『メイジの練乳』 今日はカキ氷を作るね。と何やらメイジが張り切ってる。 カキ氷機なんて無いよ。と言うと、そろそろ届くから受け取ってね。材料の準備をするからとみかんの缶詰を開けてる。 しばらくして「ピンポーン」と呼び出し音がなり、「宅配便でーす」という間延びした声が聞こえる。 ドアを開けてサインをして箱を受け取る。例によってアマゾンの箱は異様にデカイ。 箱を開けると、子供でも扱える家庭用の製氷機の氷で作るタイプのカキ氷機だった。 一応、赤、黄色、青のシロップ付なので、メイジでもすぐに作れるだろう。 今日は練乳のカキ氷にすると言って、ガリガリ氷を削り始める。 カップ一杯ほどにたまった氷に乳白色の液体をかけみかんをトッピングして差し出される。 「私がとしあきの為に作ったんだから、絶対残さず食べてね。残したらおしおきだからね。」 念の押し方がちょっと気になるし、おしおきを期待して尻がうずく・・・のは置いといて、一口食ってみる。 何だこれは・・・苦いような塩味があるような粘液・・・飲み込むと喉の奥に引っかかる感じのアレ。 メイジは食べる様子をじっと見てる。 「美味しいよね。『私の練乳』」 美味いともマズイとも言えずに全てかき込み飲み込む。 「出来ればもう一杯貰おうかな」と言ってみる。 「二回目はそんなにすぐに出来ないよ~」と言いながら、「美味しそうに食べてなかったから後でおしおきね」と笑顔で言ってる。 結局どうしたって俺の尻に平穏は訪れない・・・