ブ「としあきー、このヨーグルトも味見した~い。買って買って~」 と「まあ、一個くらいならいいけど」 ブ「やったー」 メ「としあき、ブラックに甘いのはよくない」 と「いやぁそうなんだけどなー、つい…」 ブ「としあき優しいから好きー」 メ「ブラック、としあきに甘えるな」 ブ「あー知ってるよー。こういうの日本語でヤキモチってゆーんだよね~」 メ「何を言っている?状況は正確に把握しろ」 ブ「メイは~もっと素直になんなきゃダメだよ~」 メ「ブラック!」 と「ブラックもう煽るな、メイジが殺気立ってる」 ブ「ハーイ」 メ「全く…」 と「こんな所で喧嘩しないでくれよー」 ------------------------------------------------------------------------------------------------ 『としあきと令和のニュー・メイジ』 メイジの様子がおかしい。 どこがというのは分からないが、様子が変なのは確かだ。 「どうしました、トシアキさん?そんなに見つめられたら恥ずかしいですわ」 やっぱり変だ。そう思った時だった。 「としあきから離れろ!この偽者め!」 「エエッ、メイジ!?じ、じゃあこの子は…ああっ!アホ毛が二本ある!?」 「気付くのが遅い!」 「フフッ、わたくしはニュー・メイジと申します。新時代を迎えた今、オールド・メイジさん、貴女はお呼びでなくってよ」 「黙れ。次ふざけた口を利いたら、その触角引き抜いてやる」 「やれやれ、全く困ったものですわ………旧世代風情がッ、聞き分けろ!」 「あのー、俺、小腹すいたからヨーグルトでも食べようかと思うんだけど」 「「いただきまーす!」」 「じゃ二人の分も用意するね…」 ------------------------------------------------------------------------------------------------ (並べてみた=イラストまとめ7の7行目の白黒のバニーメイジが並んだイラスト) >>並べてみた >こんなお店あったらヤバそう 接待してくれる女の子は全員ふたなりバニーガールというお店「ミルクバニー」。 メイジとブラックはそこで働く双子の姉妹。 二人に惚れて店に通い詰めていたとしあきは、ある夜偶然二人の正体を知ってしまう。 バニーガールは仮の姿、その正体は凄腕の殺し屋だったのだ 殺しを目撃したとしあきを二人が始末しようとした時、もう一人のバニーが現れる。 同じ店で働くバニーのノヴが二人を「裏切り者」と呼ぶ。 二人が殺したターゲットは、実は組織にとって必要な人物だったのだ。 ノヴを含めた「ミルクバニー」で働く殺し屋バニー全員が姉妹の敵に回る。 この包囲網を突破し、自分達を罠に嵌めた張本人を倒す。 決意する姉妹と協力を申し出るとしあき。 姉妹は復讐のため、としあきは愛する二人を守るため、三人は決死の反撃を開始する。 バニーが撃ってバニーが暴れてバニーが殺す! エロスとバイオレンスの一夜を生き抜き、明日の朝日を拝むのは誰だ? **************** と「というお色気アクションを考えてみたんだけど、どうかな?面白そう?読みたい?」 メ「すまないが、理解出来なかった」 ブ「なんで全員ふたなりなの~?分かんな~い」 ノ「ボクは正直趣味じゃないって言うか…バニーガールって設定、必要ですか?」 と「うーん、いややっぱエロは強いかなぁって思ったんだけど…ダメかなぁ。まあ、ボツにするよ」 ------------------------------------------------------------------------------------------------ 『としあきと1日遅れのポッキーの日』 「ノヴ君、実はお願いがあるんだ」 「お願い…ですか?」 「一度でいいから、俺にポッキーゲームを体験させて欲しい!」 「あの…どういうことですか?」 「昨日ブラックが喋ってただろ。友達とポッキーゲームやったって」 「ええ、雪印さんがやってみたいって言い出して、それで…」 「それ聞いたら、なんか楽しそうでさ….。俺そんな経験ないし….。だから一度でいいからと…」 「それなら、ボクじゃなくても姉さん達に頼んでも」 「うっ…。それはまあそうだけど、なんか女の子には頼み辛いっつーか、引かれたらヤダなぁとか…」 「でも、ボク男の子ですよ。それはいいんですか?」 「そこは大丈夫。ノヴ君可愛いもん。だから頼むよ、男の約束でこっそり一回だけ、一回だけでいいから!」 「ハァ……仕方ないですねえ。じゃあ、一回だけですからね?」 「ありがとう!」 ドアを閉め切った部屋で二人きりの秘密の遊び。 ポッキーを咥えたノヴ君の頬が赤く染まっているのを見た時、俺のドキドキはもう最高潮だった。 (挿絵=イラストまとめ7の9行目、左から4番目) ------------------------------------------------------------------------------------------------ 『としあきとノヴのいいニーハイの日』 「としあきさーん、ちょっといいですか?」 リビングで寝転がっていた俺に、ノヴが声を掛けてきた。 ノヴは男の子なのだが、可愛いから好きという理由で女の子の服を着ている。 今日はミニスカートにニーハイという組み合わせだ。 「としあきさん、見てください。11月28日は〈いいニーハイの日〉なんですよ。だから履いてみました!」 「ああ、なるほどねぇ…」 スカートがかなり短くて、男だと分かっているのに際どいのが気になってしまうのだが…。 「ニーハイと言ったら、やっぱり〈絶対領域〉ですよね。思いっ切りミニにしてみました!」 「う、うん、そうだね…」 「それとコレ!〈萌え袖〉!一度やってみたかったんです」 そう言ってノヴは余った袖をパタパタさせている。 俺はちょっと気になって尋ねてみた。 「あ、あのさ、俺に見せるより、メイジとか友達に見せたらいいんじゃないかな?なんで俺なの?」 ノヴはちょっと困った様に笑った。 あれ、まずいこと聞いたか。 **************** 「ブラック姉さんはそうでもないけど、メイジ姉さんは、あんまりファッションには興味がないんです。それに…」 「それに?」 「今日は、これがありますから」 そう言ってノヴは、顔の横で右手の萌え袖を振ってみせた。 「え?それに何の問題が?」 「ありますね。これだと咄嗟に手を使えません。銃を使うのにも支障があります」 銃という言葉が飛び出し、俺はドキリとした。 そうだ、たまに忘れそうになるけど、この子達は…。 「こういうの、姉さんは良い顔しません。ブラック姉さんは気にしないだろうけど、姉さんにポロッと喋っちゃいそうだし…」 そうだったのか。 「えっと、つまり、だから俺に見せてくれる訳だ」 「そう!そうなんです!」 ノヴが勢いよく答える。 「雪印さんも反応よくて見せるの楽しいんですけど、大体姉さん達も一緒ですからね…」 「分かった。そういうことなら、俺が見てあげるよ」 **************** ノヴの表情がパッと明るくなった。 「ありがとうございます!感想も聞かせてくださいね!」 「あー、それなら亜希にも見てもらうか。俺よりちゃんとコメントしてくれそうだし」 「嬉しい…ボク、日本に来れて本当に良かったです」 そう言うと、ノヴはクルッとその場で一回転してみせた。 「どうですか?似合ってますか?」 「えっ、あっ、ああ、可愛いよ」 「やったぁ!」 ノヴは喜んで、更にクルリクルリと回ってみせる。 だが、その度にミニスカが翻り、水色と白の縞々が盛大にパンチラしてる! おいおい!いいのかよ!!? けど縞パンに包まれたノヴのお尻は…意外と肉付きが良くて…結構良い形しているような…。 って待て待て、何考えてんだ、いくら可愛いっつったって男の尻だぞ!? おかしい、俺、ショタコンとか男の娘とか、よく分からんと思ってたはずなのに! ヤバイ、俺、変だ……。 (終) (挿絵=イラストまとめ7の10行目、左端) ------------------------------------------------------------------------------------------------ 『あろえと〈仕事始め〉とお年玉』 世間は三連休で、わたしも学校はお休みだ。 でも、この稼業にカレンダーは関係ない。 三連休の中日の深夜、わたしと父は町の片隅に身を潜めていた。 「狙うのは分かっているな?」 「確認してる。それに奥さんや子供に暴力を振るうところも」 「そうだ。生かしておいても為にならない害獣だ。きっちりと駆除してやれ」 わたしは父の言葉にうなづくと、一人歩き出す。 あらかじめ調べてある、監視カメラの死角を通って待ち伏せのポイントに向かう。 今夜はわたしが一人で殺るよう命じられている。 これも修業の一環、必ずやり遂げねばならない。 予定のポイントに身を隠し、刀袋の紐を解いた。 ターゲットの行動パターンからすると、そろそろ帰宅し、この道を通るはず…。 あ、この足音は……来た! わたしは刀を袋から取り出した。 抜刀し、利き手の左手で逆手に握ると、刀身を背中に隠して立ち上がった。 **************** ターゲットはまだ十分に寄っていない。 わたしは刀を隠し持ったまま、暗がりに立ってその機を待つ。 あと三歩…二歩…一歩…今! 静かに踏み出し、ターゲットの行く手を阻む。 「なんだぁ、てめぇ?」 男が酒臭い息を吐きながら、腰を屈めて顔を近づけわたしを睨みつける。 両手はポケットに突っ込み、足元は酔いで覚束ない。 「オイコラ、邪魔なんだよ、どけガキが」 粗野で品のない言葉遣い。 隙だらけの立ち姿。 悪い見本のような男だ。 亀が首を伸ばすようにして、わたしの顔を覗き込んでいる。 喉がガラ空き。 左で逆手に持っていた柄を、両手で握りつつ振り上げる。 横に跳びながら引き切ったので、返り血は浴びずに済んだと思う。 **************** 路地裏を走り抜け、父の車の後部座席に飛び込むとすぐに発車した。 「やれたか?」 「最初に喉を十分に斬れた。ターゲットはすぐに倒れたけど、念のため心臓を突いておいた」 「上出来だ。よくやった」 成果を報告すると、わたしは刀の刃に残った血を拭い、鞘に納めた。 用心して身につけていたワルサーP99も外し、いつもの通り本を偽装したケースに戻す。 道具をしまったタイミングで、車が信号待ちで停車した。 運転席から父が体ごと振り返る。 懐から封筒を取り出し、わたしに差し出してきた。 なんだろう? 「今夜はよくやった。少し遅くなったが、父さんからのお年玉だ。明日は友達と会うんだろう。足しにするといい」 「え、でも…〈お仕事〉を手伝ったお小遣いは月末でしょ」 「お年玉と言ったろう。〈仕事始め〉だから特別だ。…母さんには内緒だぞ」 「うん…ありがとう」 お父さんは厳しいのに甘いなぁ…と、わたしは密かに思った。(終) ------------------------------------------------------------------------------------------------ と「へー46年ぶりの満月のハロウィンか」 ブ「すごいねー」 メ「珍しいのだな」 ノ「次は38年後だって」 と「うーん約40年後か、まあ3人は見れるだろうけど」 ノ「え? じゃあとしあきさんは?」 と「年齢的にはいけると思うけどね、先のことを考えると、ちょっと明るくなれないかなって…」 ブ「え~そんなこと言わないでよ~」 メ「そうだ。ブラックの言う通りだ。次の満月も共に見る」 ノ「ボクも同じ思いです。一緒に見るのを目指しましょうよ」 ブ「だいじょーぶだいじょーぶ!アタシ達がいるし~」 と「う……みんな、ありがとな」 ------------------------------------------------------------------------------------------------ 『メイジととしあきのバイク』 「なっ…なんだって!?」 突然としあきの叫び声が聞こえた。 何があったと、私は急いで彼の様子を見に行く。 「どうした!?」 「メイジ!? あーごめん、驚かせたかな…大したことじゃないんだけどね…」 そう言うととしあきは事情を説明してくれた。 「ほう…としあきがいつも乗っているバイクが、生産終了になると」 「そうなんだよ…」 「となると、あのバイクは今後どうする?」 「まだまだ乗るつもりだよ」 **************** 「そうなのか?」 私が尋ねると、としあきは答えた。 「うん。40年以上前に生まれた古いバイクだけどね、俺は気に入ってるから」 「としあきは古いモノが好きなのか?」 「うーん…どうかな…。でも良いと思ったなら、気に入ったモノなら古くても良いものは良いと思う」 私は黙って頷くと、〈ウサ吉〉と名付けられたぬいぐるみを引き寄せた。 胴体の収納スペースに手を入れ、ゆっくりと銃を引き出す。 「メイジ!?」 「驚かなくていい。ただ見せたいだけだ」 そう言って、彼の前に銃を置く。 「あの…これが何か…?」 不安そうな表情を浮かべるとしあきに、私は語りかけた。 **************** 「この銃はコルト・ガバメント。100年以上使われている」 「ああ…、そうらしいね」 「今はもっと良い銃があるだろう。だが、私はこれが気に入っている。他にも色々使ってみたが、これが一番合っていた」 「ふーん…」 「古くても、良いものは良い。としあきはそう言った。私もそう思う」 としあきはじっとコルト・ガバメントを見つめる。 「確かにこれって古いけど、でも武骨でシンプルなスタイルはカッコイイよな…」 「としあきは、良いと思うか?」 「うん。性能とかは分からないけど、見た目は好きだな。考えてみればSR400もクラシックなバイクだし、やっぱりそういう趣味なのかな…」 「私もとしあきのバイクは好きだ。どこがどういいのかは上手く言えないが」 「へえ!そうなのか…。案外俺達気が合うのかもな」 そう言うととしあきはにっこり笑った。 よく分からないが、私は悪くはない気分だった。 (終) ------------------------------------------------------------------------------------------------ 『としあきとメイジと夜桜』 「ふう…今夜はここらにして寝るか…」 独り言を言った後デスクから立ち上がり、何気なく俺はカーテンを開けていた。 その目に飛び込んできたのは、街灯に照らされた桜並木だった。 「あ、そうか…そろそろ散るなぁ」 まだ花は残っているが、ここからでも散り出しているのが見えた。 先週、亜希やメイジら子供達と花見をしたから、今までよく持った方だ。 「折角だし…」 俺は夜桜を見に行こうと思った。 そして部屋を出た途端。 「としあき…? 出かけるのか?」 「メイジ。トイレか?」 寝室から出てきたメイジと出くわしたのだった。 **************** 「そうだが、私の質問に答えて欲しい」 「ああ、ちょっと散歩に行こうかなと。散る前に夜桜でも見ようかなと思って」 「ヨザクラ…? ああ、桜を夜に見るのだったか?」 「そう。もう今夜辺りがラストかなと思ってさ」 「そうか」 俺は思い切って聞いてみた。 「メイジも来る?」 「そうだな…今夜までというのなら、見てみるのもいいかもしれない」 「じゃ、トイレ済ませたら着替えてきて。ノヴとブラックは寝てる?」 「私が見た時はよく眠っていた」 んー、起こすのは可哀想かな…。 「じゃ、2人は起こさないように」 「分かった」 **************** ノヴとブラックには悪いと思ったが、俺はメイジと外に出た。 そういえば、ノヴが来てブラックが来て…メイジと2人だけというのも久しぶりの気がする。 そんなことを思っているうち、窓から見えた桜並木にはすぐ着いた。 散り出した花びらがヒラヒラと舞っている。 「これは…」 「どう、メイジ。夜桜は?」 「…以前、克明が言っていた。ブルガリアには薔薇があるが、日本には桜があると」 克明さん、そんなこと言ってたのか? なんだか可笑しいが、笑ってはいけない。 「桜は散る時も綺麗なのだと克明は言っていた。 花が綺麗というのは、私にはよく分からない。 だが、これは…分からないが、何かが違うと思った…」 **************** 俺はメイジの言葉について考えてみた。 花が綺麗なのは分からないとメイジは言った。 だけど、桜の違いが分かるなら、そのうち花が綺麗というのも分かるんじゃないか? 俺はそう信じたかった。 そんな事を考えていると、少し寒さを感じた。 そろそろ帰ろうかと言いかけた時、強い風が吹き出した。 「ああっ!」 珍しくメイジが叫んだ。 風に散った花びらが舞い上がり、俺達はそれにすっぽりと包まれたのだ。 その時、風に乗ってメイジの声が聞こえてきた。 「克明は言っていた。日本に着いたら桜を見せると。 としあき、克明の約束を代わりに果たしてくれてありがとう」 風に舞う花びらの向こう側で、確かにメイジが微笑んでいるように俺には見えた。 (終) (挿絵=イラストまとめ9の5行目、左から3番目) ------------------------------------------------------------------------------------------------ 『としあきと残暑の思い出』 「わっ、どしたのそのカッコ!?」 「まだまだ暑くて、涼しい服を探したらコレが出てきたんです」 「なるほど。まあウチの中なら何着ててもいいしね…」 「ですよね! としあきさんならそう言ってくれると思ってました」 「ね、ねえ、ちょっとリクエストしてもいいかな?」 「え? なんですか?」 (挿絵=イラストまとめ9の8行目、左端) **************** 「あの…これでいいですか…?」 「うぉぉっ! ありがとう!!」 「ちょっと…恥ずかしいですね、コレ」 (挿絵=イラストまとめ9の8行目、左から2番目) **************** おまけ (1/2) 「あれ、その眼鏡どうしたの?」 「伊達眼鏡なんですけど…どうですか?」 (挿絵=イラストまとめ9の8行目、左から3番目) **************** おまけ (2/2) 前に眼鏡の日の話があったので眼鏡も描いてみました (挿絵=イラストまとめ9の8行目、左から4番目) ------------------------------------------------------------------------------------------------ 『としあきとノヴのコスプレ』 「えっ、もしかしてその服…」 「としあきさんが観ているアニメのキャラなんですけど…どうですか?」 立て乙です 前回のリリー・ワトソンのコスプレをしてもらいました (挿絵=イラストまとめ9の9行目、左端) ------------------------------------------------------------------------------------------------ と(うん…? 誰かいる?) ノ「あっ、起こしてしまいましたか?」 と「ノヴくん…? 何してるの?」 ノ「クリスマスのお返しサンタが来ましたよー♪」 >年末だし時間が取れないこともあるだろう… >少しくらい遅れても年内ならセーフにしよう お言葉に甘えて遅刻しましたがクリスマスの投下です 遅れたので25日より後の出来事ということで… (挿絵=イラストまとめ10の1行目、左から5番目)