卑猥な気分になっていくのは、メイジの声の所為か、メイジの放つ生臭さの所為か。 鈍く光る三つの月の所為か。 「いいんだよ、滅茶苦茶にしても………私何も出来ないから、せめてお返しに、私をあげる」 「そう………」 私は童貞だ。 濃いのオタク為か、薄い道徳の為か、理由は定かでないが本気で女を抱きたいと考えた事も無いが、 彼女を見ていると、言葉通りに暴力的に何かを叩きつけてやりたい気分になった。 何とも形容しがたい、性欲を駆り立てる何ががあった。 メイジの陰茎の付け根を、小指と親指で強く挟んでやる。 「くぁっ」 動物的な短い悲鳴が、響く。 メイジの陰茎は、メイジが自分からのしかかってきた時から盛り上がっていた。 ならば、きつく扱っても良いのだろう、何よりメイジ自身が無茶苦茶にしてくれとの仰せなのだ。 「ほんとは、別にお返しなんかいらないんだけどね………」 メイジの陰茎を、さする様に優しく扱く。 長く細い吐息が、メイジの可愛い唇から漏れる。 亀頭から、液体がかなりの量漏れ出している。 まだ、触っただけなのに。 「お、おぉ………おぁ………」 「でも、そっちから圧し掛かってきて、もう勃ってたね? 好きなの?」 「うん、好きぃ、エッチな事するの好き」 下半身をさらけ出してやった方が、よく口が開くのだな。 私は、摩っていた手を離すと、残念そうに名残惜しそうに、メイジは声をあげる。 随分と可愛らしく品の良いお嬢様だ。 メイジの顎に手を当て、どこから出しているのか自分でも問いたくなるほど、冷酷な声で囁いた。 「私は女を抱いた経験ないから、優しく出来ないけど、続ける?」 「としあき、初めてなの? 私も、初めてだよ………」 どんどんメイジが可愛く感じると同時に、自分のどす黒い感情がのしあがってくる。 こんないたいけな少女を、殺してやりたい。 後ろから、首を絞めて犯したい。 随分長いこと押し込んでいた感情だが、面白い現実が飛び込んできたものだ。 メイジは随分感度が良いようで、陰茎が呼吸の度に、がくがく動くのがたまらなく面白かった。 「あぁそう………初めての割には、随分感度のお宜しい事で?」 「ほんとに、はぢめてなの………、こっちは、自分で………」 メイジは腰を突き出して、男性器を躍らせる。 腰を浮かした状態が、私に見ろと命令しているみたいで、抗いたくなった。 メイジの腰を無視し、口に舌を突っ込んでみる。 たどたどしい動きで、私の舌に吸い付いてくるメイジを処女だと判断した。 処女かどうかは如何でも良かったが、あまりにもキスは下手なようだ。 私も女性とこんなキスをしたのは初めてだったが、上手い下手など、接吻には無い。 どっちがより、卑猥で汚くて、遠慮しないかが問題なだけだ。 私は救いようのないほど卑猥で、誰がみても汚れきっていて、なおかつ遠慮が大嫌いだった。 後、救いようの無いほど変態で、サディストだった。 唇を離すと、メイジは唇を戦慄かせ、口の周りはどちらのとも判断できぬ唾液に塗れていた。 「ふぅん………キス下手だね」 私は驚くほど詰まらなそうに、キスの感想を伝えた。 そんな自分に驚いた。 見栄やプライドで主導権を取りたいのではなく。 自分の無遠慮さで相手を蹂躙してるかと、自分に嗤いたくなった。 「こんな………キスも………初めてだから………」 軽くいじってやっただけで、肩で息をする、幼く細い全てが、徐々に折れていってる感覚。 指先だけで、殺せそうだった。 メイジの瞳だけが、異様に光る。 「此れ、如何したら良い?」 「んぁぁあ!」 メイジの陰茎を自分の手のひらで包むと、手にすっぽり収まった。 根元から折る目的な、力の入れ方。 本当に根元から折れてしまいそうなので、もっと優しく引き裂こうとしてみた。 「き、きつよぅ! きつい!」 メイジは、日本語上手だなと感心した。 「ごめん、きつい? どうしたら良い?」 勿論理性はしっかり残っている、痛いと云ったらやめる気だった。 あんまり痛みを与えてやるのは、可愛そうだ。 「ん~! んぁ! 優しくしてっ!」 人間、必死な時は結構簡単な言葉しか出ないと知っている。 痛みを伴う状態ならば、口に出す言葉は決まって痛いと云うものだ。 寒かったら寒い、熱かったら熱いと云うだろう。 痛みは伴っているだろうが、優しくしろなる言葉は先ほどの言葉とは反するし、 何より、まだ余裕が残ってる意味だろう。 私は少し力を強くしてみる。 本気で痛かったら、もっと判りやすい母音で叫ぶだろう。 初めて体感するあえぎ声は、まだ耐えられる意味だと判断した。 「優しく? どうしたら良い? もっと具体的に」 メイジは間をおくと、一つ大きく息を吸い込んだ。 「した………」 「下………?」 下の意味が判らなくて、どうして良いのか判らなくなったが。 メイジが続ける。 「………舌がいい、さっきの凄く気持ち良かった………」 攻めてるはずの私が、急に攻められて頭が行き成り茹で上がった。 赤面する何て記憶に無い、もしかしたら十年ぶりくらいかもしれない。 まだ19なんですが。 一度きつく握ると、一つ大きな声を出し、メイジの全身の力が抜けた。 「ごめん、メイジ可愛いからぁ………ついね」 返事はできないようで、荒い息をするメイジ。 随分と、感度が良いみたいだ、前だけかもしれないが。 メイジはとても可愛いが、流石に口でしてやる気にはなれない。 一応、頭が壊れているとは云え、私は童貞なんです、初めてくらい普通にしたいです。 そんな考えが見透かされたのか、メイジが切なそうな顔をしながら、 股をゆっくりと、けれど思いっきり開いた。 「としあき………口でするの厭?」 「ごめん、正直、少し躊躇う………」 嘘を吐きたくはないので、正直に答える。 メイジは悲しそうな顔をして、小さな声で呟く。 「うん、男の人だし………判るけど………私が好きにしてって云ったのに、   私がして貰うのは違うかもしれないけど………」 はしたなさしか表現方法が無いほど足を開き。 いきり立った男性器を、私に見えやすくするメイジ。 「して………お願い。凄く切ないの………」 メイジの声で、少ない理性がとろけて行く。 男としてのプライドなんか無意味なのかもしれない。 頭が湯だって、大暴れしそうになったが。 流石に捨てきれない男の理性が、私の中で渦巻く。 先に、お口の恋人を得て如何するんだ、私。 脂汗が一筋背中を流してから、メイジを見る。 メイジの目は、私の悪戯か所為か、悲しい所為か、痛い所為か、潤んでいた。 泣いてると表現しきれない程度に、潤んでいた。 メイジと目が合う、其れだけで、もう、何かが崩れた。 麻薬より、銃より、ある意味一番重い問題さえ、あまり気にならなくなった。 私は、死んだのでは無いだろうか。 「どこが?」 声が意地悪になったので、メイジは少し喜んだ。 「此処がっ」 弾んだ声、小鳥みたいな声でメイジは鳴いた。 「此処ってどこ?」 「ちんぽが………切ないの、だから舐めて?」 ご褒美を貰った、歳相応の子供みたいな笑顔が、私の全てを殺していく。 おかしなもので、恥じらいを好む筈の私は、言語丸出しで滾った。 勢いよく屈むと、メイジの腰を掴み。 ペニスに噛み付いてやる。 「いたっ」 「なんで命令するの?」 「………え?」 私はメイジの可愛い陰茎に頬を摺り寄せ、上目使いで告げる。 「私が好きにしていいんだよね? なのにどうして命令するの?」 思いもよらない台詞だったのか、メイジは動揺しだす。 「え、ぁ………ごめんんっ!」 言い終わる前に、亀頭が千切れそうなほど、強く吸い付いてやると。 腰が跳ね上がり、逃げ出そうとしたが、私は逃がしはしない。 「んぁあああ………」 魂でも吸い出しているのかと錯覚させるほど、 気の抜けた吐息をあげるメイジが何だかとても面白かった。 どうして良いのか判らないので、舌で削るように揉み下してやる。 自分にも市民権は認められているので、右手でペニスの根元をいじり。 左手で女性器を、軽く撫でる。 メイジの女性器は小さすぎて、少し痛々しかった。 何時までやろうかと、思いついた矢先、終わりは恐ろしく速く来た。 「あ、あぁ、駄目、上手っ!」 高い声が上がったと耳が知ったら、突然頭を押さえつけられた。 やばいと警鐘が鳴り響くと。 喉に体感した事の無い衝撃と、思いのほか体温より熱いと感じる液体がぶち込まれた。 咄嗟に離れると、呼吸が出来ずに咽た。 「はぁぁぁあ………」 第一射をまともに喉に受た、咄嗟に避けたが床に頭を叩きつけられた。 悶絶に近い私の真上で、髪に残りがかけられている。 頭の内側から外側から、蕩かされていく気がする。 無茶苦茶にされすぎている気がするので、メイジを睨むと。 とてもとても倖せそうな顔で、余韻に浸っているので怒る気も失せた。 「ごべん、ざずがに無理………」 喉がぐちゃぐちゃになってしまったので、一度はけて水道で喉を洗いに行く。 AVに興味は無かったが、AV女優を少し尊敬した。 此れまずい、精液まずい、いや、メイジは男では無いみたいなので、精液ではないのだろうが。 面倒なので精液と名称する。 兎に角、生臭い飲み下し難い液体だ、AV女優凄い。 こんな物、口に含んだら脳が死ぬ。 戻ると、メイジがぐったりとして待っていた。 「ごめん、我慢できなくて………としあきの口、具合良ぃね………」 戻ると、はじめに謝罪を伝えられた、次に得たくない賞賛を頂いた。 ビクビク震えるメイジが可愛かったので、腹は立たなかった。 腹は立たなかったが、メイジの顔を見ていると私もそろそろ限界だった。 「いいよ、許してあげる」 開きっぱなしの股の間に滑り込み、 メイジの頭を撫でてやると、子猫みたいな表情をした。 「ねぇ、メイジ、処女なんでしょ?」 どうしてそんな事を聞くのか判らないと、メイジは頷いた。 「じゃぁ痛いかもね、私は知らない」 知らないとは云うが、痛くないように人差し指を一つ入れる。 「やぁっ」 突然されたので、驚いたのかもしれないが、メイジのそこは液体に塗れていた。 一拍置いた程度では、まるで乾きは訪れないらしい。 メイジは体液の分泌量が多いのか、女性器の下も少し水溜りになっていた。 入りが想像以上にスムーズだったので、指をもう一本増やしてみる。 指二本で少しきついと感じたが、私はやめれなかった。 三本目を入れると、柔軟性はあるが、限界だと判断した。 艶かしい声と云うより、耐える声をあげるメイジに優しい声で尋ねる。 「痛い?」 「まだ、痛くないっ、慣れないと、そこ、使えないし………して?」 濡れてる状態は悪くないので、私はズボンから性器を引きずり出す。 私のはそんなに大きくもないが、けして小さくも無い程度。 メイジの肩を抱き、仰向けに雪崩れさす。 突然倒されたメイジの驚いた顔は、喜んでる顔は嫌がってる顔は、見えないのだが。 何だか、今あげたどれでもない顔をしているのだと判った。 「じゃぁ、逃がさないから………」 間も与えず、一気に入るところまで入れてみる。 投入部を見ると、血が出ていた。 処女だからではなく、幼すぎてだろう。 「痛い………のは判ってるけど、動いていい?」 「うん………いいよ………」 堪らなく遠慮がしたくなくなったので、メイジを掴み持ち上げる。 軽いメイジの体重でより奥へ侵入する。 痛みばかりで、お互い面白い行為ではないのだろうが。 私は思いのほか倖せな気分だったので、耳元で囁いてみる。 「うん………痛いね、私が。でも割と倖せだ………」 「私………も」 メイジは、呟いた。 正直如何して良いのか判らなかったが、まず自分の痛みを相手も痛みも無視した。 快楽目的ではなく、何か契約みたいな気がしたから。 契りを、何故契りと称すのか体感した。 「もっと、きつく動いて………」 「何? 痛くない?」 私の肩に顎を乗せ、メイジは面白い事を云った。 「痛いけど、前、前はいいのっ、痛いのが良いの………」 前とは、男性器だろうか、随分と愉快な躰をした女だ。 私の腹に、熱い棒が押し付けられている。 「攻めてっ大丈夫だから、もっと強くしてっ」 お望み通り、私はメイジの薄い尻を掴み、揺さぶってやる。 私は、現実の女への興味が殆ど無くなっていた。 胸が好きかと問われれば、如何でも良いと答えた。 尻が好きかと問われれば、如何でも良いと答えた。 前が好きかと問われれば、そんな事しか考えられないのかと相手を罵った。 自分が愚かだったと、メイジを揺さぶりながら気付く。 胸だとか、尻だとか、性的な意味ではなく。 彼女の全てを、殺してやりたい程気に入っていた。 「あぅ!、あぅ、痛っ、気持ちぃ!」 いやらしい水音に、私も随分良くなってきた。 「イック、イキそぉ、前良いっ、のっ」 擬音なんて鳴りはしないが、メイジは私の腹で射精した。 暖かい液体で腹部が満たされる気分になった。 肩を掴み、私に寄りかかる事で姿勢を支えていたメイジは、力なくしなだれかかった。 力を無くし、バランスを取らなくなった躯は重量が増して感じた。 一度、ベットにメイジを置いた。 勃起が全く収まっていないのが、滑稽で堪らない。 彼女がではなく、私がではなく、両方とも。 「………感想は?」 気管が狭まった息遣いで、メイジはぐったりしている。 「わかんない………や」 「そう、私もわかんない」 触れるだけのキスをして、私はタオルを軽く茹でた後、メイジの躯を丁寧に拭いた。 精液まみれの髪を流しに風呂へ入ると、髪がきしきしした。 髪を乾かしてからベットへ往く、 メイジの隣へ潜り込むと、メイジが初めみたく優しく圧し掛かってきた。 「としあき、ほんとに初めてだったの?」 「あぁ、嘘吐いてどうする?」 「其の割には、凄く上手だった、才能あるんじゃない?」 そんな才能はいらんと吐き捨て。 私はメイジを自分の胸に沈めた。 胸にうずくまったメイジは、くすぐるりの歌を胸で奏でる。 「今度は、私が男の子になってあげる………」 背筋に何が恐ろしい物が這いずり回った。 ある意味、訪れたお客様が詐欺と云うのはあたっていた、こんなに凶暴とは思いもよらなかった。 私はやはり異性と、ろくな出会いが無い。 感じた事の無い場所に、物凄い異物感を覚えながら、私の意識は楽園へ旅立った。