「ま、色々と欠陥銃なんだろうさ。  そんな事は判ってる。判ってるつもりさ。ぶっちゃけ、知ったこっちゃねー。  ……こいつじゃなきゃ、ダメなんだ。  代えようと思った時はあったさ。でも、良くわからねー。こいつじゃなきゃ、全然当たらねーんだよ。  ……何でなんだろうな。PSG-1じゃどうにも収まらねえ。何故かコレだけなんだ。  単発でもっと精度のいい奴は幾らでもある。連発でも同じ事だ。でもな……ダメなんだ。  この間エイプリルにうっかり話したらよ、ブラシーボ効果って言われたよ。なんだそれって思ったけど、  調べてみて納得したね……やっぱ、気持ちの問題なんだろうな」 (鳩あき) -------------------------------------------------------------------- 「……得物は精度じゃありません、それを扱う者の技量と相性が重要なのです。  三月の兄さんにとって、そのドラグノフが適していたと。そういう事なのでしょう。  それはそうと。いい加減、わたしの頭に抱きつきながら喋るのを止めてくれませんか?  ――――止めないと、かっ斬ります」 (かなあき?) -------------------------------------------------------------------- 便乗してジャンにナイフを語らせてみる。 「ナイフが好きだな。銃よりも。駆け引きが好きなんだろうな。  銃ってのは相手がどこにいても、狙って引き金さえ引けばいい。  その点ナイフは、まず近づかないといけない。自分で腕を伸ばして、  刃を相手の肉に届かせる事が出来るところまで、間合いを詰めなきゃならない。  それこそ、相手の表情が見えるくらい近くまで・・・。  ここで駆け引きが生まれるんだ。  どっちが先に動くのか、踏み出す足はどっちなのか、刃はどっちから来るのか…  勝負は一瞬。しかし、そこにたどり着くまでの緊張感がたまらないのさ。  …え?  相手の考えが読めたら、駆け引きも何もないだろうって?  …まあ、正直に言えばだ。  絶対勝てるから好きなんだよ。  …今、誰か笑ったな?」 (衝動あき) --------------------------------------------------------------------