『クインテットのお泊まり会』 (何故──何故こんなことに──!?) 私の友人が私の男性器を握っている。 もう1人の友人が、ブラックの男性器に手を伸ばしたのが見えた。 2人の友の手がぎこちなく動き出す。 隣り合う私とブラックを、身を寄せたあろえとめぐみが挟み込む。 肌と肌が触れ合い、密着する。 彼女らの体温を、匂いを、息遣いを濃密に感じる。 新たな刺激が混乱が加速させる。 ますます心臓の鼓動が早まる。 身体が熱い。 (何故こんなことになってしまったんだ──!!?) 私とブラックはお互いの手をぎゅっと握り合った……。 **************** 発端はめぐみの提案だった。 「ねえ、今度の週末みんなでウチに泊まりに来ない?」 ブラックがすぐに食いつき、あろえも特に予定はないと言う。 そんな訳で週末はめぐみの家で〈お泊まり会〉ということになったのだ。 そして週末、私達はめぐみの家を訪れてた。 荷物を置くと早速遊びに行くことになり、夕方まで遊び続けた。 めぐみがゲームコーナーに誘い、真面目なあろえが止めようとした時は少し揉めたが…。 まあ私にとっても初めての体験だったのでよしとしよう。 夕食後も遊んでいると、めぐみの同居人、芹に声を掛けられた。 (ちなみにめぐみの親は今日も仕事で不在らしい) 「めぐみ、そろそろお風呂入って」 「じゃあ、みんなで入りましょうよ!」 待て、今なんて言っためぐみ? **************** 「うわぁ! 大っきいお風呂~!」 ブラックがもう興奮している。 「大きな家とは思ってたけど、こんなところまで大きいの? 水道代すごそうね…」 あろえは呆れた様子だ。 だが2人の反応はよく分かる。 浴室も浴槽も、としあきの家のものより二回りは大きい。 これなら5人が一度に入浴することも可能だろう。 しかし、それは出来ない…と思っていたのだが。 「入ろ入ろ~」 「あっ待て!」 …止める間が無かった。 ブラックはあっという間に服を脱ぎ全裸になった。 そして…。 **************** あろえとめぐみが口を揃えて言った 「「ブラックさん、男の子だったの…?」」 私は頭を抱えたが、ブラックは平然と答えた。 「ううんー、アタシは女の子だよ~。でもおちんちんもあるんだー」 そう言って無造作に裸体を2人に見せつける。 「へ──…確かに両方ある…」 「うーんとつまり…ふたなりっていうのかしら?」 なんで2人とも冷静に観察しているのだ。 「そうだよ~。ほらね~」 ブラックもわざわざ見せるな…。 じっとブラックの股間を見ていためぐみが、私に振り向いた。 「ねえ、ブラックさんがふたなりってことは、もしかしてメイジさんもなの?」 あろえも無言で私を見つめている。 どうにでもなれ、私は黙って服を脱ぎ捨てた。 **************** 「大っきいお風呂気持ちいいね~~♪」 と湯の中でブラックが全身を伸ばす。 「まあ、贅沢だけど気持ちいいのは分かるわ」 あろえもすっかり寛いでいる。 「ボクも一緒でホントによかったのかな…」 唯一の男子ノヴはまだ少し気にしているが。 「へーき、へーき。ノヴさんなら気にならないもの。あと芹さんも女の子だと思ってるから大丈夫」 めぐみはあっけらかんとしている。 「まーそうねー」 あろえもうなずいた。 どうなるかと思ったが、意外にも私とブラックの身体は受け入れられたようだった。 2人にはどうしてかと聞いてみた。 「「何か訳ありなのは前々から分かってたし」」 というのが答えだった。 **************** 熱い湯に浸かっていて、少し火照ってきた。 私は湯から上がり浴槽の縁に腰掛けた。 ふと視線を感じて振り向くと、めぐみと目が合った。 「どうした?」 めぐみは私の隣に腰掛ける。 「本当に両方ついてるのね」 「そんなに見たいものか、これは?」 「ええ。もっとよく知りたいわね」 そう言ってめぐみはピタリと体を寄せ、私の股間を見ている。 私はなんだかまた体が熱くなってきた。 「めぐみ、少し離れて…」 慌てて立ち上がろうとして足がもつれ、床にへたり込んだ。 **************** 「メイジさん大丈…」 言いかけためぐみが急に黙り込む。 あろえも呆然とこちらを見ている。 2人の視線が集中する先に気付く。 な、何故だ!!? 私の男性器が……ぼ…勃起している…! 私は慌てて股間を隠す。 「メイジさん…」 いつの間に? めぐみが隣に座り込んでいるのに気付かなかった。 「ソレ、このままだと困るでしょ…? 私でよければ、してあげる…」 「なっ、何を…」 めぐみの右手が私の股間に伸びる。 予想外の出来事に抵抗する暇がなかった。 **************** 「ンッ!」 めぐみの右手が私の男性器に触れた。 他人に触れられるというのはこういうことなのか。 未知の感覚が頭から爪先まで駆け抜けた。 めぐみの左手が私の肩を抱き、ピタリと身を寄せる。 「どう? 上手く出来てるかしら?」 囁く声も、触れる肌も、男性器を扱かれるのも、全部とてつもない刺激だ。 「あら、ブラックさん…」 めぐみの手が止まり、私は少し冷静さを取り戻す。 目の前には私と同じくらい勃起したブラックが立っていた。 そうか…私とブラックの〈感覚共有〉…。 **************** 「めぐみぃ…アタシにもしてぇ…」 潤んだ目でブラックが哀願する。 こんなブラックは初めて見た。 ブラックの頼みにめぐみは困った様子だ。 「うーん、してあげたいけど、2人一度には難しそうね…」 「そんなぁ…お願い、お願いよぉ」 ブラックは身をよじって頼み続ける。 「仕方ないわね」 そう言って割って入ったのはあろえだった。 「あろえ…? あろえが、してくれるのぉ?」 「こんなこと当然初めてだけど、要するにめぐみさんがしているのと同じことをすればいいんでしょ?」 「うん!」 **************** あろえはブラックを私の隣に座らせた。 〈感覚共有〉で彼女の緊張は私にも伝わってくる。 ブラックが私の手を握ってきたので、私も握り返す。 あろえの右手がブラックの肩を抱き、左手がブラックの男性器に触れた。 「確か…こうね…」 あろえの左手が動き出すと、めぐみの右手も再び動き出す。 「ンンッ!」 「アンッ!」 思わずのけぞった。 なんという刺激だろう。 私とブラックの感覚を繋げる〈感覚共有〉。 ブラックが感じていることは私に伝わり、私が感じていることはブラックに伝わる。 めぐみが私に与える快感と、あろえがブラックに与える快感。 二重の快感に脳が焼けてしまいそうだ! **************** 「ふふっ、メイジさん可愛い…」 「ン~ッ!?」 な、なに…? こ、これは…キス…? 私と…めぐみが…? 「ちょちょっ、何してるの!?」 あろえの慌てた声が聞こえる。 「あ~いいな~…ねえ、あろえもして~。キスして」 ブラックのねだる声も聞こえる。 「ちょっとめぐみさん! それはやり過ぎじゃないの!?」 あろえがそう言って、やっとめぐみは口を離した。 「何言ってるの、友達同士じゃない。ただのスキンシップよ♪」 「いやいやいや、何を言って…」 「ねえねえ~早く~。アタシにもキス~」 「あ~~も~~! 仕方ないわね!」 **************** 「あっ…」 あろえとブラックがキスをしている…。 私と同じ顔をしたブラックが…。 その感触はもちろん〈感覚共有〉で私にも伝わる。 (これがあろえとのキス……) 「へー、真面目な委員長だと思ってたら、意外と情熱的なのね…。じゃ、私達も続けましょ」 再びめぐみとのキス。彼女の手も動きを再開する。 あろえの左手も再び動き出したようだ。 男性器の快感と唇の快感がブラックとの間で循環する。 2人から同時に責められる感覚の中で、最高に快感が高まっていく。 私の右手とブラックの左手は固く握り合っている。 私達は空いている腕をそれぞれの相手の背に回した。 2人が私達の肩を抱く手にも一層力が入る。 私達は固く抱き合い、キスを交わし、そして私とブラックの身体の中で何かが爆発した──。 **************** 「こんなに出るんだね…」 「男の人もこんな感じなのかしらね」 あろえとめぐみの会話が聞こえる。 だらりと体の力が抜けたまま、2人に体を洗われ、抱き起こされてようやく目を開けた。 「落ち着いたかしら?」 めぐみが尋ねる。 「ああ。なんとか…」 「あろえー、ありがと~」 「どういたしまして」 ブラックもいつもの様子に戻ったな。 む、何か忘れているような…。 「じゃーまたお風呂入る~…あれーノヴどーしたのー? なんで後ろ向いてるの~?」 ブラックの言葉で思い出した。 そうだ、ノヴがいたのだった。 **************** 「あ──、そういうことかしら?」 「ふーん、そういうことかもね」 そう言うと2人はざぶざぶと湯の中に入ると、両側からノヴを捕まえ立ち上がらせる。 「ま、待って! 見ないで!」 ノヴは悲痛な声を上げるが、2人は構わず浴槽から引きずり出した。 「あ~、ノヴもアタシ達と同じだ~」 遠慮のないブラックの言葉に、ノヴは耳まで真っ赤になって俯く。 「まあ、仕方ないわよね」 「そう、仕方ないことよ」 そう言うと先程までの私達の様にノヴを座らせると、2人は両側にピタッと寄り添う。 「ノヴさんはメイジさんの弟なのよね? なら私にとっても弟みたいなものよ」 「うんうん。そして弟が困っていたら、助けてあげるのが姉よね」 「だから安心して?」 「私達に任せなさい」 **************** 「ああっ! やめて!」 めぐみの右手とあろえの左手がノヴの性器を掴む。 「あんまり騒ぐと芹さんが来るわよ」 そう言うとめぐみはキスでノヴの口を塞ぐ。 「あ、ずるい、私も」 今度はあろえ。 2人は代わる代わる、キスと愛撫を繰り返す。 恐らく私とブラックで慣れたのか、ノヴの性器を扱く手つきは随分スムーズに見える。 「いいな~、ノヴ羨ましい…」 私の隣でブラックが呟いたと思うと、ブラックはめぐみに抱きついた。 **************** 「どうしたの? ブラックさん」 「キスしよ~。めぐみとはまだしてないんだもんー」 「もちろんいいわよ」 ブラックとめぐみがキスを…。 その時、私が感じたのは悔しさだった。 ブラックはあろえとめぐみ、どちらともキスをしている。 ちらりと横目でブラックが私を見た。 〈感覚共有〉。この気持ちもブラックに伝わっている…。 私はあろえに飛びついた。 あろえは何も言わずに唇を重ねてくれた。 **************** それから私達は相手を変えて何度もキスをした。 気付けば私はノヴやブラックともキスを交わしていた。 〈姉弟〉でこんなことをするのは初めてだった。 だが、嫌な気持ちは全然無かった。 あろえとめぐみも唇を交わしている。 何故もっと早くこうしなかっだのだろう? そんな気さえした。 そしてキスを交わし合う間も、あろえとめぐみはノヴの性器を愛撫し続けていた。 ノヴは始めは声を押し殺していたが、だんだん悦びの声を上げ始める。 「ボク…ボク! もう…!」 「あ、そろそろみたいよ」 「じゃあ私も手伝うわ」 **************** 2人の指がノヴの性器に絡みつく。 滑らかに動く2人の手に思わず感触を想像してしまった。 ブラックもそうなのだろう、私達は同時に生唾を飲んでいた。 「ううっ…もう…もう…!」 扱く手の動きが加速する。 後は絶頂を迎えるだけだ。 ノヴが身を捩り、仰け反り、叫んだ。 「ああっ…!!」 **************** …意外にも私達の様な放出は無かった。 多分ノヴにはまだ早かったのだろう。 だがあのぐったりした様子から快感だったことはよく分かる。 「ノヴさん、まだだったのね」 「だったら初めてを見てみたいわ」 「ちょっとめぐみさん、何言ってるの」 「え、あろえさんは見たくない?」 「そ、それは…」 **************** 2人がおかしな会話をしているが、放置して私とブラックはノヴを抱き起こす。 「ノヴ、落ち着いたか?」 「う、うん…何とか…」 「すっごい気持ちよかったでしょ~」 「ブラック、やめておけ」 またノヴは耳まで真っ赤になっている。 湯冷めしないよう、私達はノヴを浴槽に連れて行く。 あろえとめぐみも追う様に湯に浸かった。 **************** 「あ、あの…ボク…あんなこと…ごめんなさい!」 湯の中でノヴはあろえとめぐみに頭を下げる。 「いいのよ、そんなこと」 「さっきも言ったでしょ。あなたは弟みたいなものだって」 「弟のお世話は姉の仕事よね」 めぐみの言葉に、あろえが少し照れた様に言った。 「そうね。私、末っ子だから…。弟がいるのって羨ましかった」 あろえの言葉にめぐみが反応した。 「私だってそうよ。一人っ子だし、芹さんがお姉さんみたいなものだし」 「だからノヴさんももう気にしないで。私が好きでやったことだから」 そう言ってあろえは微笑む。 「私もよ! これからは私もお姉さんと思っていいんだから」 めぐみも笑顔で言った。 **************** 「あろえさん…めぐみさん…。ありがとう。ボク、日本で2人に会えてよかった」 「あー! アタシもだもん! アタシもあろえとめぐみに会えてよかったよ~」 ブラックが2人に抱きつく。 ノヴも抱きついていた。 そのままブラックが振り向いた。 「メイは~? メイはどうなの~?」 …狡いな。〈感覚共有〉で伝わっている癖に。 私達は固く抱き合った。 (終) **************** 「めぐみ、楽しいのは分かるけどちょっと浸かり過ぎ。ふやけちゃうよ?」 「ごめん…それより芹さん、お水頂戴…」 私達はのぼせてしまった。 (今度こそ終わり) ------------------------------------------------------------------------------------------------ 『お泊まり会後日談』 (困った…鎮まらない…) 私はブラックの様子を窺う。 〈感覚共有〉で最初から分かっていたが、やはり彼女も私と同じ状況のようだ。 こうなれば〈処理〉が必要だが、学校でこうなってしまった時は…。 「あろえ、めぐみ…」 私はそっと2人に囁く。 2人はすぐに理解し、うなずくと私達の壁になるように立つ。 「ノヴ、後は頼んだ」 誰かに訊かれた時はノヴに誤魔化してもらうのだ。 ノヴもそれはよく分かっている。 「うん…。いってらっしゃい」 後のことは彼に任せると、4人で教室を出た。 **************** 私達が向かったのは校内で一番利用者が少ないトイレだった。 予想通り誰もいない。一番奥の個室に全員で入る。 「さ、どうなってるの? 見せて頂戴」 あろえはこの時だけ、妙に積極的というか主導権を握りたがる。 「もう、そんなイジワルしなくても。でも見せてくれるなら…ね」 めぐみの方は普段よりも優しげだが、だからといってあろえを止めはしない。 もう何度目かのことなので、私もブラックもすべきことは分かっている。 私達は横に並び、ゆっくりスカートをたくし上げる。 裾を咥え、下腹部を露出させる。 あろえとめぐみがため息を吐いた。 「うわ…ガッチガチじゃないの」 「下着が破れてしまいそうね。すぐに楽にしてあげるわ」 2人の手が同時に私達の下着をずり下ろした。 **************** ブルンッ! そんな音が聞こえてきそうな勢いで、私達の勃起した男性器が飛び出す。 もう何度目か分からないが、やはり恥ずかしい。 〈感覚共有〉によって私とブラックの間を羞恥が循環する。 「確か、この前は私がブラックさんにしてあげたのよね?」 「そうよ。だから今日は私がブラックさんの番」 あろえとめぐみが担当を確認し、それぞれの相手の横に立つ。 「今日は私がしてあげる。ちゃーんと処理してあげるから」 あろえが私の耳元で囁く。 「ブラックさんは私。あろえさんより気持ちよくしてあげる…な~んてね」 めぐみはブラックの隣だ。 そして2人の手が私達の男性器に触れる。 **************** 「「!!!!」」 2人の手の感触や温もりを感じた瞬間、刺激が電流のように全身に走った。 声を漏らさぬよう、咥えたスカートの裾を噛む。 「じっくり気持ちよくしてあげたいけど…」 「休み時間が終わっちゃうものね」 あろえとめぐみの言葉が聞こえたと思うと、2人の手が激しく動き出した。 **************** 2人とも既にどこをどうすればいいかを理解している。 男性器を扱くのも手慣れたものだ。 ふたなりの私達でもこれはカウパー液なのだろうか? すぐに透明な液が滲み出し、2人の手との間でヌチャヌチャと水音を立てている。 (ああ…まただ。また…) (2人の手が汚れちゃうよ…) 友人にこんなことをさせているという罪悪感。 しかし快感がそれをあっさり上書きしていく。 ヌチャヌチャヌチャヌチャ…。 水音はますます大きくなり、扱く手の勢いは増してゆく。 こんなに激しく擦られて痛くなりそうなのに、味わっているのは快感だけだ。 ((もっと…もっとして!!)) **************** 私達の思いが伝わったのか、2人の手はさらに速さを増す。 もう気持ち良くなることしか考えられない。 もう少し、もう少しで…。 ((イク……イク!!)) 「「ンンンンッッ!!!」」 腰が跳ね、ビュッ! と飛び出した2本の白濁液がアーチを描いたのが見えた。 膝が震えて、力が抜け、あろえに抱き止められる。 今はもう何も考えられない…。 **************** 「たくさん出たわねー。そんなに気持ち良かった?」 「ほらほらブラックさん、後始末しないとダメでしょ」 「んー…まだ力入らないー」 あろえ、めぐみ、ブラックの声が聞こえる。 私も気を抜くとその場に座り込んでしまいそうだ。 だが、めぐみの言うように後始末をしないと。 男性器を拭いて下着を穿き直すと、全員で個室の掃除だ。 それから見つからないよう注意してトイレを出て、教室へ向かった。 私とブラックはお泊まり会であろえとめぐみに鎮めてもらって以来、学校でも世話になっている。 そして今日も世話になった訳だが、バレないかという不安は強い。 しかし処理しないと授業どころではないのも事実なのだ。 とにかく今日はもう2人の世話にならずに済めばいいが、と私は思った。 (終)