主人公備府民雄は高校生である。オンラインMMO・TERA WAROSにて名前:VIPMINで楽しく毎日を過ごす毎日 ある日その仲のいいメンバーでオフ会をしようと†Sefirosu†が持ちかけてきた。 場所は供雁村と呼ばれる山奥の田舎の村 宿泊する場所は洋館を改造した別荘。場所は隔離されており、車での通行は困難週2本しか通らないバス停から歩いて1時間の距離がかかる。 そこで宿泊してその村に多く存在する旧跡をまわっていこう、というのが発案者である†Sefirosu†の提案であった。 一行は1週間後、午後1時にとある指定された駅にて集合する。 民雄が行ったところ先に場所にいたのは二人だった。 一人は大学1年生である湯川 鳥美、は載るハンドルネームはかもめ。 可愛いルックス抜群でおっぱいもでかいでしばし鳥美を視姦する民雄であった。 もう一人は瀬名 仁。高校生ぐらいで眼鏡を掛けたしがない好青年といった感じだ。 ハンドルネームはparadox。 やがてやってきたのは四房 一。美形の少年だった。 その後他のメンバーも集まってきた。 だがここでみんなの間にある疑問が浮かんだ。 「†Sefirosu†はどこ……?」 このツアーの幹事であり、発案者である†Sefirosu†がいないのだ。 ギルドの面々に話しかけても誰が†Sefirosu†なのか知らないのだという。 途方にくれていると背後からいかついダンディーなおじさんが話しかけてきた。 「どうも、わたくし大塚明男と申します」 そういった男は、このツアーの主催者であり、現在行方不明中の†Sefirosu†から、 一行の誘導を一任されているのだという。 俺たちはともかくも、この怪しい大塚明男という人物の後ろについていくことにした。 駅で電車に数時間乗り、そこからバス停に赴いてバスを1時間乗り、 そこからまた1時間歩いて山中への別荘へとたどり着くのだ。そこはかとなく遠い距離だ。 バスの中で揺られてると隣に座った。男性が話しかけてきた。 「アナタ、コレ、食ベマスカ?」 いかにも中東系の顔をしてるこの男、体中からいかにも怪しい雰囲気かもし出している。 名前はアダムス・ラディン、どうやらイラン人らしい。 渡されたものはチョコとも飴にも似つかない、なんだか怪しいものだったが、 俺は怖かったのでそれを丁寧に断ることにした。そのときのラディンは悲しそうな顔をしてた。 バスから下りたらさらに別荘目指して山道を歩く。 歩けば歩くほど森の密度は濃くなっていき、こんな所を真夜中に歩いたら迷いそう、というか 何か恐ろしいものが出そうな感じである。 真っ先にねを上げたのは江藤しずるだ。眼鏡を掛けていて体はいかにも見るからに華奢だ。 普段からこういった運動に慣れていないのだろう。歩きながら不満をぶつぶつと漏らす。そしてそれを横から鳥美が宥めていた。 「なに、こんなことぐらいでねを上げてるの? もういやだわあ」 そんな口調で喋ってるのは月山剛、という名のお嬢さん。というかおかまのおっさんだ。 体は大柄でいかにも体育会系、といった感じ。話しによると体操の種目で国体に出た経験もあるらしい。 となると反射神経も相当優れているのだろう。 「皆さんつきましたよ」 とうとう歩きつかれてみんな何も喋らなくなった頃、先頭の大塚さんが目の前を指差した。 それは見るからに歴史の面影がある古びた洋館だ。大塚さんによると、明治時代に富豪によって建てられたこの洋館を、 最近になって別荘として改装したのだそうだ。 到着した頃にはもう既に腕時計は午後5時を回っていた。 俺たちは疲れた体を癒すためぞろぞろとその古びた洋館、もとい別荘に入っていった。入り口の大きなドアは開くとギギイィと大きな音が鳴る。古びているせいだろう。この音の大きさじゃそう遠くない人の耳にも聞こえるかもしれない。 部屋割りが発表される。 俺と四房さんが2階の102号室、阿部さんと月山さんは101号室で、ラディンさんと瀬名さんが103号室。 女性人である鳥美と江藤しずるが3階の201号室らしい。 大塚さんは1階にある管理人室で寝起きをするらしい。 「皆さん、疲れたでしょう。部屋でゆっくり休んで6時になったら1階の食堂に来てください。 そこで夕食を振舞いましょう」 俺と四房はしばらく自分の部屋で休んでいることにした。四房さん、結構これが可愛いことに俺は気づく。 いやしかし俺はホモっ気は決してない。可愛いおんにゃのこの方がずっと好きだ。 ……のはずなのだが結構可愛い。女装させたりしたらさぞ可愛いだろう。 時計の短針が丁度6時と7時の間を示した。みんなぞろぞろと1階に下りてくる。 テーブルを見ると大塚さんが作ったらしい豪勢でいかにもうまそうな食事がテーブルに載っていた。 「私ひとりでつくったわけじゃないんですけどね、こちらの綾代さんも手伝ってくれたので」 さっきは姿は見えなかったがどうやらツアーで大塚さんと同じくここで住み込みで働くメイドの綾代瞳さんらしい。 部屋は1階で、大塚さんとは別の部屋で宿泊するそうだ。 みんなでテーブルの上の旨そうな食事を手にする。口の中に入れると確かにうまい。絶品だった。他の人も大塚さんが作った食事に口々に舌鼓をうっていた。 みんな旨そうに食事を平らげていた頃、大塚さんがちょっと小話をするかのように口を開いた。 「皆さんはこの村に伝わる、首狩り伝説というものを知っていますか?」 首狩り伝説? 少なくとも俺は知らなかった。 「いいですか、この地方には神隠し伝説があってですね。日ごろの行いが悪いと神隠しにあうんです。 そしてしばらく行方をくらまして……、発見されたときには首が無くなった状態で発見されるんですよ」 しんと静まり返る一同。はは……、大塚さんも冗談キツいな 「それにですね、それにまつわるわらべ歌もちゃんと伝わってるんですよ」 そういうや否や、コホンと咳払いをしてその伝わってるわらべ歌とやらを歌ってみせる大塚さん。 それは本当に聞いているだけで気分が悪くなる、気味が悪い歌だった。 「首狩りしましょう そうしましょう 一にあほうが くびかりしんで――――」(考えてない) 「ま、所詮こんなの伝説の粋に過ぎませんがね、さあ皆さんまだ夜はこれからですよ。いっぱい食べて飲みましょう」 そういって大塚さんは静まり返った場を茶化すように言った。だが俺の耳からまだあの気味の悪いわらべ歌が離れなかった。 「おっと、俺たちは先に部屋に帰ってるぜ」 そう言ったのは阿部さんで、その隣にいるのは月山さんだ。 「ちょっと気分が悪い感じなの、みんなごめんネ!」 そういってお嬢さん、じゃなかったおっさんと阿部さんは部屋に戻っていった。 食事が終わって、軽く雑談を俺たちはした。 驚くべき事実があったんだが実は四房さんのハンドルネームは亜美ということが発覚。 今までゲーム中でネカマをしていたというのだ。 俺は亜美はずっと女とばかり思っていた、瀬名さんはその事実をどうやら知っていたらしい。 「そっか、ネカマかあ。まあ俺も昔はよくしてたしなあ」 ええ、備府もネカマしてた時期があるの? なんか気持ち悪いね? と女性陣から非難轟々。 じゃあ四房さんはどうなんだと言って見たら、四房さんは可愛いからいいもんねー、 ってなんじゃそりゃ。 それはともかく大塚さん曰くなんでも明日はこの村の古跡巡りをする予定という、 なんでもこの村にはその手の遺跡が各地に数多く存在するのだそうだ。 そして順番に別荘のお風呂へ、女性人が先に入って男性人がその後に。 大塚さんと綾代さんはその後に入るという順番に決まった。 館自体は古いようだが、案外風呂だけは綺麗だった。俺は風呂から上がると部屋へと席をたったぱなしの阿部たちさんの部屋のところへいった。 ノックをしても返事がない。仕方がないので俺はドアの前で呼びかけてみた。 「阿部さんー、月山さーん、風呂が空きましたよ?」 しばらく部屋の中からがさごそという物音が聞こえた後に 「すまない、今からいくよ」 という阿部さんの声が聞こえた。どうやら部屋の中にはいるようだ。 俺はあくびをしながらそのまま部屋の中へと入り、疲れたので寝た。時刻は午後10時くらいだった。 朝、目覚めると四房さんがいなかった。荷物はまだ部屋の中にある。