脳内で変換してみる  メイジがふすまを開けて部屋に入ると、どてらを着た幼女がコタツに入ってノート パソコンを覗き込んでいた。かれこれ何十分か。メイジも横でパソコンを眺めていた のだが、なかなか盛り上がらないスレにちょっと疲れてしまい、お茶で一息入れるこ とにしたのだ。 「スレの方はどう?」  メイジは彼女の手前に湯のみを置き、画面を注視した。 「ぜんっぜんだめっ」  確かに、彼女の言う通り全然レスがない。  メイジはちょっと残念そうに息を吐くと、彼女の横に足を入れた。 「やっぱスレあきが自演してくれないとさぁ、ねぇ?」 「……ん、お茶がおいし」  ずず、とお茶をすすり、まなじりを下げる。  彼女はその様子に呆れたようだが、 「もう少し盛り上げろ、と。ネタの一つも投下しないようじゃもうだめだろ、と」 「相変わらず好きねぇ」  のほほんとしたメイジの一言に、彼女は口をとがらせて言った。 「だってさぁ。だってねぇ……」 「ふふ、あきちゃんのそういうとこ、結構好きだよ?」  カタ、とエンターキーを押した彼女のふてくされた表情に、メイジは笑みを浮かべた。