私の目の前に広がるがれきの山は、たしか、ついさっきまで女子寮という名の建物だったはず。 「あきちゃーん、どうしよう。どうしよう?」  このヨーグルト女が他人の物を間違えて持ってきたせいで……。 「どうしようじゃないわよ! 元はと言えば、あんたが黒服のブツと間違えたのがいけなかったんでしょうが! ほんとどうするのよ!」 「どうしよう……」  すがるような目はキラキラと赤く輝いていて、うっかり許してしまいたくなる波動が……。 「まあ、とりあえず、それとなくブツのすり替えは成功したんだし……」 「うん! おかげでお気に入りの下着とかちゃんと帰ってきたし、 これも全部ぜんぶぜーんぶ、あきちゃんのおかげだね!」  という屈託の無い笑顔を横目に、私はそっとため息をついた。  これから寝るとこ、ほんとどうしよう……。