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レズ小説★一七同盟★
1
レズ小説★一七同盟★
投稿者:
リリー
投稿日:2006年12月09日(土)23時56分14秒
CAST
一木有海
藤本七海
2
☆レス550までを見る☆
551投稿者:
(*^ー゚)b
投稿日:2006年12月28日(木)23時51分22秒
552投稿者:
リリー
投稿日:2006年12月28日(木)23時54分18秒
13
七海がジーナから屈辱的な仕打ちを受けた同時刻、有海の方は学園内の保健室の侵入に成功していた。
部活動に参加していない有海がこんな遅くまで学園内に残っているのは珍しいことだった。
有海は保健室の鍵を握り締めながら、階段と倉庫の影でじっと隠れていた。
保健室の前から人がいなくなる時間まで待っていたのだ。
そして一時間程待って、ようやく有海は保健室内にいる。
有海は内側から鍵をかける。
七海から受け取った盗聴器をポケットから取り出す。ポケットティッシュに仕込めるくらい、小さくて薄い盗聴器だ。
「どこに仕掛けよう?」
有海は保健室を見回して考える。
七海が角田の上着ポケットに仕込んだ盗聴器はよく聞こえた。
つまり、人の近くの方が声は拾いやすい。
有海は中川の仕事机の近くがベストだと判断した。
553投稿者:
リリー
投稿日:2006年12月28日(木)23時54分46秒
中川の仕事机を見る。ノートパソコン、書類、ファイルが几帳面に並べられている。
そして奥には本棚とアニメのキャラクターのフィギュアが並んでいる。
この机の中で、盗聴器を仕掛けても目立たない所を探す。
引き出しには鍵がかけられていて開かない。
有海は本棚の裏に仕掛けることにした。
盗聴器に両面テープを貼り付け、手を伸ばして取り付けた。
その際、フィギュアに肘が触れ、数体倒してしまった。
有海は慌てて倒れたフィギュアを並べる。
すると、保健室のドアの向こうから声が聞こえる。
「保健室の鍵を失くすなんて…。気をつけなさいよ、翔子」
「違うわ。たぶん生徒が気付かずに持って帰ったのよ。でも、見られて困るような物は置いてないから大丈夫よ」
(え…?中川先生…?帰ってきたの?)
554投稿者:
リリー
投稿日:2006年12月29日(金)00時11分05秒
有海は焦った。
この間の七海との抱擁の時もそうだった。中川はいつも突然帰ってくる。
有海は急いでフィギュアを並べ終えると、どこに隠れようか考えを巡らす。
「合鍵持ってるんでしょ?早く開けて」
中川ではない、もう一人の女の声。
(机の下…?ダメ!狭すぎる!ベッドの下?ダメ!遠すぎる!どうしよう?どうしよう?)
ここに七海はいない。自分で決めなければならない。
中川の私物用ロッカーが目に入った。有海が入れるような大きさである。
ガチャガチャとドアの鍵を開ける音がする。
迷わず有海はロッカーに向かう。
ロッカーに鍵がかけてあったらアウトだ。いや、仮に開いたとしても、中にビッシリと荷物が入っていてもアウトである。
ロッカーの戸が開いた。中も有海がギリギリ入れる空間がある。
有海がロッカーの中へ入り、戸を閉めた直後、保健室のドアが開いた。
戸を閉めた振動で棚の上の本が落ちてきた。有海は寸でのところで受け止めた。
その本は、楳津かずおの「まだらの少女」だった。
「ぎ…!」
ヘビ女の表紙の絵に、有海はもう少しで声をあげそうになるところだった。
中に入ってきたのは二人の女性のようだ。一人は中川、もう一人は…?どこかで聞いた声だ。
有海はロッカーの隙間から外を窺う。しかし、有海の視界には二人の姿は見えない。
555投稿者:
リリー
投稿日:2006年12月29日(金)00時12分02秒
月曜の一時間目はホームルームである。この時間を利用して七海は6年B組の生徒に紹介されることになった。
当たり前だが、まったく同じ制服に身を包んだ少女がじっと七海を見詰める。七海は落ち着かなかった。大阪から下関の小学校に転校した時は、こんなに緊張しなかった。
「今日からこのクラスの仲間になる藤本七海さんです。みんな仲良くしてあげてくださいね」
「藤本七海です。下関から来ました。下関の前は大阪にいました。東京に来るのは初めてです。みなさん、どうぞよろしゅうお願いします」
すると、クラスメイト達は途端にクスクス笑い出した。ドッと笑う明るいものではない。何か含みのある、悪意や侮蔑の感じられるものだった。
「聞いた?」「よろしゅうお願いします、だって」「私、大阪弁、生で始めて聞いちゃった」「その内漫才とかするんじゃない?」
僅かにこんな会話が聞こえてきた。
七海は溜息をついた。それがあからさまだったのか、何人かの者は眉をひそめた。
「先生、私の席はどこですか?」
「ああ、あそこの一番後ろの席が空いてるでしょ?あそこい座ってちょうだい」
七海はツカツカとその席まで歩いた。
「ええかげんにしなさい」「でんがな、まんがな」
ヘタクソな関西弁が七海に投げつけられた。
(ああ、聞こえへん、聞こえへん…。何や、お嬢様学校って言っても、程度低。下関の方がよっぽどマシやったわ)
七海はできるだけ音をたてて席に着いた。みんなチラチラと七海を見る。
七海は頬杖をついた。
(ここもアカン。ウチの居場所やあらへん。…て、言うても、今までウチの居場所なんてなかったな…)
七海は大阪のこと、下関のことを思い出した。七海には決して親友は、心の奥でつながる様な友人はできなかったのだ。
556投稿者:
リリー
投稿日:2006年12月29日(金)00時12分40秒
「それで?それで次はどうするの?」
「それからプロテクター、レガース、マスク、ヘルメットや」
「へ?何?それ?」
「何?それ?て…。用意してへんの?」
「ごめんなさい!山口先生に借りてくる!」
有海は慌てて駆け出したが、しばらくするとまた七海のもとへ戻ってくる。
「え…と、何だっけ?ごめんなさい…。プロテインと?レガッタと?」
「あんた…それは突っ込んで欲しいの…?」
「ごめんなさい!ごめんなさい!初めて聞く言葉だから…」
「もうええ!もうええ!はよ始めるで!ウチもはよう帰りたいんやから」
「ごめんなさい」
「いちいち謝らんでええ!はよ、そこ座り!」
「座る?」
「キャッチャーが座らんで、球放れるかい!キャッチボールやないんやから。はよ座り!」
有海はその場にチョコンと正座した。
七海は今度こそ本当に頭を抱えた。
557投稿者:
ミスしても気にしない
投稿日:2006年12月29日(金)00時13分16秒
558投稿者:
リリー
投稿日:2006年12月29日(金)00時13分22秒
「あ、そうそう。今のバスケの試合、うちのソフトボール部のエースピチャーが出てるのよ。見てみましょうよ」
「え?ソフトボール部なのにバスケ?」
「細川さんって言ってね、スポーツ万能なのよ。実はうちの部には助っ人程度しか参加しないんだけど…他にも陸上部、水泳部、テニス部、合気道部、一輪車部と、もう引っ張りだこなの。でも、一番力を入れてるのがバスケ部なんだけど」
「ふ〜ん…ちょっと興味あるかな?」
「そう?じゃあ、見ていきましょ!」
二人は体育館へと向かう。体育館は白い壁で(ここの学校は何でも白い)大きなステンドグラスが何枚も飾られている。前に通っていた下関の学校の体育館の4倍はある大きさだ。まさにお金持ちのお嬢様学校である。
「大きいでしょ?ここは初等部と中等部が一緒に使うから。高等部はもっと大きくて立派だけど」
七海達が中に入るが、人の壁ができていて、中々試合が見られない。
「藤本さん、こっち、こっち」
山口がステージの上に手招きする。七海はステージに上がって、ようやく試合を見ることができた。
七海は、山口に教えられるまでもなくその細川という子が誰だかわかった。
559投稿者:
リリー
投稿日:2006年12月29日(金)00時13分49秒
有海が放課後の練習を呼びかけても、誰も来るはずはなかった。
七海も帰りかけたのだが、陽の落ちた広いグラウンドに、山口から借りたのであろう十数個のグローブ、数本のバット、籠いっぱいのボールを横に、一人でポツンと立っているジャージ姿の有海を見ていると何かしてやりたくなった。
教室でもそうだったのだが、そんな有海を見ていると、苛立ちと切なさを感じてしまうのだ。
「誰も来ぃへんな」
七海は有海の背中に呼びかける。
振り返った有海の顔は、驚きの表情と、次に満面の笑顔を浮かべた。
(また…なんちゅう顔してんねん!)
七海は思わず笑ってしまった。
「藤本さん…来てくれたの?」
「一木さんがキャッチャー教えて欲しい、言うてたやん」
「うん!うん!そうだね。キャッチャーって、どうすればいいの?」
有海は側にあったグローブをはめた。
「まずグラブがちゃう!キャッチャーミットや!それや!その大きいの!」
「あ…うん、うん。これね?へえ…キャッチャー専用のグローブなんてあるんだ…。うわ、これ、硬い。動かせないよ…」
(おい、おい、マジかいや…。そんなことも知らへんのかい…)
七海は頭を抱えそうになった。
560投稿者:
リリー
投稿日:2006年12月29日(金)00時14分29秒
教室に備え付けてある電話が鳴った。山口は受話器をとる。
「はい、はい、わかりました。すぐに職員室に行きます」
山口は受話器を置く。
「一木さん、先生、ちょっと用事ができたから、後はよろしくお願いね」
「あ、はい…。わかりました」
山口は慌てて教室を出て行った。
今まで静かだった教室が途端に騒がしくなる。みんなどの種目に出るか相談でもしているのだろう。しかし、七海は自分には関係ないことと、空の雲を眺めていた。
「あ、あの…自分のやりたい種目の下に、名前を書いて下さい…」
一木の声は雑談にかき消されそうだった。七海の耳に雑談の内容が断片的に入ってくる。
「ねえ、ねえ、昨日のドラマ見た?」「家の親父がさ、携帯使いすぎだから、今月はもう使うな、とか言うの。超ウザイ」「ねえ、あの子、彼氏と別れたらしいよ。まだ一ヶ月しか経ってないっつうの」
(なんや?みんなもやる気あらへんやん)
一木を見るとオロオロしながらみんなに呼びかけている。
「あ、あの…まだメンバーが決まってないの、B組だけなんです。今日中に決めないと…」
「だったら、有海だけでやれば?」
「そうだよ、有海は学級委員なんだからさ、クラスを代表してがんばってよ」
クラス中がキャハハと笑った。七海の癇に障る笑い声だった。
561投稿者:
リリー
投稿日:2006年12月29日(金)00時15分06秒
理沙は七海を自分の前に座らせた。
「七海ちゃんのお母さんは、ようこんな風に身体を洗うてくれはったわ。こう、指でね…」
理沙はタオルではなく、自らの手で七海の身体を洗い始めた。
「うひゃ!嫌や、くすぐったい!」
「じっとしとき。よう、洗われへん。じきに気持ちようなるから…」
理沙の細いしなやかな指は七海の身体のありとあらゆる所に滑り込んでくる。とても懐かしい感じがする。
七海は目を瞑った。
「あ…思い出した…。小さい頃、お母ちゃんがよくこうやってウチを洗ってくれた…。タオルで洗うと痛がるから…」
七海の目から涙が落ちた。
「お母ちゃん…。お母ちゃんに会いたい…。お母ちゃんとまた一緒に暮らしたい…」
理沙は七海を後ろから抱きしめた。
「七海ちゃん…」
「うぇぇぇ〜ん…お母ちゃ〜ん…」
理沙の肌の温もりが有り難かった。
七海は初めて母親以外の者の前で泣いた。
562投稿者:
リリー
投稿日:2006年12月29日(金)00時15分32秒
「細川さん…どうしたの?あなたの口からそんな言葉が出るなんて…」
中川は心底驚いている様子だ。
「あなた、TIM無しでどうするっていうの…?」
「私、もうTIMに頼るのはやめたんです!私の力だけでどれだけできるか試してみたいの!」
「一体、どうしたていうの?先生に話してみて…」
「球技大会です…一昨日の…」
「球技大会?ソフトボール?あれ、凄かったわね。凄いホームランだった」
「それ…私の力じゃありません…。TIMの力です。いえ、あれだけじゃない。今までの全てのスポーツや大会、みんなTIM…。私じゃない!」
「何を言ってるの?あれはあなたの実力よ。TIMはその手助けをしたに過ぎないわ…」
「卑怯です!私は卑怯なんです!藤本さんは自分の力でがんばってた!それなのに、私は…私は…TIMなんかに…。私は恥ずかしいです!」
(うわ…、またウチの名前が出てきた…)
七海は肩をすくめた。どうやら自分は自分が思っている以上に人に影響を与えているらしい。しかし、卑怯とはどういうことだ?あの勝負はどう考えても正々堂々としたものだった。完敗だったが…。
563投稿者:
リリー
投稿日:2006年12月29日(金)00時16分01秒
山口はA組担任の井上のもとへ抗議に行く。
「ちょっと、井上先生!どういうことですか?細川さん、バスケに出るんじゃないんですか?」
井上は、山口が顔を近づけて言い寄ってきたので、困ったような、嬉しいような表情で言い訳をする。
「いや、あのですね、うちの藍がバスケに出てしまうとダントツで我がA組が優勝してしまうでしょ?こういう球技大会は勝利よりもみんなで楽しむことが大切だと思うんです。だから藍にはバスケにエントリーするのを自粛させました」
「でも、細川さんの投げる球を打てる子はいません!」
「それは心配御無用!藍にはキャッチャーをやらせます」
「でも、細川さんはどんな球でもホームランにしちゃいますよ!」
「それも心配御無用!藍は打席に立ちません。DH制で他の者に打たせます」「バスケに藍さんが出ると思って、うちのクラスのバスケ部はみんなバレーにエントリーしてしまったんです!」
「あらら…我がクラスのバレーチームは、バレー部で揃えてしまいました…。これは明らかに作戦ミス。策士、策に溺れるってやつですな?」
「もう!井上先生!」
山口はキツメに井上の肩を叩く。井上は物凄く嬉しそうだ。そんな二人の間に、細川藍が割り込んでくる。
「ねえ、マーくん!藍、キャッチャーだけなんてツマンナイよ!」
藍は頬を膨らませながら井上の脇腹を突いた。美少女の藍にそうされて、これも井上は嬉しそうだ。
「我慢しなさい。リトルリーグの試合にメジャーリーガーが出たら大人気ないでしょ?」
「だって、藍、まだ子供だもん!」
藍は外見に似合わず、喋り方は随分幼い印象を与える。
「もう、バカにしてるわ!それでもうちのクラスに勝つつもりでいるんだから!」
山口は怒り心頭で七海達のところへ戻った。
(いや…現にこのチームじゃ勝てへんやろ…)
七海は勝利など端から諦めていた。
564投稿者:
リリー
投稿日:2006年12月29日(金)00時16分28秒
長い白く輝く廊下を、七海は担任と歩く。
「先生、すいませんでした」
「え?何が?」
「ウチのワガママで余計な仕事を増やしてしまって…」
山口はクスクスと笑った。
「いいのよ、藤本さん。そんなこと気にしなくても。まるで大人みたいに気を使うのね」
「はい、それはもう、商売人の娘やさかい…」
「ご商売って…お母さんの方の?」
「はい。たこ焼き屋やってました。それを毎日手伝ってました。結構評判良かったんですよ。先生にも食べてもらいたかったわぁ」
「お母さんのことが好きだったのね。だからお母さんの苗字を?」
「ええ。お父ちゃんと初めて会ったのは、お母ちゃんが死んでからなんです。どんだけ偉い政治家か知らんけど、今日からお前は角田や、なんて急に言われて、あ、さよか、なんて納得でけへん。だから親子別称ですわ」
「そう…。それで…。でも、その内お父さんとも仲良くなれるわ。だって血のつながった親子なんですもの。それから藤本さん…」
「何ですか?」
「それを言うなら別姓よ。親子別姓」
「あ、そうなんや。勘違いしてもうてた。恥ずかしいわぁ」
二人はケラケラと笑い合った。しかし七海はおう考える。
(この先生は優しくて、ええ感じやわ。でも、間違うてる。親父と仲良くなんてでけへん!あんな、お母ちゃんとウチをほったらかしにして。そんで政治家としての名前に傷がつくのを恐れてやっとウチを認知して…。なんでお母ちゃんが病気の時に来てくれへんかったんや!)
565投稿者:
リリー
投稿日:2006年12月29日(金)00時16分53秒
「もっと七海センパイで遊んでいたいんですが、残念ながら先生の回診の時間です。ジーナ達がこんなことしてるのを見られたら、いくらジーナがセレブでも叩き出されてしまいます」
ジーナは七海から脱がしたパンティを拾う。
「だから、この続きはまたの機会に…」
七海はガックリと膝を落とした。
「はい、お疲れ様でした…!TIMはまた今度あげます。気が向いたら家に来てください。その時までに七海センパイのパンツはジーナが預かっておきますんで…」
ジーナは七海のパンティを丁寧に畳むと、自分のブレザーのポケットに入れた。
「では、ジーナは帰ります。七海センパイは引き続き藍センパイに語りかけておいて下さいね」
「ちょ、ちょい待ち!ウチにノーパンで帰れ、言うんか?」
「スリリングですよ〜!ノーパンライフ!一度お試しあれ!では、See you!」
ジーナは病室を後にした。七海はゆっくり立ち上がる。
「あのガキ…!こないな屈辱、初めてや!」
そして藍の手をそっと握る。
「大変やったんやね…。細川さん…」
566投稿者:
リリー
投稿日:2006年12月29日(金)00時17分15秒
七海の舌が有海の唇をそっと撫でる。
有海の上唇が、七海にそっと噛まれる。
有海がマンガやドラマで見たキスとは違う。何か、七海の身体が自分の身体の中に入り込んでしまったような、そんな奇妙な気持ちがした。
今度は随分長く七海は有海の唇を吸い続ける。その間、有海は瞬きも呼吸も止まったままだった。
ようやく七海は顔を離した。
「ふ、藤本さん…ど、どうして…?」
「一木さんは、ウチのことわかってくれるんよね?受け止めてくれるんよね?」
「で、でも…」
「びっくりした…?でも大丈夫や…。ウチに任せといて…」
七海の手は有海の膝に置かれる。そしてその手は太ももをゆっくりと這い上がり、スカートの裾を巻き込んでいく。
有海のスカートから、白いパンティが晒される。七海の指は有海の敏感な部分に触れた。
567投稿者:
リリー
投稿日:2006年12月29日(金)00時17分29秒
「あ…あの…」
有海の言いかけた言葉を、七海が自らの唇でそっと塞いだ。
七海の中指が壊れ物を扱うように有海の大事な所に触れる。
自ずと有海の足が開かれる。何度も何度も指でなぞられる。
「どう?一木さん…。気持ちいい?」
七海は愛しい我が子を見つめる母のような顔をする。そして有海は、子供のように、七海に全てを委ねている。
「はぁ…はぁ…」
有海の呼吸が荒くなる。鼓動が早くなる。目には涙が溜まってきた。
「心配いらん…怖ない…怖ないで…。目、つむって…」
言われるまま、有海は目をつむった。まるで自分の身体が空に浮いているような感覚に包まれた。
(気持ちいい…)
ゆっくり、ソファの背もたれに身体を傾ける。
このまま眠ってしまってもいい…。そう思った時、七海の指がパンティの中に入ってきた。
有海は目を開いた。その直後、ばね仕掛けの人形の様に跳ね起きて、七海を突き飛ばしていた。
568投稿者:
リリー
投稿日:2006年12月29日(金)00時17分54秒
そして世界は滅んだ
(完)
569投稿者:
リリー
投稿日:2006年12月29日(金)00時18分15秒
「きゃ!」
ドアを開けた七海は、咄嗟に両手で顔を覆った。
なんと、そこには裸が…服を脱いだ七海が、自分の全てをさらけ出して立っていたのだ。
「いらっしゃい、一木さん」
七海は微笑の表情で言った。右手には有海のメガネがある。
「ふ、藤本さん…!な、なんて恰好してるの!」
有海は前を見ることができない。
「戻ってくると思ったわ。だって、あない気持ち良さそうにしてたもんな」
「ち、違うよ!メガネ…メガネを取りに…」
「それだけ?」
「そ、それだけだよ!」
やっぱり七海はおかしい。有海は戻ってきたことを後悔した。
「ふ〜ん…。ほな、勝手に取って帰ればええやん…」
七海は有海のメガネを自分の顔にかけた。
「うわ〜、グラグラする…。一木さん、目、悪いんやな…。勉強のしすぎとちゃうの?」
「か、返してよ!」
「だから、ここまで取りに来たらええがな」
有海はなるべく七海の裸を見ないように近づく。そして恐る恐る七海の顔に手を伸ばす。
すると七海は、自分の目の前にある有海の右手を強く掴んだ。
570投稿者:
リリー
投稿日:2006年12月29日(金)00時18分35秒
「ど、どうして?名前で読んだらいけないの?」
「どうしてもこうしてもあらへん!なれなれしく下の名前で呼ぶな、言うてんねん!」
「だ、だって…私達、友達になったんだし…。友達だったら下の名前で…」
「勝手に友達言うな、言うとんねん!あんたなんか友達やない!あんたみたいなドン臭いやつ、イライラすんねん!」
「そ、そんな…私は…」
「今度、七海ちゃんなんて読んでみぃ!もう片方のレンズもカチ割ったろかい!?」
「ご、ごめんなさい…」
暗くてよくわからないが、有海の目から涙がこぼれたようだ。
七海はその涙に気付かない振りをして、踵を返して有海から離れていった。
しばらく歩いて七海は後ろを振り返る。有海が散らばったボールを集めていた。七海の心は罪悪感で締め付けられた。
(あかんねん…。ウチは友達つくったらあかんねん…。傷つけてまうんや…あんたも…私も…)
七海は大阪で、下関で、二度と友達はつくらないと心に決めていたのだった。
571投稿者:
555から壊れてるし
投稿日:2006年12月29日(金)00時23分22秒
572投稿者:
リリー
投稿日:2006年12月29日(金)00時24分24秒
すいません
今日は更新やめときます
またいゆか、12章から改めて開始します
573投稿者:
リリー
投稿日:2006年12月29日(金)00時27分46秒
まんこうpしてください
574投稿者:
荒らされたね
投稿日:2006年12月29日(金)00時28分51秒
残念だけど、また楽しみにしてます
575投稿者:
>554
投稿日:2006年12月29日(金)00時40分20秒
×楳津かずお
○楳図かずお
です。
576投稿者:
リリー
投稿日:2006年12月29日(金)00時43分11秒
>575
すいません
また改めて訂正します
ご指摘ありがとうございました
577投稿者:
リリー
投稿日:2006年12月29日(金)00時49分46秒
>572
訂正します
13章からまた近い内に更新し直します
578投稿者:
はい
投稿日:2006年12月29日(金)10時15分08秒
お待ちしております
579投稿者:
117
投稿日:2006年12月29日(金)12時51分07秒
このお話前から読んでいますが、おもしろい展開になってきましたね。
大変だと思いますが、がんばって!更新、期待しています!あげ〜。
580投稿者:
あげ
投稿日:2006年12月29日(金)19時22分27秒
581投稿者:
リリー
投稿日:2006年12月29日(金)19時28分17秒
>540からの続きです
それでは更新します
582投稿者:
リリー
投稿日:2006年12月29日(金)19時29分12秒
13
七海がジーナから屈辱的な仕打ちを受けた同時刻、有海の方は学園内の保健室の侵入に成功していた。
部活動に参加していない有海がこんな遅くまで学園内に残っているのは珍しいことだった。
有海は保健室の鍵を握り締めながら、階段と倉庫の影でじっと隠れていた。
保健室の前から人がいなくなる時間まで待っていたのだ。
そして一時間程待って、ようやく有海は保健室内にいる。
有海は内側から鍵をかける。
七海から受け取った盗聴器をポケットから取り出す。ポケットティッシュに仕込めるくらい、小さくて薄い盗聴器だ。
「どこに仕掛けよう?」
有海は保健室を見回して考える。
七海が角田の上着ポケットに仕込んだ盗聴器はよく聞こえた。
つまり、人の近くの方が声は拾いやすい。
有海は中川の仕事机の近くがベストだと判断した。
583投稿者:
リリー
投稿日:2006年12月29日(金)19時29分43秒
中川の仕事机を見る。ノートパソコン、書類、ファイルが几帳面に並べられている。
そして奥には本棚とアニメのキャラクターのフィギュアが並んでいる。
この机の中で、盗聴器を仕掛けても目立たない所を探す。
引き出しには鍵がかけられていて開かない。
有海は本棚の裏に仕掛けることにした。
盗聴器に両面テープを貼り付け、手を伸ばして取り付けた。
その際、フィギュアに肘が触れ、数体倒してしまった。
有海は慌てて倒れたフィギュアを並べる。
すると、保健室のドアの向こうから声が聞こえる。
「保健室の鍵を失くすなんて…。気をつけなさいよ、翔子」
「違うわ。たぶん生徒が気付かずに持って帰ったのよ。でも、見られて困るような物は置いてないから大丈夫よ」
(え…?中川先生…?帰ってきたの?)
584投稿者:
リリー
投稿日:2006年12月29日(金)19時30分14秒
有海は焦った。
この間の七海との抱擁の時もそうだった。中川はいつも突然帰ってくる。
有海は急いでフィギュアを並べ終えると、どこに隠れようか考えを巡らす。
「合鍵持ってるんでしょ?早く開けて」
中川ではない、もう一人の女の声。
(机の下…?ダメ!狭すぎる!ベッドの下?ダメ!遠すぎる!どうしよう?どうしよう?)
ここに七海はいない。自分で決めなければならない。
中川の私物用ロッカーが目に入った。有海が入れるような大きさである。
ガチャガチャとドアの鍵を開ける音がする。
迷わず有海はロッカーに向かう。
ロッカーに鍵がかけてあったらアウトだ。いや、仮に開いたとしても、中にビッシリと荷物が入っていてもアウトである。
ロッカーの戸が開いた。中も有海がギリギリ入れる空間がある。
有海がロッカーの中へ入り、戸を閉めた直後、保健室のドアが開いた。
戸を閉めた振動で棚の上の本が落ちてきた。有海は寸でのところで受け止めた。
その本は、楳図かずおの「まだらの少女」だった。
「ぎ…!」
ヘビ女の表紙の絵に、有海はもう少しで声をあげそうになるところだった。
中に入ってきたのは二人の女性のようだ。一人は中川、もう一人は…?どこかで聞いた声だ。
有海はロッカーの隙間から外を窺う。しかし、有海の視界には二人の姿は見えない。
585投稿者:
リリー
投稿日:2006年12月29日(金)19時30分41秒
「私…もう耐えられない…」
「あなたは優しすぎるのよ…。翔子…」
「だって…彼女がああなったのは、私のせいよ!」
「違うわ…。彼女のミスよ」
「だって、ジーナにTIMを持たせたのは私。私が直接渡していたらこんなことには…」
「いい?これは多くの人間の人生がかかったプロジェクトよ?下らない感傷に浸っているんじゃないわよ!」
もう一人の方の声は随分と厳しい印象を与える。
(一体、誰だろう…?TIMの話しをしている…。ん…?この声…!)
「さあ、翔子…。コッチへおいで…」
二人はベッドの方へ向かう。後姿が見える。
「さ、ここに座って…。顔を上げなさい」
その謎の女が中川の前に回りこんだ。そのため、彼女の顔が確認できた。
(やっぱり!)
有海が思った通り、もう一人の女は、新校長の加藤夏希だった。
(凄い!こんな瞬間に立ち会うなんて!盗聴器を取り付けるまでもなかったわ…!)
有海は最重要人物の密談を直接聞くこと、その好機と責任感、そして恐ろしさに身体が震えた。
しかし、もしこの密談で話しの核心に触れることができたら…きっと七海は自分を褒めてくれる。
そう考えることで、有海は自分の心を強く持つことができた。
物音を立ててはいけない…。震えはロッカーを伝わって音を立てる。
有海は息をするのも必要最低限にし、じっと二人を見つめる。
586投稿者:
リリー
投稿日:2006年12月29日(金)19時31分09秒
今日はこれでおちます
587投稿者:
しょこたんとナッキー
投稿日:2006年12月29日(金)19時32分54秒
588投稿者:
age
投稿日:2006年12月30日(土)10時24分54秒
589投稿者:
リリー
投稿日:2006年12月30日(土)14時02分31秒
更新します
590投稿者:
リリー
投稿日:2006年12月30日(土)14時03分34秒
夏希は優しく中川の髪の毛を撫でた。
「翔子は学生の頃から変わらない…。優しくて、泣き虫で…。いつも私の手を焼かせて…。でも、そんなあなたが大好きよ…」
「夏希先輩…。ごめんなさい…。いつも、いつも迷惑かけて…」
「ううん…迷惑なんかじゃないわ。あなたを支えることは私の喜びなの…。でもね、これは違う。これは私とあなたの間のことだけではないのよ。角田先生、フレドリック…巨大なモンスターの力がこのプロジェクトを支えてるの。あなたもそのモンスターの一部にならなければダメ!」
「私が…モンスターに…?」
「可愛い、翔子…。あなたをモンスターにしなければいけないなんて…。私には耐えられない!でもね、私は強くならなくちゃ…!あなたも強くなって…。ね、翔子…」
「夏希先輩…。角田先生もフレドリックも関係ない…。私…夏希先輩の為に強くなるわ…」
「決心してくれたのね?嬉しいわ…」
「ごめんなさい…先輩…。私、強くなる…」
「ああ…翔子…。私の可愛い翔子…」
二人はキスをした。
ロッカーの中の有海はその様子を見て驚いた。まるで夏希が七海、翔子が自分に姿が重なったからだ。
(でも…この人達は悪い人達なんだ…!細川さんをあんな目に遭わせた…!)
夏希は翔子のスカートに手を入れる。そしてストッキングをビリビリと裂いていく。
「あ…あ…夏希先輩…!」
「平気でしょ?翔子…。後は家に帰るだけなんだから…」
翔子と夏希は服を脱がしあう。有海は昨日の七海との情事を思い出す。
(だけど…だけど、私達とつながっているものが、この人達は違う…!私達とは違う…!)
有海は自分に何度も言い聞かせた。
591投稿者:
リリー
投稿日:2006年12月30日(土)14時04分13秒
大人の愛し方がそこにはあった。まるで獣のような声をあげ、色々な姿勢で身体を絡ませる。
この二人を見ると、肌に触れ合ったり、抱き合ったりするだけの、自分と七海の愛し方は酷く幼稚に思えてきた。
有海は自分の身体の中から、熱い物が込み上げてくるのを感じた。
そして自分の指がスカートの中に入っていくのに気がついた。
(わ、私、何やってるんだろう…?こ、こんなことしてる場合じゃないのに…!)
二人の行為は長かった。それを一部始終見ていた有海は、すっかり疲れ果ててしまった。
二人は服を着ながら、密談の続きを始めた。
「フレドリックの使いはもう来たのね?」
「ええ…TIMを、ゴルゴ、レッド、合わせて10個…」
「細川さんに代わる実験体を見つけた?」
「いいえ…まだ…」
(細川さんに代わる実験体…?)
藍のような犠牲者がまた出ることになる?
「角田先生の娘さんなんかどう?」
「藤本…七海さんですか…?」
592投稿者:
リリー
投稿日:2006年12月30日(土)14時06分47秒
(ええ!?藤本さんが…!?)
有海は危なく物音を立ててしまうところだった。
「確かに…彼女は運動神経はいいです。でも、彼女は部活には…」
「スポーツのデータはもう細川さんで充分。しかも細川さん以上の素質でなければやる意味がないわ」
「じゃ、じゃあ、どういうデータを?」
「藤本さんの学力…あれは酷いなんてもんじゃないわ。角田先生の娘さんだから裏口入学させてあげたけど…」
「つまり、学力面のデータを?それなら今まででも…」
「今までは秀才を天才にするデータだった…。今度は並以下の学力がどこまで伸びるか、データが欲しいの。そうしたら公立の学校でもTIMの需要が広がるわ…」
(藤本さんが…今度は藤本さんが細川さんのように…?)
有海は気が遠くなりそうだった。
「それにね、これは私の感なんだけど、藤本さんは勉強はダメでも頭は良さそうなのよね。TIMで後押ししてやれば、あれは大人物になるわよ…。角田先生の娘さんですものね」
「でも…藤本さんがこちらの誘いに乗るとは思えないわ…」
「大丈夫、末の妹のジーナを差し向けたから」
「ジーナ?彼女が?」
「あなた、知らないんだったわね。ジーナも実験体の一人なの。あの子、もうすでに人間じゃないから」
「ど、どういうことですか…?人間じゃない…?」
「いざとなったら、力ずくでTIMを彼女の口の中に放り込むわ。でも、あの子のことだからね…。余計な遊びをしなけりゃいいけど…」
(い、今、藤本さんは、あのジーナという子と一緒にいる…!藤本さんが危ない!)
有海は今すぐロッカーから飛び出して七海の所に駆けつけたい気持ちになった。
593投稿者:
リリー
投稿日:2006年12月30日(土)14時07分40秒
今日はこれでおちます
594投稿者:
あげます
投稿日:2006年12月30日(土)17時43分55秒
595投稿者:
今年も最後
投稿日:2006年12月31日(日)09時49分41秒
リリーさんも、よいお年を!
あげ!
596投稿者:
リリー
投稿日:2006年12月31日(日)10時41分48秒
>595
はい、ありがとうございます
今年最後の更新です
597投稿者:
リリー
投稿日:2006年12月31日(日)10時43分13秒
「それじゃ、私はこれで帰るけど…。翔子、どう?今夜私の家に来る?」
「…いえ…遠慮しておきます…。やらなければならないことがあるので…」
「そう…。でも、あんまり思いつめないでね…」
夏希は保健室から出て行った。中川はしばらくベッドの上で天井を見つめていた。
ロッカーの中の有海は足下を見る。そこにはピンクのプラダのハンドバッグが…。そして有海の血の気がひいた。
もしかしたら、中川は帰る前にこのロッカーを開けるかもしれない。
(ど、どうしよう…!どうしよう…!み、見つかっちゃう!見つかっちゃうよ!)
有海はロッカーの中で泣き出しそうになった。
しかし、これは中川のセカンドバッグかもしれない。別のハンドバッグを今、中川が持っているのだ。
大きな不安を抱えながら、有海は中川の動向をじっと見つめる。
中川は目の前の机の上を見る。次にベッドから立ち上がり、机の前まで歩み寄る。しばらくして、ドアの方へ歩いていった。
そしてドアが開く音。閉じる音。
中川が保健室から出て行ったようだ。
有海はホっと胸を撫で下ろす。
(よかった…。見つからなかった…。今のうちに帰らないと…)
有海はロッカーの戸を開け、外に出た。
「やっぱり隠れていたのね…。あなたは…一木さん?」
有海は思わずドアを見る。心臓が止まりそうになった。
そこには中川がいた。中川はドアを閉めただけで、保健室から出ていなかったのだ。
有海は生きた心地がしなかった。
598投稿者:
リリー
投稿日:2006年12月31日(日)10時45分01秒
「どうして…!あなたが…!ロッカーの中に…!コソコソと…!」
中川は凄まじい形相で有海に近づいてくる。
「あ…あ…あの…わ、私…」
中川は、パニックに陥っている有海の制服のネクタイを掴むと、力いっぱい引き寄せた。
そして有海を床に叩きつけた。
「あう…!」
有海の膝に痛みが走る。
「どうしてあなたが隠れているとわかったのか、教えて欲しい?」
中川は有海を見下ろしている。
「あ…あ…」
冷たい目…。いつもの優しい、しょこたん先生の目ではなかった。
「フィギュアの並び順が違う…。いつもはレイ、シンジ、アスカの順番で並べてるのに、レイ、アスカ、シンジになってた。誰かがここに入って動かしたのよ…」
そのアニメを知らない有海は、中川が何を言っているのかわからない。
599投稿者:
リリー
投稿日:2006年12月31日(日)10時45分24秒
「何をしていたの…?一木さん…。エヴァに興味あったの?」
「あ…あ…き、気分が…気分が悪くなって…」
「それでロッカーの中に?」
「きゅ、急に先生が…帰ってきたから…」
「隠れる理由にはならないわね!」
中川はしゃがんで目線を有海に合わせる。
「あなた…成績はいいけど…嘘をつくのはヘタクソねぇ…。鍵がかかってたのに、どうやって保健室に入ったの?」
有海は恐る恐るブレザーのポケットから、震える手で保健室の鍵を出した。中川は毟り取るように鍵を奪う。
「で…何を聞いたの?」
「…え?」
「私と校長先生の話しを聞いていたんでしょ?何を聞いたの?」
「い、いえ…私は何も…」
すると、いきなり中川は有海の頬を打った。
「あう…!」
思わず頬を抑える有海。まさか中川が生徒に手を上げるとは…。
600投稿者:
リリー
投稿日:2006年12月31日(日)10時46分31秒
今年はこれでおちます
また来年、お会いしましょう
601投稿者:
エヴァに楳図w
投稿日:2006年12月31日(日)11時11分54秒
しょこたんwww
602投稿者:
除夜のあげ
投稿日:2006年12月31日(日)17時25分11秒
603投稿者:
あけましておめでとうございます
投稿日:2007年01月01日(月)00時05分04秒
あげ
604投稿者:
謹賀新年
投稿日:2007年01月01日(月)12時27分09秒
今年も更新よろしく、リリーさん!
605投稿者:
age
投稿日:2007年01月01日(月)18時42分08秒
606投稿者:
更新ないの?
投稿日:2007年01月02日(火)16時59分38秒
どっか旅行に行ってる?
607投稿者:
リリー、戻って来い
投稿日:2007年01月02日(火)17時13分29秒
あげ
608投稿者:
あげ
投稿日:2007年01月02日(火)22時23分20秒
609投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月02日(火)23時22分30秒
あけましておめでとうございます
ここ数日間、帰省した兄が私のPCを独占してまして更新できませんでした
今から更新します
610投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月02日(火)23時32分53秒
「言いなさい!何を聞いたのか、全部言いなさい!」
「あ…あ…、細川さんが…あんなになった理由…」
「それから!?」
「わ、わ、私のパパの会社が…関わっていたこと…」
それを聞いて溜息をつく中川。
「そう…知ってしまったのね…」
カタカタと小刻みに震える有海。自分はどうなるのだろう?殺されるのだろうか?父は母をも殺したのだ。
(ごめんなさい…藤本さん…。やっぱり…私一人じゃ…)
「あなた一人?」
「…え?」
「隠れていたのは…このことを聞いたのは、あなた一人?」
「…は、はい…。私一人です…」
「本当?あなたは嘘がヘタだからね…。嘘はすぐにバレるわよ…」
「ほ、本当です…」
「どうして保健室に入り込んで、コソコソ隠れていたのかしら…。そこが一番知りたいわ…」
七海のことはバレてはいけない。せめて、七海だけは…。ジーナと一緒にいる七海は無事ではいられない…。
「あなたが一人でこんなことするなんて考えられない…。だれか協力者がいるわね…?あなたの友達って言ったら…」
有海は息を飲んだ。
「藤本さんでしょ?」
611投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月02日(火)23時37分44秒
「違います」
有海が、あまりにもしっかりとした返事をしたので、中川は意外だった。でも、逆に不審に思わせることになる。
「即答するのね?本当に?」
「私、昨日、パパの電話の話しを聞いたんです。細川さんのこと…。パパがこんな恐ろしいことをしてたなんて。本当のことが知りたかったんです」
「保健室に忍び込んだ理由にはなってないわ」
「それは…。この前、私が保健室から出た時、入れ代わりに細川さんが保健室に入っていったから。なんか、思いつめた表情してたから…中川先生が何か知ってるんじゃないかって…」
「藤本さんも今朝、同じ事言ってたわね」
有海はギクリとした。
「だって…。藤本さんが私を心配して迎えに来てくれたから。藤本さんも細川さんを見かけたんです」
「おかしいわね…。体育の成田先生の話しでは、気分が悪くなったのは藤本さんだったような…。でも保健室にいたのはあなただったわね」
有海は深呼吸をして、はっきりと言葉に出した。
「いいえ、気分が悪くなったのは私です。中川先生の聞き間違いか、成田先生の勘違いだと思います」
随分、強くはっきりと嘘をついてしまった。自分がこんな嘘を平気でつくなんて…。七海のためならどんなことでもする、有海の覚悟がそうさせた。
「ふ〜ん…これだけ舌が回れば本当みたいね。あなた、嘘をつくときカミカミになるから…」
(よかった…。これでとりあえず藤本さんのことはバレなかった…。そう、藤本さんだけは…)
612投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月02日(火)23時38分01秒
「一木さん、立ちなさい」
「は…はい…」
中川にそう言われ、有海は恐る恐る立ち上がる。中川は有海の耳元まで口を寄せる。
「で、見たの?」
「…え?」
「見たんでしょ?私と校長先生のこと…」
「…あ…は…はい…」
「どう思った?」
「…ど、どうって…」
「女同士であんなことやってた先生達を…どう思ったの?」
「え…ええと…あの…」
「汚らしいと思った?先生たちのこと…」
「そ、そんなこと…そんなこと…ないです…」
「一木さんはどう思ったの…?聞かせて…」
「あ…あ…ビ、ビックリしました…」
「ビックリ…ねぇ…」
中川は震える有海を見て微笑んだ。
613投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月02日(火)23時56分26秒
「あなたの様な優等生が…先生達の恥ずかしいところを覗き見したのね…」
中川は有海の髪の毛を指でクルクルと弄りながら言う。
「イケナイ子ね…。一木さん…」
「…ご、ごめんなさい…」
「服を脱ぎなさい…」
「…え?」
「あなたの恥ずかしいところも見てあげる…。さあ、脱いで…」
「え…え…あ…あの…」
再び中川は有海の頬を張り倒した。
「早く脱ぎなさい!服を脱いで裸になるのよ!」
「ひ…!」
有海は慌てふためきながら制服のブレザーを脱ぎ始めた。
614投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月02日(火)23時57分00秒
「モタモタしないで!早く脱ぎなさい!」
有海はネクタイ、カッターシャツ、スカートを言われるまま脱いでいく。
そして下着姿になった有海は、身体を両手で隠しながら怯えている。
「シャツとパンツも脱ぎなさい」
「あ…あの…も…もう…許して…許して下さい…」
中川は手を上げる。有海はビクっと頭を抱える。
「また、ぶたれたいの!?全部脱いで!早く!」
有海は震えながら下着を脱いだ。アンダーシャツを、そしてパンティを…。幼い裸体が中川の前にさらされた。
「身体を隠さないで!私によく見せなさい!」
そう言って中川は有海のメガネを取る。そしてヘアピンを、髪の毛を二つにくくっていたゴムヒモを、腕時計を、靴、靴下を取っていく。
有海は身につけていた物、全てを取り払われて、正に一糸まとわぬ全裸にされてしまった。
615投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月02日(火)23時57分28秒
今日はこれでおちます
616投稿者:
あげ
投稿日:2007年01月03日(水)11時36分14秒
617投稿者:
age
投稿日:2007年01月03日(水)18時00分09秒
618投稿者:
あげ
投稿日:2007年01月03日(水)23時30分56秒
619投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月04日(木)00時01分48秒
更新します
620投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月04日(木)00時03分10秒
中川は全裸で震える有海を舐める様に眺める。
「怖い?一木さん…」
有海は震えながら頷く。
「恥ずかしい?」
頷く有海。頬に涙が流れた。
「あなたは今、産まれた時の赤ちゃんように丸裸なのよ…。心細いでしょ?」
頷く有海。唇を噛み締める。
「こっちに来なさい」
有海は中川に手を引かれる。そして大きな姿見の鏡の前に立たされる。
621投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月04日(木)00時03分31秒
有海は自分の身体を、頭のから爪先まで見せ付けられる。
「ちょっと姿勢が悪いわね、一木さん…」
そう言って中川が背中を撫でる。「あ…」と言って有海は背筋を伸ばした。
「あ…あの…。な、中川先生…?」
不安げに中川の顔を見る有海。
「よそ見しないで!自分の裸を見なさい」
中川は有海の顔を正面の鏡に向ける。
「今から保健体育の授業を始めるわ…。テーマは第二次性徴よ…」
「…え?」
「教材モデルは一木さん…。あなた…」
「せ、先生…?」
「さあ、よく見なさい。あなたの身体は、理想的な思春期の少女の身体をしてるのよ…」
中川の手は有海の身体を撫で回し始めた。
622投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月04日(木)00時24分08秒
「一木さん、あなた誕生日は?」
身体を撫で回され、くすぐったい気持ちを抑えながら有海は答える。
「こ、今月の…25日です…」
「あら、もうすぐ誕生日ね。その日にあなたは12歳になる…。はっきりした特徴が表れるのはもっと先だけど…女の子の身体には脂肪がつきはじめて、身体が丸みを帯びてくる…」
中川の手は有海の、わずかに膨らみ始めた胸を包み込む。
「例えば…ほら、胸が膨らんできたでしょう?」
指の先が乳首を丸くなぞる。
「は…はい…」
「乳輪の下に脂肪組織がつき始める…。それによって乳房が突き出始め、乳首の形、色も変化する…」
そしていきなり、有海の乳房を力いっぱい握る。
「い…痛い!」
有海は苦痛に顔を歪める。
「痛いでしょ?この頃の女の子の胸は刺激にとても敏感になる。シャツに触れてもくすぐったくなったり、痛くなったりするわ。そろそろブラジャーが必要になる頃ね」
ブラジャー…。そんな物は大人のする物で、自分にはまだまだ用はないと、有海は思っていた。
623投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月04日(木)00時24分27秒
「お尻も脂肪がつき始めてきたわ。ほら、こんなに柔らかい…。プリンプリンしてる…」
中川は有海の尻を摘む。
「あひぃ…!」
思わず有海は爪先立ちになる。中川はしゃがみ込んで、有海の局部に顔を近づける。
「一木さん…初潮は?」
有海は恥ずかしそうに首を横に振る。
「そう…もうそろそろかしら…。細川さんは4年生で始まったわ。TIMを飲むようになってから生理がピタリと止まったって悩んでたけど…」
中川は有海の性器の筋を、指で撫でた。
「…ひゃ…!」
有海は声をあげた。
「陰毛は…まだまだ先ね…。でもよく見ると少し産毛が生え始めてるわね。金色にキラキラしていて、とてもキレイよ。細川さんはもう立派に生えてるけど、人によって成長のスピードは異なるから、あんまり気にしないでね」
「あ…せ、先生…」
「ん?どうしたの?気持ちよくなっちゃった?」
「い、いえ…そういうわけでは…」
「ふふ…。いいのよ…。ここも敏感になる年頃なの…。ねえ、一木さん、この中、見てみようか?」
中川は有海の性器の筋を指差した。
624投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月04日(木)00時34分35秒
「こ、この中…?」
「そうよ。さ、ここに座って」
有海は手を引っ張られて床に座らされる。尻に床が直接触れて冷たい。有海の肌に鳥肌が立った。
「さ、足を広げなさい」
無理矢理足を広げられる。筋が僅かに開かれて、ピンク色の襞が、そして肛門もさらされる。
「イヤ!恥ずかしい!」
普段、見ることの無い自分の身体の部分を見て、思わず有海は顔を覆った。
「ダメよ!これは勉強なんだから!ちゃんと聞きなさい!一木さんは優等生なんでしょ?」
中川は有海の手を払い除け、顔を固定させる。
「いい?開くわよ?少し痛いかもしれないけど我慢しなさい…」
ゆっくり有海の性器は指で広げられた。
625投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月04日(木)00時34分50秒
「あう…!」
有海の身体は小さく跳ねた。
「まぁ…キレイなピンク色…。ほら、中にヴァギナがあるわ。この産道から赤ちゃんが出てくるの。こんな小さな所からよ?信じられる?先生も経験ないんだけど…」
さらに中に指を入れる。
「ここが大陰唇、内側にあるのが小陰唇…。そしてその上の方、よく見て…!これがクリトリス…。陰核とも言うわ」
有海は自分の小さな突起を見た。
「いい?このクリトリスはね、男の子のオチンチンと同じようなものなの。これがあなたのオチンチンよ?可愛いでしょ?」
こんなものが自分身体の中にあったなんて…。有海は恥ずかしさと驚きで頭の中が混乱していた。
「そしてね…このクリトリスはね、私達を物凄く気持ちよくしてくれるの…」
「き、気持ちよく…?」
「さ、続きはベッドの上よ…」
そして有海はベッドの方へつれていかれる。
626投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月04日(木)00時35分11秒
今日はこれでおちます
627投稿者:
性教育・・・
投稿日:2007年01月04日(木)12時38分01秒
628投稿者:
あげ
投稿日:2007年01月04日(木)16時41分34秒
629投稿者:
まだかな
投稿日:2007年01月04日(木)20時45分07秒
630投稿者:
まなかな
投稿日:2007年01月04日(木)20時46分16秒
631投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月04日(木)20時59分32秒
はい、更新します
632投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月04日(木)21時00分46秒
有海は中川にベッドの上に突き飛ばされる。
「あ…!」
有海は仰向けに倒れた。そして中川は有海の上に覆いかぶさる。
「一木さん…。クリトリスはね…男の子のオチンチンとは違って、快楽の為だけに存在してるの。そう、これがクリトリスの正しい使い方よ…」
中川は有海のクリトリスを指で刺激した。
「ああ…!ああん…!あ…!あ…!ああ…!」
有海は中川が指で押す度に、身体を弓なりにして反応する。
(い、痛い…!い、いや、違う…!な、何?これ?私の身体、どうなってるの?)
有海の顔に中川の顔が近づく。中川の息が、有海のまつ毛を揺らす。
「どう?気持ちいいでしょ?こんな感覚。初めて?」
「あ…あ…せ、先生…。も、もう…もう…やめて…やめて下さい…」
「あら、まだまだこれからなのに…」
633投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月04日(木)21時18分34秒
中川は顔を有海の下半身に移動させる。
「先生、爪を伸ばしてるから、さっきはちょっと痛かったでしょ?今度はもっと柔らかいところで触ってあげる…」
中川は長い舌をだして、その先で有海のクリトリスに触れた。
「え…!え…!ダメ…!イヤ…!そ、そんなところ…!舐めないで…!」
有海は上半身を起こしたが、直後に襲った快感に、後ろへ倒れ込んでしまった。
「ああん!あああ!ダ、ダメです!ダメ〜!!」
有海はベッドの上で暴れまわる。それを中川が力ずくで押さえ込んで、舐め続ける。
「うふふ…。大人しい一木さんがこんなに激しく暴れるなんて…。よっぽど気持ちがいいのね…」
「あぐ…うぅ…ひっ…ひっ…ひっ…うぇぇ…」
「どうしたの…?一木さん…?泣いてるの…?」
中川は有海の顔を心配そうに覗き込んだ。
634投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月04日(木)21時32分02秒
「どうしたの?一木さん?怖いの?それとも、痛かった?」
有海は腕で目を抑えて、嗚咽している。
「えぐっ…えぐっ…。や、やめて…やめて下さい…」
「も、もうやめてるわよ、一木さん。泣かないで…」
中川は、いつもの口調に戻っていた。
「ふ、藤本さん…藤本さんだけは…お願いですから…」
「藤本さん?」
「藤本さんだけは…やめて下さい…」
「も、もしかして…?TIMのこと…?」
「と、友達なんです…。藤本さんは…私の友達なんです…。大切な…親友なんです…。」
「だ、だけど…。これは…私では決められないのよ…」
635投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月04日(木)21時39分09秒
有海は起き上がって、中川にすがり付く。
「お願いします!私のパパのせいで…藤本さんが細川さんみたいになるなんて…!そんなの耐えられません!」
「こ、これは上の人が決めたことなのよ!だから…諦めて!」
「わ、私を…。私を…藤本さんの代わりに…。私を使って下さい…」
「あなたを…?」
「だって、私のパパの作った薬の実験でしょ?娘の私が実験体になります!」
「悪いけど…今回は、あなたの様な秀才は対象外よ…。この学園では今まで極端に学力の低い者がいなかったから…。藤本さんの存在は貴重なのよ…」
「だったら、私が藤本さんに勉強を教えます!藤本さんを優等生にします!だから…だから、藤本さんの実験はやめて下さい!お願い!お願いします!」
「あなた…それほどまでに、藤本さんを…」
「先生…お願い…」
「ダメよ!あなたのお願いは聞けないわ!」
「せ、先生…」
「これは大人の…恐ろしい世界の話しなの…!子供のあなたは首を突っ込んじゃダメ!」
「そ、そんな!子供の…細川さんを巻き込んだのは先生じゃないですか!」
「さあ、服を着て、さっさと帰りなさい!下校時間は過ぎてるわ!」
「先生!」
「も、もう、先生は帰るから!保健室の鍵はかけておいて!」
中川はポケットから鍵を出すと、ベッドの上に放り投げて、逃げるように保健室を後にした。
保健室には、裸で泣いている有海が一人、取り残された。
636投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月04日(木)21時39分31秒
今日はこれでおちます
637投稿者:
age
投稿日:2007年01月05日(金)00時39分40秒
638投稿者:
agee
投稿日:2007年01月05日(金)12時43分53秒
639投稿者:
更新あらへん
投稿日:2007年01月07日(日)00時55分02秒
640投稿者:
あげ
投稿日:2007年01月07日(日)00時56分19秒
641投稿者:
更新!
投稿日:2007年01月07日(日)17時35分43秒
更新!
642投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月07日(日)18時01分08秒
更新します
少しずつですが…
643投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月07日(日)18時02分29秒
14
有海は七海の身を案じて、藍の入院する病院へ向かった。
しかし、もう既に面会時間は過ぎていて、藍に…そして七海に会うことはできなかった。
そして次に七海のマンションへ向かう。
部屋番号を押してみても七海の返事はない。
(まさか…!藤本さん、もう既にTIMを飲まされて、どこかへ連れて行かれたのかも…!)
有海がどうしていいかわからず、呆然と立ち尽くしていると、後ろから不意に声をかけられる。
「ん?一木さんやないの?」
「藤本さん?」
「やっぱり一木さんや。どないしたん?盗聴器、うまいこと取り付けたん?」
「藤本さぁ〜ん!」
有海は心の底から安堵した。そして七海に向かって真っ直ぐに、力強く向かっていく。
有海は七海を抱きしめた。有海よりも小柄な七海は、有海の体重を支えきれず、有海もろとも後ろへ倒れてしまった。
644投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月07日(日)18時02分44秒
「い…痛いやんか!どないしたん?一木さん」
「よかった…。よかった…。藤本さん…無事だった…」
この有海の様子に七海は只事ではない状況を感じた。
「一木さん…?何があったの?」
アスファルトの上に倒れたまま、七海は有海に聞いた。
「ご、ごめんなさい…。私…、失敗した…」
「え?どういうこと?」
「見つかっちゃった…。中川先生に…。私がTIMのことを探ってるって…バレちゃった…」
「ええ?そ、それで…?い、一木さん、無事だったん?何もされへんかった?」
「な、何もされなかったって言ったら…嘘になるけど…。でも、こうやって藤本さんに会えてよかった…。だって…藤本さんの方が心配だったから…」
「あ…ああ…。ウチの方も何もなかったっていうわけやないんや…」
「え…?やっぱり?ジーナに何かされた?」
「一木さん…ジーナが普通や無いって…知ってるん…?」
有海は頷いた。七海は表情を強張らせた。
「とりあえず部屋に入ろ。お互いに何があったのか、詳しい情報交換が必要や」
「うん…わかった…。でも、藤本さん…。何でパンツ履いてないの…?」
倒れこんだ拍子に、七海のスカートが捲れ上がっていた。
「…これも…話せば長くなる話しや…」
645投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月07日(日)18時03分59秒
今日はこれでおちます
646投稿者:
age
投稿日:2007年01月07日(日)23時33分21秒
647投稿者:
あのさ
投稿日:2007年01月08日(月)01時03分37秒
書く気ないなら無いって言えよ うざってえ
648投稿者:
リリーさん頑張って!
投稿日:2007年01月08日(月)01時17分07秒
更新楽しみにしています!
649投稿者:
>647
投稿日:2007年01月08日(月)11時39分33秒
別に連載してるわけじゃないんだから、ペースが落ちたっていいじゃない。
リリーさん、無理せずマイペースでどうぞ!
650投稿者:
最初の方に
投稿日:2007年01月08日(月)12時51分23秒
「ペースが遅くなるかもしれない」って断ってるし・・・
それにしてはハイペースで更新してるとは思うけど
651投稿者:
あげ
投稿日:2007年01月08日(月)18時56分55秒
652投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月08日(月)21時53分57秒
はい、更新します
>648>649>650
ありがとうございます
>647
これから少しペースが落ちると思いますので、ご了承下さい
653投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月08日(月)21時58分33秒
七海の部屋に入った二人は、今日起こったことを話し合うことにした。
七海はジーナにいたぶられたこと、有海は中川に悪戯されことなど、お互い話すには辛いこともあったが、自分の身に起こったことを詳しく話した。
七海は、有海の話しを聞き終わった途端、激しい怒りに打ち震えた。
「何やと…!あのしょたん、ウチの一木さんに何てことしてくれよったんや!殺したる!」
七海は立ち上がったが、有海になだめられる。
「落ち着いて!藤本さん!私はこうやって無事だったわけだし…。ね?」
「無事なわけないやん!心に傷を負ってんねやろ?だって、ウチも悔しいもん!あないなガキに…って、一木さんは怒ってくれへんの?」
「え…?もちろん、平気じゃないよ…。でも、今は我慢するしかないよ…。特にジーナには勝てないよ、私達には…」
「う…うん…。そうやな…。失敗した…。スライムや思ってたヤツが実はバラモスやったなんて…」
「え?何?」
「一木さん、ドラクエやったことないの?…ま、ええわ。とにかく…今の二人の話しをまとめると…」
七海はノートに今の状況を書き出す
「?一木さんがTIMのことを探ってることがバレた
?でも盗聴器のことはバレてない
?ウチと一木さんがつながっていることもバレていない
?敵はウチをTIMの実験台にしようとしてる
?TIMが手に入れば、それを証拠に警察に駆け込める
?ジーナはヤバイ
こないなところかな…?」
654投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月08日(月)21時59分02秒
「藤本さん…。これ、国語のノートだよね?」
「うん?そうやけど?」
「これ、1ページ目じゃない!ノート、真っ白!こんなだから、TIMの実験台に選ばれるんだよ!」
「何やねん!あんた、ウチのオカンか!放っといてよ!」
「藤本さん、算数と社会と理科のノートも見せて!」
「今はそないなこと言ってる場合やないで!今はウチらが勝利する知恵が試される時や!学校の勉強なんか役に立たへん!」
「そうかもしれないけど…。この事件が片付いたら、私が勉強みてあげるからね!」
「ええやん、どうせウチら、17歳で死ぬんやろ?何のために勉強するん?」
「え?だって…進級できないと私達、離れ離れに…」
「この事件が片付く、言うことはHK学園も廃校ってことやで?どのみち勉強しても無駄や!」
「そ、そうだけど…」
「一木さん、ウチらは学校が無くなれば、それで終わってしまうような仲なん?違うやろ?例え一木さんが北朝鮮に拉致されたって、後を追って行くで!ウチは!」
「うん…。そうだね…。藤本さんの言うとおりだね…」
「…でも…一木さんが教えてくれるんやったら…ウチも勉強、がんばれそうや…」
「…え?」
「だから…この事件が終わったら、ウチに勉強、教えて…。ずっとコンプレックスやったんよ…」
七海は照れくさそうにそう言った。
655投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月08日(月)22時00分07秒
七海にそう言われ、有海は嬉しそうに答える。
「うん!わかった。ビシビシやるからね!覚悟してよ?」
「お手柔らかに頼んますわ」
「でもね、校長先生がこうも言ってたよ!藤本さんは勉強はダメだけど頭は良いって…」
「はん!魔王に褒められても嬉しゅうないな!さ、一木さん、話しを戻すで!この状況でウチらに不利なことは何や?」
「?の(私がTIMを探ってることがバレた)…だね…私のドジで…。ゴメン…」
「ええって、もう!謝らんで…。別に反省会やないんやから…。でも、確かに?はウチらにとってマズイ。今頃、しょこたんが魔王に一木さんのことチクってるはずや」
「うん…本当にゴメン…」
「せやから、もうええって!どつくで!」
「…ゴメン…」
「…。でもな、?の(盗聴器がバレへんかった)のは、ウチらに有利や。まさかしょこたんは一木さんが盗聴器を仕掛けたなんて夢にも思うてないはず。向こうの情報は相変わらずウチらに筒抜けや!」
「そうだね。あとは私がこのまま家に帰ってパパの書斎に盗聴器を仕掛ければ…」
「今度こそ気ぃつけや。一木さんの親父さんにも、今日のことがバレてるやろうから…」
「うん…」
「警察にタレ込むのがバレたら、どうなるかわからへんで!一木さんのお母ちゃんみたいにな…」
七海は自分の失言に気がついた。有海は暗い顔をしている。
「堪忍…。一木さん…。ウチ、無神経なこと…」
「いいよ…。藤本さん、気にしないで。だって、本当のことだし…」
「ほんま、堪忍…」
「いいってば…。どつくで!藤本さん!」
有海が関西弁を使った。二人は顔を見合わせて笑った。
656投稿者:
分かった!
投稿日:2007年01月08日(月)22時00分43秒
?だ!
657投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月08日(月)22時01分39秒
「そして?の(ウチと一木さんがつなごうてるのがバレてへん)ってやつやけど…。これは楽観視してもええんやろか?」
「どういうこと?」
「しょこたんは騙せても、魔王はどうやろ?もしかしたら、しょこたんも騙された振りをしたのかもしれん…。もしかしたら、ウチをTIMの実験台にする計画がお流れになるかも…」
「でも、私はその方がいいな…。藤本さんが細川さんみたいにならないなら…」
「アホ!?の(ウチをTIMの実験台にする)…てのはウチらにとって有利なことやで?いや、盗聴器以上に有利なことや!」
「そうなの?」
「だってTIMの実物が手に入るやん!それで?の(警察に駆け込むことができる)、これがウチらの勝利条件やろ?これがケルベロスの首を三つ一編に落とせる方法や!」
「あ、そうか…。藤本さんがTIMを飲む前に警察に行けば…」
「せやから、?が大きな不安要素なんや。それでな、一木さん…。明日からウチらは絶交や」
「ええ!?絶交?そんなの嫌だよ!」
「辛抱せえ!ウチらが二人っきりになったら、TIMの情報交換してるってバレるやん!ええか?これは一時的なもんや!」
「…うん…。わかった…。でも…淋しいよ…」
「それはウチも一緒や…。でも、安心せえ。ウチがジーナからTIMを貰うたら、いつもの関係に戻れる!」
658投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月08日(月)22時02分14秒
「そのジーナのことなんだけど…」
「うん…?の(ジーナはヤバイ)やな…。正直、これが一番やっかいや。できることならジーナには近づきとうないな…」
「うん!うん!それがいいよ!細川さんだって、ジーナに酷い目に遭わされたんでしょ?」
「いや、これは避けては通れへん!実際、TIMを渡すのはジーナの役目や。ジーナからTIMを受け取らなあかん!」
「でも…藤本さんの身に、何か起きたら…」
「ジーナに逆らわへんなら、身の危険はないと思う…。ま、今日みたいな屈辱は覚悟せなあかんけど…」
「…藤本さん…。ジーナの恋人になるんだね…」
「わかって!一木さん。ウチも辛いんよ…。大丈夫…身体はジーナにオモチャにされるかもしれへんけど、心は一木さんのものや…」
「うん…。気をつけて…」
「おおきに…」
二人は固く手を握りあった。
659投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月08日(月)22時02分54秒
今日はこれでおちます
660投稿者:
年齢的に考えて
投稿日:2007年01月08日(月)22時10分32秒
七海もDQ?やってるとは思えんが…
661投稿者:
自分
投稿日:2007年01月08日(月)22時18分20秒
中2のくせにやってるよ?
しかも女だし。
662投稿者:
今日
投稿日:2007年01月08日(月)22時51分06秒
ジーナが甜歌におもちゃにされてたね
カワカワイかった(可哀そうで可愛い)
663投稿者:
七海が
投稿日:2007年01月08日(月)23時15分14秒
ジーナを慰めてたね。
664投稿者:
俺だって
投稿日:2007年01月09日(火)00時40分59秒
有海が北朝鮮に拉致されたら、命懸けで助けに行く…という意気込みは持っている。
665投稿者:
あげます
投稿日:2007年01月09日(火)12時28分12秒
666投稿者:
あげ
投稿日:2007年01月09日(火)23時38分51秒
667投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月09日(火)23時44分17秒
更新します
私もドラクエやりますよ
小さい頃スーパーファミコンで?やりました
あれが一番面白かったです
わかってくれて安心しました
668投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月09日(火)23時44分44秒
1
「ここ、HK学園は昭和7年にキリスト教のミッションスクールとして開校しました。世界に通用する教養とどこへ出しても恥ずかしくない淑女の身だしなみを身につけるための女子専門の学校なのです。HK学園の名の由来は、この学園の開校に尽力された、イギリスの女性運動化ジェニファー・ハースト女史と当時の帝大教育学部加藤浩次教授のお二人の頭文字を合わせたものなのです。その後お二人はご結婚なされましたが。当時、そして現在でも旧家、名家のお嬢さんや大企業の社長令嬢、そしてあなたのような著名な政治家の娘さんなど、それは頭脳明晰、心身ともに健康なお友達が大勢在学していますので、あなたも良い級友に恵まれることでしょうね。あなたのお父様もこのことを気に入って下さり、私共に大事な娘さんをお預け下さったのです。そしてこの学園は初等部、中等部、高等部とエスカレート式に進学できますが、それには進学試験を受けることになります。しかし、角田さんなら問題なく…」
「ちょっと、すいません」
HK学園理事長、リサ・ステッグマイヤーがここまで言った時、退屈そうに話を聞いていた長い黒髪の少女は口を挟んだ。
「私のことは角田やのうて、藤本七海と呼んで下さい。つい先月までこの名前やったし、こっちの方が好きやさかい」
669投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月09日(火)23時44分59秒
「藤本…さんと?」
リサは不思議そうに七海を見つめた。
「はい。藤本で願いします」
「でも…あなたのお父様は衆議院議員の角田信明先生でいらっしゃいますのよね?たしか一月前に…」
「別に親と子が同じ苗字を名乗らなければならないって法律はないと思います。夫婦別称なんてこともありますし、言うてみれば親子別称ってやつですわ」
「…はい、わかりました。藤本さん。生徒の主張を尊重するのも、我がHK学園のモットーです。あなたのことは藤本七海さんと呼ぶ事にしましょう」
(主張を尊重?よう言うわ。無理矢理こんな学校に連れて来たクセに…)
七海は心の中で毒づいた。
「山口先生、名簿などの書類の書き換えをお願いしますね」
「はい、わかりました」
七海の担任となる山口美沙はそう言って、手元の書類に「藤本」とメモをする。
「それでは私からのお話しはこれで終わりです。明日からは山口先生の6年B組でがんばってくださいね。それから、お父様にもよろしくお伝え下さい」
「お父ちゃんとは、あんまり会えへんとは思うけど…よろしく伝えときます」(へい、へい。よろしゅうしたいのは、私やのうて、親父となんやな…)
七海は山口と共に理事長室から退室した。
670投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月09日(火)23時45分15秒
長い白く輝く廊下を、七海は担任と歩く。
「先生、すいませんでした」
「え?何が?」
「ウチのワガママで余計な仕事を増やしてしまって…」
山口はクスクスと笑った。
「いいのよ、藤本さん。そんなこと気にしなくても。まるで大人みたいに気を使うのね」
「はい、それはもう、商売人の娘やさかい…」
「ご商売って…お母さんの方の?」
「はい。たこ焼き屋やってました。それを毎日手伝ってました。結構評判良かったんですよ。先生にも食べてもらいたかったわぁ」
「お母さんのことが好きだったのね。だからお母さんの苗字を?」
「ええ。お父ちゃんと初めて会ったのは、お母ちゃんが死んでからなんです。どんだけ偉い政治家か知らんけど、今日からお前は角田や、なんて急に言われて、あ、さよか、なんて納得でけへん。だから親子別称ですわ」
「そう…。それで…。でも、その内お父さんとも仲良くなれるわ。だって血のつながった親子なんですもの。それから藤本さん…」
「何ですか?」
「それを言うなら別姓よ。親子別姓」
「あ、そうなんや。勘違いしてもうてた。恥ずかしいわぁ」
二人はケラケラと笑い合った。しかし七海はおう考える。
(この先生は優しくて、ええ感じやわ。でも、間違うてる。親父と仲良くなんてでけへん!あんな、お母ちゃんとウチをほったらかしにして。そんで政治家としての名前に傷がつくのを恐れてやっとウチを認知して…。なんでお母ちゃんが病気の時に来てくれへんかったんや!)
671投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月09日(火)23時45分30秒
七海は父親のことを考える度に怒りが湧いてくる。
七海は角田が浮気をしてできた子供である。政治家の角田はスキャンダルを恐れて七海を認知しなかった。
京都の売れっ子芸者だった母は七海を産んでから引退し、大阪の下町でたこ焼き屋を営んでいた。店は評判を呼んだが、軌道に乗るまでたくさんの苦労をした。母はお金を貯めて世界旅行をするのが夢だった。娘の名前も、娘と二人で七つの海を越えて旅をしたい、という願いで「七海」と名付けた。その夢は母と娘を元気付けたが、無理もさせた。それで母は病気の発見が遅れて帰らぬ人となった。七海は下関にある母の実家の祖父母の元に身を寄せることにした。
しかし、今になって角田のスキャンダルが公になり、角田はそれを逆手にとった。男らしく不倫を認め、その子供を認知して我が子と同じ様に育てる、と七海の意思も無視してマスコミに発表してしまったのだ。
七海は大好きな祖父母とも別れ、無理矢理東京に連れて来られた。
父の角田信明は実力派の政治家である。学生時代には空手の世界選手権で優勝しており、頭脳、腕力、何においても揺るぎない自信を持っていた。その強さは他の人間を、特に自分や母などの弱者の気持ちなど考えもしない性格に変えたのだ。
七海は父親とは死ぬまで、いや、死んでも分かり合えないと思っている。
672投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月09日(火)23時45分58秒
翌日、二人は学園で出会っても、顔を合わせなかった。
一木有海と藤本七海は絶交した。この事実を夏希に、中川にアピールしなければならない。
昼休み。有海は、中川に保健室まで呼び出された。
「一木です…。入ります…」
「来たのね…。一木さん…」
「中川先生…。何ですか?昨日のことですか…?」
「う、うん…。あの…昨日のこと…。誰にも言ってないわよね?」
「はい…言ってません…。だって…そんなことしたら、パパの会社が潰れちゃうじゃないですか…」
「そ、そうよね、そうよね…。じゃ、じゃあ…藤本さんにも…?」
「言ってません…。て、言うか…今後一切、藤本さんとは話しません!」
「え…?だって、藤本さんは一木さんの大切な親友なんでしょ?」
「パパの会社の方が…私の将来の方が大切です!」
「そう…そうよね…。じゃ、じゃあ…」
「何も言ってません!先生が私にしたことですか?言えるわけないじゃないですか!私だって、あんなこと、恥ずかしくて…恥ずかしくて…」
有海は顔を覆って泣いた。
673投稿者:
riri-
投稿日:2007年01月09日(火)23時46分29秒
体育館の側を通りかかった時、大きな歓声が沸き起こった。七海は思わず足を止める。
「ああ、今ね、隣町の公立の小学校のバスケ部が練習試合に来てるのよ」
「バスケ…ですか?」
「ここのバスケ部、結構強いのよ。藤本さんはバスケはやったことある?」
「体育の授業くらいしかやったことありません。ウチはもっぱら野球ですわ。男子と交じってリトルリーグに入ってました」
「男の子と一緒に野球?」
「不動の2番、セカンドですわ。送りバント成功率8割、エラーも公式戦たったの2回です」
「凄いのね、藤本さん!ここの学校は野球部ないけど、ソフトボール部ならあるわよ」
「いえ、ソフトボールは邪道ですわ。あんなでっかいボール打ったかて、何もおもんない。あれは女子供のやるもんやわ。ま、ウチも女で子供やけど」
山口は咳払いをする。
「藤本さん、実はそのソフトボール部の顧問は私なんですけど…」
「え…?そうなんですか?それはえろう、すんません」
「ソフトボールをバカにしたでしょ?ソフトボールの球を打つのは難しいのよ。プロ野球の選手だって三振するくらいなんだから」
「それはウソやわ。プロ野球選手がソフトボールに三振なんて…」
「ジャイアンツのファン感謝デー見に行って、この目で見たんだから本当です!」
「それはジャイアンツだからや!タイガースの選手ならそんなことあらへん!」
ひとしきり言い合いになって、二人はまた大笑いした。
(なんか、この学校も上手くやっていける気がするわ…)
七海は少しだけ新しい学校生活に期待が持てる気がしてきた。
674投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月09日(火)23時46分47秒
「あ、そうそう。今のバスケの試合、うちのソフトボール部のエースピチャーが出てるのよ。見てみましょうよ」
「え?ソフトボール部なのにバスケ?」
「細川さんって言ってね、スポーツ万能なのよ。実はうちの部には助っ人程度しか参加しないんだけど…他にも陸上部、水泳部、テニス部、合気道部、一輪車部と、もう引っ張りだこなの。でも、一番力を入れてるのがバスケ部なんだけど」
「ふ〜ん…ちょっと興味あるかな?」
「そう?じゃあ、見ていきましょ!」
二人は体育館へと向かう。体育館は白い壁で(ここの学校は何でも白い)大きなステンドグラスが何枚も飾られている。前に通っていた下関の学校の体育館の4倍はある大きさだ。まさにお金持ちのお嬢様学校である。
「大きいでしょ?ここは初等部と中等部が一緒に使うから。高等部はもっと大きくて立派だけど」
七海達が中に入るが、人の壁ができていて、中々試合が見られない。
「藤本さん、こっち、こっち」
山口がステージの上に手招きする。七海はステージに上がって、ようやく試合を見ることができた。
七海は、山口に教えられるまでもなくその細川という子が誰だかわかった。
675投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月09日(火)23時47分02秒
青い花文字のアルファベットで「HKGAKUEN」、そして大きく「4」と描かれた白いユニフォームの選手。白い肌に少し茶色がかった髪の毛を二つに括った彼女だけが、他の選手とは明らかに動きが違う。いや、他の選手は何も活躍していない。細川という選手一人だけがプレイしているのだ。
彼女のドリブルは100メートルを全力疾走するのと同じスピードだった。
「すご…」七海は思わず言葉を漏らした。
「あの子、凄いでしょ?細川藍さんって言うの。残念ながら隣の6年A組の子なんだけどね」
6年?七海は藍があまりにも長身のため、中学生かと思った。
そう思っている間に藍がレイアップシュートを決める。
相手チームのボールになるが、中々前に進むことができない。他の4選手が懸命にディフェンスをしているからだ。いや、彼女らはディフェンスだけに集中しているようだ。苦し紛れに出したパスを、藍がすかさず奪う。そしてそのまま一直線にゴールへ向かう。相手選手を巧みなドリブルでかわし、そしてそのままシュート。
それを、何と連続3回続けている。スコアは45-0。まだ前半である。
相手選手(彼女も大柄でとても小学生に見えない)は藍のシュートをファール覚悟の体当たりで止める。しかし、吹っ飛んだのは相手選手だった。藍はそのままシュートを決める。審判の笛が鳴り、バスケットカウントワンスローが与えられる。藍は何事も泣くフリースローを決める。リングに当たらない、ネットの音しかしないシュートだ。
(この子、ホンマに小学生か?巧すぎるゆうか、強すぎやで…。確かにこの子が投げるボールを打つのは難儀やわ…でも、バントヒットならなんとか…)
七海がそんなことを考えていると、一際大きな歓声があがった。
藍がダンクシュートを決めたのだ。
676投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月09日(火)23時47分18秒
2
朝の7時。
七海はパジャマから制服に着替える。
これから着ることになるHK学園の制服。
白いブレザーの胸にHKとデザインされたエンブレム。青いネクタイ。青とグレーのチェックのスカート。白いカッターシャツ。今まで制服なんて着たことなんてなかった。ネクタイも結んだことがない。見よう見まねで結んでみる。上手くいかないのでネクタイはブレザーのポケットにねじ込んだ。
ダイニングには朝食が用意されていた。クロワッサンに牛乳、スクランブルエッグにサラダ。そしてキウイフルーツ。それと置手紙。
「七海お嬢様、朝食を用意しておきました。しっかり食べて新しい学校生活をがんばって下さい。清水」
七海はその手紙をクシャクシャと丸めるとゴミ箱に捨てた。
七海はテーブルに着くとクロワッサンをムシャムシャと食べ、牛乳で流し込んだ。他の物には一切手をつけなかった。
「ウチは朝ごはんは、御飯と味噌汁て決めてんねん」
七海はそう独り言を言って歯を磨く。
ここは七海が一人で暮らしているマンションである。召使いが朝食と夕食を作る為だけに訪ねてくる。角田はもちろん七海を自宅に呼んだのだが、七海は断固拒否した。そして学校の近くにあるマンションに、小学生でありながら一人暮らしをすることになったのだ。
677投稿者:
りりー
投稿日:2007年01月09日(火)23時47分35秒
七海は教室に入る前に職員室に寄った。職員室に着くまで何人かの生徒とすれ違った。やはり見ない顔がいると気になるのか、または一人だけネクタイをしていないのが目立つのか、みんなチラチラと七海を見る。
七海の姿を確認した担任の山口は、慌てて七海に駆け寄った。
「おはようございます」
「おはよう、藤本さん。ネクタイは?」
「ああ、結び方がようわからんさかい、してきませんでした」
そう言って七海はクシャクシャになったネクタイをブレザーのポケットから出した。
「ネクタイはキチンとしてこないとダメなのよ、校則だから。いいわ、今日は先生がやってあげる」
山口は丁寧に教えながら七海のネクタイを結んだ。
「何か、仕事前に奥さんに締めてもらってるみたいですね」
「何言ってるの。ちゃんと覚えた?明日からはちゃんと自分で閉めてくるのよ」
一時間目が始まるまで、七海は職員室で待機することにした。
678投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月09日(火)23時47分56秒
月曜の一時間目はホームルームである。この時間を利用して七海は6年B組の生徒に紹介されることになった。
当たり前だが、まったく同じ制服に身を包んだ少女がじっと七海を見詰める。七海は落ち着かなかった。大阪から下関の小学校に転校した時は、こんなに緊張しなかった。
「今日からこのクラスの仲間になる藤本七海さんです。みんな仲良くしてあげてくださいね」
「藤本七海です。下関から来ました。下関の前は大阪にいました。東京に来るのは初めてです。みなさん、どうぞよろしゅうお願いします」
すると、クラスメイト達は途端にクスクス笑い出した。ドッと笑う明るいものではない。何か含みのある、悪意や侮蔑の感じられるものだった。
「聞いた?」「よろしゅうお願いします、だって」「私、大阪弁、生で始めて聞いちゃった」「その内漫才とかするんじゃない?」
僅かにこんな会話が聞こえてきた。
七海は溜息をついた。それがあからさまだったのか、何人かの者は眉をひそめた。
「先生、私の席はどこですか?」
「ああ、あそこの一番後ろの席が空いてるでしょ?あそこい座ってちょうだい」
七海はツカツカとその席まで歩いた。
「ええかげんにしなさい」「でんがな、まんがな」
ヘタクソな関西弁が七海に投げつけられた。
(ああ、聞こえへん、聞こえへん…。何や、お嬢様学校って言っても、程度低。下関の方がよっぽどマシやったわ)
七海はできるだけ音をたてて席に着いた。みんなチラチラと七海を見る。
七海は頬杖をついた。
(ここもアカン。ウチの居場所やあらへん。…て、言うても、今までウチの居場所なんてなかったな…)
七海は大阪のこと、下関のことを思い出した。七海には決して親友は、心の奥でつながる様な友人はできなかったのだ。
679投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月09日(火)23時48分11秒
「先生、これから来週の球技大会のメンバーを決めたいんですけど」
「ああ、そうね、じゃあお願いします。一木さん」
一木と呼ばれた少女は教壇に立つ。このクラスの学級委員のようだ。七海はその少女をじっと見詰めた。長い黒髪を二つに結んで肩に垂らしている、メガネをかけた大人しそうな子だ。声は高くてか細い。
「今から球技大会のメンバーを決めたいと思います。みなさん、希望の種目を決めて下さい。種目はバスケットボール、バレーボール、ソフトボールです」
一木という子はチョークで種目を書いていく。丁寧で綺麗だが、小さくて薄くて弱々しい字だ。七海の位置では、目を凝らさなければよく見えない。
(なんちゅう気ィの入ってない字や!朝飯食べてきたんかいな!)
しかし、七海は球技大会などに出る気はなかったので、すぐに窓の外に視線を移した。
680投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月09日(火)23時48分28秒
教室に備え付けてある電話が鳴った。山口は受話器をとる。
「はい、はい、わかりました。すぐに職員室に行きます」
山口は受話器を置く。
「一木さん、先生、ちょっと用事ができたから、後はよろしくお願いね」
「あ、はい…。わかりました」
山口は慌てて教室を出て行った。
今まで静かだった教室が途端に騒がしくなる。みんなどの種目に出るか相談でもしているのだろう。しかし、七海は自分には関係ないことと、空の雲を眺めていた。
「あ、あの…自分のやりたい種目の下に、名前を書いて下さい…」
一木の声は雑談にかき消されそうだった。七海の耳に雑談の内容が断片的に入ってくる。
「ねえ、ねえ、昨日のドラマ見た?」「家の親父がさ、携帯使いすぎだから、今月はもう使うな、とか言うの。超ウザイ」「ねえ、あの子、彼氏と別れたらしいよ。まだ一ヶ月しか経ってないっつうの」
(なんや?みんなもやる気あらへんやん)
一木を見るとオロオロしながらみんなに呼びかけている。
「あ、あの…まだメンバーが決まってないの、B組だけなんです。今日中に決めないと…」
「だったら、有海だけでやれば?」
「そうだよ、有海は学級委員なんだからさ、クラスを代表してがんばってよ」
クラス中がキャハハと笑った。七海の癇に障る笑い声だった。
681投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月09日(火)23時48分47秒
(あの子、有海っていうんか。なるほど、典型的な押し付け学級委員やん。ま、よくある話しや)
七海は再び窓の外に目をやる。
有海は少し笑いながら、弱々しくみんなに語りかける。
「わ、私だけなんて…無理だよ…。それに私、運動が苦手だから、私が出たら負けちゃうよ…」
「だったら負けでいいんじゃない?」
「うん、不戦敗、不戦敗」
「どうせ細川さんのいるA組の優勝だし〜」
有海は今にも泣き出しそうな表情になる。
「みんな…これが初等部最後の球技大会だよ?最後なんだからみんなで力合わせて良い思い出つくろうよ…」
「最後、最後って言うけどさ、どうせ中等部でも顔合わせるじゃん」
「私、疲れることパス。塾行かなきゃいけないし」
「有海ちゃんみたいに、私達優等生じゃないも〜ん!」
有海はとうとうシクシクと泣き出した。そんな有海を見て、クラスはまた笑いに包まれた。
七海はイライラしていた。このクラスの雰囲気に…有海の泣きべそに…そしてこんな環境に置かれてしまった自分の境遇に…。
七海はガタンと音を立てて立ち上がる。みんなは一斉に七海を見る。有海もハッと顔を上げる。
七海は黒板の前までズンズン来ると、ソフトボールと書かれた字の下にチョークでデカデカと「藤本七海」と書いた。
682投稿者:
また偽者が
投稿日:2007年01月10日(水)00時04分14秒
コピペの荒らしをやってるね
683投稿者:
時々こうなるよね
投稿日:2007年01月10日(水)00時11分39秒
684投稿者:
更新を楽しみにしてるのにな・・・
投稿日:2007年01月10日(水)00時13分18秒
685投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月10日(水)00時15分52秒
(細川さん?まいったな…。先生が出て行くどころか人が増えてる…)
ベッドの下で七海は頭を抱えた。下半身が裸のため、床がヒンヤリ冷たくて本当に風邪をひきそうだ。
「さ、細川さん、入りなさい。あれでしょ?」
「そのことなんですけど、先生…」
「いいから。さ、入って…」
中川は藍を招き入れる。いつも活発で明るい藍とは違う。何故か元気がなさそうだ。中川は治療用の丸い回転椅子に藍を座らせる。
「もうすぐ来る頃だと思ってたわ。今度の日曜日でしょ?バスケの区大会」
「はい…」
「あら?緊張してるの?大丈夫よ、細川さんにはTIMがあるじゃない!」
「そのTIMのことでお話しがあるんです」
「わかってるって。TIMでしょ?それで来たんでしょ?」
(TIM?何や?それ?)
七海の知らない言葉で会話が進んでいる。
「先生…私…もう、TIMは必要ありません!」
(だから、TIMって何やねん!)
七海は下半身が寒いことも手伝って、イライラしてきた。
686投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月10日(水)00時16分57秒
「細川さん…どうしたの?あなたの口からそんな言葉が出るなんて…」
中川は心底驚いている様子だ。
「あなた、TIM無しでどうするっていうの…?」
「私、もうTIMに頼るのはやめたんです!私の力だけでどれだけできるか試してみたいの!」
「一体、どうしたていうの?先生に話してみて…」
「球技大会です…一昨日の…」
「球技大会?ソフトボール?あれ、凄かったわね。凄いホームランだった」
「それ…私の力じゃありません…。TIMの力です。いえ、あれだけじゃない。今までの全てのスポーツや大会、みんなTIM…。私じゃない!」
「何を言ってるの?あれはあなたの実力よ。TIMはその手助けをしたに過ぎないわ…」
「卑怯です!私は卑怯なんです!藤本さんは自分の力でがんばってた!それなのに、私は…私は…TIMなんかに…。私は恥ずかしいです!」
(うわ…、またウチの名前が出てきた…)
七海は肩をすくめた。どうやら自分は自分が思っている以上に人に影響を与えているらしい。しかし、卑怯とはどういうことだ?あの勝負はどう考えても正々堂々としたものだった。完敗だったが…。
687投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月10日(水)00時17分57秒
「で…あなた今、TIMは?」
中川の質問に細川は首を横に振る。
「レッドも?ゴルゴも?」
今度は首を縦に振る藍。
(何や、もうわからん!宇宙人の会話みたいや!)
七海はもう、聞き耳を立てるのを諦めた。
「こっちへいらっしゃい、細川さん…」
中川は藍の両肩を抱きかかえて立たせると、七海の隠れているベッドへと誘う。
(げ!何でこっちに来るん!?)
そして七海のベッドの上に二人で腰掛けた。
(やば…!またお腹が鳴ったら、今度こそアウトやん!)
七海はお腹を押さえた。
688投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月10日(水)00時18分38秒
中川は左手で藍の肩を抱き、右手で頭を撫でて言う。
「いい?細川さん…。あなたのその決意はとても立派よ…。先生もあなたの選択を尊重したいし、応援もしたい…。でもね、あなたは必ず後悔することになる…。先生にはそれがわかるの!」
「そんな…!そんなこと、やってみなければわからないじゃないですか!」
藍は今にも泣き出しそうな声で訴える。
「いいえ、先生にはわかる。あなた、大会で優勝したいんでしょ?そして将来は日本選抜に選ばれたいんでしょ?」
藍は力なく頷く。
「オリンピックに出たいんでしょ?そしてアメリカに行ってWNBA(女子北米プロバスケットボールリーグ)プレーヤーになるんでしょ?」
藍は力なく頷く。
「TIMはあなたの夢を叶えてくれる…。あなたの力強い味方なのよ」
今度は藍は頷かない。
「あのね、細川さん…。先生、あなたの笑ってる顔が好き。幸せそうな顔を見るのが好き…」
中川は藍にキスをした。
689投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月10日(水)00時19分36秒
「先生…」
うっとりした顔で中川を見つめる藍。
「さ、横になって」
中川は藍をベッドに寝かせる。七海のすぐ上で、ベッドのスプリングが軋んだ音を立てる。それだけでも七海を焦らせた。
「細川さん…。先生ね、あなたの様な美少女が大好き…。あなたの様な子には幸せになってもらいたい…。夢を叶えて欲しいの…」
「先生…。先生がそう言ってくれるのは嬉しいけど…」
「あなたの幸せは私の幸せよ…」
中川は藍に再びキスをし、右手はスカートを弄る。スカートを捲ると、藍の白いパンティが露わになる。
そしてくっきりと浮き出た筋に、よく整えられた爪を立てて、ゆっくりと動かす。一番敏感な部分を刺激された藍は呼吸を荒くする。
「あ…はぁ…はぁ…」
「ふふ…気持ちいいでしょ?細川さん…。相変わらずいやらしい体…。小学生とは思えない…」
「あ…あ…先生…」
「もっと声出して…。気持ちよかったら、もっと声を出すのよ。そう、本能のまま、従うのよ…」
「ああ!はぁぁ!せ、先生…!私…私…」
中川の爪は何度も何度も藍の筋をなぞる。時には優しく、時には強く刺激する。
690投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月10日(水)00時20分34秒
七海には、この二人のやり取りは見えない。声しか聞こえない。しかし、それが七海のイマジネーションを掻き立てて、興奮させる。
(何や…。こういう趣味、ウチらだけやないんや…。でも、まさか細川さんや中川先生まで…)
「あん!あう!せ、先生…!そ、そんなにしたら…そんなにしたら…!」
「聞かせて…!細川さんのエッチな声、先生に聞かせて!」
(あ…、細川さん…、こないな可愛らしい声出せるんや…。なんか、ウチ、たまらん…)
七海の手は自然と股間に伸びる。
691投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月10日(水)00時21分54秒
「細川さん…パンティ、こんなに濡らしちゃって…」
「あ…!は、恥ずかしい!」
「直に触ってあげるね…」
中川は藍のパンティに手を入れた。すると、藍の手がその手を掴んだ。
「ダメ…。先生…」
「細川さん…?」
藍は中川の手を自分のパンティから抜くと、スカートを直して立ち上がる。
「先生…。私の思いは伝えましたから…!私、絶対に後悔しないから…!」
「…そう…。でもね、細川さん…。気が変わったらいつでも私に言ってちょうだい」
(何や…これからいいとこやったのに…)
七海は拍子抜けした。
「それから…私じゃなくて、ジーナに言ってもいいのよ」
(ジーナ?あのガキ?)
七海はまたあの生意気な下級生の名前を聞いて疑問に思った。
692投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月10日(水)00時23分04秒
「失礼します!」
藍は保健室を出て行った。
「さてと…ムラムラしたらお腹が空いてきちゃった…。給食、食べに行こうっと…」
中川も保健室を後にする。
誰もいなくなった保健室。七海がようやくベッドの下から這い出る。
「ええと…細川さん、中川先生、ジーナ、ジーナの爺ちゃん、一木さんの親父、ウチの親父、フレドリック、TIM?…何や話しが見えへんな…。どないしょ?一木さんに教えるべきか、否か…」
しばらく考えた七海だが、ある重要な事実に気がついた。
「あ…!あのアホ(有海)!ウチのハーフパンツ、持って行きよった!」
七海は思わずガックリと膝を落とした。
693投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月10日(水)00時24分21秒
9
秋葉原に行った翌日、今日は渋谷区体育館に二人はいた。
藍に試合を見に来るように言われたからだ。
既に会場には多くの観客、保護者、応援団が陣取っていた。さすがお嬢様学校のHK学園、応援垂れ幕が一番豪華である。
もう、試合は2,3消化されていて、有海と七海が到着した頃には、既にHK学園の試合が始まっていた。
「どうせ、細川さんの一人勝ちやろ?」
七海は決勝戦だけを見れればいい、と考えていたが、有海に「全部見てあげようよ」と言われて、渋々昼食前に来たのだった。
「あれ?藤本さん、スコア見て」
有海が指差す方を見る。HK学園12−18渋谷南。HK学園が、いや藍が負けている?
「ありゃ?負けとるがな。どないしたんや?」
コート内に目をやる。白のユニフォームがHK学園。黒のユニフォームが渋谷南。
藍がドリブルで駆け抜ける、しかし、相手チームの4番、おそらくエースでキャプテンであろう選手のディフェンスに阻まれる。
強引に突破を試みる藍。もう一人の相手選手が藍を挟み撃ちにする。その選手に気を取られている内に、4番の選手にボールを奪われる。
「あん?何で?何であれしきのことで獲られるん?」
「だって、二人がかりだよ?いくら細川さんでも…」
「一木さん、細川さんのプレイ、見たことないやろ?」
藍は懸命に相手4番を追いかけるが、どんどん引き離され、そのままシュートを許す。
スコアは12−20。8点差に広がった。藍は膝に手を着いて何度も首を傾げた。
「コラー!藍ー!何でも一人でやろうとするな!」
バスケ部顧問の井上の怒鳴り声が体育館に響いた。
694投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月10日(水)00時25分06秒
「TIMに頼らないで自分がどれだけできるか試したいんです!」
七海は、藍が中川に訴えた言葉を思い出す。そして、「後悔するわよ」という中川の言葉。
「TIM…」
七海が呟く。
「え?何?」
有海が聞く。
「細川さん…。TIMって一体何やの…」
相手チームはエースの4番を中心に点を重ねていく。スコアは、HK学園16−26渋谷南。10点差がついた。
とうとう藍はコートを歩き始めた。もはやボールに触ることもできない。井上は選手交代を告げる。
「選手交代!白、4番アウト。11番イン」
藍は「え?私?」と自分を指差した。藍は井上に掴みかかる。
「監督!どうしてですか!私をさげて逆転できるわけないでしょ?」
普段、井上を「マー君」と呼ぶ藍は、部活の時だけは「井上先生」と呼ぶ。
「お前、自分がどんなプレイしてるのかわからないのか!このチームはお前だけのモノじゃないんだ!」
普段は生徒から甘く見られている井上だが、部活の時だけは厳しい。
藍は目にいっぱい涙を溜めて、試合中だというのに会場を後にした。
HK学園は所詮、藍のワンマンチーム。藍が機能しなければ並みのチームに成り下がる。
井上は藍だけに頼ったチーム構成を心底悔やんだ。優勝候補と言われた我が校が初戦敗退…。
井上はパイプ椅子に力無く腰を降ろした。
695投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月10日(水)00時26分15秒
体育館の薄暗く長い廊下。
スポーツタオルで涙を拭きながら、藍は洗面所へ向かう。
「う…う…う…」
藍の嗚咽が廊下に響く。
(こんなはずじゃ…。こんなはずじゃ…)
藍は悔しかった。中川の忠告通り、自分は後悔している。
しかし、これはいい機会なのかもしれない。これが自分の本来の力なのだ。ゆっくり時間をかけて実力をつけていけばいい。
本来、ポジティブな性格の藍は、自分にそう言い聞かせる。
(早くコートに戻って試合に出してもらえる様に先生に頼もう。まずは洗面所で顔を洗わないと…)
藍が洗面所に入った。そこにはジーナがいた。
「あ〜あ…。苦戦してるみたいですね、藍センパイ!」
「ジーナ…!」
「このまま負けてもいいんですか?」
「き、来てたの…?」
「しょこたんから頼まれたんです!藍センパイが困ってたら、助けてあげてねって」
「私を…?助ける…?」
ジーナはポケットからキャンディーを二つ取り出した。
透明のセロファンに包まれた、赤と黒のキャンディー…。
藍は思わず生唾を飲み込んだ。
ジーナが矯正器具をつけた歯をニっと出す。
「欲しいんでしょ…?T・I・M…」
696投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月10日(水)00時27分12秒
9
秋葉原に行った翌日、今日は渋谷区体育館に二人はいた。
藍に試合を見に来るように言われたからだ。
既に会場には多くの観客、保護者、応援団が陣取っていた。さすがお嬢様学校のHK学園、応援垂れ幕が一番豪華である。
もう、試合は2,3消化されていて、有海と七海が到着した頃には、既にHK学園の試合が始まっていた。
「どうせ、細川さんの一人勝ちやろ?」
七海は決勝戦だけを見れればいい、と考えていたが、有海に「全部見てあげようよ」と言われて、渋々昼食前に来たのだった。
「あれ?藤本さん、スコア見て」
有海が指差す方を見る。HK学園12−18渋谷南。HK学園が、いや藍が負けている?
「ありゃ?負けとるがな。どないしたんや?」
コート内に目をやる。白のユニフォームがHK学園。黒のユニフォームが渋谷南。
藍がドリブルで駆け抜ける、しかし、相手チームの4番、おそらくエースでキャプテンであろう選手のディフェンスに阻まれる。
強引に突破を試みる藍。もう一人の相手選手が藍を挟み撃ちにする。その選手に気を取られている内に、4番の選手にボールを奪われる。
「あん?何で?何であれしきのことで獲られるん?」
「だって、二人がかりだよ?いくら細川さんでも…」
「一木さん、細川さんのプレイ、見たことないやろ?」
藍は懸命に相手4番を追いかけるが、どんどん引き離され、そのままシュートを許す。
スコアは12−20。8点差に広がった。藍は膝に手を着いて何度も首を傾げた。
「コラー!藍ー!何でも一人でやろうとするな!」
バスケ部顧問の井上の怒鳴り声が体育館に響いた。
697投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月10日(水)00時27分54秒
「TIMに頼らないで自分がどれだけできるか試したいんです!」
七海は、藍が中川に訴えた言葉を思い出す。そして、「後悔するわよ」という中川の言葉。
「TIM…」
七海が呟く。
「え?何?」
有海が聞く。
「細川さん…。TIMって一体何やの…」
相手チームはエースの4番を中心に点を重ねていく。スコアは、HK学園16−26渋谷南。10点差がついた。
とうとう藍はコートを歩き始めた。もはやボールに触ることもできない。井上は選手交代を告げる。
「選手交代!白、4番アウト。11番イン」
藍は「え?私?」と自分を指差した。藍は井上に掴みかかる。
「監督!どうしてですか!私をさげて逆転できるわけないでしょ?」
普段、井上を「マー君」と呼ぶ藍は、部活の時だけは「井上先生」と呼ぶ。
「お前、自分がどんなプレイしてるのかわからないのか!このチームはお前だけのモノじゃないんだ!」
普段は生徒から甘く見られている井上だが、部活の時だけは厳しい。
藍は目にいっぱい涙を溜めて、試合中だというのに会場を後にした。
HK学園は所詮、藍のワンマンチーム。藍が機能しなければ並みのチームに成り下がる。
井上は藍だけに頼ったチーム構成を心底悔やんだ。優勝候補と言われた我が校が初戦敗退…。
井上はパイプ椅子に力無く腰を降ろした。
698投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月10日(水)00時28分47秒
タイムを取る井上。
井上はダブルスコアだけは避けようと、選手全員にディフェンス中心の作戦を授けた。
「あれ?細川さん、交代させられちゃったよ」
有海は七海に話しかけたが、七海は会場を去っていく藍の背中をじっと見ていた。
(あんたがウチに見せたいものって、こんなもんなん?)
七海は自分のことの様に悔しかった。
(ウチからホームラン打ったあんたは、ほんまに凄かった…。TIMとやらが無いあんたは、こんなにヘタレなん?)
七海は鉄の手摺りをギュッと握り締めた。
藍の後姿は、本当に小さく見えた。
藍は会場の扉を開け、姿を消した。
699投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月10日(水)00時29分51秒
体育館の薄暗く長い廊下。
スポーツタオルで涙を拭きながら、藍は洗面所へ向かう。
「う…う…う…」
藍の嗚咽が廊下に響く。
(こんなはずじゃ…。こんなはずじゃ…)
藍は悔しかった。中川の忠告通り、自分は後悔している。
しかし、これはいい機会なのかもしれない。これが自分の本来の力なのだ。ゆっくり時間をかけて実力をつけていけばいい。
本来、ポジティブな性格の藍は、自分にそう言い聞かせる。
(早くコートに戻って試合に出してもらえる様に先生に頼もう。まずは洗面所で顔を洗わないと…)
藍が洗面所に入った。そこにはジーナがいた。
「あ〜あ…。苦戦してるみたいですね、藍センパイ!」
「ジーナ…!」
「このまま負けてもいいんですか?」
「き、来てたの…?」
「しょこたんから頼まれたんです!藍センパイが困ってたら、助けてあげてねって」
「私を…?助ける…?」
ジーナはポケットからキャンディーを二つ取り出した。
透明のセロファンに包まれた、赤と黒のキャンディー…。
藍は思わず生唾を飲み込んだ。
ジーナが矯正器具をつけた歯をニっと出す。
「欲しいんでしょ…?T・I・M…」
700投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月10日(水)00時30分45秒
「TIM…」
藍は思わず手を出しかけたが、すぐに引っ込ませる。
「ジーナ、そこをどいて!顔を洗いたいんだから」
藍はジーナの横を通り抜けようとするが、ジーナは藍を強く押した。
藍はヨロヨロと後ずさりする。小柄なジーナが藍を押しのけたのだ。
「ジ、ジーナ!お願いだからジャマしないで!」
藍は悲痛な叫び声をあげた。それはまるで懇願するかのように。
ジーナは藍をじっと見上げて言う。
「ジャマ?その逆です!ジーナは藍センパイのお手伝いに来たんですよ!藍センパイの夢の…」
「夢…?」
「今日、全日本ジュニア選抜の監督、見に来てるんですって」
「え?」
「このままじゃ…印象、最悪ですよ?多分、ジュニア選抜に呼ばれませんよ?」
「い、いいの!まだ時間はあるわ!中等部で選ばれるようにがんばればいい!」
「七海センパイも見に来てました!」
「ふ、藤本さんが?」
「眉間に、こーんな、シワ寄せて見てましたよ。藍センパイがワザワザ呼んだんでしょ?カッコ悪〜い!」
「べ、別に構わない!彼女には…私がちゃんと謝るから…」
藍は洗面所に手を着いて、蛇口に手を伸ばした。すると、ジーナが後ろから藍に抱きついてきた。
701投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月10日(水)00時31分43秒
「ちょ、ちょっと!ジーナ!何するの?放してよ!」
「素直じゃないのね、藍センパイ…。素直なセンパイがジーナは好きです…」
「し、試合に戻らなきゃ…!時間がないのよ!」
「今のセンパイが戻ったところで、チームの足手纏いです!役には立ちません!」
「そ、そんなことな…あ…!」
ジーナの手がユニフォームの中を弄る。
「あ…ジ、ジーナ…!や、やめてよ!こ、こんな所で…!」
「大丈夫…。さっき清掃中の看板出しときました…。人は来ません…」
ジーナは藍のユニフォームを上に捲る。汗の滲んだスポーツブラも一緒に上げた。
藍の充分発育した白い胸が、プルンと揺れながら晒された。
「あ…!」
藍は胸を隠そうとしたが、ジーナはユニフォームを藍の頭に通して腕までやると、手首でギュッと絞り、蛇口に引っ掛けた。
藍は蛇口に手首を固定された恰好になった。
「ジーナは藍センパイを素直にする方法を知ってます…。さ、自分に正直になって下さいね」
ジーナは汗で濡れた藍の背中をペロリと舐める。続けて藍の柔らかい胸を揉みしだく。
「はぁ…!ジ、ジーナ…!ダ、ダメだよ…!そんな…!」
「藍センパイの汗、美味しい…。藍センパイは背中が弱いんでしたよね?」
そして藍の背中に唇を這わせる。藍は身体をビクビクと反応させる。
「あ…あん…。ジーナ…。や、やめて…。し、試合が…試合が終わっちゃう…」
「うふふ…。だったらセンパイが早くイケばいいんですよ…」
そう言うと、ジーナは藍のハーフパンツをパンティごと引きずり降ろした。
702投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月10日(水)00時33分54秒
藍は手首をユニフォームとブラジャーで蛇口に縛られ、足首までハーフパンツとパンティが降ろされている。
藍はジーナに丸裸にされてしまった。
「きゃー!藍センパイ、今、スッゴイ恥ずかしい恰好してるよ!」
「あん…、ジーナ…!お、お願いだから…お願いだからやめて…」
ジーナは藍の白い肌を撫で回す。ジーナの掌を、藍の汗がじっとりと濡らす。
「センパイの白い肌に汗がキラキラ光ってて、キレイ…。センパイの汗にジーナの唾液を混ぜ混ぜしちゃいますよ」
ジーナは藍の身体を、上から下まで嘗め尽くす。
ジーナの舌は、藍のふくらはぎ、太もも、尻、背中、脇の下、首筋と移動する。
「はぁ…はぁ…はぁ…」
藍の声は段々と大きくなっていく。ジーナは藍の薄いピンク色の乳首を指で捻る。
「あ…!あぃぃ…!」
藍は悲鳴をあげた。ジーナはそのまま身体を撫でながらしゃがむ。
「汗と唾液…。そしてもう一つ混ぜようか?」
ジーナは後ろから藍の性器を弄る。
「あぐぅ!ああん!」
藍のふくらはぎの筋肉がピクンと浮き出て、爪先立ちになる。
「うふふ…。センパイのオケケ、湿ってるよ…」
ジーナは、藍の頭髪と同じ様に茶色がかった陰毛を指先で弄んで尖らせた。
藍の身体からは、次から次へと汗がにじみ出てくる。
703投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月10日(水)00時34分50秒
「ああ…ジーナ…。お願い…。お願いだから試合に戻らせて…。私が行かないと…私が…」
「みんなが必要としているのは、TIMなんです。藍センパイじゃない…」
「そ、そんなこと…。そんなこと…」
ジーナは藍の髪の毛を乱暴に掴んで顔を上げさせる。目の前の鏡に藍の顔が映る。
「さあ、良く見て、この情けない顔!藍センパイはこんな顔じゃなかった!もっとキリリと引き締まってカッコ良かった!」
「い、嫌!」
藍は自分の顔が写っている鏡から目を背けた。
「見るのよ!」
ジーナは力いっぱい髪の毛を引っ張り上げる。
「あぐ!」
藍は痛みに歪んだ自分の顔を見ざるを得ない。
「今からジーナがセンパイをイカせてあげます。センパイは自分の情けない顔でイクのをよく見てなさい!」
ジーナは藍の性器に指を突き立てる。
「ああん!」
藍は今にも泣き出しそうな自分の顔を鏡で見る。ジーナは藍の顔に自らの顔を近づけて囁く。
「藍センパイ…。ジーナがイカせてあげたら、TIMをあげます。藍センパイはこれで無敵になるんですよ」
704投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月10日(水)00時36分48秒
「わ、私は…私は自分の力で…私の力で闘いたいの…」
「寝言は寝て言いましょうね、センパイ…。今の状況だって負けてるのに…」
ジーナは指を激しく動かす。ガクンとした衝撃が藍の全身を襲う。
「あん!ああん!あああ〜!!」
藍はあらん限りの声をあげた。そして、身体全体をピクピクと痙攣させる。
脱力した藍は洗面器に突っ伏した。
「TIMがないと、すぐにイッチャうんですね、センパイ…。でも、イク姿が可愛かったから、ジーナがご褒美あげますね」
ジーナは黒い方のキャンディーを口に含み、口移しで藍に渡す。
黒いキャンディーはすぐに藍の口の中で溶けた。
「いいですか?センパイもよくご存知だと思いますが、ゴルゴの後にレッドですよ?5分以内に舐めて下さいよ?」
ジーナは洗面台の上に赤いキャンディーを乗せた。
「いいですか?必ずレッドも舐めて下さいね?」
ジーナは洗面所から去って行った。
藍はしばらく全身の力が抜けて座り込んでいたが、はっと我に帰るとユニフォームを着るよりも先に赤いキャンディーを手に取る。
しかし、セロファンを剥く指が震え、キャンディーを落としてしまった。
キャンディーは洗面台の中をコロコロと転がり、排水溝の中に落ちてしまった。
「ああ!しまった!レッドが!…ダ、ダメ!ゴルゴだけじゃダメなのに…!」
藍は呆然と排水溝に視線を落とした。
705投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月10日(水)00時38分11秒
試合会場。後半残り5分。スコアはHK学園25−40渋谷南。15点差。
「行こう、一木さん。帰ろう!」
「も、もう、勝ち目はないのかな?」
「あかんやろ。残り5分で8ゴールせなあかん。しかも相手に一切得点させへん条件で…。細川さんのいないあのチームでそれは望めん。」
「あ!待って、藤本さん!細川さんが戻ってきたよ!」
有海の指差した方向から、藍が真っ直ぐに歩いてくる。しっかりとした足取り。
「細川さんが戻っても結果は同じや」
七海はそう言ったが、藍の顔がいつもの自信を取り戻しているの気がついた。
706投稿者:
慓ー
投稿日:2007年01月10日(水)00時38分52秒
藍は井上のもとに歩み寄る。藍の鋭い眼光に、井上は思わず椅子から腰を上げる。
「先生、さっきはスイマセンでした。でも、もう大丈夫です。私を試合に出してください」
「し、しかし、もう残り5分で15点差なんだ…。今はできるだけ多くの部員に試合の経験をさせることに決めたんだ。」
「先生、まだ逆転できます」
「藍、ごめんな…。お前ばっかりに頼ってしまって…。今度はみんなでお前を支えてやれるようなチームに…」
「先生!諦めないで!私がチームを勝たせてみせます!」
「藍…。お前…」
「先生…。私を信じて…」
井上は藍の目に秘められた何かを感じ、審判に選手交代を要請した。
「選手交代!白15番アウト、4番イン!」
藍がコート内に戻ってきた。チームメイトは藍に駆け寄る。
「みんな、ごめんね。私、どうかしてた。さ、逆転するよ!」
試合を再開する笛の音が響く。その直後、藍がダンクシュートを叩き込む。
会場中が歓声で湧き上がった。
707投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月10日(水)00時40分34秒
「な、何や?今の…」
「凄い…。細川さんってあんなに凄いの?」
有海と七海は目を見開いて藍を見つめた。
相手チームのボール。藍が相手ボールををインターセプト。藍がダンクシュート。
これを何度も繰り返す。井上はパイプ椅子から腰を落とした。
「な、何だコレ…?これは…どこのNBAだ…?」
藍のチームメイトはただ突っ立って、このスーパープレイを見る観客となってしまった。
会場の屋根が吹っ飛びそうな歓声が続く。その中心に藍がいた。
(ああ…最高!!これが私よ!私の実力よ!みんな、私を見て!もっと私を見て!)
七回目のダンクシュート。これであと一回で逆転できる。残り3分もある。HK学園の勝利は目前だった。
「細川さん!凄い!もうすぐ逆転だよ!」
チームメイトが藍に駆け寄る。
「寄るな!雑魚ども!」
藍が掌を突き出して恫喝した。チームメイトは凍りつく。
「ほ、細川さん…?」
「てめえらはただアホ面並べて私のスーパープレイを見てればいいんだよ!ジャマしたらぶっ殺すぞ!」
「ど、どうしちゃったの…?細川さん…」
「ほ、細川さん…鼻血…!」
藍の鼻からポタポタと血が落ちる。藍の白いユニフォームに赤い斑点が増える。
「この試合、ダブルスコアにしてやるよ…。できる…私ならできる…」
藍はブツブツ言いながら、また相手チームのボールを奪いに走った。
708投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月10日(水)00時41分14秒
藍はまた相手ボールを奪った。しかし、相手チームのエースの4番は今度はゴール前に立ちはだかっていた。
「そう、何度も何度もやらせないわよ!」
しかし、藍は相手選手に構うことなくゴールに突っ込んだ。
二人は激突したが、吹っ飛ばされたのは相手選手だけだった。
…ピー…
笛が鳴った。
「白、4番!オフェンスファール!」
「何を!私のファール!?どこに目を着けてんだ!クソ審判!」
藍は審判に詰め寄った。
「な、何だ、君!その態度は…うん?き、君…大丈夫か?怪我したのか?」
藍の鼻から、水道水のように血が流れて、藍の白かったユニフォームは真っ赤に染まっていた。
「関係ねえよ!サッサと試合を進めろ!時間がねぇんだよ!」
井上は目が点になっていた。
「あ、藍…?一体…どうしたんだ…?」
有海と七海にも、藍の異変に気がついていた。
「ね、ねぇ…。細川さん…何か、変だよ…」
「…わかってる…」
七海はじっと藍を見つめる。もはや、あの爽やかで、憎らしいほどカッコよかった藍ではなかった。
「藍センパイ、カッコいい!」
聞き覚えのある声…。七海は後ろを振り返った。
ジーナがいる。ジーナは七海の視線に気がつくと、矯正器具付きの大きな歯をニヤっと見せた。
709投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月10日(水)00時41分52秒
「ちょっと!あんた!痛いじゃないの!何すんのよ!」
相手チームの4番は、藍の肩を強く掴んだ。
藍はゆっくりと振り返る。目が狂気に染まっている。
「あん?何だぁ?お前…。私にケンカ売ってんのか?」
「…ひ!」
相手選手は一瞬、気圧された。藍は相手選手の胸座を掴むと、思いっきり振り回した。
ユニフォームがメリメリと音をたてて引き千切られた。相手選手は上半身裸になって床に転がった。
悲鳴が会場を包む。
「ひ…ひぃぃ…!」
相手選手は胸を隠しながら、床を這って逃げる。
「逃げんじゃねえぞ!コラ!このクソ女!」
藍は彼女のハーフパンツに手をかけると、一気にパンティごと足から引き抜いた。
「助けて!誰か助けてぇ!」
全裸にされた相手選手は泣き叫んで助けを求めた。
「藍!やめろ!やめるんだ!」
井上が藍の後ろから羽交い絞めにして止めた。
「てっめぇー、このマー!!ジャマすんじゃねぇよ!」
藍の裏拳が井上の顔面に炸裂する。
「ぶげ!」
井上はもんどりうって後ろへ倒れ、後頭部を床に打ち付けた。
井上はそのまま気絶した。
710投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月10日(水)00時42分36秒
藍は全裸になった相手選手の髪の毛を引っ張って引きずり回す。
会場はもう大パニックになった。悲鳴と怒号が響き渡る。
「た、大変だよぉ!藤本さん!細川さんが…!細川さんが…!」
「わかってる!」
七海は藍から再びジーナへ視線を戻す。しかし、彼女の姿はもうなかった。
他校の体育教師が数人で藍を取り押さえる。
藍はそれでも、屈強な体育教師をポンポンと投げ捨てる。
終いには体育教師が10数人藍の上に覆いかぶさった。まるでアメフトの試合のようだった。
その肉団子の下から藍の呻き声が聞こえる。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおお〜〜〜〜〜〜〜!!!」
藍は上に乗った体育教師を全員弾き飛ばした。
そして床に転がっているボールを拾うと、ゴールに向かって走り出した。
「私のダンクのジャマをするな〜〜〜〜〜!!!」
藍は思いっきりジャンプすると、ボールをゴールに叩き込んだ。
ゴールのクリアボードが粉々に砕け散る。
そして藍は床に背中を叩きつけられた。
会場の悲鳴は最大限に響き渡った。
711投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月10日(水)00時44分12秒
10
藍は救急車で病院に運ばれた。病院は体育館の目と鼻の先にあったので有海と七海は走って救急車を追いかけた。
病院のロビーは関係者でごった返していた。警察官の姿もある。
井上がソファに力なく座っている。鼻のあたりを大きなガーゼが被っている。そして氷嚢を後頭部に当てている。
七海は人を掻き分けて入り込み、井上のもとへ向かう。
「藤本さん、待って!」
有海も必死で七海の後に着いて行く。
「井上先生!」
井上は名前を呼ばれ、七海の方を向く。
「細川さんは…細川さんはどうなったんですか?」
「ああ…藍はな…」
井上は力なく口を開く。鼻が折れているのだろうか?酷い鼻声だ。
「今、集中治療室にいる…。全身を強く打っていて、何より出血が酷い。意識は…まだ戻ってない…」
712投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月10日(水)00時45分08秒
「細川さん…」
七海はついさっき起きたこと、そして今ある状況が信じられない。
井上はハッと我に帰った。
「あ…いや…違う…!うん、違う!藍は…今、ここの優秀な先生が診てくれてるから…そのうち元気になるさ…!あはは…!」
「もう、ええって…。先生…」
井上はがっくりと頭を垂れた。七海は有海のもとへ向かう。
「細川さん…危険な状態らしいで」
「そんな…。細川さんが…」
有海は途端に涙目になる。2〜3メートル先にはトレーニングウェア姿のチームメイト達が肩を寄せ合ってシクシクと泣いている。
二人は人ごみを離れた。
713投稿者:
あげ
投稿日:2007年01月10日(水)00時58分32秒
あげ
714投稿者:
age
投稿日:2007年01月10日(水)02時06分46秒
715投稿者:
大変だとおもうけど
投稿日:2007年01月10日(水)02時07分13秒
がんばってね、リリー
716投稿者:
ようやく
投稿日:2007年01月10日(水)02時53分05秒
おさまったみたい。
また様子みて、適当な時に更新してね。
717投稿者:
この小説読んでたら
投稿日:2007年01月11日(木)00時56分04秒
ホントの藍がこの小説の藍に見えてくるww
今日の紙フトなんか会場が体育館だし、マーさんもいるし・・・ww
うちだけですよね・・・w?
718投稿者:
今日のジーナ
投稿日:2007年01月11日(木)01時12分47秒
くるみ割り人形のクイズで惜しいところまで言ったのに、先輩の七海に遠慮して自分の意見を主張できなかったね。
この小説ではジーナ>七海だけど…。
719投稿者:
↑
投稿日:2007年01月11日(木)01時13分51秒
すでに昨日だよ
720投稿者:
藍はそこまで
投稿日:2007年01月11日(木)16時18分16秒
ジーナは確かに、と頷ける
721投稿者:
一七が一緒に歌ってた
投稿日:2007年01月12日(金)00時10分43秒
羅夢が真ん中にいたけど…
722投稿者:
age
投稿日:2007年01月12日(金)00時11分28秒
うんうんそうだった
723投稿者:
羅夢も
投稿日:2007年01月12日(金)01時16分59秒
リリーの前作の主人公だったよ
724投稿者:
ツグラム
投稿日:2007年01月12日(金)01時18分27秒
落ちちゃったねぇ…。
また読みたいなぁ…。
725投稿者:
さくらんぼに愛実が出てたら
投稿日:2007年01月12日(金)01時21分06秒
主人公ペア同士で面白かったのに・・・
726投稿者:
>724
投稿日:2007年01月12日(金)01時28分54秒
http://ame.dip.jp/log/tentele/061024210839.html
過去ログにちゃんとあります
727投稿者:
ああlt
投稿日:2007年01月12日(金)01時50分30秒
http://ame.dip.jp/upload/1168/533669.jpg
728投稿者:
>726
投稿日:2007年01月12日(金)20時41分19秒
おお、また読めるとは…。
ありがとう。
729投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月12日(金)23時13分21秒
お待たせしました
この前、変なことになったのでまた14章の頭から始めます
それでは更新します
730投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月12日(金)23時15分27秒
635からの続きです
14
有海は七海の身を案じて、藍の入院する病院へ向かった。
しかし、もう既に面会時間は過ぎていて、藍に…そして七海に会うことはできなかった。
そして次に七海のマンションへ向かう。
部屋番号を押してみても七海の返事はない。
(まさか…!藤本さん、もう既にTIMを飲まされて、どこかへ連れて行かれたのかも…!)
有海がどうしていいかわからず、呆然と立ち尽くしていると、後ろから不意に声をかけられる。
「ん?一木さんやないの?」
「藤本さん?」
「やっぱり一木さんや。どないしたん?盗聴器、うまいこと取り付けたん?」
「藤本さぁ〜ん!」
有海は心の底から安堵した。そして七海に向かって真っ直ぐに、力強く向かっていく。
有海は七海を抱きしめた。有海よりも小柄な七海は、有海の体重を支えきれず、有海もろとも後ろへ倒れてしまった。
731投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月12日(金)23時16分08秒
「い…痛いやんか!どないしたん?一木さん」
「よかった…。よかった…。藤本さん…無事だった…」
この有海の様子に七海は只事ではない状況を感じた。
「一木さん…?何があったの?」
アスファルトの上に倒れたまま、七海は有海に聞いた。
「ご、ごめんなさい…。私…、失敗した…」
「え?どういうこと?」
「見つかっちゃった…。中川先生に…。私がTIMのことを探ってるって…バレちゃった…」
「ええ?そ、それで…?い、一木さん、無事だったん?何もされへんかった?」
「な、何もされなかったって言ったら…嘘になるけど…。でも、こうやって藤本さんに会えてよかった…。だって…藤本さんの方が心配だったから…」
「あ…ああ…。ウチの方も何もなかったっていうわけやないんや…」
「え…?やっぱり?ジーナに何かされた?」
「一木さん…ジーナが普通や無いって…知ってるん…?」
有海は頷いた。七海は表情を強張らせた。
「とりあえず部屋に入ろ。お互いに何があったのか、詳しい情報交換が必要や」
「うん…わかった…。でも、藤本さん…。何でパンツ履いてないの…?」
倒れこんだ拍子に、七海のスカートが捲れ上がっていた。
「…これも…話せば長くなる話しや…」
732投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月12日(金)23時16分42秒
七海の部屋に入った二人は、今日起こったことを話し合うことにした。
七海はジーナにいたぶられたこと、有海は中川に悪戯されことなど、お互い話すには辛いこともあったが、自分の身に起こったことを詳しく話した。
七海は、有海の話しを聞き終わった途端、激しい怒りに打ち震えた。
「何やと…!あのしょたん、ウチの一木さんに何てことしてくれよったんや!殺したる!」
七海は立ち上がったが、有海になだめられる。
「落ち着いて!藤本さん!私はこうやって無事だったわけだし…。ね?」
「無事なわけないやん!心に傷を負ってんねやろ?だって、ウチも悔しいもん!あないなガキに…って、一木さんは怒ってくれへんの?」
「え…?もちろん、平気じゃないよ…。でも、今は我慢するしかないよ…。特にジーナには勝てないよ、私達には…」
「う…うん…。そうやな…。失敗した…。スライムや思ってたヤツが実はバラモスやったなんて…」
「え?何?」
「一木さん、ドラクエやったことないの?…ま、ええわ。とにかく…今の二人の話しをまとめると…」
七海はノートに今の状況を書き出す
「?一木さんがTIMのことを探ってることがバレた
?でも盗聴器のことはバレてない
?ウチと一木さんがつながっていることもバレていない
?敵はウチをTIMの実験台にしようとしてる
?TIMが手に入れば、それを証拠に警察に駆け込める
?ジーナはヤバイ
こないなところかな…?」
733投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月12日(金)23時17分46秒
「藤本さん…。これ、国語のノートだよね?」
「うん?そうやけど?」
「これ、1ページ目じゃない!ノート、真っ白!こんなだから、TIMの実験台に選ばれるんだよ!」
「何やねん!あんた、ウチのオカンか!放っといてよ!」
「藤本さん、算数と社会と理科のノートも見せて!」
「今はそないなこと言ってる場合やないで!今はウチらが勝利する知恵が試される時や!学校の勉強なんか役に立たへん!」
「そうかもしれないけど…。この事件が片付いたら、私が勉強みてあげるからね!」
「ええやん、どうせウチら、17歳で死ぬんやろ?何のために勉強するん?」
「え?だって…進級できないと私達、離れ離れに…」
「この事件が片付く、言うことはHK学園も廃校ってことやで?どのみち勉強しても無駄や!」
「そ、そうだけど…」
「一木さん、ウチらは学校が無くなれば、それで終わってしまうような仲なん?違うやろ?例え一木さんが北朝鮮に拉致されたって、後を追って行くで!ウチは!」
「うん…。そうだね…。藤本さんの言うとおりだね…」
「…でも…一木さんが教えてくれるんやったら…ウチも勉強、がんばれそうや…」
「…え?」
「だから…この事件が終わったら、ウチに勉強、教えて…。ずっとコンプレックスやったんよ…」
七海は照れくさそうにそう言った。
734投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月12日(金)23時20分13秒
七海にそう言われ、有海は嬉しそうに答える。
「うん!わかった。ビシビシやるからね!覚悟してよ?」
「お手柔らかに頼んますわ」
「でもね、校長先生がこうも言ってたよ!藤本さんは勉強はダメだけど頭は良いって…」
「はん!魔王に褒められても嬉しゅうないな!さ、一木さん、話しを戻すで!この状況でウチらに不利なことは何や?」
「?の(私がTIMを探ってることがバレた)…だね…私のドジで…。ゴメン…」
「ええって、もう!謝らんで…。別に反省会やないんやから…。でも、確かに?はウチらにとってマズイ。今頃、しょこたんが魔王に一木さんのことチクってるはずや」
「うん…本当にゴメン…」
「せやから、もうええって!どつくで!」
「…ゴメン…」
「…。でもな、?の(盗聴器がバレへんかった)のは、ウチらに有利や。まさかしょこたんは一木さんが盗聴器を仕掛けたなんて夢にも思うてないはず。向こうの情報は相変わらずウチらに筒抜けや!」
735投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月12日(金)23時20分28秒
「そうだね。あとは私がこのまま家に帰ってパパの書斎に盗聴器を仕掛ければ…」
「今度こそ気ぃつけや。一木さんの親父さんにも、今日のことがバレてるやろうから…」
「うん…」
「警察にタレ込むのがバレたら、どうなるかわからへんで!一木さんのお母ちゃんみたいにな…」
七海は自分の失言に気がついた。有海は暗い顔をしている。
「堪忍…。一木さん…。ウチ、無神経なこと…」
「いいよ…。藤本さん、気にしないで。だって、本当のことだし…」
「ほんま、堪忍…」
「いいってば…。どつくで!藤本さん!」
有海が関西弁を使った。二人は顔を見合わせて笑った。
736投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月12日(金)23時21分20秒
「そして?の(ウチと一木さんがつなごうてるのがバレてへん)ってやつやけど…。これは楽観視してもええんやろか?」
「どういうこと?」
「しょこたんは騙せても、魔王はどうやろ?もしかしたら、しょこたんも騙された振りをしたのかもしれん…。もしかしたら、ウチをTIMの実験台にする計画がお流れになるかも…」
「でも、私はその方がいいな…。藤本さんが細川さんみたいにならないなら…」
「アホ!?の(ウチをTIMの実験台にする)…てのはウチらにとって有利なことやで?いや、盗聴器以上に有利なことや!」
「そうなの?」
「だってTIMの実物が手に入るやん!それで?の(警察に駆け込むことができる)、これがウチらの勝利条件やろ?これがケルベロスの首を三つ一編に落とせる方法や!」
「あ、そうか…。藤本さんがTIMを飲む前に警察に行けば…」
「せやから、?が大きな不安要素なんや。それでな、一木さん…。明日からウチらは絶交や」
「ええ!?絶交?そんなの嫌だよ!」
「辛抱せえ!ウチらが二人っきりになったら、TIMの情報交換してるってバレるやん!ええか?これは一時的なもんや!」
「…うん…。わかった…。でも…淋しいよ…」
「それはウチも一緒や…。でも、安心せえ。ウチがジーナからTIMを貰うたら、いつもの関係に戻れる!」
737投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月12日(金)23時22分15秒
「そのジーナのことなんだけど…」
「うん…?の(ジーナはヤバイ)やな…。正直、これが一番やっかいや。できることならジーナには近づきとうないな…」
「うん!うん!それがいいよ!細川さんだって、ジーナに酷い目に遭わされたんでしょ?」
「いや、これは避けては通れへん!実際、TIMを渡すのはジーナの役目や。ジーナからTIMを受け取らなあかん!」
「でも…藤本さんの身に、何か起きたら…」
「ジーナに逆らわへんなら、身の危険はないと思う…。ま、今日みたいな屈辱は覚悟せなあかんけど…」
「…藤本さん…。ジーナの恋人になるんだね…」
「わかって!一木さん。ウチも辛いんよ…。大丈夫…身体はジーナにオモチャにされるかもしれへんけど、心は一木さんのものや…」
「うん…。気をつけて…」
「おおきに…」
二人は固く手を握りあった。
738投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月12日(金)23時23分40秒
翌日、二人は学園で出会っても、顔を合わせなかった。
一木有海と藤本七海は絶交した。この事実を夏希に、中川にアピールしなければならない。
昼休み。有海は、中川に保健室まで呼び出された。
「一木です…。入ります…」
「来たのね…。一木さん…」
「中川先生…。何ですか?昨日のことですか…?」
「う、うん…。あの…昨日のこと…。誰にも言ってないわよね?」
「はい…言ってません…。だって…そんなことしたら、パパの会社が潰れちゃうじゃないですか…」
「そ、そうよね、そうよね…。じゃ、じゃあ…藤本さんにも…?」
「言ってません…。て、言うか…今後一切、藤本さんとは話しません!」
「え…?だって、藤本さんは一木さんの大切な親友なんでしょ?」
「パパの会社の方が…私の将来の方が大切です!」
「そう…そうよね…。じゃ、じゃあ…」
「何も言ってません!先生が私にしたことですか?言えるわけないじゃないですか!私だって、あんなこと、恥ずかしくて…恥ずかしくて…」
有海は顔を覆って泣いた。
739投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月12日(金)23時25分03秒
「ご、ごめんなさい!一木さん、許して!あれは…本当に…先生、どうかしてたわ…」
「もう、いいですか?行っても…」
「いいわ…。ごめんね…。本当にごめんね…」
この会話を、七海は校舎の屋上で、トランシーバー越しに盗聴していた。
「ケケケ…。一木さん、随分演技が上手になったやないの…!助演女優賞もんや。もちろん、主演女優賞はウチやけど…」
「あー!!七海センパイ、こんな所にいたんですかー!!」
ジーナの声がした。七海は慌ててトランシーバーをポケットに隠した。
740投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月12日(金)23時25分48秒
「何や…。ジーナかい。せっかく気持ちよう、空を眺めてたのに…」
「空?だって今、下向いてなかったですか?」
「上ばっかり見てたら、首が痛うなるやろ?」
「あ、そうそう…。ジーナね、今週の土曜日、七海センパイをお家に御招待しちゃいます!」
「今週の土曜日?」
「はい!予定があったらキャンセルして下さい」
「あんた…。普通は、この日は予定がないですか?って聞くもんやで」
「え〜?ジーナのお誘い断るんですか?」
「う〜ん、どないしようかな〜?」
「七海センパイ、利き腕どっちですか?」
「え?右やで」
「じゃあ、左手出して下さい」
「何やの?」
「折ります」
「…誰も断る言うてないやん…」
「そう?やったー!ジーナ、嬉しい!」
ジーナは無邪気にピョンピョン跳ねた。
741投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月12日(金)23時26分00秒
「で…ジーナお嬢様…。何でウチを招待してくれるん?」
ジーナはニヤリと意地悪そうな笑みを見せる。
「わかってるくせに…。TIMですよぉ…」
「ほんま?ほんまにくれるの?」
「あれ〜?何かノリノリ。そんなに一木センパイと別れるのがイヤなんですか?なんかジーナ、ジェラシー…。一木センパイ、ちょっと叩いて顔面の形、変えちゃおうかな…」
「あ?ええで、ええで。いっそのこと殺してもええで。そっちの方が清々するわ」
「ありゃ?何で?急にどうしたんですか?」
「あのアホ、急にウチを無視するようになったんよ!友達おらんみたいやから、お情けでウチが付き合うてやってたのに、いい気になるなっちゅうねん!だから、さっき一木さん、引っ叩いたった」
これは事実である。ワザとみんなが見ている前で、七海と有海はケンカしたのだ。
742投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月12日(金)23時26分46秒
「ふ〜ん…。でも、だったらTIMを欲しがる理由がないですね…」
「実はな…親父に言われたんよ。留年したら下関のお爺ちゃんの所へ送り返すって…」
「イヤなんですか?」
「イヤっちゅうか…。親父のことは好かんで。でもな、親父と一緒なら小遣いに困らんやん。今でも高級マンションに一人暮らしやし…。快適な生活を手放したないんよ」
「何か…所詮、七海センパイも俗物だったんですね…」
「ガッカリした?何やったら、恋人関係解消する?」
「ううん!だって、ジーナ、七海センパイのこと、大好きだもん!」
「へー、へー…。それは嬉しゅうございます」
「あの、屈辱に震える七海センパイの顔を見るのが大好き…」
そう言って微笑んだジーナの表情は、子供のものではなかった。
七海は背筋の寒くなる思いがした。
743投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月12日(金)23時26分58秒
「…さよか…。じゃ、今週の土曜日やな?何時に行けばええの?」
「あ、家からリムジン出しますから。ソレに乗って来て下さい」
「リムジン…ね。了解、了解」
「じゃあ、ジーナは教室に戻ります!」
ジーナは背中を七海に向ける。
「七海センパイ、七海センパイ、ジーナの…」
「ああ、はいはい、ジーコジーコジーコ、サッサと行けや!うっとおしい!」
「カタカタカタカタカタ…ピー!!」
ジーナは駆け足で去っていった。
七海はジーナの後姿を睨みつける。
「今週の土曜日…。この日が最終決戦の日や…!」
744投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月12日(金)23時27分24秒
放課後、下校しようと下駄箱にいた有海に、七海が後ろからぶつかる。
有海は前のめりに倒れた。
「ボケっとすな!うっとおしい!殺すぞ!」
「ご、ごめんなさい…」
七海は有海に目を合わせずに行ってしまった。
周りの者がヒソヒソ囁きあっている。
「ねえ、ねえ…。あの二人、ケンカでもしたの?」
「わかんない…。でも、有海もカワイそうだよね〜。たった一人の友達だったのに…」
これは夏希と中川だけでなく、学園全体を騙す芝居…ということがわかっていても、有海は涙が出そうになった。
そして、ブレザーのポケットに何か入っているのに気付く。
ぶつかった時に、七海が手紙を入れたのだ。有海は物陰に隠れて手紙を読む。
「ウチのマンションに来て」
一行だけの短い手紙。
それでも有海は嬉しかった。
有海は七海のマンションに向けて駆け出した。
745投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月12日(金)23時27分54秒
有海は七海の部屋、703号室へ向かう。
七海がドアを開けると、有海は七海に抱きついた。
「藤本さん!藤本さぁ〜ん!!」
有海は泣きじゃくった。
「ま、待って!一木さん!誰にも着けられへんかった?」
「わかんない…」
「わ、わからへんって…!」
七海は部屋を出る。辺りを見回して、誰もいないことを確かめると急いで部屋に戻った。
「頼むで、一木さん…。尾行されてたら、今日のウチらの芝居も無駄になるやん」
「ひっく…ひっく…ごめんなさい…ひっく…」
七海は有海の頭を撫でる。
「うん、うん、ええよ、ええよ。辛かったなぁ…。よう、がんばったなぁ、自分…」
「うん、わ、わたし、が、がんばったよ…ひっく、ひっく…。な、な、何度も…何度も、泣きそうに…泣きそうになっ…ぅええ…」
「わかった、わかった。せやから、リビング行こか?な?」
七海は有海を抱きかかえるようにリビングへ通す。
七海は有海が落ち着くまで待った。
一日話さなかっただけで、こんなにも有海が悲しむなんて…。早くこの事件を解決しなければ…。
そう、七海は改めて決意した。
746投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月12日(金)23時28分34秒
今日はこれでおちます
747投稿者:
あげ
投稿日:2007年01月13日(土)02時58分07秒
748投稿者:
待ってたよ
投稿日:2007年01月13日(土)11時50分27秒
749投稿者:
age
投稿日:2007年01月13日(土)11時53分48秒
ガンバレ
750投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月13日(土)21時25分57秒
更新します
751投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月13日(土)21時26分31秒
「で、一木さん、今日の芝居の成果を確かめてみようか?」
七海はトランシーバーの周波数を保健室に合わせる。
保健室内の音が聞こえる。パソコンを打つ音。どうやら中川が仕事をしているらしい。
「ん〜。ま、そう都合よく密談なんかしとらんわな」
そう七海が言った途端、ドアをノックする音がした。
夏希〔失礼します。中川先生〕
中川〔こ、校長?ど、どうぞ…〕
有海と七海は顔を見合わせる。
「うそん…!ビンゴやん…!」
752投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月13日(土)21時26分43秒
夏希〔生徒は、いないようね…〕
中川〔ええ…。大丈夫よ…夏希先輩…〕
夏希〔で、フレドリックの娘はどうだった?〕
中川〔はい…。彼女は誰にも言わなかったと…。例の藤本さんにも…〕
夏希〔信用するの?〕
中川〔ええ…。彼女、今日、藤本さんとケンカしてたみたいです。原因は一木さんが藤本さんを無視したと…〕
夏希〔へぇ…。何故急に?〕
中川〔一木さんは、お父様の経営する会社が破綻するのを恐れているみたいですね…。この件が明るみになったら、一木社長は実刑、会社も社会的信用を失いますから…〕
夏希〔フフ…。ま、女の友情なんてそんなものよね…。私とあなたの間もどうかしら?〕
中川〔そんな!私は…私は絶対に夏希先輩を裏切りません!〕
ガバっと抱き合う音がした。
753投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月13日(土)21時27分15秒
「お〜お…お熱いなぁ…」
興味津々の七海に対し、有海は「シッ」と唇の前に指を立てる。
中川〔だって…高校生の時、みんなにいじめられてた私を救ってくれたのは夏希先輩だった!自殺しようとしてた私を勇気づけてくれた!〕
夏希〔そうよ…。だって、可愛い翔子が苦しんでたんだもん…。助けてあげるのは当然よ…〕
「藤本さん…。この二人…私達に似てる…。藤本さんも、私のことを助けてくれた…」
「似てるかい!こんなもん!ウチらと全然ちゃうわ!」
中川〔私の為に…私をいじめてた子を殺してくれた…〕
夏希〔当たり前じゃない…!可愛い翔子をいじめるヤツらなんて…死んで当然よ!生きたままバラバラに解剖して、翔子の苦しみの何倍も味合わせて殺してやったわ…〕
有海と七海は思わず顔を見合わせた。有海は涙目になっていた。
「な?全然似てへんやろ?ウチらと…」
「…うん…」
754投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月13日(土)21時27分42秒
夏希〔離れなさい、翔子…。生徒に見られたらどうするの?〕
中川〔ごめんなさい…〕
夏希〔あなたは自分の感情をコントロールする術を持ちなさい。あのフレドリックの娘を悪戯したり…。警察沙汰になったら面倒でしょ?〕
中川〔だって…彼女は私達のこと理解してくれそうな感じがしたんです…。私達と同じ匂いがしたんです…〕
夏希〔ジーナも藤本さんのこと、そう言ってたわね…。まったく、さっさとTIMを渡してしまえば良かったのに!〕
再び有海と七海は顔を見合わせた。そしてお互いの匂いを嗅ぐ。
「一木さん…。ウチら、匂うらしいで…。気をつけような…」
「…どうやって…?」
「知るかい…そんなもん…」
夏希〔で、ジーナが今週の土曜日に、藤本さんにTIMを渡す為に家へ呼ぶみたいなの〕
中川〔え?わざわざ?〕
夏希〔細川さんの時もそうだったわ。まったく…好みのタイプの子は家に呼ぶのよ!あの子が暴れだしたら手が着けられないから、敢えて好きにさせてるけど〕
中川〔角田先生の了解は?〕
夏希〔たった一言…。好きにしろ、と…〕
七海はトランシーバーを握り締めた。
「く…!あの、クソ親父〜!!」
「藤本さん、落ち着いて!」
755投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月13日(土)21時28分14秒
夏希〔二週間後に中間テストがあるでしょ?それでまでに彼女にTIMを渡して…そうね、テスト週間の時に飲むように指示しましょう〕
中川〔そうですね。TIMの効果は一週間が限界ですから…〕
七海は今度はガッツポーズをとった。
「よっしゃ!目の前で飲め、言われたらどうしよう思うてたところや!テスト週間までに警察にTIMを持って駆け込めば…」
「でも、その後は私がみっちり勉強を教えてあげるからね」
「アホ!そん時、学校はテストどころじゃないわい!」
中川〔ところで、夏希先輩…。土曜日、ご予定はありますか?〕
夏希〔土曜日?私は角田先生と会う予定よ〕
中川〔また…ですか…?〕
夏希〔何?翔子…。ヤキモチ?〕
中川〔だって…夏希先輩が男なんかに…〕
夏希〔だってぇ〜、角田先生、凄くたくましいんですもの!野獣よ、野獣!あの人に抱かれると、身体がバラバラになりそうなの!〕
七海はトランシーバーを落とした。
有海が慌てて受け止める。
「親父…。これ以上、ウチの兄弟作るつもりかい…。魔王の子供と兄弟なんて…カンベンしてぇな…」
756投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月13日(土)21時29分23秒
中川〔やめて!私の前で男の話しなんか!〕
夏希〔ごめんね、翔子。だって、私、バイセクシャルなんですもの…。でも、私が心から愛してるのは…翔子、あなただけよ…〕
中川〔それは…よくわかってます…〕
夏希〔それで?何?土曜日がどうしたの?〕
中川〔私…細川さんのお見舞いに行きたいんです…。でも、御家族以外、面会できないでしょ?夏希先輩が一緒なら…〕
夏希〔…いいわ…。私が病院に言って、会える様にしてあげるから…〕
中川〔ありがとう…先輩…〕
夏希〔でも、相変わらず意識不明よ、彼女…。それに、もしかしたら…ザザザ…ガガガ…ピー…〕
「おおっと…しもうた…。うっかりツマミを動かしてもうた…」
「藤本さん、早く元に戻して…」
これはワザとである。七海は有海に、藍がこのまま一生植物人間として生きることになるかもしれない…という話しを聞かせたくなかった。
昨日の情報交換でも、有海にこのことは伝えていない。
757投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月13日(土)21時30分09秒
夏希〔ザザザ…ガガ…だから。それじゃ、私はこれで失礼するわ。一木社長と例の件でお話があるから…〕
中川〔はい…〕
夏希〔翔子…。忘れなさい。細川さんのことは…〕
中川〔………〕
夏希〔返事をしないのね…。ま、いいわ〕
夏希は保健室を出たようだ。
中川〔忘れられるわけ…ないじゃない…。細川さん…。ごめんなさい…私が…プツ〕
七海はトランシーバーの電源を消した。
「え?藤本さん?」
「一木さん…。今、しょこたんに同情しかけたやろ?」
「…そ、そんなこと…」
「一木さんの考えてることはわかる。同情は禁物や。ヤツらはウチらの敵や!ええな?」
「…うん…」
実は、七海が電源を切ったのは、中川の口から藍の状況を語られるのを恐れて、ということもある。
だが、もちろん、敵を…いや、人を100%憎むことなど有海に望むことはできないため、できるだけ敵の人間臭いところは聞かせたくなかった。
「さ、土曜日、当日の状況をまとめよ」
七海はノートを一枚めくる。
758投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月13日(土)21時31分23秒
「まず、ウチはジーナからTIMをゲットする。魔王は親父と不倫。しょこたんは細川さんのお見舞い。一木さんは…」
「私は…細川さんのお見舞いに行きたい…」
「あかん!そこにはしょこたんが…敵がいるんやで!それに一木さんには大切な仕事がある!」
「大切な仕事?」
七海はトランシーバーを渡す。
759投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月13日(土)21時31分38秒
「これでヤツらの動向を探ってほしいねん。学園は休みやから、保健室はええ。後はウチの親父と一木さんの親父さんの状況や。特に親父は魔王と会うことになってるから…。ウチ、親父の不倫の実況中継なんて聞きたないし…」
「うん…。わかった」
「それでな、ウチがジーナからTIMを貰うた後、一木さんの家に電話かけるから、すぐここに…ウチのマンションに来て欲しいんよ…」
「ここに?」
「それが一番、重要なことや!ええ?」
「うん!わかった!」
実は、敵の盗聴などもうどうでもよかった。
有海の父はどうせ会社で書斎にいないだろうし、角田はいつまでもあの盗聴器入りのポケットティッシュを上着に入れているとは限らない。
ただ、有海には当日、安全な場所にいて欲しかった。そして、計画が成功した暁には、絶対に有海にはここへ来て欲しかったのだ。
「でも…。校長先生がパパとお話しがあるって言ってたけど…。一体何だろう?」
「さあな…。案外、ウチの親父と二股やったりして。ケケケ…」
「やめて!そんな…」
「か、堪忍!」
「ううん…。別にいいけど…」
七海は気まずい雰囲気を変えるため、無理矢理話しを戻した。
「ええか?一木さん。ウチらがまたこうして会うことができるのは、土曜日以降や。それまで一言も口を利かへんで。ええな?泣くなや?」
「うん…!泣かないよ!我慢する!私、強くなる!」
有海は涙目だったが、力強く頷いた。
760投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月13日(土)21時32分23秒
今日はこれでおちます
761投稿者:
藍可哀想・・・
投稿日:2007年01月13日(土)23時04分10秒
有海と七海いいキャラしてますね!面白いです!
762投稿者:
性格描写が
投稿日:2007年01月13日(土)23時54分37秒
しっかりしてるよね
763投稿者:
ツグラムの時から
投稿日:2007年01月13日(土)23時57分09秒
ずっとリリーさんの小説読んでます
かなり今回も良い作品ですね
ホントいつも更新ありがとうございます
764投稿者:
性描写も
投稿日:2007年01月14日(日)00時31分56秒
うまい
765投稿者:
>762・764
投稿日:2007年01月14日(日)00時39分37秒
だねwwだから今、私は
七海、有海、ジーナ、藍の4人がこの小説のキャラに見えて仕方がない。。
愛実と羅夢もそんな感じに見えてたし・・・
766投稿者:
ナッキーはここでも解剖を・・・・
投稿日:2007年01月14日(日)00時55分21秒
767投稿者:
あの事件から
投稿日:2007年01月14日(日)00時58分32秒
ツグラムで愛実が夏希に解剖させられそうになる場面が思い出される
あの兄貴もリリーみたいに文章で欲望を発散したらよかったんだ
768投稿者:
殺戮に至る病を読んで
投稿日:2007年01月14日(日)01時18分04秒
文章だけじゃ満足できなくて実践してみたくなったのかもしれないよ
769投稿者:
あげとく
投稿日:2007年01月14日(日)04時16分58秒
770投稿者:
オレも
投稿日:2007年01月14日(日)12時14分31秒
あげとく
771投稿者:
七海の
投稿日:2007年01月14日(日)14時48分26秒
ケケケ…が好き
772投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月14日(日)22時08分40秒
>761>763
ありがとうございます
そう言って頂けると、嬉しいです
>765
あくまでもブラウン管からの印象ですが、戦士の個性を反映させようと試みてます
773投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月14日(日)22時09分24秒
では、今夜も更新します
774投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月14日(日)22時10分37秒
金曜日。最終決戦の前日。
この日の授業が全部終わり、帰り仕度をしている七海を、ジーナが訪ねにきた。
七海は黙ってジーナを廊下へ連れて行く。
「何や?」
「何や?って…。明日のことですよ〜!忘れてないですよね?」
「忘れてへんよ。TIM、貰わななあかんし」
「TIM、TIMって…。ジーナのことはどう思ってるんですか?」
「どうって?」
「私達、恋人なんでしょ?」
「…ああ…せやった、せやった…」
「ちょっと…。七海センパイ…。もしかしてジーナを弄ぶ気?」
ジーナの声のトーンが一段低くなった。殺気がこもっている。
(弄ぶって…。それはあんたがウチに対してやろ!)
775投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月14日(日)22時11分07秒
ジーナは七海の手を握る。
「七海センパイ…。ジーナを悲しませたりしたら…どうなるか…わかってますよねぇ…?」
ジーナは握る手に少し力を入れた。
「うぐ…!」
七海に伝わったのは痛みではない。殺意だ。
「ジーナ…。七海センパイの声、大好き…。特に泣き声とか、悲鳴とか…聞いてみたいの…」
ジーナの手には体温が感じられなかった。TIMの影響?それとも、既に人間ではないのか…?
「七海センパイの顔も大好き…。笑顔よりも…泣き顔…苦痛に歪む顔…見てみたいの…」
ヤバイ…。七海はもう少しで悲鳴をあげるところだった。
「七海センパイの性格も大好き…。その強気の性格が…どんな風に折れるのか…見てみたいの…」
「わ、わかった、わかった!わかったから放してよ!」
ジーナはニッコリと、子供らしい笑顔に戻った。
「よかった!それじゃあ、七海センパイ…」
「ジーコジーコジーコ、行け!」
ジーナはカタカタ言いながら走って行った。
七海は…すっかり疲れ果てて、壁にもたれ掛かった。
776投稿者:
決戦は金曜日〜
投稿日:2007年01月14日(日)22時11分13秒
777投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月14日(日)22時11分36秒
下校する有海の後ろから、七海がぶつかる。有海は前のめりに倒れる。
「トロトロ歩いとんな!ヴォケ!」
「ご…ごめんなさい…」
七海はそのまま目も合わせずに行ってしまう。
有海はすぐにブレザーのポケットを確かめる。手紙が入っていた。
「ウチのマンションに来て」
前回と同様、手紙にはそう書かれていた。
(あれ?もう、土曜日までには会わない約束だったのに…)
有海は七海のマンションへ急いだ。
七海の部屋、703号室に着く。
有海が部屋番号を押したので、七海にはいつ頃到着するのかはわかっていた。有海がノックする前に七海はドアを開けた。
「藤本さん、どうしたの?」
七海は何も言わず、有海をリビングへと促す。
「大丈夫、今度は尾行されてないか、確かめながら来たから…」
「………」
七海は何も言葉を発しない。有海はいつもと様子の違う七海に戸惑った。
778投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月14日(日)22時12分01秒
「あの…盗聴だったら…何も特別に変わったことはないよ…」
「………」
「あ…もしかして、計画に変更があるの?」
「………」
「藤本さん…?」
七海はようやく口を開いた。
「あのな…。一木さんに頼みたいことがあんねん…」
「頼みたいこと?うん!いいよ!何でも言って!私にできることだったら、何でも…」
七海は有海に抱きついた。抱きついた、と言うよりは、しがみついた。
「…藤本…さん?」
「ウチを…ウチを抱きしめて…!」
779投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月14日(日)22時13分02秒
「ど、どうしたの?藤本さん…」
有海は七海の肩に触れた。七海の肩が、小さく震えている。
「震えてるの…?」
こうしてみると、七海の肩は頼りないくらい小さい。
「き、緊張してる?もしかして…」
「こ…怖い…」
「え?」
「ウチ…怖い…」
「怖い?」
「ジーナが怖い…」
「ジーナが…?何があったの?」
780投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月14日(日)22時13分20秒
「一木さん…遊びで蟻、殺したことある?」
「蟻…?ないけど…」
「あ、せやな…。一木さんは優しい子やもんな…。そないなこと、せえへんよな…」
「でも…知らないうちに踏んづけて殺してるかも…」
「ウチな、小さい頃、蟻殺して遊んだこと、あんねん…。石で潰したり、虫眼鏡で焼き殺したり、蟻の行列に水を流したり…。面白半分で…」
「あ…でも…それはみんなやってることなんじゃないのかなぁ…」
「ジーナはな…それを人間で出来んねん…」
「え!?」
「人間を…蟻みたいに殺すことが出来るヤツや…!」
「え…?え…?ジーナが…そう言ったの?」
「ううん…。でも、わかんねん!ウチ、今日のジーナに手、握られて…わかってしもうた!ジーナの恐ろしさ!」
「藤本さん…」
「怖い!怖い!怖いよぉ!」
七海は有海の腕の中で、雨に濡れた仔猫のように震えている。
781投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月14日(日)22時15分48秒
今日はこれでおちます
782投稿者:
age♂
投稿日:2007年01月14日(日)23時25分18秒
783投稿者:
七海可愛い
投稿日:2007年01月15日(月)00時36分23秒
子猫とか言われると
784投稿者:
有海も七海もジーナも
投稿日:2007年01月15日(月)01時25分10秒
仔猫っぽい
785投稿者:
更新期待
投稿日:2007年01月15日(月)17時24分36秒
786投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月15日(月)23時56分26秒
更新します
787投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月15日(月)23時57分37秒
七海が…いつも自信に満ち溢れ、有海を導いてくれた七海が不安でいっぱいになって泣いている…。
「やめよう?ね?もう、TIMなんていいよ!放っておこうよ!ね?」
「それは…でけへん…。こんなヘタレな姿見せて、訳わからんこと言っとるかもしれへんけど、それはでけへん…」
「どうして…?」
「細川さんのこともあるけど…。この先、親父の悪行を知りながら、親父の汚い金で生活していくことは、奴隷になることと同じや…。これは…死ぬより怖いことなんや…」
「うん…。私だって…。ママを殺したパパと、これ以上一緒にいられない…」
「だから…明日、ジーナに会うしかない…。TIMを貰うしかない…」
「それしか…ないの…?本当に…」
「だから、一木さん…。ウチに勇気をちょうだい!ジーナに負けないように…勇気を…」
有海は七海を抱きしめるが、七海の震えは止まらない。
「藤本さん、勇気って…どうすればいい?私、藤本さんに何ができるの…?」
「出来る子や…。七海は出来る子やって…。そう言うて…!」
「出来るよ…。藤本さんは、出来るよ…」
それでも七海の震えは止まらない。
いくら強く抱きしめても、七海の震えは大きくなり、有海に伝わってくる。
有海は考えた。どうしたら七海の不安を、恐怖を取り除いてやることができるのだろうか…?
「藤本さん…お風呂入ろうか?」
「…え?」
「ね?お風呂入ろう?」
788投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月15日(月)23時58分52秒
有海はバスタブにいっぱい湯を入れた。そして七海を呼ぶ。
「藤本さん、入っておいで」
七海は裸で震えながら入ってきた。有海も続いて服を脱ぐ。
「さ、藤本さん、ここに座って。私が背中を流してあげる」
「一木さん…。ウチ、寒いから震えてるのとちゃうんよ?」
「うん…。わかってる…」
有海はボディーソープを掌に乗せる。そして、その手のまま、七海の身体を撫で始めた。
「あ…」
思わず七海は声をあげる。
有海の手は、七海の身体のあらゆる所に滑り込んで行く。
首すじ、脇の下、脇腹、胸…。
「どう?気持ちいい?藤本さん…」
「うん…気持ちいい…」
七海は目を瞑る。そこに思い浮かべたものは…京都の理沙…そして、母…。
789投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月15日(月)23時59分03秒
「お母ちゃん…」
七海は思わず呟いた。頬に涙が伝う。
「お母ちゃんや…。ウチのお母ちゃんが洗うてくれてるみたいや…」
有海は七海の耳元に唇を寄せる。
「七海は出来る…。出来る子だよ…」
「お母ちゃん…お母ちゃぁぁぁん…」
七海は泣き出した。そう、5歳の時の七海に戻った。こうやって洗ってくれた母と一緒に大阪で暮らしていたあの頃に…。
有海は胸を七海の背中にくっつけた。胸がくすぐったい。中川の個人授業を一瞬思い出す。
有海の心も高ぶってきた。
790投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月15日(月)23時59分43秒
有海の手が七海の股間に伸びた。七海の性器の筋に、石鹸の着いた指が滑り込む。
「あ…ああ…」
七海の声がバスルームに響く。七海は首を出来る限り反転させると、有海とキスをした。
有海は七海の性器を指で撫で続ける。七海の溜息が有海の口に広がる。
七海は、石鹸で身体が覆われていたため、ツルンと身体が回って、有海と正対する。
そしてそのまま抱き合った。二人はお互いの唇を吸い続けた。呼吸をするのも、忘れるくらいに…。
七海も有海の身体を撫で始めた。二人の体温は一つになった。七海の震えは今、止まった。
「私が…あげられるのは…勇気じゃなくて…温もり…。私の…温もりだよ…」
「覚えてて…くれたんやね…ウチの…お母ちゃんの話し…。おおきに…」
「ううん…。私の方こそ…ありがとう…。私に…勇気をくれたのは…藤本さんなんだよ…」
「ウチ…ウチ…絶対に…絶対に無事で帰ってくるから…。一木さんの…一木さんの所へ…戻ってくるから…」
「待ってる…。待ってるよ…。また…また抱きしめてあげる…。だから…絶対に…帰って来て…。帰って来て…!」
真っ白な湯気の中で、抱き合う二人。もう、どこまでが自分の身体で、どこまでが愛する人の身体なのか、境界線がわからなくなった。
それでいいのかもしれない…。二人は、今、一つになったのだ。
791投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月16日(火)00時00分01秒
今日はこれでおちます
792投稿者:
呆れるほどうまいね...
投稿日:2007年01月16日(火)00時53分43秒
793投稿者:
エロ描写が
投稿日:2007年01月16日(火)01時27分19秒
スゲエ…
794投稿者:
あげ
投稿日:2007年01月16日(火)16時15分17秒
あげげ
795投稿者:
エロだけどエロくないというか
投稿日:2007年01月16日(火)17時46分53秒
すごい芸術みたい
796投稿者:
文芸だね
投稿日:2007年01月16日(火)18時28分40秒
「あん!」とか、喘ぎ声が少ない
797投稿者:
なんなの
投稿日:2007年01月16日(火)18時32分42秒
この実力?
798投稿者:
a
投稿日:2007年01月16日(火)18時51分07秒
http://fm7.biz/0bzw
あの芸能人の整形前・整形後!?
799投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月16日(火)22時26分32秒
ありがとうございます
でも、前作のツグラムは喘ぎ声だらけなんですけどね
800投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月16日(火)22時27分55秒
更新します
801投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月16日(火)22時29分53秒
15
土曜日。最終決戦の日。そして運命の日。
七海の部屋に、インターホンのベルの音が響く。
「来た…」
七海は深く深呼吸し、受話器をとった。
「はい…。藤本です…」
「…?角田さん…ですよね…?」
相手の声は成人男性の声だ。イントネーションで関西弁とわかる。
「角田と呼ばれるのは心外ですわ…」
「なら、角田さんのお宅で間違いないんですね?」
「…間違いではないですね…」
「ジーナお嬢様の使いの者です。お迎えにあがりました」
「はい…。すぐに降りていきます…。そこで待ってて下さい」
「あの〜、はよ来て下さいね…」
「はい」
七海は受話器を置いた。そして七海はまず、シャワーを浴びた。
(この身体…。今から散々ジーナに弄ばれることになる…。帰ったら一木さんに洗うてもらお…。昨日みたいに…)
802投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月16日(火)22時30分49秒
そして七海は、上下、白にピンクの三本ラインの入ったジャージに身を包む。
何があるかわからない。素早い身動きができるように…。
ジーンズは動きにくい。スカートなんてもっての外だ。スカートだったからこそ、あの日ジーナにパンティを脱がされた。
スニーカーを履いて、ドアを開ける。
エレベーターを使わないで階段をゆっくり降りた。
803投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月16日(火)22時32分17秒
外に出ると、黒光りした、冗談みたいに馬鹿でかく、馬鹿長い車が、狭い路地に窮屈そうに停まっていた。
その横に、貧相な初老の男…それでも服装はピシっとした男が、動物園のサルのようにウロウロしている。そして七海に気がつく。
「お嬢ちゃんが…角田さん?」
「藤本です」
「はよ、してって言うたやん!かなわんな〜、もう!」
坊主憎けりゃ袈裟まで憎い。七海はワザとノロノロと身支度をしたのだ。
「駐禁、取られました?」
「いや、運転手が居れば取られることはないけどもな…」
「なら、ええやん」
「他の車が来たら移動させなあかんでしょ?こないなごっつう大きい車…こないな狭い道路にやっとこさ運転してきてんで?」
「オッちゃんとウチしか乗らへんのに…何でそないなアホみたいにでかい車で来るん?」
「アホみたい言うな!この車、オッちゃんの年収の何年分する思うてんの?」
「そんなことより…はよ、連れて行ってよ。ジーナお嬢様のとこ」
「…血ぃ吸うたろか?ほんまに…」
運転手はブツブツ文句を言いながら、七海の為にドアを開けた。
804投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月16日(火)22時32分47秒
七海は車内を覗き込む。まるでここはホテルの一室か、と思うほどの豪華な内装だった。
「オッちゃん、中、土足禁止?」
「そうそう、まずは靴脱いで、靴の裏の泥をきれいに払うてから…って、暴走族かい!」
「あはは…。ノリツッコミや!」
「はよ、乗り!あんまり遅うなるとジーナお嬢様、ご機嫌斜めになるで。ごっつ面倒なんよ。ほんまのところ…」
シート、というより、ソファに座る。ズブズブと七海の身体がソファに沈む。
「わぉ…!何やこれ?ベッドより柔らかいわ…」
リムジンは重そうに、ゆっくり発進する。
「なあ、おっちゃん」
「今、話しかけんどいて!少しでも擦ったら、オッちゃん、一ヶ月カップ麺生活や…」
運転手は慎重にリムジンを操って、狭い十字路から脱出した。
805投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月16日(火)22時34分08秒
「なあ、おっちゃん、もう話しかけてええ?」
「どうぞ」
「ジーナって…どんな子なん?」
「オッちゃんのお母ちゃんみたいな人…」
「へ?」
「マイ、マザー…。我がママ…ワガママ…我儘や…」
「オッちゃん…寒いで…」
「…ゴメンな…」
「何か…普通と違うってとこ、ない?」
「う〜ん…普通やないって言うたら、普通やないなぁ…。最近、妙に怒りっぽくなったんよ」
「最近って…いつから?」
806投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月16日(火)22時34分23秒
「去年の冬ぐらいかな…。オッちゃんこの車の中を掃除してたんやけど、ジーナお嬢様がネコを乗せよったから怒ったんよ。コラ!今オッちゃんがソファきれいにしたのにネコの毛だらけになってしもうたやないの!って」
「で、どうしたん?」
「思いっきり、体当たりしてきてな、オッちゃん腰がいかれてもうて、一ヶ月入院や。趣味のマラソンも当分でけへんかった。毎年ホノルル行って走るのが楽しみやったんやけど…」
「オッちゃん、マラソンやってるんやったら身体鍛えてるんちゃうの?いくらなんでも、小学4年生…去年やから3年生か…3年生の体当たりで身体がいかれるもんなん?」
「ま、不意打ちってこともあるんや思うけど…。えらい力やったなぁ。相撲取りに吹っ飛ばされたか思うたもん…。しかし、困ったもんやで、お嬢様にも。いくつになっても甘えん坊なんやから…。でもな…」
「でも…?」
「そこが可愛えんよ…。明るくて、元気で、優しい子や…」
「優しい?」
「毎日、病院にお見舞いに来てくれてな…。毎日、ゴメンなさい、ゴメンなさい言うて泣きながら謝ってな。オッちゃんもキツク言ってゴメンね、言うたってな。孫みたいに思うてるんや、ジーナお嬢様のこと…」
たしかに馬鹿みたいに明るくて、馬鹿みたいに元気なジーナだが…。優しい…。七海はTIMを飲んだジーナしか知らない。
(いや、ジーナも無理矢理TIMを飲まされたのかもしれへん…。ジーナがあないになったのは、魔王、親父、そして一木さんの親父さんのせいや…)
807投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月16日(火)22時34分47秒
今日はこれでおちます
808投稿者:
来た来た
投稿日:2007年01月16日(火)23時38分00秒
あげ
809投稿者:
運ちゃん
投稿日:2007年01月17日(水)00時31分20秒
寛平さん?
810投稿者:
カンペーさん
投稿日:2007年01月17日(水)00時36分42秒
だね
811投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月17日(水)23時36分37秒
はい、寛平さんです
では、更新します
812投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月17日(水)23時37分57秒
「お嬢ちゃん、ジーナお嬢様のクラスメイト?」
「6年生や!」
「ああ…そやの?ゴメンな。じゃあ、あの子と同い年なんか…」
「あの子…?」
「ホラ、色が白うて、髪の毛茶色うて、背が高うて、ベッピンさんの…」
「細川さん?」
「そう、そう、細川さん。あの子、どうしてるん?最近、遊びに来ぃへんな…」
「ああ…うん…。何か、今、入院してる…」
「入院?エライことやがな!何で?何かの病気?」
「いやな…バスケの試合で足折ったんよ。この前もジーナと一緒にお見舞いに行った…」
「そうなんや…。可哀そうにな…。はよ治して、また遊びにおいで、言うたってな」
「うん…。わかった…」
「でも、あれやな。ジーナお嬢様の友達は年上が多いんやな…。やっぱり甘えられるからやろか…。ほんま、いくつになっても…」
「甘えん坊やな!」
「そうそう、甘えん坊!」
そう言って二人は笑った。
813投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月17日(水)23時38分22秒
「お嬢ちゃん…。いつまでも…ジーナお嬢様の友達でいてあげてな…。付き合うたらシンドイ子やけど…。頼むで…」
「うん…!安心して、オッちゃん!」
(そうや…ジーナは敵やない…。細川さんと同じ、汚い大人達の被害者や!このオッちゃんの為にも、ジーナを助けてやらんと…!)
そうこうしているうちに、リムジンはジーナの家に…いや、屋敷に到着した。
門をくぐって玄関先に着くまで、悠に5分はかかった。七海はただ、ただ絶句した。角田の自宅も大したものだったが、これとは比べ物にならない。
リムジンを降りた七海は運転席を覗き込んで言った。
「おおきに、オッちゃん。久しぶりに関西弁が聞けて楽しかったわ!」
「オッちゃんもや」
運転手はサルの様に顔を皺くちゃにして笑った。
「お〜い!七海センパ〜イ!」
上から声をかけられ、七海は顔を上げた。
二階の豪華な白い窓から、ジーナが手を振っていた。
七海は軽く手を上げた。
(さ、ここからが正念場やな…!)
814投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月17日(水)23時39分19秒
一方、有海の方は、自宅の部屋で盗聴のトランシーバーを聞いていた。
角田と夏希の密会は朝から行われていた。
角田が午後から地元大阪のタウンミーティングに出席しなければならず、二人が会えるのは午前中だけだった。
二人は角田の秘書が運転する車の中にいるようだ。
角田〔すまなかったね、夏希さん。こんな慌しくて〕
夏希〔いいえ、とんでもございませんわ、角田先生。選挙が近いんですもの、地元の有権者との交流は大切ですわ〕
角田〔そう…。選挙が始まれば、しばらくは夏希さんとも会えない。何度も何度もスキャンダルを重ねれば、後援会の者もソッポを向きかねない〕
夏希〔随分、女性有権者の支持を手放してしまわれましたからね…〕
角田〔まったく…!七海のヤツめ!厄介者でしかないな、アイツは!いや、あの母親もだ!強情に子供を産むなどと…!〕
夏希〔私は七海さんのお母様のお気持ちがわかりますわ…。優秀な殿方の遺伝子は、残しておきたいものですから…。私だって…〕
角田〔おい、おい!夏希さん!勘弁してくれよ?避妊はちゃんとしてるんだろ?〕
夏希〔さあ…?どうかしら?私を信用できないんなら、先生もちゃんとゴムを着けてくださらない?〕
角田〔私は、あれは好かん!君の生の感触が味わえない…〕
有海は大人の会話に有海は赤面しながらも、一音一句、聞き逃すまいと耳をトランシーバーに近づける。
夏希〔角田先生、ティッシュ、お持ちかしら?メイクを直したいんですけど、私、切らしてしまったようです〕
角田〔ああ…これを使いなさい…〕
夏希〔ありがとうございます〕
角田〔いや、君がそのまま持ってなさい。女性の方が何かと必要だろう〕
815投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月17日(水)23時39分40秒
ここまで聞いた時、有海の部屋をノックする音が聞こえた。
有海は慌ててトランシーバーを机の中に隠す。
「あ…はい」
「お嬢様、旦那様がお呼びです」
「パパが…?会社じゃないの?」
土日も関係なく、仕事に明け暮れていた父が自宅にいる。それに、父が有海に用があるなんて…。父と会話をするのは一ヶ月ぶりだ。
有海は下のリビングに降りていった。
816投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月17日(水)23時40分13秒
父がソファに座って新聞を読んでいる。
顔を見るのは、藍が病院に運ばれた日、以来だ。そう、母を殺したと真実を知ってから初めて父に会う。
「旦那様、お嬢様をお連れしました」
メイドはそう言って退室した。
「うむ…」
父は新聞を畳む。そして有海の顔を見ることなく、こう言った。
「有海、出かける仕度をしなさい」
「え…?どこにですか?」
「ロンドンだ」
「…ロ…?」
「ロンドンだ」
父は二度、行き先を言った。
「ロ、ロンドンって…?」
「イギリスのロンドンだ」
「…イ、イギリス…?どうして?」
「転校するんだ。HK学園ロンドン校に…」
「え…?え…?でも…、何で…急に…?」
「私は常々思っていたんだ。お前には国際的な感性を身に着けて欲しいとな…」
「で…でも…」
「フレドリックは世界的な企業だ。中国や東南アジアにも工場がある。お前は将来、フレドリック製薬の社長夫人になる身だ。国際感覚を今のうちに身に着けておきなさい」
817投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月17日(水)23時41分44秒
何故、急にそんなことを、有海に一言も告げずに決めてしまったんだろう?
当然、このまま七海からも引き剥がされることになる。有海は目の前が真っ暗になった。
「パ、パパ…。私は…将来、国語の先生になりたいんです…」
「お前の性格では教師は無理だ。生徒に舐められて泣かされるのがオチだ。お前は、強い男に守られた方が幸せだ」
「で、でも…私…」
「お前は勉強ができるが、学問はソコソコにしておきなさい。ママのようにヘタに学問を身につけると…」
「ママが…ママが何ですって…?」
「いや…何でもない。さ、12時35分発の飛行機でロンドンへ行く。必要な物だけでもまとめなさい。他の荷物は後で届けさせよう」
「わ、私…、と、友達にお別れも言えないの…?」
「お前に友達なんていないじゃないか」
「い、います!ちゃんといます!大切な、親友が…!」
「誰だね?言ってみなさい」
「藤…」
言いかけて有海は止めた。七海の名前を出すわけにはいかない。
それに、父は知っているのだ。有海がTIMの存在を知ったこと…。
だからこんなにも急に有海をロンドンへ追いやるようなマネを…。
818投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月17日(水)23時42分00秒
「いいか?お前は私の言う事を聞いていればいいんだ!」
「パパ…。私だって…私だって…自分で自分のことを決定したい!」
父は溜息をついて言った。
「いいか?有海?この世の中を動かしいるのは力だ。お前が想像もつかないような巨大な力だ。その力の前では、お前の思いなどちっぽけな蟻程度のものでしかない」
「蟻…?」
父の冷たい目…。
(そんな目でママを殺したの…?)
有海は心の中で問いかけた。
「わかったら行きなさい。荷造りはメイドにも手伝わせよう」
父は再び新聞を広げて読み始めた。
退室しかけて、有海が振り向き様に父に聞いた。
「パパ…。今日が何の日か知ってますか?」
父は新聞を読みながら答えた。
「お前がロンドンに旅立つ日だ」
819投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月17日(水)23時43分16秒
有海は本当に、必要最低限の荷物だけをまとめて、慌しく日本を発つ準備を終えた。
そして、父の秘書の運転する車に乗って空港に向かっている。
有海の意思は関係ない、全て父の…いや、もっと大きい、何らかの力の思惑で有海は日本を離れることになった。
何の前触れもなく、突然に。
こんな風に物の様に扱われる自分の人生とは何なのだろう?
これが七海の言っていた死ぬより恐ろしいことなのだろうか?
自分で自分を決定できない…。七海の言っていた恐ろしいこととはこのことだったのだろうか?
今、この恐怖を避けるために、七海はジーナに会っている。恐怖に耐えている。
それなのに、今の自分は何なのだろう?
「私…ダメだ…。ダメな子だ…」
有海は呟いた。
「え?何ですか?」
運転していた秘書が有海に訪ねる。
「いえ…。何でもないです…」
有海は秘書に力なく答える。
820投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月17日(水)23時44分03秒
車はさっきから一向に進んでいない。休日のため、渋滞に巻き込まれたのだ。
(一度、細川さんのお見舞いに行きたかった…。まだ意識不明だって言うけど…元気づけてあげたかった…)
そう言えば、今日は中川が藍のお見舞いに行っていることを思い出した。
(そうだ…。私…今日は何をしなければいけないんだっけ?盗聴…?それだけじゃない…。もっと大切なことがあった…)
有海はいつかの七海の言葉を思い出す。
「それでな、ウチがジーナからTIMを貰うた後、一木さんの家に電話かけるから、すぐここに…ウチのマンションに来て欲しいんよ…」
「それが一番、重要なことや!ええ?」
821投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月17日(水)23時44分17秒
そうだった…!七海がTIMを奪った後、有海は七海のもとへ駆けつける…これがこの日の有海の最大の役目だった…!
「忘れてた…私…忘れてた…」
七海が必死で恐怖と…ジーナと対峙している今、自分が何をしなければならないのか…?
七海を信じて、待つこと。そして迎えること。
父の言う事など聞いている場合じゃない。ロンドンなど行ってる場合ではない。
「忘れてた…。こんな大切な事…!一七同盟!」
有海は、今度ははっきりと口に出して言った。
「え?何です?」
秘書は再び有海に尋ねる。
ガチャ…。車のドアの開く音。秘書は振り向いた。
有海が車から出て、走って行く。
「お、お嬢様!?」
車は渋滞にはまっている。Uターンして追いかけることはできない。秘書は青くなて慌てて車を出る。
「お嬢様!ど、どちらへ!?」
有海の後姿はもう見えなくなった。
822投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月17日(水)23時44分41秒
今日はこれでおちます
823投稿者:
ドラマチックでとってもいいです
投稿日:2007年01月17日(水)23時54分09秒
824投稿者:
エロでなくても
投稿日:2007年01月18日(木)00時32分00秒
おもしろい
825投稿者:
あげ
投稿日:2007年01月18日(木)08時56分33秒
826投稿者:
age
投稿日:2007年01月18日(木)18時42分40秒
827投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月18日(木)22時52分30秒
更新します
828投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月18日(木)22時53分19秒
>823>824
ありがとうございます
829投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月18日(木)22時54分08秒
「ここがジーナの部屋で〜す!」
七海はジーナの部屋を見回す。七海のマンションの部屋の、リビングと、キッチンと、ベッドルームを合わせた広さ。
その半分以上はぬいぐるみの山で埋まっている。
「いやはや…何て言うたらええのか…」
七海は頭を掻いた。
「でも、七海センパイ、何でジャージなんですか?」
「あんたとまともに相手するんやったら、動きやすい服装の方がええかな?と思って(TIM受け取ったら、一目散に逃げるためや)」
「ふ〜ん…てことは…センパイ…」
ジーナはムフフと笑う。
「な、何やの?」
「いっぱい汗を流すつもりで来たんですね?ジーナと…」
「はぁ?」
「でも、ジャージは無駄でしたね。だって、七海センパイは今から裸んぼうになるんですから!」
七海は溜息をついた。
「やっぱりな…。わかってたけど…」
「嫌なんですか?」
「そりゃ、あない痛くされたらかなわんわ!」
「じゃあ、優しくしてあげます!力の加減ができるかどうかわからないけど…」
(力の加減なんて、端からする気ないやん…)
「それじゃ、七海センパイ、服を脱いで、脱いで!」
830投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月18日(木)22時54分48秒
「その前に!アレ!」
七海は右手の掌を上にして、ジーナに突きつける。
「アレ?」
「TIM!ちょうだい!」
「あ〜と〜で〜」
「それなら、アレ!」
「アレ?」
「パンツ!ウチから獲ったパンツ!返して!」
「ああ、あのパンツなら、あそこです」
ジーナの指差した方向に、七海の背丈程もあるクマのぬいぐるみがあった。
そのぬいぐるみに、七海のパンティが、はちきれそうになりながら履かされていた。
831投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月18日(木)22時55分47秒
「あんた…何しとんの…」
「カワイイでしょ?七海センパイのパンツを履いたクマさんで、ジーナ、毎日オナニーしてたんだよ」
ジーナはそのクマを七海の前に引っ張り出してきた。
「どんな風にジーナがオナニーしてたか、見せてあげようか?」
「ええわ…別に…」
「言い方変えます。見なさい」
「…はい」
「その前に…さ、脱いで、脱いで!」
「わかった、わかった…!」
七海はジャージのファスナーを降ろす。
「待って、センパイ!」
「何やねん、もう!」
「やっぱり、ジーナが脱がせてあげます!」
「…もう、好きにして…」
七海は両手を広げた。
832投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月18日(木)22時57分06秒
ジーナは七海から服を一枚ずつ脱がしていく。
下着も脱がされて、七海は裸にされた。
「ウフフ…ジーナ、七海センパイを素っ裸にしちゃった!」
「それで?どうすんの?」
裸で突っ立ったまま、不機嫌そうに七海は聞いた。
「今度はセンパイがジーナを脱がして下さい!」
七海は言われるままジーナの服を脱がしたが、見たこともない、複雑な構造の服だったため、かなり手こずった。
二人はすっかり全裸になる。
「はい、それで七海センパイはコレを履いて下さい!」
ジーナはクマのぬいぐるみから抜き取ったパンティを七海に渡した。
「ちょっと、ガバガバになってるやん!」
七海は文句を言いながらもそのパンティを履いた。
833投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月18日(木)22時57分35秒
「何でこのクマさんにセンパイのパンツを履かせたかというと、このクマさんと七海センパイは同じくらいの背丈だから、七海センパイをイメージしやすかったんです!」
「ウチはそない太ってないで!」
「さ、七海センパイ、ここに座って下さい」
七海は言われるまま柔らかいカーペットの上に腰を降ろす。
そしてジーナは、ぬいぐるみに抱きつくように、七海に身を寄せた。
「いいですか?今から七海センパイはクマのぬいぐるみです。決して動いたらダメですよ?」
「ウチがぬいぐるみ?」
「ジーナがあのクマさんでどうやってオナニーしていたか見せてあげます。センパイをクマさんに見立ててね。今まではクマをセンパイに見立ててたわけだから、逆になるわけです」
「ウチは何もせんでええの?」
「何もしなくていいんじゃなくて、何もしちゃいけないんです!もし少しでも動いたら、TIMはあげません…」
「何やって?」
「はい、今から始めますよ!」
ジーナは七海を押し倒した。
834投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月18日(木)22時59分59秒
今日はこれでおちます
835投稿者:
あげ
投稿日:2007年01月19日(金)17時39分42秒
836投稿者:
あげ
投稿日:2007年01月19日(金)21時08分23秒
ておこう
837投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月19日(金)23時01分59秒
更新します
838投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月19日(金)23時03分44秒
ジーナは七海の上に覆いかぶさった。そして裸の股間を七海の太ももに擦り付けてきた。
「あん…七海センパイ…」
ジーナの吐息が七海の耳をくすぐる。
七海は頭を振って掃いたかったが、動いてしまってはTIMが手に入らないため、じっと我慢した。
「ん…んん…」
ジーナは七海にキスをする。七海は、自分は魂の入っていない人形になることに努めた。
ジーナの歯の矯正器具が唇に当たって痛かった。
耳を、頬を、首筋を、そして七海の胸へ唇は移動する。ジーナが乳首を入念に舐める。
「う…く…」
七海は声を押し殺す。
「声を出す事は許してあげます…。ジーナ、七海センパイの声、好きですから…」
(ふん!ぬいぐるみが声出すなんておかしいやん!こうなったら意地でも声出したらんねん!)
七海がそう決意した途端、ジーナが七海の乳首に噛み付いた。
「痛い!」
「うん、うん、その声、すっごくセクシー!」
七海の身体は、そのTIMによって得たジーナの怪力で、それこそぬいぐるみの様に転がされ、様々にポーズを変えられ、ひっくり返されながら、あちこちを弄られ、舐められた。
まるで七海を物のように扱うジーナ。昨日の有海の愛撫とは対極である。
839投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月19日(金)23時04分12秒
その間中、七海は身動きは一切せず、声も極力抑えながら耐え続けた。
「う〜ん…。センパイ、全然声を出してくれないですね…」
ジーナは七海のパンティの中に手を突っ込む。
「ん…!」
ジーナの指は七海の性器の筋をこじ開けた。そして指を激しく動かした。
「うぐ…」
「どう?気持ちいい?」
(き、気持ちええことあるかい!痛いねん!)
七海は心の中で怒鳴った。
ジーナの指は、段々激しく、乱暴に七海の中で動き続ける。
「う…ぎ…ぎぃ…」
七海は歯を食い縛って耐えた。
「我慢しないで、センパイ。気持ちいいなら気持ちいいって…」
「痛いて!さっきから痛うてたまらんねん!」
七海はとうとう我慢し切れず、怒鳴った。
840投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月19日(金)23時04分37秒
「なんだ…。そうならそうって言ってくれればよかったのに…。ジーナ、センパイが不感症なのかと思ったじゃないですか…」
「あ、あないな乱暴なやり方…、自分でも痛いと思わへんの!?」
「だって、ジーナ、これぐらいやらなきゃ感じないんだもん…」
ジーナは、七海がどうして怒っているのかも不思議そうだった。
(どうやら、TIMは人の感覚も麻痺させるみたいやな…。ウチは絶対に飲まへんで!)
改めて七海は固く誓った。
「じゃあ、お詫びに今度はもっと気持ちいいことしてあげます」
「もう、何でもええよ…」
「お風呂、入りません?」
「お風呂?」
「はい!」
「今朝、入った」
「これはお誘いではなく、命令です」
「そうやろうね…」
七海はもう、観念して従うことにした。
841投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月19日(金)23時05分00秒
加藤家の…いや、ジーナのプライベートバスルームは七海のマンションのリビングと同じ広さだった。
ここまできたら、七海はもう笑うしかない。
そして七海のベッド程の大きさのバスタブに二人は入っている。
ジーナが七海に寄り添ってきた。
「こない広いんやから、寄って来んでもええやんか…」
「もう…。まだ怒ってるんですか?痛くしたこと…」
「あんたはね、蟻んこを扱うように人を扱って丁度ええねん」
「え?潰すってこと?」
「ちゃう!蟻んこは小っちゃくて弱々しいでしょ?だから、そうっと、そうっと扱うて…」
「だって、ジーナは蟻んこ見つけたら潰しますもん…」
「…。ジーナはペット飼うてる?」
「うん!ウサギ!ラビって名前でね、零号、4・8号、55号、88号、全部で4匹!」
「そう、それ!そのウサちゃんを抱きしめるみたいに…」
「この前、抱きしめたら絞め殺しちゃった…」
「…そう…」
七海は少しジーナと距離を置く。
「またまた!ジーナから逃げる!大丈夫ですから、怯えないでくださいよ〜!」
ジーナは七海を抱きかかえて捕まえた。七海は一瞬、生きた心地がしなかった。
「あ、今、また怯えた…。わかるんですよ、七海センパイの考えてることは…」
ジーナはわざと七海の心を不安にして、反応を見て楽しんでいるかのようだった。
842投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月19日(金)23時05分28秒
今日はこれでおちます
843投稿者:
あげ
投稿日:2007年01月20日(土)00時52分02秒
844投稿者:
あげます
投稿日:2007年01月20日(土)17時44分32秒
845投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月20日(土)21時07分53秒
更新します
846投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月20日(土)21時09分40秒
ジーナは七海をバスタブの隅まで追い詰める。
「さっきも言ったじゃないですか。お詫びにもっと気持ちよくしてあげるって…」
「それは信用してもええの?ジーナの気持ちええは、ウチにとっては痛いねん」
「大丈夫です!今度は嘘じゃありません!」
「今度は…ねぇ…」
ジーナはまるで5歳の子を扱うように軽々と七海を抱きかかえ、バスタブの縁に座らせる。
「うぉ…」
今更ながらにジーナの怪力に驚いた。
ジーナは七海の足を広げ、右足を自らの肩にかけた。
ジーナの目の前に、七海の性器がさらされる恰好になった。
「な…何するん…?」
「だ〜か〜ら〜、キ・モ・チ・イ・イ・コ・ト…」
847投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月20日(土)21時10分17秒
ジーナは七海の性器の筋を少し広げる。
「う…」
七海のピンク色の襞が顔を出す。ジーナはそれをウットリとした表情で眺める。
「キレイな色…。ううん、美味しそうな色…」
「お、美味しそうって…何する気…?」
七海は恐怖した。
「フフ…また怯えた…。大丈夫ですよ…。噛み付いたりしませんから…。ただ舐めるだけです…」
「な、舐める!?」
「ええ…。アイスクリームを舐めるみたいにね…」
「ちょ、ちょ、ちょい待ち!ちょい待ちって!ココ、オシッコ出るとこやで?」
「はい…。何か問題でも?」
「な、何か、問題でも…って…!」
ジーナは舌を出すと、ゆっくりと、ゆっくりと舐め始めた。
848投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月20日(土)21時11分21秒
「………!!」
何ともいえない感触が、七海の身体を支配する。
「どう?気持ちいい?」
ジーナは丁寧に、丁寧に舐め続ける。
(…や…やばい…。き…気持ちええやん…)
それでも声をあげてしまうと悔しいので、七海は黙って耐えた。
「ふぅ………ふぅ………」
ただ七海は溜息をついた。
「どうしました?七海センパイ?」
「ん…ま、まあまあやな…」
「まあまあ…?ウフッ…。気に入ってはくれたんだ…。嬉しい!」
849投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月20日(土)21時11分35秒
ジーナは再び舐め始めた。
「う………う………」(あ、あかん…。ムッチャ…気持ちええ…)
七海は仰け反りすぎて、後ろに倒れるのを必死で堪えた。
「大丈夫ですか?センパイ…。目がトロ〜ンとしてますよ?」
そしてこのままではどうかなってしまう、と考えた七海はTIMの話題を振った。
「ジ、ジーナ…TIMの…ことなんやけど…」
「はい?…TIMが…どうしました?」
ジーナは舐め続けながら答える。
「あ、あんた…な、何がきっかけで…TIMに…手を出したん…?」
「うん…ジーナはですね…お姉ちゃんに…このキャンディー舐めてみる?って…言われて」
「お、お姉ちゃんって…こ、校長…先生…?」
「うん。…ジーナね…お兄ちゃんやお姉ちゃんが…いっぱいいるんですけど…ジーナだけ…ママが違うんです」
「…え?」
七海はジーナが自分と同じ境遇であることに驚いた。
850投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月20日(土)21時12分14秒
今日はこれでおちます
851投稿者:
あげ
投稿日:2007年01月20日(土)22時10分47秒
エロ〜
852投稿者:
age
投稿日:2007年01月20日(土)22時56分31秒
853投稿者:
あげます
投稿日:2007年01月20日(土)23時15分41秒
854投稿者:
age
投稿日:2007年01月20日(土)23時16分31秒
最近山ちゃんのBL小説書いてありましたよね?
できればそのアドのせてください
855投稿者:
age
投稿日:2007年01月21日(日)15時56分44秒
856投稿者:
あげ
投稿日:2007年01月21日(日)20時13分41秒
面白くなってきた
857投稿者:
今日は
投稿日:2007年01月22日(月)00時29分24秒
更新ないのか…
858投稿者:
age
投稿日:2007年01月22日(月)18時33分11秒
YO!
859投稿者:
あげ
投稿日:2007年01月22日(月)22時07分29秒
860投稿者:
今日の勝手議会の有海
投稿日:2007年01月22日(月)22時16分49秒
この小説を思い出したよ
861投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月22日(月)23時32分45秒
>857
すいません、昨日はちょっと時間がなくて、更新できませんでした
今日は更新できます
>860
たしかにそうですね
メガネを割られても謝ってたのは有海ですし…
862投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月22日(月)23時33分05秒
更新します
863投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月22日(月)23時34分30秒
「夏希お姉ちゃん…だけだったの。…ジーナと…お話ししてくれたり…遊んでくれたり…優しくしてくれたの」
「ジ、ジーナ…あ、あんた…」
「だから…夏希お姉ちゃんの…くれるものは…何でももらいました」
「そ、それで…あ…TIMを…はぁ…飲んで…良かったって…う…お、思ってるん…?」
「はい。だって…TIMを飲んでから…スポーツは一番だし…勉強は一番だし…みんな褒めてくれるし…ジーナの言う事聞いてくれるし…良いことばかりですよ」
「で…でも…そ、そんなの…じ、自分の…自分の…ち、力じゃ…な、ないやんか…」
「いいんですよ…ジーナが褒められたり…得意になれたり…気持ちよくなったりするのは…変わりないことでしょ?」
「そ…それでも…あ…あ…ありのままの…ジーナを…好きになって…くれる人が…いるやん…」
「誰です?」
「あ…あの…ごっつい…車の…運転手の…オ、オッちゃんとか…」
「ああ…寛平さん?…たしかに寛平さんは…ジーナのこと…可愛がってくれるけど…」
「け、けど…?」
「友達というよりも…おじいちゃんなんですよね。…ジーナは…友達が欲しいんです」
「と…友達…?」
「はい。…TIMを飲んでから…ジーナは楽しいことばかりです」
「ティ…TIMなんて…なくても…と、友達は…で、できるやん…」
「そんなことないですよ。TIMがきっかけで…藍センパイとも…七海センパイとも…こうして友達に…なれたし…」
「ちゃ、ちゃうで…ジ、ジーナ!そ、それは…」
「もう!さっきからうるさいですよ!七海センパイ!少し黙ってて下さい!」
ジーナは七海の性器を押し広げてクリトリスを出し、そこを集中的に舐め始めた。
864投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月22日(月)23時35分18秒
今までの快感とは比べ物にならない刺激が七海の身体を駆け抜けた。
「はう…!ジ、ジーナ!あうぅ…!き、聞いて…!ウ、ウチの…話しを…あああ!」
「もう、お喋り禁止です!でも、喘ぎ声ならOKです!」
ジーナの舌は、七海のクリトリスをプルプルと揺らす。
「ああん!あう!はぁぁ!くぅっ!」
七海はバスタブの縁の上で暴れた。ジーナは七海の身体が落ちないように、支えながら舐め続ける。
「あ〜!やっぱり気持ちよかったんだ!だって、コレ、夏希お姉ちゃん直伝の必殺技だもん!」
(お、お姉ちゃんから…!?な…何ちゅうことを、姉妹でやっとんねん!)
それでも七海は気をしっかり持たなければ、と思った。どうしてもジーナに言っておきたいことがあった。
「ジ、ジーナ!き、き、聞いて…!はあぅ…!お、お、お願いだから…聞いて!」
「ジーナはこうやって舐めてますから、言いたいことがあったら言って下さい!もちろん、言えたらですけど…」
そう言って、またクリトリスに舌を押し付けた。
「ウ、ウチ…友達に…なってあげる…!本当の…ああう!…本当の…友達に…なってあげるから…はああ!」
「七海センパイは友達じゃなくて、恋人でしょ?」
「そ、そ、それでも…ええから…。こ、こ、恋人で…ええから…。だから…TIMには…もう、クスリに頼るのは…や、や、やめ…」
865投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月22日(月)23時35分42秒
七海の言葉に、ジーナは舐めながらも疑問に思った。
「あああ…そ、そんな…麻薬に…手を出したら…ああ…あかん…!」
「ちょっと待ってください!」
ジーナは舐めるのをやめ、顔を上げた。
「何で七海センパイがそんなこと言うんですか?七海センパイはTIMが欲しかったんじゃないんですか?」
「ジ、ジーナ…」
「七海センパイは…一体、何がしたいんですか?」
「え、ええか?ジーナ…。ウチは…ジーナを助けたいねん…」
「ジーナを助ける?」
「そう…。こんなこと続けてたら、ジーナはダメになる…!ジーナ、友達が欲しかったんなら、ううん、愛する人が欲しかったら、まず、TIMをやめ!でないと、本当に心の通い合った人には出会えへん!」
「七海センパイ…?ジーナ、七海センパイの言ってることがわかりません…」
「ウ、ウチが言いたいことは…」
「そう…藤本さんは、私達を破滅させようとしているのよ…」
七海はギョっとして声の方向を見た。
そこには…夏希がいた。
866投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月22日(月)23時36分30秒
「ま、魔王…!」
「ウフフ…お楽しみのところ、ゴメンなさいね」
「な、何で!?何であんたがここに?」
「だって、私の家だもの…。まるで、私がいたら都合が悪いって言いたげな顔ね?」
「…う…!」
「私、あなたに聞きたいことがあるのよ!」
夏希は七海との間合いを詰めた。
(あ、あかん…!は、はよ、逃げんと…!)
しかし、ジーナが七海をしっかり捕まえて離さない。
夏希は七海の頭を鷲掴みにすると、そのままバスタブの湯の中に突っ込んだ。
「ガバ!ガババ!!」
七海は湯の中に沈められた。
(や、やばい…!このままじゃ…や…やば…い…)
七海は気が遠くなった。
(い…一木…さん…)
867投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月22日(月)23時37分11秒
今日はこれでおちます
868投稿者:
age
投稿日:2007年01月23日(火)00時57分25秒
869投稿者:
あげ
投稿日:2007年01月23日(火)14時08分41秒
870投稿者:
あげ
投稿日:2007年01月23日(火)14時29分56秒
871投稿者:
あげます
投稿日:2007年01月23日(火)20時52分01秒
872投稿者:
あげます*
投稿日:2007年01月23日(火)22時30分09秒
873投稿者:
あげ
投稿日:2007年01月23日(火)22時31分20秒
続きが気になる
874投稿者:
age
投稿日:2007年01月24日(水)19時08分30秒
875投稿者:
まだ??????W
投稿日:2007年01月24日(水)19時20分23秒
876投稿者:
昨日は
投稿日:2007年01月24日(水)20時17分59秒
更新なかったねぇ…
877投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月24日(水)22時57分04秒
>>875・876
すいません、最近少しヒマがないので…
今日は更新できます
>>872
はい、ありがとうございます
お互い最後まで書き上げましょう
他の方もありがとうございます
878投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月24日(水)22時58分35秒
16
寒い…。ここはどこだろう?
目の前には鉄格子が…。冷たいコンクリートの床と壁、窓一つ無い立方体の中。そこに七海は裸でいた。
七海は起き上がって、鉄格子にしがみつこうとするが、後一歩というところで身体を前に進ませることができない。
七海の右足は鎖でつながれていた。
七海はこの状況がつかめず、ただ、ただ、恐怖し、不安から、あらん限りの声を出した。
「誰かー!誰かおらんの!?」
879投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月24日(水)22時58分49秒
しかし、七海は奇妙なことに気がつく。
鉄格子の外は廊下ではなく、内側と同じ、立方体の箱であった。
そして、薄暗くてよく見えないが、誰かが…七海と同じ裸の少女が閉じ込められていた。
「誰?誰なの?」
その少女の声が誰のものであるか、七海はすぐにわかった。
「一木さん?一木さんなの?」
七海の声に反応し、有海はゆっくりと起き上がる。
「藤本さん…。私…どうしてこんな所に?」
有海の声。この声を聞いただけで、安心感から涙がこぼれそうだった。
「わからへん…。でも、お互い、生きているようやな…。一木さん、こっちに来れる?」
「私…。足を鎖で縛られてる…」
「ウチもそうや…。一木さん、こっちに来て。顔が見たい…」
「うん、今、そっちへ行くよ」
有海は身を引きずりながら七海に近づく。暗闇から有海の姿が浮かび上がった。
有海の目は泣いていたのだろうか、赤く充血していた。
「ああ…一木さん…。もっと…。もっとこっちに…」
七海は有海の肌に触れたかった。
「ダメだよ…。もう、これ以上、前に進めない…」
「手をのばして…。いっぱいに、手をのばして…」
二人は力の限り、お互いに触れるため、手をのばすが、あと少しというところで指をつなげることができない。
880投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月24日(水)23時00分10秒
二人は鉄格子越しに、すぐ目の前にいるのに、お互いの手を触れることができない。
「あかん…。届かへん…。一木さん…。ウチ…一木さんに触れたい…」
「私も…。藤本さんの手を握りたい…」
七海は懸命に有海に近づこうとするが、キリキリと鎖が右足を締め付け、激痛に苦しむ。
「どうすることも…どうすることも出来ひん…」
七海は力なくうな垂れた。涙がコンクリートに染み込む。
「藤本さん…。鎖…切ろうか…?」
「え?」
「鎖を切ったら、藤本さんに触れられる…」
「そ、そうやけど…。む、無理や…。出来るわけあらへん…」
881投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月24日(水)23時00分23秒
「私…やってみるよ…」
有海は鎖を縛り付けられた自分の足を無理矢理に引っ張った。
鎖は、有海の足に喰い込む。
「い、一木さん…!?」
「う…ん…。くうう…」
有海の足から血が流れ出した。
「あ、あかん!一木さん!血が出てる!やめて!」
「あと、少し…。あと、少し…」
「何しとるん?無理やって!」
「大丈夫…。強くなるから…!私、強くなるから…!」
「一木さん…?」
その時だった。七海の足に取り付けられた鎖が、何かとてつもない力によって引っ張られた。
「…!?」
七海の身体が物凄い勢いで引きずられる。
「ああ…!い、一木さん!一木さ〜ん!!」
七海は絶叫だけを残し、暗闇に消えていった。
882投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月24日(水)23時00分47秒
「うわあああああ!!!」
七海は目を覚ました。そして辺りを見回す。
ここは…?さっき夢で見た牢獄?いや、窓がある…。
「あら?やっとお目覚め?」
夏希の声。目の前に夏希とジーナがいる。
そして何やらたくさんのガラクタ…。あれは跳び箱?それに籠いっぱいのバスケットボールにバレーボール。
体育倉庫?いや、こんな所、来た事がない。
肌や髪の毛が少し濡れている。自分が全裸でいる。そして鉄柱に後ろ手で手錠をかけられていることを…。
そして七海は気がついた。
(そうや…!思い出した…!ウチはジーナの風呂場で、魔王に…!)
「七海センパイ、凄い声…!」
「よっぽど怖い夢でも見たの?」
夏希は座り込んで七海と同じ目線までおりてきた。
七海は夏希を睨みつける。
構わず夏希は冷たく言い放った。
「でも…怖い夢はこれから始まるのよ…」
883投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月24日(水)23時01分05秒
今日はこれでおちます
884投稿者:
おお
投稿日:2007年01月25日(木)00時06分07秒
悪夢の描写が相変わらず上手い
885投稿者:
あげ
投稿日:2007年01月25日(木)20時51分13秒
886投稿者:
あげます*
投稿日:2007年01月25日(木)21時35分05秒
887投稿者:
続き…
投稿日:2007年01月26日(金)00時11分40秒
888投稿者:
あげ
投稿日:2007年01月26日(金)21時08分04秒
889投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月26日(金)22時47分38秒
更新します
890投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月26日(金)22時47分58秒
今日、夏希は父の角田と密会をするはずだった。何故、今自分の前にいるのか?七海には疑問だった。
いや、それ以前にこの状況はマズイ。七海は囚われの身になってしまったのだ。
「さ…藤本さん…。この状況で…何か言う事は?」
「…寒い…」
「え?」
「寒い!」
夏希は手を口に当てて高笑いをした。
「そりゃ、そうよ!あなたをお風呂場で溺れさせて、裸のまま連れて来たんですもの!」
「こんなこと…。いたいけな少女をいきなり拉致して裸で縛って…教育者のやることなん?」
「うふふ…。なかなかいい眺めだったわよ…。あなたの裸…」
「せっかくジーナと楽しくやっとったのに…。ジャマせんでもらえる?」
それにはジーナも口を尖らせて夏希に詰め寄る。
「そうですよ!お姉さま!せっかくジーナが七海センパイを気持ちよくさせてあげてたのに!」
「何で私があなたの前にあらわれたのか…」
夏希の顔から笑みが消えた。
「一木さんが何もかも喋ったわ!」
「ええ!?一木さんが!?あんたら!一木さんに何をしたん!?」
891投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月26日(金)22時48分24秒
再びニヤリと笑う夏希。
「フフフ…やっぱり子供ねぇ…。簡単にひっかかるんだから…。これであなたと一木さんがつながってることが証明されたわ…」
「ど、どういうこと?一木さんは?一木さんは無事なの?一木さんはどこ!?」
「それをあなたに聞きたいのよ!一木さんはどこ?」
「え?」
「一木さんが行方をくらましたわ。TIMの秘密を知った彼女をロンドンに追いやるため、今日、空港へ向かう車に乗せたのだけど、途中で降りてどこかに消えたわ!」
「一木さんが…ロンドン?」
「ええ…。でも、一木さんは急に何かを思い出した様子で、その直後に消えたのよ!一木さんはTIMの真相を知ってしまっている!このまま放っておくことはできない!」
「はは…。それであんたらは右往左往してるわけや…。たった一人の小娘に…!」
「どこなの?一木さんは?教えてくれたら自由にしてあげるし、服も着せてあげる。TIMはあげるわけにはいかないけどね…。警察に駆け込まれたら大変ですもの…」
「七海センパイ…。ジーナを利用したのね…。TIMを手に入れるために…!殺してやる!」
ジーナは七海に襲い掛かる。
「う…!」
「ジーナ!待ちなさい!」
夏希の一喝でジーナは寸での所で止まった。ジーナの鉤型に曲げた指が七海の目の前で止まる。
あと少しで七海はジーナに引き裂かれてしまうところだった。
「どう?一木さんの居場所、教えてもらえないかしら?」
「知らん!一木さんの居場所なんて、ウチが知るわけないやん!」
「じゃあ、どこに向かったかは見当つかないかしら?待ち合わせの場所とか…」
七海は思い出した。有海が何故車から逃げ出したか。そう、七海との約束の為だ。約束を守るために、有海は勇気を出して逃げ出したのだ。
892投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月26日(金)22時48分27秒
オナニーします
893投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月26日(金)22時48分50秒
七海は思わず微笑んだ。
「一木さん…なかなかやるやん…」
「何を言っているの?」
「一木さんは今、必死で戦ってるってことや。あんたら汚い大人達と!だったらウチも戦わなあかんな!」
「…ということは…教えてくれないってこと?」
「そういうことや!」
「一木さんの身を案じているんだったら、心配しないで。彼女に危害は加えないわ。仮にもフレドリックの社長の娘…」
「フレドリックの社長?奥さん殺した男やったら、娘を殺さんとも限らへんな!」
夏希は目を細めて七海を睨む。
「あなた…一体、どこまで知ってるの?」
「それも教えへん!」
夏希は溜息をついた。そして携帯電話をかけ始めた。
「…あ、もしもし。私です。ダメです。教えてくれそうにありません。それに…だいぶ深いところまで知ってしまっているようです。…はい。本当によろしいので?…はい、わかりました。それでは」
夏希は電話を切り、七海を哀れむような目で見た。
「何やの?その目は…?」
「今の電話の相手…。あなたのお父様よ…」
「親父?」
「許可されたの…。あなたへの拷問を…」
894投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月26日(金)22時49分24秒
今日はこれでおちます
895投稿者:
あげます
投稿日:2007年01月27日(土)12時27分47秒
896投稿者:
age
投稿日:2007年01月27日(土)17時09分52秒
897投稿者:
あげ
投稿日:2007年01月28日(日)00時03分27秒
898投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月28日(日)00時16分56秒
少しですが、更新します
899投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月28日(日)00時18分01秒
「親父が…?はは…ここまで徹底するとはな…」
「さすがのあなたも…ショックだったかしら?」
「逆や!これでとことんあのクソ親父を憎めるってもんや!」
夏希はもう一つ溜息をついて、前髪をかき上げる。
「あなた…たしか11歳だったわね…。大した子よね。裸にされて、手錠でつながれ、今から拷問されるっていうのに…。泣き言一つ言わないなんて…」
「褒めてくれてんの?そいつはおおきに!」
「でも…今から泣き叫ぶことになるわ…。ジーナ、あなたを利用した藤本さんが憎い?」
「はい!とっても!」
ジーナが七海を睨んでいる。怒りに打ち震えている。
(ジーナ…。何て目で睨むねん…)
七海は少し悲しくなった。
900投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月28日(日)00時18分16秒
「殺したい?」
「殺したい!」
「でも…それじゃ、つまんないんじゃない?できるだけ長く苦しみ、悶えさせたくない?」
「うん…。ジーナ、七海センパイのこと、大嫌いになったけど…七海センパイの声は好き…」
「いっぱい、声を聞かせてあげるわ…。さあ、ジーナ、あなたの特技を見せてあげて!」
夏希はジーナに500円硬貨を投げる。ジーナはそれを受け取る。
「どっちの方?曲げるやつなら10円玉で見せてあげたけど…」
「じゃあ、もう一つの方」
「うん!わかった!」
ジーナは500円硬貨を両手の親指と人差し指で摘むと、いとも簡単に二つに捻じ切った。
(げ…!)
七海は心底恐れ戦いた。二つに捻じ切られた硬貨は、七海の目の前に音を立てて転がった。
「さあ、藤本さん…。あなたは、どこを、どうされたい?」
夏希はすっかり青くなった七海の顔を楽しそうに覗いた。
901投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月28日(日)00時19分11秒
さすがの七海も、今度ばかりは減らず口を叩く余裕はなかった。
「耳を引き千切って欲しい?爪を全て剥がしてほしい?歯を全て引っこ抜いて欲しい?」
「………」
七海はただ、目の前の二つに裂かれた500円硬貨を見つめた。
「あらら…黙っちゃった…。いい?これが最後のチャンスよ。この時点で一木さんの居場所を教えてくれれば、あなたは健康な身体で自由になれるわ」
(絶対に裏切らない…一七同盟…絶対に裏切らない…一七同盟…絶対に裏切らない…一七同盟…)
七海は心の中で呪文の様に唱えた。
夏希は三度溜息をついて立ち上がった。
「…しょうがないわねぇ…。ジーナ、いいわね?」
「うん!ごーもん!ごーもん!」
ジーナは、はしゃぎまわった。
902投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月28日(日)00時19分37秒
「ちょっと待って。私、藤本さんのペッタンコな胸を見て、いいこと考えたわ」
「大きなお世話や!」
七海は吐き捨てる様に言った。
「藤本さん…。人間の肋骨って、何本あるかわかる?」
「…?」
「正解は左右12本ずつで、24本。今からあなたは24回の悲鳴をあげることになるのよ。もちろん、一回で済めばそれに越したことないけど…」
(一七同盟…一七同盟…一七同盟…一七同盟…)
七海には、夏希の説明を耳に入れなかった。
「さ、ジーナ、こっちへいらっしゃい」
夏希はジーナを七海の前につれて来る。そして、ジーナの手をとって、七海の左一番下から3番目の肋骨を触らせる。
「いい?ジーナ。あなたの力なら、少し押すだけでいいわ。あんまり強く押したら小枝のように肋骨が折れて、内臓に突き刺さって死んでしまうから。いい?ヒビを入れるだけでいいのよ」
「はい!お姉さま!」
ジーナは指に力を入れた。
七海は心の中で唱え続ける。
(一七同盟…一七同盟…一七同盟…一七同盟…)
ピシ…という音が、七海の体内に鳴り響いた。
903投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月28日(日)00時19分53秒
今日はこれでおちます
904投稿者:
age
投稿日:2007年01月28日(日)09時05分48秒
905投稿者:
あげます
投稿日:2007年01月28日(日)16時31分41秒
906投稿者:
あげげ
投稿日:2007年01月28日(日)21時03分50秒
907投稿者:
あげます*
投稿日:2007年01月28日(日)23時50分31秒
908投稿者:
age
投稿日:2007年01月29日(月)23時08分18秒
909投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月30日(火)00時02分24秒
更新します
910投稿者:
age
投稿日:2007年01月30日(火)00時03分51秒
911投稿者:
(*^ー゚)b
投稿日:2007年01月30日(火)00時05分50秒
912投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月30日(火)00時06分10秒
空港に向かう車から逃げ出した有海は、七海のマンションの前の公園にいた。
大きなコンクリートの山の滑り台…そこに埋め込まれた、土管の中にいた。
いつ七海が帰って来てもいいように、マンションを見張る。
七海がTIMを手に入れたら、有海の家に電話をかける手筈になっている。
それでは、七海と自分のつながりがばれてしまう。それは絶対に避けたかった。
しかし、ここでただ待っているだけでは、七海の役に立てない。
(そうだ…!今頃パパが私を探しているかもしれない。盗聴してみよう…)
有海はカバンの中からトランシーバーを取り出して、周波数を合わせる。
913投稿者:
あげ
投稿日:2007年01月30日(火)00時10分11秒
914投稿者:
age
投稿日:2007年01月30日(火)00時14分01秒
915投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月30日(火)00時27分48秒
たしか今は夏希は角田と共にいるはず。
そして自分がいなくなったことを、おそらく父は連絡しているはずである。
父達が今後、どのような手を打ってくるか、動きを知る事ができるはずである。
もしかしたら七海とジーナの様子を窺うことができるかもしれない。
有海はまず、角田の盗聴器にチャンネルを合わせた。
916投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月30日(火)00時35分48秒
〔ぎゃああああ〜!!!〕
有海は思わずトランシーバーを放り投げてしまうところだった。
(何?今の声?今の声って…まさか…!?)
〔うふふ…痛いでしょ?どう?教えてくれる気になったかしら?〕
夏希の声だ。
(こ、これは…どういうこと?だって、このチャンネルは藤本さんのお父さんの盗聴器のものでしょ?それなのに…なんで校長先生の声が?)
〔キシシシシ…。ジーナを裏切った罪はこんなもんじゃないですよ?〕
(これは、ジーナの声?藤本さんと一緒にいるんじゃなかったの?じゃ、じゃあ…さっきの悲鳴はやっぱり…?)
〔さあ、どうかしら?喋る気になった?藤本さん…〕
917投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月30日(火)00時36分37秒
有海の不安は的中した。七海が夏希達に捕まっている。そして、何かしらの暴力を受けている…!
(ど、どうして?どういうこと?)
有海の頭は混乱していた。
〔ひぎゃあああああ〜〜〜〜〜!!!〕
また七海の声が聞こえた。
(どういうこと?藤本さん?どういうこと?藤本さん?どうしよう…どうしよう…)
有海はどうしていいのか、自分に何ができるのか、もう、今の状況がわからなくなった。
角田に仕掛けた盗聴器から七海の悲鳴が聞こえる、ということは、角田もここにいるのであろうか?
いや、たしか夏希は角田からポケットティッシュを借りたのだ。そしてそのまま角田は盗聴器と一緒に夏希にティッシュを渡したのだった。
でも、何故七海は暴力を受けているのか?それに、そこは何処なのか?
夏希〔いい加減、白状したらどう?一木さんはどこにいるの?〕
有海は愕然とした。
(ええ?わ、私のことで、藤本さんが痛めつけられてるの…?そんな…!)
夏希〔一木さんはどこに行ったの?あなたならわかってるんでしょ?あなたは一木さんと組んで何を企んでいるの?〕
七海は、自分が逃げ出したことで…自分が逃げ出したから捕まっている…!七海の為に勇気を出したことが原因で、七海が捕まってしまった!
有海は後悔した。自分の行動が、七海を絶体絶命の危機に落としてしまった。
918投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月30日(火)00時37分21秒
七海〔く…う…。言うたら、あんた…一木さんを…どない…するつもりや…〕
夏希〔質問はこっちがしてるのよ?…ジーナ!〕
ジーナ〔は〜い!…えい!!〕
七海〔ぎあああああ〜〜〜〜〜!!!〕
「ふ…藤本さん…!藤本さん…!」
有海は思わずトランシーバーに呼びかけた。こちらからの声は聞こえない。
919投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月30日(火)00時37分37秒
今日はこれでおちます
920投稿者:
あげ
投稿日:2007年01月30日(火)19時13分06秒
921投稿者:
age
投稿日:2007年01月30日(火)23時03分15秒
922投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月30日(火)23時40分04秒
更新します
923投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月30日(火)23時40分55秒
夏希〔いいわよ…いいわよ…。もっと声を出しなさい!いくら声をあげてもここなら誰にも聞こえないから…〕
七海〔こ、ここは…一体、どこや…〕
夏希〔私の屋敷ではないわよ。ここは、誰も来る事はない…。そう、私と翔子の思い出の場所なのよ…〕
七海〔お、思い出の…場所…?〕
夏希〔そう…。私は昔、ここでよく翔子と愛し合った場所…。何故ここに誰も寄り付かないか教えてあげる…〕
(場所…?中川先生との、思い出の場所…?)
有海はそこがどこなのか、聞き逃すまいとトランシーバーに耳をくっ付けた。
924投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月30日(火)23時41分47秒
夏希〔ここは…私が翔子の為に殺人を犯した場所なの。高校生の時にね、翔子をいじめるヤツらを殺した場所なの…。私は、加藤財閥の力で警察に捕まることはなかったわ。そしてここはおぞましい殺人現場として警察の現場検証が終わった後、誰も寄り付かなくなった…〕
七海〔く…!の、呪われとるんは…あんた自身や…!一体…どんだけの…人間を…苦しめるつもりや…!ジ、ジーナまで…〕
夏希〔ジーナ?ジーナは今、最高に幸せよ?ねえ?ジーナ…〕
ジーナ〔うん!TIMを飲んでから、どんなことでもできるし、どんなことも思い通りになるもん!〕
夏希〔さあ、人の心配なんてしてないで、自分の心配をしなさい!でないと、何年かぶりにここがまた殺人現場になるわよ!〕
「そんな!そんなこと、絶対にさせない!藤本さんを…死なせるなんて…!言って!そこがどこなのか、言ってよ!」
しかし、有海は気がついた。夏希の言葉にヒントがあった。
「思い出の場所…?中川先生との…思い出の場所…?」
今日、中川は藍の入院している病院にいるはずだ。いや、今もいるだろうか?
「中川先生…!中川先生なら、知っている…!」
有海は藍の入院している病院へと駆け出した。
925投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月30日(火)23時42分14秒
夏希はジーナに尋ねた。
「ジーナ、今、藤本さんの肋骨、何本折った?」
「ん〜と…いち、にい、さん…」
「…8本や…。ちゃんと数えとき…」
七海は息も絶え絶えに言った。
「あら、じゃあ、3分の1折ったってこと?がんばるわねぇ、あなた…。何でこんなにがんばれるの?」
「一七同盟…」
「え?何ですって?」
「…ふん…!あんた…蚊に刺されたら…蚊に…許して下さいって…降参するの?」
「蚊?」
「そうや…。あんたら…自分のこと…ライオンや思うてる…?ウチに言わせれば…虫ケラや…!」
「虫ケラ…?」
「ライオンの敵は…ライオンや…。虫やない…」
夏希は七海の目線にしゃがむと、拳で思いっきり顔面を殴った。
「ぐぅ…!」
七海の鼻から血が噴き出た。
「虫といっても、人を殺すくらい強烈な毒をもった虫もいるわ…」
926投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月30日(火)23時42分38秒
夏希は上着のポケットからティッシュを出す。
「ほら、血が出てる…。拭いてあげるわ。可愛い顔をあんまり傷つけたくないのよ…私だって…」
夏希はティッシュの中に何かが入っていることに気がついた。
「これは…何…?」
夏希はポケットティッシュから極薄の盗聴器を引っ張り出した。
「何よ?コレ!」
夏希は直ちに盗聴器を踏み潰して壊した。
(しもうた…!え?でも、何で親父に仕込んだ盗聴器が魔王が持ってるの…?)
七海の顔が青ざめた。それを夏希は見逃さなかった。
「コレ…あなたが…?」
「ま、まさか…。ウチ、小学生やで…何で盗聴器なんか…」
「盗聴器?何であなたのような小学生がコレを見ただけで盗聴器だと?」
「…テ、テレビで…何かのテレビで…そないな盗聴器…見たことあんねん…」
「そんなことでわかるかしら…?怪しいわ…。コレ、今でも誰かが聞いてるの?…まさか、一木さん?」
「な、何でウチが仕掛けたって決めつけるの…?もしかしたら、親父を探ってるスパイかもしれへんやん…!親父、アチコチに敵を…」
七海はそこまで言って、自分自身が何て迂闊者なのかとほとほと呆れてしまった。
「そう…。これは私が今朝、角田先生から頂いたポケットティッシュよ…。何でこのティッシュが角田先生のものだと知っているのかしら?」
七海は諦めたように言う。
「ウチはもう…一切口利かん…」
927投稿者:
リリー
投稿日:2007年01月30日(火)23時42分57秒
今日はこれでおちます
928投稿者:
age
投稿日:2007年01月31日(水)17時28分13秒
929投稿者:
あげ
投稿日:2007年01月31日(水)21時13分24秒
930投稿者:
あげます
投稿日:2007年01月31日(水)23時26分49秒
931投稿者:
あげ
投稿日:2007年02月01日(木)23時26分36秒
続きが気になる〜
932投稿者:
age
投稿日:2007年02月01日(木)23時39分04秒
933投稿者:
リリー
投稿日:2007年02月01日(木)23時52分18秒
はい、更新します
934投稿者:
リリー
投稿日:2007年02月01日(木)23時53分07秒
有海はトランシーバーを耳にくっつけながら病院へ走っていた。しかし、その通信が途絶えた。
「あ…!盗聴器が…!盗聴してるのがバレた!」
これで、七海の命が更に危険にさらされた。夏希は一層激しく七海を責め立てるだろう。
「早く…早く病院へ…!中川先生…!お願いだから中川先生、そこに居て!」
有海は祈りながら走った。そして病院にたどり着くと、並んでいる順番を無視して受付けに飛び付く。
「お嬢ちゃん、順番を守りましょうね」
受付けの看護士が優しく有海に語りかける。しかし、有海は彼女に怒鳴り返した。
「細川藍の病室を教えて下さい!」
「…え?」
「先週の日曜日にこの病院に運ばれた細川藍の病室です!早く!」
有海は、自分がこんなに大きな声を出せるのかと、自分自身に驚いた。
看護士は有海の剣幕に気圧されて、入院名簿を手に取った。
「ほ、細川さん…?ちょっと待ってね…。ええと…細川藍さんは…12階の206号室です…。でも、今は…」
有海は部屋番号を聞くと、エレベーターに駆け込んだ。
935投稿者:
リリー
投稿日:2007年02月01日(木)23時54分45秒
藍の病室。
中川が藍の手を握っていた。
藍の口に通されていた大きな管は取り除かれていたが、それでも意識不明なことに変わりはない。
今でも自動的に呼吸させる機械が藍の命をつないでいた。
「細川さん…。私…本当にあなたが好きだった…」
中川は藍の前髪を撫でた。相変わらず美しい顔。笑顔の魅力的な少女だった。しかし、その顔から寝顔以外の表情を奪ってしまったのだ。自分が…。
「あなたの笑った顔が好きだった…。ただ、笑顔を見たかっただけなの…。あなたの幸せそうな顔を…」
いくら語りかけても藍は瞳を閉じたまま…応えることはない。
936投稿者:
リリー
投稿日:2007年02月01日(木)23時55分00秒
中川は、藍をつないでいる生命維持装置の電源に手をかけた。
「私がしてあげられるのは…あなたを楽にしてあげること…。そして…私も一緒に死んであげること…。でも、行き先は…あなたは天国…私は地獄だけどね…」
「中川先生!!」
後ろから声をかけられ、中川は心底驚いて振り向いた。
そこには、汗で濡れた有海が立っていた。激しく息をついている。
「よかった…。中川先生…。いてくれた…」
有海は涙を流している…。
「一木さん…?ど…どうしたの…?」
戸惑う中川の前にヨロヨロと歩み寄り、肩を掴む有海。
それが意外にも力強く、中川は恐怖を感じた。
「今…藤本さんが校長先生とジーナに捕まって殺されかけてます!」
「え?…え?」
「私の居場所を聞くために、藤本さんが痛めつけられてるんです!私、そこに行かなければならないんです!」
「ちょ、ちょっと…」
「今、藤本さんは、校長先生と中川先生の思い出の場所に、藤本さんを閉じ込めています!教えて下さい!その思い出の場所を!」
「は、話しが見えないわ…!お、落ち着いて、一木さん!」
「もう!どうしてわかってくれないんですか!」
有海は中川に向かって泣き叫んだ。
937投稿者:
リリー
投稿日:2007年02月01日(木)23時55分48秒
それでも、なんとか中川は、気が動転している有海から事情を聞いた。そして、全てを理解した。
「そう…藤本さんが…。やっぱり…あなたと藤本さんはつながっていたのね…」
「お、お願いです…。私、藤本さんの所に…行かなきゃ…。行かなきゃ…」
有海は中川にすがりついた。しかし、中川はその手を優しく握り、首を横に振った。
「ど、どうしてですか!?」
有海はヒステリックに叫んだ。
938投稿者:
リリー
投稿日:2007年02月01日(木)23時56分03秒
「聞いて…一木さん…。あなたにとって、藤本さんは大切な人なのよね…?」
有海は、泣きながらも強く頷いた。
「大切な…友達なんです…。愛してるんです…」
中川は有海の気持ちが痛いほどわかった。それだからこそ、中川はその思い出の場所を教えるわけにはいかなかった。
「でもね…私にとって、夏希先輩…いえ、校長先生は愛する人なの…。その人を裏切るわけにはいかない…。わかって…」
「嫌です!教えて下さい!で、なければ、中川先生が私に悪戯したこと…いやらしいことしたって、言いふらします!」
「構わないわ…!それでも…!好きにして!それくらい、私は彼女を愛してる!彼女を警察に突き出すことなんてできない!だって、夏希先輩は…」
「人を殺したから…?中川先生の為に?」
「…あ、あなた…何でそれを…?」
「盗聴器を仕掛けました…。保健室に…」
「と、盗聴…?あ、あの時…?」
「そして今、藤本さんが危ないって、盗聴で知ったんです!お願いです!教えて下さい!私は…私は…」
有海は中川の目を真っ直ぐに見て言う。
「藤本さんを助ける為に行くんじゃないんです…」
「…え?」
「一緒に…一緒に、死んであげる為に…行かなきゃいけないんです…」
「…一緒に…死ぬ為…?」
「藤本さんを…一人ぼっちで…死なせたくない…。最後に…私が…側にいてあげたいの…」
939投稿者:
リリー
投稿日:2007年02月01日(木)23時56分19秒
今日はこれでおちます
940投稿者:
あげる
投稿日:2007年02月02日(金)00時23分56秒
941投稿者:
結末はどうなるのでしょうか?
投稿日:2007年02月02日(金)01時13分05秒
早く見たい!でも終わってしまうから見たくない!というディレンマ
942投稿者:
たしか
投稿日:2007年02月02日(金)02時02分23秒
一七にちなんで17章で終わるってことらしいから、もうすぐ終わりだねぇ…
943投稿者:
age
投稿日:2007年02月02日(金)07時44分13秒
944投稿者:
117
投稿日:2007年02月02日(金)16時08分54秒
果たして結末はいかに?
続きが気になる、頑張って更新お願いします。
945投稿者:
あげます
投稿日:2007年02月02日(金)18時07分48秒
946投稿者:
リリー
投稿日:2007年02月03日(土)00時20分51秒
いつも読んでくださってありがとうございます
もうすぐラストです
最後までお付き合いくだされば幸いです
947投稿者:
頑張れ
投稿日:2007年02月03日(土)00時22分50秒
リリーさんはクセノス視聴者?
948投稿者:
リリー
投稿日:2007年02月03日(土)00時22分55秒
更新します
949投稿者:
リリー
投稿日:2007年02月03日(土)00時23分21秒
「どういうこと…?一緒に死ぬって…?」
「そういう同盟なんです…。私達はお互いを絶対に裏切らない…。だから、藤本さんは殺されたって私のことは絶対に言わない…。そして…もう一つ…」
「もう、一つ…?」
「私達が…17歳になったら…一緒に死のうね…って…」
「ど…どうして…?」
「絶望したからです!私のパパの会社のクスリが、細川さんをこんなにした!私のパパが、私のママを殺した!だから…だから私は死のうと思った…!」
「い、一木さん…」
「藤本さんが…藤本さんが…一緒に死んであげるから…だから…その前に…TIMを…あなた達の企みを…阻止しようと…。細川さんの為に…自分達の為に…」
「自分達の…為…」
「こうなったら、私達、17歳まで生きられない!だったら…!だったら、せめて…一緒に…!一緒に死んであげたいんです!」
「あなた達…」
「愛してるから…!藤本さんを…愛してるから…」
有海はその場で泣き崩れた。その小さく震える肩を、中川は見つめた。
950投稿者:
リリー
投稿日:2007年02月03日(土)00時24分14秒
中川はハンドバッグからビニール袋を取り出した。中には赤と黒のキャンデーが8個入っている。
「一木さん…。これが…細川さんをこんなにした、TIMよ…!」
「こ…これが…?」
中川はそのビニール袋を有海に握らせる。
「これを…これを警察に持って行きなさい…。私が行くわ、その思い出の場所に…」
「せ、先生が…?」
「ここから近いの…。HK学園高等部の、旧体育館の倉庫内…。そこが私達の思い出の場所…」
「高等部の…旧体育館…?」
「あなたはTIMを持って警察へ!私が命に代えて、藤本さんを助けに行く…!」
951投稿者:
リリー
投稿日:2007年02月03日(土)00時24分40秒
有海はTIMをじっと見つめる…。そして、一つの決心をした。
「先生、先生がこのTIMを持って、警察に行って下さい!」
有海は一対、TIMを取り出し、中川に渡す。
「え?あ、あなたは…?」
「やっぱり、私が藤本さんの所へ行きます!高等部の旧体育館の倉庫ですね?」
「だ、だめよ…!それは私の役目…!あなたは早く警察に…」
「…!?せ、先生!先生!細川さんが…細川さんが…!」
有海の言葉に、中川が振り向いた。
藍が…藍の手が宙をさ迷っている…。そして、その瞳はじっと中川と有海を見つめていた。
「ほ…細川さん…?」
「せ…先…生…。な、中…川…先生…」
弱々しい、しかし紛れもない、細川藍の声だった。
「細川さん!細川さん!気がついたの?細川さん!わかる?先生よ!中川よ!」
中川は藍の手を強く握った。
952投稿者:
リリー
投稿日:2007年02月03日(土)00時24分59秒
「先生…。私…私…どうしたの…?私…」
「ごめんなさい!ごめんなさい!細川さん!先生が…先生が悪かった…!ごめんね…。ごめんね…」
「ど、どうして…謝るの…?先生…?それに…い、一木…さん…?」
「よかった…!よかったぁ…!よかったよぉ…!細川さん…!細川さぁぁぁん!!」
有海も中川も号泣した。心の底から神に感謝した。細川藍を再び目覚めさせてくれたことを…!
「そうだわ…!先生!先生〜!!細川さんが!細川さんの意識が〜!先生〜〜〜!!」
中川は大声を出しながら、医者を呼びに行った。
有海は藍の手を握って言った。
「細川さん…。私、今から藤本さんに知らせてくるね…。細川さんが…目を覚ましたこと…!」
有海は、慌しく駆けつけた医者と看護士と中川と入れ代わりに、病室を出て行った。
953投稿者:
リリー
投稿日:2007年02月03日(土)00時25分22秒
今日はこれでおちます
954投稿者:
リリー
投稿日:2007年02月03日(土)00時26分23秒
>947
クセノス?
それは何でしょうか?
955投稿者:
あげ
投稿日:2007年02月03日(土)00時38分43秒
今テレビ東京でやってるドラマ
956投稿者:
リリー
投稿日:2007年02月03日(土)00時46分09秒
>955
ありがとうございます
一磨が出てるみたいですね
957投稿者:
あげ
投稿日:2007年02月03日(土)18時14分13秒
藍が生還。よかった〜!
958投稿者:
age
投稿日:2007年02月03日(土)19時09分29秒
959投稿者:
あげ
投稿日:2007年02月03日(土)22時41分26秒
960投稿者:
リリー
投稿日:2007年02月03日(土)23時33分46秒
藍は最初から生還する予定でしたので
これから最終章です
あと少しです
961投稿者:
リリー
投稿日:2007年02月03日(土)23時34分27秒
17
12本…。
ちょうど半分の肋骨が折られたことになる。
すべてがヒビ程度のものなのだが、七海の痛みの感覚はその小さな身体を支配していた。
痛み以外の感覚がないのだ。
しかし、七海には有海の居場所、これから自分のマンションに向かうであろうことを、喋る気はなかった。
つまり、七海にできることは痛みに耐えること。そして死ぬのを待つことだけである。
「う〜ん…。正直、こんなにがんばるとは思ってなかったわ」
夏希は心底めんどくさそうに髪をかき上げた。
「まだ、折るべき骨は半分あるけど…。でも、段々痛みにも慣れてきてるんじゃない?」
夏希の問いかけに、七海は答えようとはしない。
「ねえ、お姉さま!ジーナ、肋骨折るの飽きちゃった!だって、指でチョイって押すだけなんだもん」
「あなたが思いっきり暴れたら、藤本さんは一瞬で死んでしまうわよ」
夏希はジーナを退かせ、七海の目線までしゃがみ込む。そして乱暴にその長い黒髪を掴んで七海の顔を上げた。
それだけでズキっとした痛みが七海の身体を駆け回る。
962投稿者:
リリー
投稿日:2007年02月03日(土)23時37分33秒
「ねえ、実をいうとね…こんなことで手間を取ってるヒマなんかないの。こう見えて私、凄く焦ってるのよ、わかる?」
七海は夏希をじっと睨みつけるだけだ。
「今、傍から見ればあなたは絶体絶命のピンチのように見える…。でも、違うの。追い詰められてるのは私達の方よ」
七海は夏希を睨みつける。
「だってそうでしょ?あなたのお父様、角田先生は国会議員。一木さんのお父様は大企業、フレドリック製薬の社長。そして私は歴史ある名門校、HK学園の理事長兼校長。背負っているものが違うのよ」
七海は夏希を睨みつける。
「あなたはただの、子供の友情ごっこでしょ?あなたの後ろには一木さんと細川さんの2人だけ。私達と背負っている重さが違う」
七海は夏希を睨みつける。
「だから、私は何としてもあなたから一木さんの居場所を聞きださなければならないの。私達には友情ごっこに付き合っているヒマなんかないのよ」
「あはは…」
久しぶりに、七海は悲鳴以外の声を出した。これには夏希も不意をつかれ、少し目を丸くした。
963投稿者:
リリー
投稿日:2007年02月03日(土)23時38分26秒
「何がおかしいの?」
「ウチも…あんたらの…悪党ごっこに付き合うてられへん…」
「悪党…ごっこ…?」
「そう…悪党ごっこや…。あんたらには、悪事を働いているっていう…後ろめたさ…罪悪感がない…」
「罪悪感?そんなものあるわけないわ。あると思ってたの?」
今度は夏希が高笑いをした。
「そうや、罪悪感がない、ってことは…悪事がばれることに対して、何の覚悟も出来てへんってことや…」
「どう言う意味…?」
夏希は目を細めて七海を見る。
964投稿者:
リリー
投稿日:2007年02月03日(土)23時39分09秒
「だから…ウチみたいな子供一人、口も割らせられんし、一木さんには逃げられる。それはあんたらとウチらが背負っている重さが違うからや」
「背負っている重さ?あなたたちが…?あなた達のような、ちっぽけな子供が…?」
「そう…。ウチは一木さんをあんたらに売ることへの罪悪感…いや、恐怖がある…。絶対にやってはあかん、これだけはやってはあかんっていう罪悪感がある…」
今度は夏希が七海を睨みつける。
「悪事を働いているって感覚が…もう、あんたらにはないんやろうな…。空気を吸ったり、水を飲んだり、当たり前のように悪事をしてる…。」
夏希は七海を睨みつける。
「水を飲むのに覚悟する人間なんておらん…。でもな…コップ一杯の水で溺れ死ぬ者もいるらしいで。」
夏希は七海を睨みつける。
「足下をすくわれるんは…案外…こんな時や…」
夏希は七海を睨みつける。
「あんたらは…国会議員の先生も、大企業の社長も、歴史ある名門校の校長も…こんなちっぽけな子供に溺れさせられて死ぬんや…!」
夏希は黙って、七海の顔を張り倒した。
965投稿者:
リリー
投稿日:2007年02月03日(土)23時39分32秒
今日はこれでおちます
966投稿者:
td
投稿日:2007年02月03日(土)23時49分04秒
$hour < 10 && ($hour = "0$hour");
967投稿者:
あと少し
投稿日:2007年02月04日(日)00時14分12秒
がんばって最後まで書いてください
968投稿者:
age
投稿日:2007年02月04日(日)03時40分47秒
969投稿者:
あげます
投稿日:2007年02月04日(日)10時26分43秒
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