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レズ小説★SAMURAIDRIVE☆
1
レズ小説★SAMURAIDRIVE☆
投稿者:
リリー
投稿日:2007年02月22日(木)21時44分15秒
SAMURAI DRIVE
CAST
村田ちひろ
中村有沙
内容…アクション&サスペンス
エロ・レズ描写有り
OB・OG・現役戦士、多数出演予定
hitomiの楽曲とは関係ありません
2
☆レス500までを見る☆
501投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月03日(木)20時40分52秒
「う、うわ!」
いつの間に鞭が飛んできたのか、ちひろには見えなかった。
前を向いた時、偶然木刀がちひろの顔の前に重なっていたのだ。そうでなかったら、ちひろの顔面は大きく切り裂かれて血だらけになっていただろう。
「ちぃ!私の鞭を受け止めるとは…!さすがに勘がいいね!」
ジョアンは、偶然ちひろが攻撃をしのいだことに気が付いていない。
有沙の言葉ではないが、もう二刀流などと遊んでいる場合ではない。ちひろはロッドを放り投げて、両手で木刀を握りなおした。
502投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月03日(木)20時41分12秒
「ははは!何だい?やっぱり二刀流を使うなんて、ウソだったのかい?ならばおまえはもう、お終いだよ!本当に二刀流を使われたら、いくら私でも危なかったけどね…」
ジョアンの二刀流に対する過大評価は、相変わらずのようだ。
ジョアンはちひろの手から木刀を奪おうと、グイグイと鞭を引っ張る。
ちひろは木刀を奪われまいと、握る手に力を入れた。しかし、先ほどのジョアンの攻撃で手が痺れていた。それに戦いが長引いたせいもあり、掌に汗をかいていた。
ジョアンが再び鞭を引っ張ると、木刀はちひろの手からすっぽ抜けてしまった。
「あ!」
木刀がジョアン目がけて飛んでいく。これはジョアンはもちろん、ちひろにも予想外の出来事だった。
「!?」
ジョアンの反応が遅れた。その為ジョアンの左眼に、木刀の切っ先が激突した。
「うぐぅ…!」
ジョアンは思わず目を抑えると、前屈みの姿勢になった。
「今だ!ちひろ!」
銀色のロッドが、ちひろを目がけて回転しながら飛んで来た。
「!?」ちひろは反射的にそれを受け止めた。
「トドメだ!ちひろ!」
有沙がロッドを投げて寄越したのだ。この隙を突かない手は無い。ちひろも今度は素直にそう思った。
503投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月03日(木)20時41分58秒
「うりゃあああ〜〜〜!!」
ちひろはロッドを振り上げ、ジョアンに襲い掛かった。
「う…うお…!」
ジョアンは視界を悪くしていて、ちひろの攻撃がよく見えない。
しかし、ちひろはロッドをクルリと回転させて持ち替えると、柔らかいラバーのグリップの方で、ジョアンを殴りつけた。
「ぐわあ!!」
ジョアンは後ろに吹っ飛んで、既に割られたガラスに突っ込むと、ベランダまで転がった。
504投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月03日(木)20時42分39秒
「う…ぐ…ぐぅ…。ま、まさか…木刀を飛び道具に使うとは…。貴様…相当に戦い慣れてやがるな…」
ジョアンはヨロヨロと立ち上がる。ジョアンの左眼は大きく腫れ上がっている。この結果は偶然の産物なのだが…ジョアンはちひろの実力と思っているようだ。
ジョアンの足下に…赤い、血の水溜りができていた。なんと、ジョアンの腹に大きなガラスの破片が深々と刺さっているのだ。
「お、おい…。おまえ…だ、大丈夫か…?」
ちひろは、思わず声をかけてしまった。ジョアンは黒いドレスを着ている為よくはわからないが、相当の出血をしているはずだ。
「何をしている!ちひろ!早くトドメを刺せ!」
有沙が後ろから叫んだ。
「トドメ?トドメとは、何だ!?こいつは、酷い大ケガをしているんだぞ!?」
「命を絶て、ということだ!」
「い、命を?そ、そんなこと、できるか!!」
ちひろは有沙に怒鳴り返した。有沙は心底不思議そうな顔をして、ちひろに歩み寄る。
「ちひろ…。おまえ…一体どういうつもりで戦っていたのだ?」
「ど、どういうつもりだと?殺すなんて…そんなこと、考えたこともない!」
「命令だ!ジョアンを殺せ!」
「断る!」
有沙は溜息をついた。
「そうか…。ならば仕方が無い…。私が殺す」
そう言うと、いつの間に持っていたのか…有沙は拳銃をジョアンに向けた。そう、昨夜ちひろに向けた、あの拳銃だった。
505投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月03日(木)20時43分18秒
ジョアンの顔が青ざめた。
「くぅ…!」
ジョアンはベランダの柵に飛び乗った。
「逃がすか!」
引き金にかけた指に、力を入れる有沙。
「やめろ!有沙!!」
ちひろは有沙の腕にしがみ付いた。その為、少し銃口がぶれた。
パン!
昨夜と同じ、安っぽい銃声。しかし、今度はちひろの耳元で鳴ったため、ちひろの耳はキィィーンと耳鳴りがした。
「うわあ!」
弾丸はジョアンの右肩を貫通した。そして、ジョアンはそのまま後ろ向きにベランダから落ちた。
「お、おい!」
ちひろは耳鳴りでクラクラしながらも、ベランダに駆け寄った。その際ガラス片を踏んでしまったが、そんなことは構っていられなかった。
ちひろはベランダの柵から身を乗り出して、下に落ちたジョアンを確認する。しかし、そこにはジョアンの姿はなかった。点々と、血痕がアスファルトに続いている。
「え?…ええ?」
「逃がしたか…。さすがジョアン。こんなことではくたばるわけあるまい…」
有沙もベランダまで出てきて下を覗きこんでいた。あくまでも冷静な…冷たい表情で…。
506投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月03日(木)20時43分54秒
「有沙!どういうつもりだ!殺そうとするなんて!」
「それは私のセリフだ。ちひろ、どういうつもりなのだ?なぜ私の邪魔をした?」
「な、なぜって…当たり前だ!人殺しを黙って見逃せるわけないだろう!」
「それだけではない。なぜ、あの時、ロッドの先でジョアンの頭をカチ割らなかった?なぜ反対側の柄の方で殴った?」
「私は、殺し屋ではない!」
「相手は殺し屋だぞ?そして、私もそうだ」
「な…何…?こ、殺し屋…?」
何を言っているのだ?有沙もジョアンも、自分と同じくらいの歳の…子供ではないか…。殺し屋とは、何だ?そして、『組織』とは…?
「話せ!有沙!全てを話せ!何もかもだ!私に話せ!」
真っ直ぐに有沙を睨むちひろ。有沙はまた溜息をついて、口を開いた。
「わかった…。全てを話そう…。しかし、その前に私達はしなければならないことがある…」
「何だ?それは…」
「それは…服を着ることだ…。さっきから、向かいのマンションの中年の男が、私達の裸を見ているぞ」
「…え?」
ちひろは向かいのマンションを見た。パジャマ姿の男が、歯ブラシを加えながら、呆然とこっちを見ている。
ちひろは、今、自分が裸であることをすっかり忘れていた。
ちひろは慌ててベランダから部屋の中に入った。その際、再びガラス片を踏んでしまった。
507投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月03日(木)20時44分26秒
今日はこれでおちます
508投稿者:
アクション
投稿日:2007年05月03日(木)20時48分32秒
すげー
509投稿者:
目に浮かぶ
投稿日:2007年05月03日(木)22時56分35秒
510投稿者:
age
投稿日:2007年05月04日(金)08時39分06秒
511投稿者:
スゲエ
投稿日:2007年05月04日(金)15時19分52秒
面白い、これ
512投稿者:
今日は
投稿日:2007年05月04日(金)23時38分30秒
更新ないの?
513投稿者:
GWだからな
投稿日:2007年05月05日(土)00時31分49秒
どこかへ遊びに行ったんだろう
514投稿者:
あげ
投稿日:2007年05月05日(土)08時30分28秒
いつ帰ってくるんかな?
515投稿者:
あげ
投稿日:2007年05月05日(土)15時17分48秒
516投稿者:
今日も
投稿日:2007年05月05日(土)21時05分26秒
帰ってこないのかな?
517投稿者:
微妙にエロな感じがする
投稿日:2007年05月05日(土)21時07分54秒
この小説は
518投稿者:
>517
投稿日:2007年05月05日(土)21時09分35秒
>1
エロ・レズ描写有り
519投稿者:
微妙ではなく
投稿日:2007年05月05日(土)23時52分17秒
モロですがなw
520投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月06日(日)10時48分54秒
いま、帰ってきました
GWは、家でのんびりするのが一番です…
遅れた分、多目に更新します
521投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月06日(日)10時49分55秒
8『TTKの戦士達』
服を着たちひろは、大急ぎで荷物をまとめていた。
ジョアンとの戦いで大きな音を立ててしまったし、何より有沙が拳銃を発砲したのだ。
今頃、向かいのマンションの住人が警察に通報しているだろう。警察が来る前にここから逃げ出さなければ…。
拳銃を所持しているのだ。タダで済むはずがない。
当分の着替えをバッグに詰め込む。甜歌も荷造りを手伝っていた。
しかし、甜歌はさっきからCDだとか、アルバムだとか、必要の無い物ばかりバッグに入れている。
「甜歌!必要なものだけ、バッグに入れるんだ!」
「は、はい!」
そう言いながら、甜歌は鮭をくわえた木彫りの熊を入れようとする。
522投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月06日(日)10時50分09秒
「これだ。必要な物とは…」
すっかりゴスロリのドレスに着替えた有沙が、甜歌に拳銃を投げて寄越した。
「ひ…ひぃ…!」
甜歌は、拳銃を指でそっと摘むと、バッグに入れた。それを、ちひろは見逃さなかった。
「甜歌!それは置いていけ!」
「え…?あ、は、はい!」
「だめだ。それは必要だ。持っていけ」
「え?え?」
「甜歌、置いていけ!」
「持っていけ」
「あ…あ…」
甜歌はオロオロしながら、ちひろと有沙を交互に見る。
「もう、いい。私が持つ」
有沙は甜歌から拳銃を取り上げると、スカートの下のガーダーベルトに拳銃を挟んだ。
523投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月06日(日)10時50分43秒
そんな有沙を横目で見ながら、ちひろは言った。
「有沙…。できればそのゴスロリなる服、着替えてくれないか?その恰好は目立ちすぎる」
その服のせいで、あの4人組のチンピラに見つかったのだ。だが、その服のおかげで、ちひろ達は有沙を見つけることもできたのだが。
「着る前に言って欲しかった。この服は、着たり脱いだりするのが恐ろしく面倒くさい」
「いいから、つべこべ言わずに着替えろ!」
「これ以外の服を持っていない」
「私のを貸してやる」
「ちひろの服はどれも男が着るようなものばかりだ。私の趣味に合わない」
「贅沢言ってる場合か!」
ちひろは、そばにある服を一式、有沙に向かって投げた。
524投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月06日(日)10時51分10秒
荷造りを終えて、ちひろ達が自宅兼事務所の雑居ビルを出た直後に、警察が到着した。
既に大勢の野次馬が集まっており、その人ごみに隠れながら、ちひろ達はその場から離れた。
ちひろは、自分の部屋のある4階を見上げた。ガラスは割られ、ベランダにはジョアンの流した血が残っている。
どう考えても、警察は事件として取り上げるだろう。
もう、この家には戻れないのか?学校へも行けない。ちひろは、複雑な表情で我が家を見つめている。
「ちひろ、何をしている?早くここから離れるぞ」
一回り大きなちひろの服を着、吉田が警察時代にアメリカ研修に行った時の土産であるレッドソックスの帽子を目深に被った有沙が、ちひろに言う。
ゴスロリの服も目立つが、この恰好もかなり目立つ。
しかし、何よりもっと目立つのは、ちひろが背中に差した木刀なのだが…。
525投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月06日(日)10時51分40秒
「しかし…これからどこに行けば…」
「ちひろさん。私に着いて来て下さい。いい隠れ家があるんです」
甜歌がちひろの耳に、そっと囁く。
「隠れ家?」
「だって、私の家、不動産屋でしょ?マンションやアパートの空き部屋、いっぱい持ってるんです!」
「で、でも、鍵が開いてないだろ?」
「へへへ〜ん!そんな時のために、私の特技、ピッキングがあるんです!」
「…まさか、おまえの犯罪行為の世話になる日が来るとは…」
ちひろは、右手で額を抑えた。
「ちょっと…犯罪行為なんて言わないでくださいよ!こうやって、ちゃんと役に立つんだから!」
「いいから、早くその空き部屋とやらに連れて行け」
有沙はぶっきら棒に甜歌に言う。
「う…。あんたなんかに命令されたくない…」
「なんだと?もう一度言ってみろ」
「ひいい!ちひろさん、助けて!」
「やめないか!有沙!甜歌、そこに案内してくれないか?」
「はい!喜んで!」
甜歌の顔は、満面の笑みに戻った。相変わらず忙しく変る表情だった。
526投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月06日(日)10時52分34秒
また、今日中に更新できると思います
一時、おちます
527投稿者:
おかえり〜
投稿日:2007年05月06日(日)13時54分39秒
528投稿者:
あげ
投稿日:2007年05月06日(日)14時30分28秒
とく
529投稿者:
あげ
投稿日:2007年05月06日(日)17時05分24秒
530投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月06日(日)17時20分17秒
では、ふたたび更新します
531投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月06日(日)17時21分17秒
「レインボー・ハイツ」。甜歌の案内したマンションである。
最近できたばかりの高級マンションで、あまりの高額のために入居者はまばらだ。
そこが隠れ家に丁度いい。しかも、最上階の14階とその下13階は一世帯も住んでおらず、ちひろ達が隠れていても、気づく者はいない。
だが、高級マンションのため、オートロック方式で、正規の住人が入るのを待っていないと侵入できないのがネックだ。
あと、これは特に女子にとって辛いことなのだが、電気、ガス、水道は当然使えない。シャワーはもちろん、トイレも使えない。
風呂は近所のスーパー銭湯に、トイレはマンション内の公園にある公衆便所で済ませなければならない。
どうせなら眺めのいい部屋がいい、と有沙が言うので、14階角部屋に住み込むことになった。
甜歌得意のピッキングで侵入する。中は備え付けのベッドや本棚があるだけで、広々としていた。
20畳のリビングと14畳と8畳、そして6畳二つの洋室に、8畳の和室で構成された、完全防音の豪華な部屋だった。
532投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月06日(日)17時21分48秒
ちひろは、虹守町が見渡せる大きな窓が気に入った。そして有沙が気に入ったのは、備え付けのダブルベッドだ。
ベッドに身体を放り出し、スプリングの具合を確かめると、有沙はご満悦な笑顔で言った。
「うむ、気に入った。完全防音というのもいい。ちひろは声が大きいから…。これで毎日愛し合えるな、ちひろ」
ちひろは顔を真っ赤にし、甜歌は顔を真っ青にした。
「な、何をバカなことを…」
「そ、そ、そ、そうよ!そんなの許さない!ちひろさんに指一本触れたら、ここから追い出してやる!!」
「追い出す?私を?おまえが?面白い。やってもらおうか…」
有沙は指を鳴らしながら甜歌ににじり寄る。
「ひいい!もう、やだぁ!!ちひろさ〜ん!!」
甜歌は半泣きになって、ちひろにすがる。
「もう、よせ!有沙!甜歌をいじめるな!安心しろ、甜歌。変なことは絶対にさせない」
「ほ、本当?本当に?」
「ああ、私を信じろ!」
ようやく甜歌は泣きやんだ。
533投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月06日(日)17時22分40秒
三人はフローリングの床に座る。これから有沙にこの騒動の真相を説明してもらう為だ。
有沙は、恐い顔で見つめるちひろと不安な表情の甜歌に対し、何のことも無いように、自分の身の上話のように、語り始めた。
「私達の組織…それは暗殺を請け負う組織。その名は『TTK』」
「暗殺…!?」
先ほどのジョアンとの戦闘の際、殺し屋という言葉を聞いてはいたが、改めて聞くとやはり信じられない気持ちになる。
「暗殺って…。だって、おまえも、あのジョアンというヤツも、私達と同じくらいの…」
「ちひろ…。世の中には、おまえの様な表の世界の人間には想像もつかない、裏の世界がある」
「裏…?」
「おまえも言った通り、私のような少女が暗殺者などとは誰も思わない。それが暗殺には都合がいい。しかし、それはタダの方便…。少女に殺しをさせる…ただの変態趣味の道楽だ」
「変態趣味…?道楽…?」
「ああ。私達の組織のボスは、『ラビ』という男女の4人組だ。豚の様に醜く太った、欲望の塊り…」
534投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月06日(日)17時23分13秒
「その、『ラビ』とは何者なんだ!?そいつらが、おまえ達に人殺しなんかをさせているのか!?」
「『ラビ』とは、ユダヤ教の指導者のことだ。その4人組はユダヤの大富豪で、有り余る財産を使い、『TTK』という組織を創った」
「『TTK』…?」
「『TTK』…組織の活動そのものを名前にしている。最初の『T』はTempt…『誘惑』。二つ目の『T』が Torture…『拷問』。誘惑して意のままに操ったり、拷問で情報を得たり…。ちひろ、心当たりがあるだろう?」
「………」
確かに…今朝のバスルームでの情事は『誘惑』、昨夜の拳銃で脅したのが『拷問』…。二つとも有沙の得意分野だったわけだ。
「そして、最後の『K』が…」
「Kill…『殺人』…だな?」
「そうだ」
有沙は、何のこともなさげに言った。
535投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月06日(日)17時23分42秒
「さっき言っていた、変態の道楽とは…?」
「『ラビ』達は、揃って少女趣味だ。特に、私のように美しい少女が…」
「自分で言ってるよ…」
甜歌のボソリと言った独り言に、有沙はギロリと睨む。甜歌は目を伏せた。
「少女趣味と言っても、『ロリータ』ではない。『ペドフィリア』の方だ」
「ん?何だって?『ロリータ』と…『ペド』…?」
「『ペドフィリア』だ。よく、世間で幼い少女が、卑劣な大人に辱められた挙句に殺される事件が起きるだろう?それでその犯人共を『ロリコン』というが、それは違う」
「ち、違うのか…?」
「『ロリータ』は少女を眺めたり、妄想して楽しむ者を言う。実質は無害だ。『ペドフィリア』はその少女を傷つけて性的興奮を得る者を言う」
「で…その『ラビ』というのが…」
「そう、最低最悪の『ペドフィリア』だ」
536投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月06日(日)17時24分08秒
「は、話しがよく見えない…。何でその『ラビ』達は、おまえ達、少女に人殺しをさせるんだ?」
「美少女が血まみれになって殺人をする…それが『ラビ』達の興奮のツボなのだ。美少女が血まみれになって死ぬのは、もっとツボらしい」
「げ…。何、それ…」
甜歌はあからさまに退いている。
「わ、私には…その『ラビ』達の考えがよくわからん…」
「当たり前だ。変態の考えなど、わからない方がいい。私の自論だが、変態に財力と権力と地位を与えてはならない。それが『ラビ』達なのだから…」
「で…その『TTK』という組織に、おまえやあの、ジョアンという者が入っているのか?」
「ああ。もっと大勢いる。今は総勢で…50人程か」
「そ、その少女達は、どうやって集められてるんだ?親は?」
「親などいない。私を産んだ者はいるだろうが、私は知らない…」
「あ!わかった!赤ちゃんの時に、誘拐されたんだ!」
甜歌の言葉に、有沙はゆっくりと首を横に振る。
「私は、最初から『人を殺す』という目的の為に産み出されたのだ」
「な、何だって…?」
人を殺す為に産まれた…?何なのだ?それは…。その存在は…。
537投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月06日(日)17時27分42秒
今回は、説明的なセリフが多すぎて、また例の如く、読みにくくなってると思いますが、すいません
有沙達が、どんな環境で生きてきたか、劇中世界の説明ですので、ご了承下さい
それでは、今日はこれでおちます
538投稿者:
また今回も
投稿日:2007年05月06日(日)18時15分03秒
よく考えたものだねぇ
539投稿者:
リリーさんには
投稿日:2007年05月06日(日)18時20分39秒
ただただ脱帽
540投稿者:
TTK
投稿日:2007年05月06日(日)21時21分24秒
『誘惑』・『拷問』・『殺人』で『TTK』って…
541投稿者:
一七の
投稿日:2007年05月06日(日)21時27分49秒
TIMも秀逸だったよね
Taffy Is Monster でTIM
542投稿者:
名言
投稿日:2007年05月06日(日)21時34分41秒
変態に財力と権力と地位を与えてはならない
543投稿者:
age
投稿日:2007年05月07日(月)18時40分37秒
544投稿者:
age
投稿日:2007年05月07日(月)20時11分29秒
age
545投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月07日(月)21時25分53秒
今回は、少し強引かと思ったんですけどね
できれば、三つとも違うアルファベットでいきたかったのですが
では、更新します
546投稿者:
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!!
投稿日:2007年05月07日(月)21時26分24秒
待ってました!
547投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月07日(月)21時26分32秒
「私の親は…いや、私達の親は、『ラビ』達から莫大な報酬を受け取って、自らの精子と卵子を『売る』。その精子と卵子の組み合わせで生まれたのが私達だ」
「そ、そんなことって…」
「あるのだ。私の親は、誰のモノともわからない精子と卵子だ。その種と卵の提供者は、世界中から集められる。ノーベル賞候補の学者だったり、オリンピック級のアスリートだったり、スーパーモデルだったり、マフィアの大者だったり…」
「そうして産まれたのが…」
「私達だ。世界中から集められるから、私達『戦士』は混血が多い。ジョアンの様な…。私も外国人の血が流れているのかもしれない」
「『戦士』…?」
「私達、組織に所属している者の総称だ。人工的に産み出された少女達は、地獄のような訓練を受ける。暗殺者としてな。そしてその訓練に合格した者が『戦士』と呼ばれる暗殺者になれる」
「その…『戦士』になれなかった者はどうなるのだ…?」
「使い捨ての駒にされる…。私達『戦士』の練習相手をさせられたり…任務の為の道具にされたり…。ま、駒にされるのは、私達『戦士』も大差ないが…」
「なんてことだ…。こんな話があっていいのか…」
「あと、どんなに殺し屋としての素質があったとしても、美しくなければ『戦士』にはなれない。少女趣味と言っても『ラビ』達は美少女だけが趣味だからな。私は殺し屋としての素質と美しさを兼ねそろえていたので、幸か不幸か『戦士』となった」
「………」
美少女なのは認めるが、こうも臆面もなく言い切られると返事に困る。
548投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月07日(月)21時27分04秒
「…そうだ…。ジョアンもおまえもゴスロリとかいう服を着ていたが…あれは…?」
「あれは、『TTK』のユニフォームだ」
「ユニフォーム!?あれが!?」
「ああ。組織が結成された当初はセーラー服。次は体操服にブルマ。その次がスクール水着で、次がメイド服。そしてロリータファッション。全部『ラビ』達の趣味だ」
「げげ…。最悪だ…。その『ラビ』達…」
甜歌は吐き気がしてきた。
「ブルマやスクール水着に比べれば、ロリータファッションはまだマシだ」
有沙は吐き捨てるように呟いた。
549投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月07日(月)21時27分44秒
「その、『TTK』って組織…。暗殺集団だと言ったな?そんな、年端も行かない少女に殺しをさせて…警察は何をやっているんだ!?」
「だから言っただろう?『ラビ』達は財力と権力と地位を持っている。警察の懐柔など、雑作もないだろう」
「で、では、今朝の事件も…?」
「ああ…。何らかの形で隠蔽をするだろうな。そして、ちひろ…おまえの存在もだ」
「え…?わ、私の存在…?」
「ああ。組織と関わったからには…な。おまえはもう、表の世界には帰れない。これからも、ジョアンの様な『戦士』達が次々と襲ってくるだろう」
「な、何てことだ…」
ちひろは目眩を覚え、後ろへ倒れそうになった。
「ち、ちひろさん…!」
甜歌がちひろの肩を支える。
やっぱり、杏奈や卓也の忠告に従っていればよかったのだろうか…。もう、学校へも行けないのか…。中途半端な正義感をかざし、有沙なんかに関わったばっかりに…。
550投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月07日(月)21時28分54秒
「しかし…私は嬉しいぞ、ちひろ…」
「…え?」
ちひろは、思わず有沙を見た。幸せそうに微笑む有沙の顔を。
「私は…組織を抜け出し、追われていた。たった一人で不安と恐怖にさらされて…。そこに、おまえが現れて、私を守ると言ってくれた…。私の味方になってくれた…」
「それは…おまえが無理矢理そうさせたのだろう!?」
「しかし、現におまえは私の為にジョアンと戦ってくれた…。私は…心の底から嬉しかった…。ありがとう…ちひろ…」
有沙は両手でちひろの手を握った。暖かい手だった。
そうだ。殺し屋といっても、まだ子供。不安だったのだ。守ってくれる者が欲しかったのだ。そう…これで良かったのだ…。
そう思うことで、ちひろから後悔の念は消えていった。
551投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月07日(月)21時29分32秒
今日はこれでおちます
552投稿者:
あげます
投稿日:2007年05月07日(月)23時17分19秒
553投稿者:
水着がユニフォーム
投稿日:2007年05月07日(月)23時40分01秒
554投稿者:
ラビって
投稿日:2007年05月08日(火)19時35分40秒
本当にユダヤ人か?
アキバ人にみえるんだがw
555投稿者:
更新
投稿日:2007年05月08日(火)20時53分50秒
あげ
556投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月08日(火)21時04分33秒
ちょっと、日本人くさかったですかね?
海外の人でも、日本の女子高生の制服とか好きみたいですから
ニューヨーク・ヤンキースのジーター選手は、日本に来るのが好きみたいですよ。なんでも、日本の20代は10代に見えるって…
日本人女性に比べれば、アメリカ人女性の10代は30代に見えるそうです
ジーターもロリコンなのでしょうかね
では、更新します
557投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月08日(火)21時06分39秒
しかし、また新たな疑問と不安が頭を過ぎった。
「有沙…。『TTK』は、『誘惑』、『拷問』、『殺人』が仕事だと言ったな…。おまえ…今まで何人、人を殺した…?」
「…ひっ…!」
甜歌は、思わず尻で後退りして有沙から離れた。
そう、あの時、眉一つ動かさず、ジョアンを拳銃で撃った。ちひろが阻止しなかったら、確実に殺していたのだ。
有沙は、じっとちひろの目を見て、ゆっくりと口を開いた。
「あの時、おまえが邪魔をしなかったら…あれが人生で初めての『K』となっていただろう…」
「そ、それじゃあ、おまえはまだ一人も殺していないんだな…?」
「ああ…。もっとも、私のパートナーは殺しまくっているが…。私はそのパートナーの支援が仕事だ。まだまだ私は新人の部類に入るのでな…」
「そ、そうか…。まだ、人を殺して無いんだな…」
ちひろは、心の底からホッとした。今、自分の手を握っている暖かい手…まだ、殺人を犯していない手だった。
「しかし、これからはそうは言っていられない…。私も…おまえもな…」
「え…?」
「ちひろ、今度は私からの質問だ。さっきのジョアンに勝利した戦い…偶然だな…?」
「…あ…ああ…」
「やはりな…」
有沙は溜息をついて、ちひろの手を離した。
558投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月08日(火)21時08分11秒
「ちひろ…。もう、あんな幸運は二度と訪れない。殺しておける内に殺しておかなければ…死ぬぞ…?おまえも…私も…」
有沙の目は、また、あの冷たい目に戻っていた。
「わ、私は…」
「もう、何も言うな。死にたくないのなら、戦うしかない。殺すしかない。ちひろ…私はおまえに死んで欲しくない…。おまえはどうだ?」
「わ…私も…私も有沙に死んで欲しくない!」
「ならば、殺す事をためらうな!私の為に、戦ってくれ!」
「し、しかし…」
ちひろが返答に困っていると、甜歌が口を挟んだ。
「わ、私だって、ちひろさんに死んで欲しくないよ!なにさ!この騒動の原因はあんたのクセに!あんたが組織から抜け出さなかったら、こんなことには…」
「うるさい。今度こそ顎を外すぞ?」
「…う…」
甜歌は黙った。
559投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月08日(火)21時08分52秒
そして、ちひろは思い出したように言う。
「そ、そうだ!有沙…何で組織を抜けた?刺客に怯えながらも…何故だ…?」
「『ラビ』達の話を聞いて、どう思った?」
「え…?」
「逃げ出したくなるだろ?殺人をさせられるだけじゃない。ありとあらゆる虐待、屈辱を私達は受けているのだ。あの醜い豚共から…」
確かに…逃げ出したい気持ちもわかる…。そう考えるなら、あのジョアンだって気の毒な立場なのだ…。ますます、殺すことなど…。
「あ…そ、そう言えば…!ジョアンが言ってたな?おまえの『パートナー』が探してるって…。そのパートナーに連絡はとれないのか?」
「そいつの話しはするな!」
有沙は急に表情を変えた。余裕がなくなったかのようだ。
560投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月08日(火)21時09分21秒
「ど、どうした…?有沙…。おまえの…味方じゃないのか…?」
「味方なものか!あんなヤツ!私の敵だ!最大の敵だ!あいつに会うくらいなら、私は一人でも戦う!」
「な、何で急に、そんな…」
「もう、いいだろう!この話しは終わりだ!」
有沙は足早に部屋から出て行った。
「ど、どこに行く?有沙!」
「散歩だ!」
「さ、散歩!?そ、外は歩かない方がいい!」
「マンション内の散歩だ!」
有沙は乱暴にドアを閉めて出て行った。
561投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月08日(火)21時09分51秒
「な、何なんだ…一体…」
ちひろは、何がなんだかわからなかった。
「ワケわかんないですね、あいつ…。ちひろさん…あんなヤツ、放っておこうよ〜」
「そういうわけにはいくまい…。さ、甜歌…。今日はもう帰れ」
「ええ!?やだ!私もここに泊まる!」
「おまえはやつ等に顔を見られてない。心配しなくても大丈夫だ」
「私が心配しているのは…」
「わかってる!もう、あんなことは二度としない!」
「う…。本当ですよ?」
「明日、レッドさんの病院へ行こう。たぶん、今頃心配しているはずだ」
「はい…。私、信じてますからね…」
甜歌は名残惜しそうに、マンションを去った。
562投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月08日(火)21時13分13秒
今日は、これでおちます
今週は少し忙しく、しばらく更新を休みます
来週あたり、また再開できると思います
今春、何のお知らせもできず、長い間休んでしまってすみません
今度からは、何とかお知らせできれば、と思いました
563投稿者:
お疲れ
投稿日:2007年05月08日(火)21時22分38秒
無理せずにリリーの都合に合わせてやればいいよ
ここはリリーのスレだから好きにすればいい
完結するまでは更新無くてもずっと待ってるから
564投稿者:
うん
投稿日:2007年05月08日(火)22時09分37秒
待ってる
565投稿者:
完結してくれれば
投稿日:2007年05月08日(火)22時53分51秒
それでよし
566投稿者:
あげて
投稿日:2007年05月09日(水)21時31分26秒
待つ
567投稿者:
age
投稿日:2007年05月10日(木)19時37分18秒
568投稿者:
あげ
投稿日:2007年05月12日(土)16時09分16秒
569投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月14日(月)21時13分22秒
お待たせしました
一息つけたので、更新します
570投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月14日(月)21時14分03秒
9『裏の世界へ…』
下ノ国町。平屋建ての立派な日本家屋の庭の片隅に、プレハブ小屋が建っている。
そこが、洸太レイシーの研究室だ。
研究室といっても、大した実験をしているわけではない。洸太の趣味を自由に満喫する、そんな場所である。
「凄いな、洸太は…。やっぱり天才だよ!」
里穂、幸生、望、愛実の、スクラッチの4人組は、テーブルに並べられた4つの拳銃を、それぞれ手にとった。
「あ、今は撃たないでね。説明が先だから」
メガネをかけた少年、洸太は、慌てて拳銃をテーブルの上に戻させた。
「説明?そんなの不要っしょ?狙いを定めて…撃つだけだろ?」
望は、またその拳銃に手を伸ばした。
「だから!先ずは僕の説明を聞いて!」
洸太は、4人をテーブルから遠ざける。
「これはね、本物みたいに見えるけど、モデルガンを改造した…いわゆる拳銃モドキだから…」
「へぇ〜。本物みたいに見えるけど…」
幸生は中腰になって、そのモデルガン…拳銃モドキをまじまじと見る。
「いや、よく見るとやっぱり安っぽいよ。ほら、もろプラスチックじゃん」
愛実はしらけたような声で言った。
「この銃で撃てる回数は、4回。これが限界だから」
「何!?たったの4発しか撃てないのか?」
里穂は拍子抜けしたような顔で聞いた。
571投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月14日(月)21時14分35秒
「だって、元はモデルガンだよ?それなりの威力を出すために、火薬の量を調節した結果、4回撃つと銃身がバラバラになるんだ」
「なんだよ…つまんねぇ…」
望は溜息をついた。
「無茶言わないでよ。本物と同じ性能なんて、出せるわけないじゃない。あと、撃てば撃つほど命中率は下がるよ。銃身がガタガタになっていくわけだから…」
「な〜んか…洸太の創る物って、イマイチ使えないものばかりだよね…」
愛実のこの言葉に、洸太は顔を真っ赤にして怒った。
「何だよ!君達が創ってくれって頼んだくせに!僕は勉強する間も惜しんで創ったのに!」
「わ、悪かったよ。そう、怒るなよ、洸太…」
里穂が愛実に代わって洸太をなだめた。
「…まったく…。僕は君達と違って忙しいんだ!何たって、僕は忠律高校を受けるんだから…!忠律だよ!?ちょっとやそっとじゃ入れないんだよ!?」
「へー、へー…そりゃ、ワルござんした…」
望と幸生は顔を見合わせて、苦笑した。
「あと…弾なんだけど…このパチンコ玉ね。これがこの銃の弾だから…」
「パ、パチンコ玉かよ〜」
本物の銃を撃った望にとって、何とも締まらない話しである。
意気消沈する三人に向かって、里穂が檄を飛ばす。
「いいかい!?拳銃モドキだろうと何だろうと、素手じゃあの剣道女に勝てないんだよ!これ以上、失敗をしたらゴルゴさんに会わせる顔がねえ!」
「あ…ああ!もう、『中村有沙』を捕まえるしかないってわけだな、姉御!」
「そう、『サジは投げられた』ってやつさ!」
里穂は力強く言い切った。そんな里穂に、愛実は申し訳無さそうに口を出す。
「い、いや…姉御…。それを言うなら『サイは投げられた』だよ…。『サジを投げた』ら、それはもう、『お手上げ』って意味で…」
572投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月14日(月)21時15分31秒
虹守市民病院に「R&G探偵社」社長、吉田永憲は入院していた。
手足をギプスでガチガチに固められ、当分は退院することができない。
つまり、吉田はこの事件に対して、早々とリタイアしたことになる。
そんな吉田の病室に、甜歌と卓也と杏奈が学校帰りにお見舞いに訪れた。
ちひろは、『TTK』の刺客を警戒して、近くの喫茶店「森空館」で待機している。有沙はマンションの隠れ家に置いてきた。
吉田は、昨日のちひろの部屋での騒動を警察から聞いていたので、心配で夜も眠れなかった。
ちひろがいないので、昨日の出来事の一部始終を、甜歌が説明することになった。
擬音だらけの説明で、吉田の頭の中にはいくつもクエスチョンマークが浮かんだが、杏奈の適切な「通訳」のおかげで、ようやく事態が飲み込めた。
そして、ちひろが無事であることがわかると、心底安心した。
573投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月14日(月)21時15分48秒
「しかし…ややこしいことになったなぁ…」
吉田は頭を抱えた。この事件に首を突っ込んだのは自分の判断ミス。しかも、当の自分はちひろの助けになることはできないでいる。
「それに…もしかしたら、レッドさんの所にも来るかもしれませんよ…。その、『TTK』って連中…」
卓也の言葉に、吉田は慌てた。
「ど、ど、ど、どないしょ…。こんな身体じゃ…いや、五体満足でも勝たれへんで…そんなやつら…」
怯えまくる吉田に、甜歌は落ち着くように言う。
「大丈夫ですよ。有沙の話しによると、『TTK』って連中は、人の多い所には姿を現さないんだそうです。だって、あの恰好ですから」
「え?変装とかしてくるんやないの?看護婦さんの恰好とかして…」
「なんか、あのロリータファッションの姿で仕事をしなければいけないって規則らしいんです。ほんと、変なやつらですよね!」
「そ…そうか…。それなら…ここにいる間は安心なんか…」
ホッと胸を撫で下ろす吉田に、杏奈は冷静に言い放つ。
「逆に、退院した時が危ないわよ。どうする?退院が近づいたら、もう一度階段、転げ落ちとく?」
574投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月14日(月)21時16分36秒
そんな時、病室のドアがノックされた。入ってきたのは、スーツ姿の男が二人。
「おお…なんや。テルとケンキやないか。どないしたんや?」
二人は、吉田が刑事だった時の後輩、テルこと菊池 輝一とケンキこと中尾 賢樹だった。
吉田とともに、ちひろの父の部下でもあった。昨日、ちひろの部屋での事件を吉田に知らせ来たのもこの二人だった。
二人は、神妙な顔をしている。いや、涙を必死で堪えているようだった。
「ど…どないした…?」
吉田は、二人の様子がおかしいことに、何か嫌な予感がした。
「レ、レッドさん…。ち、ちひろさんが…虹守公園で…遺体で発見されました…」
「…はぁ…?」
4人はそのまま固まった。
ちひろは今、喫茶店で甜歌達を待っているはずである。まさか…『TTK』…?早くもちひろを見つけ出し、始末したというのか?
「そ…そんなぁ…。ち、ちひろさんが…」
甜歌がヘナヘナと腰を抜かした。それを卓也と杏奈が両脇から慌てて支えた。
しかし、二人だって腰を抜かす衝撃だった。
「な…何かの間違いやないのか…?」
「お顔は…判別できないくらいに潰され、衣服も身に着けていない状態で発見されましたが…身長や歯型など、鑑識の結果、ちひろさんと断定されました」
「ち、ちひろさ〜ん…」
甜歌は顔を覆って泣き出した。卓也も杏奈も、ただただ、呆然と口を開けるしかなかった。
「ちょっと待て!鑑識やと?」
その中で、吉田だけが冷静だった。
575投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月14日(月)21時17分34秒
「おい、その遺体…。いつ発見されたんや?」
「昨日…いや、もう今日ですね。午前2時です。公園をねぐらにしているホームレスが発見しました」
「午前2時やと…?」
4人は顔を見合わせた。
「そ、そんなはず、ない!だって、ちひろさんは…」
杏奈は咄嗟に甜歌の口を抑えた。
「その…遺体は…ホンマに、ちひろなんか?」
「はい…。信じたくない気持ちはわかりますが…。鑑識の結果、そういうことに…」
間違いない。『TTK』が警察の裏で操っている。この事件を無理矢理終わらせようとしている。
テルやケンキなどの末端の刑事達に、ウソの情報を流しているのだ。
「わかった…。辛い報告、ご苦労やったな…」
「はい…。私達は、必ずちひろさんを殺した犯人を捕まえます!目撃情報があったんです!4人組の不良達とちひろさんが争っていた、という情報が…」
「犯人を捕まえ…村さん(ちひろの父のニックネーム)の墓前に報告します!」
テルとケンキは敬礼し、病室を後にした。
「レッドさん…。これは…どういうこと?」
杏奈は不可解そうに吉田に聞いた。
「変ってへん…。ワシと村さんが警察を辞めた時と…全然、変ってへん!」
吉田は、拳で自分の右足のギプスを思いっきり殴った。
576投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月14日(月)21時18分07秒
今日は、これでおちます
577投稿者:
テルとケンキの
投稿日:2007年05月14日(月)21時20分47秒
本名キタw
578投稿者:
age
投稿日:2007年05月14日(月)23時57分35秒
579投稿者:
あげ
投稿日:2007年05月15日(火)19時02分48秒
580投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月15日(火)21時22分34秒
更新します
581投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月15日(火)21時23分29秒
当然のことだが、ちひろはちゃんと待ち合わせの喫茶店「森空館」で無事にいた。
そして、自分が遺体で発見されたという情報を聞き、心底腹を立てていた。
「誰なんだ?私の身代わりになった者は…。顔を潰されて殺されたのは、一体、誰なんだ!!」
ちひろは、携帯電話で有沙に聞いた。
〔ああ…それはたぶん、昨日話した『戦士』になり損ねた者だろう。ちひろと同じ体格の者が身代わりに殺されたのだ〕
「ふ、ふざけるな!人の命を何だと思っているんだ!」
〔…『駒』だと思っているのだろう?〕
「………」
〔ちひろ、それよりも早く帰って来い!退屈でたまらん!帰ってきたら、私が優しく可愛がって…〕
ちひろは電話を切った。
「とにかく…早く有沙さんのいるマンションに行こうよ。僕たちもその、有沙さんに会ってみたいし…。何か力になれれば…」
「卓也…。申し出は嬉しいのだが…。これ以上迷惑は…」
「迷惑なら、もうかかってるわ!あんたが一人で抱え込む方が、迷惑はもっと広がるわよ!?」
杏奈は、相変わらずキツイことを言う。しかし、それには暖かさがあった。
「わかった…。杏奈さん…。卓也…。案内する…」
表通りを通るのは目立つので、4人は人気の無い裏通りを通って、マンションまで行くことにした。
582投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月15日(火)21時24分00秒
ナットー製鉄株式会社工場跡。
もう、閉鎖されて随分経つ。この辺りの道は、あまり人が通らない。
ちひろ達4人は、裏寂れたこの通りを抜ける。
目立つ道は避けたかったが、こんな道も本来ならば、避けたいところだ。
「ここ、ホームレスとか、暴走族の溜まり場になってるんじゃない?」
卓也が眉をひそめて言った。
「卓也、『暴走族』じゃなくて、『珍走団』って言ってあげなさいな!」
杏奈が吐き捨てるように言った。
「ほら、向かいから歩いてくる…あんなヤツラがウロウロしているから、嫌いよ、こんな所!」
「ちょっと、杏奈!指差さない!」
杏奈に指を差された、暴走族…いや、杏奈の言うところの珍走団風の男女二人が、こちらにゆっくりと近づいて来る。
「ほら…。こっちに気がついた…。因縁を吹っかけてくるよ…」
卓也が泣き出しそうな声で言う。
583投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月15日(火)21時24分24秒
「大丈夫ですって!こっちには、ちひろさんがいるんですよ!」
「おい、甜歌!ここは、目立ったことはしたくないんだ!カラまれたら、4人で素直に謝ろう」
「あれ…?ちひろさん…。あの人達…。どこかで見覚えが…」
小柄な少女に、太った少年…。確かにどこかで会ったような…。
「ち、ちーちゃん!後ろからも二人来た!」
卓也がちひろの袖を引っ張る。
「あー!!あの時の、インチキ外人!」
甜歌が素っ頓狂な声をあげる。
「だれがインチキ外人だ!!」
この、ダミ声気味の声にも聞き覚えが…。そして、あの外国人風の顔!
「あ!こいつら…!あの夜の…!」
ちひろは、ようやく思い出した。その時は、もう既にちひろ達4人は、里穂達スクラッチの4人組に囲まれてしまっていた。
584投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月15日(火)21時26分37秒
昨日もそうですが、一度に更新する量が多すぎるんではないか、と思い、今日はこのへんでおちます
みなさんは、一日にどのくらいの量が読みやすいのか、また教えてくだされば嬉しいです
585投稿者:
自分は今まで通りの量が
投稿日:2007年05月15日(火)21時50分25秒
いいですね
586投稿者:
私も今までのままでいいと思う
投稿日:2007年05月15日(火)21時52分35秒
で、いいところで切るw
587投稿者:
珍走団〜〜〜www
投稿日:2007年05月15日(火)21時54分33秒
そうだね、一気に読みたい時は、読み応えあるし
588投稿者:
喫茶「森空館」
投稿日:2007年05月15日(火)21時58分21秒
は真空管の森
ナットー製鉄は、ナッ島
「森空館」なんて、本当にそんな名前の喫茶店がありそう
589投稿者:
多い日も安心です!
投稿日:2007年05月16日(水)01時10分22秒
590投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月16日(水)22時09分56秒
わかりました
お返事ありがとうございます
それでは、いつも通りに更新したいと思います
591投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月16日(水)22時10分53秒
「よお…。あの夜は、世話になったね…」
里穂はニヤニヤしながら、ちひろに近づく。
「なんだ?あの夜のことを覚えていたなら…私に近づかない方が利口だぞ?」
ちひろも負けずに言い返す。
「ふん!また、ちひろさんにコテンパンにやっつけられればいいわ!」
甜歌は、ちひろの後ろで強がった。
「ちょ、ちょっと…ちーちゃん…。こ、こいつらが、例の…?」
「ああ…。私と甜歌とレッドさんと有沙を…拳銃で襲ったヤツラだ!」
「こいつらのせいで、レッドさんが大ケガしたのね?」
杏奈は眉間にシワを寄せた。
「でもね、ちひろさんが一人でやっつけちゃったんだよ!」
甜歌は里穂達に舌を出した。
「確かにあの夜は、私達の完敗さ…。でも…今度はそうはいかないよ!」
里穂、幸生、望、愛実の4人は、一斉に拳銃…いや、拳銃モドキをちひろ達に抜いた。
「さあ!殺されたくなかったら、『中村有沙』をここに連れて来な!!」
卓也と杏奈と甜歌の顔が青ざめる。
「け、拳銃!?」
「大丈夫だ!これはオモチャだ!」
ちひろは、間髪入れずにそう叫んだ。
592投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月16日(水)22時11分35秒
これには、里穂達は軽く驚いた。
「何…?何でそんなに早く見破れるんだ…?」
それはそうだ。ちひろは、有沙に本物の拳銃をいやと言うほど至近距離で見せられたのだ。
スクラッチの持っている拳銃には、あの時の迫力が感じられない。
「そんなオモチャでどうするつもりだ?そんなものを突きつけられたくらいで、有沙をおまえ達に渡すとでも思っているのか?」
「ふん…!確かにコイツは本物の拳銃じゃないさ…。でもね、コイツは限りなく本物に近いオモチャだよ…」
「ほぉ…。面白い…。撃ってみろよ…」
「ああ…。お望み通り…撃ってやる!!」
里穂は引き金を引いた。
パン!
本物よりも安っぽい銃声…。そして火薬の匂い。しかし、ちひろ達のすぐ後ろにある枯れ木の枝が、バキっと音を立ててへし折れた。
「な…何だ…?」
ちひろは面食らった。いや、ちひろだけではない。卓也、杏奈、甜歌はもちろん、里穂達スクラッチも面食らった。
この拳銃モドキの威力に…。
(こ、洸太のやつ…何てものを寄越しやがる…)
里穂は思わず、手にした拳銃モドキを見つめた。
593投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月16日(水)22時12分21秒
「ひ…ひぃぃ…。ど、どうしよう…ちひろさん…」
甜歌が青い顔をして、すがりつく。
ちひろは、卓也と杏奈の顔を交互に見る。そして、頷いた。
「わかった…。有沙の所に、案内しよう…」
予想外に素直な、ちひろの態度に、里穂達はホッとした。
「ふ…ふん!最初から、素直になってりゃ、手荒なマネは…」
「今だ!!走れー!!」
ちひろ達は、工場跡地の方向へ全速力で走った。
「あ…姉御…!や、やつら…」
幸生はただ、呆然と逃げ去る4人を指差した。
「な、何やってんだ!追え!追えー!!」
里穂達、スクラッチの4人も、ちひろ達を追って、工場跡地へ入って行った。
594投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月16日(水)22時13分32秒
「はあ、はあ、はあ…な、何なのよ!あいつら!何てモノ、持ってるのよ!!」
「杏奈さん!卓也!もっと早く走れ!追いつかれる!」
甜歌はともかく、杏奈と卓也は運動は大の苦手だ。このまま4人で逃げていてはいずれ追いつかれる。
「ここで二手に別れよう!卓也は甜歌と右へ!杏奈さんは私と左へ逃げるぞ!」
「ええ!?やだ、やだ!私、ちひろさんと行きたい!!」
「卓也!これで甜歌を守れ!」
ちひろは、例の護身用ロッドを懐から出し、卓也に投げた。卓也は危うく落としそうになりながらも、それを受け止めた。
595投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月16日(水)22時13分50秒
「こ、こ、これ、どうやって使うの!?」
「思いっきり振って、伸ばせばいい!これで戦うんだ!」
「ち、ちーちゃん…!ぼ、僕、自信ないよ!だって、僕は頭脳労働専門で…」
「男だろ!立派に戦え!」
ちひろは、杏奈の手を引っ張って、左へ直角に曲がった。
「ああ!ち、ちひろさ〜ん!」
甜歌は泣きそうになりながら、ちひろ達の後を追おうとする。
「ええい!もう、こうなったらヤケだ!甜歌!いろいろ不満や不安はあるだろうけど…僕と逃げるぞ!」
卓也は、甜歌の腕を引っ張って、右に曲がった。
「あ、姉御!あいつら…二手に別れた!」
「ああ…。よし!私と幸生は右に、望と愛実は左へ行け!」
「ええ!?左って言ったら、あの、おっかない女の方じゃん!やだよ、俺!」
「大丈夫だ、望!今、あの女は例の武器を仲間に渡した!あいつは今、丸腰だよ!ビビってないで行け!」
「わ、わかった!」
スクラッチの4人も二人ずつ、二手に別れて追って行った。
596投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月16日(水)22時14分32秒
卓也と甜歌は、呆然と立ち尽くす。大きなコンクリートの壁が、二人の前に立ちはだかっていたからだ。
「ど…どうしよう…。卓也…?」
「甜歌…。この壁、飛び越えられる?」
「できるわけ、ないじゃん…」
そんな無意味な会話をしているうちに、二人は里穂と幸生に追いつかれた。
「ふう…ふう…。まったく…面倒なヤツラだよ…。手間かけさせるんじゃないよ!」
里穂と幸生は、拳銃モドキを構えながら、ゆっくりと二人に近づく。
「く…!しかたがない!コレ、使ってみるか…」
卓也は護身用ロッドを右手に握る。
「甜歌…。こ、これ、思いっきり振ればいいんだっけ?」
「う、うん。そうすれば、ジャキジャキジャキーンって伸びるから…」
「よ、よし…!」
卓也は甜歌の言った通り、思いっきりロッドを振った。
しかし、ロッドはそのまま前方にすっぽ抜けて飛んで行った。
「うお!危ねぇ!!」
ロッドは、地面をバウンドしながら、里穂と幸生の足の間を通り抜けて行った。
「…卓也…。柄についてるストラップを手首に引っ掛けるんだよ…」
「…なるほど…。Wiiリモコンと同じだね…」
卓也と甜歌は、両手を挙げて降伏した。
597投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月16日(水)22時15分16秒
それでは、今日はこれでおちます
598投稿者:
Wii
投稿日:2007年05月16日(水)22時15分52秒
キタw
599投稿者:
やっぱりリリーさんは
投稿日:2007年05月16日(水)22時25分48秒
最高
600投稿者:
リリーさんは
投稿日:2007年05月16日(水)22時26分49秒
Wii持ってるの?
601投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月16日(水)22時54分48秒
>>600
いえ、アメリカでWiiリモコンを投げてテレビが壊れた、というニュースを聞いただけです
面白いらしいですね
602投稿者:
あげ
投稿日:2007年05月16日(水)23時12分50秒
603投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月17日(木)21時26分47秒
更新します
604投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月17日(木)21時27分41秒
10『狂刃』
もう卓也と甜歌には、戦う術はなかった。
ちひろが折角ロッドを卓也に託したのだが、彼には扱えるはずもなく、戦力を均等に低下させるという最悪の結果になってしまった。
「さあ!『中村有沙』を私達に渡せ!命だけは助けてやるからさ!」
里穂と幸生は、ジリジリと二人に迫っていく。
「ど、どうしよう…甜歌?」
「う…う〜ん…。引き渡しちゃおうか?」
「え?ダ、ダメだろ?それは…」
「じゃ、じゃあ、何で私に聞いたのさ!?ダメなら、卓也一人で戦えばいいじゃん!」
「そ、それは、もっとダメだろ!」
二人の見苦しい言い争いに、里穂はイライラした。
「おい!いい加減、はっきりしろ!『中村有沙』を引き渡すのか!?引き渡さないのか!?」
その時だった。
「おい…。『中村有沙』が…何だって…?」
突然割り込んできた5人目の声に、里穂も幸生も卓也も甜歌もギョッとした。そして、声のした方を向く。
そこには…黒く光る、レザーコートを身に纏った、一人の女が立っていた。
そのレザーコートは、その女の首から手首、足下とキッチリと全身を覆っている。
女は外国人のような顔立ちをし、栗色の長い髪は、頭頂部で結ばれている。
美人ではあるが、目、鼻、口…顔の一つ一つのパーツは大きく派手だ。
こんな工場跡地の廃墟に不釣合いな女の出現に、そこにいる者全員は息を呑んだ。
605投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月17日(木)21時28分06秒
そのコート姿の女は、微笑みながら…しかし、目はキッと里穂達を睨みつけて、一歩、また一歩と歩み寄る。
(こ、この女…やばい!)
言い知れぬ恐怖が、里穂を襲った。
「動くな!これ以上、私達に近づくな!」
里穂は、拳銃モドキをコートの女に向けた。
しかし、その女は、ぷっと吹き出した。
「な、何が可笑しい!!」
「何が可笑しい?だって…そんなオモチャを振り回していきがってんだからよ…。可笑しくて可笑しくて…」
まただ…。この銃がニセモノだと、一瞬で悟られた。
「お…おまえ…一体、何者だ!?いきなり出てきやがって!」
コートの女の口元から、微笑みが消えた。
「おまえらこそ…何で『中村有沙』を探してる?」
卓也と甜歌は顔を見合わせた。この女も『中村有沙』を知っている…?つまり…?
「こ、この女も…『TTK』…?」
甜歌の声に、コートの女はピクリと反応した。
しかし、また里穂達の方に向き直ると、再び質問をした。
「よぉ…。『中村有沙』に会って、どうしようってんだ?あ?」
「あ…うう…」
ビリビリとした威圧感が里穂達を後退りさせた。
606投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月17日(木)21時29分25秒
「なぁ…答えろよ!!『中村有沙』をどうするつもりだ!?」
コートの女の口調が、段々乱暴になる。
(やばい…!やられる…!)
里穂は身の危険を感じた。
「うるせぇ!おまえに関係ないだろ!!」
パン!里穂は拳銃モドキの引き金を引いた。
するとコートの女は、素早い動きで、自分の顔の前で握り拳を作った。
「…!?」
そして、ゆっくりと掌を開くと…足下にパチンコ玉が落ちて転がった。
「バ…バカな…!!」
里穂も幸生も、卓也も甜歌も仰天した。
何とコートの女は、発射されたパチンコ玉を素手で受け止めたのだ。
607投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月17日(木)21時30分06秒
彼女は、パチンコ玉を受けた手をブンブンと振る。
「いってぇ…。所詮オモチャと甘く見たな…。結構、威力あるじゃん…それ…。もう、素手で受け止めるのはやめだ!」
コートの女は、地面に転がっている、先ほど卓也が投げてしまった護身用ロッドを拾い上げる。
そして、思いっきり振って、最大限にロッドを伸ばす。卓也と違って、様になっている。
「ほぉ…。こりゃ、いい武器だ…。これ、アメリカのシークレットサービスが持ってるようなヤツじゃん!」
コートの女は、ロッドを一、二度振ってみる。
「しかし…これは私が使うには長すぎる」
コートの女は、折角長く伸ばしたロッドを縮め、20センチ程の長さにし、逆手に持って構えた。
「さあ!もう一発撃ってきな!」
608投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月17日(木)21時30分53秒
里穂と幸生は呆気にとられた。
「な…何…?」
「さあ!もう一度撃って来いって言ってんだよ!」
コートの女は、短くしたロッドを右手で構え、左手の人差し指をチョイチョイと動かした。
「な…なめやがって!!」
里穂は、もう一発発砲した。
ギィィィン!!
金属音が響く。
「痛!」
何かが里穂の頬に当たった。
足下に転がった、それを見ると…パチンコ玉だった…。
コートの女が、ロッドで弾き返したのだ
「さあ!もっと撃って来い!ドンドン撃って来い!」
余裕の表情で挑発する彼女を見て、里穂は身震いした。
「こ、幸生…!う、撃て!」
「…え?…オ、オレが…?」
「私はもう、3発撃った!次撃ったら終わりだ!おまえが撃て!」
「わ、わかった…!」
幸生はコートの女に向けて、全弾を発射した。
609投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月17日(木)21時31分30秒
コートの女は、ロッドを素早く振り回した。
ギン、ギン、ギン、ギィィィーン!!
4つのパチンコ玉が、地面に散らばる。
「あ…あ…」
全ての弾を撃ち尽くした幸生の持つ拳銃モドキは、洸太の説明通り、銃身がバラバラになって崩れた。
「おい!おまえ!折角、いい体格してんだから、そんなモンに頼るんじゃねえ!」
コートの女は、幸生を指差して言った。
「柔道…いや、相撲でもやれ!」
「え?」
次の瞬間、幸生は前のめりに倒れた。いつの間にか、コートの女が横にいる。
凄まじいスピードで幸生の側まで移動して、ロッドで殴りつけて気絶させたのだ。
「あ…あ…うわああ!!」
里穂は、ワンテンポ遅れてコートの女に拳銃モドキを向ける。
しかし、そこにはコートの女の姿はない。里穂の後ろにいたのだ。
「くくく…」
里穂の耳元で、コートの女は笑った。里穂は動けなかった。
「ま…また、笑いやがったな…!な、何が可笑しいんだよ!!」
「だって、こんな赤ちゃんみたいな顔した可愛い小娘が…無理して不良ごっこやってるのが…可笑しいねぇ…」
「く…!き、貴様…!」
里穂は振り向く前に気絶した。そして、幸生の身体の上に倒れ込んだ。
610投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月17日(木)21時32分14秒
尋常ではない荒技を見せ付けられた卓也と甜歌は、生きた心地がしないまま、立ちつくしていた。
「た、た、卓也…。これって…やばくない…?やばいよね…」
「う…うん…。一応、助けてもらったみたいなんだけど…」
「助けてもらったって言うより…。やっつけられる順番が、たまたま後になっただけなんじゃ…?」
611投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月17日(木)21時32分32秒
コートの女は、急に二人の方を振り向いた。ギクリと背筋が伸びる卓也と甜歌。
「おい、この武器…おまえの物か?」
「え…?ぼ、僕…?」
「おまえが持ってたんだろ?使いこなせてないようだけどよ…」
「い、いえ…僕の物じゃ、ありません…。と、友達の物でして…」
「そうか…。じゃ、その友達の所に案内しな!」
「へ?」
「おいおい…。まさか、嫌だなんて、言わないよな?」
重なり合って倒れている里穂と幸生を見て、卓也は生唾を飲み込んだ。
「それから…おまえ!」
コートの女は、甜歌を指差した。
「え…?わ、私?」
「おまえ、さっき『TTK』とか言ってたよな?」
「『TTK』…?」
「堅気の人間が口にしてはならない言葉だぜ…それは…」
「そ、そうなんですか…?」
「ああ。言ったよな?確かに『TTK』ってよ…。何で知ってんだよ?おまえみたいな小娘ちゃんがよ!」
「え〜?私、言ったっけ?そんなこと…。覚えてな〜い」
「とぼけんな、コンチクショウ…」
「…はい…」
二人は、もう、観念するしかなかった。
612投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月17日(木)21時33分37秒
今日は、いつもより多目に更新しました
キリがいいところで終わりたかったので
今日は、これでおちます
613投稿者:
コート女
投稿日:2007年05月17日(木)21時34分02秒
誰だ
614投稿者:
外国人のような顔
投稿日:2007年05月17日(木)23時53分00秒
ということは、ジャスミンかダーブロウ
目、鼻、口が大きいってことは…ダーブロウ?
615投稿者:
ナッキーのつもりで読んでた
投稿日:2007年05月18日(金)00時13分11秒
でもそういえばナッキーはもう出てたね
616投稿者:
あげ
投稿日:2007年05月18日(金)14時51分13秒
617投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月18日(金)20時53分32秒
コートの女の正体は、その内ジワジワと明かされていきます
それでは更新します
618投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月18日(金)20時54分00秒
一方、ちひろと杏奈は割れた窓から工場内に侵入し、息を潜めて隠れていた。
望と愛実は、その建物の周りを必死に探している。
足音がする度に、はぁ、はぁと荒くなった呼吸も止める。
「ね、ねぇ…ちひろ…。なんで卓也と甜歌を一緒にしたの?心配じゃない?」
「確かに心配だ。しかし、杏奈さんと甜歌を一緒にするわけにはいくまい…」
「ちょ、ちょっとまって…!それはどういう意味?私が卓也よりも頼りないってこと?」
「だって、そうだろう?杏奈さんは、アウトドアではまったく頼りにならないから…」
「な、何ですって!!」
杏奈は、思わず立ち上がって叫んだ。
「杏奈さん!声が大きい!」
杏奈は、口を抑えて身を潜めた。どうやら、外を探している二人には気付かれなかったようだ。
619投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月18日(金)20時54分23秒
「た、たしかに、私はインドア…頭脳労働専門よ…。でも、卓也よりは体力面で劣っていないつもりよ!」
「だって、杏奈さん、体育の成績が2でしょ?他の教科が5でも体育が2だから、忠律の推薦入試に落ちたって…」
「わ、私は、別に推薦じゃなくても、ちゃんと試験を受けて受かる自信があったから!それに現に受かってるし!」
「声が大きいって…!」
杏奈は、慌ててヒソヒソ声で怒鳴る。
「それに、体育が苦手なわけじゃないわ!ただ、水泳と陸上と器械運動と球技が苦手なだけで…」
「ほぼ、全部だな」
「うるさいわよ!脳味噌が筋肉でできてるあんたからすれば、みんな体育が苦手に見えるんでしょうけどね…」
「杏奈さん、シー!シー!さっきから声が大きい!!」
ちひろは唇の前に人差し指を立てて、杏奈をなだめる。
「…ほんと…声が大きいんだから…。あんた達、隠れてるって自覚、ある?」
ちひろと杏奈が窓の方を振り返ると、愛実が頬杖をつきながら、拳銃モドキを向けている。
620投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月18日(金)20時55分43秒
「杏奈さん!逃げろ!」
その時、二人の後ろにある溶鉱炉が火花を吹いた。
「キャ!」
杏奈は頭を抱えてうずくまる。
「はい、残念。二人とも観念して出てきな!」
望が反対側の窓から銃口を向けていた。
「…仕方がない…。杏奈さん…ここは言うことに従おう…」
二人は、窓を乗り越えて外に出る。
ちひろが窓から飛び降りて着地すると、そこには誰かが食い散らかしたコンビニ弁当の残骸と、割り箸が散らばっていた。
ちひろは、そっと割り箸を一本拾った。
「ちょっと待ちな!あんた、今、何拾ったの!?」
愛実は、ちひろの行動を見逃さなかった。
ちひろは、ゆっくりと立ち上がって割り箸を見せる。
621投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月18日(金)20時56分09秒
「何、それ?そんなの、どうするの?」
「おまえ達と…これで戦う」
このちひろの言葉に、望と愛実は顔を見合わせ、声をあげて笑った。
杏奈もちひろの言葉に耳を疑った。
「ちょっと、ちひろ!気は確か?相手は、オモチャとはいえ、拳銃よ?」
「私は、本物の拳銃でも勝った。おい、おまえ。覚えてるよな?」
ちひろは割り箸で望を指した。
「え?ああ…。覚えてるけどさ…でも、あの時は、ほら、ジャッキーンってなるカッコいいヤツだったじゃん!でも…それ…割り箸だよ…ププ…」
望と愛実は、また腹を抱えて爆笑した。
「バカにバカにされるって…屈辱だわ…」
杏奈がワナワナと震えている。
622投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月18日(金)20時56分43秒
しかし、ちひろは至って冷静に口を開く。
「剣道は…武器の長さで決まるものではない。いかに相手の懐に飛び込むか…。それが勝負の分かれ目だ」
「剣道?こっちは銃だぜ?」
「私は、剣道を始めて8年になる。『勝負』という観点からすれば、おまえは私に遠く及ばない」
「何だって?」
「その一発目が当たらなかったらどうする?二発目の前には、確実に私はおまえに近づくことができる…」
「う…そ、それは…」
「おまえは、『戦いのイメージ』というものができていない…。引き金を引いたらどうする?私の身体のどこを狙う?それでも、私が負けを認めなかったらどうする?」
「あ…う…」
「私のイメージは至極シンプルだ。何が何でもおまえの目の前に行き、その大きな鼻の穴に、この割り箸を突っ込む!深々とな…」
望は、思わず鼻を手で抑え、後退りした。それを見て、愛実が怒鳴る。
「な、何を気圧されてるのよ!情け無いわね!あんた、今、銃を持ってるんだよ?簡単に勝てるって!」
「そ、そうだな…。何たって、こっちは銃、向こうは割り箸だもんな…」
「おまえは、何度その銃を撃った?使い慣れていない武器ほど役に立たないものはない。あの夜、散々思い知ったではないか…」
「う…うう…」
もう、持っている武器の種類など、関係がなくなってきた。すでに、ちひろは望を圧倒している。
623投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月18日(金)20時58分06秒
「さあ!撃ってみろ!しかし…おまえが撃てるのは一発だけ…と、言っておこう…。つまり、よく考えて引き金を引くことだ…」
「ち、ちくしょう…。やってやる…!やってやるぞ…!」
望の構える拳銃モドキは、細かく震えている。
「望!撃て!」
愛実が叫んだ。
「うおおおお〜〜〜!!」
望も絶叫しながら、ちひろに銃口を向けた。
しかし、望の立っている場所が、急に日陰になり、暗くなる。
「!?」
望は思わず上を見た。そこに…幸生の大きな身体が…降ってきた。
「え?」
幸生は望の真上に落下した。望は幸生の下敷きになり、気絶した。
「な…何だ…?」
愛実はもちろん、ちひろも杏奈も呆気に取られた。一体、何が起きたのか、ワケがわからない。
624投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月18日(金)20時58分56秒
今日はこれでおちます
625投稿者:
age
投稿日:2007年05月18日(金)23時37分01秒
626投稿者:
あげ
投稿日:2007年05月19日(土)10時25分51秒
カッコいい
627投稿者:
この小説が終わったら
投稿日:2007年05月19日(土)15時25分19秒
次は誰で書くんだろう、新人かな?
今度は2人じゃなくて3人の関係とかにして欲しいです。3Pメインとか…
無理な願いかもしれませんが。
628投稿者:
その大きな鼻の穴に、この割り箸を突っ込む!
投稿日:2007年05月19日(土)17時26分23秒
めちゃ笑ったwww
629投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月19日(土)21時31分23秒
実は、もう次回作は考えてあるんです
でも、90%まで出来上がったこの作品のデータを間違えて捨ててしまって、もう一度この小説を書き直している状態です
だから、発表するのが遅くなりそうです
大きな鼻というよりも、高い鼻ですけど
卓也や望のことは好きなんですが、やっぱり二人とも、ヘタレな役になってしまいますね
それでは更新します
630投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月19日(土)21時32分15秒
「の、望…!幸生!」
ワケがわからないままでも、取りあえず、愛実は二人に駆け寄る。
「あ…!ちひろ!あそこ!」
杏奈の指を指す方向を見ると、卓也と甜歌と…あと、誰だかわからない黒いコートを着た女が立っている。
コートの女の肩には、誰かが担がれている。あの、リーダー格の女だ。
「だ、誰だ…?あいつは…?」
甜歌が、しきりに手を合わせて謝っている。
「うん!うん!我ながらナイスコントロールだな!少し重たかったけど、何とか届いたな!」
なんと…あの女は、この幸生の巨体を、あの距離から投げたというのか?
「ちょ、ちょっと!あんた!な、何なのよ!」
愛実は、その謎の女に向けて拳銃モドキを構えた。
「届かないだろ?その距離じゃ。だけど、私のは届くからね、ちゃんと優しく受け止めてやんな!」
そう言いつつ、コートの女は、里穂の身体をヒョイっと投げた。
「え?わ…!わわ…!!」
愛実は、ヨタヨタとその場を右往左往し、なんとか里穂の落下地点に身を投げた。
「ぎゃ!」
里穂の身体は、愛実の背中の上に落ちた。幸生と違って小柄な身体の里穂でも、気を失った人間の体重は案外重たい。
「ナイスキャッチ!いいねえ!友情を感じるねえ!!」
コートの女は、ガッツポーズをとってはしゃいでいる。
631投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月19日(土)21時32分49秒
「あ…あんた、何者よ!あ、姉御達に…何をしたのよ!」
里穂の身体に敷かれている状態で、咽ながらも愛実は怒鳴った。
「まったく、そいつといい、おまえといい…。最近の不良って、何でこう、可愛らしいんだろうねぇ…」
そう言いながら、コートの女は、ちひろと杏奈の前に歩み寄って来た。
「杏奈さん…この女…」
「…どうやら…らしいわね…」
甜歌の方をみると、腕を水平に二回、左手を斜め上にして左足もヒョイと上げている。どうやら人文字で『T・T・K』…。
「『TTK』だと甜歌も言っている…」
その、ちひろの言葉に、コートの女はニヤリと笑った。
「やっぱり…。おまえ達も『TTK』を…。なんでまた、こんなに知れ渡っちゃってんだろうね…。チビアリのやつ…宣伝しすぎだっての!」
「チビアリ…?『中村有沙』のことだな…?」
「…その『中村有沙』が…おまえの所で世話になってるんだって…?」
「…ああ…」
この女も、『中村有沙』を探している…?やはり、『TTK』の刺客だ!
「ご苦労だったな。でも、もう結構。私が引き取ってやる」
「ふざけるな!」
「ああ?」
「有沙は…貴様ら人殺しの集団から逃げ出したんだ!貴様に渡してなるものか!」
「ほおぉ〜!『TTK』がどんな組織だってのも、もうご存知なわけか…。チビアリめ…よくも、こうベラベラと…」
コートの女は、軽く舌打ちをした。
632投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月19日(土)21時34分21秒
「だったら…話しは早い。おまえらに『中村有沙』の居場所を…」
「断る!!」
女が言い終わらないうちに、ちひろは叫んだ。
「くくく…。さっきおまえが言ってた、『戦いのイメージ』の話しではないが…私もおまえがそう言うだろうと、予想してたよ…」
「聞いていたのか?」
「ああ…。で、おまえにまた質問なんだが…本気で割り箸で戦いを挑むつもりだったのか?」
「いや…。ただ、これで相手がビビってくれれば最高だ、と思っただけだ」
「ハハハ!!いいねえ!いいねえ!おまえ、最高だぜ!気に入った!」
コートの女は、ちひろに護身用ロッドを投げて寄越した。それを受け止めるちひろ。
「ん…?これは…何でおまえが…?」
「武器を交換しようぜ!おまえはそれ!私はおまえが持ってる、その割り箸だ!」
何だって…?割り箸で戦う?
「正気か…?おまえ…」
「ああ…。正気だぜ…。さあ、寄越せよ!」
ちひろは、コートの女に向かって割り箸を投げた。コートの女は、人差し指と中指の二本で、それを受け止める。
「うわ!間違って口つけた方を触っちまった…!こんな所に落ちてる割り箸だ…!絶対にホームレスが使ったやつだぜ!チクショウ!」
(この女…ふざけているのか、本気なのか…?そう言えばジョアンもこんな感じだったな…)
昨日、ジョアンの襲撃を受けて、今日、早くも二人目の刺客…。本当に、表の世界とは決別することになりそうだ…。
633投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月19日(土)21時35分20秒
ちひろは中途半端に伸ばされたロッドを見て、首を傾げる。
「ん?何だ?何でもっと伸ばさない?」
どうやら、卓也はこのロッドの使い方を知らなかったらしい。アウトドアでは頼りにならないのは卓也も同じだった。現に、『TTK』の女に捕まっているし…。
ちひろは、手で最大限までロッドを伸ばし、剣道の構えをとった。
「お?剣道か…。カッコいいねえ…。『サムライガール』だな…」
「『サムライガール』?」
「ん?気に入ったか?」
「いや…そう言えば、昨日、ジョアンってヤツも私をそう呼んだ。もっと他に思いつかんのか、と思っただけだ」
「そうかい…。私のネーミングセンスも、ジョアンと一緒ってことか………て、おい!!おまえ、ジョアンに会ったのか!?」
コートの女は、目を丸くした。彼女のニヤついていた顔が一変した。
「ああ…。昨日、自宅で襲われた」
「で…おまえがこうやってピンピンしてるってことは…勝ったのか?ジョアンに…?」
「勝ったというか…逃がした…」
「『逃がした』?おまえが『逃げた』んじゃなくて、ジョアンが『逃げた』のか!?」
「そ、そうだ!」
「いや…ジョアン程のヤツから逃げ切れるわけがない…。ジョアンが逃げた…。あの、『ブラック・パイソン』に勝った…?」
ちひろは複雑な心境だった。ジョアンに勝利できたのは、偶然の賜物…。あれから何度もジョアンとの戦いをイメージしてみたが、何度やっても勝てる気がしなかった。
634投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月19日(土)21時36分33秒
「ジョアンのことだ…。素人が相手と油断したのか、それともとんでもない幸運がサムライガールに起こったのか…」
その両方なのだが、ちひろは黙っていた。わざわざ敵に自分の底を見せることもない。
「…わかった…。それじゃあ、おまえを素人とは思わない。私達、『戦士』と同格として戦おう…」
コートの女は、さっきまで緩みっぱなしだった顔を引き締めて、ちひろに正対する。
しまった…。油断してくれた方が、こっちは戦いやすかったのに…。ちひろは少し後悔した。
「そうだ…。まだ、おまえの名前を聞いてなかったな…」
ちひろはコートの女の正体を、出来る限り知りたかった。
「ん?名前?そうだな…。今はまだ名乗れない。代わりに私のコードネームを教えてやる。『マッド・エッジ(狂刃)』…。そう呼んでくんな!」
「『マッド・エッジ』…?しっくりこないな…。『ビッグ・ノーズ』って呼んでもいいか?」
「『ビッグ・ノーズ』…?つまり…『でかっ鼻』ってことか?…ハハ…。ハハハ…」
コートの女は、力なく笑った。
「気に入ったか?」
「んなこと、あるかぁ!!」
コートの女こと、『マッド・エッジ』は、猛スピードでちひろに突っ込んだ。
「杏奈さん、離れて!」
ちひろは、杏奈を軽く突き飛ばすと、昨日、ジョアンにかわされた『突き』を、渾身の力を込めて『マッド・エッジ』に放った。
635投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月19日(土)21時37分42秒
しかし、『マッド・エッジ』は、横に避けることも、後ろに退くこともなく、そのまま真正面から突っ込んできた。
(な、何…?避けないのか…?)
ちひろのイメージが狂った。横に避ければ、水平になぎ払い、後ろに退けば、身体を低く潜り込ませ、足を狙う…。しかし…このまま前に突っ込んでくる…?
一瞬の迷いが、ちひろの動きを鈍らせた。
『マッド・エッジ』は、ちひろの『突き』を掻い潜り、割り箸を持った手をちひろの顔面へと伸ばす。
(やばい!)
ちひろは、摺り足で後退する。が、『マッド・エッジ』の腕は、グンと更に伸びる。
(しまった…!)
しかし割り箸は、ちひろの唇にチョコンと触れただけだった。
ちひろは後ろに跳びはねて、『マッド・エッジ』と充分に距離をとった。
「うわ!間接キッス!きったねぇ!きったねぇ!!」
『マッド・エッジ』は子供のようにはしゃいでいる。
ちひろは唇を袖で拭いながら、『マッド・エッジ』を睨みつける。
「私を素人とは思わないで戦うだと…?舌の根も乾かぬうちに…!」
「てめぇこそ、なめんなよ!コラ!そんな攻撃が私に通用すると思ってんのか!ジョアンに勝ったんだろ?もったいつけずに、実力見せてみろよ!!」
だから、あれは偶然だったのだが…今更言い訳は通用しなさそうだった。
636投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月19日(土)21時38分35秒
今日はこれでおちます
昔から天てれを見てる人なら、もう、『マッド・エッジ』の正体は、わかったかもしれませんね
637投稿者:
あ
投稿日:2007年05月19日(土)22時02分36秒
http://pr2.cgiboy.com/S/2290169
638投稿者:
ビッグ・ノーズ
投稿日:2007年05月20日(日)00時49分24秒
懐かしいw
からかってたのって太郎と山ちゃんだったっけ?
639投稿者:
コートの女…
投稿日:2007年05月20日(日)02時17分35秒
『ビッグ・スマイル・ベイビーズ』を歌ってた、あの戦士だね
冬イベで自分でも『ビッグ・ノーズ♪』って歌ってたっけ…
640投稿者:
あげ
投稿日:2007年05月20日(日)11時15分18秒
641投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月20日(日)20時10分22秒
はい、その戦士です
でも、最近見始めた人には、あんまりなじみのない人で想像しにくいかもしれませんね
次からは現役戦士を多く登場させたいです
では、更新します
642投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月20日(日)20時11分05秒
「わかった…。次は全力でいく…」
さっきの攻撃も全力だったのだが…更にちひろは、全身に力を込め、足も深く曲げ、身体中をバネにして、もう一度『突き』を放った。
「お?」
今度は『マッド・エッジ』も後ろに退いた。
(よし!イメージ通り!)
ちひろは、身体を地面スレスレに潜り込ませ、『マッド・エッジ』の膝を目がけてロッドを叩き込む。
しかし、ちひろの顔面に、無数の砂利が飛んだ。
「うわ!」
一瞬、視界が遮られる。そうだ…ちひろは、いつも床張りの道場で戦っている…。ここは屋外だった…。武器になるものは、何でも揃っている。
『マッド・エッジ』は、割り箸をクルリと空中で半回転させ逆手に持つ。
そして自らの身体も回転させると、その遠心力を利用して、今度こそ本気で割り箸をちひろの顔面に突き立てる。
割り箸はちひろの目を狙っている。
643投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月20日(日)20時11分32秒
(ま、間に合わない…!)
ちひろは、口を開き、割り箸を歯で咥えた。そして身体を反転させて、その割り箸をへし折った。
「何!?」
今度は、『マッド・エッジ』が後ろに跳びはねて距離をとる。
「ぺ…!ぺ…!ぺ…!」
ちひろは、『マッド・エッジ』の追撃はやめ、口の中の割り箸の破片を地面に向けて吐き出した。
『マッド・エッジ』は、呆然と折れた割り箸を見て言う。
「おまえ…信じられないことするな…。誰が使ったか、わからないような箸だぞ…?」
「片目を失うよりはマシだ!」
まだ、ちひろは唾を地面に吐き捨てている。
「なるほど…。どうやら、なめてたのは私の方みたいだね…。あの『ブラック・パイソン』も、きっと、こんな風にやられたんだろうねぇ…」
更に、『マッド・エッジ』の顔は険しいものになる。
(さてと…次はどう出る…?)
ちひろはもう、『マッド・エッジ』の次の行動をイメージしていた。
644投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月20日(日)20時11分57秒
しかし、彼女の次の行動は、ちひろのイメージを大きく外れたものだった。
なんと…彼女はちひろに向かって土下座したのだ。
「頼む!私に武器を使わせてくれ!」
「は…はぁ…?」
ちひろは全身の力が抜けた。
「お…おまえ…。何を言っている…?」
「おまえがそこまでやるとは思わなかったんだ!だから、つい、割り箸で戦うなんて言っちまった…。な、頼む!武器を使わせてくれ!」
「おまえにはプライドがないのか!?」
「プライド?もちろん、ある!ただ、使うところが他人とは違うだけだ!」
ちひろは、心底呆れた。今までの緊迫感が台無しである。
「わかった…。もう、見苦しいな…。わかったから…」
「ダメよ!ちひろ!そのまま、そいつ、やっつけちゃいな!」
杏奈が後ろで怒鳴った。
「あ、杏奈さん…?」
「今後、いつ、何人そんなやつらが襲ってくるか、わかったもんじゃないわ!今のうちに、一人でも減らしておくのよ!」
昨日も有沙に同じことを言われた。さすがに杏奈は「殺せ」とは言わないが…。
「し、しかし…丸腰の相手を叩き伏せるなんて…私にはできない!」
「何言ってるのよ!これは剣道の試合なんかじゃないのよ!?」
「それでも、土下座している相手を攻撃できない!私のプライドが許さない!武器ぐらい、使わせてやるさ!」
645投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月20日(日)20時13分59秒
ちひろの後ろで低い笑い声が聞こえる。
「へへへ…。聞いたぞ…。武士に二言は無いよな?サムライガール…」
『マッド・エッジ』は、ゆっくりと立ち上がる。
「それから、これは私からの忠告だ。プライドの使い方…間違ってるぜ…?」
『マッド・エッジ』は、両手を高く上げ、下に思いっきり振り下ろす。
すると…コートの両袖から、ナイフが飛び出した。
「な…何…?ナイフ…?」
そのナイフは…日常、オフィスで使うようなモノではない。刃渡り20センチの、アーミーナイフだった。
『マッド・エッジ』は両手でクルクルとナイフを回す。
使い慣れている…。先ほどロッドを短く使ったのは、これが理由だったのだ。確かに、最大限に伸ばしたロッドは、彼女にとって長すぎたわけだ。
そして、『マッド・エッジ』というコードネーム…。
「さあ、今度はこっちから行くぜ!」
『マッド・エッジ』はナイフを構える。当たり前の話しだが、割り箸の時とは迫力が違う。
「もう…!ちひろのバカ!!」
杏奈が顔を覆って言った。
646投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月20日(日)20時15分09秒
杏奈の言うとおりだが、後悔するのはそれこそ後回しだ。ちひろは次の戦いのイメージを頭の中で描く。
相手のナイフは20センチ。こっちのロッドは90センチ。確かにリーチはこちらの方が有利だ。
だが、小回りは向こうの方が優れている。しかも、二本…。これこそ本物の『二刀流』…。
先ほどの割り箸での攻防を考えれば、ロッドを掻い潜って懐に飛び込まれるのは確実だ。
ナイフの一撃は、敢えて受け止めよう。左手で受け、力を込める。これでナイフを引き抜くのが数秒遅れる。
その間、相手の急所にロッドを叩き込んで、一撃で決める…。考えただけで痛そうな作戦だが、仕方がない…。ちひろは覚悟を決めた。
「よし!来い!!」
ちひろはロッドを構えた。
「行くぜ!!」
『マッド・エッジ』は空高く跳び上がった。ジョアンも高く跳んだが、ここは屋外だけあってさすがに天井知らずだ。
落下と同時に、ナイフを振り下ろす『マッド・エッジ』。作戦通り、左手を差し出すちひろ。
「本当に、それでいいのか?サムライガール?」
この『マッド・エッジ』の言葉に…新たなイメージがちひろの脳裏に過ぎった。
ナイフは左手を深々と刺し貫く…?いや…違う…!そんな生易しいものではない…!左腕が…切断される…!
そんな勢いが、『マッド・エッジ』のナイフにあった。
(し、しまった…!)
今度こそ、ちひろは後悔した…。解決策も何も思い浮かばない…。今度こそ、正真正銘の…完全なる後悔だった…。
647投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月20日(日)20時16分12秒
今日はこれでおちます
648投稿者:
あげます
投稿日:2007年05月20日(日)22時41分20秒
649投稿者:
age
投稿日:2007年05月21日(月)00時22分55秒
650投稿者:
あげ
投稿日:2007年05月21日(月)18時47分40秒
651投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月21日(月)21時03分19秒
更新します
652投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月21日(月)21時04分46秒
パン!
衝撃音が響いた。
『マッド・エッジ』は、ちひろを襲うことなく、空中で回転して着地した。
彼女は頭を抑えてうずくまっている。
「…え…?」
ちひろは、音のした方を振り向く。
そこには…望の手から奪ったのだろうか?拳銃モドキを構えた杏奈が…ガクガクと震えながら立っていた。
「あ…杏奈…さん…?」
ちひろは、呆然と杏奈を見詰める。
「コンチクショウ…やってくれたな…おい…」
低く、唸るような、呻くような声…。『マッド・エッジ』はゆっくりと立ち上がる。こめかみから、血が流れている。
「私に傷をつけたな…。久しぶりだぜ…こんなに怒ったのはよぉ…」
『マッド・エッジ』は、ゆっくりと杏奈の方へ歩みだす。
「あ…ああ…」
杏奈は、次の弾を発砲することなく、拳銃モドキを下に落とした。
653投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月21日(月)21時05分19秒
「や、やめろ!相手は私のはずだ!」
ちひろは、杏奈と『マッド・エッジ』の間に立ちふさがった。
「どけ!おまえの相手は後でタップリしてやる!」
「いいや、どかない!今、相手しろ!」
「チッ…!今度こそ、命はねえぞ?サムライガール…」
『マッド・エッジ』は、ナイフを持った腕を交差させた。
次の戦いのイメージが…まったく思い浮かばない…。
(ま、まずいな…。私がやられれば…次は杏奈さん…。そして、甜歌、卓也…そして…有沙…)
刺し違えてでも、この女を止めなければ…。
そう、ちひろが思った時、パトカーのサイレンが遠くから鳴り響いた。
「クソ!ポリが来やがった!てめえらが、パンパンそのオモチャを撃ちまくるからだぞ?まったく!」
『マッド・エッジ』はナイフをコートの袖に納めると、気絶している幸生と望の側まで駆け寄る。
「おい、そこのツンデレ!おまえ、そいつを抱えて走れるか?」
彼女は、里穂の下敷きになった愛実に向かって言った。
654投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月21日(月)21時05分41秒
「ツ…ツンデレ…?わ、私のこと…!?」
「そうだよ!おまえのことだ!いくら私でも、3人は抱えて走れない!そのちっちゃい姉ちゃんは、おまえが運べ!」
『マッド・エッジ』はそういうと、太った幸生と長身の望、二人を両肩に抱え上げた。
「さあ、逃げるぞ!警察に捕まりたいのか!?」
「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!な、何であんたが私達を助けるのよ!?」
「タダで助けるワケねぇだろ!代わりにおまえらのアジトに案内しな!」
「ア…アジト…?」
「溜まり場だよ!おまえら、不良だろ?持ってるんだろう!?」
「な、ないことはないけど…」
「案内しろ!さあ、走れ!」
『マッド・エッジ』は、ちひろの方を振り向いてこう言った。
「ほんと、おまえは運がいい…。また、会おうぜ、サムライガール!」
「私は…おまえともう、会うつもりはない!」
「また会うことになるさ…。おまえが『中村有沙』の側にいる限り…」
『マッド・エッジ』は、そう言うと、男二人を抱えたまま、信じられないスピードで走り去って行った。
「ちょ、ちょっと待ってよ!」
愛実は、里穂を背負いながら、フラフラと後を追い駆けた。
655投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月21日(月)21時06分08秒
『マッド・エッジ』のプレッシャーから開放されたちひろは、大きく息をついた。
そんな、ちひろの元に、杏奈がツカツカと歩み寄ってくる。
「ああ…。杏奈さん…。ありがとう…助けてくれて…」
パシン!…杏奈がちひろの頬を殴った。
「…あ、杏奈さん…」
「あんた…本当にバカね!大バカね!そんなだったら…命がいくつあっても足りないじゃない!」
「も、申し訳ない…」
「何度同じこと繰り返すの?自分のことよりも他人のことばっかり…!何でそうなのよ!あんたって…!」
「ほ、本当に…悪かった…」
「あと、もう一つ…謝りなさい…」
「…え…?」
「私が…アウトドアでは頼りないって言ったこと…」
「うん…そうだな…。撤回する…。すまん…杏奈さん…」
そこに、甜歌が泣きながらちひろに飛びついてきた。
「ち、ち、ちひろさ〜ん…!ごめんなさ〜い!!私、あの女が恐くて、恐くて…ちひろさんの所に連れてきちゃいました〜!!」
さっき、杏奈にひっぱたかれた頬に、甜歌の鼻水がつく。
「わ、わかった!怒ってない!怒ってないから…。甜歌、離れろ!」
「ね、ねえ…。ちーちゃん…。ぼ、僕達も早くここから逃げようよ。警察が来たら、また面倒だから…」
と、正真正銘の『アウトドアでは頼りない』男、卓也が言った。
656投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月21日(月)21時06分29秒
今日はこれでおちます
657投稿者:
age
投稿日:2007年05月22日(火)19時30分27秒
658投稿者:
杏奈にも
投稿日:2007年05月22日(火)20時28分58秒
見せ場があってよかった
659投稿者:
あげます
投稿日:2007年05月22日(火)20時44分25秒
660投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月22日(火)20時54分40秒
各登場人物に、一つずつくらいは見せ場を作りたいと思います
では、更新します
661投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月22日(火)20時55分16秒
11『その名は、ダーさん』
ちひろ達4人は、有沙の待つマンションに着いた。
卓也もそうだが杏奈まで、有沙の美しさに見惚れていた。
写真で見たことがあるが、実物を見るのはこれが初めてだった。
「なんだ?二人とも、バカのように口を開けて人の顔をジロジロ見て…」
ちひろだけが帰ってくると思っていた有沙は、招かざる客に対し、少し不機嫌だった。
「バ、バカとは何よ!私達はね、全国有数の進学校、忠律高校に通ってるのよ!頭良いんだから!」
杏奈は顔を真っ赤にして立ち上がった。
「学力のあるバカが、一番やっかいだというが…」
「な、な、何ですって〜!!」
杏奈は有沙に掴みかかるが、卓也が間に入ってなだめた。
「まあ、まあ、落ち着いて…!いやね、有沙さん。本当に綺麗な人を見たら、どんな人でもバカみたいに口を開けちゃうものなんだよ」
「綺麗?私のことか?」
有沙は杏奈の顔をマジマジと見つめる。
「な、何よ…?」
「すまん…。私はおまえが好みではない。悪いが、私のことは諦めろ」
「は、はぁ…!?あ、あんた、頭がおかしいんじゃないの!?誰があんたなんかに…」
もはや、卓也一人では押さえつけられないくらいに、杏奈は興奮しだした。
仕方なく、ちひろも杏奈を押さえつける。
662投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月22日(火)20時55分43秒
「有沙!おまえはいちいち人を怒らせなければ気が済まないのか?」
「私が怒らせてる?勝手にそっちが興奮してるだけだ。そんなことよりも、『TTK』の刺客に襲われたんだって?その話しを聞かせろ」
「あ…ああ…」
「どんなヤツだった?」
甜歌が興奮して話し出した。
「も、もう、凄かったんだよ!チンピラがピストルをバンバンバーンって撃ったら、そいつがキンキンキーンって跳ね返して…」
「おまえには聞いてない、黙ってろ!ちひろ、どんなヤツだ?」
「う…うん…。そうだな…。黒いコートを着ていた。そういうヤツ、知ってるか?」
「コート?知らん。他には?」
「外国人みたいな顔をしてた」
「『TTK』には、そんなやつ等ばっかりだ。他には?」
「凄く強いやつだった」
「強いから『TTK』なのだろう?他には?」
「なんか…しゃべり方に品性がなかった」
「私以外の『戦士』は、みんな品がない。他には?」
663投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月22日(火)20時56分11秒
「ちょっと!あんた、何でそんなに偉そうなのよ!」
杏奈がまた怒鳴った。
「何だ?また私に文句か?」
「誰のせいで私達が危険な目にあったと思ってるの!?それを考えれば、もっと謙虚に…」
「よく怒るやつだな…。シワが増えるぞ?」
「あ、あ、あんたが私を怒らせてるのよ!!」
杏奈はまた、有沙に掴みかかる。卓也はそれを予想していて、素早く杏奈を羽交い絞めにした。
それでも体重の軽い卓也は、杏奈にズルズルと引き摺られる。
「そ、そうだ!ナイフだ!ヤツはナイフを使った!」
「ナイフ?どんなナイフだ?」
「い、いや…私はナイフには疎いが…アーノルド・シュワルツェネッガーが使っていたようなナイフだった」
「カリフォルニア州知事が、なぜナイフなどを使う?」
「政治家になる前は俳優だったんだ。『コマンドー』という映画で使われてたナイフにソックリだった」
「『コマンドー』…?私はその映画は見ていないが…タイトルから察するに…アーミーナイフか…?」
有沙は黙り込んだ。眉間にシワを寄せて、何か考え込んでいる。
664投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月22日(火)20時59分16秒
「まさか…ヤツか…?」
「ヤツ?ヤツとは誰だ?」
「そいつは…名乗らなかったのか?」
「あ…ああ…。名前は教えてくれなかったが…たしか、コードネームを名乗った…」
「コードネーム?…もしかして…『マッド・エッジ』…?」
「そ、そう!『マッド・エッジ』だ!確かにそう言った!」
有沙の表情が強張った。そして、力強くちひろの両肩を掴んだ。
「ど、どうしたんだ?有沙…?」
「いいか、ちひろ!今後一切、ヤツには近づくな!二度とだ!もし、会ったら、逃げろ!全速力でだ!」
「な、何だ…?そ、そんなにヤバイやつなのか!?」
「ああ!ヤバイ!ヤバすぎる!いいか?絶対に、もう『マッド・エッジ』には、関わりを持つな!!」
たしか、有沙は前にもこんな顔をしたことがある…。いつだったか…?
「い、一体、何者なんだ?その『マッド・エッジ』とは…?」
「知ってどうする?もう、二度と会うことはない女だろう?」
「し、しかし、ヤツはこうも言った。私が『中村有沙』の側にいるかぎり、また会うことになるって…」
665投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月22日(火)21時00分01秒
有沙はスクっと立ち上がった。そして、ちひろの手を引っ張る。
「逃げよう」
「え?」
「二人で逃げよう、ちひろ」
「な、何を言ってるんだ!?有沙!」
「逃げるぞ!今すぐ!」
有沙は、ちひろをグイグイと引っ張る。
「ちょっと!ちひろさんを何処に連れてくつもり!?絶対に二人っきりになんか、させないんだから!」
甜歌が二人の間に割り込んだ。
「うるさい、邪魔だ。殺すぞ」
「あう…」
甜歌は、そのまま後退りする。
「ま、まあ、まあ、落ち着いて。今、動いた方がその『マッド・エッジ』に見つかるよ?ここに居た方が安全だって!」
卓也が甜歌の代わりに間に入った。
「ああ、卓也の言うとおりだ。幸運なことに、せっかく私達はそいつから逃げのびることができたワケだし…」
有沙は、なんとか落ち着いて床に座る。
「そうだな…。その貧弱な男の言うことにも一理ある…」
「ひ、貧弱…?ハハ…」
卓也は自分を指差して力なく笑う。杏奈は鼻で笑っていた。
666投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月22日(火)21時00分24秒
今日はこれでおちます
667投稿者:
あげます
投稿日:2007年05月22日(火)22時11分25秒
668投稿者:
コマンドーw
投稿日:2007年05月22日(火)23時23分37秒
毎週やってる映画か
669投稿者:
カリフォルニア州知事が、なぜナイフなどを使う?
投稿日:2007年05月23日(水)19時36分34秒
これ、面白い
670投稿者:
「その名はダーさん」
投稿日:2007年05月23日(水)20時26分40秒
ばらしちゃってるじゃんw
671投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月23日(水)21時46分06秒
はい、もう、ばらしても同じかな?と思いまして…
更新します
672投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月23日(水)21時46分33秒
下ノ国町。洸太の自宅にある離れのプレハブ小屋。
洸太は自分の部屋なのに、緊張していた。
見も知らぬ、黒いコートを着た怖そうな女…『マッド・エッジ』が、デンと椅子に腰掛けているからだ。
そして、洸太は愛実を睨みつけている。
「な、何よ…。その目は…」
愛実も洸太を睨み返す。
「ここが君たちのアジト…?何で、そんなデタラメ教えるの!?」
「だ、だって、しょうがないじゃない!私、姉御を背負って、そんなに遠くには行けないよ!」
そう…。この女は、幸生と望を肩に抱えてやって来た。洸太は本当に仰天した。
その『マッド・エッジ』は、洸太の「発明品」の数々を弄くりながら、声をかける。
「ここは本当にいい所だな。気に入ったぞ、ツンデレ」
「そ、その、ツンデレって何よ!?何で私がツンデレなのよ!」
「だって、おまえ、漫画やアニメでよく見る、典型的なツンデレじゃねえか」
「べ、別に、私はデレデレしてないわよ!」
「じゃあ、ツンツンだ!おまえのあだ名はツンツンにしよう!」
「か、勝手に決めないでよ!」
「それから、おい、メガネ!」
「メガネって…僕のこと?」
洸太は自分を指差した。
673投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月23日(水)21時47分40秒
「おまえ以外にメガネをかけてるヤツ、いるか?ここは、本当におまえ一人で住んでるのか?」
「え…は、はい。僕の弟が酷い喘息持ちで、父さんも母さんも弟を連れて、長野県の原村って所に療養しに行ったんです。それで、僕がここの留守番を…」
洸太の父親はオーストラリア人で、大牧場の息子だった。語学留学に来た洸太の母親と恋におち、オーストラリアから日本に移り住んだ。
結婚の際、妻は旧家の一人娘の為に婿養子に入ったが、洸太は父親の性、レイシーを名乗っている。
この広い日本家屋の屋敷には、今は洸太一人で住んでいる。そして二十畳の客間には、里穂と幸生と望が眠って…いや、気絶している。
「ふ〜ん…。弟可愛さのあまり、おまえは放っておかれてるワケか…。気の毒によ…」
「い、いえ…。そういうワケでは…」
「でも、両親がいないってのが気に入った!よし、当分の間、世話になるぞ!」
「え…?ええ…!?せ、世話になるって…」
「ここに住まわせろって言ってんだよ!」
「そ、そんな…勝手に…」
「何だ?この野郎!私がこうやって頭下げてんじゃねえか!」
全然、頭、下げてない…。洸太は突っ込もうかどうか悩んだ挙句、突っ込まなかった。
そして、また恐い顔で愛実を睨みつける。愛実はソッポを向いていた。
674投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月23日(水)21時49分19秒
「よし、そうと決まったら、メガネ!風呂を沸かせ!」
「ふ、風呂?」
「ああ。ここ5日間程、野宿してたんだよ。風呂に入りてぇ…」
「の、野宿ですか…?わ、わかりましたよ…」
「おい、もし覗きやがったら、そのメガネごと、おまえの頭を割るぞ?」
「の、覗きませんよ!覗くわけないじゃないですか!」
「何だと!?私は覗く気もおきないって、そう言ってんのか!?コンチクショウ!!」
も、もう、メチャクチャだ…この人…。洸太は泣きそうになった。
「そ、そうだ…ね、ねえ、『マッド・エッジ』…さん?あんた、何で『中村有沙』を追ってるの?」
愛実は恐る恐る『マッド・エッジ』に聞いた。
「あん?ああ…その前におまえから聞かせろ。何でおまえらも『中村有沙』を追っている?」
「よ、よくわからないのよ…。ゴルゴって男から、探すように言われただけで…」
「そうか…。ま、そんな所だろうよ…。その、ゴルゴって男のことは知らないが…」
675投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月23日(水)21時51分36秒
「で、何であんたは、『中村有沙』を…?」
「それを知ったら…おまえは表の世界に戻れなくなるぜ?それでも聞きたいか?」
『マッド・エッジ』は、意地悪そうに愛実を見て言った。
「う…」
「ま、それが利口だよ。おまえ等はちゃんと学校に行って勉強しろ!」
「お、お言葉ですが、僕は下ノ国中学校一の秀才で、来年の受験では日本屈指の進学校、忠律高校を受けるつもりでして…」
「メガネ!おまえは早く風呂を沸かしてこい!」
そう言った『マッド・エッジ』だったが、一瞬、表情を変えた。
「し!静かにしろ!」
「静かにしろって…あなたが一人で騒いで…」
「いいから、静かにしろってんだ!」
『マッド・エッジ』は聞き耳を立てる。そして、愛実の首根っこを掴むと、プレハブの窓を開けて足をかけた。
「ちょ、ちょっと…!な、何すんのよ!」
「いいから来るんだよ、ツンツン!おい、メガネ!私達のことは喋るんじゃねえぞ!」
「え…?な、何のことです?」
「喋るなよ?喋ったら…どうなるかわかってんんだろうな?」
充分、洸太を脅してから、『マッド・エッジ』は愛実とともに窓から出て行った。
676投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月23日(水)21時52分16秒
その直後、プレハブの扉がノックされた。
「え…?あ、はい…」
洸太はドアを開けた。そこには、スーツ姿の二人の男が立っていた。
「君…洸太レイシー君?」
二人は、洸太に警察手帳を見せる。レッドの病室に来た、テルとケンキだった。
「あ…はい…。僕が、洸太レイシーですが…」
「今、お家の方を訪ねたんだけど、誰もいなくて…。君一人なの?ご両親は?」
「い、今、留守でして…。僕、一人だけなんです」
「そう…大変だね」
「あの…警察が…僕に、何の用ですか?」
「君、この子達、知ってるよね?」
ケンキは、洸太に4枚の写真を見せる。
「あ…」
その写真に写っていたのは…里穂に幸生に望に…そして愛実だった。
677投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月23日(水)21時52分56秒
「飯田里穂、堀江幸生、篠原愛実、それから…凄い名前だね、ド・ランクザン望…この子も君と同じハーフかな?彼等と友達なんだって?」
「と、友達っていうか…そんなに親しくはないです…」
「そうか…。この子達に最後に会ったのは、いつ?」
「え…その…最近、会ってませんね…」
洸太は精一杯のウソをついた。あの拳銃モドキで何をやらかしたんだろう…?洸太は心の中で頭を抱えた。
「殺人容疑だ!こいつらが、一人のいたいけな少女を殺したんだ!」
テルは、涙声で荒々しく叫んだ。
「え?ええ?さ、殺人?ひ、人を、こ、殺したんですか?」
洸太は素っ頓狂な声を出した。あの拳銃モドキで人を殺せるのか?
「おい、それはまだ言うなって!ごめんね。この4人が事件に関わってるって情報があって…。本当に知らない?」
「し…知りません…」
「そう…。もし、この4人がここに訪ねて来たら、警察までしらせてくれよ?」
今、その4人のうちの3人は、客間に寝ているし、もう一人は謎の女とプレハブ小屋の裏で息を潜めて隠れている。
二人は去りかけたが、もう一度洸太の方に向き直って言う。
「それから…こういう輩とは、あんまり付き合わない方がいいよ…」
二人の刑事が去っていくと、ようやく『マッド・エッジ』と愛実は窓から戻って来た。
「いや〜、間一髪…。命拾いしたな…いや、あの二人のデカのことだけどよ…」
「ちょ、ちょっと!君達、何をしたの?何なんだよ!?殺人って…!」
洸太は愛実に詰め寄った。
678投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月23日(水)21時53分28秒
「し、知らないよ!私達、人なんか殺してない!」
愛実は青い顔をして、何度も首を横に振る。
「なるほど…。『TTK』がやりそうなことだぜ…!」
「…え?」
「今回の事件…。全部、おまえ等に罪をおっ被せようって腹だ…」
「そ、そんな…!私達、ただ命令されて『中村有沙』を探してただけだよ!な、何で、こんな目に遭うの!!」
愛実はとうとう、泣き出した。
「それが、裏の世界ってやつだよ…。知った時は、手遅れか…」
『マッド・エッジ』はしみじみと呟いた。
「ど、ど、ど、どうしよう…?私達、どうしよう…?」
「仕方がねぇな…。これも何かの縁だ…。よし、私が一肌脱いでやるよ!」
「え…?」
「私が、おまえ等のリーダーになってやる!で、おまえ等を守ってやるよ!」
「ほ、本当?」
「その代わり、教えてといてやるよ。私が何者か…そして、何で『中村有沙』を探しているのか…」
「『マッド・エッジ』さん…」
「おっと、私をコードネームで呼ぶのは、もうやめな!仲間なら、あだ名で呼び合おうぜ…」
「な、何て呼べばいいの?」
コードネーム『マッド・エッジ』は、腕を組んでしばらく考えた。
「そうだな…とりあえず、私のことは、『ダーさん』って呼びな」
679投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月23日(水)21時55分20秒
それでは、今日はこれでおちます
今の天てれを見ている人で、「ダーさん」を知ってる人って、どれくらいでしょうね?
680投稿者:
うちは
投稿日:2007年05月23日(水)22時54分50秒
ギリギリ知ってる
681投稿者:
ビックスマイルベイビーズ
投稿日:2007年05月23日(水)23時01分50秒
生ライブの時歌詞間違えて笑ってごまかしてたね
682投稿者:
やっと
投稿日:2007年05月24日(木)00時16分22秒
リリーの小説で、洸太が実年齢の役で出てきたね
今まで、有海の父親役だったもん
683投稿者:
age
投稿日:2007年05月24日(木)18時41分58秒
684投稿者:
>>681
投稿日:2007年05月24日(木)21時02分10秒
覚えてる
「ナ〜ナ〜ナナナ…」って歌ってた
685投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月24日(木)21時20分39秒
よかった…
結構、知ってる人いるんですね
では、更新します
686投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月24日(木)21時21分29秒
12『ダブル・フィッシャーマンズ・ノット』
翌日。学校帰りの卓也は、すっかり無人となった「R&G探偵社」の前まで来ていた。
目的は、吉田のヘソクリ、32万円である。
普段、吉田が観葉植物の鉢植えに隠していることを知っていたのだ。
それで、当面のちひろと有沙の生活費にしようと、昨日話し合って決めたのだ。
急を要するので、持ち主の吉田には断っていない。
杏奈は、自腹を切って生活必需品を買いに行っている。
年頃の女子二人の日用品だ。ここは杏奈が買うしかない。その代金も、吉田のヘソクリから賄うことで、杏奈は渋々承諾した。
「今日中に手に入れないと、杏奈がうるさいからな…」
卓也は古い雑居ビルに入り、階段を上っていく。
決して体力のある卓也ではないが、ちひろと同様、彼はこのビルのエレベーターを信用していない。
しかも、最近事故を起こした外国製のエレベーターだと知ったら、益々使う気にはなれなかった。
探偵社の人間で、このエレベーターを使うのは、生来の楽観者、吉田と甜歌だけだった。
卓也はふうふう言いながら、3階まで階段を上った。
そして、「R&G探偵社」の事務所前に来た。
事務所のドアには、黄色地に黒の文字で「KEEPOUT」と書かれたテープが、警察によって張り巡らされていたが、事務所のドアは内開きなので、テープを破ることなく中に入ることができる。
卓也は玄関マットの裏から合鍵を出し、それで新聞受けの二重底を開ける。その中に探偵社の事務所の鍵があった。
まったくのズボラな性格の吉田だが、鍵の隠し場所だけは無性に凝っている。
687投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月24日(木)21時22分55秒
卓也はその鍵でドアを開けると、テープに引っ掛からないように前屈みで中に入る。
すると…その中に…黒いドレスと白いドレスを着た…二人の少女が立っていた。
「こんにちは」
その少女達は、卓也に向けて、笑顔で挨拶をする。
「…こんにちは…」
卓也は思わず返事をした。
(いや…違うだろ…。誰なんだ?この子達…。いや、どうやってここに入った…?)
卓也が二の句を継げないでいると、二人の少女は勝手に自己紹介を始めた。
688投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月24日(木)21時23分35秒
「私、姉の俵有希子です」
と、黒いドレスを着た、耳の大きな少女が答えた。
「私、妹の俵小百合です」
と、白いドレスを着た、顎の尖った少女が答えた。
「私達、俵姉妹といいます」
と、二人同時に答えた。
姉妹といっても、あまり顔は似ていない。だが、二人とも美しい少女だ。
だが、卓也が気になったのは顔だけではない。着ているドレス…。
「き、君達…そ、その服…」
「あ、これ?君もこういうの好き?私の着ている黒い方は、ゴシックロリータっていうの」
「で、私の着てる白とピンクの方が、スィートロリータ。君はどっちが好み?」
689投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月24日(木)21時25分06秒
「い、いや…どっちが好みって…」
その恰好、ちひろや甜歌から聞いていた…中村有沙が着ていたものと、おなじロリータファッション…。
「でも、本当によかったぁ…。来てくれて…。誰も来なかったらどうしようって思ったもん」
「ほんと、ほんと。よかったね、お姉ちゃん。いい加減、帰っちゃおうかなって思ったけど、そんなことしたら夏希さんに叱られるし…」
(な、夏希…?)
中村有沙を探すように依頼してきた、あの女の名前…!
「で、この子、何か知ってるのかな?」
「うん。知ってるといいね、『中村有沙』の居場所…」
(やはりそうだ…!この二人、『TTK』だ…!)
「あれ、この子、怯えてない?後退りしてるし…」
「ねぇ…待ってよ!私達、ずっと待ってたんだから!」
卓也は、クルリと回れ右をすると、ドアまで思いっきりダッシュした。
690投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月24日(木)21時25分46秒
チュィィィーン…。奇妙な音が、卓也の足下で鳴った。
その直後、卓也は前のめりに倒れた。何かが足に絡み付いたのだ。
「う…うわ!」
卓也は咄嗟に手を着こうとする。しかし、手首には何か細い糸のような物が…。
チュィィィーン…。また、あの音が鳴る。両手も一緒に縛られ、卓也は受身もとれずに床に倒れた。
そして、もの凄い勢いで引っ張られ、応接用のテーブルに、ドンっとその身を置かれた。まるで、まな板の上に乗せられた鯉のように…。
卓也は両腕、両足を引っ張り上げられ、身動きがとれない。その糸は、鋼鉄製の糸だった。
「はぁい、ケガ、しなかった?」
姉妹は、卓也の顔を見下ろした。
691投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月24日(木)21時26分45秒
今日はこれでおちます
692投稿者:
おもしろい!
投稿日:2007年05月24日(木)21時49分51秒
隠れファンでした。
更新おつかれさまです。
もしよければリリーさんの他の小説貼ってくれませんか?
693投稿者:
おもしろい!
投稿日:2007年05月24日(木)21時51分02秒
隠れファンでした。
毎日更新おつかれさまです。
もしよければリリーさんの他の小説貼ってくれませんか?
694投稿者:
隠れんかて
投稿日:2007年05月24日(木)21時54分16秒
695投稿者:
俵姉妹だー
投稿日:2007年05月24日(木)21時59分44秒
696投稿者:
やっぱり
投稿日:2007年05月25日(金)00時03分29秒
レズ小説ってだけで、相当恥ずかしいのかな?
697投稿者:
笑った
投稿日:2007年05月25日(金)00時04分41秒
耳の大きな少女と顎の尖った少女w
姉妹だけど顔が似ていないとか…
698投稿者:
小笠原不満男
投稿日:2007年05月25日(金)00時15分29秒
気持ち悪い小説だな
これ書いてる奴、顔ぶつぶつだらけなんだろうな
699投稿者:
気にしない
投稿日:2007年05月25日(金)00時16分57秒
気にしない
700投稿者:
小笠原不満男
投稿日:2007年05月25日(金)00時17分19秒
だいたいレズ小説がここまで絶賛される意味が分からない
9割自演だな
701投稿者:
ふと
投稿日:2007年05月25日(金)00時56分35秒
ファッションウェーブでイデタクが2人に滅茶苦茶なメイクされてたの思い出した
702投稿者:
あげ
投稿日:2007年05月25日(金)18時46分50秒
703投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月25日(金)20時50分38秒
隠れでも、応援してくだされば嬉しいです
たしかに、万人受けする小説ではないと思いますが
>>701
そうです!そのシーンのオマージュでもあります
704投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月25日(金)20時50分51秒
では、更新します
705投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月25日(金)20時51分17秒
「な…何だ!?き、君達は…!も、もしかして…『TTK』…!?」
「あら、お姉ちゃん。この子、私達の組織のこと、知ってるみたい」
「そう…なら、説明が簡単でいいわ。私達、『TTK』の『戦士』、『チームT』の俵姉妹よ。捕縛専門のチームなの」
「コードネームは『ダブル・フィッシャーマンズ・ノット』。長ったらしいから、ほとんど『俵姉妹』って呼ばれてるけど」
「専用武器は、今君の身体を縛ってる、鋼線…スティール・ストリング。あんまり動かない方がいいよ?切れちゃうから…」
キリキリと、卓也の両腕両足は締め付けられる。
「そ、それで…ぼ、僕をどうするつもりだ!」
「だから…『中村有沙』がどこにいるのか、教えてもらおうと思って…」
「ご、拷問する気か…?」
二人は顔を見合わせる。
「あら…。私達、拷問なんて野蛮なことしないわよ」
「そう、そう。痛いことなんてしないわ。その代わり、気持ちのいいことしてあげる…」
そう言うと、姉の有希子は卓也の顔にゆっくりと顔を近づける。
706投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月25日(金)20時52分01秒
卓也の唇に、有希子の唇が重なった。そして、有希子の舌は、卓也の舌と絡み合う。
卓也は頭の中が真っ白になった。今まで覚えた数式や英単語が、全て溶けて、耳の穴から流れ出してしまったような感覚がした。
「ん?もしかして、君、キスするの初めて…?」
有希子が首を傾けて卓也に聞いた。卓也は顔を真っ赤に火照らせながら、小刻みに頷いた。
「そう…。なら、ファーストキスの相手は、私、俵有希子よ…。ちゃんと覚えてね…」
「は…はい…」
卓也は、とろける様な目で返事をした。
今度は、妹の小百合が顔を近づける。そして、卓也に濃厚なキスをした。
「そして、セカンドキスの相手は、私、俵小百合よ…」
「は…はい…」
卓也は身も心もとろけてしまった。もう、抵抗する気力もなかった。
「それで…ねぇ…君…。名前は…?」
「井出…井出…卓也です…」
「ねぇ、卓也君…。『中村有沙』は、どこにいるの…?」
「そ、それは…い、言えません…」
卓也は最後の意地で、絶対に言えない、と心に誓った。
707投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月25日(金)20時52分29秒
「あら…強情ね…。どうする?お姉ちゃん。あれ、やる?」
「うん、やりましょう。この子、可愛い顔してるし…」
俵姉妹は、卓也の制服のネクタイを解き、ワイシャツのボタンを開ける。
「あら…細い身体してるのね…。さっき持ち上げた時も、やたらと軽かったけど…」
「ねぇ、君…。もっと身体を鍛えた方がいいよ?折角、伊藤英明みたいな、カッコいい顔してるんだから…」
「でも…肌はスベスベしてキレイ…。まるで、女の子みたい…」
そう言うと、有希子は左の、小百合は右の乳首を舐め始めた。
「は…はぁぁぁぁ…」
卓也は、気の抜けたような声を思わずあげた。
「うふふ…おもしろい声…」
「ねぇ…。もっと声、出してよ…」
姉妹は、卓也の身体を隈なく舐める。
(これが、『TTK』一つ目の『T』…Tempt…『誘惑』。これで、僕を意のままに操る気か…)
卓也は、姉妹の目的を見破ったが、どうすることもできない。ただ、歯を食い縛って、この『誘惑』から耐えなければならない。
708投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月25日(金)20時52分55秒
カチャカチャ…。下の方で音がする。有希子がベルトを外している。
そして、ズボンを脱がす。トランクスの前が、大きく膨らんでいる。
「ほら…。もう、こんなになってるよ?我慢してると、身体に毒だよ?」
有希子は、指でその膨らみを撫でている。
「あ…あ…」
思わず、卓也は声を漏らす。
「ねぇ、お姉ちゃん、脱がしちゃお!脱がしちゃお!」
「ちょ、ちょっと…ダ、ダメ…」
姉妹は、二人で卓也のトランクスを脱がした。
卓也の勃起したペニスが、ピョコンと揺れながら顔を出した。
「あら、可愛いオチンチン…。起ってても、この程度?」
小百合は指でプルプルと卓也のペニスを揺らす。
「あ…あ…ああ…」
「皮被りだから、ちょっと窮屈そうね…。私が剥いてあげる…」
有希子は、ゆっくりとペニスを握る指に力を入れる。すると、ピンク色の亀頭が現れた。
「キレイな色ね、童貞くん!」
有希子は、その亀頭を指で弾いた。
「あ…い、痛!!」
卓也の身体は、ビクンと大きく揺れた。
709投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月25日(金)20時54分02秒
今日はこれでおちます
710投稿者:
卓也…
投稿日:2007年05月25日(金)23時58分20秒
711投稿者:
卓也って絶対受けだな
投稿日:2007年05月26日(土)00時00分45秒
712投稿者:
リリーさんの卓也
投稿日:2007年05月26日(土)00時02分37秒
中二時代の卓也を思い浮べてしまう
713投稿者:
リリーさん
投稿日:2007年05月26日(土)00時08分58秒
男女のエロもいけるんだね
レズだけじゃないんだ
714投稿者:
…あ、そうだ!
投稿日:2007年05月26日(土)00時10分04秒
何か708の読んで違和感感じるなーって思ってたんだよね
そうだ、リリーさんの小説ってレズしか読んだことないからだ。
715投稿者:
て、いうか
投稿日:2007年05月26日(土)00時15分39秒
チンポの描写が細かい…
リリー、男のチンポ、見たことあるんだ…
716投稿者:
皮被りだから
投稿日:2007年05月26日(土)00時16分48秒
さりげなく、酷いセリフw
717投稿者:
まあ
投稿日:2007年05月26日(土)00時18分00秒
確かに卓也は皮かぶりっぽいけどね
718投稿者:
伊藤英明に似てる
投稿日:2007年05月26日(土)00時19分20秒
これ、懐かしい。02年だっけ?
719投稿者:
公輝と卓也の小説見たいな
投稿日:2007年05月26日(土)00時22分15秒
720投稿者:
ホモ小説ってこと?
投稿日:2007年05月26日(土)00時25分08秒
721投稿者:
そう
投稿日:2007年05月26日(土)00時26分02秒
722投稿者:
age
投稿日:2007年05月26日(土)00時42分52秒
723投稿者:
■GoogleRanking■
投稿日:2007年05月26日(土)00時46分56秒
■Google Ranking■
http://01.rknt.jp/gooogle/
遂に登場!
『Google Ranking』
!Google検索有
!画像検索有
!電車乗換検索有
http://01.rknt.jp/gooogle/
(秘)今なら上位確定
http://01.rknt.jp/gooogle/
⇒Google Ranking
724投稿者:
ホモはやめろ
投稿日:2007年05月26日(土)22時17分04秒
男女の三角関係ならいい
レズカップルに男が入って三角関係とか。
725投稿者:
リリーの売りは
投稿日:2007年05月26日(土)22時24分56秒
レズ小説だ
726投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月26日(土)22時47分16秒
はい、ホモ小説はちょっと無理ですね
ごめんなさい
今回、男と女の絡みも書いてみました
>701さんも言ってますが、俵姉妹が卓也をメイキャップで散々イタズラするシーンが印象に残ったので
あと、少し変化を加えたいと思って
俵姉妹と杏奈では、イマジネーションが湧かなかったですし…
では、更新します
727投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月26日(土)22時48分17秒
「あら、痛かった?ごめんなさいね」
有希子は悪戯っぽく笑いながらも、何度も指で卓也のペニスを弾き続ける。
「あ…!い…!あ…!い…!」
その度に、卓也の身体は小刻みに跳ねる。
「ねえ、お姉ちゃん、可哀そうだから、そろそろアレ、やっちゃおう!」
「そうね、アレをやりましょうか」
(アレ…?アレって何だ…?)
卓也は不安よりも、期待を感じていることに気がついた。これが、『TTK』の誘惑…?恐ろしい。
有希子は、いきなり卓也の睾丸を鷲掴みにした。
「わ、わお!」
卓也はマヌケな声をあげた。
「安心して…。潰すつもりはないから…」
有希子は卓也の耳元で囁いた。
「今から君にしてあげるのはね…タイで大人気の睾丸マッサージっていうものなの」
「こ、睾丸…マッサージ?」
「そう、この睾丸マッサージをするとね、凄く元気になるの…」
有希子は右の、小百合は左の睾丸を、ゆっくりと揉む。
728投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月26日(土)22時49分12秒
「日本のビジネスマンはね、タイに出張すると、必ずこの睾丸マッサージを受けて色町へ繰り出すって言うわ」
「ほんと、やーねぇ…。日本の男は…。卓也君も、そんな男になるのかな?」
姉妹は、卓也の睾丸を揉んだり、捻ったり、回したり、引っ張ったり、散々に弄ぶ。
すると、卓也のペニスが、倍くらいの大きさに膨らみ始めた。
「わ…凄い!さすがにこのマッサージって、効果抜群だわ!」
「お姉ちゃん…なんか、ビクンビクンしてきたよ…」
「あ…ああ…も、もう…ダメ…!で、出る!」
「え…?もう、出るの?早いわね。もう少し我慢しなさい」
「ダ、ダメです…!げ、限界です…!」
「ダメよ!男の子でしょ?我慢して!」
「ああ…あああ…で、で、出るぅ〜〜〜!!」
「ちょ、ちょっと、まだ、ダメだったら!」
有希子は親指と人差し指で、力強く卓也のペニスを絞り上げた。
ガクンっと卓也の身体が揺れる。
「あ…あ…あ…!!」
卓也の身体が、釣り上げられたマグロのように、ビクビクと跳ねる。
有希子は右手で卓也のペニスを握り、左手で暴れる卓也の身体を押さえつけ、小百合を怒鳴った。
「さ、小百合!何してるの!早く!早く!」
「ま、待ってよ、お姉ちゃん…!」
小百合は、懐から凧糸を引っ張り出すと、卓也のペニスを何重にも縛り上げた。
729投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月26日(土)22時50分20秒
やっと、有希子は手を離すことができた。
「あう…あう…ああ…」
卓也は、身体を小刻みに震わしている。
「ふぅ…。焦ったわ…。ここで出されたら、何もかもお終いになるところだったから…」
有希子は額の汗を拭った。
「さてと、ここからが本番よ、早漏くん!『中村有沙』…どこにいるの?」
「あ…あああ…」
「出したいでしょ?教えてくれたら、この糸を解いてスッキリさせてあげる…」
「ああ…あううあ…!」
「気持ちいいわよ?この糸を解いたら…」
「あああ!…あああああ!!」
「言わないと、ずっと、このままよ!」
「に、西虹守町の…レインボーハイツの…1401号室に…い、いますぅ〜」
姉妹は顔を見合わせた。
「何もかも、早い男ね…」
730投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月26日(土)22時51分19秒
「は、早く…早く解いて…ください…」
卓也の顔は、油汗が浮き出て、顔色も真っ白になってきた。
「わかったわ…。よく教えてくれたわね、いい子、いい子…」
「待ちなさい!小百合」
小百合が糸の端を引っ張ろうとした時、有希子が止めた。そして、卓也の耳元で囁くように聞く。
「ねぇ…。そこのマンションには『中村有沙』だけ?他に誰かいないの?」
「ち、ちーちゃんも…一緒に…」
「ちーちゃん?ちーちゃんって誰よ?」
「あ、お姉ちゃん、もしかしたら、あの子じゃない?ジョアンをやっつけたって言う…」
「サムライガール?ねえ、ちーちゃんって子、サムライガールのことなの?」
「サ、サムライ…?」
「ほら、剣道の達人の子?」
「は、はい…。ちーちゃんは、剣道の有段者です…」
「やっぱり…そうだ…。サムライガールね…」
俵姉妹は、ニヤリと笑った。
731投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月26日(土)22時51分46秒
「丁度いいんじゃない?『中村有沙』と『サムライガール』…。二人そろってるなんて…」
「じゃあ、お姉ちゃん、『チームR』と『チームE』に連絡するよ?」
携帯を出す小百合の手を制する有希子。
「待って…もう一つ…」
「まだ、聞くの?可哀そうに…。いい加減開放しないと、この子、狂い死にしちゃうわよ?」
有希子は、再度、卓也の耳元で囁いた。
「ねぇ…。君達、その隠れ家に入る時、何か合図でもあるの?」
「は、はい…。ノックの音で…」
「どうするの?」
「さ、最初に3回、つ、次に2回…さ、最後に1回…です…」
「3回、2回、1回ね…。わかったわ…ありがとう…」
「は、早く…早く…解いて…解いて下さい…」
732投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月26日(土)22時52分11秒
「いいけど…その前に、『僕は最低の男です』って言いなさい…」
「…え…?え…?」
「だって、そうでしょ?君は、快楽に負けて、仲間を売ったのよ?」
「そう、そう。『中村有沙』だけでなく、『サムライガール』もね…」
「最低だと思わない?快楽と引き換えに仲間が死ぬかもしれないのよ…?」
「あ…ああ…ああ…」
卓也は後悔した。自分のしたことに…。仲間に対する、裏切りに…。
「さあ、言いなさい!『僕は最低の男です』って…。そしたら、今度こそ、この糸を解いてあげる…」
「ぼ…ぼ…僕は…さ、最低の…最低の…男…です…」
「もっと大きな声で!」
「ぼ、僕は、最低の男です!」
「もっとよ!」
「僕は…サイテーの、男ですぅぅぅ〜〜〜!!!」
「ほんと…サイテーの男ね…」
俵姉妹は、両側から糸の端を引っ張って、解いた。
733投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月26日(土)22時52分41秒
今日はこれでおちます
734投稿者:
■GoogleRanking■
投稿日:2007年05月26日(土)23時05分46秒
■Google Ranking■
http://01.rknt.jp/gooogle/
遂に登場!
『Google Ranking』
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Google Ranking
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管理責任者:Nicol.P.J
735投稿者:
卓也!!www
投稿日:2007年05月26日(土)23時07分47秒
736投稿者:
卓也ぁ!
投稿日:2007年05月26日(土)23時11分51秒
737投稿者:
卓也…哀れな…
投稿日:2007年05月26日(土)23時14分16秒
738投稿者:
またぁ
投稿日:2007年05月26日(土)23時17分10秒
いっちばん見たいシーンを濁すんだから・・
739投稿者:
痴女小説
投稿日:2007年05月26日(土)23時19分39秒
新たな分野の開発かな?
740投稿者:
>>738
投稿日:2007年05月26日(土)23時21分46秒
卓也の射精シーン、見たいか?
「ツグラム」では、愛実の潮吹きシーンが事細かに描写されてたけど
741投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月27日(日)07時32分18秒
今日は早めの更新とします
もしかしたら、夜あたりに更新するかもしれんません
742投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月27日(日)07時32分46秒
13『月光と雷電』
レインボーハイツ、14階1号室。
ちひろと有沙は暇を持て余していた。
有沙はともかく、ちひろは、本来なら学校で、剣道部に顔を出して後輩達を鍛えている時間だ。
そして、顧問の教師に「おまえ、受験勉強はいいのか?」と小言を言われている時間だ。
ちひろは仕方なく、精神統一の為に座禅を組んでいる。
ジョアンとの戦い、そして『マッド・エッジ』との戦いを思い浮かべながら…。
何度やっても、イメージの中の二人には勝てそうにない。
ジョアンとなら、いい勝負に持ち込めるのだが、『マッド・エッジ』にはどう逆立ちしたって勝てない。
有沙は、ちひろが相手をしてくれないので、今朝、卓也と杏奈が差し入れに持ってきた漫画を読んでいた。
偶然にも、どちらも「三国志漫画」だ。
卓也の持ってきた、横山光輝の『三国志』と、杏奈が持ってきた王欣太の『蒼天航路』を交互に読んでいる。
有沙は漫画という物を、今日、初めて読んだ。
卓也の体力では『三国志』60巻を持って来れるはずはなく、30巻までしか持ってきていない。
今日一日で『三国志』30巻、『蒼天航路』20巻を読んでいるのだから、相当な速読だ。
有沙は始め、仕方なく読み始めたのだが、今はすっかり夢中になって読んでいる。
743投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月27日(日)07時33分12秒
「横山という者は劉備を、王という者は曹操を極端に美化して描いているな。私は曹操の方が天下を取るのに適していると思う。だが、劉備はちひろ、おまえに似ているな。もちろん、横山の描く劉備のことだが…」
ちひろは、有沙の言葉を無視して座禅を組んでいる。
「私は、劉備に対する孔明のような存在でありたい。おまえが劉備で、私が孔明だ。もちろん、王の方の孔明だ。王の描く孔明は、相当卑猥だぞ…」
ちひろは無視している。
「この、二人の関係を表す『水魚の交わり』という言葉…。どこかエロティックな響きではないか…。そう思わないか?」
ちひろは無視している。
「王の描く曹操は、支配者として政治家として優秀かもしれないが…私は好かない。あいつを思い出す…」
「あいつとは誰だ?」
ちひろは、今度は目を開いて有沙に聞いた。
「独り言だ…気にするな」
「『マッド・エッジ』のことか?」
「うるさい。黙れ」
どうやら、そうらしい。
744投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月27日(日)07時34分11秒
そんな時、ノックの音がした。
コンコンコン…コンコン…コン…。3回…2回…1回…。合図の音だ。
「誰だ?」
ちひろは立ち上がって玄関に向かう。
「甜歌だ」
有沙は漫画を読みながら答えた。
「何故、わかる?」
「ノックの音に、知性が感じられない」
ちひろは半信半疑でドアを開けると…本当に甜歌だった。
「ヤッホ〜!ちひろさん、元気だった?」
「おまえ…。こんな時間にどうした?野球部のマネージャーは?今週の土曜日、試合じゃないのか?」
「野球部のマネージャー…辞めました」
「何で?」
「同じマネージャーの江莉とケンカしたから…」
「え?何かあったのか?あんなに仲良かったのに…」
「だって、私を出し抜いて、前田先輩と付き合ってたんですよ!もう、裏切りですよ!裏切り!」
「前田って…私と同じクラスの公輝のことか?あいつだったら、隣のクラスの美咲と付き合ってるぞ」
「え…ふ、二股…?」
「私の知る限りでは四股だ。知らなかったのか?」
「よ、四股…。いいんだ…。私は…ちひろさん一筋って決めたから…」
甜歌は力なく靴を脱いで、中に入った。
745投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月27日(日)07時34分39秒
リビングに入ると、甜歌は漫画を読んでいる有沙をジロリと睨む。有沙は平然と漫画を読み続けている。
「そうそう。ちひろさん。私、また新しい隠れ家見つけちゃいました」
「何?新しい隠れ家?」
「だって、ここ、レッドさんの病院からも、私達の家からも遠いじゃないですか?だから、もっと行動のとりやすい所、探してきたんです」
「どこだ?そこは…」
「ええ…天心荘っていって…眼鏡島公園の隣にある、築50年くらいの古い木造アパートです」
「おい…。私はそんな所には住まないぞ…。ここがいい」
有沙は漫画を読みながら言う。
「あ、そう…!じゃあ、ちひろさんだけでも、移り住みません?」
「私だけで?」
「だって、二人一緒にいるより、一人ずつ住んでた方が目立ちませんよ?」
有沙は、漫画からやっと目を離して甜歌を見る。
「ちひろは、私を守る役目があるだろう」
「あんたも、殺し屋なんでしょ?『戦士』なんでしょ?一人で戦えるんじゃない?」
ちひろは、しばらく考え込む。
「そうだな…。ここは二人別々になった方が動きはとりやすい…。その甜歌のアイデア…いいかもしれんな…」
「お…おい…ちひろ…」
有沙は珍しく動揺している。
746投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月27日(日)07時35分05秒
「そうしましょ!そうしましょ!そのアパート、古いだけあって、お風呂とトイレ、共同なんです!だから、好きな時に入れますよ!」
「風呂とトイレが共同?そんな所に住めるか!」
有沙が怒鳴った。
「だ〜か〜ら〜、ちひろさんに言ってるんです〜!あんたには言ってませ〜ん!」
「うん、私はそういうのは平気だ。でかしたぞ!甜歌!」
「えへへ…。ちひろさんに褒められちゃった!」
ちひろに頭を撫でられ、甜歌はご満悦だった。
「甜歌…貴様…。私とちひろを離れ離れにする策略…『離間の計』か…?」
有沙は早速、「三国志用語」を駆使して甜歌を恨めしそうに睨みつける。
「ふ・ふ・ふ…。何のことかな〜?」
甜歌は勝ち誇って言った。
「甜歌、これ、読んでみろ」
有沙は、『蒼天航路』第6巻の174ページを開いて甜歌に見せる。
そこには、暴君・董卓が、自分に逆らう人間をバラバラにして釜の中に放り込み、その人肉を喰らっている場面が描かれていた。
「そ…それが…ど、どうしたの…?」
甜歌は顔をしかめながら、そこを読んで聞いた。
「いよいよ、食料も金も底をついた時、おまえをこうやって喰ってやろうと思ってな…」
「ひ、ひいいい!!」
甜歌は、思わず後退りした。
747投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月27日(日)07時35分36秒
それでは、おちます
できれば、また夜にでも
748投稿者:
有沙かわいい♪
投稿日:2007年05月27日(日)14時05分34秒
749投稿者:
三国志も好きなのか?
投稿日:2007年05月27日(日)21時54分50秒
しかも、蒼天航路って…
有沙のセリフ、二つとも読んだことのない人には、何言ってるのかわからないだろうね
オレはわかるけど
750投稿者:
「ノックの音に、知性が感じられない」
投稿日:2007年05月27日(日)22時08分37秒
このセリフわらったw
751投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月27日(日)22時22分26秒
今、帰ってきました
三国志は大好きです
あらゆる漫画や小説を読みました
たしかに三国志を知らない人には、何を言っているのかわかりませんね
この辺りは、物語に全然関係しません
では、更新します
752投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月27日(日)22時23分13秒
そんな時、またもやノックの音がした。
コンコンコン…コンコン…コン…。3回…2回…1回…。合図の音だ。
「あ…合図だ…!だ、誰かな?卓也かな?杏奈さんかな?」
甜歌は、有沙から逃げるように、玄関に走る。
「甜歌!!伏せろー!!」
有沙は、目にも止まらぬ速さで拳銃を構えると、パン、パン、パン、パン…と合計4発、玄関のドアに向けて発砲した。
「ひええええ〜〜〜!!!」
甜歌はその場で腰を抜かした。
「て、甜歌!こっちに来い!!」
ちひろは、木刀を引き寄せながら、甜歌を呼んだ。
「ひ、ひ、ひ…!ち、ち、ち、ちひろさ〜ん!!」
甜歌は四つん這いになり、飼い主に駆け寄るミニチュア・ダックスフンドのようにちひろの元へ走る。
「ど、どうした!?有沙!!何故、撃った!?」
「敵だ!」
有沙は銃を構え、玄関のドアを見据えながら言い切った。
「な、何故わかる!?」
「ノックの音の位置から察すると、叩いた者の身長は、推定135〜140センチ。いくら卓也でも低すぎる!」
玄関のドアには、四つの穴が空いていて、外の光が線となって差し込んでいた。
753投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月27日(日)22時24分05秒
シーンと静まり返る室内。このマンションは完全防音で、他の部屋には銃声が聞こえていないと思うが…。
ちひろは、有沙に小声で話しかける。
「ど、どうして、敵が合図を知っている…?」
「卓也か杏奈から、聞きだしたのではないか?」
「な、何…?そ、それはまずい…二人が殺されていたら…」
「ああ…。まずいな…。漫画の続きが読めなくなる…」
「………」
玄関の外は、コトリとも音がしない。
「も、もう、死んじゃったんじゃない…?」
甜歌が有沙に語りかける。有沙がそれに答える。
「甜歌、確かめてこい」
「え…?ヤ、ヤダよ…!も、もし生きてたら、殺されちゃうじゃん!」
「だから、おまえに命令した」
その直後、玄関のドアから、轟くような怒声が聞こえてきた。
「こ・の・ク・ソ・ア・マ・が〜〜〜!!」
ドバン!!と、ドアが勢いよく開いた。その瞬間、何か白いモノが部屋の中に飛び込んで来た。
「…え…?」
その白いモノは、木刀を構えるちひろの脇を通り過ぎ、真っ直ぐに有沙の元に向かった。
754投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月27日(日)22時24分33秒
その白いモノは跳び上がり、一瞬、空中で静止する。
ソレは…有沙の着ていたドレスとは色違いの白とピンクのドレスを着て…髪は大きなリボンでツインテールに結びロールさせている…小さな少女だった。
手には…ブルース・リーが映画の中で持っていた…ヌンチャクが握られている…!
「死ぬかと思っただろうが〜〜〜!!」
少女は有沙に向けて、落下するとともにヌンチャクを振り下ろした。
「何だ…羅夢…おまえか…」
ドゴォォォーン!!
凄まじい爆発音が響き、有沙の立っていた所のフローリングの床が、粉々に砕かれた。
破片やささくれが、四方に散らばる。
「きゃああああ!!」
甜歌が叫ぶ。
「あ、有沙ー!!」
ちひろも叫んだ。
しかし、その羅夢と呼ばれた少女の横に、有沙はいた。
「羅夢…。折角の登場で悪いのだが…」
有沙は拳銃を羅夢の頭に突きつけている。
「死ね」
有沙は至近距離から発砲した。
755投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月27日(日)22時25分48秒
「あ、有沙、よせ!」
ちひろの声は遅すぎた。銃声の後だったからだ。
羅夢の身体は大きく後ろに反る。
とうとう…有沙は人を殺してしまった…。こんなにアッサリと…。こんなに簡単に…。
しかし、羅夢の身体は倒れず、後ろに反らしたまま、ピタリと動かない。
「!?」
羅夢は顔の前でヌンチャクを拍子木の様に合わせている。そして、なんと、そのヌンチャクの二つの棍の間に、弾丸が挟まっていた。
有沙は、二発目を撃とうと構えた。
「オラァ!!」
羅夢がヌンチャクを一閃させる。それは有沙の手首にかすり、持っていた拳銃は部屋の隅まで吹っ飛んだ。
「オラ、オラ、オラ、オラァー!!」
羅夢はヌンチャクを振り回す。有沙は後ろに跳び避けた。
「ムム…!仕留め損なったか…。これで、また私の『K』デビューはお預けか…」
有沙は手首を擦りながら、悔しそうに呟いた。
「あったり前だよ!このアタイを殺そうなんざ、10万年早いんだよ!」
「貴様…。私の方が年上だぞ?敬語を使えないのか?」
「うるせえ!おまえだって、使ったことねぇだろうがよぉ!!」
756投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月27日(日)22時26分48秒
「あ、有沙!今行くぞ!!」
ちひろは、有沙が羅夢を殺せなかったことにはホッとした。そして、すぐに有沙の元に駆け寄ろうとした。
しかし、有沙は羅夢を見据えたまま、掌をちひろに向けて制止する。
「来るな!それよりも玄関の方を警戒しろ!」
「何!?」
「もう一人来る!」
「もう一人…?」
「そう、コイツのパートナー…梨生奈だ!!」
ちひろは、玄関の方を見る。
ちひろの斜め上空…黒いドレスを着た…広い額が目立つ…細身の少女がいた。
何と言う名前だったか…丸い棒に取っ手がついた…これも香港映画でよく見る武器を両手に持っている。
梨生奈は、その武器を、ちひろの脳天に向けて振り下ろした。
ちひろは、咄嗟に木刀を真横にかざした。梨生奈の武器は、ガツンと木刀を叩いた。
その衝撃で木刀は下にぶれ、ちひろの頭をしこたま叩く。
「痛!!」
ちひろは、後ろへ下がる。梨生奈は、その武器をクルクルと回しながら、次々と打ち込んでくる。
ちひろは、一つ一つ、その攻撃を木刀でさばいていく。
(思い出した…その武器の名前…『トンファー』だ!!)
ちひろは、木刀を横になぎ払う。梨生奈は後ろに跳び、一旦距離をとる。
757投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月27日(日)22時27分54秒
ちひろは、横目で有沙を見る。
「オラ、オラ、オラ、オラァ〜〜〜!!!」
羅夢はヌンチャクを凄まじい勢いで回転させている。有沙はそれを脅威の動体視力でしのいでいる。
そのヌンチャクは…まるで触れるものを粉々にする結界だ。とてもじゃないが、助けには行けない。
それに…。梨生奈もトンファーで攻撃して来る。こっちの攻撃も早い。木刀で受け止めて防御するだけで精一杯だ。
せめて…有沙に武器を渡さなければ…!
「甜歌!少し、頼まれてくれるか!?」
「な、な、何でしょう!?」
「そこのバッグの中に…例の護身用ロッドが入っている!」
甜歌は、バッグの中をさばくる。中には、今回大活躍の、短く縮められたロッドが入っていた。
「こ、これですか?」
「それを、有沙に渡せ!」
「え…?こ、これを…?」
甜歌は有沙の方を見る。凄まじいヌンチャクの攻撃を繰り出している羅夢…。それを必死で避けている有沙…。
どうやって渡すというのだ…。
758投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月27日(日)22時35分54秒
ちなみに、これが「トンファー」です
見たことある人、いるかもしれませんね
ttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%B3%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%BC
それでは、今日はこれでおちます
759投稿者:
?ファーはアメリカの警棒ですね
投稿日:2007年05月27日(日)22時40分29秒
何かのゲームで知りました
760投稿者:
TTKのメンバー表みたい
投稿日:2007年05月27日(日)22時44分26秒
誰か貼ってください
761投稿者:
■GoogleRanking■
投稿日:2007年05月27日(日)22時47分36秒
■Google Ranking■
http://01.rknt.jp/gooogle/
遂に登場!
『Google Ranking』
!Google検索有
!画像検索有
!電車乗換検索有
http://01.rknt.jp/gooogle/
(秘)今なら上位確定
http://01.rknt.jp/gooogle/
⇒Google Ranking
762投稿者:
>8と>9で載ってるよ
投稿日:2007年05月27日(日)23時06分10秒
763投稿者:
やっと
投稿日:2007年05月27日(日)23時07分50秒
現役戦士が登場!
ていうかスゲェカッコいい
764投稿者:
>62
投稿日:2007年05月27日(日)23時08分48秒
携帯だからみれないんです
765投稿者:
>8
投稿日:2007年05月27日(日)23時12分35秒
【TTK】
〔チームK〕
加藤夏希
加藤ジーナ
〔チームJ〕
ジャスミン・アレン
ジョアン・ヤマザキ
〔チームA〕
ダーブロウ・有紗
中村有沙
〔チームT〕
俵有希子
俵小百合
766投稿者:
>9
投稿日:2007年05月27日(日)23時13分30秒
〔チームR〕
木内梨生奈
細田羅夢
〔チームE〕
近藤エマ
渡邊エリー
〔チーム7〕
岩井七世
藤本七海
767投稿者:
ありがとうございます
投稿日:2007年05月27日(日)23時14分33秒
チームRってエイベコンビ
768投稿者:
ていうか
投稿日:2007年05月27日(日)23時20分38秒
イニシャルが同じ者同士なんだね
769投稿者:
>>750
投稿日:2007年05月27日(日)23時24分51秒
ノックの音の位置で身長を割り出して誰なのか判断してたんだな。
ここの描写がかっこよすぎる。
770投稿者:
3回2回1回って
投稿日:2007年05月27日(日)23時51分09秒
レオンのオマージュで嘘の合図かと思ってた
771投稿者:
甜歌も
投稿日:2007年05月28日(月)00時19分59秒
3回2回1回ってノックしてたから
772投稿者:
卓也が
投稿日:2007年05月28日(月)00時29分00秒
チンポを糸で縛られて射精を我慢させられて吐いた情報だから
773投稿者:
あげ
投稿日:2007年05月28日(月)11時34分25秒
774投稿者:
>「甜歌、確かめてこい」
投稿日:2007年05月28日(月)12時06分36秒
>「え…?ヤ、ヤダよ…!も、もし生きてたら、殺されちゃうじゃん!」
>「だから、おまえに命令した」
ほんとに有沙と甜歌の仲が悪いなw
775投稿者:
age
投稿日:2007年05月28日(月)18時17分06秒
776投稿者:
>>774
投稿日:2007年05月28日(月)19時01分52秒
そういえば04年ではほとんどからみがなかったような気がする
ほんとのところどうなんだろうね
777投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月28日(月)21時56分04秒
>770
ノックで合図をするって、どこかで印象に残ってたら…レオンだったんですね
やっと思い出しました
それでは更新します
778投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月28日(月)21時57分07秒
「無、無、無理ですよ〜!!」
「無理でもやれ!」
「だから、無理ですって!」
「やってみてから、言え!」
「やってみた後じゃ、何も言えなくなるような気が…」
「投げろ!」
「え?」
「それを投げるだけでいい!有沙なら、たぶん受け止める!」
「そ、それくらいなら…」
甜歌は、ロッドを有沙に向けて投げた。
「…あ!」
しかし、極度の緊張からか、生来のノーコンからか、ロッドは有沙ではなく、羅夢に向けて飛んで行った。
779投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月28日(月)21時57分36秒
「邪魔すんじゃないよぉ!!」
羅夢は、飛んで来たロッドを、ヌンチャクで弾き飛ばした。
ロッドはちひろの方へ飛んで行く。
「うわ!」
ちひろは咄嗟に木刀でそれを弾いた。ロッドは梨生奈の所へ…。
「!?」
梨生奈もトンファーでちひろの方へ弾き返す。
「有沙、受け取れ!」
今度は冷静に、木刀でロッドを有沙の方へ打った。
ロッドは、ようやく有沙の右手で受け止められた。が、長く伸ばしている暇がない。
羅夢は短いままのロッドを、振り回しているヌンチャクの棍の部分に当てた。
棍は跳ね返り、羅夢の顔面を直撃した。
「ぐわ!」
羅夢は鼻を抑えて後退りする。
有沙は、その隙にロッドを振って長く伸ばした。そして、追撃しようとしたその時…羅夢の殺気に満ちた眼光が、有沙を射抜いた。
有沙は追撃せず、後ろに跳んで、ちひろと背中合わせになった。
780投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月28日(月)21時58分35秒
梨生奈は、ちひろへの攻撃を一旦中止する。
二対一の戦いは避けたかったからだ。
フローリングの床に、羅夢の鼻血が、一滴二敵落ちた。
「よ、よ、よくもアタイに、鼻血なんて流させてくれたな〜!!」
羅夢は怒りに震えている。
「もう、許さないよ!両手、両足、粉々の粉砕骨折にしてやる!」
羅夢は鼻血を袖口で拭いた。羅夢の白いドレスの袖に、赤い一本の筋が走る。
「羅夢!クールダウン!!」
梨生奈が初めて声を出した。美しく透き通った声だった。
「すぐに頭に血が昇るのが、あなたの欠点よ。そんなんじゃ、任務を遂行することはできないわ!」
「うるせえ!梨生奈!私より一つくらい年上だからって、お姉さんぶってんじゃねえ!!」
「あなたが妹…?ゾッとするわね…」
「ちっ…!お互い様だってぇの!」
羅夢は何だかんだ言っても、梨生奈の言うことに従った。結構、息の合ったコンビなのかも知れない。
781投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月28日(月)21時59分21秒
梨生奈と羅夢は二人揃って並んだ。
黒と白の、ロリータファッションのドレス…。
改めて見ると、黒いドレスの方は、額が広く、眉毛が薄く、目も細く、冷たい印象を与えるが、しかし、どこか理知的な冷静さと日本的な美を持ち合わせている。
白いドレスの方は、ポッチャリしていて、セルロイドの人形のような愛らしい顔立ちをしているが、折角のその顔を、終始不機嫌そうに歪ませている。
黒いドレスの方が、口を開いた。
「初めまして…。あなたが噂の『サムライガール』ね?私達の間では話題騒然よ。あの『ブラック・パイソン』のジョアン相手に圧勝したって…」
ちひろは頭を掻いた。噂が一人歩きしている…。
「へん!あの『毒蛇』も、焼きが回ったね!こんな素人にやられるなんてよ!もう、あいつにはデカイ顔をさせねえよ!」
羅夢は首にヌンチャクを掛けて、鼻で笑った。
「自己紹介させてもらうわ。私は木内梨生奈。『チームR』所属。ゴスロリ…ゴシックロリータ担当よ。そしてこっちの気性の荒い子が細田羅夢。私と同じ『チームR』。アマロリ…スィートロリータ担当。よろしくね」
「アマロリって言ってもな、アタイは甘くねえからな!」
783投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月28日(月)22時01分49秒
「…羅夢、黙ってなさい。そして、お久しぶりです。『アンダー・クィーン』の中村有沙さん…」
「ああ…久しぶりだ。晴れておまえ達も『戦士』に昇格か。コードネームは貰ったのか?『ブルース・リー』に『ジャッキー・チェン』か?」
「私は『ムーン・ライト(月光)』、羅夢は『ライトニング・ボルト(雷電)』。なんでも、大日本帝国軍の戦闘機の名前を英語読みしたものらしいわ…。夏希さんがつけてくれたんです」
「おそらく…その『ムーン・ライト』とは、おまえのオデコを見てつけたのだろうな…」
梨生奈は、その広い額をピシャリと叩いて苦笑した。
「そして…羅夢の『ライトニング・ボルト』…。夏希も上手いことつけたな…」
「ああ?」
「確かに、カミナリみたいにやかましい…」
「ぶっ殺すぞ!?オラァ!!」
「ほら、カミナリが落ちた」
784投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月28日(月)22時02分29秒
今日はこれでおちます
785投稿者:
梨羅
投稿日:2007年05月28日(月)22時07分04秒
のゴスロリアマロリはウリハッドの衣装を思い出す
786投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月28日(月)22時10分03秒
そうです
そのシーンで『TTK』のユニフォーム(?)はゴスロリ、アマロリにしようと思ったんです
787投稿者:
リリーさんのユゲ物
投稿日:2007年05月28日(月)22時11分16秒
お気に入り話はウリハッド?
788投稿者:
リリーさんのネーミングセンスは神
投稿日:2007年05月28日(月)22時21分12秒
789投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月28日(月)22時40分11秒
>>787
あの話しは好きでしたね
エリーも愛実も裕太も拓巳も可愛かったです
洸太や千秋も似合ってたでしょうね
>>788
ネーミングというのは、コードネームのことですか?
この二人のコードネームが一番上手くいったと思ってます
790投稿者:
月光と雷電
投稿日:2007年05月28日(月)22時53分28秒
戦闘機の名前だったんだ
「男塾」のキャラクターだと思った
791投稿者:
羅夢の鬼神降臨キャラ
投稿日:2007年05月28日(月)22時58分23秒
リリーさんが書くと一味違う鬼神降臨になるね
792投稿者:
ツグラムの羅夢はブリッコ
投稿日:2007年05月28日(月)23時52分53秒
サムドラの羅夢はスケバンキャラ
793投稿者:
>>790
投稿日:2007年05月28日(月)23時57分23秒
飛燕も戦闘機の名前です
794投稿者:
あげ
投稿日:2007年05月29日(火)19時36分20秒
795投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月29日(火)21時05分40秒
梨生奈の『ムーン・ライト(月光)』は輝くオデコから、羅夢の『ライトニング・ボルト(雷電)』は「うる星やつら」のラムちゃんのカミナリとかけてます
それでは更新します
796投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月29日(火)21時06分45秒
「質問…いいか?」
ちひろは、羅夢ではなく、梨生奈に聞いた。
「何でしょう?サムライガール?」
「あのノックの合図…。どうやって知った?」
「ああ…。私達も知らないのよ。ただ、携帯で教えてもらっただけだから」
「あれで合ってたのかよ?いきなり撃たれたから、デタラメ教えられたのかと思って、ムカついたけどよ!」
羅夢が有沙を睨みつけながら言う。
「その、教えてくれた者とは、誰だ?」
今度は有沙が聞いた。
「俵姉妹よ」
「く…!俵姉妹か…」
「な、何だ?その、俵姉妹って…」
「捕縛専門の『チームT』…俵姉妹…。卓也か杏奈…もしくは二人とも捕まって吐かせられたのだろう…」
「ふ、二人の命は…!?」
「知るワケねえだろ!そんなもん!それより、早くおっ始めようぜ!」
そう言って、羅夢がヌンチャクを構えた。
「く…!二人の安否が気に掛かるが…仕方ない!有沙!あのヌンチャクの方、任せていいか?」
「その前に…作戦タイムだ」
797投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月29日(火)21時07分42秒
羅夢は軽くズッコケタ。
「んだよぉ!チンタラチンタラしやがって!」
「いいじゃない、羅夢。作戦くらい。気の済むまで立てさせてあげれば…」
「すまんな、梨生奈。ちひろ、ちょっと…」
有沙は、ちひろの袖を引っ張って隣の部屋に行く。
甜歌も、慌てて二人に着いて行く。
「何だ?有沙…。作戦とは?」
「うむ…。ちひろ、悪いのだが、今回もおまえに任せてもいいか?」
「はぁ…?ま、またか?私一人で、あの二人と戦えというのか?」
「そ、そうよ!そうよ!2対2なんだから、あんたも戦いなさいよ!何でもちひろさんに押し付けて…!」
甜歌が口を挟んだ。
「だったら、おまえが一緒に戦え。それで2対2ではないか」
「む、無理無理無理無理無理…!!」
甜歌は、両手をブンブン振った。
798投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月29日(火)21時08分55秒
「ならば、黙ってろ!ちひろ…正直に言うが、私はあいつ等に勝てないと思う」
「え…?おい…もっと自信を持て…」
「いや、我々『TTK』の『戦士』は、それぞれの専門武器というものがある。ジョアンは鞭、梨生奈はトンファー、羅夢はヌンチャク…」
「『マッド・エッジ』はナイフ…か?」
「ああ…。そして、私はその専門武器を持っていない…」
「そのロッドを貸してやる!それで戦え!」
「いや、それでは到底、専門武器を持っているやつ等には勝てない。さっき、羅夢に追い討ちをかけなかったのはその為だ」
「この際、贅沢は言うな!丸腰で戦うよりはマシだろう!」
「ちひろ…。もし、おまえが弓矢を渡されたら…それを使いこなすことができるか?」
「…自信ないな…」
「だろう?だが、おまえには、その木刀があるではないか!これこそ、おまえの専門武器だ」
「そ、それはそうだが…」
「木刀を持てば、おまえは無敵だ!鬼に金棒、ちひろに木刀だ!」
「私は鬼か?」
「自信を持て!ちひろ!」
さっき、有沙に言った言葉を、そのまま返されている…。
799投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月29日(火)21時09分49秒
「し、しかし…。さっき梨生奈というやつと少し手合わせしたが…相当強かったぞ?それにあの凶暴な娘も一緒に相手をするとなると…」
「大丈夫だ。やつ等は『戦士』に昇格したばかりの新人。おそらく、この戦いが初陣だ。攻撃的な羅夢に冷静な梨生奈という、結構いいコンビだがな…」
「そ、それでもプロの殺し屋なのだろう?」
「『マッド・エッジ』と比べたらどうだ?そこまでは強くあるまい?」
「確かに…そうだが…。『マッド・エッジ』に比べれば、誰でも色褪せる。あの、ジョアンまでもな」
「そう、おまえは二戦目でいきなりレベル50くらいの敵と遭遇し、戦いを経験しておきながらも逃げ出せた…という強運があった。その経験が活きてくる!」
「私は…『マッド・エッジ』には、何もできなかった。ただ、持ってた割り箸を折っただけで…」
「割り箸?なんだ?それは…。ナイフで戦ったんじゃないのか?」
「最初、私は舐められたらしく、割り箸で戦っていた。で、ナイフを出してきた時は警察が来て…それで逃げ出せたんだが…」
「………」
「お、おい!黙るな!不安になるだろう!!」
「大丈夫!それでも、その経験は貴重だ!」
「うう…。なんか…自信がなくなってきた…。お腹が痛い…」
ちひろは、青い顔でしゃがみ込んだ。
「ち、ちひろさん…」
甜歌が、心配そうに肩を抱いた。
有沙は、甜歌に先を越され、チッと軽く舌打ちをする。
800投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月29日(火)21時13分44秒
今日は、これでおちます
801投稿者:
ちひろに木刀
投稿日:2007年05月29日(火)21時30分21秒
802投稿者:
>>795
投稿日:2007年05月29日(火)22時56分55秒
なるほどねw
ラムちゃんか
803投稿者:
お仕置き
投稿日:2007年05月29日(火)23時09分19秒
だっちゃー!
804投稿者:
age
投稿日:2007年05月30日(水)18時27分47秒
805投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月30日(水)21時12分29秒
更新します
806投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月30日(水)21時13分28秒
「安心しろ!ちひろ!立て!まだ、作戦を授けていない」
「え?」
ちひろは、思わず有沙を見上げる。
「誰も、おまえ一人に戦わせて私は高見の見物、などと言っていない。私には私の役目がある」
「や、役目?」
「おまえの役目は、あの二人と戦って、私を自由に動ける身にすることだ」
「おまえを自由に?」
「そう…。『マッド・エッジ』と違い、あの二人の武器は刃物ではない。少しくらい喰らっても、骨折程度で済む」
「骨折程度って…」
「その隙に、私は部屋の隅に弾き飛ばされた拳銃を拾う」
「け、拳銃?あ、あの?」
「それで私があの二人を撃ち殺して終わりだ。銃の扱いには自信がある」
「お、おまえが…殺すのか…?」
「どうせ、おまえは殺せまい」
807投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月30日(水)21時14分16秒
「ふ、ふざけるな!」
ちひろは、立ち上がって怒鳴った。
「な、なんだ?この作戦のどこが気に入らない?」
「ちひろさんが、骨折するかも知れないってところよ!」
「違うぞ、甜歌!有沙、私の前で人殺しは許さない!」
有沙は、少し目眩がしたらしく、壁に肩を着けた。
「おまえ…この期に及んで、まだそんなことを…。やつ等はおまえを殺す気満々だぞ…?」
「それでもだ!人殺しは認めない!」
「いいか?私は生きて『ラビ』達の所に連れて行かれるため、殺されはしない。だから、本来なら私がやつ等を一人で相手をし、おまえがやつ等を撃ち殺すのがベストな作戦なのだぞ?」
「私は、人殺しなどしない!」
「だろう?だから私が…」
「おまえにも、人殺しなどさせない!」
「ちひろ!おまえ、いい加減にしないと…」
「それは、私のセリフだ!!」
ちひろは、有沙の肩を掴み、目の前で再び怒鳴った。
808投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月30日(水)21時15分39秒
有沙は、そんなちひろに、ドキっとした。
「おまえ…何で『TTK』から逃げた?こんな組織…人殺しの集団から逃げたかったからだろう…?」
「た、たしかにそうだ…。しかし、仕方ないだろう…?やつ等は次から次へと襲ってくるのだ…!」
「いいか?私はおまえを守ると言った。それは、主従関係ではない、友達としてだ…」
「と、友達…?」
「そう…。おまえは、私の友達だ…。かけがえのない…大切な親友だ…。そんな親友が人殺しをするなんて…こんな悲しいことがあるか…?」
「ち、ちひろ…。私のことを…友達と…?」
「ああ…」
「恋人と、言ってくれないのか?」
ちひろは、頭をガクっと垂れた。
「厚かましいこと言わないで!ちひろさんの恋人は、私一人よ!」
「なんだと…!貴様…!」
「甜歌!おまえは引っ込んでろ!」
ちひろは、甜歌を突き飛ばした。
「そ…そんな…ちひろさん…酷い…」
甜歌は、その場に崩れ落ちた。
809投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月30日(水)21時16分29秒
「ちひろよ…。おまえの気持ちは嬉しいが…それでは、これ以上にいい代案があるのか?」
「ある…!私が一人でやつ等の相手をする」
「それは、私の作戦と一緒だ」
「そして、その隙におまえは甜歌とこの場から逃げるんだ」
「な、何だと?」
「え…?」
二人は、ちひろの提案に驚いた。
「お、おまえ…それ…本気で言っているのか?」
「ああ…。甜歌、さっき言っていたアパートに有沙を連れて行け。それがおまえの役目だ。おまえだからこそ、託すんだぞ?」
「ち、ちひろさん…。そ、それじゃあ、ちひろさんはどうするの?」
「私は大丈夫…と、有沙も言ってくれた…。そうだろ?」
「ち、ちひろ…」
「いいか?私は、有沙、おまえを守る。有沙、おまえは甜歌を守る。そして、甜歌、おまえは有沙をアパートに連れて行く…。みんなで守り合って、この危機を乗り越えるんだ」
「そ、それじゃあ…ちひろさんを守ってくれる人が、いないじゃないですか〜…」
甜歌は、泣き出しそうな声で言った。
「私には…父さんがいる…」
そう言って、ちひろは木刀を握り締めた。
810投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月30日(水)21時18分06秒
「おい!いつまで無駄な作戦練ってるんだよ!早く、来いよ!ぶっ殺されによぉ!!」
隣の部屋から羅夢の声がした。
「ちっ…!うるさいやつめ…。有沙、甜歌、行くか…」
「ちひろ…私も最初のうちは戦おう。少しでもやつ等に手傷を負わせ、おまえの戦いを有利にしたい」
「ああ…。助かる」
「いいか、絶対に『チームR』を撃破して、私のもとに戻って来い!これは…」
「命令か?」
「ああ…命令だ…」
3人はリビングに戻った。『チームR』の二人は、待ちくたびれていた様子だ。
「ちっ…!やっと覚悟を決めたのかよ…!おせえっての!」
「大丈夫?なんか、怒鳴り声がしてたけど…」
「大丈夫だ。あれが普段の私達だ。な、有沙」
「ああ…」
ちひろは木刀を構え、梨生奈と対峙する。
有沙はロッドを構え、羅夢と対峙する。
甜歌は密かにバッグを抱えた。この中に、必要最低限の荷物が入っている。
811投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月30日(水)21時19分39秒
今日はこれでおちます
812投稿者:
ちひろ
投稿日:2007年05月30日(水)23時25分40秒
男前
813投稿者:
age
投稿日:2007年05月31日(木)03時15分44秒
とっても面白いです
814投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月31日(木)20時48分27秒
ありがとうございます
それでは更新します
815投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月31日(木)20時51分07秒
「うりゃあああ〜〜〜!!」
沈黙を破ったのは、ちひろの気合いだった。
ちひろは、全身の力を込め、梨生奈に『突き』を放った。
梨生奈は、左右のトンファーで木刀の切っ先を挟んで、『突き』を止めた。
「!?」
梨生奈はそのまま、ちひろに蹴りを放つ。
厚底ブーツが、ちひろの腹に食い込んだ。
「ぐ…!!」
ちひろは、壁際まで吹っ飛んだ。
「だ、大丈夫…!?ちひろさん!」
「大丈夫だ!それよりも、甜歌は有沙の側にいろ!」
「は…はい…」
ちひろは再び、梨生奈に立ち向かって行く。
816投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月31日(木)20時51分58秒
有沙は、羅夢の攻撃を一つ一つ弾き返している。
羅夢の台風のような攻撃を、ロッド一本で防ぐ。
しかし、攻撃に転じることができない。不慣れな武器では、防御が精一杯だった。
「ちぃ…!アタイの攻撃をことごとくかわすなんて…やるね!!」
「ふん!『アレ』さえあれば、貴様ごときは一瞬で倒せるものを!!」
「へへ!!『if』の話しをしたって、虚しいだけだよ!どうやら、防御だけしかできないみたいだね!」
防御しかできない有沙。攻撃しか考えていない羅夢。必ず隙ができる。必ず…。
ちひろの方はどうだ?
ちひろも、防戦一方だ。しかし、ちひろの顔には余裕が感じられる。一撃、一撃を丁寧にさばいている。
これならその内、攻撃に転じることは可能だろう。やはり、ちひろは大丈夫だ。
それよりも、自分のこと…。
有沙はフローリングの床にロッドを押し付けて短くした。
羅夢は、ヌンチャクを叩き込む。それを寸でのところでかわす。
そして、羅夢の顔目がけて、ロッドを振った。
ロッドが長く伸びる。羅夢の鼻先まで…。
「うおっと…」
羅夢が思わず後退りする。先ほど羅夢が空けた床の穴に、自らの足を落としてしまった。
817投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月31日(木)20時53分28秒
「!?」
一瞬、羅夢の動きが止まった。
「よし!」
このタイミングなら、手傷どころか、殺せ…いや、戦闘不能にできる…!
有沙が羅夢に一撃を浴びせようとした時、羅夢の身体に梨生奈の身体が重なってぶつかった。
「何!?」
「有沙!今だ!!」
ちひろが梨生奈を突き飛ばしたのか?何て、タイミングの悪い…!
「ええい!仕方がない!」
有沙は甜歌の手を引っ張って走った。
「ふぇ…!?」
完全に気を抜いていた甜歌は、有沙に引き摺られる。
「いいか?ちひろ…!死ぬなよ!?絶対だ!」
「おまえこそ…!甜歌を頼む!!」
「ち、ちひろさん…!」
有沙と甜歌は玄関に向かう。
梨生奈と羅夢は、慌てて起き上がる。
「に、逃がすかよ!」
羅夢が真っ先にヌンチャクを振り回しながら、追い駆ける。
818投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月31日(木)20時54分03秒
そこに、ちひろが立ちふさがった。
「ど、どけぇぇぇー!!」
ヌンチャクが、ちひろの顔面に飛ぶ。
「はぁ!!」
ちひろは、落ち着いてヌンチャクを木刀で打ち返す。
「うお!」
羅夢はバランスを崩した。
ちひろが木刀を振り上げた時、梨生奈が二人の上を飛び越えた。
「梨生奈!有沙を追え!!」
「言われなくとも…!」
(しまった…!)
ちひろは、身体を反転させると、木刀を水平に払った。
木刀の先が、梨生奈の厚底ブーツにかすった。
「う…!」
梨生奈の着地が崩れた。その隙に有沙は甜歌とともに、ドアの外へ脱出した。
819投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月31日(木)20時56分17秒
ちひろは、転がりながら梨生奈を追い越すと、ドアを背にして木刀を構えた。
「逃がした…!あなた達の作戦って…これだったの?」
梨生奈は悔しそうに唇を噛んだ。
「さあ、二人を追うのだったら、この私を倒してから行け!」
二人の嵐のような攻撃に、ちひろは備える。
「ま、いいか…」
梨生奈はクルリと振り返り、リビングに戻る。
「え…?お、おい…」
ちひろは、拍子抜けした。
「おい、そんな所にいないで、こっちに来い!ぶっ殺してやるからよ!」
羅夢も有沙を追う気配がない。
「ど、どういうことだ?」
困惑するちひろを見て、梨生奈はニヤリと笑った。
「さて…どういうことでしょう…?」
820投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月31日(木)20時57分19秒
有沙と甜歌は、外の通路を全速力で走って行く。
しかし、甜歌の全速力は、有沙の全速力にまったく着いていけない。
「ま、ま、ま、待って…有沙!私、靴、履いてない…!」
「遅い!置いていくぞ!」
「ま、ま、ま、待ってよぉ!私を守るって約束じゃん!それに私がいなかったら、アパートには…」
「ム?」
有沙は、急に立ち止まった。
「どうしたの?有沙!置いていくよ!」
甜歌が有沙を追い抜いた。
「待て!甜歌!」
有沙は、甜歌のセーラー服の大きな襟を掴んで引っ張った。
「ぐえ…!」
甜歌はひっくり返って尻餅をついた。
821投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月31日(木)20時58分17秒
ドゴォォォン!!!
凄まじい衝撃音…。
「ギャ!!」
コンクリートの破片が、甜歌の顔を叩く。
そして、一秒前まで甜歌の頭があった場所の壁に、直径10センチ程の、ピンク色の砲丸がめり込んでいた。
ヒュン、ヒュン、ヒュン…。何かが飛んできた。
有沙は、甜歌の頭の周りでロッドを振り回すと、黒く短い棒…矢…が3本、バラバラと床に散らばった。
「ギ、ギェェェェ!!」
甜歌は悲鳴を上げる。
「ヤッホー!!チビアリちゃ〜ん…!!」
向かいのマンションから声がする。
そのマンションの屋上に、黒と白のドレスを着た、二人組の少女が手を振っていた。
「く…!やつ等まで来ていたとは…!」
有沙は、目を細めて忌々しそうに二人を見て言う。
「近藤エマと渡邊エリー…。遠距離攻撃専門の『チームE』!!」
822投稿者:
エマとエリーきた
投稿日:2007年05月31日(木)21時00分20秒
823投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月31日(木)21時00分51秒
これから、ちひろvs『チームR』、有沙&甜歌vs『チームE』の二元中継のように場面が切り替わります
ややこしくなると思いますが、なるべくわかりやすく書いていきたいと思いますので、よろしくお願いします
今日はこれでおちます
824投稿者:
あ
投稿日:2007年05月31日(木)21時08分55秒
http://pr2.cgiboy.com/S/2290169
825投稿者:
頑張れ
投稿日:2007年05月31日(木)21時53分05秒
826投稿者:
わくわくするね
投稿日:2007年05月31日(木)22時04分40秒
827投稿者:
面白いです
投稿日:2007年05月31日(木)23時08分47秒
頑張って下さい!
828投稿者:
本当に
投稿日:2007年06月01日(金)00時25分46秒
おもしろすぎます!
829投稿者:
面白い
投稿日:2007年06月01日(金)00時29分57秒
でもあのガリガリ有沙が強いって設定がなんともw
830投稿者:
その
投稿日:2007年06月01日(金)18時13分02秒
ギャップが萌える…
831投稿者:
リリー
投稿日:2007年06月01日(金)22時30分22秒
激励のお言葉、励みになります
ありがとうございます
では、更新します
832投稿者:
リリー
投稿日:2007年06月01日(金)22時30分43秒
14『飴玉と蜂の一刺し』
ちひろは、恐い顔で二人を睨む。
「追っ手は…貴様等だけでは、ないな?」
梨生奈はニッコリと微笑む。
「その通り…。本当は中村有沙をこの場に留めておいて、あなた達を外へ逃がす算段だったのよ」
「私達を?」
「外で待機しているのは『チームE』。彼女達があなた達を狙撃するはずだった」
「狙撃…?」
「飛び道具を使う、遠距離攻撃の専門チームよ」
「そうか…。やはり、私達は殺すつもりだったのだな?」
「ええ。だって、もう表向きにはあなたは死んでることになってるんだもの…。その死体は、既に警察に届いてるわ」
「その、私の身代わり…。貴様等の仲間だったのだろう?」
ちひろの言葉に、羅夢は馬鹿にしたように笑う。
「仲間なもんかよ!『戦士』に成り損なった、落ちこぼれがよ!」
「その落ちこぼれさんとあなたの死体を取り換えて、私達の任務は完了よ」
833投稿者:
リリー
投稿日:2007年06月01日(金)22時31分59秒
ちひろは、怒りに震えた。
「どいつもこいつも、貴様等は…!人の命を道具に使うのか…!」
「うるせえ!おまえのような、表の世界でのほほんとしてたヤツに、アタイ等の何がわかる!」
羅夢が怒鳴り返した。
「私達の命も道具なのよ…。悲しいけど、これが現実。ただ、私達は死なないように、殺されないように、戦うだけ!」
梨生奈の口調は穏やかだが、強い意志の感じられる言葉だった。
ちひろは、複雑な心境になった。たしかに彼女達は敵だ。しかし、もっと倒さなければならない相手はいるだろう…!
「きさまらのボス…たしか、『ラビ』といったな…?」
「何ですって?」
「そいつらが…悪の根源なのだろう?おまえ等『戦士』が力を合わせれば、そんなやつ等、倒せるはずだ!」
「う…く、く、く…」
梨生奈と羅夢が頭を抱えた。苦しそうだ。
「ど、どうした…?おい…」
「オラァァァ〜〜〜!!」
羅夢はいきなり、ちひろに襲い掛かった。
「う、うわ!な、何だ!?」
ちひろは、羅夢のヌンチャクを何とか木刀で受け流した。
834投稿者:
リリー
投稿日:2007年06月01日(金)22時33分21秒
「くだらねぇお喋りはよぉぉぉ〜…嫌いなんだよねぇぇぇ〜…アタイは!!」
羅夢はヌンチャクを振り回す。有沙の時よりも速い。
「梨生奈!コイツの相手、アタイに任せてくれよ!」
「な、何ですって?」
「コイツは素人だ!一人を二人で叩きのめすって、カッコ悪いじゃん!」
「ダメよ、羅夢!ここは二人で戦うのよ!サムライガールは、ジョアンを倒す程の実力の持ち主なのよ!」
「それがどうした!アタイがコイツを倒せば、ジョアンなんかより強いって証明になるだろうが!」
「…仕方ないわね…。でもいい?少しでも危ない場面があったら、その時は私も加わるわ…」
「サンキュー!梨生奈!」
しめた…。ちひろは心の中で思った。二人同時に相手をするより、一人ずつ来てくれた方が、こちらにも好都合だ。
そして…早く、有沙と甜歌に追いつかなければ…。有沙が一緒なら、心配はないと思うが…。
そんなことを考えている間に、羅夢はヌンチャクを振り回しながら、ちひろににじり寄る。
「さあ、覚悟しな…。サムライガール…」
羅夢のヌンチャクが、益々高速に回転していく。
835投稿者:
リリー
投稿日:2007年06月01日(金)22時34分22秒
ちひろ達のいる部屋を出て、数メートル先の、外の通路。
有沙と甜歌は、足止めをくらっていた。
有沙が右へ一歩動く。
ドゴォォォン!!…ピンクの砲丸が床にめり込む。
「ひええええ!!」
甜歌が叫ぶ。
有沙が左へ一歩動く。
カツ、カツ、カツ!!…黒い矢が床に刺さる。
「ひゃああああ!!」
甜歌が叫ぶ。
「甜歌、うるさい!」
有沙がうんざりしながら言う。
836投稿者:
リリー
投稿日:2007年06月01日(金)22時35分02秒
「ね〜!!チビアリちゃ〜ん!!もう、観念して帰っておいでよ〜!!」
「今なら『ラビ』達も許してくれるよ〜!!」
向かいのマンションの屋上の『チームE』の二人は、大声で呼びかける。
白いドレスの少女の名前は、近藤エマ。コードネームは『キャンディー・ボール(飴玉)』。
武器はボウガン。それにはピンクに塗られた砲丸が装着されている。
そして…重くはないのだろうか?…ドレスにはそのピンクの砲丸が無数にぶら下がっている。
黒いドレスの少女の名前は、渡邊エリー。コードネームは『ビー・アタック(蜂の一刺し)』。
武器はボウガン。それには黒く塗られた短い矢が両脇に3本ずつ装着されている。
そして、ドレスの上に西部劇のガンマンがよく着けているベルトが巻きつけられている。
そのベルトには無数の矢が差し込まれている。
そんな二人に向かって、有沙も大声を出して応える。
「でまかせを言うな!『ラビ』達がそんな寛容な精神を持ち合わせているわけ、なかろう!」
837投稿者:
リリー
投稿日:2007年06月01日(金)22時36分01秒
「私達だってさ〜、こんなめんどくさい仕事したくないんだよね〜!」
「早く終わらせて、早く帰りた〜い!!」
二人は、また大声で返事を返す。
「だったら、私をさっさと殺せばよかろう〜!?」
有沙も返事を返す。
「そんなこと、できないの、わかってるクセに〜!!」
「チビアリさんの、意地悪〜!!」
有沙は小声で呟く。
「やはりな…。この展開は、やつらにとっては誤算か…」
「ど、どういうこと?」
「本来の作戦は、私を部屋の中にいさせて、ちひろとおまえを外に出す…そういうものだったのだろう」
「と…言うと…?」
「近距離攻撃のエキスパートの『チームR』が私を殺さずに取り押さえ、遠距離攻撃のエキスパートの『チームE』がおまえ達を狙撃する…。それがアベコベになってしまったわけだ」
「な…なるほど…」
「やつ等も今頃イライラしているだろうな…。だって、『チームE』程、生け捕りに適さないチームは無い。本来なら俵姉妹の『チームT』が来るべきなのだろうが…」
「そ、それじゃあ、やつ等は今、殺したくても殺せない…そういうこと?」
「ああ…。しかし、半分正解だ」
838投稿者:
リリー
投稿日:2007年06月01日(金)22時37分07秒
「は、半分?」
「殺せないのは私に対してだけだ。おまえは殺される」
「げ…!ダ、ダメじゃん!それじゃ!!」
「そうなのだ…。それが厄介だ。おまえを守ることは、ちひろとの約束だし…。ああ、非常にめんどくさい」
有沙はそう言いながら、クルリと振り返ると、すぐ後ろの1405号室のドアノブを、ロッドで叩き壊した。
「ぎゃ!な、何するの!?」
「中に入るぞ!」
有沙は、ドアノブを外した穴の中に、ロッドを突っ込むと、そのままドアを引き開けた。
そして甜歌の手を引っ張って中に入る。
向かいマンションの屋上の二人は、それを見て慌てた。
「しまった!」
「後を追うよ!!」
二人は、屋上の端まで走り、充分助走の距離をとる。
そして全速力で走り、飛び降りると、レインボーハイツの13階の外通路へと着地した。
「上だ!」
二人は階段を駆け登り、14階に急ぐ。
839投稿者:
リリー
投稿日:2007年06月01日(金)22時37分53秒
今日はこれでおちます
840投稿者:
おもしろい
投稿日:2007年06月01日(金)23時23分01秒
あげ
841投稿者:
約束さえしてなければ平気で見捨てそうな有沙が
投稿日:2007年06月01日(金)23時37分36秒
とてもいいです
842投稿者:
犬猿の仲の二人が
投稿日:2007年06月02日(土)00時08分19秒
協力しあって(甜歌が一方的に足を引っ張って)逃げるのかな?
843投稿者:
あげ
投稿日:2007年06月02日(土)11時12分37秒
844投稿者:
こういうバディ映画みたいな
投稿日:2007年06月02日(土)18時39分00秒
展開は好き
845投稿者:
リリー
投稿日:2007年06月02日(土)20時59分36秒
敢えて仲が悪い者同士が一緒に行動すれば面白いんじゃないか、と思って、こういう展開にしました
では、更新します
846投稿者:
リリー
投稿日:2007年06月02日(土)21時00分17秒
1405号室は、もちろん無人だった。
甜歌はこの室内の中で、ウロウロと落ち着き無く歩き回る。
「あ、あ、あ、有沙〜!中に入ったはいいけれど…それで、ど、ど、ど、どうするの?」
「どうする?逃げるに決まってるだろう?」
有沙は大きなサッシ窓を開けて、ベランダに出る。
「逃げる?どこから?」
「ベランダからだ」
「ど、どうやって?」
「飛び降りて」
「わ、私には無理だよ!そんなの!」
「そうだろうな…。では、さらばだ!」
有沙はそのままベランダから飛び降りた。
「げ!わ、私を置いて逃げた!?し、信じられない!ちひろさんとの約束は!?ねえ!どうすんのよ〜!!」
847投稿者:
リリー
投稿日:2007年06月02日(土)21時00分56秒
そこに、荒々しくドアが蹴り破られ、『チームE』の二人、エマとエリーが入って来た。
二人とも、人形のように美しい顔を汗で濡らしている。
「ひ、ひえ…!?」
エマは甜歌の胸座を掴んで、ボウガンを突きつける。
「面倒なことしやがって〜!!チビアリはどこ行った!?コラ〜!!」
「こ、こ、こ、殺さないでぇぇぇ〜!!有沙なら、そこのベランダから逃げたよぉぉぉ〜!!私を守るって約束したのにぃぃぃ〜!!私を置いて逃げたんだよぉぉぉ〜!!」
甜歌は、ワンワン泣き叫びながら言った。
「ち!ベランダから!?」
エマとエリーは、甜歌をポイと投げ捨てると、ベランダに出た。そして、下を覗く。
すると…そこには、有沙がぶら下がっていた。
「やあ」
「チ、チビアリ…!?」
有沙は上に飛び上がった。
「く…!」
エマはボウガンを有沙に向ける。有沙はクルリと空中で身体を捻ると、ボウガンに蹴りを放った。
エマのボウガンの先は、エリーに向く。そしてそのまま砲丸が発射された。
848投稿者:
リリー
投稿日:2007年06月02日(土)21時01分35秒
「うわあ!!」
エリーは柔らかく身体を反らし、砲丸の直撃を避けた。
エマとエリーは揃ってベランダに倒れこんだ。
有沙は素早く部屋の中に入ると、窓ガラスを閉めて鍵をかける。
「甜歌!外へ出るぞ!!」
有沙は、甜歌の襟を掴むと、猛スピードで玄関のドアに向かう。
「こ、このぉ!!」
エマは砲丸を設置し、発射する。
窓ガラスが割れ、無数のガラス片と共に砲丸が二人を襲う。
「甜歌、頭を下げろ!」
「むぎゅ!」
有沙が、甜歌の頭を無理矢理押して下げる。
甜歌の頭上スレスレに砲丸は通過し、そのまま閉じていたドアに当たる。
そして砲丸の衝撃で、自動ドアのように開いた。
「有り難い!甜歌、このまま出るぞ!」
「逃がさないよ!」
エリーが矢を発射する。
「バ、バカ!エリー!おまえは撃っちゃダメだって!」
有沙と甜歌は、ドアの外へ飛び出した。
849投稿者:
リリー
投稿日:2007年06月02日(土)21時02分07秒
「甜歌!エレベーターまで走れ!」
「エレベーター!?階段じゃなくて?」
「階段では、おまえが追いつかれる!」
「で、でも、運良くエレベーターが来てくれるかどうか…」
「祈れ!」
有沙は立ち止まると、ロッドを投げつけた。ロッドはエレベーターの下に向かうボタンに当たる。
甜歌は、閉じたままのドアへ直行する。
「あ、有沙〜!!ドアが開かないよ〜!!」
「そのまま走れ!!」
「ド、ドアに頭をぶつけて死んじゃうよ〜!!」
「おまえらしい、死に方ではないか!」
「そ、そんなのヤダ〜!!」
そうこう言っていると、本当に運良く、ドアが開いた。
「あ、有沙!ドアが!」
「そのまま、中に乗り込め!」
甜歌は、つんのめってエレベーターの中に入った。
850投稿者:
リリー
投稿日:2007年06月02日(土)21時03分45秒
「甜歌!『開』のボタンを押していろ!」
有沙は床に転がっているロッドを拾うと、滑り込みながらエレベーターに乗り込んだ。
その瞬間…ガシャン!…砲丸が、エレベーター内に設置されているガラスを粉々に砕いた。
「ひええええ!!」
甜歌は…今日、何度目になるだろう?…悲鳴をあげた。
そのヒビ割れたガラスには、エマとエリーの姿が映っている。
「甜歌!『閉』のボタンを押せ!」
「あわわわわ…」
甜歌は『閉』のボタンを連打する。
エマとエリーが走ってくる。エマが走りながら次の砲丸を設置し、ボウガンを構えた。
扉が閉まる。…ゴン!…鈍い音が響いた。間一髪、間に合った。
「は、はぁぁぁぁ〜〜〜」
甜歌は疲れ果て、ズルズルと腰を落とした。
851投稿者:
リリー
投稿日:2007年06月02日(土)21時04分41秒
「甜歌、地下一階のボタンを押せ」
「地下一階?一階じゃなくて?」
「そうだ、地下一階だ」
「だって、そこ、駐車場だよ?」
「いいから、押せ!」
「わ、わかったよ…!いちいち命令しないで…!」
甜歌は地下一階のボタンを押した。
「どうして、わざわざ、地下一階を…ぎゃ!!あ、有沙!!」
「何だ?うるさいやつだな!」
「か、か、か、肩に…!や、や、や、矢が…!」
「!?」
有沙の左肩に、黒い矢が刺さっていた。
あの1405号室を出る際、エリーの放った矢が当たったのだ。
852投稿者:
リリー
投稿日:2007年06月02日(土)21時05分04秒
今日はこれでおちます
853投稿者:
すげえ
投稿日:2007年06月02日(土)23時28分15秒
スピーディーな展開…
854投稿者:
age
投稿日:2007年06月03日(日)09時50分40秒
855投稿者:
あげる
投稿日:2007年06月03日(日)18時24分09秒
856投稿者:
リリー
投稿日:2007年06月03日(日)20時19分13秒
更新します
857投稿者:
リリー
投稿日:2007年06月03日(日)20時19分59秒
有沙は矢を引き抜くと、その先を舐め、ペッと吐き出した。
「やはりな!毒が塗られている!」
「ど、毒!?」
「あいつ等め…。やはり、おまえ達を殺すつもりで来ていたか…」
有沙は着ていたジージャンを脱ぐと、Tシャツの袖を引き裂いて、傷口を剥き出しにする。
「甜歌、バッグの中に、ミネラルウォーターがあっただろう?寄越せ!」
「あ…は、はい…!」
甜歌は思わず敬語で対応し、ペットボトルを有沙に渡した。
有沙は傷口に水をかける。
858投稿者:
リリー
投稿日:2007年06月03日(日)20時20分40秒
「甜歌、頼みがある。いや、命令だ!」
「な、何?」
「私の肩の傷口から、毒を吸い出せ!」
「ええ!?そ、そんな気持ちの悪いこと、できないよぉ〜!!」」
「気持ち悪いとは何だ!?この位置では、私の口が届かない!おまえがやるしかないんだ!」
「で、でも…」
「即効性の毒だったら、助からなくなる!私が死んだら、おまえ一人だぞ?逃げ切れるのか?」
「そ、そんな自信…ない…」
「だったら、吸い出せ!私の命は、おまえの命だということを忘れるな!」
「うう…。毒を吸い出したら、私まで死んじゃうんじゃ?」
「飲み込まなければ大丈夫だ!さあ、早く!」
「こ、こんな所、人に見られたら、絶対に怪しまれるよぉ〜…」
「ブツブツ言ってないで、早くしろ!」
859投稿者:
リリー
投稿日:2007年06月03日(日)20時21分26秒
甜歌は有沙の肩に、恐る恐る唇をつける。
「吸い込め!」
甜歌は目をつむり、口に力を入れて思いっきり吸った。
甜歌の口の中に、血の味と、ピリピリとした刺激がいっぱいに広がる。
「う…うぇ〜…」
「吐き出せ!」
「ぺッ…ペッ…」
「吸い込め!」
「う…うぇ〜…」
「吐き出せ!」
「ぺッ…ペッ…」
「吸い込め!」
「う…うぇ〜…」
「吐き出せ!」
「ぺッ…ペッ…」
「吸い込め!」
エレベーターは、6階を過ぎた。
860投稿者:
リリー
投稿日:2007年06月03日(日)20時21分54秒
『5階です』
その時、エレベーターのドアが開いた。
そこには、営業中のサラリーマン風の男が、目を丸くして、有沙の肩に唇をつけている甜歌を見ていた。
「ご、誤解です…!」
甜歌が顔の前で手を振った。
有沙がロッドを突きつけて言う。
「このエレベーターは貸し切りだ!他をあたれ!」
サラリーマン風の男は、ス〜っとその場から移動した。
すると、階段を忙しく駆け下りる音が聞こえる。
白いドレスのスカートがチラリと見えた。
「甜歌!『閉』のボタンだ!」
甜歌は素早く押した。
ドアが閉まる。
861投稿者:
リリー
投稿日:2007年06月03日(日)20時22分41秒
「く…!思ったより、あいつ等、早いな…!このままでは待ち伏せされる…!毒が全て吸い出せたか不安だが、仕方がない!」
有沙は甜歌にペットボトルの水を渡す。
「甜歌、ご苦労だった。これで口を濯げ」
「う、うん…」
甜歌は水を口に含み、グジュグジュと音を立てて、含みうがいをする。
有沙はジャンプして、ロッドの先で天井を突く。天板が外れ、天井に隙間ができた。
「それでは甜歌、さらばだ!」
有沙はそのまま天井から外に出てしまった。
甜歌は、口に含んでいた水を、ダァ〜と吐き出した。
「ちょ、ちょ、ちょっと!待ってよぉ〜!!また、置いてけぼり〜!?」
エレベーターは、地下一階へと到着した。
862投稿者:
リリー
投稿日:2007年06月03日(日)20時23分30秒
今日はこれでおちます
863投稿者:
五階です
投稿日:2007年06月03日(日)21時37分35秒
誤解です
たしか、トリビアでやってたね
864投稿者:
志村けんだw
投稿日:2007年06月03日(日)21時50分02秒
865投稿者:
水をダァ〜
投稿日:2007年06月03日(日)22時22分37秒
のところ?
866投稿者:
甜歌のことは好きじゃなかったけど
投稿日:2007年06月03日(日)23時14分21秒
この小説の甜歌は好き
867投稿者:
おもしろいです
投稿日:2007年06月04日(月)00時38分04秒
868投稿者:
あげる
投稿日:2007年06月04日(月)20時06分20秒
869投稿者:
リリー
投稿日:2007年06月04日(月)20時49分42秒
私は甜歌が好きです
この小説で好きになってもらえたら嬉しいです
では、更新します
870投稿者:
リリー
投稿日:2007年06月04日(月)20時50分32秒
扉が開くと、既にエマとエリーが待ち構えていた。
二人とも、髪の毛は乱れ、滝のような汗をかいていて、エレガントな美しさが台無しになっている。
二人はエレベーター内にドカドカと乗り込む。
「チビアリはどこ!?」
エリーは甜歌にボウガンを突きつける。甜歌なら、毒矢で殺してしまっても構わない、という勢いだ。
「ノォー!ノォー!」
甜歌は両腕を上げて、首をブンブン横に振る。
「!?」
エマが天井を見上げる。
有沙が、ロッドを振り上げて飛び降りてきている。
「く!!」
エマが砲丸を発射した。
「ぐ!!」
有沙は、その砲丸をロッドで打ち返す。
砲丸は、スーパーボールのように、エレベーター内を跳ね回った。
「ぎゃああああ〜!!!」
甜歌は頭を抱えて縮こまる。
有沙、エマ、エリーは上半身を揺らしながら、跳ねる砲丸を避けた。
871投稿者:
リリー
投稿日:2007年06月04日(月)20時51分28秒
砲丸を避けながらも、有沙はロッドでエマに殴りかかる。
しかしロッドは、さっき砲丸を打ち返した時、約45度程、折れ曲がってしまっていた。
「…!?チィ…!仕方がない!」
構わず、有沙は折れ曲がったロッドでエマを打ち据える。
エマはボウガンを頭の前にかざし、それを受け止めるのに精一杯だった。
「エマ!」
エリーがボウガンを構えて援護しようとする。
「エリー!撃つな!」
エマが叫んだ。
「く…!や、やめなければ、こいつを撃つぞ!?」
エリーのボウガンは、甜歌の方を向いた。
「ひ!」
甜歌は、青ざめた。
「好きにしろ」
「え?」
その一瞬の隙に、有沙はエリーのボウガンを持つ手を蹴り上げる。
エリーは、ボウガンを落とした。
872投稿者:
リリー
投稿日:2007年06月04日(月)20時52分10秒
エリーは慌ててボウガンを拾う。
その間、有沙はエマを仕留めようとしたが、とうとうロッドは曲がった所からポッキリと折れてしまった。
「まったく…!」
有沙はエマの後ろに回る。
「甜歌、私の側に来い!」
そう言って、折れて尖ったロッドの先を、エマの首に突きつけた。
それは、エリーがボウガンを拾って構え直すのと、ほぼ同時だった。
「動くな!」
「くっ…!」
激しく動き回っていた四人は、ピタリと静止した。
エレベーター内が、熱気で温まり、汗の臭いが充満している。
873投稿者:
リリー
投稿日:2007年06月04日(月)20時52分39秒
「ふふふ…遠距離攻撃を得意とする『チームE』が、こんな密室に誘い込まれてはいけないな…」
「うるさいよ!本当は『サムライガール』を仕留めることになってたのに…!『チームR』は何やってんだ!」
エマは悔しそうに言った。
「まあ、大目に見てやれ。新人戦士は、根気よく育てるものだ」
「ふふ…。あんたのパートナーは…気が短かったもんな?」
「黙れ!」
有沙はエマの首に、尖ったロッドを押し付ける。血が少し垂れた。
「や、やめろ!」
エリーがボウガンの引き金に指をかける。
「お、おまえがやめろ!おまえは撃っちゃダメだ!」
エマが、エリーを制止する。
「汗臭い…。甜歌、扉を開けろ」
「う、うん…」
甜歌は『開』のボタンを押し、扉を開ける。
「甜歌、先に出ろ…」
二人…いや甜歌と有沙とエマの三人は、ジリジリとエレベーターの外…地下駐車場に出る。
エリーもそれに続き、ボウガンを構えながら外に出た。
874投稿者:
リリー
投稿日:2007年06月04日(月)20時54分07秒
「ね、ねぇ…チビアリさん…。その肩の傷…私が撃っちゃった矢でしょ?」
エリーは有沙に、ひきつった笑顔でそう聞いた。
「ああ…。毒が塗ってあったな…?応急処置はしたが…」
「毒を吸い出したの?そんなんじゃダメよ!解毒剤を飲まなきゃ」
「ほう…。今、持っているのか?」
「…持ってないわ…。でも、アジトに行けばあるから…。今から帰ろう?ね?」
「アジトに…?つまり、この毒は即効性のものではないのだな?それを聞いて安心したぞ!」
「エリー、ベラベラと貴重な情報を喋ってんじゃない!」
エマは苦しそうに呻く。
875投稿者:
リリー
投稿日:2007年06月04日(月)20時55分15秒
今日はこれでおちます
876投稿者:
よし
投稿日:2007年06月04日(月)22時42分18秒
今日も良かった
877投稿者:
すごく
投稿日:2007年06月05日(火)00時39分37秒
かっこいいんだけど
878投稿者:
何気に
投稿日:2007年06月05日(火)00時47分04秒
ドジっ子のエリーが良い
879投稿者:
あげ
投稿日:2007年06月05日(火)20時17分37秒
880投稿者:
リリー
投稿日:2007年06月05日(火)20時59分37秒
そういえばエマとエリーは同い年なんですね
更新します
881投稿者:
リリー
投稿日:2007年06月05日(火)21時00分14秒
「チビアリ…。あんた、本当に『TTK』から逃げられると思ってるの?」
「どうだろうな…。ただ、あの組織から逃げ出したかった…。それだけだ」
「『ラビ』達は…絶対にあんたを許さないよ…!どんな目に遭わされるか…わかってるの?」
「ああ…。おまえ達に捕まって、『ラビ』達の前に突き出されるくらいなら…このまま毒で死んでしまった方がマシか?」
「う…お、おい…!」
「ふふ…。それでは、おまえ達が困るだろう?生き延びてやるさ!そして、逃げ延びる…!」
「ふ、不可能だ!」
「もし、私が脱走に成功したなら…おまえ達も脱走する勇気が湧いてくるんじゃないのか?」
「な、何…?」
「私は、おまえ達の希望でもある…。それを忘れるな!」
有沙は、エマの背中を勢いよく蹴った。
「うわ!」
エマは前方に吹っ飛び、エリーにぶつかった。
「甜歌、走れ!」
「う、うん!」
有沙と甜歌は、再び全速力で走った。
882投稿者:
エマエリー
投稿日:2007年06月05日(火)21時01分51秒
一緒だね
883投稿者:
リリー
投稿日:2007年06月05日(火)21時03分06秒
「ど、どこまで走るの!?ま、まさか、アパートまでって言うんじゃないでしょうね?」
「そうだな…。あの、銀色の車まで、走れ!」
約20メートル先に、銀のベンツが止めてある。
二人はその車の側までくる。
「く、車で逃げるの?だから…駐車場のある地下一階に…?」
甜歌は、後ろを振り返る。エマとエリーが走ってくる。
「き、来たよ〜!有沙〜!!」
有沙は、折れてすっかり短くなったロッドの柄で、ウィンドガラスを叩き割った。
ピヨピヨピヨピヨピヨピヨ………。
けたたましい警報が鳴り響く。
「うわ!」
思わず甜歌は、耳を塞ぐ。
有沙は、割ったガラスから車内に滑り込むと、助手席のドアを開けた。
「甜歌、乗れ!」
884投稿者:
リリー
投稿日:2007年06月05日(火)21時04分03秒
甜歌は、車に乗り込む。
「キ、キーは?ど、どうやって動かすの!?」
有沙は、ハンドルカバーに尖ったロッドを突っ込むと、バキバキと引っ剥がした。
そして、配線を数本引き千切り、銅線を寄り合わせる。
警報が止み、代わりにエンジン音が響く。
「うわ!凄い!動いた!」
「さて…。ここで問題なのだが…。私は車の運転をしたことがない」
「え…?で、できないの?こんなことはできるのに?」
「オートマチックのようだから…大体は想像できるのだが…」
すると、いきなり砲丸がリアガラスからフロントガラスまで突き抜けた。
「ぎゃぎゃぎゃ!!」
甜歌は狭い車内で思い切り仰け反り、ウィンドガラスに頭をぶつけた。
「む!?これは、のんびりできないな…」
有沙はギアをガチャガチャ動かし、思いっきりアクセルを踏んだ。
885投稿者:
リリー
投稿日:2007年06月05日(火)21時04分53秒
しかし、エンジン音は大きく唸るものの、車は発進しない。
「ん?どうした?なぜ動かない?」
ルームミラーを見ると、すぐ後ろまでエマとエリーは迫ってきている。
エリーはボウガンの狙いを下に向けている。明らかにタイヤを狙っている。
「は、は、早く〜!!」
甜歌は泣き声で叫んだ。
「む?これか?」
有沙はハンドブレーキを下げた。
すると、車は前進するのではなく、いきなり猛スピードでバックした。
「!?」
「!?」
あまりの突然の出来事だったので、避けるのは不可能だった。
『チームE』の二人は、車に撥ね飛ばされた。
二人は、黒い大きなワゴン車に、車体が凹むくらいの衝撃で叩き付けられ、コンクリートの床に崩れ落ちた。
886投稿者:
リリー
投稿日:2007年06月05日(火)21時05分50秒
「な、な、な、何てこと、すんのさぁ〜〜〜!!!」
甜歌が車内で絶叫した。
「ふむ…。『R』とはRearの『R』だったのか…。Runの『R』だと思ってた」
有沙は人を轢いたにもかかわらず、冷静な口調で言った。
撥ねられた二人は、ヨロヨロと立ち上がろうとする。
「む?まだくたばってなかったか…。とりあえず、2、3回轢いておくか?」
「な、何言ってんの!?逃げるんだよ!早く!」
「そうだな…。殺したら、後でちひろに叱られる…。ええと…『D』?Driveの『D』か?」
有沙はギアを動かすと、今度こそ車は前に発進した。
「ま、待て…」
エマとエリーは、フラフラになりながらも追い駆けるが、追いつけるはずもない。
有沙の運転する車は、そのまま地下駐車場から地上に出た。
遂に、有沙と甜歌は、このマンションから脱出することができたのだ。
887投稿者:
リリー
投稿日:2007年06月05日(火)21時08分46秒
今日はこれでおちます
間違えて他のスレに小説載せてしまいました
888投稿者:
世間でよくある
投稿日:2007年06月05日(火)22時57分22秒
コンビニに車が突っ込むって事件はこういうことかw
889投稿者:
あげる
投稿日:2007年06月06日(水)18時59分21秒
890投稿者:
リリー
投稿日:2007年06月06日(水)20時22分05秒
更新します
891投稿者:
リリー
投稿日:2007年06月06日(水)20時22分38秒
15『暗闇』
一方、レインボーハイツ1401号室では、ちひろと羅夢が睨み合っていた。
羅夢は猛獣のような目で、ちひろを見据え、ヌンチャクの回転を段々速くしていく。
ちひろは対照的に、背筋を伸ばし、木刀の切っ先をピタリと羅夢に向け、静止している。
(ここは、先手必勝!後手に回ると面倒だ…)
羅夢のような血気盛んなタイプに、戦いの主導権を渡してはならない。
ここは、『突き』を放ってみよう…。今まで対峙した『戦士』達にことごとく破られているが…。
今度こそ…全身の神経を木刀の先に集中させ、貫くような力を溜める。
「はあ!!」
ちひろは、全身全霊、木刀に込め、一気に羅夢に向けて闘気を突き放つ。
「オラァ!!」
羅夢はヌンチャクで『突き』を弾いた。
危うく、ちひろは、手から木刀を離してしまうところだった。
「う…く…!!」
ちひろは木刀を握り直す。
これで、はっきりした。『突き』は彼女等『戦士』に全く通用しない。
今までの剣道の試合で禁じ手にしてきた『突き』は、この戦いにおいて、まったく役に立たないでいる。
『試合』と『殺し合い』の違い…?ちひろは、考えを切り替えるしかなかった。
892投稿者:
リリー
投稿日:2007年06月06日(水)20時24分27秒
相手を殺すつもりで、殺すことなく勝つ…。ワケがわからない…。矛盾している…。
相手は戦いのプロであり、自分を殺す気でいる。
自分は戦いに関してはアマチュアで、相手を殺さないように気を使わなければならない…。
自分で勝手に、ハードルを上げている。
こんなことで勝てるのか?
いや…。もし、羅夢と梨生奈を殺して勝ったとしても、もう、有沙や甜歌に会わせる顔がない…。
どうする…?どうしたらいい…?
そんなことを考えていると…目の前にヌンチャクの棍が迫ってきた。
「う…うわ!」
ちひろは、寸での所で前屈みになって避けた。後ろに括った髪の毛が2、3本、鎖に絡まって抜けた。
そして…今度は下から棍が迫ってきた。
「う…!」
ちひろは身体を反らせる。僅かに顎にかすった。
ちひろは、2、3歩後ろへよろめくと、再び木刀を構えなおした。
「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…」
ちひろの息が荒くなる。
893投稿者:
リリー
投稿日:2007年06月06日(水)20時25分18秒
羅夢はヌンチャクを高速回転させている。
「ふん!よく避けたね!でも、次はそうはいかないよ!」
羅夢は身体を回転させながらヌンチャクを回す。
(う…!ど、どこから…攻撃が来る…?)
右…!?木刀で受ける。
「うぐ…!」
左斜め上…!?右斜め下…!左…!!
ちひろは、何とか全ての攻撃を木刀で受けた。しかし…それが精一杯だった…。
滝の様に汗が流れる。防戦一方…どころか、防戦もままならない…。
「それくらいなら、何でもないってか?じゃあ、次はもっとスピード上げていくよ!」
羅夢は間髪入れずに攻撃に移る。
右、左斜め上、右斜め下、左…!!
受ける木刀がビリビリ痺れる。木刀を握る手がガクガク震え、汗で滑る…。
「もっとだ!もっと速くなるよ!」
(こ、これ以上、速くなるのか…!?も、もう、防ぎきれない!!)
次々と攻撃が繰り広げられる。
ちひろは、呼吸するのも忘れ、必死で攻撃をしのぐ。
894投稿者:
リリー
投稿日:2007年06月06日(水)20時26分12秒
ちひろの背中が、壁にぶつかる。
(し、しまった…!!)
羅夢と一旦距離をとりたかったが、壁際まで追い詰められた。
ここで攻撃を受けたら、避けきれない。
しかし、羅夢は追撃をする気配がない。ヌンチャクを回してはいるが、攻撃をする素振りはない。
(何故だ…?)
しかも、さっきからスピードを上げると言っているが、それ程速く感じない。
(な、なめてるのか!?こうやって、ジワジワと少しずついたぶって、遊んでいるのか…?)
『マッド・エッジ』も割り箸で戦ったが…羅夢も自分をなめている…。
言い知れぬ悔しさが込み上げてきた。…しかし、仕方がない…。
自分はまだ、『TTK』と戦えるレベルではないのだ…。
羅夢が怒鳴る。
「おい!てめぇ!!さっきから、全然攻撃して来ねぇじゃんかよ!なめてんのか!?コラ!!」
(な、何を言っているのだ…?)
さっきからスピードも変らず、単調な攻撃で遊んでいるのは、そっちではないか…!
895投稿者:
リリー
投稿日:2007年06月06日(水)20時27分01秒
「そっちがその気なら…もう、これで終わりにしてやる!覚悟しな…!!」
羅夢はジャンプした。
(く、来る!!)
ちひろは、木刀を上にかざして応戦しようとしたが…。
何故か、羅夢の構えに隙ができた。
(…!?こ、これは…誘っているのか…?)
ちひろは、攻撃に転じようと考えたが…。
(ダ、ダメだ!!)
ちひろは前転しながら、その場から離れた。
爆裂音がちひろの背面から響く。
ちひろは何とか体勢を整え、構えをとった。
「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…」
(落ち着け…落ち着け…落ち着け…落ち着け…)
ちひろは、自分に言い聞かせる。が、益々呼吸は荒くなり、体温は上昇する。頭の中が真っ白になる。
896投稿者:
リリー
投稿日:2007年06月06日(水)20時28分17秒
すると…何と、梨生奈がちひろの前に立ちはだかった。
(な、何…!?ふ、二人…!?)
羅夢と一対一の戦いでは、なかったのか?
いつまで経っても本気を出さずに遊んでいる羅夢に業を煮やし、一気に決着をつけようと言うのか!?
(羅夢一人でもこの有様なのに…もう、終わりだ…!)
ちひろは、愕然となって肩を落とした。
「梨生奈!どけ!!そいつは、アタイの獲物だよ!!」
羅夢が梨生奈を怒鳴りつけた。
しかし、梨生奈は顔をしかめて、首を横に振る。
「ダメよ…。もう、ダメよ…!約束したよね?危なくなったら私も戦いに加わるって…」
ちひろは耳を疑った。
(何…?今、梨生奈は何と言った…?)
危なくなったら…?誰が危ないと言うのだ…?
「まだだ!まだ、アタイは全てを出してないんだよ!!」
「羅夢…。さっきから、あなたの攻撃は全然サムライガールに通用してないじゃない!」
「次は…!次こそは、仕留めてみせる!!」
「無理よ…。今度こそ、反撃を受けるわ。どういうつもりかわからないけど…サムライガールは、全然あなたを攻撃しないでしょ?」
梨生奈は、チラリとちひろを見る。ちひろはギクっとする。梨生奈の目に、怒りの色が見える。
「もしかしたら…なめられてるのかもね…。私達…」
897投稿者:
リリー
投稿日:2007年06月06日(水)20時29分34秒
今日はこれでおちます
898投稿者:
age
投稿日:2007年06月06日(水)22時56分42秒
899投稿者:
あげる
投稿日:2007年06月07日(木)19時12分54秒
900投稿者:
リリー
投稿日:2007年06月07日(木)20時34分09秒
更新します
901投稿者:
リリー
投稿日:2007年06月07日(木)20時34分40秒
(な、なめてる…?私が…?)
ちひろはワケがわからなかった。
「ジョアンを倒した…。なるほどね…」
梨生奈はちひろをじっと睨みつける。
「ジョアンはジャスミンと離れて一人で戦って負けた…。でも、私達は二人…。私も一緒に戦うわ…。二人でなかったら…サムライガールに負ける!」
ちひろは、今の状況が飲み込めなかった。
どういうことだ…?
もしかして…羅夢は自分をなめて遊んでいたのではなく、最初から全力だった?
スピードも攻撃も、あれが最大限だった…?あれが…?
つまり…ちひろは勝手に相手を過大評価し、一人相撲をとっていた…?
二刀流に怯えていたジョアンを思い出す…。
そう…剣道と同じだ…。
自分を見失っては、勝負に勝てない…。
今まで散々自分に言い聞かせてきたことではないか…。
902投稿者:
リリー
投稿日:2007年06月07日(木)20時35分06秒
しかし、羅夢の強さも相当なものだ。決して弱くはない。
『マッド・エッジ』…。名も知らぬ、彼女との戦いを経験したからこそ、羅夢の攻撃を見切ることができたのだ。
ただ、割り箸を持った彼女と戦っただけなのに…。
勝負というものは、出会った者で決定される。ちひろも、幼少の時から剣道の達人の父から鍛えられ、腕を上げたのだ。
しかし、羅夢の方は納得がいかない様子だ。
「いやだ!これじゃ、アタイの気が済まない!」
「羅夢!言う事を聞きなさい!」
「ヤダ!!アタイは一人でも、戦えるんだ!」
「死ぬわよ!?」
「ああ…!それでも構わないよ!!」
「羅夢!!」
梨生奈は、羅夢の柔らかい頬を、右手で掴んだ。
羅夢の顔が、グニュっと歪み、唇がヒョットコのように尖る。
「ひ…ひおな…!へ、へめぇ…!!(梨…梨生奈…!て、てめぇ…!!)」
すると、梨生奈は、羅夢の唇にキスをした。
903投稿者:
リリー
投稿日:2007年06月07日(木)20時35分56秒
「………!?」
「いい?羅夢…。よく聞いて…」
「………」
「これは、私達の初陣…。大切な仕事なの…」
「………」
「私達『チームR』の記念となる仕事なの」
「………」
「私とあなたは、二人で一人…。そうでしょ?」
「………」
「自分、一人でやるなんて、悲しいこと言わないで」
「………」
「私はあなたとやり遂げたい…。あなたは、どう?」
「………」
「いい?離すよ?」
羅夢はコクンと頷いた。
梨生奈は、羅夢の頬から手を離す。
904投稿者:
リリー
投稿日:2007年06月07日(木)20時36分27秒
「ごめんね、羅夢…」
羅夢は、ふて腐れたような、ばつの悪そうな顔で梨生奈を見る。
「ううん…。アタイが悪かったよ…。でも…梨生奈の言うことを聞く前に、条件がある…」
「なあに?」
「もう一度…キスしてよ…」
「…もう…!しょうがない子ね…」
梨生奈は再び羅夢にキスをした。
その二人の様子を、ちひろは唖然として見ていた。
ちひろの視線に羅夢が気付く。
「おい!てめぇ!何、見てんだよ!」
「あ…ああ…。わ、悪い…」
ちひろは、思わず謝った。
905投稿者:
リリー
投稿日:2007年06月07日(木)20時38分09秒
梨生奈も、こちらを向き直る。
「こちらこそ…。でも、あなたが一人で私達と戦うって作戦を決めた理由が…これでわかったわ」
「い、いや…私は…」
「でも、一つだけ忠告するわ。余裕ぶって、私の可愛い羅夢に、なめたマネをしたこと、後悔させてあげる…!」
「べ、別に、なめていたわけでは…」
「殺せる時に殺しておく…。これが殺し屋の鉄則よ!」
「私は誰も殺すつもりはない!例え、おまえ達でも…」
「それが、なめてるっていうのよ…!!」
「アタイ等のコンビネーション、見せてやるよ!そしたら、そんな余裕ブッコいていられねえよ…!」
『チームR』は構えをとる。右に梨生奈、左に羅夢。
どんな、コンビネーションを見せるのか…。
しかし、もう、ちひろに気負いや焦りはない。いつもの通りの平常心で、二人に向かう。
906投稿者:
リリー
投稿日:2007年06月07日(木)20時38分46秒
今日はこれでおちます
907投稿者:
リーラム
投稿日:2007年06月07日(木)20時45分43秒
キスきたー
908投稿者:
こういう描写は
投稿日:2007年06月07日(木)21時18分48秒
二人を単なる悪役にさせない上手さがある
909投稿者:
ツグラムもよかったが
投稿日:2007年06月08日(金)18時54分21秒
リオラムもいい
910投稿者:
リリー
投稿日:2007年06月08日(金)21時16分31秒
この二人を書くのは楽しいです
では、更新します
911投稿者:
リリー
投稿日:2007年06月08日(金)21時17分49秒
「はああああ〜〜〜!!!」
「オラァァァ〜〜〜!!!」
梨生奈と羅夢は、同時に突っ込んできた。
二人は、ちひろを挟み撃ちにするように迫ってくる。
二つの攻撃を同時に受ける…!
羅夢の攻撃パターンはわかった。梨生奈の方に集中する。
ヌンチャクとトンファーの、めまぐるしい攻撃がちひろを襲う。
しかし、ちひろは冷静に木刀で合わせていく。
ちひろが攻撃に転じようとした時、踵が壁に着いた。
(!?…もう、壁際まで追い詰められたのか?)
知らず知らずの内に、後退していたらしい。それだけ二人の攻撃にプレッシャーがあったのだろう。
梨生奈と羅夢は、それぞれの武器を、思いっきり振りかぶる。
ちひろは、壁に背中を着けたまま、ズルズルと身を沈めた。
ちひろの頭上で、壁が爆裂する。
ちひろは前方に転がり、二人の後ろをとると、振り返り様に木刀を一文字に叩き込んだ。
「痛え!!」
聞こえてきたのは、羅夢の声だけだった。
梨生奈は背中にトンファーを回し、きっちりと防御していた。
912投稿者:
リリー
投稿日:2007年06月08日(金)21時18分52秒
「いってぇ…。チキショー!!よくも、やりやがったな!」
背中を擦りながら、羅夢はちひろを睨みつける。
「もし、サムライガールの武器が真剣だったら、あなたの身体は真っ二つになってたわよ…」
梨生奈は羅夢の頭をポンと叩く。
猪突猛進の羅夢と、冷静沈着の梨生奈。
(このチームの核は、梨生奈…。まず、彼女を叩く…!)
ちひろは、標的を決めた。
「もう一度行くわよ…。羅夢…」
「OK…!!」
もう一度構えをとる二人。
あの攻撃だったら、対応できる。今度こそ、まずは梨生奈を…!
「はああああ〜〜〜!!!」
「オラァァァ〜〜〜!!!」
再び攻撃を仕掛ける二人。
また、右に梨生奈、左に羅夢。また、同じ攻撃…!
913投稿者:
リリー
投稿日:2007年06月08日(金)21時19分34秒
しかし、ちひろの予想は外れた。
梨生奈が下に、羅夢が上に…!今度は上下!
上下からの攻撃に、同時に対応できない…!
さっきのコンビネーションは、フェイク?
ちひろは、一瞬で対応を練らなければならない!
絶対に守らなければならないのは、頭だ!羅夢のヌンチャクに木刀で防御する。しかし、足を折られるのもゴメンだ!
ちひろは、足を曲げて、梨生奈のトンファーを太ももとふくらはぎで受ける。
ビシっという音と衝撃が、ちひろの全身を駆け巡る。
「痛…!」
ちひろは、前にダイブして、二人の間をすり抜けた。
「いたたたた…」
ちひろは、片足でピョンピョン跳ねながら、木刀を構える。
914投稿者:
リリー
投稿日:2007年06月08日(金)21時20分19秒
コンビネーションをかわされた二人は、驚いたような顔で振り向いた。
「やるわね…。さすがだわ…」
「でも、そんな切り抜け方、何度もできねえぞ?」
そう…。もう一度、梨生奈のトンファーを喰らったら、立つ事もできないだろう。
もっと別の切り抜け方を考えなければ…。
しかし、二人はそんな余裕を与えてはくれない。
第二波が襲ってくる。
(まだ、考えつかないのに!!)
羅夢のヌンチャクは木刀で受ける。しかし、梨生奈のトンファーの対策は…?
ちひろの身体は、本能で動いた。
梨生奈のトンファーの軌道よりも足を高く上げると、思いっきり足を踏み込んだ。
「!?」
梨生奈のトンファーは、ちひろに踏みつけられた。
そして、その足を軸に回転すると、強烈な後ろ回し蹴りを梨生奈の腹に食い込ませた。
「ぐぁ…!!」
梨生奈は部屋の隅まで吹っ飛び、ガラスサッシに身体を叩きつけた。
窓ガラスに、ピシっと大きくヒビが入った。
915投稿者:
リリー
投稿日:2007年06月08日(金)21時22分28秒
少ないですが、きりがいいところで、今日はこれでおちます
916投稿者:
あげ
投稿日:2007年06月09日(土)08時39分24秒
917投稿者:
age
投稿日:2007年06月09日(土)18時24分21秒
918投稿者:
リリー
投稿日:2007年06月09日(土)20時59分50秒
更新します
919投稿者:
リリー
投稿日:2007年06月09日(土)21時00分15秒
梨生奈はピクリとも動かない。
「梨生奈!」
羅夢は梨生奈に駆け寄ろうとするが、ちひろが木刀を突きつけて牽制する。
「う…!」
羅夢は、一歩も先へ進めなかった。
「さあ…。これで、貴様一人…」
予定通り、梨生奈を封じた。あとは、羅夢を撃破すれば終わりだ。
「こ、このぉ〜!!」
羅夢はヌンチャクを振り回す。もう、速さなど感じない。
「オラァ!!」
攻撃パターンはわかってる。
右、左斜め上、右斜め下、左…。ちひろは、落ち着いて対応する。
920投稿者:
リリー
投稿日:2007年06月09日(土)21時01分27秒
「く…!まだまだ!!」
羅夢は、ヌンチャクを振り回す。
そのヌンチャクの隙間を縫って、ちひろは木刀を差し出す。
羅夢の肩に、木刀は炸裂する。
「ぎ…!」
今度は膝。
「ぐあ!!」
そして脇腹。
「ぎゃあ!」
羅夢の悲鳴が段々大きくなる。
そして…今こそ、命中させる…!
ちひろは、必殺の『突き』を放った。
「う、うお!!」
羅夢は身体を捻って回避するが、木刀の切っ先は、羅夢の胸元のリボンを、ビリビリと引き裂いた。
「…惜しい!」
いや、命中していたら、完全に羅夢の喉を潰して殺していた。
「オラアアアア〜〜〜!!!」
羅夢は渾身の力を込め、ちひろの脳天目がけて、ヌンチャクを縦に振り下ろす。
921投稿者:
リリー
投稿日:2007年06月09日(土)21時02分32秒
ちひろは、ヌンチャクの棍の部分ではなく、鎖の部分に木刀を合わせた。
鎖は木刀に絡みつく。そして木刀を上に振り上げた。
「あ…!」
ガス…!ヌンチャクが、天井に突き刺さった。
これで、羅夢は丸腰…!
ちひろは、上段の構えをとる。
狙いは…羅夢の鎖骨…!ここを折れば、もう、戦闘不能だ!
「覚悟!」
ちひろは、羅夢に向けて、容赦なく木刀を振り下ろした。
ガアアアーン…!!凄まじい衝撃音が響いた。
ちひろの耳が、キィィィーンと鳴る。
(…な、何だ…?どうした…?)
何がなんだか、わからない…。
コツン…。何かが床に落ちた。それは…木刀の…切っ先…?
(バカな…。だって、木刀は、私が持って…)
え…?
…握り締めた木刀は…折れていた…。
922投稿者:
リリー
投稿日:2007年06月09日(土)21時03分37秒
年代物を思わせる、濃い赤茶色をした木刀の先が、真っ白な断面をさらしていた。
パラパラと、木屑とささくれが舞い落ちる。
(何で…?何で…木刀がこんなことに…?父さんの形見の木刀が…)
ちひろは、折れて短くなった木刀を、呆然と見つめている。
そして、ガックリと膝を落とした。
ちひろの後ろで、声がする。
「ふぅ…。中村有沙の置き土産で…何とか救われたわ…」
梨生奈が拳銃を構えていた。
有沙が置いていった、あの拳銃である。
梨生奈は気絶したふりをして、この拳銃をこっそり拾っていたのだ。
これは…有沙が最初に立てた作戦…。
こんなことに、頭が回らなかったなんて…。
しかし、今のちひろには、父の形見の木刀が折られてしまったことがショックだった。
923投稿者:
リリー
投稿日:2007年06月09日(土)21時05分01秒
「さてと…これで終わりにさせてもらうわよ?サムライガール…」
梨生奈は、呆然と跪くちひろの後頭部に銃口を向ける。
「さよなら…。あなた…強かったよ…」
引き金にかけた指に、力をかける梨生奈。
しかし、ちひろの頭が、大きく横にぶれた。
「え?」
そして、ちひろの身体はバタリと倒れる。
羅夢が仁王立ちをしていた。羅夢が、ちひろの頭を蹴っ飛ばしたのだ。
「ら、羅夢…!!」
梨生奈は羅夢を叱り付けた。
「梨生奈…。こいつ…アタイが始末するよ…!いいだろ?」
「しょうがないわね…ほんとに…。早くしなさいよ…?」
梨生奈は羅夢に拳銃を差し出す。
「そんなモン、いらねえよ…。蹴り殺してやる…!ジワジワとタップリ時間をかけてね…!」
924投稿者:
リリー
投稿日:2007年06月09日(土)21時05分56秒
(う…ぐ…。な、何だ…?何が…起きた…?)
頭がクラクラする。
完全に無防備なところを、側頭部に羅夢の蹴りを喰らったちひろは、もう少しで気絶しかけた。
上下の感覚がない。自分が立っているのか、寝ているのか、壁に寄りかかっているのか…。
梨生奈の黒い厚底ブーツと、羅夢のピンクのエナメル靴が見える。
どうやら、床に顔をつけているようだ。
そして、エナメルの靴の側に…木刀の切っ先が…。
へし折れ、わずか10センチ程度の木片となった、父の形見…。
小さい頃から、父がこの木刀を振っていた。
父が亡くなってからは、自分が毎日のように振っていた、あの木刀…。
「と、父さん…」
ちひろは、這いつくばってその木刀に手を伸ばす。
(ごめんね…こんなに…こんなことになって…)
指先が、木刀の切っ先に触れる。
「オラァ!!」
ちひろの腹に、蹴りが炸裂した。
「う…!く…」
ちひろの意識は…暗闇に吸い込まれた…。
925投稿者:
リリー
投稿日:2007年06月09日(土)21時07分01秒
今日はこれでおちます
926投稿者:
やばい
投稿日:2007年06月10日(日)01時14分16秒
ちひろ大丈夫か?
927投稿者:
ちひろが負けた…
投稿日:2007年06月10日(日)03時35分41秒
本当に上手い引き伸ばし方するなぁ…
928投稿者:
age
投稿日:2007年06月10日(日)08時25分40秒
929投稿者:
この小説の羅夢は、こういう姿なわけだ
投稿日:2007年06月10日(日)09時13分51秒
http://ame.dip.jp/upload/1161/487745.jpg
930投稿者:
↑
投稿日:2007年06月10日(日)11時19分59秒
ヌンチャク振り回してるカッコウしてるしw
931投稿者:
あげ
投稿日:2007年06月10日(日)16時35分47秒
932投稿者:
リリー
投稿日:2007年06月10日(日)21時15分16秒
>>924
羅夢のロリータファッションですね
みんな可愛かったですが、やっぱり一番似合ってたのはエリーですね
更新します
933投稿者:
リリー
投稿日:2007年06月10日(日)21時17分12秒
その頃、有沙と甜歌は虹守町を東西に分ける国道を車で走っていた。
有沙は、最初こそはガードレールやブロック塀に車体を擦りつけたり道路を逆走するなど、不安定な運転をしていたが、すぐにコツを覚え、今は問題なく安全に運転している。
しかし、フロントガラス、リアガラス、運転席側のウィンドガラスが割れ、『チームE』の二人を撥ねた際に大きく車体後方が凹んでいるため、どうしても他ドライバーの注目を浴びる。
しかも運転しているのが、どう見ても中学生くらいの少女だから、仰天した目で見られるのだ。
運転中だというのに、携帯をかけている者もいる。警察に連絡しているのだろうか?
甜歌は不安になる。
「ね、ねぇ…。有沙…。国道走るのやめない?さっきから目立ちまくってるよ…」
「………」
有沙は運転に集中しているのか、返事をしない。
「ねえ!有沙ってば!」
「ん?な、何だ?」
「この車、ボコボコに壊れてるから、目立ってるんだってば!国道から外れようよ」
「あ…?ああ…そうだな…。どうすればいい?」
「うん。じゃあ、この信号を左…かな?」
「…ん?ここでいいのか?」
有沙は赤信号だというのに左折した。しかも、ウィンカーも点けずに。
一帯は急ブレーキ音やクラクションの嵐になったが、甜歌も交通ルールは良く知らないため、突っ込めなかった。
934投稿者:
リリー
投稿日:2007年06月10日(日)21時18分55秒
車は国道を抜け、住宅街を走る。この時間、買い物に行く主婦や学校帰りの学生など、自転車がよく通る。
「有沙、頼むよ〜。人、轢いちゃダメだよ〜」
甜歌はヒヤヒヤしながら祈っている。
「ここをしばらく行けば、眼鏡島公園という所に着くのだな?」
「うん。その前にこの車は乗り捨てないと…。たぶん、持ち主が警察に連絡すると思うから」
「警察など、どうってことないが…。面倒はごめんだからな…」
「有沙…?大丈夫…?」
「ん…?何がだ…?」
「顔色…悪いよ…?」
有沙は、ルームミラーで、チラリと自分の顔を確認する。
「問題ない…。相変わらずの美少女だ…」
「それは、突っ込んでほしいの?」
「事実だ。スルーしろ…」
しかし、本当に有沙の顔色は悪い。血の気がなくなってきたのだ。あぶら汗も浮かんでいる。
935投稿者:
眼鏡島
投稿日:2007年06月10日(日)21時20分23秒
メガネシア
936投稿者:
リリー
投稿日:2007年06月10日(日)21時22分59秒
住宅街を抜けた途端、車は蛇行し始めた。
「ちょ、ちょっと…!ど、どうしたの…?」
甜歌は有沙を見ると…有沙は、ハンドルに額をくっつけてもたれ掛かっていた。
「あ、有沙!起きて!!」
「ん?どうした?」
「どうした、じゃないよ!!ちゃんと、運転して!」
「うむ…!?」
有沙は前を見ると…塾に行くのだろうか、手提げカバンを持った小学生の少女が前に…!
「あ、危ない!」
「…く!!」
有沙はハンドルをきった。車は大きく左にぶれ、電柱に衝突した。
「ぎゃ!!」
エアバッグが広がり、二人はそれに押しつぶされる形となった。
少女は、しばらく呆然と事故を起こした車を見ていたが、慌てて走り去って行った。
937投稿者:
リリー
投稿日:2007年06月10日(日)21時24分01秒
「あ…有沙…。だ、大丈夫…?」
甜歌はエアバッグを掻い潜り、有沙を見る。
有沙は尋常ではない汗をかき、目を閉じて苦しそうに喘いでいる。
「あ…有沙…!!」
「う…ん…。ヘマをした…」
有沙は力なく返事をする。
「有沙…!もしかして…毒が…?」
「あ…ああ…。そ、そのようだ…」
「わ、私が…ちゃんと毒を吸い出さなかったから…?」
「い…いや…おまえは…よくやった…。この毒は…そうそう…甘い代物では…なかった…ということ…だろう…」
「ど…どうすればいい!?」
「お…おまえは…逃げろ…」
「え!?」
「早く…逃げろ…!す、すぐ、『TTK』の…刺客が来るぞ…」
「そ、そんな…!有沙を置いて、一人だけ逃げられないよ!!」
甜歌はドアを開けて、外に這い出た。
938投稿者:
リリー
投稿日:2007年06月10日(日)21時25分12秒
このベンツは左ハンドルの為、有沙側のドアは塀にぶつかって出られない。
甜歌はどうしたものか、と悩んでいると、車内の床に、折れた護身用ロッドが転がっているのを見つけた。
甜歌はそれを拾い上げると、ボンネットに乗る。ロッドの柄で既に割れたフロントガラスの穴を大きくしていく。
ロッドは折れた所が尖っていた。それで膨らんだエアバッグを引き裂く。
有沙の顔が見えた。甜歌は有沙を抱え上げる。
「大丈夫?今、出してあげるからね!」
甜歌はボンネットに足を踏ん張って、有沙の身体を引っ張り出そうと力を入れる。
「て…甜歌…。は、早く逃げろと…言ったはずだ…。私なら…一人でも…逃げられる…」
「だから…!それはできないって…!言ってるでしょ…!ふん〜〜〜!!」
有沙の身体は少しずつ車内から引っ張り出される。
「ちひろさんに言われたから…!あんたを…!アパートの隠れ家に…!連れて行けって…!ふん〜〜〜!!」
「わ…私を…置いていけ…!め、命令だ…!」
「私に…!命令しないで…!それに…!ちひろさんの…!命令の方が…!優先よ…!ふん〜〜〜!!」
「お…おまえは…本当に…頭の…悪い…ヤツだな…」
「ええ、そうですよ…!私は、どうせ…!バカですよ〜〜〜だ!」
甜歌は、ついに有沙を車外に引っ張り出した。勢い余って、二人はボンネットから転げ落ちる。
「あ、有沙!大丈夫?今、アパートまで連れて行ってあげるからね!」
有沙は答えない。有沙の意識は…暗闇に吸い込まれた…。
939投稿者:
リリー
投稿日:2007年06月10日(日)21時28分08秒
>>935
そうです
メガネシアです
今日、「パイレーツ・オブ・カリビアン」見てきました
面白かったんですが、エピソードを詰め込みすぎるのは良くないなぁ…ということを学びました
今日はこれでおちます
940投稿者:
そう!
投稿日:2007年06月10日(日)21時32分01秒
いらないエピソードがあったよね
カリプソのところとか
941投稿者:
甜歌と有沙に友情が?
投稿日:2007年06月10日(日)21時54分30秒
942投稿者:
age
投稿日:2007年06月10日(日)23時56分50秒
943投稿者:
あげ
投稿日:2007年06月11日(月)20時02分35秒
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