日本周囲民族の原始宗教
神話・宗教の人種学的研究(八)
鳥居龍蔵 吾人 祖先の石器時代と国津神
吾人祖先の先駆者はいつごろからこの国に住 まっておったか、このことについて、最新の人類学・考古学上の研究をここに表示しよう。わが祖先はすなわち、先史時代(prehistoric)からすでにこの日本に生活していたのである。
日本の内地に石器・土器を残したいわゆる石器時代の民族は、一般にアイヌであると信じている。またアイヌという説に反対するところの、たとえば故坪井博士〔坪井正五郎か〕のごとき人でも、この石器・土器を残した民族を、吾人の祖先とは見ておられない。いずれにしても、われわれの祖先のこの日本に渡来しない前に一種の民族がいて、これが石器時代の状態で長く
この大和の事実は、単に大和のみならず、日本全国いたるところに存在する事実である。その巨細の証拠をここに列挙することはやめ、ただその結論のみをいうことにするが、今日われわれ祖先の石器時代の遺跡は、アイヌの遺跡とともに存在しているのであって、この意味においてわれわれの祖先が日本に渡来したのは、決して原史時代によってはじめられたのでなく、有史以前の当時、しかも石器を使用した石器時代の当時から渡来しているものと考えなければならなくなったのである。
一、アイヌおよびわが祖先の石器時代
遺跡の地理的分布
今日、アイヌの石器時代と日本人の石器時代とは、どういうふうの地理学的分布を取っているかというと、まず大体をいえば、アイヌの遺跡は北海道、それから奥羽からかけて関東地方におよび、一方、太平洋方面は美濃に至って切れ、他方、日本海方面は越前に至ってまず切れており、わずかに丹後国に一、二点、土器の破片を存在するくらいにすぎない。しかしてその以西、尾張・近江・伊勢・志摩・畿内地方・摂津・淡路・播磨・
つぎに、飛んで備前・備中においてアイヌの貝塚その他の遺跡が存在している。なお、飛んで阿波の徳島付近・土佐などにある。これによって見ると、日本海方面は越前以北、太平洋方面は美濃以東、この間に線を引いた以北だけにアイヌの遺物・遺跡が濃厚に存在しておって、畿内・中国地方のきわめて
二、考古学、文献上に現われたる
国津神および天孫派の移住状態
とにかく以上によって見ると、日本人の石器時代の遺跡は、その分布よほど広く、ことに美濃から越前にかけて線を引いた西の面、すなわち畿内・中国・四国地方にアイヌ派の遺跡のきわめて
しからば、この美濃以北の地方および筑前・筑後を除いた九州の諸地方には、日本人の石器時代の遺跡が存在しないかというと、やはりそれが相応に存在しているのである。そうしてみると、当時この二つの線以外にもなお、われわれの祖先が東西に食い込んでおったことを承知しなければならぬ。余はこれらの考古学上の新事実から考えると、有史以前の日本人は石器を使っている時代から、先住民を
かくのごとき事実が今日、先史考古学上の研究の結果によって知られてきたが、さてしからば日本の歴史において、この消息が現われているかどうか。これは大いに研究すべき点であろうと思う。日本の上古史・神話・伝説などによって見ても、彼の
日本の神話・伝説をよく味わってみると、その中に
この国つ神の研究にいたっては、これまで徳川時代の学者もいっこうやっていない。今日の新しい学者もこれについて言ったことがない。けれども余は、民族史上においてこの国つ神を
そうしてみると、日本の土地にアイヌを征服したというようなことは、決してわれわれの朝廷が大和に定まった後に征服したのでなくして、その前から国つ神が始終アイヌと接触しておって、ときどき
われわれの祖先のいわゆる弥生式土器を残したところの遺跡は、単に関東とかあるいは越の国というにとどまらずして、彼の出羽・奥州の
このことに向かって注意しなければならぬのは、出羽・奥州においてもアイヌ石器時代とわれわれ祖先の石器時代とが存在していることである。この事実は従来、人が言わないけれども、余はいろいろの証拠によってこれを認める。しかるにここにおもしろいことには、われわれの祖先が出羽を征服するときにあたって、
と記し、大いに驚き、仏神に法を修し
こういうようなことから考えてみると、彼の蝦夷征伐のときにおいて、いわゆる
三、わが祖先と沿海州方面との接触関係
いったい、これらの日本有史以前の民族の残した遺物がどこか日本付近に残っているかというと、余のしばしば言うがごとく、日本におけるわれわれ祖先の石器時代の遺物は、北方の色彩を著しく持っている。しかもこれらはよほど、満州・朝鮮・沿海州方面のものと似ているのである。こういうことから考えてみると、東北ことに出羽・奥州地方にこの弥生式派の土器が存在しているといっても、これは沿海州もしくはカラフトの方面から入ってきたという説明は、少しもさしつかえないのである。これまでわれわれ祖先の日本に渡来した径路について、あるいは南方朝鮮というような方面のみに解して、沿海州方面の関係は少しもかえりみられなかったが、これはよほど注意しなければならぬ。もしも出羽・奥州などに残っている遺物が、沿海州のそれに似ているとすると、それが相互に的確な祖先関係を持っていないとしても、まず
北方の
吾人祖先、有史以前の男根尊拝
有史以前の吾人祖先はいかなる宗教を持っておったか、これはもとより今日に口碑も伝説も残っておらぬが、そのだいたいは原始的シャーマンの分子を多量に含んでおったに相違あるまいということはすでに数章にわたって匂 わしておいたのであるが、ただし、これにともなってなお種々の信仰が組み入れられておったであろう。ここにその一例として、原始的男根尊拝のあった事実を暗示してみよう。
日本人にファリック・ウォーシップ〔phallic worship、男根崇拝〕のあることは『
しかるにここに問題とするは、この男根尊拝の風習はこれを弥生式派―
この問題に対してきわめておもしろいのは、彼の和泉国浜寺付近八池にある貝塚である。この貝塚は固有日本人の石器時代の遺跡であって、ここから石器・弥生式土器が多数に出る。この貝塚は、畿内における固有日本人の
この貝塚から左図の土器を発見した。長さは三寸一分〔九.三センチメートル〕で、先端はすこしく
いったいこの土器は何の形であるか。先端がとがり、その上に溝があるなどという点から考えると、これは
弥生式土器の中に、男根の形状したそれが発見せられたという事実はこれが最初であって、また、もっとも注意を要するきわめて興味ある事実といわねばならぬ。
この男根はそもそも当時、何に使用したものであるか。これを子どもの玩具として使用したものであろうか。しかし、そんな類例はむしろ珍しいことであるから、これはやはり信仰などの対照物としたものであろう。余はこの事実から当時、彼らの間に男根尊拝のすでにおこなわれておったものと思うのである。もしも、かく有史以前の吾人祖先にこの信仰があって、その尊拝として男根を作っておったとせば、のちの時代や、現今にもなおこの風習のあるのは、その由来やすでに古いといわねばならぬ。要するにこの材料は、ファルス〔phallus、男根〕研究史上、大切なものといってよい。
アイヌの石器時代に男根尊拝のあったことは、いまさらいうまでもないが、また、これとともに吾人祖先の石器時代にもその風習のあったことが認められるのである。すなわち、吾人祖先の男根尊拝の風は歴史時代に他から感染したものでなく、すでに有史以前の石器時代から存在した信仰といってよい。はたしてそうであるとすると、今後はこれら両者の比較研究をしてかからねばならぬ。
さて、この男根形のものを作りて崇拝するという風習は、わが祖先のはじめたるものなりや、はた、石器時代人民の遺風を伝えたるものなりやは、大いに考うべきものなり。現に石神 同形のものは石器時代遺物とともに土中より発見さるることあるなり。陸平 貝塚より発見せしが如き小石神(イ)長さ三寸〔九センチメートル〕弱の類品は、武蔵国荘原郡〔荏原郡 か〕下目黒村不動堂裏より出でたり。(ロ)長さ四寸一分〔一二.三センチメートル〕、これらを熟視するに、その形状、今回旅行せし地方にて現におこなわるる石神と大差なし。石器時代人民もあるいは同様の風を有せしにはあらざるか、大いに研究すべきことなり。
大野氏は、吾人祖先の男根尊拝はアイヌの石器時代民衆より受けたる風習であるか、はた、吾人祖先のあいだに単独に、心理的にこれがおのずから発達せしものであるかについて大いに疑っておらるるようであるが、余はなお重ねていうが、以上のごとくすでに
固有日本人の、石器時代民衆と深い関係の存在すると思わるる東北方アジア大陸の遺物にも男根型のものがある。まず、エニセイ
以上のタルグレン氏の示された石製男根中(一)はじつによく和泉のそれと似ている。これは比較上、きわめておもしろいものである。この相方の製作品によって見ると、当時の両民衆の心理状態が同一であったのではないかと思われるのである。
妣 の国
吾人祖先は、海の彼方 を妣 の国といった。この国はわが祖先のあこがれの土地、懐 かしの土地であった。余はこれを左に紹介してみよう。
わが遠い遠いむかしの祖先たちの言葉の中に、
一、文献に現われたる妣の国およびその意義
などが見える。そうすると、妣国はまた根国ともいったのであろう。
二、妣国の位置
この日本本土におって、ここを妣国といわず他をこれにあてているのを見ると、尊の立場からいうと、その故郷、墳墓の地、
なお
以上の妣国―
以上から考えてみると、吾人の祖先の妣国は、日本海のあなたの大陸にあるらしい。そして日本の本土は、移ってきた第二の故郷ではあるまいか。ことに大陸からの移住者は、最初は数人、たとえば兄弟・親子・友人らがまず来たり、この美しく温かい土地に
三、三界 の神話
故
彼らは天・地・地下の三界に分けている。また、近ごろよほどわかってきたカムチャツカに
以上コリヤークの
コリヤークのほうでは最上の天界にいます神々は善人で、天地創造の神々やその他の
余はこんな比較神話学上から見て、わがタカマガハラは地上でなく、また神話学上の天上のことであって、これで説明すべきもののように思うのである。もとよりここの神々の人間のごとく活動し、またその風俗習慣もその時代の人々のそれと同一なるは、これすなわち同時代の人々の色彩や
日本周囲民族の原始宗教 終
底本:
1924(大正13)年9月20日発行
1924(大正13)年12月1日3版発行
発行者:岡 茂雄
印刷:樫村 功
製本所:山縣製本所
入力:しだひろし
校正:
xxxx年xx月xx日作成
青空文庫作成ファイル:
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日本周圍民族の原始宗教(八)
神話宗教の人種學的研究鳥居龍藏
吾人祖先の石器時代と國津神
[#ここからリード文]
吾人祖先の先驅者はいつ頃から此の國に住まつて居つたか、此の事に就いて、最新の人類學、考古學上の研究を茲に表示しやう。吾祖先は即ち先史時代(Prehistoric)から既に此の日本に生活して居たのである。
[#リード文ここまで]
日本の内地に石器土器を殘した所謂石器時代の民族は、一般にアイヌであると信じて居る。又アイヌといふ説に反對する所の、例へば故坪井博士の如き人でも、此の石器土器を殘した民族を、吾人の祖先とは見て居られない。何れにしても我々の祖先の此日本に渡來しない前に一種の民族が居て、これが石器時代の状態で長く住まつて居つた。其後に我々の祖先が何時頃かこの日本に渡來した。此の時に渡來した日本人は、鏡を作り劍を作り鋤鍬を作り色々の鍛冶に長じて居た。又機を織り五穀を作り田畑などをも耕して居り、或意味の文化は比較的進んで居つたのであつた。此の時の我々の祖先は、既に石器を作つて居る石器時代の境遇でなく、明かに鐵器時代で而も農業時代であり、風俗習慣總て農業の色彩を帶びて居つた。されば我々の最古の祖先はこの日本に於て此の時代に渡來して、彼の石器時代の如き時期は何處にか經過したものであると考へて居つたのである。さうすると今日日本内地に石器土器を殘して居る民族は、日本人以前の民族であつて、即ち有史以前の民族といふものは日本人でないのである。余は種々なる證據に依りて此の日本人以前の有史以前の民族はアイヌであらうと考へて居る。然るに茲に此の問題が餘程變化して來たのである。それは日本人の石器を使つて居つたことが證明されたからである。日本人が石器を使つて居つたらしいといふことは、余は既に『理科大學紀要』に於て、「南滿洲有史以前民族」といふ論文の中に書いて居る。續て余は大正六年夏、畿内殊に大和の有史以前の調査を試みんと欲し、同地方に赴いて各地の遺蹟遺物を調査した結果、其の大體を大阪の濱寺の講演に於て、「閑却されたる大和國」と題して一場の講話をした。其の大意は、從來日本に存在する石器は、日本人以前の民族が殘したものであると云はれて居つたのに反對して、日本人も矢張り石器時代の當時から、既にこの日本に渡來して居ると云ふのであつて、此の證明として大和の諸地方の事實を列擧した。此の講話は實に詰らないものであつたけれども、これが導火線となつて、日本の有史以前の研究に於て一大變動を起す基礎を作り、少くとも此の講演は、日本有史以前の研究に一エポツクを劃したものと自分は考へる。此の發表の結果、我が國の學界に一大變動を與へるに至つたのは、一學究として竊かに誇りを禁ずる能はざるものである。
此の大和の事實は、單に大和のみならず、日本全國到る處に存在する事實である。其の巨細の證據を此に例擧[#「例擧」は底本のまま]することは止め、唯だ其の結論のみを云ふ事にするが、今日我々祖先の石器時代の遺蹟は、アイヌの遺蹟と共に存在して居るのであつて、此の意味に於て我々の祖先が日本に渡來したのは、決して原史時代によつて始められたのでなく、有史以前の當時、然も石器を使用した石器時代の當時から渡來して居るものと考へなければならなくなつたのである。
一 アイヌ及我祖先の石器時代
遺跡の地理的分布
今日アイヌの石器時代と日本人の石器時代とは、どういふ風の地理學的分布を取つて居るかといふと、先づ大體を云へば、アイヌの遺蹟は北海道それから奧羽から掛けて關東地方に及び、一方太平洋方面は美濃に至つて切れ、他方日本海方面は越前に至つて先づ切れて居り、僅に丹後國に一二點土器の破片を存在する位に過ぎない。而して其の以西、尾張、近江、伊勢、志摩幾内[#「幾内」は底本のまま]地方、攝津、淡路、播摩[#「播摩」は底本のまま]、伯耆、出雲等から掛けて、周防、長門それから四國全體等は、殆んど皆日本人祖先の石器時代の遺蹟のみである。唯だ其の間に於て萬緑叢中紅一點とでもいふやうに、僅に紀州の鳴神の貝塚、大和の櫻川吉野附近等及び河内の國府、京都大學附近の寺田村等にアイヌの遺蹟を見るのみである。而も其の内には最もアイヌの遺蹟として鮮明なる色彩を有つて居るものあれば、或は最古日本人の土器ともつかずアイヌの土器ともつかぬ殆んど雜合體のものもある。さうすると先づアイヌのものとして見る事の出來るものは、兎に角此等の地方である。
次に飛んで備前備中に於てアイヌの貝塚其の他の遺蹟が存在して居る。なほ飛んで阿波の徳島附近土佐等にある。之に依つて見ると、日本海方面は越前以北、太平洋方面は美濃以東、此の間に線を引いた以北だけにアイヌの遺物遺蹟が濃厚に存在して居つて、畿内中國地方の極めて僅少な部分を除く外、日本海方面は出雲長門より越前までの間に、殆んどアイヌの石器時代の遺蹟は存在しないのである。四國の如きも僅に土佐に於て、其の伊豫に近き地方の一貝塚から、繩紋土器の小破片數點を得たのと、今述べた阿波の徳島附近に遺蹟があるのみで、其外は皆我々祖先の石器時代の遺蹟である。九州はどうかといふと筑前筑後にはアイヌ派の石器時代のものなく、熊本、鹿兒島、宮崎、大分地方にアイヌ派のものが認められるだけである。それから餘程混雜して、飛んで沖繩に於てアイヌ派が存在して居る。猶ほ是等のアイヌ派石器時代の存在して居る土地に於て、絶對に日本人の石器時代のものが無いかといふとさうではなくて矢張存在して居るのである。
二 考古學、文献上に現れたる
國津神及天孫派の移住状態
兎に角以上に依つて見ると、日本人の石器時代の遺蹟は、其の分布餘程廣く、殊に美濃から越前に掛けて線を引いた西の面、即ち畿内中國四國地方にアイヌ派の遺蹟の極めて乏しく、全く無い地方すらあるといふことは、どういふ譯か。餘程注意を要する事と思ふ。けれども今日事實の示す所に依ると、我々祖先は明かに石器時代の當時から、この日本の土地に入つて來たものと認めねばならぬのである。然らば是等の日本人の石器時代と稱するものは如何なる遺蹟を存在して居るかといふと、即ち彼の彌生式土器を殘した所のものである。これと共に石斧、石庖丁、石劍等も存在して居るのである。併し其の土器又は石器の形状に於ては、アイヌの石器時代のものとは全く相違して居るのである。尤も我が國の有史以前の遺蹟で、一番古いものは何方であるかといふと、無論アイヌのものであると思ふ。けれどもアイヌの石器を使つて居る中期若くは後期の當時に、我々祖先の先驅者は既に此の日本に移住して、少くともアイヌと接觸して居つたものと思はれる。即ち有史以前の當時に於て、此の出來事があつたものであらふと思ふ。其の證據には、出雲附近から掛けて越前までの間は、殆んど日本人の石器時代の遺蹟のみ存して、一方美濃越前以北には、アイヌの遺蹟最も廣く分布し、而して九州は、筑前筑後を除いた各地方にアイヌの遺蹟が存在して居るのである。即ちアイヌが廣く日本に分布して居る所へ、日本人が其の中間に喰ひ込んで移住したやうに思はれるのである。これは一の事實であつて、有史以前の研究に就いては大切な事實と認めねばならぬのである。
然らば此の美濃以北の地方及び筑前筑後を除いた九州の諸地方には、日本人の石器時代の遺蹟が存在しないかといふと矢張りそれが相應に存在して居るのである。さうして見ると、當時此の二つの線以外にも、猶ほ我々の祖先が東西に喰ひ込んで居つたことを承知しなければならぬ。余は此等の考古學上の新事實から考へると、有史以前の日本人は石器を使つて居る時代から、先住民を驅逐しつゝ次第に喰ひ込んで、而して彼處此處に廣く移住地を形成して居つたものと認めなければならぬ。此の荒削りをした後に、第二第三に入つて來た所の吾人の祖先に依つて、やがてこれが段々統一せられたものと見ないと、考古學上の解釋が餘程つき難いのである。此等の事實は古代史其の他のことを研究する人に於て餘程注意を願ひたいと思ふのである。
此の如き事實が今日先史考古學上の研究の結果に依つて知られて來たが、さて然らば日本の歴史に於て、此の消息が現はれて居るかどうか。これは大に研究すべき點であらうと思ふ。日本の上古史神話傳説等に依つて見ても、彼の高天原すらも既に農業を營み工業を行ひ、五穀を收穫し、鏡を鑄、劍を鍛へ、農具等をも作り、相當の文化を有つて居る。又天孫降臨の條を見ても、出雲の神々又は天孫の神々の風俗習慣を見ても、既に金屬器時代相當の文化を有つて居るのである。さうして見ると如何に日本の語り部[#「語り部」に傍点]が古いことを語り傳へて居るといつても、我々の祖先が石器を使つて狩獵や漁業をやつた所の、所謂有史以前當時の口碑傳説を更に傳へて居ないのである。これはどういふ譯か、是等は餘程歴史家に於ても又其の他の學者に於ても考へねばならぬことである。勿論語り部の語り傳へて居る口碑傳説は尊重しなければならぬ。けれども今日先史考古學上の事實も亦打切ることは出來ない。これはどういふ風に解釋するか。若しも文化の程度から云へば神代時代のものよりも日本に殘れる石器時代の遺跡の神が古い風俗習慣を有つて居る。此等も餘程考へねばならぬことである。
日本の神話傳説を能く味つて見ると、其中に國つ神[#「國つ神」に黒丸傍点]、といふことが大變書いて居る。例へば彼の素盞鳴命[#「鳴」は底本のまま]が出雲の簸川上に往つた時に、手名推、足名推[#「手名推、足名推」の「推」はそれぞれ底本のまま]といふ國つ神が居り、それから天孫降臨の時にも、既に日向に大山祗命[#「祗」は底本のまま]といふ國神が居つて、其の女の木之花咲耶姫を娶られた位である。尚ほ海には綿津見の神々が居られた。斯ういふ風に國神が彼處此處に土着せられて、天孫降臨神武天皇の東征以前既に古くから居られたのである。又神武天皇の大和に行かれた際にも、大和には大三輪を中心として、出雲派の神々が居られた位である。さうすると此の國の神はどういふものであるかといふと、余は之を土着人と解したい。即ち天孫降臨又は出雲派の神々よりも先きに、同族が日本に移住して居つた状態である。此の先移住者が即ち國つ神であつて、海に居れば綿津見神海部となり。[#句点は底本のまま]山に居れば大山祗神[#「祗」は底本のまま]と山神となつて居るのである。今日濟州島に居る土民が、海に住むものを海住み[#「海住み」に傍点]といひ、山に住むものを山住み[#「山住み」に傍点]といつて居るのと同じことである。さういふ風に我々の祖先が有史以前より山にも海岸にも住んで居つたことが分るのである。
此の國つ神の研究に至つては、之まで徳川時代の學者も一向やつて居ない。今日の新しい學者もこれに就いて言つたことが無い。けれども余は民族史上に於て此の國つ神を閑却することは出來ない。余は國つ神なるものは日本に於て石器を使つて居つた所の人間の或ものかも知れぬと思ふのである。此の如く解すれば少しも不都合は無いのである。彼の語り部の人々は、國つ神が何時頃から入つて來て居るといふことを云はない。けれども天孫派や出雲派の神々よりも先きに來て居るといふ暗示を與へて居るのである。さうすると國つ神なるものは、天孫降臨或は神武天皇の東征及び出雲派の神々などよりもずつと古い時分は勿論、石器を使ふ頃から彼處にぽつり此處にぽつりと殖民して土著したものであらう。即ち島嶼式《イロポプラシヨン》移住で、各所に小團體が點々散在して土著を始め、其の子孫が段々繁殖して行く中に、其の後も同族が次第々々に移住して來て、最後に天孫降臨、引き續いて大化の新政で全く之を統一したのが日本民族であるやうに思はれる。此等の民族は大概同じ民族であつて、左のみ違つたものは思はれない。斯ういふ風に私は解釋したいのである。
さうして見ると、日本の土地にアイヌを征服したといふやうなことは、決して我々の朝廷が大和に定まつた後に征服したのでなくして、其の前から國つ神が始終アイヌと接觸して居つて、時々葛藤を起しては之を征服し荒削りをして居つたものと思はれる。例へば日本武尊が東夷を征伐なされたといふことは事實であるとしても、これまでは尊の通路は蝦夷人の居る所を經過したやうに人々は見て居つたけれども、余はさう思はない。若し日本武尊の東征が事實であるとすれば、其時既に我々の祖先が東國地方に古くから移住して居つて、各所に所謂荒削りをして居つた間を、吾妻の國から掛けて信州あたりから美濃の方に出られたものと思はれる。今日の事實に徴しても、關東は云ふまでもなく、信州から掛けて甲州などにも矢張り我々祖先の石器時代の遺蹟が殘つて居るから、餘程古い時代に來て居つたものと見なければならぬのである。斯ういふ風に解釋して見ると、國つ神の研究として歴史上まだ研究する餘地もあらうし、更に人類學人種學先史考古學の上から云へば、我々祖先の有史以前の遺蹟の研究といふことは、まだ澤山研究の餘地があり、而も其の研究の結果面白い事實を齎らして來ることであらうと思ふ。
我々の祖先の所謂彌生式土器を殘した所の遺蹟は、單に關東とか或は越の國といふに止まらずして、彼の出羽奧州の果てまでも此の遺蹟が存在して居るのである。これはどういふ風に解釋するか、これが又歴史上六かしい問題になつて來る。古い歴史家の頭ならば其れまでだが、今日新しき研究が認められる時代に於て、出羽奧州の果てに我々祖先の遺蹟が殘つて居るといふことは、解釋が非常に困難になつて來る。これはどういふ風に解釋するか。けれども此の奧羽に殘つて居る遺物は、關東或は越の國あたりの物と一向變らない。或處では竪穴から出、或處では單獨に存在し、或處では奧羽式土器[#「奧羽式土器」に傍点]とも混在して居る。これはどういふ風に解釋するか。我々の祖先は蝦夷征伐に就いて、幾多の困難と時日を費して居る。これは我々の祖先の東北拓殖の歴史に、最も著しく苦心の跡を物語つて居るのであるが、此の歴史と遺蹟遺物の事實が矛盾して來る樣になつて居るのである。若しも我々の祖先が古くから奧羽に入つて居るならば、何の必要あつて困難なる蝦夷征伐をするか。これは歴史と考古學上の事實が矛盾することになる。けれども此の例は、九州に於ても又畿内に於ても存在して居るのと同じ事實と認められる。さういふことから考へて見ると、我々の祖先は大體に於て荒削りをなし、越の國や關東以北に於て、古くアイヌと或は衝突し或は雜合し、一種の華夷雜居地をなして居つたのであらう。然るに第二の日本人、而も大和に朝廷を定められた我々祖先の一隊が、統一の爲めに再びまつらはぬものを征服されたのであらう。さういふ風に見なければ説明がつかぬのである。
此のことに向つて注意しなければならぬのは、出羽奧州に於てもアイヌ石器時代と我々祖先の石器時代とが存在して居ることである。此の事實は從來人が言はないけれども、余は色々の證據に依つて之を認める。然るに茲に面白いことには我々の祖先が出羽を征服する時に當つて、『續日本後紀』仁明天皇承和六年冬十月の條にどういふことを云つて居るかといふと、「出羽國言、去八月廿九日、管田川郡司解※[#「にんべん+爾」、第3水準1-14-45]、此郡西濱達[#レ]府之程五十餘里、本自無[#レ]石、雨從[#二]月三日[#一]霖雨無[#レ]止、雷電鬪[#レ]聲。經[#二]十餘日[#一]乃見[#二]晴天[#一]、時向[#二]海畔[#一]、自然隕[#レ]石、其數不少、或似[#レ]鏃、似[#レ]鋒、或白或黒、或青或[#「或」は罫囲み]赤、凡厥状體鋭皆向[#レ]西、茎則向[#レ]東、詢[#二]于故老[#一]所[#レ]未[#二]曾見[#一]……」と記し大に驚き佛神に法を修し幣を奉つて居る。それから『三代實録』陽成天皇元慶八年秋九月の條に、矢張り秋田城雷雨晦冥、飽海郡海濱に石鏃二十三枚を雨らして居る。猶ほ同書光孝天皇仁和二年夏四月の條に、出羽の飽海郡諸神社の辺に石鏃を雨らし、陰陽寮などに占はしめて居る。當時蝦夷征伐の際に既に石鏃の如きは深く土中に埋もれて、大雨の時に洗ひ出された譯である。これは無論地上にあつたのでなく、土中に埋もつて居たのであるから、相當の時代を經て居ることが分る。又當時の古老などに聞いても、少しもこれが何のものであるといふことを知らない。當時の古老といふのは、先づ日本では平安朝の初めであるから古いことを知つて居るものもあらうし、又蝦夷人の古老もあらうし、又日本に歸化した蝦夷人もある譯である。然るに此等の人が少しも知らない所を見ると、非常に古い時代のものであるといふことが考へられる。此の事實の出羽奧州に殘つて居るアイヌの遺物の古いことを示して居ると共に、亦同地に殘つて居る吾人祖先の遺物も、餘程古い時代のものである。[#句点は底本のまま]ことが分る。而もそれが土中に包含されて居る状態である。若しも當時の日本人にして此のことを知つて居るならば、言ふべき筈である。言はないのを見ると、餘程古い時分に我々の祖先が、而も石器を使つた當時に於て入り込んで居つたことを認めなければならぬのである。
斯ういふやうなことから考へて見ると、彼の蝦夷征伐の時に於て、所謂東夷[#「東夷」に傍点]なるものゝ中には、我々祖先で最初の先驅をなした人間もある譯である。これは古くは一緒に居つて、後にアイヌに同化されたものであるか、其の點は分らないが、兎に角さういふものがあつたと考へなければならぬ。彼の東國東夷の事情を語る言葉の中に、東夷の中蝦夷最も強し[#「東夷の中蝦夷最も強し」に傍点]といふ言葉があるが、當時の東夷といふ言葉は廣い意味で、蝦夷は其の一部分であつたかも知れぬ。又我々の祖先の中にも其の中に入れねばならぬ事情になつたものがあつたかも知れぬ。又日本武尊の東國巡視の時に、荒ぶる神に出遇ふたとか或は何處の神に出遇ふたといふやうなことを書いて居るが、此等も矢張り國つ神のまつろはぬもので、而して蝦夷とは見ることを出來ないもの、斯ういふものが所謂荒ぶる神、まつろはぬものといふやうな風に解釋しなければならぬかも知れぬ。斯ういふことから考へて見ると、關東から掛けて越の國以北の出羽奧州の蠻夷の研究に向つては、餘程注意して掛らないと、複雜な状態になつて來るやうに思ふ。
三 我祖先と沿海州方面との接觸關係
一體是等の日本有史以前の民族の殘した遺物が何處か日本附近に殘つて居るかといふと、余の屡※[#二の字点]云ふが如く、日本に於ける我々祖先の石器時代の遺物は北方の色彩を著しく有つて居る。而も是等は餘程滿洲朝鮮沿海州方面のものと似て居るのである。斯ういふことから考へて見ると、東北殊に出羽奧州地方に此の彌生式派の土器が存在して居ると云つても、これは沿海州若くは樺太の方面から入つて來たといふ説明は、少しも差支ないのである。これまで我々祖先の日本に渡來した徑路に就いて、或は南方朝鮮といふやうな方面のみに解して、沿海州方面の關係は少しも顧みられなかつたが、これは餘程注意しなければならぬ。若しも出羽奧州などに殘つて居る遺物が、沿海州のそれに似て居るとすると、それが相互に的確な祖先關係を有つて居ないとしても、先づ叔姪從兄弟位の關係があるといふことが云へる。今日北海道樺太等に存在する遺蹟遺物を見ると、通常アイヌのものと違つたもので、沿海州方面の物に似て居るのが發見されて居る。さうすると出羽奧州、北海道、樺太迄に此の關係が繋つて居る。樺太と一衣帶水を隔てた沿海州が、是に於て考古學上我が日本と聯絡あることを略ぼ察することが出來よう。況んや我々祖先の石器時代の遺物が北方の色彩に富んで居るに於てをや。これは餘程今後の研究に於て、學者が豫じめ注意しなければならぬことである。
北方の肅愼人が日本に來たことに就いては彼の欽明天皇の五年十二月に、佐渡の御名部の碕岸に肅愼人の來た話もあるし、又渡島の蝦夷が大變肅愼人に惱まされて、越の政所に注進して來た爲めに、阿部比羅夫が當時肅愼人と戰つたこともある。(北海道石狩川河口)それから元正天皇の養老四年、渡島の津輕の司が、靺鞨の風俗習憤を見に行つたこともある。又畿内に肅愼の酋長を招いた事もある。斯ういふやうなことから考へると、北海道方面に於て大變肅愼人の來て居つたことも分るし、今日又手宮の彫刻文字のこと、及び石狩川流域に散在するクルガン式の古い墓の多いことも偶然でないと思ふ。是等を見ても北方の色彩が日本に影響したことは、歴史時代に於ても考へられるのである。これは昔に溯れば溯る程猶此の色彩が濃厚になつて來る。要するに北方民族とアイヌとの衝突史が畫かれることになつて來るので、其の北方民族たる肅愼人は今日のツングースの種族であり、沿海州、朝鮮、滿洲等と關係を有つて居るのである。我々日本人の石器時代も此のあたりの地方と非常に聯絡を有つて居るのであるから、此の北方々面を研究すると、餘程色彩が明かになつて來るやうに思ふ。之れに就いての種々の具體的證據の例擧[#「例擧」は底本のまま]は他日に讓り本編は之れにて結ぶ事とする。
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吾人祖先有史以前の男根尊拜
[#ここからリード文]
有史以前の吾人祖先は如何なる宗教を有つて居つたか、這は固より今日に口碑も傳説も殘つて居らぬが、其の大體は原始的シヤーマンの分子を多量に含んで居つたに相違あるまいと云ふ事は既に數章に亘つて匂はして置いたのであるが、併し之れに伴つて尚ほ種々の信仰が組み入れられて居つたであらう。茲に其の一例として原始的男根尊拜のあつた事實を暗示して見よう。
[#リード文ここまで]
日本人にフアリツクウオーシツプのある事は『古語拾遺』や其他の文献より、尚ほ現今の民間の土俗遺風等の上から充分之れを證明する事が出來る。
然るに茲に問題とするは、此の男根尊拜の風習は之を彌生式派――固有日本人の遺跡の上に於て證明する事が出來るであらうか。即ち吾人の祖先有史以前の石器時代の遺物中に此の事實を求むる事が出來るであらうか。若しも此の有史以前の遺物の上に之を示す事が出來るとせば、這はやがて吾人男根尊拜の風は古く有史以前の當時に溯り得ることゝなるのである。
此問題に對して極めて面白いのは、彼の和泉國濱寺附近八池にある貝塚である。此の貝塚は固有日本人の石器時代の遺蹟であつて此處から石器、彌生式土器が多數に出る。此の貝塚は畿内に於ける固有日本人の貝塚[#「貝塚」に白丸傍点]として唯一のものである。
[#図版(img01.png)、土製男根]
此の貝塚から左圖の土器を發見した。長さは三寸一分で、先端は少しく尖り、其の他は圓身《まるみ》を帶び、其の圓身の直徑は約一寸、燒方は素燒で赤褐色を呈し、一般の彌生式土器である。之れまで彌生式土器と云ふと、概ね高坏、皿、壺、甕等の器具が主で、其の他の形状のものは極めて稀れであつた。然るに今此んな形状の土器が同貝塚から出たと云ふのは、之れまでの類例から推して頗る珍しいものと云はねばならぬ。
一體此の土器は何の形であるか。先端が尖り其上に溝がある等と云ふ點から考へると、這は男根の形を示したものである。下部は破損して居るから、此の部分があれば一層其の形を確かめる事が出來るであらうが、兎に角、其の形状からして男根である事は大概推察が出來るのである。
彌生式土器の中に男根の形状した其れが發見せられたと云ふ事實は、之れが最初であつて、また最も注意を要する極めて興味ある事實と云はねばならぬ。
此の男根は抑も當時何に使用したものであるか。之を小供の玩具として使用したものであらうか。然し其んな類例は寧ろ珍しい事であるから、這は矢張信仰などの對照物としたものであらう。余は此の事實から當時彼等の間に男根尊拜のすでに行はれて居つたものと思ふのである。若しも斯く有史以前の吾人祖先に此の信仰があつて、其尊拜として男根を作つて居つたとせば、後の時代や、現今にも尚ほ此の風習のあるのは、其由來やすでに古いと云はねばならぬ。要するに此の材料はフアールス研究史上大切なものと云つてよい。
アイヌの石器時代に男根尊拜のあつた事は、今更云ふ迄もないが、また之と共に吾人祖先の石器時代にも、其の風習のあつた事が認められるのである。即ち吾人祖先の男根尊拜の風は歴史時代に他から感染したものでなく、すでに有史以前の石器時代から存在した信仰と云つてよい。果してさうであるとすると今後は此等兩者の比較研究をしてかゝらねばならぬ。
大野延太郎氏は『東京人類學雜誌』第百二十三號で「常陸國霞ケ浦沿岸旅行談」中に左の二箇の石棒の圖を入れ、次の樣に云つて居られる。
[#図版(img02.png)]
[#ここから2字下げ]
扨此男根形ノモノヲ作リテ崇拜スルト云フ風習ハ我祖先ノ始メタルモノナリヤ、將タ石器時代人民ノ遺風ヲ傳ヘタルモノナリヤハ、大ニ考フベキモノナリ。現ニ石神同形ノモノハ石器時代遺物ト共ニ土中ヨリ發見サルヽ事アルナリ。陸平貝塚ヨリ發見セシガ如キ小石神(イ)長サ三寸弱ノ類品ハ武藏國莊原郡[#「莊」は底本のまま]下目黒村不動堂裏ヨリ出デタリ。(ロ)長サ四寸一分、是等ヲ熟視スルニ、其形状今囘旅行セシ地方ニテ現ニ行ハルヽ石神ト大差ナシ。石器時代人民モ或ハ同樣ノ風ヲ有セシニハアラザルカ、大ニ研究スベキ事ナリ。
[#ここで字下げ終わり]
大野氏は吾人祖先の男根尊拜はアイヌの石器時代民衆より受けたる風習であるか、將た吾人祖先の間に單獨に心理的に之が自から發達せしものであるかに就て大に疑つて居らるゝ樣であるが、余は尚ほ重ねて云ふが、以上の如くすでに和泉の吾人祖先の有史以前――石器時代遺物中に、此の男根が存在する理由や、和泉から出た固有日本人の土製男根が大野氏の圖示せられた石製の其れとよく似て居る事等から考へると、何うも當代のアイヌと吾人祖先との間に偶然同一の風習が行はれて居つた樣に思はれる。固有日本人の石棒としては、尚ほ山城のミカノ原や備前の阿爾神社境内からも出て居る。其の吾人祖先の男根の存在は極めて古いものである。即ち『古語拾遺』を去ること頗る遠い昔である。
[#図版(img03.png)、エニセヰ河畔發掘石製男根]
固有日本人の石器時代民衆と深い關係の存在すると思はるゝ東北方亞細亞大陸の遺物にも男根型の物がある。先づヱニセヰ河畔の石器時代の遺物に之れの存在する事は、すでに、彼のタルグレン氏(A.-A. Tallgren : Ccllection[#「Ccllection」は底本のまま] Tovostine des antiquit〔e'〕s prehistoriques de uinoussinsk conserv〔e'〕es ※[#一字不明]nez le Dr. Karl Hedman a Vasa. 1917)の論文中にも圖記して居る。余は後貝加爾州チタの博物館陳列品中、オノン河畔の石器時代の遺物中に石製男根の存在するのを見、更に余は東蒙古の西翁手特、英金河畔の石器時代の遺蹟中で、之を一個採集した。此の石器は余の Etude Arch〔e'〕ologiques et Ethnologique. Populations de la Mon-gol'e Orientale. 中に圖記して置いた。是等は固有日本人の石器時代の男根と大に關係のあるものと信ずる。
以上のタルグレン氏の示された石製男根中(一)は實によく和泉の其れと似て居る。這は比較上極めて面白いものである。此の相方の製作品によつて見ると當時の兩民衆の心理状態が同一であつたのではないかと思はれるのである。
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妣の國
[#ここからリード文]
吾人祖先は海の彼方を妣の國と言つた。此の國は我祖先の憬れの土地、懷しの土地であつた。余は之れを左に紹介して見よう。
[#リード文ここまで]
我が遠い遠い昔の祖先達の言葉の中に「妣《ハハ》の國」と云ふのが屡々くり返へされて居るが、一體妣の國と云ふ意味はどんな事で、又之れは抑※[#二の字点]何處を指すのであらうか。余は今茲で之に就て聊か考ふる所を記して、讀者諸君の教示を受け度い。
一 文献に現れたる妣の國及其の意義
妣の國と云ふ言葉は『古事記』の中で、彼の素盞鳴尊[#「鳴」は底本のまま]の條に多く見えて居る。今其主なものを少しく茲に擧げると、先づ『記』の中では「僕《あ》は妣國《ハハノクニ》に往《ま》からんと欲《おも》ひて哭《な》く」「僕《あ》は妣國《ハハノクニ》根之《ネノ》堅洲國《カタスクニ》に罷《まか》らむと欲《おも》ふが故に哭《な》くと申し給ひき」などがある。
『日本紀』の方では此の條で、妣國《ハハノクニ》と云ふ言葉が、多く「根國《ネノクニ》」と云ふ言葉になつて居る。今原文の儘を記るすと「固當遠適之於根國[#「根國」に傍点]矣」「故令下治[#二]根國[#「根國」に傍点][#一]」「故汝可[#三]以馭[#二]極遠之根國[#「根國」に傍点][#一]」「吾欲[#レ]從母於根國只爲泣耳」「素盞鳴尊[#「鳴」は底本のまま]遂[#二]於根國[#一]矣」などが見える。さうすると妣國は又根國とも云つたのであらう。
「妣國」は其言葉の如く「母の國」で即ち故國、本國、母の國、祖先の地の事で、今日の言業で云へば「母國」の意味である。之を美しい言葉で云ふと佛蘭西語の La m〔e-〕re patrie 或は Notre m〔e'〕re Partrie[#「Partrie」は底本のまま] と云ふ意味にならう。『記』のハハノクニを妣國の文字で示して居るのは、又誠に意味の廣い頗る美しい温い懷しい表現と云はねばならない。漢族の思想で云ふと、父の國とか父母の國とか祖先の地と書く可き所を、殊更にハハノクニと云つて居るのは、我が遠つみおやの思想が窺はれて面白い。
二 妣國の位置
妣國は即ち我々祖先の本國で、遠い遠い我等の祖先達は此處に生長し、又此處に死んだ。我が祖先が之を懷かしみ之を常に思うたのは尤であらう。此の妣國を懷うた事は、彼の尊の男泣きに泣いたのでも充分知れるではないか。
此の日本本土に居つて、此處を妣國と云はず他を之に當てゝ居るのを見ると、尊の立場から云ふと、其の故郷、墳墓の地、遠つみおやの座ます所――祖先の地――である妣國は海原《うなばら》の向ふ岸にあるらしい。否な海原《うなばら》(日本海方面)にあるらしい、即ち日本に面した大陸が此處であるらしい。さうすると此の妣國に對比して日本の本土はセツツルメント又はコロニーの意味になつて來る。言葉をもう少し進めて云ふと、我等の遠い遠いみおや達は大陸から移つて來たもので、此の本土は移住地で、本國は向ふにある譯である。這は妣國――ノートル、メール、パトリエはよく之を説明して居る樣である。
妣の國が日本海のあなたにあると云ふ事は、既に尊の移動でも知れて居るばかりか、『記』が天津《アマツ》日高子《ヒタカヒコ》限建《ナキサタケ》鵜草葺不合命《ウガヤフキアヘツノミコト》の御子四柱を記す條に「稻氷命《イナヒノミコト》者、爲[#二]妣國《ハハノクニ》[#一]而入坐[#二]海原《ウナバラ》[#一]也」でもよく之れが證明される。此の海と云ふのは古代では多く日本海を指したもので、這は『記』の「汝命《ながみこと》は海原をしらせと事派《ことよさ》し給ひき」とあるのが之である。當時では『記』『紀』をよく味へば妣國《ハハノクニ》――根國《ネノクニ》――海原《ウナバラ》と殆んど區別が出來ない程である。
尚ほ根國《ネノクニ》は『紀』によると「底《そこ》つ根國《ネノクニ》」とあつて、又|黄泉國《ヨミノクニ》とも共通らしい語句も見える。さうすると這は又祖先の地、一名墳墓の地と云ふ意味ともなる。這は最も注目すべき事である。
以上の妣國――墳墓の地で思ひ當るは、日本周圍の民族で此の考を有つて居る者が少なくない。今其一つ二つの例を擧げると、先づ雲南省の東北部に居る※[#「けものへん+果」、U+7313]※[#「けものへん+羅」、U+7380](Lolo)にも之れと同一なる考がある。即ち彼等は今日同省に住まつて居るが其妣國は四川省で、此處から古く移住して來たものである。されば彼等は其妣國は四川省のターリヤン山にありとして、此處を懷ふの情は極めて深い。殊に彼等は移住地で死んでも、肉體は此處に留るとも、其靈魂は此處に留らず、山を越え谷を渡り野を歩いて幾多の困難をして再びもとの妣國に歸る。即ち彼等の場合では當時生活して居る雲南省はコロニー、セッツルメントで、其ノートル、メール、パメリエ[#「パメリエ」は底本のまま]は四川省のターリヤン山にある。斯んな考は尚ほ鮮卑族にもあつて、彼等は死すると其靈魂はもとの妣國赤山に歸つて行くと云ふ。(魏志に據る)是等の事實から見ると我が祖先の妣國《ハハノクニ》が底《そこ》つ根國《ネノクニ》や或は黄泉國《ヨミノクニ》に似通うて居るのは又同一思想であるまいか。
以上から考へて見ると、吾人の祖先の妣國は日本海のあなたの大陸にあるらしい。そして日本の本土は移つて來た第二の故郷ではあるまいか。殊に大陸からの移住者は最初は數人、例へば兄弟、親子、友人等が先づ來り、此の美しく温かい土地に戀着し、遂に妻子や一族などを誘ひ來り此處を開耕し、移住をしたものではあるまいか。即ち人種學上から所謂 llot population を形成したものではあるまいか。斯くして彼等は有史以前の國つ神の祖先をなしたものであらう。
三 三界の神話
故山路愛山氏も曾て云つて居られたが、日本の神話ではどうも此の國土を上中下の三界に分けて居たらしい、此の考はウラルアルタイ民族の中にあつて殊に此れの最も著しいのはトルコ族のヤクート(yakuts)である。
彼等は天、地、地下の三界に分けて居る。又近頃餘程判つて來たカムチヤツカに住まつて居るコリヤーク(Koryaks)も此の考を有つて居る。コリヤークは、古西比利《パレヲシベリアン》族とか古亞細亞族《パレヲアシセチツクス》に入れる者でウラルアルタイ族の新西比利《ネヲシベリアン》族とは大に異なつて居る。即ち最上は天界で、中間は地上で、最下は地の下である。最上の天界には最高の神々達がましまし、地上は中つ國で人間や生物が住ひ、下界は惡魔の世界であつて、又人間の死者の世界である。
以上コリヤークの三界は我が神話の國土天上の考と同一である。即ち最上の天は高ヶ原《タカマガハラ》で天神のいます所、地上は中つ國で青人草の住まふ所、下界は夜見《ヨミ》の國《クニ》――黄泉國《ヨミノクニ》で穢惡の所である。何んとよく似て居るではないか。固より人種學上何等民族としては關係がないにしても、比較參考に充分なものではないか。
コリヤークの方では最上の天界にいます神々は善人で天地創造の神々や其他の八百萬の神々が居る。此の考は日本の高ヶ原の天つ神の神々が居るのと同樣である。この夜見の國には惡神カラウと云ふ巨神が居る。彼はもと天上に居つたが或罪を犯したから彼のミルトンの『失樂園』の惡魔の如く天上から地下の世界に落されたものである。しかも彼は巨人で遂に地下の王となつた。何だか此の巨人カラウは我が神話の素戔鳴尊[#「鳴」は底本のまま]とよく位置が似て居る樣である。
余は斯んな比較神話學上から見て、我がタカマガハラは地上でなく、又神話學上の天上の事であつて、之れで説明すべき物の樣に思ふのである。固より此處の神々の人間の如く活動し、又其風俗習慣も其時代の人々の其れと同一なるは、之れ即ち同時代の人々の色彩や香氣を傳へて居るものであつて、ギリシヤの神話とよく似て居る。又一方歴史的暗示を與へて居るものと見られる。
中つ國とは又日本の其れとも似て居る。妣國《ハハノクニ》――海原《ウナバラ》、底《そこ》つ根《ネ》國は互に連鎖がある樣に思はれてならない。斯樣な説明は今後必要になつて來るであらう。
日本周圍民族の原始宗教 終
※ 鼓と皷、献と獻、連と聯、タイアルとタイヤル、パイワンとパイアン、嘗と甞、マリヨーとマレヨー、マオリーとマウリー、秘と祕、鬱と欝の混用は底本のとおり。
※ 堀る、楊子江、推髻、高ヶ原は底本のままにした。
底本:『日本周圍民族の原始宗教』岡書院
1924(大正13)年9月20日發行
1924(大正13)年12月1日三版發行
発行者:岡 茂雄
印刷:樫村 功
製本所:山縣製本所
入力:しだひろし
校正:
xxxx年xx月xx日作成
青空文庫作成ファイル:
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*地名
(※ 市町村名は、平成の大合併以前の表記のまま。一般的な国名・地名などは解説省略。- [北海道]
- 石狩川 いしかりがわ 北海道第一の川。石狩岳に発源し、石狩平野を貫流して石狩湾に注ぐ。長さ268km。流域約1万4000平方km。
- 渡島 わたりじま (海を渡った向うの辺境の意) 北海道南端部一帯、今日の渡島(おしま)の古称か。
- 手宮 てみや → 手宮遺跡
- 手宮遺跡 てみや いせき 小樽市手宮に所在する洞窟遺跡。洞窟の壁面に文字のような彫刻がある。国史跡。手宮洞窟。
- [奥州][青森県]
- 津軽 つがる (古くは清音) (1) 青森県(陸奥国)西半部の呼称。もと越の国または出羽に属した。
- [出羽][秋田県]
- 秋田城 あきたじょう (1) 奈良・平安時代、出羽北部の蝦夷に備えるために、733年(天平5)出羽柵を移して現秋田市寺内の高清水岡に築かれた城。今は土塁の一部などが残存する。(2) 佐竹氏の居城。現、秋田市千秋公園。久保田城。矢留城。
- [出羽][山形県]
- 飽海郡 あくみぐん 羽後国および山形県の郡。県の北西部に位置する。/県の北西部の郡。鳥海山と最上川の間にあり、日本海に面する。/出羽国中西部の郡。現在の山形県酒田市・飽海郡、秋田県本荘市・由利郡にあたる。8世紀末に由理柵が設置され、国府が秋田城から城輪柵(現、酒田市)に移ったと考えられている。中世に由利郡が分立。太閤検地後に遊佐郡(湯坐郡とも)と改称したが、1664(寛文4)旧に復した。現在、遊佐町・八幡町・松山町・平田町の四町。
(日本史) - 諸神社
- 田川郡 たがわぐん 羽前国(旧出羽国の南部)の郡、多川郡、田河郡ともいう。和銅5年(712年)に越後国から出羽国が分立した際に出羽郡の南部が分立して成立した。中世末期には東部に櫛引郡が成立していたが後に吸収した。出羽国が分割された明治以降は羽前国に属し、その後酒田県、鶴岡県、山形県の管轄下に置かれた。その後、東田川郡と西田川郡に分割され消滅した。新・鶴岡市大半も旧田川郡である。
- 西浜
- [越の国] こしのくに 北陸道の古称。高志国。こしのみち。越。越路。
- [佐渡]
- 御名部 みなべ 『日本書紀』欽明天皇5年条に、佐渡島の北部御名部の岸に粛慎人が来て船舶に乗ってとどまり、やがて瀬波河浦に移り、渇えてその水を飲んで半ばの者が死に、骨を巌岫に積んだ。俗に「粛慎隈」とよぶとある。島の古墳が多く「エゾ塚」とよばれることとこの記事の関係が注目される。
- 碕岸
- [常陸国] ひたち 旧国名。今の茨城県の大部分。常州。
- 霞ヶ浦 かすみがうら (1) 茨城県南東部にある日本第2の大湖。東にある北浦と共に海跡湖。周囲120km。面積167.6平方km。最大深度11.9m。富栄養湖。ワカサギ・シラウオなどの魚類が多いが、近年水質汚濁が進み、漁獲量は減少傾向にある。(2) (
「かすみがうら」と書く) 茨城県中南部、(1) に面する市。レンコン・果樹の栽培と内水面漁業が盛ん。人口4万5千。 - 陸平貝塚 おかだいら かいづか 茨城県稲敷郡美浦村にある縄文時代中期、後期の大規模貝塚。/1883(明治16)佐々木忠次郎・飯島魁が大森貝塚の経験を駆使して日本人最初の学術調査をおこなった。土器は薄手式(大森式)に対し厚手式を代表する陸平式とよばれた。報告書は「Okadaira Shell Mound at Hitachi」
「常陸陸平介墟篇」として世にでた。1968(昭和43)の測量調査では、東西250m、南北200mに8か所の小貝塚で構成されていた。学史的に重要な遺跡。 (日本史) - [東京都][武蔵国] むさし (古くはムザシ) 旧国名。大部分は今の東京都・埼玉県、一部は神奈川県に属する。武州。
- 荘原郡 → 荏原郡か
- 荏原郡 えばらぐん 武蔵国の南東部に位置した郡。古代から存在し、明治11年(1878)の郡区町村編制法の施行により、一部が東京府の区部となり、残余の地域も昭和7(1932)の35区制の成立により、各区に分属して消滅した。
- 下目黒村 しもめぐろむら 村名。現、目黒区目黒・下目黒ほか。目黒川の中流、目黒台上に展開し、村の南端を支流羅漢寺川が流れる。初め幕府領であったが、寛永9(1632)芝増上寺に寄進され、同寺領として幕末に至る。
- 不動堂 ふどうどう → 滝泉寺
- 滝泉寺 りゅうせんじ 現、目黒区下目黒三丁目。目黒川に支流羅漢寺川が流れ込む合流点、台地上の突端に位置する天台宗寺院。泰叡山と号し、本尊は不動明王。古くから不動信仰の霊地として知られる。江戸五色不動の一つ。
- 目黒不動遺跡 めぐろ ふどう いせき 現、目黒区下目黒三丁目。目黒不動(滝泉寺)のある標高20〜30m前後の舌状台地の斜面に立地する。独鈷滝や岩屋弁天泉とよばれる湧水地の泉線に沿う縄文時代中期から後期にかけての集落跡。都内でも古くから知られ、明治30(1897)の「日本石器時代人民遺物発見地名表」
(第一版)には石斧・石鏃が出土したとある。昭和55(1980)から寺の建築工事を機に調査がおこなわれ、縄文早期から後期および弥生時代後期の土器などが出土。土坑から出土した縄文中期の加曽利E3式に伴う土版は注目される。 - [吾妻の国]
- 東・吾妻・吾嬬 あずま (1) (景行紀に、日本武尊が東征の帰途、碓日嶺から東南を眺めて、妃弟橘媛の投身を悲しみ、
「あづまはや」と嘆いたという地名起源説話がある)日本の東部地方。古くは逢坂の関以東、また伊賀・美濃以東をいったが、奈良時代にはほぼ遠江・信濃以東、後には箱根以東を指すようになった。(2) 特に京都からみて関東一帯、あるいは鎌倉・鎌倉幕府・江戸をいう称。 - 信州 しんしゅう 信濃国の別称。いまの長野県。科野。
- 甲州 こうしゅう 甲斐国の別称。いまの山梨県。
- 美濃 みの 今の岐阜県の南部。濃州。
- 丹後国 たんご 今の京都府の北部。
- 尾張 おわり 今の愛知県の西部。尾州。張州。
- 近江 おうみ 近江・淡海。(アハウミの転。淡水湖の意で琵琶湖を指す) 今の滋賀県。江州。
- 伊勢 いせ 今の三重県の大半。勢州。
- 志摩 しま 今の三重県の東部。伊勢湾の南、伊勢市の南東に突出した半島部。志州。
- 畿内 きない 帝都付近の地。中国の古制で、王城を中心とする四方500里以内の特別行政区。日本では歴代の皇居が置かれた大和・山城・河内・和泉・摂津の5カ国、すなわち五畿内。和泉が河内から分置される奈良時代までは四畿内といった。
- [京都府][山城国] やましろ 山城・山背 五畿の一つ。今の京都府の南部。山州。城州。雍州。
- ミカノ原 → 瓶原か
- 瓶原 みかのはら 現、相楽郡加茂町北部の地名。旧瓶原村。木津川の北岸にあり、元明天皇以後の離宮の所在地で、聖武天皇の恭仁京が置かれた所。三香の原。甕原。御鹿原。
- 京都大学 きょうと だいがく 国立大学法人の一つ。前身は1897年(明治30)に東京帝国大学と並ぶ西日本の最高学府として創設された京都帝国大学。1947年現校名に改称。49年付属医専と第三高等学校を合わせて新制大学となる。2004年法人化。本部は京都市左京区。
- 寺田村
- [大阪府][河内国] かわち (古くカフチとも) 五畿の一つ。今の大阪府の東部。河州。
- 国府 こう 国府村。村名。現、大阪府藤井寺市国府。道明寺村の北、石川下流左岸に位置する。東西に古代の大津道が通り、南北に東高野街道が通る。この両道の交差点付近一帯に河内国府が所在した。国府や惣社はこれに関係して生まれた地名。
- 国府遺跡 こう いせき 現、藤井寺市惣社二丁目。大和川と石川の合流点の西方、南から沖積平野に突出した羽曳野丘陵の北端に位置する旧石器時代ー中世に及ぶ複合遺跡。国指定史跡。大正6(1917)から10年にかけて、前後10回にわたって発掘調査がおこなわれ、合計73体の埋葬人骨が発見された。胸に石を抱かせたものなどがあり、多くは縄文時代前期に属するとされているが、弥生時代のものも含まれるようである。河内国府に関連する掘建柱建物群も最近の調査で発見されているが、国府の中心的建物などは現在のところ明らかでない。
- [大阪府][和泉国] いずみ (
「和泉」は713年(和銅6)の詔により2字にしたもので、 「和」は読まない) 五畿の一つ。今の大阪府の南部。泉州。 - 浜寺 はまでら 大阪府堺市南部の一地区。海岸は歌枕として名高い高師浜の一部で浜寺公園がある。
- 八池
- [紀州][和歌山県] きしゅう 紀伊国の別称。(キ(木)の長音的な発音に「紀伊」と当てたもの) 大部分は今の和歌山県、一部は三重県に属する。紀国。
- 鳴神貝塚 なるかみ かいづか 和歌山市鳴神にあり、1895(明治28)近畿地方ではじめて発見された縄文時代の貝塚。ハマグリ・ハイガイ・マガキなど純鹹水性の貝類に汽水性のヤマトシジミが混じる。中〜晩期が主体で弥生前期の土器も出土。縄文時代の打製石斧は石鍬と考えられ、晩期農耕の存否が議論された。猿の橈骨製耳栓をした上下門歯抜歯の壮年女性人骨が発見され、シャーマンと推定された。国史跡。
(日本史) - [奈良県][大和] やまと 大和・倭。(
「山処(やまと) 」の意か) 今の奈良県の管轄。もと、天理市付近の地名から起こる。初め「倭」と書いたが、元明天皇のとき国名に2字を用いることが定められ、 「倭」に通じる「和」に「大」の字を冠して大和とし、また「大倭」とも書いた。和州。 - 桜川吉野
- 吉野 よしの 奈良県南部の地名。吉野川流域の総称。大和国の一郡で、平安初期から修験道の根拠地。古来、桜の名所で南朝の史跡が多い。
- 摂津 せっつ 五畿の一つ。一部は今の大阪府、一部は兵庫県に属する。摂州。津国。
- 淡路 あわじ 今の兵庫県淡路島。淡州。
- 播摩
- 播磨 はりま 今の兵庫県の南西部。播州。
- [備前国][岡山県] びぜん 吉備国を大化改新後に前・中・後に分けた一つ。713年(和銅6)
、北部は美作として分離独立。今の岡山県の南東部。 - 阿爾神社 → 阿仁神社か
- 阿仁神社 あに じんじゃ 現、岡山市西大寺一宮にある神社。旧国幣中社。神武天皇の兄、彦五瀬命ほか二柱をまつる。備前国二の宮。久方宮。
- 備中 びっちゅう (ビチュウとも) 吉備国を大化改新後に前・中・後に分けた一つ。岡山県の西半部。
- 伯耆 ほうき 今の鳥取県の西部。伯州。
- [出雲] いずも 今の島根県の東部。雲州。
- 簸川 ひのかわ 日本神話に出る出雲の川の名。川上で素戔嗚命が八岐大蛇を退治したという。島根県の東部を流れる斐伊川をそれに擬する。
- 周防 すおう 今の山口県の東部。防州。
「すは」とも。 - 長門 ながと 今の山口県の西部・北部。古くは穴門。長州。
- [四国]
- [阿波] あわ 今の徳島県。粟国。阿州。
- 徳島 とくしま 徳島県北東部の市。県庁所在地。吉野川河口南岸にある。もと蜂須賀氏26万石の城下町。古くは藍の集散地。
「阿波踊り」は有名。人口26万8千。 - 土佐 とさ (古く「土左」とも書く) 今の高知県。土州。
- 熊本
- 鹿児島
- 宮崎
- 日向 ひゅうが (古くはヒムカ) 今の宮崎県。
- 沖縄
- 沿海州 えんかいしゅう プリモルスキーの訳名。
- プリモルスキー Primorskii ロシア、シベリアの南東端、黒竜江(アムール川)
・ウスリー川・日本海に囲まれた地方。1860年北京条約によりロシア領となる。中心都市ウラジヴォストーク。沿海地方。沿海州。 - カラフト 樺太 サハリンの日本語名。唐太。
- サハリン Sakhalin 東はオホーツク海、西は間宮(タタール)海峡の間にある細長い島。1875年(明治8)ロシアと協約して日露両国人雑居の本島をロシア領北千島と交換、1905年ポーツマス条約により北緯50度以南は日本領土となり、第二次大戦後、ソ連領に編入。現ロシア連邦サハリン州の主島。北部に油田がある。面積7万6000平方km。樺太。サガレン。
- エニセイ Yenisei ロシア、シベリア中部の大河。モンゴル北端サヤン山脈に源を発し、北流してアンガラ川を合わせ、北極海エニセイ湾に注ぐ。冬季には全面結氷。サヤン・クラスノヤルスクなどの発電所がある。長さ4102km。
- カムチャツカ半島 カムチャツカ はんとう (Kamchatka) ロシア東端の太平洋に突出した半島。東はベーリング海、西はオホーツク海に面し、千島海峡を隔てて千島列島のシュムシュ島と対する。28の活火山を含む160以上の火山がある。長さ約1200km。最高地点はクリュチェフスキー火山(標高4750m)。
- 後貝加爾州
- チタ Chita ロシアの東シベリア、チタ州の州都。シベリア鉄道沿いの鉱工業の中心地。対モンゴル貿易の要地。人口30万8千(2004)。
- オノン Onon・斡難 黒竜江上流のシルカ川の支流。モンゴルのヘンティーン山脈に発源し、北東流してシベリアに入り、シルカ川に注ぐ。長さ1032km。
- 東モンゴル
- 西翁手特
- 英金河
- [満州]
- [朝鮮]
- 済州島 さいしゅうとう/チェジュド (Cheju-do) 朝鮮半島の南西海上にある大火山島。面積1840平方km。古くは耽羅国が成立していたが、高麗により併合。1948年、南朝鮮単独選挙に反対する武装蜂起(四‐三蜂起)の舞台となる。付近海域はアジ・サバの好漁場。観光地として有名。周辺の島嶼と共に済州道をなす。
- [四川省]
- ターリヤン山
- [雲南省]
◇参照:Wikipedia、
*年表
- 大化の新政 → 大化改新
- 大化改新 たいかの かいしん 大化元年(645)夏、中大兄皇子(のちの天智天皇)を中心に、中臣(藤原)鎌足ら革新的な豪族が蘇我大臣家を滅ぼして開始した古代政治史上の大改革。孝徳天皇を立て都を難波に移し、翌春、私有地・私有民の廃止、国・郡・里制による地方行政権の中央集中、戸籍の作成や耕地の調査による班田収授法の実施、調・庸など税制の統一、の4綱目から成る改新の詔を公布、古代東アジア的な中央集権国家成立の出発点となった。しかし、律令国家の形成には、壬申の乱(672年)後の天武・持統朝の改革が必要であった。大化新政。大化革新。
◇参照:
*人物一覧
(人名、および組織・団体名・神名)- アイヌ Ainu (アイヌ語で人間の意) かつては北海道・樺太(サハリン)
・千島列島に居住したが、現在は主として北海道に居住する先住民族。人種の系統は明らかでない。かつては鮭・鱒などの川漁や鹿などの狩猟、野生植物の採集を主とし、一部は海獣猟も行なった。近世以降は松前藩の苛酷な支配や明治政府の開拓政策・同化政策などにより、固有の慣習や文化の多くが失われ、人口も激減したが、近年文化の継承運動が起こり、地位向上をめざす動きが進む。口承による叙事詩ユーカラなどを伝える。 - 故坪井博士 → 坪井正五郎か
- 坪井正五郎 つぼい しょうごろう 1863-1913 人類学者。江戸生れ。東大教授。日本の人類学の始祖。東京人類学会を創設、
「人類学会報告」を創刊。日本石器時代住民についてコロポックル説を主唱。 - 素盞嗚命 すさのおのみこと 素戔嗚尊・須佐之男命。日本神話で、伊弉諾尊の子。天照大神の弟。凶暴で、天の岩屋戸の事件を起こした結果、高天原から追放され、出雲国で八岐大蛇を斬って天叢雲剣を得、天照大神に献じた。また新羅に渡って、船材の樹木を持ち帰り、植林の道を教えたという。
- 手名推・足名推 → 参照、足名椎・脚摩乳
- 足名椎・脚摩乳 あしなずち 記紀神話で出雲の国つ神大山祇神の子。簸川の川上に住んだ。妻は手名椎。娘奇稲田媛は素戔嗚尊と結婚。
- 大山祇命 → 大山祇神
- 大山祇神 おおやまつみのかみ 山をつかさどる神。伊弉諾尊の子。
- 木之花咲耶姫 このはなのさくやびめ 木花之開耶姫・木花之佐久夜毘売。日本神話で、大山祇神の女。天孫瓊瓊杵尊の妃。火闌降命・彦火火出見尊・火明命の母。後世、富士山の神と見なされ、浅間神社に祀られる。
- 海神・綿津見 わたつみ (ワダツミとも。ツは助詞「の」と同じ、ミは神霊の意) (1) 海をつかさどる神。海神。わたつみのかみ。(2) 海。
- 神武天皇 じんむ てんのう 記紀伝承上の天皇。名は神日本磐余彦。伝承では、高天原から降臨した瓊瓊杵尊の曾孫。彦波瀲武
草葺不合尊の第4子で、母は玉依姫。日向国の高千穂宮を出、瀬戸内海を経て紀伊国に上陸、長髄彦らを平定して、辛酉の年(前660年)大和国畝傍の橿原宮即位したという。日本書紀の紀年に従って、明治以降この年を紀元元年とした。畝傍山東北陵はその陵墓とする。
- 大三輪 おおみわ → 大神、大神神社
- 大神神社 おおみわ じんじゃ 奈良県桜井市三輪にある元官幣大社。祭神は大物主大神。大己貴神・少彦名神を配祀。日本最古の神社で、三輪山が神体。本殿はない。酒の神として尊崇される。二十二社の一つ。大和国一の宮。すぎのみやしろ。三輪明神。
- 日本武尊 やまとたけるのみこと 日本武尊・倭建命。古代伝説上の英雄。景行天皇の皇子で、本名は小碓命。別名、日本童男。天皇の命を奉じて熊襲を討ち、のち東国を鎮定。往途、駿河で草薙剣によって野火の難を払い、走水の海では妃弟橘媛の犠牲によって海上の難を免れた。帰途、近江伊吹山の神を討とうとして病を得、伊勢の能褒野で没したという。
- 仁明天皇 にんみょう‐てんのう 810-850 平安初期の天皇。嵯峨天皇の第2皇子。名は正良。御陵に因んで深草帝とも。
(在位833〜850) - 陽成天皇 ようぜい てんのう 868-949 平安前期の天皇。清和天皇の第1皇子。名は貞明。藤原基経により廃位。
(在位876〜884) - 阿倍比羅夫 あべの ひらぶ 古代の武人。658年頃、日本海沿岸の蝦夷・粛慎を討ち、661・663年には百済を助けて唐や新羅と戦った。
- 大野延太郎 おおの のぶたろう 1863-1938 大野雲外(うんがい)。江戸時代末期〜明治期の考古学者、画家。
(人レ) - タルグレン A.-A. Tallgren
- Tallgren, Aarne Micha鼠 1885-1945 フィンランドの考古学者。ヘルシンキ大学教授。年刊誌〈古代北方ユーラシア Eurasia Septentrionalis Antiqua〉を編集(1927-38)。ユーラシアの青銅器時代を専攻し、古代北方文化の研究を科学的に基礎づけた。文化史的立場をとり、遺物を化石のように取扱う啓蒙期の考古学に反省を促した。
(岩波西洋人名) - Dr. Karl Hedman a Vasa
草葺不合尊 うがやふきあえずのみこと 記紀神話で、彦火火出見尊の子。母は豊玉姫。五瀬命・神日本磐余彦尊(神武天皇)の父。
- 稲氷命 いなひのみこと 稲飯命。彦稲氷命は日本神話に登場する日本の皇族。
『日本書紀』では稻飯命。 『古事記』では、稻氷命、彦稲氷命。 - 山路愛山 やまじ あいざん 1864-1917 ジャーナリスト・著作家。本名、弥吉。江戸生れ。幕臣の子。キリスト教徒。民友社に入り、国民新聞などの記者として、異色ある史論・文学論を発表。信濃毎日新聞主筆。雑誌「独立評論」を刊行。著「足利尊氏」
「現代金権史」 「社会主義管見」など。 - ウラル・アルタイ民族 ウラル・アルタイ語族。ウラル語族とアルタイ諸語を同系言語であるとかつて想定して与えた名称。現在は切り離して考えられている。
- ウラル語族 ウラルごぞく (Uralic) スカンディナヴィア・中欧・ロシアなどに分布する諸言語。フィン‐ウゴル語派(フィンランド語・ハンガリー語など)とサモイェード語派(ネネツ語など)に分かれる。アルタイ語族とまとめてウラル‐アルタイ語族と呼ぶこともある。
- アルタイ語族 アルタイごぞく (Altaic) 中国北部から中央アジア・東部ヨーロッパにかけて分布する諸言語。チュルク語派・モンゴル語派・ツングース語派に分かれる。ウラル語族とまとめてウラル‐アルタイ語族と呼ぶこともある。
- トルコ族 ヨーロッパの一部、シベリア、中央アジアに居住する民族。古く北蒙古にあったものは丁零、高車と呼ばれた。6世紀にはアルタイ山脈西南に突厥がおこり、その東部をウイグルが受け継いだ。西部では11世紀にセルジュク・トルコが帝国を建て、イラン、小アジア、シリアを支配。その滅亡後オスマン・トルコがこれに代わり、さらにケマル=アタチュクルの革命後トルコ共和国となった。
- ヤクート yakuts 東シベリアに住む民族。ヤクート人。自称サハ。ヤクート語はチュルク語の一つ。
- コリヤーク Koryaks シベリア東端のオホーツク海岸からベーリング海、カムチャツカ半島にかけて住む少数民族。言語は古アジア諸語に属する。海岸部では海獣猟と漁労、内陸ツンドラ地帯ではトナカイの飼育を行う。
- 古西比利族 パレオシベリアン
- 古アジア族 パレオアシセチックス
- 新西比利族 ネオシベリアン
- paleo-「古」
「旧」 「原始」の意を表す。 - neo-
- アジアティックス Asiatic か。アジア人。
- ミルトン John Milton 1608-1674 イギリスの詩人。清教徒革命に参加、自由と民主制のために戦い、クロムウェルの共和政府にも関与。失明し、王政復古後は詩作に没頭。叙事詩「失楽園」
「復楽園」、悲劇「闘士サムソン」の他に、言論の自由を論じた「アレオパジティカ」など多くの政治評論がある。
◇参照:
*書籍
(書名、雑誌名、論文名、映画・能・狂言・謡曲などの作品名)『理科大学紀要』 「南満州有史以前民族」 『理科大学紀要』 鳥居の著。 「閑却されたる大和国」 鳥居の講演。 『続日本後紀』 しょくにほんこうき 六国史の一つ。20巻。日本後紀の後を受け、仁明天皇一代18年間(833〜850年)の編年体の史書。藤原良房・同良相・伴善男・春澄善縄らが文徳天皇の勅を奉じて撰進。869年(貞観11)成る。略称、続後紀。 『三代実録』 さんだいじつろく 六国史の一つ。50巻。文徳実録の後をうけて、清和・陽成・光孝3天皇の時代約30年の事を記した編年体の史書。901年(延喜1)藤原時平・大蔵善行らが勅を奉じて撰進。日本三代実録。 『古語拾遺』 こごしゅうい 歴史書。斎部広成著。1巻。807年(大同2)成る。古来中臣氏と並んで祭政にあずかってきた斎部氏が衰微したのを嘆き、その氏族の伝承を記して朝廷に献じた書。記紀にみえない伝承も少なくない。 『東京人類学雑誌』 「常陸国霞ケ浦沿岸旅行談」 『東京人類学雑誌』第百二十三号 大野延太郎の著。 - Collection Tovostine des antiquit市 prehistoriques de uinoussinsk conserv仔s 〔一字不明〕nez le Dr. Karl Hedman a Vasa. 1917 タルグレンの著。
「Etude Arch姉logiques et Ethnologique. Populations de la Mon-gol'e Orientale.」 鳥居の著。 『古事記』 こじき 現存する日本最古の歴史書。3巻。稗田阿礼が天武天皇の勅により誦習した帝紀および先代の旧辞を、太安万侶が元明天皇の勅により撰録して712年(和銅5)献上。上巻は天地開闢から鵜葺草葺不合命まで、中巻は神武天皇から応神天皇まで、下巻は仁徳天皇から推古天皇までの記事を収め、神話・伝説と多数の歌謡とを含みながら、天皇を中心とする日本の統一の由来を物語る。ふることぶみ。 『日本紀』 にほんぎ (1) 日本の歴史を記した書の意で、六国史のこと。(2) 日本書紀のこと。 『日本書紀』 にほん しょき 六国史の一つ。奈良時代に完成した日本最古の勅撰の正史。神代から持統天皇までの朝廷に伝わった神話・伝説・記録などを修飾の多い漢文で記述した編年体の史書。30巻。720年(養老4)舎人親王らの撰。日本紀。 『魏志』 ぎし 中国の魏の史書。晋の陳寿撰。 「三国志」の中の魏書の通称。本紀4巻、列伝26巻。 『失楽園』 しつらくえん (Paradise Lost) ミルトンの12巻1万行余りの叙事詩。1667年刊。アダムとイヴの楽園追放の説話を礎にして、清教徒的世界観を展開しながら神とサタンとの闘争を描く。 「楽園喪失」とも訳す。 「復楽園」はその続編。
◇参照:Wikipedia、
*難字、求めよ
- 吾人 ごじん (一人称) (1) われ。わたくし。(2) われわれ。われら。
- 石器時代 せっき じだい 考古学上の時代区分の一つ。人類文化の第1段階。まだ金属の使用を知らず、石で利器を作った時代。旧石器時代・新石器時代に大別。
- 国津神 くにつかみ 国つ神・地祇。(1) 国土を守護する神。地神。(2) 天孫降臨以前からこの国土に土着し、一地方を治めた神。国神。←
→天つ神。 - 先史時代 せんし じだい (prehistoric age) 考古学上の時代区分の一つ。人類が登場して以来、文献的史料によって歴史が解明できる時代になるまでを指す。日本では主に旧石器時代・縄文時代に当たる。
- Prehistoric → 先史時代
- 鋤鍬 すき くわ すきとくわ。農具の総称。
- 鍛冶 かじ (カヌチ(金打)の約転。
「鍛冶」は当て字) 金属を打ちきたえて種々の器物を作ること。また、それを業とする人。 - 鉄器時代 てっき じだい 考古学上の時代区分の一つ。鉄が利器に使用された時代。石器時代・青銅器時代に次ぐ。
- 原史時代 げんし じだい 先史時代と有史時代の中間に位置づけられる、文献的史料の断片的に存在する時代。日本では弥生中期頃から古墳時代に当たる。
- 万緑叢中紅一点 ばんりょく そうちゅう こういってん
[書言故事、王荊公石榴詩](1) 万緑の中に一点の紅花があって、ひときわ目立つこと。(2) 多くの男性の中に、ただ一人の女性がまじっているたとえ。紅一点。 - 雑合体 ざつごうたい?
- 貝塚 かいづか 人が食した貝の殻が堆積した遺跡。全世界に分布するが、日本の縄文時代のものが数も多く、内容も豊か。土器・石器とともに埋葬人骨や各種の自然遺物が出土し、生活や環境復元資料として重要。
- 縄文土器 じょうもん どき 縄文時代の土器。表面に縄文のあるものが多いことから、こう名づける。手づくりで概して厚手。ほとんど煮炊き用。のちには他の用途のものも次第に出現。時代差・地域差が大きい。縄文式土器。
- 天孫 てんそん 天つ神の子孫。特に、天照大神の孫、瓊瓊杵尊。
- 弥生式土器 → 弥生土器
- 弥生土器 やよい どき (1884年(明治17)東京、本郷弥生町の貝塚で発見されたからこう名づける)弥生時代の土器。弥生文化の指標とされる。煮炊き・貯蔵・食事に使用。弥生式土器。
- 石斧 せきふ 斧の形をした石器。伐採具・工作具または農耕具。磨製と打製とがある。旧石器時代に出現し、新石器時代に世界各地に普及する。日本では旧石器・縄文・弥生時代にある。
- 石庖丁 いし ぼうちょう 東アジア特有の磨製石器の一種。扁平な半月形または短冊形で、穀類の穂を摘みとる道具。長さ10cm前後。日本では弥生時代にあり、後期には鉄鎌と交代し、消滅。中国では石刀という。
- 石剣 せっけん 石製の剣。日本の縄文時代の石剣は石棒に近い。弥生時代には、金属製の剣を模造した磨製石剣がある。
- 先住民 せんじゅうみん 現在住んでいる人々に先だって住んでいる人々。大国や支配的民族によって土地や固有の文化を奪われている場合がある。先住民族。
- 古代史 こだいし 古代の歴史。中世・近世との対比で区分され、日本では普通、広く3世紀の邪馬台国の時代から平安時代(12世紀末)までを含める。
- 先史 せんし 文字史料の登場に先立つこと。また、その歴史。史前。
- 先史考古学 せんし こうこがく 先史時代を遺物・遺跡によって考究する学問。←
→歴史考古学。 - 上古史 じょうこし 上古の歴史。
- 上古 じょうこ (ショウコとも) (1) むかし。かなりの昔。(2) 日本史、特に日本文学史の時代区分で、文献を有する限りで最も古い時代。大化改新まで、あるいは大和政権時代に当たる。中古の前の時代。
- 高天原 たかまがはら/たかまのはら (1) 日本神話で、天つ神がいたという天上の国。天照大神が支配。
「根の国」や「葦原の中つ国」に対していう。たかまがはら。(2) 大空。 - 天孫降臨 てんそん こうりん 記紀の神話で、瓊瓊杵尊が高皇産霊尊・天照大神の命を受けて高天原から日向国の高千穂に天降ったこと。
- 語部 かたりべ (1) 古代、儀式に際して旧辞・伝説を語ることを職とした品部。出雲・美濃・但馬などに分布。(2) 広く、物事を次の世代に語り伝える人。
- 口碑 こうひ (碑に刻みつけたように口から口へ永く世に言い伝わる意) 昔からの言い伝え。伝説。
- 神代 かみよ 記紀神話で、天地開闢から
草葺不合尊まで、神武天皇以前の神々の時代。じんだい。
- 国つ神・地祇 くにつかみ (1) 国土を守護する神。地神。(2) 天孫降臨以前からこの国土に土着し、一地方を治めた神。←
→天つ神。 - 海部・海人部 あまべ 大和政権で、海運や朝廷への海産物貢納に従事した品部。
- 山神 やまがみ 山を守る神。山をつかさどる神。
- 閑却 かんきゃく 打ち捨てておくこと。なおざりにすること。
- 島嶼式 イロポプラション
- 左のみ さのみ? → 然のみ、か
- 然のみ さのみ (副詞「さ(然)
」に助詞「のみ」が付いてできたもの)(1) 副詞「さ(然) 」を限定的に強めたいい方。そのようにばかり。そう一概に。ひたすらそのように。(2) 否定的表現を伴って、程度が大したことはない気持ちを表わす。それほど(…ない)。さして(…でない)。格別(…でない)。 - 東夷・東蝦夷 あずまえびす 京都の人が、東国の人、特に東国の武士の無骨さをあざけっていう語。
- 蝦夷人
- 荒削り あらけずり 粗削り (1) (木などを)ざっとけずっただけで細かい仕上げをしてないこと。(2) 物事の仕上げのおおまかなこと。十分にねれていないさま。粗野。
- 東・吾妻・吾嬬 あずま (1) (景行紀に、日本武尊が東征の帰途、碓日嶺から東南を眺めて、妃弟橘媛の投身を悲しみ、
「あづまはや」と嘆いたという地名起源説話がある) 日本の東部地方。古くは逢坂の関以東、また伊賀・美濃以東をいったが、奈良時代にはほぼ遠江・信濃以東、後には箱根以東を指すようになった。(2) 特に京都からみて関東一帯、あるいは鎌倉・鎌倉幕府・江戸をいう称。 - 徴する ちょうする (1) 召す。呼び出す。(2) 取り立てる。(3) 求める。要求する。(4) 証拠を求める。見比べて考える。
- 竪穴 たてあな (1) たてに掘った穴。(2) 竪穴住居。
- 奥羽式土器
- 蝦夷 えみし 「えぞ(蝦夷)
」の古称。 - 蝦夷 えぞ (1) 古代の奥羽から北海道にかけて住み、言語や風俗を異にして中央政権に服従しなかった人びと。えみし。(2) 北海道の古称。蝦夷地。
- 雑合 ざつごう いくつかのものをまぜ合わすこと。合成すること。また、そのもの。
- 華夷 かい (中国から見ていう) 中国と外国。
- まつらわぬもの
- まつろう 服ふ・順ふ (マツラフの転) (1) 服従する。従いつく。(2) 服従させる。従える。
- 石鏃 いしやじり/せきぞく 石のやじり。木や竹の柄につけて、狩猟具・武器として使用。新石器時代を中心に世界各地に分布。日本では縄文・弥生時代に盛んに用いられた。打製品は両時代ともにあり、磨製品は弥生時代に作られた。石材は黒曜石・サヌカイト・珪岩・粘板岩などで、長さ1cm未満のものから5cm位のものまである。
- 晦冥 かいめい 日の光が隠れて暗くなること。くらやみ。
- 雨らす ふらす
- 陰陽寮 おんみょうりょう/おんようりょう 律令制で、中務省に属し、天文・気象・暦・時刻・卜占などをつかさどった役所。陰陽頭のもとに、陰陽博士・暦博士・天文博士・漏刻博士などで編成。おんようのつかさ。うらのつかさ。
- 一衣帯水 いちいたい すい
[陳書後主紀]一筋の帯のような狭い川・海。その狭い川や海峡をへだてて近接していることをいう。 - 粛慎・息慎・稷慎 しゅくしん 中国の古書にみえる中国東北地方の民族。後漢の
婁、隋・唐の勿吉・靺鞨はその後身というが確かでない。日本書紀には、欽明天皇の時に佐渡に来り、斉明天皇の時に阿倍比羅夫が征したと記す。みしはせ。
- 注進 ちゅうしん 事変を注して上に申し進めること。大事や事件を急いで報告すること。
- 靺鞨 まっかつ ツングース族の呼称の一つ。周の粛慎、漢・魏の
婁、南北朝の勿吉などはみな旧称で、この名称が起こったのは6世紀後半。有力な部族が7部族あり、その一つである粟末靺鞨族の支配者、大祚栄が中心になって渤海国が起こり、また、黒水靺鞨はのちに女真と称した。
- クルガン kurgan 前3000年紀から前2000年紀の黒海北岸とカスピ海北岸のステップ地帯で生活する人々が築いた高塚古墳。古墳の基部には死体を納める穴(時代によって形は変化)がある。ここからの出土品は貴重な考古学的資料となっているが、ロシアのキリスト教への改宗後も15世紀頃まで造られた。
(世界史) - ツングース Tungus・通古斯 シベリアのエニセイ川からレナ川・アムール川流域やサハリン島、中国東北部にかけて広く分布するツングース諸語を話す民族の総称。漢代以降の鮮卑、唐代の靺鞨・契丹、宋代の女真、満州族などを含む。狭義にはそのうち北部のエヴェンキ人を指し、生業は狩猟・漁労・採集、トナカイ・馬・牛の飼育等を主とする。
- シャーマン shaman シャマン。自らをトランス状態(忘我・恍惚)に導き、神・精霊・死者の霊などと直接に交渉し、その力を借りて託宣・予言・治病などを行う宗教的職能者。シベリアのツングース系諸族の例が早くから注目された。シャーマン。
- ファリック・ウォーシップ phallic worship
- phallic 陰茎[男根]の。男根崇拝の。worship 崇拝。
- 遺風 いふう (1) 昔から伝わっている風習。(2) 後世にのこっている故人の教化。
- 高坏 たかつき 食物を盛る脚つきの台。縄文・弥生時代はもっぱら土器であったが、後には木製の平台で、脚を作り付けにして漆塗りなどとなった。角高坏を公式、丸高坏を略式とする。現在は神饌を盛る。たかすき。こしだか。
- 男根 だんこん 男子の生殖器。陰茎。なんこん。ファロス。
- ファルス phallus 男根。自然の生殖力を象徴する男根像。
- 石神 いしがみ 奇石・霊石・石剣の類を神体としてまつった民間信仰の神。記紀にも見える。
- 図記 ずき 図に書きあらわすこと。また、そのもの。
- 妣 はは 亡母の意。
- 妣の国 ははのくに
- 根之堅洲国 ねの かたすくに
- 堅洲国 かたすくに 地下の堅い土の国。黄泉の国。ねのくに。
- 根国 ねのくに 根の国。地底深く、また海の彼方など遠くにあり、現世とは別にあると考えられた世界。死者がゆくとされた。黄泉の国。根の堅洲国。
- La m屍e patrie
- Notre m屍e patrie ノートル・メール・パトリエ 「われらが母国」の意か。
- patrie:〔仏〕本国、祖国、生国。故郷、郷土。
- m屍e:〔仏〕母、女親。
- m屍e patrie:〔仏〕母国。
- notre:〔仏〕われわれの、わたしたちの。
- 漢族 かんぞく 中国文化と中国国家を形成してきた主要民族。現在中国全人口の約9割を占める。その祖は人種的には新石器時代にさかのぼるが、共通の民族意識が成立するのは、春秋時代に自らを諸夏・華夏とよぶようになって以降。それらを漢人・漢族と称するのは、漢王朝成立以後。その後も漢化政策により多くの非漢族が漢族に同化した。
- 遠つみおや とおつ みおや とおつ祖(おや)。(1) 祖先。先祖。えんそ。とおつかむおや。(2) 曾祖父母の父。高祖父。とおつおおじ。
- セッツルメント settlement セツルメント。宗教家や学生などが、都市の貧困地区に宿泊所・授産所・託児所その他の設備を設け、住民の生活向上のための助力をする社会事業。また、その施設。隣保事業。
- コロニー colony (1) 植民地。また、入植者の集落。(2) 一地域に定着した同一種または若干種の生物集団。(3) 細菌・かび類・培養細胞などの、培地上の肉眼で見える集まり。(4) 心身障害者などの総合社会福祉施設。ノーマライゼーションの思想の浸透により衰退。
- 黄泉国 よみのくに 黄泉の国。
(→)黄泉に同じ。 - 黄泉 よみ (ヤミ(闇)の転か。ヤマ(山)の転ともいう) 死後、魂が行くという所。死者が住むと信じられた国。よみのくに。よもつくに。よみじ。こうせん。冥土。九泉。
ロロ → 彝族 - 彝族 いぞく 主に中国南西部の雲南・四川・貴州の各省、広西チワン(壮)族自治区などの高地に住む少数民族。言語はチベット‐ビルマ語派に属し、独特の文字を有する。
- 鮮卑 せんぴ 古代アジアのモンゴル系(トルコ系とも)に属する遊牧民族。中国戦国時代から興安嶺の東に拠った。2世紀中葉、遼東から内外モンゴルを含んで大統一したが、三国時代、慕容・宇文・拓跋などの集団に分裂。晋代に、前燕・後燕・西秦・南涼・南燕の国を建て、拓跋氏は南北朝時代に北魏を建てた。
- 赤山
- 恋着 れんちゃく 深く恋いしたって忘れられなくなること。深く恋慕すること。
- 人種学 じんしゅがく (Rassenkunde ドイツ) 人類学の一部門。人種の分類・起原などを研究する。
- llot population
- lot:〔仏〕(くじの)わけまえ、配当。賞金。宿命、めぐりあわせ。
(商品の)一包、一組、一口、画地、工区。 - population:〔仏〕人民、国民、住民。人口、植民。集団。
- 三界 さんがい
- 古《パレオ》シベリア族
- 古《パレオ》アジア族
- 中つ国 なかつくに 中央にある国。
- 高ヶ原 たかまがはら → 高天原か
- 青人草 あおひとくさ (人のふえるのを草の生い茂るのにたとえていう) 民。民草。国民。蒼生。
- 穢悪 えお 仏語。けがれていて、いとわしいこと。汚いこと。また、そのような地。えあく。
- 悪神カラウ
- 香気 こうき よいにおい。香り。
- 理科大学 りか だいがく 帝国大学令による分科大学の一つ。理学を教授した。大正8年(1919)帝国大学理学部に改称。
◇参照:
総索引
語句索引
- 【あ】
- 悪神 あくじん
- 悪神カラウ あくしん カラウ
- 悪霊 あくりょう
- 麻 あさ
- 麻織物 あさおりもの
- 麻布 あさふ
- アザラシ
- 足名椎 あしなづち/あしなずち
- 葦原中国/葦原の中国 あしはらの なかつくに
- 葦原の国 あしはらのくに
- 足拍子 あしびょうし
- 東・吾妻・吾嬬 あずま
- 東夷・東蝦夷 あずまえびす
- 校倉 あぜくら
- 校倉造 あぜくらづくり
- アッシ/アツシ(厚子・厚司)
- アニト anito(精霊)
- アプチイ・シャーマン(女の巫女)
- 海人・蜑 あま
- 海女 あま/あまめ
- 白水郎 あま/はくすいろう
- 阿幕 あまく?
- 天つ神 あまつかみ
- 海部・海人部 あまべ
- 文・綾 あや
- 綾織 あやおり
- 粗麻 あらそ
- 荒身魂 あらみたま
- アワ 粟
- 安山岩 andesite あんざんがん
- 安息日 あんそくび/あんそくにち
- アンバー(死者)
- 按撫使 あんぶし
- 【い】
- 石庖丁 いし ぼうちょう
- 石神 いしがみ
- 石敢当 いしがんとう
- 石鏃 いしやじり/せきぞく
- イスラム教 イスラムきょう
- 神巫・巫子・市子 いちこ
- 厳し いつかし
- 夷狄 いてき
- イナウ inau
- 位牌 いはい ancestral tablet
- イルラオ
- 威霊 いれい
- 島嶼式 イロポプラション
- いろり
- 斎・祝 いわい
- 斎主 いわいぬし
- 祝部土器 いわいべ どき (須恵器・陶器)
- 淫祠 いんし
- 陰府 いんぷ
- 陰陽五行説 いんよう ごぎょうせつ
- 【う】
- ウォングオング Wong-ong(精神病者の霊)
- 誓び うけび (祈請・誓約・うけい、か)
- 宇佐島 ウサシマ/ウサジマ
- 臼搗き唄 うすつきうた
- 雅楽寮 うたのつかさ/ががくりょう
- 団扇太鼓 うちわ だいこ
- 顕斎 うつしいわい
- 鬱陵開拓使 うつりょう かいたくし?
- ウヌウ (人間が病気にかかること)
- 海の神 うみのかみ
- 海の幸・山の幸 うみのさち やまのさち
- ウルウル Wul-wul(聾唖者の霊)
- 【え】
- 穢悪 えお
- 易 えき
- エスノグラフィー ethnography (民族誌)
- 蝦夷人 えぞびと?/えみしびと?
- 穢土 えど
- 蝦夷 えみし
- エムシュ(槐か)
- 槐 えんじゅ(エムシュか)
- 【お】
- オーチ
- 奥羽式土器 おううしき どき?
- 扇 おうぎ
- オウム貝 おうむがい
- 大アムシラレ おおアムシラレ
- オオカミ
- 大烏 オオガラス
- 奥津捨家 おきつ すてや
- 沖縄人 おきなわじん?
- 沖船 おきふね?
- 男覡 おとこみこ?/なんげき? (男巫・男神子)
- 鬼火 おにび → リファ
- オマンガ (善のアンバー)
- オモノ木 おものき
- オリジン origin
- オルキ (悪のアンバー)
- 音声学 おんせいがく → フォネティックス
- オンドル 温突
- 女神子・女巫 おんなみこ
- 陰陽道 おんみょうどう/おんようどう
- 陰陽寮 おんみょうりょう/おんようりょう
- 【か】
- 華夷 かい
- 会葬人 かいそうにん
- 貝塚 かいづか
- 果園 かえん
- 鏡 かがみ
- 鰐魚 がくぎょ
- 神楽 かぐら
- 神楽太鼓 かぐら だいこ
- 懸軸 かけじく?
- 籃 かご
- 花崗岩 かこうがん → グラニット
- 火山岩 かざんがん
- 加持 かじ
- 鍛冶 かじ
- 賢所 かしこどころ
- 堅洲国 かたすくに
- 語部 かたりべ
- 羯鼓 かっこ
- 火田 かでん
- 鼎 かなえ
- 神棚 かみだな
- 神の社(神社) かみのやしろ
- 神代 かみよ
- カラウ (悪魔王)
- 唐草模様 からくさ もよう
- 唐国・韓国 からくに
- 枳橘 からたち?
- カラムシ 苧
- 柑 カン
- 雁・鴈 がん
- 宦官 かんがん
- 監倉 かんそう
- 関帝廟 かんていびょう
- 巫・覡 かんなぎ
- カンナンカムイ (雷神。巨人)
- 【き】
- 技楽(伎楽か) ぎがく
- 『記』
『紀』、記紀 きき - 基址 きし
- 木地 きじ
- 妓女 ぎじょ
- 橘 きつ
- 祈祷 きとう
- 鬼門 きもん
- 経典 きょうてん
- 御寝所 ぎょしんどころ
- 禁厭 きんえん
- 金柑 キンカン
- 金橘 キンキツ
- 【く】
- 百済楽 くだらがく
- グナイス(鉱物名)
- 国つ神・地祇・国津神 くにつかみ
- 首狩 くびかり
- 首棚 くびだな?
- 熊祭 くままつり
- 供物 くもつ
- グラニット granite(花崗岩)
- クラン Clan(氏族)
- 黒潮 くろしお
- 桑 くわ
- 裙 くん
- 群族 ぐんぞく/グループ
- 【け】
- 景教 けいきょう → ネストリア教
- 荊蛮 けいばん
- ケストの制 ケストのせい
- 穴居 けっきょ
- 潔斎 けっさい
- ケルン cairn
- 元 げん
- 元軍民総官府 げんぐんみんそうかんふ?
- 肩甲骨・肩胛骨 けんこうこつ
- 原史時代 げんし じだい
- 原始神道 げんし しんとう
- 原始的道教 げんしてき どうきょう
- 遣唐使 けんとうし
- 絹布 けんぷ
- 玄武岩 げんぶがん → バザルト
- 瓠氏 こ し?
- 【こ】
- 猴 コウ/さる
- 岬角 こうかく
- 句呉 こうご/くご
- 甲状腺腫 こうじょうせんしゅ
- 洪水伝説 こうずい でんせつ
- 楮 こうぞ
- 口碑 こうひ
- 降伏 ごうぶく
- 降魔 ごうま
- 降魔式 ごうましき?
- 五行 ごぎょう
- 五行説 ごぎょうせつ
- 腰鈴 こしすず?/ようれい?
- 古代史 こだいし
- 虎頭鈴 ことうれい?
- 五覇 ごは
- 護符・御符・御封 ごふ
- 古墳 こふん
- 高麗楽 こまがく
- 米 こめ
- 五葉松 ごようまつ
- 御霊 ごりょう
- コロニー colony
- 【さ】
- 災禍 さいか
- 最高神 さいこうしん
- 財神廟 ざいじんびょう?
- 祭典 さいてん
- 幸魂 さきみたま
- サバウドベ
- 猿楽 さるがく
- 三界 さんがい
- 三韓楽 さんかんがく
- 山橘 サンキツ?
- サンゴ礁 さんごしょう
- 山神廟 さんじんびょう?
- 山村人 さんそんじん?
- 三番叟 さんばそう
- 【し】
- 潮干珠・潮乾珠 しおひのたま
- 潮満珠・潮盈珠 しおみちのたま
- 式三番 しきさんば
- 式三番叟 しきさんばそう
- 地師 じし?
- 氏族 しぞく(クラン)
- シデ(植物名)
- シナ町 しなまち?
- シナラウィタン Sinalawitan(魔除けの槍)
- 島守 しまもり
- 七五三縄、注連縄 しめなわ
- シャーマニズム shamanism
- シャーマン教 shamanism シャーマン きょう
- シャーマン shaman
- 斜視 しゃし → Oblique-eyed
- シャマンドエニ
- 斜文織 しゃもんおり
- 儒教 じゅきょう
- 熟蕃 じゅくばん
- 儒生 じゅせい
- 儒仏 じゅぶつ
- 誦文 じゅもん
- 殉死 じゅんし
- 笙 しょう
- 象形文字 しょうけい もじ
- 上古 じょうこ
- 城隍廟 じょうこうびょう
- 上古史 じょうこし
- 小祠 しょうし
- 精進 しょうじん
- 小人 しょうじん?
- 商人 しょうにん
- 常民 じょうみん
- 縄文土器 じょうもん どき
- 精霊祭 しょうりょうまつり
- 植物尊拝 しょくぶつ そんぱい
- 植物伝説 しょくぶつ でんせつ
- 蜀江の錦 しょっこうのにしき
- 新羅楽 しらぎがく
- シラビック syllabic
- 鞦 しりがい?
- 神位 しんい
- 神杆 しんかん?
- 神社 じんじゃ → 神の社
- 人種考古学 じんしゅ こうこがく
- 人種学 じんしゅがく
- 神体 しんたい
- 神典 しんてん
- 神道 しんとう
- 人類学 じんるいがく
- 神霊 しんれい
- 神話学 しんわがく
- 【す】
- 水獺 すいだつ (カワウソ)
- 陶 すえ
- 須恵器・陶器 すえき → 祝部土器
- 鋤鍬 すき くわ
- 鈴 すず
- ストーンサークル stone circle
- 漁 すなどり
- スピーシーズ species
- スピリット spirit
- スプリーム・ビーイング supreme being
- 【せ】
- 西域 せいいき
- 青橘 セイキツ?
- 牲牛 せいぎゅう?
- 筮竹 ぜいちく
- 青銅器 せいどうき
- 清寧殿 せいねいでん?
- 生蕃 せいばん
- 石金橘 セキキンキツ?
- 赤山 せきざん?
- 石室 せきしつ
- 石葬 せきそう?
- 石斧 せきふ
- 石灰岩 せっかいがん
- 石槨 せっかく
- 石器 せっき
- 石器時代 せっき じだい
- 石剣 せっけん
- 雪隠 せっちん
- セッツルメント settlement
- 説話樹 Tree of talk せつわじゅ?
- 先史 せんし
- 先史考古学 せんし こうこがく
- 先史時代 せんし じだい
- 先住民 せんじゅうみん
- 占術 せんじゅつ
- 善神 ぜんしん
- 跣足 せんそく
- 宣託 せんたく
- 鮮卑 せんぴ
- 善霊 ぜんれい
- 【そ】
- 相思樹 そうしじゅ
- 想思樹 そうしじゅ? Thought → 相思樹か
- 創世記 そうせいき
- 葬送 そうそう
- 総督府 そうとくふ
- 草履 ぞうり
- 俗言 ぞくげん
- 束帯 そくたい
- 底つ国、底津国 そこつくに
- 底つ根の国 そこつねのくに
- 祖先教 そせんきょう
- 蘇塗 そと
- 祖廟 そびょう
- 【た】
- ターバン turban
- 大橘 ダイキツ?
- 太鼓 たいこ
- 泰山府君・太山府君 たいざん ふくん
- 大乗仏教 だいじょう ぶっきょう → 大乗教
- 大乗教 だいじょうきょう
- 大将軍 たいしょうぐん
- 太祖・大祖 たいそ
- 大唐楽 だいとうがく?
- 高塚 たかつか
- 高坏 たかつき
- 高殿 たかどの
- 高ヶ原 たかまがはら → 高天原か
- 高天原 たかまがはら/たかまのはら
- タコー Ta-ko タコ。霊魂。
- 竪穴 たてあな
- 竪穴住居 たてあな じゅうきょ
- 多綴音 たていおん?
- タブー taboo; tabu
- 鎮魂 たましずめ
- 鎮魂祭 たましずめのまつり
- 魂祭 たままつり
- 手向 たむけ
- 短靴 たんぐつ
- 男根 だんこん
- 単綴音 たんていおん?
- 断髪 だんぱつ
- 耽羅楽 たんらがく?
- 【ち】
- チェンバー chamber
- チェンバートゥーム chamber tomb
- 千木・知木・鎮木 ちぎ
- 竹根 ちくこん/ちっこん
- チグヂー(洪水)
- 竹田 ちくでん
- 竹林 ちくりん
- チベット仏教 チベット ぶっきょう
- チベットラマ → ラマ教か
- 中華 ちゅうか
- 沖積 ちゅうせき
- 中頭 ちゅうとう
- 中人 ちゅうにん/ちゅうじん
- 朝貢 ちょうこう
- 地霊 ちれい
- 鎮魂祭 ちんこんさい
- 【つ】
- 椎髻 ついけい
- 追儺 ついな
- 栂 ツガ
- 憑かれる つかれる
- 土蜘蛛 つちぐも
- 俗人 つねびと
- 積石塚 つみいしづか
- 釣鈎 つりばり
- 【て】
- 帝政 ていせい
- 泥像 でいぞう?
- 鉄器時代 てっき じだい
- 手名椎 テナツチ
- 天下大将軍 てんか たいしょうぐん?
- 天井石 てんじょういし?
- 天孫 てんそん
- 天孫降臨 てんそん こうりん
- 天地開闢 てんち かいびゃく
- 【と】
- トーテミズム totemism
- トーテム totem
- 胴着・胴衣 どうぎ
- 道教 どうきょう
- 唐金橘 トウキンキツ?
- 洞穴 どうけつ
- 銅鼓 どうこ
- 桃氏 とうし?
- 橙子 トウシ?
- 島嶼 とうしょ
- 刀子 とうす
- 洞庭橘 ドウテイキツ?
- 玉蜀黍 とうもろこし
- 唐柚子 トウユズ?
- 東洋学 とうようがく
- 遠つみおや とおつ みおや
- 土器 どき
- 登岐士玖能迦玖能木実 ときじくの かぐの このみ
- 特種部落 とくしゅ ぶらく
- 常世国 とこよのくに
- 刀自 とじ
- 土人 どじん
- トスクル
- 土俗学 どぞくがく
- 耽羅薄鰒 とらのいか
- 【な】
- 内地 ないち
- 内地人 ないちじん
- 中つ国 なかつくに
- 鳴物 なりもの
- 南蛮 なんばん
- 南部シナ人 なんぶ しなじん
- 【に】
- 日蓮宗 にちれんしゅう
- 娘々宮 ニャンニャンぐう?
- 乳柑 ニュウカン?
- 鐃鉢 にょうはち
- 人蔘 ニンジン
- 【ぬ】
- 縫取り ぬいとり
- 幣 ぬさ
- 幣束 ぬさ/へいそく
- 幣帛 ぬさ/へいはく
- 【ね】
- ネーブル navel
- ネストリア教(景教) ネストリアきょう
- ネストリアン
- 根之堅洲国 ねの かたすくに
- 根の国、根国 ねのくに
- 【の】
- ノートル・メール・パトリエ
- 能楽 のうがく
- 農民 のうみん
- 野鴨 のがも
- 祝詞 のりと
- のろ(祝女・巫女)
- ノロクメ
- ノロクモイ
- ノンチャイニーズ
- 【は】
- 売卜 ばいぼく
- 売卜者 ばいぼくしゃ
- 帛 はく
- バザルト basalt(玄武岩)
- 芭蕉 ばしょう
- パタイ Pa-tay(男の覡子)
- 桴 ばち
- ハッカ 薄荷
- 八賤 はっせん?
- 埴輪 はにわ
- 妣 はは
- 妣の国 ははのくに
- 隼人 はやと
- 流行病 はやりやまい
- 祓い はらい
- 蛮・蕃 ばん
- 万戸 ばんこ
- 万戸侯 ばんここう
- 蕃人 ばんじん
- 蛮族 ばんぞく
- パンダナス pandanus
- 半胴着 はんどうぎ
- 【ひ】
- 比較宗教 ひかく しゅうきょう
- 比較宗教学 ひかく しゅうきょうがく
- 櫃 ひつ
- 人身御供 ひとみ ごくう
- 被髪 ひはつ
- 姫小松 ひめこまつ
- 白檀 ビャクダン
- ひれ 領巾・肩巾
- 檳榔 びろう
- 瓶橘 ビンキツ?
- ピンサバカン
- ピンテン Pin-teng(首を斬られたものの雲魂)
- 檳榔樹 びんろうじゅ
- 【ふ】
- フージル(巨人)
- ファミリー・シャーマン
- ファリック・ウォーシップ phallic worship
- ファルス phallus(男根)
- 回回教 フイフイ きょう
- 風水 ふうすい
- フォークロア folklore
- フォネティックス phonetics (音声学)
- 舞楽 ぶがく
- 葺料 ふきりょう?
- 鰒 フク/あわび
- 巫覡 ふげき
- 府使 ふし?
- フジの実 フジのみ
- 仏手柑 ぶしゅかん
- フセ・シャーマン(男の巫人)
- フターツ Futa-tu(悪い霊)
- 仏教 ぶっきょう
- 仏菩薩 ぶつぼさつ
- 船おろし ふなおろし
- 巫卜 ふぼく?
- 部落 ぶらく
- 武陵桃原、武陵桃源 ぶりょう とうげん
- ブレッド・フルーツ breadfruit tree
- プロビンス province
- プロフェッショナル・シャーマン
- 文化史 ぶんかし
- 文身 ぶんしん
- 墳墓 ふんぼ
- 【へ】
- ペーザント・アート peasant art
- 米穀 べいこく
- 幣束 へいそく
- 白丁 ペクチョン/はくてい
- 幣具理 He-gu-ri ヘグリ
- 【ほ】
- ボー Bo(巫子)
- 帽笠 ぼうがさ?
- 亡魂 ぼうこん
- 蓬莱 ほうらい
- 蓬莱山 ほうらいさん
- 卜 ぼく
- 卜卦 ぼくけ?
- 叢祠・祠 ほこら
- 浦村人 ほそんじん?
- ボボ (彫刻)
- 帆前船 ほまえせん
- ボン教 ボンきょう
- 【ま】
- 舞 まい
- 曲玉・勾玉 まがたま
- 禍津毘 (禍霊、禍津日神) まがつび
- 禍霊 まがつひ → 禍津毘
- 巻脚半 まき きゃはん
- マタタビ
- マタノアニト (星)
- まつらわぬもの
- 魔除け まよけ
- 丸善 まるぜん
- 【み】
- 巫女・神子 みこ
- 巫人 みこ
- 覡子 みこ?
- 霊魂 みたま
- 密教 みっきょう
- 民間信仰 みんかん しんこう
- 民族心理 みんぞく しんり
- 民族心理学 みんぞく しんりがく
- 民族学 みんぞくがく
- 民族誌 みんぞくし → エスノグラフィー
- 【む】
- ムー Mu
- 舞党 ムータン?
- ムータン Mu-tang、Mutan 巫党
- 【め】
- 冥土・冥途 めいど
- 冥府 めいふ
- 明太魚 めんたいぎょ
- 【も】
- 裳 も
- 黙劇 もくげき
- 裳裾 もすそ
- 髻 もとどり
- モノシラビック
- もののけ (物の怪・物の気)
- 【や】
- 椰子 やし
- ヤシの実 やしのみ → 椰子
- 山神 やまがみ
- ヤマネコ
- 山の神 やまのかみ
- 山畑 やまはた
- 弥生式土器(弥生土器) やよいしき どき
- ヤンパン 両班
- 【ゆ】
- 木綿 ゆう
- 木綿垂 ゆうしで
- 柚・柚子 ゆず/ユ・ユウ
- 【よ】
- 瓔珞 ようらく
- 黄泉 よみ
- 黄泉国、夜見の国 よみのくに
- 【ら】
- 駱 ラク
- 羅船 らせん?
- ラバ lava
- ラマ信教 ラマ しんきょう → ラマ教か
- ラマ Bla-ma
- ラマ教 ラマきょう
- 【り】
- 理科大学 りか だいがく
- 陸稲 りくとう
- リファ Li-fa(鬼火)
- リムン Li-mun(幽霊)
- リヤ(植物名)
- 龍王廟 りゅうおうびょう?
- 流求 りゅうきゅう
- 龍宮 りゅうぐう
- 柳氏 りゅうし?
- 竜樹 りゅうじゅ?
- 【る】
- 【れ】
- 霊験 れいげん
- 霊魂 れいこん
- 驢 ロ
- 【ろ】
- 老覡 ろうげき?
- 蝋纈 ろうけつ/ろうけち
刀 ロロとう? - 【わ】
- 倭橘 ワキツ?
- 草鞋 わらじ
- 【A-Z】
- Change of sex
- Chauy-ya 最上神ルマウイグの住む天空
- ethnography 民族誌
- I-Pu 祖先 位牌
- Jo-mo 道の祈祷
- Lolodom
- Mu-che 死後三日目の儀式
- Oblique-eyed
- Pieris 樹
- pit-dwellers 竪穴住居か
- Prehistoric → 先史時代
- Slo-ta 死霊・鬼とともに人間に災禍をあたえるものの一種
- Su-Pu 祈祷
- Taliang 山 ロロの故郷
- Totemism トーテミズム
- Transverse bundle
- Weh-ha 死後二日目の儀式
- 【西洋人名】
- Augustine Henry
- De Grot
- Dr. Karl Hedman a Vasa
- Paul Vial
- Tallgren, Aarne Micha鼠
- アロポン
- ゲール James Scrath Gale
- シュレンク Shrenk, Leopold Ivanovich
- タルグレン A.-A. Tallgren
- ツロシュチャンスキー Troshchanski
- ノア Noah
- ビール Beal, Samuel
- ビヤール → ビールか
- ヒルト Friedrich Hirth
- ベーバー
- ヘンリー,エー → Augustine Henry か
- ホメロス Homeros
- ボンザロフ
- マルコ・ポーロ Marco Polo
- ミルトン John Milton
- ラクーペリー → ラクペリ
- ラクペリ Lacouperi, Albert Etienne Jean Baptiste Terrien de
- 【その他 A-Z】
- A-chi アチ 天地創造の霊魂の名
- Ali アリ 天地創造の霊魂の名
- Bu-luh 姓名のうち、もっとも古いもの。仏手柑の意味。
- Ghelou 伝説の王名か
- Ghikedze
- Gnigage
- Hiye 伝説の王名か
- K'od ge 三家族。
- Ked-ze ケツゼ 白龍(lou pou hlou)。
- Kousey
- Lototche
- Sa-lu Bu-luh が変化したもの
- Tendafou
- Tendefe
- Toehou 王
- Tse-gudzih 天空の族長
- 【読み不明】
- 白吉土豆 Pek-kil-tu-tu 于山島の人
- 県人万戸南
- 瓢公 瓠公(ここう)か
- 【あ】
- 阿倍比羅夫 あべの ひらぶ
- 天照大御神 あまてらす おおみかみ
- 天之日矛 あめのひぼこ
- 荒井さが子 あらい さがこ?
- 新井白石 あらい はくせき
- 【い】
- 異斯夫 いしふ
- 厳媛 いつひめ
- 稲田姫 いなだひめ
- 稲氷命 いなひのみこと
- 犬養連手繦 いぬかいのむらじ たすき?
- 【う】
- 禹 う
草葺不合尊 うがやふきあえずのみこと
- 鈿女命(天鈿女命) うずめのみこと
- 【え】
- 睿宗 えいそう
- 【お】
- 王建 おうけん → 高麗の太祖
- 大野延太郎 おおの のぶたろう
- 大三輪 おおみわ
- 大山祇 おおやまづみ
- 大山祇命 おおやまつみのみこと
- 小倉進平 おぐら しんぺい → 小倉文学士
- 小倉文学士 おぐら ぶんがくし → 小倉進平か
- 【か】
- 海軍水路部 かいぐん すいろぶ
- 川原連加尼 かわらのむらじ かね?
- 韓退之(韓愈) かん たいし
- 韓愈 かん ゆ → 韓退之
- 関羽 かんう
- 関帝 かんてい
- カンブニヤン Kan-buniyan 神
- 【き】
- 毅宗 きそう
- 金柔立 きん じゅうりつ?
- 【く】
- 奇稲田姫 くしなだひめ → 稲田姫
- グニグナ
- クニケツゼ
- グニケツゼの精霊
- クニツゼ
- 【け】
- 継体天皇 けいたい てんのう
- 乾隆帝 けんりゅうてい
- 【こ】
- 高乙那 こう?
- 康熙帝 こうきてい
- 孔子 こうし
- 勾践 こうせん
- 高宗 こうそう
- 黄帝 こうてい
- 高麗王 こうらいおう?
- 高麗の太祖 こうらいの たいそ? → 王建
- 後白河天皇 ごしらかわ てんのう
- 小藤博士 ことう はくし?
- 木之花咲耶姫 このはなのさくやびめ
- 後花園天皇 ごはなぞの てんのう
- 【さ】
- 崔忠献 さい ちゅうけん
- 【し】
- 始皇帝 しこうてい
- 持統天皇 じとう てんのう
- 司馬遷 しば せん
- 諸葛孔明(諸葛亮) しょかつ こうめい
- 諸鹿君 しょろくくん? 慶州にいる新羅学者
- 神武天皇 じんむ てんのう
- 【す】
- 垂仁天皇 すいにん てんのう
- 少名毘古那命 スクナヒコノミコト/すくなびこなのかみ
- 素盞嗚命 すさのおのみこと
- 【せ】
- 世宗 せいそう
- 【そ】
- 【た】
- 大院君 たいいんくん
- 太宗 たいそう 李朝の太宗
- 太伯 たいはく
- 高皇産霊尊 たかみむすひのかみ
- 但馬諸助 たじま もろすけ? → 多遅麻毛理か
- 多遅麻毛理 たじまもり
- 田道間守 たじまもり → 多遅麻毛理
- 脱解王 だっかいおう? (脱解尼師今か)
- ダニ
- 【ち】
- 智証麻立干 ちしょう まりつかん → 智証王
- 智証王 ちしょうおう? → 智証麻立干か
- 仲雍 ちゅうよう? 太伯の弟
- 【つ】
- 筑紫の磐井 つくしの いわい
- 筑紫水沼君 つくしの みぬまのきみ?
- ツタフ
- ツダフの精霊
- 坪井正五郎 つぼい しょうごろう → 坪井博士
- 坪井博士 つぼい はくし → 坪井正五郎か
- ヅム Du-mu
- 【て】
- テチ兄弟
- 手名椎・足名椎 てなづち・あしなづち
- 天智天皇 てんじ てんのう
- 天武天皇 てんむ てんのう
- 【と】
- 藤貞幹 とう ていかん → 藤井貞幹
- 桃氏 とううじ?
- 【な】
- 【に】
- 仁明天皇 にんみょう てんのう
- 【ぬ】
- ヌルハチ 奴児哈赤・弩爾哈斉
- 【ね】
- 【の】
- 能因 のういん
- 【は】
- 馬援 ば えん
- 【ひ】
- 広嗣 ひろつぐ (藤原広嗣)
- 閔王妃 びんおうひ?
- 閔妃 びんひ → 閔王妃
- 【ふ】
- 夫乙那 ふ?
- フーカン ファータンガの妹
- ファータンガ フーカンの兄
- 武王 ぶおう 周の武王
- 浮金丸 ふきんがん?
- 藤井貞幹 ふじい ていかん? → 藤貞幹か
- 藤村光鎮 ふじむら こうちん?
- 藤原広嗣 ふじわらの ひろつぐ → 広嗣
- フニ Fu-ni 神
- 撲喇(Pu-la) プラ
- 文周王 ぶんしゅうおう
- 【へ】
- 【ほ】
- 法興王 ほうこうおう
- 火遠理命 ほおりのみこと
- 火照命 ほでりのみこと
- 【ま】
- 【み】
- 道主貴 ミチヌシムチ
- 道臣命 みちのおみのみこと
- 水沼氏 みぬまうじ → 筑紫水沼君
- 三宅連 みやけむらじ
- 【む】
- 【め】
- 【も】
- 本居宣長 もとおり のりなが
- 【や】
- 山路愛山 やまじ あいざん
- 日本武尊 やまとたけるのみこと
- 【ゆ】
- 【よ】
- 陽成天皇 ようぜい てんのう
- 【ら】
- 李圭遠 り けいえん?
- 李太白 り たいはく
- 李白 り はく
- 【り】
- 李王家 りおうけ
- 柳氏 りゅううじ?
- 良乙那 りょう?
- 麟雨 りんう?
- 【る】
- ルマウィグ Lu-ma-wig 最上神
- 【れ】
- 【ろ】
- 【わ】
- 海神・綿津見 わだづみ/わたつみ
- 【あ】
- アイヌ Ainu
- アジアティックス Asiatic か。アジア人。
- アボリジニ aborigine
- アボリジンズ、アボリジニズ Aborigines
- アミ群 アミぐん Ami
- アメリカ・インディアン American Indian
- アリュート Aleut
- アルタイ語族 アルタイごぞく Altaic
- アルタイ人 アルタイじん → アルタイ語族
- 【い】
- イゴロ人 イゴロじん
- 彝族 いぞく →
(ロロ) - インディアン Indian
- インド・ヨーロッパ語族 インド‐ヨーロッパ ごぞく Indo-European
- インドシナ人 インドシナじん
- インドシナ民族 インドシナみんぞく
- インドネシア人 インドネシアじん → インドネジアン
- インドネジアン
- 【う】
- ウィルタ Uilta → オロッコ
- ウラル・アルタイ民族 ウラル・アルタイみんぞく
- ウラル語族 ウラルごぞく Uralic
- 【え】
- エスキモー Eskimo
- 蝦夷アイヌ えぞ アイヌ → アイヌ
- 【お】
- オーストラリア土人オーストラリア どじん → アボリジニ
- オーストロネシア語族 オーストロネシアごぞく Austronesian
- オロッコ Oroke(ウィルタ)
- 【か】
- カムチャダール Kamchadal
- カラフト・アイヌ → アイヌ
- カロリン諸島民 カロリンしょとうみん Caroline Islanders
- カロリン人 カロリンじん → カロリン諸島民か
- 漢民族 かん みんぞく → 漢族
- 漢族 かんぞく
- 【き】
- 北千島アイヌ きたちしま アイヌ → アイヌ
- 契丹 きったん
- キャン チベット民族
- 羌 きょう
莱派 きらいは? - ギリヤーク Gilyak
- キルギス Kyrgyz
- 【く】
- クルガン kurgan
- 【け】
- 荊蛮 けいばん
- 【こ】
- 古アジア諸語 こアジア しょご
- 古アジア民族 こアジア みんぞく → 古アジア諸語
- 五渓蛮 ごけいばん?
- ゴリド人 ゴリドじん (ナナイ)
- コリヤーク Koryaks
- 【さ】
- サハ Sakha → ヤクート
- サモエッド族 サモエッドぞく samojed
- 三苗 さんびょう
- 【し】
- シナ人 しなじん (中国人)
- ジャワ島人 ジャワとうじん
- 粛慎・息慎・稷慎 しゅくしん
- 【す】
- 【せ】
- セミチック Semitic セミティック
- セム族 Semitic races → セミチック
- 鮮人 せんじん (朝鮮人)
- 【そ】
- 【た】
- タイシャン族 タイシャンぞく
- タイヤル群 タイヤルぐん Tayal
- 韃靼 だったん → タルタル
- タマリ社 タマリ しゃ
- タルタル Tartar 「韃靼の」の意。
- 【ち】
- 千島アイヌ ちしま アイヌ → アイヌ
- チベット人 チベットじん Tibetan
- チムシャン
- 中華 ちゅうか
- 中国人 ちゅうごくじん → シナ人
- チュクチ Chukchi, Chukchee
- 朝鮮人 ちょうせんじん → 鮮人
- 【つ】
- ツァリセン群 ツァリセンぐん (ルカイ)
- ツォー群 ツォーぐん Tsou(ツォウ)
- ツリンキット人 ツリンキットじん
- ツングース Tungus
- 【て】
- 【と】
トウ・ズウ・ドウ - トルコ族 トルコぞく
- 【な】
- ナナイ Nanai, Nanaitsy → ゴリド人
- 南蛮 なんばん
- 【に】
- ニヴヒ Nivkhi → ギリヤーク
- 【ぬ】
- 【ね】
- 新シベリア族 ネオシベリアン
- 【の】
- 【は】
- ハイダ人 ハイダじん
- パイワン 排湾
- パプアン Papuan
- ハミチック ハム語族か → ハム=セム語族
- ハム=セム語族 Hamito-Semitic family
- バラカ
- 古アジア族 パレオ アジア ぞく
- 古シベリア族 パレオ シベリア ぞく
- 【ひ】
- 苗 びょう
- ビルマ系 ビルマけい
- ビルマ語系 ビルマごけい
- 【ふ】
- フィン族 フィンぞく Finn
- ブヌン群 ブヌンぐん Bunun
- ブリヤート Buryat
- 【へ】
- 【ほ】
- 北海道アイヌ ほっかいどう アイヌ → アイヌ
- 【ま】
- マオリー Maori
- 靺鞨 まっかつ
- マライ-ポリネシア語族 → オーストロネシア語族
- マレー人 マレーじん Malay
- マレー族 マレーぞく マレー人(Malay)
- マレヨーポリネシア族 → マライ-ポリネシア語族か
- 満州人 まんしゅうじん
- 満州族 まんしゅうぞく → 満州人
- 【み】
- 苗族 ミャオぞく
- 【む】
- 【め】
- 【も】
- モンゴル人 モンゴルじん Mongol → モンゴル族
- モンゴル族 モンゴルぞく Mongol
- モンゴロイド Mongoloid
- 【や】
- ヤクート yakuts
- ヤミ群 ヤミぐん Yami
- 夜郎 やろう
- 【ゆ】
- 有苗 ゆうびょう
- ユカギール Yukagir
- 【よ】
ヨウ - 【ら】
- 【り】
- 黎族 リーぞく Li
- 【る】
- ルカイ Rukai → ツァリセン
- 【れ】
- 【ろ】
ロロ/ルオルオ (彝族) - 【わ】
- 【読み不明】
- 花苗 Hwa Miao
- 古アジア民族 → 古アジア諸語
- 古シベリア諸語
- 紅苗 Hong Miao
- 黒苗 Heh Miao
- 青苗 Tsing Miao
- 白苗 Peh Miao
- 蒙古種族 Oblique-eyed Mongolians
- アルタイ語 アルタイご
- インドシナ語 インドシナご
- 漢語 かんご
- キルギス語 キルギスご
- サハ語 サハご → ヤクート語
- サモエード語 サモエードご
- シナ語 シナご (中国語)
- ソロン語
- タタール語 タタールご
- 中国語 ちゅうごくご → シナ語
- 朝鮮語 ちょうせんご
- ツングース語 ツングースご
- ツングース諸語 ツングースしょご Tungusic
- 満州語 まんしゅうご
- モンゴル語 モンゴルご
- ヤクート語 ヤクートご (サハ語)
- [北アメリカ]
- アラスカ Alaska
- アラスカ海岸
- ベーリング海峡 ベーリング かいきょう
- ベーリング島
- ハイダ島
- アジア大陸 Asia
- [ロシア]
- シベリア Siberia
- チタ Chita
- オノン川 Onon
- カムチャツカ半島 カムチャツカ はんとう Kamchatka
- カラフト 樺太 サハリン
- サハリン Sakhalin → カラフト
- 堪察加 カムサツカ → カムチャツカ半島
- カムチャツカダール
- 沿海州 えんかいしゅう プリモルスキー
- プリモルスキー Primorskii → 沿海州
- 東薩加半島 カムチャツカ半島?
- アルタイ Altai
- トルキスタン Turkestan
- バイカル → バイカル湖か
- バイカル湖 バイカルこ Baikal
- 後貝加爾州
- ヤクート州
- ロシア・トルキスタン
- 西トルキスタン
- エニセイ州
- エニセイ川 Yenisei
- 黒龍江 こくりゅうこう Heilong Jiang
- ウスリー江 Ussuri
- [朝鮮] ちょうせん Choson; Korea
- 百済 くだら
- 新羅 しらぎ
- 高勾麗 こうくり
- 高麗 こうらい
- 馬韓 ばかん
- [北朝鮮]
- [咸鏡道] かんきょうどう
- [咸鏡北道] かんきょう ほくどう/ハムギョン プクト
- 豆満江 とまんこう/トゥマン ガン Tuman-gang
- 吉州 きっしゅう/キルジュぐん
- 明川 ミョンチョン/めいせん Myeongcheon
- 豆満江 とまんこう/トゥマン‐ガン Tuman-gang
- [咸鏡南道] かんきょう なんどう/ハムギョン ナムド
- 北青 プクチョン
- 永興 えいこう
- 咸興 かんこう/ハムフン Hamhung
- [平安北道] へいあん ほくどう/ピョンアン プクト
- [韓国]
- [ソウル] Seoul → 京城
- 京城 けいじょう ソウル
- 南山 なんざん?
- 鷺梁津 ノリャンジン
- 仁川 インチョン Inchon
- 朝鮮総督府 ちょうせん そうとくふ
- [江原道] こうげんどう/カンウォンド
- 溟洲道 めいしゅうどう?
- 竹辺
- 三渉 → 三陟か
- 三陟 サムチョク
- [慶尚道] けいしょうどう
- [慶尚北道] けいしょう ほくどう/キョンサン プクト
- 鬱陵島 うつりょうとう/ウルルンド Ullung-do
- 于山 Usan
- 于山島 ウサンスム Usan-Sum
- 于山国 うざんこく
- 武陵島
- 松島 まつしま? 鬱陵島の旧称
- Dagelet island
- 羅里山
- 迎日湾
- 道洞 どうどう Dodong 鬱陵
- 沙洞
- 黄洞浦
- 光岩
- 昌洞
- 天府洞
- 堅達里
- 親不知、子不知
- 苧浦 MaShi-ke
- 慶州 けいしゅう Kyongju
- 南山
- 蔚珍 ウルチン/うつちん Uljin
- 平海 へいかい/ペョンヘ Pyeonghae
- 鬱陵郡 うつりょうぐん
- [慶尚南道]
- 南海島 なんかいとう/ナムヘド Namhae Do
- 巨済島 きょさいとう/コジェド Geoje Do
- 釜山港 → 釜山
- 釜山 プサン/ふざん Pusan
- 洛東江 らくとうこう/ナクトンガン Naktong-gang
- [全羅道] ぜんらどう
- [全羅南道] ぜんら なんどう/チョルラ ナムド
- 木浦 モクポ/もくほ Mokpo
- 多島海
- 珍島 ちんとう/チントウ Jin Do
- 莞島 かんとう/ワンド Wan Do
- 巨文島 きょぶんとう/コムンド Geomun Do
- 鍬子島 → 楸子群島か
- 楸子群島 しゅうし ぐんとう/チュジャ グンド Chuja Gundo
- 珍島 チンド/ちんとう
- 済州島 さいしゅうとう/チェジュド Cheju-do
- 耽羅 たんら 済州島
- 漢山 → 漢拏山
- 漢拏山 ハルラサン/かんなさん Halla-san
- 白鹿潭
- 延婚浦
- 鳬桶 オルトン
- 済州の城内
- 金盛山
- 金寧窟
- 大静山 済州島の西南。
- [モンゴル] Mongol
- 興安嶺 こうあんれい/シンアンリン Xinganling
- 中央アジア ちゅうおう アジア Central Asia
- 東モンゴル
- 西翁手特
- 英金河
- [中国][シナ]
- 中華民国 ちゅうか みんこく
- [黒龍江省] こくりゅうこうしょう
- ウスリー川 Ussuri
- アムール川 Amur → 黒竜江
- 黒竜江 こくりゅうこう
- 渾河 こんが
- 満州 まんしゅう
- 長白山 Changbai Shan
- 南満州 みなみ まんしゅう
- 満蒙 まんもう
- [吉林省] きつりんしょう Jilin
- 渾春 → 琿春か
- 琿春 こんしゅん ホゥェンチゥェン
- [遼寧省]
- 興京 こうけい
- 永陵 えいりょう?
- 奉天 ほうてん
- 瀋陽 しんよう Shenyang → 奉天
- 奉天宮殿
- 清寧宮 せいねいきゅう?
- 遼東 りょうとう Liaodong
- 遼東郡
- [河北省]
- 直隷省 ちょくれいしょう
- [陝西省]
- 長安 ちょうあん
- [山東省] さんとうしょう Shandong
- 黄河 こうが Huang He
- [河南省]
- 洛陽 らくよう Luoyang
- 孟津 もうしん/モンチン
- [江蘇省] こうそ Jiangsu
- 呉 ご 江蘇省の別称
- [湖北省] こほく Hubei
- 楚 そ 湖南省・湖北省
- [四川省] しせんしょう Sichuan
- 蜀 しょく 四川省の別称
- 巴 は 四川省重慶地方の別名
- 成都 せいと Chengdu
- 重慶 じゅうけい Chongqing
- 岷江 みんこう Min Jiang
- 峨眉山 がびさん
- 峨眉山脈
- 寧越
- 会理県 かいりけん
- 打箭炉 だせんろ → 康定
- 康定 こうてい
- 蜀江 しょっこう
- ターリヤン山
- 揚子江 ようすこう Yanzi Jiang
- 長江 ちょうこう Chang Jiang → 長江
- 漢江 かんこう Han Jiang
- 上海 シャンハイ Shanghai
- 南嶺山脈 なんれい さんみゃく Nanling Shanmai
- [浙江省] せっこうしょう Zhejiang
- 越 えつ 浙江省の別称
- 会稽 かいけい
- 会稽山 かいけいざん
- 温州 おんしゅう Wenzhou
- 甌江 おうこう/オウチィアン
- [福建省] ふっけんしょう Fujian
びん 福建省の別称 - 羅源 らげん
- 古田
- [台湾] たいわん Taiwan
- 紅頭嶼 こうとうしょ 蘭嶼
- 蘭嶼 らんしょ/ランユィ → 紅頭嶼
- 濁水渓 だくすいけい
- 阿里山 ありさん Alishan
- 恒春 こうしゅん/ホンチゥェン
- 花蓮港 かれんこう → 花蓮
- 花蓮 かれん/ホゥアリィェン Hualien
- 卑南 ひなん
- 新高山 にいたかやま
- マヤ
- 台南 たいなん Tainan
- [江西省] こうせい Jiangxi
- [湖南省] こなん Hunan
- 長沙 ちょうさ Changsha
- 湘江 しょうこう Xiang Jiang
江 げんこう/ユィアン チィアン - 常徳 じょうとく Changde
- 武陵源 ぶりょうげん Wulingyuan
- 洞庭 どうてい
- 洞庭湖 どうていこ Dongting Hu
- 南嶺 なんれい/ナンリン
- 南嶺山脈 なんれい さんみゃく Nanling Shanmai
- 南山山脈
- 嶺南 れいなん
- 東海 とうかい
- 東海の浜
中 びんちゅう? - 東越
- [貴州省] きしゅう Guizhou
- [広東省] カントン Guangdong
- 南海 なんかい
- 南海郡 なんかいぐん
- 海南島 かいなんとう Hainan Dao
- 珠崖郡 しゅがいぐん
耳 たんじ? - [雲南省] うんなん Yunnan
- 叙州 じょしゅう?
- 大理 だいり Dali
- 南詔 なんしょう
- 金沙江 きんさこう/チンシァ チィアン
- [甘粛省] かんしゅく Gansu
- [広西省] こうせい Guangxi 現、広西壮族自治区
- 桂林 けいりん Guilin
- 広東河
- 蒼梧 そうご
- 鬱林 うつりん → 玉林
- 玉林 ぎょくりん/ユイリン
- 合浦 ごうほ/ホォプゥ
- [インドシナ] Indo-China
- [ベトナム][アンナン]
- 象郡 ぞうぐん
- アンナン Annam
- 交趾 コーチ
- 九真 きゅうしん
- 日南 にちなん
- 東京 トンキン Tonkin、Tongking
- レッド・リバー
- 紅河 こうが
- ソンコイ Songkoi → 紅河
- [タイ]
- タイ Thai Thailand
- シャム Siam
- 暹羅 シャムロ
- 媚公河
- [ミャンマー]
- ミャンマー Myanmar
- ビルマ Burma
- サルウィン川 Salween、Salwin
- [ラオス]
- 老
ラオス Laos - [フィリピン] Philippines
- フィリピン諸島
- ルソン Luzon
- プエブロ
- ボントック Bontocs
- ポキス山
- カロウイタン
- サバンガン
- アルプ
- ツルビン
- チャオウイ
- イシル山
- アトチャコン
- フィルラン
- ババヤン島 → バブヤン島か
- バブヤン島
- マレー Malay マレー半島南部
- マレー群島 マレー ぐんとう
- マレー諸島 マレー しょとう
- ボルネオ Borneo
- [インドネシア]
- ジャワ島 Java
- [南洋諸島]
- ポリネシア Polynesia
- ミクロネシア Micronesia
- カロリン島 → カロリン諸島か
- カロリン諸島 カロリンしょとう Caroline Islands
- ニュージーランド New Zealand
- [チベット] Tibet
- [ネパール] Nepal
- [ブータン] Bhutan
- [シリア] Syria
- [トルコ] Turco
- [スコットランド]
- [フランス]
- 【不明】
- 度羅の島 たらのしま?
- 韓国 からくに
- 白狼国
- 狗奴国 くなこく/くなのくに
- 伊呂島 いろしま?
- 宇佐島 ウサシマ/ウサジマ
- コロマン
- カイジュ
- 千島 ちしま
- 千島列島 ちしま れっとう → 千島
- 北千島 きたちしま
- カラフト 樺太 → サハリン
- サハリン Sakhalin
- [日本]
- [北海道]
- 石狩川 いしかりがわ
- 渡島 わたりじま
- 手宮 てみや → 手宮遺跡
- 手宮遺跡 てみや いせき
- [奥州][青森県]
- 津軽 つがる
- [出羽][秋田県]
- 秋田城 あきたじょう
- [出羽][山形県]
- 飽海郡 あくみぐん
- 諸神社
- 田川郡 たがわぐん
- 西浜
- [越の国] こしのくに
- [佐渡]
- 佐渡が島 さどがしま
- 御名部 みなべ
- 碕岸
- 日本海 にほんかい
- [常陸国] ひたち
- 霞ヶ浦 かすみがうら
- 陸平貝塚 おかだいら かいづか
- [東京都][武蔵国] むさし
- 荘原郡 → 荏原郡か
- 荏原郡 えばらぐん
- 下目黒村 しもめぐろむら
- 不動堂 ふどうどう → 滝泉寺
- 滝泉寺 りゅうせんじ
- 目黒不動遺跡 めぐろ ふどう いせき
- [吾妻の国]
- 東・吾妻・吾嬬 あずま
- [伊豆] いず
- 八丈 はちじょう → 八丈島
- 八丈島 はちじょうじま
- 信州 しんしゅう 長野県
- 甲州 こうしゅう 山梨県
- 美濃 みの 岐阜県の南部
- 丹後国 たんご 京都府北部
- 尾張 おわり 愛知県西部
- 近江 おうみ 滋賀県
- 伊勢 いせ 三重県
- 志摩 しま 三重県東部
- 畿内 きない
- [滋賀・岐阜県]
- 伊吹山 いぶきやま
- [京都府][山城国] やましろ
- ミカノ原 → 瓶原か
- 瓶原 みかのはら
- 京都大学 きょうと だいがく
- 寺田村
- 本願寺 ほんがんじ
- [大阪府][河内国] かわち
- 国府 こう
- 国府遺跡 こう いせき
- [大阪府][和泉国] いずみ
- 浜寺 はまでら
- 八池
- [紀州][和歌山県] きしゅう
- 鳴神貝塚 なるかみ かいづか
- [奈良県][大和] やまと
- 桜川吉野
- 吉野 よしの
- 正倉院 しょうそういん
- [丹波] たんば 京都府、兵庫県
- [但馬] たじま 兵庫県北部
- [摂津] せっつ 大阪府、兵庫県
- [淡路] あわじ 兵庫県淡路島
- [播磨] はりま 兵庫県南西部
- [備前国][岡山県] びぜん
- 阿爾神社 → 阿仁神社か
- 阿仁神社 あに じんじゃ
- [備中] びっちゅう 岡山県西部
- [伯耆] ほうき 鳥取県西部
- [四国]
- [阿波] あわ
- 徳島 とくしま
- [土佐] とさ 高知県
- [中国]
- 山陰
- 山陰道
- [島根県]
- [出雲] いずも 島根県東部
- 簸川 ひのかわ
- 杵築 きづき
- 杵築郡 きづきぐん? → 杵築
- 宍道湖 しんじこ
- 美保の関 みおのせき/みほのせき
- 日御崎 ひのみさき → 日御碕
- 日御碕 ひのみさき
- 八束郡 やつかぐん
- 御津浦 みつうら
- オシマサ
- 隠岐 おき
- 隠岐の島 おきのしま
- 竹島 Lian courtrocks たけしま
- [鳥取県]
- 境港 さかいみなと
- 三保湾 美保湾?
- [周防] すおう 山口県東部
- [長門] ながと 山口県西部・北部
- [九州]
- 奴国 なこく/なのくに
- [肥前] ひぜん 佐賀県、長崎県
- [筑後] ちくご 福岡県南部
- [豊後] ぶんご 大分県
- [筑前国] ちくぜん 福岡県北西部
- 志賀島 しかのしま → 志賀
- 志賀 しか
- [長崎県]
- 対馬 つしま
- 壱岐 いき
- 北松浦郡 きたまつうらぐん
- 五島 ごとう
- 五島列島 ごとう れっとう
- 値嘉島 ちかのしま
- 相子之停 あびこのとまり → 相子田の停か
- 相子田の停 あいこだのとまり
- 川原之浦 かわらのうら
- 美祢良久の渡 みねらくのわたり → 美弥良久之埼か
- 美弥良久之埼 みみらくのさき
- 南松浦郡 みなみまつうらぐん
- 三井楽 みいらく
- 火流浦 ひるのうら? ひながれのうら?
- 平戸 ひらど
- [熊本県]
- [肥後] ひご
- 葦北 あしきた
- 日奈久 ひなぐ、か
- 有明海 ありあけかい
- 有明湾 ありあけわん → 有明海か
- 玉那湾
- 多婆那国
- 玉名 たまな
- 五家の荘 ごかのしょう
- 阿蘇 あそ
- [宮崎][日向] ひゅうが 宮崎県
- [鹿児島]
- 大島諸島 おおしま しょとう → 奄美諸島か
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- T-Time マガジン 週刊ミルクティー* *99 出版
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※ おわびと訂正
長らく、創刊号と第一巻第六号の url 記述が誤っていたことに気がつきませんでした。アクセスを試みてくださったみなさま、申しわけありませんでした。(しょぼーん)/2012.3.2 しだ
- 第一巻
- 創刊号 竹取物語 和田万吉
- 第二号 竹取物語小論 島津久基(210円)
- 第三号 竹取物語の再検討(一)橘 純一(210円)
- 第四号 竹取物語の再検討(二)橘 純一(210円)
「絵合」 『源氏物語』より 紫式部・与謝野晶子(訳) - 第五号
『国文学の新考察』より 島津久基(210円)- 昔物語と歌物語 / 古代・中世の「作り物語」/
- 平安朝文学の弾力 / 散逸物語三つ
- 第六号 特集 コロボックル考 石器時代総論要領 / コロボックル北海道に住みしなるべし 坪井正五郎 マナイタのばけた話 小熊秀雄 親しく見聞したアイヌの生活 / 風に乗って来るコロポックル 宮本百合子
- 第七号 コロボックル風俗考(一〜三)坪井正五郎(210円)
- シペ物語 / カナメの跡 工藤梅次郎
- 第八号 コロボックル風俗考(四〜六)坪井正五郎(210円)
- 第九号 コロボックル風俗考(七〜十)坪井正五郎(210円)
- 第十号 特集 コロボックル考 喜田貞吉
- 日本太古の民族について / 日本民族概論 / 土蜘蛛種族論につきて
- 第十一号 特集 コロボックル考 喜田貞吉
- 東北民族研究序論 / 猪名部と佐伯部 / 吉野の国巣と国樔部
- 第十二号 日高見国の研究 喜田貞吉
- 第十三号 夷俘・俘囚の考 喜田貞吉
- 第十四号 東人考 喜田貞吉
- 第十五号 奥州における御館藤原氏 喜田貞吉
- 第十六号 考古学と古代史 喜田貞吉
- 第十七号 特集 考古学 喜田貞吉
- 遺物・遺蹟と歴史研究 / 日本における史前時代の歴史研究について / 奥羽北部の石器時代文化における古代シナ文化の影響について
- 第十八号 特集 考古学 喜田貞吉
- 日本石器時代の終末期について /「あばた」も「えくぼ」、
「えくぼ」も「あばた」― ―日本石器時代終末期― ― - 第十九号 特集 考古学 喜田貞吉
- 本邦における一種の古代文明 ―
―銅鐸に関する管見― ― / - 銅鐸民族研究の一断片
- 第二〇号 特集 考古学 喜田貞吉
「鐵」の字の古体と古代の文化 / 石上神宮の神宝七枝刀 / - 八坂瓊之曲玉考
- 第二一号 博物館(一)浜田青陵
- 第二二号 博物館(二)浜田青陵
- 第二三号 博物館(三)浜田青陵
- 第二四号 博物館(四)浜田青陵
- 第二五号 博物館(五)浜田青陵
- 第二六号 墨子(一)幸田露伴
- 第二七号 墨子(二)幸田露伴
- 第二八号 墨子(三)幸田露伴
- 第二九号 道教について(一)幸田露伴
- 第三〇号 道教について(二)幸田露伴
- 第三一号 道教について(三)幸田露伴
- 第三二号 光をかかぐる人々(一)徳永 直
- 第三三号 光をかかぐる人々(二)徳永 直
- 第三四号 東洋人の発明 桑原隲蔵
- 第三五号 堤中納言物語(一)池田亀鑑(訳)
- 第三六号 堤中納言物語(二)池田亀鑑(訳)
- 第三七号 堤中納言物語(三)池田亀鑑(訳)
- 第三八号 歌の話(一)折口信夫
- 第三九号 歌の話(二)折口信夫
- 第四〇号 歌の話(三)
・花の話 折口信夫- 第四一号 枕詞と序詞(一)福井久蔵
- 第四二号 枕詞と序詞(二)福井久蔵
- 第四三号 本朝変態葬礼史 / 死体と民俗 中山太郎
- 第四四号 特集 おっぱい接吻
- 乳房の室 / 女の情欲を笑う 小熊秀雄
- 女体 芥川龍之介
- 接吻 / 接吻の後 北原白秋
- 接吻 斎藤茂吉
- 第四五号 幕末志士の歌 森 繁夫
- 第四六号 特集 フィクション・サムライ 愛国歌小観 / 愛国百人一首に関連して / 愛国百人一首評釈 斎藤茂吉
- 第四七号
「侍」字訓義考 / 多賀祢考 安藤正次- 第四八号 幣束から旗さし物へ / ゴロツキの話 折口信夫
- 第四九号 平将門 幸田露伴
- 第五〇号 光をかかぐる人々(三)徳永 直
- 第五一号 光をかかぐる人々(四)徳永 直
- 第五二号
「印刷文化」について 徳永 直- 書籍の風俗 恩地孝四郎
- 第二巻
- 第一号 奇巌城(一)モーリス・ルブラン
- 第二号 奇巌城(二)モーリス・ルブラン
- 第三号 美し姫と怪獣 / 長ぐつをはいた猫 楠山正雄(訳)
- 第四号 毒と迷信 / 若水の話 / 麻薬・自殺・宗教 小酒井不木 / 折口信夫 / 坂口安吾
- 第五号 空襲警報 / 水の女 / 支流 海野十三 / 折口信夫 / 斎藤茂吉
- 第六号 新羅人の武士的精神について 池内 宏
- 第七号 新羅の花郎について 池内 宏
- 第八号 震災日誌 / 震災後記 喜田貞吉
- 第九号 セロ弾きのゴーシュ / なめとこ山の熊 宮沢賢治
- 第一〇号 風の又三郎 宮沢賢治
- 第一一号 能久親王事跡(一)森 林太郎
- 第一二号 能久親王事跡(二)森 林太郎
- 第一三号 能久親王事跡(三)森 林太郎
- 第一四号 能久親王事跡(四)森 林太郎
- 第一五号 能久親王事跡(五)森 林太郎
- 第一六号 能久親王事跡(六)森 林太郎
- 第一七号 赤毛連盟 コナン・ドイル
- 第一八号 ボヘミアの醜聞 コナン・ドイル
- 第一九号 グロリア・スコット号 コナン・ドイル
- 第二〇号 暗号舞踏人の謎 コナン・ドイル
- 第二一号 蝦夷とコロボックルとの異同を論ず 喜田貞吉
- 第二二号 コロポックル説の誤謬を論ず 上・下 河野常吉
- 第二三号 慶長年間の朝日連峰通路について 佐藤栄太
- 第二四号 まれびとの歴史 /「とこよ」と「まれびと」と 折口信夫
- 第二五号 払田柵跡について二、三の考察 / 山形県本楯発見の柵跡について 喜田貞吉
- 第二六号 日本天変地異記 田中貢太郎
- 第二七号 種山ヶ原 / イギリス海岸 宮沢賢治
- 第二八号 翁の発生 / 鬼の話 折口信夫
- 第二九号 生物の歴史(一)石川千代松
- 第三〇号 生物の歴史(二)石川千代松
- 第三一号 生物の歴史(三)石川千代松
- 第三二号 生物の歴史(四)石川千代松
- 第三三号 特集 ひなまつり
- 雛 芥川龍之介 / 雛がたり 泉鏡花 / ひなまつりの話 折口信夫
- 第三四号 特集 ひなまつり
- 人形の話 / 偶人信仰の民俗化並びに伝説化せる道 折口信夫
- 第三五号 右大臣実朝(一)太宰 治
- 第三六号 右大臣実朝(二)太宰 治
- 第三七号 右大臣実朝(三)太宰 治
- 第三八号 清河八郎(一)大川周明
- 第三九号 清河八郎(二)大川周明
- 第四〇号 清河八郎(三)大川周明
- 第四一号 清河八郎(四)大川周明
- 第四二号 清河八郎(五)大川周明
- 第四三号 清河八郎(六)大川周明
- 第四四号 道鏡皇胤論について 喜田貞吉
- 第四五号 火葬と大蔵 / 人身御供と人柱 喜田貞吉
- 第四六号 手長と足長 / くぐつ名義考 喜田貞吉
- 第四七号
「日本民族」とは何ぞや / 本州における蝦夷の末路 喜田貞吉- 第四八号 若草物語(一)L.M. オルコット
- 第四九号 若草物語(二)L.M. オルコット
- 第五〇号 若草物語(三)L.M. オルコット
- 第五一号 若草物語(四)L.M. オルコット
- 第五二号 若草物語(五)L.M. オルコット
- 第五三号 二人の女歌人 / 東北の家 片山広子
- 第三巻
- 第一号 星と空の話(一)山本一清
- 第二号 星と空の話(二)山本一清
- 第三号 星と空の話(三)山本一清
- 第四号 獅子舞雑考 / 穀神としての牛に関する民俗 中山太郎
- 第五号 鹿踊りのはじまり 宮沢賢治 / 奥羽地方のシシ踊りと鹿供養 喜田貞吉
- 第六号 魏志倭人伝 / 後漢書倭伝 / 宋書倭国伝 / 隋書倭国伝
- 第七号 卑弥呼考(一)内藤湖南
- 第八号 卑弥呼考(二)内藤湖南
- 第九号 卑弥呼考(三)内藤湖南
- 第一〇号 最古日本の女性生活の根底 / 稲むらの陰にて 折口信夫
- 第一一号 瀬戸内海の潮と潮流(他三編)寺田寅彦
- 瀬戸内海の潮と潮流 / コーヒー哲学序説 /
- 神話と地球物理学 / ウジの効用
- 第一二号 日本人の自然観 / 天文と俳句 寺田寅彦
- 第一三号 倭女王卑弥呼考(一)白鳥庫吉
- 第一四号 倭女王卑弥呼考(二)白鳥庫吉
- 第一五号 倭奴国および邪馬台国に関する誤解 他 喜田貞吉
- 倭奴国と倭面土国および倭国とについて稲葉君の反問に答う /
- 倭奴国および邪馬台国に関する誤解
- 第一六号 初雪 モーパッサン 秋田 滋(訳)
- 第一七号 高山の雪 小島烏水
- 第一八号 光をかかぐる人々 続『世界文化』連載分(一)徳永 直
- 第一九号 光をかかぐる人々 続『世界文化』連載分(二)徳永 直
- 第二〇号 光をかかぐる人々 続『世界文化』連載分(三)徳永 直
- 第二一号 光をかかぐる人々 続『世界文化』連載分(四)徳永 直
- 第二二号 光をかかぐる人々 続『世界文化』連載分(五)徳永 直
- 第二三号 銀河鉄道の夜(一)宮沢賢治
- 第二四号 銀河鉄道の夜(二)宮沢賢治
- 第二五号 ドングリと山猫 / 雪渡り 宮沢賢治
- 第二六号 光をかかぐる人々 続『世界文化』連載分(六)徳永 直
- 第二七号 特集 黒川能・春日若宮御祭 折口信夫
- 黒川能・観点の置き所 / 村で見た黒川能
- 能舞台の解説 / 春日若宮御祭の研究
- 第二八号 面とペルソナ / 人物埴輪の眼 他 和辻哲郎
- 面とペルソナ / 文楽座の人形芝居
- 能面の様式 / 人物埴輪の眼
- 第二九号 火山の話 今村明恒
- 第三〇号 現代語訳『古事記』
(一)上巻(前編) 武田祐吉(訳)- 第三一号 現代語訳『古事記』
(二)上巻(後編) 武田祐吉(訳)- 第三二号 現代語訳『古事記』
(三)中巻(前編) 武田祐吉(訳)- 第三三号 現代語訳『古事記』
(四)中巻(後編) 武田祐吉(訳)- 第三四号 山椒大夫 森 鴎外
- 第三五号 地震の話(一)今村明恒
- 第三六号 地震の話(二)今村明恒
- 第三七号 津波と人間 / 天災と国防 / 災難雑考 寺田寅彦
- 第三八号 春雪の出羽路の三日 喜田貞吉
- 第三九号 キュリー夫人 / はるかな道(他)宮本百合子
- 第四〇号 大正十二年九月一日よりの東京・横浜間 大震火災についての記録 / 私の覚え書 宮本百合子
- 第四一号 グスコーブドリの伝記 宮沢賢治
- 第四二号 ラジウムの雁 / シグナルとシグナレス(他)宮沢賢治
- 第四三号 智恵子抄(一)高村光太郎
- 第四四号 智恵子抄(二)高村光太郎
- 第四五号 ヴェスヴィオ山 / 日本大地震(他)斎藤茂吉
- 第四六号 上代肉食考 / 青屋考 喜田貞吉
- 第四七号 地震雑感 / 静岡地震被害見学記(他)寺田寅彦
- 第四八号 自然現象の予報 / 火山の名について 寺田寅彦
- 第四九号 地震の国(一)今村明恒
- 第五〇号 地震の国(二)今村明恒
- 第五一号 現代語訳『古事記』
(五)下巻(前編) 武田祐吉(訳)- 第五二号 現代語訳『古事記』
(六)下巻(後編) 武田祐吉(訳)
- 第四巻
- 第一号 日本昔話集 沖縄編(一)伊波普猷・前川千帆(絵)
- 第二号 日本昔話集 沖縄編(二)伊波普猷
- 第三号 アインシュタイン(一)寺田寅彦
- 物質とエネルギー / 科学上における権威の価値と弊害 /
- アインシュタインの教育観
- 第四号 アインシュタイン(二)寺田寅彦
- アインシュタイン / 相対性原理側面観
- 第五号 作家のみた科学者の文学的活動 / 科学の常識のため 宮本百合子
- 第六号 地震の国(三)今村明恒
- 第七号 地震の国(四)今村明恒
- 第八号 地震の国(五)今村明恒
- 第九号 地震の国(六)今村明恒
- 第一〇号 土神と狐 / フランドン農学校の豚 宮沢賢治
- 第一一号 地震学の角度から見た城輪柵趾 今村明恒
- 第一二号 庄内と日高見(一)喜田貞吉
- 第一三号 庄内と日高見(二)喜田貞吉
- 第一四号 庄内と日高見(三)喜田貞吉
- 第一五号 私は海をだきしめてゐたい / 安吾巷談・ストリップ罵倒 坂口安吾
- 第一六号 三筋町界隈 / 孫 斎藤茂吉
- 第一七号 原子力の管理(他)仁科芳雄
- 原子力の管理 / 日本再建と科学 / 国民の人格向上と科学技術 /
- ユネスコと科学
- 第一八号 J・J・トムソン伝(他)長岡半太郎
- J・J・トムソン伝 / アインシュタイン博士のこと
- 第一九号 原子核探求の思い出(他)長岡半太郎
- 総合研究の必要 / 基礎研究とその応用 / 原子核探求の思い出
- 第二〇号 蒲生氏郷(一)幸田露伴
- 第二一号 蒲生氏郷(二)幸田露伴
- 第二二号 蒲生氏郷(三)幸田露伴
- 第二三号 科学の不思議(一)アンリ・ファーブル
- 第二四号 科学の不思議(二)アンリ・ファーブル
- 第二五号 ラザフォード卿を憶う(他)長岡半太郎
- ラザフォード卿を憶う / ノーベル小伝とノーベル賞 / 湯川博士の受賞を祝す
- 第二六号 追遠記 / わたしの子ども時分 伊波普猷
- 第二七号 ユタの歴史的研究 伊波普猷
- 第二八号 科学の不思議(三)アンリ・ファーブル
- 第二九号 南島の黥 / 琉球女人の被服 伊波普猷
- 第三〇号
『古事記』解説 / 上代人の民族信仰 武田祐吉・宇野円空 - 第三一号 科学の不思議(四)アンリ・ファーブル
- 第三二号 科学の不思議(五)アンリ・ファーブル
- 第三三号 厄年と etc. / 断水の日 / 塵埃と光 寺田寅彦
- 第三四号 石油ランプ / 流言蜚語 / 時事雑感 寺田寅彦
- 第三五号 火事教育 / 函館の大火について 寺田寅彦
- 第三六号 台風雑俎 / 震災日記より 寺田寅彦
- 第三七号 火事とポチ / 水害雑録 有島武郎・伊藤左千夫
- 第三八号 特集・安達が原の黒塚 楠山正雄・喜田貞吉・中山太郎
- 第三九号 大地震調査日記(一)今村明恒
- 第四〇号 大地震調査日記(二)今村明恒
- 第四一号 大地震調査日記(続)今村明恒
- 第四二号 科学の不思議(六)アンリ・ファーブル
- 第四三号 科学の不思議(七)アンリ・ファーブル
- 第四四号 震災の記 / 指輪一つ 岡本綺堂
- 第四五号 仙台五色筆 / ランス紀行 岡本綺堂
- 第四六号 東洋歴史物語(一)藤田豊八
- 第四七号 東洋歴史物語(二)藤田豊八
- 第四八号 東洋歴史物語(三)藤田豊八
- 第四九号 東洋歴史物語(四)藤田豊八
- 第五〇号 東洋歴史物語(五)藤田豊八
- 第五一号 科学の不思議(八)アンリ・ファーブル
- 第五二号 科学の不思議(九)アンリ・ファーブル
- 第五巻
- 第一号 校註『古事記』
(一) 武田祐吉- 第二号 校註『古事記』
(二) 武田祐吉- 第三号 校註『古事記』
(三) 武田祐吉- 第四号 兜 / 島原の夢 / 昔の小学生より / 三崎町の原 岡本綺堂
- 第五号 新旧東京雑題 / 人形の趣味(他)岡本綺堂
- 第六号 大震火災記 鈴木三重吉
- 第七号 校註『古事記』
(四) 武田祐吉- 第八号 校註『古事記』
(五) 武田祐吉- 第九号 校註『古事記』
(六) 武田祐吉- 第一〇号 校註『古事記』
(七) 武田祐吉- 第一一号 大正十二年九月一日の大震に際して(他)芥川龍之介
- オウム―
―大震覚え書きの一つ― ― - 第一二号 日本歴史物語〈上〉
(一) 喜田貞吉- 第一三号 日本歴史物語〈上〉
(二) 喜田貞吉- 第一四号 日本歴史物語〈上〉
(三) 喜田貞吉- 第一五号 日本歴史物語〈上〉
(四) 喜田貞吉- 第一六号 校註『古事記』
(八) 武田祐吉- 第一七号 校註『古事記』
(九) 武田祐吉- 第一八号 校註『古事記』
(一〇) 武田祐吉- 第一九号 校註『古事記』
(一一) 武田祐吉- 語句索引 / 歌謡各句索引
- 第二〇号 日本歴史物語〈上〉
(五) 喜田貞吉- 第二一号 日本歴史物語〈上〉
(六) 喜田貞吉- 第二二号 日本歴史物語〈上〉索引 喜田貞吉
- 語句索引 / 人名索引 / 地名一覧
- 第二三号 クリスマスの贈り物/街の子/少年・春 竹久夢二
- 第二四号 風立ちぬ(一)堀 辰雄
- 第二五号 風立ちぬ(二)堀 辰雄
- 第二六号 風立ちぬ(三)堀 辰雄
- 第二七号 山の科学・山と川(一)今井半次郎
- 第二八号 山の科学・山と川(二)今井半次郎
- 第二九号 山の科学・山と川(三)今井半次郎
- 第三〇号 菜穂子(一)堀 辰雄
- 第三一号 菜穂子(二)堀 辰雄
- 第三二号 菜穂子(三)堀 辰雄
- 第三三号 菜穂子(四)堀 辰雄
- 第三四号 菜穂子(五)堀 辰雄
- 第三五号 山の科学・湖と沼(一)田中阿歌麿
- 第三六号 山の科学・湖と沼(二)田中阿歌麿
- 第三七号 恐怖について / 寺田先生と僕(他)海野十三
- 第三八号 電気物語(一)石原 純
- 第三九号 電気物語(二)石原 純
- 第四〇号 電気物語(三)石原 純
- 第四一号 電気物語(四)石原 純
- 第四二号 電気物語(五)総索引 石原 純
- 語句索引 / 人名索引 / 地名一覧
- 第四三号 森林と樹木と動物(一)本多静六
- 第四四号 森林と樹木と動物(二)本多静六
- 第五巻 第四五号 日本周囲民族の原始宗教(一)鳥居龍蔵
- 序言
- 日本周囲民族の原始宗教
- 一、緒言
- 二、東北アジア民族の宗教
- 東北アジア民族の分類
- カムチャツカ 付 アラスカ、ベーリング
- チュクチ、コリヤーク、エスキモー、ツリンキツト、
- ハイダ、チムシャン
- 千島、北海道、カラフト
- アイヌ、ギリヤーク、オロッコ
- 極東シベリア
- ツングース、オロッコ、ゴリド
- 満州
- 満州人
- 朝鮮
- 朝鮮人
- 沖縄諸島
- 沖縄人
- モンゴル
- モンゴル人
- 中部シベリア 付 露領トルキスタン
- ソロン、バラカ、ブリヤート、ヤクート、トルコ人
- (略)シャーマンには二種あり、一つはファミリー・シャーマン、一つはプロフェッショナルのシャーマンである。前者には時に巫人として神に仕える専門的のものなく、各自の家々にて祈祷・禁厭(きんえん)をおこない病気をなおすのであって、これを家族的のシャーマンといい、後者の職業的シャーマンは、この家族的シャーマンの一歩進んだもので、専門的の巫人があって神に仕えることをして、一般民衆のために加持・祈祷・占いなど種々のことを営むのである。チュクチ、コリヤークのシャーマンは全く家族的シャーマンに属するのであって、たとえば一家に病人のあるばあいには、その家の娘が主なる巫人となり、両親が神に供物(くもつ)をささげたり、太鼓を打ったりする役をつとめてシャーマンの儀式が成り立つので、きわめて簡単である。太鼓は自家に持っているものもあるが、多くは一村共通で、ある場所に備えつけてあるのを諸所の家から借りにくるのである。この太鼓は、彼らの間には神聖な威力を持ったものと考えられておって、シャーマンには必須のつきものである。悪魔は太鼓の音を聞けば退散するという。
(略) - しかるに神というのは何であるかというに、その形は人間の目に見えないものであるが、石を見ると石そのものを神とし、海岸の岩に対して供物などをささげ、岩石と神とを区別しない。木・川・海などの神もまたそうである。これらの物質そのものと神そのものとの区別の立たぬのがおもしろいところで、新シベリア族のほうでは、たとえば石・岡・山・川・木などにしても、それらの内にそれぞれの神が宿っているのであるという思想を持っている。チュクチ、コリヤークになるとこれよりもいっそう原始的であって、物質と神との区別を認めないのである。
( 「二、東北アジア民族の宗教― ―東北アジア民族の分類」 「カムチャツカ」より)
- 第五巻 第四六号 日本周囲民族の原始宗教(二)鳥居龍蔵
- 日本周囲民族の原始宗教
- 三、中部、南シナ民族の宗教
- 中部南シナ
- 漢族、苗(ミャオ)族、
(ロロ) - 四、南東アジア諸島民族の宗教
- フィリピン―
―北部ルソン - イゴロ人
- 台湾 付 紅頭嶼(こうとうしょ)
- インドネジアン―
―生蕃、熟蕃 - 太平洋諸島 付、ニュージーランド
- マレー・ポリネシア族、マオリー人
- 五、結論
- 朝鮮の巫覡(ふげき)
- 一、緒言―
―朝鮮の宗教 - 二、巫人―
―巫覡 - 巫人の社会的地位
- 巫の呼び方
- 巫・覡の区別
- 三、巫(ふ)―
―女巫(おんなみこ) - 祈祷(きとう)
- 四、覡(げき)―
―男覡 - 祈祷
- 五、結論
- なお、台湾の離れ島である紅頭嶼のヤミの方ではいかがかというに、そこでは死者を恐れることがはなはだしい。彼らは生蕃中でもっとも原始的状態にあるもので、この点はわれわれは大いに参考となるのである。予は二か月ほどこの地におって調べたが、人が死ぬと立て膝にしたままで布にて巻き、それを墓場へ持っていくのであるが、その際には二人で死体をかつぎ、他の数人これにしたがい、あるものは刀をぬいて前に進み、あるものは長い鎗をたずさえてこれを守って行く。そして海岸パンダナスの林の中にある墓場に埋める。この途中で、死者が生前の食事にもちいた茶碗・その他の品を路傍に捨て、これに触れぬようにする。死者を埋めて土をかぶせ、その上に一つの石を置き終わると、武装した五、六の会葬人が刀を振りまわしたり、鎗をもって突く真似をしたり、不自然な態度で狂気のごとくに踊り狂う。これは霊魂に対する威嚇であって、これによって生きている人間が霊魂の害を防ぐのであるとしている。かくて一種の叫び声を放ちつつ、自分の家に帰るのである。死者のあった家の軒先にはかならず一本の鎗(Shishikud)を立てておく。鎗に対する神秘的の考えは、前にフィリピン島のイゴロ人のところで述べた、鎗を魔除けにするということと同じ思想である。
( 「四、南東アジア諸島民族の宗教― ―フィリピン」 「台湾」より)
- 第五巻 第四七号 日本周囲民族の原始宗教(三)鳥居龍蔵
- シベリアのシャーマン教より見たる朝鮮の巫覡(ふげき)
- 一、シャーマニズムとシャーマン
- 二、シャーマンの種類
- 三、シャーマンの性
- 女巫より男覡へ
- 四、鏡・太鼓・鈴とシャーマン
- 五、シャーマンの称呼
- 六、シャーマニズムより来たれる朝鮮現存の習俗
- (略)巫子が鏡を持っているということは、ひとり朝鮮ばかりでなく、モンゴルのシャーマンも同様である。モンゴルにおいては今日、ラマの仏教〔チベット仏教〕が盛んであるけれども、興安嶺の中やその他にはまだラマの入らぬ以前のシャーマンがある。それも朝鮮の巫子と同様に鏡を持っている。この鏡は非常に威力のあるもので、悪魔をはらい、悪い霊魂を退ける一つの神体になっている。日本の神体にも鏡になっているのがたくさんあるが、シャーマンを信ずるところでは鏡を非常に威力あるものとしている。朝鮮の巫子もその一例であって、鏡は是非なければならぬものとなっている。そのほかシャーマンに必要なものは太鼓である。もっとも、朝鮮のシャーマンではこれはさほど値打ちのあるものとなっていないが、アジア東北方の古アジア民族やウラル・アルタイ民族の間には太鼓に対する信仰が盛んであって、シャーマンには太鼓が必要なものとなっている。太鼓の音は善良なる神霊は喜ぶけれども、悪い神霊は非常にこれを恐れるというので、きわめて神聖のものになっている。それからいま一つは鈴であるが、この鈴も朝鮮の巫子に必要なる物となっていて、鈴はシャーマンの一つのシンボルといってもよいくらいである。鈴の音は悪魔がもっとも嫌うところのものであるから、祈祷をするときにはかならず鈴を振るのである。日本の巫子も同様に鈴を持っている。しかしてこの鈴は日本のそれと同一の形状である。
( 「四、鏡・太鼓・鈴とシャーマン」より)
- 第五巻 第四八号 日本周囲民族の原始宗教(四)鳥居龍蔵
- シベリアのシャーマン教より見たる朝鮮の巫覡(ふげき)
- 一、シャーマニズムとシャーマン
- 二、シャーマンの種類
- 三、シャーマンの性
- 女巫より男覡へ
- 四、鏡・太鼓・鈴とシャーマン
- 五、シャーマンの称呼
- 六、シャーマニズムより来たれる朝鮮現存の習俗
- (略)巫子が鏡を持っているということは、ひとり朝鮮ばかりでなく、モンゴルのシャーマンも同様である。モンゴルにおいては今日、ラマの仏教〔チベット仏教〕が盛んであるけれども、興安嶺の中やその他にはまだラマの入らぬ以前のシャーマンがある。それも朝鮮の巫子と同様に鏡を持っている。この鏡は非常に威力のあるもので、悪魔をはらい、悪い霊魂を退ける一つの神体になっている。日本の神体にも鏡になっているのがたくさんあるが、シャーマンを信ずるところでは鏡を非常に威力あるものとしている。朝鮮の巫子もその一例であって、鏡は是非なければならぬものとなっている。そのほかシャーマンに必要なものは太鼓である。もっとも、朝鮮のシャーマンではこれはさほど値打ちのあるものとなっていないが、アジア東北方の古アジア民族やウラル・アルタイ民族の間には太鼓に対する信仰が盛んであって、シャーマンには太鼓が必要なものとなっている。太鼓の音は善良なる神霊は喜ぶけれども、悪い神霊は非常にこれを恐れるというので、きわめて神聖のものになっている。それからいま一つは鈴であるが、この鈴も朝鮮の巫子に必要なる物となっていて、鈴はシャーマンの一つのシンボルといってもよいくらいである。鈴の音は悪魔がもっとも嫌うところのものであるから、祈祷をするときにはかならず鈴を振るのである。日本の巫子も同様に鈴を持っている。しかしてこの鈴は日本のそれと同一の形状である。
( 「四、鏡・太鼓・鈴とシャーマン」より)
- 第五巻 第四九号 日本周囲民族の原始宗教(五)鳥居龍蔵
- 人種考古学上より観たる鬱陵島(うつりょうとう)
- 一、総説
- 二、現住民の移住状態
- 三、文献史上に現われたる鬱陵島
- 四、考古学上に現われたる鬱陵島
- 于山(ウサン)国時代の遺跡
- 古墳(ケルン)
- 古墳よりの発掘物
- 当時の文化をしのぶべき桑・楮の野生
- 新羅時代の遺跡
- 石器時代の遺跡
「于山」について - (略)市街村落はおよそ十か所ばかりあるが、内地人の勢力が非常に盛んであって、鮮人の勢力というものはほとんどない。鮮人の住んでいるのは主として谷の上流、あるいは山の非常に高いところで、木を火田に焼きつくして、そうして農をやっている。
(略)ここに来ている内地人はどこの者であるかというと、みな島根県の人ばかり、出雲・隠岐の人である。元島根県の人々がここへ来るのには、小さな舟に乗ってきたものである。いったい島根県の人は、これは朝鮮へ行くとわかるが、江原道・慶尚道・咸鏡道の沿岸は、ほとんど島根県人の勢力範囲のおよんでいるところである。古史に見える出雲と朝鮮との往来というものは、単に昔ばかりでなく、今日においてもやはりおこなわれていることが認められるのであって、ほとんどこの鬱陵島は出雲の人ばかりである。 (略) - この島の島根県人の話によると、風のよいときには小さな舟で一昼夜かかれば出雲の境港まで(三保湾であるが)行ける。また、迎日湾へ行くのにもやはり一昼夜でよい。二十年ほど以前までは、小さな船に筵の帆をかけて日本海を出雲から鬱陵島へ渡ってきたものであるが、今ではかえって沖船が往来するためにそれをやらないが、今ここにいるものは、汽船などに乗らなくても小船で行けるというので、主に帆前船などで往来している。そのほか日本の漁船を利用しているが、近ごろ、船が不足なために非常に困っている。そうして、ここに入っている物品は釜山港を経過しそうなものであるが、みな境港で、取り引きもまたその境港でしている。こういう状態から考えても、この島は出雲との関係を見るによほどおもしろいところである。
( 「一、総説」より)
人名索引
種族・民族名索引
言語名索引
地名一覧
*後記(工作員 日記)
書きかえメモ。
Prehistoric → prehistoric
幾内 → 畿内
手名推・足名推 → 手名椎・足名椎
例擧 → 列挙
Partrie → patrie
パメリエ → パトリエ
阿部比羅夫 → 阿倍比羅夫
フアールス → ファルス
大山祗命 → 大山祇命
播摩 → 播磨
※ 各章題に読点をおぎなった。
大河ドラマ『八重の桜』について。
なにかたりない、と思ってたら、謎の武器商人スネル兄弟のことがまったく欠落してたことに気がついた。初回冒頭、どうやら海外撮影らしいアメリカ南北戦争のシーンからはじまり、戦場に残された銃や武器をひろい集めるという、印象的・象徴的な演出に興奮したんだけれども……。あれが生きてこない。
とくにスネル兄弟の兄ヘンリーは、戊辰当時、会津藩に軍事顧問として迎えられ、日本人妻を娶り二人の娘がいた。山本覚馬がスネル兄弟と面識あったかどうかはわからないが、会津大砲隊に所属した川崎尚之助が兄弟のことを知らないということはありえないし、ということはヘンリーの家族と八重が出会っていたという想像はまったく荒唐無稽なことではあるまい。
今後のドラマ後半に先立ち、なにゆえに山本覚馬と八重が新島襄に賛同し、キリスト教と学校教育に協力してゆくかの下敷きとして、直接、西洋人との邂逅がどこかで濃厚にあったはず。さらにいえば、敗戦をへて心の支えとなる宗教を求めたとしても、なぜ在来の仏教や神道や儒教ではなく「耶蘇教」でなければいけなかったのか。異端の宗教を積極的に選択するにいたる強い必然があったはず。単刀直入にいってしまえば、覚馬や八重らには、既存の仏教や神道や儒教への強い疑問が育っていた可能性があると想像する。
江戸幕府の根幹をなす組織のひとつに寺社奉行があった。江戸の天台宗の拠点。おそらくその触頭(ふれがしら)が東叡山寛永寺だろう。徳川の信仰のシンボル。なぜ薩長軍が寛永寺を攻撃したかといえば、徳川の象徴をたたく意味が一つ。そしてもう一つ、寛永寺が当時の金融機関業務の大きな部分を担っていたから、ではなかろうか。幕府の実質の財布のひもをにぎっていたのは、寛永寺をはじめとする寺社組織だったからじゃないのか。戦争をするもしないも影の金庫番しだい……あ、そうか。東アジアやエジプト、近東やブラジルがどうもきな臭いのは、影の金庫番の胸三寸ってわけか。
既存の仏教や神道や儒教へ強い疑問を抱いていたのは覚馬・八重兄妹や新島襄にかぎったことではなく、明治維新、戊辰戦争と並行して神仏分離・廃仏毀釈がさかんにおこなわれたことは要注意で、上野寛永寺、日光東照宮、会津慧日寺、仙台仙岳院をはじめとするパワースポットが戊辰戦争の主要舞台となったのは偶然じゃない。
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スネル,エドワード・ガルトネル
Schnell, Edward
アカバネ
生没年不詳
オランダ出身。ドイツ人ともいわれる。ヘンリーの弟。貿易商人。
オランダ代理領事の肩書きを持つ外交官。桑名藩兵を柏崎に送ったあと、ふたたび横浜から武器弾薬を満載して新潟に入り、勝楽寺に居宅をかまえる(星 p.65)。米沢藩や庄内藩に武器を売る。慶応4年(1868)3月、船をやとわれて蝦夷地警備の藩士700人を庄内へ送還。戊辰戦争時新潟におもむき上陸。多量の銃を取り引きした。庄内藩本間〓曹との間で銃器売買の交渉を結ぶ。
プロシア人、ライスノルと自称(天皇の世紀)。
◇参考資料『新編 庄内人名辞典』
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スネル,ヘンリー
Schnell, Henry 平松武兵衛
生没年不詳
オランダ出身。エドワードの兄。ドイツ人ともいわれる。プロシア領事フォン・ブラントの館書記官をつとめる。会津藩に軍事顧問として迎えられる。髪を剃り、羽織袴を着て異人館に平松武兵衛と称して居住。
スネル兄弟の出生地は、アフリカ西南のペナン。父はこの地で奴隷商人をやる。黒人が黒人を狩る。黒人同士を争わせてあと白人がたやすく植民地にする。清国の西どなり交趾(コーチ)に短く住む。フランスの属領プロシヤ国領事は追い出されて横浜へ。兄弟は父母の居住する南アフリカに生まれそだつ(長尾、p.292)。
…妻 葉 よう
…娘 フランシス
…娘 メアリー
◇参考資料『来日西洋人名事典』
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会津の農民は、戦局の動向によって時には会津、時には薩長軍の人夫として働き、薩長軍が占領すると、薩長軍の道案内や武器・弾薬・食料の運搬にあたり、会津軍のゲリラ部隊が村落に潜入し、敵を追い払うと「村民雀躍し喜び極まって泣く者あり」といった光景をみせた。会津戦争は地元の民衆を深く巻きこんだ複雑多岐な戦いであった(星 p.169『歴史春秋』
*次週予告
第六巻 第一号
美しい村(一) 堀 辰雄
第六巻 第一号は、
二〇一三年七月二七日(土)発行予定です。
月末最終号:無料
T-Time マガジン 週刊ミルクティー* 第五巻 第五二号
日本周囲民族の原始宗教(八)鳥居龍蔵
発行:二〇一三年七月二〇日(土)
編集:しだひろし / PoorBook G3'99
http://www33.atwiki.jp/asterisk99/
出版:*99 出版
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