『としあきとメイジの出会い4』 前回までのあらすじ 売れない漫画家のとしあきの元に、家出した父親の娘を名乗るメイジがやって来た。 追い返す訳にはいかずとしあきは彼女を泊めることにしたが、いきなり彼女の荷物から銃が出てきて頭を抱える。 銃は一旦後回しにして、二人はメイジの生活用品を買いに行くことに。 その後としあきの幼馴染、亜希の家がやってる食堂に行き、夕食を取った二人は帰宅した。 後は風呂に入って寝るだけだったのだが、ここでメイジのふたなりが発覚する。 としあきはなんとかメイジを鎮めようとするが、興奮したメイジによって尻を掘られてしまうのだった。 **************** 「としあき、おはよう」 起きたての頭はぼんやりしていて、目の前のものがよく分からない。 じっと目を凝らすと、昨日からウチに来ている女の子がこちらを見ていた。 相変わらず無表情だが、なんだか妙な感じがする。 「すまない…。大丈夫か?」 ああ、申し訳なさそうにしてるのか、そう気付くより先に感じたのは尻の違和感だった。 同時に昨夜の記憶が蘇る。 そうだ、俺はメイジに掘られて…。 そして更に気付いた。 俺もメイジも下半身丸出しだった。 昨夜はあのまま二人とも寝落ちしたらしい。 「その…大丈夫か?わたしはとしあきを…」 二度目の同じ質問に、ああ尻のことを聞かれているのかと気付く。 「ん…ちょっとまだ痛いけど…切れてるわけでもなさそうだし、多分大丈夫」 多分、多分大丈夫のはず、はずだよな…。 **************** 尻を気にしていると、だんだん頭がハッキリしてきた。 ああ、そっかぁ…俺やっぱ掘られたんだなぁ。 メイジは忘れているのか、後回しにしているのか、まだ下半身すっぽんぽんだ。 アレが視界にバッチリ入る。 やっぱどう見てもちゃんと付いてるよな…。 いや、仮にアレじゃなくて他のものでも、されたことは一緒か…。 「ううっ…」 「どうした?本当に大丈夫なのか?」 「いや。なんでもないよ。それより体は汚れてないか。シャワーでも浴びてきなよ」 メイジを風呂へ行かせ、俺自身はそのへんにあったタオルで体を拭った。 服を着ると、メイジが風呂から出てくるまでに朝食を用意した。 トーストに目玉焼きに、後は…ろくなものがないな。 トマトが一個あったが、大丈夫そうだと判断して切り分けた。 「としあき」 「あっ出てきたな。じゃ食べようか」 **************** 久しぶりの一人じゃない朝飯は、少々ぎごちなかったかもしれない。 二人とも静かに食べ終えて、俺は洗い物にかかった。 「まあゆっくりして。テレビでも見るか?」 とりあえずそう言ったが、これからメイジはどう過ごせばいいんだろう? やっぱり学校に行かさないとまずいか、手続きとかどうすればいいんだろう…。 そんなことを考えてると、あっという間に洗い物が終わった。 メイジがテレビを眺めているのを見て、俺はそっと風呂場に向かう。 熱いシャワーを頭から浴びると、湯と涙が一緒に顔を流れた。 声だけはなんとか漏らさないように努力した。 昨夜の様子だとメイジはまだ性に目覚めてるとは言えないと思う。 どれだけ性知識があるのかは分からないが、今朝の様子を見る限り自分が悪いことをした自覚はあるようだ。 だからメイジを一方的に責めるのは違うと思った。 あれは色々積み重なって起きた不幸な事故みたいなものなのだろう。 でも、それでも掘られたのは事実なわけで…。 畜生…こんな経験滅多にねえぞ、これも漫画の資料だよ!