「俺のこと、嫌い?」 「嫌い」 キッパリと放たれた言葉に、がくりと落ち込み地面に崩れる。 「やっぱり俺のこと嫌ってたんだ」 少女はしゃがんでとしあきの頭に腕を回して耳元で囁く。 「嫌い、嫌い、大嫌い。貴方はいつだって自分勝手で、人の気持ちなんかこれっぽっちも考えなくて、そのくせマ イペースで、偏食で、足が臭くて、タバコも吸うし、ちょっとエッチで……あたしより…ずっと年上で………いつの間にかあたしの心 を奪ったくせにいつまでも鈍感で……」 少女の顔から暖かい物がこぼれてとしあきの頬に落ちる。 *** 「泣いてるの?」 「そんなんじゃないわよ、デリカシーの無い人」 「ごめん」 「謝らないでよ。謝ったって許さないんだから。それに私、もう決めたの」 立ち上がってとしあきを見下ろす。 「芽衣……」 「まず     をして」 「善処します」 「貴方を私好みの男にする」 「努力します」 「そして三人でこの道を歩いて行くの」 「うん……うん?」 「絶対に逃がさないんだから」