ヌプッヌプッ 「あぁ…としあき…」 風呂場でうずくまりながら指を自分のお尻の穴に出し入れして呟く。 自分の指をとしあきの指やアソコと重ねて穴に入れ、広げる。 洗濯槽に入れられたとしあきの下着をこっそり取り出し、その匂いを嗅ぎながら隠れてするオナニー。 それがここ最近のノブの日課だった。 自分が男のことを好き…そんなはずはない、自分はホモじゃないと必死に否定しながら 体はとしあきのことを思うだけでどうしようもなく火照ってしまう。 それを鎮めるために始めた行為だったが、今ではこれ無しではいられないほど この快楽が体に染み付いてしまった。 *** ゴト。 物音に慌てて振り向く。 「ふぅん…」 いつの間にか扉は開けられ、それに体を預けてとしあきが立っていた。 腕を組み、物珍しさと嫌悪感と侮蔑の表情を浮かべて。 「あ…あ…これは…違うんだ」 タオルで体を隠し否定するノブ。行為の一部始終を覗かれていたにも関わらず反射的に言葉にしてしまう。 それを見てとしあきはニヤリとほくそえむ。 「いいぜ、メイジには内緒にしてやるよ」 意地悪く言う。 「お前が男の名前を言いながらケツ穴でオナニーする変態のホモ野郎だってことを メイジには黙っていてやるよ」 *** 「いや…そんなこと言わないで…」 目頭が熱くなる。視界がみるみるボヤけてくる。 「なら誓えよ。俺のケツ穴肉便器になるってよ」 としあきが近づいてくる。 「うぅ……い…ます…」 「あ? 聞こえねーよ」 目の前にとしあきの素足が見える。 「誓…い…ます」 「ハッキリ言え」 冷たく言い放つ。 「とし…あきの……ケツ穴…便器に…なります…」 涙がこぼれる。それは憎しみ、悲しみ、屈辱、どの感情からでも無かった。 自分が心のどこかで望んでいたことが現実になった『喜び』。その感情からだった。 --- 「そうだな、まずは…」 そう言いながら洗濯機の中を漁る。そしてメイジのパンティを取り出すとノブの目の前に突き出す。 「これを履け」 「え…?」 事態が飲み込めなかった。 「俺もホモじゃねーからな。流石に男の格好じゃ勃たねーよ。お前メイジの格好しろ。 メイジのつもりで犯してやるよ」 としあきの言葉には『絶対』の力があった。おずおずとそれを受け取るととしあきの前で足を通す。 (ほとんどヒモだ…こんなのじゃ全然隠れない…) 布で覆いきれずにノブの象さんがピョコンと顔を出す。その先端は既に濡れていた。 「よし…いいぞ」 ゴクッと喉を鳴らして生唾を飲む。口が渇いてくる。ペロっと唇の端を舐める。 *** 恥ずかしそうに腕で胸を隠すノブ。パンツがあることで逆に裸の上半身を意識してしまうらしい。 「いいぞ…しゃがめ」 としあきの命令に無言で従う。足元に膝をつきとしあきを見上げる。 ジーッ。 チャックが下ろされる。パンツの中からポロリととしあきのペニスが顔を出す。 自分の物とは形も大きさも色も違うそれを見て少し戸惑うノブ。 「くわえろ」 反射的にとしあきの顔を見る。その瞳は冷徹に光り反論を許さない。 「……」 無言のまま手を伸ばし、そっと指を添える。熱い。どうしたら良いかわからずただ握っていると、 としあきが含みを帯びた声で囁いてきた。 「いつもしてるようにすればいいんだよ……お前が俺のことを考えながら自分でするようにな」 その声で体がビクンとはねる。としあきの足に白い液体がかかっている。自分の腰が重い。見れば射精していた。 「言葉だけでイったか。全くどこまで淫乱なんだ、お前は」 *** (著者割愛) *** 「よーし、自分でテメーのケツ穴広げろ。そうだ。こっちに来い」 としあきのチンコはガチガチに固まりそそり立っている。 ノブの両手を押さえつけ、肛門に亀頭を押し付ける。 ニュプ。 鈴口がノブの肛門を押し広げ内部に侵入する。 「へへ、先っちょしか入ってねーがあったけーな、クソの穴の中ってのは」 恥ずかしさで死にそうになる。 両足を抱えられ持ち上げられる。そのまま体を下に下ろされていく。 「ほーらノブ、お前の肛門バージン奪っちゃうぞ~。ほらっほらっ」 自身の体重でとしあきのペニスを飲み込まされていく。 「頭が入ったぞ。これでお前はもう処女じゃないんだ」 圧倒的な存在感を味あわされた後に言葉でそれを確認させられる。 *** 「僕…もう処女じゃない…」 全身に細かい汗が浮かびがる。 「そうだ、非処女だ。ビッチだ。メス豚だ」 酷い言葉が投げかけられる。 「どうだ? 処女喪失した気分は」 頭がグルグルして言葉にならない。キモチイイ。気持ち悪い。ダイスキ。大嫌い。 「ククッ…そうか、俺のチンポのことで頭が一杯か!」 ノブの顎をクイっと引き寄せキスをする。唇で、舌で、歯で。息で唾でノブの口内をレイプする。 おもむろにノブの体を落とす。 「うあ…あぁ…」 突然の衝撃に言葉が出ない。息ができない。 「ノブのウンコの穴、柔らけーな。ほら、もう半分まで入ったぞ」 としあきの肉が自分の肉を割り裂いている。温かい。固い。熱い。大きい。太い。 「くく、まったくたいしたエロガキだな、ノブ」 としあきのペニスはもうほとんど飲み込まれていた。 *** 「駄目、死ぬ、死んじゃう。これ以上入れられたら僕死んじゃう!」 「いいぞ、直腸でもっと感じろ。大腸で妊娠させてやる。大便で受精しろ! うっ! うっ!!」 ノブに罵声を浴びせながら絶頂に達する。 トプッ。ドプッ。ビュッ。ブプッ。 熱い物がとしあきのペニスを通ってノブの体内にさかのぼってくる。腸を汚そうとほとばしる。爆ぜる。 ヌポッ。 ノブの穴の中を犯し尽くしてとしあきのペニスが抜け落ちる。 肛門の皺が伸び、ポッカリと口を開けた暗い空洞の奥から、大量に吐き出された精液が零れ落ちてくる。 白い排泄物のように糸を引き流れていくザーメン。 ノブは目も空ろで肩で息をしながら圧倒的充足感に身を任せていた。 だらしなく足を広げ、精液を垂れ流しながら年上の男性に力なく寄りかかる少年の姿に としあきの股間はまたムクムクと鎌首をもたげる。 小柄な少年の肛門を性器として扱い獣欲を残さず叩きつける。 *** 「はぁっ、はぁっ、男の子の、こんな小さな子のウンコ穴でっ、 セックスしてるっ、俺、セックスしてるっ」 自分の行為を言葉にすることで快感が何倍にも高まるのがわかる。 そしてそれはノブも同じだった。自分がされている行為を愛する人に言葉にされることによって、 自分の中の何かがかつてないほどに刺激されていた。 自分からとしあきの首に手を回しキスをせがむ。性的なキス。口でする性行為。 「うぅ…出すぞ、クソ穴に出すぞ!」 「駄目ぇ…出しちゃ駄目……」 言葉を無視して二度目の射精。ノブの腹の中に溜まっていく熱い流動物。 それに促されて自身も射精する。 「に…妊娠しちゃうよぉ…」 甘く声を出す。 「ああ良いぜ。しろよ」 としあきの言葉に頭が白熱し、無我夢中で吸い付く。 「僕…妊娠しちゃった…受精しちゃった…」 ----------------------------------------------- あの日、あの時、僕はとしあきに犯された。 それまで経験したことのない快感。あの瞬間、僕はとしあきの奴隷になった。 あれ以来、としあきのこともメイジのこともまともに見れなくなってしまった。 メイジの顔を見る度に重い罪悪感を覚える。としあきはメイジの恋人なのに、メイジに隠れてあんなことをしてしまったという罪の意識。 そしてとしあきの顔を見る度に……いや、今も僕のスパッツの中は痛いほどにいきり立っている。 としあきのことを思うだけでカチカチになってしまう僕のおちんちん…… *** あれから何度もあの時のことを思い起こしてオナニーを繰り返した。 また襲われることを期待して、としあきが家にいる時に洗面所でとしあきの下着でオナニーをしたりもした。 でもあれからずっと、としあきは僕に何もしてこなかった。僕ととしあきの間には何も無かった。 「これ、おいしいじゃない」 「そうか? 残り物で作ったんだがそれなら良かった」 メイジが肉を口に運びながら言い、それにとしあきが笑いながら答える。 今日の夕飯の当番はとしあきだ。僕、メイジ、としあきの3人は、日替わりで炊事、洗濯、ゴミ捨てなどの当番を決めて、 それをしている。 週の5回は僕の番だけど、としあきが喜んでくれるなら6日やってもいい。 *** あまり広いとは言えない食堂。 そこに置かれているちょっと小さ目のテーブル。四人がやっと座れるくらいの大きさ。 そこに、としあきと向かい合って僕とメイジが座っている。 「でもとしあきの作る物っていっつも失敗作みたいよね」 メイジは悪態を吐きながらも、形が崩れて色も黒ずんだその肉片をフォークで刺して引っ切り無しに口に運んでいる。 僕も食べてみる。見かけと違って確かにおいしい。 「お前よりマシだろ」 テーブルに肘を突いてフォークで肉をいじくり回しながらとしあきが言う。 「何よー、あたしのは素人にはわからないげーじゅつ作品なのよ、げーじゅつ」 「そんなものを人に食わせるなよ」 としあきとメイジはいつも通りの態度で話している。 メイジは僕たちの間にあったことを知らないみたいだ。つまり、としあきはあの時の約束を守ってくれている。 *** ……僕たちのことを知ったら、メイジはどんな顔をするだろうか。 あれから僕に何もしてこないとしあきのことを思い出し、むしろバラしてみたい衝動に駆られる。 「ノブ、どうしたの? 私の顔に何か付いてる?」 ハッとして顔を逸らす。いつの間にかメイジの顔を見ていたらしい。自分でもわかるほど赤面する。 「お前に気があるんじゃないか?」 「まさかー。この子、他人に全く興味ないのよ。ブルガリアでもだーれも友達作らなかったんだから」 としあきの顔をそっと見る。 瞬間、目の前が真っ白になってしまった。上半身に血が集まる。 としあきは、あの時の顔をしていた。僕の処女を強引に奪った、あの時の顔。 いやだ、そんな顔で僕を見ないで…… *** 「ノブ、具合悪いの? いいのよ、こんな変な物を無理して食べなくても」 メイジが心配そうに声をかけてくる。僕は避けるように顔を逸らす。 「ううん…平気だよ。何でもないから…」 「どれどれ」 としあきがテーブルの向かいから手を伸ばす。大きくてゴツゴツした手が僕のおでこにあてがわれる。 「……!」 それだけで確実に僕の体温は2度上昇した。 としあきの…手……暖かい…僕を包んでくれた…優しい手…… 「顔が真っ赤じゃない。風邪でも引いたんじゃない?」 メイジが僕の顔を覗きこんでくる。溜まらず席を立ち 「な、何でもないよ!」 と全力で否定する。しかし頭に上っていた血が一気に下がり、立ちくらみを起こしてしまった。 *** 「おっと」 いつの間にか隣に来ていたとしあきに支えられる。 逞しい腕。この腕で僕を押さえつけ、この腕で僕を抱きしめてくれた。 いつまでもこうしていたい。メイジの前なのにそんなことを思ってしまった。 「やっぱり熱があるな。メイジ、悪いけど後片付け頼むよ。お前の番の時、俺が変わるからさ。ちょっとノブを寝 かしつけてくる」 「うん、お願いね」 メイジは皿に残った最後の肉にまたフォークを突き立て口に運ぶと、幸せそうに顔を綻ばせる。 としあきがよっと声をかけて僕を両腕に抱きかかえる。お姫様抱っこ。まさかメイジの前でこんなことまでされるなんて。 でも頭がボーっとしてそれ以上何も考えられない。 *** としあきの匂いがする。煙草と体臭の混じった匂い。あの時の匂い。駄目だ…この匂いを嗅ぐと… 「まだ我慢しろよ。メイジにバレるだろ」 耳元で囁かれる。その声に軽くイってしまう。スパッツの中が熱くなる。としあきの服をギュっと握る。 食堂を出、階段を登る。その間中、僕はただとしあきにすがり付くしかなかった。 二階の踊り場に出た時、としあきがキスをしてきた。軽く、鳥のついばみのように、何度も。 頬やおでこや耳や、唇に。 「…この匂い、お前やらかしたな」 鼻をヒクヒクさせてとしあきが言う。僕にもわかる、強烈な栗の花の匂い。 股間がジットリと濡れていた。 *** 「やれやれ」 僕の部屋に入ってベッドの上に僕を降ろすと、としあきは僕の下着が入っているタンスを漁りだした。 「…ごめんなさい…」 としあきの背中に力なく声をかける。としあきは振り向かず言う。 「可愛かったぜ、ノブ。食堂でメイジの前でお前を犯したくなったくらいにな」 その言葉に、奇妙な安堵感を覚える。あの時、としあきも僕のことを考えていてくれたんだ。 忘れていたわけじゃなかったんだ。とても嬉しかった。 「メシの間、お前ずっと俺のことを考えていただろ」 下着を取り出し、スパッツを下ろしながら言う。僕のおちんちんが丸見えになる。 精液がベットリとまとわり付いている。 それをティッシュで丁寧にふき取りパンツを履かせてくれる。 *** 「パジャマはこれでいいのか?」 そう言ってオオカミのぬいぐるみのようなパジャマを取り出す。 僕のお気に入り。この家に来た時に服の替えが無かった僕にとしあきが買ってくれた大事な物。 「うん……」 としあきが、他にもあるパジャマの中から、それを選んで取ってくれたことが素直に嬉しかった。 「ほら、手をあげて。あぁ、こんなに汗をかいて」 タオルで体を拭いてくれながら、パジャマを着せてくれる。僕はただとしあきに任せきりだった。 その合間合間、としあきは空いた方の手で僕の頭を撫でてくれた。親指でおでこをさすりながら前髪をはねあげる。 残りの四本の指を後頭部に回し髪の毛の中を櫛のようにすく。髪を弄っていた親指がおでこから頬に下りてきて唇 の上をなぞる。 *** 「ごめんなさい…あの日からずっと、ずっととしあきのことだけを考えてた…」 としあきの親指が僕の唇をいじくり回す。上唇を裏返したり、下唇を押し込んだり。 口の中に入り込み、歯をこすったかと思えば頬の内側の粘膜を引っかいたりする。 「いいぜ、舐めろよ」 としあきの指に口の中を犯されながら、僕の舌は物欲しそうにわなないていた。それを見透かしての言葉。 「とひあひぃ…」 僕は口全体を使ってとしあきの指を愛撫した。吸って、舐めて、噛んで、としあきを愛した。 いつの間にかとしあきの腕を掴んで抱きしめていた。 長い間、僕はとしあきの指をしゃぶっていた。その間、としあきはずっと僕のことを見つめてくれていた。 *** 「……そろそろ戻らないとメイジに怪しまれる」 そう言われてハッとする。僕は僕のことしか考えていなかった。慌ててとしあきの手を離す。 僕から開放されたとしあきは、僕の口の中に入っていた指を見つめると、それを舐めた。 そこに付いたツバを綺麗に舐めとる。ふやけて色も変わっている。 「一人で平気だな?」 そう言って僕の頭を撫でる。僕は無言で首を縦に振った。としあきにこれ以上迷惑をかけちゃいけない。 としあきは汚れた下着やタオルを持ってすっと立ち上がる。ドアを開けると、部屋の電気を消した。 *** 「…嫌われたと思ってた」 としあきが静かに言う。 「え…」 「その…あの時、酷いこと…したからさ」 意外な言葉。 「ごめんな。今度、デートしような」 そう言って扉を閉じた。少しして階下に下りる音が聞こえてくる。 僕は長い間、暗闇の中で放心したままだった。