*9が指定したカプ・シチュに*0が萌えるスレPart18
☆★☆★☆ 初 め て の人は まず 熟 読 してね ☆★☆★☆
*9が萌えてほしい内容を指定し、*0が萌える思いを書き綴るスレッドです。
*0はSS、萌え語りなど、どんな内容でも構わないので萌える思いを語ってください。
まとめサイト
ttp://910moe.web.fc2.com/ まとめwiki
ttp://www19.atwiki.jp/910moe/ ※ 絡み・談義・テンプレ審議などは絡みスレかまとめサイトへ。
ルール
■*9から24時間経過でお流れです。
■*0を踏んだ人物が*9より12時間無反応の場合は権利消滅となります。*0以外の萌えたい人どうぞ。
■*0の先行ゲトは禁止です。全部書き上がってから投下が原則。
■同一人物による投下以外の連続書き込みは禁止です。
注意事項
■*9リクはわかりやすいもの推奨。無機物、非生物不問。
■*9*0とも、あからさまに二次創作とわかるような固有名詞は避けましょう。
■テンプレ違反の*9はお流れです。
■テンプレ違反の投下はまとめwikiに収録されません。
■*0以外の萌えた方、*9より24時間経過後に萌えた方、投下者による続編は
まとめサイトの「0さん以外の人が萌えを投下するスレ」に投下して下さい。
■投下者本人以外が続編を書くことは原則禁止です。
・投下、リクの前にはリロードしましょう。
・感想を書き込みたい人のために、*0投下直後の「まわし」は御遠慮下さい。
・979でリク終了、980の萌え以降フリーです。次スレは宣言してから建てて下さい。
*9が指定したカプ・シチュに*0が萌えるスレPart17
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/801/1247839885/ >>2 もよく読んで下さいね。
●こういう場合はどうするの?
Q1 リロミス・誤爆で*0をとりました。
A1 *9より12時間以内に*9のリクで投下して下さい。踏み逃げ禁止。
Q2 荒らしらしき人が*0をとりました。
A2 *9より12時間経過以降に*0以外の人の投下の可能性があります。
それまで書き込みはせずに投下を待ちましょう。
*1以降に書き込みがあっても書き込みはしないで下さい。
*9より24時間経過後にまわしてください。
Q3 まとめサイトに投下された作品にGJしたい。
A3 まとめサイトのグッジョブスレにお願いします。
本スレへのグッジョブとあわせて行う場合は、本スレへの投下OKです。
Q4 続編書きたいです。二次創作してもいいですか?
A4 本人による続編投下は、まとめサイトの*0以外の人が投下するスレへ。
本人以外の続編・二次創作は原則禁止です。
Q5 判断の難しい投下や書き込みがありましたが、どうしたらよいでしょうか。
A5 数字板の絡みスレや、まとめサイトBBSのチラシの裏もしくはテンプレ審議委員会で。
他の人の意見を聞いてみましょう。
チラシURL
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/4320/1169373142/ テンプレURL
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/4320/1125066492/
乙です
>>1乙!
今スレでも良い萌えに出会えますように!
1乙回し!
初踏み台の有志は下へどうぞー
いちおつ!
さあ、記念すべき初踏み台だ存分に踏みつけるが良いよ
クリスマス?なにそれ。
「なあ、お前、クリスマス予定あんのか?」
「クリスマス?なにそれ」
「は?」
「俺たちが子供の頃はあったけどな。もうなくなったらしいぞ。俺たち、彼女
居ない歴=年齢で、親がサンタの代わりをしてくれるような歳でもなくなった
しがないフリーター野郎には、クリスマスなんてないんだよ」
「じゃあ、24日も25日もお前、出勤な。オレも出勤だけど」
「彼女いない仲間の高橋はどうしたんだよ?」
「この土壇場でとりあえずの彼女を捕まえたから休むってよ」
「とりあえずってなんだよ、とりあえずって!あーあ、俺もクリスマスを
一緒にいちゃこら過ごす彼女欲しいなー!クリスマス祝ってやるから、
神様プレゼントしてくれねえかなあ!お前も欲しいよなあ?神様からのプレゼント!」
「オレはもう神様からのプレゼントをもらうことが決まってるからいいや」
「何だよそれ、彼女できたのか?!かあああ!俺だけが1人ぼっちのクリスマスかよ」
「だから、オレもシフト入ってるってば」
「お前と過ごせるクリスマスが神様からオレへのクリスマスプレゼントなんだよ」と、
オレは心の中でつぶやいた。
お流れかと思った。今スレ初の*0gj!
クリスマスまで恋が芽生えるといいさ!
勤務後に「ドキッ!男二人のクリスマスパーティー」でもやればいいよGJ!
一応24時間は過ぎてるけどまとめに投下じゃなくていいのかな。
最近流れがゆっくりだから一発目お流れというのも悲しいけど。
気がつかなかった。本当はまとめだね。本人も気がつかなかったのかも。
お流れカキコもなかったし。
王道なクリスマスネタで良かったです!
良かったけど少し反応に困るかな
クリスマスシーズンですね〜
まわしましょうか
ジングルべえジングルべえ回します
アピールのためageてみる
嫌だったらゴメンまわし
うーん、気持ちはわかるが
板自体、つか2ちゃん(含INK)が過疎なのでしょうがない気がする
でも踏んでもらおう
不器用な俺様
20 :
1/2:2009/12/10(木) 01:41:44 ID:wecXk7i70
あの馬鹿、去年のクリスマスは「どうせ彼女居ないんだろ、クリスマスは飲みに行くぞ!寂しいクリスマ
スだろうから付き合ってやる!」とか言うから、
「彼女とのクリスマスディナー予約してるんで無理です」と言って、ぽかんとしている馬鹿を置いて帰って
一人でショートケーキワンホール食い散らかした。
馬鹿が暇だとか言ったら誘おうと思って用意してたデパ地下グルメ食い尽くして、酒かっくらって寝て
翌日愉快になってにこにこ出社したら、真っ赤にした目を擦っている馬鹿が後輩にお盛んですねと
からかわれていた。
あの馬鹿、今年のバレンタインは「どうせ彼女と別れたんだろ最近付き合いいいもんな!俺は最近秘書
課の子と仲良くなっちゃって大変だけど……あ、あとこれ美味いぞ」とか言ってココアコーヒーなるも
のを薦めてきたので、
「今日仕事入ってて会えないからって、彼女から昨日ケーキ作ってもらって一人で食べたので胸焼けが
するんですよね。甘いの無理です」と言って、しょぼんとしている馬鹿を置いて帰って一人でチョコケーキ
ワンホール食い散らかした。
胸焼けがするのは昨日味見しながら製作したからだ馬鹿め。今日渡さなくて良かった。
翌日自棄になってにこにこ出社したら、打ちのめされたようで元気がない馬鹿が後輩に別れたんですかと
心配されていた。
21 :
2/2:2009/12/10(木) 01:42:37 ID:wecXk7i70
あの馬鹿、今年の俺の誕生日は「聞いたぞ!誕生日なんだろ!奢ってやるか鍋にでも行こう!」とか言う
から、更に「総務の石橋さん残念だなあ。佐藤と付き合いはじめたって聞いたぞ!」とか言うから石橋さん
と別れる前に付き合ってねえよとか思いながら、
「貴方と誕生日を一緒に過ごしたくないです」と言って、唖然としている馬鹿を置いて帰って馬鹿と行くのも
いいかなあ予約していた鍋料理の店には友人を誘った。その店で馬鹿と会って鳩が豆鉄砲食らったような顔
をしていたが無視した。
翌日楽しくなってにこにこ出社したら、生気が抜けたようになっている馬鹿が後輩に病院行きますかと
電話機を渡されていた。
あの馬鹿、クリスマスイブの前日に「……明日、クリスマスイブでお前も彼女と過ごすんだろ?今日俺の家で
飲むか」とか言うから、
「そうですね、ご一緒します」と言って、ほっとしている馬鹿と一緒に馬鹿の家に帰った。
馬鹿の家で酔っ払った馬鹿に「ずっと誘っても来てくれない、誕生日誘ったら別の男と俺が、一生懸命探して
予約した店にいる、お前と一緒に過ごしたかったのに」とさめざめと泣かれた。
「去年から実は彼女なんて居ないんですけど」と言うと、更に泣かれた。抱き疲れたその勢いで押し倒されて
頭にこぶを作った。
翌日疲れてげっそりと出社したら、にっこにこと機嫌が良い馬鹿が後輩に良かったですね、と肩を叩かれていた。
ちょw眠かったのに萌えすぎて完全に目が覚めたw
お題の不器用を「手が不器用な俺様」と思い込んだので
不器用ってこういうのもアリか!と感動したよ
何気に後輩もナイス脇役すぎるww
GJです!
やべえなんだこのスレ違いっぷり可愛すぎる!
大好きだこれ。GJ!
ssとしてもきれいだけど、ネタがよすぎるからこれプロットにして1本読みたいわ
その一本を読んだら
馬鹿が酔っぱらったシーンでカタルシスが最高潮に高まって
萌えすぎて部屋を何周も駆け回る自信がある
アホ二人もいいが後輩www
面白かった!!GJ!
これは巧い。
GJ!
バカかわいい!理想の攻め?だ
では踏み台に
先生ごめんなさい。
誰もいない教室の教壇に一人で立ってみる。いつも座っているところより一段高いそれは、いい眺めだった。
優越感を少し感じる。先生は教壇に立って、この優越感を毎日感じているのだろうか。だんだん気分が高揚してくる。
僕のあまり高くない身長でも一番後ろまで良く見えた。
先生の身長は僕よりも十センチ高いから、もっとよく僕の座る一番後ろの席が見えるに違いない。
背伸びをして、先生と同じくらいの身長になってみる。
そうだ、やっぱりよく見える!先生はこの教壇から毎日僕を見てくれているに違いない。そう思うともういてもたってもいられなかった。
教壇の中に隠れて、ズボンのチャックをおろしていく。ズボンの中でも、それはすっかり勃ち上がっていて、いまにも爆発しそうだった。
そろそろと勃起したものに手を伸ばして、ゆるゆると擦ってみる。
自宅のベッドで先生のことを想像しながら自慰したときも、とても興奮した。
けれど、先生が実際に授業している場所でおこなう自慰は信じられないほどの興奮だった。
目の前がちかちかと光って、真っ白で、とてつもない快感だった。
「ん、あっ、はぁ…んっ…!」
僕が教室で先生を熱っぽく見つめているように、先生もこの教壇から僕を見つめてくれればいいのに。
見るんじゃなくて、見つめてほしい。想像の中で、先生が僕を熱っぽく見つめる。
「あぁっ!んん、んぅ…はぁ、ん…」
先生に見つめられたら、僕はもうどうにかなってしまう。
夢中で擦っているとき、がらりという非情な音がどこかで聞こえたけれど、僕はもう自分のことに夢中でその音がする方向さえわからなかった。
「佐藤くん…?」
僕の頭上から降る声を聞いて、僕は凍りついた。まさかまさかまさかそんなはずないんだ。
下半身を露出したまま、ただ呆然として上を見上げてしまう。真っ青になって、真っ白になった。さっきとは違う、真っ白が僕を襲う。
僕は泣きそうだった。けれど泣くことは出来なかった。
だって、先生が僕だけを見つめてる。いつもと違う、先生が僕だけを見つめてる!
「…せ、んせ…」
先生、ごめんなさい。
GJ!すげぇ萌えました!
このあとどう転んでもおいしいw
つ、続き、続きが気になる…!
GJでした!
ドキドキしました
我慢がきかないお年頃だな
萌えたよGJ!
読んでるこっちがどきどきしたよ
GJ!
先生←←←生徒の片思いは永遠の鉄板萌えだよ!GJ
ハラハラ萌え
GJ!
続きをくれよぅ
それではどうぞ
一緒に買い物
40 :
1/2:2009/12/13(日) 22:09:35 ID:PAMz/nPP0
「今日の晩御飯は何にしましょう」
「うー寒いからなー…鍋がいい!」
「…えーっと、たしか3日前も鍋じゃなかったでした?」
「いいんだよー!貴方の作る鍋、絶品だからな!毎日でもいい」
俺の言葉に貴方はほんのりと頬を染めて、メガネを指で押し上げる仕草をする。
しかし、実際にはメガネはずり落ちてなんてなくて、彼の指は空しく鼻の上を横切った。
その事に彼はますます頬を染めて、照れくさそうに鼻の頭を掻く。
「新しいメガネ、慣れない?」
「いやあ、これ、クセなんですよ。
でもセルフレームなんて初めてで…似合わないでしょう?」
「あー、俺の見立てにケチつけ…」
「ええ!?いや!その!違います!すみません!」
さっきまで真っ赤だった顔を真っ青に変えた貴方は、小さく何度も俺に頭を下げる。
その姿が可愛くって、俺はいつも貴方に意地悪してしまうんだ。
「冗談。でもホント俺が押し付けたものだから、気に入らなかったら使わなくてもいいんだよ?」
「そんな!とんでもない!
…嬉しいです。素敵な誕生日プレゼント、ありがとうございます。」
「そ…っか。良かった」
再び色を取り戻した頬と潤んだ瞳に、俺は思わずキスしたくなったけど、
人が行き来する商店街のど真ん中でラブシーンを繰り広げるわけもいかず、
ぐっと唇を噛んで我慢した。
帰ったらすればいい。キスも、それ以上も。
41 :
2/2:2009/12/13(日) 22:10:27 ID:PAMz/nPP0
「あ、そういえばコロンの餌が切れそうだった」
「ついでに角のペットショップで買っていけばいいですよ」
「そうだなー。給料も入ったし、いつもより良いメシ買ってってやるかー」
「鍋、何味にしましょうね?」
「んーこの前があっさりだったから、今日はこってり系がいいなー」
「じゃあカレー鍋なんてどうですか?一度作ってみたかったんです」
「あ、美味そう。じゃあそれで。」
「はい。わかりました」
肩を並べて商店街を歩き、交わす言葉は晩御飯のメニュー。
これってなんだか…。
「私たち夫婦みたいですね…って男同士ですけど…」
恋人の台詞に少し驚きながら、それでも俺は頷く。
「以心伝心してる所も、夫婦みたいだなー」
自分で言っておきながら、顔全体が今まで感じた事ないくらいに熱くなる。
二人の顔が真っ赤なのは夕日のせいだけじゃなかった。
人ごみに紛れながら、こっそりと手を繋ぎながら歩く。
“幸せ通り商店街”
その名前は、伊達じゃないみたいだ。
GJ−!
寒い中、アツアツの萌えをありがとう!
ニヨニヨした!すごいニヨニヨした!
幸せのおすそ分け、ありがとう!GJ!
会話の端々で、今まで二人がどんな風に関係を育んできたのか想像できてニヤニヤした。
GJGJ!
冬のほかほかって感じですね
GJです
眼鏡天然年上敬語オヤジ受に萌えるよ
GJでした
あ!元カノの元彼のお二人ですね
やっぱりこうなりましたかw
メガネも二人もお似合いですよ
ふんでくださる?
触手×人間
50 :
1/2:2009/12/16(水) 00:42:27 ID:3b87Kn560
「ただいま」
「受けさんお帰りなさい!……あっ、プリンの匂いがする!おみやげ?ボクにおみやげ?」
「違う。……ってお前、なにテラスに貼りついてんの」
「あのね、今日は星が綺麗なんだよ。でもガラスで偏光してよく見えないから、ボク、ベランダ出たいな」
「却下。つーか、お前は当分の間、昼夜問わずベランダに出るの禁止な」
「ええええっ、なんで!?受けさん酷いや!」
「当たり前だ。また昨日みたいにベランダ伝いで侵入してお隣さんを襲われたらかなわん」
「だっ…だから、あれは侵入したんじゃないんだよぅ。ただ単に、日向ぼっこしてて
陽の光があんまり暖かいからついウトウトして、寝ぼけて隣まで伸びちゃって」
「そこでお隣さんの首を絞めただろうが」
「だって目が合っちゃったんだよ。それであのまま引っ込んだら、受けさんちに
ボクがいることバレちゃうじゃないか。だから一旦、絞め落としちゃえーって」
「その言い方、反省してないな」
「違うよ!反省してるよ、すごく反省してるよ!」
「ほう。じゃあ、反省の弁をとくと聞かせて貰おうか」
「えっとえっと……絞めて落とすんじゃなくて、いつも受けさんにするみたいに、
ジュルジュルでヌルヌルして気持ちよくして気絶して貰えば、良かったです」
「お前その手だか足だか一本切り落とすぞ」
「うわあっ!ごめんなさい間違えましたごめんなさい。ヌラヌラのジュラジュラは受けさんにしかしません!」
「いや、そうじゃなくてだな…」
「本当だよ、受けさんにしかしないよ。僕は受けさんが大好きだから。本当だよ!」
「あー……。話がずれてる。だから、今はお隣さんの話なんだって。聞け」
「うん、聞く」
51 :
2/2:2009/12/16(水) 00:44:55 ID:3b87Kn560
「さっきお隣さんにエレベータで会ったんだけどさ、疲れがたまってるみたいだから、
次の休みに健康診断に行くって言ってたんだぜ。完全にお前が原因だよ。どう思う?」
「えーと、健康診断は、良いことじゃないかなぁ」
「何がどういいんだよ」
「お隣さんは、いっつも朝早くから夜遅くまで働いてるから」
「まあな。あの人単身赴任らしいし、健康には気をつけて欲しいよな」
「うんうん」
「で、だ。そんな風にいつも忙しく働いてる人の、たまの休暇を、昨日お前は寝ぼけて潰した」
「う……」
「ゆっくりリフレッシュしてた人を、ベランダで驚かした挙句に、首を絞めて気絶させて逃げた」
「うう……」
「とにかく。当分の間は部屋の中で大人しくしてろ。バレるバレない以前に、これは罰だ」
「うううう……受けさん怖いよぅ……ボク、涙が溢れて拭いきれないよ」
「拭う手なんて何本もあるだろ。お前、目ん玉は一個しか無いんだから充分じゃねーか」
「そんなことないよ。眼球はいくつでも出せるし、飛ばせるよ。あっ見る?受けさん、眼球見る?」
「また話がずれてる。今回のことをきちんと、心から反省しろ。このプリンやらんぞ」
「嘘、なんで?それ、ボクにおみやげじゃないの?」
「これはさっきお隣さんに貰ったの。『昨日ベランダで倒れてる所を見つけてくれたお礼です』って」
「二個あるよ」
「あー……お隣さんは俺んとこ、まあ、二人暮らしだと思ってるからな」
「じゃあ一個は受けさんで、一個はボクの分?」
「そういう事になるけど、反省するまでお前は食うな」
「……。お隣さん、いい人だね。優しい人だね」
「そうだな」
「…………ごめんなさい。ベランダにはずっと出ません。ボク、ガラス戸越しで我慢する」
「ずっと出るなとは言わないけどさ。……まあ、当分な」
えっなにこの触手可愛いw
ニヤニヤしたよGJ!!
触手といえば凌辱、と思ってたので目から鱗だった〜
GJでした!
ちょっとビジュアル的には想像したくないwけど、
これはいいヘタレ触手と受けさんだ!好み。
この受けさんがヌラヌラのジュラジュラなのも読んでみたかった!GJ
お隣りさんもいい触手と出会えますように
触手限定かよw
可愛すぎてマジ2828しました。GJ
これは新しい、犬属性触手がこんなに萌えるとは思わなかった
マテじょうたいからヨシと声かけられた瞬間に襲い掛かるわんこ攻触手
ペットがいる、じゃなくて二人暮らしだと思ってる時点でお隣さんも気付いているのかも
プリン食べながら踏まれます
チーム対抗
残念お流れ
ああ、お流れだったか
残念!回します
残念。受攻ペア対抗で最強の萌属性決定戦とかやって欲しかったぜ
全然思い浮かばなかった。そんなネタ思いつくなんてすごいわ。
チームって不良チームの事かと思ってたww
「この殴り合いに勝ったらお前をくれ」て流れかと思ったら、姐さん達結構平和的なんだなww
そんな誤解もまた楽し。回し回し。
忘れられがちだけど
SSだけじゃなく萌え語りでもOKなんだぜまわし
萌えても、伝わるように言葉にするのってけっこう難しいんだぜ。
しかも、上手く言おうとして言えてない文章って、読み返してみると痛いんだぜ。
って自分じゃ言うけど、姐さん方のSSや語りは読みたいんだぜ。
読みたいから回すんだぜ。
優しく踏んで下さい
静かな雪の夜
「うひぃ、寒い」
「ガマンをしろガマンを!娘の喜ぶ顔のためだ」
「あんたは親だからいいでしょうけど、ボク無関係じゃないっすか?」
「ええいウルサイ、娘は、千佳はなあ、お前の買ってくるプレゼントだと妙に喜ぶんだよ」
「それって単にボクが懐かれてるってだけなんじゃ…」
「いいや違うな、お前にプレゼント選びの才能があるんだ。だからこうしてついてこさせてやってるわけだ」
「この時ばかりは千佳ちゃんを呪いますよ……っクシュン!」
「…あれ、パパァ?」
「ち、千佳!!?!?」
「千佳ちゃん!?どうしてここに…お家で留守番してなきゃダメじゃないか」
「んっとね、窓の外から、パパと真治にーちゃんが見えたから。ねーどこいくの?千佳もいくー」
「…どうしますか?」
「だーしょうがない。お前抱っこ係な」
「ハァ〜!?何でボクがそんな母親みたいなマネ」
「さむいよ、真治にーちゃあん」
「……仕方ありませんね〜〜〜〜」
「おいっ、その抱き方はなんだよ、女々しいなあ!男だったらもっと大胆に担げよ!」
「うるさいなあ、っていうかアンタいつも千佳ちゃんをそんな風に抱いてたんですか!?ありえない」
「うふふふ」
「どうした千佳?」
「ふたりとも、ふーふみたい〜」
「フーフーだとよ。スープが飲みたいのかもしれん、スープバー行くぞ」
「『ふ』と言ったらふ菓子でしょうが!アンタ本当に日本語ダメですね!」
「あんだとぉ!?」
メインの二人も素敵だったけど、
不覚にも千佳ちゃんに萌えた・・・
ちびっこいいなあ
脇の愛娘ポジキャラ好きだー
かわいい
かわいいなぁ、これは3人とも
静まりかえった冬の夜の住宅地で、きっとこの2人+1人だけが
ちょっとやかましくもワイワイやってるんだろうなーと勝手に補完した
3人ともそれぞれ可愛くてほのぼのするなぁ
まとめのほうも、しっとり切ない恋愛にキュンとした
どちらもGJ!
よーし、パパ回しちゃうぞぉ!
むしろパパをまわしつつ、そろそろ踏み台のお時間です
なにか一言お願いします↓
え!?あ!はい!えーっと…
…ふ…踏んで…ください…。
留守中に女装して遊んでたら普通に誰か居たでござるの巻き
80 :
1/4:2009/12/21(月) 17:03:14 ID:9THV+1nt0
※剃毛プレイ注意
「な・・・・・・何やってんの、アニキ」
「お、おぬし・・・・・・ござったの、か」
説明いたそう!
今日は平日。拙者は新型インフルで休んでおったが、とっくに治って、
でも学校へはまだ医者の診断を待たねば行けず、平日で誰も家におらず、暇をしておった。
そこでだ!かねてより訓練したいと思っていた女装を、実行していたのでござる。
しかし・・・・・・なぜか弟が家にござって、この秘密の訓練を見られてしまったでござるよ!
「今日から学級閉鎖になって・・・・・・。いや、そんなことより、そのカッコ」
「こ、これは女装の訓練でござってな・・・・・・」
まずいでござる!なんとかこやつの口封じをせねば!
「何でもするので、言わないでください」
あっ!引きつっていた口元が、鳩が豆鉄砲食らったみたいになったでござるよ!成功でござる!
「・・・・・・何でも?」
「何でもござれ!」
「ふぅん・・・・・・」
こやつ・・・・・・ニタァと笑いおったでござるよ!もしかして・・・・・・失敗でございました?
「あのー、痛いのはナシでおねがいしまーす・・・・・・」
「いいぜ。秘密にしといてやる」
「本当にござるか!」
「ああ、まず写真とっとくか」
「ええっ!?」
「あとで、知らないなんて言わないようにな」
81 :
2/4:2009/12/21(月) 17:04:05 ID:9THV+1nt0
デジカメで何枚も撮られもうした。もう逆らえないでござる・・・・・・
ところでひとつ、気になってたことがござった。
「あのー、写真を見せてもらえないでしょうか」
「・・・・・・外部保存したらな」
こやつに訓練が見つかったのは、まだろくに鏡も見ていないときであった。
デジカメを渡されデータを順に見ていくと・・・・・・女装をした拙者、
もしかして――やっぱり、かわいい?
「きめぇ。何にやけてんだよ」
「いや、別に、何も」
「まあいいや。さて、何してもらおうかなー」
神様、仏様、毘沙門天様!こやつが変なことを思いつきませんように!
「なあ、その中、何はいてんの?」
拙者が首をかしげると、あごをしゃくってスカートをしめしおった。
「たぐりあげて、見せて」
できるかー!
「早く。バラされたいの?」
ううっ。背に腹はかえられぬ。
「うわ、きめぇ。女物のパンツから、毛はみ出てんぞ」
しかたあるまい!女物のパンツは布面積が小さいんだ!
モノを収めただけでも褒章モノでござるのだ!
「あー、いいこと思いついた。それ、剃ってやるからローションと剃刀もってこいよ」
「えっ・・・・・・」
「早く」
弟のくせに怖いでござるー・・・・・・
82 :
3/4:2009/12/21(月) 17:05:21 ID:9THV+1nt0
「ひゃっ!」
ローションは冷とうござった。
「動くなよ?怪我するからな。スカート、そのまま押さえてて」
さっきから思っていたでござるが、拙者、お兄ちゃんなんですが。年長者の威厳、今いずこ。
「ところでさ、この服とかどうしたんだ?オカンのでもアネキのでもねえだろ」
「・・・・・・通販で買ったでござる」
あ、剃刀が当たりもうした。怖くて下は見れないでござる。
「いつ頃からしたかった?」
「ここ数年でござる」
「自分のことを女だと思ってんの?それとも女のカッコがしてみたかっただけ?」
「してみたかっただけでござる。スカートとかレースとか、かわいいと思うでござろ?」
あー、剃りあとをウェットティッシュで拭いているー。毛よ、さらば。
「女子が着てる分にはな。その口調とか、ずっとキモいと思ってたけど、
まさかここまでとは思わなかった」
「こんなことしてる、おぬしも、相当だと思うでござるが」
手が止まった。終わったでござるかな。
「・・・・・・・・・・・・四つんばいになれよ」
83 :
4/4:2009/12/21(月) 17:08:05 ID:9THV+1nt0
「床に這って、四つんばいになって、尻出せ」
「へっ?」
「ケツ毛も剃ってやるって言ってんだよ。早くしろ!」
ケツ毛なんて、はえてござらん!と、抗議の間もなく引き倒されてしまったでござる。イテテテ。
「こうやって見る分には、男だなんてわかんねーな」
こんな状況でなんでござるが、今の言葉はちょっと嬉しかったでござるよ。
「ひゃっ!」
「閉めてんじゃねーよ。間にローションが塗れねーだろ。力抜け」
弟は、口調のわりに丁寧な手つきで塗っていくでござる。なんだかすごく落ち着かないでござるよ。
「あの、そっちは、はえてないと思うんでござるが」
「中のほうも調べてやるよ」
中、でござるか?
「あっ!」
し、尻の穴に、ゆ、指が入ってきたでござるー!
「あー、はえてるはえてる」
嘘でござる!なんか蠢かしてるでござる!
「あ・・・・・・ンっ!」
「・・・・・・声あげてんじゃねーよ」
「はっ、んっ!やめ・・・・・・」
体を支える腕が、もう、限界でござる――
「おねがいで、ご、ざ・・・・・・」
開放は突然でござった。指が引き抜かれ、弟が立ち上がる。
「剃れたよ」
弟は、悠々と拙者を見下ろしておった。
「こんなとこ、自分じゃムダ毛の処理なんてできないだろ?」
ウエットティッシュで指を拭きながら、悪魔のような笑顔でのたもうた。
「また、はえてきたころに剃ってやるよ」
次回 なぜか女装して弟とデートすることになったでござるの巻き(続きません)
長文失礼いたしました。
なんというオタク受ww
じわじわ萌えたw
にやつきながらさらっと読んで、読み終わった後
あれ? これお題なんだっけ? と確認して吹いたww
よき仕事をなされたでござるよwww
続きのタイトルが秀逸でござる
続き…!続きはどこでござるか!
すごく良いSSだったでござる。弟に蹂躙されてほしいでござる。
さぁ、踏んでください
極上の男
90 :
4/4:2009/12/23(水) 12:35:36 ID:5pb5zRNP0
残念。お流れ。
>>90 ござるのかたとお見受けしたでござるw
まわしー
明日はトナカイコスの攻めとサンタコスの受けが世界中で増える日だなぁ
ジングルベル口ずさみながら回す
上等のコートの下には仕立ての良い背広を着ていて、
イブの夜に高級ホテルのスイート予約してドンペリ片手に君の瞳にカンパーイ
みたいな話が来るか来ないかと思ってたよまわし
その萌えをぜひとも語っていただきたかったよまわし
誰にとっても愛する男が極上の男なのさ
スペックは一切不問になる驚異のときめき☆マジックまわし
恋って不思議!極上まわし
極上まわし…
イルミネーション付の化粧まわしを想像したよまわし
踏まれますー
99 :
4/4:2009/12/23(水) 21:34:34 ID:5pb5zRNP0
イルミネーション
「うっわ…すご…」
「あぁ、そっか。見るの初めてですっけ」
「うん、こっち来たのは今年の春やったし」
「綺麗ですよねぇ」
「せやなぁ。眩しいくらいやわ」
「あ、そうだ。知ってます?」
「何がや」
「このイルミネーションの通り、カップルで歩くと別れるっていうジンクスあるらしいですよ」
「あぁっ!?ほんならなんでわざわざここ通んねん!」
「…えへへへへ」
「…なんやねんな、キショいな」
「いやぁ、そう言ってくれるってことは、僕達ちゃんと恋人同士なんだなーと。改めて思いまして」
「な…っ!いや、それは…っ!」
「よかった。嬉しいです」
「……カップルやったら別れてまうんとちゃうんかい…」
「こういうの信じるタイプでしたっけ?」
「そういうわけやないけど…!」
「大丈夫ですよ。僕は貴方を嫌いになんてなりませんし」
「…お前、ようそんなサブいぼ立つような台詞言えるなぁ…」
「アハハ。それに僕、意外としつこいですから。貴方が嫌がったって離さないと思います」
「“意外と”は余計やろ」
「そうですか?」
「おぉ」
「……だから僕ら、恋人同士でいいんですよね…?」
「……お、ぉ…」
「えへへへへへへ」
「あぁ、もう!恥ずいこと言わすな、ボケ!カス!タコ!」
「いやいや、そんなに照れなくてもー。せめてどれかひとつにしてくださいよぉー」
>>100 かわいくってほっこりしたよ。
マイ受が関西弁なので、当て嵌めてニヨニヨした。
キュンとした。GJ!
103 :
風と木の名無しさん:2009/12/26(土) 15:25:37 ID:U9rh3qGBO
GJまわし
季節感が出ててかわゆ^^GJまわし
まわし
ま わ し
まわしついでに
これ何かの続きだった?
>>41とかも続編だったみたいだけど気づかなかったんだ
続編もの基本的にないと思うけど・・
>>40の前にあたりそうな話とか、全然記憶にないし
ほい↓
109 :
風と木の名無しさん:2009/12/27(日) 00:33:47 ID:Gr9u5sGCO
明治の書生
残念お流れ
仕方のないことだけど、やっぱり流れてしまうのは残念だな。
しかし自分で書こうにも、以前にでた小説家志望の書生のSS以上の萌えを
自分の中で見つけれなかった。
ところで、明治期の書生と大正期の書生とではどんな違いがあるのだろう?
ググったが、わからんかった。
もんもんとしつつ、まわし。
まわしー
まわしまわし
書生さんてぼんやりとイメージは浮かぶけど
具体的にどのような生き物かはよく知らないんだぜまわし
年末だしミケ前だし皆忙しかったりもするのかな…
お流れは残念だから、SSじゃなくて萌語りでもいいから読みたいお
書生に援助してた篤志家が書生を養子に迎えることもあったらしい
その裏に何があったかだなんて、妄想の域を出ないけど、だがしかしそれがいいw
まわしまわし
お流れ残念まわし
踏んで…?
今年最後の大告白
一昨年も恋をしていた。去年も恋をしていた。
それから今年も、ずっと。
2年参りである。今年も二人きりで。もはや恒例行事なのである。
「今年も野郎二人でお参りとか、寒いにもほどがあるよな」
「文句言うなら断ればいいだろが」
「だって、一人きりで年越し寂し過ぎるんだもん」
「…また降られたんだってな、ざまあ」
「どうしてもクリスマスから後が続かないんだよね、これが」
「ざまあwww」
恋をしていた。している。今年もずーーっと。叶わない恋を。
「つうかさ、お前もさ、彼女つくればいいのに。つくんないの?」
「……いらね」
いらない。お前がいればいいよ。
「いらねえ。面倒くせえし、ダチとつるんでるほうが楽だし」
「またまたー。そんなこと言って、イベントの度にこいびとほしー、って俺に言ってくんじゃーん」
こいびと、に、「なって」ほしい。そう思っている。
一昨年も、去年も、今年も。
「あ、カウントダウン始まる」
「おー。今年もあと60秒、あ、55…」
「あ、バカ。先に行くなよ」
「よーんじゅろく!よーんじゅごぉ!」
「はぐれんだろ!ちょ…、おま」
片思いをしている。あいつに。
今年もそうだった。たぶん、来年も。
「21、20、19……」
「とまれーーーーー!!このバカーーー!!」
「16……え、何、聞こえんし」
「一人で先行くな!!人多いんだからバラバラになったら絶望的だろが!」
「はは、悪ぃ悪ぃ」
ごーぉ。
「ほんと、来年もずっとおまえの面倒見なきゃいけないかと思うとうんざりするわ」
「そんなこと言うなよぉ」
よーん。
「来年こそはしっかりしろよ。ちゃんとそうお参りしろな」
「うん。ねえねえ、あのさー」
さーん。
「なに」
「俺、言いたい事あってさー」
にーーい。
「……なに」
「うん、俺さぁ」
いーーーーーち。
「なんかずーっと」
ぜろ。
「お と すk nだ」
( 新 年 あ け ま し て お め で と う !!!)
年が明けました。おめでとうおめでとう。
完成と花火が五月蠅い。
聞こえなかったじゃないか、去年最後のあいつの言葉だったのに。
「じゃ、境内まで頑張るかー」
「まって、まって、なんつった。なんつったの」
「……きこえなかった?」
振り返った顔が苦笑いで、なんとなく焦る。
「聞こえなかった」
「ふーん。まあ、大したことじゃないから」
「なに、気になるし」
「まあまあ。ちなみに何だと思う?」
「えー?」
知らない。お前のことなんて分かんないことだらけだ。
「今年もよろしく…みたいな」
「ふはっ!!」
「なに笑ってんだよ…」
先一昨年も恋をしていた。
一昨年も恋をしていた。
去年も恋をしていた。
「…ずっと仲良くしてね、って言ったんだよ!」
「……あたりまえじゃん。ずっと親友だし」
ああ。
きっとこれからもずっと片思いなのだ。
GJ!
この時期にぴったりのキュンをありがとう。
GJ!
あぁ上手くいってほしいな、この二人
GJ!!
来年こそは上手くいくといいな
GJ!
すれ違い萌えるわー
「お と すk nだ」
ま
お年玉?と目が勝手に読んだ自分は今から有明の海を泳いで来ますw
来年の初詣は恋人同士でお参りして欲しいなと思いました。GJです。
踏んでくれるかい?
行く年来る年
130 :
1/2:2009/12/31(木) 18:18:02 ID:5SGqD9zP0
「やあ」
「グーテンアーベント。お久しぶりです」
「一昨日も電話したのに、お久しぶりはないだろう。それにこっちはまだ夜じゃないよ」
「ああ、時差あるんでしたね。今何時です?」
「じきに16時。妙に明るいと思ったら、雪が降ってる」
「へぇ、ホワイト大晦日ですか。そっちの雪景色はさぞ絵になるでしょうね」
「眺めはともかく寒いな。ちょうどホットワインがうまいくらいの寒さ」
「……そういえばその声、いくらか酔ってますね。またそっちの教授に迷惑掛けてるんじゃないですか?」
「失礼だな、君。こっちは順調にやってるよ。それに私とハロルドは十年越しの親友なんだ。
少々面倒かけたくらいで迷惑とはいわない」
「すごい自信ですね。その図々しさ、ちょっと羨ましいくらいですよ」
「図々しいんじゃない、私は自由人なんだ」
「"鳥のように"?」
「そう、鳥のように。それで、そっちはどう?」
「相変わらずです。寒いし部屋は汚いしあなたは居ないし。今年も論文に埋もれて年越しですよ」
「素敵な年越しだね」
「ええ。ありがたくって涙が出ます」
「蕎麦は?」
「食べましたよ。インスタントだけど」
「……追い込みの最中に外食しろとは言わないから、せめて出前くらい取りなさい。
あんなのは蕎麦と呼べない代物だ。ああ、私もそろそろ本物の日本食が食べたい」
「なら、ふらふらしてないでとっとと帰ってくればいいのに」
「これも仕事のうちだ。私だって好きこのんであっちこっち渡り歩いてるわけじゃない」
131 :
2/2:2009/12/31(木) 18:20:06 ID:5SGqD9zP0
「鳥のように自由な暮らしが気に入ってるんじゃなかったんですか?」
「それはそうだが、鳥だって日暮れにはねぐらが恋しくなるだろう?
私も年の暮れくらいは君のところへ帰りたい」
「……鳥はずっと鳥籠に閉じ込めておきたいたちなんですがね、僕は」
「ん?何だって?」
「いいえ、何でも。せめて寄り道せずに真っ直ぐ帰ってきてくださいね。
今年中は無理でも、せめて正月には会いたいですから。チケットは?」
「手配済みだ。飛んで帰るよ」
「じゃあ、両手を広げて待ってますよ、空港で。遠慮なく飛び込んできてください」
「それは嫌だな。帰るのよそうかな」
「ひどいなぁ。……あ、鐘だ」
「金?小銭でも落ちてたか?」
「鐘ですよ、除夜の鐘。あなたのその煩悩も除いてもらえるといいですね」
「私の煩悩がすっかり無くなったら君、困るんじゃないのか」
「そこまで霊験あらたかなら、僕の煩悩ももれなく消滅するからイーヴンでしょう。
……明けましておめでとうございます」
「おめでとう。今年もよろしく 」
そろそろあけおめまわし
遠距離いいな。GJ
新年もよろしくまわし
雰囲気あるね
今年は9か0かどっちか狙おうかなまわし
鳥籠のくだりが萌えたよ〜!GJ!
今年もよろしくまわし
元同僚なのかな萌え!
読み専ですが今年もよろしくまわし
まとめにも来てた
9は以前よりも競争激しくないからどっちも狙えそうまわし
そうだ。だから、踏めばいいんだ。
ビキニパンツ
なんというスレッドストッパーまわし
まわすよー
まわしまわし
いつもどおりまわし
144 :
風と木の名無しさん:2010/01/08(金) 00:03:34 ID:jVNctMdD0
今頃読んだけど、
「お と すk nだ」
は、おまえのこと、すきなんだ、じゃないか?まわし。
うん、本当におとしだまだと思ってる人はいないと思うまわし
いつもよりおおくまわしまわし
リロミスお題が好きだけど、しばらくなさげまわし。
よしこい
寺、教会、神社の息子で三すくみ
まわしまーす
「巫女服着ろよ。そんでそのままヤろう」
和装の青年はうんざりしたように竹箒の柄を振り上げると、少年の頭へ振り下ろした。
「仮にも寺の次代なら言葉を慎みなさい」
「比叡山が男色の総本山って知ってるだろ、お前。俺は歴史を受け継いでだな…」
「受け継いだ時点で貴方が末代です。歴史も何もあったものですか」
ぴしゃりと言い捨てると、やいのやいの言っている少年を微笑ましそうに見つめる金髪の
青年を見遣った。
金髪の青年はその視線に気づくと、ひらひらと手を振って寄越す。
咄嗟に振り返そうとしてしまい、慌てて竹箒を握り締めた。
「主は仰いました。”隣人を愛せよ”」
金髪の青年は、騒がしい少年をねっとりと愛おしそうに見つめる。
少年はうざったそうに近寄る金髪の青年を押し退けた。
「隣人って俺らただなんつーか寺の隣に空き地が出来ちゃって、そこにたまたまお前の馬鹿
親父が教会立てただけであって!俺が隣人だからって愛さなくていいってば!!
お前馬鹿だろ、馬鹿な俺でもお前の解釈が間違ってることは分かるぞ!」
金髪の青年はいいこいいこ、と少年の頭を抱え込んだ。
「それで正解です。無論ジョークですとも」
「ジョークですか…」
和装の青年がほっと息を吐くのに、さっきまで騒がしかった青年が金髪の青年に抱きしめ
られながら、複雑そうな視線を向ける。
金髪の青年は抱きこんだ身体が強張るのを感じ、ふんわりと意地の悪い笑みを浮かべる。
和装の青年が掃き集めた木の葉が、三人の間を通り過ぎて行った。
GJです&*0代理乙でした!
それぞれキャラ立ってて楽しかった
これは寺→神社→教会→寺で寺×神社ってことかな?
切な萌える
GJ!
うまいなあ。キャラがそれぞれ良かったです。GJ
三竦みっていいよな、GJ!
おお!ちゃんと3すくみだ。お題ムズと思ったがGJ!
ずっと規制中だったけど
>>130もGJ!雰囲気が良くて好きだったよ。
同じお題のまとめの人もGJ!
一方通行堪りませんなぁ
切な萌えました。GJ!
さぁ、踏んで!
お前ももう成人か・・・
「お前ももう成人か…」
今日は俺の誕生日。
例年通り、俺の家でささやかな誕生日パーティ(のようなもの)を開いていた。
(パーティ、とは言ってもたったの二人きりで、いつもの質素な夕食にケーキが加わるだけだが)
そのとき、TVを見ながらコロッケを食べていた俺の顔を見て、しみじみとこいつがそう言ったのだ。
「あーうん。」
いまさら何言ってんだと思いつつ、TVから、こいつの顔に視線を移す。
「お前と知り合ってから、もう8年になるんだな。」
懐かしそうに、目を細めて言った。何かこいつおっさんっぽいよなぁ。まだ22なのに。
「あーそうだな。あの時、お前も俺もまだ中学生だったもんな。」
学ランを着て、学校帰りにそのまま俺の家によく来てたっけ。
こいつは中3で、受験勉強が忙しいっつー時だったのに、
中学に入学してから勉強がついていけなくなった俺に、辛抱強く、方程式やら現在進行形やらを教えてくれたな。
「懐かしいなあ。あのころは、こういう関係になるなんて夢にも思っていなかったなあ」
そういって、こいつはビールを一口だけ飲んだ。
飲み物を飲むときに、どんなにのどが渇いていてもちまちま飲む癖はぜんぜん変わってない。
「俺だって、近所にすんでる優しい兄ちゃんとヤることになるとは思ってなかったよ。」
そういう言い方するなよ、と少し困ったように笑った。
そのころから、こいつの、ちょっと困惑したような、はにかんだ笑顔が好きだった。
こんなに一緒にいるのに、昔からずっと知っているのに、どうしていまだに飽きることなくこんなに好きなんだろう
「…あのころの…まだ、お前に片思いしてたころの自分に今のことを伝えたら、嬉しすぎて泣きそうかも」
俺もだよ、と出掛かった言葉を押さえ、からかうように俺が笑った。
やばいくらいツボに来た。GJ,超GJ
近所にすんでる優しいお兄ちゃんと一線超えちゃうってたまらん
幼馴染みなところもたまらん、ちっちゃい癖まで良く知ってるとかもうねGJ
おわぁあぁぁ、たまらんっ!
テラGJ!!!
萌えすぎて鼻血出そう。
GJ!
きゅんきゅんした 超GJ
なんかこういう、愛にあふれた日常っていいなぁ。
日常だけど特別感のある関係っていいなぁ。
GJ
美味しくいただきました。GJ
かわいい!
8は俺がもらった
破滅に向かう友人を止めようとする男
間に合え、間に合え、間に合え!!
どうして携帯を買い換えたのがつい2日前なんだろう!
マナーモードの故障なんかほっとけばよかった。
なれない機種に、たかが電話をかけるだけなのに妙にもたつく。
いつもよりも2倍くらい時間をかけて、あいつの携帯に電話をした。
間に合え、電話に出てくれ
心臓がバクバクと、音が聞こえそうなくらい激しく脈打つ。
普段、手に汗をかくどころか、体温が低すぎて汗が出なくて困ってるくらいなのに、携帯を握る手が湿っている。
二三度のコールの後、いつもの明るい調子とは打って変わった、重く沈んだあいつの声が聞こえた。
「…何だ、お前か。」
よかった、出た。
まだあいつを止められたわけじゃないのに、少しだけ希望が見えたような、明るい気持ちになった。
「お前何してんだ!馬鹿!やめろ!お前、自分が何をしようとしてるか、わかってんのか?今なら間に合うから、だから…」
俺のカラッポ頭に入っている語彙なんて、そこらの中学生より少ない。
ありきたりの言い回ししか出てこない自分にうんざりした。歯がゆかった。
いっそあいつのもとへ飛んでいって、一発ぶん殴ることができたら…どんな言葉よりも俺の気持ちが伝わるだろうに。
「…いいんだ。俺、決めたんだ。後悔なんか、しないから」
さっきよりも棘のない声だった。
「だから、行かせてくれ。」
俺が説き伏せられてどうする。
頭では理解できるのに、あいつの気持ちや、生い立ちを考えると、止めるほうが酷な気すらしてきた。
あいつの人生がめちゃくちゃになっちゃうのに、止めなきゃいけないのに…止めなかったら、もう二度と会えないかもしれないのに。
「…お前に会えなくなったら寂しいから、やめろよ。」
つぶやくように俺が言うと、電話の向こうから小さな笑い声がした。
「すげー説得力あるな。それ…」
具体的な状況は描かれてないのに切羽詰まった感じがすごく伝わってきた
ラスト3行に萌えかつ感動しました GJ!
やばい物凄い滾った
GJ!!
いいなあ!
それでも止まらなそうな友人がまたいいな、GJです!
「小さな笑い声」と最後の「…」がいいよね
GJ
でも何をそんなに止めようとしているのかが気になってしまうw
うわぁぁ!!禿げた!!
>>170の文体好きだ。GJ!
踏み台の踏み台だー
踏んでください
冗談っぽく「好きなやついる?」と聞いたら真顔でうなずかれたorz
180 :
1/2:2010/01/14(木) 02:36:39 ID:sIgShnyE0
学校終わって、予備校行って、夕飯代わりに駅前のマ.ッ.クに寄る、いつもの帰り道。
あたりはすっかり暗くなって、まあ別に女じゃないから襲われる心配なんかないんだけど、
ここらへんはチンピラやら、将来DQNヤクザ確定の糞ガキどもがうろついているから、早足で駆け抜ける。
隣にいるのが屈強な男で、俺自身もエ.ル・ヒ.ガ.ン.テみたいな体格のいい男…ならいいんだけど、実際はひょろい高校生二人組。
連日連夜、予備校ばかりで、肉体を鍛えるどころか太陽にすらあたってませーんと体に書いてあるような俺たちだ。
「昼でもごろつきみてーな奴らが集まってるくらいだから、夜なんか最悪だな。」
俺が言うと、隣の眼鏡(同じ部活の後輩で二年生。家が近所なのと、天然な性格が面白いせいか、結構仲がいい。)は頷いた。
「早く行きましょう。」
小さいころは、この道がこわくて仕方なかった。
もちろん、親もこの通りの治安の悪さはわかっていたから、ここを通ることなんて滅多になかったのだが、
時折、親と一緒に車で通るとき、窓の外を眺めては、なんとなく雰囲気の悪さを空気から感じたものだった。
もちろん、今でも好きじゃないけど。一人の時にはここを通らないようにしているけど。
「…昔さ、俺、この道、怖くて通れなかったんだ。」
俺がぽつりと言うと、後輩はすこし驚いたような顔をした。
かく言う俺も少し驚いてる。何で俺、こんなことこいつに話してるんだ?
「先輩、結構考えなしに見えるから、意外です。」
「…なんだお前失礼だぞ。先輩に向かって。」
「それはすみません…今は怖くないんですか?」
「いくつだと思ってんだよ…まああぶねーからあんま通りたくないけど。」
「女の人だったら、危ないですよね…彼女さん、とか、連れて歩きたくない感じ、ですよね。」
なんでたどたどしい話し方になってんだよ。
「まあ好き好んで女を連れてくる場所じゃねーな。つーか、連れて歩ける女がいねー俺に対する嫌味かそれは。お前はいるんだろ?」
こいつは生真面目すぎるところもあるけど、将来有望(学歴的な意味で)で顔も上の中くらい、その上高身長だし、女には不自由しねータイプなんだろうな。
性格もマメで、礼儀正しいし。女に対してはどうかわかんねーけど。
181 :
2/2:2010/01/14(木) 02:38:13 ID:sIgShnyE0
「いません。」
「あ、そうなんだ。意外〜まあお前は自分からって感じじゃなさそうだもんな。草食系とかいうの?ああもうこの言葉ちょっと古いな。」
「そんなことありません。好きな人には、色々、働きかけてるつもりです。」
「…お前、好きなやつはいんの」
「はい。います。」
めちゃくちゃはっきりと、真顔で言うからびっくりした。空気を読まない生真面目さなんだよなぁこいつ。
「そっかーそうだよなーうん、好きなやつくらいいるよなぁ。」
「先輩は…?」
「え?今はいねーな。大学受かるまで我慢。俺、偉いだろ。」
「はい。偉いです。」
だからなぜ真顔で言う。ちょっと返し難いぞ。
「俺だったら、待てません…絶対、耐えられない…」
「じゃあ告ればいいじゃん。」
「だめなんです。俺なんかきっと相手にしていないんです。」
深窓のお嬢様でも狙ってんのかこいつ。
こいつくらいならそこらの女子高生なら尻尾振ってついてくるだろうに。
「まあ、とにかく…」
頑張れ…そう言おうとして、なぜか言葉に詰まった。あれ。何で俺、素直に応援できないんだろう。
可愛い後輩の恋の応援なのに。何で俺、躊躇してんだよ。
「先輩?」
「い、いや、なんでもない!うん、あ、もうすぐ駅だから、俺、今日、ラ.イ.ア.ー.ゲ.ー.ム見たいから、ちょっと急ぐわ!じゃ!」
何だよ何で苦しいんだよ。ばかじゃねーの俺
後輩の敬語いいよね! GJ
ライアーゲームに爆笑した
まわします
先輩が大学受かったら後輩くんは告るんですね、わかります
センターどうだっただろうね、この先輩。
ドラマ見てないで勉強しろよ。
受からないと、後輩くんが告白できねえだろうが。
浪人して大学で同級生になるのもありだと思いますまわし
優しく踏んでね
堅物×飄々
190 :
1/2:2010/01/17(日) 23:41:44 ID:MhOoNzuU0
「いつまでいる気だ」
視線もよこさずに冷たい声で俺に言い放った
少し暗い部屋の中でアイツの顔が青白い光を受けている
「そうだなー、お前の仕事が俺にかまってくれるまで、かな」
わざとアイツの声とは正反対の間延びした声で答えてやる
「それならお前はずっとここにいることになるな。いい迷惑だ」
相変わらずその視線はディスプレイへと向いたままだ
「そーんなつれない事言うなって。早くそれ終わらせて飲みにでもいこうぜ」
いつものように軽い口調で誘ってみた
「お前なら電話一本で相手してくれる奴が見つかるだろう」
「ばーか、今日はお前と飲みたい気分なんだって」
わざとアイツの台詞を否定しない
そしてわざといい加減な理由で固める
しばらくしてキーボードとマウスの音が止み、代わりに紙を捲る音が響いてきた
191 :
2/2:2010/01/17(日) 23:43:00 ID:MhOoNzuU0
「なーなー」
口を尖らせて話しかける
「おーい」
少し大きな声で呼んでみる
聞こえてくる返事は紙を捲る音だけ
「わかったよ、邪魔して悪かったな。今日はタカヤあたりでも誘ってみるわ」
そう言いながら立ち上がり、携帯を開く
少し暗い部屋の中で俺の顔が青白い光を受ける
「じゃあまたなー、次会うときは機嫌なおしとけよ」
光を放つ携帯を持つ手を軽く挙げて部屋を出た
今更アイツに本気になんかなっちゃいけない
アイツの視線がディスプレイの上をなぞっていないと気づいていても
紙を捲る速度が笑えるくらいに早いと気づいていても
素っ気ない態度をとるアイツの気持ちを汲んでやる事しか出来ないんだ
まわします
包容力ある受&余裕ない攻という組み合わせもいいなぁ。>190GJ!
。
まわしー
MWS
まさし
俺の踏み台を超えてゆえ
言い間違い
200 :
1/2:2010/01/22(金) 02:02:20 ID:bxAzICKc0
んだから。
前から言ってる。
好きだと言ってる。
お前が信じてないだけ。
お前も周りも信じてないだけ。
つか、んだからさ。なんべんも言うわ。好きだよ。好きなんだよ。
身体はまぁもちろん欲しいですけど?
んでも……んだから、心も欲しいんだよ。
お前の気持ち良さそな顔みたいけど、そんだけじゃイヤなんだよ。
や、気持ちいいと思ってくれるならいい。
でもんだから身体だけじゃイヤなんだって。
あー。
アホ臭い。
青臭い。青臭いですまんけど、アンタの心も欲しいんだ。
201 :
2/2:2010/01/22(金) 02:04:54 ID:bxAzICKc0
だから。
だからさ。
だから。
だから、こんな時ぐらい…っつーか、こんな時だけじゃイヤなんだけど、でも今だけでいいから。
今は、今だけでいいから。
今だけでもいいから、俺のこと好きって言ってくんないかな?
間違えた。
盛大に間違えた。
202 :
3/3:2010/01/22(金) 02:09:01 ID:bxAzICKc0
言うつもりじゃなかった言葉が出た。
ゴメン。違う。
今だけとかじゃないから。
違うから!
…だから言ってくれたら俺は嬉しい。
…すいません。2で終わらんかったです。
ケータイ小説?
ポエム乙
内容はそう悪くないと思うけど202の最初の1行がお題とずれてる気がする
これ堅物じゃないじゃんあんまりだわと思った
>>190の方がまだマシに思えてくる酷さ
まああんまり言うと
次の*0のハードルがあがっちゃうんだぜまわし
まっわっし
>>205の比較でけなすのは流石にどっちにもひどいと思うんだ…踏み台
女形役者とその付き人
日課のビデオを今日も見る。見すぎて劣化した画面に映るのはとある深窓の姫君。
くっきりした目鼻に白い肌。
だがその見た目よりも、僕は細やかな一挙一動から溢れる女性らしい美しさと色香に目が離せない。
次のビデオに居るのは優しく儚げな町娘。
先ほどの姫と同じ役者なのに、近づきがたい美しさから一転、今度は守りたい愛らしさを感じる。
触れるだけで壊れそうな繊細な指先の動き、柔らかい声、何もかもが愛おしい。
舞台とビデオでしか出会えない彼女達を、僕は本気で愛している。
決して現実で交わりあう事が無いと判っていても、あまりの女性らしい魅力に惚れこんだのだ。
次のビデオは
「おお、何だまた俺の舞台映像見てるのか」
振り返るとごつくて汚らしい親爺がいた。
「いつもいつも仕事熱心だなあお前は。女の噂も聞かないし、おじさん心配だぞー?」
剃り過ぎて青くなった髭跡を撫でながら豪快に笑う親爺に平然を装って返す。
「付き人として必然の事です。それにあなたが女の噂を立て過ぎなんです、奥方もいる人気俳優なのに。」
「何だよミツオちゃんはお堅いなぁ〜。キャバクラは女性の勉強の一部だって」
ミツオちゃんも今度連れてってやるからさあ、と馴れ馴れしく肩を組んで来る親爺を無視してビデオに目を戻す。
何でこの下品で失礼な親爺が、あの美しく清楚で女性らしい娘達と同一人物なのか…
こういう関係大好きだ!!
GJ!!
GJ
リアルでも女形の人は役に入ってると
本当に綺麗だよね〜。所作がもう違う
だめださっきから頭の中で梅沢富男が踊ってるwww
GJ!!
ミツオちゃんにこの「だらしないおっさん萌え」フィルターを貸してあげたい
いつか無理やりキャバクラに連れて行かれて、
過去に親爺と関係を持ったキャバ嬢とどうこうなっちゃって、
ものすごく後悔して、画面の中の娘に申し訳なく思ったり、
親爺を恨んでみたりするミツオまで妄想した。
助けて・・・・・・
これはいいこういう関係大好き
見ながらにやにやしたwww
BL一歩手前って感じがたまらん この距離感というかなんというか
じゃあ
コンビニ
220 :
1/2:2010/01/23(土) 23:23:41 ID:ulQ+qM6m0
コンビニにはBLが満ちている、と俺は思う。
一、常連の高校生二人。朝練のためか朝早く来てパンを引っつかんで金払って咥えて、
走り去って行く。うふふあははと微笑み合いながら。
朝シフト、眠いのを我慢した甲斐があったとガッツポーズをしていると、同じく朝シフ
トの上野から「この腐男子め」とばかりにぽかりと頭を叩かれた。
殴った後にチュッパチャップスくれても許さないんだからな!
………あ、プリン味って美味いんだ。
俺がオレンジが好きだな!と言うと上野は律儀に試食して感想をくれた。
二、常連のサラリーマン。二週間ほど前から同伴者が増えた。
サラリーマンより年下であろう長身の青年。どでかプリンを買うか買わないかで揉めて
いる姿が微笑ましい。
夜シフト、増やした甲斐があったと肉まん詰め替えながらにやにやしていると、同じく
夜シフト増やした上野が「この腐男子め」と声に出して呟いていた。
呟いた後にダース一箱くれても傷心のこの心は癒えないんだからな!
………え、ホワイトのほうくれんの?マジ?
原稿の時に食べてくうううってなっていると、上野から電話が来た。嬉しくて、今描い
ている原稿の話をするとドン引きされた。
221 :
2/2:2010/01/23(土) 23:24:49 ID:ulQ+qM6m0
三、ベンツでお乗り入れ。俺が駐車場を見てぎょっとしていると、中から出てきたスー
ツ姿のゴージャスな壮年の男性が、普段着つうかスウェット姿の青年をお持ち帰り。
これには他の客もぽかんとしていた。上野だけは溜息を吐いていた。
昼シフト、代わった甲斐があったと手を組んでぼおっとしていると、同じく昼シフト代
わったらしい上野が「さっきのは俺もびっくりした。ガチっぽいな」としみじみと言っ
た。
そうか、上野も分かるようになったな!
俺は嬉しくなって口に入れていたチュッパのプリン味を上野にあげた。
………な、なんで赤くなるんだ!?
その後はちょっと俺も気まずかった。
四、あとは王道、店員同士って奴かな。と俺が思いつつチュッパを頬張っていると、最
近シフトの合わなくなった上野と珍しくシフトが合った。
俺がずっと上野に渡そうと思っていたチュッパのオレンジ味とダースのホワイトを上野
に差し出すと、上野は今にも泣き出しそうな顔で笑った。
俺はぎょっとしてこの前シフトを代わってやった奴を呼び出してレジを交代させ、上野
を連れて近くの公園に行った。
ハンカチを差し出して、頭をぽんぽんと叩いてやっていると、ぎゅーっと上野から拘束
された。
これも王道って奴なのかなあ、と思いながら上野の「好きです」という呟きに耳を預け、
そっとその背を暖めてあげた。
グッジョブーーー!!!と叫びたくなるほど萌えた
俺×上野か上野×俺かも気になるが
こんなコンビニあったら間違いなく常連客になる
これは萌える。けなげな上野いいよ上野
ほんとこのコンビニあったら通うわw GJ!
朝からいいの見たGJGJGJGJGJGJGJG
まわし
まわっし
これはよかった。GJ!
まわし
シチュと、自分の現状が交互に出てくるのが
ちょっとわかりづらかった…。
良く読んで萌えました。
うつらうつら
たまたまその日は三日三晩会社で寝泊りをして仕事を終わらせた日だった。
上司から家で休め、と昼頃に会社から追い出された自分はフラフラで駅へ向かって電車に乗った
人身事故による遅れかなにかでホームから中々動く様子がない電車の中には日が射し込んでとても心地良く、ただでさえ疲労困ぱいの自分の眠気を誘った。
多分、そのままうつらうつらと眠ってしまったんだと思う
目をうっすら開けたらもう電車は動いていた
その上自分は誰かの肩に頭を思いっきりあずけていた
(やばっ…)
と思った時にすぐ顔をあげれば良かったのに、寝ぼけていたせいかそのままぼーっと自分の足とその隣の人の足を眺めていた。
隣の足は自分より大きい
靴とスラックスが見えて足の間にスーツケースを挟んでいた。
(完全にタイミングを逃してしまった…)
図々しくも寝たフリをしながら心の中で唸る
車内アナウンスに耳を澄ますとまだ当分自分の降りる駅には着きそうもない。
起きた後にそのまま隣に座っているのは気まずいし、かといって車両を変えるのは態度が悪いような気がする
困ったなと思いつつ薄目で足元を見る。
(そういえばこのスーツケース見覚えあるな…)
片田舎から都内へ通勤することになると朝は早く、車内の乗客は結構固定化する。
自分は駅に降りた時に改札へのエスカレーターに一番近い車両に乗ることにしているが、そこでよく一緒になるサラリーマン。
同い年ぐらいで、自分が朝、車両に乗り込む時にはもういるので多分もっと遠方からきている。
スーツケースがなんだか洒落ていて印象に残っていた。
(足元だけじゃわからないけど、だとしたらもっと恥ずかしいよなあー…
あっちだって俺のコト知ってるかもしれないし…大体なんでこいつこんな時間に帰ってるんだ)
心の中で隣の話したコトもない相手に悪態をつきながら相変わらず寝たフリをきめこむ
うんうん考えた結果、自分が降りる手前の駅あたりで起き(た演技をし)て、ぱっぱと降りてしまえばいいかと思い付いたあたり、
こつん、という軽い音とともに自分の頭にかかる重み。
髪の毛の感触。
(…………ん?)
しばらくすると自分の頭の上からすーすーと寝息が聞こえ始めた。
(あれ、このままだと降りれない………?)
降りる駅まであと 5つ。
居眠りしたの自分なのに悪態つくってwww
逆ギレしてwwwかわいいいい
うわあ、このあとどうなるのか、次の展開が知りたい!!
社会人の話のはずなのに子供の話みたい
。と無駄な余白のせいだけじゃなく
なぜだろ。雰囲気が独特
まわし
限定された視覚とフル回転の触覚ってエロいです。
次の日顔あわせてお互いちょっと気まずそうに笑い合えばいいと思います!
まわしー
昼間の電車という、ちょっといつもと違う場所での出来事だの
名前も知らない相手に、うたたねで無防備に接触だの
リーマン同士だの萌えた萌えた
この後がいろいろ想像できるのもイイ!
ここから物語が始まるっぽくてよかった。GJ
童貞攻め
前から、隙あらば下らないセクハラを仕掛けてくる奴だった。
元からシモの話題に抵抗が無い性格ではあるらしいが、
抱きつきや押し倒し等の身体接触を伴なうのはもっぱら僕に対してだけで、
なので、まあ、つまりそういう事なのだろうと思う。
ぶっちゃけ、週8ペースで「好きだ」と言われているし。
(大抵はその後にヤらせろ・揉ませろ・吸わせろと続くのだが)
無論、そう言った戯言に対しては、
実力行使や百倍濃縮した皮肉でもって応対してきた。
早々お安い態度なんぞ取ってたまるか。
──とはいえ。
僕自身、奴の好意に対してはまんざらでもないのが本音の所ではある。
問題は衆目をはばからぬ過度のスキンシップや下ネタなのだが。
まったく忌々しくも厳然たる事実だ。
……そうでもなければ、
奴が触れるだけでこんなに頬が熱くなる筈がない。
そんな訳だから、こうなるのも時間の問題だったんだろうなあ、
と、どこか他人事のように現状を分析している自分が居た。
まず現状を説明すると、
僕は例の奴と二人きりの部屋で、ベッドの上に並んで座り、
かれこれ十数分はねっとりとキスをしていた。
ついでに言えば今夜一杯は誰の邪魔も入る可能性は無い。
まるでおあつらえ向きなシチュエーション……というより
奴自身がそういう日であることを見越して仕掛けてきたようだ。
誘いに乗った以上、こちらも腹を決めている。
今夜恐らく僕らは一線を越えるのだろう。
と、思っていたのだが。
そこから先へなかなか移行せずに
服の上から胸や背中を曖昧に撫でさするばかりだ。
──ようやくシャツの中へ潜り込ませてきた。
が、その手つきもいやにぎこちない。
こちらを気遣っているのか?いやそれにしても。
こっそりを目を開けて奴の顔を伺ってみれば、
これはもう面白いくらいに狼狽えているのが見て取れた。
まさかとは思うが、お前童貞か?
まだるっこしい駆け引きも面倒なので直接聞いたところ、
面白いくらい挙動不審になった。図星か。
図星だな。念を押したところおずおずと頷いてきた。
……本当に、仕方ない奴め。
深く深くため息をつく。
そして地蔵のように動かなくなった奴を脇へと押しのけた。
当人は僕のそんな素振りにショックを受けて涙目になっているが、
それでも大人しく退いてくれる。まあ状況が状況だからな。
しかしどうしてそのままベッドを降りようとしてるんだ?
背後へそう突っ込みを入れた。
へ?と意外そうな顔でこちらを振り向く奴を、
半ば強引にベッドへ引っ張り上げてとっととその上へ馬乗りになる。
お前が未経験なら僕がリードすれば済む話だろ?
そう伝えたところ鳩が豆鉄砲を食らったような顔になる。
え、ってことは、初めてじゃないの?
間抜け面を晒して心底意外そうに聞くものだから、
さすがの僕も少し気まずくなって、おずおずと頷いた。
……本当に、仕方ない奴め。
深く深くため息をつく。
そして地蔵のように動かなくなった奴を脇へと押しのけた。
当人は僕のそんな素振りにショックを受けて涙目になっているが、
それでも大人しく退いてくれる。まあ状況が状況だからな。
しかしどうしてそのままベッドを降りようとしてるんだ?
背後へそう突っ込みを入れた。
へ?と意外そうな顔でこちらを振り向く奴を、
半ば強引にベッドへ引っ張り上げてとっととその上へ馬乗りになる。
お前が未経験なら僕がリードすれば済む話だろ?
そう伝えたところ鳩が豆鉄砲を食らったような顔になる。
え、ってことは、初めてじゃないの?
間抜け面を晒して心底意外そうに聞くものだから、
さすがの僕も少し気まずくなって、おずおずと頷いた。
本当は、こんなにまっとうに暮らせるようになったのって
すごく最近のことなんだ。ずっと言いたかったけれど、
恐ろしくて言い出せなかった事実に今更思い至る。
「──幻滅したか?」
ごく軽い調子で聞いたつもりだったのに、
実際に口から出てきた声は想像以上に震えていた。
「そんな事!」
がばりと起き上がって抱きしめられた。
不意打ちに息を詰まらせた僕に奴が気づいて開放されたが
それでも、伝えたかった気持ちは確かに理解できた……と思う。
どちらにしても、今しがた芽生えかけた疑心や負い目が、
己の中から綺麗さっぱり消えてしまった。
我ながら単純な、と思わなくも無い。
こいつと関わる内に僕まで阿呆になりつつあるのか。
「二人にとって一番最初だから、
出来るだけ優しくしよう、って考えてたのにこれだからなあ。
ごめんな?お前にはいっつも世話かけさせるなあ……」
そんな、奴のいたわる様な言葉と表情を見下ろしていたら
久しく忘れていた何かが胸を衝いた。
それと共にうっかり口元が緩む。
目を丸くした奴が何事かを言いかけたが、
それを遮るように、今度はこちらから口づけを落としてやった。
=============================
行数制限引っかかりまくりました。レス数使いすぎで申し訳ない。
>243
ありがとう!ありがとう!童貞攻×経験抱負受おいしかったです!
「優しくしようと〜」って、童貞でへたれてた奴がどんな顔してw
とあまりのへたれに萌えた。今夜はいい夢が見れそうです。
へたれ攻め可愛いなあもう!
GJ!
萌えたよー。最初は攻め可愛いだったが最終的には受けも可愛かった
同じ部分が二重になっていなければ(コピペミス?)
3レスで収まってたね。惜しい
あ、なるほど二重になってたから長かったのか。
スレ消費は文章が長ければ仕方ない。
長いと読まないときもあるので、多少損ではあるのかな。
GJ
GJに踏んでください
仮性包茎を気にするドSな上司
「あ、ちょっと待って下さい──皮が余って……うまく……」
手コキの最中に、ついそう言ってしまったのがきっかけだった。
不用意なおれの一言に顔色を変えた課長は
それからこちらに背を向けて寝ころがったままだ。
膝を抱えた姿勢が痛々しい。
普段の課長であればおれの粗相をネタに
更なる責めを食らわせるくらい造作も無いハズだが、
しかし男にとってチンコは聖域な訳で、
さすがのドS課長といえどそこを突かれれば心も折れる。
だからこそこちらとしても、
課長の包茎をことさら指摘することは無かったのだが。
……なんにせよこのままじゃらちが開かない。
「本当にすんませんでした!無神経でしたおれ!」
そんな訳でベッドの上で土下座して叫んだ。
「──君に一つだけ言いたいのはだな。
人には決して触れて欲しくない
ウィークポイントというものがあると言う事だ」
「肝に銘じました!本当にすんません!!」
「……ドジな君のことだから又すぐに忘れてしまうんだろう。
だから、しっかり身体に刻みつけないとねえ」
ゆっくりとこちらに向き直った課長は
既に平時のド冷たい眼を取り戻していた。
ああ、これは足腰が立たなくなるまで責められる……
そう怯える内心の片隅で、
しかし確かに安堵しているおれも居るのだった。
文中、まんまどSって単語だけで説明しちゃいましたか
1レスでまとめるのって難しいだろうに、面白かった。課長も部下もかわいい。
>250GJ!
GJ
二人とも可愛くて萌えて笑ったw
ところで最近やたらと*0に文句言う人が増えた気がする
ここはあくまで萌える思いを書き綴るスレであって上手な文章を晒すスレではな
上手くて自分の好みの文が読みたければそういうサイトに行けばいい
自分の好みじゃないからってケチつけるのは厨だ
こんな空気じゃ*0取る人減っちゃうよ
私は上手だと思うし、かなり萌えたw
できればこの上司主人公の単行本作って売ってくれ
かなりツボだ
うまいとおもうよ。まとめも良かった。
不満がある人は違う萌えがあったんだろうから、
まとめで萌えを語って昇華するのもありだよ。
249のお題だけでも面白すぎた。249GJ!
しかしムズッ!っと思ったが、それを上手いことSSに昇華した250GJ!
お題の雰囲気そのままだった!
どっちにしても変に荒れるのは勘弁。
まわしー
踏まれます
早漏改善合宿
260 :
1/2:2010/01/30(土) 21:17:30 ID:WpAsN2AC0
なにがなんだかわからない。
俺の部屋に章吉が遊びに来たのが30分前。
見られたら困るものを必死に片付けたのが1時間前。
本棚に並べられた教科書を章吉が開いたのは1分前。
その教科書に挟まれたチラシがヒラリと落ちたのが30秒前。
「へーそうなんだ」
『早漏改善合宿 体験者募集』とバッチリ書かれたそのチラシに目を落とし、章吉が呟いた。
「まあ、これは何て言うか……」
「お前、彼女いないよな?」
「いいだろ別に、いつかは俺だって……」
悪戯っ子の目で覗き込む章吉からチラシを奪い取る。
笑えばいいのか、起こればいいのか、いっそ開き直って打ち明けてしまおうか。
「15万円は高いよなぁ」
「だから別に俺は!」
「試してみようか」
「は?」
「コレ」
俺の手の中でクシャクシャになったチラシを引っ張りながら章吉が満面な笑みを浮かべる。
「は?何言ってんの?俺は男でお前も男で、試すって何を……!!」
なにがなんだかわからない。
俺は章吉に頭を抱えられ、その章吉の唇と俺の唇が重なっている。
その感触は今までに体験した事の無い優しくて少しくすぐったいものだった。
261 :
2/2:2010/01/30(土) 21:20:56 ID:WpAsN2AC0
「んっ……」
時々漏れる吐息は俺のものなのか章吉のものなのか。
ゆっくりとゆっくりと確かめるように探るように俺達は唇を重ねる。
全身がフワフワと揺れるような、熱くなるような、そんな不思議な感覚に頭が痺れた。
「はっ……」
長いキスの終わりにハッキリと漏れた声は俺のものだった。
章吉の手が俺の股間を撫で、まるで形を確かめるように何度も擦る。
もう限界だった。
「すげぇなコレ」
ズボンを下ろし膨張しきった俺のモノに顔を近づける章吉の息が俺の全身をさらに震わせる。
「あっ……あっ……」
章吉が何をしようとしてるのか理解する前に俺は限界に達した。
勢い良く噴出したそれが章吉の顔と自分の腹を汚している。
「ごめん、俺、やっぱアレだな……早過ぎるよな……」
顔をあげる事も出来ず、不甲斐ない息子を見下ろしながらティッシュの箱を章吉に差し出す。
「別にいいんじゃね?
入れられる方にしたら早い方がいいよ。長いと痛そうだし体に悪そうじゃん?」
ティッシュで汚れた顔を拭きながら章吉は言う。その声はいつもと変わらない明るい声だった。
「え?」
「え?」
ハッと何かに気付いたように章吉が顔を背けた。
なにがなんだかわからない。
顔を背けた章吉の耳がなぜ赤いのかも。
赤くなった章吉に俺の胸がなぜ高鳴っているのかも。
おー!ドキドキした!
初々しさがたまらんな。GJでした!
難しいお題でお流れかと思っていたらこうきたか!!
GJ!!
早漏なんて気にするな!
青少年なら回数で勝負!!
次は二人っきりで朝練、昼練夕練に徹夜の猛特訓ですねわかります
GJ!
まとめの人は5分もつなら早漏じゃないと思う
IBLS(国際BL評価尺度)によると攻の標準タイムは約60分だから、5分は早漏だよ
GJと思ったのに、レスが秀逸でコメント忘れた
IBLSワロタw 笑いながら踏まれます
帝王学
久しぶりのお流れかしら?
ごめん!!!!スレ間違えた!!!!!
ドゾー↓
>271
いや>1嫁よお前が書くんだよ
下手でも構わん。
ID:SRgWto1Q0、アンタが書くんだ
お流れだね。仕方ない。
これで本当に久しぶりのお流れだな
残念。まわし。
いいお題だからほとぼりが冷めた頃にまた出ないかな、と願いつつまわし
喜んで踏み台になります
普段コンタクトの奴が珍しく眼鏡
このところ忙しかったせいか、その人と久しぶりに顔を合わせたのはその日のお昼休みだった。
コンビニのハンバーグ弁当に集中していた俺が隣に気配を感じて視線を向けると
吉田さんが穏やかな微笑みを浮かべて会釈した。
「隣いいかな?」ということらしい。俺が頷くと、吉田さんはゆっくりと腰を下ろす。
手に持っているのは湯気の立つ湯のみと、コンビニ弁当
いつもは手作りなのに珍しいなぁとぼんやり考えていると、それ以上の違和感に漸く思い至った。
「あれ、今日は眼鏡ですか?」
我ながらなんと鈍い、吉田さんの眼元が見慣れぬ銀縁のフレームで覆われているではないか
「ああコレ?実はずっとコンタクトだったんだけどね。昨日眼鏡に戻してみたんだよ」
「眼鏡よりコンタクトの方が楽じゃないっスか?」と俺が尋ねると、吉田さんは困ったように言った。
「僕はどうもそそっかしくてね、よくコンタクトのまま寝ようとしちゃうんだよ」
そこで言葉を切ると、吉田さんは軽くため息をついた。どこか具合でも悪いんだろうか?そう言えば
手に持っている弁当もあまり減っていない。
「…今までは、そう…僕がそのまま寝ようとするたびに注意してくれる人がいてね。その人のおかげで
僕はコンタクトをはずし忘れることもなかったんだ。口うるさく思ったこともあるけど、こうしてみる
と有難かったんだな」
吉田さんの言葉を俺はただ黙って聞いていた。その人は誰なんですか?とか今は何処にいるんですか?
とか、聴きたいことはいくつもあってけど何か聞いちゃいけない雰囲気に思えた。
「その人に、つい先日言われたよ。『お前コンタクトは止めて眼鏡にしろよ、もう毎晩コンタクトはずせって
言ってやれないからな』ってね。まさか最後の最後にそんな心配をされるとは思わなかった。」
そう言ったっきり、吉田さんは黙って窓の方に視線を向けてしまった。勝手に言いたいことを言って黙って
しまうなんて先輩とはいえそれは無いんじゃないかと、多少不満に思いながらも俺は吉田さんに目を向ける。
見慣れた吉田さんの優しげな顔にはやっぱり眼鏡が見慣れない異物のようで、表情が分かりにくいのが
俺には酷く不満だった。
目許が一瞬光って見えたのはきっとレンズの反射とかであって、別に涙が浮かんでいるわけじゃない
いつも穏やかで感情を荒げたことも無い吉田さんが、俺なんかの前で涙を見せるわけが無い
俺は視線を弁当に戻してハンバーグに集中しようとした。
けれど浮かんでくるのは
吉田さんがまた元通り笑ってくれるなら俺が誰かの代わりに「コンタクトを外さなきゃ駄目ですよ」って
毎晩でも口うるさく言ってあげるのに…なんて考えても仕方のないことばかりだった。
せつねぇぇぇGJでした
別れの台詞がいいね
まとめの人もGJ!お兄ちゃんに萌えた
*9時点でいいお題だなーと思ったけど、
*0も*0以外も豊作だった。ありがとう。
いいないいな!片思い好きだー!
小道具も効いてるし、GJです!
美味しくいただきました。GJ
287 :
風と木の名無しさん:2010/02/03(水) 13:18:28 ID:VC6ChRi4O
まわし
踏んでもいいんだよ
お道具。
幼馴染が大学に合格した。
とても喜ばしいことだとわかっているけど、どうしても本心から喜んであげることはできなかった。
地元を選んだ俺とは違い、あいつの志望大学は隣の隣の県。
ここから通うには遠い距離で、受かれば一人暮らしを始めると屈託なく言い出したときには、
言葉に詰まって体当たりでやりすごした。
引越日は今週末に迫っており、今日は片付けの手伝いに来ている。
通いなれた隣家の部屋は、もうひとつの自分の部屋のようだったのに、ダンボールがひとつ増えるたびに
余所余所しさを漂わせていく。
体の中がどんどん重苦しくなっていくのを無視して、普段どおりの態度でひたすらに手を動かした。
「ここも適当に詰めていいよな?」
「あー、頼む。ちょっとガムテ取ってくる」
階下へと遠ざかる足音を背に、俺はここぞとばかりに深く深くため息をついた。
のろのろと押し入れの中にしまわれていた衣装ケースや、積まれていた本を少しずつダンボールに移し替えていると、
奥の方に懐かしい色をした箱があった。
小学生のときに粘土や絵の具などをしまうのに使った、お道具箱だ。
その古びた箱を取り出すと、留め金が壊れていたのか、蓋だけ残してすべて落ちてしまった。
「あっ……」
畳に散乱する、様々な小物。
紙粘土で作ったゾウ、色紙で作ったワッペン、流行っていたキャラクター柄のシャープペンシルにノート、使い古した筆箱。
版画の絵や、割れたCDまである。
それらの全てに見覚えがあった。
それらは全て、俺があいつにあげたものだった。
足元に転がっていた、不恰好に半分に切られた虹色の消しゴムを手に取る。
これは低学年の頃、筆記用具を忘れた幼馴染に、はさみで切って譲ったものだった。
多彩な消しカスができるのが楽しく、とても気に入っていたのでよく覚えている。
散らばったものをひとつひとつ箱に戻すたびに、怒涛のように思い出がよみがえってきて、目頭がカッと熱くなってきた。
マズイと思ったときには、ダダダダダダと階段を駆け上がってくる足音が響いた。
「押入れは……っ!」
惨状を認識して、しまった、というバツの悪そうな顔をした幼馴染と目が合う。
ごまかしようのない状態の俺を見て、幼馴染はすっと表情を消した。
いつもどおりの自分で、なんでこんなもの残してんだよって、笑って言おうとしたのに、口がうまく動いてくれない。
喉の奥が痺れて、何も言葉がでてこない。
こんなのはあいつが困るのに。どうってことないフリをして、最後まで笑って見送るつもりだったのに。
ようやく喋られるようになっときには、零れた涙は抱きしめてくるお前の腕が痛いからだと言い訳をした。
>>290 うあああ
お題見て当然アッチの「お道具」だと信じて疑わなかった私を許してくれ
萌え悶えたGJ!
怒濤の萌えが来た……!切ない季節が憎いぜこんちきしょう!
GJ!GJでした!
目の前に情景が浮かんだわ…。GJ!
来月あたりあちこちでこんな事が起こるんだろうな……
GJでした
男同士ではあんまり起こらないと思うけどねw
消化レス2つだけでここまで書けるのってすごいなー GJ
踏まれます
馬鹿が風邪ひいた
友達が風邪ひいたみたいでさ。
一人暮らしだから、と言ったコイツの手には、救援物資と思われる物が入っているスーパー袋が下がっていた。
「風邪なんか引かないような馬鹿なんだけどな。」
困った様に、でもどこか嬉しそうに笑って緩む頬を夜の冷たい風が撫でていく。
風邪っ引きの病人の世話がそんなに楽しいのかよ。
そのトモダチとやらに会えるのがそんなに嬉しいのかよ。
そんな言葉が喉まで上がってくる。
ああ、この道を通らなきゃ良かった。
そしたらコイツに出くわさなかった。
嬉々として他のヤツの看病に向かう姿など、見なくて済んだ。
「んじゃあオレそろそろ行くわ。アイツ瀕死みたいだし。」
踏み出された一歩が人通りの少ない道に音となって響く。
足音はゆっくりゆっくり遠ざかり、何故か途中で止まった。
「…?」
振り返ると、遠い視線の先でアイツが声を上げた。
「お前も風邪引くから早く帰れ!最近の風邪は馬鹿にも容赦ねーぞ!」
遠目にもわかるくらい笑って手を振る姿にぐっと胸が熱くなる。
やっぱり好きだ、渡さない、渡したくない。
「もしオレが風邪引いたら、そんときゃ看病頼むぜ!」
わずかな期待を数メートル先に投げかけた。
王道で良かったです!青春だ!
まとめも力作でした!
この甘酸っぱい感じ何?そうだ、
>>301青春だ!
何故か和んだ。GJでした!
さわやか!GJ
和んだ〜GJ!
風邪なんかひかなくても構ってくれるといいね〜
302
そうそう、なんかムズムズするこの青臭い感じがいいw
GJ
そろそろまわしてもいいだろうか
規制されてる人が多いのかな
踏むなよ……絶対に踏むなよ……
手袋
「寒い、さむい、サームーイー!」
横でギャーギャー言っている相手を一瞥して、俺は深いため息をつく。
「うるせぇ、喚くな、みっともねえ」
「だ、だってよ、寒いもんは寒いんだよ!それともナニか?お前寒くないのかよ?」
「ああ。どっかの誰かと違ってちゃーんと準備してきたからな」
呆れの混じった声で返すと、ぐっと言葉を詰まらせる。
季節は冬、そして時間は夕暮れ近く。
いくら日中は暖かかったからとはいえ、映画の終了時間から逆算すれば帰る頃には気温が下がるとバカでも判るはずじゃないか。
なのにこいつはコートも着ないで待ち合わせ場所に現れた。
帽子かマフラーか手袋くらいは持っているかと思ってたけど、そんなの全然用意してないと、日も既にとっぷり暮れた帰りの電車の車中で言ってきやがった。
――お前、本気でバカ以下だな。
「……仕方ねえな。手袋でよけりゃ貸してやろうか?」
横で喚かれ続けてんのもうるせえし、このままじゃ話も出来ない。
「え?マジ?ホントに?」
「マジ。だからいい加減黙れよ」
嬉しそうな声を聞きながら右手だけ手袋を外すと、俺はそのまま相手に向かってぽいっとそれを放り投げた。
「うお、サンキュ……て、片手?」
「贅沢言うな。俺だって寒い」
じろりと睨みつけてやると、不満そうな顔しながらもしぶしぶそれを手に嵌めている。
それが終わって両手が開いたタイミングで、俺は右手を相手に伸ばすと片手をぐいっと引っ張り寄せた。
「わ、な、なんッ!?」
慌てたように騒ぐのを無視してダウンジャケットのポケットに自分の手を入れる――無論、掴んだものは離さずに。
「行くぞ。もうバスねえんだし、あんまり遅いと明日に響く」
「あ……お、おう!」
もう一度だけ右手に掴んだ冷たいものを握り直して、俺は……いや、俺たちは暗い夜道を歩き出した。
311 :
310:2010/02/08(月) 19:17:04 ID:mORWzfBK0
ミスった……。
逆算→計算 です。
GJ!!!
なんかすごい萌えがきた
情景が浮かぶ
このネタ、二次サイトで見たんだけど…
シチュが良く似てるんだけど
よくあるネタ?
手袋分け合いも
自分のポケットに相手の手をお招きするのも
冬の基本ネタだと思うけど、それ以外のこと言ってるの?
315の挙げてる2点については自分もテンプレ(だがそこが良い)だと思うよー
とにもかくにも萌えた!愛すべきおバカとクールツンデレ、大好物だ
んでもって対応の早さに驚いたw GJ!
王道ネタ万歳!まとめの方の夫婦もよかった!GJ!
ふんでもいいのよ
新ジャンル ヘタレヤンデレ受け
顎痛い!腰痛い!攻めの馬鹿少しは手加減しろようわああん!
…ごめんなさいごめんなさい2回戦は無理無理っていうか絶対無理!
いやー!おかーさーん!!!
って、冗談でも止めてくれ…お前の目本気すぎて分からねぇよ!!
ん、ああ、その赤い糸、まぁ糸っていうより紐?もしろ縄?
それ昨日買ってきたんだった。
これ何に使うかって?
ほら、俺が前にさ、海行きたいって言ったじゃん。
そん時に使おうかなって…何にって?
これをさ、俺とお前の手と足にぐるぐる巻いてガッチリ縛るの。
あ、手はもちろん繋いでてな。
で、一緒にキスしながら海に飛び込む。
にゅうすいじさつ、二人は死んでも離れない。
きっと呼吸できないから苦しんで苦しんで死ぬと思うんだけどさ。
一面真っ青で水泡が俺たちを包んで、お前の黒い髪の毛がゆらゆら揺れるんだ。
どんどん沈んで、青から黒くなる海底でお前の辛そうな顔見ながら死ねるなら全然良い。
こんな幸せな死に方出来るなんて最高だよな!
まぁ水の中だからいつか赤い糸も腐食して俺たちの体も腐食して離れるかもしれないけど。
一人で、俺の知らないところでお前が死ぬよりも、お前のいないところで俺が死ぬよりも、な。
…まぁね!俺は元からカナヅチで去年の夏お前と海に行ったら溺れてリアルに死にかけたことあるもんね!
その時の体験談からじゃないもんね!
泣いてないもんね!
これは心の汗だもんね!
…水の中って静かなんだよな。
水中だから叫ぶことも出来ないし、段々体も動かなくなるし、苦しくて辛くてでも一人きりだし。
あん時、助けに来てくれたお前見て、死ぬなら二人が良いなぁって思ったんだ。
だからさ、お前が俺と一緒に心中してもいいと思ったらで良いからさ。
いつか俺と一緒に、死なない?
おー、新しい世界だw
GJ
GJ!これはいい新世界
ヤンデレなのにどこか可愛いのはヘタレだからか
上手いな!ちゃんと病んでるしヘタレてる。GJでした!
>>320 GJ!
溺愛ロジックが瞬時に脳内再生されてしまった。
病んでるのになんか明るいw素晴らしい
乙です!
萌え悶えの良スレ発見。
姉さん方仲間に入れてくれ!
ヤンデレ萌えましたGJ!
新しい世界、というかジャンル?に目覚めますた。
GJ
俺の屍を超えt(ry
エロゲオタ×ロボオタ
「ロボってさ、人類の掛け値なしの友達だよな」
彼の言う“ロボ”の指すところ。
それは狸そっくりの青いネコ型ロボットであったり、
とんがり頭で空を飛ぶ、十万馬力の少年ロボットである。
その延長線上で、某車メーカーの開発する
『中の人』が居るかのごとし滑らかな二足歩行をする白いロボには大興奮していた。
「生身の人間なんか、最初から期待していないよ」
そう嘯く彼の恋人。
なんだか色々有ったらしいが、その事について語ることはない。
彼から敢えて聞くこともしていない。
耽溺するのはもっぱら二次元の美少女で、
事あるごとにモニタの向こう側に行きたいと呻いている。
「機械生命体が本当に誕生したらさ、
多分、かなりの確率で人類と敵対すると思うんだよね」
彼の突然の言葉に恋人が怪訝な顔をする。
「駄目っぽいのが前提なのか」
「まあね。でも希望は持ちたいじゃない。
成り立ちが全然違う者どうしが、
それでも分かり合えるって未来は単純にステキじゃない」
「信じてないけど期待は捨てきれないのか。往生際が悪いね、お前も」
「三次元はクソゲーだ!って言ってるのに僕の隣に座ってる君もね」
口調は柔らかくも意外とキツイ言い草にしばし絶句する恋人。
「結構似たもの同士だなあ、俺ら」
「かもしれないね」
「まあ、うん。なんだかんだ言って皆救われてトゥルーエンドなのが好きだしなあ、俺も」
「……うん。
明日どうなるかわからないけど、今日もよろしくね」
隣り合って座るソファ。
ずっと繋いでいた手を、どちらからともなく強く握った。
上手いな。こんなにしっとりとした*0が来るとは思わなかった。
対比と共通項の着想がいいな。これはGJでした!
次からは気をつけてね
まわし
まわし
GJ
個人的には難しいお題だなあと思ってたんだけど、うまかった。
何に気をつけるのかはわからないけど。
GJ
うまくても萌えられなきゃ感想つかないんだよね
このお題は流れるかな、と思ってた
可愛いなこの二人
さぁ踏め!踏んでください!ぶってください!
新米保育士×シングルファーザー
「くっらえー、フォースクラァーッシュ!」
「い、痛い痛い!」
うむ、見事な飛び蹴りだ。さすが俺の息子。
「見てないで助けてくださいよ!」
お前な、いくらペーペーとはいえまがりなりにも保育士だろう。子供に蹴られたくらいで泣いてどうするんだ。
「今の蹴りは、もう少し着地を華麗にすると完璧だった」
「はーい!」
「あおった!? 息子の暴力行為あおったよこの親! ……ぎゃー!」
お前バカだろ。その前モーションでラリアット飛んで来るの見え見えじゃんか。よけろよな。
こいつ絶対保育園でも子供にボール投げの的とかごっこ遊びの悪役にされてる。
体細いし顔も優しそうだし、カモだよな。いやまあ、実際優しいけどな。
「二人とも、そこまでだ。夕飯できたぞ」
「あ、はーい! 僕運びます!」
ボロボロになりながらも、あいつはすぐにすっ飛んできて食卓の準備をはじめた。
息子も、ちゃんと箸を並べたりとお手伝いをしている。いい子だ。
「わ、ロールキャベツだ。僕これ好きなんですよね」
「パパが今日久しぶりに兄ちゃんが遊びに来るからって……ナンデモナイデス」
うん、ちゃんと空気も読めるようになったんだね。パパは嬉しいよ。
「そういえば、ここしばらくはなかなか会えなかったっけ。忙しくって」
あいつは納得したようにうなずく。……お前はもう少し空気読め。5歳児に負けてどうする。
「ごちそうさま!」
「ごちそうさまでした。おいしかったです」
なんだかんだで、和やかに夕食の時間が終わる。
「あ、僕食器洗いますよ」
「それは俺がやる。お前らはさっさと風呂入れ。汗臭い」
二人を風呂場に押し込んで、ふっとため息をつく。
久しぶりだっていうのに、まずは子供かよ。ないがしろにしたら即刻たたき出すんだが、それでも腹は立つ。
まあいい。まだ夜は長いしな。
二人ぶんの着替えを用意して、脱衣所に置いておく。水音にまぎれて、二人の会話が聞こえてきた。
「パパねー、結構さみしがってたんだよー。カレー大量に作ったりとか」
「カレーは日持ちするからね。バリエーション出せるから飽きないし」
「カレンダー見ながらブツブツ言ってたり」
「お仕事が忙しいとそうなるんだよ。休みが欲しい〜ってね」
「用もないのにドア開けてみたりとか、ポストのぞいたりとか、メールチェックしたりとか」
「それ、寂しがるって言うかなぁ」
「だって、ママがいなくなってもそんなことしなかったもん、パパ」
……お前ら、KY罪と個人情報漏洩罪でおしおきな。
プチッとお風呂場の電気を切ると、風呂場から悲鳴が上がった。
かあわいぃぃ〜しかも早くてびっくり
GJ!
>>330 GJ!
攻にとって受は「特別」というより「例外」な感じなのかな、とか
血の通わないモノが好きだけど人の温もりを愛せる二人とか、深読みで萌えますた。d!
>>340 GJ!
可愛さ余ってのイタズラって凄くツボ。
最後のお風呂場の悲鳴が可愛いなぁ。dですた!
早いなあ。可愛いし萌えた
正直に喋る子供可愛いな。おいしいな
>>343 フォローしたいのかもしれないけど前周の*0への感想は
まとめのGJスレへするのがルールなんじゃないかい
子供って正直すぎるところが良いところだよね
(むかつくときでもあるが)
可愛かった
>>345 最近レスがバーッとつかないから大丈夫だと思うけど
これもまとめのチラシの方の方がベターだったかも?
でも気持ちは伝わったぞ!
子ども可愛いな。GJでした
ねえねえ、*9に踏まれるのってどんな気分?どんな気分?
>>349 ああっ! 踏んで! もっとグリグリ踏んでくらさいぃぃぃぃっ!
欲求不満
二周連続スマソ
「おはようございます」
「ああ。昨日はよく眠れたか?」
「はい、おかげさまで」
「……そうか」
つまり、お前は俺が隣に寝ていてもぐっすり快眠できるってわけか。期待した俺が馬鹿だったよ。
子供のいる前でおっ始めようものなら即刻たたき出すんだが、腹立たしいのには変わりない。
「おはよう!」
「ああ、おはよう」
おっと、息子が起きてきた。説教モードはまた今度だ。
「あれ、珍しいね。普段はもっと遅くまで寝てるのに」
「うん。今日はね、みんなで遊びに行くんだ。8時半に公園に集合なの」
「どこに行くの?」
「博物館にね、機関車見に行くの」
「ほら、集合に遅れるぞ。朝ごはんだ」
「はーい!」
朝ごはんをしっかり食べさせて、リュックに弁当や水筒をつめて、遅れないように家から送り出す。
このあたりは田舎なだけあって治安は割といいので、一人で出すのもあまり怖くない。よかった。
「……さて」
ドアを閉めて、あいつの待つリビングに戻る。これで、二人きりなわけだ。
子供がいつ起きるか分からない以上、夜でもヤるわけにはいかないが、今日はかなり遅くなる。
絶好の機会に、体がうずく。
「あ、食器、洗っておきましたよ!」
「ああ、ありがとう。助かるよ」
ソファーに座ると、片付けの終わったあいつもいそいそとやって来て俺の隣に座った。
……ポテチを抱えて。
「朝ごはん、足りなかったか?」
「いいえ、せっかく二人きりだから、一緒にDVDでも見たいなって思って」
面白そうなのがあるんですよーとあいつが取り出したのは、お笑い芸人のDVDだった。
そういえば、こいつはお笑いが好きだったな。
「……つまり、お前は俺と二人でお笑いを見て笑いたい、と」
「はい! 好きな人と一緒に笑って過ごせるのって幸せですよね」
痛む頭をおさえて、確認のためにもう一度質問をする。
「ちなみに、昨日俺と一緒の布団で寝たことについてのご感想は?」
「あなたを抱きしめて眠れたのですっごく幸せでした。……あの、苦しかったですか?」
「ああ、苦しかったとも。主に下半身がな」
「あ、足回しちゃいましたか。すみません。でも、何だかすごく安心したんですよ、昨日は」
ニコニコと幸せそうに笑うその顔に、俺は頭のどこかがプチリと切れるのを感じた。
……そうか。この常春野郎め。そんなんだから彼女いない歴が年齢とイコールなんだよ。
「……つまり、現時点までで俺に手を出す気は皆無というわけか」
「え? だって、せっかくの休みですし、疲れさせたら申し訳ないかなー、と」
「お前と二人きりで何もできない方が生殺しで精神的に疲れるんだっ!」
ポテチとDVDを手の届かないところに放り投げる。
「さあやれ。今すぐやれ。出なくなるまで俺の中に出せ」
「え、で、でも」
「……俺を抱くのは、嫌か?」
「いえ、その……ク、クセになりそうで、でもあの、やりすぎるとあの、あなたが辛いかと」
真っ赤になってうろたえる、最高に愛しい馬鹿野郎を引き寄せてキスをする。
「クセになれ。俺に溺れろ。……子供の前でやらなければ、お前は俺に何をしてもいい」
「……はい」
ようやく、これで満たされる。
期待を込めて、俺は差し込まれた舌に自分の舌を絡めた。
GJ
いやほんとマジでGJ
続き見れるなんて思いもしなかったから嬉しい
GJ!
萌えすぎわろた
うまいそしてエロい
朝から良いもの見させてもらいました
心の底からGJ!!
今まで二連続でとるのってたいがい自重されてきたもんだけどね
ルールで禁止されてはないけどそこは良識の範囲内っていうか
しかも続きものをふつーにやっちゃいますか
>>355 そんな嫌みったらしく書かなくても
続編はまとめサイトでって>>1に書いて無い?
まあ、
>>1嫁ってことだね
>>1の注意事項五つ目
>■*0以外の萌えた方、*9より24時間経過後に萌えた方、投下者による続編は
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
まとめサイトの「0さん以外の人が萌えを投下するスレ」に投下して下さい。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
あのネチネチ感漂う空気の中書いてくれただけでありがたいけどね
ただでさえ嫌味言うためにスレに貼り付いてる粘着のせいで書き辛い雰囲気だというのに
むしろ状況に応じてルールの方が対応していかなきゃならないんじゃない?
さて踏んでください
兄さんの恋人
読書に勤しむ兄を見つめる。
眼鏡の奥につつましく並ぶほどよい長さのまつ毛が、ひらりひらりと瞬くのを飽きもせず見続ける。
兄は一度集中すると、脇目も振らずそれだけに没頭してしまうので、俺が見つめていることに気付きもしない。
週末の夜のくつろぎタイムでありながら、背筋をピンとのばしてダイニングテーブルと揃いの堅い椅子に腰かけている。
やわからいソファはあまり兄好みじゃないらしい。一緒にDVDを見るとき以外に、兄が座っているのを見たことがない。
たまにはだらしなく寝そべってくれれば、普段は触れにくい膝裏から尻へと続くラインを堪能できるのに……。
服の上からゆっくりと、筋肉の動きのひとつひとつさえこの手に刻みつけるように撫でまわしてしまいたいと夢想しつつ、
机につっぷして眠ってるふりのスタンスを崩さず兄を見上げる。
本は相当面白いらしい。
傍らに置かれたコーヒーはとうに冷めており、ひっきりなしに黒い瞳が文字を追って上下している。
眼球の白い部分がチラチラと光り、舐めてみたいと思った。
きっとつるりと硬質でありながら、それでいてぬるく柔らかく舌を弾くのだろう。
涙の味がして少ししょっぱいに違いないのに、たまらなく甘く感じるのだろう。
怒りながらも怯えを滲ませて嫌がる兄を組み敷き、こぼれる涙を存分に啜って、塩辛くなった口直しに
薄い唇をこじ開けてめちゃくちゃに口腔を犯してしまいたい。逃げる舌をどこまでも追い求め、痺れるほどにねぶりたい。
欲望に犯されたあさましい想いを込めて兄の唇を見つめると、ほんのり耳の先が色付きはじめているのに気付いた。
頬がうっすらと血の気を感じさせる程度に染まり、先ほどよりもさらに美味しそうに瞳が熱っぽく潤んでいく。
俺の欲望に呼応するかのように、兄の身体が変化を見せはじめる。
触れてはいない。
ただ見つめているだけ。
それだけで、俺の発情のサインを受け取りでもしたのか、ゆるゆるとほどけていく兄の身体は、まったくの
無自覚であるからこそ穢れなく、無垢な色香に満ちている。
俺が指摘しないかぎり、兄は自らの変調に気付くことはほとんどない。
言及してはじめて、心底驚いた表情を見せる。
自分の身体の変化に不思議そうな顔をして、しかし確実に起きている反応に動揺している兄の様子は、
突き上げる欲求を抑えるのが大変になるとわかっているのに、何度でも見たくてたまらない。
言ってしまおうか、『兄さん、顔赤い』って。『エッチなシーンなんだ?』って聞いてみたい。
眉間にしわを寄せて、馬鹿なことを言うな、って叱られることはわかっているけど、そろそろこっちを向いてほしい。
「――なんだ?」
「えっ」
ふいに声をかけられて、思わず返事をしてしまった。
兄は本から視線を離さずに、淡々としている。
「寝てたかと思えばぼんやりして。どうかしたのか?」
普段と変わらず物静かな態度で、それでいて上気した頬は変わらず色めいていて、ちらりと流された視線に
胸の奥とジーンズの中に切実な痛みを覚えた。
その兄貴然とした鉄面皮を快楽に歪ませて汗と涙と唾液と精液でグチャグチャのドロドロに汚してしまいたい、
などと言えるはずもない。
理性と倫理と常識の塊で、普通という枠組みからはみ出ることを極端に嫌う兄には、とうてい受け入れられるものではない。
長く兄を、兄だけを見つめてきた兄フリークである俺は、兄の性格を熟知している。
妄想が現実になったとき、兄はたぶん、いやきっと間違いなく、死を選ぶだろう。
だからまだその時ではない。
行動に移すのは、兄に恋人ができたとき。そう決めている。
そのときが早く来ればいいと思いながら、このままずっと一緒にいたいと願った。
おおおおーすごい耽美(耽美でいいのか?)
濃厚と背徳って感じ!
gj!!
まさかこんな内容になるとは!
雰囲気が好みすぎる
弟が形容する兄さんもキャラとして萌えるわ
これじゃ萌える!GJGJ!
えええエロいいいGJ
読んでるこちらが紅潮しました。GJ!
弟の隠れ倒錯っぷりも兄のストイックなかわいさももすごく良かった!!!!GJです!!
お踏みなさい
しつこくアピール
なあケンジ、一緒にお昼食べようぜ!
「うるさいなぁ、読書の邪魔するなよ」
なんだよ冷たいな、ちょっとくらい構えよ。俺一人じゃ退屈なんだぜ。
「はいはいいい子だから巣に戻ろうね」
あ、こら、暴力反対! 俺はお前と違ってかよわいんだぞ!
「あーもううるさいな、腹減ってるのか? ほら」
いやお腹はそこそこ減ってるけどさ、お前と一緒に食いたいの!
「何だよ、わっかんない奴だな……あのな、俺は、この本を読みたいんだ。
だから、邪魔しないでくれ。な?」
ひ、ひどい……俺よりもそんな紙切れの束の方が大事だってのか!?
いじめだ! 虐待だ! 俺はこんなにお前のことを愛してるのに!
「あーもう、言って聞くとは思わなかったけど……」
そうそう! 本なんか置いて、俺と一緒に遊ぼう! そして二人きりで……
バサッ。
鳥篭に黒い布をかける。やかましいさえずりが小さくなって、俺は小さくため息をついた。
「なつくのはかわいいけど、あいつ自分のこと人間だって思ってるんじゃなかろうな」
そういえば、長く人間に飼われた動物は、人に対して性的アピールをすることがあるという。
カナリアの囀りって、確かメスに対するアピールだったよな。うん。
「ま、いっか。読み終わったら遊んでやろう」
うるさいこともあるけれど、小鳥が拗ねたり甘えたりする仕草って意外に可愛い。
何だかんだで俺も甘いような気がするけれど、ま、可愛いものは正義だ。うん。
ソファに座ってしおりをはさんだページを開く。こういうのんびりした日も、いいもんだ。
あらかわいい
GJでした!
GJ!
ご主人大好きな小鳥さんかわいいなー!
361 名前: 風と木の名無しさん [sage] 投稿日: 2010/02/15(月) 13:34:14 ID:j/7oIWE+0
欲望に犯されたあさましい想いを込めて兄の唇を見つめると、ほんのり耳の先が色付きはじめているのに気付いた。
頬がうっすらと血の気を感じさせる程度に染まり、先ほどよりもさらに美味しそうに瞳が熱っぽく潤んでいく。
俺の欲望に呼応するかのように、兄の身体が変化を見せはじめる。
触れてはいない。
ただ見つめているだけ。
それだけで、俺の発情のサインを受け取りでもしたのか、ゆるゆるとほどけていく兄の身体は、まったくの
無自覚であるからこそ穢れなく、無垢な色香に満ちている。
俺が指摘しないかぎり、兄は自らの変調に気付くことはほとんどない。
言及してはじめて、心底驚いた表情を見せる。
自分の身体の変化に不思議そうな顔をして、しかし確実に起きている反応に動揺している兄の様子は、
突き上げる欲求を抑えるのが大変になるとわかっているのに、何度でも見たくてたまらない。
言ってしまおうか、『兄さん、顔赤い』って。『エッチなシーンなんだ?』って聞いてみたい。
眉間にしわを寄せて、馬鹿なことを言うな、って叱られることはわかっているけど、そろそろこっちを向いてほしい。
「――なんだ?」
「えっ」
ふいに声をかけられて、思わず返事をしてしまった。
兄は本から視線を離さずに、淡々としている。
「寝てたかと思えばぼんやりして。どうかしたのか?」
普段と変わらず物静かな態度で、それでいて上気した頬は変わらず色めいていて、ちらりと流された視線に
胸の奥とジーンズの中に切実な痛みを覚えた。
その兄貴然とした鉄面皮を快楽に歪ませて汗と涙と唾液と精液でグチャグチャのドロドロに汚してしまいたい、
などと言えるはずもない。
理性と倫理と常識の塊で、普通という枠組みからはみ出ることを極端に嫌う兄には、とうてい受け入れられるものではない。
長く兄を、兄だけを見つめてきた兄フリークである俺は、兄の性格を熟知している。
妄想が現実になったとき、兄はたぶん、いやきっと間違いなく、死を選ぶだろう。
だからまだその時ではない。
行動に移すのは、兄に恋人ができたとき。そう決めている。
そのときが早く来ればいいと思いながら、このままずっと一緒にいたいと願った。
実は獣でした的ネタは結構すきだ
かわいいよ小鳥かわいいよGJ
小鳥がピィピィ囀ってるの想像して和んだ
かわいい!
可愛いねえ!GJ!
規制も解除になったことだしまわすよ
踏んでもいいスよ
ゴリラを見に行きませんか?
ゴリラを見に行きませんか?
涼やかに吹き抜ける風がカーテンを揺らして窓を通り過ぎていくのが心地よい昼時
ベッドに上半身を起こしたヨウジはそう言って微笑んだ。
日にあまり当たらない白い肌が、申し訳程度に差した日の光にあたって綺麗に透けている
のが何だか妙にまぶしい
ゴリラってお前、そんな見るからにか弱い容姿で何言ってやがる
どうせ見に行きたいとか言うなら、もう少しなんかこう…鳥とか魚とか蝶とか…
繊細なものが他にもいろいろあんだろうが
俺がそう言い返すと
シンヤ君、ゴリラは絶滅危惧種なんですよ。十分繊細じゃないですか
ヨウジはなにやらわからないことを言い出したが、知ったこっちゃ無い
幼いころから今に至るまで、図鑑だの分厚い専門書だのを読んでばかりいるコイツの感性は少しズレて
いると俺は常々思う
いわゆるいいところの次男坊でおっとりした性格のヨウジは、幼馴染の俺に対しても丁寧に接してくる。
おかげで子どもの頃は随分とからかいの対象にしたものだ。
もっともそんな日々はヨウジの体がここまで弱るまでだったが…
そんな俺の感傷など知る由もなく、ヨウジの語りはアフリカの原生林の中で悠々と生きるゴリラを
如何にして観察するかまで発展していた。
なんでも休学している大学の先輩だか教授だかが現地にいるらしい
でもアフリカってお前、いきなり飛ばしすぎだろ。行くなら動物園あたりにしとけ、つーか目にお星さま
浮かべすぎだから、子どもかお前は
わかったよ…そのうち俺も一緒に行ってやるよ、アフリカ行ってみるんだろ?ゴリラ
俺が諦めてそう言うと、ヨウジはそれはもう喜んで花が咲いたみたいに笑った。
そうだよ、お前の為ならアフリカでもどこでも行ってやる。
…だからまだもう暫くは俺の傍にいてくれよ
あれから数年が過ぎて、俺はアフリカの大地に立っていた。
すべてはアイツとの…果たせなかった約束を果たすためだ。
俺の傍にいてくれとあの時あんなに強く願ったのに、結局ヨウジは遠くに行ってしまった。
馬鹿野郎、一緒に行こうって約束をアッサリ破りやがって
まさかヨウジがあそこまで思いつめていたとは俺も、アイツの家族も気付かなかった。
もう自分の人生がそう長くはないことを悟っていた奴はため込んでいた貯金をすべて使い
手紙だけ残して単身アフリカへ
上手い具合に現地で先輩とやらと合流した奴は、ちゃっかりそこへ住み着いてしまったらしい
まさかヨウジにそんな行動力があったとは…
しかも現地にいる間にみるみる体が丈夫になったとか、馬鹿じゃねーの?漫画かよ
『こっちの空気が体に適応したようです』
なんて手紙に書いてあったけど、普通はあり得ないから
まあ俺はお前が元気ならそれでいいんだけどな
そっと目を細める俺の視界に、待ち合わせをしていたヨウジの姿がうつりこむ
数年ぶりに見る姿はすっかり健康的に日焼けしていたけど、笑顔はそのままなのが妙に眩しかった。
さあ、約束通り身に行こうぜ…ゴリラ
大事なところで変換ミス乙。
バッドかと思ってたから安心した!
と共に萌えました。ほんとGJ!
お題目を見てどんなトンデモ設定が出てくるかと思ったら
普通に萌えました GJ
現地の先輩との三角関係を妄想してしまいますた
律儀な語り手とどうにかなっちゃってくださいw GJ!
自分もバッドだと思ってたw
バッドでも好みだけどもw
遠くに行っちゃったって、本当に遠くなだけかw
幸せになれよ、GJ!
健康になってよかった
幸せになってくれー!
GJ!
GJ
こういう面白いお題もいいね
さぁ、踏みつけてください!
四十にして惑わ“す”
「はぁ……私もついにオジサンの仲間入りか」
苦笑しながら鏡を覗き込む彼の顔は、多少シワが刻まれたものの多分に稚気を漂わせていた。
いくらアジア系の人々が年齢より若く見えるといっても、彼のはありえなさすぎだ。
もっとも、本人にそう言うと「そんなことはないですよ」と返されるだけなのだが。
「40でおじさんだなどと、あなたは生涯を60年程度で終わらせる気ですか」
「いや、違いますよ。久しぶりに日本に帰ったら、近くの子供にオジサンって呼ばれたんです」
苦笑して再び鏡に向かい、ひげでも伸ばすかな、と呟く。
それだけはやめてくれ。せっかくの愛らしいベビーフェイスが台無しだ。
「ハハ、40になったはずなのに、こんな言葉で惑うとはな。私もまだまだだ」
その呟きの意味が分からず首をかしげた私に気付いたのだろう。彼は柔らかく微笑んで説明してくれた。
「40歳のことを不惑って言うんです。孔子の言葉にちなんでいて……」
私は東洋に足を伸ばしたことはない。それどころか、この屋敷から出たこともほとんどない。
私にとっての東洋は、彼が生まれ育った場所というだけで、それ以上の何物でもないのだ。
この屋敷が私の世界の全てで、彼は私のいるここを選んでくれた。それだけだ。
「……それなのにまだささいな言葉で惑わされるなんて。ああ、修行が足りない」
はぁ、と少し落ち込んだ表情でため息をつく。
そういったささいな表情の変化がまるで子供のようで、私の目を太陽よりも鮮やかに魅了する。
私の倍以上も生きているこの家庭教師は、私よりも多くのことを知っている大人であるにも関わらず
私よりもよほど幼く見え、さらにしばしば子供のように愛らしい仕草や言動を見せるのだ。
そのアンバランスさがたまらなく私の心をかき乱すということを、きっと彼は知らない。
彼の小柄な体を組み敷いて、私の中で暴れ狂うこの劣情の全てを注ぎ込んでやりたい。
快楽に震えてあえぐその顔はきっと、この世の何よりも私の魂を幸福と満足で満たし震わせるのだろう。
湧き上がる支配欲は、しかし私の全てを受け止めてくれるその広い心のために満たされることはない。
それでも、そのささやかな言葉に、さりげない仕草に、私は夢想するのだ。
彼が私に支配される悦びにその身を振るわせるという、ありえないその光景を。
私が彼と同じ年になった時、私がそのような妄想に取り付かれないという保障も、自信もない。
私が敵わない彼ですら、惑っていると感じているのだ。きっと私にも無理だ。
もっとも、その最大の原因は彼なのだが。
オードリー・ヘップバーンの言葉は真実だった。恐らく彼は、これから先も私を魅了しつづけるだろう。
若さに萌える輝きでも、宝石のように磨かれた美しさでもない。
彼であるからこその、魅力。私を惑わせ、それでいて堕とすことはしない、残酷なまでに無邪気な誘惑。
「では、私と一緒に修行しますか? 私も、あなたくらいの年には惑うようなことはないようになりたい」
「そうですね。せめて私の生徒には、立派な男になってもらいたいものです」
ふわりと笑みを浮かべるその姿は、何よりも強く私の心をかき乱した。
うぉおおー、萌えたー!GJ!
オッサン受けが大好物の自分には実に美味しいリク&SSでした
無意識に惑わす四十と惑わされまくりの十代かわいいよ
年齢差たまらない
端正な二人の雰囲気も好きだ GJ!
GJ!二人の微妙な関係性が耽美的でたまらん・・・。
まわすよ
まわします
まわします
どうぞお踏みになって
あの古いアパートで
あ、もしもし?
や。元気か?
元気ですよ。そっちは?
相変わらず。初日おめでと。
ありがとうございます。にぃさんもお稽古頑張ってくださいね。
ああ、わかってるって。
先生や皆さんに迷惑かけちゃダメですよ?
わかってるって。
でもどうしたんですか、急に。にぃさんからかけてくるなんて珍しい。
いや…。今日、久しぶりに電車に乗ってな。
へえ?
窓から、あのアパートが見えた。
…それって、僕が住んでた?
ああ。
そっか、懐かしいな。まだあるんだ。
まだ人住んでるみたいだったな。
へぇ…だって、相当古いですよ?
そうだな、お前がデビューする前からあるから…最低築30年近いか。
よく遊びに来たよね。こんなボロアパート、とか言いながら。にぃさんあの頃から口悪かった。
だってボロかったろ。
そうだけどさ。でも一番にぃさんが泊まってった。楽しかったなぁ。
そうか? 俺以外泊まる奴いたのか?
そういえば、いなかったかな…?
だろ。思えばあそこから始まったんだなぁ。
ゴールデンコンビが?
そうそう。
…それで?
ん?
それで、思い出したから?
…ああ。
…そっか。
……………なぁ、お前、まだ…。
あ、ごめんなさい、電源切れちゃう。またかけ直していい?
…ったく、しょーがないな。
うん、ごめん。充電したら、また電話するね。
…ああ、待ってるな。
じゃ、ひとまず、おやすみなさい。
おやすみ。
わっふるわっふる
カギ括弧がなかったので、
てっきり一人の会話で相手側の会話がないやつかと思った。
それにしちゃ、敬語になったり、態度がでかくなったりするので、
おかしいなと思ったら、まとめで二人の会話だと確認したw
一昔前のあの曲が頭をかけめぐったが、曲名忘れた。
まわる?
まわそうか
404の頭の中をかけめぐった曲が気になる
あなたになら、踏まれてもいいよ…
フツメンヒーローとイケメン戦闘員
410 :
1/2:2010/02/26(金) 19:55:16 ID:BXPoOhDI0
正義のヒーローモチツキマンは大忙し。
今日もモチツキグリーンが商店街を歩いていると……。
「るんたったー♪るんたったー♪」
「くっくっくっ楽しそうだなモチツキグリーン」
「えと、どちら様でしたっけ?」
「地球の平和は俺達が乱す!悪の組織紅生姜団のイケメン戦闘員小林です」
「ああ、先週お会いした?」
「ここで会ったが百年目、お前を捕まえてグリグリしてやる」
「俺、地味だし普通だし、せっかくならレッドとかレッドとかレッドとか狙ったら?」
「そんな!グリーンだって立派なヒーローだし、カッコイイとおも……つか、さりげなく仲間売るなw」
「それに俺、今日パン教室の日なんで戦闘は無理そうなんですけど」
「話聞け」
「俺……パン教室……楽しみに……」
「あーじゃあパン教室一緒に行きますよ。戦闘はそれからって事で」
「ありがとう!えーと……中林さん?」
「紅生姜団が誇る世界が嫉妬するイケメンフェイス小林です」
「じゃあ一緒に行きましょう小林さん」
「はいw」
411 :
2/2:2010/02/26(金) 19:59:31 ID:BXPoOhDI0
「今日はウグイスパンの日なんですよ!」
「へー、ところでモチツキグリーンはオナニーとかするの?」
「えっ!?な、な、な、何を言ってるんですか!!!」
「いや正義のヒーローもオナニーするのかなってw」
「そういうの良く無いと思います」
「悪の戦闘員だからいいんです」
「せ、正義のヒーローはそんな事しません!」
「えー嘘だー目が泳いでるしぃー顔が赤いしぃー」
「しないったらしない!レッドだってしない!」
「はあ?何でレッド?今はグリーンの話だろ」
「だってレッドは俺の憧れだし、俺と違ってカッコイイし、正義のヒーローって感じだし」
「へー……」
「それにレッドはすごく優しいんだよ!大林さんと違ってイジワル言わないから!」
「やめた」
「え?」
「やっぱりパン教室は中止です」
「だ、騙したのか俺を……何て卑怯な!」
「卑怯でいいですよ悪の組織ですから」
「くそー!」
「グリーンを人質にレッドをおびき出してオナニーさせよ」
「おおおおおおお前は何て事をっ!!!」
「それが嫌ならこのイケメン戦闘員 小 林 をカッコ良く倒してみれば?」
「もう許さない!変身!!」
「手加減はしないぞヒーローさん」
なにこいつらかわいい
GJ!!
このゆるさがいいな
某川崎市の悪の組織の戦闘員みたいなのを想像して萌えたw
GJ!!
だめだ、笑い萌える。
このゆるさの中にたくさんの要素がつまっていて妄想がとまらない。
ありがとう!GJ!
うわーかわいい!キャラクターといい雰囲気といい超GJ!
イケメン戦闘員に捕まってレッドは呼ばないでって懇願して
じゃあお前がオナヌーして見せろって言われて涙目なグリーン
涙目のグリーンに「か、かわいそうだったかな、でも見たいし」と
内心狼狽えてる戦闘員まで妄想した
パン教室の振りで、アソパンマソがくるかと予想したが違った。
かわいいなぁー
難しいお題に見えたけど、おかげで商店街とかのゆる戦隊ものに開眼しかけた
踏みなさい
泥棒に入る家を間違えた
420 :
1/2:2010/02/28(日) 02:48:38 ID:BCSOIfn90
俺は今絶体絶命のピンチに陥っている。
明らかに泥棒に入る家を間違えた。
入り込んだ先には誰も居ないはずだったのだが、開けた扉の向こうには―――。
「……お前さー、ちゃんと下調べくらいしろよ」
いつも俺を追い掛け回している刑事が呆れ顔で、しかも歯ブラシなんて咥えたまま佇んでいた。
「お前くらいだろ。毎回毎回追いかけられても全く懲りずに刑事(オレ)に追いかけられてんの」
予想もしていない状況に俺の頭はすっかりついていけなくて、まるで金魚のように口を開閉させるばかりだ。
「あ…、ちょっとそのまま待ってろ」
そう言ってアイツは扉の向こうに消えていった。
い、今の内に逃げないと!
目の前から姿が消えたことで、ようやく頭が働き出した。
「だから待ってろって言っただろ」
出ようと後ろを向いたところを、襟首をむずっと捉まれた。
「どうせ隣の家にでも入ろうと思ったんだろ?旅行中だもんなー、隣」
頭の上に笑いを含んだ声降ってくる。
「って言うかさ、ナニ?いっつも俺に見つかるみたいにうろうろしてんのってさ」
アイツが置いた一瞬の間に、何故か嫌な予感が走った。
「俺に、捕まりたいの?」
耳元で囁かれた声に、肌が粟立つ。
そして空いた手が―――。
421 :
2/2:2010/02/28(日) 02:49:31 ID:BCSOIfn90
「なーに読んでんの?」
本と顔の間に、マグカップが差し出された。
「今度のドラマの原作本ですよ」
本を閉じ顔を上げて、差し出されたカップを受け取る。
「ふーん…」
和樹さんは不満そうに、俺の寝そべるソファーを背もたれに座り込んだ。
「…不満ですか?」
「別にー」
あーあ、拗ねちゃった。
「じゃぁ」
和樹さんの手から奪ったカップと、自分のカップをテーブルに置く。
「イイコト、します?」
ばさりと、本が落ちる音がした。
422 :
420:2010/02/28(日) 05:21:39 ID:BCSOIfn90
訂正 全く懲りずに刑事(オレ)に追いかけられてんの
↓
全く懲りてないの
面白かった!
個人的には1の続きが読みたかったけどw
マンションとかで間違えるってシチュでも良いなー
泥棒の鍵開けの腕が良いから間違えた家でも開けちゃって
踏み込んでも間取り一緒ですぐ気がつかないの
盗みに入った先で自分が心を盗まれればいいよ
とりあえず捕手
427 :
風と木の名無しさん:2010/03/02(火) 19:54:55 ID:r+Z0jIe8O
保守?
復活記念だ盛大に踏んでけー!
どう見ても中学生です。本当にありがとうございまs(ry
430 :
1/2:2010/03/03(水) 05:24:31 ID:iwHMA6M4O
「初体験かー……ミチノリ君はいつ?」
何の気なしに投げた言葉で、彼の動きはぴたりと止まった。
居酒屋の貸し切り一部屋。すっかり出来上がった一角では、サークルの同期と先輩達が下ネタで盛り上がっている。
「あ、ありますよ……初体験ぐらい」
あるなしじゃなくて時期を聞いたんだけどなぁ、とは言えなかった。かわいそうに、彼はもう氷しか入ってないグラスに口をつけたまま、気まずそうに俯いている。
これから先輩になる自分にぐらい、正直に本当のことを言えばいいのに。いや、まだ心を開いてないうちに突っ込みすぎてしまった自分の失敗か?
下ネタは万国共通のATフィールド中和ツールだと思っていたのだが、そんなこともないらしい。人間色々だ。そこんとこ、ちゃんと見極めようよ俺。何やってるんだ俺。何やってるんだ、新歓隊長。
ささいな自己嫌悪に陥っていると、今度は彼の方から聞き返してきた。
「先輩は、いつなんですか」
あ、先輩って呼んでくれた。二回生になるときに、一番楽しみだったことだ。
「俺は高3かな。なに、聞いちゃう?」
「き……聞きます」
「俺はね、そん時の彼女だったんだけどね。―――――」
彼がごくりと生唾を呑むのが聞こえた。
何かと細かい性格の自分は、こういう時の説明も細かい。
気が付くと、後輩君は真っ赤になって固まっていた。
「あ、ちょっと生々しすぎた?」
「……全く!」
そんなに元気よく答えられても。顔が「もう限界」って言ってますよ。
こういう時、デキる先輩なら空気を読んで違う話を振ってあげるのだろう。しかし、俺はそこで無駄な悪戯心が芽生え、少し突っ込んでやりたくなったのだった。
「じゃあ次はミチノリ君の番ね」
「え!」
「え!って。俺だけこんなに喋って不公平でしょ」
「そうですけど……」
「喋りたくない?喋れないならいいよ?色々事情もあるだろうし……」
ここであえて一歩引いて挑発してみる、と色々いっぱいいっぱいな彼は面白いぐらい乗っかってきた。
「っいいえ!喋れます!いけます!!」
…………あぁ、後輩ってかわいいなぁ。
「はいはいじゃあまず何したの?」
「えっと…………服を…………」
「服を?」
「…………脱がしました」
「おぉ〜!それから?」
「それから…………キス…………」
「え、キスする前に脱がしちゃったの?あらやだ大胆!」
「い、え、いや、キスも、脱がす前にしてます!」
「ふーん、そうwはい続き続き」
「……キス……してから……えーと……ブラジャーを……」
「なに、君はすぐ脱がす子だね」
「い、いけませんか!」
「いけなくないけど?っくく。続けて」
それから後輩君は「やさしいほけんたいいく」のような内容を一生懸命にレポートしてくれた。ところどころでボロが出てるのも、まぁ見逃してあげた。
この感じは何だろう、懐かしい。……そうだ、あれに似ている。中学生の猥談。「女」という未知を前に必死に知ったかぶって、なけなしの知識をひけらかそうとするこの青い空気。
そうか、まだこんなに中学生めいた18歳がいたんだなぁ、日本には。捨てたもんじゃないな、ゆとり世代。
432 :
3/3:2010/03/03(水) 05:30:16 ID:iwHMA6M4O
「なぁに?何の話してるの?」
いいところだったのに、同期の女子が間に割り込んできた。胸の開いたカットソーに後輩君がちらりと視線を動かしたのを俺は見逃さない。
俺はおどけて後輩君を庇うようなポーズをとった。
「やめてくれます?エロ菌が移るんで。うちの子は純粋培養なんですよ。ねーミチノリ君」
「え、えーと……」
「エロ菌なんてほっといても移るでしょ。男はみーんなエロなんだから。それよりきみ、この先輩にいじめられてない?大丈夫?」
「だ、大丈夫です……」
「いじめとは失敬な!俺はだな、こいつのあまりのピュアピュアさに感動して……」
そう、まるで中学生のような後輩に、俺は激萌えなのだ。
だからおまえみたいなエロが入ってエロエロされると至極迷惑被るのだ。
俺のかわいいかわいい後輩君に触るんじゃない。
「ほんと?何かあんたが楽しそうにしてるから、またてっきりいじめてるのかと」
「違うわ!エロはあっち行ってろ!」
「あはは、何必死になってんの。ほんと中学生ね」
…………は?
「さっきのあんた、好きな子をいじめる中学生みたいな顔してたよ?それからほらこうやって、人に邪魔されそうになると必死になるとこも」
ふざけんなふざけんな。中学生は俺じゃなくて後輩だっての。
同意を求めるつもりで、憮然とした顔で後輩君の方を見たら、あのやろう、一緒になってくすくすと笑っていた。
おお!うまい!!
朝からいいもの読ませてもらいました
GJ!
ふぉう!萌えました。
つか、うまいなー。
サーバーダウンにも負けずお疲れさまっした!
うまかった!
100%ピュアチェリーな後輩も、お兄さん気質かと思えば子供っぽい先輩も、どちらも可愛いな!
自分のどストライクな萌えをどうもありがとう。SSなんだけど読み応えがあったというか、満足感がある
GJです!
あれ?携帯からこの長文投下してたの?
うおー、すげー
よっしゃあ思う存分踏んでけー!
敬語紳士×ガテン系オヤジ
「まだ残っていたんですか」
「あ、先生」
「ノートを写しているんですね。それは誰の分ですか?」
「振生くんのです。最近、また学校に来なくなったから……」
「ノートを持っていってあげるんですね。しかし、彼は読んでくれるでしょうか」
「みんなそう言います。でも、僕、振生くんはきっと悪い子なんかじゃないと思うんです。こんなこと、僕が言うのもおかしいかもしれないですけど……」
「どうしてそう思うんですか?」
「今まで、彼の家には5回行きました。彼はいつも不機嫌な顔で、2回目なんか渡したノートをそのまま投げつけられました。3回目には、怖いお友達がいっぱいいて、指をさして笑われました。」
「それはそれは」
「僕もその時には、もしかしたら迷惑なのかもしれないって思いました。でも、やっぱり僕にはこれぐらいしかできないんです。だから、それからも、迷いながら、いつも結局ノートを持って行ってました。そうしたら、この間の5回目のことです。先生!」
「5回目に?」
「振生くん、やっぱり不機嫌な顔で、だけど、珍しくノートはちゃんと受け取ってくれました。それで…………『ありがとう』って言ってくれたんです。僕に!」
「それは……」
「僕、嬉しかったです。それから、思いました。振生くんが学校で暴れてしまうのは、学校に振生くんと気持ちの通じる人がいないからなんじゃないかなって。
振生くんが暴れるのは、もちろんすごく怖いことだけど、それよりずっと、……かなしいことだったんじゃないかなって」
「なるほど。」
「もしかしたら、この間も単なるまぐれだったのかもしれないです。でももし少しでも、彼に迷惑だと思う以外の気持ちがあるのなら、……僕、もうちょっと頑張ってみたいと思います。…………それに」
「それに?」
「笑われちゃうかもしれないけど、僕、あの話は本当だと思うんです。この学校に伝わる、伝説の不良と伝説の優等生の話」
「……そのお話、詳しく聞かせてもらってもいいですか?」
「先生、懐かしい話を聞きましたよ」
「お前も先生じゃねぇか。」
「そうでした。それで、昔この学校に、教師ですら手のつけられないような不良がいたこと、覚えていらっしゃいますか?」
「あぁ、いたな。」
「ふふ」
「気に入らないことがあったらすぐ暴れて、物は壊すわ人は殴るわで散々だったよな。でも……」
「はい」
「そいつには、どれだけ殴られても、蹴られても、まとわりついてくる奇特なクラスメートがいた。」
「物好きな方でしたね」
「いらないっつってんのに、そいつがあまりにも世話焼いてくるもんだから、不良の方もそのうち尖ってるのが馬鹿らしくなってきてな」
「そうでした」
「しまいには、大嫌いだった勉強まで始めて、大学まで目指して……」
「……教師になってしまった。」
「どんな因果か、な。この俺が教師なんて。」
「私は嬉しいですよ」
「もちろん途中から真面目に勉強したって、お前と同じ学校になんて入れっこなかった。でも、運動だけはできたからな。」
「あなたのクロールは本当に綺麗な形をしていると聞きました。金槌には羨ましい限りです」
「よせよ」
「ふふふ」
「…………なぁ、何だか懐かしい気持ちになっちまった。俺がひとつ数式を覚えるたびに、お前は飽きもせず誉めてくれたっけなぁ」
「そうでしたっけ」
「……もう一回、あの時の気持ちに戻ってみてぇなぁ。」
「……」
「なぁ、委員長さんよ……」
「……仕方のない人ですねぇ」
数学教師はふっと笑みを漏らすと、体育教師の頭に手を伸ばした。
それに合わせて、頑強な顔の体育教師は俄に表情をやわらげ、静かに目を閉じる。
「えらいえらい」
下校時刻を知らせるテープ放送が、ゆっくりと流れはじめた。
GJ!
教師×教師に、はじめて萌えた
可愛いw 二人とも果てしなく可愛いwww
萌えをありがとう!
リアルでにやにやしたw
いいなあかわいいなあ
乙でした!
かわいかった
適当に改行してくれたら
もっとよかった
携帯からだから改行は逆に難しかったんじゃ?
自分はOKかな
GJ
携帯で長文すごいなあ
乙でした
先生達かわいいよ
まとめの人も乙でした
雰囲気がツボでした
受の甘えんぼっぷりに萌えたよ!まとめの人もGJでした
というわけで踏んでもらおうか
照れ隠しで抱きしめる
450 :
1/2:2010/03/08(月) 13:39:24 ID:eNm+3HVe0
リョウタはめったに喋らない。代わりにしょっちゅう俺を抱きしめる。
あいつが学校から持って帰った絵やら習字やらをほめると、黙って抱きつかれる。
上級生(俺のクラスのやつだった)とケンカをした時も、
その場では顔色ひとつ変えなかったのに、俺が後で「強かったな」と言った途端
くっついてきて、しばらく離れなかった。
この前なんか、二人で河川敷で遊んだ帰りに夕焼けを眺めていると、
いきなりギュウっとされて苦しいくらいだった。
そういえば引っ越してきたばかりのあいつに
「今日からお前俺の弟な」
と言った時も、うなずく代わりに抱きついてきた気がする。
ある日、いつものように寄ってきたリョウタを見てふっと気づいた。
こいついつの間にか俺よりデカくなってないか?
黙ってすがりついてくる仕草はまるで子供なのに、
俺の身体に回された腕も込められた力も子供のそれではない。
なんだか癪に障った俺は、たぶん初めて、リョウタを無理やり引き剥がした。
「!?」
「お前さ、もういい歳なんだからガキみたいな真似すんなよ」
言ってしまってからハッとした。あいつが、すごく悲しそうに眼を伏せたから。
「……分かった」
しばらくの沈黙の後、ぼそりとそう言うと、リョウタは俺に背を向けた。
「あ、リョ――」
焦って呼びかけたけど、あいつは振り向かなかった。
451 :
2/2:2010/03/08(月) 13:44:50 ID:eNm+3HVe0
「ガキみたいな真似したのは俺の方だっての……」
それから三日が過ぎて、俺はひたすら後悔していた。
あれからリョウタを避け続けていたが、予想外にキツい。
ここは年上らしく潔く謝りに行こう、と決めた矢先、
「……秀兄」
当のリョウタが立っていた。先を越されたか。
なんか最近こいつに兄貴分らしいところを見せられてない。このままではなんか嫌だ。
「秀兄……俺」
「あー待てリョウタ! 先に言わせろ」
「?」
「こないだは悪かった。なんていうか、お前最近俺より背ぇ高くなったから、悔しさ?嫉妬?
まあそんな感じでさ、そりゃいくつになってもお前はお前だけど――」
「俺は!」
リョウタが珍しく、俺の言葉を遮るように大声を上げた。
一瞬、いつもみたいに抱きついてくるのかと思ったけど、
リョウタはその場から動かず、俺をまっすぐ見ていた。
「……俺はもう、いい歳だから……ちゃんと、言葉で言う」
「え?」
「秀兄、この前のこと、ごめん。……いつも、ありがとう。…………だいすき」
何か言おうとしたはずだけど、顔と頭が熱すぎて声が出せなかった。
だから代わりに、リョウタをきつくきつく抱きしめた。
こうすることで俺の気持ちは伝わるだろうか。
今までお前がこうやって伝えてくれたように。
GJでした!こういう幼なじみがいつのまにか、ってのすごく萌えるよ!
ちょこっとツンデレなとこが良い。まとめも良かったです。
萌えるお題だったね、GJ
GJです!幼馴染み萌え〜
かわいいなあかわいいなあ
可愛くてショートコミックスみたいだ
ごちそうさまでした。GJ!
ショートコミックスか〜。
小椋 ムクさんでイメージ出来ちゃった。GJ
GJ
お互いにピュアで可愛いなーなんか癒やされたよ乙でした
踏みたまえ!
割烹着が似合う攻め
460 :
1/2:2010/03/10(水) 13:30:51 ID:1TTg6fdd0
「あ、おかえりなさい」
いい匂いに導かれるようにして玄関から直接台所へ向かうと、
同居人は振り返ってにっこりと微笑んだ。
手にはお玉。コンロの上では鍋がくつくつと音を立てている。
「腹へったー。今日なに?」
「風呂吹き大根と、牛肉の甘辛炒めと、あとスーパーに菜の花が出てましたから
和え物にしてみました。おみおつけの具は新たまねぎとしめじ。
すぐ食べられますから、手を洗ってきてくださいね」
素晴らしい。なんて素晴らしい。
用意された食事はどれもおいしそうで――実際とても美味い事を俺は知っている――
それを整えてくれている手は白くて器用だ。
いっそ古臭いくらいな黒ぶち眼鏡もこいつにはよく似合っている。
気はきくし、家の中にはホコリひとつ落ちてないし、近所の奥様方にも可愛がられているらしい。
仕事で疲れて帰ってきたあと、こいつの用意した夕餉の匂いを嗅ぐと本当に安心した気持ちになれるのだ。
これが、これがもし。
「あ、ちょっと待って下さい」
「ん?」
「つむじの辺りに葉っぱが」
「…………」
こいつは苦もなく、ひょいと、俺の頭頂部についていたらしい葉っぱを取ってくれた。
「……今日は風が強かったからな」
「そうですね。あとでスーツにブラシかけておきますから」
これがもし、俺の嫁だったらどんなにかいいだろう。
しかし実際にはこいつは身長180cm強の成人男性であり、何の因果か俺も男なのだった。
461 :
2/2:2010/03/10(水) 13:31:15 ID:1TTg6fdd0
それは重々理解していたつもりなのだが、
こういったことがある度に男としての嫉妬を感じずにはいられない。
少しむっとした俺は、こいつが嫌がると知っていてフライパンの中身に手を伸ばし
いい色の牛肉を指でつまんで口に入れた。
「あ、つまみ食いはやめて下さいって言ってるじゃないですか!」
「味見だ、味見」
「もう。……そうですか、わかりました」
「!」
ぐいと引き寄せられて唇を奪われた。
ほんの数瞬触れていただけだったそれは、驚いて硬直したままの俺の唇を
去り際にぺろりと一舐めしていった。
「〜〜っ。な、なにするんだ、いきなり……」
「僕も味見ですよ。ほらさっさと着替えてきてください、冷めちゃいますから」
けろっとしていやがるのがますます腹立たしい。
しかしここでごねても夕食が遠くなるだけなので、俺は促されるまま台所を出た。
男は胃袋で捕まえろなんて言うけれども、これは男と男の間にも成立する事なんだなあと
最近とみに思うようになった。どうもこいつに餌付けされているような気がしてならない。
「お前もいい加減、その不気味なサイズの割烹着やめろよな」
「普通のエプロンじゃ丈が短いんですよ。それに、我ながら似合ってると思うんですけど」
「似合ってるから不気味なんだよ」
まあ、いい。食事はおいしくて家はきれいで仕事も順調で、
それを支えてくれる人間とは、こっぱずかしい話ではあるがいわゆる将来を誓った間柄である。
その相手が身長180cm強の男であるという事は――
全体から見ると些細な問題に過ぎないのだ。たぶん。
眼鏡と割烹着と敬語のコンボに萌えました
GJ!!
かわいいなあ
かわいいなあ・・・GJです
GJ!!これはいい
GJ!!
和風の料理上手なのと割烹着がよく似合ってるな
更に敬語攻めとか萌えすぎる
語り手の受けもかわいいなあ
割烹着はやはり萌える!
GJ!
内容もだけど〆方も素晴らしかった
GJ!
踏んでいいよ
ゼロ距離
デレデレ部下×ツンデレ上司
「…ひま」
「…おおー」
「…なんかすることないの」
「…」
「返事ぐらいして」
「…俺はね、人生を楽しむにはちょっとしたスリルが必要だと思うわけ」
「ん?うん」
「ここにポッキーがあります」
「ありますね」
「さて問題ですポッキーがあってヒトが2人でやることと言えば?」
「えっお前何考えてんの」
「答えは?」
「ポッキーゲームだろ、やだよ何で俺がお前とポッキーゲームやんなきゃいけな…、っ!」
「俺はね、人生を楽しむにはちょっとしたサプライズも必要だと思うわけ」
「…」
「…嫌、だった?」
「……別に…」
「良かった」
やっと埋まった、最後の距離。
日付かわったので宣言欲しかったかな。
でもGJ
情景が目に浮かぶようです、GJ!
ゼロ距離って距離感ゼロの人の事だと思ったんだけど、
カワイイ二人に萌えたGJ!
リロミスにめげずに投下乙!まわし
ポッキーはもちろん意図的に用意してるんだよな、これw
こうやってじわじわその気にさせちゃって欲しいネ!
リロミスお疲れ様〜でいいんだよね?踏み逃げじゃなくてよかった
かわいかったです、りろみすドンマイ(゚∀゚)
さぁ、ふんでー!
卒業
残念まわし
まとめに来てたよ。人少なくなったね。
あー、残念
時期的にぴったりだったから書こうかと思ったけどやめてしまったよ
残念
丁度いい季節ネタだから誰かが書くだろって皆思ったのかな
まわし
ではくるくるとまわしていきますかね
まわしまわし
まわします
まわしちゃうよ〜
ぱっとこういうお話が書ける才能が羨ましい…
勃起力検定
490 :
1/2:2010/03/17(水) 06:03:32 ID:SccQIfQLO
キーンコーンカーンコーン。
今日の授業が全て終了した。僕は黒板に板書された801妊娠の仕組みを慌てて写し終える。
担任でもある先生は、黒板をざっと消すとそのままHRに突入した。
「えー、明日はいよいよ本番です。攻めの皆も受けの皆も、落ち着いて頑張って下さいね。」
先生は、敬語受けらしい柔らかな笑みを浮かべ、受験前最後のHRをそう締めくくった。
ここ、801国の人間はまず大きく2つの性別に分類される。「攻め」と「受け」である。
(ごく稀に「リバ」という性別も存在するらしいが、僕はまだ見た事がない。)
そして攻め、受けは、高校を卒業する際にそれぞれ検定を受験する事が法律で義務付けられている。
この検定によって、〇〇攻め、〇〇受けという細かい分類がなされ、一生をその肩書きで過ごすのだ。
攻めである僕らが明日受けるのが「勃起力検定」、略して「勃検」だ。
「勃検を制する者は受けを制する」とよく言われるように、「勃検」はその後の攻めとしての人生を大きく左右する。
勃起力の高い、いわゆるスーパー攻めやエリート攻めは地位も高く、受けからもモテるのである。
「はぁ…」
僕は明日の事を考え、とぼとぼと家路についた。
テクニックの実技はい
491 :
2/2:2010/03/17(水) 06:05:18 ID:SccQIfQLO
その日の内に出た判定を手に、僕は夜の公園のブランコに揺られていた。
あんなに応援してくれた攻め父さんや受け父さんに合わす顔がない。そして何より受けに会いたくなくて。
「…やっぱりここにいた。」
「受け!?」
キィ、と隣のブランコをきしませて受けが腰を下ろす。静かな公園にその音が響いた。
「攻めちゃんは落ち込むといっつもここだもんね。パパさん達心配してたよ?」
ニコリと明るく笑う受けの顔をまともに見られず、足元に目を落とす。
「…ダメだった?」
傷付けまいとする受けの優しい声に、無言で認定証を渡す。
「…『当て馬』…。」
検定試験は散々だった。受けの為に頑張ろうと思えば思う程焦って空回りしてしまった。
ついでに試験官のオヤジにも萎えた。
「…やっぱり全然ダメだったよ受け。僕なんて頭も悪いし顔も悪いし良いとこひとつも無いし…」
「そんな事ないよ!攻めちゃんは誰よりも優しいしかっこいいよ。」
「でも『当て馬』だし…」
「関係ないよ!僕は…、僕は攻めちゃんが好きだよ!」
驚いて顔を上げると、隣の受けは顔を真っ赤にしていた。
「『当て馬』でも何でもいいよ…攻めちゃんだから好きなんだよ。」
「受け…。」
まさか受けも僕と同じ気持ちだったとは思わなかった。弾んだ心が、しかし受けの手にする認定証を見て再び沈む。
「…でもテクニックも無いし早漏だしお粗末だし…」
「あ、それは大丈夫。」
ふふ、と赤い顔で笑うと、受けは鞄から同じような認定証を取り出した。
「『敏感受け』…?」
「ね?」
だから大丈夫、と笑う受けを思わず抱きしめ、ついでに首筋にキスをすると受けは「あんっ」と早速喘いだ。
こうして801国にまた新たなベストカップルが生まれたという馬鹿馬鹿しいお話。
「はぁ…」
僕は明日の事を考え、とぼとぼと家路についた。
テクニックの実技はいつも赤点、体力も持続力も平均を大きく下回る。そもそもサイズに難あり。
代々ヘタレ攻めや平凡受けの多い一般的な中流家庭だから仕方ないのだけれども。
「どうしたの、ため息ついて。」
声を掛けられて振り返ると、そこには幼なじみの受けがいた。
さらさらした髪に小さな顔、パーツもちんまりしてまるで人形のようなこの受けに、僕は実はずっと恋をしていた。
近所とは言え、この受けらしい受けの家は代々エリート攻め、エリート受けを輩出する名家だ。
だからこそ明日の勃検ではいい結果を出して、受けに堂々と告白したいのだ。
「…何でもない。明日頑張れよ。」
「うん。お互い頑張ろうね。」
世界観が凄いですw こんなBLゲームがあったら遊んでみたい^^
敬語受け先生と攻めのお話とか、他のスピンオフも読んでみたいと思ってしまったww
面白い設定と萌える内容にGJ!
面白いのに萌えるw
あと検定試験中の様子を想像して噴いたw
笑いと萌えをありがとう!GJ!
この馬鹿馬鹿しさ好きだwww
GJ!
これは面白いww
GJ!
これは素晴らしいwwwGJwwww
踏wんwでwくwだwさwいwwww
はじめての一人暮らし
500 :
1/2:2010/03/18(木) 01:12:05 ID:ETQ3BOmG0
「こんなもんかな」
掃除を終えた後の部屋にダンボールを運び込み、家具を配置。
とりあえず必要最低限のものを取り出して、とりあえず当面の生活の場は整った。
業者に手伝いを頼んだとはいえ、やっぱり一日仕事だったな
俺はテーブルの上に烏龍茶のペットボトルを置くと、コップに注いで誰ともなしに
乾杯の動作をとってみた。
今日からここが俺だけの部屋。
兄弟が多い家で育ったせいでプライベートというものに縁の無かった俺にとっては
小さなアパートの一室でもここは聖域だ。
思い浮かぶのはこれからの新生活。もちろん不安もあるが、一生に一度の大学生活に
はじめてのひとり暮らし…期待の方も当然大きい
とりあえず今日の夕飯は何にするかなぁ…その前に実家の家族に電話入れた方がいいかなぁ
などと考えていた俺は、ふと本棚に置いてある写真立てに目を留めた。
「あき兄ちゃん…」
写真の中では俺と、近所に住んでいたひとつ年上のあき兄ちゃんが並んで写っている。
去年、丁度今の俺と同じように東京の大学に入学する為に実家を出て、ひとり暮らしを始めた兄ちゃん
あき兄ちゃんもひとり暮らしを始めた時には、こんな風に期待と不安が入り混じっていたんだろうか?
「あーそれ俺が地元出る時にお前と撮った写真かー懐かしいなあ」
突然背後から無茶苦茶聞き覚えのある声がしたが、無視を決め込む
「こん時お前、今生の別れみたいな顔してたよなーいやー可愛かった、可愛かった」
無視
「そんで『あき兄ちゃん、はじめてのひとり暮らしだから羽目外してすぐに彼女作って連れ込んだり
するんだろ!』とか言って顔真っ赤にして…うわっ!!」
無視したかったが、ムカついたのでその辺にあった座布団を投げつけてやった。
501 :
2/2:2010/03/18(木) 01:12:51 ID:ETQ3BOmG0
「なんだよ、照れんなって…大体、だ。どうせ同じ大学、同じアパート、隣の部屋…だったら同居した
方がお得だし安全だろ?なんでわざわざ隣に部屋借りるかね」
「…こないだ電話で話したろ、ひとり暮らしをしてみたかったんだよ」
「ひとり暮らしなんて、そんなにいいもんじゃないぞ?それより俺はお前と同居生活したいなー
一緒にメシ食って風呂入って一緒に寝て…」
「そろそろメシの支度するから帰ってくれる?兄ちゃん」
俺は後ろから抱きつこうとしたあき兄ちゃんを避けながらそう言った。
嘘ではない、いい加減に腹が減ってきたのだ。家族への電話はその後でいいだろう
そんな俺にあき兄ちゃんは言った。
「お前知ってる?ひとり暮らしでカレー作ると余るんだぜ」
ふーん、だから?
「昨日大鍋いっぱい作っちまって余ってるんだよ、一緒に食わねぇ?」
…食いたい。
抗いがたい誘惑に、俺はとうとう頷いてしまった。
「そうかーそうだよなー」
あき兄ちゃんはそんな俺の頭をにこにこしながら撫ぜたのだった。
なんでこう、兄ちゃんには勝てないんだろう
それがたかだか1歳上というだけの年の差だけでは測れない気がして
あき兄ちゃんに追いつきたい、大人になりたいのその一心で同居の話を蹴ってひとり暮らしを始めた
なんて悔しいから絶対に教えてやらない
1だけ読んで幽霊ネタかと思ってしまったw
二人暮らしが始まるのもそう遠くはないようですね!GJでした!
かわいいGJGJ
GJ!
かわいいい!いいなあ、こうゆうほのぼのしてるの。
青い春って感じ!!!
まわしますか
二人の今後が気になりますまわし
どうぞ
女装男子高生×ツンツン化学教師
510 :
1/2:2010/03/20(土) 13:08:37 ID:Mbe/3RvPO
「見て、先生!」
突然の訪問者に肩がびくりと跳ねた。
扉を開く時はノックをしてからにしろ、と毎回毎回言っているのになぜ聞かないんだ。
心の中で文句を言いながら後ろを振り返ると、そこにいた人物の姿に驚いて、俺は持っていたビーカーを落としかけた。
「なんだ、その格好は」
「かわいいっしょ?」
毎日嫌がらせの様にこの部屋に訪れ、ろくでもないいたずらを俺にかます茶髪のひょろ長い男は、
なぜか黒と白を基調としたメイドの服を着て誇らしげにそこに立っていた。
俺は思わずめがねをかけ直してしまった。
アホだアホだとは思っていたが、なんだってコイツは……。
「文化祭で女装喫茶すんの。ねえ、かわいい?」
「へえー。それはご苦労さん。帰れ」
しっしっと右手で追い払う仕草をしていると、その手を掴まれて俺は黒革のソファに座らされた。
顔は化粧でもしたのか小綺麗になっているが骨格のせいで服が歪になったメイドは、俺の胸に抱きついて顔を埋める。
俺は化粧で白衣が汚れるんじゃないだろうかとぼんやり思った。
511 :
2/2:2010/03/20(土) 13:11:44 ID:Mbe/3RvPO
「先生、好き」
「……もうそれは聞き飽きた。笑えない」
「冗談じゃないよ」
男だからダメなのかなって。だからこの格好、先生に見せようと思って。
アホが俯いているせいでいつもと違う色の髪とひらひらのカチューシャが目の前にある。
そんなこと言ってお前が俺を押し倒すつもりしかないくせに。
そもそも女装したぐらいで性別は変わんないだろ。
本当にこいつ頭弱いな。
ほんと、どうしようもない……。
「……女に襲われる趣味はない」
「……え、」
「男に襲われる趣味もない」
一言目にぱっと顔を上げ、二言目には眉を下げた。
見事な百面相に吹き出しそうになるのを堪えて、耳が垂れた犬を引きはがした。
「……かわいいな、お前」
「えっ、せ、先生のがかわいい!」
「お前やっぱ帰れ」
アホだアホだとは思っていたが、俺にもそれが移ったらしい。
かわいいいいいい続きが気になるGJ!!!
かわいいかわいいGJ!女装攻めいいよね
GJ!!!
もっと長いお話で読みたいと思うぐらい萌えました!!
もう2人ともかわいいでいいと思うよ
まわし
可愛かった!GJ!
最後のやりとりが好きだ
まわし
さあ踏め!
ホームステイ
日本なんかに来るんじゃなかった。
誰だよ。日本人はみんなシャイだなんて言った奴。
めっちゃ話しかけてくるんですけど?
ホームステイ先のオカーサン、めっちゃ話しかけて来るんですけど。日本語で。
意味わかんねーよ。日本語わかんねーよ。せめて「ハロー」くらい言えつーの。
誰だよ。日本人は真面目だなんて言ってた奴。
オトーサン「U・S・A!U・S・A!」って手拍子してるぞ。めっちゃ笑顔で。
外人ナメてんのか。テンション高すぎだろハゲ!
誰だよ。日本人はみんな親切だなんて言った奴。
この家の長男、ケンイチとかい言う奴、めっちゃ無愛想だぞ?
唯一英語が喋れるのに。喋れるのに!!
お前いる意味ねーだろ。何の為に英語可のステイ先を選んだと思ってんだよ。
サムライか?サムライだから喋らねーのか?
何時代だっつーの。江戸か?お前だけ江戸時代なのか?外人がみんなサムライ信じてると思うなよ!
オトーサン「日本に来たら温泉行かねば」とか言ってんの。
他人同士でスッポンポンっておかしくね?恥ずかしくねーのか日本人。マジおかしい。変態だろ。
しかも日本人、期待しすぎ。俺の股間に注目しすぎ。
「ああ、そうでもねーのな」みたいな顔すんな。人間だろうが。同じ人間だろうが。
つかケンイチ、お前のそれ何だ。外人の俺の立場どうすんだそれ。
ご立派な日本刀ですねー(棒読み)。やっぱサムライか。サムライなんだなコイツ。じゃあ仕方ねぇ。
あー日本なんて来るんじゃなかった。帰りたい。グランマの作ったローストビーフが食べたい。
と、三ヶ月前までは俺も思ってたよ。日本サイテー来るんじゃなかった。帰りたいって。
でも今じゃもうね。コタツから出られませんわ。味噌汁の無い朝食なんて考えられませんわ。
ハッピーターンうめぇー。これ麻薬じゃん。麻薬漬けじゃ帰れねーし。しょうがねーな。
まあ、相変わらずケンイチは無愛想だけどな。
たまに笑うとハッピーターン食ってるみたいなんだ。
そうあれだ。麻薬みたいなもんだ。こりゃ帰れねーわ。しかたねえっす。
外人かわいいw
うっかりお父さんに和んだw
何これ可愛すぎるだろ
萌えすぎて涙出てきたどうしてくれる
ハッピーターンww
新しい視点だ…すげえ和みましたwGJ!!
おもしろかわいい
サムライもいいわw
もう永住しちゃえよww
GJ!
>>520 この独特な台詞回しが妙に頭にこびりつくw
面白かわいいよGJ!
この軽快な感じがたまらんww
GJでした!
さあどうぞ
一本勝負(待ったなし)
530 :
1/2:2010/03/23(火) 19:54:41 ID:J40xtzfh0
こんなもんで決めようなんて言わなきゃよかった
利き腕に全身全霊の力を込めながら俺は早くも後悔していた。
一週間前、俺は同性の親友に告白した。
拒絶されてもう二度と口すら聞いてもらえないかもしれない
なんて覚悟のもと、当たって砕けろぐらいのつもりで告白したけれど
驚いたことに結果はOK
なんとそいつも俺のことが好きだったというのだ。
もう信じられないぐらい嬉しくて、あの時の俺は間違いなく世界一幸せだった。
問題がでてきたのはその後
キスもしたし、なんというかそろそろ次のステップを踏みたいなというところで
意見の相違が出た
俺もそいつも相手を抱きたかったのだ。
531 :
2/2:2010/03/23(火) 19:55:07 ID:J40xtzfh0
しばらく膠着状態が続いていたが、それもいよいよ限界になってきた。
俺の腕はもう限界だ。ブルブル震えて殆ど根性で支えている。
根性の源とするところはただ一点
女役はやりたくない!!
お互いの意思を知った時はそれなりに真剣に悩んだ。
客観的に見て女っぽい容姿のやつがその役をやるべきという話になったものの
俺たちは身長も体格も同じぐらいだったし、容姿も女っぽいということはなかった。
経験値も同じぐらいっていうか、お互いよく近所のマックで彼女できねーってダベってたから
今更ハッタリもできねぇし
その時の気分で決めるってことでよくね?とりあえず今回はお前が女役やれよって言ったら
お前それそのままのポジションをズルズル続ける気だろ?とか指摘されたし
…バレたか、鋭い奴め
そんな経緯があって今、俺たちはポジションを決める勝負をしている。
勝負方法は簡単、腕相撲一本勝負だ。
冷静になってみると我ながら馬鹿なことしてんな、と思うけどここは冷静になっちゃ負けだ。
だが先ほど言った通り、俺はピンチだった
もう無理
マジで血管ブチ切れそう
俺の限界が伝わっているのか、目の前のあいつが一瞬だけ余裕の表情を浮かべた。
「待ったはなしだぜ」
声は出さなくても唇がそう言っている。
…畜生、コイツの唇こうしてみると柔らかそうだなあ
そう言えばキスもまだ一回しかしてないんだっけ
あの時はガチガチに緊張してたから、柔らかいとか考える余裕もなかったけど
今は無性に唇に口付けたい
気付いた時、俺は腕をふりほどくと驚くあいつを押し倒して
唇に齧り付くようなキスをしていた。
あいつがしきりに抗議の声をあげているが、わりぃ止まりそうもない
こっから先はホントの待ったなしの一本勝負にするからさ
そう思いながら、俺はあいつの服のボタンに手を掛けたのだった。
まさに王道って感じで萌えGJ!
期待した通りの萌え投下ありがとうございます!GJ!
負けるのかと思ったけどコレもイイ!!GJGJ!!
ああもう可愛いなあGJ!!
王道ほど素晴らしいものもない。GJ!
さあさあまわしますぜ
踏んでくかい?
冷血なギャンブラー
まわす
残念
まわします
素敵なお題でした、残念
まわしましょお〜
いいお題なんだが、ちょっと小噺としては難しかった気がせんでもまわし
鼻の尖った絵が思い浮かんでしまったよまわし
冷血と言われたら殺人鬼しか出てこなかったよまわし
mawasi
お踏みなさって?
恋人は変人
「お前って奇人変人が足生やして歩いてるって感じだよな」
「失敬な」
廃材組み合わせてよく分かんねえ装置作ってるやつがよく言うよ。
何作ってんのって聞いたら「巨大割り箸鉄砲」だってさ。何それ。
休日の午後に廃材を真剣に組み立てて割り箸鉄砲作ってる大の大人って。
「んとに…変人め」
「俺を変人と呼ぶならあなただって変人ですよ」
「俺は普通だよ」
「変、というのは他と違うということですよね」
廃材鉄砲からようやく上がった目線。
真っ直ぐな目に少しだけどきりとした。
そのあと柔らかく微笑まれてさらにどきどきしてしまう。
「俺を変人と呼ぶなら、そんな変人を好きだと言ったのはあなたぐらいです」
好きですよ、という言葉と共にその笑顔が確信犯的なものに変わっていくのを
俺は何も言えずに見ていることしか出来なかった。
修正。
「お前って奇人変人“って言葉”が足生やして〜」
奇人変人に足は生えてるよね…ごめん
かわいいね。こういうシチュ好きだよ。
変人を好きになるなんて変人、は鉄板だよね!
変人なのにちゃんと恋人なのね。
甘々な二人の世界ごちそうさまでした。
よほどじゃない限り修正は入れてくれない方が、素直に萌えられると思うのでそこがちょっと残念。
変人に付き合うやつも変人。
類友だからこそ、その先もあるわけですね!
乙でした。
そろそろまわします
踏み台になるね
どうぞ
のっぽさん
「このうどの大木め」
「酷くないですか急に」
無視。
俺の頭と同じ高さにある肩を見る。
俺がこいつくらいの身長だったらもっとその身長を有効活用してみせるのに。
高いところのものに手が届かなくて困っていたら取ってやるし(こいつは基本何もしない)
部活はバスケかバレーに入って身長を最大限に生かす。(こいつは帰宅部だ。もやしめ!)
ファッションだって色々挑戦できるのに、いっつも似たような服装しやがって!
そもそもこいつは高身長で顔もいいのにもったいないんだ。
休日は基本引きこもるし、放課後はだいたい図書室にいるし人見知りだし
運動だってやればできるのにやらないし、なんか敬語で弱そうだし
高身長イケメンの無駄遣いだ!
ぶつぶつと文句をいう俺をみて苦笑。
「なんだ喧嘩売ってんのか。買うぞ」
「違いますよ。」
「じゃあなんだよ」
「いやちょっと、結構俺のこと見てくれてるんだなー、と」
その言葉を理解する前に、手に本が置かれる。
その本が取ろうとしていたものだと気付くのに時間はかからなかった。
「それと、」
「届かないなら素直に言った方がいいですよ?」
「う…うるさい木偶の坊!」
「役立ったじゃないですか」
「黙れ!」
ん?終わり?
まわしますか
まわし
まわし
語り手のツンというか意識の仕方がかわいいな。
のっぽの片思いなのか無意識両思いなのか、どちらでもおいしいです。
まわし
まわし
踏むなよ!踏むなよ!?
絶対踏むなよ!?
副人格×主人格
570 :
1/2:2010/04/01(木) 19:03:26 ID:U6aR/Wy90
私の世界を「モノクローム」と呼ぶのだと教えてくれたのは、歳若い赤毛の青年だった。
古風な形のカメラを携え、写真を撮りながら旅をしているのだと言っていた。
赤ならば知っている。だが、彼の髪も、ホテルのベッドに広げられた夕焼けの写真も
私には白と黒の濃淡でしかなかった。
節くれ立った長い指が、印画紙の淡い灰色を指す。「君の髪はこれだね」
どんな色かと訊ねると、秋の麦畑を思い出すと返された。「故郷の秋を」
忘れられない色だと、いつか名を上げて帰るのだと言っていた。だから、君に声を
かけたのだろうか? 今となってはわからない。
彼には気の毒なことをした。事の後で胸が痛んだのは、あの時だけだ。
おそらく私は、彼に少しばかり好意を抱いていたのだと思う。
だが、君ほどではなかったのだ。
思い出したのは、目の前の男が君の髪を指で梳きながら、こう囁いたからだ。
「君の髪は、大陽の匂いがする」
そうだろうか? 私には確かめる術がない。だが、長いこと南の海で過ごした君のことだ。
きっと、その髪にまで潮風と大陽が染み込んでいるのだろう。
今は眠る男の隣で目を瞑り、君の髪に口づける夢をみる。そのとき、胸に広がるであろう
香りを想像しながら。いつか君が、髪を長く伸ばす日があるといいのだが。
こうして私は、またひとつ君を知る。
君の手は荒れて傷らだけだが、肌は日に焼けてなめらかだ。瞳は深い海の色らしい。
背中には、ふたつのほくろがあるのだと聞いた。君は知らないだろう。もっとも、私も
直接に見たわけではない。
君の腕に抱かれ、君をこの手で抱きしめる。短い夢のひとときを終わらせる前に。
ああ、この指で君の背中を辿ることができたなら!
571 :
2/3 ミス:2010/04/01(木) 19:05:55 ID:U6aR/Wy90
眠る男の首に、ナイフの刃を滑らせる。
君は、このナイフを片時も手放さない。その理由は、私だけが知っている。
手のひらで押さえた口からは、喘ぎ越えひとつ漏れることがない。帆船で鍛えられた腕が
暴れる身体を易々と押さえ込む。右手は、休まずに仕事を続ける。
そして、世界に唯一の色が溢れ出す。
モノクロームの世界に、私がただひとつ見出せる色は、初めて目覚めたあの日に
君の両手を染めていたのと同じ赤だ。
命の色。鮮やかに世界を染め上げる色。
私を生み出したこの色を、いつまでも覚えておこう。君の代わりに。
彼がその男に目を留めたのは、警戒心からだった。
男は桟橋の手前に座り込み、自分の足を抱えるような格好で背を向けている。
なにやら小声でつぶやいているので、酔っ払いのようにも見えるが、どうにも様子がおかしい。
彼は慎重に歩を進めた。酒場で耳にした、ヨットを狙う空き巣の噂が思い出された。
「どうかしましたか?」
手の届かない距離で、そっと訊ねる。だが、男はちら、と顔を向けただけで、また元の
姿勢に戻ると、ひとり言のように答えた。「ああ、なんでもないんだ。気にしないでくれ」
「僕は、そこを通りたいんですけどね」
少し声を張ると、今度は男もこちらを振り返った。
「なんだって?」乾いた、低い声だった。「ああ、そうか。済まない」
男は、目をしばたたきながら周囲を見渡すと、そこでようやく自分が桟橋の入り口を
塞いでいることに気付いたのか、よろめきつつも立ち上がる。
572 :
3/3:2010/04/01(木) 19:06:44 ID:U6aR/Wy90
「ガラスを踏んだんだ。多分な。さっきから、取ろうとしてるんだが」
「裸足で歩いていたんですか。こんな場所を?」
男が座っていた辺りのコンクリートには、濡れたような跡があった。よく見れば、男の手足にも
黒い汚れがついている。
「今朝は履いていた」男が、つま先立った足を見下ろしたまま言う。「船が見たかったんだ。
散歩のつもりで……靴か。どこに置いて来たんだったか」
「それは、血ですか?」
「なに?」いぶかしげに顔を上げた男の頬にも、黒い筋があった。おそらく、指で触ったのだろう。
「見ればわかるだろう」
「そうとも限りませんよ」彼は、ため息をついて桟橋を歩き出した。まったく、声などかけなければ
よかった、と思いながら。「とにかく、そのままでは帰れないでしょう。すぐそこに僕のヨットが
ありますから、寄っていきなさい。絆創膏くらいなら貼ってあげますよ」
「船を持っているのか? すごいな……ああ、助かるよ。ありがとう」
足を引きずりながら後を付いて来る男に、私は胸の内で答えた。
こちらこそ、と。
1/3
×傷らだけだが
○傷だらけだが
申し訳ない……
元々のお題からして難しくって、
どういうのが来るのかなあと思ってたんだけど、
サスペンス調で良かったです。でも読解力がいるのかも。
うん、「君」が誰かを理解するまではちょっと混乱したw
でも面白かった! 背景に色々ありそうで続きが読みたくなったよ。
おもしろかった!
ミステリーを読んでるみたいで読み応えあったよ
読みごたえありましたー
長編小説の一部分を見せてもらったかのようで面白かった!
こんな時間だがお踏みなさい
郵便配達員
580 :
1/2:2010/04/04(日) 00:35:39 ID:6dXEaGh10
「頼むよ、いつもの通り送っておいてくれ」
すっかり恒例となった友人とのやり取り。その最中にインターフォンの音を聞いた俺は
会話を手短に済ませて携帯を机に置くと玄関へ急いだ
軽く深呼吸してから扉を開けると、真新しい郵便配達員の制服が目に飛び込んだ
「郵便です」
そう言って笑う彼の初々しい姿に自然と胸が高鳴った。ここ二か月ほど週に何度も顔を合わせているので
その笑顔は営業スマイルではなく本心からなのだろう…と、自分に都合のいいように思っている
本来であれば手紙は玄関に取り付けてある郵便ポストに入れられ、こうして配達員と顔馴染みになる
ということも少ないのだろうが
そんな邪魔なものは新任の配達員としてやってきた彼と、初めて顔を合わせたその日に取り外してしまった
2人を隔てる無粋なポストなんてものは俺には必要ないのだ
「いつもの田中さんからですよ」
「ああ、どうも」
受け取る時にはあくまで自然に。実際にはこの瞬間に指が接触したりしないかなーなんてフトドキなこと
を考えていたりもするんだが、そんなことは表情に少しも出さない
こう見えて俺はクールで通ってるからな、うん
その後軽く天気の話などをして俺の至福の時間は終わる。時間にすればものの3分とかかっていないのだろうが
俺にとっては本当に大事な時間だ
だがその日はいつもと少しだけ違っていた。
581 :
2/2:2010/04/04(日) 00:36:23 ID:6dXEaGh10
俺の心をとらえて離さない郵便配達員は少しだけ言い難そうに口を開いた。
「毎日手紙を送ってくれるなんて、随分仲がいいんですね」
「………えっ」
「す、すみません!こんなプライバシーに関わること聴いちゃって…」
「いや、いいんだ。毎日手紙をくれるのは…えっと、俺は作家をしてるんだけど」
「…そうだったんですか?」
そうだったんですか?って俺は何だと思われてたんだ。
表札は本名だから仕方ないにしても、出版社から何度も手紙来てるんだけどなあ
その上でいい年して平日の昼間から自宅にいるんだぞ、見当つけてくれ
もしかしてニートだと思われていたんだろうか?なんて若干の焦りを覚えつつも、俺は続けた
「その田中って奴は…今書いてる話の舞台になる地域に住んでるから、俺の代わりに町並みの写真とか取材とか
やってくれてるんだ。それだとどうしてもメールよりも手紙の方が便利でね」
よし、咄嗟に考えたにしては良い言い訳を思いついたぞ
「そうだったんですか…作家なんてすごいですね」
「いやあ、まだまだ駆け出しで…食ってくのが精いっぱいだよ」
途端に尊敬のまなざしを向けられて俺はにやつくの懸命に抑えた。
「…でも、よかったです…お仕事の手紙だったんですね」
「え?」
「あ、すみません…そろそろ次の配達先に行かないと」
「ああ…ご苦労様」
それだけ言って駆け出していく後ろ姿を眺めながら俺はこっそりとガッツポーズをした。
もしかしてヤキモチだったのか?つまり脈あり?
暫し玄関で喜びの踊りを舞っていた俺だったが、ふとあることに気付いて部屋に戻ると机の上の携帯を手にとって
リダイヤルボタンを押した
「ああ田中?俺。さっき頼んだ件だけど…来週からは別の奴に頼むわ」
取材と言うのは大嘘
本当はあの郵便局員にひと目惚れし、彼にできるだけ会いたいと思った俺が考えだした苦肉の策だ
友人の田中にすべてを話し、頼むから協力してくれ、中身白紙でいいから毎日俺に手紙を送ってくれ、切手代出すから!
と泣きついたのは記憶に新しい
あれをもう一度別の友人相手にやらなければならないのは正直しんどいが仕方ない
ヤキモチを焼かれるのは嬉しいが、俺の可愛い配達員の心をこんなことで悩ませてしまっては可哀想だからな
自分は動かないストーカー…
なんて斬新な
かかかかわいい…!2人ともかわいいよ!
お前ら早く付き合っちゃえよ!と思うものの、この焦れったさも貫いてほしくなるw
いい歳した大人の初々しい恋にキュンとしました。GJ!
ほのぼのかわいいGJ!
よーしパパ、携帯だけどまわしちゃうぞぉ〜!
早く規制解除されますようにまわし
587 :
風と木の名無しさん:2010/04/05(月) 21:02:19 ID:V+zBHf2tO
あげまわし
come-on!
盲目のご主人様
不安な顔をしないで。
どこにも危険はあるけれど、恐れず一緒に外へ出よう。
道路も駅も階段も、こわがらなくていい。
立ちすくまなくていい、焦らなくていい。
あんたの安全は、俺が責任もって守るよ。
あんたを危険から守るのは俺の仕事。
あんたに必要とされるのは俺の誇り。
積み上げてきた訓練も重ねた努力も、
全てあんたのバディに選ばれるため。
いつかは、あんたを助けられなくなる日が来る。
その時が来たらどうか潔く、さっぱりとお別れして欲しい。
あんたに愛され、頼られ、堂々とあんたを守っていた頃の俺を、
いつまでも記憶に留めておいて欲しいと思う。
それまでの間、すこしでも多く出かけよう。
どこへでもエスコートするよ。一緒に歩こう。
盲導犬→ご主人様かな
後半切ないなぁ
ご主人様のこと大好きなんだね
萌えてそして泣いた…!
限られた時間をご主人と共に精一杯幸せに過ごしてほしいよ
良い話GJ!
まとめの人もGJです!どちらも切な萌えるなぁ
お題見て盲導犬が思い浮かんだらその通りの内容で萌えた…!
犬が男前で切なくていいね
まとめも切な萌えGJ
ご主人様に対する愛情で目が見えないよ…!
ご馳走さまでした!
そろそろまわしますか
まわしまーす
ぐーるっぐるまーわーすー
踏んだらどうなるか…わかってるな?
王族と海賊
貴方のつけた傷跡
601 :
600:2010/04/08(木) 06:06:38 ID:TpVZzVHt0
「こんな時間に、何をしている?」
甲板にいた俺に、ゆったりとしたテノールが語りかけた。俺はちらりとそちらに目をやり、
再び空へと視線を戻した。
「風を読んでる。…明日は嵐になりそうだ」
隣に並んだその男は、長い金の髪を潮風に遊ばせ、同じように空を見上げた。暗い空には
宝石箱をひっくり返したように、星々がまたたいている。
「とても、そのような空には見えないが」
「葡萄酒ひと樽賭けてもいいぜ。もっとも、俺の予測は外れた事ねぇけどな」
「君は本当に凄いな。何でも知っている」
小さく笑いを含んで言った声が、ふいにぽつりと呟いた。
「このまま……ずっと海が荒れてしまえばいいのにな」
「勘弁してくれ。でなくても、ここんとこロクな獲物にありついてねぇ。とっととアンタ
を国に送り返して、たんまり報酬を貰うとするさ」
嵐で大破した船の残骸の中から、こいつを拾い上げたのは偶然だった。大層な造りであっ
たらしい船から、乗っているのがそれなりの身分の者だとは思ってはいたが、まさか一国
の王子だとは思わなかった。
たいした金目のものは回収出来なかったが、この降って湧いた幸運には全員が色めき立っ
た。
女と見まがう程の見た目は上々。売り飛ばせば、かなりいい値になる事は間違いなかった。
当初は俺もそのつもりだったし、実際、奴隷商人の島へと船は走っていたのだ。だが、今
は進路は、こいつの国…辺境の小国へと変更されている。
「私に王位継承権は無い。きっと、君が期待する程の報酬は得られない。申し訳ない」
すまなそうに謝る顎に手をかけて、くい、と、こちらを向かせた。驚きはしたようだが、
思わせぶりに唇を近づけると、素直に夜を写した紺色の瞳が閉じられた。そのまま唇を
逸れ、耳元へと囁く。
「んじゃあ、宝物庫の場所を教えといてくれよ。足りない分は勝手に頂いて行くからさ」
からかわれたと知った頬が、月明かりでも分かる程に朱に染まる。怒りまかせに俺の手を
はね除け、背を向けた身体は、だが、船室への扉の手前で立ち止まった。
「…持って行くのならば、私を持って行け…!」
いくばくか逡巡した後、絞り出すような声で言ったその言葉を、俺はせせら笑った。
「馬鹿じゃねぇの。飯は作れねぇ、皿洗いも出来ねぇ、ロープも巻けなきゃ、甲板の掃除
ひとつマトモに出来ねぇ。だけど飯だけは一人前。そんな奴を飼ってて、俺の船に何の得
があんのよ」
「君の頭には、損得しか無いのか!」
「無いね」
王子は傷だらけの握りこぶしを震わせていたが、もうそれ以上は何も言う事なく、扉の向
うへと消えた。
「……それに、アッチの方だって、お前、てんで下手だしな。そもそも、刃物向けられて
もグースカ寝てらっしゃるよーなお方が、海賊なんて向いてねぇ………向いてるわけねぇ
んだよ…」
俺は懐から取り出した、小さな金色の毛束に向かって、そう呟いた。
両思いなのに切ないなあ…
そして被ったのに萌えるの投下、GJです!
ここの人は相変わらずクオリティ高いね
おお!素晴らしい!超好みのが来てる!海賊っていいわあ。
これはいい。とことん萌える
最後の方が特に好きだ
被ってもクオリティの高い萌え有難うございました!
このまますれ違って悲恋のまま終わっても
数ヵ月後に王子の国でトラブルが起こって海賊が今度こそ奪いに行っても
どちらの展開でもおいしいです。GJ!
うっわ、超萌えた!
ほんと想像力と文才があるなぁ。
物凄く萌えたありがとう!
。妄想がどんどん膨らむよ。
海上生活がもっと見たいGJ!
グーチョキパーの三角関係
「あんたは彼に抱きしめられるばっかり。あたしなんか、いっつも彼を傷つけるだけで、嫌われていくだけよ。
あんたみたいに、一度でいいからあの手に包まれてみたいわあ」
すらりとした長く美しい二本の指はたばこを挟んで遊んでいた。
「ねえ、彼はどんな風にあんたを包むの?やっぱりふんわり優しい感じ?
はあ・・・、いいわよねえ、優しい男。はたから見てても、あんたのこと好きなんだなあってわかるものね。
あー、想像だけでどきどきしちゃう」
普段はつんと澄まして偉そうにしているくせに、俺の前ではいやに饒舌になる。
あいつの前では、なよなよしたこんな女言葉では絶対に話さない。
まっすぐに、ぎらりと鋏のような鋭い目で威嚇して、有無を言わせず、あいつをこてんぱんに打ち負かしている。
「あたしみたいに切り刻むんじゃなくて、包み込める彼は私の憧れなのよねえ」
「あんな、なよなよしたやつの、どこがいいんだよ」
「まっ、あんた贅沢ね!もっと彼に抱きしめてもらえることの贅沢さを喜びなさいよ」
「男は力強くてなんぼだろ」
それも悪くないけどねえ、と寂しそうに呟く。
「やっぱり優しく抱きしめてもらえるって、いいことだと思うのよ。ま、あたしは経験ないけど。
いっつも頑固なあんたに降参するだけだからさあ」
そういってけたけた笑った。お前に勝つにはこうするしか方法がないじゃないか。出かけた言葉をぐっと我慢する。
握った手のひらに爪が食い込む。
力強い俺が好きなあいつと、優しいあいつが好きなこいつ、上手く甘える術を知らないこいつが好きな俺。
いつかこの一方通行の関係が変わればいいのにと思うけれど、それは今までも、そしてこれからも絶対に叶わない願いなのだ。
うまい!たばこを挟んでいる指っていうのがいい。握り込んだ拳もいいね。gj
規制解除ktkr?
はじめ女・男・男の三角関係かと思ったんだけど、
オカマのお兄さんであってる?
チョキが一番好きだw
GJ
前に同じお題があったって
言われてたからwiki見て来たけど
こっちのが好みだ
チョキがいいな。うまい。GJ!
好きな擬人化です。キャラ立ってるよね。
おネエも良い感じよ。GJでした!
これはいいね
萌えた!GJ!
お踏みなさい
相容れない敵同士が一時的に手を組む
620 :
1/2:2010/04/11(日) 17:24:25 ID:BIABfIfp0
窓のない小部屋に、男が二人座り込んでいる。一種異様な光景である。
部屋と呼ぶのも憚られる殺風景な空間には調度品の一つもなく、
重厚な金属製の扉は頑なに閉ざされている。静かな午後だった。
その静けさに抗うように、男の片割れが絶え間なく喋り続けている。
「よく喋る男だ。すこし口を閉じていろ」
それまで無視を決め込んでいたもう片方の男が、とうとう耐えかねて声を上げた。
やけに剣呑な目つきをしたこの中年男、正体は私服警官である。
元より愛想の良いタイプではないが、ここまで不機嫌なのには理由がある。
一つには、敵意ある組織に監禁されているというこの状況。
もう一つには、武器を没収された上に怪我を負い、これという打開策も浮かばない己の状態。
そして何より神経を逆撫でるのは、同室に閉じ込められているのが名うての詐欺師という事実である。
「そうは言われても、多弁は私の取り柄なのだよ。それにね君、私には話術しか持ち合わせがない」
話を遮られた詐欺師の男は、特に堪えたふうでもなく、軽妙な調子で応じて肩を竦めた。
「暗器の一つや二つ隠し持ってないのか」
「ないと言ったらない、徒手空手だ。身ぐるみ剥がれたのは君も同じだろう」
「こんなときに……使えない奴だ。犯罪者のくせに」
「どんなときだろうが私は元々武器など持たない。そう決めているからね」
「なぜ」
「だって、格好悪いじゃないか。私ほどの詐欺師が武器に頼って身を守るだなんて」
男は詐欺師であることを悪びれないどころか、誇らしげに胸を張ってそう言い放った。
刑事は盛大に舌打ちをし、眉間の皺を深くする。
「犯罪者に格好もクソもあるか」
「分かってないな」
男は立ち上がり、演説家のように芝居がかった仕草で両手を広げた。
「所詮、三寸の舌先があれば事足りる世界だ。しかし美学がなくては不完全だ」
「そうかそうか。ならお前はここでその美学とやらと心中しろ」
熱弁は刑事の胸に響かなかったようだ。
男は興を削がれたような顔で壁に寄りかかった。
「他人事のように言うね。気づいていなかったのなら教えてあげよう。
今私と心中しかけているのは他でもない、君だ。この窮地を一人で乗り切れると思うか」
621 :
2/3:2010/04/11(日) 17:29:49 ID:BIABfIfp0
「犯罪者と手を組むくらいなら―――」
「座して死を待つ方がまし?潔いね。何とも安っぽい生き様だ」
刑事の刺すような視線を受けて、男はなおも言葉を紡ぐ。
「体面にこだわって生き急ぐ輩は所詮二流だ。
死んで成し遂げられることなんてたかが知れているし、
そのささやかな成果を自分の目で見届けることもない。まさに犬死にだな」
刑事は立ち上がり、無言で男の襟首に手を掛けた。
男は掴み上げられたまま、双眸を細めて冷ややかに刑事を見つめ返した。
「違う、と否定すればいい。ここで死んでも悔いはないと、神かけて誓えるものなら」
一瞬の逡巡の後、刑事は苦々しげに手を離した。
固い床に勢いよく放り出された男は、後頭部をさすりながら上体を起こした。
「ひどいなぁ、あまり乱暴にしないでくれないか。荒っぽいのは好きじゃないんだ。
君みたいな狂犬に本気で噛み付かれたら、ひとたまりもない」
「……それで。何か手立てはあるのか」
「脱出の? まあ、無いこともない」
気のない返事をして、男は服の乱れをおざなりに整える。
「とりあえず私が見張りを適当に丸め込んで”仲良し”になる。
こちらの意図を悟らせぬよう、必要なものを数点都合させる。
それらを使ってここを出る。あとはただひたすらに逃げる。
すんなり抜け出せればよし、荒事になったら君の出番。以上だ」
「えらく大雑把なプランだな」
「冗長性があると言ってくれ。下手に作り込まない方が融通は利くものだ」
「……まあいいだろう、精々働いてもらうぞ。だが恩には着ない。
用が済んだらきっちり捕まえて刑務所へブチ込んでやる」
「自信満々だね、実に結構。お手並み拝見といこうか」
男の言葉を無視して、刑事はごろりと床に寝そべった。
「お、おい……」
「寝る。30分は起こすな」
その言に違わず、刑事は間もなく眠りに落ちた。
男は困惑しつつ刑事の顔に手をかざしてみたが、熟睡しているのか目を覚ます気配はない。
「呆れた……シンプルな男だな、君は。かえって扱いに困ってしまうよ」
先ほどまで敵視していた相手を、暫定的に味方と認識したのだろうか。
普通、人間とはそれほど簡単に割り切れるものではない。
「私のことなど何一つ信じていないくせに、それでも受け入れるのか」
男は心なし切なげに笑って、視線を落とした。
獣の合理性をそなえた手負いの刑事は、来るべき時に向けて力を蓄えている。
寝顔からは独特の険が抜けて、いくらか若くみえた。
「……お休み、刑事さん」
ぬるんだ部屋に、どこからともなく湿り気を帯びた夜気が混じりはじめる。
男は膝の上で両手を組み、祈るように瞑目した。長い夜が始まる。
おお!かっこいいね
刑事×詐欺師でも詐欺師×刑事でも、どっちでも美味しい…!
この続きの妄想が膨らみますwGJ!
大作キター!これ一時間半で書いちゃったのかー凄いなー
ところで最近初めて書く人多いのかな?
途中で入りきらなかった…が多い気が。
わからなかったらただの通し番号でもいいと思うよ
いいよそのへんは各自の適当で
シチュとしてかなり好きなんで良かった!GJ!
へらっとした詐欺師がツボった!
はやいねー。お題にストライク。GJ
俺の屍を越えてゆけ。遠慮なく。
水着
630 :
1:2010/04/12(月) 20:08:39 ID:zpn0KtphO
「大丈夫か……?」
気ぜわしげな声が意識を浮上させた。
無意識に付け根を擦っていたのを見咎められたらしい。
俺は慌てて膝から手のひらを離した。
この時期の雨はどうしたってしくしくと古傷を刺激する。
「いや、何でもない。少し冷えたかな」
「毛布でも取ってこよう」
言い終わらぬうちにリビングを出ていったアイツに、俺は胸の内で毒つく。
必要ならば自分で取りに行ける。俺にだって脚はある、……作り物ではあるけれど。
631 :
2:2010/04/12(月) 20:10:40 ID:zpn0KtphO
田舎の漁師町に育った子供らのすることなど決まっていた。
毎日毎日。飽きもせず海に飛び込み、これでもかというほど陽に焼け遊んだ。
15の誕生日にも変わらず海に出掛け、
『俺達成長しねーな』
なんて笑い合っていた。
けれども。
岩場の影の見掛けぬ船に。
馬鹿だった俺はアイツが止めるのも聞かずに近付いて。
今思えば密漁船だったのだろう、気が付けばひとつの足を失っていた。
632 :
3:2010/04/12(月) 20:13:37 ID:zpn0KtphO
逃げる船のスクリューに巻き込まれたのだと。
殴ってでも止めれば良かったのだと。
アイツは眼を真っ赤にして、アイツの親父さんに殴られたのだろうボコボコになった顔で泣いていた。
あれから暫く経って、酒も煙草も覚えた歳になっても。
アイツは俺の隣に居る。隣に居ようとする。
罪悪感か贖罪か。
真っ黒だった肌が白くなり、健康的に張っていた肩が丸くなっても。
「でも、もう」
終わりにしなければ。
この雨の季節が過ぎたら。
水着の季節になったら。
言わなければ。
「……さよなら」
「何かいったか?」
「いや、何でもないよ」
海のなかで笑う、お前が好きだったんだ。
めちゃくちゃグッときた。
こんな短い文章なのに、情景とかが目に浮かぶよ。
いいもの読ませてくれてありがとう!!
いつも思うんだけれど、ここでグッとくる文章を披露してくれる人って
文章がうまいだけじゃなくて、お題の切り方が上手いよね。
『水着』からここまで話を広げられるなんて…その才能を分けてほしい。
まわし
規制中なのかサムターンまわし
まわし
まわすよー
踏めよ〜
顔が唯一のとりえだろ?
「顔なんかなんの意味も持たない。そんなものに誇りをもつなんて馬鹿馬鹿しい」
その瞬間、ロックグラスに入った氷が、がカランと音を立てた。酒をもつ手が僅かに震える。
「その言い方は彼に失礼だろう」
夢野の友人だという相島が窘める。それに構わずアルコールで饒舌になった夢野は続けた。
「どうして? そもそも顔が唯一の取り柄という時点で何か間違っていると思わないか相島?」
恋人が自分の存在を否定するような言葉に耐えられなくて、席を立った。
「今日はもう帰ります」
札を置くと、そのまま店のドアを開けた。相島の焦った声が聞こえたが、これ以上言葉を聞いていると、胸がはりさけそうだった。
言語学者である夢野とモデルの自分とでは、そもそも頭の出来も違うし、人間的な重みも違う。
そもそも20を過ぎた大人が、「王子様のようなさわやかさ」というキャッチコピーで売っているモデルだということ自体、まともに働いている人間からすると恥ずべきことだというのはわかっている。
だから、恋人と呼べるだけで奇跡なのだ。これ以上高望みしてはいけない。
そこまで考えた時点で、大きなためいきをついて立ち止った。店に戻ろう。
否定されようと、拒まれようと、自分にとって夢野がすべてだ。
そうやって振りかえったとき、息を切らせた恋人が、こちらへ向かってくるのが見えた。
「……それで、相島さんは何も言わずに帰ってきたんですか?」
「仕方ないだろう、俺が言ったところで何も変わらない。結局、あいつと付き合うというのはそういうことだ」
「顔なんかじゃなくて、君だから好きなんだって言えば済む話なのにね」
「……ほんとに不器用だからひやひやする。どうして言語学者というものは言葉を持ってないやつばかりなんだろうな」
「…それは、自分のことですか?」
笑うと、カッと首元を赤く染めて相島は俯いた。
「……君の取り柄は、か…っ顔だけじゃないだろう」
「はい」
「だから……、その……」
君だから好きなんだ、と消えそうな声で恋人は呟いた。
登場人物が……4人だと……?
文盲でごめんなさい。乙でした。
文盲というわけでもないと思う・・
最初の語り手&夢野さんカプサイド。次の語り手&相島さんカプサイドに
分かれてるってことでいいのかな?
ちょっとわかりにくかったかもね。乙でした。
4人?夢野と相島の登場人物2人だと思ってた…。
どうりでわからないはずだね…。ごめん。
まわし
まっわーし
視点が変わってるんだな
四人で納得
チンコ見られた!
650 :
1/2:2010/04/16(金) 14:50:41 ID:jDZgfEiV0
店の中は騒がしかった。フランチャイズの安い居酒屋には熱気がこもっている。
彼は喧騒をよそに、雨がやめばいいのにと考えた。満開の桜を散らす氷雨だった。
まだ満足なほど飲んでもいないのに、考え事をするほどヒマを持て余しているのは、
目の前ですっかり沈没している連れのためだった。
「……見られた……」
やけに飛ばすと思った。強引に飲みに行こうと誘われた時からおかしいと思っていた。
連れは早々に酩酊し、泥酔し、彼を置いて行ってしまった。彼には到底わからない世界へ。
「……見られた……チンコ見られた……」
相槌を打つのは面倒だった。寒い夜だ。酒が美味い。揚げ出し豆腐が胃に暖かい。
残りをさらえついでに、連れの皿から唐揚げを取った。安いのに美味い。面倒くさい。
慰めかなにかを待っているらしい連れが面倒くさい。
「……チンコ……」
「わかったよ」
「わかってねーし……」
「わかったよ。可哀相だな。貧相で」
「そうじゃねーよ……」
這うように顔を上げた連れの表情はちょっと見ものだった。緩めた襟元、鎖骨の上まで
真っ赤に染まっている。日頃売りにしている快活さと爽やかさはすっかり鳴りを潜め、
ぐずぐずと溶けた目には涙が満ちていた。彼は足を組み替え、体の向きをずらすと、
突っ伏していた上半身を起こす連れを横目で見ながら、それらしく眉をひそめてみせた。
「こないだも言ったろう。さっさと実家出ないからだ」
「だってぇ……」
「もう25だろ。いつまで学生なんだよ」
「だーってぇ……」
651 :
2/2:2010/04/16(金) 14:51:21 ID:jDZgfEiV0
昨日はふいの雨だった。終業後、帰り道で雨に降られた連れはそのまま家に駆け込み、
風呂へ飛び込み、いつものように素っ裸で出てきたのだ。母ちゃん、パンツどこだっけと
言いながら。姪が、連れ曰く「マジ天使」な姪っ子が遊びに来ていると知らずに、だ。
粗末でガッカリしたろうよ。そう言うと、連れは泣きそうな様子でかぶりをふった。
「ひどい……おれもう、生きていけない……」
「ああ、そう。――あ、すいません、おあいそ」
「……え、もう?」
これ以上居てどうするのか。
「なあ、おれ、かわいそう?」
「可哀相。粗末で可哀相」
「お前、おれのチンコ嫌い?」
「いま、全体的にお前が嫌い」
覚束ない手つきで財布を探す連れを制し、彼は余所行きの笑顔で紙幣を出した。
悪い。ぼつりと落ちる声を無視して立ち上がる。二人分の鞄を手に、反対の肩には
骨を無くしたような連れの重みと体温が乗る。奥まった席だった。入り口までさえ
遠いのに、雨の中の道のりはどれだけ大仕事だろう。
ずり落ちそうな体を揺すり上げた拍子に、鼻先へ、彼自身とは違う整髪料の匂いが触れた。
「泊まっていけよ」
あれだけ言葉を欲しがったくせに、連れは返事をしなかった。
かすかに強張った体は、数歩のうちにまた弛緩して、やがて、うん、という答えになった。
そういえば、隣が今月空いた。
今日休みだし、ちょうどよかったな。もう見られたくないんだろ。
朝の日差しが眩しい南向きの部屋。いつものように朝食を並べた彼が上機嫌で言えば、
寝室の方から掠れた声が精一杯に抗議した。どーせお前が見るじゃねーか。
アホなお題なのにこれはよい静謐なお話。
大好きだ!
あのお題からこういう話がくると思わなかった
すごいなー、GJ!
叔父バカなところが可愛い
ずっとつれない雰囲気だったのに、翌朝上機嫌になってる主人公w
実は連れのこと大好きなのかw
というか主人公の片思いで「姪っこなんか気にしてんじゃねー俺を見ろ」的に
じりじりしてるのかなーと思って読み進めてたんだけど、
ちゃんと両想いだったってことでいいのかな。
最後は「うちの隣に引っ越して来いよ!」ってこと?
ともあれ哀れな連れさんに同情しつつGJ
馬鹿っぽいとこがいいw
かわいいなあ
面白かった
次の方どうぞー
片思い同盟
660 :
1/2:2010/04/17(土) 23:40:27 ID:ixaTP1NW0
空気が乾燥しているのか喉が少し痛い。
誰もいない教室。静まり返った空気に咳払いが響く。
並んで座っている級友が照れ臭そうに笑う。
視線の先は俺じゃない。とても穏やかな眼差しだった。
「望はこれっぽっちも無いけどな」
放課後、いつもの雑談は教室から人がいなくなるにつれ、思わぬ方向に転がった。
彼が長い間、一人の女性に片思いをしていると打ち明けられた瞬間、
俺はどんな顔をしていたのだろう。
どんな顔だって構わない彼の視線の先に俺はいない。
「でも望は無いんだ。兄貴の彼女だし」
そう吐き捨てた彼に、どんな言葉も届かないような気がして
掠れた声で「そうか」と呟くのが精一杯だった。
「お前はいないの?好きな人」
「いるよ」
「誰?」
「言わない」
「そっか」
「お前と同じだよ。完全な片思い」
「そうか、なら振られた時には慰めてやるよ」
「お前が振られたら俺も慰めてやるよ」
「じゃあ俺達、今日から同盟だな。片思い同盟」
「なんだよそれ」
冗談めかして彼が差し出した右手を軽く叩いて二人で笑った。
その瞬間、止まっていた時間が流れ出したように
廊下の向こうから同級生達の騒がしい声が近づいて遠ざかった。
661 :
2/2:2010/04/17(土) 23:41:53 ID:ixaTP1NW0
彼が大きく伸びをしながら「どっちが先に忘れられるか競争するか?」と立ち上がる。
俺は「そうだな」と気の無い返事をしながら彼に倣って体を伸ばした。
忘れる事なんて出来るはずが無い。
今、目の前にいる片思いの相手は何年経っても
いつまでも俺の心に残り続けるだろう。
忘れる事なんて出来るはずが無い。
俺もお前も。
この苦しいくらい真っ直ぐな気持ちは紛れもなく恋なのだから。
>>660 んな〜!もう大好物、こういうの。
青い春だね、いいね、いいね〜
イイモノありがとうございました!
可愛いね。青い春か〜まさしく。
切ない青春いいなあ…GJでした!
(´;ω;`)ブワッ
こういうシチュ好きだー。切ないよね。
同盟ってことは「一緒に頑張ろう」ってスタンスのはずなのに
その同盟が続いてるかぎり絶対に自分は報われないという…
鳴いた
はい、どうぞ
愛させて
670 :
1/2:2010/04/19(月) 18:45:56 ID:kTDjvg98O
「は?なんですって?」
「だから、たまには私に愛させて欲しい、と言ったのだ」
「…まーた変な事思いついたんですか」
「気付いてしまったのだ……そう、私は、君に愛され、与えられてばかりいると……
このままでは私は君の愛に溺れてしまうだろう……そう、愛の飽和だ!飽和は停滞だ!倦怠期だ!」
「はあ」
「だから私は、君から貰った愛と、私の中で育んでいる君への愛を、君へ還元したいのだ!」
「……もう少し具体的にお願いします」
「まず、私は日々の料理を君に作らせてばかりだったな。だから今日は私に任せ給え」
「けどアンタ、前にゆで卵作ろうとして、大惨事引き起こしたじゃないですか」
「スーパーへの買出しも私一人で行く。店内の配置も覚えたから完璧だ」
「カートで暴走してジャガイモの山に突っ込んだこと、もう忘れました?」
「洗濯も私がやろう。なに案ずるな、最近の洗濯機は全自動だからな!」
「この間、干すとき庭に洗濯物ぶちまけたの誰でしたっけ」
「ポチの散歩も私が行ってくる。君はその間、家でのんびり音楽でも聴いているといい」
「ポチに張り合って全力疾走して体力尽きて、俺が迎えに行ったことありましたよね」
「風呂の用意も私に任せなさい。背中も流すぞ。最高の癒しの空間を君に捧げよう!」
「温泉の素を混ぜまくって大はしゃぎして。あれ、後で掃除するの大変だったんですよ」
671 :
2/2:2010/04/19(月) 18:48:14 ID:kTDjvg98O
「なんだね、君はさっきから。私の愛に水を差すような事ばかり言っていないか?」
「そういうつもりはないですけど。けどアンタがそうやって張り切ると、その十倍おまけがついてくるんですよね」
「どういう事だ?……ハッ。まさか君は、私に愛される事は迷惑だと……?そうか、そうなのだな!?」
「いやあの、だからね……」
「なんということだ……このままでは私は君を愛せぬまま、君からの愛で飽和してしまう……嗚呼、
君への感謝も君への愛も、私は何一つ返すこともできず、水底のヘドロと堕ちて行くしかないのか!?」
「あー……。えーと。アンタ、俺のこと好きですか」
「当然の事を訊かないでくれ。私は君の事を世界で一番に好いている。とても大切だ、心の底から愛しいと思っている」
「うん。だったら、それで」
「ん?」
「今の言葉で、俺からアンタにあげたっていう愛の半分くらい、俺に還ってきました」
「んん?」
「良かったですね。これで当分、溺死しないで済みますね」
「……そうなのか?」
「そうですよ。……さて、洗濯物も畳んだし。夕飯の準備しなきゃなー……あ、でも冷蔵庫空っぽだったっけ」
「これで良いのだろうか……私は彼を愛せているのだろうか……?」
「何ブツブツ言ってるんですか。夕飯の買い物行きますよ。用意してください。…おーいポチー、散歩行くぞー」
>>670 仰々しい言葉づかいなのにアホっぽいところと
突っ込みしっかりしつつ掌で転がしてるところ、
そしてなにより両想いすぎなところに萌えた!!GJ!!
これはGJ!大仰な言動なのにカワイイし、相手のあしらい振りも萌えるw
生活感の漂ってるのもいいなあ。ポチって名前はどっちが名付けたんだろう
正直、まとめサイトで続編読みたい
>>670 読みながらニヤニヤがとまらなかったw
かわいいな〜この二人。
私も続編読みたいです。
何このかわいい2人w
「アンタ」は一生「君」にかないそうにないなw
会話のテンポがいいね。キャラも良かった。
和んだw
こういうちょっとズレてる相手と、そのあしらいが上手い人のカプ大好きだわ
言葉の運びもいいなあ
踏みなさい
インプリンティング
まわします
残念 まわし
せっかくなのでお題で雑談まわし
ゾウガメのケージで育てられてた白孔雀が
「自分はゾウガメだ」と思いこんで、メス孔雀には目もくれず
ひたすらゾウガメに求愛しつづけたってエピソードがあるけど、
あれもインプリンティングらしい。
孔雀はオスだったと分かってるし最初は萌えてたんだけど、
ゾウガメの性別について真剣に考えてたら
801的な萌えがどこかにいってしまったw
まわし
まわし
>682
その場合孔雀はゾウガメの性別が判別できるんだろうかまわし。
異種婚姻譚いいじょのいまわし
mawa shi
お踏みなさい
長年の同居人が人外だと今知った
690 :
1/2:2010/04/23(金) 19:02:56 ID:uUG0AtA90
僕が初めて設楽に会ったのは十年前の雪が降る朝だった。
母に手を引かれ、長い長い静寂の中をひたすら歩き続けた。
「今日からこの人の元で暮らすんだよ」
そう言って手を離した母に、僕はただ黙って頷いた。
設楽との生活は穏やかに過ぎ、僕は中学三年生になっていた。
あまり客の来ない骨董屋でどうやって生活できるのか、母はなぜ僕を設楽に預けたのか。
僕は深く知ろうとはしなかった。
知ってしまったら今の生活が壊れるような気がして。
その日も朝から雪が降っていた。
手足が痺れるくらいの寒さに身を固くしながら、足早に家路に辿り着くと、
いつもは西日に目を細めながら『おかえり』と微笑む設楽が血の色に染まり倒れている。
他には二人、正確には一人と一匹と言ってもいいのだろうか。
大きさや形は人間に近いが、全身が鱗に覆われ、頭が二匹の蛇になっている怪物と、
この店の数少ない客の一人である藤堂だ。
彼も傷を負っているようで腕から血を流していた。
691 :
2/2:2010/04/23(金) 19:06:00 ID:uUG0AtA90
「あの時の忌み子か……美味そうだ」
蛇男が湿った笑い声を上げると藤堂は血が混じった唾を吐き捨てる。
「だから早い内に食っちまえば良かったんだ。なのに設楽のやつ、情が移っちまって坊主を育てるだなんて言うから」
僕の思考より藤堂の動きが早かった。
「坊主、俺と契約をしろ。何、魂までは取らんて」
返事をするより早く、藤堂は僕の唇を塞ぎ吸い付いた。
足元がぐらつき、頭の中を全て見透かされたような感覚に全身が震える。
藤堂の体が燃えるように熱くなり、人間では無い姿に変化していった。
人間で無い姿になった藤堂は一瞬で蛇男の首を落とし、店の中には静寂が戻り、
苦しそうに呻く設楽の息が聞こえる。
ふらついた足で駆け寄ると設楽はいつものような優しい笑顔で『ごめんな』と呟いた。
僕は泣き叫び設楽にしがみ付いて何度も名前を呼びかける。
「安心しろ、そいつはそのくらいで死ぬようなタマじゃなねぇ」
いつの間にか人間の姿に戻っていた藤堂が蛇男の残骸を蹴り飛ばす。
「ちょっとばかし傷が深いが契約さえすりゃあっという間に治る」
「契約?」
「そう、あの世とこの世の境目に生まれた忌み子であるお前が契約すれば、設楽の力も戻るだろう
どのみち、俺と契約した事でお前は完全にこっち側の人間になってしまったんだから戸惑う必要は無い」
迷いは無かった。僕は息を一つ飲み込み、設楽に唇を重ねる。ありったけの気持ちを込めて。
設楽が人間では無い事は初めからわかっていたような気がした。
長年、一緒に暮らしてきた彼の姿とは全く違うその姿を見た今でも、不思議と気持ちは落ち着いている。
そして人間よりも遥かに大きく、銀色の毛並みの狼のような狐のような姿に変わった設楽の首筋にしがみつき、
『ずっとずっと一緒にいて欲しい』と泣く僕を設楽は優しく抱きしめた。
GJ!
和風妖怪物、好きだ
GJ!
しかし設楽がどうしてもバナナ男で再生される
長編ストーリーの冒頭部分みたいでいいなー
細かい設定とか人物相関とか気になるじゃないか
GJでした!
ここからいくらでも話が膨らみそう
GJ!
きゅんときたGJ!!続きが読みたい・・・
まとめの人のもかわえええ
バナ/ナマン言うなw
まわし
俺の屍を越えてIKE!
恋人(ブラコン気味)の弟は、どうやら俺の兄(ブラコン気味)と付き合っているらしい
700 :
1:2010/04/25(日) 18:32:02 ID:56bMNgBdO
「なぁ裕也、俺はさ、拓也じゃない。」
「え?何言ってんの、一樹兄ぃ。どうしてそんなこと言うの?」
「…お前さ、俺を拓也の代わりにしてんだろ。」
そんな不穏な言葉を聞いたのは、拓也といっしょにリビングでお菓子を調達して兄貴の部屋に入ろうとした時だった。
―「なんか俺らお邪魔虫みてぇー。おい、裕也、俺の部屋行ってウイイレやろうぜ!」
兄貴は俺と拓也の仲を知っていて、二人がうちに遊びに来たときは裕也を連れて自室でテレビゲームに興じてくれていた。
それは今日もいつも通りで、だからこそ今だって二人の分のポテチを渡そうとしてた。
扉を開けて、そこには上機嫌な裕也とコントローラーを投げ出してふて腐れてる兄貴が居て、でもお菓子を見ると二人とも一時休戦とばかりにやってきて…
そんな情景を思い浮かべていたのに。
701 :
2:2010/04/25(日) 18:33:00 ID:56bMNgBdO
扉の向こうからやってくるのは、ただただ重苦しい沈黙だけだった。
「…そっちこそ…」
しばらく経って、掠れた裕也の声がした。続いて、大きな怒鳴り声。
「…そっちこそ!一樹兄ぃこそ!!
俺に健二を重ねてんじゃねぇのかよ!!」
自分の名前が出て来た事に、ノブを握った手が震える。
そしてそれを見透かしたかのように裕也は言葉を続けた。
「…ねぇ、俺を見てよ一樹兄ぃ。俺は裕也だ。
健二はどうだか分からないけど…俺に一樹兄ぃの身体で知らないトコなんて無いよ…?
ここ…好きでしょ?」
「や、めっ…やめろ、裕也…っ!」
衣服が擦れる音、兄貴の切羽詰まったような声。
「好きだよ…一樹…」
「…っあ、ゆ、裕也…っ」
スプリングの軋む音、荒い息遣い。
俺と拓也は考えるより早く、部屋に飛び込んでいた。
702 :
3:2010/04/25(日) 18:34:09 ID:56bMNgBdO
飛び込んだ俺と拓也の目の前に広がっていたのは、ごくいつもどうりの兄貴の部屋で。
…ただいつもと違うのは、中に居る二人のにやけた顔、そして、二人の手に握られているノートだった。
はめられた。
そう思うよりはやく、首謀者達が突進してきた。
「健二ぃー!!!!!」
「拓兄ぃー!!!!!」
……
「だってさ、健二がさぁ、ちーっとも構ってくれないんだもん!ちっさい頃は『おにーちゃん、おにーちゃん!』って俺の後ろ金魚の糞みたいにくっついてきたのにー」
「拓兄ぃだって最近なに話し掛けても『後でな』しか言わないじゃん!昔はいろんな事教えてくれたのにさぁー」
そうだだをこねる二人の犯人の目の前からこれみよがしにポテチを取り上げて俺の部屋に帰る途中、
「あいつら、案外お似合いだよな。」
と言った拓也に、俺は笑いながら頷いた。
何度か読み返して解読した
お題はどっちの兄弟も、兄が弟に対してブラコン気味なんだよね?
これって片方は兄→弟へのブラコンだけどもう片方は弟→兄へのブラコンじゃね?
704 :
700:2010/04/25(日) 19:51:03 ID:56bMNgBdO
700です。
すいません、
>>703さんの言うとおりお題を読み間違えました。
自分さえしっかり確認していれば防げたミスでした。
本当に申し訳ありません。
まとめのチラシに書こうと思ったのですが、今は全て埋まってしまっているようなのでこちらに書かせて頂きました。
嫌な気持ちにさせてしまったスレ住人の皆様、申し訳ありませんでした。
チラシは埋まってしまったから、今は業務連絡スレがチラシになってるよ。
ウィキにコメントつけるなどの案がでているけど途中です。
ドンマイ。投下おつかれさまでした。
お題通りではなかったかもしれないけど、面白可愛かったよ。
ワンシーンじゃなくて、この2カプで読んでみたいと思った。
投下乙でした。チラシはまとめwikiの方でもう稼動してるみたい。
0以外投下スレの次をどうするかはまとめサイトの業務連絡スレで相談中
今840だからもう少し余裕あるけど
どうぞー
最後のひとつ
「あ、最後のひとつ」
「お前食べていーよ、俺結構食べてるし」
ホラ、と袋ごと差し出された最後のお菓子をじっとみつめた。
だんだん暖かくなってきた春の午後に、講義をサボって
大学の屋上で談笑しながらお菓子を食べている。
しかも好きなやつと。俺はなんて幸せなんだろう。
視線をお菓子からヒロに移すと、なんだよ、と言いたげに笑われた。
こんな笑顔ひとつに切なくなる。どうしようもなくヒロが好きだ。
「あー、えっと」
なんでもない、そう続けようとした口が別の言葉を言いそうになる。
「……ヒロ、俺、お前がす」
「なに二人だけでお菓子食べてんのずるいおれも呼べよバカ!」
言いかけた瞬間、目の前のお菓子の袋から最後のひとつを
奪っていった手があった。
驚いて顔を上げるとそこには、奪っていったお菓子を食べながら
不満そうにしている見知った顔があった。
「裕か、だってお前大学来てなかっただろ?」
「メールしたじゃん! ヒロ見てなかったわけ!? ひどい!」
裕はふざけながら大げさに悲しんでみせる。
そんな姿に笑いながら、大げさだろと言おうとした。
「昨日はあんなにらぶらぶメールしたでしょ〜?」
「え」
「バッカお前、浩介がいるところでそんなこと」
言ってからヒロは墓穴を掘ったことに気がついたらしい。
いつもの調子で、バカなこと言ってんなよと笑い飛ばしてしまえばよかったのに。
「……付き合ってんの?」
「あー、まあ」
「昨日からね!」
裕はそう言って真っ赤になって俯くヒロの肩を抱いて、俺に向かってピースサイン。
「なあんだよ、早く言えよ、良かったな」
最後のひとつよりも先に、ヒロも奪われしまっていたようだった。
切ねぇ…
主人公には是非とも幸せになって頂きたい
GJでした
浩介のその後の心境を想像するとものすごく切ない…
報われない片思いシチュ大好きなんだけど
感情移入するとこっちまで苦しくなるよね。
まわし
まわし
屋上でサボりって憧れたなぁまわし
立ち入り禁止で夢は潰えた
これはいいホモだらけ学園ですねw
面白かった
明るい雰囲気なのに切ないGJでした
踏んでください
少しだけカニバリズム
俺の好きな男は痛覚が鈍い。
先週は電柱にぶつかって額から血を流しながら平然と歩いていた。
先月は車に轢かれ腕を骨折したのに一日気付かず仕事を続けていた。
「考えてみれば、痛覚だけが鈍いというより、全体的に鈍いんですね。
それでよく怪我をするから少しくらいでは気にも留めない」
「そうとも言えるかもな」
俺は男の上にまたがり、シャツのボタンを一つずつ外していく。古い傷跡を少しずつ露出させながら笑うと、男は蛇のようだと揶揄した。
「好きなんですよ」
「俺が?俺の体が?俺の体についた傷が?」
「さて…難しいですね」
すべてのボタンをはずし終えた後で胸にそっと唇を寄せる。
そして、心臓の上のあたりの皮膚を、噛んだ。犬歯を食いこませ、引っ張りあげるようにして噛みついていると、やがて皮膚がぷつりと切れて口の中に血の味がしみ込んでくる。
そっと口をはなして、真新しい傷口ににじんだ血をなめとる。
男は苦笑しながら俺の動作を見ている。
「また同じところだ」
「消えかかっていましたから、上書きです」
「よくやるよ、変態」
喉の奥で笑う男に、俺もつられて小さく笑う。
「俺が変態で嬉しいくせに」
言ったあとで、少し話していた間に滲んだ血を丹念になめとった。
「本当はね。俺は貴方の、どこか少しでいいから、食べてみたいんです。
でも、貴方の体の、どこもなくなったら困るでしょう?」
「確かに、今でさえ行きにくい温泉やら海やらにさらに行けなくなるな」
男の返答は俺の欲しいものとは少しずれていた。わざとずらされていた。
お互いそれを承知の上で、目を合わせてほほ笑む。
「だからヴァンパイアのまねごとで我慢してあげてるんです。
…さて、次は膝に噛みついてみたいので、上体を起こしてください」
苦笑しながら起き上る男の眼は、欲情で濡れている。
結局のところ変態同士でうまくおさまっている、そんなことを考えながら
男のズボンに手を伸ばした。
>膝に噛みついてみたいので、上体を起こしてください
膝に噛みついてる「俺」を「男」はどんな表情で
眺めるんだろうと考えて禿げ萌えた。
こういう変態好きだー萌えをありがとう!
傷跡の上書きいいよね
これはいい変態。ぐっときましたGJ!
まわし
まわし
まわし
まわし
はっけよい
のこった
「メガネを外すとイケメン」の法則
730 :
1:2010/05/01(土) 15:17:12 ID:Uokh4MfX0
眼鏡を外した彼は、いつもならレンズの向こうにある瞳を細め、眉間に皺を寄せながら俺を見た。
「やっぱり眼鏡がないとよく見えない」
ふうとため息を零し、目を伏せて笑う。
俺を射抜いた瞳は俺ではなく床を見ている。
それに少しだけムッとするが、顔に出さない様にしながらこっそり観察を続ける。
普段なら分からない睫毛の長さだとか、綺麗な瞳の色だとかが白日の元に晒されているのは、何だか見てはいけないものを見てしまったような気分にさせた。
「アンタやっぱり眼鏡じゃなくてコンタクトにすればいいのに」
呟いた俺の言葉に、彼は目を閉じて苦く笑った。
ああ、これは地雷だったのかもしれない、と後悔したが、言ってしまった言葉は取り消せない。
「私はコンタクトが苦手なんだ。何より、眼鏡を付けていないと不安で仕方ない」
閉じた目が開かれて、俺ではない何処かを見た。
零れた言葉に嘘はないのだろうが、その奥にある本音を俺は知っている。
彼の想い人が言った言葉が今でも彼を縛っているのだ。
「…ねえセンセ、俺は眼鏡付けてない方がイケメンだと思うよ」
それも嘘はないけれど、本音は少し違う。
「眼鏡を外した位でそうそう変わるものかね」
「いや、センセはいつも眼鏡を外さないから知らないんだ。眼鏡付けたセンセはちょっと取っつきにくいよ」
「そんなに似合わないかね?」
「ううん。似合ってるけど、眼鏡無い方が何倍も格好良い」
「大人をからかうものじゃない」
ふふ、と今度は楽しげに目を細め、胸ポケットに入れていた眼鏡を取り出す彼。
731 :
2:2010/05/01(土) 15:17:33 ID:Uokh4MfX0
その手を取って、パチクリと目を瞬かせる彼の顔に近づいた。
鼻と鼻が触れ合う位に寄せた目は俺を映していて、眼鏡と言う壁を失くした彼はやはり何倍も良いと思う。
「何より、眼鏡ない方がキスしやすい」
ちゅ、とわざと音を立てたバードキス。
持っていた眼鏡を床に落とした彼の顔は真っ赤で、やっぱり眼鏡を付けない彼は普段より何十倍も良い。
パクパクと口を開ける彼の足元にしゃがみ込み、一呼吸して立ち上がる。
「な、なにを」
「俺の好み覚えておいてねセンセ。眼鏡無い方が好きだよ」
唇に手を当てて慌てる彼の瞼にもう一度口付けて、その場から逃げだした。
背後から追いかける音は聞こえない。
それに半分ほっとして、でも半分追いかけてきたらいいのにとも思う。
でも、これで彼は彼の想い人の言葉なんかより俺の言葉に縛られやしないかなと、ワクワクした。
明日もまた、眼鏡を外した彼が見られるだろうという期待をしながら、こっそり持ち出した彼の眼鏡に口付けた。
投下早くてすごいなあ
でもこれ眼鏡あっても一応イケメンなんじゃw
GJ!何度も読み返すぐらいよかった。
そのまま想い人から奪ってしまえ
メガネで冴えない風なのがいいなぁ
その分オフの時が引き立つよね!
この会話いいなあGJ!
まわし
まわし
どうぞわたくしめを踏み台にお使い下さい
虐殺系
携帯から失礼します
数え切れない程の生き物を殺した。それが俺の生きる意味だった。
数えもしない死体が目の前に一つ増えただけで、今更何を震えているのだろう。
「愛してるよ…」
「…………遅ぇよ、馬鹿」
俺もだと答えてやるには、何もかもが手遅れだった。
いいねいいね
殺戮に明け暮れてる系のキャラのこういうシチュ好きだ!
742 :
1:2010/05/03(月) 20:03:03 ID:06DBZmqM0
ありとあらゆる物が焼ける臭いが、その村に充満していた。
「まあ任務だからな。民族の勝利と正義のためだ」
年齢は二十代後半くらいだろうか?
兵士らしき男は、炭化した黒い地面に投げやりな視線を注ぎながら呟いた。
ここは世界の辺境と呼ぶべき軍事政権国家の東端。
少数民族居住区の寒村だった場所である。
今はただの焼け野原だ。
この国ではよくある政権からマイノリティへの「懲罰」だった。
と、女の凄まじい金切り声が響いて来た。
村の生き残りの女が男の同僚に輪姦されているのだろう。
男は舌打ちをすると歩き出した。
男の体は、戦闘終了後の虚脱感と疲労感がない交ぜになった気だるさに包まれていた。
元は村人の信仰の対象であったろう山の精霊を祭る社も、完全に焼け落ちてしまっていた。
辛うじて焼け残った柱に男は何の感慨も無さげに近寄った。
そして、そこから少し離れた大きな岩を一瞥する。
「・・・出て来い! 死に損ないが!」
男が叫ぶと同時に、岩陰からナイフを片手に持った少年が男に飛び掛った。
男は軽くかわすと、少年の腕に一撃を入れてナイフを叩き落した。
痛みで思わずうめき声を上げた少年に、男は足払いを掛けて倒し、その上に馬乗りになった。
少年の年は十五歳前後であろうか?
金い髪。
明るい褐色の肌。
南方モンゴロイドとコーカソイドの特徴が交じり合ったの独特の顔立ち。
透き通った碧い瞳・・・。
その礁湖(ラグーン)のような青い瞳は、ありとあらゆる感情を内包しながら、ありとあらゆる感情を男に向けて発散していた。
黒い髪。
黒に限りなく近い暗い褐色。
南方モンゴロイドそのものの扁平な顔立ち。
甲虫の背中のような黒い瞳・・・。
少年とは全てが正反対の男は、無表情のまま少年の顔を眺めていた・・・。
743 :
742:2010/05/03(月) 20:06:36 ID:06DBZmqM0
すいません、私が書き始めたときはまだ740だったんですが
リロードを忘れてしまって・・・orz
続きは中止します
745 :
740:2010/05/03(月) 22:03:04 ID:64gpgnBNO
>>742 こちらこそあんなド短文で踏んですみません。
余計なお世話かもしれませんが、よければまとめサイトの0さん以外に投下しては?
書き始めでなく投下直前のリロを強く推奨するんだぜまわし
虐殺係と読み間違えて、何事かと思ったまわし
こうしてどさくさ紛れで24時間も経ってないのにまわす人が二人もいるのだった
>>420 お題がお題だけに流れるかなあと思っていたので萌え投下GJ
服屋の店長とアルバイト
750 :
1/2:2010/05/05(水) 00:11:08 ID:eTUUWo8A0
「店長…なんですかこの柄…。」
日曜日だというのに、相変わらずこの店には閑古鳥が鳴いている。
店の裏で先日届いた新商品の棚卸しをしながら、俺はため息をついた。
「それ可愛くない?うさちゃんにー、リボン付いてんだよーえへへ。」
にへら、と笑いながら店長は嬉しそうに答えた。
今回届いた新商品は七つ。その全てにリボンやらフリルやら、
可愛らしい動物達やらが散りばめられている。
「…えっと、確認しますがこのお店って対象は20代男性でしたよね?」
「うん。」
「今度からレディースも扱うという予定でも?」
「ないね。」
「じゃあ子供服?」
「それもない。」
「………だったらやはりこの服はいい大人の男が着る前提で仕入れた、と?」
「そゆことー!」
なんの悪びれもなく頷く店長に、俺はもう一度大きなため息をついた。
「先月はいきなり、時代はパンクだよ!とか言い始めたと思ったら、今月はこれですか…。」
「透くん怒ってる?」
「別に怒っちゃいませんけど。ここは店長のお店だし、店長の好きなようにやればいいと思ってます。
…ただ、先月の売り上げも厳しかったし、これじゃあ今月も大変なんじゃ…。」
この店が毎月赤字続きである理由は、商店街の片隅という立地条件の悪さもあるが、
何より店に置いてある商品の系統が見事にバラバラなことにあると思う。
しかもその中のどれを取っても、デザインが奇抜で日常生活では使えないものばかりだ。
751 :
2/2:2010/05/05(水) 00:11:35 ID:eTUUWo8A0
「いつも困らせてごめんね。」
「別に、いいですけど…たまに狂ったように買ってく変わり者もいますし。」
「へへー今回はね、新作が売れるように、俺自身も着てみたんだよー!」
そう言いながら店長は、うさぎプリントのフリル付きTシャツを自慢気に見せた。
「いや最初から気付いてましたが、…なんか店長無駄に似合いますよね。」
「そうかなー?透くんも着る?」
「遠慮しておきます。」
すっぱりと断ると(だってそんなファンシーなTシャツ着て働けないし)少ししょんぼりした店長が
レジから出て近づいてきた。
「かわいいんだよー?うさちゃんだよー?フリルだよ?」
「店長ならまだしも俺みたいなでかい男が着たらちょっとしたホラーでしょ。」
「えーかわいいと思うんだけどなー。」
やいやい言ってる店長を気にせずに、座ったまま棚卸しの作業を続けていると、
背中にズシリと重みを感じた。そしてギュッと回される細い腕。
「あーでもやっぱり透くんくらい筋肉あったらこのTシャツ入んないかなー?」
「ちょっと何やってるんですか……なんか、なんかいい匂いする。」
「おー!わかった?今日はかわいい洋服に合わせて、かわゆい香りを付けてみましたー!」
「はぁ。」
「どうかなどうかな?いい感じ?」
「………甘ったるい。」
「えー。いい匂いだと思うんだけどなー。」
「と、とりあえず重いから退いてください。ちょっと俺煙草吸ってきます。」
まだぶーぶー言っている店長を無理矢理引き剥がして、俺は急いで外に出た。
時給630円(たまに出ないことも有)のこのバイトはまだまだ辞められそうにない。
商店街ってところがいいなあw
店長うざかわいい
まわし
754 :
風と木の名無しさん:2010/05/06(木) 02:51:29 ID:TLjjshxTO
>>750 GJ
バイト始めた経緯とかが気になってしまったジャマイカw
まわし
店長可愛い惚れるぜGJ
GJ!店長かわゆすなぁw
個人的には年配の方が萌えるので、佐野史郎で変換してみた
>>756 おお。お茶目なおっちゃんで想像しても萌えるな!
なんか新たな萌えを見つけてしまった
ちょっと変な人萌えなので面白かった!
ふんでくれ
うだつのあがらない中年男×才気鋭い孤独な少年
760 :
1:2010/05/07(金) 10:54:47 ID:G1yQTkFKO
「ねえ、いつまでそうしてんの」
少年の声音はいつになく甘かったが、男はびくりと身をすくめた。
「誘ったの俺なんだからそんな顔しないでよ」
自分の下で挑発的に晒される少年の白い喉に目を吸い寄せられながら、男は動けない。
リストラされて自棄酒し、帰宅途中の裏通りで恐喝ついでのタコ殴りに遭っていた男を助けたのが少年だった。
そのまま何事もなかったかのように立ち去ろうとする少年を礼がしたいと引き止めた。
「じゃあ今晩泊めて」
少年の事情に立ち入る権利もなければ大人としての威厳も今の男にはない。逡巡しながらも了承すると少年は苦笑いした。
「ダメ」
「えっ?」
「ダメだよあんた、赤の他人を簡単に家に入れたりしたら」
それとあんたは気付いてないのね、と少年は続けた。
「さっきのチンピラなんかより俺の方がずうっと悪い人なの」
結局少年は男とせんべい布団を分けあい、男が目覚める前に出て行った。
それから時折少年はフラリとやってくる。最近は夕飯を囲むようになった。
たがいに踏み込まず、寂しさをうまい具合にいじくりまわしていた。
今日だっていつものように食事をし、後片付けをし、風呂を済ませてプロ野球を……
761 :
2:2010/05/07(金) 11:19:05 ID:G1yQTkFKO
「怒るよ」
走馬灯のような一か月間の回想を破ったのは当然少年だった。
右腕を引かれて布団に簡単に転がされ、うっすら脂肪のついた腹に跨がられて息を詰める。
自分を助けた時に見せた目を見張るような動きを思い、戯れに指した将棋の馬鹿強さを思い出し、少年が万馬券で得た金額が頭を巡る。
この少年に勝るものなど自分にあるのだろうか。
「おい、落ち着けって」
男は体をまさぐり始めた両手を掴んで途方にくれた。据膳食わぬはなんとやらと言うが、しかしこれは……。
「掘ったりしないから安心してよ」
楽しげに少年は顔を寄せてきた。
「嫌?」
「いや…まだそういうことは……」
間近で少年の目が輝くのを見て、男は自分の失言に気付いた。
「『まだ』?」
いたずらっぽい囁きが顔を撫でる。
「まだお互い名前も知らねえんだぞ!?」
顔を背け、男はやぶれかぶれにわめいた。
「そうだね、名前呼びながらするの気持ち良さそうだ」
少年は晴れ晴れと笑った。
男は深いため息をつき、起き上がるとあぐらをかいて少年の腰を引き寄せた。
「どうしようもない悪党だな……」
「一番最初に言ったじゃない」
二人の微笑んだ唇は、間もなく名前を告げあうのだろう。
もーえーたー激しくもえた!これは良い
理想的な萌えでした
GJ!!
期待以上の萌え…!
この日に至るまでの二人の互いを知っていく様子が見たくなった
いい萌えをありがとう
わたしももーえーたー!!!!
少年の喋り口調がいいなー
こういう感じの好きだ
悪党って響きにこんなに萌えたのは初めてだ……
GJ!
よっこいしょ
言いなりわんこ×女王様
770 :
1/2:2010/05/09(日) 20:18:12 ID:GrD4rzOXO
これが今回の報酬、との言葉と共にテーブルに置かれた布袋は重たい音をたてた。
「いつもありがとうございます」
袋の中身を確認し、懐に納める。
一連の動作を眺めていた青年は、ほう、と優雅に溜め息をついてグラスに口をつけた。
「それで」
今彼が飲むトカイワインのように甘ったるい声に呼ばれ、男は身を固くした。
「…もう、必要ないんじゃありませんか?」
「だめだ」
即座に返される否定に身をすくめる。
「だってあなた…もう充分に楽しまれたでしょう…それに私だって…」
「君だって?」
射すくめるような視線に言葉がつまる。
「…あんまり危ない橋は渡りたくありませんし」
からからと彼が声をあげる。
「君とても楽しんでいたではないか。ずいぶんといい思いをしたのだろう?」
ぐ、と言い淀むのを、楽しげに見遣ってグラスを煽った。
「ですが…これ以上は…相手が大きすぎます」
「ふふ…」
妖しげに微笑み、目を細める。
早くここから逃げ出したいのに、頭の一部が痺れたように麻痺している。
771 :
2/2:2010/05/09(日) 20:19:09 ID:GrD4rzOXO
「では、こちらは?」
高価な靴を行儀悪く足先で脱ぎ捨て、白いストッキングにくるまれた足を差し出す。
ゆったりと足を組みながら、見せつけられるその白さにくらくらする。
形のよいふくらはぎに何度口づけただろうか。
足の甲にキスした感覚も、綺麗に手入れされた足先の形も、嫌というほどよく知っている。
「…ご冗談を」
「私が冗談を口にしたことがあったか?」
「…いいえ」
どれほど驚愕させられる内容でも、彼の言葉は常に事実だ。
しかし真実ではない。
「…お望みは、私じゃないんでしょう?」
「今は君さ」
伸びた足先が男の足の間を撫であげる。
「今は…ですか」
「不満かね」
「……いいえ」
王者のように君臨する彼の前に膝をつく。
「あなたの、お望みのままに」
くす、と満足そうに彼が笑った。
いいね奴隷と女王様
まわし
女王様の方は、中世貴族が着てた脚線美強調のあの服装を想像したw
ストッキングというよりむしろタイツだけど
え?違うの?
設定の解説欲しいだ。
靴下やソックスと書くとイメージ崩すからかと思った
検索したらメンズストッキングって普通にあったけど
シェークスピア的なのを想像したw
「良心は?」「○○様の財布の中さ」とかみたいな金で汚い仕事を請け負う雇われ人と陰謀を巡らす貴族とか
踏んでいいですよ
不良少年と読書する優等生
すいません、
>>776に書きこんだの忘れてました。まわしてください
>>779 776に書き込んでいたとしても、連続書き込みのみ禁止だから大丈夫だったのに。
自爆だけど、*0をとっているから、779のお題で投下じゃない?
「お前ってさー、いっつも何か読んでるよな」
「本、好きだから」
「授業で勉強して、放課後に本読んで。お前、遊びたいとか思わねえの?ゲーセン行くとかさ」
「俺にとっては、読書は娯楽だ」
「ゴラクって。全ッ然、楽しそうに見えねーんだけど」
「そう?」
「すげえしかめっ面して読んでんじゃんお前。……なに読んでんだよ」
「推理小説」
「おもしれーの?」
「今は」
「今はって、何だそりゃ」
「結末によっては、この本を引き裂くかもしれない」
「は?」
「こう見えても握力けっこうあるから。今年の俺の体力測定の結果、知ってる?」
「いや、知らねーけど…」
「こう、本のここから真っ二つに、『税込み760円を返せ』の恨みを込めて、バリバリと」
「……え。え、マジで?」
「冗談だよ」
「……。お前さあ、ボケるならもっとそれっぽくボケろよ。真顔で言うなって」
「ん」
「しっかし、毎日毎日、字ばっかでよく飽きねーよなー。楽しいか?」
「君も」
「あ?」
「君も、毎日俺に話しかけてきて、飽きないね」
「…………」
「楽しい?」
「うっ…うるせえな!」
783 :
風と木の名無しさん:2010/05/11(火) 09:10:10 ID:OxpqmFEJO
不良かあわいい
ルールがわかりにくかったら、チラシの裏とかで聞いて欲しかったな。
>>782 GJ
絵が思い浮かんだ
不良かわいい、本読んでるほう良い切り返しだ
760円だと昔は新書値段だったけど、今は文庫もそのくらいするのあるか
不良かわいい!ヘタレ不良…萌える…
ミステリ好きとしても、優等生の引き裂くかもって感覚とてもわかるし。
仕事でいやなことがあったけど、これ読んで心がほわんとなったよ。
ありがとう!!
まわし
楽しい?に萌えた
イケメン若者×リストラハゲリーマン
790 :
カンカンおじさん1/2:2010/05/12(水) 02:37:05 ID:ukaMopPDO
最近の俺の楽しみは、大学帰りに近所の公園でハゲ親父に援助をしてやることだ。
初めて俺がこの爺に気づいたのは一週間前。
その時この湿気た爺は、俺が不味くて捨てたタコ焼きの残りを、
辺りを見回しながら公園に張ったテントから出てきて、ゴミ箱から漁っていた。
ホームレスの類に会ったのは生まれてはじめてだった。
一応スーツは着ていたが、遠目にもいつ洗ったんだか分からない代物で、
まあ、顔の造りはしょんぼりしてるが年相応で悪くは無い。
だが顔はうすい髭に覆われているのに頭には後頭部にしか毛が残っていないのが惨めさを強調している、
白髪混じりのハゲ親父。
たぶん、これがリストラさせられた奴の末路なんだろうな、とは思った。
俺の親父はこういう奴らを切って捨ててんだろうなとも、
こいつも俺には劣るが顔はそんなに悪くないからハゲてさえ無かったらヒモくらいにはなれたろうに、
ひどく可哀想な奴だなあとも、思った。
気がつくと俺は空いた缶ジュースの中に5百円玉を入れて、ゴミ箱に向かって投げて、茂みに隠れた。
ハゲ親父は一瞬ビクッと固まったが、辺りを見回すとまたゴミ箱を漁る。
缶ジュースの中に入った金に気づいたおっさんは、目をキラキラと、あどけない笑顔を作り……。
以来一週間、俺はあのハゲ爺に寄付を欠かしたことは無い。
募金さえしたことない俺なのに、なんだろうか。一種の中毒のようなものだ。
今日も湿気たおっさんの笑顔のために缶の中には五百円玉。
振りかぶって投げようとする、その手を背後から誰かに捕まれる。
「なっ……」
「あ、ああ、あなたが、"カンカンおじさん"ですか!?そうですよね……!?」
791 :
カンカンおじさん2/2:2010/05/12(水) 02:48:05 ID:ukaMopPDO
振り向くと、そこにいたのは例のハゲ爺(笑顔のキラキラ度当社比五割増)だった。
(不味い……金あげてるのが俺だって気付かれた!)
俺は恥ずかしさやいたたまれなさ、その他若気の至りという名のその場の勢いにかられ、
イケメンすぎる顔を隠しながらおっさんの手を振り切った。
「待ってください、一言お礼をっ…………」
おっさんの声が風に掻き消されるまで、俺は逃げた。
――おっさん意外といい声してた。
――身長思ったより低かった。
――体洗ってなかったっぽいな。後で体洗える所それとなく提供しないと。
そうして衝動にかられるままに走り、駅まで辿り着いた所で、今更ながらに思う。
「……俺のあだ名、"カンカンおじさん"なのかよ」
……リストラにあうのも分からないでもない。酷ぇネーミングセンスだ。
おっさんのよく着ているにジャケットのロゴ、訪問販売メインの会社だったよな、アレ。
だが。
「ぁあ〜あ、明日からどうやって寄付しようか……」
頭の中の最優先事項はこっちだ。
とにもかくにも、さっき見た至近距離のおっさんの笑顔は、プライスレスでした。
「畜生、ハゲ萌〜」
もーえーたー!
ハゲのくせに可愛いぞ!
この先どうなるのか想像すると楽しい!GJ!
GJ!
この後気付いたら家に入れてたとかありそうな展開だw
キラキラ笑顔で味噌汁作って迎えてくれるハゲのいる生活、プライスレスw
しつこいくらいイケメンアピールを忘れないカンカンおじさんが可愛いww
GJです!
795 :
風と木の名無しさん:2010/05/13(木) 20:18:59 ID:paMv/EnG0
二人とも可愛すぎるww
まわし
カンカンおじさん笑い萌えたwww
まわし
アシナガおじさんのつもりだったんだろうけれど、何か妖怪か不審者の名前みたいだぞ、カンカンおじさん
500円玉見つける度に「あっ今日もカンカンおじさんが来てくれたんだ!!」とか思ってたんだろうなw
にしてもどっちもバ可愛いすぎるw
まわし
798 :
風と木の名無しさん:2010/05/13(木) 22:41:42 ID:sdusiLJpO
感想書くのに最後にまわしってつける必要ある?
頭痛持ち
「……」
「ダイジョブですか、先輩?」
先輩はいわゆる偏頭痛持ちらしい。僕にはよく分からなかったけど、『ふと気がついてみると何だか頭が痛い』。
曰く、そういうものらしい。
今日も今日とて、実に十分もデスクと睨めっこ。しきりに眉根を寄せては白髪頭をわしわしと掻き乱す姿は、とても辛そうだ。
「そろそろお昼終わっちゃいますよ。薬、飲みません?」
「……ん」
苦々しげに小さな返事をして、先輩は鞄から薬を取り出した。市販のものではなく、お医者さんに貰ってきた薬だ。
僕にはよく分からないけど、『優しさが半分』っていうアレは効き目が薄いらしい。
その丸い錠剤が、コーヒーでごくりと飲み下された。ちょっぴり剃り残した髭と一緒に喉仏が動く。
「何で急に頭が痛くなっちゃうんでしょうねぇ……」
「……さぁな……医学的にも、よく分かってないらしいぞ……」
気圧のせいだとか、遺伝だとか、色々説はあるらしいんだけどな。あと、何故か女の人に多いとか。
先輩はうなだれながら、そういったことをぽつぽつと語った。
僕はその話を聞きながら、やっと一つだけ分かったことがあった。
「なるほど。先輩が偏頭痛持ちな理由、もしかしたら分かったかも」
「……あん……?」
「先輩、女性的ですもんね。ほら、ふと垣間見えるちょっとしたところが」
「い、いつ俺が女性的だったよ……」
四十路のおっさんを捕まえて、こいつは何を。そんな目で見てきたから説明を付け加える。
「ほら、お酒が駄目で甘いもの好きだとか」
「……」
「手料理が得意で、こうして毎日お弁当作ってくれるとことか」
「……」
「あとは僕の下で毎日あんなにかわいく」
「あー! 治った! おさまった! よし仕事に戻ろう!」
先輩は慌てて椅子から立ち上がって、部屋の外に出ていってしまった。
先輩、貴方のデスクはここです。どこで仕事するんですか。
先輩、片手がまだ頭に添えられてます。頭痛、治ってないんでしょう。
先輩、ほっぺがうっすら赤いですよ。照れ隠しも女性的ですね。
「やっぱかわいいなぁ……」
具合の悪い先輩をからかうなw
先輩可愛いなwでも頭が痛い時にカフェイン取っちゃダメだーー!
受けのほうが四十代で先輩でお弁当作って甘党酒駄目なのか!可愛い
しかし、カフェインは神経にも胃にもよくないし薬は水で飲んでー!
カフェインは脳の血管を収縮させるから頭痛に良いんじゃなかったっけ?
胃にはあまりよろしくないから頭痛薬と一緒に飲むと
場合によっては胃の方がやられるけど。
熱とった方がいい頭痛と
あっためた方がいい頭痛もあるよね
先輩がんばれ
カフェインとってもおkな頭痛とNGな頭痛があるらしい
にしても可愛い先輩だな!
オヤジスキーなんでホクホクだw
みんな頭痛に詳しいな
先輩かわいいっす
踏んでください
「馬鹿だなぁ(頭なでなで)」
810 :
1/2:2010/05/14(金) 20:32:37 ID:DVTKvI8Z0
悠馬、という言葉が聞こえて思わず読んでいた本から目線をそらした。
「彼女?」
「なに、悠馬に? 彼女できたって?」
いやいや、元々から……などという声につられて、そっと斜め前の男女グループを盗み見る。
悠馬と一緒にいるところを何度か見かけたことがある。…「ゆうま」というのは、悠馬、で間違いないだろう。
(失敗した)
講義が終わって、一緒にレポートをやらないかと声をかけられた。いつもなら一も二もなく頷くところだが、聞きつけた悠馬の友人たちが集まってきたので、買ったばかりの本を読みたいからと断った。
一人で家に帰る気にもなれず、大学の近くの喫茶店で本を開いた。バックには心地いいジャズ。
コーヒーの値段は安くはないが、居心地がいいので気に入っている。
でも、胸がざわざわして、ここに来るんじゃなかった…、と後悔した。
悠馬に彼女がいるなんて聞いたこともなかったが、いても何もおかしくはない。人間関係が下手な自分と違って、友人も多いし、見た目も中身も文句のつけようがない。
恋愛とは程遠い自分に、話す必要も感じないだけかもしれなかった。
「……ね、じゃあさ、本人呼ぼうよ」
電話するよ、と声がしたのと同時に、慶史は席を立った。
811 :
2/2:2010/05/14(金) 20:35:12 ID:DVTKvI8Z0
とんとん、と控えめに肩を叩かれた。無視していると、指でそっと髪を梳く感触がした。
「……なに」
「やっと見つけた」
レポートで徹夜して、そのまま講義に出て眠ってしまったらしい。辺りを見ると、教室には誰も残っていなかった。
「俺のこと避けてたから。一週間待ったけど、慶史からは来てくれないし」
「避けてたわけじゃ……」
「じゃあなんで?」
「…友達と、頻繁に会う、理由がない」
「友達?」
悠馬が怪訝そうに眉を寄せる。
ああ、友達ですらないのか、と思うと胸がしめつけられるように痛くなった。
「彼女と会えばいいんじゃないのか」
「…彼女って?」
悠馬は怒ったような顔をした。イライラと頭をかいた後、乱暴に肩をつかまれる。
――唇が重なった。
「俺って、ただの友達にキスするほど、悪い男?」
びっくりして、頬が熱くなって、恥ずかしくて…咄嗟にうつむく。
「誰かから、俺に彼女がいるとか聞いた?」
頷くと、それお前のことじゃん、と悠馬が呟いた。
「……付き合ってるとか、知らなかった」
「おまえほんと、ばかだなあ」
笑って、頭をなでられた。
熱いなにかが喉の奥からせりあがってきて、しばらくずっと、息を殺していた。
かわいいね。キュンとした。
お題からして甘かったけど、あまーい♪
王道
うん、王道だね
まわし
まわし
お踏みくださんし
雨でシャツが透ける
820 :
1/3:2010/05/17(月) 00:09:00 ID:yqrfiFLXO
近頃暑い日が続いていたが、今日は昼前から降り出した雨のせいで寒いくらいだった。
赤井が部活の練習を終え、着替えて帰ろうとした時も、随分と弱まってはいたが、まだ
止む気配がない。汗をかいた体に外の空気は冷たくて、赤井は身震いした。傘を持ってき
ていない赤井が体育倉庫に投げ込まれたボロ傘の存在を思い出し、取りに行くと、倉庫の
そばの木で雨宿りをする少年がいた。
友人ではない。しかし赤井は彼を知っている。
「えーと、黒部?」
「……赤井。同じ、クラスの」
俺のことなんか知ってたのか、と少し驚いた。去年、今年と続けて同じクラスだったの
に、授業以外でこいつがしゃべる所を見たことがない。虐められているわけではなさそう
だが、彼は孤立していた。
「何してんの、お前」
「待ち、合わせ」
傘もささずにどれだけここにいたのか、夏物の薄いシャツはすっかり濡れて体に貼りつ
き、日に焼けてない黒部の肌の色を透かしている。ひ弱そうな細腕で自分を抱きしめ、奥
歯がぶつかり合う音が聞こえそうなほど震えている。
「……傘は」
「取りに、行ってる間に来て、帰っちゃうかもしれない」
「とりあえず、倉庫入ろう。俺、鍵借りてき
821 :
2/3:2010/05/17(月) 00:13:02 ID:yqrfiFLXO
「とりあえず、倉庫入ろう。俺、鍵借りてきたから」
そこなら誰か来ても分かるだろう、赤井はそう言いながら半ば無理やりに黒部を倉庫に
押し込み、予備として持ってきた未使用のタオルを差し出した。
「ありがとう」
「ん。でもお前すごい顔色悪いよ。もう諦めて帰れよ」
「……携帯、持ってないから。連絡が取れない」
「俺今持ってるし。俺が知ってる奴なら代わりに伝える」
赤井の申し出に、黒部はしばし躊躇った様子を見せた。まあそうだろう、と赤井は思う。
シャツの下からぽつりぽつりと赤い色が透けて見えている。待ち合わせの相手がそういう
関係なら、――というか黒部が友人と居る所を見たことがない以上間違いなくそいつなの
だろうが、今まで隠しおおせてきた分、露見しそうな真似は避けたいのだろう。
言いづらいなら追いつめるのはよしておこうか、と、「俺の知らない奴?」と赤井が問
うと、黒部はようやく呟いた。
「……知ってると、思う。白崎」
「え、バスケ部の?」
「うん。赤井とは、ライバルだって、話してたから」
「あー、スタメン入りを争ってるけどな、確かに」
何だ、俺の名前を知ってたのは恋人の友達だったからか、と赤井はがっかりした。同時
に、白崎が恋人がいるらしいのにその話をほとんどしないのはそのせいかと納得した。
「何ていうか、意外な組み合わせだな。話合うのか? っていうか話してるの見た事な
い」
「幼馴染で……話は、合わないけどっ、くしっ」
黒部が妙に可愛らしいくしゃみをした。赤井はあわてて鞄からパーカーを取り出す。
822 :
3/3:2010/05/17(月) 00:16:17 ID:yqrfiFLXO
「これ、部活で使ったからちょっと臭いかもだけど、ちょっとの間だから。あの、俺んち
すぐ近くだから、えっと風呂と着換えくらいは貸せるし、白崎にも連絡するから、……」
「……挙動不審」
「俺もそう思うけど! だって俺とお前友達じゃないしさぁ!」
「ふ」
耳まで真っ赤にした赤井を見て、黒部が耐え切れないように笑った。多分、この学校で
こいつの笑顔を知っているのは自分と、――白崎だけだ。そう思うと、赤井は苦いものを
食べたような気分になった。
倉庫から傘を二本拝借して、鍵の返却と、黒部が教室に置いてきた傘の回収は明日する
ことにして、二人で人気のない道を歩く。
(白崎は罰掃除を命じられたから、多分まだ体育館だ)
(急いで着替えて、待ち合わせ場所に駆けつけて黒部を学校中捜しまわって、その頃には
黒部はとうに俺の家)
赤井は去年一年、現国の時間だけは決してさぼらなかった。朗読に指名されて、黒部が
一番長く話す時間。
(俺が一年足踏みして、黒部の友人にすらなれなかったのはお前のせいじゃない。俺の好
きな人がお前の恋人だったのも、お前のせいじゃない)
(でも白崎、黒部はお前を「友達だ」と偽ることすらできなかったんだ)
(お前は恋人に、自分を捜しすらしない奴だと思われてるんだ)
赤井は黒部の、シャツから透けた色を思う。
――なあ、あの肌に触れられるのが自分だけなんてのは思い上がりだよ。
1/3の最後すみません
初投稿なもので分量が分かりませんでした
短い萌える話を投下できる方々を心から尊敬する(´・ω・`)
分量は間違える人が多いから気にしなくていいと思うんだけど、
最後の方の赤井のモノローグがわかりづらかった。
何度か読んで理解した。
シチュがいいね。最後のセリフが良かった。
これ、自宅で襲っちゃうフラグでいいんだよね?
赤い跡が透けるっていうのがドキドキ
萌えたよ!
気にせずまた投稿して欲しいGJ!
シチュいいね萌えた!
モノローグは視点が変わるなら改行が欲しいです
でもGJ
バスケ少年にはとても萌えますね
踏んで下さい
目を覚まさないで
彼は毎夜俺に抱きしめられて眠る。俺の体は彼よりずっと大きい
から、彼をすっぽり包み込める。冬は自らくっついてくるくせに、
夏はあからさまに厭そうで、でも暑いからって服を脱いだ彼の素肌
が俺に触れるから、俺は夏のほうが好き。
段々暑くなってきて、日を追うごとに薄着になっていく彼に幸福
を噛み締めて一晩を過ごしたある早朝、枕元で彼の携帯が鳴った。
ただ一人専用のメロディを聞いて、俺はいつもの朝よりもさらに強
く、起きるな、と願った。
もちろん願いはむなしく彼は携帯に手を伸ばし、ぼんやりした声
で会話に応じる。何しろ殆ど年中彼と夜を過ごしている俺なので、
相手が誰だかはよく知っている。彼の恋人だ。俺がこの世で一番嫌
いな男だ。
彼は携帯を切って俺を放って起き上がり、顔洗って歯を磨いて
トースターに食パンを突っ込んだ。朝食を済ませて着ていく服に悩
み髪を念入りにいじる彼を、俺は何も言えずに見つめていた。
それから思い出したように戻ってきて俺を整えだすので、彼は今
日恋人を連れてくる気なのだと察した。憂鬱な夜になりそうである。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
布団男
831 :
風と木の名無しさん:2010/05/18(火) 00:52:52 ID:+fT8NMc30
タッチの差で書き込む機会を失いましたがそれを補って非常に萌えました…!
布団いいですね布団・・・!
吹いたよGJww
彼にも彼なりの悩みがあるんだなあ
いっそ恋人もまとめて襲っちゃえ…ってのはまずいかw
833 :
風と木の名無しさん:2010/05/18(火) 01:00:04 ID:eeAASmFrO
0以外で待ってます。新しく別館(掲示板)ができてwikiから行けるので。
布団よかった…。最後が効いてる!
布団の片思い切ないなあと思って読んでたら最後でw
布団男のモノローグw
ダメだ読み返しても笑えてしかたないお腹痛いwww
スレを超えて登場wwwww
笑いましたGJ
すごくよかった!
布団で寝ながら読んでたから、自分の布団が気になったちゃった……
こういう擬人化(?)ネタ好きだ
布団甲斐甲斐しいよ可愛いよ
日光に干してもらったら大喜びでその夜ご主人に尽くすんだろうな
いいよ
風呂場のドアが壊れて開かない
人前で初対面の奴に告白された
841 :
840 :2010/05/19(水) 01:54:05 ID:ILS0e66I0
「先輩、お背中お流ししますよー」
肩まで浴槽につかってのんびりしていたところに能天気な声が響いてきたと思ったら
後輩がタオル片手に風呂場に入ってきた。全裸で。
「なんで全裸になる必要がある」
「服着たままだと濡れちゃうじゃないですか」
「…とりあえず背中は自分で流すからお前は部屋に戻ってろ!あと服着ろ!服!」
「終電逃して泊めてもらうんだから、これぐらいのご奉仕は当然ですよ」
あ、ご奉仕とか言ってちょっと恥ずかしいですね。変な意味じゃないですよ〜などと言いながら
意味もなく頬を染める後輩に、心底うんざりしつつも俺は浴槽から立ち上がり有無を言わさず
後輩を風呂場から押し出そうとした。
だがドアを開けようとするのを後輩が必死に押しとどめる。
「そんな、遠慮しないでくださいよ」
優男の容姿からは想像できない奴の馬鹿力に、デスクワーク派の俺は苦戦を余儀なくされたが
何らかの身の危険を感じたので、ここで負けるものかと必死に抵抗した。
短い時間の中で何度も何度もドアが開閉される。
そうして後輩が何度目かのドアを閉めた瞬間、それは起こった。
鈍い音と共にドアが開かなくなったのだ。
閉じ込められた…!元々古くて建てつけが悪かったのだが、何もこんなところで壊れなくても…
得体のしれない本性を見せ始めたコイツと無防備な状態で2人きりになるなんて…薄ら寒いのを
感じたのは何も裸でいるせいだけではないだろう
ふと隣を見れば、こんな状況だというのに後輩は照れたような表情ですり寄ってくる。
「どうしましょう…閉じ込められてしまいましたね」
「…お前のせいだけどな」
「はい!俺のせいなので責任を持って先輩の体を温めますね。人肌で…」
「却下」
そう言いながら俺はドアを再度引っ張ってみるが、ギシギシするだけで開く気配が無い
他に家族がいればいいのだが、生憎ひとり暮らしだ。
842 :
840 :2010/05/19(水) 01:54:55 ID:ILS0e66I0
かといってこれ以上ここにいたら…隣をちらりと見れば後輩がそれはもう晴れやかな顔で笑っていた。
今の俺には肉食獣が獲物を前にした時の顔に見える。
少々厄介な解決方法だが、俺は決断した。
「…いや、待て。うちは一戸建てだ。無理すれば風呂場の窓から出られないことは無い」
外に出れば合鍵を隠してある場所があるから、それを使って裏の戸を開けて再び家に入ればいい
だが腰にタオルを巻いて窓に足をかけようとした俺に後輩が必死で縋りついた。
「やめてください!先輩の麗しい裸体を外に晒すなんて!」
「お前は何を言ってるんだ!!」
「先輩の裸体を見ていいのは世界で俺だけです!」
「今日初めて見た奴が偉そうに主張するな!」
そんなくだらないことで10分ほど喚き続けていたのがいけないんだろうか、騒ぎを聞きつけて
集まってきたご近所の皆さんと、その通報で駆けつけてきた警察のおかげで俺たちは救出された。
ほぼ全裸の男2人が風呂場で大騒ぎしていたという事実は、ご近所さんの噂によって散々ねじ曲げられ
俺は暫くの間、外出にも気を使うぐらい恥ずかしい思いをすることになった。
後輩はあれからも何かと理由をつけて俺の家に泊まりに来るが、あの時の悪夢がよみがえってくるので
風呂場にだけは絶対に近寄らせていない
その代わり今度は布団にもぐりこんでくるようになったんだが、それはまた別の話である。
かわいいいいGJ!!
笑えた!GJ
まわし
最初ID違うから、違う人が間違えたのかと思ってしまってごめんなさい。
かぶったのにテンポいいのがすぐにきてびっくりです。GJ
847 :
風と木の名無しさん:2010/05/19(水) 21:58:23 ID:uy8trNZ4O
まわし
どうぞ
同性結婚
850 :
1/2:2010/05/20(木) 02:23:00 ID:jHDD55Ci0
「結婚して下さい!」
プロポーズされた。
街中で、しかも知らない男から。
「…は?」
「あ、っと違った、結婚を前提にお付き合いをしてください!」
ちょっと睨んだにも拘らず、やけにさわやかなイケメンはそう言って俺に手を差し出してくる。なんだそれ握手しろとでもいうのか。反射的に握りそうになっただろ危ない危ない。
俺はそのイケメンの面を見た。イケメンは目をきらきらさせて俺を見つめている。その瞳には一筋の曇りもなかった。
俺は俺の格好を見た。おろしたてではないが普通にスーツ。ついでに俺は女顔では決してない。身長もこういってはなんだが日本人離れしているし、友人曰く俺は憎らしいほどたいそうなイケメンだそうである。
ああなるほど。
「ただの残念な奴か」
「えっ、ちょ、違います!違いますって――」
なにかまだわめく奴に背を向けて俺は歩きだす。さて取引先に向かうか、と鞄を持ち直す。実になんとも残念なイケメンだった。全く世の中、なんとも惜しいものである。
翌日。
「結婚して下さい!」
またプロポーズされた。顔を見ればあの残念なイケメンだった。とりあえず股間を蹴り上げようとすると避けるのでむかついた。とりあえず友人曰く「吹雪が背景に見えた」らしい表情で見つめてから背を向けた。
翌々日。
「結婚して下さい!」
またである。勿論あの残念なイケメンだった。友人曰く「凍りつくような笑顔」でもって応対する。なぜかさらに頬を赤く染められたので鞄で殴ろうとすると避けられたが、むかつくので更にこぶしを固めてもう一撃食らわせてみると結構いいところにはいった。
すっきりしたので警察への通報はやめた。
翌々翌日。
「結婚して下さい!」
残念なイケメンに友人曰く「絶対零度の眼差し」を出会い頭に向けた。ぴゃっ、と変な声を上げて飛び退ったイケメンであるが、しかしまだしつこく話を聞けと言ってくる。
「あの、僕はですね、本当にあなたと結婚を前提に」
「鼻から割り箸突っ込んで奥歯カタカタ言わすぞこら」
「えっ…」
そこでなぜ頬を染める。
851 :
2/2:2010/05/20(木) 02:23:42 ID:jHDD55Ci0
翌々翌々日。
「結婚して下さい!」
…本気で警察に通報しようか。
ぴー、と炊飯器の音がした。頼むわ、と言えばはーい、と返事が返って、脇で炊飯器を開けてレトルトの具を混ぜ込む音がする。
「んー、いいにおい。ねえ穣さん、」
「却下」
えー、と出鼻をくじかれて不満げに卓が声を上げた。当たり前だこのどアホ。
「僕まだ何も言ってないのにい…」
「言わんでも予想がつくわ、アホ」
「ぶー。だって僕らもうこんな関係じゃないですかー」
「まあな。だが却下だ却下。できんもんはできん」
そういうと卓はじゃあなんで穣さんと僕がここにいるんですー、だとかわめきだす。出会って早半年ではあるが、全く未だに実に残念なイケメンである。
「そういうことは法律が変わってから言いなさい」
「えー…あ、でも、あの」
「養子縁組は却下。俺はお前を息子にはしたくない。あまりに残念すぎる」
「ゆ、穣さん冷たい…」
「あぁ? 誰が冷たいだ。俺は愛情に満ち溢れたいい男だぞ?」
「…穣さんは僕に愛がないんだ。ないんだー」
「言っとけ言っとけ」
「だってであったときから冷たかったもん! なんでこうなってるのか僕にもさっぱり分からないし!」
「そりゃあまあな、アレはどう考えても残念だったからなあ、まあでも――」
わあわあわめく卓の顎をすくいあげてキスをする。よし黙った。
「それさえなけりゃあお前、同性結婚でもしていいかって思うぐらい俺の好みだったし。別にいいだろ」
法律変わってからまた言えよ。判子をつくぐらいには愛してるから。
そう言うと卓に押し倒された。まあまんざらでもない気分なので、奴の背中に手を回し、応えてやることにした。
852 :
風と木の名無しさん:2010/05/20(木) 02:26:06 ID:jHDD55Ci0
ちょっと改行が多かったせいで区切りが変になりました。すいません。
なんだか最近ageる人多いね。sage強制ではないけど
それからいちいち後書きめいたこと(すいませんとか)書いて
わざわざ1レス消費させる0さんもちらほらいるし
スレ(または801板自体?)に来たばかりの人が多いのか
GJ!
流され同性結婚和み萌えた
早く法律変わるといいなw
>>853 それはわざわざここで1レス消費して書く必要のある事なのか?
age禁止にしたいとか*0が書き込み失敗しても謝罪レス等は一切禁止とか
そういう新しいルールを作りたいんだとしても
他にそれを話す場がある事を知らないならテンプレくらい最低限読んでROMっとけ
単純に自分ルールでの文句がつけたいだけなら尚の事黙っとけ
>>853自身こそ来たばかりの人に見えるよ
バカっぽいのがかわいいね。GJ
まぁ…、最近まわす人が多いから、それで1レス使うよりいいんじゃ…。
ただ追記解説はやめた方がいいとは思います。言い訳にしか見えないから逆に印象悪くなると思うよ。
初まわし
流され様と押し切り君めちゃくちゃ可愛い!つぼでしたよ!
恋愛ではなく結婚生活(もしくは長期の同棲)が似合うカップルGJでした。
俺が片思いしている受は、あの完璧超人な攻が好きらしい。
こうなれば当て馬覚悟で攻の奴を妨害して受を取り戻すしかない!
と思ったのにどうして俺が告白されてるんでしょう、攻に
860 :
1/4:2010/05/20(木) 17:52:38 ID:j7uobjHa0
事態はどんどん良いほうに転がっている。
実家から一度も出たことの無かった不定職の俺が、実家を出て就職し自分で飯を食っている。
ただし一つだけ、腑に落ちないことがある。
なぜ俺は恋敵であった完璧超人と同居して、さほどの嫌悪感もなく生活しているのか!
「スズキはムーちゃんの事が好きなの、なんで?」
顔をゆがめて、イチが俺に尋ねる。
「俺にいやな顔をしないからだ」
「はあ、それだけ」
「お前やあの完璧野郎には到底わかるまいがそれだけだ」
イチは取り立てて美形というわけではないが、日常の範囲内で好青年である。
性格も、デブで半引きこもりの俺とずっと友達でいてくれるくらいいい奴だ。
女に嫌な顔をされる機会などそう無いだろう。
しかし性格からか誰に対してもいい人止まりで、深い付き合いはあまり良くないようだ。
「でもムーちゃんは」
「わかってるよ、完璧超人のことが好きなんだろう?」
イチとムーちゃんとカンさん―完璧超人の名前である、が勤めるオフィスに俺は週二のペースで配送に行く。
有名な会社ではなく地元の零細企業なので、作業服にぼろぼろの台車姿である。
暗い表情で挨拶もせず身なりの悪いデブは、当然オフィスの人々から嫌われる。
しかしムーちゃんと認めたくは無いがカンさんだけは、かたや笑顔、かたや尊大という態度の違いはあるのだが、
全くフラットな対応で俺を迎えてくれた。
「俺は人の好意に慣れていないんだ。優しくされたらすぐにカーッとなってしまうのはよく分かってる」
「で、どうするの?好きだって言うの」
「一応な。まあ、当て馬にもならないだろうけど、完璧超人の引き立て役にでもなってくるよ」
それで、僅かでも俺のほうを振り向いてくれたなら御の字だ!と俺は笑った。
こんなに勢いづいている俺を見るのは久しぶりだ、と言わんばかりにイチが瞠目する。
「うん、じゃあわかった。でもね、ムーちゃんとカンさんはね」
「くどいぞ。俺は決心したんだ。今度の配送の日に言う、申し訳ないが良かったら近くにいてくれ」
決心を鈍らすような事を繰り返し言うような奴ではないはずなのに、今日のイチはえらく言い募る。
それだけ、俺の行動が無謀なのかもしれない。
「わかった、じゃあ仕事場じゃちょっとあれなんで、四人で飲みにいこう」
861 :
2/4:2010/05/20(木) 17:54:23 ID:j7uobjHa0
俺が緊張しなくて良い様に、座敷席のある大衆的居酒屋が飲み会の場所となった。
座席には俺とイチが隣同士、俺の前にカンさんでイチの前がムーちゃんだった。
「始めまして、ではないですね、ハチマルイチ運送のスズキさん」
「あ、そうです、スズキです」
まさかカンさんに名前を覚えられているとは思わず、ぎくりとしてしまう。
確かに胸ポケットにはネームプレートを付けているから、知っていて当たり前といえば当たり前なのだが。
「スズキさんねー、荷物の扱いが丁寧だし、時間通りにきてくれるから僕好き!」
ムーちゃんにも名前を知られていたらしい、というか全く意味合いは違えどもいきなり意中の人から好きと言われ、
俺の脳みそは一気に沸騰した。顔も赤くなっている気がする。プライベートでは一人称僕なのか。
「でもまさか、イチとスズキさんが知り合いだとは思わなかったよ」
「もっと早くこんな場をもてれば良かったのにな」
散弾のように浴びせられる好意に、俺は息の根が止まりそうになった。
この客観的に見てもどこに出しても恥ずかしくない二人がなぜこんなに俺に興味を示すのか。
「でさ、イチ君。スズキさんは僕らのこと知ってるの?」
イチは気まずそうに視線を俺に投げた。ああ、やっぱり二人は付き合っているんだな。
男同士と言うのはやはり、実際社会ではそれほど認知されていないものなのだろう。
「俺は気にしませんよ。俺だって」
ムーさんのことが好きです。と続けようとする前に、テーブル越しに伸びた長い腕に手をとられた。
じわりと暖かい感触が手から全身に満ち、そして僅かに触れた部分から腕の持ち主、カンさんの方へと暖かい何かは流れていった。
柔らかく手が離され、じんわりした感触も引いていった。
「やはり、美味しいな」
「えー、じゃあ僕もー」
「駄目だ、お前にはイチ君がいるだろう。これは私のものだ」
目の前で交わされる会話の意味が一切わからず、俺は呆然とするしかなかった。
「俺の話を最後まで聞かなかったお前が悪い」
横で思い切り溜息をつき、ビールを一気飲みしたイチが口に泡をつけたまま俺をにらんだ。
その後俺が受けた説明は、想像をはるかに超えたものだった。
862 :
3/4:2010/05/20(木) 17:57:06 ID:j7uobjHa0
ムーちゃんとカンさんは、人間の生命エネルギーを吸って生きる人外であること。
見た目よく能力も性格も平均より上なのは、そのほうが効率よく人間から生命エネルギーを得られるから。
要するに擬態である。原型はとても見せられたものではないらしい。
「で、ムーは現在イチ君を栄養補給源として養殖しており、私は現在特にそういったパートナーを持たない」
くいくい日本酒を飲みながら、カンさんは言う。よこではムーちゃんが脂身を避けて焼き鳥を齧っている。
どこをどう見ても人間にしか見えない。
「スズキさんが配送に来るようになり、ほんの少し“味見”をしてみたんだよ」
カンはつまみ食い癖が酷いからね!とムーちゃんが茶々を入れる。
「イチもそうだけど、スズキさんもすごくエネルギーが美味しいんだ」
「狡猾であったり、人を欺くのに慣れるとエネルギーは不味くなる。
スズキさんもイチ君も人間内での立ち回りが上手くない代わりに、心は純粋だったと言うわけだ」
あまりの超理論とよく分からない褒め言葉にくらくらした頭を、俺は酒でごまかした。
イチを横目で見ると、驚いた様子は無い。本当にムーちゃんに養殖されているのだろうか。
俺の無言の圧力に屈したイチが、口を開いた。
「嘘じゃないさ。俺はあまりカロリーを気にせず飲み食いする。そしてムーちゃんにエネルギーをあげる。
さっきカンさんがスズキにしたのは味見みたいなもんだ。本当の食べ方はもっとえぐい」
「じゃあ、俺がムーさんの事が好きって言ったとき、変な顔をしたのは」
「この妙な共存関係にお前を巻き込みたくなかったからだ」
どう見ても、イケメン若手社員と麗しいヤンエグにしか見えない向かい側の二人は、何か小言で話し合っている。
何も知らない状況でその様子を見れば、ああもしかして付き合っているのか位にしか思わないが
全てを知った今、それは同属同士による秘密裏の会議にしか見えなかった。
「スズキさん」
急にムーちゃんに呼ばれ、俺は思わず背筋を伸ばしだ。
「僕はね今イチからのエネルギーだけで十分なんだ。だからごめんね?パートナーにはなってあげられないよ」
「あ、はあ、そう、ですか」
この期に及んでまだがっかり出来た自分に驚いた。
「私ではどうかね?」
カンさんの発言に、俺は固まる。
863 :
4/4:2010/05/20(木) 17:58:07 ID:j7uobjHa0
「何、余剰エネルギーを吸い取るダイエットマシーンとでも思ってくれたら良い。
なんなら配送に来たとき五分程時間を貰えるだけでもいいぞ」
なんで勘違いにしろ恋敵であった野郎にエネルギーをやらにゃならんのだ、と思う気持ちしかなかった筈なのに
酒の勢いと、ムーちゃんの後押しでうっかり俺はカンさんのエネルギー源になる約束をしてしまった。
今考えると、あの宴会は全て仕組まれたものであったような気がする。
それから、俺の人生は少しずつ色を変えていった。
まず単純に痩せた。もともと学生時代は運動部で、食欲だけが落ちずに太ったタイプだったからだ。
さらにムーちゃんとカンさんは擬態とはいえ高水準な生活を送っている。それに少しずつ影響され、暗い引きこもりから自然と脱していた。
そして、だ。気付けば俺はカンさんとアパートで二人暮らしをし、共存関係とはいえ、日々それなりに楽しく過ごしている。
人生全くどうなるかわからないものだ。
>>863 実際の吸い取り方はもっとエグいって……
どんなエロスな方法でry
お題が長文で独特の空気感があるので、どんなのがくるのかと思ったら、
不思議なパワーの*0がキテイタ。
GJ
こういう*9も面白いなw
867 :
風と木の名無しさん:2010/05/20(木) 22:44:03 ID:jHDD55Ci0
まさかのファンタジーでしたが面白かったです。吸い取り方が確かに気になる…。
踏み台ー
>>866=850
悪い事ではないんだけど、そう頻繁にスレをあげない方が…。
age、sageってご存知ですか?
バカップルコンテスト
獣耳、獣尻尾
871 :
1/2:2010/05/21(金) 21:56:45 ID:MeF+0dxWO
「始まりました。第73回八百市学園学園祭名物、フィーリングカップル!
ルールは簡単!無造作に選んだ五組の受けと攻め。
古典的なあのテーブルを囲み、告白大会をしようじゃないかという恒例行事です!」
「司会は学園祭実行委員高幡と」
「イベント実行サークル部長の目白でお送りします!
さて、今年も多くの期待を背負い五組の片思い、両思い、たまに当て馬の皆さんが参加してくださいました!」
「皆さんから向かいまして左側の皆さん。奥から順に
眼鏡攻め、やんちゃ攻め、包容攻め、チャラ男攻め、当て馬攻めとなっています」
「右はツンデレ受け、不良受け、平凡受け、親衛隊長受け、年上受けですね〜
さて、今年はどのような組み合わせが見られるのでしょうか!?
フィーリングでボタンをプッシュ!第一印象で愛を語ってください!」
「早速、相思相愛カップル誕生のようです。まずは…」
「『当て馬×平凡』!まあ、良くある光景にも見えますが…当て馬さんから愛をどうぞ!」
「俺は、スーパー攻めみたいに世界一の金持ちじゃない。学年首席でもない。
そこそこの金持ちで、学年7位の所詮噛ませ犬だけど、平凡に対してだけは当て馬になりたくない!」
「僕は平凡で、ただの庶民だから…当て馬とさえ肩を並べるのは大変かもしれない。
だけど、当て馬なら大丈夫な気がする。だって当て馬だもん…
スーパー攻めになりえない、モブにもならない当て馬が好きだよ」
872 :
2/2:2010/05/21(金) 21:58:15 ID:MeF+0dxWO
「カップル成立!当て馬と平凡、ありがちな展開だとスーパー攻め様にかっさらわれるところですが…」
「当て馬の性が表に出ないことを祈ります」
「さてさて。続きますは『包容×ツンデレ』『チャラ男×不良』『眼鏡×親衛隊長』『やんちゃ×年上』」
「既に我々の関与しないところで告白大会が始まっておりました。
堪え性のない参加者たちに代わりまして、お詫び申し上げます」
「ため息により今にも幸せに逃げられそうな高幡と共に、目白もお詫びします。
では、先ほどの二人の告白タイムに拾っておいた、他の面々の音声をお聞きください」
『…な感じが可愛いなと…』『…な顔で誘いやがって』『…なんかやめて、俺にしとけ』『…たん、ハァハァ』
『べ、別にアンタが良いとか言ってな…!』『…とか、かっこいいな、と』『俺はホモじゃねぇ!』『…お前のそんなとこが好きで、えっ、いや、その、アッー!』
「いや〜盛り上がってますねぇ」
「皆さん日頃から節度ある生活を送ってますから、鬱憤や欲が溜まってたんですかね」
「その点、こんな日にもストイックに仕事をこなす高幡が僕は大好きです!」
「キャンパス内で高らかに宣言する目白を、俺は嫌いじゃないです」
「以上、第72回八百市学園学園祭フィーリングカップルでした!
また来年お会いしましょう!」
ふおおお!萌えすぎて言葉が出ないw
それぞれのカップルにkwskしたい位だww
流れるかなと思ったけどGJです!
おー
>>870が踏み逃げしたから
そのままお流れになるかと思った
良かった良かった!GJ
きてたー!
お題流れるかと
最後のやり取りに特に強く萌えました…すばらしい…
ベタ褒めワロタw
平凡受けが何気に酷いことを言っている件について
というわけで踏んでくれ
尊敬する上司
880 :
1/2:2010/05/22(土) 09:31:27 ID:0FMOzoYc0
「あの、部長…ちょっと…いいですか?」
「ん?どうした」
昨夜俺は、信じられない現場を目撃してしまった。
入社以来ずっと俺に目を掛けてくれていた部長、その部長が…。
「ぶ、部長…ゆうべ、駅前に、いらっしゃいましたよね…?」
「え?…あ」
「俺見ちゃったんです、部長が、その…ホ、ホテルから出てくるの」
「…そうか、あー見られちゃってたか…」
「しかも相手の人って…お、男の、人で…」
「ん。そう、だね」
どうして、男なんかと。
奥さんもお子さんもいて、幸せそうな家庭で、仕事も出来て、部下に優しくて、頼りがいがあってでも時々お茶目で。
尊敬して崇拝して憧れてた部長が…男と…。
「どうして!あんなの見たら俺、俺っ!」
「うん、軽蔑しただろうね…」
「俺…あ、諦められない!!です!」
「え?」
「だって、部長には奥さんもいて、お子さんもいて…だから俺…っ」
もう、人生終わり。
あ…会社も辞めなきゃな。
でも、だったら。言ってやる、軽蔑すればいい、失望すればいいよ。俺の言葉をくらえよ、最初で最後の下剋上だ。
881 :
2/2:2010/05/22(土) 09:33:59 ID:0FMOzoYc0
「俺は!入社してからずっと、ずーっと!部長が、好きなんです」
さよなら部長。
「………に、似てたから」
「へ?」
「君に、似てたから…あの子」
「…はい?」
「だからーそのー、えぇと……僕も、好きだよ。君が」
えぇぇぇぇえええ!!?
まさかの、まさかの!?天変地異だ前代未聞だ異常気象だ突然変異だ。
どうしよう。
どうしよう。
嬉しくて、死にそうだ。
「君にそんなこといってもらえるなんて…僕、恥ずかしくて死んじゃいそうだ…」
「…俺もです」
障害なんて、この先いくらでもあるんだろうけど、今はもう、そんなのどうでもいいや。
「好きです」
「うん、僕も」
「あ、部長ってタチですかネコですか?」
「……げ、下剋上は、よくないと思うよ…?ほら僕、上司だし」
「でも俺、部下ですから。部長には、ご奉仕しないと」
了。
部長ひでえ男だなおいwwwうぇwwww
奥さんと子供さんと“俺”の身代わりにされた相手が
可哀想すぎて逆にそこが萌えるかもしれんwww乙でした。
うっかり二人の世界に入るところだったが、
>>882 確かにw
奥さん子供ホテルいった男性と、全方位に酷いことになってるのに楽しかったGJ
オチにふいた
周囲に酷いことして二人の世界っていうのいつもは苦手なのに
>>882込みでめちゃわろたw
尊敬する上司が果てしなくひどいところがポイントなんだな
うまい☆
最後の了が好き
24時間たったからまわすね。踏み台
先輩に対して信仰に近い尊敬を抱いてる後輩
890 :
先輩に対して信仰に近い尊敬を抱いてる後輩1/2:2010/05/23(日) 17:08:13 ID:wxvP71UJ0
先輩と俺が出会ったのは、高校二年のときだった。
廊下ですれ違ったその時、先輩はふと振り向いて、どうしてだか俺に声をかけてきてくれたのだ。
その時先輩は髪の毛を丁度黒く戻していた頃で、夕日にその黒髪は酷く優しく映えていたのを覚えている。
すっと切れ長に通った紅茶色の瞳を細めて、確かお前は崎塚っていったっけ、と呼びかけてくれたあの声を俺は今でも忘れていない。
その後の高校時代を、俺は先輩の後ろに付き従うようにして過ごした。
髪もぼさぼさで図体のでかいだけの自分が、いくら許容してくれるからと言って先輩のお傍にいてはならない。
それは分かっていたけれど、全くもって俺の体はそれを許さなかったので、せめて先輩のお役に立てるように努力したつもりだが、果たしてそれはきちんと功を奏していたのか分からない。
先輩が殴られそうならかわって殴られただろうが、先輩はそんな事をされる人ではなかったしそんな高校でもなかった。
せいぜい先輩が生徒会に入るといったときとか、その後何か面倒なことが起きたときに、――少し、ほんの少しだけ――手伝ったぐらいだろうか。
でも逆にそれでよかったのかもしれない。先輩に嫌われることは少なくとも起こりえなかったから。
そうして、ひたすら俺は先輩につき従った。それは俺にとって当然だった。
気まぐれでもいい。
先輩がその声で俺の鼓膜を震わせてくれるなら。の瞳を一瞥でも俺に向けてくれるなら。その手でその体で、少しでも俺に触れてくれるなら。
俺はそれでよかった。
深い接触など望まない。
それは俺の領分ではないと自分で分かっていた。別の人がその立場にいた。先輩だって別に深い意味で俺に声をかけたわけではないだろう。
ただの小さな気まぐれ。お情け。それでよかった。
そしてそれは大学に入ってからもだった。先輩は、お前は本当にこの大学でよかったのか、と気遣ってくださったが、俺にとって先輩がいる以上の大学はありえなかった。
ちょっとそれやりすぎじゃね、と友人から言われたことがある。その友人は俺よりも大分察しがよかったので(だからこそ俺も付き合いを続けられたのだが)、俺は不安になって、先輩に嫌われるだろうかと聞いた。
「いや、嫌われないだろうけどさ」
そう言って友人は頭をかいた。かわいそうだな、と小さく唇を動かしたのが分かったけれど、俺は幸せだぞ、というと、そうじゃないよ、と友人は返した。
結局はっきりと教えてもらえないまま、俺は大学を卒業した。先輩がそろそろ俺から離れろと仰ったのでいろいろな会社をあたったが、最終的に受かったのは先輩の会社だけだった。
運命だと思った。
そして今先輩を上司として働く俺は幸せだが、未だ友人は答えをくれない。たまに会って飲んでいて、何とか聞き出そうとしても聞けない。それが少しだけ不安だ。最近先輩の様子が少しおかしいのも気になる。
まさかなにかトラブルに巻き込まれでもしているのだろうか。先輩はそんなものお一人で解決してしまわれるだろうが、しかしなにか俺もかかわらせてくださらないだろうかと俺は思っている。
この前の飲み会だってそうだ。酔った先輩とその後二人で俺の部屋で飲んだのだが、先輩は俺を見上げて「好きだ」と言ってきた。そんな事を俺に言うだなんて、何かあったに違いない。
けれど問い詰めても先輩は何も言わなかった。ただ泣きじゃくっただけだった。
先輩はどうしてしまったのだろうか。それが分からない。友人は分かっているようだが答えをくれない。
けれど分かっていることがある。俺は先輩の幸せのためなら何でもするだろうということだ。深く近づきたいだなんて思っていない。万が一先輩が穢れることのないように、努力するのが俺の役割。
それが果たされていさえすれば、俺はもう、それでいい。
そうでさえあれば、それでいい。
End.
友人と同意見になっちゃうよね
せつなくて良かったです
とりあえず後輩は滝にでも当たってこい
確かに友人と同じ意見しか言えんな…
先輩サイドの葛藤も読んでみたいなと思ってしまった
切なすぎて萌え狂いました!GJ!
うわぁうわぁうわぁこういうの好きだー!
もどかしいいいいいいい
同じく、こういう切ないの大好きだ。
これから何かのきっかけでさらにすれ違って
後輩くんも色々苦悩したあとに
めでたく結ばれて幸せになってほしい。
ぐああああ!寝る前に読んだせいで凄い悶々とするじゃないか!
GJとしか言いようがない!
最後のEnd.が好き
麻生海あたりに絵にして欲しいです
GJ!!!
踏み台にしてくんなまし
機械音痴
900 :
1/2:2010/05/24(月) 15:07:22 ID:5b//iStJ0
「あーぁ、またバグっちゃったよ…」
3010年、ロボット工学の進歩により、一人が1台ロボットを持つ時代がやってきた。
それぞれのパートナーとなるこのロボット達は、通話やメールの通信機能はもちろん、電子通貨の管理、
対話・遊び相手などのコミュニケーション、家事や買い物などの雑用といった持ち主の身の回りの世話までもこなす、スーパーにハイなテクノロジーによって作られたロボットだ。
乱暴に言ってしまえばパソコンとメイド・執事を足したようなもので、スペックはそれぞれの持ち主にもよるが、莫大な金を払えば夜の相手もさせられるらしい。
まぁ俺のは中古で譲ってもらった旧式の男型だから、そんな気にもならないが。
「動けよー、今日中に動いてくんないと、大学のレポート出せねーだろー!もー!このポンコツ!!」
乱暴に足元を蹴飛ばしてやると、大げさな機械音とともにそいつが動き出した。
「よぉ、起きたかよ旧式」
『マスター、また蹴りましたね』
「ぐ…」
『荒療治、良くないですね。前に初心者用の簡単な取扱説明書をお渡ししたはずですが』
「あんっな分厚いのの、どこが初心者用なんだよ!言ってるだろ!俺は機械オンチなの!大体、なんで紙媒体なんだよ、古くせぇ」
『紙媒体でなくてどうしろと、私にダウンロードしてみますか?私が壊れたら読めませんが』
「うるせー、大体お前にそんなメモリあんのかよ、ちょっと使うたびにすぐ止まりやがって、職務怠慢で訴えるぞ」
『製作会社に訴えを起こした方はいらっしゃいますが、パソコンを訴えるとは、やはりマスターは変わり者でいらっしゃる』
「お前それけなしてんだろ」
『はい』
「笑顔で答えてんじゃねーよ!ったく…いいやもう、レポート出して。締め切り今週なんだよあれ」
『ではディスプレイのケーブルを持ってきますね』
「んー」
901 :
2/2:2010/05/24(月) 15:09:09 ID:5b//iStJ0
『そうだ、マスタ…』
「なに?」
『……』
「おい、なんだよ?…ってまさか」
『……』
「だーっ!また止まってんじゃねえかくそっ!…こうなりゃもっかい…」
数分前と同じように足元を蹴ると、また機械音とともにそいつが動き出した。
と、そいつは俺の手を取ってふわりと抱えあげると、顔を近づけてきた。同じ男であるこいつにこう軽々と持ち上げられると、
そこそこ高い俺のプライドはずたぼろだ(まぁ相手は機械なんだが)。20p近い身長差が恨めしい(まぁ相手は機械なんだが)。
「おい、なんだよ。近けぇぞ」
『また蹴ったでしょう、マスター』
「だからなんだよ、おい、降ろせポンコツ。降ろせったら!」
『…マスター。私、マスターのことが好きなのかもしれません』
「はぁ?なにそれロボットジョーク?つまんねぇ」
『前はこんなことなかったのに、マスターに起こされたくて、マスターを困らせたくて、すぐにフリーズしてしまいます』
「…旧式は冗談も言えねぇのか、降ろせって」
『目が覚めたときには必ずマスターがいるんです、まるで、大昔にあった御伽噺のようです』
「そのガタイで姫気取りかこら、旧式、言うこと聞けよ」
『マスター、キスしましょうか』
「え、なに言ってんのお前、病気?なんかのバグ?」
『キスしてみれば、この気持ちの正体がわかるのかも。それに、もし本当に好きなら、マスターにもきっと伝わる』
「いやだから俺の了解を…んっ」
『……』
「……」
『…やっぱり、好きみたいです。ここれ、マスターにも伝わりましたか?』
「…冷てぇよ、ばか」
…仕方ない。こんなポンコツ、きっと貰い手なんてない。
了。
機械音痴キャラって萌えるよね。機械といっても、乗り物系からパソコン系から色々ありますが。
例えば、「僕が触ったら壊れるから!」と必要以上に機械を恐れているタイプ。
基本有能なのに、機械というだけで拒否反応が出てそのときだけ情けなくなると更に萌える。
分かり易くおろおろしてもいいし、表面上はなんてことありませんよ?な顔で内心焦っててもいい。
そんなタイプには「大丈夫、大丈夫」な包容力キャラがついてやって欲しい。
(例)「どどどどどどどどうしよう○○君!僕こんなのやったことないよ!」
「落ち着いて下さい、○○さん。俺が教えますから」
「だっダメだよ!僕には無理だ、無理無理無理!」
そんな大した操作してないのに、物凄くキラキラと尊敬の眼差しを向けてくるのも良い。
(例)「凄え…!お前すげえな……!魔法使いみたいだ!!かっこいいな!!」
↑賞賛の仕方が大袈裟。かつちょっとずれている
---------------------
例えば、「えーと、このボタンかな?」と恐れなくすぐなんかボタン押そうとするタイプ。
パソコン触っててすぐエラー出したり、傍で見てたら逆に恐ろしいことをやったり、
本人は慌ててなくて周囲の方が慌てるパターン。
(例)「○○ー。なんか止まっちゃったよ、これ」
「おいいいいぃぃぃぃ!」
フィーリングでボタン押そうとしてツッコミ系キャラに全力で止められるのも良い。
(例)「へーこれが最新兵器かー。かっこいー。あ、ボタンがある」
「ナチュラルに押そうとしてんじゃねえテメエ!」
このタイプだと、機械音痴さんはあまり学習能力が無い方が個人的に萌える。
現実世界だと迷惑だけどな!取説読もうぜ!
---------------------
あと機械音痴とロボット・アンドロイド・人格プログラム、のような組み合わせも萌える。
音痴の対象がそのまま相手なの。
機械の方がしっかりしてて、機械音痴は機械音痴故に相手の仕様とか構成とか仕組みとかわかってなくて
ただ「人間と変わらないじゃないか」と思って接するけど、やっぱり人間と機械の壁は存在して…みたいな
やってもーた。直前のリロード忘れてごめんなさい
>>900 マスター呼びいいな!丁寧語万歳!!
『旧式』という言葉だけで既に萌えるのに話にも萌えた!GJです
人それぞれの萌えの違いっていうか…。
こういう機械オンチキャラに萌えるってことでしょ?
まわします
さあどうぞ踏んづけて行ってください
探偵(職業探偵でなくても可)と、助手(職業助手でなくても可)
殺人事件現場にて
「だからどうして君はそうわからずやなんだ!」
「君のために言っているんだ」
「そりゃどうも。君からすれば、僕なんて頭ののろい古臭い人間だろうよ!」
「そんなこと言ってないだろう」
「言ってるじゃないか!」
自分と比べて冷静な彼の取り澄ました顔が、こういうときは憎らしい。
「君が素晴らしい頭脳の持ち主だってことは認めるよ。でも僕だって子どもじゃ…」
「シッ」
彼が唇の間から素早く音を発した。
人差し指を唇に当てたポーズに、僕は口をつぐむ。
彼が足下の地面に視線を落としている。
獲物を見つけたアフガンハウンドのように目を輝かせ、きゅっと口を引き結ぶ。
いつもは、蝋人形のほうが血色がいいくらいなのに、こうなった彼の頬は赤みを帯び、生命力に満ちている。
彼がなにかを見つけたのだ。
僕のような凡人には分からない、微細な証拠を。
こうなった彼は何を話しかけても聞く耳を持たない。
「…これは……だから…」
地面に膝をつき、調べ始める彼から、僕は2歩ほど後退る。
うかつに歩き回って、彼の求める証拠を台無しにしたくない。
そして僕は、数十歩の先に転がっている死体に目を向けた。
冷たい石畳の上に横たわり、虚空を見つめる青い瞳に痛ましさを覚え、そっと目を伏せた。
僕にできるのは、彼女を殺したのが誰か、突き止める彼の手助けをすることだけ。
「……くん、……君」
呼びかけられてハッとした。
「もう来ていい。被害者を見てくれ」
そうだ、僕にできる仕事がある。
「わかった」
頷いて、僕は彼女のそばに歩み寄った。
ごめんなさい、どっちのセリフか最初の方わからなかった…。文盲かな…。乙
現場を検分する探偵と助手っていいものだ。
ある種の二人の空間。死体あったりするけど。
同じシチュでも刑事コンビ(警部と平刑事)とは
また違った味わいがある。
まわし
まわし
GJ!こういう探偵ものは普通に好きだ
なに、初歩的なことだよまわし
ラスト3行目あたりで、助手の方も表情をひきしめて
「探偵助手」の顔になったんだろうなー。
普段は反発することがあってもいざという時は息ぴったりな2人っていいよね!
さあどうぞ踏んでいって。
きれいなお兄さん×大型わんこ
太腿を撫でられるうちに、居ても立ってもいられなくなってきた。
「お、お、お兄さんは」
声がうわずる。そのことが余計に俺を逆上させた。
「……なんで俺なんかを構うんですか」
お兄さんは目を細め、俺の鼻をつまんだ。
「可愛いからさ。見てるとかわいくてかわいくて仕方がないんだよ」
ムガ、と鼻が鳴る。毎度毎度、この人の言っていることがわからない。
剣道、柔道で鍛えられたむくつけき大男である俺の、どこが可愛いというのだろう。
「俺はもう小学生じゃありません」
「知っている。高校生でも大学生でもないね、立派にお勤め人だ。むろん小さい頃も可愛かったが」
そういうお兄さんこそ可愛かったじゃないですか、と言いたいのを堪える。
美少女然とした子供だった3つ上の幼なじみは、いまや美女とも見紛うばかりの美青年とあいなったが、
自分の外面にとんと興味がなくて、話題にしても反応しないことは先刻承知だ。
実は、これが噂に聞く男色家というものか、と密かに思っている。
この人が女性とつきあったという話は、聞かない。
お互いそろそろ嫁を迎えなければならない年だが、俺はともかく、この人の見合い話も聞かない。
こうして揃って上京しているが、俺が会社勤めなのにこの人はひとりでふらりとやってきて、文筆業だとかよくわからない仕事に就いた。
およそ、浮世離れしている。どうあっても俺とは縁がない人だ。
「……触っていい?」
まただ。言ったときには背中をなで回している。
「良い筋肉だ、ほれぼれするね」
就職してからはだいぶ衰えたと、自分では思うんだが。
意外に大きな手のひらがシャツの上から背中をさわさわと動き回るのは、嫌いではないのでそのままになる。
こうしているといつも、お兄さんの実家の犬を思い出す。お兄さんはよく、庭で大きな甲斐犬を撫でていた。
賢い犬はじっとふせて撫でられるままになっていた。
お兄さんは実家が恋しいのかも知れない。俺を甲斐犬の代わりに撫でているのかも知れない。
お兄さんの手は、背中を通り越し、尻にひと撫であいさつしてから前に回って腿にたどり着く。
太腿をなで下ろし、ふくらはぎを揉むと同時に二の腕をさする。
そうして俺はまた、何でか知らんがいたたまれない気持ちになっていく。
「お兄さん!」
「何?」
「さ、さっきも聞きましたがなんで俺のこと構うんですか、こうして家に来て飯食って、
犬代わりに撫でてさする。寂しいんなら嫁をもらってください。それとももらえん理由でもあるんですか」
「仕方ないじゃないか、お前が可愛くてならないんだ、見てると触りたくなる」
「お兄さんは……やはりそっちの気があるんですか」
きれいなお兄さんは顔を傾げて、どうやら真面目に事を考えた後、言った。
「わからないね、他の男をどうこうしようとは思わん。可愛いのはお前だけだなぁ。
さっきお前は犬と言ったが、そういうつもりもない。
が、確かに犬のように可愛いな、いつまでも飼っていたいとは思うね」
そう言われては、飼われるしかない。そう思った自分もたいがい犬のようだ。
おおぅ……萌えた
GJ
なるほど大型わんこだGJ!きれいなお兄さんの口調いいな
いい歳して童貞同士とかwww
やべえ萌える
腹黒美人さん大好きだあ!Gj!
こうきたか!
飼われとけ飼われとけ
GJ!
規制解除でもされたのかな?
一気に賑わってて嬉しいw
GJGJ!!
されるままの犬かわいい
おふみなさい
甥っ子と、おじさんと、おじさんの後輩と
最近荒れてきた弟を心配する歳の離れた兄
ようしおじさん踏み台になっちゃうぞー
932 :
1/3:2010/05/27(木) 11:29:00 ID:paH+zBN3O
「おじゃましまーす。叔父さん? いないの、……」
「あ、ちょ、こら、」
叔父さんがソファに押し倒されていたので、とっさに持っていた酒瓶を振り上げました。
「おおっと危ないなァーあははは」
「ぎゃー!? 違うからタロちゃんこいつ暴漢とかじゃないから!」
***
「えー、僕の後輩の新藤です」
「しんちゃんって呼んでね☆」
「はあ……」
白々しく先輩後輩の関係を装う二人に、俺はとりあえずしんちゃんが無事受け止めた日
本酒を差し出した。
「金貸した親戚だかに貰ったらしいんだけど、うち誰も飲めないから持ってけって」
「僕も飲めないよ。織賀家の下戸遺伝子をしっかり継いでるよ」
「園先輩はコップ一杯でふらっふらになっちゃってオレにむぐ」
「黙れ」
何でこの人これで隠せてると思ってるんだろう。
933 :
2/3:2010/05/27(木) 11:29:47 ID:paH+zBN3O
「しんちゃんは飲めますよね?」
「飲める飲めるーお酒大好き」
「え、知り合いじゃないよね。何で知ってるの」
俺は失策に気付いた。
どうしよう、叔父さんが自ら明かすまでは生温かく見守ろうと家族会議で決定したのに。
訪問した父さんがペアのカップとか二本の歯ブラシとかサイズのでかい洗濯物を発見し
たり、母さんが大量の酒を買って帰る叔父さんを発見したり、祖父ちゃんが早朝に電話を
かけたら知らない男が出たり、他にも色々と隠せてない彼氏の痕跡があったわけだが、一
応叔父さん隠してるつもりらしいから言えない! どうしよう!
「タロちゃん、全部言ってます」
「あれっ、うっかり。まあわざとだけど」
「いやータロ君十五年前の園さんにそっくりだと思ったら顔だけだったね! オレのとき
めきを返してほしいな!」
「よく言われます」
部活の後輩に、せんぱいほんといー性格ですよねウワアァァンと泣かれたのは三日前の
ことである。そういえばあいつも新藤という苗字だったな。偶然だといいな。
934 :
3/3:2010/05/27(木) 11:31:57 ID:paH+zBN3O
「ちょ、待ってタロちゃん。ばれてたの? いつから?」
「うーん、俺が知ったのは中学の入学式の後だけど。祖父ちゃんと父さんと母さんに、実
は叔父さん同性愛者なんだけど別に気にしないよね? って言われて、叔父さんの恋人の
性別なんかどうでもいいよって」
「あっはははーほんと園さんって詰めが甘いナー」
でもそこが可愛いよねって、知らんよ。親よりそっくりな同性を可愛いとか、うん、ま
あ思わないでもないけど。バカワイイというか。
「叔父さん頭いいはずなのにね」
「……そんな……一応名家だからとか、兄さんの結婚に不利になるかもとか、色々悩んだ
思春期が……」
「オレの胸で泣いていいよ園さん」
「俺後ろ向いてるから泣いてもいいよ叔父さん」
泣いたら写メろう。
なにこれ超萌える
面白かったw
甥っ子のクールな性格と「呼んでね☆」が個人的なツボ
踏み逃げは残念だったけど
>生温かく見守ろうと家族会議で決定した
ここで噴いたwいい家族だw
3人出すって難しくないか?と思ったが凄い
タロちゃんと後輩新藤の話も読みたい
腰まである長髪
今日も俺の幼馴染は煩い。
折角きれいな夕焼けだというのに、それに見とれもせずわめいている。
「奇跡だ! ミラクルだ! マジカルペシャルミラクルだ!」
「はいはいそうかそうか。そりゃ良かったな」
「なんだようーもっと祝えようー俺とお前は十年来の親友だろー?」
まあな。確かに幼稚園からのつきあいだわな。
「そうだな、十年来の親友だ。だからなんでもしってるぞ。お前があきもせず似たようなタイプに告白して付き合ってすぐ振られて泣きついてくるのがもうすぐ累計14回になるってこともな」
「あーなんだよそれ! 今回こそは大丈夫だって!」
「お前俺にもたれかかって泣くだろ。翌日肩が凝って大変なんだ。泣く時間を短くしてくれればまあ祝ってやらんでもないが?
あ、そうか、情がうつらなければいいのか。今回もすぐ別れればいいのに」
「ひでえ!
なんだようひがんでんのかよう、お前俺よりもてるんだからいいじゃん!」
「…はん」
鼻で笑う。もてても本命が振り向かなければ意味がないのだ。つくづく馬鹿な奴である。
あーなんだよそれむかつくー、と奴がわめくが無視して足を速める。ひゅう、と風が吹いて髪を巻き上げた。顔に少し絡み付いて面倒くさい。
ふと、奴の告白に承諾を返したらしい人の容姿を思い返す。腰まで伸びる黒髪が脳裏に蘇った。
「お前、本当に長髪の人が好きだな」
追いついてきた奴に言う。
「なんだよ、人の勝手だろ」
ああそうだな、お前の勝手だ。そういう風にすればいいさ。
まとわりつく髪の毛を払う。いつまで伸ばし続ければいいのか分からないその髪は、それでも確かに俺のもので、とっくに腰まで伸びていた。
なんだよう、切ない片思いかと思ったらギャグなのかよw
あからさまなアピールっぷりに気づけよ幼なじみ!GJでした!
校則違反で怒られないのか気になって夜しか眠れない
校則で服装とか髪型とか制限されない学校なんじゃね?
自分の高校がそうだった
学生とは限らないしファンタジー世界の可能性も
何にしても切な萌えた、GJ!
幼馴染が気づくか短髪好きにならないと、髪の長さがえらいことに
GJ!
>>944 幼稚園とあるし現代でそ。十年来だから中学生か高校生
ラノベとかで出てきそうな学校なら長髪もありだな
現代なのはわかってると思うよ。
ファンタジー学園の方が長髪の人たくさんいそうだからね。
あれだ 現代の男子高校生二人が異空間に飲み込まれたらそこは
剣と魔法と長髪のファンタジー世界だったんだよ
さあ踏んで
嫌いだったハズのアイツ
角張ったあごにくちづける。髭が伸びてきていて唇を刺す。
この口が嫌みな台詞を吐くたびに苛々させられたことを思い出す。
カンに触ったのは、それが正論だったせい。むかついたのは鋭すぎたから。
「お前が担当だろう」と言ったのは、逃げたわけじゃなく俺の仕事を尊重しただけ。
残業するたびに眉をひそめたのは、安請け合いする俺を気遣ったせい。
わかりにくいんだよ、おかげで異動してきて半年も、お前のことが嫌いだった。
かつての職場は、能率が悪くて馴れ合いがはびこる吹きだまりだった。
お前が新しい風を入れた。能力と、誠実さで。
皆が変わった。最後まで残ったのは俺だった。
おかげで、上にまで火の粉がかかるようなヘマをするはめになった。
すんでのところでお前に救われ、かろうじて事を納めた。
お前は相当のとばっちりだったけど。
屈辱だった。嫌みだと思った。一人で何とかしたかった。いや、むしろ一人で駄目になりたかった。
たぶん、お前に抱いていたのは嫉妬。解消するにはお前を認めるしかないような。
どうしても負けたくなかった。
だから、負けないためにお前に屈した。
敵わない相手だと素直に認めようとした。あいつが好きだと思おうとした。
男が男に惚れるような、そんな感情を持とうと努めた。
──頭のどこかで、それでも嫌いだ、嫌な男だと思いながら。
予想外だったのは、本当にあいつが良く見えてきたことだ。
わかってしまった。誤解されやすい言動の、その本当の意味。
いつからだっただろう?
お前の視線がまともに受けられない。社用車に同乗しようものなら明らかに挙動不審。
とうとう夕飯を誘われて、指摘されて、尋ねられる。
「俺のこと……どう思う?」
おどおどと自信なげに。でも嬉しそうに。
そうやって最初からしおらしげにしておけば、俺も受け入れていただろう……ただし普通の同僚として。
これは振り幅だ。左に大きく揺れるほど、右に振れるときも大きく強く動く。
そうして俺はすっかり飲み込まれた。もはや屈辱とも思わない。あるべき姿のような気さえする。
「こうなることは最初からわかってたよ」
俺の腹に顔を埋めながらお前が言う。嘘をつけ。お前だって、俺のこと嫌いだっただろう?
俺はそういう自信まんまんなところが、今だって大嫌いなんだよ。
反発からはじまる関係っていい!GJ
相手役がかっこいいね。GJ!
これはどっちが攻めなんだろう
どっちでもいけそうだけどアイツ×俺に一票
笑いが止まらんかった!
リーマンものの王道って感じでツボです。このパターンが来るとかなり萌えるんだ!
GJです!
アイツ×俺でしょう
もう少しアイツの描写がほしかったな
でもGJ
うんうんアイツがどんな奴なのかもっと知りたい。
これまでの嫌い→好きの過程に萌えたあと
これからしっくり馴染んでいく2人について考えてさらに萌えたw
髭が伸びてきてイイよイイよー
最後のアイツの台詞いいなあ
殺し愛
ずるり、と腕の中の体から力が抜け、そのまま地面へと崩れ落ちる。
ふう、とため息をつけば今補給した食事の鉄の味が口の中へと広がって、
なかなか甘美だと言えた。
そっとかがんで足元の体を持ち上げる。戯れに襲ったその青年は浅い息を立てていた。
今まで基本的に女を獲物としていたが、男も選べばなかなかのものだ。
しかし満ちる力とは別に、私はまるで凪の中で座るような気分だった。
何が不足か。そう仲間なら聞くだろう。なぜなら私もそうだった。
しかし今は違う。
一ヶ月。
たった一ヶ月で私は変わってしまった。
一ヶ月前の満月の日、あの夜あの場所あの時以来、いくら美女を捕まえれど、いくら
甘美な血を吸えど、私は満たされない。
それは遠大な戯れ。どんなに贅を尽くした晩餐、どんなに清らかな血、穢れた血よりも
甘美なもの。
銀色と青灰色と紅。それが私を支配して、ひとときたりとも離さない。
だからこの青年を襲った。私の屋敷でなく、そうとうに町中で、十分に目立つ、ここで。
とんだ迂闊。とんだ失敗。けれどそうしなければいけなかった。この時この場所。
この満月。すべてがすべて―――相応しい!
だん、と私の腕を掠めた銀の小剣が壁に突き刺さる。青年を置いてそれを避けながら、
体中の血が沸き立った。
来た。
来たのだ――彼が。私の運命が!
私の退路を立つように立つ彼に私は生み出した棘を投げる。しかしそれはあえなく弾かれた。
当然だろう。彼はそういうものなのだ。
「よう。二日ぶりだな、馬鹿野郎」
「そうだね。二日ぶりだよ、馬鹿な人」
くっ、と日憎げな笑いと共に青灰色の瞳が眇められる。それだけで私の体に痺れが走る。
ああ、早く触れたい。
その銀色の髪にこの体を絡め、その瞳に口付けて、その唇を奪いとり、首筋に口付けたい!
これは宿命。私が黒い羊膜に、彼が赤い羊膜に包まれて生まれた、その時からの抗いようもない運命なのだ。
彼が一歩踏み出す。本来神聖たる彼は、青年の体を躊躇いもせず軽く蹴って隅へ押しやった。
「全く。血を飲むなら俺からにしておけと言っただろう?」
「残酷な事を言うね。そんな事したら、僕は死んでしまうじゃないか」
「ほう――だが、一番これが、旨いんだろう? それにすぐ死ぬわけじゃない。少なくとも死ぬまで最高の美味を味わえるじゃないか」
くっ、と思わず口角が上がる。彼もそれに笑い返す。
なぜなら彼は分かっているのだ。私がそんな事をちっとも望みはしない事を。万一そんな条件を飲めば、彼は私を躊躇なく殺す。その血を私が味わう前に。
つまりはあえて言っただけのこと。ただのちょっとした戯れだ。
ああそうか、戯れということは、前戯でもあるのだろうか? だとすれば答えるほかあるまい。
「まあね。だからそうしてもいいのだけれど――」
手を取り出したナイフで切る。どろりと一瞬血が垂れてすぐ傷口は塞がった。その血を練って広げ、紅の小剣を作り出す。
彼の血は私にとってたまらなく甘美だ。それを拒む理由は一つ。そう、たった一つだった。
「そうしたら、君を殺せないだろう?」
ねえ、私の恋人よ。
彼はそれににやりと笑う。笑って―――長剣を抜く。
「そうだな――それには同意だ!」
――さあ、殺し合いを始めよう。
この戦いは終わらない。一ヶ月前から始まって、そして私か彼が屠られるまで、永遠に終わらない。
けれどそれがなんだというのか。
これは運命、これは宿命。だから殺す。殺される。それの何が悪いのか。
「愛してるぜ、俺の恋人!」
「愛しているよ、私の恋人!」
彼の胸に飛び込むように地を駆ければ、迎えるように剣を持つ手が差し伸べられる。
私は唇を吊り上げる。彼を殺せばこれ以上の快感か。それを考えるだけで何もかもがどうでも良い。
私はまさにどこまでも、これ以上なく満たされていた。
おおー殺し愛ってこういうことか!
GJ
こういうこってりした感じもいいGJ!
芝居のように濃くて耽美でドラマチックだなー
こういうの最近珍しいからかえって新鮮だった GJ!
萌えたとか好きだとかそういうのじゃなくて、なんかうめえ。
うますぎて鳥肌たった。乙!
独特の世界を持った人なんだな すごい萌えを見せてもらった
もっと長い物語で思う存分浸りたい気がする
そろそろまわしまーす
※注意※
*9に書き込む前には直前リロードをお忘れなく
びっくりした。9かと思ったん。
悪事に手を染める主と、心を痛めつつも手伝うことに喜びを感じる執事
旦那さまは近頃本当にお痩せになられた。
「辻野。いたのか」
「先刻から」
「ちょうどいい、コーヒーを」
「只今」
カップを受け取る指は頼りなく、いやに美しい関節の上に青い血管が模様のように走っている。
標本にしてしまいたくなるような、旦那さまの手。
悲しい手だ。
旦那さまの心がいくら拒もうと、この器官ばかりは、背徳の震えに耐えながら与えられた仕事を全うするほかない。
旦那さまはお煙草を嗜まれない。しかし、私は灰皿を片付ける。
「辻野」
「何でございましょう」
「お前は……私を軽蔑するか」
「ご冗談を」
灰皿を使うのは旦那さまの旧いご友人である。
旦那さまが断れないのを知っていて、件の仕事を持ち掛けてきたご友人。
昔から、旦那さまはその名前を至極嬉しそうに口にされていた。
しかし今、旦那さまがその名前を仰るとき、苦しみの皺がその額になかったことはない。
ご友人はいずれ、旦那さまをお売になるだろう。そして旦那さまもそれを知っている。
「辻野…………少し」
「只今」
旦那さまの肌に傷がつかないよう、シャツのボタンを丁寧に外す。
ひやりとした胸に口付けると、頭上でかすかに喉が震えた。
哀れな、旦那さまの喉。
気持ちが昂り、愛する人間の名を呼びたがるその心に逆らって、この喉は沈黙を貫かねばならない。
がちゃり、という不躾な音とともに置き時計が落ちた。
「辻野、辻野」
うわごとのように旦那さまが呟く。
冷たい床がお体にさわらぬよう旦那さまの跳ねる背中をかばいながら、私は落ちてもなお動き続ける針を眺めた。
旦那さまのご失脚は、この針がどれほど動いた後だろう。
権力を失い、富を奪われ、ご友人に捨てられた旦那さまは、とうとう私に気付いてくださるだろうか。
その暁には、旦那さまを私一人のものにできるだろうか。
「辻野、辻野、私を許してくれ、辻野」
私は知っている。旦那さまが私の「許さない」というただ一言をお待ちになっていることを。
そうしてご自身も同じようにご友人を断罪し、その因縁を無に帰してしまわれたいのだということを。
私は旦那さまの汗ばむ額に口付けながら世にも残酷な言葉を繰り返した。
「旦那さま、旦那さま。そう仰らないでください。旦那さまは立派にお仕事を全うされております。旦那さまはご立派です。どうかそのままで、どうかそのままで」
旦那さまは悲しげに息を詰めると、爪を立てて私にしがみついた。
旦那さま。悪事に堪えるお心をお持ちでない、お可哀想な旦那さま。
私を除いた全てを失う瞬間も、そう遠くはないだろう。
旦那さまはどう振る舞われるだろう。絶望に自刃なされるか、正気を失われ、呆けてしまわれるか。
いずれにせよ最期のとき、旦那さまの傍らにいられるのは私一人なのだ。
「辻野…………あ、あ」
時計の針よ、回れ。
喜びを感じる、をどうこなすのかなーと思ってたがこういう設定で来たか!
背徳感がたまらんGJ
こういう話が読みたかった!GJ
崩壊のときが刻一刻と迫ってる感じがたまらん
読んでてどきどきしたよー
静謐な雰囲気もすごく良かったGJ
979でリク終了だから、次のお題&投下がこのスレ最後の萌えになるね
破滅を待つ雰囲気が好きすぎる
GJでした!
展開・発想…非常に萌えました 背徳感がGJすぎてもうどうのた打ち回ればいいのか
おお、スレ最後の萌え… 次はPart19ですね
完壁
依存度の高い兄弟。
981 :
980:2010/06/03(木) 02:34:04 ID:KkTrAiqQ0
書くの初めてなのでお手柔らかに…
斜め前の席に座る奴に目を走らせる。俺が一番嫌いな奴。
不動の学年主席。頭が良いだけじゃなく、運動もできる。品行方正。顔も良い。人当たりも良い。家は医者だとかで、金もある。
つまるところ、完璧。どこのマンガのキャラだ。…いや、マンガなんて読んだことないけど。読んでる暇あるなら勉強する。
コイツのおかげで俺は万年次席。運動はできない。顔は…平凡?敵は山ほど作るけど友達は作らない。面倒なだけ。家も平凡。まあ、勝てることは何もないわけだ。
授業が終わった。机の上を片付けて席を立つ――目の前に、あいつ。
「どこ行くの?」
無視。教えてやる必要はない。よけて教室を出るが、後ろからついてくる気配があった。うっとうしい。
俺が人気のない方へ足を伸ばすとまた声をかけてくる。
「こっち、図書室だよね?昼ごはんは?食べないの?」
さっさと教室戻れ。俺は財布忘れたんだ――などとは言えない。いや、それよりも。お前こそメシはどうした。いつも一緒に食ってる奴らがいるだろう。あいつらも、こいつが俺と一緒にいるのが嫌なら後で文句言うんじゃなく、こいつ引きとめておいてくれ。
図書室に着いても横を歩く。…何で横。
「ねえ、」
「うるさい。図書室は私語禁止」
「人いないから良くない?」
良くない。人がいなけりゃ話して良いとか、そういう問題じゃないだろう。それにしても、よく懲りもせず話しかけてくるもんだ。まともに接したことはないはずだけど。理解できない。
目当ての本棚へ向かいながら、後ろを歩く奴を(図書室の中で横に並ぶと狭くて仕方がないので後ろに下がったらしい)どうするか考える。黙らせることには成功したが自分で私語禁止と言った手前、教室戻れと言うのも躊躇われる。先にこっち言っておくんだった。
探していた本を持って、一番奥にある机へ。人が来なくて気に入っている場所、なのだが。俺が座るとあいつは当然のような顔で隣に座る。だから、何で隣に来るんだ。
982 :
980:2010/06/03(木) 02:34:46 ID:KkTrAiqQ0
「……」
本を開き、読み始めること数分。本の上に開かれた生徒手帳が置かれた。後ろの方についている白紙のページに何か書かれていた。
『それ、面白い?』
俺が言った私語禁止を律儀に守っているらしい。でも、邪魔だ。すごく。払いのけるついでに睨んでやったが、微笑みが返ってきただけ。腹がたつ。
『勉強熱心だよね』
どこぞの誰かさんに勝ちたいんですがね。
『尊敬するよ』
嫌味か、この野郎。
生徒手帳をどこか適当なところへ投げ捨てる。昼食も摂らずについて来て、わざわざ俺の読書を邪魔。何がしたいんだ。
これ以上読書を続けるのは諦めて貸し出し手続きをする。生徒手帳を拾ったあいつが横にいるのが気に食わない。図書室を出て、あいつへ向き直る。背が高いのも癪にさわる。見下ろされているのが不快だ。
「ついて来るな、うっとうしい!」
「話そうと思っても、君が逃げるから」
「俺に話すことなんか何もない。というか、話し相手がほしいなら他にもいるだろ。そっち行け。俺のところになんか来るな。迷惑」
「誰でも良いんじゃなくて、君と話したいんだけど」
…これだけ言ったのに、まだ言うか。頼むから消えてくれ。
溜め息をついて、教室に戻る。いろいろ話しかけられたけど、完全に無視。
気障ったらしく開けてくれたドアを先にくぐり、あいつの鼻先でぴしゃりと閉める。もう一つのドアへ向かう俺に少し遅れて入ってきたあいつは、予定通り教室にいた奴らに声をかけられて彼らの席へ連れられて行った。
ようやく一息ついた俺は、再び教室を出て図書室へ向かった。――…静かになって、ほんの少しだけ物足りないと思ったことは、死んでも口外するつもりはない。
おー、雰囲気が好み
リロミスなのに良かったよ〜GJ
これはいいなーニヤニヤしつつ読んだGJ!
こういうのいいなあ
淡い雰囲気で、少年同士って感じで好きです。GJ!
誰も居ないようなら、ダメ元でスレ立て行ってきます
やはりダメだった…orz 無駄なレス消費申し訳ないです
どなたかお願いします
テンプレは
>>978参照
スレ立て行ってくる
スレ立て行きまーす
立てられませんでした。すいません
スレ立て挑戦します
995 :
風と木の名無しさん:2010/06/04(金) 10:46:20 ID:bN6LozES0
>>994 乙です!
挑戦された皆さんも乙でした
次スレでもたくさんの萌えに出会えますように
999 :
風と木の名無しさん:2010/06/05(土) 03:16:42 ID:G5/7dcyz0
今回も、たくさんの素敵な萌えをありがとうございました。
次スレも楽しみです!
1000!
沢山萌えをありがとうございました!
1001 :
1001:Over 1000 Thread
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このスレッドは桜にさらわれました。
月が見てるので、新しいスレッドをたててくださいです。。。
カオスでマターリ
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