「出会い前」 「ここが…としあきのいるニッポン…」 何日ぶりかの陽の光が少女の瞳に突き刺さる。 少女が隠れていた木箱を開けてしまい、肉塊となった港湾職員を踏み越え、 きょろきょろと辺りを見回しながら港を後にする。 「お爺様に教えてもらったとしあきの住所、この近くだといいんだけどなぁ」 ポケットからメモ帳の切れ端を取り出す。 そこにはキリル文字と漢字で『埼玉県さいたま市…』 人に聞こうにも言葉がわからない、看板を見てもなんて書いてあるのかわからない。 少女はちょっと困りながらも「まぁ、何とかなるかな」楽天的に呟いた。 少女の目の前の大きな看板には『めんそ~れ沖縄』 少女の長い旅が始まる