母の借金の為に中学生にして一人で暮らす事になった少年としあきの家に 遠くブルガリアに住む叔母の下から、一人の金髪少女がやってきた 少女の名はメイジ、同居を迫る彼女に、少年は断固拒否の姿勢をとるが、 その瞳の奥に父に似た輝きを見た少年は、一晩だけ泊まる事を許可した。 が、翌日、メイジの朝立ちを収める為にテコキを強要されたとしあきは 初めて見る女性の裸に理性を失い、あろう事か少女の初めてを奪ってしまう。 拳銃と大麻5kgと男の責任を抱え、早くも人生の岐路に立たされた少年としあきの運命や如何に 学校の予鈴まであと10分だ!! メ「学校、いいの?」 唐突に彼女が尋ねた と「はっ」 そうだ、とりあえず、これからどうするかは後で考えるとして学校に行かなくちゃ、 授業開始まであと10分、朝ご飯を食べてる時間は無い ソッコーで学生服に着替え、玄関から走り出しながら部屋の中のメイジに告げる と「僕は学校へ行くから、朝ご飯は冷蔵庫にある物をテキトーに食べ――」 ……いない メ「はにひてるほ、ほひてくほ」 口に食パンをくわえたメイジが外に立っていた、あれ? ぼーぜんと見ている僕を置いてメイジは駆け出した、少し遅れて僕も併走する と「メ、メイジ、どこ行くの?」 メイジは食パンを口から離して答えた メ「学校」 そもそも、手ぶらなんだからわざわざ食パンを口にくわえる必要はないと思うんだが…… メ「食パンをくわえて走るのは転校生の基本でしょ?」 一瞬足がもつれる と「転校生って、え?まさかうちの学校に通うの?」 メ「そうよ」 と「だって戸籍とか、学費とかどうなってるの」 メ「戸籍は組織が用意したわ、学費は全て入金済みよ」 と「組織ってなんだ?っていうか学費払うお金があるなら、君は家に来る必要ないじゃない」 メ「ほれはほれ、ほれははれ」 メイジは食パンをくわえなおして速度を上げる と「ごまかすな!」 誤魔化して逃げたメイジとの間に横から手が出てきた ?「はい二寺浦、遅刻~」 いつの間にか学校についていたらしい しまった!時計を見ると8時30分、しかしチャイムが聞こえないという事は チャイムが鳴り終わってるというわけで…… メイジはチャイムを聞いていたから最後に早く走ったのか ?「ほい、生徒手帳出して」 罰則切符を切るために生徒手帳を要求する三つ編み眼鏡の女子は、 同じクラスの風紀委員・水無月ふたばだ ふ「しかし、とっしーが女連れで登校するとは、とっしー意外とモテるの?」 と「ちがう!この子は…… ふ「? 言葉を続けようとしたが、何といえばいいのか、 途方にくれて少し空を仰いだら、ちょっと涙が出てきた ふ「おー、また何か苦労を背負い込んだな」 無為な目で見ないでくれ(涙) メ「転校生なのですが、職員室はどちらでしょう」 ふ「ああ、道理で私服だと思ったわ、職員室はそこよ、案内してあげるわ」 メ「ありがとうございます。」 ふ「日誌届けるついでよ。へー綺麗な金髪ねぇ」 明るく雑談をしながら二人が遠ざかって行く…… 波乱の予感が……と思ったけど、悩んだところで何が変わるわけでもなし……フフフフフフ ……ハァ と「教室行こう……」 先「喜べ男子!突然だが転校生を紹介するっ!」 ガンッ! 僕は自分の机に頭をぶつけた 前の扉から入ってきた美少女を見てクラス中の生徒からどよめきが起こる ふ「ああ、今朝の子だね。よかったね同じクラスで」 何かの陰謀じゃないのかコレ(汗 メ「メイジ=ハーマイオニーです。よろしく」 壇上では見た事もない笑顔で愛想を振りまいてるが 経験上あの笑顔は罠だ、騙されるなみんな ふ「メイジさんに質問です。二寺浦としあき君とはどういう関係なんですか?」 あぁぁぁあああああぁああっぁぁあっぁっぁぁぁあ、みぃ~なぁ~づぅ~きぃい(涙 カッと僕に集中する視線、案の定、教室の中は凄い騒ぎだ 「どういう関係なのか」「どこで知り合ったのか」「一緒に住んでるのか」等々 みんなが如何にマンガなどに毒されているのかがわかる それ以上に怖ろしいのが、どの質問にも上手く答えられないという事実 ……しかたない、様々な噂がたつだろうが、 誰も「ベトナム帰りの危ない奴」とか「末端価格数千万の黒い個体」とか「中学生にして処女開通」 等という事実よりはマシ! と「黙秘権を行使します!」 先「却下します。」 と「先生?!」 先「だって私も興味あるもの、続けて頂戴♪」 中学生には黙秘権も認められないんですか先生、というか あなたが興味本位で開けようとしている扉は、あなたの立場も揺るがす威力ですよ? 嗚呼、でも都合のいい嘘も浮かばない 先「ああ、ちなみに都合のいい嘘を言って切り抜けようとしても無駄よ、そういうの先生敏感なんだから♪」 その敏感なセンサーで僕の心中を察してくださいよっ! ふ「で、結局どういう関係なの?」 僕に聞いても無駄と思ったのか、ふたばはメイジに直接聞きにいった。 メイジは少し考え メ「18禁」 ビシッ!教室に電撃が走った!ついでに僕にも! 日本語がまだ上手く使えないのか?中学生にするべき話でないという判断は確かにそうなのだが しかし、かえってその表現では想像を駆り立てるぞ? あ、みんなの心の声が聞こえる、ほら、今ひたすら18禁という言葉を反芻してる ふ「ぐ、具体的に言うと?」 さすがのふたばも一瞬戸惑ったようだが、すぐに持ち直し、更に突っ込んだ質問を投げかける ていうか突っ込むのかよ。その先は中学生には早すぎる、というか地雷原だぞ。 メイジはさらに言葉をさがしていた、何気に包み隠さず話す事は危険であるとは判っているらしい。 その事は少しうれしかった。彼女は決して僕の日常を引っ掻き回そうとしているのではないのだ。 ただちょっと不器用なだけで―― メ「……血の契約」 先生がパンパンと手を叩き、みんなはバタバタ席に戻った。 多分みんなその一言でメイジを「不思議ちゃん」か何かと思ったに違いない なんにしろみんなはまだ中学生なんだなぁ。 ……しかし、一人中学生でない人がいた。 先生はポンッと僕の肩を叩き、耳元で囁いた 先「後で生活指導室においで」 横目で見た顔は笑顔だった。でも、声が笑ってません……