昼休みにメイジは隣のクラスに遊びに来ていた 最近友達になった小岩井いちごはクラスが違うので 校内で会うにはどちらかが会いに行く必要がある 今日はメイジは前から気になっていたことをいちごに聞いてみた 「なんであそこには人が集まってるの?」 「あ、あの子は高梨さん…。占いが得意だからよく相談されてるの」 「ふーん…」 「メイジちゃんは占いに興味ある?」 「無い」 「そ、そうなんだ…」 **************** メイジは占いもおまじないも信じていない 元暗殺者として根拠の無い迷信など何の役にも立たないと思っている 「私は興味ないけどいちごはあるの?」 「うーん…実はちょっとある…」 「じゃ占ってもらえばいいじゃない」 「え、でも恥ずかしい…」 「そんなこと言ってたらどうにもならないじゃない」 「それはそうだけどぉ…」 「よし!それなら私と行こう」 メイジはいちごの手を引っ張って高梨という子の席に向かった **************** メイジといちごが高梨の席に来た時ちょうど前の子の相談が終わっていた 「いいタイミングね。悪いけどこの子も占ってよ」 メイジは無理やりいちごを高梨の前に座らせた 高梨はいちごとメイジを交互に見るとタロットカードを手に取った 「占って欲しいことは何?」 「あ、あの、恋愛とかって…」 「恋愛相談ね」 「あ、待って!やっぱりなしで!あの、今頑張ってることが上手く行きますか!?」 「本当にそれでいい?」 「はい!」 「分かった」 高梨はカードを切り始めた **************** 高梨は切ったカードを裏返しにして並べると何枚かをめくった 「これは…」 表向きになったカードを見つめて高梨は黙りこむ 「あ、あのぉ…結果は…」 いちごがおそるおそる声をかけた 「ああ、ごめん。あのさ、結果話す前に聞きたいことがあるんだけど、いい?」 「あ、はい」 「なんか隠し事してない?もう一つの顔って感じで」 「えっ!?」 突然の言葉にいちごはパニックになりかけた 頑張ってることというのはYouTube活動だがそれは自分と兄だけの秘密だ だけどもう一つの顔といったらそれしかない 占いでそんなことが分かるんだろうか… **************** 予想外の出来事にいちごは言葉を失っていた メイジはいちごの様子がおかしいのに気づいた 「いちご…?どうしたの、大丈夫!?」 「う、うん…」 いちごの反応を見た高梨が聞いた 「占い、続ける?どうする?」 「も、もういいです…」 メイジは高梨を睨み付けた 「お前……いちごに何をした…?」 「睨まれてもなぁ…。私は占っただけだよ」 いちごがメイジの腕を引っ張った 「メイジちゃんもういいよ、もう行こ」 メイジはいちごの手を払い今度は自分が高梨の前に座った **************** 「先に言っておくが、私は占いなんて迷信は信じてない」 「そう…」 「お前がいちごの何を分かったのか知らないが私はどうだ?何か分かるか?」 高梨は無言でカードを切った そしてまた何枚かをめくった 「どうだ。何か言ってみろ」 今度は高梨の様子がおかしい 「あ、あんた、何者なの…?こんなの見たことない…」 「どうした?」 「あんたの秘密はなんなの!?こんなの絶対普通じゃない!!何ヤバイことしたの!?」 物凄い勢いで立ち上がって高梨は絶叫した クラスの視線が集中しメイジはいちごの手を引いて教室を飛び出した **************** 廊下の角まで走ってメイジといちごは立ち止まった 「いちご、大丈夫?ごめんね、私のせいで…」 「ううん。私はもう平気だよ。それよりメイジちゃんは大丈夫なの?」 「大丈夫」 「でも高梨さんどうしたんだろうね。あんな風に言わなくてもいいよね」 「そうね…」 いちごには大丈夫と言ったが実はメイジも少し混乱していた あの態度はまるで元暗殺者という自分の正体に気づいたように見える 占いなんて迷信のはずなのに… あの女には少し気を付けようとメイジは思った 終わり ------------------------------------------------------------------------------------------------ 以前占い好きの子という話があった記憶があるので書いてみた 一応フルネームも考えてみて高梨ばにらにしている タカナシ乳業の商品にバニラオレがあったのとハーゲンダッツのアイスを作ってるのが元ネタ 見た目はあまり決めてないけど口調や性格はクールな感じかな 占いのイメージでタロットカードを出したけどダウジングの振り子をペンダントにしてるのもいいかもしれない >・6月9日:ロックの日 6月生まれだから趣味にロックを入れてもいいかもしれない 今回はメイジやいちごと仲良くなれなかったけど次は仲良くなれたらいいな