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レズ小説★SAMURAIDRIVE☆
1
レズ小説★SAMURAIDRIVE☆
投稿者:
リリー
投稿日:2007年02月22日(木)21時44分15秒
SAMURAI DRIVE
CAST
村田ちひろ
中村有沙
内容…アクション&サスペンス
エロ・レズ描写有り
OB・OG・現役戦士、多数出演予定
hitomiの楽曲とは関係ありません
2投稿者:
リリー
投稿日:2007年02月22日(木)21時46分23秒
登場人物
【虹守町】
〔R&G探偵社〕
吉田永憲(レッド)
井出卓也
白木杏奈
村田ちひろ
橋本甜歌
3投稿者:
待ってましたよw
投稿日:2007年02月22日(木)21時46分51秒
また頑張って下さいね!
4投稿者:
リリー
投稿日:2007年02月22日(木)21時46分52秒
【下ノ国町】
〔スクラッチ〕
飯田里穂
堀江幸生
ド・ランクザン望
篠原愛実
洸太レイシー
松本政彦(ゴルゴ)
5投稿者:
新スレ立てるなよ
投稿日:2007年02月22日(木)21時47分08秒
立てるなら前スレ落ちるように言っておけよ
6投稿者:
5は気にするな^^;
投稿日:2007年02月22日(木)21時47分53秒
7投稿者:
リリーさんキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!!
投稿日:2007年02月22日(木)21時48分53秒
待ってました!!!
8投稿者:
リリー
投稿日:2007年02月22日(木)21時49分38秒
【TTK】
〔チームK〕
加藤夏希
加藤ジーナ
〔チームJ〕
ジャスミン・アレン
ジョアン・ヤマザキ
〔チームA〕
ダーブロウ・有紗
中村有沙
〔チームT〕
俵有希子
俵小百合
9投稿者:
リリー
投稿日:2007年02月22日(木)21時50分06秒
〔チームR〕
木内梨生奈
細田羅夢
〔チームE〕
近藤エマ
渡邊エリー
〔チーム7〕
岩井七世
藤本七海
の予定です
10投稿者:
リリー
投稿日:2007年02月22日(木)21時50分51秒
>5
はい、すいません
では、一七の方は落ちるように書いておきます
11投稿者:
>6
投稿日:2007年02月22日(木)21時51分50秒
死ね偉そう
12投稿者:
「死ね」はやめなさい。
投稿日:2007年02月22日(木)21時52分59秒
13投稿者:
頑張れリリー
投稿日:2007年02月22日(木)21時53分45秒
14投稿者:
これはまた
投稿日:2007年02月22日(木)21時55分06秒
キャストが賑やかだな
15投稿者:
リリー
投稿日:2007年02月22日(木)21時56分56秒
それでは更新します
応援、ありがとうございます
16投稿者:
リリー
投稿日:2007年02月22日(木)21時57分48秒
1『R&G探偵社の朝』
朝日が昇り始め、朝靄が街を包み込んでいる。
崩れかけた石垣だけを残す城跡の公園。
敢えて整備されたジョギングコースを外れて走る。
転がる石、うねりながら伸びる大木の根。
それらを難なく飛び越えて、軽やかに走る少女。
村田ちひろ。15歳。中学3年生。
白い息を吐きながら、呼吸は乱れず、後ろに括った髪の毛が揺れる。
ちひろは石垣を登る。
階段状にはなってはいるが、常人が昇るには困難な段差をちひろはピョンピョンと登っていく。
そして最上段まで登りつめると、深呼吸をし、石垣の縁に腰掛けた。
ちひろは自分の住む街、虹守町を見おろす。
南北に通る国道はまだ込んでいない。ヘッドライトを点けた大型トラックがスイスイと数台通るだけだ。
今朝は朝靄が濃い。隣街の下ノ国町はまだ見えない。
毎日見る景色だが、飽きることはない。
これが村田ちひろの毎朝の習慣である。
10歳の頃から毎日続けている。
同じことを繰り返している。
あの頃と違うのは、両手を使わなくても石垣を登れるようになったこと。
そして、隣に父がいないこと…。
17投稿者:
リリー
投稿日:2007年02月22日(木)22時00分47秒
ちひろは腕時計を見る。
6時20分。
「さてと…」
ちひろは立ち上がると、またピョンピョンと飛び跳ねるように石垣を降りていく。
帰り道は正規のジョギングコースを使う。
中学3年になってから部活は引退したのでまだゆっくりできるのだが、身体に染み込んだ習慣はそうは変えられない。
ちひろはここ数年、朝日をベッドで見ることがなかった。
ちひろが自宅…のある4階建ての古い雑居ビルに帰った時には朝靄はすっかり晴れた。
当然、エレベーターを使わずに階段を上る。
身体を鍛える為でもあるが、ちひろはあのボロエレベーターを信用していない。
3階にある「自宅」のドアを開ける。「R&G探偵社」と書かれたドアを。
応接用の黒光りするソファーに、二代目社長、吉田永憲がイビキをかきながらだらしなく眠っている。
ちひろとは違って、吉田はここ数年、昇る朝日を見たことがない。
「まったく…」
ちひろは溜息をつく。
枕を引っこ抜いて思いっきり吉田の顔面に投げつけ、毛布を剥ぎ取ってやりたかったが、もうここ数ヶ月やっていない。
ちひろは自他共に認める努力家だが、「無駄な努力」は一切しない性分なのだ。
18投稿者:
リリー
投稿日:2007年02月22日(木)22時02分08秒
ちひろはそのまま室内にある階段を上る。4階へはその階段でなければたどり着けない。上った先が、ちひろの住居なのだ。
自分の部屋に戻ったちひろは、腕時計を外しながら時間を確かめる。
6時45分。
丁度いい時間だ。ちひろは壁にかけた木刀を取ると、ベランダに出て素振りを始めた。
本当なら掛け声もかけたいところだが、近所迷惑になると考えて黙々と行う。
更に、本当なら城跡公園の石垣の上で街を見おろしながらやりたいのだが、木刀を背中に刺して街中を走るのも年頃の少女としては少し辛い。
心の中で200数えると、室内に戻る。
ちひろはトレーニングウェアと下着を脱ぐと、そのまま素っ裸でバスルームに向かう。
一人暮らしだから気ままにできるのだ。
もちろん、3階の事務所に住んでいる吉田にはこの部屋には死んでも入れない。
いや、吉田の方が死ぬことになるだろう。
すっかり温まり、汗で湿った身体にシャワーを浴びる。
「あんまり身体を鍛えると、胸が大きくならないって言いますよ」…これは騒々しい後輩が言った言葉だ。
(ふん!アイツの言うことは当てにならないな!)
まだ膨らみ続ける胸を見つめて、ちひろは思った。
19投稿者:
リリー
投稿日:2007年02月22日(木)22時03分39秒
その時、ちひろはシャワーの音に紛れた、別の物音を聞き分けた。
ドアの開く音だ。
(たしか、ドアには鍵をかけたはず…)
ちひろは息を呑んだ。
シャワーのコックに手を伸ばしたが、思い止まる。
シャワーの音を止めたら、その侵入者が逃げてしまう、と思ったからだ。
侵入者を恐いと思わずに捕まえることを考える…ちひろはそういう少女だ。
(レッドさんじゃないよね…まさか…)
怒ったちひろがどれだけ恐ろしいか、吉田は知っているはずだ。
いや、親代わりの吉田は「こんなこと」は絶対にしないはず。
20投稿者:
リリー
投稿日:2007年02月22日(木)22時03分54秒
ちなみにレッドとは吉田のニックネームである。
慎重にシャワーの音と侵入者の足音を聞き分ける。
足音は確実に近づいて来る。ぺタ…。足音が変わった。脱衣所に入ってきたのだ。
ちひろはシャワーの水温を最高に上げる。
スリガラスに姿が映る。思ったより小柄だ。
扉の横に身を潜める。
ガラス戸が開いた。
ちひろはガラス戸を開けた者に向けて、シャワーの湯を浴びせた。
「あちゃちゃちゃちゃ…!」
甲高い声がバスルームに響く。
「へ?」
ちひろは拍子抜けした。
「な、何するんですか〜!ちひろさん!」
タイルの床に腰を落としたびしょ濡れのセーラー服の少女は叫んだ。
「おまえの方こそ…何をしてる!?」
この少女の名前は橋本甜歌。当てにならない話しをちひろに話した騒々しい後輩とは彼女のことである。
21投稿者:
リリー
投稿日:2007年02月22日(木)22時07分14秒
「何をしてるって…。朝の挨拶ですよ〜」
濡れた髪の毛を撫でつけながら甜歌は不機嫌そうに言った。
「どうやって入った?」
「え〜と…ピッキング…へへ…」
今度はごまかすように笑う甜歌。コロコロと表情と気分の変わる少女だ。
「ピッキング?」
思わず素っ頓狂な声を上げるちひろ。
「ピッキングなんて、一体誰に…いや、言わなくてもわかる…。レッドさんだ…」
「ピンポ〜ン!よくわかりましたね?」
「レッドさんしかいない!そんな犯罪行為を教えるのは…!」
「は、犯罪って言わないで下さいよ〜!!探偵には必要不可欠な技術じゃないですか!」
22投稿者:
リリー
投稿日:2007年02月22日(木)22時07分54秒
「ピッキングする探偵なんていない!」
「いや、この技術がちひろさんの役に立てたらいいな〜って…そう思って一生懸命習ったのに…」
「役に立つことなんてない!少なくとも、今は迷惑している!さあ、甜歌、いい加減…」
甜歌がウットリとした目でちひろを眺めている。いや、ちひろの裸を眺めている。
「はぁ…。カッコいい…身体…。ちひろさん、やっぱりカッコいい…」
そうだった…。甜歌は女でありながら同性のちひろに恋心を抱いているのだった。このことをすっかり忘れていた。
ちひろは足早にバスルームを出る。
「お尻なんて、キュっと引き締まってるもん…。鍛えてるからかな…」
甜歌はちひろの尻に手を伸ばすが、その手はピシャリと叩かれた。
「ドライヤーを貸してあげるから、早く濡れた髪と服を乾かしな!」
そう言うとちひろはバスタオルで身体を隠した。
23投稿者:
リリー
投稿日:2007年02月22日(木)22時09分59秒
今日はここまでとします
これからも、この小説を応援して下されば、有り難いと思います
最後までお付き合いして下さる様、よろしくお願いします
24投稿者:
頑張ってリリーさん
投稿日:2007年02月22日(木)22時12分01秒
応援しますよ
25投稿者:
117
投稿日:2007年02月22日(木)22時23分40秒
待ってました!これからも更新お願いしますよ。
新作頑張ってください!
26投稿者:
今回は探偵モノですか?
投稿日:2007年02月22日(木)23時18分35秒
相変わらずバラエティに富んでますね
27投稿者:
もうちょっとインターバルあると思ったら
投稿日:2007年02月22日(木)23時24分06秒
早いですね
28投稿者:
あげ↑
投稿日:2007年02月22日(木)23時24分55秒
29投稿者:
相変わらず
投稿日:2007年02月23日(金)00時54分14秒
言葉遊びも健在ですね
虹守・R&G→レインボウ・ガーディアンズ
下ノ国→アンダー・ワールド
TTK→天才てれびくん
でも、スクラッチってのは?
30投稿者:
新作祝い
投稿日:2007年02月23日(金)01時45分30秒
あげ
31投稿者:
おー!!!
投稿日:2007年02月23日(金)17時25分11秒
ちー甜もいいね!!!
有ちゃんにも期待☆
32投稿者:
今回はどんな
投稿日:2007年02月23日(金)17時26分53秒
リリーワールドが飛び出すのか
33投稿者:
ピッキングする探偵なんていない!
投稿日:2007年02月23日(金)17時30分09秒
ピッキングする探偵なんていない!
34投稿者:
。
投稿日:2007年02月23日(金)17時39分50秒
レズってどういう意味?
35投稿者:
お前前もいろんなスレにしつこく聞いてただろ
投稿日:2007年02月23日(金)17時42分27秒
もう忘れたのか
36投稿者:
。
投稿日:2007年02月23日(金)17時48分38秒
は?てめぇー誰だよ?レズって何だけ聞いてるんだよ!
37投稿者:
>。
投稿日:2007年02月23日(金)18時16分23秒
この前他スレで教えたでしょ。
38投稿者:
スクラッチ=くじ式宝くじ
投稿日:2007年02月23日(金)19時16分58秒
=ナンバーズ?
まさか(笑)
39投稿者:
。よ、
投稿日:2007年02月23日(金)21時03分25秒
もう一度教えてやるから覚えておきなよ
レズビアン・・・女同士の同性愛って意味
男の同性愛は、花に例えて薔薇と呼ばれるのに対し、女の同性愛は百合と呼ばれる
リリーは、百合の英語名
40投稿者:
リリー・フランキーは
投稿日:2007年02月23日(金)21時05分54秒
昔のバンドの相棒とローズ&リリーってコンビを組んでて、自分がリリーだったっけ?
フランキーの意味はわからんが
41投稿者:
ピッキングって何ですか?
投稿日:2007年02月23日(金)21時06分59秒
42投稿者:
そこらへんの針金を使って
投稿日:2007年02月23日(金)21時10分22秒
鍵をこじ開けること
43投稿者:
わからない単語はぐぐれよ
投稿日:2007年02月23日(金)21時11分31秒
ここは質問コーナーじゃない
44投稿者:
リリー
投稿日:2007年02月23日(金)22時54分08秒
>38
スクラッチは…
まず、里穂、幸生、望、愛実のユニット「KIZZ」→「キッズ」→「キズ」→「傷」→「引っかき傷」→「スクラッチ」
です…ごめんなさい、わかりにくいですね
みなさん、期待のお言葉、嬉しい限りです
では、更新します
45投稿者:
リリー
投稿日:2007年02月23日(金)22時55分15秒
着替えを終えて、下に降りたちひろは味噌汁と目玉焼きを作り始める。
その匂いに釣られて吉田はモソモソと起き始める。
これが吉田を起こす最良の方法だ。こちらがイライラすることもないし、朝食もできるし一石二鳥だ。
「ちひろ…おはよ…」
酒でガラガラになった声で朝の挨拶をする吉田。
「おはよう、レッドさん」
「また目玉焼き…。焼き鮭が食いたい…」
「口が生臭くなるから嫌」
「納豆は食うクセに…。あれ、カンベンしてぇな…」
「納豆を食べないやつは日本人じゃない!」
吉田は「へい、へい、さよですか」とブツブツ言いながら、朝食ができるまでまたソファーで横になる。
46投稿者:
リリー
投稿日:2007年02月23日(金)22時56分13秒
吉田は父の部下だった男だ。
このR&G探偵社は、今は亡きちひろの父が設立した会社だ。
母も早くから亡くしたちひろは、ここで吉田と共に暮らしている。
もともとちひろの父は刑事だった。正義感の強い父は、上層部の汚職を内部告発して警察を追い払われた。
その時、父を慕って一緒に警察を辞めて着いてきたのがこの吉田なのだ。
レッドとは吉田の刑事時代のニックネームだ。
「俺の行く所、常に赤い血が流れるからや」と本人は言っているが、実は「酒を一杯飲んだだけで顔が真っ赤になる」という意味で、ちひろの父が名付けた。
3年前、ちひろが小学6年生の時、父は亡くなった。
仕事とは関係ない、交通事故だった。
レッドは両親を失くしたちひろを引き取って保護者になった。
父の跡を継いで探偵になりたがるちひろにレッドは手を焼いた。
尊敬する上司の一人娘を危険に晒せない。レッドよりは腕が立つことも厄介だった。
どうせなら警察官になったらどうか?と勧めても、父を追放した警察をちひろは憎んでいた。
47投稿者:
リリー
投稿日:2007年02月23日(金)22時57分08秒
二人で朝食を食べていると、髪と服を乾かし終えた甜歌が降りてきた。
「わ!いい匂い!私の分は?」
「ない」
そっけなく答えるちひろ。
「ないって…そんな〜」
「朝ご飯、食べてないのか?」
「うん…。だって、ちひろさんに朝の挨拶しようと早く家を出たから…」
「良くないな…甜歌。朝ご飯はしっかり取らないと…」
「だから…私の分…」
「だから、ない」
甜歌を無視して黙々と食べるちひろ。
甜歌はレッドの皿の目玉焼きをチョイと摘む。
「あ…!何すんねん!」
レッドが怒鳴る前に、甜歌は一口で目玉焼きをぺロリと平らげた。
「う〜ん…。ちひろさんの手料理…。おいひい…」
黄身をダラダラと垂らしながら甜歌は幸せそうに微笑む。
「レッドさん、納豆ならあるけど…」
ちひろは嫌味たっぷりに言った。
「いえ…。遠慮しておきます…」
48投稿者:
リリー
投稿日:2007年02月23日(金)22時57分27秒
すっかり中高生の溜まり場になってしまったR&G探偵社に、レッドは複雑な気分だ。
虹守町内の進学高校に通っている、井出卓也と白木杏奈の二人もここに入り浸っている。
しかし、二人はこの探偵社になくてはならない存在になっている。この二人には吉田もちゃんとバイト代を出している。
卓也は頭脳明晰でコンピュータの専門知識を持っているし、杏奈の100年は生きているのではないか、という驚異の読書量からなる博学ぶりは、吉田も重宝しているのだ。
でも、二人ともこの探偵社に就職はしない、と断言している。だから大学進学とともに二人を手放すことに、吉田は危機感を持っていた。
それに比べ、この甜歌の役立たずぶりは圧倒的だ。ピッキングなんて余計な技術を教えたことも後悔した。絶対にロクでもない結果になることは目に見えている。
しかも、甜歌はこの探偵社に就職することを宣言している。
吉田の下で働きたいわけではない。三代目社長になるであろう、ちひろに仕えたいからだ。
49投稿者:
リリー
投稿日:2007年02月23日(金)22時58分38秒
朝食を食べ終えたちひろと甜歌は、学校に行く準備をする。
「レッドさん、二度寝しないように!」
ちひろが出かけ際に釘を刺す。
「それから…たしか隣の下ノ国から依頼って今日だったよね?」
「ああ…。何時やったかな…?ちひろ、知ってる?」
「もう!メモを渡したのに、また失くしたな!そんなんで重要書類とか証拠写真とか失くしてたら、探偵失格だからな!」
「わ、わかってるがな…」
「わかってない!いいか?このR&G探偵社は私のお父さんが創った会社だからな!評判を落とすことはするな!」
「そう、そう、なるべく傷をつけずにちひろさんに返してくださいね!」
「しばくぞ!」
横槍を入れる甜歌を本気で殴ろうとする吉田。
甜歌は悲鳴をあげながらその手を掻い潜り、ちひろの後ろに隠れる。
50投稿者:
リリー
投稿日:2007年02月23日(金)22時58分56秒
「依頼人は午後5時に来るから…。事務所内はきれいに掃除しておくように。それから、あの子…」
ちひろが親指で指した先に、ゲージの中の丸々と太った茶虎猫がいる。
甜歌と二人で追い詰めて捕まえた行方不明の猫である。太って動きの鈍い猫だから、甜歌でも捕まえることはできた。
ちひろの並外れた運動神経、特に剣道の腕が全然活かされない仕事。吉田はこんな仕事しかちひろに回さない。
「正午に飼い主さんが来るから、それまでにエサもちゃんとあげておいて。キャットフード代もちゃんと請求するんだぞ。あの子、凄く食べるから」
「それぐらい…サービスでええやん。ガメツイな…」
「じゃあレッドさん、毎晩飲み歩くのをやめてくれないか?それなら私もサービス精神を持ってお客さんと接することができるんだが…」
「わかった、わかった。ちゃんと頂きますよ」
レッドはちひろに口で勝てた試しがない。いや、卓也にも、杏奈にも、甜歌にも…レッドは勝てない。
「それじゃ、行ってきます」
ちひろと甜歌はドアを開けて階段を駆け下りる。
これがR&G探偵社の毎朝の風景である。
51投稿者:
リリー
投稿日:2007年02月23日(金)23時00分03秒
今日はこれでおちます
更新の量ですが、一回につき、どのくらいが読みやすいですか?
あまり多いと読みにくいものなのでしょうか?
52投稿者:
決してそんなことはない
投稿日:2007年02月23日(金)23時04分35秒
自分はリリーさんの好きなように
すればいいと思う
53投稿者:
あげます*
投稿日:2007年02月23日(金)23時14分23秒
新作おめでとうございます!
応援してますw 頑張ってください!
54投稿者:
引っかき傷だったかー
投稿日:2007年02月24日(土)00時38分36秒
辞書で調べたらScratch=悪魔と出てきたから
ははーんこれだなって思ってたw
リリーさんだけにw
55投稿者:
クセノス
投稿日:2007年02月24日(土)00時40分54秒
今レズがあった…ような
56投稿者:
あげ
投稿日:2007年02月24日(土)10時38分21秒
57投稿者:
あげ
投稿日:2007年02月24日(土)11時09分03秒
ます
58投稿者:
KIZZ→傷→スクラッチ
投稿日:2007年02月24日(土)12時25分51秒
リリー…上手すぎる
59投稿者:
ほんと凝るよね
投稿日:2007年02月24日(土)18時35分41秒
TTKも何かあるかも
60投稿者:
キャストは
投稿日:2007年02月24日(土)18時42分26秒
04年のテレビアが基本みたい
それにOB、OG、現役がどう絡むのか…楽しみだ
61投稿者:
リリー
投稿日:2007年02月24日(土)22時25分09秒
はい、今回は多人数で書いてみたくって、すこしまとまりがなくなるかも知れませんが、挑戦したいと思いました。
それでは更新します
62投稿者:
リリー
投稿日:2007年02月24日(土)22時27分50秒
2『依頼人は嘘をつく』
ちひろが、学校から帰ってきたのは、午後4時半。
剣道部を引退したので、最近は帰宅時間が早い。
そして案の定、吉田の掃除は手抜きだらけだったので、吉田の尻を叩きつつ(比喩表現ではなく、本当に叩いて)片付けをした。
すっかり掃除を終えてから、卓也と杏奈が訪ねて来た。
あまりにも計ったようなタイミングなので、掃除が終わるまで廊下で時間を潰していたのだろう。
「相変わらず、絶妙なタイミングだな」
ちひろは、嫌味たっぷりに言った。
井出卓也と白木杏奈。二人とも県内屈指の新学校に通う秀才で、ちひろの中学の先輩でもあった。
「うん、うん。これなら依頼人が来ても恥をかかないで済みますね。乱雑な事務所はいかにも仕事できなさそうに見えますから」
と卓也。
「現に仕事はできないわよ。この事務所は私達二人でもってるようなものだから」
と杏奈。
二人は嫌味ではなく、本音を言った。
吉田の笑顔が、引きつっている。
63投稿者:
リリー
投稿日:2007年02月24日(土)22時28分17秒
卓也は、通っている高校の理数系トップ。杏奈は、文系トップだ。
理論、推理、予想、解析、情報収集…探偵にとってなくてはならない仕事を、二人がこなしている。
吉田、ちひろ、甜歌はただただ実行する係…。
野球部のマネージャーをしている甜歌以外、R&G探偵社のメンバーが揃った。
甜歌は野球部のキャプテンに一目惚れして、テニス部を2週間でやめた。
ちひろに惚れているくせに、しっかりと男にもチェックを入れる。
「いわゆる、これはバイセクシャルってやつですよ〜」と甜歌は言ったが、その時は「処女のクセに何を言ってるんだか…」と杏奈に冷静に突っ込みを入れられた。
つまり、誰に対しても惚れっぽいということだ。
窓の下を覗いていた卓也は叫んだ。
「あ、依頼人、来てますよ!女の人だ!凄い美人ですよ!でも、このビルのあまりの汚さに軽く退いてるみたいです」
美人と聞いた吉田は、俄然テンションが上がる。
「よし、例の如くおまえ等は上に上がれ!はよ、はよ!」
ちひろ達は、上の階に追い立てられる。
子供がウロウロしていると依頼人が不安になる、というのが吉田の言い分だ。
しかし、ちひろ達が思うには、吉田一人に客の対応をさせる方がよっぽど不安だ。
「言うとおりに上に行きますけど、こっそり話しは聞かせてもらいますからね、レッドさん」
杏奈の言うとおり、3人は部屋に入らずに階段の途中にしゃがみ込んで、事務所を上から覗く。
どうせ依頼内容を吉田はカンペキに覚えられないので、こうやって聞いてやらなければならないのだ。
64投稿者:
リリー
投稿日:2007年02月24日(土)22時29分57秒
その依頼人は…同姓のちひろが見ても見惚れてしまうような…美女だった。
しかし、どこか冷たさを感じる美しさだった。
誰も側に寄せ付けないような…自分が気付かない内に他人を傷つけるような…。
「う〜ん…花に例えると薔薇ですね…。トゲがありそう…」
卓也は、溜息をつきながら呟く。
「これはまた手垢にまみれた表現だこと…」
鼻の下を伸ばす卓也に、冷ややかな言葉を浴びせる杏奈。
依頼人の美女は名刺を吉田に渡す。
「聖・テレジア女子学園教諭…加藤夏希…様…。えー?あの超お嬢様学校の先生ですか?」
「ええ…。中学部の教師です」
背筋をピンと伸ばして、組んだ足は優雅に、シャープなデザインのメガネを上げる仕草は、いかにも仕事のできる女…という雰囲気だ。
「ほう…。で、そんなお嬢様校の方が、何の御用で?」
「ええ、その前に…階段の上にいるお嬢様方は…?」
「へ?」
吉田は、マヌケ顔をちひろ達の方に向ける。
ちひろ達も驚いた。自分達の存在に気がついた客は、おそらく初めてだ。
「…行きますか?」
卓也の一言で、ちひろ達は罰が悪そうにゾロゾロと階段を降りてくる。
65投稿者:
リリー
投稿日:2007年02月24日(土)22時31分13秒
「どうも…こんにちわ…」
ちひろが、頭を掻きながら挨拶する。
「こんにちわ」
夏希は、冷たい微笑みで答える。
「あの…別に盗み聞きしてたわけではなくてですね…。その…依頼内容の…確認というか…分析をですね…」
シドロモドロになりながら、卓也は説明する。
「あら?吉田さんのお子さんではないのですか?」
「いえ、いえ!僕はまだバリバリの独身でして!…こんな大きな子供がいるように見えます?」
「では…なぜ、高校生…中学生?の方が?」
夏希は、小柄な卓也を見て高校生を中学生と言いなおした。卓也は軽く傷ついた。
「え〜と…正確にはセーラー服を着ている子は中学生で、ブレザーの二人は高校生です。この子らは…その…バイトでして…」
「バイト?まぁ…。うちの学校では考えられない事ですわ…。自由でいいですね、公立の学校は…」
その言葉に、卓也は首を傾げた。
吉田は、慌てふためきながら言い訳をする。
「い、いや、でも、こいつらは単純な事務作業担当でして、調査実行するのはこの道のベテラン「赤き獅子」と呼ばれる名探偵、レッド吉田がやらせて頂きますのでご安心ください」
「うわ…。突っ込みたいわ…」
「杏奈さん、我慢して…」
杏奈とちひろは、ヒソヒソと囁きあう。
66投稿者:
リリー
投稿日:2007年02月24日(土)22時32分59秒
「それで…依頼内容は…?あ、こいつらジャマでしたら外に出しますけど…」
「いいえ、従業員の方でしたら気になりませんわ。実は…ある子を探して欲しいんです」
「家出ですか?」
「はい…。この子です…」
夏希は、写真を見せる。
その写真に写っているのは、聖・テレジア女子学園の白いセーラー服に身を包んだ、清楚という言葉がピッタリ合うような美少女だ。
その写真を見て、卓也はまた溜息をついた。
吉田も卓也と同意見のようだ。
「はぁ〜。きれいな子ですね…。そちらの生徒さん?」
「私のクラスの生徒です。名前は…中村有沙。14歳の中学2年生です」
「…?」
写真を見ている卓也は、また首を傾げる。
67投稿者:
リリー
投稿日:2007年02月24日(土)22時33分18秒
「なかむら…ありさ…さん…」
吉田はヘタクソな字でメモをとる。
それを見て、杏奈は口を挟む。
「漢字を教えて頂けます?」
「ええ、はい。上、中、下の『中』。木辺の『村』。有名、有識の『有』。沙羅双樹の『沙』で、中村有沙です」
吉田は『中村有』まで書いて、ペンがピタリと止まる。
「さらそうじゅ…?」
「沙悟浄の『沙』よ」
杏奈が助け船を出す。
「さごじょう…?」
「さんずいに少ない!」
「ああ…はい、はい…」
ようやく吉田は、名前を書き終えた。
「履歴書を見せてくれれば早いのに…」
卓也が言った。
「すいません…。生徒のプライバシー保護もありまして…。履歴書の類はお見せできませんので…」
夏希は申し訳なさそうに言う。
再び卓也は夏希に訪ねる。
「つまり…この依頼、学校の依頼ではなく、先生の個人的なものなんですか?」
卓也の質問に、僅かに身を硬くする夏希。
「ええ…。これは、有沙さんのご両親にも内緒にしていることで…」
68投稿者:
リリー
投稿日:2007年02月24日(土)22時34分22秒
「え?ご両親にも内緒って…!そのご両親はこの娘さんを探してらっしゃらないと?どういうことですか?」
今度は吉田が訪ねる。
「複雑なんです…。彼女の家庭環境は…。その…彼女は家を飛び出したのは、義父の性的虐待が原因なんです」
「虐待?」
ちひろの眉毛が、ピクリと上がった。
ちひろが怒っている…。吉田も卓也も杏奈も、敏感に察知した。
「ご両親は『娘は祖父の所に預けてある』と言い張っていますが…私は彼女から相談を受けていたものですから…」
「そうですか…それはそれは可哀そうに…。こんな可愛い子が…」
吉田の言葉を、杏奈が遮った。
「これは児童相談所の…公的機関の仕事ですね」
「いえ…!有沙さんの義父はこの街で強大な権力を持ってまして…。虐待の事実は揉み消されてしまいます!」
「ふん!大人なんて、みんな同じだ!」
ちひろは憤った。
(やばい…)三人は身を縮める。
「レッドさん!受けよう!この依頼!この子を助けてあげよう!」
ちひろはもう、すっかり一人で盛り上がってしまった。
69投稿者:
リリー
投稿日:2007年02月24日(土)22時35分25秒
今日はこれでおちます
70投稿者:
有沙が
投稿日:2007年02月25日(日)00時11分20秒
早くも物語に絡んできた
71投稿者:
age
投稿日:2007年02月25日(日)02時24分53秒
72投稿者:
今回は
投稿日:2007年02月25日(日)10時50分57秒
サブタイトルがつくんですね
73投稿者:
期待
投稿日:2007年02月25日(日)18時01分17秒
あげ
74投稿者:
更新
投稿日:2007年02月25日(日)21時39分37秒
マダー?
75投稿者:
リリー
投稿日:2007年02月25日(日)22時40分42秒
お待たせしました
更新します
76投稿者:
リリー
投稿日:2007年02月25日(日)22時42分28秒
「そう言って頂けると…本当に有り難いです…。だって…彼女…本当に苦しんで…うう…」
夏希はその美しい顔を歪ませて、いきなり泣き出した。
これには一同は驚いた。
いかにも隙のない、冷たい印象を受けるキャリアウーマンだと感じていた夏希が、人前で泣き出したのだ。
少なくとも、吉田は心を動かされた。
「つ、辛かったでしょうなぁ…先生も…。いいや、一番辛いのは彼女でしょう!今、どんな心細い思いでいるか…」
吉田は夏希にポケットティッシュを手渡す。
しかし、そんな吉田も鼻水を流して泣いている。
ちひろは黙ってハンカチを吉田に渡す。
予想はしていたが、吉田はそのハンカチで思いっきり鼻をかんだ。
77投稿者:
リリー
投稿日:2007年02月25日(日)22時43分25秒
「そ、それから…。このことは…警察には…内密に…。事件にでもなったら…彼女が…傷つきますし…」
そんな夏希の言葉に、杏奈はしらけ気味に言う。
「事件にならなかったら…内密で済ましてもこの問題は解決しないと思います。また、同じことを繰り返すかもしれないでしょ」
「いいえ、私は有沙さんのご両親に話し合いでわかって頂きたいと思っています。皆が幸せになる方法を見つけたいんです」
「エライ!先生は教師の鏡や!こんな先生…ワシも出会いたかった」
夏希と吉田は、オイオイ泣き合っている。
「何?この図…」
杏奈は、冷めた目で二人を眺める。
吉田は立ち上がって言う。
「先生!この私にお任せ下さい!必ずこの子を助けてみせます!我々は弱い者の味方です!R&G探偵社の『R』はロマンティックの『R』!『G』はグレートの『G』ですから!」
「レスキュー&ガードだ!」
ちひろはしっかりと突っ込んだ。
78投稿者:
リリー
投稿日:2007年02月25日(日)22時45分41秒
夏希が帰ってから、ちひろは怒りのリミッターを解除した。
「なんて汚い世の中だ!いつもそうだ!犠牲になるのは弱いものばかりだ!間違ってる!間違ってるぞ!この世の中は!」
「うん、うん…。ちひろの言う通りやな…。可哀そうやな…あの子…」
吉田は、腫れ物を触るかのように、ちひろに接する。
しかし、卓也は有沙の写真を見ながら考え事をしている。
「どうしたの?卓也。一目惚れ?」
杏奈が卓也をからかう。
「そんなんじゃないよ。でも、この写真…」
そして卓也は、しばらくしてゆっくりと口を開く。
「レッドさん…。ちーちゃん…。この依頼、断った方がいいかもしれない」
卓也の言葉を吉田は不思議に思い、ちひろは怒った。
「どうしてだ!?卓也!この子が可哀そうとは思わないのか!?」
ちひろは、年上の卓也を呼び捨てに呼んでいる。杏奈にはさん付けしているのだが…。
「だって、あの依頼人は嘘をついているから」
卓也の言葉に一同は絶句した。
79投稿者:
リリー
投稿日:2007年02月25日(日)22時46分21秒
「嘘…?何でそう思う?」
ちひろの疑問に、卓也は丁寧に一つ一つ答える。
「レッドさんが、僕等のことをバイトだと言いました。するとあの先生、『公立校は自由でいい』と言ったんです。でも、僕等の通う忠律高校も私立校なんです。この街に住んでいる人なら僕等の制服を見て忠律高校の者だってわかるはずです。自分で言うのもなんですが県内きっての進学校ですから」
「あ、そうよね。よく先生に言われるもの。『この制服を着ているということは、忠律高校の看板を掲げているのと同じだから行動には気をつけるように』って…」
「そう、あの先生は忠律高校を知らなかった。だって、聖・テレジアと忠律は生徒を取り合ってるライバル同士ですよ?知らないハズはない。それに…忠律の制服を着てるのに、僕を中学生と思ってた…。たぶん…」
そんな卓也に、ちひろは反論する。
「でも…あの先生は赴任して間もないかもしれない。この街に来てまだ数週間とか…」
「聖・テレジアはね、担任になるには2年以上の研修期間が必要なの。あの人、この有沙って子の担任だって言ったでしょ?だから少なくとも2年は聖・テレジアに在籍してるハズ。」
「う…」
杏奈の言葉に、ちひろは黙るしかなかった。
80投稿者:
レスキュー&ガード
投稿日:2007年02月25日(日)22時46分30秒
まさにRGだね
81投稿者:
リリー
投稿日:2007年02月25日(日)22時47分18秒
卓也が続けて言う。
「あとね、この有沙って子の写真…。たぶん合成だよ」
「合成?何でそないなことわかんねん?」
今度は吉田が聞く。
「うん…。これはここの旧式のCPじゃ解析できないけど…顔と制服の部分の明度というか、彩度が微妙に違うんだよね。たぶん、この有沙って子と同じ体格の子の身体をくっつけたんだと思う」
「これが合成…。全然気ぃつかへんかった…」
この場に甜歌がいたら、吉田は思いつく限りのからかいの言葉を浴びせられていたことだろう。
「電話で聞いてみよか?ほんまに加藤って先生がいるかどうか…」
「教えてくれませんよ。あそこの学校の個人情報はガッチリガードされてます」
「それより、それを調べるのが探偵の仕事じゃなくって?レッドさん」
「そうやね…。調べてみる…。でも、ギャラがええんよ、この仕事…。受けたいなぁ…」
「何だと!ギャラがいいからこの依頼を受けたのか!?」
ちひろは吉田に掴みかかった。
「ちゃ、ちゃう、ちゃう!助けたいからよ!でも、お金だって大切やで…」
そこへ、事務所のドアが勢いよく開いた。
「やっほ〜!!橋本甜歌、参上!どうだった?どんな依頼だったの?」
説明するのがめんどくさい…。四人は同時に同じことを思った。
82投稿者:
リリー
投稿日:2007年02月25日(日)22時50分02秒
今日はこれでおちます
今回は、説明的セリフが多く、例の如く読みにくいものになってしまいました
すいません
なんとか、読んでくださると、嬉しいです
83投稿者:
卓也と杏奈が通う学校
投稿日:2007年02月25日(日)22時54分20秒
忠律高校→ちゅうりつ→ちゅーりっつ
→クラブチューリッツ
!!
84投稿者:
凄いね、リリー様
投稿日:2007年02月25日(日)22時59分29秒
85投稿者:
クラブチューリッツ
投稿日:2007年02月25日(日)23時04分18秒
懐かしいなぁ…
86投稿者:
リリー
投稿日:2007年02月25日(日)23時33分19秒
>83
ああ、わかって下さった…
嬉しいです
87投稿者:
リリー
投稿日:2007年02月25日(日)23時34分32秒
ちなみに、聖テレジアのテレジアは、テレビアです
88投稿者:
さすがリリー様
投稿日:2007年02月25日(日)23時34分53秒
89投稿者:
忠律高校
投稿日:2007年02月26日(月)00時56分58秒
本当にありそうな、歴史あるお堅い進学校って感じがする
90投稿者:
age
投稿日:2007年02月26日(月)01時43分46秒
91投稿者:
あげる
投稿日:2007年02月26日(月)12時55分30秒
92投稿者:
SAMURAIDRIVEの
投稿日:2007年02月26日(月)16時59分10秒
DRIVEは僕はドライブ?
93投稿者:
hitomiでしょ?
投稿日:2007年02月26日(月)18時55分47秒
94投稿者:
でも、たしかに
投稿日:2007年02月26日(月)18時56分25秒
キャストでタイニーサーカスが揃ってはいるが…
95投稿者:
あげます*
投稿日:2007年02月26日(月)19時32分27秒
96投稿者:
リリー
投稿日:2007年02月26日(月)21時48分53秒
これからも、言葉遊びは時々やりたいですね
タイトルは、ギリギリで悩みました
最初は「SAMURAI GIRL」で、次が「SAMURAI BLADE」で、「SAMURAI DRIVE」に落ち着きました
そう言えば「僕はドライブ」も「DRIVE」だなぁ、と後で気がつきました
とにかく、剣道家のちひろが主人公ですから、「SAMURAI」という言葉を使いたかったのです
それでは、更新します
97投稿者:
リリー
投稿日:2007年02月26日(月)21時49分37秒
3『ゴシックロリータの少女』
卓也の予想は的中した。
後日の調査で、確かに聖・テレジア女子学園には中村有沙という生徒は在籍していないし、加藤夏希という教師もいなかったことが判明。
そしてこの有沙の写真も合成だということを、卓也は自宅のCPで解析した。
そう、加藤夏希…あの女は嘘をついていた。
何よりも嘘や騙し合いを嫌う、ちひろの怒りは相当なもので、吉田に「真相を突き止めろ」と迫った。
吉田も嘘をつかれては信用して仕事はできないので、ここはプロらしく毅然とした態度で夏希に会うことにした。
R&G探偵社に再び訪れた夏希は悪びれた様子がない。
ソファーに座る吉田。その後ろにちひろ、卓也、杏奈、甜歌の四人が並ぶ。
五人とも夏希を見る目が厳しい。
それでも夏希は涼しい様子だ。まるでバレることは想定の範囲内だとでも言わんばかりだ。
「これはどういうことですか?何故我々に嘘をついたのか、まずそれをお伺いしたい」
厳しい口調で質問する吉田。しかし、夏希は平然とタバコとライターをハンドバッグから出す。
「タバコ…吸ってもいいかしら?」
「すいません、未成年がいますんで…。遠慮してもらえませんか?」
「あ、そう…」
夏希はタバコをしまう。
98投稿者:
リリー
投稿日:2007年02月26日(月)21時50分52秒
「あ、これももう必要ないわね…」
そう言うと、夏希はメガネも外してバッグにしまう。
「あなた方の調査能力を試す為…とでも言っておきましょうか?ま、大した能力はなくてもこの子を見つけ出すのは難しくないとは思うけど…」
「試す?我々を?」
「そう…。その上で正式に依頼をしようと思ってました」
「お断りします。我々は信用商売です。それは我々のことだけでなく、依頼人の方も信用できる人でないと、とてもじゃないけど仕事なんてできない」
ちひろは吉田に対して、心の中で拍手した。
「そう…。予想外ね…。大金に釣られて多少不自然な状況でも依頼を受けて頂けると思ったのに…」
「腐っても鯛です。納得した仕事でなければお受けできません」
「それに…。この写真が合成だということも気付かれるなんて…」
「この『赤き獅子』レッド吉田の目を欺く事はできませんよ」
ちひろ達は突っ込みの言葉を飲み込んだ。このシリアスな雰囲気を壊してはならない。
99投稿者:
リリー
投稿日:2007年02月26日(月)21時53分17秒
「この女の子は…一体誰ですか?」
「この依頼を受けてもらえないのなら…言う必要はないですね…」
「本当に行方不明なんですか?」
「それは本当よ。私はこの子を探したい…。何が何でも…」
夏希の眼力に気圧されそうになる吉田。ちひろが背中を突く。
「あ…うん…。本当のことを話してもらえるのなら…私達はもう一度この依頼を受けさせてもらいますが…」
「結構よ。だってあなた達、めんどくさいんだもの」
「めんどくさい?」
ちひろは、眉間にシワを寄せて夏希を睨む。
「ちーちゃん…」
卓也はちひろの腕を引っ張った。
「ただこの子を見つけてくれればよかったの。保護なんかしなくて結構よ。見つけてくれればあとは我々でなんとかできるから…」
「我々…?つまり…あなたは一人じゃなくて…複数の集団…いや、組織ですか?」
卓也は、即座に突っ込んだ。
夏希は、少し驚いたように卓也を見る。
「なるほど…。見抜いたのはあなたね…」
卓也は少し頭を下げると、ちひろの後ろに引っ込んでしまった。
100投稿者:
リリー
投稿日:2007年02月26日(月)21時55分15秒
「何であなた達が自分等で探そうとしないんですか?何故我々に人探しを頼んだんですか?」
吉田は構わず質問した。
「私達はなるべく動きたくないんです。必要最低限の仕事しかさせたくないんです」
「させたくない?したくないではなく、させたくないですか?」
卓也がまた口を挟む。
夏希はジロリと卓也を睨む。
ますます、卓也はちひろの影に隠れてしまった。
101投稿者:
赤き獅子
投稿日:2007年02月26日(月)21時55分16秒
04ドラマのキャッチフレーズだっけ、レッドさんの
102投稿者:
リリー
投稿日:2007年02月26日(月)21時56分37秒
「とにかく…黙って探してくれる人ならたくさんいます。あなた達のような倫理観を押し付けない、めんどくさくない人達が…」
「誰に頼むつもりだ?」
ちひろが、堪りかねて夏希に詰め寄った。
「…お嬢ちゃん…。口の利き方を覚えた方がいいわ…。年上に対しては敬語を…」
「そんなことはわかっている!言わせてもらえば、私は敬語の大切さを誰よりも心得ている!しかし、敬語というものは尊敬する相手でなければ使う気になれん!」
「尊敬?」
「嘘をついたり、人を騙すような輩を尊敬できると思うか!?」
「ふふ…。まるで武士のような口の利き方をする…」
夏希は鼻で笑った。
「まだ答えを聞いてないぞ!誰にその女の子を探させるつもりだ?」
「もう、あなた達には関係ないわ!失礼させてもらいます。そうそう、彼女の写真、返して下さる?」
吉田は黙って、中村有沙の合成写真を渡す。
「くれぐれも…この件には首を突っ込まないようにね…」
夏希はそう言い残して、事務所を出て行った。
103投稿者:
リリー
投稿日:2007年02月26日(月)21時58分40秒
何とも言えない澱んだ空気が、事務所内を支配する。
この沈黙を破ったのは、甜歌だった。
「ま…何にしても…。なんかヤバそうな仕事だったし…。これで良かったんじゃない?」
「いいことなんかない!」
ちひろは怒鳴った。
「ひっ」っと甜歌は、小さく悲鳴をあげる。
「あの子は…有沙という子はどうなる?何で行方不明なんだ?何であの女は嘘をついてまで探させようとする?みんなは放っておけるのか?」
104投稿者:
リリー
投稿日:2007年02月26日(月)21時59分02秒
卓也は重い口を開く。
「ちーちゃん…。これは…手を出してはいけない事だと思う。僕等のような…普通の世界の住人の抱える事件ではないよ…。たぶん…」
「卓也!それでいいのか?心配じゃないのか?私達と歳も変わらないような子が…あんな訳のわからない輩に追われてるんだぞ!?」
杏奈は、帰り支度を始めた。
「どうであれ…私は帰る。だってギャラがでないんでしょ?私達が動く理由がないもの…。さようなら…」
「杏奈さん!」
ちひろの言葉を背に、杏奈は事務所を後にする。
「僕も…帰るよ。ゴメンね」
卓也も出て行った。
「ちひろさん…。私はちひろさんに付き合うよ…」
甜歌は弱々しく言った。
「ありがとう…。甜歌…。レッドさん、私…」
「わかってる、ちひろ。おまえの親父さんでも放っておけないハズや。中村有沙、この子を見つけよう」
「…レッドさん!」
「でも、見つけるだけや。あとは警察に任せる…。それでええか?」
「うん!」
「それから…これはワシ一人でやる。おまえらは手を出すな」
「え…?し、しかし…」
「手を出すな!」
吉田は珍しく怒鳴った。この仕事は危険だと、吉田も直感しているのだろう。
ちひろは、吉田に従うしかなかった。
105投稿者:
リリー
投稿日:2007年02月26日(月)22時00分08秒
今日はこれでおちます
>101
「眠りっぱなしの赤き獅子」でしたっけ?たしか…
106投稿者:
これからは
投稿日:2007年02月26日(月)23時56分58秒
自分達の力でやれ!という
卓也と杏奈の助言か
107投稿者:
レッドさん…
投稿日:2007年02月27日(火)01時18分30秒
死亡フラグでしょうか…?
108投稿者:
age
投稿日:2007年02月27日(火)09時00分58秒
109投稿者:
あげます*
投稿日:2007年02月27日(火)19時53分30秒
110投稿者:
リリー
投稿日:2007年02月27日(火)22時11分17秒
更新します
111投稿者:
リリー
投稿日:2007年02月27日(火)22時12分07秒
夜の下ノ国町。
虹守町の隣町だが、高級住宅街や公的施設は虹守町に集中している分、下ノ国町は全体的に寂れていて治安も悪い。
廃墟のようになりながらも、何とか経営しているゲームセンター内に人影が見える。
五人の内四人は、少年少女である。
「で…ゴルゴさん…この子を探すだけでいいの?」
四人の中で一番小柄な少女…飯田里穂は写真を見ながら言う。
あの中村有沙の合成写真だ。
「ああ…。この子はおまえ等と同い年くらいだろ?俺の所の組員を使うよりも、おまえ等に頼んだ方がうまくいくと思ってな」
五人の中の唯一の大人、ゴルゴと呼ばれた男はそう答えた。
もちろん、ゴルゴとはあだ名である。本名は松本政彦。堅気の人間ではない。
「可愛い子ですね。この子、タイプだな。しかも聖・テレの制服だ!お嬢様じゃん!」
外国人のような顔の少年…ド・ランクザン望は、里穂の手から写真を取り上げる。
「あ、テメェ!勝手に見てんじゃねえよ!」
里穂は、望から写真を奪い返す。
「女を見ればすぐこれなんだから…!いつもは私に言い寄ってるくせに。ムカつくんだよ、コイツ!」
もう一人の少女、篠原愛実は吐き捨てるように言う。
「女を見れば、一応褒めるのがイタリア人の礼儀らしいよ。ジローラモがテレビで言ってた」
肥満体の少年、堀江幸生は生あくびをしながら言う。
「イタリア人じゃねえよ、フランス人!何度言ったらわかるんだよ!」
望は、幸生の腹を軽く殴る。
まったく効かない風に、平然と腹を掻きながら幸生は笑う。
112投稿者:
リリー
投稿日:2007年02月27日(火)22時14分30秒
ド・ランクザン…フランス系の名前。「ド」が名前に付くのは貴族の証らしいのだが、彼は紛れもない不良少年である。
そんな男二人を無視して、里穂は話しを進める。
「わかったよ、ゴルゴさん。私達がこの子を見つければいいんだね?」
「ああ…。それから…コレ持ってけ」
ゴルゴは、銀色に輝く銃を、里穂に投げてよこす。
里穂は、両手でその銃を受け止める。
ズシリと重い。里穂は思わず声を失った。
113投稿者:
リリー
投稿日:2007年02月27日(火)22時14分47秒
「あ!カッケェ!俺もらい!」
「バカ!俺によこせ!」
望と幸生は、銃を奪い合う。
「おい、オモチャじゃねえぞ!気をつけろ!」
ゴルゴが怒鳴ると、二人はシュンと静かになる。結局、銃は望が持った。
「ゴルゴさん…。何でこんなモノが必要なんです?この子を探すだけでしょ?」
怪訝な顔で、里穂は訊ねる。
「この子…中村有沙…。可愛い顔に似合わず相当なタマだってよ。扱いには苦労すると思うぜ。用心の為に持っておきな」
「用心…?」
里穂は、ますます不安になった。
「ま、見つけて手に余るようなら俺に連絡しろ。おまえ等は最低限、見つけるだけでいい。うまくいったら、おまえら『スクラッチ』に、甘い蜜をいつも吸わせてやる」
「はい。なんとかやってみせますよ…。おい、おまえら!さっそく探しに行くぞ」
「おう、姉御!」
「スクラッチ、発進!!」
望のバイクに愛実が、幸生のバイクには里穂が後ろにまたがり、四人はけたたましい音をたてて、夜の街に消えていった。
114投稿者:
リリー
投稿日:2007年02月27日(火)22時16分12秒
吉田は「俺にまかせろ」と、珍しく大人らしい態度を見せたが、それでもちひろと甜歌の不安は拭えない。
二人は、こっそりと吉田の後をつけて、虹守駅前の繁華街まで来た。
中学生二人の尾行に気がつかないとは、やはり吉田は頼りない。
夕方、吉田は夏希に有沙の合成写真を返したが、卓也はちゃっかりと写真のプリントアウトを済ませていた。
つまり、吉田もちひろも甜歌も有沙の写真を一枚ずつ持っているので、聞き込みは可能である。
道端にたむろする若者一人一人に、吉田は写真を見せて聞いていく。
「まったく…。若い者がこんな夜遅くまで街中をほっつき歩いて…。日本の将来はどうなるんだ!」
「ちひろさん…。私達も若者で夜遅く街中をほっつき歩いてるんですけど…」
「私達は仕事だ!だからいいんだ」
「お金にならない仕事なんて…」
「何だ?文句があるなら甜歌は帰っていいぞ!」
「そんな!文句なんて、言ってませんよ!」
「よし、それじゃあ私達も聞き込みを始めよう。この通りはレッドさんが聞いていくから…私達は向こうの通りだ」
「じゃあ、私はアッチの…」
行きかけた甜歌の襟首を掴むちひろ。
「甜歌は私と一緒に来い!子供を一人だけにしておけん!」
「ええ?ちひろさんだって子供のクセに…!」
「何だって?」
「何でもないです…」
二人は、駅へ向かう道を逆行する。
115投稿者:
リリー
投稿日:2007年02月27日(火)22時18分09秒
この街で、一番大きなアミューズメントパーク。二人はまず、ここで聞き込みをすることにした。
先ほど、ゴルゴと里穂達が密談していた下ノ国町のゲームセンターは、この店がオープンしたことで寂れていったのだ。
つまり、ここには下ノ国町の少年達も集まってきており、かなり店全体の雰囲気は柄が悪い。
ちひろも甜歌も、こんな所に入るのは初めてのことだった。
「なんか…恐いよ、ちひろさん…。お金とか脅し取られたらどうしよう…?」
「だから、帰れって言ったのに…。その時は私が守ってやるから安心しろ!」
「ちひろさん、竹刀とか木刀とか持ってないけど大丈夫?」
「大丈夫。コレがある」
ちひろは、上着の内ポケットから銀色に光る短い棒を見せる。
116投稿者:
リリー
投稿日:2007年02月27日(火)22時18分51秒
「これは何?」
「携帯用の護身ロッドだ。伸縮自在のな。レッドさんに必要経費で買わせた。ちなみにアメリカ製だ」
「へえ…。カッコいい…」
「木刀よりはちょっと短めだが、何、剣道ってのは獲物の長さが重要ではない。相手の懐に入るタイミングで勝負は決まる。その気になればリコーダーでも私は戦える」
「そうか…。棒を持たせればちひろさんの右に出る者はいないもんね。でも…相手がピストルとか持ってたらどうするの?」
「バカ!日本でピストルなんて持てるか!」
「ヤクザとかは持ってるじゃん!こんな商売してたら、そういう人達にも出会うかもしれないし…」
「そうだな…。でも、その時はちゃんとそれなりの戦い方がある」
「へ?どんな戦い方?」
「それは…」
「カ〜ノジョ達!君たち二人だけ?それとも男連れ?」
ちひろ達は、いきなり背後から話しかけられた。
二人は振り向く。
「ひゃ!外人だ!」
甜歌は小さく叫んだ。
その男は、ゴルゴから有沙の捜索を命じられた四人組「スクラッチ」の一人…ド・ランクザン望だった。
117投稿者:
f
投稿日:2007年02月27日(火)22時19分23秒
f
118投稿者:
リリー
投稿日:2007年02月27日(火)22時19分55秒
「外人?俺のこと?いや、日本人だよ、半分は。あと半分はフランス人」
「へ〜、フランス人?ぼんじゅ〜る!こまんたれぶ〜!」
「ハハハ、面白いね、君。そうそう、俺、フランスに城持ってるんだぜ!」
「お城?すごい!あんた、王様!?」
「貴族だよ、キ・ゾ・ク!」
「貴族?貴族って毎日パーティーしてダンスしてるあの貴族?私もパーティーに行きたい!」
「いいよ、今度遊びに来る?ただし、そのお城、お化けが出るけどね」
「お化け?おもしろ〜い!行く!行く!」
ちひろは、この軽そうな男から胡散臭さしか感じなかった。
「悪いが…今忙しいんだ。甜歌行くぞ!」
ちひろは、甜歌の腕を引っ張ってその場を去る。
「おいおい、ちょっと、そっけないな。待ってよ!」
望は、ちひろの肩を掴んだ。
ちひろは、カッと頭に血が昇った。
もう少しで、望の高い鼻を殴って曲げてしまう衝動に駆られた。
「忙しいって言ってるだろ!人を探してるんだ!」
「人?」
「あ、そうそう、この子、見たことない?」
甜歌は、有沙の写真を望に見せるため、写真をポケットから取り出そうとする。
119投稿者:
リリー
投稿日:2007年02月27日(火)22時20分58秒
「望!何やってんの!」
そこへ、少女が望の頭を後ろから思いっきり叩いた。
「いて!」
望は思わずしゃがみ込んだので、甜歌の出した写真を見れなかった。
望を叩いたのは…四人組「スクラッチ」の一人、篠原愛実だった。
「またナンパ?少しはまともに働きなよ!」
「痛いなぁ…。今、聞こうと思ってたんだよ!」
「ねえ、あんた達!この子、見たことある?」
愛実がつっけんどんな態度で、ちひろ達に写真を見せる。
その写真は…中村有沙だった。しかも、ちひろと同じ、聖・テレジア女子学園の制服を合成した物である。
「あ…イタ!」
甜歌が何か言う前に、ちひろは甜歌の足を踏んづけた。
甜歌もさすがに意味を察して、有沙の写真をしまった。
120投稿者:
リリー
投稿日:2007年02月27日(火)22時22分48秒
「この子が…どうかしたのか?」
ちひろは、ジロリと望と愛実を見る。
「聞いてんのはこっちよ!見たことあるの?ないの?」
「それが人にモノを頼む態度か?」
「何よ!私とやろうっての!」
「弱い者いじめは、しない主義だ」
「よ、弱い者いじめ?こ、こいつ、ムカつく!」
愛実は、ちひろの胸座を掴んで殴りかかる。
「ちょ、ちょっと待てよ、愛実!」
望は、愛実とちひろの間に入った。
「ぎゃ!」
その為、見事に望は愛実のストレートを横っ面に受けた。
121投稿者:
リリー
投稿日:2007年02月27日(火)22時23分10秒
この騒ぎに、周りがちひろ達に注目し始める。
「ち…!目立っちゃったじゃない!もう、いいわ!あんた、命拾いしたね!望、行くわよ!」
痛がる望を引っ張って、愛実は店を出た。
「恐かったねぇ…。ちひろさん…」
「ふん!あの程度のパンチ…。命拾いしたのはそっちの方だ!しかし…甜歌…あの写真…」
「うん…。有沙ちゃんの写真だったね」
「そう…。しかも私達の持ってる写真と同じ物…。つまり、あの加藤夏希という女から渡された物だ」
「つまり…。私達の代わりに頼んだってのは…」
「うん、あいつらのことだ。あの様子から見ると、まともな連中じゃない。これはあいつらより早く有沙を見つけ出さないと…」
「どうする?この店、出る?」
「いや、あいつらがこの店を出ていったから、ここにいれば鉢合わせになることはない。やり合っても負けることはないが、面倒は避けたい」
「ああ…。本当にちひろさんが一緒でよかった〜」
甜歌は一層、ちひろにくっ付いて歩いた。
122投稿者:
リリー
投稿日:2007年02月27日(火)22時23分50秒
今日はこれでおちます
123投稿者:
今回は
投稿日:2007年02月28日(水)00時38分06秒
また、たくさんの量を更新しましたね
124投稿者:
「ド」が名前に付くのは貴族の証
投稿日:2007年02月28日(水)00時48分30秒
そうか…
125投稿者:
望って
投稿日:2007年02月28日(水)02時20分33秒
やっぱり、こんな役…
126投稿者:
age
投稿日:2007年02月28日(水)09時32分39秒
127投稿者:
あげます
投稿日:2007年02月28日(水)18時11分53秒
128投稿者:
リリー
投稿日:2007年02月28日(水)21時13分41秒
更新します
129投稿者:
リリー
投稿日:2007年02月28日(水)21時15分18秒
「この子?ああ、あのゴスロリじゃない?」
金色に髪を染めた少女が、写真を見るなり言った。
もう、30人くらいに聞き込みを続けた頃、やっと手がかりになりそうな答えを聞くことができた。
「ゴスロリ?何だ?それ」
「ファッションの一種ですよ、ちひろさん。『ゴシック&ロリータ』の略です」
「だから、何だ、それは!」
ちひろは、イライラしながら甜歌に聞く。
「あとで詳しく教えます。…で、どこで見たんですか?」
「うん、駅の西口だよ。バスのロータリーのベンチに座ってたんだよ。そのゴスロリが」
「ロリータにロータリーがいたのか?」
「ちひろさん…お願いだから黙ってて…。本当にこの子だったんですか?」
「見間違えねえよ!ああ、もう!ムカつくな!この写真、引っ込めてくれよ!」
「ムカつく?どういうことだ?」
ムカつく…。この清楚な美少女の雰囲気とは、およそかけ離れた言葉に、ちひろは疑問を持った。
130投稿者:
リリー
投稿日:2007年02月28日(水)21時16分02秒
金髪の横にいた、少し大人しそうな子…といっても髪の色はショッキングピンクだが、その少女が代わりに答えた。
「だって、私の携帯、この子に壊されたんだもん」
「壊された?何で?」
「私、ゴスロリとかそっち系のファッションに興味あったのね。で、ゴスロリのその子を見かけたの。服もそうだけど、顔も凄く可愛くてさ…。で、写メでその子のこと写したの」
「それで?」
「そう、それでツカツカと私の前まで来て、いきなり携帯奪って真っ二つに折ったの。超ショックだよ…」
「折った…?携帯を…?」
再び金髪は口を開く。
「だから、私、そいつの胸座掴んで『何しやがんだ!』って言ったら、そいつ、私を殴りやがって!」
よく見ると、金髪の目の下には殴られたような赤い痣ができていた。
「殴った…。この有沙ちゃんが…?」
甜歌は信じられなかった。可愛らしく微笑むこの少女が…殴った?
131投稿者:
リリー
投稿日:2007年02月28日(水)21時17分25秒
「有沙?そいつの名前か?おまえ等、知り合いなのか?」
「い、いや、知り合いって言うか…まあ、探してるんですけど…」
「勝手に盗み撮りした、そっちにも非があるがな…」
ちひろの言葉に、金髪は眉間を寄せる。
「あん?おまえ、偉そうに説教すんのか?」
「表に出るか?」
ちひろは動じない。甜歌は、涙目でちひろと金髪を交互に見る。
ちひろと金髪はにらみ合う。しかし、金髪は溜息をついて目を逸らす。
「やらねえよ…。おまえ、相当強いだろ?私、そういうのには敏感なんだ。自分より強いヤツにはケンカを売らねえって」
「でも、この子…有沙にはケンカを売ったんだろ?いや、その前にこの子は強いのか?やり返してないのか?」
「そうなんだよな…。そいつ、全然強そうに思えなかったんだ。でも、一発殴られただけでわかったよ。そいつ、強いよ…」
ちひろと甜歌は、顔を見合わせた。
一筋縄ではいかない依頼だ…。改めて二人はそう思った。
132投稿者:
リリー
投稿日:2007年02月28日(水)21時19分01秒
中村有沙は、駅のバスのロータリーにいた。それが、今から20分前のこと。
あんな目立つ所にいたら、さっきの連中もその情報を手に入れるのは時間の問題だ。
まだ彼女がそこにいるかどうかわからないが、とにかく行ってみるしかない。
「あー!!ちひろ!甜歌!そこで何しとんねん!」
後ろから、吉田の声がした。
振り向くと、吉田が恐い顔で立っている。
「あ…スマン、レッドさん。やっぱり、私達もこの子を放っておけなくて…」
「あと、レッドさん一人に任しておくのはちょっと…」
「やかましい!おまえらなんかに心配されんでもなぁ、ワシ一人でこの子くらい保護できるわ!今、この子が駅のロータリーにいたって情報を掴んだところや!」
「え?レッドさんも?」
「やばいよ!ちひろさん!レッドさんごときでも情報を掴んだということは…」
「ごときって何や!ほんまにしばくぞ!」
「レッドさん、中村有沙を探してる連中が私達以外にいる!そいつらよりも早くこの子を見つけないと!」
「何やって?じゃあ、あの女が他に頼んだ連中か?」
「そうだ!さっき接触したんだが、まともな連中じゃないぞ!この子自身もなんかややこしい!早く駅に行こう!」
「わかった!」
三人は、夜の繁華街を突っ切って、駅へと向かう。
133投稿者:
リリー
投稿日:2007年02月28日(水)21時20分26秒
夜の10時。
バスのロータリーには、人がいなかった。
丁度バスが、発車した直後のようだった。
ガランとした風景。白い壁と蛍光灯が、ロータリー全体を寒々しい空気にしている。
ここに果たして、写真の少女…中村有沙はいるのだろうか?
ちひろは辺りを見回すが、それらしき少女はいない。それ以前に「ゴスロリ」なるものをちひろは知らないのだが。
「ハァ…ハァ…。と、とりあえす、反対側の沿線にも行ってみよう…。お、遅れるんやないぞ…。遅れたら…置いてくからな…」
膝に手を着いて、肩を上下させる吉田。
「レッドさん、置いていくぞ…」
三人は、また階段を上がって、下ノ国方面に行くロータリーに向かう。
そして、階段を降りた時…。
「ちひろさん…。あれ…」
「ああ…。あれがゴスロリってやつか?」
白いタイルの壁に、くっきりと浮かび上がる黒いドレス。
まるで、中世のヨーロッパの衣装を着た、人形のような少女…。
そう、まるで人形だ。無表情で、直立不動で…。
白い肌の少女。黒いドレスがそれを引き立たせている。
写真の少女がそこにいた。
「そして…この子が中村有沙か…」
134投稿者:
リリー
投稿日:2007年02月28日(水)21時21分25秒
今日は、これでおちます
135投稿者:
今日は
投稿日:2007年02月28日(水)22時37分38秒
随分とはやいですね
136投稿者:
あげます
投稿日:2007年03月01日(木)00時31分13秒
137投稿者:
あげ
投稿日:2007年03月01日(木)14時50分44秒
138投稿者:
優菜
投稿日:2007年03月01日(木)14時55分57秒
今日ゎこの辺でぉちましゅw
優菜の自己紹介しちゃいましゅw
優菜(ゆうな)
小5
趣味→お兄ちゃんと一緒にお風呂に入ることと、一緒に寝ることw
特技→ピアノが弾けること(ソナチネがもうすぐ終わりましゅw
一言→小5だし、小説初で超緊張してましゅw
でも頑張るので、みんな応援してほしいでしゅw
よろしくお願いしますでしゅwww
139投稿者:
あげます*
投稿日:2007年03月01日(木)19時07分35秒
140投稿者:
リリー
投稿日:2007年03月01日(木)22時36分49秒
あげ、ありがとうございます
更新します
141投稿者:
リリー
投稿日:2007年03月01日(木)22時37分04秒
4『剣と銃』
中村有沙は、じっとこちらを見ている。
まるで、ちひろ達がここに来るのをずっと待っていたかのようだ。
ちひろは大きく深呼吸すると、有沙にゆっくりと近づく。
甜歌は、慌ててちひろの後を追う。
ちひろは、有沙の三歩手前まで近づき、足を止める。
有沙は、ちひろの目をじっと見つめる。
ちひろよりも頭一つ低い背。短いフリルのスカートから覗く細い脚。ドレスの上からでもわかる華奢な身体。
あの金髪の少女は、ちひろよりも背が高かった。それなのに有沙は、あの金髪を殴って屈服させたのか。この身体で…。
そして、本当に、美しい、顔。
穴が開くまで写真を見たはずなのに、思わず見惚れてしまう美しさ…。
142投稿者:
リリー
投稿日:2007年03月01日(木)22時37分33秒
「あ、あんたが…中村有沙か…?」
ちひろはやっと口を開いた。
そして、中村有沙は、透明感のある、涼しげな声を出した。
「なぜ、私の名前を知っている?」
そう問いかける有沙に、ちひろはなぜか圧迫感を覚えた。
「あ、あんたを…探していた…」
「なぜ?」
圧迫感…いや、威圧感か。ちひろは息苦しさを感じた。
もう一度深呼吸をする、ちひろ。
「あんたを…探している人から頼まれた」
「誰?」
間髪入れる問いかけ。今度は恐怖を感じた。
「加藤…夏希か?」
「え?」
ちひろは言葉に詰まった。
「加藤夏希の回し者か?」
無表情の有沙の顔…しかし、目には少しだけ敵対心の色が窺えた。
「ち、ちがう!い、いや、たしかにきっかけはそうだ。でも、もう加藤夏希とは関係はない」
「詳しい話しを聞かせろ」
まるで機械のような受け答え。ちひろよりも一つ年下ということだが、彼女からはまるで若さを感じない。
143投稿者:
リリー
投稿日:2007年03月01日(木)22時39分21秒
「そ、それは…」
どうやって話そうか迷っていると、やっと吉田が、ちひろ達に追いついた。
「ハァ…ハァ…。やっと追いついた…。おお!こ、この子は?しゃ、写真の子か!?」
吉田の声は、ロータリーに響き渡った。
「なんだ…?あの騒々しい男は…」
「あ…すまん…。あれが、うちの探偵社の社長だ…」
「探偵社?そうか…夏希は探偵に私の捜査を頼んだのか…」
「ああ…そうだが…」
「クク…。なるほど…最低限、自分達は動きたくないわけか…」
有沙は笑った。いや、笑ったのか?顔は笑っていなかった。
「ああ…どうも…R&G探偵社の社長の吉田といいます。この業界では『赤き獅子・レッド吉田』と呼ばれております」
吉田はそう言って、名刺を出した。
しかし、有沙はその名刺を受け取らない。チラリとも見ようとしない。
吉田は、所在なさげに名刺を引っ込めた。
144投稿者:
リリー
投稿日:2007年03月01日(木)22時40分15秒
「それで…?おまえ達は私をどうするつもりだ?」
「へ?どうすると?」
「加藤夏希に引き渡すか?」
吉田は、思わずちひろの顔を見る。ちひろが慌てて答える。
「い、いや、だから、私達はあの女の依頼は断ったんだ」
「断った?なのになぜ私を探した?」
その質問に、吉田が答える。
「いや、それはですね…。あなたが困ってらっしゃるんじゃないかということで、私達が自主的にあなたを保護しようと…」
「保護?つまり…私を守るということか?」
「はい!その通りでございます!」
「おまえ達は強いのか?」
「へ?」
「私を守るというのなら、当然おまえ達は強いのだろう?」
三人は、顔を見合わせる。
145投稿者:
リリー
投稿日:2007年03月01日(木)22時41分02秒
「当然でございます!」
吉田が、ワンテンポ遅れて言い切った。
「あ、このちひろさんは本当に強いですよ!剣道の有段者ですから!」
甜歌は、ちひろを前にグイと押した。
「おい!甜歌!」
「いいじゃないですか!本当のことだから」
「ふ〜ん…。剣道を…?そうなのか…」
有沙は、ちひろを上から下まで、ジロジロと舐めるように見る。
「わかった。おまえ達に着いて行こう。さあ、安全な場所まで私を案内するのだ」
「え…は、はい。では、さっそく…」
吉田達は、ロータリーの階段を上がる。
146投稿者:
リリー
投稿日:2007年03月01日(木)22時41分36秒
今日は、これでおちます
147投稿者:
age
投稿日:2007年03月02日(金)16時59分27秒
148投稿者:
あ
投稿日:2007年03月02日(金)18時30分14秒
げ
149投稿者:
有沙女王様〜!
投稿日:2007年03月02日(金)19時22分43秒
150投稿者:
ゴスロリのありりん
投稿日:2007年03月02日(金)21時51分38秒
萌え
151投稿者:
リリー
投稿日:2007年03月02日(金)22時20分00秒
更新します
いよいよ有沙の登場で、物語は核心に入ります
152投稿者:
リリー
投稿日:2007年03月02日(金)22時21分38秒
吉田が前を歩き、その後ろを有沙。そしてだいぶ離れて、ちひろと甜歌。
「なあ、甜歌、どう思う?」
ちひろは、有沙に聞こえないように甜歌に話しかける。
「う…うん…。なんか、変わった子ですよね…。写真で見た印象とは、だいぶ違う…」
「ああ、もっとお嬢さんっぽいって印象だったからな。喋り方も変だし…。なんか偉そうだ」
「喋り方が変って…。ちひろさんも充分変ですよ」
「私が?」
「ええ…。あの依頼人の女も、言ってたじゃないですか。武士みたいって…」
「武士…」
突然、有沙が二人に話しかけてきた。
「私の喋り方なら気にするな…。ずっとこんな具合だ」
ちひろと甜歌は、驚いた。本当にヒソヒソ声で話していたのに、あの会話が聞こえていたのだろうか?
「それに…武士のような話し方というのも気にすることはない。素敵ではないか。武士は頼りになる」
「ああ…どうも…」
ちひろは一応、頭を下げた。
153投稿者:
リリー
投稿日:2007年03月02日(金)22時23分16秒
「それより…私をどこへ連れていくのだ?」
「え?ああ、はい。取りあえずは警察に…」
「警察?」
有沙は、ピタリと歩みを止めた。
「あ、あの…。どうしました?」
吉田は少し慌てた。一刻も早く、有沙を警察に任せたかったからだ。
「まずいな…」
「な、何がです?」
「警察はまずいな…」
「け、警察が…?」
「私は警察へは行かない。おまえ達が守るというのだから、おまえ達が私を守れ」
「は、はい?」
吉田は、一瞬言葉を失った。
154投稿者:
リリー
投稿日:2007年03月02日(金)22時23分37秒
「い、いや、しかし…。ここは警察に頼った方が…一番いい方法だと思いますよ…。私共を信用してくださるのは嬉しいのですが…」
「警察に行くと言うのなら、私は、おまえ達と共に行くのは拒否する。放っておいてほしい」
吉田は頭を掻いて、困惑した顔をちひろに向けた。
ちひろは、吉田の袖を引っ張って有沙に聞こえない所まで移動する。そして細心の注意をはらって、吉田に耳うちする。
「レッドさん…。ここは一度有沙と別れよう。で、レッドさんは警察に連絡してくれ。有沙の監視は私がする」
「監視?それやったらワシが…」
「私のような未青年が警察に行ったら面倒だ。有沙の動向は携帯で逐一報告する」
「うん…それがええな。甜歌はどうする?」
「家に帰す。もう10時だ。子供がうろついていい時間じゃない」
「おまえが言うか?」
「では、そういうことでいいか?」
「…おう」
155投稿者:
リリー
投稿日:2007年03月02日(金)22時25分06秒
二人がこんな話しをしている時、甜歌は有沙の側にいて、会話に困っていた。
「あ…あの…。家出してから…今日までどうやって暮らしてたんですか?」
「野宿だ」
「野宿?お風呂は?」
「入っていない」
よく見ると、ドレスの白いフリルの部分は汚れている。ツインテールに括った髪の毛は、硬そうに絡まっている。
「ご飯は…?」
「食べてない」
「えー!!死んじゃうよー!」
「死にはしない。水さえあれば、何も食べなくても5日は生きていられる」
「そ、そうなの?」
「逆に健康にいい」
「そ、そうか…。ダイエットになるよね…」
156投稿者:
リリー
投稿日:2007年03月02日(金)22時25分21秒
二人がそんな会話を続けていると、ちひろと吉田が戻って来た。
「え〜…あの〜…ここは一旦ですね…」
「私を監視しつつ警察を呼ぶ作戦か?」
「げ…!」
吉田は仰天した。ちひろもだ。
甜歌と雑談しながらも、ちゃんと聞こえていたというのか?
「拒否する。私を守るとおまえ達は言った。最後まで完遂するべきだ」
ちひろと吉田は、顔を見合わせた。
「どうする?レッドさん」
157投稿者:
リリー
投稿日:2007年03月02日(金)22時26分38秒
その時だった。向かい側から、小柄な少女と肥満体の少年がこちらに向かって走って来た。
「早く来い!おまえ、太りすぎなんだよ!」
「ま、待ってくれよ、姉御!」
二人は、ちひろ達の脇を通り過ぎる。
「早く行かないと、いつまでいるかわかんないだろうが、あのゴスロリが………ゴスロリ?」
少女は立ち止まって、ちひろ達の方を向く。
「ゴスロリ…。おい…幸生、写真出せ!」
「え…?あ…!」
二人は、有沙の顔を見て動きが止まった。
「まずい!走れ!」
ちひろは怒鳴った。そして有沙の腕を引っ張って走り出した。
吉田と甜歌も、弾けるように走り出す。
「あ…!幸生!追え!あいつだ!あいつがゴスロリだ!中村有沙だ!」
幸生は追いかけるが、足の速さが違う。
里穂は、舌打ちをして携帯をかける。
「おい、望か!?見つけた!中村有沙だ!今、幸生が追いかけてるが追いつけない!先回りして挟み撃ちにするんだ!西口の渡り階段へ急げ!」
里穂は、携帯を切ると、幸生の後を追った。
158投稿者:
リリー
投稿日:2007年03月02日(金)22時27分32秒
今日は、これでおちます
159投稿者:
あげます*
投稿日:2007年03月02日(金)22時32分19秒
面白い展開になってきましたね〜!
続きが気になりますw
160投稿者:
リリー
投稿日:2007年03月02日(金)22時42分23秒
ありがとうぎざいます
そう言って頂けると、励みになります
161投稿者:
あげ
投稿日:2007年03月03日(土)01時00分37秒
そう、たのしみ!
162投稿者:
あげ
投稿日:2007年03月03日(土)02時03分34秒
頑張って下さい!
毎日楽しみにしています
163投稿者:
age
投稿日:2007年03月03日(土)09時49分54秒
164投稿者:
更新
投稿日:2007年03月03日(土)14時45分14秒
待ってる
165投稿者:
あげとく
投稿日:2007年03月03日(土)18時08分44秒
166投稿者:
あげ
投稿日:2007年03月03日(土)20時59分59秒
167投稿者:
リリー
投稿日:2007年03月03日(土)22時47分57秒
お待たせしました
更新します
168投稿者:
リリー
投稿日:2007年03月03日(土)22時49分45秒
ちひろ達は走った。有沙は、底の厚いブーツを履いている。あまり早く走ると、有沙が転んでしまう恐れがある。
それに、甜歌が…特に吉田が、だいぶ遅れている。
ちひろは、少し速度を落とした。
しかし、その瞬間、有沙はちひろに言った。
「遅い!追いつかれるぞ!」
有沙は、ちひろの手を払いのけると、グンと速度を上げた。
あんな底の厚そうなブーツで、何であそこまで速く走れるのか?
ちひろは驚きながらも、有沙の後を追った。
有沙のブーツは、カツカツと音を立てながら床を刻む。
ちひろはスニーカーを履いているのに、有沙に追いつくのに精一杯だ。
「ま、待ってくれ!レッドさん達が…追いつけない!」
「私を守ることを優先しろ!」
有沙は、構わず走り続けた。
西口の渡り階段を降りかけた時、有沙は突然止まる。
「ど、どうした!」
ちひろは有沙に追いつくと、階段の下を見た。
見覚えのある外人顔が、口を半開きにしてこちらを見ている。
さっき、ナンパをしながら有沙を探していた、あの軽そうな男、望だ。
そして、ちひろにケンカを売った少女、愛実もいる。
「あー!あんたは!そ、それに…なんで中村有沙と一緒にいるのよ!」
愛実は、ちひろを指差した。
169投稿者:
きたぁ
投稿日:2007年03月03日(土)22時49分57秒
170投稿者:
リリー
投稿日:2007年03月03日(土)22時51分53秒
「く…!挟み撃ちか…!」
ちひろは、顔をしかめた。
「や、やあ…、君はさっきの…。代わりに見つけてくれたのかい?嬉しいな。お礼は俺とのデートで…」
望が、階段を上がって来る。
ちひろは、有沙の腕を引っ張って、自分の後ろにつかせる。
「こっちに来るな!」
ちひろは、望達を睨みつけた。
「へ?」
望は、端正な顔でマヌケな声をあげた。
「ちょっと…!あんた、どういうつもりよ!」
愛実は、ちひろに向かって怒鳴りつけた。
171投稿者:
リリー
投稿日:2007年03月03日(土)22時52分32秒
そこへようやく甜歌が、そして吉田が追いついた。
「ど、ど、ど、どないしたんや…。は、は、はよ…に、に、逃げな…」
「ち…ちひろさん…。こ、この人達…」
「ああ…。回り込まれた…」
そして、幸生も追いついた。歩道橋の形をした渡り階段。前後に敵。完全にちひろ達は、追い詰められた。
「渡しなさいよ、その子を!」
愛実は、階段を上がる。望は、慌てて愛実の前に出る。幸生も息は荒いが、ジリジリと間合いを詰める。
「ち…ちひろさん…。ど、どうしよう…」
甜歌は、もうすでに泣いてしまった。
吉田は、すでに死にそうだ。
有沙は、ちひろの腕をギュッと握った。
「守れ…。私を守ってみせろ」
ちひろの耳元で、有沙が囁く。
ゾクっとした…。そして次の瞬間…。
シャキィィィィーン!
ちひろは、懐から携帯ロッドを抜いた。
銀色に伸びた棒が、闇夜に光る。
そして、今まで毎日続けてきた剣道の構えを、望に向ける。
172投稿者:
リリー
投稿日:2007年03月03日(土)22時55分12秒
「ん?」
望は最初は面食らったが、次第にニヤニヤと笑う。
「何それ?護身用?大丈夫だよ、僕は女の子は傷つけない主義だから…」
望は構わず、ちひろに近づいた。
「来るな!さもないと…」
「さもないと?何?怯えてるの?可愛いなぁ…」
望は、ちひろのロッドの先端に手を伸ばした。
有沙は、またちひろに囁く。
「やれ!」
ちひろは、その声に突き動かされた。
「てやぁぁぁー!!」
ロッドは、望の手首、肩を連続で叩き、胸元を突く。
「グェ!」
望は、カエルのような声を出すと、後ろにひっくり返った。
「望!」
階段を転げ落ちるのを、愛実が咄嗟に救ったが、階段上で尻もちをついた。
「え?ええ?」
その様を見ていた幸生は、一瞬戸惑った。
「さあ、後ろのやつも…やれ!」
有沙の声が、またした。
173投稿者:
リリー
投稿日:2007年03月03日(土)22時56分06秒
「う、うおお〜!!」
幸生が、ちひろに掴みかかる。
ちひろはクルリと反転すると、ロッドの柄で幸生の柔らかい腹を打った。
「グハ!」
前に倒れかけた幸生の首に、ちひろは一撃を加えた。
受身もとれずに、幸生は床に突っ伏した。
里穂がようやく追いついた時には、仲間の三人…望、幸生、愛実は…誰も両足で立っていなかった。
「な、何だ?これ…?お、おまえは何なんだよ!」
里穂は、ちひろに向かって怒鳴った。
ちひろは、ロッドの先端を里穂に向けた。
「おまえ達こそ、何だ?これ以上、私達に…いや、有沙に近づくな!」
「ぐ…!」
里穂は、唇を噛み締めた。
「さあ、レッドさん、甜歌、今のうちに有沙を連れて行くんだ!」
「お、おう、悪いな、ちひろ」
「ちひろさん!やっぱりカッコいい!」
吉田、甜歌、有沙は階段を降りる。
「ど、どこへ行く!」
里穂は怒鳴った。いや、怒鳴ることしかできない。
「おまえ達には関係ない…」
充分、ちひろは里穂を牽制すると、自分も階段を降りる。
174投稿者:
リリー
投稿日:2007年03月03日(土)22時58分06秒
「望!立て!アレを使え!」
里穂は、あらん限りの声を出した。
その声に、望はヨロヨロと立ち上がる。
「ま…待てよ…」
ちひろは、背中で望の声を聞く。
「と、止まれ…!その子を渡せ!」
「何だ?女の子は傷つけない主義なんじゃないのか?」
ちひろは、後ろを振り返ると…望は、拳銃を構えていた。
「それは…おしとやかな女の子限定だ…!」
ちひろは一瞬、言葉を失った。そして、半笑いの表情で、望に語りかけた。
「な、何だ?それ?そんなモノ…」
望は、いきなり発砲した。
爆竹のような安っぽい音…。しかし、耳が麻痺するくらいの音量はあった。
階段の手摺りに、火花が散った。
その手摺りに掴まっていた吉田は、思いっきり仰け反りながら、手を離してしまった。
「う…うおっと…と…と…と…!!」
吉田は長い階段を、新選組の池田屋で切られる大部屋俳優の様に、一気に下まで転がり落ちた。
「ひ、ひぃぃ!」
甜歌は、耳を押さえて腰を抜かした。もう少しで甜歌も転げ落ちてしまうところを、有沙が袖を引っ張って防いだ。
175投稿者:
リリー
投稿日:2007年03月03日(土)22時58分51秒
今日は、これでおちます
176投稿者:
かっこいい…!
投稿日:2007年03月03日(土)23時21分48秒
177投稿者:
アクションの描写が
投稿日:2007年03月04日(日)00時09分34秒
凄い臨場感がある!
178投稿者:
age
投稿日:2007年03月04日(日)12時36分17秒
179投稿者:
もうすぐ
投稿日:2007年03月04日(日)20時17分19秒
更新
180投稿者:
楽しみ
投稿日:2007年03月04日(日)21時30分27秒
もうすぐかな?
181投稿者:
リリー
投稿日:2007年03月04日(日)22時54分23秒
はい、お待たせしました
更新します
182投稿者:
きたー
投稿日:2007年03月04日(日)22時54分57秒
183投稿者:
リリー
投稿日:2007年03月04日(日)22時55分52秒
「へ、へ、へ…。オモチャじゃないぜ!本物だ!」
望は、得意げに銃をちひろに向ける。
ちひろは、考えを整理できずにいた。
(な…何で…?何でコイツはピストルなんて…)
「相手がピストルを持っていたらどうするんですか?」・・・甜歌が冗談で言ったことが、現実になった。
(あれ?私、それに何て答えたっけ?)
・・・「その時はそれなりの戦い方がある」・・・
(それなりの…戦い方?何だっけ…?)
ちひろは、頭から記憶を引っ張り出す。
(ピストル相手の戦い方…。戦い方…)
「さあ、撃ち殺されたくなかったら、その子を渡せ!」
望は、ゆっくりと階段を降りて、ちひろに近づく。
(あ…、思い出した。三船敏郎だ!)
「甜歌!有沙!伏せろ!!」
ちひろはそう叫ぶと、望に向かって真っ直ぐに階段を駆け上がった。
184投稿者:
リリー
投稿日:2007年03月04日(日)22時57分17秒
「え?…え?…ええ!?」
望は慌てた。銃を構えた腕がぶれる。
ちひろは、反復横跳びのような動作で、左右に身体を振りながら望に向かう。
早朝のジョギング…。城跡の石垣を登るイメージで…。
「わ!…わ!…わわ!!」
銃口が、左右に彷徨う。
もうすでに、ちひろの顔は銃口よりも内側にあった。
そして、ちひろの持つロッドは、望の拳銃を持つ肘を思いっきり跳ね上げた。
「グッ…!」
ガツンと、電流を流したような衝撃が、望の腕に走った。
拳銃は高く回転しながら、下へ落ちていった。
「やあああ〜!!」
そしてちひろのロッドは、望の頭を避けて、肩に食い込んだ。
「ぐわああ!」
時代劇の斬られ役のような叫び声をあげて、望は腰から倒れた。
185投稿者:
リリー
投稿日:2007年03月04日(日)22時58分48秒
「の、望ぃ!!」
愛実は、立ち上がって駆け寄る。
そんな愛実に、ちひろはロッドを、彼女の顎の下にピッタリと宛がう。
金属のひんやりとした感触が、愛実の全身に鳥肌を立たせた。
「うぅ…!」
愛実は動けなかった。
「どうする…?さっきの決着をつけるか?わたしは素手でもかまわないぞ」
ちひろの声は低く、殺気立っていた。
「あ…ああ…」
愛実は、カタカタと震える。
「この武器をおまえに貸してやってもいい…。おまえにこれが使いこなせるならな。もしそうでなかったら…武器なんて邪魔なものだ。この男のピストルみたいにな…」
「あ、あ、姉御ぉ〜!!」
愛実は、泣き出しそうな声で、里穂に助けを訴えた。
「も、戻って来い!も、もう、手を出すな!」
ちひろは、里穂の方を見て言った。
「ああ…。そうしてもらえると私も助かる…」
愛実に向けたロッドを、ゆっくり下げる。
愛実は涙をいっぱい溜めて、望を抱えて階段を上がった。
里穂は、幸生の横っ腹を蹴っ飛ばして起こす。
「いつまで寝てるんだ!行くぞ!」
「スクラッチ」の四人は…完全敗北を喫し、すごすごと退散した。
186投稿者:
リリー
投稿日:2007年03月04日(日)23時00分47秒
ちひろは、階段を駆け下りた。既に甜歌が、吉田の側にいた。
「生きてるか!?レッドさん!!」
「あ…あかん…。し、死ぬ…」
「ああ、良かった…。生きてたか…」
「ええことあるかい…。死ぬほど痛い…」
「ちひろさ〜ん…」
甜歌は、鼻水まで垂らして泣いている。
「大丈夫だ、甜歌。やつらは追い払った」
「ち、ちひろさん…。す、すごいよ…。本当にピストル持ったヤクザに勝っちゃった…」
「ヤクザじゃない。あれは…私達と同い年の…チンピラだ。あいつらにピストルを渡したヤツが、ヤクザだ」
187投稿者:
リリー
投稿日:2007年03月04日(日)23時01分01秒
「前にも、ピストルと戦ったことあるんですか?」
「ない」
「で、でも…あ、あの動き…」
「ああ、あれは『用心棒』だ」
「用心棒?」
「黒澤明の映画の『用心棒』で、三船敏郎演じる桑畑三十郎が、仲代達矢演じるピストル使いのヤクザに、ああやって勝ったんだ」
「え、映画ですか…?」
「ピストルなんて、訓練してなかったら、そうそう標的に当たるもんじゃないんだ」
「ち…ち…ちひろ…。きゅ、きゅ、救急車…。救急車呼んでくれ〜…」
吉田の手が、宙を彷徨っている。
「ああ…すまない、レッドさん。甜歌、携帯で救急車を…うん?甜歌…!」
「な、何ですか?」
「有沙は…?有沙はどこ行った?」
「…あ…!い、いない?ど、どこ?どこ?」
ちひろと甜歌は、辺りを見回した。
「きゅ、救急車〜…」
吉田の蚊の鳴くような声は、二人の有沙を呼ぶ声に掻き消された。
188投稿者:
リリー
投稿日:2007年03月04日(日)23時01分26秒
今日は、これでおちます
189投稿者:
「用心棒」って…
投稿日:2007年03月04日(日)23時37分31秒
190投稿者:
あs
投稿日:2007年03月04日(日)23時41分06秒
http://pr2.cgiboy.com/S/2290169
191投稿者:
s
投稿日:2007年03月04日(日)23時57分27秒
http://p11.chip.jp/2290169
192投稿者:
age
投稿日:2007年03月05日(月)13時59分54秒
193投稿者:
あげとく
投稿日:2007年03月05日(月)19時56分53秒
194投稿者:
あげます*
投稿日:2007年03月05日(月)21時03分38秒
かっこいいちーちゃん大好きですw
195投稿者:
あげ
投稿日:2007年03月05日(月)21時41分26秒
頑張って下さい!
今日も楽しみ!
196投稿者:
リリー
投稿日:2007年03月05日(月)22時24分46秒
ありがとうございます
それでは、更新します
197投稿者:
リリー
投稿日:2007年03月05日(月)22時26分47秒
5『折られた心』
吉田は、病院に運ばれた。
全治2ヶ月の大怪我だった。右足と左腕、肋骨三本、尾てい骨、それに肩甲骨の骨折。
頭を打ってないことは、幸運だった。
そして、結局有沙の行方はわからず終い。
今夜のボランティア活動の結果は、吉田の入院…ただそれだけだった。
甜歌は、ちひろに言う。
「何か…本当に裏目裏目に事が進んでますね…。あの子のこと、心配して行動した結果がレッドさんの入院…。私達は殺されそうになるし…。有沙ちゃんには逃げられるし…」
甜歌は、溜息を一つき、こう言った。
「いいとこ、なしですよねぇ…」
「後悔してるのか?甜歌は…」
「はい…。結果だけみると、卓也さんや杏奈さんが正しかった…て、ことになりますよね…」
「私は…後悔していない…」
ちひろは、自分に言い聞かせるように言った。
甜歌を家に送り届けてから(甜歌は両親からこっ酷く怒られた)、ちひろはすっかり疲れ果てて、R&G探偵社のある雑居ビルに到着した。
階段をトボトボ昇る。
(あ〜あ…。これで当分、レッドさんは働けないから仕事も無しか…。今月の家賃、払えるかな…)
そんなことを考えながら、三階に到着すると…事務所のドアの前に…有沙が立っていた。
198投稿者:
リリー
投稿日:2007年03月05日(月)22時30分02秒
「…え…?有沙…?」
「あ、遅かったな。社長はどうなった?」
「あ…、うん…。全治2ヶ月で入院することに…。なぜ、ここがわかった?」
「社長が、名刺を私に見せたろ?それに、ここの住所が書いてあった」
「覚えてたのか?と言うか、見てたのか?あの時、名刺を…」
「訓練すれば、誰にだってできる。おまえの剣道のようなものだ」
「訓練…?あ、そうだ、何で姿を消した?」
「ああ…。だってあいつら、拳銃を撃っただろ?警察が来たら厄介だったから姿を消した」
「そこまで警察を嫌う理由は、なんだ?」
「おまえ達が、私を守るのだろう?」
「…そうしたいのだが…」
「何だ?できないのか?私は、おまえに守ってもらうと決めたんだ」
「勝手に決めるな!そもそも、なんで私なんだ!私はただの平凡な中学生だぞ!」
「平凡…?拳銃相手に、棒一本で勝ってしまうようなおまえが平凡だと?笑わせる…」
「あれは…あいつらが、ヘボだっただけだ!拳銃だって、初めて撃ったに違いない!」
「私が言っているのは、おまえの立ち向かう心の強さだ。相手の力量など、問題ではない」
199投稿者:
リリー
投稿日:2007年03月05日(月)22時30分28秒
「心の強さ?」
「おまえの剣道の腕は、訓練の賜物だ。それ自体は大したことではない。私の記憶力と同じだ。しかし、拳銃に立ち向かったおまえの心の強さ…。それは訓練では身につかない。おまえの才能であり、魅力だ」
「才能…?魅力…?」
「ああ…。それを見て、私はおまえが気に入った。おまえなら、私を守るのに最適だ」
「そう言われて、光栄なのかどうかわからないが…」
ちひろは、溜息をつく。
「とにかく…中に入れ。今晩だけは泊めてやろう。風呂にも入れ。汚れ放題だぞ。その…キレイな顔が台無しだ…」
「キレイ…?私のこと、キレイだと言ってくれるのか?」
有沙が…笑った。初めて表情を見せた。
「…あ、ああ…。キレイだと…思うぞ…。女の私から見ても…」
「そうか…。おまえも…ちひろの方こそキレイだぞ…」
ちひろは、顔を真っ赤にした。
「バ、バカ!からかうな!は、はやく入れ!」
ちひろは鍵を開けて、有沙を中に入れた。
200投稿者:
リリー
投稿日:2007年03月05日(月)22時31分58秒
ちひろは、四階の自分の部屋に有沙を通した。
「ここがバスルームだ。バスタブに湯を張ってもいい。ゆっくりと汗を流せ」
「うん、ありがたい」
「それから…バスタオルはこれを使え。着替えは私のでいいか?」
「ありがたい」
「…それじゃあ、私は下にいくから…。風呂から上がったら、このベッドで休んでくれ」
「ちひろ…」
「ん?なんだ?」
「私は、おまえに会えてよかったぞ」
「…そ、そうか…?」
「守ってくれたことは、嬉しかった」
「…でも、今夜だけだぞ。明日になったら…警察に行くんだ」
「ちひろ…。私をずっと、守ってくれないのか?」
「…無理だ…。そんな力、私にはない」
「さっきも言っただろう?力なんて大したことではない。おまえの心の強さが大切なんだ」
「その話し…私にはよくわからない…。少なくとも、警察は私なんかよりも役に立つ」
「役に立ってくれ、と言ってるわけではない。大切なのは、おまえの心なのだから…」
「さあ、もういいか?私は下で寝る。明日の朝、警察に行こう…。私も着いていってやるから…」
「ちひろ…」
有沙の声を断ち切って、ちひろは下に降りていった。
201投稿者:
リリー
投稿日:2007年03月05日(月)22時33分21秒
ちひろは、上着を帽子掛けにかけると、事務所のソファーに横になった。
「やれやれ…。これじゃ、レッドさんと一緒だよ…」
明日は土曜日、学校は休みである。いつもは、土日でも学校の剣道部の後輩へ指導しに行くのだが、明日は休ませてもらうことにした。
本当に今日は、心身共に疲れたのだ。
今でも、あの銃口から飛び出た火花と轟音が思い出される。
拳銃に立ち向かった…。自分が…。平凡な、一女子中学生の自分が…。
ちひろは、改めて身震いした。もう、あんな恐いことはごめんだ、と思った。
(探偵…。向いてないのかな…)
いや、あんな事態は異常なことで、滅多にあるものではない。
今度からは、来る依頼を選ぶことにしよう。金は確かに欲しいが…。
それに、あの有沙は一体、何者なのか?
なぜ、あんな連中に追われているのか?
守れ、と彼女は言うが、一体誰から、何から守るのか?
聞きたいことは山ほどあったが、今日は疲れた…。警察に行く前に、有沙から聞くことにしよう…。
ちひろはいつの間にかうたた寝をしてしまった。
202投稿者:
リリー
投稿日:2007年03月05日(月)22時37分03秒
「ちひろ…。ちひろ…」
名前を呼ばれた。
ちひろは、目を開けた。
「ん?」
誰だろう…?目の前に誰かが立っている。
「ちひろ…」
白い肌がぼんやりと目に映る。
美しい肌だ…。ちひろは、夢を見ているのかと思った。
「ちひろ」
「!?」
ちひろは、身体を起こした。
目の前には…有沙が…全裸で立っていた。
細く、華奢な裸を…ちひろの前に、自分の全てをさらしていた。
両腕は、後ろに組んでいる。
長い黒髪は、わずかに湿って光っている。
「な…?あ、有沙…?」
「久しぶりに風呂に入った。気持ちよかったぞ」
有沙は、僅かに微笑んでいた。
203投稿者:
リリー
投稿日:2007年03月05日(月)22時38分58秒
「な…何て恰好をしている!?着替えは…?なぜ着ない?」
ちひろは、ソファーから立ち上がろうとする。
「そのままでいい。楽にしろ」
有沙にそう言われ、ちひろは動きを止めた。
「ちひろ…。私はやはり、警察へは行かない」
「行かない?なぜだ!そうまでして警察を避けるのはなぜだ!」
そう言いながらも、ちひろは無意識に、有沙の裸に見惚れていた。
まるで、自分に対する甜歌のようだ、と頭の片隅で思った。
204投稿者:
リリー
投稿日:2007年03月05日(月)22時39分50秒
「警察に行くわけにはいかない。警察は私を守ってはくれない」
「どういうことだ?」
「警察も敵だからだ」
「敵?」
「私には味方が必要だ」
「味方?」
「おまえのことだ…。ちひろ…」
「一体…おまえは…何なんだ…」
「それは後でわかる…。私の味方になれば…全てを教えよう…」
「何度も言わせるな!私は、おまえを守ることはできない!」
「ちひろ…!」
「くどい!今から着替えを取ってきてやる。風邪ひくぞ!そんな恰好で…」
「動くな!」
有沙は、拳銃をちひろに向けた。後ろに組んでいた手で、隠し持っていたのか?
「!!」
「これは命令だ…。ちひろよ…私を…命にかえても…守れ…!」
205投稿者:
リリー
投稿日:2007年03月05日(月)22時40分12秒
今日はこれでおちます
206投稿者:
何か来る予感…!
投稿日:2007年03月05日(月)22時58分26秒
楽しみ
207投稿者:
不器用そうな2人の奇妙な関係
投稿日:2007年03月06日(火)00時34分38秒
これは面白いですね
208投稿者:
これは…
投稿日:2007年03月06日(火)02時06分25秒
期待していいのか?
209投稿者:
age
投稿日:2007年03月06日(火)13時46分02秒
210投稿者:
あげます*
投稿日:2007年03月06日(火)21時24分40秒
211投稿者:
あげ
投稿日:2007年03月06日(火)21時38分00秒
今日も期待!
212投稿者:
リリー
投稿日:2007年03月06日(火)22時20分10秒
はい、更新します
213投稿者:
リリー
投稿日:2007年03月06日(火)22時20分35秒
「あ…有沙…!そ、それは…」
有沙の持っている拳銃は、あの四人組の一人、あの軽薄なフランス人ハーフが持っていた物だ。
拳銃は、ちひろに弾き飛ばされて渡り階段の下へ落ちた。それを、有沙が抜け目なく拾ったのか?
ちひろは、帽子掛けにかかった上着を横目で見た。内ポケットに、あの護身用ロッドが入っている。
「ちひろ…。さっきとは、同じ結果にはならない。なぜならば、私はあの男とは違い、訓練を受けているからだ」
有沙の向ける銃口は、一ミリたりとも動かない。ピタリとちひろの額に定められている。
「く、訓練…?お、おまえのような子供が銃の訓練なんて…」
「おまえも子供のクセに、剣の訓練をしているだろう?剣も銃も、人を殺す道具だ。何が違うというのだ?」
「け、剣道は、人を殺すものではない!」
「そうかな?おまえの振り回していた鉄の棒、使い方によっては死人が出ていたぞ?絶妙な手加減で、軽傷で済ませたおまえは…見事だった…」
「と、とにかく…そんなもの、どけろ!」
「私を守ると、約束するなら…」
「だ、だから…!おまえを守ることなど、できないと、何度言えば…」
「おまえこそ、何度も言わせるな!私は、おまえに守れ、と命令しているのだ!」
「そんな、命令…聞けるか!!」
「だから…こういう行動にでることになった」
有沙は、ちひろの前に、ゆっくりと歩み寄る。
ちひろは、浮き上がらせた腰を降ろすしかなかった。
214投稿者:
リリー
投稿日:2007年03月06日(火)22時21分11秒
更に有沙は、ちひろに迫る。
「う…」
ちひろは、背中をソファーに着けた。
有沙の向ける銃口は、ちひろの額、数センチ上で止まる。
「ちひろ…。横になれ」
「な、なぜだ?」
「横になれ」
ちひろは言われるまま、ゆっくりとソファーに横になる。
有沙は、ちひろの身体の上にまたがった。
「…!?」
有沙の裸の身体を、ちひろは見上げる恰好になった。
215投稿者:
リリー
投稿日:2007年03月06日(火)22時22分21秒
有沙は銃口を、ちひろのコメカミにゴリっと押し付けた。
「うぐ…!」
恐怖がちひろの身体を支配し、硬直させる。
「さあ…ちひろ…。私の命令に従え…」
「い…嫌だ…!」
「脅しだと思うか?」
有沙の目…。まるでガラス玉のように空虚だ。
魂の入っていない、感情のない目…。
ちひろは、確信した。有沙は何の躊躇もなく、引き金を引くだろう。
「………」
ちひろは、声が出せなくなった。
「ふふ…。怯えているのか…?」
有沙は、ちひろに顔を近づける。
「あんなに強いおまえが…何もできないか…?」
有沙の指は、ちひろの唇をなぞる。
「あ…うぅ…」
「何もできない…。何も…」
有沙は、自らの唇を、ちひろの唇に重ねた。
216投稿者:
リリー
投稿日:2007年03月06日(火)22時23分29秒
「…!?」
有沙の舌は、ちひろの口の中に滑り込む。
そして、舌と舌が絡み合う。
ちひろは、頭の中が真っ白になった。
(何だ…?何をしている…?何をされているんだ…?私は…)
有沙は、ゆっくりと、ちひろから顔を離す。
ちひろはその間、呼吸を忘れてしまっていた。
「…は…はぁ…はぁ…」
ちひろは、顔を真っ赤にしながら、有沙を見つめることしかできない。
「何もできないか?」
有沙は、微笑みながらもう一度キスをする。
そして頬、額、目、耳、首筋と唇で触れていく。
「はぁ…はぁ…」
ちひろの息づかいは、荒くなっていく。
217投稿者:
リリー
投稿日:2007年03月06日(火)22時25分16秒
「さあ、ちひろ…。私の命令を聞け…」
ちひろの首に、銃口を押し付ける有沙。
「い、い、嫌だ…」
ちひろは震えながら、精一杯抵抗した。
もう少しで、涙がこぼれそうになった。
「強情なやつめ…」
有沙は、ちひろのシャツに手をかけると、ゆっくりと引き上げる。
「な、何をする!」
ちひろは、有沙の手を掴んだ。
「動くな!」
有沙は、ちひろの脇腹に、銃口を強く押し付ける。
218投稿者:
リリー
投稿日:2007年03月06日(火)22時25分40秒
ちひろは、動きを止めた。
そのままシャツは、ちひろの首まで捲りあげられた。
ピッタリとフィットしたスポーツブラの上から、有沙はちひろの胸を、指で撫でる。
「あ…あ…やめ…」
有沙の指は、スポーツブラにも掛けられる。
「や、やめろ…。やめてくれ…」
「おまえが私に命令するな…」
ちひろの耳元で、有沙が囁く。
「命令するのは…私だ…」
そして、スポーツブラも上げられる。
ぷるんと揺れながら、ちひろの胸が露わになる。
219投稿者:
リリー
投稿日:2007年03月06日(火)22時27分42秒
「キレイな…胸だ…」
「やめ…ろ…」
ちひろの目に、涙が溜まってきた。
「おまえでも泣くのか?おまえが泣くのは、こんな時なのか?」
有沙は、ちひろの胸を指で撫でる。
「案外、泣き虫なんだな…。いや、可愛いぞ…」
そう言って、ちひろの左の乳首を口に含む。
「はっ…うっ…」
ちひろの身体が、小さく震えた。
有沙の舌は、丹念にちひろの乳首を転がす。
ちひろはくすぐったいような、なんとも言えない感覚に、身体をくねらせる。
「あんまり動くと、銃が暴発するぞ」
「…は!」
動きを止めるちひろ。
220投稿者:
リリー
投稿日:2007年03月06日(火)22時28分13秒
有沙は、乳首に軽く噛み付く。
「イッ…」
ちひろは、小さく声をあげた。
有沙は、ようやく乳首から口を離すと、すぐ横に口づけをする。
その際、軽い痛みを伴った。
有沙の口づけをした所に、小さく赤い跡ができた。
有沙はもう片方の胸、そして腹へと、赤い跡を増やしていく。
身体中に、赤い跡をつけられたちひろを見下ろす有沙。
「誰も踏み荒らさない雪を、バージンスノーと言うが…よく言ったものだ。最初に言った者は天才だと思うぞ。そう思わないか?ちひろ…」
有沙はちひろの身体を、赤い跡をつけた順番に指でなぞる。
「おまえのバージンスノーに足跡をつけたのは、この私だ」
221投稿者:
リリー
投稿日:2007年03月06日(火)22時28分41秒
今日は、これでおちます
222投稿者:
お疲れ様です
投稿日:2007年03月06日(火)22時31分33秒
223投稿者:
エロ
投稿日:2007年03月06日(火)23時07分42秒
キター!!
224投稿者:
あげとく
投稿日:2007年03月07日(水)15時34分41秒
225投稿者:
age
投稿日:2007年03月07日(水)18時55分37秒
226投稿者:
リリー
投稿日:2007年03月07日(水)22時01分26秒
更新します
227投稿者:
リリー
投稿日:2007年03月07日(水)22時03分26秒
有沙は、ちひろのベルトを外し始める。
「あ…」
ちひろは身体を起こしたが、また脇腹に銃口を押し付けられて、再び背中をソファーに乗せた。
ジーンズのボタンを外し、ファスナーを降ろす。
有沙は左手一本で、ちひろのジーンズを膝まで脱がした。
「はぁ…はぁ…はぁ…」
「ふふ…。また呼吸が荒くなったぞ…」
有沙は、ちひろの局部を、パンティの上からゆっくりと爪を立てて撫でる。
その度、ちひろは小さな声をあげながら、身体を揺らす。
とうとう、涙がこぼれ出した。
「ちひろ…。おまえの全てを見せてもらうぞ…」
有沙は、左手をちひろのパンティの中に入れる。
「だ、だめだ…!」
有沙の手を掴むちひろ。
銃口が、ちひろの脇腹に突き立てられる。
ちひろは、思わず掴んだ手を離す。
そのままスルリとパンティが脱がされる。
「や、やめろ!」
起き上がろうとするちひろに、有沙は額に銃口を押し付ける。
「そのまま、大人しく寝ていろ」
ちひろは、言うとおりにするしかなかった。
228投稿者:
リリー
投稿日:2007年03月07日(水)22時06分28秒
胸から膝にかけて、裸をさらされるちひろ。
有沙はソファーの上に立ち、ちひろを見おろす。
銃の狙いは、ちひろの額に定められたままだ。
「ちひろよ…引き締まったいい身体をしている…。長年の訓練によるものか?しかし、今は私に対し、どうすることもできない…」
銃口は、ちひろの身体の上を彷徨う。
「その卓越した剣の腕も、この銃一つ、私の人差し指一本に屈する…」
ちひろは、涙で濡れた目で有沙を睨みつける。
「悔しいか?ちひろ…」
ちひろは答えない。ただただ、睨みつける。
有沙は、そんなちひろを見て笑うと、今度はちひろの膝の上にまたがる。
「ぐ…!」
更に、ちひろは身体を動かせなくなった。
「当然、ここも…誰にも触れられてはおらんな…?」
有沙は、ちひろの柔らかい毛を撫で付ける。
「う…く…」
ちひろは、何とかして有沙から逃れたかった。しかし、突きつけられた拳銃が恐くて動けない。
数時間前、銃を相手に果敢に挑んだあの勇気は幻のようだった。
有沙は、そこにも口づけをする。
「あ…!やめろ…!そんな所…!」
ちひろの声が聞こえないかの様に、有沙は下半身にも赤い跡をつけていく。
229投稿者:
リリー
投稿日:2007年03月07日(水)22時09分35秒
「さあ、今度はうつ伏せになるんだ」
銃を突きつけられ、促される。
ちひろは、屈辱にまみれながらも言うとおりにする。
そして背中、尻、太ももへ、唇で跡をつけていく。
「どうだ?ちひろ…。いい加減私の命令を聞く気になったか…?」
「…こんなことしても…私の気は変わらない…!今すぐ、その銃で私を撃ち殺せばいい!」
「殺されても、私の命令を聞かないつもりか?」
「…ああ…」
「私の命令を聞くくらいなら、死んだ方がましか?」
「…そうだ!」
「ならば、今すぐ撃ち殺してやろう!」
ちひろは強引に仰向けに返されると、顎の下に銃口を押し付けた。
「あ…ぐぅ…!」
有沙の目は、本気だった。
「私はこの数日…いつ命がなくなっても不思議ではない状況だった!たった一人で、不安と恐怖に震えていた!」
「う…う…!」
「私には、一緒に生きてくれる者が必要だ!私を守ってくれる者が必要なのだ!」
更に強く、銃口が、顎の下に食い込む。
「そんな者を探していた!そして…そして…ついに見つけたのに…!」
銃口は、ちひろの喉を圧迫する。
230投稿者:
リリー
投稿日:2007年03月07日(水)22時12分21秒
「それが…ちひろ…!おまえなのに…!」
「あ…ぁぁ…」
ギリギリと、喉にねじ込まれる銃口。
有沙の、ガラス玉のように感情のなかった目に、はっきりと怒りの炎が見えた。
(こ、殺される!)
ちひろは、目を閉じた。
「ちひろ!おまえが私を拒否するのなら…!死んでしまえ!私も近いうちに…おまえのもとへ行く事になるだろう…」
「あ…あ…ああ…」
「さらばだ!ちひろ!」
有沙は、人差し指に力を入れる。
「わ…わかった…」
ちひろは、声を絞り出した。
「い…言うとおりに…する…」
ギュッと閉じた目から、涙がこぼれた。
「命令に…従う…従うから…」
「従う…から?」
「や…やめて…くれ…」
小刻みに震える、ちひろ。歯が、カタカタ鳴っている。
231投稿者:
愛実まーだ?
投稿日:2007年03月07日(水)22時12分55秒
232投稿者:
>231
投稿日:2007年03月07日(水)22時13分43秒
まあまあ辛抱!!
233投稿者:
リリー
投稿日:2007年03月07日(水)22時15分27秒
「こ…殺さないで…くれ…」
「私を…守ってくれるのか…?」
「お、お願いだから…。た、助けて…くれ…」
「助けるのはおまえだ…。私の命も…おまえの命も…」
「ま、守る…。おまえを…守るから…」
「そうか…」
有沙は、銃口をちひろの喉から離した。
「かはっ…!はぁ…はぁ…はぁ…」
ちひろは、大きく息をつく。まるで、海の底に沈められていて、やっと水上に引き上げられたかのように…。
「しかし…残念だ…。ちひろ…」
冷たい目で、ちひろを見下ろす有沙。
「?」
思わず、有沙の目を見るちひろ。
有沙の目は、感情のないガラス玉に戻っていた。
234投稿者:
リリー
投稿日:2007年03月07日(水)22時15分47秒
「おまえの、その気高い心が好きだったのに…。今、おまえはその心を折ってしまった…。自ら…」
有沙が何を言っているのか、ちひろにはわからない。
「おまえには失望した」
有沙は、再び銃口をちひろに向けた。
「え…!?」
ちひろは血の気が退いた。
「死ね」
有沙は引き金を引いた。
235投稿者:
リリー
投稿日:2007年03月07日(水)22時18分20秒
今日は、これでおちます
>231
すいません
今回は、愛実の絡みというか、レズ描写は書く予定はありません
OG同士で、馴染みにくいとは思いますが、ご容赦下さい
236投稿者:
231はどこのスレにも現れる愛実ヲタ
投稿日:2007年03月07日(水)23時03分29秒
気にしなくていいよ
237投稿者:
えっ…
投稿日:2007年03月07日(水)23時29分33秒
ここで終了?
まだ続いて欲しい…
238投稿者:
まあ、
投稿日:2007年03月07日(水)23時41分01秒
いいところで終わるね
まるで、アメリカのドラマみたいだ
239投稿者:
あげる
投稿日:2007年03月08日(木)08時04分37秒
240投稿者:
あ
投稿日:2007年03月08日(木)16時31分36秒
げ
241投稿者:
リリーさんは
投稿日:2007年03月08日(木)21時02分44秒
今年度の天てれ、どう思いましたか?
242投稿者:
リリー
投稿日:2007年03月08日(木)22時27分12秒
>241
面白かったと思いますよ
新人も、羅夢、ジーナ、藍と、いい子が揃ってますし
残留戦士が気になりますね
一七の二人は残って欲しいです
では、更新します
243投稿者:
リリー
投稿日:2007年03月08日(木)22時31分16秒
「ひ…!」
ちひろは、自分が死んだと思った。
しかし、銃はカチっと乾いた音をたてただけだ。
「え…?」
ちひろの意識は、一瞬飛んだ。
(な…何なんだ…?)
カチッカチッカチッ…。
有沙は、続けて引き金を引く。
「ひっ…ひぃ…ひぃぃ…!」
ちひろは、頭を抱えて音が鳴る度に、ビクビクと怯えた。
「ふ…ふふ…ふふふふ…」
有沙は笑った。笑いながら、怯えるちひろを眺めていた。
「…こ…これは…?」
「ふふふ…。安心しろ…。この銃の弾は抜いておいた…」
有沙は、自分のコメカミに銃口を向けて、カチカチと何度も引き金を引いた。
「だ…騙した…のか…?」
「ふふふ…。おまえの怯えた顔…可愛かったぞ…」
244投稿者:
リリー
投稿日:2007年03月08日(木)22時33分28秒
カッと、頭に血が昇った。
次の瞬間、ちひろは、裏拳で有沙を殴り飛ばした。
有沙は、ソファーから床にどっと倒れた。
ちひろは、裸のまま立ち上がって、床に這いつくばっている有沙を怒鳴りつけた。
「どういうつもりだ!!こんなことをするなんて…!こんなこと…!」
有沙は、ゆっくりと…ちひろを見上げた。
その血の滲んだ口元は、笑っていた。
「何が可笑しい!!」
ちひろの怒りは、益々大きなものになる。
「可笑しいのではない…。嬉しいのだ…」
「う…嬉しい…?」
「おまえが…私を守ると…約束してくれたから…」
「ふざけるな!まだ、そんなこと…本気で思っているのか!?」
「何だ?人のことを嘘つき呼ばわりしておいて、おまえが約束を反故にするのか?」
「おまえなど、どうなろうと知るものか!どこへでも行ってしまえ!」
245投稿者:
リリー
投稿日:2007年03月08日(木)22時34分56秒
「私のことを助けたいと思ったから、私を探したのだろう?なのに、今更酷いことを言うな…」
「おまえが…こんなに性根の腐ったヤツとは思わなかった!私はおまえのように嘘をついたり、騙したり、脅したりするヤツが大嫌いなんだ!」
「おまえは未成年ながら、プロの探偵だろう?好き嫌いで行動するのは、恥だと思わないのか?」
「何を言う!?恥を知るのはおまえの方だ!」
「まさか…。私をこのまま追い出したりはしないだろうな…?」
「今夜だけだ!今夜だけは、ここにいさせてやる!しかし、朝になったら出てってもらう!警察に行きたくないのなら、勝手にしろ!後のことは知ったことではない!」
「そうか…。ならばもう休ませてもらおう…」
有沙は立ち上がると、四階へ上がる階段に向けて歩き始める。
「しかし…」
「しかし…何だ?」
「おまえは、私を守ることになる…」
「まだ、そんなことを…!勝手にほざいていろ!」
「それは…私の命令を、聞くようになってしまったからだ…。おまえが…」
「私が…?おまえの命令を…?」
「それは、私がおまえの心を折ったからだ…」
「心を…折った…?」
「そう…私が折ったのだ…。ちひろ…。恐い思いをさせてすまなかったが…これは儀式なのだ…」
「儀式…?何だ?それは…」
「私の僕になるための…」
246投稿者:
リリー
投稿日:2007年03月08日(木)22時35分50秒
ちひろは、また怒りが沸々と沸き上がった。
「僕だと!?貴様、どこまで私を馬鹿にするつもりだ!」
「馬鹿になどしていない!認めたのだ…私は…おまえを…」
「もういい!おまえとは話しが噛み合わない!もう話すことは何もない!」
「…そうか…。しかし、ちひろ…。私は諦めないぞ…。おまえのことを…」
「勝手にしろ…」
ちひろは、四階の階段を昇る有沙の背中に向けて、吐き捨てるように言った。
そしてちひろは、自分が裸にされたことを思い出し、腹立たしい思いで服を着る。
それから、上着から護身用ロッドを出し、思いっきり振って伸ばした。
「護身用…。まさに護身用だ…」
ちひろは、ロッドを握ったままソファーに横になった。
身も心も疲れきってしまったのに、ちひろは、いろいろな事が起きた今日の出来事を思うと、なかなか寝付けなかった。
247投稿者:
リリー
投稿日:2007年03月08日(木)22時36分20秒
今日は、これでおちます
248投稿者:
241
投稿日:2007年03月08日(木)22時51分11秒
答えていただきありがとうございます
249投稿者:
エロ展開
投稿日:2007年03月09日(金)00時11分39秒
あげ
250投稿者:
もう無いのかな
投稿日:2007年03月09日(金)00時12分26秒
エロ…
まだあるよね?
251投稿者:
いや、むしろ
投稿日:2007年03月09日(金)00時14分56秒
これからエロエロになるんだろう
252投稿者:
age
投稿日:2007年03月09日(金)17時23分50秒
253投稿者:
そう
投稿日:2007年03月09日(金)21時04分59秒
序盤はエロがなくて、中盤辺りから堰を切ってエロの大洪水ってのが、リリー作品の特徴
254投稿者:
あげ
投稿日:2007年03月09日(金)22時40分50秒
あげ
255投稿者:
リリー
投稿日:2007年03月09日(金)22時50分47秒
はい、更新します
256投稿者:
リリー
投稿日:2007年03月09日(金)22時51分41秒
6『愛の印』
下ノ国町、深夜のバー「ガン・バレー」
カウンター席に、並んで座る男女。
しかし、彼等は恋人同士ではない。
ゴルゴこと、松本と加藤夏希だ。
夏希はタバコをくわえると、すかさず松本がライターで火をつける。
「どうも…」
夏希は軽く例を言うと、その煙を松本に吐きかけた。
少し咽ながら、松本は夏希に頭を下げる。
「いや…本当に申し訳ない…。まさかこんなことになるとは…」
「本当…。ゴルゴと呼ばれた裏社会の代理人が、まさか子供を使って失敗するなんて…」
「言い訳をするつもりはないのだが…。しかし、子供には子供を使うのが最適だと思ったもので…」
「有沙が子供だからって…。扱いには気をつけてって言ったのに…」
「いや、あいつらの話しでは、あいつらをボコボコにしたのは、一緒にいた小娘だったと…」
「小娘…?どんな…?」
「金属の棒を振り回して…なんか、喋り方が男っぽかったというか、侍ぽかったというか…」
「侍…?ふ〜ん…。ちょっと心当たりがあったりして…」
夏希は、面白そうに笑った。
257投稿者:
リリー
投稿日:2007年03月09日(金)22時52分08秒
「そ、それは…?」
「何でもないわ。それにしても、気軽に拳銃などを渡して…。街中で発砲し、挙句に失くしてしまったんですって?」
「いや…あの拳銃から、足がつくことはないと思うが…」
「でも…あそこまで大暴れしてくれたのなら、逆に足跡は掴みやすくなったわ。後は我々だけで片がつきそう…」
「しかし…俺の方が気が済まない…!もっと、何かやれることはないか?」
「そうね…。じゃあ、有沙を連れて行った小娘ちゃん達の相手をしてもらおうかしらね。でも、有沙には手を出さなくて結構よ」
「と、言うと…?」
「これは親切心で言ってるの。異形の相手は異形にさせるわ」
夏希は、携帯電話をかける。
「有沙が見つかったわ。…中村の方よ。すぐに向かわせて。そうね…『チームJ』を行かせてちょうだい」
松本には夏希の会話の意味が読み取れない。
「そう、二手に別れさせましょう。一人は有沙の方へ…。そしてもう一人の『J』は…もう一人の『A』を…」
258投稿者:
リリー
投稿日:2007年03月09日(金)22時53分08秒
ちひろは…猛烈な挫折感というか、罪悪感というか…とにかく落ち込んでいた。
目を覚まして時計を見たら、午前11時…。
これは間違いなく、ちひろの起床時間、ワースト1である。
このソファーが悪いのか?吉田の寝起きしているこのソファーに、堕落のオーラが染み付いているのか?
いや…悪いのは有沙だ…。中村有沙だ!
昨夜のことを思い出した。
腸が煮えくり返る…。
あのとんでもない女…!この私を散々辱めた女…!許さない!
(そうだ!あの女、さっさと叩き出してやる!)
ちひろは、四階へ昇る階段を昇りかけるが、急ぎ足でソファーまで戻ると、床に転がっている護身用ロッドを拾った。
「今度は…。あんな醜態は見せないぞ…!」
ちひろは、自分に言い聞かせるように独り言を言う。
自分の部屋のドアの前に立ったちひろは、用心しながらノックした。
「有沙…。起きているか…?」
返事がない。
ちひろは素早くドアを開けて中に入ると、ロッドを身構えた。
しかし…有沙の姿はなかった。
ベッドはシーツまで綺麗に畳まれ、その上にちひろの渡した着替えが、やはり綺麗に畳まれていた。
259投稿者:
リリー
投稿日:2007年03月09日(金)22時53分35秒
ちひろは、拍子抜けした。
「…そうか…。もう出て行ったのか…」
当然だろう…。あんなことをしておいて、今更どんな顔をちひろに見せられるというのだろう。
綺麗に畳まれた着替えと、完璧に整えられたベッドを見て、ちひろは呟いた。
「以外に躾というか…常識はあるようだな…」
しかし、頭を振って前言を撤回する。
あの言葉使いや、あの恰好、とんでもない行動…。常識などあるものか!
そして、昨夜は風呂に入っていないことを思い出す。
この身体の至る所を、有沙の唇が触れたのだ。
ちひろは寒気がした。
早く洗い清めなければ…!
ロッドを縮めてベッドの上に放り投げると、ちひろは急いで服を脱いで裸になった。
そして、駆け足でバスルームに直行する。
熱いシャワーを浴びるちひろ。
ふと、自分の身体を改めて見ると…無数に刻まれた赤い跡…。
ちひろは、また落ち込んだ。
(この跡…。いつまで残るんだろう…?)
この跡が消えるまで、自分の身体を見る度に激しく落ち込むに違いない。
やり場のない怒りが、また沸き起こる。
いや、やり場はある。もう一度有沙に会って、その横っ面をぶん殴ってやれば…!もちろん、拳で!
260投稿者:
リリー
投稿日:2007年03月09日(金)22時55分48秒
そんなことを考えていると…。
「ようやく起きたのか…。遅い…」
ちひろの後ろで声がした。
「うん、私の印…。しっかりと残っているな…」
ちひろは、背中から尻にかけて、すぅ〜っと撫でられた。
ビクンっと身体が反応する。
「有沙…!」
瞬間湯沸かし器のように、ちひろの怒りは沸点を越えた。
拳を握り、後ろを振り向くと…。
「ちひろ!」
裸の有沙が、ちひろに抱きついた。
そして、いきなりキスをした。
「うぎゅ…!」
握った拳は、宙を虚しく彷徨う。
有沙の舌は、ちひろの口の中で動き回る。
有沙はゆっくりと舌を抜き取ると、心底楽しそうな顔で、こう言った。
「おはよう…ちひろ…」
首に手を回し、甘えた表情でしな垂れかかる有沙。
可愛い笑顔…。昨夜の無表情で、ちひろを辱めた有沙と同一人物なのか?
ちひろの怒りのボルテージは、みるみるうちに下がっていった。
261投稿者:
リリー
投稿日:2007年03月09日(金)22時56分16秒
「あ…あ…有沙…」
「どうした?まだ寝ぼけているのか?こんな時間にならないと起きてこないなんて…。ちひろはお寝坊さんだな…」
「ふ、ふざけるな!私は、いつも朝日が昇るよりも早く起きている!寝坊をしたのは、おまえの…」
有沙は、ちひろの乳首に吸い付いた。
「せ…い…」
ちひろの全身の力が抜ける。
有沙の舌が、ちひろの乳首をコロコロと転がす。
「な、何をする!」
やっとの思いで、ちひろは有沙を引き離した。
「昨日は、中途半端に終わってしまったからな…。その続きだ」
「そ、そんなこと、続きなんてしなくていい!そ、それより…ど、どこに行っていた?出て行ったのではなかったのか?」
「おまえが全然起きないから、散歩してたのだ。いい街だな、ここは…」
「ど、どうやって入ってきた…!」
「どうやって?普通に入って来た。気がつかなかったか?」
「え…?」
「おまえの方こそ、どうかしてる。考え事でもしていたのか?」
意地悪そうに微笑んで、ちひろの目をみる有沙。
そんな表情がたまらなく可愛らしくて、ちひろは言葉を失った。
262投稿者:
リリー
投稿日:2007年03月09日(金)22時58分20秒
今日は、これでおちます
263投稿者:
ついに来たTTK!
投稿日:2007年03月10日(土)00時06分43秒
一体どういうやつらなんだろう?
264投稿者:
チームJ
投稿日:2007年03月10日(土)00時46分19秒
ジャスミンとジョアンなんだよな
ゴリエダンサーズのコンビか
265投稿者:
あげ
投稿日:2007年03月10日(土)09時28分12秒
266投稿者:
117
投稿日:2007年03月10日(土)10時14分13秒
おっと、本格的になってきましたね。
一体有沙の正体は?これからも読みますので、頑張ってくださいね!
267投稿者:
あげ
投稿日:2007年03月10日(土)14時38分27秒
面白いです!
268投稿者:
期待
投稿日:2007年03月10日(土)18時23分26秒
あげ
269投稿者:
リリー
投稿日:2007年03月10日(土)22時44分07秒
はい、更新します
270投稿者:
リリー
投稿日:2007年03月10日(土)22時44分58秒
「もしかして…私のことを考えてたか?」
「…そ…そうだ…!お、おまえのことを考えてたんだ!」
「私に会いたかったか?」
「ああ!会いたかった!」
「ふふ…。嬉しいぞ、ちひろ…」
「勘違いするな!おまえのことを、ぶん殴ってやろうと…」
「?」
有沙はキョトンとした顔でちひろを見上げる。
まるでオイタをして、飼い主に叱られる仔猫のような顔…。
(可愛い…)
握り拳に力が入らない。
「ぶん殴るなんて、昨夜だけで充分だ。あんまり私をいじめるな、ちひろ…」
唇を尖らせて抱きつく有沙。
(か、可愛い…)
こんな顔を殴れるものか…。
ちひろは無意識に拳を開いて、有沙の背中を抱く。
271投稿者:
age
投稿日:2007年03月10日(土)22時45分20秒
272投稿者:
リリー
投稿日:2007年03月10日(土)22時45分53秒
「素直になったな?」
有沙は、ちひろの唇に短くキスをする。
再び面食らったちひろをよそに、首、胸、腹…有沙の顔が下へ移動する。
「あ…ま、待って…」
ちひろも、身体を有沙の顔に合わせて下へずらす。
有沙は、ちひろの肩を掴み、引き寄せる。
ちひろは、床にペタンと腰を降ろす。
そして有沙はコアラのように、ちひろの身体に腕と足を絡ませる。
273投稿者:
リリー
投稿日:2007年03月10日(土)22時46分06秒
額と額をくっつけて、有沙は楽しそうに笑う。
「ふふ…。ちひろの身体は気持ちいいな…。こうやって抱き合ってると落ち着く…。ちひろはどうだ?」
「あ…あ…う…うん…」
「はっきりしない返事をする!」
頬を膨らませた有沙は、前に体重をかける。ちひろの身体は、有沙ごと後ろに転がる。
タイルの床に、後頭部を少しぶつけてしまった。
「あ…!イタ…!」
「ちひろ…。今、思いっきり気持ちよくしてやるからな!」
また、有沙はキスをした。
ちひろは、ぼおっと天井を見つめる。
シャワーの湯が、自分に降り注ぐ。雫の一つ一つの形が、はっきりと見える。
暖かい…。シャワーのせいか、それとも有沙の身体か…。
チュッ!
ちひろの首筋から音が鳴った。
「あ…有沙…!こ、これ以上、身体に跡をつけないでくれ!」
「ん〜…嫌なのか?ちひろ?」
「こ、こんなの…学校で…人前で着替えられない…!」
「いいではないか…。この私との愛の全てを、自慢してやればいい!」
「か、勝手なことを言うな!」
「わかった…。ちひろがそう言うなら、やめてやろう…」
ちひろは、ホッと息をついた。
274投稿者:
リリー
投稿日:2007年03月10日(土)22時46分31秒
「そのかわり…ちひろが私にやってくれ…」
「わ、私が…?」
「そうだ。私の身体にも、ちひろの印をつけてくれ」
「そ、そんなこと…!できるか!」
「じゃあ、もっと気持ちよくしてやろう…。その後で必ずやってもらうぞ?」
有沙の右手は、ちひろの股間に伸びる。
「あ…」
ちひろの身体が、ピクンと反応する。
「大丈夫…。身を委ねろ…」
有沙の囁きが、ちひろの身体の力を抜かせた。
有沙の愛撫は、ちひろの行動、思考をことごとく失わせる。
全身を、有沙の指、唇が駆け巡る。
もう、このまま有沙に任せてしまってもいい…。何の不安もない…。
シャワーの湯が、二人に降り注ぐ。このまま身体が溶けていき、排水溝に流れてしまうような感覚になる。
「あ…はぁ…ああ…」
喘ぎ声が、自然と口から出る。自分で聞いていて恥ずかしかったが、止められなかった。
そして、その声とも息ともわからない声が、段々大きくなっていく。
275投稿者:
ネットのポルノ小説に実名
投稿日:2007年03月10日(土)22時46分48秒
http://www.asahi.com/national/update/0310/JJT200703100009.html
276投稿者:
リリー
投稿日:2007年03月10日(土)22時47分01秒
(何だ?これは私の声なのか?これは…私の身体なのか?この感覚は何なんだ?)
何で、自分はこんなことをしているのだろう…?
あれだけ怒りを覚えていたのに、有沙の顔を見ただけで全てを許し、全てを忘れ、全てを委ねる。
昨夜の有沙の言葉を思い出す。
・・・「心を折った」・・・「有沙を守る為の」・・・「僕になるための儀式」・・・
目の前が真っ白になる。一瞬、意識を失ったようだ。
「ちひろ…。ちひろ…」
自分を呼ぶ声がする。
顔にシャワーの湯がかかる。
目の前に、有沙の顔が見える。
「あ…有沙…」
「気持ちよかったか?」
わずかに頷くちひろ。
「さあ、私に印をつけてくれ…」
ちひろを抱き起こす有沙。ちひろの顔を、自分の胸にもっていく。
ちひろは、有沙がやったように唇を胸に乗せると、小さく音をたてて吸い付いた。
赤く小さな痣ができる。
「嬉しい…!これで私達は一つになったんだな!」
有沙は、ちひろに抱きついた。
277投稿者:
リリー
投稿日:2007年03月10日(土)22時48分29秒
勢いよく、ガラス戸が開いた。
「やっほ〜!!おはよう!じゃなくて、もう、お昼だからこんにちわ〜!ちひろさ…ん…」
開けたのは、甜歌だった。
そして…シャワーに濡れながら、裸で抱き合っている二人を見て、呆然とする。
「ちひろさん…?」
「て、甜歌…」
ちひろは、二の句が継げない。空気が固まった。
「え…あ…有沙…ちゃん…?」
甜歌に名前を呼ばれ、迷惑そうな顔で振り向く有沙。
目と目が合う。
「何だ?不躾なやつめ…。邪魔をするな」
有沙は平然と言う。
甜歌の顔が、みるみるうちに赤くなる。
「ちょっと〜〜〜!!!な、な、何やってんのよ〜〜〜!!!」
甜歌はシャワーで服が濡れることなど構いもせず、バスルームに入ると、有沙の腕を掴んで無理矢理ちひろから引き剥がした。
278投稿者:
リリー
投稿日:2007年03月10日(土)22時48分42秒
「ど、ど、どういうこと?これ!!な、な、なんでちひろさんと、は、は、裸で抱き合って…」
甜歌が有沙に詰め寄る。
「うるさい」
あくまでも、有沙は冷静に言う。
「う、う、う、うるさくない!うるさくない!むしろ、あんたの方がうるさい!いや、うざい!説明してよ!これ、どういうこと!?」
「あ…あの…甜歌…」
ちひろは、どうしていいかわからない。ただ、二人の言い合い(一方的に甜歌の声しか聞こえないが)を見上げるしかなかった。
279投稿者:
リリー
投稿日:2007年03月10日(土)22時49分06秒
今日はこれでおちます
280投稿者:
面白いwww
投稿日:2007年03月10日(土)22時49分12秒
281投稿者:
思った
投稿日:2007年03月11日(日)15時33分34秒
小さい方が大きい方を攻めるのはリリーさんの黄金パターンだな
282投稿者:
リリー
投稿日:2007年03月11日(日)18時07分18秒
最悪です…
今まで書き溜めたデータを、手違いで捨ててしまいました
もうすぐ、ラストパートだったんですが…
また、書き直しですかね…
読んでて下さった方々、申し訳ありません
しばらく書き溜めておいて、また再開できるようにがんばります
本当に、すみません
283投稿者:
頑張れリリーさん
投稿日:2007年03月11日(日)18時10分54秒
応援している
284投稿者:
頑張れ!
投稿日:2007年03月12日(月)12時04分11秒
ageとくね
285投稿者:
今度は3人でかぁ
投稿日:2007年03月12日(月)12時17分21秒
286投稿者:
age
投稿日:2007年03月12日(月)17時09分32秒
287投稿者:
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投稿日:2007年03月12日(月)20時20分46秒
288投稿者:
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投稿日:2007年03月12日(月)20時20分49秒
289投稿者:
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投稿日:2007年03月12日(月)20時20分51秒
290投稿者:
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投稿日:2007年03月12日(月)20時20分53秒
291投稿者:
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投稿日:2007年03月12日(月)20時20分55秒
292投稿者:
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投稿日:2007年03月12日(月)20時20分58秒
293投稿者:
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投稿日:2007年03月12日(月)20時21分00秒
294投稿者:
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投稿日:2007年03月12日(月)20時21分02秒
295投稿者:
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投稿日:2007年03月12日(月)20時21分04秒
296投稿者:
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投稿日:2007年03月12日(月)20時21分06秒
297投稿者:
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投稿日:2007年03月12日(月)20時21分08秒
298投稿者:
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299投稿者:
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投稿日:2007年03月12日(月)20時21分12秒
300投稿者:
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301投稿者:
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投稿日:2007年03月12日(月)20時21分17秒
302投稿者:
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投稿日:2007年03月12日(月)20時21分19秒
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投稿日:2007年03月12日(月)20時21分24秒
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310投稿者:
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投稿日:2007年03月12日(月)20時22分05秒
316投稿者:
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投稿日:2007年03月12日(月)20時22分07秒
317投稿者:
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投稿日:2007年03月12日(月)20時22分11秒
318投稿者:
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投稿日:2007年03月12日(月)20時22分14秒
319投稿者:
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投稿日:2007年03月12日(月)20時22分17秒
320投稿者:
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投稿日:2007年03月12日(月)20時22分19秒
321投稿者:
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投稿日:2007年03月12日(月)20時22分21秒
322投稿者:
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投稿日:2007年03月12日(月)20時22分23秒
323投稿者:
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投稿日:2007年03月12日(月)20時22分25秒
324投稿者:
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投稿日:2007年03月12日(月)20時22分31秒
325投稿者:
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投稿日:2007年03月12日(月)20時22分35秒
326投稿者:
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投稿日:2007年03月12日(月)20時22分47秒
327投稿者:
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投稿日:2007年03月12日(月)20時23分12秒
328投稿者:
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投稿日:2007年03月12日(月)20時23分15秒
329投稿者:
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投稿日:2007年03月12日(月)20時23分16秒
330投稿者:
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投稿日:2007年03月12日(月)20時23分18秒
331投稿者:
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投稿日:2007年03月12日(月)20時23分20秒
332投稿者:
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投稿日:2007年03月12日(月)20時23分22秒
333投稿者:
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投稿日:2007年03月12日(月)20時23分27秒
334投稿者:
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投稿日:2007年03月12日(月)20時23分29秒
335投稿者:
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投稿日:2007年03月12日(月)20時23分31秒
336投稿者:
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投稿日:2007年03月12日(月)20時23分33秒
337投稿者:
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投稿日:2007年03月12日(月)20時23分38秒
338投稿者:
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投稿日:2007年03月12日(月)20時23分41秒
339投稿者:
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投稿日:2007年03月12日(月)20時23分43秒
340投稿者:
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投稿日:2007年03月12日(月)20時24分02秒
341投稿者:
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投稿日:2007年03月12日(月)20時24分04秒
342投稿者:
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投稿日:2007年03月12日(月)20時24分09秒
343投稿者:
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投稿日:2007年03月12日(月)20時24分12秒
344投稿者:
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投稿日:2007年03月12日(月)20時24分14秒
345投稿者:
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投稿日:2007年03月12日(月)20時24分16秒
346投稿者:
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投稿日:2007年03月12日(月)20時24分19秒
347投稿者:
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投稿日:2007年03月12日(月)20時24分21秒
348投稿者:
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投稿日:2007年03月12日(月)20時24分24秒
349投稿者:
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投稿日:2007年03月12日(月)20時24分27秒
350投稿者:
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投稿日:2007年03月12日(月)20時24分29秒
351投稿者:
荒らし依頼があったので荒らします。
投稿日:2007年03月12日(月)20時24分31秒
352投稿者:
荒らし依頼があったので荒らします。
投稿日:2007年03月12日(月)20時24分33秒
353投稿者:
荒らし依頼があったので荒らします。
投稿日:2007年03月12日(月)20時24分52秒
354投稿者:
荒らし依頼があったので荒らします。
投稿日:2007年03月12日(月)20時24分54秒
355投稿者:
荒らし依頼があったので荒らします。
投稿日:2007年03月12日(月)20時24分56秒
356投稿者:
荒らし依頼があったので荒らします。
投稿日:2007年03月12日(月)20時24分59秒
357投稿者:
荒らし依頼があったので荒らします。
投稿日:2007年03月12日(月)20時25分03秒
358投稿者:
荒らし依頼があったので荒らします。
投稿日:2007年03月12日(月)20時25分06秒
359投稿者:
荒らし依頼があったので荒らします。
投稿日:2007年03月12日(月)20時25分08秒
360投稿者:
荒らしなんか気にしないで
投稿日:2007年03月12日(月)22時02分49秒
頑張ってくださいね!!
361投稿者:
あげ↑
投稿日:2007年03月13日(火)00時05分51秒
362投稿者:
あげます
投稿日:2007年03月13日(火)00時55分24秒
頑張って下さい!
更新いつまででも待ってます!
363投稿者:
荒らし依頼@あめぞう
投稿日:2007年03月13日(火)13時58分13秒
1『R&G探偵社の朝』
朝日が昇り始め、朝靄が街を包み込んでいる。
崩れかけた石垣だけを残す城跡の公園。
敢えて整備されたジョギングコースを外れて走る。
転がる石、うねりながら伸びる大木の根。
それらを難なく飛び越えて、軽やかに走る少女。
村田ちひろ。15歳。中学3年生。
白い息を吐きながら、呼吸は乱れず、後ろに括った髪の毛が揺れる。
ちひろは石垣を登る。
階段状にはなってはいるが、常人が昇るには困難な段差をちひろはピョンピョンと登っていく。
そして最上段まで登りつめると、深呼吸をし、石垣の縁に腰掛けた。
ちひろは自分の住む街、虹守町を見おろす。
南北に通る国道はまだ込んでいない。ヘッドライトを点けた大型トラックがスイスイと数台通るだけだ。
今朝は朝靄が濃い。隣街の下ノ国町はまだ見えない。
毎日見る景色だが、飽きることはない。
これが村田ちひろの毎朝の習慣である。
10歳の頃から毎日続けている。
同じことを繰り返している。
あの頃と違うのは、両手を使わなくても石垣を登れるようになったこと。
そして、隣に父がいないこと…。
364投稿者:
荒らし依頼@あめぞう
投稿日:2007年03月13日(火)13時58分41秒
ちひろは腕時計を見る。
6時20分。
「さてと…」
ちひろは立ち上がると、またピョンピョンと飛び跳ねるように石垣を降りていく。
帰り道は正規のジョギングコースを使う。
中学3年になってから部活は引退したのでまだゆっくりできるのだが、身体に染み込んだ習慣はそうは変えられない。
ちひろはここ数年、朝日をベッドで見ることがなかった。
ちひろが自宅…のある4階建ての古い雑居ビルに帰った時には朝靄はすっかり晴れた。
当然、エレベーターを使わずに階段を上る。
身体を鍛える為でもあるが、ちひろはあのボロエレベーターを信用していない。
3階にある「自宅」のドアを開ける。「R&G探偵社」と書かれたドアを。
応接用の黒光りするソファーに、二代目社長、吉田永憲がイビキをかきながらだらしなく眠っている。
ちひろとは違って、吉田はここ数年、昇る朝日を見たことがない。
「まったく…」
ちひろは溜息をつく。
枕を引っこ抜いて思いっきり吉田の顔面に投げつけ、毛布を剥ぎ取ってやりたかったが、もうここ数ヶ月やっていない。
ちひろは自他共に認める努力家だが、「無駄な努力」は一切しない性分なのだ。
365投稿者:
荒らし
投稿日:2007年03月13日(火)13時59分04秒
ちひろはそのまま室内にある階段を上る。4階へはその階段でなければたどり着けない。上った先が、ちひろの住居なのだ。
自分の部屋に戻ったちひろは、腕時計を外しながら時間を確かめる。
6時45分。
丁度いい時間だ。ちひろは壁にかけた木刀を取ると、ベランダに出て素振りを始めた。
本当なら掛け声もかけたいところだが、近所迷惑になると考えて黙々と行う。
更に、本当なら城跡公園の石垣の上で街を見おろしながらやりたいのだが、木刀を背中に刺して街中を走るのも年頃の少女としては少し辛い。
心の中で200数えると、室内に戻る。
ちひろはトレーニングウェアと下着を脱ぐと、そのまま素っ裸でバスルームに向かう。
一人暮らしだから気ままにできるのだ。
もちろん、3階の事務所に住んでいる吉田にはこの部屋には死んでも入れない。
いや、吉田の方が死ぬことになるだろう。
すっかり温まり、汗で湿った身体にシャワーを浴びる。
「あんまり身体を鍛えると、胸が大きくならないって言いますよ」…これは騒々しい後輩が言った言葉だ。
(ふん!アイツの言うことは当てにならないな!)
まだ膨らみ続ける胸を見つめて、ちひろは思った。
366投稿者:
荒らし
投稿日:2007年03月13日(火)13時59分26秒
その時、ちひろはシャワーの音に紛れた、別の物音を聞き分けた。
ドアの開く音だ。
(たしか、ドアには鍵をかけたはず…)
ちひろは息を呑んだ。
シャワーのコックに手を伸ばしたが、思い止まる。
シャワーの音を止めたら、その侵入者が逃げてしまう、と思ったからだ。
侵入者を恐いと思わずに捕まえることを考える…ちひろはそういう少女だ。
(レッドさんじゃないよね…まさか…)
怒ったちひろがどれだけ恐ろしいか、吉田は知っているはずだ。
いや、親代わりの吉田は「こんなこと」は絶対にしないはず。
367投稿者:
荒らし
投稿日:2007年03月13日(火)14時00分01秒
ちなみにレッドとは吉田のニックネームである。
慎重にシャワーの音と侵入者の足音を聞き分ける。
足音は確実に近づいて来る。ぺタ…。足音が変わった。脱衣所に入ってきたのだ。
ちひろはシャワーの水温を最高に上げる。
スリガラスに姿が映る。思ったより小柄だ。
扉の横に身を潜める。
ガラス戸が開いた。
ちひろはガラス戸を開けた者に向けて、シャワーの湯を浴びせた。
「あちゃちゃちゃちゃ…!」
甲高い声がバスルームに響く。
「へ?」
ちひろは拍子抜けした。
「な、何するんですか〜!ちひろさん!」
タイルの床に腰を落としたびしょ濡れのセーラー服の少女は叫んだ。
「おまえの方こそ…何をしてる!?」
この少女の名前は橋本甜歌。当てにならない話しをちひろに話した騒々しい後輩とは彼女のことである。
368投稿者:
荒らし
投稿日:2007年03月13日(火)14時00分28秒
「何をしてるって…。朝の挨拶ですよ〜」
濡れた髪の毛を撫でつけながら甜歌は不機嫌そうに言った。
「どうやって入った?」
「え〜と…ピッキング…へへ…」
今度はごまかすように笑う甜歌。コロコロと表情と気分の変わる少女だ。
「ピッキング?」
思わず素っ頓狂な声を上げるちひろ。
「ピッキングなんて、一体誰に…いや、言わなくてもわかる…。レッドさんだ…」
「ピンポ〜ン!よくわかりましたね?」
「レッドさんしかいない!そんな犯罪行為を教えるのは…!」
「は、犯罪って言わないで下さいよ〜!!探偵には必要不可欠な技術じゃないですか!」
22投稿者:リリー 投稿日:2007年02月22日(木)22時07分54秒
369投稿者:
荒らし
投稿日:2007年03月13日(火)14時00分53秒
「ピッキングする探偵なんていない!」
「いや、この技術がちひろさんの役に立てたらいいな〜って…そう思って一生懸命習ったのに…」
「役に立つことなんてない!少なくとも、今は迷惑している!さあ、甜歌、いい加減…」
甜歌がウットリとした目でちひろを眺めている。いや、ちひろの裸を眺めている。
「はぁ…。カッコいい…身体…。ちひろさん、やっぱりカッコいい…」
そうだった…。甜歌は女でありながら同性のちひろに恋心を抱いているのだった。このことをすっかり忘れていた。
ちひろは足早にバスルームを出る。
「お尻なんて、キュっと引き締まってるもん…。鍛えてるからかな…」
甜歌はちひろの尻に手を伸ばすが、その手はピシャリと叩かれた。
「ドライヤーを貸してあげるから、早く濡れた髪と服を乾かしな!」
そう言うとちひろはバスタオルで身体を隠した。
370投稿者:
荒らし
投稿日:2007年03月13日(火)14時01分16秒
着替えを終えて、下に降りたちひろは味噌汁と目玉焼きを作り始める。
その匂いに釣られて吉田はモソモソと起き始める。
これが吉田を起こす最良の方法だ。こちらがイライラすることもないし、朝食もできるし一石二鳥だ。
「ちひろ…おはよ…」
酒でガラガラになった声で朝の挨拶をする吉田。
「おはよう、レッドさん」
「また目玉焼き…。焼き鮭が食いたい…」
「口が生臭くなるから嫌」
「納豆は食うクセに…。あれ、カンベンしてぇな…」
「納豆を食べないやつは日本人じゃない!」
吉田は「へい、へい、さよですか」とブツブツ言いながら、朝食ができるまでまたソファーで横になる。
371投稿者:
荒らし
投稿日:2007年03月13日(火)14時01分34秒
吉田は父の部下だった男だ。
このR&G探偵社は、今は亡きちひろの父が設立した会社だ。
母も早くから亡くしたちひろは、ここで吉田と共に暮らしている。
もともとちひろの父は刑事だった。正義感の強い父は、上層部の汚職を内部告発して警察を追い払われた。
その時、父を慕って一緒に警察を辞めて着いてきたのがこの吉田なのだ。
レッドとは吉田の刑事時代のニックネームだ。
「俺の行く所、常に赤い血が流れるからや」と本人は言っているが、実は「酒を一杯飲んだだけで顔が真っ赤になる」という意味で、ちひろの父が名付けた。
3年前、ちひろが小学6年生の時、父は亡くなった。
仕事とは関係ない、交通事故だった。
レッドは両親を失くしたちひろを引き取って保護者になった。
父の跡を継いで探偵になりたがるちひろにレッドは手を焼いた。
尊敬する上司の一人娘を危険に晒せない。レッドよりは腕が立つことも厄介だった。
どうせなら警察官になったらどうか?と勧めても、父を追放した警察をちひろは憎んでいた。
372投稿者:
荒らし
投稿日:2007年03月13日(火)14時01分58秒
二人で朝食を食べていると、髪と服を乾かし終えた甜歌が降りてきた。
「わ!いい匂い!私の分は?」
「ない」
そっけなく答えるちひろ。
「ないって…そんな〜」
「朝ご飯、食べてないのか?」
「うん…。だって、ちひろさんに朝の挨拶しようと早く家を出たから…」
「良くないな…甜歌。朝ご飯はしっかり取らないと…」
「だから…私の分…」
「だから、ない」
甜歌を無視して黙々と食べるちひろ。
甜歌はレッドの皿の目玉焼きをチョイと摘む。
「あ…!何すんねん!」
レッドが怒鳴る前に、甜歌は一口で目玉焼きをぺロリと平らげた。
「う〜ん…。ちひろさんの手料理…。おいひい…」
黄身をダラダラと垂らしながら甜歌は幸せそうに微笑む。
「レッドさん、納豆ならあるけど…」
ちひろは嫌味たっぷりに言った。
「いえ…。遠慮しておきます…」
373投稿者:
荒らし
投稿日:2007年03月13日(火)14時02分20秒
すっかり中高生の溜まり場になってしまったR&G探偵社に、レッドは複雑な気分だ。
虹守町内の進学高校に通っている、井出卓也と白木杏奈の二人もここに入り浸っている。
しかし、二人はこの探偵社になくてはならない存在になっている。この二人には吉田もちゃんとバイト代を出している。
卓也は頭脳明晰でコンピュータの専門知識を持っているし、杏奈の100年は生きているのではないか、という驚異の読書量からなる博学ぶりは、吉田も重宝しているのだ。
でも、二人ともこの探偵社に就職はしない、と断言している。だから大学進学とともに二人を手放すことに、吉田は危機感を持っていた。
それに比べ、この甜歌の役立たずぶりは圧倒的だ。ピッキングなんて余計な技術を教えたことも後悔した。絶対にロクでもない結果になることは目に見えている。
しかも、甜歌はこの探偵社に就職することを宣言している。
吉田の下で働きたいわけではない。三代目社長になるであろう、ちひろに仕えたいからだ。
374投稿者:
荒らし
投稿日:2007年03月13日(火)14時02分47秒
朝食を食べ終えたちひろと甜歌は、学校に行く準備をする。
「レッドさん、二度寝しないように!」
ちひろが出かけ際に釘を刺す。
「それから…たしか隣の下ノ国から依頼って今日だったよね?」
「ああ…。何時やったかな…?ちひろ、知ってる?」
「もう!メモを渡したのに、また失くしたな!そんなんで重要書類とか証拠写真とか失くしてたら、探偵失格だからな!」
「わ、わかってるがな…」
「わかってない!いいか?このR&G探偵社は私のお父さんが創った会社だからな!評判を落とすことはするな!」
「そう、そう、なるべく傷をつけずにちひろさんに返してくださいね!」
「しばくぞ!」
横槍を入れる甜歌を本気で殴ろうとする吉田。
甜歌は悲鳴をあげながらその手を掻い潜り、ちひろの後ろに隠れる。
375投稿者:
荒らし
投稿日:2007年03月13日(火)14時03分11秒
「依頼人は午後5時に来るから…。事務所内はきれいに掃除しておくように。それから、あの子…」
ちひろが親指で指した先に、ゲージの中の丸々と太った茶虎猫がいる。
甜歌と二人で追い詰めて捕まえた行方不明の猫である。太って動きの鈍い猫だから、甜歌でも捕まえることはできた。
ちひろの並外れた運動神経、特に剣道の腕が全然活かされない仕事。吉田はこんな仕事しかちひろに回さない。
「正午に飼い主さんが来るから、それまでにエサもちゃんとあげておいて。キャットフード代もちゃんと請求するんだぞ。あの子、凄く食べるから」
「それぐらい…サービスでええやん。ガメツイな…」
「じゃあレッドさん、毎晩飲み歩くのをやめてくれないか?それなら私もサービス精神を持ってお客さんと接することができるんだが…」
「わかった、わかった。ちゃんと頂きますよ」
レッドはちひろに口で勝てた試しがない。いや、卓也にも、杏奈にも、甜歌にも…レッドは勝てない。
「それじゃ、行ってきます」
ちひろと甜歌はドアを開けて階段を駆け下りる。
これがR&G探偵社の毎朝の風景である。
376投稿者:
荒らしっていうか上げてくれる良い人だよね^^
投稿日:2007年03月13日(火)14時06分31秒
嫌ならほっとけばいいのに
377投稿者:
あげ↑
投稿日:2007年03月13日(火)23時29分03秒
378投稿者:
逆に気になるからアラシてる?
投稿日:2007年03月14日(水)05時26分23秒
379投稿者:
age
投稿日:2007年03月14日(水)23時19分28秒
380投稿者:
あげる
投稿日:2007年03月15日(木)09時37分53秒
381投稿者:
あ
投稿日:2007年03月15日(木)23時53分14秒
げ
382投稿者:
あげ
投稿日:2007年03月16日(金)06時03分44秒
383投稿者:
あげます*
投稿日:2007年03月16日(金)20時33分12秒
384投稿者:
まだがぁ〜
投稿日:2007年03月16日(金)23時19分08秒
リリーはまだがぁ〜
385投稿者:
age
投稿日:2007年03月17日(土)01時21分53秒
386投稿者:
レズ小説はいいねぇ
投稿日:2007年03月17日(土)01時43分20秒
リリーの生み出した文化の極みだよ
そう感じないかい?
387投稿者:
リリー
投稿日:2007年03月17日(土)03時25分59秒
すいません
いま、とても忙しい状況で、書き溜めができない状態です
90%書き終わったものを、一気に捨ててしまったものですから…書くテンションも上がらず…
何とか、どう書いたのか思い出しながら書いている状況です
でも、2度目の方が無駄な部分も省きつつ、改良されるのでは、と思います
もう少し待っていて下さい
388投稿者:
あげ
投稿日:2007年03月17日(土)10時52分53秒
待ってる
389投稿者:
気長に待ってます
投稿日:2007年03月17日(土)11時03分16秒
リリーさん、頑張ってください
390投稿者:
そういうこともある
投稿日:2007年03月17日(土)18時59分53秒
自分も同じことあったからリリーの気持ちよく分かるよ
気長に待ってるからガンバ!
391投稿者:
90に同意
投稿日:2007年03月17日(土)19時05分29秒
392投稿者:
期待
投稿日:2007年03月19日(月)09時09分46秒
あげ
393投稿者:
あげます*
投稿日:2007年03月20日(火)21時22分30秒
394投稿者:
いつもそうさ
投稿日:2007年03月20日(火)23時22分13秒
理想の先には
395投稿者:
あげ
投稿日:2007年03月22日(木)23時13分00秒
396投稿者:
あげ
投稿日:2007年03月24日(土)17時34分24秒
397投稿者:
あげます*
投稿日:2007年03月25日(日)00時37分12秒
398投稿者:
★あげます★
投稿日:2007年03月27日(火)21時03分06秒
399投稿者:
あげ↑
投稿日:2007年03月28日(水)12時12分04秒
400投稿者:
あげ!
投稿日:2007年03月28日(水)19時53分38秒
401投稿者:
書いてよ!!
投稿日:2007年03月29日(木)23時27分29秒
今書かなかったらなんにもならないんだ
だから
書いてよ!!!!!!!!!
402投稿者:
まあ待て
投稿日:2007年03月29日(木)23時33分43秒
リリーも消えた小説を元に戻そうと
今必死に頑張ってるんだ
403投稿者:
age
投稿日:2007年03月30日(金)17時20分28秒
age
404投稿者:
さて、
投稿日:2007年03月30日(金)17時53分17秒
現時点での登場人物が全員OB・OGになったわけだが
405投稿者:
ピンポンピンポンピンポンピンポンピンポン
投稿日:2007年04月01日(日)00時24分26秒
ダン!ダン!ダン!ダン!
おーいリリーさん、いないの?
406投稿者:
a
投稿日:2007年04月01日(日)10時45分29秒
age
407投稿者:
あげます*
投稿日:2007年04月02日(月)20時40分50秒
408投稿者:
>05
投稿日:2007年04月02日(月)21時12分10秒
リリーさん家のインターホン押して、ドア叩いてるとこ?
409投稿者:
a
投稿日:2007年04月03日(火)11時10分55秒
ge
410投稿者:
fgh
投稿日:2007年04月04日(水)12時55分10秒
fdgh
411投稿者:
次回作はあかりと千帆を見たいねぇ〜
投稿日:2007年04月04日(水)12時58分30秒
412投稿者:
リリーさん
投稿日:2007年04月04日(水)13時09分08秒
書かなくてもいいので
とりあえず久しぶりに
なんかコメントしてください
お願いします
413投稿者:
あえg
投稿日:2007年04月04日(水)20時58分27秒
414投稿者:
リリーさん
投稿日:2007年04月06日(金)23時29分51秒
自然消滅なんてやめてね;;
415投稿者:
1年でも2年でも
投稿日:2007年04月07日(土)15時22分37秒
松!!
416投稿者:
あげ
投稿日:2007年04月08日(日)23時49分13秒
あげ
417投稿者:
リリーが死んでも
投稿日:2007年04月09日(月)00時05分24秒
代わりはいないもの・・・
418投稿者:
あげ
投稿日:2007年04月09日(月)20時37分07秒
あげ
419投稿者:
もうだめか
投稿日:2007年04月10日(火)21時40分20秒
モチベーションが上がらないんだろう
危惧していた通りになってしまった
420投稿者:
あげ
投稿日:2007年04月11日(水)21時12分31秒
421投稿者:
あげてやる!
投稿日:2007年04月12日(木)22時21分40秒
422投稿者:
あげ
投稿日:2007年04月12日(木)22時33分19秒
423投稿者:
この小説おもろい
投稿日:2007年04月12日(木)23時06分27秒
あげあげ
424投稿者:
1日に何度もあげるんじゃない
投稿日:2007年04月12日(木)23時11分58秒
ドキンッ!ってなるから
来たのかと思って
425投稿者:
つづきくれ〜
投稿日:2007年04月14日(土)00時27分48秒
426投稿者:
age
投稿日:2007年04月15日(日)14時00分07秒
427投稿者:
age
投稿日:2007年04月15日(日)16時16分09秒
428投稿者:
けっこう本気で早急な再開を望んでる
投稿日:2007年04月18日(水)01時22分49秒
429投稿者:
あ
投稿日:2007年04月20日(金)21時42分57秒
430投稿者:
いつになったら来るのかな・・・
投稿日:2007年04月23日(月)22時38分58秒
431投稿者:
リリー
投稿日:2007年04月29日(日)16時50分30秒
すみません、ご無沙汰してました
私、インドに行ってまして…最近になって帰ってきました
3週間くらいの旅行です
インドに行く友達が急病で行けなくなり、「キャンセル料を払うくらいなら誰か行ってくれ」と頼まれて、二つ返事でOKしました
もう一人の友達が(先輩ですが)インドウォーカーで、女性ながら何度もインド旅行を経験してるってことなので、まかせっきりで着いていきました
急な出発だったので、ここのみなさんに報告を忘れて行ってしまったことを謝ります
こんなに再開を望む声が多いとは、申し訳ないと同時に嬉しい限りです
少しずつ消してしまった小説を思い出しながら書いています
3月〜4月にかけてインドに行っていたものですから、帰国してからもの凄く忙しいので毎日更新はできないと思いますが、この小説は完結させたいと思っています
本当に、長い間停滞させてしまって、申し訳ありませんでした
それでも、最後まで読んでいただければ幸いです
432投稿者:
リリー
投稿日:2007年04月29日(日)16時54分45秒
277からの続きです
「ど、ど、どういうこと?これ!!な、な、なんでちひろさんと、は、は、裸で抱き合って…」
甜歌が有沙に詰め寄る。
「うるさい」
あくまでも、有沙は冷静に言う。
「う、う、う、うるさくない!うるさくない!むしろ、あんたの方がうるさい!いや、うざい!説明してよ!これ、どういうこと!?」
「あ…あの…甜歌…」
ちひろは、どうしていいかわからない。ただ、二人の言い合い(一方的に甜歌の声しか聞こえないが)を見上げるしかなかった。
すると次の瞬間、ちひろの予想外の出来事が起きた。
パシ!
乾いた音がバスルームに響く。
ストンと、甜歌が腰を落とした。そして、呆然とした表情の甜歌の鼻から、一筋の鼻血がスーっと流れた。
「…え?…え?」
甜歌は、掌で自らの鼻血を受け止める。やっと自分が有沙に殴られたと気がついた。
じわりと頬の痛みが、後から伝わってきた。
「て、甜歌?」
ちひろも、やっと甜歌の異常に気がついた。
「ひ…ひ…ひああああ〜〜〜!!」
火がついたように甜歌は泣き出した。
433投稿者:
リリー
投稿日:2007年04月29日(日)16時55分16秒
まるで幼稚園児のように泣き叫ぶ甜歌を、有沙はうんざりした目で見下ろしている。
そして、こう言い放った。
「うるさい」
「ひいいい〜〜〜ん!!」
甜歌はまだ泣き叫んでいる。
「うるさい」
「ひぎゃああああ〜〜〜!!」
ますます大きな声で泣き出す甜歌。
「うるさい、と言っている」
なんと、有沙は自分の右の爪先を、大きく開いて泣き叫んでいる甜歌の口に強引に捻じ込んだ。
「あぐ!…ひっ…!」
口に足を突っ込まれた甜歌は、目を白黒させている。
「うぐ…ぐぅ…うう…」
「これで少しは静かになったか…」
有沙は、自らの右足に力を込める。
「うぎ…!うぎぃ…!」
有沙の足は、ゆっくりと下がる。甜歌は顔を真っ赤にして、足をバタつかせる。
「くくく…このまま顎を外してやろうか…?」
ちひろは有沙の顔を見てゾッとした。
声は笑っているのに、目は笑っていない。そう…昨夜、自分に拳銃を突きつけた、あの有沙の目だった。
434投稿者:
リリー
投稿日:2007年04月29日(日)16時55分52秒
「ひ、ひぃ…!ひぎぃぃぃ〜〜〜!!」
甜歌の手は宙をさ迷っている。涙を一杯溜めた甜歌の目は、ちひろを見ている。ちひろに助けを求めている。
「…は…!」
ちひろは、やっと我に帰った。
「な、何をしている!やめろ!」
ちひろは、有沙を突き飛ばした。
有沙は片足で立っていたため、バランスを崩して前のめりでタイルの上に倒れ込んだ。
「だ、大丈夫か!?甜歌!」
「ゲホ…!ゲホ…!ガハ…!」
「ゆっくり息を吸え!そう…深呼吸…」
咽る甜歌の背中を擦ってやるちひろ。そして、キッと有沙の方を睨んだ。
「何てことをするんだ!有沙!!」
有沙はゆっくりと身体を起こして言う。
「何をするって…この女が私達の邪魔をしたからだ」
「甜歌は、私の可愛い後輩だ!甜歌に酷い事をしたら、私が許さないぞ!」
「可愛い…?この女はおまえの恋人なのか?」
「こ、恋人?な、何を言っているんだ!私達はただ…」
「そうよ!私とちひろさんは恋人同士よ!私達の間に割り込んでこないで!!」
ちひろの影に隠れながら、甜歌が怒鳴った。
435投稿者:
リリー
投稿日:2007年04月29日(日)16時56分15秒
「こ、こら!甜歌!話をややこしくするな!」
「ちひろさん、こいつ、何なのよ〜!!私、殺されるところだった〜!!」
甜歌は有沙を指差して叫んだ。
「こいつ?こいつとは随分な物言いだな…。殺すつもりはなかったが…貴様がそう言うならば、いっそのこと殺してやろうか?」
有沙は甜歌を睨みつける。
「ひ…!ち、ちろさん…!こ、恐い!」
甜歌はちひろの影に、サッと隠れた。
「有沙!とりあえず、おまえはここから出て行け!」
「出て行け?それはこのバスルームからか?それともおまえの家からか?」
「好きに解釈しろ!おまえがいると、甜歌が怯える!」
「そうか…。ならば、バスルームから出て行くことにしよう」
有沙はバスタオルを身体に巻いて、脱衣所へと歩いて行った。
「ねえ!ちひろさん!これ、どういうこと!?何で有沙なんかと裸で抱き合ってたのよ!ねえ!」
「ま、まずは落ち着け!甜歌…」
「いいや!落ち着かない!説明してよ!一体、何を…ゲゲ!!な、な、何?コレ!?キスマーク!?ちょ、ちょっと、何よコレ!?」
「だ、だから、落ち着け!甜歌…」
「ああ!ここにも!ここにも!こんなところまで!やらし〜んだ!やらし〜んだ!」
「顎を外してやろうか?甜歌?」
「…いえ…」
ようやく、甜歌は静かになった。
436投稿者:
リリー
投稿日:2007年04月29日(日)16時56分45秒
今日はこれでおちます
それでは、今後ともよろしくお願いします
437投稿者:
再開キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!!
投稿日:2007年04月29日(日)17時16分21秒
待ってました!
438投稿者:
また更新再開してくれて
投稿日:2007年04月29日(日)18時41分29秒
とても嬉しいです
また頑張ってください
439投稿者:
t
投稿日:2007年04月29日(日)18時42分39秒
http://pr2.cgiboy.com/S/2290169
440投稿者:
インドに行ってたのか…
投稿日:2007年04月29日(日)19時07分09秒
そりゃ、予想外だったわ…
441投稿者:
インド人
投稿日:2007年04月29日(日)19時10分18秒
ナマステ
ワタシモビックリアルヨ
442投稿者:
インドか…
投稿日:2007年04月29日(日)19時14分00秒
さすがリリーさん
443投稿者:
何やら
投稿日:2007年04月29日(日)19時19分32秒
あやしげーなことしに行ったんじゃないでしょうね?
444投稿者:
インド人もびっくり
投稿日:2007年04月29日(日)20時34分01秒
445投稿者:
小説も気になるけど
投稿日:2007年04月29日(日)20時35分26秒
インド旅行のことも気になる
446投稿者:
カーマスートラ
投稿日:2007年04月29日(日)20時44分42秒
を取材してきて、小説で活かす気かな?
447投稿者:
カレー食べたー?
投稿日:2007年04月29日(日)20時45分12秒
448投稿者:
リリー
投稿日:2007年04月30日(月)09時43分47秒
インドは大変だったけど、面白かったですよ
主にデリー中心、ベナレスからネパールに入ってルンビニ、そしてカトマンズと行きました
でも、到着して3日で病気になりました
肝炎とか伝染病とかではなく、ただの風邪でしたが
あやしげなことはしてきませんが、あやしげなものは見てきました
ガンジス川(だと思います)の辺での火葬も見ました
川原を散歩してたら、人間の頭蓋骨の破片が散らばってたり、ゾッとしましたが
カーマスートラの図鑑みたいなものを見つけましたが、大きいし、厚いし、重いしで、持って歩くのは困難なので諦めました
カレーは食べたか、というより、インドでは全ての料理がカレー味です
日本でいうところの、醤油とか味噌みたいなものですね
土地の風習に倣って、右手のみの手づかみで食べました
右手だけでナンを千切るのは難しかったので、左手を添えたら、先輩に左手を叩かれました
絶対にタブーだそうです
デリーは近代化が進んでましたが、後は自分のイメージ通りでした
449投稿者:
リリー
投稿日:2007年04月30日(月)10時15分52秒
あと、3月〜4月まで日本にいなかったので、今年度の天てれを見てません
甜歌は予想してましたが、まさか七海まで卒業とは…
「芋タコなんきん」に出てた関西系の鍋本帆乃香が新しく入りましたが、七海が辞めるから入ったのか、それとも帆乃香が入ったから七海が辞めたのか…書道のミッションは見ましたが、帆乃香は七海にイメージがダブりますね
今日から再放送らしいので、安田大サーカスの司会ぶりとか、じっくりと見てみます
450投稿者:
頭蓋骨の破片とかもリリーさんは
投稿日:2007年04月30日(月)10時38分39秒
好きそうですよね!!
甜歌はテレビで七海は映画で
これから沢山見れますよ
451投稿者:
七海は
投稿日:2007年04月30日(月)12時49分03秒
自主卒したらしいよー
甜歌は昼ドラにも出るしピチモだし
七海は映画に出まくるからこれからも楽しみー
452投稿者:
a
投稿日:2007年04月30日(月)12時56分57秒
http://fm7.biz/0bzw
あの子も整形・・?
453投稿者:
今年度の天てれと
投稿日:2007年04月30日(月)18時58分29秒
インドを比べたら…インドに行ってた方が楽しそうだ
454投稿者:
“バスルームから”…
投稿日:2007年04月30日(月)19時13分31秒
じゃあ他の部屋で待ってるわけだな
455投稿者:
ちー、有、甜の三角修羅場で長いこと止まってて
投稿日:2007年04月30日(月)19時22分25秒
続きはちーが慌てふためいて言い訳するコメディな展開になると思ったら…有沙が甜歌をボコボコに…やっぱりリリーは予想を裏切らせる天才だ
456投稿者:
うちの姉が今インドに行ってます
投稿日:2007年04月30日(月)20時53分33秒
ヒッピーみたいな生活してるんだけど
絶対何かあやしいことしに行ってるしw
457投稿者:
神小説★SAMURAIDRIVE☆
投稿日:2007年04月30日(月)20時56分09秒
458投稿者:
リリー
投稿日:2007年04月30日(月)22時15分37秒
七海も甜歌も、次のステップの為に卒業したのなら…悲しいことではありませんね
あと、「芋タコなんきん」の最終回も見逃しました
誰か見た人いませんか?
あの話し、好きだったんですよね
大した事件でもない、何のことは無い話しであそこまで面白く思えるなんて
>456
そのお姉さんはどのくらい行ってるのでしょうか?
一度行ったら、「もう二度とゴメンだ」と思う人と「また行ってみたい」と思う人と二通りに分かれるそうです
私は後者です
では、更新します
459投稿者:
リリー
投稿日:2007年04月30日(月)22時16分29秒
7『黒の毒蛇』
ようやく甜歌は大人しくなったが、さて…この状況、どうやって説明しようか…。
有沙の魅力に負けて、身体を許したのは紛れも無い事実だから…。
いや、その前に服を着なければ…。その時だった。
ガッシャーン!!
ガラスの割れる音がした。
「!?」
何があった?もしかして、有沙が腹立ち紛れに部屋で暴れているのか?
ちひろは裸のまま、濡れた肌を拭くこともなく、バスルームを駆け出した。
そして…ちひろの目に飛び込んできた光景は…。
(だ、誰だ…?)
そこには…バスタオルを一枚だけ身に纏った有沙の後姿。
その視線の先に…昨夜の有沙と同じ姿をした少女…黒の、ゴシックロリータの姿をした少女が立っていた。
460投稿者:
リリー
投稿日:2007年04月30日(月)22時16分53秒
そして、その少女の後ろは、ベランダに出る大きなガラスサッシ窓が派手に割られていた。
(ここから入ってきたのか…?ここは…4階だぞ…)
改めて、ちひろはその侵入した少女をまじまじと見た。
ゴスロリの黒いドレス…そして、外国人なのだろうか?肌の色は褐色で、髪の毛はソバージュ状に大きく横に広がっている。
その少女の手には、黒光りする細い紐のような物が握られている。これは…鞭のようだ。
「ハァーイ!チビアリちゃん!お久しぶり!随分探したよ!」
その少女は、鞭を持っていた片方の手を離して手を振った。
その為、丸く束状に纏められていた鞭がパラリと床に広がった。
「そうか…。おまえが来たのか…ジョアン…」
有沙はそう言って唇を噛んだ。
「そう!アタシが来たよん!アタシじゃない方が良かった?」
ジョアンと呼ばれた少女も…笑顔になっても目が笑っていなかった。
461投稿者:
リリー
投稿日:2007年04月30日(月)22時18分54秒
ジョアン、おまえがここにいるということは…当然、おまえのパートナーも近くに…?」
「いいや、アタシ一人だよ。アタシのパートナーは、あんたのパートナーを探してるところさ」
「何?『ジャスミン』が…『デカアリ』を…?」
「ああ、あんたが勝手に『組織』を抜けただろ?デカアリもあんたを探すために勝手に『組織』を抜けたのさ。もちろん、命令違反だからね。チビアリはアタシが、デカアリはジャスミンが担当することになったのさ」
「ふむ…デカアリもか…。バカなヤツだな。私など、放っておけばいいものを…」
「そう言ってやんなよ。デカアリはマジにあんたのこと心配してるのさ。だって、アタシ達より先に見つけなけりゃ、大変なことになるんだからね」
「で…おまえ達『チームJ』は、夏希から…いや、『ラビ』達からどんな命令を受けた?」
「当然…『生きたまま捕まえろ』さ!少なくとも、ここがおまえの死に場所にはならないから安心しな。その後のことは知らないけどね…」
『チビアリ』?『デカアリ』?『ジャスミン』?『チームJ』?『ラビ』?ちひろのわからない固有名詞を連発して二人の会話は続く。そして…『組織』…?『組織』を抜けた…?
ちひろがそんなことを考えていると、ジョアンはこちらに視線を向けた。
「そのキスマーク…。可愛い顔して手が早いねぇ…チビアリちゃん!」
ジョアンはちひろの裸の身体を、上から下まで舐め回すように見て、ぺロリと舌なめずりをした。
462投稿者:
リリー
投稿日:2007年04月30日(月)22時19分57秒
ちひろは、自分が裸のままでいることに気付き、慌てて両手で身体を隠した。
「いいじゃないか…よく見せなよ…。美味しそうな身体してんじゃん。そうか…あんたが夏希さんの言っていた『サムライガール』かい?」
「サムライガール?」
「その様子だと、チビアリとこれからお楽しみってところだったのかい?悪いねぇ…。無粋なマネしちゃってさ」
「お…お楽しみ…?な、何のことだ?」
「とぼけるなよ。そのキスマーク見ればわかるって。こりゃ、ますますデカアリが浮かばれないねぇ…」
「こ、これは…その…」
「そうだ。これから私はちひろとお楽しみだ。出て行け、ジョアン」
「あ、有沙!デタラメ言うな!!」
ジョアンは再び、ちひろを見る。
「ふ〜ん…。あんた、ちひろって名前なのかい?ふ〜ん…」
そしてまた、ちひろの身体をじっくりと観察する。
「ねえ、チビアリ…。教えてくれよ。サムライガールの身体は美味しかったかい!?」
ピシャンっと空気を裂くような音がした。
いつの間にか、ジョアンの手に、鞭の先が握られていた。
有沙の纏っていたバスタオルが、真っ二つに裂けて床の上に落ちた。
ちひろとは違い、有沙は裸にされても身体を隠すことなく、堂々としている。
有沙の胸にある、つけられたばかりのキスマークを、ジョアンは目敏く見つけた。
「へぇぇ〜…。もう、相思相愛ってわけかい。ほんと、デカアリが可哀そうだねぇ…」
ジョアンは裸の少女二人を交互に見ながら、イヤらしい笑みを浮かべる。
463投稿者:
リリー
投稿日:2007年04月30日(月)22時21分11秒
「さあ、お喋りしてる時間はないんだ。あんた、武器を持ってないようだけど、構わずに任務を遂行させてもらうよ!」
鞭を構えるジョアンに、有沙は掌を突き出した。
「待て!私はおまえと戦わない」
「何?」
「私の代わりに…ちひろがおまえの相手をする」
「な、何だって…?」
いきなり話を振られ、慌てふためいて有沙を見るちひろ。
「サムライガールが?私と?」
ジョアンも戸惑ったようにちひろを見た。
「ちょ、ちょっと待て!有沙!勝手なことを言うな!」
ちひろの戸惑いは、ジョアンの比ではない。
「だって、おまえは昨夜誓ったではないか。私を守ると…」
「あ、あれは…無理矢理おまえが…」
「とにかく、がんばれ!ちひろ、おまえならできる!」
464投稿者:
リリー
投稿日:2007年04月30日(月)22時21分34秒
「で、できるって…」
二人の言い合いに、ジョアンが割って入る。
「確かに、情報では拳銃を相手に棒一本で立ち向かって勝ったって聞いたけど…。面白い!チビアリと戦う前のウォーミングアップになるね!」
「ジョアン…。ウォーミングアップでおまえは終わりだ」
「だ、だから!勝手に物事を決めるな!」
ピシャン!また、鋭く切り裂くような音が部屋に響き渡った。
「さあ、サムライガール!観念して私と戦いな!」
完全にジョアンの標的はちひろに移ったようだ。
「さあ、気合を入れてかかれ」
有沙はちひろの背中をポンと押した。
465投稿者:
リリー
投稿日:2007年04月30日(月)22時22分02秒
今日はこれでおちます
466投稿者:
あげ
投稿日:2007年04月30日(月)23時54分13秒
面白くなってきた
467投稿者:
また、楽しい毎日が始まる
投稿日:2007年05月01日(火)00時15分16秒
468投稿者:
あげ
投稿日:2007年05月01日(火)19時50分03秒
469投稿者:
こうやって
投稿日:2007年05月01日(火)20時39分29秒
戦士達が次々と登場するのね
470投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月01日(火)21時00分37秒
更新します
471投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月01日(火)21時01分05秒
「そ、その前に、何か着るものを…」
「危ない!ちひろ!」
有沙はちひろを突き飛ばし、自身は後ろに飛び退いた。
二人の立っていた場所に、鞭が叩きつけられた。
そこのカーペットがパックリと裂けた。
「もう戦いは始まってるんだよ?サムライガール!」
ジョアンは鞭を両手でパシンと引っ張る。
「く…!何の因果でこんな目に…」
ちひろは身体を隠すことを諦めて、ジョアンに向かって拳を構えた。裸で戦うことになるなんて…スースーする…。
ちひろはベッドの上を横目で見る。そこには今さっき脱いだばかりの服と、護身用ロッドが…。
服を着るのは諦めなければならないが、武器だけは手に入れなければ…。相手は鞭という武器を持っている。こっちは文字通り丸腰だ。
ちひろは、水泳選手が飛び込むように、ベッドの上の護身用ロッドに飛びついた。
しかし、ちひろが手にする前に、ロッドに鞭がからみついた。そして、ロッドはそのまま宙を舞い、ジョアンの手に収まった。
ジョアンは、ロッドを思いっきり振って伸ばし、惚れ惚れとした目で銀色に輝くそれを眺めた。
472投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月01日(火)21時01分36秒
「ほぉ〜…。素人のクセにいい獲物持ってんじゃん…。こいつで拳銃に勝ったのかい?」
「返せ!」
「返してやるさ!あんたのアソコに突っ込んでね!」
「下品な輩め…。その口を塞いでやる!」
「そうかい?じゃあ、アタシはあんたの下の方の口を塞いでやるよ!」
ジョアンの右手が大きく振られた。それと同時に黒い物がちひろの視界に飛び込んで来た。
ちひろは咄嗟に左手を顔の前にかざした。ピシっとした痛みが、ちひろの左手首に走る。鞭が何重にも手首に絡み付いている。
ジョアンは鞭を引っ張った。
「うあ…!」
ちひろはバランスを崩し、前につんのめって倒れた。部屋の中央にあるガラスのミニテーブルに、あやうく頭をぶつけてしまうところだった。
「ちひろ!上だ!」
有沙の声に、思わず上を見た。
天井スレスレに、ジョアンが跳んでいる。ちひろから奪ったロッドを左手に振り上げて…。
「うわ!」
ちひろは、転がりながらそこから離れた。
ジョアンの振り下ろしたロッドは、ガラス製のテーブルを粉々に砕いた。
473投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月01日(火)21時02分40秒
ちひろは、もっとジョアンから離れたかったが、左手に絡み付いた鞭のせいで3メートル離れるのが精一杯だった。
「く…!お気に入りのテーブルだったのに…」
ちひろはすぐに立ち上がった。
ジョアンは再び鞭を引っ張る。今度は、ちひろは倒れないように足を広げて踏ん張った。
長い鞭が、部屋を対角線に分ける。
「ちひろ、大丈夫か?」
有沙がちひろに近づいて言う。
「ヤツの名はジョアン・ヤマザキ。『チームJ』所属。コードネームは『ブラック・バイソン(黒の毒蛇)』。鞭のエキスパートだ。いくらおまえでも、素手では絶対に勝てないぞ」
「有沙…情報と忠告は嬉しいのだが、できれば一緒に戦ってくれないか?」
「何を言う?私を守るのがおまえの役目だろう?私が戦ってどうする?」
「だから!勝手に決めるなって、何度言えば…」
474投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月01日(火)21時02分56秒
「ほらほら!アタシとの戦いの最中に、お喋りしてる余裕があるのかい!?」
ジョアンは思いっきり鞭を持つ手を振り上げた。
フワリとちひろの身体が宙を浮く。
「え…?わ、わ…!」
ちひろの落下地点には…先ほどジョアンが砕いたテーブルのガラス片が…。
「うわあああ!!」
「ちひろ!」
有沙は、ベッドの掛け布団を素早くガラス片の上に敷いた。
ちひろは掛け布団の上に身体を落とした。そのおかげで、ちひろの身体は血だらけにならずに済んだ。
有沙は、仰向けに倒れているちひろの顔を覗き込んだ。
「ケガはないか?ちひろ。おまえの身体が傷だらけになったら、私はとても悲しい」
「助けてくれたことは有り難いが…できればおまえも手を貸して…」
再びちひろの身体が宙を舞った。そして、木刀の掛けられた壁に力強く叩きつけられ、そのまま床に倒れた。
ちひろは、ピクリとも動かない。ジョアンは鞭をちひろの左手首から解き、手元に寄せる。
475投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月01日(火)21時03分50秒
「ふん…!やっぱり素人か…。あっけない。ウォーミングアップにもなりゃしない。さあ、チビアリ!いや『アンダー・クイーン(地下世界の女王)』!今度はアンタの番だよ!」
「いや…。私はおまえとは戦わない」
「何だい?無条件降伏かい?」
「いや…。おまえはまだ、ちひろを倒してないからだ」
「何?」
ジョアンは殺気を感じて、思わず横を見た。
木刀の切っ先が、ジョアンの顔面を襲う。
「うお!」
ジョアンはロッドでそれを受け止める。ジョアンは木刀の掛けられた壁にちひろを叩きつけた。それが、ちひろに本来の使い慣れた武器、木刀を与えてしまったのだ。
「やあ!やあ!やあ!やあ!やあ!」
ちひろが木刀を、立て続けにジョアンに打ち込んでいく。
「うお!うお!うお!うお!うお!」
ジョアンはロッドで受け流し、ベッドの上に跳び乗った。
476投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月01日(火)21時04分10秒
「あっ…ぶねぇ!!急に来るんじゃねえよ!心臓が止まるかと思っただろ!」
「ふむ…。不意打ちはしたくなかったのだが…。さすがに通用しないか」
「あたり前だよ!このアタシにそんな奇襲が通用するかってんだ!」
ジョアンは鞭をクルクルと丸く収めると、ベルトのホルスターに引っ掛けて納めた。
「む?武器をしまうのか?」
「あんたの土俵で戦ってやろうって親切心さ。ねえ、このロッド、アタシに貸してくれない?」
そう言って、ジョアンはロッドを構えた。
「別に構わないが…この私に剣道で挑むのか?」
「ああ…。どんな決闘でも勝ってきた。アタシは天才だからね…。」
ジョアンはベッドから跳び降りると、イチローの様にロッドを前にかざし、袖をチョイっと摘んで引っ張った。
477投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月01日(火)21時04分29秒
今日はこれでおちます
478投稿者:
レベル高い
投稿日:2007年05月01日(火)21時06分42秒
おもしろい
479投稿者:
アクション描写が
投稿日:2007年05月01日(火)22時19分09秒
凄くいい!
「一七」から、その傾向はあったが…
480投稿者:
あげ
投稿日:2007年05月01日(火)22時57分17秒
481投稿者:
t
投稿日:2007年05月02日(水)18時15分18秒
482投稿者:
スースーする…
投稿日:2007年05月02日(水)18時18分54秒
483投稿者:
コードネームがカッコいい
投稿日:2007年05月02日(水)18時59分38秒
ジョアン・・・ブラック・パイソン
有沙・・・アンダー・クイーン
ちひろのサムライガールは、あだ名か
他のも気になる
484投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月02日(水)21時00分10秒
アクションは難しいけど、書いてて面白いです
コードネームは、適当につけました
持ってる武器とか天てれでの役だとか
殺し屋が仲間を本名で呼び合うことはしないだろうと…
では、更新します
485投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月02日(水)21時01分56秒
木刀の長さは1メートル10センチ。ロッドの長さは90センチ。このリーチの差と剣道の経験から言えば、ちひろにとってこの決闘方法は願ったりなのだが…。
「その慢心…後悔することになるぞ…」
「してみたいねぇ…後悔ってやつを…」
「では…させてやる!」
ちひろはジョアンに向けて、『突き』を放った。
ジョアンはそのまま前にかざしたロッドで、ちひろの木刀をパシンと払った。
そしてそのままロッドの切っ先をちひろの顔面に向けて突き出した。
ちひろは身体を反転させながらその攻撃を避けた。そして素早くジョアンに正対し、木刀を構える。
(こいつ…私の『突き』をかわした…)
生前のちひろの父は、よくこう言い聞かせていた。
「いいか、ちひろ。『突き』はやたらに放つもんじゃない。『突き』は危険な技だ。防具を着けていたとしても、相手を死に至らせることがある。だから余程のことでもないかぎり『突き』は使うな」
今が、その「余程の時」なのだが、あっさりと避けられてしまった。やはり、今は非常事態だ。
486投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月02日(水)21時02分46秒
「やああああ〜〜〜!!」
ちひろは上段の構えから、木刀をジョアン目がけて振り下ろす。ジョアンは数ミリ身体をずらし、それを避ける。
間髪入れず、ちひろは木刀を水平に払った。ジョアンはまた、天井スレスレまで跳び上がり、ちひろと有沙の頭上を越えて行く。
そしてバスルームの前で着地した。
「それがあんたの実力かい?素人の大会では通用するかもしれないけど…。アタシには通用しないね!」
「!?」
その時、ちひろはヒヤリとした。なんと、バスルームのドアの隙間から、甜歌が顔を出して様子を窺っていたからだ。
ジョアンは幸い、ちひろと向き合っているためバスルームに背を向けているが、ちひろの表情の変化に気がついていた。
「ん?」
ジョアンが後ろを振り向いた。
「でやああああ〜〜〜!!」
ちひろは、ジョアンに襲い掛かった。
487投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月02日(水)21時04分50秒
しかし、ジョアンはまたロッドで難なく受け止める。
「ふん!また不意打ちかい?サムライガール…名前に似合わず、あんた案外セコイねぇ…」
「サムライガール?おまえ達が勝手につけた名前だろ?」
「気に入ってないのかい?そりゃ悪い。今度は私から行かせてもらうよ!」
ジョアンはロッドを前に押し出して、ちひろの身体を後ろに押し退けた。
「アチョー!!」
奇声を発しながら、ジョアンはロッドを振り下ろす。ちひろは水平に木刀を構えて受け止めた。凄まじい衝撃が両腕を駆け抜ける。
「アチョ!アチョ!アチョ!アチョ!アチョー!」
型も何もあったものではない。ジョアンは無茶苦茶にロッドを振り回しながら、ちひろに打ち込んでいく。ちひろは、それを一つ一つ受け止める。そして今度は、ちひろがベッドに跳び移った。
腕がビリビリと痺れている。細い身体をしているのに、凄いパワーだ。
木刀を見ると、刀身のアチコチが傷つきへこんでいる。木と金属の強度の違いか…。
「く…!父さんの形見の木刀が…」
「どうだい?棒切れの勝負でもアタシが上だろ?」
ジョアンは余裕の笑顔で言った。
488投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月02日(水)21時05分36秒
それに対し、ちひろは冷静に語る。
「たしかにパワーは凄いが…おまえには型がない」
「型?」
「型がなければ、どんなにパワーがあっても脅威とはならない。例えるなら、K−1のボブ・サップのようなものだ」
「ボブ・サップねぇ…。アタシも格闘技が好きだからよく知ってるよ。ボブ・サップは、チャンピオンのアーネスト・ホーストに、二回連続で勝ってるんだよ?」
「ああ、知っている」
「つまり…パワーはテクニックをねじ伏せるのさ!」
ジョアンは再び跳び上がると、ロッドをちひろに向けて叩き込んだ。
「しかし…K−1と剣道は違う…」
これ以上、父の形見の木刀を傷つけないために、ちひろはコツンとロッドの先に木刀の先を合わせ、そのままツィっと下に滑らせる。
そしてロッドの柄に付いているストラップに木刀の先を入れると、チョンと上に跳ね上げた。
20センチのリーチの差がここに活きた。
「あ!」
ロッドはジョアンの手から離れると、クルクルと回転しながら跳び上がり、ちひろの左手に納まった。
489投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月02日(水)21時06分31秒
そして、ちひろは右手に木刀、左手にロッドを持ち、ジョアンに向けて構えた。
「く…!に、二刀流…!?」
ジョアンの顔から余裕が消えた。狼狽が尋常ではない。
「二刀流?」
ちひろはジョアンの狼狽振りが理解できない。そもそも、ちひろは二刀流で戦う気など毛頭無い。
剣道の経験者なら常識なのだが、二刀流ほど無意味な戦法はない。日本刀や木刀や竹刀は、盾を持たない両手持ちの武器だ。
刀身一つで攻撃も防御もこなす、合理的な武器なのだ。それをわざわざ片手で持つ愚はない。
しかも日本刀は、いや、木刀でも相当重い。片手で振り回せる代物ではない。スポチャンなる、お遊びで使うエア・ソフト剣ならば可能だが。
それに、長剣は屋外で、短い脇差は狭い室内での戦いに有効で、それぞれ用途が違う。それを二本同時に使う意味がない。
二刀流を生み出した宮本武蔵は、大勢の敵に囲まれた時に切羽詰って使ったのだ。しかも、逃げるために…。
490投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月02日(水)21時07分25秒
しかし、剣道は素人のジョアンは、見た目の派手な二刀流を心底恐れている様子だ。これを利用しない手はない。
「そう…二刀流…。剣豪、宮本武蔵が生み出した、究極の剣法…」
「ミヤモト…ムサシ…?」
宮本武蔵を知らない?二刀流は知っているのに?典型的な日本在住外国人だ。
「戦国時代…宮本武蔵は関ケ原の戦いでこの二刀流を使い、並み居る武将を倒し、天下統一を果たしたという…」
「な、何…?そ、そこまで凄まじいのか?二刀流とは…」
大ウソだった。
「その宮本武蔵こそ、我が祖先。そして二刀流は我が一族に伝わる秘奥義…」
「く…!き、貴様が…二刀流の後継者だと…?」
これも大ウソだった。
「二刀流は一子相伝…。この奥義を得るために、私は3人の兄をこの手で葬ってきた…」
「一子相伝!?あの、北斗神拳の…!?」
このジョアン…変なことは知っている。
「あ、甘く見ていた…!まさか、貴様が二刀流を…!」
ちひろは人を騙したことはないが、案外楽しい…と、そう思った。
491投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月02日(水)21時08分12秒
今日はこれでおちます
492投稿者:
age
投稿日:2007年05月02日(水)23時01分15秒
493投稿者:
ひさしぶりに
投稿日:2007年05月03日(木)10時07分51秒
来たら、復活してたー!!
494投稿者:
もう、ないと思ってただけに
投稿日:2007年05月03日(木)12時10分20秒
嬉しさも倍増
495投稿者:
あげ
投稿日:2007年05月03日(木)13時41分31秒
496投稿者:
リリーさん
投稿日:2007年05月03日(木)16時34分19秒
インドに柿の種、持ってった?
ttp://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/967493.html
497投稿者:
どうせ、「あげ」ばかりだろうって
投稿日:2007年05月03日(木)19時37分29秒
見に来たら、久しぶりに再開してる〜!!
498投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月03日(木)20時37分17秒
柿の種、凄い人気みたいですね
私は知らなかったです
今度、持って行ってあげたいです
すいません、長い間ご無沙汰してました
更新します
499投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月03日(木)20時39分13秒
「二刀流を見た者は必ず殺さなければならない。それが我が一族の掟…。さあ、今なら間に合う。ここから立ち去るがいい」
「な、何?」
「今ならまだ二刀流を使わずに済ませてやる。ここから立ち去るのだ!」
「何を言っている!ちひろ!早くジョアンを倒せ!」
後ろから有沙が怒鳴った。
500投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月03日(木)20時40分14秒
「うるさい!有沙は黙っていろ!ここは私に任せたんじゃないのか!?」
「二刀流などとウソをついて遊んでないで、早くトドメを刺すんだ!」
「二刀流がウソ…?遊んでる…?」
この有沙の言葉に、ジョアンは目を丸くした。
「バカ!ばらすな!折角うまく騙せたのに!」
「何を言う!あのようなウソに騙されるヤツなどいない!」
「騙せてたんだ!今の今まで!」
「そんなワケないだろう!いくらジョアンでも、そこまでバカじゃない!」
「ちょっと待て…!ウソなのか?二刀流を使うって、ウソなのか?」
「何だ?ジョアン…本当に騙されてたのか?いや…スマン…。まさかそこまでおまえがバカとは思わなかったから…」
ピシャピシャピシャピシャーン!
凄まじい破裂音が響く。
ジョアンの手には鞭が握られ、足元のカーペットが散り散りに消し飛んでいた。
「き、貴様ら…!よくも…!よくもアタシをバカにしてくれたな…!!」
ジョアンの顔は、怒りに震えている。
「ああ…ジョアンを怒らせてしまった…。おまえが悪いのだ、ちひろ…。おまえがジョアンを騙して怒らせるから…」
「おまえだろ!怒らせたのは!!」
ちひろは、振り向いて有沙を怒鳴りつけた。
「ちひろ!前だ!」
有沙の声に、思わずちひろは前を向きなおす。鞭が、木刀に絡み付いていた。
501投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月03日(木)20時40分52秒
「う、うわ!」
いつの間に鞭が飛んできたのか、ちひろには見えなかった。
前を向いた時、偶然木刀がちひろの顔の前に重なっていたのだ。そうでなかったら、ちひろの顔面は大きく切り裂かれて血だらけになっていただろう。
「ちぃ!私の鞭を受け止めるとは…!さすがに勘がいいね!」
ジョアンは、偶然ちひろが攻撃をしのいだことに気が付いていない。
有沙の言葉ではないが、もう二刀流などと遊んでいる場合ではない。ちひろはロッドを放り投げて、両手で木刀を握りなおした。
502投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月03日(木)20時41分12秒
「ははは!何だい?やっぱり二刀流を使うなんて、ウソだったのかい?ならばおまえはもう、お終いだよ!本当に二刀流を使われたら、いくら私でも危なかったけどね…」
ジョアンの二刀流に対する過大評価は、相変わらずのようだ。
ジョアンはちひろの手から木刀を奪おうと、グイグイと鞭を引っ張る。
ちひろは木刀を奪われまいと、握る手に力を入れた。しかし、先ほどのジョアンの攻撃で手が痺れていた。それに戦いが長引いたせいもあり、掌に汗をかいていた。
ジョアンが再び鞭を引っ張ると、木刀はちひろの手からすっぽ抜けてしまった。
「あ!」
木刀がジョアン目がけて飛んでいく。これはジョアンはもちろん、ちひろにも予想外の出来事だった。
「!?」
ジョアンの反応が遅れた。その為ジョアンの左眼に、木刀の切っ先が激突した。
「うぐぅ…!」
ジョアンは思わず目を抑えると、前屈みの姿勢になった。
「今だ!ちひろ!」
銀色のロッドが、ちひろを目がけて回転しながら飛んで来た。
「!?」ちひろは反射的にそれを受け止めた。
「トドメだ!ちひろ!」
有沙がロッドを投げて寄越したのだ。この隙を突かない手は無い。ちひろも今度は素直にそう思った。
503投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月03日(木)20時41分58秒
「うりゃあああ〜〜〜!!」
ちひろはロッドを振り上げ、ジョアンに襲い掛かった。
「う…うお…!」
ジョアンは視界を悪くしていて、ちひろの攻撃がよく見えない。
しかし、ちひろはロッドをクルリと回転させて持ち替えると、柔らかいラバーのグリップの方で、ジョアンを殴りつけた。
「ぐわあ!!」
ジョアンは後ろに吹っ飛んで、既に割られたガラスに突っ込むと、ベランダまで転がった。
504投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月03日(木)20時42分39秒
「う…ぐ…ぐぅ…。ま、まさか…木刀を飛び道具に使うとは…。貴様…相当に戦い慣れてやがるな…」
ジョアンはヨロヨロと立ち上がる。ジョアンの左眼は大きく腫れ上がっている。この結果は偶然の産物なのだが…ジョアンはちひろの実力と思っているようだ。
ジョアンの足下に…赤い、血の水溜りができていた。なんと、ジョアンの腹に大きなガラスの破片が深々と刺さっているのだ。
「お、おい…。おまえ…だ、大丈夫か…?」
ちひろは、思わず声をかけてしまった。ジョアンは黒いドレスを着ている為よくはわからないが、相当の出血をしているはずだ。
「何をしている!ちひろ!早くトドメを刺せ!」
有沙が後ろから叫んだ。
「トドメ?トドメとは、何だ!?こいつは、酷い大ケガをしているんだぞ!?」
「命を絶て、ということだ!」
「い、命を?そ、そんなこと、できるか!!」
ちひろは有沙に怒鳴り返した。有沙は心底不思議そうな顔をして、ちひろに歩み寄る。
「ちひろ…。おまえ…一体どういうつもりで戦っていたのだ?」
「ど、どういうつもりだと?殺すなんて…そんなこと、考えたこともない!」
「命令だ!ジョアンを殺せ!」
「断る!」
有沙は溜息をついた。
「そうか…。ならば仕方が無い…。私が殺す」
そう言うと、いつの間に持っていたのか…有沙は拳銃をジョアンに向けた。そう、昨夜ちひろに向けた、あの拳銃だった。
505投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月03日(木)20時43分18秒
ジョアンの顔が青ざめた。
「くぅ…!」
ジョアンはベランダの柵に飛び乗った。
「逃がすか!」
引き金にかけた指に、力を入れる有沙。
「やめろ!有沙!!」
ちひろは有沙の腕にしがみ付いた。その為、少し銃口がぶれた。
パン!
昨夜と同じ、安っぽい銃声。しかし、今度はちひろの耳元で鳴ったため、ちひろの耳はキィィーンと耳鳴りがした。
「うわあ!」
弾丸はジョアンの右肩を貫通した。そして、ジョアンはそのまま後ろ向きにベランダから落ちた。
「お、おい!」
ちひろは耳鳴りでクラクラしながらも、ベランダに駆け寄った。その際ガラス片を踏んでしまったが、そんなことは構っていられなかった。
ちひろはベランダの柵から身を乗り出して、下に落ちたジョアンを確認する。しかし、そこにはジョアンの姿はなかった。点々と、血痕がアスファルトに続いている。
「え?…ええ?」
「逃がしたか…。さすがジョアン。こんなことではくたばるわけあるまい…」
有沙もベランダまで出てきて下を覗きこんでいた。あくまでも冷静な…冷たい表情で…。
506投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月03日(木)20時43分54秒
「有沙!どういうつもりだ!殺そうとするなんて!」
「それは私のセリフだ。ちひろ、どういうつもりなのだ?なぜ私の邪魔をした?」
「な、なぜって…当たり前だ!人殺しを黙って見逃せるわけないだろう!」
「それだけではない。なぜ、あの時、ロッドの先でジョアンの頭をカチ割らなかった?なぜ反対側の柄の方で殴った?」
「私は、殺し屋ではない!」
「相手は殺し屋だぞ?そして、私もそうだ」
「な…何…?こ、殺し屋…?」
何を言っているのだ?有沙もジョアンも、自分と同じくらいの歳の…子供ではないか…。殺し屋とは、何だ?そして、『組織』とは…?
「話せ!有沙!全てを話せ!何もかもだ!私に話せ!」
真っ直ぐに有沙を睨むちひろ。有沙はまた溜息をついて、口を開いた。
「わかった…。全てを話そう…。しかし、その前に私達はしなければならないことがある…」
「何だ?それは…」
「それは…服を着ることだ…。さっきから、向かいのマンションの中年の男が、私達の裸を見ているぞ」
「…え?」
ちひろは向かいのマンションを見た。パジャマ姿の男が、歯ブラシを加えながら、呆然とこっちを見ている。
ちひろは、今、自分が裸であることをすっかり忘れていた。
ちひろは慌ててベランダから部屋の中に入った。その際、再びガラス片を踏んでしまった。
507投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月03日(木)20時44分26秒
今日はこれでおちます
508投稿者:
アクション
投稿日:2007年05月03日(木)20時48分32秒
すげー
509投稿者:
目に浮かぶ
投稿日:2007年05月03日(木)22時56分35秒
510投稿者:
age
投稿日:2007年05月04日(金)08時39分06秒
511投稿者:
スゲエ
投稿日:2007年05月04日(金)15時19分52秒
面白い、これ
512投稿者:
今日は
投稿日:2007年05月04日(金)23時38分30秒
更新ないの?
513投稿者:
GWだからな
投稿日:2007年05月05日(土)00時31分49秒
どこかへ遊びに行ったんだろう
514投稿者:
あげ
投稿日:2007年05月05日(土)08時30分28秒
いつ帰ってくるんかな?
515投稿者:
あげ
投稿日:2007年05月05日(土)15時17分48秒
516投稿者:
今日も
投稿日:2007年05月05日(土)21時05分26秒
帰ってこないのかな?
517投稿者:
微妙にエロな感じがする
投稿日:2007年05月05日(土)21時07分54秒
この小説は
518投稿者:
>517
投稿日:2007年05月05日(土)21時09分35秒
>1
エロ・レズ描写有り
519投稿者:
微妙ではなく
投稿日:2007年05月05日(土)23時52分17秒
モロですがなw
520投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月06日(日)10時48分54秒
いま、帰ってきました
GWは、家でのんびりするのが一番です…
遅れた分、多目に更新します
521投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月06日(日)10時49分55秒
8『TTKの戦士達』
服を着たちひろは、大急ぎで荷物をまとめていた。
ジョアンとの戦いで大きな音を立ててしまったし、何より有沙が拳銃を発砲したのだ。
今頃、向かいのマンションの住人が警察に通報しているだろう。警察が来る前にここから逃げ出さなければ…。
拳銃を所持しているのだ。タダで済むはずがない。
当分の着替えをバッグに詰め込む。甜歌も荷造りを手伝っていた。
しかし、甜歌はさっきからCDだとか、アルバムだとか、必要の無い物ばかりバッグに入れている。
「甜歌!必要なものだけ、バッグに入れるんだ!」
「は、はい!」
そう言いながら、甜歌は鮭をくわえた木彫りの熊を入れようとする。
522投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月06日(日)10時50分09秒
「これだ。必要な物とは…」
すっかりゴスロリのドレスに着替えた有沙が、甜歌に拳銃を投げて寄越した。
「ひ…ひぃ…!」
甜歌は、拳銃を指でそっと摘むと、バッグに入れた。それを、ちひろは見逃さなかった。
「甜歌!それは置いていけ!」
「え…?あ、は、はい!」
「だめだ。それは必要だ。持っていけ」
「え?え?」
「甜歌、置いていけ!」
「持っていけ」
「あ…あ…」
甜歌はオロオロしながら、ちひろと有沙を交互に見る。
「もう、いい。私が持つ」
有沙は甜歌から拳銃を取り上げると、スカートの下のガーダーベルトに拳銃を挟んだ。
523投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月06日(日)10時50分43秒
そんな有沙を横目で見ながら、ちひろは言った。
「有沙…。できればそのゴスロリなる服、着替えてくれないか?その恰好は目立ちすぎる」
その服のせいで、あの4人組のチンピラに見つかったのだ。だが、その服のおかげで、ちひろ達は有沙を見つけることもできたのだが。
「着る前に言って欲しかった。この服は、着たり脱いだりするのが恐ろしく面倒くさい」
「いいから、つべこべ言わずに着替えろ!」
「これ以外の服を持っていない」
「私のを貸してやる」
「ちひろの服はどれも男が着るようなものばかりだ。私の趣味に合わない」
「贅沢言ってる場合か!」
ちひろは、そばにある服を一式、有沙に向かって投げた。
524投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月06日(日)10時51分10秒
荷造りを終えて、ちひろ達が自宅兼事務所の雑居ビルを出た直後に、警察が到着した。
既に大勢の野次馬が集まっており、その人ごみに隠れながら、ちひろ達はその場から離れた。
ちひろは、自分の部屋のある4階を見上げた。ガラスは割られ、ベランダにはジョアンの流した血が残っている。
どう考えても、警察は事件として取り上げるだろう。
もう、この家には戻れないのか?学校へも行けない。ちひろは、複雑な表情で我が家を見つめている。
「ちひろ、何をしている?早くここから離れるぞ」
一回り大きなちひろの服を着、吉田が警察時代にアメリカ研修に行った時の土産であるレッドソックスの帽子を目深に被った有沙が、ちひろに言う。
ゴスロリの服も目立つが、この恰好もかなり目立つ。
しかし、何よりもっと目立つのは、ちひろが背中に差した木刀なのだが…。
525投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月06日(日)10時51分40秒
「しかし…これからどこに行けば…」
「ちひろさん。私に着いて来て下さい。いい隠れ家があるんです」
甜歌がちひろの耳に、そっと囁く。
「隠れ家?」
「だって、私の家、不動産屋でしょ?マンションやアパートの空き部屋、いっぱい持ってるんです!」
「で、でも、鍵が開いてないだろ?」
「へへへ〜ん!そんな時のために、私の特技、ピッキングがあるんです!」
「…まさか、おまえの犯罪行為の世話になる日が来るとは…」
ちひろは、右手で額を抑えた。
「ちょっと…犯罪行為なんて言わないでくださいよ!こうやって、ちゃんと役に立つんだから!」
「いいから、早くその空き部屋とやらに連れて行け」
有沙はぶっきら棒に甜歌に言う。
「う…。あんたなんかに命令されたくない…」
「なんだと?もう一度言ってみろ」
「ひいい!ちひろさん、助けて!」
「やめないか!有沙!甜歌、そこに案内してくれないか?」
「はい!喜んで!」
甜歌の顔は、満面の笑みに戻った。相変わらず忙しく変る表情だった。
526投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月06日(日)10時52分34秒
また、今日中に更新できると思います
一時、おちます
527投稿者:
おかえり〜
投稿日:2007年05月06日(日)13時54分39秒
528投稿者:
あげ
投稿日:2007年05月06日(日)14時30分28秒
とく
529投稿者:
あげ
投稿日:2007年05月06日(日)17時05分24秒
530投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月06日(日)17時20分17秒
では、ふたたび更新します
531投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月06日(日)17時21分17秒
「レインボー・ハイツ」。甜歌の案内したマンションである。
最近できたばかりの高級マンションで、あまりの高額のために入居者はまばらだ。
そこが隠れ家に丁度いい。しかも、最上階の14階とその下13階は一世帯も住んでおらず、ちひろ達が隠れていても、気づく者はいない。
だが、高級マンションのため、オートロック方式で、正規の住人が入るのを待っていないと侵入できないのがネックだ。
あと、これは特に女子にとって辛いことなのだが、電気、ガス、水道は当然使えない。シャワーはもちろん、トイレも使えない。
風呂は近所のスーパー銭湯に、トイレはマンション内の公園にある公衆便所で済ませなければならない。
どうせなら眺めのいい部屋がいい、と有沙が言うので、14階角部屋に住み込むことになった。
甜歌得意のピッキングで侵入する。中は備え付けのベッドや本棚があるだけで、広々としていた。
20畳のリビングと14畳と8畳、そして6畳二つの洋室に、8畳の和室で構成された、完全防音の豪華な部屋だった。
532投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月06日(日)17時21分48秒
ちひろは、虹守町が見渡せる大きな窓が気に入った。そして有沙が気に入ったのは、備え付けのダブルベッドだ。
ベッドに身体を放り出し、スプリングの具合を確かめると、有沙はご満悦な笑顔で言った。
「うむ、気に入った。完全防音というのもいい。ちひろは声が大きいから…。これで毎日愛し合えるな、ちひろ」
ちひろは顔を真っ赤にし、甜歌は顔を真っ青にした。
「な、何をバカなことを…」
「そ、そ、そ、そうよ!そんなの許さない!ちひろさんに指一本触れたら、ここから追い出してやる!!」
「追い出す?私を?おまえが?面白い。やってもらおうか…」
有沙は指を鳴らしながら甜歌ににじり寄る。
「ひいい!もう、やだぁ!!ちひろさ〜ん!!」
甜歌は半泣きになって、ちひろにすがる。
「もう、よせ!有沙!甜歌をいじめるな!安心しろ、甜歌。変なことは絶対にさせない」
「ほ、本当?本当に?」
「ああ、私を信じろ!」
ようやく甜歌は泣きやんだ。
533投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月06日(日)17時22分40秒
三人はフローリングの床に座る。これから有沙にこの騒動の真相を説明してもらう為だ。
有沙は、恐い顔で見つめるちひろと不安な表情の甜歌に対し、何のことも無いように、自分の身の上話のように、語り始めた。
「私達の組織…それは暗殺を請け負う組織。その名は『TTK』」
「暗殺…!?」
先ほどのジョアンとの戦闘の際、殺し屋という言葉を聞いてはいたが、改めて聞くとやはり信じられない気持ちになる。
「暗殺って…。だって、おまえも、あのジョアンというヤツも、私達と同じくらいの…」
「ちひろ…。世の中には、おまえの様な表の世界の人間には想像もつかない、裏の世界がある」
「裏…?」
「おまえも言った通り、私のような少女が暗殺者などとは誰も思わない。それが暗殺には都合がいい。しかし、それはタダの方便…。少女に殺しをさせる…ただの変態趣味の道楽だ」
「変態趣味…?道楽…?」
「ああ。私達の組織のボスは、『ラビ』という男女の4人組だ。豚の様に醜く太った、欲望の塊り…」
534投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月06日(日)17時23分13秒
「その、『ラビ』とは何者なんだ!?そいつらが、おまえ達に人殺しなんかをさせているのか!?」
「『ラビ』とは、ユダヤ教の指導者のことだ。その4人組はユダヤの大富豪で、有り余る財産を使い、『TTK』という組織を創った」
「『TTK』…?」
「『TTK』…組織の活動そのものを名前にしている。最初の『T』はTempt…『誘惑』。二つ目の『T』が Torture…『拷問』。誘惑して意のままに操ったり、拷問で情報を得たり…。ちひろ、心当たりがあるだろう?」
「………」
確かに…今朝のバスルームでの情事は『誘惑』、昨夜の拳銃で脅したのが『拷問』…。二つとも有沙の得意分野だったわけだ。
「そして、最後の『K』が…」
「Kill…『殺人』…だな?」
「そうだ」
有沙は、何のこともなさげに言った。
535投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月06日(日)17時23分42秒
「さっき言っていた、変態の道楽とは…?」
「『ラビ』達は、揃って少女趣味だ。特に、私のように美しい少女が…」
「自分で言ってるよ…」
甜歌のボソリと言った独り言に、有沙はギロリと睨む。甜歌は目を伏せた。
「少女趣味と言っても、『ロリータ』ではない。『ペドフィリア』の方だ」
「ん?何だって?『ロリータ』と…『ペド』…?」
「『ペドフィリア』だ。よく、世間で幼い少女が、卑劣な大人に辱められた挙句に殺される事件が起きるだろう?それでその犯人共を『ロリコン』というが、それは違う」
「ち、違うのか…?」
「『ロリータ』は少女を眺めたり、妄想して楽しむ者を言う。実質は無害だ。『ペドフィリア』はその少女を傷つけて性的興奮を得る者を言う」
「で…その『ラビ』というのが…」
「そう、最低最悪の『ペドフィリア』だ」
536投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月06日(日)17時24分08秒
「は、話しがよく見えない…。何でその『ラビ』達は、おまえ達、少女に人殺しをさせるんだ?」
「美少女が血まみれになって殺人をする…それが『ラビ』達の興奮のツボなのだ。美少女が血まみれになって死ぬのは、もっとツボらしい」
「げ…。何、それ…」
甜歌はあからさまに退いている。
「わ、私には…その『ラビ』達の考えがよくわからん…」
「当たり前だ。変態の考えなど、わからない方がいい。私の自論だが、変態に財力と権力と地位を与えてはならない。それが『ラビ』達なのだから…」
「で…その『TTK』という組織に、おまえやあの、ジョアンという者が入っているのか?」
「ああ。もっと大勢いる。今は総勢で…50人程か」
「そ、その少女達は、どうやって集められてるんだ?親は?」
「親などいない。私を産んだ者はいるだろうが、私は知らない…」
「あ!わかった!赤ちゃんの時に、誘拐されたんだ!」
甜歌の言葉に、有沙はゆっくりと首を横に振る。
「私は、最初から『人を殺す』という目的の為に産み出されたのだ」
「な、何だって…?」
人を殺す為に産まれた…?何なのだ?それは…。その存在は…。
537投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月06日(日)17時27分42秒
今回は、説明的なセリフが多すぎて、また例の如く、読みにくくなってると思いますが、すいません
有沙達が、どんな環境で生きてきたか、劇中世界の説明ですので、ご了承下さい
それでは、今日はこれでおちます
538投稿者:
また今回も
投稿日:2007年05月06日(日)18時15分03秒
よく考えたものだねぇ
539投稿者:
リリーさんには
投稿日:2007年05月06日(日)18時20分39秒
ただただ脱帽
540投稿者:
TTK
投稿日:2007年05月06日(日)21時21分24秒
『誘惑』・『拷問』・『殺人』で『TTK』って…
541投稿者:
一七の
投稿日:2007年05月06日(日)21時27分49秒
TIMも秀逸だったよね
Taffy Is Monster でTIM
542投稿者:
名言
投稿日:2007年05月06日(日)21時34分41秒
変態に財力と権力と地位を与えてはならない
543投稿者:
age
投稿日:2007年05月07日(月)18時40分37秒
544投稿者:
age
投稿日:2007年05月07日(月)20時11分29秒
age
545投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月07日(月)21時25分53秒
今回は、少し強引かと思ったんですけどね
できれば、三つとも違うアルファベットでいきたかったのですが
では、更新します
546投稿者:
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!!
投稿日:2007年05月07日(月)21時26分24秒
待ってました!
547投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月07日(月)21時26分32秒
「私の親は…いや、私達の親は、『ラビ』達から莫大な報酬を受け取って、自らの精子と卵子を『売る』。その精子と卵子の組み合わせで生まれたのが私達だ」
「そ、そんなことって…」
「あるのだ。私の親は、誰のモノともわからない精子と卵子だ。その種と卵の提供者は、世界中から集められる。ノーベル賞候補の学者だったり、オリンピック級のアスリートだったり、スーパーモデルだったり、マフィアの大者だったり…」
「そうして産まれたのが…」
「私達だ。世界中から集められるから、私達『戦士』は混血が多い。ジョアンの様な…。私も外国人の血が流れているのかもしれない」
「『戦士』…?」
「私達、組織に所属している者の総称だ。人工的に産み出された少女達は、地獄のような訓練を受ける。暗殺者としてな。そしてその訓練に合格した者が『戦士』と呼ばれる暗殺者になれる」
「その…『戦士』になれなかった者はどうなるのだ…?」
「使い捨ての駒にされる…。私達『戦士』の練習相手をさせられたり…任務の為の道具にされたり…。ま、駒にされるのは、私達『戦士』も大差ないが…」
「なんてことだ…。こんな話があっていいのか…」
「あと、どんなに殺し屋としての素質があったとしても、美しくなければ『戦士』にはなれない。少女趣味と言っても『ラビ』達は美少女だけが趣味だからな。私は殺し屋としての素質と美しさを兼ねそろえていたので、幸か不幸か『戦士』となった」
「………」
美少女なのは認めるが、こうも臆面もなく言い切られると返事に困る。
548投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月07日(月)21時27分04秒
「…そうだ…。ジョアンもおまえもゴスロリとかいう服を着ていたが…あれは…?」
「あれは、『TTK』のユニフォームだ」
「ユニフォーム!?あれが!?」
「ああ。組織が結成された当初はセーラー服。次は体操服にブルマ。その次がスクール水着で、次がメイド服。そしてロリータファッション。全部『ラビ』達の趣味だ」
「げげ…。最悪だ…。その『ラビ』達…」
甜歌は吐き気がしてきた。
「ブルマやスクール水着に比べれば、ロリータファッションはまだマシだ」
有沙は吐き捨てるように呟いた。
549投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月07日(月)21時27分44秒
「その、『TTK』って組織…。暗殺集団だと言ったな?そんな、年端も行かない少女に殺しをさせて…警察は何をやっているんだ!?」
「だから言っただろう?『ラビ』達は財力と権力と地位を持っている。警察の懐柔など、雑作もないだろう」
「で、では、今朝の事件も…?」
「ああ…。何らかの形で隠蔽をするだろうな。そして、ちひろ…おまえの存在もだ」
「え…?わ、私の存在…?」
「ああ。組織と関わったからには…な。おまえはもう、表の世界には帰れない。これからも、ジョアンの様な『戦士』達が次々と襲ってくるだろう」
「な、何てことだ…」
ちひろは目眩を覚え、後ろへ倒れそうになった。
「ち、ちひろさん…!」
甜歌がちひろの肩を支える。
やっぱり、杏奈や卓也の忠告に従っていればよかったのだろうか…。もう、学校へも行けないのか…。中途半端な正義感をかざし、有沙なんかに関わったばっかりに…。
550投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月07日(月)21時28分54秒
「しかし…私は嬉しいぞ、ちひろ…」
「…え?」
ちひろは、思わず有沙を見た。幸せそうに微笑む有沙の顔を。
「私は…組織を抜け出し、追われていた。たった一人で不安と恐怖にさらされて…。そこに、おまえが現れて、私を守ると言ってくれた…。私の味方になってくれた…」
「それは…おまえが無理矢理そうさせたのだろう!?」
「しかし、現におまえは私の為にジョアンと戦ってくれた…。私は…心の底から嬉しかった…。ありがとう…ちひろ…」
有沙は両手でちひろの手を握った。暖かい手だった。
そうだ。殺し屋といっても、まだ子供。不安だったのだ。守ってくれる者が欲しかったのだ。そう…これで良かったのだ…。
そう思うことで、ちひろから後悔の念は消えていった。
551投稿者:
リリー
投稿日:2007年05月07日(月)21時29分32秒
今日はこれでおちます
552投稿者:
あげます
投稿日:2007年05月07日(月)23時17分19秒
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