*9が指定したカプ・シチュに*0が萌えるスレPart25
- 1 :風と木の名無しさん:2012/09/26(水) 23:44:05.37 ID:xjv6+yt40
- ☆★☆★☆ 初 め て の人は まず 熟 読 してね ☆★☆★☆
*9が萌えてほしい内容を指定し、*0が萌える思いを書き綴るスレッドです。
*0はSS、萌え語りなど、どんな内容でも構わないので萌える思いを語ってください。
まとめwiki ttp://www19.atwiki.jp/910moe/
別館 ttp://jbbs.livedoor.jp/otaku/13789/
※ 絡み・談義・テンプレ審議などは絡みスレか別館へ。
ルール
■*9から24時間経過でお流れです。
■*0を踏んだ人物が*9より12時間無反応の場合は権利消滅となります。*0以外の萌えたい人どうぞ。
■*0の先行ゲトは禁止です。全部書き上がってから投下が原則。
■同一人物による投下以外の連続書き込みは禁止です。
注意事項
■*9リクはわかりやすいもの推奨。無機物、非生物不問。
■*9*0とも、あからさまに二次創作とわかるような固有名詞は避けましょう。
■テンプレ違反の*9はお流れです。
■テンプレ違反の投下はまとめwikiに収録されません。
■*0以外の萌えた方、*9より24時間経過後に萌えた方、投下者による続編は
別館の「0さん以外の人が萌えを投下するスレ」に投下して下さい。
■投下者本人以外が続編を書くことは原則禁止です。
・投下、リクの前にはリロードしましょう。
・感想を書き込みたい人のために、*0投下後24時間以内の「まわし」は御遠慮下さい。
・979でリク終了、980の萌え以降フリーです。次スレは宣言してから建てて下さい。
*9が指定したカプ・シチュに*0が萌えるスレPart24
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/801/1336046036
>>2 もよく読んで下さいね。
- 2 :風と木の名無しさん:2012/09/26(水) 23:45:29.85 ID:xjv6+yt40
- ●こういう場合はどうするの?
Q1 リロミス・誤爆で*0をとりました。
A1 *9より12時間以内に*9のリクで投下して下さい。踏み逃げ禁止。頑張れ!
Q2 荒らしらしき人が*0をとりました。
A2 *9より12時間経過以降に*0以外の人の投下の可能性があります。
それまで書き込みはせずに投下を待ちましょう。
*1以降に書き込みがあっても書き込みはしないで下さい。
*9より24時間経過後にまわしてください。
Q3 別館に投下された作品にGJしたい。
A3 別館のグッジョブスレにお願いします。
本スレへのグッジョブとあわせて行う場合は、本スレへの投下OKです。
Q4 続編書きたいです。二次創作してもいいですか?
A4 本人による続編投下は、別館の*0以外の人が投下するスレへ。
本人以外の続編・二次創作は原則禁止です。
Q5 判断の難しい投下や書き込みがありましたが、どうしたらよいでしょうか。
A5 数字板の絡みスレや、別館のチラシの裏もしくはテンプレ審議委員会で。
他の人の意見を聞いてみましょう。
チラシURL ttp://pele.bbspink.com/test/read.cgi/801/1335846193/l50
テンプレ??
- 3 :風と木の名無しさん:2012/09/27(木) 02:07:22.63 ID:mniioC8L0
- >>1乙
前スレ1000GJ 回し
- 4 :風と木の名無しさん:2012/09/27(木) 02:25:06.31 ID:LviquQDn0
- >>1乙
まわしますー
- 5 :風と木の名無しさん:2012/09/27(木) 02:51:58.95 ID:+v3dkvae0
- >>1乙
早速まわし
- 6 :風と木の名無しさん:2012/09/27(木) 05:20:57.64 ID:QvYW+n8rP
- 前スレが埋まったからまわし
- 7 :風と木の名無しさん:2012/09/27(木) 07:43:01.90 ID:tAUgBpws0
- いちおつ!
- 8 :風と木の名無しさん:2012/09/27(木) 08:17:29.43 ID:NXK0JXfs0
- 踏んで…
- 9 :風と木の名無しさん:2012/09/27(木) 08:25:37.95 ID:QvVHkNpc0
- 女々しい自分に自己嫌悪
- 10 :風と木の名無しさん:2012/09/27(木) 11:41:13.49 ID:Or60cnPt0
- 女々しい自分に自己嫌悪する。
太腿の銃創をとりあえず止血しながら、男は自嘲した。
戦局は絶望的だった。敵の待ち伏せに遭って彼の小隊はほぼ全滅しており、助けがくる当てはない。
そもそも捨て駒だ。自国の軍人を守るために、金で買われた外人部隊。全てから逃げ出したくてここに来た。死と隣り合わせなら、あの人の事を考えずに済むと思ったから。
退官後の予定を訊かれて、某国の外人部隊に志願すると告げると、隊長は冗談だと受け取ったようだった。
「お前が辞めるのは残念だよ」
そう言ったあの人の顔を直視出来なかった。彼の家庭を壊したのは自分なのに。
最初に誘ったのは確かに彼女だったが、応じたのは自分だった。彼女が他の隊員にも手を出していたとか、そんな事はどうでもいい。お決まりの修羅場の後、憔悴しきった彼の顔を見てやっと気付いた。
彼女に重ねて、本当は誰を抱いていたのか。
本当は誰に抱かれたかったのか。
さっきの銃弾は動脈を傷付けたらしい。大量出血のせいで、視界がぼやける。
震える手で胸ポケットから取り出すのは、あの人の写真。
死の間際にさえ、結局は忘れられる筈もなく、恋する乙女のように夢想する。
生まれ変わって、あなたと出会えたらいいのに。
ああ、どこまでも女々しいな、俺は。
- 11 :風と木の名無しさん:2012/09/27(木) 23:19:45.69 ID:3luiKItP0
- 情景とか最後の表情が目に浮かぶ
切ないけど萌えましたGJ!
- 12 :風と木の名無しさん:2012/09/28(金) 05:15:08.13 ID:QjDiITKTO
- 切な萌えすぎて胃痛。GJ
- 13 :風と木の名無しさん:2012/09/28(金) 07:37:43.14 ID:Nk/dET4s0
- 1レスでドラマチックでした!
早い投下GJです
- 14 :風と木の名無しさん:2012/09/28(金) 09:29:07.05 ID:L2yTfjlm0
- 好みジャストミート過ぎて萌え苦しい
ありがとう>>10 今日も一日頑張れるよ
- 15 :風と木の名無しさん:2012/09/28(金) 19:37:34.98 ID:bvz771690
- まわしますね
- 16 :風と木の名無しさん:2012/09/28(金) 20:05:16.00 ID:XPU/Z7ti0
- まわし
- 17 :風と木の名無しさん:2012/09/28(金) 20:30:23.71 ID:3PsDt56W0
- まわし
- 18 :風と木の名無しさん:2012/09/28(金) 21:38:30.09 ID:Hu3n/OAd0
- くるくる
- 19 :風と木の名無しさん:2012/09/28(金) 21:38:40.57 ID:6Wk89QWl0
- 図太い男とビビりな男
- 20 :風と木の名無しさん:2012/09/29(土) 22:17:31.49 ID:VU5ere0n0
- まわし?
- 21 :風と木の名無しさん:2012/09/29(土) 22:25:00.63 ID:4i/MSUr70
- 残念まわし
ところで別館が見れないんだけど自分だけ?
- 22 :風と木の名無しさん:2012/09/29(土) 22:38:35.99 ID:umdB4y0r0
- >>21 自分は見られたよー
PC環境
- 23 :風と木の名無しさん:2012/09/29(土) 22:49:16.03 ID:4i/MSUr70
- >>22
ありがとう、今確認したら何故かhttp抜けてただけで普通に見れたわスマン
- 24 :風と木の名無しさん:2012/09/29(土) 23:54:54.24 ID:eomK9Uz70
- まわし
- 25 :風と木の名無しさん:2012/09/29(土) 23:59:13.37 ID:7FBhMbr90
- まわし
- 26 :風と木の名無しさん:2012/09/30(日) 00:11:46.85 ID:iM9mL5ILI
- まわし!
- 27 :風と木の名無しさん:2012/09/30(日) 02:48:49.85 ID:8ptzd5t+i
- mws
- 28 :風と木の名無しさん:2012/09/30(日) 02:55:09.18 ID:ijnDHOG8I
- 踏むがいい!
- 29 :風と木の名無しさん:2012/09/30(日) 02:58:36.02 ID:AiA68Uzq0
- 可愛いだけじゃないんです
- 30 :風と木の名無しさん:2012/09/30(日) 19:03:09.88 ID:lczB75800
- 御主人は僕をかわいい、かわいいと褒めそやす。でも、そんなふうに思うのはたぶん御主人だけ
なんじゃないかなって思う。
体は普通の犬の倍以上は軽くあるし、歯は大きくて鋭いし、目つき悪いし、長い尻尾はへたすれば
凶器になるし。ご飯をたくさん食べるからうんこの量すごいし。あとたぶんすごく臭いんだと思う。
御主人以外の人間が僕に近寄ると、十中八九顔をしかめる。
それでも御主人は僕を普通の犬みたいにかわいがって大事にしてくれる。頭を撫でまわして、耳の付
け根をカリカリくすぐる。顎の下をさすられるのなんてたまんないね、ふにゃふにゃになっちゃう。
嫌われ者の御主人。はぐれ者の魔術師の御主人。術のかけすぎで普通の犬とはかけ離れた生き物に成り
下がった僕をかわいがる、組織の中でも一番きたない仕事を押し付けられて、それでも笑顔を絶やさな
い御主人。
口から人間の血をぼたぼた滴らせて振り返る。
僕はあなたが大好きだよ。だからどんな命令でもきくよ。
あなたのためなら、僕はよろこんで化け物になる。
- 31 :風と木の名無しさん:2012/10/01(月) 10:45:46.11 ID:rF/5EqJu0
- お題との意外性GJ?
後半ゾクっとした
- 32 :風と木の名無しさん:2012/10/01(月) 13:02:21.79 ID:oTz2LBPL0
- 予想外の展開にびっくりした
GJでした
- 33 :風と木の名無しさん:2012/10/01(月) 21:02:53.51 ID:4a9znaRC0
- まわし
- 34 :風と木の名無しさん:2012/10/01(月) 21:06:35.39 ID:NfgoL4aS0
- まわし
- 35 :風と木の名無しさん:2012/10/01(月) 21:32:35.43 ID:FG/RhQMo0
- まわしんぐ
- 36 :風と木の名無しさん:2012/10/01(月) 22:16:26.63 ID:fR5Y1LcRI
- 獣と人間だからこそある萌えなんだろうけど、魔術師ってことは擬人化の可能性もあるのか…!
荒んだ愛情いいよGJでした!
- 37 :風と木の名無しさん:2012/10/01(月) 22:17:59.68 ID:8/yUou7sO
- まわし
- 38 :風と木の名無しさん:2012/10/01(月) 22:33:49.44 ID:8UnWlSyP0
- どうぞ遠慮なく踏んでください
- 39 :風と木の名無しさん:2012/10/01(月) 22:38:02.58 ID:ZVt9fDpP0
- 歳の差を気にする
- 40 :1/2:2012/10/02(火) 02:36:43.51 ID:nQlWQXvP0
- 「先輩の理想のタイプってどんなですかー?」
「んー別にない。普通」
「じゃあ年齢差いくつまでOKすか?」
「んー3歳差くらい? 離れすぎると話合わなそうだし」
「そっすか」
「おまえのタイプは?」
「俺ですかー? 聞いてくれますー?」
「流れ的に聞くしかないだろ」
「ですよねー? 俺は絶対年上です! しかも5歳上限定」
「へー」
- 41 :2/2:2012/10/02(火) 02:47:28.18 ID:nQlWQXvP0
- 「髪は黒のショート、顔は地味めで目元に黒子があって
趣味が読書で、携帯の待受が実家の愛犬で、後輩に優しくて
ちょい不器用で、うどんよりそば派でネギ苦手な人が理想っす!」
「そうか。昼休み終るから会社戻るぞ」
「うぃーす!」
「おい」
「なんすか先輩?」
「俺の理想の年齢差、やっぱ5歳差までにするわ」
「あざーっす!」
- 42 :風と木の名無しさん:2012/10/02(火) 10:15:38.06 ID:as9U6lC1I
- 何これかわいいw
先輩ツンデレっぽくてかわいいなーGJでした!
- 43 :風と木の名無しさん:2012/10/02(火) 11:47:48.04 ID:F/9EL/b/0
- かわいいじゃないか。
- 44 :風と木の名無しさん:2012/10/02(火) 11:56:14.53 ID:MyiYFvxT0
- 後輩無邪気でかわいいなw
先輩もかわいい
萌えましたGJです!
- 45 :風と木の名無しさん:2012/10/02(火) 13:20:51.45 ID:tDLFEyfe0
- 良いww
- 46 :風と木の名無しさん:2012/10/02(火) 14:18:38.63 ID:xTnzhdxx0
- 先輩も後輩もかわいいGJ!
- 47 :風と木の名無しさん:2012/10/02(火) 16:53:19.04 ID:Rlg1j+Jl0
- 最後の「あざーっす!」に萌えた
場面想像したらニヤニヤが止まらない
GJ!
- 48 :風と木の名無しさん:2012/10/02(火) 19:11:52.87 ID:h6FnOoa00
- 踏んでくれぃ
- 49 :風と木の名無しさん:2012/10/02(火) 19:15:46.48 ID:KFYotChp0
- 長命な者と短命な者
- 50 :風と木の名無しさん:2012/10/02(火) 22:09:18.00 ID:MWBwgfws0
- 「理不尽だ」
縁側にのんびり腰を下ろす彼は、あと少しで消えてしまうという。
出逢ったのは去年の春。まだ少ししか共に過ごしていない。なのに。
「仕方なかろう。いくらわしとて時の流れには逆らえん」
「だからって、何で。何千年も、生きてきたくせに」
俺はたかだか20年を生きたくらいで、百年も生きることは出来なくて。
これほど寿命が違うのに、どうして俺が置いていかれるだろう。
唇を噛み締めていると、ふいに引き寄せられた。
彼の腕の中、見上げれば常に変わらない穏やかな表情と出逢う。
「嘆いたところで死は避けられんよ」
いつも時間がもったいないと、お前は言うではないか。
それとこれとは話が違うと返せば、不思議そうに首を傾げる。
「わしには瞬きに等しい長さだが、お前には違うのだろう?」
「そう、だけど…。……ん?あれ、ちょっと待て。あと少しって、何年だ?」
慰められて、ふと失念していた事実を思い出す。
彼とは生きる歳月の長さが違う。当然、時間の流れる感覚さえ異なっている。
あと少しと聞いて数ヶ月とか数年かと勝手に思ったけれど。
「そうだな、お前達の概念で言えば、…半世紀くらいか」
「は、はははっ!それじゃあいい勝負だなッ!」
早とちりして落ち込んだ自分が可笑しくて笑った。
すると彼の指先が頬を撫ぜる。
「うん。お前はやはり、笑っていた方がいい」
- 51 :風と木の名無しさん:2012/10/03(水) 00:16:41.72 ID:5zYfkTHG0
- 切ないお話かと思ったら…
よかったよかったGJ!です
- 52 :風と木の名無しさん:2012/10/03(水) 00:19:35.25 ID:3Qin9lAC0
- GJ、二人の雰囲気がツボでした
- 53 :風と木の名無しさん:2012/10/03(水) 03:57:59.46 ID:imPF4BXL0
- GJ!
- 54 :風と木の名無しさん:2012/10/03(水) 12:25:37.00 ID:WBIz5q3M0
- よかった!GJ!
- 55 :風と木の名無しさん:2012/10/03(水) 22:03:17.95 ID:o/nPs+0v0
- なんかの動物どうしの擬人化なのかな?GJ
- 56 :風と木の名無しさん:2012/10/03(水) 22:42:41.39 ID:inG5k+uD0
- まとめサイトの作品に感想つけたいな
- 57 :風と木の名無しさん:2012/10/03(水) 23:32:18.90 ID:au6YTS+I0
- 別館のGJスレに書けば
○スレ目○0と一行目に置いて感想かけばわかる
>>50
寿命の違いものはだいたい切ない系がくるから
違ってて良かった
- 58 :風と木の名無しさん:2012/10/03(水) 23:46:45.05 ID:N6XdUPjRO
- ああまわし可になってからのレスか
ならいいのか
踏み台なっとく
- 59 :風と木の名無しさん:2012/10/03(水) 23:51:13.35 ID:N8Y2A50O0
- 俺のこと好きなんだろ?
- 60 :風と木の名無しさん:2012/10/04(木) 02:16:36.21 ID:OH/q1+Oh0
- なあ、俺のこと好きなんだろ。loveの意味で。
「何言ってんの馬鹿じゃないの」
……。
でも実は好きなんだろ?
「そんなこと、万に一つもあるわけないじゃないか」
……。
なあ、でもちょっと俺のこと気になるんだろ。
「何でそう思うのさ」
じゃあ逆に聞くけど、何でいつも一緒にいるようなことになるんだよ。
帰りはいつも同じ電車の同じ車両になるし、部活も何か一緒に入ってくるし、部活ない日は図書館でよく会うし。
「偶々だよ」
そのうち俺ん家呼んだら来るし、入り浸るし、テスト勉強も一緒にしたし。今日だって駄弁ってるし。
「一応友達だからね」
俺のあげたネズミ王国のキーホルダーずっと鞄につけてるし、俺が似合うって言ってから髪型変わんないし。
「……僕も気に入ったから」
そういえばこないだ見えたけど、待ち受け俺にされるのは流石に恥ずかしいというか。
「何見てるんだよ! っていうか本当は君が僕のこと好きなんじゃないの!?」
好きだけど。loveの意味で。
「……!」
それで、さ。俺のこと好きなんだろ?
「……ああ好きだよ、馬鹿」
- 61 :風と木の名無しさん:2012/10/04(木) 08:05:43.17 ID:WHTe4bij0
-
イチャイチャバカップルに萌えたGJ!
- 62 :風と木の名無しさん:2012/10/04(木) 14:42:05.53 ID:/ibzfhZA0
- 何こいつら可愛すぎるGJ!
- 63 :風と木の名無しさん:2012/10/05(金) 00:14:52.96 ID:MzGZsQXa0
- かわいくてすごく見守りたい気分になるカップルだー!
- 64 :風と木の名無しさん:2012/10/05(金) 05:06:02.64 ID:yrrg70eD0
- まわし
- 65 :風と木の名無しさん:2012/10/05(金) 05:15:06.13 ID:PsbM9ja60
- まわし
- 66 :風と木の名無しさん:2012/10/05(金) 09:16:32.53 ID:nuPYin64P
- まわし
- 67 :風と木の名無しさん:2012/10/05(金) 09:27:29.45 ID:BS25prBJ0
- まわしー
- 68 :風と木の名無しさん:2012/10/05(金) 12:09:31.51 ID:nuPYin64P
- 踏んでいいよ
- 69 :風と木の名無しさん:2012/10/05(金) 12:14:38.96 ID:NYlmpsZz0
- 獰猛な羊×気弱な狼
- 70 :1/2:2012/10/05(金) 15:05:44.64 ID:fFGDgqjc0
-
むかしむかし、ある所に狼がいました。
狼はその風貌からまわりの動物たちに恐れられ、長い間一人ぼっちでした。
「こんなに淋しくては生きていけない」と、狼はみんなに優しくすることに決めました。
ウサギも食べません、ヤギも食べません。
鹿も食べません、豚も食べません。
みんなと一緒に木の実を食べて、野原をかけて遊びます。
けれども強くて立派な狼は、とってもお腹がすきました。
「どうしよう、どうしよう」
泣くとお腹がすきました。
泣けば泣くほどすきました。
木の実を食べても力が出ません。
「このままではみんなを食べてしまう、また嫌われてしまう」
森のみんなに嫌われることを死より恐れた狼は、このまま一人でひっそりと、春まで眠ってしまおうと思いました。
寝床にしている木の穴の外ではウサギや豚や、ヤギや小鳥や鹿たちが、「狼さん」と呼んでいます。
「狼さん狼さん、川で一緒に遊ぼうよ」
「狼さん狼さん、力仕事を手伝って」
「狼さん狼さん、どうして返事をしてくれないの?」
「なーんだ、狼さん、僕達を嫌いになったのか」
狼は泣きました。
涙もないのに泣きました。
「違うんだ」
言葉も出ません、口も動きませんでした。
狼が目を閉じてじっとしていると、穴のさらに奥から小さな音が聞こえました。
開かなくなったまぶたの向こうに灯りがあるのが見えました。
どん、と音がして鼻先に、暖かい何かが置かれました。
触らなくてもわかります、それは大きな肉でした。
なんの動物かわからない、とても大きな肉でした。
狼は無心になって、命の最後の力でもって、口を動かして食べました。
起き上がって驚きました。
目の前にいたのは一匹の羊でした。
- 71 :70-2/2:2012/10/05(金) 15:06:26.58 ID:fFGDgqjc0
-
「なんだ、生き返ったのか。しぶといな」
そういって羊は、穴の奥へと引き返していきました。
狼も後を追いかけます。
「お前、狼のクセに。なにしてやがんだ」
羊が聞きました。
狼は答えません。
羊は続けて聞きました。
「食いもんなら穴の外に幾らでもいただろう」
狼が答えます。
「みんなは僕の友達だ!」
穴に響く大きな声に、羊は小さく笑います。
「友達なんて、くだらねえ。自分の腹も賄えないような奴が、なに甘っちょろいこと言ってんだ」
狼は聞きました。
「君の群れはどうしたの?羊は群れるものでしょう?」
羊が大きく笑います。
「群れってのは退屈でな。こういう方が気楽なんだ」
狼が聞きました。
「どうして僕を助けてくれたの?」
羊がにっこり笑います。
「それはね、いっぱい恩を売って、おいしくなったら食べるためさ」
続けて羊は「淋しいならここに住め」と、一枚の扉を蹴って開けました。
むせ返るような干し肉の香りに、狼はクラクラと眩暈を覚えました。
「『何の肉か』は気にしなくていい。一生お前を食わせてやるよ。もちろん、さっきみたいに狩りたてを生でな。これはただの保存食。いわゆる給料3か月分だ」
羊は狼の手を取って、鈍った爪にキスをしました。
狼さんは思いました。「これは悪い羊だ」と。
けれど気付いたときには涎を垂らして、首をぶんぶん縦に振っていました。
羊はほんのちょっとだけ、照れくさそうに笑いました。
こうして羊と狼は、暗い穴の底でいつまでも淫猥に暮らしましたとさ。
- 72 :風と木の名無しさん:2012/10/05(金) 15:57:51.53 ID:YkVt3nat0
- GJGJGJGJ!!!!!!
- 73 :風と木の名無しさん:2012/10/05(金) 22:44:06.81 ID:NYlmpsZz0
- うおお可愛い!
あ/ら/し/の/よ/る/にの絵柄で再生されたw
GJでした
- 74 :風と木の名無しさん:2012/10/06(土) 15:54:46.30 ID:D2pIEyNw0
- まわし
- 75 :風と木の名無しさん:2012/10/06(土) 19:17:28.16 ID:VOfAuB8u0
- まわします
- 76 :風と木の名無しさん:2012/10/06(土) 20:04:37.22 ID:uBg+RsyMP
- まわし
- 77 :風と木の名無しさん:2012/10/06(土) 20:13:30.95 ID:Mba11oUU0
- まわーし
- 78 :風と木の名無しさん:2012/10/06(土) 20:16:03.14 ID:uBg+RsyMP
- 踏んでいいよ
- 79 :風と木の名無しさん:2012/10/06(土) 20:18:17.54 ID:U3tY3VsB0
- ツンデレ攻め×ヤンデレ受け
- 80 :風と木の名無しさん:2012/10/06(土) 22:52:50.30 ID:yAE+/xVT0
- どうしたって好きな事実は変わらない。
俺は間違いなく自分を組み敷いているこの人が好きで、自分より小さいこの人が好きで、
自分よりもずっとずっと輝いているこの人が好きだ。愛している。命をささげられるといってもいい。
白シャツのボタンを丁寧に外していく彼の手首をとって軽く噛み付くと、苦い顔をされた。
「いってえよ」
「ごめん。でも好きだから」
少しの間があって、賢一郎はならいい、と唇を尖らせて言った。
じっくりと外されるボタンを眺めるのは妙にエロい気分になる。全てのボタンが外れて腹部を撫でられる。
ぞわりと、背筋に妙な悪寒が走った。気持ちいいってことなのだろうか。
柑橘系のかおりがしたかと思えば、賢一郎の唇が優しく触れる。普段はキツいことばかりいってくるのに、
ひとつひとつの動きが繊細で優しくて、俺ありき、って感じで好き。俺は彼のことなんて考えずに、
ただわがままに気持ちをおしつけているだけなのに。
「けんちゃん」
「懐かしい呼び方すんね、トモ」
二年前かな、まだこういったことをする関係じゃなかったときの呼び名。一応友達という枠組みの中にいたときの、呼び名。
賢一郎は妙にくすぐったそうに笑う。俺も笑う。そして、ずっと傍にいてね、と彼の唇に投げかけると、
それはお前しだいだ、と返された。ならいい。俺がお前から離れることなんて、ありえないのだから。
- 81 :風と木の名無しさん:2012/10/07(日) 00:25:53.34 ID:PNjkxjCf0
- GJ!
ぬるっとしたエロさに萌えたw
- 82 :風と木の名無しさん:2012/10/07(日) 02:07:10.64 ID:Mm0yrowN0
- ほのかにただよう暗さがイイ!
GJ!!
- 83 :風と木の名無しさん:2012/10/07(日) 02:45:19.21 ID:Qe3/zb5n0
- あーなんかこういう雰囲気好きだ、GJ!
- 84 :風と木の名無しさん:2012/10/07(日) 08:52:55.00 ID:jI8JhjmQ0
- GJ!!
主観がヤンデレで合ってるよね?
- 85 :風と木の名無しさん:2012/10/07(日) 15:00:59.07 ID:JqlfM0Rr0
- GJGJ!
短いのに二人の関係がいろいろ妄想出来ていいです!
- 86 :風と木の名無しさん:2012/10/07(日) 22:25:36.56 ID:q1wDu2pf0
- 薄暗い雰囲気がいい!GJ!
- 87 :風と木の名無しさん:2012/10/07(日) 22:49:14.34 ID:xaVRwPH00
- こういう空気感好き!GJ!
- 88 :風と木の名無しさん:2012/10/07(日) 22:52:23.97 ID:XVFwFWM4P
- 踏んでいいよ
- 89 :風と木の名無しさん:2012/10/07(日) 22:56:14.31 ID:+XtkmESE0
- 死亡フラグブレイカー
- 90 :風と木の名無しさん:2012/10/08(月) 01:03:41.79 ID:e6RLguFL0
-
指を絡めて、少し俯いた顔をあげる。逞しい手首に下がる緑のミサンガが僅かに揺れると、真剣な表情で彼は言った。
「俺、この試合が終わったら告白するんだ」
「……ああ、そう」
スコアボードを抱きしめつつ、エースの妄言を軽く受け流しつつも返してやると、
唇を尖らせながらなんだよその反応! と怒られた。だってキモいんだもん。
それに知ってるか、そういうの死亡フラグっていうんだぜ。そういうこと言っちゃうとボコスカうたれちゃうぜ。
そう思いはしたけれど、実際口にしたらマジで打たれてしまいそうな気がしたので、やめた。
選手の精神のケアもマネージャーの大事な仕事だからだ。
高校三年生の野郎にしては幼すぎる言動に溜息をつきつつ、彼の隣に腰掛ける。
「つか、え、オマエ好きな人いたんだ」
「うん。いつも俺のこと支えてくれてて、いつも俺中心に物事を考えてくれてて、緑のミサンガをチーム全員にくれたヤツ」
「……はあっ?!」
思わず立ち上がって、叫んだ。意味わからん。もう一度言う。意味わからん。
思考をぐちゃぐちゃにさせていると、実質告白に近いことを言いやがったそいつは、意地悪く笑いつつ立ち上がる。
そして俺を指差して、「完封におさえるから。見てて。お前のために投げるよ」と言った。
チームのために投げろよ、とか、そういうこと言うとマジでうたれるぞ、と色々と思ったけれど、
何をどうしたらいいのかわからなくて、バカ、と叫んでおいた。
このバカが本当に完封して、甲子園行きを決めたのは、また別の話だ。
- 91 :風と木の名無しさん:2012/10/08(月) 19:24:53.59 ID:HCVlnzmGP
- 自分も書こうとしてギャグしか浮かばなかったけど
これはちゃんとカルピスソーダ系なBLが成立してる
GJ
- 92 :風と木の名無しさん:2012/10/08(月) 19:26:42.00 ID:xuOUDAie0
- さわやかでいいね、GJ
- 93 :風と木の名無しさん:2012/10/08(月) 21:04:15.00 ID:nXvogCYF0
- 爽やかな高校球児に萌えた、GJ!
- 94 :風と木の名無しさん:2012/10/08(月) 22:23:11.98 ID:DrAI1Mtu0
- カルピスソーダ系がすごい的確でワロタ
青春って素晴らしいGJ!
- 95 :風と木の名無しさん:2012/10/08(月) 23:33:14.56 ID:CoF/dJZH0
- カルピスソーダに感心した
なるほどなあ。爽やかか
- 96 :風と木の名無しさん:2012/10/09(火) 02:34:41.28 ID:AH1SQ2RI0
- まわし
- 97 :風と木の名無しさん:2012/10/09(火) 10:54:27.16 ID:Q0kmpFREP
- まわし
- 98 :風と木の名無しさん:2012/10/09(火) 12:10:12.97 ID:7PHcu5Zy0
- 踏み台にどうぞ
- 99 :風と木の名無しさん:2012/10/09(火) 12:19:07.86 ID:19lfKJpV0
- 魔法をかける
- 100 :風と木の名無しさん:2012/10/09(火) 18:07:10.87 ID:gRz108dt0
- 俺が奴に魔法をかけられたのは、7年前の冬の事だ。
俺は絶対に叶わぬ恋をしていた。何とか悟られないよう、注意を払いながら過ごし、同じ大学に入った。
俺を1番の親友として思ってくれていて、俺の事を何よりも案じてくれていただけに、好きだとは言えなかった。
ある日堪えきれなくなった俺は、奴に相談した。『報われない恋をしている、辛い』と。
奴は冬の公園の冷たいフェンスにもたれながら20歳になってすぐに吸いはじめたタバコを咥えて、俺の話を聴いていた。
そして、そんなお前にオレが魔法をかけてやろう、と言った。
奴が俺の顔にタバコの煙を吹きかけ、
「こいつが運命の女の子と結ばれますように」
そう唱えた。
俺の目には涙が滲んだ。親友思いの奴の篤き友情に感動したからではなく、煙が目に染みたからでもなかった。俺は就職先を遠くに決めた。
今も奴の魔法は効いてもいないが、解けてもいない。俺はずっと1人のままだ。やつの魔法は少しずつ、俺を蝕むだけだ。
なあ、魔法使いよ。俺はお前と結ばれたかった。
- 101 :風と木の名無しさん:2012/10/09(火) 18:46:03.91 ID:rW9bhpcKI
- >>100
切ねえぇぇぇぇぇぇぇ…!
実は両想いだったとかこの後再会するとか妄想が広がります
GJでした!
- 102 :風と木の名無しさん:2012/10/09(火) 18:58:05.96 ID:i98gYB5w0
- 上手い!切ない!
こういうの好きだわーGJです!
- 103 :風と木の名無しさん:2012/10/09(火) 20:03:49.69 ID:6xPZ1RKGi
- うわぁぁ切ない、切なすぎる・・・。
お題を見て何と無くハッピーな話来るかな、と思っていたのでこう来るとは・・・!!
魔法使いとの再会を祈るよ!GJ!!
- 104 :風と木の名無しさん:2012/10/09(火) 20:13:52.97 ID:CXyDlsqp0
- うまいな…萌え切ない…
GJでした
- 105 :風と木の名無しさん:2012/10/09(火) 20:47:51.26 ID:Nj+0By030
- ほろ苦さがギュッと詰まった、素敵な話だなー
でも、なんとか幸せになって欲しいと思ってしまう
GJ!
- 106 :風と木の名無しさん:2012/10/09(火) 20:50:57.77 ID:wA8WDHByi
- うおお切ない!
こういうの好きだー
- 107 :風と木の名無しさん:2012/10/09(火) 21:50:40.38 ID:ChzRo4OF0
- うああ上手い
両片想いで妄想して切なさを紛らわします
GJ!
- 108 :風と木の名無しさん:2012/10/09(火) 21:53:01.17 ID:Q0kmpFREP
- とてもきれいですた
GJ!!!
で、俺の屍を越えて行け!!!
- 109 :風と木の名無しさん:2012/10/09(火) 21:53:11.19 ID:GP2rfSmt0
- ドン引き、でも好き×好きすぎてド変態
- 110 :風と木の名無しさん:2012/10/09(火) 22:18:21.17 ID:osh4hIdE0
- 最近あいつが怖い。いや怖いのは以前からなんだけど、なんというか、いつにも増してというか。
少し前だってやけに静かに台所に立っているかと思ったら、
俺のパンツを煮込んでいた。昨日履いていた紺色のボクサー。
洗濯しようと洗濯機の中に突っ込んでいたはずなのに。
「なんでてめえ俺のパンツ煮込んでんだよ!」
「だって食べたかったからさー、お前だって食べたいだろ?俺の手料理」
「いや……まあ、お前の手料理は食べたいけれど、
でもパンツはねえよパンツは! つーか鍋どうすんだよもう使えねえじゃねえか」
俺の罵声にも興奮するのが気持ち悪いを通り越して怖い。
今だってそうだ。フェラするのはいいけれど、必ずと言ってもいいほどチン毛を抜いてくる。
痛い! と叫ぶと肩を大きく揺らして驚いた後、にへらと薄い笑みを浮かべてそのままキスをしてくる。
口の中に自分の先走りの苦い味を感じながらそのキスに答えた。
- 111 :風と木の名無しさん:2012/10/10(水) 14:45:51.52 ID:DHHJ86FhP
- なんか飛んでるね
とりあえずGJ!
- 112 :風と木の名無しさん:2012/10/10(水) 22:20:27.96 ID:gddxUC670
- まわし
- 113 :風と木の名無しさん:2012/10/10(水) 22:22:22.14 ID:DHHJ86FhP
- まわし
- 114 :風と木の名無しさん:2012/10/10(水) 22:33:50.90 ID:X8W5Ha4i0
- まわす
- 115 :風と木の名無しさん:2012/10/10(水) 22:37:50.51 ID:qUs7aC5v0
- ではまわしましょう
- 116 :風と木の名無しさん:2012/10/10(水) 22:55:04.70 ID:o1o1ZsxC0
- まわし
- 117 :風と木の名無しさん:2012/10/10(水) 22:57:23.57 ID:aOnPFuoL0
- まわすぞー
- 118 :風と木の名無しさん:2012/10/10(水) 22:59:39.89 ID:eHbYyYa5O
- きもちわるかった
踏み台
- 119 :風と木の名無しさん:2012/10/10(水) 23:01:46.18 ID:7qyB3Tit0
- 離れてしまった幼馴染み
- 120 :1/4:2012/10/11(木) 00:40:33.59 ID:OIv1vaax0
- 今時、文通なんて流行らない事をやってる奴はそうはいないだろう。しかも男同士で。
チヒロからの手紙は、教科書のような綺麗な文字と丁寧で上品な文体。まるで小説のようだといつも思う。
それに比べて俺は、小学生が夏休みに無理矢理書かされされる日記のようにお粗末だった。
友達と買い物に行っただの、サッカーの試合に勝っただの。
そんな意味のない近況報告のようなやりとりを、もう十年近くも海をまたいで続けているから驚きだ。
そう、彼はずっと日本に住んでいて……俺は今、ドイツで暮らしていた。
『いつか絶対に、君に会いに行くよ。』
チヒロの手紙の最後にはいつもその一文が書いてあったけれど、一年前ほどからソレが無くなっていた。
俺は内心ほっとしていた。チヒロがやっと、俺に会うことを諦めてくれたのだと思っていた。
だが、実際は全くの逆だった。
『来月からドイツに留学することが決まった。』
いつもより少し乱れたチヒロの字で、ハッキリとそう書いてあった。
しかも、俺の家のすぐ近くにある大学に来るらしい。
「嘘だろ…」
俺は手紙をぐしゃりと潰したくなるのを必死でこらえて、それから、おもいっきり深呼吸をした。
覚悟を、決めろ。
- 121 :風と木の名無しさん:2012/10/11(木) 00:41:29.55 ID:OIv1vaax0
- 写真のやりとりをしたことはなかったが、チヒロは俺の想像した通りの容姿をした青年だった。
線が細くて整った顔立ち、風なびくその髪は触ったら気持ちよさそうな、少しクセのある黒い髪。
目線は俺と同じくらいだったが、何も運動をしていないせいか、俺よりずっと小柄に見えた。
こっちに気づいていないようだったので、手紙に同封されていた日本の仏像のポストカードを目印変わりにひらひらと振る。
「………君は、誰だ……?」
それが、初めて聞くチヒロの声。
驚きに見開かれているこの目が、初めて見るチヒロの目。
「あ、あの…タケルのお知り合いの方ですか?」
「はい。こっち、着いて来て下さい。タケルに会わせます。」
怪訝そうな顔をするチヒロから目をそらして、俺は目的地へと足早に進む。
そうして着いた場所は、町外れにある小さな墓場の中の小さな墓石。
「う……そだ…ッ!こんな…、嘘……」
そこにドイツ語で書かれているタケルのフルネームを目にして、チヒロは泣き崩れた。
何度もタケルの名を呼びすすり泣く彼の姿を、俺はじっと見つめることしか出来ない。
涙も枯れ、落ち着きを取り戻したチヒロが絞りだすような声を出す。
「……タケルは、いつ……」
「五年前に……ずっと病気だったんです。学校にも通っていませんでした。」
「そん、な…!だって、学校のサッカー部で、キャプテンだったって…」
「それは、俺です。タケルが、あんたを心配させないように…俺のことを、自分のことのように書いてました。」
- 122 :3/4:2012/10/11(木) 00:42:24.84 ID:OIv1vaax0
- 俺とタケルが出会ったのは、タケルが日本に来てすぐの頃。
日本人とドイツ人のハーフで、親からどちらの言葉も覚えさせられていた俺にとって、タケルは初めて『日本語』で会話が出来る友達で、まだドイツ語を話せなかったタケルにとっては唯一の言葉が通じる友達だった。
タケルから日本に住んでいた幼馴染の文通相手のことはよく聞かされていたし、手紙も見せてもらっていた。
俺やタケルと同い年とは思えないほど綺麗な字と文。その手紙を読むのが好きだった。
だが、タケルは中学に入って間もなく、治る見込みがたたないほどの重い病気にかかって入院生活を送ることになった。
それをチヒロには知らせたくなかったタケルは、ほぼ毎日病室に訪れる俺から聞いた話を自分の事のように書き綴った手紙をチヒロに送っていた。
そして、タケルは死んだ。
『チヒロには俺が生きていることにして欲しい』
そんなタケルの願いを俺が聞き入れ、それから彼の代筆をすることになった。
ノートからタケルの字を真似て、過去に見せてもらったチヒロ宛の手紙を思い浮かべながら。
「どうして……ッ!病気だったなんて知っていたら、すぐにでも会いに行ったのに!」
「貴方に悲しい想いはさせたくないと言っていました。貴方が、好き……だったんだと…思います。」
「……タケル…」
枯れるほど泣きはらして真っ赤になったチヒロの目から、再び涙が一筋流れた。
- 123 :4/4:2012/10/11(木) 00:52:57.99 ID:OIv1vaax0
- チヒロの震える肩を抱きしめてやりたいと思った。
だけど、そんなこと、出来ない。俺にそんな資格は無い。
ずっとチヒロを騙し続けていた。
本当はもっと早く言うべきだったんだ。そうしたらチヒロだって留学までして来なかったかもしれない。
いつかはバレてしまう嘘をつき続けた理由なんて、ただひとつ。
ただ俺が、チヒロと繋がっていたかっただけだ。
タケルのふりをして彼との文通をしているうちに、チヒロに対する感情は変化していった。
昔はただ憧れ、タケルの死後は罪悪感を抱いていた。
だが、俺をタケルだと思い込み、丁寧な中に多くの愛情を含んだ彼の手紙を何度も読み返すうちに、俺は……
俺のことなんて知りもしない相手に、恋心を抱いてしまっていた。
俺は救いようもない馬鹿で、裏切り者だ。
溢れてくる涙は、チヒロがタケルを想って泣いた綺麗な涙ではなく、
ただただ自分を哀れんで流れる身勝手な涙。
ごめん、タケル。
ごめん、チヒロ。
俺は、やっぱり卑怯なんだ―――
「あ、あの…大丈夫ですか…?」
自分だって辛いはずなのに、心配そうに俺の顔を覗きこんでくるチヒロを、俺は強く強く抱きしめた。
今だけでいい、今だけは、許して欲しい。
心の中のタケルに謝り続けながら、俺はチヒロの温もりに触れていた。
- 124 :風と木の名無しさん:2012/10/11(木) 03:28:16.27 ID:lo24CGif0
- 矢印の向きが全員バラバラで切ねええええ!!!
GJでした!
- 125 :風と木の名無しさん:2012/10/11(木) 12:21:32.06 ID:9ShGTANaO
- 大作すげえ!
GJ!
- 126 :風と木の名無しさん:2012/10/11(木) 18:58:41.42 ID:t9Yry5HM0
- すごい!GJ
「俺」が好きだな…皆切ない…
- 127 :風と木の名無しさん:2012/10/12(金) 00:08:06.71 ID:tbnQvniJ0
- 切ないなあ、GJ
チヒロと俺の続編やチヒロとタケルの過去が気になる
- 128 :風と木の名無しさん:2012/10/12(金) 00:26:46.21 ID:Vhjl4VzbP
- 踏んでいいよ
- 129 :風と木の名無しさん:2012/10/12(金) 00:31:07.55 ID:+N7pks0J0
- 常連客の紳士×髭のマスター
- 130 :風と木の名無しさん:2012/10/13(土) 00:10:10.46 ID:wI53Rn/Wi
- マスターの作るコーヒーは日本一。いやあ、世界一だよ。強面髭親父が作るコーヒーとは思えない!
「はいはい。休日に毎週来るなんて、あんたも暇人だね。ほら、ミルクいるんだろ」
ぱあっと顔を明るくする様子は、まるで5歳の子供。嬉々とミルクを手に取る。紳士服と表情が全く合わない。
どうしたんだい?そんなに見つめて。コーヒーと私の姿が似合って仕方ないのかい?それとも、君が飲んだら髭にミルクが付くなあとか?
「黙って飲め、ばかものが」
溜息を吐いてもにこにこと見つめてくる。ミルクを楽しそうにコーヒーへ入れている。
黙っているじゃないか。そもそもお客様がいない!
「あーはいはい。もう熱くないからさっさと飲め」
そうすると、ずいっとコーヒーを見せてきた。カップの中には白いハート。
僕は紳士的な気の利いた言葉を「話すことはできない」けど、君を愛しているんだよ。その束ねた髪も男らしい髭も繊細な指先も優しい笑顔も。
だから、僕のパートナーになってくれないかな?
ああ。このバカ紳士は、全く。
「……何で俺が、柄になく手話なんて覚えたと思ってんだ。バカ紳士」
- 131 :風と木の名無しさん:2012/10/13(土) 01:18:01.34 ID:EGqcHFkBI
- きゅんとしたああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!
紳士もマスターもどっちも可愛い!!!
GJGJGJ!!!
- 132 :風と木の名無しさん:2012/10/13(土) 01:58:06.60 ID:/JT3ZYIr0
- なにこれかわいいw
- 133 :風と木の名無しさん:2012/10/13(土) 13:44:12.91 ID:0r8GgLOl0
- あ、そうか、マスター視点か
いちゃらぶな2人可愛いですGJ!
- 134 :風と木の名無しさん:2012/10/13(土) 23:14:09.23 ID:WBEQmc8U0
- 髭かわいいよ髭
GJ
- 135 :風と木の名無しさん:2012/10/14(日) 00:20:17.41 ID:sYEkB9Fz0
- まわし
- 136 :風と木の名無しさん:2012/10/14(日) 00:30:05.34 ID:9JuyKQYhP
- まわし
- 137 :風と木の名無しさん:2012/10/14(日) 00:45:17.39 ID:8/pcnrvW0
- まわし
- 138 :風と木の名無しさん:2012/10/14(日) 00:51:12.35 ID:6KrFjx5Y0
- どんぞ〜
- 139 :風と木の名無しさん:2012/10/14(日) 00:51:52.42 ID:stCVnNhv0
- 軽薄色男受けが本気になる瞬間
- 140 :風と木の名無しさん:2012/10/15(月) 00:11:29.27 ID:D7MFZb6N0
- 軽薄色男受けにも種類がありますよね
1:ビッチ受け
今まで快楽のためにとか、金のためにとかで気安く通りすがりの男と関係を結ぶ受け
そんなビッチ受けがある日、真実の愛に目覚めちゃうわけですよ!
その辺の男に対しては気軽に体を開いていたのに、本命攻めに対しては処女のようにウブになってしまう受けはもはや様式美ですよね
2:軟派受け
美男子で賢くて運動神経も良い受け。当然周りの女の子達が放おっておくわけがありませんよね
周りからキャーキャー言われてヘラヘラする受け
女の子をつまみ食いするもよし、ヘラヘラしているけれども誰とも付き合わないってのもいいですよね
で、モブとか当て馬から
「あんなに可愛い子達がいるのに、何で誰とも付き合わないんだよ」
とか言われちゃうわけですよね
可愛い女の子達に本気になれない受けが、攻めを一目見た瞬間恋に落ちるもありがち
密かに攻め攻めを思っているから、女の子達に本気になれないってのもありがちですよね
いずれのパターンにしろ、色男受けが惚れるのは目立たない平凡攻めってのが様式美ですが、平凡のわりには高身長で髪型・服装を整えたりすると実は美男子ってのもお約束ですけれども
- 141 :風と木の名無しさん:2012/10/15(月) 09:20:16.95 ID:SK/49FnJO
- ああ、いいですね!
自分の書きたかった内容がここにありますよ
こういう受け大好きなので
GJでした!
- 142 :風と木の名無しさん:2012/10/15(月) 13:50:30.88 ID:VdlBIOhy0
- 自分の語りたいことを全部言ってくれている
王道いいね! GJ!
- 143 :風と木の名無しさん:2012/10/15(月) 23:26:42.90 ID:KMDljrJp0
- おおこれはいい萌え語りだ
個人的には2が好みw
GJGJ
- 144 :風と木の名無しさん:2012/10/15(月) 23:49:07.86 ID:zg/vrU/j0
- 私は1が好きかもしれないw
ベタだけど、誠実で純粋な攻めに「自分は汚れていて攻めには吊り合わない」と負い目を感じたりね
GJでした!
- 145 :風と木の名無しさん:2012/10/16(火) 00:00:41.32 ID:kyG+N5U90
- あ
- 146 :風と木の名無しさん:2012/10/16(火) 00:15:02.50 ID:zh0A2oQF0
- 軽薄色男受けが軽薄色男攻めに何となく興味持って
落としにかかる途中で本気になるシチュを想像したw
GJでした!
- 147 :風と木の名無しさん:2012/10/16(火) 07:16:05.27 ID:6AzSxCjK0
- まわし
- 148 :風と木の名無しさん:2012/10/16(火) 08:25:49.61 ID:0HLhHTkO0
- まわし
- 149 :風と木の名無しさん:2012/10/16(火) 08:51:57.65 ID:VNlPq8Uo0
- 弟に依存する兄と、依存されていることに気が付かない弟
- 150 :1/2:2012/10/16(火) 17:11:57.75 ID:x+tMIJqu0
- いつも通りの夕飯を終えて2階へ上がっていく弟の背中に、僕はいつも通りに声をかけた。
「春也、宿題たくさん出たんだって?兄ちゃんが手伝ってやろうか」
じりじりとした気持ちの揺らぎが声へ現れないよう、頭痛がしそうなほど細心の注意を払った。
弟の答えもいつもと同じ。
「なんでだよ。自分でやるからいいよ」
「そうか、わからないところがあったら言えよ」
僕の答えもいつもと同じ。
「ありがと。おやすみ」
「ああ、おやすみ」
カチャリと軽い金属音を残して閉まった部屋の扉を、僕はいつまでも眺めていた。
こんなことを考えている間にそれほどの時間が経ったのだろうか。はっきりとした感覚がない。
自分の立ち位置すら不明瞭に感じる。
それは2年前から徐々に、僕を蝕んでいた。
15歳の誕生日を目前に控えた春也が、深夜に僕の部屋のドアをそっと開けた。
僕は不機嫌を取り繕うこともなく、「ノックぐらいしろよ」と視線をあげた。
「…に、兄ちゃん、」
消えそうな声でそう言った春也の手には、日ごろ見慣れた、白く濁った液体が見えた。
それからというもの、馬鹿だが要領のいい春也に、僕はいろいろなことを教えた。
母子家庭でなければ、父親が教えるはずだっただろうことを。
- 151 :150-2/2:2012/10/16(火) 17:12:55.03 ID:x+tMIJqu0
- 高校へ入ってからはそんなことも減った。
僕と違う高校へ進んだ春也は、時々の反発と痛みとを繰り返して成長した。
彼女ができ、友人が増え、母を敬い、家族を愛し始めた。
こんな僕のことも。
けれど僕の中にある捻じ曲がった一種の庇護欲は、かえって飢えていくばかりだった。
教えたい。春也に何かを。
教えたい。あの目に、耳に、彼のすべてに。春也が僕に。
集中してくれたら。すべてを研ぎ澄まして、僕だけを見てくれたら。
教えたい。春也に。
君が好きなんだと。
「春也ぁ…」
うずくまり泣き出すと、本格的に視界が揺らいだ。
母が洗っているはずの、食器の音が聞こえない。
ぼたぼたと零れている筈なのに、涙は分厚く目の前を覆ったまま。
呼吸が苦しくなるのをただじっと感じていると、勢いよく腕を引かれた。つられてよろけながら立ち上がる。
「兄ちゃん!」
「あ…」
春也、と言ったつもりが、うまく言葉にならない。
「どうしたんだよ?なに?どっか具合でも悪いの?」
「いや、だ……大丈、夫」
今度は声に出た。
「疲れてんの?進学校は大変だねー。ほらしっかり立って!」
ぶら下がるようにだらんとしていた僕の体を、春也が部屋まで引っ張って行く。
「兄ちゃんの部屋は参考書しかねえからな、今日は俺の部屋で寝な」
「いや別に…参考書は好きだよ…」
ぼんやりしたままで答える。涙はいつの間にか引っ込んでいた。春也の顔がよく見える。見慣れた顔だ。
「これじゃどっちが弟だかわかんないな」
手を引かれながら僕が言うと、「双子だもん、関係ねえじゃん」と春也が言った。
「……そうかもな」
「あ、そうだ。兄ちゃんパワプロやんねー?気晴らし気晴らし!」
「自分の宿題はどうしたんだよ」
「それは兄ちゃんがやってくれるんだろ?俺代わりにパワプロ教えっからさ」
「やってやるなんて言ってない、手伝うって言ったんだ」
春也に引きずられて部屋へ入る。
もう二度と、泣きたくないと思いながら。
- 152 :風と木の名無しさん:2012/10/16(火) 21:02:11.98 ID:Rb8Ya8TC0
- パフェが好きな男とカレー嫌いな男
- 153 :風と木の名無しさん:2012/10/16(火) 21:06:16.56 ID:Rb8Ya8TC0
- すみません上のは誤爆です
依存心とか庇護欲とか愛情が入り交じりになってる兄がいい……
GJでした
- 154 :風と木の名無しさん:2012/10/16(火) 22:18:02.97 ID:ptkIqAG70
- 双子なのかーとぼんやり思って、
「「僕」が依存してくれていることに依存している兄」が春也で
「自分のことでいっぱいいっぱいで依存されていることに気付かない弟」が「僕」
という可能性もありかもなんてぐるぐる考えてしまったGJ!
- 155 :風と木の名無しさん:2012/10/17(水) 19:33:37.77 ID:aY8rHPIC0
- まわします
- 156 :風と木の名無しさん:2012/10/17(水) 20:00:56.80 ID:fC8Jr64r0
- まわし
- 157 :風と木の名無しさん:2012/10/17(水) 20:19:13.34 ID:ekNNSsD10
- まわすぜ
- 158 :風と木の名無しさん:2012/10/17(水) 20:29:22.58 ID:rVbeYmu50
- 踏んで下さい
- 159 :風と木の名無しさん:2012/10/17(水) 20:34:52.65 ID:pjg3LA7Y0
- 犬好き×猫好き
- 160 :風と木の名無しさん:2012/10/17(水) 23:46:19.52 ID:q7iL51no0
-
「お前は犬に似てるよね」
賢哉様は着物の裾を翻し、俺を見上げながら微笑んだ。
大きくて黒い犬。それが俺のイメージらしい。
僅かに首を傾けてそうですか、というと、彼は困ったように笑いながら「そうだよ」と返してくる。
歩を進めると玉砂利の音が響いて、その品のよさすら賢哉様に合っているような気がした。
「賢哉様は、犬はお好きですか?」
「ああ、好きだね。従順で愛らしいじゃないか」
「……俺は愛らしいですか?」
「ああ。俺なんかに仕えるところが愚かで愛らしいよ」
爪先で砂利を弾いて、嘲るようにつぶやいた。
愚かなものか。貴方は仕えるに相応しい人、なのに。
そういいたくて仕方なかったが、口を噤む。何を言ってもこの人は、理解しようとしないから。
光栄です、とだけ呟けば、賢哉さんは黙り込んでしまった。
静かな沈黙が落ちて、広がる。それを切ったのは俺のほうだった。
「賢哉様は、猫に似ていますね」
「……あはは、猫かあ」
「ええ。自由気ままでそれで高貴で。素敵だと思います」
低い声で呟けば、くすぐったそうに彼は笑った。
そしてゆるゆると俺に近づいたかと思えば、ネクタイを引いて、賢哉様の綺麗な顔が近づいてくる。
「猫に近づいていい犬は、お前だけだよ。さあ、わんって言ってごらん?」
「……わん」
犬が仕える猫も、貴方だけだと。
そう言いたかったけれど、この人はきっと理解しているんだろう。
故にこの人は、綺麗なんだ。
- 161 :風と木の名無しさん:2012/10/18(木) 00:19:34.83 ID:jxnawPQm0
- わんことにゃんこがらぶらぶしてたら和むよね
飼い主同士が仲良しパターンでもいける
異種なかよしリンクは萌えの宝庫。GJ
- 162 :風と木の名無しさん:2012/10/18(木) 23:59:48.12 ID:s/XXWSbB0
- まわし
- 163 :風と木の名無しさん:2012/10/19(金) 00:28:22.38 ID:Z+BEJ9W50
- まわし
- 164 :風と木の名無しさん:2012/10/19(金) 01:37:54.71 ID:vSnhr/fn0
- まわし
- 165 :風と木の名無しさん:2012/10/19(金) 08:29:40.67 ID:UJkoYIleO
- 猫派ですが、これは犬が好みです
- 166 :風と木の名無しさん:2012/10/19(金) 15:32:17.10 ID:y98AHd+i0
- ぐるぐるまわす
- 167 :風と木の名無しさん:2012/10/19(金) 16:12:18.74 ID:kIuWkNUti
- まわし
- 168 :風と木の名無しさん:2012/10/19(金) 16:15:53.68 ID:WGnRB+Ct0
- お踏みになってもよろしくてよ
- 169 :風と木の名無しさん:2012/10/19(金) 16:16:37.91 ID:OzheBlna0
- 大人びた子供×大人気ない大人
- 170 :風と木の名無しさん:2012/10/20(土) 15:45:46.66 ID:DHQaFZaC0
- 「タカノリー!!帰ったぞー!ビール!」
「の前にシャワー浴びて下さい」
「嫌だー!ビール飲みてえ!」
「スーツが皺になるでしょう。じゃあせめて着替えて下さいよ」
あぁめんどくせえ、生意気だなぁとぶつぶつこぼしながら、ちゃんと手洗いうがいはしてくれる。
「営業で疲れてるあんちゃんをもっと労れ〜」
「何か言いましたか。はい、これ並べて」
好物のムニエルを見て目を輝かせ、口から出かかった文句を忘れてしまう31歳。
童顔なのを差し引いても、一回り違う大人とは思えない。……可愛い。
「ちぇー、冷てぇ甥っ子だぜ。せっかく月に一度の早帰りデーだってのによお」
「だから晩メシ豪華にしてんだろ」
「……え?」
居間に一人ぼっちの食事の味気なさが分からないのか。あんたの笑い声のない食卓のつまらなさが分からないのか。
自分一人のために、まともな料理なんかしない。居候の身で。
「タカがデレたー!何のミラクル!?あっチャンネル変えんなよ!」
両親の事故死で路頭に迷った俺を、いつもの笑顔で迎えてくれた叔父。
高校に通わせてくれて、休みの日は買い出しにも付き合ってくれる。
未だにガキみたいなところもあるけど、同期の誰よりも早く出勤して、毎日終電で頑張っているのも知ってるよ。
忙しくて彼女もできないっていう悩みに、俺がほっとしてるの、知ってますか。
俺の初恋があんただって言ったら、どうするんですか。
- 171 :風と木の名無しさん:2012/10/20(土) 17:24:14.54 ID:ydwAOSOn0
- 何この31歳可愛い!GJ!
- 172 :風と木の名無しさん:2012/10/20(土) 19:00:57.31 ID:FWiTb6900
- GJ!GJ!GJ!
31歳萌えたw
- 173 :風と木の名無しさん:2012/10/20(土) 19:17:42.26 ID:M0ex7rmai
- 健気な甥っ子に萌えたGJ!
- 174 :風と木の名無しさん:2012/10/21(日) 16:12:41.39 ID:0o4UeEdN0
- まわし
- 175 :風と木の名無しさん:2012/10/21(日) 16:16:03.80 ID:bMYwo9Ee0
- 駄々っ子年上って萌えるねGJ
- 176 :風と木の名無しさん:2012/10/21(日) 17:14:53.16 ID:MmeJi80f0
- まわし
- 177 :風と木の名無しさん:2012/10/21(日) 17:31:13.03 ID:I8Xp+lfb0
- 甥っ子可愛い!こういう関係好きだGJ〜
- 178 :風と木の名無しさん:2012/10/21(日) 17:53:53.77 ID:GrreQH9s0
- 踏んでくれ
- 179 :風と木の名無しさん:2012/10/21(日) 18:00:07.01 ID:cSrFQjtI0
- 徐々に好きになる
- 180 :風と木の名無しさん:2012/10/21(日) 18:42:11.77 ID:OMmyNZIb0
- 最初はただの共演者だった。
同業者で、いい声をしてるなあ、演技うまいなあ、とその程度の認識。
でも少しずつ、仕事が重なる機会が増えて、彼の中身が見えるようになってきた。
それが俺たちのファーストステップ。
「あれ、それ、健くんも好きなんだ?」
「え、うん」
そういって話しかけられたのがセカンドステップ。
背後からそう言われて驚いたのも、いい思い出。人に引かれてしまうほどにはゲームオタクだった俺にとって、
同様の趣味を持つ同年代の友人は貴重すぎるほどに貴重だった。
それから確か、話すことが増えた気がする。
「今度俺に服選んでよ」
「ええ? なんで」
「健、センスいいじゃん。ね、お願い」
服選びという名目で二人で出かけたのが、サードステップ。
これがきっかけでちょくちょく遊びにいくようになったのを、覚えている。
この時点で一番心を許して、一番落ち着くのが上尾だったのも、また事実。
「いらっしゃ、 って、どしたの?!」
「……フられた」
「とりあえず、家入れ。な?」
黙って頷く彼を家に招いたのが、最後のステップ。
悲痛に歪めた上尾の顔を見るのがつらかった。彼をこんな風にした女の人を、許す気になれなかった。
それと同時に、思った。
「(こいつを泣かせたくない)」
それがもう、友情の枠の好きを、ゆうに飛び越えてしまったことを知るのは――
もう少し、あとになってからだ。
- 181 :風と木の名無しさん:2012/10/21(日) 19:02:23.45 ID:vViZf5H90
- え、ちょ…早いのになんですかこれは!
なんなんですか文体も漂う空気もすげぇ大好物です!!
有り難うございます…!
はしょられたその後がすげぇ気になるよママン
- 182 :風と木の名無しさん:2012/10/22(月) 05:35:50.99 ID:xSpM52Wt0
- GJ
- 183 :風と木の名無しさん:2012/10/22(月) 19:49:55.27 ID:2Vh7S+ho0
- まわし
- 184 :風と木の名無しさん:2012/10/22(月) 19:51:27.42 ID:MrZIKVSl0
- グルグルまわーれー
- 185 :風と木の名無しさん:2012/10/22(月) 20:06:37.86 ID:TeyMZIQ00
- まわすよー
- 186 :風と木の名無しさん:2012/10/22(月) 21:48:08.48 ID:9+eE8KoH0
- まわってー
- 187 :風と木の名無しさん:2012/10/22(月) 21:53:05.27 ID:xNX7x3CS0
- まわってー
- 188 :風と木の名無しさん:2012/10/22(月) 22:06:13.53 ID:tQDSx7HW0
- まわすー
- 189 :風と木の名無しさん:2012/10/22(月) 22:08:45.78 ID:90aJDVxO0
- 傭兵
- 190 :風と木の名無しさん:2012/10/22(月) 22:26:23.72 ID:4EWzCc8Q0
- 押しかけ女房
- 191 :1/2:2012/10/22(月) 23:52:42.99 ID:4EWzCc8Q0
- やっぱり、傭兵なんてロクなもんじゃねぇや。
腕っ節にはそれなりに自身もあり、運もあった。
気付けば『黒の狂犬』なんて呼ばれて名も知れ渡り、荒稼ぎして、そこらの貴族連中よりずっと賢い生き方をしてるんだと粋がっていた。
それが今となってはザマだ。
掃き溜め以下の場所に死体と一緒に打ち捨てられた俺自身、何で生きてるんだか…
こんなことになってまで運の良さを発揮されても困るってもんだ。いっそ、おっ死んだほうが良かったのにな。
血の匂いと腐臭がめちゃくちゃキツくて、生きてた喜びなんて微塵もねぇ。
「あー、血が足んねー…」
意識がだんだん遠のいていく。
クソみたいな人生をクソみたいな場所で終わらす。それもお似合いかもしんねぇな。
最期は一人で静かに死ねるってんだから、上等なもんだ。
「おい、そこのゴミ。………死んだのか?」
一人で静かに死ねる。
その筈で目を閉じたってのに、不愉快なモーニングコールに目を覚まさせられた。
「なんだ、生きているではないか。お前、私に雇われてみる気はないか?」
チビで弱そうなくせに、やたら尊大なこの男。
こんな薄暗い場所でも光沢を失わない見事な金髪と、どこぞのお貴族サマのような場違いな服装。なんなんだこいつは。
「あんた、どっかの貴族か?なんでこんなトコにいる」
「私を知らないだと?やはり貴様はゴミだな……私はお前を知っているぞ、『黒の狂犬』。」
「なるほど、俺が傭兵だと知ってて雇おうってんだな。ごあいにくさま、俺はさっき退職を決意したばかりでね」
「何故だ!」
「テメェには関係ない」
早くどっか行ってくんねえかな……そう思っていたら、ばたばたと複数の足音が聞こえ、不敵に笑っていた男の顔が途端に青ざめる。
他人よりは聞こえのいい俺様の耳が、足音と共に会話を聞き取る。
「どっちへ行った!?」だの「必ずあの王子を探しだせ!」だの。
王子?
王子って、まさかこいつのことか?
「ちったあ話が見えてきたぜ…」
「うわっ!」
- 192 :風と木の名無しさん:2012/10/22(月) 23:53:20.42 ID:4EWzCc8Q0
- 「見つかったか……って、クサッ!なんだここ……死体?」
「ここには流石にいないか…他を探すぞ」
「行ったな…」
「きっ…きっさまァーーーッ!私を誰だと思ってる!?こんな、死体の山に埋めるなんて!」
「本物の死体になるよりマシだろ。なぁ、王子サマ?」
「……くそっ!」
もう汚れてしまっているが、よく見たらこいつの服には確かにこの国の紋章が刻み込まれている。
でも、この国の王子ってことは…
「そうだ…私はもう王子などではない。王城は焼き払われ、父上も母上も、兵も皆殺された。私だけが無様に生き残ったというわけだ」
肩を震わせ、下唇を噛んでいる『元』王子。
「だから、貴様を雇うと言っているのだ!私は生き延びねばならん。我が王家の血を絶やさぬために…!」
「金もねーくせに」
「ここにある!父上の形見のネックレスだ。売れば半生を遊んで暮らせるくらいの額にはなる!」
「あ、そう。だがさっきも言ったが俺は傭兵なんてもうやめた。ましてや、追われてる王子の護衛なんてまっぴらだ」
「なら貴様は、このままここでのたれ死ぬとでも言うのか?」
「さてね。どっちにしろ引き受けられない。見りゃ分かるだろ、この目」
俺の左目は、敵にやられてえぐれていた。
ただ生活するぶんには支障はないだろうが、戦いになっては不利なことこの上ない。
「……構わんさ」
「は?」
「私は、誰も守れなかった。多くの国民の生命を犠牲に生き延びたのに、一人で生きる術もない…ただのゴミだ…!」
「ゴミにはゴミがお似合いってか?」
「そうだ。……ゴミ王子にゴミ傭兵、仲良くしようではないか」
「……バカか、あんた…」
気位の高い貴族サマが、自分をゴミだと言ってのける。
国が亡くなって頭がどうかしちまったのかねぇ。
負傷した傭兵と何の役にも立たない王子が手を組んだところで、どれだけ生き延びられるというのか。
まぁ、すっかり目も覚めちまったことだし、せっかくだからもうちっと足掻いてみてもいいんじゃないか、なんてことを思った。
全てを失って、こんな場所で血まみれになって、それでも目に光を宿したままのこの『ゴミ王子』を見てるとな。
「いいぜ……黒の狂犬、最後の大仕事だ。雇われてやるよ、王子サマ」
※リロミスすみませんでしたorz
- 193 :風と木の名無しさん:2012/10/23(火) 02:02:22.47 ID:wXVEE5Re0
- 傭兵が雇い主サマをあんた呼びするのは正義ですね
萌えました、GJ!!
- 194 :風と木の名無しさん:2012/10/23(火) 07:07:52.66 ID:RjETm7YYO
- はじめリロミスに気がつかなくて
傭兵の世界観で押しかけ女房かーと感心してました…すみません
早いし面白かった!
- 195 :風と木の名無しさん:2012/10/23(火) 08:50:37.46 ID:srH4s9ao0
- やっぱり傭兵は飄々としてなきゃね!GJ!
- 196 :風と木の名無しさん:2012/10/23(火) 21:21:25.34 ID:IWAHQtMa0
- 傭兵の雰囲気が好みでしたGJ
- 197 :風と木の名無しさん:2012/10/23(火) 23:19:25.46 ID:F1SCsRBJ0
- GJ
- 198 :風と木の名無しさん:2012/10/24(水) 00:00:29.47 ID:TPsmT+Hf0
- 踏み台
- 199 :風と木の名無しさん:2012/10/24(水) 00:02:51.57 ID:xN3toyXu0
- 真っ直ぐな人と裏のある人
- 200 :風と木の名無しさん:2012/10/24(水) 00:14:27.04 ID:hJtwvTLx0
-
時折、お前が眩しい。
いつだったかお前が太陽みたいだと例えたことがあったけれど、それは嘘じゃない。
また適当なこと言って、と笑っていたけれど紛れもなく事実だ。
優しくて明るくて格好良くてまっすぐで可愛くて、輝いていて。
俺にとっての太陽はお前なんだよ。
だからこそ、本当に時々。眩しすぎるお前は俺に暗い影を落とす。
何もかもがダメで汚い俺の、濁った感情を全て浮かび上がらせる。
「や、 やだ、 やめ、ろ……」
「嫌だ」
「と、もあ、き」
きっかけは些細なことだ。単なるヤキモチ。それだけ。でも俺の狭い心をぐちゃぐちゃにするには充分なほどで。
赤らんだ頬に綺麗な涙が一滴流れる。
慌てて彼はそれを隠すけれど、その表情をもっと見ていたくて、右手を無理矢理にどけた。
すると恥ずかしそうな表情で、見ないで、とハスキーな声。
普段は紳士を気取っているけれど、お前の前じゃ俺はこんなにも汚くなる。
でも、きっと受け止めてくれると、信じているから、俺は。
「(こんなにも、汚れていられるんだ)」
- 201 :風と木の名無しさん:2012/10/24(水) 01:50:19.62 ID:Ld7HEoWx0
- うわ!早いな
新記録じゃないか?GJ!
- 202 :風と木の名無しさん:2012/10/24(水) 18:57:14.36 ID:dlSfI3owO
- わずか12分だと…?
萌えました。GJ!
- 203 :風と木の名無しさん:2012/10/24(水) 19:26:28.01 ID:3gYY1/Ua0
- まわし
- 204 :風と木の名無しさん:2012/10/24(水) 19:33:25.32 ID:L28AnF9a0
- GJ
- 205 :風と木の名無しさん:2012/10/24(水) 19:35:48.57 ID:qEo0/DM00
- はやさがすごいね!
- 206 :風と木の名無しさん:2012/10/24(水) 21:28:03.10 ID:AJcp+fmb0
- まるであらかじめ書いてたみたいだな
すげーはやさ
- 207 :風と木の名無しさん:2012/10/24(水) 23:01:19.76 ID:qt/+0nz80
- GJ!
- 208 :風と木の名無しさん:2012/10/24(水) 23:01:51.58 ID:zel9g32T0
- 踏んでいいよ
- 209 :風と木の名無しさん:2012/10/24(水) 23:07:03.13 ID:mu2djIFZ0
- どんなぱんつはいてんの?
- 210 :風と木の名無しさん:2012/10/24(水) 23:33:59.48 ID:NQ6bwoB/0
- うっわブリーフ履いてるよ!しかも白!さらにグンゼ!その上微妙なくたびれ具合!なんという御愛用っぷり!
それを恥ずかしがることなく堂々とさらけ出してるとか…アンタ漢だよ!かっこいいよしびれるけど憧れねえよ!
微妙にカラーチェンジしてるセンターポジションが逆にナイスアクセントになっていて
その内側に収納された漢のマストアイテムに期待を抱かせるってもんだぜ!
さすがは王者の下着、白のグンゼブリーフ、略して白グンブリ!ゴルゴが愛用してるだけあるぜすげえよアンタ!
抱かれたい!俺そんな堂々と白グンプリさらけ出すアンタに抱かれてもいい!いや抱いてください後生ですから!
「なにぶつぶつ言ってるんだよ、早く着替えろって。…ところでおまえどんなぱんつはいてんの?
俺?洗濯物溜めちまって履けるモンなかったから恥ずかしながらブリーフ様だよあははは」
「…俺ってさ、寝る時裸族なんだよね、で、寝坊して慌てて服着てきてさ…あとは想像しろ」
- 211 :風と木の名無しさん:2012/10/25(木) 01:44:09.53 ID:tAfwR+Go0
- >>210
こちらもなかなかの早業だが素晴らしいいいいい!!!
GJ!!!!!ノリめっちゃいいっすwww
続きがとんでもなく気になる二人だ!
- 212 :風と木の名無しさん:2012/10/25(木) 22:58:14.28 ID:beHS0gZJ0
- ブリーフ×ノーパン…どちらも衝撃的だなww
GJ!
- 213 :風と木の名無しさん:2012/10/25(木) 23:35:47.86 ID:5Dxgg2a90
- まわし
- 214 :風と木の名無しさん:2012/10/26(金) 00:05:51.19 ID:eCHIK9lS0
- まわし
- 215 :風と木の名無しさん:2012/10/26(金) 03:30:01.29 ID:O7UrVjWd0
- まわす
- 216 :風と木の名無しさん:2012/10/26(金) 07:24:00.70 ID:ro1xDm6q0
- まわし
- 217 :風と木の名無しさん:2012/10/26(金) 08:08:57.31 ID:fcOCKjU90
- まわし
- 218 :風と木の名無しさん:2012/10/26(金) 09:09:44.93 ID:XJ6uZ7zt0
- おれしか!
- 219 :風と木の名無しさん:2012/10/26(金) 09:11:55.44 ID:pOcIvqYa0
- 役職呼び
- 220 :風と木の名無しさん:2012/10/26(金) 09:18:30.46 ID:lLsIa6xk0
- 「あ、課長おかえり〜、今日も残業お疲れ様」
「……うちに帰ってまで課長って呼ぶの止めない?」
「え、あ……、でも俺にとって課長はずっと課長で」
「今は違うだろ」
「えっと、じゃあ、佐野さん?」
「さん付けかあ……」
「さ、佐野?」
「ていうか出来れば名前で」
「ゆうじ」
「何で黙るんだよ!え、怒った?!駄目?名前呼び捨ては図々しすぎた??」
「いや……何でもない」
「こっち向けって!課長〜ごめんってば〜」
- 221 :風と木の名無しさん:2012/10/26(金) 09:29:17.66 ID:pOcIvqYa0
- 早いww
ベタに萌えましたーありがとう!
- 222 :風と木の名無しさん:2012/10/26(金) 11:12:42.13 ID:lO3BlSL50
- 萌えた
可愛いのう
- 223 :風と木の名無しさん:2012/10/26(金) 11:29:39.10 ID:/gGHdAaV0
- 最近早い人多くてすごいな
課長呼びかわいかったGJ
- 224 :風と木の名無しさん:2012/10/26(金) 12:26:47.56 ID:Pbej4yop0
- これはいい早萌え
GJ!
- 225 :風と木の名無しさん:2012/10/26(金) 21:55:32.78 ID:XZhBInU60
- なんか自演してんじゃないかと思ってしまう
- 226 :風と木の名無しさん:2012/10/26(金) 22:23:18.84 ID:ZBmcb0hF0
- ゆくゆくは*9の1分後に*0投下とかになるのかな
すごいねぇ
- 227 :風と木の名無しさん:2012/10/26(金) 22:45:06.64 ID:xyjnyQn+0
- 早萌え乙
- 228 :風と木の名無しさん:2012/10/26(金) 22:47:35.16 ID:ZScKrEEW0
- 次も早かったりしてなw
どうぞ
- 229 :風と木の名無しさん:2012/10/26(金) 22:48:55.18 ID:1kWBQOJYI
- 言葉責め
- 230 :風と木の名無しさん:2012/10/26(金) 23:14:50.48 ID:XFbL2hnO0
- 818 名前:風と木の名無しさん 投稿日:2012/10/26(金) 22:03:38.03 ID:7cWvjSdT0
*9*0 225
「速い凄い」って言われたい人たちが競いあってるだけな気がする
自演ならもっと萌えがあってもいいはずだ
819 名前:風と木の名無しさん 投稿日:2012/10/26(金) 22:56:41.74 ID:vh8TvOESO
絡み818
次はどれだけ早く*9までまわせるかの早GJに挑戦したいな
感想の内容なんかどうでもいいからさ
820 名前:風と木の名無しさん 投稿日:2012/10/26(金) 23:04:41.68 ID:pOcIvqYa0
*9が指定 225
リクエストしたのは自分だから自演じゃない
早いのはすごいが、ベタなテンプレ萌えだった…正直もうちょいSSっぽいのを期待してた
821 名前:風と木の名無しさん 投稿日:2012/10/26(金) 23:09:14.41 ID:xyjnyQn+0
>>820
萌えのこもらないテンプレなんか、本当にただのテンプレでしかないのにな
- 231 :12時間経過したので投下 1/2:2012/10/27(土) 12:05:23.66 ID:0xB4ndSD0
- 「……っ!」
「ちょっと、何泣いちゃってるんですか。部下にイジメられるのがそんなに悔しいんですか?」
私に覆いかぶさった狭山の指が、胸の突起を弄ぶ。
あられもない声を上げそうになる唇を必死に噛み締めたが、涙が浮かぶのは止められなかった。
「違う、これは――」
なけなしの理性で以って抗弁すると、
「ああ、そうですよね違いますよね。悔しいんじゃなくて気持ちよすぎるんだ。そうでしょう、しゃ・ちょ・う?」
滲む視界の向こうで、狭山は侮蔑もあらわに嗤った。
「まったく、呆れ返りますよ。社長がまさか男にヒンヒン言わされるのが大好きなマゾ野郎だなんて、思ってもみませんでした」
ため息とともに、ツツ、と脇腹をなぞられる。触覚と聴覚への刺激は私の上で混ざり合い、何倍にも膨れ上がって襲いかかる。
「わかってます? 自分が今どんなみっともない格好でいるか。どんな無様な善がり顔晒してるか。
もしも社員たちがこのザマ見たらどう思うでしょうねぇ」
ま、そんなことは絶対させませんけど、と今度は内腿を舐められ、身体が跳ねる。
「く、うっ……狭、山」
ジリジリと追い詰められて、思わず縋るような声音になってしまった。
触れられてもいない屹立からは、既にだらだらと透明な液があふれている。それをみとめ、狭山はまた嘲笑う。
- 232 :2/2:2012/10/27(土) 12:06:35.75 ID:0xB4ndSD0
- 「はは、相変わらず堪え性のないことですよ……そこらの童貞中学生でもないでしょうに。
そのうち僕に罵られるだけでイッちゃうんじゃないですか、この変態」
吐き捨てる狭山の声には、まぎれもない嗜虐の悦びが宿っていた。
昼間は礼儀正しく爽やかなこの男のサディズムを目覚めさせたのは、ほかならぬ私自身だ。
そして、私が屈服し従属し被虐に溺れる相手は、ただ一人狭山のみだ。
彼の隠された顔を知っているのは自分だけ。互いに抱いたその思いこそが、私の、私たちの快楽を煽るのだ。
「さやま、っ、もう」
いよいよ耐え切れなくなった私は、許しを乞うて喘ぐ。すると、狭山は身を起こし、私を見下して言った。
「――仕方のない人ですね。いいですよ、その情けない顔を見るのもいい加減飽きましたから。さあ、どうして欲しいんです?
せいぜい淫乱らしくお願いしてみてくださいよ、社長」
冷たい熱を孕んだ声に、背筋がゾワリと震える。最後の理性がひび割れ砕けていく音を聞きながら、私は口を開いた。
- 233 :風と木の名無しさん:2012/10/27(土) 14:32:35.21 ID:g1WkKcDX0
- きっちりスーツに黒い髪の一重の部下でよろしくお願いします
GJでした
- 234 :風と木の名無しさん:2012/10/27(土) 15:24:29.93 ID:YJJlSQdlO
-
- 235 :風と木の名無しさん:2012/10/27(土) 15:44:19.76 ID:TVmlkZJs0
- GJGJ!
いい攻めと受けでした!
- 236 :風と木の名無しさん:2012/10/27(土) 15:52:18.27 ID:Auu6OTch0
- つ、続きはどこかね!?GJ!
- 237 :風と木の名無しさん:2012/10/27(土) 15:53:52.00 ID:R/UE0Pm/0
- 大好物の萌えごちそうさまです!GJでした!
- 238 :風と木の名無しさん:2012/10/27(土) 15:59:23.72 ID:kCK3EM5hO
- 踏み台
- 239 :風と木の名無しさん:2012/10/27(土) 16:04:58.21 ID:NT7w18GL0
- 強がらない
- 240 :風と木の名無しさん:2012/10/27(土) 19:35:20.27 ID:h11uFbg70
- 目いっぱいに涙をためて、頬を上気させている。
その様子が酷く愛らしく思える俺は、どこまで彼を好きになってしまっているのだろう。
わざとらしく音を立てて、耳元にくちづける。弾けるようなそれに、恭介は身体をこわばらせた。
俺が鍵を持っているのに、人がくるのを恐れているんだろう、慌てたように視線を右往左往とさせる。
何だかそれがおかしくて、小さく笑うと、猫のようなツリ目が俺を睨みつける。
「なんで笑うんだよ」
「いいや? 別に」
「…誰か来たら、どうすんの」
「誰もこないよ。生徒会室の鍵、俺しかもってないもん」
ほら、とポケットから取り出した鍵を見せ付けると、
それでも納得できないのか、そうだけど、と返して恭介は俺のセーターを掴む。
微笑んで鍵を戻し、優しく彼の指先を絡めとる。ピアノをやっていれば、皆こんな綺麗な指になるんだろうか。
白い指をそっと撫でると、ふるりと長い睫毛が揺れた。
「我慢しなくて、いいのに」
「してないし」
「強がらない、強がらない」
頬にくちづけてブラウスのなかに手を滑らせると、頭上でエロ生徒会長、と罵声が聞こえた。
本当に素直じゃないんだから。そんなところも好きだけど。
- 241 :風と木の名無しさん:2012/10/28(日) 08:21:53.69 ID:AtEnbhYXI
- GJ!強がりかわいい!
カッターシャツなら尚良かったけど…w
- 242 :風と木の名無しさん:2012/10/28(日) 08:34:38.27 ID:v8h1t/Oy0
- 身体が小さくブラウスをきていると脳内変換したw
GJ
- 243 :風と木の名無しさん:2012/10/28(日) 11:44:07.28 ID:cNr0+DDd0
- 男はブラウス着ないよね普通
男女すげかえじゃないだろうけど
女装子だと思えば別の扉が開く
- 244 :風と木の名無しさん:2012/10/28(日) 12:30:38.68 ID:Qm9gYAC00
- みんな細かいなw
気がつかなかったよ
風と木の寄宿舎のイメージになっちゃったじゃんw
GJでした
- 245 :風と木の名無しさん:2012/10/28(日) 18:58:44.82 ID:X2zW6JBl0
- >>243
天才か!
恭介くんの萌えキャラ感がやばい。GJでした!
- 246 :風と木の名無しさん:2012/10/28(日) 19:53:47.79 ID:Mcgk+qRxO
- まわし
- 247 :風と木の名無しさん:2012/10/28(日) 22:07:57.92 ID:ud9yB7ZE0
- GJ
- 248 :風と木の名無しさん:2012/10/28(日) 23:16:42.71 ID:xLEghsJR0
- 久しぶりに踏まれてみるかな
- 249 :風と木の名無しさん:2012/10/28(日) 23:17:24.18 ID:vg0ky+sf0
- 男前ヒーロー×へたれ相棒
- 250 :風と木の名無しさん:2012/10/28(日) 23:17:24.91 ID:jxvfJAj60
- 人波ど真ん中大告白大会
- 251 :風と木の名無しさん:2012/10/28(日) 23:17:27.01 ID:i0XOMqxqO
- 移り気
- 252 :風と木の名無しさん:2012/10/29(月) 11:48:34.28 ID:PAmewgPS0
- ヒーローといえば悪と戦い正義を貫く、孤高の存在というイメージだ。
だがそこに相棒が添えられるとなると果たしてどういう状況か。
例えば、鍛え上げた体と科学技術を武器にひとり戦うヒーロー。
けれどその影には、彼を支えるメカニックがいたかもしれない。
例えば、誰も巻き込まないために孤独であることを己に課していたヒーロー。
そんなヒーローに憧れた少年が押しかけ、強引に相棒になったのかもしれない。
あるいは、一人では倒せない強大な敵を倒すために
ひとりとひとりのヒーローが一時的に並び立つ、そんなこともあるかもしれない。
これらの「相棒」は、皆おのおのの技術を駆使してヒーローを支えている。
そうやって支え支えられ、安定したバランスを保てる相手が相棒ということなのだろう。
さて、それでは俺とこのヒーローの関係は果たして相棒と呼べるのだろうか。
今眼の前に居るこの男は、本物のヒーローだ。常人にはない力を持ち、
同じく常人にはない力で人を害する敵と戦うことで平和を守っている。
その正体を知っているのはたぶん、世界で自分だけだ。
彼が相棒と呼ぶ俺だけが、マスクに隠れた素顔が実はとても整っていることとか、
力に溺れないよう常に己を律していることとか、隠れた努力を忘れないこととか、
助けられなかった人を思って泣きそうな顔をしながらも歯を食いしばって耐えていることを知っている。
対する俺は、ただの人間だ。どうしようもなく平凡で、弱っちくて。
それでも男は、幼い俺がヒーローに憧れる姿がなければ自分は力を受け入れられなかったからと、
俺がいなければ今の自分はなかったからと、俺を相棒と呼ぶ。
でも俺にできることなんて、彼の帰りを待つことくらい。ヒーローの相棒なんて呼べるものじゃない。
だから、せめて。
- 253 :風と木の名無しさん:2012/10/29(月) 11:49:11.13 ID:PAmewgPS0
- 「お、俺をあんたの人生のあいぼうにしゅてっ!」
噛んだ。思いっきり噛んだ。
よりによってここで噛むとか!どうしてこう俺は肝心なところで!
「……?」
ぽかんとした顔でこちらを見る男に死にそうな心地になりながら、それでも羞恥に耐えて言い直す。
「だから、そのっ! 俺は! お前の隣にずっといるからって言いたくて!」
俺だけは何があっても彼を裏切らないという、その思いだけでも伝えたくて。
ヒーローとしての彼を支える力はなくても、人である彼の心を支えるのは自分だと訴えたくて。
「……まったく」
男の手が優しく頭を撫でる。顔をあげると優しい笑みがこちらを見下ろしていた。
「がっちがちに緊張してるから何を言い出すのかと思ったら、まさかこんな熱烈なプロポーズを貰えるとは」
「ねっ! ぷろっ!?」
言葉にならない。
「違うのか? やっと俺の思いが届いたのかと舞い上がったんだけど」
「えっ、あっ、ちが、いやちがくなくて、あれっ」
「違わないのか、よかった。さすがに持ち上げられて突き落とされる流れは勘弁」
そして。
言いたいことは色々あったはずだけど、そのままぎゅっと抱きしめられてキスをされて。
言葉よりよほど気持ちの伝わるその行為に、迷いは全部消えてしまった。
- 254 :風と木の名無しさん:2012/10/29(月) 17:05:17.80 ID:GISJFYkH0
- おおー
ほのぼのして、何故だかこっちが照れたわ///
相棒いいよ萌えるよ GJ!
- 255 :風と木の名無しさん:2012/10/29(月) 17:27:40.89 ID:vw+nJO1E0
- 萌えた!
噛んだ瞬間うかつにも吹いたけど可愛いww
GJでした!
- 256 :風と木の名無しさん:2012/10/29(月) 23:34:37.05 ID:BOt6DOV80
- ああ
- 257 :風と木の名無しさん:2012/10/29(月) 23:56:20.08 ID:EBq1BSE10
- へたれ萌えw
- 258 :風と木の名無しさん:2012/10/30(火) 00:30:59.20 ID:/KOW/1t30
- 踏み台
- 259 :風と木の名無しさん:2012/10/30(火) 00:34:25.93 ID:sNslg2Ew0
- 暗殺者と虐殺師
- 260 :1/3:2012/10/30(火) 10:14:29.33 ID:Hykwr31j0
- 「俺、昔、虐殺者だったんだ。ア、捕まったことはないよ。だってそんなヘマしてたら今お前とこんなことできない。もしも捕まってたら今頃、あの世だ」
そう言って彼は私の長い髪を一房持ち上げてキスをした。
彼と私の間に愛は無く、惰性が疼くときにのみ共にシーツを汚す。
「貴方の過去なんて興味がありませんよ、バートラム」
「一度くらい愛称で呼んで。ほら、バート、簡単デショ?……ダメ?つれないネェ、俺はお前がこんなに好きなのに、キャス、キスしよう」
裸の肩を押し付け、奴の髭が私の肩口で鈍い痛みを与える。
仕方がなく唇を触れ合わせれば懐かしの虐殺者様は私を抱きしめて舌を絡ませてきた。
厚ぼったい舌を持った醜い男、四十を過ぎて漸く愛を知りかけた矢先の男。
最後には私の息が続かなくて肩を叩いて、体を引き剥がした。
「……夕食にしましょう。用意しますから早く席へつきなさい」
ギシリと鈍い音を生むベッドを抜け、身支度を整えて携帯を手にキッチンへ向かう。
犯罪者には御誂え向きなのだろうか、ねぐらは絵に描いたように薄暗く、そして無駄に広い。
冷蔵庫から食材を取り出すついでに携帯を素早く覗き、仕事の依頼を確認する。
一件のみ、夜のうちには終わるだろう。
携帯を閉じ、熱したフライパンにバター、卵、野菜を混ぜ、フォークで混ぜて炒める。
- 261 :2+3/3 代行します:2012/10/30(火) 13:00:50.41 ID:eTXT5KF10
- 馬鹿の好みに合わせて焦げ目がつくくらいに良く焼いて、今日は隠し味も少しだけ入れてやった。
「イイ匂い、キャスは今日もパーフェクト、素敵だね」
ズボンを履いただけの上半身裸野郎がフライパンへ手を伸ばす、反射的にフォークで彼の手を叩いた。
「――ッチ!キャス!酷いじゃないか!」
「まだ、出来てませんから。パンでも齧ってなさい、馬鹿」
焦りの色は出ていなかったと思う、けれど値踏みするように、初めて町で会った時のようにバートラムは私を頭のてっぺんからつま先まで舐めるように眺めた。
と、思えば瞬きしていつもの顔に戻り、両手を挙げてソーリー、と小さく言う。
「俺が悪かったよ、キャス。酷いなんて嘘だ」
私が何を言う間もなく、奴はパンが入った籠とミルクを手にリビングの机へと向かう。
私も火を止め、料理を盛って食卓に着いた。
「これから仕事ですから、貴方一人で食べてください」
言い置いて立ち上がりかけた腕を奴の節くれだった太い指が勢いよく掴んだ。
見上げてくる目線はギラギラと熱を孕んでいて、気持ちが悪い。
「ね、キャス。今日は早く帰って来てくれるかい?」
「さぁ、貴方には関係のないことでしょう」
馬鹿げてる、と喉元まで出た言葉は飲み込んだ。
バートラムの手がフォークに伸びる。そうだ、それでいい。
「……ジャア俺、キャスが帰るまで待ってる」
奴の手から落ちたフォークが床に落ちて音が響く、醜い音。
私が人を手にかけるときの心音に似ていた。
「待たないでください、帰りませんよ」
「お前は絶対帰ってくるよ、愛してる――キャス」
声だけでバートラムが微笑んでいるのが分かった、嗜虐的な笑みだ。
背にかかる声を振り切るように早足で玄関を抜けて、扉を勢い良く閉じた。
「バートの、馬鹿」
目を閉じて言葉を喉から振り絞って吐き出した。
私はたった一つだけ、依頼を遂行出来ていない。
- 262 :風と木の名無しさん:2012/10/30(火) 14:30:57.25 ID:yqT+bFGi0
- まわし
- 263 :風と木の名無しさん:2012/10/30(火) 14:48:42.95 ID:m+lf9XK3i
- 感想を書き込みたい人のために、*0投下後24時間以内の「まわし」は御遠慮下さい。 
では?
虐殺師の見透かして愛する感じがたまらない。暗殺者のやりきれない感じがたまらない。頃しちゃうendでも駆け落ちendでも依頼主自体を虐殺しちゃうendでも何でもいい!GJ!
- 264 :風と木の名無しさん:2012/10/30(火) 18:43:37.95 ID:urLQWYO90
- 時代設定どのあたりかしら
全体のイメージがいいですね
GJ
- 265 :風と木の名無しさん:2012/10/30(火) 21:20:38.17 ID:VpbJ02uMO
- まわし
- 266 :風と木の名無しさん:2012/10/30(火) 22:08:25.97 ID:vC2n0Hk50
- まわまわ
- 267 :風と木の名無しさん:2012/10/30(火) 22:10:58.90 ID:vC2n0Hk50
- すいません
前に釣られて時間見てませんでした
>>261
投下乙です!GJ!!
- 268 :風と木の名無しさん:2012/10/30(火) 22:51:36.61 ID:AJSlR5Vb0
- 踏み台
- 269 :風と木の名無しさん:2012/10/30(火) 22:57:51.33 ID:flWaToIH0
- トリック・アンド・トリート
- 270 :風と木の名無しさん:2012/10/31(水) 10:59:13.12 ID:eaqcVrWH0
- 「trick or treat!」
やたら小気味よい発音と共に現れた猫耳野郎を見て、俺はがくりと肩を落とす。
無言のまま部屋に入り、何か菓子がないかと探れば、学校で貰ったチョコを発見した。
包み紙をあけて、ほれ、と呟けば、タクは嬉しそうに口を開くので、そこに放り投げてやる。
「んっ! おいひい」
「何か高いヤツらしいから」
「! 俺が貰っていいの?」
「…口モグモグしながら言われても少し説得力に欠けるっていうか…」
苦笑しながら招き入れれば、にゃんにゃんっ、と自作のにゃんにゃん鼻歌を奏でつつ入室した。
そっか、ハロウィンか、などとのんきに思いつつタクのマグカップを取り出した。
「(…そうだ)」
ふと思いついた悪戯に、頬が緩む。
コーヒーを淹れて彼の前に置いてから、頭につけられたネコミミカチューシャを装着してみた。
タクは目を丸くしたのち、ゲラゲラと笑い出す。似合わないのなんて重々承知だ。
俺は笑みを湛えつつ、彼の手首を掴んで馬乗りになった。タクの表情が一変する。あ、やべえって思ってるな。
「タク」
「あの、この手はいったい」
「trick and treat?」
「選択権ないのっ?!」
唇を耳元に近づける。
「キスと、それよりも凄いこと、するからね」
- 271 :風と木の名無しさん:2012/11/01(木) 01:42:11.63 ID:XpdGSPUq0
- 萌えたー!
そっかハロウィンかw
- 272 :風と木の名無しさん:2012/11/01(木) 12:19:48.09 ID:Nj7B1QEZO
- まわし
- 273 :風と木の名無しさん:2012/11/01(木) 12:33:50.67 ID:yLG5cdhD0
- まわーし
- 274 :風と木の名無しさん:2012/11/01(木) 12:38:15.44 ID:pP4AJYRy0
- まわします
- 275 :風と木の名無しさん:2012/11/01(木) 12:59:27.24 ID:SUcXKALOi
- まわす
- 276 :風と木の名無しさん:2012/11/01(木) 13:03:33.63 ID:AvjpT7SD0
- 踏み台
- 277 :風と木の名無しさん:2012/11/01(木) 16:37:39.51 ID:Pp2CbE2C0
- 踏み台にはまだ早いよ。まわし
- 278 :風と木の名無しさん:2012/11/01(木) 16:49:35.39 ID:BCQZ4wd/0
- 本物の踏み台とは私の事だ!
さぁ!存分に踏むがよい!
- 279 :風と木の名無しさん:2012/11/01(木) 16:51:07.36 ID:1ivbexqj0
- 本物とニセモノ
- 280 :1/2:2012/11/01(木) 17:24:30.65 ID:pP4AJYRy0
- 放課後の教室は、人もまばらでどこか寂しい。
そんな教室に、うるさい奴が入って来る。
「ナイトー、俺、またふられちまった」
遠野はそう言って俺の机に縋りついて来た。これで何度目だか解らない。
遠野がふられるのも、こうしていちいち俺の席へやってきて泣き言を漏らすのも毎度の事だ。
「なあ、ナイトー、俺の何がだめなんだと思う?」
「とりあえず、俺が女ならいちいち事あるごとに友達のところへ来てそういう事を言う奴はお断りだね」
「……ちぇー。ちゃんと聞いてくれると思ったのに、つめてーの」
そう遠野が言うのも無理はないだろう。これまではきちんと遠野の泣き言にも付き合っていたし、それなりに慰めもしていた。
けれど、今回はそんな気になれなかった。気づかない方がいい事に気づいてしまったからだ。
「ほんと、俺、ミリョク? っつーのがないのかな。なあ、ナイトー」
「知らねえ。そんなの、自分で作れ。てか自分で気付け」
どうしても素っ気なくなってしまう。
自分でも子供っぽい嫉妬だとは思うのだが、どうしようもなかった。
「俺さ……そろそろやめようかなーって思うんだ」
「何を。女の子おっかけまわす事か? それはいい事だな。被害者が減る」
「んー。……うん」
急に遠野は声のトーンを落として、俺の机に指でくるくる螺旋を描く。
- 281 :2/2:2012/11/01(木) 17:25:23.76 ID:pP4AJYRy0
- 「なんつーかさ、本物のレンアイ、したいじゃん。ちゃんとさ」
「……相手が居るならな」
「今までのさ、女の子、嫌いなわけじゃないけど……なんか違うってーか。ウソっぽい感じだった。てか、ウソだったんだ」
多分そうなんだ、と独り言のように遠野が呟く。……一体何を言いたいのか。俺には解らない。
「ナイトーさ、ナイトーは、本物! みたいなレンアイ、した事ある?」
さっきまで手元を見ていた遠野が顔をあげる。茶色がかった髪の間の目が、俺を見ている。
その視線に耐え切れず、俺はそっぽを向いて「した事あるように見えるか?」と訊いた。
「解んないから訊いてるんだろ」
「――ある、あるって事にしておけ。もういいだろ」
「どんなの? 本物のレンアイって、……こんなに、苦しいのかな?」
「知らねえよ! お前なんか、……知らねえ。俺は帰る」
遠野に、そこまで想う相手が居たなんて。そりゃ、不自然だとは思ってた。
何度も何度も色んな子に付き合いを申し出たり、その度ふられてはまた誰かに……。
叶わないけれど、そのくすぶる想いをどこかにぶつけたかっただけだ。
俺も、なんで気づかなかったんだろう。
好きだっていう事に。今までの友情めいた台詞がニセモノだった事に。
あいつの……本物の恋を、応援する事は、俺には出来ない。
俺は、あいつが好きだから。
- 282 :風と木の名無しさん:2012/11/01(木) 21:09:24.64 ID:LpPLeFeB0
- 両思いフラグですね分かります
GJ!
- 283 :風と木の名無しさん:2012/11/02(金) 15:00:50.89 ID:HsAHjicP0
- GJ
- 284 :風と木の名無しさん:2012/11/02(金) 15:05:48.51 ID:6LJA8yib0
- 可愛いなGJ
- 285 :風と木の名無しさん:2012/11/02(金) 15:10:58.99 ID:nAVJ5WhmI
- 両思いエンドが見えるようだ…
GJ
- 286 :風と木の名無しさん:2012/11/02(金) 17:07:01.33 ID:f6vtdrzm0
- おおおっ!!萌えたっ!
両思いいいよね!GJでした
- 287 :風と木の名無しさん:2012/11/02(金) 19:00:20.18 ID:KKzL6/KQ0
- まわし
- 288 :風と木の名無しさん:2012/11/02(金) 19:06:20.70 ID:N3/LTxxd0
- 俺の屍を踏んでどうぞ
- 289 :風と木の名無しさん:2012/11/02(金) 19:12:28.07 ID:VpTsnHbD0
- おっとり系同士
- 290 :風と木の名無しさん:2012/11/03(土) 19:25:42.66 ID:EgJIrz3H0
- あら久々のお流れ
- 291 :風と木の名無しさん:2012/11/03(土) 19:45:03.61 ID:RZ0yQHEF0
- まわし
- 292 :風と木の名無しさん:2012/11/03(土) 20:22:13.14 ID:Jsm0wcVpi
- 回りましょー。
- 293 :風と木の名無しさん:2012/11/03(土) 20:45:54.35 ID:byt+k5xn0
- ぐるぐる
- 294 :風と木の名無しさん:2012/11/03(土) 21:03:08.10 ID:xHkNTIZJ0
- まわーし
- 295 :風と木の名無しさん:2012/11/03(土) 21:09:43.76 ID:LPIznV2L0
- おっとりしてるうちに流れてしまったのだな
まわし
- 296 :風と木の名無しさん:2012/11/03(土) 21:29:31.55 ID:zzZ6PfPb0
- おっとりさんめおっとりしすぎだぞ☆
まわしまわし
- 297 :風と木の名無しさん:2012/11/03(土) 21:41:27.98 ID:QW/yOH3K0
- まわしー
- 298 :風と木の名無しさん:2012/11/03(土) 21:49:28.94 ID:A3gDkSwhI
- 踏めよ!
- 299 :風と木の名無しさん:2012/11/03(土) 21:50:32.42 ID:NShjs70s0
- 嫌いで別れたのではない男と再会
- 300 :風と木の名無しさん:2012/11/03(土) 22:19:25.45 ID:2PQtjX6Q0
- 柔和な笑顔、笑うとぐっと細くなる茶色い瞳、ふわふわの黒い髪。
その何から何までに見覚えがあった。思わず言葉を失っていると、
健人はひらりと片手をあげて、やあ、と口にする。
やあ、じゃねえよ、とか、いつ帰ってきたんだ、とか、色々言いたいことはあった。
あったけれど、何より、今目の前にいる健人が本物かどうか確かめたくて、思いきり抱きしめた。
「祐君、苦しいよ」
耳元でゆるい笑い声が聞こえる。苦しめ。苦しんじまえ。
そしてそのまま俺から離れるな。
「本当に、健人?」
「……うん。本物だよ」
そう口にして、俺の腕に細い指先を絡める。すっかりやせこけてしまったらしい、
背中はくっきりと骨が浮かんでいて、ほんの少し怖かった。
「お前、やせたな」
「まあね」
「これから太らせてやる」
だから。そういって、健人の身体を剥がす。
丸っこい愛らしい瞳はアメリカに行く前とまったく変わっていない。
本当に、彼がいるのだと思った。震える唇を開く。
「もう、どこにもいくな」
「……うん。約束する」
ぱちりと瞬いて伏せられる睫毛。
白い頬に口づけて、好きだよ、と呟けば、その言葉は緩やかに溶けていった。
- 301 :風と木の名無しさん:2012/11/04(日) 20:50:11.29 ID:xfXuf8oq0
- 健人はアメリカに何しに行ったのか妄想が広がりますね
GJでした
- 302 :風と木の名無しさん:2012/11/04(日) 23:27:07.64 ID:88RSklG30
- まわし
- 303 :風と木の名無しさん:2012/11/04(日) 23:33:32.40 ID:L7b7xbehO
- まわし
- 304 :風と木の名無しさん:2012/11/04(日) 23:39:31.85 ID:+mgZJU1QO
- まわし
- 305 :風と木の名無しさん:2012/11/04(日) 23:42:23.55 ID:OnrBAVLb0
- ぐるぐるまわれー
- 306 :風と木の名無しさん:2012/11/05(月) 00:11:14.13 ID:DA1iKKA10
- まわし
- 307 :風と木の名無しさん:2012/11/05(月) 00:17:37.14 ID:gFqe76BF0
- 健人も祐君もかわいいなv
GJでした
- 308 :風と木の名無しさん:2012/11/05(月) 01:00:09.56 ID:QH3mQAyI0
- 俺を踏むんだ!
- 309 :風と木の名無しさん:2012/11/05(月) 01:02:58.31 ID:ESoj/rsj0
- おかん気質攻め×素直に甘えられない受け
- 310 :風と木の名無しさん:2012/11/05(月) 01:03:12.68 ID:KkDz0SM70
- ナルシスト受け
- 311 :風と木の名無しさん:2012/11/05(月) 20:12:59.36 ID:4OBL4PfX0
- 「だから、ネクタイ曲がってるって」
朝に弱い俺は、こいつが毎朝起こしに来ても『寝坊』に近い。
そんな忙しない時間だというのに、こいつは悠長なことばかり言っている。
「これぐらい普通だろ。だれも気にしねぇよ」
「誰も気にしなくても俺が気になるんだから。ほら」
「いいって!」
「よくない」
このやりとりを繰り返しながら他の準備を終え、鞄を持って廊下へと出る。
これ以上続ければ、こいつも仕事に遅れることになる。引き際はそろそろ。
ならば強行突破だと、玄関へ向かおうと足を踏み出したとき。
左腕をひかれ、そのままこいつと対面した瞬間、
首元にかかる強い圧力と、唇に当たるやわらかい温度。
俺が状況を把握しようとし始めた絶妙なタイミングで離れたそれとは反対に、
俺の首元が引っ張られている原因であるネクタイは握られたままだった。
「ネクタイ、締めなおそうね?」
- 312 :風と木の名無しさん:2012/11/06(火) 21:49:00.30 ID:S9AwH0pi0
- まわし
- 313 :風と木の名無しさん:2012/11/06(火) 22:01:04.95 ID:ssLI9kXC0
- まわわ
- 314 :風と木の名無しさん:2012/11/06(火) 22:03:25.89 ID:3412EmNtO
- まわし
- 315 :風と木の名無しさん:2012/11/06(火) 22:53:08.95 ID:zjd9tvEe0
- まわす
- 316 :風と木の名無しさん:2012/11/06(火) 23:03:41.11 ID:iuX47/130
- まわし
- 317 :風と木の名無しさん:2012/11/06(火) 23:26:27.13 ID:KuzdtF+U0
- まわまわ
- 318 :風と木の名無しさん:2012/11/06(火) 23:30:01.62 ID:ULX6ojrT0
- まわし
- 319 :風と木の名無しさん:2012/11/06(火) 23:30:22.34 ID:auGcSkI/0
- しまらない告白
- 320 :風と木の名無しさん:2012/11/06(火) 23:31:17.24 ID:cbmMgF2N0
- 踏むがよい!
- 321 :1/2:2012/11/07(水) 01:05:06.79 ID:UmNIo5rD0
- 噛んだ
盛大に噛んだ
どうしてこうなの俺!馬鹿なのアホなの死ぬの!?
ここはだなぁ、ビシッとかっこよく決めて「キャー英明くんカッコイイー」ってなる場面でしょ!?
さんっざんイメトレして気合入れて、死ぬ気での告白で噛むとか…
しかも我に返ってとっさに取った行動が逃走って…いかんだめだ俺の精神は痛恨の一撃を喰らってる
ダメージ与えた馬鹿も俺なんだけどね!
あー…もうどーしよー…
これから俺が取る行動は…
@かっこよく再登場して素敵に華麗に告白する
A何事もなかったかの様に振舞い友情のまま現状維持
Bゴッメーン☆さっきのは罰ゲームだったんだテヘペロ とお茶目に振舞いカワイ子ぶる
…………どれも無理無理無理無理無理ぃぃぃぃぃ!!!!!!!
まず@! 素敵に華麗にってどうやって!? んなもんできたらはなからやってるっつーの!
で、A! 俺の心臓ガラスハートだよ! ここまでの失態を「無かったこと」になんてできるようなタフさもって無いよ!
Bも論外だ論外! 罰ゲームでテヘペロとか俺がやってもキモイだけだ、むしろこっちが罰ゲームじゃねーか!
全部無理だよこの案! 考えたの俺だけどさ!
ああああああ俺はこれからどうしたらどうしたらどうしt
「英明くん」
!!!!
え、ちょっとなに俺心臓止まりそうなんですけどちょっと
「英明くん、いるんでしょう?」
コツコツ、と凭れたドアを小突く音が背中に響く
え、え、俺どうしようどうすれば!? 返事しなきゃいけないよな? え、でもなんて返事すればいいのこの場合!
テンパって固まってたら、ドア越しにフッと吐息の音が聞こえた
忍び笑い? ため息? 嘲笑? 失笑? どれだ???
「ねぇ、英明くん。…さっきの『チュキダ』ってどういう意味なのかな」
あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!! おもっきし聞き返されたああああああ!! なにこの拷問! 俺のライフはとっくにゼロよ!?
ガンゴンと俺の頭がドアに打ち付けられる。もう恥ずかしくて穴掘って埋まりたい。地面系のポケモンになりたい。
「だ、大丈夫? 落ち着いて英明くん」
うううあんたってやっぱり優しいよな…いつも俺のフォローしてくれてさ…そこに惚れたんだよな…
「あのね、英明くん…笑わないで聞いてくれるかな」
- 322 :2/2:2012/11/07(水) 01:06:47.89 ID:UmNIo5rD0
- さっきまで上のほうから聞こえていた声が、今は随分下から聞こえた
もしかしなくてもしゃがみこんだのかな
「さっきの『チュキダ』なんだけど…ああ英明くん落ち着いてドアからゴンゴンって音が! …で、でね、僕、思ったんだけど」
コン、と軽く響く音。あいつもドアに凭れかかったんだろう
「あれさ、『好きだ』って言ってくれた…? って大丈夫だから英明くん! 奇声上げながらドアに頭突きするのやめて!?」
うぅ…バレテル…バレテタ…アタマイタイ
「その、さ。変なこと今から僕、聞くんだけど…『好き』ってさ、どういう意味で?」
…え?
「友人として? 先輩後輩として? 兄弟みたいな感覚で?」
…違う。いや、そういうような意味でも勿論好きだけど! でも俺の『好き』ってのは…!
「…それとも、恋愛としての『好き』?」
………そうだよ
ずっと、もうずっと何年もあんたが好きで好きで堪らなかった
高校も大学も、信じらんないくらい勉強して着いていった
あんたにとっては沢山いる後輩の1人でも、俺にとってはあんたはずっと唯1人の想い人だったんだよ
それで思い詰めてイザ告白しようとしてこのザマなんだけどな
「僕はね、英明くん」
フゥッと聞こえた吐息の音に続いて、いくばくか固くなった声音が聞こえてきた
「僕は…僕はね。…もうずっと君のことが、そういう意味で『好き』だったよ」
え?
「高校も大学も、2年になったときに君を発見できて嬉しかった」
…………え
「もしも君の言ってくれた『好き』が、そういう意味じゃなかったら…キモイよね、僕のこんな告白。ごめんね?」
なんで
なんであんたが謝るんだよ
噛んだのも逃げたのも、ダンマリ決め込んでるのも俺なのに
…なんで!
「英明くんが僕になにか伝えようとしてくれたから、僕からも伝えてみた…って、うわぁ!?」
俺は静かに立ち上がると、一気にドアを引きあけた
やっぱり座ってドアに凭れていたからか、こっちにころんと転がってきた
きょとんとした目でこっち見上げんなよ可愛過ぎるんだよ
「…俺も! ずっとあんたがチュキだったよ!!!」
最後の最後まで噛んじまった告白は、何十年もからかわれることになりました
□■□■□■
ID変わってますが320です!リロ忘れ失礼しました!
- 323 :風と木の名無しさん:2012/11/07(水) 01:26:07.90 ID:VzqRugs20
- 何十年もからかわれる告白素的萌える!
乙でしたー
- 324 :風と木の名無しさん:2012/11/07(水) 01:41:14.41 ID:ny7mfmzp0
- こういうテンション好きだー!
GJです!
- 325 :風と木の名無しさん:2012/11/07(水) 01:42:04.81 ID:8Aofo2FP0
- 何十年と幸せだってことか!
しまらない英明くんかわいい!GJ!!
- 326 :風と木の名無しさん:2012/11/07(水) 11:02:01.42 ID:CdjPEoyg0
- やべぇ可愛い!両方とも可愛い!
こういうノリ大好き!GJです!!
- 327 :風と木の名無しさん:2012/11/07(水) 14:09:39.94 ID:crYUD5tt0
- 二人とも可愛いいいい!!GJGJ!
- 328 :風と木の名無しさん:2012/11/07(水) 15:38:27.59 ID:YrZtwDzh0
- 可愛いのう萌えた!
でもって次のお題はー?
- 329 :風と木の名無しさん:2012/11/07(水) 15:41:44.27 ID:lnZ4qGvx0
- 受が格好良すぎて辛い×攻が可愛すぎて辛い
- 330 :風と木の名無しさん:2012/11/07(水) 19:37:57.36 ID:zfCXCb3k0
- お前がいたいのは嫌だ、と頑なに挿入される側を譲らなかったケン。
俺は彼が無駄に頑固で意地っ張りなことを知っていたので、渋々折れた。
痛い思いをさせるのが嫌なのは俺だって同じで、無理しないでいいんだからね、と何度もいったけれど、
「女側意外と気持ち良いんだぞ、これが」と聞いてよ奥さんとでも言いたげな顔で言ってくる。
たまに乱暴に彼を抱くことがあって、本当にごめんと詫びるたびに、小さな手のひらで頭を撫でて、
「気にすんなバカ」と優しく微笑みかけてくれるケンは本当にかっこいいな、と思う。
俺がそれでいい、っていったのに、情けなく顔をゆがめて、何度も何度も「本当に?」と尋ねてくる様子は、
近所の大型犬を思い起こさせる。情事のたびに懸命に俺を気持ちよくさせようとしている姿は、
ひとつ年下であることを思い出させるくらいに必死で、頭を思わず撫でていることにトモは気づいているんだろうか。
たまに乱暴に俺を抱くことがあるが、その不安定さも彼の魅力だと思うし、愛おしいと思う。
「……なあ、俺はお前らののろけをなんで両サイドから聞かないといけないわけ?」
「いや、だってー……かっこいいだろ? ケン」
「いやいや、トモ可愛いだろ?」
長い口上を両サイドから垂れ流されて、かっこいい、可愛いと言い合うアホカップル。
俺はそのふたりを冷めた目で見つめながら、コーヒーを啜る。
カップから口を離してソーサーに静かに置いて、大きく肩を落とす。
「で、あんたらは俺にどうしてほしいの?」
「タツにケンの魅力をわかってもらおうと思って」
「タツくんにトモがどれだけ可愛いか理解してもらおうと思って」
似たような、でも違う言葉を呟くアホカップ、いやバカどもを一瞥して、眉間に皺を寄せる。
「なあ、俺、帰っていいか?」
- 331 :風と木の名無しさん:2012/11/08(木) 00:42:32.49 ID:vSUFrk+90
- 迷惑なカップルだなw
真ん中乙
- 332 :風と木の名無しさん:2012/11/08(木) 17:34:31.15 ID:tINNJ81h0
- バカップルwww
迷惑かわいいGJ!
- 333 :風と木の名無しさん:2012/11/08(木) 20:06:24.35 ID:6HHK9nvq0
- まわしますね
- 334 :風と木の名無しさん:2012/11/08(木) 23:08:37.36 ID:MdNFBXwO0
- まわる
- 335 :風と木の名無しさん:2012/11/08(木) 23:33:37.39 ID:2uHCD3YO0
- まわす
- 336 :風と木の名無しさん:2012/11/08(木) 23:42:27.32 ID:tFI16qqG0
- まわし
- 337 :風と木の名無しさん:2012/11/09(金) 00:25:04.88 ID:+OVlFuL40
- まわし
- 338 :風と木の名無しさん:2012/11/09(金) 00:56:02.89 ID:lyiWrfsPO
- 人の書いたものに文句をつけたり自演だとかいちゃもんつけたり
そう言う本人はどのていどなのかと、よくわかる結果ですねまわし
- 339 :風と木の名無しさん:2012/11/09(金) 00:59:51.47 ID:UtB2CftO0
- 嘘つき同士
- 340 :風と木の名無しさん:2012/11/09(金) 23:29:10.32 ID:fzvZ+YbKi
- 怒られたので分けます
@@@@@
「あ、リリコちゃんの写真集」
新刊コーナーで立ち止まられて、足を止める。
最近売り出し中のアイドルが表紙にでかでかと映った写真集が積まれていた。
物凄い目が大きくて人形みたいだが、目力が強過ぎて俺の好みじゃない。
「お前そんなギャル系好きだったっけ」
首を傾げる。
「前に女子が聞いた時、清楚な子が良いとか言ってなかった?」
「あー?……あーはいはい。アレね、ウソ」
「嘘ォ?」
そいつは無駄に綺麗な笑顔で、にっこりとこちらを見た。
いわゆるイケメンに属するこの男は女の子に事欠かない。
休み時間に恥ずかしげにこいつの異性の趣味を尋ねて来た少女たち。
彼女らの「そうなんだ!」という期待に満ちた声が、途端に虚しく聞こえた。
酷い話だ。
「だって清楚な子ならがっついて来ないでしょ?」
おいおい。溜息を吐いてしまった。
「イケメン様は大変だな」
「困っちゃうよねー」
「皮肉だっつーの」
「知ってるし。でもほんとのことっしょ」
積み上げられた写真集の一冊を手に取って、そいつは軽口を叩く。
神様はなんだってこいつなんかの顔を整えてしまったんだろうか。
- 341 :風と木の名無しさん:2012/11/09(金) 23:30:11.82 ID:fzvZ+YbKi
- 「好きな子以外に言い寄られても困っちゃうからさあ」
しんみりした表情を作っている。呆れた。
「物は言い様ってか?単純に面倒なだけのクセに」
「まっ、それもあるけどねー」
手元の写真集をひっくり返して値段を見たらしい。
男は山の上にそれを戻す。
「そーいや、お前の好きなタイプは?可愛い系?お姉様系?」
「……」
アーモンドの形をした焦げ茶の瞳がこちらを伺っていた。
写真集の右上の料理本に伸ばしていた手を止める。
「顔が綺麗じゃなくてケツが軽くなくて嘘つかなくて他人の趣味を詮索しない奴」
「なにそれ俺以外ってこと!?」
「利口なワンちゃんですねー」
「ひっど!ひどい!!傷ついた!!」
「うるせえ」
踵を返して当初の目的地である参考書コーナーに向かった。
いつもより弾む心臓の音を堪えながら。
本当のうそつきは俺の方かもしれない。
- 342 :風と木の名無しさん:2012/11/09(金) 23:51:01.01 ID:a2nnXyM20
- うお、二人とも可愛すぎ
GJ
- 343 :風と木の名無しさん:2012/11/10(土) 01:43:09.35 ID:xB+7uAbz0
- まだ始まる前な感じがいいね!GJ
- 344 :風と木の名無しさん:2012/11/10(土) 12:36:04.88 ID:1hxl8SBM0
- うおおお可愛い!こういうの好きだ!GJ
- 345 :風と木の名無しさん:2012/11/10(土) 17:44:39.08 ID:ZdPJFlX20
- ウォアアアアアかわいい!いいね!!いいねいいね!!!お互い素直じゃない感じたまりません
どっちもかっこいいので攻め受け決めかねるイケメンっぷり…
GJGJGJ
- 346 :風と木の名無しさん:2012/11/10(土) 17:59:52.87 ID:GT7ReeS0i
- なにこれ可愛い!きゅんとしたGJ!
- 347 :風と木の名無しさん:2012/11/11(日) 00:32:06.66 ID:4oBbOn3z0
- まわします
- 348 :風と木の名無しさん:2012/11/11(日) 00:40:45.83 ID:VkClK4tM0
- 踏んでくれたまえ
- 349 :風と木の名無しさん:2012/11/11(日) 01:04:26.20 ID:v+vlbTxY0
- 女顔×男前
- 350 :風と木の名無しさん:2012/11/11(日) 19:50:14.04 ID:jSLlHPmz0
- 「おい、落としたぞ」
「あ、ごめん」
「お前、本当よく物落とすな」
「そういえば、注意力無いってよく怒られるなー」
「実際無いだろ」
「そうだね」
「それでいて、ナンパお断り!とか怒るのはどうなんだ?」
「いやね、この顔って誤解されやすいのか、多分女の子でも騙せないような手口で、あれやこれやと」
「手口って」
「手口じゃんか。ともかく、お前に出会うまでは酷かったって話」
「今は?」
「君に、あんな男前な彼氏が居るなんて!と、勝手に失恋されてますがなにか?」
「彼氏は、俺か?」
「他に誰がいると」
「いや、友人ポジだとばっかり思ってたんだけど」
「お願い、あたいと付き合って」
「普通に告白してくれたら、付き合うよ」
「また落としたぞ。しかも服汚してるし」
「あ、の……付き合ってください」
「いいぞ、まずはクリーニング屋な。カレーは落ちにくいからな」
「その後は?」
これ以上は聞き取れず。
返事が気になる!
×月□日 某喫茶店にて!
- 351 : 忍法帖【Lv=5,xxxP】(1+0:3) :2012/11/11(日) 20:41:06.25 ID:u5oGuvGO0
- 間の使い方が凄く上手なのかな?絵とか空気がありありと浮かんだ 女顔は本気の告白の時声震えてたんだろうなあとか
男前は中身も男前だね!
萌えたよGJ!
- 352 :風と木の名無しさん:2012/11/11(日) 21:13:43.17 ID:yDT49fz9O
- 萌えた!
攻めも受けも記録者?さんも350も皆GJ!
- 353 :風と木の名無しさん:2012/11/11(日) 23:13:23.29 ID:64WAuswW0
- 受け男前だな
攻めも可愛い
私も返事が気になる、GJ!
- 354 :風と木の名無しさん:2012/11/12(月) 03:02:51.48 ID:y8d4iy2t0
- 某スレ風味でおもしろいw 男前が好きだGJ!
- 355 :風と木の名無しさん:2012/11/12(月) 19:56:38.61 ID:jaPTpBTJ0
- まわし
- 356 :風と木の名無しさん:2012/11/12(月) 22:21:09.88 ID:bNuhKeEt0
- マワーッス
- 357 :風と木の名無しさん:2012/11/12(月) 22:27:43.43 ID:rDYGwhwV0
- くるくるまわーし
- 358 :風と木の名無しさん:2012/11/12(月) 22:51:32.71 ID:foGnQcyu0
- 踏みたまえよ
- 359 :風と木の名無しさん:2012/11/12(月) 22:56:18.03 ID:uEEoehb70
- 腐れ縁の旅路
- 360 :1/2:2012/11/13(火) 01:41:34.61 ID:mleYXBhw0
- 「勇樹、お前強くなったよなあ」
という唐突な一言は俺が今せっせと引きずっている棺桶の中から響いた
「い、いきなり何だよ?」
つい数ヶ月前まで'まさに平凡'といった人生を生きてきた俺は
慣れない褒め言葉を聞いて照れを隠し切れない変な声で返事をした
「だってそうだろー、ここに飛ばされた頃はオレもお前も同じ位でさー
倒せるモンスターも同じ数だったし、オレが死ぬ時は大体お前も死んでただろ」
そう俺達は数ヶ月前何の脈絡もなくこの王道ファンタジーな異世界に飛ばされた
外に行けばモンスターが出るし、当然の如く魔法(俺は使えないけど)も存在している
今でこそ流れ着いたギルドで用心棒まがいの仕事をしているが
最初の数日なんかは本当に酷かった、思い出したくもない位にだ
「それが今じゃあ、あのアホみたいに硬い竜もお前一人でバリバリ倒すし
今だって死んだオレ引き摺って悠々帰路についてんじゃんかぁ?」
明らかに拗ねている声で棺桶の中の恭介が愚痴る
日本に居た頃やったRPGの死体はこんなにお喋りでは無かったが
この世界では'棺桶の中の死体は喋る'というのが常識だ
「あれはお前の攻撃力UP魔法の補正が入ってるからだろ
今こうして普通に帰れてるのも恭介がちょくちょく回復してくれたからだし」
「あんなの微々たる物ですー、大体何でオレだけ魔法タイプなんだよー…」
最初は俺も恭介もナイフで戦っていたのがいつの間にか
俺は大剣を使うようになり恭介は魔法を使えるようになった
今日みたいに恭介一人が死ぬ度コイツは「自分は弱い」と拗ねるが
正直言って高難易度魔法をポンポン掛けて来るコイツが弱い訳無いと俺は思う
- 361 :2/2:2012/11/13(火) 01:43:24.83 ID:mleYXBhw0
- 「俺は魔法羨ましいけどなあ、パーっと光って綺麗だしさ」
「綺麗でも弱けりゃ意味無いだろぉ、一人で竜と会ったら即嬲り殺しなんだぜ?」
恭介の使える魔法はサポート魔法や回復魔法ばかりだ
恭介が魔法を使い始めた頃今よりずっと弱かった俺が死んで死んで死にまくるのを見て
ついつい俺を生き延びさせる様な魔法ばかりを練習してしまったせいらしい
魔力皆無の俺にはよく分からないが最初の頃に補助魔法にのみ入れ込んでしまうと
攻撃魔法は習得し辛くなってしまい逆もまた然りなんだと恭介が言っていた
「その時は俺が駆けつけて変わりに戦うよ、……今日は遅かったけどさ」
「まー確かに、もうちょい早く来てくれたらギリギリ生きて帰れたかもなぁ」
「……悪い」
「いえいえ来てくれたってだけでと〜っても感謝してますよ?」
芝居がかった声でそうふざけた少し後、急に真面目な声になった恭介は言った
「……冗談抜きでさ、ホントに感謝してんだぜ
一緒に飛んだのがお前じゃなきゃここまで生き残れなかっただろうしな」
「俺もお前と一緒で良かったよ、最初の一日とか一人だったら100%モンスターの餌だしな」
「うぎゃー!!止めて!思い出したくなーい!!!」
後ろから響く間の抜けた声と棺桶の重さに何故か安心を感じて
とりあえずもう少し速く駆けれるようになろうと俺は思ったのだった
- 362 : 忍法帖【Lv=5,xxxP】(1+0:3) :2012/11/13(火) 02:11:27.62 ID:/ABkRoEK0
- ネトゲかと思ったら・・・
ほのぼのしました
GJです
- 363 :風と木の名無しさん:2012/11/13(火) 02:59:55.12 ID:NsjU7jrhI
- こういうの好きだー設定も好み
続きが読みたい!GJでした!
- 364 :風と木の名無しさん:2012/11/13(火) 06:47:59.55 ID:Imuc6sBG0
- 王道RPGいいよね!!GJ!!
- 365 :風と木の名無しさん:2012/11/13(火) 13:16:21.74 ID:gTzK99z2O
- ファンタジー異世界にトリップ系は正義だよ!!GJ!!!
- 366 :風と木の名無しさん:2012/11/13(火) 14:57:30.08 ID:ZR3wUpq/0
- 設定が良いし見守りたくなる二人だね
GJ
- 367 :風と木の名無しさん:2012/11/13(火) 16:49:54.62 ID:FrgxTmKQ0
- すっごく好きです!
場面が想像しやすかったから
漫画みたいなページを浮かべながら読んでたんだけど
たった今現在の恭介が映ってるコマの台詞は
どんな台詞でも全部棺桶から出てるんだなと思って
途中から更に笑い萌えてしまったww
*9も*0もありがとう!GJ!
- 368 :風と木の名無しさん:2012/11/13(火) 17:26:39.32 ID:nZS1rEa30
- 素晴らしい萌えをありがとう!
そして次の萌えのため踏み台となりましょう
- 369 :風と木の名無しさん:2012/11/13(火) 17:40:09.91 ID:Afrngj6Z0
- 無口×饒舌
- 370 :風と木の名無しさん:2012/11/13(火) 19:02:20.35 ID:qbpTFWIq0
- 一応俺だってモテるんだぜ? お前はわかってないかもしれないけど!
時々不安になるわけだよ、俺だって。仁は俺に執着ないんじゃー、ってなるの!
いつも何もいわねーし? 言わないとわかんないことだってたくさんあるから!
……なあ、聞いてる?
パフェをスプーンでつつきながら、良哉は俺をにらみつける。
彼の綺麗な顔にはたとえ眉間に皺が寄せられても綺麗だなあ、と思った。
アイスコーヒーをストローで啜りながら縦にうなづくと、ホントかあ? とあからさまに疑ったような声色。
実際聞いていたので、ちょっとムッとしてみたり。唇からストローを離して、小さく聞いてた、と今度は口にする。
「じゃあ俺なんていった?」
少しの間を置いて、深く息をつく。俺が愛情表現下手なこととか、それでも俺は良哉がいないと駄目なことなんて、
こいつはよくわかってると思ってたのに。そんなことを考えていると、俺の言葉がごまかしだったと思ったのか、
ほら聞いてないじゃん、と不貞腐れる。
「……ったく」
呟いて、立ち上がって、机に手をついて身体を近づける。仁、と俺の名前を呼んだのを無視して、軽く口付けた。
ゆっくりと距離をとると、良哉はぱくぱくと金魚みたいに口を開け閉めしていた。面白い。
俺は席に座りなおして頬杖をつき、彼に微笑を投げる。
「伝わった?」
「……う、ん」
俺は喋るのが下手だけど、良哉を黙らせるには、行動で示すのが一番いい。
だから口下手を直す気はない……と思っていることは、秘密だ。
「」
- 371 :風と木の名無しさん:2012/11/13(火) 23:00:25.68 ID:pQBV1Ujt0
- 不意打ち素敵だー!GJ
- 372 :風と木の名無しさん:2012/11/14(水) 19:04:26.29 ID:gsNm/Eu60
- まわし
- 373 :風と木の名無しさん:2012/11/14(水) 19:51:52.64 ID:RA4qP0Ug0
- まわし
- 374 :風と木の名無しさん:2012/11/14(水) 20:28:21.16 ID:2PEZpaouO
- まわし
- 375 :風と木の名無しさん:2012/11/14(水) 22:04:48.92 ID:YfAA1tfu0
- まわし
- 376 :風と木の名無しさん:2012/11/14(水) 22:22:19.15 ID:QXQxzFUv0
- まわし
- 377 :風と木の名無しさん:2012/11/14(水) 22:58:31.97 ID:XfZcqUe60
- まわし
- 378 :風と木の名無しさん:2012/11/14(水) 23:19:30.72 ID:NISmyB440
- 踏んでくれてかまわんよ
- 379 :風と木の名無しさん:2012/11/14(水) 23:25:47.71 ID:A5NpLjjP0
- 受けがじめじめ系中二病男子
- 380 :風と木の名無しさん:2012/11/15(木) 23:26:34.83 ID:ifdVkY7y0
- お流れかな
- 381 :風と木の名無しさん:2012/11/15(木) 23:32:36.58 ID:JCvwR+bn0
- 残念だけどお流れだね
- 382 :風と木の名無しさん:2012/11/15(木) 23:50:44.55 ID:hRDuneKh0
- では盛大に回しますか
あ それそれ
- 383 :風と木の名無しさん:2012/11/16(金) 00:01:49.70 ID:LPFT0rqh0
- じめじめ系中二って
愛だとか言っても百年足らずですべて消えていくのに無意味だとかなんとか
ちょっと消極的な方向性のやつなのかな
邪気眼みたいにアグレッシブなのじゃなくて
- 384 :風と木の名無しさん:2012/11/16(金) 00:15:12.04 ID:CYFi7Ur80
- >>383
>>379を踏んだ者ですが、まさしくそんな感じのです!
わかりにくい表現で申し訳なかったorz
流れてしまったものは仕方ないまわし
- 385 :風と木の名無しさん:2012/11/16(金) 00:33:47.47 ID:6c5F/pBj0
- 近頃お流れも結構あるしタイミングが悪かっただけだよドントマイケル
まわし
- 386 :風と木の名無しさん:2012/11/16(金) 01:09:39.83 ID:aSi6g2pE0
- まわし
- 387 :風と木の名無しさん:2012/11/16(金) 01:12:40.02 ID:XTtFR/PDO
- まわし
- 388 :風と木の名無しさん:2012/11/16(金) 01:33:12.39 ID:73s6FVNe0
- 踏み台どうぞ
- 389 :風と木の名無しさん:2012/11/16(金) 01:40:23.23 ID:8XSPw5bP0
- 騎士と傭兵
- 390 :風と木の名無しさん:2012/11/16(金) 16:46:51.06 ID:d2aQPlCcO
- なあエスクワイヤ、俺の生き方はこうだ。
はした金貰っては人を殺して、勝っても負けても手前が死なねえ限りはまた次の戦場の次の戦争で次の人殺しをする。
腐れ外道の祖先から代々続く稼業の、染み付いた業や血の臭いは、そう簡単に消えたりしない。
だからなあ、違わず腐れ外道な俺は、刃向かうのなら赤ん坊だろうがガキだろうが構わず殺すよ。勿論、お前も。
だがまあ、俺の御主人サマがご所望なのは、テメェみてえな三下の命じゃねえ…っつーのは、わかってんだろ。
ほら、どけよエスクワイヤ。随分手こずらせてくれたじゃねえか。
怪我はかすり傷だな?じゃあとっとと逃げて、それで……あぁ?おい、何の冗談だ。
死ぬかもしれねえとんでもねえ劣勢の時、俺は泣き喚いたぜ。助けてくれ、死にたくねえ、ってな。周りもそうだった。祈って騒いで銃をぶっぱなして、命からがら生き延びた。
お前は生きたくねえのかよ?
あぁ、そうかい。なら俺が、今ここで、お前を殺すよ。
………なあ、ところでお前、俺に見覚え、ねえのかよ?
- 391 :風と木の名無しさん:2012/11/16(金) 16:48:02.99 ID:d2aQPlCcO
- 腰に仕込んだ短剣を、目の前の青年の心臓へと真っ直ぐ突き付ける。
避けようと彼が間合いを取ったその隙に、先程弾かれた長剣を拾い上げた。
まだ動ける。彼が言った通り、怪我はかすり傷だ。
だが、逃げる訳にはいかない。この男に私の御主君を追わせる訳にはいかないのだ。
私のマスターを殺したこの男に、私がどれだけ長く応戦出来るのかは、解らないけれど。
どうか、遠くまで逃げてほしい。そして、生きて欲しい。
充分すぎる程、幸せな命だった。
自らの信念とあの方達を守るためならば、死ぬ事は怖くない。
「貴様の顔に見覚えなどあるものか」
意図の解らぬ問い掛けを切り捨てて、私は剣を構える。
◆◇
彼は、私が幼少を過ごした生家の、生け垣をくぐって現れた。
私の世界を彩った四つ年上の秘密の友人は、ある日突然、私の前からいなくなった。途方も無い寂しさからか私は彼を努めて忘れようとした。
やがて七歳になり御主君に仕え始めた私は、自然とそれに成功した。
その事を、私はついに思い出す事はできなかったから。
霞む視界の中で青年が私の名を呼び、泣く理由を、私は知らない。
- 392 :風と木の名無しさん:2012/11/16(金) 17:32:30.45 ID:q3DyG0jJ0
- 切ねえGJ
こいつらの話もっと見たくなった
- 393 :風と木の名無しさん:2012/11/16(金) 18:31:10.83 ID:nr49Ako/0
- 切なすぎて言葉が出ない。
GJでした。
- 394 :風と木の名無しさん:2012/11/16(金) 18:58:25.75 ID:Bv6q1Ck80
- 切ないなぁ…
二人の心情が良かったGJ
- 395 :風と木の名無しさん:2012/11/16(金) 21:36:34.81 ID:8XSPw5bP0
- 生かそうとした傭兵の気持ちを思うと…
切ないGJ
- 396 :風と木の名無しさん:2012/11/17(土) 00:26:39.54 ID:p8iu8qtv0
- 切なすぎる。涙で前が見えないよ
GJ
- 397 :風と木の名無しさん:2012/11/17(土) 19:03:10.97 ID:3ZNnTHJl0
- まわします
- 398 :風と木の名無しさん:2012/11/17(土) 19:20:46.42 ID:iZ6B3O+DO
- 踏み台
- 399 :風と木の名無しさん:2012/11/17(土) 19:21:04.57 ID:XxljBL/z0
- 行き過ぎた友情
- 400 :1/1:2012/11/18(日) 00:50:28.64 ID:irz41vez0
- 「なぁなぁ、お前は興味ある?」
唐突にかかった声に、仕方なく読んでいた本から顔を上げる。その先にはチェシャ猫のような笑顔。
「……何に?」
「『行き過ぎた友情』ってやつに」
寮の同室になってから二ヶ月。同室の彼の、こういった唐突な物言いにも、いい加減慣れてはきたけれど。
「なんだいそれは」
溜息が出るのは止められない。
「全寮制男子校じゃよくあることらしいぜ? ま、ただの興味本位だけどな。真面目な優等生君はどうなのかと思っただけさ」
相も変わらずチェシャ猫のような笑顔の、その不思議な色を湛えた瞳。いつもの瞳の色とは、違うような気がした。その瞳の色を見ていたら、何故だろう、
「そうだね……『友情』のカテゴリーからは外れるかもしれないけど、風紀委員長は尊敬できる人だと思ってるよ」
そんなセリフが口をついて出てきた。
彼は一瞬、真顔に戻ったように見えた。ほんの一瞬のこと、気のせいだったかもしれない。次の瞬間には、彼は元のチェシャ猫の顔に戻っていたのだから。
「へぇ。そういやお前、風紀委員だっけ」
面白がるような口調。そうだよ、とだけ返して、僕はまた読書に戻った。
一年の子猫が堅物の風紀委員長を落とした。そんな噂が校内を駆け巡ったのは、それから一週間後のこと。僕に代返を頼んだのち、消灯時間をはるかに過ぎて部屋に戻ってきた彼は、友達がどんなのに興味があるのか知りたかったんだ、と、またチェシャ猫のように笑った。
- 401 :風と木の名無しさん:2012/11/18(日) 21:09:25.49 ID:7lfkXHmS0
- おおふ萌えたわ
こういうの好き
GJ
- 402 :風と木の名無しさん:2012/11/19(月) 01:06:25.50 ID:dcrkeUJD0
- まわわ
- 403 :風と木の名無しさん:2012/11/19(月) 01:14:32.13 ID:Fczbg5QAO
- まわし
- 404 :風と木の名無しさん:2012/11/19(月) 01:21:32.13 ID:K4snU8b+0
- うっわ先が気になる!!
虎視眈々と狙うチェシャ猫くんと分かってるんだかいないんだかな風紀委員くんの攻防
いいんちょが可哀相だがこの二人でいってほしい
GJでした!!!
- 405 :風と木の名無しさん:2012/11/19(月) 01:35:30.01 ID:9nDy64tz0
- やっとかまわし
- 406 :風と木の名無しさん:2012/11/19(月) 01:38:33.19 ID:7doJp8Dv0
- まわし
- 407 :風と木の名無しさん:2012/11/19(月) 03:44:33.31 ID:GxwCEJmX0
- まわしてー
- 408 :風と木の名無しさん:2012/11/19(月) 04:58:50.87 ID:BTlM9zFdI
- 踏まれる
- 409 :風と木の名無しさん:2012/11/19(月) 06:11:43.95 ID:buzVFKVpO
- どうもこんばんは、僕です。
- 410 :1/2:2012/11/19(月) 12:17:58.46 ID:Bu5Ure840
- 「ただいま」
誰もいないことがわかっていても、何も返ってこないことがわかっていても、帰宅して開口一番に「ただいま」と言ってしまう。実家を出て16年、34歳になった今でも。
物心ついたころから数えてしまえば、もう人生の半分以上は一人で暮らしていることになる。抜けきらない習性だ。
ガサガサとコンビニの袋を揺らしながらリビングへ向かうと、こんばんは、と声がした。
廊下とリビングとを仕切るドアを盾にして少し身構えたところで、それが今留守電にかかってきている声なのだと気がついた。
こんな時間にかけてくるのは添田ぐらいのものだ。
先週からずっと、彼からの電話に出ていない。
そんな気がしないからだ。
出てしまえば冷めかけた気持ちへの後ろめたさに沈黙してしまいそうで、それを破る代わりに意味もなく別れを切り出してしまいそうで。
福井は電話を取らずにいた。今夜も。
廊下に立ち尽くしたまま、リビングの明かりもつけずに添田が口にするメッセージに耳を澄ました。
いつもと同じ。退屈で平和で、面白味のない話ばかり。
はじまりは決まっている、少し緊張気味な「どうもこんばんは、僕です」という挨拶。先ほど耳に入ってきたのはそれだろう。
昼に食った蕎麦屋がどうの、同僚の嫁さんがどうのと、何ひとつ有益でない話をする
福井を責める言葉もなく、わがまま一つ言うこともなく。
「会いたいとかなんとか、ねーのかよ。馬鹿野郎とか」
- 411 :410-2/2:2012/11/19(月) 12:20:14.34 ID:Bu5Ure840
- 福井は、添田が出会った猫の話を聞きながら台所へ向かった。帰りに寄ったコンビニで、ふと気が向いてアイスクリームを買ったことを思い出したからだ。
リビングの明かりをつけ鞄をソファの脇に置く。
気付くと電話から添田の声は聞こえなくなっていた。
気にせず買ったものを冷蔵庫へ入れていく。
弁当を温めなおそうとレンジに入れたところで、また添田の声がした。
「ねぇ」という声を聞き、まだ電話が切れていなかったことを知る。
カウンターに置かれた子機の画面に緑の明かりがついている。流星群がどうのと言っているのが聞こえた。
ソエダと表示された画面に、知らず手が伸びる。
耳にあて「もしもし」と発する。小さく戸惑う声が聞こえてきた。
「添田、久しぶり。元気か?…悪いな電話。……あのさ、俺今日アイス買ったよ、お前が、一昨日ぐらいに電話で言ってた」
構わず話してみるが、反応がない。
「添田?」
「え?あ、うん。…どうもこんばんは、僕です」
照れた声に気が緩む。
「知ってるよ。で、流星群がなんだって?」
「いやいいよ、君のアイスの話が聞きたい」
- 412 :風と木の名無しさん:2012/11/19(月) 12:45:35.72 ID:nPIk/UcIi
- 個人的に凄い好きな文体と雰囲気だ
その歳だからこその安定感と不安定さが伝わる
凄い好き!GJ!!
- 413 :風と木の名無しさん:2012/11/19(月) 18:05:19.67 ID:Dj0xe9ht0
- 雰囲気良いね!この二人のなり初めの話とかこれからの話とかも読みたくなったよ
GJ!!
- 414 :風と木の名無しさん:2012/11/19(月) 19:30:23.99 ID:buzVFKVpO
- うっひょーじんわり染み入るように萌えた
添田かわいい…福井もかわいい……
すっごくGJです…!
- 415 :風と木の名無しさん:2012/11/19(月) 20:01:45.42 ID:anRQmHLc0
- こういう繊細で微妙な空気の作品大好き!
ありがとうGJ
- 416 :風と木の名無しさん:2012/11/19(月) 21:48:45.11 ID:EaR1QyoXi
- 雰囲気が良いのもあるけど個人的に終わり方が凄くツボった。この暖かい感じの文体も好きだ・・・。
GJですありがとう。
- 417 :風と木の名無しさん:2012/11/19(月) 22:29:24.36 ID:Z0yztfiQ0
- こーゆーの待ってた〜〜〜 GJ!!!
- 418 :風と木の名無しさん:2012/11/19(月) 22:47:52.49 ID:le8dVuiMO
- 踏み台
- 419 :風と木の名無しさん:2012/11/19(月) 22:48:18.47 ID:pUH+43180
- 昔、あるところに
- 420 :1/2:2012/11/20(火) 15:57:19.87 ID:wKURMm+S0
- 昔、あるところに世界を護った孤独な竜がいました
その竜は優しい竜でしたがとても大きく強かったので
小さな人間達にはどうしても竜が恐ろしく見えてしまいました
ある日その竜の巣に一人の旅人が転がり込みました
全身傷だらけで今にも息絶えてしまいそうな旅人は言いました
『自分は世界を脅かす恐ろしい事実を知ってしまった
これを皆に伝えるまでは死ぬ訳にはいかない
不躾な願いとは分かっているがこの巣でしばし休ませて欲しい』と
竜はその願いを聞き入れました、旅人の瞳が真実を物語っていたからです
旅人は介抱のお礼代りにいままでしてきた旅の話を沢山しました
年中雪がふる国の話、夜の明けない街の話、双子ばかりが住む島の話
魔法が発達した都市の話、そしてこの世界に迫る闇の話
幾分か元気になった旅人が巣を立つ前日の夜、竜は旅人に聞きました
『お前は私が恐ろしくないのか』と、旅人は返しました
『優しい貴方は怖くない、怖いのは帰る世界が無くなる事だけ』
巣を立つ朝旅人は言いました『まだまだ話してない旅が有る』と
『貴方と話をしに戻る』と、竜は理由も分からず嬉しくなりました
旅人が巣を立った少し後闇との戦争が始まりました、竜も闇と戦いました
沢山の闇を討ち世界が平和になっても旅人が戻る事はありませんでした
昔、あるところに世界を護った孤独な竜がいました
ある旅人の帰る世界を護った優しい竜がいました
たった一人の人間ともう一度話がしたかった竜がいました
- 421 :2/2:2012/11/20(火) 15:58:46.19 ID:wKURMm+S0
- ――――――――
チビ達を寝かしつける為に聞かせる御伽噺
いつもは大体俺が聞かせるのだが今日は久々にカイが話した
その御伽話は、あの時にやけに似ている話だった
最近やっと抑揚を付けて話せるようになったカイは子守も随分板についたようで
「え〜、こんなの竜が可哀想だよ〜!」
「旅人さん何処行っちゃったのー?」
なんて悲しいお話に不満を溜めたチビ達に群がられても頭を撫でて軽くあしらっている
最初にコイツを孤児院につれて来た頃の惨劇が今では嘘のようだ
初めて会わせた時はカイの顔にある傷と鋭い眼光を見てチビ達は泣き出したし
カイの方もほとんど接した事のない小さくて弱い子供を見て無表情のまま戸惑っていた
まだまだ騒ぐ気のチビ達を無理矢理寝かしつけながら俺はカイに声をかけた
「なあカイその話何処の国の御伽噺だよ?俺も始めて聞いたぜ?」
「いや…これは昨日見た夢だ、やけに細部まではっきりした夢だったから話してみた」
その言葉を聞いた瞬間心臓が止まるかと思った、平静を装って何とか言葉を搾り出す
「へえ〜、即興で話せる様になるなんてお前も子守が上手くなったなあ」
「子供たちには不評だったようだがな」
「俺には結構好評だぜ?」
「そうか…」
珍しくカイが少し笑った
「だがやはりお前が話す冒険譚を聞く時の方が嬉しそうだ、明日はお前が話してやれ」
「んー…、いや、やっぱ明日もお前が話してやってくれよ」
「何故だ?」
「今度は"もう一度竜と話がしたかった旅人の話"になっちゃいそうだからさ」
- 422 :風と木の名無しさん:2012/11/20(火) 23:40:48.49 ID:aWUCVeVxi
- 切ないのと甘酸っぱいのが同時にやってきた。おれはカイのことを竜として見てるのか、カイとして愛し始めるのか、これから先が気になる!GJ!
- 423 :風と木の名無しさん:2012/11/21(水) 16:02:40.98 ID:tAP8wygy0
- まわします
- 424 :風と木の名無しさん:2012/11/21(水) 16:12:09.70 ID:zoh0me18I
- 転生ものはいいねぇ…続きが読みたいGJ
まわすよー
- 425 :風と木の名無しさん:2012/11/21(水) 20:13:14.32 ID:lzIduFMJ0
- まわし
- 426 :風と木の名無しさん:2012/11/21(水) 20:13:18.27 ID:DMDZssP30
- まわし
- 427 :風と木の名無しさん:2012/11/21(水) 22:08:18.41 ID:/rHzvV7w0
- まわし
- 428 :風と木の名無しさん:2012/11/21(水) 22:40:20.97 ID:6NrcX3Bk0
- さあこい
- 429 :風と木の名無しさん:2012/11/21(水) 22:42:56.07 ID:fioGPPHM0
- 薄くなったカレンダー
- 430 :風と木の名無しさん:2012/11/21(水) 23:11:49.63 ID:nuEuEaZb0
- 別れの時間が、近づいている。
野江が今月末に転校するんだ、といったあの日からもう2週間が経つ。
祖母の家の日めくりカレンダーはどんどんと薄くなっていって、
それは同時に彼との別れが近づいていることを示していた。
2週間前のあの日から、俺と野江は口をきいていない。
もっともっと最初のほうに教えてくれるべきだったんじゃなかったのか、とか、
……俺っていう存在があるのに、するりと消えることに抵抗はなかったのかな、とか。
わかっている。彼が、そんな簡単な想いで俺に告げたわけではない、ということ。
でもやっぱりくるしくて、つらいのは、……俺がどうしようもなく野江が好きだから、ってだけで。
「はあ」
五度目、かな。それくらいになるため息がつくと同時に、携帯電話が震える。画面を見る。
野江祐介。意地でも話してこなかったのに、限界だったのか、自然と通話ボタンを押していた。
『もしもし』
「なんだよ」
『……冷たくね?』
「当たり前だろ、バカ」
声が震えた。多分、泣きそうになっているのだと思った。けれどもなけなしの自尊心がどうにか涙腺を引き締める。
『正直ね』
「うん」
『出てもらえないかと思った』
「……うん」
『俺さ、お前のこと好きだよ』
「んだよ。いきなり」
『言っておかなきゃいけない気がしたから』
いつになく鋭い声色に心が揺れる。会いたい。会いたい、会いたい、会いたい。
野江の黒い髪に触れたい、眼鏡越しの優しい瞳を見たい、あの優しい声をちゃんと、生で聞きたい。
「今から」
『ん?』
「お前の家、行く」
『……うん、おいで』
携帯を握る指先に力がこもる。視線をうつせば自然と目に入るカレンダー。
彼が俺の目の前からいなくなるまで、あと4日。
好きだよ、の想いを精一杯、ぶつけなくちゃ。
- 431 :風と木の名無しさん:2012/11/22(木) 09:13:16.03 ID:kuQYdiUO0
- >>430
せつないけど前向きでいいなぁ。
GJ!
- 432 :風と木の名無しさん:2012/11/22(木) 23:10:54.65 ID:dKe1ZkVXO
- しあわせになれー
まわしますぜー
- 433 : 忍法帖【Lv=13,xxxPT】(1+0:3) :2012/11/22(木) 23:11:51.11 ID:aYzF3CiI0
- まわしー
- 434 :風と木の名無しさん:2012/11/22(木) 23:28:58.06 ID:ZZ7iILS8O
- まわし
- 435 :風と木の名無しさん:2012/11/22(木) 23:40:28.01 ID:Qmh8uCAV0
- まわし
- 436 :風と木の名無しさん:2012/11/23(金) 03:30:22.00 ID:AQewJ7Xb0
- まわし
- 437 :風と木の名無しさん:2012/11/23(金) 03:56:19.85 ID:NcjnzfpDO
- ぐーるぐる
- 438 :風と木の名無しさん:2012/11/23(金) 04:11:07.31 ID:l3+Uucby0
- 踏んでくれ!
- 439 :風と木の名無しさん:2012/11/23(金) 04:19:28.50 ID:ko5nxbGh0
- 百戦恋磨
- 440 :1:2012/11/24(土) 02:25:10.42 ID:Fe9i2gp30
- 人の流れをよけて壁際に立ち、携帯を開く。メール画面を睨んだまま、数分。
どういう文面にしたら自然か、そんなことを考えていたら、何をどう書いていいか分からなくなってしまった。
「佐々!」
呼ばれて顔を上げれば、今メールを送ろうとしていた相手、黒田がこっちに向かって手を振っていた。
人の流れを器用に縫って、こっちにやってくる。
「今日はもう講義ないだろ? 少し早いけど、メシでも食いに行こうぜ」
「ん。僕も今、メールでそう誘おうかって、思ってたとこだった」
携帯を閉じながら言えば、黒田が破顔した。
「そっか。じゃぁ、どこ行こうか。なんか食べたいもんある?」
「ラーメンかな」
「なら來来亭だな。この前は臨時休業くらったもんなぁ」
「そ。それ以来行ってないから」
「もう開いてんだろうし、行くか」
肩に手をかけて促され、心臓が軽くはねる。黒田に好きだと告白されてからというもの、
こういうスキンシップがあきらかに増えた。今みたいに肩に手をかけるだけじゃなく、冗
談の延長みたいに肩を組んできたり、髪をかすめるように軽くなでられたり。僕はその度
に右往左往させられっぱなしで。
ふと、手の甲がかすめるように触れていった。またも心臓がはねる。伺うように黒田を
見れば、優しく微笑む瞳にかち合う。本当に心臓に悪い。
「どうした?」
「なん、も」
たまらず目をそらす。顔と耳が熱い。多分顔が真っ赤になってるに違いない。恥ずかしくてたまらない。
こういう扱いには慣れてなくて、もう、どうしていいか分からない。
- 441 :ラスト:2012/11/24(土) 02:26:35.69 ID:Fe9i2gp30
- 黒田と知り合ったのは、大学に入ってからで、知り合ってからこちら、黒田が連れ歩い
ていた女の子は、片手で足りないくらいいたと思う。それがパタリとやんだのが、一ヶ月前。
それから二週間後に好きだと告げられ、本気でいくから覚悟してねと宣言され、今に至るわけで。
エントランスの扉に手をかけようとして、黒田の手が触れて、また顔が熱くなる。黒田がふと笑う気配。
完全に黒田の術中にはまってるみたいで、なんだかだんだん悔しくなってきた。
外に出ると、冷たい風が頬をなでていく。秋晴れだ。
「いい天気だなぁ」
横を見れば、気持ちよさそうに空を仰ぐ黒田の横顔。
こっちはこれだけぐるぐるしているというのに、涼しい顔をしている黒田に、またも悔しさが頭をもたげる。
「僕、黒田が好きだよ」
言葉はするりとこぼれ落ちてきた。昨日の夜さんざん悩み抜いたのが嘘みたいに簡単に。
鳩が豆鉄砲をくらったような顔になった黒田をちょっと笑って、僕は溜飲を下げたのだった。
- 442 :風と木の名無しさん:2012/11/24(土) 02:29:38.45 ID:qsypJh2W0
- いいなあいいなあ!!!
すごくツボに入って好きだ!ありがとうGJ!
- 443 :風と木の名無しさん:2012/11/24(土) 17:53:35.18 ID:8cQzpNK20
- ニヤニヤしたよGJ
- 444 :風と木の名無しさん:2012/11/25(日) 02:27:05.38 ID:I1UomiGc0
- まわし
- 445 :風と木の名無しさん:2012/11/25(日) 03:19:10.71 ID:FQ0+T2HX0
- まわしー
- 446 :風と木の名無しさん:2012/11/25(日) 03:25:55.17 ID:lPcEMjvTO
- まわしますぜー
- 447 :風と木の名無しさん:2012/11/25(日) 07:06:48.14 ID:KOGL+4sL0
- それまで女女!だったのがこうなるっていい!
*0のお題の出し方もすきだよー二人ともGj
では踏み台の踏み台に
- 448 :風と木の名無しさん:2012/11/25(日) 08:05:05.65 ID:DEs37BpV0
- 踏んでくれ
- 449 :風と木の名無しさん:2012/11/25(日) 08:06:46.65 ID:boGcrxfxO
- ヒーロー×ダークヒーロー
- 450 :1/2:2012/11/25(日) 15:35:37.88 ID:OUlQRlX60
- 「たっだいまー!…って、まだ寝てんのかよ!起きろ起きろ!」
「………うるさい…」
「日曜日だぞ!天気もいいぞ!外出ようぜ!なあなあなあなあ!」
「うるさいと言っている…」
「なんだよー」
「仕事明けだ。寝かせろ」
「オレだって仕事明けなんですけど。つーか、仕事終わりで直帰なんですけど」
「…………」
「朝イチで戦って実はくたくたなのに、基地にも寄らずにアンタのところに即行で帰ってきたんですけどー!?」
「……まったく……本当に朝から喧しいなお前は」
「おっ。ようやく起きたな。おっはー」
「…………」
「む。なんだよその冷たい目。うちのブルーといい勝負だぞ」
「俺の目つきが悪いのは元々だ。あの格好つけたがりの青いガキと一緒にするな」
「あーまたそういうこと言う。そういう態度だから、いつまで経ってもアイツと仲良く……って、ん?
あれ、今もしかしてブルーの『青』と『青い』ガキでかけた?『青』でかけた?なあなあ」
「鬱陶しい…」
「いやいや、マジな話、アンタもう少し隙作った方がいいって!その方が子供も怖がらないと思うぞ」
「ふん。ガキにまとわりつかれる方が迷惑だ」
「素直じゃねーなー。いっつも女子供うぜー弱者うぜーつってるのに、最後には助けるじゃん」
「助けていない。あいつらが勝手に助かるだけだ。俺は気に入らない奴らを倒せればそれでいい」
「んー…まあアンタがそれでいいなら無理は言わないけどさ。でも、勿体ねーよ」
「何がだ」
- 451 :2/2:2012/11/25(日) 15:36:50.14 ID:OUlQRlX60
- 「アンタすげー強くて、格好良くて、いい奴なのに。周りが誤解してるのって悔しくねえ?」
「馬鹿馬鹿しい。俺は誰とも馴れ合うつもりはない」
「え。えええええぇぇ!?」
「どうした」
「誰ともって……オレとも嫌なの!? そりゃ孤独至上のアンタを落とすのにちっとは強引な真似したけどさ
でも最後には受け入れてもらえたって、………ハッ。もしかしてオレの事、本当はうざいとか思ってる!?」
「……。お前は毎度毎度その飛躍しすぎな思考回路をどうにかしろ」
「だ、だって、アンタ冗談言わないだろ。言ったとしても笑えないブラックジョークで」
「ほう。笑えなくてすまないな」
「あ、いや、問題はそこじゃくて!なあ、どうなんだよ、アンタ本当は、」
「煩い。黙れ」
「うっ」
「お前が俺の前に現れてから、毎日が煩くて敵わない。勝手に怪我を治療しようとする、
挙句に飯を食え、風呂に入れ、睡眠をきちんととれなどと、どうでもいい世話を焼く、
そのくせ、ひとが眠っていようが構わず叩き起こしてまた騒ぐ。本当に煩い。俺は雑音が嫌いだ」
「うう……」
「だが、お前は特別だ」
「…………え」
「太陽の下もたまになら悪くない」
「え、え、え? ちょ、今なんて」
「寝る」
「なんでだよ!起きたばっかだろ!?なあ、もう一回!今のもっかい言って!ちょ、布団かぶんなよ!
アンタに二度寝なんて似合わねえよ!あっそうだ、今日は遊園地行こうってほら!チケット買って、なあ、なあってば!」
- 452 :風と木の名無しさん:2012/11/25(日) 18:00:49.94 ID:jbOLfE/R0
- うわああ
この戦隊モノ、一年通して観てみたいよ!
GJ!!!
- 453 :風と木の名無しさん:2012/11/25(日) 21:43:04.09 ID:FQ0+T2HX0
- 素晴らしい!
レッドさん可愛いよレッドさん
GJ!
- 454 :風と木の名無しさん:2012/11/26(月) 20:23:00.85 ID:09WW12b40
- まわします
- 455 :風と木の名無しさん:2012/11/26(月) 22:17:32.83 ID:RcOHfIX40
- まわわー
- 456 :風と木の名無しさん:2012/11/26(月) 23:31:52.52 ID:VaLuzcR5i
- まわまわまー
- 457 :風と木の名無しさん:2012/11/26(月) 23:58:49.23 ID:7LyBh/7O0
- まわしー
- 458 :風と木の名無しさん:2012/11/27(火) 01:35:11.40 ID:oY7IK9rF0
- 踏み台どうぞ
- 459 :風と木の名無しさん:2012/11/27(火) 01:36:48.87 ID:+qdYRDgn0
- 京都人×東京人
- 460 :風と木の名無しさん:2012/11/28(水) 06:10:55.63 ID:gmhXXcAoO
- まあむずいわなー
残念、まわまわ
- 461 :風と木の名無しさん:2012/11/28(水) 07:49:09.24 ID:FWDrllHF0
- まわし
- 462 :風と木の名無しさん:2012/11/28(水) 11:04:51.79 ID:zvss2fgbO
- 本音は隠したまま、あくまで人当たりよく友人のまま接する京都人
までは自分の萌えだったが、西日本住みなので東京人がわからなかったまわし
- 463 :風と木の名無しさん:2012/11/28(水) 11:22:38.61 ID:+b5jcto50
- 京都弁書けなかったまわし
- 464 :風と木の名無しさん:2012/11/28(水) 11:23:29.69 ID:K900aMWk0
- 東京も都心は地方出身が多くてあまり印象が安定しないなまわし
- 465 :風と木の名無しさん:2012/11/28(水) 11:25:51.75 ID:4iWvNgo50
- 書ける人が京都弁書ける人限定だから難しいねまわし。
- 466 :風と木の名無しさん:2012/11/28(水) 11:49:06.08 ID:DSIIBuLk0
- 京都弁なんとなくは書けるけどお国柄を出すとかができなかった残念まわし
- 467 :風と木の名無しさん:2012/11/28(水) 14:42:07.89 ID:n4+rLnPW0
- 萌えた人は多そうなだけに残念だなまわし
- 468 :風と木の名無しさん:2012/11/28(水) 14:43:23.30 ID:fc7M4FTnO
- 俺屍どうぞ
- 469 :風と木の名無しさん:2012/11/28(水) 14:53:29.68 ID:2yh+1NkY0
- お父さんに似てるね
- 470 :風と木の名無しさん:2012/11/28(水) 14:54:10.75 ID:k4/c5C650
- 引越直後に再会
- 471 :風と木の名無しさん:2012/11/28(水) 20:10:53.76 ID:eHTcp9hy0
- 僕の父は、チャラくて金髪でプラプラしていて、そんな父の様子を反面教師に育った僕とは正反対の位置にいます。
僕は黒髪で眼鏡をかけていて、真面目に生きる事を信条としています。
そんな父が先日、亡くなりました。
葬式の席には、父の幼馴染(僕はのぶおじさんと呼んでいます)がかなり憔悴した様子で参列していました。
おじさんは僕と同じように真面目で勉強が得意な人です。なぜ父と仲が良かったのかわかりませんでした。
父は決しておじさんのようにはならず、いつも僕に、なぜ俺に似ないでのぶにばかり似てるんだと言っていました。
しかしおじさんは、泣き腫らした目で僕を見て、
「なんだ…そこにいたのか、駿」
そう言って、僕のおでこを撫でました。
僕は、「僕はお父さんじゃないよ。のぶおじさん」と言いました。
おじさんは薄く笑って、「そうだよな…君はお父さんによく似ているね」と言うと、また泣きました。
その瞬間、僕はおじさんの中で、父を超える事が出来ない事が確定的に明らかである事を悟りました。
しかしそれでも、僕はのぶおじさんの事を愛してしまっているので
、僕もただ泣いていることしかできませんでした。
お父さん、せめて死んでからは、のぶおじさんへかけた呪いを解いてくださいと願いながら。
- 472 :風と木の名無しさん:2012/11/28(水) 21:10:08.85 ID:yBf6SMjK0
- おお……萌えた GJ
父の過去が想像できていろいろ切ないな
ID違うけど>>470=>>471?
- 473 :風と木の名無しさん:2012/11/29(木) 00:03:32.70 ID:Ni3024+e0
- うおおおおおおおおぉおおGJGJGJ
なんだこれ萌えるGJ
- 474 :風と木の名無しさん:2012/11/29(木) 02:05:56.79 ID:RjuI1kgk0
- しゅんくんが不憫属性であることは確定的に明らか
- 475 :風と木の名無しさん:2012/11/29(木) 03:53:29.83 ID:J67IvrGYI
- 絡みから来たからどういうこと?と思いながら切な萌えてたら
ブロントさんに声出してワロタwww
471にセンスがあるのは火を煮るより明らか
駿君頑張れ
- 476 :風と木の名無しさん:2012/11/29(木) 09:17:27.42 ID:GZBkWvZp0
- >>472
違うよ〜。
471みたいな文が書ければ…っ!
- 477 :風と木の名無しさん:2012/11/29(木) 11:17:39.51 ID:iLLlp5C00
- え、そうなの?
テンプレ違反じゃね?
- 478 :風と木の名無しさん:2012/11/29(木) 11:24:24.38 ID:jm8z3Nhh0
- 違反だね、続きは別館で
そして踏め!
- 479 :風と木の名無しさん:2012/11/29(木) 11:37:11.43 ID:I2Bte3990
- 二才の差が埋まらない
- 480 :風と木の名無しさん:2012/11/29(木) 16:45:27.70 ID:EGa1JSvN0
- お前は3月生まれ、俺は次の年の4月生まれ。
1年ちょいしか違わないのに、学年は2つ違い。
これって由々しき問題だと思うんだけど、どう思う?
「…なんだって?」
だから、1年ちょいしか違わないのに2学年も離れてることがおかしいっての!
「はぁ。まぁ。そうなるね」
なんだよその気のない態度!
1学年でも離れてたら同じクラスにはなれないし、一生ずっと同級生にもなれないし、机が隣り合うこともないし、運動会は敵味方に分かれるし、いいことないじゃん!
- 481 :風と木の名無しさん:2012/11/29(木) 16:52:36.28 ID:IzPLaP9N0
- 「…ぷっ」
な、なんなのその馬鹿にした目は!
それが愛を訴える恋人に向ける目なの!あ〜もうムカつく!
「それならさ、1学年も2学年も違いないじゃないの」
言うと思った!冷たいよねそーゆーとこ!他人とか動物とか、もっと言っちゃえば「俺以外」には優しいくせに!
「2学年違うと、何が違うの?」
え〜、説明しないとわかんないの?マジで?
…だってさ、もうすぐアンタ卒業じゃん?そしたら毎日会えないじゃん?寂しいじゃん?
それが2年も続くとかさ…なんかさぁ…
- 482 :風と木の名無しさん:2012/11/29(木) 17:03:40.49 ID:m9FG2+YO0
- 「なんかさぁ…」
そう呟いて途端に静かになった隆弥を見て俺は口角が上がってしまうのを止められない。
これだけ素直にストレートに感情を向けられて、逃げ出したくならずに寧ろ心地よくなるなんて自分に驚きだ。
「アンタ、大学でも友達いっぱいできて人気者になったりして、サークル活動したら可愛い子に言い寄られたりして、自慢のカノジョとかできちゃうんじゃないの?」
…さりげなく浮気を疑われたような気がするが年上なのでスルーしておく。
「そんでさ、もう毎日会えない俺なんか忘れてさ、大学生活エンジョイしてさ…」
「…それって条件はお互い一緒じゃない?お前も毎日会えない俺なんか忘れて楽しい高校生活エンジョイして可愛いカノジョ作って…」
「…!なんだよそれ!疑ってんのかよ!」
- 483 :風と木の名無しさん:2012/11/29(木) 17:12:09.46 ID:deP6lqFF0
- 「………」
「…あっ!ごめん」
すぐに自分の言ったことを振り返り、そのまま素直に謝罪できるのは隆弥の美点だ。
ひねくれた俺にはできない。
素直な賞賛の気持ちと微かな嫉妬。
こんな俺の気持ち、こいつは理解不能だろうな。
「…俺はたださ、卒業しても毎日…は無理でもさ、なるべくいっぱい会えたらいいな、って言いたかっただけなんだよ」
俺の部屋、俺のベッドのうえ、俺から1メートル以内の距離。
ここまで立ち入らせる存在が、ほかにあると言うのだろうか。
- 484 :風と木の名無しさん:2012/11/29(木) 17:21:47.78 ID:myt7xs8K0
- いつもなら絶対に口にしない感情だが、あまりにも素直に寂しさをぶつけられてたまには俺もなにか言ってみるかと思った。
でも言えない。
隆弥が気にしている2学年差、それが10代のしかも高校生にとってどれだけ大きなものか、俺だってわかっている。
…忘れられるのは俺の方だってこともあるんだよな。
「…あれだな。隆弥は青春真っ盛りってことだな」
「なにそれ!自分だけ大人ぶっちゃって!アンタだって高校生でしょ!」
「学校初の一流大学に合格した優秀な生徒会長、な」
「…うわー!大人げないこと言ってるよ!このひと!」
「悔しかったら…さ」
「ん?」
「…頑張ればいいんじゃないの、副会長も」
(俺は2年間、ずっと待ってるから)
- 485 :風と木の名無しさん:2012/11/29(木) 20:17:31.33 ID:RRuV4b+n0
- ハゲ散らかしましたGJGJ
- 486 :風と木の名無しさん:2012/11/29(木) 20:34:45.40 ID:FhqJ1lVp0
- 勘弁もなにも踏み逃げの事実は変わらんけど。
本当は書いてたなんて嘘だろ。書いてたら0以外に落とすもんな。
謝罪代わりに無理やり萌えられても…本気で萌えてくれた人0以外に落としてくれないかな。
- 487 :風と木の名無しさん:2012/11/29(木) 20:58:11.28 ID:EfdcCCafO
- 切な萌えした…!gjgj!
- 488 :風と木の名無しさん:2012/11/29(木) 22:02:56.40 ID:5jP9Qz1wO
- 存分に踏みたまえ!
- 489 :風と木の名無しさん:2012/11/29(木) 22:07:06.78 ID:A+M9WEOX0
- 変態年下×ツンデレ年上
- 490 :1/2:2012/11/30(金) 18:34:23.60 ID:RHv9G9rk0
- 老剣士、折口さんの居合刀はおっきい。
普通の、たとえば俺の刀の倍くらい重い。厚くて太い。
こしらえが無骨ですり切れてて、稽古の後は汗でじんわり湿っててムンムン湯気吹いてるのが見えるよう。
稽古中は、努めて無心を心がける。その代わり、終わったら晴れて俺の幸せ妄想タイム!
超高そうな山本師範の刀も、美麗でゴージャスな神田さんの刀も、可愛い少年剣士たちの刀もみんな良い。
んだけど、 最近のお気に入りは断然折口さん! の刀!
あの男臭い魅力にはまったらもうたまらん。
折口さん、六十過ぎてるんだよ。師範代になってもいいんだろうけど、流派が違うからここの道場にはあくまでお客さんで通ってきてる。
うちの師匠に師事してるわけじゃない、純粋に鍛えにきてる人。
俺みたいなぺーぺー、口きいたことないよ。道場でだけ会うから、いうもキンキンに緊張感ある。
だからなかなか気づかなかったんだよね、その魅力に。
一度取り付かれると、俺の妄想は最高潮に達した。
折口さんの刀萌え。まじイカす。握りしめたい。ふっといこしらえをはさみたい。
もうね、神聖な居合道的に犯罪的に冒涜的。稽古中はなるべく我慢するけど、正直ガン見だし。
神様ごめんなさい。師範ごめんなさい。俺はいけない変態の子です。
と、気がつくと、道場にはもう誰もいなくて、折口さんだけが俺を見てた。
「……見ていたな」
「いやこれは! 決してその、本気じゃなくて」
「……」
「滅相もない! ややや、すみません本当に!」
俺のうろたえを意にも介さず、折口さんは鋭いまなざしを外してくれない。
妄想以上に、身が縮んだ。
他流派の折口さんをじっと見ること、技を盗むような真似、それ自体が責められることだったのかもしれない。
蛇に睨まれた蛙。達人に気で殺される。斬られる。そんな恐怖で俺は固まった。
- 491 :2/2:2012/11/30(金) 18:36:04.31 ID:RHv9G9rk0
- 「……ほら、持ってみろ」
──え? あれ?
ぐいと突き出された折口さんの刀は、眩しいほどに清らかに見えた。
カーッと血が頭に上る。
「重いぞ、気をつけて」
「あ、はい!」
俺のいけない衝動は、綺麗に消えた。
ずしりとした重みは噂どおりで、それは折口さんの年月の重みだった。
真剣に道を究めんとするものの覚悟。
「……ありがとうございます」
礼を言って返してからも、手に痺れたような感じが残った。
「あの……」
何と言っていいかわからない。後ろめたくもあるが、俺の中の何かが昇華した感じだ。
「……勉強になりました」
ようやくそれだけ言った。折口さんはにっこり笑った。
「なに」
たった一言。
去っていく後ろ姿に、やられた。
刀はもちろん格好いい。男らしくてエロい。それは変わらないけど。
「格好いい……なんて格好いいんだ」
折口さんが格好いい。
年を経た体さばき。汗で後ろに流したロマンスグレー。
すり切れて石けんの香りただよう道着。袴から見える素足のチラリズム。
考えてみれば居合い始めたのも師範や師範代の演武に惚れたからで、そういや俺って。
「ジジ専ってやつ、なのか……?」
でもまあ刀にハァハァ言うよりは健全かも。稽古に身も入りそうだし。
結局変態には変わりないみたいで、どうしようもないけどね。
- 492 :風と木の名無しさん:2012/12/01(土) 05:42:33.24 ID:TMrh8EFtO
- 難しいwけど萌えたよ GJ!
折口さんかっこヨス
- 493 :風と木の名無しさん:2012/12/01(土) 21:17:50.27 ID:6cHlbqzQ0
- まわしまうす
- 494 :風と木の名無しさん:2012/12/01(土) 21:38:00.74 ID:g+z7g7RmO
- まわしー
- 495 :風と木の名無しさん:2012/12/01(土) 23:24:18.79 ID:xGxPeQlz0
- まわし
- 496 :風と木の名無しさん:2012/12/01(土) 23:53:43.28 ID:uuhH7hVR0
- まわす
- 497 :風と木の名無しさん:2012/12/02(日) 02:10:36.30 ID:Una8W6c40
- まわします
- 498 :風と木の名無しさん:2012/12/02(日) 03:43:51.73 ID:B3AUdAIW0
- 踏んでくれ
- 499 :風と木の名無しさん:2012/12/02(日) 03:45:16.43 ID:ByzLsFzc0
- 十代の性欲なめんなよ!?
- 500 :1/2:2012/12/02(日) 04:11:15.91 ID:PARmac330
- 先生好きです愛してます、なんて言葉も冗談だと思っていた。
真面目で優秀な生徒会長も、そんなおちゃらけた冗談を言うんだなあ、と。軽く考えていた。
だから今までずっとハイハイ、とかわしてきたのだけれど、どうやら彼は本気だったようで。
教材室で書類整理をしていると、その、なんだ。……押し倒された。
「前野っ、てめ、離、せっ!」
「やだ、絶対やだ。先生が本気で考えてくれるまで離さない!」
いつのまにやら敬語も解除されていた。眼鏡越しの瞳はまるで獣のようにぎらついていて、正直怖い。
通常時に力比べをしたら確実に勝てる自信はあるけれど、机の上に倒された状態にくわえ、
身体全体で覆いかぶさってくれば、流石に無理だ。身長は目の前のコイツのほうが高いし。
灰色のデスクに縫い付けられた手も動かない。前野は切れ長の瞳でじっと見つめてくる。
目をそらしたら負けな気がしてじっと睨みつけていると、何かに耐えかねたのか、わざとらしい舌打ち。
「……なんだよ」
「……あんた、ずっとずっと俺が好きだって言っても冗談だと思い続けてきただろ?」
「そりゃ、まあ」
苦い笑み(というより引きつった笑い)を浮かべた前野を見ながら、唇を尖らせて返す。
すると、また舌打ちをして、ああもう! と唸った。
「冗談で男に好きとかいえるわけねーじゃん!冗談で泣きそうになるわけねーじゃん!
バカじゃないの本当に!授業中お前は集中してて偉いなっていってくれるけどさ?!
ぶっちゃけんなことねーよ?!アンタが黒板書くたびにケツ見てムラムラしてるし、
髪柔らかそうだな触ってみたいなって思うし、肌綺麗だな顔綺麗だなって思ってるよ!
ぶっちゃけアンタ泣かせるくらいヤりてーと思ってるよ!十代の性欲なめんなよ?!」
ほぼノンブレスで、捲くし立てるような言葉。内容が内容じゃなきゃ、……状況が状況じゃなきゃ、
拍手を送ってやりたいほどだ。なんだか論点が大幅にズレているように思えるけれど。
……それはきっと、彼に余裕がないことを、あらわしている。俺は何かリアクションをしなきゃ、と思うけれd、
うまくまとまらない。だってそうだろ。ハッキリと同性に『お前は性欲の対象だ』と言われた。
- 501 :2/2:2012/12/02(日) 04:17:49.24 ID:PARmac330
- 気持ち悪い、と一蹴するのは簡単だ。簡単、だけどさ。俺の顔、すっごい熱い。
内心がすぐさま表に出てしまう自分をこのときばかりは恨みたい。
考えるまでもない。俺の顔はおそらく真っ赤だ。前野は息を乱したまま、俺の顔を見て眉間に皺を寄せた。
深く深く息をついて、手首の拘束を解いたかと思えば、俺の顔の横に頭を置いた。
「なん、まえの、なに」
「……先生、可愛すぎ……」
「なっ……!」
16歳だか17歳くらいの男に可愛いと言われ、嬉しいと思う今年31歳の男がどこにいるだろうか。
……申し訳ない、ここにいる。
「すっごい可愛いよ、今の先生。ただでさえキレーな顔してるのに、目うっるうるで顔真っ赤で。襲いたい」
「前野、お前、こんなにバカだったのか」
「バカにもなるよ。それくらい、先生のこと好きだっつってんの……」
すぐ隣で、大きな溜息が聞こえる。
多分このバカは気づいていない。今の一言が、どれだけ俺の心を揺り動かしたのか。
気づかなくても、いいけど。
- 502 :風と木の名無しさん:2012/12/02(日) 22:10:45.89 ID:OxJqtfQt0
- ノンブレスの告白萌え!GJ!!!!
- 503 :風と木の名無しさん:2012/12/02(日) 22:24:31.76 ID:lDg9dtZYO
- >……申し訳ない、ここにいる。
>「前野、お前、こんなにバカだったのか」
この2つのセリフに何か知らんが壮絶に萌えた
先生可愛いよおお…ごちそうさまですGJ!!!
- 504 :風と木の名無しさん:2012/12/02(日) 23:33:35.25 ID:Una8W6c40
- 二人とも可愛いよ!
GJ
- 505 :風と木の名無しさん:2012/12/03(月) 02:28:42.77 ID:WtfHYsX00
- 私はラスト二行がツボでした!
生徒会長すっごい好み、GJ!
- 506 :風と木の名無しさん:2012/12/03(月) 06:17:49.61 ID:zRnn7FxV0
- まわし
- 507 :風と木の名無しさん:2012/12/03(月) 07:04:44.52 ID:tlBjN/p70
- まわし
- 508 :風と木の名無しさん:2012/12/03(月) 08:15:58.19 ID:I0RravJR0
- どうぞ〜
- 509 :風と木の名無しさん:2012/12/03(月) 08:18:20.52 ID:dr2oU9bVO
- 移り気
- 510 :1/2:2012/12/03(月) 12:12:07.53 ID:haVSXaLC0
- 小学校何年生だっただろうか。
当時高校生だか大学生だった叔父に、自由研究の手伝いを頼んだことがあった。
紫陽花の花で土質がわかると何かの本で見て、花に詳しい叔父を頼ったのだ。答えはノーだった。
「紫陽花の花はあれじゃない。あれはただのガク」
そう言ってあしらわれた。
かじかんだ指先に凍える息を吐きかけながらふと、そんなことを思い出した。
あれから何年経っただろう、恒例と化した年末年始のアルバイトで僕は、叔父の経営する花屋にいた。接客の合間、延々と花束や鉢植えにつけるためのリースを作る。柊がささくれた指にチクチクと痛い。
「おじさーん、おじさんも手伝ってよ、一人じゃ終わんないよ」
お客が切れたので声をかけると、外から花屋に似つかわしくない男がずかずかと店内へ入ってきた。
「弘平くん、お店で大きい声を出さないでくれるかなー?」
貼り付けたような笑顔に向かって「お客さんいないよ」と言うと、僕の頭頂部に叔父の拳が振り下ろされた。
「痛い!すげー痛い!」
「俺は山のようなポインセチア様のお相手で忙しいんだよ、無駄口叩いてるヒマあったらとっととやれ、まだまだあるからな」
「もー、毎年毎年こんなにたくさん作って、売れなかったらどうすんの」
「毎年毎年売れてんだろうが。俺の店なめんな」
言いながら叔父は、完成済みのリースの中から一つを取り上げた。じっと細部を見て「よろしい」と頷く。
花屋からポインセチア屋へと化した店内で、近くにあった鉢にリースをあてがう。
「いいね。いやぁ、器用な甥がいて助かるよ」
「ホントに思ってる?」
「思ってる思ってる」
「じゃあ時給上げて!」
「お前なぁ!」
振り下ろされるであろう拳を避けようと大きく身をそらしたところで、肩口が後ろの棚へぶつかった。
丁寧に取引先を記した大学ノートが何冊かと、納品伝票、その隙間に一枚の写真が落ちてきた。ごめんと一言、それから無意識にまず写真を拾い上げた。
「だ」
誰、これ?そう聞こうとしたところで、叔父が血相を変えた。数歩の間を飛び込んで僕の手から写真を奪い取る。
結婚しない叔父、僕がバイトに来ることにいい顔をしない祖母、無作法を装って祖母を避ける叔父。
時々に感じていた冷めた違和感が、一枚の写真にするりと繋がっていった。
- 511 :510-2/2:2012/12/03(月) 12:14:36.28 ID:haVSXaLC0
- 「…大事な人なの?」
「………そういうんじゃねえよ、これはただ」
「でもおじさん、」
「子供が口突っ込むんじゃねえ!……頼むから、聞かないでくれ」
そう僕に懇願しながら、叔父は震えてその場にしゃがみ込んでしまった。祈るように両手で写真を持ったまま。
僕が写真に手を伸ばすと、「俺は、お前の叔父なんだ。…頼むから何も聞かないでくれ」と、か細い声で言われた。無視して写真を摘むと、叔父の指が力無く離された。
写真を見る。
白い歯を見せて繊細そうに笑う叔父と、背の高い少年。二人ともまだ幼さが残る顔立ちで、それでも叔父の隣に立つ少年には精悍さが伺えた。
詰襟と、桜が妙に物悲しい、眩しい陽射しの中の二人。
「二年だ」
ぼそりと叔父が呟いた。
「十何年も前の、たった二年だよ」
「なんで、」忘れられないの、そう言おうとしてその言葉が余りに不適切なことに気付く。
叔父は僕の言葉を待たずに続けた。
「俺が悪いんだ。一緒に来てくれって、二人で暮らそうってあいつ、でも俺が」
子供のように小さくなっている叔父を見ながら、ふと紫陽花の花が頭を過ぎった。移り気な花、揺らぐ色。躊躇う心。
「…だって、好きだったんでしょ」
「…答えられなかったんだ、そう聞かれて。迷っちまった。まだ、子供だったんだ、……だって、俺は」
叔父は掌で目元をぐっと押さえたまま、ゆっくりと言葉を吐き出していった。どこからどう見てもそれは懺悔のようで、僕は胸の中に大切な何かがずしりと置かれるような錯覚に陥った。
「おじさん」
言葉が浮かばない。
「おじさん、なかないで」
そう言った自分の声が、今にも泣きそうになっていることに驚く。
「泣いてねえよ」
しゃがみ込んで鼻をすすりながら叔父が答える。
- 512 :510-2/2 はみ出ましたすみません:2012/12/03(月) 12:15:30.11 ID:haVSXaLC0
- 「せっかくこんなにポインセチアがあるのに、泣いてたらばかみたいだよ、おじさん」
「……祝福かよ、ガキが一丁前なこと言いやがって」
「あなたに幸福を、だよ」
僕の言葉にふ、と笑って叔父は、目元を何度か拭って立ち上がった。
「おじさんは、こんなにずっと、ちゃんと思ってる。移り気なんかじゃないよ」
ぽつりと呟くと、「生意気!」と、拳が降りてきた。
「痛いって!」
思わず頭を抑えてうずくまると、上の方からまた鼻をすするような声が聞こえてきた。
泣き虫だなんて、言ったらまた殴られるんだろう。
今日も明日も、揺らいでしまった少年にも。
全ての人に祝福を。メリークリスマス。
- 513 :風と木の名無しさん:2012/12/03(月) 13:48:13.66 ID:pnInRZM30
- せつないなー
好きだ!GJ!
- 514 :風と木の名無しさん:2012/12/04(火) 13:23:21.95 ID:LpMoyxm50
- まわします
- 515 :風と木の名無しさん:2012/12/04(火) 13:30:08.57 ID:YJSgQ2Mm0
- くるりん
- 516 :風と木の名無しさん:2012/12/04(火) 13:39:53.38 ID:2y9S7iWp0
- まわし
- 517 :風と木の名無しさん:2012/12/04(火) 17:01:25.04 ID:EG2LCC9QO
- くるっとまわってー?
- 518 :風と木の名無しさん:2012/12/04(火) 17:06:00.55 ID:Esf9IsTw0
- 踏むなよ…絶対に踏むなよ…(チラッ
- 519 :風と木の名無しさん:2012/12/04(火) 17:08:46.36 ID:13NR+8+I0
- 全部嘘だったんだ
- 520 :1/2:2012/12/05(水) 15:23:51.37 ID:KPKzWpMH0
- 祖国があって、組織があった。そこにはお互いを同志と呼ぶ人たちが出入りしていた。
彼らは熱心に話をしたり、武器の手入れをしたり、肖像画の男を崇めたりして過ごす。
暇なときには銃の扱い方や、理想の世界や、悪い政治家の話を僕に聞かせたりもした。
気まぐれに、煙草やキャンディをくれることもあった。
決まった時間に「先生」がやって来る。長い時間をかけて一通りの勉強をする。
僕が十七歳になった日、「先生」は言った。
「君は優等生だ。祖国のため、立派な働きを期待しているよ。同志」
返答に迷っていると、彼は親しげな仕草で僕の肩を叩いた。
「大丈夫、君は本来は存在しないはずの人間なんだからね。何者にだってなれる」
名前と経歴と身分証明書をもらって、僕は組織の人間になった。
外へ出て人と接触し、情報を持って帰る。
特に満足感も不満もなかった。蜜蜂にでもなった気分だ。
新しい標的は軍の人間だった。男性、階級は少佐。資料の内容を順繰りに暗記していく。
男は女よりも親しくなるのに時間が掛かるし、殺す場合も余計に手間が掛かる。
面倒な仕事になりそうな気がして、ポケットに入っているキャンディを無意識に手で探った。
件の少佐は模範的な軍人だった。実績でのし上がってきた、優秀なる叩き上げだ。
酒は好まず、賄賂も受け付けない。賭博に至ってはむしろ取り締まる側の人間だ。
軍人ならばもしやと思って一度ベッドに誘ってみたが、反応はにべもなかった。
背を向けられてずきりとしたのは、きっとなけなしの職業意識が傷ついたせいだろう。
ここまで取り入りにくい相手も珍しい。呆れ半分に、けれど興味深く毎日観察していた。
厳格なタイプだが意外に抜けたところもある。部下からは畏れられつつ慕われている。
右が利き手だが、たまに左手でものを書いている。書類は丁寧に端を揃える。
仕事とは直接関係のないささやかな情報が、日に日につもっていった。
- 521 :2/2:2012/12/05(水) 15:26:15.94 ID:KPKzWpMH0
- 「私物の持ち込みは禁止されているはずだが」
思いがけず背後から声が掛かり、一瞬身が竦んだ。
「あ……」
食べようと取り出していたキャンディを取り上げられる。
視線で追うと、無人だと思っていた廊下に少佐が立っていた。
いくらなんでもぼんやりしすぎだ。近頃の僕はどうかしている。
「あ、ではない。これは私が没収する」
包み紙から中身を取り出すと、そのまま口の中に放る。
呆気にとられる僕に向かって、彼は懐かしい味だと言って笑った。
それから、並んで少し他愛のない話をした。
意外と子供っぽい彼の笑顔が脳裏にちらついて、夜はなかなか寝付かれなかった。
市井の人がこの気持ちを何と呼ぶのか、僕だって知らないではない。
面倒事になりそうな予感だけが的を射て、寝具の中で人知れず頭を抱えた。
「本当の名前を、教えてくれないか」
ある日、穏やかにそう切り出されて僕は息をのんだ。
「君が名乗っているのは、本名ではないのだろう?」
名前ならいくつも用意されている。彼の疑惑を取り繕う言い訳だって山ほど持っている。
滑らかに口をついて出てくるはずの嘘が、なぜか喉元につかえて息苦しくなる。
何も言えずに立ち尽くしていると、彼は灰色の眼を伏せて寂しげにため息をついた。
たとえ真実をあげたいと望んでも、僕は本当のことを何ひとつ持ちあわせていなかった。
戸籍上存在しない人間には、名前も出生地も誕生日もない。そのことを初めて辛いと思った。
何者にでもなれるといつか「先生」は言ったけど、正体のない僕は結局何者にもなれないのだ。
偽名、捏造された経歴、訓練された表情。全ての嘘を剥いたあとに残るものが何もない。
今、鋭く胸を刺す感情も嘘だったらどんなによかっただろう。
そう思った途端、ふと手元が狂ったように、意図とは関係なく涙が溢れて止まらなくなった。
- 522 :風と木の名無しさん:2012/12/05(水) 15:42:45.61 ID:K/0LJH0w0
- おお、こういう設定大好き
自分の萌えツボにジャストミートでした
GJです!
- 523 :風と木の名無しさん:2012/12/05(水) 17:07:37.87 ID:80O5/j9n0
- こういう語り口好きだ
なんとか幸せになって欲しい
GJでした
- 524 :風と木の名無しさん:2012/12/05(水) 17:11:55.89 ID:cFXRtgw40
- このあとハッピーエンドになるとは到底思えない…
故に切な萌え GJでした
- 525 :風と木の名無しさん:2012/12/05(水) 17:13:31.17 ID:bJSr4lrI0
- うわわわ巧いな〜…!その一言に尽きる…
GJGJGJGJ
- 526 :風と木の名無しさん:2012/12/05(水) 18:33:35.05 ID:4RQjAzXa0
- 綺麗だけどやるせないなあ…
gjです
- 527 :風と木の名無しさん:2012/12/05(水) 20:54:46.47 ID:bHFtyce60
- ぐぐっと引きこまれた
どうにか幸せになってほしいなあ、本当に
GJ!
- 528 :風と木の名無しさん:2012/12/05(水) 21:26:58.83 ID:W3zNL20O0
- うわー、良かった
端々まで萌えた。GJ!
さあ踏んで
- 529 :風と木の名無しさん:2012/12/05(水) 21:32:06.86 ID:7Qoldyzy0
- ちゃんと俺の背中に隠れてろよ
- 530 :1/2:2012/12/06(木) 19:00:06.06 ID:5fvwK9XA0
- 投下無さそうなので拙いですが萌え語りさせて下さい
個人的には死角である背後に隠せるっていう信頼がこの言葉一番の萌え所だと思います
パターンA、世話焼き幼馴染と気弱な苛められっ子
心は優しいけど気弱なせいでよく面倒を押し付けられる苛められっ子
しかも真面目だから押し付けられた事全部しっかりこなしちゃう手を抜けないタイプ
中々怒れない苛められっ子の代わりにキレて庇って手伝ってと大忙しの幼馴染
勿論幼馴染の口癖は「○○、ちゃんと俺の背中に隠れてろよ」
庇ってくれる幼馴染が居るから毎日頑張れる苛められっ子
いずれ持ち前の真面目さを生かして成功し幼馴染に恩返ししまくったりする
パターンB、何事にも動じない男と臆病へたれ霊感男
常に無表情で淡々としてる動じない男とそれと正反対に
リアクションが大きくちょっとした事でもびびる霊感男
幽霊見る→びびる→動じない男に隠れるで1セット
動じない男に頼り続ける訳にはいかないと頑張ってみたりもするけど
結局いつも最後は動じない男に助けられる霊感男
動じない男も何だかんだで後ろに霊感男が居ないと心配になったりする
「ちゃんと俺の背中に隠れてろよ、見えない所で死に掛けてても助けに行けないからな」
が基本形な頼り&頼られコンビ
- 531 :2/2:2012/12/06(木) 19:00:38.88 ID:5fvwK9XA0
- パターンC、お人よし中堅キャラと弱点持ちの強キャラ
一見無敵に見えて実は動物が怖い等なんか可愛い弱点を持ってる強キャラ
大勢から崇拝されてしまって最早「動物が怖い」なんて言えなくなっちゃってる状態
買出し帰りの一本道で野良犬と出会ってしまい帰るに帰れない強キャラ
そこを偶然通りかかった中堅キャラに見られ恥を忍んで助けを求める
「しゃーねーなぁ、ちゃんと俺の背中に隠れてろよ」と口だけは面倒そうにするが
憧れの強キャラに頼られて内心ウキウキドキドキの中堅
お人よしだから今後も周りに弱点がばれない様さり気なくフォローしてくれる
いつのまにか地味に良いコンビとしてニコイチ扱いされたりする強キャラと中堅
パターンD、前の席と後の席
前の席の奴は数学(仮)が得意、逆に後ろの席の奴は苦手
当てられるのを恐れて縮こまる後ろの席に
「ちゃんと俺の背中に隠れてろよ、俺はむしろ当てられたい」と自信満々に宣言する前の席
最初は「変な奴だな」と思ってた後の席も分からない部分を教えてもらったり
逆に自分の得意科目を教えたりする内に徐々に前の席と打ち解け仲良くなっていく
その内クラス替えが迫ってきてお互い離れ難い微妙な気持ちを抱えたりするが
なんだかんだでまた同じクラスになって拍子抜けしたりする学生二人
- 532 :風と木の名無しさん:2012/12/07(金) 00:16:19.70 ID:RYb9McDXO
- おお!パターンがいろいろ!
どれも好みです!王道のAが鉄板かなぁ
GJ
- 533 :風と木の名無しさん:2012/12/07(金) 03:11:22.22 ID:CQcpBvUr0
- 私はB!GJ!!
- 534 :風と木の名無しさん:2012/12/07(金) 08:14:39.68 ID:KXUrJYe9O
- わたしもBだ、オカルトコンビむっちゃ好き
あとCもすき!!
久しぶりの萌え語り踏みGJでっす
- 535 :風と木の名無しさん:2012/12/07(金) 08:22:42.16 ID:jLF8GGTui
- パターンDの甘酸っぱい青春も捨てがたいな!
いい語りだった!GJ!
- 536 :風と木の名無しさん:2012/12/07(金) 19:27:53.79 ID:3/MzCc700
- まわします
- 537 :風と木の名無しさん:2012/12/07(金) 19:56:33.72 ID:Hc6mkTZN0
- まわし
- 538 :風と木の名無しさん:2012/12/07(金) 19:58:19.07 ID:3yA+piK90
- 踏んで!
- 539 :風と木の名無しさん:2012/12/07(金) 20:02:34.67 ID:soj8oAZF0
- 人波ど真ん中大告白大会
- 540 :風と木の名無しさん:2012/12/08(土) 20:08:46.80 ID:UaipP4ttI
- むずかしかった…残念まわし。
- 541 :風と木の名無しさん:2012/12/08(土) 20:20:48.92 ID:WxD4Y49v0
- 残念まわし
大会というからには何組もエントリーしてて
司会や実況解説なんかもいるんだろうか
- 542 :風と木の名無しさん:2012/12/08(土) 21:32:42.61 ID:zHZOm73l0
- まわし
- 543 :風と木の名無しさん:2012/12/08(土) 21:36:52.54 ID:DkEI1zkR0
- まわしー
- 544 :風と木の名無しさん:2012/12/08(土) 21:41:35.43 ID:TfWqg8rD0
- まわしーの
- 545 :風と木の名無しさん:2012/12/08(土) 22:00:49.39 ID:HBn0codE0
- ぐるぐる
- 546 :風と木の名無しさん:2012/12/08(土) 22:59:33.54 ID:foHvZ+DG0
- くるくる
- 547 :風と木の名無しさん:2012/12/08(土) 23:06:04.57 ID:OV7Vk7bJ0
- くるりんぱ
- 548 :風と木の名無しさん:2012/12/08(土) 23:08:29.51 ID:jX97fJZ40
- 踏むといいよ
- 549 :風と木の名無しさん:2012/12/08(土) 23:12:56.00 ID:0Pxbcl2b0
- 大掃除で発掘
- 550 :風と木の名無しさん:2012/12/09(日) 08:10:55.25 ID:cBNnCHBZ0
- 年末ということもあり、俺と恭平は気合を入れて掃除をしていた。
いるもの、いらないものにきっちりとわけてものを漁っていると。
「(お)」
懐かしすぎるモノを、見つけた。
少し色あせた色の封筒をあけ、紙を開く。カサリ、という音がなんだか懐かしい。
高校生のときに貰った、彼からのラブレター。あまりに稚拙な字並びに思わず笑みがこぼれる。
「海?」
背後から声が聞こえて、心臓が大きく飛び跳ねる。振り返ると、恭平が人懐こい笑顔でこちらを見ていた。
俺は胸をなでおろしてこれ、と紙を見せると、彼の顔がかあ、と赤くなる。
「お前、ほんと、なんでとっておいてあるんだよ!」
「バッカとっておくだろそこは!」
当時、あまりにシンプルな一文に、ひどく胸が震えた。
真っ白い紙に、ただ一言「好きだよ」と。
「俺、これもらったとき嬉しくて仕方なかったんだぞ!」
「っ……海の馬鹿、さっさと掃除するぞ!」
耳まで赤い恭平が、くるりと背中を向ける。
さっさと掃除を終わらせて、彼を背後から抱きしめることにしようか。
- 551 :風と木の名無しさん:2012/12/10(月) 12:59:08.24 ID:V20VgMLv0
- まわし?
- 552 :風と木の名無しさん:2012/12/10(月) 13:46:54.96 ID:2dlPYlA80
- まわし
- 553 :風と木の名無しさん:2012/12/10(月) 14:09:12.71 ID:CSI0RO9i0
- まわし
- 554 :風と木の名無しさん:2012/12/10(月) 14:22:24.12 ID:/ZAp1J0q0
- 回☆転
- 555 :風と木の名無しさん:2012/12/10(月) 15:33:34.20 ID:9cIlVsWN0
- まわしまーす
- 556 :風と木の名無しさん:2012/12/10(月) 15:34:23.06 ID:jGIlDJag0
- やっ……そんなに急に回しちゃ……あっ!あ……や……もっと……ん……
いつもよりよけいに回しております!
- 557 :風と木の名無しさん:2012/12/10(月) 15:49:35.78 ID:9Zp832cg0
- くるくるまわれー
- 558 :風と木の名無しさん:2012/12/10(月) 16:46:40.72 ID:K15DN3K/0
- or2 <踏むと爆発する
- 559 :風と木の名無しさん:2012/12/10(月) 16:48:03.92 ID:jSkGP6/90
- ノンケ(→)←ナルシスト
- 560 :風と木の名無しさん:2012/12/10(月) 16:50:19.54 ID:7VZHHgFE0
- 二度振られる
- 561 :風と木の名無しさん:2012/12/11(火) 16:39:00.20 ID:ZlzJnV0O0
- というわけで部屋は1つしか空いてないと、素っ気ないフロントは言った。
いい加減長い言い訳を聞くのも疲れたので、俺はあきらめた。
「じゃあ、それで良いです。簡易ベッドあるでしょう、運んでください」
料金はもちろん、二人分より割り引くよう付け加える。
加藤は何故かふんぞり返った。
「ふーん」
してやったり、の笑顔だ。
それっきりもの言いたげな顔のくせに黙り込んで、部屋まで後ろをついてきた。
歩きながら俺が
「簡易ベッドはジャンケンな」
と言うと、「……別にどっちでもいいんじゃないの?」とうそぶく。
絶対文句言うタイプなんだが。小さいベッドじゃ体が痛いとかなんとか。
だから、絶対なにか誤解している。
いい顔してるのは認める。仕事もまあできる方だと客観的に評価できる。
だから自分を過大評価する癖も、処世術の一つだろうと大目に見る。
でも、誰も彼もが自分に惚れるってのは考え違いだ。
過去にどういう経験があるんだろう、同性にまでそれを当てはめる思考は、正直想定外だった。
今、俺はそういう誤解を受けている。
何故一足飛びにそうなったかと言えば、思い当たる節もある。
こいつ、俺に惚れてるんだろう。こいつの方が俺を好きなんだ、そうじゃないか?
不思議なものだ。急にこんなふうにわかるなんて。
勘違いじゃないよな。
やや苦手。意識すれば、そういう相手だった。
そいつが今、気のせいか幾分そわそわと、俺の後をついてくる。
きゅっと引き締められたくちびるは、我慢なのか、期待なのか。
冗談じゃない、とは思わなかった。
初めて──可愛いような気がした。
- 562 :風と木の名無しさん:2012/12/11(火) 18:49:05.45 ID:lvFadqOKi
- おおおお萌えたGJ!
- 563 :風と木の名無しさん:2012/12/11(火) 19:04:27.36 ID:kVyWDDB50
- >>561=560?
- 564 :風と木の名無しさん:2012/12/11(火) 19:09:30.78 ID:KyOjdots0
- 受けがアホの子な天才っぽいキャラで萌えた
能力高いけどどこか変な自信家好きだ
>>563
>>559から12時間後の4時48分をとっくに経過しているので
>>560でなくても投下可能。テンプレ読もうね
- 565 :風と木の名無しさん:2012/12/11(火) 20:15:46.03 ID:RDOg2ntU0
- あれあれ続きは!?続きは何処だ!?
好みすぎて続きが気になるぜGJ!
- 566 :風と木の名無しさん:2012/12/11(火) 23:45:06.59 ID:os8m+JZZ0
- 攻めのクールっぷりとかナルシスト受けの感違いっぷりとか
なんかもう萌えがつまってる!素敵!
- 567 :風と木の名無しさん:2012/12/11(火) 23:59:53.56 ID:lRreWOdD0
- あああああ好きだ物凄い萌える!!
続きが超気になる…!gj
- 568 :風と木の名無しさん:2012/12/12(水) 00:05:59.13 ID:u1axrHSf0
- GJ!三次だとうざいのに二次のナルシストは何故こうも萌えるのか
そして踏み台、最近9被りが多いからしっかりリロってからどうぞ
- 569 :風と木の名無しさん:2012/12/12(水) 00:11:10.26 ID:BFeWM1zd0
- 食えない男受け
- 570 :570-1/2:2012/12/12(水) 04:43:48.33 ID:TiTX88Kv0
- 付き合ってる女、狙ってる女、知り合った女・・・俺に関わった女は右か
ら左で村崎に流れていく。
友人からは「あいつとの付き合い考えろ」と言われていた。
俺も村崎もシモ事情は緩い。だから俺は女を取られたなんて全く思わ
いし、向こうも寝取ったとは思ってないだろう。
徹底的に嫌われるタイプではないものの、友人の言うこともわからなく
はない。村崎は要領のよさが目に付くところがある。
例えば今夜のように、翌日朝イチで講義がある場合、学校に近い俺のア
パートに泊まったりするところとか。
「次は男にすっかな。おまえに手ぇ出されないように」
アパート近くの中華屋で晩飯を食いながら、眺めていたナイター中継が
CMに切り替わった時、俺は冗談のつもりでそう言ってみた。
村崎がどんな反応をするか見てみたかったという気持ちもあった。
「じゃあ俺でいいじゃん」
村崎は表情を変えず、あっさり返事をした。
あまりに普通に返され、俺もつい「そうか」と頷いてしまった。
そのあとは普通に飯を食って店を出た。
「おまえと付き合ったら、どっちが上になんの?」
アパートに向かう途中で、セックスに関する素朴だけれどわりと重要な
問題を俺は持ち出した。
村崎は「俺が女役でいいよ」と、ほぼ即答した。
何も考えてないのか、予め考えていたのか、よくわからなかった。
俺はそれ以上この話題を続けるのをやめて、部屋に着くまで今夜のナイ
ターの話をした。
- 571 :570-2/2:2012/12/12(水) 04:45:23.22 ID:TiTX88Kv0
- 村崎が本当に付き合うつもりだとわかったのは、俺が風呂から出て泊ま
り客用の布団を敷いていたときだった。
「なに、今日はやんないの?」
交代で入った風呂から出てきた村崎がそう言った。
さすがに少し焦って、俺は布団を敷く手を止めて村崎に向い合った。
「おまえ、マジで言ってる?」
「え、違うの? 役割分担まで決めたからマジかと思ったのに」
「いや・・・男同士ってどうよ。勃たないだろ」
「やってみりゃいいじゃん。無理そうなら途中でやめてもいいし」
村崎の軽さに多少呆れたけれど、俺も人の事は言えないクチなので、と
にかく試しにやってみることになった。
お互い経験値がそこそこ高めなのと、勘がいいのもあって、そっち方面
は初めてのはずなのに、俺と村崎は何となく最後までやれてしまった。
何の問題もなかったね、と終わった後で村崎が言った。
「なんか俺、うまく乗せられてないか?」
これまでの村崎の行動を省みて、浮かんだ疑問を俺はぶつけた。
「おまえ・・・もしかして俺のこと好きだったんか」
「もういいじゃん。付き合うんだし、細かいこと気にすんなよ」
村崎は隣でニヤニヤ笑いながら言った。
友人は、村崎は食えないやつだから付き合いを考えろと言っていた。
これから本当に村崎との『付き合い』が変わってしまうことは、黙って
いたほうがいいのだろうかと俺は思った。
- 572 :風と木の名無しさん:2012/12/12(水) 10:53:22.01 ID:WN7vnVbFO
- ちょw肝心なとこもっとkwsk!
だんだんはまって、思いがけず葛藤したりするといい GJでした
- 573 :風と木の名無しさん:2012/12/12(水) 21:45:07.71 ID:/T+mIjqK0
- これはよい…!よいよい!GJ
食えない受け好きだ
- 574 :風と木の名無しさん:2012/12/12(水) 23:13:02.35 ID:k7KSz9cE0
- リアルな感じで良いね
俺も最初から村崎好きなんじゃないかもう
とにかくGJ!
- 575 :風と木の名無しさん:2012/12/13(木) 00:23:11.89 ID:kqVRO8z0O
- すごい、サッパリしてる感じなのに萌えた!
好きな文章です。GJGJ!
- 576 :風と木の名無しさん:2012/12/13(木) 07:30:15.32 ID:oxSaXYAmO
- すごく口当たりの良い萌えだ…
非常においしゅうございました、GJ!!
- 577 :風と木の名無しさん:2012/12/13(木) 10:37:28.31 ID:q4rpkqFhi
- まわしますね
- 578 :風と木の名無しさん:2012/12/13(木) 10:44:30.68 ID:g6mNm/tqO
- 喜んで踏み台になりましょう
- 579 :風と木の名無しさん:2012/12/13(木) 11:22:24.53 ID:oxSaXYAmO
- わたしのお兄ちゃんは…
- 580 :風と木の名無しさん:2012/12/13(木) 19:27:44.26 ID:r8gYGjod0
- わたしのお兄ちゃんは、自慢の兄です。いつも優しくて面倒見の良い、自慢のお兄ちゃんです。
勉強でわたしが困ったときも、一生懸命教えてくれます。でも、そんなお兄ちゃんを困らせる人がいます。
それは、
「よっす、コースケ。おっはよ」
「章太郎。苦しい」
この人。真壁章太郎さんです。名前のカタイ感じのイメージなんて本人には1ナノグラムもありません。
いつもマイペースでへらへらしてて、ナンパな人。わたしは正直この人が好きではありません。
でも。
「ちさとちゃんもおはよ」
「……おはようございます」
「今日も赤いランドセルがキュートだね」
「章太郎、何いってんの」
「(あ、)」
少し眉間に皺を寄せて笑う。このお兄ちゃんの笑顔を見せてくれるのは、真壁さんだけなんです。
わたしでもなくお父さんでもなくお母さんでもなく、真壁さんだけなんです。
だから本当は、お兄ちゃんに近づいてほしくはないけれど。
「ちさと?どうした」
「真壁さん」
「ん? なあに」
「うちの兄を、よろしくお願いします」
「…え?」
お兄ちゃんを幸せに出来るのは間違いなくこの人なので。
妹として、仕方なく真壁さんに任せようと思います。
泣かせたら承知しないんだから。
- 581 :風と木の名無しさん:2012/12/13(木) 21:06:30.21 ID:UizwUM3f0
- 特にお題が萌えつぼというわけではないけど
お題見てどんどん文章思いつく!とにかく書きたい!なら
このサイトおすすめ
ttp://webken.info/live_writing/top.php
ついでに。少し前に話題にあがった
きなくさい()スペースさんも上辺の癖だけ直して
改行リーダ名前欄工夫して居残ってそうだから言っとく
文章修行なら上のサイトに行けばいいよ
- 582 :風と木の名無しさん:2012/12/13(木) 23:50:18.77 ID:rV/gfhE7O
- 550以降全部同じ人と言われても納得するわ
似すぎ
もし違う人が混じってたとしても似たような短文ばっかで人真似ばかりのカスってことだな
ちょっとひねってうまい文章書けるアテクシ臭が550から580までプンプンする
質落ちてるしそろそろ他の萌え探そうかなあ
- 583 :風と木の名無しさん:2012/12/14(金) 00:20:53.28 ID:Ijo9hNjv0
- >>570は改行が…。わざわざ「・・・」も変。メール欄も>>511のマネ
むりやり変えようとしたのかもしれないが、文書の特徴でわかってしまう
- 584 :風と木の名無しさん:2012/12/14(金) 00:22:25.93 ID:ClljOaXlO
- うおーなんかしこたま荒れててびびった…
私は萎えがあんま無いからここ最近もぼんやり萌えてたけど、自萌他萎ってほんとなんだねえ…
- 585 :風と木の名無しさん:2012/12/14(金) 00:32:08.49 ID:FVk9j4XYO
- >>584
だったら感想言うなりGJするなりしたら?
ぼんやり萌えてたってなにさ
- 586 :風と木の名無しさん:2012/12/14(金) 00:49:39.38 ID:9EC2YxekO
- ただ自分が感想もらえなかったからって他の0やROMにあたりちらす字書きって嫌だなー
チラシで自分じゃない0をわかりやすくdisってたのも同じやつもな
どうせ別館チラシに書かなかったのは配慮とかじゃなくて
万が一管理者さんにホストをチェックされたら自分の他のレスや0以外投下と
同一人物だとバレてしまって気まずくなるからだろ
- 587 :風と木の名無しさん:2012/12/14(金) 01:08:56.62 ID:ClljOaXlO
- >>585
文字通りの意味だよ
萌え萎えで言えば間違いなく萌えだけど、書き込みする程激しい萌えではないってこと
でも、あんたみたいないたずらに雰囲気悪くするやつにレスされる位なら、これからはROMってないでGJレスするよ。
きっかけくれてありがとね
- 588 :風と木の名無しさん:2012/12/14(金) 01:17:32.30 ID:dj3IZo4l0
- 579と580が気の毒だけど踏み台になります
良い萌えが来ますように
- 589 :風と木の名無しさん:2012/12/14(金) 01:18:38.27 ID:x9hsbNis0
- 殺したいくらいの愛情
- 590 :1/2:2012/12/14(金) 04:34:18.34 ID:B3cumlRy0
- 喉から言葉が出かかった。
思うさまに罵詈雑言を浴びせ、罵り、蔑み、殴りつけてやりたかった。
それを止めたのは、皮肉にも目の前でうなだれている奏太の言葉だった。
「ごめん。ほんと、反省して……」
「反省って、何のだよ」
「いじめ、の事」
目は泳ぎ、顔色も悪い。
当たり前だ。
今、彼の命運を握っているのは、表情を無くして立っている隼人だからだ。
隼人の手は、奏太の腕をしっかりと掴み、ギリギリと締め上げる。
「俺、別にお前の反省なんていらないよ」
「じゃあなんで!?」
「ただ憎い。それだけだよ」
手を離せば、奏太は落ちる。
自分が招き寄せておいて、それが少しだけ惜しくなる。
「や、めろ!だったらお前だって、俺が死ねばいいって……!」
「思ってるよ、もちろん。この手を離しても、いいくらいだし」
「じゃあ」
なぜ、と問う奏太に、隼人はぐいと体を引き寄せた。
「一緒に行こうか?何て言わないよ。飛び降りるなら、いっそ見つからない所でひっそりしろ」
- 591 :2/2:2012/12/14(金) 04:35:13.99 ID:B3cumlRy0
- 隼人は、以前奏太から酷いいじめを受けていた。
その一年を、隼人自身決して忘れる事はない。
なのに、心も体も壊した張本人は、自分と同じ目にあった途端、数日で学校の屋上から飛び降りようとしていた。
それが、隼人には許せなかった。
「復讐もさせてくれないなんて、それこそいじめだ」
「復、讐?」
格好いいと評判の顔が、悲痛に歪む。
それだけでも、隼人の中で溜飲が下る。
「そう。あんたは憎いけど、この手離したら、憎む事も復讐する事も出来ない。だから、生きててよ。勝手に死なないで」
奏太がむせび泣くと同時に、隼人は少しだけ安堵した。
図らずも、彼の命を救った形にはなったが、隼人にしてみればこれからが本番だった。
それでも、用意していた罵詈雑言は、しばらく封印となった。
- 592 :風と木の名無しさん:2012/12/15(土) 04:35:47.58 ID:djqobOZM0
- まわすよー
- 593 :風と木の名無しさん:2012/12/15(土) 04:58:35.35 ID:aC4oaDLC0
- まわし
- 594 :風と木の名無しさん:2012/12/15(土) 07:08:14.64 ID:IOa4qV030
- まわします
- 595 :風と木の名無しさん:2012/12/15(土) 07:27:00.51 ID:FXM39nnXO
- まわし
- 596 :風と木の名無しさん:2012/12/15(土) 07:40:33.11 ID:4eBxYmSLO
- まわし
- 597 :風と木の名無しさん:2012/12/15(土) 07:53:24.82 ID:fgPT1hocO
- 朝からこんなにまわってて0とOも入り交じりだと
皆さっさとまわしたくて黙ってじっと待ち構えてたみたいで怖いなw
私もだけど まわし
>>590
一応
別館のチラシ読んでなかったら目通してほしいです
ここ数日分でいいから
- 598 :風と木の名無しさん:2012/12/15(土) 08:48:51.95 ID:IOa4qV030
- 踏んで下さい
- 599 :風と木の名無しさん:2012/12/15(土) 08:50:17.15 ID:GoZ3k2F30
- 神経質な敬語攻め
- 600 :1/2:2012/12/15(土) 22:31:45.28 ID:7EUVByQs0
- 「――こら、宮島さん。ソファで転がってアイス食べない。前もそれで零したじゃないですか」
「あ。……あー、そんなこともあったねえ」
「大体貴方、さっき歯磨いたばかりでしょう」
「うん。後でもっかい磨く。暖かい部屋でごろごろするの幸せだよ、タカもやんない?」
「やりません」
呆れ顔で頭痛を堪える隆之の前で、宮島がにへらと笑う。
取り上げたバニラのアイスをダイニングテーブルに置くと、ご飯を置かれた犬みたいに、つられてふらふら起き上がってきた。
「立ち食いじゃなく、椅子に座って食べて下さいよ」
先に釘を刺すと、はあい、とのんびりした返事が宮島の口から発せられる。
大の男が行儀良く、そして幸せそうにアイスクリームを食べているのをじっと見守って。
そして少しだけ、眉を顰めた隆之に、宮島が首を傾げた。
「……どうしたの、難しい顔して。ごめんな、怒ってる?」
いえ、と呟いてから、隆之は視線を落とす。
ゆったりとして、いつだって幸せそうな彼が、たまに酷く眩しくなる、なんて。
「済みません。僕が少し、口煩かったです」
「へ? いや、平気だよ」
「そう、ですか。色々と言われるの、嫌かとは思うんですが」
「ううん。気に病まないでいーよ、俺はタカに怒ってもらって結構楽しいし。気にしてくれてるんだなーって幸せだし。
だからいつも半分くらいわざとなとこあるけど、やり過ぎたかなって今ちょっと反省してるとこ」
- 601 :2/2:2012/12/15(土) 22:33:11.59 ID:7EUVByQs0
- おおらかな笑顔と、優しい声。
そんな宮島に、隆之の浮かべた難しい表情がほんのり解けて、安堵が浮かぶ。
しかし表情を和らげた直後に、ふと、聞き捨てならないことに気がついてしまった。
「……って、『わざと』なんですか?」
「え。え、うん、えっと、あはは」
宮島が誤魔化すようにわざとらしく笑った。
泳ぐ視線を近づいて捕らえて、隆之はまたぴしゃりと言う。――全く貴方は仕様のない人だな。
「そんなに叱られたかったら、寝室で正座して待っていなさい」
「あ。……うん、じゃ、そうしようかな」
嬉しそうにしながら、ところでなんで正座? と子犬のように首を傾げる宮島を、隆之は半眼で見遣った。
「前に僕が行ったら、寝ていたことがあったでしょう」
「あれはタカが来るのが遅かったんだよー」
「とにかく、前みたいに布団もかけずに寝て風邪引いても知りませんよ。早く行ってください」
はあい、と宮島は笑う。隆之は溜息をついて、その背中を押し出した。
――それでも、宮島と出会ってから随分柔らかくなったと人には言われて。
些事を気にしてしまうことへ、自己嫌悪することも随分減って。
だから多分、「わざと」はもうなくてはならないものだということを、知っている。
遠ざかる宮島の鼻歌を聞きながら、隆之は静かに一人、微笑んだ。
- 602 :風と木の名無しさん:2012/12/15(土) 23:30:17.94 ID:kuIdzGk50
- 萌えるけど敬語じゃないよね
ともかく乙
- 603 :風と木の名無しさん:2012/12/16(日) 02:11:19.63 ID:Pagr891SO
- え?敬語だよね?
神経質が薄いってこと?
自分は問題を感じませんでしたが…
GJでした
- 604 :風と木の名無しさん:2012/12/16(日) 02:39:32.24 ID:O2F0dqVo0
- どう見ても敬語だよ
最近変な人多いなあ
相手に影響されて少しずつ丸くなってゆく神経質さんいいね!萌えた!
GJでした!
- 605 :風と木の名無しさん:2012/12/16(日) 03:14:18.88 ID:cWDukZA20
- 丁寧語も敬語だよ
2人の出会いとか付き合ったきっかけとかが見てみたくなった
GJでした
- 606 :風と木の名無しさん:2012/12/16(日) 04:26:30.47 ID:c5yApa0s0
- 神経質な攻めとおおらかな受けは相性がいいよね
GJ!
- 607 :風と木の名無しさん:2012/12/16(日) 08:55:32.52 ID:MRIjHmrjO
- 萌えた
でも仕様のない人ですね、だと完璧だったのにそこが残念
修正忘れかな
踏み台の踏み台 リロミス注意
- 608 :風と木の名無しさん:2012/12/16(日) 10:31:15.34 ID:rUuXAL1/0
- 踏んでくださいまし。
- 609 :風と木の名無しさん:2012/12/16(日) 10:35:36.29 ID:QcVnUDg4i
- 汗の匂い
- 610 :風と木の名無しさん:2012/12/16(日) 14:40:26.29 ID:L/kPMaGy0
- 自分は汗の匂いは、臭いじゃなく匂いぐらいの方が萌える
体育や部活の後に、偶然受けが攻めの着替えたシャツを発見し、
「…攻めさんの匂い…」とそっと顔を近づけるのがいい
その後我に返り、「俺は変態だ…」と落ち込んでもいい
そのまま盛り上がってソロプレイに発展して、シャツの持ち主に見付かって
軽蔑ルートでもお仕置きルートでもいい
落ちてるシャツ一枚で無限の可能性へと広がっていく
体育のあと、スプレーをシューしてる攻めに恐る恐る
「あ、あの…シュー貸りてもいい?」(「シュー」がポイント)と聞く受けに
「じゃあ返せよ?w」とか言われながら借りて、
「攻め君とおんなじ匂いだ…」と自分の匂いにどきどきする受けが可愛い
後日、本当にスプレーを「この前借りたから…」と攻めに返せばもっと可愛い
制汗スプレーには夢も詰まっている
汗をかいた受けが攻めに抱きしめられて、
「い、今汗かいてるから…!お風呂とは言わないからシャワーだけさせて!」と大慌てする受けがいい
「うん、受けの匂いがする」
とか攻めに興奮されてはわわわになる受けがいい
それが受け攻め逆でも勿論いい
汗の匂いが気になるお年頃の純情攻めもいい
汗の匂いといえば部活と青春
全てをかけた試合に負けた先輩攻めに、なんと声をかけたらいいのか分からない受け
頭から被ったタオルで顔を隠してうなだれる攻め
ぎゅーっと抱きしめられて、
「これは涙じゃなくて汗だ」みたいなフレーズが出るときゅんきゅんとくる
最高の試合の後、興奮冷めやらぬ先輩に連れ込まれて更衣室とかトイレでのやっそんもいい
朦朧とする意識の中、「先輩の匂いだ…」ってなるのがいい
そんなわけで、汗は受けのものでも攻めのものでも素晴らしいと思う
- 611 :風と木の名無しさん:2012/12/16(日) 14:57:43.60 ID:M8P4Cja70
- 素晴らしい萌え語りで、ところどころ笑っちゃいました
GJでした
- 612 :風と木の名無しさん:2012/12/16(日) 15:18:04.59 ID:nvsAIEMO0
- またいつもの人か
- 613 :風と木の名無しさん:2012/12/16(日) 15:28:57.47 ID:TLQxtHUiO
- いつもの人だと思ったら、何も書かずに時間切れまでスルー
- 614 :風と木の名無しさん:2012/12/16(日) 19:50:01.93 ID:gZVlHUTP0
- 技巧こらしたショートショート形式より
シンプルでもシチュに対して直球がぐっと詰まってる方が
個人的には好きなんでGJGJ!
- 615 :風と木の名無しさん:2012/12/16(日) 20:34:42.52 ID:MRIjHmrjO
- 冬に汗語りもオツなもんだね
可能性広がりすぎGJ
>612-613は無駄にまわすための無差別な嫌がらせだろうから気にすんな
- 616 :風と木の名無しさん:2012/12/16(日) 23:53:02.88 ID:4u++nVB90
- 自分はシャワー浴びてないから〜〜のような
鉄板エロシチュしか思い浮かばなかったから
これはよい萌え語りでしたGJ!
- 617 :風と木の名無しさん:2012/12/17(月) 00:21:26.18 ID:ul/YI2cK0
- ま
- 618 :風と木の名無しさん:2012/12/17(月) 00:21:57.91 ID:ul/YI2cK0
- わ
- 619 :風と木の名無しさん:2012/12/17(月) 00:26:15.85 ID:6gqjPlfT0
- 爪を切る
- 620 :風と木の名無しさん:2012/12/17(月) 07:46:03.96 ID:9nJjfJ66O
- ヒリつく背中に眉を寄せて、気の抜けた声で騒ぐ頭をはたく。一通りの作業を終えた右手を解放し、緩慢にパタパタと動く左手を取っ捕まえて、爪切りをあてがう。
「いっ、ひっ」
「……………」
「きょっ」
「……いい加減面白い声出すのやめてくんないか」
「だってなんか人に爪切られんのって思ってたよりくすぐった……いひっ」
パチンパチンと小気味良い音を立てて爪が切れる度に、短く意味の分からない悲鳴をあげてはプルプルと震える。
「あーもうやすりはやめてー」
「丸くしなきゃ意味ねえだろ、爪痕から血ぃ滲むとか尋常じゃねえぞ」
「あっちょっ、あーあーもうやっぱりゾワゾワするし…!」
「自業自得だ、我慢しろ。……ほら終わったぞ。」
「あ゙ーー…」
唸りながら枕に顔を埋めるのアホを横目に、ついでに俺も切ってしまおうかと思い爪を見る。が、すぐにそんな必要は無いと知る。
深爪すぎる程の深爪だ。
「……なあ、っていうかお前、爪立ても噛み癖もなかったよな。なんで今回俺こんなになってんの。」
「気分気分」
「ふざけろよ。痛えだろーが」
「ごめんねー……でも、ぶっちゃけつけたくてつけました。」
「は?」
女々しくてごめんね、大好きだからさあ。とやけに据わった目つきで笑ったアイツは、つつっと俺の首筋を撫でて、再び枕に顔を埋めた。
……はぁ?
翌日、顔を洗いに立った洗面所の鏡の前で、一人理解する。
……アホだ、あいつは。
首筋の虫刺され跡を腹立ち紛れにひっかくが、刺激はあまり無い。
俺が深爪してるのは、他の誰かのためではない。
まずは寝こけるあいつを叩き起こして、さっさとこのベタな誤解を解いてしまおうと思う。
- 621 :風と木の名無しさん:2012/12/17(月) 12:27:06.30 ID:bskdmYHs0
- うひゃあマーキング萌えー!
名前出てこないほうが好きだからそれも嬉しい
どっちが受けでもいける感じかな?
GJです!!!!
- 622 :風と木の名無しさん:2012/12/17(月) 17:33:31.99 ID:EkAnKqrF0
- まわし
- 623 :風と木の名無しさん:2012/12/17(月) 18:04:48.84 ID:AJU9xTf70
- このカップル可愛いなー萌えた
爪痕とか噛み痕とかいいよね!
GJでした
- 624 :風と木の名無しさん:2012/12/17(月) 20:00:16.92 ID:6gqjPlfT0
- すごく萌えたGGJ! 二人の軽妙なやり取りもキャラクターもすきだー
後半が萌えるのはもちろんなんだけど、
前半の爪きりシーンのコミカルさとエロさの紙一重さがすごくすき
- 625 :風と木の名無しさん:2012/12/17(月) 20:24:44.92 ID:PAy/ZOWs0
- ヤキモチ可愛いGJ
- 626 :風と木の名無しさん:2012/12/17(月) 23:19:57.94 ID:5LS8M41e0
- GJ!
可愛さとエロさに萌えさせてもらった
- 627 :風と木の名無しさん:2012/12/17(月) 23:27:44.47 ID:F0ApQHCuI
- 爪を切るからのこの萌えを生み出した0さん凄いよ。
可愛くて色っぽいお話GJ!
- 628 :風と木の名無しさん:2012/12/17(月) 23:29:13.11 ID:rWYDFEDl0
- 踏んでくれ
- 629 :風と木の名無しさん:2012/12/17(月) 23:38:03.09 ID:iRXvrL/SO
- プライスレス
- 630 :風と木の名無しさん:2012/12/18(火) 00:39:41.07 ID:uCpHKMNx0
- まわし
- 631 :風と木の名無しさん:2012/12/19(水) 01:06:31.17 ID:7uebrm3e0
- お流れかな?
- 632 :風と木の名無しさん:2012/12/19(水) 01:48:56.06 ID:eGoY6s2dO
- だねー踏み逃げいかんよー
まわし
- 633 :風と木の名無しさん:2012/12/19(水) 08:10:27.63 ID:9Ic7hfJE0
- まわし
- 634 :風と木の名無しさん:2012/12/19(水) 10:25:30.83 ID:BhYtth/V0
- まわすのか
- 635 :風と木の名無しさん:2012/12/19(水) 10:39:33.93 ID:5PfpcfwO0
- まわし
- 636 :風と木の名無しさん:2012/12/19(水) 10:54:50.23 ID:28L0YRI60
- 残念まわし
- 637 :風と木の名無しさん:2012/12/19(水) 12:11:36.08 ID:eGoY6s2dO
- よっこらくるくる
- 638 :風と木の名無しさん:2012/12/19(水) 13:07:36.30 ID:m5IxMgV+0
- さあ踏んでくれ、さあ!
- 639 :風と木の名無しさん:2012/12/19(水) 13:14:44.00 ID:qlBWbDwHO
- 酌み交わす
- 640 :風と木の名無しさん:2012/12/19(水) 19:56:59.53 ID:Lh/IM4ha0
- mawasi
- 641 :風と木の名無しさん:2012/12/20(木) 00:43:26.10 ID:9v1g0qXq0
- まわし
- 642 :1/2:2012/12/20(木) 12:38:37.70 ID:Psar83k20
- 「酌み交わす」……それは雑音さえもBGMとして、二人の世界がそこに存在することを意味する。
20代前半同士が仲間内の賑やかな飲み会から少し隅に外れて二人だけで酌み交わすとか。
30代中頃の隠れゲイが恋人にフラれた同僚を慰めつつ胸を締め付けられつつ平気な顔で酌み交わすとか。
30代後半同士が会社で独身なの俺らだけかー、などと言いながら少しずつ、でも確かに近くなる距離を感じながら「まさか」「もしかして」という予感に戸惑
いつつ、だけど世間体やら突き進んでみるには遅すぎる年齢やらを気にしてちょっとした後ろ暗さを抱えて酌み交わすとか。
40代ノンケ同士が行きつけの飲み屋でいつものモツ煮をつまみながらキャッキャウフフと娘息子の話に花を咲かせつつむしろ二人がお花ですみたいな状況で酌み交わすとか。
50代同士幼馴染あるいは腐れ縁がお正月に家族ともども互いの家を訪れ騒がしい家族を尻目に縁側で言葉少なに、でも同じ出来事を思い出しつつ微かに笑いあいながら酌み交わすとか。
20代院卒新入社員が仕事で凹んでいるのを飲みに誘って「焦らなくても大丈夫だよ」と酌み交わす40代上司とか、もしくは無言でお前ならできると信頼を寄せつつじっくりと酌み交わす50代上司とか。
40代と30代の仲良し先輩後輩がもう毎日楽しいことしかないみたいにホモホモしく酌み交わしたりとか。
- 643 :642-2/2:2012/12/20(木) 12:39:44.75 ID:Psar83k20
- 高校以来顔をあわせていないさして仲良くもない同級生から連絡が来たと思ったら帰省したからとなぜか酌み交わすことになったりとかそこから始まるマイレボリューションとか。
憧れの親戚のお兄ちゃんがおじさんになった頃にやっと酌み交わせて「お前と酒飲む日が来るとはな」ってちょっとまだ子ども扱いででもやっぱり嬉しそうなそんな感じで酌み交わすとか。
微妙に閉鎖的な田舎の、無気力アウトロー高校生ゲイ同士が廃屋でひっそりと酌み交わす父親のウイスキーとかそこから始まる埃くさいセックスとか。
十年分の思いを胸に秘めたままで、結婚していく親友を精一杯祝いながら酌み交わすとか、そうして涙声になる「おめでとう」とか。
何も知らずに「なんだよ、お前ってそんなに泣き上戸だったっけ?」なんて酒を注いでくる親友とか、恋心や出掛かった言葉と一緒にそれを飲み干したりとか。
普段言えない言葉や言ってはいけない言葉や、二人きりになりたいあの人や一緒にいるのが当たり前なあいつや、楽しかったり浮き足立ったりお酒の勢いでときめきが加速度だったり。
妙に泣けたり想いがこみ上げてきたり「こんなの酒のせいだ」とか、いつもより近いのもふと触れてしまったのも「酔ってるからだ」とか。
つまりゲイもノンケもとにかく酌み交わせ、話はそれからだ。
- 644 :風と木の名無しさん:2012/12/20(木) 12:56:02.64 ID:/4oJ8nPI0
- どの年代のどのシチュも萌えるし好き!
GJ!
- 645 :風と木の名無しさん:2012/12/20(木) 13:05:51.17 ID:/xAKRFEE0
- どのシチュも萌えた
おじさんに子供扱いされるのが特に好き
GJ!
- 646 :風と木の名無しさん:2012/12/20(木) 13:17:41.33 ID:SuPTYzBy0
- 萌えた! GJ!!
- 647 :風と木の名無しさん:2012/12/20(木) 13:17:49.06 ID:nRiHEODS0
- 酌み交わすって男臭くていいよなあGJ!!
- 648 :風と木の名無しさん:2012/12/20(木) 13:22:33.23 ID:+pmddghN0
- どれも萌えた…!
特に恋心とともに酒を飲むのたまらん
- 649 :風と木の名無しさん:2012/12/20(木) 13:23:18.28 ID:/VpFpfyq0
- お坊ちゃん×幼馴染の使用人
- 650 :1/2:2012/12/20(木) 18:18:11.56 ID:+TAT+nbe0
- 幼い頃、父には彼の父親があてがわれたように、僕には彼が専属の使用人として当たり前のようにあてがわれた。
普通とはかけ離れた環境で、年の近い僕たちは互いを唯一の友とした。
時には共に料理をつまみ食いし、時には共に屋敷を駆けまわり、
それぞれの父親に「あまり仲良くしすぎるな」という同じ文句で怒られる仲だった。
「よし、これでうるさい奴らはいなくなった!
せっかく父さんがいないんだ。何をする? 昔みたいにキッチンに忍び込むか?」
「……坊っちゃん、頭が痛いんじゃなかったんですか」
「そんなの、嘘に決まっているだろう」
「そこまでして、社交場に行きたくないんですか……」
そう言って、彼は深くため息をついた。
教育の結果、彼は自分の立場とやらを強く刷り込まれてしまったようで、もう僕と遊ぶことをしなくなった。
「旦那様には仮病のことは黙っておきますから、せめて大人しくしていてください。」
「僕一人怒られるならいいだろう? お前には無理を言ってつきあわせたことにする」
「今の私はあなたのお目付け役も兼ねているんです。務めを果たせなければ、私は家を出されてしまいます」
昔、彼は自分のことを“私”じゃなくて、同じように“僕”と呼んでいた。
そんなところも変わってしまった。説教はまだ続いている。
- 651 :2/2:2012/12/20(木) 18:18:46.98 ID:+TAT+nbe0
- 「あなたも、もうそろそろ自分の足場を固めなければならない頃です。
旦那様と一緒に社交場に行くのもあなたにとって大切なことですよ」
「お前がいないからつまらない。お前も行くなら一緒に行くよ」
「あそこは私なんかが入れるような場所じゃありません。もう、わかっているはずです。
子供の頃のまま、一緒にいられるわけではないんです」
僕は、自分の思い通りにならない彼にいらだっていた。
「私なんかが、なんて言うな! 僕たちはそんなんじゃないだろう。
それと、自分のことは私じゃなくて僕って言え、これは命令だ!」
「――――かしこまりました。ご主人様」
その言葉を聞くまで、僕は自分のしでかした間違いにまるで気づいていなかった。
彼はただ、深い諦めの、それでもどこかすっきりした表情で僕を見ている。
自然と涙がこぼれた。彼のまとう空気が一瞬惑ったが、すぐに引きしまったものに変わった。
「これ、僕のハンカチですが」
「そんなのはいい。……今はもう、何も言うな」
差し出された慰めを拒んで命じる。
「そばにこい」
指先で招くとその距離は何よりも近くなった。
「じっとしていろ」
そう言い置いて彼を抱き寄せる。そして、静かに泣いた。
僕がどうしようと彼はもう惑いを見せない。そうなるよう、背中を押してしまったのは僕だ。
濡れた肩口に彼が何を思っているかなんて、僕にはもうわからない。
お前はずっと、僕の友達でいろ。
何よりも願いたいこと。それを言う権利はさっき自分自身で潰してしまった。
僕は彼にどんな形であれ命令しないし、彼は僕のことを決してご主人様なんて呼ばない。
口に出さずとも、確かめ合わずとも、二人はそうして幼い友情を守ってきたのではなかったか。
父には彼の父親があてがわれたように、僕には彼が専属の使用人としてあてがわれる。
その当たり前が、今はただただ苦しかった。
- 652 :風と木の名無しさん:2012/12/20(木) 18:46:55.41 ID:oLMQSr3ci
- うああああ!切ない、切なすぎるよ。今後もこんな関係が続くエンドか、坊ちゃんが頑張るのか、使用人が殻を破ろうとするのか…どうか2人にハッピーエンドを!
切な萌えをありがとう、GJ!
- 653 :風と木の名無しさん:2012/12/20(木) 23:39:37.37 ID:Q2vsklzJ0
- お題からしてツボだったけど
萌えが詰まり過ぎてて胸が苦しい
GJでした!
- 654 :風と木の名無しさん:2012/12/20(木) 23:49:43.86 ID:QKMlfNwV0
- お題といい雰囲気といい全部がすごくツボ!
この前もこの後も気になる2人だなぁ・・・
GJ!
- 655 :風と木の名無しさん:2012/12/21(金) 00:30:46.38 ID:7dreeEw4O
- うっひいいいい萌えたああああ
葛藤主従萌えぇ…
お父さん達も昔同じ事で悩んで、だからあまり仲良くするなと言い聞かせていた…とか考えると胸が熱くなるな
幸せになーれ!マジで!!
- 656 :風と木の名無しさん:2012/12/21(金) 00:33:28.52 ID:eOSU8WPD0
- 萌えたよgj
- 657 :風と木の名無しさん:2012/12/21(金) 00:36:39.74 ID:8fqgHQ1V0
- 関係の崩れる切なさに萌える
早く再構築して幸せになれ!
- 658 :風と木の名無しさん:2012/12/21(金) 01:17:13.58 ID:UIG48fNk0
- 口うるさい父親達の躾は、子供達への愛情と警告だった
…としたら場外にまで萌えがボーン!!!
妄想は広がるよどこまでも!GJ!!
- 659 :風と木の名無しさん:2012/12/21(金) 01:49:10.23 ID:eqqKCfbh0
- 見た目はチャラいけど実はヘタレ
- 660 :風と木の名無しさん:2012/12/21(金) 22:02:05.56 ID:qPpdb4EK0
- まわし
- 661 :風と木の名無しさん:2012/12/22(土) 09:58:33.50 ID:mhuDk1ln0
- お流れ残念まわし
- 662 :風と木の名無しさん:2012/12/22(土) 15:34:40.54 ID:dr77eSCS0
- まわーし
- 663 :風と木の名無しさん:2012/12/22(土) 16:15:29.29 ID:s2o6mU/UO
- ぐるぐるまわし
- 664 :風と木の名無しさん:2012/12/22(土) 22:10:17.97 ID:EUg9/skkO
- まわしー
- 665 :風と木の名無しさん:2012/12/22(土) 23:02:14.17 ID:B3Fd554G0
- まわす
- 666 :風と木の名無しさん:2012/12/22(土) 23:03:52.48 ID:+G4nABIj0
- くるくるまわす!
- 667 :風と木の名無しさん:2012/12/23(日) 01:13:10.11 ID:0wL5J5YBI
- 最近9から24時間立つ前にまわすひとなんなの?
- 668 :風と木の名無しさん:2012/12/23(日) 01:36:07.66 ID:0zCxz5w60
- まあほっとくがよろしいよ
お踏み
- 669 :風と木の名無しさん:2012/12/23(日) 01:36:14.20 ID:yMLYpVON0
- ハッピーエンドが怖い
- 670 :風と木の名無しさん:2012/12/23(日) 19:42:35.02 ID:kcEtHQxw0
- 冬の文芸部の部室はとても静かだ。
他の部員はとっくに帰って、向かいの席に座る菊池がシャーペンで原稿用紙を叩く、とんとんという音だけが聴こえる。
我が文芸部では、毎年冬に出す部誌での企画として、クジを引いて同じ番号だった相手と合作小説を書く。
そして俺は全く話したことのない菊池と合作を書いているのだが…
合作を書いている間も、俺は菊池と話さない。ただ原稿用紙の空白に「ここの展開どう思う?」とか「ここ伏線?」とか「食事シーン書くと腹減るよね」とか。
原稿用紙の隅に書かれた筆圧の薄い綺麗な字を見るたびに俺は。
部室を漁って読み耽った菊池の作品はどれもハッピーエンドだった。
今菊池が書いている最終章もきっと、ハッピーエンドなのだろう。
でも俺は、原稿用紙のあの字を、向かいの席に座って原稿用紙をじっと見つめる伏せた目にかかる前髪を、俺が担当した章を読んで少しだけ笑う顔も、見られなくなると思うと。
小説がハッピーエンドを迎える事がどうしようもなく怖いのだった。
- 671 :風と木の名無しさん:2012/12/23(日) 19:49:53.13 ID:JVUGgtNN0
- ふぉお今後の展開が気になる!
短くて読みやすいのに萌えが詰まってました!GJ
- 672 :風と木の名無しさん:2012/12/23(日) 21:24:21.51 ID:bw+6Xzcd0
- 部室の情景が目に浮かぶ
GJ!
- 673 :風と木の名無しさん:2012/12/23(日) 21:32:07.39 ID:AaGGENpki
- あ、なんかいい
GJGJ
- 674 :風と木の名無しさん:2012/12/23(日) 23:00:49.24 ID:BJPCTMvDO
- ストレートでいい
GJです
- 675 :風と木の名無しさん:2012/12/24(月) 01:09:03.77 ID:j27G8n4t0
- 短いのに空気が伝わる・・・
続きが読みたくなりましたGJGJ!!
- 676 :風と木の名無しさん:2012/12/24(月) 10:05:32.21 ID:UaALBErD0
- いいですねー
短いのにギュッとつまってて
GJでした
- 677 :風と木の名無しさん:2012/12/24(月) 20:03:45.63 ID:5LUU0dji0
- まわし
- 678 :風と木の名無しさん:2012/12/24(月) 20:14:39.33 ID:vJZ6izn50
- どうぞ踏んでください
- 679 :風と木の名無しさん:2012/12/24(月) 20:15:59.29 ID:mKPgBEWn0
- 恋人はサンタクロース
- 680 :風と木の名無しさん:2012/12/25(火) 13:17:11.14 ID:5Zm1Kk2Y0
- 嬉しいな。今日の夜は僕のもとに帰ってくるあの人。
世界中のこどもの夢とあこがれでできている、赤い服と白いおひげのおじいさん。
優しい笑顔といっしょに、心のこもった贈り物をたくさんの人に分け与える。
大きな愛ですべてを包む、神様。
僕は、いつもその人のそばにいる。
あの人が普段何をしているかって、それは世界中の人がいろんな想像をめぐらす永遠の秘密。
プレゼントを用意してる?
みんなに手紙の返事を書いてる?
それとも休暇中?
僕は知ってる。あの人はいつもね……
僕はお仕事を手伝う。
膨大なお仕事。気の遠くなるような。
どうやってこなしてるかって?
そりゃあたくさんの人数、魔法の力、莫大な資金……なんて。
皆さんのご想像におまかせします。本当のところは誰も知らない。
誰もが知ってるおじいさん。赤い服の神様。
でもあの人から話しかけてもらうのも、あの人のいちばん側にいるのも、
あの人の本当の心を知るのも、僕だけなんだ。
一年でたった一日、あの人はみんなのものになる。
でもそれが終われば、みんなの知らないあの人は、僕だけのものだよ。
他には誰もいない、僕だけがパートナー。
恋人のように、いつもいっしょに。
いつも泣いてた僕を、温かい手が撫でてくれた日から。
だから、胸をはって僕は走る。
僕の赤い鼻があの人のお気に入り、これはみんなが知ってることだけどね。
- 681 :風と木の名無しさん:2012/12/25(火) 14:06:11.45 ID:gWcUTkg3O
- トナカイめ〜そう来たかw
GJ!
- 682 :風と木の名無しさん:2012/12/25(火) 15:35:07.73 ID:bs59kaEQ0
- あの国民的な曲がそういう風にしか聞こえなくなったよ!w
新たな萌えを開拓してくれてありがとうww
GJでした!!
- 683 :風と木の名無しさん:2012/12/25(火) 15:37:05.64 ID:zdsOM1Ug0
- トナカイかわいい
サンタさんは包容力があって素敵
GJでした
- 684 :風と木の名無しさん:2012/12/25(火) 20:43:36.42 ID:eHw+gzwl0
- トナカイ萌えた!!素敵なクリスマスプレゼントをありがとう!
GJでした!!
- 685 :風と木の名無しさん:2012/12/26(水) 09:23:46.71 ID:WX6wTj8b0
- まわし
- 686 :風と木の名無しさん:2012/12/26(水) 10:04:32.81 ID:yORHA/7Y0
- くるりんぱ
- 687 :風と木の名無しさん:2012/12/26(水) 13:45:43.40 ID:aF4tgBHQ0
- まわし
- 688 :風と木の名無しさん:2012/12/26(水) 13:58:42.54 ID:rJ5CYbAr0
- クリスマスも終わったし踏みたまえ
- 689 :風と木の名無しさん:2012/12/26(水) 13:59:39.96 ID:ZOto+qNdO
- 顔を隠す
- 690 :風と木の名無しさん:2012/12/26(水) 23:55:34.23 ID:fqnYolsL0
- ほしゅ
- 691 :1/2(12時間経ったので投下します):2012/12/27(木) 11:57:08.94 ID:FohvbrFZ0
- 「えー、じゃあこんなんはどーお?『な、七瀬クンのばかぁ!!』」
ご丁寧に女声まで作ってバッと顔を手で隠すしぐさをした鹿山に
「う〜ん駄目、何かありきたり、嫌いじゃないけど惜しい」
と返す僕は少女漫画家の七ツ星ひかる、本名は七瀬光
何故こいつが真夜中にこんな子芝居をしているのかというと
『後輩から突然キスされたヒロインに最適な反応が思いつかない』
という事を夕方ごろ鹿山になんとなく相談してみた所
「俺今日暇だし協力しに行っちゃおっかな〜」
と自ら扱き使われに押しかけて来たからである
「いいじゃんもうありきたりでー、俺王道好きよ?」
などとぶつぶつ言っているが多分鹿山は僕が納得するまで付合うだろう
この鹿山順平というやつは案外律儀な男である
例えば僕らがまだ高校生の頃、鹿山に誕生日プレゼントの希望を聞いたことがある
鹿山は今まさに良い悪戯を思いつきましたと言わんばかりの顔をして
『お前が漫画家になった時ヒロインの髪型を俺と同じにしてくれるだけでいいよ』と言った
だが生憎僕はロングヘアのヒロインを描きたかったから
『なら君は僕が漫画家になるまでに髪を伸ばしておけよ』と返しておいた
その日から僕のデビュー作が完結した日まで鹿山の髪はずっと長いままだった
僕のデビュー作が最終回を迎えて少し後、鹿山はバッサリ髪を切った
『超さっぱりー頭がかるいー』と喜んでいたのでやっぱり長髪は面倒だったんだろう
次のヒロイン案を考えていた僕は鹿山の短くなった髪を見て少し落ち着かない気持ちになった
そしてなぜかヒロインのデザイン案だけが全く思い浮かばなくもなった
数日後気分転換に出た先で帽子を見つけた、なんとなく鹿山に似合いそうだったから買って帰って投げて渡した
その夜同じ帽子をヒロインに被せてみると何かが吹っ切れたように
スラスラ案が浮かんでくるようになった、ヒロインの名前はなんとなく純にした
その話を鹿山にしてみると次から夜でも室内でもお構い無しに必ず帽子を被ってくるようになった
これが数年前の話、今日の様に僕の手伝いをしに来る日は今でもあの帽子を被ってくる
まだ連載が続いているからだろうがちょっと行き過ぎな位に律儀な奴だと思う
- 692 :2/2(12時間経ったので投下します):2012/12/27(木) 11:59:08.65 ID:FohvbrFZ0
- 「んー、じゃあこれは?『七瀬クン…酷いよ…!』で思いっきりビンタ」
やっぱり女声を作りながら僕の頬を軽く打つ鹿山
「駄目シリアスは合わない、というかさっきから七瀬クン七瀬クンって後輩君の名前は辻だ」
「いーじゃん別に、いまここに居るのは七瀬クンと鹿山チャンなんだし
ってか、お前こそ人が折角かわいーく言ってやってるのに駄目駄目ってさぁ」
ブスっと頬を膨らませる、お世辞にもかわいいとはいえない顔だ
「かわいーく、ってあの微妙な女声のことか?」
「かわいいだろ?結構上手くて結構かわいいって評判なんだぜこれ」
「いやかわいくないだろ…、お前は普通の声で普通に『光ー』って呼んでる時のがいいよ」
僕が眉をひそめながらそう言うと、鹿山はきょとんとした顔で少し固まった後真っ赤になった
「わー!」だの「ぎゃー」だの言いながら帽子を頬まで引き下げ顔を隠そうとしている
「ああそれいいな!帽子で顔を隠すの!キャラの個性もでるしかわいいし!
じゃあ僕ちょっと続き描いてくるからっ、そこで好きなだけごろごろしてていいぞ!」
なんでいきなり真っ赤になったのかちょっと気にならない事もないが
とにかく今は頭に浮かんだイメージを逃がさないようにと駆け足で仕事場へ向う
バタンと大きな音を立てて閉まったドアの向こうから「光のばーか!!」
と聞こえたが今日の礼なら別の日に飯でもおごるからそれで許してもらおう
その時になんでさっきあんなに真っ赤になったのかも聞いてみようと思った
- 693 :風と木の名無しさん:2012/12/27(木) 12:43:00.77 ID:s484BJ9PO
- 高校時代もお礼の日も見てみたい!
可愛かったよGJ!
- 694 :風と木の名無しさん:2012/12/27(木) 18:33:23.46 ID:s2SO1Z2si
- 二人ともかわいい!!
思わずジタバタしたwGJ!
- 695 :風と木の名無しさん:2012/12/27(木) 18:41:16.20 ID:qqCP1L810
- 鹿山くん可愛いな!光くんも早く気持ちに気付け!w
萌えたよーGJ!!
- 696 :風と木の名無しさん:2012/12/27(木) 19:10:55.45 ID:95+IwI7r0
- 可愛いなあwwGJ!!
- 697 :風と木の名無しさん:2012/12/27(木) 21:29:45.94 ID:eorV/Sb20
- お花畑めwGJでした!!
- 698 :風と木の名無しさん:2012/12/27(木) 21:38:16.95 ID:1hgfxQp7O
- 七ツ星せんせー、早くとっとと速やかに自覚しやがってくださーい
イチャコラしやがって!萌えるだろうが!!!GJです!!
そしてさあ踏みたまえよ
- 699 :風と木の名無しさん:2012/12/27(木) 21:44:14.02 ID:VCq233xL0
- あいみての のちのこころに くらぶれば
- 700 :風と木の名無しさん:2012/12/27(木) 21:46:05.96 ID:c7qzSMmL0
- 魔法使いと誰かの使い魔
- 701 :風と木の名無しさん:2012/12/28(金) 11:38:02.08 ID:Hl4C8fyL0
- mawasi
- 702 :1/3:2012/12/28(金) 17:18:50.96 ID:Bkyvgn7u0
- 友達がたくさんいてみんなに信頼されて、成績もそこそこ良くてサッカー部のレギュラーで。
一度も話したことはないけど、同じクラスのずっと憧れだった奴。
聞こえてくる会話から好きなバンドを知って、新刊の小説を我慢してその分のおこづかいでCDを買ってみたりした。
好きなサッカーチームの話をしてたから夜中にうとうとしながらテレビで試合を見てみたりもした。
会話を交わしたこともないのに馬鹿馬鹿しい、と思いながらも、どこか奴と近づけた気がして頬が緩んだ。
先日席替えで隣の席になった時は素直に嬉しかったが、なにか変なところを見られていないかと気が気ではない毎日だ。
少しでも話せたら、友達になれたら。
いつも通りそんなことをボーっと考えながら、3時間目の国語の教科書を開く。
「やっべ、ごめん!教科書見せて!」
ガタン、と奴の机が俺の机にぴったりと並ぶ。
距離が近い。無理無理無理。
目は合わせられないし、真冬なのになんか変な汗かいちゃってるし。
あー今絶対俺変な奴だと思われてる。
何と答えるのが正解なのかが分からなかったので、俺は黙って俺の机と奴の机の境界線より少しだけ奴のテリトリーに比重を置いて教科書を配置した。
- 703 :2/3:2012/12/28(金) 17:21:24.89 ID:Bkyvgn7u0
- 奴の隣の席になってからは授業に集中できたためしがなかったが、今日は集中できないとかそういうレベルじゃない。
俺はこんなに困ってるのに奴は隣ですやすや寝てやがる。
あ、俺の隣で寝てるって言うとなんかアレだな、変な感じだな。いやそうじゃなくて。
あーあ、ほら当てられた。寝てるから。
慌てるから足ぶつけてるし。筆箱落としてるし。
「ここから、読めって」
目を逸らしつつ当たってる箇所を教える。あ、これ初会話だ。
「あいみてのーのちのこころにくらぶればーむかしはものをおもわざりけりー」
寝起きの声はいつもよりちょっと子供っぽいなーなんて思いながら奴の落とした筆箱を拾う。
「すまんのぉ何から何まで」
ふざけた口調で言う奴に全身の勇気を振り絞る。
「その、キーホルダー、のサッカーチーム、今年優勝しそうだよね」
やばい、語気が強くなってしまった。あと会話の流れも不自然かもしれない。
「見てるの!?今年は調子いいよな!先週末の試合は見た!?最後の最後できっれーなセットプレー!」
俺の反省はよそにすごい食いつきだ。
一生懸命勉強した奴の趣味の話題はもちろんだが、それ意外も盛り上がる盛り上がる。
今までうじうじ話しかけられなかったのは何だったのだろう。楽しい。すごく楽しい。
「ほらそこお喋りしない!そんなに余裕があるならお前ら、この句の意味を説明してみろ」
先程奴が読み上げた句の意味を聞かれ、そういえば授業中だったと思い出す。
授業中に先生に叱られたのは初めてだ。
「えーっとぉ、あいみて、は多分会って、見るだからー」
奴が困った顔でまごまごしている。
「ちゃんと会ってお話してみたら、それまで一方的に遠くから想っていた頃よりもなお会いたい思いは強くなる、みたいなそんな感じですか?」
一応文学部に所属する俺が答えると、大体正解だ、と少しばつの悪そうな先生。
「さすが!」と笑う奴と一緒に着席する。
そのとき奴が屈託のない笑顔で言った、
「俺の今お前に対する感覚、そんな感じ!」
こいつは本当に意味を分かって言っているのだろうか。
- 704 :3/3:2012/12/28(金) 17:26:34.26 ID:Bkyvgn7u0
- 「なんてこともあったね」
「もう8年も前のことなのか。まあ実際は『お話してみたら』なんて可愛い意味じゃなかったけどな」
「俺も中学生だったんだから『逢い見て』なんてわかんないよ」
「はいはい、純粋な文学部員さんだったんですねー」
「そんな俺に『逢い見て』もっと好きになった、とか言った奴は誰だっけ?」
「そこまでは言ってねえよ...!それに俺もあの頃はお話してみたら、って意味だと思ってたし」
「じゃあ、本当の意味であの句を実感させてあげようか」
「な、馬鹿...」
「お前を知る程好きになってくのは俺のほうだよ。
あの頃から、ずっと」
- 705 :風と木の名無しさん:2012/12/28(金) 17:41:11.57 ID:jdc++r/pO
- なんと丁寧なお題の使い方…末長く幸せになればいいよ、この二人
とても萌えました、GJです
>>701
あとあなたいい加減まわすのやめなさいな
テンプレ位読みましょう
荒らしならしになさいね
- 706 :風と木の名無しさん:2012/12/28(金) 23:37:47.00 ID:H94LnMW00
-
- 707 :風と木の名無しさん:2012/12/29(土) 00:25:46.60 ID:4OanIT9cO
- この句好きだからすごく萌えた!GJでした!
- 708 :風と木の名無しさん:2012/12/29(土) 11:51:06.81 ID:fhVc1ClR0
- 俺屍!
- 709 :風と木の名無しさん:2012/12/29(土) 12:05:26.81 ID:+JgE+KS20
- 口噛み酒
- 710 :風と木の名無しさん:2012/12/30(日) 12:08:58.55 ID:cypdxbHA0
- これはむずかしいわなまわし
- 711 :風と木の名無しさん:2012/12/30(日) 12:37:14.39 ID:ITKiqEcq0
- まわし
- 712 :風と木の名無しさん:2012/12/30(日) 12:57:55.49 ID:Z5tlq6o40
- 残念まわし
- 713 :風と木の名無しさん:2012/12/30(日) 16:10:59.08 ID:wjw2yyMS0
- 某菌漫画でしか聞いたことないな
レベル高かったわまわし
- 714 :風と木の名無しさん:2012/12/30(日) 16:57:13.77 ID:cOJ0J5zuO
- 萌える人がとりあえずいなかったわけだ
誰かの萎えが誰かの萌えだとよかったなまわし
- 715 :風と木の名無しさん:2012/12/30(日) 18:44:57.25 ID:O+xqUGkt0
- 萌えたけど描けなかったんだよまわし
- 716 :風と木の名無しさん:2012/12/30(日) 19:34:50.16 ID:7ukw7jnJO
- というかまず意味を知らなかったばっかでーすてへっまわし
- 717 :風と木の名無しさん:2012/12/30(日) 19:40:36.39 ID:Mgl19Tfa0
- 残念だまわし
- 718 :風と木の名無しさん:2012/12/30(日) 20:45:07.11 ID:LcBCoRjdO
- お題をググった無教養者の俺の屍を踏んでいけ!
- 719 :風と木の名無しさん:2012/12/30(日) 21:02:11.77 ID:cllskayk0
- 雨の日の告白
- 720 :風と木の名無しさん:2012/12/31(月) 00:55:16.19 ID:ahjKaUjz0
- まわしまわし
- 721 :風と木の名無しさん:2012/12/31(月) 00:59:28.77 ID:670ng3Ar0
- 残念まわし
- 722 :風と木の名無しさん:2012/12/31(月) 15:25:02.88 ID:mVzuVieF0
- 仕事で知り合ったアイツは、整った外見だけでなくクールになんでも隙なくこなすいかにもデキる奴だった。
そんなアイツが幼馴染にだけは甘く、仕事中だろうと会食中だろうと電話一本で呼び出されていく。
どんな相手なのか気になって、一度後を付けて見にいったことがある。
幼馴染は、身なりに気を使わないガキみたいな冴えないドンクサそうな奴だった。
歩いているだけで何かへましてアイツは怒っているのに、その表情は俺が見たことのない優しい色を浮かべていた。
敵わない。
絶対にオレの想いは報われないと気付かされた。
このまま知らなかったフリで仕事仲間として側にいる事は出来るが、それじゃオレは先に進めない。
アイツに告白して、キッパリ振られる覚悟を決める。
思い立ったら即実行だとばかりに、雨が降っているのに傘も差さず奴の住まいに向かいながら「話したいことがある」とメールをする。
外出していたアイツと人通りのない歩道で会った。
濡れ鼠のオレに眉を顰めるアイツを真っ直ぐに見ながら、
「オレ、お前が好きだ」
「!」
味もそっけもない告白に本気で驚くアイツの顔を見ただけで、オレは絶望感に襲われ雨のせいだけではなく目の前がばやけ始める。
今なら涙は雨に紛れてアイツに気付かれないだろう。
それでも、判り切った答えを聞くまでもっと強く降ってほしかった。
- 723 :風と木の名無しさん:2012/12/31(月) 19:20:08.62 ID:V3awrygVO
- 切ない系ですね〜
GJです
今年最後の投下ありがとうございました!
- 724 :風と木の名無しさん:2012/12/31(月) 20:00:52.99 ID:TKI+OT+Z0
- 切なすぎるから大逆転両想いエンドを想像しておく
萌え納めGJ!
- 725 :風と木の名無しさん:2012/12/31(月) 20:59:31.88 ID:sztxU3v80
- 嫌な事あって気分がささくれていたんだけどクリティカルヒットで嫌な事忘れた!
年の終わりにいいもの読ませて戴いてありがとう!
- 726 :風と木の名無しさん:2013/01/01(火) 01:51:08.45 ID:zr5EuHEf0
- さて
- 727 :風と木の名無しさん:2013/01/01(火) 15:23:31.25 ID:n5hqf9+x0
- 新年初まわし
- 728 :風と木の名無しさん:2013/01/01(火) 16:14:31.94 ID:1+88R2aX0
- 新年初踏み台
- 729 :風と木の名無しさん:2013/01/01(火) 16:17:28.19 ID:lNJfJ6+t0
- 寝正月
- 730 :風と木の名無しさん:2013/01/01(火) 16:18:44.29 ID:C8iqV4Hu0
- 残念、お流れまわし
- 731 :風と木の名無しさん:2013/01/01(火) 23:05:21.33 ID:TtAA2AnP0
- あけおめまわし
- 732 :風と木の名無しさん:2013/01/02(水) 14:59:30.13 ID:nUZb29FFO
- ドッという笑い声が聴こえて目が覚めた。
寝起きには見慣れない、しかし馴染みある天井に、ひとつまばたき。
上体を起こす。なるほど居間である。
首をぐるりと回して天板の上の眼鏡を取る。
昨日、僕はどうやらあのまま寝てしまったらしい。
溜め息と共に炬燵の中で無造作に動かした足がふわついた何かに当たって、息も動きも止まる。
布団をめくり、中に向かって声をかける。
「……教授、あけましておめでとう」
"教授"は気を悪くした素振りもなく、僕の脚にいちど頭を擦り付けた。
「お、起きたかー………ってなにやってんのお前」
「新年のご挨拶だ」
襖を開けて入って来たのは、昨夜何の前触れも無しに押し掛けて来たアホである。あー、と生温い合点の声がしたかと思えば、向かいの布団がばさりと開いた。膝をついて炬燵を覗き込む奴が見える。
「ねこすけー、あけましておめでとさーん」
「教授だ」
「そうだっけ。お前も、あけましておめでとう。雑煮食うっしょ?」
流れる様なたずねっぷりに、ああと思わず頷きそうになってはたと止まる。
こちらを見つめる奴の視線を布団でシャットアウトし、頭を抱えた。
「…雑煮ってお前、作ったのか」
「一応な。出来合い詰めただけだがおせちもあるぞ」
「人の家で何を…」
「筑前煮もあるし」
「…………」
「うまい酒もあるぞ?」
「駄目だ、これは駄目な流れだ……」
「何がだよ。食べるだろ?」
「……ああ、いただくよ。」
諦めよう。
正月休みだからってだらける予定は無かったのだけれど、昨日こいつが来た時点で、僕の秩序立った日常は破壊されたのだ。起きたのが昼過ぎという時点でもういけない。
しかし始末が悪いのは、僕自身、こいつに流されるのがそう嫌ではないという事だろう。
せめてもの抵抗とばかりにお笑い番組をニュース番組に変える。
僕の抵抗はいつでもささやかである。
- 733 :風と木の名無しさん:2013/01/02(水) 22:58:03.25 ID:aur2FUP+O
- 教授って猫だよね?
我が輩は猫形式かと思っちゃいました、すみません
こたつ猫と寝正月は良いわぁ
人間ふたりにも幸あれ
- 734 :風と木の名無しさん:2013/01/02(水) 23:07:48.84 ID:57z94zzm0
- >>732
だらだらしたお正月いいなあ
しかもいつも流されてるとか萌える…!
至れり尽くせりされて、ふたりで三が日まったりしていればいいな
この二人の一年もっと見たいな!GJ素敵なお年玉有難う
- 735 :風と木の名無しさん:2013/01/03(木) 01:08:36.48 ID:4rRsiaK/0
- 教授のくだりいるの?www
- 736 :風と木の名無しさん:2013/01/03(木) 01:20:26.49 ID:Gbi8XeM30
- まあそういうなってw
- 737 :風と木の名無しさん:2013/01/03(木) 01:34:23.36 ID:Nbx7yU/G0
- 二人と一匹の空気がほのぼのしてて良かったGJ
- 738 :風と木の名無しさん:2013/01/03(木) 02:50:13.43 ID:TdvY1vdG0
- いちゃいちゃしてなくても萌えるこの雰囲気がいいなあ
もっと色んなイベントで流されるのが見たいwww
今年初踏み台!
踏んでいってください
- 739 :風と木の名無しさん:2013/01/03(木) 02:55:12.97 ID:ikMx6CsP0
- 強くてニューゲーム
- 740 :風と木の名無しさん:2013/01/03(木) 20:47:35.69 ID:kgTpbWuKP
- 「つよくてニューゲーム≠チて知ってる?」
「知らね」
いつもの通学路。草臥れた黒い学生服の背を追いかけながら僕が問い掛けると
藤沢はやはりいつものように、面倒くさそうな声音で気のない返事をした。
「えー、ゲームのシステムだよ。藤くんもやったことない?
一度クリアした後、レベルとか持ち物とかそのまま引き継いで
もう一回最初からプレイできるの」
「んなつまんねーゲームやんねぇよ」
つまんないかなぁと僕が呟くと、藤沢はこちらを振り返りながら言う。
「こっちは強くなってんのに弱い敵と再戦すんだろ?そんなんつまんね」
「はは、藤くんはそういうの好きじゃないか。結構楽しいと思うんだけど」
例えばすごく苦労した敵を一撃必殺で一掃すると意趣返しみたいで気分がいいよ。
そう言うと、藤沢は眉を潜めて僕を悪趣味だと詰った。
「藤くんひどーい。ねぇ、だって例えばさ
、小学生の僕と勝負できるならやってみたいと思わない?」
「弱いお前とやったってつまらねーだろーが」
呆れたように言いながら、藤沢は肩に担いだ竹刀袋を負い直した。
藤沢はずるい。今だって僕よりずっとずっと強い癖にそんな言い方をする。
僕は藤沢に一度だって勝てたことがないのに。
- 741 :風と木の名無しさん:2013/01/03(木) 20:50:43.39 ID:kgTpbWuKP
- 藤沢はいつだって正々堂々を好む。
皮肉屋で冷たいことばかり言うのに剣道に対しては驚くほど真摯で
理に叶わないことを決して潔しとしない。
それはずっと隣で竹刀を振るってきた僕が、一番よく知っている。
何時の間にか二つの影がは隣に並んでいて
藤沢の高い背で遮られていた夕日の紅が
一直線に差してくるのが目に痛い。
僕が小学校入学を機に剣道教室に入門してから中学三年生の今日まで
僕はいつだって藤沢の背中を追いかけてきた。
入門したばかりの僕は藤沢の剣に魅了され
彼に勝つことを目標に励んできた。
それがついに叶わぬまま、今日という日を迎えてしまったことを思うと
藤沢と同じように背負った竹刀がずっしりと肩にのし掛かってくる感じがした。
- 742 :風と木の名無しさん:2013/01/03(木) 21:29:54.27 ID:kgTpbWuKP
- 「…まさかアメリカなんてね。ジャパニーズサムライ!とか人気者になれるんじゃない?」
「剣道はあっちでもメジャーだぞ。今更珍しくもねーだろ」
「分かってるけどさー、藤くん日本男児って雰囲気だし。
人気者になって、そのままアメリカに定住しちゃわないでよ」
「親父の仕事で仕方なく行くだけだ。高校出たらこっち戻れんだろ」
「…そうだね」
絶対戻ってきてよ。
言おうとして、止めた。結局僕は今日までずっと、藤沢を追っているだけだった。
最後の最後、卒業試合の帰り道に追い縋るような言葉をかけるのは
その事実を強く突き付けられる気がして辛い。
- 743 :風と木の名無しさん:2013/01/03(木) 21:33:12.36 ID:kgTpbWuKP
- ラストです、ぶつ切りになってしまってすみません
つよくてニューゲーム。
もしもそんなことが出来るならどんなに良いだろう。
僕は藤沢ともっと戦い続けたかった。
出来ることならこの男を倒したかった。
藤沢に勝てるくらいの実力を積んで、隣に並びたかった。
でも例えば小学生の藤沢とまみえたとして
僕は彼を倒そうとするのだろうか。
その問いに意味は無い。つよくてニューゲームが出来るのは
ゲームをクリアしたプレイヤーだけ。
一度も藤沢を倒せなかった僕は、ニューゲームの資格すらない。
「腰越」
藤沢が僕を呼んだ。
ねぇ、僕は君に憧れて、君が好きになって、君に近づきたくて
だからいつだって君と同じ場所で君を目指し強くなろうとしてきたけど
「…必ず戻る、もっと強くなって。そしたらまたお前と戦いてえ」
これからは君がいない場所で、僕は僕なりに強くなるよ
「うん。その時は僕、藤くんがびっくりするくらい強くなってるよ。
一撃必殺されないように気をつけてよね」
ニューゲームじゃなくこの同じ世界で
いつか君と肩を並べることが出来るように
- 744 :風と木の名無しさん:2013/01/04(金) 21:22:08.34 ID:juiiJF4I0
- まわし
- 745 :風と木の名無しさん:2013/01/04(金) 21:37:37.32 ID:5Yp1lXIyO
- まわす
- 746 :風と木の名無しさん:2013/01/04(金) 21:42:39.37 ID:ilP9ZQYb0
- まわし
- 747 :風と木の名無しさん:2013/01/04(金) 21:45:07.67 ID:5InFipmCO
- ぐーるぐる
- 748 :風と木の名無しさん:2013/01/04(金) 21:46:26.62 ID:zGQlH8gB0
- さあ思いっきり踏んで
- 749 :風と木の名無しさん:2013/01/04(金) 21:51:29.76 ID:YRU8kK750
- 猫っぽい人×犬っぽい人
- 750 :風と木の名無しさん:2013/01/04(金) 22:56:39.02 ID:n+MhzqmA0
- まわし
- 751 :風と木の名無しさん:2013/01/05(土) 15:10:17.43 ID:88+9s3cM0
- 保守
- 752 :風と木の名無しさん:2013/01/06(日) 01:59:43.98 ID:aqGeQ2RI0
- まわし
- 753 :風と木の名無しさん:2013/01/06(日) 08:27:51.37 ID:kEdenfKhi
- 残念まわし
- 754 :風と木の名無しさん:2013/01/06(日) 09:08:14.06 ID:2+n1LpVf0
- 好みなお題だったから本当に残念だまわし
- 755 :風と木の名無しさん:2013/01/06(日) 10:29:25.72 ID:42DVIrF00
- 別館に来てたよ 時間切れが
てか好みなら自分が萌えればよかったのに
- 756 :風と木の名無しさん:2013/01/06(日) 10:48:02.35 ID:oWWyTn770
- 萌えすぎて言葉に出来ない事もあるさまわし
- 757 :風と木の名無しさん:2013/01/06(日) 11:04:27.12 ID:xhu6G+ID0
- 別館情報ありがとう
まわし
- 758 :風と木の名無しさん:2013/01/06(日) 11:19:38.68 ID:arVJlZJBO
- 踏み台
- 759 :風と木の名無しさん:2013/01/06(日) 11:24:34.45 ID:1b60n3SOO
- 北風タイプと太陽タイプ
- 760 :風と木の名無しさん:2013/01/06(日) 17:01:28.41 ID:mPmqE6c80
- 「北風と太陽」は、「旅人の上着をどちらが脱がせられるか」
という北風と太陽のたわいのない勝負
冷たい北風を浴びせ続けても、旅人はより強く上着を抑えるばかりで
太陽が暖かな光を満たして初めてそのボタンを自ら緩めたのは有名な話
「だからきみは不器用だというんだ。ただ吹き荒れるばかりが手段でもなかろうに」
「うるさい。貴様にとやかく言われる筋合いはない」
その冷たさ、過酷さから恐れられ、疎まれ続けた彼は
いつしかその心も同じように凍てついていると思われてしまった。
「俺の仕事はすべてを閉ざすこと、枯れさせること。貴様になぞ理解できるものか」
- 761 :風と木の名無しさん:2013/01/06(日) 17:03:46.84 ID:mPmqE6c80
- ぼくは知っている。彼の季節があるからこそ、人はやがて訪れる春の暖かさを尊く感じることを
そして冬、雪がすべての命を抱きしめて眠りにつかせる間、それを乱す者がないよう守っていることを
「だれからも愛され笑顔を向けられる貴様になぞ、わかるものか」
あの旅人はもう一度上着を着込みながら言っていた
この先の街に着いたら、熱い料理と酒でこの寒さを楽しむのだと
この季節だからこそ薫り高い酒が美味いのだと
木々の葉も落ちた街が寂しいかと問うてみれば
この季節にしかない静けさが好ましいと答える者は多い
きみを愛する人もちゃあんといるのだよ
- 762 :連続投稿に引っ掛かったので3枚目のみ携帯から:2013/01/06(日) 17:34:23.54 ID:UOLfApzP0
- 人よ、彼を憎まないでおくれ
彼のその冷たい指先では触れることも叶わないのだ
彼の凍る吐息と唇では口付けることもできないのだ
ただ吹き荒れ凍てつかせることで、今はその身を暖めよと警告するしかないのだ
彼自身を抱きしめる者はいないのだ
わたしの腕の中は暖かすぎて、彼の声ごと溶かしてしまう
だからせめて 窓の外でひとり歌う彼を 疎まないでおくれ
- 763 :風と木の名無しさん:2013/01/07(月) 18:04:19.38 ID:/7zZ4JdH0
- まわすよ
- 764 :風と木の名無しさん:2013/01/07(月) 18:35:40.54 ID:vTBBsqngI
- 北風にも愛が伝わる日がくればいいね。ほどよい距離感恋愛もいいじゃないか。切ない話GJ!
- 765 :風と木の名無しさん:2013/01/07(月) 18:39:03.79 ID:lFJRtN0qO
- まわまわ
- 766 :風と木の名無しさん:2013/01/07(月) 19:21:06.26 ID:u1sTcCCQ0
- 何だろう、上手く言えないけど物凄くぐっときた
良いものをありがとうGJ
- 767 :風と木の名無しさん:2013/01/07(月) 21:02:16.14 ID:/KXlLSpb0
- まわし
- 768 :風と木の名無しさん:2013/01/07(月) 21:07:18.60 ID:LaSVr4n30
- 北風と太陽じゃなくて
北風タイプと太陽タイプだから
そういう性格のキャラ指定かと思ってた
擬人化OKだったか
- 769 :風と木の名無しさん:2013/01/07(月) 21:26:21.77 ID:w/JRaFfp0
- ギャル男受け
- 770 :風と木の名無しさん:2013/01/07(月) 22:44:37.95 ID:QVgTPckV0
- まわし
- 771 :風と木の名無しさん:2013/01/08(火) 20:53:55.08 ID:EiotMsKOI
- 勉強が好きか?と嗤われながら問われたので、僕は勉強が好きだ、そう答えた。すると、天才は違うなとかガリ勉とか、そんな言葉を掛けてくる。
勉強に勤しんでいる訳でもない。ただ、楽しいだけなのに。
しかし、周囲は嗤う。
そんな中で、1人だけ、周囲とは違う言葉を掛けてきた奴がいた。
奴とは今年から同じクラスになり、教師も手を焼いている。主に校則違反の髪型と、崩した服装、アクセサリー等において。
しかし、愛想が良くリーダーシップもとっていて、憎めない生徒とみなされている。
僕とは反対の奴と思っていた。
「いいんちょーって、勉強好きなんだ」
「ああ」
「オレもさ、服とか髪いじんの超好きなんだ!」
Mの字の前髪を触りながら満面の笑みで告げると、奴は手を差し伸べてきた。かと思えば、ぶんぶんと僕の手を握っては振る。
「おい、佐伯ー!そんなガリ勉と連むとか頭おかしいぜ!」
僕を天才と嗤った男が叫ぶ。そして、奴に頭をはたかれる。
「いいんちょーみたいに、好きなもんが無い奴は黙ってろ、ばーか」
そして、また僕に向き合う。
「いいんちょーの髪、超サラサラだよね。漆黒でキレーだし。スタイルもいいよね!」
そう言うと、僕の顔をじっと見つめる。自然に焼けた顔の色は僕の不健康な色とはまるで違う。しかし、その表情は僕と似ていた。面白い問題を見つけた僕の表情と。
「オレ、数学とかは嫌いだけどさ、服とかは超好きなんだ。なんか、自分ってこんだけ表現できんだって思ったり、似合わねーって思ってたサーフを着こなせた瞬間とか最高だし」
犬みたいにキラキラとしゃべり出す。この表情、なんだか愛おしい。
「ねえ、日曜日一緒に服見にいかない?いいんちょー、すげえ素材持ってるからさ!いいんちょーにも、この楽しさ伝えたいんだ!」
「…あんた、生き生きしてんな」
「あはは!分かる?」
「うん、可愛い」
裏表のないその表情に、真っ赤になったその表情に、僕も初めて勉強の楽しさを伝えたい、その前に日曜日の予定を空けなくちゃ、そう思った。
- 772 :風と木の名無しさん:2013/01/08(火) 21:37:51.98 ID:Azuf1pUl0
- このギャル男ええ子や…!
根元が純粋で素直ギャル男すごく可愛いですGJでした!
- 773 :風と木の名無しさん:2013/01/08(火) 21:58:16.76 ID:UeAzgr6P0
- ちゃらちゃらしてるけど人当たりがいい奴はいいな!
萌え
- 774 :風と木の名無しさん:2013/01/08(火) 21:59:27.55 ID:imu+e6ADO
- かわいい
委員長もいいキャラだわ!
- 775 :風と木の名無しさん:2013/01/09(水) 00:40:29.48 ID:741HmQ/c0
- 可愛いなGJ
お礼に勉強教えてあげて、成績良くなって感謝されればいいよ!
- 776 :風と木の名無しさん:2013/01/09(水) 21:36:08.66 ID:s9vvk1KQi
- まわまわし!
- 777 : 忍法帖【Lv=40,xxxPT】(1+0:3) :2013/01/09(水) 21:45:15.33 ID:Qsj/3GFR0
- まわすか
- 778 :風と木の名無しさん:2013/01/09(水) 21:51:22.32 ID:TDV7mFqp0
- 踏み台
- 779 :風と木の名無しさん:2013/01/09(水) 21:54:37.78 ID:/nJa4EQC0
- 一番知られたくないこと
- 780 :風と木の名無しさん:2013/01/10(木) 00:29:27.15 ID:ZfN/toTK0
- 踏み台
- 781 :風と木の名無しさん:2013/01/10(木) 17:32:26.15 ID:/zf1qPO0i
- 拝啓
中野君、まだまだ寒いですがいかがお過ごしでしょうか。
僕は元気です。いま、北海道にいます。
君は顔もガッカリですが好みもガッカリなので、日本3大ガッカリスポットの時計台の写真を同封します。喜んでくれるかな?
さて、僕がなぜ北海道なんかにいるかというと、面と向かって話す事も出来ない話ですし、この手紙を受け取った君がすぐに僕の元へ訪ねてくる事も出来ないように出来るだけ遠くに行こうと思ったからです。
僕はこれから君に一番知られたくなかったことについて、決心を決めて書こうと思います。
君は、顔は本当に地味で、特徴がなくて、身体つきも中肉中背、黒髪短髪という全くといっていい程個性がないヤロウですね。
親近感が湧くのか知りませんが地味なものやガッカリスポットを好み、友人も似たようなヤツばかりですね。僕を除いて。
その点僕はどうですか。顔もイケメンですし、背も高くていい感じに筋肉もついていますし、比較的派手なものが好きで、友人も老若男女を問わず沢山います。
君は僕のことをナルシストだと言いますが、根拠に基づく自信はあって当然ではないでしょうか?というわけで性格も良く、モテる。
そんな僕が唯一誰にも、そして誰よりも君に一番知られたくないことは、地味で地味で仕方ない君に怒られたり毒を吐かれたりする事が、人生で一番の喜びだという事です。
ああ、書いてしまった。白鳥雄一郎、一生の不覚。
これは恋なんでしょうか?気づきたくなかったですが仕方が無い。僕は潔いの良い男です。イケメンですから。
まあ、そんなわけです。君はきっと恋愛対象も地味な子なのでしょう。イケメンな自分を恨んだのは初めてです。
この手紙を読んだあと僕に会ったら、僕の告白には触れず、「手紙に自分の事イケメンて書き過ぎなんだよ死ね」とか、「俺のこと地味って書くんじゃねぇクソが」とか、いつも通りに言って下さい。
それが、僕が一番愛している君です。
月曜日にはそちらへ戻ります。それではまた、大学で。
白鳥雄一郎
- 782 :風と木の名無しさん:2013/01/11(金) 11:24:01.67 ID:y9lfnT8s0
- キャラ設定が面白いですねえ
中野くんが地味にいい
GJでした
- 783 :風と木の名無しさん:2013/01/11(金) 17:42:14.63 ID:mTPjGI3q0
- まわしゃす
- 784 :風と木の名無しさん:2013/01/11(金) 20:33:50.38 ID:9QF67uYyI
- まわしー。
- 785 :風と木の名無しさん:2013/01/11(金) 21:49:05.39 ID:kv9SNZmN0
- まわすのです
- 786 :風と木の名無しさん:2013/01/11(金) 23:21:12.31 ID:r20yfQKg0
- ぐーるぐる
- 787 :風と木の名無しさん:2013/01/11(金) 23:55:09.38 ID:YP6Z5By1O
- 白鳥のキャラがいいね
ずけずけ物を言う変なナルシスト野郎って好き!
- 788 :風と木の名無しさん:2013/01/12(土) 00:12:30.56 ID:KCAfO+sh0
- 踏みたいんだろう?(ドヤ
- 789 :風と木の名無しさん:2013/01/12(土) 00:22:03.32 ID:QbabnLGO0
- そんなに好きって言わないで
- 790 :風と木の名無しさん:2013/01/12(土) 00:27:38.29 ID:BcE583vY0
- まわし
- 791 :789-1/4:2013/01/12(土) 17:10:41.99 ID:rehVTSpy0
- 数年ぶりに対峙した元恋人は、記憶とは変わった姿で、思い出とは変わらぬ雰囲気で俺の前に現れた。
この世の全てを愛しているかのような視線を、どこに向ければいいのか戸惑っている。
「矢野くん」
部屋に響く横山の声が、俺の体中に共鳴し、染みて行くのがわかった。
懐かしい声。横山の声。
「なにから話せばいいのかな、ちょっと急すぎて、考えてなかった」
横山がなぜか嬉しそうに照れ笑いをする。
それが妙に苛立たしく、俺は「なんでもいいよ、どうせたいして話すことなんかねえだろ」と毒づいた。
そうだ、大して話すことなどないはずだ。
俺と横山が「恋人のようなもの」だったのは、7年前、中学時代の数ヶ月間だけだ。
思春期丸出しの、青臭い付き合い。何があった訳でもなく、ただ「同類だ」とお互いが気付いた。今考えてもあれは恋ではなかった。
「手を繋いで、帰ったのを覚えてる?」
「…覚えてるよ」
「9月かそこらの、少し寒い日だったね。友達に見つからないように回り道して、暗くなってから手を繋いで帰った。それで」
そう、それでおしまいだ。
横山の言葉を遮るように、俺の中にある記憶と罪悪感が溢れてくる。
数ヶ月少しの言葉を交わすのみで、それからやっと一緒に帰ろうと約束をした。
そして手を繋いで、帰って、次の日に気恥ずかしくなって俺が横山を無視するようになった。それでおしまい。
だからこそなぜ俺がこうして横山の話を聞いているのかが不思議でならなかった。なぜ今、なぜ俺なんだ。
- 792 :789-2/4:2013/01/12(土) 17:12:28.16 ID:rehVTSpy0
- 「僕はね、あのとき思ったんだよ」
横山の声が部屋一杯に広がる。恋ではないが、横山の声はいつ聞いても心地いい。
「矢野くん、僕はあの時ね、君を幸せにしたいと思ったんだ」
「…なんだよ、それ」
「君の指先がね、震えてるのを感じたんだ」
「寒かっただけだろ」
「横を向くとね、暗い中で君が真っすぐ前を見てた。それであの時、僕は一人じゃないんだって、思ったんだよ」
ただの錯覚だ、二人とも同士なんて存在に安心してただけだ。そんな言葉が頭を過ぎるが、口からは出てこない。
代わりになぜか涙がこぼれた。横山は構わず続ける。
「だから僕は、君を一人にさせないって、幸せにしたいって思ったんだ」
「……一人にしたじゃねえか、適当なこと言いやがって」
「矢野くん、僕は君の震える指と、横顔が好きだった」
「…うるせぇ」
「真っすぐな眼差しと、はっきりした黒い目が好きだった」
「…やめろ」
「それから髪が好きだった。修学旅行の時にはひどい寝癖だった。普段はきちんとしてたのに」
「…なんで知ってんだよ、気持ち悪ぃ」
俺の精一杯の悪態にも、横山は嬉しそうにしている。
「手を握ったときに、君が僕の爪を撫でた。その手つきが好きだった」
止まらない涙で話すこともままならなくなっている俺を放って、横山は続ける。
「それからお返しに僕が撫でた君の爪、大きくて綺麗で、好きだった」
「君の香りも好きだった。なんていうと、ちょっと変態っぽいね、ふふ」
「いつもどこか不機嫌そうにしてた口元も好きだった。いつかキスするのかな、なんて考えたりもしたよ」
「足が速くて、サッカーが上手で。数学が得意で。全部全部、全部好きだったよ」
「でも僕が一番好きだったのはね」
へらへらとしていた横山が、急に改まった顔になった。
釣られて俺も横山を見る。
目が合ったような気がする。
- 793 :789-3/4:2013/01/12(土) 17:13:08.00 ID:rehVTSpy0
- 「僕が一番好きなのはね、君の声だよ」
「横山…言うな、もう」
「僕を呼ぶ声、よく通る声。…それから、一度だけ好きだと言ってくれた消え入るような声」
「横山…」
よく見るといつのまにか、横山の目にも涙が滲んでいた。
「僕はね、あの一度の好きで、死んでもいいと思ったんだ」
「…馬鹿野郎!んなこと思うから、死んじまったんじゃねーか!」
俺が声を荒げても、画面の中の横山は泣きながら微笑んだままだ。
「矢野くん、ありがとう。君に出会えて、僕は本当に幸せだった。これがちゃんと、君の元に届いてるといいな」
「馬鹿かよ……ばか」
遺品と一緒に入っていたのだと、横山の弟から連絡を受けてこのビデオを受け取った。
俺は連絡を受けて愕然とし、半信半疑のまま地元へ戻り、わけもわからぬまま線香をあげた。それから帰りに、実家で埃被っていたVHSデッキを貰い受けた。
3年間、俺は横山の若すぎる死を知りもしなかった。当たり前だ、病気のことだって知らなかった。
数日をかけてやっと意を決したというのにこの様だ。やはり見なければ良かった。
- 794 :749-4/4 連投規制ですすみません:2013/01/12(土) 17:29:03.50 ID:UHf/3+3h0
- 横山はそれから何度か「ありがとう」と言って、別れがたそうな顔をしてカメラのスイッチに手を伸ばした。
それはあの日、言葉も交わさず手を離した、帰り道の彼だった。昔のような罪悪感が胸に広がっていく。
「横山、待ってくれ横山、」
真っ暗になった画面には、子供のような顔をした情けない自分が映っていた。
「横山、横山、好きだ、ごめん。好きだよ横山」
静まり返った室内で一人「好きだ」とうわ言のように繰り返した。
「好きだ、横山…」
「ふふ、そんなに好きって言わないで。わかってるから」
- 795 :749-5/4 連投規制ですすみません:2013/01/12(土) 17:32:18.06 ID:UHf/3+3h0
- 空耳かと思ったそれは、たしかにスピーカーから聞こえてきた。
消えたと思った画面に、光が差し込む。
そこで俺は初めて、横山が俺を抱きしめてくれたのだと気が付いた。
「横山…」
「もう大丈夫だからね。僕も、矢野くんも」
横山はそう言ってスイッチを切った。今度は笑顔で。
俺の涙はなぜか止まっていて、ついさっきまでの胸の重苦しさは消えていた。
「横山」
暗くなった画面を見つめる。
「…ありがとう」
俺はもう一度、今度はきちんと抱きしめ合おうと、ビデオを巻き戻した。
- 796 :風と木の名無しさん:2013/01/12(土) 17:49:59.44 ID:QbabnLGO0
- 死んでしまう前に想いを告げることは出来なかったのか横山…最期にこんな爆弾残して逝くなんて罪な男だよ…
でも最後に救いがあって良かった
感動作GJでした!!
- 797 :風と木の名無しさん:2013/01/12(土) 18:01:28.38 ID:WWdtwKs2i
- わあぁ・・・途中まで普通に普通のラブラブ話だと思って読んでたから
もう、ハッとなりました胸が苦しいわ・・・
横山くんほんと良い男やで!GJ!!
- 798 :風と木の名無しさん:2013/01/12(土) 18:30:59.41 ID:g0a5lvwO0
- 泣いた。せつねー
連投規制きついんだな。乙
- 799 :風と木の名無しさん:2013/01/12(土) 18:53:11.38 ID:xzMOydfy0
- クーデレ受
- 800 :風と木の名無しさん:2013/01/13(日) 15:46:47.01 ID:3bLaV2R70
- お流れ
- 801 :風と木の名無しさん:2013/01/13(日) 18:10:07.42 ID:1A6+d3K70
- あらま残念
- 802 :風と木の名無しさん:2013/01/13(日) 19:09:15.30 ID:Qkc0fcvzI
- まわりゃんせ
- 803 :風と木の名無しさん:2013/01/13(日) 19:28:43.78 ID:k789Yqga0
- まわしまわし
- 804 :風と木の名無しさん:2013/01/13(日) 19:31:25.84 ID:ilZGgavc0
- >■*9から24時間経過でお流れです。
ちゃんとルール守ろうねまわし
- 805 :風と木の名無しさん:2013/01/13(日) 19:57:24.97 ID:Goy4pgVqO
- まわし
- 806 :風と木の名無しさん:2013/01/13(日) 21:14:22.79 ID:pLc+kYQf0
- 時間切れで回すのも一人一回がルールなの?
- 807 :風と木の名無しさん:2013/01/13(日) 21:41:52.59 ID:JXnW08SFO
- お流れの場合はどのみち別館いきだしいいんじゃないかまわし
- 808 :風と木の名無しさん:2013/01/13(日) 21:58:31.36 ID:pLc+kYQf0
- だめだったらごめんもうしないよ
まわして踏み台
- 809 :風と木の名無しさん:2013/01/13(日) 22:01:02.60 ID:J+7GqjDW0
- 頼れる先輩衛生兵
- 810 :風と木の名無しさん:2013/01/14(月) 16:41:55.55 ID:e192bZC90
- >>808
つ ちらしの裏
- 811 :風と木の名無しさん:2013/01/14(月) 22:07:33.45 ID:hTHBReLj0
- お流れまわし
- 812 :風と木の名無しさん:2013/01/14(月) 22:11:54.07 ID:mhub/LIg0
- 残念まわし
- 813 :風と木の名無しさん:2013/01/14(月) 22:57:58.97 ID:QRiKTTIN0
- お題がちょっと難しかったのかな?まわし
- 814 :風と木の名無しさん:2013/01/14(月) 23:02:16.08 ID:A6YzeDOs0
- 残念ーまわし
- 815 :風と木の名無しさん:2013/01/15(火) 01:07:15.83 ID:kx0/mHuq0
- 期待まわし
- 816 :風と木の名無しさん:2013/01/15(火) 05:15:03.73 ID:9zZ2B8KD0
- まわし
- 817 :風と木の名無しさん:2013/01/15(火) 05:15:34.83 ID:9zZ2B8KD0
- まわし
- 818 :風と木の名無しさん:2013/01/15(火) 05:16:28.07 ID:9zZ2B8KD0
- まわし
- 819 :風と木の名無しさん:2013/01/15(火) 06:18:28.37 ID:c5Z2EfG60
- 必死過ぎた告白
- 820 :風と木の名無しさん:2013/01/16(水) 02:51:15.86 ID:hL0kG5IL0
- 「こーや!かえろう!」
「うん。まって、道具箱てさげに入んなくて」
「はーやーくー!」
「ちょっと待ってね、あ、入った」
「よっしゃ!サッカーゴール確保するぞ!ダッシュ!」
「ダッシュ!」
「え、もう5時!?嘘だ!」
「おなかすいたしねぇ」
「嘘だ!」
「鐘なったよ、かえらなきゃ」
「嫌だ!」
「だめだよ暗くなっちゃうよ」
「だめ!こーやもかえっちゃだめ!」
「だってごはんたべないとしんじゃうよ?なんで?」
「だってあしたから夏休みだし!こーやとあそべないし!
おれこーや好きだからずっとこーやと学校にいる!だからかえっちゃだめ!」
「はは、けんくんないてる。おもしろい」
「おもしろくない!ふざけんな!ばか!あほ!」
「だってもうにどと会えないみたいなんだもん。夏休みでも学校きてあそべばいいじゃん」
「あ...」
「ぼくもけんくん好きだよ。こういうのりょうおもい、って言うんだって」
「しらん!あほ!」
「だからかえろー。ほら、手」
「ん!あしたは昼ごはんたべたらうんどうじょうな!」
- 821 :風と木の名無しさん:2013/01/16(水) 04:05:49.23 ID:QN5aibHL0
- ほのぼの萌えGJでした
- 822 :風と木の名無しさん:2013/01/17(木) 00:13:00.41 ID:QRxvko6B0
- ショタ×ショタとは結構なお点前
- 823 :風と木の名無しさん:2013/01/17(木) 04:00:26.76 ID:QGdXVApR0
- まわし
- 824 :風と木の名無しさん:2013/01/17(木) 05:10:13.14 ID:LeJIAfn10
- まわし
- 825 :風と木の名無しさん:2013/01/17(木) 07:22:40.65 ID:4BlfJwEF0
- まわし
- 826 :風と木の名無しさん:2013/01/17(木) 09:00:06.21 ID:cHWScEIO0
- まわしますよー
- 827 :風と木の名無しさん:2013/01/17(木) 09:01:59.39 ID:d9yU6NkB0
- まわし
- 828 :風と木の名無しさん:2013/01/17(木) 09:33:32.22 ID:Hn3a5YnQ0
- 俺、ここで踏まれたらアイツに告白するんだ…
- 829 :風と木の名無しさん:2013/01/17(木) 09:39:17.47 ID:0SPJ8zQa0
- イカ×タコ
- 830 :風と木の名無しさん:2013/01/17(木) 11:51:34.73 ID:YVaBVh910
- 残念お流れ
- 831 :風と木の名無しさん:2013/01/17(木) 13:32:33.92 ID:HDz05Yu7i
- まわし
- 832 :風と木の名無しさん:2013/01/17(木) 16:48:27.29 ID:opmGAXUf0
- まわしまわし
- 833 :風と木の名無しさん:2013/01/17(木) 18:09:58.62 ID:k1ukKXe/0
- 最近せっかちな人多いな…時間見ようよ わざと?
- 834 :風と木の名無しさん:2013/01/17(木) 18:23:59.48 ID:vZ21OAUui
- >>830 一応置いておく
>>1 から抜粋
■*9から24時間経過でお流れです。
- 835 :風と木の名無しさん:2013/01/17(木) 21:56:58.66 ID:e93WqM7X0
- ※*9から12時間経ったので
どちらも優れた擬態能力を持つ海のハンターなんですけど、意外と力強くて小型のサメなら倒してしまうタコにイカは惚れ込んでしまうのです。
惚れ込んだといっても最初は同じ頭足類である親近感と、腕力に対する憧れ。イカはタコは愛嬌ある顔の元気な後輩だなーと思ってる。
でもいつしかイカは知勇兼備なところに惚れ、慕情へと変化していくのですよ。
そして抱きしめたいと思うんだけど、イカの吸盤には棘があって吸い付くと傷ついてしまう。
けれど好きで好きで悶々としているところに、タコが足を一本欠いたままやってきて、
訊いたら大したことないような態度で「ウツボに絡まれたので足を切って逃げてきた」というものだから、
その暢気な物言いにぷつんとキレて思いの丈をぶつけるんですよ。
その思いに絆され、もっと自分を大事にする。でもお前になら傷つけられてもいい、と受け入れるタコ。
でも(種類によっては)イカの方がタコより寿命が短いので(マダコだとだいたい三年、コウイカだと二年ぐらい)、タコは置いて行かれるのです。
死んでしまうのは仕方がないけれど、タコを置いていくことだけが心残りなイカ。
置いていかれたタコは泣訴のように墨を吐いて雲隠れするのです。
- 836 :風と木の名無しさん:2013/01/17(木) 22:04:26.70 ID:LeJIAfn10
- >>835
>抱きしめたいと思うんだけど、イカの吸盤には棘があって吸い付くと傷ついてしまう。
特にここが素晴らしい
萌え語りGJでした!
- 837 :風と木の名無しさん:2013/01/17(木) 22:16:19.78 ID:KMgWZAVP0
- 残念お流れ
- 838 :風と木の名無しさん:2013/01/17(木) 22:18:24.43 ID:QGdXVApR0
- GJ!このスレに相応しい萌え語りだった。
- 839 :風と木の名無しさん:2013/01/17(木) 22:37:51.08 ID:tAzMVX7kO
- 窓越しに見える人
- 840 :1/2:2013/01/18(金) 02:54:21.66 ID:o920V+Rj0
- その人はいつだって、窓の向うに居た。
明治帝の御代に建てられたのだという格式高い洋館の、美しく磨かれた硝子窓に、白い顔がすいと映る。
高い窓の向うのことだから、年の頃はまるで解らぬ。年若い少年のようでもあるし、幼な顔の三十路なのだと説かれれば、そんな気もしてこようかと思う。
何時もほんの少し斜め下を俯いて、額に濡れ羽の髪をかけ物憂げにしている。
果たして彼の人は、黒檀の机に日がな古今の書物でも広げているのか。それとも絹の寝具に半身を起こし、儚くなる日を待つ身であるのかと、私の想像は勝手なままに膨らむばかりであった。
その洋館の傍を走る道は、私のよく通る野道である。
私は山の手で、磁器などを焼く工房に師事していたが、まだとても使い物になる腕ではなかったから、やれ使いだの買物だので、事あるごとに街へ下らされるのは私であった。
その度に、私は窓に映る人影を気にかける。いつからそうであったのか、最早どうでも良いと思う。
あの人の姿を見かけると、どうしようもなく胸が浮立って、同時に酷く心の臓を潰されるような心地になる。
あの人は、どんな人だろう。
どんな声で、どんな風に喋るのだろう。
何を憂えて顔を曇らせ、何を思って窓辺に居るのだろう。
もう一寸でも背伸びれば、あの人を近く見られようか。
獣の耳を持ったならば、その声とは言わずとも、吐息の一つも聞けようか。
日に日に増して胸焦がす想いは、甘美であると同時に苦痛をもたらし、道行きは歓喜であり憂鬱でもあった。
それがその日は、違ったのである。
- 841 :2/2:2013/01/18(金) 02:55:22.54 ID:o920V+Rj0
- いつもの窓にその人はおらず、落胆と安堵を抱えながら先へ進もうとした矢先のことだった。
「もし」
声は佳麗だった。
高くはなく、低くもなく、ただ謡うように明瞭である。
私は何だかくらくらとして、幻を見ているのではないかと思った。眩暈の向うに、窓越しのあの人が立っていた。
「突然に失礼を致します、ですが」
窓越しに目にするような着物ではなく、糊の利いた白いシャツに、洒落たベストと洋装である。急に自分が恥ずかしく、顔が熱くなるような心地がした。
「いつも凝と館を見ていらっしゃる。だから声をお掛けしたのです。山の手の、陶匠のお弟子さんでしょう。この家に興味がおありですか」
「あ、ああ、いえ、その……はい」
あなたに遇いたかったのです、などとまさか口に出来る筈もない。
しどろもどろになりながら頷く私をどう見たのか、その人は優しく微笑んで、それが余計に私の頬を熱くさせる。
「宜しければ、お上がりになりませんか。実を申せば少々退屈をしているのです。……ああでも、もしお忙しいのなら」
「い、いえ、いいえ! 私の用事なんて些細なものです、勿論その、もし構わないのでしたら喜んで」
慌てて言ったので、声が引っ繰り返りそうだった。己のみっともなさに泣きたくなる。
しかし恥以上に喜びが胸を満たして、夢心地になりながら私は招かれた。
ああ。
もしかすれば、眼前のこの人は窓硝子から落ちてきた影法師なのやもしれぬ。
莫迦なことを考えながら、それでも良い、例え相手が妖怪でも構わないと私は思った。
――いつも窓越しに、此処を見る貴方のことを、少し知ってみたかったのです、とはにかんでその人は告げた。
天つ空より降り立った天人の如き窓越しの佳人は、私の心臓を益々捕えて離さなかったのだ。
- 842 :風と木の名無しさん:2013/01/18(金) 10:15:05.09 ID:e8QGp8Z+0
- こういうのを待っていたんです〜!
好みでした!GJ
- 843 :風と木の名無しさん:2013/01/18(金) 18:56:25.21 ID:DjFs+kHq0
- 言葉の流れが綺麗だ...
好きな展開と空気感だ、GJ!
- 844 :風と木の名無しさん:2013/01/18(金) 21:01:49.27 ID:c8zktkz00
- 雰囲気いいね
- 845 :風と木の名無しさん:2013/01/18(金) 21:22:23.62 ID:bSwUaa0s0
- 今回はおまわしさんがこなくてよかったね
- 846 :風と木の名無しさん:2013/01/18(金) 22:17:48.49 ID:jsGbTheDO
- 情景が浮かんだ
GJ
- 847 :風と木の名無しさん:2013/01/18(金) 23:10:51.66 ID:zPy1jhYU0
- 窓の内と外でそれぞれのドラマが...
GJでした
- 848 :風と木の名無しさん:2013/01/18(金) 23:12:51.00 ID:mZTF7Q440
- へいパス
- 849 :風と木の名無しさん:2013/01/18(金) 23:22:42.55 ID:iU/LGTUs0
- 恋のライバル同士だったのに
- 850 :風と木の名無しさん:2013/01/19(土) 04:54:32.43 ID:05coH9mX0
- >>849
「なあ、聞けよって」
「だから聞いてんじゃん、そんで」
見るともなく眺めているだけの雑誌から視線を上げずに答えると、○○はめげた様子もなく再び口を開いた。
窓の外では重く垂れこめた雲が日の光を遮って、辺り一面に夜の気配が漂っている。
凍った天から吹き降ろす寒風がフローリングの床に滲み渡っている所為で何時まで経ってもヒーターの電源を落とせない。
最後に頭痛薬を飲んで何時間になるだろうか。
痛み出した米神に手をやりながらローテーブルに置いた目覚まし時計を横目に見た。
「マジうけるよな、ホント訳分かんねー」
「…お前ホント、最近アイツの話ばっかりね」
「はは、妬いてんの」
妬いてんだよ、と勢いそう返しかけて、すっかり冷えたコーヒーと共に言葉を飲み込む。
人の気も知らずに全く能天気なものだ。
呆れて出た溜息をどう解釈したのか、したり顔で笑みを向けた○○のあからさまなからかいの目を振り切るように重い腰を上げ、玄関へと足を向けつつ捨て台詞のように投げかけた。
- 851 :続850:2013/01/20(日) 01:13:58.45 ID:QvuRBwNH0
- 「晩飯食ってくんだろ、金出せよ」
「え?金取るなんて聞いてねーよ」
「今言いました。作るのメンドいからピザでも取ろうぜ」
放りっ放しの鞄の中から財布と薬と、それに煙草を摘み上げて換気扇のスイッチを押す。
ほとんど喫煙所と化しているミニキッチンは、本来の目的のために使った形跡など欠片もなく小ざっぱりとして綺麗なものだ。
シンクの縁に手を突いて項垂れ、煙を巻き取りごうごうと回るプロペラの音に耳を澄ます。
「火貸して」
いつの間にか寄って来ていた○○に半身を向けて立てば、ただでさえスペースに余裕のない台所が更に狭くなった。
向こうの火口が赤く光ると忽ち独特の甘い匂いがこちらの鼻先にまで纏わりつく。
「でさ、●●アイツ昨日もさ」
「だーからさ、その話はもう聞き飽きてんの、しんどいんだよ、言わすなこんなの。何が悲しくて野郎の口から男の話ばっか…」
くゆらす煙に乗せて、いっそ無邪気に再々口火を切った相手を咎めるがごとく反射的に出た声。
取り繕うよう継いだ台詞の早口に零れていく様が、むしろ自らの思惑を裏切る風に響いてはいないか。
- 852 :続850:2013/01/20(日) 02:11:07.50 ID:QvuRBwNH0
- ふと胸に募った気まずい思いで俺の舌が鈍るのもお構いなしに、言葉尻を踏み躙って○○が次に放ったのは予想だにしない一撃だった。
「抱いてやったら顔真っ赤にして、それ隠しながら声堪えてたよ。すげー可愛かった」
「は?」
「だから、お前が聞きたかったのってそーいう話だろ」
「え」
「好きなんだろ、●●の事。そーいう意味で」
あまりの衝撃に取り落とした煙草がガス台へと転がった。
拾おうと伸ばした手を制して指先を掴まれる。
弾かれたように上げた顔の、すぐ鼻の先で○○が喜色を浮かべ人の目の色を窺っているのを見ると余計混乱が渦を巻いて、頭がどうにかなりそうだ。
奴が缶の口に煙草を押し込んだのと同時、指を握るもう一方の手に力が込められた。
表情は変わらないのに、それはまるで言い逃れや誤魔化しや、反論さえ許さないとでも言うように固く強く。
- 853 :風と木の名無しさん:2013/01/20(日) 02:19:16.19 ID:+DyfXfr70
- 終わりかな?GJ
- 854 :850 終了:2013/01/20(日) 02:40:14.72 ID:QvuRBwNH0
- 呑まれてしまって身動きすらままならない自分が情けなくなる。
「好きなんだろ、知ってたよ。お前ヘンなとこで分かり易いんだもんな」
「意味分かんね…、冗談キツいわ、つーか近いって」
「あんなお人好し、押せば簡単に行けたのにモタモタしてっから、そのクセ焼き餅やいたりしてさ。女々しいよお前。ま、そんなところが好きなんだけど」
話の展開に思考が追い付かず押し黙った俺を置き去りにして、○○は饒舌に言葉を続けた。
「お前の事ずっと見てたんだ。けど、そんな顔見んの初めてだね。やっぱそそるわ、うん、好きだよ」
鼻先で撒き散らされる煙たく甘ったるい匂いに吐き気がする。けれど間髪なく噛み付くようなキスを注がれて、抵抗する気力など俺にはなかった。
- 855 :風と木の名無しさん:2013/01/20(日) 04:59:41.16 ID:1EYmZZKQ0
- 投下乙。でもテンプレ読もうぜ?
まわし
- 856 :風と木の名無しさん:2013/01/20(日) 07:57:34.08 ID:k8Gbeuqs0
- 何か事情があるなら別館のチラシで連絡した方がするなり
0以外への投下に切り替えるなりした方がいいですよ
- 857 :風と木の名無しさん:2013/01/20(日) 08:40:36.50 ID:vmhKzaEJO
- まわし
- 858 :風と木の名無しさん:2013/01/20(日) 08:57:13.75 ID:AH1SOPv5O
- 先行ゲトはあかんよ踏み台
- 859 :風と木の名無しさん:2013/01/20(日) 09:02:07.12 ID:Lqvi3+Qs0
- 有能だけど扱いづらい男
- 860 :風と木の名無しさん:2013/01/20(日) 15:37:12.18 ID:dqkcMXQG0
- テンプレすら守れないのかよ、さすがいつもの人
- 861 :風と木の名無しさん:2013/01/20(日) 22:51:58.96 ID:TBYB4ouN0
- 「有能だが扱いづらい男」はとてもおいしいと思う。自分の萌えツボジャストである。よって語る。
黙って動かなければ普通に見えるのに勿体ない、しかし動かねば有能の意味が無い、という周囲のジレンマ。
このキャラはいろいろパターンが考えられるが、ある側面から大別するならば
『それらの希望失望絶望に対してどのようなスタンスであるか』が一手法ではと考える。
■A■全く気づいてない
周囲の希望失望絶望をまったく意に介してないマイペース型。
有能なのにそれを生かそうという気があまりなく、自分の興味のままに行動する。興味なければ動かない。
一般人にはまったく理解できないポリシーを持っていたりする。
周囲との衝突はあまりないが、ただ言動が稀に(あるいは頻繁に)電波っぽいので
遠巻きに見られていることが多い。周囲と自分の認識差にあまり関心がない。
そのため、言うことが説明不足になりがち。カップリング的にはクーデレ?
■B■すごくわかっている
周囲の希望失望絶望を理解した上で、意の通りには動いてくれないタイプ。
自身の有能ぶりをとてもよくわかっており、能力をどう活かせばいいのか120%理解。
無能だと思った相手に容赦なくそう伝える。塩塗ったナイフで傷を抉る。
傲慢とも思える振る舞いでも周囲が自分を無碍に出来ないとわかっている。
周囲との衝突は日常茶飯事だが、それを楽しんでいるフシがある。
見下し笑い、高笑いが似合う。そんな自分が嫌われているのも十分わかっている。
つまり捻くれ者。場合によってはツンデレかもしれない。
オプション(別側面)としては
α:駄目駄目な面…有能な部分以外は全くの駄目人間であること。例えば生活能力皆無、美的感覚がおかしい、など。
β:全力ポジティブ
〔A〕なら何を言っても嫌味が通じない。本人「ありがとうございます。照れますね」周囲「褒めてねえ!」
〔B〕なら明るい毒舌。天然。「君は無能だな!面白いな!」とか言う。
γ:鬼に金棒…金持ち、親の代からの権力持ち。周囲にとってはある意味泣き面に蜂。
- 862 :風と木の名無しさん:2013/01/20(日) 22:53:02.53 ID:TBYB4ouN0
- そんな「有能だが扱いづらい男」と絡むキャラ。これも色々妄想が広がるが、大別してみた。
□C□扱いが上手いキャラ
扱いづらいキャラに対して「扱いが上手い」とはこれ如何に、と思われるかもしれない。
変人認定されている相手に対し、ほぼ唯一扱いに長けているタイプがこれにあたる。相手に強く出られる。
それゆえ、重宝されたり、同じ変人扱いされたり。
C−a「保護者タイプ」:相手と周囲の緩衝材。あるときは相手を宥め、あるときは周囲から守ってくれる。
C−b「獣使いタイプ」:けっこう厳しいことを言うが、上手く相手の言動を制御できる。対等ツッコミ気質。
□D□なぜか気に入られているキャラ
何が琴線に触れたのかわからないが、扱いづらい男に気に入られてしまったタイプ。
別名、不運男。貧乏くじ。迷惑を被ることが多い。相手のペースに乗せられる。相手に対し立場が弱い。
周囲からは同情されはするが、助けてもらえない。
D−a「助手タイプ」:振り回されているが、基本的に付き従っている。苦労性。
D−b「犬猿タイプ」:本人は毛嫌いしてるのに相手が絡んでくる。胃が限界。
以上
- 863 :風と木の名無しさん:2013/01/20(日) 23:47:47.74 ID:1EYmZZKQ0
- 熱い萌え語りGJ!
有能自覚パターンが好みだw
- 864 :風と木の名無しさん:2013/01/21(月) 00:18:30.81 ID:ARP7BU8q0
- BとD-bが絡んだらおいしいだろうなあ〜と妄想が止まらない!
語りGJです!
- 865 :風と木の名無しさん:2013/01/21(月) 00:47:17.19 ID:qwfMLWjO0
- 好きなタイプはBだ
さらに塩塗ったナイフで傷を抉った後、ハバネロを煎じた傷薬の湿布を貼り付けてくれれば完璧
Bの攻めには、
天然でBの有能さを褒めて、天然でBの性格の悪さをたしなめる保護者と言うのも捨てがたい
複数を選択する系の萌語りは新しい扉を開きそうで楽しいw
B×Daも自分のツボだと気付いた
GJ!!
- 866 :風と木の名無しさん:2013/01/21(月) 07:25:02.26 ID:JLb2sUMM0
- Aが好き
むちゃくちゃ天然な感じのAをいつのまにか好きになってしまったD-aがいいな
自分の気持ちがわからない…!とじりじりしてください
萌え語りGJでした!
- 867 :風と木の名無しさん:2013/01/21(月) 10:15:40.08 ID:SbpTgoDd0
- 自分はC-b×Aが好みだ
苦労性ツッコミ×クーデレおいしいです
Aの意味不明な行動にギャンギャン吠えてたら
ふいに真顔で「君のためだよ」などとデレられて
C-bは顔真っ赤にすればいいよ
- 868 :風と木の名無しさん:2013/01/21(月) 15:14:35.20 ID:JkX4cb6s0
- きっちりしててわかりやすかった
GJ
- 869 :風と木の名無しさん:2013/01/21(月) 15:19:33.65 ID:Lcr+QyCRO
- 巣箱
- 870 :風と木の名無しさん:2013/01/21(月) 18:47:17.93 ID:ip72EpDF0
- 巣箱を覗くと雄鳥が二羽、偽卵を暖めている。
- 871 :風と木の名無しさん:2013/01/21(月) 23:18:58.08 ID:uuf5I8tg0
- 悔しいw
- 872 :風と木の名無しさん:2013/01/22(火) 15:35:58.92 ID:QB7S2AtI0
- まわします
- 873 :風と木の名無しさん:2013/01/22(火) 15:39:33.72 ID:BCpvXH/50
- 本物の鳥しか思いつかなかったまわし
- 874 :風と木の名無しさん:2013/01/22(火) 16:06:33.92 ID:mbnrEZKp0
- 時間経過のまわしついでに
>>870ってここ最近居ついてる嵐なのかな
それとも言葉足らずなシチュ萌え語りなのか
スレも終わりに近づいてるけど、テンプレに荒らしへの対処つけたしとか考えなくていい?
- 875 :風と木の名無しさん:2013/01/22(火) 16:34:00.84 ID:q6Bg8YMP0
- 別館でどうぞ
まわし
- 876 :風と木の名無しさん:2013/01/22(火) 16:40:28.44 ID:jfFOdVtn0
- まわし
- 877 :風と木の名無しさん:2013/01/22(火) 18:05:45.05 ID:R9JqTs770
- まわし
- 878 :風と木の名無しさん:2013/01/22(火) 18:25:46.22 ID:lN6jSm0w0
- 荒らされても輪姦されてもめげない気持ちで踏んでくれ
- 879 :風と木の名無しさん:2013/01/22(火) 18:52:25.87 ID:lCHeS/Nv0
- 月と木星とアルデバラン
- 880 :風と木の名無しさん:2013/01/22(火) 21:17:16.33 ID:oYe/Gzve0
- 「月が綺麗ですね」とアルデバランがいうが、残念ながら木星だった。
- 881 :風と木の名無しさん:2013/01/22(火) 22:17:06.46 ID:hXn5xmGh0
- はいはい
- 882 :風と木の名無しさん:2013/01/23(水) 00:21:28.70 ID:hsycftgY0
- ここ最近嵐が酷いな
- 883 :879-1/2:2013/01/23(水) 11:00:55.27 ID:gZ9FW50p0
- 母が心配している、そう言って帰ろうと、何度も思った。
けれどその言葉は終ぞ僕の口をついて出ることはなく、辺りは夜になっていた。制服とコートだけでは寒い。
僕は冷えた左手をポケットに突っ込みしきりに動かしながら、近江と繋いだ右手を中々動かせずにいた。
横を見ると近江の右手も僕と同じようにコートのポケットに突っ込まれていた。寒さのためか、もぞもぞとポケットが動くのが見えた。
鼻が冷たい。きっと耳も。
近江と繋いだ右手だけが熱い。
「木崎、もう少し遅くなっても大丈夫?」
その時近江の声にこもった、なんとも言えない気持ちを僕は一瞬で理解した。共有した。
そうして僕は、生まれてから今日までと、明日は、今夜は違う。そんなことを確信していた。
「……うん。大丈夫」
近江は僕の手を軽く引いて、青白く光る月の下をぐねぐねと歩いた。
どのぐらい歩いたのか、目を凝らしても街灯が見つからなくなったあたりで、近江は僕を振り返り「今夜の星は綺麗だろ」と言った。
見上げてみるとなるほど、眩しいくらいの月明かりに、星が隙間なく瞬いている。宇宙はさぞや美しいだろうと思わせる夜の風景。
「綺麗だ、すごく」
こんな景色がこの町にあったなんて。
吸い込まれるように感動していると、近江が右手を出して言った。
「オリオン座が見えるだろ?あそこに3つ並んで、そのまわりに広がってる」
「うん」
「そこから斜めに、こう…上がって」
言いながら近江は空を撫でるように、つ、と指を滑らせた。形の良い爪が美しい。
「そこに見えるオレンジの光、見える?あれがアルデバラン」
「アル…?」
「アルデバラン。牡牛座だよ」
それから近江は今夜がいわゆる天体ショーの夜であること、木星や月や太陽の話、アルデバランとプレネアデス星団の話をしてくれた。
それはいつも教室の隅でじっとして、近江の声を拾い上げて聞いていた僕にとっては夢のような時間だった。
近江は時々僕を見ながら、寒空の下でくるくると指を動かしてくれた。近江の話はどれも面白く、彼に恋をしていなくても、それはきっと素晴らしい時間だったに違いなかった。
- 884 :879-2/2:2013/01/23(水) 11:02:50.21 ID:gZ9FW50p0
- 「木崎、帰ろうか」
立ち上がった近江につられそうになる。それは先ほどの予感とは違い、今日までと同じ明日が来ることを意味していた。
僕は躊躇った。結果それは近江の手を少しだけ引く形になった。近江が僕を振り返る。
「木崎?」
言い訳を考えながら今更、「これがイタズラや罰ゲームだったらどうしよう」と、近江にそぐわないことを考えた。
「近江、あの…ありがとう」
後ろめたい気持ちに恥ずかしくなった。近江を好きなこと、近江を信じられないこと。穴があったなら入りたかった。
それらを断ち切って今日と同じ明日を迎えようと決めたとき、立上りかけた僕を近江が押した。思いがけず尻餅をつく。
「近江?」
「違ったらごめん」
言うが早いか近江は、屈んで僕にキスをした。驚いて目を開くと、月明かりに透ける近江の髪と、肩口にはアルデバラン。
僕は繋いだままの近江の手を強く握り、星空に別れを告げて目を閉じた。
オレンジが、一際強く瞬いた気がした。
- 885 :風と木の名無しさん:2013/01/23(水) 11:32:59.94 ID:2EGTansT0
- GJGJGJ!
冬の夜の空気が伝わる様な美しい描写がたまらんです!
- 886 :風と木の名無しさん:2013/01/23(水) 12:16:00.44 ID:6NmBzjWGO
- 綺麗だ…どこかはかなくて、静謐で素敵な小説だ
なんというGJ
- 887 :風と木の名無しさん:2013/01/23(水) 12:17:33.30 ID:ehSAop+KO
- 神 作
- 888 :風と木の名無しさん:2013/01/23(水) 15:36:49.38 ID:HnstGa5QO
- 冬の星空と冷たい空気を感じました
美しい…
- 889 :風と木の名無しさん:2013/01/23(水) 15:46:33.74 ID:6eLmlIfVO
- 本当の顔を知らない
- 890 :風と木の名無しさん:2013/01/24(木) 09:09:50.34 ID:kkfCEEKCi
- 財布を拾ってくれた君は、小さな顔には不似合いな大きなマスクをしていたね。
昔からの気性なのか、不信感を抱かない素直で優しい君は、お礼をしたいと言っても全く受け取ろうとしなかった。
…今思えば、ご飯でもなんてなったらマスクを取らなきゃならないもんね。うん。
それから、連絡先を半ば強引に交換して、根気よく友人関係を紡ぎ続けた。
そんなある日、ポツポツとマスクのお話をしてくれた。
10年前に受けた酷いイジメ。大きな火傷を負わされたという。
「貴方には話したかった。初めて信頼できた貴方には。マスクを取った本当の顔を知ったら、きっと貴方は気味悪がるよ?」
僕は黙って君のマスクを取り、ゆっくりと口付けた。火傷の跡をなぞりながら、それはもう、丁寧に。大切に。
キレイだよ、君の本当の顔は。
そう言うと、君はキレイな涙を流して僕を抱き締めた。
アノ日の涙もイイけど、この涙もいい。痛みと悲しみに藻掻いたアノ日の涙と違っていい。火傷がこんなにも虫除けになってくれたなんて、ああ、良かった。
僕の本当の顔を知らない君が、本当の顔を知ったら、次はどんな涙を流すのだろう?
「大好きだよ、君が何よりも」
- 891 :風と木の名無しさん:2013/01/24(木) 10:53:26.42 ID://JUmjJ70
- ヤンデレ主人公って解釈でOK?
火傷を負ってしまった彼には気の毒ではあるんだけど
腹黒系嫌いじゃないです
GJでした!
- 892 :風と木の名無しさん:2013/01/24(木) 18:18:53.94 ID:uBuXPA3w0
- 攻めが受けに火傷を負わせた張本人?>痛みと悲しみに藻掻いた
とすると、昔からの気性→昔を知ってる
君の本当の顔は→火傷前の顔を知ってる
ってことかな?
- 893 :風と木の名無しさん:2013/01/24(木) 22:53:17.89 ID:1Bl0G0MU0
- いいかんじまわし
- 894 :風と木の名無しさん:2013/01/25(金) 00:42:43.04 ID:DatgC1Dg0
- 途中まで心温まるおはなしかと思ったところにヤンデレ…!
病んでるねドス黒いねハッピーエンドが見えねーよ
でも大好きです エロシーンがドエロそうなカプですね GJでした
>>1 『*0投下後24時間以内の「まわし」は御遠慮下さい。』なのね
今回だと、まわしは25日(金)09:09以降ご推奨なのね 強制じゃないけども
- 895 :風と木の名無しさん:2013/01/25(金) 01:21:38.98 ID:b+iNUrX80
- まさかのヤンデレ展開。傷跡は萌えだと思う…!
二人分の本当の顔なんだね、GJでした
- 896 :風と木の名無しさん:2013/01/25(金) 10:31:39.58 ID:ajaPkf1s0
- 確かにまさかのヤンデレ展開
- 897 :風と木の名無しさん:2013/01/25(金) 10:37:14.24 ID:cuxyq1NQO
- まわーし
- 898 :風と木の名無しさん:2013/01/25(金) 10:56:52.80 ID:cS/hLmZF0
- 俺の屍を……越えてゆけぇっ!!
- 899 :風と木の名無しさん:2013/01/25(金) 11:00:59.44 ID:lGsG/5Uv0
- 「素直じゃなくて悪かったな」
- 900 :風と木の名無しさん:2013/01/26(土) 11:07:35.30 ID:RrgN0PPf0
- お流れまわし
- 901 :風と木の名無しさん:2013/01/26(土) 11:13:02.16 ID:2x96fQTK0
- まわすね
- 902 :風と木の名無しさん:2013/01/26(土) 11:44:38.93 ID:iEZYkD3Ui
- まわすっ!
- 903 :風と木の名無しさん:2013/01/26(土) 13:39:53.77 ID:075XENvJO
- まわまわ
- 904 :風と木の名無しさん:2013/01/26(土) 14:33:08.81 ID:ot6hPuFD0
- まわしー
- 905 :風と木の名無しさん:2013/01/26(土) 14:40:10.85 ID:FXdPxtI70
- まわす
- 906 :風と木の名無しさん:2013/01/26(土) 16:28:02.23 ID:iMJWiFxE0
- まわりまーす
- 907 :風と木の名無しさん:2013/01/26(土) 16:49:55.28 ID:RrGHK7sN0
- 踏み台の踏み台
- 908 :風と木の名無しさん:2013/01/26(土) 17:23:48.99 ID:ot6hPuFD0
- さあ踏んで!
- 909 :風と木の名無しさん:2013/01/26(土) 17:26:01.15 ID:mX+8/YCN0
- 閉鎖的な二人
- 910 :風と木の名無しさん:2013/01/26(土) 18:03:13.24 ID:VU4VX2cf0
- 枯れたおっさんに恋をした
- 911 :風と木の名無しさん:2013/01/26(土) 19:33:02.53 ID:dSa7T/sI0
- ま た 嵐 か よ
- 912 :1/3:2013/01/26(土) 21:31:01.35 ID:VU4VX2cf0
- 「あなたが気になってたんです。」
そう言って悲しげに微笑んだ男の顔を、俺は初めて正面からちゃんと見た。
きれいな顔だと思った。
その男は黒崎という最近アパートの隣の部屋に引っ越してきた男だ。
会うのは時々玄関先ですれ違う程度。
背が高いが地味で、「変なポケットの男」というイメージしかない。
見るといつもコートのポケットが片方だけ妙に膨らんでいるからだ。
今日自分の郵便受けの中に宛先が隣の部屋番号の分厚い封筒が混ざっていた。
黒崎、という名前もそこで初めて知った。
それを彼の郵便受けに適当に押し込もうとしたところにたまたま本人が帰ってきたのだ。
さすがに会釈だけで立ち去るのはばつが悪かったので、
イヤホンで聞いていたiPodを止めて話しかけた。
「すみません、手紙が俺のところに混ざってて」
「ああ、そうでしたか。ありがとうございます」
そう言って黒崎が礼を述べたので、じゃあ、とさっさと逃げようとしたのに呼び止められた。
「お話するの初めてですよね、ご挨拶が遅れてすみません。」
「いえ。お気になさらず」
「いや実はいつもお見かけする度に声かけようかと思ってたんですよ。でも、」
黒崎は言い淀んだ。
「…なんですか?」
正直人と、ましてほとんど初対面の人間と話すのは苦手なのだが、とりあえず先を促す。
「…いつもイヤホンしてらっしゃるから。」
- 913 :すみません2/2です:2013/01/26(土) 21:33:20.00 ID:VU4VX2cf0
- 今までこんなに恥ずかしかったことはない。
どう答えろと言うのだ。
「いつもイヤホンしててごめんなさい」と謝るのか?
イヤホンをすることで他人から話しかけられないように、
周りの音を聞かないように外界を遮断している自覚があった。
だからこそそのことを指摘されてひどく恥ずかしかったのだ。
無言になった俺を見て黒崎は焦る。
「いや、あの、えっと、僕もおんなじなので!」
「…おんなじ?」
困りきった顔をした黒崎が例の膨らんだポケットに手を突っ込む。
「おんなじです…」
出てきたのは文庫本だった。
「小さい頃僕も、読んで集中してるフリすれば
話しかけられなくて良いからって理由で…本をいつも…」
今もお守りみたいに、と笑って、黒崎は俺を見る。
「だから、あなたがそうしてる理由、なんとなくわかって。
…あなたが気になってたんです。」
「え?」
唐突な言葉に驚く。
「…え?あ、あれ?今僕どこまで言っちゃいました?!」
…どう答えろと言うのだ。
- 914 :910:2013/01/26(土) 21:36:17.15 ID:VU4VX2cf0
- ブラウザのリロミスで0を取ってしまいました。
スレ汚し大変失礼しました。
- 915 :風と木の名無しさん:2013/01/26(土) 21:51:30.82 ID:pKopl9X00
- >>910
リロミスでも踏み逃げせず投下してくれてありがとう!
閉鎖的でも「俺」と黒崎にそれぞれ個性があって、色々想像かき立てられる
「俺」も黒崎に徐々に心を開くと良いよー
- 916 :風と木の名無しさん:2013/01/26(土) 22:55:06.76 ID:a45Owj9eO
- わー、すごい!投下されてる!
12時間待ちだと思っててごめんなさい!GJ!
堂々巡り?な感じが面白かった!
- 917 :風と木の名無しさん:2013/01/26(土) 23:05:34.17 ID:mX+8/YCN0
- 投下ありがとう!
素敵な閉鎖的男子に萌えた!GJ!
- 918 :風と木の名無しさん:2013/01/26(土) 23:19:15.84 ID:B4RVfZCz0
- すっげえ萌えた萌えすぎてブルブルしてる
GJ!
- 919 :風と木の名無しさん:2013/01/26(土) 23:26:40.34 ID:gkMF4Jrt0
- 育ってきた環境が違うから
- 920 :風と木の名無しさん:2013/01/27(日) 23:51:44.34 ID:dxDR0Szl0
- 残念お流れまわし
- 921 :風と木の名無しさん:2013/01/28(月) 01:06:32.45 ID:tNFsd5qX0
- まさにすれ違いは否めない
- 922 :風と木の名無しさん:2013/01/28(月) 02:50:36.80 ID:VwCBEZZ0O
- まーわーすーよー
- 923 :風と木の名無しさん:2013/01/28(月) 02:54:11.15 ID:EBgk7hce0
- まわれー
- 924 :風と木の名無しさん:2013/01/28(月) 05:09:23.26 ID:kzNEjEoWI
- 新たな萌のためにまわす!
- 925 :風と木の名無しさん:2013/01/28(月) 06:40:11.65 ID:bJRBb1LgO
- よしまわす
もうそろそろスレも終盤かー
- 926 :風と木の名無しさん:2013/01/28(月) 07:01:11.19 ID:zMiG+RkV0
- まわし
- 927 :風と木の名無しさん:2013/01/28(月) 08:50:53.01 ID:4Esb8VTv0
- まわ
- 928 :風と木の名無しさん:2013/01/28(月) 08:51:43.24 ID:4Esb8VTv0
- し
- 929 :風と木の名無しさん:2013/01/28(月) 09:14:35.39 ID:V/hNekQU0
- 大学生どうし
- 930 :1/2:2013/01/28(月) 20:50:00.74 ID:9xUfA1ka0
- ※会話のみ
「ただいまー!ゆっちーん!メシー!」
「ただいまじゃねぇここはお前んちじゃねぇ」
「いいじゃんほらちゃんと鍋材料買ってきてやったから!」
「ちなみにいくら?」
「白菜88円!ブラジル産鶏肉グラム78円!」
「おーえらいえらい。良いよなーキヨんち。商店街近くて」
「俺自炊しないからあんま興味ないけどなー。ゆっちん俺の部屋住んじゃう?」
「あんなGとお友達になってる部屋はイヤです。
てかメシくらい自分で作れ。いちいちたかるな」
「またまたー。二人で鍋食べられるようにカセットコンロ買ってくれたじゃーん。ゆっちんツンデレ!」
「これは電熱器じゃ火力が足りなかったから仕方なくですー」
「ところで明日ゆっちん3限終わったらなんもないよな?
服買いに行かね?俺バイト代入ったし新しいジャケット欲しい!」
「とか言ってまた俺に変なもん着せて遊ぶつもりだろ。もうキヨのその手には乗らねぇ」
「えーだってゆっちん似合うし楽しいし!行こ!」
- 931 :2/2:2013/01/28(月) 20:50:54.39 ID:9xUfA1ka0
- 「明日はサークルの新入生歓迎会あるからどっちにしろ却下」
「はぁ?今の時期に歓迎会すんの?」
「…4月にさっさと人が集まるリア充テニスサークルと違って
歴史研はジワジワ勧誘を続けてようやくこの前1回生を1人入部させることに成功したんだよ」
「よく潰れないよなー歴研。むしろ感心するわ。で、男?女?可愛い?」
「細く長くしなやかにコツコツとがモットーだ。なんだその可愛いって。女が入ると思うか?」
「そっかそっかふーん!」
「なんで楽しそうなんだよ腹立つなテメェ。ところで明日の一般教養の課題もうやってるよな?」
「え、何それ。」
「オォイィイ。先週の授業一緒に受けたよな?聞いてないわけないだろが!」
「いやー寝てたし!前の日バイト超ヤバくって眠気MAXだったし!それにぶっちゃけ俺あの先生ダメ!」
「じゃあなんであの授業選んだんだよ」
「学部違うからゆっちんと同じ授業取れんの教養だけじゃん!てか課題って何だった?」
「お前こうやって俺に課題のフォローさせるのが狙いか…!」
「え、えー…いや、そういうわけじゃ…。
じゃあ言うけど俺さぁ!ずっとゆっちんが」
「あーはいはいうるせぇうるせぇ。鍋できたからちょっとそこどけ」
「あ、ハイ…。ワーイオイシソウダナー」
「なんだその棒読み。あとで課題教えてやるから拗ねんな」
「拗ねてねーし!」
(いい加減気付くか言わせてくれるかしろ!)
(なんだかんだでキヨに甘いよなー俺)
- 932 :風と木の名無しさん:2013/01/28(月) 21:42:35.57 ID:lIRy/mkj0
- はいはい、いつもの人乙
- 933 :風と木の名無しさん:2013/01/28(月) 21:55:39.55 ID:+wYpzmMp0
- 今後が気になる二人だなぁ…!
ゆっちんは多分すごい鈍感なだけで気付いたら落ちるのも早そうだからもう少し頑張れキヨくん!
押せ押せわんこと鈍感くんの萌えGJでした!
- 934 :風と木の名無しさん:2013/01/28(月) 22:02:34.56 ID:9XCiBS/H0
- 大学生っぽくて可愛い
今後の展開に期待なカップルだね。GJでしたー
- 935 :風と木の名無しさん:2013/01/29(火) 00:18:51.48 ID:1WCUCqoYO
- すごくツボだった…!
GJ!!
- 936 :風と木の名無しさん:2013/01/29(火) 20:51:56.13 ID:WzCx6WVf0
- まわし
- 937 :風と木の名無しさん:2013/01/29(火) 21:07:44.83 ID:i/JYsCIc0
- マワスヨー
- 938 :風と木の名無しさん:2013/01/29(火) 21:08:38.82 ID:E2PlFvEBO
- おれしか!
- 939 :風と木の名無しさん:2013/01/29(火) 21:09:17.97 ID:9xMA7HmH0
- ヒーローのことが気になりすぎる悪役
- 940 :風と木の名無しさん:2013/01/30(水) 19:33:48.42 ID:4DFiyCkg0
- mawashi
- 941 :風と木の名無しさん:2013/01/30(水) 21:28:57.14 ID:jzAqZgcQ0
- はいはいまわし
- 942 :風と木の名無しさん:2013/01/30(水) 21:41:52.69 ID:BK/Bd01i0
- ざんねんまわし
- 943 :風と木の名無しさん:2013/01/30(水) 22:02:44.67 ID:p3MRtbWy0
- ではではまわし
- 944 :風と木の名無しさん:2013/01/31(木) 01:28:38.88 ID:nd/z+lY/O
- まわします
- 945 :風と木の名無しさん:2013/01/31(木) 01:55:55.94 ID:g7V5OLae0
- まわすます
- 946 :風と木の名無しさん:2013/01/31(木) 08:18:26.78 ID:GEHarcyj0
- まわまわし
- 947 :風と木の名無しさん:2013/01/31(木) 11:26:42.91 ID:J27u58n50
- まわし
- 948 :風と木の名無しさん:2013/01/31(木) 12:10:48.22 ID:EzyE7p550
- 踏むかい?
- 949 :風と木の名無しさん:2013/01/31(木) 12:36:06.91 ID:bLlLFkI30
- 従者の秘め事
- 950 :風と木の名無しさん:2013/02/01(金) 03:29:45.60 ID:3gm8eyp90
- 深夜。
屋敷を見回るのは、老齢の執事。
幼い頃奉公にあがり、今では主も3代目。
よく、勤め上げたと己をほめたくなる。
すきま風に体を震わせ、施錠を確認。
異常は無い。
最後に一度、年若い主の寝顔を見て破顔し、そっと離れる。
一番鮮明に記憶に残る、先代と雰囲気が似るようになってきた。
いや、顔立ち自体は、彼の祖父にそっくりだ。
先代が
「なぜ、私を飛ばして父に似た」
と呟いていたのも、覚えている。
懐かしい。全てが。
屋敷で過ごした日々を思い描きながら、執事はようやく、己の部屋へと戻った。
今日の昼には、ここを去る。
少しの心残りも無いように、全てやり終えた。
彼は、寝台の近くにあるテーブルに飾られた、小さな絵を手に取る。
色あせているが、その人は年もとらず、静かに微笑んでいた。
「これが最後です。あとは私が、墓まで持って行きましょう」
その時はまた、私を貴方の隣に添えてもらえますか?
秘めやかな問いかけと共に、執事は主の唇へ口付けた。
- 951 :風と木の名無しさん:2013/02/01(金) 04:34:17.77 ID:iti0Trzd0
- あ…主は誰なんだと気になるじゃないかあ!!
絵だから仕方ないと思いつつ口付けが手か指だったら
自分の中では神萌えだった
心からGJ!!
- 952 :風と木の名無しさん:2013/02/01(金) 05:20:21.48 ID:Y5J+ment0
- こういうの好きだGJ!
- 953 :風と木の名無しさん:2013/02/01(金) 09:25:58.15 ID:zR/5MR3K0
- おお素敵だ!GJ!
- 954 :風と木の名無しさん:2013/02/01(金) 17:46:42.00 ID:e06N8AFD0
- 萌えたGJ!!
- 955 :風と木の名無しさん:2013/02/01(金) 22:04:27.41 ID:gDi90b6x0
- こういうのいいわあGJ!
- 956 :風と木の名無しさん:2013/02/01(金) 23:01:22.62 ID:PA8kIJa50
- ぐるぐる
- 957 :風と木の名無しさん:2013/02/01(金) 23:06:28.50 ID:40HiS5zU0
- まわーすよ
- 958 :風と木の名無しさん:2013/02/01(金) 23:47:37.35 ID:thTlzfnw0
- 1レスで色々想像できて実に濃い
実にいい! GJ!
>1
・感想を書き込みたい人のために、*0投下後24時間以内の「まわし」は御遠慮下さい。
- 959 :風と木の名無しさん:2013/02/02(土) 00:03:26.11 ID:mwnWlb0K0
- 古傷
- 960 :風と木の名無しさん:2013/02/03(日) 00:21:16.50 ID:G4JaVY5xi
- ざんねんまわし!
- 961 :風と木の名無しさん:2013/02/03(日) 01:58:17.04 ID:CKQlHiDl0
- 残念だけどまわし
- 962 :風と木の名無しさん:2013/02/03(日) 02:16:11.49 ID:wKZjLSSE0
- 残念ぐるり
- 963 :風と木の名無しさん:2013/02/03(日) 02:20:20.38 ID:GyQHRwtZ0
- まわし
- 964 :風と木の名無しさん:2013/02/03(日) 10:20:08.33 ID:h0Mgmsfp0
- 次の次で*9締め切りか
- 965 :風と木の名無しさん:2013/02/03(日) 13:40:50.51 ID:Amsl4cCl0
- まわしまわし
- 966 :風と木の名無しさん:2013/02/03(日) 14:27:50.28 ID:mzn8I2+xO
- まわし
- 967 :風と木の名無しさん:2013/02/03(日) 18:06:10.23 ID:cIKJLgEy0
- mawasi
- 968 :風と木の名無しさん:2013/02/03(日) 18:12:17.18 ID:k7UN0sJr0
- /^o^\フッミダーイ
- 969 :風と木の名無しさん:2013/02/03(日) 18:14:34.17 ID:GyQHRwtZ0
- お隣さん
- 970 :風と木の名無しさん:2013/02/03(日) 22:43:09.32 ID:+qv4r6UR0
- 隣にミュージシャン志望の大学生が引っ越してきたのは今年の夏のことだった。
エスニック調の派手なルックスで、引っ越しのあいさつに謎の象かと思われる置物を寄越してきた変わり者だ。
夕方になるとギターを携えて駅前に出かけている。
そこで歌っているところも何度か見た。
歌っているのは決まってラブソング。それも失恋か、悲恋もの。
すこし意外だったのは、その声が甘く抑揚をつけて繊細に響くことだった。
土曜の昼下がり、いつもならひっきりなしに聞こえてくるアコギと甘い歌声が今日はどういうわけか全然聞こえなかった。
いぶかしんでいると、俺の部屋のインターホンがなった。
「狭川さーん」
「あ、お隣の……」
「相川っす、名前そろそろ覚えてくださいね」
何故かお隣のミュージシャン――相川さんがいた。
「何か御用ですか?」
「いや、俺迷惑かなーと思って」
「え?」
「いっつも昼から夕方まで歌ってるっしょ、うるさくないっすか」
「いやべつに……?」
「そうすか、でもこれあげます」
そういわれて差し出されたのは、小ぶりのどんぶりに入ったカレーだった。
「いや、なんか悪いな……・ただでいつも聞かせてもらっているのに」
「……狭川さん、変な人っすね」
お前に言われたくないわ、とは言わず「はあ」と適当に返すと相川さんはそのまま隣の部屋へ帰っていった。
そのあと、余った白米をどんぶりにつっこみ食べているとギターの音と一緒に歌声が聞こえてきた。
いつになく、アップテンポな曲は普段とは違い幸せな恋の歌だった。
- 971 :風と木の名無しさん:2013/02/03(日) 23:38:49.44 ID:objzvp3y0
- 相川さん可愛い可愛いー!!!萌えた!
カレー渡せたの嬉しくてアップテンポな曲なんですね!
ご馳走さまでした!
- 972 :風と木の名無しさん:2013/02/04(月) 00:52:05.70 ID:0qoI4D2Q0
- これはwわかりやすくてかわゆいw
狭川さんに女友達を部屋に連れこんでみて欲しいw
どんなの弾いてくれるんだろう
GJでした
- 973 :風と木の名無しさん:2013/02/04(月) 01:47:38.14 ID:FqwduiuA0
- >>970を読んで相川さんかわいすぎる…って悶えてさらに>>972を読んでなにその展開読みたい!と悶えてしまった
素敵でした!
- 974 :風と木の名無しさん:2013/02/04(月) 03:38:48.88 ID:7u1bfHDOO
- かかか可っ愛いなおい…!!
挟川くんも相川くんも良いわぁ…王道好きだ…うはぁ…
この二人の長編はどこに行けば読めるんですかね
まずは>>972の展開からだ…!
個人的にお隣さんシチュがものっそ大好物なので、*9さんもすごくありがとう
激しくGJでした!!
- 975 :風と木の名無しさん:2013/02/04(月) 15:46:06.77 ID:tkskSQbw0
- さくっと可愛いわー
名前覚えてもらえないのが寂しいねw
GJでした!
- 976 :風と木の名無しさん:2013/02/04(月) 19:41:58.39 ID:/e3bLp4Yi
- 可愛いwwwどっちも初々しく始まりそうだ。
狭川さんが「(相川さんの曲)好きだよ」とか言ったらどうなるのだろうか。
- 977 :風と木の名無しさん:2013/02/04(月) 23:57:10.98 ID:L6UKK+Da0
- 隣人シチュいいな〜
妄想が膨らんで堪らんGJ!!
- 978 :風と木の名無しさん:2013/02/05(火) 03:20:54.64 ID:QB+RpL9w0
- さあ踏め!
- 979 :風と木の名無しさん:2013/02/05(火) 03:27:35.33 ID:d7mcYEfc0
- 高給アルバイト
- 980 :風と木の名無しさん:2013/02/05(火) 19:18:22.88 ID:qU+njpee0
- 「本当にこの薬飲んだら5万なんだろうな?」
「当たり前だろ、僕が嘘ついたことあるかい?」
「つきまくりだろ。メンマは割り箸煮込んだのっていうの俺中学まで信じてたんだからな」
「ばっかだねえ」
「うるせえ」
「まあまあ早く飲んで。今度のはかなり安全に作った自信作なんだ」
「どーだか」
「どう?」
「うーん、特に変化はねえな」
「ありゃ、失敗かな?」
「どういう薬だったんだよ」
「え? ありていに言うなら惚れ薬かな」
「へ!?」
「どうだい? 効いてる?」
「は!?」
「だーから、薬効を聞いてるの。
今すぐここで、『お前が好きだ』って言ったらバイト代は2倍にして指輪もつけてあげる」
「な、何いって……」
「ねえ、僕のこと――好き?」
- 981 :風と木の名無しさん:2013/02/05(火) 22:13:53.55 ID:MGpyAeDL0
- まあ・・・・・・・・・・・・・・・取り合えず乙
- 982 :風と木の名無しさん:2013/02/05(火) 22:40:26.24 ID:mVtyAKpIi
- アルバイト代払ってでも両思いになりたい変わり者と純粋ツンデレ気質。素敵じゃまいか!
個人的に、惚れてる人間に惚れ薬与えても意味ないよ展開を希望する!
GJ!
- 983 :風と木の名無しさん:2013/02/06(水) 00:17:44.75 ID:c+QRax2R0
- 続きがすごい気になるなぁ
薬は失敗でこれから自分の言葉で落とすも良し、>>982の展開になるも良し
想像もとい妄想のしがいのある萌えをGJでした
- 984 :風と木の名無しさん:2013/02/06(水) 14:47:37.34 ID:x3DntHY70
- うへへへ、いいねえ ほんとに続きが気になる
ツンデレがツンのまま、薬のせいで惚れたんだっつって
本音を隠したままのジレジレ展開もいいな〜
GJです
- 985 :風と木の名無しさん:2013/02/06(水) 19:42:33.63 ID:+OUxEFoZ0
- 次スレまでまわします
- 986 :風と木の名無しさん:2013/02/06(水) 22:02:40.34 ID:+oN3GOWT0
- GJ!
今スレも良萌えが盛り沢山でした!
次スレにも期待!
- 987 :風と木の名無しさん:2013/02/06(水) 22:52:29.01 ID:KuFJR+i+0
- じゃあスレ立て挑戦してみるね
- 988 :風と木の名無しさん:2013/02/06(水) 23:00:42.13 ID:KuFJR+i+0
- *9が指定したカプ・シチュに*0が萌えるスレPart26
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/801/1360158879/
立ちました
このスレの>>2のチラ裏は801板のチラ裏みたいだね
したらばに直したけど良かったんだよね
- 989 :風と木の名無しさん:2013/02/06(水) 23:08:43.37 ID:KHtfig9m0
- スレ立て乙、次スレも盛り上がるといいな
- 990 :風と木の名無しさん:2013/02/06(水) 23:14:41.58 ID:az8PY8XL0
- スレ立て乙でしあた
- 991 :風と木の名無しさん:2013/02/06(水) 23:24:48.01 ID:ksoyzXFF0
- >>988
乙でした!
今スレも素晴らしい萌ばかりでありがとうございました!
次スレも楽しみだ
- 992 :風と木の名無しさん:2013/02/07(木) 00:24:39.39 ID:TITmtsNL0
- 梅
- 993 :風と木の名無しさん:2013/02/07(木) 00:25:18.45 ID:TITmtsNL0
- 梅
- 994 :風と木の名無しさん:2013/02/07(木) 00:25:55.77 ID:TITmtsNL0
- うめ
- 995 :風と木の名無しさん:2013/02/07(木) 01:24:36.34 ID:at8XsXCe0
- >>988
スレ立て乙です!
うめうめ
- 996 :風と木の名無しさん:2013/02/07(木) 01:58:31.86 ID:Q6qSQcGt0
- うめましょ
- 997 :風と木の名無しさん:2013/02/07(木) 02:14:36.63 ID:Xk2EsrCA0
- うめ
- 998 :風と木の名無しさん:2013/02/07(木) 02:35:51.66 ID:N5Y9wCiT0
- >>988
乙!
梅梅
- 999 :風と木の名無しさん:2013/02/07(木) 03:48:40.45 ID:TITmtsNL0
- うめ
- 1000 :風と木の名無しさん:2013/02/07(木) 03:51:13.00 ID:TITmtsNL0
- うめ
- 1001 :1001:Over 1000 Thread
- ::: ヾ ;;; ,;:"
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このスレッドは桜にさらわれました。
月が見てるので、新しいスレッドをたててくださいです。。。
カオスでマターリ http://yomi.bbspink.com/801/