■ メイジさんのとある一日 ■  ◇ブリーフィング?◇  メイジ、緊急事態だ。エロメイトが何らかの店舗特別増刊号を発刊するらしい。  これまでの実績を考慮した上で、この情報筋の密告は信用に足る、というのがアタシの見解だ。  三時間前の評価報告では、この情報に基づいて着々と現地に敵部隊が集結を始めているとのことだ。  敵の動員率は急速に高まりつつあり、時間と共に着実ににその陣容は厚みを増しているが、  この機会を座して傍観する訳にはいかない。  今回の作戦の目的は、この特別限定カードを同梱した増刊号の奪取である。  目標は矢追坂19に位置するこの建物の三階、正面ウインドウ横に陳列されるものと推定される。  メイジには、このポイントに対して単独強襲を実施してもらう。  開店一時間前には、歴戦の猛者達は完全に配置についてしまうだろう。  その総てを押さえ込み、ベスト・ポジションを確保することは容易ではないが、  それが不可能であればこの作戦の成功は無いと言える。  なお、先程も言ったとおり、支援は一切予定されていない。  ユキとユカリは講習で不在だし、アタシはコミック俺の穴で別件の強奪任務に従事する予定だ。  兵力の集中も一度は思案したが、個々の能力を慮れば、分断した上でさえ成功率は高いと判断した。  困難な任務になるだろうが、失敗が想定されないミッションであることを理解してもらいたい。  初陣にしては厳しい注文だが、これはメイジの実力を評価・考慮した結果だ。  粉骨砕身の体で任にあたり、我が軍に勝利をもたらして欲しい。  朗報を期待する。  ◇ミッション◇  メイジさんはとっても上機嫌でした。  だってリョウコさんに買い物を頼まれたんです。とっても嬉しい!  走って! 走って! 購入した本を大事そうに胸にかかえています。  メイジさんだってもうみんなに頼られる、立派な大人の女なんです!  本はあっさり買えちゃったんです。メイジさんは一流のエージェントなんですよ?  正確なマップと現物の写真さえあれば、目標の獲得なんてお茶の子さいさいです!  あの施設に居たオネーサンたちは、なんだかチョット恐かったけど。  あっ、サブミッションを忘れるところでした。成功したら空ける約束の手紙。  迂闊な行動は死に直結します。プロは勝っているときほど、失敗の可能性に怯えるんです。  リョウコさんに渡された、小さい封筒を取り出して、メイジさんはその内容に目を通しました。  手紙で指定された、アイスクリーム店で指定されたバニラアイスを購入します。  バニラのカップを持って、小洒落たオープンテラスの一角に腰掛けて、味見をしました。  おいしい! 確か、日本の言葉で、パールホワイトは「セーエキ色」というはず。  メイジさんはふんわりした舌触りのアイスに夢中になってしまいました。  上品に口元をハンカチで拭い、まわりに大人の風格を見せつけます。  リョウコさんはこんなご褒美を用意してくれました。サプライズです!  空になったカップを、ゴミ入れにちゃんと捨てたメイジさんは、  大事な本を抱えて立ち上がり、今一度帰還の途につきます。  走って! 走って! 公園を近道して時間を節約します。  大人の女は仕事だって早いんです。  おっと…小さな子供が公園から飛び出してきました。  ふふっ、メイジさんは一二人中でも身軽さはトップクラスだったのです。あわてず騒がず身を翻します。  あれっ、右足の着地予定ポイントに猫が身を滑りこませてきました。  それでも大丈夫です。メイジさんは二段構えなのです。  上半身を捻って左手をつき、側転宙返りに移行します。  ええっ、蹴って上体をおこそうとしていたガードレールに綺麗なチョウチョがとまっています。  とっさに宙に浮いた二本の足を、強引に振り回して体を一回転させ、悲劇はなんとか回避しましたが、  とうとうメイジさんは受け身を取ることができない体勢になってしまいました。   べしゃっ  メイジさんはお腹から水たまりにダイビングしてしまいました。   あっ、大事な本がびしょびしょです。あわてて拾いましたが、  本はじっとりと重く濡れてしまいました。  公園のベンチに座って、持っていた本を包みから出し、ビニールをはぎ取ります。  天気がいいので、メイジさんは本のページを開いて乾かすことにしました。  開いた本には、細身のいい男どもが、くんづほずれつです。  メイジさんもチョット興味があります。いえ、素直じゃありませんでした。割と好きでした。  おてんとう様はメイジさんのお願い通り、本をすぐに乾かしてくれました。  でも、今回の目標であるカードはしおしおになっていました。  紙のパッケージごしにカードを触ってみますが、何度確かめてもやっぱりしおしおです。  もうこれは失敗といっていいでしょう。  リョウコさんに「これはクリティカルミッションだ」と言われたことをメイジさんは思い出します。  あれ程説明を受けたというのに…。メイジさんはとっても悔しく想いました。  リョウコさんにもらったお金はもうありません。  メイジさんは一生懸命考え続けましたが、失態を回復する良い方法が思いつきません。  どうして良いのか解りませんでした。  かなりの時間考え込んでいたのか、いつの間にか公園が夕焼けに染まりだしました。  メイジさんは帰ることにしました。大人の女は敗戦報告だってキチンとできるんです…。  ◇褒賞?◇  「遅いじゃないかメイジ、本当に心配したぜ…って? 服びしょびしょで?…。っハハン?」  メイジさんがしょんぼりしているのを見ると、なぜだかリョウコさんは目を輝かします。  お腹に抱えたしわしわの本を差し出すと、リョウコさんはニッコリ笑って受け取ってくれました。  メイジさんの背中を優しくぽんぽんとたたくと、リョウコさんはメイジさんの手を引いて歩き出します。  そのままお風呂場に移動したリョウコさんは、メイジさんの服を脱がせて何やら話しかけています。  「大丈夫か? 怪我してないだろうな…。よし、汚れただけか。でもお仕置きだな」  オシオキ! メイジさんはオシオキが苦手でした。なんだか苦しい気持ちになるからです。  リョウコさんはいっつもメイジさんのことをお風呂場でオシオキします。  するするとメイジさんを裸にすると、リョウコさんも自分の服を脱ぎ初めます。  リョウコさんの肉付きのよいおしりが、メイジさんの目の前で揺れていました。  出しっぱなしのシャワーの湯気が、バスルームに充満しています。  いつものように、リョウコさんはあのぬるぬるしたのをメイジさんの大事なところに垂らして、  念入りに手で可愛がってくれます。ああっ、メイジさんはとってもせつない気分になります。  リョウコさんの指はリズミカルに緩急をつけてメイジさんを責め立てます。  手加減して引っ掻いたり、強引に押し込んできたり…。  リョウコ、もう勘弁してよぅ。お願いだよぅ。とメイジさんはリョウコさんを見つめますが、  何故かリョウコさんはいつもその瞳を見ると、鼻息を荒げて興奮度が五割り増しになります。  メイジさんが声を漏らそうものなら、なまめかしく丘を這う指先の愛撫スピードは二倍になります。  必死に我慢している顔を見せようものなら、感極まって脳内花火が何度も炸裂するまで、  リョウコさんは許してくれません。というより何やっても駄目でした。  リョウコさんは大きなおっぱいを揺らしながら、メイジさんをふとももの上にのせて、  後ろからメイジさんの両方を愛してくれます。ヌチヌチを嫌らしい音を立てながら。  外に突き出ている方はリョウコさんの指が絡みつく度にビクビクといきり立ち、  指先でぐいぐいと刺激されている桃色の深部からは淡い色のオツユが垂れています。  あっ、ぁ、っ、もぅ…。  アーン  またもやリョウコさんに手で遊ばれるメイジさんでした   ◇記憶◇  ──私には、家族が居ました。仲間はとっても沢山いたけど、私の本当の家族は一人でした。  大好きだったお母さん。いつも笑顔で、とっても優しかった私だけのお母さん。  お母さんは休みの日に、必ず何処かに連れて行ってくれるけど、それはいつも組織の敷地内でした。  他人から見ると、それは狭い鳥カゴの中で自由をもがき求めるような、滑稽な物だったかも知れません。  それでも。それでも私は月に一度のその時間が楽しみで仕方ありませんでした。