『ノブの転入手続き』 「う~ん、来月から隣のお姐さんと一緒に登校する事になるから何も心配は無いのだが、今日は私と学校に行ってみようかね。」 「でも、今日は土曜日で休みだよー、行っても誰もいなんじゃないのー」 「ノブ君の転入手続きは進めているけど、いろいろな書類を提出する必要があってね。担任の先生にも挨拶する事になっているのだよ。ノブ君はいろいろ特殊な事情があるから、それを含めてお願いしないといけないのだがね」 「それよりも、どんな服が良いのか決まらないよー。ワンピースが好きだけど、ショートパンツとニーソックスも可愛いしー」 ノブはやっと小学校に転入できる事を喜び、月無の話よりも今日来ていく服を選ぶのに忙しい。 「私としてはパンツが見えそうなミニスカートよりも、ショートパンツが好きなのだがね」 月無の意見を取り入れ、ノブの初登校の服装はショートパンツとニーソックスに決まったようだ。 「男の娘・・・そういう特殊な事情もお願いしないといけないのだがね・・・」 月無自身は男の娘でも全く構わないが、先生や他の子供に受け入れられるのかが心配でならない。 **************** 小学校に着いて、事務室で来客者名簿に記名するのだが、月無は公共の場で実名を記名するのはいつも緊張してしまう。 それはショタとしての後ろめたさか、普通の勤め人には見えない雰囲気を自覚してるからなのかは、よく分かっていないのだが・・・ 「「月無潤」さんですね。五月先生から伺っていますので、応接室にどうぞ」 応接室に通されると、サマースーツ姿の芽衣子先生はキッチリ着込んでいた上着を脱ぎ始める。 「暑いですねー。私はこんな容姿ですから普段はキッチリした服装をしてますけど、暑い日は大変なんですよー」 汗で張り付いてるブラウスを見せて「誘ってるのかい?」と一瞬でも思ってしまう節操のない月無をよそに、芽衣子はエアコンのスイッチを入れる。 「何か冷たい飲み物でも出しますね。と言っても、私の私物ですからペットボトルのコーラと麦茶しかないですが」 「ありがとうございます。ノブ君にはコーラをお願いします」 「ノブ君?・・・それではご挨拶しますね。4年生のクラス担任の五月芽衣子と申します。どうぞよろしくお願いします」 「こちらこそ、よろしくお願いします」 「月無ノブ君?」 「はいっ」 「えーっと、ノブ君は男の子?女の子?」 芽衣子は書類上の性別は男の子とあるけど、服装を見ると女の子?という疑問から記載ミスかも知れないので、一応確認をしてみる。 「ショートパンツとニーソックス、可愛いでしょ。ボクは男の娘だよー」 可愛い娘好きの芽衣子にとっては男の娘でも一向に構わない、むしろウエルカムである。 「なるほど、ボクっ娘の男の娘ね。ノブ君の出身はブルガリア共和国とあるけど、奥様はブルガリアの方ですか?」 メイジと日頃付き合ってるので、男の娘くらいでは動じない芽衣子だが、ブルガリア出身という事でメイジとの関係が気になってしまう。 「う~ん、そういう訳ではなく、私が身寄りのないこの娘を保護する事になりまして・・・いろいろ複雑な事情があるのだがね」 「住所を見ると、私のクラスにいるメイジさんのお隣のようですが、関係はあるんですか?」 「う~ん、私も詳しい事は聞いていませんので、メイジさんとは遺伝的な関係はわかりませんが、同じ施設で育てられたお姐さんらしいです。ブルガリアに居た頃からの姉弟のような関係でしょうかね」 「それならメイジさんにも話を聞くとして、私も特殊な事情には特に突っ込みませんので、ご安心下さい。メイジさんには別の物を突っ込まれ・・・ゲフンゲフン」 芽衣子は年齢が同じという事で異母兄弟?という疑問がわくが、好印象を持ってもらう為には家庭の込み入った事情に深く突っ込んではいけいないという常識はある。 「う~ん、先生は男の娘にはご理解がおありのようですが、他の子供達に馴染めるかは心配な部分があるのだがね」 「大丈夫ですよ。何の心配もありませんよ。私自身は可愛い娘は大好物・・・ゲフンゲフン」 「う~ん、失礼ながら先程からの言葉の端々にいささかの不審さがあるのだが、本当に大丈夫なのかね?」 芽衣子は笑顔で言い切るが、月無はその根拠が気になって仕方がない。 **************** 「正直に言いますね。私は男女問わず可愛い子は大好きです。その両方の要素を併せ持つ男の娘の担任になれるのは至上の喜びですよ」 月無は意外な告白に驚くが、自身がショタであるので特段に攻める気持ちにもならず、むしろ好感を持って受け入れる。 「う~ん、自分の性癖を正直に告白できる人には好感を持てるのだが、それは小学校教諭としてはどうなのかね?先日のロリ校長逮捕の件もあってノブ君の貞操が守られるのかが非常に心配なのだがね」 月無は自分の貞操が奪われた事は流石に言えないが、一応保護者としての面目は立てておかなければならない。 「将来的にノブ君と個人的に『仲良く』なれば別ですが、教師としての節度と自制心には自信があります・・・」 メイジといつもヤッてる事については既に日常なので、芽衣子にとっては空気を吸う程度にしか思っておらず、もはや罪悪感のカケラもありはしない。 「難しいお話は分からないけれど、芽衣子先生は姐さんとは『仲良し』なんだよね。ボクとも『仲良く』なりたいの?」 ノブはメイジから可愛い娘に対しては芽衣子のガードがユルユルな事を聞いていたので、あわよくば後ろの処女を奪いたい気持ちを隠さない。 「メイジちゃんと私の個人的な関係は月無さんはご存知なのかしら?」 「う~ん、何のことかね?メイジちゃんは私にはいつも礼儀正しい可愛い女の子ですよ。何か秘密があるのかね?」 月無はメイジの体の秘密は知らないので、極めて常識的な対応を見せる。 「いえ、何もありませんよ。女の子には人には言えない秘密くらいはあるものです。ノブ君もこれから私と『仲良く』なっていきましょうね」 「話がだいぶ逸れてしまいましたが、ノブ君とも打ち解けられて良かったです。それで、学業の方で何か心配な事はおありでしょうか?」 「う~ん、ノブ君の日本語はネイティブ並なので、授業の理解も問題ないかと思います。読み書きについても、小学4年生レベルならば問題ないと思うのだが、何か問題があれば個人的なフォローをお願いしたいのだがね」 「大丈夫だよー。ボクは出来る子だから、勉強もいっぱいするよー」 「う~ん、そうは言ってもねぇ・・・」 月無はノブが別の意味で『出来る』事は理解しているが、学力については自分が関わってる出版物を普通に読ませてる程度なので、一抹の不安を隠せない。 「大丈夫、ノープロブレムですよ」 芽衣子は月無の不安をかき消すように、キッパリと言い切る。 「う~ん、どうしてそう言い切れるのかね?」 「少子化と公立学校選択制の影響で、特段のセールスポイントの無い当校の児童数は少ないんですよ。今は一クラス20人居れば多いくらいで・・・。私の4年生クラスは15人ですよ」 「う~ん、15人とは少ないですね・・・」 「人数が少ないので、私も一人ひとりにきちんとフォローできますよ」 「う~ん、それは助かります。紆余曲折あって保護者にはなりましたが、教育はきちんと受けさせたいのですよ」 ノブは別の意味での教育はキッチリどこかで受けて来たようだが、学校できちんとした教育を受けさせたいという気持ちがある月無は立派だ。 「それは立派な心がけですね。身寄りなのない子供を無償で預かって品行方正に育てる事はなかなかできませんよ」 月無はメイジに大金を貰ってるし、今でも援助は受けている。それに先日の行いは品行方正とは言い難い・・・グザグサと突き刺さる芽衣子の言葉は非常に耳が痛い。 「通学する際の服装についてですが、前校長のような不審者の事案も無いとは言えませんので、あまり華美な服装は控えて下さい。端的にいうと、エロい格好はNGです」 「う~ん、それはそうなのだがね。ノブ君は可愛いから凄く心配なのだがね。最近は男の娘でもOKな不審者もいるようだし・・・」 「メイジちゃんと一緒に登下校させれば大丈夫でしょう。あの娘はいろいろ凄いですから、不審者なんかは返り討ちにしてしまいますよ」 「必要な学用品のリストも作っておきましたので、来月の転入までに揃えておいて下さい。分からない事があれば、学校の方にお問い合わせ下さい」 **************** 諸々の手続きを終えて帰宅した時にはすっかり日が暮れていた。 「う~ん、先生の話では就学時の健康診断があるそうだが、ノブ君は何か体に異常は無いかね?」 「何も無いよー、性欲が強いのは生まれつきだから心配ないしー、今日は先生の前でもちゃんと我慢できたよー」 我慢していたのか・・・先生の性癖もアレだが、あのまま二人きりにしていたら、ちょっと危なかったかもしれない・・・自分が居て良かったと染み染み思う月無。 「う~ん、先生は可愛かったね。ノブ君は先生が好きになったのかね?」 「一番好きなのはとしあきさんだけど、二番目に好きになったかなぁー、オジサンは三番目だよ。姐さんはゼロ番目だから別格なんだー」 「う~ん、先生は小柄で私の見立てでは82センチのBカップだが、ノブ君はどう見るかね?」 「ボクは79センチのAカップだと思うよー。今度調べておくから、楽しみにしていてね」 月無は子供なら気軽に聞くことも出来るのだろうかとちょっと羨ましく思う。 「私はノブ君からのご褒美が楽しみなのだが、来月までお預けなのかね?」 「もちろん、来月に転入できたらいっぱいご褒美あげるね。今度はお外でしてあげても良いよ」 屋外プレイはちょっと怖いなと思いつつ、冷静に考えてしまう月無は、としあきと同類なのかもしれないのだった。