPで今はパソコンです。
さて、これから小説書かせていただきます。

893 :フォルド:2008/08/05(火) 21:07:44 ID:L3SPSRAo0
すいません。訳あってPSPに戻りました。今日はもうかけないかもしれません    今気付いたんですけどIDかわってないですね

894 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/08/05(火) 23:37:13 ID:hLPv+5/Q0
続き。ウズキがやった事をアマツでも。

40 二匹のアマツ

アマツとムオンは木の実集めを再開していた。
しばらくすると、一匹のロコンの少女が高い場所にある木の実を取ろうと必死になっているを見つけた。

「むぅう。木の実に届かないの!」

ロコンの少女は誰に言った訳でもなく叫んでいた。
少女とアマツの目が合う。
ムオンはその少女を見て絶句した。
アマツは木の実を取り少女に手渡す。

「お姉ちゃんありがとうなの! アマツはね、あまつって言うの! お姉ちゃんはなんて言うの?」
「えっと……。私もアマツって言うの。あまつちゃんよろしくね。
 こっちのお兄さんがムオン。見た目は悪タイプで怖いけど優しいから大丈夫ですよ」

あまつの挨拶にアマツも挨拶を返す。
ムオンが挨拶をどう返すか迷っている。
そう目の前にいるのも少女もアマツなのだから。
ウズキ同様に同一人物が並ぶ。
勿論、当の本人達にその自覚はない。

どうする俺……。
ここはいつも通りに一言で終わらせるか?
でも子供相手にそれはあまりにも印象が悪い……。
て言うか、俺がそれで挨拶されたらひくぞ……。
だがここで普通に挨拶してみろ……今後、他のメンバーの前でこのアマツと会ったらどうする……。
『ムオンって普通喋れたか!?』ってライガが絶対に言うぞ……。
記憶をなくしたアマツのために作ってきたこのキャラを今更捨てるのはな……。
もうこのキャラは俺の個性の一つと認識させてる訳だからな……。
アマツの一言で俺の挨拶が凄くしずらくなったな……。

「……でもムオンお兄さんは無口だから悪く思わないであげて……」
「うん。ムオンお兄ちゃんもお友達なの!」

895 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/08/05(火) 23:37:47 ID:hLPv+5/Q0
アマツは挨拶しようとするムオンが必死に悩んでいたためフォローする。
ムオンもこれでいつもの無口キャラで平気と安心しているように見えた。

「じゃあ、あまつは父様と母様のところへ戻るの! また合えると良いの!」
「ええ。あまつちゃん、また何か縁があったらお会いしましょう」

少女アマツは前足を元気に振り走り去っていった。
アマツとムオンはその背中をじっと見ている。

「元気な女子でしたね。私、ああいう子……好きですね。ムオンはどうですか?」
「……え? まぁこの頃はな……。この後は随分大人しくなるんだよな……。
 今の彼女を見て成長した姿は想像できないな……。少なくても俺には無理だ……。
 それに、ここで俺も好みの雌と言わなきゃ不味いだろうな……」
「あら? あの子を知ってるんですか?」

アマツの反応にムオンが凄く困る。
アマツはなぜムオンが考えているのか解らない。

「まぁ……。目の前にいるからな……。あの頃はお転婆で……。
 俺も良く悪戯されたっけなぁ……。懐かしい……」
「目の前って……もしかして……私……ですか?
 ……私ってそんなにお転婆だったんですか?」
「そのまさかだよ……。やっぱり気づいてなかったか……。
 この頃は凄かったんだよ。昼寝して起きたら顔に落書きがされてたりな。
 他にも火を点けられそうになった事もあったな……。あれは俺の特性がもらい火じゃなきゃ危なかった。
 あの頃はお前とこんな関係になるなんて思ってなっかよ。
 案外、過去の自分を見てれば何か思い出すかもな。なんせ自分自身だからな」

ムオンがあまつの正体を言うとアマツは顔を赤らめた。
ムオンはそんなアマツを見て笑い出す。

「じゃあ俺達も木の実集めはこれくらいにして皆と合流するか」
「そうですね……。これくらいでもう十分でしょうね。では行きましょうムオン」

アマツがいつものようにムオンの前を歩き出す。
しかし、照れ隠しかいつもより歩くスピードが速い。
ムオンはアマツに置いてかれないよう早足でついて行った。

896 :パウス ◆EvJGalaxy2 :2008/08/05(火) 23:41:37 ID:jdKXh1hk0
>ガルトルさん
二体のルギア………確かに、いきなりルギアが二体も現れたら混乱するでしょうねw
この先の展開にも期待しています。

>パールさん
完全にキャラ目線なのに、どういう状況なのかがよく解るような文章ですね。
二匹の関係はどうなっていくのでしょうか。期待しています。

>フォルドさん
焦らなくてもいいですよ。自分のペースで執筆頑張ってください。

僕も初めて気付きました。ID変わってないですねww



↑の皆さん。これからよろしくお願いします!


897 :フォルド:2008/08/05(火) 23:56:29 ID:L3SPSRAo0
パウスさんの言うとおり焦らないでいきます。僕が考えた小説はそんなにおもしろくないような気がします・・・しかも最初の方はエロはありませんね・・・・・まぁがんばります。

898 :フォルド:2008/08/06(水) 00:03:35 ID:PK66AFgY0
僕の小説には武器を持ったポケモンが登場するんですけど、どうですか?

899 :& ◆c7fWwnLpqc :2008/08/06(水) 09:05:11 ID:INVKkdsk0
シャワーズ×グレイシア 2

「あ〜…来たのか。」
そう言うシャワーズ君の顔が赤いです。風でも引いたのでしょうか?
「大丈夫ですか?待ってて下さい、冷凍ビーム!」
私は冷凍ビームで近くにあった水を凍らせました。
それから持って来ていたハンカチでそれを包み、シャワーズ君の額へ。
「ごほっごほっ…すまないな…。」
「いえ、もう良いんです。もう…」
「もう、私はどうでも良いんです…。」
「…?」
私はシャワーズ君が横たわっていたベットに座りました。
「私は、小さい頃に親が死んでしまったんです。だから、ずっと孤児院で暮らしていたんです。
だから、シャワーズ君みたいに感情をそのままぶつける人って羨ましいんです。」
「…俺も一緒だよ、両親に捨てられたけど、小さい頃に施設を出た。そのまま近所の家に住ましてもらった。」
こういうのを、運命というのでしょうか。
何だか胸がときめいてしまいました。
まあ、偶然なのだろうと思いますが。
「コホッ…今日はもう帰っていいぞ。」
「いいえ、私には家が有りませんので。私はずっとそばに居ます。安心して下さい。」
「…。」
「それにしても、シャワーズ君て後尾の時と今って全然テンション違いますね。」
「う、うるさい!さっきのは(昨日のは)ついやってしまったんだ!ごめん!」
「いえ、私は誤って欲しくなんかありません。貴方の笑顔が見たいんです。」
私はシャワーズ君に優しく微笑みました。
微妙に母親になれた気がして嬉しいです。
「…俺、お前に会えて良かった。なんか安心する。」
「私はそんな存在じゃないと思いますよ?」
「…くしゅんっ!」

「さて、私は薬でも買って来ますね。待ってて下さい。」
私はシャワーズ君の頬に軽くキスをしました。
「ふわっ!?」
「何驚いてるんですか?前回の時は私を縄でしばったりとかしたじゃないですか。」
「だっだからそれは…」
「熱が上がってしまいますよ?さあ、私が帰ってくるまでの間眠っていて下さい。」
「なあ、絶対戻ってこいよ?」
「私はそんなに酷くありませんよ、疲れ果てた病人を見捨てる程。」
私は部屋から出ました。同時に涙もこぼれ落ちました。

「っどうして…?あの人は酷い人なのに…なぜここまで自分が優しく出来るの?」
『それは、貴方が優しいからよグレイシア。母さんは貴方が優しく出来る様に育てました。』
「お母さん?お母さんなの?」
『私は幻です。でも貴方の側を永遠に離れません。ずっとそばに居ます。』
「…ありがとう。」
この時始めて知りました。母親はリーフィアなのだと。
私は軽い足取りで薬屋へ行きました。

いろいろな事をして、一日が過ぎました。
とても楽しかったかな?うん、そんな感じです。
嗚呼、言っておきますが終わりではありませんよ?まだまだ続きますから。

900 :ガルトル ◆MJlqID.F96 :2008/08/06(水) 11:09:52 ID:MpzLh84I0
>パウスさん
期待に添えられるように頑張ります^^
こちらこそ、宜しくお願いします!

>パールさん
シャワーズとグレイシアの関係はどうなるのか、
すごく楽しみです。自分も同じく期待しています!

>フォルドさん
書き始めたばかりの自分が言える事じゃないですけど、
自分の小説に自信を持ってください。(正直、自分の小説に不安が…)
フォルドさんの小説、楽しみにしていますので^^

それでは、小説を……

アルスと初めて出会って、もう二週間が経った。
まだ完璧ではないがアルスは石室で生活する事に慣れてきたようだ。
『私に対して敬語は一切無し。名前も呼び捨てにする事』
出会った当日に言った決まりもきちんと守っている。

アルスは私と間違われる事があったようだが、区別できる特徴があって既に解決している。
今ではすっかり顔を覚えてもらったようで、少し前には「友達ができた!」と話していた。


「今日の仕事は終わったのか?」

遊びから帰ってきたアルスの声が聞こえた。

「ああ。いつもすまないな、夜遅くにしか話せなくて……」

「仕方ないさ。それに慣れたから気にするなって!」

気にするなと言われても私はアルスに何もしてやっていない。
ポケモン達との謁見時間が長く、話せる時間は夜しかないのだ。

「……悪いが、今日は早めに寝る」

今いる部屋の大きめの椅子に腰を掛け、私は目を閉じた。
眠いわけではない。ただ、申し訳ない気持ちで満たされていた。

「……そっか…。じゃあ、おやすみ」

アルスも自分部屋へと歩いていく。
目を閉じているが、それくらいは感じでわかった。


「……眠れない……」

当たり前だ。眠気など、全くと言っていいほどに無いのだから……。
アルスはまだ起きているだろうか?
もし起きているのなら、少しだけ話をしたかった。
寝室に入ると、ベットに横になったまま目を開けているアルスがいた。

901 :ガルトル ◆MJlqID.F96 :2008/08/06(水) 11:12:34 ID:MpzLh84I0
「ルキル?」

「なかなか寝付けなくてな……」

「俺も…。そうだ、外の景色を見に行こうぜ!」

外と言われ、はっとした。
私が無闇に外に出れば、海はすぐさま嵐によって荒れるのだ。
……そういえば、アルスを見つけに行った時は嵐は発生しなかったな……。
そんな疑問が浮いたが、関係ない事だろ。

「私が外に出てしまうと……」

「石室の入り口付近だったらいいだろ?
 それに俺が一緒にいる間は、何も心配する事ないから!」

私が外に出ると嵐が起こる事は既にアルスに話したはずだ。
それをわかっていながらだと思うが、強引に私を石室の外へと出す。
丁度、満月の光が私とアルスを照らす。

「綺麗な月だな〜」

「そうだな……」

「俺は眠れない時、いつも月を見て眠ってたんだ」

「月を見ないと眠れないとは……不思議な特性だな」

自然と私は、くすりと笑う。
アルスと話すと何かが違うように感じる。
ポケモン達の話を聞く時では感じられないもの…。

「う、うるさいな! 誰かさんみたいに、いきなりプレッシャー掛けるよりいいだろ!」

「……誰の事だ……?」

プレッシャーというのは、私がアルスをじっと見つめている時の事だろうか?
その時は大抵アルスが怖がっているように見える。
アルスの反応を見て、知らずに私は笑っていた。

「どうした? 冗談だぞ?」

「冗談に見えないって!!」

「ふふっ……やはり、お前と話している時が一番楽しい……」

アルスと話していて、改めてそう思う。そうだ、私はこういう会話をしてみたかったのだ。
神という立場の私ではなく、本来の自分を出せるような会話がほしかった。

「急にどうしたの?」

「お前と出会う前から思っていた。笑って話せる相手が欲しいと…。
 どれだけ私がこういう会話に飢えていたのか、今になって痛感した」

「話す相手は俺口調の雌だけどいいのか?」

「ああ、構わない。……いや、お前じゃないと駄目なのかもしれないな」

それを聞いてアルスは笑った。私は何か変な事でも言ったのだろうか?
ただ、その笑顔を見てると恥ずかしく思ってくる。

902 :ガルトル ◆MJlqID.F96 :2008/08/06(水) 11:16:08 ID:MpzLh84I0
「……ルキル」

「何だ?」

私が振り向くと頬に生暖かい何かが触れた。
それがアルスの口だと分かるのに、数秒の時間がかかってしまった。
これは確か……『キス』…というものだろうか?
自然と顔が熱くなっていく。

「俺じゃないと駄目って言ってくれたお礼だ、ありがとう」

「お前には敵わないな……」

「それはお互い様だろ? なぁ、ルキルと一緒に過ごす時間って増やせない?」

「どうだろうな」

私も同じ気持ちなんだがな。
できる事なら、昼間の時間をアルスと一緒に過ごせる時間にしたい程だ。
2週間も一緒に過ごしてきた中で、一番長く話していたかもしれない。

次回からエロです。
あまり期待されるような内容じゃないですけどね…^^;

903 :フォルド:2008/08/07(木) 00:01:08 ID:3TPkrhjM0
たぶん、今日もかけません・・・たぶん明日も・・・いろいろ忙しいのでいつもこんな時間しか書き込めないんですよ・・・・・それにPSPなんで、小説はかけないんですよ。

904 :スカイズ ◆gIq0xA48Xk :2008/08/07(木) 01:08:58 ID:E01HsMWY0
>パウスさん

御感想ありがとうございます
まだ、こんな未熟者ですが、これからも頑張って小説を書いていこうと思います


パールさん

グレイシアとシャワーズの関係、ワクワクしてきましたよ


>フォルドさん

楽しみにしているので頑張ってください!
私も一つの作品を投下するのに何か月もかかってしまうので…


>ガルトルさん

ルキノとアルス、二匹の関係がだんだん熱くてなって先が気になります


パールさんもフォルドさんもガルトルさんも、私スカイズをよろしくお願いします

905 :ガルトル ◆MJlqID.F96 :2008/08/07(木) 17:50:07 ID:vaNwTixg0
>スカイズさん
こちらこそ、宜しくお願いします!
スカイズさんの小説、見させて頂きました。
フローゼルとキュウコンのカップルとは…いいですねぇ〜^^
新作(または続き)が楽しみです。

それでは小説投稿を……

頬にアルスが口付けをするという初めての事に、私は正直戸惑っていた。
キスをされた後に少し会話をしていたが、何故だか急に恥ずかしくなってしまい、
後は黙って空に浮かぶ月を二人で見ていた。

こつん、と肩に何かが触れる。
気持ち良さそうに寝息を立てているアルスの頭だった。

「本当に寝てしまうとはな……」

アルスをじっと見てみる。元々雄のアルスは言葉も態度も雄そのものだが、
こうして見ると、ただの寝顔でも可愛らしく思えてくる。
思わず見とれてしまう程の綺麗な雌の体をしている……。

「わ、私は何を考えているのだ……!?」

隣にいるのは雌のルギア……そう考えると体が火照る感じがしてきた。
これ以上は何も考えるな、と理性は必死に語りかけてくる。
ふと股の間に目を向けると雄の象徴がそそり勃っていた。

「こんな時に……!」

興奮が抑えきれない私はアルスを抱えて石室の中へと戻っていく。
アルスを部屋のベットに置き、そのベットに腰を下ろしてモノを扱く。
こっそりとする事が習慣化してきた自慰だが今回は理想の存在が横になっている。
手で扱く感触に雌の存在が興奮剤となって加わり、手だけの自慰よりも激しい快楽を得ていた。
今のアルスは寝ているだけ。
だが私の中では、喘ぎ悶えている姿が映っていた。

906 :ガルトル ◆MJlqID.F96 :2008/08/07(木) 17:52:04 ID:vaNwTixg0
「ア、アル…ス…。私は……お前の事が……!」

わずかな時間で大量の精液を出す事は容易だった。
ベットの上にいるアルスは静かな寝息を立てている。
私がこんなに息を荒げて自慰をしているのに、目の前にいるアルスは目を覚まさなかった。
実は起きているのでは…と思ったが、肩を軽く叩いて何も反応が無かった事に安心する。
床に付いた精液を洗い流し、部屋を後にした。

翌日、ベットに寝かしたアルスの様子を見に行った。
アルスは既に目を覚ましてベットの上で上半身を起こしていた。

「ぐっすりと眠れたようだな」

「ルキルが運んでくれたの? ありが…うわぁ!」

自分で退かした布団に足を取られ、側にいた私に捕まる。
まるでアルスが私に抱きつくような形になっていた。

「あっ、ごめん……」

「気にするな」

突然の事でアルスは頬を赤く染めた。

「ル、ルキル? そろそろ離してくれない?」

私はアルスを離そうとせずに彼を見つめたままだった。
見つめられるのが恥ずかしくなったのか、アルスは顔を背ける。
一体、私はどうしたのだろうか?
昨日の一件でアルスの事が頭から離れなくなってしまった。
少しでも時間があると、いつの間にかアルスの事を考えている。

「ルキル!」

「ん? あっ、すまん……」

アルスが大声をあげる。はっとした私はすぐに解放した。

907 :ガルトル ◆MJlqID.F96 :2008/08/07(木) 17:56:24 ID:vaNwTixg0
今日も同じ一日が始まる。
私はポケモン達の話を聞き、どうすればいいかを指示する。
この話をアルスに話した時、「まるで相談屋みたいだな」と言われたのを覚えている。
そのアルスはもちろん、友達と遊びに行く予定だ。

「ちょっと出かけてくるから!」

「あぁ、気をつけてな」

「わかってるって!」

そう言って出入り口である水の中に潜っていき、
正午ぐらいになると木の実を握ってアルスが帰ってきた。

「ただいま。ルキルの分も取ってきたぞ〜」

「私にか?」

アルスが取ってきたのはナナの実と呼ばれる木の実だった。
ずっとこの石室に住んでいるが、私でも木の実の事は知っている。
私の分まで取ってくるのは予想外だったが……。
まぁ、アルスが折角取ってきてくれたのだ。素直にナナの実を受け取る。

「急に戻ってきてどうした? また遊びに行くのだろう?」

「そういうルキルだって、まだ仕事の途中じゃないのか?」

今日は……アルスの望み通り、午前中で仕事を終わらせた。
適当な口実で面会を拒否しているだけだから、そんなに気にする必要もない。
私に謁見する為に来ているポケモン達には悪い事だが……。

「今日はいつものメンバーと木の実取りに行ったんだ。大切な奴にプレゼントする為にって」

ということは、このナナの実は私を大切に思ってくれているという証でもあるわけだ。
まだ何個かあるが手渡された木の実をすぐに食べてしまった事を後悔した。
もっと味わって食べなければな。

「お前にお返しする物はないぞ?」

「一緒にいられる時間を作ってくれたんだろ? それで嬉しいよ」

何だ、わかっていたのか……。
アルスと話していると、私は神という立場を忘れていられる。
友達とどんな遊びをしているか、どんなポケモンが謁見しに来るのか……。

908 :ガルトル ◆MJlqID.F96 :2008/08/07(木) 18:07:12 ID:vaNwTixg0
昨日の夜のように会話をしていると、いつの間にか夜になっていた。
この日の夜もお互いに眠れずに石室の入り口で月を見ていた。
昨日と同じく、今日もまた先にアルスが眠ってしまう。
今日は特に異常がなかった事に安心し、アルスを部屋まで運ぶ。

アルスを寝室のベットに寝かせて部屋を出ようとした時だった。
既に眠っているはずのアルスに声をかけられた。

「なぁ、ルキル…。その……願い聞いてくれる?」

そう言ってアルスは頬を赤くする。
この部屋には月の光が差し込んでいて、相手の表情と姿を見るには十分な明るさがあった。

「何だ、願いって?」

何かを言おうとして口を開くが再び口を閉じてしまう。
言葉に詰まって困ったのか私を手招きし、そして耳元で囁く。

「添い寝……してほしいんだ」

「添い寝!?」

アルスがこんな事を願うとは想像もしていなかった。

「ルキルと会って一緒に過ごす事になってから、ルキルがいなくなる夢を見ちゃうんだ……。
 だからいつも、不安で夜は眠れないんだけど……ルキルが一緒なら眠れそうな気がするんだ…」

「安心しろ、お前を置いて勝手にいなくなったりしない」

アルスが空けたスペースに私が入り込む。
大きめのベットだから、私が入ってもまだスペースがある。

909 :フォルド:2008/08/07(木) 22:25:22 ID:3TPkrhjM0
こんばんわ。時間があったので書き込みます。ガルトルさん、ついにエロですね。続き楽しみにしてますよ!今日も小説は無理そーです。

910 :フォルド:2008/08/07(木) 22:29:06 ID:3TPkrhjM0
明日は時間あるので小説書き込めそうです。そういえば900レス越えましたね。誰かぎりぎりになったら新しいのをお願いします。

911 :ガルトル ◆MJlqID.F96 :2008/08/08(金) 18:57:41 ID:mWCEYhME0
「ごめんな、雌っぽい事言ってさ……」

「今のお前は雌だぞ?」

「あ、そうだった…」

私は目蓋を閉じ、不思議と安らぎのようなものを感じながら眠る。
……が、私はどうしてもアルスに伝えたい事があった。今なら話せそうな気がする。

「アルス、私の願いも聞いてくれるか?」

「何?」

「お前を……抱きたい」

「だ、抱きたい!? 冗談は……」

「本気だ」

言葉を遮ってアルスの背中へ手を回し、互いの体をさらに寄せ合う。
アルスの顔が目と鼻の先にある。彼は何も言わず、恥ずかしそうに私の背中へ手を回す。
自分と同じルギアであるはずなのにアルスは違った感じがしていた。

「私はお前の事が好きだ」

「……ルキル……実は……」

アルスが何か言いかけたが、言葉が詰まってしまったようだ。

「何だ?」

「……俺もお前の事が好きなんだ。普段なら友達としての好きだけど、
 自分が雌だって事を思い出すと自然にルキルの事を考えているんだ……」

アルスが私を好きだと言ってくれた……。私の事を考えてくれている……。
その事が嬉しくなり、私はアルスに覆いかぶさる形になった。
頬を赤く染めて、淫らな格好をしている。
アルス本人は意識していないだろうが、私には……誘っているように見えてしまう。

912 :ガルトル ◆MJlqID.F96 :2008/08/08(金) 19:02:13 ID:mWCEYhME0
私の突然の行動に、アルスは戸惑いながらも顔を紅潮させていた。
それがとても可愛らしく見えてしょうがなかった。

「俺なんかで……いいの?」

「前にも言っただろう? お前じゃないと駄目だと…」

唇が触れ合い、少し開いたアルスの口内に舌を侵入させる。

「…んんっ…!」

少々苦しそうにしていたが、やがてアルスも舌を動かす。
私の口内にアルスの舌が侵入してくるが躊躇う事なく受け入れた。
自分の唾液を相手に交換する激しい口付け。
互いの唾液が混ざり合い、口に収まりきれない唾液は口の間から零れていく。

「「ぷはっ!」」

口を離すと舌先に透明な橋がかかり、それはアルスの胸に落ちた。
片方の胸を舐め、もう片方の胸を右手で揉み始める。
アルスの体がビクンと反応する。

「ふあぁっ!!」

アルスが甘い声を漏らし、急に自らの口を手で押さえる。
雌なのは体だけと思っていたが今のアルスは純粋な雌だ。

「どうした?」

「こんな声が…出るなんて思わなくて……」

アルスには信じられない声だったんだろう。
雄だった自分が喘ぎ声を出すなど……。

「ここには私とお前しかいないのだ、恥ずかしがる事はない」

「そんな事…言ったって……ひゃう!!」

913 :ガルトル ◆MJlqID.F96 :2008/08/08(金) 19:07:28 ID:mWCEYhME0
私の攻めを受けて甘い声を出しながら悶えるアルスは可愛く、そして愛しい。
私の中で、アルスが喘ぐ姿をもっと見たいという欲望が生まれていた。
乳首を舌で転がし、右手を秘所へと移動させる。

「ル…キル、そこは…!」

アルスの言葉を無視し、その右手で秘所を愛撫する。
しばらく秘所を撫でていると濡れてくるのがわかり、
指についたそれをアルスが見ている前で舐め取った。
甘い味と香りがする。

「とても甘い…」

「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…」

顔を紅潮させ、視線を私から反らす。
アルスの仕草や行動、それは今の私にとって興奮剤となっている。
さて、これが最期の焦らしにしようか。
これ以上するとアルスが壊れるかもしれんしな……。

「挿れてほしいか…?」

無言で頷く。

「なら、私のモノを舐めてくれるか?」

痛いくらいに膨張したモノをアルスの目の前に差し出す。
既に先走りが出ており、ビクビクと痙攣しているように動く。

「舐めないなら、このまま焦らすだけだが?」

「意地悪……」

「どうする?」

「舐めるに…決まってるじゃないか……」

914 :ガルトル ◆MJlqID.F96 :2008/08/08(金) 19:18:17 ID:mWCEYhME0
「はぁ…はぁ…」

アルスの舌使いは私の敏感な部分を的確に突いてくる。
しばらく舐めた後、アルスの口内にモノが収まる。
アルスの舌が私のモノに絡みつくように動き、それは手で扱くのとは違う感覚だった。

「で、出る…ぞ……!」

アルスは無言で再びモノを口内に収めた。暗黙の了解、ということか……。
そして私はアルスの口内で精液を発射し、大量に出たと思うが彼は全部飲み込んだ。

「ルキル、出しすぎ……」

「そう言う割には全部飲み干したな。愛撫してる間も我慢していたんだぞ?
 さて、愛撫の続きでも……」

「お、おいっ! 話が違うじゃないか!?」

アルス、私の罠に引っかかってしまったな。
慣れない嘘だったが思うとおりになった事だから良しとしよう。

「話が違う? じゃあ、何をしてほしかったんだ?」

「だ…だから…! それは…その……」

アルスの顔を見て、ついニヤリと笑ってしまう。
どんな顔をして言うのか……とても楽しみになる。

「ルキルの……」

「私の目を見て言わないと聞かないぞ?」

俯いたまま言おうとするアルスに、そう言い放った。
その言葉に戸惑っていたようだが、決心したように顔を上げた。

915 :ガルトル ◆MJlqID.F96 :2008/08/08(金) 19:19:21 ID:mWCEYhME0
「ル、ルキルのが……ほしい……」

アルスの潤んだ瞳にはとてもそそられるものがある。
予想はしていたものの、実際にやられると興奮しないわけがない。
仰向けになっているアルスに再び覆い被さるようにし、モノを秘所付近まで近づける。

「お前の望み通り、挿れるぞ…?」

アルスが頷いたのを確認し、ゆっくり確実に秘所の中へとモノを埋めていく。

「はああぁぁ……」

口を開け、熱い息を吐きながらアルスは私を受け入れている。
モノが3分の1くらいまで入った所で我慢できず、一気に全てを埋め込んだ。

「あああっ!!」

悲鳴に近い声で、はっとする。
アルスの秘所から少量の血が流れていた。先程の挿入のせいなのか…?

「すまない、大丈夫か? 血が出ているが……」

「でも痛くはないよ…。急に突っ込むんだもん、思わず声出しちゃったじゃん……」

「私も思わず、な。そろそろ動くぞ?」

「いいよ……」

916 :ガルトル ◆MJlqID.F96 :2008/08/08(金) 19:20:51 ID:mWCEYhME0
「あぁん……ふぁぁ…!」

私が腰を振るたびに、アルスが甘い喘ぎ声を発する。
同時に荒い息がうなじに掛かり、それによって私は腰の振りを加速させる。

「はぁはぁ…ルキル……、ひゃぁぁぁ…!」

「ア…ルス……、そんなに締め付けるな……」

そろそろ限界に近付いてきた。
先程アルスの口内で射精をしたと言うのに、物足りないかのようにまた膨張している。

「アルス…限界だ、そろそろ……」

「中に……出して……」

中に出すのはマズイと判断し、秘所からモノを抜こうとした。
だが浮かした腰を押さえ込まれ、さっきよりも強く抱きついてきた。
これでは外に出しようが無く、そのまま私はアルスの中へ精液を注ぎ込んだ。
二度目だというのに勢いと量は同じだった。


「良かったのか?」

「ルキルと一緒に…ずっと一緒にいたいから……。後悔はしてないよ…」

自分の腹を撫でながら微笑み、アルスは言った。

「アルス……」

深い口付けをした後、私とアルスは眠りについた。


今考えると、この時の私は会話ができる相手がほしかったではなかった。
ずっと自分の側に居てくれる大切な存在を欲している事にようやく気付いた。
それもこれも、全て謎の原因でルギアになってしまったアルスのお陰である。
バシャーモだった彼が何故、雌のルギアへと変わってしまったのか?
自分の体が変わる前の事を覚えていないのは何故か?
私にはわからない部分がある、アルス。

ただその中で、お互いにたった一つだけ確かな事がある。


――私とアルスは、ずっと一緒だということだ。

END

917 :ガルトル ◆MJlqID.F96 :2008/08/08(金) 19:25:32 ID:mWCEYhME0
ふぅ、やっと投稿終了です。
連続投稿ですみませんでした^^;
エロシーン読み直すと良い表現はできてないし、短いしで……。
自分にはエロを書く腕前が無いのだろうか?

感想・アドバイスがあればぜひ。
誤字・脱字も教えてもらえると助かります。

918 :三月兎 ◆Kisna3E1Vs :2008/08/08(金) 20:13:05 ID:qNBbnGsk0
エロ小説になってなくてすみません。先の方では必ず出すので……
今回はちょと微エロ?入ります。

BOOST Vol.1 chapter.04 ― 桃花市擾乱 ― の続きです。

++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
 すぐにはベルンハルトの言葉の意味が飲み込めずきょとんとしていたクレシアが「ちっ、違うわよ、わたしはこの仔の保護者なんだからっ」とベルンハルトの背中に向かって叫び、キスナローゼがそれに文句をつけ、
言い争いに発展するわで、終いにはエリアに「いつまで騒いでるの。帰るわよ」と注意されて、帰り道でラーカに冷やかされ、誤解を解こうと二匹であれこれ説明している間にトウカシティに到着すると、もうすっかり日が暮れていた。
 到着してすぐ、キスナローゼとディアリスはポケモンセンターで治療を受けた。キスナローゼのほうはヘンな機械に繋がれただけですぐに完治してしまったが、ディアリスはそうもいかなかった。
彼女は肋骨が何本か折れていたとのことで、今は入院病棟の個室に入っている。
「こちらです」
 キスナローゼはハピナスの看護士の案内で個室に足を踏み入れた。シーグルはしばらくここにいたそうだが、ディアリスの順調な回復を確認して宿泊施設へ戻ったらしい。
入院病棟には保護された野生ポケモンもいて、彼らの多くは人間を怖れているので、人間は極力入らないようにしているのだという。
看護士はすぐに立ち去り、狭い個室にはキスナローゼとディアリスだけが残された。
「具合はどう?」
「もぉ骨はくっつけてもらったから、あとは安静にしてれば大丈夫だって」
 ディアリスはベッドの上で身体を少し持ち上げた。
「そう……」
「ん? どしたの?」
「や、その……」
「わたしのこと、心配してくれてたんだ」
「……うん、それはそうだけど、さ」
 どう言ったものか。幸いにもディアリスは通例の支離滅裂な軽口をたたいていない。この機会にさっさと言ってしまうべきだろう。キスナローゼは何もただ見舞いに来たわけではない。

919 :三月兎 ◆Kisna3E1Vs :2008/08/08(金) 20:14:31 ID:qNBbnGsk0
 ディアリスがヒャルマモの高速スピンをまともに受けて戦闘不能の大怪我を負ってしまったのは、明らかにキスナローゼが足を引っ張ったせいだ。
ディアリス一匹であの二人を手玉に取るのはさすがに無理だったかもしれないが、皆の到着まで時間を稼ぐことくらいは出来たはずだ。キスナローゼが無様に殴り倒されていなかったら。
 意を決して、キスナローゼは目をつぶって頭を下げた。
「僕のせいで、きみに大怪我なんかさせちゃってごめんなさい」
 一息に言った。怖くてすぐには目を開けられなかった。ディアリスはこんなことでキスナローゼを責めたり腹を立てたりなんかはしないだろうということはわかっていた。
でも、ディアリスは僕なんかにかまっていたせいでコータスの高速スピンの直撃を受けたんだ。ディアリスが何を思っているにしろ、プラスの感情を抱いているはずはない。
「ふふ……あははっ――痛ぁっ」
 だから、彼女が急に笑い出した時には最初、意味がわからなかった。
 突然のことに面食らって目を開けると、ディアリスは脇腹を押さえて痛がっていた。
「もぉ、笑ったらまだ痛いんだからっ」
「や、それは自業自得でしょ」
 いやその前に、だ。
「ていうか、どうして笑う必要があるのさ? 僕は……真剣に謝ってるのに」
「そうゆぅことじゃなくて。じゃぁわたしからも訊くけど、どうして謝る必要があるの?」
「それは……僕が倒れたりなんかしてなかったらきみはあのコータスにやられずに済んだわけだし」
「あれはわたしの不注意だよ。べつにキスナを庇(かば)ってわたしが傷ついたわけじゃないでしょ」
「でも、きみは殴られた僕を心配して駆け寄ったから」
 ディアリスはまた、くすっと笑った。
「……キスナって、わたしが思ってたよりもずっと真面目なのね」

920 :三月兎 ◆Kisna3E1Vs :2008/08/08(金) 20:16:22 ID:qNBbnGsk0
「真面目? 僕が? ……冗談でしょ。嫌いなんだよ。努力とか継続とか気合いとか根性とかそういうの」
「うん、だからきっと性格も不真面目だと思ってたの」
「や、性格もって……」
「真面目に“努力する”コトが嫌いなだけでしょぉ? 現にこうやって義理的に謝りにきてるわけだし」
「義理……なんかじゃ――」あれは本当に悪かったと思ってる。僕がヘマをしなければ、ディアリスなら奴らとまともに渡り合えたはずだ。
それどころかアルトゥールを軽くあしらっていたし――やたらとタフそうだったから、あのまま続けていればどうなってたかはわからないが――少なくとも大怪我をすることなんてなかっただろう。だから僕が謝るのは当たり前――――あ。
「――やっぱり、そうなのかな」
 キスナローゼが俯(うつむ)き加減で呟いても、ディアリスはベッドの上で微笑みを浮かべたままだった。
「じゃあ、僕はどうすればいいのかな。きみにしてあげられることなんてないし。以後気をつけますだけじゃやっぱり気持ちの整理がつかないよ」
「そぉ? ま、そもそもキスナの過失じゃなぁいから気をつけるとかそういう問題でもないんだけど……どうしてもわたしに何かしたいってゆぅんなら」
 ディアリスは言葉を切ってキスナローゼを見つめ、妖艶な笑みを浮かべた。
「キスしてくれたら、許したげる」
「え……」
 キスって何だっけ。や、そうじゃなくて。キスがどうしてお礼になるわけ?
 ディアリスは僕のことが好きだからか。それはわかってる。あれだけ言い寄られて気づかないほど僕は鈍感じゃない。

921 :三月兎 ◆Kisna3E1Vs :2008/08/08(金) 20:21:43 ID:qNBbnGsk0
「そう、キス…………き、キス、ね」
 ――それで、彼女が満足するのなら。
 キスナローゼは逡巡した挙句、後で考えると莫迦(ばか)みたいな、莫迦すぎる決断をした。この時はきっとヤケになっていたのだろう。
「……わかったよ」
「へ!?」
 キスナローゼはディアリスに横から覆いかぶさるようにして身を乗り出し、前肢で頭を抱くような体勢になった。
「あ、いや、でも、今のは、その……」ディアリスは頬を桃色に染めて、いつになく焦っている。「目ぐらい閉じなよ!」キスナローゼもきっと同じような表情をしているに違いない。
ディアリスは大人しく従ってくれたし、キスナもそうしたので後のことはもうわからない。
 目を閉じた二人の口唇がそっと重なって、すぐに離れた。
 そう、すぐに。
 接吻は一秒にも満たなかったはずなのに、妙に長く感じて、彼女の柔らかな感触はしっかりと残ってしまって、ひどく戸惑った。
「か、勘違いしないでよ。い、嫌々だけど、自分の失敗の責任を取っただけなんだからね!」
 口唇を離した後はディアリスの顔を一度も見ずにそれだけ言い放って個室をあとにした。
 にしても、こっちが真剣に話してるときに冗談だって? マジで冗談じゃないっての。
時と場合を考えろと小一時間説教してやりたいところだったが、ディアリスと顔を合わせているだけで恥ずかしさが募ってきそうで、もうそれどころではなかった。
 なんでディアリスなんかの言葉を真に受けたんだろ、僕。ちょっと泣いていいかな。
 ……僕のばか。
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

男の子のツンデレってどうなんだろ?
てかツンデレ多いなわたしの小説……
次回はまた戦闘になる予定です。

922 :山本 ◆rkAWlQPFjI :2008/08/08(金) 20:32:57 ID:8WNFl0YM0
 もう書かないかもしれないと宣言しましたが、夏期休暇なので短編くらいは書けるかも。
 というわけで書いていこうと思います(・ω・)

『主人と執事』‐1‐

 関係上、それが無理なことは分かっていた。
 バレたらただじゃ済まないことも。
 そう分かっていたのに、私は……。


「ルカリオ。居る?」
「はい。何でしょうか」
そう返事をして、開けてあるドアから足音を立てないように中へ入る。
まず目に入ったのはふかふかの白いベッド。その上に座り込んだ私の主人。
金色の美しい毛並みに、綺麗に畳まれた毛布の上に並ぶように置かれている九本の尾。
「紅茶、入れてきてくれる?」
「かしこまりました」
彼女に向かって一礼し、私は部屋から出て階段を降りた。その最中にふとあることに気がつく。
(何で毛布が畳んであるんだ?)
彼女はいつも毛布は畳まず、ベッドの端に避けておくだけしかしない。勿論、私が畳んだ覚えもない。
いくら考えても結論は出ない。とにかく今は、彼女に紅茶を入れることを優先しよう……。


「紅茶をお持ちいたしました」
「ありがとう、そこにおいといてくれれば良いわ」
彼女はそう言うと部屋の真ん中にある小さなテーブルを指さす。
私はその言葉に頷くと、紅茶の入った洒落たポットと、ティーカップを乗せた盆をゆっくりとテーブルに置いた。
「あの……」
「何? ルカリオ」
あのことを訊こうと声をかけると、彼女はこちらに赤い瞳を向ける。……自分の頬が赤くなるのを感じた。
それを必死に振り払うように口を開いた。
「なぜ、私に毛布を畳ませないのですか?」
彼女は軽く首を傾げると、後ろに振り返って畳まれた毛布を見る。
「なぜって、たまにはいいじゃない? 私が畳んでも。それくらい、私にだって出来るわよ?」
「それは私の仕事です」
そんな私の言葉を聞いて、彼女はクスリと笑みを見せて言った。
「あら、そんなに畳みたかったの?」
「い、いえ……。それが私の仕事ですから」
首を横に振ってそれを否定した。
確かに、彼女の毛布を片づけるのは嫌いというわけではないが、否が応でも畳みたいとは……。
「本当に仕事だから……?」
「え……?」
いきなり彼女が言った言葉に耳を疑う。戸惑う私を見て彼女はまたクスリと笑った。
「顔、赤いわよ?」
「……!」
彼女の言葉を聞いて、すぐに隣にある等身大の鏡を見る。
私の顔の頬がほんのりと赤くなっていた。それを確認したからなのか、さらに頬を赤くなっていく……。
「わ、私は……!」
「いいのよ。嘘つかなくても……」
彼女はまったりとした口調でそう言うと、私の方にゆっくりと近づいてくる。
それと同じように心臓の鼓動も近づくかのようにだんだんと大きくなってきていた。
そして、彼女の顔が目の前に迫った……。それに耐えきれずに踵を返し、部屋の入り口へと走って逃げた。
ある程度離れると口を開いて言った。
「止めてください! 私はあなたの執事です!」
「……」
そう叫ぶように言うと、私は廊下へと出て執事室に向かって走っていた……。

┏――――――――後書き
 チラ裏の方が良かったかな……(・ω・)
 とりあえず‐2‐からエロシーンに入ります。
          ――――――――――――┛

923 :フォルド:2008/08/08(金) 23:47:30 ID:tOxUuOeg0
こんな時間になりましたが・・・
かかせていただきます。

この物語には戦闘などにグロテスクな表現が
含まれています。


〜黒犬の剣士〜
第一部 月光に光る

「ハァ・・・ハァ・・・」
ここはとある森の中、そこに走る一匹の
ポケモン、リーフィアだ。
そのリーフィアの名前はラキという。
この森に生まれここまで育ったが、親をストライクに
殺されてしまった。
ついさっきの事だった・・・
いきなり家に入ってきて親を殺し、
金目の物を奪った。
ラキはそのとき何とか逃げ出した。
だが、今はそのストライクに追いかけられている
「ハァ・・・お母さん・・お父さん・・・!」
ラキは親の事を考え、泣きながら走り続けていた。
もう何分、走り続けたのだろうか
5分?10分?そんな事を考えている暇は無い。
今は逃げなければ、
そんな事がラキの脳裏をよぎった。
もう日は落ち、暗闇に満ちている
「待ちやがれ!!」
そんな声が聞こえた。
「ハァ・・・ハァ・・・」
すっかり息が上がってしまっている。
「あっ・・・!」
道にある小石に足を躓いてしまった。
そしてそのまま地に倒れる
すぐに起き上がろうとしたが無駄だった。

924 :フォルド:2008/08/09(土) 00:11:54 ID:yjjv8xJ+0
力尽きてしまったのだ。
「ハァ・・・ハァ・・ここまでなの・・?」
少し遅れてストライクが追いついてきた。
「へッ・・・手間取らせやがって・・・」
「や・・・やめて・・・・」
ラキは震えながら抵抗しようとした
技を出そうにも疲れていて出せない、出したとしても
親を殺したストライクに効くはずも無い・・・
「フン、そのままなす事無く死ぬがいいさ・・・」
ストライクは鎌を上げた。
丁度、ラキの上に来るように・・・
(もうだめなの・・?)
ラキはそう思った。
そのとき・・・
茂みから何かが飛び出した。
「な・・・何者だ!!」
ストライクが叫んだ
それは、グラエナだった。
背中に鞘に入った刀を持っていて、顔には
傷跡がある。
グラエナは低い声で話した
「その子を離せ・・・」
その声からは殺気のようなものがあった。
「な・・なんだと?俺とやろうってのか!!」
そういってストライクは鎌を振る
「・・・・・・・」
グラエナは黙って背中の刀の柄を口でくわえ、
前に引き出した。
キラッと刀が月の光を受けて光った
「そんなもんで俺を倒せると思っているのか?!」
そういってストライクは走り出した。
グラエナに向かって、怒りを覚えながら・・・
「死にやがれえぇぇぇーーー!!!」
そう叫び切り掛かった。
・・・・次の瞬間・・・・
「ぐあぁぁぁぁー!!」
そう叫んだのはストライクだ。
右腕が無くなってしまっている
「うあぁ・・・ああぁぁ・・・」
腕の切り口からは大量の血が流れている。

925 :フォルド:2008/08/09(土) 00:45:18 ID:yjjv8xJ+0
「くそおぉぉぉーーーーー!!」
そういってストライクは闇の中に消えていった・・・
グラエナは刀を一振りし、血を掃うと鞘にしまった
そしてラキの方へ歩いてきた。
「無事か・・・?」
また低い声だったが殺気は感じられない
ラキはドキドキしながら答えた。
「は・・・はい・・無事です・・・」
ラキの無事を確認するとグラエナは後ろを向き、
森の奥へ行こうとした。
「あ・・あの!」
ラキはなぜか止めてしまった。
グラエナはこっちを向いた
「どうした・・・?」
「あ・・ありがとうございます・・・」
「ああ・・・」
そうしてまた森の奥へ行こうとした。
「あ・・あの・・・私・・」
「何だ・・・?」
「わ・・私、家を壊されてしまって・・・親も・・・」
「・・・殺されたのか?」
ラキは無言のままコクリと頷き、泣きそうになる。
「なら・・・私の家に来い・・」
「え・・・?」
「来るか?」
「・・・・・・」
ラキは少し考えてから答えた。
「はい・・・」
「よし、来い・・・」
「はい・・・あっ・・・!」
そういってラキは起き上がろうしたが、足に激痛が走った。
どうやら転んだときに足を怪我したらしい。
「怪我をしているのか?」
「え・・・あ・・はい・・・」
「・・・・・」
グラエナは無言で背中にラキを乗せた。
「えぇ・・・・?!」
「いくぞ・・・」
そう言った瞬間、グラエナは走り出した。
「うわぁ・・・」
まさに電光石火だ。
凄い速さで走っている。
「あ・・・・あの・・・・」
「ん・・・どうした?」
「名前、聞いてもいいですか?」
「ああ・・・・」
少し間が有り、話し始めた。
「・・ムラマサだ・・・・」
「ムラマサ・・・カッコイイ名前ですね!」
「・・フン・・着いたぞ・・・」


――――――――――――――――――――――――
と眠くなったので寝ます。すいません途中で、
それでは、また・・・ごきげんよう・・・

926 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/08/09(土) 23:45:06 ID:jTaZVnZ60
続き。久しぶりにこの方の視線で。

41 冥界の強者

プルートはエイガの姿へと戻り冥界へと来ていた。
エイガが入り口の門を通ろうとすると二匹の門番に呼び止められる。
門番は二匹とも三十五歳位で雄のウィンディと雌のブースターだった。
ウィンディの方は凄い形相でエイガを睨む。

「貴様……どこから来た……。死んでる様には感じないが……」
「プルート様の命によりすんなり通すわけにはいかないんだよね〜」

ウィンディは真面目に答えるがブースターの方は少しふざけている。
エイガは門番の二匹を睨みつけた。

「だからワタシが通るのにも検問が必要だと言うのか? レッカ、エターナル。
 姿が違うとはいえ主も解らないのか?」
「その声は!? プルート様でしたか。ご無礼をお許しください」
「いや〜。プルート様すみません」

レッカと呼ばれたウィンディは頭を下げ謝る。
エターナルと呼ばれたブースターはお気楽に謝った。

「二匹とも相変わらずだな……。お前達を蘇生させ今度はワタシについて来てもらう。
 反論は認めない。準備しておけ」
「自分達が出ると言うほどの相手ですか?」
「そんな奴まだ存在するんですか〜。反乱分子は大体は片付けたんでしょ?」

門番の二匹はエイガに反論と言うよりは質問した。
エイガは面倒そうに説明を始める。

「相手はダイヤ……ディアルガとその子孫だ。仲間にはパール……パルキアも一緒だ。
 過去に逃げたためそれを追跡するがこちらの戦力が足りないからな。
 それとこの姿のワタシはプルートではなくエイガと呼ぶように」
「ディアルガの子孫ですか……。それは自分とエターナルも同じですが……。
 ですから他の者をつれて行った方が良いのでは……」
「同じ一族とは戦えないかレッカ? お前も随分と惰弱になったな……。
 生前は群の中でも屈指の実力とカリスマで仲間を率いてきたのにな。
 とは言えそれが理由で事故に見せかけて殺されたんだったな……」

927 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/08/09(土) 23:45:31 ID:jTaZVnZ60
エイガの一言にレッカは悩んでいる。
流石に同属と戦う事に抵抗があるらしい。
エターナルは特に悩んではいなかった。

「にはは〜。やってやろうじゃん! 邪魔な相手は倒す。それで良いんでしょプルート様?
 相手が僕等と同じディアルガの子孫だろうと関係な〜い!!」
「こういう時はエターナルの方が扱いやすいか……。だがこれは言ったらどうする?
 子孫の中にレッカの息子グレンとエターナルの娘フィニティがいる」
「え!? フィニティが!? それは……どうしようかな〜。
 流石にフィニティを傷つけるのはな〜」

子供の名を出されたエターナルも流石に悩みだした。
しかしレッカは逆に吹っ切れたようだ。

「グレンの力を試すには良い機会か……。自分に行かせてください」
「ん〜。まぁ拒否権は僕に無いし……。行くしかないんだよね?」
「まぁそういう事だ。相手に不足は無いだろう? 過去へ飛べばワタシとパールの能力は一気に落ちるだろう……。
 そのために冥界でも屈指の能力者のお前達に来てもらう。ワタシへの忠誠を示せ」

エイガはそれだけ言って門の中へ入っていった。

「さてエターナル……本当にお前は戦えるのか? 相手は同族なんだぞ!
 何の抵抗もないのか? プルート様の前ではああ言ったが……。
 俺はやっぱり賛成できないな……」
「ふ〜ん。烈火の閃光と呼ばれたレッカ殿も随分と甘い事を言うんだね〜。
 戦う相手を選ぶ権利は僕等にはない……。同族だからってのは理由にはならないね。
 僕等は神の子孫を理由に群の仲間に皆殺しにされたからね〜。
 フィニティも僕の前に立ちはだかるのなら……殺す……」

エターナルの表情に先ほどまでのふざけた気配は感じられない。
今のエターナルは敵を全て葬る死神のような表情をしていた。

928 :フォルド:2008/08/10(日) 01:27:03 ID:d7rojngo0
前の小説の行が一行一行、短いのは「一行が長すぎると書き込めないのではないか?」など、怖かったからです。 そのため3文に分けるということになってしまいました。 一文一文、短いのも同じ事情です。 いつの日か時間があったらまた書きます。今日は無理そうなので。

929 :ネひさか:2008/08/10(日) 14:56:44 ID:JBcAE1Pk0
う・・・あぁ・・
相変わらず可愛いこえだすな・・
だってあなたと一緒だから・・
本当にそんなことおもってる?
ひどい・・・うたがうなんて・・・
じょ冗談だって泣くことないだろう
じゃ・・あ 愛してるって・・
言ってほしいか?
・・・う・・ん
あ・・愛してる・これでいいか?
うん私もあなたのことだいすき・・


ギシギシ ギシギシ
うぁ・・ごめんねでちゃった
ホントに可愛いなぁおまえはいつまでも一緒だよ
うん
愛してる
私も
俺たちはキスを交わした

930 :ネひかさ :2008/08/10(日) 14:59:36 ID:JBcAE1Pk0
↑2匹は想像でお願いします

931 :新しい名無し:2008/08/11(月) 15:56:28 ID:H967f+Vo0
ひまだ!なんか書こう!

932 :ネひかさ:2008/08/11(月) 16:55:04 ID:qHyuvpps0
書いてください
ご主人様
なめてあげますから

933 :ネひかさ:2008/08/11(月) 16:58:10 ID:qHyuvpps0
》929感想くれたら
うれしいです

934 :山本 ◆rkAWlQPFjI :2008/08/11(月) 20:02:03 ID:evbYW6SQ0
>>929
ちょっとあまりにも粗末な書き方ではありませんか?
想像にお任せしますって、台詞だけで地の文なしのものをどうやって想像すればいいんでしょう。

他の執筆者さん達は初めての方でもきちんと読者の方を考えて書いています。
読者のことを考えずに書いたものに誰が感想を書こうと思いますか?いないでしょう?

それでよくもまぁ『感想をお願いします』と書き込めたものですね。

感想は以上です。

935 :挟み虫:2008/08/11(月) 22:27:34 ID:qHyuvpps0
そんなことないと思う
それなりにおもしろいんじゃないかな
良い作品だとはいえない

936 :漫画家:2008/08/11(月) 22:35:44 ID:D9v+BnrcO
んなこたぁーない。

直感で読むんだ。
ただし、直感的に後半が蛇足

937 :スカイズ♯\(^O^)/:2008/08/11(月) 23:10:01 ID:28pU5Vgg0
はじめまして、スカイズです。
今までは短編物を書かせていただいておりましたが、少し長編物を書いてみたいと思います。

少しストレートの描写もありますのでご了承ください。

938 :スカイズ ◆cHK8nOnWdY :2008/08/11(月) 23:11:56 ID:28pU5Vgg0
ヒッキー☆コモルー 〜愉快なヲタクの物語〜 



@.祝?!引きこもり卒業?!



1 :ヒッキー☆コモルー :08/08/07 05:13:10 ID:fhjdfhbv
今からミロカロスのAVで抜いてくる


2 :名無しなんだぜ! :08/08/07 05:24:30 ID:bvkbhhbn
またおまえか
つーか名前自重しろよ


3 :ヒッキー☆コモルー :08/08/07 05:31:14 ID:fhjdfhbv
>>2
やだね
漏れは世界一の引きこもりになってやるんだからな!!!



それから俺はテレビの電源を付けDVDをセット。
おっと、ピストン運動を始める準備もしねぇとな。
オナホールを・・・よし、やるか!
「あっ・・・で・・・出るぅ・・・」
俺は喘ぎ声と共に朝を迎える。
「ふぅ・・・朝一のオナニーはやっぱきもちぃな!」

939 :スカイズ ◆cHK8nOnWdY :2008/08/11(月) 23:13:25 ID:28pU5Vgg0
俺はコモルー。まあ、簡単にいっちゃあボーマンダの一つ進化前だ。
名前のとおり俺は引きこもりだ。かれこれ小学3年の時からだ。
今ではもう20歳。というか今日で20歳!
もう12年経つんだなぁ・・・。

何でかって?

そりゃあ俺の短足といい体が胡桃のようなものにつつまってちゃあ虐められるのは仕方ないんだよな。
それが何匹じゃなくて学年全体でだな。
学校には俺と同じ種族がいなかったためかな?
それが嫌でヒッキーになったってわけ。

ハハハ・・・

コンコン

おや?どうせお袋だろ・A

940 :スカイズ ◆cHK8nOnWdY :2008/08/11(月) 23:14:41 ID:28pU5Vgg0
親父は俺が引きこもりなった瞬間に他のポケモンと交尾しにいったらしいからな。
兄弟もいないし、家には俺とお袋の二匹だけだった。
まあ、そのおかげでエロ本は隠し放題だし、AVも見放題なんだな。

「入るわよ・・・」
「ああ・・・」
目の前にはボーマンダのお袋が立っていた。



なんかお袋涙目なんですけど。
「どうしたんだよ・・・いきなり泣いてたりして・・・」
すると急に目つきを変えて怒鳴ってきた。それでも泣いている。
「あんた・・・いつになったら引きこもり卒業するのよ!」
「あーあ引きこもりに卒業式なんてねーよ!ハハハ!!!」

パシッ・・・

軽快な音が部屋中に響き渡る。
「親父にも打たれたことないのに!」
とっさに出たこの言葉。アムロに似てたかな(笑)。
お袋は震えていた。
もしかしてうけた・・・?
「いい加減にしなさい!あんたはもう20なんだよ?もう就職だった真剣に考えるべき時期なのよ?」
声も震えている。
「わーかったよ!仕事探しゃあいいんだろ?仕事探しゃあ!!」
めんどくさいから適当に答える俺。
「探す探すって・・・もう何年も前から言ってるのよ?本気で探す気あるの!?」
あるわけないし(大笑)。
「はいはい・・・今度はちゃんと真面目にやるからさ・・・」
しばらく沈黙があった後に、
「・・・出てって」
「は?」
「家から出て行きなさい!」
「で、でも・・・」
「言い訳無用!」

941 :スカイズ ◆cHK8nOnWdY :2008/08/11(月) 23:15:23 ID:28pU5Vgg0
気付けば俺は道の真ん中に放り出されていた。多分お袋のはかいこうせんだろう。
幸い俺の部屋は一階にあったのでおもいっきり地面に叩きつけられることはなかったが、技のおかげで全身が痛む・・・。
「一人前になるまで戻って来るな!」
お袋は窓からそう叫んだ。



それから一時間後・・・

「財布は家にあるし、持ってるのは携帯と・・・ってなんでコンドームがあるんだよ!!!」

これは今から起こる物語の序章には過ぎなかった・・・

所持金0ポケ、手持ちは携帯とコンドーム(汗)。

どうする俺?どうなる俺?



次回へ続く・・・

942 :スカイズ ◆cHK8nOnWdY :2008/08/11(月) 23:19:05 ID:28pU5Vgg0
>>939

ここは書き込む際誤って中止を押してしまい語尾が

・A

という変な書き込みになってしまいましたが、あまり気にしないでください。

私も少しの間引きこもりの時期があったので照らし合わせて書かせていただきました。

943 :フォルド:2008/08/11(月) 23:41:39 ID:cWnR3JaQ0
どうも。今回もこんな時間になりましたが、フォルドです。 今日から他の小説を見て参考にさせてもらいます。書くのをやめるのではありませんし、ときどき感想をさせてもらいます。

944 :山本 ◆rkAWlQPFjI :2008/08/12(火) 18:31:48 ID:es3rU8xk0
主人と執事‐2‐


執事室についた私は乱れた息をゆっくりと整える。
彼女はまるで誘うように私に近づいてきた。しかも、顔を近づけて接吻をしようと……。
私にその気がないと言えば嘘になる。少なからず彼女には“そのような感情”を抱いている。
しかし、許されることではない。そう言い聞かせていままで執事をやってきた。
なのに、まさか彼女の方から……。

……いや、もし彼女が私に“そんな感情”を持っていたとしても、だ。
絶対にそれは許されることではない。ましてや、彼女には夫がいた。
元々私は夫人の使用人としてその義務を果たしていた。
夫人が亡くなってからはその妻である彼女に仕えてきた。
しかし、亡くなったからと言って、義務を放棄して良い事には繋がらない。

(このことは忘れよう……)

そう心に決め、机に寄りかかっていた手を離し、彼女の部屋に戻ろうと振り返る。……その時だった。

「あ……」

扉の前にいたのは紛れもなく彼女だ。まさか彼女から来るとは思ってはいなかったために少したじろぐ。

「あの……さっきはごめんなさい。急にあんなことして」

彼女は耳を垂らしながらうつむく。

「あ、いや……あ、あまり気にしてませんから……お気になさらず」

そう言った途端に彼女はこちらに近付いてくる。急いで下がろうとするが、後ろには机があって下がれない。段々と心臓の鼓動がはやくなっていく。

「でも、自分自身の気持ちに嘘をつくつもりはないの……」

彼女のその言葉で自分の顔が火照っていくのを感じた。彼女は尾を怪しく揺らしながらさらに近付いて来る。

気持ちに嘘をつくつもりはない

……その意味すら、考える余裕はなかった。
彼女は念力で私を簡素なベッドの上に乗せると、その上にさらに彼女が跨った。

「婦人……!? な、何を……」
「言わなくても分かってるんでしょ?」

彼女はそう言って顔を寄せてくる。あまりにもとっさの出来事に、ただ強く目をつむるしかなかった。
口に何かが触れる。そして勢いで中に湿った何かが入り込んできた。
その行為が何か理解した途端、私は彼女を急いで退けようとする。
しかし皮肉にも、彼女の体制の方が有利で、しかも口の中をかき回される感覚で体に力が入らない。私はただされるがままだった。

945 :山本 ◆rkAWlQPFjI :2008/08/12(火) 18:32:41 ID:es3rU8xk0

「さて、と……」

彼女が口を離す。私と彼女の口に何か糸のようなものが出来たが、すぐに消えてしまった。なんだか頭がぼーっとしている……。

「くぁ!?」

体が勝手に飛び跳ねる。それと同時に全身に走る妙な感覚。
その根源を見ると、そこには私の……そそり立った雄の象徴ともいえるものがあった。
……それを彼女が舐めていたのだ。

「な、何を……!?」
「見れば分かるでしょ?」

そう言って彼女はまた私のモノをぺちゃぺちゃ水音を立てながらと舐め始める。
全身に言いようのない刺激が走り、彼女を退かそうとする力が全く入らなくなる。
こんなこと、してはいけないと分かりながらも、その行為を認めている私の体が情けなかった。

「どう? 気持ちいい?」

強い刺激に耐えるのに精一杯で、彼女の問いには全く答えられない。

「フフフッ……」

彼女は笑みを浮かべると舐めるのを止めて、顔を再びこちらに近づける。それと同時に、何か湿ったものが私のモノにあたるのを感じた。

「ウォーミングアップはここまで。そろそろ本番といきましょうか」

そういって彼女は腰を下げてくる。
まさか……。

「……!」
「キャッ!」

これだけはいけないと理性が勝ったのか、彼女は突き飛ばして、その行為を中断させる。
すぐにベッドから降りると、彼女に向かって叫んでいた。

「あなたには夫人がいました! なのにあなたは……!」

そう叫んで、私はその部屋から飛び出した。自分自身が恥ずかしくて仕方ないからかもしれない。
でも今の主人である彼女が、前の主人……つまりは亡き夫人を忘れ、あんな行為に走ったことが悲しかった。
あの人は、前の主人は……彼女をあんなに愛していたのに……。

946 :山本 ◆rkAWlQPFjI :2008/08/12(火) 18:37:16 ID:CQi0nuY+0
‐後書き‐
 こういう卑猥な描写は初めて書いたから違和感があるかな(・ω・`)
 次回は多分真面目な場面、だと思う。短編は頭の中にプロットを立てるので、時々変わります。
 とりあえずは次の更新までお待ち下さい。ではでは。

947 :ガルトル ◆MJlqID.F96 :2008/08/13(水) 11:00:45 ID:ckXbfec+0
お久しぶりです…と言ってもそんなに経っていませんが^^;
執筆ペースが遅くて、新作が投稿できない…。
これもwiki削除のショックでしょうかね?

三月兎さん>
お初です。wiki削除前はBOOST読ませてもらってました。
ツンデレなエーフィって新鮮に思えます。続き期待してます!

山本さん>
お初です。
この先、二人の関係はどうなるのか期待してます!
ルカリオの一人称が「私」なので雌かと思いました^^;

フォルドさん>
お〜、武器を使うポケモンも新鮮で面白いです。
やっぱり楽しみにしていて正解でした!
これからも執筆頑張ってください。

蒼空さん>
時の後継者も40話いきましたね!
レッカとエターナル、どのようにグレンとフィニティに接触するのか
楽しみです。

スカイズさん>
引き篭もりのコモルー、一体どうなるのでしょうか?
所持金0ポケ、携帯とコンドーム……。
何故コンドームwwwwww

感想だけ書きましたが、似たり寄ったりな感想ですみません。
さて、自分も頑張らなければいけませんね。

948 :イノシア ◆rkAWlQPFjI :2008/08/14(木) 12:11:38 ID:eUpgXIXw0
>>947
 山本から名前変えました。
 ルカリオの一人称が私なのは、執事なのでそちらの方が適切かなと思いまして。
 何はともあれ、感想ありがとうございます。続きの話までしばらくお待ちください。

949 :九十九:2008/08/14(木) 20:36:51 ID:KXG40HM+0
何だか小説のほうが盛り上がってきているので、私も皆さんに触発されて書きました。短編でつまんないと思いますけど見てみてください。

心の花

前書き
「……本当にここにいるのかな…幻のポケモンっていうのは…」
柔らかい微風を受けながら、一匹のポケモンが呟くように喋った。
そのポケモンは全身が白い体毛に覆われていて、額に輝く小判がついている。眼光は鋭く、まるで獲物を狙う狼のようだった。そのポケモンの種族名は―――ニャース。
そのニャースは、ある組織に所属していた。頭が切れ、洞察力もあったのだが、一度だけ大変な失敗を犯してしまい、その失敗を挽回するために、幻と呼ばれるポケモン――――シェイミを探すために、花の咲き乱れる町、フロールタウンにやって来た。
「今度こそ成功させなくっちゃ…自分の名誉を挽回するためにも…幻と呼ばれるシェイミを探すんだ!!」
ニャースがシェイミを探す理由はいたって単純明快。
―――珍しいポケモンだからだ。
ニャースのいた組織は珍しいポケモンや強いポケモンなどを組織に引っ張り込み、戦闘要員として育て上げるというこれまた単純明快な組織だった。
「…だけど…伝説や幻とまで言われたポケモンを探そうとするなんて。僕の所属している組織も馬鹿な考え方をするよなぁ…見たことや聞いたことがないから幻や伝説と呼ばれているのに…そんなポケモンを探すなんて、蟻のコンタクトレンズを探すようなもんだよなぁ…」
先程まで意気込んでいたニャースだったが、途端に自分のしていることが間抜けに思えたのか、ぶつぶつと独り言を呟き始めた…
「やっぱり方法を変えようか…でも僕は戦闘能力も殆ど無いしなぁ…とりえといえばこの頭だけ…こんなんじゃあ強いポケモンを捕まえるのは絶対無理だしなぁ…」
ニャースがうんうんと唸っていると、横から声をかけるポケモンがいた…
「…あの…もしもし?」
「…はい?なんですか?」
ニャースが顔を声のする方に向けると、そこには整った顔立ちのキレイハナが立っていた。
キレイハナは少しだけ居住まいを正し、優雅に頭を下げるとこう言った。
「フロールタウンにようこそ。貴方は観光にこられたんですか?」
違います。と、言おうとしてニャースはふと考えた。
ここで観光客を装って幻のポケモンの事を聞きだすことができれば、シェイミに少しでも近づくことができるかもしれない…相手は自分のことをただの観光客と思っているみたいだし。こっちも早めに用事を済ませたいし…少し気は引けるけど、この子を利用させてもらおう。
と、頭を巡らせた結果。そんなずるい作戦を思いついてしまった。
「…ぁー。はい、観光でこの町に着たんですよ。この町の花は見事ですからね」
周りに咲き乱れるカラフルな花の数々を一瞥して、口からでまかせをぽこぽこと喋っただけだったのに、相手はそれを信じたようだった。
「まぁ!そうなんですか!!でしたらゆっくりしていって下さい。観光客の皆さんはこの花達を見に来る人が多いんですよ」
「…ええ、僕もその一人のようですね」
「ふふふ…」
でまかせで言ってみた言葉が当たったようだった。これを俗に言う“棚牡丹ラッキー”というやつなのだろうと勝手に解釈したニャースは、そのまま勢いに流されるように喋った。
「ですが僕はこの土地に来たばかりで、分からないこともいろいろとあります。もしお暇でしたら、僕にこの街を少しだけ案内してくれないでしょうか?」
かなり図々しい物言いだったが、キレイハナは嬉々としてそれを受け入れてくれた。
「(この町の人は優しいんだな…見ず知らずの僕のことをこんなに信じている…それに比べて僕は…)」
ニャースは自分の行動を巻き戻して考えてみた…いくら頭が回るといえ、それは小ずるい知恵を回らせて相手を騙すような回転の仕方しかしないため、それは相手を利用しようとする最も最低な行為である。
その行為は―――相手を信頼していない証拠である。
「(…いや…そんな感傷に浸っている暇は無いんだ。僕の今やるべきことは自分の名誉挽回。そのために利用できる物は全て利用しなくっちゃ…)」
心の中にまとわりつく情を吹き消して、改めて周りを見た。
「…そういえば…私まだ貴方の名前を聞いていません。私の名前はサフランといいます。ニャースさん、貴方の名前は?」
ニャースはふと考えた―――が、すぐに考えるのをやめた。
「(………名前くらいならいいかな。)」
そう考えて、ニャースは偽名を使おうと思っていたがすぐにやめて、自分の名前を打ち明けた―――
「僕の名前は…フレンドです」
フレンドはにこりと笑うと。手を差し出した。
「よろしくお願いします。フレンドさん」
サフランは微笑を浮かべて手を絡めた。

950 :九十九:2008/08/14(木) 20:40:18 ID:KXG40HM+0
とりあえず前書きだけです。エッチな展開も入れると思いますので。細長い目で見守ってください。

951 :イノシア ◆rkAWlQPFjI :2008/08/18(月) 08:40:10 ID:0XUkXokk0


気づけば私は屋敷から出ていた。
目の前には一面に広がる花畑。前の主人が、彼女にプレゼントしたものだった。
風で花々が揺れ、ほんのりと甘い香りが鼻をくすぐる。

……こんな立派なものをプレゼントするくらい彼は彼女を大事にしていた。なのに……彼女はなぜ私に……あんなことを。

(っ……)

先程の行為を思い出してしまい、不覚にも下腹部が疼く。……本当に自分自身が情けなく思えてきた。



――花畑に逃げ込んできてからどれくらい経っただろうか。しばらく歩いたり座り込んではぼーっとしていたが、考え込むのは彼女のこと。
何故彼女は私にあんなことをしようとしたのだろうか。夫人への思いは一体どこへ消えてしまったのか……。端から誰が見ても仲むつまじそうに見えたのに。
この疑問はどんなに考えこんでも分からなかった。やはり、直接彼女に問いただすしかない。なるべくしたくはないが、またあのようなことをしてくるなら技で防ごう。
そう意を決して、私は屋敷へと戻った。



廊下をゆっくりを歩いていき、階段を上がる。そしてまた長い廊下を歩いて彼女の部屋の前にきた。意を決したとはいえ、いざ話そうとすると緊張する。
一度深呼吸をしてから、ノックをした。

「婦人、失礼します」

……とは言ったものの、返事がない。この部屋にはいないのだろうか。
そう思い、部屋を後にしようとしたが中から聞こえてきた物音を聞いて足を止めた。中に居るみたいだ。
もう一度ノックをして、ドアノブに手をかけてドアを開けた。そこにあったものを見て思わず目を見開く。

「……! 何をやっているんですか!」

彼女は瓶に入った睡眠補助薬を机上に散らせてその多くを手に乗せていっていた。
私は急いで彼女の手から薬を全て払い落とした。彼女は何が起きたか分からないといったような、キョトンとした表情で私を見ていた。
そして力の抜けた声で彼女は私にこう言った。

「……何してるの?」
「何してるって!? それはこちらの台詞ですよ!」

息を荒げながら私はそう返した。彼女はプッと吹き出すと腹を押さえながら笑い出した。

(……い、意味が分からない)

彼女は笑いながらも私の表情を見て察してくれたのか、必死に笑いをこらえながら口を開く。

952 :イノシア ◆rkAWlQPFjI :2008/08/18(月) 08:40:51 ID:0XUkXokk0


「まさか、私が自殺しようとしてるように見えたわけ?」
「ち、違うのですか?」

彼女は首を大きく横に振る。

「違うわ。最近、何故か眠れなくてね。眠るのにも、薬を使わないと寝付けないの。で、出そうとしたら瓶倒しちゃって」
「……で、集めてたと……」
「そうそう」

彼女は私のつぶやきに首を縦に振る。その瞬間、いきなり肩の力が抜けて、その場に座り込んでしまった。

「……良かった……」

自分は冷静に止めに入ったつもりだったが、まさかこんなに動揺していたのか……。安堵のあまり力が抜けるほどに。

「……物凄く勘違いしてたわね」
「すみません……」

彼女は軽く息を吐きながらそう言った。私は頭を下げて謝ったが、彼女は再び薬を拾い始める。

「……でも、とても嬉しかった……」
「……え?」

最初はその言葉に耳を疑った。しかし聞こえたのは事実。彼女はしっかりと口を動かしていたから。
思わず聞き返すように声を漏らしてしまったが、彼女は薬を瓶に戻してから蓋を閉めて、私の方に向き直った。

「何でもない。それより……さっきはあの、本当に……」
「……」

今回ばかりは『気にしていません』と言うことは出来なかった。二度も夫人を裏切るようなことをしたのだ。簡単に許せそうにはなかった。
しかし、事情を聞かない限りはよく分からない。彼女が何故あんな行為に走ろうとしたのか。そして、何故私なのかと……。

「聞きたいことがあります」
「……何?」

彼女は話を切り出した私を見て首を傾げる。私は続けた。

「あなたには今は亡き夫がいましたよね。なのに、何故あんな行為を……?」

さすがに答えづらい質問だったのか、彼女は俯いて押し黙る。そしてしばらく間をおいてから彼女は話し出した。

「もう我慢の限界だったの……。クロアが亡くなってから……相手がいないから」

何の相手なのかはあえて聞かない。あの行為から察してそれがなんなのかは見当がつく。

「一人でやってみても、虚無感が無くなることはなかった。むしろ、寂しくなっていただけ……」
「それで、私に……」

彼女は首を横に振った。

「確かにそれもある。けどルカリオ、あなたはクロアに似ていたから……」
「似ていた……? 私が?」

彼女は机の上にあった写真を手に取ると、それを眺めながら言った。

953 :イノシア ◆rkAWlQPFjI :2008/08/18(月) 08:41:21 ID:0XUkXokk0


「クロアの種族は私と同じキュウコンで、あなたの種族とは違うけど、雰囲気が似てるの。どこかそっけない態度で、でも優しく接してくれる……そこが、クロアと似てる」
「だから、私に夫人を重ねて……」

彼女はそれを聞いて頷く。
それを見た途端、どことなく悲しくなった。……私が、夫人の代わり……いや、それが執事にはお似合いなのだろう。
それに、彼女は夫人を愛していた。似ている者にその姿を重ねるのも、無理はない。

「でも、ね……」

写真立てを机にコトンと置いて元に戻すと、彼女はこちらを向いて言った。

「私は……ルカリオのあなたも好きだから……」
「……」

それを聞いて嬉しくないわけはなかった。しかし、どうしても納得がいかない。彼女はクロアのことを今でも思っている。なのに、私“も”好きというのが引っかかっていた。
黙り込む私を見てか、彼女は再び口を開いた。

「私の祖父が、よく言ってた。『悔いのない人生を歩みなさい』って。それって、こういうことなんじゃないかな」

……彼女が私をこうも想ってくれている。
だが、私は執事としての責務があり、それと同じように禁忌がある。
……しかし、この場合は……。

「……また“私は執事だから”とか考えてる?」

彼女の問いに、私は静かに首を縦に振る。

「私はクロア様に今まで仕え、接してきました。それは亡き今でも同じ事……」

私がそう呟くように言うと、彼女はため息をついて言った。

「じゃああなたは何のためにクロアの葬式に参列したの? ……葬式は、亡くなった者との決別をするためにあるの。あなたは、彼と縁を切ったのではないの?」

葬式の意味は私も知っていた。しかし、それが忠誠をも捨てるわけではない。いくら決別したとは言え、それは簡単に捨てられるものではなかった。

「……もう少し、考えさせてください」
「分かったわ。……でも、明後日くらいには答えを出してほしい」

私は彼女の言葉に頷くと、一礼をして部屋から出ていった。

954 :イノシア ◆rkAWlQPFjI :2008/08/18(月) 08:45:50 ID:3n6eEY1+0
┏━━━━━━━━━━後書き━━━━━━━━━━━━
 今回はちょっとだけ長めになってしまいました。
 しかもシリアスな回だから読み飽きるかな……(・ω・`)
 とりあえずは次回をお楽しみに。
 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

955 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/08/18(月) 23:29:36 ID:YGbUvObA0
続き。Wikiの事があったので中々書けなかったです。
ガルトルさん。そうですね。気づいたもう40話越え……一話が短いけどこんなに書いたんだなぁと思いますね。

42 過去へ飛ぶ力 

パールはミナヅキの姿へと戻り空を眺めていた。
場所的には他者が侵入してくることはほぼないがそれでも原身では目立ってしまう。
そんなミナヅキの前にエイガが現れる。
冥界の仕事を終わらせここに来たらしい。
しかし、まだレッカとエターナルの姿は見えなかった。

「パールまだ悩んでるのか? お前らしくないな」
「悩んでないと言ったら嘘になるな……。今この時間にダイヤはいない。
 オレ達が奴を追いかける理由があるのか? オレが今この世界を変える事もできる」
「なら何でそうしない? それが可能だと分かっていて……。
 それとワタシは個人的にあいつが嫌いでね……。今度はワタシが言おうか……。
 パール……お前の力をワタシに貸せ……。そうすれば過去に飛ぶ事も可能だ……」

エイガはミナヅキに近づき囁く。
ミナヅキはそんなエイガに蔑みの笑みをした。

「オレとお前の能力を使えば確かに可能だろう……。
 だがそれは出来ても五千年程度……奴が逃げた九千年には及ばない……。
 つまりお前のしようとしてる事は無駄なんだよ……」
「ふっ。確かに今のワタシとパールの力ではそうだろう……。
 だが一つ方法がある……。ダイヤはどうやって神の力を与えた?」
「それはダイヤがクウコってキュウコンと交わってだろ? ……まさかお前!?」

ミナヅキはエイガの言いたい事を理解して大声を上げる。
エイガは『良く出来ました』と言いたげな顔をしてミナヅキを押し倒した。

「お前……前と同じ事を言うが禁忌を犯す気か……と言いたいが……それも悪くないか……。
 ここ数日プルートお前の事考えてた……。あの日お前がいなくなって妙な感情に込み上げてきてな……。
 オレは……多分だけど……お前が好きだ……。お前はオレの事を力を得るための道具としか思ってないか?」
「……それは……ワタシも……パールの事が……好きだよ……。
 そうじゃなきゃ……こんな事しない……。ワタシだって始めての雄くらい選ぶさ……
 流石にこんなところじゃ原身って訳にはいかないけどさ……。
 パールは始めてがワタシでも良いのか?」
「だからオレもお前が好きと言ったろう……。今は創造主の事は忘れよう……。
 今のオレはミナヅキでお前はエイガ……。神ではなく二匹のポケモンとしてオレはお前としたい……」

956 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/08/18(月) 23:30:10 ID:YGbUvObA0
ミナヅキの思いもよらない告白にエイガは顔を真っ赤にした。
ミナヅキはそんなエイガを見て微笑んだ。

「ところでさ……一つ質問しても良いか?」
「ワタシが答えられる事ならしても良いよ」
「じゃあ質問する……。オレは体系が似てるからサンドパンの姿に擬態した。
 ダイヤもまぁ、数の多い尻尾が原身の扇状の腰部に似てるからだと思うんだ……。
 でもお前ってなんでグラエナに擬態したんだ? 全然似てないだろう……。
 初めてお前の擬態を見た時から思ってたんだが中々聞く機会がなくてな……」

ミナヅキは真面目な顔をして質問した。
けしてボケで聞いてる訳ではなさそうだ。
エイガはミナヅキの質問を聞いて呆れた。

「なんだそんな事か……。ワタシの姿に似たポケモンはいないからな……。
 良くてボーマンダだが……流石にダイヤとパールの擬態と並んで見ろ……。
 どう考えてもワタシ一匹浮くだろう? だからだ……。
 グラエナの理由はまぁ番犬ぽいイメージがあったからかな……。
 ヘルガーでも良かったんだが角がゴツイし……。だからグラエナにした。
 後、色合いも黒と灰色の毛並みがまぁ似てなくもないだろう?
 こんな答えで満足か? 不満でもこれ以上の理由はないがな」
「ああ一応満足って事にしておく……。でもなぁ。そんな理由か……」
「答えてやったんだ。ありがたいと思え。ワタシに付き合ってもらうぞ……」

エイガはそう言うとミナヅキに口付けをする。
いきなりの行動にミナヅキは目を丸くした。

957 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/19(火) 00:53:44 ID:knXY/meg0
せっかく書いたものをそのままにするのも勿体ないので、ここに置かせてください。
チコリータ×マグマラシです。
なんか終盤のオチがやっつけになってますけど、気にしないでください。

958 :チコ×ヒノ0:2008/08/19(火) 00:55:22 ID:knXY/meg0
(この小説では、ポケモンも「一人、二人」と数えます)

ブーバーが、仲間の次に空いた小便器で用を足していたときだ…大便用の個室から発せられる、メスポケモンの声に気付いたのは。
ここは男子用トイレだ。時間は宵の頃、女性の声は――というより呼吸の音は――堪えきれずについつい出てしまった音、まるで何かに喘いでいる声に聞こえた。
残念ながらこのブーバーは健康な男子であって、紳士ではなかった。彼は生唾を飲み込んで、そっとその個室に近づいた。



959 :チコ×ヒノ1:2008/08/19(火) 00:56:04 ID:knXY/meg0
ポケモンセンターというのは、トレーナーの宿泊施設も兼ねている。一般の相場と異なり、格安で寝床を提供してくれるのだが、サービス面についてはあまり期待できず、町によっては、食事すら用意されない(つまり、素泊まり)処もある。
ニビシティは森と山に囲まれており、辺境の町に属する。ポケモンセンターの宿場は粗末なものだった。風呂ばかりか、トイレも共用なのがいい例だ。
「よっし。今日から数日ニビに滞在して、ジムでの対決に備えようか」
黒髪の、トレーナーの少年が自分のポケモン達に言った。結構熟達したと見える面子である。
「カントー地方だからって、別段設備が豊富という訳でもないんですね」
ポケモンのうちの一匹が言った。ジョウト地方でのリーグ優勝を果たした彼らは、次なる目標、カントー地方でのリーグ優勝を目指していた。
「そうみたいだな」
「でも私――オツキミ山で、月の隕石見ちゃった!他にも色々!感激しちゃう――」
そうはしゃいでいたのはマリルリのルリだ。
「ねっ!アナタも見たでしょ!チコ!」
「うん――綺麗だったね」
そう慎ましやかに答えたチコリータのチコは、ルリリとも年齢が近く、彼女とは竹馬の友である。彼女たちの後ろでは、マグマラシが一匹、耳をほじくっていた。
「全く、好きだなお前ら、そういうの。飽きないのか」
ヒノという名の彼が、チコとルリに言った。
「う、うん、私は好きだよ」チコはまごついた口調で俯き気味に答えた。
「ねぇヒノ、どうして女の子が綺麗なもの好きか、分かるー?」対照的にルリは、ヒノの顔元に進み出た。
「何だよ…んな近づくな」
「それはね」ニンマリ顔でルリが言った。「恋したときのためよ!」
「ほらほら、あんまムダ話しないで、食堂に行くぞ!」
トレーナーが遠くから呼んでいた。ヒノは、わっけわかんねぇという顔で、トレーナーを追うルリについていった。
チコはどこか憂鬱そうな顔で、伏し目がちにヒノを見ながら、二人についていった。
チコは思った。ルリの言う通りかもしれない。でも私たちは今恋などできないのに、どうして平気でそんなことを口走れるのか――。


960 :チコ×ヒノ2:2008/08/19(火) 00:56:46 ID:knXY/meg0
チコはヒノに恋していた。彼の透き通った視線が、猛々しく背中に宿った炎が、…そして言動の隙間に潜んだ優しさが、彼女を熱くさせた。初めはかすかな感情のゆらぎに過ぎなかった想いが、今や大輪の花を咲かせていた。
しかしチコには勇気がなかった。拒絶を恐れず、ヒノに想いをぶつける勇気が。…そしてトレーナーの定めた掟を、破ってしまう勇気が…。
「ようお嬢ちゃん方。二人とも可愛いね。ニビにいる間、俺たちと遊ばない?」
食後にチコとルリが食堂で話していると、別のトレーナーのポケモンだろうか?ブーバーとゲンガーが話しかけてきた。ポケモンの風体はトレーナーを反映する。きっとこのポケモン達の主は、ガラの悪い奴なのだろう。
「俺たちこの辺詳しいしさ。色々案内してやるぜ?」
ブーバーがチコの隣の椅子に座り込んだ。どうして同じ炎でも、こうも暖かみが違うのだろうと、チコは俯きながら、ヒノの炎を密かに思い浮かべていた。
「お生憎様ね。うちのマスターが、男の子といちゃつくのを禁じてるのよ。もっとも、それ抜きでもあなた達はお呼びじゃないけどね」
ルリがチコの肩の横から身を乗り出し、しかめっ面でブーバーに言った。
「おっ固えの」ゲンガーがニヤニヤ顔で言った。
「可哀想に。俺たちは親切で言ってるんたぜ」ブーバーは俯くチコを、下から覗き込んだ。「アンタみたいな可愛い顔してっと、ろくな目に遭わないよ?」
チコが赤面した。でも、ちっとも嬉しくはなかった。
「何だお前ら?」
食堂の入り口からヒノが入ってきた。チコとルリを呼ぶように、彼らのトレーナーに言われたのだろう。
「二人に何の用だ?」
ブーバーとゲンガーは仲間の登場で観念したようである。ありがたくもない別れの挨拶を二人に残し、食堂から出ていった。
「助かったよー、ヒノ」ルリが手をぶらぶらさせながら言った。「もう少しでメルアドとか住所とか聞かれるところだったわー」
「てめえ携帯も家もねぇだろが」ヒノが呆れ顔で言った。「部屋に行くぞ。マスターが明日以降の話をするって――」
そこまで言ってヒノは気がついた。チコは泣いていた。
「ど、どしたのチコ?」ルリが心配そうに訊いた。
チコにもよく分からなかった。ただ、見ず知らずのブーバーに…可愛い顔だといわれた途端に…何故か悲しくなってしまったのだ。
「メソメソすんなよ…ったく」
その何気ないヒノの一言が、チコにグサリと刺さった。ヒノは優しさの表面に、無骨な態度を着合わせたような男だった。
「ヒノ!チコは純粋なの!そんで傷つきやすいの!そんなこと言う前に、チコに肩でも貸してあげる男気はないの?」
ルリの方を睨みながら、ヒノはチコに近づいた。
「大丈夫か?立てるか?」
「うん、大丈夫、大――…」チコは色んな意味で胸がつまって動けなくなってしまった。
「じゃあ私は、マスターが怒る前に先に行くからね。ちゃんとチコに手ぇ貸してあげるのよ、ヒノ」
ヒノはしかたないな、という顔をしながら、かがんでチコを見た。
「その――悪かったよ。あんな奴らに近寄られたら怖いよな。でもさ、もう奴らもいないし、このままじゃラチ空かないだろ。行こうぜ」
チコは無言で立ち上がった。よし、と言うヒノの後にチコはついて行った。
空は満天の星空で、車道の上を二人は歩いた。辺鄙な街だから、歩道がないのだ。チコはずっとヒノの燃える背中を見ていた。二人はずっと無言だった。
「ごめんなさい」ふと、チコが言った。「迷惑かけて…」
「今更になって謝んなくてもいいよ」
ヒノは何の気なしに言った。チコは満たされる想いがした。
「どうせルリがわめいて、騒ぎを大きくしたんだろう?あいつは昔からいちいち突っかかるから…」
チコの気は再び沈んだ。チコは、ヒノが「ルリ」の名を言うときの穏やかさを見逃してはいなかった。しかし、「それが一体どういうことなのか」は、あえて考えなかった。
チコの心は静かにくすぶっていた。妙な感情に燃える瞳を閉じて、必死に何かを念じた後、今度は正気な瞳を開いて、ヒノの後を追った。



961 :チコ×ヒノ3:2008/08/19(火) 00:57:22 ID:knXY/meg0
「いい?――まとめるぞ?タケシは岩タイプをよく使うトレーナーだけど、今回のキーはむしろヒノが握ってるんだ。何故なら――」
「鋼タイプのハガネールを持ってるから!」ルリが元気よくトレーナーに言った。
「その通り。そんなわけで、明日からの個別のトレーニング内容だが――」
ミーティングの最中だったが、チコは上の空だった。先ほどの幸福感と、憂鬱な気持ちがごっちゃになって、チコの頭を苛んでいた。
「――チコ!おい、今聞いたこと、お前言ってみろ!」
トレーナーがイライラした顔でチコの方を見ていた。どうやらチコの様子に気付いたらしい。
「え――えっと、その…」
トレーナーがじっとチコを睨んだ。彼はいつも、ポケモンに対して厳しい態度を崩さない。チコは素直に反省した。
「――すみません」
「もう一度だけ説明するぞ?チコに無関係な話なんてないんだからな?要するに――」


962 :チコ×ヒノ4:2008/08/19(火) 00:59:08 ID:knXY/meg0
消灯時間になった。全員、一つの寝部屋でいっしょくただ(モンスターボールの中よりも、外の方が若干居心地がいいので、状況が許す限り、ポケモンはボールの中に入らない)。みな、山を越えた疲れもあってか、すやすやと眠っている。
チコは何度も寝返りをうって、目をずっと閉じていたが、眠れない。……ヒノのことを考えていたからだ……。妙な感情の高ぶりが胸に広がって、チコはそれを持て余していた。
そのとき、物音がした。チコが暗がりの中で音の方を見ると、ヒノが寝部屋から出ていく様子だった。チコはヒノに気付かれないように、そっと彼を追った。
ヒノはどうやらトイレらしかった。ニビの宿場には全宿泊者共用のトイレ小屋しかないので、ちょっと歩かなければならない。夜風がチコの肌をくすぐった。
チコは女子トイレに入る気にもならず、こっそり窓から男子トイレを覗いた。ヒノが個室に入っていく――どうやら「大」らしい。
小屋を背にしてチコは座り込み、ヒノがうんちしている姿を想像した。恥ずかしくなった。仕方ないのでチコは夜空を見ていた。
ヒノがマグマラシに進化する前、ヒノアラシだった時からチコ、ヒノ、そしてルリは一緒だった。子供だったあの頃、三人は邪気のない友達だった。
だけど私は変わってしまった、とチコは思った。幼い頃なんの他意なく繋いだヒノの手が、自分の肌に激しく触れ、体を弄ぶ様子を、いけないと思いながらチコは思い浮かべた。
ヒノはまだ個室に入っている。長いな…便秘かな?…とチコは思った。それにしては余りにも個室は静かだ。例えば、うんちを出そうと力むヒノの声とか……も、全く聞こえない。
「………」
チコは思った。ヒノは本当にうんちをしているのか?

も し か し て 何 か 別 の こ と を ・ ・ ・ ?

突如、赤黒い気持ちがチコを支配した。もしかして、もしかして………。チコが再び窓から中を見ようとした瞬間、カラ、カラ、とトイレットペーパーを引き出す音がして、その後、便器の水を流す音が聞こえた。
小屋の横側の窓の下にいたチコに、ヒノは気付かなかったようだ。ヒノの帰っていく姿が見えた。
チコは辺りに誰もいないことを確認して、男子トイレの中に入った。そしてヒノの入っていた個室に潜り込み、鍵をかけた。
ドキ、ドキ…自分の心臓の音が聞こえた。そこは女子トイレの個室と変わりない、普通の部屋だった。ヒノがここで何をしていたのかは、分からない……だが、チコの頭には、淫らな妄想が広がっていた。
チコは便器に座った。温かかった。ヒノの熱だ。僅かにヒノのにおいがする気も…する。胸が苦しい…。
チコは獣のような注意深さで部屋を調べた。そして、トイレットペーパーの先端が僅かに濡れているのに気付いた。チコはそっと、それに鼻を近づけた……。
「でさぁ、こいつ毒食らってんの。アホじゃね!?」
「てめ―はその後マヒしただろーがよ!」
大きな複数の笑い声が突然響いた。ビクッとしてチコは硬直した。どうやら別のオスポケモンが数人、連れ立ってトイレに来たみたいだ。再びチコは動き出し、彼らに気付かれないように、静かにトイレットペーパーを鼻に当てた。その匂いは…。
早く、彼らに出ていって欲しかった。異常な状況下にいるのは彼らではなく、むしろ彼女自身なのだということに、チコは気付きすらしなかった。
「最近小便でにくくてさぁ。イライラすんだけど」
「小便でないのはジジイになった証拠だって言うぜ」
「違えねぇ」
出ていけ!!早く出ていけ!!もう少しで私はヒノと…。ヒノと一緒に…。
しばらくしてやかましい音が去ると、たまらずチコはトイレットペーパーの先端を千切り取り、自らの秘部にあてた。
安息が広がり、チコは夢中になった。まだ一人、ブーバーが、小屋の中にいたにもかかわらず。


963 :チコ×ヒノ5:2008/08/19(火) 01:00:46 ID:knXY/meg0
ちょうどヒノが、トイレから戻り、再び寝静まろうとした時だった。宿場を管理するおじさんが、トレーナーたちの休む寝部屋にやってきた。どうしたのだろう?何やら急ききった様子だ。
「きみ、きみ」おじさんがヒノに言った。「きみのトレーナーは…」
「ここですけど」トレーナーが欠伸混じりで起き上がった。「どうしましたか?」
「チコリータ、きみのポケモンだよね」
「はい」
「きみのチコリータが……その……他のトレーナーのポケモンに、イタズラされてた」
「は?」
ルリ、他のポケモンも続々と目を覚ました。
「とにかく来てくれ」
「はあ…」
Tシャツ短パン姿で、トレーナーは飛び出した。
「どうしたの?」ルリがヒノに聞いた。
「さあ…」ヒノが眉をひそめて答えた。「チコがなんかされたらしい」
「え、でもチコはここに……あれ、いない」
トレーナーと、ヒノやルリたちが管理室に着くと、そこには金髪のトレーナーらしき青年と、彼のらしきポケモンが数人、ばつの悪そうな顔をしていた。その中には、夕食後に話しかけてきたブーバーとゲンガーもいた(あんたたち!とルリが小さく叫んだ)。
チコは、先ほどの管理人とは別の、若干年老いたもう一人の管理人のそばで、毛布を肩に掛けられながら俯いていた。
「チコ!」ルリがチコのもとに駆け寄って抱きついた。「一体どうしたの…?」
「ヒデさん」チコたちのトレーナーの名前だ。「どうやら、このポケモンたちが、君のチコリータを男子トイレに連れ込んで、暴行を働いたみたいなんだ」
「俺たちはまだ何もしていない!」加害者の一人とみえるゲンガーが、管理人に向かって叫んだ。「それに…」
「まだ?まだって何だテメェ…」チコのトレーナーが、ゲンガーに近づいた。「テメェら、俺の仲間に何した!?」
ルリはチコを抱き寄せながら、信じられないという顔をした。ヒノは、頭に上った血が、自分のトレーナーの怒気によって、逆に引いたようである。なにやら頭を抱えていた。チコは相変わらず、俯いたままだ。
「あんたがトレーナーだな」チコのトレーナーが金髪の男に近づいた。「テメェ、どういう教育してんだ!一体――どういう――」感極まった表情で、言葉が途切れた。
金髪の男はただただすいません、と繰り返していた。
ゲンガーの横にいたブーバーは、何やら不満げな様子でチコのトレーナーを睨んでいた。
「どうしますかね?彼らを警察に突き出すことも出来ますが――」管理人が言った。
「勝手にして下さい。行くぞ、チコ、ルリ」
「うん…行こ、チコ」
チコはルリに引っ張られた。チコはブーバーたちの横を通った。彼らの方を見ることはできなかった。
「…待てよ!!」
チコのトレーナーのたちが出ていこうとしたとき、ブーバーが叫んだ。
「気にくわねぇ…俺たちが全部悪いみたいにさぁ…」
トレーナーは猛烈な敵意を以てブーバーを睨んだ。
「男子トイレにそいつを連れ込んだのは俺たちじゃねぇよ!そいつ、最初から男子トイレにいたんだ!で、トイレットペーパーでマンコを擦ってたんだ!オナニ―してたんだよ!!だから俺たち…」
ブーバーの下品な言葉遣いにイライラしながらも、トレーナーの目は怒りから困惑へと変わった。トレーナーはチコの方を見た。チコは、相変わらず俯いていた。


964 :チコ×ヒノ6の1:2008/08/19(火) 01:04:08 ID:knXY/meg0
寝部屋のある小屋の前で、トレーナーはチコを見下ろしていた。チコは顔をあげることが出来なかった。顔は真っ青だった。誰の顔を見ることも出来なかった。特に…ヒノの顔は。横で自分を抱きしめてくれているルリの温かみが、救いだった。
「ルリ、悪いけどチコから離れてくれ」
ルリは数歩下がってチコと同様に俯いた。
「教えてくれ、チコ。さっきのブーバーの話、あれ、本当なのか?」
チコは自分のマスターの感情が読み取れなかった。俯いたまま、静かに頷いた。
「そうか……」
チコはマスターの溜め息を聞いた。この溜め息に、失望が混じっていないわけがない。チコはそう思った。
「チコ、あのな、デリケートな部分に立ち入っちゃうのは悪いと思う。だけど…」トレーナーは言葉を選んだ。「女の子が一人で、男子トイレに入って――その――いたら、どういうことが起こりうるか、想像力があれば分かるよな?」
チコは頷いた。
「…もしかして、今日のミーティングで上の空だったのも、それから最近の動きがガクッと鈍くなっているのも、同じ理由なんだな?」
チコにとって後者は初耳だった。無意識のところで、マスターに迷惑をかけていた……。
「そう、だと思い……いえ、そうです」
「チコ。一番最初に俺が言ったこと、覚えてるよな?」
「はい」
そう、それがチコたちの掟…『ポケモン間での恋愛禁止』だった。チコはもちろん、それを知っていた。
ポケモントレーナーは、同じ性別のポケモンを揃えることが多い。彼らは、バトルをして勝ち上がっていくために一緒にいるのだ。それに、もし、異性間の恋心が邪魔をしたら…?
誰かを愛おしく思う気持ちは、誰かをバトルで傷つける行為とは対極にある。もちろん、両者の両立は不可能とはいえない。しかし、その故に戦線から離脱してきたポケモンはあまりにも多い…。


965 :チコ×ヒノ6の1:2008/08/19(火) 01:06:23 ID:knXY/meg0
「言ったよな」トレーナーはしゃがみ込んでチコの目を見た。「恋は禁止だって」
「はい」
「それを破ったとき、すぐさま旅から置いていくって」
「はい」
「俺たちは遊びで旅してるんじゃない。お前はそれを分かっていると思ってたんだけどな」
「すいません…」
「チコ」トレーナーは指でチコの顎を押し上げて、正面の自身の顔を見させた。
「お前、旅についてくる気、あるのか?正直に言え」
これは最後のチャンスだった。ここで旅についていくと言うことは、ヒノを諦めることと同義だった。もう、それでいいやと思った。こんな感情ひとつで、長年の夢を棄ててしまうなんて、馬鹿げている…。チコは、マスターの方に向き直そうとした。
…しかし、そのとき一瞬、ヒノの姿が目に入ってしまった。チコはヒノを見た。ヒノもチコを見ていた。これから、ヒノへの気持ちをガマンする……?そんな、そんなこと…。
「ごめんなさい」
無理だ。
「私…抜けます」
チコ!と小さく叫ぶルリの声を聞いた。
「いいんだな?」
「はい…私…」
「マスター、すみません」
突然、後ろから声がした。ヒノだ。ヒノはチコの方に進み出た。
「チコ、お前、旅を止めんだな?」
ヒノは相変わらず透き通った目で、チコを見ながら言った。
「うん。ごめんね…」
チコは意外とすらすらと、この言葉が出た。
「マスター」
ヒノはチコとトレーナーの間に割り込んだ。
「チコが抜けるなら俺も抜けます。チコが好きなのは俺だ。それに俺も、チコが好きだ」
「…!?」
突然の告白にチコは声を失った。本来なら嬉しくてたまらないはずの言葉なのに、状況がその理解を妨げている。ヒノはチコに対して背を向けているので、彼の表情も読み取れなかった。
「ほう」トレーナーは腕を組んだ。「いい加減でものを言う場面じゃないぞ、ヒノ」
「分かってます。俺達は身勝手だって十分わかってます。でも、このままだとマスターに迷惑をかけるだけですから…」
「そうか。分かった」トレーナーの返答はあっさりしていた。「残念だよ」
トレーナーは立ち上がった。
「ルリ!おいで!部屋に戻るよ!」
しかしルリは、何が起きたのか分からないという具合に、立ち尽くしていた。仕方なしげに、トレーナーがルリを拾い上げた。
「僕らは明日にでもニビを出発する。今の戦力じゃ、タケシに勝てないからね。君たちは今日中にでも、荷物を畳んでニビから出るんだ。まぁ別に…ここに滞在しててもいいけど。好きにすればいい」
そういってトレーナーは、ルリを抱えて寝部屋に戻っていった。他のポケモンたちも、気まずそうにトレーナーについていった。そして外には、チコとヒノだけが残った。
「ごめんなさい」
チコがか細い声で言った。
「謝んな」
ヒノがチコの方を見た。
「ひとつ確認させてくれ」
ヒノの声は穏やかだった。
「お前が好きなのは、俺なのか?」
チコはヒノの方を見た。
「…はい。そうです」
「…良かった」
ヒノが、滅多に見せない笑顔を覗かせた。
「そうじゃなかったら俺、馬鹿みたいだもんな」

966 :チコ×ヒノ7:2008/08/19(火) 01:09:21 ID:knXY/meg0
トレーナーは寝部屋にあるジムへのバトル申請書を取り出して、書いてあった内容を消しゴムで消した。数日後の対決に備えて提出するはずだったものだ。
「マスター!」
「何だ?ルリ?」トレーナーは必死の形相のルリの方を見ず、カレンダーを眺めていた。
「こんなの間違ってます!二人を……置いていくなんて……」
「最初に約束したことだ。あいつらはそれを承知のはずだった」
「それは、そうです。でも…『恋をするな』なんて、不可能です!」
「何故?」トレーナーは申し込み用紙に新たに何か書き込んでいた。
「恋は、しようと思ってするものじゃない…気付いたらしてるものだから…」
「そういうことを平然と言えるのが、ルリのいいところだよ」トレーナーは時計を見た。深夜だ。
「マスターの言っていることは、お腹のへっている人に、『お腹をへらすな』って言っているようなものです…」
しばらく考えて、トレーナーはルリを見た。
「確かにご飯を食べなかったら人は死ぬ。でも、恋を我慢しても、人は死なない」
「死にます」ルリが言った。「心が死んじゃいます…」
「…」
トレーナーは溜め息をついた。そのとき、寝部屋に例の管理人が入ってきた。先ほどの暴行未遂の件だろう。
「夜遅くにすまないね。彼らのことだけど、どうやら未遂というのは事実みたいだし、警察には報告しないことにしたよ。いいね?」
構いません、と返事をしたあと、トレーナーが口を開いた。
「あの…すいません。この部屋、これから先一週間くらい、空いてますか?」
「え?」管理人は顎に手をやった。「ああ、予約の類は一件もないが…」
「最初に言ってた日程に加えて、もう後一週間、宿泊期間を延ばせますか?」
ルリが、驚き顔でトレーナーを見た。
トレーナーの頼みを承った後、管理人が部屋を去ると、ルリが口を開いた。
「あの、マスター…」
「今回みたいなのは俺も初めてなんだ」
トレーナーは無表情だった。
「あの二人がしばらく考えて、何か考えを持ったのなら、それを聞いてみたい。もっとも、ただの無駄足になるかもしれないけど…」
トレーナーは窓から外を見た。チコとヒノはすでにいなかった。



967 :チコ×ヒノ8:2008/08/19(火) 01:10:00 ID:knXY/meg0
チコとヒノは、南のトキワの森に入っていた。とにかく、あの宿場のそばにいるわけにはいかなかった。チコはただひたすら、ヒノの先導についていった。ヒノはあの後何も言わなかった。チコも何も言えなかった。言うべき言葉が見つからない…。
ああ、これから私は、ヒノだけのものなんだ!そう手放しに喜ぶことは、どうしても出来なかった。ある疑念が、頭に渦巻いていたから…。
「この辺でいいかな」
ヒノが、森の多少開けたところで足を止めた。辺りを見回すと、人の気配はまるでない。
「でも、ヒノ、この辺は野生のポケモンが…」
「チコ、はっぱカッターで、この辺の枯れ木を真ん中に集められるか?」
「え――うん」
チコは言われたままにした。集まった枯れ木に、ヒノは「ひのこ」で火をつけた。焚き火の完成だ。これなら野生のポケモンも来ないだろう。
ヒノは大きな倒木に腰をかけた。チコもそれに倣って、ヒノの横に腰掛けようとした。ヒノとチコの肩が触れた。
「っ!!」
ヒノがビクッと反応した。
「あ……ごめ…」
チコが伏し目がちに言った。
「あ……いや……俺こそ、ごめん」
ヒノは、触れた自身の肩を反対の手で無意識に押さえた。チコはそれを暗澹とした瞳で見ながら、目を細めて、炎の方に振り返りながら、微笑んだ。
「今ごろルリ、いっぱい泣いているだろうなぁ…」
これは本当に心配なことだった。
「大丈夫だよ、あいつ、ほら、あれで図太いし」
ヒノも炎の方を見ていた。
しばらく無言が続いた。
「チコ」
ヒノが立ち上がった。
「俺ちょっと……トイレ言ってくる」
「なら私も…」
「お前は火を見てくれよ。妙に燃え広がったら、何とかしておいてくれ」
気まずさに耐えかねたのだろうか?ヒノは森の奥の方へと入っていってしまった。
“俺も、チコが好きだ”
チコはその言葉を反芻していた。チコの胸を締め付ける感情が、まるでヒノのそれと解け合ったようだった。嬉しかった。凄く嬉しかった。でも…分からないよ。あれは…本心なの?トイレの一件から私を庇うために、つい勢いで――。
――トイレ。チコは思った。ヒノは何にせよ、あの時トイレは済ませられたはずだ。あれから二時間と経っていない。今ヒノは、トイレに行くと言っていた。だがそれは、本当だろうか?
チコはゆっくり立ち上がった。物音を立てないように、ヒノの行く手を追った。暗い森の中、わずかに明るいところが見えたらそれがヒノだ。チコは、土崖になっている所に出た。
土崖の下でようやくヒノが見えた。ヒノの声が聞こえた。ヒノの――激しい呼吸音。チコは一瞬驚いた。何をしているんだろう…?でも、すぐさま分かった。間違いない。
ヒノは私のもとから離れて一人、オナニーに耽っていた。


968 :チコ×ヒノ9:2008/08/19(火) 01:10:36 ID:knXY/meg0
チコはヒノの「行為」の終わりも見ずに、フラ、フラと焚き火の方へ戻った。そして倒木に力無く腰を落とし、呆然とした。ヒノは私から離れて、オナニ―をしていた。オナニ―を……。つまり、今あの人の頭の中にいるのは、私じゃないのだ。
涙が出てきた。わかっていた。わかっていたのに。これまでずっと一緒だった。気付かないわけがないのに。
「ヒノが好きなのは、私じゃなくて、……ルリだ……」
ルリに対してだけあんなにヒノがつっかかる理由がわからなかった。でも、理由が分からないのが理由だった。つまり、理屈で図れないから……。ヒノがルリに、恋してるから……。
目の前の暖かな炎に手を伸ばした。ヒノはとても優しい。優しすぎる。チコがヒノに恋していることに、ヒノはどこかで気付いていたのだろう。だからチコがトレーナーに縁を切られる責任は、自分にあると感じたのだ…。
ヒノがチコに「好きだ」と言った理由を、チコは目まぐるしく推測した。もちろんそれは推測だったが、チコには確信があった。
チコはルリを思い浮かべた。ヒノがルリに恋するのはもっともだと、チコは思った。チコもルリが大好きだった。いつも夢をみているような瞳が大好きだった。
「私…」
チコは一人呟いた。涙が止まらない。その胸には後悔の念が溢れていた。しっかり言葉にする必要があった。自分の罪を自覚しなければ。
「私、ヒノの想いを引き裂いたんだ…」
その時だった。何者かが、チコに後ろから抱きついてきた。
「…!?」
「チコ…」
それはヒノだった。様子が変だった。目の焦点があっていず、顔は見たことのない表情で歪んでいた。
ヒノは、チコにキスをした。
「……!?っ、っ、ヒ、ヒノ…!」
再びヒノはキスしてきた。深い、深いキス。チコは己の推測とは裏腹なヒノの行為に困惑した。
「『好き』だ、チコ…」
ヒノはチコを押し倒した。チコの上半身に体を重ねてきた。またキス。ヒノの温かみが、口から伝わってくる。
チコはヒノの体を見た。チンコがそそり立っていた。先ほどのブーバーを思い出した。ブーバーのそれと同じ形をしているのが、何故かチコはショックだった。チコは本能的な恐怖から、ヒノから遠ざかろうとした。
「チコ…てめ、逃げんな…急いでんだこっちは…」
しかし、その恐怖はすっと引いていった。遠ざかろうとしたのは一瞬だった。今の状況は、ずっとチコが思い描いてきたものだった。ヒノの温かみを体いっぱいに感じて、自分と彼が、本当の意味で溶け合う瞬間…。
先ほどの推測は全部捨てた。ヒノに全部委ねた。


969 :チコ×ヒノ10:2008/08/19(火) 01:11:06 ID:knXY/meg0
森の中はあまりにも深く、二人の呼吸の激しさとは対照的に、はた目から見るとあくまで静かな行為だった――
パチ、パチと燃える炎のそばで、二人の体と心は重なり合っていた――
はじめは観察から始まった――
お互いの肌の質感を確かめ、お互いの香りを確かめ、思わず発せられる声の隙間を確かめた――
しかし視線はずっと、お互いの瞳から離れなかった――
一方の手がもう一方の肌に伸び、言い方によっては下品ともいえる仕草で、体を弄っていく――
その一つ一つにもう一方は歓喜の声を上げる――
それほどに昂ぶっていた――
どれくらい経っただろうか――
二人は観察を終え、ようやく実行に移った――
一方がものを出す――
もう一方は静かにそれを見つめ、深呼吸を二回し、くるりと一回転した――
このままでは入らないから――
一方が背中から相手に覆いかぶさった――
ゆっくり、ゆっくりと、正確に…それを挿入していく――
「チリ、チリ」
何か横で音がした。
一方が何の音かな?と思った。
相手を見た。相手の体の――葉っぱの一部に、焚き火が燃え移っている!!
「うわっ、ちょ、チコ、頭、頭!!」
「は?うわっ、あち、あちっ、ヒノ、消して消して!!」
ヒノがチコの頭に覆いかぶさった。炎タイプの彼にとって、これぐらい、熱くもなんともない。じゅわっと音がして、もらい火は消えた。
「ビノ゛」
「今度はなんだよ!」
「く、苦し――」
ヒノはチコに頭から覆いかぶさったために、口までも塞いでしまったらしい。
「うわっ!ごめん!!」
ヒノが思わず飛びのいた。ごんっ、と倒木がヒノの頭に当たった。
「ヒノ、大丈夫!?」
「っつ――」
「……っ。ふ、ふふ、はは!」
あまりにも間抜けなヒノの様子に思わずチコは笑ってしまった。自分の笑顔が自分で信じられなかった。ホウ、ホウ、とフクロウが鳴いた。お楽しみはこれで終わりだよ、と囁いているのだな、とチコは思った。


970 :チコ×ヒノ11:2008/08/19(火) 01:12:06 ID:knXY/meg0
「なんだよ!笑うなよ!喫せずして人殺しちゃうところだったんだぞ!」
「ごめん、ごめん――。そうだ。私の頭どう?」チコが火の燃え移っていた頭の葉っぱを指差した。
「うん」
ヒノはまじまじと葉っぱを見つめた。
「見事に禿げてる」
二人は再び笑った。チコは気づいた。自分がこうやって笑うのが、ずいぶんと久しぶりだったことに。
「ヒノ」
「なんだよ」ヒノは笑いをこらえながら言った。
「寸止めしたでしょ」
「は?」
「私さっき見ちゃったの。向こうで、その――ヒノがしごいているのを。最初は私以外の人のことを考えていると思ったんだけど――」
ヒノはギクッとした表情でチコを睨んでいた。
「その――出す寸前の、最高にボルテージが高まったところで私のところに来たんでしょ?違う?」
自分でもびっくりするくらい、快活に言葉が出た。
「てめぇ…見てたのか」
「ごめん」
「謝んなくていいよ…あー…なっさけねえ…」
ヒノは腰かけて、ため息をついた。寸止めなんて言葉、よく知ってんな、と呻いた後で、しばらくしてからヒノが再び口を開いた。
「これからどうすればいいか、考えたんだ…」
ヒノの顔は、既に真顔に戻っていた。
「要するにさ、俺がおまえに恋すればいいんだよな、って思ったんだ」
「ヒノはルリが好きなの?」
チコは先ほどの推測をヒノにぶつけた。
「ハハ、俺は誰にも恋してねぇよ。『ポケモン間での恋愛禁止』だったからな」
うそつき、とチコは思った。
「だから、強引にお前とキスすれば、お前のことを好きになるかな、って思ったんだ…。でも、間違ってたな。俺、お前の笑顔は好きだけど、お前に恋はできないよ。いい加減なことしちまった。だから天誅が、お前の葉っぱに来たんだ」
「そこで私の葉っぱにバチを当たらせるあたり、神様も意地悪ね」
また二人は笑った。しばらくしてチコが口を開いた。妙案が思い付いたのだ。
「もうひとつ方法あるよ。これからどうするか」
「え?」
「要するに、私があなたを好きにならなければいいのよ」
「それが出来ないから、俺が出た後のトイレで頑張っちゃったんだろうが…」
チコはヒノを睨んだ。
「今からニビシティに戻れば、まだマスターたちはいると思うわ。戻りましょ」
「お、おい!」
行きとは逆に、チコがヒノを先導した。森から抜けると、ニビシティには朝日がさしていた。


971 :チコ×ヒノ12:2008/08/19(火) 01:16:32 ID:knXY/meg0
マリルリのルリが目を覚ました。枕が濡れていた。あんなに泣いたのに、いつの間にか眠ってしまったみたいだ。あたりを見回した。チコとヒノはいない。当たり前だ。ルリは再び泣きそうになった。
しかし、ルリは、トレーナーもいないことに気がついた。窓の外をみると、トレーナーが……チコ、ヒノと話している!二人が帰ってきた!
ルリは急いで、寝部屋のある小屋から出た!
数分前…。
早起きのトレーナーが外の手洗い場で顔を洗っていると、車道の奥からチコと、ヒノが現れた。
「お前ら…」
しかし、昨日の論争の手前、トレーナーは二人を無視した。
「マスター」チコが言った。「昨日はすいませんでした。昨日の発言を撤回させてください。私たちを旅に連れていってください。お願いします」
「お願いします」
チコとヒノは、ふかぶかと頭を下げた。トレーナーはわざと横柄な態度に見えるように、足を組んでベンチに座った。
「じゃあお前はもう『恋』しないと言うんだな?『恋は気付いたらしているもの』なのに?」
あ、今のせりふはルリのものだっけ、とトレーナーは思った。
「その件ですけど、私――勘違いをしていたみたいです」
「は?」
短い腕を組んで何度か頷いて、チコが言った。
「私が好きなのは『ヒノ』じゃなくて、『ヒノの優しさ』なんです」
トレーナーの口がおもわずポカンと開いた。ヒノが続く。
「あ、ちなみに俺が好きなのは、『チコの笑顔』です。チコ自身は何とも思ってない」
チコは横目でヒノを睨んだ。
「おいおい……まさか、そんな屁理屈が通用すると思っているのか?結局チコが、ヒノを好きなのはかわりないじゃないか」
「なぜ?マスターが禁止したのは『ポケモン同士』の恋愛ですよ」
トレーナーが顔をしかめて、斜め上の方を見た。
ヒノが「チコの笑顔が好きだ」と言ったとき、気づいたのだ。トレーナーと交わした掟の抜け道に。ヒノに恋い焦がれて苦しむ時よりも、ルリや他のポケモンたちと笑っている時のほうがずっと楽しいということに。
あのどうしようもない感情の高まりのなかで、チコはヒノしか見ていなかった。恋の参加者は自分だけだった。ヒノを見ている自分だけだった。その苦しさが、よりヒノへの熱意を助長させていたのだ――
「チコ!」
ルリが小屋から出てきて、一直線にチコに抱きついた。ごめん、ごめんね、とチコもルリを抱き返した。『恋は盲目』とはまさにこのことだ。
ヒノへの気持ちと、ルリへの気持ちに優劣など付けられない。己のマスターへの信頼も、何物にも代えられない。チコは一夜にして、その大部分を失うところだった。
「マスター」ルリはニヤニヤしてマスターのほうを振り向いた。「ここの宿、宿泊期間を伸ばす必要、なかったですね」
チコとヒノはびっくりして、マスターのほうを見た。
「…全くだ。まさか禁止事項の、重箱のスミをつつかれるとはね」トレーナーはつまんなそうな顔をした。「でも、他人の優しさとか、笑顔を好きになることは…禁じられないしなぁ」
もしそれが禁じられたら、自分は他の誰とも一緒には居られないだろうな、とチコは思った。
「ルリ、他の仲間を起こしてくれ。朝食の時間だ。チコとヒノは水場で体を洗っとけ。泥まみれだから」
トレーナーはスタスタと食堂に行ってしまった。ヒノがチコに囁いた。
「うまくいったな。予想外なくらいに」
「うん」
実は一つ、チコは嘘をついていた。もし本当に『ヒノの優しさ』だけが好きなのなら、ヒノと体を重ね合わせる様子を何度も、何度も想像することはないだろう。
チコが好きなのは、ヒノのブルーの瞳と、その端正な顔、彼だけの香り、強く確かな声、首から下にかけての引き締まった筋肉、艶のある肌、そして雄々しく突き出た、かの部分だった。そして、それへのどうしようもない恋しさが胸を焦がすことが、これからもあるだろう。
「水鉄砲!」
「うわっ!びっくりさせないでよ、ルリ!」
「だってこの方が、早く泥も落ちるでしょ?」
ルリは楽しそうに、水浴びに加わった。他の仲間たちも加わって、みんなでキャッキャッと笑い合った。
そういうときは、まっさきにルリに相談しよう。ヒノにも、正直に打ち明けよう。恋の炎はずっと続かない。さざなみのように、押したり、引いたりするものだ。燃えた頭の葉っぱをヒノと笑い合った時、そのことがわかった。
ヒノがもし、ルリへの恋心を吐露しても、彼の言葉なら受け入れられる気がする。そして、さざなみが引くのをじっと待つ。待つことが出来る――。
「いい加減にしろ!」
トレーナーの声にチコたちは楽しそうに返事をして、食堂の方へと走って行った。


972 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/19(火) 01:23:09 ID:knXY/meg0
以上です。
「チコ×ルリ6の1」が二つあるのは、本来一章扱いだったものを、行数の関係で二つに分けたからです。
全然エロくなくてすいません。


973 ::2008/08/20(水) 13:54:57 ID:YL8da5xA0
三月兎サン。昔のこと引っ張り出して悪いんですが、
ガーディ(ガラス細工)とアブソルの恋物語の結末はどうなったのでしょうか?
何故かWと[以外見れなくって。。。。。。。。。。
教えていただければ光栄です。
ではでは。。。。。。。。。。

ちなみにゴローンにひかれる前日までのストーリーは
ばっちりと理解しておりますので!
お願いいたします。
今度こそではでは。。。。。。。。。。

974 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/20(水) 14:05:04 ID:kYQQnCls0
↑それ三日月氏の作品の夏のカケラじゃないんですか?

975 :三月兎 ◆Kisna3E1Vs :2008/08/20(水) 17:13:03 ID:T05WjFVI0
>>973
『三日月』と『三月兎』
パッと見だと間違うかもしれませんね。
残念ながら>>974の通りわたしとは別人の作者さんですよ。

976 ::2008/08/21(木) 13:02:32 ID:qIq47Wi20
あ!すいません!間違えてしまいました。。。。。。
どうもすいません。。。。。。。
迷惑をかけごめんなさい。。。。。。ではでは。。。。。。


977 :ポケ好き:2008/08/21(木) 18:55:14 ID:iwPMQoMI0
はじめまして 僕はポケ好きといいます。
皆さんの作品はすごいですね

978 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/08/21(木) 20:54:38 ID:b1w9uSVg0
続き。今回はこの二匹でエロで……。

43 愛し合う二匹

ミナヅキはエイガの突然の行動に戸惑っていた。
正確にはこうなる事は予想してたが、ミナヅキはまだ話があったようだ。
エイガは当然ミナヅキに舌を侵入させる。
ミナヅキは会話を諦めたのか自らも舌を絡めた。
エイガはミナヅキの行動に満足そうにしている。

「なんだパール。やれば出来るじゃないか」
「だから今の俺はミナヅキでお前はエイガだ。
 目的は互いの神の力ってのはオレはやだぞ」

ミナヅキはエイガの言葉に「やれやれ」と言いたげな顔をする。
エイガは「そうだな」と呟き仰向けになった。

「じゃあ、ミナヅキ……まずはワタシにしてくれ……。
 そうしないとお前の気が変わるかもしれないからな」
「もう、気なんか変わらないって……。でもお前がそれを望むなら」

ミナヅキはエイガの言葉に呆れた。
エイガは「さて、どうだか……」と皮肉を言う。
ミナヅキは仰向けになり秘所を丸見えになった秘所に顔を近づける。
そして始めて見るをじっと見つめた。

「あんまりじろじろ見るな……。恥ずかしいだろ……」
「自分から誘っておいて何を今更……」
「う、うるさい! さっさとワタシを気持ち良くしろ!」

エイガは顔を真っ赤にし怒鳴る。
ミナヅキは素直に言葉に頷き秘所を爪で弄り始めた。

「んぁ! 良いぞミナヅキ……」

ミナヅキは爪で秘所を傷付けない様に慎重に弄る。
その慎重さはまるで焦らしているようにも見えた。

「あ、あんまり焦らすな……」
「す、すまん。こういう時は長い爪は不便だな……」

979 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/08/21(木) 20:55:13 ID:b1w9uSVg0
エイガの言葉にミナヅキは素直に謝った。
そして爪での愛撫を諦め、秘所に舌をはわせる。

「あぁん! さ、最初からそうすれば良かったんだ……」
「全く……注文が多いなお前は……」
「そう言う正確だからな。ワタシは基本的に指示を出す立場にいるからな」

ミナヅキは舌のスピードを変えながら秘所を舐める。
エイガは初めて味わう気持ち良さにうっとりとしていた。

「んあああ!! ミナヅキィイイイ!!」

エイガはミナヅキの愛撫に耐えられず絶頂を向かえる。
当然、秘所を舐めていたミナヅキにエイガの愛液が顔面にかかった。

「中々良い顔してるじゃないかエイガ……」
「……はぁはぁ。今度はワタシがお前の恥ずかしい顔を見てやるからな……」

エイガはミナヅキを押し倒し、ミナヅキのモノを舐め始めた。

「エ、エイガ!? お前いきなり……」
「お前は焦らしたがワタシは初めから一気に攻めてやる……」

エイガは宣言通り、雄の敏感なところを舐めていく。
迫り来る快楽にミナヅキは顔を歪めた。

「ほらほら。余裕なんてないくせに……出しちゃいなよ」
「く、くそ……。オレにも雄としての意地が……。まだだ……まだ出す訳には……」

エイガの攻めにミナヅキは必死に耐える。
エイガはそんなミナヅキを見て更に激しくモノを舐めた。

「……これで終わりだな。ふふ、お前の負けだ……」
「うわぁ!! くそぉ出るぅう!!」

エイガは止めとばかりにミナヅキのモノを咥え一気に吸った。
ミナヅキはその刺激に負けエイガの口内に精液をぶちまける。
エイガはそのまま口を離さずにミナヅキの精液を嬉しそうに飲み干していく。

980 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/08/21(木) 20:55:39 ID:b1w9uSVg0
「思った以上に濃いのが出たな……。ミナヅキ、お前ちゃんと処理してるか?」
「処理って何をだよ?」
「なるほど。通りで濃い訳だ……」

エイガはミナヅキの反応に呆れていた。
ミナヅキはエイガの言った事の意味が本気で解っていない。

「では今日はたっぷり楽しめそうだな……」
「だから処理って何の話だよ」
「……もう、その話は良い。ワタシが処理してやるから安心しろ」

ミナヅキは納得いかない顔をしているがエイガはこの話を打ち切った。
エイガは再び仰向けになる。

「その……当然初めてだから優しくしろよ……」
「ああ。自信はないが善処して見る……」

ミナヅキはエイガに覆いかぶさりモノを秘所にあてがう。
モノをあてがった時エイガは不安そうな顔をしていた。
ミナヅキはエイガに「平気か?」と声をかけ、エイガも「ああ」と素っ気無く答える。
短い言葉だが互いの思いは同じだった。
ミナヅキはモノを少しづつ秘所に挿入していく。

「んぁあ!! これが……」

エイガの顔が苦痛で歪む。
ミナヅキはエイガを気づかいながらも挿入を続ける。
そして、半分程度モノが入ったところで停止した。
エイガの初めての証がモノをこれ以上侵入させまいと立ちはだかる。

「本当にオレで良いんだなエイガ……」
「今更そんな事を聞くな……。それに聞かなくてもお前なら解るだろ? ワタシの心と言う空間は……」
「ふ。そうだな……。でもエイガ……お前の口から聞いておこうと思ってな……」

エイガは馬鹿にしたように「お前は優しいな……」と囁いた。
ミナヅキは再度挿入を再開する。
エイガは苦痛で顔を歪めながらも幸せそうに微笑んでいた。
初めての証は最後までミナヅキのモノを拒み続け、やがて破れ去る。

「エイガ……全部入ったぞ……」
「不思議だな……。こうしてお前と交わる時が来るなんて一万年前は思わなかった……」
「それはオレも同じだな……。あの時はオレにとってお前は創造主に仕える同じ神でしかなかった……」

二匹はそんな会話を繰り返し時間をつぶす。
それはエイガの痛みがひくのを待つミナヅキの優しさだった。

「ミナヅキ……もう動いても平気だ。痛みは大分ひいたからな……」
「……そうか。じゃあ動くぞ……」

ミナヅキはゆっくりと腰を振り始めた。
今のエイガの表情に苦痛の色はない。

「あぁあ!! ミナヅキィイ! 良いぞぉ!! もっとワタシを!!」
「くぁ!! お前の中……オレをきつく絞めてきて……」

ミナヅキは加速し一気に絶頂へと向かわせようとする。

「ミナヅキ……ワタシ……も、もうイクゥウ!!」
「オレも……エイガァアア!!!」

ミナヅキの加速に耐えられずエイガは絶頂を向かえる。
絶頂を向かえたエイガの秘所はミナヅキのモノを更に締め付けた。
その締まりにミナヅキもエイガと同様に絶頂を向かえる。
射精された精液はエイガの中に注ぎ込まれエイガの腹を膨らませた。
ミナヅキはエイガからモノを向くと疲れからか座り込んだ。
ミナヅキのモノという栓を失ったエイガの秘書からは僅かに赤みをおびた白い液体が垂れる。

「ミナヅキ……夜はまだ長いんだ……。まさかここで『疲れたのでももう無理』とか言わないよな?」
「そこまでは言わないが……少し疲れたな……。こんな疲労感は初めてだ……」
「……そうか。では少し休んだらまた再開だな……」

エイガはミナヅキに微笑んだ。
二匹の夜はまだ終わらない……。
ミナヅキとエイガは神としてではなく愛し合う恋人として一晩を楽しんだのだった。

981 :ポケ好き#モンハンも好き:2008/08/22(金) 08:12:34 ID:HYwzlz+w0
蒼空さん あなたの小説に期待しています! がんばってください

982 :ポケ好き ◆GfNJR/0Wg2 :2008/08/22(金) 08:14:54 ID:HYwzlz+w0
蒼空さん あなたの小説に期待してます! がんばってください

983 :パウス ◆EvJGalaxy2 :2008/08/22(金) 18:09:38 ID:96EDlfUQ0
久しぶりの投稿。久しぶり過ぎて皆さんの小説の感想とか書ききれないww
ごめんなさい。

〜story50〜 ―雷撃の制裁―

皆唖然とする中、メタモンの時だけは動いていた。一本の線のような口の端を吊り上げ、この場の空気を唖然とさせた快感を堪能している。
「いやー、何度経験してもいいもんだね。この正体を明かす瞬間ってのはさ。」
声もメノウではなくなった。雄とも雌とも取れる中性的な声。
メタモンには性別が無く、一般的には雌でも雄でもないと言われている。ただ、変身″によって雌にも雄にもなれるのだ。

そろそろ皆が自我を取り戻してきた頃、メタモンの身体がまた形を変え始めた。
形が出来上がり、光って色と顔が作り出され―――さっきと逆の過程で作り出された姿は、またもやブースターであった。
「ブースターの姿、気に入っちゃったなぁ。動きやすいよこの姿。」
気まずいからか、それとも趣味か、またもや雌のブースターとなったが、今度は顔も声もメノウとは全くの別物。
そのことは、私達の心の荒みを少しだけ和らげてくれる。敵に仲間の―――いや、家族の姿が使われているなど、少なくとも良い気分はしない。

メタモンがブースターとなった瞬間、完全に我を取り戻したご主人は素早くバッグのチャックを走らせた。
中に手を突っ込み、ゴソゴソと中から取り出したのは一本の長いロープ。何故こんな物を持ってきているのかは謎だが、これでメタモンの動きを封じることは出来る。
ぎょっと目を見開き、優越色から恐怖色に塗り直されたメタモンは素早く地面を蹴ったが、その速度はカーネリアには及ばない。
あっさりとカーネリアに捕らえられ、そこにパールが急いで駆け寄っていく。
半流動体から完全な固体となったため、パールは余計に紐を縛り付けやすくなった。
人間の特徴でもあるその器用さで、さっきよりもきつく、二度と解けないように強固に結わえていく。
「あっ、ちょっと待ってよ。これきつ過ぎない?ちょ、痛い!痛いって!!クォーツくぅん、助けてぇーー!」
完全な雌になった事をいいことに、自分を弱々しく大袈裟にアピールし始めた。誘うようにクォーツに助けを求めるが、クォーツもそこまで馬鹿ではない。
でもやはり雌が目の前で縛られるのを見ていられないのか、クォーツはメタモンから視線を逸らし、地面を見た。
流石にもう一度縛られるのが嫌だったのか、メタモンはジタバタと暴れるが、それもカーネリアとご主人とロープに抑えられた。


984 :パウス ◆EvJGalaxy2 :2008/08/22(金) 18:10:02 ID:96EDlfUQ0
余裕だったメタモンの初めての焦りに、皆少しずつ自我を取り戻していく。
自我を取り戻したことで、さっきまで考えていたことが頭に思い浮かんだ。
「あんた、何でメノウに化けるのが役目だったはずなのに……雄じゃなくて雌に化けてたの?」
これはいくら考えても解らない、最大級の疑問である。
考えうる限り、このメタモンの役目は足止めだろう。故にこの疑問は大きい。

『僕の身体が雌じゃなくて雄だったら、きっと今もまだばれてなかったもんねぇ。』

メタモンは確かにそう言った。ということは、雌に変身してしまったことによってバレてしまったことも解っているはず。
「んー……、別に言っても良いんだけどさ、言っちゃうと困る奴がここに居るからね。」
そう言って目を向けた方向には、目を皿のように丸くしたカーネリアが居た。
「わ、私がなんだっていうのよ。」
何のことか解らず焦るカーネリアに、メタモンはさらに続ける。
「三日前の夜っていったら、君がメノウ君を追いかけていった、ソノオタウンで過ごした夜だってことは解るよね。………その時、君がメノウ君に何しようとしたか覚えてる?」
この会話は、恐らくカーネリアにしか通じない内容だろう。
確かにあの日はカーネリアが、いつもより散歩を長く続けたメノウを迎えにいった。だからその時に何が起こったのかは、私もコーラルもガーネットも、皆知らないことだ。


985 :パウス ◆EvJGalaxy2 :2008/08/22(金) 18:10:25 ID:96EDlfUQ0
気になってカーネリアを見ると、カーネリアは暫く目をつぶった後に、一瞬で顔を真っ赤にした。
「ワタシも信じられなかったよ。もうカーネリアとメノウ君はそこまで―――――――」
そこまで言いかけたところで、慌ててカーネリアはメタモンの口を塞いだ。
だがすでに遅し。メタモンが言わずとも、カーネリアの反応で大体のことは予測出来た。出来てしまった。
「………?何だ?皆どうしたってんだ?」
皆が顔を真っ赤にしてカーネリアから目をそらしている中、クォーツだけは状況が理解出来ていなかった。
その事に半ば呆れながら、リチアがクォーツの傍に近寄り――
「鈍感な奴だな貴様は……。つまり………だな……」
リチアがクォーツの耳に口を寄せようとした時、突然彼女の体が硬直した。そしてカーネリアの方を恐る恐る見ると、更に体を硬直させる。
カーネリアは、普通とは思えない形相と殺気でリチアを射抜いていた。
「やっ……やっぱり何でもない。」
「何だよ………………………っあ、成程なぁ……」
あまりの迫力にリチアは口を噤んだが、カーネリアの反応とリチアの反応から、クォーツはリチアが何を言おうとしたか理解出来てしまったようだ。
「そりゃぁ……なぁ………。カーネリアも言われたくはねぇだろ―――――」
「何で!?何で私が必死に隠そうとしたことをあんたは理解すんのよ!!」
「ぐふっっ!やめ……っ、放せ……カーネリ………アッ…………!」
カーネリアは更に顔を真っ赤に染め、クォーツに跳びかかって首を絞め、ガクガクと前後にクォーツの頭を振った。
クォーツは顔を真っ青にしてカーネリアの前足を解こうとするが、凄まじい羞恥心パワーに力持ちのクォーツも成すすべがない。
「ちょっと!止めなさいカーネリア!!」
必死に止めようとするコーラルだったが、カーネリアと交代してアメシストの体に入っており、カーネリアの体に触れることが出来ない。

最早当然の如く、メタモンは声を殺して笑っていた。そのことに敏感に気づいたカーネリアは、メタモンに顔を向ける。
カーネリアと視線が合うと、まるで挑発するかの様にメタモンはその無邪気な笑いを、徐々に
薄ら笑いへと変えていった。
ようやく首から前足を解かれたクォーツは、地面を転がって素早く酸素を体内に取り込んだ。
カーネリアはその様子を見向きもせず、じっとメタモンの方を見る。
その表情は、いつもの優しくも無邪気で、活発な彼女のそれとはまったくの別物―――そう、まるで死神のような冷静かつ残酷な表情。
カーネリアはゆっくりとメタモンの方に歩を進めながら、体内に溜まった電気を放出していく。
そのエネルギーは大きさと威力を増していき、まるで歩く雷のように周りを青白く染め、弾けるような音は何よりも大きい。


986 :パウス ◆EvJGalaxy2 :2008/08/22(金) 18:11:46 ID:96EDlfUQ0
「まさか……っ!カーネリア、落ち着いて!!そんなものくらわせたらそいつは死んで―――」
コーラルの叫びも、電気の凄まじい音にかき消され、カーネリアの耳には届かなかった。
「これが正真正銘、最後のチャンスよ……。メノウは今………どこ?」
ここまで脅されれば、流石のメタモンも口を割るだろう―――と思いきや。


「残念、やっぱり教えられないね。」


この言葉で、私の頭の中は真っ白になった。
カーネリアは怒りに目を見開くと、地面を蹴って空高く跳躍した。
そこで一気にエネルギーを解放し、私たちをも飲み込んでしまうほどの大きさの光がカーネリアの体を中心として広がり、上空から光を注ぐ。
それはカーネリアは降下し始めると同時に集約され、一筋の雷となって彼女と同時に降り注いだ。
シンプルな技ほど威力も高い、ということだろうか。最上級電撃技――その技は名前もシンプルに、雷″と名付けられた。
「莫迦野郎!!何考えてんだてめぇは!!」
「止めろカーネリア!!」
「カーネリアぁぁぁぁ!!」
今更私たちがどう叫んでも明らかに遅かった。不規則に曲がりながら落ちる薄黄色の閃光に包まれたカーネリアの耳には、最早何も届かない。

止める術もあるはずがない。カーネリアも止めようとするはずもない。
その凄まじい電撃の一閃は、縛られて身動きの取れないメタモンを一瞬にして貫き、その体を包み込んだ。

――――――――――――――――
長っ!
まったく、私の話は長かったり短かったりと………まとめる能力がありませんね。

987 :ポケ好き ◆GfNJR/0Wg2 :2008/08/22(金) 18:44:29 ID:HYwzlz+w0
パウスさんどうやったらそんなにうまい小説をかけるんですか?
僕は、作文すらまともにかけないのに・・・・・

988 :グリーンフォールド:2008/08/22(金) 21:31:04 ID:uxsXVWo+0
初めまして!グリフォです。
小説書きたいとおもいま〜っす。
きゃら紹介ってとこ。

シューフ ♀ シャワーズ 素直
素直に何でも言う事を聞く。
さすがに人を虐めたりとかそう言うのはムリ。
笑顔が絶えないのは、常に面白い実験をやっているからだとか。

キート ♂ ブラッキー 冷静だがシューフの事となると取り乱す。
シューフの力を悪用しようとしている。
だがその目的は次第に…。
夢は世界征服。

プレン ♀ プリン おしとやか、キートの命令はほぼ聞く。
幼いが賢い。舐めては生けない。字の通り。
キートの召使いで、2体居る。
プレンとプロンは双子。二卵性双生児。

プロン ♂ プリン 真面目。プレン同様。
幼いが強い。舐めては生けない。字の通り。
キートの召使いで、もう一体の事。
プレンと双子。

次から書きます。

989 :パウス ◆EvJGalaxy2 :2008/08/22(金) 23:11:14 ID:289DFfac0
>ポケ好きさん
私がアドバイスなど出来る立場ではないのですが……
うまい文章などが書けるようにするためには、やはり文章を書いてみることでしょう。
下手でもいいから、とにかく書いてみることです。
……というのは、私がここに来たばかりのころに言われたことですが。

>グリーンフォールドさん
初めまして。
キャラクターの設定がしっかり出来ていて、とても楽しみです。
お互いに頑張っていきましょう。

990 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/23(土) 15:11:56 ID:kWclRR7I0
Galaxy更新ktkr。
不可解なほど不敵なメタモン……まさか、死んではいないでしょうw
っかし言動と行動が謎めいてますな。今後に期待しよう期待しよう。

991 :ポケ好き ◆GfNJR/0Wg2 :2008/08/23(土) 20:10:16 ID:+bazUxXE0
パウスさんありがとうございます。

992 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/24(日) 00:47:55 ID:ImzxN8lw0
そういえば次スレだな

993 :グリーンフォールド:2008/08/24(日) 10:44:20 ID:rRxsNQig0
私まれにしか更新出来ません。ごめんなさい。

「きゃーーっ!」この物語は、彼女の悲鳴から始まった。

「な、な、何するんですか?」
「ご主人様の命令です。貴方様をキート様の研究室に連れて行かせて頂きます。」
二匹のプリンが1匹のシャワーズを抱え上げていた。
「やめてください!私まだまだ研究したい事だってあるんです!」
「問答無用です。」
「いやぁぁぁぁぁーーーーーー!」

がしゃん。シューフはとある個室に閉じ込められた。
「…此処は…何処なのでしょう…?」
シューフの手足は縛られている。
こうなると自分が殺されるのか、または拉致されるのだろうとシューフは思った。
こういう経験は過去にもあった。

カシャン…。
「っ!?だ…?!」

「始めまして僕のプリンセス。僕は、キートと言います。」
「へっ?あっ…あぁぅぅぅ〜…。」
シュー不は突然の出来事に戸惑っている。
「ま、そう言う行動をするのも判りますよ。さあこちらへ。」
「えっ?あっ…はあ…。」
シューフはキートに連れられ、研究施設の中を歩いていた。

「此処に入って下さい。」
「えっ…?」
「良いから早く!」
筒状の青い光を放っている機械の中にシューフは閉じ込められた。
「何なんですか?私を殺す気ですか?」
「まさか。貴方の脳のデータを研究に役立てて、その後貴方で少し遊ぶだけです。」
「遊ぶっ…て…?」
「君はもう玩具でしかないんですよ。僕専用の。」
シューフは顔が引きつっている。
「えぅぅ…?さっぱり意味が分かりません…。」
キートは何やらボタンの様な物を押した。
すると、機械の両端から電流が流れ、シューフを麻痺させた。
「ああああーーー!っ…な、何をっ…?」
「さあ、いきますよ。」
ポチッ!

「キャァァァァーーッ!やめっ!」
ブッシュウウウ!
シューフが身を守るため水を身体の周りに集めた。
だが電撃は水を弾き、シューフに当たった。
「くぁぁああっ!」
ボテッ!
シューフは力つきた。
「多分これで吸い取れたでしょう。」
キートは力つきたシューフを、ベットに寝かせた。
「…可愛い顔ですね。僕の物にもうすぐなりますね。」
キートはシューフの頬に軽くキスをした。

「う…ん…あれ?此処は天国ですか?」
「まさかね。僕の部屋だよ。」
「…天国にもイエは会ったんですか?」
「…頭いかれちゃってるんじゃないの?」
「はれっ?何だか私変わったみたいですね。」
シューフはほわ〜っと笑った。
まさか、こんなに効果があるとは…。キートはふっと笑った。

「さ、やりますか?」
「何をですか?」
「決まってるじゃないですか、君で遊ぶんですよ。」
シューフはキートに押し倒された。あの細い腕に、何処にそんな力が…?
シューフは目をつぶった。

「うっ…やだ…キートくんやめてよ…。」
「どうして?君はもうじき快楽に溺れるんだよ?」
「いやだ!私そんなのいや!」
「うっ…?グアアア!」

「こいつには得と痛み付けないとな。」

「うアアああああアーーーーー!」
「いやぁぁぁあーーーー!」
二匹同時に悲鳴を上げた。二匹とも、過去を思い出し。


994 :ポケ好き ◆GfNJR/0Wg2 :2008/08/24(日) 15:00:35 ID:FA2Jhmp60
グリーンフォールドさん小説期待してます。
がんばってください

995 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/08/24(日) 22:11:30 ID:U1ERdeJQ0
続き。ポケ好きさんはじめまして。応援ありがとうございます。

44 追跡

ミナヅキとエイガは一晩の夢を終え本題へと戻っていた。

「さて、パール。これでワタシ達もダイヤを追いかける事が可能になった。
 だが、その力の消費で多分原身にはしばらく戻れなく可能性が高い」
「そこまで解ってんなら初めから諦めろよ……」

エイガはミナヅキを睨みつけた。
睨まれたミナヅキは慌てて「……冗談だ」と前言を撤回する。

「今更だけどオレ達がダイヤと戦う理由ってもうないんじゃ?」
「それは、ワタシの雌としてのプライドを傷付けたダイヤが許せないんだよぉ!!
 文句あるかパール? ……あるって言うのなら無理矢理でも従わせる……」
「ないです。文句なんてないですよプルートさん。自分もダイヤとは決着を付けたいと思ってたんですよ。
 いや〜奇遇ですね。利害の一致してるのに争う理由なんてないじゃないですか!?」

ミナヅキはエイガの顔色を見て慌てて話を合わせる。
エイガはミナヅキの反応を渋々納得した。

「……取り合えず話を戻そう。そこで冥界から二匹の強者をワタシ達に同行させようと思う」
「そんな事したら、かえって力を消費しないか?」
「……まぁそれはそうだが……。原身になれないで二対七で勝負になると思うか?」

ミナヅキの言葉にエイガは素直に納得した。
しかし、エイガが言う事もまた事実である。

「それに信用できるんだろうなその二匹……」
「にはは。僕等が信用できないって〜。僕等はエイガ様には絶対服従だよ〜」
「信用とは実績の積み重ね……。その忠誠は戦場で証明する」

ミナヅキが文句を言っているとレッカとエターナルが歩いてきた。
レッカとエターナルはミナヅキの言葉に顔色一つ変えないでエイガへと近づく。

996 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/08/24(日) 22:11:59 ID:U1ERdeJQ0
「紹介しよう。ウィンディのレッカとブースターのエターナルだ」
「……こいつ等……ダイヤの子孫じゃないか……。本当に大丈夫なのか?」
「ワタシの人選が信用できないか? まぁ確かにダイヤの子孫ってのは大きいか……。
 しかし、それ故にこの二匹の能力は保障できる。このためにワタシが禁忌を犯してまで蘇生させたんだからな」

ミナヅキはエイガの質問に納得がいっていないようだった。
エイガはそんなミナヅキを見てこれ以上の説明はしない。

「特にさ……そっちのブースターのエターナル……だっけ?
 何となくダイヤを思い出すんだよな……。何考えてるか解らないって言うか……。
 雰囲気があいつに似てないか?」
「……何か随分と酷い言いようだね〜。……調子に乗ってると痛いめ見るぞ、ハリネズミ……」
「……口の利き方がなってないようだな小娘……。外見はオレ方が若いがこっちは貴様等の何倍も生きてるんだ……」

ミナヅキとエターナルが互いの感情をむき出しにして睨み合う。
その光景を見ているエイガとレッカは唖然としていた。

「エターナルもういいだろう。俺達の相手はパルキアではなくディアルガだろ……」
「止めるなレッカ! これは僕とミナヅキの問題だ!」
「エイガは『様』付けでオレは呼び捨てか? 随分とオレを舐めてないか?」

ミナヅキの反応にエターナルは蔑みの目をする。
ミナヅキはエターナルの顔を見て更に怒った。

「貴様……そんなにオレを怒らせたいか?」
「ふん。ディアルガに封印された空間の神が偉そうに……」
「ガハァ!! そ、それは!?」

エターナルの言葉がミナヅキの心の急所に当たった……。
ミナヅキは膝を付いて落ち込む。

997 :蒼空 ◆RmWS0bdaeU :2008/08/24(日) 22:12:19 ID:U1ERdeJQ0
「も、もう良いな……エターナル……。と言うか、それ以上は止めてやれ……。
 お前がこんな性格とは思ってなかったよ……。こんな親でよく娘がまともに育ったな……」
「む〜。エイガ様がそう言うなら止めますよ〜。それに、今フィニティは関係ないですよ〜」
「エ、エターナル……そ、そう言えば娘は父親似か?」

エイガが初めて見るエターナルの自分以外への対応に戸惑っている。
レッカは話をそらそうと質問したがその質問はかえってエターナルを刺激する言葉だった。

「……あいつの話はするな……。あの裏切り者め……。一時でもあいつを信じた僕が馬鹿だったんだ……。
 あいつのせいで僕等の一族は……。あいつさえ居なければ……」
「そ、その……悪かった。謝る。許してくれると嬉しいんだが……」
「別にレッカは悪くないよ……。フィニティにはあいつの血が流れてる……。
 だから僕はフィニティが敵に回るなら娘だろうと容赦はしない……」

エターナルの言葉には完全に殺意が込められていた……。
レッカはこれ以上話をややこしくしないように黙っている。
既にこの三匹からミナヅキの存在は忘れられていた……。

「さて、そろそろ本題だが……ワタシ達は九千年前にタイムスリップし、ダイヤとその一行を討伐する。
 何か質問はあるか? まぁ質問するほどの内容ではないか……」

三匹は今回の作戦の内容を確認しあう。
その時にようやくミナヅキにの存在を思い出し、九千年前へとタイムスリップしたのだった。

998 :ポケ好き ◆GfNJR/0Wg2 :2008/08/25(月) 08:14:18 ID:/qrdPXns0
蒼空さん がんばってください!


999 :ポケ好き ◆GfNJR/0Wg2 :2008/08/25(月) 08:15:06 ID:/qrdPXns0
そういえば次で1000ですね

1000 :残虐なセスタ様 破壊凶グリムジョー ◆TK6ZoEZ1AY :2008/08/26(火) 14:02:36 ID:9yX4c1v20
1000ゲットだ
俺様最強
文句あるか?

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